雪歩「真ちゃん私ね、実は男の子が大好きなの」 (121)

真「えっ」

雪歩「……」

真「あ、そ、そうなんだ……」

雪歩「……」

真「もしかして、相談したいことって……」

雪歩「……」コクン

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真「じゃあ、男の人が苦手っていうのは……」

真「嘘、ってこと?」

雪歩「ううん、それも本当」

真「え?」

雪歩「何て言うか、私……」

雪歩「男の人は苦手なんだけど、ホントはそれ以上に男の人に興味あるの」

真「あ、ああ、そう言う事か」

雪歩「このこと、まだ誰にも話したことが無いんだけどね?」

雪歩「何て言うか、最近ちょっと不安になってきちゃって……」

真「うんうん」

雪歩「でも、こんなこと誰にでも話せないから」

雪歩「できれば、真ちゃんに聞いてほしいなって……」

真「もちろん、全然かまわないよ」

雪歩「本当!?」

真「うん、ボクでよかったら、話してみてよ」

雪歩「そ、それじゃあ……」

雪歩「うーんとね、えーっと……」

雪歩「どこから話せばいいか分からないんだけど……」

真「ゆっくりでいいよ」

雪歩「じゃ、じゃあ、まず、小学生の頃の話からするね」

真「うん」

雪歩「わ、私、小さい時は実はそんなに男が苦手だったわけじゃなくて」

雪歩「それが段々怖くなってきちゃったのって小学生の時くらいからなんだ」

真「うんうん」

雪歩「1、2年生の時は仲良くしてたりしたんだけど」

雪歩「高学年になるにつれて、クラスの男の子たちに段々いじわるされるようになってきて」

真「いじわる?」

雪歩「うん」

雪歩「今考えても私、何もしてないと思うんだけど……」

雪歩「急に私の席に来て、おっきな声を出されたり」

雪歩「逆に私から話しかけに行っても、冷たくされたり」

雪歩「あと、リコーダーを取られて、そのまま持って帰られたり……」

真「あー……」

雪歩「そ、それで私、何にもしてないのにって思って、悲しくなって……」

雪歩「でも、女の子の友達とはそう言う事は無かったから」

雪歩「いじわるしてくる男の子たちが、すっごく怖くなっちゃって……」

真「なるほどね、うん」

雪歩「多分、私が男の人が苦手なのって、そのころからだと思うんだけど……」

真「中学ではどうだったの?」

雪歩「中学……」

雪歩「……ううっ」

真「そ、そんなに嫌なことがあったの?」

雪歩「え、ええっと……」

真「話したくないなら別に……」

雪歩「……ううん、話すよ」

雪歩「……中学生になったら、小学生の頃よりは少しそう言う事もなくなって」

雪歩「結構普通に話してくれる男の子もいたの」

真「そうなんだ」

雪歩「うん、でも……」

真「でも?」

雪歩「1年生の冬くらいにね、私、同じクラスの子から告白されて……」

真「告白……」

雪歩「うん、それで、その子って私がクラスで、他の男の子よりちょっと多くおしゃべりしてた子なの」

真「へえ……」

雪歩「クラス委員の子でね?とってもいい子だったんだけど……」

雪歩「私、その子の告白、断っちゃって……」

真「断っちゃったんだ」

雪歩「うん……」

真「それはどうして?」

雪歩「あ、あの私……」

雪歩「話せる子もいたけど、やっぱり男の子は苦手だったし」

雪歩「その子とも、ただの友達だと思ってたから、びっくりしちゃって……」

真「そっか」

雪歩「それに」

雪歩「告白される前の日にね?お父さんが夜遅くに帰って来て、居間で騒いでたの」

雪歩「『雪歩は嫁にやらん!雪歩に手を出す男は全員埋める!』って」

真「ああ、うん……」

雪歩「それが凄い声で、私、自分の部屋で震えてて……」

雪歩「もちろん、お父さんも酔ってたからだと思うんだけど」

雪歩「告白された瞬間に、お父さんの言葉がよぎって……」

雪歩「断らなきゃ!って」

真「なるほど、なるほどね、うん」

雪歩「その子には悪いと思ったんだけど……」

真「……それで、告白をことあった後どうなったの?」

雪歩「う、うん……」

雪歩「そのあと、そのあとね……」

真「う、うん……」

雪歩「クラスで抗争が起こったの」

真「え!?」

真「ど、どういうこと?」

雪歩「わ、私も細かいところまではよく分からないんだけど……」

雪歩「クラスの中では、私がその告白をOKするんだって思ってたらしいの」

真「どうして?」

雪歩「た、多分、普段私が男の子とあんまり話さないのに、その子とはおしゃべりしてたから……」

真「あー、そうか……」

雪歩「それなのに、私が断ったから」

雪歩「その子の友達が、『萩原がこいつを弄んだぞ!』って怒ったら」

雪歩「それで、私の友達が、『雪歩はそんな子じゃない!』って」

真「ああ、うん……」

雪歩「それで、その友達同士が喧嘩し始めたんだけど」

雪歩「その二人がね?クラスでも中心だった二人で……」

真「うわ……」

雪歩「喧嘩が段々クラス中に広がって行って……」

真「男女で大ゲンカ、と」

雪歩「うん……」

真「そっか、そんなことが……」

雪歩「それで、新学期のクラス替えまでクラス仲が最悪のままで……」

雪歩「こんなことになるなら私、最初から男の子となんて仲良くしない方が良いんじゃないかって」

真「思っちゃったんだ」

雪歩「うん……」

真「……ちなみに、高校では?」

雪歩「そのころにはもう、男の子がすっかり怖くなっちゃってて」

真「それで、全く関わらなくなったと」

雪歩「そうなの……」

真「そっかあ……」

雪歩「それに、そうやって関わらなくなればなるほど、余計に怖くなっちゃったの……」

真「そっかそっか、うん」

真「……うーん、そんなことがあったのかー」

雪歩「……」

真「……?」

雪歩「……」

真「……雪歩?」

雪歩「……で、でもね?」

真「うん」

雪歩「わ、私、ホントはね?」

真「うん」

雪歩「中学校の時も、高校でも」

雪歩「男の子、大好きだったの!」

真「」

雪歩「……真ちゃん?」

真「……あ、そっか!そう言う話だったね、そう言えば」

雪歩「う、うん」

真「ご、ごめん、ちょっと面くらっちゃって」

雪歩「ご、ごめんね、急に叫んだりして」

真「うん、ちょっとびっくりしたかな、あはは」

真「あー、えーっと……」

真「そ、それじゃあ、そっちの話も聞いていいかな」

雪歩「う、うん」

雪歩「例えばね?さっきの子の話の続きなんだけど」

真「うんうん」

雪歩「その子、私に断わられた後に、部活始めたの」

真「へえー」

雪歩「2年生に上がってからは、もうクラスも離れちゃったんだけど」

雪歩「夏くらいに、廊下ですれ違った時に……」

雪歩「腕が目に入って……」

真「うん」

雪歩「そ、それで……その腕を見てたら」

真「うん」

雪歩「……触ってみたいなあって」

真「お、おお……!」

雪歩「結局、怖くて声も掛けられなかったんだけど……」

真「そ、それで?それで?」

雪歩「そ、それで終わり」

真「あ、そ、そっか……」

真「じゃ、じゃあ、他の!他の話は何かないの?」

雪歩「え、ほ、他の……?」

雪歩「他の話かあ……」

真「うんうん」

雪歩「あ、あと、これは他の子のことなんだけど……」

雪歩「冬休み前にすっごく声の高かった男の子が、休み明けに急に低い声になってて」

雪歩「私、たまたまその子の斜め後ろの席だったから、授業中にたまたまのどが見えて……」

雪歩「1時間ずっとその子ののど仏を眺めて」

雪歩「……触ってみたいなあって」

真「の、のど仏……!」

真「ほ、他には?」

雪歩「え、えーっと、えーっと……」

雪歩「放課後に部活の男の子たちとすれ違った時に、汗のにおいがいいなあ、とか思っちゃったり」

真「うんうん!」

雪歩「手のきれいな子がノートを書いてるのを、こっそり見てたり」

真「おお!」

雪歩「あ、あと、これは高校生の時の話なんだけど」

雪歩「クラスで男の子がふざけてワイシャツを脱いだ時に、筋肉が付いてて」

雪歩「め、目が離せなくなっちゃったり……」

真「うわー!!」

雪歩「そ、そんな感じかな……」

真「ゆ、雪歩ぉ!」ガシッ

雪歩「え!?ま、真ちゃん!?」

真「いいじゃないか!素晴らしいよ!」

雪歩「え、な、何が……?」

真「乙女だ、乙女だよ!雪歩!」

雪歩「え、え?」

真「ボク、うれしいよ!雪歩がそんなこと思ってただなんて!」

雪歩「そ、そうかな?」

真「うん!」

真「ボク、雪歩って本当に男の人がダメだと思ってたんだ」

雪歩「う、うん……」

真「でも安心したよ!雪歩もちゃんとそういうのがあったんだね!」

雪歩「……そういうの?」

真「だから、異性に興味があったんだねってこと!」

雪歩「ま、真ちゃん!そんなにハッキリ言わないで……」

真「どうしてさ!悪いことじゃないよ!」

雪歩「あ、あと、真ちゃん……」

真「何?」

雪歩「手、手を放して……」

真「手?」

雪歩「う、うん、強く握りすぎだよぉ……」

真「あ、ごめんごめん」パッ

真「えへへ……つい興奮しちゃって……」

雪歩「もう……」

真「で、でも、それだけ嬉しかったっていうか……」

雪歩「うん……」

真「……」

雪歩「……」

真「……」

雪歩「……」

真「……」

雪歩「……変じゃ、無いかな?」

真「全然!変なことじゃないよ!」

雪歩「よ、よかったぁ……」

真「うん!」

雪歩「私、もしかしたら真ちゃんに軽蔑されるかもって……」

真「そんなわけないじゃないか」

雪歩「ほ、本当?」

真「むしろ、ボクに相談してくれて嬉しいよ」

雪歩「あ、そ、そっか……」

雪歩「……えへへ、ありがとう、真ちゃん」

真「へへっ、どういたしまして」

ご飯、そしてシャワー

雪歩「あの、真ちゃん」

真「何?」

雪歩「……もう一つ相談してもいいかな?」

真「いいよ?何?」

雪歩「あのね……」

雪歩「男の子と仲良くするのって、どうやったらいいのかな?」

真「男の子と仲良くする、かあ……」

雪歩「私、ずっと考えてたんだけど……」

雪歩「やっぱり、このままじゃいけないよねって思うんだ」

雪歩「私たちも、もう3年で、来年には大学生でしょ?」

雪歩「だから、その前に、克服したいの」

雪歩「それで、出来れば、男の子のお友達とも遊んでみたいなって……」

真「……」

雪歩「……ど、どうしたらいいかな?」

真「うーん、男友達かあ……」

雪歩「真ちゃんって、私より男の子友達多そうだし……」

真「……うーん、それが、そんなに多いわけじゃないんだよね」

雪歩「そうなの?」

真「うん、だってボク、女子校だし」

雪歩「あ、そっか……」

真「うん、よく会うのなんて涼くらいだよ」

雪歩「そっかぁ……」

真「ま、まあでも!」

真「一緒に考えようよ!どうすれば男の子と仲良くできるかさ!」

雪歩「そ、そうだね!」

真「ボク、結構いつもシミュレーションしてるんだから、任せてよ!」

雪歩「う、うん!」

真「ボクのシミュレーションによると、大事なのはやっぱりあいさつだよ!」

雪歩「挨拶!」

真「うん、だって、毎日挨拶するだけで、ちょっと仲良くなるような気がするじゃない」

雪歩「そ、そうだね!」

真「それじゃ、やってみよう」

真「おはよう、雪歩、今日もカワイイね」キリッ

雪歩「はうぅ!」

真「ホラ、雪歩もやってみて」

雪歩「う、うん」

雪歩「お、おはよう、真ちゃん」

雪歩「……どうかな?」

真「うーん、悪くない、悪くないんだけど……」

真「やっぱり、もうちょっとパンチが欲しいなぁ……」

雪歩「パンチ?」

真「うん、パンチというか……インパクト?」

雪歩「インパクトかあ……」

真「例えばさ、あいさつの前にハプニングが起こるとか」

雪歩「どういうの?」

真「ホラ、よくあるじゃない」

真「登校中に、曲がり角でぶつかる、とか」

雪歩「よ、よくあるのかなあ……」

真「まあ、ボクも実際に見たことは無いんだけど……」

真「無いなら無理やりやって見るしかないよ」

雪歩「無理やりはだめだよぅ!」

真「まあまあ、いいからやってみようよ」

雪歩「え、ええ……」

真「雪歩、ちょっとそこに立ってくれる?」

雪歩「……ここ?」

真「うん、そう」

真「それじゃ、今からボクが雪歩にぶつかるから、後ろのソファに倒れてね」

雪歩「う、うん……」

真「いくよー」

雪歩「……うん」

真「とうっ」ドン

雪歩「きゃあ!」ボス

真「あ!ご、ごめんなさぁ~い!大丈夫ですかぁ~!?」

雪歩「は、はい」

真「えっへへー、綺麗なちょうちょを追いかけてて、前を見るのを忘れちゃいました!テヘ、まこりんうっかり><」コツン

雪歩「え、ま、真ちゃん……?」

真「あ、やだ!私ったら、こんなことしてたら電車に乗り遅れちゃうわ!」

真「あ、アンタのことなんて全然心配してないんだからね!バイバイ!」ダッ

真「で!ここでさり気なく生徒手帳を落とす!」ポト

雪歩「……」

真「ぶつかった男の子が、生徒手帳を拾って」

真「『へえ、あの子菊地真っていうのか……』」

真「『ふふっ、変な子だ……』」

雪歩「……」

真「……ね?」

雪歩「ね?じゃないよぉ……」

真「あ、アレ?だめかな?」

雪歩「うん、ちょっと違うんじゃないかな……」

真「えー?そうかな……」

雪歩「うん……」

真「……それじゃあ、雪歩の考えを聞かせてよ」

雪歩「う、うーん」

雪歩「私も挨拶は大事だと思うんだけど……」

雪歩「でも、もうちょっと、具体的なおしゃべりもしてみたいなって……」

真「具体的なおしゃべり?」

雪歩「う、うん……」

真「例えば?」

雪歩「た、例えば……」

雪歩「きれいなお肌ですね、とか……?」

真「うーん、それって、男の人に言ってもあまり意味がないんじゃないかな……?」

雪歩「そうかな……」

真「うん、それって女の子同士の話じゃない?」

雪歩「うーん……」

雪歩「じゃ、じゃあ……」

雪歩「カッコいいお顔ですね、とかは?」

真「それもどうなんだろ……」

雪歩「やっぱり男の子も、褒めてあげたら嬉しいんじゃないかなぁ」

真「でもそれって、いきなりやることじゃないんじゃないかな……」

雪歩「そっか、そうだよね……」

真「やっぱり最初はさ気軽に『どこか遊びに行きませんか?』とかが良いと思うよ」

雪歩「そっかぁー」

真「あと、ボクがこの前読んだ雑誌には、ボディータッチがいいって」

雪歩「ぼ、ボディータッチ!?」

雪歩「む、無理だよぉ!そんなの!」

真「ボクだってしたことないけど、有効なんだってさ」

雪歩「へ、へえ……」

真「他にも、目を見て笑いかけるといいとかって書いてあったかなぁ……」

雪歩「あ、それは大事だよね」

真「うん」

雪歩「それじゃあ、こんなのどうかな?」

真「どんなの?」

……15分後

雪歩「……みたいな」

真「うん、それいいかも」

雪歩「ホント?」

真「うん、それにさ、その時にもっと……」

……30分後

真「……とかってどうだろう」

雪歩「そ、そんなことしていいのかなぁ!」

真「いけるって!」

雪歩「そ、それじゃあ、もしかしてこういうのも……」

……45分後

雪歩「……み、みたいな……」

真「う、うわぁ、雪歩……」

雪歩「だ、ダメ……?」

真「最高だよ!」

雪歩「ほ、ホント!?」

真「でもボクならそこから……」

1時間


雪歩「いい!いいよ!真ちゃん!最高だよぉ!」

真「ね!ね!いいよね!」

雪歩「うん!すごいよ!」

真「そ、それで、そこからさらに……」

雪歩「う、うん……」

真「背中から抱き付いちゃったりして!」

雪歩「キャー!」

ガチャ

P「ただいまー」

P「……ん?」


キャッキャッ

真「ええ!?み、耳元でだって!?」

雪歩「うん!きっとすっごいドキドキするよ!」

真「す、すごいや雪歩!」

雪歩・真「キャー!」


P「な、何だあれ……」

P「お、おーい……」

真「……あっ、プロデューサー!」

雪歩「お疲れ様ですぅ!」

P「お、おう、二人とも元気だな……」

真「……あ!そうだ」

真「ねえねえ雪歩、プロデューサーに練習相手になってもらおうよ」

雪歩「ええ!?プロデューサーに!?」

真「きっと今話してたこと全部試せば、どれかは上手くいくって!」

雪歩「そ、そうだね!」

雪歩「あ、あの!プロデューサー!」

P「な、なんだ?」

雪歩「じ、実は私たち、男の子のお友達が欲しくって」

雪歩「どうすればお友達になれるか考えてたんです!」

P「そ、そうか」

雪歩「それで、出来れば、プロデューサーの意見も聞きたいなって……」

雪歩「……いいですか?」

P「あ、ああ、別にいいけど……」

雪歩「ホントですか!」

雪歩「じゃ、じゃあ、ちょっと、そこのソファの前に立ってください!」

P「……ここ?」

雪歩「行きますよー」

P「ちょ、行くってなんだ!」

雪歩「えいっ」ドン

P「わっ」ボスッ

雪歩「あっ、いけない、ぶつかっちゃいましたぁ……」

P「いや、雪歩、今自分から……」

雪歩「……大丈夫ですかぁ?」

P「いや、だから……」

ギュ

P「!!」

雪歩「まあ!大変ですぅ!手に怪我が……」

P「……してないから」

雪歩「もしかして、他の所にも怪我してたり……」スッ

P「……雪歩?」

ギシッ

P「!!?」

P「ゆ、雪歩、上に乗るな……」

雪歩「でも、もしかしたら、お顔にもお怪我を……」

P「してない!してないから!」

雪歩「そんなこと言わないで、ちょっと見せてくださいね……」ナデ

P「雪歩、ちょ、マジで……」

雪歩「ほっ、お怪我はないみたいですね……」

P「ないから、無いから降りなさい!」

雪歩「でも……」ナデナデ

雪歩「ふふっ、綺麗なお肌ですね……」

P「雪っ……」

雪歩「それに、よく見たらカッコいいお顔……」

雪歩「あの、すみません……」グイ

P「!?ちょ、近……」

雪歩「もしよかったらぁ……」ボソッ

雪歩「これから私と、遊びに行きませんかぁ……?」ニコッ

P「」

P「」

雪歩「……どうかな?真ちゃん」

真「ゆ、雪歩……」

真「バッチリだよ!最高だ!」

雪歩「本当!?」パァ

真「うん!言ってたことが全部入ってた!完璧だよ!」

雪歩「良かったぁ!」

真「これならきっと、プロデューサーも雪歩と友達に……」

雪歩「ど、どうでしたか!?プロデューサー!」

P「」

真「あれ?反応が……」

雪歩「……プロデューサー?」

P「……」

P「……雪歩」

雪歩「はい」

P「取りあえず、一旦降りなさい」

雪歩「え?あ、はい……」

P「うん、それで、反対のソファに座りなさい」

雪歩「は、はい……」

P「真も」

真「え?」

P「座りなさい」

真「は、はあ……」

雪歩「……」

真「……」

P「……うん、えっとな」

P「今の、何だ?」

真「え、な、何って……」

雪歩「私たちの考えた、男の子と友達になる方法ですけど……」

P「そうか……」

真「1時間くらいかけて、二人で考えたんですけど……」

雪歩「だ、ダメでしたか……?」

P「えーっと……」

P「じゃあ例えばな?もし俺が、さっきのイイ!って言ったら」

P「お前たちは、あれを実際に行動に移してたのか……?」

真「え、えーっと、それはまあ……」

雪歩「そのために考えたわけですし……」

P「誰に?」

真「あ、い、一応ですね、見ず知らずの男性をターゲットに考えてみたんですけど」

雪歩「例えば、その、大学のキャンパスでとか……」

P「……」

P「あー、のさ……」

P「……もう気が付いてるよな?」

真「はい」

雪歩「はい」

P「やりすぎ」

真「はい」

雪歩「はい」

P「何?二人で話しててテンション上がっちゃったの?」

真「はい」

雪歩「はい」

P「悪乗りしちゃったの?」

真「はい」

雪歩「はい」

P「……雪歩」

雪歩「……はい」

P「スコップ下ろしなさい」

雪歩「……はい」

真「……」

雪歩「……」

P「あー、うん、何て言うかな……」

P「別に、男友達が欲しいっていうのも分からなくはないし、それはいい」

P「ただ、そのな?」

P「もっと、ちゃんとした男友達の作り方をしなさいと」

P「そう言う事だ」

P「お前たちなら分かるよな?」

真「はい……」

雪歩「はい……」

P「……まあ、今日のことは誰にも言わないからさ」

P「……それじゃ、俺ちょっと出てくるな」

バタン

真「……」

雪歩「……」

真「……雪歩、ゴメン」

雪歩「え?」

真「……ボクが変なこと言ったせいで、こんなことに」

雪歩「う、ううん、そんなことないよ」

雪歩「わ、私も、楽しくなっちゃって……」

雪歩「ごめんね」

真「……ううん」

雪歩「私、もうちょっと頑張ってみる」

真「え?」

雪歩「もうちょっと、自然な話題で話しかける所から始めてみる」

真「そっか」

真「うん、頑張ろう、お互い」

雪歩「うん」

真「……へへっ」

雪歩「……ふふっ」

真「あ、そう言えばさ」

雪歩「何?」

真「春香が、美味しいケーキバイキングのお店見つけたって」

雪歩「そっか」

雪歩「それじゃあ、今度一緒に行こうね」

P「……」ソー

P「うん、大丈夫そうだな……」

P「それにしても、二人ともやっぱり年頃なんだなあ……」

P「男友達が欲しい、なんて」

P「まあ、二人とも本当はしっかりしてるし、きっと大丈夫だろう」

P「それはともかく……」チラ

P「……」ギンギン

P「……」

P「今日は早く帰ろうっと……」ギンギン


               お・わ・り

はい、ありがとうございました

どちらかというと、やりたかったのは前半部分です

おまけ

雪歩「うーん、自然な会話かあ……」

弟子「あ、お嬢」

雪歩「あ、お疲れ様ですぅ」

弟子「そういえばお嬢、昨日新しいユンボが入りましたよ」

雪歩「本当ですか!」

弟子「ええ、なかなかの操作性でした」

雪歩「明日早速乗ってみますね!」

弟子「ええ、鍵はいつもの所に置いてありますから」

雪歩「はい!」

雪歩「あと、兵器会社が大規模な工業ブランドに着手したって話を聞いたんですけど……」

弟子「ああ、それなんですけど」

弟子「結局、火薬のノウハウを生かした解体爆薬くらいにしか手が伸びないそうです」

雪歩「なんだ、ガッカリですぅ……」

弟子「それじゃ、お嬢、俺はこの辺で!」

雪歩「はーい!ゆっくり休んでくださいね!」

雪歩「ふう……」

雪歩「……はっ」

雪歩「い、今のは自然な会話だったかも……!」

              おわり

おまけも終わり

みんな寝よう

話書くの上手いなーって感じ
他作品教えてくれたら読みます

>>114 雰囲気近いのは
P「最近春香の差し入れがおかしい」
P「なあ真、今日何色のパンツはいてんの?」
とか

自分でお気に入りなのは
美希「ミキなの」
伊織「アンタたち、もうちょっと正しい日本語使いなさいよ」
あたり

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