先輩「…………」カタカタ 後輩「…………」カタカタ(100)

先輩「…………」カタカタ

後輩「…………」カタカタ

先輩「…………」カタカタ

後輩「…………」カタカタ

先輩「…………ふぅ。おーい、そっちはどんな感じー?」

後輩「こっちはもう少しですね。先輩の方はどうですか?」

先輩「俺の方もあとちょっとで終わるから、なんとか今日中には帰れるかな」

後輩「そうですね。あまり遅くなると欲情した先輩に襲われかねないので早く終わらせましょう」

先輩「あれ? 俺ってそんなに信用無いの?」

後輩「男はみんなオオカミですから」

先輩「随分懐かしいなぁそのフレーズ」

先輩「よし、これで一応終わり、かな?」

後輩「――11時47分。なんとか今日中には終わりましたね」

先輩「俺はこれから内容のチェックするけど、後輩は?」

後輩「私の分はとっくに終わってます」

先輩「マジで?」

後輩「私は先輩と違って優秀ですから」

先輩「でも今残業してるのは後輩が仕事でポカしたからだよね」

後輩「だ、誰にでもミスはありますっ。まったくもう。じゃあ先輩はデータの確認をしておいてください。私はちょっと外の自販機で飲み物を買ってきますから」

先輩「はいはい」

後輩「どうぞ。コーヒーで良かったですよね?」

先輩「さんきゅ。後輩はココア?」

後輩「疲れた時には甘いものが一番ですから。私としては先輩がブラックみたいな苦いだけのものを飲むことの方が信じられません」

先輩「この良さが分からないあたり、後輩はまだまだ子供だなぁ」

後輩「コーヒーが飲める程度で優越感に浸れるあたり、先輩は安上がりですね」

先輩「コメントは辛口なのになぁ」

先輩「さてと。んじゃ、チェックも終わったし、データ送信して帰るか」

後輩「先輩、それ終わったらちょっといいですか?」

先輩「ん? また何か残ってるのか?」

後輩「仕事は残ってません。いいからつべこべ言わずにこっちに来てください」

先輩「?」

先輩「……仮眠室? え? まさか家に帰らずここで寝ろって?」

後輩「先輩、ちょっと目をつぶってください」

先輩「なんで?」

後輩「いいですから。とっととつぶってください」

先輩「……? これでいいのか?」

後輩「見えてませんね? 薄目開けたりしたら殺しますからね」

先輩「物騒だなぁ……。とりあえずちゃんとつぶってるから何かするなら早くしてくんない? このままだと俺立ったまま眠っちゃいそうなんだけど」

後輩「分かりました。すぐに用意します」

先輩「……なんなんだかなぁ」

後輩「目を開けていいですよ」

先輩「ん……? もう準備できたのか?」

後輩「はい」

先輩「…………」

後輩「…………」

先輩「…………えーっと?」

後輩「なんですかそのハトが豆鉄砲食らったような顔は」

先輩「いや、だって……なんでお前下着姿なの?」

後輩「何か問題が?」

先輩「むしろ問題しかないよね。ちなみにどういうつもりなのか聞いていい?」

後輩「先輩に抱いてもらおうと思いまして」

先輩「………………は?」

先輩「……すいません。何言ってるのか理解できないんですが」

後輩「今回の件のお礼に私を抱いていいですよ、と。簡単な話じゃないですか」

先輩「話自体は簡単だけども!」

後輩「…………?」

先輩「いやいや、そこで不思議そうな顔されても。お前がどういうつもりで言ってんのか知らないけど――」

後輩「お前?」

先輩「後輩さんがどういうつもりで言ってるのか知りませんけど、そういう冗談は時と場合と相手を考えてからですね?」

後輩「時と場合と相手を考えた結果です。それに冗談でもありません」キッパリ

先輩「………………」

先輩「とかいうやりとりがあったものの……」

会社に設置された仮眠室。そこに並んだ簡易ベッドの上。
俺の目の前では、服を脱いで下着姿になった後輩が腰掛けている。

先輩「どうしたもんだかなぁ」

後輩「何ですか。怖気づいたんですか?」

先輩「と言うよりは戸惑ってるってのが正直な感想かなぁ」

後輩「いいから先輩は黙ってエロに突入すればいいんですよ。ほら」

ジト目で言って、後輩が俺の手を取り自らの胸に押し当てた。

後輩「…………っ」

ぴくん、と体を震わせる後輩。下着の上からでも、鼓動が伝わってくる。
ボリューム的には決して大きいと言えないサイズの後輩の胸だが、触れた掌からは確かな柔らかさと温かさが感じられた。

後輩「……悪かったですね小さくて」

先輩「え? いや、むしろ予想よりは若干大きいかなと思ってたんだけど?」

めごっす。

後輩「先輩はデリカシーが無さ過ぎます」

先輩「……ごめんなさい」

だからといって人の鼻っ面に後頭部で頭突きかますのはどうかと思いますが……。
痛む鼻をさすりながら、改めて後輩の胸に手を伸ばす。
手を広げて、押し包むようにそっと揉んでみる。ちょっと硬い感触だが、ほんの少し指を沈めただけで後輩は震えるように身悶えした。
小振りながらもちゃんと押し返してくる弾力を、指先で確かめるように弄ぶ。

後輩「ん、あ、はぁ……ぞくぞく……きます」

はぁ、と吐息を漏らす後輩。その身体から少しずつ力が抜けてきているのが解った。
そのまま少しずつ、強弱をつけて柔らかく胸を揉んでいると、うっすらと、後輩の肌に汗が滲んできた。それに合わせて漏らす声も熱を帯び始めていく。

後輩「ん、んうっ……あ、はっ……ああっ……はう……ん」

中心にある突起が少しずつ硬くなってきているのが感触で分かった。
硬くなってきた先端を指先で弾く。

後輩「んうっ!」

その僅かな衝撃ですら後輩にとっては十分な刺激になるらしく、顔を赤らめながらも愛らしい喘ぎ声を上げた。

後輩「先輩、触り方が……んっ……えっちですよ……っ」

先輩「そりゃまぁ、えっちなことしてるからなぁ」

後輩「それはそうですけど……ひゃっ!?」

不意を衝いて、胸を覆う下着を持ち上げる。
ぽろりとこぼれ出した膨らみは、掌にぴったりと収まる控えめなサイズ。
指が沈み込むような肉感は無いが、それでもきめ細かくすべすべした感触が心地いい。

後輩「んっ……先輩……」

こちらが指に力を入れると、後輩が小さく声を漏らした。
そう言えば巨乳は感度が悪いって通説があるけど、後輩のこの反応から見るに、貧乳は逆説的に感度がよくなったりするのだろうかい。

後輩「先輩、今ものすごく失礼なことを考えませんでしたか?」

先輩「か、考えてませんよ!?」

後輩「その動揺っぷりは逆にフリなんじゃないかと勘繰ってしまいますね」

先輩「……えいっ」

後輩「ちょ、先輩!?」

ジト目でこちらを見る後輩の視線から逃げるように、俺はなだらかな胸の間に顔を埋めた。戸惑いの声を上げる後輩を無視して、胸にキスをしながらゆっくりと口を中心に近づけていく。左側の乳首を口に含むと、唇で軽く噛んだ。

後輩「んんんっ!」

後輩が身体を震わせ、俺の頭を抱きかかえる。
結構強めに抱きかかえられているので少々息苦しいが、それでも俺は愛撫を続ける。

後輩「……ん、んぅっ! や……んんっ!」

口の中で硬度を増していく乳首を、前歯を使って軽く噛んだ。

後輩「~~~~~~~~~~っ!!」ビクビクッ

コリッとした感触が歯に伝わり、同時に後輩は大きく身体を震わせる。
どうやら胸だけで軽くイッてしまったらしい。

後輩「あ……は……ぁ……は、ぁ……はぁ……」

身体の力が抜けてしまったのか、後輩は座っていた腰を滑らせて、ベッドへと倒れ込む。
俺はそんな後輩を見下ろして、

先輩「えーっと、一応確認なんだけど、ここらで止める気って、無い?」

後輩「…………え?」

ベッドに仰向けになった後輩が疑問符を浮かべる。

先輩「いやだって、いくらなんでもこのまま処女までもらうってのはどうかと思うし」

後輩「先輩……気づいてたんですか?」

先輩「そりゃまぁ、さすがに反応で分かるし」

後輩「まさか先輩に気付かれるなんて。私もまだまだですね」

先輩「いや、悔しがるのはいいけど、ホントどうする気なんだ? 正直俺も男だし、これ以上先に進んだら途中で止めるとか無理なんだけど」

後輩「そうやっていちいち確認するから先輩は駄目なんですよ。こういうのはどこぞのエロゲの流され型主人公みたいに最後まで一気にガーッといってしまえばいいんです」

先輩「そうは言われてもなぁ……」

後輩「それともなんですか。私には抱くだけの魅力も無いとかぬかすんですか。何様のつもりですか。ご主人様とか言うつもりですか」

先輩「言わない言わない」

後輩「だったら抱けばいいじゃないですか」

後輩「――さて、なんだか随分と間が空いてしまいましたね」

先輩「いい感じに叩かれたからなぁ」

後輩「まぁ、せめてスレタイくらいは変えておいたほうが良かったかもしれませんね」

先輩「それについては反省してます」

後輩「内容についてはまぁ、この部分はオープニング的な部分ですからね。選択肢まで進めばまた違った展開になると思いますし、なるべく早くそこまで進めるとしましょう」

先輩「そうだな。あ、その前にこっちの後輩とあっちの後輩の違いですが、一応こんな感じになっております」

あっちの後輩(天然従順系・巨乳)
こっちの後輩(毒舌辛辣系・貧乳)

後輩「……なんか説明に悪意を感じますね」

先輩「いやそんな睨まれても……。ともあれ、次からまた続きです」

後輩「私が『だったら抱けばいいじゃないですか』とか言ったあたりからですね」

さぁ、と言って下着姿のまま両手を広げる後輩。
いつもと変わらない、何を考えてるのかいまいち感情の読めない表情。
しかし。

先輩「……馬鹿だなぁ」

後輩「むっ。誰が馬鹿ですか」

先輩「んー、誰がだろうね」

からかうように言って、そのまま後輩を抱きしめた。
びくん、と腕の中で後輩が小さく身体を震わせる。

後輩「な、なんですか。まさかこれで『抱いた』とでも言うつもりですか」

先輩「それで納得するんだったらそれでもいいんだけど……」

後輩「駄目に決まってるでしょう」

先輩「デスヨネー」

後輩「……先輩は、私を抱くのが嫌なんですか?」

先輩「嫌と言うか何と言うか……身体はしっかり反応しちゃってるわけですが」

後輩「ま、まぁ確かに反応してますね」

さっきから自己主張しっぱなしな俺の下半身にちらりと視線を向け、後輩が顔を赤くする。

先輩「ってことだから、けっして抱きたくないというわけではなくてですね?」

後輩「だったらなんで」

先輩「だってほら、女の子にとって初めてってやっぱり大切なもんだろ?」

先輩「で、それを残業に付き合ってもらったお礼とかいうその場のノリみたいな感じでもらうのはさすがに気が引けると言うか」

後輩「なるほど。つまり先輩は私が早まったことをしてるのではないかと心配してくれてるんですね」

先輩「そんな感じ」

後輩「……まったく、顔だけじゃなく頭まで残念な先輩ですね」

先輩「なんかひどいこと言われた!?」

後輩「先輩は、本当に私が残業手伝ってもらったお礼っていうだけで抱いてくれとか言ったと思ってるんですか?」

先輩「え? でもさっき自分でそう言ったよね?」

後輩「先輩、言っておきますけど、私だって夢見る女の子なんですから、初めては好きな人に捧げたいと思ってますよ」

先輩「だったらなおさら――って、あれ?」

後輩「これ以上何か言うつもりはありません。先輩は黙って私の処女を奪っちゃえばいいんです」

ぷいっ、と顔をそむけて黙り込む後輩。
俺は後輩が口にした言葉の意味をじっくりと脳内で吟味して。

先輩「えーっと、それってつまり、俺、嫌われてないって自惚れていいんだよな?」

後輩「……知りません」

そっぽを向いたまま、ぽつりと後輩が漏らす。
態度自体はそっけないが僅かに見える顔は赤く、それが照れ隠しなのだと分かった。

先輩「……やっぱり馬鹿だなぁ」

はぁ、とため息を吐き出して、俺は後輩を抱く腕に力を込めた。

後輩「……2度も先輩に馬鹿扱いされるなんて遺憾です」

腕の中で後輩が小さく呟く。
でもまぁ、

先輩「それを可愛いと思っちゃう俺の方も馬鹿なんだろうなぁ……」

後輩「…………?」

聞こえないように吐いた呟きは、やはり後輩の耳には届かなかったようだ。
まぁいいか、と俺はもう1度ため息を吐き出して、

先輩「じゃあ、据え膳いただきます」

後輩をベッドに押し倒した。

先輩「――さて、ちなみにあっちではここから『くぱぁ』的な展開になってるんですが」

後輩「もぎますよ?」

先輩「はい。普通にさせていただきマス」

微妙に嫌な汗をかきつつ、さてどうしたもんかと考える。
とりあえず、まだ緊張している後輩をリラックスさせるために頭を撫でてやる。
優しく髪を梳いてやると、気持ちいいのか猫のように目を細める後輩。
そのまま頬、うなじへと手を動かすと、後輩はくすぐったそうに身をよじらせた。

先輩「ちなみにキスは大丈夫?」

後輩「…………どうぞ」

目を閉じて、「んっ」と唇を突き出してくるその姿に、一瞬、悪戯心の赴くまま鼻の頭を舐めたらどうなるだろうかと考えたが、ここは素直に唇を重ねることにした。

後輩「ん……」

ただ触れるだけのキス。
後輩の唇は、マシュマロのように柔らかく、しっとりと水分を感じさせる。
触れ合った唇から、後輩の体温が伝わってくる。
そのままどれくらいの時間がたったのか、不意にとんとんと肩を叩かれた。
いったい何だろうと思って唇を離すと、後輩は「ぷぁ」と息を漏らして。

後輩「……窒息するかと思いました」

先輩「いや、それは普通に鼻で息すればいいんじゃないかな」

後輩「…………言われてみればそうですね」

そんなことはまったく考えていなかったとばかりに納得する後輩の反応に、俺は思わず吹き出してしまう。

後輩「……なんですか?」

先輩「あ、いや、馬鹿にしたワケじゃなくて。ただ、本当に初めてなんだなぁと思ってさ」

後輩「当たり前じゃないですか。正真正銘、さっきのがファーストキスです」

そう言って拗ねたような表情を浮かべる後輩が可愛くて、俺は後輩を抱きしめる。

先輩「じゃあ、改めてキスするけど?」

後輩「大丈夫ですから確認しなくていいです。まったくもう」

らしいので、後輩を胸元に抱いたまま、再び唇を重ねる。
何度か唇を重ねた後で、軽く舌を出して、後輩の唇をつつく。
後輩の身体が震える。戸惑いを見せつつも僅かに後輩の唇が開く。
俺はその隙間に、舌を忍び込ませた。

後輩「んっ……んくっ……ちゅうっ……んむぅ……っ」

閉じかけていた歯を舌で押し開いて、奥で縮こまっていた舌をノックすると、後輩がおずおずと俺の方に差し出してきた。
最初は怖々と……しかし少しずつ積極的に、後輩も舌を動かして求めてくる。

後輩「はぁ……ちゅば……んふ……」

俺の舌に後輩の舌が絡みつき、熱い吐息が俺の頬に吹きかかる。
キスを続ければ続けるほど、触れる肌が熱を帯びていく。
俺はキスをしながら、背中を抱いていた手をゆっくりと移動させていった。
背中から脇腹を通り、滑らかな感触のお腹を撫で、下半身へ。

後輩「ちょっ、先輩、そこは……っ、んぅっ!」

くちゅり、と。
脚の間に差し込むんだ指先に、温かく湿った感触を感じた。

先輩「……濡れてるな」

後輩「そ、それは生理現象なんだから当たり前ですっ」

顔を真っ赤にして訴える後輩。
下着越しでも感じる、柔らかな肉の感触と、熱い蜜の滴り。
割れ目に沿って指を上下させると、指先に感じていた熱さがより確かなものへと変わっていく。

後輩「はぁ……ん、うぁ……」

愛撫を続けていると、段々と後輩の声にも甘いものが混ざっていく。
俺はそのまま右手で秘所をいじりつつ、左手で胸の愛撫を再開させた。

後輩「ふあっ……そんな同時になんて……あ、ああっ」

左手で胸を揉みながら、右手の指で下着の布地を横にずらして、その中に指を忍ばせる。
中指を曲げると、くっ、と第一関節の半ばまで埋まり、指先に今までとは異質な、粘度を帯びた肉の感触が伝わってきた。

後輩「んくっ……」

溢れる蜜を指に絡め、後輩の中を弄る。

後輩「んぅっ、指……っ、掻き回して……ぇ、あんっ!」

後輩の反応を見ながら、指を膣内で蠢かせる。
少しずつ指を動かす範囲を広げながら中を掻き回すように愛撫していると、緊張していた太股も徐々に開いていく。

……もうそろそろ大丈夫だろうか?
そんなことを考えていると、後輩がこちらを見上げ、

後輩「ん……先輩……私は、もう……大丈夫ですから……」

先輩「分かった。俺も、そろそろ限界だし……」

俺は後輩の両足の間に身体を入れると、股を大きく開かせ、その膝を抑えた。
そうして、自分のモノをゆっくりと後輩に近づける。

後輩「んっ……」

濡れた割れ目に先端が当たると、後輩は身体をビクッと硬直させた。
俺は入り口に角度を合わせて、少しずつ腰を押し込んでいく。

後輩「あ、く……っ、痛っ……」

後輩が顔を歪める。

先輩「……大丈夫か?」

後輩「な……なんとか。しかし……聞きしに勝る痛みですね……」

十分ぬかるんではいるものの、緊張のせいか痛みのせいか後輩の膣内は強張り、逆にこちらを押し返そうとする。

後輩「でも……これもいい経験です。痛いことが、同時に……嬉しいなんていう経験は……。これは……そう、処女を捧げる女だけの特権ですから……」

目元に浮いた涙を拭いながら、そんなことを言ってくる。
それで、こちらの躊躇も少し消えてくれた。

先輩「じゃあ、このままいくぞ」

少しずつ腰を進めていく。

後輩「う……く……っ」

後輩はきつく目を閉じ、呼吸を詰まらせながら痛みに耐えている。

先輩「もう……少し……」

そして。
ブツッと何か硬いものを切り裂くような感触を残して、俺の身体は後輩の一番深いところまで沈み込んだ。
荒い息を漏らす後輩の頭を優しく撫でてやる。

先輩「頑張ったな。全部入ったぞ」

後輩「……子供扱いしないでください」

ぷいっ、と横を向く後輩。
そんな後輩の態度に、思わず俺は軽く吹き出してしまう。

先輩「ゆっくり動くな。だから、少しだけ我慢してくれ」

そう言って、挿出を開始する。
後輩の初めての証を絡み付かせた俺自身が、ゆっくりと秘肉を掻き分けながらその内部を蹂躙していく。

後輩「ん、くう……あ、はぁ……はっ、あ、くぅ……っ」

やはりまだ痛いのだろう。後輩は眉根を寄せ、苦痛の籠もった息を漏らす。
あるいはさっさと終わらせてしまった方がいいのかもしれない。
でも、できることなら後輩にも気持ち良くなってほしいと思う。
俺は腰の動きを緩めて、代わりにつつましやかな後輩の胸へと手を伸ばした。

後輩「あっ……そこは……やっ……んんっ!」

つんと勃起し、硬くなっている乳首をこりこりと指先で転がす。
それだけで後輩の身体は震え、肉壁の奥から新しい愛液が滲み出してきた。

後輩「んっ、く……あああっ……はぁあっ……あっ、ああっ……ああんっ……」

しばらくそうやって愛撫を続けていると、きつく締め付けるだけだった膣内も若干だが招き入れるかのような収縮へと変化する。
漏らす声にも痛み以外のものが混じってきているようだ。
試しに少しだけ動きを速めてみる。

後輩「はあぁん……ああぁっ……はああぁ……んんっ……」

ようやく、確かな快楽が混じった声が、その唇から零れ始めた。
それを確認した俺は、乱暴にならない程度に、少しずつストロークを速めていく。

後輩「へ、変です……これ……ま、まだこんな痛い、のに……あ、ぐっ」

俺が動けば動くほど、確かな甘さが旋律のように響き出す。
後輩の中からは次々と新しい愛液が分泌され、俺の動きをよりスムーズなものへと変えていった。

後輩「あ、あうっ……こ、こんな……何、これ……ああっ!」

室内に、水音と腰がぶつかる音とが満ちていく。
仮眠室の簡易ベッドがギシギシと鳴り、湿った音がボリュームを上げていく。

後輩「ふあっ……んうっ……ああっ……ん……はぁ……っ!」

後輩の漏らす声は、最早痛みよりも快楽の割合が大きくなっているようだ。
それを確認した俺は、いっそう強く、深く、亀頭で膣壁を擦りながら、往復する速度を速くしていく。

後輩「あああんっ、ん……はっ――!」

揺れる身体。
突き出すリズムに合わせるように息を吐く後輩。

後輩「あ、んふっ、あ、んぁっ……!」

荒い息遣いと、耳の奥で鳴る心拍。
後輩の口が何かを求めるように動く。俺は求められるままに後輩と唇を重ねた。

後輩「んっ……んく……ちゅ……はふっ……んちゅ、ん……はぁ……」

くちゅくちゅと音を立て、俺と後輩の舌が絡まり合う。
口の端から漏れた唾液がぽたぽたとシーツにシミを作っていく。

後輩「ん、んんっ……ぷは、あっ、あっ、ああ……先輩……先輩……」

熱に浮かれたように名前を呼ぶ後輩を抱き締め、ひたすらに腰を打ち付ける。
先端が子宮口を叩くと、後輩は身体を跳ね上げ俺の首にきつく抱きついてきた。
快感によるものか、後輩の目からは涙の粒が溢れ、うわごとのように、喘ぎ声混じりに俺の名前を口走っている。
だから。

先輩「後輩」

俺は強く後輩を抱きしめ、その名を呼んだ。
後輩の膣内が熱くうねる。
喘ぐ後輩に触発されるように、こちらの動きにもスパートがかかる。

後輩「あっはあ……ふぁうっ……あああっ、ああっ、あっ、あっ、あっ……うあっ……先輩……先輩っ……あああああぁぁぁぁぁぁっ」

首に巻かれた手に、より力がこもる。
腿に力が入り膣内がびくりと収縮する。
ゾクゾクという快感が、身体の内側から広がっていく。

限界が近いのか切なげな声を挙げる後輩。
しかしこちらももう限界だ。俺は自分自身を引き出そうとして、

先輩「…………あ?」

後輩が抱き着いているせいで腰を後ろに引くことができないということに気づいた。

先輩「え、えーっと、後輩さん? ちょ、ちょっと――」

慌てて後輩に呼びかける。
しかし次の瞬間、

後輩「先輩、わ、私、もうっ……!」

後輩の指が、手が、膝が、太股が、首筋が次々と痙攣を起こす。
全身を震わせるいくつもの波が重なり、大津波となって秘部へと押し寄せる。

先輩「――――――っ」

その急な刺激に、俺も一気に限界を迎えてしまった。
どくん、と俺の中で何かが脈打つ。

先輩「で、出る……っ!!」

そう口にした時には、俺は全てを放出していた。

後輩「ふっ、あぁっ! 中で、熱いのが……あ、ああああああああっ!」

それが引き金になったのか、後輩がぎゅうっと収縮し、その身体が大きく震える。
しゃにむに抱きついてくる後輩の感触と、消え去りそうな意識の奔流。
腰は完全に固定されていて引くことは出来ず、俺はどうしようもないままに、どくんどく
ん、と後輩の奥へと自らの欲望を注ぎ込んでいく。

後輩「ん……あぁ……熱い……あつい、です……」

後輩は全身を総毛立たせながら、何度も同じセリフを繰り返し続けていた。

※事後
後輩「さて、申し開きがあるなら聞かせていただきましょうか」

先輩「い、いま少し時間と予算をいただければ……」

後輩「弁解は罪悪と知ってください。……って、随分と古いネタ持ってきますね」

先輩「それについてくる後輩は流石だなぁ」

後輩「さすがにリアルタイムでは見てないですけどね。というか話をはぐらかさないでください」

先輩「はい、すいません」

後輩「で? 人の初めてを奪った上に思いっきり膣内に子種汁ぶちまけるなんて、一体全体どういうつもりなんですか?」

先輩「いや、それについては後輩がこっちにしっかり抱き着いてたからってのもあってですね……」

後輩「人のせいにするなんて男らしくないですよ」

先輩「はい、申し訳ありません」

後輩「分かればいいんです」

先輩「……なんかすごく理不尽な気がするなぁ……」

後輩「ちなみにできるできないということに関しては、多分大丈夫だと思いますよ。今日は危ない日じゃありませんし」

先輩「あ、そうなんだ」

後輩「今、あからさまにほっとしましたね」

先輩「いや、できちゃったら当然責任はとるけど、一応心の準備とかあるし」

後輩「…………」

先輩「あれ? どうかした?」

後輩「何でもありません。……まったくもう」

後輩「さて、先輩」

先輩「えーっと、改まって何でしょう」

後輩「ちょっと今後のことについてはっきりさせておきましょうか」

先輩「は、はぁ……」

後輩「どうせ先輩のことだから、『なんだかなし崩し的に後輩を抱いちゃったけど、どうしたもんだかなー。しかも処女までもらっちゃったし。でもイマイチ後輩の真意が読めないんだよなぁ。それはともかく後輩ちゃんマジ天使だなー。なんかムラムラしてきたしこのまま第2ラウンド突入しちゃおっかなー』とか考えてるんでしょう?」

先輩「前半はともかく後半は考えてないよ!?」

後輩「別にいいですよ」

先輩「いいの!?」

後輩「何を興奮してるんですか。私が言いたいのは、私たちの関係について、別に今迄通りでいいですよってことです」

先輩「…………?」

後輩「ヘタレな先輩が1度関係を持ったくらいで急に対応を変えるとかいう器用なことができるなんて思ってませんし」

後輩「それに私としても先輩とこういうノリでやってるのは……まぁ、それなりに心地良く思ってますから」

後輩「だから先輩、明日からはまたいつも通り、ダメダメな先輩とそれを支える健気で可愛い後輩っていうことでひとつよろしくお願いします」

先輩「その『いつも通り』ってのもなんか違う気がするけど……まぁ、後輩がそれでいいって言うんなら、俺もそうするよ」

後輩「それじゃあ、よろしくお願いしますね先輩」

先輩「ああ、よろしく後輩」

※後日
先輩「…………」カタカタ

先輩「…………」カタカタ

後輩「先輩、ちょっといいですか?」

先輩「ん? 何? また何かやらかした?」

後輩「まるで私が普段からミスばっかりしてるみたいに言わないでください。この前のが特別なんです」

先輩「ごめんごめん。で、結局何の話?」

後輩「安心してください。そんなダメダメな先輩のために、ちゃんと解決策を持ってきました」

先輩「その前振りの時点で不安感すごいんだけど……まぁ、一応聞くだけ聞こうかな」

後輩「先輩、また私を抱いてくれませんか?」

先輩「ぶっ!?」

後輩「うわ、何やってるんですか先輩。汚いですよ」

先輩「誰のせいだよっ!? ったく、後輩が変なこと言うから机の上がコーヒーまみれになっちゃったし」

後輩「おや、私が悪いんですか?」

先輩「明らかにお前のせいだよ! ……てか、いきなり何言い出してんだよ」

後輩「何って、そのままの意味ですけど。いいじゃないですか。1回も2回も同じですよ」

先輩「同じじゃないから」

後輩「別に高級レストランで食事、とかでもいいですよ? もっとも、給料日前の先輩の懐にそんな余裕があれば、の話ですが」

先輩「うぐぅ……」

後輩「さて先輩どうします?」

先輩(うーん、どうしたもんだかなぁ……)

1.後輩を抱く。(後輩と休日デートでいちゃこら)
2.別の手段を取る。(女「私、登場☆」)

先輩「じゃあ後輩、今度の休日にデートとかしない?」

後輩「休日デート、ですか?」

先輩「そう。まぁ、誕生日からはちょっと遅れちゃうけどさ。どうかな?」

後輩「ふむ、いいですね。構いませんよ」

先輩「うん。じゃあ、今度の休日に駅前集合で」

後輩「分かりました」

※休日・駅前
先輩「ごめん。待った?」

後輩「ええ、それなりに。と言うか、今のセリフは本来女の私が言うものなんじゃないですか?」

先輩「一応15分前に来たんだけどなぁ」

後輩「甘いですね。私は30分前に来てました」

先輩「ふーん。それは期待してくれてたってこと?」

後輩「それはもちろん。先輩のことですからきっと私には想像もつかないような素晴らしいデートプランを用意してくれてると思って」

先輩「しまった。いらん一言で無意味にハードルを上げられてしまった」

後輩「それで、今日はどこに連れて行ってくれるんですか?」

先輩「んー、期待に添えられるかどうかは分からないけど、とりあえず海に行こうかなと」

後輩「海、ですか?」

先輩「そう。夏だと人が多くてゴチャゴチャしてるけど、今の時期ならのんびりできるだろ」

後輩「なるほど。確かにゆっくりできそうですね」

先輩「せっかくの休日だし、バタバタするよりはのんびりした方がいいかと思ってさ」

後輩「それに海に行くだけならそれほどお金もかかりませんしね」

先輩「そういう裏事情は察さないでいただけると助かります」

先輩「――というわけで、海に到着しました」

後輩「さすがに時期が早いせいか水着ギャルも見当たりませんね」

先輩「もうちょっと波があればサーファーがいたりもするんだけどね。まぁ、ゆっくりするならそっちの方が都合良いだろ」

後輩「ですね。じゃあこれからどうします?」

先輩「んー……とりあえずブラブラしてみるとか」

後輩「……先輩、ここまで連れてきておいてまさかノープランだったんですか?」

先輩「え? あはははは(誤魔化し笑い)……。えーっと、スイカ割りでもする?」

後輩「その場合はスイカ買うお金が無いので先輩の頭を割ることになりますね」

先輩「怖っ」

後輩「(ため息)まぁいいです。じゃあ、辺りを散策してみましょうか」

先輩「手でも繋いで?」

後輩「そこで腕を組むと言わないあたりがいかにも先輩っぽいですね」

先輩「あれ? ひょっとして俺責められてる?」

後輩「当たり前です。……まったくもう。ちゃんとエスコートしてくださいね?」

先輩「かしこまりました。お嬢様」

後輩「そういえば先輩」

先輩「なんですかな、お嬢様」

後輩「それはもういいです。で、先輩はこの辺り詳しいんですか?」

先輩「学生の頃によく遊びに来てたよ」

後輩「へぇ、海水浴にですか?」

先輩「それもあるんだけど……えーっと、あの山の途中に建物があるの見える?」

後輩「ああ、確かにありますね」

先輩「実はあそこが結構有名な心霊スポットでして」

後輩「ほう」

先輩「心霊スポット巡りだーって、オカルト好きな知り合いに何度か連れてこられたよ」

後輩「ああ、なるほど。だからですか」

先輩「だから、って?」

後輩「だから先輩の後ろにはその女の人が憑いてるんですね」

先輩「うっそマジで!?」

後輩「冗談です。真に受けないでください」

先輩「で、ですよねー。あー、びっくりした」

後輩「先輩に憑いてるのは首の無い男の子ですから」

先輩「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!?」

猫「にゃーん」

後輩「おや、猫ですね」

先輩「ホントだ。おーい、猫ー」

猫「にゃーん」トコトコ

後輩「呼べば寄ってくるなんて、随分と人懐っこい猫ですね」

先輩「釣り人に餌付けされてるのかもしれないな。ほーれほれ。ここが気持ちいいのかー?」

猫「にゃーん」ゴロゴロ

後輩「――さて、またしばらく時間が空いたわけですが」

先輩「前のから1ヶ月くらいかな?」

後輩「まぁ、こっちはあくまでもパラレル的な立場ですからね。あっちメインで進んでる間は放置されてもしょうがありません」

先輩「大人な対応だなぁ」

後輩「でもいつかきっと下剋上してみせます」

先輩「その心意気は大切だと思う」

後輩「と、決意を新たにしたところで続きです」

猫「にゃーん」ゴロゴロ

先輩「……和むなぁ」

後輩「先輩は猫派ですか?」

先輩「かな。この適度な距離感で甘えてくるのが個人的に好みでね。ちなみに後輩は猫派? 犬派?」

後輩「私は犬派ですね。もちろん猫も嫌いじゃありませんけど」

先輩「犬かぁ」

後輩「ええ。犬いいですよ。なんといっても躾ければちゃんと言うことききますし」チラリ

先輩「……犬の話だよね?」

後輩「もちろん。犬の話ですよ」ニッコリ

先輩「――っと、そろそろ昼か。どうする? ちょっと歩けば海鮮ラーメンが美味い店とかもあるんだけど、そこ行く?」

後輩「それもいいですね……と言いたいところですけど、実はお弁当を持ってきています」

先輩「ああ、俺が朝から持たされたこれってそうだったんだ。中身見ていい?」

後輩「どうぞ」

先輩「ホントだ。レジャーシートまで入ってる。後輩は準備がいいなぁ」

後輩「何言ってるんですか。先輩がノープラン過ぎるだけです」

先輩「はい。すいません」

後輩「飲み物は持ってきてないのでどこかの自販機で買っていきましょう」

先輩「じゃあ、あっちに海浜公園があるからそこ行って食べようか」

※海浜公園
後輩「へぇ、キレイな公園ですね」

先輩「もうしばらくしたら夏祭りの会場に使われたりもするんだけどね。普段はもっぱら家族連れが遊びに来たり、近所の人が散歩に来たり、あと、たまにレイヤーが写真撮ってたりもする」

後輩「レイヤー?」

先輩「コスプレイヤーのこと」

後輩「ああ。――今日はいないみたいですね」

先輩「まぁいつもいるってわけでもないし。さて、それじゃああの辺の木陰にでも行こうか」

後輩「はい、こっちが先輩の分です」

先輩「ありがと。んじゃ、早速いただきます」

後輩「どうぞ」

先輩「――んむっ!? 普通に美味い!?」

後輩「……なんだか失礼な驚き方をしてませんか?」

先輩「いや、後輩のことだから、見た目は美味しそうなのに味は激マズとかいうこともひょっとしたらありえるかなーと思ったんだけど」

後輩「食べ物を無駄にするなんて馬鹿なことはしませんよ。一応、『あれ!? 見た目は滅茶苦茶なのになんで味はいいの!?』っていうパターンも考えはしたんですが」

先輩「そっちのパターンはあったんだ……いや、でもホント美味いよ。卵焼きも甘くていい感じだし」

後輩「よかった。先輩はコーヒーがブラックだから、ひょっとしたらしょっぱい派かなとも思ったんですが」

先輩「んにゃ。卵焼きは昔から甘いやつだったよ。ん、こっちのも美味い。後輩は料理上手だなぁ」

後輩「そう言われると悪い気はしませんね。ところで先輩は料理するんですか?」

先輩「まぁ、簡単なものくらいは作るけど……でも仕事が忙しかったりすると、出来合いのものに頼っちゃうかなぁ」

後輩「それで閉店間際のスーパーで値引きシールの張られたお惣菜を買い漁るわけですか。そういうのばっかりだと栄養バランス偏りますよ?」

先輩「いやいや、後輩さん。最近のお惣菜はこれで結構バカにできなくてですね?」

後輩「……そこで素直に『確かに栄養バランスは悪いよなぁ』とか言っていれば私が毎日お弁当を作ってあげるフラグだったかもしれないのに。惜しいことをしましたね、先輩」

先輩「マジで!? じゃあお願いします!」

後輩「残念ながらもう手遅れです」

先輩「セーブポイントからやり直したい!」

先輩「――ご馳走様でした」

後輩「はい。お粗末さまでした」

先輩「いやぁー、それにしても美味しかったぁー。満腹満足ー」ゴロン

後輩「先輩、食べてすぐに寝ると牛になりますよ?」

先輩「じゃあ後輩は早く寝た方が――はいすいません。調子に乗りました」

後輩「……いつも思うんですが、先輩は基本的に一言多いですよね。言葉は選んで使わないと、その内脳髄を耳から垂れ流すことになりますよ」

先輩「なにそれ怖い」

先輩「……はぁ、でもこうやってゆっくり羽を伸ばすのもいいもんだなぁ」

後輩「そうですね。特にここ最近は割と仕事も忙しかったですし」

先輩「だなぁ。家でゴロゴロするのもいいけどさ。こうやって外出してのんびりするのはまたちょっと違う感じがするよな」

後輩「そういう意味では先輩のこのデートプランも正解だったのかもしれませんね」

先輩「そう言ってもらえてよかったよ」

後輩「じゃあ、食休みも兼ねてもうしばらくゆっくりしていきましょうか」

先輩「そうしようそうしよう」

後輩「…………ふぅ」

私はレジャーシートに座り、小さく息を吐きました。
見上げた空には青い空と白い雲。
時折穏やかな風が吹いて、緑の芝生を揺らしていきます。
何もせずにゆっくりするにはこれ以上ない天気と言えるかもしれません。

後輩「……いい天気ですね」

先輩「…………」

後輩「……? 先輩?」

先輩「…………Zzz」

返事が無いのでそちらを見てみると、先輩は気持ちよさそうな顔で寝息を立てていました。
デートに連れてきておいて眠ってしまうなんて本当にダメな先輩です。
寝ている先輩に近づいてその顔を覗き込んでみると、ずいぶんとまぁ、無防備な顔で寝ています。
なんとなくほっぺたをつんつん、と突いてみたら、

先輩「……むにゅ」

なんだか妙に可愛い声が出ました。

後輩「何やってるんですかね。本当に……」

つんつん、と何度もほっぺたを突きますが、一向に起きる気配がありません。
きっと疲れてたんだろうな、と思います。
ここ最近は仕事が忙しかったし、先輩は自分の仕事に加えて、まだ至らぬところがある私のフォローもしなくてはいけなかったので、それこそろくに休む暇も無かったはずです。
それでも先輩は、こうやって私のわがままに付き合ってくれています。
余計なことは口にするくせに、肝心なことは口にしない。
本当は今日だって人ごみが苦手な私のためにこの場所を選んでくれたのに。

後輩「まったく……」

本当に、本当にダメダメな先輩です。
でも。

後輩「ありがとうございます、先輩」

小さくそう言って、私は先輩の頭を優しく撫でてあげるのでした。

先輩「…………ん、んぁ。…………ふあぁぁぁ~」

後輩「お早うございます、先輩」

先輩「…………あれ? 俺、ひょっとして寝てた?」

後輩「はい。それはもうぐっすりと」

先輩「えーっと……その……ごめんなさい」

後輩「いいですよ。こちらも色々と楽しませてもらいましたし」

先輩「え? ひょっとして俺、イタズラされた?」

後輩「自分で確かめてみますか?」

先輩「そこで手鏡を渡される時点で嫌な予感しかしないんだけど…………ぶはっ!?」

後輩「どうしたんですか、先輩? 急に吹き出したりして」

先輩「……いや、俺も額に『肉』とか『中』とか書かれてるくらいまでは覚悟してたけどさ、まさかここまで完璧に女装させたられてるとは思ってなかった」

後輩「ファンデーションから口紅、アイメイクまでやって起きない先輩も先輩ですけどね。予想以上に似合ってますし、もういっそ男の娘としてキャラを立てていったらどうですか?」

先輩「いやいやそんなん誰も得しないから」

後輩「そうですか? 女装した先輩を私が攻めるプレイとかそこそこ需要ありそうですけど」

先輩「……勘弁してください」

後輩「そういえば先輩が寝ている間にコスプレイヤーを見ましたよ」

先輩「へぇ」

後輩「ネコ耳メイド服の女子大学生4人組がキャッキャ言いながら写真撮影してました」

先輩「うっそマジで。それはちょっと見てみたかったなぁ」

後輩「残念でしたね。ちなみに先輩はどういった格好が好みですか?」

1.体操服(ブルマ)
2.スクール水着
3.巫女服
4.メイド服

後輩「なるほど。変態ですね」

先輩「あれ? ひょっとしてどの選択肢選んでも反応同じだった?」

後輩「なんですか? まさか私がそんな恰好するとか期待してたんですか?」

先輩「正直期待はしてました」

後輩「残念でしたね」

先輩「ホント残念だよ!」

先輩「――っと、そうこうしてる間にもうこんな時間か。何て言うか、散歩して昼寝しただけで1日終わっちゃったなぁ」

後輩「何言ってるんですか。まだメインディッシュが残ってるじゃないですか」

先輩「……そうかもしれないけど、それを女性の方から言うってどうなんだろ」

後輩「細かいことはいいんですよ。で、どうします? 適当なラブホテルにでも入りますか?」

先輩「ふむ……実は俺、ラブホに関して前から思ってたことがありまして」

後輩「なんです?」

先輩「ラブホテルって大体3時間の休憩で5000円とかだろ?」

後輩「まぁ、それくらいが相場でしょうね」

先輩「ってことは1時間換算で約1666円、10分だと約280円、1分約28円、1秒約0.5円になるわけだ」

後輩「ふむ。そう考えると割とせわしいですね、ご休憩」

先輩「だろ? 愛を囁いたりもったいぶったりしてる間にもどんどんタイムリミットが迫ってきちゃうわけよ。そういうのってなんかイヤじゃね?」

後輩「なるほど。つまりラブホに入るお金が無いから別の場所でヤろうと言いたいわけですね」

先輩「せっかく理論武装したのに一刀両断された!?」

後輩「まぁ、私としては別にラブホテルじゃなきゃダメってわけでもないので、場所はどこでもいいんですが」

先輩「そう言ってもらえると助かります」

後輩「それに今の先輩の理論だと、ラブホは時間制限があってゆっくりできないけど、自宅なら時間を気にせずじっくりと甘々トークができるということになりますし」

先輩「……え? いや、そんなつもりは……あれ? ひょっとして俺、またいらんこと言って無意味にハードルを上げちゃった?」

後輩「ふふっ。楽しみですね? 先輩」

※男の家
後輩「ここが先輩の部屋ですか。結構きれいな部屋ですね」ガサゴソ

先輩「まぁ、それなりに掃除してるからね。……で、一応聞くけど、何やってんだ?」

後輩「家捜しです。先輩のことだからこの辺りにえっちな本やDVDが隠してあると思ったんですが……見つかりませんね」

先輩「そんな堂々と言われても……てか仮にそういうのが隠してあったとして、それを見つけてどうするんだよ?」

後輩「まずは内容を確認しますね」

先輩「で?」

後輩「捨てますね」

先輩「捨てるんだ」

後輩「ええ。1つ残らず」

後輩「で、どこに隠してるんですか?」

先輩「すでにあること前提ですか」

後輩「一応先輩も健全な男性なわけですから、当然そういったものを常備しているはずです。しかしこれだけ探して見つからないとなると……つまり解る場所には無い、あるいは本やDVDといった形では存在していない」

先輩「…………ギクッ」

後輩「となると、可能性として考えられるのは、映像データとしてパソコンとHDDプレイヤーに保存してる、とかですかね」

先輩「……な、ナンノコトカナー」

後輩「まぁ、確認すればいいだけの話ですが。パソコンはおそらくロックがかかってるでしょうから、こっちのHDDの方を――」

先輩「待って待ってー!」ガバッ

後輩「きゃっ!?」ドサッ

先輩「…………」

後輩「…………」

ベッドの上、押し倒す形になってしまった後輩と見つめ合う。

先輩「……えーっと」

後輩「まったく、いきなり人をベッドに押し倒すなんてとんだケダモノですね。先輩は」

先輩「不可抗力ってやつだと思うけどなぁ」

後輩「そんなセリフは聞きたくありません」

そう言って、「……んっ」と、目を閉じて唇を向けてきた。
キスをしてくれという意味だと思ったので、俺は素直に後輩と唇を重ねる。

後輩「ん……」

鼻についた声が漏れ、離してから何度かついばむようにキスをする。
少し唇を開き、舌で後輩の唇をつつく。
さすがに2回目ともなると慣れてきたのか、後輩の方からも唇を開け積極的に舌を絡めてきた。
俺と後輩、2人の舌が絡み合い、音を立てる。

後輩「ん……はぁ……」

口が離れる瞬間、どちらのものとも知れない唾液が糸を引いた。

後輩「……まったく、本当にケダモノですね先輩は。いやらしいにもほどがありますよ」

先輩「まぁそれは否定できないけど……じゃあ止める?」

後輩「…………続けてください」

というわけで、再び後輩と唇を重ねる。
互いに舌を絡め、唾液を交換しながら、俺は後輩の胸に手を伸ばした。

後輩「んっ……ちゅ……んん……ぁ」

手を回すように動かすだけで、後輩のふくらみはやんわりと形を変え、手の中で乳首がゆっくりと顔を出す。
少し指先でその先端を刺激すると、後輩はキスをしたまま身体をぴくぴくと反応させた。

後輩「ひ……ぁ……んちゅ……せん、ぱい……そこ、は……ひゃんっ!?」

硬くなってきた乳首を指先で挟んで転がすと、漏らす息にも熱がこもってくる。

……相変わらず感度いいなぁ。
左手で胸を愛撫しながら、右手は滑らかな腹を撫で、細い腰回りから下半身へと下ろしていく。
黒いストッキングに包まれた脚に手を滑らせると、夏用の薄いパンティストッキングの肌触りとそれに包まれた太腿の弾力を感じることができた。

後輩「んっ、はぁ……せ、先輩、くすぐったいですよ……」

先輩「我慢我慢」

俺はそのまま、するすると太腿の表面に手を這わせていく。
てらっとした繊維越しのむっちりとした肉感を堪能しつつ、触れた指先を脚の付け根に向かってつぅっ、と滑らせると、

後輩「んぅ……」

後輩が声を上げ、ぶるっ、と身体を小刻みに震えさせた。

そんな後輩の反応に満足しつつ、太股にくっつけた右手を、つつっ、と滑らせる。
内股を撫で、膝の裏からふくらはぎ、そして足首へと愛撫を続けると、焦らすような愛撫に、後輩がモジモジと腰をくねらせ始めた。

後輩「ん……あ……はぁ……んん……」

見ると、黒い薄膜に覆われた下着の中央にはうっすらと染みができている。
その染みの中心を指の腹で縦になぞると、指先にねっとりとした粘液が絡みついた。

先輩「もうこんなに濡れてる。後輩はえっちだなぁ」

後輩「せ、先輩の触り方がいやらしいからですっ」

ぷいっと顔を背ける後輩だったが、こちらから見える耳は真っ赤に染まっている。
いつもこっちを弄ってる立場だから、逆に弄られるのに弱いんだよなぁ。
そんなことを思いながら、改めて後輩を抱き締め、布越しの秘裂へと指を伸ばす。

ストッキングのつるりとした感触と、その奥にある肉の柔らかさ。
秘裂の上の下着を引っ掻くようにして、指の先を深く食い込ませると、下着を巻き込んで指先が沈み、そこの火照った感触を伝えてくる。

後輩「ぁ……ぁはぁ……んんっ!」

そのままゆっくりと、食い込んだ指先で秘洞の中をかき混ぜるように動かすと、後輩はすぐに快楽に染まった声を上げ始めた。
肩をよじり腰をくねらせて、流し込まれる快楽に身をゆだねる。
下着越しに探り当てるた陰核はすでに硬く充血しており、膣奥から溢れた愛液がストッキングについた染みをどんどんと広げていく。

先輩「これ、破っちゃっていい?」

後輩「ん……ぁ……い、いいですよ。替えは持ってきますので」

ホント準備いいなぁ、そう思いつつ後輩の下半身を覆う黒いストッキングに手をかける。
破こうと思って引っ張ってみると、意外に丈夫でなかなか破れない。
それでも指に力を入れると、びびびっ、という音を立てて、ストッキングが裂けた。

後輩「まるで暴漢のような破り方ですね」

先輩「それは激しくしてほしいっていう前振り?」

後輩「…………知りません」

俺は後輩の身体を抱え上げ、ベッドの上に四つん這いにさせた。
腰をこちらに突き出し、秘裂も後ろの窄まりも丸見えにしたイヤらしい格好に、後輩は戸惑った顔でこちらを振り返る。

後輩「先輩、この格好は……」

先輩「こっちの方が激しくできるかなーと思って」

そう言って俺は怒張を握り締めると、その先端を後輩の秘部に押し当てた。

後輩「んぅ……っ」

後輩の口から吐息が漏れた。
くちゅり、と卑猥な音を立てながら、肉棒が潜り込んでいく。
絡みつくような締め付けはあるもののそれ以外の抵抗を感じることはなく、やがて肉棒は完全に後輩の中へと呑み込まれた。

後輩「あ……先輩、熱いです……」

胎内に怒張を収めた後輩が、熱のこもった息を漏らす。
こうして後輩と身体を重ねるのはこれで2回目だが、どうやら痛みは感じてないようだ。
それを確認して、俺は挿出を開始する。

後輩「んっ、あっ、先輩のが、膣内で……動い、て……っ……」

背後から突かれ、ガクガクと太股を震わせる後輩。
根元まで入ったそれが子宮の入り口を叩き、また全体を抉り抜くように引き上げられ、そしてまた子宮を深く叩く。
ひょっとして強すぎないかな、と思ったが、嬌声を上げる後輩の様子を見るに特に問題は無さそうだった。
後輩もしっかり感じてくれているようなので、俺はその腰を引き寄せ、さらに腰の動きを大きくした。

後輩「ひぁっ! あっ……ああっ! やっ、あっ……んゃああぁっ!」

バックからぐいぐいと腰を突き上げられ、後輩が澄んだ悲鳴を上げた。
抽挿に角度をつけて変化を持たせると、くびれた腰が跳ね、狭い膣から押し出された愛液が太腿を伝ってストッキングの内側に染みを作っていく。

後輩「ああっ! せんぱ、それ、すごっ……あああっ!」

後輩も息を弾ませながら、昇ってくる快楽に誘われて腰を浮かし始めた。

後輩「あああんっ、ん……はっ――!」

揺れる身体。
突き出すリズムに合わせるように息を吐く後輩。

後輩「あ、んふっ、あ、んぁっ……!」

荒い息遣いと、耳の奥で鳴る心拍。
こちらを振り返った後輩の口が何かを求めるように動く。俺は求められるままに後輩と唇を重ねた。

後輩「んっ、んっ……あっ……んあっ」

くちゅくちゅと音を立て、俺と後輩の舌が絡まり合う。
口の端から漏れた唾液がぽたぽたとシーツに染みを作っていく。

後輩「ん、んんっ……ぷは、あっ、あっ、ああ……先輩……先輩……」

熱に浮かれたように名前を呼ぶ後輩を背後から抱き締め、ひたすらに腰を打ち付ける。
そうやって何度も挿出を繰り返す内に、俺の気分も昂まってきた。

後輩「やっ……あっ……せ、先輩……わたし……もうっ……ああっ!」

限界が近いのか切なげな声を声を上げる後輩。
その声に引かれるように、こちらの動きにもスパートがかかる。

後輩「あっはあ……ふぁうっ……あああっ、ああっ、あっ、あっ、あっ……うあっ……先輩……先輩っ……あああああぁぁぁぁぁぁっ」

後輩が叫び声を上げて身体を反り返えらせると同時、その膣内が大きくうねり収縮する。

先輩「――――――っ!」

瞬間、俺は後輩から自身を引き抜いた。
まさに間一髪。本当にギリギリの所で引き抜いた肉棒の先端から多量の白濁液が迸り、黒いストッキングに包まれた後輩の臀部を白く汚していく。

後輩「はぁ……はぁ……熱い、です……」

後輩は、ベットに崩れ落ちてヒクヒクと体を震わせていた。

※事後
後輩「――ところで先輩、結局甘々なトークはありませんでしたね」

先輩「え? あれって有効だったの?」

後輩「当たり前じゃないですか」

先輩「えーっと、じゃあ、ちょっと目をつぶってくれる?」

後輩「何ですか? 何する気ですか? ナニする気ですか? 変態ですね」

先輩「さすがに今から第2ラウンドやらかす気は無いなぁ」

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