記者「勇者一行のスクープを追え!」【安価スレ】 (1000)




記者「勇者一行のかっこいいところを撮れれば、新聞社に売って金にできるし……」

記者「勇者一行の恥ずかしいところを撮れれば、王国から口止め料をもらえる……」

記者「こんなオイシイ話、逃すわけには行かないよねっ!」


記者「いざ出発だよっ!」




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※週刊少年ジャンプで規制されそうな内容の安価は、安価下となります。

※同一IDでの安価は、安価下となります。(一人一日一安価でおねがいします)

※ふと思い出した時に覗きに来るくらいのペースで更新。




記者「さて、今日から勇者様が魔王討伐へと旅立つわけだけれど……」

記者「でもいきなりこっちの顔が割れるとまずいよね……」

記者「というわけで、王国で勇者様を見た人にインタビューしてみよう!」


↓+1、+2、+3 大きく3つに分かれた、王国での勇者様の印象は……




A「すっごい素敵な人だったわ! 天使様みたいだった!!」

記者「ふむふむ、さすがは神に選ばれし者といったところですか」カキカキ

B「さっき魔王みたいな風貌のおっさんをワンパンで沈めてたっす! チョー怖かったっす!」

記者「な、なにがあったんでしょうね……いきなり暴力沙汰とは香ばしいスクープです」カキカキ

C「強すぎる。やばい。天使と言うよりは鬼。いやまじで」

記者「……それは頼もしいような、パパラッチがバレた時が恐ろしいような……」カキカキ



記者「総括すると、素敵で、恐ろしくて、とんでもなく強い……と」

記者「カメラを超隠密モードに設定しておこっと……もし短気な人だったら殺されそうだし」





記者「さてと。旅の準備も整ったことだし……」

記者「あれが勇者様が仲間を募るっていう酒場だね」

記者「私は王国に傭兵登録してないから、外で待ってるしかないか……」

記者「あっ! 出て来た!」



↓+2 勇者様の風貌(※勇者様は素敵で恐ろしくて鬼強い)

↓+4 仲間1の外見

↓+6 仲間2の外見

↓+8 仲間3の外見





ガチャッ


ショタ「」スタスタ

露出幼女「」スタスタ

黒人「」スタスタ

厚着ショタ「」スタスタ





記者「……。」

記者「えっと……あの黒くて大きい人が勇者様……かな……?」

記者「でもそれだと、ちょっと犯罪集が……」

記者「ええっと……」ペラッ ペラッ

記者「あっ、あの綺麗な剣を差してる男の子が勇者様なんだ」


記者「……まぁ、一部の人にはウケそうな気もするし、撮っとこうかな」パシャッ





記者「あ、勇者様たちは馬車で移動するんだ。そりゃそうだよね」

記者「どうしよう、普通に馬車で追いかけたら追跡バレバレだよね……」

記者「うーん、あの方角は……」ペラッ

記者「よし、しょうがない」


記者「走って追いかけるしかないかっ」ダッ





―――街―――



記者「はぁ、はぁ……久しぶりに本気で走ったよ……」

記者「よし、勇者様の乗ってきた馬車が止めてあるね」

記者「何十キロも走ったから、さすがに喉が乾いちゃったな。どこかで……」

記者「ん? あれは……」



↓+2 勇者一行のうちの誰か





勇者「」スタスタ




記者「あっ、勇者様だ!」

記者「何やってるんだろ……あ、お婆ちゃんの荷物を持ってあげてるんだ」

記者「ほかの仲間はいないみたいだね」キョロキョロ

記者「あ、お婆ちゃんと別れた」


記者「……んん?」


記者「あれ!? 勇者様もしかして……!?」




↓+2 1人になった勇者様は、なにをしていた?





記者「あれって……そっか、なるほど」

記者「荷物を持ってあげると見せかけて、ドサクサまぎれに財布をスッてたってわけかぁ」ニヤッ

記者「これはこれは……かわいい見かけによらずイケナイ子みたいだね。撮っとこっと」パシャ パシャッ



勇者「」クルッ



記者「おっと。」サッ

記者「バレたら“コト”だからね。慎重にいかないと……」

記者「でも幸先がいいなっ。これならきっと、叩けば叩くほどホコリが出てくるぞぉ~♪」ニンマリ





記者「勇者様たち、今日はこの街に泊まっていくんだね。って、暗くなってきたし当たり前か」

記者「それで、あそこが勇者様たちの泊まってる宿屋かぁ」

記者「勇者様たちは……2階だね。よしっ!」シュバッ





記者「壁登り、壁張り付きはパパラッチの嗜みだよねっ♪」プルプル

記者「さて、この2階の窓から見えるのは……」



↓+1 勇者一行の、誰が泊まっている部屋だった?





記者「ふーむ、あの露出度のやけに高い幼女ちゃんだったかぁ」

記者「まぁでも彼女も謎といえば謎―――」


記者「……えっ?」



↓+3 幼女が室内で行っていたこととは?





幼女「」スパー



記者「た、煙草……!? 喫煙……!?」

記者「どう考えても匂いでバレちゃうでしょ! 隠す気がないのかな!?」

記者「それとも魔法かなにかで隠せるのかな……?」

記者「……と、とりあえず一枚」パシャリ


記者「……煙草を吸う姿がサマになってるなぁ」





記者「むっ。」ピクッ

記者「警備隊の巡回だ……しょうがない、今日はここまでにしておこうかな」ズリズリ

記者「明日も置いて行かれないように、向かいの宿屋をとろうっと」

記者「しばらくは熟睡できないかな……まぁ、パパラッチのサガだね」





記者「勇者一行のスクープを追え!」



※週刊少年ジャンプで規制されそうな内容の安価は、安価下となります。

※同一IDでの安価は、安価下となります。(一人一日一安価でおねがいします)

※ふと思い出した時に覗きに来るくらいのペースで更新。



【取材成果】

●勇者
・ショタ ・素敵、怖い、メチャクチャ強いと評判 ・スリの常習犯?

●幼女
・幼女 ・露出度が高い ・喫煙癖あり?

●黒人
・黒人 ・背がとても高い

●ショタ
・ショタ ・ひ弱 ・厚着




記者「……!」ピクッ

記者「お、勇者様たち出て来たね。出発かな」

記者「あっ、いやいやこっちの話です」

記者「はい、はい」

記者「どっちかって言うと、王国から金をせしめることになりそうですねー」

記者「大丈夫大丈夫。鍛え方が違いますからねっ!」

記者「じゃ、そろそろ私も出なきゃですから……はい、また」ガチャッ


記者「……さてと、行くかぁ」スタスタ




―――森―――



記者「馬車移動をやめたと思ったら、こんなところを通るんだ……」

記者「もしかして魔王の居場所の見当がついてるのかな? そうだったら大スクープだよ」ガサガサ


記者「っ!!」サッ


記者「……あそこに誰かいる。勇者様たちの誰かが迷子になったのかな? それとも……」



↓+2 森の中に、誰がいた? 






謎の女「」フラフラ



記者「……なんだろ、あれ。よく見たらぜんぜん勇者様たちとは違う」

記者「こんな魔物の出そうな森で、山菜取りじゃあるまいし……」



謎の女「誰?」クルッ



記者「!?」サッ



謎の女「……気のせいか」



記者「……気配を消してる状態の私に気づきそうになるなんて、どんな感覚してるの……」

記者「ただ者じゃないみたいだし、ちょっと様子を見よっかな。面白いことになりそうだし♪」




↓+2 改造人間の目的は?





記者「……もしかして」

記者「勇者様たちが蹴散らしていった魔物たちを治療していってる?」

記者「どうして人間のヒーラーが魔物を……?」

記者「なんか面白そうだし、とりあえず撮っとこ」パシャリ


謎の女「!」クルッ


記者「うわっ」サッ

記者「タダ者じゃないなぁ。ああいう鋭い人は苦手だよ……」

記者「どういうつもりか知らないけど、面白そうだから放置でいっか」

記者「……勇者様たちを見失わない程度に、もうちょっと距離を取ろっと」




―――街―――



記者「森を抜けたら、あの女の人もいなくなっちゃった」

記者「これからもついて来るつもりなのかな……?」

記者「いや、それよりも今は勇者一行のスクープだっ!」


記者「むむ、あれは……」



↓+2 勇者一行の誰がいた?





ショタ「」スタスタ



記者「あの男の子かぁ。1人で歩いてるとちょっと心配になる子だな……」

記者「あんなに服を着込んで、暑くはないのかな?」

記者「まぁいいや。それよりあの子も、なにかスクープを提供してくれないかな♪」


記者「……!」



↓+2 ショタはなにをしていた?





記者「あわわ、変なのに絡まれちゃってるっ!」

記者「あの人たちの服装……」ペラ ペラッ

記者「やっぱり! この辺りで有名な盗賊団の下っ端!」

記者「ど、どうしよう、勇者様たちを呼んでくる!? でも顔割れはちょっと……!」

記者「ううん……しょうがない、ここから手裏剣で……」スチャッ



ズッガァァアアンッ!!!



記者「……!?」





ズガッ ゴスッ バギッ!!!



ショタ「」スタスタ




記者「……」コソコソ


記者「あのぅ、大丈夫ですかぁ……?」コソッ

下っ端A「痛ェ……痛ェよォ……」ピクピク

下っ端B「……ごふっ」ボロッ

記者「あちゃー、これはヒドイ。」

記者「医者を呼んでもいいんですけど……そしたら貴方たちは逮捕されちゃいますよね?」

記者「近くのお仲間を呼んで差し上げますので、ジッとしててくださいね」

下っ端C「す、すまねぇお嬢ちゃん……」

記者「私は記者と申します♪ もしかしたらあとでインタビューするかもしれないので、ご贔屓にどうぞ~♪」ニコッ





記者「あの男の子は一番弱そうだと思ってたんだけどなぁ……」

記者「仮にも勇者一行だもんね。見かけに騙されちゃいけないか」

記者「さて、勇者様はあの宿に泊まるみたいだね。じゃあ私は……」

記者「……ん?」



?「」コソコソ



記者「ふぅん、私以外にも勇者様を尾行してる人がいるんだね」

記者「面白そうだから、ちょっと暇つぶしに探ってみるかなっ!」



↓+2 勇者様を尾行していたのは……?


誰じゃ!

と思ったら本当にいる妖怪という




女「」コソコソ



記者「あの格好……遊び人かな? 勇者様たちに何の用だろう?」

記者「勇者様たちの関係者だったら、迂闊に接触できないけど……」

記者「な、なんか笑ってる……? もしやアヤカシの類?」

記者「あんまりお近づきにならない方がよさそうだね……」

記者「あれが邪魔で窓張り付きができないし、私も今日は休もうかな」





記者「んぁ……はっ、寝てた!」ガバッ

記者「勇者様は……!!」

記者「もう街から出ようとしてる! 危なっ!?」ダッ


記者「あれ? あの馬車ってもしかして……」ペラ ペラッ



↓+2 勇者様たちの乗る馬車が向かう先は……


勇者一行と記者の接触タイミングを見計らってます。

今ちょい役の人も再登場してるうちにレギュラーになってくんやで。




―――カジノ街―――



記者「あの電飾だらけの悪趣味な馬車は、やっぱりここ行きだよね……」

記者「誰の意向かは知らないけど、ぜったい魔王討伐と関係ないよコレ……経費で落ちるのかな?」

記者「でも4人のうち3人が小さな子供っていうパーティじゃお店に入れないでしょ」

記者「ここでなにをするつもりなのかな?」



↓+1 勇者様たちがこのカジノ街を訪れた理由は……





記者「勇者様たち、迷わず進んでいくなぁ。これは目的地がちゃんとあるってことか」コソコソ

記者「どんどん人気のない方に行くね……」

記者「ん? あれっ!?」ダッ



記者「見失った……!? そんなバカな!?」キョロキョロ





記者「………………。」

記者「どこかに隠し扉があったんだね。勇者様たちはそれを知ってたんだ」

記者「ということは、このあたりで待ってれば……」



黒服「おい、そこでなにをしている!」



記者「……うーん、ちょっと服のサイズが大きめかなぁ?」ニンマリ





―――裏カジノ―――



記者「さて、とても平和的に秘密の入り口を教わって、とても平和的にスーツも拝借してたわけだけど……」

記者「……こういうのって、なんて言ったかな……」


記者「…………死屍累々?」



黒服A「」ボロッ

黒服B「」グタッ

黒服C「」ピクピク



記者「魔獣の群れでも通ったのかなって感じ……容赦ないなぁ」

記者「これってもしかして、勇者様たちが……」


ザッ


記者「―――ッ!?」



↓+2 記者の背後に迫る人物は……? (※1人)





黒人「……」ザッ


記者「―――っ」

記者(く、黒い人……! たしか師匠に調べてもらった情報によると……)



↓+1、+2、+3 王国での黒人の評判 (※ここの安価は、過去に安価採用されてても可です)





黒人「どこに隠れていたのかは知りませんが、無事でいられたのなら早く逃げなさい。ここは危険だ」

記者「え、あ、はい……」


記者(う、噂通りの聖人君子……!)

記者(冗談みたいに人望が厚くて、その人望は下手すれば国王さえ凌ぎかねないっていう……)

記者(……ついでに数百年前から姿が変わってないっていう噂もあるけど)

記者(今の私はスーツで変装してるから、裏カジノの関係者だと間違われてるはずなのに……)

記者(サングラスかけてるから顔は割れてない……これは早く逃げたほうがいいねっ!)





記者(でも最後に……)


記者「あの、もしかして貴方は……国の命令でここへ?」

黒人「ええ。別の任務の“ついで”ですが」

記者(やっぱり……じゃあ、ここへは違法カジノを潰しに来たんだ……)

黒人「さぁ、早く行きなさい。私の仲間が戻ってくる前に」

記者「……はい。失礼します」ダッ





勇者「」スタスタ

幼女「」スタスタ

ショタ「」スタスタ

黒人「」スタスタ




記者「……終わったみたいだね」スタッ


記者「何食わぬ顔で帰るんだね~。裏カジノの元締めまで潰しておいてさ」

記者「はい、ピース」パシャッ

記者「やっと新聞社に売れそうな記事が書けそうだね♪」





―――渓谷―――



記者「勇者様たちが馬車を使わないのは、私としては助かるけど……」

記者「なにもこんなに険しい道を通らなくってもいいのになぁ」

記者「勇者様はともかく、ほかの子供たちがバテちゃうんじゃないかな?」

記者「えっと、地図によるとこの先には……」ペラッ


ガサッ


記者「!?」サッ


↓+2 記者のすぐそばに現れたのは誰?





勇者「誰だ!」ガサッ


記者(危っぶッ!? ギリ隠れるの間に合ったかな!?)コソッ


勇者「……いるのは気配でわかってる……出てこい」


記者(うわわっ、ばれてる!? まじでっ!?)


勇者「出てこないなら、覚悟してもらう」スチャッ


記者(ひぃぃ! こ、こうなったら……おとなしく出ていってから、口八丁で……!!)



ガサガサッ



記者(……えっ?)



↓+2 そこで勇者の前に姿を現したのは…… (※勇者一行以外で)





獣人「……ふん。さすがだにゃ」ガサッ

勇者「よく言うよ、隠れる気なんてなかっただろうに」



記者(出てかなくて良かったぁ! でもあんなのがいたなんて気が付かなかったなぁ。完全に油断してたよ)

記者(勇者様のお仲間は、あっちで休憩中かな? これはもしかしたら勇者様の戦いが近くで見れるかも!)

記者(シャッターチャーンス☆)スチャッ



勇者「おれたちを尾けて、何のつもりだ?」

獣人「ふん、知れたことだにゃ」



↓+2 猫耳獣人(♂)の目的とは……?





獣人「お前の、不治の病を治してやるだめにゃ!!」ビシッ

勇者「!?」



記者(ええっ!? 勇者様はなにか病んでるの!?)

記者(こ、これは大スクープの予感……!!)ドキドキ



獣人「お前の『痔』を治してやるにゃ!!」



記者(ええええええっ!? 勇者様、痔なの!?)





勇者「は……? ちょ、ちょっと待て。お前、なに言ってるんだ?」

獣人「隠さずとも良いにゃ。すべてお見通しだからにゃ」

勇者「いやそうじゃなくて……」

獣人「恥ずかしいのはわかるけど、放置しても良いことはないにゃ! さあ、お尻を出してぼくに向けるにゃ!!」ガバッ

勇者「…………。」


ドムッ!!


獣人「」ドサッ

勇者「……次、おれの前に姿を見せたら殺すからな」スタスタ





記者「……生きてますか?」コソッ

獣人「」ピクピク


記者「なんというか、ある意味勇者様よりも謎多き存在ですね、この獣人……」

記者「あっ、勇者様が行っちゃう! もしもまた会うことがあったら、いろいろ聞かせてくださいね」

記者「それではっ!」ダッ





―――草原―――



記者「やっと渓谷を抜けたね」フゥ

記者「でも見晴らしのいいところだと尾行しにくいし、近づけないからなぁ」

記者「こうなったら隠れ蓑の術で……」


記者「……ん?」


記者「勇者様たちの前に、誰か立ちはだかってる……?」



↓+3 勇者一行に立ちはだかる者とは……?





謎の男「」



記者「……パンツ一丁だ……」

記者「パンイチの男がいる……」

記者(通報しよ)



↓+2 突如現れた謎の男の目的とは……





記者「勇者様たちどうするんだろ……やっぱりイワすのかな……?」

記者「っていうかイワしてやって! あの盗賊団の下っ端みたいにギタギタに! 変態に天誅を!!」



謎の男「」スタスタ



記者「……え?」

記者「あれ、ちょっと話しただけで普通に離れていく……」

記者「うわわっ、こっちに来るっ!?」サッ



謎の男「ンヌゥ……古代帝国の禁書、いったい何処へ……」スタスタ



記者(なに!? 古代帝国の禁書ってなに!? すっごい香ばしいネタの予感ッ!!)///

記者(ああっ、でも勇者様たちが行っちゃう!)

記者(うぅ、とりあえず一応、あの変態的な後ろ姿を撮っておこう……)パシャ


記者「気になるけど、今は勇者様たちのスクープが優先だっ!」





―――街・宿屋―――



勇者「」スタスタ

黒人「」スタスタ

幼女「」スタスタ

ショタ「」スタスタ




記者「………………。」コソッ


記者「しめしめ、珍しく勇者様たちが全員で外に行ったね。外食でもするのかな?」ニンマリ

記者「荷物を置いて出て行っちゃうなんて不用心だよ♪」


記者「さ~て、勇者様たちの部屋に突入取材だ☆」シュバッ




↓+2 記者が突入したのは、勇者一行の誰の部屋だった?





ガチャッ


記者「むふふ、やっぱり不法侵入(とつげきしゅざい)は記者の嗜みだよね~」

記者「さてさて、バレたら十中八九殺されちゃうし、素早く的確に家探ししなきゃねっ!」



↓+1、+2、+3 記者がショタの部屋で見つけたもの(あるいは気づいた事)とは? (今日すでに安価してても可)





記者「うーん、とは言ってもあんまり荷物はないなぁ……」

記者「あ、ハンガーにコートがかかってる!」

記者「そういえばいつも分厚い服を重ね着してるけど、なにか入ってたりしないかな?」ゴソゴソ


 つ「祖母の写真」


記者「お婆ちゃんの写真!? お婆ちゃんっ子なのかな! かわいいっ!!」

記者「えっと、他には……」ゴソゴソ


 つ「大量のお菓子」


記者「かっ……かわいい!!」

記者「お煎餅とか飴ちゃんとかカステラとか、ちょっとお婆ちゃんっぽいチョイスなのもかわいい!」

記者「あとカステラが原形をとどめないくらい潰れちゃってるのもかわいい!」

記者「他にはなにが……!」ゴソゴソ


 「大量の重火器」ゴトゴトゴトッ


記者「………………」

記者「さ、さぁて、そろそろ出るかなぁ……」





ガチャッ


記者「あの男の子、『戦士』だったんだ……あんなにひ弱そうなのになぁ」

記者「さて、と……」

記者「ほんとはもう撤収するのが良いんだけど、あと一部屋だけ突撃取材しちゃおっと!」



↓+2 記者が次に突入したのは、勇者一行の誰の部屋だった?





記者「ここは……あの黒い人の部屋だね」

記者「はてさて、数百年生きてると噂の聖人君子は、いったいどんなものを……♪」ウキウキ



↓+1、+2、+3 記者が黒人の部屋で見つけたもの(あるいは気づいた事)とは? (今日すでに安価してても可)





ガチャッ


記者「……あれ?」

記者「ベッドが……ない? おかしいな、さっきの部屋にはあったのに……」キョロキョロ

記者「あれ、なんだろこの本? ずいぶん古いけど……」ペラッ



↓+2 人民のために戦った異端の学者が残した、その本の内容とは……





記者「……。…………。」ペラッ ペラッ

記者「うん、読めないっ!」

記者「これは別の大陸の言語? それとも古代の言語なのかな……」

記者「とりあえず写真撮りまくっとこ」パシャ、パシャ、パシャ



ピラッ



記者「……?」


記者「写真だ……。あの黒い人が写ってる」

記者「こっちの大人の男性は誰かな? すっごいハンサムだなぁ」

記者「あれ、でもなんか……勇者様に似てるような……?」


記者「……それと……その2人に挟まれて、楽しそうに肩を組んでるのは……?」




↓+2 勇者(?)と黒人と、楽しそうに肩を組んでる人の容姿は……?





記者「この人も勇者様に似てる……? この2人は……いったい……」

記者「ビールジョッキ持ってるし、みんな仲間なのかな?」

記者「あっ、もしかして、勇者様の親類の方とか!」

記者「あとで写真を師匠に送って、調べてもらおっと」パシャッ


記者「さてと。ほかにめぼしいものは……うん、ないかな」


記者「よし、さすがにそろそろ時間がやばいし、退却しよう」





記者「いろいろリスクを負っただけあって、なかなか面白いものが見れたね~」

記者「さて、師匠に写真も送ったし、しばらくは調査待ちかな」

記者「おっと、また勇者様たちが出発するみたいだね」



↓+2 勇者一行が次に向かう先は……?





―――遺跡―――



記者「うぅ……遺跡の中まで追いかけて来たのはいいけど、すっかり見失っちゃったよ」

記者「なんだかよくわからない罠とかギミックが生きてるみたいだね」

記者「それにしても勇者様たち、どうしてこんなトコに来たんだろう」

記者「なにかを探してるのかな?」



記者「……!!」



↓+2 そのとき、遺跡で記者の前に姿を現したのは……? (※1人)





謎の男「ム? 貴様は……?」


記者「きゃあああああっ!?」///


謎の男「なんだ!? なにがあったというのだ!?」

記者「ち、近寄るな筋肉パンツ!! 通報するよ!? 警察呼ぶよ!?」

謎の男「筋肉パンツではない。それに私は刑事だ」

記者「……は?」

刑事「ほれ、手帳だ」スッ

記者「ひぃ!? どこから出してるの!? ……うわ、本物っぽいし」

刑事「この姿は私の制服のようなものだ。気にするでない」

記者「……気になりますよ」





記者「貴方はこんなところでなにを?」

刑事「フム、私は上の命令で“あるもの”を探していてな」

記者「……“古代帝国の禁書”ですか?」

刑事「何ィ!? なぜそれを! もしや何か知っているのか!?」ズイッ

記者「し、知りませんよ。あと近づかないでください訴えますよ」

刑事「訴えるのは勘弁してくれ。あまり頻繁に訴えられていると、私も署内での肩身が狭くなるのでな」

記者「服を着ればいいじゃないですか……」





刑事「キミの言う通り、その禁書を探していてな。私の刑事の勘が、この遺跡が怪しいと叫んでいるのだ」

記者「は、はぁ……」

刑事「そういったわけで、もしも何か、古代語で書かれた古めかしい古書を見つけた場合は、私に教えてほしい」

記者「……古代語?」

刑事「ウヌ。すでに滅ぼされた帝国で使用されていた言語でな、特殊な教養のある者にしか読み解けないのだ」

記者「…………ちょっと、この写真を見てください」ピラッ

刑事「写真? ………こッ……これはァ!!? まさしく例の禁書ではないか!!」


記者(な、なんてこったぁ……)





刑事「キミ、どこでこれを!? というかキミが所持しているのか!? どうなのだね!?」

記者「い、いえ、私は持っていませんよ。ただ、この本の持ち主を知ってはいます」

刑事「教えてくれ! 相応の礼はしよう!!」


記者(……うーん、この人が何者かは知らないけど、ここまで食いつくんだから相当のお宝なんだろうね)

記者(はてさて、どう答えるのが、いちばん美味しい蜜を吸えるのか……)



記者「…………。」





記者「私から聞いたということは内密にしていただけますか?」

刑事「もちろんだ」


記者「ここで私と出会い、会話をしたということは、誰にも悟られないように振る舞えますか?」

刑事「我々は“初対面”ということだな。了解だ」


記者「できれば無理やり奪うのではなく、きちんと話し合って、時間をかけて平和的に譲り受けてください」

刑事「善処しよう」



記者「……では教えます。禁書を持っているのは―――」





記者「さて、あれから刑事さんとは分かれたけど……」

記者「上手く事が運べば、あの変態パンイチ刑事をスパイとして利用できるかもしれないっ!」

記者「むふふっ、それに“相応の礼”もいただかなくっちゃね♪」



ズガァァアアンッ!!



記者「っ!?」

記者「な、なんの音……?」コソッ




↓+2 いったい遺跡の中では、なにが起こっている?



つづきはあした。





記者「勇者一行のスクープを追え!」



※週刊少年ジャンプで規制されそうな内容の安価は、安価下となります。

※同一IDでの安価は、安価下となります。(一人一日一安価でおねがいします)

※ふと思い出した時に覗きに来るくらいのペースで更新。



【取材成果】

●勇者
・ショタ ・素敵、怖い、メチャクチャ強いと評判 ・スリの常習犯? ・痔?

●幼女
・幼女 ・露出度が高い 喫煙癖あり?

●黒人
・黒人 ・背がとても高い ・聖人君子 ・王様より人望ある ・数百年生きてる ・古代帝国の禁書を持ってる
・勇者(?)と魔王と3人で楽しげに写った写真を持ってる ・眠らない?

●戦士
・ショタ ・ひ弱 ・厚着 ・盗賊団下っ端に無双 ・祖母の写真、大量のお菓子、大量の重火器を隠し持つ

●謎の女
・改造人間? ・感覚が鋭い? ・治癒術師(ヒーラー) ・魔物を治療 ・勇者一行を追ってる?

●倩兮女(ケラケラ女)
・妖怪? ・遊び人? ・勇者一行の誰かを狙ってる?

●獣人
・オス ・猫耳 ・疾患を治せる? ・勇者が痔持ちだと思っている

●刑事
・黒の海パン一丁 ・古代帝国の禁書を探している? ・記者とは裏でつながっている

●魔王
・勇者をそのまま大人にしたような容姿 ・黒人とは仲間(だった)?




戦士「」ズガンッ ゴガッ ガスッ



記者「ちょちょちょっ……!? なにやってるの!?」コソッ

記者「ここって貴重な遺跡なんじゃないの!? そんな火薬をぶちかましちゃダメだって……!」

記者「ほら、謎解きとか! 探索とか! そういうのはないの!? 短気すぎるよ!」



ズガァァンッ ガラガラ…



記者「あーあ、意味ありげに瞳に宝石が埋め込んである石像が木っ端みじんだよ……」

記者「遺跡の建設に従事した先人たちは、泣いてるだろうね……」

記者「きっと『侵入者はここで右往左往するぞぉ、わくわく♪』とか思って造ったんだろうに……」





記者「あの男の子が遺跡破壊に勤しんでいる写真は撮れたけど……」

記者「勇者様たちがここへ何しに来たのかは、わからないままだね」

記者「あの男の子が1人でいたってことは、たぶん遺跡のトラップではぐれちゃったんだね」

記者「ってことは、勇者一行がみんな離れ離れになってるかも……?」

記者「だとしたら黒い人と刑事さんが接触してるかもだし、これはおもしろいことになってきたね♪」



記者「あれ、あの後ろ姿は……」



↓+2 記者が見かけた人物とは……





記者「あ、黒い人!」

記者「あの男の子があれだけ派手に破壊行動してるから、さすがに音で合流できそうだね……」

記者「……!」



黒人「」ピタッ


刑事「」スタスタ


黒人「」



記者「おー、刑事さん!」

記者「あの変態的な格好に動じてない辺り、黒い人もさすがは聖人君子だね……」

記者「たぶん禁書を譲ってくれるように、刑事さんが説得してるみたいだけど……どうなるかな」



↓+2 禁書を求める刑事に対して、黒人はどう答えた? あるいはどう動いた?





黒人「―――、――――――」

刑事「――――――。―――、―――」



記者「なんか、ずいぶん長いこと話し込んでるなぁ……」



黒人「」スタスタ

刑事「」スタスタ



記者「あれ、刑事さんが黒い人について行ってる! ってことは、もしかして……!」

記者「本を渡してるようには見えなかったし、ダメだったのかな? それとも、一緒に行動するのかなっ?」

記者「やった、内偵ゲットかもっ!」


記者「…………。」



記者「……ほかのメンバーに殺されなければ」





ズガァァンッ…



記者「遠くから、どんどん遺跡の原型がなくなっていく音が聞こえる……」

記者「ほかの勇者様たちも、あの音に向かって集合していってるのかな?」

記者「とりあえず、あの黒い人と変態を尾行―――」



ジャリ…



記者「―――っ!!」クルッ



↓+2 その時、記者の背後に姿を現したのは……!





オカマ「んふっ💛」ザッ


記者「……何者です?」

オカマ「ナニモノ? ただの通りすがりのオカマよ♪」

記者「こんな人里離れた遺跡にお散歩ですか? ご精が出ますね」

オカマ「精だけは有り余ってるから💛」

記者「この遺跡には今、火薬くさい魔物が暴れてますから……逃げた方がいいですよ」

オカマ「そうはいかないのよん。な・ぜ・な・ら☆」



↓+2 オカマがこの遺跡を訪れた理由は……?





オカマ「勇者様をつけ回す誰かさんを、退治しないといけないから💛」


記者「―――!?」

オカマ「ね♪」ブンッ

記者「ひぃ!?」サッ

オカマ「あら、よくかわしたわねン?」



記者(ちょ、どうしよう! 尾行を尾行されてた!?)

記者(誰の差し金!? どこから見られてた!? この人と勇者一行の関係は!?)

記者(ここで逃げても、勇者様にチクられたら尾行が難しくなる……!)

記者(い、いや、まだ終わりじゃない!)

記者(カメラはまだ懐に隠してあるし、それに、私以外にも勇者一行を尾行してる輩は何人かいる!)





記者「勇者様って……なに言ってるんですか!?」

オカマ「しらばっくれるのかしら?」

記者「わ、私は、遺跡で変な音がしてるから、見に来ただけですよ!」

記者「それに、こんなところに勇者様がいるはずありません! 勇者様が遺跡を破壊するはずがありません!」

オカマ「……ンま、とにかくコソコソしてるネズミは捕まえとこうかしら♪」

記者「あやしいと言えば、あなたことあやしいです! あなたもこの遺跡荒らしの仲間ですね!」

記者「そんな輩に捕まるわけにはいきません!」



ボフゥッ!!!



オカマ「あぶっ!? け、煙玉っ!? 忍者!?」




記者(苦しいけど、これでひとまず急場は凌いだ……)シュタッ

記者(これからの方針を決めないと……うぅ、これからは自分の背後にも気をつけよっと)





―――街・喫茶店―――



刑事「……フムン。この街はコーヒーがうまい」ズズッ…



記者「振り返らずに、そのまま」



刑事「!」

記者「勇者様たちと行動しているところを見るに、接触は成功したみたいですね」

刑事「黒人の彼に口利きしてもらってな。本の内容も少しずつだが解読している」

記者「それはなによりですね」

刑事「キミには本当に感謝してもしきれない」

記者「ほしいのは感謝ではなく、勇者一行に関する情報です」

刑事「そうか。わかっている限りのことを話そう」




記者「まず火急に知りたいことは……」

記者「あの遺跡でなにを行っていたのか?」

記者「そして例のオカマはなんだったのか?」

記者「それからなにか気になったことがあれば」



↓+1 遺跡を訪れた目的は……?

↓+3 オカマの勇者一行との関係は?

↓+5 一緒に行動していて、なにか気になったことは?


(すでに安価していても可)




刑事「私は彼らの仲間というよりも、ただの同行者だ」

刑事「そのためあまり立ち入ったことを耳にする機会もないのだが……」

刑事「どうやら王国の命令によって、遺跡を破壊することが彼らの目的だったようだ」

刑事「王国にとって、過去の文明は邪魔でしかないという見解らしいが、詳しくはわからん」


記者「……例のオカマは?」


刑事「我々に直接接触してくることはなったが、遺跡の中で、遠目に姿を見せていたな」

刑事「どうやらそのオカマというのは、彼らの元仲間らしいのだ」


記者「……“元”ですか?」





刑事「なにかが原因で袂を分かったようだが、その理由まではわからん。旅に同行するということもない」


記者「でも、勇者一行に対して協力的だったようにも見えましたが」


刑事「獲物をとられることを良しとしない……ということも考えられる」

刑事「少なくともキミの存在は、まだ勇者一行には知られていない」


記者「そ、そうですか……」ホッ

記者「まぁ、またしばらくしたら接触に来ます。くれぐれも私のことは内密に」


刑事「もちろんだとも」

刑事「ああ、それから……あのやけに露出度の高い、見込みのある幼女のことだが……」


記者「見込みがあるとか言うな。……彼女がなにか?」


刑事「なんというか、遺跡を出てから妙に挙動不審だ。なにかわからんが、なにかをするつもりかもしれないな」


記者「なるほど……それでは、ご協力感謝します」スタスタ





記者「む?」



幼女「」スタスタ



記者「ちょうどおあつらえ向きに、彼女が1人で歩いてるね」

記者「あの幼女が挙動不審、ですか……うーん、なにを始めようとしているのか……気になるっ」

記者「どれ、ちょっと尾行してみよっかな♪」

記者「同じ轍は踏まない。これからは手を抜かずに、背後にも気をつけて尾行するようにしなきゃね」



↓+2 幼女は勇者一行から離れて1人になると、なにを始めた?





記者「路地裏に入っていく……? どこに行くつもりなんだろ?」コソッ

記者「こんな人目につかないところに言ったら、危ないんじゃ……」

記者「あっ!?」



ゾロゾロ…


下っ端A「」

下っ端B「」

下っ端C「」



幼女「」ピタッ



記者「いつぞやの盗賊団の……!」

記者「まさか、ずっと追ってきてたの? あの男の子に報復するために?」

記者「ど、どうしよう……あの子も戦えるのかな? でもここまで戦闘なんてしてた様子は……!」



↓+2 下っ端はどうやって殺される?





ゴジュッ


下っ端A「」バタッ



記者「……へっ?」



グジョッ ガジュッ ゴリッ



記者「え? え? え?」





下っ端B「」ダッ

下っ端C「」ダッ

幼女「」ガシッ


ゴジュッ ガゴリッ


記者「あ、頭……から……食べっ……!?」ヨロッ

記者「き、記者魂っ! ビビってる暇があったらシャッターを切るべし!」パシャッ パシャッ



幼女「」ガツガツ

下っ端「」ビクッ ピクッ



記者「なにがどうなってるの……これ……」



↓+2 あらかた下っ端たちを食べ終えた血塗れの幼女は……?





幼女「」ドバァッ!!



記者「は、羽根!? 翼!?」



幼女「」バサッ バサッ



記者「…………と、飛んでっちゃった」パシャッ

記者「な、何者なの、あの子は……」




ここらで一度、安価リセット。すでに安価選ばれててもあと一回OKで。


それにしても一番薄かった幼女が、とんでもないことに。




記者「勇者一行のスクープを追え!」



※週刊少年ジャンプで規制されそうな内容の安価は、安価下となります。

※同一IDでの安価は、安価下となります。(一人一日一安価でおねがいします)

※ふと思い出した時に覗きに来るくらいのペースで更新。


【取材成果】

●勇者
・ショタ ・素敵、怖い、メチャクチャ強いと評判 ・スリの常習犯? ・痔?

●幼女
・幼女 ・露出度が高い ・喫煙癖あり? ・食人癖あり? ・しばらく人を食べていないと落ち着きがなくなる
・翼を生やして空を飛べる

●黒人
・黒人 ・背がとても高い ・聖人君子 ・王様より人望ある ・数百年生きてる ・古代帝国の禁書を持ってる
・勇者(?)と魔王と3人で楽しげに写った写真を持ってる ・眠らない? ・古代語を読める

●戦士
・ショタ ・ひ弱 ・厚着 ・盗賊団下っ端に無双 ・祖母の写真、大量のお菓子、大量の重火器を隠し持つ
・わりと脳筋? 

●刑事
・黒の海パン一丁 ・古代帝国の禁書を探していた ・記者に勇者一行の情報をリークしている
・黒人に禁書の内容を教わりつつ旅に同行している

●オカマ
・勇者一行を追う者を排除している? ・勇者一行(の誰か?)の元仲間 ・現在は勇者一行との繋がりはない

●謎の女
・改造人間? ・感覚が鋭い? ・治癒術師(ヒーラー) ・魔物を治療 ・勇者一行を追ってる?

●ケラケラ女
・妖怪? ・遊び人? ・勇者一行の誰かを狙ってる?

●獣人
・オス ・猫耳 ・疾患を治せる? ・勇者が痔持ちだと思っている

●魔王
・勇者をそのまま大人にしたような容姿 ・黒人とは仲間(だった)?


○勇者一行の任務
・魔王の討伐 ・違法カジノの壊滅 ・遺跡の壊滅





記者「あーあー、路地裏の喰いカスが見つかって騒ぎになってる」

記者「街に魔物か野獣が入り込んだんじゃないかっていう騒ぎだけど……」

記者「そんなこと意にも介さず、勇者一行は出発かぁ」



↓+2 勇者一行が次に向かったのは……





―――砂漠―――



記者「うぅぅ~、こんな見晴らしのいいところで追跡なんて……」

記者「勇者一行からはもちろん、あのオカマに見つかるのだってまずいのにっ!」

記者「しかも暑いしっ! なんでこんなところを通るんだろ……」

記者「勇者様たちの様子はほとんど見えないし、こうなってくるとあの変態内偵は役立つね」



記者「……ん? なんだろ、あれ……」



↓+2 砂漠を突っ切り、勇者一行へと突き進む影……その正体は?





記者「……あれ、もしかしていつぞやの猫獣人じゃ……?」

記者「勇者様に「今度また現れたら殺す」って脅されてたのに……懲りないなぁ」



ズドォォォン……!!



記者「ああ……なんまいだぶ」

記者「こんな場所でノビてたら、さすがに死んじゃうよね」


記者「しょうがない、ちょっと取材がてら助けてあげるとしよっかな」





獣人「はにゃっ!?」ガバッ



獣人「あれ? ぼくは……」

記者「炎天下で砂に埋もれてたので、岩陰に移動させておきました」

獣人「……おまえは?」

記者「私は記者と申します。たまたま砂漠を通りかかったところ、あなたが勇者様に吹っ飛ばされるのを見て……」

獣人「そうだったのかにゃ。めんぼくないにゃ」ペコッ

記者「それにしても、どうしてこんなことを?」



↓+2 獣人が勇者を痔だと思い、しかもそれを治そうとする理由……それは……





獣人「だって小さい頃、先代の勇者は痔が悪化したせいで死んだって聞いたんだにゃ……!」

記者「えええええっ!? そうなの!?」

獣人「だからきっと、今の勇者も痔で苦しんでるだろうと思って、痔に効く伝説の秘薬を手に入れたんだにゃ!」

記者「先代勇者が痔だなんて、そんな話聞いたことないけど……でも秘薬まで用意するそのガッツは感服します」



記者「だけどせめて、時と場所を選んだほうがいいですね」

記者「さて、それでは私は失礼します。ちゃんと休んでから帰ってくださいね」スタスタ



獣人「勇者様の痔を治すまでは帰れないにゃー!!」



記者「本当だとしてもデマだとしても、勇者様は気の毒だなぁ……」





記者「あっ、砂漠の終わりが見えて来た!」

記者「次はもっと隠れやすいところに行ってくれたら助かるんだけど……」

記者「あれ? もしかして、あそこって……」



↓+2 砂漠の向こうに見えた、その場所は……?





―――古城―――



記者「やっぱり、しばらく前に攻め落とされた城だ……」

記者「今は誰もいないはずだけど、勇者様たちがここへ来たってことは……なにかあるんだよね」


記者「気を引き締めないと……って!!」

記者「危なっ!? これ、感知用の魔法陣だ……」


記者「……どうやら魔術師がいるみたいだね」





記者「うーん、どうしよっかな」

記者「あの変態内偵がいるんだから、私は無理して潜入しなくてもいいんだけど……」

記者「でも、もしかしたら殺されてるかもしれないし、奇跡的なスクープに出くわすかもしれないし……」

記者「やっぱり足を動かさないとねっ!」



記者「というわけで……」シュタッ

記者「さて。壁をよじ登って最上階まで来てみたわけだけど」

記者「さすがに勇者一行はまだみたいだし、お先にちょっと探索してみよっかな♪」



↓+2 記者が魔法結社の拠点最上階の一室を覗いてみると、そこには……





カチャ…


記者「しつれいしまーす……」ソロ…




ワイワガヤガヤ




記者「……。」


ガチャ…





記者「…………。」

記者「酒盛りしてた! 裸で踊ってた! みんなで楽しそうに宴会中だった!」

記者「え、ここって豪華な居酒屋なの!? 勇者様たちは彼らになにをしようとしてるの!?」





記者「うぅ……もはや理解の範疇を超えている……」


記者「ここから中庭と城門付近が見下ろせるけど、勇者様たちは今どの辺りにいるのかな?」キョロキョロ



ズガァァアアアン…!!



記者「……ああうん、あそこか」

記者「あと10分くらいでここまで来ちゃいそうだね。さっさと撤収しちゃおっと」スタスタ


記者「……ん?」



↓+2 勇者一行のほかに、城内で動く影。それは……?





記者「あれって、あの森で見かけた……」



謎の女「」クルッ



記者「えっ!?」サッ

記者「あの距離からこっちが見えるわけ……」ソロー



謎の女「」ジー



記者「見てる! めっちゃこっち見てる!?」

記者「な、何者……!?」

記者「……。」

記者「……いいよ」


記者「話してみたくなった」シュバッ





記者「よっと」シュタッ


謎の女「……!」



謎の女「……誰」

記者「私は記者と申します。初めまして」

謎の女「……」

記者「と言っても、私にとっては初めましてじゃないんですけどね」

謎の女「え?」

記者「貴女、勇者一行を尾行してますよね? そしてその最中で、傷ついた魔物を治療していた」

謎の女「……!!」



記者「いったい、なぜです?」



↓+2 謎の女の、行動の動機は……?





謎の女「……私は、傭兵」


記者「傭……兵?」

傭兵「勇者たちのボディガードと後始末をするのが、仕事」

記者「え、じゃあ、勇者一行を尾けてたのは……」

傭兵「勇者たちの壊したところの、後始末をするため。勇者たちは強いから、ボディガードは、あんまりいらない」

記者「……魔物を治療したりしてたのは?」

傭兵「それは、ただ可哀想だったから助けただけ」

記者「それなら勇者一行といっしょに行動すればいいじゃないですかっ!」

傭兵「…………。」

記者「?」

傭兵「……し、知らない人と旅するの、恥ずかしい……///」


記者(思いのほかシャイだったーっ!?)





傭兵「それより、あなたも勇者たちを尾行してるみたいだけど……」

記者「っ」ギクッ

傭兵「……どうして?」

記者「えっと……そ、それはですね……」

傭兵「……」ジー



記者「じ……じつは、私は勇者一行の、記録係なのですっ!」



傭兵「記録係?」キョトン

記者「勇者一行が各地でどのように活躍したのかを記録するのです」

傭兵「なんで?」

記者「もしも勇者一行の功績を横取りしようなどというセコイ輩が現れたとき、黙らせられるでしょう?」

傭兵「!」

記者「そして、魔王を討伐した暁には、勇者一行の獅子奮迅の大活躍を王国の民に知らしめるのです!」

傭兵「……。」

記者(どうだ……!?)ゴクリ





傭兵「なるほど、そういうことだったんだ。ごめん」

記者「しかし自分たちの行動が記録されてると知れば、どうしても意識してしまい不自然な行動になります」

記者「そのため、勇者一行の皆さんにはなるべく知られずに行動しろと“王国から”命を受けているのです」

傭兵「わかった。疑ってごめんね」

記者「いえいえ、ボディガードなら当然です。こちらこそ警戒してしまい申し訳ありません」



スガァァアアン…!!



記者「城の最上階が爆破されましたね。どうやらここでの仕事は終わったようです」

傭兵「うん。それじゃあ、私は後片付けがあるから……」スタスタ

記者「はい! それでは、またいずれ!」シュバッ





―――街―――



記者「思いのほか素直な人で良かった……どうにか誤魔化せた」

記者「結局あの古城はなんだったんだろ? あとで海パンに聞いてみよっと」

記者「今日はこの街で休んで行くのかな。なら海パンと接触して……」


記者「あれ、なんか、街が騒がしい……?」



↓+3 いったい、この街でなにが……?





ゾンビ「オォォォ……」ゾロゾロ



記者「ええっ。なんで街中にゾンビが、こんなに……」

記者「街中で大パニックだね……阿鼻叫喚の地獄絵図って感じ」



子供「きゃあああっ!?」

ゾンビ「オォォオ……」



記者「あっ、良い画!」パシャッ





記者「……じゃ、なかった」ヒュッ


ゾンビ「ゴブッ!?」ズバッ


記者「だいじょうぶ?」シュタッ

子供「あ、ありがとっ、おねえちゃん!」

記者「はいはい、はやく逃げなさい」



記者「ゾンビが仲良くマラソン大会してるってんじゃないなら、誰か黒幕がいそうだね」





記者「とは言っても、べつに私が動く義理もないしなぁ」

記者「街の衛兵団が勝手に動いてるだろうし、どうにかなるでしょ♪」

記者「あ、でも勇者様たちが動くようなら、私も取材しなきゃだけど……」


記者「……ん?」



↓+2 バイオハザードの中で、記者が見たものは……





ゾンビ「オォォォ……」ジュワッ



記者「……? ゾンビが溶けてってる……」

記者「いったい何が……?」チラッ



黒人「」パァァ



記者「黒い人……! あの人がなにかやってるのかな? な、なんか後光が射してるけど……」

記者「とりあえず、勇者一行が動いてるってことはわかったし……」

記者「しょうがない、私も動こうかなっ」シュバッ





記者「ゾンビは一ヶ所だけじゃなくって、街中至るところに現れてる……」キョロキョロ

記者「まず前提として、こんな街を滅ぼしたところでこれといった得もないハズ」

記者「つまりこれは、なにかから目を逸らさせるための陽動……?」

記者「それなら逆に……ゾンビから目を逸らして行動すれば」

記者「ゾンビがいないところに、なにか重要なものがあるっ!」


記者「教会! ここが、台風の目だっ!」ガチャッ



↓+3 唯一ゾンビが出現していない教会。そこには……





―――教会―――



ガチャッ… ギギギッ…



勇者「ん?」


記者「え?」

記者(ゆ、勇者様……? なんでこんなとこで本を読んでるの!?)



勇者「お前か、この騒動の黒幕ってのは」

記者「え? ……ええっ!? ち、違いますよっ!?」

勇者「黒幕はみんなそう言うんだ」

記者「いやそんな黒幕はあんまりいないような気がしますけど!?」

勇者「とりあえずお前を物理的に成仏させて、それでゾンビが止まればお前が黒幕だ」

記者「この人ゾンビよりも性質が悪い!!」

勇者「……まぁ、冗談はさておき」



ガチャッ


死霊術師「っ!?」


勇者「さて、黒幕のお出ましだ」

記者「……!」


つづきはあした。



記者「勇者一行のスクープを追え!」



※週刊少年ジャンプで規制されそうな内容の安価は、安価下となります。

※同一IDでの安価は、安価下となります。(一人一日一安価でおねがいします)

※ふと思い出した時に覗きに来るくらいのペースで更新。


【取材成果】

●勇者
・ショタ ・素敵、怖い、メチャクチャ強いと評判 ・スリの常習犯? ・痔?

●幼女
・幼女 ・露出度が高い ・喫煙癖あり? ・食人癖あり? ・しばらく人を食べていないと落ち着きがなくなる
・翼を生やして空を飛べる

●黒人
・黒人 ・背がとても高い ・聖人君子 ・王様より人望ある ・数百年生きてる ・古代帝国の禁書を持ってる
・勇者(?)と魔王と3人で楽しげに写った写真を持ってる ・眠らない? ・古代語を読める

●戦士
・ショタ ・ひ弱 ・厚着 ・盗賊団下っ端に無双 ・祖母の写真、大量のお菓子、大量の重火器を隠し持つ
・わりと脳筋? 

●刑事
・黒の海パン一丁 ・古代帝国の禁書を探していた ・記者に勇者一行の情報をリークしている
・黒人に禁書の内容を教わりつつ旅に同行している

●オカマ
・勇者一行を追う者を排除している? ・勇者一行(の誰か?)の元仲間 ・現在は勇者一行との繋がりはない

●傭兵
・改造人間? ・感覚が鋭い? ・治癒術師(ヒーラー) ・優しさで魔物を治療
・勇者一行のボディガード兼後始末を請け負う傭兵

●ケラケラ女
・妖怪? ・遊び人? ・勇者一行の誰かを狙ってる?

●獣人
・オス ・猫耳 ・痔を治す秘薬を持っている ・先代勇者が痔で死んだと信じている ・勇者が痔だと思っている

●先代勇者
・痔の悪化で死亡したという噂がある

●魔王
・勇者をそのまま大人にしたような容姿 ・黒人とは仲間(だった)?


○勇者一行の任務
・魔王の討伐 ・違法カジノの壊滅 ・遺跡の壊滅 ・悪の魔法結社の壊滅





死霊術師「……何者だ、貴様たち」ジリッ



勇者「通りすがりの勇者だよ」

記者「ええっと……私は本当に通りすがっただけの善良な市民です! それでは失礼しました!」ササッ

勇者「教会の出入口は、あの正面扉だけだぞ」

記者「……ぎゃふん」

死霊術師「出入口は一つだけということは、こんなところに籠城するバカはいない」

死霊術師「つまり貴様たちは、あえて意図的にここを訪れたということだ」

勇者「この教会のなにかを求めて、こんなことを始めたんだろう?」


勇者「いったいなにが目的なんだ」



↓+2 この死霊術師がゾンビをけしかけてまで教会を無人にしようとした理由は……





死霊術師「貴様たちが知る必要はない。私の大いなる使命を、貴様らが理解できようはずもない」

勇者「……まぁいいけど。どうせ倒せば同じだ」スチャッ

記者(典型的なサイコだなぁ。巻き込まれたらすごいめんどくさい……)

死霊術師「せめて住人達を遠ざけて被害を減らしてやろうというのに、わざわざ死ににくる者がいるとは」

記者「えっ」



ゴゴゴゴゴゴゴッ…



記者「な、なにこれっ!?」

勇者「……なにをしてる?」

死霊術師「勇者と対峙するものと言ったら、古来より決まっているではないか」

勇者「魔王はお前の友達だったりするのか? だったら呼び出してくれ」

死霊術師「もはや絶滅したと言われている存在だが、貴様らも知ってはいるはずだ」



死霊術師「出でよ、古のドラゴン!!」





ズガァァアアンッ!!


ドラゴン「ギャォォオオァァ!!」



勇者「っ!!」

記者「きゃあああああっ!?」

勇者「逃げるぞっ」ガシッ

記者「ドラゴンが……でも、飛んでいきますよ……?」

勇者「!」



ドラゴン「」バサッ バサッ



勇者「この街を消すつもりはないのか……。ところで、さっきのアイツはどこいった?」

記者「……逃げたみたいですね」

勇者「ゾンビは?」

記者「倒れてますね。用済みってことでしょう」

勇者「……おれはあのドラゴンを追う。あんたは家に帰るんだ」

記者「そ、そうですね。そうします」ササッ





記者「ああ、心臓に悪かった……」

記者「迂闊に動いて巻き込まれるのはもうかんべんだよ」

記者「これからは後ろから覗くことに徹しよう」


記者「さて、勇者様はどこへ向かうつもりなのかな」



↓+2 勇者一行の次なる目的地は……





―――洞窟―――



記者「勇者様たちはここに入って行ったけど……」

記者「もしこの中が1本道だったら、私も入ったら確実に鉢合わせしちゃうよね」

記者「うーん、どうしよっかな。勇者様と黒い人には顔も見られちゃってるし……」


記者「まぁいっか。なるようになるよねっ!」ダッ


これ結果的に安価とってなかった>>255の方が採用されたわけだけど>>255の人はもう一度安価取れるの?




記者「うわ、洞窟の中はいっぱい水が張ってる」

記者「防水性だけど、カメラを濡らしたくはないし……」

記者「しょうがない、水蜘蛛の術で水面を歩くかな」スイー

記者「勇者一行はどうやって渡って行ったんだろ? 泳いだのかな?」


記者「んん?」



↓+2 記者の前方に影が。その正体は……


>>267
無効処理の結果採用された場合はもう一度OKということで。




オカマ「」ジャブジャブ



記者「やばっ!」スイー

記者「あーあ、ここにも来てたんだ、あのオカマ……」コソッ

記者「今回は幸い、私の方が後ろを陣取ってるけど」

記者「勇者一行の元仲間かぁ……」


記者「あれ?」


記者「私、勇者様が酒場であの3人を仲間にするところを見てるよね?」

記者「しかも、それからずっと尾行してる……」

記者「じゃあ、いつ仲間になったんだろ?」

記者「もしかして勇者一行共通の仲間じゃなくって、たとえば、黒い人の個人的な仲間だったとか?」

記者「とにかく、あとをつけてみよっと。そしたらなにかわかるかも」スイー





記者「あっ、勇者様!」コソッ

記者「やっぱりオカマさんも勇者一行を追ってたんだね」

記者「あそこが洞窟の最奥なのかな? なにをするつもりなんだろ……」



↓+2 勇者一行は洞窟の最奥に、なにをしに来た?





記者「あれは……なんだろ?」

記者「洞窟になにかが安置してある」

記者「剣……かな? なんでこんなところに剣が……」


記者「……!」


↓+2 勇者様が伝説の剣を振るうと、どうなった?





勇者「」ブンッ



記者「死んだ魚を斬ってる? いや、剣を振ってるだけか……なにしてるんだろ?」

記者「……あれ?」



魚「」パァァ



記者「え、えっ?」



魚「」ビチビチッ



記者「ま、まさか……生き返らせた!?」

記者「そんな伝説の装備が、こんな洞窟にあるなんて……」

記者「これは大スクープ!」パシャッ


勇者「」スタスタ


記者「うわっ、もう用は済んだんだ! こっちに戻ってくる!」サッ

記者「あれ、でも私よりも前にいるオカマさんは、どうするつもりなんだろ……?」



↓+2 このままでは勇者一行と鉢合わせるオカマは、どうする?





オカマ「どうも、お久しぶりねん♪」ザッ


勇者「!」ピタッ

ショタ「……」

幼女「……」

刑事「!」

黒人「……武闘家」

武闘家「ええ、アナタの武闘家ちゃんよ💛」

勇者「なんの用だ」

戦士「……。」ジャキッ

武闘家「ンもう、そっちの可愛いボウヤ♪ そんな物騒なものはしまって頂戴な」

武闘家「ツレないわねぇ。せっかく面白い話を持ってきてあげたっていうのに」

勇者「面白い話?」




武闘家「アナタたちが先日、寄っていった街があるわよね? あの、コーヒーの美味しい街よン」

勇者「それがどうした」

武闘家「その街で、3人の人間が殺された。頭からガブリと食い殺されて、それはもうヒドイ有様だったわン」

幼女「―――っ」ピクッ

勇者「話が見えないな」

武闘家「んふっ💛 その犯人を知ったら、アナタたち、ぜったいビックリ仰天しちゃうわよ?」



武闘家「そうは思わない? そこの―――可愛らしいお嬢ちゃん?」ジロッ





記者「……たしかにびっくりだね」コソッ

記者「あのオカマさん……幼女ちゃんの正体を突き止めてたんだ」

記者「でもどうしてこんなタイミングで……?」

記者「まさか、この洞窟内で決着をつけるつもりなのかな」


記者「一番の問題は、あの子が敵なのか味方なのか……」

記者「生まれたときから魔物なのか、特殊な魔法を使う人間なのか……」


記者「なにより、あの子がどう動くか……だね」



↓+3 幼女はどう動いた?





幼女「……っ」


勇者「どうしてそこで、こいつが出てくる?」

武闘家「話の流れでわかるでしょ? その子が3人を、精肉所でだって見かけないような形に変えたからよ」

勇者「頭から人間を食うだって? そんなバカな」

武闘家「食べるだけじゃなくって、翼まで生やしてたわよン💛」

勇者「……おい、どんどん話が進んで行ってるけど、お前は言うことないのか」

幼女「…………。」

勇者「おいっ」

幼女「……あたしのおかあさんは人間で」


幼女「あたしのおとうさんは…………魔物、なの」


勇者「…………は?」





幼女「あたし、生まれたときからおかしなチカラを使えたし」

幼女「人間と比べたら冗談みたいな量の魔力をもってるし」

幼女「それと……人間の食べものをいくら食べても、ぜんぜんお腹が満たされないの」


勇者「……まさか」


幼女「あの人の言う通り……あ、あたしは……」


武闘家「な~んかおかしいって、最初から思ってたのよン。根拠はなかったけど、ンま、女のカンってヤツね♪」

勇者「……。」

武闘家「どうするの、勇者様? その子、人間を食べるのが我慢できないみたいだけど」

幼女「……っ」

武闘家「人間を守るために魔王に立ち向かう勇者様的には、どう考えるのかしらン?」



勇者「…………」



↓+3 勇者様は幼女を、どうすべきと判断する?





勇者「ひとつ聞くが……」

勇者「こいつはどんなヤツを食べたんだ」

武闘家「有名な盗賊団の下っ端ね。以前、そっちの可愛いボウヤを襲ったヤツらよン」

戦士「!」

勇者「それをわかってて、そいつらを襲ったのか?」


幼女「……お腹、減ってて……勇者様の旅について行ってから、ずっとなにも食べてなくて……」

幼女「それまでは、盗賊団とか、指名手配犯とか、死体とかを食べてて……」

幼女「どうしよう、みんなから離れようかなって悩んでて、人気のないところに行こうと思ったら……」

幼女「……ちょうどそのとき、そいつらが絡んできて……あたしを連れ去るって、言ってきて……」

幼女「頭では追い払おうかと思ってたのに、気づいたら、体が、勝手に……」


勇者「…………。」





勇者「おれは勇者だ。魔王を倒すための存在ってことになってる。当然、魔物の敵でもある」


幼女「っ」ビクッ


勇者「だけど」

勇者「手放しで人間の味方ってわけでもない」

勇者「人間の中にも、魔王に味方するヤツはいる。救いようのないクズもいる」

勇者「おれは勇者であって、聖人じゃない。好きなヤツも嫌いなヤツもいる」

勇者「どうしようもない外道に限って消すのなら、おれは、関知しない。好きにしたらいい」


武闘家「あらあら。王国の民が聞いたら、さぞ幻滅するでしょうね」

武闘家「天下の勇者様が、食人鬼の味方をするって言うの?」





勇者「綺麗ごとは言わない。そうだ、おれは盗賊よりこいつのほうが好きだから、こいつの殺人を見逃す!」

勇者「顔も名前も知らない悪党なんて知ったこっちゃない! おれは仲間のほうがずっと大事だ!」

勇者「こいつを殺そうっていうなら、たとえあんたでも、おれの敵だっ!!」スチャッ


幼女「―――っ!!」


武闘家「……。」


武闘家「そう、ならいいのよ。お節介だったみたいねン💛」

勇者「……なに?」

武闘家「知らずに傍に置いてるなら危なっかしくて見てられないけど、知ってる上で仲間と言い切るなら……」

武闘家「アタシが言うことはないわ。ンま、せいぜい気をつけときなさいってカンジ💛」

武闘家「それじゃあねン💛」スタスタ


黒人「武闘家……」


勇者「……」

幼女「……っ」ギュッ

勇者「……知らなかった。おまえ、手がすごく冷たいんだな」





武闘家「……やっぱり子供ねぇ」スタスタ



記者「……」コソッ

記者「なんだか意外なことになったなぁ」

記者「きっと戦いになると思ったけど、こういう決着になるとはね」

記者「勇者様たちがこっちに来る前に、私も撤収しよっと」





―――街・喫茶店―――


記者「勇者様たちは……今日はここで休んで行くみたいだね」

記者「今日はいろいろあって疲れてるだろうし、まぁしょうがないか」

記者「できれば海パンと接触したいけど……都合よく1人になってくれないとなぁ」


記者「ドラゴンがどこかを襲ったって噂は聞かないけど、ドラゴンを呼び出したあの人の目的は何なんだろう……?」


記者「ま、私はあくまで記者だからねっ。難しいことを考えるのは仕事じゃないか♪」

記者「あ~、パンケーキおいしっ💛」


記者「ん? あそこの席にいるのは……」



↓+2 同じ喫茶店で見かけた人物とは……





男「」パクパク

女「」ガツガツ



記者「あの2人って、たしか……」ペラ ペラッ

記者「やっぱり! けっこう有名な賞金稼ぎのコンビだっ」

記者「でも、どうしてこんな街に?」

記者「もしかして、凶悪犯が潜伏してるとか……!?」



↓+2 賞金稼ぎの2人が追っているターゲットとは……?





男「」ピクッ


記者「あれ、目があっちゃった」


男「」ヒソヒソ

女「」チラッ


記者「あれ、なんか、話し合ってる? な、なんだろ……?」


男「」スタスタ

女「」スタスタ


記者「こっちに来るっ!? え、なに!? なんか怖い!」





男「きみは、記者さんだね?」

記者「え……?」

女「しらばっくれんじゃねーぞ。ネタはあがってんだぜ」

記者「え? えっ?」

男「じつは王国から、きみの首に賞金がかけられているんだよ」

記者「えええええええっ!? なんでですか!? 私、なにも悪いことしてませんよ!?」

女「やったかやってないかは問題じゃねーな。死体は弁解できないだろ?」


記者「ち、ちなみにですけど、どういう罪状なんですか……」


↓+3 記者が犯したということにされている罪とは……?





女「いや、罪状とかはねーよ」

記者「……へ?」

男「たまにあるんだよ、こういうパターン。これといった理由も明かされず秘密裏に指名手配されるんだ」

記者「ええっ!?」

女「ま、捕まえてから考えるってヤツか。なにか公にできねー大いなる意思ってヤツが絡んでんじゃねーの?」

記者「そ、そんなデタラメな……」

男「とにかく来てもらいましょう。我々も、こんな街中で暴れたくはないですしね」

女「一応“デッドオアアライブ”とはオーダーされてねーから、あんまり暴れられると手足飛ばすからな」

記者「……っ」ガタガタ





女「おら、もっとキビキビ歩けっ!」ベシッ

記者「んむぐっ……」ヨロッ

男「ハニー、変に注目を集めるといけないからおとなしくね」

女「ふん」


記者(この道は、人通りがそんなに多くない……仮に逃げ出しても攻撃されて即捕まっちゃうね)

記者(後ろ手に縄で縛られて、猿ぐつわも噛まされてる……拳法・魔法対策か)


女「妙なこと考えるなよ、アンタ。人間の血は脂が多くて、剣がすぐダメになっちまうんだからよ」

男「その剣、高かったもんな」

女「その通り! どうよこれ、この前の報酬で奮発しちまったんだけどさー!」シャキンッ

男「綺麗だよ」

女「へへっ」///


記者(注意が一瞬逸れた! いまだっ!)ポロッ



ボシュゥゥゥッ!!





女「な、ンだとっ!?」

男「煙玉……!? 忍者だったのか!」


記者「ただの記者ですよっ!」ヒュンッ


男「っ!?」カキンッ

女「手裏剣!? って、やっぱ忍者じゃねーか!?」


記者(建物同士の間が2メートル以内! 壁走りで屋上まで行ける!)タンッ タンッ タンッ


女「っつーか、ロープは!?」

男「縄抜けしたんだろう。仕方ない……、―――」ブツブツ


記者(呪文っ!? そっか、女が剣士で男が魔術師って情報が……!)タンッ タンッ

記者(屋上の縁を、掴んだっ!)ガシッ



↓+2 男が放った魔法とは……





男「―――」ボキュッ



記者(なにか、飛んで……やばいっ!?)

記者「縮地っ!!」ダンッ!!


ヒュンッ…




男「……む、また忍術かなにかか?」

女「おい、すげー勢いでどっか飛んでったぞ! 逃げられちまうじゃねーか!」

男「いや、わずかだが掠ってたはずだ。空間ごと肉体の一部が崩壊してるだろう」

女「死んだらどーすんだよ!」

男「手加減はしたって。本気でやってたら今ごろバラバラだ」

女「……チッ、しゃーねぇ。血痕を見つけて追うぞ」スタスタ

男「ああ」スタスタ





記者「はぁ、はぁ……ぅぎッ……」

記者「いィ痛いぃぃっ!!」

記者「わ、脇腹が、ズタズタじゃんかっ!!」ボタボタ


記者「……医者なんて言ったら、カモに決まってるし……ハァ、回復魔法なんて、使えないし……」

記者「つ、使いたくなかった、けど……この秘伝の薬草で、一時的に痛みを消すしかない、かな……」


ザリッ


記者「っ!! ひ、人の気配……!? ま、まさか……!!」コソッ



↓+2 記者の隠れる場所に近づいてくる人影は……





ザッ


記者「ひっ!?」ビクッ



預言者「あ、いたいた~。記者ちゃん見っけ~」ニコッ



記者「……よっ……預言者!? なんでっ!?」

預言者「なんか面白いニュースないかな~って、本社の予測部署で瞑想してたら、トンデモなニュースを受信したの~」

記者「ああ、なるほど……私が指名手配されるっていう……」

預言者「ううん、記者ちゃんが死ぬっていうニュース」

記者「あれぇ、もう死んでたのっ!? あ、あ、あいつら許せんっ!!」メラメラ

預言者「それで急いでこの街まで馬車を飛ばしたんだけど、お医者さんを確保してたら遅くなっちゃった~。ごめんね?」

記者「いや、むしろありがとう愛してるっ!! あ痛たたっ!」ズキッ

預言者「隣町のお医者さんを馬車で連れて来たから、停車場まで急ごうね~」スタスタ

記者「あ、うん……手を貸してくれるとかはないんだ……いや、いいけどね……」ヨロヨロ…





記者「まだ多少は痛むけど、見た目には大丈夫っぽいね。ほんとにありがとう、預言者」

預言者「うふふ、死ななくてよかったね~」ニコッ

記者「う、うん、そうだね……」


預言者「それで、これからどうするの~?」

記者「しばらくは大手を振って街を歩けないだろうね。だけどこの街から逃げれば、ヤツらも私を見失うはずだよ」

預言者「ほんとにそうかな~?」

記者「え?」

預言者「わたしには、記者ちゃんが次にどこ行くか、わかっちゃうけどな~」

記者「いや、それは預言者の能力が……」



記者「―――っ!!」





預言者「うん、そうだよね~。目撃情報とかを集めて行ったら、記者ちゃんの目的は、だいたいわかっちゃうもんね~」

記者「勇者様のいるところに、必ず私が現れる。それを向こうが把握していたら……」

預言者「それに、情報屋さんでお買い物するかもしれないしね~」

記者「……っ」

預言者「そういえばね、わたし、有給をもらったの~」

記者「え?」

預言者「記者ちゃんが寄っていく街の教会に、いつもいるからね~。さみしくなったら会いに来てもいいよ~」ニコッ

記者(あ、いつも一緒にいてくれるとか、そういうのはないんだ……)ガクッ





預言者「あ、そうそう、そういえばね~」

預言者「次に勇者様たちが行くところ、教えてあげよっか~?」

記者「えっ?」



↓+2 勇者様が次に向かうのは……?





―――工場―――



記者「けほっ。天井裏はホコリっぽくて嫌いだよ……」ズリズリ


記者「……もうちょっとで勇者一行がここを訪れるらしいけど」

記者「そういえば、こうやって私が先回りをしたのは初めてだなぁ。なにかやっておけることはないかな?」

記者「うっ、痛たた……あんまり無茶はできそうにないか」ズキズキ

記者「なんだか小窓から覗ける限りでは、実験室の中で変な実験を受けてるみたいだけど……」



記者「よっと」シュタッ



記者「そんなこんなで一番奥まで来ちゃったか」

記者「ロックがかかってるみたいだけど……私の前では意味ないよね♪」ガチャリ


記者「さて、いったいなにが……」コソッ



↓+3 改造人間工場の最奥には、いったいなにがあった……?





記者「なんだろ、あれ?」

記者「ゴーレム? 巨大甲冑……?」

記者「む、ここに研究資料が。なになに……」ペラッ ペラッ


記者「―――ろぼっと?」


記者「ちょ、これって……!!」

記者「あれが、元人間!? 人間の脳味噌を移し替えられた……!!」

記者「く、くるってる……」


記者「勇者様たちが潰しに来るのも納得だよ、こんなの」

記者「証拠も押さえとこっと」パシャリ





記者「過去の検体記録もまとめてある……」ペラッ

記者「え……これって」


記者「……傭兵さん?」



↓+2 傭兵にかつて施された改造とは……





記者「施された改造は……えっと、つまり空を飛べるってことかな?」ペラッ

記者「もしかして、そのチカラを使って研究所から脱出を?」

記者「それとも、試験運用中とか……この研究所の立ち位置がよくわからないなぁ」


記者「もうすぐ勇者様が来るけど、この“ろぼっと”たちが暴れだしたら厄介なことになりそうかも」

記者「要は、私の里にあったカラクリ人形が大きくなったようなものなのかな?」


記者「……触らぬ神に祟りなし」

記者「迂闊に接触して勇者様にチクられたら困るし、もう脱出するかな」シュバッ





記者「さてと。勇者様は、今ごろ工場の中かな?」シュタッ

記者「……あっ!」


傭兵「あ、記録係ちゃん」


記者「お久しぶりです」

傭兵「うん、ひさしぶり。あれ、どこかケガしてる?」

記者「な、なぜそれを?」

傭兵「なんとなく、歩き方がぎこちなかったから」

記者「すごい観察力ですね……」





記者「ああ、それよりも。もしかして傭兵さんって、この工場と関わりがあったりしませんか?」

傭兵「……え」

記者「とある情報筋から、この工場の研究を通じて、あなたの存在が浮上したもので……」

傭兵「……うん、前に、ちょっと」

記者「差支えなければ、それについて聞かせてもらえませんか? すみません、気になると夜も眠れない性質でして」


傭兵「……。」



↓+2 この工場と傭兵とのかかわりは……?





傭兵「私、あの工場の工場長の、姪なんだ」

記者「……! ……なるほど、親族でしたか。しかし、それならどうしてあなたまで改造を……」

傭兵「!!」

記者「あっ……、その、ごめんなさい」

傭兵「ううん、いいよ。そうだね、ちょっと家の都合で工場長のところに預けられて……改造されたんだ」

記者「それで工場を逃げ出してきたんですか?」

傭兵「まあ、そんな感じかな。あの人は自分の研究しか見えてないから、自分で稼がなきゃいけなかったし」

記者「それは、なんというか……大変な経験をされてきたんですね」





記者「ところで、勇者一行がここへ来た理由はご存じありませんか?」

傭兵「うん、私も直接聞いたわけじゃないけど、たぶん……」



↓+2 勇者一行がここを訪れた理由は……





傭兵「工場長を逮捕するんだろうね」

記者「……はい、あの、工場長のしていることを思えばそれが当然ではありますけど……その」

傭兵「ううん、気にしてないよ。なにやってるか、知ってるから」

記者「ですが、改造された人たちはどうなるんでしょうか? 脳みそを取り出された人とか……」

傭兵「もう人間じゃなくて、“動力”だから」

記者「……そう、ですか」





記者「工場長に会って行かれなくていいんですか?」

傭兵「……うん」

記者「この工場にも“後片付け”に入るんですよね? それでは、私もついて行っても良いですか?」

傭兵「え?」

記者「だめですか?」

傭兵「……ううん、いいよ。……ありがと」

記者「はいっ!」





―――街―――



記者「ふぅ、とても貴重なものがたくさん見れてホクホクだったよ♪」

記者「おかげで傭兵さんともちょっと仲良くなった気がするし」


記者「だけど街に入るたびに、全力で気配を消さなくちゃいけないっていうのはダルいなぁ」コソッ

記者「まぁ、殺しがイヤで記者になったんだから、おとなしく逃げるしかないよね……」


記者「ん? なんか向こうが騒がしい……喧嘩でもおきたのかな?」



↓+3 騒ぎの原因は……





記者「あの、どうかしたんですか?」ヒョコッ

町民「いやね、なんでもスライムが喋ってるみたいなんだよね」

記者「スライムが!? 低級の魔物が喋るなんて、珍しいですねっ! 大スクープです!」

町民「でもその内容がねぇ。なんでも、この街に津波が来るって騒いでるんだよ」

記者「津波……? それは、事実なんですか?」

町民「たしかにこの近くには海があるけど、津波なんて起こったことは1回もないよ」

記者「それでは、デタラメということでしょうか?」

町民「なんのつもりか知らないけどねぇ」

記者「……ふむ」





スライム「……うぅ、ほんとなのにぃ……」ポヨ ポヨン


記者「津波が来るなんて、物騒だね」コソッ

スライム「!!」ピクッ

記者「もし本当なら、早く逃げないと大惨事になっちゃうよ」

スライム「そう! そうなんだよ! なのにみんな、信じてくれなくって……!」

記者「人間は、きちんと具体的で説得力のある言葉じゃないと動かないからね。ましてや魔物の言葉だし」

スライム「それなら、お姉ちゃんが言ってよ!」

記者「そのためには、そもそもどうしてきみが津波が来ることを知っているのかを教えてもらわないと」



↓+2 スライムが、この街を津波が襲うと考えた根拠は……?





スライム「……じつは、ぼく、海で遊んでたとき……」

スライム「海岸に建ててある社(ヤシロ)の、お供え物を食べちゃって……」

スライム「そしたら、海の女神様が怒っちゃったんだ!」

スライム「それで、ぼくがよくこの街に遊びに来てるから……津波で滅ぼすって言ってきたの!」


記者「海の女神……。なんだかその心の狭さからすると、魔物の一種なのかもしれないね」

記者「ともあれ、その女神とやらが本当に……津波を起こすことができるの?」


スライム「その辺りの海は、お供えをせずに船が通ったりすると沈められちゃうんだ!」

スライム「本気になれば、津波くらい起こせるよ!」





記者「……なるほどね」

スライム「信じてくれるの?」

記者「私は自分で見たものしか信じないよ」

スライム「……うぅ」

記者「でも、見もしないのに否定をしたりはしない。気になったなら、いろいろ動いて調べてみるんだよ」スタスタ

スライム「……!」


記者「悪いけど、どっちにしても私は追われる身だから、街の人たちを避難させることはできない」

記者「そういうのは、勇者様を探すといいよ。きっと力になってくれるはず」





―――海岸―――



記者「ここだね。スライムの言ってたお社は」

記者「あれからコソコソ街の人に聞いて回ったけど……」

記者「あのスライムの言ってたことは、あながちデタラメってわけじゃなさそうなんだよね」


記者「お供え物を食べられたくらいで……とも思うけど、そういう問題じゃないのかな」

記者「きっと“メンツ”ってものが大事だったんだろうなぁ」



記者「海の女神様! 聞こえますか!!」

記者「スライムの非礼をお詫びするために、お供え物をお持ちしました!」

記者「どうかお話を聞いては頂けないでしょうか!!」





記者「…………。」


記者「うーん。だめかな、やっぱり」

記者「しょうがない、あとは勇者様たちにお任せして……」



ザザザザッ…



記者「!」



ザバァァアアンッ!!



↓+3 記者の呼びかけに応じ、海から姿を現した女神の容姿は……





魚人「お主が、あのスライムの不届きを償うと?」ザパァ



記者「……ぎょっ」

記者(魚人じゃんっ!! ヘソから下が妙に艶めかしいのがムカつく!)

記者(そもそも津波とか無理でしょ! むしろよく船を沈められたねってカンジだし!)

記者(っていうか、償うとまでは言ってない! くそぅ、ツッコミどころが多すぎる……!)


魚人「どうした? 我の姿に恐れをなしたか?」フフン

記者「えっと、その、スライムは下等な魔物ですし、スライムの食べてしまったお供え物の3倍の量を持ってきました」

記者「スライムはとても反省していますし、ここは寛大な御心で赦してやっては如何でしょうか……?」

記者「あるいは、どうすれば赦してやるということを示してやるというのも、神らしい寛大さかと存じます」


魚人「……。」



↓+2 魚人の答えは……





魚人「ふむ、では赦そう!」

記者「……へ?」

魚人「どうした、知性の欠片もない間抜け面を晒して」

記者「い、いえ。……その、スライムを赦してやるということでしょうか?」

魚人「うむ。津波も起こさぬ」

記者「……さ、さすがは海の女神様です。海のように心が広く、海のように懐が深い……」

魚人「うむうむ。よくわかっているではないか」フフン

記者「では、お供え物の……ケーキセットです」

魚人「ショートケーキとはわかっているではないか! 褒めて遣わす!」

記者「そ、それでは、スライムにはよく言って聞かせておきます」スタスタ

魚人「うむ、よろしく伝えよ」フリフリ





記者「なんか思ってたよりイイ人(魚?)っぽかったな……」

記者「っていうか写真撮りたいっていう記者魂を揺さぶられるような、シュールな造形だったなぁ」

記者「津波を回避したのはいいけど、まったく関係ない私の財布が軽くなるってどういうこと……」

記者「許すまじ、スライムめ」


スライム「あ、お姉ちゃん!」ポヨ ポヨッ


スライム「ねぇ、勇者様を探してるんだけど、見つからないんだ! いっしょに探してよ!」

記者「今度からはお供え物を勝手に食べるなんて浅ましいことはしないこと。いいね」

スライム「え、あ、うんっ。それより、津波が……」

記者「調査・取材の結果、津波は起こりません。以上っ」スタスタ

スライム「え、えっ!? お姉ちゃん!?」



記者(いちおう、預言者にお願いして未来を視てもらったけど、津波は結局ほんとに起こらなかった)


記者(……でも、預言者に預言を頼む代償として、ケーキを奢らされた……)ガクッ





記者「あーあ、指名手配されてるんじゃ、王国をユスってお金をせしめられないしなぁ」

記者「……え!?」

記者「じゃあ私、勇者様の大活躍をおさめないと、採算がとれないじゃん!」


記者「指名手配は秘密裏らしいから、会社はクビになってないとは思うけど……」

記者「はぁ……こんなことなら、欲かくんじゃなかったよ……とほほ」



記者「ん。勇者様が出発するみたいだね。次はどこに行くんだろ……」



↓+3 勇者一行の次なる目的地は……



記者「勇者一行のスクープを追え!」



※週刊少年ジャンプで規制されそうな内容の安価は、安価下となります。

※同一IDでの安価は、安価下となります。(一人一日一安価でおねがいします)

※ふと思い出した時に覗きに来るくらいのペースで更新。


【取材成果】

●勇者
・ショタ ・素敵、怖い、メチャクチャ強いと評判 ・スリの常習犯? ・痔?

●幼女
・幼女 ・露出度が高い ・喫煙癖あり? ・食人癖あり? ・しばらく人を食べていないと落ち着きがなくなる
・翼を生やして空を飛べる ・人間と魔物のハーフ ・魔力量が人間の比じゃない

●黒人
・黒人 ・背がとても高い ・聖人君子 ・王様より人望ある ・数百年生きてる ・古代帝国の禁書を持ってる
・勇者(?)と魔王と3人で楽しげに写った写真を持ってる ・眠らない? ・古代語を読める

●戦士
・ショタ ・ひ弱 ・厚着 ・盗賊団下っ端に無双 ・祖母の写真、大量のお菓子、大量の重火器を隠し持つ
・わりと脳筋? 

●刑事
・黒の海パン一丁 ・古代帝国の禁書を探していた ・記者に勇者一行の情報をリークしている
・黒人に禁書の内容を教わりつつ旅に同行している

●武闘家
・オカマ ・勇者一行を追う者を排除している? ・勇者一行(の誰か?)の元仲間 ・現在は勇者一行との繋がりはない
・幼女の正体を突き止め、勇者に忠告する

●傭兵
・改造人間? ・感覚が鋭い? ・治癒術師(ヒーラー) ・優しさで魔物を治療
・勇者一行のボディガード兼後始末を請け負う傭兵 ・人造人間製造工場の工場長の姪 ・工場長に改造された
・肉体改造の結果、人間の姿を捨てることで飛行が可能となる?

●ケラケラ女
・妖怪? ・遊び人? ・勇者一行の誰かを狙ってる?

●スライム
・スライムの魔物 ・人の言葉をしゃべることができる ・神へのお供え物を食べちゃったりする
・人間の街へ遊びに来たりする

●魚人
・海の女神? 上半身が魚、下半身が艶めかしい人間の足 ・お供え物を食べられると街を津波で襲う?
・反省してればわりとすぐに赦してくれる

●獣人
・オス ・猫耳 ・痔を治す秘薬を持っている ・先代勇者が痔で死んだと信じている ・勇者が痔だと思っている

●死霊術師
・大量のゾンビを操れる ・街を襲撃した ・古代のドラゴンを召喚して姿をくらませる

●男
・賞金稼ぎ ・カップル ・魔術師 ・空間を崩壊させる魔法を使う ・王国の指名手配によって記者を追っている

●女
・賞金稼ぎ ・カップル ・女剣士 ・王国の指名手配によって記者を追っている

●預言者
・記者の同僚 ・予測部署の所属 ・王国から記者を助けにやってきた ・いつも教会にいてくれるらしい
・優しいけど淡泊

●先代勇者
・痔の悪化で死亡したとかいう噂が?

●魔王
・勇者をそのまま大人にしたような容姿 ・黒人とは仲間(だった)?


○勇者一行の任務
・魔王の討伐 ・違法カジノの壊滅 ・遺跡の壊滅 ・悪の魔法結社の壊滅 ・人造人間製造工場工場長の逮捕


きょうはここまで




―――天空につづく塔―――



記者「ほぇー。存在は知ってはいたけど、近くで見るとまた圧巻だね」

記者「あ、勇者様たちが入っていく。この塔に、いったい何の用なんだろ?」



↓+2 勇者一行がこの塔を訪れた理由とは……





記者「はぁ、はぁ……」

記者「地上からずっと螺旋階段を登ってるけど……足が棒のようだよ」

記者「もう半分くらいは登ったのかな? 頂上はどこに続いてるんだろ……」

記者「っ!」ササッ



勇者「」ゼェゼェ

幼女「」グタッ

戦士「」バテッ

黒人「」

刑事「」





記者「あぶねっ、休憩スペースだ……」

記者「幼い3人組はバテてるみたいだけど、とりあえず勇者一行は勢ぞろいしてるね」


記者「―――ッ!?」ゾクッ



勇者「」ザワッ…



記者「……な、なんだろ……」

記者「勇者様の気迫が、いつにも増して尋常じゃないような……」





―――天空へつづく塔・頂上―――



記者「寒いっ! 風が強い!」

記者「地平線が丸く見えるほどの高さとは……絶景だね」パシャリ

記者「……なんて悠長なこと言ってる場合じゃなさそうだね……」


記者「どうやら、あそこで勇者一行を出迎えてるあの人に会いに来たみたいだけど……」




↓+3 勇者の恋人を殺したという、その裏切り者とは……?





勇者「……やっと追い詰めた」



女「へっ、追い詰められてやったつもりはねーけどな」

男「しかし解せないな。どうして我々の居場所が分かったのか」

勇者「以前の街で、お前たちらしき目撃情報を耳に挟んでな……それから網を張ってたんだ」

女「……あの女を捕まえようとしたとき、あんな場所で魔法を使うんじゃなかったな」

男「迂闊だったよ」





勇者「てめーら、あの一件以来どっぷりと闇に沈んだおかげで、消息が追えなかったが……」

勇者「今さらになって姿を現してくれたおかげで助かったぜ」

勇者「てめーら自身が賞金首だってのに、まだ賞金稼ぎなんてやってんのか?」


男「王国にも闇はあるからな。極秘裏の依頼を受けてるのさ」

勇者「まぁ、そんなことには興味がないさ。おれたちは極秘裏なんかじゃなく正式に、お前らの始末を任されてる」


勇者「なぁ、魔術師! 女剣士!」ジャキッ


魔術師「そういえば、お前たちと戦ったことはなかったな」スチャ

女剣士「面白ぇじゃねーか。御託はイイからかかってこい」スチャ


幼女「勇者様、あたしたちも……!」

戦士「……。」ジャキッ


勇者「お前たちは手を出すな! これは『元』勇者一行の因縁だ!」


黒人「……そういうことなら、私も手を出しますよ」スッ


勇者「……勝手にしろ」





記者「あわわ、なんか戦いが始まっちゃう感じなの!?」コソッ

記者「あの2人、急に話題をきかなくなったと思ったら、表世界から姿を消してたんだ……」

記者「じゃあ、私への指名手配っていうのは王国とか王宮の総意ってわけじゃなかったんだね」ホッ


記者「勇者一行の元仲間ってことは、あの2人も相当の実力者のはずだけど……」

記者「でも勇者様だって、鬼のような尋常ならざる強さって評判だし」

記者「あの黒い人だって、古代の禁書を読んだり、数百年生きたりしてるらしいし」


記者「……あれ、これ塔が崩れないかっていう心配したほうがいいんじゃ……!?」



↓+2 本気になった勇者様の戦い方は……

↓+4 ついに動き出した黒人の戦い方は……





勇者「もしかして、俺が子供の姿だから……なんかの間違いで勝てるだなんて思ってんじゃないだろうな」


ピカッ



ズッガァァアアンッ!!!



魔術師「ぐっ!?」ズザザッ

女剣士「チッ、相変わらずメチャクチャするぜ……」タンッ


黒人「今すぐに降伏しなさい。勇者様が剣を抜く前に」


女剣士「うっせぇ! お前ら2人も、あいつら2人も、そうやって余裕ぶってやがんのが気に食わなかったぜ!」

魔術師「いつまでも我々を格下と思わないことだっ!」バッ


黒人「……あの時も、再三に渡り忠告しました」タンッ

黒人「この矢はきちんと避けなさい。貴方たちでは絶対に防げませんので」ギリリッ

バヒュッ



ズッガァァアアンッ!!!






ガラガラッ…


記者「あ、危っ……!?」シュタッ

記者「ひぃぃ! たったの2発で塔の上部が吹っ飛んだ……!」

記者「あの賞金稼ぎカップルの方だって、空間を崩壊させたり切り裂いたりするはずだし……」

記者「こ、これは早々に逃げた方がよさそうかも」


刑事「フムン? キミもここまでついてきていたのか」

記者「あ、刑事さん……」





刑事「はやく非難したほうがよさそうだぞ。なんせ彼らの一撃は天変地異だからな」

記者「そのようですね。……そういえば、あのロリショタ組はどこに?」キョロキョロ

刑事「あそこだ」



幼女「」バサッ バサッ

戦士「」ギュゥゥ



記者「……空飛んでる……?」

刑事「ああ。もしも私の考えが正しければ、これから……」

記者「ちょ、まさかッ!?」



勇者「ハアアッ!!」

黒人「……っ!」

魔術師「消し飛べっ!!」

女剣士「うらァァああああッ!!」



ズッガァァアアンッ!!!





記者「ちょ、ちょっとぉぉおおおお!?」ヒュゥゥ

刑事「ムムッ、やはり思った通りの結果となったか」ヒュゥゥ


記者「上空から落下しながら、なにを悠長に!」

刑事「いや、これでもわりとテンパっている。この高度では、たとえ水面に落ちても死ぬぞ」

記者「仕方ない、こうなればムササビの術で」バサッ

刑事「おお、そのマントで風を受けて滑空するのだな! でかした!」ガシッ

記者「なにしがみついてるんですか!? 変態っ!」///

刑事「緊急事態なのだぞ!」

記者「いや貴方がしがみついてたら重すぎて飛べないんですよ!! 貴方は1人で落ちてください!!」ゲシゲシ

刑事「蹴るな! 固いことを言うんじゃない!」

記者「っていうか海パン一丁でしがみつくな! あ、ちょ、どこ触って……!!」///





武闘家「アタシもついでに助けてぇん💛」ヒュゥゥ



記者「ぎゃああっ! ムキムキのオカマが平泳ぎで空を泳いでくる!」

武闘家「捕まえたァん♪」ガシッ

記者「なにやってるんですか! 落下速度が上がっちゃったじゃないですかー!!」

武闘家「アタシもあの子たちの決戦に混じろうとタイミングを窺ってたら、吹っ飛ばされちゃった☆」

記者「元勇者一行なら、生身で飛行くらいしてください!!」

武闘家「あの怪物集団と同じにしないでちょうだい。アタシはか弱い乙女なのよン💛」ギュゥゥ

記者「乙女の握力じゃないぃぃ!!」メキメキ


記者「こ、このままじゃほんとに死ぬ!! 誰か助けてー!!」



傭兵「……」ヒュォッ!!





―――森―――



記者「うぅぅ、傭兵さんありがとうございましたっ……!!」ギュゥゥ

傭兵「うん。みんな無事でよかった」ナデナデ


刑事「ンヌゥ、勇者一行とははぐれてしまったようだな」

武闘家「あの子たち、上空から落下しながら戦ってたわねン。まったく、相変わらずお茶目なんだから♪」


傭兵「あの……気持ち悪くなかった?」

記者「なにがですか? あ、私乗り物酔いとかは大丈夫ですよ。里で鍛えてましたからっ!」

傭兵「あ、ううん。なんでもない。……ありがと」

記者「……?」


武闘家「んまっ、とりあえずこんな森からは抜け出しちゃいましょ。それまでは、4人一緒に行動するってことで💛」

記者「……そうですね。せっかく助かったんですから、助け合っていきましょう」


つづきはよる。




ザッ ザッ…



記者「えっと、それじゃああの2人は、勇者様の恋人を……」

武闘家「そうよン。……殺しちゃったってわけ」

記者「でも勇者様って、見たところ10歳かそこらじゃないですか……?」

武闘家「ンまぁ、いろいろあるのよ。事情がね」

記者「どうして、勇者様の恋人は殺されてしまったのでしょう?」


記者「なにかその人に、殺されなくてはならない理由でもあったのでしょうか……?」



↓+3 どうして勇者の恋人は殺された?





武闘家「あの2人が言うには、彼女が国王様に反逆を企てようとしていた……らしいけどねン」

記者「国王陛下に反逆……?」

武闘家「今となっては、真相は闇の中ってカンジかしら」

記者「……」


武闘家「さ・て・と♪ お次はこっちの質問の番よね💛」

記者「えっ」

武闘家「ほかの子たちはともかく、アナタが勇者一行を追ってる理由は何なのかしら?」

記者「え、えっと、それは……」

傭兵「記録係なんだよね」

記者「はい、そ、そうなんです! 極力勇者様たちには気づかれないように、行動の記録を残すんです」

武闘家「……ふぅん? それって、王国からの指令なのかしら?」

記者「え、ええ……まぁ」ドキドキ





記者「そういえば、刑事さん。禁書についてはどうなったんですか?」

刑事「まだすべてを教わってはいない」

記者「じゃあ、まだ旅にはついて行くつもりなんですね」

刑事「いや本来なら、もう十分な情報量を得てはいるのだがな」

記者「……え?」


刑事「だが、あの禁書を見つけるのには途方もない時間がかかった」

刑事「そしてキミに出会わなければ、禁書に出会うこともなかっただろう」

刑事「その恩を返す意味も込めて、キミのためにも私は旅を続けよう」


記者「……刑事さん」




記者「…………あとは服を着てくれたら、言うことないのに……」


刑事「おい。いまちょっといい話で終わりそうだったのだぞ?」


ねむいのできょうはここまで




記者「それより刑事さん、次に勇者様たちがどこへ向かおうとしていたのかはわかりますか?」

刑事「ウムン。そうは言われてもな……」

記者「それじゃあ、なにかこの辺りで解決すべき事件が起こっている……とかは?」


刑事「事件? ……そういえば、すこし小耳にはさんだ程度なのだが……」



↓+2 この辺りで発生している事件とは……





刑事「この辺りの森には決して入ってはならないという話を、以前街で聞いたな」

記者「……え?」

武闘家「なんでも、魔剣士とかいうのが襲ってくるらしいわねン」

刑事「動物や魔物の死骸が斬られたまま放置されているから、気味悪がって誰も近づかないそうだ」

記者「人間は殺されたりしていないんですか?」

刑事「そういった話はまだ聞かないそうだが……聞かないだけで、もしかすると既に……」





記者「……まぁ、この辺りの森に入らなければ問題ないんですよね?」

武闘家「そうね、この辺りの森にさえ入らなければ、襲われるようなことはないんじゃないかしら?」

刑事「ああ、この辺りの森に入らない限りは安心だ。ハッハッハ」



記者「………………。」




記者「走れーっ!!」ダッ





武闘家「」ダッ

刑事「」ダッ


傭兵「えっ、えっ……?」


記者「傭兵さんも走ってください! さっさとこんな森からはオサラバしましょう!!」

傭兵「う、うん」ダッ



魔剣士「」スッ…



記者(あ、れは……!?)



↓+3 その瞬間、記者の背後に現れた魔剣士の姿は?





魔剣士「」ザッ!!


傭兵「―――!?」



ピョーン

    ポフッ


記者「…………。」




記者「魔剣士って、お前だったの……?」

忍犬「わんっ💛」フリフリ





武闘家「あら、もしかしてアナタのワンちゃんなの?」

記者「は、はい……私が里にいた頃に拾って、忍けn……ゲフンゲフン、育てた犬です」

刑事「この子犬が、魔物や猛獣を次々と屠って恐れられていたと……?」

記者「いろいろ仕込みましたから……。『辻斬り』!!」


忍犬「わんっ♪」ヒュパッ


ズズゥゥン…


傭兵「……木が真っ二つに」

記者「そんじょそこらの魔物には負けないように仕込んでありますから」

忍犬「きゃんきゃんっ」スリスリ

記者「いいこいいこ。もしかして、私を探してついてきちゃったのかな?」ナデナデ

忍犬「わふっ」ペロペロ





―――街―――



記者「ほかにそれらしい事件もないですし、とりあえず街に来てみましたけど……」

刑事「これだけ聞き込みして駄目なら、ここには寄っていないのだろう」

武闘家「あれで結構目立つ子たちだものねぇ」

記者「貴方たちだけには言われたくないですね……」


傭兵「……。」ソワソワ


記者(そういえば傭兵さん、知らない人といっしょにいるのって苦手なんだっけ)


記者「こうなったら二手に分かれて、勇者様が行きそうな場所を聞き込みしましょう」

記者「傭兵さん、行きましょう!」ギュッ

傭兵「あっ……う、うんっ」



武闘家「あらぁ、青春ねぇ💛 ―――それじゃあこっちも甘酸っぱく仲良くしましょうねン♪」

刑事「!?」ゾワッ





忍犬「わふっ」ピョコッ

記者「あ、こら。動かないの。『マフラー』っ!」

忍犬「わふ」クルッ


傭兵「ほんとにマフラーみたい。すごく芸達者だね」

記者「さまざまな場所への潜入を想定して調教しましたから」

傭兵「潜入?」

記者「あうっ!? な、なんでもないです! 忘れてください!」

傭兵「う、うん……?」





記者「それよりも、なにか勇者様が行きそうな場所に心当たりはありませんか?」

傭兵「うん。基本的に私はついていくだけだったから」

記者「そうですか……」


記者「……しょうがない、彼女に聞いてみるとしましょうか」

傭兵「?」





―――教会―――



記者「……というわけで、勇者一行を見失っちゃったの」

預言者「記者ちゃんは、あいかわらず退屈しない生き方してるよね~」

記者「それはどういう意味かな……?」

預言者「うふふ~。でもちょうどよかったな~」

記者「え?」

預言者「さっき瞑想してたら、おあつらえむきのニュースを受信したから~」

記者「ほんとに!?」

預言者「うん~」



預言者「もちろんタダでとは言わないけどね~」ニコッ

記者「…………。」



↓+2 これからこの近くで起きる事件/事故とは……





武闘家「エルフの大量捕獲ぅ? それってホントなの?」

記者「すくなくとも私は本当だと思います。もっとも、まだ実際に起きてはいませんが」

刑事「その預言とやらは信用できるのだろうか?」

記者「彼女の預言が外れたっていう話は、聞いたことがありません」

刑事「フムン。それでは、その預言に従ってみるとしよう」

武闘家「ンま、そうね。そんな噂を聞いたら、きっと駆けつけちゃうのがあの子たちですもの」

記者「傭兵さんも、それでいいですか?」

傭兵「うん。記者のこと、信じてるから」

記者「…………。それじゃあ、行きましょう……」





―――エルフの里―――



記者「ここが、エルフの里でしょうか……? 思ったより見つけるのに時間かかっちゃいましたね」

刑事「本来なら永久に見つからないことだってあると聞くが」

傭兵「私たち3人で手分けして、ようやく見つかったね」


武闘家「それにしてもアナタたち3人、全員が探索系なのね」

武闘家「ンもぉ、アタシみたいなか弱い乙女に戦わせないでよねン♪」

記者「寝言は寝て言ってくださいね」

武闘家「あら記者ちゃん、アタシのあしらい方が手馴れてきたじゃない💛」



記者「とりあえず、私が先に潜入して様子を見てきます」

記者「皆さんはここで待機していてください」シュバッ





記者「……」コソッ

記者「一般的なエルフ族の特徴である、明るい髪色に尖った耳」

記者「どうやら本当にエルフの里で間違いないようだね」


記者「……ん?」


記者「おやおや。なにやら里の最奥部には、厳重に封印されているお社があるではないですか」ニヤリ

記者「これは中身を検めてみるしかないね♪」

記者「私の前では、鍵なんて何の意味もなさないもんね」ガチャリ

記者「さて、中には何が……?」



記者「―――こ、これは」



↓+3 エルフの里最奥部で厳重に保管/封印されていたのは……





記者「なにこれ……絵? 壁画……かな?」

記者「こんなにたくさん……これは、戦争画? ううん、それにしては……」

記者「……。…………」


記者「まさか、この絵……!!」

記者「ウソ、これじゃ、まるで……」



記者「まるで人間のほうが先に平和を乱して、魔物を迫害していたかのような……!!」



ザッ


記者「―――!?」



↓+3 そのとき、記者の背後に現れたのは……





記者「だ、誰!?」クルッ


モグラ「オレだ」ドンッ


記者「…………。」



記者「誰だよっ!?」



モグラ「ふふ、オレの名は……」



ザワザワ…



記者(しまった、エルフたちがこっちに来る気配が……! 今見つかったら面倒なことになる!)

記者(このお社を開けたのもコイツのせいにして、逃げちゃおっと!)シュバッ



モグラ「あ、おいコラ! 待て!!」





記者「皆さん!」シュタッ


傭兵「記者、どうしたの。さっきからあっちが騒がしいけど」

刑事「まさか、もう敵が現れたのか?」

記者「どうやらそうみたいです。いつぞやの工場で見かけたような“ろぼっと”が……!」

傭兵「!!」

刑事「とにかく、すぐに向かおう」


武闘家「とりあえずそいつを倒しちゃってもいいのかしらン?」

武闘家「騒ぎになる前にさっさと倒しちゃったら、勇者一行がここに来ることもなくなっちゃいそうだけど」


記者「……。」

記者「背に腹は代えられません。エルフたちに被害が出る前に、倒してくださいっ!」


武闘家「……ンふ、了解💛」





記者「あいつです!」シュタッ



モグラ「あ、さっきの……!」クルッ

エルフ「……た、たすけっ……」ガタガタ



記者「傭兵さん、あの機体に見覚えはありますか?」

傭兵「うん……計画初期型。直接脳髄を取り出してないから、動きにロスがあって廃棄された型だよ」

刑事「つまり、失敗作ってことか。無駄に図体がデカイが」





モグラ「へっ、そんなこと言ってられるのも今のうちだ!」

モグラ「いいか、この機械鎧は、魔力を動力源にしている」

モグラ「つまり魔力の強いエルフ族を大量に取り込めば、それだけパフォーマンスが上昇するってことだ!」バッ

エルフ「きゃあっ!?」


ガシッ


モグラ「なッ……!?」

武闘家「か弱い乙女に、そんなもの振り回しちゃダ・メ・よ💛」

モグラ「か、片手で受け止めただとォ!? 何百キロあると思って……!!」

武闘家「あんまりおイタが過ぎるボウヤには……お仕置きよン?」

モグラ「だ、だが、この鋼鉄の鎧に魔法は効かねぇ!」




武闘家「魔法? ……ンふ💛」ブンッ



ズッガァァアアンッ!!!



武闘家「そんなもの、必要ないのよん♪」


モグラ「―――ガっ、ぐバッ……す、素手でッ……!?」バヂバヂッ




記者「……パンチで鋼鉄が粉微塵になりましたよ」

刑事「拳圧だけで、触れてもいない地面まで真っ二つに割れてるな……」

記者「……ばけものですね」

刑事「それは知ってた」

傭兵「うん……」



武闘家「なにか言ったかしらン?」ニッコリ



記者・刑事・傭兵「「「いえ、なんでもありません!!」」」






モグラ「」プシュゥゥ…



記者「このモグラロボがエルフたちを取り込んでしまうっていうのが、大量捕獲の原因だったようですね」

刑事「フム。こんなに派手に破壊されたら、死んでるんじゃなかろうか」

傭兵「大丈夫。初期型は、人間が機械を着て動かすようなものだから」

武闘家「ちゃんと機械部分だけ壊したわよ♪」


記者「それより、この里の危機は去ったんですから逃げませんか?」

記者「エルフは人間を毛嫌いしてるそうですし、見つかったら面倒ですよ」



↓+2 エルフたちの、記者一行への反応は……





記者「さぁ、行きましょう」スタスタ


エルフ「あのっ……!」


記者「……?」クルッ

エルフ「あ、ありがとう、ございました……」

記者「……って言われてますよ、武闘家さん」

武闘家「あら、アタシ?」

記者「他に誰がいるんですか」



刑事「思っていたよりは嫌われていないのだろうか」

記者「武闘家さんのパワーか、あるいは刑事さんの格好に怯えてるんじゃないですか」

刑事「一理ある」


記者「では、お騒がせしました。そのモグラの処遇はお任せします」


エルフ「あ、はい……」





刑事「これでまた振り出しだな。もう普通に探し回ったほうが早いかもしれんぞ」

武闘家「そうねぇ。いっそアタシたちも散らばったほうがいいのかもねン」


記者(というか、もしも4人一緒にいる状態で勇者一行に接触しても、私は目的を果たせない……?)

記者(刑事さんは勇者一行に合流するだろうし、もしかしたら武闘家さんや傭兵さんも……)

記者(そしたら、勇者様のスクープを撮るチャンスも減るだろうし……)


傭兵「記者?」

記者「あ、はいっ!?」

傭兵「考え事?」

記者「ま、まぁそんなところです……」



↓+2 その時、突然記者一行を襲った事態は……!





傭兵「……!」ピクッ

記者「傭兵さん? どうかしまし―――」

傭兵「しっ」ギュッ

記者「むぎゅっ!?」


傭兵「……なにか聞こえる。そっちの茂みの向こう」


刑事「そうか? 何も聞こえないが」

武闘家「言われてみれば、って感じかしら」


記者「……私が見てきます」



↓+1、+2、+3、+4 魔族の秘密部隊、その顔触れは……?





記者「……4人か……人間っぽいのも交じってるけど、たぶん全員魔物っぽいね」

記者「それに、ただ者じゃないってカンジ」


記者「あれ? あの男の人、工場長に似てるような……」

記者「……まさかね」



↓+2 彼らのさしあたっての目的は……





記者「そ、そっちの方角には……街が! 街があるはず!」

記者「あんな物騒な連中が、あんな剣呑な雰囲気で人間の街に行って、イイことがあるはずないっ!」

記者「うぅ、でもこっちでまともに戦力になりそうなのは武闘家さんだけ……」

記者「イケ……るか……? 元勇者一行なら、1対4でもイケるのかな……?」


武闘家「どうかしら? 能力がわからないことには、何とも言えないわねん」


記者「!?」ビクッ

武闘家「ンま、それでも一時撤退くらいならさせられるとは思うけどね☆」

記者「……あのままだと、人間の街に行っちゃいます」

武闘家「そうみたいね。それじゃあ、迷ってる暇なんてなさそうだわ」

記者「お願いします……!」

武闘家「んふっ、任せて頂戴💛」スタスタ





傭兵「あれは……」

記者「っ! 傭兵さんも来てたんですか。危ないからもうちょっと下がりましょう」

傭兵「……叔父さん……工場長」

記者「え?」

傭兵「そっか、とうとう……自分の身体まで改造しちゃったんだ」

記者「……ま、さか……」


刑事「とにかく、今は離れるぞ」グイッ


記者「あ、は、はいっ」





武闘家「はぁい💛 御機嫌よう」



ゴリ黒人「んんー?」

工場長「おや」

怪物「……」

甘ロリ「……」



武闘家「道案内、してあげましょうか♪」


ゴリ黒人「HAHAHA! それには及ばないぜミスター」

武闘家「あら、アタシはレディよ?」

ゴリ黒人「おやぁ? そいつぁ失敬! HAHAHA!」

武闘家「とりあえず、これ以上アナタたちを街に近づけるわけにはいかないのよン♪ わかるでしょ?」

ゴリ黒人「ほほーぉ、それならどうするんだい? 俺っちは野宿は勘弁なんだがね」

武闘家「だから、道案内してあげるのよ♪ ゆっくり眠れる場所までね」ヒュッ



バシィィンッ!!!





ギリギリ…


武闘家「……あら。これを受け止めちゃう? 岩くらいなら消し飛ぶ威力だったんだけど☆」

ゴリ黒人「かーっ、ただの小手調べでこの威力、痺れるねぇ!! HAHAHA!」


怪物「……」ブツブツ


ゴリ黒人「あっ、オイオイオーイ! 手ぇ出すなってー! 今は俺っちのターンだろっ!?」


武闘家「!」バッ



↓+2 口だけしかない男が放った魔法の効果とは……





ブゥゥ…ゥンッ!!



ゴリ黒人「ちぇッ、しかもよりによって“アレ”かよ。たまんねーぜ、こりゃ」

武闘家(妙なフィールドを形成したようだけど……)


ゴリ黒人「いくぜっ!」ヒュッ

武闘家「!」バシッ


バシッ ガッ ガスッ 


武闘家(なにも起こらない……? いいえ、そんなはずは……)

武闘家「!」ズルッ

武闘家(地面が、ぬかるんで……!)


ゴリ黒人「おらァ!」

武闘家「くっ」ドガッ


ゴリ黒人「……へへっ、こいつぁスリリングな戦いだぜ」


武闘家「ペッ。……んふっ♪ レディの顔を殴るなんて、タダじゃすまないわよ?」パキッ ポキッ






武闘家「!」ズキッ

武闘家(舞い上がった土が、目に……)


ゴリ黒人「そらよッ!」ブンッ

武闘家「くっ」ガッ


武闘家「ハッ!」ブンッ

ゴリ黒人「おっと……!?」ズルッ


ドガッ!!



ゴリ黒人「イテテ……そうなんだよな、“俺っちも”なんだ……」

ゴリ黒人「どうあっても、この戦いはお互いに最大のダメージを受けることになりそうだぜ」


武闘家「……最大のダメージ?」


ゴリ黒人「つまりお前さんは、最大の消耗をさせられるってこったな」

ゴリ黒人「ま、そのうち意味がわかると思うぜ? HAHAHA!」





刑事「なにか様子がおかしいな」

記者「そうですね。なんだか、さっきから転んだりよろけたり、ハプニングが多いような……」

刑事「それにほかの連中も、戦うなら手を出せばいいのに、それをしない。傍観に徹している」

記者「……手を出さないんじゃなく、手を出せない……とか?」


傭兵「2人とも、逃げよう」


記者「……傭兵さん?」

刑事「しかしだな、戦ってくれている彼を残していくのは……」

傭兵「ううん、そういうことじゃなくって」



傭兵「工場長に気づかれた。攻撃してくる」



記者「―――っ!?」



↓+2 工場長の攻撃方法は……





ミシッ ボゴッ パキッ…



記者「な、なに……?」

刑事「何の音だ?」


傭兵「重力魔法……! なにかに捕まって!」


記者「!?」フワッ

刑事「!?」フワッ



記者「ひゃあああああああっ!?」ピューン

刑事「そ、空に落ちる……だと!?」ピューン



ゴゴゴゴゴゴッ



記者「木も、地面も抉れて……空に……!?」





工場長「……久しぶりじゃあないかい。こんなところで会うとは、驚いたよ」スタスタ


傭兵「……っ」

工場長「ちょうど、改造人間の新たな素体探しをしていたところなんだよ。いやぁ、メデタイねぇ!」パチパチ

傭兵「私はもう、モルモットじゃない」

工場長「……その目つき、見違えたようだねぇ。お友達でもできたのカナ?」

傭兵「……できた、もん」

工場長「へぇ?」




工場長「そっちのオカマはキミたちにお任せするよ。私はあっちをお相手するからねぇ」


ゴリ黒人「HAHAHA! “範囲内”では足元には気をつけなよ」

怪物「……」



甘ロリ「……。」



↓+2 残った甘ロリ幼女は、誰になにをする?





甘ロリ「……」ジッ


傭兵「……?」


甘ロリ「……」


 ドクンッ!!


傭兵「―――っ!?」フラッ






記者「!?」ガクン…


記者「ちょちょちょっ! 今度は地上に向かって落ち始めましたよ!? どうするんですかコレ!」

刑事「どうするもなにも、また彼女の助けを期待するしかあるまい……!」

記者「傭兵さーん! 助けてー!」



傭兵「」



記者「傭兵さん……? あれ、聞こえてない、のかな……」

刑事「おい、このままではペシャンコになって死ぬぞ!」

記者「傭兵さあああああん!?」



傭兵「」





記者「こ、これは……やば……」

刑事「おい、あの“ムササビなんとか”で、あっちの湖に落ちられないか!?」

記者「このマントは1人用ですから、2人だと風を受けられないんです。それは身をもって知ってるでしょう」

刑事「ンヌゥ……」

記者「だから、刑事さんがこのマントを使ってください」カチャカチャ

刑事「……なに? おい、なにして……」

記者「ただし、痛いのガマンしてくださいね?」ニコッ

刑事「?」

記者「“縮地”の足場が欲しいので♪」スッ

刑事「ま、まさか……!!」


ドムッ!!!


刑事「ごぶぇえッ!?」ピューン





記者「この前とは状況が違う……」

記者「私と一緒に、木や岩や地面がいっしょに落ちてる」

記者「それに、この前ほど高度はない」


タンッ タンッ ダンッ!!


記者「そしてこの鎖鎌を地上の木に引っかけて……」ヒュンッ


記者「振り子の要領で着地!」



ズザザザッ!!



記者「痛ったぁあああ!!」ゴロゴロ


記者「でも……よ、よし……死んでない! さすが私! 天才っ!!」ドキドキ





工場長「アッハッハ! 面白い曲芸だね! すごいものを見せてもらったよ!」パチパチ



記者「……工場長」

記者「あれ……?」



傭兵「……。」



記者「傭兵さん? な、なんで……」

工場長「この子は今、こちらの支配下にあるということだよ」

記者「っ!?」

工場長「それと、キミは“上”では死なないらしい」


工場長「なら“下”だ」



記者「げぅッ!?」グシャッ





記者(か……勝てない……)グググッ…


記者(し、ぬ……肋骨が……潰れっ……)

記者(誰か助けて……武闘家さん、は……なにしてるの?)


記者(勇者一行を追いかけて、ここまで……何ひとつ良いことがない……なんだこれ)ジワッ


工場長「アッハッハッハ!」


記者「これ以上の……不幸なんてない……っ!!」



工場長「ハっ…………不幸?」



↓+3 この場所にいる“全員”を襲った不幸とは……




なんかどえらいややこしいので・・・再安価でおねがいします・・・すまぬ・・・!


↓+2 この辺り一帯を襲った災害

原子ブラックホールってなんぞ・・・?




ヒュォォ…



記者(あれ? ……雲が消し飛んで……地平線から、なにか飛んでくる……?)


工場長「なんだ……?」



ヒュォォ…!!



工場長「隕石……? 違う、あれは……!」

工場長「まさか、私の重力魔法が引き寄せた……?」

工場長「“反重力”で逸らすしかない!」スッ



記者「!」フッ

記者(私にかかってた重力が解除された!)

記者「傭兵さん、来て!」ガシッ

傭兵「」グイッ


工場長「あ、コラっ! 私の実験材料を……!」


記者「“縮地”っ!!」


ズダンッ!!






ズッガァァアアンッ!!!





記者「きゃああああっ!?」ブワッ!!



記者(あ、あのままあそこにいたら危なかった……! 消し飛んでた!!)

記者(武闘家さん、大丈夫かな……!?)



記者「うぐッ!?」ズザザッ



記者「傭兵さん、傭兵さん!」ユサユサ

傭兵「……ぅ」

記者(よかった、生きてる……)



記者「あいつらが追ってこないうちに、少しでも遠くへ……!」





―――街・宿屋―――



傭兵「……」

記者「傭兵さん、まだ目を覚まさない……」

記者「一応、あいつらが向かってたのとは別の街まで来たけど……」

記者「失敗だったかな……刑事さんとも武闘家さんとも合流できない」

記者「勇者様とも会えないし、王国に命を狙われるし、まったく関係ない魔物に殺されかけるし……」

記者「もう帰りたい……」


記者「……あ!」



↓+2 疲弊した記者が、宿屋の窓から見かけた人物は……





記者「……なんかまた変なのが徘徊してる」

記者「もしかして、工場長が放った偵察なのかも」

記者「そうだよね、今さら逃げ出したって、もう遅すぎるし……なにも解決しないよね」

記者「最初に1歩踏み出しちゃった以上、最後まで止まることなんてできない……か」


ズガァァンッ!!


記者「暴れだした……。仕方ない」バッ

記者「私が戦うしかないか……!」シュタッ



記者「……あれ?」



↓+3 飛び出した記者よりも前に、ミミズロボに対峙していた人影が。その正体は……


きょうはここまでで




少年「ま、まてー!」バッ


ミミズ「……」ウネウネ

少年「こ、これ以上、好き勝手はさせないぞっ!」プルプル

ミミズ「……」ゴゥッ

少年「うわあああっ!?」


キキンッ


ミミズ「!」

少年「えっ!?」



記者「立て込んでるとこ失礼するね」シュタッ





記者「勇者一行のスクープを追え!」



※週刊少年ジャンプで規制されそうな内容の安価は、安価下となります。

※同一IDでの安価は、安価下となります。(一人一日一安価でおねがいします)

※ふと思い出した時に覗きに来るくらいのペースで更新。


【取材成果】

●勇者
・ショタ ・素敵、怖い、メチャクチャ強いと評判 ・スリの常習犯? ・痔? ・超高レベルの剣技と魔術の使い手

●幼女
・幼女 ・露出度が高い ・喫煙癖あり? ・食人癖あり? ・しばらく人を食べていないと落ち着きがなくなる
・翼を生やして空を飛べる ・人間と魔物のハーフ ・魔力量が人間の比じゃない

●黒人
・黒人 ・背がとても高い ・聖人君子 ・王様より人望ある ・数百年生きてる ・古代帝国の禁書を持ってる
・勇者(?)と魔王と3人で楽しげに写った写真を持ってる ・眠らない? ・古代語を読める
・魔法を纏わせた巨大な弓矢が主力武器 ・機動力も抜群

●戦士
・ショタ ・ひ弱 ・厚着 ・盗賊団下っ端に無双 ・祖母の写真、大量のお菓子、大量の重火器を隠し持つ
・わりと脳筋? 

●刑事
・黒の海パン一丁 ・古代帝国の禁書を探していた ・記者に勇者一行の情報をリークしている
・黒人に禁書の内容を教わりつつ旅に同行していた

●武闘家
・オカマ ・勇者一行を追う者を排除している? ・勇者一行(の誰か?)の元仲間 ・現在は勇者一行との繋がりはない
・幼女の正体を突き止め、勇者に忠告する ・パンチ一撃で大地を揺るがし鋼鉄を砕く

●傭兵
・改造人間? ・感覚が鋭い ・治癒術師(ヒーラー) ・優しさで魔物を治療
・勇者一行のボディガード兼後始末を請け負う傭兵 ・人造人間製造工場の工場長の姪 ・工場長に改造された
・肉体改造の結果、人間の姿を捨てることで飛行が可能に ・記者とは友達?

●忍犬
・記者の里で拾われた ・忍犬修行によって高い戦闘能力を誇る ・普段は記者のマフラーに擬態してる





●ケラケラ女
・妖怪? ・遊び人? ・勇者一行の誰かを狙ってる?

●スライム
・スライムの魔物 ・人の言葉をしゃべることができる ・神へのお供え物を食べちゃったりする
・人間の街へ遊びに来たりする

●魚人
・海の女神? 上半身が魚、下半身が艶めかしい人間の足 ・お供え物を食べられると街を津波で襲う?
・反省してればわりとすぐに赦してくれる

●獣人
・オス ・猫耳 ・痔を治す秘薬を持っている ・先代勇者が痔で死んだと信じている ・勇者が痔だと思っている

●モグラ
・改造人間工場から脱走した ・モグラ型のロボットを着装する男 ・パフォーマンス向上のためにエルフを襲撃

●ミミズ
・改造人間工場出身 ・脳髄移植タイプのロボット

●工場長
・改造人間製造工場の工場長 ・傭兵やモグラたちの身体を半ば強制的に改造 ・人間の脳髄を取り出してロボットの動力にする
・王国の命令で勇者一行に逮捕される ・逮捕後、自分の改造した肉体で脱獄 ・重力魔法を操る
・新たな実験素体を求めて活動中

●ゴリ黒人
・陽気 ・ムキムキゴリマッチョ ・武闘家と渡り合う体術

●怪物
・頭部だけが異様に大きく、目と耳と鼻がない ・自分以外の全員の運を悪くさせる魔法を使う

●甘ロリ
・甘ロリな服に身を包んでいる ・美幼女 ・目を合わせた人間を操る

●死霊術師
・大量のゾンビを操れる ・街を襲撃した ・古代のドラゴンを召喚して姿をくらませる

●男
・賞金稼ぎ ・カップル ・魔術師 ・空間を崩壊させる魔法を使う ・王国の指名手配によって記者を追っている
・かつて勇者の恋人を殺害している

●女
・賞金稼ぎ ・カップル ・女剣士 ・空間さえも切り裂く剣術 ・王国の指名手配によって記者を追っている
・かつて勇者の恋人を殺害している

●預言者
・記者の同僚 ・予測部署の所属 ・王国から記者を助けにやってきた ・いつも教会にいてくれるらしい
・優しいけど淡泊 ・ある程度条件を絞っての預言を受信できる

●先代勇者
・痔の悪化で死亡したとかいう噂が?

●魔王
・勇者をそのまま大人にしたような容姿 ・黒人とは仲間(だった)?


○勇者一行の任務
・魔王の討伐 ・違法カジノの壊滅 ・遺跡の壊滅 ・悪の魔法結社の壊滅 ・人造人間製造工場工場長の逮捕
・裏切り者の始末




少年「お姉ちゃん、強いのっ!?」パァ

記者「ううん、弱いよ。こと戦闘においては、生まれてこの方一度も勝ったことがないくらい弱い」

少年「ええっ!?」

記者「だからキミには、この街の鍛冶師を集めてきてほしいんだ」ヒソヒソ

少年「?」

記者「関節駆動に頼った、鉄の魔物が襲ってきたって言えば通じるから。おねがいね」トンッ

少年「う、うん……?」トテテ



記者「……さて、私は時間稼ぎか」


ミミズ「……」ウィィィン



↓+1、+2 ミミズロボに搭載された機能とは……





ミミズ「……」プシャァァァ



記者「おっと」サッ

記者(粘液? 強酸? 通電水? なんにせよ、触れないほうがいいか)


記者「久しぶりだから失敗しないといいんだけど」スゥゥ

記者「火遁の術!」



ゴォォオオオオオッ!!!



ミミズ「……」


記者「アチチ……うん、やっぱ効かないか」

記者「ま、あの液体は乾燥することがわかったからいっか」


ミミズ「……」ゴォッ


記者「うわっと!?」



ズガァァンッ!!





記者「おっとっと」タンッ

記者「ここはなんのお店かなかな……壊しちゃってごめんなさい」


少年「お姉ちゃーん!」


記者「意外と早かったね。それじゃあもう一発」スゥゥ



ゴォォオオオオオッ



ミミズ「……」

記者「うん、やっぱり効かないよね」



バシャァァン!!



ミミズ「……?」


記者「貴重な鉄を、ありがとうございます!」





ミミズ「……」ギギギ…


記者「よしよし。もうちょっと大人しくしててくれると嬉しんですけど」


ミミズ「……」ガギッ ギシッ


記者「鍛冶師の皆さんへの報酬は、この珍しい金属生物ってことでいいかもね」

記者「そんな全身が関節だらけの構造じゃ、ちょっと溶鉄をかけられただけで動けなくなるもんね」

記者「……もしかして、脳髄移植タイプのロボットなのかな……」

記者「だとしたら可哀想だけど、ごめんね」


ミミズ「……」ピクピク


記者「動かなくなったか」

記者「それじゃ、あとはこの街の人たちにまかせて―――」



ミミズ「30秒前」ピピピッ



記者「……ん?」





ミミズ「29、28、27……」



記者「ちょ、ちょ……な、なんのカウントダウン……?」

記者「え、ちょっと皆さん、なんで後ずさりしてるんですか!?」

記者「その目はなんですか!? 私に何を期待してるんですか!? 無理ですって!」



ミミズ「24、23、22……」



記者「あ、ほら残り活動時間を示してるのかも!」

記者「だからみなさん、ちょっとこっちに戻ってきましょうか! ねっ!?」



ミミズ「18、17、16……」





記者「じゃあ転移魔法を使える魔術師を……え、いまは出かけてていない? こんな時に!?」

記者「地中に埋めるでも上空に吹っ飛ばすでもいいんですけど! あ、無理!?」



ミミズ「13、12、11、10秒前」



記者「え、この店の裏がちょうど崖になってるって? それを早く言ってくださいよ!」

記者「じゃあみんなで協力して落としましょう! ほら、こっち来てください!」

記者「ちょっ、皆さん“協力”って意味知ってますか!? 私1人じゃ無理に決まってるでしょう!? ほら早く!」

記者「熱っち!? 誰ですかこんなに熱したのは! 触れないじゃないですか!」

記者「そうでした私でしたごめんなさいっ! でも今は言い合ってる暇は―――」



ミミズ「5、4、3、2、1―――」





傭兵「……ん」パチッ


記者「目を覚ましましたか?」ニコッ

傭兵「ぁ……記者……あれ? ここは・……」

記者「どこか痛いところとかはありませんか?」

傭兵「ううん、大丈夫……ちょっとくらくらするけど」

記者「よかった……」

傭兵「うん。ところで……」



傭兵「どうして記者は、髪の毛がアフロになってるの?」



記者「……まぁ、いろいろありまして……」ホロリ





―――街―――



記者「本来なら、先にこっちの街に来るべきだったのかもしれません」

傭兵「ううん、あの4人組がここに向かってる途中だったんだから、記者の判断は正しかったよ」

記者「騒ぎにはなっていないところを見ると、強行はしなかったようですが」

傭兵「うん。でも油断は―――」グゥゥ

記者「……お腹減ってますか?」

傭兵「……う、うん……///」

記者「それじゃあ、先にご飯にしましょう」ニコッ





―――食事処―――



記者「そういえば、しばらくちゃんとしたご飯を食べていなかったような気がします」モグモグ

傭兵「記者はいつもなにを食べてるの?」

記者「基本は兵糧丸で、たまに外食って感じです。森で採集したりもしますが」

傭兵「ひょーろーがん……?」

記者「うぁっ!? え、えっと、実家から持ってきた栄養サプリですっ!!」

傭兵「そうなんだ」

記者「は、はい……」ドキドキ



記者「……ん?」



↓+2 そのとき記者が目撃した、店の外を歩いて行った人物は……





幼女「」スタスタ

戦士「」スタスタ



記者「あれって……」

傭兵「あっ」

記者「あの2人、この街にいたんだね。ってことは、勇者様もここにいるかも!」

傭兵「そうだね。ちょっと話を聞いてみよっか」

記者「あ、えっと、私は……」

傭兵「そうだった。うん、じゃあ私が聞いて来るね。待ってて」ガタッ

記者「ありがとうございますっ」





記者「!」


傭兵「ただいま」スタスタ

記者「おかえりなさい。どうでしたか?」

傭兵「うん、それがね……」




↓+2 勇者様たちの行方

↓+4 この街で起きている異変

↓+6 戦士くんの性格


※ここの安価は取っても一日一回にカウントしません。ただし複数取るのは不可。





傭兵「あの子たちも、勇者様たちとはぐれちゃったんだって」

記者「そうなんですか……まぁあんな状況では仕方ないですね」

傭兵「うん。だから勇者様を探してるらしくって。なにかわかったら教えてって言われたよ」

記者「それはいいんですが、傭兵さんは、あの2人と一緒じゃなくていいんですか?」

傭兵「……え?」

記者「今は武闘家さんともはぐれてしまいましたし、またあんな連中に襲われたら今度こそ死ぬでしょうね」

傭兵「……」





記者「それなら勇者一行の2人と一緒にいたほうが安全なのではないでしょうか?」

傭兵「記者は、どうするの……?」

記者「私は元々1人ですから」

傭兵「……。」

記者「傭兵さん?」

傭兵「あの2人は、苦手だから……」

記者「そうなんですか? まぁ、たしかに底知れないところがありますけど」

傭兵「うん……」

記者「それでは、もうすこし一緒にいましょうか」

傭兵「うんっ」





ザワザワ…


記者「なんの騒ぎでしょう?」

傭兵「そういえば、さっきあの子たちが、獣人が攫われてるって」

記者「獣人が? この街に住んでいたんですか?」

傭兵「それも珍しい獣人ばかりが。きっとまた、誰かが攫われたんじゃないかな」

記者「見世物にでもするんでしょうか……?」

傭兵「そうかも。あの子たちも、もしかしたらはぐれた仲間と合流できるかもしれないから事件を追ってるらしいね」

記者「勇者様はどうかわかりませんが、たしかに聖人君子と名高い黒い人なら……」

傭兵「行ってみる?」

記者「そうですね。少しだけ首を突っ込んでみましょう」





―――森―――



記者「獣の匂いは強くなってきてる?」

忍犬「わふっ」トテトテ

傭兵「この子、賢いんだね」

記者「訓練の賜物ですね」

傭兵「武闘家たちは探せないの?」

記者「武闘家さんは地盤ごとひっくり返って、刑事さんは湖に落ちたはずなので……さすがに無理ですね」

傭兵「そっか……」

忍犬「わふっ」ピタッ

記者「もうかなり近いみたいですね。ここからは気を引き締めていきましょう」



↓+2 珍しい獣人たちを攫っていた人物とは





記者「とりあえず、傭兵さんはここで待っていてください」

記者「そして私になにかあったら、あの2人をここまで案内してあげてください」


傭兵「え、でも……」

記者「傭兵さんは治癒術師ですから、前線には出せません。忍犬も置いていくので、見張りをお願いします」

傭兵「……うん」

記者「それでは、行ってきますっ」ヒュッ





記者「……この小屋の中か」コソッ



記者(思えば、どうして私は勇者一行をパパラッチしようと思ったんだったかな)

記者(なんとなく、英雄だなんだってチヤホヤされてるのが気に食わなかったからか)

記者(単にお金を稼ぐのが楽だと思ったからか)



記者「―――えっ!?」



記者「な、なんで……勇者様……!?」

記者「い、いや……そうか、あの写真の……!?」



青年「……」


つづきはよるで




記者(武闘家さんにも訊くに訊けなかった、あの写真の真相……)

記者(あの男の人がかつて勇者一行の仲間だったとしても、あんまり信用ならないかもしれない)

記者(カップル賞金稼ぎの裏切り、勇者様の恋人の王国反逆、武闘家さんの離反)


記者(たぶん実力は私なんかとは桁違いのはず)

記者(あのロリショタコンビと共闘したって勝てるかはわからない)



記者「…………それでも私は、貴方に話を聞いてみたい」ガチャッ



青年「!」



↓+2 魔王の人柄





青年「……誰だい?」


記者「勇者一行の関係者、とだけ」

青年「!」

記者「もっとも、行動や志を共にしているというわけでもありませんが」

青年「……たしかに、あいつが近くに置きそうなタイプの子じゃあないな」

記者「勇者様のことを知っていらっしゃるんですね」

青年「まあな。俺よりもあいつのことを知っているヤツなんて、両親や恋人くらいのものだ」

記者「今は行動を共にしてはいないのですね」

青年「いろいろあったのさ。いろいろな」

記者「そのいろいろというのを是非ともお聞きしたいのですが、その前に」



記者「あなたは“何者”なんですか?」



↓+3 魔王は一体、ドコ由来の何者なのか?





青年「あいつの……勇者の、まぁ、兄貴分ってところか」

記者「兄貴分……」

青年「これ以上は聞かない方がいい。知らない方がいいこともある……というよりは、知ってはいけないこともある」

記者「……もちろん貴方も強いのですよね?」

青年「勇者に剣術や魔法を教えたのは俺だ。……いや、これじゃ俺自身の強さの基準にはなってないか?」

記者「いえ、十分すぎるほど伝わりました。ほかの勇者一行と同じ次元なんでしょうね」

青年「あまりハードルを上げられても困るがね」


記者「……どうして、希少な獣人たちを街から連れ出したんですか?」



↓+2 魔王が街から獣人たちを消した理由は……?





青年「実験のためさ」

記者「実験?」

青年「俺たちには限界がない。高めればどこまでも行ける」

記者「……」

青年「必要なのは、力だ。戦闘力、財力、影響力。力がなければなにも成せない」

記者「そうですね。それはその通りです」

青年「気が合うじゃないか。少なくとも勇者は、同意してはくれなかった」

記者「そうなんですか……?」

青年「どうだい、俺の下につかないか? 大したものはやれないが、世界の半分くらいならあげてもいいぜ」

記者「……まるで魔王のような口ぶりですね」

青年「魔王だぜ?」

記者「え?」

青年「世界中の人間が魔王と言ったら、それは俺のことを指す」

記者「…………えっと……」



魔王「自己紹介がまだだったな。俺は魔王……元勇者一行にして、現『魔王』だ。はじめまして、よろしく」





記者「魔……王……!?」

魔王「さて、どうする? キミは今、あらゆる意味での岐路に立ってると思うんだが」

記者「……それは、従わなければ殺すということでしょうか」

魔王「キミの立ち位置は、どうしたって善性の領域だ。綺麗な目をしているからな」

記者「そ、そうでしょうか」

魔王「だけど。そういう者こそ、俺の手元に1人くらい置いておくべきなんじゃないかとも思うんだよ」

記者「……。」

魔王「明け透けな言い方をすれば、一目惚れってところか」

記者「はいっ!?」


魔王「俺はこれで結構な野心家でね。欲しいものはなんでも手に入れてきた」

魔王「よし決めた。キミの願いを『3つ』叶えよう。そしたらキミは、俺のものだ」





記者「……『3つ』の願い」



記者(それはつまり、『勇者一行』の真実を知ることができるってこと?)

記者(もしここで誘いを突っぱねたら、殺されるかな……『魔王』なら、その可能性も十分にあるよね)

記者(なにも知らないまま殺されるなんて冗談じゃないっ)


記者(ここまで首を突っ込んじゃったんだ。もう行くとこまで行っちゃうしかない……!)


記者「わかりました……それでは1つめの願いは『私の質問に偽りなく答える』です」


魔王「そうくるだろうと思ったよ。知りたくて仕方がないって目をしてる……長生きできないタイプだぜ」


記者「まさか勇者一行だった時から魔王だったわけじゃありませんよね」

記者「どうして貴方が魔王になっているんですか?」



↓+2 彼が魔王になった理由

↓+4 彼が魔王になった方法





魔王「なに、魔王になるのに特別な素養なんてものはいらない」

魔王「要点を押さえてやればいいのさ。主要な有力魔族を少し操ってやれば事足りる」


記者「有力魔族を操るって、そんなこと……」


魔王「できるのさ。俺が勇者一行を離れてからすぐ、面白いヤツらを拾ってな」

魔王「実力は大したことなかったが、それぞれ面白い才能を持っていた」

魔王「そのうちの1人に、目を合わせた対象を操るヤツがいてね」


記者「……そんな強力な能力者が……?」





記者「それじゃあ、元々いた魔王はどうしたんですか?」

魔王「殺してやったさ。もっとも、その時点ではまだ、俺は勇者一行だったが」

記者「え……?」


魔王「キミは知らないだろうが、人間と魔物の関係は、キミたちが学校で学んだ事実とは異なる」

魔王「実際のところ、善い悪いで言えば、人間の方がずっと醜く悪辣なんだよ」


記者「……エルフの里の壁画」


魔王「ほう……! なんだ知ってたのか。ますます気に入ったよ」

魔王「そう……人間は古来より、魔物を迫害し、虐殺してきた」

魔王「魔物たちが死力を振り絞り、なけなしの力を結集しても……勇者という名の死神が蹴散らしていく」


記者「そんな……」





記者「勇者様の恋人が国王陛下に反逆したというのは……?」


魔王「キミは本当に“知りすぎている”な。背中には気をつけることだ」


魔王「その通り、僧侶……勇者の恋人は、王国に対立しようとした」

魔王「とはいえ反逆なんていう大袈裟なものじゃあない……」

魔王「魔物たちに対する侵攻をやめさせ、人間のしてきた行いの真実を公表するように訴えようとしたんだ」

魔王「……あの子は優しすぎた」


記者「だからって、なにも殺すことは……」


魔王「僧侶がそんなことをしようとすれば、間違いなく勇者も同調する」

魔王「勇者が動けば、ほかの勇者一行だって同じ方向へと歩き出しかねない」

魔王「魔王を倒した勇者一行の言葉は、時に国王よりも強く重くなるだろう」

魔王「だからあのバカップルは、そうなる前に手を打ったんだろうさ」


記者「人間の、ため……王国のために……?」





魔王「勇者は使命と感情の狭間でまだ迷ってるんだろう。魔物を手にかけるか、魔物に手を差し伸べるか」

魔王「賢者は……あいつは基本的に傍観者だからな。勇者に従うか」

魔王「魔術師と女剣士は、あくまで人間至上主義を貫くつもりだろう」

魔王「武闘家のヤツは、どうだろうな……あいつは昔から何を考えてるのか読めないヤツだ」


記者「それじゃあ魔王さんは、魔物たちのために……?」


魔王「先代の魔王に、死の間際に魔物たちのことを頼まれたんでな」

魔王「魔物たちが混乱して暴れだす前に、上から押さえつけてやるのが上策だったわけだ」

魔王「なにより賢者の持つ禁書に書かれた、破滅の予言を回避しなければならない」


記者「は、破滅の予言……!?」


魔王「予言については、おいおい話すこともあるだろう。知らない方がいいかもしれないがな」





魔王「さて、あと『2つ』だ」


記者「……あの、あとのお願いは後で……でもいいですか?」

魔王「それが2つ目の願いか?」

記者「違いますよっ!?」

魔王「冗談だ。まぁいいだろう。じゃあ俺についてくるってことでいいのか」

記者「は、はい……」





記者(なんかよくわからないうちに、魔王の配下になっちゃった……)

記者(っていうか傭兵さんのことはどうしよう)

記者(多分傭兵さんは勇者様につくだろうから、ここでお別れになるのかな……)

記者「あの、いま一緒に行動してる―――」



魔王「そこで聞き耳をたててるお前らは、どうするつもりなんだ?」

記者「―――えっ」



ガチャッ



幼女「……」

戦士「……」



↓+2 勇者一行の真実を知ったロリショタコンビはどう動く?





魔王「誰だ、貴様らは」

記者「現・勇者一行の2人ですよ」ヒソヒソ

魔王「ほう? なんだ、そうだったのか」



幼女「あたしたちは、とりあえず、勇者様を探すよ……」

戦士「……ボクらは勇者さんの決めたこと従う」



魔王「そうかい、そりゃ結構。勇者のやつによろしく頼むよ」



幼女「……」スタスタ

戦士「……」スタスタ



記者「いいんですか? いちおう魔王としては、勇者一行は敵ってことになるんじゃ……」

魔王「わざわざキミに『2つめの願い』を使わせるのも忍びないんでね」

記者「……。」





―――森―――



記者「そういうわけで、私はしばらく魔王と行動を共にすることになりそうなんですけど……」

傭兵「……」

記者「ですがあの人も底知れないところがありますし、これまで以上に危険な状況に飛び込むことになります」

傭兵「うん……危ないよ……」

記者「ですので傭兵さんにとっては、あの2人と一緒に勇者様と合流するというのが一番安全だと思いますが……」

傭兵「……。」



↓+2 傭兵はどうする?





傭兵「……わかった。そうする」


記者「そうですか。あの2人は苦手だと言っていましたが、いつまた工場長みたいな輩に襲われるかわかりません」

記者「くれぐれも強い人の傍にいて、危ないことはしないようにしてくださいね」

記者「……なんて、私が言うのも大きなお世話ですが」


傭兵「ううん、ありがと」


記者「それでは」


傭兵「……うん」スタスタ




記者「……」



記者(なんでちょっとがっかりしてるんだ私……バカか)





記者「獣人の希少種たちはどうするおつもりですか?」

魔王「実験に使うのさ」

記者「……人体実験ですか?」

魔王「そういうこともあるかもしれないな」

記者「…………。」

魔王「そんな顔をしないでくれないか。俺にとっては必要なことなんだ」

記者「いえ……すみません」


魔王「……ふむ」





魔王「よしわかった、獣人たちは解放しよう」

記者「え?」

魔王「ただし条件がある。これから言うものを、俺の配下と一緒に取ってくるんだ」

魔王「なに、そんなに難しい任務じゃない。すぐに済むはずさ」




↓+2 目的地

↓+4 取ってくるべきもの

↓+6 行動を共にする配下(例の「魔族秘密部隊」の4人から。複数可)


※ここの安価は取っても一日一回にカウントしません。ただし複数取るのは不可。





―――迷いの森―――



記者「『すぐに済むはずさ』って……迷いの森じゃん!!」

記者「人によっては永遠に出てこれないことも珍しくない立ち入り禁止区域!」

記者「これ、じつは私のことを遠回しに殺しに来てるんじゃなかな……」


ザッ…


記者「!」クルッ



甘ロリ「……。」



↓+3 記者の前に現れた、甘ロリ美幼女の性格/人柄は……?





記者「あ、あの、こんにちわ! 私は記者と申しますっ」


甘ロリ「……あんたが魔王様のいってた女?」ジッ

記者「はい!」

甘ロリ「あんたが人間って、ほんと?」

記者「え? は、はい、人間ですが……」

甘ロリ「ふ~ん……あっそ」プイッ

記者「え、あの……」


甘ロリ「いくわよ、人間。ちんたらしてんじゃないわよ」スタスタ





甘ロリ「……。」テクテク


記者(この子、この前襲ってきた連中のなかにいたよね……)

記者(結局この子がなにかしたってところを見てはいないけど、やっぱり強いのかな……?)


記者(魔王さんの人柄にちょっと油断してたけど、工場長を擁してるってことは完全に悪役サイドなんだよね)



記者「……あの、」

甘ロリ「気安くはなしかけないで」プイッ

記者「……。」



記者(武闘家さんがどうなったのか、聞ける雰囲気じゃないか)

記者(それどころか、うっかり機嫌を損ねたら殺されかねないかもだし)

記者(おとなしくついていくことにしよっと)





記者「あれ?」


甘ロリ「……。」


記者「あの変な形の木、さっきも見ませんでしたか?」

甘ロリ「うっさい」


記者「え、違いますよね? まさかですよね……?」

甘ロリ「……。」


記者「まさか……」

甘ロリ「……。」



記者「迷ったんですか!?」

甘ロリ「……うん」





記者「なんでちょっと道怪しいなと思った時点で言わないんですか!」

甘ロリ「う、うっさいわね人間のくせに……」

記者「もう完全にここがどこかわからないじゃないですか! ここは迷ったら一生出れない“迷いの森”なんですよ!?」

甘ロリ「うっさいってば! あ、あ、あんただって迷ったくせに!」

記者「私はあなたがどんどん先に進んでいくから、てっきり道を知ってるものだと思ってたんですよ!」

甘ロリ「……うっさい……こ、ころすわよ……」プルプル

記者「私を殺したあとは、1人で『神殺しの杖』を探して、1人で“迷いの森”から出るんですか?」

甘ロリ「…………うぅ」

記者「どうしよう、方位磁針の術も役に立たないみたいだし……」クルクル



記者「……ん?」ピクッ



↓+1、+2、+3 この迷いの森に隠された、旅人を惑わせる恐るべきギミックとは……


※ここの安価は取っても一日一回にカウントしません。ただし複数取るのは不可。





記者「……いま、あっちになにか人影が見えませんでしたか?」

甘ロリ「そう? 気のせいじゃない?」

記者「うーん……たしかに、こんな場所に誰かいるとは考えづらいですけど……」



記者「―――あ……れ……?」




↓+3 迷いの森が映し出した、記者の心を惑わす“過去”とは……





記者「……こ、れは……!?」


記者(私の里……私の故郷……!)

記者(違う、これは幻覚だ。だって、私の里は、もうずっと前に無くなって……)ヨロッ

記者(ダメ……もう忘れようって、決めたのに……)

記者(魔物たちの軍勢が、私の目の前で、里を……家族を、友達を……)ジワッ

記者(……っ)ゴシゴシ



記者「家訓其の七、心を乱すべからず。」

記者「動かしていいのは表情だけ。心は揺るがず静謐に」

記者「泣いたって帰ってこないものは帰ってこない。無駄なことはしない」


記者「……!」



甘ロリ「……っ」ガタガタ



↓+2 迷いの森が映し出した、甘ロリ幼女の心を惑わす“過去”とは……





甘ロリ「……やだ、やだ……! やめてぇ……!!」ガタガタ


『きゃあああああああっ!? パパぁ!! ママぁ!!』


甘ロリ「やめて……やだぁ……!!」ギュゥゥ



記者「これを嗅いでください! 気つけ香です!」スッ


甘ロリ「ぁ……」

記者「ここを離れましょう! 腕を回してください!」

甘ロリ「……」ギュッ

記者「しっかり掴まっててくださいね!」ダッ





記者「ふぅ……。幻覚作用のある植物でも生えてたんでしょうか……?」


甘ロリ「……もうはなして」

記者「あ、はい」パッ

甘ロリ「……。」

記者「この森がただの森じゃないってことは痛感したことですし、先を急ぎましょう」

甘ロリ「……ねぇ」

記者「はい?」

甘ロリ「あたし、魔物だよ?」

記者「あ、はい。そうらしいですね」

甘ロリ「……うん」





―――お菓子の家―――



記者「これはー……いったい、なんなんでしょう……」

甘ロリ「また幻なんじゃないの……?」

記者「いやぁ……それにしては実体があるといいますか……」ツンツン

甘ロリ「これ、ぜんぶおかし?」

記者「みたいですね。ちょっと覗いてみますか」

甘ロリ「ちょっと、そんなひまないわよ。魔王様がまってるんだから」





記者「でも、どこに行ったらいいのかもわからない状態ですし」

記者「空を覆うほどの草木のせいで、今が昼か夜かさえわかりませんし」

記者「もしここで寝食を確保できたら、ひとまず野垂れ死には回避できますよ?」


甘ロリ「……ちょっとだけだから!」

記者「はい、ちょっとだけです」ニコッ


ガチャッ



↓+2 お菓子の家の中は……? (状況/人物など)


きょうはここまで




記者「あの、失礼します!」

記者「どなたかいらっしゃいませんかー?」


シーン…


記者「人の気配はありませんね。この状況では好都合ですが」

甘ロリ「いいにおい。あまくておいしそう」クンクン

記者「わぁ、本当にお菓子でできてるんですね。さすがにベッドやソファは布製のようですが」

甘ロリ「あたしつかれちゃった。ちょっとやすんでいきましょ」ポフッ

記者「それでは、そのあいだに私は周囲の偵察をしてきますね」

甘ロリ「は?」

記者「え?」




甘ロリ「なんでよ。いっしょにやすんだらいいじゃない」


記者「こんなところに家があるということは、誰かが住んでいるか……」

記者「あるいは罠と言う可能性が高いかと思われます」

記者「なので、どちらにせよ1人は外部を警戒しておかなければ危険かと思いまして」


甘ロリ「……はっきり言いなさいよ。あたしが魔物だからでしょ」

記者「はい?」

甘ロリ「ふんっ、あたしだって、人間なんかといっしょにいたくないもん」

記者「誤解ですよ。私はあなたを嫌ったりなんてしていません」

甘ロリ「……え?」





記者「だって、あなたが私の里を焼き払ったり、私の両親を串刺しにしたわけじゃないですよね?」

甘ロリ「え、ええ……」

記者「先日敵対したのだって、立場の違いによるものですし……それにあなたに攻撃された記憶もありませんから」

甘ロリ「……なんていうか、あんたいろいろとわりきってるわね」

記者「もちろん私の考え方を押し付ける気はありませんから、人間である私があなたに嫌われても文句はありません」

甘ロリ「……あっそ」ゴロン

記者「はい。……あれ、でも、なんだか急に眠く……いけない、しっかりしなきゃ……」

甘ロリ「……」スヤスヤ

記者「え、もう眠ったんですか……?」


記者「もしかして……これは……、マズ……」フラッ



記者「…………」ポフッ





甘ロリ「ちょっと人間! おきなさいよ!」ペチッ


記者「―――ッ!!」ガバッ

甘ロリ「ひゃあ!?」

記者「あっ……すみません、つい癖で……」

甘ロリ「“つい”で人の首にクナイおしつけるんじゃないわよっ!!」ドキドキ

記者「私、眠ってしまったんですか……」

甘ロリ「そんなこと言ってるばあいじゃないのよ! そとを見てみなさいよ!」

記者「外……? あれ!?」





記者(眠る前と、明らかに景色が変わってる……!)

記者(寝ている間に移動させられた? 家ごと移動していた? 外の植物の方が移動した?)

記者(……なんにせよ、これで完全に迷ってしまったことに違いはないか)


甘ロリ「ど、どうすんのよ……」

記者「慌てることはありません。幸いあなたのおかげで最初から迷子でしたから、状況はなんら悪化してはいません」

甘ロリ「どうゆう意味よ!」ウガー

記者「とにかく外の様子を……」



記者「……ん?」



↓+2 記者が見た、迷いの森に潜む“ナニカ”とは……





記者「あの人……あなたと一緒にいた黒い人じゃないですか?」

甘ロリ「え? あ、ほんとだ! な、なんであいつが……!?」

記者「我々だけでは戦力的に不安だったので、追加で派遣したのでは?」

甘ロリ「そんなことない! 魔王様はあたしを信頼してくださってるもん!」

記者「しかし、それではなぜ彼がここへ……?」



↓+2 ゴリ黒人の持つ、稀有な能力/才能とは……





記者「それにしても、よくあの大爆発に巻き込まれて生きていられましたね……」

甘ロリ「あたしはけっこうあぶなかったけど……でも、あいつはぜったいだいじょうぶよ」

記者「彼はそんなに強いんですか?」

甘ロリ「つよくなくたって、あいつは“死ねない”のよ。そういう体質なの」

記者「死ねない……? 粉微塵になってもですか?」

甘ロリ「こなみじんでも、たべられても、どんなことをしても死ねないらしいわよ」


記者(不死身の肉体……それに加えて、武闘家さんと渡り合うだけの体術)

記者(魔王さんは“実力は大したことない”って言ってたけど、それは“魔王目線では”なんじゃないかな……)





記者「とりあえず合流してみましょうか。もしかしたら道を知っているのかもしれませんし」

甘ロリ「い、いやよっ! あいつを頼るなんて!」

記者「え、どうしてですか?」

甘ロリ「だって……そしたら、魔王様にほめてもらえない……」

記者「そんなことはないと思いますが……」

甘ロリ「うっさい! あんたはだまってしたがうの!」

記者「……まぁ私としても、あの黒い人を頼ったせいで“条件違反”にされたら嫌ですし」

甘ロリ「でしょ!?」





記者「ですが現状、どの方角へ行ったらいいのかもわかりませんし」

記者「適当に進んで森の入り口に出てしまったら、時間も体力も無駄にしてしまいます」

記者「そういうわけで、ここはとりあえず、彼の後をつけてみるというのはどうでしょう?」


甘ロリ「うーん、まぁ……そうね」

記者「それでは、そろそろ出発しましょうか」スタスタ

甘ロリ「うんっ」トテテ



↓+2 ゴリ黒人を追跡してみると、彼はなにをしていた……?


たのしそう。

きょうはここまでー




ジュゥゥゥ…



記者「あれは……いったい、何をしているんですか……?」

甘ロリ「……バーベキュー、してるんじゃないの……」

記者「……なんのために?」

甘ロリ「し、しんないわよ。おなかへったんじゃないの?」



ゴリ黒人<HAHAHAHA!



記者「1人でバーベキューしてるだけでえらい楽しそうですが、いつもあんな感じなんですか?」

甘ロリ「まぁ……そうね。なにしててもたのしそうなやつよ」



ゴリ黒人<デリシャース!!



↓+2 しばらくバーベキューを見守っていると、やがて何が起こる?





記者「……。」


……チリッ


記者「ッ!!」

甘ロリ「へっ!?」グイッ



ボゴォォォオオンッ!!



記者「っ」ズザザッ

甘ロリ「きゃあっ!? な、なにっ!?」

記者「敵襲です! けっこう高位の魔法使いっ!」





ザッ



魔導師「……」



甘ロリ「あ、あんたは……」


記者「知り合いですか?」

甘ロリ「ふんっ、しんないわよ」


魔導師「私は……1日たりとも忘れたことはなかった……」





記者(……どうしてわざわざ姿を現した?)

記者(単独の魔法使いによる基本戦術は、相手の攻撃レンジ外からの奇襲と、畳みかける遠距離攻撃)

記者(こんな距離じゃあ、呪文を唱えるよりも早く私の手裏剣が命中するはずだけど……)



魔導師「……」スッ



記者「っ」ゾクッ

甘ロリ「きゃっ!?」グイッ


ズバンッ!!


記者(木が真っ二つ!? そんな、呪文を唱えてもいないのに……!)

記者(手をかざしただけで魔法を使うなんて、それこそ魔王クラスでもない限り……)





魔導師「そこのお前は、そいつの仲間か?」


記者「まぁ、そんなところです」ジリッ

甘ロリ「……!」


魔導師「そうか。一応言っておくが、私の目的はその娘を殺すことだ。邪魔をするなら容赦はしない」

記者「事情はわかりませんが、私にも事情というものがありますので……容赦なく邪魔させていただきます」

魔導師「なら、死ね」



甘ロリ「……あんたがね」



↓+3、+4 甘ロリ幼女の持つ、稀有な能力/才能とは





甘ロリ「知らないの? あたしは魔法をそっくりそのままマネできるのよ?」

魔導師「知ってるさ……逆算魔法だろう。私の息子も、自分が最も得意な魔法で殺されたんだからな……」

甘ロリ「あんたの息子? なにそれ?」

魔導師「覚えてないか。それはそうだろうな、お前にとっては数多くの敵の1人だ」

甘ロリ「ふん、人間なんかしんないわよ」

魔導師「お前がそういう性格で助かったよ。これで気兼ねなく殺せる」

甘ロリ「ころす? おもしろいこというわね……」スッ



ボゴォォォオオンッ!!



記者(さっきあの人が使った魔法……!)


甘ロリ「あたしに魔法でかてるわけないでしょ」


シュゥゥ…



↓+2 甘ロリ幼女による魔法を受けた魔導師は……





魔導師「……果たして、そうかな?」



甘ロリ「え……」

記者(……む、無傷!?)


魔導師「私はさきほどこう言ったんだ。お前のことは『1日たりとも忘れたことはなかった』と」

魔導師「息子が殺されてから、ずっと……お前を殺すことだけを考えてきた」

魔導師「お前を殺すことができれば、他の何も必要ないという決意で、ひたすらにな……」


魔導師「そのために、私は―――」



↓+2 甘ロリ幼女に対抗するために、魔導師が手に入れた/手を染めたものとは……





甘ロリ「くっ……」バッ


ズバンッ!!


魔導師「―――新たな魔法の領域を切り開いたのだよ」スタスタ

甘ロリ「……きかない!? な、なんでっ!?」

魔導師「次はこちらの番だ」スッ


甘ロリ「……ふん。どんな魔法だかしんないけど、あたしにみせちゃっていいの?」

甘ロリ「あたしが、魔法をみればマネできるってこと、わすれてるんじゃないの!」





記者「マネしちゃダメです!」


甘ロリ「えっ」

記者「ここは逃げましょう!」グイッ

甘ロリ「ちょ、ちょっと!?」

記者「これにて御免、です!」ポイッ


プュゥゥゥ…!!


魔導師「煙玉……! 逃がすか!」バッ


ズガァァンッ!!




ボトッ ボトッ


魔導師「丸太……変わり身か」




・・・・・・


記者「ひとまず、この辺りまで逃げればいいでしょう」

甘ロリ「ちょっと、なんでにげたのよ!」

記者「あなたが、あの人を倒すことで得られるメリットはなんですか?」

甘ロリ「え……それは、あっちがこうげきしてきたから……」

記者「そう、具体的なメリットなんてなにもありません。だから、戦うなんて馬鹿らしいんです」

甘ロリ「……で、でも、どうせ、にげたっておいかけてくるでしょ。なら、あそこで……」


記者「おかしいとは思いませんか?」


甘ロリ「……え?」

記者「あなたの言った通り、あの人の切り札である謎のバリアは簡単に真似することができるのかもしれません」

甘ロリ「うん、だから……」

記者「そんな単純なことに、ずっとあなたを殺すことだけを考えてきた人が気付かないでしょうか?」

甘ロリ「……あっ」





記者「可能性としては2つあります」

記者「1つは、あなたには絶対に真似できないという確信がある」

記者「そしてもう1つは、『真似させることが目的』である場合です」


甘ロリ「どういうこと……?」


記者「たとえば、あの魔法を発動するには、なにか致命的な『代償』が発生してしまうとか」

記者「あちらとしては、たとえ自分が死ぬことになろうとも、あなたを道連れにできればいいのですから」


甘ロリ「……だから、にげたの……? あんた、そこまでかんがえて……」


記者「どちらのパターンでも、こちらが確実に不利であることには変わりありません」

記者「とはいえ、おそらくあなたが逃げるというパターンも、向こうの想定にはあるでしょう」

記者「これからあの人は、用意しておいたあらゆる追跡魔法を駆使して死にもの狂いで追ってくるはず」


甘ロリ「……。」


記者「ここからが“本番”です」


きょうはここまで




記者「ところであの人の魔法、どんなものだと考えていますか?」

甘ロリ「たぶん、空間をどうにかしてるんじゃないかしら」

記者「空間魔法……たしかにあの魔法を見たとき、魔術師さんの魔法を見たときと同じ感覚を覚えました」

甘ロリ「……それはいいんだけど、ところであんた……忍者なの?」

記者「いえ、忍者じゃないですよ?」

甘ロリ「いや、でも……」

記者「忍者じゃないデスヨ?」

甘ロリ「そ、そう……まぁ、いいんだけど……」





記者「がむしゃらに走ってきてしまいましたが、ここはどこなんでしょう?」

甘ロリ「どこでもいいでしょ。迷子なんだから」プイッ

記者「拗ねないでください。座標的な意味での“どこ”ではありません」

甘ロリ「まぁどこっていうなら……」



↓+2 ここは『迷いの森』の……





甘ロリ「あ、もしかしてあれって……!」

記者「出口、でしょうか……!?」

甘ロリ「きっとそうよ! やった、いつのまにか森を抜けてたのね!」

記者「それは嬉しいのですが……その、黒い人は……」

甘ロリ「あいつは……うん。いつもあんなかんじだから」

記者「そ、そうですか……」



記者「ところでこの場所が、『神殺しの杖』があるという……」



↓+2 迷いの森に閉ざされた、神殺しの杖の在り処とは……





記者「サークル状に森の開けた場所に、ポツンとトイレが設置されてる……」

甘ロリ「なんで神器がトイレにあるのよ……」

記者「非現実的な光景で、いっそ神秘的でさえありますね」

甘ロリ「……ほら、はやくとってきて」

記者「え、私がですか?」

甘ロリ「ほかにだれがいんのよ」

記者「……。」





ガチャッ バタン


ガチャッ バタン


記者「……どこにあるんだろ」

記者「個室にもないし、床にも落ちてない」

記者「天井にも引っかかってないし……」

記者「……。」



記者「いや、まさかね……神器を、そんなところには入れないでしょ……」



記者「……。」





記者「えいっ!」カパッ


記者「……」

記者「よかったぁ……うん、こんなとこには入れないよね」

記者「隠すなら、ここかな」スッ



ドガンッ! バギンッ!!



記者「便器の中……見つけたっ」


記者「これが『神殺しの杖』」



↓+2 神殺しの杖の形状は……





・・・・・・



甘ロリ「って、これモップじゃない!」

記者「いえ、違います! 一見するとただのモップのようですけど……」スッ


<※神殺しの杖です>


記者「ほら、柄の部分にこう書いてありましたので」

甘ロリ「これ、ほんとにほんもの!? ちがったらころすわよ!?」

記者「いちおう清掃ロッカーの中も探しましたけど、ほかにそれらしい清掃用具はありませんでした」

甘ロリ「さがすべきものがちがくない!?」





記者「しかしどう使うのかはわかりませんね。魔王さんから聞いてますか?」

甘ロリ「ううん、きいてない」

記者「ふむ……どれ、適当に振ってみましょうか」

甘ロリ「ちょっ、あっち向けてよ!?」

記者「わかってますって」



記者「えいっ」ブンッ



↓+2 +3 +4 『神殺しの杖』を適当に振ってみたところ、いったい何が起こった?


きょうはここまで




ピキュンッ……




甘ロリ「いま、モップからなんかでなかった……?」

記者「なにかが起こりそうですね」




ピカッ!!


ズッガァァアアンッ!!!




甘ロリ「―――っ!!?」

記者「えっ……」




ズゴゴゴゴゴゴッ!!!


ズッシャァァアアアンッ!!!




記者「森が……消し飛んだ……?」





甘ロリ「ちょ、ど、どうすんのよ!? あんたなにしてんの!?」

記者「え、いや、私は……!」



ヒュゥゥ…



甘ロリ「こ、こんどはなに!?」

記者「……そ、空を……見てください」

甘ロリ「え……あれは、なに?」

記者「直接は見たことがないので確証はありませんが……」



記者「隕石ではないかと……」




ズッガァァアアンッ!!!


ドゴゴゴガガガガッ!!!!





甘ロリ「きゃあああああっ!?」

記者「ひいいいっ!?」





シュゥゥゥ…


パラパラ…



記者「けほっ……。大丈夫ですか?」ヨロッ

甘ロリ「ごらんのとおり、しんではいないけど……」

記者「これだけの大災害で私たちが無傷ですんでいるのは、この杖による加護でしょうか」

甘ロリ「……さあ」

記者「なんと言いますか、あれですね……ずいぶん見晴らしがよくなりましたね」

甘ロリ「あんたが森を消したからね……」

記者「え、これ私のせいですか? もしや奇跡的なタイミングで発生した災害とかでは?」

甘ロリ「……なんだっていいけど」





記者「あの2人はどうしたのでしょうか?」キョロキョロ

甘ロリ「この炭の山のなかからさがすなんていわないでよね」

記者「魔法使いの方は、逃げたのか消し飛んだのか……」

甘ロリ「どっちだっていいでしょ」

記者「では、あの黒い人は?」

甘ロリ「ほっといても帰ってくるわよ。ほら、いきましょ」スタスタ

記者「帰りは迷わずに済みそうですね」

甘ロリ「……おかげさまでね」





―――山奥の小屋―――



魔王「やぁ、おかえり。ご苦労だったな」



記者「ただいま戻りまs」


甘ロリ「魔王さまぁ~~~♡♡♡」ダキッ


記者「えっ」

魔王「お前もご苦労だったな。彼女とはうまくやれたかい?」ナデナデ

甘ロリ「えへへ、はい♡ い~っぱいおはなしして、すっごくなかよくなっちゃいました! おねえちゃん、ダ~イスキ♡」

魔王「ほう、そうなのか?」

記者「え、いや、それは……」





甘ロリ「……」ギロッ



記者「とっても仲良くなりました、大親友ですよ!」パクパク

記者(あれ、口が勝手に動く……!? あ、まさか目を合わせただけで操る能力者って……!)



魔王「そうか、うまくやれてるようで何よりだ。そして、無事任務を果たしてくれたようでよかった」

魔王「それが『神殺しの杖』だな。なんとも拍子抜けするようなデザインだが」


記者「あの、今更聞くのもアレなのですが、この杖は一体なんなんですか?」


魔王「そうだな、キミも俺の大切な配下だ、教えてもいいだろう」



↓+2、+3、+4 『神殺しの杖』とは、いったいどういう由来の存在なのか? (役割/効力/使うための条件など)


※ここの安価は取っても一日一回にカウントしません。ただし複数取るのは不可。





魔王「そもそもこの杖を創造したのは、神だった」

記者「『神』が『神殺し』を創った……?」

魔王「言葉だけ聞くと間抜けな響きだが、まぁそういうことになる」

記者「その杖が、どうしてトイレなんかに隠されていたんでしょう……?」

魔王「さあな。トイレの神だったんじゃないか?」

記者「……」





魔王「その杖は、時に凄まじい『奇跡』を発現する。それは他ならぬキミ自身も目撃したんじゃあないか?」

記者「つい出来心で適当に振ってみたら、迷いの森を地図から消しちゃいました……」

魔王「そうか、やっぱりか」

記者「やっぱり?」

魔王「覚えているか、俺がキミを『善性の領域にいる人間』だと評したことを」

記者「は、はい……そういう人間こそ、手元に置いておくべきだとかおっしゃっていましたが……」

魔王「その杖を扱う者は、純粋でなくてはならない。それもとびっきりのな」

記者「え?」

魔王「心に邪なものを抱えている者は、触れることさえ叶わない。わかるか、俺ではその杖を扱えないんだよ」

記者「それじゃあ、私にこれを取りに行かせたのは……」

魔王「きっとキミならその杖を扱えると思ったからだ。そして実際に、その通りとなった」

記者「私が純粋だなんて、どうにも思えませんが……」

魔王「杖を扱えたんだろう。なら、それが答えだ」

記者「……私に、どうしろとおっしゃるんですか?」

魔王「来たるべき災厄の時に、その杖を振るってくれればいい。もっとも、あくまで保険だが」

記者「災厄というのは、あの禁書に書かれているという?」

魔王「そういうことだ」





魔王「さて、そういえば約束通り獣人たちは無事に街へと解放してやったぞ」

記者「実験はいいんですか?」

魔王「よくはないが、約束は約束だからな。契約が履行されたか、確かめてくるといい」

記者「は、はい」





―――街―――



記者「ほんとに獣人たちが戻されてた……」

記者「魔王っていうくらいだから、身体をバラバラに引き裂いて返すくらいするかもと思ってたけど……」


記者「それにしても、私が“純粋”か……なにをどう間違ったらそうなるんだろう」

記者「勇者一行を盗撮して甘い汁を吸おうとしてるようなパパラッチが純粋なら、魔王にだって扱えるんじゃないかな」


記者「私は勇者一行を利用して、お金をいっぱい稼いで……それで……」


記者「あれ?」


記者「私、お金を稼いで、なにをしたかったんだろう?」





記者「…………まぁ、いっか。そんなこと、どうでも……」


記者「それよりこれからどうしよっかな」

記者「うっかり魔王の配下にされちゃったけど、このままでいいのかな?」

記者「勇者一行と魔王一派、どっちが正しいのかよくわからなくなってきちゃった」



記者「……あっ」



↓+2 記者が街で見かけた、見覚えのある人物は……





記者(えっと、この人は魔王さんに“賢者”って呼ばれてたっけ)


賢者「あなたは、たしかカジノで……」

記者「どうも、お久しぶりです。それと誤解されているかもしれませんが、私はあのカジノの関係者ではありません」

賢者「おや、そうでしたか。これは失礼しました」

記者「いえ。ところで、ほかの勇者一行のメンバーはどちらへ? もう全員合流されているんでしょうか?」



↓+2 勇者一行の集合状況は……





賢者「随分と我々について詳しいようですが、あなたは一体……?」


記者(ああ、そうだった……なんかもう、隠すのもメンドくさくなってきちゃった)

記者(私って王国から賞金首扱いらしいし、もう新聞社には帰れないのかもな)

記者(じゃあ、もういっか)


記者「勇者一行を取材しようと追っかけをしていた者です」

賢者「追っかけ……ですか。なるほど、それで時折妙な気配を感じたわけですか」

記者「その節は申し訳ありません。それで先日、勇者一行の幼い2人組と会ったのですが」

賢者「……戦士は、今も行動を共にしています」

記者「あの幼女ちゃんは?」

賢者「現在は行方不明、といったところでしょうか」

記者「……行方不明」





賢者「ところで、あなたの持っているそのモップ……」

記者「知っているんですか。さすがですね」

賢者「ではやはり、『神殺しの杖』なのですね」

記者「はい。あなたの持つ古代帝国の禁書に書かれた、災厄の予言を避けるために」

賢者「……!?」

記者「どこかでゆっくりお話しできませんか? きっとお互いに、有意義だと思いますよ」

賢者「……そうですね。では、そちらの茶屋にでも。ご馳走しますよ」





―――茶屋―――



賢者「私は基本的に、貴女の大抵の質問になら答えるつもりだ」

賢者「しかしそのためには、まず1つハッキリさせておかねくてはならないことがある」


記者「私の立ち位置、ですか」


賢者「その通りだ。それ如何では、私も対応を考えなければならない可能性もある」

賢者「気を悪くしないでほしいが、私もあまり勝手のできる立場ではないのでね」


記者「いえ、賢者さんの心配もごもっともです」





記者「……しかし私自身にも、私の立ち位置というものがわからなくなっているんです」


賢者「と、言うと?」


記者「私は先日、魔王と接触を持ちました」

記者「そして彼の口から、勇者一行に関する真実と、そして魔王の目的を聞かされました」

記者「つまり、人間と魔物における血なまぐさい歴史を巡る争いと、『破滅の予言』の阻止」

記者「それだけ聞くと、むしろ勇者一行がどうして魔王を追っているのかがわからなくなってしまいました」

記者「誰に味方して、誰に敵対すればいいのか。あるいは、不干渉を貫くべきなのか」





賢者「……。」


記者「いろいろ訊きたいことはたくさんありますが、まずは1つだけ」


記者「“破滅の予言”とはいったい何なんですか? いったい、何が起こるんですか?」




↓+3、+4、+5、+6、+7  魔王の恐れる『破滅の予言』とは、いったい……?


※ここの安価は取っても一日一回にカウントしません。ただし複数取るのは不可。

※一発安価でやると絶対収拾付かなくなるので、5つを足し引きしてイイ感じにします。





賢者「『邪界』というものをご存知でしょうか?」

記者「邪界?」

賢者「地底深くにあるとされる、死と荒廃の世界のことを指します」

記者「……その邪界が、破滅の予言とどう関係しているんですか?」

賢者「『神殺しの杖』と対をなす、もう1本の杖……その杖の封印が、解かれたのです」

記者「え……」





賢者「その杖は、地上と邪界を隔てる地殻を破壊し」

賢者「やがて2つの世界を繋げてしまうでしょう」

賢者「そうすれば邪界の穢れた瘴気が地上に流れ込み……」

賢者「人も魔物も、動物も植物も、すべてが死に絶える『破滅』が引き起こされる」

賢者「―――と、禁書には記されています」


記者「……それが、破滅の予言」





賢者「彼は……魔王は、人や魔物に“瘴気に耐えうる肉体”を与えることで凌ごうとしているのでしょう」


記者(そのための工場長……改造人間たち……そして獣人たちに施そうとした“実験”?)


賢者「我々は、破滅の根源である“杖”を破壊すべく行動しています」

賢者「そしてついに、その在り処と思われる場所を探し出したのです」



記者「……! ……ということは」

賢者「はい。勇者一行の全力をもって“杖”の破壊を決行します」

記者「それで、その場所というのは……?」



↓+3 破滅の杖の現在地点は……?





賢者「例の禁書が生まれた、今は滅亡せし帝国……その首都に“杖”はあります」



記者「……そのことは、魔王さんに伝えなくてもいいのですか?」

賢者「私はともかく、勇者が魔王と共闘できるとは思えません。ですので私からは伝えません」

記者「それはつまり、私に任せるってことでしょうか」

賢者「委ねるということです」

記者「……」





―――山奥の小屋―――



魔王「……なるほどな」

記者「どうするんですか?」

魔王「どうするもこうするも、賢者の言う通りだ。今の勇者が、俺との共闘を受け入れるとは思えないぜ」

記者「……魔王さんには、勇者様との因縁はないんじゃありませんでしたか?」

魔王「そんなことはないさ。結局は人間を裏切って魔物の味方をしている反逆者だからな」

記者「ですが……」

魔王「それに俺の見込みでは、わざわざちょっかいをかけない限り、あと数年くらい滅亡は訪れないはずなんだ」

記者「その間に、人や魔物を機械に組み込むつもりですか?」

魔王「あんなのは一時避難に過ぎない。実験を積み重ねて、いずれはより高次の存在へと辿り着くだろう」

記者「……そうですか。わかりました、失礼します」スタスタ





魔王「おいおい、話はそれで終わりなのか?」

記者「はい。すみませんが、ちょっとだけお暇を頂きます」

魔王「帝国へ向かうつもりか」

記者「そのつもりです」

魔王「俺は配下想いだからな」

記者「……?」


記者(魔王さんの配下を一緒に連れて行ったら許さないってことかな? 誰も私について来ないでしょ)


記者「では、失礼します」スタスタ

魔王「……。」





ガチャッ


記者(さて、どうしよっかな。ああは言ったものの、私が帝国に行ったところでできることなんて……)

記者(このモップを振って、うっかり流星群でも呼ぼうものなら私が破滅を誘いかねないし)

記者(……うん、この杖は絶対に使うわけにはいかないっ)



記者「……!」



↓+3 その時、記者の前に現れた人影は……





ゴリ黒人「おーっと、お前さんはたしか、ブラザーのお気に入りの……」


記者「あ、どうも……」ペコッ

ゴリ黒人「HAHAHA! お出かけかい?」

記者「はい、まぁ」

ゴリ黒人「それなら気をつけた方がいいぜ。さっき俺っちが森でバーベキューしてたら、その森が消し飛んでよ!」

記者「……。」





ゴリ黒人「かと思えば空からでっけぇ岩が降ってくるときたもんだ! まったく温暖化は怖いぜ、HAHAHA!」

記者「……ソウデスネ」

ゴリ黒人「まだ焼いてない肉まで炭になっちまってよ! HAHAHA!」

記者「……災難デシタネ」

ゴリ黒人「どっか行くなら送ってくぜ?」

記者「いえ、それだと私が魔王さんに怒られますので」

ゴリ黒人「ブラザーに?」

記者「それでは、失礼します」ペコッ

ゴリ黒人「おう、またな!」ニカッ


きょうはここまで




記者「勇者一行のスクープを追え!」



※週刊少年ジャンプで規制されそうな内容の安価は、安価下となります。

※同一IDでの安価は、安価下となります。(一人一日一安価でおねがいします)

※ふと思い出した時に覗きに来るくらいのペースで更新。


【取材成果】

●勇者
・ショタ ・素敵、怖い、メチャクチャ強いと評判 ・スリの常習犯? ・痔? ・超高レベルの剣技と魔術の使い手
・恋人(僧侶)を魔術師と女剣士に殺されている

●幼女
・幼女 ・露出度が高い ・喫煙癖あり? ・食人癖あり? ・しばらく人を食べていないと落ち着きがなくなる
・翼を生やして空を飛べる ・人間と魔物のハーフ ・魔力量が人間の比じゃない ・行方不明中

●賢者
・黒人 ・背がとても高い ・聖人君子 ・王様より人望ある ・数百年生きてる ・古代帝国の禁書を持ってる
・勇者(?)と魔王と3人で楽しげに写った写真を持ってる ・眠らない? ・古代語を読める
・魔法を纏わせた巨大な弓矢が主力武器 ・機動力も抜群

●戦士
・ショタ ・ひ弱 ・厚着 ・盗賊団下っ端に無双 ・祖母の写真、大量のお菓子、大量の重火器を隠し持つ
・わりと脳筋? ・自分以外の人間はゴミ同前 ・勇者には従う

●刑事
・黒の海パン一丁 ・古代帝国の禁書を探していた ・記者に勇者一行の情報をリークしている
・黒人に禁書の内容を教わりつつ旅に同行 ・湖に落下後行方不明だったが、勇者一行と合流

●武闘家
・オカマ ・勇者一行を追う者を排除している? ・勇者一行(の誰か?)の元仲間 ・現在は勇者一行との繋がりはない
・幼女の正体を突き止め、勇者に忠告する ・パンチ一撃で大地を揺るがし鋼鉄を砕く ・現在行方不明中

●傭兵
・改造人間 ・感覚が鋭い ・治癒術師(ヒーラー) ・優しさで魔物を治療 ・人見知り
・勇者一行のボディガード兼後始末を請け負う傭兵 ・人造人間製造工場の工場長の姪 ・工場長に改造された
・肉体改造の結果、人間の姿を捨てることで飛行が可能に ・記者とは友達?
・記者を心配して、こっそり見守っている

●忍犬
・記者の里で拾われた ・忍犬修行によって高い戦闘能力を誇る ・記者のマフラーに擬態したりできる
・今は記者のバッグの中でおとなしくしている

●ケラケラ女
・魔物? ・遊び人? ・勇者一行の誰かを狙ってる?

●スライム
・スライムの魔物 ・人の言葉をしゃべることができる ・神へのお供え物を食べちゃったりする
・人間の街へ遊びに来たりする

●魚人
・海の女神? 上半身が魚、下半身が艶めかしい人間の足 ・お供え物を食べられると街を津波で襲う?
・反省してればわりとすぐに赦してくれる

●獣人
・オス ・猫耳 ・痔を治す秘薬を持っている ・先代勇者が痔で死んだと信じている ・勇者が痔だと思っている

●モグラ
・改造人間工場から脱走した ・モグラ型のロボットを着装する男 ・パフォーマンス向上のためにエルフを襲撃

●ミミズ
・改造人間工場出身 ・脳髄移植タイプのロボット ・ローションを散布 ・自爆機能付き



●工場長
・改造人間製造工場の工場長 ・傭兵やモグラたちの身体を半ば強制的に改造 ・人間の脳髄を取り出してロボットの動力にする
・王国の命令で勇者一行に逮捕される ・逮捕後、自分の改造した肉体で脱獄 ・重力魔法を操る
・新たな実験素体を求めて活動中 ・改造は魔王の指示 ・邪界の瘴気に対抗するため機械の身体を手に入れようとしている

●ゴリ黒人
・陽気 ・ムキムキゴリマッチョ ・武闘家と渡り合う体術 ・なぜかいろんなとこに現れる
・死ぬことができないという特殊体質 ・突如1人BBQを始める ・突然焼き払われた挙句、隕石で消し飛ばされても元気

●怪物
・頭部だけが異様に大きく、目と耳と鼻がない ・自分以外の全員の運を悪くさせる魔法を使う

●甘ロリ
・甘ロリな服に身を包んでいる ・美幼女 ・目を合わせた人間を操る ・人間に家族を殺されて、憎んでいる
・腹黒 ・一度見た魔法を即座に使える ・かつて魔導師の息子を殺害している ・対象を失明させられる
・魔王にはベタ甘 ・方向音痴

●魔導師
・高位の魔法使い ・空間を歪めて攻撃を逸らす魔法を使う ・かつて甘ロリに息子を殺されている
・甘ロリを殺すためだけに研鑽を積んできた ・呪文を発せずに魔法を使える? ・魔法を使うのに致命的な代償がある?
・隕石に吹っ飛ばされ安否不明

●死霊術師
・大量のゾンビを操れる ・街を襲撃した ・古代のドラゴンを召喚して姿をくらませる

●魔術師
・賞金稼ぎ ・カップル ・魔術師 ・空間を崩壊させる魔法を使う ・王国の指名手配によって記者を追っている
・王国や人間たちの混乱を防ぐために勇者の恋人を殺害している ・元勇者一行 ・人間至上主義 ・安否不明

●女剣士
・賞金稼ぎ ・カップル ・女剣士 ・空間さえも切り裂く剣術 ・王国の指名手配によって記者を追っている
・王国や人間たちの混乱を防ぐために勇者の恋人を殺害している ・元勇者一行 ・人間至上主義 ・安否不明

●僧侶
・故人 ・元勇者一行 ・勇者の恋人 ・魔物たちへの進行をやめるよう訴えた ・王国に真実の公表を訴えた
・魔術師と女剣士によって殺害された ・優しすぎる

●預言者
・記者の同僚 ・予測部署の所属 ・王国から記者を助けにやってきた ・いつも教会にいてくれるらしい
・優しいけど淡泊 ・ある程度条件を絞っての預言を受信できる

●先代勇者
・痔の悪化で死亡したとかいう噂が?

●魔王
・勇者をそのまま大人にしたような容姿 ・元勇者一行 ・野心家 ・先代魔王に魔物たちを頼まれた ・勇者の兄貴分
・勇者に魔法や剣術を教えた ・実験のために獣人を攫う ・記者の願いをあと2つ叶える ・有力魔族を支配下に置いている
・禁書に記された破滅の予言を回避するため動いている ・魔物たちの味方 ・仲間には優しい ・獣人は街に返した
・神殺しの杖を使わせるために記者を仲間にして迷いの森へ向かわせた

●先代魔王
・魔物たちの王 ・勇者一行に殺された ・今わの際に魔王へ魔物たちの未来を託した


○勇者一行の任務
・魔王の討伐 ・違法カジノの壊滅 ・遺跡の壊滅 ・悪の魔法結社の壊滅 ・人造人間製造工場工場長の逮捕
・裏切り者の始末 ・破滅の杖の破壊 ・邪界の封印





―――廃・帝国首都―――



記者「聞き込みしながら探し回って、ようやく見つけた……」

記者「ここがかつて滅ぼされた帝国かぁ。いかにも古代帝国って感じの石造りだね」

記者「そういえば刑事さんが、禁書を書いたのは異端の学者だって言ってたっけ。人民の権利のために戦ったとか」



記者「……おや、あれは」



↓+2 記者が廃都に見た人物/現象/異常とは?





記者「あれは竜巻……?」

記者「いや、魔力の嵐かな」

記者「あんなに異常な魔力の集中があるということは……あそこに杖が?」


記者「とにかく行ってみる価値はありそうだね」

記者「……勇者様たちはもう着いてるのかな」





ゴォォォオオ…



記者「嵐の出どころは帝国の王宮か。イイ感じにそれっぽい場所だね」


記者「それにしてもすっごい魔力……この距離でも鳥肌がやばいよ」

記者「もはや私がどうこうできる領域をマッハで飛び越えちゃってるね」

記者「さて……」



↓+2 魔力嵐の中心では、何が起こっている?





ゴォォォオオ…


女「」



記者「誰だろう、アレ」

記者「なんか笑ってるみたいだけど……そういえばあの人、以前見たことがあるような」

記者「杖は……持ってないみたいだけど。あの人はどこの勢力に属してるんだろう」

記者「ちょっとこのまま様子を見てみるかな」



↓+2 記者がそのまま隠れて様子を観察していると……





記者「……ふふっ」

記者「あれ……? くっ、ふふ……」


記者(なんだろう、べつに愉快な気分ってわけでもないのに、笑いがこみあげてくる)

記者(……まさか、あの女のせい? この魔力に当てられてるせいで、あの女の感情が伝播してる?)

記者(なんだかここにいるのはマズイ気がする)

記者(何者か知らないけど、関わり合いにならないほうがよさそうだね)ダッ





記者「やっと笑いが収まってきた」

記者「あーあ、こんなことなら賢者さんについていくか、せめて杖の場所くらい聞いておくんだった」


記者「ん……この建物は、教会かな? 機能してるわけはないけど……」


記者「……。」


ガチャッ





―――廃教会―――



預言者「あ、記者ちゃん、いらっしゃい~」フリフリ


記者「もしやと思って覗いてみたら……」

預言者「いちおう、教会にいるって約束しちゃったから~」

記者「相変わらず変なところでマジメだよね……」

預言者「でも伝えておかなくちゃいけない預言があったから、ちょうどよかったかな~」

記者「……え?」



↓+3 預言者が受信した、この廃都や記者に関わる預言とは……





預言者「この帝国が、空に浮くところが見えたの~」

記者「空に……浮く?」

預言者「うん。ふわ~って」

記者「え、それ、どういうこと?」

預言者「それでね、そしたらぽっかり穴が開いちゃうでしょ?」

記者「……まさか」

預言者「うん。穴からね、なにかがぶわ~って出てきちゃって、みんな死んじゃうの~」

記者「……そっか」

預言者「だからね、私がここに来たのって、記者ちゃんを連れて帰るためでもあるんだよ」

記者「え?」

預言者「だって、ここにいたらきっと死んじゃうもの。だから、ね。帰ろう?」ニコッ

記者「……」





預言者「都の外れに、魔導馬車を留めてあるから。そのまま王国に帰っちゃおっか~」

記者「……」

預言者「……記者ちゃん?」

記者「預言者はこのまま、すぐにここを離れて」

預言者「記者ちゃんもだよ?」

記者「私はここで、やることがあるから。だから預言者だけで帰って」


預言者「……私、記者ちゃんと戦いたくないな~」


記者「……預言者」

預言者「でも記者ちゃんって意外とわからずやだから、引っ張って連れて帰らなきゃだめなのかな~」

記者「きっと私にだってできることはある。だから、頑張ってみたいの」

預言者「……勇者様に任せるんじゃ、だめなの?」

記者「うん……ごめんね。わざわざこんなところまで、ありがとう」スタスタ

預言者「……。」


ガチャッ バタン





・・・・・・


記者「都市がまるごと浮上って……アホみたいな出力だね」

記者「まぁ、森を消し飛ばしたり隕石落としたりするこっちも負けてないけど」

記者「……いざとなったら、この杖を振らなきゃいけないんだよね」

記者「ああもう、勇者様たちはなにやってるんだろ」


記者「……!」

記者「今度はなに……?」



↓+2 続いて起こる廃都の異変は……


……ちょっとジブリ休憩




記者「!!」バッ


ボキュンッ!!


記者「空間が、溶けて削れるような……」

記者「この……魔法はっ!」



魔術師「元を辿れば、我々の所在を掴まれたのは、きみとの接触が原因だったね」

女剣士「ったく、テメェはどうしてこう、歴史の分岐的に居合わせるんだぁ?」



記者「……貴方たち、生きていたんですね」


女剣士「勝手に殺すんじゃねーよ。ま、たしかに絶望的な状況ではあったけどな」

魔術師「見晴らしのいい平地だったら、あの2人からは逃げられなかったでしょう」


記者「……貴方たちの目的はなんです?」



↓+2 裏切りのバカップルの目的は……





女剣士「目的と言うなら、それはアンタの命だ。アンタは“知りすぎた”んだよ」

魔術師「我々に狙われた時点で、おとなしく手を引いていればよかったものを」

記者「……。」

魔術師「人間と魔物の関係を、公にすることはできない。それは人間の立場を危ぶませる爆弾なんだ」

女剣士「人類のため、王国のため、アンタをここで始末するぜ!」チャキッ

記者「魔王さんの言う通り、人間至上主義のようですね」

魔術師「魔王、だって?」ピクッ





女剣士「あの野郎……生きてやがったのか。人類の裏切り者め」

記者「貴方たちより、魔王さんの方がよっぽど世界のことを考えていましたよ」

女剣士「ンだと……!?」


記者「貴方たちは、人間を、魔物を、一括りの大きなカテゴリとしか見ていない」

記者「良い人間も悪い人間も、良い魔物も悪い魔物もいます」

記者「私の両親や親友を目の前で殺した魔物と、人間に虐げられて涙を流す魔物を同じ括りでは見れません!」


女剣士「……ホント、マジで掛け値なしにムカつくぜ……僧侶みてーなこと言いやがって!!」

魔術師「なんにしても、ここで消えてもらうよ……!」


記者「まだ死ぬわけにはいかないんです」ジリッ


記者「……!」



↓+2、+3 記者と賞金稼ぎたちがにらみ合う中、廃都へと降り立った人物は……(複数可)


きょうはここまで。

傭兵ちゃん、迷いの森で消し炭になってないといいな・・・




ザッ


刑事「フムン……キミが、どうしてこんなところに……!?」



記者「け、刑事さん……? ……それと」



騎士「……。」

侍従「……。」



記者「そちらの、方々は……?」



↓+3、+4、+5 黄金鎧の騎士の性格/立場/強度/役割など

↓+7、+8 侍従の性格/強度/性質など





刑事「この方たちは……」


騎士「フッ、この私を知らぬとは、不幸な女よ。なぁ、侍従」

侍従「そうですねぇ。たしかこの間、姫にセクハラしようとして有名人になりましたもんね」

騎士「そういうことを言っているのではない!! 黙っていろ愚か者め!!」

侍従「はぁい」



騎士「よく聞けそこの娘よ。我こそは王国直属の騎士にして、王国三臣老を父に持つ、“騎士”であるぞ!」

侍従「あ、ボクは侍従です。よろしく」


記者「……そんな偉大なる騎士様が、こんな僻地へどういった御用で?」


騎士「フッ、知れたこと。王国より命を賜り、貴様を捕えに来たのだよ」





女剣士「……おい。おいおいおいおい! テメェ、あたしらが見えねぇのか?」

騎士「なんだ、そこの乳の豊かな女。ガサツな言葉を操るでない」

魔術師「……次に彼女へセクハラしたら、周りの空間ごとこの世から消失させるぞ」

騎士「この私へなんたる無礼……貴様、王国へ帰れると思うでないぞ」


記者「……。」

記者「偉大なる騎士様。さきほど貴方様は私を“捕える”と仰いましたが……」

記者「しかしそこの2人はこの場で私を始末すると言ってきました。どちらが正しいのでしょう?」





騎士「常に私が正しい。よって、貴様は王国へと連れ帰る」


女剣士「ああん!? テメェ、なに言ってんだ!? コイツは即時処刑だろ!」

騎士「彼奴の身柄は今この瞬間より、私が預かる。貴様らもこれ以上闇へ沈みたくなければ、逆らうでないぞ」

女剣士「黙って聞いてりゃ……」

魔術師「その女が逃げるそぶりを見せなければ、それでいい」

女剣士「はぁ!? おい!」

魔術師「ただし金は頂く。賞金額の倍だ」

騎士「いいだろう。では、その娘を捕えよ」


記者「……」

記者(あの2人を相手にするよりかは、美味しい展開になったな)





―――馬車―――



騎士「では出せ」


侍従「はぁい。安全運転で行きますよー」


記者(前よりずっと厳重に縛られちゃった。まぁ、じつはこれでも縄抜けできなくはないんだけど)ギシッ

記者(この金箔騎士、噂通り身のこなしがド素人以下だね。これなら普通に私でもボコれそう)

記者(あの従者は魔法使いみたいだけど、そっちにしても本気出せば逃げ切れるはず)


騎士「フッ、随分と手酷く縛られているな。いっそ扇情的でさえあるぞ」

記者「痛すぎて、そんな気分にはなれそうもありません……」

騎士「そう言うな。本来ならあの場で処刑のところを、私が助けてやったのだ」

記者「……え?」


記者(知ってるよ。色ボケで有名なアンタがそう言いだすように、私が会話を誘導したんだから)





騎士「そなたは可憐な花だ。あんな風情の無い場所で散らせるには惜しいほどのな」

記者「え……///」

騎士「私の支配下でおとなしくしていれば、不自由なく生きていけることを保証しよう」

記者「……ほんとうですか?」

騎士「ああ本当だとも。私に身も心も捧げるか?」

記者「……でも私、天涯孤独で、それで自棄になって、勝手ばかりしちゃうような愚かな女なんです……」

騎士「愚かなどということはない。それにこれからは1人ではない。私も一緒だ」

記者「騎士様……///」

騎士「こんな無粋な縄はほどいてしまおう。賢いそなたに、こんなものは必要ないのだから」スパッ

記者「騎士様……!」ギュッ

騎士「フッ、よしよし。王国へ戻る前に、どこかゆっくりできるところで休んで行こう」

記者「はい♡」


記者(くノ一術の修行はサボってたんだけど、この人チョロいな~)





騎士「……」ドサッ

記者「え……騎士様?」


キキッ…


記者「……!」

侍従「悪いけど、お楽しみのところ失礼するよ」

記者「睡眠魔法ですか」

侍従「そうそう。こんなポンコツでも、殺すと結構面倒なんだよね」

記者「……どういうつもりです?」





侍従「魔王の瞳の色は?」

記者「カーマイン」

侍従「魔王様の命令で、キミのサポートに来たよ。ボクの名前は側近。能力は“成りすまし”さ」

記者「後ろの馬車の刑事さんは?」

側近「キミと一緒にいるところを目撃した配下がいてさ。一応助けといたんだ。デキる男でしょ?」

記者「とても最高です」

側近「こんどデートしようよ」

記者「喜んで」


ガチャッ


記者「では、廃都に戻りましょう」





刑事「そうか……禁書の予言も知っているのだな」

記者「ええ。といっても、大雑把な概要だけですが」

刑事「邪界についての知識は備えない方がいい。ゆっくり眠れなくなる」

記者「覚えておきます。それで、破滅の杖の場所はわかっているんですか?」

刑事「ああ、もちろんだ。しかし先んじて情報を収集しようと思ったら捕まってしまった」


記者「それで、破滅の杖の在り処は?」



↓+3 破滅の杖は、廃都のどこにある?





―――廃都・王宮地下―――


カツ、カツ…


側近「寒っ! まだ地下に潜るの?」

刑事「ウヌゥ……禁書によれば、そのはずなのだが」ガタガタ

記者「寒いなら服着たらどうですか」

刑事「これが私の制服なのだ!」

側近「いろんな意味で寒い人だな~」


ガチャッ


側近「おっ……」

記者「もしかして、あれが……?」

刑事「邪界の神を象った石像……あれに違いない」





記者「これを破壊したら、中から破滅の杖が……」

側近「いっそ杖ごと壊れてくれればいいんだけど」

刑事「爆薬を持ってきた。手分けにして取りつけるぞ」

記者「そんな物理的な方法で壊せるんですか?」

刑事「石像自体はただの石のはずなのだ」

側近「ま、さっさと終わらせちゃおう」





・・・・・・


刑事「よし、2人とも離れろ」

記者「……」スッ

側近「……」スッ


刑事「いくぞ」




ズッガァァアアンッ!!!




記者「うわっ」グラグラ

刑事「っ」グラグラ

側近「おっ」グラグラ



パラパラ…



刑事「あれが……破滅の杖」

側近「ツルハシにしか見えないけど」

記者「神殺しの杖はモップでしたから、驚くようなことじゃありませんよ」





記者「この杖を破壊するには、どうしたらいいんでしょうか?」

側近「普通に爆弾じゃだめなのかい?」

記者「もしそれでいいのなら、いっそ拍子抜けですが」

側近「どうなんだい、禁書博士」


刑事「この杖を破壊するためには……」



↓+2 破滅の杖を破壊するためには……?





刑事「勇者様を、殺さなくてはならない」


記者「……え」

側近「……。」

記者「ど、どうしてですか……?」



↓+2 なぜ勇者様を殺さなくては、杖を壊すことができない?





刑事「この杖は、勇者がこの世に誕生したときに発生したものとされている」

刑事「そもそも魔王を殺害することが存在理由である勇者は、破滅の権化という属性が強い」

刑事「それでも勇者様が正義の側にいるというのは、このツルハシのおかげなのだ」



刑事「勇者の力……つまり破滅の力は、正の部分が人間に、負の部分が無機物に宿った」

刑事「どちらかが一方的に破壊されれば、そのチカラは残る一方に流れ込む」

刑事「そうなれば勇者様が、それこそ魔王のような存在となってしまうのだ」





記者「……つまり、勇者様と杖を、同時にこの世界から抹消しなければならない……と?」

刑事「そういうことになる」

記者「そんな……」

刑事「そのため勇者一行は、勇者様が死なずにすむ方法を探して旅をしていたという側面もあるのだ」


記者「……だから魔王さんは、杖を破壊せずに生き残る方法を求めたんですか」

側近「さあねぇ。魔王様は心中を吐露なさらない方だから」

記者「もしかして武闘家さんも、それが原因で勇者一行を抜けたのかも……別の道を探すために……」





記者「……これから、どうするんですか」

刑事「勇者一行の総意としては、勇者様にその身を捧げてもらうということでまとまっている」

記者「それで、本当にいいんでしょうか?」

刑事「他に方法がない以上は、な」

記者「……。」


側近「ところでお二人さん、足音が聞こえてこないかい?」


記者「……!」



↓+2 地下へと降りて来る人物は……





カツ、カツ…



側近「誰かな。1人みたいだけど」

刑事「まさか、あの賞金稼ぎコンビのどちらかか?」

記者「もしも杖を狙う敵だったら、この世界が終わりかねませんよっ!?」


カツ、カツ…


記者「じつは魔王様だったりしませんかね?」

側近「ボクが派遣されてるからねぇ。それはないんじゃないかな」

刑事「勇者一行も、まだここには来ないはずだ」

記者「それでは……先手必勝、奇襲に賭けましょう」





カツ、カツ… ピタッ



記者「……」スッ

側近「……」スッ

刑事「……」チャキッ



ガチャッ



騎士「貴様たち、やっと見つボヘェ!?」ゴシャァ!!



記者「あ……」

側近「やべ、死んだかな」

刑事「フムン、辛うじて生きてはいるようだ」


騎士「」ピクピク



記者「……とりあえず、あのバカップルに勘付かれる前に、杖を持ってこの廃都を出ましょう」





側近「さて、これから記者ちゃんはどうするのかな?」


記者「……普通であれば、ほとんど接点のない私が勇者一行に接触するなんておかしな話ですが……」

記者「けど、ここまで来たんです。できれば最後まで、勇者一行の行く末を見届けたいです」


刑事「フム……キミならきっと、ついてきても大丈夫だろう。好きにするといい」

記者「ありがとうございますっ」

側近「そうかい、それじゃボクはここで失礼するかなぁ」

記者「助けてくださってありがとうございました。魔王さんによろしくお伝えください」

側近「ん、了解。じゃあね~」フリフリ





刑事「では我々も行くとしよう」

記者「そうですね。勇者様は、いまどちらに?」

刑事「ウム、彼らは現在……」



↓+2 他の勇者一行が待機している場所は……





―――迷いの森跡地―――



勇者「……」

賢者「……」

戦士「……」


ザッ


勇者「!」



刑事「待たせたな」

記者「……」





勇者「ん……お前」

記者「あ、はい。私は……」



勇者「いつかのゾンビの街にいた女!」

戦士「……魔王の手下」

黒人「カジノの関係者……ではなく、勇者一行のパパラッチでしたか」



刑事「……キミは嘘をつきすぎじゃなかろうか」


記者「う……うぅぅん……」ガクッ





武闘家「あらん、アタシは勇者一行の行動記録係って聞いたけどねン♪」スッ


記者「!?」


傭兵「……私も、そう聞いたもん」スッ


記者「!!?」


勇者「なんだなんだ、勢ぞろいじゃねーか」

勇者「……で、『神殺しの杖』と『破滅の杖』の両方をもってやがるテメーは、いよいよもって誰なんだ?」


記者「私は……記者。報道者というのは、真実を追求するものでしょう?」





勇者「……記者、ね」


刑事「廃都で私は、王国の手の者や、例の賞金稼ぎカップルに出くわした」

刑事「その窮地を乗り越えることができたのは、彼女の力添えによるものだ」

刑事「おかげで、無事に破滅の杖を手に入れることができた」


賢者「彼女の身柄は、私が保証しましょう」


勇者「……まぁ、いい。とにかく破滅の杖を手に入れたわけだな」

勇者「じゃあ、さっさと破壊するぞ。お前たち、準備しろ」


賢者「……」スッ

戦士「……」チャキッ


記者「―――え」





ズガンッ!!



杖「」バキンッ


勇者「」ドシャッ



記者「え? えっ?」



賢者「きちんと死んでいますか?」

勇者「」

戦士「……うん。即死してる」


賢者「…………ふむ」

賢者「どうやら、杖からも勇者の身体からも、力の移動は感知できない。成功のようですね」





記者「い、いやいやいや! そんな、なにやってるんですか!?」

賢者「なに、とは?」

記者「だ、だって、今まで勇者様が死ななくてもいいような方法を探してたんじゃなかったんですか!?」

賢者「その通りです。さぁ傭兵、勇者の傷を治療してください」


傭兵「え、あ、うん……」


記者「そんな、今さら治療したって……」

賢者「勇者の力……破滅の力は、無事に霧散しました。これで悲劇は回避することができます」

記者「はい……?」

賢者「貴女は我々を嗅ぎまわっていたのではなかったのですか?」

記者「……は、はい」

賢者「それなら、『この剣』のことも知っているはずなのでは?」チャキッ

記者「…………あっ」





賢者「あらゆる手を尽くして、ようやく見つけ出した封印の洞窟。その最奥に安置された伝説の神器」

賢者「死んで間もない生命をこの世に呼び戻し蘇生させる『復活の剣』」

賢者「さぁ、蘇りなさい!」ブンッ


パァァ…!!


勇者「……あんまり良い気分じゃねーな。こんなの二度と御免だ」ムクッ



記者「…………そ、そんな手があったなんて……」ヘタッ





―――山奥の小屋―――



魔王「復活の剣だって……? おいおい、そんな冗談みたいな神器が、本当に実在したのかよ」

記者「少なくとも、破滅の杖を壊したのに勇者様はピンピンしてましたよ……」

魔王「まったく俺の苦労も知らないで……。だいたいお前も、そんな剣があるのを知ってたなら、さっさと言えよな」

記者「それは本当に申し訳ないと思っています……そんなすごいアイテムだったとは知らなかったもので……」ガクッ





魔王「まぁ、いいさ。それで勇者たちは?」

記者「引き続き、魔王さんと、例の賞金稼ぎカップルと、それから復活した古龍の討伐を続けるみたいです」

魔王「ふん、そんなところだろうな。ならキミはどうするつもりなんだ?」

記者「え?」

魔王「もうあらかたの『真実』ってやつは、知り尽くしたんじゃあないのか? まだ旅を続けるのか?」

記者「……それは」

魔王「結局のところ、キミはなんのために旅を続けていたんだ?」

記者「……」

魔王「キミは嘘をつきすぎて、ついに自分自身のことさえも、わからなくなっちまったんじゃないのか?」

記者「そんな、ことは……」





魔王「まぁ、いい。キミは契約によって、俺のモノとなったんだ。だから難しいことを考えなくていい」

魔王「俺が、俺たちが、キミの居場所になってやる。自分の本音がわかるようになるまで、ずっと傍にいるといい」

魔王「キミは、キミが思っているよりは、孤独ではないんだぜ。死に急ぐことはない」



魔王「今日はご苦労だったな。よくぞ世界を救ってくれた。ありがとう、記者」ポン





―――闇夜の山道―――



記者「……」スタスタ


記者(べつに私が世界を救ったわけじゃない)

記者(私なんかがいなくたって、誰かが世界を救ってたはず)

記者(あ、でも預言者の預言を聞いたのは私だけだったはずだから……)

記者(廃都が預言通りにならなかったのは、私の些細な行動が影響した結果なのかな)

記者(なんてね……そんなわけないか)


記者(でも……)


記者(褒められた……頭撫でられた……)サワッ

記者(……///)




↓+3 珍しく上機嫌な記者。そんな彼女が暗い夜道を歩いていると……





記者「……ん?」ピタッ



死霊術師「」

女「」



記者(あそこにいるのは……さっきの女と、それからゾンビ使い……!)

記者(しまった、気づくのが遅れた!)



女「!」クルッ

死霊術師「貴様は……いつぞやの」



記者「くっ……」



↓+2 記者に気が付いた2人は、どうした?





記者(どうみても友好的には見えないね……)

記者(ここは、逃げるしかない!)グッ

ガシッ

記者「っ!?」ガクン


ゾンビ「オォォォ」ググッ…


記者(い、いつのまに……!? くっ、ゾンビが地面から次々と……)

死霊術師「ちょうどよかった。儀式のための良い素体が手に入ったな。そのまま地面に引きずり込め」

記者「は、離して! このっ、まとわりつくな……! やめて!」ズブズブ

死霊術師「うるさい娘だ。さっさと地の底に沈むがいい」


記者「く、かはっ……ま、まお……」ズブズブ


記者「……」ズブズブ





・・・・・・



記者「……ぅ」


死霊術師「おや気が付いたか。まだ儀式の準備が整っていないのでな。もう少し待っているがいい」


記者「……儀式……? あれ、ここは……私……」

記者「動けない……縛られてる?」ギシッ

記者「そ、そうだ、私……!」ハッ


死霊術師「準備が整うまでの退屈凌ぎだ。すこし話をしてやろう」



↓+2 これから始めようとしている儀式の目的とは?

↓+5 儀式に必要なものは?

↓+8 この場所はどこ? 




このまま行こうかとも思ったけど、やっぱり再安価で。

※一人一日一安価


↓+3 これから始めようとしている儀式の目的とは?

↓+5 儀式に必要なものは?(どうして記者を攫った?)

↓+7 この場所はどこ?


狩れた世界樹は儀式に必要なものなのか場所なのかがわからなかったので、まとめて再安価ということに。

きょうはここまで。




記者「こ、こんなことしてなんのつもりですか……」

死霊術師「すべては貴様が手にした、神殺しの杖を活用するためよ」

記者「神殺しの杖……? あ、あれは使える人が限られていて、しかも何が起こるかわからないんですよ!?」

死霊術師「そうだ。そしてその条件をパスするための儀式を、これから行うのだ」

記者「え……」





死霊術師「ここは忘れられた都……期待していても、誰も助けには来れないぞ」

記者「……心配しなくても、私を助けに来るような人はいません」

死霊術師「それなら貴様は、これから死ぬことになる」

記者「まぁ、こんな怪しげな儀式の生贄にされるんですからね……」

死霊術師「この儀式には、現在の所有者の体液が必要となる。手っ取り早く、血液を頂くとしよう」スッ


サクッ プシュッ


記者「痛っ……!」

死霊術師「じきに何も感じなくなる。もって30分といったところだ」スタスタ





ポタッ… ピチャッ…


記者「………………。」

記者「……」チラッ



死霊術師「……」

女「」クスクス



記者(意識がないときに縛られちゃってるから、さすがに縄抜けはできないか)

記者(私の荷物は、モップといっしょにあっちに置いてある)

記者(ここから脱出する方法はあるけど……どうせすぐに捕まるのがオチだよね)

記者(ああ……痛い、痛い痛い痛い……)


ピチャッ… ポタッ…





記者(いろいろ好き勝手やって生きてきて、その結末がこれか)

記者(でも、私が王国を出たことには意味がある、よね)

記者(私がいたことで、勇者一行の旅がうまくいったところだって、皆無ではなかったはずだし)

記者(だから、うん。私が生まれてきたことにも、世界にとって意味があったってことだよねっ)


記者「……」


記者「……死ぬのか、私」





記者(さっきあの人は、神殺しの杖を自由に操るみたいなことを言ってた)

記者(それが本当なら、それこそ魔王や邪界以上の大惨事にもつながりかねない)

記者(だったら私がすべきことは、一つしかない。どうせ死ぬのなら……)


記者(儀式には、所有者である私の体液が必要だって言ってた)

記者(わざわざこうして縛り付けて、大きな盃に生き血を集めてるっていうのは)

記者(私が寝てるあいだに血液をちょこっと頂くんじゃ、儀式が成立しないからだ)


記者(もしも私が、体液を集めることもできないような死に方をすれば……)



死霊術師「……!」ピクッ



記者(っ!?)ビクッ




↓+2 忘れられた都に、なにか異変が……?





死霊術師「ゾンビたちが騒がしい。様子を見てくる」

女「……」コクッ

死霊術師「あの娘の様子に、よく気を配っておけ」スタスタ


ガチャッ バタン



記者(部屋から出て行っちゃった……。私の思惑を察したわけじゃないのか、びっくりした)

記者(もしかして、誰かが来たのかな? 魔王さん……だったら嬉しいけど、そんなわけないか)

記者(それじゃあ誰なんだろう? ここは『忘れられた都』らしいし、どうやってこの場所が……)



女「くすくす」スタスタ


記者「!」



↓+2 死霊術師が出ていき、おもむろに記者へと近づいて来た女は……





女「ふふっ、そんなに怖がらなくてもいいのよぉ?」クスクス

記者「……」

女「あなた、魔王様のお気に入りなのよねぇ。知ってるわよぉ」

記者「えっ」

女「ふふっ、私も魔王様の配下だもの。あなたとおんなじで、ね」

記者「そ、そうなんですか!? じゃあ、あの人がいないうちに逃げましょう!」


女「それはダメよぉ」クスクス


記者「え?」





女「魔王様が自在に神殺しの杖を使えるようになることに、意味があるんだものねぇ」クスクス

記者「……え」

女「あなたの血を抜ききって儀式を完成させて、神殺しの杖を魔王様に捧げるのよぉ」

記者「―――。」


記者(そうだ、そもそもこの人だって私を捕まえるときにいたじゃない……!)

記者(捕まえてからも、適当に理由を付けて魔王さんに報告に行ってくれれば、私も助かってたかもしれないのに)

記者(まさか、まさか、まさか……)



記者(これ、魔王さんの指示……?)





ズズゥゥゥン…


女「くすくす。ドラゴンまで持ち出すなんて、なかなかの敵みたいねぇ」

記者「……」

女「あら? もしかして、泣いちゃった?」

記者「……」

女「生憎だけど、あなたの体液は血だけで十分なのよねぇ」クスクス

記者「……」

女「もう貧血で意識も薄れてきてるんじゃないかしらぁ? すぐに楽になれるわよぉ」


カツ、カツ…


女「彼も帰ってきたみたいだし、儀式も大詰めだわ」クスクス



ガチャッ



↓+2 儀式の祭場へと姿を現したのは……

↓+4 その目的、記者への友好度は……





騎士「はぁ、はぁ、ぜぇ……」ヨロッ



女「あら……? あなたは……」


記者(あ、あのときの騎士!? どうして、こんなところに……)

記者(そういえばあのときも、眠らせてたはずなのに、すぐに廃都の地下まで追いかけてきてたよね)

記者(もしかして追跡の達人なのかも)



女「彼はどうしたのかしら?」

騎士「あの怪しげな魔法使いのことか? フッ、いまは私の相棒が相手をしているはずだ」

女「ゾンビの群れとドラゴンを……?」

騎士「そして貴様が、不穏分子の黒幕だな! 我が王国に盾突く不届き者よ、斬り捨ててくれる!」





・・・・・・



騎士「」チーン



記者(瞬殺っ!? びっくりするくらい弱いっ!!!!)ガーン



女「くすくす、私も戦うこと自体はそんなに強い方じゃないんだけど……びっくりするくらい楽勝だったわねぇ」

女「せっかく助けが来たかと思ったのに、残念だったわねぇ?」


記者「……いえ、彼の頑張りは十分すぎるものでした。おかげで希望が見えてきましたから」


女「?」


記者「―――――――――!!!」


女「痛っ、なにこれ、耳が……」





記者「すぅ…………火遁の術っ!!」


ゴォォォオオッ!!


女「あら、くすくす。火なんかで私を殺せるわけ……」スッ


ズバッ!!


女「な……い……?」ブシュッ


記者「久しぶりだけど、“犬笛の術”を忘れてはいなかったみたいね。偉い!」

忍犬「わふっ♪」フリフリ


女「犬……!? どこから……」ドシャッ





記者「この子は、もともと私のバッグの中に紛れていたんですよ」

記者「人間には聞こえない周波数の口笛で合図をしたら、忍刀で切りかかるように訓練してあるんです」

記者「さっきまではゾンビ使いの目もあったし、あなたの実力もわからなかった」

記者「だけど彼の突入のおかげで、その両方をクリアできたんですよ」

記者「この子は『魔剣士』などと噂されるほどの実力ですからね」


女「……」ガクッ


忍犬「わふわふ」ブチッ ズバッ

記者「ありがと、良い子だね。今日のごはんは豪華だよ」ムクッ

忍犬「わふっ♪」

記者「……さて、と」



騎士「」チーン



記者「……こんなんでも一応は命の恩人か。担いでいってあげよう」グイッ

記者「うっ、鎧が重いっ!! こんなん着てるから弱いんだよっ!」ズルズル





記者「血が、足りない……クラクラする……」ヨロッ

記者「ああもう、この騎士さん捨てていこうかな……」

騎士「」ズルズル

記者「そういうわけにもいかないか……」

記者「外の音はやんでるけど、戦いは終わったのかな? この人の相棒が戦ってたらしいけど……」



↓+2 祭場から脱出し、外に出てみると、そこでは……?





女騎士「騎士さん!」


記者「!」ピタッ


女騎士「あれ、あなたは……?」

記者「危うく変な儀式の生贄にされそうになっていたところを、この騎士様に助けていただいた者です。」

女騎士「騎士さんに助けられるって、敵はダンゴムシかなにかだったのですか……!?」

記者「わぁ辛辣」





女騎士「とにかくありがとうございました。彼のことは私にお任せください」クイッ


騎士「」ズルズル


記者「いえ、こちらこそありがとうございました」ペコッ

女騎士「あれ……? そういえばあなたの顔、どこかで見たことがあるような……」

記者「い、いえ!! 気のせいだと思いますよ!? そういうの、よく言われるんです!」

女騎士「そうですか? それは失礼しました」

記者「で、では失礼します! お勤めご苦労様です!」スタスタ

女騎士「は、はい。お気をつけて……?」フリフリ





―――船―――


水兵「それでは出港しまーす!」



記者「……」



ザザァァン… ザパァァン…



記者(私の首に賞金がかかってるから、もう王国にも会社にも戻れない……ごめんね、預言者)

記者(家族も親戚もみんな殺されて、頼れる身寄りもない)

記者(勇者一行にも私がつきまくってた嘘がバレちゃったし……傭兵さんともあれっきり言葉を交わしてない)

記者(魔王さん……。ちょっとだけ、信じてたのにな……)ジワッ




記者(結局私は、なにがしたかったんだろう)

記者(英雄たちを嗅ぎまわって、引っ掻き回して、なに一つ良いことなんてできなかった)

記者(その結果こうやって、逃げるように大陸をあとにするしかなくなっちゃった……)




記者「残ったのは、この何の役にも立たない紙切れだけか」ペラッ





―――取材成果―――



【勇者一行】

●勇者
・ショタ ・素敵、怖い、メチャクチャ強いと評判 ・スリの常習犯? ・痔? ・超高レベルの剣技と魔術の使い手
・恋人(僧侶)を魔術師と女剣士に殺されている ・破滅の杖と同時に誕生 ・杖を破壊すると破滅をもたらす存在となる
・一回死んでから復活の剣で生き返った

●幼女
・幼女 ・露出度が高い ・喫煙癖あり? ・食人癖あり? ・しばらく人を食べていないと落ち着きがなくなる
・翼を生やして空を飛べる ・人間と魔物のハーフ ・魔力量が人間の比じゃない ・現在行方不明

●賢者
・黒人 ・背がとても高い ・聖人君子 ・王様より人望ある ・数百年生きてる ・古代帝国の禁書を持ってる
・勇者(?)と魔王と3人で楽しげに写った写真を持ってる ・眠らない? ・古代語を読める
・魔法を纏わせた巨大な弓矢が主力武器 ・機動力も抜群

●戦士
・ショタ ・ひ弱 ・厚着 ・盗賊団下っ端に無双 ・祖母の写真、大量のお菓子、大量の重火器を隠し持つ
・わりと脳筋? ・自分以外の人間はゴミ同前 ・勇者には従う

●傭兵
・改造人間 ・感覚が鋭い ・治癒術師(ヒーラー) ・優しさで魔物を治療 ・人見知り
・勇者一行のボディガード兼後始末を請け負う傭兵 ・人造人間製造工場の工場長の姪 ・工場長に改造された
・肉体改造の結果、人間の姿を捨てることで飛行が可能に ・現在は勇者一行と合流

●刑事
・常に黒の海パン一丁 ・古代帝国の禁書を探していた ・私に勇者一行の情報をリークしていた
・賢者に禁書の内容を教わりつつ旅に同行 ・湖に落下後行方不明だったが、勇者一行と合流
・禁書の謎を解き明かし、廃都の地下石像へと辿り着く

●武闘家
・オカマ ・勇者一行を追う者を排除していた ・元・勇者一行
・幼女の正体を突き止め、勇者に忠告する ・パンチ一撃で大地を揺るがし鋼鉄を砕く
・破滅の杖を破壊しても勇者が死なずにすむ方法を1人で探していた(?) ・現在は勇者一行と合流

●僧侶
・故人 ・元勇者一行 ・勇者の恋人 ・魔物たちへの進行をやめるよう訴えた ・王国に真実の公表を訴えた
・魔術師と女剣士によって殺害された ・優しすぎる





【王国勢力】

●魔術師
・賞金稼ぎ ・カップル ・魔術師 ・空間を崩壊させる魔法を使う ・王国の指名手配によって私を追っている
・王国や人間たちの混乱を防ぐために勇者の恋人を殺害し ・元勇者一行 ・人間至上主義

●女剣士
・賞金稼ぎ ・カップル ・女剣士 ・空間さえも切り裂く剣術 ・王国の指名手配によって私を追っている
・王国や人間たちの混乱を防ぐために勇者の恋人を殺害 ・元勇者一行 ・人間至上主義

●騎士
・黄金の鎧を身に纏っている ・一般人にも劣るほどの弱さ ・セクハラ野郎 ・王国の命により私を狙っている
・追跡の達人?

●女騎士
・白銀の鎧を身に纏っている ・騎士の近衛騎士団と共にゾンビの群れやドラゴン、死霊術師を鎮圧
・王国の命により私を狙っている(はず)



【魔王一派】

●魔王
・勇者をそのまま大人にしたような容姿 ・元勇者一行 ・野心家 ・先代魔王に魔物たちを頼まれた ・勇者の兄貴分
・勇者に魔法や剣術を教えた ・実験のため獣人を攫う ・私の願いをあと2つ叶える ・有力魔族を支配下に置いている
・禁書に記された破滅の予言を回避するため動いていた ・魔物たちの味方 ・仲間には優しい ・獣人は街に返した
・神殺しの杖を使わせるために私を仲間にして迷いの森へ向かわせた(?)
・でもじつは神殺しの杖を自分が使うための儀式の生贄にしようとしていた(?)
・死霊術師たち私に差し向けたのは魔王(?)

●側近
・魔王の配下 ・能力は成りすまし ・チャラ男でナンパ癖があるらしい ・ついでに刑事も救出
・騎士の従者として取り入って行動を制御していた

●工場長
・改造人間製造工場の工場長 ・傭兵やモグラたちの身体を半ば強制的に改造 ・人間の脳髄を取り出しロボットの動力に
・王国の命令で勇者一行に逮捕される ・逮捕後、自分の改造した肉体で脱獄 ・重力魔法を操る
・新たな実験素体を求めて活動中 ・改造は魔王の指示 ・邪界の瘴気に対抗すべく機械の身体を手に入れようとしている

●ゴリ黒人
・陽気 ・ムキムキゴリマッチョ ・武闘家と渡り合う体術 ・なぜかいろんなとこに現れる
・死ぬことができないという体質 ・突如1人BBQを始める ・突然焼き払われた挙句、隕石で消し飛ばされても元気

●怪物
・頭部だけが異様に大きく、目と耳と鼻がない ・自分以外の全員の運を悪くさせる魔法を使う

●甘ロリ
・甘ロリな服に身を包んでいる ・美幼女 ・目を合わせた人間を操る ・人間に家族を殺されて、憎んでいる
・腹黒 ・一度見た魔法を即座に使える ・かつて魔導師の息子を殺害している ・対象を失明させられる
・魔王にはベタ甘 ・方向音痴

●ケラケラ女
・魔物? ・遊び人? ・勇者一行の誰かを狙っていた? ・魔王の配下 ・死霊術師と繋がっていた
・神殺しの杖を自在に扱うために、私の血を使い儀式を行おうとした





【その他】

●死霊術師
・大量のゾンビを操れる ・街を襲撃した ・古代のドラゴンを召喚して姿をくらませる ・忘れられた都に潜んでいた
・王国勢力によって鎮圧される

●魔導師
・高位の魔法使い ・空間を歪めて攻撃を逸らす魔法を使う ・かつて甘ロリに息子を殺されている
・甘ロリを殺すためだけに研鑽を積んできた ・呪文を発せずに魔法を使える? ・魔法を使うのに致命的な代償がある?
・森ごと吹っ飛んで安否不明

●ミミズ
・改造人間工場出身 ・脳髄移植タイプのロボット ・ローションを散布 ・自爆機能付き

●モグラ
・改造人間工場から脱走した ・モグラ型のロボットを着装する男 ・パフォーマンス向上のためにエルフを襲撃

●スライム
・スライムの魔物 ・人の言葉をしゃべることができる ・神へのお供え物を食べちゃったりする
・人間の街へ遊びに来たりする

●魚人
・海の女神? 上半身が魚、下半身が艶めかしい人間の足 ・お供え物を食べられると街を津波で襲う?
・反省してればわりとすぐに赦してくれる

●獣人
・オス ・猫耳 ・痔を治す秘薬を持っている ・先代勇者が痔で死んだと信じている ・勇者が痔だと思っている

●先代勇者
・痔の悪化で死亡したとかいう噂が?

●先代魔王
・勇者一行に殺された ・今わの際に魔王へ魔物たちの未来を託した



【味方】

●預言者
・私の同僚 ・予測部署の所属 ・王国から私を助けにやってきてくれた ・いつも教会にいてくれるらしい
・優しいけど淡泊 ・ある程度条件を絞っての預言を受信できる ・廃都市まで駆けつけて連れ戻そうとしてくれた

●忍犬
・私の里で拾われた ・忍犬修行によって高い戦闘能力を誇る ・マフラーに擬態したりできる
・今はバッグの中でおとなしくしている ・森で『魔剣士』なんて呼ばれて恐れられていた



○勇者一行の任務
・魔王の討伐 ・違法カジノの壊滅 ・遺跡の壊滅 ・悪の魔法結社の壊滅 ・人造人間製造工場工場長の逮捕
・裏切り者の始末 ・破滅の杖の破壊 ・邪界の封印



―――●○●○●―――





記者「あはは……バカみたい。こんなの」クシャクシャ



記者「あ、そうだ。私が見てきたものを有ること無いこと脚色した、勇者一行冒険譚とか書いたらウケるかな?」

記者「ふふ、なんてね」





記者「……さて、船が着くまで寝てようかな」ガチャッ




↓+4 記者が自分の客室へと戻ると……





ガシッ!!


記者「なっ!?」グイッ


モグラ「よぉ、久しぶりだなァ……!」


ギリギリッ


記者「かはっ……!?」プラン

記者(い、いつぞやの、エルフの里で倒した機械鎧の男……どうしてここに!?)


モグラ「お前の仲間のオカマ野郎にやられた傷がまだ痛むぜ……」

モグラ「機械鎧をもう一度造ってもらうための条件が、お前を殺して神殺しの杖とやらを回収することだったんでな」

モグラ「お前に恨み骨髄の俺としては、ちょうどよかったぜ……ここで死んでくれや」


ギリギリッ





記者「うぐぇ……げほっ……」ミシッ メキッ

記者「―――っ!!」


忍犬「」ピクピク


モグラ「その犬か? なんかいきなり飛びかかって来たんでな。吹っ飛ばしてやったのさ」

モグラ「お前にしてもそうだ。大した力もないくせに、物騒な世界に飛び込むべきじゃなかったな」


モグラ「ピンチの時に助けてくれる仲間もいねぇとは、敵ながら哀れだぜ」

モグラ「お前がどんな人生を送ってきたのかは知らねぇが……」

モグラ「俺はお前の名前すら知らねぇ」


記者「……っ」ポロポロ


モグラ「へっ、まだまだガキだな。まぁ泣いたところで……許しゃしねぇが」



記者「助けt」



モグラ「―――あばよ、誰かさん」ググッ




―――BAD END―――

まぁ部屋に大型モグラロボがいたら、普通に死ぬよね。

私的には、部屋にいるのは文脈的に「魔王」「傭兵」「預言者」あたりが妥当、大穴で行方不明の「幼女」かなと思っていたのですが・・・

でも絶対に「モグラ」って打ち込む人がいるとも予想してました。まさかマジでいるとは。

部屋にいたのが、

預言者or傭兵 → 涙のHAPPYEND

魔王 → 安価次第でHAPPY/BAD

王国勢力orモグラ → 即死BADEND

そのほか → 組み合わせ次第では新大陸で新ストーリー




モグラ「―――あばよ、誰かさん」ググッ



記者「ぎゃッ……げぅ……!?」ボキッ ゴキッッ


記者(痛い、痛い、痛いぃ……!!)

記者(やだ、やだぁ……! 死にたくないよぉ……!)ポロポロ


記者(どうして神様は私に、いじわるばっかりするの……? 里を滅ぼされたときだって……)

記者(私がなにしたの……? 私がそんなに悪い子なの……?)



記者「うぶッ……おぇええ゛っ!?」ビチャビチャ

記者「そ……なに、欲しい……なら……」ググッ

記者(こんなもの、欲しけりゃあげるよ! 『神殺しの杖』!!)ガシッ




記者「あ゛あ゛あああああああっ!!!」ブンッ




>>1000 記者が最期に『神殺しの杖』を振るうと……


第二部とかは、しばし休憩して、また気が向いたら始めたいと思います。

記者の脳髄を工場長に取り出されムカデ型のロボットに移植される(ミミズロボみたいな感じ)。ムカデロボとして第二の人生を生きることに

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