清麿「ガッシュ+ツボ+催眠術=最強」 (1000)

・ひっそり書きます
・ゆったり書きます
・一年前に書いたものの続きです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1403169807

・一応原作に沿ったストーリー
・現時点で原作八巻まで消化
・一部キャラ崩壊←清麿のせい
・コルル、ダニー、ロップス生存

あとわからないことがあれば書き込みます
期間があいたけど完結はさせる
書きためは若干あり

書きます

あともう一つ
基本泣き成分はないと思います
トチ狂わない限り

清麿「微熱だな…大丈夫だガッシュ。軽い風邪だよ。寝てればなおるさ」

ガッシュ「ウヌウ…清麿による多大なストレスのせいなのだ……で、寝ておるのか?」

清麿「死にたくなけりゃな」

ガッシュ「…………」

ガッシュ「……学校に…つれてってはくれぬかのう…」

清麿「[ピーーー]」

ズブゥ

ガッシュ「」ドサッ

コルル「人殺しー!人殺しー!」

清麿「チッ!見てやがったか!」

前二つのリンク頼む

コルル「けーさつ呼ばなきゃ!」ダッ

清麿「コルル。ここにタマゴボーロがあるんだが」

コルル「タマゴボーロ!」ピョイーン

清麿「捕まえた」

コルル「!!」

清麿「いいかコルル。この五円玉をじっと見ろ…」

コルル「や!けーさつ呼ぶの!」



清麿「何か覚えてるか?」

コルル「なんにもおぼえてない」

清麿「よし」


清麿「強くてニューゲームか…」
http://elephant.2chblog.jp/archives/52037687.html

清麿「ツボ押すからちょっとこいガッシュ」
http://elephant.2chblog.jp/archives/52038795.html

清麿「死ね」


ですた
でもピーのが逆に面白いか

清麿「じゃ、オレ学校いくからガッシュの看病頼むな」

コルル「そんなのやったことないわ」

清麿「安心しろ。ガッシュが目を覚ましたら思いっきりぶん殴って寝かしつけてやるだけだ」

コルル「そんなのできるのお兄ちゃんだけだよ。精神的にも物理的にも」

清麿「今日はお袋もいないからしっかり頼んだぞ。大丈夫、オレはコルルを信じている。コルルなら出来るさ」

コルル「……」

清麿「コルルはいいこだもんな。ガッシュをほっとけるわけないよな」ナデナデ

コルル(どうしよう…お兄ちゃんが優しい…天変地異の前触れかな…)

清麿「ガッシュと一緒にいいこに待ってるんだぞ?すぐに帰ってくるからな」ナデナデ

コルル(あやしい…なにかたくらんで…)ジトー

清麿「タマゴボーロもあげる」

コルル「お兄ちゃん!」ピョイーン

ガチャ

清麿「いってきまーす」

コルル「むぐむぐむぐぐ!」

バタン

清麿「ふぅ…お袋が用意してたコルルの昼飯美味かったぜー」

清麿「ついでにコルルが食後のデザートに楽しみにしてたスイカバー美味かったぜー」

清麿「腹いっぱいになったし、学校いこ」

清麿(…オレは今、二度目の魔界の王を決める戦いに参加している)

清麿(二度目と言っても、ガッシュを王にしたあとにオレの精神だけがガッシュとの出会いまで遡り、同じ戦いを繰り返してるわけだが……いわゆる二週目というやつか)

清麿(やり直したからには前回での経験、知識、そしてアンサートーカーを駆使し、ガッシュやキャンチョメ、ティオやウマゴン等を早いうちから強化し、後の戦いを有利に運べるようにした)

清麿(また、前回では救えなかったガッシュの味方となった魔物…コルルやダニーを生き残らせるようにも動いた)

清麿(これで魔界の王となる確率はグンと上がるだろう)

清麿(魔物達もオレのこと大好きみたいでよくじゃれついてくるし)

清麿(これまでが順調過ぎて正直楽勝だな)

帰り道

清麿「今日は山中達とのサッカーが楽しかったぜー。岩島を相手のゴールにシュートして超エキサイティンだったぜー」

水野「フフフフフ…高嶺くんとってもかっこよかったわ。対戦相手をスイスイ避けちゃうんだもの。私、おどろいちゃった」

清麿(…前回は今日のタイミングでアポロが訪ねてきたんだったな)

水野「部活に入ってないのにすごいわ。さすが高嶺くん!なんでもできちゃうのね!」

清麿(本来ならゼオンによってロップスが魔界へ帰ってしまったとオレに伝えにきたはずだ)

水野「高嶺くん、もしかして普段からスポーツとかしてるの?も、もしそうなら……今度私、応援とか……」チラ

清麿(それがなかったということは…アポロ達はオレの忠告を聞き入れてゼオンとの接触を回避することに成功したということか)

水野「…………あっ、私の家こっちだから……また明日ね!高嶺くん!」チラッチラッ

清麿(コルル、ダニーに続いてまた魔物を一匹救ってしまった。なんて優しいんだろうなオレって)

テクテク

水野「…………」

水野「ウン。今日の高嶺くんも何気に優しかったな」

絆が無いからいくら強くても最終戦で詰むな

自宅

ガチャ

清麿「ただいまー」

コルル「んがぁーぐっ」

清麿「うおっ!?」サッ

コルル「がじがじがじがじ…」

清麿「どうしたコルル!?何故オレに噛みつこうとする!?」

コルル「私の!おひるごはん!お兄ちゃんが食べた!スイカバーも!食べた!」

清麿「実は食ったのはウマゴンなんだよ」

コルル「ウマゴーン!ばかー!」ドタタタ

<メルメルメー!?

清麿「さて…おーいガッシュー。生きてるかー?」

ガッシュ「」

清麿「まだ寝てたのか。だらしないやつだ」

ズブゥ

ガッシュ「ヌフアァァァァァ!!」

清麿「起き?」

ガッシュ「た」

清麿「具合はどうだガッシュ」

ガッシュ「ウヌ…なんだかとっても身体が楽になったのだ」

清麿(オレのツボ押しが効いたんだろう…相変わらずオレは優しい男だ)

ガッシュ(意識を失ったことで一日中清麿を忘れていられたおかげかの…)

数日後

ガッシュ「ウヌウ…葉っぱがオレンジ色できれいなのだ」

清麿「ああ、紅葉っていうんだ。ほんと、いい季節にこれたなあ?」

ガッシュ「この山の川は、みんなこんなにあったかい水なのかのう?」

清麿「ここは川じゃない。温泉だ。相変わらずのバカだなお前は。もう溺れちまえ」

ガッシュ「言いおる」

清麿「しっかし、旅館もいいし、最高だよなあ」

ガッシュ「ウヌウ…さすが一等賞の商品なのだ!!」

ホワンホワンホワーン

「坊や、おつかい偉いねー。よし、福引きの券、おまけして三枚あげるよ」

ガッシュ「おお、これであのガラガラをまわせるのだな?」

「一等賞は温泉旅行。二等は大型テレビ。三等は折りたたみ自転車。四等は「ブリ」だ!!」

ガッシュ「おぉお!!」


ガッシュ「ブリよー、でろ!!」

ガラガラン

福引き屋「アメ玉」

ガラガラン

福引き屋「三個」

ガラガラン

福引き屋「ね」

ガッシュ「ヌァアアアー!!!」

福引き屋「ハイ、次の方ー」

清麿「オネガイシマース」

ガッシュ「ヌ!?」

福引き屋「おお、あたーりー!四等のブリがでたよー!」

清麿「イエーイ!」

ガッシュ「ヌァアアア!!」ブパッ

コルル「おねがいしまーす!」

福引き屋「おお、次の方も四等!ブリの二連発だ!おめでとー!!」

コルル「ワーイ!」

ガッシュ「ワァアアアア!!!」ジャバー

清麿「うーん、しかしオレはブリ一匹なんて食いきれんしなぁ…このブリどうしよう」

ガッシュ「!」

清麿「誰かブリが大好物で大食いな奴はいないかな…」

ガッシュ「き、清麿!!」

清麿「おお、ガッシュじゃないか。ちょうどよかった」

ガッシュ「ウヌ!!」

清麿「催眠術用のヒモが切れてたんだ。ついでに買ってきといてくれ」

ガッシュ「ウ、ウヌ……?」

清麿「おつかいの途中なんだろ?頼んだぜ」

ガッシュ「いや…それはわかったのだが……そのブリは……」

清麿「これか?これはな……」

ガッシュ「ウヌ!!!!」

清麿「よし。ウマゴンにやろう!さぁ、帰るぞコルル」

コルル「ハムハムハムハム」ガジガジ

清麿「じゃーなーガッシュ。遅くなってから帰れよー」

テクテク

ガッシュ「…………」

ガッシュ「ウワァアアア!!清麿のあんちくしょーめー!!」

「ど、どうしたんだい?そこの坊や」

ガッシュ「ヌ……?」


ホワンホワンホワーン

ガッシュ「清麿は私がそのおじさんから一等賞をもらってきたおかげで来れたということを覚えておけ!」

清麿「居候の身で偉そうな…お前の物はオレの物だろ。むしろ保護者としてわざわざついてきてやったオレに感謝してもらいたいもんだぜ」

ガッシュ「ウヌゥ!言わせておけばー!」バシャッ

清麿「暴れるんじゃねぇ!!!!」ズゴバッシャァァァ!!!!

ガッシュ「グホォ!!…………ぶくぶくぶくぶく……」

清麿「おぉ。本当に溺れやがった。ナイス」

清麿「……それはそうと…いつまで隠れてんだコルル?」

コルル「」ヒョコッ

コルル「……あれ?ガッシュは…?……いないの?」

清麿「ああ。今やっと召された」

コルル「あったかーい」チャポーン

清麿「いい加減ひとりで風呂入れるようになれ」

コルル「だってぇ」

清麿「ガッシュと風呂入んの恥ずかしいのか?」

コルル「うん」

清麿「じゃ女湯いけ」

コルル「や」

清麿「今からでも女湯にいったほうがいいと思うが」

コルル「?」

ガシッ

コルル「きゃ!?」

ガッシュ「ウヌゥ!大きなおさかながとれたのだー!」ザパァ

コルル「やー!?だれが大きなおさかなよー!」

ガッシュ「ヌ?おさかなと思ったらコルルの足ではないか。どおりで太ましいと思ったのだ」

コルル「ガブゥッ!!」

ガッシュ「ヌォオオオオー!?」

バシャァア

清麿「……男湯が貸切でよかった。公共の場でガキの断末魔はさすがにな」

清麿「フゥ。重かった」ポイッ

ガッシュ「」ドサッ

コルル「」ドサッ

清麿「おらガッシュ!起きろ!」

ガッシュ「ヌグゥゥ……」

清麿「起きなきゃさらに○すぞ」

ガッシュ「おきるのだ!おきるのだ!」

ガッシュ「……ヌ?ここは泊まってるお部屋か?お風呂にいたと思っていたのだが…」

清麿「山奥に隠し湯があるみたいだ。行ってみよーぜ」

ガッシュ「ウヌゥ…清麿のおかげでお風呂がトラウマになりつつあるのだが……コルルはどうするのだ?」

清麿「このまま寝かせといてやろうぜ…見ろよこの安らかな眠り顔を」

コルル「」

ガッシュ「私には白目を剥いて気絶しておるようにしか見えぬ」

ガッシュ「つり橋だ!カッコイイのだ!清麿、渡ってよいのだな?」

清麿「静かに渡れよ。命賭けて静かに渡れ」

ガッシュ(今静かに渡らなかったら殺すと言われたのだ)


「つり橋を渡ったわね…」

「ああ、順調だったな。もう少し用心深いと思ったが…」

「ええ、でもあの魔物……つり橋を渡りだしてからずいぶんプレッシャーを感じるわ。何かに気づいたのかも…」

「ふむ…見た目よりも賢い魔物なのかもしれんな。だが人間のほうは大したことはなさそうだ」

「ええ。私たちが用意した嘘の地図を信じて疑ってないような足取りね。見る限りではマヌケね」

「魔物の方はもう少し観察しておいた方がいいな」

ガッシュ「清麿。温泉はまだか?」

清麿「そろそろかもな。その辺探して見ろ」

ガッシュ「ウヌ」キョロキョロ


「どうだ?」

「魔物の方が異変に気づいたようね。人間のほうはひたすら歩いてるわ」

「ククク…やはり人間は馬鹿か。よし、そろそろ始めるか。人間の方を狙え。奴は絶対に避けられん」

「ウォケル!!」


清麿「ガッシュ」

ガッシュ「ウヌ?」

清麿「三秒後、オレの右斜め後方」

ガッシュ「ヌゥ!!」ニョーン

ドゴォォォ

「なっ!?」

「どうした?」

「あの魔物……マントを操って術を防いだわ!」

「なに!?唱えた呪文も聞こえない程離れた場所から撃ったのにか!?」


清麿「ガッシュ。術が飛んできた方向はわかるな?」

ガッシュ「ウヌ。マントで防いだ感覚からだいたいの場所はわかるのだ」

清麿「……よし。敵を追うぞ!オレを背負って追え!」

ガッシュ「……清麿もついてきてくれるのか?」

清麿「ん?そりゃそうだろ。オレ達はパートナーだからな。なにをするにもずっと一緒だ」

ガッシュ「そ、そう……か……?ウ、ウヌゥ……」

ガッシュ(いつも私に働かせてばかりの畜生の言葉とは思えぬのだ…)

清麿「準備はいいか?いくぜガッシュ!」

ガッシュ「ウ、ウヌ」ソワソワ


「っ!?あの魔物、こっちに来てるわ!しかもめっちゃスキップして!」

「くっ…もう我々の居場所に気づいたか!」

「やっぱり、魔物の方はただ者じゃないわね…」

「フン…だが、それでこそ腕が鳴るというものだ……これは面白い狩りになるぞ。バランシャ…狩りにおいて最も手強い獲物の条件はなんだと思う?」

バランシャ「クイズになってないわ、ガルザ。あなたが口グセのように言ってる「頭脳」でしょ?」

ガルザ「そうだ、「頭脳」だ。あの魔物の「頭脳」がどれほどのもので、我々狩人からどこまで逃げれるか…楽しもうじゃないか!!」


ガルザ「だがあのパートナーはきっと馬鹿だな」

バランシャ「馬鹿ね」

ガッシュ「ウヌ!きっとこの辺にいたのだ!」

清麿(……まだ気配が残っているな…ここにいたのは間違いない。と、すると……)

ガッシュ「…………」

ガッシュ(清麿が…清麿がなにか作戦を考えてくれてるのだ……なんということなのだ。信じられないのだ)

ガッシュ(本当に、私と一緒に戦ってくれようとしてるのだ…あの清麿が…!)

清麿「……わかった。場所が」

ガッシュ「ほ、本当なのだな!?」

清麿「ああ。ここからは手分けしよう。奴らはまだ遠くへは行っていない。オレ達を迎撃するためにこの付近に身を潜めているはずだ。気を抜くなよ」

ガッシュ「ヌ!」

清麿「ガッシュは奴らを見つけたら奴らの攻撃に対処できる一定の距離を保ちつつ、逃がさないように追跡だ。居場所がオレにもわかりやすいように大きな音を立てながら追跡してくれ」

ガッシュ「わかったのだ!清麿は?」

清麿「オレは崖の上を調査する。ガッシュは崖の下の森の中を頼む」

ガッシュ「ウヌ!」

ガッシュ(清麿が積極的に頑張ってくれておる…!私も頑張らねば!)

ガルザ「バランシャ、どうだ?」

バランシャ「魔物がこっちに近づいてきてるわ。匂いで追えるようね」

ガルザ「あの僅かな時間で我々の匂いを嗅ぎ取ったというのか?なかなか優秀だな」

バランシャ(ガルザワキガだもの…)

ガルザ「パートナーのほうは?」

バランシャ「まったく正反対の方へ歩いてるわね」

ガルザ「もうあいつは駄目だ。うんこだな」

バランシャ「うんこね」

ガルザ「バランシャ。もううんこのほうはいい。魔物に集中しろ。これだけ魔物と距離があっては呪文も使えまい」

ガルザ「奴らから呪文の反撃はない。ここからは一方的な狩りだ」

ガッシュ「フンフン…こっちから匂いがするのだが…」

「ドルク!!」

ガッシュ「ヌ!」

ドゴォォォ

ガッシュ「グ!?」

バランシャ「今度は直撃したわね!」

ガッシュ「ヌゥ…見つけたのだ!」

バランシャ(……呪文の攻撃を受けたのに堪えていない…?この魔物、相当タフね…)

ガッシュ「清麿ー!!敵を見つけたのだー!!」

バランシャ「無駄よ。ここからじゃ声は届かない。あなたはもう一方的にいたぶられるだけなのよ!!」

ガッシュ「そんなことはない!!清麿は必ず来てくれる!!清麿がきたらお前なんてケチョンケチョンだ!!」


清麿「よーしあった。ここだここ。崖の上の奴らの本拠地。奴らがたんまり持ってきた水や食料があるはずだ」

清麿「さて、これらをつまみながらガッシュの戦いの観賞会だな」モッチャモッチャ

ガッシュ「ヌゥ!」サッ

バランシャ「この子…速い!最初の不意打ち以外は攻撃がまったく当たらないわ!」

ガルザ(違うぞバランシャ…相手はお前の攻撃を避けられるように常に距離をとっている…スピード自体はお前の方が上だ)

ガルザ「ここは錯乱させるか……グ・リアルク!!」

スゥゥゥ

ガッシュ「ヌ!?消えたのだ!」

バランシャ(フフフ、わかったわガルザ。この子と正面から戦っても拉致があかない…姿を消したままゆっくりといたぶってやるわ)


清麿「馬鹿だなあいつ…ガッシュの耐久力を見ておきながらその作戦は悪手だろう」モッチャモッチャ

清麿「グ・リアルクは姿を消すだけの呪文。攻撃力が上昇するわけでもない。ドルクの突進があの程度のダメージなのに生身のバランシャがいくら攻撃したってガッシュには効かん」モッチャモッチャ

清麿「たしかに首などの急所を突かれるとマズイが、それはオレが常日頃からガッシュの急所を狙うことによってすぐに対処できるように鍛えてある。特に頭部を庇うガッシュの反射神経は並ではない」モッチャモッチャ

清麿「おまけに何度も攻撃されちゃガッシュの鼻があいつの匂いを覚える。そうなったらもう姿を消したところでガッシュに攻撃を当てることさえできん」モッチャモッチャ

清麿「なにより姿を消し続けるってのはその分心の力を消費するということだ。自らの首を締めるような作戦だな」モッチャモッチャ

清麿(今回の敵の呪文は肉体強化のドルク、遠距離攻撃のウォケル、姿を消すグ・リアルク、オトリの残像を出すボルク、そして最大呪文のギガノ・ガドルク)

清麿(初期術であるドルクやウォケルはマントで防げる。つまりはガッシュにダメージを入れられるのはギガノ・ガドルクのみ…マント防御があるとはいえ、肉体強化をしてない生身のガッシュではそこそこのダメージを負うだろうな)

清麿(しかし奴らには大きな呪文をそう何度も唱えられるほど心の力はない。ガッシュが張り付いてるから休息もとれない。食料もオレが食った。腹がポンポンだぜ)

清麿(成長した今のガッシュならば呪文のサポートがなくとも奴らには負けない。ガッシュはすでに奴らの攻撃呪文では倒しきれないほどだ)

清麿(ただ一つ問題があるとすれば…こちらにも有効打がないということ)

清麿(…だからこそ奴らは絶好のカモだ。ガッシュには今後の戦いに必要なものを戦いの中で身につけてもらおう)

ガッシュ「くっ…一体どこに隠れておる!?出てくるのだ!」

バランシャ(あら、賢い子かと思ったけど意外と気づかないものね。あなたの目の前にいるのに…)

ガルザ(気づかないのも無理はない。あの魔物にはオレの唱えた呪文が聞こえていないからな)

ガルザ(魔物もパートナーも一緒になって直接対面する戦闘に慣れている者ほどこういう事態に弱い。あの魔物にはバランシャが消えたことを呪文の力だとは思えないだろう)

ガッシュ「ウヌゥ……さっきまでここにいたのだ。隠れたとしてもそんなに遠くにはいってないはずなのだ…」

ガッシュ「またあの者の匂いを探ってみるのだ!」

バランシャ(無駄よ。ガルザのワキガのおかげで私自身の匂いは追えないわ!)ザシュ!

ガッシュ「グッ!?」

バランシャ(これほどワキガに感謝したことはないわね)

ガッシュ「ヌグゥ…今私を攻撃してる者の匂いと私の鼻が覚えている匂いが違うのだ」

ガッシュ「ということは……私が覚えているのは人間の方の匂いか……?」

バランシャ(襲われている最中に考え事なんて…私の攻撃が効いてないとでもいうの!?)ザクッ!

ガッシュ(私を攻撃しておる者は魔物のほう…姿が見えぬということは……呪文の力で透明になった…ということかのう)

清麿(そうだ。お前に足りないもの。状況把握能力と判断力。戦況を読む力があると常に最善の選択ができるようになる。これはオレのアンサートーカーで出した答えの意味を瞬時に理解し、意思疎通をスムーズに行う上でとても重要な要素)

ガッシュ(相手は呪文を使っておるが…清麿がいない私では呪文の力が使えぬ。すごくピンチなのだ!)

バランシャ(このこの!えいっ!えいっ!)ガジガジ

ガッシュ(この状況をなんとかするためには……なんとかするためには……)

ガッシュ(……っ!!そうなのだ!本の持ち主を探し出してしまえば魔物は守らなくてはならなくなるのだ!そうなってしまえば姿も現すはず!!)

清麿(打開策を行動に起こすための決断力。意志の強さは肉体の強さにも深く関わってくる。迷いのないやつほど最高のパフォーマンスを見せるものだ。その状態を自らコントロールできるようになるのがベスト)

ガッシュ「そうと決まれば本の持ち主を探すのだぁぁぁ!!」ダッ

ガルザ(!?くっ…オレの居場所がわかったか!?バランシャ、奴を止めろ!!)

バランシャ(もー!私を無視しないでよー!!)カリカリカリカリ

ガッシュ「ヌオォォォォォ!!」ダダダダ

ガルザ(チッ!こうなりゃ作戦変更だ!まずは距離を取る!!)

ガルザ「ボルク!!」

バランシャ「」ブォン

ガッシュ「ヌッ!?」

ガッシュ「魔物が現れたのだ!」

バランシャ「」

ガッシュ「ヌゥ!今度は消える前に捕まえてやるのだぁぁー!!」ピョーン

スカッ

ガッシュ「グブエフゥッ!!」ビターン

ガッシュ「と、通り抜けたのだ!なんなのなのだー!?」

清麿(……だめだ。馬鹿は治らんらしい)


ガルザ「ハァ…ハァ……フフ、ここまでくれば大丈夫だ。この距離じゃもう匂いでは追えまい」

バランシャ(そうかしら……だってガルザ、ワキガなのよ?ガルザ☆ワキガよ?)

ガルザ「このまま一旦ペースを落とすぞ。なに、焦ることはない。いつも通りの我々の狩り方でいいのだ」

ガルザ「「獲物はまず弱らせてから仕留めろ」…狩人の基本的な戦術でね……トドメは奴らをもっと躍らせてからだ」

バランシャ(くっさ)

ガルザ「一度アジトに戻るぞ!体力と心の力を回復させる!」

ガルザ「なっ!?なんだこれは!?」

バランシャ「荒らされているわ……食料もすっからかんね……」

ガルザ「くそっ!!どこのどいつだチクショウ!!オレのとっておきの酒までねぇじゃねぇか!!」

バランシャ「私のお魚……」ショボーン

ガルザ「泣くなバランシャ!犯人はこのあたりにいるはずだ!探ってみろ!」

バランシャ「…………駄目ね。周辺を見てみたけど見つからないわ」

ガルザ「お前の能力をもってしても見つからないか……まさか……」

バランシャ「心当たりがあるのガルザ!?私のお魚は帰ってくる!?ねぇねぇ!?」

ガルザ「魔物はずっとオレ達を追ってきていた……ならば犯人は1人しかいないだろう……」

バランシャ「……!!」

ガルザ「…………そう、うんこだ!!」

清麿「アーァァァラァァァァァァァアイイイ!!!!」ベッコォ!!

ガルザ「うぎゃああぁっ!?」

バランシャ「ガルザ!?」

清麿「誰がうんこだテメェ!!」

ガルザ「グゥ……き、貴様……いつのまに…!」

バランシャ「ガルザ。首が180度曲がってるわよ。身体がこっち向いてるわ」

ガルザ「うんこだお前なんか!!オレの酒返せ!!」

清麿「やかましい!!お前の方がうんこだ!!うんこみたいな肌しやがって!!」

ガルザ「貴様!!それは人種差別だぞ!!うんこみてぇにきたねぇ精神してやがる!!なぁバランシャ!?」

バランシャ「そうよね。さすがにひどいわよね。あと私のお魚返してよ」

清麿「だまりやがれ!!きたねぇのもお前だ!!うんこみてぇな匂いすんだよお前!!」

ガルザ「なんだと!!おまえ今度はいいがかりか!?許せん!!なぁバランシャ!?」

バランシャ「正直、うんこみたいな臭いなのは否定できないわよね。私のお魚返してよお願い楽しみにしてたの」

ガルザ「フン!何もできない人間がたったひとりで出てきてどうしようというのだ!?」

清麿「ひとりだと?」

ガルザ「そうだ!お前の魔物は森の中でさまよっているからな!いっておくが匂いを辿ってここまで来るのは不可能だぞ!よほどの強い匂いでもついてない限りな!!」

バランシャ「あちゃあ。ガルザアウト」

清麿「…まぁお前のうんこみたいな匂いなら追える可能性もあるだろうが…そんなもんに頼らなくともガッシュはここにくるぜ」

ガルザ「…なんだと?まさか、お前の魔物もバランシャのような特殊な能力が…?」

清麿「いや、訓練すれば大抵の魔物が使えるようになる」

ガルザ「なに…?」

清麿「魔物の魔力を探る能力……この戦いでガッシュに覚えてもらいたかった要素のひとつだ」

清麿「よく覚えてくれたな、ガッシュ……ザケル!!」

ゴッ

バランシャ「ガァアアアアアア!?」

ガルザ「なっ!?バランシャ!!」

バランシャ「ガフ!」

ガルザ「大丈夫かバランシャ!!」ギュッ

バランシャ「あ、ごめんなさい。脇が臭いから抱きつかないで」

ガッシュ「清麿ー!無事か!?」

清麿「……よくきたガッシュ」ナデ

ガッシュ「!?」

清麿「よくここまで成長してくれた」ナデナデ

ガッシュ「な、ななな……べ、別に…大したことでは……」モジモジ

ガルザ「…フン。電撃を一発当てただけで何をうかれている?いくら魔物が助けにこようが、パートナーが我々の前に姿を現した時点で終わりなんだよ!!グ・リアルク!!!」

バランシャ「」スゥゥゥ

ガッシュ「き、消えたのだ!」

ガルザ「さぁバランシャ!人間の方をやれ!我々にとっては所詮、狩られる獲物!逃げまどうネズミに変わりはない!!!」

ガッシュ「おのれ!清麿を狙う気か!?」

ガルザ(ククク…いくら魔物にバランシャを感知できる力があったとしても姿が見えない上に素早い敵を見切ることができるか?パートナーを守りながら?)

ガルザ(魔物はパートナーを守ることに付きっきりでそばを離れられなくなるだろう。その隙にオレはこいつらと距離をとり、その後にバランシャと合流して体勢を整えればいい)

ガルザ(なにも問題はない!オレ達は常に狩る側だ!!)

清麿「バックドローップ!!」

ビターン

バランシャ「ギャアァァァ!!」

清麿「もう一丁ォォ!!」

ビターン

バランシャ「ギブ!ギブギブ!!」パンパン

ガルザ「」

バランシャ「お、おかしいわ、ガルザ。私の姿、本当に消えてるの!?」

ガルザ「ああ、もちろんだ!!どこにいるんだ、バランシャ!?」

清麿「ドリャー!!!」

バランシャ「なら、なんでこの子は私にプロレス技ぶっ放してくるのー!?ブフゥゥゥ!!」

ガルザ「貴様!何故人間のくせにバランシャが見える!?」

清麿「見えてないが攻撃してくるタイミングと方向の答えがわかれば簡単に迎撃できるんだよ」

ガルザ「なんでそんなのわかるんだよー!!」

バランシャ「やっぱり私、見えてるのね…?ということは……この前、こっそりガルザの脇の匂いを嗅ぎにいったこともバレてるのね……」

ガルザ「え……」

バランシャ「臭いのに……臭いはずなのに……!…癖になっちゃったのも…とっくにバレてるのよね……」ポッ

ガルザ「バ、バランシャ……お前……」ポッ

清麿「ザケルガァ!!!!ザケルガァ!!!!」

バランシャ「ギャアァァァ!!」

ガルザ「ヌギィヤァァァァア!!」

ガルザ「グェフ…」

バランシャ「ぐっ……ガルザ!しっかりして!」

ガッシュ「き、清麿…人間相手にやりすぎでは…」

清麿「すまんな」

バランシャ「すまんじゃ済まないわよ!ガルザを殺す気!?」

ガッシュ「い、いくら清麿でも命まで取ろうとはせぬ!のう清麿!?」

清麿「あぁそうだ。ちゃんと運が良ければ死なないように威力を調節した」

ガッシュ「ウヌ!」

バランシャ「騙されないで!そいつは今運が悪ければ死んでたって言ったわよ!?」

ガルザ「ぐ…ふ…ふざ…けるな…」

バランシャ「ガルザ!」

清麿「あ、そうだガッシュ。お前が覚えなくてはならないことがもうひとつある」

ガッシュ「ヌ!」

ガルザ「オレ達が狩りで追い込まれるなど……あってはならない!オレ達が狩られる側なわけはねぇんだ!こんな最悪な気分は、おまえらだけ味わえばいい」

清麿「これからの戦いに必ず必要になってくる要素
、弱所を見切る目だ」

ガルザ「くらえ、バランシャの最大の攻撃形態!!!ギガノ・ガドルク!!!」

バランシャ「きたきたきたきた。すごい。すごいこれ。今ならなんでもできそうな気がする」メキメキ

ガッシュ「…………ヌ!!」キッ

清麿「よし、そこだな?……ザケルガ!!」

ガルザ「うんこめ!!その程度の術で…」

清麿(今まで呪文の力抜きで魔物と直接対面したことによる経験、魔力を探る力、それらを得て魔物をいろんな方面から観察、分析すると見えてくる弱所)

清麿(そこを突けば弱い術でもランクの高い強力な術に対抗できるようになる!)

ガルザ「なっ!?バランシャの鎧を突き破っ……」

バランシャ「あれ?これ、ちょ、まギャアアアアアアアアアア!!」ズギャアアアアア

ガッシュ「やったのだ!!」

ガルザ「に…逃げるぞ、バランシャ。まだ望みは消えてない!!」

バランシャ「あー駄目だわこれ。アバラ二、三本イってるわ」

ガルザ「しっかりしろバランシャ!あの鎧を纏ってたんだ!立てない程ではあるまい!」

バランシャ「いや、さっきから頑張ってるけどだめだわー。あ、ちょっとまって、いけるかも………………やっぱりだめだわー。お魚ないと無理だわー」

ガルザ「くそう!なら背負っていくからな!!」ガッ

バランシャ「くっさ……でも…イヤァ…くやしい……癖になっちゃうぅぅぅ……」

タタタタ

ガッシュ「…………清麿。逃げてくぞ」

清麿(……だがやはり限界はある。心の力を最大限に溜め、弱所突きをしてやっとギガノ級の鎧を突き破る程度。例の呪文を除くとこれが今のオレ達の最大火力だ)

清麿(あの程度の魔物すらしとめきれないか……やはり全盛期のガッシュに近づけるには…更なる壁を越えなきゃな…)

清麿「あ、でも最後にイラっとしたんでザケルは何発か入れとくぞ。追えガッシュ」

ガッシュ「ウヌ」

清麿「ただいまー」

ガッシュ「なのだー」

華「清麿!!!!!!」

清麿「お、お袋!?」ビクッ

華「仕事が終わったからきてみれば……お部屋でコルルちゃんが半裸で白目で濡れ濡れでよだれを垂らしてアホ面で倒れてたわよ!!!!どういうこと!!!!」

清麿「お袋!!!!なにが問題なんだ!!!!コルルがアホ面なのはいつものことだ!!!!」

コルル「ガブシュウ!!!!」

清麿「グアァァー!!!?上からだと!!!?芸が細かくなったなコルル!!!!」

コルル「えへへ…そうかな?」

清麿「そうだ、オレ達汗かいたからまた風呂にいくがコルルはどうする?」

コルル「……あたま洗ってくれる?」

清麿「しょうがないな。ついでに身体も洗ってやるよ。隅々まで綺麗にしてや

華「麿ッッッッ!!!!!!!!」

清麿「誤解だお袋!!!!!!!!」

きりがいいのでとりあえず今日は終わります
清麿は根暗でぼっちで引きこもりですけどいい子だよ

ここでも前の酉でいけルガ?

イギリス 清麿の父が勤める大学

清太郎(父麿)「プロフェッサー・ダルタニアン、高嶺です」

ダルタニアン「ああ、入りたまえ…」

父麿「どうでしょうか?調査の進展は!?」

ダルタニアン「ウム…残念ながらまだ手掛かりはつかめておらん」

父麿「え!?プロフェッサーなのに!?」

ダルタニアン「…………」

ダルタニアン「ただ、おそらくこの石版は…これまで地球上で発見されたことのない、全く未知の鉱物ということになるだろうね」

父麿「自分は森の妖精のくせにまともなこと言うんですね」

ダルタニアン「…………」

ダルタニアン「ま、調べがいのある研究材料がふえて、私は…」

父麿「そのまえにご自分のことを調べてみては?森の妖精なんでしょう(笑)」

ダルタニアン「…………」

父麿(…だとしたらやはり…ガッシュがいた魔物の世界に関わってる可能性が強いな。この石版が見つかったのは約千年前の遺跡の中…千年前にもあったという、魔界の王を決める戦いとも関係が?)

父麿(この石版はなぜ存在するのか?何か悪いことの前兆でなければよいが…)

父麿(ま、それならそれで清麿にでも送りつけてみるのも面白そうだな)

清麿の家

ガッシュ「…………」

コルル「…………」

ティオ「さて、今日の清麿暗殺作戦だけど…」

ウマゴン「メル?」

ガッシュ「いきなり遊びにきて暗殺とは物騒だのう」

ティオ「私がここにくる理由なんて清麿をぶっ殺しちゃうため以外にないんだからね?」

コルル(恵ちゃんがお仕事で寂しいからきたんでしょ?なんて言ったら首締められるから言わない)

ガッシュ「恵がお仕事で寂しいからきたのであろう?」

ティオ「デュワー!」グッ

ガッシュ「ヌホォオオオオ!!」

ガッシュ「グフゥ…」

ティオ「あんた弱いんだから生意気なこといってんじゃないわよ」

ガッシュ「ウ、ウヌ…」

ティオ「それよりなにかいいアイディアはないの?清麿が泣きべそかいて土下座でひれ伏すようなの」

コルル「あ」

ティオ「なになにっ?なにか思いついた!?あ、言っておくけど簡単に思いつくようなアイディアはダメよ!そう、清麿の靴に噛んだガムを仕込んだり、清麿の写真に落書きしたのを町中にばらまいたり…そんなのはもう私がやっちゃったし!」

ガッシュ「……ティオ」

ティオ「なになに!?ガッシュもなにか思いついた!?清麿が屈服するようなやつをお願いね!それで首に紐つけて犬の真似させてお外で散歩してやるのよ!私のことご主人様と呼ばせて足をペロペロさせてやるんだから!」

ウマゴン「メルメ(後ろ後ろ)」

ティオ「?」クルリ

こっちだった

ティオ「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」

清麿「よし」

ガッシュ(ティオが泣きべそかいて土下座でひれ伏しておる…)

清麿「それはそうとティオ。さっき聞き捨てならないこと言ってたな」

ティオ「!な、なによぉ…もう許してよぉ…」ビクッ

清麿「ガッシュが弱いとか言ってたろ?」

ティオ「…弱いから弱いって言ったんだけど?清麿は知らないかもしれないけど、ガッシュは魔界では落ちこぼ…

清麿「ティオのばーか。でべそ」

ティオ「!?」

清麿「言っておくがガッシュはティオの百倍強いぞ」

ガッシュ「ヌ?」

ティオ「なに言ってんのよ!いくら清麿には負けるからってガッシュには負けないわよ!」

コルル(魔物には勝てて人間には負けるっておかしな話ね。不思議不思議)

清麿「ふむ」

清麿(ティオはガッシュの戦いを見てないからな…魔界にいた頃の強さしか知らないティオが疑うのも無理はない)

清麿「よし…ティオ。ガッシュと戦ってみろ」

ティオ「は?理由もなしになんでそんなこと…」

清麿「ガッシュに勝てたらなでなでしてあげる」

ティオ「ば、バカなこと言わないでよっ!清麿なんかに撫でられて喜ぶやつがどこにいるのよ!そんなの頭おかしいじゃない!」

ガッシュ「ヌアッ…」

清麿「じゃツナ缶あげる」

ティオ「んなっ……た、食べ物なんかで釣られる訳ないでしょ!そんなに精神年齢低いと思う!?子供扱いしないで!」

コルル「はうあっ…」

清麿「じゃ干し草あげる」

ティオ「ゴメン。それはガチでいらない」

ウマゴン「メルメル(ウソだろ…)」

清麿「仕方ねぇな…ならガッシュに勝てたらタンスの上にあるバルンルン取ってやるよ」

ティオ「!!!!」

コルル「まだ取ってあげてなかったの?」

ティオ「ガッシュ!表出なさいっ!」

ガッシュ「ウヌゥ…本当に戦わねばならぬのか?ティオは怖いのだ…」ブルブル

清麿「オレとどっち怖い?」

ガッシュ「あっ、大したことないの」

清麿「いいかガッシュ。お前は一歩も動くな」

ガッシュ「ヌ!?」

清麿「一歩でも動いたらお前の負けだガッシュ。そうなったら十分間ツボ押しだ」

ガッシュ「!!??」ガタガタガタガタ

ティオ「…ずいぶん舐めてくれるじゃない!バルンルンなんてどうでもいいけど、そこまで言われちゃ引き下がれないわ!こてんぱんにしてやるんだからねガッシュ!バルンルンなんてどうでもいいけど」

ティオ「」

清麿「十秒保たなかったな」

ガッシュ「ス、スマヌティオ!!手加減できなかったのだ!!」

ティオ「うぐぅぅぅ?……なんでガッシュなんかにぃ?……」グスン

清麿「ガッシュがここまで強くなったのは毎日の野外トレーニングのおかげだ」

ティオ「……トレーニング…?」

清麿「ティオも強くなりたいならやってみるか?」

ティオ「な、なんで私がそんなこと……!」

清麿「まぁ落ちこぼれのガッシュ相手に十秒も保たない超よわっちいティオには無理かあ」

ティオ「むかっぱちん!!」ムクッ

ティオ「やったろうじゃないのよ!ガッシュなんかにできて私にできないわけないもん!!」

コルル(あらら。釣れちゃった)

清麿「コルルもいけ」

コルル「!?」

コルル「や!」

清麿「お前は毎日家で引きこもってばっかやろがい!子供ならたまにはお外で修行してきやがれ!」

コルル「子供は普通修行なんかしないもん!」

清麿「そんなこと言ってるから太るんだ!」

コルル「太ってないもん!」

ガッシュ「ヌゥ…コルルの足はまるで大根のような…」

コルル「ガブッチュ!!!!」

ガッシュ「ヌグァアアアアア!?」

清麿「ええい、いいからお前もガッシュ達と一緒に強くなってこい!」グイー

コルル「やー!やー!」ギュムー

清麿「そういえば今日の天気予報は晴れ時々ガリガリ君だったな…」

コルル「お外いくー!」ピョイーン

清麿「さすがのオレもコルルの頭が心配になってきたぜ…」

清麿「んじゃ、いってこいガッシュ」

ガッシュ「ウヌゥ…気は進まんがの…」

清麿「ティオとコルルのことを頼むぞ。なに、いつものメニューを二人に強要するだけだ。ゴネたらマントで締め上げろ」

ガッシュ「そんな非道な真似が許せぬから優しい王様を目指してたのでは」

清麿「今度公園で遊んでやるから」

ガッシュ「!!……ヌゥ…き、清麿がどうしても遊びたいというなら仕方がないの…」ソワソワ

清麿「多分あの二人は帰る頃には動けなくなってるからウマゴンに乗せて帰ってくるといい」

ウマゴン「!?」

ガッシュ「ウヌ!ではいくのだウマゴン!」グイッ

ウマゴン「!?」ズルズル

清麿「……ふう。いったか」

清麿「さて、アポロの連絡先は……と」キュイーン

清麿「それとあいつにも声をかけとかないとな…」

清麿(…街の骨董店で確認した例の石版)

清麿(そう遠くないうちにまたあの大きな戦いが始まる…)

清麿(それに備えて今出来ることは、ガッシュ達の力の向上…敵の戦力はすでにわかっているが今のガッシュだけではさすがに厳しい…)

清麿(前回のように仲間の力に頼らざるを得ないな…を得ないな。うん、を得ない……まぁ大丈夫だろ。ティオもコルルもウマゴンもオレのこと絶対好きだし)

清麿(相手の戦力を今のうちに潰す、なんてこともできない。あの石版はオレの力じゃどうすることもできんからな。塩振ってもブリ叩きつけてもダメだ)

清麿(まぁ落書きはしてきたけどさ)

清麿(そういやあいつは今どうしてるかな…)



オーストラリア

シェリー「爺、ブラゴは…ブラゴはどこ!?」

爺「ハ!この辺りにいると思いますが…」

シェリー「なんでこんなときにいないのよ!今日は31の日よ!?ダブルコーン、ダブルカップがなんと通常価格の31%オフの日なのよ!!」

爺「しかしオーストラリアは元々物価が高いのであんまりお得感がありませんな」

シェリー「」ハッ


ブラゴ「フン…面白いものが落ちてるな…」

ブラゴ「どうやらこの戦いも…まだまだ楽しま
清麿(違う違う。こいつじゃない)

ブラゴ「…………」


清麿(あいつは今どうしてるかな…)

ネルシルド

今回のバルカン

清麿「ほら一緒に遊ぶ友達がほしいんだろ?バルカン300だ!」

ガッシュ「オォォォォ!!」

清麿「よかったなガッシュ」

ガッシュ「清麿ありがとう!バルカンの年は
清麿「2分」

ガッシュ「バルカンは何者
清麿「ロボ。トイレットペーパーの芯とストロー製のミラクルボディ」

ガッシュ「バ
清麿「じゃあな」

スペイン

『レディース&ジェントルメン!!本日は、我が、オロロンサーカスにようこそおいでくださいました!!』

『まずは我がサーカスの人気者!かわいいピエロの曲芸からお楽しみください』

『では、拍手でお迎えください!小さなピエロ、キャンチョメー!!!』

キャンチョメ「」テーン

『さあ、それでは華麗な玉乗りからご披露です!!』

ダララララララララ

ラッ

キャンチョメ「ハイィッ」スチャッ

『大成功ー!!!』テーン

パチパチパチパチパチ

団長「キャンチョメ、今日はもう上がっていいぞ」

キャンチョメ「うん」

団長「今日もよかったぞ。新しい芸もちゃんと出来てた!覚えがいいな!」

キャンチョメ「がんばって練習したからね。今日もまた新しいのを教えてくれよ」

団長「い、いや。いつもいつも芸の練習では疲れるだろう。たまには外へ遊びにいったらどうだ?」

キャンチョメ「遊んでる暇なんかないよ。今の僕はお菓子を食べることと特訓することで頭がいっぱいさ」

団長「キャンチョメ。お前は特訓だと言ってよく芸の練習を頑張ってくれてるが…一体なんのための特訓なんだ?」

キャンチョメ「もちろん、悪い奴を倒せるようになるための特訓さ!」

団長(俺のことじゃねぇだろうな)

キャンチョメ「僕はもっともっと強くなって悪い奴をケチョンケチョンにしてやるんだ!」

団長(タダじゃ殺られねぇ!殺られる前に殺ってやる!)シュッシュッシュッシュッ

キャンチョメ「結局遊んでこいって追い出されちゃったよ」

キャンチョメ「どうしようかな。遊ぶにしたってフォルゴレも迎えにきてくれないし……ん?」



キャンチョメ「よう!おまえ、なにしてるんだよー」

「…………」

キャンチョメ「…………」

キャンチョメ「おまえ、僕の弟にしてやるよ」

ルシカ「ルシカ」

キャンチョメ「キャンチョメ」

ルシカ「女の子」

キャンチョメ「じゃ妹」

ルシカ「喜んでる」

キャンチョメ「そう」

メェーメェー

ルシカ「リリ!」

リリ「おや、ルシカおかえり」

キャンチョメ「キャンチョメだよ」

リリ「おやおや、お友達だね。私は、リリ。近所にすむババアじゃ。ルシカの世話をしちょる」

ルシカ「ハイ」

ルシカ「ハイ」

キャンチョメ「ルシカは一人であの羊を世話してるのかい?」

リリ「ああーそうじゃ。両親はだいぶ前に死んじまったな…今、あの子の家族はあの羊くらいじゃ。両親が残してくれた唯一のものじゃからの…ルシカはそれを大切に守ってる。健気な子じゃて…最近、村の食料という食料を食い荒らす奴がやってきてな…村中の牛や羊まで襲われとるらしい。ここもじきに…」

メェーメェードガシャァァ

リリ「なんと!」

キャンチョメ「なんとじゃないよ完全にフリじゃないか」

メェー

「へへへ…ある!食い物、たくさんある!」

メェーメェー

「ああ、この村にもまだこんだけの食料が残ってたとはな。よし、運び出そうぜ!これでおまえの腹も4、5日はもつだろ?」

メェェー

「う、うん。オレ、羊、大好物!!」

メェメェー

ルシカ「」ガタガタガタガタ

メェメェメェー

キャンチョメ(ルシカ…)

メェーメェメェー

キャンチョメ「大丈夫さ、ルシカ。泥棒なんて兄ちゃんが追い払ってやる!!」

メェメェーメェメェー

キャンチョメ「コラー!ルシカの羊に手を出したら、僕が許さないぞー!!」

メメメェーメメェー

キャンチョメ(そうさ!今の僕は、泥棒なんてこわくないぞ!ルシカのためなら…)



「グルォォォォォォシャァアアアアァア」

キャンチョメ「………うわあ………」

キャンチョメ「でもまぁ、清麿に比べたら。ウン。イケるイケる」

メェメェ

ルシカ「えーん。えーん。えーん。えーん。えーん。えーん。えーん。えーん。えーん。えーん。えーん。えーん。えーん。」

キャンチョメ「でも勝てるかどうかは別だよね」ボロ

リリ「ああ、行くのかい?」

キャンチョメ「え?」

リリ「奴らは噂じゃあ、海岸の洞窟にいるって…」

キャンチョメ「…………」

リリ「でも、それ聞いてどうするんだい?」

キャンチョメ「…………」

リリ「まさか羊を取り戻しにいくってんじゃないだろうね!?」

キャンチョメ「…………」

リリ「やめときな!あの怪獣を見ただろ!?あんたがなんとかできる相手じゃないよ!」

キャンチョメ「…………」

リリ「やめなよ!?絶対にやめときなよ!?羊を取り戻すなんてやめなよ!?あの怪獣と戦おうだなんて絶対にやめなよ!?」

キャンチョメ「…………」

キャンチョメ「」ガーガー

「君かい?ルシカの羊を取り戻そうとしてる子は…」

キャンチョメ「!」ガーガー

「バカなことはよしなよ。相手は牛も丸かじりできる怪獣だろ?」

キャンチョメ「バカじゃない!僕はルシカの羊を絶対に取り戻すんだ!!!」ガーガー

「君一人で何ができるのさ?」

キャンチョメ「僕の妹のルシカのためだ!なんだってできるさ!」ガーガー

「君に、その怪獣を倒せるというのかい?」

キャンチョメ「……きっと…できないかもしれない…」

キャンチョメ「でも…」


ホワンホワンホワーン

ルシカ「えーん。えーん。えーん。えーん。えーん。えーん。えーん。えーん。えーん。えーん。えーん。えーん。えーん。」

ホワンホワンホワーン


キャンチョメ「でも僕は、ルシカに笑っていてほしいんだ!!!」

「」ニコッ



キャンチョメ「フォルゴレ…一緒に戦ってくれるかい?」

フォルゴレ「もちろんだ、キャンチョメ!」

キャンチョメ「できれば清麿も」

フォルゴレ「それは嫌」

フォルゴレ「嫌」

「ハハハハハ、こいつはいい!さっきのガキがアホな男一人連れて、羊を取り返しにやってきたぜ!!」

フォルゴレ「ハハハハハ、アホは君の方だ!ブサイクが美男子に勝てると思うのか!?」

ブサイク「てめえ!羊より先に食ってやる!!」

ブサイク「やれ!バーゴ!!!」

バーゴ「ルオオオオオオオオ!!!」

キャンチョメ「さあ、いくよ、フォルゴレ」

フォルゴレ「ああ…」

キャンチョメ「ルシカを泣かした奴を…」

フォルゴレ「キャンチョメをいじめた奴を…」

フォルチョメ「許すもんか!!!」

フォルゴレ「ディマ・ブルク!!!」

ボゥゥン

ワンチョメ「ヤー!」
ツーチョメ「ヤー!」
サンチョメ「ヤー!」
ヨンチョメ「ヤー!」
ゴチョウメ「ヤー!」
ロクチョメ「ヤー!」
ナナチョメ「ヤー!」
ハッチョメ「ハァーーハッチョメ、ハッチョメ!」

間が開いてごめんの
難産でした

間が空いてすみません
最近すごく忙しくてなかなか書く時間が取れない+今後の展開を決めかねてます
軌道に乗るまではゆっくりなペースになると思いますがご容赦ください

キャンチョメ「さあ、ルシカの羊を返せ!!!降参しないなら…力ずくで奪い返すだけだ!!!」

ブサイク「増えやがった!?くそ、こいつ…魔物だったのかー!!?」

キャンチョメ「フハハハハ、その通り!僕は無敵の魔物…キャンチョメ様だったのだー!!!」

キャンチョメ「………………」

分身チョメ「………………」

キャンチョメ「イヤ、早くいけよ」

ワンチョメ「お前がいけよ」

キャンチョメ「え?」

ツーチョメ「そうだよ。お前いけよ」

キャンチョメ「な、なにいってんだよ!お前たちがいくんだよ!」

サンチョメ「なんで僕たちなんだよ」

ヨンチョメ「たまには自分でいけよ」

ゴチョウメ「そうだそうだ!」

ブサイク「…………」

ブサイク「フレイド!!!」

全員チョメ「ウワー!!」

ブサイク「ハハハ、弱っちいのがいくら増えたって意味ねーぜ!!」

フォルゴレ「キャンチョメー!なにやってるんだよー!」

キャンチョメ「言うこと聞けよー!リーダーは僕だぞー!!」

ロクチョメ「リーダーらしいことなにもしてないじゃないか」

ナナチョメ「リーダーならリーダーらしく先頭切って突っ込めよ」

ハッチョメ「ハッチョメ!!」

キャンチョメ「馬鹿いうんじゃないよ!僕が突っ込んだら焼けちゃうじゃないか!!」

ワンチョメ「僕たちは焼けてもいいって言うのかい!?」

ツーチョメ「僕たちだって生きてるんだぞ!」

サンチョメ「なんて酷いんだ!!」

ゴチョウメ「そうだそうだ!!」

キャンチョメ「うるさーい!お前たちは僕の分身だろ!?僕の言うことを聞くんだよー!!」

ロクチョメ「またこれだよ」

ナナチョメ「なんだいあいつ。威張っちゃってさ。なぁ?」

ハッチョメ「ハッチョメ」コクッ

ブサイク「バーゴ、一気にかたをつけるぞ!!」

全チョメ「ヒィ!?」

ブサイク「フレイド!!」

フォルゴレ「キャンチョメー!!」バッ

フォルゴレ「ギャアアアアアア!!!」ゴォォォォ

全チョメ「フォルゴレー!!!」

ブサイク「ハッ、もう終わっちまったぜ!魔物も弱ければ、人間も弱っちいぜ!!」

キャンチョメ「フォルゴレ…僕が今蘇らせてあげるよ!」

キャンチョメ「鉄のフォルゴレーーー♪」

フォルゴレ「無敵フォルゴレーーー♪」スク

キャンチョメ(フフフフフ…そうさ、フォルゴレは無敵なんだ!)

ブサイク「くっそぉおおお!!もう一回だ!!!」

ブサイク「バーゴ、一気にかたをつけるぞ!!フレイド!!」

フォルゴレ(ひっ!?に、逃げ……)

ワンチョメ「」ハシッ

フォルゴレ「えっ」

フォルゴレ「ギャアアアアアア!!!」ゴォォォォ

全チョメ「フォルゴレー!!!」

フォルゴレ「ぐふぁ…」ドサ

ブサイク「ハッ、もう終わっちまったぜ!やっぱ魔物も弱ければ、人間も弱っちいぜ!!」

ワンチョメ「フォルゴレ…僕が今蘇らせてあげるよ!」

フォルゴレ「あの…そのくだり、もう終わっ…」

ワンチョメ「鉄のフォルゴレーーー♪」

フォルゴレ「無敵フォルゴレーーー♪」スク

ワンチョメ(フフフフフ…そうさ、フォルゴレは無敵なんだ!)

フォルゴレ「イヤ……それさっきやっ…」

ブサイク「くっそぉおおお!!もう一回だ!!!」

フォルゴレ「エェー!?君もまたやるのかい!?さっき同じことやったのにまたやるのかい!?もしかしてブサイクな上に馬鹿なのかい!?」

ブサイク「フレイド!!」

フォルゴレ「ヒィー!?に、逃げ……!」

ツーチョメ「」ハシッ

フォルゴレ「ギャアアアアアア!!!」

全チョメ「フォルゴレー!!!」

フォルゴレ「お前らなに順番待ちしてるんだよー!!バカー!!!」

九巡目

フォルゴレ「ギャアアアアアア!!!」

全チョメ「フォルゴレー!!!」

フォルゴレ「…………」ピクッピクッ

キャンチョメ「よくも……よくもフォルゴレを!!!」

ワンチョメ「くっそー!!フォルゴレがこんがり焼けてしまったじゃないかー!!」

ツーチョメ「フォルゴレを殺す気かー!!」

サンチョメ「うわーん!酷すぎるよー!!」

ヨンチョメ「乳首もまっくろじゃないかー!!」

ゴチョウメ「そうだそうだ!!」

ロクチョメ「見てくれよこのフォルゴレのお尻を。プリンみたいにぷるぷるだったのに今や焼きプリンになっちゃったじゃないか」

ナナチョメ「なんだってー!?絶対に許さないからなー!!そうだろう!?」

ハッチョメ「ハァーーハッチョメ、ハッチョメ!!!」

キャンチョメ(あんなにバラバラだった僕たちの心が…一つになってる!!いける!!)

キャンチョメ「よーし、みんなーかかれー!!!」

分身チョメ「ワー!!」ダー

ブサイク「チィ!数が多い……ならば、これでどうだ!?リン・フレイド!!!」ゴッゴッゴッゴッゴッ

分身チョメ「ワー!!」ピョンピョンピョンピョーンピョーン

ブサイク「何ぃいいい!?」

キャンチョメ「火の輪なんて何遍くぐったと思ってるんだー!!」

ブサイク「じゃあこれでどうだー!!バレイド!!!」ドカカカカカカ

分身チョメ「ワー!!」ポポポポポポーイ

キャンチョメ「そんなのジャグリングの球みたいなもんだー!!」

ブサイク「くそがぁ!!これでどうだー!?ギガノ・ビレイド!!!」ドン

ゴチョウメ「退避」

分身チョメ「ワー!!」ダー

ビゴァー

キャンチョメ「なに逃げてんだよー!!」

ワンチョメ「さすがにあれは無理だよ」

ツーチョメ「あんなん聞いてないもの。詐欺だよ詐欺」

キャンチョメ「こっちからも攻撃しなきゃ勝てないだろー!?」

サンチョメ「じゃあ見本見せてくれよ」

キャンチョメ「え?」

ヨンチョメ「リーダーなんだからできるだろ?」

ゴチョウメ「そうだそうだ!!」

キャンチョメ「イヤ、僕はその、お腹痛いし…」

ロクチョメ「嘘つけよ」

キャンチョメ「イヤ……だって……本当にお腹痛いし…うんこも……めちゃくちゃ漏れそうだし……」

ナナチョメ「どうせ怖いんだろ?そうなんだろ?」

キャンチョメ「そ、そんなこと……ないし……うんこしたいだけだし……」

ハッチョメ「……ハッチョメ」ポン

フォルゴレ「キャ、キャンチョメ!今度こそダメだ、逃げよう!!かないっこない!!」

キャンチョメ「生きていたのかいフォルゴレ。わりと本気で心配だったよ」

フォルゴレ「キャンチョメ、撤退だ!!!」ダッ

キャンチョメ「…………」

キャンチョメ「そ…そんな…」

フォルゴレ「え!?」

キャンチョメ「ルシカ!!!」

ルシカ「兄ちゃん いじめるな 羊 返せ」

ブサイク「じゃまだ、クソガキィ!!!てめぇも痛い目にあいてえかー!!?」ブン

ルシカ「キャア」

キャンチョメ「ルシカー!!!」バッ

フォルゴレ「キャンチョメ!!!」

キャンチョメ「ゴメンよ…フォルゴレ…どんなに危険でも…どんなに無茶でも…」

キャンチョメ「僕はルシカを見捨てることはできないんだよ!!!」

キャンチョメ「ルシカ、おいで!!」

ルシカ「」

キャンチョメ「安心するんだよルシカ…僕が…僕が絶対にルシカを守ってあげるからね!!!」

フォルゴレ(く、どうする!?このままじゃ二人とも…)

ブサイク「フン、てめえら全員、まとめてふっ飛びやがれー!!!」

フォルゴレ「ええーい、とにかく奴の気を引くんだ!!消えろーお前たちー!!」

分身チョメ「ちょ、ま……」スゥー

フォルゴレ「第三の術、ディカポルク!!!」

ブサイク「で…ででででで…でっけーーーーーーーっ!!!」

キャンチョメ「ねぇフォルゴレ?なんでこんな役に立たない呪文なんか唱えたんだい?」

フォルゴレ「す、すまん!とにかく敵の気を引こうと必死でな…」

キャンチョメ「こんな攻撃もできない術なんかじゃなくて、早くディマ・ブルクを…」

ブサイク「くっそーこうなったら、全力で攻撃するまでだー!!!」

キャンチョメ「ヒッ!?」

ブサイク「フレイドー!!」

バシュウウウ

キャンチョメ「あっ」

ブサイク「くそ!くそ…なぜだ…なぜ効かなーい!!?」

キャンチョメ(そうか……この術、もしかして…囮に使える術なんじゃ…)

キャンチョメ(もしかして僕の他の術も、なにか使い道があるんじゃ…)

キャンチョメ(役に立たないと思ってたけど、僕の力の本当の使い道は……!)

キャンチョメ(きっと、僕の力は真っ正面から戦うようなものじゃないんだ!それを全部理解したとき、僕はきっと強くなれる!)

キャンチョメ「そうと決まれば、もっとあいつらに呪文を使わせるんだ!!うおおおおー!!!食べちゃうぞ!潰しちゃうぞー!!!」

ブサイク「くっ…もう駄目だ!心の力が切れた!」

キャンチョメ「…………ん?」

ブサイク「なんてこった!!」

バーゴ「フリト、僕負けた?」

ブサイク「負けた!!あんなデケェのに勝てるわけねぇ!!」

バーゴ「でも僕、羊食べたいな…」

ブサイク「じゃ勝手に戦え!!もうオレは知らん!!」

バーゴ「ルォオオオオ!!!」

ボフン

ブサイク「!?なんだ、ただの幻じゃねぇか!!なら普通にあいつらを八つ裂きにしちまえー!!」

バーゴ「ルォオオオオ!!!」

キャンチョメ「…………」

キャンチョメ「フォルゴレ」

フォルゴレ「うん?」

キャンチョメ「ディマ・ブルク一択だね」

フォルゴレ「だね。ディマ・ブルク!!!」

ボゥゥン

ワンチョメ「セーイ!!」
ツーチョメ「セーイ!!」
サンチョメ「セーイ!!」
ヨンチョメ「セーイ!!」
ゴチョウメ「セーイ!!」
ロクチョメ「セーイ!!」
ナナチョメ「セーイ!!」
ハッチョメ「ハァーーハッチョメ、ハッチョメ!!」

バーゴ「いたいよー!!いじめないでー!!わーん!!」

キャンチョメ「やっぱり男はガチンコさ!!」

ブサイク「チックショー!!」

メラメラ

団長「本当にサーカスやめていっちゃうのか?キャンチョメ」

キャンチョメ「うん、団長。今までありがとう」

団長(っ!?そ、それはこの場でオレを消すって意味か!?ふざけるな!殺られるくらいなら殺ってやる!!)シュッシュッシュッシュッ

フォルゴレ「なあ、キャンチョメ。サーカスでならった芸を見せておくれよ」

キャンチョメ「!」

団長「そうだ、見せてやれ。ほら、玉乗りだ!」

キャンチョメ「それ楽勝すぎてつまんないよ。団長がやれよ」

団長「わかった!!!」



団長「えいっ!」

団長「あっ!あっ!」

団長「ととと…」

団長「え…あれ…?」

テーン

団長「で、できた…」

団長「できたよ!フォルゴレ!キャンチョメ!!」

ワーパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ

団長「へへへ…へへへへへ…」

ルシカ「」パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ

キャンチョメ「!ルシカ!!」

キャンチョメ「ルシカー!!」タタター

ルシカ「さみしい」

キャンチョメ「会える」

ルシカ「ほんと」

キャンチョメ「兄ちゃん」

ルシカ「うん」

フォルゴレ「いこ」

キャンチョメ「うん」




フォルゴレ「もう勝手にどっかにいっちゃいけないぞ、キャンチョメ」

キャンチョメ「うん」

フォルゴレ「よし、じゃあ船の切符を買ってくるから待ってな」

キャンチョメ「うん」





キャンチョメ「まぁ、お菓子に釣られて南極行きの船に乗っちゃったわけだけど、僕たちの戦いはこれからさ!!」



キャンチョメ「打倒、清麿!!」

フォルゴレ「嫌」



フォルゴレ「嫌」

キャンチョメが脳筋になるかインテリになるかでずいぶん迷った


オワルド

「ゾニス!!」

ドン

「ギャアアア!!」

「ま、まってくれ…」

「ガルゾニス!!!」

ドコァァァァ

「くがぁぁああ!!!」

「た、助けてくれ…助けてくれー!!」

「フン…この王を決める戦いで、命乞いが通るとでも思ってるのか?」

「ぐ…ヒィイイイ…ヒィイイイー!!!」

「!…………貴様…」

「戦いの最中に…敵に背中向けてんじゃねーぞぉぉ!!!」

「ギガノ・ゾニス!!!」

ゾギャゴォォォォォ

「ヒィイイイイ…ぐぉあああああああああああ!!!」

「チッ…腰抜けが!」

“”

「クズ野郎が!!!なんでこんなクソ弱え奴まで王を決める戦いに参戦しているんだ?」

「いらだっとるな…何が欲しいんだ?バリー」

バリー「!なんだと…?」

「…………何が欲しいかと聞いているんだ。最近のおまえはいつもそうだ。戦いに勝ってもイライラし、満足していない。まるで今のおまえは…欲しいものが手に入らなくてワガママを言ってる小坊主のようだ」

バリー「チッ…欲しいものなどないわ。イライラしてるのは事実だがな。強い奴と戦って粉微塵にでもできたら…多少は気も晴れるだろうよ」

「ならば戦ってみるか?強い奴と…」

バリー「!」

「以前倒した奴らが言っておった。日本にいる清麿という魔物に戦いを挑みにいって帰ってきたものはおらぬと…」

「戦ってみるか?そいつと…」

バリー「面白い。日本へいこうか?グスタフ」

グスタフ「フ…いいだろう、バリー」

グスタフ「捜せるか?その魔物を…」

バリー「ああ、だいたいの位置は、“感じ”でつかめる。そいつが“力”を使えば、正確な場所まで特定できるが…」

バリー「おそらくそれほどに強い奴なら、一目見ればわかるハズ」


砂場

ガッシュ「ウヌゥ。最近公園に遊びにきても私が来た途端に子供たちが帰っていきおるから遊び相手がいなくて困っておったのだが」ペタペタ

ガッシュ「コルルが一緒にきてくれて助かったのだ」ペタペタ

コルル「うん」ペタペタ

ガッシュ「しかし何故私が遊び場にいくとみんな帰ってしまうのかのう?」ペタペタ

コルル「不思議だね」ペタペタ

バリー「……………」

バリー(あれが清麿か?二人いるがどっちだ?)

ガッシュ「ナオミちゃんなんて私と目を合わすことすらしてくれないのだ。声をかけるとまるで私のことが見えてないかのようにツバを吐きかけてくるし」ペタペタ

ガッシュ「不思議なのだ」ペタペタ

コルル「不思議ー」ペタペタ

バリー(……1人は女か。ならばあの金髪の小僧が清麿だな?)

ガッシュ「しかし今日はよくお外で遊ぶ気になったのう。最近はおうちでお人形遊びばかりしておったのに」ペタペタ

コルル「お兄ちゃんにつまみ出されたの」ペタペタ

ガッシュ「なるほどのう。そういえばコルルは最近足がまるで大根のように太くなってきたからお外で運動した方がよいと言っ

コルル「ガブシュルルァ!!!!」

ガッシュ「ヌオォォォオオオー!?」

バリー「……………」

バリー(あっちの方が強い。あれが清麿か?)

バリー(男だと思っていたが、まあいい)

バリー「おい!!」

ガッシュ「ヌァ!?お主、よいところにきた。助けてくれー!!」バッ

バリー「貴様に用はない」ドカァア

ガッシュ「ヌォオオオオ!!」

バリー「清麿、貴様に話がある」

コルル「私、コルル」

バリー「何!?」

コルル「……つの!つのだー!つのすごい!」ピョンピョン

バリー「チィ!!清麿じゃないだと!?」

バリー「おまえが清麿か?」

ガッシュ「私はガッシュ・ベルなのだ」

バリー「何!?」

コルル「つのー」ヨジヨジ

バリー「チィ!!清麿じゃないだと!?」

ガッシュ「私にもつのがあるのだ」

コルル「こっちのがおっきくてかっこいい」ペタペタ

バリー「清麿はどこだ!?オレは清麿と戦うんだ!!」

ガッシュ「悪いことは言わないのだ。やめとくのだ」

バリー「!……貴様、清麿を知っているな?」ガッ

ガッシュ「ヌ、ヌァ!?」

コルル(……つのはかっこいいんだけど…なんだかかたくてお尻が痛くなってきた…)

バリー「清麿を呼んでこい。オレと戦うんだ」

ガッシュ「き、清麿は…私のパートナーなのだ…」

バリー「何!?」

バリー(…ということは、こいつは本の持ち主か!!)

バリー(ならば…こいつを痛めつけてやれば清麿はここに現れるはず…)

バリー「フンッ」ブンブン

ガッシュ「ヌオォオォオォオォ……」

コルル「んんっ……あんまり激しくうごかないで……いたいよぉ……っ…」

ドドドドドドド

バリー「む、この音は……」



しおり「コルルーーーーーー!!!!」

バリー(きたか、清麿!!)

バリー(男だと思っていたが、まあいい)

バリー「おい!!」

しおり「この変態ド畜生のロリコン誘拐犯がぁ!!」バキィ

バリー「グホァッ!?」

ポテッ

コルル「おっこちちゃった」

しおり「コルル!!」ギュッ

コルル「しおりねーちゃんっ」

バリー(オレを殴りやがるとは……間違いない。こいつこそ清麿)

バリー「貴様、オレと勝負しろ」

しおり「何…!?」

バリー「フッ…いい目をしてるじゃねえか。そうだ、オレは強い奴しか興味がない」

バリー「時間は五時間後。場所は山のふもとの廃工場だ」

バリー「楽しみにしてるぞ。清麿…貴様を倒せば、少しはイライラが晴れそうだ」

しおり「私しおりよ」

バリー「何!?チィ!!清麿じゃないだと!?」

バリー「ふざけるな!!さっさと本物の清麿を出せ!!」

ガッシュ「そう言われてものう」

しおり「さ、コルル。私たちは帰るわよ。今日はお風呂で洗いっこしましょ」

コルル「まってしおりねーちゃん。もっかいつの触りたいの」

しおり「駄目よコルル!!ばっちいわよ!!汚物よ!!病原菌よ!!」

バリー「いい加減にしろよ。オレは魔物だ。もし逃げたら、清麿だけでなく貴様も必ず叩き潰す!それに、周りの人間も巻き添えをくうかもな」

ガッシュ(少なくとも清麿としおりは多分大丈夫なのだ)

コルル「つのー」ヨジヨジ

バリー「ちゃんと清麿を連れてこい。待ってるぞ」ダッ

コルル「ひゃーはやいー!」

ガッシュ「ヌ」


しおり「コルルが連れてかれたわ!!あいつ殺す!!」

清麿「5時間後…午後3時か…」

ガッシュ「コルルがついてっちゃったのだ」

清麿「アホだからな…しゃーない、行くか」

ガッシュ「ウヌウ…だが清麿、一つ気になることがあるのだ」

清麿「ん?」

ガッシュ「しおりが金属バットもって追いかけてったのだ」

ガッシュ「うまく言えぬが、とても“強さ”を感じたのだ。そう…今までにないほどの…今回の戦いはとても危ない気がするのだ」

清麿「フッ…だったら逃げるのか?」

ガッシュ「ウヌ!?何を言うか!?しおりから逃げては、あの者が危ないのだぞ!!!しかも殺すと言っておる!そんな者をほっておくわけなかろう!!」

清麿「そうさ。それがおまえだ。その心を忘れるな。どんな試練が襲ってこようともだ!!」

清麿「一歩ずつ進め!その先にある“優しい王様”を目指して…」

清麿「あとはオレが…助けてやる!教えてやる!なんとかしてやる!」

ガッシュ「…………」

ガッシュ「ウ……ウヌ!!ウヌ……!!」

ガッシュ(清麿……!!今まで私は誤解しておったのだ…!こんなにも清麿は私のことを思ってくれているというのに……!!)

清麿「よし!じゃあいくぜ!!!」

清麿「つまり、ツボ押しだ」

ガッシュ「」



グスタフ「どうだ?歯ごたえはありそうか?」

バリー「さあな……だが…」

バリー(あのしおりとかいう女…いい目をしていた…)

バリー(オレに対してまるで汚物を見るかのようなタイプの強い目…)

バリー(フ…)

グスタフ(なにをにやけてるんだこやつは…? )

コルル「この人乗りごこちわるいよお」

グスタフ「ゾニス!!」

ドカァァァ

「ヒィイ…ウワァアアー!!!UFOー!!!!」

「バケモンだー!!逃げろ、殺されるー!!野球ー!!!!」

「や、やめて…やめてよ!まだ…まだ…ツチノコ!!!!」

バリー「チッ、うざい奴だ…よかろう。外までふっとばしてくれる!」ゾゾゾゾゾゾ

グスタフ「ゾニス!!!」ゾンッ

清麿「…………」

「ギャアアアアアー!!!!ツチノコー!!!!」

清麿「チィ!!遅かったか!!助けようと思ったのに!!」

バリー「ハッ。ちゃんときたじゃねえか」

バリー「……………」キョロキョロ

バリー(さっきのゾクッとする目の女はきてないのか…)

コルル「つのから変なの出すのやめてよ。なんかぞにっとする」ペシペシ

ガッシュ「助けにきたのだ!!」

グスタフ「ほう…二人ともいい度胸だ。人間の方も実に堂々としている」

バリー「腕によほどの自身があるか…それともオレの“力”がわからんのか…」

清麿「お前こそガッシュの強さをわかっていない」

バリー「……なに?」

清麿「確かにオレ達は以前お前に負けた…」

バリー「…………」

清麿「だが……今のガッシュは負けねぇ」

ガッシュ「清麿……」

グスタフ(ほう…あの少年…)

バリー「オレは清麿って魔物と戦いにきたんだが」

コルル「それお兄ちゃん」

バリー(……!?なんだ……オレの頭上から声が聞こえた……?)

バリー(この声はまさか……オレの心の声だとでもいうのか……!?)



バリー「くっ……よくわからねぇが…あの黒髪の魔物が清麿だな……?そして本の持ち主があの小僧……」

コルル「ガッシュのほうが魔物よ」

バリー「ガッシュ!?清麿じゃないだと!?」

バリー「じゃあ…あのいい目をした女は……」

コルル「しおりねーちゃんのこと?」

バリー「そうか…しおりねーちゃんか……」

コルル「しおりねーちゃんは私のねーちゃん!」

バリー「そうか…オレのねーちゃんか……」

コルル「こらー!私のねーちゃんなの!」ポコポコポコポコ

バリー「…あの女のことを考えた途端にオレの角が疼き出した……」

バリー「この感情は一体……」



ガッシュ「しかししおりがまだ来てないみたいでよかったのだ」

清麿「彼女ならお巡りさんに捕まったからここにはこないぞ」

ガッシュ「そうなのか」

清麿「オレが通報したもの」

ガッシュ「清麿はよいことをしたのう」

ガッシュ「では私はここへ何しにきたのだ?」

清麿「あの魔物と戦うためだ」

ガッシュ「ヌ……あの魔物は倒さなくてはいけない者なのか?」

清麿「アイツ!!さっき馬鹿そうな一般中学生に攻撃してたんだぞ!?」

ガッシュ「なに!?」

清麿「一般人に呪文で攻撃するなんて……許せねぇ!!あーいう奴を倒さなきゃ優しい王様にはなれねーんだ!!」

ガッシュ「許せぬぞ!!」


コルル「あっちがお兄ちゃん。あっちがガッシュ」

バリー「あっちがオニイチャン。あっちがガッシュ」

コルル「しおりねーちゃんは私のねーちゃん」

バリー「しおりねーちゃんはオレのねーちゃん」

コルル「こらー!」ポコポコポコポコ

バリー「……ん?じゃあ清麿はいったい誰なんだ!?」

グスタフ「とりあえずあの者達を倒せばよい」

バリー「そうか!じゃあ倒すぜ!!」


清麿「行くぞぉ!!!」

バリー「こぉおい!!!」

清麿(やっと軌道修正できた)

途中で寝てしまいそうなので続きは今晩にします
なかなか書きに来れず申し訳ないです

清麿「ラウザルク!!!」

グスタフ「ヌッ!?」

ガッシュ「ヌォオオオ!!」ダッ

バリー「速い!!」

清麿(こいつにはザケルガが通用しない。ザケルではまともなダメージさえ与えられん)

清麿(ラシルドも当たり前のようにぶっ壊される)

清麿(だが…以前より各段に身体能力が上がったガッシュに更にラウザルクをかければ)

バリー「オラァアアア!!!」

コルル「ひゃーっ」

ガッシュ「ヌゥッ!!」ガシッ

バリー「なっ!?オレの拳を受け止めるだと!?」

グスタフ(あの呪文……魔物の身体能力を向上させる術のようだ)

コルル「あれ?なんだかここ危ない」

ガッシュ「ヌゥ……邪魔だのう……」グググ

コルル「なによう」

バリー(こいつ……オレの心の声と会話してやがる……!!)グググ

バリー(タダ者じゃねぇ……!!)グググ

清麿「ガッシュ!!何を躊躇してる!?早くそいつを投げ飛ばせ!!」

ガッシュ「しかし!あやつの頭の後ろに……!」

清麿「それごと投げ飛ばせ」

コルル「!?」

ガッシュ「………………」

ガッシュ「……………………」

ガッシュ「……………………ウヌゥ」

コルル「そこは悩むとこじゃない!!」

バリー「チィ!!オレの心の声を聞くんじゃねぇ!!」

グスタフ「ドルゾニス!!」

バリー「ムゥウウウウ…」ギュララララ

清麿「ガッシュ、退け!!」

ガッシュ「ウヌ!!」ザッ

バガァァァァア

バリー「避けやがったか!!」

グスタフ(あの者…初めて見るはずの術に即座に対応しおった……)

グスタフ(やはり……あの者の正体は……)

清麿「いいかガッシュ。あいつの頭の後ろにへばりついている寄生虫は気にするな」

ガッシュ「だが…清麿……」

清麿「気にするな」

ガッシュ「そうするのだ」

コルル「!?」

コルル「こわいー!!もうおりるー!!」ジタバタ

バリー(……怖い…このオレが……?)

バリー(戦いを…降りるだと……?はるばる日本まできておいて……?)

バリー(オレは本心では…そんな情けねぇことを考えてるってのか……!?)

バリー「ふふふふ…」

グスタフ「!」

バリー「ふざけるなーーー!!!」ドカァァア

コルル「きゃーーー!!?」ビックゥ

バリー「きゃーだと!?クソがぁ!!叫ぶのをやめやがれぇ!!!」ドカァァア

コルル「いやぁぁぁぁんっ!!?」ビクビクゥ

バリー「いやーん!?チクショオがぁぁぁぁ!!!」ドカァァア

コルル「はびゃーーー!!!」ビクビククゥ



清麿「アッハッハッハッ」

ガッシュ「清麿?」

清麿「ちくしょうがぁ!!よくもコルルを!!」

ガッシュ「ウヌ!!許せぬ!!」

「いえ……ハイ、すみません……」

「……違うんです。この釘バットは……その……」

「ハイ。ハイ。もう絶対にしませんから……親に電話だけは……」

「…………っ!!」

「……すみません、おまわりさん……私、いかなくては……」

「あの子が……呼んでいる……」



バリー「…………!?」ゾクッ

バリー(なんだ……この悪寒は……!?)

コルル「!止まった!!今のうち!!」

清麿「ザケルガ!!!」ドン

バリー「!!おぉおおおお!!」

コルル「ひっ!?」ギュムッ

バリー「うらあぁあああ!!!」バキィィイン

コルル「びゃーーー!!?」ギュー

清麿「ほら。ザケルガを拳ではじくんだあいつ」

ガッシュ「ウヌ。よくわかったのだが、今のタイミングで撃つことなかろう?」

バリー「……奴らを倒せば弱いオレは消えるはずだ」

バリー「グスタフ…本気でいくぞ!!本気で奴らを叩きつぶす!!」

グスタフ「ちょっと待てバリー」

バリー「なんだ!?」

グスタフ「よいしょ」ガシッ

コルル「はれ」

グスタフ「ヌンッ」ポイッ

コルル「にゃー」

バリー「もういいかグスタフ!!」

グスタフ「ウム」

清麿「くっそがぁぁぁ!!コルルを下ろしやがって!!絶対に許せねぇ!!!」

ガッシュ「ヌァアアアア!!なんて酷いことをーー!!」

ガッシュ「ん?コルルを下ろしてくれたのだな?」

清麿「ああ」

ガッシュ「じゃあ酷くないの」

清麿「そうだな」

バリー「グスタフ!なにか知らんが軽くなったぞ!!」

グスタフ「ならば叩きのめせ!!おまえの強さで奴らを打ち砕いてみよ!!!」

バリー「言われずともやっておるわーー!!!」グルン

グスタフ「ゾニス!!!」

ガッシュ「つのを後ろにして術を後ろに出したのだ!?」

清麿「呪文を利用して加速したんだ。迎え撃てガッシュ!!」

ガッシュ「ヌゥウ!!」

バリー「フン!!こざかしい!!!」

グスタフ「ドルゾニス!!」

バガァァァァア

ガッシュ「ヌォオオオオオ!!!」

清麿(ゾニスで加速してからのドルゾニス……ガッシュのスピードでも防ぎきれはしないか)

清麿(やはりバリーは初期術の使い方がうまい……バリーのこういった戦闘技術は天性のものがあるな)

清麿(それに比べてガッシュは未だに自分の能力や武器を戦闘に生かしきれていない…オレの指示がないとマントもまともに使おうとしない)

清麿(バリーの技術……なんとしても、今のガッシュに欲しい要素だ…)

バリー「まだ、のびるのは早いぜーー!!!」

ガッシュ「う…うわぁあああ!!!」

バリー「フン!!てめえにオレの攻撃が…防げるかーー!!!」ドカカカカカカカカカカ

ガッシュ「ヌァアアアアア!!!」ガシィイ

バリー「フン!こざかしいわー!!!」グォォォォ

清麿(……ここで、オレは手を出さない)

清麿(ガッシュには直接バリーから教えてもらうことにする)

グスタフ「ドルゾニス!!!」

ガッシュ「ぐぁああああああ!!!」

清麿(ボッロボロになっちまえガッシュ)

清麿「ガッシュ!オレもできるだけサポートする!お前はバリーに術を撃ち込む隙をつくるんだ!!」

ガッシュ「ウ、ヌ!」

バリー「隙なんかつくるかよ!!」

コルル「ホットケーキ食べたい」

バリー「何!?またオレの心の声が聞こえるだと!?」

コルル「ぎゅーにゅー付きでおねがいします」

バリー「バカな!!そこはワインだ!!赤ワイン最高だ!!」

グスタフ「バリー、貴様またワシの酒を勝手に!!」

清麿「今だ!ザケルガ!!」

バリー「ウォオオオオオオオ!!!」

ガッシュ「当たったのだ!」

清麿「ああ、あいつはバカだ!!一気にたたみかけろ!!」

ガッシュ「ウヌ!!」

バリー「チッ……グスタフ!!」

グスタフ「よし!!」ガシッ

グスタフ「ガルゾニス!!!」ドギャラララ

ガッシュ「ヌッ!?あれは!?」

清麿(回転しながら突進してくる術か…あれならマントで止められるはずだが)

ガッシュ「ぐぁあああああああ!!!」ドカァァア

清麿(マントの存在を忘れていやがる)

清麿「ガッシュ、バリーを見ろ!」

ガッシュ「ヌゥ!!」

清麿「ザケルガ!!!」

ドシュゥゥウ

バリー「バカが!敵の大勢もくずさず、そんな攻撃あたるかぁあ!!!」

清麿(この距離でザケルガ並みのスピードの術を避けるのはまだガッシュには無理だろうな…)

グスタフ「ゾニス!!!」

バリー「攻撃のチャンスってのは…こうやってつくるんだよぉお!!」

ガッシュ(バリーが接近してきたのだ!?)

清麿(あれは防げん。さて、ラウザルクにするかザケルガにするか……)

グスタフ「ギガノ・ゾニス!!!」ゾドン

清麿(ラウザルクにすれば大分ダメージを軽減できるが、ザケルガで術の弱所をつき、身体をマントで覆えばほぼノーダメージで切り抜けることも可能だ)

清麿(だがガッシュが瞬時にそんな判断をできるわけもないな。だとするとやはり安全なのはラウザルク。よし!)

清麿「ザケルガァ!!!」

グスタフ「どうやら終わったようだな」

バリー「……………………」ギリギリギリ

グスタフ(欲しいものは…手に入らなかったか…)

バリー(こいつらと戦えば、足りないものが手にはいると思ったが…しょせん、あいつらも今まで倒してきた奴と同じか…)

バリー「!!」ゾクッ

バリー「……………………」

バリー(イヤ…まだだったか…)




しおり「ウダァァァァー!!!!」

グスタフ「!!」

バリー「きたか!!」

コルル「しおりねーちゃん!」

バリー「しおりねーちゃん!!」

しおり「オマエのねーちゃんじゃねぇぇぇー!!」

バッッキィ

バリー「ぶるぁ!!」

しおり「コルル!!大丈夫!?どこをまさぐられたの!?えっ!?まさぐられたの!?こいつ殺す!!」

コルル「落ち着いてしおりねーちゃん。まるで狂人よ」

しおり「もう心配しないでコルル!!こんな危険人物なんてねーちゃんがやっつけちゃうんだから!!さぁ、私の胸に飛び込んでおいで!!」

コルル「どっちかっていうと釘バット持ってるしおりねーちゃんのほうを危険人物と判断してるよ」

バリー「フン…会いたかったぜ、女ァ」

しおり「コルル、これに付いてってなんかされなかった?」

コルル「うーん」

バリー「貴様に興味がある。オレのイライラを晴らすために……」

コルル「この人のおっきなつのをいっぱいこすったり」

コルル「この人の上に乗っかっていっぱい揺らされたり」

コルル「ちょっとおまたが痛くなって恐かったけど」

コルル「特になにもされてな

バリー「オレと戦え!!」

ガッシュ「ぐ、うぅ……」

清麿「大丈夫か?」

ガッシュ「き、清麿……」

清麿「まだ動くな。ギガノ級の術をほぼ直撃したんだ。ダメージはでかいはずだ」

ガッシュ「しかし…」

清麿「今しおりさんがバリーを足止めしてくれてる」

ガッシュ「ヌ!?」

清麿「オレも加勢に向かうつもりだ。コルルもいる」

清麿「だが、奴を倒せるのはお前しかいない」

ガッシュ「!」

清麿「バリーはそれほどの強敵だ。オレもしおりさんもバリーが本気になったらかなわない」

ガッシュ「本気じゃなければかなうのか」

清麿「だからガッシュ、お前が決着をつけるんだ。オレを守るんだ!間違った。オレ達みんなを守るんだ!お前の持っているすべての力を出して」

清麿「やさしい王様になるんだろ?」

ガッシュ「……ウヌ!!」

しおり「ドエェェェイ!!ドエェェェイ!!」バッキィンバッキィン

バリー「ブッ、ブラッ、ブラァァ!!」

コルル「ねーちゃんがねーちゃんじゃない」ガタガタガタガタガタ

グスタフ「…………」

バリー「ガ…こ…の…やろーーーっ!!!」

清麿「右だ!!しおりさん!!」

しおり「ハッ」サッ

バリー「!」

しおり「ドラッシャァァイ!!」バッッキィ

バリー「ブルァア!!」

清麿「そこだ!やれ!」

グスタフ「あの者……!またしてもバリーの動きを読んだ……!」

グスタフ「間違いない……奴の正体は……神々に選ばれし能力者……!あの瞳に宿りしは“予知”……!!」

バリー「グスタフ、なんて?」

グスタフ「クッ……腕が疼く……!!」

バリー「チィ!この女、なぜオレの動きについてこれる!?」

清麿(あの人、ガッシュとコルルの戦いに瞬時に割り込める程の瞬発力だったからなぁ……)

バリー「クソがぁ!!」ブォン

清麿「屈め!!」

しおり「」スッ

清麿「SET!!釘バット!!!」

しおり「バハァァァア!!!」バッッキッ

バリー「ゴハァ!!」

清麿「いいぞいいぞ!!」

バリー「そこまで死にてえか!!?貴様ーーー!!!」

清麿「」ドン

バリー「」ビクッ

しおり「セイヤーーー!!!」バキィキィン

バリー「ムハォ!?……グッ……やろーーーっ!!!」

しおり「」キッ

バリー「」ビクッ

清麿「ドリャーーー!!!」ズボォ

バリー「アアアアアアーーー!?」

コルル「」ガタガタガタガタガタ

コルル(私は今日“イジメ”を学びました)

ガッシュ「…………」

ガッシュ「皆の声が私の中に入ってくる」

ガッシュ「みんなのがんばりが私の中の「何か」を揺さぶってるのだ…」

ガッシュ「みんなのがんばりに応えねばならぬと…私の中にある「何か」を熱くさせておる」ドクンドクンドクン


コォォォォォォ

清麿「!!」

清麿(本が…光って…)


バリー「チィ…もういい、グスタフ!!」

グスタフ「グッ……その名を呼ぶでない……もう1人のワシが……目を覚ま

バリー「グスタフぅ!!」

グスタフ「ウム…そう泣くでない」ゾゾゾゾゾゾ

グスタフ「ゾニス!!!」

しおり「……っ!?」


ガッシュ「オォオオオオオオオ!!!」ドギャァァア

バリー「こいつ、素手でゾニスを!!?」

バリー「くそ!くたばりぞこないが生意気に…」

清麿「第七の術、ザグルゼム!!!」



やめろよバオウさんの事を5巻にして目覚めた必殺技的な立ち位置なのに
早くも10巻で防がれて対アポロ戦の時点で既に相殺程度にしか使えなくて
おまけに千年前の魔物戦で相殺以下しかできなくなってそれ以降はザグルゼム使わないと
まともに運用できないディオガ級に劣る癖にハイリスクで
ガッシュが覚醒してやっとこさ強化されたと思ったら威力以上のハイリスクになって
それでも使いこなせるようになったら次の闘いで相[ピーーー]らできない雑魚術で
最後の闘いでもディオガ級を消す程度にしか活躍できていない噛ませ術呼ばわりするのは

清磨「あばれなくてもいいぞ」

バオウザケルガ「そうなのか」



    彡(゚)(゚)    
  ┌ 彡  と     ガガガガガガガッ!!!!!!
  ├ (   ┏ ○┓_ _ _ _从._,
  ├ ∟つ┏┓三((〓((━(。゚。)   ━ 二 三  ━  ━  ━
  └ ≡≡≡ノ  ̄  ̄  ̄  ̄ ⌒Y⌒
    (__(__)

バギュゥゥゥゥゥウ

清麿(第七の術、ザグルゼム。ジケルドとは違う形をした光の球体)

清麿(ザケルガ程の速さはないが決して遅いわけではない)

バリー「ぐ…」

清麿(バリーもザグルゼムに気づいたか。しかし、至近距離からのザケルガすらも避けるスピードを持つバリーでも…)

清麿(術を発動した直後に避けられるわけではない)

バギュゥゥゥウ

バリー「ぐっ!?」

バリー「……?なんだこの術は……効きやしねぇぞ!」

ガッシュ「ヌ……今のは…私の……」

清麿「そうだ、お前の新しい力だ。ガッシュ!今のを何度もぶち込むぞ!お前の力全てを使ってバリーの隙を作れ!!」

ガッシュ「ウ、ウヌ!!」

バリー「ハッ!効かねえって言ってるだろうが!」

ガッシュ「ヌッ」

グスタフ(…あの術がバリーの身体に当たってから…バリーの身体が光を帯びておる…)

グスタフ(あの術は決して意味のない術ではない。あの術を受け続けるのは危険だ)

グスタフ(……そう我の直感が告げておる……第三の目が告げておる……!)

バリー「オレを相手に肉弾戦とはなぁ!?」ドカカカカカカカカカ

ガッシュ「ぐぅう…」バババババババババ

清麿「思い出せガッシュ!!今までの修行を!!」

ガッシュ「グアァォァガー!?」ガクガクガクガク

バリー「!?」ビクッ

清麿「いけね。トラウマがフラッシュバックしてやがる」

バリー「グ、グスタフ!!やれぇ!!」

グスタフ「ドルゾニス!!」

バリー「オラァアアア!!!」ギュララララ

清麿「ガッシュ!!」

ガッシュ「ぐっ……!!」

ニョーン

バリー「っ!?ま、またこのマントかぁぁ!!」

清麿(!!マントでバリー自体を捕らえた!!)

ガッシュ「清麿ー!!」

清麿「やっと使いこなせてきたじゃねぇか……ザグルゼム!!」

バギュゥゥゥウ

バリー「チィ……効かねーって言ってんだろぉがぁぁぁぁ!!」ググググ

ガッシュ「ぐっ!?ヌヌヌヌ……ッ!!」ググググ

清麿(腕力でマントの拘束を解こうとしてやがる。コントロールは身についてきたが、パワーはまだまだか)

清麿「とはいえ、マントを自在に使えるようになれば…バリー相手でも互角以上にやり合えるっ!!」

ガッシュ「グヌヌヌヌ……!!」ググググ

バリー「ウ、オオオオオ……!!」ググググ

清麿(ガッシュ……よくぞここまで育ってくれた。前回では圧倒的なバリーの強さに完敗したオレ達だが…)

清麿(今ならやり合える!バリーに勝つんだ!!)

清麿「いけぇぇぇぇ!!ガーッシュ!!」

ガッシュ「ヌォオオオオオオ!!!」

ドゴシャアァァァァ

バリー「グォアアアア!!?」

清麿「ザグルゼムァ!!!」

バギュゥゥゥウ

バリー「ぐっ……力でオレが負けるだと……っ!?」バリバリバリバリ

グスタフ(あやつの術を受ける度に……バリーの身体の光が増してきておる……!)

グスタフ(いかん……我の“邪”が告げておる……あの状態は危険であると……!!)

清麿「ザグルゼム!!」バギュゥゥゥウ

グスタフ(そう……それはさながら闇の力に溺れた者の末路のよう……)

清麿「ザァーグルゼムン!!」バギュゥゥゥウ

グスタフ(このままでは……バリーは、運命に蹂躙されし混沌の世でさ迷う哀れな子羊と化してしまうであろう……)

清麿(あんた馬鹿じゃねぇのか?)

グスタフ(!!!?)

清麿「アァーーザァーグルゼムォオオ!!」バギュゥゥゥウ

バリー「なんなんだよテメェらー!!一体なにがしてぇんだよー!!?オレにも教えろよぉおおー!!!」バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ

ガッシュ「私にもわかっておらぬ」

グスタフ「ムゥ……いったん引け!バリー!」

バリー「な、なんだと!?逃げる気かグスタフ!!」バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ

グスタフ「このままではお前の運命は……終焉へと這いよる翼の折れた堕天使!!」

バリー「チィ!もうこいつ頭おかしい!!」バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ

清麿「ガッシュ、お前もいったん引くんだ!!」

ガッシュ「ウヌ!」ザッ

ガッシュ「ところで清麿。なぜあの者はバリバリしておるのだ?」

清麿「バリーだからだ」

ガッシュ「それがやりたかったのだな清麿よ」

グスタフ「これ以上奴らの術を受けてはならん!!奴らにはまだ奥の手がある……その光こそがその布石!!」

バリー「これだけオレを手こずらせておいて……まだ力を隠してやがるってのか……!!」バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ

バリー「……おもしれェ!!それならこっちも出し惜しみはしねぇ!!全力でいくぞ、グスタフ!!」バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ

清麿「ガッシュ、耳を貸せ」

ガッシュ「ヌ……?」

清麿「バリーを倒す。そのための作戦だ」

グスタフ「ゾニス!!!」

ギュン

バリー「なにを話してやがる!?」バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ

清麿「いけぇ!!ラウザルク!!!」

ガッシュ「オォオオオオオオオオオオオ!!!」ガッ

バリー「ウルォアアアアアアアアアア!!!」バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ

バリー(たしかにコイツはオレより強い……認めてやるよ……!!)ガガガガガガガ

バリー(だが、どんな奴にだってスキはある……そのスキが「弱所」となるはずだ!!)ガガガガガガガ

バリー(奴の強さにのまれるな!!見切れ!!!)ガガガガガガガ

グスタフ「ゾニス!!!」

バリー「ウォオオオオオオオオ!!!!」バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ

バキィイイイ

ガッシュ「ヌグァ!?」

清麿「っ!!ガッシュ!!」

バリー「今だァ!!!」

グスタフ「ギガノ・ゾニス!!!!」

ゾドン

バリー(決まった!!!奴の弱所へと攻撃し、完全に体勢をくずしたはずだ!!!)

バリー(なかなか楽しめたが……これで終わりだ!!!)

グスタフ「いや……まて…………!」

グスタフ(呪文を唱える寸前に、奴のマントが……!?)




清麿「バリーを倒す。そのための作戦だ」

清麿「バリーは決着をつけるため、奥の手である最大呪文を当てようとガッシュの隙を作りにくるだろう。肉体強化の術をかけるからお前はそれを真っ向から迎え撃て」

清麿「そして約30秒後、オレの合図を聞いたらわざと隙を作るんだ」

清麿「その瞬間、マントを使って思いっきり後方へ跳べ!」



ガッシュ(見えるのだ……この呪文の弱所が!!)

清麿「狙い撃て!!ザケルガ!!!」

ドシュゥゥウ

ガシュゥゥゥウ

清麿(あの頃とは違う……直撃を避けるためだけに、逃げ道を作るためだけに撃ったあの頃とは……)

清麿(成長したオレ達の力は、お前たちの最大呪文すら突き破る!!!)

ジュバッ

バリー「なっ!?」バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ

バリー(ギガノ・ゾニスを……突き破っただと!?)

グスタフ(僅かだが…ほとんど相殺されはしたが、ギガノ・ゾニスを突き破った電撃が、バリーへと……!!)

バリー「だが、この程度の電撃じゃあ……」バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ

カッ

バリー「ウギャアアアアアアアーアア!!!?」ズギャァァァァァアアア

グスタフ「!!なるほど、あの光は電撃の威力を増大させるためのものであったか!スッキリした!」

清麿「どうだバリー、これがオレの力だ!!間違った、オレ達の力だ!!!!」

清麿「なぁガッシュ!?」

ガッシュ「ヌグァァァアアアアアー!!!」ゾドォォォオオオ

清麿「あぁ…ザケルガはギガノ・ゾニスの一部を突き破っただけだからな……そこ以外のとこはくらうよな」

清麿「まぁ問題ねえな」

ガッシュ「ところで清麿。なぜあの者はバリバリしておるのだ?」

清麿「バリーだからだ」

ガッシュ「それがやりたかったのだな清麿よ」

バリー「ぐっ…………」

バリー(身体が、動かねえ……)

グスタフ「バリーにこれほどのダメージを与えるとは……」

グスタフ(しかし……あの雷の申し子も…我らの怒りの息吹を受けた……最早風前の灯火に等しい筈……)チラッ

清麿「大丈夫かガッシュ?ギガノ級二発もくらって」

ガッシュ「ウヌゥ……寸前でマントで身体を覆い、なんとか凌げたのだ……」

清麿「チィ!!計算通りだ!」

ガッシュ「今舌打ちしたのかのう?」

清麿「気のせいだろ?」

ガッシュ「そう言われてみればそうなのだ」

グスタフ「…………」

グスタフ(どうしよう……ピンピンしとるどころか談笑しとる……)

バリー「……クソォ……こんなところで……オレは……」

ザッ

バリー「!」

清麿「」ニコッ

グスタフ(電撃撃つのはやめてほしいの……)

清麿「さて、どうしてやろうか」

バリー「……チッ…負けは負けだ。言い訳する気も起きねぇ……煮るなり焼くなり好きにしろ」

清麿「ザケル!」

バリー「ギャアアアア!?」バリバリ

ガッシュ「……清麿」

清麿「スマン。今のは本当に条件反射だ」

ガッシュ「ウヌウ。それなら仕方がないの」

バリー「電撃撃つような条件反射が身につく環境ってどんなんだよ!?」ガバッ

清麿「ザケル!」

バリー「ギャアアアア!?」バリバリ

ガッシュ「清麿!」

清麿「スマン。いきなり起き上がって怖かったから…」

ガッシュ「まったく。清麿ったらまったくもう」

グスタフ「……あの、あんまりバリーを痛めつけないでやってはくれないか…」

ガッシュ「スマヌのだ。清麿は好きにしていいと言われるとつい電撃を撃っちゃうような子なのだ。今回ばかりは本当に悪気はないので勘弁してやってくれなのだ」

バリー「クソガァ……」プスプス

ガッシュ「清麿。悪いことをしたと思ったらゴメンナサイするのだ」

清麿「だってこいつのせいでオレ達、しばらく負けたことがトラウマになったんだぜ」

ガッシュ「うちの清麿がまたよくわからないことを言ってスマヌのだ。こうは言ってはいるが心の中ではちゃんと反省できる子なのだ」

グスタフ(……いや、こやつの言っていること…あながち間違いでもあるまい。我にはわかる……)

グスタフ(おそらくパラレルワールドからきたのであろう。別の時間軸で我らにケチョンケチョンにされた恨みを糧にし、時間軸移動を果たしたのだ……我の第三の目がそう……告げておる!!)

清麿(おっさんもう無理すんな)

グスタフ(!!!)

バリー「……しかし…清麿よ……やろうと思えばもっと楽にオレを倒せたはずだ……なぜガッシュが危険な目に合うようなやり方を……」

清麿「…………理由は三つある」

バリー「なに……?」

清麿「一つは……手を抜きつつも完膚無きまでにお前をコテンパンにすることによってオレがすっきりするんだ」

バリー「」

清麿「もう一つは……お前のその屈辱に満ちた表情が見たかったんだ」

バリー「」

清麿「……最後の一つ、それは…」

清麿「ガッシュがやられてんの見るとスカッとするんだ」

ガッシュ「」

ガッシュ「清麿、ゴメンナサイは?」

清麿「ゴメンナサイ…」

ガッシュ「ウヌ。清麿はちゃんとこうして謝れる子なのだ。悪気はないのだ。ただ素直なだけなのだ。あんまり責めないでやってくれなのだ」

バリー「ブッッッコロス!!!」ガバッ

清麿「ザケル!!」

バリー「ッ!!チィィ!!」



「ライフォジオ!!!」

ドガシャァァアア

バリー「…………」

バリー「…………?なんだ、痛く……ねぇ……?」

バリー(奴らの電撃を、たしかにくらったはずだ……なのに…………?)

「よーしよし」

ナデナデ

バリー(な、なんだ?誰だ、オレのツノをなでている奴は……)

「いたいのいたいのとんでけー」

バリー(…………心が、落ち着く……)

バリー(不思議だ……さっきまで怒りで腸煮えくり返っていたはずなのに……)

バリー(常に強者との戦いを望んでいたはずの…オレの心が……解きほぐされていく……)

バリー「……あんたは……一体……?」クルッ



コルル「つのー」ナデナデ

バリー「……!!」

コルル「つのかっこいー」ナデナデ

バリー(この声……さっきまでオレの心の中で聞こえていた声と……同じだ……)

コルル「これいいなー。私もつのほしーなー」ツンツン

バリー(ってことは……オレに語りかけていたのはこいつだったのか……)

コルル「もってかえりたいなー」グイグイ

バリー(……そうか。こいつこそがオレの…)

コルル「おれろ、おれろ」ゴンゴン

バリー(女神!!!)

しおり「…………フッ」

バリー「……!あんたは……しおりねーちゃん……!」

しおり「あなたも…コルルという女神に魅入られし天の使いなのね…」

バリー「……そういうあんたもか…」

しおり「コルルに近づくような蝿なら私が駆除してやったところだけど……コルルに尽くすために生きる女神の下僕になるのなら……」ゴソゴソ

ピッ

しおり「……もうあなたは私の同志よ」

バリー「これは……!コルルファンクラブ名誉会員証だと!?」

しおり「さぁ、迷える子羊よ集いなさい!今こそ我らが女神、コルルを崇め奉るのよ!!」

バリー「ウオォォォオオオ!!!」

コルル「お・れ・ろっ!お・れ・ろっ!」ガンゴンガンゴン

グスタフ「………………」

グスタフ(どうしよう……バリーがなんか変な宗教にハマり始めた……)

清麿(あんたが言うなよ)

グスタフ(それもそうか)

グス麿(ワッハッハッハ)

ガッシュ(ポジションとられたのだ……)ショボーン

バリー「グスタフ」

グスタフ「ん?」

バリー「女神の下僕となるために、オレは何をすればいい?」

グスタフ「………………」

バリー「今までのように何も考えず戦っていてはダメなのだろう?」

グスタフ「………………」

バリー「……オイ、グスタフ。聞いているのか?」

グスタフ「………………」

バリー「グスタフ、オイ!!無視をする気か!?」

グスタフ(どうやら…バリーの欲しいものは手に入ったようだな)

バリー「神を冒涜すると裁きを受けるぞ!!」

グスタフ(絶対に許さぬぞ、清麿…)

バリー「だがな、オレの神は慈愛の神だ。まだ間に合う」

グスタフ(次に戦う日を…楽しみにしておるぞ!!)

バリー「あのなグスタフ。会長がこのジップロックに入った木の棒をくれてだな…」

グスタフ(クッ……右腕に封印されし我の邪悪が疼く……)



コルル「つのほしかったな……」ガジガジ

しおり「そんなことよりコルル、その食べ終わったあとの棒、捨てるから貸して?」

コルル「かむよ?」

しおり「やん!あずきバーを噛み砕くコルルの乳歯素敵!!」

清麿「今回完全にとばっちりだろ」

ガッシュ「否定しきれないのう」

ライフォジオの件、雑談スレの方に書いときます

最近時間を取れるようになってきたので今度こそ間が空かないようにします
週1の生存報告も雑談スレの方にさせていただきます

清麿「強くてニューゲームか」
http://ss-navi.com/?mode=m&no=241&cr=2b4fcf518e45e84dfac0d4a8ca8f7751
清麿「ツボ押すからちょっとこいガッシュ」
http://ss-navi.com/blog-entry-119.html



清麿「……ああ。そういうことになる」

清麿「頼めるか?…………ああ、スマナイ」

清麿「……今回の戦いは非常に危険なものになる。運が悪ければ…………」

清麿「……そう言ってくれると助かる」

清麿「詳しいことはこれからファックスで送るよ。直前まではオレにもなにが起こるかわからん」

清麿「ん?…………」

清麿「気にするな」

カチャ

ガッシュ「最近、清麿はどこに電話しておるのだ?」

清麿「気にしなくていい。それより今日のメニューはちゃんとこなしたのか?」

ガッシュ「ウ、ウヌ。しかしあんなことで特訓になるのかのう?」

清麿「今はとにかくあれの精度をあげること、そしてお前の体力の向上が重要だ」

清麿「今やっているメニューはどちらにも有効的なんだ。ガッシュも実感があるんじゃないか?」

ガッシュ「そうかもしれないのだ」

清麿「それで、コルルの方はどうだ?」

ガッシュ「コルルはすぐへばるのだ。今もウマゴンに乗っけてもらっておる」

清麿「そうか……さすがにコルルにはキツいか……」

清麿「わかった。ダニーはどうだ?」

ガッシュ「ウヌ!ダニーは前よりも強くなっていたのだ!」

清麿「オレの考えた特訓メニューはこなしてるようだな」

ガッシュ「私よりも速くはないのだが、パワーはすごいのだ!マントを使わなきゃすぐに投げ飛ばされてしまうのだ」

清麿「……それでもマントありのガッシュよりは劣るか……」

清麿「仕方ない。明日からはまた新しいメニューをこなしてもらうぞ」

ガッシュ「また変わるのか?」

清麿「今度はガッシュの修行の意味もあるが、相手の修行の割合が大きいな」

ガッシュ「相手?コルルか?ダニーか?」

清麿「実はな、明日からはしばらく恵さんが休みらしいんだ」



ダニー「……ん?よぉ、きたか清麿」

清麿「呼び出してスマナイ」

ダニー「いいぜ。どうせ今日もじじいは忙しいしよ」

清麿「オレも忙しいんだ。手短にいくぞ」

ダニー「おお」

清麿「ダニーの今の実力が見たい」

ダニー「へっ……なにすりゃいいんだよ?」

清麿「今から全力でお前のツボを押す」

ダニー「は?」

清麿「逃げ切ったらダニーの勝ちだ」

ダニー「え、ちょ、まっ…」

清麿「ルォオオオオオオ……」コォォォ

ダニー「……なんかツノと翼生えてきてんぞ」

ダニー「生きて帰れんのかオレは」




清麿「感情をコントロールするんだ。今までで一番楽しかった思い出、悲しかった思い出……それらを自分の中で再現する」

しおり「ううん……」

清麿「術の効力はパートナーの心の力次第で上下する。そして心の力は大きな感情であればあるほど比例して大きくなる」

清麿「だけどそれは無限じゃない。思い出が風化するのと同じように、感情というのは発散すれば消えていく」

清麿「それでも自分の感情をコントロールできるようになれば心の力の配分だって容易になるし、燃費もよくなる」

清麿「コルルがこれから先、生き残るためにはしおりさんのそういう力が必要なんだ」

しおり「うん……わかる気がする。実際にこの目で魔物同士の戦いを見ちゃったから……」

清麿「じゃあ続けるよ…………怒りの思い出を……」

しおり「」ゴァッ!!!!

清麿「しおりさん、コントロールコントロール」



コルル「お兄ちゃんっ!ここどこー!?ねぇねぇここどこっ!?」

清麿「ハハハハ、そんなにはしゃぐなコルル」

コルル「だってお兄ちゃんが私だけあそびにつれてってくれるなんて思ってなかったから!」

清麿「ん?ああ、それは嘘なんだよ」

コルル「」

清麿「今日はガッシュではなく、オレとの修行だ」

コルル「」ダッ

清麿「逃がさん」ガシッ

コルル「やー!やー!やー!」バタバタバタバタバタ

清麿「ガッシュでは甘いみたいだからな。やるのはいつものメニューだが、一回見つかるごとにコルルにはペナルティーを与える」

コルル「ぺなるてー?」

清麿「ツボ押し」

コルル「」ガタガタガタガタガタガタ

清麿「なお、途中で逃げ出したら夕飯抜きで腹を空かしたコルルを縛って目の前でオレがハーゲンダッツ食いながら体中のありとあらゆるツボを突きまくる」

コルル「」ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ

清麿「じゃあ始めるぞ。必死でやれよ」

コルル「わぁぁぁぁぁあ!!」ダッ

清麿「いーち、にーい、さーん、しーい……」





清麿「ザケルガ!!」ジュバッ

恵「セウシル!!」バイーン

バキィィィイ

ティオ「キャアアア!?」

清麿「恵さん!もっと心の力を込めて!!」

恵「はい!」

ティオ「はぁ…はぁ……」

清麿「いくぞ、ザケルガ!!」ジュバッ

恵「セウシル!!」バイーン

バキィィィイ

ティオ「ひゃああああ!?」

清麿「…………」

清麿「あの、恵さん……」

恵「はい!」

清麿「ギリギリで壊されるように心の力込めるのやめてくれないか……?」

恵「でも……」

清麿「でもじゃねぇよ。防御呪文壊されて喜んでんじゃねぇ変態」

恵「」ゾクッ

ティオ「はぁ…はぁ…はぁ……」

ガッシュ「ティオも大変なのだ」

ティオ「…………もっかいやりましょ?ね、もっかいだけ……」

ガッシュ「ヌ?」

数日後

清麿「……ああ。おそらく明日になる。明日がベストだ」

清麿「寸前まで連絡できなくてスマナイ。準備はできそうか?」

清麿「よかった……ん、こっちか?」

清麿「そうだな…………とりあえず、最低限のことは少ない時間ながらにできた。作戦に組み込むことはできそうだ」

清麿「だがやはりガッシュの働きに左右されるな……それもこれから仕込む」

清麿「…………勝算か……今の段階では…二割にも満たないかな」

清麿「だけど…ガッシュの働き次第では……」

清麿「七割くらいまでは跳ね上がりそうだ」

清麿「…………それでも三割の確率で…」

清麿「オレ達は全滅だろう」

ガッシュ「清麿……」

清麿「ん、起きてたのか?」

ガッシュ「清麿、いったい誰と話していたのだ?そんなにいっぱい誰と電話しておる?」

清麿「今は気にするな。それよりガッシュはちゃんと覚えたのか?」

ガッシュ「ウヌゥ……なんだかわかりにくい話なのだ。カマキリジョーの方が面白いのだ」

清麿「わかりにくかろうと覚えるんだよ。一言一句全部だ」

ガッシュ「しかし……」

清麿「…いいかガッシュ。明日は今までで一番の強敵と戦うかもしれないんだ。もし負けてしまったらお前やオレだけじゃない。コルルやティオ、みんなが消えてしまうかもしれないんだ」

ガッシュ「清麿が本気を出せばよかろう」

清麿「……はっきり言うぞガッシュ。オレが本気を出せばなんとかなる次元じゃない」

ガッシュ「!」

清麿「それでも……お前が王になるためには越えなくてはいけない壁なんだ…」

ガッシュ(……これほど真面目な清麿は初めて見たのだ)

清麿「ガッシュ。オレはお前を王にしたい」

ガッシュ「ウヌ」

清麿「そのためなら…なんだってしてやる」

ガッシュ「清麿…」

清麿「だから……オレに力を貸してくれ、ガッシュ」

ガッシュ「…何をいっておる」

清麿「!」

ガッシュ「力を貸してもらうのは私の方なのだ。清麿、私は……清麿と一緒に、やさしい王様になるのだ!!」

清麿「……ああ、当たり前じゃねぇかガッシュ」

ガッシュ「ウヌ!」

清麿「よし、じゃあおさらいといこうぜ。例の台詞を一言一句間違わずに、フリつきでやってみろ」

ガッシュ「頑張るのだ!!」

ガッシュ(清麿のために…みんなのために…そして私自身のために……やりきってみせるのだ!!)

「…………」

「……見られているな」

「フン…オレを誘い出すつもりか……」

「いいだろう…丁度退屈していたところだ…」


スッ




清麿「くるぞ……」

ガッシュ「ウヌ……」



ゼオン「消える覚悟はできているんだろうな?」

清麿「ゼオン…」

ゼオン「フン……日本からはるばる消されにくるとはな…」

ガッシュ(清麿の言ってたとおりだ……突然現れたのだ……!)

清麿「オレ達は戦いにきたわけじゃない。話し合いにきたんだ」

ゼオン「なにも話すことはない。オレの前に姿を表したということは…」

清麿「!!」

ゼオン「お前たちが消えるというだけのことだ」

ギャゴッ

清麿「セット!!」

清麿「ザケルガァ!!!」ドム

ドギャァァア

ゼオン「!」

清麿「……パートナーのいない状況でそう簡単にオレ達を消せるか?ゼオン」

ゼオン「なるほど…デュフォーがいない日を狙ってきたというわけか」

ゼオン「だが今のお前たちを消すことなど、オレ1人でも造作もないこと。そんなこともわからないか?」

清麿「それはどうかな?」

ゼオン「ヌかせ。オレのマントをたった数センチ逸らすことがやっとの貴様らになにができる」

清麿「なにもお前と争う気はないんだ。むしろその逆といっていいだろう」

ゼオン「……なに?」

清麿(よし、今だガッシュ)

ガッシュ(ウ、ウヌ!)


ガッシュ「お、お兄ちゃんっ!!」

ゼオン「!?」

ガッシュ「私、ずっと寂しかったのだ!これからはお兄ちゃんと仲直りして…ずっと一緒にいてほしいのだ!!」

ゼオン「!?!?」

清麿「上目遣いもバッチリだぜ!」

ガッシュ「清麿、これは?」

清麿「アニメだ。好きだろ?」

ガッシュ「ウヌゥ……しかしこれは女の子の観るアニメなのだ。パッケージも女の子ばっかりなのだ」

清麿「それ、観るのはほとんど男らしいぞ」

ガッシュ「そうなのか?」

清麿「ホラ、裏面見てみろ。ちゃんと男もいるだろ。これが主人公だな」

ガッシュ「ウヌゥ……あんまり強そうじゃないのだ……」

清麿「バカ、戦うアニメじゃねーよ」

ガッシュ「やはり私には向いてないと思うのだが…」

清麿「それでも観ろ。お前にはこの……ほら、ちっこい女の子いるだろ。これになってもらう」

ガッシュ「?」

清麿「この子は主人公の妹だ。お前はこのアニメを通じて妹の精神を学べ」

ガッシュ「!?」

ガッシュ「なにを言っておる!?私は男の子だぞ!!」

清麿「それでもだ。お前はお兄ちゃん大好きな妹になりきるんだ」

ガッシュ「清麿の言ってることが私にはわからぬのだ…」

清麿「いいからオレを信じろ。このアニメのとおりやればいいから」

ガッシュ「ウヌゥ……」

清麿(……ガッシュには記憶がない。魔界で暮らしていた日々も、自分に家族がいるということさえ」

清麿(しかし魔界にいたころは兄がいることは知っていた。その事実は大きな心の支えになっていたはずだ)

清麿(そして兄の存在は…人間界にきた今でも、ガッシュにとって大きなものになるだろう)

清麿(ガッシュはまだゼオンを知らない。だからガッシュは自由に自分の兄を思い浮かべることができる)

清麿(まずはガッシュに心からゼオンを信じ込ませる。実際にあって本当のゼオンを知ってもイメージが崩れないほどに)

清麿(ゼオンから憎しみを消すには…こちらから歩み寄るしかない。嘘偽りのない本心で)

ガッシュ「アニメを観ずとも、コルルの真似をすればよいのではないかの?清麿のことお兄ちゃんと呼んでおるし」

清麿「あれは失敗作だ。兄に噛み付く妹などあってはならん」

………
……


ゼオン「な、なんの真似だ!!」

ガッシュ「お兄ちゃん!大好きなのだ!!」

ゼオン「っ!?」ゾワワ

清麿(よし!その調子だガッシュ!!媚びっ媚びでいけ!!)

ゼオン「ふざけおって……この落ちこぼれのゴミめがァ!!」

ドギャァア

清麿「っ!ガッシュ!!」

ガッシュ「ウヌ!!」バッ

ザザッ

ゼオン「足掻くな!!」

清麿「ラウザルク!!!」

ガッシュ「ヌゥ!!」シュバッ

ゼオン「フン!その程度のスピードで避けきれると思うなァ!!」

ガッシュ「クッ……!!」

ドギャァァア

ゼオン「…………」

ゼオン「チッ…ムカツク顔め……」

ガッシュ「ゼェ…ゼェ…」

清麿「ハァ…ハァ…」

清麿(深追いしてこない……デュフォーがいないこともあって…慎重になっているな……)

清麿(だが、今はまだありがたいか……)

ゼオン「無駄な足掻きだ…」

清麿「それが……実の弟に向ける態度かよ……?」

ゼオン「なぜオレとガッシュが兄弟だということを知っている?ガッシュの記憶は奪ったハズだぞ」

清麿「へっ……何言ってやがる。瓜二つじゃねーかよ……」

ゼオン「」ピクッ

清麿「ゼオン!なにをそんなに憎しむことがある!?ガッシュはたった1人の弟だろうが!血を分けた兄弟じゃねーか!!」

ゼオン「知った風なクチを聞くなゴミめが……弟だからこそだ!ガッシュは…オレから「バオウ」を奪った!!」ゴッ

清麿「それはガッシュの意思か!?違うだろ!!」

ゼオン「黙れ!!ガッシュの存在がオレから「バオウ」を奪ったことには変わりない!!」ギャゴッ

清麿「下がれ!!」

ガッシュ「ヌゥ!!」ザッ

ゼオン「今までのうのうと遊んで生きてきたお前にオレの怒りがわかるかー!!!」

清麿(マズイ……!!)

清麿「ガッシュ!!」

ガッシュ「ウ、ウヌ!」

ガッシュ「お兄ちゃーんっ(はあと)」

ゼオン「!!」ゾワワ

清麿「ザケルガ!!」ドム

ゼオン「チッ……!!」バッ

ズギャァァア

清麿「ガッシュ!今のうちに予定通りのポイントへ!!」

ガッシュ「ウヌ!!」

ゼオン「逃がさ…」清麿「セット!!」

ゼオン(何……!?)

清麿「ザグルゼム!!」ドッ

ゼオン(オレの動きを……捉えた!?)

バギュゥウ

清麿「ラウザルク!!走れガッシュ!!」

ガッシュ「ウヌ!!」

ゼオン「……」バリバリ

ゼオン「あの人間…」バリバリ

ガッシュ「清麿!お兄ちゃんがついてきておらぬのだ!!」

清麿「……いや、大丈夫だ。ガッシュ相手にザグルゼムを当てられておいて退くような奴じゃない」

ガッシュ「しかし、ザグルゼムもマントで防がれたようだぞ!」

清麿「それでいい。今はとにかくゼオンの攻撃を凌ぐことが大事だ」

ガッシュ「作戦は上手くいくかのう?」

清麿「わからん。今は成功を祈るしかないな」




ゼオン「……ここを貴様らの墓場にするのか?」

清麿「よくきた……ゼオン」

ゼオン(……村…?いや、人の気配はない…………廃村か…よくこんなところに目をつけたもんだ)

ゼオン(障害物があり、足場も悪くない……隠れる場所も十分にある)

ゼオン(オレの動きを制限するためか…)

清麿「オレ達の要求は1つ、ガッシュとゼオンの和解だ」

ゼオン「口を閉じろザコが。耳障りだ」

清麿「お前はガッシュのことを勘違いしている」

ゼオン「なにが勘違いだ?なんの努力もせず今まで平和に生きてきただけで何の取り柄もない落ちこぼれが、この戦いに参加しているというだけでも虫唾がはしるわ」

清麿「ゼオン!!ガッシュはこんなにもお前のことを慕っているんだぞ!?」

清麿「やれっ」

ガッシュ「お兄ちゃん……私……お兄ちゃんと仲直りしたい……」ウルウル

ゼオン「ーっ!!黙れ!!いい加減にその三文芝居をやめろ!!!」ゾワゾワ

清麿「チッ。せっかく上目遣いもマスターさせたのに」

ゼオン「いい加減にくたばれー!!」ダッ

清麿「マズイ。怒ったぞ。ラウザルク!!!家屋の中へ!!」

ガッシュ「ヌゥ!!」

ガッシュ「清麿!中に入ったぞ!!次はどうすればよい!?」

清麿「よし……これでゼオンが上手く引っかかってくれりゃ……!!」



ゼオン「建物の中か…どうせあらかじめ罠でも張ってあるんだろう…」

ゼオン「雑魚がいくら策を練ろうとオレには勝てんぞ……建物ごと吹き飛ばしてくれる!!」

ゴシャァァァア

ゼオン「出てこい。オレに喧嘩を売ったことを後悔させてやる」

モクモクモクモク

ゼオン「…………」

ゼオン(………………出てこん……)

ズボォォオ

ゼオン「…!!下か!」

ゼオン(家屋の中から穴を掘ってオレの真下まで……!!)

清麿「ザグルゼム!!」

ガッシュ「」ドッ

ゼオン「甘いわ!!」サッ

バギュゥゥウ

清麿「ザケルガ!!!」

ゼオン(今避けて地面に当たったザグルゼムに撃つか)

ゼオン(連鎖か……)コォォォ

ドギャァァア

ゼオン(…………)

ゼオン(……ザグルゼム二発分強化してもこの程度…)

ゼオン(そうか…ガッシュはまだ…)

ガッシュ「お兄ちゃん!話を聞いてくれなのだ!!」

ゼオン「ウッ……だからその呼び方をやめろ!!」ゴッ

清麿「ラウザルク!!!」

ガッシュ「ヌォオオオ!!!」

ズン

ガッシュ「グゥ……!!」

ゼオン「ハッ、今のお前が受け止められる威力ではない」

清麿「ガッシュ!!今まで培った力をフルに発揮しろ!!攻撃の魔力を察知し、効率よく受け流せ!!」

ガッシュ「ヌァァァァア!!!」ググググ

ゼオン「……こざかしい」

ズギャァァア

ガッシュ「ヌグゥゥゥウウ!!!」

清麿「ガッシュ…!!」

ゼオン「お前たちの実力はわかった。もう……終わらせてやる」

ゼオン「ガッシュはもうグロッキーだな。残るは……お前だけだ」

清麿「…………」

ゼオン「清麿と言ったな、消す前に聞いておいてやる。貴様はなぜオレとガッシュのことについて知っている?」

ゼオン「それと…人間には見切れないはずのオレの動きを読んだこと……貴様は一体何者だ?」

清麿「…………」

ゼオン「答えろ」

清麿「気にするな」

ゼオン「うん」

清麿「それにガッシュのことも舐めないほうがいいぜ…」

ゼオン「……なんだと?」

ガバッ

ガッシュ「ウヌゥ!!」ギュゥゥ

ゼオン「!?」

ガッシュ「捕まえたのだお兄ちゃん!!」

ゼオン「バカな……お前はたしかに……!?」

清麿「ザグルゼム!!!」

バギュゥウ

ゼオン「グッ……!?」バリバリ

ガッシュ「ゼェ……ゼェ……」

ゼオン「ガッシュ……なぜ動ける!?」

ゼオン(オレは手を抜いていない…本気でガッシュに攻撃し、クリーンヒットしたはず……!!)

清麿「……やっとゼオンの身体に直接ぶち込むことができたぜ…!!」

ゼオン「チッ……ならば今度こそ完膚なきまでに叩きのめすまでだァ!!!」ゴッ

ガッシュ「お、お兄ちゃん……私、怖いのだ……っ」ウルウル

ゼオン「」ゾクン

清麿「今だ逃げろ!!ラウザルク!!」

ガッシュ「ウヌ!!」シュバッ

ゼオン「あっ……こら!!」

ゼオン「!……フン、馬鹿めが。パートナーから離れていいのか?」クルッ

清麿「退避!!」ダッ

ゼオン「逃げられると思うか!!」

ゼオン「フン!遅いわ!!」

清麿「クソッ!!さすがに速い!!」

ゼオン「ハハッ。貴様にいろいろと聞くのは動けなくしてからの方がよい!」

清麿(ヤバい……!!)キュイーン

ゼオン「まずは足からだ!!」

清麿「!!!」

ズギャァァア

「グァァァァァァァァ!!!」

ゼオン「!」

ガッシュ「清麿ー!!大丈夫かー!!」

ゼオン「…………フン」バッ

清麿「グッ…ハァ……ハァ……!!退いたみたいだな……!!」

ゼオン「やはり貴様らの仕込んだものだったか……存在には気づいていたが」

ゼオン「人の気配はなかったが……魔物の気配は感じていたからな」

清麿「へ、へへ……グゥッ……!!」

ガッシュ「だ、大丈夫か!?」

清麿「あ、ああ……なんとかな………………!!」



ダニー「大丈夫じゃねーよ!!折れたろこれ絶対!!イッテェェェェェェ!!」

清麿「変わり身の術成功」

ダニー「ウグゥゥゥ……!!動けねぇ……!!」

清麿「お前足首逆方向になってんぞ」ツン

ダニー「ギャアアアア!!殺すぞテメー!!!」

ゼオン「雑魚が現れようとなにも変わらん…まとめて消すだけだ」

ダニー「よぉ、テメェがゼオンか……ガッシュと違って憎たらしいツラしてやがる……」

ゼオン「虫の息だな。見たところガッシュ以下のゴミが…何をしにきたんだ?」

ダニー「へっ、お前にはわからねぇだろうさ。オレとガッシュは友達なんだ。助けにもくるってもんだろう?」

ゼオン「くだらんな…その友達のために自分の王になれる可能性を手放すのか?」

ダニー「勝手な勘違いでいつまでも弟を憎しんでる方が、よっぽどくだらねぇ」

ゼオン「……貴様は足だけでなく全身を粉々に砕いてから魔界へ送ってやろう」ゴッ

ガッシュ「ダニー!!」

ゼオン「見ていろガッシュ。お前の仲間が消える瞬間をな!!」

ダニー「チッ……」

ガバッ

ダニー「!?」

清麿「大丈夫だダニー!!オレがついてる!!」

ダニー「清麿……」

清麿「お前はこの程度でやられる奴じゃない!!オレはそう信じてる!!」

ダニー「イヤ……なんでオレを抱えて……」

清麿「いけぇぇぇぇぇ!!お前の底力見せてやれぇぇぇぇぇぇ!!!!」ブォン

ダニー「投げてんじゃねぇぇぇー!?」

ゼオン「!」

ベシッ

ダニー「へぷんっ!!」

清麿「よし、今のうち!」ダッ

ゼオン「貴様もにがさんぞ」

ダニー「ま、まちな……」グイッ

ゼオン「!……叩き落としたと思ったが、マントにしがみついてやがったか……虫ケラが……」

………
……


清麿「いいかダニー、回復能力しか特徴のないお前がこれから先、強敵との戦闘で役に立つにはどうしたらいいと思う?」

ダニー「開幕一番に失礼な奴だな!!」

清麿「スピードも身のこなしも普通、頑丈さも並…今のお前はガッシュの劣化だ」

ダニー「やめろよぉぉぉぉぉ」

清麿「現状、呪文なしでのお前の評価できる点をしいて挙げるならば、しぶとさくらいだ」

ダニー「し、しぶとさ?」

清麿「火事場の馬鹿力って奴だな。お前は逆境に強い。いざという時に見せる根性は大きな評価点だ」

ダニー「……そ、そうかっ?いやー意外と見る目あんじゃねーか。そうなんだよなぁ、自分で言うのもなんだけどよぉ、やるときはやるんだぜ?オレだってさー」

清麿「要は、お前のそのゴキブリ並のしぶとさをどう戦闘に活かすかってことなんだが…」

清麿「そうだ、お前壁になれ」

ダニー「…………え?」

清麿「オレが危ないときは身を挺してオレを守れ。あ、ガッシュも」

ダニー「オレのことをなんだと思ってんだよ!?」

清麿「ハハハ、お前それくらいしか役に立ちそうにねーじゃん。アッハッハッハ」

ダニー「喧嘩だコラァァァ!!」

清麿「だが、誰にでもできることじゃない。自分より格上の相手に粘れるなんてのは簡単なことじゃないぞ」

ダニー「なに……?」

清麿「ガッシュがどうやっても勝てない相手にでも、お前ならできることがある。お前なら、ガッシュを守ってやれるんだ」

清麿「ガッシュの兄貴分なんだろ?」

ダニー「!」


………
……


ゼオン(今の一撃で、こいつはガタがきてる。あと一発入れればおしまいだ)

ゼオン「いい加減、死にな」ゴッ

ダニー「…………!!」


「ジオルク!!」

ドギャァア

ガッシュ「ダニー!!!」

ゼオン「ハハッ。見ていたかガッシュ。今お前の……」

ダニー「痛えな…この野郎…」

ゼオン「……!?」バッ

ダニー「うらぁああああ!!!」グンッ

ゼオン(馬鹿な、こいつはオレの攻撃をモロに三発受けてるんだぞ?なぜ動ける?)ガクン

ゼオン(!……傷が消えていく…まさか、回復の術か!?)

ゼオン(しかし、こいつの本の持ち主はどこにいる…人間の気配はまったく感じぬぞ…)

清麿「……いいタイミングだ、ゴルドーさん」

ダニー「このまま地面に叩きつけてやるぜぇ!!」グググ

ゼオン「貴様ごときの力で…できると思うか!!」グググ

ダニー「……オレは……ガッシュの兄貴分だ……!!!」

ゼオン「!」

ダニー「ガッシュの助けになってやれることが、オレの力なんだよっっ!!!!」

ブォン

ゼオン「な……!?」

清麿「ザグルゼム!!!」

バギュゥゥゥゥ

ゼオン「…………」バリバリバリバリ

ダニー「ハァッ……ハァッ……!!」

ゼオン(……今の回復術…本の持ち主がこの場にいないにしてはタイミングが良すぎる…)

ゼオン(どこかオレが気配が読めない遠くからここを見ているか……?)キョロキョロ

清麿(!…もう気づきやがったか)バッ


………
……


清麿「今回、ゴルドーさんには前線には立たず、遠くから戦いを見ていて欲しい」

ゴルドー「フム……それはじじいが足手まといになるということじゃな?」

清麿「残念ながらそうなる。相手は本の持ち主にも容赦がない。ゴルドーさんが狙われてはダニーも十分に動けなくなるし、遠くから呪文だけ唱えてくれていた方が効率もいい」

ゴルドー「それほど、相手の魔物は強いということじゃな……」

清麿「……下手をすれば、ダニーも危なくなる」

ゴルドー「フフン、その心配はしておらぬよ。危なかろうがあいつはガッシュの助けになるだろう。だとしたらワシはその手助けをしてやるだけじゃ」

清麿「すまない、助かる」

ゴルドー「なあに、ワシにできることはあまりないだろうが、存分にこき使ってくれ。ワシにとってもお主たちには恩がある」

清麿「わかった。じゃあこれから作戦を伝えます……」

………
……


ゴルドー「……清麿が右手を挙げた」

ゴルドー「ということはつまり…B地点へ移動じゃな。やれやれ、ワシはスナイパーか」

ゴルドー(あのゼオンという魔物……これだけ離れているにも関わらず、こちらの位置を探れるというのか……)

ゴルドー(いや、もう気付いていたのならワシを殺しにやってくるはずじゃ)

ゴルドー(これは清麿の慎重すぎる策じゃ。ゼオンに悟られる前に早め早めの対策を取るということ)

ゴルドー(それほど、奴は勘の鋭い奴ということじゃな)

ゴルドー「……ダニーボーイとは似ても似つかんわい」



ゼオン(……こちらの状況を知れるということは、こちらからも必ず見えるはずだ)

ゼオン(どこにいやがる……)キョロキョロ

ダニー「へへっ……一泡吹かせてやったぜ……!」

ゼオン「」グシャッ

ダニー「ぐあぁぁー!?」

ゼオン「今はお前に構っていても時間の無駄のようだ。ガッシュを消してからゆっくりといたぶってやる」

きよまろ「気にするな」
ゼオン「うん」
いやうんじゃねぇよ!?wwwwwwくっそ、そこたいしたギャグでもないのに笑っちまったwwwwww
素直か!wwwwww

ダニー「グ、ウゥ……!」

清麿(ダニーを潰して確実にオレ達を狙う気か……ゴルドーさんは移動中でこちらの状況がわからない。しばらくはダニーに頼ることはできんな)

ゼオン(…………)バリバリバリバリ

清麿(!……気づいたか……!?)ザッ

ゼオン(……わざわざ仲間を用意してきたんだ。コイツ1人だけではなかろう。おそらく最低でもオレに対して勝ち目があると判断できる程度には連れてきているはず…)

ゼオン「……舐められたもんだな」

清麿「なんのことだ?」

ゼオン「この近くに…少なくともあと一匹いるな」

清麿「!」

ゼオン「クク……魔力を抑え、気配を絶つ技術は持っているようだが、甘いな。隠しきれていないぞ」

ゼオン「まぁ、この程度の魔力の魔物が何匹いようと同じことだ。貴様らをいたぶってやればそのうち向こうから姿を現すだろう」

ガッシュ「清麿ー!逃げるのだー!!」

清麿「クッ……!」ダッ

ゼオン(……!この人間は頭がキレる。どうせ人間の方を攻撃しようとしてもさっきのような対策をしているだろう)

ゼオン(ならば…先に潰すべきはガッシュの方!!)ダッ

ガッシュ「ヌッ!?」

清麿(速い!!)

ゼオン「清麿、貴様は後だ!!」

清麿(ゼオンの奴、オレじゃなくて先にガッシュをやるつもりか!)

清麿(イカン、これ以上ガッシュにダメージを与えられてもマズい!!)バッ

ゼオン(……さっきとは別の腕を上げた…やはり何か対策をしているか!?だがオレに通用するような何かが、こやつらに出来るとは考えられん!)

ゼオン(チャチな攻撃も、防御呪文も、すべて粉砕してくれる!!)

清麿「ガーッシュ!作戦通り逃げ切るんだー!!ラウザルク!!」

ガッシュ「ウヌゥ!!」ドシャアァア

ゼオン(作戦だと?……ラウザルクをかけている間は他の術が使えん。ならばガッシュの術でオレから逃れようというわけではないな)

ゼオン(やはりまだガッシュには味方がいる……すぐにあぶり出してやる!!)バッ

ガッシュ(ダメなのだ!!速すぎるのだ……!!)

清麿「チィ……!」



「セウシル!!!」バイーン

ゼオン「ヘブッ!!?」ビターン

ゼオン「チッ…なんだこの壁はァ!?」

清麿(ヘブッ)

ダニー(ヘブッって言ったぞ)

ガッシュ(ヘブッって言ったのだ)

ゼオン「……フン。防御呪文か。うざってぇ……」ブォン

バッキャァァァアア

ゼオン「この程度の術なんぞ…拳で十分だ」

清麿(スカしてるけどお前さっきヘブッって言ったぞ)

ガッシュ「今のうちに距離を取るのだ!!」ダッ

ゼオン(この程度の術なんぞ時間稼ぎにもならん。このままガッシュを仕留める!!)ダッ

「セウシル!!!」バイーン

ゼオン「ハッ。二度通じると思うなァ!!」バッキャァァァアア

清麿「なんてお手軽に盾をぶっこわしやがるんだアイツは」

清麿(しかし……いいぞ。ティオ、恵さん…)

………
……


清麿「ティオの術の1つ、セウシルの効果は把握してるか?」

ティオ「当たり前でしょ?私の術なんだから。セウシルは防御呪文よ。私の周りを囲むドーム型のバリアを張る呪文」

清麿「ああ。そのとおりだな」

ティオ「ふふん!」

清麿「でもセウシルはそれだけじゃない。使い方によってはもっといろんなことができる術だ」

ティオ「?」

清麿「例えば、ティオと恵さんが離れている場合だ。パートナーが狙われてるのに自分が助けにいけないような距離にいる場合はどうする?」

ティオ「私の周りじゃなくて恵の周りにセウシルを張るわ!」

清麿「そう。セウシルはティオの周りだけでなく任意の場所に張ることができる」

ティオ「それがどうしたのよ?基本的には私は恵のそばを離れることはないわよ」

清麿「それともう1つ、セウシルはいつも使うときはドーム型だろ。あれ地下からの攻撃に対しては効力がないんだ」

ティオ「そうなの?」

清麿「全体防御といっても物体をすり抜けてバリアを張ることはできないってわけだ。だからバリアを張る対象が地上にいる限り、地面にはバリアを張れず地中からの進入を許してしまう」

ティオ「でも地中から進入できる奴なんているの?」

清麿「地中をプールみたいに泳いで地面から出てきてスカートをめくってくるような猿ならいるぞ」

ティオ「そんな奴は殺すわ!!」

清麿「だけどバリアを張る対象が……例えば恵さんが空中にいたらどうなると思う?」

ティオ「空中にいる恵にバリアを張るの?」

清麿「ああ」

ティオ「そんなのありえないと思うけど……まぁ恵を中心にまんまるのバリアになるんじゃないかしら」

清麿「そう、球体になる。下からの攻撃も防げるようになる」

ティオ「恵の周りになにもなければそういうことになるわね」

清麿「つまりセウシルは空中に固定して張ることも出来るんだ」

ティオ「……それってすごいの?」

清麿「すごいと思うぞ。敵に使えば空中に留めておけるし、逆に味方が空から落ちてきそうな場面で使えば助けることもできる」

ティオ「そんな状況めったにないと思うんだけど…」

清麿「落とそうとしつつ助ける。助けたと思ったら落とす。この繰り返しで受刑者の落ちる寸前の表情を何度も楽しめるんだぞ」

ティオ「たしかにすごいわ。そんな発想に至る清麿のイかれっぷりがすごいわ」

清麿「なにより、セウシルは足場になる」

ティオ「足場?」

清麿「空中にセウシルを張り、ガッシュがそれを足場にして更に空中へジャンプし、そこにまたセウシルを張る。ほら、これの連続でどこまでだっていけるだろ?」

清麿「オレ達人類の夢だった……生身での空中散歩ができる。こう考えたらホラ、セウシルには無限の可能性があるじゃないか!!」

ティオ「ガッシュにはマントコプターがあるじゃない」

清麿「そうだった」

ティオ「清麿もアホねー」

清麿「じゃあティオ。これまで言ったことが本当に出来るのかどうかを実験しようか」

ティオ「え?」

清麿「今からティオをここから落とす。上手くセウシルを使って生き残れ」

ティオ「あはは。だから私たち崖の前にいるのね。なーんだなるほど。あはは、あはははは」プルプルプルプルプルプルプルプル

清麿「恵さーん。ティオ落とすよー」

恵「はい!」

ティオ「ねぇ清麿。取引しない?この間バラまいた清麿の手配書はちゃんと回収するわ。鼻毛の落書きも消すわ。本棚の中身も入れ替えたりしないわ。靴下の親指のとこに穴開けるのもやめるわ。肩たたきしてあげようと頸動脈狙うのも卒業するわ。だからお願い。この場は

清麿「イッテコーイ」ゲシッ

ティオ「あにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!」


………
……

ティオ「恵!ちゃんと見えてるわね!?」

恵「ええ。もちろん」

ティオ「私たちの力で…ガッシュをサポートするの!そのためにはタイミングが一番大事よ!」

恵「そうね……この時のための修行の成果を見せましょう!心を一つにするのよ、ティオ!」

ティぐみ「セウシル!!!」バイーン


ゼオン「鬱陶しい!!」バッキャァァァアア

ガッシュ「ヌオォォォォ!?」ダダダダダ

清麿(……やはりセウシルごときじゃ一瞬の足止めにもならんな。セウシルくっそ使えねぇ)

清麿(このままだともう間もなくガッシュが追い付かれる……一度ゼオンに捕まった時点でゲームオーバーだ…)

清麿(ガッシュがやられたら、残ったオレ達全員消えるしかない……!)

ゼオン「とらえたァ!!」ブォン

清麿「ガッシュ!!上にとべぇ!!」

ガッシュ「ウヌゥ!!」バッ

ゼオン「ハッ!オレを相手に空中戦とは!」バッ

清麿「足場を使い、上まで逃げるんだ!!」

ガッシュ「足場!?そんなものどこに……」

「セウシル!!!」バイーン

ゼオン(…!オレを中心にバリアを張りやがったのか!)

ガッシュ「ヌオォ!!」ダッ

ゼオン(なるほど……ガッシュを下から追いかけている限りはオレを中心としたバリアを張ることでガッシュの足場の役目をし、同時にオレの動きを制限する壁にもなるわけか)

ゼオン(……だが)

清麿「!!」キュイーン

ゼオン(そんなもの、移動の規模を変えれば関係ない)スッ

清麿「ガッシュ、上だ!セット!!」

ゼオン(なんだと……!?)

清麿「ザグルゼム!!!」

バギュゥゥウ

ゼオン「オォォォオオ!!」バシュゥゥゥウ

ガッシュ「グッ…またマントに防がれたのだ!!」

清麿「チィ…タイミングはバッチリだったんだがな……」

清麿(いや、あの短時間でこちらの意図を読んだゼオンを評価すべきか……)

ゼオン(オレの瞬間移動を読んだ……?そして瞬間移動後の僅かな隙を狙ってきただと……?)

ゼオン(まただ……オレの手の内を知ってやがる……!何者なんだ、あの人間……!!)

清麿「ラウザルク!!」

ガッシュ「ヌッ!!」バガァァア

ゼオン「まだ逃げるか……!!」

ゼオン(しかもまだ上へ…?空に逃げ場などあるまい!)

「セウシル!!!」バイーン

ゼオン(この壁はウザイが支障はない。ほんの一瞬壁を壊すために止まりはするが、それでもガッシュとの距離は詰まってきている)バッキャァァァアア

「セウシル!!!」バイーン

ゼオン(そのうち術者の心の力も尽きる。ほんの数秒、ガッシュの寿命が延びるだけだ。くだらない愚策でしかない)バッキャァァァアア

「セウシル!!!」バイーン

ゼオン(もうこの壁の硬さはわかった。込めるパワーは最小限に抑えて壊し、スピードを優先させる)バッキャァァァアア

清麿(……イヤ、ゼオン。この戦い、どうせオレ達に勝ちの目がないことは頭のいいお前ならわかるはず……)

清麿(オレ達の数々の一見愚策とも言える戦法に少なからずお前は焦れている……オレに自分の能力を知られていることにお前は焦ってるんだ)

清麿(お前は勝負を急ぐ必要はなかった。お前はただ、オレ達の作戦を一つ一つ確実に潰すだけで勝てたんだ)



「ギガ・ラ・セウシル!!!」

………
……


清麿「恵さん。あんたは変態だ」

恵「」ゾクゾクッ

ティオ「それ以上の変態が恵になんてこと言うのよ!」

清麿「この人はあえて心の力を込めずに防御術を出しては壊されるのを喜んでやがる」

ガッシュ「それは見事な変態だのう…」

清麿「しかし、それは逆に言うと…心の力の調節が非常に上手いということでもある」

恵「え……?そうなの?清麿くん」

清麿「本来なら心の力を込めずに呪文を唱えても術は発動しない。弱所突きもしていないザケルガで壊れるこの盾の弱さを見るに、必要最低限ギリギリの心の力をずっと維持して呪文を唱え続けている。これはある意味驚異的だ」

ティオ「やったわ恵!褒められたわ!」

恵「そ、そう?えへへ…」

清麿「あんたの異常なまでの変態性の為せる技だ。よくもまぁ恥ずかしげもなく喜べるもんだ」

恵「うふふふっ!」

ティオ「あれ!?貶されたのにさっきより喜んでる!!」

清麿「防御が主体のティオにとって、この心の力の調節ができるというスキルはとても重要だ」

恵「わかるわ。相手の攻撃に対して防御する際に、過剰に心の力を込めすぎるのも勿体ないものね」

清麿「ああ。攻撃側の数値を100とすると、防御側の数値は101でいいからな。心の力を込めすぎて150とか200まで上げる必要はない」

ティオ「ちょ、ちょっとまってよ。敵の攻撃の威力がどのくらいかなんてわかるわけないでしょ?もし心の力を込めずに防げなかったりしたら、恵が危ないわ!」

清麿「ギガノ級とかディオガ級とか、大抵の術にはランクがある。心の力による術の強化には限度があってランクを覆す程の効果があるわけじゃない。心の力によって結果が変わるのは同ランクくらいのものだろう。だから敵の呪文が分かればある程度威力の推測は可能だ」

ティオ「まって、まって、清麿」

清麿「なんだ?」

ティオ「……今の話、ガッシュわかる?」

ガッシュ「すぴー……むにゃむにゃ…もう食べられないのだ……ブリ麿ぉ……」

ティオ「早々に寝やがったわこいつ」

清麿「どれ。どうせ寝るなら睡眠学習だ」ズブゥ

ガッシュ「アガァッ!!!!」

ガッシュ「」バタッ

恵「あら素敵……金魚のようにびくんびくん跳ねて白目を剥いて深い眠りに落ちたわ」ドキドキ

ティオ「」ガタガタガタガタガタ

清麿「話を戻すぞ。心の力での強化はランク差を大きく覆す程のものではないが、恵さんのように心の力を最小限に抑えられる程のコントロールができるならもっと他の強みが出てくる」

恵「他の強みって?」

清麿「例えばさ、セウシルで防げる術も心の力を最小限に抑えることで防げなくすることもできるだろ?」

ティオ「なにいってんの?防げる術を防がないなんておかしいじゃない。防がない理由がないじゃない。清麿って実はバカじゃないの?」

清麿「もちろん防ぐに越したことはない。だけど自分をあえて弱く見せることでできる戦法もあるということだ」ズビシィ!!

恵「うーん……言いたいことはわかるわ。戦略の幅が広がるってことよね」

清麿「ああ。その程度に思ってくれていい。実際、こういう戦略が有効な場面なんて限られているだろうからな」

清麿「だが相手の油断を誘うという意味では覚えておいて損はないだろう。特に…ティオと恵さんには…「弱い術」に形状が酷似している「強い術」があるだろう?」

恵「!」

清麿「そう…あの時2人が心を1つにしたことで生まれた、新呪文だ」

ティオ「」キヨマロ

………
……


清麿「恵さん、なんで壊されるような盾を出すんだ?この修行は弱い術でも心の力を込めることで強い攻撃に対応できるように底力をつけるのが目的なんだぞ」

恵「ゴメンナサイ。でもね清麿くん、壊される盾っていうのも趣があっていいと思うの。せっかく張った盾が…こう、無情にも簡単に貫かれ破壊されるときのこの無力感……」ゾクッ

清麿「アンサートーカーでもこの人が理解できん」

ガッシュ「清麿の対極にいる存在だがこれはこれで嫌なのだ」

ティオ「はぁ……!はぁ……!」

ガッシュ「ウヌゥ…ティオも疲れておる。恵、いい加減ちゃんと心の力を込めるのだ。ティオが保たぬのだ…」

ティオ「わ…私ならまだ大丈夫……」

ガッシュ「ヌ?そうなのか?」

ティオ「ええ…それよりも恵、清麿。もっとしましょ……?」

清麿「え」

恵「ウフフフ。ティオも乗り気になってきたわね」

ティオ「ええ……なんか…こう……新たな芽生えが……胸の中でふつふつと……!」

コォォォォ

恵「!!ティオ、新呪文が出たわっ!」

清麿「もう嫌だなぁ……この人たち……」グスッ

ガッシュ(ついに清麿の天敵になりそうな者が表れたのだ)

………
……


「ギガ・ラ・セウシル!!!」ババイーン

ゼオン「フン……!」

清麿(ギガ・ラ・セウシル……術の形状はセウシルのような球体だが、効果はラシルドのように「相手の攻撃を跳ね返す」性質を持つ)

清麿(いわゆる「ギガノ級防御術」だが…ティオと恵さんコンビの特徴である一心同体により防御力は各段に上がっている)

清麿(前回の時間軸でもあの二人はお互いに息を合わせ、心を一つにする能力に長けていた。心どころか顔もそっくりだし。オレもたまに見分けつかんかった)

清麿(それに加え今回はさらに謎の以心伝心をしてやがる。魔物は成長するにつれパートナーに似てくるとはいうが……あんなところが似てもらっても困る……)

ゼオン「しゃらくせぇ……!」ブォン

清麿(だがそれでも……)

ゼオン「……!?」ググググ

清麿(今の舐めきったゼオンの拳なら…跳ね返すことができる)

バイーン

ゼオン「はぷんしっ!!?」ビターン

ゼオン「ぐっ……どういうことだァ!?」

ダニー(はぷんし)

ガッシュ(はぷんしって言ったのだ)

ゼオン(今までの壁よりはるかに防御力があがって……!!)

清麿(はぷんし、お前がもし全力で殴ったら…ギガノ級防御術くらい壊せるだろう)

清麿(しかし心の力を抑えたセウシルに何度も対処するうちにお前は油断した。セウシルとまったく同じ形状のギガ・ラ・セウシルの防御力を舐めてたんだ…)

ゼオン(チッ…今の隙にまたガッシュとの距離が……)

ゼオン「!…………なんだ…この気配は……?」

清麿「ガッシュ!!更に上へ!!」

ガッシュ「ウヌゥ!!」バッ

ゼオン(……なぜガッシュは上へ逃げようとする。オレの攻撃を避けるためならば障害物のある地上で戦うべきだ。まさかマントの扱いならばオレよりも長けているとでも思っているのか?)

ゼオン「……いずれにせよ、不愉快だ」

清麿「っ!!」

ゼオン「どんな策を練ろうが……貴様等如きがオレに勝てると思っていることがな」ズドォッ

ティオ(くっ……!)

バッキャァアアアア

清麿(マントで盾をぶっこわしやがった……!)

ゼオン「ガッシュ…お前にこれができるか?これがのうのうと暮らしていたお前と、幼少からほとんどの時間を修行に費やしてきたオレとの差だ」ゴォッ

清麿(……いかん、ゼオンが本気になりやがった……調子に乗っておちょくりすぎたか!!)

ティオ「恵っ!もう一度ギガ・ラ・セウシルを!!」

恵「……だめ……っ!」

ティオ「恵!?どうしたの!?」

恵「さっきの壁割られるのが良すぎて腰がくだけて立てないわ」

ティオ「…………」

ゼオン(!……この邪な気配……)キョロ

ゼオン「…………」ジッ

恵「……なんだか心地よい視線を感じるわね」

ティオ「……!?」クルッ

ゼオン「……そこか」ニィ

ティオ「……ひっ……!」ビクッ

清麿(!ティオ達の居場所がバレたか!?)

ゼオン「いつだか逃がしてやった雑魚だな……オレに楯突くとはいい度胸じゃねぇか」

ティオ「…………」ガタガタ

ゼオン「フン…どうせもうガス欠だろう。あの女は最後にじっくりといたぶってやる」

ゼオン「今は……」チラ

清麿「っ!!まて、ゼオン!!」

ゼオン「黙っていろ!!」ダッ

ヒュッ

ガッシュ「ヌッ……!?」

ゼオン「ガッシュ!!いい加減に目障りなんだよ!!」

清麿「追いつかれる……クソッ!!逃げろガーッシュ!!」

………
……


ゴルドー「……ふぅ、ふぅ。まったく老人には堪えるわい……!」

ゴルドー(この位置ならば……ガッシュ達の動きがよく見える……)

ゴルドー「……む?ダニーボーイの奴、ぶっ倒れておるわ……」

ゴルドー(……おそらく足をやられたか……この短時間でダニーを二度も戦闘不能にするとは……あ奴の強さ……測り知れん……)

ゴルドー「……むっ!?あの術は……小娘達の……ばりやー!」

ゴルドー「いかん、もう次の策に移っているようじゃ!」カチッ

ゴルドー「ごほん。こちらジジイ。こちらジジイ。清麿が例の策に移ろうとしておる。急いでくれ、もう時間がない」



ゼオン「くたばれェ!!」ブォン

ガッシュ「ぐっ……!!」

ゼオン「!」ピクッ

ゼオン(さっき感じた気配……?あの女共のものではなかったか……!?)

ゼオン(……ものすごい速さでこちらに近づいてくる……飛行機……?いや、もっと速い……戦闘機か……!?)

ゼオン「っ!上か!!」

清麿(よし……間に合った!)

ガッシュ「あれは……」


アポロ「待たせたな……ガッシュ!!」

ロップス「かうっ!!」

ゼオン「チィ……また増援か……!」

アポロ「リグロン!!」バッ

ロップス「かうー!!」

ゼオン(!…機から飛び降りただと……!?いや、ロープを機に繋げている……あのロープは命綱…ガッシュを機へと逃がそうって魂胆か!!)

ゼオン「遅いわ!!このままガッシュを地面へ叩きつけてやる!!」ブォン

アポロ「リグロン!!」

ゼオン(!今度はこちらに……)

ゼオン(イヤ…違う。オレにじゃない)

ガッシュ「ヌゥ!!」ニョーン

ゼオン(……!ロープとマントをつなぎ合わせた…ガッシュを引き上げる気か!)

ガッシュ「ヌゥウウウウ……アァアアアアー!!!」グイー

ゼオン(な!?引っ張っているのは……ガッシュの方!?)

アポロ「ラウザルクのパワーで引っ張ってもらい、加速した僕の拳を……!!」

ゼオン「!!」

アポロ「たたきつけぇぇぇる!!!」ゴスンゴッ

ゼオン「ガッ……!?」

我が誇り高き股間の紳士が輝きだしたので書きます

アポロ「どうだ……ゼオン!!」

ゼオン「くっ……!」

清麿「いいぞいいぞ!打ち合わせ通りだ!!」

ゼオン「……!効くかァ!!雑魚人間がぁ!!」

アポロ「そして加速した僕たちが更に……ガッシュを引き寄せる……ロップス!」

ロップス「か~……うっ!!!」ブォン

ガッシュ「ヌォオオオオオオ!!!」

ゼオン(!!今度はガッシュを……!?)

ゼオン「チッ……まっすぐ向かってきおって、迎撃してくれと言ってるようなものだな!!」

アポロ「リグロセン!!」

ゼオン(鎖……の刃!!数が多いが……!)

ゼオン「舐めるな!!」ババババ

アポロ(やはりマントで防御するか……だがそれでいい。真の目的は……)

ゼオン(……!?まっすぐ飛んでくるハズのガッシュが……いない!?)

ガッシュ「ヌァアアアー!!」ガシィッ

ゼオン(!?死角に……!!)

清麿(今のリグロセンは攻撃するための術じゃない……ロップスの術の利点は一度に複数のロープを操れること)

清麿(本来ならば、複数の術に対応することなど、ゼオンにとっては造作もないことだが……)

アポロ「ゼオン。確かに動きは速いが……残念ながら僕にはその動きが読める……!!」

清麿「ザグルゼム!!」

ゼオン「ウォオオオオ!?」ドギャァアアアア

清麿「よし…これで三発目!!」

アポロ「よくやった!ロップス!」

ロップス「かーうっ!」

ゼオン(クソ……!!)バリバリバリ

アポロ(ゼオン…・お前はわからないだろうが……というか、僕も清麿から聞いただけなんだが……)

アポロ(僕達には因縁がある…!!)


…………
………
……

アポロ「清麿、ジェット機の他に用意するものはあるか?」

清麿『イヤ、特には。あ、帰りの飛行機代用意しといてくれ。おやつも』

アポロ「…それは自分で払うべきだろう」

清麿『オレのおこづかいいくらだと思ってんだ。二千円だぞ二千円。金持ちのくせにケチくさいこと言うなよ』

アポロ「こっちも頭下げてやっと用意してるんだぞ」

清麿『そうか。帰り賃も頭下げて頼んでくれ。おやつも』

アポロ「よし。会ったらまず説教だ」

清麿『場所はファックスで送ったとおりだ。把握しといてくれ』

アポロ「ああ、それはわかったが……」

清麿『頼むぞアポロ。今回の戦いはアポロ達にとっても大事な戦いなんだ。なんせ…』

清麿『ゼオンという魔物は別の時間軸で、ロップスをブって泣かせて踏んづけて、羽をちぎって目んたまこねくり回して、挙げ句の果てには小便引っ掛けながら本を燃やしたんだぞ』

アポロ「……っ!!許せん!!」

清麿『そうだろう!?』

アポロ「清麿みたいな奴だ!!そんな奴はゲンコツだ!!!」

清麿『オイ?』


…………
………
……

アポロ「ゼオン……一矢報いてやったぞ!!!」

清麿「ガッシュ!そのままゼオンを掴んで叩き落とせー!ラウザルクー!!」

ガッシュ「ヌワァアアアアー!!!」ガッ

ドゴォオオ

ゼオン「ぐっ…自らオレに近づいてくるとはな…」ニュルン

ガッシュ「ヌッ!?」バッ

ゼオン「逃がさん!!」ギチィイイイ

ガッシュ「ウグゥ!!」

アポロ(マズい、マントで拘束されていてはどんな手も…)

ガッシュ「ヌググググ…!!」グイー

ゼオン「フン…肉体強化術を使っておいてその程度の力しか出せぬとはなァ!!」ギチチチチ

ガッシュ「ヌグァアア!!」

ロップス「かうっ!!」

アポロ「ああ、わかってる!間に合え…ディノ・リグノオン!!!」ゴゴゴゴゴ

ロップス「かーうっ!!」

ゴバァアア

ゼオン「!」

ゼオン(巨大な鎖で…地面を割った…!?)

清麿(!ゼオンの足場を崩した!だが…)

ゼオン(オレのマントは足場にもなる。宙に固定すれば地面など関係ない)

ゼオン(…!!イヤ、割っただけではない。こいつ、鎖で地面を掘り返してオレにぶつけるつもりか!)

アポロ「グ…ググ…!!」ゴゴゴゴゴ

ロップス「かう…?」クルッ

アポロ「大丈夫だロップス…この術は清麿に強要されていっぱい練習したじゃないか…!!」

ゼオン「必死なところ悪いが、おまえの攻撃はついさっきオレにすべて防がれたことをもう忘れたのか?」

アポロ「…お前こそ僕たちの術に惑わされ、ガッシュの術をくらったことを忘れたか?」

ゼオン「オレをナメるな。二度同じ手は食わん」

アポロ「僕たちの方こそ…舐めるなよ…!!」

ゴシャァアアアア

ゼオン(…岩盤で四方八方を囲まれたか。言うだけあって多少のコントロールはできるようだな)

アポロ「うぉおおおお!!くらえゼオン!!!」

ドシャァアアア

アポロ「やったか!?」

ググググググ

アポロ「…!?」

ゼオン「…バカが」ザッ

アポロ「アポッ!?」

清麿(マントで受け止められちまってるな…)

アポロ(なんだあのマント…ガッシュを締め上げながら僕たちの最大術を防ぎきるだと…?どれだけ頑丈でどれだけ伸びるんだ…!?)ググググググ

ゼオン「ハッ、随分とオレのマントが気に入らないようだな?」ググググググ

アポロ「くっ…まるで存在自体が反則だな…」

ゼオン「貴様にはわかるだろう?大きな力をコントロールするためにどれだけの血の滲むような修行が必要なのかを」

清麿(たしかに…ゼオンのマントはディオガ級を余裕で防ぐが…ガッシュのマントはギガノ級をやっとといったところだ)

ゼオン「オレはこのゴミのような落ちこぼれとは違う。王になるべくしてこの闘いに参加しているんだ!!」グイッ

ガッシュ「グゥ…!」

清麿「その落ちこぼれに三発も術を撃ち込まれてんのは誰だよ?」ザッ

ゼオン「…また貴様か…!」

ガッシュ「清麿…近づいては…!」

ゼオン「これがなんだというのだ?ザグルゼム三発程度を撃ち込んだからといって本当にオレを倒せると?清麿、貴様ならわかりきっているのではないのか」

清麿「三発…?ハッ、なにを言ってる?」

ゼオン「ッ!!…このオレが、これ以上術を受けると?」

清麿「あんまり余裕ぶっこいてんじゃねぇぞゼオン。オレ達はお前に勝つ算段をつけてここにきたんだぜ」

ゼオン(…チッ…!!わかっている。挑発だ…こいつは自分が囮になってオレの注意を引きつけ、マントのコントロールを乱そうとしているのだろう)

ゼオン「なにが勝つだ。結局貴様らは仲間に頼らねばこのオレになにも出来なかっただろうが!」

清麿「そこが、お前がガッシュに劣っているところじゃないのか?」

ゼオン「オレが…ガッシュに劣るだと!?」

清麿「ダニーも、ティオも、ロップスも…みんなガッシュの間違ったオレの人望があったからこそここまでついてきてくれたんだ」

清麿「オレのこの人望こそが!!お前の喉元へと届きうる刃となるんだ!!!」

ゼオン「…………」ギリッ

ガッシュ(…ヌッ…?)ググッ

ゼオン「貴様らゴミが…このオレに勝てるって…?」

清麿「おや?お前ほどの奴がわからないのか?現にお前はオレ達の誰一人として倒していない。それは力が拮抗してるからじゃないのか?」

ゼオン「!!」

清麿「イヤ、むしろ不利な状況にあるのはお前の方だろう。ここまで全部オレ達の作戦通りに事が運んでいるようだからな」

ゼオン「」プルプルプルプル

清麿「予想通りに動いてくれて感謝してるぜ…ありがとよ、ゼオン?」

アポロ(おお…煽る煽る…)

清麿(ゼオンの方が不利…そんなのはただのハッタリだ。未だにオレ達とゼオンの間には大きすぎる程の壁がある)

清麿(だがこちらの作戦通りというのは事実。それがわかっているからこそ普段は冷静なゼオンでも…)

ゼオン「いい加減…ほざくのをやめろォ!!」ゴッ

清麿(きたっ!!)

アポロ(マントが清麿に向かって…!)

ボコォ

ダニー「うらぁああああ!!!」ドゴォ

ゼオン(…!?受け止められただと!?)

ガッシュ「ダニー!!」

清麿「いいタイミングだ!」

ダニー「ケッ!また使われてやんよ!!」

ゼオン(こいつ、地面から…!しばらく気配を絶っていたかと思えば…地中でタイミングを伺っていやがったのか…つまりあの虫が地面を掘り起こすところまで作戦内か!!)

ダニー「第二ラウンドといこうじゃねーかー!!!」ダッ

ゼオン「チッ…!!」

アポロ「忘れるなゼオン!!僕たちの術もまだ死んでいない!!」コォオオオ

ロップス「か~う~!!」ググググググ

ゼオン(…マントで抑えていた奴らの鎖のパワーが増して…!!)ググググググ

清麿「ガーッシュ!!ぼけっとすんなー!!」

ガッシュ「ウ、ウヌ!!」

ガッシュ(やはりゼオンのマントの力がさっきよりも弱まってるのだ…)グググ

清麿(さぁ、総力戦だ…!!)

ダニー「らぁああああー!!!」ドン

ゼオン「……」

ゼオン(こいつ、痛めつけたハズがまた回復している…だがさっきの一撃を受け止めておいてここまで動けるとは…面倒だ…)

ゼオン(…ん?まて…奴の身体が…微かに光って…?)

ガッシュ「グヌヌヌヌヌ…!!」ググク

ゼオン(そういえば…最初にガッシュを殴ったときにもこの違和感はあった…!!)

アポロ「おおおおお…!!」ググググググ

ゼオン(たしかあの時も…ガッシュは…!!)


………
……



ゼオン「建物の中か…どうせあらかじめ罠でも張ってあるんだろう…」

ズボォォオ

ゼオン「…!!下か!」

ゼオン(家屋の中から穴を掘ってオレの真下まで……!!)


………
……



ゼオン(そうだ、あの時も地中から…!!)

ダニー「いい加減…」

ゼオン「!」

ダニー「ガッシュを放しやがれー!!!」ドゴォ

ゼオン「ぐっ…この…!!」ギロ

清麿「…!!」

ゼオン「うぜぇんだよっ!!!」ドギャァァア

ダニー「がっ…!!」

ガッシュ「ダ…ダニー!!」

清麿(ゼオンめ…正真正銘、本気の一撃を…!)

ティオ「恵、防御呪文の準備よ!!」

恵「ゼオンとの近接戦闘はできるだけ避ける、特にゼオンの本気の格闘はマ・セシルドでも防げるかどうか…清麿くんはこう言ってたわね」

ティオ「心の力が満タンじゃない今、防ぎきるのは無理かもしれないけど…このまま黙ってるわけにはいかないわ!」

恵「…まって、ティオ。本当に必要なときは清麿くんから指示があるはず…今はまだ大丈夫のはずよ」

ティオ「でも…もしそれで死んじゃったら…!!」

恵「大丈夫よ。あの子は…あのやさしい術は…彼をきっと守ってくれる」

ティオ「恵…」

恵「信じましょう?ティオのお友達の力を」

ティオ「…うん」

恵「あ、今殴られた」

ティオ「えぇっ!?ど、どうなったの!?」

恵「気持ちよさそうだったわ」

ティオ「恵視点の感想じゃなくて!!」



ダニー「…………」

ゼオン「はぁ…はぁ…」

ダニー「……へ、へへ…」

ゼオン(…!)

ダニー「オレは…てめぇの攻撃じゃ死なねぇんだよ…!」

ゼオン「…なんだと?」

ダニー「こっちにゃ…女神の加護がついてんだ…」シュォォオォォオ

ゼオン(傷が治っていく…!)

清麿(ゴルドーさんか)

ゼオン(回復能力はこいつ自身のものだとしても、オレの全力を耐えうるあの防御力は説明がつかん…!)

ゼオン(やはりまだいる…こ奴らを援護している魔物が…もう一匹…この下に!!)

清麿「!畳み掛けろダニー!!!」

ダニー「うぉおおおお!!!」ドドドドドド

ゼオン「!」

清麿(ゼオン、気づいたようだが…あいつには指一本触れさせねぇ…!!)

ゼオン(チィ…こいつ自身のパワーはラウザルクガッシュより少々劣る程度だが…こちらは虫の鎖を抑えるのとガッシュを逃がさぬようにとマントに魔力を使っている)

ダニー「おぉおおおおー!!!」ダダダダダニ

ゼオン(何度潰してもすぐに復活するこのゴキブリが心底うっとうしい…!!)

清麿(ゴキブリじゃなくてダニだ)

清麿(しかし本来ならばダニーはさっきの一撃でグロッキー。ダニーが潰れればアポロも潰され、ガッシュも逃れられず全滅だったろう)

清麿(イヤ、そもそも最初のゼオンの一撃をガッシュがまともに受けた時点でオレ達は全員死んでたはずだ…今この状況を作り出しているのは間違いなくあの子だ。あの子はオレ達の生命線…!!)

アポロ「グ…ググ…!!」コォオオオオ…

清麿(!アポロの心の力が尽きかけている…!マズいな、アポロが崩れればこの均衡はすぐにでも壊れる…!)ピッ

清麿「もしもし!聞こえるか!?」

ゼオン(…!?なんだ、清麿はなにをしてる…!?)

ゼオン(……!虫の鎖のパワーが弱まってきている…心の力が尽きてきたか!?)

アポロ「グ、ウゥ…!!」コォオオ…

ロップス「か…う…っ!!」ググググググ

ゼオン(あいつがリタイアすればすぐにでも魔力を他に回せる。このゴキブリを潰し、ガッシュを絞め殺すことすら可能だが…)

清麿「…そこからちゃんと見えてるな…?…では手筈通りに…」

ゼオン(仲間と会話している…?まだ他に仲間がいやがるのか…!?)

ダニー「よそ見してんじゃねーぞォ!!!」ダダダダダニ

ゼオン「!…チィ…」

ガッシュ「ヌグググググっ…!!!」ギチギチッ

清麿(よし、いいぞダニー!ゼオンの注意を引け!!)

アポロ「……ッ!ぐぅう…!!」スッ

ゼオン(!!虫の術が消え…

清麿(今だ!!)


「ギガ・ラ・セウシル!!!」

ゼオン「ッ!!」グラッ

ゼオン(さっきの壁!?またオレの周りに…!!オレを閉じ込めるつもりか…!?)

ゼオン(イヤ、違う!!これは…!!)

ズガシャァアアアア

ゼオン(仲間の虫が掘り起こした岩盤を、あの女のバリアーで跳ね返したのか!!)

ドゴォオオオオオオオオ

清麿「ロップスの最大術、ディノ・リグノオンは巨大な鎖を地面などに突き刺して持ち上げることのできる術だ」

清麿「リグロセンとは違い、直接相手に攻撃する術ではないが、瓦礫や大岩なんかを持ち上げて相手にぶつけることができる」

清麿「相手を攻撃するのはロップスの術そのものではなく、鎖で持ち上げたものということだ」

清麿「だからアポロの心の力が尽き、術が消えたとしても…瓦礫や大岩はその場に残る。それをギガ・ラ・セウシルで上手く利用できれば相手の虚を突くこともできるかもしれないな」

清麿「…わかりにくいか?例えば…ティオとガッシュが押し合いをするとする。お互い全力で押し合っている時にガッシュがいきなり手を引っ込めたらバランスを崩しちゃうだろう?」

清麿「そんな隙だらけの時にすかさずガッシュが押し返してきたら…どうなる?」

清麿「…イヤ、まあガッシュと弱っちいお前じゃ力に差がありすぎてこの例えは当てはまらないのかもしれんが…」

清麿「アッハッハッハ」

…………
………
……


ティオ「恵っ!どう!?」

恵「タイミングばっちり!!」

ティオ「…はわわ……」ヘタリ

恵「ティオっ?」

ティオ「……腰抜けちゃった…」カクカク

恵「気持ちよくなっちゃったの?」

ティオ「恵じゃあるまいし」

恵「えへへ」

ティオ「…もうこれ以上のサポートはできないんだからね…清麿」

ドゴォオオオオオオオオ

ゼオン(クソ、岩盤はマントで防いだが…土煙で視界が…!!)

アポロ「はぁ…はぁ…」

アポロ(一瞬でいい…ガッシュを解放するんだ、力を振り絞れ!)

アポロ「リグロン!!」

ロップス「かうっ!!」シュルルル

ガッシュ「ヌッ!?」グッ

ゼオン「!」

ゼオン(現時点で厄介なのはガッシュのみ…ガッシュさえ消せばあとはゴミしか残っておらん…ガッシュだけは逃がさん!!)

ダニー「オラァ!!」ダニッ

ゼオン(…!こいつ、また…!!)バッ

アポロ「引けー!!」

ロップス「かうーっ!!」グイッ

ガッシュ「ヌァアアアー!!」ググググググ

ゼオン(イカン、ガッシュが…!!)

ヌッポン

ガッシュ「ウヌゥ!!やっとマントから抜け出せたのだ!!」

アポロ「よしっ…!!」

ダニー「っしゃあ!!」

清麿(……ダメだ)

アポロ「…!?」スゥ

アポロ(リグロンが消えて…グ、心の力が…もう…)

ロップス「かう?」スゥ

ガッシュ「ヌホォ!?」ズシャァアアアア

ゼオン「ハッ…引き寄せる前に落としおったわ!」

ダニー「さっさと逃げろガッシュー!!オレが時間をかせい

ゼオン「貴様は死ね」グッ

バギャァァァア

ダニー「ッ!!!……ゴフ…」

ガッシュ「ダニー!!」

清麿「ガッシュ!!いいから逃げろ!!」

ガッシュ「!!ウ、ウヌ!」

ゼオン(虫はゴミと化し、ゴキブリは潰した…この状況でどう逃げる?)

清麿(恵さんも心の力が尽きた…!)

ゼオン「万策尽きたな」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年07月01日 (火) 20:57:36   ID: G1F07y4i

このシリーズ好きだわwwwwww

2 :  SS好きの774さん   2014年08月01日 (金) 07:51:09   ID: NnsiJzv-

需要ないのに

3 :  SS好きの774さん   2014年08月01日 (金) 15:19:30   ID: CNXEDbsO

途中で終わってたのかと思ったよ
続きも楽しみにしてるよ

4 :  SS好きの774さん   2014年08月09日 (土) 15:19:39   ID: zCTw6c2T

イッチが焦らすから、モンモン先生に思えてきた。

5 :  SS好きの774さん   2014年09月09日 (火) 04:20:54   ID: 6FeGG_aL

しおりさんがやばすぎるww

6 :  SS好きの774さん   2014年09月23日 (火) 05:15:05   ID: guBJGc_j

面白いw は早く続きがみたい

7 :  SS好きの774さん   2014年11月16日 (日) 13:47:20   ID: KGZ3g3UP

続き感謝

8 :  SS好きの774さん   2015年02月12日 (木) 19:41:51   ID: YlEaHPza

超ワロタ 続きが見たいぜww

9 :  SS好きの774さん   2015年02月14日 (土) 13:34:57   ID: 6QA5AATv

早く続きがみたいみたいみたいみたいみたいみたいみたいみたいみたいみたいみたいみたいみたいみたいみたいみたいみたいみたいみたいみたいみたいみたいみたいみたいみたいwwwwwwwwwwwwwww

10 :  SS好きの774さん   2015年02月28日 (土) 13:15:30   ID: QILegveT

よみたいみたいみたいみたい

11 :  SS好きの774さん   2015年03月02日 (月) 04:53:46   ID: 4KM0uWF-

この作品まだ続いてたんだ!
同じシーンなのに展開がめっちゃ違ってて
ホントに面白い!

完結するまでこれからも続けて欲しい!

12 :  SS好きの774さん   2015年04月22日 (水) 22:06:28   ID: TDsnBRGP

清麿さんが悪すぎてワロタw
続き楽しみにしてます

13 :  SS好きの774さん   2015年04月29日 (水) 08:20:06   ID: REfmOypZ

このシリーズ,ワロスwww
はよ、続き見てえッス!


やっぱ、清麿はただの麿か…ww

14 :  SS好きの774さん   2015年06月04日 (木) 17:27:44   ID: 3zXPo1gI

清くないと言いたいのかw

15 :  SS好きの774さん   2015年06月17日 (水) 15:59:54   ID: fFSTlS7c

うむ、この麿は清くないと思ってるww
けど、これはこれでいい話?・・・・・・・・・のはず・・・

16 :  SS好きの774さん   2015年06月19日 (金) 18:17:43   ID: anCwAgPZ

恵さん・・・あんた・・・
分かってたけどMだったんだな・・・|電柱|A ̄)・・・
・・・・・・・・・ダイジョウブ、ワルクナイトオモウヨ・・・ウン・・・・・・・・・
ワタシハネ・・・

17 :  SS好きの774さん   2015年06月24日 (水) 15:44:54   ID: quv6_YFl

ティオォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!
おめぇもかぁああああああああああああああああああああ(`;ω;´)
お前だけはッお前だけはッ!
セイジョウだと思っていたのにッ!
まともなやつッ!
頼むッまともなやつを出してぇえええええ!
もうッダメッ!・・・・・・・・・・・・チーン

18 :  SS好きの774さん   2015年06月24日 (水) 15:49:22   ID: quv6_YFl

次回
 「清 麿 っ つ い に っ 敗 れ る ッ ! ?」
               の巻(ウソだお☆)

と、いうわけで続きが早くみたいでござる。

19 :  SS好きの774さん   2015年07月08日 (水) 20:10:12   ID: khwYs3Qz

清麿の天敵(になる者)ワロタww

20 :  SS好きの774さん   2015年07月13日 (月) 17:30:23   ID: OYfRoooX

最近、変?なコメでいっぱいだねぇ。
それと早くつづきが見たいですっ!
完結するまでは絶対に見続けます!

21 :  SS好きの774さん   2015年08月06日 (木) 15:48:37   ID: KG4gV9l_

早く続きがみたいなぁwwwwwwwwwwwwwww

22 :  SS好きの774さん   2015年08月08日 (土) 01:31:19   ID: 4srk6HB_

楽しみすぎて何度も見に来ちゃうわw
はやく続きが見たい

23 :  SS好きの774さん   2015年08月11日 (火) 03:54:44   ID: xkvjNgOn

よかった、まだ続いてたのか。
完結までのんびりでもいいから書いてくれ。
楽しみにしてる

24 :  SS好きの774さん   2015年08月16日 (日) 15:36:40   ID: 27ttL_PL

ティオもついにイッたかww

25 :  SS好きの774さん   2015年09月09日 (水) 20:16:25   ID: WJaXAlXt

ゼオン・・・www
今度ははぷんしって・・・ププwwww

26 :  SS好きの774さん   2015年09月11日 (金) 09:27:10   ID: 3XIkPGua

パートナーに似る……?
え?ガッシュも麿に……?
魔界の未来はディストピア。

27 :  SS好きの774さん   2015年09月19日 (土) 01:42:09   ID: 3zWaEw4-

お前が殴るのかよwwwwww

28 :  SS好きの774さん   2015年09月19日 (土) 09:25:19   ID: MStkGIny

お前が殴るのかよwww
アポロwww

29 :  SS好きの774さん   2015年11月21日 (土) 00:50:20   ID: R8oNybbC

おおおお続き来てる!!
というかアポロの中で清麿がゲスの代名詞になってるwwwww

30 :  SS好きの774さん   2015年11月29日 (日) 10:40:55   ID: D4iHKeqC

続き見たけど清麿よ・・・
ゼオンはそこまでしてねーよっ!

31 :  SS好きの774さん   2015年12月25日 (金) 18:54:21   ID: P2BMm4FU

もう清麿あの術出したのか……
しかしいいクリスマスプレゼントだな!

32 :  SS好きの774さん   2015年12月29日 (火) 12:06:08   ID: R_u_393Q

はて?あいつとは・・・?
コル○ルのことかな?

33 :  SS好きの774さん   2016年03月10日 (木) 10:20:41   ID: MAcZSR7H

おおお!まだ続いてた!
前の続きが見つかんなくて嘆いてたんだ!
続き楽しみにしてます!

34 :  SS好きの774さん   2016年04月06日 (水) 03:56:53   ID: CgY2zd9o

続きめっちゃ気になる!

35 :  SS好きの774さん   2016年05月12日 (木) 12:27:21   ID: p8wkqkON

これの続きってできた?
できたら誰かタイトルのカキコおね。
俺も確認したら書き込んどく。

36 :  SS好きの774さん   2016年07月07日 (木) 17:26:02   ID: 5S1Z4pMk

面白くてつい単行本を読みたくなる
続き待ってる

37 :  SS好きの774さん   2016年10月02日 (日) 16:53:37   ID: 9MQ64KpD

続編プリーズ

38 :  SS好きの774さん   2016年10月14日 (金) 17:03:22   ID: V4HUCyKz

これのシリーズ物って何処まで続くんですか?
なにわともあれ続編プリーズ

39 :  SS好きの774さん   2016年10月26日 (水) 16:32:12   ID: FMjbE8WN

続編まだですか?

40 :  SS好きの774さん   2017年03月16日 (木) 00:16:31   ID: 80D_XZqw

ぞくへーん

41 :  SS好きの774さん   2017年12月01日 (金) 14:21:33   ID: TuN_48qM

希望はないんですか!?

42 :  SS好きの774さん   2018年10月20日 (土) 23:52:37   ID: NNuVDaKn

途中はしょってもいいから最後まで書いて欲しい!

43 :  SS好きの774さん   2019年02月27日 (水) 21:51:32   ID: AtAr5zHJ

続編はよ

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