絵里「卒業、か……」 (20)

―部室―

絵里「……ねえ、にこ」

にこ「なによ」

絵里「そろそろ卒業シーズンね」

にこ「……そうね」

絵里「μ'sに加入して、ラブライブ目指して……思えばあっと言う間だったわ」

にこ「それだけ充実してたってことでしょ」

絵里「ええ、その通りだわ」
絵里「入学したばかりの頃や、片意地張って穂乃果達と対立してた時では考えられなかった」

にこ「絵里と希は結局最後に入ったしね」

絵里「ふふっ、そうだったわね」
絵里「でも……そんな楽しい日々ももう終わり」

にこ「絵里……」

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絵里「私たち三年生はもうすぐ卒業……」
絵里「それに併せてどうしても成し遂げたいことが私にはあるの」

にこ「成し遂げたいこと?」

絵里「希と結ばれて処女を卒業したい」

にこ「『卒業』を強引に下ネタにするのやめてくれる?」

絵里「やっぱり希も強引なのは嫌がるかしら?」

にこ「そういうことじゃないわよ!」
にこ「あの最初のシリアスな口ぶりは何だったの!」

絵里「あれは前戯、もとい前座よ」

にこ「ほんの少しセンチな気分になった数分前の自分を叱りたい」

絵里「そんなことより、私と希の卒業式のことなんだけど」

にこ「学校の行事とアンタ達の情事を一緒くたにしないで」

にこ「……ったく、少しは雰囲気ってもんを大事にしなさいよね」

絵里「確かにそうね」
絵里「いきなり全裸で誘っても雰囲気ぶち壊しでしょうし」

にこ「人の話聞きなさいよ!」

絵里「私としては、希とドッキング出来ればなんだって良いんだけどね」

にこ「卒業は口実でただヤりたいだけでしょ、アンタ」

絵里「……にこ、勘違いしないで欲しいのだけれど」
絵里「私は本当に希のことを特別に想ってるの」

にこ「そんな言葉信じられるわけないじゃない」

絵里「……入学したばかりの私は、自ら壁を作って周りと距離を置くことを選んでいた」
絵里「それが、学校を背負う生徒としての在るべき姿勢と信じていたから」

にこ「き、急にどうしたのよ」

絵里「希は、そんな私を見て自分と通じる部分を感じ取ってくれて」
絵里「内心怖かったはずなのに、勇気を出して大きな一歩を踏み込んできてくれた」

にこ「……あの時はまだ内気な性格が強かった希がね」

絵里「……嬉しかったわ」
絵里「孤高であることを望んだのは私自身」
絵里「でも、それでも……孤独であることに正直寂しさを感じていた」
絵里「そんな時に現れてくれた人が……大切な存在にならないわけないじゃない」

にこ(……今までの言動はまぁ、アレだけど。希のことを本気で想っているのは確かなのかもしれないわね)

絵里「にこ、貴女にも少なからずこの気持ちが分かるはずよ」
絵里「誰よりもアイドルに憧れた故に孤立してしまった……」
絵里「そんな貴女にとってμ'sは特別な存在でしょ?」

にこ「当たり前よ。μ'sは私にとってかけがえのない宝物なんだから」

絵里「ふふっ、そうよね」

にこ「……悪かったわね絵里。私、勘違いしてたわ」

絵里「気にしないで。分かってもらえた様で良かったわ」

フゥ

絵里「喋りすぎて喉が乾いたわ…………希のオシッコが飲みたいわね」

にこ「やっぱりアンタは段違いの変態よ!!!」

にこ「何でアンタはいっつもそうやって下ネタで落とそうとするのよ!」

絵里「でも、希はなかなか堕ちてくれないのよね」

にこ「……開いた口が塞がらないわ」

絵里「つまり今のにこはイラマチオし放題ということね」

にこ「シベリア送りにするわよ!このポンコツ!」
にこ「……こんなのに目を付けられた希が不憫すぎる」グスッ

絵里「そしてこれから唾を付けに行くわ

にこ「……もう勝手にして」

絵里「それじゃあね、にこ」

ガチャ

バタンッ

タッタッタッタッ

にこ「…………こんなにも可能性感じない展開もなかなか無いわよね」

―教室―

ガララッ

絵里「希、交尾しましょ」

希「えりちはいつも発情期やなぁ」

絵里「……相変わらず淡泊ね」
絵里「知ってる?ヒトって一年中発情期なのよ」

希「そうだとしても、それをむき出しにしてる人は少ないと思うよ」

絵里「一般的にはそうでしょうね。……けどね、希の母性が私の野性を刺激するの」

希「えりちに理性は無いの?」

絵里「希……私もう我慢できない。二人で一緒に卒業して晴れやかな門出を迎えましょう」ヌギ

ガララッ!

にこ「……そこまでよっ!」ザッ

希「あ、にこっち」

にこ「希!……は、まだ無事のようね」ホッ

絵里「にこ……ごめんなさい今日は3Pの気分じゃないの」

にこ「奇遇ね、私も全っ然そんな気分じゃないから!」

希「それで、にこっちは一体どうしたん?」

にこ「別に。絵里が希相手に暴走してないか気になっただけよ」

絵里「心配いらないわ、私はいつだって冷静よ」

にこ「アンタは少し黙ってて」

にこ「希も希よ。アンタが甘やかすから絵里が調子に乗るんじゃない」

希「うん……そうかもね」
希「ゴメンね、にこっち」

にこ「私に謝っても意味無いでしょ」

希「……もしかして、ウチがいない間絵里ちの相手してくれてたん?」

にこ「まぁ、そうね」

希「絵里ちの相手は大変だったんじゃない?」

にこ「ホントに大変だったわ……希はこんなのと一緒でよく平気ね」

希「う~ん、案外慣れてしまうもんやね」

にこ「ちょっと~、希はまともなままでいてよね」

希「ふふっ、その点は大丈夫やって」

キャッキャッ

絵里(何か強い疎外感を覚えるチカ……)

希「そっか~、にこっちはウチのこと心配してくれてたんやなぁ」ニコニコ

にこ「そ、そういうわけじゃないってば」
にこ「……ほら!こんなとこで油売ってないでさっさと帰るわよ!」

希「にこっちは意外と照れ屋さんなんやね」

にこ「……まったく、様子見に来て損したわ」
にこ「私はパフェ食べにもう帰るから、後は二人でよろしくやってなさい」

希「あ~ウチもパフェ食べに行く~」

ギュッ

にこ「ちょ、ちょっと!離れなさいよ」ジタバタ

希「そんなことより早く行こうよ、にこっち」

にこ「もう、しょうがないわね……言っておくけど奢らないからね」

テクテクテクテク

エーオゴッテヨー オゴラナイッテバ

絵里(…………あれ、なんかいつの間にかエンディングみたいになってるチカ)
絵里「ハッ!……ふ、ふたりとも待つチカ!置いて行かないでほしいチカー!」タッタッタッ




おわり

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