エレン「ラブレター?」(75)

――訓練所 男子寮ロッカー ―――

ガタッ

エレン「…………は?」

エレン「なんだこれ…手紙か?」ピラッ

アルミン「どうしたんだい、エレン?」

エレン「いや、何かわかんねーけど俺のロッカーに『手紙』が入ってた」

エレン「何なんだろうな、コレ」

アルミン「ちょっと見せて……ふーん、差出人の名前は無し、か」

エレン「とりあえず、読んでみる」

アルミン「はい、じゃあ返すよ(嫌な予感がするよ)」

ピリピリピリ……



『親愛なるエレン殿

お伝えしたいことがありますので

本日、夕食時間終了後に東の立起演習場まで来てください』


エレン「こ」

アルミン「これは……まさか……(やっぱり)」

コニー「ちょ、お前これ!『ラブレター』じゃねえの?!」ヒョコッ

トーマス「うわー、本当にラブレターっぽいね」

オイオイラブレターダッテヨ
エレンガ?
マジカヨスゲー

エレン「はああぁぁ?!」

ジャン「『親愛なるエレン殿』だってよ?!おーおー色男は辛えーなー」

コニー「え?!エレンお前、妖怪“いろ男”だったのか?!」

フランツ「懐かしいなぁ……僕もまだハンナと付き合う前に書いたことあったっけなぁ」

エレン「うるせえええええ!!お前ら散れ!散れ!!」

ガラッ

教官「貴様ら!いつまでモタモタしてる!!早く演習場まで来い!!!」


――

―――演習所―――

キース「午前は対人格闘の訓練だ!各自ペアを組み演習を行え!以上!」


エレン「アニ、組もうぜ(ラブレターか…)」

アニ「ああ、いいよ」

エレン「先に俺が襲う番だな(しかし、一体誰なんだ?)」

アニ「じゃあ、まずこないだの技のおさらいから行こうか」サッ

エレン「ああ(……アニだったらどうしよう)」ボーッ

バシンッ

エレン「!!」

グルッ ズダーン!!

エレン「…ッ痛え!!」

アニ「……何やってんだい」

きたい

エレン「だ…大丈夫だ…!いや、だいじょうばないかもしれん…イテテ」

アニ「とりあえず立てるかい?流石に手を貸さなきゃね」

エレン「あ、ああ……助かる」

エレン「(あ、アニの手柔らかいな)」

エレン「(や…やばい!ラブレターのこと意識しだしたら緊張してきた)」ドキドキ


ミカサ「エレン…」<●><●>ジッ


――
――― 昼休み ―――

アルミン「受け身を取り損ねるなんて、エレンも災難だったね」

エレン「ああ…まだ身体が少し痛むよ」

ミカサ「エレン、訓練中に気を散らせた貴方が悪い」

エレン「わかってるよ!油断した俺が悪いってことくらい!」キッ

エレン「……(しかし、誰なんだろう)」

ミカサ「……」

エレン「ミカサなわけねえよな…いつも一緒にいるし、第一、家族だし」じ~~~~~

ミカサ「(ハッ!…エレンが訴えるような眼差しで私を見ている)」

ミカサ「…エレン、あなたが反省したというなら私はこの件を水に流そう」

ミカサ「あの女狐が不用意に接触をしてくるから、つい意識してしまったんでしょう?」

ミカサ「あなたも男なのだから、それも仕方が…」




ジャン「よう、色男」ニヤニヤ

エレン「あ?!なんだよ…」イラッ

ジャン「手紙の主は誰だかわかったのかよ?」

ミカサ「手紙…?」

アルミン「ジャ、ジャン!!ちょっと……(この場でその話題はマズい!)」

気になる

ミカサ「ジャン、何のことか説明して」

ジャン「(まあこんな回りくどいやり方、ミカサじゃねーってことはわかってたけどな…これはいい機会だ)」

ジャン「ああ!…エレンのやつ、今朝『ラブレター』もらったってやがったんだよ!」

ミカサ「!!」

アルミン「ああああ…………胃が…………」キリキリキリキリ

エレン「ちょ!おい、ジャン!デケー声でいちいち言うなよ!」



ザワザワザワザワ


ユミル「ギャッハッハッハ!聞いたかよオイ!ラブレターだってよォ!!」

クリスタ「も、もうユミル!あまり笑っちゃあ失礼でしょ?!」

サシャ「それにしても、エレンの席はあまり食事が進んでいませんね」(・)(・)じ~~~

ハンナ「懐かしいわー……私もまだフランツと付き合う前、彼も私に書いてくれてたのよ」

ミーナ「え!何々その話、初耳なんだけど?!聞かせて!!」


ザワザワザワザワ

ライナー「…なあ、アニ。どう思う?」

アニ「………興味ないよ。まあ、強いて言うなら」

アニ「あのお調子者を、あのまま更に絞めあげてやってもよかったかもしれないね」

ベルトルト「………」

アニ「差出人が不明なんでしょ?そんな手紙よこされて『はい行きます』てヒョイヒョイ出ていく方が、どうかしてるよ…」

ライナー「そうか…その通りだよな…」

ベルトルト「そ…そうだよ、ライナー」

ジャン「で、どーすんだよお前?今日の訓練が終わったら会いに行くんだろ?」ニヤニヤ

エレン「行くわけねーだろ!」

ジャン「おーおー死に急ぎさんは巨人には向かっていけるのに、いざ女の誘いがってときには向かってく度胸も無えのかよ?」

ジャン「とんだチェリーボーイだぜ」

エレン「…チッ!」ガタッ

ジャン「お?やるのかよ!?」

マルコ「ジャン、よしなよ…ホラ、チェリーっていうんなら例に漏れず僕たちも…」

フランツ「え?そうかな」

ジャン「(師ね)」チッ

エレン「(師ね)」チッ

マルコ「(師ね)」チッ

アルミン「(ああ、フランツ……君はこの後どんなフォローをしてくれるんだ…)」

コニー「なあ、マルコ…チェリーボーイってなんだ?俺もサクランボみたいな頭してるって言われっけど、それって関係あるのか?」

アルミン「そしてコニーはちょっと黙っててくれないかな」ハー

ここまでで半分です。
引き続きこのペースで投下すべきでしょうか・・・

できるなら、そりゃそのほうがいいかと

そりゃそうしてくれれば嬉しいが

>>23
承知しました
さーて今日は誰が「ひどい」目にあうかなーwww

>>24
ではいきます


――
―――

エレン「あれからいろいろと気になって仕方ない」

エレン「昼休みにサシャから観察されてるような視線を感じたし」

エレン「なんかミーナ達がこっち見てヒソヒソしてるのも気になった」

エレン「アニは……我関せずって感じだな」

エレン「(あいつは面と向かって何でも喋るってタイプじゃねえしな…あれ?でもそれって……)」

アルミン「(……ってことを考えてそうな感じがするから、一応釘を刺しておこう)」

アルミン「今回の件だけど、イタズラって可能性もあるかもしれない」

アルミン「とりあえず警戒はしたほうがいいかもね」

エレン「そ、そうか…」

エレン「ところでアルミン…今日ちょっと相談があるんだが…実は…………」ヒソヒソ

アルミン「え?…うん…………そうか、わかったよ」ヒソヒソ

ミカサ「ねえ、エレン」ススス

ミカサ「今日…何の日か知ってる?」

エレン「今日の夕食の献立か?いつもの野菜くずスープと、硬いパンじゃねえの?」

ミカサ「(違う)…………そう…エレン、その『手紙』の差出人、気になっているんでしょう」

エレン「え?何だよ急に」

ミカサ「今日の夕食後、時間空いてる?すこし付き合ってほしい場所があるの」

エレン「あー、えっと…どうしようかな」ソワソワ

ミカサ「…エレン、あなたはちっとも反省してない」

ミカサ「夕食後…いえ、今すぐその手紙を教官に提出しに行く」

エレン「は?!何言ってんだお前、そんなことしたら騒ぎが大きくなっちゃうだろ?!下手すりゃ懲罰もんだぞ?」

ミカサ「あなたが、また女の色香に騙されて痛い目を見ないように言ってるの」

エレン「人聞き悪いぞ!俺がいつ騙されたってんだよ!!」

ミカサ「私に隠れて、その女に会いに行こうとしたって無駄よ」グイッ

エレン「おい!離せよ!」

ミカサ「離さない」

ミカサ「エレン、さっきからアルミンとコソコソと何を相談してたの?」

エレン「それは……」

ミカサ「言って」

エレン「知らねえよ!」

ミカサ「言いなさい」

ミカサ「エレンのやろうとしてることなんて、私にはお見通し」

エレン「」カチン




エレン「いい加減にしろ!」


ミカサ「!?」

エレン「お前には言いたくねえんだよ!!」

ザワザワ
ナンカオオキナコエガ
ミカサトエレンガケンカカ?
ケイカクドオリ…


ミカサ「……わかった」クルッ

ミカサ「エレンなんて知らない…ッ!!」ダッ

エレン「え?お、おいミカサ!」

エレン「…行っちまった」

ユミル「エレンナンテシラナインダカラ~」ニヤニヤ

サシャ「あちゃー、犬も喰わない痴話ゲンカってやつですか?」

クリスタ「こらユミル!サシャも…どうしたの二人とも?何があったの?」

エレン「おまえら…」

アルミン「エレン、それよりどうするつもりなんだい?」

エレン「アルミン、どうするって…」

アルミン「いや、言い方を変えるよ。エレン」

アルミン「君はどうするべきだ?」

エレン「!!……ああ、どうするべきかって?そりゃあ……」

――訓練所 兵舎外のどこか――

ヒュオオォォォォォォ

ミカサ「(ああ…どうしてこうなった)」チョコン

ミカサ「(何でエレンとケンカしちゃったんだろう)」

ミカサ「(もう今となってはあの手紙の主が誰だっていい…)」ジワ…

ミカサ「わたしはただ…そばにいるだけでいいのに」

ミカサ「…それだけなのに…」クスン




ガタッ

「ミカサー?」


ミカサ「!!」ゴシゴシ

エレン「おお、いたいた」

ミカサ「エレン……」

エレン「お前がやろうとしてることなんて、お見通しなんだよ」

エレン「嫌なことがあると、高いところに逃げて座りこんじまう癖、相変わらずだな」

ミカサ「もうすぐ待ち合わせの時間じゃないの?」

エレン「…いや、もうちょっと先だ」

ミカサ「……(やっぱり、行ってしまうのね)」

ミカサ「私から離れて行ってしまうのね」

エレン「いや、その逆だ…俺はこの場に残る」スタッ

エレン「いわば『足止め』役だ」

ミカサ「『足止め』…?」

エレン「あ!さっきの話だけどな」

ミカサ「!!エレン、ごめんなさい…私は冷静じゃあなかった」

エレン「い、いや…俺の方こそすまん」

エレン「あ、その話ならさ…俺は今晩あの『手紙』の主には会うつもりはねえよ」

ミカサ「うん、会わないのね」


ミカサ「……えっ?今」キョトン

エレン「大体な~差出人が不明なんだぜ?そんな手紙よこされて『はい行きます』てヒョイヒョイ出ていくわけがねぇよ」

エレン「それより、あとちょっとだけ…夜休み終了の鐘が鳴るまでの間、ここにいてくれないか?…俺と二人で」

ミカサ「……いいの?」

エレン「いい」

ミカサ「……うん……一緒にいる……」


――
―――

カーン…カーン…カーン…

「あ、鐘が鳴ってる」

「もう少しこうしていたかったな…」

エレン「まだもう一つ頼みがあるんだった。ミカサ、俺も少し付き合ってほしい場所がある」

ミカサ「でも、消灯時間は既に…」

エレン「すまん、でも今日じゃなきゃダメなんだよ」

ミカサ「今日じゃなきゃ?……まさか、エレン!」

エレン「ええと、この物置だ…さあミカサ、開けてくれ」

ミカサ「いや、まさかそんな」

ガチャ



今日のことがあったから、そんなことすっかり頭に無かったけれど



扉を開けた先にあったもの…

その光景に、少し高揚した…

いくつものキャンドルが炎を揺らめかせており

手作りと思われる飾りと

テーブルの上には、今となっては貴重な『焼き菓子』が並べられていて

これは、お祝いだ

エレン「ミカサ」



エレン「今日は俺たちが家族になって、4年目の記念日だ」

ミカサ「エレン……」ウルウル

アルミン「二人ともおめでとう。これからも仲良くね」

ミカサ「アルミンまで…」

エレン「ミカサを驚かせたくて、アルミンに急きょ、この場所をセッティングしてもらってたんだ」

アルミン「いきなり依頼するから間に合うかどうかだったけど、なんとか時間ギリギリだったよ」

アルミン「必要なものは予めエレンが全部用意してくれてたしね」

エレン「訓練兵になってからは、こうしてお祝いもできなかったけどな」

ミカサ「エレン……嬉しい……」

エレン「ミカサ、お互い『兵士』になっても、家族としての『絆』は変わることは無いんだ」

エレン「これからもよろしくな」ニカッ

ミカサ「……うん」ニコッ

ミカサ「(手紙のことじゃなかったんだ……ずっと一日、私のことを考えてくれてたんだ…)」

ミカサ「う…うう~~」ポロポロ

エレン「お、おいミカサ!どうしたんだよ」

ミカサ「ごめん、ごめんね……エレン」

ミカサ「ありがとう……エレン…これからも」

ずっと私は あなたのそばにいる

1です
ご愛読ありがとうございました。
エレアニです。かわいいミカサ大正義です。



これより先は読んではいけない

―――深夜・東の立起演習所―――


タッタッタッタ……

「…!!」サッ


ミカサ「ハァ…ハァ…流石にもう誰もいないか…」

ミカサ「エレンはここにはこないと伝言するつもりだったけど…」

ミカサ「アルミンの言っていた通り、ただのイタズラだったのかな…」ホッ

スタスタスタスタ

ん?

………
……


「…そこにいるんだろう?」

「……」


ベルトルト「出てきてよ、ライナー」

ライナー「…ベルトルトか」スッ

ベルトルト「ハ~やはり…君の仕業だったのか」

ライナー「ああ、実はエレンのやつに話をするべきだと思ってな」

ベルトルト「…君の『正体』のことかい?」

ライナー「……俺はもう耐えきれねえんだよ!!自分の罪を隠して生きていくのが!」

ベルトルト「落ち着いてライナー…それでも君は『戦士』かい?」

ライナー「『戦士』が…何だって?」

ベルトルト「大事なことだから何度も言うよ…君は『戦士』かい?『兵士』かい?」

ベルトルト「故郷に帰るんだろう?」

ライナー「故郷……!!そうだ、故郷だったな!」

ベルトルト「エレンの故郷の件については、とりあえず『かわいそう』と思ってればいいんだよ」

ベルトルト「もう宿舎へ戻ろう…」

ライナー「ああ……そうだな……すまん……」

翌日…

教官から騒ぎの件を追及された訓練生たちは、エレンの手紙について報告した
元凶となった手紙の筆跡鑑定により、差出人がライナーであることが判明
アリバイも証明できず、ベルトルトの必死のフォローが返って裏目に出て
ライナーはめでたくホモ認定された
そして…それをきっかけに、彼は既に限界であった精神を分裂させていくのであった…

おわり。

まあなんだ、アッカーマン訓練生乙

>>57
ワタシミカサチガウミカサチガウ[・ロ・]
まあホモ疑惑の顛末は今度書いてみます

エレアニ…?

エレンとミカサが家族になった日って…
ミカサの両親の命日じゃ…

>>59
あ。
こ、これは…エレミカのまちg

>>60
そうなんですよ。
悲しいこと思い出させてしまう日でもあるんですよね
でも彼らはお墓参りにさえ行けないので…

>>35
ああ、かわいい

>>61
さ、エレアニを書こうか(ニッコリ)

>>64
駄目でしょ?あの女とエレンがくっつくなんてss書いちゃ…

>>65
執筆に戻れアッカーマン

>>63
どのssにもこういうシーンは必ず入れたくなるくらいかわいい
ミカサはもっとシクシク泣くべき

>>66
ええと、つまり…その…
ライナーのホモ騒動を詳しく描写しろってことですか?

かわいいミカサをもっと書けって言ってるんだよアッカーマン!
泣きべそ書いた後嬉しそうに笑うミカサ最高なんだよ!

>>69
ノ「ミカサ=アッカーマンはシンデレラに憧れる」

>>70
多分お前の書いたss全部読んでると思うわ
これからもミカサをかわいく書け…書いてください

>>71
ご愛読、ありがとうございます。

私の作品はまだ2作目ですがおそらく似たスタンスのアッカーマンはいらっしゃるかと存じます。
そして、アッカーマンとアッカーマンは『惹かれあう』のかもしれません

≫68書いけ…てください

≫68書いけ…てください

やっぱりベルさん怖い

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