仮面ライダーウィザード「俺が最後の希望だ!」糸色「絶望した!」(25)

はい

糸色「ん? あそこに見えるのはドーナツの移動販売ですか。珍しいものもあるのですね」

常月「・・・」ジーッ

kaba.ちゃん「あらぁ? ねえねえそこのかっこいいおにいさん❤ ちょっとドーナツ食べてかなぁい?」

糸色「ヒィッ! どう見てもあっち系の人!」

糸色「いやだ! あっち系の人は嫌だー!」ダッ

kaba.ちゃん「あ! 人の顔を見て走って逃げてくなんてどんだけ~」

ソラ「あれが今度のゲート?」

ミサ「そうよ」

ソラ「あんな変なのがねぇ~」

ミサ「」イラ

ミサ「変なゲートなら今までもたくさん居た」

ソラ「あれ? 怒った? おこなの? もしかしておこなの?」ニヤニヤ

ミサ「」イライラ

ミサ「どうでもいいから私の邪魔だけはしないで」

ソラ「はいは~い」グレムリンスマイル

糸色「ふう、ここまで逃げれば大丈夫でしょう」

奈美「あれ、先生どうしたの?」

糸色「おや、どなたかと思えばあなたはあっち系じゃない普通の人ですよね」

奈美「普通って言うなぁ~」

風浦「先生はそんなに急いでどうしたんです?」

糸色「あっち系の人が営む、意味深な穴の開いたお菓子を売る店から逃げていたところです」

奈美「何を言ってるのか全く分からない…」

ファントム「空気なんて読まずに登場だ~」ノッシノッシ

糸色「なんですか突然! 特撮番組から抜けだしたようなきぐるみの人が襲って来ましたよ!?」

奈美「うわぁ~!! 展開が唐突すぎて感情がお話に追いつかないよ!」

ファントム「ゲートよ! お前を死ぬような目に合わせて絶望させてやる!」

糸色「わざとらしく説明的な口調! なんというご都合展開だ!」

奈美「そんなツッコミ入れてないで逃げましょうよー!」

ファントム「逃がさん!」シュッ

糸色「すごい跳躍をした!?」

奈美「逃げてもいないのに回りこまれた!」

ファントム「それじゃあサクッと絶望させてやるぜー!」

糸色「ぜ、絶望した! 理由もわからず命を狙われる社会に絶望し・・・!」

???「絶望する必要なんかない!」

ファントム「何!?」

風浦「先生の決め台詞が遮られちゃいました」

糸色「全身タイツの不審者が華麗に着地した!」

仮面ライダーウィザード「俺が・・・最後の希望だ!」

ファントム「指輪の魔法使い・・・!」

奈美「え? 魔法使い?」

仮面ライダーウィザード「さあ・・・ショータイムだ!」フレイム プリーズ

糸色「全身タイツの不審者が華麗に着地した!」

仮面ライダーウィザード「俺が・・・最後の希望だ!」

ファントム「指輪の魔法使い・・・!」

奈美「え? 魔法使い?」

仮面ライダーウィザード「さあ・・・ショータイムだ!」フレイム プリーズ

糸色「なんだかわけのわからないうちに戦闘が始まってしまいましたが、
    まあ助けてくれるのならありがたく従いましょう」

仮面ライダーウィザード「うおおおおおおおおおおお!」ドゴォバリィビュー

ファントム「うわあああああああああああ!」モロニチョクゲキ

糸色「すごい! なんだか人智を超えた感じの戦闘が行われていますよ!」

奈美「本当だ! 地の文で描写する必要がないからって手を抜いてるけどすごい戦闘が繰り広げられている!」

常月「」ジーッ

ファントム「くそっ! 分が悪いな! 一旦退いて体制を立て直すぜ!」ドロン

糸色「怪人が消えましたね…」

仮面ライダーウィザード「なんとかなったか・・・」カッ

晴人「大丈夫だったか?」

糸色「あ、あなたは一体…」

晴人「俺は・・・魔法使いだ」

晴人「さっきの怪物はファントムと言って、大きな魔力を持ったゲートと呼ばれる人間を絶望させ、ファントムにさせる悪い奴らだ」

晴人「一旦は追い払えたけど、奴らはこれからもしばらく付け狙ってくるはずだ」

晴人「でも大丈夫だ。俺が守る。俺が・・・最後の希望だ!」

糸色「絶望した!!」

晴人「!?」

風浦「今日は一体何に絶望したんですか?」

晴人(あれ!? 割とよくあることなのか!?)

晴人「絶望するな! 俺が護ってやるから!」

奈美「あ、先生は別に本気で絶望してるわけじゃないですよ。いつもの絶望してるふりですから」

晴人(いつもの!?)

糸色「お黙りなさい。私は本当に絶望しているんですよ」

糸色「おかしいと思ったのですよ。何の脈絡もなく特撮の怪人が現れたかと思えば」

糸色「頼んでもいないのに変な全身タイツにスカートをつけた男が颯爽と現れ撃退し」

糸色「その上、敵は私を絶望させようとするから俺が護ってやる、だなんて」

糸色「     これはどう考えても詐欺ですよ!!!!!!!    」

糸色「護ってやる代わりに金銭を要求し、払えなくなったらあの怪人役の男に私を始末させるつもりでしょう!」

糸色「騙されませんよ! 私は騙されませんからねー!」

晴人「」ポカーン

奈美「詐欺なんてそんな・・・だいたいこんな変な詐欺なんてわざわざ仕込まないでしょ」

糸色「いいえ、この現代社会ではありとあらゆるもので詐欺が行われているのです」

糸色「メールを開いたら高額な料金を請求される、ワンクリック詐欺!」

糸色「息子からの電話だと思ったら赤の他人の口座に金を振りこまされる、振り込め詐欺!」

糸色「他にも画像編集ソフトで編集しまくったavのパッケージ詐欺、最終章というアオリを何度も繰り返す終わる終わる詐欺など」

晴人「急に詐欺のレベルが下がったような」

糸色「とにかく! 今この日本で詐欺が行われていないものなど無いのですよ!」

糸色「みなさんも、こんなヒーロー詐欺に騙されたはいけませんよ!」

奈美「でも先生、例の人智を超えた感じの戦闘はどうなるんですか?」

奈美「それに、一瞬で全身タイツから普通の服装になったのも」

晴人「もう全身タイツで決定なのか…」

糸色「考えても見なさい。あれだけ火やら水やら出したのに、地面には焼けた後も濡れた後もありません」

糸色「つまりあれは、集団催眠に依って見せられた幻覚だったのですよ!」

糸色「今時の詐欺師は、催眠術まで使って詐欺を行うそうですし、集団催眠だって可能なはずです!」

晴人「いや、あれは魔法で・・・」

糸色「魔法なんてあるわけ無いでしょう!」

風浦「ありますよ」

糸色「は?」

風浦「奇跡も、魔法も、ありますよ」

糸色「アナタ突然何言ってるんです?」

風浦「考えても見てください」

風浦「この世にはたくさんの魔法が溢れてるじゃないですか」

風浦「顔も性格も残念でも結婚できる魔法」

風浦「実際に取引してないのにお金を計上できる魔法」

風浦「ライブで口が動いていなくても歌が聞こえる魔法」

風浦「ああ! 素晴らしい魔法達!」

風浦「あいさつも魔法なんですよ?」

晴人「いやそれは魔法じゃ・・・」

ドゴーン!

糸色「うわ!」

常月「」ガシッ

奈美「キャッ!」

晴人「来たか!」

ファントム「アオオオーン! オレサマ、オマエ、マルカジリ!」

糸色「微妙にキャラが変わってませんか?」

晴人「いくぞ!」シャバドゥビタッチヘンシーン

仮面ライダーウィザード「さあ・・・ショータイムだ!」

奈美「ベルトから変な歌が流れて変身しましたよ! あれも催眠術ですか!?」

糸色「詐欺師ならそれぐらいのことやるでしょう」

仮面ライダーウィザード(やりにくい・・・)

糸色「なんやかやあって戦闘が終わりましたね」

晴人「省略された! 唯一の見せ場が省略された!」

糸色「どうせ一回目と同じごまかし方をするのなら、スパっと切ったほうが男らしいでしょう」

晴人「・・・まあいいさ。これで大丈夫だ」

糸色「何が大丈夫なものですか」

晴人「は?」

糸色「つまるところ、私が絶望するまでこの催眠ショーは続くわけでしょう!」

糸色「絶望した! 詐欺師に狙われ続けることに絶望した!」

晴人(・・・・・・・・・・・・なんかもう、この人はほうっておいても大丈夫かな・・・・・・)

晴人(到底絶望しそうにないし)

kaba.ちゃん「あらぁ~ハルちゃんこんなトコロで会うなんて珍しいわね~」

kaba.ちゃん「もしかして運命の赤い糸でつながってるのかしら? フフッどんだけ~」

晴人「あ、どうも」

糸色「ヒィッ! さっきのどう見てもあっち系の人!」

糸色「この詐欺師、あっち系の人ともつながっていたなんて!」

糸色(詐欺師=あっち系の人と知り合い⇒この人もあっち系?)サンダンロンポウ

糸色「いやだ! あっち系の人は嫌だー!」スタコラサ

kaba.ちゃん「あ! さっきのお兄さん! また人の顔見ただけで逃げるなんてどんだけ~」

糸色「もうこんな街、絶対に来ませんからねー!」

晴人「あ・・・・・・まあいいか。この街から離れるんだったらファントムも手は出せないだろうし」

晴人「すごい疲れたな・・・・・・帰ろう」

関内「ジー………」

甚六着替え中

関内「甚六はあっち系はあっち系でも触っちゃいけない方のあっち系ダナ」

甚六「?」汗ダラダラ

~おしまい~

スレタイの流れと奇跡も魔法もあるんだよ言わせたいだけでした

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