アルミン「あの小鹿野郎! ちょっと説得してくる!」(59)

小鹿「イェーガー訓練兵! ならびに同アッカーマン、アルぇうト!」

小鹿「いま貴様らがやってる行為は、はんぎゃっ行為だ!」

小鹿「貴様らの命の処遇を問わせてもらぁう!」

エレン「……えっ……?」

小鹿「下手に誤魔化そうとしたり、そこから動こうとした場合は――」

小鹿「ただちに榴弾をぶちこむ! ためらうつもりは、ぬぁい!」

エレン「……はぁ?」

ミカサ「くっ……」

アルミン「誰だあいつ! あの野郎!」

小鹿「率直に問う! 貴様の正体は何だ!? ヒトカー! キョジンカー!?」

エレン(なんだその質問? 何なんだその目は?)

エレン(まるで化け物を見るような……俺がそうだというのか!?)

エレン「質問の意味が、分かりまs」

アルミン「彼は巨人です!!」

エレン「オイッ」

エレン「ち、違います!」

エレン「自分は人間です! 人間!!」

 

エレン「ば、馬鹿! 何を言い出すんだよアルミン!」

アルミン「エレン、落ち着いて聞いてくれ。君は巨人なんだ」

アルミン「その力は、兵団の元で計画的に機能させるのが一番有効なはずなんだ」

アルミン「僕とミカサ、そしてエレンの力が合わされば――」

アルミン「巨人たちを駆逐できる!!」

エレン「そ、そうかもしんねーけど」

エレン「まずはこの場を切り抜けてからだろ!? ミカサも何とか言ってくれよ!」

ミカサ「私はエレンが助かるのなら何でもいい」

エレン「いや助かるかどうかの瀬戸際なんだよ!」

 

リコ「隊長。何やら仲間内で揉めていますが、やはり彼は人間だと主張しているようです」

小鹿「シラを切る気か……!」

小鹿「化け物め! もう一度やってみろ! 貴様を粉々にしてやる!」

エレン「!」

小鹿「一瞬だ! 正体を現すヒマなど与えーん!」

エレン「正体……?」

小鹿「ホォォ勢の者が見たんだ! お前が巨人の体内から、姿を現す瞬間をな!」

アルミン「見た見た!」

ミカサ「最初に抱きかかえたのは私」

エレン「えっ? えっ?」

小鹿「我々人類は、お前のような得体の知れないモノを、ウォーローゼ内に侵入させてしまってるのだ!」

小鹿「例え貴様らが王より授けられし訓練兵の一部であっても、リスクの早期排除は妥当だ!」

小鹿「私は間違っていなぁい!!」

エレン「くっ……まずいぞ……」

アルミン「くそー何か腹が立ってきた! エレンは巨人で人類の味方なのに!」

ミカサ「エレンを排除なんてさせない」

エレン「ただでさえまずい状況なのに余計悪化していってる気がする!」

小鹿「今にもウォール・マリアを破壊したあの鎧の巨人がうんぬんかんぬん」

小鹿「私は貴様らに、躊躇なく榴弾をぶち込むのだー!」

リコ「確かに、彼らの反抗的な態度は明らかです」

リコ「かといって有益な情報を引き出せそうにもない」

リコ「おっしゃるとおり、兵と時間の無駄遣いです」

モブ「隊長! 今なら簡単です! 奴が人間に化けてる間にバラしちまえば……!」

 

ミカサ「私の特技は」

ミカサ「肉を、削ぎ落とすことです」 スッ

モブ「!」

ミカサ「必要に迫られれば、いつでも披露します」

ミカサ「私の特技を体験したい方がいれば、どうぞ一番先に近付いてきてください」

アルミン「ミカサ、助太刀するよ!」

エレン「ちょっアルミン」

アルミン「ほとばしる衝動がこの身を灼きつくすんだよ!」

小鹿「ぉ……」

イアン「隊長、あのミカサ・アッカーマンは、私たち精鋭とともに護衛につきました」

イアン「彼女のはたらきは、並の兵士100と等価です。失えば、人類にとって大損害です」

小鹿「あ、あのアルミン・アルrrトもか?」

イアン「彼は確か、座学分野でトップクラスだった訓練兵です」

イアン「本来はあのように殺気立って刃を抜いたりはしない印象なのですが――」

イアン「ゆえに気をつけてください、ああ見えて何か企んでいるのかもしれません」

小鹿「ぐぬぬ!」

 

エレン「おいミカサ、アルミン! 人と戦ってどうする!」

ミカサ「どこの誰が相手であろうと、エレンが殺されるのは阻止する。これ以外に理由は必要ない」

アルミン「あいつら、恐怖だけが伝染しているんだ! いざとなったら一戦辞さずだ!!」

エレン(ま、まともな思考回路をしているのは、俺だけか)

エレン(身体がだるくて立てないし、下手に喋っても殺されそうだ)

エレン(あれ、これ半分詰んでないか)

小鹿「もう一度問う! 貴様の正体は何だ!?」

エレン「……!」

エレン(とにかく……答えを間違えるな。死ぬのは、俺だけじゃない)

エレン(そうだ。俺は昔から――お前らと同じ――)

アルミン「だから巨人ですって!」

エレン「人間です!!」


「…………」


小鹿「そうか……」

小鹿「巨人ということだな」 スッ

エレン「お、おい!」

エレン「お前が変なこと言うから、好都合に解釈されちゃったじゃないか!」

アルミン「なぜなんだ! 正直に伝えたのにあの野郎!」

ミカサ「エレンは私が守る」

エレン「もう皆いい加減にしてくれ!」

小鹿「」バッ

 

エレン「」(回想開始)

エレン「」(回想中)

エレン「」(回想終わり)

 

エレン「」ぐいっ

アルミン「エレン!?」

ミカサ「エレンてば大胆」

エレン「言ってる場合か!」ガリッ

 

ドゴォンンン!  フシュウウウ……

 

小鹿「……やったか?」

リコ(それ禁句なのに)

シュウウウウ……

ミカサ「……」

アルミン「こ、これは……!」

 

モブs「ひっ……ひいいっ」

 

ズズズズ…

巨人「」

巨人「」ギョロッ

 

モブ「生きてるぞ……!」

リコ「ヴェールマン隊長!」

小鹿「ひっ! よ、様子を見ろ!」

小鹿「近付くのは危険すぎるぅ!!」

リコ(ちっこの人どんだけ無能なんだよ貸した金返せよ早く帰ってアイス食べてゴロ寝したい)

小鹿「各自警戒態勢のままタイキ、タイキだぁ! 砲兵達に次弾装填させろぉっ!」

 

エレン「……」 …ピクピク…

エレン「ハッ!? !?  !? くっ……」

プシュウ

エレン「っ!」 ブチブチッ

エレン「……」

エレン「なんだこりゃ……」

 

アルミン「……ほ、砲声が聞こえたところまでは憶えてる」

アルミン「そのあとは、凄まじい音と衝撃と熱……」

アルミン「いま、僕達は巨大な骨格の内側にいるんだ!」

アルミン「強靭にして無敵かつ最強!! これで人類は勝てる!!」

ミカサ「エレンが私たちを守った。今はそれだけ理解できればいい」

エレン「おい! 大丈夫か、お前ら! あ思ったより大丈夫そうだった」

アルミン「エレン、これはっ!?」

エレン「分からん。ただ、こいつはもう蒸発する。巨人の死体と同じだ」

アルミン「ぐう残念」

エレン「少し離れるぞ!」

フシュウウウ……

エレン「……まだ様子を窺ってんのか、放心してんのか」

エレン「今のところは駐屯兵団に動きは見られないが、最終的には攻撃を続行するだろう」

エレン「こんなもん見せたあとで会話できる自信は俺にはない」

エレン「ただ、一つだけ思い出した。地下室だ。俺んちの地下室」

エレン「そこに行けば全て分かるって親父が言ってた」

エレン「俺がこうなっちまった原因も親父だ。地下室に行けばおそらく、巨人の正体も分かるんだ」

アルミン「なるほど……」

アルミン「じゃあうまくいけば、僕もその力を手にすることもできるわけか!」

アルミン「よし、一緒に地下室に行こう!!」

エレン「何を言い出すんだこのアルミンは」

ミカサ「エレン。今は他にすべきことがある」

エレン「……ああ」

 

モブ「漆黒(けむり)が晴れてきたぞっ」

モブ「見えたら項撃(こうげき)だっ」

モブ「さっさと最終演舞(けり)をつけようっ」

小鹿「まだ動くなぁっ!」

ガシャンッ

ガラガラガラ……  ドォォン……

モクモクモクモクモクモク

モブ「うわああああ」(aa略

 

エレン「俺は……ここを離れる」

アルミン「どこに! どうやって!?」

エレン「落ち着け。座れ。ミカサも一瞬で腕つかむな放せ」

エレン「……とりあえずどこでもいい。そこから壁を越えて地下室を目指す」

エレン「もう一度巨人になってからな」

アルミン「そんなことができるの!?」

エレン「自分でもどうやってるのか分からん。でもできるって思うんだ」

エレン「どうやって自分の腕を動かしてるのか説明できないようにな」

エレン「さっきは、無意識に砲弾を防ぐことだけを考えた」

エレン「だから、それ以上の機能も持続力もなく朽ちたんだ」

エレン「今度はもっと強力な奴を……さっき巨人共を蹴散らしたような15m級になってやる!」

アルミン「おう!!」

ミカサ「エレン。鼻血が」

エレン「!」ポタポタ

アルミン「そういえば顔色も悪いし、呼吸も荒い。明らかに身体に異常をきたしている!」

アルミン「ここから先は僕に任せるんだ!」

アルミン「さぁ巨人化の能力を早く!!」

エレン「早くどうしろってんだよ!!」

エレン「俺に考えが二つある」

エレン「俺を庇ったりしなければ、お前らは命までは奪われない」

エレン「……もうすでに迷惑をかけちまったが……俺はここから単独で動こうと思う」

ミカサ「エレン。私も行く」

アルミン「僕も行くぞ!」

エレン「ダメだ!」

ミカサ「私が追いつけなければ私に構う必要はない。ただし、私が従う必要もない」

アルミン「僕も地下室までついていく! 僕も巨人化してアルミナエルになるんだ!!」

エレン「いい加減にしろって言ってんだろーが!!」

 

リコ「隊長。あと少しで榴弾の装填が完了しますが」

リコ「次の攻撃を、いかがいたしましょう」

小鹿「……」

小鹿「私の合図があるまで待て!」

リコ「はっ」(→?って感じだわホントいい加減にして欲しい帰ってシャワー浴びて冷酒3杯飲みたい)

エレン「」ワーワー

ミカサ「」ニャーニャー

アルミン(今のところ、駐屯兵団が白兵戦をしかけてくる気配はない……)

アルミン(そんな気配があれば、ミカサが野良猫よりも早く察知しているだろう)

アルミン(最短時間で砲弾が装填されたとして……あと20秒ぐらいかかるだろうか!?)

アルミン(エレンはそれ以内に行動して、ここから去っていくだろう)

アルミン「けど僕もついていくんだ!」

エレン「!?」

アルミン「僕は最終的に、臆病者以外の何かにはなってる!」

アルミン「僕は何度も二人に助けられた! だから今度は僕が二人を助けるんだ!!」

アルミン「もうこれで、じゃない! これからも、三人はいつも一緒だ!」

ミカサ「アルミン……」

エレン「……そうだ。俺のもう一つの考え、それはお前だアルミン」

エレン「アルミン、あとはお前の判断に任せる」

アルミン「よし任された!」   エレン「まず話を聞け」 座れ

エレン「俺だって、今の話が現実性を欠いてることは分かってる」

エレン「無茶を言うが、アルミンがもしここで」

エレン「俺は脅威じゃないってことを駐屯兵団に説得できるというなら」

エレン「俺はお前を信じてそれに従う。これが二つ目の考えだ」

エレン「お前ができないというなら、さっきの最終手段に出る。15秒以内に決めてくれ」

アルミン「できる!」

ミカサ「コンマ2秒」

エレン「不安すぎる大丈夫なのか」

アルミン「必ず説得してみせる! 二人は万一のために臨戦態勢で備えててくれ!」

ミカサ「分かった」

エレン「ここは無抵抗の意思を示すほうが。いやでもアルミンが言うのなら」


アルミン「」バッ   ザッザッザッ…


アルミン(エレンが巨人になって戦っていたときから、ずっと引っかかってたことが有るような無いような!)

アルミン(まだ全く考えなしだけどやってやる! 口から出たとこ勝負だ!)

ザッザッザッザッザッ

小鹿「!」

モブ「ひっ」ジャキッ

小鹿「と、止まれええい!!」

ザッザッザッ

ザザーッ

アルミン「……」

小鹿「ついに正体を現したな化け物め!」

小鹿「送るぞぉ、私は合図を送るぅ!」

アルミン「」シャキーン

小鹿「ひっ」

アルミン「彼は人類の敵ではありません!」

アルミン「しかし私達には、そちらの一方的な攻撃に対して全面報復する意思があります!!」

小鹿「な……」

エレン「なん……だと……」

小鹿「い、命乞いに貸す耳はない! 目の前で正体を現しておいて今更何を言う!」

アルミン「命乞いは必要ありません!」

アルミン(そうだ……必要ない!!)

アルミン「あのエレンには、強大な巨人化能力があります!」

アルミン「大勢の者が、彼を見たと聞きました」

アルミン「ならば彼が、圧倒的なパワーで巨人たちをねじ伏せる姿も見たはずです!」

アルミン「もし彼がその気になれば、仮にここにいる全員が武器を持ったとしても――」

アルミン「七秒以内に全員殺れます!!」

エレン「おいちょま」

小鹿「う……うう……」

アルミン「我々がいくら知恵を絞ろうとも、この戦力差だけは動きません!!」

 
モブ「……確かにそうだ……」

モブ「お、俺たちがあんな巨人に敵うはずがない……」
 
 
エレン「なんか方向性違うんだが!!」

小鹿「げ、迎撃態勢を取れえ!!」

小鹿「奴の苦し紛れの恫喝に惑わされるな!」

小鹿「奴らの行動は常に我々の理解を超える! これ以上奴らの好きにさせてはならない!」

アルミン「考えるのを放棄してはなりません!」

アルミン「考えることが怖いようでは、巨人に敵うはずもありません!」

小鹿「ぐう」

リコ(もっと言ってやって)

 

エレン「あばばばどうなるんだ」

ミカサ「大丈夫。エレンは私が守る」

 

アルミン「」ドンッ

アルミン「私はとうに、人類の復興のためなら心臓を捧げると誓った兵士アルミン!」

アルミン「その信念に従った末に命が果てるのは至極の理不尽! 徹底抗戦を貫きます!!」

エレン「これダメだろ!!」

小鹿「う、撃てえええ!!」バッ

ドンッ

アルミン「あっ、この野郎!」

エレン「くそっ」ガリッ

ミカサ「エレン!」


ドゴオオオン!

シュウウウ~……


小鹿「……やったか?」


ズズズズ……

巨人「」

巨人「」ギョロ


小鹿「ひいっ!」

リコ(なんかグダってきた)

エレン「ハァ……ハァ……」

アルミン「ありがとうエレン!」

ミカサ「エレン、耳から血が」

エレン「ハァ……ハァ……」

エレン「……俺の力は……兵団に役立てるって……」

エレン「そういう話なんだよな?」

アルミン「もちのろんだよ!」

エレン「……こ、この説得は、俺ら全員の命がかかってる」

エレン「だから……アルミン」

エレン「お前……本当に……頼むぞ?」

アルミン「ああ!」

アルミン「ちょっともう一回行ってくる!」ザッザッザッ

 

エレン「ほ、本当に大丈夫なのかよ。大丈夫なのかよ」

ミカサ「エレン、耳血が垂れてる」

アルミン(いまだに何も考えが思いつかないけど、とにかく何とかなれ!)

ザッザッザッザッザッ

小鹿「! と、止まれええい!!」

ザッザッザッ   ザザーッ

アルミン「……」

小鹿「き、貴様……」

小鹿「貴様ぁどういうつもりだ!?」

アルミン「貴官こそどういうつもりなのでしょうか!? まだ人が話している最中に!!」

小鹿「ひ、人だと? どうせ貴様も巨人なのだろうが!」

アルミン「私は巨人ではありません! 人類に身を捧げた、巨人志望者たる兵士です!」

小鹿「??」

アルミン「とにかく、あれです! 彼の持つ巨人の力と、残存する兵力が組み合わせれば!」

アルミン「この町の奪還も、(多分)不可能ではありません!!」

イアン「……ヴェールマン隊長、彼の言葉は考察に値すr」

小鹿「だぁれええええ!!」ピギャー

小鹿(どう命乞いしようと、奴らは反逆者だ)

小鹿(規則に反する者は排除する。それが兵士たる者の務めだ)

 

アルミン(くそー……エレン! ミカサ!)チラッ

エレン「」ハラハラ

ミカサ「」エレーン

アルミン(よし、エレンの体調は良さそうだ!)

 

アルミン「人類の栄光を願い!」ドンッ

アルミン「これからエレンが完全体となるせめてもの間に!」ドンッ

アルミン「彼の戦術価値を説きま――」

小鹿「撃てえええええ!!」 バッ

アルミン「あっ、また!」

エレン「『また』は俺のセリフだよ!!」ガリッ

ミカサ「エレン!」

ドゴオオオン!

シュウウウ~……


小鹿「……やったか?」


ズズズズ……

巨人「」

巨人「」ギョロ


小鹿「ひいっ!」

リコ(この人まじで学習能力ないのかな)


エレン「ハァ……ハァ……」

アルミン「ありがとうエレン!」

ミカサ「エレン、目から血が」

アルミン「くそう、次こそは必ずうまくやるぞ!!」

エレン「いやもう……ほんと勘弁してくれ……」

イアン「隊長」

小鹿「な、なんだ!?」

イアン「もう直接銃撃した方が早いのでは」

イアン「先ほどから、どうもまともに巨人の姿に戻れていないようですし」

小鹿「そ、そうか! そうだな!」

小鹿「よーし……」バッ

 

グッ

ピクシス「よさんか」

小鹿「!」

ピクシス「相変わらず図体の割には、キッツのように繊細な男じゃ」

ピクシス「お前にはあの者の見事な敬礼が見えんのか」

小鹿「ピ……ピクシ……ピッシスシ……ピック司れ……ぴくしすしねえ!」

リコ「なんてことを」

ピクシス「よい、慣れておる」 言いづらいよね

ピクシス「いま着いたところだが、状況は早馬で伝わっておる」

ピクシス「お前は増援の指揮につけ」

小鹿「は、はっ」

ピクシス「いやお主ではなくお主だ」

イアン「はっ!」

小鹿「そんな!」

リコ(おおナイス采配)

ピクシス「ワシは……あの者らの話を聞いた方がいい気がするのぉ」

 

――

小鹿「くっ……司令は何を考えておるのだ」

小鹿「得体の知れん者たちを、護衛もつけずにあんなところに!」

リコ「さぁな。司令のお考えは、常に常人の理解の外にあるからな」

小鹿「降格した瞬間からタメ口!?」

イアン「部隊編成が完了した! 各自いつでも出撃できるよう待機しておくように!」

――

ピクシス「……そうか。その地下室に行けば、全て分かると」

エレン「はい。信じてもらえますか」

ピクシス「お主自身が確証を得られん以上は、とりあえず頭に入れておくといったところかのぉ」

ピクシス「しかし、物事の真意を見極める程度のことはできるつもりじゃ」

ピクシス「お主らの命は、ワシが保証しよう」

エレン(た……助かった……もう次巨人化したら多分死ぬ……)

ピクシス「アルレルト訓練兵、じゃったかのう」

アルミン「はっ!」

ピクシス「お主は先ほど、巨人の力とやらを使えば、この町の奪還も可能だと申したな」

ピクシス「あれは本当にそう思ったのか? それとも、苦し紛れの命乞いか」

アルミン「苦し紛れの命乞いです!」

エレン「えーっ」

ピクシス「そうか……」ショボン…

アルミン「しかし、たったいま作戦を思いつきました!!」

アルミン「あそこに岩があります! 大岩! 見えますよね!?」

ピクシス「ふむふむ」

エレン(おおっ、さすがに何かひらめいたか)

アルミン「あの岩を巨人になったエレンが粉☆砕すれば――」

アルミン「兵団の皆に、現状を打開できる可能性を感じてもらえると思います!」

エレン「うん?」

アルミン「ただ単純に思いついただけですが、何とかなれの精神です!」

ピクシス「……ふむ……」

ピクシス「『何とかなれ』……あまり信用できん言葉だが……」

ピクシス「どうじゃ。イェーガー訓練兵よ」

ピクシス「お主は、あの岩を粉☆砕することができるか?」

エレン「それは……その……どういう意味があるのでしょうか……」

ピクシス「ああそうじゃのう、すまんかった。質問を間違えてしもうたわ」

ピクシス「お主は、あの岩を使って穴を塞ぐことができるか?」

アルミン「えっ、別に質問を間違えては!!」   ミカサ「アルミンおすわり」

エレン「あ……あの……」

エレン「実は先刻から何度も巨人化しておりまして、そろそろ限界が……」

ピクシス「ああそうじゃのう、すまんかった。質問を間違えてしもうたわ」

ピクシス「お主は、やるのか? やらんのか?」

エレン「あ……う……」

ピクシス「」チラッ

エレン「!」

エレン(あ……ま、町が……うう……このプレッシャー……)

エレン「や、やります(泣」

エレン「穴を塞げるかどうかは分かりませんが、やります!(泣」

 

ミカサ「エレン、大丈夫。エレンは私が援護する」

アルミン「僕も手伝うよ! 誰にもエレンの邪魔をさせたりはしないぞ!」

エレン「おま……くっ……」

エレン「どうしてこうなった」

こうしてピクシスの説得により エレンは再び無理矢理巨人化し

大岩を運び 大きな穴を塞ぐことに成功した(当人は吐血と三日間の寝込みで済んだ)

 

その際アルミンは先陣切って 市中へ突っ込み

障害となる巨人を次々に斬り結んでいった

討伐数30を超える奮闘である  この戦果も含め

人類は初めて 巨人を後退させることに成功したのだった

 

しかしアルミンの胸中には安堵も慢心もなし

人類が勝利し 囚われの地から解放されるその日まで

その血潮が 紅蓮の気焔が褪せることはない

さあ助走を溜めろアルミン! ウォールも大型巨人も乗り越えろ!

飛べアルミン! 立体機動がなくとも 人は希望に向かって飛べるんだ!

とこしえに! アルミンの快進撃よ とこしえに!

終わり

もしアルミンがスマブラに参戦するなら 弱くてもいいから
やりこんだら変態スピードで動き回れる性能にしてほしいです(^q^)
お  や  す  み

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