天海春香「ついに、私もポケモンの旅に、2スレ目!」(494)

前スレはコチラです。
天海春香「ついに、私もポケモンの旅に!」
天海春香「ついに、私もポケモンの旅に!」 - SSまとめ速報
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千早「…ありがとうございました」

マーシュ「…皆さんおめでとう、ほんまに強いね」

それから私たちはマーシュさんとのバトルに全員勝利し、フェアリーバッジと技マシン・マジカルシャインを入手することが出来ました。

マーシュ「…みなさんの無事を祈っとります」

春香「…」

結局マーシュさんからはあれ以上の情報を聞き出すことはできませんでした、お母さんからは直接聞くしかなさそうです。
でも、少し聞くのが怖くて…未だにホロメールを送っていません。

千早「次のフウジョタウンにはジムは無いようね、少し休憩していきましょう」

春香「そうしよっか」

真「フロストケイブっていうのがあるのか…何が居るんだろう?」

雪歩「氷タイプかな…けど、私はもう手持ちがいっぱいだし、ポケモンは良いかな…」

千早「まあ今後のジムもエスパータイプと氷タイプだし特別氷タイプが必要になるわけでも無いからね…」

春香「そういや雪歩と私は6匹揃ってるけど真と千早ちゃんは?」

真「ボクはブリガロン、ファイアロー、ルカリオ、ドラピオンの4匹か、全然捕まえてないな…」

千早「私はゴローニャ、オオスバメ、マリルリ、ガルーラ、ゲンガーで5匹ね、もう一匹適当な特殊アタッカーが欲しいところだけど…」

真「どうするかな…う~ん…まあ考えながら進むか…」

千早「…荒れ果てホテルによっていいかしら?ヒトモシを捕まえたいのだけれど」

春香「荒れ果てホテル?」

雪歩「あ、あの恐怖スポットの…」

春香「また恐怖スポット~!?」

真「ああ…今度は違う意味でお金取られそうだけど…」

千早「その時はポケモンバトルで黙らせればいいのよ」

春香「?どういうこと?」

真「何か不良の溜り場になってるらしいよ」

春香「ひい…」

………
……


ハンサム「…」

ハンサム(ふう…今日も疲れた…)

ハンサム「…ただいま、相棒…」

ハンサム(…写真立て、ほこりが…)フーッ フキフキ

ハンサム(グレッグ…こんな時お前がいてくれたらな…)

ハンサム(全く…何が悲しくて、既に終わったプラズマ団の処理を私がせねばならぬのか…)

ハンサム(私は一刻も早くカロスに戻り、彼女らのサポートをしてやらねばならぬというのに…)

ハンサム(くそ…上は何を考えているのだ…?これでは私の孤軍奮闘ではないか…!)

ハンサム(…書類整理など下らん…)

ハンサム「…ホロメールか?なんだ…アイツか…」

ハンサム「…はい、ハンサムです」

ハンサム上司「…おお、ハンサムか」

ハンサム(何がハンサムか、だ…私は忙しいのだ…)

ハンサム「なんでしょうか、書類整理は順調に済んでおりますが」

ハンサム上司「ふむ、それは結構、ところでだ…君の同期だったか…ええと…あの身体のがっしりしたつんけんとしている男…」

ハンサム「はあ、そんな奴も居ましたね…優秀で生真面目な奴だったと記憶していますが…で、そいつがどうかしたんですか?言っておきますが私は彼と特に友達でも無いですから彼について何か聞かれても…」

ハンサム上司「…彼が死んだのだよ」

ハンサム「…は?」

ハンサム上司「彼が死んだのだ、首つり自殺だそうだ」

ハンサム「…そうですか、それは残念です」

ハンサム上司「ああ、確かに非常に残念でならない、彼は非常に優秀な人物であった」

ハンサム「…そうですか」

ハンサム(…自殺か…よほど何か思い詰めていたのだろうか…たまに噂では聞いていたが責任感が強い男だったらしい…何かに責任を感じての事だったのだろう…)

ハンサム(…そんな人材を失うとは、国際警察にとっても痛手だな…)

ハンサム上司「君も妙な事は考えるなよ、自殺は良くない、相談事があればカウンセラーに行きなさい」

ハンサム(今まさに、こんなくだらない書類整理をしている場合ではないということを相談したいところなんだがね…)

ハンサム「…分かりました、葬儀の予定はいつでしょうか」

ハンサム上司「その辺りはもう少ししたら通知がいく、まあ君も気を付けたまえ」

ハンサム(…何が気をつけたまえだ…)

ハンサム上司「縄の位置と痣の位置がずれるような死に方をしたくなければな」

ハンサム(……!?)

ブツッ

ハンサム「…縄の位置と痣の位置がずれる…!?」

ハンサム「殺された…というのか…!?」

ハンサム「一体何が起きているんだ…」

ハンサム(まさか…!)

ハンサム(私がこうして今更プラズマ団残党の相手をさせられているのも…)

ハンサム(…そうだ…ヤツだ…ヤツしかいない…!)

ハンサム(おのれパキラ…!4年前のクセロシキ逮捕の際の屈辱…決して忘れはせん…!ヤツがのうのうと日の元を歩いていられるのもマチエールを人質に取られた私の責任だ…)

ハンサム(…いや、しかしいくらヤツといえども、国際警察を動かすほどの力があるとは思えん…)

ハンサム(分からない…仮にパキラじゃないとしたら…?いや…犯人はパキラで間違いはないはずだ…そうだとしか考えられない…)

ハンサム(…くそっ…下手に動けない…!もしかすると私のホロキャスターも盗聴されているかもしれない…)

ハンサム(どうにかしてこの事を博士達に伝えねば…!)

ハンサム(待て…?なぜこんな事をアイツは私に伝えたのか…?)

ハンサム(…もしやすると、これは単なる警告という意味ではないのかもしれん…)

ハンサム(流石のパキラも国際警察全てに根を回すのは不可能と見た、ならば…!)

ハンサム「…またホロメ…プラターヌ博士?」

プラターヌ博士「…ハンサムさんですか、突然すみません、そちらは今何時ですか?」

ハンサム「今日はやけに電話が多い、時間は大丈夫、どうかなされました?」

プラターヌ博士「それが、律子さんとあずささんがレッドフードとバトルをして…」

ハンサム「何、レッドフードが!?」

プラターヌ博士「ええ、バトル半ば不利になったレッドフードはあなぬけのヒモで逃亡したそうですが、逃げる直前妙な事を言っていたと…」

ハンサム「妙な事…?」

プラターヌ博士「はい、四年ぶりだな、と…」

ハンサム「4年ぶり…?というと、あのフレア団の事件の…」

プラターヌ博士「それで、レッドフードはもしかするとフラダリなのではないかと…」

ハンサム「…!?」

ハンサム(フラダリだと…!?確かに彼の遺体は発見されてはいない、だが、あの最終兵器が完全に消えてなくなるほどのエネルギー、人間の身体の一つや二つ、消し飛んでしまってもおかしくはない…)

ハンサム「…にわかに信じがたい…」

ハンサム(…いや、待てよ?)

プラターヌ博士「…私も正直そう考えています…」

ハンサム「…だが、博士?」

プラターヌ博士「…はい?」

ハンサム「遂に秋月君や三浦君にまで接触が始まった、次に狙われるのは同じく継承者である人間の可能性が高い」

プラターヌ博士「…つまり、カルネさんだと?」

ハンサム「ああ、彼女に警告をしてくれ、そしていざという時は私達国際警察の護衛が付くということも!」

プラターヌ博士「…!分かりました」

ハンサム(流石博士、理解が早い)

プラターヌ博士「では早速行動に移りましょう」

ハンサム「ああ、頼むよ、カルネさんを何としても守らねば」

ハンサム(彼女には利用するようで悪いが…)

ハンサム(これで反撃開始だ…!)

ハンサム(未だ事件、終わらずか…)チラッ

ハンサム(プラズマ団はゲーチスは捉えられた…こちらはもう完全に終わったな…)

ハンサム(ゲーチスの杖か…全く、妙なものを作る…)

ハンサム(…ちょっと待てよ?)

ハンサム(…逮捕された団員のリスト…)

ハンサム(…技術部…本当にこれだけの人間でこんなものを作ることは出来るのか…?)

ハンサム(もしや、新旧プラズマ団残党の中にも、ネオフレア団に編入された者が居るのかもしれん…)

ハンサム(…事は思っていた以上に深刻かもしれないぞ…)


………
……

響「…入るよ」

???「…」

響「これ、置いておくから、ちゃんと食べなよ」

???「…」

響「…じゃ」

???「…」

エンテイ「グルル…」

響「…食事が必要なのは当たり前さー」

響「じゃあ聞くけどさ、あの子とエンテイはどう違うんだよ」

響「…え?何もかも?そりゃあ…自分にだってわかる、けどさ…」

響「誰にも会わず、ああして洞窟に籠っているんだ、きっと寂しいぞ…うん、違いない…」

ザッ…!

響「…あ、お帰り、貴音、スイクン」

貴音「…ただいま、響」

響「…なあ貴音…」

貴音「何でしょうか?」

響「…生まれ持って決まる運命なんて、あるのかな…」

貴音「…私は、あると思います」

響「…列車が決められた線路を進むようにって事だぞ?」

貴音「そうかもしれませんし、現に私達だって…」

響「…あのさ、前にも話したことあるけど…」

響「自分がエンテイと友達なのは、誰にも決められたことじゃなくてただ純粋にそうでありたいと思ったからなんだ…」

響「けど、貴音はそうは思わないんだよな?」

貴音「…はい、残念ながら私は響のようにポケモンと対話する力はありません、スイクンの力を借りて初めて双方の意思を伝え合うことが出来るのです…」

貴音「私にとっては、スイクンは父であり、母でもあるのです…」

貴音「スイクンは私を認めてくださりました、だからこうして対話に応じていると、そうスイクンから聞いております。スイクンあっての私、と言っても過言ではないでしょう」

響「…美希はどうだったんだろうな…」

貴音「…美希は響と同じくポケモンとの対話の力を持ってはいましたが…」

響「…なんていうか…うーん、自由なんだよな…ま、だからこうして問題を起こしてここまで逃げてきたんだろうけど…」

響「…なんか自分、ここに来てから変わった気がする」

貴音「…例えば?」

響「自分、今まではエンテイと友達続けられるならと思って大人たちの言う事聞いてきたけど…」

響「大人たちの言う事って、おかしくないか…?だって、エンテイの事を火乃神様って言って崇めるのは勝手だと思うけど、スイクンやライコウの事を悪く言うのはおかしいぞ!」

貴音「…ええ、ですから私たちの代で変えねばなりません、もはや、火乃神、水神、雷乃神などと言って私腹を肥やしている時代ではないのですから…」

響「今までそういうのが当たり前だと思ってきたから…ここカロスじゃ、そういうのは無し、自分の事を見ても誰も火乃神様の遣いなんて言わないんだもん」

響「思えばいい気になってたのかな…反省さー…」

貴音「そういう真っ直ぐな気持ちを持つ響だからこそ、あのポケモンも響だけには洞窟に入ることを許すのかもしれませんね」

響「…どうだか…だんまりだから分からないんだ…ずっと洞窟に籠ってないでここで自分たちと遊べばいいのに…」

響「ここじゃみんな友達なんだ、ここはみんなの場所で、みんなで使えばいいんだぞー!」

貴音「…響は優しいのですね」

響「え?そ、そうかな…自分は当たり前のことを…」

貴音「…そうですよ…おや」

響「あ、ウルップさん」

ウルップ「…そろそろ飯でもと思ってな」

貴音「すみません、わざわざ…」

響「ありがとう!自分も今度家に行って、ソーキソバ作ってあげるさ~」

ウルップ「ソーキソバねえ、食べたことないなあ?あれかい、ジョウト名物かい?」

響「違うよ~、自分が生まれたとこだぞ」

貴音「ところでウルップ殿…美希については何も分かってはいないのですか?」

ウルップ「ああ、何も…なあ…」

ウルップ「そんなに言うのなら、あいつらの力、借りてみたらどうだ?」

貴音「…いえ、これは私たちの問題ですから…」

貴音「それに…」

貴音(何かの意思が、ここ、かろすに渦巻いている、そんな気がします…)

ウルップ「俺に出来ることは少ない、なんてったって、俺もあまり他の奴らには頼れないからな…」

貴音「…深くは今まで聞いてはおりませんでしたが…」

貴音「ウルップ殿が頼れぬというのなら、なぜ私たちには…?」

ウルップ「…ただの人探しじゃないのか?だったら…」

貴音「…確かに、ただの人探しであれば良いのですが…」

響「…自分達の故郷じゃ大騒ぎだからな…あんまりよそは巻き込みたくないんだ、ゴメン…」

ウルップ「…まあ、あれだ、あまりお互い首を突っ込むのはよそうや」

ウルップ「知らない方が何かと都合がいい事もある、お二人さんも早く見つかるといいな」

ウルップ「今まで通り俺はジムに籠ってるし、うちにはかみさんしか居ないから風呂でもなんでも好きに使ってくれ」

貴音「…ご厚意に感謝いたします」

響「うん、ありがとう、ほんと助かるぞ」

ウルップ「なあに、良いってことよ。ここの奴らの世話もしてやってくれてるんだからな」

響「…まあ、あんなのが居るなんて聞いてなかったけどさ…」

ウルップ「手なずけられるか?」

響「…無理無理、そもそもここが自分達を除いて誰も辿りつけられないのは、あの子のせいなんだろ?」

ウルップ「うむ、しかしおかげでここはポケモンの天国だ」

響「…あの子はポケモン村の神様なのかもな…」

ウルップ「…まあ、お前さんたちが連れてきたこいつらも立派なもんだけどなあ」

響「かっこいいだろ!」

ウルップ「エンテイとスイクンが見られるなんてな」

ウルップ「あれだ、走ると火山が噴火するってのはほんとかい?」

響「そ、それは流石に無理なんじゃ…」

響「え?出来るって?」

響「やったこともあるって?」

響「…火山なんかジョウトにないだろ?」

エンテイ「…」

エンテイ「…」ギロッ

ウルップ「…いや、俺のせいじゃないだろ」


………
……

春香「ええ!?レッドフードとバトルして撃退した!?」

あずさ「ま、まあ…」

春香「なんで早くそのことを連絡してくれなかったんですか!?あ~、今すぐ聞きたいな~!」

あずさ「春香ちゃん達は今どこにいるのかしら?」

春香「フウジョタウンですよ、ヒャッコクジムに挑むために調整してるんです」

あずさ「あら~、もうそんなところまで行ったの?凄いわ~」

春香「あはは、自分でもびっくりするぐらい順調でして…っと!」

真「あずささん!レッドフードに勝ったってホントですか!?」ズイッ

あずさ「勝ったっていうか…まあ、逃げてくれたというか…」

真「ねえ、せっかくだから話聞いてかない?今じゃ空をとぶもあるしさ!」

千早「私も興味あるわ、レッドフードと交戦する機会が今後無いわけじゃないから対策を練るのも必要よ」

雪歩「私も興味あるな…」

春香「じゃあお邪魔しちゃう?あずささん、良いですか?」

あずさ「構わないわよ、ねえ?律子さん?」

「「え?何がですか?」」

あずさ「律子さんも良いって」

春香「ははは…では、お言葉に甘えて…」

真「今晩は楽しくなりそうだ!」

雪歩「久しぶりにあずささんの手料理が食べられますぅ」

千早「それも楽しみね」

春香「では、レッツゴー!」


………
……

あずさ「…あら、きたきた」

律子「おーい!…ってあれ?どうなってるのかしら、あれ…」

あずさ「…フワライド…?」

プラターヌ博士「…ロープで牽引してるのか」

真「じゃ、お先!」

千早「ええ」

春香「フワライドみたいにゆっくり降りられないんだよね…じゃ!」

雪歩「はーい」

真「律子!あずささん!」

律子「着地はもうあずささんより上手いんじゃない?」

あずさ「もう~、律子さんったら」

真「はは、って、千早!危ない!」

千早「え?」

春香「うわああ!?どどど、どいてええ!」

千早「!?」

オオスバメ「!?」ヒラッ

どんがらがっしゃ~ん!

真「…だ、大丈夫…?」

春香「うう…アーケオスったら…」

アーケオス「クエー!」

プラターヌ博士「はは…アーケオスは飛ぶのは苦手だからね…」

真「ボクのファイアローと千早のオオスバメでフワライドを引っ張って、フワライドの力でアーケオスを上に引っ張り上げる、良い作戦だったと思うんだったけどなあ」

千早「…だったら春香はフワライドと一緒に降りてきた方が良かったんじゃ…」

春香「前は綺麗に滑空が決まったのに…」


………
……

律子「とまあ、こんな感じね、手持ちの感じではダブル専用の手持ちだったみたいだったから敢えてタイマンを申し込むと機能不全になったりして」

千早「シングルとダブルでは構成が違いすぎるわ…最初からダブルで挑むつもりだったから対応できたんでしょうが、とてもじゃないけど奇襲でもされたら…」

あずさ「そうねえ…それにレベルも不揃いだから、ある程度の耐久力と火力を両立したポケモンを選ぶことで技の打ち合いで倒しきれないってことは無くなると思うわ…」

春香「あれ?ポケモンは素早さが上だと有利になれるんじゃないんですか?」

律子「速いにこしたことはないけど、ゴウカザルやフーディンみたいな素早くて攻撃性能も高いけど、耐久面で不安が残るっていうポケモンでは技の打ち合いになった時不利になるって話よ」

あずさ「カロスでは外国産ジュエルの所持が法律で禁止されているし、そういうポケモンだと不利になりがちね、きあいの襷とかでカバーできたりはするけど」

雪歩「ジュエル…?」

千早「バトル中で一回のみ使える技の威力を高めるアイテムよ、効果はこだわり鉢巻やこだわり眼鏡と同等の効果と言われているわ」

真「ノーマルジュエルだけなんだよね、カロスで生産されているのは」

春香「そうなんだ…」

春香(アーケオスやゲッコウガはじゃあ、戦えないの…?)

春香(…でも、ポケモンはトレーナーの腕次第で強さが決まる…)

春香(…そう、腕次第…)

律子「…ただ、ポケモンの育成は時間と労力がかかりすぎる、今いるメンバーで戦い抜くことに専念した方が良いかもしれないわね」

あずさ「レッドフードのポケモンは全部レベルは70から80程だったわ、レベル100で揃えてきていないだけまだ望みはあるわ」

雪歩「…なんだか、自信なくなってきちゃいました…」

春香「私も…」

真「…でもさ、律子やあずささんはレッドフードを返り討ちにしたんだよ?」

千早「…ええ、そうよ、相手の裏をつけば私たちにも勝機はあるわ、しかも今回はメガシンカさせるポケモン抜きで撃退している…」

千早「ようは、ここよ」

春香「千早ちゃん…」

そう言いながら人差し指でおでこを指す千早ちゃん、その姿が本当に心強かったです。
って、このままじゃダメなんですよね…
そこで私、ある提案を律子さんとあずささんにしてみることにしました。

春香「律子さん、あずささん!」

あずさ「どうしたの?」

律子「何?」

春香「…私たちを特訓してください!」

真「…うん、ボクも2人から色々教えてほしい!」

雪歩「わ、私も色々教えてほしいですぅ!」

千早「…でも、良いんですか?出来れば私も受けてみたいのですが…」

律子「別にかまわないわよ」

あずさ「ええ、皆の頼みなら、ね」

真「よしきた!ありがとう律子、あずささん!」

春香「や、やったー!」

プラターヌ博士「何やら楽しそうな話をしてるじゃないか」

春香「あ、博士」

あずさ「特訓ですよ、特訓」

プラターヌ博士「なるほど、しかし今回の件でレッドフードも人の子ということが分かったね」

律子「ええ、どんなパーテイーに対応できるパーティーなんてありませんから、けど…」

真「パーティーの皆で力を分け合い、一つにして戦えば可能性は限りなく100パーセントに近づく!そうだよね?」

千早「…今の何?」

春香「律子さんの座右の銘だよ」

千早「へえ…」

千早(力を分け合い、一つにして戦えば可能性は限りなく100パーセントに近づく、か…)

千早(…そうね、どんな状況にも必ず勝てるパーティーというものはない…)

千早(…全てのトレーナーの目標…)

千早(流石…真が尊敬するのも分かるわ…)

雪歩「で、でも、私達のポケモンはまだレベル50にもなってないけど…」

律子「それは問題ないわよ」

あずさ「ええ、初めから私たちのポケモンでバトルするつもりはないから」

千早「…?」

真「どういうこと?」

春香「分かる?雪歩?」

雪歩「ううん…」

プラターヌ博士「…ん?もしかしてキナンシティに行くのかい?でもまだオープンしてないんじゃ?」

真「え、キナンシティに何か出来るんですか?」

プラターヌ博士「ああ、レンタルバトルの施設が出来るんだってさ。その他にも色々計画はあるけど最終的にはホウエンとかのバトルフロンティアぐらいのレベルまで持っていくのが目標らしい」

春香「レ、レンタルって、ポケモンを借りてバトルするんですか!?」

千早「バトルフロンティア、知っています、ポケモンバトルの最前線と謳われている…でも、どこからそんなお金が?」

律子「何でも個人から企業まであちこち関わってるらしいわよ?」

あずさ「カロスのポケモンバトルのレベルを高めるのが目的なんですって」

春香「ふーん…」

真「と言っても…まだオープン前なんでしょ?」

律子「私たちにも一応声はかかってたのよ、フロンティアブレーンをやらないかって」

あずさ「でも今は忙しいからってお断りしてたの」

春香「フロンティアブレーン?」

千早「施設の、言えばボスよ」

春香「ボ、ボス…」ゾクッ

雪歩「ひい~ん!」ブルブル

律子「…何よ、人を鬼みたいに」

春香「自覚はあったんですね…ああ!じゃなくて…!」

律子「じ、自覚ぅ~!?」

真「ったく…」

雪歩「墓穴は掘りたくないですぅ…」

律子「何さりげなく墓穴とか言ってくれちゃってるのよ雪歩」

雪歩「わ、私まで~!?」

あずさ「あらあら…」

律子「…まあ冗談はおいておき、そういうことだから施設にはオープン前のテストも兼ねて入れるのよ」

あずさ「結構楽しいのよね、前に行ったときはまだ半分も出来てなかったんじゃないかしら?」

春香「へえ~、でもキナンシティまでどうやって行くんですか?」

千早「ミアレに駅があるわ」

律子「まあ今日はもう遅いから、早速明日始発で行くわよ」

プラターヌ博士「楽しんでくるといいよ、僕の方が明日は早いかな?じゃあおやすみ」

春香「はーい、おやすみなさい!」

律子「お願いします、おやすみなさい」

あずさ「気を付けてくださいね」

雪歩「…そういえば終の洞窟の調査はいいんですか?」

律子「ん?ああ…一区切りついたからね」

真「一区切り…?」


………
……

春香「うわ…すごい…」

真「え、駅なんて無かったからなあ…」

雪歩「近代建築の勝利ですぅ…」

律子「何わけわかんない事言ってんのよ」

あずさ「…あら?欠便…?」

律子「そんなわけないじゃないですか、だってホームにはTMVが…」

あずさ「…でも、ほら…」

律子「あ、あれ…?」

春香「ところでTMVって何ですか?」

あずさ「TMVはね、野菜の葉っぱにね…」

律子「そうそう、葉にモザイク状の斑点ができ葉の成長が悪くなる、トバモウィルス属のタバコモザイクウィルス…じゃないわよ!!」

雪歩「出ましたぁ!律子さんのノリ突っ込みですぅ!」

律子「雪歩!!」キッ

雪歩「ひぃぃん!」

律子「っていうか、欠便なんて聞いてないわよ!?」

あずさ「ええ、おかしいわね…」

律子「…あ、駅員さん…すみませーん!」

春香「へえ…これがTMV…電車じゃないんだ…中は綺麗だね、どんな座り心地がするんだろう?」

真「でも中に誰も居ないね」

千早「…まあ欠便だからだろうけ…」

千早「…」ピタッ

春香「うわっ…!」ドンッ

春香「千早ちゃん…?」

千早「…これ」

真「…!?」

春香「へ?ッ…!?」

春香「い…!?」

春香・真「伊織ぃ~!?」

春香「ななななんで!?なんで伊織が居るの!?」

伊織(このオレンジジュース、結構いけるわね、どこのかしら?)

「……!!…!!」ヤイノヤイノ

伊織「…何よ、騒がしい…」

伊織「」ブーッ

千早「っ…」

春香「げぇっ!?」

真「うわっ汚っ!?」

伊織「ゲホッゲホッ!サイアク!何であんた達がここに!?」

「…………!!」

春香「…伊織は何て言ってるの?」

真「ガラス一枚のはずなのに、全然聞こえないなあ」

千早「走っていても静かそうね」

真「伊織!何言ってるかわかんないから外に出てきて!!」バンバン

伊織「あーちょっとバカ!何叩いてるのよ!出るわよ!出たらいいんでしょ!」


TMVが欠便?次の便を待てば済む話なんですがホームにはTMVが、そしてその中には何と、あの伊織が!?
パルファム宮殿の時以来ですが、どうやら伊織は元気そうです。
何だかあのキャンキャンした声が懐かしいですが…そんなにあの時から時間は経っていないはずなのに、すごく長い旅をしてきた気分になりました…

………
……



プラターヌ博士「…なるほど、ね…これがバケモノの正体ってわけだ…」

カルネ「…遥か昔から、この地を見つめ続けていたのでしょうか…」

ジガルデ「…」

ハンサム「…ちょ、ちょっと、早く帰りましょう…」ヒソヒソ

カルネ「大丈夫ですよ、悪いポケモンではありませんから」

プラターヌ博士「迷路のような終の洞窟、よく律子さんとあずささんはこいつを見つけてくれました…」

プラターヌ博士「…ただ、私たちが求めていたものでもないですけどね…」

ハンサム「だ、だってあんなに大きい…」

カルネ「…しっかりしてくださいよ、それでも私を守るために来たんですか?」

ハンサム「餅は餅屋というでしょうが…犯罪者の相手は出来ても野生のポケモンの相手は…」

カルネ「ふふ、冗談ですよ。勿論私だって、私の保護がハンサムさんがカロスで行動できるようにするための口実だということぐらい知っていますから」

ハンサム「しかし本当に狙われているかもしれないんですから…」

カルネ「ええ、感謝しています」

ジガルデ「…」

プラターヌ博士(六角形の鱗が時折光っているがこれで意思を表現しているのだろうか?)

プラターヌ博士(…カロスの生態系が崩れると姿を現し、秘めた力を発揮するというが…)

ジガルデ「…」

プラターヌ博士(…私たちの方を見ている、確実に認識している…)

プラターヌ博士(君はまだ、自分が動く時ではないとでも言いたいのか…?)

プラターヌ博士(既にゼルネアスが倒されているにも関わらずだ…確かに目立った環境の変化は見受けられないが、伝説級のポケモンが消えたんだぞ…?)

カルネ「…ジガルデっていうんですよね」

プラターヌ博士「…そうですよ」

カルネ「伝説が本当だとするならば…この子がじっとここで居るということは、まだ、事態は深刻ではないということなのかもしれませんね」

プラターヌ博士「そうだといいが…我々のことなど取るに足らない、とだけは思っていてほしくないですけどね…」

ハンサム「…こ、このポケモンさんは…何か役に立つんですか?」

プラターヌ博士「役に立つですか…"誰の役に立つという"というのが問題でしょうね…」

ハンサム(…言われてみればそう…か…)

ジガルデ「…」チラッ

ハンサム(…)

今日の分はこれで終わりです、ありがとうございました。
今回から新スレに移動したのでよろしくお願いします。

伊織「久しぶりじゃない、春香に真、雪歩、千早、元気そうじゃない?それと…」

春香「うん、伊織も元気そうだね。律子さんとあずささんだよ」

律子「よろしく」

あずさ「はい、あずさと申します」

伊織「よ、よ、よろしくお願いします!まさかカロスの英雄に…」

律子「やーねー、そんなに緊張しなくても…律子でいいわよ」

あずさ「そうそう…私もあずさでいいから」

伊織「ああ、じゃあそれでいくわ、よろしくね、律子、あずさ」

律子「って切り替え早いわね…」

あずさ「うふふ」

雪歩「けど、伊織ちゃんもわざわざMTVを貸切にしなくたって良かったんじゃ…」

伊織「前からやってみたかったの、バッジ集めも一区切りついた記念よ」

真「ええ!?もう8つ集めたの!?」

伊織「んなわけないでしょ!半分よ、半分」

春香「なーんだ、半分か…」

伊織「…じゃああんた達はどうなのよ」

春香「…6つ目」ドヤッ

伊織「うざっ!」

伊織「…ま、トレーナーはバッジの数じゃないのよ」

真「それにボクたちは先に進んでたわけだしね」

スッ

真「…ボール?」

伊織「ふふふ…春香、私と勝負よ!」

千早「ミアレジムに挑めるならレベルもそんなに変わらないし良いんじゃない?」

春香「うん、良いよ」

伊織「よし来た!行くわよ…」

雪歩「…ええ!?ここでするんですか!?」

春香「ちょっちょっちょ!そうそう!だってここはMTVの中だし…」

伊織「…バトルサブウェイ、って知ってる?」

律子「…へえ」

あずさ「あら…」

春香「…何それ?」

律子「イッシュ地方の、キナンシティみたいなものよ…」

千早「…噂だけですが、高難易度のものになると生半可なパーティーではサブウェイマスターに会う事すら難しいと…」

あずさ「あそこ…色々変な人多いから…」

春香「え、あずささんやったことあるんですか!?う~ん、確かに連戦だと薬が…」

律子「薬?バトル後にHPは回復してくれるわよ」

春香「…?だったらそんなに難しいわけじゃ…」

伊織「そんなわけないじゃない…」

あずさ「…まあ、春香ちゃんもレンタルバトルとか、やってみればわかると思うわ…」

律子「あー…思い出すだけでも腹が立ってきたわ…」

真「え?」

律子「…光の粉とか先制の爪はね、強いわよ…」ゲッソリ

真「ああ…そういう…」

雪歩「なんか当たり前みたいにバトルサブウェイの話してるけど、こんなとこでバトルしたら内装がめちゃくちゃになるんじゃ…」

千早「…まあ正論ね」

春香「じゃあ着いてからにする?私ももう一回伊織とバトルしてみたいし!」

伊織「挑まれたんじゃあしょうがないわね、この水瀬伊織、アンタの申し出を受けて立つわ!」

律子「アンタから挑んだんじゃない…」

真「はは…」


………
……

あずさ「あら…凄いことになってるわね…」

伊織「え?こんなものでしょ?」

律子「4年前、私たちがここで道具集めしてた時はあそこしかなかったのよ」

伊織「へえ…」

春香「うひゃー…遊園地みたい…」

千早「…ここが、カロスのポケモンバトル最前線…!」

真「…ワクワクしてくるね!」

雪歩「凄いですぅ…!」

律子「…そういえば、あなた…水瀬って…」

伊織「ああ、パパもこれに出資しだしたのよ、パパもポケモンバトルは野蛮だとか言ってたのにね…」

伊織「色々感謝してるわ、春香」

春香「うん、私も伊織に会えてよかったよ」

伊織「…っ、な、なに正面向いて恥ずかしい事言ってくれるのよ!バトルよ、バトル!」

春香「…あはは、じゃあ始めよっか」

春香「手持ちは何匹いる?」

伊織「まだ4匹、春香はもう6匹いるの?」

春香「うん、どうしよう…」

律子「見せ合いして3匹づつ選べば?対人戦じゃポピュラーな方式よ、まあ辻バトルじゃ大抵は自分の手持ちをフルに使うけどね」

真「ロクサンってヤツか!」

伊織「良いわよ、全員出てきなさい!」

シュパパパパァァン!

ミミロップ「…」

ロズレイド「…」

パルシェン「…」ニヤッ

クチート「…」

春香「ミミロップ、ロズレイド、パルシェン、クチート…!」

真(…パルシェン…伊織の事だからまさかとは思うけど…)

春香「…じゃあ、私たちのポケモンは…」

春香「この子たち!」

シュパパパパパパァァン!!

ゲッコウガ「…ゲコ」

ニンフィア「♪」

アーケオス「クエー!」

カエンジシ「…」キッ

デンリュウ「…」

シュバルゴ「…」

伊織「…」

律子「分かってるでしょうけど、この選出が重要なんだからね」

春香(…あっちは4匹、こっちは6匹、誰を選んで、誰を出さない…?)

伊織「…良いわよ、来なさい」

春香「え、もう!?」

春香「う、う~ん…」

春香(ミミロップはアンコールを使ってくる、先発は?クチートはいかくが怖い、だからといってゲッコウガじゃ分が悪い…)

春香(タイプ相性的にもパルシェンに有利なデンリュウは使いたい、いかくも怖くない、ロズレイドはどうする?毒、草、シュバルゴでいける!)

春香(あと一匹、クチート、ロズレイドに強いカエンジシ!一応パルシェンも氷タイプついてるから悪くない!)

春香「決まった!皆戻って!」

伊織「始めるわよ…」

春香(…あっちは4匹、こっちは6匹、誰を選んで、誰を出さない…?)

伊織「…良いわよ、来なさい」

春香「え、もう!?」

春香「う、う~ん…」

春香(ミミロップはアンコールを使ってくる、先発は?クチートはいかくが怖い、だからといってゲッコウガじゃ分が悪い…)

春香(タイプ相性的にもパルシェンに有利なデンリュウは使いたい、いかくも怖くない、ロズレイドはどうする?毒、草、シュバルゴでいける!)

春香(あと一匹、クチート、ロズレイドに強いカエンジシ!一応パルシェンも氷タイプついてるから悪くない!)

春香「決まった!皆戻って!」

伊織「始めるわよ…」

あずさ「…準備はいいかしら?」

伊織「ええ!」

春香「はい!」

あずさ「ポケモンバトル、スタート!」

春香「デンリュウ!」

伊織「パルシェン!」

シュパアァン!シュパアァン!

律子「始まったわね」

真(パルシェン…)

千早(…春香は恐らく、知らない…)

春香「…よし!デンリュウ、10まんボルト!」

春香(さっそく一匹落とせ…)

伊織「パルシェン?からをやぶる、よ」

春香「からをやぶる…!?」

春香「いい!?」

真「やっぱりか…」

千早「そして持ち物は恐らく…」

律子「気合いの襷、ね」

バリィッ!

パルシェン「…」ニヤッ

デンリュウ「…!」

春香「パ、パルシェンの攻撃力、特殊攻撃力、素早さがぐ~んと上がった~!?防御力と特殊防御下がったって…こんなのもう関係ないんじゃ…」

春香(ど、ど、ど、どうしよう…!?やばい、やばいって…!!)

春香(…あ…)ハッ

春香(ある…一つだけある…)

伊織「パルシェン、つららばり!」

春香「…っ!と、取り敢えず10まんボルト!」

春香「お願い!2発で終わって!」

伊織「甘いわよ、春香?わたしのパルシェンの特性はスキルリンク、つららばりは全部当たるのよ!」

春香「ええ~!?」

春香「デンリュウ!」

ドシ~ン!

デンリュウ「…」バタンキュー

春香「っ…!戻って!デンリュウ!」

春香(…まあここまでは予想済み!)

春香(これに賭けるしかない…!)

春香「カエンジシ!君に決めた!」

シュパァァン!

春香「ふっ…」ニヤッ

伊織(あれ…?)

伊織(…)

千早「…」

真「…なるほど」

伊織「…パ、パルシェン、つららばり」

千早「え?」

伊織「…え?」

パシャン!パシャン!パシャン!パシャン!パシャン!

パルシェン「…!?」

カエンジシ「…ッ!」

伊織「はあああ!?」

春香「やった!ギリギリ耐えた!カエンジシ、かえんほうしゃ!」

真「…い、伊織?っていうか春香も…」

千早「…まさか伊織…」

千早「カエンジシの技…」

千早「"でんこうせっか"だと思ったんじゃ…」

伊織「…」フルフル

伊織「だーって!!しょうがないでしょ!?あんなに自信満々にカエンジシ出してこられてよ!?しかもノーマルタイプついてるし!」

伊織「ああもう!ダメもとでなみのりかロックブラストで指示しとけばよかったわ!」

伊織「戻って、パルシェン!」

春香「これも作戦の内だもーん」

伊織「そういえばアンタ、前もれいとうビームではったりかましてたわね…」

春香「あ、あれは…っていうか、伊織も命令出してから引っ込めてたじゃない!」

伊織「あれであいこよ!」

あずさ「あらあら…」

律子「はは…」

真「…っていうか覚えないの?でんこうせっか」

雪歩「…みたい」

真「思い込みって怖い…」

伊織「…まあいいわ!ミミロップ!」

シュパァァン!

伊織「ミミロップ、おんがえし!」

春香「かえんほうしゃ!」

伊織「…そっちが速かったか!けど!」

春香「お疲れ、カエンジシ!」

春香「いっけー!シュバルゴ!」

シュパァァン!

伊織「…」

千早(気合いの襷を持っていたということは…)

春香「シュバルゴ!アイアンヘッド!」

伊織「すりかえよ、ミミロップ!」

春香「っ!?」

春香「こ、これは…!」

真「あちゃー…」

雪歩「ああ…」

千早「…」

春香「…何?」

伊織「って知らないの!?まあしょうがないか…」

伊織「かえんだまよ、まあ効果はそのうち分かるわ」

伊織「たべのこしね、結構良いもの持ってるじゃない。ありがと、にひひっ♪」

バゴッ!

伊織「良くやったわ、ミミロップ!これで!」

伊織「…終わらせる!」

シュパァァン!

春香「クチート!?」

ボッ!

春香「シュバルゴがやけどした!?」

シュバルゴ「…;」アチチ

春香(か、かえんだまってそういう!?)

春香「…いかくも入った…!」

伊織「じゃ、そういうことで…」

春香(そ、それでも相手に決定打はない!アイアンヘッドは等倍、き、急所を引けば…!)

伊織「…お疲れ様。クチート!だいもんじ!」

春香「…はい?」

真「特殊クチートだったか…」

千早「伊織の方が一枚上手だったわね」

春香「ひええ…戻って、シュバルゴ…」

伊織「…まあ道具の差ね、アンタもここでバトルポイントを集めて景品に変えてもらうといいわ」

春香「かえんだまもここで?はいこれ、返すよ…ってあつっ!」ポイッ

伊織「ちょちょ!アチチチチ!」

雪歩「だ、大丈夫!?」

伊織「フーッ!フーッ!もう、不器用なだけでなんでこれ持っててミミロップは火傷しないんだか…」

ミミロップ「♪」

伊織「…そうよ、ま、かえんだまが無くても私は勝ててたけどね」

春香「はいはい…今度バトルするときは絶対負けないんだから…」

春香(ああ~、知らない事、まだまだいっぱいあるんだなあ…)

ポケモンの持つアイテム、それぞれのポケモンの得意な戦法、後から律子さん達から聞いたのですが、ミミロップのすりかえは有名なものらしかったとか。
悔しいですけど、この律子さん達との特訓で強くならないと…!

律子「ここね、レンタルバトルの施設は」

雪歩「…レンタルバトルなのに、この建物のどこにポケモン達が居るんですか?」

あずさ「雪歩ちゃん、実際にポケモンが居るわけじゃないのよ」

雪歩「え、そうなんですか!?」

真「うん…?どういう…」

伊織「仮想バトルシステムよ、実際にポケモンのバラバラのレベルを一定に揃えるのは不可能だから、ポケモンのステータスのデータを読み込んでそれを反映させているのよ」

伊織「ま、ホログラム技術のたまものね」

春香「だったら私たちのポケモンのレベルだって引き上げられるんだし、それでよかったんじゃ…」

律子「…甘いわ!」

一同「は、はい!」

あずさ「ええ…ほとんどのレンタルポケモンははっきり言って弱いわ」

真「…弱い?」

千早「弱いポケモンでバトルすることに意味はあるんですか?」

律子「ええ、ポケモン自体の持つ性能に頼る事が出来ないからね」

あずさ「現実のポケモンバトルでは、自分が理想とする構成で挑むことが出来る…能力値の高いポケモンで無理やり倒す事だって可能…」

あずさ「けれど、ここはそうはいかないわ。裏を返せば、どんなポケモンも構成次第で強さが変わるということを身をもって体感できるというわけね…」

律子「そしてレンタルバトルは、倒した相手のポケモンを自分の手持ちと交換できる」

律子「これはパーティー構築の良い訓練になるわ」

あずさ「勝ち進むためには、自分のパーティーの特性、弱点を知ることが重要になるわ」

真「なるほど…」

春香「…特性、弱点を知る…」

雪歩「だからレンタルバトルを…」

千早「…もういつでもオープン出来そうですね」

律子「それがまだまだ調整どころは多いそうよ?まあ肝心の中身はほぼ完成してるから安心なさい」

あずさ「こんにちは、よろしくお願いします」

システム管理人「テストモードで起動させていますからレスポンスが少し遅れると思います」

律子「分かったわ」

真「ところでどうやって組み分けするの?」

律子「そうね…真、あなたは千早と伊織の3人で対戦してくれる?アンタ達なら自分達で練習できるでしょ」

千早「分かりました」

真「オッケー!」

伊織「しょうがないわね、行くわよ」


あずさ「2人はどうする?」

律子「…春香、アンタは私とよ」

春香「げえっ!?」

雪歩「ほっ…」

律子「…何露骨な反応してるのよ」

春香「え?…いや、な、なんでも…はは…」

あずさ「じゃ、雪歩ちゃんは私と、ね」

雪歩「は、はい!早速始めましょう!」スタスタ

真「…」

千早「せっかく教えてもらえるっていうのに…」

伊織「何でもいいわよ、早く始めましょ?」

春香(うう…きっとスパルタ教育なんだろうな…)


………
……

貴音「…こちらです!響!」

響「…ああ!早くしてあげないと…」

貴音「しかし、幸運でした…まさか近くまで来ていたとは…」

響「…あそこか!美希!」

美希「…」

貴音「美希…!ああ…なんと可哀想に…!」

美希「っ…」

美希「あ…」

響「美希!水だ!ほら…飲んで…」

美希「たか…ね…!ひびき…!」

美希「…!」ゴクゴク

響「もう安心だぞ…美希…」

貴音「…ライコウ殿、ご無礼をお許しください」

シュパァァン!

ライコウ「…!」

ライコウ「グオオッ!」

エンテイ「グルルッ!」

響「やめろ!エンテイ!ライコウ!」

ライコウ「…!」

美希「ハニィ…安心して…」

響「ああ、もう大丈夫さー…」


………
……

ウルップ「…すると、偶然というわけなんだな」

貴音「…ええ、2人で巡回していたところスイクンがボール越しにライコウの気配に感づいたのです」

響「運が良かったとしか…ボール越しだなんて、かなり近づいてたんだよ…」

貴音「恐らくぽけもん村の外からは私たちの事は探せないでしょうゆえ…」

ウルップ「…これで問題解決というわけだな」

響「…連れて帰るっていう大仕事があるけど」

貴音「話せば分かってくれるでしょう…」

ウルップ「…そうか」

ウルップ「まああれだ、何にせよあの子の目覚めを待たないとな」

響「聞きたいことがいっぱいあるぞ」

貴音「ええ…」

ウルップ「…ずっと寝ているらしい、無理もないか」

響「美希は昼寝が好きだからな…はは…」

貴音「ええ、そうでしたね…」

貴音「…」ポロッ…

響「貴音…」

貴音「…可哀想に…!一体何があったというのですか…!?」

響「ああ…どうしてこんなになるまで逃げなきゃならないんだよ…」

ウルップ「…」


………
……

真「来てみたは良いけど…」

伊織「まあこうなるわよね」

千早「ええ…実力は段違い…」

雪歩「春香ちゃん頑張って!」

あずさ「そうそう、まだ1戦残ってますから…」

春香「って言われても~…」

律子「まあ私の引き、妙に良いからね…」

千早「これ、春香がずっと負けてるの?」

雪歩「たぶん…」

千早(…だったら…)

伊織(この勝負…)

千早(…春香)

春香(参ったな~…いくら律子さんのポケモンと技が全部分かってたって…)

春香(ナットレイ、ガメノデス、そして…)

春香(ボーマンダ~!どうして!?んも~!!)

春香(ボーマンダへの氷、岩、ドラゴン技はナットレイ、ガメノデスで受けられるし…)

春香(じめんはボーマンダにスカされて、草はナットレイかボ-マンダ!電気もナットレイ、火なんか結構使えるはずなのに、ボーマンダとガメノデス両方で受けられるよ~…)

春香(今回のポケモンは…)

春香(…こい!こい!ガブリアスとか、なんか…強いやつ!)

春香(…)チラッ…

春香(…!!)

春香(…こ、これは…!よし、この3匹だ~!)

あずさ「良いポケモン、引けたかしら?」

伊織「特に良いやつ引かないと話にならないわよ」

春香「…」

春香「…決まりました」

律子「OK、いつでも来なさい?」

春香「…はい!」

春香「どうっしゃー!いっけー!アーケオス!」

律子「ボーマンダ!」

シュパアァン!シュパアァン!

伊織「何やってるのよ春香ー!」

千早「手持ちが分かってるんだから、特殊アタッカーを先発に…」

真「…まさか、あれ、特殊アーケオスなのか…?」

あずさ「まあレンタルだったらありそうだけど…特殊だけみたいな?」

律子「…」

春香「…」

律子「ボーマンダ、りゅうのまい!」

春香「アーケオス交替、トリデプス!」

シュパアァン!

律子「…」

真「トリデプスか…律子もこれは…」

春香(た、たぶんトリデプスがメタルバーストなのは…読まれる…)

春香(だから…)

律子「ボーマンダ!だいもんじ!」

春香「トリデプス、どくどく!」

春香(やっぱり、頑丈つぶし…!)

真「…え?いのちのたま?」

あずさ「当たり中の当たりって感じね…」

伊織「私、りゅうのはどう覚えたオノノクス見たわよ…」

春香(次に撃つのは私ならじしん…けど…アーケオスは一度見てるから…!)

春香(…こいつだー!)

律子「ボーマンダ!ドラゴンクロー!」

春香「トリデプス交替!トゲキッス!」

伊織「へえ~、うまいじゃない」

あずさ「分かってても怖いのよね…」

千早「3体目はトゲキッス…」

雪歩「春香ちゃん…すごい…」

春香(じしん読みアーケオス交替読みドラゴンクロー読みトゲキッス交替…!!)

春香(あは…は…決まった…!)バクバク

律子「…ボーマンダ!」

春香「…トゲキッス!」

春香「まもる!」

律子「ボーマンダ交替!ガメノデス!」

伊織「まあ普通は交替ね…春香は守るが無駄になった…」

真「勿体無いなあ、あそこで様子見する必要なんて無かったのに…」

雪歩「でも、なんでナットレイにしなかったんですか?」

あずさ「トゲキッスはだいもんじを持ってるかもしれないからね…」

千早「雪歩もナットレイを使う以上、だいもんじを覚えるポケモンを知っておいて損はないわよ」

真「意外といろんなポケモンが覚えるからね、だいもんじは」

雪歩「へえ…」

春香「トゲキッス交替!トリデプス!」

千早(トリデプスを捨てた…)

律子「ガメノデス!シェルブレード!」

春香「…お疲れ!トリデプス!」

春香「アーケオス!」

シュパアァン!

律子「ガメノデス交替!ボーマンダ!」

春香「アーケオス!じしん!」

春香「いい!?」

真「岩技を警戒しなかったのか…!?一致技でガメノデスに等倍なのに!?」

伊織「何やってるのよ春香!まもるといいさっきからミスばっかりじゃない!」

あずさ「一見無茶な運任せのように見えるけど…」

あずさ「律子さんの読みは、当たるのよ…」

伊織「いかくが入った!」

雪歩「じゃあ交替するしかないんじゃ…春香ちゃんは…」

真「ああ、けど、トゲキッスの耐久なら2回耐えしてマジカルシャインで落とせるかもしれない!」

律子「ボーマンダ!だいもんじ!」

春香「アーケオス!トゲキッスに交替!」

千早「不一致だいもんじなら大丈夫そうね」

トゲキッス「…!!」

あずさ「…急所…!」

伊織「あちゃー…」

真「この威力、残り体力、あとだいもんじ一撃で倒れる…!」

雪歩「春香ちゃん…」

あずさ(の、わりには落ち着いてるけど…)

あずさ(しんそくでも持ってるのかしら?あるいはだいもんじが外れるのに賭けているのか…)

春香「トゲキッス!」

律子「ボーマンダ!もういちどだいもんじ!」

春香「マジカルシャイン!」

バシュンッ!

律子「な!?」

千早「…!?」

真「嘘だろ!」

あずさ「トゲキッスの方が…!?」

雪歩「速い…!?」

律子「は…?」

律子「…まさか!」ハッ!

律子「…ちょっと!スカーフ持ちに守る搭載なんて頭おかしいんじゃないの!?」

伊織「はあああ!?スカーフぅ!?」

真「流石レンタルバトル…」

春香「自分でも笑っちゃいそうでしたよ…はは…」

千早「スカーフ守るなんて…読めるわけがない…だからあの時…」

あずさ「…裏をかくのにはもってこい…もっとも、普通の技を入れた方が汎用性もあって強いけど…」

真「だから躊躇なくトゲキッスを繰り出してたってことか…」

雪歩「一撃でも落ちないし、こちらが素早さでは勝ってるから…」

伊織「面白くなってきたじゃない!流石私のら…」

真「ら?」

伊織「…な、なんでもないわよ!春香なんかがこの伊織様のライバルなわけないでしょ!?」

一同(ライバルなんだね…)

律子「勝負はまだまだ!いけっ!ナットレイ!」

シュパアァン!

律子「ジャイロボール!」

春香「トゲキッス!マジカルシャイン!」

律子「…何のその!」

春香「っ…ナットレイのジャイロボールは強い!」

律子「遅さがいつもデメリットになるわけじゃないということを覚えておきなさい!」

春香「お疲れトゲキッス、いけっアーケオス!」

シュパアァン!

律子「もう一度ジャイロボール!」

春香「アーケオス!ねっぷう!」

律子「ねっぷう!?そんなピンポイントな…!」

千早「だいもんじより威力は低いけど、流石のナットレイも耐えられないわね」

律子「…ガメノデス!」

真「おお!?これは!?」

伊織「…いけー!春香!」

あずさ「遂に律子さんの連勝も途絶えるかしら?」

雪歩「春香ちゃーん!」

千早「…」

春香「アーケオス!決めちゃえ!じしん!」

律子「ガメノデス!ストーンエッジ!」

律子「急所だけはっ…!」

ガメノデス「…!」ギロッ

律子「…よし!!」

伊織「って素で耐えてるじゃない!!」

春香「うそ~!?」

真「アーケオスの攻撃力のじしんを耐えられるのか、凄いな」

雪歩「意外と?防御力あるんだ」

ガメノデス「…!!」

アーケオス「…ッ!!」ヒラッ!

ガメノデス「…!?」

律子「うそ~!?」

真「これだからエッジは…」

あずさ「あらあら…」

春香「あ、あはは…アーケオス!じしん!」

律子「ああ~!!ガメノデス!!」

律子「はあ…負けちゃった…」

伊織「…こんなの勝ちって言うのかしら」

千早「…運も実力のうちとは言うけど…」

あずさ「…そろそろ今日は帰りましょうか」

雪歩「で、でも、読み合いは凄かったですぅ…!」

真「そうだね、春香、大分上達したんじゃないか?」

律子「良いバトルしてたわよ、春香」

春香「えへへ…ありがとうございます!」

春香「んー!疲れた~!ねえ、みんなのバトルはどうだった?」

伊織「ま、私が一番だったけど?」

真「…そうだっけ」

千早「それでいいんじゃない」

春香(千早ちゃん適当すぎ…)

律子「今日は、ありがとうございました」

係員「はい、最後は惜しかったですね」

律子「今度はちゃんといわなだれに修正しておいてくださいよ」

係員「ははは、それとですね、さっき律子さんが使ってたボーマンダ、あれ、恐らくレンタルバトル用のデータじゃないですね…」

律子「…不具合、ですか?確かに普通のバトルでも通用する構成でしたね、いのちのたまなんてえらく良いものも持ってましたし…」

係員「ええ、バランスを取る意味でもあのデータは削除ですね」

律子「…スカーフ守るトゲキッスは?」

係員「あれは仕様でしょう」

律子「はは…」


………
……

響「まさか、貴音が前に言ってた人達だったなんて…」

美希「…まさか…そんな繋がりが…」

貴音「私のせいで…申し訳ありません…」

美希「…ううん、貴音のせいじゃないよ…」

美希「ミキが勝手に役目から逃げたのが悪いの…」

貴音「…」

響「…正直さ、戻るつもり、ないんだろ?」

美希「…うん、ごめんね」

響「…まあ、それが正解かもな…」

貴音「…私たちが居ながら、このような仕打ちを美希に…」

響「戻ってきました、ごめんなさいで済むことじゃないだろうしなあ…」

貴音「…そして3人全員見つけ出してやるって…そう言ったのですね…?」

美希「うん…」

美希「ごめんなの…でもね、ミキ、一人でも戦うよ。ハニィを守らないといけないから」

貴音「…美希、既にこれはあなただけの問題ではありません…」

響「そうだぞ!ったく…ホント、いつの間にか自分達まで悪者扱いさー、勘弁してほしいぞ!」

貴音「…その割には楽しそうではありませんか」

響「…前からおかしいとは思ってたんだ、あそこはさ!」

響「自分はエンテイを守るって先代から約束したんだ、嘘ばっかりのあの村でもこれだけは、本当だぞ!」

響「初めは美希を説得して連れて帰るつもりだったけど、予定変更さー!」

貴音「…ポケモンにも、地を駆け海を渡る権利はあるはずです、それをこのような、ましてやあそこまで美希を追い詰めるような真似をするなど、言語道断…」

美希「みんな…」

貴音「力を独占したいのです、彼らは…美希、響、共に戦いましょう」

響「ああ!」

響「で、なんて言ったっけ…?そいつの名前は…」

美希「…アマミ、ハルカ」

本日の分はこれで終わりです、ありがとうございました。

春香「ここが…ヒャッコクシティ…」

真「ねえ…あれ…」

雪歩「…何だか、最終兵器みたい…」

千早「…日時計ね、大昔からあそこにあったらしいけど…」

春香「エスパータイプのジムかあ、何だか町も不思議な雰囲気だし、合ってると言えば合ってるのかな…」

あの日から数日間、律子さんとあずささんがもう一度"探し物"を探索しに行くという日まで、特訓を続けました。
道具に関しては、そこまで集められなかったけど…空を飛ぶを使えばいつでもいけますから、四天王に挑む前にもう一度集めようと思います。
ポケモンのレベルも準備万端!それにしても、あの日時計、存在感が凄いです…
なんでも博士曰く、継承者のキーストーンに反応して強く光るのだとか。
真も気が向いたら試してみようかなと言っていました。

春香「…どうする?もう日は暮れそうだけど…」

雪歩「あの…」

真「…ん?」

千早「…その子は?」

???「すみません、この辺りで弟を見ませんでしたかぁ…?」

千早(…!)

真「小さい男の子…?う~ん…分からないなあ…」

???「そうでしたか…ありがとうございました!」ダッ

千早「ちょ、ちょっと待って!」

???「は、はい!!」

千早「…一緒に探してあげるわ」

???「ええ!?ありがとうございます!」

春香「千早ちゃんやっさし~、でもどこに居るんだろう?」

真「子供が行きそうな場所か…」

雪歩「どんな恰好だったの?」

???「え、え~と…赤い服で…名前は長介って言います…背は私よりも少し低いぐらいで…」

春香「遊びに出かけてたの?」

???「はい…そろそろ夕ご飯なのに…」

真「ホロキャスター…はまだ持ってないか…」

千早「…まさか、17番道路には行ってないでしょうね…」

春香「17番道路って…あのマンムーに乗って進んできたところ…!?」

真「はは…雪が凄いんだよ…?今の季節でも…」

???「ま、マンムーロードですかぁ…!?そんなことは…」

???「…」

雪歩「ま、まさか…」

???「…もしかしたら…」

真「マズいぞ、急がなくちゃ…!」

雪歩「は、はい!」

千早「くっ…!」

千早「オオスバメ!」

シュパァァン!

千早「オオスバメ、そらを飛ぶ!上から探すわ!」ビュンッ!

春香「ああ!千早ちゃん!?」

真「まだ天気は悪い!あんな吹雪の中飛んだら…!」

雪歩「ど、どうしよ~!?」

???「そんな…すみません!私のせいで…!」

春香「…千早ちゃんは大丈夫、強いトレーナーだから」

???「千早さんって言うんですか…?あの人…」

春香「うん、それよりも弟さんを探さないと…!」

???「は、はい!」

春香「名前はなんていうの!?」

やよい「私はやよいです!高槻やよいです!」

春香「分かった、やよい!私は天海春香、長介君は必ず見つけるから!」

春香(…あの雪の中、もし行ったとしたら…早く見つけなきゃ…)

春香(…でも、千早ちゃんちょっと、変だった…)

長介「…ど、どうしたの?」

やよい「…ああ~!!長介!!」

春香「もう見つかってるー」

真「早いなおい!」

長介「な、なんだよ…」

やよい「どこに行ってたの!?」

長介「ちょっと遅くなっただけだろ!17番道路のいつものとこで遊んでたけど、吹雪いてきたから場所を変えて遊んでた…」

やよい「ど、どうしましょう~!?千早さんが…!」

真「…もしもし、千早?それが長介君さ、見つかったよ」

真「…ああ、大丈夫だよ、うん」

真「…たぶんすぐ戻ってくるよ、はは…」

やよい「ごめんなさい!お騒がせして…」

長介「…な、なんだか…ごめんなさい…」

春香「まあまあ、良かったじゃん、見つかってさ」

雪歩「そうそう、失敗は笑い話になるけど、事故はならないってお父さんも言ってたし」

真「でもまあこんなにすぐに見つかるとはね、はは」

千早(…)

千早「…弟…か…」ギュッ

ビュオオオッ

………
……



春香「…え?泊めてくれるの?」

やよい「うっうー!はい!一生懸命弟を探してくださったお礼です!」

千早「別にいいのよ」

真「でもここはお言葉に甘えちゃおっか。晩御飯だけどボクたちが持ってきた食材使ってもいい?」

やよい「皆さん自分で作ってるんですかぁ?」

雪歩「うん、流石にそうしないとお金がいくらあっても足りないから…」

春香「そうだね、宿なんかは旅してるトレーナーだと割引とかあるんだけど、レストランはそうはいかないからね。宿にキッチンがついてるとこ多いし、たまに野宿もするよ」

千早「…って言ってもこれだけで足りるかしら?人数が増えるからもう一品ほど別に欲しいけど…」

やよい「でしたら、私も作ります!もう一品!」

真「へえ、料理できるんだ、すごいなあ」

やよい「家のお手伝いはしてますから」

春香「小さいのにえらいね、やよいは」

やよい「えへへ…」

千早(…)

春香「じゃあ早速買い物いこっか」

真「ボクと後一人…先に作ってた方が良くない?」

春香「それもそっか」

雪歩「あ、じゃあ私と真ちゃんで」

千早「分かった、私たちは買い物をしてくるわ」

やよい「うっうー!では、我が家まで案内します!」

………
……


やよい「出来ました~!」

千早「ごめんなさい、料理もしてもらって…」

やよい「良いんです、お買い物を手伝ってもらいましたから!」

春香「…もやし炒めが食卓に…!?」

真「来なーい」ヨイショ

春香「え?お、もやしの卵とじか。良いね、こっちも美味しそう!」

長介「皆ちゃんと並べよ!」

浩司「は~い」

一同「いっただっきまーす!」

真「美味しいね、これ!」

やよい「ありがとうございます!真さんと雪歩さんの作ってくださったのも美味しいです!」

雪歩「そ、そうかな…えへへ、ありがとう」

春香「うん、全部美味しいよ!」

千早「…」モグモグ

春香「…千早ちゃん?」

千早「…え?」

春香「はは、無言になるほど美味しかったの?」

千早「…そうね、美味しいわ…」

千早「すごく…」パクッ

春香(…)


………
……



『千早お姉ちゃん!』


千早「……!!」ガバッ

千早「…ハァ…ハァ…」バクバク

春香「…ん…千早ちゃん?」

千早「…!」バッ

春香「…えっと…」

千早「…」

春香「…だ、大丈夫…?」

千早「…大丈夫だから…」

春香「…ちょっと、外行こう…?ね?」

千早「…」

千早「…ええ…」

真「…」zzz

雪歩「…」zzz

春香「寝てるとやっぱり汗かいちゃうね…」

千早「…そうね」

春香「…でも、夜風がひんやりして気持ちいいね、っていうか、むしろ寒いぐらい?」

春香「まだ雪があるなんて不思議だね、それも積もるぐらい…」

千早「…私、大丈夫だから」

春香「あのさ…!」

千早「…」

春香「何か、悩んでることがあったら、いつでも話してよ…」

千早「…」

春香「何か、悩んでることがあったら、いつでも話してよ…」

千早「…」

千早「…もう、済んだことだから」

春香「で、でも…なんか食事中の時だって…」

千早「…春香には、関係、無いから」

春香「そんなこと…だって千早ちゃんが悩んでるんだよ…?」

千早「…聞いてどうするの…?」

春香「どうするって…」

千早「…」

千早「あのね、私には弟が居たの…」

春香「…え…」

千早「弟、優はね、死んだわ」

千早「交通事故でね…ポケモンが好きな子だった…」

春香「あ…」

千早「…これでいい?私はもう寝るから」

千早「…起こして悪かったわ、春香も早く寝ないと風邪を引くわよ」

千早「お休み」

春香(私…)

春香(私…なんてことを聞いちゃったんだろう…!)

春香(そんな過去があったなんて…)

千早「…」

真「おはよー皆」

やよい「うっうー!おはようございます!」

雪歩「おはよう」

千早「はい、これ」

やよい「すみません、朝ご飯の手伝いまでしてもらって…」

千早「…良いのよ、これぐらい」

千早「はい、春香」

春香「…!あ、ありがとう…」

真「相変わらず春香は朝に弱いなあ」

春香「そ、そんなことないもん…」

春香「…」

千早(…)

やよい「あの、ジムで勝ったらもう行っちゃうんですかぁ?」

雪歩「うん、そのつもりかな」

真「あんまりお邪魔するわけにもいかないからね」

やよい「私は別に迷惑じゃないですよ、だから!っていうわけにもいかないですよね…」

千早「…ごめんなさい」

やよい「いえ、私がわがままを言っているだけですから、えへへ」

雪歩「もうちょっとここに居れたら良いのにね」

真「そうだね」

やよい「…あの、ちょっとお願いがあるんですけど…」

真「ん?何?」

やよい「あの…日時計って知ってますか?紫色の…」

雪歩「うん」

千早「日時計が…どうかしたの?」

やよい「…皆さん、あの日時計って夜の8時になったら光るんですけど…」

真「…もしかして人が触ると光るとか…」

やよい「ええ!?知ってるんですかぁ!?」

雪歩「やよいちゃんはどこでその話を?」

やよい「話って言うか…昔見たんです、私」

春香「…4年ぐらい前に見たとか?」

やよい「多分それぐらいでしょうか…でもどうして?」

真「はは、多分その人知り合いだから…ごちそうさま!」

やよい「ええ!?そうなんですかぁ!?びっくりしました!」

やよい「ごちそうさま!」

真「じゃ、早速行く?」

雪歩「ごちそうさまですぅ」

千早「ごちそうさま、そうね」

春香「え!?え!?まだ全部食べて…」

千早「別にゆっくりでいいわよ、春香」

春香「う、うん…も、もう少しだから…」

春香「…」ゴックン

春香「よ、よし!」

千早「…ここ、ご飯粒付いてるわよ?」

春香「あ、えへへ…」

春香(千早ちゃん…いつも通り…)

春香(はあ…気にかけてくれてるんだろうな…だったらこんな感じじゃ心配するだろうな…)

春香(私、何が出来るんだろう…)

真「触るんだよね」

春香「って言ってたよね」

真「来てます…」

雪歩「ハ、ハンドパワーですかぁ…?」

真「…はあっ!」ペタッ

ピカッ!

真「…っ!」

春香「おお!?光った!!」

雪歩「わあ…」

千早「…これは!」

やよい「ああ!これですこれです!やっぱりポケモントレーナーさんが触ると光るんですね…」

千早「全員ってわけじゃないのよ、真は特別な力を持っているの」

やよい「そうなんですか?真さんは凄いんですね!」

真「いやあ、それとやよいが昔見たっていうトレーナーは女の人2人だったんじゃないか?」

やよい「えーと…多分…そんなに覚えてないですが…」

春香「あずささんと律子さんだね…」

やよい「その人が皆さんの知り合いの…?」

真「…まあ、ね?」

やよい「な、なんだか凄い人たちなんですね…」

春香「…私も光ったりして」

真「へへ、試してみる?」

春香「いや、やっぱりいいや…はは…」

やよい「謎が解けました!みなさんありがとうございました!あの光は凄いトレーナーさんの力だったんですね」

千早「ふふ、じゃあ私たち、頑張ってくるわ」

やよい「うっうー!みなさん、頑張ってください!」

千早「ええ…ありがとう…」

春香「うん、ありがとう!」

真「頑張るよ!」

雪歩「お世話になりました!」

………
……



千早「シャンデラ、シャドーボール」

ゴジカ「…お疲れ、ニャオニクス…」

春香(スカーフシャンデラ…か…)

春香(…確かに強いけど…なんか…)

春香(いつもの千早ちゃんと違うな…)

雪歩「お疲れさま!」

真「3たてかあ、やるなあ」

千早「そんなことないわよ、ありがとう2人とも」

春香「お疲れ、千早ちゃん」

千早「ありがとう春香、最後はあなたよ、頑張ってね」

春香「うん」

ゴジカ「よろしくお願いします」

ゴジカ「…ほう…」

春香「は、はい…?」

春香(なーんか変な人なんだよなあ…まあエスパータイプのジムだからだろうけど…)

春香(この景色だって、サイキックパワーとかなんでしょ?凄いなあ…さっきまでただの部屋だったのに…)

ゴジカ「…あなたのポケモンもよく育っていますね、ボール越しにも伝わってきます。流石皆さん博士が注目しているだけのことはありますね」

春香「は、はあ…」ガクッ

ゴジカ「…よろしいですか?」

春香「…はい!」

ゴジカ「いざ、始めるとしましょう…」

春香「アーケオス!君に決めた!」

ゴジカ「シンボラー!」

シュパアァン!シュパアァン!

ゴジカ「…よろしいですか?」

春香「…はい!」

ゴジカ「いざ、始めるとしましょう…」

春香「アーケオス!君に決めた!」

ゴジカ「シンボラー!」

シュパアァン!シュパアァン!

春香「アーケオス!ストーンエッジ!」

ゴジカ「シンボラー交替!ヤドキング!」

ゴシュッ!

ヤドキング「…」

春香「外れた!?」

ゴジカ「これは偶然ではなく必然です」

春香「ええ!?」

千早「そんなわけないでしょ」

真「これだからエッジは…」

春香「せっかく苦労して技マシン拾いに行ったのに~…」

千早(…そう、全てが必然とは私は思わない…)

千早(…起こりうることは全て偶然…)

千早(…だから、神様は残酷な事でも出来るのよ)

春香「アーケオス交替!シュバルゴ!」

ゴジカ「ヤドキング、めいそう!」

春香「めいそうなら!シュバルゴ、シザークロス!」

ゴジカ「ヤドキング、パワージェム!」

カカカカカン!!

シュバルゴ「…」キッ

ザシュッ!

ヤドキング「…!」

バターン!

ゴジカ「…戻れ、ヤドキング!」ポヒュウゥン

雪歩「一撃で持って行った…!」

春香「流石にシュバルゴは格が違った」

ゴジカ「シンボラー!」

シュパアァン!

ゴジカ「シンボラー、リフレクター!」

春香「シュバルゴ交替!ゲッコウガ!」

ゴジカ「…っ!」

真「読んだな!春香!」

春香「ゲッコウガ、ふぶき!」

ゴジカ「ここのショップで売らせるのをやめさせなければ…」

春香「…それでも落ちないか!」

ゴジカ「よく耐えました、シンボラー!ひかりのかべ!」

春香「なみのり!」

ゴジカ「お疲れ、シンボラー!ニャオニクス!お願いします!」

春香(せっかくの悪タイプなのに、あくのはどうがあれば…)

春香「ゲッコウガ!なみのり!」

春香(それでも、ニャオニクスが唯一使える技は不一致半減技のシャドーボールだけ!)

春香(この勝負、勝った!)

ゴジカ「…!」

シュウウウウウン!!

春香「えっ?」

雪歩「な、なに…?」

真「フィールドが…!」

千早「閉じていく…!?」

春香「ど、どうしたんですか?ゴジカさん…」

ゴジカ「いけない…日時計の近くに何かが…!!」

ゴジカ(壊れないとは思いますが、あれは博士もメガシンカに関係があると注目しているもの、そして街の人たちを守らねば!)

ゴジカ「…あなた達はここに居なさい!!何かがここに来ました!!」 ダッ

春香「えっ…!?」

千早「…まさか!?レッドフード!?」

真「そんな、こんな時に…!」

春香(日時計って…やっぱりレッドフードはメガシンカの何かを知りたがってるんだ!)

千早「ゴジカさんを追うわよ!」ダッ

真「ああ!」ダッ

春香(ジムリーダーが居るけど…!レッドフードは手ごわい…!)

春香「…嘘…あれ…!」

ゴジカ「…な、何者…!?知っているの!?それより、中に居なさいって…!」

真「そうはいかないんですよ!」

千早「…なっ!あなた達は!」

雪歩「そ、そんな…!」

真「…何で…!?」

春香「ミキ…!?」

貴音「…」

響「…」

美希「…」

春香「ミキ!それに貴音さん!私!春香だよ!」ダッ

貴音「それ以上!」

春香「…!」

貴音「…動くと、貴女を攻撃します」

真「なっ!?」

千早「何を言っているの!?」

雪歩「そ、そうですぅ!四条さん!」

ゴジカ「あなた達の知り合い…!?レッドフードでは…」

真「…そこまではボク達も…そうだ!ゴジカさん!クノエジムのマーシュさんを呼べませんか!?」

真「あの人たちの事は、マーシュさんなら何か知っているかもしれないんです!」

ゴジカ「…マーシュさんが…!?分かりました!」

春香「…誤解だよ貴音さん!それは!」

響「自分は、美希がお前に襲われたって聞いたぞ!」

春香「違う!そんなことしないよ!」

雪歩「…四条さん、いつからそんなにカロス語が上手くなったんですか!?」

真「…そうだよ!まさか、偽物なんじゃ!」

貴音「勉学に励めばこの程度。それとも私を、誰かが成り済ました偽物とでも仰るのですか…?」

春香「貴音さん!ミキはきっと、私そっくりに化けた偽物に襲われたんだよ!」

響「…自分たちは、"他人の姿そっくりに化ける奴"の話なんか一度も出していないんだ、そんなの急に思いつくなんて、やっぱり怪しい!」

真「…埒が明かない!いい加減にしろ!」

響「ああ、その通りだ、こんなところで言い合いをしていても終わらない…」

貴音「…あなた達が刺客ならば…」

貴音「それを迎え撃つまでです」

響「…エンテイ!しんそく!」

ゴジカ「…ヤドラン!」

シュパアァン!シュパアァン!

ガシィン!!

響「…へえ、しんそくに反応できるなんて…」

ゴジカ「…嘗めてもらっては困ります」

響「…エンテイ!?」

エンテイ「…」ジリッ

ヤドラン「…」

真「ゴツゴツメットか!」

ゴジカ「マーシュさんが来るまで耐えましょう!」

ゴジカ「シンボラー!町の人たちを誘導してください!」

シュパアァン!

千早「真!行くわよ!」

真「ああ!ボク達もゴジカさんのサポートだ!」

千早「…真!あなたまさか使うの!?」

真「ここで使わなきゃ、いつ使うんだ!」

真「…ルカリオ!君に…」

美希「…????、?????…」

バリィッ!!

雪歩「真ちゃん!!」

真「っ…!?」ビリビリ

春香「真!」

真「でんじ…は…!?」

ゴジカ「…人に向けてポケモンの技を使うなど!!」

貴音「…これは戦いなのです」

千早「…来なさい!!どちらでもいいわ!!」

千早「許さない…!!」キッ

美希「…」

ライコウ「グルル…」

春香「真!!しっかりして!!」

雪歩「真ちゃん!!」

真「…っ…」ビリビリ

春香「電磁波なんて…!」

雪歩「皆!出てきて…!」

シュパパパパパパァァン

雪歩「…これ以上、真ちゃんには手出しをさせない!!」

真「…はる…か…」

春香「…え?」

真「ルカリオと…っ…これを…」

春香「…ええ!?これ、キーストーン…!!」

真「ボクが持ってても…しょうがない…」

春香「む、無理無理!!絶対無理だよ~!!」

真「春香…!!」

春香「あ…ああ…」

春香「…分かった!ルカリオ!!」

シュパアァン!

春香(私なんかじゃメガシンカなんて出来ない…!で、でも、真のルカリオは強い!)

春香「ルカリオ!私と一緒に戦って!」

シュパアァン!

ルカリオ「…」コクリ

響「エンテイ!せいなるほのお!」

雪歩「…春香ちゃん!!危ない!!」

リカリオ「!」シュッ!

ヒョイッ!

春香「うわっ!?」

春香(あ、あぶな~!?ルカリオが抱えて飛んでくれなきゃ!)

春香(…人に向かってポケモンの技を打つなんて、むちゃくちゃだよ…!!)

響「…ちっ」

千早「いい加減にしなさい!!ゴローニャ!!ストーンエッジ!!」

雪歩「ホルードさん!あなを掘る!」

響「遅いんだよ、そんなので当たると思ってるのか?」

エンテイ「…」クルッ

バキィッ!!

千早「なっ…!?」

千早(ストーンエッジの破片を蹴り飛ばした!?こんなのポケモンバトルじゃ…!!)

ガスッ!

ルカリオ「…ッ!」

春香「あわわ!」

千早「ルカリオ!春香!」

雪歩「2人とも!!」

響「…ちょっとしたあいさつ代わりだぞ」

ザザーッ!

春香「っと!ありがとう!ルカリオ!!」

ルカリオ「!」コクリ

雪歩「春香ちゃん!今何か落とした!」

春香「…あっ!キーストーン!?」

春香「あんなところに…!」ダッ

春香「…って、うわああっ!」ヨロッ

春香「よっとっとっ…」

春香(ひいい!日時計にぶつかる!)

ゴチッ!

春香「いった~!!」

ピカッ!!

春香「…きゃっ!?」

真「…!?」

千早「…え?」

雪歩「まさか…!」

ゴジカ「その光は…!!」

響「何だ!?フラッシュか…!?」

貴音「…なんと…!?」

美希「…!?」

春香「…っててて…」

春香「い…今光った…!?」

春香(え!?嘘…!?私が!?)

ルカリオ『…ワタシノコエガキコエルカ』

春香「あ、はい!」

ルカリオ『…マコトトオナジチカラヲキミカラモカンジル…』

春香「…それって…」

ルカリオ『ミンナヲタスケルタメダ、ワタシノチカラヲカソウ、ダカラ…』

春香(私にも…)

ルカリオ『キョウリョクシテクレ…!!』

春香「…」コクリ

春香「…」バッ

響「…何をするつもりだ!!」

春香「ルカリオ!!分かった!!私の力も貸してあげる!!」

春香「だからお願い!!成功してー!!」

ヴンヴンヴンヴン…!!!

響「なっ…!また光った…!!」

春香「…ルカリオメガシンカー!!」

キュイイイイイン!!

真「…やっ…た…!」

千早「春香、あなた…!!」

雪歩「…春香ちゃん!」

春香「メガルカリオー!!」

バシュウウゥゥッ!!

メガルカリオ「…グオオオオッ!!」

貴音「…これは…」

響「一体なんだ…!?あの力は…!?」

美希「貴音!響!あれ!」

響「分かってる!けど…!」

貴音「…めが…しんか…!?」

ゴジカ「あの子も…!」

春香「聞いて、ミキ、貴音さん!響!」スッ

真「…!」

千早「春香!」

雪歩「春香ちゃん、ルカリオの前に出ちゃダメ!」

響「動くな!」

貴音「何をするつもりです…!」

春香「何もしないよ…!」

貴音「何を呆けているのです、現に今貴女はあのポケモンを…」

春香「メガシンカは…戦いのためだけの力じゃない…!」

ミキ「…」

春香「ルカリオはさっき言ったよ、皆を助けるためだって!」

メガルカリオ「…」

響「それは自分達を倒すって事だろ!」

春香「ううん、違うよ!」

春香「みんなって言うのは、あなた達も入ってるんだから!」

貴音「強き力を持つ者は時には崇められ、時には畏怖の眼差しを向けられ、時には倒すべき脅威にもなりえる…!」

貴音「天海春香!この意味が分かりますか…!?」

響(そうだ…エンテイだって…本当は優しいのに…!)

貴音(スイクンの力を欲し、そして恐れる者は多かった…)

貴音(力ある者の側に居たからこそ、私にはわかります!)

貴音(天海春香…!あのような力を私達に見せた上でまだ、戦う意思が無いと信じろと言うのですか…!?)

春香「それはそうだけど…」

春香「もし分かってほしいのならまずは、その力は決して他人を傷つけるためのものじゃないってことを示さなきゃ…!」

春香『メガルカリオ!お願い!』

メガルカリオ『ミナノ、"イシ"ヲ…ツナゲル…』

メガルカリオ『メガシンカヲシタ、イマナラデキル…』

春香(ルカリオが意思を中継してくれて…!)

春香『美希!聞こえる!?』

美希『…え!?』

春香『メガルカリオの力だよ…!』

美希『言葉が分かる…!?何を…!!』

真(…!)

千早(凄い…これがルカリオの力…!?)

響(なっ…!)

雪歩(美希ちゃんの言葉が分かる…!)

貴音(これは…!)

ゴジカ(あの子…メガシンカの力を…)

春香『美希、聞いて!』

美希『そうやってまた美希を騙そうとするの!?』

春香『ううん…私はそんなことをしないよ…!』

美希『信じられない!だって…!』

美希『あんなに…楽しかったのに…』

美希『美希、もう分かんないの…!』

美希『だから美希、もう決めたの、ハニィしか信じないって…!』

春香『…私も楽しかったよ』

美希『…』ハッ

春香『言葉が分からなくて、それでも何となくお互いの言おうとしていることは分かって…』

美希『あ…』ジリッ

春香『…難しいね…今は言葉が分かるのにね…』

春香『分かりあうって、難しい…ね…』ポロポロ

美希『…』

春香『…』ゴシゴシ

美希『美希ね…今まで友達なんて殆ど居なかったんだ…』

美希『産まれてからすぐ、ハニィの「遣い」に選ばれて…』

美希『響や貴音だって、ここに逃げて来るまではお互いの事はそんなに知らなくて…』

響(そう…)

貴音(私たちも美希と同じ境遇だった…)

美希『美希、いっぱい友達作りたかった、あの怖い人に追いかけられていた時でも、大きな街のカフェとかでお話してる時は、怖いのを忘れられたの…』

美希『それに春香と遊んだ時は…もっと…!』

美希『初めて会ったのに…言葉も分からなかったのに…なんであんなに仲良くできたんだろう…?』

春香『…あのね、美希、覚えてないかもしれないけど…』

春香『美希に私、ミアレのカフェで会う前に会ったことがあるんだよ』

美希『え…?』

美希(そんなはずは…だって…)

春香『大雨の日の夜、千早ちゃんと2人で薪を拾いに外に出た時だった』

春香『ライコウと一緒にいたよね…?』

美希『…!!』

美希(思い出した…!)

美希(あの時の青い髪の女の子が…あの女の子で…)

美希(…!!)ゾクッ

「…ハルカ、それ、辞書?」

「ウン!」

「ワタシハ…アナタニ…」

「ハジメテ…アイマシタ…」

「あは!ハルカすごいの!ちゃんと話せてるよ!」


「ダカラ…ワタシハ…アソビタイ…」

「アナタハ…ワタシト…アソビニ…イキマス?」

美希『…!!』

美希『あ…ああ…!!』ガクッ

春香『み、美希…!?』

美希『あの人は…言ってた…!!』

春香『み、美希…?』

響『どうしたんだ!?』

美希『…美希とは…初めて会ったって…!!』

響『…って言うことは!?』

貴音『…まさか!!』

春香『…ええ!?』

美希『ああ…!美希、とんでもないことしちゃったの…!』

美希(美希、勝手に春香達の事疑って…!傷つけて…!怪我までさせちゃって…!)

美希(せっかく友達に、なってくれたのに…!)

真『…』コクリ

春香『…』コクリ

春香『…しょうがないよ、美希』

美希『…春香…?』

春香『言葉が分かってても、伝わらない事は沢山あるし…』

美希『それでも、春香は美希の事を信じてくれたのに、美希は春香の事を信じてあげられなくて…!自分ばっかりが可哀想って…!』

春香『ううん!』

春香『話を聞いてくれたよ…!もう一度信じてくれたよ、美希は…!』

美希『あ…あぁ…』

春香『だからこうやって今は…』

春香『また友達に戻れたんじゃない…?』

美希『春香ぁ…!』


それからはしばらく、2人で抱き合いながらわんわん泣きました。
これだけ泣いたのなんて初めてかもしれません、きっと、退避していて戻ってきた街の人にとっては、何があったのかとても不思議だったでしょう。
そして、こうしてまた仲直りできたのもメガルカリオのおかげだと思います。
メガシンカは絆の力、これは私の勝手な解釈なのですが、メガシンカは戦いのためだけの力ではないと思うんです。
確かに能力は飛躍的に上昇しますけど…

どう使うのかは結局、トレーナーとポケモン自身が決める事なんだって、そう思うんです。

今日の分はこれで終わりです、ありがとうございました。
一部重複スミマセン。

ウルップ「…これは…驚いた…」

ウルップ「まさか俺をフロストケイブのてっぺんにまで呼びつけたのが…」

パキラ「ごめんなさい、誰にも聞かれたくなかったから」

パキラ「それにここまで来られるのは雪山に慣れた貴方以外だと、それ相応の力を持ったトレーナーに限られるからね…」

ウルップ「四天王の一角のパキラとはね…しかし、わざわざこんなところでどうして?」

パキラ「…あなたに伝えたい事があるのよ」

ウルップ「…」

パキラ「…これは、カロスリーグ、いや、カロス地方の根幹を揺るがす事よ」

ウルップ「待ってくれ、何の話だ?それに何故俺なんだ?他のジムリーダーはどうした?」

パキラ「…他のジムリーダー?自分が信用していないのに?」

ウルップ「…どういうことだ?」

パキラ「とぼけたって無駄よ、ジムリーダーの仲ぐらい知っているわ」

ウルップ「ただ俺は一人が性に合ってるってだけなんだがねえ…」

パキラ「…覚えているかしら、あの4年前の日の事を…」

ウルップ「…忘れるわけがあるまい」

パキラ「不思議に思わなかった?私たちには何も情報は伝えられず、全てあの秋月律子、三浦あずさがフレア団を相手にして…」

ウルップ「…まだ子供だったとはいえ、カルネさんと同じくメガシンカとやらを使えるんだろう?強力な力と聞く、何もおかしくはない」

パキラ「…用心深いのね、あなたは…」

ウルップ「…何のことやら良くわからんが、俺は帰らせてもらうぞ」

パキラ「…レッドフード」

ウルップ「…」ピクッ

パキラ「…」

パキラ「私が手に入れた唯一のピースよ」

ウルップ「…」

パキラ「もっとも私たちは、この情報がプラターヌ博士からは伝えられてはいないみたいだけどね」

ウルップ「それは…あれだ、俺自身がプラターヌ博士らとは連絡を取り合ってはいないからだ」

パキラ「このままでは、貴方が守っているモノを彼らに奪われてしまうわ」

ウルップ「…おい、何故あの…」

ウルップ「…!」ハッ

パキラ「…何かが、あるの?」

ウルップ「…知らん」

パキラ「お願い!かまをかけるような真似をしたのは謝るわ!私も断片的な情報しか得られていないの!」

パキラ「秋月律子達は貴方のその…何かを使ってよからぬことを企んでいるわ!」

パキラ「姿を変えて他人に化けるっていう謎の人物は!?」

パキラ「最近頻発していた、落雷現象がぴったり止んだのは!?あれは人為的なものに違いないわ!けれども、私には知らないことが多すぎる…!」

ウルップ「…!」

『美希を襲ったのは、アマミハルカという女の子らしいのです…』

『…仲良くなって2人きりになったとこを襲って、ライコウを奪おうとしたららしいんだ…』

『アマミハルカは他にも仲間を連れていたそうです…恐らく旅をしているトレーナーを装っているのだとか…』

『アマミハルカは私たちを探し出すと言っていたそうですが、一番気になるのは…』

『あの洞窟のポケモン、恐らくあれが狙われているのではないか…』

『みゅうつー、というのですか?あの恐ろしく強力な力を秘めたポケモンは…』

ウルップ「…あんた、レポーターもやってるんだよな」

ウルップ(恐らくあの事件の時、報道規制がかかっていた…)

ウルップ(だからあれほどの事件なのにもかかわらず、出回った情報が少なすぎるんだ…)

ウルップ(それにあの日俺たちには何も知らされちゃいなかった、お隣のイッシュじゃあジムリーダー総出でプラズマ団とやらを迎え撃ったそうじゃないか…)

ウルップ(…あまりにも不自然な事が多すぎる)

パキラ「…そうよ、けれど、私自身の力は限られている…」

ウルップ「…あれは、誰の手にも渡っちゃいけねえ」

パキラ「…」

ウルップ「…そう、誰の手にも…」

パキラ「…貴方を信じても、よさそうね…」

ダメ元で真からルカリオとキーストーンを渡された私、エンテイの攻撃の流れ弾に当たりそうなところをルカリオに間一髪のところで助けられました。
けれど、エンテイが蹴り飛ばしたストーンエッジの破片に当たっちゃって私を抱えたままバランスを崩したルカリオ、何とか着地するも、その衝撃でキーストーンを落としてしまったんです。
慌てて拾いに行く私、すると足がもつれて…思いっきり頭を日時計にぶつけてしまいました…

と…その時!なんと、あの真が触った時のような光が…!そうです、実は私も継承者だったんです!?

って、まだ信じられないよ~!?どうしよう…!?


響「…皆!ゴメン!!」ガバッ

貴音「申し訳ありませんでした!一方的に、耳も傾けず攻撃をしてしまい…!ましてや怪我を負わせてしまうなど!!」

美希「?????、?????…?????」

美希「ゴメンナサイ…!」

貴音「美希は、全部自分が悪いと言っています…ですが、これは美希だけの責任ではありません!」

響「ああ…本当は、美希を心配してくれていたのに…!本当にゴメン!許してくれなんて言わない!けど、謝らせてほしいんだ!」

春香「みんな…」

真「…ボクは大丈夫!…なんでもなおしの味は強烈だったけどね、ははは」

春香「分かってくれたならそれでいいよ、それに私たちは、同じレッドフードに振り回された仲なんだし、さ」

千早「…私からは何も言うことはないわ、真と春香、それにミキが一番辛かったでしょうから」

雪歩「…仲直り出来て良かったですぅ!」

響「みんな…」

貴音「…許していただけるのですね…」

美希「…ありがとう…!!なの…!!」ガバッ

春香「うわっ!へへ…美希…」

春香「もう一度会えてうれしいよ」

美希「????…????」

響「??????」

貴音「…わ、た、し、も」

美希「…わ…た…し…も!なの!」ニコッ

春香「えへへ…美希ってば…」

響「よろしくさー!自分は我那覇響!相棒はエンテイだぞ!」

真「よろしく、ボクは菊地真!」

雪歩「萩原雪歩ですぅ」

千早「如月千早よ」

春香「天海春香!よろしくね!」

貴音「私は以前お会いしましたね、相方はスイクンです」

春香「もう一度会えてうれしいよ」

美希「????…????」

響「??????」

貴音「…わ、た、し、も」

美希「…わ…た…し…も!なの!」ニコッ

春香「えへへ…美希ってば…」

響「よろしくさー!自分は我那覇響!相棒はエンテイだぞ!」

真「よろしく、ボクは菊地真!」

雪歩「萩原雪歩ですぅ」

千早「如月千早よ」

春香「天海春香!よろしくね!」

貴音「私は以前お会いしましたね、相方はスイクンです」

ゴジカ「一先ず、一件落着…というわけですね…」

響「う、うう…でも色々壊しちゃったぞ…」

貴音「まずはこの町で奉仕活動にあたらねば…」

ゴジカ「その件については後ほど…あら、戻ってきたのですね、シンボラー…」


それから暫くしてマーシュさんがトゲキッスに乗ってやってきました。
和やかな雰囲気の私たちを見るなり大きく息をつき胸を撫で下ろすマーシュさん。
3人が"遣い"だと聞くと、驚いたのち、少し嬉しそうにしていたのが印象的でした…


マーシュ「…時代は変わったんやね、うちがまだ里に居った頃は、そんなことを思っとる人はおりまへんでした…」

美希「ミキはね、ただハニーと一緒に居たかったの…でも、美希が皆との約束を守らなかったから…」

響「しょうがないよ、美希…ライコウ…嫌がってたんだろ…?」

貴音「スイクンは我慢するとおっしゃってくれましたが…私も数ある儀式の中でも幾つかは気が進まない物もありました…」

美希「ありがとう…ミキね、嫌がるハニーを見て、こんなの辞めようって言ったの、そしたら…ミキ、ハニーと一緒に居られなくなるぞって脅されて…」

美希「…それからは、あんまり覚えてない…必死だったから…」

美希「途中で色んな人に助けてもらったの…エンジュでも色々してもらったけど…けど…」

マーシュ「それは、見返りを求めての物だった、ほうでしょう?」

美希「…うん、ミキが旅してる時、皆がお礼は良いよ、って言ってくれたの…もちろんたまにはお返しはしたけど…」

美希「だから、騙されちゃったのかな…」

貴音「…人を信じるためには、強くなければなりません、そこに付け入る悪に立ち向かうためにも…」

マーシュ「ところでうちは火乃神様のとこやったからたまに名前だけは聞くぐらいで、そんなに詳しくは知らへんのやけど…」

マーシュ「貴音はん、聞いたことあらへんかな?天海って苗字…」

貴音「申し訳ありませんが…」

マーシュ「そらそうやね…ジョウトに居ったのは天海はんのお母さんらしいさかい…きっと、貴音はんが生まれる前のことやろうね…」

春香「あの…皆…」

千早「どうしたの?」

春香「今お母さんとホロメールで話してるんだけど、私、一度家に帰らないと…」

真「…継承者の事?」

春香「うん。あと、お母さんがマーシュさんと、貴音さんにも会えるかどうかって…」

貴音「承知しました」

マーシュ「春香はんのお母さんと会うんやね?うちは大丈夫やけど、そらをとぶもあるし」

春香「そうです、大丈夫ですか?」

真「やっぱりジョウト出身のアレなんだろうか」

雪歩「旅はどうする?」

千早「私たちはここで宿を借りて待っても良いわよ」

春香「どうしよう?私とマーシュさんはそらをとぶが使えるからそんなには待ってもらわなくても…」

貴音「もしも私が向かう場合スイクンを使った移動になってしまいますが…」

春香「うーん…ちょっと相談してみる…」

春香「…もしもし、お母さん?」

春香ママ「どうしたの?春香」

春香「えーと、ホロメールじゃダメかな…貴音さんのペースに合わせるとエイセツ経由で3、4日ぐらいかかると思う…」

春香ママ「直接話がしたいのよ…春香とマーシュさんはそらをとぶが使えるのね?そうねえ…ミアレで待ち合わせはどう?」

春香「そっか、それがいいや。ミアレで待ち合わせはどうかって」

貴音「みあれ…中央の大きな街でしょうか、ならばそうしましょう」

マーシュ「ええ、それはいい考えやね」

春香「ミアレまでなら今晩には着くと思うよ」

春香ママ「ええ、プラターヌ博士には連絡してあるから、プラターヌ博士の研究室で、じゃあ」

春香「今から出て、夜にはついて、明日の晩には戻って来れるかな?」

千早「じゃあ今日はここで泊まりましょう」

真「うん」

春香「ごめんね、待たせちゃって」

雪歩「良いんですぅ、ヒャッコクは夜空が綺麗らしいですから」

マーシュ「春香はん、ミアレに着いたらハクダン経由でエイセツに向かえばええんと違います?」

春香「え?あ~…なるほど、確かにこれだと行ったり来たりしなくてもいいんですね」

真「じゃあそうする?途中のレンリタウンもジムはないし…」

千早「私はどちらでもいいけど」

雪歩「往復すると春香ちゃんが大変だし、そうする?」

春香「じゃあそれで行きます!」

マーシュ「ほんまはこの道順やとジムバッチが8つ無いとあきまへんけど、私が特別に一緒に着いていくから心配はいりまへん」

春香「あはは、すみません…」

貴音「それでは参りましょう」

マーシュ「ええ、それでは皆さん、またお会いしましょう」

ゴジカ「天海さん、これをあなたに」

春香「え?バッジ…あれ?そういや私、まだ途中だったんじゃ…」

ゴジカ「あの状況は私の負けです、シャドーボールで倒す前になみのりでやられていたでしょう」

ゴジカ「それに、あなたは立派な継承者です、既にヒャッコクジムのレベルを超えていると言っても良いでしょう」

春香「い、良いのかな…えへへ、ありがとうございました!」

ゴジカ「皆さんの幸運を祈ります」

一同「はい!」

雪歩「とは言っても、出発するとしたら明日になりそう…」

響「レンリは歩いていくと遠いぞ、ポケモンには乗らないのか?」

真「やっぱ歩いたほうが景色もいいしさ、急ぐもんでもないし」

響「ふーん、まあそっか」

真「…じゃあ暇だしやよいの家にでも遊びに行こうよ」

千早「良いわね、それ」

響「じゃあ、自分達は早くポケモン村に戻らないといけないから」

美希「またね!」

真「うん!またね!」

雪歩「気を付けてくださ~い!」

千早「またエイセツシティで会いましょう」

響「ああ!3人こそ気を付けるんだぞ~!」

響「…いこっか、美希」

美希「うん、ハニー!お願いなのー!」シュパアァン!

響「さーて、戻ってからも一仕事か!エンテイ!」シュパアァン!


………
……

それからマンムーロードを抜けた私達は貴音さんの後を追って飛び続けました。
思ったよりもペースは早く、暗くなってすぐにミアレに着くことが出来ました、スイクンの姿を見られなくても済んだということで都合も良かったです。
ところで貴音さんがスイクンの背中に乗って大地を駆けるのは凄く様になっていて…うう~ん、うらやましい…

春香「プラターヌ研究所まで」

タクシー運転手「はいよ」

貴音「まこと、便利ですね…」

春香「そうですよね~、やっぱりミアレって別格ですよ」

貴音「ええ、あまり大きいと迷ってしまいそうで…」

マーシュ「うちもクノエに籠りっぱなしやさかい」

春香「私もアサメ出身だからそんなには…はは…」

タクシー運転手「お客さんたち、ミアレは初めてで?」

春香「初めてというわけじゃないんですけど…まあそんなには…」

タクシー運転手「まあ広いですからねー、私もこの仕事ずっとやってますけど未だに道が良く分かりませんよ、ははは」

春香「ええ!?」

貴音「なんと…それ程までに複雑とは…」

マーシュ「へえ、ミアレは凄いですねえ」

春香「じょ、冗談ですよ!?多分!」

タクシー運転主「ところでお客さん、どこへ向かうんでしたっけ」

春香「はいー!?」

タクシー運転手「着きましたよ」

春香「着いたの!?」

タクシー運転手「ここですよね?」

春香「あ、合ってますけど…」

貴音「成る程…天性の勘のみで仕事を全うするのですね…」

マーシュ「そういうことなんやね」

春香「あ、ありがとうございました…っていうか全然なるほどでもそういうことでもないし…!」

あずさ「あらー、春香ちゃん、待ってたわよ~」

春香「また不思議な人が増えた…天海春香、ただいま戻りました!」

マーシュ「クノエジムリーダー、マーシュと申します」

貴音「…初めまして、私は四条貴音と申します」

あずさ「"初めまして"、三浦あずさです、よろしくお願いします」ニコリ

春香「…お母さんは?」

あずさ「コルニさんやメガシンカオヤジさんと中でお待ちしてるわよ、皆さんどうぞ」

春香ママ「…春香!」

春香「あ、お母さん。元気にして…」

春香ママ「…春香…あなた…!」オロオロ

春香「…え?お母さん?」

あずさ「あ、あら…?」

プラターヌ博士「少しの間、二人きりにしてあげましょう…」

貴音「…」

マーシュ「…」

春香「お、お母さん…急に…」

春香ママ「大丈夫?身体は?どこも痛くない?」

春香「だ、大丈夫だよ~!急にどうしちゃったの…?」

春香ママ「あのね!継承者なんて…心配しない親が居ると思うの!?」

春香「そ、そんな大げさな…真だって継承者だったんだし…」

春香ママ「あの子はドジでもないし、歩くだけでこけたりしないし、寝坊もしないし運動神経も良いし、ポケモンだって…」

春香「言いすぎだよ~!でも、心配してくれてありがとう…正直私もどうしていいのか…はぁ…」

春香ママ「どうするって?」

春香「だって、メガシンカを成功させたのは真のルカリオとキーストーンを使ってだから私はメガシンカ出来るポケモン持ってないし…」

春香ママ「…あのね、春香、びっくりしないでね」

春香「え…?」

春香ママ「…急に取り乱したりしてすみません、皆さん…」

あずさ「いえ…」

プラターヌ博士「お子さんが第一でしょうから、どうぞ」

春香ママ「ありがとうございます…」

春香ママ「…春香、あなたはもしかするとだけど、既にメガシンカするポケモンを捕まえているかもしれないの」

春香「え…?」

貴音「…既に…捕まえている…?」

春香ママ「…」

春香「な、何なの?教えて!お母さん!」

春香ママ「春香、本当に心当たりはないの…?」

春香「そ、そんなこと言われても…」

春香「あ…」

『デンリュウ、大事にしたってな』

春香「まさか…」

シュパアァン!

デンリュウ「♪」

春香ママ「…!!」

春香「お母さん…」

デンリュウ「…?」

春香ママ「あなたって子は…!!」

マーシュ「天海はんのお母さん…あなたは、雷の…」

春香ママ「…マーシュさん、何年前にここに?」

マーシュ「ざっと20年前に…」

春香ママ「そう…なら知っていてもおかしくないわね」

春香ママ「…四条さん、ですね?」

貴音「…はい」

春香ママ「私はかつて雷乃神様の一派として、水神様の一派への牽制としての役割を果たすため暮らしておりました」

貴音「…そういった方が住んでおられるということは常々から伺っておりました…私は詳しくは聞かされてはいませんでしたが…」

貴音「しかし、まさかそれが貴女でしたとは…」

春香ママ「はい、ですが私はお腹の中に春香を授かってからは、今まで通りの一派のために尽くすという考え方が出来なくなってしまったんです…」

マーシュ「…心中、お察しいたします」

春香ママ「ありがとうございます。故に、知人伝いにカロスへとやってきたのです」

春香ママ「その際にある、天海の人間に代々受け継がれてきた家宝も一緒に…」

春香ママ「何処からか、遠く大陸を超えてやってきたと言われるそれは、私にはなんの物かさえわかりませんでしたが…今分かりました」

春香ママ「春香、これを」

春香「…これは…まさか…!?」

春香ママ「これはね、多分だけど、デンリュウのキーストーンよ」

プラターヌ博士「…ッ!」

コルニ「…!」

あずさ「まぁ…」

マーシュ「やはり…天海家は私が居たころからデンリュウの使い手としての噂が立っておりましたから…」

春香「あの時にデンリュウって言ったのは…?」

マーシュ「メリープならクノエシティまでに捕まえられるさかい…もしやと思ったんやけど…まさかほんまに何も聞かされとらんとは…」

貴音「里に居たころは色々と、私には隠されていたようですね…」

マーシュ「遣いの者は役割に専念するために外界との繋がりを断ち切られますゆえ…」

貴音「…私もそれに息苦しさを感じていたのです

春香ママ「でもまさか、春香、あなたが本当にデンリュウを捕まえていたなんて…」

春香「メリープの時に出会ったんだ、最初は連れていくつもりはなかったんだけど…いつの間にか…」

春香ママ「未だにあそこの呪縛からは逃れられないのね…それでも、私は一応感謝はしてはいますが…」

マーシュ「失礼を承知でお聞きしますが…待遇は良かったのですか?」

春香ママ「そうね…不満のはけ口を別の神様にぶつけるという方法で縛られていた方々に比べれば…雷の一派は今は知りませんが昔は大分緩かったですから」

マーシュ「…そうですか」

春香ママ「春香、春香が貴音さんをホロメールで呼び出したときは驚いたわ」

貴音「あの時ですね」

春香ママ「ええ、最初は警戒したけど、話をしていくうちに貴音さんが悪い人じゃないってことは分かったの、それに水神様の遣いは、友好のしるしに不思議な鱗を渡すと伺っていましたから」

貴音「ミロカロスの鱗…」

春香「リボンのこれ…」

春香ママ「ええ、綺麗じゃない」

春香「えへへ、ありがとうございます、貴音さん。でも、メガシンカの話に戻りますけど、メガストーンがあってもキーストーンが無くっちゃ…」

コルニ「それなら問題ないわよ、人工キーストーンなら今持ってるから」

春香「そうなんですか?真も人工キーストーンなんですか?」

あずさ「真ちゃんは天然キーストーンよ」

春香「…結局人工と天然じゃどう違うんですか?」

メガシンカオヤジ「結論から言えば使う分には変わらん、人工はわりとすんなりと継承者と適合するが、天然だと少々個体差が出て相性が問題になる場合があるというぐらいかな」

春香「はあ、まあ人のポケモンとキーストーンでやってたぐらいですし、どっちでもよさそうですけど…」

コルニ「ふふ、春香ちゃんなら確かにそうかもね。はい、これ」

春香「リングかあ、えへへ」

メガシンカオヤジ「実はな、これは量産型の人工キーストーンの試作品じゃ!」

春香「ええ!?量産型ってどういうことですか!?」

コルニ「…見つかったのよ、イベルタルが!これでメガストーンを精製する準備は整ったわ」

あずさ「ええ、やっとね」

春香「イベルタルって…あの…!?」

プラターヌ博士「ああ、ゼルネアスとは対の存在に当たる、死を司るポケモンさ」

春香「そ、そんな危ないポケモンが…」

あずさ「ええ、だから今は繭に籠ってもらっているわ」

コルニ「で、今はメガストーンの生産の研究を進めているというわけよ」

春香「人工メガストーンってことですか!すごい…あれ、そういえば今日は律子さんが居ないんですね」

コルニ「そのテストに参加してるのよ」

あずさ「律子さんも大変ね…」

春香「へえ…律子さんも凄いですね…」

プラターヌ博士「ある意味アイドルだよね、彼女美人だから」

春香「はは、アイドルですか~、確かにそうですね!」

あずさ「私も一緒にデビューしちゃおうかしら?うふふ」

春香「あずささんも時々テレビに映るじゃないですか、もうデビューしてますよ」

あずさ「春香ちゃんも可愛いからなれるわよ」

春香ママ「どう?春香、旅が終わったらアイドルに就職は」

春香「え、ええ~!?」

プラターヌ博士「何事もチャレンジだよ」

春香ママ「ちゃんとお仕事何するか考えておくのよ」

春香「…も、もう~!あ、ところで、デンリュウと早速試しても良いですか?」

メガシンカオヤジ「ああ、構わんぞ」

春香「…よし、リングを嵌めて…」カチャッ

春香「はい、これ」

デンリュウ「…!」

春香「興味…もってるのかな…」

春香「デンリュウ!」

春香「メガシンカ…!」

ブンブンブンブン!

プラターヌ博士「おおっ!」

コルニ「…!」

春香(来る…!)

キュイイイイイン!!

バシュウウゥゥッ!

あずさ「これが…!」

ダアアアン!!

メガデンリュウ「…」キリッ

メガデンリュウ「!?」キョロキョロ

メガデンリュウ「♪」

春香「うわあ!可愛い!」

マーシュ「優雅な姿やね…」

貴音「ええ、とても…」

春香ママ「…」

春香「…お母さん?」

春香ママ「…え?ううん…何でもないわ」ゴシゴシ

春香ママ「すごく可愛いわね…」

春香(私のご先祖様ももしかしたらメガデンリュウを…だからお母さんも…)

春香(この子との出会いも…ちょっと運命的だったな…)

コルニ「…タイプは何でしょう…?」

プラターヌ博士「ちょっと待ってくれよ…今解析している…」

春香「おほほ!もこもこもこ~!」ナデナデ

メガデンリュウ「~♪」

あずさ「電気タイプなのは間違いないでしょうけど…」

プラターヌ博士「…電気、ドラゴン…!」

コルニ「電気にドラゴン、珍しいタイプね…!特性は…かたやぶりか…」

あずさ「かたやぶり…蓄電ランターンに強気に出られそうねぇ」

春香「へえ…かたやぶりか…」

春香「…」

春香(攻撃的なんだな…この特性…)

春香(…こんなに、優しい顔してるのにな…)

メガデンリュウ「…?」

春香(…)

春香(何期待してたんだろう…私…)

あずさ「…春香ちゃん?」

春香「…あ、はい!」

あずさ「春香ちゃん、ちょっといいかしら?メガデンリュウ、色々調べたいんだけれど…」

春香「はい、良いですよ」

春香(どう使うかは自分次第って、自分で言ったじゃない)

………
……


響「けど、仲直り出来て良かったな、美希!」

美希「うん。でも今度は騙されないように気を付けないと…」

美希「それと、ウルップさんに、みんなは仲間だって知らせないとダメなの!」

響「そうだな…ウルップさんも、ちょっと前の自分達と同じで、信じられる人が居なかったから…」

美希「…きっと、救われると思うんだ」

響「…そうだな。そろそろか!」

美希「何だか留守にしたのがたった1日ぐらいなのに、凄く久しぶりな気がするの」

響「そうだな、自分も村のポケモン達が恋しくなってきたさー」

美希「その前に、ウルップさんだよ」

響「あはは、分かってるって!…エンテイ!戻れ!」

美希「っと、ハニー、お疲れなの!」

響「うー、寒いなあ、ジムが冷蔵庫みたいになってるからだって…」

美希「ミキ的には、涼しいのは良いけど寒すぎるのはちょっとやだなー」

響「自分はまだ寒いのと暑いのじゃ寒い方が良いかな」

美希「響、暑がりだもんね」

響「だから昔さ、夏に、エンテイの毛を短くして涼しくしてあげるって言ったら逃げちゃってさ」

美希「あはは、怒られた?」

響「そりゃもう!大人たちはカンカンでさー…まあエンテイを怖がらせちゃったのは悪かったと思うけど、何にも事情を知らない大人たちがギャーギャーわめくのは…」

響「…気に入らなかったぞ。もしもーし!ウルップさーん!」コンコン

ウルップ嫁「あら、2人ともどうしたの?」

響「あ、こんにちは!」

美希「こんにちは!なの」

響「ウルップさん知りませんか?」

ウルップ嫁「それが、昨日の晩ごろに少し家を空けると言って…あなた達も知らない?」

響「あれ?う~ん、自分も良くわからないぞ…ごめんなさい…」

ウルップ嫁「そう…ちょっと心配ね…」

響「…何だろう…」

美希「ねえ、響…村に行こう…!」

響「…!そんな!」

美希「勘違いなら勘違いで良いの!」ダッ

響「ああ…!」ダッ

響(あれ…)

響(この感じ…)

響「エンテイ!」

美希「…っ!」

美希「ハニー!」

シュパアァン!シュパアァン!

美希「響!」

響「ああ、美希!ヤバイぞ!」

響・美希「「…ミュウツーの気配がしない!!」」

美希「響!も、森の道が…」

響(それにあの、ピリピリした感じが無い!ミュウツー、無事でいてくれ!)

響(見えた…!)

響「…!?」

美希「ッ…!」

響(…人が…2人…!?)

響(ウルップさん!?ウルップさんなのか…!?)

響(…いや…!!)

響「…誰だ、そこにいるのはー!!」

エンテイ「グオオオ!!!」

響「…なっ…!?」

響(赤装束の男、コイツ!)

レッドフード「…キタカ」

???「…」

響「…レッドフード、ウルップさん…!」

響(あんなとこにウルップさんが倒れてる…!それと誰だ、もう一人の横の男!?)

響「エンテイ!しんそく!」バッ!

エンテイ「…!」バシュンッ!

レッドフード「…イケ」

シュパアァン!

響(…!!)

響(そんな…!)

エンテイ「…!?」

ミュウツー「…」

響(ミュウ…ツー…!?)

響「エンテイ!駄目だ、ミュウツーから離れろ!」スタッ

響「エンテイ!?」

ミュウツー「…」

ギィィイン…

エンテイ「グルル…!?」ギリギリ

響(エンテイが宙に浮いてる…!?)

美希「…エンテイを離すの!!お願いハニー!!」

ライコウ「ガアッ!!」

ミュウツー「…」

ウウウン…

美希「ハニー!!」

響「ああ…嘘だろ…!!2匹いっぺんに浮かせてるのか!?」

レッドフード「…」

ミュウツー「…」ギロッ

響「お願いだ!自分はどうなっても良い!だから2匹を離してくれ…!!」

美希「お願いなの…!ミキはどうなっても良いから…!」

???「どうしますか?」

レッドフード「…ハナシテアゲロ」

ミュウツー「…」スッ

ドサドサッ!

響「エンテイ!ライコウ!ウルップさんを連れて逃げろ!!」

エンテイ「…グルル」

ライコウ「ゴオッ!」

美希「ミキ達は良いから逃げて!!」

エンテイ「グオオオ!!!」

ライコウ「オオオオオオ!!」

レッドフード「…アア、ソウダナ」

響「…エンテイ…守ってくれて…」

美希「ハニー…」

???「実に強い"絆"で結ばれていますね」

響「…生憎、自分はメガシンカとやらは使えないぞ」

???「…試さないと分かりませんよ?」

???「そう、ポケモンの持つ強さをいかにして引き出すか…」

???「これまでも従来進化しないとされたポケモンが何匹進化することが判明したことか…」

???「…ポケモンって、不思議で面白いですよね」

響「…おい、お前!」

???「私ですか?」

響「名前は!自分は我那覇響だ!」

???「自己紹介をどうもありがとう…しかし私は答えられません」

響「ッ…」

???「もっとも、私に至っては顔は割れていますから、特定する事自体は簡単でしょう」

響「まどろっこしい奴だな、まあいいさ…そのミュウツーを離せ」

レッドフード「…スデニミュウツーハ、ワタシノポケモン」

響「…ミュウツー!自分の声が聞こえるか!?ミュウツー!

レッドフード「…キコエナイノカ?」

響「ミュウツー!」

レッドフード「モドレ」

ポヒュウウン!

響「…!」

レッドフード「ワタシノポケモンダ」

響「…何だよ…何なんだよ!」

響「お前たち、何がしたいんだよ!

響「春香に化けて美希を騙したり、ミュウツーを捕まえたり!ウルップさんだって!」

レッドフード「オシエルギリハナイ…」

響「…ッ」

レッドフード「…ミュウツー」

シュパアァン!

レッドフード「…」

ミュウツー「…」

響「美希!!ウルップさんを連れて逃げろ!!」

美希「…」

響「美希!!」

美希「響を置いてはいけないの!」キッ!

響「…!!」ハッ

響「…じゃあ一緒だ!」バッ!

美希「はいなの!」バッ!

ライコウ「グオオオオオ!」ダダッ!

エンテイ「グルルルッ!!」ダダダッ!

レッドフード「…」スッ

???「必要ありません」

レッドフード「…ソウ」

???「さっきのは只の冗談ですよ、ミュウツーが手に入った以上優先するべきことがありますから」

美希「ライコウ!ひかりのかべ!」

キュピィィン!

響「良いぞ美希!」

響(追ってこない…)

響(…逃げ切れたのか…?)

美希「た、助かったの…」ハァ…

響「…ああ、みたいだな…美希、助かったよ…」ガクッ

響「ナイス壁貼りだったぞ、美希」

美希「ううん…違う…」

響「…えっ?」

美希「あの人たち、追わなかっただけだから…」

響「っ…!?」ゾクッ

レッドフード「…恐ろしい力だな」

???「ええ、幻のポケモンを2匹まとめて相手に出来るのですから」

レッドフード「…後はお前のポケモンに任せるよ」

???「分かりました、それにしてもすっかりなりきっていますね」

レッドフード「これを着ている間は"俺"は男だからな」

レッドフード「非人間的な身体能力も得られる…裏切り者には勿体無い発明よ…」

???「これは我々技術部の者が改良したもの、クセロシキとやらが作ったあれとは別次元ですよ」

レッドフード「そうね、小娘も追いつけられなかったわ」

レッドフード「…この赤も気に入っているわ」

???「ええ、あなたのためのスーツですから」

レッドフード「赤は良い…燃える炎の色、身体に流れる血潮の色…」

パキラ「…そして、このわたくし、パキラにふさわしい色よ」

パキラ「良いスーツをありがとう、アクロマ」

アクロマ「工学は私の専攻ではありませんから…礼ならば作った開発部門の者達に」

パキラ「そうね、ところでどう?ミュウツーは」

アクロマ「ゾクゾクしますよ、結果が楽しみです」

アクロマ「最強のポケモンがメガシンカをすれば…一体どうなるんでしょうかね…?」

パキラ「あなたが好きにしなさい、わたくしの目的は只一つ…」

アクロマ「…」

パキラ「秋月律子…あなたをやっとこれで…」

本日の分はこれまでです、ありがとうございました。
今後の予定ですが一回分が約100レスなので、このスレで終わるか終わらないか…?といったところでしょうか。
あまりダラダラならないようにしていきたいと思います。

律子「…」カツーン…カツーン

律子(…ここは…)

律子(…フレア団研究所…?フラダリラボ以外に…)

律子(こんな山奥…ただ、小さい施設みたいだけど…)

律子(中はもう何年も使われていないみたい…)

律子「…!」バッ

律子「…誰かいるの!?」

シーン…

律子「…」

律子「準備をしておかないとね…」

律子「…来るなら来なさい…!!」キッ

春香「…何で律子さんの行方が分からないんですか!?」

あずさ「どうしましょう…!」

春香「それにウルップさんが倒れていたって…」

プラターヌ博士「ウルップの奥さんからカルネさんに連絡が入ったんだ…美希ちゃんと響ちゃんが発見したらしい、そこでレッドフードを見たそうだ」

ハンサム「落ち着いてください、今地元警察と連携して調査を行っています!」

あずさ「私、探してきます!」

春香「わわ、私も!」

プラターヌ博士「くそっ、シトロン君からも、律子さんの反応が朝から無いって…最後のログは今朝の寮の自室だ…」

あずさ「…律子さんはきっと、自ら出向いたのよ…」

春香「…」

貴音「ひとまず今はエイセツシティへ、春香、マーシュ殿」

あずさ「ええ…マーシュさん、この子を使ってください!」

マーシュ「…これは」

シュパアァン!

あずさ「カイリューです、わたしのもう一匹のカイリューで一気にエイセツシティまで飛びましょう!」

マーシュ「鞍までついて…ドラゴンはやっぱり強力やね」

マーシュ「よろしく頼みます!」

カイリュー「グウー!」

あずさ「カイリュー!」

シュパアァン!

春香「…今日のテストには出勤せず…」

ハンサム「居場所が分からなくなったのは今朝、ほんの数時間前…」

ハンサム「彼女の手持ちポケモンに高速で移動できるポケモンは居ましたか!?」

あずさ「律子さんはエアームドを…」

ハンサム「くっ…何てことだ…エアームドに乗って全力で移動していたならとっくにカロスの端っこに着いていてもおかしくないぞ…!?」

春香「真、雪歩もエイセツシティに着いたって…!」

春香「律子さん…」ゴシゴシ

あずさ(…春香ちゃん…)

あずさ(…何を弱気になっているの!私が弱気になったら誰が…この子たちを!)

あずさ(…律子さん…貴女は本当に…)

ウルップ「…秋月…律子…だ…」

真「え…?」

ウルップ「秋月律子と、妙な髪形の男が…ミュウツーを捕獲しに来た…」

ウルップ「おれは止められなかった…」

真「…嘘だ」

真「律子がそんなことするわけない!」

雪歩「真ちゃん、落ち着いて!ウルップさんはきっと律子さんに化けたレッドフードを見たんだよ、美希ちゃんの時みたいに!」

ウルップ「何…?そんな…!」

千早「…直に貴音さんやあずささん達も来ます」

ウルップ「あずさ…三浦あずさか…あの…」

ウルップ「…先に謝っておく…」

ウルップ「どうやらおれは、とんでもないことをしてしまったらしい…!」ギリッ

雪歩「…」

真「…」

貴音「響…美希…よくぞ無事で!」

美希「見逃してくれたの…」

響「あ、ああ…普段洞窟で籠っていた時でさえちょっとおっかなかったのに…」

響「まさか、あれほどだったなんて…」

貴音「…」

ウルップ「おれはパキラを信用してしまった…そしてミュウツーの事も教えて…」

ウルップ「だからだ…」

ウルップ「すまない…!」

マーシュ「…過ぎてしまった事はどうしようもありまへん」

あずさ「…パキラから何か情報は…?」

ウルップ「…ミュウツーの保護とかどうとか言っていたが…とても居場所の手がかりになるようなのは…保護というのも結局は口実でしかなかったのだろう…なんて間抜けだったんだ…」

あずさ「そう…」

あずさ(…律子さんが行きそうな場所、律子さんが…)

響「それと、レッドフードと一緒に居たこの男なんだけど…」

千早「似顔絵は書けるかしら?」

響「う、うう~ん…こんな髪型で…」サラサラ

ウルップ「そうだ、こんな男も一緒に居たが、こいつがどうかしたのか…?」

あずさ「…!」

千早「この男は…?」

あずさ「…アクロマ!?どうしてプラズマ団の彼が…!?」

春香「アクロマ…?プラズマ団…?」

あずさ「説明は後でするわ…まさかプラズマ団残党が関わっていたなんて…」

春香「ホロメール、博士からです!」

プラターヌ博士「皆!どういうわけか律子さんのホロキャスターの反応が復活したんだ!」

春香「…!?」

真「本当ですか!?」

プラターヌ博士「位置情報を送信する!ここからそう遠くない!みな頼んだ!」

千早(どうして、今頃になって!?)

千早(で、でも…!ラッキーだわ…!!)

あずさ「行きましょう!」

貴音「雪歩、私と変わってください、秋月律子は貴女の大切な人なのでしょう、それに私と美希、響はここでやらねばならないことがあります」

響「ああ、ポケモン村だ…秋月律子って人は任せたから!」

雪歩「…はい!」

マーシュ「私の後ろに萩原はんやね」

真「ファイアロー!」

シュパアァン!

千早「オオスバメ!」

シュパアァン!

真「ボクたちは自分のポケモンで行く、カイリューの後ろについて風よけにすればファイアローとオオスバメでもついていける!」

千早「…行きましょう、あずささん」

あずさ「…分かったわ」

コツ…コツ…

レッドフード「…」

律子「…レッド…フード…」

レッドフード「…アキヅキ、リツコ…」

律子「…まさか…そんな…」

フッ…

律子「…!?」

律子(ホログラ…ム…!?)

律子「なんで…女の…!」

レッドフード「女の体型なのが不思議かしら?」


レッドフード「ソレトモオトコダトオモッテイタノカ?イヤ…オトコノダレカ…」フッ…


レッドフード「姿を自在に変えることが出来るのだから…」フッ…

パキラ「"赤いスーツ"の姿がその一つだってことぐらい、貴女には容易に想像出来そうだけど」フッ…

律子「…!!」ギリッ

パキラ「まさか本当にのこのこやってくるなんてね」

律子「まさか…」

律子「…レッドフードがアンタだったなんてね…」

パキラ「まさか…期待していたのかしら…?もしそうなら…」

パキラ「…貴女の鈍感さには吐き気がするわ」

律子「その言葉、そっくりそのまま返してやるわよ」

パキラ「…フラダリ様は貴女が殺したのよ!!」

律子「ええ!!」

パキラ「…!!」

律子「あの人は、私を庇って死んだ!!」

パキラ「…」ギリッ…

律子「…」

パキラ「…ぁあ秋月律子おおおォォ!!」

律子「私は彼を愛し、私も愛されていた…」

パキラ「黙れ!!」

律子「ざまあないわねェ!!」

パキラ「許さない…!!愛していた…!?ありえないッ!!」

パキラ「じゃあアンタはどうしてそうやって平然といられるのよおおォォ!!!」

律子「平然といられる…?」

パキラ「そうよ!血の通っていない、悪魔め!」



律子「…本当にそう言っているの?」

律子「自分がもしあそこで代わりに犠牲になっていれば、もしかしたらどこかで生きているんじゃないか、何度そう思ったか」

律子「そしてあり得ないと思い、それでも掴みかけたあの人の僅かな軌跡が…」

律子「まさかアンタみたいな牝豚だったと知った時…!」

パキラ「…」ギロッ

ポタッ…

パキラ「…!」

律子「頭がおかしくなりそうだったわ…!!」バッ

パキラ(こいつ…拳を強く握りすぎて爪が食い込んで、血が出て…!?)

パキラ「…!」

パキラ「何を…!!」

パキラ「…被害者ぶってええ!!」

パキラ「ミュウツー!」

シュパアァン!

律子「ギャラドス!!」

シュパアァン!

パキラ「ギャラドス…!!」

パキラ「汚らわしいのよ!!戻れ!ミュウツー!ロトム!」

律子(いかくで引っ込めたのか、それともでんじはを…)

律子「でんじは!」

律子「…ッ!」

パキラ「でんじはねぇ、メガシンカはさせないつもりかしら?でもそれが仇になったわね」

パキラ「…ロトム、リフレクター!」

律子「ギャラドス交替!ナットレイ!」

パキラ「…」

律子「ナットレイ、のろい!」

パキラ「この日のために…」

パキラ「ロトム、ボルトチェンジ!」

パキラ「ミュウツー!」

シュパアァン!

律子「ミュウ…ツー…」

パキラ「ミュウツー、めいそう!」

律子「ジャイロボール!」

律子「ッ!!リフレクターか…!いや、それでもこの硬さは何…!?」

パキラ「貴女の"のろジャイロ"だって、相当"ズルイ"じゃない?」

律子「…もう一度ジャイロボール!」

パキラ「もう一発はギリギリ耐えられる…めいそう!」

律子「…ッ!」

パキラ「ほらほら…瞑想、2回積んだわよ…?」

律子「ジャイロボール!」

パキラ「…ねむる」

律子「…!?」

律子「しまった…!ラムの…」

律子「ッ、急所に当たれ!ジャイロボール!」

パキラ「ミュウツー、メガシンカ」

律子「…!?」

律子「ミュウツーが、メガ…シンカ…!?」

キュイイイイイン!!

パキラ「…来い!!」

バシュゥッ!!

ダアアアアアン!!

メガミュウツーY「…」

パキラ「ふふ…」

パキラ「はーはっははは!!あはっははは!!!」

律子「…素眠りかまして悦に浸ってんじゃ…」

律子「…!?」

メガミュウツーY「…」

メガミュツーY「!」カッ!

律子「そんな…」

 ふみん…!?

パキラ「…貴女を殺す」

パキラ「メガミュウツー、はどうだん」

律子「なっ…」

ナットレイ「…!」

ドオオオン!

律子「…ナットレイ?」

律子「…!」ハッ

パキラ「…止められないわよ、もう」

律子「…」

パキラ「何?その顔…?助けてほしいの…?」

パキラ「…フラダリ様はァ!!決してアンタなんか選んじゃいない!!」

律子「…ッ!エアームド!」

シュパアァン!

律子「エアームド、まもる!」

パキラ「はどうだん!」

パキラ「あっはっは!!」

バシュウン!!

シュピィィン!!

律子「…もう一度まもる!」

バシュウン!!

シュピィィン!!

パキラ「まさかわざのPPが切れるまで粘るつもりかしら?」

律子「まもる!!」

パキラ「たっぷり苦しませてあげる…」

パキラ「恐怖して死ぬがいいわ…」

メガミュウツーY「…」

律子「…ケッキング!」

シュパアァン!

パキラ「甘い、いくらケッキングでも2回積んだメガミュウツーYは止められないから」

律子「…」

パキラ「はどうだんで吹き飛ばしてあげなさい」

律子「…」

メガミュウツーY「…」キュイイイ…

パキラ「…待て」

律子「…っ」

パキラ「…このままあっさり倒すのは勿体無いわ…」

律子「…」

パキラ「…まだ物足りないのよ」

パキラ「もっと泣きわめきなさい…」

律子「…私は泣かない」

パキラ「…」

律子「…あの人と、フラダリと約束したから」

パキラ「…!」ギロッ

パキラ「…律子おおおおおォォ!!」

パキラ「よくもまだそんなことがッ!!吹っ飛ばしてやる!!はどうだん!!」



律子「…!」

ハンサム「…アクロマが関わっているだと…!?」

あずさ「はい、間違いありません!」

ハンサム「行方不明になっていたが、まさかネオフレア団に潜り込んでいたとは…」

ハンサム「…!まさか、自身の研究のために…」

ハンサム「もしや継承者を襲っていたのも、研究のためか!」

プラターヌ博士「…だが、それではパキラの動機が分からない…」

ハンサム「…いや、動機ならあるじゃないか…!」

プラターヌ博士「…ウルップさんを襲った際、律子さんに化けたのも、フレア団を壊滅させられた際の恨みを晴らすため…なのか…?」

ハンサム「…秋月君は恐らく攫われたのではなく、自ら出向いた…」

プラターヌ博士「…いくら律子さんでも、四天王でもあるパキラ、しかもミュウツーまで所持している可能性があるのに、勝ち目は…!?」

プラターヌ博士「そしてもし…」

ハンサム「ミュウツーがメガシンカできたなら…?」

プラターヌ博士「…」ゾクッ

春香(もうすぐ博士が送ってくれている場所だ…!)

春香(律子さん!無事でいてください!)

雪歩「…皆、あれ!誰かが居る!」

マーシュ「…見つけた!」

春香(…!!)

春香「…あれは、まさかレッドフードと律子さん!?」

真「…律子がやられる!!」

あずさ「ミュウツーまで…!」

真「律子ー!!!」バシュンッ

春香「あずささん、私に構わずお願いします!」バッ

あずさ(…春香ちゃん!?)

春香「アーケオス!!」

シュパアァン!

あずさ「…分かったわ」キッ!

春香「アーケオス!助けて!」

アーケオス「ピッ!」ガシッ!

あずさ「しんそく!!」

バシュンッ!!

あずさ(間に合って…!!)

真(律子、手持ちは全部やられたのか!?)

真「…うおおおお!!」

レッドフード「…」スッ…

ミュウツー「…」シュウウウン…!

真「…!」

真(あ…!ああっ…!!)

あずさ(…!!)

真「や…!!」

ミュウツー「!」カッ

真「やめろ…!!」

真「やめろおおおおおオォォォ!!」

チュドオオオン!!

オオスバメ「ピーッ!!」

カイリュー「グオオオオオ!」

真(間に…あわ…)

あずさ(…嘘よ…こんな…)

マーシュ「…!」

春香(そんな…!!)

春香「…律子さああああん!!」

雪歩「いやー!!!」

真「…り…つ…こ…」

あずさ「…そんな…っ…」

レッドフード「…」

春香「あ…ああ…!!真やあずささんまで…!!」

マーシュ「…春香はん、雪歩はん、早く手当を!!」

マーシュ「…ッ!」キッ!

千早「…レッドフード…いや…パキラ…!!」

千早「…来るなら来なさい!私の命に代えてでも皆には…!!」

レッドフード「…」

レッドフード「…」クルッ

シュパアァン!

ビュンッ!

マーシュ「なっ…」

千早(…)

千早(まるで…私たちの事なんか…)

千早(眼中に…ない…みたいな…)ガクッ

………
……


まさかこんなことになるなんて思いませんでした。
正直、今でも信じられません。
ただあの時、もう少し着くのが早ければとか、もっと何か上手くやれたんじゃないかとか…
そんなことばっかり、頭によぎっては消えて…暫く何も考えたくありません。

あの後、吹き飛ばされた場所を探してみましたけど…結局何も見つかりませんでした。
そう、もともとそこには人なんていなかったかのように、跡形もなく…

雪歩「うっ…うう……!」

千早「…律子さん…そんな…」

春香「…」

真「…春香」

春香「…うん」

春香(…私の番だ…)

春香(律子さん…)

春香(なんで私が、お花持って…)

春香(律子さんの…写真…)

春香(…)

真「…」

春香「…」

春香「…っ…」ポタッポタッ

春香「なんでっ…律子さんが…!!」

春香「うううあっ…!!うぐっ…!!ひっく…」

真「春香…」

春香「ひっく…ぐすっ…ごめんな…さ…い…」

伊織「…春香のせいじゃないわ」

あずさ「…そうよ」

千早「…伊織、来てくれたの…」

雪歩「春香ちゃん、伊織ちゃん…ううっ…」

伊織「短い間だったけど、お世話になったから…」

千早「…」

亜美「はるるん…」

真美「…」

春香「伊織…亜美…真美…」

伊織「…皆に慕われていたのね」

亜美「亜美や真美にも目をかけてくれたんだ…」

真美「きっと強くなるって、褒めてもらって…」

真「…ボク、決めた」

真「…レッドフードを、いや、パキラを許さない」

千早「真…」

雪歩「真ちゃん…」

あの日から全てが変わりました。
私たちは旅を中断し家に戻る事になりました、といっても、もう一度旅を始める気は起きません。
正直、心のどこかでレッドフードをなめていたのだと思います。
また、律子さんやあずささんをあてにしていたのも否定できません。

律子さんなら、あずささんなら、そう思っていました。

特に律子さんは、私たちの憧れでしたから。

でも、律子さんは既にこの世にはいません。
私達の目の前で、ミュウツーの技を受けたのですから。

最後に、色々あったけれど…楽しいまま、あのまま何事もなく終わることが出来たら…どれだけよかったのかな…

これにてレポートを終了します。ありがとうございました。

天海春香

春香「…」カチッ

春香「…」

春香「ごめんなさい…」

………
……

千早「…」

プラターヌ博士「…千早ちゃん、もう今日は休みなさい」

千早「…もう少ししたら寝ますから」

プラターヌ博士「…手伝いは助かるし、君のトレーナーの訓練が大事なのも分かるが、君の身体も心配だ」

千早「…お気遣いありがとうございます」

プラターヌ博士「…」

千早「…春香からレポートは届きましたか」

プラターヌ博士「…ああ」

千早「…旅は続けないんですよね」

プラターヌ博士「…そうだ」

千早「…そうですか」

プラターヌ博士(良かった、とでも言いたげな顔だな…)

プラターヌ博士(…迷っていたが、背に腹は代えられない)

プラターヌ博士「…千早ちゃんはトレーナーとしての技術を上げてレッドフードを倒すと言ったね」

千早「はい」

プラターヌ博士「…ミュウツーは強力だ、だから、対抗しうるポケモンが必要だ」

プラターヌ博士「実は秋月君の協力のおかげで完成していたメガストーンがある」

千早「え…?」

プラターヌ博士「…研究所が君に使ってほしいとのことだ」

千早「…!」

千早「で、でも、私は継承者でも…」

プラターヌ博士「誰にでも、使える」

千早「…?」

プラターヌ博士「それが、この人工メガストーンの特徴だ」

千早「…」

プラターヌ博士「…継承者の力が必要な本来のメガシンカから逸脱しているかもしれない…厳密にはメガストーンとは異なるだろう…」

千早「…使わせてください」

プラターヌ博士「…」スッ

千早「…このメガストーンは…」

プラターヌ博士「…おやこポケモン、ガルーラのものだ」

千早「…」

千早(親子…か…)

千早(つくづく…)

千早「…分かりました」

千早(…皮肉なものね)

千早「ありがとうございます」

千早(レッドフード…いえ…パキラ…)

千早(私は、貴女を必ず倒す…)ギュッ

雪歩「…春香ちゃん、ホロメールにも出ないし…」

雪歩「…」

雪歩(真ちゃんにも繋がらないし…千早ちゃんも忙しそうにしてるし…)

雪歩(…これから私、どうしたらいいんだろう…)

舎弟「雪歩お嬢…そんなところに居ては風邪を引きますよ」

雪歩「あ…だ、大丈夫ですぅ、私、旅に出ていた時はもっと凄いとこで寝泊まりしてましたから…」

舎弟「まあまあ、言うことは聞いておくもんですよ」

舎弟「あっしも実は旅をしたことがあるんですぜ、お嬢みたいに強くはありませんでしたから、バッジ4つ目で諦めて今の仕事に入ったんですよ」

舎弟「…秋月律子さんの事は残念でした」

舎弟「あっしよりもずっと強いし、きっと凄いポケモンを揃えてるんだろうなと。そんなに凄いならトレーナーとしてやっていけるんじゃないですか?」

雪歩「わ、私は、継承者でも…」

舎弟「継承者?」

雪歩「え!あ、な、何でもないですぅ、とにかく私はあんまりバトルには向いてないかもって…」

舎弟「はあ…ところで何のポケモンを持ってるんですか?見せてくださいよ」

雪歩「良いですよ」

雪歩「みんな!」

シュパパパパパパァン

舎弟「お!ホルードじゃないですか!」

雪歩「ホルードさんは旅の初めの方にゲットしたんですぅ」

舎弟「うちにもホルードはいっぱい居ますからねえ、あっしも旅の時に捕まえたホルビーがここで働いてますよ」

雪歩「へ~…」

ホルード「?」

萩原組のホルード「!」

雪歩「あ、うちの組の…同じホルードだからか仲良さそう…」

舎弟「ですね…ん?」

雪歩「あれは…」

舎弟2「た、大変だ~!」

舎弟「どうした?」

舎弟2「き、菊地さんとこの娘さんが手紙を置いて行方不明って…!」

雪歩「…真ちゃんが…!?」

舎弟「な、なんだって!?」

雪歩(真ちゃん…どうして…)

雪歩「…!」




…レッドフードを、いや、パキラを許さない



雪歩(ど、ど、どうしよう…!?真ちゃん、きっと律子さんの仇を…!)

雪歩(そうだ、ホロメールに出ないなら春香ちゃんの家に直接行けばいいんだ!)

雪歩「私、行かなきゃ!」

舎弟「行かなきゃって!」

雪歩「春香ちゃんのところに…!みんな戻って!」ダッ

舎弟「春香…天海さんのところの…!?」

舎弟2「お、お嬢まで!?行っちゃうぞ!」

舎弟「とにかく親分に連絡だ!」

春香(…律子さん…)ギュッ

春香ママ「春香…?」

春香「…」

春香ママ「春香、雪歩ちゃんよ、大事な話があるの、ホロメール送っても出なかったんですって?」

春香「…」

春香(ホロキャスター…充電が切れて…)

雪歩「春香ちゃん…!」

春香「え…?」

雪歩「春香ちゃん、入るよ!」ガチャッ

春香「ゆ、雪歩…?うん…」

雪歩「春香ちゃん…!聞いて…!」

雪歩「真ちゃんが…真ちゃんがいなくなっちゃった…!!多分仇討ちに行っちゃったの…!!」

春香「え、え…?」

雪歩「春香ちゃん…!」

春香「…」

春香「ごめん、よく、分からない…」

雪歩「…!」ハッ

雪歩「は、春香ちゃん…」

春香ママ「…春香!!」

春香「!」ビクッ

春香ママ「春香…それで本当に律子さんが安心すると思ってるの!?」

春香「雪歩…?」

雪歩「わ、わ、私だって…私だって…!!」

雪歩「私だって、怖いもん…!!でも春香ちゃんは継承者なのに、なのに…!!」

雪歩「春香ちゃんも探してよ!!真ちゃんを探してよ…!!」

春香(…けい…しょう…しゃ…)

春香(そっか…私…)

春香「…そうだね…」グスッ

雪歩「あ…ご、ごめんなさい…私…」

春香「ううん…ううん…違うの、違うの…」

春香「私、逃げてた…死んだ律子さんも、これじゃ…」

雪歩「…もう、誰も失いたくないの…」

春香「…私だって、そうだよ…」

春香「…お母さん」

春香ママ「…」

春香「真を探さなくっちゃ…」

春香「私、行ってきます」ゴシゴシ

春香ママ「…分かりました」

春香「…雪歩、千早ちゃんはどうしてるの?」

雪歩「プラターヌ博士の研究所に…」

春香「分かった」

春香「…ねえ、雪歩」

雪歩「…春香ちゃん?」

春香「来てくれてありがとう」

雪歩「…ここまで一緒に、旅をしてきたんだから、ね」

………
……



真「…」

エリートトレーナー「…あなたはまだバッジが7つしか集まっていません」

真「そこをどけ」

エリートトレーナー「何…?」

真「力づくでも通る…」

エリートトレーナー「…強引な、ならばなおさらここを通すわけにはいきません」

真「…バトルするんだね?」

エリートトレーナー「先に言っておきますが、私に勝てる実力があったとしても、ジムバッジが8つ無ければその先の扉は開きませんよ」

真「その時は…」

真「こじ開けるまでだ」

エリートトレーナー「…後悔しなさい!」

真「…そっくりそのまま返すよ」

エリートトレーナー「ライチュウ!君に決めた!」

シュパアァン!

真「ルカリオ」

シュパアァン!

エリートトレーナー「…っ」

エリートトレーナー(チャンピオンロードを通る前だというのに、なんてレベルが高いんだ…!?)

真「ルカリオ、つるぎのまい」

エリートトレーナー「ライチュウ、あまごい!」

真「ルカリオ、しんそく」

エリートトレーナー「ライチュウ、かみなり!」

ライチュウ「…!」ドサッ

ルカリオ「…」

エリートトレーナー「ライチュウ!?」

エリートトレーナー(ライチュウの物理耐久が低いとはいえ…!!)

ルカリオ「…ッ」

エリートトレーナー「…なっ、いのちのたまか!?」

エリートトレーナー「キングドラ!」

シュパアァン!

真「…ルカリオ、しんそく」

キングドラ「…!」

ダンダンダン!

キングドラ「…」ドサッ

エリートトレーナー「キングドラ!」

エリートトレーナー「くそっ!メレシー!」

シュパアァン!

真「インファイトだ」

シュンッ!ババババババッ!!

エリートトレーナー「…そん…な…」ガクッ

真「…戻れルカリオ」

エリートトレーナー「…ま、待ちなさい!その扉…は!」

エリートトレーナー「バッジが…」

真「…ボクは、行かなきゃならないんだ」

真「ルカリオ、壊せ」

エリートトレーナー「ッ…!」

エリートトレーナー「扉が…!?」

ルカリオ「…」シュウウ…

真「…戻れ、ルカリオ」

ポヒュウウン!

真「…」

エリートトレーナー「あ…あぁ…」

真「…」スタスタ


ボクは決めた。


真「…ここが、チャンピオンロード…」

カツーン…カツーン…

真「…ジヘッドか?」

ジヘッド「…ガアッ!」ガシガシ

真「…こんなの、レッドフードのポケモンに比べれば…」

真「…」ギュッ


春香や雪歩、千早には頼らない。


真「…戻れ」


…いや、頼れないんだ。


エリートトレーナー「…へえ、良く育ってそうだね」

真「…」


ボクは強くならないといけないんだ。


エリートトレーナー「…君もポケモンリーグに挑戦するのかい?…まあそれ以外の奴がこんなところ…」

真「なんだって良いだろ?」

エリートトレーナー「…フン、確かにそうだな」


だからボクは…


エリートトレーナー「なぜならこの私に敗れるからだ!」

真「…」

真「…おい」

エリートトレーナー「…何だ?」




真「レッドフードに会ったら菊地真が探していると伝えろ」






皆の代わりに、鬼になる。


本日はここまでです、ありがとうございました。

雪歩「ねえ春香ちゃん…なんで千早ちゃんは家に戻らないんだろう?」

春香「え…?」

雪歩「親が心配すると思うんだけど…」

春香「それは…多分、千早ちゃんはしっかりしているから…じゃないかな?」

雪歩「そっか…」

春香(…どうなんだろう、もしかして…)

春香(…)

春香「…着くね、もう少しで」

雪歩「うん…」

春香「よしよし…!」

バッサバッサ

アーケオス「ピッ」

春香「戻れ!アーケオス!雪歩、大丈夫?」

雪歩「うん、フワライドさん、戻ってください」

春香「…千早ちゃん!博士!来ました!」

千早「春香…雪歩…話は聞かせてもらったわ」

博士「皆…」

雪歩「千早ちゃんの力を借りたくて…!」

春香「真が…仇討ちにいっちゃって、置手紙を置いてさ…!」

千早「…分かった、もちろん私は協力するわ」

春香「千早ちゃん!」

千早「ただし」

雪歩「え…?」

千早「私だけで行くわ」

春香「…え?」

雪歩「…千早ちゃん?」

博士「…」

春香「…千早ちゃん、何で…?」

千早「…春香、雪歩。真は仇討に行ったのね?だったら連れ戻さなければいけないわ」

春香「そうだけど…何で千早ちゃんだけが…!?」

千早「真はありとあらゆる手を使ってパキラを探そうとするわ」

千早「もしかするとパキラをおびき出そうとしているかもしれない、真を探すということはパキラと接触する可能性を高めるという事なのよ」

春香「…っ」

雪歩「…」

千早「そんな危険な目には…とても2人を…」

春香「だったら、千早ちゃんは危ない目にあっても良いって言うの!?」

千早「私は…」

春香「1人ではどうにもならないことでも、3人いればなんとかなるかもしれない!」

雪歩「そうですぅ!千早ちゃんが傷ついたら、私たちだって…!」

雪歩「千早ちゃんの家族だって…!」

春香(あ…)

春香(…)チラッ

千早「…」

春香「千早ちゃんは確かに強いけど…私たちだって足手まといになるつもりはないんだよ…?」

雪歩「そうですぅ、私だって、あれから…律子さんに…訓練してもらいましたから…」

博士「…千早ちゃん、何もすべて一人で背負い込む必要は無いんだよ」

千早「…」

千早「…そうですね、私一人でどうにでもなるものでもないでしょうから」

千早(そう、私の実力、そして2人の力…)

千早「ごめんなさい、2人とも。私は2人を足手まといだって言いたかったわけじゃないの」

千早「…レッドフードは、パキラは、とても強力…だからこそ協力する必要がある…」

千早「それに、春香と雪歩の方が真との付き合いは長いわけだしね…」

春香「良かった…」

雪歩「千早ちゃん…!」

千早「私ね、これを授かったの」

春香「…それ!」

千早「…ねえ春香、私もメガシンカ使えるようになったのよ」

雪歩「…ええ!?千早ちゃんも継承者…!?」

千早「ううん、違うわ…」

千早「律子さんが遺してくれた、力よ」

プラターヌ博士「人工メガストーンだ、いち早く完成していた物を譲ってくれたんだ」

春香(律子さんが…遺してくれた…)

プラターヌ博士「残念ながら雪歩ちゃんの分は無いけど…」

雪歩「私はうまく使いこなせないと思うし…継承者の春香ちゃんや、実力がある千早ちゃんとは違って…」

春香「…そんなこと言ったら私だってよく…」

千早「…私だって、そうよ」

春香「皆…同じように不安なんだね…」

千早「…ええ、だからこそ訓練をしなくちゃいけない」

千早「練習量と不安は反比例するわ」

プラターヌ博士「その通り!良い事言うね」

千早「スクールの教官の受け売りですけどね」

雪歩「そうだね!私頑張る!」

春香「その通りだね!」

春香(反比例って…何だっけ…)

千早「…それでだけど、ここで一度パーティーを組みなおしたいと思ってるの」

春香「え、パーティ―を組みなおす!?」

雪歩「ええ…!?」

千早「…皆が自分のポケモンに愛着を持っているのは分かるわ…けど、勝てないパーティーで挑んでも犠牲が増えるだけよ」

雪歩「そ、そうだけど…」

千早「かといって時間が無限にあるわけでも無いわ、なるべく入れ替えずに済むようにしないといけない」

春香「そっか…」

千早「本来なら厳選をするべきでしょうけど…悠長にそんなことをしている時間は無いから…」

雪歩「…」

千早「皆、一先ず今日はパーティーを考えて、それであずささんに見てもらうわよ」

春香「うん」

雪歩「…」

千早「…どうしたの?雪歩」

雪歩「え…ううん…何でも…」

春香「…言いたいことがあるんなら言った方が良いよ」

千早「その方が私も助かるから」

雪歩「えっと…その…」

雪歩「私、自分のポケモンが好きなの…だから…皆と一緒に戦いたくて…」

雪歩「けど…バランスが悪いのも分かってるから…」

千早「…これは私の持論だけどね、雪歩」

千早「私、ポケモンはバトルの道具じゃないと思ってるの」

雪歩「え…?」

千早「ふふ、意外って顔ね」

雪歩「え、そ、そんなことは…」

千早「…かつてはそうだったわ」

千早「でもね、皆で旅をしていくうちに私、分かったの」

千早「バトルで弱いポケモンに価値はないなんていう人はスクールにたくさん居たし、私もそう思っていた」

千早「でもね、決してそんなことはないわ。バトルは人間が決めた一つのルール、ルールが変われば強さは変わる、あるいは強弱を決めるルールさえなければ…?」

雪歩「そっか…そうだよね…!」

雪歩「ポケモンはバトルだけじゃなくて、お仕事も手伝ってくれるし、うちでも会社の皆でご飯を食べる時はポケモンも一緒で…」

雪歩「苦手な事をさせて、それで勝手に不満に思うって、可哀想だし失礼だよね…」

千早「そうね。大体は春香がきっかけなんだけど」

春香「え、私?」

千早「春香って、ポケモンと本当に仲良くするじゃない?」

春香「…そうなの、かな?私は普通に接してるだけだけど…」

千早「それが出来ない人もいるのよ、ボールに入っていて、言うことを聞くからって…ポケモンは奴隷じゃないのにね」

雪歩「…私、ちょっと家に戻っていい?」

春香「忘れ物?」

千早「家が集中できるならそれでもいいけど」

雪歩「ううん、すぐ戻ってくるから」ダッ

春香「…なんだろ?」

千早「まあすぐ戻ってくるらしいし…始めましょう」

春香「そうだね」

春香「私のポケモンはゲッコウガ、アーケオス、ニンフィア、カエンジシ、シュバルゴ、デンリュウか…」

千早「ちなみに主軸を決めて構成を考えるといいわよ」

春香「じゃあ…やっぱりデンリュウかな、メガデンリュウになるし…弱点は地面と氷とドラゴン、フェアリーか…」

春香「ドラゴンを受けるとなったらシュバルゴかな…?でも、サブウェポンで炎は絶対持ってるだろうし…逆にゲッコウガなられいとうビームで対処できるかな…じめんはアーケオスなら躱せるけど、アーケオス自身に決定打も無いし…でもシュバルゴは対フェアリーとしても…」

千早「ちょっと待って、メガデンリュウって…もしかしてメガシンカしたらドラゴンタイプがつくの?」

春香「そうだよ、あ…!」

千早「…メガシンカしてタイプが変わるポケモンは、それを利用して受けに回ったり、奇襲を仕掛けることが出来るという事よ。パキラがどこまでメガシンカを知っているかがカギになるけどね」

春香「メガデンリュウは…私の家に代々受け継がれてきたデンリュウナイトで進化するから…多分パキラはメガデンリュウを知らないと思う…」

千早「知識の差は読みあいで特に顕著になるわ、このアドバンテージは持っておきたいわね」

千早「それと、シュバルゴは良いかもしれないけれどメガホーンとドリルライナーは欲しいわ」

春香「それって、もしかして卵技ってやつ?」

千早「ええ、頑張りましょう」

春香「はーい…」

春香「…あと、ゲッコウガって、違う特性があるんだよね…」

千早「…へんげんじざいね」

春香「そっちのほうが良いのかな…」

千早「そうね…汎用的に使うならへんげんじざいでしょうけど、水タイプの技って案外通りが良いからげきりゅうで威力アップ、ってのも悪くないかもしれないわ」

千早「…というより、へんげんじざいの個体を手に入れるのって面倒よ?」

春香「どうやって手に入れるの?」

千早「キナンシティにあるサファリパークってところに行って、探すのだけれど…」

春香「シュバルゴを育ててたらそんな時間は無いか…はあ…」

千早「春香のポケモン、結構バランスは良いから後は同じタイプで色々調べるのが…それと、ミュウツーの対策ね」

春香「悪タイプのゲッコウガで!」

千早「恐らく格闘タイプの技を持っているわ、鋼対策も兼ねてね」

春香「うーん…じゃあ…あ、シュバルゴは?」

千早「そうね、メガホーンで何とかなるかもしれない、あるいはふいうちか…」

春香「ふいうち?」

千早「悪タイプの先制技よ、威力が80もあるけど、相手が攻撃技を指示しないと失敗するの」

春香「うぎぎ…」

千早「ふいうちで有名なのはドンカラス、アブソル、ノクタス…ただ相手も当然警戒してくるわ」

春香「なるほど…」

春香(ふいうち、か…)

雪歩「あのね…ホルードさん…」

ホルード「…」

雪歩「うっすら感づいてたかもしれないけど…」

雪歩「ホルードさんを、もうバトルでは活躍させられないんだ…」

ホルード「…」

雪歩「ほんとは私がもっと上手かったら、ホルードさんをうまく活躍させてあげるんだろうけど…」

ホルード「…」フルフル

雪歩「…ホルードさん…」

雪歩「いい…の…?」

ホルード「…」コクリ

雪歩「…分かった」

雪歩「…」スゥ…

雪歩「お父さん!」ガラッ!

雪歩父「…雪歩か、どうした」

雪歩「えっと…この子を、ホルードさんをここで働かせてあげてください!」

雪歩「…」

雪歩父「ホルードか…」

雪歩父「…お主はどうしたいのだ」

ホルード「…」

雪歩父「ここで働きたいのか」

ホルード「…」コクリ

雪歩父「だが、それは今まで通り雪歩といつも一緒というわけにはいかんぞ」

雪歩「…」

ホルード「…」ピタッ

雪歩父「…」

雪歩「ホルードさん…」

ホルード「…」

ホルード「…」ガシッ

雪歩「ホルードさん…」

ホルード「…ビ」

ホルード「…」クルッ

雪歩父「…よかろう、しかし、何故だ?」

雪歩「お父さん、私、戦わないといけない理由が出来たの」

雪歩父「…律子さんの仇討ちか、友を連れて帰るためか」

雪歩「…」

雪歩「真ちゃんを連れて帰るため!」

雪歩「勿論パキラさんを許したわけじゃない…けど…」

雪歩「真ちゃんや皆がそれで傷つくのは…見てられないから…!」

雪歩父「…こいつらを、雪歩、お前に預けよう」

雪歩「え…?」

雪歩父「根性のロー、鉄砲玉のムー…いずれもわしの右腕よ」

シュパパァン!

ローブシン「…」

ムクホーク「…」

雪歩「ローブシン…!ムクホーク…!」

雪歩父「…お前たちに久しぶりに仕事を与える!」

雪歩父「雪歩を守れ!」

ローブシン「…」コクリ

ムクホーク「…」バッ

雪歩「お父さん…」

雪歩父「萩原の人間ならば…通さねばいけない筋というものがある」

雪歩父「雪歩の仁義を通して来い!」

雪歩父「そして、その上で…!」

雪歩父「菊地さんを連れて帰りなさい…!」

雪歩「…はい!」

雪歩「…萩原雪歩、行ってまいります!」

雪歩「…」タッタッタッ

ローブシン「…」

ムクホーク「…」

雪歩「…あ、ローさんとムーさんのボール…」クルッ

雪歩父「雪歩を頼んだぞ…」ガクッ

ローブシン「…」コクリ

ムクホーク「…」バッ

千早「…どうでしょうか、あずささん」

あずさ「…みんなはどう思う?」

千早「…私のベストを尽くしました」

春香「私もです!」

雪歩「はい!」

あずさ「…なら、私から言うことは無いわ」

春香「え…?」

千早「…どういうことですか?」

あずさ「みんなよく作戦を練っていると思うわ、それに…」

あずさ「…だって、私がベストだと思うのは、私のポケモン達だから…」

千早「…」

あずさ「それに、パキラさんがどんな手持ちを使ってくるか、分からないじゃない?」

あずさ「あの人は炎の四天王だったけど…レッドフードとして対面した時は、炎タイプ以外のポケモンを使っていた」

あずさ「だから、どうなるかは分からない…いえ…なるべく接触しないようにするべきなのかもしれないわ…」

あずさ「…それと、真ちゃんは今、チャンピオンロードに居るみたいよ」

春香「なっ…!?」

雪歩「チャンピオンロード…!?」

千早「何故…!?」

あずさ「バッジの数が足りていないにもかかわらず、門番を倒し、強引に門を突破したらしいわ」

雪歩「そんな…!」

あずさ「けど、チャンピオンロードは広すぎる…映し身の洞窟なんて比較にならないほどね…」

春香「…最後のバッジを手に入れて、チャンピオンロードにいかなくちゃ!」

千早「ええ…!」

雪歩「はい!」

春香「でも、ウルップさん…責任感じていたみたいだし、大丈夫かな…」

あずさ「…あの人は、強い人だから…」

千早「…」

………
……



春香「…ここが、最後のジム…」

雪歩「…」

千早「…」

雪歩「…みんなで、来たかったね…」

千早「だから…」

千早「迎えに行きましょう」

雪歩「…うん!」

???「ちょーっと待ちなさい!」

春香「…この声は」

伊織「…待たせたわね!」

千早「伊織…もう7つ集めたの!?」

伊織「ま、ちょっと邪道だけど移動時間を節約すればこんなものよ」

春香「…寝てないでしょ、伊織」

伊織「ギクッ」

春香「…来てくれてありがとう、伊織」

伊織「…博士から全部聞いたわ、私にも手伝わせて頂戴」

春香「…もちろん!」

伊織「っさ、何ぼけっとしてるのよ!さっさとあのバカを連れ戻しに行くわよ!」

響「ゾロアーク達のイリュージョンでどうにかなる…か…」

美希「これでここは一安心かな」

貴音「…では、私たちも次の仕事をしましょう」

響「ああ、プラターヌ博士が待ってる!」

美希「春香達、真クンを見つけられるかな…」

貴音「…大丈夫です、彼女達の絆の力はそんなものではありません」

響「うん、だから今は、自分達が出来ることをしよう」

美希「…そうだよね、ジョウトに居たころはバラバラだったミキ達も、今はこうして1つになれたんだし…」

貴音「…真、数奇な運命ですね」

美希「ミキ、やっぱりここに来てよかったの」

響「さ、行くぞ!貴音、美希!」

貴音「ええ!」

美希「はいなのー!…って言っても、何をどうすればいいの?」

貴音「説明いたしましょう、博士は、律子さんが亡くなられた今パキラが計画を進めるのではと心配しておられるのです」

響「私怨もあったんだろうけど、きっとそれだけじゃないって言ってたぞ」

貴音「ええ、そこで律子さんが最後に位置情報を発信した位置の探索を行うことになったのですが、はんさむ殿曰く現地警察との連携が上手く取れないといったことらしく…」

美希「それでミキ達が手伝うんだね、でも何で警察は事件なのに手伝ってくれないの?ハンサムさんも国際警察なのに」

響「分からないけど、何か事情があるんじゃないのかな。でもおかしな話だぞ」

貴音「あまり疑うのは良くない事ですが、何やら裏でおかしなことが起きているやも知れません、はんさむ殿は信用できる方ですが、片時も油断してはなりません」

美希「…分かった、ミキ、頑張るね」

響「じゃ、早速行こう!」

貴音「ええ…」

貴音(何事も無ければ良いのですが…)

春香「…ウルップさん」

ウルップ「…」

春香「あの、私たち!」

ウルップ「…やめてくれ」

春香「…」

ウルップ「正直、どうして俺がまだジムリーダーを続けられているのか不思議なくらいだ」

ウルップ「何故カルネさんは俺に続けろって言ったのか、秋月さんが死んだのは俺が原因みたいなもんだ」

春香「ウルップさん…」

千早「…」ザッ

伊織「…千早」

千早「…」

ウルップ「…だが」

春香「…!」

ウルップ「…ジムリーダーは、壁として、超えなきゃいけない障害としてあり続けなきゃいけないんだよ」

『ウルップさん、ありがとうございました』

『私たちはまた次の壁を超えなきゃいけません、でも、それは…』

『ジムリーダーの皆さんとのバトルがあったから、挑戦できるんです』

『私達、四天王とチャンピオンに挑戦します』

ウルップ(おまえさんは…チャンピオンになった…なのに…)

ウルップ(俺は恐怖している…おまえさんのような凄いトレーナーでさえ勝てなかった、あのパキラと、ミュウツーというポケモンが…)

ウルップ(しかし、この子たちなら…)

ウルップ「…」ツー…

春香(…なみ…だ…?)

ウルップ「情けないな…俺は…」

春香「え…」

ウルップ「…あれだよ、独り言ってやつだよ」

春香「ウルップさん…」

春香「…行きます」

ウルップ「ああ」

ウルップ「おまえさんがどれ程の実力かは知らないが、俺如きを倒せないようなら…」

ウルップ「…いや、不要か」

春香「私、勝ちます」

ウルップ「…それでこそだ」

春香「…カエンジシ!」

ウルップ「ユキノオー!」

春香「カエンジシ、かえんほうしゃ!」

ウルップ「こおりのつぶて!」

ウルップ「…戻れ!ユキノオー!」

伊織(きっとストレート勝ちね…ウルップさんのポケモンにはカエンジシへの有効打が無い…)

ウルップ「フリージオ!」

春香「かえんほうしゃ!」

伊織(春香が交替せず戦うなんて珍しいわね)

伊織(思えば初めて春香と戦った時は、せこい手使われたっけ…ま、人の事言えないけど)

伊織(…そう言えば律子さんに勝った時も、スカーフまもるなんて妙な手を使ってたわね…)

伊織(春香は相手の裏を突くのが得意なのよね…)

伊織(ま、それがポケモンの"王道"とも言えるんだけど、ね)

春香「カエンジシ!かえんほうしゃ!」

雪歩「春香ちゃんが…!」

千早「…勝ったわね」

ウルップ「…戻れ、クレベース!」

ウルップ「…あれだよ、完敗だ!」

ウルップ「おめでとう!最後のバッジ、アイスバーグだ!」

春香「最後の…バッジ…」

春香(…)

春香「…」ポロッ

ウルップ「…大丈夫だ、きっと見付かるさ」ポンポン

春香「…………はい……」

春香「…」クルッ

春香「…全部、揃ったよ!!皆!!」

ウルップ「さあ、次は誰かな!」

真「…」

真「…っ…」ドサッ

真「…」

真(…そろそろ一度外に出て、補給するか…?)

真(…けど、ボクは捕まるだろうな…)

真(…いや、まだだ。食糧は途中で倒したトレーナーから奪ってあるからまだ大丈夫だ…)

真(まだ、戦える…)

カツーン…

真「…」ピクッ

真「…」スクッ

カツーン…

真(トレーナーか…)

真(…わざわざバトルしにくるなんて…)

真「…間抜けだね」

エリートコンビA「へえ?こいつが噂のトレーナー狩り?」

エリートコンビB「まさかとは思ったけどホントだったなんてね」

真「…勝負するの、しないの」

エリートコンビA「ええ、だって私たちアンタが探してる情報を知っているんだもの」

真「な…!?」

真「本当か!?奴は今どこに…!」

エリートコンビB「おいおい、何もただで教えるなんて言ってないぜ?」

エリートコンビA「ええ、そんなにせっかちにならないの」

真「…バトルで勝ったら教えろよ」

エリートコンビA「最初から…」

エリートコンビB「そのつもりだよ」

チャッ

真「…おい、なめてるのか?」

エリートコンビA「ハンデだよ、アンタの情報は筒抜けだからね」

エリートコンビB「2匹ずつで充分さ、菊地真クン…!」

エリートコンビA「ニョロトノ!」

エリートコンビB「キングドラ!」

真「ドラピオン、ファイアロー」

シュパハァン!

真(雨パか…)

真「…何笑ってるんだよ」

エリートコンビA「私、スクールで次席だったのよ?」

エリートコンビB「俺は3番、君、スクールに通っては居ないようだけど雨パの制圧力は知ってるだろう?」

真「ああ、水タイプの威力1.5倍、すいすいなら素早さも上がるし、もともとそういうポケモンは水タイプだから一致技でうちこめる」

エリートコンビB「…ま、そういうことだから」

エリートコンビA「ニョロトノ、まもる!」

エリートコンビB「キングドラ!ファイアローにハイドロポンプ!」

真「ドラピオン、キングドラにはたきおとす、ファイアロー、キングドラにブレイブバード」

真「いのちのたま、ね」

エリートコンビA「ちょっと!」

エリートコンビB「慌てすぎなんだよ、お前」

真「戻れ、ファイアロー。ブリガロン、交替」

シュパアァン!

真「ドラピオン、ニョロトノにどくづき。ブリガロン、キングドラにたねばくだん」

エリートコンビA「ニョロトノ!ブリガロンにれいとうビーム!」

エリートコンビB「キングドラ!ブリガロンにりゅうのはどう!」

エリートコンビA「くっ、ニョロトノ…!」

エリートコンビB「だがりゅうのはどうでっ!落ちろ!」

真「…残念でした」

エリートコンビA「…まさか、とつげきチョッキ…!?」

エリートコンビB「耐えただと!?」

真「…情報は集めてるって言ったよね?」

エリートコンビA「…」

真「ボクのポケモン、全部は知らないんじゃないの?」

エリートコンビB「…ッ!」

真「ブリガロンは使ってなかったから知らないよね。それともボクがシングル用の構成だからダブルで勝てると思った?」

真「…そんなのだから千早に勝てないんだよ」

エリートコンビA「…どうして如月千早を!?」

エリートコンビB「…思い出した、こいつ確か、いきなり講義に乱入してきた…!」

真「人の事探って、気持ち悪いなぁ…コイツ…」

エリートコンビA「…確かに私は如月千早に勝てなかった、けど!」

真「…ボクは勝ったけどね」

エリートコンビB「おい…嘘だろ…?」

エリートコンビA「そんな…!?」

真「やっていいよ、ブリガロン」

エリートコンビB「…キングドラ!」

エリートコンビA「それでもまだ雨は…!!」

エリートコンビA「サンダース!」

エリートコンビB「オムスター!」

シュパパァン!

真「ブリガロン、オムスターにたねばくだん、ドラピオン、サンダースにはたきおとす」

エリートコンビA「サンダース、ブリガロンにかみなり!」

エリートコンビB「オムスター!ドラピオンにハイドロポンプだ!」

真「…戻れ、ドラピオン、ブリガロン」

エリートコンビA「ふふ…」

エリートコンビB「残り3匹、雨が降ってる間に仕留めさせてもらうぜ?」

真「…雨、ねぇ…もろいんだよ」

真「ボクも4匹だけでいいよ、フェアじゃないからね」

真「エレザード」

シュパアァン!

エリートコンビA「…ッ!」

エリートコンビB「な…!?」

真「エレザード、オムスターにかみなり」

エリートコンビA「めざめるパワー!」

エリートコンビB「だいちのちから!」

エリートコンビB「確一に持っていけなくとも!」

エリートコンビB「なっ…!!」

真「遅いんだよ」

エリートコンビA「…オムスターが抜かれた…!?」

エリートコンビB「すいすい込みで素早さ勝ってるんじゃないのかよぉ!?」

エリートコンビA「馬鹿…!!」

バリィッ!!

オムスター「…」ドサッ

エリートコンビB「オムスター!」

エリートコンビA「急所にあたれええ!めざめるパワー!」

エリートコンビA「落ちない!だがかみなり程度!」

真「エレザード、はかいこうせん」

エリートコンビA「なっ…」

サンダース「…!!」

シュウウ…

真「…もどれ、エレザード」ポヒュウン…

エリートコンビB「あ…た…助け…」

真「…どうでもいいから、早く教えろよ」

エリートコンビB「ひ、ひいい!!」ダッ

エリートコンビA「…ちょっとアンタあああ!!」

エリートトレーナーA「待ちなさいよ!!」ダッ

ガッ

エリートトレーナーA「きゃあっ!?」ズサッ

エリートトレーナーA「待ちなさい!!待って!!置いてかないで…!!」

真「…おい」

エリートトレーナーA「…何よおおおォォォ!!」

真「どういう事だよ」

エリートトレーナーA「…ふふ…ふふふ…!!ははははは!!」

エリートトレーナーA「あはっ…ははははは!!ひっ…くくっ…」

真「何だ、こいつ…」

エリートトレーナーA「…知らないわ」

真「…は?」

エリートトレーナーA「知らないのよォ!!私たちはアンタをこけにするためにやってきたのよ!!まさか負けるなんて思わないじゃない!!」

真「なっ…!」

エリートトレーナーA「だいたいレッドフードって何?何のためにアンタはそいつを探してるの?」

エリートトレーナーA「…ばっかみたい、アンタ、リーグ目指してないのになんでここにいるの?」

バンッ!!

真「…ぁぁぁあああああああああ!!!!」

エリートトレーナーA「ひっ…」

真「ひ…人が…!!どんな気持ちで…!!」

真「どんな…きも…ち…で…」

真「…」

エリートトレーナーA「…」

真「…下らない嘘つきやがって!!!」

エリートトレーナーA「あ…」

エリートトレーナーA(私…殺される…)

カツーン

真「…!!」バッ

???「…ポケモントレーナーナラ…」

???「ポケモンバトルデショウブスルンダナ」

エリートトレーナーA(あ…あれが…)

真「…パキラアアアアアアアぁぁぁぁ!!!」

エリートトレーナーA(…えっ…!?パキラ…!?)

レッドフード「…」

真「ふふ…はは…」

真「意外と早かったよ…探すまでもなくそっちから来てくれるなんてね」ギリッ

真「…ブッ殺す!!!」

本日の分はこれで終わりです、ありがとうございました。
気が付けば1か月放置…怖いですねえ、頑張って書きます。

響「ここが…」

ハンサム「複雑なトラップだ…私と彼女とで試してはみたが…」

エスプリ「あなた達の手を貸してほしいの」

貴音「私たちでよろしければ」

美希「警察さんもちゃんと仕事してほしいの、あふぅ…」テクテク

ハンサム「うかつに動くんじゃない!」

エスプリ「そうよ!美希ちゃん!」

響「えっ、そんなに危険なのか…」

貴音「待ちなさい!美希!」

美希「もう、心配しすぎ…」

エスプリ「あのね、私は美希ちゃんを…」

美希「ハニー、お願いなの」

シュパァン!

ライコウ「ゴウッ!」

バリッ!

ハンサム「ッ!?」

パチン!パパン!

バシュッ…バチッ…

美希「ハニーはやっぱり最高なのー!」ギュッ

ライコウ「グルル…」ノシノシ

ハンサム「…ライコウの電気で焼き切ったのか…我々も後を追おう…」

エスプリ「全く無茶して…美希ちゃん!」

貴音「しかし、カントー語を喋るのは久しぶりですね…」

響「ちょっと懐かしくなって来たぞ、国際警察はやっぱり色んな言葉が喋られるんだな」

貴音「えすぷり殿も国際警察なのですか?」

エスプリ「まあ…ミアレの何でも屋ってところかな?」

響「上手だぞ、カントー語」

エスプリ「ありがとう、ミアレは色んな国の人が来るから覚えちゃったのよね」

ハンサム「しかし凄いな…こんなにあっさりと通れるとは…」

エスプリ「伝説のポケモンの力と言うか…」

エスプリ「…そろそろね、ねえ、美希ちゃん」

美希「何か見つかった?」

エスプリ「あれ、見える?」

美希「…えっと…どれ?」

響「…あの機械か?」

エスプリ「あの機械は自動でポケモンバトルを仕掛けてくる装置よ」

貴音「相手のぽけもんは」

エスプリ「ガブリアス…相当レベルが高くて私のポケモンでは歯が立たなかったわ…」

貴音「私が相手をいたしましょう」

エスプリ「やれるの?」

貴音「スイクン一体で充分です」

ハンサム「おいおい、ガブリアスなんてカントーに居ないんじゃ…」

貴音「ぽけもん図鑑を博士からお借りしました、大方のぽけもんの能力の程は把握しております」

貴音「いざ、参られよ!機械の者よ!」

シュパアァン!シュパアァン!

響「なあ…ハンサムさん…」

ハンサム「どうした?」

響「この基地は無人なのかな…」

ハンサム「恐らくは…」

響「あのガブリアス、ご飯とかどうしてるんだろう…?」

エスプリ「モンスターボールの中に居るとは言え、消耗はする…」

美希「…何だかミキ達、"ここに誘われてる"みたいだね」

ハンサム「…ああ、そうだ」

ハンサム(内部の様子、既に使われなくなってからかなり長い年月が経っている…)

ハンサム(そして最近になって使われた形跡もない…)

ハンサム(設備自体も相当古いものだ…自動バトルシステムも、フレア団団員が少なかった頃に使用していたものだろう…)

ハンサム(この施設自体に、なんら価値は無い…!)

ハンサム(だが…)ギリッ

貴音「スイクン、れいとうビーム!」

美希「あはっ、スゴイの!」

ハンサム(現在もこうやって防御システムは稼働している…)

ハンサム(単なる罠なのか…?)

ハンサム(でも…)

ハンサム(何のために…?)

春香「行ってきます、ウルップさん」

千早「ありがとうございました、ウルップさん」

雪歩「私、頑張りますぅ!」

伊織「この騒動が終わったら、リーグに挑戦ね」

春香「リーグ…か…」

伊織「…ま、その前に真を連れ戻さないと」

春香「そうだよね、それからでも遅くはないよね」

雪歩「真ちゃん…待っててね…」

ウルップ「友情は、何にも代えがたいものだ」

ウルップ「大丈夫さ、きっと見つかる」

一同「はい!」

遂に私達はバッジを全て手に入れました。
真と一緒に取れたなら、どんなに良かったことか…
真は無理やり門番を突破してチャンピオンロードに行ってしまいました。
恐らく罰せられると思います、でも、真の事情を説明すれば…

とにかく、今は真を連れて帰る事、それが最優先です。

門番とのバトルの末、私たちは全員チャンピオンロードに入ることが許可されました。
ですが、その入り口には…

春香「…あの人…」

サイキッカー「っ…」

カラテおう「ほら、もうすぐ出口だ!」

伊織「だ、大丈夫なの…?」

カラテおう「ああ、こいつもひどい目に遭ったもんだ」

サイキッカー「賞金なら分かりますが、まさか食糧まで奪われるなんて…」

春香(真…そんな強盗みたいなことを…)

春香「…行かなきゃ」

カラテおう「おい!噂は聞いてるんだろ!?」

サイキッカー「途中で腕利きと自称していたエリートコンビとすれ違いましたが…正直彼らでも勝てるかどうか…」

サイキッカ-「悪い事は言いません、リーグに挑戦するのは今じゃなくとも…」

雪歩「今じゃなきゃ!」

雪歩「…今じゃなきゃ…駄目なんです…!」

サイキッカー・カラテおう「…」ポカーン

雪歩「あ、そ…その…」

春香(雪歩…)

カラテおう「事情は良くわからんが、あなぬけのヒモは靴底に隠しておいた方が良い。俺は元からここはそういう事が多いと聞いていたから、こいつと出て来れたが…」

千早「…忠告感謝いたします」

伊織「…お大事にね」

サイキッカー「…中層部ほどでした、お気をつけて…」

カラテおう「気を付けるんだぞ!」

春香(真を止めなきゃ…、これ以上大事には…!)

真「会えてうれしいよ…」

レッドフード「ヨユウダナ」

ガブリアス「…」

ファイアロー「…」

真「あと、その胡散臭いマスクを取れよパキラ」

フォオン…

エリートトレーナーA(ヘルメットのシールドが…透けて…!?)

パキラ「いやよ。気に入ってるんだから…」

エリートトレーナーA(そんな…!?パキラさん!?)

エリートトレーナーA(…本当にパキラさん…なの…!?なんでパキラさんが…!?)

エリートトレーナーA(今行方不明になってるってニュースで…!何よ…!これ…!?)

真「…脱げなかったら剥いでやるから安心しな」

真「…」

パキラ「…」

真「ファイアロー!!」

パキラ「ガブリアス」

真「おにび!」

パキラ「ステルスロック」

真(ステルスロック!?けどおにびは入った!)

真(やけどなら物理技でも大したダメージは出ない!強いて言うならりゅうせいぐんが怖いか…!?)

真(ファイアローのおにびは見せた、ステルスロックがある以上2回降臨が限界か…ここはガブを削って仕事終了!)

パキラ「ガブリアス、がんせきふうじ」

真「ファイアロー、ブレイブバード!」

真(がんせきふうじ…!素早さが…!)

真(次で落ちる…!)

パキラ「ガブリアス、とどめよ」

真「…戻れファイアロー!」

真「ルカリオ!」

シュパアァン!

パキラ「ルカリオ…」

パキラ「ガブリアス、じしん」

真「ルカリオ、しんそく!」

パキラ「命の珠…」

真(…!)ピクッ

真(…)

ルカリオ「…」

真(…関係ない、今はバトルに集中しろ!)

真(目の前の敵を倒す事だけに…!!)

パキラ「エアームド」

シュパァン!

真「ッ!」

真「ルカリオ戻れ、ドラピオン!」

パキラ「エアームド、てっぺき!」

真「ドラピオン、はたきおとす!」

真(こいつ…)

パキラ「エアームド、ドリルくちばし!」

真「ドラピオン、ほえる!」

シュパァン!

ハッサム「…」ギロッ

ドラピオン「グオオッ!」

真「…エアームドにハッサム…」

真「お前が…使うなんて…!!」

パキラ「…ハッサム、バレットパンチ」

真「ドラピオン、はたきおとす!」

真「…ドラピオン、戻れ!ガブリアス!」

シュパアァン!

パキラ「…勝負はこれからよ?」

真「…ボクは、諦めない!」

貴音「…ハンサム殿、まだ先があるのでしょうか」

美希「ミキはまだ大丈夫だけど…」

ハンサム「…そのはずなんだが…」

響「何だ、この壁…」

ガンッ!

エスプリ「…」

美希「…きゃっ!」

エスプリ「…ここの壁の向こうに大きな空間があるわ」

響「そ、そういうことか…」

美希「急に壁を叩くからびっくりしたの」

貴音「…ハンサム殿、まだ先があるのでしょうか」

美希「ミキはまだ大丈夫だけど…」

ハンサム「…そのはずなんだが…」

響「何だ、この壁…」

ガンッ!

エスプリ「…」

美希「…きゃっ!」

エスプリ「…ここの壁の向こうに大きな空間があるわ」

響「そ、そういうことか…」

美希「急に壁を叩くからびっくりしたの」

貴音「カイスの実も、このようにして熟れているかを確かめるのです」

響「ああ、ポンポンって鳴るかだよな…って、なんか、違うような…」

エスプリ「イクスパンションスーツにも、解析機能とかついてればねえ…」

ハンサム「突破できそうか?」

エスプリ「カラマネロ!」

シュパァン!

エスプリ「カラマネロ、ばかぢから!」

ダンッ!

響「…あまのじゃくってやつか!?ばかぢからなのに攻撃が上がるのか!?」

貴音「面白い特性ですね…」

エスプリ「もう一度、ばかぢから!壊れるまで続けて!」

ダンッ!!

ハンサム「そろそろ壁が崩れるぞ、みんな」

響「良いぞ!」

美希「…この先には何があるのかな…」

エスプリ「嫌な感じがするわ…」

バガンッ!

エスプリ「ありがとう!カラマネロ!」

貴音「…何か聴こえませんか?」

スイクン「…」

響「落ち着け、エンテイ…」

エンテイ「グルル…」

美希「ねえ…なんか…」

ハンサム「…これは…」

貴音「…何故このような臭いが…」

響「…どういう…ことだ…?」

真「ガブリアス!だいもんじ!」

パキラ「ハッサム、ギャラドスと交替」

シュパアァン!

真(威嚇が入ったか…!)

パキラ「…あのルカリオ」

真「…!」

パキラ「あのルカリオ、命の珠なのね」

真「珠ルカリオが、どうかしたって言うのか」

パキラ「メガシンカ」

真「…!」

パキラ「出来なくなったんでしょ?」

真「…それがどうした!」

パキラ「ポケモンとの絆の力…」

パキラ「でも、今のあなたには…」

真(…ここは、どうする…)

真「ガブリアス!だいもんじ!」

パキラ「ギャラドス、でんじは!」

真(やっぱり、りゅうのまいなら危なかった…!)

パキラ「ギャラドス、たきのぼり!」

真「ガブリアス、戻れ!エレザード!」

真「絆とか、そういうの…!」

真「今は…!ただお前を倒したい!」

真「エレザード!10まんボルト!」

パキラ「戻れギャラドス!」

パキラ「それがあなたの覚悟と言うなら…」

パキラ「受けて立つわ!いけっ、ロトム!」

シュパァン!

真「ヒートロトム…!?」

真(かんそうはだのエレザードじゃ…!)

真「エレザード戻れ!ガブリアス!」

パキラ「ロトム、トリック!」

真「っ!」

真(何が来る…!?)

真(眼鏡だとっ!?エレザードと対面していたのに、眼鏡トリック…!?)

パキラ「ハチマキ…」

パキラ「今のあなたは冷静さを欠いている…」

真「黙れ!ガブリアス、ストーンエッジ!」

パキラ「ロトム、ヌオーと交替」

シュパアァン!

真(ヌオーか!また厄介なのが出てきた、けど!)

真「ガブリアス戻れ!ブリガロン!」

シュパアァン!

パキラ「ヌオー、あくび」

真(あくび!?ここで打つ意味が分からない!ヌオーは落とさせてもらう!)

真「ブリガロン、たねばくだん!」

パキラ「一手、いや、その先までを考えて打ち込んでくる、キレがない…」

パキラ「挑発に乗せられたのが、あなたの敗因だった…」

真「…!」

真「…しまったッ!」

真(ヤツが…!)

真(来る…!!)

パキラ「…ミュウツー」

シュパアァン!

ミュウツー「…」

真(遂に出てきやがった…!!くそっ、ヌオーのあくびで何で気が付かなかったんだよッ!!)

真(きっと一回積んでくる…!技は恐らく、めいそう…!)

真(やれるか…!?)

真「…」

パキラ「ミュウツー、メガシンカ」

キュイイン!!

バシュウッ!

真「ブリガロン、戻れ!」

真(メガシンカしたところでっ!)

真「サザンドラ!!」

シュパアァン!

パキラ「ミュウツー、ビルドアップ」

真「何っ!?」

真(ビルド…アップ…!?)

真「…ふふふ、はははは!!!」

真「サザンドラ!あくのはどう!」

サザンドラ「グオオッ!」

ヒュンッ!!パパパパパン!!

真「めいそうならマズいと思ったけど、まさか、ビルドアップだなんて…」

真「…なっ…!!」

真(なんで…)

パキラ「…倒される前に、上から殴るか、先制技で倒すか」

パキラ「良い判断だったわね」

真(なんで…!?)

真「なんで等倍…なんだよ…!?」

パキラ「メガミュウツー、ドレインパンチ」

真「…まさか、エスパーと格闘か…!!」

パキラ「そうよ」

真「サザンドラ…!」

サザンドラ「…!!」

ポヒュウウン!キラキラキラ…

メガミュウツーX「…」

真「サザンドラ、戻れ!!ルカリオ!」

シュパアァン!

真「ルカリオ、しんそく!」

真(だめだ…)

パキラ「ドレインパンチ」

真(止まらない…)ガクッ

ルカリオ「ッ…」ドサッ

真「…ルカリオ…戻れ…」

ポヒュウウン

パキラ「…」

真「…殺せよ」

真「ボクの…負けだ…」

パキラ「そう」チャッ

真「…」

エリートトレーナー(ナイフ…!?)

エリートトレーナーA(菊地真が殺される…!)

エリートトレーナーA「な、何やってるのよ!逃げなさいよ!!」

真「…お前こそ、早く逃げろよ」

パキラ「…」

真「それにボクの事だって、最初からどうでもよかったんだろ」

エリートトレーナーA「あ…」

パキラ「…」

真「…行け!!」

エリートトレーナーA「…ッ!」バッ

エリートトレーナーA(サンダース!お願い!げんきのかたまりを…)

パキラ「メガミュウツー」

ミュウツー「…」スッ

エリートトレーナーA「あっ…」

パキラ「…妙な真似はしないでくれるかしら、動くとメガミュウツーに攻撃させるわよ」

真(バカ…野郎…)

パキラ「良い残したことは」

真「…」

パキラ「…そう」

真(…ッ!!)

真「…うおおお!!」

エリートトレーナーA(…真もナイフを!?)

パキーンッ!!

真「…!?」

パキラ「…このスーツは身体能力も向上させるのよ」

エリートトレーナーA(…弾き…飛ばされ…た…)ガクッ

真(…終わった…)

真(何もかも…)

真(律子…ごめんね…)

真(仇…討てなかった…)

真「みんな…」

エリートトレーナーA(…っ!!)

パキラ「…ねえ…」

真「…」

パキラ「神様って、信じる?」

真「…」

真「ッ…!」ギュッ

真「…そんなの、居ないっ!!」

パキラ「…」

パキラ「私もそう思うわ」

ハンサム「…三人は下がっていなさい」

美希「…」

響「…」

貴音「…」

カツン…カツン…

エスプリ「…生きているのかしら」

ハンサム「だから音が聞こえる」

エスプリ「閉じこもっていた…?」

ハンサム「だったら、明かりがついていても良いはずだ」

エスプリ(…)チラッ

エスプリ「破壊されているわ…」

ハンサム「…3,2,1で照らすぞ」

エスプリ「…ええ」

ハンサム「3…」

美希(人の…うめき声…みたいな…)

ハンサム「2…」

響(誰かがいる…それとこの臭い…)

ハンサム「1…!」

貴音(閉じこもっていたのではなく…恐らく…)

バッ!

エスプリ「…!!」

ハンサム「これは…!!」

千早「えーと足跡!こっちよ!皆!」

春香「皆!きっともう少しだから!」

伊織「頑張って追いつくわよ!」

雪歩「…真ちゃーん!!」

春香(…幸運だった…!!真とついさっき出会った人が居たなんて…!)


……
………

エリートトレーナーB『…ッハァッ!ハアッ…!!』

春香『…あの人…!』

春香『…!あ、あの、すみません!!』

エリートトレーナーB『何だ…!!』

春香『まさか、菊地…』

エリートトレーナーB『か、敵うわけねえだろ!!あんな奴…ッ!!ゲホッ!』

千早『いつバトルされたんですか!?』

エリートトレーナーB『…ひぃっ!!如月千早!?』

千早『…はい?』

エリートトレーナーB『つ、ついさっきだよ!!じゃあな!!』バッ

千早『…待って!!場所を…』

雪歩『逃げないでください!!』

伊織『その必要はないわ!皆、足跡が残っているからこっちを!』

春香『…そっちの方がきっと早いよ!』

………
……

春香(…真…!お願い、もうこんなことはやめて!!)

雪歩「…はあっ…!はあっ…!」

伊織「雪歩、大丈夫…?」

雪歩「…大丈夫!!」

雪歩(今の真ちゃんに比べたら、こんなの…!!)

雪歩「真ちゃん!!居たら返事して…!!」

雪歩「お願いっ!!」

千早「…ッ!!止まって!!」

雪歩「…!」

春香「何…!?」

春香「ああっ…!!」

雪歩「真ちゃん…!!」

真「雪歩…」

雪歩「真ちゃん!!私だよ!!」ダッ

千早「雪歩、待って!!」

伊織「…あ、アイツ…!!」

雪歩「えっ…」

真「春香、千早、伊織…」

雪歩「真ちゃん…?なん…で…?」

千早「どういうことなの…」

真「…」

春香「なんで、真がレッドフードと一緒に居るの…!」

千早「真!答えて!」

雪歩「真ちゃん!!」

真「…春香、雪歩、千早、伊織!みんな聞いてくれ、これにはわけがあるんだ!」

春香「わけ!?何のわけ!?」

真「ここでは詳しく言えない…だからもっと違う場所で…!」

伊織「真…そんな説明で私たちが納得できると思うの…?」

雪歩「事情があるみたいだけど、私たちを信じて!お願い、話してよ!真ちゃん!」

千早「何があったかは知らないけど、真、詳しく話して頂戴」

真「くっ…これじゃ…」

レッドフード「シカタナイ…」

真「…!」

エリートトレーナーA「…」

真「良いの…?」

レッドフード「アア…」

春香(良いって、何をする気なの…!?)

ピコンッ!

千早「…ッ!」

春香(なっ…!ホロメール…!?)

ピコンッ!

春香(そうか、出口が近いから、電波が入ってきてるんだ…じゃなくて!)

ピコンッ!

真「誰から?」

春香「え、ええと…博士から!?ああ、もう!今それどころじゃ!!」

真「っ…」チラッ

レッドフード「…」

真「…取りなよ、春香」

春香「えっ…」

雪歩「真ちゃん…」

ピコンッ!

春香「ッ…」

春香「…春香です」

博士「よかった!無事だったか!」

博士「落ち着いて聞いてくれ!レッドフードは…!」

博士「レッドフードは、恐らくパキラではない!」

春香「なっ…!?」

博士「捜査の結果パキラが発見された!」

春香「…パキラさんが見つかった!?」

千早「それも、幽閉されていて!?」

伊織「ええっ…!?どういうことなの!?」

春香「わわ、私に言われても…!どういうことなんですか、博士!?」

雪歩「…じゃ、じゃあ…レッドフードの中身は…」

雪歩「誰なの…?」

レッドフード「…」

フォオン…

春香(ヘルメットのシールドのスモークが取れ…て…)

春香「……!?」

千早「うそ…」

伊織「なん…で…」

雪歩「…そんな…」

律子「…久しぶりね、アンタ達」

本日の分はこれでおしまいです、ありがとうございました。

生存報告です、今年度内の完結を目指して頑張ります。
一か月ペースだったのですが現在書いている分が少し遅れ、12月初めの投下になりそうです…

やよい「あ、あの…!」

やよい「おじさん、大丈夫ですかぁ…!?」

やよい「だ、誰か!誰かこの人を助けてあげてください!」

春香「…博士ッ!」

律子「おっと、それは無し」

ザザーッ!!

春香「…通信が途切れて!?」

春香(…レッドフードの妨害電波ってやつ!?)

春香(レッドフードの…)

律子「この事は私達だけで話しましょう?」

千早「…まず私たちには確かめないといけないことがあります」

千早「あなたは本当に律子さんなんですか?」

律子「ええ、私は秋月律子」

春香「生きてたんですか…」

律子「残念だったかしら?」

雪歩「そんなことあるわけないじゃないですか!!嬉しいに決まってます!!」

雪歩「でも…いえ…だから…」

春香「…今のこの状況を、きっちりと説明してほしいんです」

真「理由、理由って…律子がボク達を必要としてくれてるんだよ?そんなに理由が大事なの?」

春香「…もしかして、真は…」

真「ああ、僕も詳しくは聞いてないさ…でも…」

雪歩「真ちゃん…」

春香「おかしいよ…」

真「え…?」

春香「律子さんらしくもないし、真らしくだってないよ…」

真「何言ってるんだよ…?まさか、春香、まだボク達が偽物だって思ってるのか?」

伊織「…違うわよ、真!」

真「伊織…!?」

千早「春香はそういうこと言ってるんじゃないわ!」

真「千早まで…!」

春香「律子さんはいつも物事をあいまいにはしないし、真だって…」

律子「もう一度聞くわ、皆」

春香「…」

律子「私と来てくれるかしら」

春香「…」

春香「ごめんなさい!律子さん!」

真「なっ…」

雪歩「…」

千早「春香…」

伊織「…良いのね」

春香「…」

律子「私たちはこれからポケモンリーグに向かうわ」

律子「着いてきても良いわよ?」

春香「リーグで何するんですか…?」

律子「やあねえ、リーグですることなんて一つしかないじゃない」

律子「ポケモンリーグ、つまりカロスリーグ制覇、まあ乱暴な言い方をすれば…」

律子「カロスリーグを乗っ取る」

伊織「なっ…なんですって!?」

千早「…リーグを乗っ取って何が…!?既に殿堂入りをしているじゃないですか!」

律子「そうじゃないわよ、千早」

律子「あなたは頭は良いけど、ちょっと思考が硬いのよねえ」

千早「…」

律子「まあ、結局着いてきてはくれないのね」

律子「…来たわね」

春香「…誰!?」バッ

千早「あれは…!」

雪歩「あ、亜美ちゃんと真美ちゃん!?」

雪歩「そ、それと知らない人が…」

亜美「お久し!」

真美「いやあ~、遂にチャンピオンロードに来てしまいましたなあ!」

律子「遅かったじゃない、アクロマ」

アクロマ「色々と大変でしてね…」

律子「貴方の苦労は察するわ」

春香「な、なんで亜美と真美が!?」

律子「紹介するわ、亜美と真美は知っているわね?」

伊織「私は知らないんだけど!」

律子「じゃあ説明するわ、亜美と真美はミアレでも有名な双子のトレーナーよ。色々な大会で優勝を経験しているわ、実力は私の折り紙付きよ」

春香「その亜美と真美がなんでここに…!」

亜美「んっふっふ~、亜美達はもっと大きい世界を目指すことにしたんだよ!」

真美「その手始めに、カロスリーグを乗っ取って四天王になる!これが真美達の今のところの目標!」

亜美「りっちゃんは亜美達にチャンスをくれたんだ、だから…」

真美「真美達はりっちゃんの手伝いをするんだよ」

雪歩「て、手伝いって…!」

亜美「詳しい事は全然知らないけどね!」

真美「バトル出来ればエブリシンオッケー!」

亜美「鉄砲玉の亜美、いざ参る!」

真美「どんと来い!」

律子「じゃ、アンタ達にここは任せるわ」

春香「ま、待ってください!」

亜美「おっと!」

千早「ここを通りたくば、亜美と真美を倒してからにするんだな!」

千早「くっ…!まさかダブルバトル…!?」

雪歩「ど、どうしよう…私達、シングルの構成でしか…」

伊織「ああもう!アンタ達、しゃきっとしなさいよ!」

伊織「春香!」

春香「は、はい!」

伊織「行くわよ!大会チャンピオンだかなんだか知らないけど、水瀬伊織と天海春香が相手するわ!」

亜美「よしきた!」

真美「バトルだ!」

亜美「あ、最初に言っておくけど1人3匹までね」

伊織「良いわよ、さあ来なさい!」

シュパアァン!シュパアァン!

伊織「コジョンド、ガブリアス…!」

春香(まずい、伊織は亜美と真美の実力を知らないんだ…!)

春香(けど…今更そんなことを言っても…!)

春香「伊織!亜美真美は手ごわいよ!」

伊織「分かってるわよ!ロズレイド!」

シュパアァン!

春香(…そうよ、伊織も強い…!)

春香(それに私だって…!)

春香「アーケオス!」

シュパアァン!

アクロマ「お先にどうぞ、私は残ります」

律子「そう、じゃあ後から合流してね、私たちは先に行ってるから」

亜美「あっ、りっちゃん!ちゃんと亜美達の分も残しておいてよ!」

真美「約束だからね!」

律子「ええ、ちゃんと分かってますって」

律子「じゃあ、そういうことで」

真「…」

雪歩「…真ちゃん!!」

真「…!」

真「雪歩…」

雪歩「真ちゃん、待って!」

アクロマ「申し訳ありませんが、ここを通すわけにはいきません」

雪歩「真ちゃん!」

真「…雪歩、ごめん」

雪歩「…!」

雪歩「そんな…」

雪歩「真…ちゃん…」

雪歩「…」ガクッ

千早「雪歩…」

雪歩「ごめんなさい…今は落ち込んでる場合じゃ、ない、のに…」

千早「…分かっていても辛い事ってあるわ」

雪歩「はい…」

千早「今は休んでいて、雪歩」

千早「大丈夫よ、生きている限りもう一度会えるわ」

雪歩「…はい」

千早(…そう、生きている限りは、ね…)

千早「…アクロマ、さんですよね」

千早(皆には哀しい思いはさせたくない…)

千早「私と勝負してください」

アクロマ「…良いでしょう」

千早「お願いします」

春香「アーケオス、コジョンドにアクロバット!」

亜美「コジョンド、アーケオスにねこだまし!」

真美「ガブリアス、まもる!」

伊織「ロズレイド!ガブリアスにマジカルシャイン!」

真美「アーケオスが抜かれた、ロズレイドはスカーフか…」

春香「ね、猫だまし!?」

亜美「はるるん、コジョンドのねこだましは襷つぶしでシングルでも採用率高いんだよ?」

春香「っ…!」

伊織「ロズレイドのスカーフを見抜くために…この子たち!」

亜美「舐めてもらっちゃ困るよ~」

春香(どうする!?ねこだましは一回っきり!コジョンドはスカーフロズレイドのマジカルシャインで落ちる!)

春香(ガブリアスは手負い、それもマジカルシャインをもう一度もらえば落ちる…)

春香(今、伊織のロズレイドが場を支配している…そしてこの場でロズレイドの次に早く動けるのは、私のアーケオス…!)

亜美「戻れコジョンド!いけっ!ゲンガー!」

真美「じゃあいっくよ~、戻れガブリアス!いけっ!クレッフィ!」

春香「戻れ、アーケオス!ゲッコウガ!」

伊織「戻れロズレイド!パルシェン!」

シュパアァン!シュパアァン!シュパアァン!シュパアァン!

春香(…状況はリセット!)

亜美「…真美」

真美「おっけー」

春香(ゲンガー、クレッフィ…!?クレッフィ―がサポートをするの!?)

春香「ゲッコウガ、ゲンガーにあくのはどう!」

春香(伊織は!?)

伊織「戻れパルシェン!ミミロップ!」

春香(伊織のパルシェンは特殊攻撃に弱いうえに素早さが落ちる麻痺は…!)

亜美「戻れゲンガー、ズルズキン!」

春香(ゲンガーが交換した!?ズルズキン!?)

春香(クレッフィ、ズルズキン、この並び、もしかしていばラム…!?)

春香(ズルズキンの特性は威嚇か…!自信過剰みたいな爆発力は無いけど…!)

伊織「ミミロップ!ズルズキンにトリック!」

春香(そっか!火炎玉トリックならズルズキンを機能停止できる…!!)

真美「クレッフィ、ゲッコウガにでんじは!」

亜美「ズルズキン、ゲンガーと交替!」

春香・伊織「…なっ!?」

亜美「いや、バレバレだからさ。ゲンガー、ゲッコウガにきあいだま!」

真美「クレッフィ!」

伊織「襷じゃなくて命の珠…!?ミミロップ、クレッフィにでんじは!」

春香「ゲッコウガ、ゲンガーにあくのはどう!」

春香(ゲンガーのきあいだまなんて耐えられるの…!?)

ゲッコウガ「…ッ!」

亜美「外れた!?」

春香「やった!」

伊織「ミミロップ!頑張って!」

春香(こんらん…!動けるの…!?)

春香(…ゲッコウガも麻痺してる!ゲッコウガ…!)バッ

パパパパパン!!

ゲンガー「…」グラッ…

ゲッコウガ「…」ギロッ

バリイッ!

春香(伊織のミミロップのでんじは…)

伊織「…ッ!?」

真美「…残念でした」

春香「…!?」バッ

春香「ガブ…リ…アス…!!」

春香(ガブリアスに交替してたの!?)

亜美「コジョンド!」

シュパアァン!

伊織「…ッ」ジリッ…

春香(策を考えるのよ!天海春香…!)

春香(手負いのガブリアスはアーケオスやロズレイドで落とせる…!)

春香(この状況は…特段悪い状況なんかじゃない…!)

春香(この状況で伊織のパルシェンが殻を破れば亜美と真美のポケモンは全部突破できる…!)

春香(失敗する条件は…パルシェンに電磁波をうたれる事!)

春香(そのためには、あののクレッフィを落とさなきゃ…!)

春香(アーケオスの地震…そしてこの子ならクレッフィを落とせる…!)

春香「…」チラッ

伊織「…」チラッ

春香「ゲッコウガ、ガブリアスにれいとうビーム!」

伊織「ミミロップ!ガブリアスにグロウパンチ!」

亜美「コジョンド、みきり!」

真美「ガブリアス、じしん!」

春香(…でんじはのせいで素早さが…!ゲッコウガが落ちる…!)ギリッ

春香(ミミロップは!?)

伊織「…ミミロップ!」

春香(耐えた!このダメージならさめはだも耐えられる!)

春香「…カエンジシ!」

シュパアァン!

春香(カエンジシならクレッフィも倒せる!)

春香(コジョンドの2連続みきりが不安定な以上ガブリアスはもう一度じしんはうってこない、じゃあ私は…!)

春香「ハイパーボイス!」

春香(ハイパーボイスなら、2体同時に攻撃を…!)

伊織「…ミミロップ!コジョンドにでんじは!」

真美「戻れガブリアス、クレッフィ!」

春香(クレッフィに交換された!?)

亜美「コジョンド、カエンジシにとびひざげり!」

春香(コジョンドとカエンジシはほんの僅かだけカエンジシが素早い、けど…!)

春香(流石亜美と真美のポケモン!コジョンドが一番早く動いた!カエンジシが素早さで負けてる!)

春香「カエンジシ!」

春香(…カエンジシが落ちた…!それにクレッフィが繰り出された…!)

伊織「それでもコジョンドは…!」

春香「コジョンドの素早さを封じ込めた!」

春香「アーケオス!お願い!」

シュパアァン!

春香「ミミロップごめん!アーケオス!じしん!」

春香(コジョンドとクレッフィ、まとめて落とす!)

真美「クレッフィ!アーケオスにでんじは!」

亜美「コジョンド、アーケオスにとびひざげり!」

春香「くっ…!でも…!」

春香「…!?」

亜美「ダブルで威力が落ちてる不一致のじしんぐらい耐えられるよ」

春香「クレッフィも…コジョンドまで!?」

春香(どちらも…倒せなかった…!?)

春香「…アーケオス!」ハッ

春香(コジョンドの…とびひざげりが…)

アーケオス「…ッ」ダンッ!

春香「アーケオス…あぁ…そんな…」

アーケオス「…」

春香(私のポケモンが…皆…負けちゃった…)

春香「伊織…アーケオス…皆、ごめん…」ガクッ

春香(私が弱かったから…)

伊織「…戻れミミロップ!ロズレイド!」

シュパアァン!

春香(足を引っ張っちゃったから…)

亜美「でんじはで壊滅するようなPTじゃダメダメだよ~、コジョンド、みきり」

真美「クレッフィ、ロズレイドにでんじは!」

伊織「ロズレイド!コジョンドにマジカルシャイン!」

ロズレイド「…」

コジョンド「…」

クレッフィ「…」

伊織「…私はまだ、負けてない!」

春香「伊織…」

亜美「あれれ~?いおりん何か策でもあるの?」

真美「無いならさっさと負けを認めちゃえばいいのに~」

伊織「絶ッ対…!」

伊織「いやだッ!!」

亜美「…負けず嫌いだね、いおりんは」

伊織「水瀬伊織よ、気安く呼ばないでちょうだい…!」

真美「…クレッフィ、ロズレイドにいばる」

亜美「コジョンド、ロズレイドにとびひざげり」

伊織「ロズレイド!コジョンドにマジカルシャイン!」

亜美「ズルズキン」

真美「ガブリアス」

シュパアァン!シュパアァン!

伊織「…ッ」

伊織「パルシェン!殻を破る!」

亜美「ズルズキン、ねこだまし」

真美「ガブリアス、ドラゴンクロー」

伊織「…」

伊織「…」ガクッ

亜美「お疲れ、ズルズキン」

真美「お疲れ、ガブリアス」

ポヒュウウンポヒュウウン…

伊織「パルシェン…」

伊織「ごめん…なさい…」

パルシェン「…」

春香(亜美と真美…やっぱり強い…)

亜美「さてと、アクロマ兄ちゃんのとこでも行こーよ」

真美「あれ、もしかしてまだ終わってない?」

春香「…あ…千早ちゃんのバトルは…?」

伊織「…そうよ…千早はどうなったの…」

亜美「あれはアクロマ兄ちゃんの勝ちみたいですな~」

春香「そんな…」

伊織「千早…」

春香「千早ちゃん、手持ちは…?」

千早「…ガルーラ一匹だけよ、そして相手はメタグロスと見せていないポケモンを2体残しているわ」

千早「ガルーラ一匹だけじゃこの状況はひっくり返せない…」

千早「私の負けです…アクロマさん…!」ギュッ

アクロマ「いいえ、あなたにはまだメガガルーラがいるではありませんか」

千早「…!」ハッ

千早(やっぱり、ガルーラのメガシンカことは知られていたのね…)

千早(それでも…メガガルーラでも、到底この状況は…)

アクロマ「当然メガストーンを所持させているはずでしょう?」

アクロマ「そもそもそのメガストーンは秋月さんが開発に携わったもの…そしてあの人が貴女へプレゼントしたものですから、私が知っていてもなんら不思議ではないでしょう」

千早(…普通に考えて、そうよね…)

アクロマ「…メガガルーラの力なら、この圧倒的に不利な状況を打破出来るかもしれませんよ」

千早「…」ピクッ

千早(メガガルーラ…なら…いや…でも…)

千早(でも…もしかしたら…それにどうせ手の内がばれているなら、メガガルーラを繰り出して可能性に賭けるのも悪くないんじゃないの…?)

千早(…待って、けど、何故メガガルーラを繰り出すのを促しているの!?実は、本当はメガガルーラの事は知らないんじゃ…)

千早(何をしてくるか分からないというのは、ポケモンバトルにおける最大のアドバンテージ…)

千早「…アクロマさん、あなたはメガガルーラのステータスを知っていますか?」

アクロマ「…ええ、把握していますよ。おやこあいという恐ろしい程優秀な特性、HP以外バランスよく上昇したそのステータス、まさにポケモンの実力を余すことなく引き出している…」

アクロマ「実に素晴らしいですよ…最強のメガシンカと言っても過言ではない!」

千早(…ばっちり分かっているというわけね)

千早「では、何故メガガルーラを繰り出させようとしているのですか?」

アクロマ「…それは、個人的な興味です!」

千早「…なっ!?」

アクロマ「私は、ポケモンの力を引き出すことに興味があります、そしてメガシンカとはその一つの答え…」

アクロマ「あなたのメガシンカ、見せていただけませんか!」

千早(何言ってるの…この人…)

アクロマ「…すみません、先ほど私は嘘をつきました」

千早「は、はい…?」

アクロマ「あなたがメガガルーラを繰り出したところで、私のポケモン達」

アクロマ「いえ、私達には敵いません」

千早「…!」カチン

千早「私にもプライドがあります…!」

アクロマ「そうこなくては…!」

シュパアァン!

千早「ガルーラっ!!メガシンカあぁーっ!」

アクロマ「きたああああぁぁぁぁッ!!」

ガルーラ「…!」

キュイイイイイン!!

千早(メガガルーラ…おやこあい…全ての攻撃が二段攻撃かつ、威力が1.5倍になる脅威の火力を…!!)

バシュウウゥッ!

ガルーラ「…!?」

千早「なっ…」

アクロマ「…なんと!?」

春香「メガシンカが…失敗した…!?」

伊織「そんな…!」

雪歩「千早ちゃん…!」

千早「な、なんで…!?」

アクロマ「何故…何故あなたのようなトレーナーがメガシンカに失敗を!?」

千早(…何故?私が継承者じゃないから?いえ、人工メガストーンと人工メガリングなら…!)

アクロマ「…あなたとガルーラは信頼関係で結ばれているように思えます、それに、人工のメガストーンとメガリングならば継承者でなくともメガシンカさせることは可能…」

アクロマ「…分からない…」

アクロマ「もし、あなたの潜在意識にガルーラに対して、苦手意識のようなものを抱いていたりするならば…」

千早(…!)

アクロマ「いや、違う、あなたに限ってそれはないはず…」

千早(…そうだ…)

『お前が…!』

『あなたが…!』

千早(そうだったんだ…)

千早(私は…本当は…)

春香「…みんな!ここは一度退却しよう!」

千早「…え?」

伊織「悔しいけど、春香の言う通りよ!」

雪歩「は、はい!」

亜美「じゃあね~」

真美「お疲れちゃーん!」

伊織「…亜美、真美!だったわね…!」

伊織「次は勝つから、覚えておきなさい!」

亜美「…んっふっふ~、約束だよ?」

真美「次は楽しませてよね~」

アクロマ「…私たちも任務を続行しましょう」

亜美・真美「ラジャー!」

千早「…戻れ、ガルーラ」

ポヒュウウン!

春香「気にすることないよ…千早ちゃん…」

伊織「そうよ、きっと相手が何か仕込んでて千早の自信を無くさせるつもりだったのよ!」

雪歩「ごめんなさい…私も力になれたら…」

千早「ありがとう…3人とも…」

千早(…違う、違うの…)

千早(私は…)

それから、入れ違いになる形で私たちを迎えに来てくれた博士と美希、貴音、響。
博士たちは、アクロマや亜美真美達とは出会っていませんでした。
千早ちゃんはメガシンカ出来なかった事が気になっているのか、ずっと下を向いたまま喋りません。
私も亜美と真美の2人との実力差を思い知り、これからやっていけるのかが不安になってしまいました。
そんな私達を研究所で待っていたのは、なんとやよいでした。そして、その横には見覚えのある、いえ、一度見たら忘れられない人が居たのです。
AZさん、私たちは4年前のパレードでこの人を見たのでした。

律子「…お久しぶりです」

カルネ「秋月さん…」

律子「ま、立ち話もなんですから早く始めませんか」

カルネ「…教えてください!秋月さん!」

カルネ「何故あなたのような素晴らしいトレーナーが、このような事を!?」

カルネ「真面目で、トレーナーの腕も右に出るものが居ない、誰もが尊敬する、貴女のようなトレーナーが…!!」

カルネ「どうしてなんですか!?」

律子「私に勝てたら教えても良いですよ」

カルネ「…秋月さん…」

律子「ようするに、教えないって事ですけどね」

今日の分はここまでです、ありがとうございました。

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