男「死にたがりな幼馴染の自殺を止められない」 その2 (1000)

このスレは、男「死にたがりな幼馴染の自殺を止められない」

よろしくお願いします


とりあえず、今までの各話のタイトルを次に貼ります

第1話 男「死にたがりな幼馴染の自殺を止められない」

第2話 女「男くんが何かに成り代わられてしまったみたい」

第3話 男「鏡の中の世界…?」 女「思っていたより、普通だね」

第4話 男「絵本の中に入ったのか」 女「自由に動けないって不便だね」

第5話 女「靴もらったよー」 男「それは流石に、怪し過ぎると思うのだけど」

第6話 男「幽霊少女、か…」

第7話 女「出られなくなったの」 男「どう見ても蚊帳なんだけど」

第8話 女「段数が増える階段だって」 男「十三階段か、有名な話だから知ってるよ」

第9話 女「絶対に当たる占いだって」

第10話 男「幽霊が登校しているらしい」

第11話 女「1人で病院に来たのだけれど」

第12話 男「化け物に囲まれた」 女「これは本当に、マズいんじゃないかな」

第13話 女「え、ゾンビ?」

第14話 女「幽霊を、殺しちゃったんだって」

第15話 女「犬神憑き?」

第16話 女「犬が着いてきているね」

第17話 男「ここは、どこだ?」

第18話 ク「犬神様、ですか?」

第19話 女「どうしたの、男くん?」

自分で書いた話を忘れるのでまとめてみた各話タイトルでした

皆さまのおかげで2スレ目まで来ることが出来ました、ありがとうございます

これからも、よろしくお願いします

つまんねーからブログでやれ

新スレお(ぱん)つ!

>>6
良いね!君の「掲示板のスレにイチャモンつけるブログ」楽しみにしてるからね!

今日は(こんな時間に)来ました

昨日投下しようとしたら繋がらなくて…

21話の目処がつかない内に20話が終わってしまいそうです
これは本格的にまずいのでは…?

とりあえず、投下していきます

4日目、何とか止めることが出来ないか考える

女は「大丈夫だから」と言うが、大丈夫なわけはない

大丈夫だったならば、こんなことは

起こるわけが無いだろう

女は何かを伝えたいのだろうけれど、イマイチ伝わって来ない

僕が何かに気付くことが出来ればいいのだろうか

とりあえず、3日間で共通している要素を並べる

まずは時間、大体放課後の16時ちょいと言った所

次に場所、学校の屋上から飛び降りる

が、屋上にいる必要は無い

というか屋上にいなくても関係は無い

問答無用と言うやつだ

多分、起きる現象が固定されているのだろう

だから、時間になると場所に移動させられるのだ

何が固定されているのか、細かい所はわからない

では、何をすれば変えられるのか
結果を変えることが出来るのだろうか

やはり、現象を起こしている原因がわからないことには、どうしようもない

でも、どうして女はどこか諦めている風なのか

意欲すら見せることが出来ないのか

もしくは、自分の意思で

自分の意思が、そうなのだろうか

違う、違うに決まっている

そうならば、僕に何か言うはずだから

なぜ、女は何も話してくれないのか

そして結果は変わらず、今日も女を助けることは出来なかった

5日目、今日は休日だ

当然、今日もダメなのだろうと思っていた

だが、夕方16時を回るも何も起きず

17時、18時、19時と待機し続けていたが、何かが起こることはなかった

今日は平和なデート日和でした

で済ませるわけにはいかない

なぜ、今日は何も起こらなかったのか

今日から何も起こらないのならば、解決したと言えないことは無い

理由が判明していない為、再発の可能性は否定出来ないが

明日の放課後になれば、解決したのかはわかるだろう

解決していなかった場合、今日だけ大丈夫だったということになる場合

なぜ、今日だけ大丈夫だったのか

昨日までと何が違ったか、ということになる

まず、学校から距離を置いたこと

こちらの可能性は低いと思って、試行していなかったのだが、違うのかも知れない

明日は、また学校から離れてみよう

午後はサボりになるのかな

そして、もう一つ

今日は学校はなかったこと

昨日までとの差と言えば、この二つ位になってしまう

後者の方は関係無い気はする

学校が無いと、どうして大丈夫になるのかわからないからだ

言い変えると、学校があるとダメな理由がわからないから

だって、もし、そうならば

女は、学校に殺されているようなものじゃないか

そんなことになる理由なんて、無いだろう

無いに、違いない

6日目、今日は休日ではないが、学校から距離をとって見ることにした

結果的には、距離を置いたことは無駄だった

当然、悪い意味で

つまり、距離は関係無かった、ということになるのだろう

では、なぜ昨日は何もなかったのだろうか

学校が無かったから、なのだろうか

学校が休みだと、学校が無いと、なぜ何も起こらないのか

16時あたりに死ぬという時間指定が、16時ではなく

放課後という指定だった、学校が無ければ放課後にはならないから、ということが考えられる

しかし、それでは、放課後になると死ぬ理由が必要になる

根本的な理由は、見つかってないままなのだ

なぜ、彼女なのか

なぜ、死なないとならないのか

なぜ、放課後なのか

まだ、繋がらない

だけど、無視出来なくなってきたこともある

考えたくないから、逃げていたけれど

考えなければならないことが

彼女が何かに巻き込まれた、何かに殺されている

という考え方が根本的に間違っているという可能性

間違っているとすると、どうなるか

彼女自身がルールの一部に組み込まれている可能性

これが現れる

彼女が何かに殺されている、では無く

彼女が死ぬことが組み込まれているルールが動いている、ということが

検証したくは無いけれど

検証するしか、無いのだろうな

検証する、と言っても何をすれば良いかは微妙だ

何か行動を起こして結果が変わるか、という方法ではわからない内容だから

やるべきは、聞き込みだろう

悪目立ちはしたくないが、仕方ない

友人やクラスメイト経由で他学年や学校外まで、薄く広く聞いてもらった

メールという文化は、こういう時に役に立つ

すぐに返事が来るのだから

もちろん、聞くことは決まっている

この学校を舞台としている、または舞台としている可能性がある怪談、噂話の類だ

流石に、内容を絞らずに全て聞く必要は無いと思う

と言うより、聞かなければよかった、と後で後悔するようなことに巻き込まれたくは無いので

内容を絞った

生徒が自殺する話、という極めて限定的な内容に

結果、見つかった

薄く広く、程度で見つかってしまう位には広まっている話が

自殺した女生徒の話が、見つかってしまったのだ

忘れていた、考えてもいなかった、終わったと思っていた

言い訳だ、そんなのは

終わったと思いたかった、それだけだ

もっと早くに可能性に気付いた場合、これが起こるのを防げたか?と聞かれたら

わからない、と答えるしか無いが

それでも、わからないと言った僕は直視したのだから、今の僕とは比べることは出来ない

彼女の話が、まだ終わっていないという現実から目を背けていた僕は、最低に違いない

僕は、最低だ

彼女の死が忘れられるというルール

そのルールの限界に、限界があるということに、気付けなかった

おそらく、この現象はルールの穴を突かれた形なのだ

一度だけ、僕たちのルールが力を失った時があった

その結果、一人目の彼女の幽霊が現れた

死んだことが、認識されるようになったから

そして、ルールは再び働き始め、一人目の幽霊は姿を消した

では、幽霊はなぜ出現していたか

「女という屋上から落ちて死んだ生徒がいる」ということが認識されたから

そして、それが伝聞系になった時に、どうなったか

ルールが力を失っている間、二人目以降の女も朧げながらも認識出来てしまっていた、運の良い人達の話も混ざり

「自殺をし続ける存在しないはずの女生徒がいる」

と形を変えた

当然、この女生徒を女だと知っている人達は、ルールが再び動き出した時に忘却しただろう

だが、女を知らない人達が、ルールによる忘却を免れた人達が語る話が

噂話として、怪談として

成立してしまったのだ

成立しただけならば、何も起こらなかったかも知れない

だけど、存在しないはずの女生徒は実在した

不幸にも、自殺をし続けたという事実も、また、実在していた

そして、怪談は真実となった

女は話通りに、放課後に自殺を始めた

学校が無い日は、放課後に屋上から飛び降りるという条件を満たせない為に、何も起こらないのだろう

放課後が来ないのならば、彼女は死なないでいられるのに

そして彼女は、今日も自殺をし続ける


「僕はまた、止めることが出来なかった」


今日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

1日1レスは書き溜めるよ!と言いつつ実際は少し出来てないなんて…待たせてしまってすいません

20話は次の投下で完結となる予定です

では、また来ますね

今日は来ました

1日1レス書き溜めてたらちょっと区切り間違えて9レスになってたました、はい

エタるつもりは無いのですが、おそらく3月位になるまではこのまま緩やかに更新速度が低迷していくと思います、申し訳ありません

早くちゃんと書きたいです、他の作品とかも


では、投下していきます

原因は、これで間違っていないだろう

彼女に問い詰める、なんてことは僕には出来ない

彼女は、わかっていた

自分が組み込まれたルールが動き出し、気付いたのだ

どうすることも出来ないことに

その上で、普通の日常を選択した彼女

しかしこれは諦めでは無く、待っているのだ

今回は、怪談として、噂話として解決する、突破するということはは不可能であろう

なぜなら、このパターンの解決方、正攻法は

女を成仏させることだから

まず、僕には選ぶことの出来ない選択肢で

女も選ばなかった選択肢だ

では、どうするか

抜け道、裏をかく、隙を突く、言い方は何でもいいけれど、そういうことをするしかない

怪談の存在を消す、という方法

誰からも語られなくなれば、存在しなくなるであろうという考え

女は、これを待っているのだろう

これも、ある種の攻略法だし、今回一番やりやすく、間違っていないと思える方法だ

現代の噂話は広まるのも早いが、忘れられるのも異常に早い

しかし、忘れられるとは言っても、語られなくなる程度であり

完全な忘却では無いだろう

では、噂話はどの段階で力を失うのだろうか

いつまで、待たないといけないのだろうか

僕たちは、いや、彼女は

いつまでも、待たないといけないのだろうか

人の噂は八十八夜

いや、違うな、これ茶摘みの時期だ

むしろ現状は命を摘み取られている

人の噂も七十五日

これだったかな

これを目安にすると2ヶ月半程度はこのままと言うことになる

短くても1ヶ月は続くのだろう

下手をすれは、何年だって言い伝えられてしまうかも知れない

だから、待っていればいいという楽観は出来れば避けたいのだ

ならば、何が出来るか

噂の早急な消失が望ましいだろう

だが、記憶を操作したりするようなことが出来ない普通の人間な僕達に可能なのか

正直な話、不可能でしかない、記憶を消すことは

だが、噂の上書き、別の噂の流布ならば、不可能とは言い切れない

しかし、僕には、僕たちには、そのリスクを許容することは出来ない

噂の上書きは、女に何が起こるかわからないというリスクがあり

別の噂の流布は、新しい怪談の発生というリスクがある

だから、女は待つことを選択したのだ

諦めでは無く、待つという解決方法を選択したのだ

それを、僕に否定は出来ない

僕にも、それより優れた解決策が浮かばないから

打開策を、解決方法を、逆転の秘策を、と

無駄に言葉を並べたって、わからないものはわからない

ここまではわかったことだし、明日からは女と二人で考えることが出来るかな

女が素直に話してくれれば、だけど

8日目、結論から言うと、女と話し合う必要は無かった

女を自殺させ続けていたそれは、意味もわからないままに終わりを迎えた

女が、死ななかった

次の日も、死ななかった

その次の日も

これは、女が死ななくなった、ということでいいのだろう

他の生徒が死んでしまったのではと危惧したが、それは杞憂だった

つまり、元通りの生活に戻ったということであり

解決策はわからず仕舞いに、解決されたことになってしまった

だけど、ただ終わったというわけではなさそうで

女が浮かない顔をして

理由を聞いても、やはり返事は曖昧で

何かを隠しているのは明確で

本当は、普段ならば、詮索なんてしてはいけないのだろうけれど

隠したいことを、言いたくないことを暴くなんて、されたくはないのだろうけれど

女には悪いが、その何かを見つけさせてもらうことにした

再び、噂話の聞き込み調査を実行する

むろん女には秘密で、だったのだが

流石に、すぐにバレてしまった

女には、噂が消失したのか確認する為、と理由を説明するが

「そっか」と女はどこか悲しそうに呟いただけだった

聞き込みの結果として、僕は再び気付いてしまった

またも、考えが及ばなかったことを思い知らされた

この怪談は、まだ終わってなんかいなかった

ただ終わるわけなかった

考えてみれば当たり前だった

女の死が認識されるようになり、その後、再び認識出来なくなったので噂は怪談に成った

ということは、それはつまり噂は形を変えたということになる

なぜ、形が変わるのか

伝聞系だから、ということでは無く

認識に影響を与えたから、という原因的な話では無くて

怪談が形を変える理由である

たとえ荒唐無稽な噂であっても、それは一応の理屈を伴っている場合が多い

例えば、脈絡も無く人を殺しに現れる存在は少なかったり、怪談ならば回避策が用意してあったりと

存在する理屈や、行動の理屈、またそこから生まれる回避の理屈があることが多い

エンターテイメントとしての色が強い近代の話は、聞いた時にそれなりの理屈が通っていた方がそれっぽいからだ

昔の話が、時代が移り変わり、現代版としてアレンジされていたりも、理屈が通るからアレンジされたと考えることが出来る

女の話は認識出来ないというルールによる影響を受けて、その形を怪談へと変えた

だが、変わっただけであって

変わりきった、いや、変わり終わったわけではなかった

そこに思い至らなかった

怪談が、より良い形へ時間を掛けて変わっていくことを、忘れていた

女の話のどこが、理屈に適っていなかったのか

どこが、よりそれらしく改変されたのか

少し考えればわかることだ

存在しない生徒が死に続ける、という話の

どこに理屈が通っていたのだろうか

目の前で実際に起きてしまったから納得させられていた、とか

僕たちは、認識出来るから理屈が通っていた

なんてのは、やはり言い訳なのだろう

本当は、終わってなんかいなくて

だから僕は謝らないといけなくて

放課後、女には用があると言って帰るフリをして

この、屋上に来たんだ



男「そういうこと、なんだよな?」

初「まぁ、男くんの考えた通りなのかな」

男「考えるまでも無く、存在しない生徒が死に続けるよりも」

男「死んだ生徒が、死んでなお、死に続けている方が、話として整合性があるってこと位」

男「考えればわかったはずなのに、難しい話ではなかったのに」

男「僕は、また君を」

初「また君に会えて、私は嬉しいよ」

男「だけど、それは元を辿れば僕が」

初「今の私は男くんを目的として現れているわけでは無いけど、それでも会いたかったよ」

初「でも、男くんには生きている私もいるから」

初「あっちが、今の私なんだから」

男「ごめん、僕のせいで」

初「これは、男くんのせいではないでしょ?」

男「でも、僕なら」

初「男くん、君なら何か出来たの?」

男「それは」

初「男くんは、考え過ぎだと思うよ、背負い過ぎだよ」

男「でも」

初「私には、背負わせてくれないの?」

初「生きている私は、あっちは命を共有してるような形だけれど」

男「それは僕が一方的に、君に背負わせてしまっているだけで」

初「だけど私には、それ以上は負担をかけないように、しているんじゃないの?」

男「それは、僕の」

初「いいじゃない、そんなの適当で」

男「そういうわけにはいかないよ」

初「私も、生きている私も、存在が適当みたいなものなのに、まともに扱うから参っちゃうんだよ」

男「君達も、君達なりのルールがあって存在するから」

初「私達なりの、でしょ?」

初「だったら、全部私達なりでいいじゃない」

初「私は、男くんとは繋がりが無いただの幽霊だけどさ」

初「それでも、男くんには笑っていて欲しいよ」

初「せっかく、私が生きていられるんだからさ」

初「私の方を忘れて、とは言えないけどね」

男「うん、わかった、わかったよ」

男「そうだった、そうだったね、どうにも調子が出ないや」

男「大事なことを忘れてばかりで、何も見えていなかった」

男「僕は、君が笑っていられるなら、それでいいんだ」

初「私は、君が笑っていてくれるなら、なんだっていいんだよ?」

男「あー、面と向かって言うことじゃなかった、動揺してるとダメだな、やっぱり」

初「珍しいね、男くんが冷静じゃないなんて」

男「まぁ、君のことだから、なんだろうけどね」

初「や、やっぱり面と向かって話すことじゃないね」

男「自然に後ずさりしながら、フェンスをすり抜けて行かないでよ」

初「今日はもう、時間だから」

男「そっか」

初「じゃあ、また明日話せたら嬉しいな」

男「あぁ、また明日」

彼女が気にしないでと言うのなら、僕は気にした素振りなんて見せないでいる

彼女が笑って欲しいと願うなら、僕は心から笑っていられる

死んでいる彼女、幽霊になった彼女と話していて気付くなんて遅過ぎた

生きている彼女だって、いついなくなるかわからないというのに

結局の所、僕が一番直視したくなくて、考えないようにしてしまっていたのは、そのあたりのことなのだろう

背負うつもりで、だけど背負い切れずに逃げてしまったのだ

確かに、直視していたからと言って、今回のことを防げたわけではないだろう

今回、怪談の中身が変化して現れた彼女、幽霊の彼女は

確かに生きている女とは同一人物ではある

だけど、それは今だけだ

彼女が何度も強調するかのように繰り返し使っていた、『生きている』という表現

幽霊の彼女の直視したくない面はここに尽きる

もちろん、彼女はわかっているだろう

直視していないのは、いつだって僕だけだ

『生きている』と『死んでいる』の決定的な違いは

時間が『動いている』か『止まっている』かだ

彼女をこの世に縛っている怪談がいつまで有効かはわからないが

仮に数年間は平気だとする

すると彼女はどうなるか

もちろん、変わらない

幽霊は、成長なんてしない、出来ないのだから

だけど、僕達は年齢を重ねるだろう

『止まった』彼女を置いてきぼりにして

彼女が知っている僕たちと、現実の僕たちは離れていってしまう

例え、頻繁に会っていたとしても

『動いている』僕たちと『止まっている』彼女の間の距離が広がることに、変わりはない

どうしたって、今のようには行かなくなる

彼女は、比喩では無く変わらないのだから

僕たちが変わっていく中、変わらないということの異常性を

思い知らされるだろう

しかし今は、彼女が『止まった』直後の今ならば

僕たちと彼女との距離は開いていない

今だけでも、僕は彼女と一緒にいなければ、と思うけれど

僕が一緒にいたいだけなのだろう

『止まった』事実を見ないでいられるから

だからといって、会わない方がいいわけではないだろう

会うことになるだろう、それも頻繁に

結局、僕の考え方、捉え方次第なのかもしれないけど

一つだけ、これだけは絶対に曲げてはならないし、見なかったことにしてはいけない事実もある

1回目、僕は彼女に助けられた

その後、僕が彼女を殺して殺して殺して殺して、だけど彼女は僕を守って、なのに僕は彼女を殺していて

気付いた後は、彼女に守られっぱなしで

彼女が自殺を始めて

止められなくて、止められなくて、止められなくて、勝手に止まった

だけど終わったわけではなくて

違う彼女だけれど、やっぱり彼女が死に続けていて

助け方がわからなくて、止められなくて、守れなくて

死に続けていて、死に続けていて、死んでいるのに、死に続けていて




「僕は、無力なままだった」





僕はまだ、彼女を止められていない



第20話




男「死にたがりな幼馴染の自殺を止められない」 その2




今日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

20話、新スレ1話目となりますが、こんな感じで終了となります
スレタイ回収の為に捻り出した話でしたが、初女さんも2スレ目で準レギュラー化した感じです
男くんが、負けて終わるなら1話目かなというのもありました

次からは別に20話とは関係無くいつも通りに独立した話を書いて行く予定です

何か思いつけば、書くと思いますが


更新は遅くなりますが、毎日覗いているので話のネタは質問には答えられますので、これからもよろしくお願いします


ではでは、また来ますね

今日は来ました

時空のおっさんとか花子さんみたいにパターンが多かったり、よくわからなかったりするのは中々使うのが難しいですね
機会があれば、という感じです


ハロウィンなどの季節イベントも、機会があればというかネタが浮かべばになってしまいますね


では、投下していきます

女「この頃、学校来なくなっちゃった子がいるんだけどね」

男「僕らの学年の話なのかな?」

女「同年代ということはあってるけど、違う学校の話かな」

男「違う学校の子がどうかしたの?」

女「だから、学校に来なくなっちゃったんだけどね」

男「うんうん」

女「その子、中学生の頃に同じクラスだったことあるんだよ」

男「そうなんだ」

女「でも何かね、変らしいの」

男「学校に来てないことが、既に普通では無いと思うけれど」

女「そう言う意味では無くてね」

男「うん」

女「学校に行かなくなっただけじゃなくて、家からも出なくなったらしいの」

男「引きこもりである、というのは不登校ならば珍しいとは言えない気もするけれど」

女「うーん、何か私も伝聞形だからよくわからないんだけど」

男「はっきりしないね」

女「外を出歩いているみたいなの」

男「そうなんだ」

男「あれ?」

第21話




男「引きこもりなのに外を出歩いている?」





女「そこが変なところ、らしいのだけれど」

男「外出しているのは、引きこもりと言わないと思うけど」

女「引きこもっているはずなのに、外に出歩いているのを見た、出会ったという人がいたらしいの」

女「学校に来てないことを知っていたから、その子の母親経由で引きこもりの子の母親に聞いてみたらしいの」

女「そうしたら、家から出たことは無い、という返事が来たんだって」

男「それなら、見間違いだったんじゃないかな」

女「確かに、本人だったんだって、会っただけではなくて、話したらしいから」

男「直接話したのなら、流石に本人かどうか間違えないか」

女「でもね、出ていないらしいの」

男「なら、親が家から出ている事実を隠したいんじゃない?」

女「そうなのかな、何か違うみたいなんだけど」

男「それで、僕たちはその子の家に向かっているのは確かめる為、なのかな」

女「うん、直接本人と話してみようかなって」

男「外に出ているかをメールとか電話で聞けばいい、とも思うけれどね」

女「あ、そうだ、その子は誰ともメールしないってわけじゃないから聞いてみたらしいの」

男「もう聞いたんだ、そりゃそうか」

女「そうしたら、出ていない、だって」

男「本人も否定した、となると」

男「それが本人を偽った親か、もしくは本当に出ていないか」

女「だから、確認しに行こうと思って」

男「成る程ね、わかったよ」

男「家まで押しかける、でいいのかな?」

女「言い方が悪い気もするけど、そんな感じかな」

男「アポ無しはどうなのかな、良くない気はするけれど」

女「あ、あの子じゃない?」

男「え、あぁ、あの子か、そういえば見たことあるかも」

女「覚えてないの?」

男「顔を見ないと思い出せないもんだよ、こういうのは」

男「しかし、これで押しかける手間が省けたのかな」

女「あ、私たちに気付いたみたい」

男「こっち来るね」

引「やっほー!久しぶりー女ちゃんと、男くん?だったかな?」

男「うん、そうだけど」

引「あれあれ?どうしたの?もしかして私のこと忘れちゃった?」

男「いや、忘れてはないけどさ」

引「んー、ならどうして鳩が面食ったみたいな顔してるのかな?」

男「鳩が面食ったって、それはホラーだね」

引「あれれ、鳩が豆食った、だったかな?」

男「別に僕はおいしそうな顔をしているわけでは無いと思うよ」

引「あれ?」

男「鳩が豆鉄砲を食らった、もしくは面食らっただと思うよ」

引「混ざってたんだ、でもま、言葉なんて伝わればいいよねー」

男「それは否定できないけれど」


引「もう時間だから、じゃあ、またねー」

男「じゃあ、また」

女「またねー」

男「行ったね」

女「すごいテンション高かったね」

男「昔から、こんな人だったかな?」

女「少なくとも私が知る限りでは、違ったかな」

男「そっか、じゃあとりあえず、追おうか」

女「追うんだ」

男「追わないの?」

女「いや、男くんはそんなに乗り気じゃなかった気がしたから」

男「あれさ、イメチェンとかだと思う?」

女「むしろ名前と顔が同じだけの別人と言ってくれた方が、信じられるかもね」

男「やっぱり、全然違うよね」

女「私たちが知っている時とは、確実に」

男「だから、追うんだよ」

女「だからって?」

男「あれは本当に本人だったのかってこと」

女「んー」

男「成り代わり、入れ代わり、そういうのもありえるかもよ?」

女「あ、そっか」

男「本人かを確認する為には、何をすればいいのかな」

女「そこは考えてないんだ」

男「だって、そんなに仲良いというわけではなかったからさ、知らないんだよ」

女「私も男くんよりは知っている、程度だし」

男「とりあえず、もう1回話してみるのもいいけれど」

男「こういう時は、家族に当たった方がいいと思うよ」

女「本人では無く、家族なの?」

男「本人に聞いても、答えない方が多いからね」

男「家族が違和感を感じていたり、不審がっていたりする」

男「という方が役に立つよ」

男「怖いのは、家族ごと入れ代わっているとか」

男「家族はもう、処理し終えている場合かな」

女「それは確かに、怖いね」

男「何かが人を殺して入れ替わった、という話はあるからね、無警戒というわけにはいかないよ」

男「今回は、その可能性は低いとは思うけどね」

女「どうしてかな」

男「僕たちのことを覚えていたから、かな」

男「殺して成り済ますタイプは、記憶は引き継がないからさ」

女「そうなんだ」

男「例外はあると思うけどね」

女「ドッペルさんが例外になるのかな」

男「あれは記憶どころか見た目も完璧に本人に成り済ますはずだから、性格が変わるとは思い難いけど」

女「違和感を覚えられないようになってるもんね」

男「本人の性格が変わってから、ドッペルが発生した可能性はあるけれど、どちらにせよ僕たちには確認出来ないから考える意味は無いかな」

女「じゃあ、どういう線が強いと考えているのかな」

男「僕としてはそうだね、普通の人間だと思いたいね」

女「うん、それが1番いいね」

今日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

投下頻度がこれ以上開かないように努力します、申し訳ありません

ではでは、また来ますね

今日は来ました

時期的に、この週1投下ペースもいつまで続けられるかという感じですね

では、投下していきます

女「それで、家まで尾行すればいいのかな」

男「見つかってはいけないというわけではないけどね」

女「あ、家の場所、ここら辺だったと思うよ」

男「あの一戸建てみたいだね」

女「あれ、ドア開けないのかな」

男「ドアを開けられない、のかもしれないけど」

男「あ」

女「消えたね」

男「消えた、目視不可能になった、幻覚だった、どれがいいかな」

女「目視不可能が、楽そうかな」

男「消えた、が1番可能性が高いようには思えるけれど」

女「けれど?」

男「特定の場所に着いて、突然消えるなんてさ」

女「うん」

男「どう聞いたって、幽霊の話じゃないか」

女「死んでるってこと、なのかな」

男「親が死んでいることを隠さないといけない事情があるならば、そうなるけど」

男「違う気はするんだよね」

女「違うんだ」

男「死んでいることを隠されていて、本人が隠されたくないのならば、出会った人に自分が死んでいることを話すだろうし」

男「自分も隠そうとしているならば、外に出るとは思い難いから」

女「幽霊になっても、出る必要があるようなことが、あるのかもよ」

男「そういう可能性なら色々あるから、一概には言えないになってしまうかな」

男「本人が死んだのに気付いていない場合も、有り得てしまうし」

女「どうしようか」

男「本人と話したいところだけど、親の許可を得られるかどうか」

女「門前払いも有り得るもんね」

男「彼女が、もしくは彼女達が、違う何かだった場合は、招き入れられた結果殺されてしまう可能性があるのが難しい所かな」

女「それは迂闊には行けないね」

男「だからさ、僕だけ行って来るよ」

女「死ぬ時は、どちらが行ったとしても死ぬのは私だけどね」

男「君が嫌だと言うならば、このまま帰って、今日のことは忘れてもいいけれど」

女「まさか、確かめないなんてそんな中途半端なことをする気はないよ」

男「無茶はしない方が、と思うけど」

男「君が何を考えているかは、わかってるつもりだし、僕には止めれないかな」

女「まだ生きているなら、止められるかも知れないから」

男「彼女が死にそうであると決まったわけではないけれど」

女「可能性があるなら」

男「無視するわけにはいかないね」

女「ちなみに、死んでいないとするならば、何があるのかな」

男「生霊ってやつかな」

女「いきりょう?」

男「生きている人の魂が抜け出す現象のこと、かな」

男「死にかけの人や、死が近い人に起こる現象だけれど」

男「生霊だとわかっても、助ける方法はわからないかな」

男「ま、普通が1番、と言うことかもね」

女「変なことには、関わらないに限るよね」

男「じゃあ、行って来るよ」

女「行ってらっしゃい」

男「ただいま、待たせて悪いね」

女「おかえり、そんなに待ってないよ、それで、どうだった?」

男「帰りながら、話すよ」

女「私が生きているから、入れ代わりではなかったのかな」

男「僕が、本当に僕ならね」

女「あ、監禁とかそういうやつもあるもんね」

男「ま、冗談で済む内が花だよね」

女「花というか、何だろう」

男「命あっての物種とか、そんな感じかな」

女「そうだね、どうだったの?」

男「うん、入れ代わりや成り済ましでは無さそうなんだけれど」

男「生霊というにはおかしい気もするんだ」

男「さっきまで寝ていたわけでは無いらしいくてね、あくまでも、らしい、なんだけどさ」

女「起きていたら、生霊じゃないの?」

男「基本的に、寝ている間や死にかけている時、つまりは意識が無いことを前提としている、はずなんだ」

男「生きているのに、魂が抜け出してしまう、という事象だからさ」

女「じゃあ、起きていたという嘘をつかれたってこと?」

男「いや、起きていたは嘘でないと思うし、何よりどちらでも変わらない気はするね」

女「変わらないって?」

男「家の中にいた彼女は、僕たちの知っている彼女に近かったよ、引っ込み思案でおとなしげと言うイメージは間違っていなかったさ」

男「もちろん、断定出来る程、会話をしたわけではないから演技という可能性も当然残るのだけれど」

女「でも、私たちがさっき会ったのは」

男「間違いなく、そんな性格ではなかったね」

男「生霊、身体から抜け出た魂は性格が変わるのか」

男「変わらないはず、だから」

女「生霊では、ない?」

女「生霊だと性格は本人と変わらないのかな、の前に生霊って何かな」

男「死霊って言葉、わかるかな?」

女「わかるけれど」

男「死んでいるから死霊なんだよね、つまり生霊は」

女「生きている霊?」

男「そういうこと」

女「よく、わからないのだけど」

男「さっきも言ったけれど、生きているのに、魂が抜け出てしまうという状態のことかな」


男「抜け出した魂のことを指して、生霊と呼ぶんだ」

女「生きては、いるんだね」

男「そうだね、でも、生霊だと良くはないよ」

女「そうなんだ」

男「生霊が現れるのは、恨み呪いを果たす為に、相手に取り憑く為」

男「或いは本人の死の予兆、の二つかな」

女「前者ならば、何とか出来ないことも無さそうだけど、後者だったら、私たちは」

男「僕たちに、助けることは出来ないかもね」

男「前者ならば恨みや呪いの解消で解決出来るけれど、後者は」

男「事故死や他殺の予兆では無く、病死や寿命の予兆だから」

女「魂を、抜け出さないようにするのは?」

男「やり方はわからないし、例え抜け出さないようにしたとしても」

男「それは予兆であって、死の原因では無いんだよ」

男「でも、性格が変わっているという問題が残っているから」

男「これがある限りは、生霊とは言えないだろうさ」

女「やっぱり、そこで手詰まりになっちゃうね」

男「そうだね、とりあえずは明日になるかな」

女「今日はもう、何もしないの?」

男「何も出来ない、が正しい気はするけれど」

男「消えたのか引っ込んだのか戻ったのか、そこら辺の区別はまだわかっていないからさ」

男「本人よりは、あちらに直接会って話をした方が効率が良さそうだしね」

女「本人は話してくれなかったのかな」

男「何も知らない、わからないって素振りだったよ」

男「演技かどうかは置いといて、あちらの方が聞きやすいし、効果的だね」

女「明日は、何を聞くつもりなの?」

男「本人であるか否か、かな」

男「本人が家から普通に抜け出していただけ、というオチはある意味辛いね」

女「どうして?」

男「僕たち、ただのイタいやつらじゃん」

女「あ、それは辛いね」

男「本人じゃなかったら、どうだろうね、証拠を突き付けない限りは変なことをされないとは思うのだけれど」

女「いきなり殺されるのはよくないから、一応私は離れておくね」

男「うん、それがいいと思う」

女「中々、わからないね」

男「如何せん、情報が足りな過ぎるよ」

男「僕たちに、霊感みたいなのがあれば一発なんだろうけどさ」

女「確かに私たちはそういうこと出来ないもんね」

男「効果のありそうな聞き方とか、そういうのは考えておくよ、じゃあ、また明日」

女「うん、また明日ね」

今日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

最近寒くなって来ましたね、風邪などにはお気をつけて

では、また来ますね

今日は来ました

ゆっくり更新で申し訳ありません

では、投下していきます

女「それで、昨日の今日で何か考えついたのかな?」

男「そうだね、いくつかは考えて来たよ」

女「いくつか?」

男「基本的には、絞り込みだからね、複数回やることになるかも知れないからね」

男「とりあえず、家の外を出歩いている方と会わないと」

女「見つけたら、私は離れていればいいんだよね?」

男「離れるだけではなくて、君にやってもらいたいことがあるのだけれど」

女「何かな」

男「僕が、こちら側の、家の外にいる方と話している間に」

男「自宅にいるはずの、引きこもりの方と話してきて欲しいんだ」

女「それで、同時に存在するかを確認をするのかな」

男「うん、二人まとめてやられてしまうことの回避にもなるしね」

女「なるの、かな?」

男「絶対なんてことは、いつだってないさ」

女「それもそうだね」

男「君の方は、家に存在するかどうかと」

男「存在した場合、本人なのかどうかを確認して欲しい」

女「化けてたりすると、私にはわからないと思うのだけれど」

男「そういうのは無理しなくていいよ、こちらもそういう無理はするつもりはないから」

女「うん、わかった、確認したらメールすればいいかな」

男「僕も、合流出来るようになったらメールか電話で連絡をするよ」

女「じゃあ、私はあの子の家に向かうね」

男「僕は、散策を始めるよ」

女と別れて、学校の方へと向かう

僕が出会えなければ、女を家に向かわせた意味はなくなってしまうのだから、何とかしないといけない

別に1回で上手くやる必要はないのかも知れないけれど、何日も連続で同じ人が尋ねに行ったら不審がられてしまう

おそらく、すでに不快だとは思われていると思うけど

解決したら一言でもいいから謝罪くらいは、しないといけないな

もちろん、学校に向かっていると言っても、僕たちの学校ではなくて

あの子の学校に向かってだ

理由は、歩き回っている方の行動範囲がそっちだから

目撃された場所が、学校からあの子の家までの間に集中しているからというだけである

昨日のことから察するに

消えるには、自宅まで行かないといけない

などの理由で自宅まで移動する必要があると考えられる

目撃箇所が学校と家の間で、確実に家に帰ってくるのならば

家から学校に向かえば、出会えるはずだ

目撃するような人、つまりはあの子の知り合いがそこら辺に集中しているから、とか

偶然、たまたまである、などで覆されてしまうような推理だが

そもそも、毎日出歩いているという保障も無い

しかし、他に当てなんて無いので、当たるのを願うしかない

そんな僕の心配を他所に、あの子は今日もうろついていてくれていた

僕たちの弱点は、二人とも死ぬことである

逆に言えば、一日の間に一人ならば死ぬような目に会っても何とかなるというところが、普通ではないと言える

異常ではあるが、それだけと言ってしまえばそれだけだ

実際、僕たちのルールのようなものがあるよりも、いわゆる霊能力というもの

妖怪や都市伝説と人間ながら戦うことの出来る力があった方が良いことは多いはずで

今までだって、そういう力があれば、助けられたかも知れない

でも、見つからなかった

普通の人間をリスク無しで超能力者や霊能力者に引き上げる方法なんて、そんな都合よい話は

存在するとしても、一子相伝や門外不出に違いない

そういう物は基本的には才能、或いは幸運で手にするものだろう

だから、僕たちは一般的な対処方法で何とかしてきた

所謂、弱点を突くということで、やり過ごしてきたのだ

だから、あの子が何かがわからない状態は非常に危険だ

女が向かった方は、昨日僕が無事に帰れたことや、他に訪ねた目撃者も生きていることから判断して

何もないのだろう、と推測している

何かあるならば、僕が視界に捕らえた、こちらの方だ

男のやることではないけれど

いや、まともな人間のやることではないのだけれど

出会い頭に、女子を全力で殴ろうと思う

狙いは顔面で

出来れば、不意打ちが望ましい

運の良いことに、あちらはまだ気付いていない

もう少し

あと少し

声をかける

振り向くのに合わせて、右腕を振る

僕の力なんて、たかが知れているが、普通の人間ならばダメージを受けるだろう

女子なのだから、尚更だ

普通の人間だったら、だが

本当に普通の人間だったならば、当たるだろうから

当たりそうならば、転んででも当たらないようにしようとは思っているが

結果、僕の右腕は相手の頬に届くことはなかった

女子の顔面を打ち抜くことはなく、空中で停止した

驚いた表情の目の前で、止まった
僕が寸止めをした、というわけではなく

停止させられたのだ

見えない力に阻まれて

いや、よく見ると薄く白い何かが浮かんでいるように見える

煙のような、もやのような何か

これにぶつかり、止まったのだろう

「やぁ、昨日ぶりだね、久しぶり」

驚いた顔の代わりに焦りの顔が出て来た

今度は表情を隠そうと、動揺を隠そうとしているようだけれど

もう、遅い

不意を打たれた時点で、不意打ちを想定していなかった時点で、あちらの失敗だ

「少し話がしたいのだけど、時間、あるかな?」

逃げられた、走っていってしまった

街中で女の子の腕を引っ張ってまで、無理矢理話をする気にはならないので、今日は諦めよう

女に話をして、女に話を聞いて

続きは明日でいいだろう

女にメールをして、様子を聞く

こちらが終わるのを待っていたようで、すぐに合流することになった

来た道を引き返している間に、女と合流した

僕から逃げていった子とすれ違ったのではないか、と思ったのだが、見なかったようだ

流石に警戒されてしまったのだろう

女から聞いた話では、家に本人はいたそうだ

どころか、気を失ってもいなかったし、寝てもいない、死にかけなんかでもなかったようで

少し話してもきたらしいが、違和感はなかったようだ

僕たちの知っている、大人しい性格は変わってなさそうということで

つまり、さっき僕が話しかけたのは何だったのか、ということだ

僕としては、普通に双子や変装などで済んでくれると楽で良いのだが

さっきのことがあるので、そうはならないのだろう

空中で人の拳を触れずに止めるなんて、間違いなく普通ではない

マジシャンという可能性もあるが、種のわからないものを手品とか未知の理論などのせいにするのはある種の思考の放棄だろう

僕なりに、考えたことはある

女には、明日また出歩いているのと出会えたら話すよ、と言っておいた

消去法にしてもムラがあり、決めつけるのには早いので

明日、本人に聞いて確認するしかないのだろう

本日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

あ、名無しの名前欄が…

では、また来ますね

ま、間に合った…

超常現象抜きですと、時間軸がまだ冬になってないので過去回想でいつかやろうかなと思ったり
ちょっと今回は時間無いので見送らせていただきました、申し訳ありません

その前にそろそろ作中カレンダー作らないと夏休み始まりそうな気が…
あと女さんが死んだ回数もいつかカウントします、はい

では、投下していきます

男「やぁ、今日も昨日ぶりだね、久しぶり」

引「ひ、久しぶり?」

男「いやいや、昨日は悪かったね、ちょっと体勢を崩してしまってさ」

男「怖かったろ?」

引「べ、別に、大丈夫だったけど」

男「ま、挨拶はこの位でいいか、本題に入っていいかな?」

引「え、え?」

男「君は、人間なのかな?」

引「いきなり、何を言ってるの?」

男「先に言っておくけれど、別に昨日のあれを僕が見逃した」

男「なんてことは、ないからね」

男「少なくとも君は、普通の人間では、無いだろ?」

引「あれれ? もしかして」

男「昨日は別に転んだわけではなく、普通に殴ろうとしてたよ」

引「男くん、だっけ?」

男「そうだよ」

引「男くんこそ、普通の人間なの?」

男「うん、僕は普通の人間だけどさ、君はどうなのかなってね」

引「私も普通の女の子ですよー?」

男「へー、普通の女の子なんだ、エクトプラズマが使えるのに」

引「わかってたの?」

男「あ、本当にあれ、エクトプラズマだったんだ」

引「あー、もしかして、鎌かけられてた?」

男「どちらにせよ、いずれ吐かせるつもりだったけどね」

引「そんなことを知って、何がしたいの?」

男「君の本体を、助けたいかなってね」

引「私の、本体って?」

男「誤魔化そうたって無駄だよ、君の家に君がいることは、女に確認してもらっているさ」

引「昨日も今日も、私の家に来てたんだ」

男「だから、少なくとも君かあちらのどちらかが本体ではない、ということになると思うんだよね」

引「私たち、実は双子だったんだよねー」

男「へー、それは面白いね」

男「なんで、双子だということを隠してたか教えてくれない?」

引「家の事情で」

男「それはないでしょ?」

男「それなら、君が家を出ている時に、女を家に入れるわけがない」

引「はー、どうしよ、困ったな」

男「僕は、君が思ったより知性があって驚いたよ」

引「頭が悪そうって、言いたいの?」

男「いや、君はエクトプラズムそのものだと思っているからさ」

男「多少は自律的に思考出来ると思っていたけれど、予想以上だったんだよ」

男「反応しないなんて、正解だと言ってるようなものだよ?」

引「昨日のあれで、バレたのかな」

男「白い何か、あれを人が動かしたとするならば、エクトプラズムの類」

男「ま、これも確証なんてなかったから、君が自爆した形になるのかな」

引「私の正体がわかって、何がしたいの? なんて聞く必要はないか」

男「当然、君には本体に戻ってもらいたいんだ」

引「私が本体かもよ?」

男「それは無いと思うんだけどね」

男「だってさ、それなら引き込もる意味が無いじゃないか」

引「はぁ、どうしよう」

男「君が出ていると、本体の生命力みたいな物が無くなっていくとか有り得るんだけど、どうなのかな?」

引「魂が、抜け出ているわけじゃないよ?」

男「魂の力で自分の外側に物理的に干渉する、そういうのがエクトプラズマじゃないか」

男「君は、少なくともそれに近い何かを起こせるんだから、やはり魂に近い何かを持った存在ではあるんだろう?」

引「よくわかるねー」

男「君の場合はその身体がエクトプラズマ、つまり霊魂の力で構築された物質のような何かだと考えているのだけれど」

男「どうかな?」

引「身体触られても、普通はわからないと思ったのになぁ」

男「君は魂の本体ではない、君は捻れて千切れた魂の一部」

男「心の一部、一部の感情がエネルギーを持って動き出した、違うかな?」

引「どうして、そう思うのかな?」

男「性格が本体とあからさまに違うこと、学校に行けなくなったはずの君が、学校と家の間をウロウロしていること」

男「そのあたりしかないけれど」

引「勘ってやつなの?」

男「有り得そうなパターンを、いくつか考えているだけだよ」

引「それで、私がそうだったとして、戻って欲しいと考えたんだ」

男「だってさ、君がいたら学校に行こうとは、外に出ようとは、人と仲良くしようとは、出来ない、思えないじゃないか」

引「別に、私は本体に従って動いているだけかもよ?」

男「それでも構わないよ、君でフラストレーションを解消している事実は変わらないから」

引「本体に、出て来て欲しいんだ」

男「うん、別に命を助けたい、という意味での助けたいでは無いからさ」

引「私を放っておいても、本体は死なないって思うの?」

男「君は、夕方には消えてるじゃないか」

男「それとも、消えるだけであって、毎日戻ってるわけでは、無いのかな?」

引「毎日戻っていたら、死なないのかな」

男「別にそんな保証は無いけれど、その感じだと戻ってないでしょ?」

男「戻ったら、記憶が戻ってしまうか」

男「もう君が出て来られなくなるのか、どっちかな?」

引「どちらも遠からずって感じかなー」

男「曖昧だね」

引「そんなもんでしょー」

男「それで、戻ってくれるのかな」

引「バレちゃったし潮時かなーってね」

男「ありがとう、助かるよ」

引「お礼を言われる筋合いは無いんだけどなー、どうにもやりにくいね」

男「僕としては、言葉が通じるなんてやりやすくて仕方ないけどね」

引「え?」

男「いやいや、こちらの話さ」

引「あ、でもでも、約束して欲しいことがあるんだけど」

男「大体わかってるから、言わなくて平気だよ?」

引「本当、やりにくいなー」

男「もう、消えられるのかな?」

引「消えようと思えばね」

引「じゃあ明日、私によろしくね」

男「わかった、任されたよ」

男「もう行ったから、出て来て大丈夫だよ」

女「盗み聞きなんて、趣味じゃないんだけどね」

男「ま、僕から聞くか、立ち聞きするかなんだから、こっちの方が楽でいいよ」

女「これで、解決したのかな」

男「どうだろう、家から出たい、社交的でありたい、変わりたい、友達を作りたい、学校に行きたい」

男「そんな感情は、エクトプラズムちゃんが持っていっていたと思うからさ」

女「変われるかも知れない、ってことでいいかな」

男「そんなとこだろう、いや、変われる可能性の方が高いかな」

男「エクトプラズムが変わっていたということは、そういうことだろうさ」

女「それと、エクトプラズマってよくわからないんだけど」

男「プラズマじゃなくて、プラズムなんだけど、それは名称だから説明はいいか」

男「エクトプラズムってのは、霊能者が霊を具現化したり視覚化する時に関与する半物質や、ある種のエネルギー状態のことなんだけど」

男「生霊が、具現化しているようなあの状態は、エクトプラズムと言うべきなのかなって話なんだよな」

女「結局、生霊なんだ」

男「身体から魂が抜け出た状態が生霊だから、間違ってないはずだけど」

男「霊能者のように、身体からその一部のみを吐き出した」

男「感情を吐き出した、いわゆる現実逃避で考えないようにしたかったんだろう」

男「運が良いのか悪いのか、彼女には霊能者としての才能があったんだろうね」

女「それで、エクトプラズムとして歩き回っていたの?」

男「おそらくは、だけどね」

男「生霊もさ、死にかけている場合ではない時もあって」

男「強い感情、主に恨みや怒りだけれど、それに依って相手に害を成したりするんだよ」

女「それも、エクトプラズムって呼べるの?」

男「どうなのかな、エクトプラズムが外国の言葉だから、そもそも意味合いが被っているだけ、なんだけれど」

男「生霊成分配合、エクトプラズム。って感じじゃないかな」

女「生霊でもよかったんじゃない?」

男「物理的な攻撃を受け止めたからね、具現化していて霊能力が使える生霊、でもいい気はするけど」

女「エクトプラズムの方が、短くて済むし、一言で表せるから?」

男「そんなところ」

女「明日って言ってたけど、会いに行くの?」

男「学校に行く時間に呼び鈴を鳴らしに行こうかな、学校に行こうとしているはずだから」

女「私たちと学校が違うけれど」

男「遅刻しない為には、僕たちが早く来るしかないね」

男「でも、ちょうどいいんじゃないかな」

女「何が?」

男「ほら、久しぶりに学校に行くのに、人が多い時間はちょっと、避けたいんじゃないかなってさ」

女「言われてみれば、確かにそうかも」

男「とりあえず僕は、明日の朝また来ます、と言いに行こうかな」

女「家の電話番号位はわかるから、後で私が連絡しておくよ」

男「そう、助かるよ」

女「じゃあ、また明日ね」

男「また、明日」

男「おはよう、やっぱり今日も久しぶり、でいいのかな」

引「お、おはようございます」

引「久しぶり、ですよね?」

女「おはよう、私は久しぶりじゃないね」

引「一昨日ぶりですね、おはようございます」

男「今日から学校に行く、のかな?」

引「はい、やっぱり頑張ってみようと思いまして」

女「本当に、大丈夫?」

引「新しい環境に、慣れることが出来なかっただけですので、お恥ずかしいことに」

男「友達が、うまく作れなかった、そんなところ?」

引「う、はい、そうです」

男「ま、君は才能あるみたいだから、大丈夫だよ」

引「才能、ですか?」

男「あー、そう、友達作りの才能が、だね」

引「でも、私は」

女「ほら、もう二人は友達出来たじゃない」

男「君が思っているよりも、世界は君に優しいよ」

引「ありがとうございます、その、もう大丈夫ですので」

男「そう? じゃあ僕たちは僕たちの学校に向かうけどさ」

男「何かあったら、いや、何もなくても連絡してくれよ」

女「私たちからも連絡するからね」

男「じゃあ、また今度」

女「また、今度会おうね」

引「はい、ありがとうございました」

引「また今度、お会いしましょう」

第21話




男「引きこもりなのに外を出歩いている?」





女「覚えていない、みたいだったね」

男「元に戻ったけど、記憶は夢として処理されたのかな」

男「普通に、忘れているのかも知れないけれど」

女「思い出すことは、無いのかな」

男「ずっと忘れていた方が、平和なのかも知れないね」

女「エクトプラズム、もう出て来ないといいのだけれど」

男「あれは、また出て来るんじゃないかな」

男「同じのではなくても、ふとした拍子に出て来ると思うよ」

女「やっぱり教えてあげた方が、いいんじゃない?」

男「エクトプラズムを出せることには、自覚があると思うけどね」

男「咄嗟に身体を守る為、手のかわりにエクトプラズムを出したんだからさ」

女「生身の肉体でも、それは同じってこと?」

男「おそらくは、だからこそ、馴染めなかったような気はするけど」

男「問い詰めるのも、よくない気がするし、どうしようか」

女「問い詰めて、自覚がなかったら私がオカルト趣味のイタい人になっちゃうもんね」

男「怪我するのを防ごうとしているから、エクトプラズムがダメージを受けたら良くないこともわかっているのだろうし」

男「黙っているのを、無理に話させるのもよくないか」

女「だね」

男「機会があったら、聞き出すこともあるかも知れないね」

女「そんな機会、無い方がいいんだけどね」

男「それじゃ、学校、行こうか」
女「うん」

今回の投下はここまでになります、お疲れ様でした

まだしばらく更新が滞ると思います、すみません
書けるようになったらガンガン書いていきたいですね、出来れば並行でもう1つ位

サンタさんの季節ですね
この時期になると

サンタクロースが男の子にサッカーボールと自転車を与えた。ところでその男の子は喜ばなかった。どうしてか。

このサイコパステストを思い出しますね

答は足がないから、別にこういうサイコパステスト、サイコパスじゃなくても読めばわかるのが多いですよね

深夜に読むと眠れなくなるようなやつもあって結構好きだったり


ではでは、皆様、よい夜を

また来ます

今日は来ました

23話のプロットもそろそろ書き終わるので何とかなりそうです

では、投下していきます

で、放課後に会いに来たっつーわけだ

約束を守って教室で待ってくれているなんて優しいねぇ

ここで逃げてくれていれば、その程度ってことなのかも知れねぇのに

逃げないってことは、そーゆーことなのか

こっちが人間だと思ってくれているのなら、いきなり攻撃されようが逃げ切れるとは思うが

俺は戦闘に向いてる方ではあるのかも知れない、物理的な攻撃で死ぬことがねぇからな

だが如何せん弱点がどうにもならない、バレたら一発で終わりだ

ハンパなバレ方なら殺せるから、戦闘向きというか殺し向きなのかもな

教室に俺ら以外は、いないな

盗み聞きなんてするやついないだろうし、そろそろ声かけるか

男「いきなり呼び出したりして、悪かったね」

同級生女「別に大丈夫だけど、どうしたの?」

男「いや、少し話したいことがあってね」

同女「話したいことって、わざわざ呼び出してするようなこと?」

男「そうだね、ちょっと他人がいるところは避けたかったから」

男「焦らしてもいいことがあるわけでも無いし、単刀直入に言わせて貰うよ」

男「お前、一体何者だ?」

同女「え」

男「誘導尋問とか、推理とか、やっぱりそーゆー性格じゃねーし、このキャラでいかせてもらうぜ」

同女「いきなりくだけたね」

男「初対面には丁寧にっつーだろ、まぁ初対面じゃねーが」

男「で、もう一度聞くぜ」

男「お前、一体何者だ?」

同女「ボクが何者か、って?」

男「そうだよ、お前は何なのかって聞いてんだ」

同女「面白い口説き文句だね」

男「口説いてるように聞こえたんなら、てめぇの頭が面白ぇよ」

同女「なら、どういう意味なの?」

バックレる気か、教室でいきなり殺しに来ると後々めんどくさいだろうから当然か

ま、バックられててもめんどくさいしな、変わらねぇよな

男「お前は一体何者かって聞いてんだよ、なぁ?」

男「わかりやすく言った方がいいか?」

男「お前、人間じゃねーだろ」

男「返事位したらどうだよ、ってあぁ」

同女「ガハッ、ゲホッ、ハァッ、いきなり、何で」

男「悪い悪い、首締め過ぎたか」

男「もう離してんだからいいじゃねーか」

男「で、答えてくんねぇのか?」

同女「はぁ、よくわかったね、君って霊媒師とかそーゆーのなの?」

男「いや、ふつーの高校生だぜ?」

同女「そう、なら才能あるのかな、バレたことなんてなかったはずなんだけど」

同女「片手で人の首掴んで持ち上げるって、普通なのかボクにはよくわからないけどさ」

男「いやいや、悪かったって、話してくれないと思ったからさ」

同女「脅そうって考えたの? ひどいなぁ」

同女「ボクはほとんど人間だよ、本当、よくわかったね」

男「ほとんど人間、なら残りは何なんだよ」

同女「吸血鬼って、流石に吸血鬼は知ってるか」

同女「ボクは吸血鬼混じりなんだ」

男「吸血鬼だ?」

同女「さっきも言ったけれど、ほとんど人間だけどね」

男「ふざけてんのか?」

同女「ボクは真面目なつもりだよ?」

男「吸血鬼、不死者の王って意味で使ってんだよな?」

同女「そうだけど」

男「生ける死者、ノスフェラトゥ」

男「そいつがどうやって人と混ざった、つーんだよ」

男「移植手術が出来るようなもんじゃねーんだぞ」

男「血の吸い方が半端だったから、とか、何だかんだで人間と子供出来たからとかで、ハーフバンパイアか?」

男「ふざけんなよ、有り得ねぇんだよ」

男「目を合わせるだけ、名前を呼ぶだけで人に害なすことが出来る化け物なんだよ、吸血鬼ってのは」

男「混ざらずに死んで終わるか見事に不死者の仲間入りを果たすかだろ」

男「安っぽいファンタジー持ち込んでんじゃねーぞ」

こっちは本物だ、とは言えないが

同女「ボクは別に、そんなんじゃないよ」

同女「昔から吸血鬼混ざりの家系だった、それだけ」

男「だからな、どうやったら混ざるんだよ、殺すぞ?」

同女「ボクはほとんど人間だから、吸血鬼混じりとかそういう理由で退治なんてされたくないくてさ」

同女「詳しく話す気は無かったんだけど」

男「退治なんて最初から目論んでねーよ」

様子見のつもりだったしな

同女「そう?」

男「そーだよ、そのつもりなら出会い頭に殺してんだろ」

同女「あー、そっか」

同女「じゃあさ、子育て幽霊って知ってる?」

男「子育て幽霊だと?」

同女「子育て幽霊って言うのは」

男「知ってるよ、女の幽霊が棺桶入ってた六文銭使って飴買って赤ん坊育てる話だろ?」

同女「大体は、そんな感じだけど」

男「で、その子育て幽霊がどうして吸血鬼なんかと関係あるんだ?」

同女「吸血鬼には関係無いかもだけど、ボクには関係あったりするよ?」

男「てめぇにか?」

同女「正しくはボクのご先祖様なんだけどさ」

同女「子育て幽霊って、伝承というか説話というかやっぱり創作なわけじゃない?」

男「そうかもなぁ」

同女「でも、全部が創作であるというわけでもないかも知れないじゃない?」

男「元ネタとなる実話が存在するパターンか」

同女「そう、それで」

男「子育て幽霊に元ネタとなる実話がある、と言いてぇんだな」

同女「うん、それがボクのご先祖様と同じ様な感じなんだ」

男「子育て幽霊と同じ様な、つまり墓場で生まれたってことか?」

同女「そう」

男「吸血鬼とは何にも関係無いと思うんだが」

同女「丸っきり同じというわけではないんだけどね」

同女「死んで幽霊になっても赤ん坊を育てようとした母親」

同女「彼女の死因が、吸血鬼に襲われた、だったとしたら?」

男「吸血鬼に襲われて死んだら?」

同女「うん」

男「んなの決まってんだろ、そのまま死ぬか、吸血鬼として蘇るかだろ」

男「だからそいつは、不死者に、生ける死者に、吸血鬼に、成ったんじゃねーのか?」

同女「吸血鬼に殺されてから、吸血鬼に成るまでってどれ位かかるのかな?」

男「あ? んな瞬時に変わったり分単位程度で変わるわきゃねーだろ」

男「よくて3日、長けりゃ何週間とかかかっちまうんじゃねーの、知らねーけどさ」

同女「さっきからよく知ってるよね、やっぱり専門家とかなの?」

男「そーゆーやつなんだ、気にすんな」

同女「まぁ、好きな人ならこれ位は調べる、かな?」

まぁ、俺自身が人間じゃねーからな

ある程度は知ってて当然だ

当然、全知というわけじゃねーから偉くも何ともないが

同女「でさ、子育て幽霊に話は戻るんだけどさ」

男「吸血鬼に殺されて、埋葬されて、赤ん坊生まれたって話になんのか?」

同女「そうそう、だから吸血鬼混じりの人間になったんだよ」

男「だからさぁ、どーしてそんなんで混ざるんだよ」

男「吸血鬼に殺されて普通に埋葬された、これはいい、問題は無い」

男「墓の中で赤ん坊が生まれた、だから混じり、ここが変だろ」

同女「ねぇ、男くん」

男「なんだよ」

同女「棺内分娩って、知ってる?」

男「棺内分娩、死後分娩」

男「成る程、そうか、それなら」

同女「だから言ってるじゃない、吸血鬼混じりなんだって」

今日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

次回も1週間程度で投下しようと思います


ではでは、また今度

今日は来ました

では、投下していきます

男「つまりだ、話はこういうことか」

男「吸血鬼に殺された妊婦がいた」

男「で、その妊婦は死んだから埋葬された、時代的に土葬だったんだろうな」

同女「うん」

男「埋めた程度では吸血鬼に成るのは止められるわけねぇ」

男「だが、不死者も最初は肉塊みてぇなやつだろ、人間の形になるのは時間が必要だったはずだ」

同女「よく知ってるね」

男「つまり、吸血鬼に殺された死体も普通に腐っていくっつーことなんじゃねーのか?」

同女「どうだろう。少なくともぐずぐずにはなるのかな」

男「母体が急死ならば、ガキは死んでない可能性もある」

男「吸血鬼に襲われて、急死したのならば」

男「ガキは死んでいない場合もあるってわけだ」

男「また、何らかの要因で死体の保存状態が良く、急速に腐敗も進めば胎児は腐敗して出来たガスにより生まれることがある」

男「こっちはそのまま死後分娩っつー言葉があるが」

男「死後分娩が棺内で、埋葬されてから起こることを棺内分娩だったか」

男「ここで話は元に戻る、なぜ吸血鬼が人に混ざったか」

男「答えは、母体が吸血鬼に成り切る前に生まれてしまったから」

男「母体にくっついていたガキは吸血鬼に成り切る前に、母体から出てしまった」

男「普通なら混ざらないはずの血が混ざってしまった、それが吸血鬼混ざり」

男「違うか?」

同女「よくわかったね、棺内分娩知ってたんだ」

男「成る程確かに面白いな、面白れぇよ、理屈は通ってる」

同女「含みのある言い方だね」

男「だが、理屈が通ったからと言って、てめぇがそれである証拠にはならないよなぁ」

同女「あ、本当だ」

男「お前が人間じゃねえっつう証拠も無いわけだ」

首締め上げられ。首で体重支えてたにも関わらず、問題無いっつーのはどうなんだ?

俺なら怪我にもならない程度だし、むろん吸血鬼ならば治るからどうってこと無いが

普通の人間は怪我するのか?

案外、普通の人間も大丈夫なのか?

いや、それよりも片手で人一人持ち上げた俺の方が疑われて然るべきか

こっちも案外、問題無いのかね

同女「ボクが人間で無い証拠、証拠ねぇ」

同女「ボクはほとんど人間だからさぁ、どうしたって人間なんだよ」

男「ハッ、化け物が1%でも混ざってたら人間を軽々越えると思うがな」

同女「そんなこと言われてもなぁ、ボクはどうしたって人間だから」

男「そーかよ、ま、ほとんど人間だというとこは否定はしねえさ」

反抗もして来ないしな

この程度なら、最初から噛み付かずに無視しとけばよかったか

裏目に出た

俺もツイてねぇ

同女「でもそうだね、強いて証拠として何か言うのなら、これかな」

男「あ?」

同女「言いたくは無いんだけど、言わないと怒りそうだし、言っても怒るだろうけど」

男「怒んねぇから言ってみろ」

同女「あなた、人間じゃないよね?」

男「は? 何言ってんだてめぇ」

おいおい、聞いてねーぞ

こいつ、わかるのかよ

わかった上で、話してたのか

これは、ヤバい

同女「ボクはほとんど人間だけど、少しは人間じゃないからね」

同女「似たようなのはわかるし、人間の探知位は出来るんだ」

男「面白いこと言うじゃねーか」

だが、こいつは弱いか、制限があるな

絶えず探知してられるのであれば、俺の入れ替わりが終わる前に妨害されてもおかしくはねぇ

が、してこなかったから俺は今ここにいる

つまり、俺の正体がわからない程度か、絶えず探知をしてはいられないか

もしくはわかっても俺の対処法を知らない、尚且つ俺に勝てないと判断したか

絶えず探知が出来ない、のパターンだと、下手すりゃ今すぐにでも俺が消されちまうからどうしようもねぇが

同女「あなたと同じように、私にもあなたが何かはわからないけど」

同女「それでもあなたが人間で無いこと位、ボクにはわかるよ」

男「ほー、で、だとしたら何なんだよ」

同女「人間でないあなたが、ボクの正体を気にする理由がわからないからさ」

同女「だって、仲間を見つけたいとかなら、自分から言うでしょ?」

同女「でも、ボクには隠していた」

同女「何の理由があって、ボクの正体が知りたいのかな?」

男「おいおい、ピリピリした雰囲気を演出してんじゃねーよ」

男「そーゆー目的で、俺はてめぇに近付いたわけじゃねーんだ」

同女「そうなの?」

男「なーんか人間じゃなさそうな奴がいる、だが、何かまではわからねぇ」

男「日常生活において、それを放置したままにしておくのは嫌だろ?」

男「平和に生きたいだけさ、てめぇは違うのか?」

同女「ボクもそうだよ、人間として生きていくつもりだし」

同女「自分から無駄には、関わらないようにしているよ」

男「そうかい、ならいいや」

男「俺はお前が何なのか、それが気になっただけだからな」

男「とりあえず、吸血鬼混ざりってのを信じてやるよ」

男「むやみやたらに危害を加えるようなやつでも、無さそうだしな」

男「それと、今日はいきなり呼び出して悪かったな」

男「じゃ、また」

同女「待って」

男「何だよ」

同女「あなたが何なのかを、聞いていないんだけど」

男「だーから言ってんじゃねーか」

男「俺は普通の男子高校生、それだけだ」

同女「ふーん、まぁ、危害を加えて来ない限りは信じておいてあげるね」

男「そりゃ助かる、ずっと信じておいてくれ」

男「ちなみに、普段はこういうキャラじゃねーから、そこら辺よろしく頼むわ」

同女「ボクを呼び出しに来た時が、普段のキャラ?」

男「そうだぜ、んじゃ、色々と悪かったな」

男「じゃあな」

同女「じゃあね」

吸血鬼混ざりねぇ

いると思っちゃなかったから面喰らったが、あれじゃ吸血鬼なのか別の何かなのかわからねぇなぁ

普段から生徒やってるみたいだし、危害は加えて来ないだろ

気になるのは制約というか、どの程度吸血鬼なのか、だな

近付いたからとか、教室に二人だけだったからでは無くて

時間経過と共に、人間じゃない雰囲気が強くなっていた

俺の攻撃、っつっても片手で首締めただけだが

それに反応して人外さが増したか?

生理的な反応、なら混ざってるんだしありえるか

で、吸血鬼に少し近付いたから俺が人間じゃねーのに気付いた

一応、問題は無いか

或いは純粋な時間経過、夕方、逢魔ヶ時だから化け物の力が増したか

こちらも生理的反応として有り得るのかも知んねぇな

吸血鬼だとすると日中は出歩けねぇだろうし、日が沈むまでは人間でいるのは利に適っている

後は、自分の意思で吸血鬼と人間の割合を変えられる場合か

それだとどうにもならないな

敵対するつもりで、危害を与えるつもりならそうそう勝てねぇ

ま、対策さえすれば吸血鬼は馬鹿みたいに強いが所詮は化け物止まりで神様の類じゃない

やりようはあるんだが

吸血鬼対策って、金かかるんだよなぁ

十字架とか大蒜とか所謂魔避けアイテムは魔を象徴している吸血鬼に効果はあるんだが

別に死ぬわけじゃないし弱点と言っても、苦手なだけだからなぁ

元々苦手なだけだから、人間混ざっちゃ効果ほとんど無いんじゃねーか?

銀とか杭なら倒せる気がするな、こっちは心臓ぶち抜くから

銀のナイフとかが使いやすそうだが、安くはねぇよなぁ

それに金意外の問題として、身体能力的に勝てないといけないってのがある

俺が勝てる程度なら放置しても問題は無いし、勝てないなら放置するしかない

結局、俺からはこれ以上何も出来ないな

どうにも相手の正体が不明瞭なままだし

別に、あっちから手を出して来る気はなさそうだから

戦闘狂なわけじゃねーし、ここで引くのが一番だろ

悪巧みとか暗躍だとか、そーゆーことしてんなら場合によっては殺しに行く必要があるんだろうが

ま、あんな簡単に喋るようなやつがそういう類のことはしないだろ

むしろあれは、お人よしの類な匂いがするな

お人よしだから、俺は嫌われちまっただろうが

人間じゃねーなからな、お人よしが好きなのは人間だけだ

しっかし、結果だけ見りゃ骨折り損かよ

邪推して空回りしただけか

柄にも無いことするからだな

いくら自分の為とは言え、俺が俺として女守る為に動くなんて

しばらくは、あの吸血鬼混ざりを観察しとく必要もありそうだし

追跡したりして監視するとバレちまうから、学校内で自然に観察する程度で止めるしかねぇが

なんで、普通に生きるだけでこんなに気を張らねぇといけないんだよ


本当、めんどくせぇなぁ

第22話




男「どうして俺がこんなことを」




今日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

この後2話に繋がり、ドッペルくんは努力のかい虚しく女さんに正体を暴かれます

そんな感じで22話終了です

新スレ入ったのでここ数話はキャラを増やしてみました

以降の話で出番があると思います、思い付いた時になりますが

こんなゆっくり更新にお付き合い頂き、ありがとうございます

ではでは、また今度

今日は来ました

昨日は落ちてましたねー

前スレは専ブラじゃなくて普通のブラウザでURL踏むとdatとhtmlの誘導ページに行きますのでそこからよろしくお願いします

では、投下していきます

初女「近頃、何だかね」

男「どうしたの?」

初女「さしたることではないんだけれど」

男「うん」

初女「誰かに、見られてる気がするの」

男「さしたることだよ」

男「というか、やっぱり君、他人から見えるんだね」

初女「私は基本的に、ただの地縛霊だもの」

男「ここの生徒全員、君を見れるのかな?」

初女「どうだろう、霊感とかそういうのがあれば見れるだろうし、後は」

初女「私の噂話を知っていれば、見れるのかも知れないね」

男「やっぱり、そうなるんだな」

初女「噂話が本体みたいな私は、そうなっちゃうねー」

男「知らなければ出会わない、というパターンは多いけどさ」

初女「じゃあ、何も知らない方がいいじゃん」

男「という風にはならないんだよね」

初女「知らなくても出会っちゃう時は出会っちゃうから」

男「事故に遭うってやつだ」

男「事故、支障をきたす、差し障る、障る、病、憑き物」

男「事故に遭うってのは、こんな風にそういうのと繋がってはいるし」

初女「昔は病気の原因だと思われてたもんね」

男「科学が進んだ現代は、そういう考え方なんかしないから、出会わない人がほとんど、だと思うけどね」

男「知らなくても、死ぬ時は死ぬ、殺される時は殺されるんだ」

初女「そうだよね」

男「でも、君は別に人をどうこうする類では無いから見られても実害は無い、のかな」

男「もちろん、変な噂が立たないように見られない方がいいとは思うけど」

初女「私は一応、人目につかないように気をつけているんだよ?」

男「僕たちと話す時も、屋上の入口の影になるような場所にいるもんね」

初女「ここなら一応、周りから見られないはずなんだけど」

男「ここに直接来ない限りは、相手が空を飛びでもしない限りは大丈夫だろうね」

初女「でもね、なぜかここにピンポイントでやってくる子がいるの」

男「君がいることに気付かれている、と」

男「見られてる、ではなくているのがバレているのかな」

男「で、誰だったの?」

初女「ちゃんと見られないように逃げてるから、誰かまではわからないなぁ」

男「逃げてるって、何回か来てるの?」

初女「そうそう、だから近頃って言ったんだよ」

男「そもそも、君自体が近頃現れるようになったんだけどね」

女「私の幽霊が現れるようになったのは、つい先週のことだから、そもそも近頃以外起こらないはずだね」

男「数日前、と言っても間違いでは無い位だ」

初女「幽霊ってひどいなぁ、正しいけど」

女「正しいんじゃない」

初女「そうなんだけど、うーん、やっぱり、自分と話すって慣れないねぇ」

女「何だか話し難いんだよね、だから基本的にそっちと男くんが話している時は、黙っているんだけど」

男「やっぱり、中途半端に同一人物だから話し難いとかあるんだ」

女「何が言いたいかわかるようで、わからないんだよ」

初女「私の時間は止まってるからねー」

女「昔の私を見ている、というのともまた違ってさ」

初女「違和感がある、といった感じかな」

女「違和感もあるけど、やっぱり」

初女「死んだ私と話すのは、気まずい?」

女「あー、まぁ、ねぇ?」

初女「どっちも私なんだから、それでも、気にしないってのは無理だと思うけど」

女「私がそっちだった可能性もあるから、いや、そっちも私自身なのだから、気にしないわけにはいかないよ」

初女「どちらも私だから、どっちが、ということは無い気もするけどね」

女「男くん、私と幽霊な私はやっぱり、気まずいというか、距離があるの」

男「何となくはわかってたけどね、一人で会いに行っている素振りもなかったし」

初女「私と二人っきりは、一度位ちゃんと話して見るのはいいかも知れないけど、って感じかな」

女「お互いに、あんまり直視はしたくないというかね」

男「そういうもの、なのかも知れないけれど、別に今はそれを解決するつもりでは無いしさ」

初女「いつか、どうにかするつもりはあったの?」

男「あー、いや、それは君達というか、君自身の問題だし、解決する必要性があるかと言ったら微妙じゃないかなって」

女「自分と仲良くするかどうか、だもんね」

初女「自分の片割れに同情、なんて出来ないし、されたくもないから」

初女「私は、このままでいいと思うし、こんなものだと思うよ」

初女「生きている私は、確かに私だけど、止まってしまった私とは別だから」

初女「もう動かない私とは、距離は出来てしまうよ」

男「そう、なんだよな」

初女「男くんが気にしない、のは無理かも知れないけれど」

男「僕はどちらが誰かなんて気にしないよ、どちらも君だ、だから僕は」

初女「そういう風に、責任を感じて欲しくないの」

男「それは」

初女「これは、私達、いや、私と男くんの問題だね」

男「うん」

初女「これは、いつか解決するの?」

男「どうだろう、僕には無理かも知れないけれど」

初女「お互いに、急がなくてもいいんじゃないかな、ゆっくりいこうよ」

男「あぁ、そうしようか」

男「どうにも、君が安定している保障もないしね、まだ状況は変わることもあるかも知れない」

初女「それがあったらめんどくさいねー」

男「いや、面倒臭いも何も、君自身の存在に関わる問題の話だけれど」

初女「いつも通り、起こってから考えようよ」

男「出来れば起こる前に行動したいんだけどね」

男「どうにも、いつも起こってからの行動になってしまっているんだよな」

男「でも、今はまたやはり、いつも通りに受け身になっている気はするけれど」

男「君を感知している、誰かの話だ」

初女「来るのなら、そろそろかな」

男「放課後、すぐに来るわけではないんだ」

初女「そうだね、毎回ちょっと遅めに来るかも」

男「君は別に人間とかを感知出来るわけじゃないんだよね?」

初女「そうそう、だから階段を上って来る音聞いたら隠れてるの」

男「消えるでは無くて、隠れるなんだ」

初女「透明になって見えなくなると言っても、見える人には見えちゃうだろうからね」

初女「だから、見えにくくなって、壁の中に入ってやり過ごしてるの」

男「あ、壁を通り抜けられるんだ」

初女「これでも幽霊だからね」

男「壁の中なら透視でもされない限り発見されないから、悪くはない隠れ方なのかな」

初女「私が入ってる壁の前をうろうろしてる音は聞こえるから、多分いるのは気付かれているけど」

男「お互いに、目視出来てないのか」

初女「そのはず、少なくとも、私からは見てないよ」

男「あ、誰かが上がって来てるね、例の人かな」

初女「かもね、じゃ、私は壁の中にいるからよろしく」

男「わかった」





同女「あ、君がいたんだ」

同女「あれ、君、じゃなくて男くん?」

男「いや、僕は僕だけれども」

男「しかし、君だったのか、うん、この子なら大丈夫だと思うよ」

同女「あのさ、男くん?」

男「うん、久しぶり、という程ではないけれど、あれ以来だね」

同女「いきなりこんなこと言うのは、ちょっと憚れるんだけどさ」

同女「実は近頃、ここら辺に」

第23話




同女「何か、幽霊がいるみたいなの」 初女「あ、私のこと?」





本日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

今度こそ一週間以内に投下を…!

ではでは、また来ますね

今日は来ました

とりあえず何時ものように5レス、2500文字程度ですが
雑談パートは書きやすくて仕上がるのが早い、気がしますね!


では、投下していきます

男「君以外に幽霊がいる、ということが無ければ、これは当然君のことなのだろうさ」

初女「私は他の幽霊に会ったことは無いかな」

男「じゃあ君だね」

初女「だね」

同女「ちょ、ちょっと待って、この幽霊と知り合いなの?」

男「知り合いで、嘘にはならないかな」

男「ま、君達双方このままじゃ話にならないだろうし」

男「僕は両方共、何なのか、を知っているから」

男「僕がお互い、紹介してあげるよ」

初女「わかった」

女「あれ、私のことも話すの?」

男「話すしか無いんじゃないかな」

男「いや、ここで無視して僕らは帰る、ということも出来なくは無いのだろうけどさ」

男「僕は、君のことが知りたいんだよ」

同女「ボクの、こと?」

男「そう警戒しなくていいよ、この前の僕は僕ではなかったから」

男「そこら辺の事情も、全て説明するさ」

男「ただし条件を出したい、君のことを詳しく、正しく、話してくれるならば、という条件を」

男「というかさ、君、必要以上には首を突っ込まないんじゃなかったの?」

男「これは必要だった、調べていただけ、ということにしてもいいけれど」

男「だが、やはり、問題なのは」

男「君、本当に、ほとんど人間なのか?」

男「ここら辺、教えて欲しいかなってね」

同女「君こそ、今は人間だよね、どうして?」

男「そっちが教えてくれるなら、話すと言ったはずだよ」

同女「正直ボクは君達、というか男くんを信用出来ないけどさ」

同女「この状況では仕方ないかな、大人しく話すよ」

男「いや、僕達は別に三人で君を囲んでるつもりでは、無いんだけれど」

男「触り位は僕が話すよ」

男「まず、この子はほとんど人間だ」

男「が、吸血鬼混ざりである」

初女「吸血鬼だから、私のことがわかったのかな?」

男「問題はそこだ」

男「確かに、吸血鬼混ざりな為に、人じゃないモノを感知出来るらしい」

男「だが、吸血鬼混ざりであることと同時に、ほとんど人間だ、と言っていた」

男「ほとんど人間だが、感知は出来る?」

男「少なくとも、昼間は出来ていないように僕は感じた」

男「おそらく、時間経過で夕方、日の入りを境とし、君の吸血鬼度合いは上がるのだろう」

男「君は確かにほとんど人間なのかも知れない、ただしそれは昼間、太陽が姿を見せている間だけだ」

男「違うかな?」

同女「相変わらず、良く知っているね、合ってるよ」

男「知っているわけでは無く、推理なんだけどね」

男「夜になると、どの位、吸血鬼になるのかな?」

同女「人間を吸血鬼にすることは出来ない程度の吸血鬼、でいいかな?」

男「分かりにくいけれど、人間をやめてはいない、という程度なのかな」

同女「その認識でいいよ、それよりボクは聞きたいことが」

男「この前の僕、いや、俺はなんだったか、でしょ?」

同女「そうそう」

男「僕が秘密にする必要はそこまでないからね、別に出し惜しみはしないよ」

男「あれは、僕のドッペルゲンガーだ」

同女「ドッペルゲンガー?」

男「そう、それに僕がちょうど入れ替わられていてね、その時に君に会いに行っていたね」

男「もちろん、意図的に入れ替わることは出来ないし、あれは僕が被害に遭っていた形になるんだよ」

男「もう、解決したから今後入れ替わることは無いはずだけど」

男「いきなり、ドッペルゲンガーだった、とか言われても信じられないとは思うけれど」

同女「いや、人間じゃなかったからボクのことがわかった、というところまではいいんだよ?」

同女「なんでさ、その上でボクに絡んできたの?」

男「入れ替わっていた時の記憶もあるから、どういう意図で君に接触を計ったのかは、理解出来るよ」

男「そこを説明すると、少し長くなるし、この幽霊とかの話もしないといけなくなるんだけど」

同女「大丈夫だよ、お願い」

男「その前にさ、君は人間として生きたい、だから危ない物を排除しようとしている、でいいのかな」

同女「基本的には気付いても無視するけどね、流石に自分の通う学校によくわからないのがいるのは困るから」

男「ここ、幽霊以外にもいるよね、妖怪とか神様とか色々と」

同女「だからボクは基本的に人間だからね、あんまりそういうのわからないんだよ」

同女「そもそもここ、神様がいるせいで全体的に変な匂いするし」

男「あ、匂いがするんだ」

同女「第六感だから、伝えられないでしょ?」

男「確かに」

同女「それにボクがわかるのは基本的に、人間だからどうにもそれ以外の区別はよくわからないんだよ」

男「その割に、幽霊がいることには気付いてたみたいだけど」

同女「元々は人間だとか、目立つようなやつは結構わかるかな」

同女「逆に、人間の形をしていない道具系だったり、隠れていたり、弱っていたり、近付かないと現れないような場所に固定されてるやつはあまりわからないかな」

同女「それでも、夜中になればある程度わかると思うけど、夜中にはここにいないからさ」

男「つまり、夕方になったので幽霊がいることがわかった、今までいなかったやつだから様子を見に行こう、という感じなの?」

同女「そうそう」

男「つまりだ、君は夕方になれば幽霊程度に殺される程弱くはない、ということだよな」

同女「あー、あはは、ドッペルゲンガーだった時よりも鋭いんじゃない?」

男「いやいや、ドッペルゲンガーの時の会話も覚えているからこその、この推理さ」

男「少なくとも幽霊程度ならば攻撃されても耐えられるか、避けられる、そして倒せる或いは逃げられる力がある、ということか」

同女「回復力もあるし、身体能力的に逃げ切れるだろうというただの推測だよ」

同女「それに」

男「ある程度以上の攻撃、死の危険を感じる攻撃を喰らうと吸血鬼の度合いが増すから、違う?」

同女「その通りだけどさ、その通り過ぎだよ」

同女「本当、よくわかるね、その打算があるから、ボクはよくわからないのにとりあえずで接触しているの」

男「君の行動は素直過ぎるよ、大丈夫だから、自分にはこの奥の手があるから」

男「そういう意思が丸見えだ、残念ながら」

男「もっとも、普通の人は君が吸血鬼混ざりだなんて知らないし、教えても信じないだろうけど」

同女「今度から気をつけるよ」

男「そうだ、君はどれ位まで、吸血鬼に成れるのかな」

同女「多分だけど、深夜でも、半分までが限界かな」

男「十分だとは思うけどね、相当強いんじゃないのかな、それ」

同女「朝になって人間に戻れるかもわからないから、そんなの試す気は無いよ」

同女「家族はみんなボクなんかよりもずっと、ほとんど人間でね」

同女「ボクだけ先祖返りって言うのかな、やけに人間じゃないんだよ」

男「だから、吸血鬼としての力とか能力だとかの使い方がほとんどわかってないんだ」

男「教えてくれる人がいなかったから、わからないんだな」

同女「そうなるね」

男「ま、家族まで、みんな君みたいなのではないのがわかったからいいかな」

男「君自体が危険なわけではなさそうだし、そこら辺の心配は要らなそうだ」

男「通学路とかでも、こういうことしてるの?」

同女「してないかな、というかそんな良く出会うわけないでしょ」

同女「昔ならまだしも、現代だよ? そんなにいるわけないじゃない」

男「あー、やっぱり、そんなにいないんだ」

同女「いない、いない、神社とか名のある怪談スポットならまだしも歩いて出会うようなことはないって」

同女「もしかしたら、あっちの方から私を、吸血鬼を避けているのかも知れないけど」

男「君のその、探知範囲ってさ、もしかして、あんまり広くない?」

同女「うん、昼間は探知不可能だし、夕方とか日没直後だと数メートルしかわからないよ」

男「あんまり、役に立たないんだな」

同女「言わないでよ」

今日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

>>241で \ 私 で す / のAA貼ろうと思ってたの忘れてた…失敗した…

まだまだ続くよ雑談パート、次も1週間以内に来たいのですがちょっと厳しいかも知れません

ではでは、また来ますね

まだっかなー?


        / ̄ ̄ ̄\
        /        \
     /   ─   ─  ヽ
      |   (●)  (●)  |
     \   (__人__) __,/
     /   ` ⌒´   \

   _/((┃))______i | キュッキュッ
.. / /ヽ,,⌒)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(,,ノ \
/  /_________ヽ..  \
. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

         ____
        /⌒   ー \
       / (●)  (●) \  +
     / :::::⌒(__人__)⌒:::::ヽ
      |     |r┬-|    |  +
.      \_   `ー'´   _,/
      /            \     +
      | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |  トン
   _(,,)  早く続きを    (,,)_
  /  |  お願いします  |  \
/    |_________|   \

今日は来ました

受験も無事終わりました、どうやら大学生に今年はなれるようです
浪人なのにSS書き始めた馬鹿でした、ごめんなさい

溜めていたマンガやラノベ140冊ちょいの消化が思ったより大変だったり、色々買い物だったり手続きだったりで意外にSS書く暇が…
とりあえず早く読まないと…

では、投下していきます

男「さて、こっちの説明はとりあえずはこんなところにしておこうか」

男「この子は吸血鬼混ざりだ、というとこまではいいかな」

初女「うん、問題ないよ」

男「じゃあ、僕達の方の説明をしようか」

男「まず、この幽霊と」

初女「私だね」

男「こっちの女は」

女「私だよ」

男「同一人物だ」

同女「え? どういうこと?」

男「こっちは色々とややこしくてね、どこから説明したものか」

男「とりあえず、自己紹介頼むよ」

女「私の?」

男「そう、いつもの名前でよろしくね」

女「わかったよ」

女「私の名前、分かるかな?」

同女「女、だったよね?」

女「うん、あってるよ、あってるんだけれど」

女「私の本名、真名って訳でもないんだろうけれど」

女「昔の名前、一番馴染みのある名前って言えばいいのかな」

女「それはね、初女、って名前なの」

同女「初女、さん?」

男「どうかな、思い出したと思うのだけれど」

同女「え、どうして、忘れて、いや、あれ?」

男「記憶が混ざったのかな」

男「でも、思い出したよね?」

男「ちなみに、この幽霊は」

同女「初女さん、だよね?」

初女「うん、あってるよ」

同女「忘れてたつもりは無かったんだけど、何でだろう、ごめんね?」

初女「謝らなくていいよ、覚えていた方が怖いし」

男「そういうルールだからねぇ」

男「しばらくは忘れないでいられると思うよ、僕達といる間だけだろうけど」

同女「どういうこと? 記憶の操作が出来る幽霊ってこと?」

男「そんな簡単な話なら良かったんだけどね、いや間違いとは言い切れないのかな」

女「私は、生きているけどね」

男「それでも簡単に言うのならば、この女という人間は幽霊である初女と同一人物である」

男「と言ったところかな」

同女「幽霊と、どうして同一人物になるの?」

男「そこら辺は、僕達のルールを説明しないといけないね」

男「僕と女にはルールが存在する」

男「もちろんこれは規則ではなく、決まり事のようなものだ」

男「例えば、君は吸血鬼混ざりであることのように」

同女「そっちも普通じゃないってこと? ボクにはただの人間だとしか感じないけど」

男「僕たちのルールの重要なとこから説明しようか」

男「僕が死ぬような目に遭うと、代わりに女が死ぬ」

男「そして、女は翌日死ななかったこととなり現れる」

男「こんな感じ、わからないよね?」

同女「うん、よくわからないね」

男「具体的に説明するよ」

男「君が銃で僕を撃ったとしよう」

男「間違いなく、それは僕を殺すはずだった」

男「ここまではいいよね?」

同女「うん」

男「しかし、その弾は僕に当たることはない」

男「その弾は僕ではなくて、女を撃ち殺したことになる、実際に撃たれるのは女になってしまう」

同女「ことになる?」

男「そう、僕がダメージを受けてから、そのダメージを肩代わりしたり」

男「僕に当たるはずだった攻撃の軌道を変えて、女に当たるようにするのではなくて」

男「僕ではなく女がいたことになってしまうんだ」

男「僕が死ぬようなダメージを受ける寸前、瞬間に」

男「そのタイミングで僕と女の位置が入れ替わるってことなんだけれど、ここまでは難しくないから次へ行くよ」

同女「うん」

男「問題は、女が死んでからなんだ」

男「女が存在した事実は、僕と女以外は誰も覚えていられない」

男「そして女は別の姿で、別の名前で、別人として、だけど女とほとんど同じ歴史を歩んできたこととなって、現れる」

男「同じで無い所は、死ななかったことになっている、ということ位で、自分の記憶だけでなく、他人からの記憶も、人間関係も引き継いで現れるんだよ」

男「わかってくれたかな?」

同女「何となくは、だけどね」

同女「つまり、女さんのたち位置、役回りっていうのかな? そう言うのも引き継ぐんだよね?」

男「その通り」

同女「つまり、擬似的な復活だよね?」

男「そうなるかもね、如何せん特殊なルールが多いけどさ」

男「で、初女はその幽霊なんだよ」

男「忘れられても、意識出来なくなっていても、存在した事実は変わらないから」

同女「幽霊の方と、女さんの方はわかったよ」

男「ドッペルゲンガーの方の説明をすればいいのかな」

同女「よろしく」

男「まず、彼、ドッペルゲンガーは自らの正体がバレてはいけないんだ」

同女「そうなんだ」

男「簡単に言うと、ドッペルゲンガーは正体がバレたら消滅しちゃうんだよ」

同女「ボクと話してる時に正体を明かそうとしなかった理由はそれかな?」

男「そうだろうね」

同女「じゃあ、ボクの正体を知りたかった理由は何なの?」

男「彼は、もちろん自分の為の行動をしただけなのだけれど」

男「彼の行動は、結果だけ見れば」

男「女を守りたい、それだけだったんだ」

女「私?」

男「そう、君ださ、あの頃のドッペルゲンガーは僕なのに君と別行動することが多かったろ?」

女「多かったね」

同女「サラッと惚気るね」

男「ドッペルゲンガーは所詮は偽物だからさ、僕たちのルールの例外にはならないんだよ」

男「女が死んだことを、認識出来ないんだ」

男「僕の記憶を引き継いだからルールは知っている、だがこれからルールが適用された場合、僕のはずなのに女の死を覚えていられなくなる」

男「だから女を守ろうとした、女が死んで、そこからボロが出てバレては困るから」

女「私のことを、覚えていられなかったら不審を抱かれる可能性があるもんね」

男「最初の数回は誤魔化せる気はするけれど、君が死なないに越したことはないからね」

男「それで、自分の正体がバレないように気を使いながら、女に及ぶかも知れない危険を排除しに行ったんだ」

女「だから、私をおいてったんだね」

同女「女さんを置いていく程の危険が、ボクだったということかな」

男「そうなるかな、どうやら君が人間では無さそうということ位しかわかっていなかったようだけれど」

男「僕なのに君が人間っぽくないことを認識出来るわけがない、という理由もあるはずだけど」

同女「自分のことは何も言わない割に、ボクのことは聞いてきてたのは、ボクが危険かを判断する為?」

男「そうなのだろうけれど、まさか吸血鬼混ざりだとは思ってなかったね」

同女「吸血鬼混ざりの存在を、信じてなかったもんね」

男「混ざるとは思わなかったのだろうさ」

男「そもそもに、君のことは何かが人間に化けていると考えていたみたいだし」

同女「そうなんだ」

男「君がほとんど人間だからだね、少しだけ人間っぽくない雰囲気を感じたんだろう」

同女「ありがと、大体わかったよ」

男「こちらこそ、君のことは気になっていたからさ」

男「僕ではなかったとは言えあんなことしたから、僕からは声が掛けにくくて」

同女「そうだ、もう少し聞いてもいい?」

男「何かな」

同女「どうしてあなた達のルールは出来て、動き出したのかな」

同女「それと、どうして別人とは言え、生きているのに幽霊になったの?」

男「それは、答えないとダメかな?」

同女「無理には聞かないよ」

男「そう、助かるよ」

今日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

週1投下を早く週2投下程度にはしたいのですが…しばらくは忙しい気が、引っ越しとかありますし

ゆっくり更新で申し訳ありません

ではでは、また来ますね

キテタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!

今日は来ました

皆様ありがとうございます、SS書いてたら大学落ちた、にならなくてよかったです

二スレ目ですが、始めての方もいるのですねー

では、投下していきます

男「君の用事は、これでもう済んだかな」

同女「その幽霊が初女さんだってわかったからね、危険は無いのかな」

初女「あったら、どうするの?」

同女「どうしよう、困っちゃうね」

男「思わせぶりなこと言っても、君はせいぜい人に触れるのが限界じゃないか」

初女「触れらるなら、害なすことなんて簡単じゃない」

男「それ、生きてる人間とさして変わらないじゃないか」

初女「ま、そうなんだけどね、ごめんごめん、冗談だよ」

同女「冗談なら、別にいいんだけど」

男「僕としてはどうやって君がそういうのとやり合うのか、興味津々だったりはするけれど」

男「実際のところ、彼女は無害だよ」

男「それでも、彼女に何かしてくるようであれば、邪魔させてもらうよ」

同女「ただの人間に、何が出来るのかな?」

男「君はほとんど人間だろ、女が男に簡単に勝てるとでも思ったか?」

同女「試してみる?」

男「いやいや、だからそういう雰囲気のことはしないんだって」

同女「ま、何もないに越したことはないよね」

男「現実的な話、戦闘とかになったら君はどうやって戦うの?」

同女「ボクは戦わないからなぁ、強いて言うならボクは幽霊とかでも触れるから普通に殴り倒す!って感じになるのかな」

男「嫌にリアルな倒し方だね」

初女「ねぇ、男くん」

男「あ、そろそろ時間?」

初女「うん」

男「悪いけど、今日はもう帰らせてもらうね」

初女「うん、またね」

男「じゃあ、また」

男「まだ少し話したいこともあるから、どっかの教室に移動しようか」

同女「構わないけど、どうして?」

男「まだ君に話していないこともあるんだよ」

同女「そうなんだ、じゃあ移動しよっか」

男「悪いけどさ、女は先に帰っててくれる?」

女「別に、いいけれど」

男「ま、保険と言ったとこだよ」

男「ここからは、あまり君に聞かせたい話でもないからさ」

女「うん、わかったよ、でも後で教えてね」

男「ありがとう、わかってるよ

男「じゃあ、また明日」

女「また明日ね」

男「さて、話の続きをしようか」

同女「まずは、どうして移動したのか教えくれると嬉しいな」

男「女がもう少し離れるまでは待って欲しいね」

男「彼女には、聞かせたくない話なのだから」

男「とりあえず、女に帰ってもらった表向きの理由でも説明するよ」

同女「表向きの?」

男「そう、僕と女がこういう時に別行動する理由は、行かないといけない場所が二カ所ある、とかも無くはないのかも知れないけれど」

男「基本的には危ないことをするから、一緒にいない方がいい」

男「ということなんだよ、僕たちのルールは説明しただろう?」

同女「死ぬはずのダメージを受けた時に、居場所を交換するってやつ?」

男「そう、それ」

男「僕たちのルールには、わかりやすい弱点がある」

男「わかっているとは思うけれど、女が現れる前に僕が死んでしまうことだ」

男「つまり、ほぼ同時に死ぬのはマズいんだよ」

同女「同時に死ぬようなことは、避けないといけないんだね」

男「その為の別行動という意味も、あるということさ」

同女「成る程、つまりボクを信用してないんだ、仕方ないとは思うけど」

男「それも否定はしないけれど、今回のメインはさっきも言ったように女に聞かれたくないからだよ、そう警戒する必要はないよ」

同女「こういうことに、やけに手慣れてるのかと思ったけど、違うのかな?」

男「君よりは手慣れていないだろうさ、生憎僕たちのは今年からでね、君とは年季が違う」

同女「結構最近なんだね、って考えれば当然か」

同女「初女さんの幽霊は、この前現れたばかりだし」

男「一応言っておくけど、女を先に帰らせて君と戦うなんてつもりじゃないからね」

男「まず、場所移動をした理由から、説明するよ」

同女「女さんを帰らせたかったんじゃないの?」

男「初女が、時間だからって言ってただろ?」

男「あれは君には見られたくなかったから時間だと教えてくれたんだよ」

男「それに、君も好きで見たいようなものでもないだろうし」

初女「何か起こるの?」

あー、すいません、最後の行の初女は同女でした、申し訳ない

男「起こるんだよ、残念なことに」

男「残念というか、悔しいというか、やり切れないというか」

男「まぁ、僕の感情なんてどうでもいいのだけれど」

男「彼女たちも、自分の前で説明なんてされたくないだろうからさ」

男「何の話かと言われれば、もちろん初女の話だよ」

同女「ただの幽霊ではないの?」

男「僕たちのルールのせいで、名前を忘れられている、意識することが出来ない、などのことを除けば普通の幽霊だろうさ」

男「普通の、死んでなお死に続ける、死にたがりの幽霊だ」

同女「死に続ける?」

男「そう、初女は自殺して幽霊になって死んでいるのに自殺をし続ける、という設定の幽霊なんだ」

同女「設定?」

男「ルールでもいいかな、初女の存在を形作る怪談、噂話がそんな感じの話なんだ」

同女「噂話が先に出来たんだ、てっきり噂話なんて後からついてくるだけのものかと思ってたよ」

男「実際、噂話から、怪談から発生することもあるのだろうね」

男「初女は、現実に起きたことが原因になっているけど」

男「これは僕たちのルールのせいなんだ」

同女「死に続けた事実がある、ということ?」

男「そう、僕たちのルールならば可能だ」

同女「確かに可能ではあるだろうけど」

同女「でも、それって、何度も死んだって、そういうことじゃない」

男「そうだね、そうなんだよ」

男「初女は一人目だ、一人目の女の、幽霊なんだ」

男「だけど今の女は、二人目なんかじゃない、もっと死んでる、死んできた」

男「君からしたらどうでもいいだろうし、女からしたら全て自分だし、自分は生きてもいるから、とか言われてしまうだろうけれど」

男「彼女は自殺をし続ける幽霊として、存在しているんだよ」

同女「ボクが、どうコメントしていいのか、難しい話だけど」

同女「男くんがボクを屋上から移動させた理由も、女さんには聞かれたくない理由はわかったよ」

男「いや、後者はわかってないと思うけど」

同女「そういえば、何か表とか言ってたっけ、裏もあるのかな」

男「ここからが、本題だ」

男「君の、吸血鬼混ざりの詳しい話なんてそれこそ口実に過ぎないだろう」

男「僕たちの詳しい話なんて、この為にしたようなものだ」

男「もちろん、君の疑念を晴らすために僕たちの話はしなければならなかっただろうし」

男「ドッペルゲンガーの時以降、君がアクションを起こしている素振りはなかったとしても、僕は君の正体を確かめるべきだったのだろうけれど」

男「今日の話なんてお互いに証拠は無いのだから、信頼の上で成り立っているだけに過ぎない、嘘なんてつき放題だ」

男「それでも、君から僕たちに会いに来てくれた、この偶然を逃すべきではないと思うんだ」

同女「一体、何を話すつもりなのかな?」

男「君には、友達になってもらいたいんだ」

同女「え?」

今日の投下はここまでとなります、お疲れ様でした

ここ数年、ラノベとマンガ以外ほとんど読んでないですね、情けないことに
ラノベ作家的には、日日日、入間人間、西尾維新
マンガ家ですと水上悟志、手塚治虫、水木しげる、漆原友紀
など書いてくとキリがないのでこんなところで

SSはこの板でしか読んでませんが現行470スレ程度読んでますね

それと、自分は一応理系なので農学部とかそこら辺に入りました

受験終わったらたくさん書ける、と思ってたのに、おかしいな

ではでは、また来ますね

今日は来ました

ブギーポップは読んだことないですね、気になってはいるのですが

女さんの見た目は今でも毎回変わってはいますね、そんな極端ではありませんが身長も上下していたり

では、投下していきます

同女「友達にって、別に構わないけどさ」

同女「そういうのは、言うようなことではないと思うんだけど」

同女「ナンパというわけでも無いんだしさ」

男「あぁ、言い方が悪かったね」

男「何も僕の友達になってくれ、というわけではないんだよ」

男「だからと言って僕と君が仲が悪い、というのも良くないと思うけど」

男「それこそ、言って仲良くなるようなものでは無いだろうさ」

男「言い直すよ」

男「君には、女と友達になってもらいたいんだ」

同女「女さんと?」

男「そう、出来れば初女とも仲良くしてくれたら嬉しいね」

同女「もちろん、構わないよ」

男「ここからが本題だと言ったよね」

男「ここからが、女に聞かれたくないところなんだ」

男「この話は、女には黙っていてくれないかな?」

同女「うん、わかった、でもさ別に女さんって」

男「確かに、女は友達がいないというわけではない」

男「これは、僕もそうだったりするのだけれど」

男「僕たちのルールは誰にでも話せるようなものではないじゃないか」

同女「そうだね、そこはボクと同じで話しても信じてもらえないだろうし、何より頭がおかしいと思われてしまうね」

男「だろうね」

男「まぁ、だからさ、女とは仲良くして欲しいんだよ」

男「ルールとかを話せる数少ない相手なのだから」

同女「あぁ、そういうことなの」

男「君に、そういう友達がどの位いるのかわからないけれど、僕たちにはほとんどいないからね」

男「話したとしても、僕たちのルールを覚えていられる友達が少ないのだけれど」

同女「ルールも覚えてられないんだ」

男「そうじゃなきゃ、ルールを知られたら終わりになってしまうからね」

男「ルールすら忘れさせられるから、気付けかせないから」

男「あまり気にせずに、他人にペラペラ話せるし」

男「君はそういうのではないのだから、あまり簡単には話さない方がいいと思うよ」

同女「そうだね、まず話せる相手なんてそうそう現れないとは思うけど」

同女「というかさ、それだとボクもルールを忘れちゃうから意味無いんじゃない?」

男「そこらへんは、やっぱり憶測になってしまうのだけれど」

男「どうにも人間でなければ、女を覚えていられる傾向があってね」

男「少なくともルールだけならば、ずっと覚えていられる可能性は高い」

男「残念なことに、経験則でしかないけれど」

同女「経験則?」

男「こちらはそうだね、僕たち以外の人が絡むこともあるから話すのはやめておくよ」

男「僕はルールで女のようには変化しないからさ、別にそこら辺に問題は無いのだけれど」

男「女はやっぱり、自分の姿や名前が変わってしまうのに、僕以外には気付かれないから」

男「いきなり変わった自分の体に違和感を覚えたとしても、周りには言えないし」

男「変わった体で過ごしてきた経験というか歴史ごと女は現れるから、余り違和感を感じないのかも知れないけれど」

男「違和感があったとしても、周りには出せないんだよ」

男「それに重要なのは女の内側の方だと思うんだ」

同女「内側?」

男「そう、内側、内面かな、女は死んだ歴史も積み重ねて、自分の中には積まれていくのに、周りからは死んだ事実わからないようになっているからさ」

男「今まで通りに生きてきた外面を維持しないといけないのに、内面とはどうしようもないズレがあるのだろう」

男「死んだ、という経験の積み重ねで価値観や性格が変わらないわけがないだろう」

男「そんなわけで、君には女も色々と話せるだろうし友達になってもらいたいんだよ」

男「君のような人となら、女も疲れないで済むだろうしさ」

同女「女さんの為ね、いいけどさ、君では話し相手にはなれなかったのかな?」

男「女は僕にそんなことは話さないだろうさ」

男「女が僕の負担になるようなこと、言うわけないから」

男「だから、強がってしまうんだ」

男「僕は、それが心配で」

同女「強がっているのは、両方のように思えるけどね」

男「両方?」

同女「君だって、この話を女さんにバレないようにしているじゃない」

同女「お互いにお互いを支え合ってるのかな、そういうの、羨ましいと思うよ」

同女「ボクにはそんな相手、いなかったのだし」

男「依存し合っている、で構わないよ、それが正しい表し方だろう」

同女「ボクのは、君たちのルールと違ってボクだけで成り立っているけど」

同女「でも、支え合っている、助け合っている、の方がいいじゃない」

同女「そんなの捉え方次第でしょ」

男「そうなのかもね」

同女「まぁ、わかったよ」

男「なにが?」

同女「女さんと友達になって、という話」

同女「ボクもそういう話が出来る相手は欲しかったしね」

同女「もちろん、女さんだけではなく、君もだよ?」

男「僕もか、考えてみれば当たり前のようにそうなるだろうね」

同女「君と女さんはよく一緒にいるものね」

同女「そんな大事な女さんを、ボクみたいに正体がよくわからないのに会わせていいのかな」

男「君が何かするようなら、ちゃんと退治してあげるから安心するといいさ」

男「とは言え、君のことはある程度信頼しているよ」

男「この前会った時以降、変なことをした素振りもないし」

男「何より、こんな話に付き合ってくれたのだから」

男「僕たちとこのような話をするのならば遅かれ早かれ出会うであろう人を説明しておこうか」

同女「ボク以外にもいるの?」

男「いるのだけれど、彼女こそ本当にほとんど人間だからさ、僕たちのルールの影響を受けてしまうんだよ」

男「とは言え流石に神様と言ったところなのか、僕がいなくてもきっかけさえあれば思い出せるみたいだね」

同女「神様なの?」

男「うん、ほとんど人間だけどね」

男「彼女に関する問題は解決したはずだし、そこら辺を掘り返すつもりは無いけど」

男「君は、これだけ話していても女のことを忘れていないから、やはり覚えていられるのだろうね」

男「僕か女から離れたら忘れる可能性もあるけれど」

同女「やっぱり、君たちの近くにいるとルールの影響を免れやすいのかな?」

男「僕たちの存在を意識している間は忘れにくいみたいだね」

男「女がいないのに、覚えている君はやはり吸血鬼なのだろうさ」

同女「じゃあ、ボクは朝になったら忘れちゃうのかな」

男「その可能性は高いね、それで夕方にまた思い出すのかも知れないけれど」

男「とりあえず、君が思っているよりも僕たちみたいなのは多いと思うよ」

男「それに関わるのが良いか悪いかは別として、だけど」

男「ま、君と話しておきたいことは大体話してしまったかな」

男「そうだ、何か困ったことや気になったことがあったら友達に相談するといいよ、きっと味方になってくれるさ」

同女「そうだね、何か見つけたりしたら相談するよ」

同女「女さんや初女さんとも、適当に話しておくね」

男「助かるよ」

男「時間取らせて悪かったね、それじゃ、また」

同女「それじゃあ、また話そうね」

第23話




同女「何か、幽霊がいるみたいなの」 初女「あ、私のこと?」




今日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

一話に1ヶ月とかかかっていますね、パソコンが手に入ったら二倍のペースにしたいのですが…

ではでは、また来ますね

今日は来ました

4月は何だかんだ忙しい可能性はありますが、エタるつもりはありません
そもそも引っ越すのでしばらくは落ち着かない気はしますが…

では、投下していきます

ク「最近ですね、何だか変なおまじないが流行ってるらしいんです」

男「変なおまじない? 僕は聞いたことないな、どういうの?」

ク「中学生の間、それも女子の間で流行ってるみたいですから男さんは知らないと思いますよ」

ク「私だって、職業柄耳に挟んだ程度ですので」

ク「私たちの学校には入ってきてないみたいですね、内容が内容なので当然と言えば当然なのかも知れませんが」

女「やっぱり巫女さんだと耳に入ってくるんだ」

ク「多少は、ですけどね」

男「それで、内容って?」

ク「私も詳しくは知りませんが、願い事を叶えてくれるというおまじないだったはずです」

男「叶えてくれる? 叶うではなくて?」

ク「叶えてくれる、ですね」

男「神仏関係ってことなのかな、だから君のとこまで話が届いたのか」

ク「神仏関係ではありませんが、傾向としては近いですね」

男「神仏関係ではないけど願いは叶う、無くはないような」

男「そもそも実際に効果があるかもわからないし、そこら辺りの情報も欲しいところだね」

男「とりあえず、おまじないってどういうのかな」

ク「確か、『サリーさん、サリーさん、お願いします、お願いします』とかそのような感じのおままごとみたいな物だったような」

第24話




男「サリーさん?」




男「サリー? メリーじゃなくて?」

ク「メリーさんではなくて、サリーさんですね」

男「メリーさんでもお願い事を聞いてくれるなんて話は知らないけれど、サリーさんは名前すら聞いたことないな」

ク「私も知らなかったです、多分ローカルなおまじないで誰かの創作なのかも知れませんね」

男「とりあえず、そのおまじないって実際に効果あるのかな」

男「プラシーボとか、今まで意識していなかったかとを意識するようになったからとか、元より叶う確率が高かったとか」

男「占いと同じように当たったと、効果があったと思っているだけかも知れないよ」

男「占いの時はこう考えて油断してあんまりいいことにはならなかったから、あまりこうと決めつけてかかるのは良くないけど」

ク「占いの時?」

男「一時期、絶対に当たる占いみたいなの流行ってたじゃないか、あれのこと」

ク「あの占い師さん、いきなりいなくなったらしいですけど、もしかして」

男「僕たちが解決しちゃったね」

ク「絶対に当たる占いは、そういうやつだったんですか」

男「あれは、ほっといても良かったものかも知れなかったけど」

女「私が、首を突っ込んじゃったから」

男「実際、影響力がかなりあるものだったし、危険ではあったけどね」

男「だから、今回はちゃんと調べて、考えてから行動しようね」

女「うん」

ク「首を突っ込まない気は無いんですね」

男「初めから何も起きてなければ、首を突っ込むも何も無いけどね」

ク「そうですね、思い込みとかそういうのも多いとは思いますが、何やら怪しげと言いますか」

ク「どう言えばいいのか、おまじないでやっていることが降神術に近い感じがするんです」

男「降神術?」

ク「むしろ降霊術でしょうか、物に何かを降ろしているような類のようで」

男「神を降ろしているのでは無いのかな」

ク「そんなしっかりした物では無さそうですが」

男「じゃあ、願いを叶える代償は?」

ク「そこは曖昧になってますね、あるようなないような」

ク「ただ、願いを叶える代わりに命を消費します、という話もありました」

男「流行っていく間に形が変わって、不都合な所だけ無くなっている可能性はあるね」

男「パターンとしては降霊術、召喚魔術の類なのかな」

ク「でも、実際に何か起こったという話は聞きませんしただのごっこ遊びなのでしょうか」

男「それなら平和でいいけれど」

女「少し聞いて見たけれど、流行はもう終わりかけらしいよ」

男「さっきから携帯弄ってると思ったけど、メールしてたんだ」

女「入れ込んでる子もいたみたいだけど、もうやってないのかな?」

ク「『祈りながら汝自身を燃え上がらせよ』でしたっけ? なんだかそれっぽいことしていた人もいたみたいですね」

男「その台詞は、召喚魔術だったかな?」

男「それっぽいというか、しっかりした方法なんじゃないかな」

男「その台詞は信仰をエネルギー源として力を発揮する召喚魔術の要点、みたいなものだし」

男「とは言え僕が知っている位には有名は台詞なのだし、ごっこ遊びの範疇ではあるのだろうね」

男「入れ込んでいる、というのはあっていそうだけれど」

男「でも、それは遊びで済むのか気になるな」

男「そういうこと、みんなやっているの?」

女「入れ込んでいる子だけみたいだけれど」

男「そっか、誰かわかる?」

ク「一応、私はわかりますが」

男「名前とか、色々教えてくれない?」

ク「構いませんが、連絡を取るんですか?」

男「まぁ、そうなるね」

男「とりあえず、会いに行こうかなってね」

女「私も一緒に行くよ」

ク「今日ですか?」

男「そのつもりだけれど」

ク「今日は用事がありまして、すいません」

男「あ、いいよいいよ、僕たちだけで行くからさ」

男「元からそのつもりだったし」

男「もしも、危ないものだったりしたら、僕たちだけの方が都合がいいからさ」

ク「確かに私は邪魔かも知れませんが、一緒に行けなくて申し訳ありません」

男「気にしなくていいよ、また僕たちが首を突っ込むだけなんだからさ」

ク「私は、それに救われましたから」

ク「でも、あんまり危ないことには」

男「ただの様子見だよ、そんなに気にすることはないと言ったじゃないか」

ク「やっぱり行くのですか?」

男「君の言動が一貫してないよ? 僕たちをけしかけたいのかそうでないのかわからないね」

ク「私のように助けられる人がいれば助けて欲しいです、だけど」

男「だけど危険なことはして欲しくない?」

男「欲張るね、嫌いじゃないけどね、そういう考え方」

ク「どうにも、何も起きていないだろう、という噂自体がどうにも怪しく思えるのです」

男「怪しくとは?」

ク「流行っていることがある、おまじないの概要も伝わってくる」

ク「ですが、おまじないの結果が噂になってないんです」

ク「願い事を叶えてくれる、という概要だけで」

男「事実関係は不明で、意図的に隠されている可能性がある、と言いたいのかな」

ク「そうなんですけれど」

男「ありがとう、面白い話だったよ」

男「僕たちは勝手に君とは関係なく、適当に放課後に彷徨くだけだよ」

男「それじゃ、また明日」

女「またね」

ク「気を付けて、下さいね」

今日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

いい加減作らないとな、と作中カレンダーを作成してみましたが、まだ4月開始にして6月位でした
ちょっと夏休みに入っているのではと危惧していましたが問題無いようです、何かに巻き込まれる頻度が凄まじいことになってしまいましたが

ついでに女さんの死亡回数もカウントしてみたところ30回程度でした


では、また来ますね

今日は来ました、まだまだ落ち着きませんが投下はしていきます

次の話のプロットがまだ存在していないという状態に気付いたのでプロットも書かねば…

では、投下していきます

女「カッコつけて出て来たのはいいんだけどさ男くん、実際はどうだと思ってるのかな?」

男「ただの噂話たろうね、変なおまじないが流行っただけだろうさ」

女「でも、行くんだよね?」

男「彼女が何だか心配していたからね、ちょっと調べてやろう程度だけれど」

男「それに、どんなおまじないなのか気になるから」

女「召喚魔術だっけ?」

男「あくまでそれっぽいというだけだけど」

男「願いを叶える力のある何かを呼び出そうとしている、それが上手くいったのかいかなかったのかは関係無しに気になるとこじゃないか」

女「確かに、何を召喚しようとしているのか気になるね」

男「そこら辺は似たり寄ったりだろうけど、僕としては入れ込んでいる子も気になってたりはするね」

女「気になるって?」

男「流行りに乗る程度ならいいのだけれど、こういうことに入れ込んでしまう場合、その性格というか性質がね」

男「何となく危うく思えてしまうから、やめた方がいいと言いに行きたくなるじゃないか」

女「意外にちゃんとした理由だね」

男「性格や性質が危ういタイプでないにも関わらず、ハマっていた場合の方が危ないのかも知れないけどね」

女「どういうこと?」

男「そういうことの存在を知っているとか、才能があって何か起こってしまった場合、ということだよ」

女「そうだったら、本当に何か起こっている可能性があるのかな?」

男「あると怖いから、こうして確かめに来たんじゃないか」

男「この前の子のように才能があったりすると危ないよね、というだけだけど」

女「そんなに才能がある人がたくさんいるのかな?」

男「まずいないだろう、まずそうはならないだろう、という確率論を僕たちが信じられるのならばいないだろうさ」

男「それに今回は一人ではないわけだし」

女「一人じゃないって?」

男「おまじないが流行していたということだよ」

男「要は数打ちゃ当たるかも知れないから、狙った物には当たらなくても他の何かに当たってしまった可能性だってあるから」

男「だから、一番知っていそうな子に目星をつけて、聞きに行くんだよ」

女「成る程」

男「願いを叶えてくれる存在なんてそう多くはないだろうし、何を使おうとしてるのか気になるね」

女「何があるの?」

男「基本的にそういう存在である神様のようなやつか、何かを代償に見返りや報酬として願いを叶えてくれるとか」

男「そもそも願いなんて叶えないで人を集めて食べてしまう、といったものでは流石にないと思うけれど」

男「何か別の力を願いを叶える力のように見せているとかもあるかな」

女「そろそろ着くよ」

男「君がコンタクトをとってきてよ、僕だと怖がらせてしまうかも知れないからさ」

女「うん、わかった」

女「というわけで連れてきたよ」

男「悪かったね、いきなり呼び出してしまって」

中学生女「大丈夫ですけど、何の用でしょう?」

男「おまじないが流行ってるらしくてね、君が中心かはわからないけれどハマっていると聞いてね」

男「おまじないの詳細とか聞きたいかなって思ってさ、噂じゃどうにもはっきりしないし」

中女「おまじないの詳細ですか、やり方とかですか?」

男「そうだね、そこら辺は概要は知ってるからいいかな」

男「物を選択して、それに祈るように呪文を言うだったかな」

男「簡単な魔方陣もあったりなかったり、だけど性質としては大差無いかな」

男「その選んだものを依り代とした召喚魔術なんじゃないのかな、サリーさんってのは」

中女「そうなるんでしょうね」

男「おまじないの成果ってどうだったかな、聞いていい事かわからないけど」

中女「願いが叶ったという話はいくつか聞きますね」

男「それは直接の知り合いにいる?」

男「ただの噂の一部なんじゃないかな」

中女「そんなこと言われてしまうと、こんな類のものは全部ただの噂になってしまいますよ」

男「じゃあさ、君の結果はどうだったのかな、何か面白いことは起きたりした?」

中女「私は、特にはありませんでしたが」

男「そう、それならいいんだけれど」

男「そうだ、君は何を使っていたのかな」

中女「使うとは?」

男「依り代として、だよ」

中女「あー、それなら私は普通にペンダントを使ってました」

男「普通になんだ」

中女「みんな装飾品を使ってますね」

男「そうなんだ、確かに金属や石が多いから悪くはないのかもね」

男「でさ、願いを叶える代償って何なのかわからなかったんだけれど、知ってるかな?」

中女「人の命を消費して願いを叶えるだったかな」

男「悪魔の魂をもらうというやつや、化物に自分の娘をあげる約束をするやつなどに近いのかな」

男「大切なものを代償に願いを叶えてくれるという話だけれど」

男「そういうのは基本的に他力本願はよくないというパターンで、結局何かに頼ったから幸せになれたということにはならないと思うし」

中女「そう、ですよね」

男「君もやめた方がいいかもね」

中女「いえ、私ももうやめてるんですよ?」

男「そうなんだ、まだやってる人はいるのかな」

中女「もういないと思いますけど、少なくとも私達の周りでは」

男「そっか、やってる人がいないなら君の使っていたペンダントでいいかな、見せてもらえる?」

中女「私のですか?」

男「そう、ダメかな?」

中女「あの、見せないとダメですか?」

男「嫌ならいいんだ、見せたくない物の場合もあるだろうしね」

中女「そうですか」

男「じゃあ、今日はいきなりで悪かったね」

中女「こちらこそ家の近くまで来てもらってしまって」

男「中々面白い話だったよ」

男「またね」

女「またねー」

女「どう思う?」

男「怪しい気はするけれど証拠不足かな」

男「何か起こっていれば、いや、何か起こって見えていればよくはないけれど迷いはしないからね」

男「ま、今日はこんなところなのかな」

男「明日以降何をするというわけでもないし結論としては、噂は噂に過ぎなかったということで」

女「そうなるよね、何も起きていないならそれが一番だし」

女「おまじないはもうやってる人はいないみたいだしね」



中女「言えるわけ、無いじゃないですか」






中女「私のペンダント、何か変だから、怖くなって捨てちゃったなんて」



今日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

すいません、途中Evernoteの同期がうまくいかなくてレスが分かれてしまいました

早く投下分に余裕ある位書きためしたいです

では、また来ますね

今日は来ました

GWは帰省しますが投下ペースを落とすつもりはありません、頑張ります

ではでは、投下していきます

意気込んだはいいけれど、どうすればいいのか

このまま距離を詰めてペンダント奪う、のが最良ではあると思うけれど

そもそもペンダントを奪ったら、その願いを叶える能力であろうものが止まるのかもわかってはいない

だけど、やるしかないだろう

これは逃げてどうにかなるものではないと判断したのだから、決め打ちしたのなら、思い切らなければ

「ならストックしなくていい、あいつを殺せ!」

「なんで殺せもしないんだよ!」

「指定された対象が認識出来ないだと? ふざけてんじゃねーぞ!」

どうやら僕のことが上手く認識出来ない為に願いが叶えられないようだ

女がすぐに消えた原因はこれなのかも知れない

「来んな!止まれ!」

「クソが、どう見てもいるじゃねーか、何でもう死んでるんだよ!」

「つまり幻覚とかそういう類なのか?」

「やってらんねー、移動するぞ、これなら出来んだろ」

ペンダントを持った男が目の前から消えた

やはり願いを叶える際に物理法則は無視されるようだ

逃げられたのか

とりあえずあたりを見渡すと、横のマンションの屋上にいた

僕のことを見失うことはしたくないらしい

あるいは、移動距離に限界があるのかも知れないが、こっちを見ているのだから前者だろう

どうにも捕まえられる気がしないけれど、鬼ごっこを始めないといけないようだ

マンションの中に入る

マンションと行っても自動ドアなんてないアパートが大きくなった程度の建物なので、転移のような能力はなくても問題なく入れる

屋上にいたはずだが、まだいる保証はないんだよな

とはいえあちらには僕を捕捉することは出来るだろうけれど、僕の方から捕捉することは出来ない

ならば僕はあちらが逃げていないことを信じて移動するしかないだろう

屋上は10階だったか、エレベーターの方が早いかな

と思ったのだけれど、動いていない

というか、ここ電気が通っていない気がする

もしかして、このマンションの電気を止めたのだろうか

夕方だから良い感じに薄暗い

携帯を確認すると、圏外だった

気付かなかったけれど、さっきからずっと圏外だったのかも知れない

これが騒ぎになっていないのは偶然だとか、人がみんな死んでいて誰も連絡をとれていないからなのではなくて

騒ぎにならないように願ったのか

少なくともこのマンション内ではそういうことは出来ないようだ

空間的に隔離された可能性もあるのか

だからと言って脱出しようという気は起きないので階段で上って行こう

罠でもあったらどうしようかと考えもしたが、願えば即死させられるサリーさんを持っているのにそんな回りくどいことはしないだろう

何か願いにも制限はあるのかも知れないけれど

一歩一歩踏みしめるように、屋上へ

別段なにかあるわけでもなく屋上についた、いや段差はあったが

屋上のドアが閉まっていることを心配したが、開けっ放しで安心した

基本的にこの街は屋上に人を入れないという考えが無く、開放されていることが多いのでこうなる気はしていた

中学生男子「何で入ってこれるんだよ、結界張ったんじゃなかったのかよ!」

結界があったらしい、何も感じなかったが本当にあったのだろうか

中「人払いはしてた?」

中「生きてる人間は全部弾いたんだろ?」

中「化物だって弾いたつったじゃねーか、何でだよ」

なるほど、僕は生きている人間とは認識出来ないのか

ストックされているから

もちろんだからといって人外でもない

だから素通りしてきたのだろう

中「効かない場合があるだと?」

男「あるだろ、それよりも強いやつが現れた時だ」

中「なっ」

ハッタリだろうと、虚仮威しだろうと、効いているなら

効いている内に使うしかない

時間をかけるわけにはいかない、ボロが出る

考える時間なんて与えてはいけない

男「そのペンダントを寄越せ」

中「来んな!」

ペンダントを守るように両手で抱き寄せている

とりあえず、ぶん殴った

ペンダントを握りしめているので、いいサンドバッグだな

別に僕は鍛えているわけでも喧嘩慣れしているわけでもないので一発でノックアウトさせることは出来なかった

が、殴られて尻もちをついたとこから立ち上がる際に、腕に蹴りを入れてあげたらペンダントを手放してくれたので存外楽に手に入った

思い切り警戒していた僕がアホみたいだ

まぁしかし、ここで油断してはならないだろう

このよくわからない力がペンダントを離しても継続する可能性はあるわけだし

ペンダントを守ろうとしていたのだから、そういうことは無いとは思いたいが

だけど、あの状況で僕を殺せない位には頭が回っていないようなので無いとは言い切れないのが怖い所だ

やはり気絶するまで殴っておこうかな、意識が無ければ怖くはないだろう

『おい、てめぇは何だよ』

男「こっちが本体でいいのかな」

『何だって聞いてんだ』

男「サリーさんだな」

『だったら何だよ、願いでもあんのか?』

男「あるね、やってもらいたいことがある」

『俺の話に耳を傾けたな』

男「いや、そうだけれど」

『てめぇは、本当に何なんだよ、上手くいかねーぞ』

男「さてね、ネタバラシをするつもりはないよ」

男「しかし、今なんかしようとしたよね、なんだろう悪魔憑きかな」

男「あ、そうか、君はあれか」

男「通り悪魔か」

男「通り魔でもいいけれど」

『だから、てめぇはなんなんだよ』

男「願いを叶える力を持った悪魔を召喚したが、しっかりした悪魔ではなく通り悪魔」

男「人間に憑依して心を乱す妖怪、おあつらえ向きだね」

男「しかし気持ちをしっかり持っていれば心を乱されることはないだろうし、僕には効かないんじゃないかな」

『なんでわかんだよ、つーか何なんだよ』

男「ただ、サリーさんの正体は悪魔の類であるという仮説と、召喚術、つまりは憑き物に近しいものであるという情報を持っていただけだよ」

男「つまりはただの推理、それはいいとしてとりあえず、だ」

男「ストックというやつの詳細、教えてよ」

『それは願いでいいのか?』

男「なんだ、使い方も教えてくれないのか」

『あー、クソ、ったよ説明すっから』

『このペンダント持ってる間は人の命をストックすることが出来る』

『で、それを消費して願いを叶えることが出来る』

『等価交換というやつだ、消費する命は願いの大きさに比例する』

男「等価交換ねぇ、まぁいいか、願いはなんでも叶えられるんだっけ?」

『現在のストック数257、この数までは好きに出来るってことだ』

『もちろんお前がストックを足してもいい』

『ストックの仕方は簡単だ、ストックする、と対象を決めて思えばいいだけだ』

『視界に入れる必要はあるがな』

男「大体わかったよ、君を動かすのに所有者の命は必要なのかな」

『もう起動してるからいらねぇよ、安心しとけ』

男「しかし、通り悪魔のせいか、あんまりさっきまでの所有者は頭が回っていなかったようで簡単に奪えたな」

『いや、あいつはあれで素だったがな、ちょっとばかしテンション上げてやって罪悪感の類を消してやっただけだ』

男「あー、そういうのは場数の差なのかなぁ」

『そうだ、あれ放っといていいのか?』

『俺を手放したせいで死にかけだぜ、残りは0.3程だがストックしとくか?』

男「え?」

今回の投下はここまでになります、お疲れ様でした

これに並行て長編2、3スレ建てたかったけど、書きためる余裕が全くない…長期休みに書きためれれば別のスレ建てるかもしれません

別のスレ建てるときにはそっちの話は完結まで書きためてからになりますが

このスレはこのまま連載形式でちまちまとやっていく予定です、ゆっくりで申し訳ないです

ではでは、また来ますね

今日は来ました

帰省して遊んでると平日以上に時間が無いことを知りました

これは長期休みも考えないといけませんね

では、投下していきます

中「助け、て……」

男「こいつ、どうして死にかけてるんだ?」

『俺を起動させるのとあとは適当な願い叶えるのに命使ったからなぁ、当然だろ』

『おかげでストック数は全く減ってねぇぞ、お得だろ?』

男「257人そのまま残っている、ということか」

『そうなるな』

男「ストックの返却は可能か?」

『それは無理だな、蘇生なら可能だが確実に命の総量は減るぞ』

男「そうか、こいつはもう死ぬんだよな?」

『あぁ、間違いなくすぐに死ぬぜ』

男「じゃあ変わらないか、ストックで」

『残り257.3だ、これだけあればそこらの神様にだって負けないぜ? 何がしたいよ?』

男「そうだね、もう少し話をしようか」

男「まずさ、この子、君に命喰われるのわかってて使ったのかな?」

『強いて言うなら、喰わないとは言ってねぇ、だな』

男「えげつないねぇ、流石悪魔だ」

『てめぇは全然びびんねぇな、通り悪魔が機能してねぇのにこの状況で平然としてやがる』

男「平然としてはいないけど、びびってはいられないからね」

男「次に、命は1以上に増やして入れることは可能かな?」

『無理じゃないが入れすぎると破裂するぜ?』

男「命の量って一人あたり1だよね」

『使ってなきゃ1だな』

男「大体わかったよ」

男「それじゃあ、反撃開始だ」

『は? 反撃だ?』

『もうあいつなら倒して、俺を手に入れたじゃねーか』

男「そこは確かに反撃に成功したと言えるけれど、実際さ」

男「殺したのは君じゃないか」

『おいおい、俺は道具だぜ?』

男「道具だけど悪魔なんだろう?」

『そうだけどよ』

男「まず一番重要な所からいこうか、このサリーさんという命の代わりに願いを叶えてくれるものは、そもそもに等価交換をしていない」

男「命という単位を使った詐欺を働いている」

『ボッてると言いたいのか?』

男「いや、願いを叶えるのに必要なエネルギー以上を要求しているのだろうけれど、そこを非難するつもりはないよ」

男「手数料とかそんなことも言えるわけだし」

男「だけど悪魔が要求すると言ったら、命ではなく魂だろう?」

男「そこらへんの表し方の差を突くということではないけどさ、命は平等か?」

男「10代の若者と70代のお年寄りの命は同じ1でしかないのか?」

『そういうもんだ』

男「そうかなぁ、ぜーんぶ数字に変換してちょろまかしてるんじゃないかなぁ」

『証拠なんてねーだろうが』

男「健全な人から病床の人まで、同じ1というのはおかしい気がするね、僕にはどうにも」

男「僕は魂の大きさ、量って言うのかなそういうのが異常に大きい子を知っててさ」

男「幽体離脱みたいな事を起こしても、肉体は普通に活動出来る位の量だ、霊能力だね」

男「だからさ、そういう子がいるように命の総量は個人差があると思うんだよ」

『そうだったとしたら、なんだよ』

男「そうだね、ちゃんと等価交換して欲しいかな」

『あークソ、わかったわかった、やってやるよ』

『いや、やってらんねーな、逃げるか』

男「お願いをするから聞いてくれよ、サリーさん」

『逃がす気ねーのかよ、たち悪いなてめえ、ほら言えよ』

男「ストックした258人、全員生き返してくれ」

『おいおい、等価交換とはいえ無償でも無いし、生き返すのにも労力が必要なんだぜ?』

『全員生き返すのには足りないぜ?』

男「一人あたりに戻す量が1では無く0.9なら? これじゃあ生き返らないか?」

『……可能だ、多少体調が崩れるかもしれねぇが貧血程度だ』

男「じゃあ、それで頼むよ」

『あいよ』

『ほら全員生き返ったぜ、あいつもだ』

男「あぁ、まだお願いはあるからもう少し聞いてくれるかな?」

『情報操作はあいつのお願いで叶えてあるから必要ないぜ?』

男「それの他にもあるからさ」

男「とりあえず、一回死んでみた感想は何かあるかな?」

中「あれ、俺は……あ?」

男「元気そうで何より、もう一回位殴っとこうか?」

中「お前、それ!」

男「これ? 返してあげないよ」

男「ってあれ、思ったより怖がられてるなぁ」

『あいつは俺を持ってたんだから、当然だろ』

男「逃げ帰る前にさ、一言聞いて言ってくれないかな」

中「なん、ですか?」

男「生き返れてよかったね、だけどさ」

男「次は生き返れないと思っとけ」

男「さて、いなくなったみたいだし、続きといこうか」

『お願いか、まぁ俺も損はしねぇからいいんだが』

男「女って、わかるかな?」

『女? 誰だよそれ』

男「やっぱり、わからないのか」

『俺がわからない、なんてわけねぇんだが』

『お前と同じような何かなのか?』

男「ま、そういう所かな」

男「予想は出来ていたけれど、ズルは出来ないもんだなぁ」

男「やはり虫のいい話だったか」

男「もちろんそんな願いをしたら僕の命までおそらくは使ってしまうだろうし、女は許してくれないだろうな」

男「それでも、僕はそうしたかったのだけれど」

『何の話してんのか見えねーな』

男「悪魔に魂を売ったら叶えてくれるのかも知れないけれど、通り悪魔程度では無理だったのかな」

『悪かったな、程度でよ』

男「君でも十分に逸脱しているけれどね」

男「しかし、それならもうお願いは無いかな」

『そりゃいい、俺は帰らせてもらうぜ』

男「帰るって、地獄や魔界みたいな所があるんだ」

『そんなんじゃねえよ、単にてめぇよりもやりやすそうな奴相手に商売するだけだ』

『そもそもよ、俺にも魔界だとかそういう場所すらあんのかよくわかんねぇぞ』

『一般的に有名だから存在してはいるだろうが、お前が思う程明確な存在ではないな』

『少なくとも地名として存在出来るような場所じゃあない、もっと概念的なもんだな』

『局所的に空間が歪んでいるとか、その程度かもな、知らねぇけどよ』

『だから行きたいとか言われても難しいぜ』

男「どうせ幻覚なりで騙くらかすんだろ?」

『ハッ、わかってんじゃねぇか』

男「まぁ興味本位で聞いただけだよ、自分で行きたいだとかそういうのじゃないさ」

『んじゃ、もういいよな』

『逃げさせてくれや』

男「一応僕が今は所有者なのだけれど」

男「本気で戦うのはあまり望ましいところではないからね」

男「だけど、このペンダントは壊させてもらうよ」

『元からこんなのからは出てくつもりだよ、心配すんな』

男「ならいいけれど、サリーさんが流行っている街があるといいね」

『全くだな、流石にこの街に降り直すつもりにはなれねぇ』

男「最後に1ついいかな」

『なんだよ』

男「黙って持ち逃げさせてあげる程、僕は寛容ではないよ?」

『気付いてたのかよ、相変わらずよく気付く野郎だな』

男「そっちがコスいことしようとするからだろ、全く」

男「返してもらうにも形のあるものではないし、僕に一人分の命を入れてもいいことはなさそうだし、そうだね」

男「ここの結界の解除と、前の所有者がお前を使って壊した物の再生を、その僕の命でやっておいてくれよ」

男「それ位は出来るだろう? お願いだよ」

『えげつねぇのはそっちの方じゃねえか、こっちの取り分なんざほとんど無い』

男「騙そうとするのが悪い」

『騙される馬鹿が悪い』

『最も、てめぇは騙されなかったんだから俺が悪いわけだ』

『とりあえず、さっきの願いは叶えといたぜ』

男「じゃ、もう来るなよ」

『呼ばれたって二度と来ねぇよ、こんな割りに合わねぇやつがいるとこにはよ』

ペンダントを奪い、サリーさんこと通り悪魔を追い払うことにも成功した

サリーさんを利用することは叶わなかったけれど、そこまで高望みはしていない

全く願望がなかったかと言われたら、首を縦に振るのは難しいけれど

悪魔を退治する方法はあるのかも知れないが、僕に確実に出来るような物ではなかったし

あれは悪魔でもあったがサリーさんなのである、悪魔と同じ対処方で上手くいく保証はなかった

何よりあれは召喚されているだけなのだから、帰ってくれればそれで解決だろう

再び召喚されることが無ければ、になるが

ペンダントは適当に壊してから捨てておけば大丈夫だろう、一応神社でお祓いでもしてもらおうか

あの悪魔はどうにも嘘をつくというか、本人からすれば嘘は言っていないというやつか

本当のことをすべて話すということをしない癖があるのだ

それで騙して誤魔化して、自分の取り分を多くしていたのだろう

通り悪魔の、人の心を乱すという特性も相まって、非常に騙しやすかっただろう

通り悪魔のそれは、心を確かに持っていれば効かない物なのでやはりメインはサリーさんとしての能力になっているが

願いを叶えてくれるサリーさんが騙してくるとは疑わない、盲点を突くような騙し方だ

今回の事件の危険度や規模は大きかったが、結果として一般的には被害は出ていないのだから上出来なのだろう

被害を被ったのは女だけなのだから、理屈で考えるとどうにかなったのだろう

そんなに割り切ることが出来ないから、僕達は僕達なのだが

しかし、そうだな

やっぱり、言葉が通じる相手というのはやりやすかった

交渉に騙し合い、そんなのが出来る相手の方がやりやすいに決まっている

何を考えているか、推測出来るのだから、裏をかくことが出来るのだから

もちろん、女の言う通りで何も起きないのが一番だ

何かが起きてからでは、間に合わない

その位、もう身にしみて理解していたつもりだったけれど

明日、女に結果を報告しないとな

解決もしたし、一応報復もしたし、軽はずみで同じことをしないように釘も刺しておいたと

だから、心配することは無いと

やっぱり、一人で帰るのは寂しくなってしまうな、日暮れ前だからだろうか

まだ僕は、女の死に慣れないでいられているのだろうか

第24話




男「サリーさん?」




今回の投下はここまでになります、お疲れ様でした

実はこのサリーさんという設定は数ヶ月前に見た夢の設定をメモっていて、このSS用に話を組んでいたり

実際に見た夢ではもっと能力バトルのようなパニックホラーのような何かでしたが、このような話に変わってしまいました

そろそろまた5話続き位の長編も組みたいですね

ではでは、また来ます

今日は来ました

五月病真っ盛りなこの時期皆様どうお過ごしでしょうか

ではでは、投下していきます

ク「あの、昨日はどうでした?」

男「昨日? あぁ、サリーさんがどうとか、だったかな」

ク「見に行く、と言っていたので」

ク「もちろん、私が余計なことを言ったから足を運ばないといけなくなったことはわかっていますし、余計な心配なのかも知れませんけれど」

男「そう卑屈というか、自分を低く見る必要はないんだけれど」

男「この場合は、僕のことを高く見ているのかな」

男「まぁ結果としては何もなく、サリーさんのことを教えてくれてありがとう、ということなのだけれどね」

男「これは僕から話を振るべきだったな、気が回らなかったよ」

ク「そんなことないですよ、私が結果を知りたがらなければ良かっただけですから」

ク「何もなかった、ということは会ったのですか?」

男「うん、会ったよ、会いに行ったよ」

男「もうサリーさんは流行っていないし、やっている人もいないらしい」

男「つまりは、何事もなかった、問題は無いということだ」

ク「そうでしたか、それは良かったです」

女「何もないなら、それが一番だよね」

ク「そのこと、なのですが」

男「どうしたの?」

ク「昨日の続きと言いますか、本題と申しますか」

男「昨日のは、本題ではなかったということかな」

ク「はい、実はですね」

第25話



女「丑の刻参り?」




ク「はい、丑の刻参りです、おそらくですけれど」

男「昨日は、僕達がサリーさんの話題に食いついてしまったから話し出せなかったのかな」

ク「そういうことでは無いのですが、単にそこまで切羽詰まって困っているわけでもなかったので」

男「自分の家に知らない人が来ているんだろう?」

男「というかそれ、普通に不法侵入じゃないか」

男「僕達に話す前に警察に連絡した?」

ク「いえ、どころか親にも話していないです」

ク「私が言うまでもなく、親も気付いている可能性はありますが、話題に上らないのでおそらく私以外は気付いていないのかと」

男「君はたまたま気が付いたのかな、それとも部屋の位置とかの関係?」

ク「なんとなく起きてしまい、何気なく見たらいた、という感じなのですが」

男「霊感なのかな、そこは君の神域であるだろうし」

男「しかし誰にも言っていないのは、よかったのかな」

ク「警察に連絡した方がよかったのでは?」

男「逆だよ逆、丑の刻参りはやっているところを他人に見られたらダメでさ」

男「その人、僕達に相談しに来るということは毎日かは知らないけれど、何回も来る、つまりまだ生きているのだろう?」

ク「毎日来るので、そのはずです」

男「丑の刻参りは見られると、見た人を殺さないと死んでしまうとかそんな話だからさ」

男「生きているのだから、そういうことなのだろうね」

ク「そういうこと、とは?」

男「神域内だから君は神様だと判断されたのかな、ということだよ」

ク「神様だから他人に、人間に見られたことにはならなかった、ということですか」

男「そうなんじゃないかなぁ、しっかりした丑の刻参りならば」

男「服装とか、見ただけでわかったということはちゃんとしていたのだろう?」

ク「近くで見たわけでは無いので確かではありませんが、していたと思います」

男「なら親に話していないのも、警察に連絡していないのも正解かもしれないね」

男「見てしまったら殺されるか、その誰かが死んでいたかもしれないから」

男「ただの子供の悪戯なら、可愛いのだけれど」

男「君の家、山の中だもんね」

ク「悪戯のために来るような人はいない、のでしょう」

男「ただ精神的に危ないだけの人ならば、それはそれでマズイのだけれど、警察に頼れるからどうにでもなるだろうけれど」

ク「どうしましょう、どうしたらいいのでしょうか」

男「本物かどうか見極めて、その上でどうするか、かな」

男「本物の可能性があるならば、どう止めるか」

男「やはり神社の境内に入る前に止めるしかないか」

ク「山に入る前、ですか」

男「そこしかないのかな」

男「とりあえず、山に入る道の前あたりで、張ってみようか」

ク「一応、ここ数日毎日いるので大丈夫だとは思いますが」

男「心配してくれてるの?」

ク「それはそうですよ、あんな時間に来る人が、しかも丑の刻参りをする人が危なくないわけないじゃないですか」

男「危ないかどうかの見極めの様なものだから、危ないと決まったわけではないさ」

男「流石に女と二人で見に行く程、無警戒というわけではないけれど」

女「あ、やっぱり一人で行くんだ」

男「僕ではなくて、君が行きたいかい?」

男「或いは、二人共行きたくないでも僕は構わないけれど」

女「いやいや、男くんが行ってあげようよ」

男「わかってるって」

ク「ありがとうございます」

男「何であれ、本物だろうと偽物だろうと顔さえわかってしまえば後は警察にでも頼んでしまえばいいのだろうし、そこまで大変なことではないだろう」

ク「十分に、大変だと思いますけれど」

女「何だか、最終的には他人に任せられるって楽な気がしちゃうね」

男「不法侵入は普通の犯罪だからね、そういう意味では気楽だね」

男「実際に、不法侵入されている君の前で言うことではないかも知れないけれど」

ク「大丈夫ですよ、言われてみればこの前の時よりも怖くありませんですので」

ク「こういうことに対して、神経質になる方がよくないでしょうし」

男「この前って、あれは荒神だったじゃないか、怖いに決まっているよ」

男「悪いね、こんな時間に迎えに来てもらっちゃって」

ク「いえ、私が呼んだようなものですから」

男「実際にここまで来てもらって悪いのだけれど、君には自分の家にいてもらおうと思うんだ」

ク「私は居ない方がいい、ということでしょうか」

男「単純な話で、僕がもしその不審者を見つけられなかったとして、それでもその不審者は丑の刻参りをしに現れているのかの確認をする役が欲しいんだよ」

男「敷地内で見るのならば、間違いなく君が適任だろう?」

ク「確かに、そうですね、考えていませんでした」

男「それでも君に来てもらったのは、少し話でもしようかなと思ってさ」

ク「話、ですか」

男「そう、色々と話したい事もあったからさ」

男「いきなり関係ないことで悪いけれど、こんな時間によく出てこれたね」

ク「男さんこそ、もう日付が変わっているのに出てこれるんですか?」

男「僕の家は放任主義というわけではないのだけれど、そこまでうるさくないからね」

男「僕は一応男子だし、女子の家庭程は厳しくないだろうさ」

男「それに、何かあればルールが働いてうやむやになるだろうし」

男「何も無ければ何もなかったのだから、どうにでも誤魔化してしまえばいいのだから」

男「じゃあ、本題の丑の刻参りの話に入ろうか」

本日の投下はここまでになりますお疲れ様でした

またプロットのストックが切れた…

ではでは、また来ますね

今日は来ました

パンツ…まぁ考えています、タイミングがあればいつかまた、何度でも

では投下していきます

男「その前に、どうして君は出てこれたのかを聞いていなかったね」

ク「私の家は部屋から部屋が遠いので、バレないように抜け出すのは難しいことではないのです」

ク「家の構造も古いので、廊下というか縁の適当な所から外に出て来てしまえばいいわけですから」

ク「それに」

男「それに?」

ク「どうにも気配を読むというかそういう事が、この前の時から上手くなってしまったのか、近くに家族がいるか程度はわかるので」

男「それはやっぱり霊感、第六感の類なのだろうけれど」

男「そういう力はてっきり使い切ったのかと思っていたよ」

男「むしろ今まで、荒神に備えて使えなかった部分があったのかな」

男「それとも、使ったことにより使い方が身に付いたのか」

ク「どうなんでしょう、家から離れれば今までと変わりないので生活に影響はありませんけれど」

男「そっか、とりあえず家を出れた理由はわかったけれどさ、つまり抜け出したってことだよね」

ク「まぁまぁ、それは最悪男さんの名前を出せばなんとか」

男「それで何とかなるの?」

ク「多分、ですけど」

男「あんまりなんとかして欲しくない方法だけれど」

男「まぁいいか、丑の刻参りの話をしようか」

ク「はい」

男「まず、その不審者はどんな服装だったのか、教えてくれない?」

ク「一般的な白装束の方でした」

男「そういえば、男性なのかな?」

ク「いえ、女性だと思いますけど」

男「女性なんだ、てっきり男性なのかとばかり思っていたよ」

ク「丑の刻参りは女性というイメージがあると思いますが、なぜ男性だと?」

男「こんな時間に山を毎日登ってくるなんて気合があるというか、体力があるなと思ったからさ」

ク「確かにこの時間は暗いので、より大変ですよね」

男「君は毎日登り下りしているから、君の前であんまりそういうこと言えないけどね」

ク「私は毎日歩いてますから、暗い程度では足元が、ということはないですね」

男「その女の人、頭に蝋燭とかついていたかな?」

ク「ついていました、だから目立って気が付いたというのもあります」

男「服装は白装束で、蝋燭が頭についていたのならばおそらく」

男「顔には白粉が塗ってあって、頭には五徳、そこにロウソクを立ててあって」

男「あとは、口に櫛を咥えて、胸には鏡、腰には護り刀、それに一本歯の下駄を履いているのだろうね」

男「その服装と持ち物で、神社の御神木に憎い相手に見立てた藁人形を五寸釘で毎夜打ち込む、というのが一般的な方法なのだけれど」

ク「そこまでは確認出来ませんでした、けれど木に何か打ちつけた跡があることは昼間に確認しました」

ク「その服装ってそれっぽいですけど意味はあるのでしょうか」

男「自分の身を守る為、だと僕は思うけど、実際はどうなのかまでは知らないなぁ、一般的な呪いの方法でどうにも色々混ざっている気もするし、派生してしまっている節もあるから」

ク「自分の身を守る為、とは?」

男「丑の刻参りって、呪いなのだけれど結界破りなんだよ」

ク「結界破りですか」

男「呪術の二原理を丑の刻参りは守っているからね、呪術としてもよく出来ているというか、よくある形というか」

ク「二原理?」

男「感染呪術と類感呪術の二つなんだけれど、感染呪術は、かつて接触していた物は離れても影響し合うという観念に基づくもので」

男「爪とか髪の毛とか、へその緒あたりがよかったりするのかな」

男「類感呪術の方は、類似は類似の結果を生むという観念に基づいているね」

男「人間でいうならば、人形を焼いたり傷つけると呪うことが出来るというやつだね」

ク「藁人形に相手の髪の毛、これで二原理ですか」

男「そうなるね、呪術としてはこれだけでもよく出来ていると思うのだけれど」

男「丑の刻参りは、呪術だけどその呪いの達成の方法は式神なんだよね」

ク「人に見られると呪いが跳ね返ってくるというのは、だからでしょうか」

男「式神と言っても、何も藁人形が直接殺しに行くわけではないんだ、式神が相手の所に向かうわけでもない、それなら藁人形どある必要はないだろう」

男「常夜から邪神を呼び出し使役する、これが丑の刻参りの呪いだ」

ク「神降ろし、いえ、神懸りですか」

男「その為の縁起の良い服装、装備なんだろうね」

男「そもそも、藁人形を打ち込むのは御神木だ、これにはやはり人形を傷つけるという意味もあるのだけれど」

男「御神木の役割は、神体というだけではなく神域も指すから」

ク「それを、突き破るのでしょうか」

男「そうだと思う」

男「ここからは僕の私見なのだけれど」

男「実際ここまでも、大分私見だったのだけどさ」

男「結界破りだ、と言ったじゃないか」

ク「はい」

男「常夜、常世の方なのかな、いや音だけじゃ差がわからないか」

ク「常に夜と、常の世界ですよね?」

男「そう、どちらにしよ神の世界、そこから禍をもたらす魔や妖怪を呼び出し使役する」

男「御神木に釘を打ち込むというのは現世、つまりはこっち側から常世に踏み込むということ、境目を乗り越えるということで」

男「これってさ、普通にやったら呪いを跳ね返される必要も無くそのまま死ぬんじゃないかな、と思うんだ」

ク「確かにイタズラでそんなことしたら、死んでもおかしくはなさそうですが」

男「その常世からの攻撃を自分ではなく藁人形に向けているから呪いになる、という考え方をしているんだけれど」

ク「藁人形にダメージが行くと、呪術的には呪った相手にいくのでしょうか」

男「形代の逆だと考えれば、いくんじゃないかな」

ク「逆、なるほど」

男「服装の基本は巫女や修験者、神域に近い者の服装だよね、白装束に一本歯の下駄」

男「それに、五徳を被って蝋燭を立てるというのは当時の妖怪の姿を模倣するものだった、牛のような姿をしているのが想像されていたからね」

男「そもそも五徳も蝋燭も呪術に用いられているように、力のある物でもあったし」

男「鏡に刀は言うまでもなく魔除けの効果があった、顔に塗る白粉は白の象徴で禍や魔の象徴の黒の逆だろう」

男「櫛も呪術的な力があると思われていた物だしね」

男「くしと読むと苦死に通じる為に、忌み言葉としてかんざしという読みが使われているのも関係あるのかな」

男「つまり、服装で神域に馴染み、持っている物で身を隠したり魔を遠ざけていた、魔を呼ぶけれど、自分からは魔を遠ざけるような姿をしているんじゃないかな」

ク「言われてみれば、そうですね」

男「結界に穴を開けて呼び出された邪神には術者は認識出来ず、藁人形しか認識出来ない為に、藁人形に禍がもたらされて呪いは成功すると、そういう理論展開なのだけれど」

ク「なるほど」

男「他人に見られてはいけないというのは、他人に見られてしまうと他人に認識されている者の存在が認識されてしまうから」

男「他人は自分の鏡、というのとは違うのだろうけれど、他者を経由した自分の認識をされてしまうということなんだけど」

ク「言いたいことはわかります」

男「だから見られてしまったら、自分がいることがバレる前に見てしまった者を殺さなければならない、そうしないと自分に呪いが来てしまう」

男「跳ね返ってくるというわけではなく、純粋に自分が呼び出した常世の魔にやられてしまう」

男「と、僕はこんな風に解釈したけれど」

男「もちろん専門的な知識があるわけでもないし、史実を調べたというようなこともないから、正しいかどうかなんてわからないけれど」

ク「理屈は通っていると思いますが」

男「理屈が通っていれば、案外合っていたりもするんだよね」

男「とりあえず、丑の刻参りは神様に関係することだから、ただのおまじないと同じ気持ちでいると良くないよ、とだけ言っておきたかったんだ」

ク「そうですね、邪神ということは荒神と性質は同じ、ですものね」

今回の投下はここまでになりますお疲れ様でした

このペースでの投下なら問題無く継続出来そうです、いずれこうどかっと書き溜めしたいのですが

ではでは、また来ますね

今日は来ました

この時間は不思議に眠いですねー

ではでは投下していきます

男「そろそろ着くけれど、どうしようか」

ク「どうする、とは?」

男「僕はこのまま階段の近くで待機しているつもりだけれど、君はどうするのかなということだよ」

ク「私はさっきの話の通りに、家で見張っていますね」

男「何かあったら連絡してね、どうするかは内容次第だけれど」

ク「わかりました」

男「階段を使わずに、君の家に行くような相手だったら僕がここにいても意味ないからさ」

ク「山を直接登るのは流石にいない、と言いたいですけれど」

男「この前僕達は登っていたもんね、途中からだとはいえ」

男「それに、下からくるとは限らないからね」

ク「私の家に、丑の刻参りをしている人がいると?」

男「いやいや、探偵物にいるような疑心暗鬼の人間不信なキャラクターではあるまいしそこまでは言わないさ」

男「とはいえ、あの山を越えたところからだって人がこ来れないわけではないじゃないか」

ク「不可能ではありませんが」

男「現実的でない?」

ク「はい」

男「現実的でない、というのはあまり僕達が考えを制限する要素として使っていいものではない気はするけれど」

ク「確かに、そうですね」

男「実際、上から来るということはないとは思うけどさ」

男「それでも、何が起こってもおかしくはないだろうから、注意は必要だと思うんだ」

「行ってきますというか、帰りますというか、それでは後ほどメールや電話で」

そう言って彼女が登ったのも2時間程前だろうか

正直に言って若干眠くなってきた

夜とはいえ季節が季節なので寒くはないのだが

寒くないから眠いのだ

7月に入ったばかりなので蚊がうざったい

血を多少吸うのは構わないから五月蝿いのと視界に入ったり、ぶつかってくるのは止めてもらいたい

最近やけに出歩くことが多いせいで、慣れてしまったが

大抵のことは慣れることが出来てしまうのが人間である、慣れるというかストレスを感じなくなるということなのだが

違和感を覚えられなくなるということでしかないが

蚊が、と言ってもそもそもさして都会でもないこの街では蚊になんてしょっちゅう刺されるし

この時間に街灯もないこんな所に誰が来るというのか

少なくとも僕がここに来てからは人っ子一人通らない

別に通行人がいた方がいいというわけではない、こんな不審者のようなことをしている時にあまり見られたいものではない

だが、誰も通らないということは問題であろう

そろそろ通らないと丑の刻参りには間に合うまい

今日は来ないか、ここを通らないか

僕が道端に隠れているのがバレて帰られてしまった、ということもあり得るか

とりあえず連絡待ちになってしまうが、と考えていたタイミングで電話がきた

このタイミングで電話がきたということは、そういうことなのだろう

電話の内容はやはりというか、丑の刻参りが始まったというものだった

15分で行くから、動きがあったら連絡を頼むと言いながら走り出した


歩いて30分ならば走れば15分では着けるだろうという目算だったが、やはりバテる


途中で丑の刻参りを終えて帰り始めた、という連絡が来る可能性を考えての動きがあったら連絡を、ということだったのだが


何事も無く神社に着いてしまった、疲れた


ク「大丈夫ですか?」


男「いや、まぁ、バテているだけだから問題ないよ」


男「それより、どうなってるか、教えてよ」


ク「あちらの方にいますが、今は見に行かない方がいいんですよね」


男「その人、どこから来たかわかる?」


男「言い方が悪かったね、どっちから来たかってわかるかな?」


男「少なくとも、僕の前を通ることはなかったから、階段の入口付近は使っていないことになるけれど」


男「僕達よりも先に来ていたか、違う所から来たかになるのかな」


ク「それなんですが、どこからも来ていないと思います」


男「どこからも来ていない?」


男「最初からいたということか、いや、そこに直接現れたのか」


ク「はい、気付いたらいました」


男「柳の下の幽霊ならわかるけれど、御神木の下に何が現れるのやら」


男「いいや、僕が直接見に行ってくるよ」


ク「でも、それでは」


男「君が見に行くよりは、どうにかなるだろうから」


男「今回は、君に危害が及ばないかが結構気掛かりでね」
 
男「そんな感じだからさ、そこら辺で待っていてね、あと一応気をつけて」


男「じゃ、行ってくるよ」

男「意気込んで来たのはいいけれど、とんだ肩透かしだったな」

「お主か、久しいの」

「しかし、見つかってしまったか、流石に時間が掛かり過ぎたようだ」

男「いや、多分一日目には見つかっているよ」

男「誰が丑の刻参りなんてやっているのかまではわかっていなかったけれど」

男「それでもあんまり自分の子孫を嘗めない方がいいんじゃないかな」

「今代の巫女か、それならば確かに」

男「今代? 次代の巫女なのかな、僕にはどっちなのかわからないけれど、呼んだからもうそろそろ来るよ」

ク「お待たせしました、ってご先祖様、ですか?」

「そうじゃな、あの時以来かの」

「無事荒神をやっつけたようで安心したぞ」

男「それに関しては、お互いお疲れ様でした、になるのかな」

男「だけど、どうして丑の刻参りを?」

男「というか、この時代にいるんだな」

男「てっきり昔にしかいないのかと思ってたよ」

「その予定だったのじゃがのぅ」

「どうにもお主らを送るのにいっぱいいっぱいで、自分が帰る余力が無かったのじゃよ」

男「あの変な空間から帰るのに失敗したのか」

「あそこはこちらとあちらを繋ぐためのものだったからの、即席と言う程ではないのだが、永遠に存在するようなものではなくてな」

「空間も役目を終えて維持が難しくなってきたから、仕方なくこちらに付いてきた、というわけじゃ」

男「力尽きたからこっちにきたということか」

男「まぁ、こっちに権限している理由はどうでもいいか」

男「権限しているという事実が何かに悪影響を及ぼしているわけでは無さそうだし」

男「あぁでも、君の力が増してるのはそのせいなのかな」

ク「私の、ですか」

「そうなるのかも知れんの」

男「それよりも、だ」

「どうして丑の刻参りをしているか、だったか?」

男「そうそう、どうしてなんだ?」

「ただの結界破りじゃよ、自分の為のじゃからお主らが気にすることでもないのだが」

「或いはただの願掛けでもよい、お主らが推測したような呪い目的ではないということがわかればそれでよかろう」

男「結界破りね、常世に帰ろうとしてたのか?」

「流石にそれは出来ぬよ、こちらの存在じゃからの、現人神というやつか」

男「じゃあ、なんで結界破りなんかしようとしたんだ?」

「時間の流れの影響を受けない場所というのは、別に現世にもあるということじゃよ」

男「確かに、そういうものはいくつかあるけれど」

「それを過去で一応封印しておいた、というわけじゃ」

「いなくなるから戸締まりをしてした程度の感覚だったが、どうにもこの時代は力が入らないの」

「鍵を開けるのにも一苦労させられたよ」

男「させられた、ということはもう開いたんだな」

「そうじゃな、もう入れるぞ」

男「なら、もう丑の刻参りはしないのか」

「うむ」

男「ということは、これで解決かな」

ク「そうですね」

男「自然解決だから、僕たちが何かしたというわけではなかったけれど」

男「まさか他に丑の刻参りをしているやつがいた、というオチはないよな?」

「こんなとこに来るような根性のあるやつはこの時代にはおるまいて、見とらんよ」

男「そうか、ならよかった」

ク「では、お疲れ様でした」

男「お疲れ様でした」

「無駄足ご苦労じゃったの」

男「横槍入れなくていいから」

第25話



女「丑の刻参り?」




今日の投下はここまでになりますお疲れ様でした

途中何か改行が倍増してる…なんで…

ではでは、また来ますね

今日は来ましたー

そろそろ免許取ろうかなって、忙しくはならないといいけれど

では、投下していきます

第26話



女「男くんが帰ってこない」




男くんが神社に行ってから半日は経った

出た時間が時間なのでまだお昼過ぎだし、今日は休日だから問題はないと言えばないのかもしれないけど

寝るのが遅くなってまだ寝ているのかも、と思いもしたけれど

流石にもう起きているだろう

だけど、連絡は来ない

さらに言うならば、連絡がつかない

どうしてかわからないけれど

携帯の電源が入っていないか電波の届かないところに、ということ位はわかる

どうなんだろう、出かけるのがわかっていたんだから、うっかり電池切れということは無いはずだし

それに、電池切れだろうと携帯が壊れようと、無事ならば男くんが連絡を入れてこないはずがない

じゃあどうして連絡がないのか

連絡が入れられないか、私には連絡を入れたくないようなことであるか、なのだろう

後者ではないと思うのだけれど

深夜の3時位に留守電があったわけだし

これに気付いたのは、私が起きてからなんだけど

「こんな時間に…………だけど……」

「解決は……けど…………」

「今は…………と一緒に…………向かってて……」

「詳しい話は後になってしまうけれど…………だから…………」

と、何度聞いてもこんな感じでどうにも電波が悪い所からだったのか途中で切れているし、聞き取れない

というか、重要な所が全然入っていない

解決はしたみたいだけど、なんだろう、まだ移動している途中だったみたい

多分二人でいるのかな

通話状態が悪い理由が電波が無いということだとすれば、移動している先というか、どこを移動していたかが推測出来る気がする

まず、男くん達は神社にいたはずだ

そこならば電波は、まぁ端っことかだと微妙な気はするけれど、悪くなかったはず

では、移動中だったのならば

階段?

あそこならまぁ、電波が届いてなくても驚かないけれど

だけど、階段を使っていなかった時ですら電波はあったはず

じゃあ、どこになるんだろう

どこに向かっていれば電波が悪いのかな

山を降りてしまえば悪いなんてことないだろうし

そもそも電波がどこかで良くなるのならばそこで連絡を入れ直すはず

連絡を入れ忘れるようなことを、男くんがするわけもないから

じゃあ、ずっと電波が悪くなるようなところに行ったということかな

もしくは、その後連絡の取れない状態になった?

しかし、私が生きているのだから男くんが生きていることはわかっている

死ななくて連絡不能になる、誘拐だとかそういう類

空間的に隔離とか、そういうやつもあるのかな

この前はそれで一時的に圏外になっていた、と言っていたし

つまりは、やっぱり、男くんは今困った状態になっている可能性が非常に高いのだろう

どうしたらいいのかな

とりあえずは生きているだろうけれど

私に電話している様子から焦ってる感じは見受けられなかったから、困っている報告ではないはずだけど

助けに行った方がいいのか、待っていた方がいいのか

こういう時は自分のやりたいことをした方がいい、のだとは思う

本当に解決していて、そこから何も起きていないことがわかっているのなら待っているんだけど

考えてもわからないし、探しに行くことにしよう

やっぱり心配だし、待っているよりは動きたいから

女「と、まぁそんなわけで、呼んだのだけれど」

同「いやいや、どんなわけだよ」

同「いいよ、もう一回聞いたから大体わかったから、言わなくていいって」

同「ボクを呼んだ理由はつまり、男くんを探して欲しいってことなんだよね」

女「ごめんね、休日に呼び出しちゃって」

同「どうせ暇だったから、全然構わないんだけど」

同「男くんがいる場所って何かこう、不思議なパワーでわかったりしないんだね」

女「わかったら便利なんだけどね」

女「わかるのは私が生きているから男くんは生きているだろうってこと位かな」

同「何かこう、わかる部分が血なまぐさいというか何というか」

同「何もわからないよりはいいのかも知れないけれどさ」

同「というか、吸血鬼のボクが血なまぐさいとか、何のギャグって感じだね」

女「その吸血鬼的なパワーに期待して呼んだんだよ」

同「わかってはいたけれど、そして暇だったから来たんだけどさ」

同「ボクのそれはそこまで個人を探知することは出来ないんだよね」

女「それは前に男くんが言っていたからわかっていたけど」

女「私とか男くんは探せなくても男くんと一緒にいるはずの子なら探せるんじゃないかな?」

同「それも男くんが言ってたの?」

女「前にね、色々と推測していたみたい」

同「どこまでわかってるのかなぁ、そこまでボクの事話してないはずなんだけど」

同「まぁ確かに、神さま混ざりなら少しはわかるんだよね」

同「だから来てみたんだけど」

同「そろそろ日が傾いてきているし、探してみようか」

同「でもボクの探知範囲は狭いから、ここからじゃ見つけられないね」

同「少なくともここ十メートル位にはいないということなんだけど」

女「その範囲、広く出来ないの?」

同「いや、だからそんなことは言ってない気がしたんだけどね、出来るんだけどさ」

同「とりあえず、1キロ程度までなら伸ばせるよ」

同「それ位ならボクも多分問題ないかな、昼間とかにはよっぽどじゃないとそこまでなることはないけど」

女「お願いしていいかな?」

同「でもあんまり危険そうなら、ボクは出来れば逃げたいんだけどね」

女「戦う為に呼んだわけじゃないから、それで構わないよ」

女「まだ見つからない?」

同「神様が近くに祀ってあるだけで向こう側がわかりにくくなるから、街中じゃ全然わからないんだよ」

同「でも、もう街から外れてきたから見えるよ、弱い幽霊程度を無視しても街中だと神様が多くて困ってたんだけど」

女「家にある、小さな祭壇とかのこと?」

同「そうそう、教会とかボクわかりやすく苦手だしね」

同「神社とかも当然好ましくないんだけどさ」

同「まぁ、どうせバレてるだろうから自分から言っちゃうけど、苦手なだけってのは嫌いなだけでダメージ受けたりするわけではないからそこまで心配しなくていいよ」

同「割と、慣れてるし」

同「ボクの体質だと、やっぱり修学旅行とか苦手でさ」

女「お寺とか見に行くもんね」

同「だから別にこれ位は、という感じだよ」

同「基本的には普通の人間だし」

女「そうなんだ」

同「あー、神社の方にいるって言ってたよね?」

女「いる可能性が高いって感じだったけれど、いない?」

同「いやいや、これはビンゴじゃないかな」

同「確かに何かがいるみたいだ」

同「神社よりも少し上にだけど、何か変なのがあるよ」

女「何か?」

同「残念ながらボクは君たちのような実戦経験はないからさ、それが何だかわからないけど」

同「今のボクがわかるから、隠されてはないはずだよ」

同「神社から、どうだろ、300メートル位かな、ちょっとここからだと遠くて微妙だけど」

同「ボクの仕事はここまでかな、行くのならば一人で頼むよ」

女「え、私一人で?」

今日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

ではでは、また来ますね

今日は来ました

そろそろ遅れてくる五月病の季節でしょうか

では、投下していきます

女「つまり、危険だってこと?」

同「女さんとかにとっては、そうでもないんじゃない?」

同「ここって何の神様がいるんだっけ」

同「何かさ、すごく近寄りたくないんだけど」

女「縁結びの神様で通っているけど」

同「それは知ってるんだけど、他に何かないのかな」

女「他には国津神で荒神をやっつけた、のだったかな」

女「御神剣あたりが神体なんだっけ、それは大事に置いてあるよ」

女「だから退魔の力、降魔の力っていうんだっけ本当は」

同「どちらでも、通じればいいんじゃない?」

同「通じればいいっていう意味なら、退魔の方がいいのかも知れないけれど」

女「まぁ、そんな神社だよ、この上にあるのは」

同「いやいや、強いってその神様、どうりでどうりで」

同「ボクも朝とか昼間ならここまで嫌じゃないのかもしれないけど、今の時間帯はちょっと勘弁して欲しいかな」

同「多分、そうとうボクにはキツいと思う」

同「ボクが人か吸血鬼かのどちらかに異常に寄ることで身体が勝手に治すのかも知れないけど、それもちょっとね」

女「今は大丈夫なの?」

同「ここはギリギリセーフって感じかな」

同「もちろんボクにとってはこの神社は危険でも、女さんにとっては大丈夫だとは思うよ」

同「だけど、神社よりも上にあるのが危険かまではわからないから」

同「行くなら、気をつけてね」

女「うん、わかった」

女「ありがと、じゃあまたね」

同「じゃ、またね、役に立てたならよかったよ」

吸血鬼ちゃんと分かれて、階段を上り始めた

ここまで助けてくれたんだから感謝しないとね

本当に探知出来るんだ、男くんが言っていた通りだけどやっぱりすごいね

でも、普段はそこまででも無いらしいし

それに、神様とかには弱いんだ

家庭に祀ってある程度なら邪魔で遠くが見えない位らしいけど

やっぱり、ここみたいに降魔の力がある神社はダメなのかな

もっと吸血鬼に寄れば大丈夫かも、みたいに言っていたけど

そこまで人間離れすると、どうなるのかな

ちょっと見てみたいかも

身体に負担かかりそうだから頼めないけど

吸血鬼だから負担かかっても治る?

というか人間に寄れば大丈夫なのはわかるけど、吸血鬼に寄っても大丈夫って、それも相当なんじゃないかな

聞いた通りだと、この上に神様っぽいのがいるようだけど

何か、神社よりも先に行ったところにいるみたいだし

なんだか、神社の神域とは違う何かがあるから気をつけてと言われちゃった

男くん、また巻き込まれてるのかな

今から巻き込まれに行こうとしている私が言えたことではないけれど

その場所は神域内だからそんなに危険な物は存在していられない、留まりにくいらしい

怖いとすれば、大神様、荒神だと言っていた

だけど、それは退治したんだからいないはず

なら、前のような神隠しが可能性として高いのではないか

それならば、私が死ぬことはないだろう

なら、行って大丈夫だ

私が行ったとして何が出来るのかということではあるけれど

それに大丈夫そうだって油断するつもりもないけどさ

とりあえず、神社には着いた

ここまで、携帯が繋がらなくなることはなかったはず

ここは街にとても近いんだから当たり前だけど

やっぱり、男くんは降りてきたわけではないのだろう

男くんの家に直接訪ねることはしなかったように、ここでも家に直接訪ねることはしない

どうせいないでしょ、という打算があるからだけど

やっぱり家の人に行方不明を知られたくはないだろう

そもそもに本当に行方不明かもわからないんだし

私みたいに別人になり続けているのなら、あまり気にならないのかも

いや、でも私だって基本的にそういうのも引っ括めて認識されなくなってるだけで

そういう所も私達はルールに助けられてるんだもんね

やっとルール、というかこういう生活にも慣れてきたからわかってきたこともある

男くんは、まぁ最初の一ヶ月で大体わかっていたのだろうけど

私に『死んだこと』を意識させる話題は男くんがあからさまに避けるから

どうしても自分達のことに対する理解が浅いままな気がしてしまう

男くんが教えてくれなかったら他のことでもよくわからなかっただろうから、文句は言えないけど

さて、ここからどうしようか

ここよりも少し上と言っていたから、とりあえずは神社から上に行く山道を登ることにしよう

道がいくつもあるわけでもないし、迷いはしないだろう

変なことに気が付いてしまった

変なこと? 面白いこと?

まぁどちらでもいいけれど

おそらく、男くんが電話をかけてきた場所もわかった

何か、ここらへんだけ電波の入りが悪いのだ

そもそもに高い山でもないし、人里離れた山でもないので上の方まで行っても電波は届いている

ほんとに道から外れれば別かもしれないけれど、ちょっと外れた位では問題はない

ではどうしてここら辺だけ電波が来ないのか

たまたまアンテナから遠い、のならばいいのかも知れないけれど

電波の来ない範囲がキッチリし過ぎている

通信状態が悪くて電波の強さに波があって、ということはなく

何か壁でもあるみたいに、決まったとこを越えると全く電波が届かなくなる

これは、空間的に何か変なのではないか

ここに、『何か』があるのではないか

神社からの距離的にもこの辺で間違っていないはずだし

でも、何があるのだろう

私には何かがあるようには見えないし、うろうろしていても何かが起きる気配はない

こういうものは、やっぱり真ん中に何かあるのが定番だろう

そういう定番が結構こういうことでは当てになるって男くんは言っていた

グルグル回って確かめたけれど、この圏外空間の中心は道からちょっと外れたところにある大きな岩のあたりかな

この岩に何かあるのだろうか

少し調べてみることにする

女が落ちてきた

いつものように自殺、というわけではない

というか、そもそもに僕は女が落ちてくるところを見ていたことは少ない

目を逸らしていたとか、そういうわけではなくて

落ちていったとこを見ていることが多いのだ

つまり上から見ていたことが多いのである

だが、今回女を下から見上げる形になった

そして、落ちてきたと言っても滑り落ちてきているのだ

真っ逆さまに、ということではない

もう一度、現状を確認しよう

女が上から落ちてきた

お分かり頂けたであろうか

そう、パンツが見えるのである

そういや、僕達の職業というか区分というか

高校生なので、当然制服でのそれが多くなる

というかほとんどそうであったと言える

割と新鮮だよな、こういうの

うんうん

まぁ、これ多分直接言ったらキレられるだろうけど

ぶっ殺すぞ、みたいな感じに

女が僕を殺そうとすると確実に女が死ぬだけだから、何というか非常にマッチポンプな気がするけど

マッチポンプというか、ただの皮肉な話か

とりあえずあれだ、女が上から現れたのだ

この隠れ里に

どうやってここを見つけたのだろうか

そして、どうしてここに来たのだろうか

留守電入れておいたはずなのだけれど

そして、ここの場所までは教えていないはずだったんだけど

不思議なこともあるもんだ

今日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

またプロットの蓄えが切れてる…いい加減学んで先に組んどけよ俺…

ではでは、また来ますね

今日は来ました

梅雨入りしたみたいですね、じめじめしますね

では、投下していきます

丑の刻参りのことを解決して、というかそもそもに事件ですらなかったことがわかったので

家に帰ろうと僕は思ったのだけれど

「せっかくだ、歓迎するぞ」

男「そっちの家に行っていいということかな」

「うむ、封印も解いたから誰でも入れるであろう、封印を解かぬと誰も入れないのじゃが」

ク「家なんて隠してあったのですか?」

男「正直に言うと、もう相当眠いんだけど」

ク「3時過ぎですからね、私も眠いです」

「まぁ、我が家で寝れば良かろうて」

「安心して良い、ここから少し登ったところにある、遠くないぞ」

男「そんなところに家なんてあったかな」

男「いや、隠してあるんだから隠れ家のようなものか?」

「似たようなものじゃが、隠れ里と言ったところかの」

男「確かに微妙に違うけどさ、どちらにしろ、そんな伝承ここには無かったと思うんだけど」

「そうじゃろうな、隠しておったし」

「とりあえず、移動しながらにしようか、着いて来い」

男「それで、どうしてそんな場所を持ってるんだ?」

男「この神社が家なのではなかったのか」

「一応、そうじゃったんだがの」

「やはりあれじゃ、ここにまた顕現出来てしまっているように人間のような時間感覚から離れてしまう可能性を危惧して作っておいたのじゃよ」

男「なるほど、現人神でも元々は人でなかったから、また人でなくなる可能性を考えられたのか」

男「と、まぁそんな感じで僕達はここに来ていたのだけれど」

男「ここに入る前に連絡を入れてないことを思い出してね」

男「留守電入れておいたはずだったけど、女はどうしてここに?」

女「それなんだけど、全然聞こえなかったよ」

男「え、そうなの?」

女「一部分は聞こえていたから、ここまで何とか来れたよ」

女「ちょっと人の手を借りたけど、人かな、人だよね」

男「というか、さっき滑り落ちてきてたけど大丈夫だった?」

女「うん、痛かった」

女「服が汚れただけなのでセーフ、ということにした」

「我と一緒に来ればそんなことはなかっただろうに」

「しかし、よく見つけられたのう」

「普通の人間にも見つけられれば入れるだろうが、見つかるような場所にはなかったはずじゃが」

女「吸血鬼ちゃんに手伝ってもらったの」

「吸血鬼?」

男「あの子に探してもらったわけか、なるほど」

男「後で、お礼しとかないと」

男「結局あれかな、探知してもらったのかな」

女「そうそう、ここの位置まで大体当てたんだからすごいよね」

男「吸血鬼度合い上げると、そこまでわかるんだな」

男「あぁ、吸血鬼と言っても吸血鬼混ざりなだけで基本的には人間だよ」

男「それに、人間性として極めて無害だからそこまで警戒しないでいいよ」

男「そもそもに、ここに来ていない時点で君の神域に入りたくなかったのだろうしさ、来てないよ」

「ふむ、そうか、ならよいのじゃが」

「いかんせん不死者の王はのう、流石に警戒したくもなるじゃろうて」

「ま、お主が言うのなら信じておこうぞ」

男「そもそも、神様の質的に祓えちゃうと思うんだけど」

「推測の域を出ぬよ」

男「とは言え、山の下あたりからここが、ピンポイントでわかったの?」

女「神社の少し上に、何かあるって感じだったかな」

男「それでよくここが見つかったね、分かりやすい目印なんてなかったと思ったけれど」

女「そこで留守電が上手く入ってなかったことと繋がったの」

女「ここ、隠れ里って言うんだっけ?」

女「隠れ里の入り口を中心に、半径10メートルちょっと位かな、そこに入ると携帯の電波が入らなくなるんだよね」

女「だから、この辺りで電話してきたのかなってね」

女「それに、神社からの距離もここら辺だって教えてくれたしね」

男「なるほど、わかったよ」

男「心配かけたね、ごめん」

女「いいよ」

男「というわけらしいよ、君の結界だか人払いだかも万能じゃないね」

「端くれとはいえ神を君呼ばわりするのはお主くらいじゃろうが、なるほど時間の流れとは恐ろしいものじゃの」

「怖いのは人間の進歩かのう」

「我らのようなものの存在も、もはや長くはないのかも知れんな」

「しかし、電波か、そういうのにも気を付けておこう」

男「気を付けてればどうにかなるのは流石と言うしかないね」

「空間の境目をもう少し曖昧にすればよいだけじゃよ」

男「ここ、やっぱり外と物理的に繋がってるわけじゃないんだな」

「地面を掘ったら見つかった、なんてことがあったら困るからのう」

「そもそもに、こんな空間を普通に地下に掘っておったら大変なことになるじゃろ」

男「まぁ、地下に庭付き一軒家だもんな」

女「というか、畑まであるじゃない」

ク「井戸もありますね」

「自活出来るからの」

男「昔の一軒家ってとこなのかな、地下なのに普通に明るいのが仙郷のすごさと言ったところか」

男「そういえば、ここは隠れ里だけど外と時間の流れは変わらないんだよな」

「寝て起きたら、外では1年以上経っていたら困るじゃろ?」

男「そんなこと無いとは聞いていたけれど」

男「ここって隠れ里とか迷い家みたいな性質の場所だけれどさ」

「うむ、そうじゃの」

男「何か家具とか持ち帰ったらいいことあるのかなって」

「そういう土産は用意出来てないのう、如何せんこの時代になってからここに来たのは初めてじゃからの」

「一応神社の神域内じゃから、困った時は来ると良い」

「この神域から出られないから、お主らを助けることは叶わないかも知れぬが」

「変なのに追われたら、ここまで来れれば助けられるとは思う」

「まぁ、その、何だ、この前のお礼みたいなものじゃよ」

「あまり助けにはならんと思うが」

「犬神討伐では、助けられたからな」

男「あ、そういう意味でここに呼んだんだ」

男「いいよいいよ、あれ倒してなかったら僕達も大変だったわけだし」

女「私は若干アウト寄りだったけど、まぁセーフだよね」

「お主らのそれ、ルールとは一体何なのかわからんのう」

「この時代の怪談や都市伝説のあり方は、そもそもに神話とは趣が違うのでどうともわからないことだらけなのじゃが」

「とはいえ、ここや我らの存在自体がそもそもに」

男「その話はいいよ」

「うむ、ならばやめておくが」

男「ま、今後も気軽に遊びに来るよ」

男「僕達ではわからないことがあるかも知れないし」

男「逃げ場として使うことは無いとは思うけれど」

男「とりあえず、今日はもう帰るよ」

「うむ、次は何か用意しておくぞ、楽しみにすると良い」

ク「私はよく来ることになると思います」






男「しかし、女に余計に心配かけたのは失敗だったな」

女「いいよ、何もなかったんだし」

女「それにしても、隠れ里?」

女「面白い場所だね、地下なのに明るいし」

男「うん、あそこは面白いよね、こういう機会でも無いと入れないだろうし」

ク「仙郷の一種にあたるのでしょうか、いいところでしたね」

男「いいところじゃなきゃ、仙郷にはならないもんね」

ク「では、私もここで、ありがとうございました」

男「じゃ、また」

女「またねー」





男「まさか、留守電が上手く入ってないとは思いもよらなかったよ」

女「困ったんだから」

男「ギリギリまで連絡を忘れていた僕が、全面的に悪かったよ」

女「何もなかったから許してあげる」

男「そう、ありがとう」

第26話



女「男くんが帰ってこない」




今日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

ではでは、また来ますね

今日は来ました

なんだか暑くなって来ましたね、ジメジメしていて寝苦しい夜が続きます

では、投下していきます

第28話



男「天気雨」 女「雨宿り」




男「狐ってさ」

女「うん」

男「普通の動物という意味ではなくて神獣とかそういう霊的な、伝説や伝承的な意味での話なんだけれど」

女「うんうん」

男「狐って、人を化かすとか色々と話はあると思うけれど」

男「妖怪とかには珍しく、身分社会があるんだよね」

女「そうなんだ」

男「他にも上下関係が存在する妖怪はあるけれど、狐は種類も多くてさ」

男「有名なのは九尾の狐かな」

女「それなら私でも知ってるよ」

男「殺生石とかああいうのだよね」

男「まぁ、その九尾の狐は身分社会に入っていないのだけれど」

女「そうなの?」

男「大きく二つに分けると、狐は野狐と善狐、悪狐と善狐と言うこともあるけど」

男「この分け方は完全に人間目線なんだ」

男「野狐は人間に悪さをする野良の狐って意味合いが強くて、善狐は文字と通りに良い狐なんだよね」

男「良い狐っていうのは、神様の使徒とか神様そのものみたいな意味合いかな」

男「野狐は妖怪だと思ってくれていいと思うよ、もちろん野狐にも悪さをしないやつはいる」

男「それで、九尾の狐は野狐で、身分社会があるのは善狐なんだよ」

男「野狐の中にはあんまり区分けがないのだけれど、善狐には地狐、天孤、空狐と3つの区分けがされているんだけれど」

男「まぁ、後になるほど偉いとか強いとかそんな風に捉えてれば間違ってないとは思う」

女「うんうん、それで?」

男「いやさ、ちょっと思ったんだよ」

男「身分社会があればドラマが起きるんじゃないかなって」

女「ドラマって?」

男「いや、茶番でもいいのだけれど」

男「まずさ、地狐が一番低くて、一番上が空孤だとするよ」

女「うん」

男「そうしたら差別とかそういうのが起きるじゃないか、そうしたらさ」



空孤「父上!どうしてそうも頑ななのですか!」

空孤父「ならぬ、としか言っていないであろう」

空孤「身分の上下がなんだと言うのです、私は地狐である彼女を好きに」

空孤父「これ以上、我が家の名を汚すようなことを言うな」

空孤「……ですが!」

空孤父「考えを改めるつもりはないのだな?」

空孤「当たり前です」

空孤父「ならば、この話はしまいだ」

空孤父「貴様など我が家には必要ない、出ていけ」

空孤「それは、縁を切るということですか」

空孤父「お前のようなやつは必要ないと言っているのだ」

空孤父「どこへでも好きなところに行けばよいだろう、女のところにでもな」

空孤「父上……!」

空孤父「もう貴様に父など呼ばれる筋合いは無い」

空孤父「が、私もやはり一匹の狐であることには変わりない」

空孤父「孫の顔位は見せに来い」

空孤父「もう行け、待たせているのだろう?」

空孤「今までありがとう……ございました……!」

男「みたいな、よくある茶番みたいな感じの話」

女「そういう話ね、あるのかな?」

男「いや、僕が振っておいて何だけれど、多分これ起きないや」

女「そうなの?」

男「まずお家制度みたいなのじゃないと思うし」

男「いい生まれだから優れている、というのはまぁ人間と同じように無くはないのだろうけれど」

男「でも、血統がどうとかみたいな話は聞かないし、無いのかな」

女「そういえば、どうして急にこんな話を? 別にいいけどさ」

男「狐の嫁入りっていうのがあるのだけれど」

女「うん」

男「ちょうど、こんな感じの通り雨の時に起こると言われているんだよ」

男「天候と結びつけた俗信だけれど、実際天気雨は不思議な感じがするよね」

女「日が差しているのに雨が降っているというこの風景、私は好きだけれど」

男「何も僕達の帰りに合わせてくれなくてもね」

女「だからこうやって教室で暇を潰しているんじゃない、雨宿りと言っていいのかな」

男「急な雨で、それをやり過ごすまで待つという意味ではあっているだろうけど」

男「僕達別に外にいたわけじゃないしね、どうなんだろう、立ち往生とかかな?」

女「雨降るなら屋上なんて寄らなきゃよかったねー」

男「いや、それでも僕は寄ったと思うけど」

男「天気雨なんだから、すぐに止むだろうしさ」

女「男くんはさ、私の幽霊に構い過ぎだと思うけどなー」

男「ん、構って欲しいの?」

女「いや、別に、そういうわけではないけれど」

女「笑わないでよ、もう」

男「いやいや、しかしあっちの君も君だと思うんだけどねぇ」

女「記憶の同期が出来ないから別物だよ、途中まで同じだっただけ」

男「ま、そうなんだよね」

男「君が気にする理由もわからなくはないけれど、こればっかりはね」

男「ま、いいか」

男「そうそう、狐の嫁入りってさ」

女「うん」

男「昼間に大名行列のようにぞろぞろと人に化けて通るだとか、夜に狐火が山とかを一列に提灯行列のように見えることだったりと割とパターンはあるのだけれど」

男「これって、狐から狐への嫁入りなわけじゃない?」

女「そうなんじゃない、普通に考えれば」

男「それでさ、まぁ家系とは無くてもそういう地方毎のグループの長みたいなのはいたと思うんだ」

男「狐が神様の神社もあるわけだし、そこから違う神社へ、とかさ」

女「で、身分違いの恋愛の話になるのかな」

男「うん、人間以外がそういうことやっていたら面白いなって思っただけなんだけどさ」

女「あってもいいとは思うけれど」

男「さっきのお家柄みたいなのはないんじゃないかな、という話の続きだけれど」

男「お家柄みたいなのはあったとしても、さっきの話のようなことはやっぱり起こらない気がする」

女「どうして?」

男「地狐、天孤、空狐の定義の話になるんだけど」

男「地狐は妖狐の一番下で野狐と同じような扱いなんだけど、まず狐は尻尾が1本だろ?」

女「うん」

男「九尾になるのには、まぁ8本増やさないといけないわけだ」

女「そうだね」

男「ちなみに、1本増やす妖力を得るのに50年から100年かかるらしい」

男「九尾になるのに最速で400年程度だということかな」

男「野狐として九尾になるのはこれでいいんだろうけどさ」

男「天孤、これは九尾なんだけど1000年以上生きているという制限もつくんだ」

女「800年かけて九尾になっても200年位暇になるんだね」

男「いや、暇かどうかはわからないし、そもそもに尻尾を増やす為のことをずっとして生きているわけではないと思うけれど」

男「身分社会らしいし、社会的立場とか仕事とかあるかもしれないし、生きているという表現には語弊があったかもしれないね」

男「1000年生きて神格化すると天孤になる、狐は神様の使いという意味もあって、これは中国の話だけれど日本に入ってきているね」

女「祀られてるもんね」

男「お稲荷様だね、とても食べ物のイメージが強くなってしまうけれど、そこは仕方ないかな」

女「お稲荷さんに、きつねうどん、油揚げのイメージだね」

今回の投下はここまでになります、お疲れ様でした

見ての通りの雑談回ですね、ええ、いやそろそろネタがですね

プロット組まないとまた次の話が…という自転車操業型の連載ですねこのSS

ではでは、また来ますね

今日は来ましたー

何だか梅雨らしからぬ晴れが多いですね

では、投下していきます

男「頑張って尻尾を増やしても空狐だと0本になるらしいけどね」

女「減っちゃうんだ」

男「力が付くってことは神様に近付くことでさ、まぁ神様に近付くと尻尾とか動物的な耳とかそういうのは必要無くて、人間の姿に近付くらしい」

男「どこまでも人間主体なお話な気がしてならないけれど、そういうことらしいよ」

女「頑張って増やしても無くなっちゃうんだね」

男「いや、尻尾が増えるのは力が増したことの証であって、それが目的じゃあないんだと思うよ?」

男「ちなみに日本ではよく取り上げられる狐と狸だけれど」

女「カップ麺だね」

男「それではないのだけれど、そしてカップ麺の人気とかそういう意味ではなくて、狸と狐のどちらが強いか、と聞かれたら化かし方だと狸らしいんだけれど、霊力的には狐らしいね」

男「この差は、狸って言葉自体は、そういう見た目の動物は全てムジナという言葉で括られていたように、大差なかったのだけれど」

男「元々は同じ穴のムジナと言葉通りに括られていたわけだ」

男「似たような姿を持つ動物を区別する言葉はまだなかったみたいだね」

男「そもそも、ムジナっていう動物はいないしさ」

女「そうなの?」

男「同じ穴のムジナとか言うけれど、いないんだよ」

女「空想上の生き物ってこと?」

男「それなら僕達は会ったり出来るかも知れないけれど、残念ながらそうではなくて」

男「ムジナって名前で穴熊や狸、そういうのが呼ばれていたんだよ」

男「今ではムジナと呼ばれる生物はいないね、ムジナって言ったら穴熊という意味で通じるかもしれないけれど」

女「てっきりムジナっていう生き物がいるものとばかり思っていたよ」

男「実際、同じ穴のムジナという言い回しは今でも結構使われる気はするし、聞かない言葉ではないからね」

男「だから狸同様に穴熊もそういう力があるとされていたりするんだよ」

男「そこは狸と同じ穴に住んでいるからという理屈らしいけれど」

男「一方狐や狼は鼠を食べてくれて、稲作において豊作をもたらす益獣だったから、民間信仰的に豊作をもたらすとして神聖視されていたんだよね」

男「だけど狐は日本に仏教が入ってくるのと共に九尾伝説などの説話が入ってきたから、イメージが人を化かすと言った悪いものになってしまったね」

男「狼は、日本で絶滅したのも最近だしやはり同じく神聖視されていたはずだけれど」

男「仏教に関係ないからかな、生息数や生息地が人里から遠いとかそういう問題もあったのだろうけれど、影が薄い感じだね」

男「どうしてそもそもいきなり狐の話をしたか、ということはまだ言っていなかったかな」

女「うん」

男「勿体ぶるような意味はなくて、この天気雨を見て狐の嫁入りを想起しただけなんだけどさ」

男「そうだ、狐の嫁入りと言えば」

女「うんうん」

男「安部晴明って知ってるかな」

女「陰陽師だっけ」

男「そうそう、有名というか陰陽師と言ったらこの人みたいな感じもあるね」

男「まぁ、僕の場合漫画の影響もあるとは思うけれど」

女「どの漫画?」

男「そのままに、陰陽師ってタイトルだったけれど少し古いというか僕らの年代が読んでいる気はあまりしないね」

男「そういう本とか好きなら辿り着く可能性はあるけど、或いは親や年上の兄弟や親戚などの影響とか」

男「そちらの話では無くて、安部晴明の話なのだけれど」

女「うん」

男「高名な陰陽師だけど、人と狐のハーフという説があるんだよ」

女「狐の嫁入り?」

男「それが狐が嫁入りなのか、狐に嫁入りなのかは僕にはわからないけどさ」

男「異類婚姻譚、異常な誕生をとげているのは伝説にはあることだね」

男「生まれからして違う、ということなのかな」

男「それこそ、そうだね、クラスにいる巫女さんは神様と人間の間だろうからそういう類なのだろうね」

男「吸血鬼混ざりもやはり似たような話に分類されるのかな」

男「あちらは婚姻では無いけれど」

女「生まれからして違うから強いってことなのかな」

男「まぁ、伝説としての意味合いはそうなるのかな」

男「どの位凄いのかと言うと、そもそも半分人間じゃない位には凄まじいし、人間離れしているよ、みたいな」

男「狐の霊能力は高いと言われているし、人に霊能力を授けることもあるみたいだし、そういうのも関係しているのかな」

男「陰陽師の時代は昔過ぎて良くわからないけどね」

男「いい時代だったかとか、そういうのは価値観次第だけれど」

男「それでもやっぱりこの時代の方が便利なのだろうね」

女「病気とか怖いし、暖房機器もないものね」

男「今よりも死が身近で、わからないことだらけだったから神様や妖怪、そういう存在がたくさん生み出されたのだろうけど」

男「今の娯楽志向の都市伝説とは違った趣きがあって好きではあるね」

女「説話みたいなね、善悪の話だったり、経験的にしてはいけないことだったりね」

男「いいよね、そういうの」

男「そういう意味では、通り雨ってどっちなんだろう」

女「どっちって?」

男「意味合いとして凶か吉かという話だけれど」

女「通り雨がどっちなのかってこと?」

男「うん、まぁ通り雨って人間がやることでは無いので通り雨を見るということ、とか」

男「通り雨に遭うこと、とかのことだけれど」

女「どっちなの?」

男「どうなんだろうと言った通り、よくわからないね」

男「狐の嫁入りとして見るならば、さてやっぱりどちらなのだろう」

男「そもそも狐の嫁入りが通り雨を指すことは多いけれど、実際地方差、地域差があって虹のことだったりすることもあるらしいし」

男「というか、狐の嫁入りとして見たとしても、凶か吉かどちらかわからないんだよね」

男「狐は神聖な物だから吉のイメージ、幸福の予兆と取れないこともないのかな」

女「そっか、いいことあるといいね」

男「うん、いいことあるといいよね」

男「そして狐には化かす、悪戯すると言った妖怪的な意味合いが」

男「いや、メインではやはり九尾の狐伝説なのかな」

男「そういう感じで、逆の不幸の象徴にもなるのかな」

男「だから狐の嫁入りは不幸の予兆か、幸運の予兆かどちらなのかなって思った、というだけだけれどさ」

女「あ、そうだ」

男「どうしたの?」

女「いや、不幸で思い出したのだけれど、そういえば不幸の」

そう女が言いかけ、言うのをやめた

のならばよかったのだけれど、言えなかったようだ

おそらく、言い切らないようにタイミングは合わせたのだろうけど

まさか女も爆散するとは思わなかっただろう

死因がわかっていたら、僕からもう少し離れただろうから

とりあえず、現状としては

突然、隣にいた女が上半身が破裂するように死んだ、というものだろう

まぁ、本当にいきなりだったので僕は思いっきり濡れたというか汚れたわけだけれど

もう、消えたし、残ったのは微妙な不快感だけか

当然だけれど、匂いも消えるんだな

ここには最初から僕一人しかいなかったような感じになっている、実際のところ事実としてはそうなっているのだろう

しかし、何が起こったのか

言いかけのタイミングでわざわざ死んだのだから、不幸の手紙だと推測した

いつ届いたのか知らないけれど、期限が今日までだったんだろう

指定された日までに指定された枚数、誰かに送りつけないと不幸になる手紙

不幸、にしては中々にヘビーなものが来たようだけど、文面的には不幸が襲い掛かるとかそんなところだろう

手紙なのかメールなのか、そこら辺は聞いてみないとわからないけれど、教えてくれるつもりはないから今まで黙っていたのだろう

誰にも押し付けなければ、誰にも知らせなければ、誰も巻き込まないと、自分で終わりに出来ると思ったに違いない

間違ってはいないと思うけれど

確かに間違ってはいないと思うのだけれど、それでよかったのだろうか

運が悪い、というしか無いのだろうけど

それで済ませるにはあまりにあまりだろう

しかし、事故のように降りかかる不幸は、こういう理不尽で非常に暴力的な物だと思わなくもないが

さて、雨もやんだし、帰ろうか

今日は二回も女が死ぬのを見てしまった

先に死んだ方を、幽霊の方を女と呼ぶと女に文句を言われてしまうのだが、というかどっちの女に文句を言われているのかわからないな

まぁ、それに幽霊の方は平日ならば毎日落ちているのだが、そもそも幽霊だから死んだと言っていいのかどうか

あー、ちくしょう、綺麗に晴れてやがる

第28話




男「天気雨」 女「雨宿り」





今回の投下はここまでになります、お疲れ様でした

もしかしたらこのスレでこれ完結させるかも知れません、終わり方がやっと見えただけですが

というか今まで終わり方見えてないのにやっていたのですが

ではでは、また来ますね

今日は来ました

今回の話は、何と言うか非常にあれなので読み飛ばした方がいいのかも知れません

29話ですから、記念にという感じです

そう、29話だからなんです

では投下していきます

男「みんなにここに集まってもらったのは言うまでもない」

男「あの事についてだ」

同「どの事だよ、何も聞いてないんだけど」

ク「ここと言っても、教室じゃないですか」

初「じゃあ、屋上に移動する?」

女「ここでいいでしょ、他に誰もいないし、というかあなた移動出来るんだね」

初「学校の中ならある程度はね、校舎から離れるのは辛いけど」

同「幽霊なんて、見られたらどうするの?」

男「ほとんどの人は見えないとは思うけれどね」

男「しかし、関連性で考えるとここの生徒なら見えてもおかしくはないわけか」

初「一応気を付けないとねー、私が一人で彷徨くなんてことは滅多に無いとは思うけど」

同「ボクがいるから、誰か来そうになったら教えるけれど」

同「そもそも放課後の校舎は人がそんなにいないから問題無いかな」

男「グラウンドと部室棟にほとんどいるし、自習だって図書室だったりで、教室に残るってそれこそ用事があったり、だろうし」

ク「この教室に入ってくるような人がいなければ、廊下を通られたとしても困らないと思いますし、大丈夫じゃないですか?」

男「見えたとしても、ここの制服着てるから知らない人が混ざってる程度で済むだろうね」

同「4人が5人に見えた位なら、問題ないか」

初「で、どうしてこんなに呼んだの?」

男「うん、みんなに見せたいものがあってさ」

同「このメンツの段階でおおよそ想像はつくけど、そういう物なの?」

男「そうそう、流石にそれ位はわかっちゃうよね」

男「まぁ、その前に話でもしようか」

男「恐怖のシュウマイという話がありまして」

同「その話なら、ボクは知ってるよ?」

ク「私も知っています」

初「私も知ってるー」

女「シュウマイが蓋を開ける度に不思議と消えて行く話、だったっけ?」

男「そうそう、みんな知ってるならわざわざ全部言う必要は無いか」

男「蓋を開ける度に減っていくシュウマイに恐怖したのだが、オチとしては蓋にシュウマイがくっついていただけ」

男「という笑い話というか何と言うか、ギャグみたいなものなのだけれど」

男「いやいや、もちろん関係あるから話したんだよ」

男「関係あると言っても、もちろんあれだけどさ」

男「丸っきり同じというわけではないよ」

同「その言い方だと、似たようなことが起こったみたいに聞こえるけど」

男「まさにその通りだ、正解だよ」

男「あれは、昨日のことだった」

女「語り出すんだね」

男「僕は某所であれを手に入れた」

男「一応、冷める前には帰りたかった」

男「とはいえ、家まですぐという距離ではなかったのだが季節は冬では無い、むしろ逆なのでそこまで冷めることの心配をしていたわけではなく」

男「むしろ、何かを持っているので真っ直ぐ家に帰ろうという程度の気持ちでしかなかった」

男「多少冷めたとしてもレンジで温めればいいだろう、熱々を食べるにはどうしたってそれが必要だろう」

男「そもそもにそれを貰った段階で、出来立てのホッカホカというわけでは無かったのだから」

男「みんなは無いかな、家を出て少しして唐突に、無性に荷物の中身が気になることって」

男「絶対入れたはずの物が無い気がすることって」

ク「ありますね、財布とか携帯、お弁当に筆箱、気になってカバンを開けてしまうこと」

女「それは、あるよね」

男「その時、僕はたまたま持っている荷物が気になってしまってね」

男「中で寄ってぐちゃぐちゃになってないかな、とか」

男「その程度だったのだけれど」

男「箱には確かに肉まんが入っていたはずなんだ」

同「あ、肉まんを持ち帰ってたんだ」

男「あれ、言ってなかったけ?」

同「うん、言ってなかったと思うよ、指示語だけだった気がした」

男「それは悪いことをしたね、肉まん、そう肉まんの入った箱を持ち帰っていたんだよ」

女「箱に入っているってことはいいとこで買ったのかな」

男「そんなところかな」

男「それで僕は立ち止まって確認したんだ」

男「そうしたら、減っていたんだよ」

男「いくら何でも、勝手に肉まんが減るわけないだろう」

男「だから僕は、最初に入っている数を覚え間違えたのだろう、とか」

男「その時はそんなことを考えて、深くは考えずにまた歩き出した」

男「少し歩いて、また気になった」

男「今度は何て言うのか、服に虫がついていないのに何かついている気がするとか」

男「服の中に何かいる気がするとか、そういう感覚に近いのだけれど」

男「鞄が開いてる気がするとか、何か落とした気がするとか、そういうやつ」

男「君たちは無いかな?」

ク「それも、ありますけど」

同「まぁ、時々あるよね」

男「それで、やっぱり持っていた箱が気になったんだ」

男「何か違和感がある、何か落とした気がする、気がするだけだけど」

男「いつもならば、気にしなかったのかも知れない」

男「さっきのことも思い出した僕は、また一つ減ったのではないかと」

男「いや、そもそもさっき一つ減ったのかすら定かでは無いのだが」

男「そういう考えで、箱を開けたんだ」

男「そうしたら、また減っていたよ」

男「もう間違えない」

男「さっきの段階で5個あった肉まんが4個になっていた」

男「さっきの段階で一つ減っていたのなら、元々は6個あったことになるけれど」

男「ここで不安になったのは、どこかに落としてきたのではないか、ということだった」

男「なぜ減ったか、落としたからだ」

男「これが一番わかりやすい理由だろう、というか他に減りようがあるまい」

男「箱を確認するが、穴は空いていないようだった、少なくとも肉まんが落ちるような物は」

男「そこから違和感を覚えたところまでを振り返って見てみたけれど」

男「それらしき物は落ちていない」

男「少し戻ってみるも、やっぱり落ちていなかった」

男「そこらへんから僕も、何となく察していた」

男「あ、もしかしてこれ、そういう話なのでは無かろうか」

男「何らかの攻撃、というわけではないかも知れないけど、悪戯とかそういうやつ」

男「そういうのが起きているのでは、と思い始めたんだ」

同「ボクなら、そういうの何となくというか普通に察せられるんだけどね」

同「まぁ、邪魔な物が無ければというのと、昼間じゃなければという制約があるからどうにも頼りないけどさ」

初「それで本当に落としていただけだったら恥ずかしいねー」

男「そうだったなら、こういう話はしない、でしょ?」

初「そっか、そうだよね」

男「気にしてもわからないものはわからないし、そもそも僕にピンポイントで何かが憑いているわけではなくて、通った道の方に問題がある可能性もあったから」

男「何か変だとは思いながらも、家に向かった」

男「途中何度か箱を開けたのだが、減っている時と減っていない時があった」

男「でも、増えていることなんて一度も無くて」

男「この箱、捨てて帰ろうかなんて思いもしたのだけれど」

男「それはそれで、良くないことが起きる気もして」

男「結局、家に帰り着いてしまった」

男「自分の部屋に入り、1個だけ残っている肉まんをとりあえず確認しようと箱を開けたら」

男「いたんだよ」

男「そう、こいつがさ」




(*・∀・*)ノ ヤァ!

第29話




男「食べたがりな肉まんの食欲が抑えられない」






今回の投下はここまでになりますお疲れ様でした

大丈夫です、無許可じゃないです、著作権侵害してません

そんな感じで変なクロスオーバー始めました、すぐに通常運行に戻りますが、というか肉まんしか出ませんが

ではでは、また来ますね

今日は来ました

29話だから肉まん回やるか!という話はだいぶ前からありましたが、まさか肉の日に被るとは…

レス見て投下日が肉の日だったのに気付きました

では、投下していきます

女「何、この生き物?」

同「んー、なんだろこれ、ごめんわからないや」

男「さあ始まりました、こいつは一体なんでSHOW」

女「いや何でテンション上げたの」

初「男さんは何かわかっているのですか?」

男「さぁ、どうだろう、わかっているけどわかっていないような」

ク「とりあえず、これ何なんですか?」

男「んー、そうだねぇ、何に見える?」

(*・∀・*)………

ク「え、肉まん?」

男「よく出来ました、花まるあげちゃいましょう」

ク「えへへ、って本当に肉まんなんですか?」

女「喋ってたけど、肉まんなんだ」

初「ぷにぷにしてるねー」

同「それ、さっき腕生えてた気がしたんだけど」

男「まぁ、それでだ」

男「どうやらこの肉まんが他の肉まんを食したようなのだけれど」

同「共食い!?」

男「これってもう共食いというか、同種だとはあまり思えないのだけどさ」

男「こいつ、結構食べるんだよね」

男「どういう構造しているかわからないけれど、それは最初からだよね」

ク「どうして、肉まんが動いているのでしょうか」

男「やっぱり、わからないのはそこだよね」

男「クイズ感覚で当ててみてよ」

男「そう危険なものでもないし、面白そうだったからみんなに見せようと思って持ってきたんだ」

初「家に置いてきたくなかったんじゃないの?」

男「いや、そうなんだけどね、そうなのだけどさ」

同「ボクが見てもわからないっていうのがどうにもね、そこら辺が逆にヒントなのだろうけれど」

同「いや、あれ、これって」

男「気付かれてしまったようだね」

同「この変な肉まんさ、箱から出していい?」

男「あえてこの箱なんだよ、という意味はわかるよね」

同「やっぱり、ボク対策なんだね」

同「お札でも内側に貼ってあるのかな?」

男「そんなところかな、だからまぁ演出としてこの箱を用意しておいただけとも言えるね」

同「クイズとしてか、なるほどね」

男「だね、流石にこっちが一方的に制限をかけているのは僕としてもあまりいい気分ではないし」

男「そもそも、君のそれって別に相手が何であるか詳細がわかるような物でもないと思ったのだけれど」

同「うん」

男「だから実際、この箱ってさっきの話をするまでの間」

男「というか放課後になるまで、君にバレないようにするために使ったようなものだからさ」

同「それで演出ね、うん、確かにわからなかったのだからいい演出だよ全く」

男「だからもう箱に入れておく意味も無いから出しておくよ」

女「どう、わかる?」

同「肉まんではないであろうということはわかるのだけれど、どうにもそれ以上は」

初「見たまんまだね」

同「これ本当に肉まんって言っていいのかな?」

同「中身が肉であるかという話ではなくて、そもそもこれ食べ物なの?」

ク「食べられるものなのでしょうか、少し気になりますね」

初「気になるねー」

女「そうだね」

同「何その目、ボク食べないからね?」

初「えー」

男「えー」

同「えーじゃないって」

ク「食べられないのですか?」

同「いやいやいや、だからさ、確かにね? ボクは吸血鬼だけどね?」

同「だからと言って変な物食べれるかと言われたらさ」

同「実際、幽霊だろうと妖怪だろうと、頑張れば触れるだろうから物理的にという意味ではどうにかなるのだろうけれど」

同「ああいうのに、物理的って言葉はどうかとは思うけれど」

初「私、食べられちゃうの?」

同「食べないよ!」

同「食べたくないって言ってるじゃん!」

同「お腹壊すでしょ、たぶん」

男「治るんじゃないの、その身体なら」

男「とはいえ、どういう影響が出るかわからないからそういうのはやめた方がいいとは思うけれど」

同「妖怪とか幽霊食べるって、犯罪じゃないだけであって普通に有り得ない選択肢だよね」

女「うん、そう思う、というか普通にもぐもぐ食べていたら多分あなたは人間の敵になっていると思う」

同「あー、確かに悪役というか敵役というか、そっちの感じだね」

男「でも、これ肉まんだしさ」

同「喋る物は食べたく無いんだけど」

男「味とか食べた後どうなるかとか聞いてみたかったけれど、いやならしょうが無いか」

同「毒見だ! ボク知ってるよ、それ毒見って言うんだよ!」

女「じゃあ、推理を続けようか」

同「味見たって何かわかるわけでもないよね、考えてみたら」

男「だろうね、面白そうだから食べてみて欲しかっただけだし」

同「ただの罰ゲームじゃん」

ク「これ、肉まんを食べていた、のでいいのでしょうか」

男「そうだね、何か知らないけど雑食だし無駄に食うね」

男「どこに収まってるとかそういうのは置いといて、食べたのは事実っぽいね」

ク「何かを食べる、食欲が、何でしょうか」

女「二口女とか?」

同「物食わぬ嫁か、手のような何かも生えるみたいだし、口が無いところに口があるという点でも似ているね」

女「何でそれで肉まんなの?」

( *・∀・)………ソンナコトイワレテテモ

(*・∀・*)ワタシ二口女ジャナイカラ…

男「違うってよ」

初「これ食べれるかなー」

つ)=∀・*)ギャア

初「私でも触れるんだから、どうにかなりそうな気はするけど」

つ)=∀・*)ヤメテェ

同「あれ、普通の物、触れないんだっけ?」

初「触れないね、今も座っている振りしてるだけだから」

初「そもそも浮けるからどんな体勢でも困りはしないのだけれど」

同「そうなんだ」

ク「初さんが触れるということはいよいよもってそっち系の物なんでしょうね」

ク「まぁ、最初からそっち系だと決まっていた気はしましたが」

男「食べたいなら、食べてみたら?」

初「やだよ、喋るし動くしで気持ち悪いじゃない」

(*・∀・*)ヒドイ!!

同「二口女でもないとすると、付喪神ではないだろうし」

女「食べ物も付喪神になるの?」

同「百年も保つ食べ物がそもそもあるのか、という話になるのだろうけれど」

男「そうだねえ、実際付喪神に成りうる依り代って、森羅万象らしいし、生物だろうが人工の道具だろうが霊魂が宿るって考え方みたいだから」

男「食べ物の付喪神ってそれはもう精霊とかそういうのに近いと思うけれど、いや意味は同じか」

男「それはいいとしても、肉まん」

男「というか中華まんって言うのかな、正式名称は」

男「呼び名はどうでも良くないのかも知れないけれど、中華まんとするならば」

男「そろそろ100年になりそうだね、中華まんの歴史も」

男「正確な起源については諸説あるのかも知れないけれど」

初「じゃあ、この子は中華まんの付喪神なんだー」

同「物が意識を持って動くってところにだけ着目して適当に言っただけだけれど、当たる物だね」

(*・∀・*)チガウケド?

男「違うってさ」

同「違うのかよ! 騙された!」

男「いやいや図っただけさ」

同「余計にたちが悪いよ」

(*・∀・*)ミックックック……

同「何か馬鹿にされてる気がする!」

同「本当に、食べてやろうかしら」

(*・∀・*)ヤメテヨー

同「何かちょっと見慣れてきたからか、いける気がしてきた」

今回の投下はここまでになりますお疲れ様でした

こういう軽いノリだと書きやすくて何か書いてていい感じですねー

ではでは、また来ますね

今日は来ました

肉まんが出てくることを隠す為にどの作品とクロスするか先に告知しなかったのは自分のミスですね、申し訳ないです

スレタイやらURLで誘導する気もありませんでしたが、というか正直に言うと肉まんを知らないという発想が無かったということがミスでした

それでも肉まんを知らなくても読める、というか肉まんが何かという表記はあちらにも無いので問題は無いはずです、とこれ位はせめて言っておくべきでした

何分不慣れなことでしてみたいな言い訳はよしておいて、誘導はそうですね、機会があったらにします

では、投下していきます

ク「では一体何なのでしょうか」

女「その子、たくさん食べるんだよね?」

男「結構食べるね、大きさから考えたら桁外れに食べられると言っても過言ではないかな」

女「なんだろう、餓鬼とかそういうのって人に取り憑くだけでそんな変化はさせないと思うし」

ク「餓鬼憑きのことでしょうか」

ク「ヒダル神も似たような物でしたっけ」

男「どちらも空腹で動けなくする物だったかな、基本的に山道とかで遭う気はするけれど」

初「あれ見た目まで変わったっけ?」

同「変わるのかな、そんなイメージ無かったけど」

(*・∀・*)ソンナワケナイジャン

男「違うってよ、そもそも餓鬼は食べまくるものでも無いしね」

同「顔が出来る、柿でも無いし、柱でもない」

同「人面瘡?」

男「それなら物も食べるし言葉も話す、一応一致しているのかな」

同「人面瘡って、毒飲ませて治すんだっけ?」

男「やってみる?」

(*・∀・*)……

( *・∀・)ソレハカンベンシテ

男「まぁ、手元に毒なんてないだろうけどさ、人面瘡じゃあないんじゃないかな」

同「そりゃ、そうだろうねぇ」

同「肉まんには怪我するって概念が無いもんね、食べ物だし」

男「他に何かある?」

女「私は無いかなぁ」

ク「お手上げです」

初「右に同じ」

同「左に同じ」

男「じゃあ、ヒントにしようか」

男「ヒント、この肉まん再生します」

初「どういうこと?」

男「いやね、何だかんだ僕も食べなかったわけだけども」

同「そりゃボクに味見させようとしてたものね」

男「ほら、僕だって肉まんを持って帰ってきて食べようと思っていたんだよ」

女「無くなる物だと思うわけないもんね」

男「で、それでこの肉まんがいたわけだ」

男「レンジでチンする必要も無くある程度の温度を持ってるからさ」

ク「完全に生物ですよね、体温まであるって」

男「いやいや、肉まんとしての機能かも知れないよ、保温機能つき」

同「それは肉まんに付くべき機能じゃない、というか肉まんに機能なんてつかないよ、普通は」

男「というか、これをレンジに入れる度胸は無かったというだけなのだけれど」

初「動くし喋るし、何か破裂しそうだよね」

男「まぁ、仕方ないからそのまま食べようと思って」

ク「食べようと思ったんですか」

同「中々に男くんって思い切りあるね、耐性があるのかな?」

女「慣れじゃないのかな」

同「それは大きいだろうね、元々の性格としてというのもあったのかも知れないけど」

男「僕がどうとかの話は置いといて」

男「とりあえず、ちょっと千切ってみたんだよね」

(*・∀・*)ヒドイコトスルワヨネ

同「え、千切ったの?」

男「うん、噛み千切る気は起きなかったし」

同「で、どうだったの?」

男「再生した」

同「はい?」

男「元通りになった、しかもすごい早かった」

女「千切った方は食べたの?」

男「何か食べる気無くなったから、やめたよ」

同「それわかっててボクに食べさせようとしたんだ」

男「無限肉まんみたいなね、ずっと食べられるかなって」

同「そんな食べたいわけじゃないんだけど」

男「丸呑みとかしたら、体内で再生し続けるのかなとか思うけど」

男「流石に肉まん丸呑みしないもんね」

同「再生するってわかったらそもそも食べないよ、喉詰まらせちゃうかも知れないじゃない」

男「やっぱり、警戒しちゃうよね」

男「この再生する速さから考えると飲み込んだりしたら水で増えるわかめなんてもんじゃなく体積増して死ねそうだしさ」

ク「そんなに速いのですか?」

男「永久機関と言っても遜色ない位には凄まじい、といったところかな」

男「こういうのに永久機関とか言ってもという気はするけれど、物理法則だって無視してるのが多いし」

初「ここにいるのって、全員そういうのなんだから今更だよねー」

同「核心ついてきたね、正しいけどさ」

同「実際、この中だと一番外れているのはボクなんだろうね、幽霊は除くけど」

(*・∀・*)…ワタシハ?

男「さらっと混ざってくるね、でも今は人間の話してるんだよ」

同「だけど、実際この肉まん言う通りではあるね」

女「どういうこと?」

男「今は僕達の話ではなくて、肉まんの話をしていたってこと」

女「ああそういうことか、確かに話がそれていたかもね」

同「再生能力に長けている肉まん、ねぇ」

女「不死系の何かとか?」

初「吸血鬼がいるじゃない、ここに」

同「いや絶対違う、絶対違うからこれ、血吸わないでしょ」

男「君は血を吸うの?」

同「ボクは人間だからさ、ほとんど」

男「まぁ、これは吸血鬼じゃないだろうけれどさ」

男「しかし、実際やっぱりノーヒントだろうと、この程度のヒントでもわからないものはわからないか」

同「うん、そりゃ自分で名乗ってくれない限りは見た目で一目瞭然じゃないとわからないって」

男「目立った現象を起こすとかね、何かもう少しわかりやすければいいのかも知れないね」

男「まぁ、しかし、それでも最初から出処を知っている僕からしても若干の分かりにくさを誇っているのがこの肉まんなんだけどさ」

男「だけれども、そろそろいいんじゃないかな」

男「はっきりと何かはわからないだろうけれど、何となくわかってるとこはあるんじゃないのかな?」

男「さっきからあまり口を挟まないようだしさ」

ク「そもそも私はそこまで話す方ではありませんが、そうですね、男さんが言っていいと言うのならば」

ク「その肉まん、私の家が関係していますよね?」

男「やっぱり君ならわかるよね」

ク「一応巫女ですから」

ク「でもそれ、何なんですか?」

ク「そんなの家には無かったと思いますが、誰も知らない不可思議アイテムが眠っている蔵みたいなのも当然ありませんし」

男「うん、そういうのがゴロゴロあるような家だったらそれこそお化け屋敷だとは思うけれど」

男「君の家じゃなくても君の家が関係しているところは他にもあるじゃないか」

ク「神社の中にもそんなの物は」

ク「もしかして、ご先祖様ですか?」

男「その通り」

男「じゃあ、答え合わせにしようか」

男「つまりこいつは、隠れ里の物なんだよ」

女「無くならない食べ物ってこと?」

男「無駄な再生能力はそういう性質なのかもね、これだけ食べてれば裕福になれる、気はしないけれど」

同「まぁ、再生する肉まんという意味ではそれで納得出来ないこともないけれど、いや隠れ里から持ち帰るなら肉まんそのままじゃなくて蒸し器じゃないのとか思うけれど」

男「確かにそう逆に考えていくとそう思うかも知れないけれどさ」

男「うん、結局の所、やっぱりこれって何かこう名前のある妖怪やら何かでは無くて、ただの料理の結果として出来上がったようなんだよ」

初「普通の料理には見えないけど」

男「作ったのが普通の人ではないからさ」

ク「もしかして」

同「そこの神様ってやつ?」

男「だね、遊びに行ったら肉まん作ってみたからお土産に持って帰るとよいって」

女「それがこの子?」

男「みんなで考えても他の答えは出てこなかったから、そうなんだと思う」

男「どうしたらこうなったのか知らないけれど、まぁそういうことと結論付いたし、ちょっともう一回会いに行ってくるよ」

男「これ、悪気があったわけではなさそうだしさ」

ク「お土産位用意しとくとか、そんな感じのこと言ってましたね」

女「一人で会いに行ってたの?」

男「君もいつだって暇なわけじゃあないだろう?」

女「確かにそうだけれど、まぁそうか、そうだね」

男「しかしせっかく顕現しても暇だからこの時代の物を作ってみる、のはわかるけど」

男「どれだけ料理下手だと生き物っぽくなるんだよ」

初「マンガの中の世界だね」

男「下手なのではなくて神様のこう神秘的な力で生命が宿っただけなのか?」

男「どちらにせよ、どうかとは思うけれど」

ク「これで解散ですか?」

男「んー、僕は急いでないから無理にもう帰る必要もないけれど」

同「キリもいいし、これでいいんじゃない?」

女「うん、帰ろっか」

男「じゃ、みんな付き合わせちゃって悪かったね」

同「いやいや、中々に楽しませてもらったよ、そうそう見れるもんじゃないでしょ、これ」

初「面白かったよー」

ク「楽しませて頂きました」

男「じゃ、またあっちまで歩かないと」

「うむ、巫女と下校デート気分だったか? いい身分じゃのう」

男「いや、ここまでの道のりが神社の前を通るんだからそうなっただけだよ」

男「というか、神域内の動きはわかるんだな」

「まあのう、して今日は何の用かの」

男「こいつを返しに来ただけなんだけど」

(*・∀・*)クーリングオフダッテ

「肉まん、嫌いじゃったか?」

男「無駄に可愛い顔しても意味ないからね?」

男「この肉まん、一体何なんだよ」

「少しばかり失敗してしもうただけじゃが」

男「少しばかり動くんだけど」

「愛を込めたのじゃが、真心とかでもよいが」

男「そのおかげがどうか知らないけれど、魂が宿ったように見えるよ」

「ふむ、いらなかったか」

男「普通の物なら貰っていたさ、まぁこれはこれで楽しませてもらったよ」

「そうか、ならよいのじゃが」

男「今日はいい時間だから、悪いけどもう帰らせてもらうよ」

男「流石にこの肉まん、僕の家で飼っているわけにはいかないからさ」

「わざわざ足を運んでもらって悪かったの」

男「じゃあ、また来るよ」

「うむ、待っておるぞ」

「しかし、残念じゃ」

「結構な自信作だったのだがのう」

「うむ、美味い」

(*・∀( ギャアアア

第29話




男「食べたがりな肉まんの食欲が抑えられない」





今回の投下はここまでになります、お疲れ様でした

すいません、歌舞伎を一人で見に行くので時間の関係で少し投下が駆け足気味でした、故に何かミスがあったらすいません

次回からはいつも通りに戻ります

ではでは、また来ますね

今日は来ました

スレ立て一周年明日じゃなくて今日じゃないですかー!やだー!

確認したら去年の今日の23時過ぎでした…

では、投下していきます

振り向いた先にいたのは女の人で

思わず溜息をついてしまった

人を見て、しかも初めて出会う人を見ていきなり溜息なんて失礼だとは思うけれど

だけど、長身で季節にまるで合っていないコートを羽織ったマスク姿の女性

非常に目立つ服装だろう、ということは一目でわかるけれど

なぜハイヒールなのに、なんで真後ろまで近付かれて気付かなかったのか

音楽を聞きながら歩いていたわけではないし、特別うるさい道ということもない

まぁ、だからそういうことなのだろうと身構えてしまうというか

どこか斜に構えてしまっているというか

これって、いきなり逃げて大丈夫だったかな

何かされてからでは遅いし、三十六計逃げるに如かず

怪しい人と関わってはいけませんと学校でも散々教わったことだ、人かどうかも怪しかったりはするのだが

そんな感じで脇目も振らずに走り出したけど

「わたし、きれい?」

そうなるのか、そりゃ人間は瞬間移動なんて出来ないのだから逃げる前に声を掛けてしまえばいいことになる

この風貌に、この発言

口裂け女と断定していいだろう

何を答えてもダメ、という学校の怪談や都市伝説によくある理不尽なもの

答えてしまったら、オシマイ

そういう類の物だった気はする、特定の言葉で回避出来るという派生もあったとは思うが、当然その逆の何を答えてもダメを知っている為迂闊に答えることは出来ない

都市伝説って、反応を誘う物が結構ある気がする

反応というか、関わった人間の行動に大きく結果が左右されるというか

そこら辺は、やっぱり娯楽傾向にあるというか、怖がらせるための演出が多いというか

昔のように逸話とか、説話

どこそこで、こういうことが起きた、こういう化け物が現れた

つまり、やけに具体的だったりするようなことはなく

歴史的と言っていいのかな、過去にあったことの用に記していたり、語られていたり

そこら辺は今も同じなのだろうけど、昔と違って今はピンポイントな住所や日付、名前などの情報は誤魔化しているんだよな

事実確認をされてしまうから当たり前なんだけど

或いは図鑑のような、こういう化け物が存在しますと言った物も今では新しい物は見ないのかも知れない

問答系は昔からあったけれど、妖怪よりは都市伝説の方にやはり多く見る傾向か

何とかなる、死なない人もいるということを、解決策を示さない限りは「じゃあその話は誰が伝えたのか」という疑問が出てきてしまうからだろう

現代の世界、科学が発展したこの時代に合わせた形で神様や妖怪は形を変え、怪談や都市伝説として生き残っている

つまり、ふざけた程に身近なのである

だからこうして無意味に脈絡も無く現れてしまう、のかな

本当に脈絡が無いかはわからないけれど

さて、どうしたものか

走って逃げてもバイク並の速度で追ってくるのだったか

しかしそこまで悲観するこおは無いだろう

口裂け女ならば取るべき行動は決まっている

ポマードポマードって言ってみてもいいのかも知れないけれど

実物のポマードを持っているわけでもないし、本当に出来ることがなくなったら言ってみるつもりではあるけれど

実はこの時の為に持ち歩いていたと言っても過言ではない物がある

べっこう飴

日常的に持ち歩いているのがバレても大丈夫な物なら持ち歩いていた方がいいだろうと、いくつかの物を持っているのだが

べっこう飴なんて今まで食べた記憶はなかったけれど、意外に美味しい

まぁ、古めかしいおかしも結構美味しい物が多い、今の科学の賜物のような工場生産品、合成物だって美味しくないとは言わないけれど

とそんなことを考えている余裕は無いので実際は慌てふためきながらべっこう飴を取り出し、投げつけたのだけれど

質問に答える前というか、マスクを外して口裂け女だとカミングアウトされる前にこういうのって効果あるのかわからなかったけど

美味しそうにしている、上手く効いているみたいでよかった

あとは建物の2階とかに行けばいいのだったか

意外とそういう建物ってないよな、緊急事態だから民家に押し入りって言っても窓を粉砕しないといけないわけだし

ちょっとそれはどこか切って痛いだろうし、なんて泣き言を言うつもりは無いけれど普通に犯罪として問題になるだろう

マンションやアパートがあれば都合が良かったのだけれど、若干遠いな

それならやはり、この距離だ、帰宅しよう

べっこう飴も残っているし、この様子ならまだ時間はかかりそうだ

逃げ切られた口裂け女がどうするかという話、失敗した場合の

語り手の視点からすると成功した場合の、になるけれど

そういう時の後日談というか、その後何が起きるのか知らないのは若干不安だが

他の通行人に手を出さないか非常に不安であるのだが

倒し方がわからないので諦めよう、潔さも必要である

いさぎよさって屑さって書くとクズさと読めるというか、僕らの年代だと違和感無くクズさって読むだろうけど、あながち間違いでは無い気はするからどうにも不思議だ

潔いだけ、というやつだろう

だから何なのだと、解決はしていないじゃないか、事態は好転していないではないか

雰囲気で誤魔化そうとしていないか、とそういうことかな

ま、倒せない物は逆立ちしようが倒せないので僕は絶賛帰宅中なのだが

「アアアアアアアア、逃げんな逃げんな逃げんな逃げんな逃げんなよ!!」

そんなこと言われても、逃げるだろう

まだ、べっこう飴ならあるのだから舐め終わったとしても問題では無いだろう

「クソがクソがクソがクソが!」

「逃さねぇよ、べっこう飴がなんだってんだ、んなのに縛られてたまっかよ!」

そこは縛られておいて欲しいところであるのだが

男「ポマード、ポマード、ポマード」

こっちは効くのだろうか

「関係ねぇ、関係ねぇんだよ、んなのはよぉ!」

やけに荒々しい

そもそもに、口裂け女ってこんなに喋るものだったか

いや、もはや「私、キレイ?」の問答の続きすらやっていない

まぁ、だからなんだと言うのか、結局僕が逃げ切れることに変わりは

無ければよかったのだが

どうやらべっこう飴を跳ね除けて、こちらに向かってくるようだ

「てめぇが唱えんのはポマードじゃなくて念仏だ、諦めな」

さぁ、困った

窮地だろう、ピンチだろう

進退窮まったところだろう

ここでパニックに陥ってあげる程僕は都市伝説に優しくないので、粗を探していたわけだけれど

思った程は足が早くない、当然追いつかれる速度は出ているが

口裂け女らしさを捨てたら、弱点を捨てたら足の速さまで無くなった?

いや、ありえないだろう、口裂け女が口裂け女で無くなるなんて

らしさを捨てるなんて、自己の否定と同じだ

ルールで存在している者がルールを超越出来る訳が無い

最初は効果を見せたべっこう飴が、無視されるなんて

まるで、途中から違うものになってしまったような

化けの皮が剥がれたような

なるほど、眉唾物とはこういう時に使うべき言葉なのだろう

今日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

1周年に何かするといっても何かするようなことはありませんが

だからと言って何かしないのもどうかとは思うのですが、明日だと思っていました、すいません

このSSを書き始めてから1年が経ちます、ここまで続くとはスレを立てた当初は思ってもいませんでした(1話完結予定だったので)

ここまで来れたのも一重に皆さんのおかげです、ありがとうございます

まだしばらくはゆるゆると続きそうなので、これからもよろしくお願いします

では、また後ほど

ハッピーバースデー◆SetoseN//M様♪♪

             ∩__∩  
             (´・ω・`)
         ┌──〇─○一―─┐
       ∫│ Happy birthday│(o)          
        (┃└ (o) ─ (o)─ (o)-┘┃)
       |ヽ(::゚::)┃(::゚::)┃(::゚::)┃(::゚:)ノ☆
      (::゚:|  ”””’ーー―-”-―”~☆∂♪
    ( )- |                 。◎+
    .:O★ヽ、                 o♭∴☆
   ,_☆ :∂io,”””’ーー―――””’,”◇。♪◎o.:.
  ◇♭。:゜◎::O☆♪★∝ ☆。∂:o゜♪☆◇。∂ ◎

はい、後ほど来ました

いやまさか一周年が1日早かったとは…

とりあえず投下一回分用意していたのですが見事にズレましたね、やらかしましたね

ではでは、投下していきます

幽霊の正体見たり枯れ尾花、とは行かないけれど

そうだ、そうだった

口裂け女にも正体があるパターンもあったのだった

口裂け女、という存在に正体がある場合が

口裂け女らしくない、けれど確かに口裂け女だったと仮定すれば

さっきまでは確かに口裂け女だったということが正しいのならば

男「さては狐あたりが化けているのだろう」

と、昔話のようなことを言ったところで僕が弓の名手になるわけでも無ければ

旅の侍になるわけでもないので攻撃をすることは出来ないのだから現状は不条理である

不条理過ぎる現状が現実離れしているのだから、どうにも合わせてくれたって良いものなのだが

そうケチをつけても始まらないので、むしろ僕の人生が終わりそうなので、眉に唾を塗ってみる

狐は人間の眉の本数を数えることで人を化かす、よって眉に唾を塗れば本数が数えられなくなって化かすことが出来なくなるという理屈

狐が人を化かす方法に、そもそも疑問を抱いてしまうがそこはいいとしても

唾塗っただけでわかんなくなるものだろうか

これこそ眉唾物である、と

だが、ここで頼らない手は無いので

他には自分の股の下から覗きこむ、という方法もあった気もするけれど

流石にそんな体勢になっている余裕は無いので、眉唾の方を採用した

さて、化けの皮が剥がれているといいのだが

結果はビンゴ、なのかな

狐に見えるので、狐に化けている何か、狐に見えるように化かしている何かがいなければこれでいいのだろう

口裂け女の正体は、狐が化けたものだった

妖狐の神通力なんて、昔のようには流行らない現代だけれど

それでも都市伝説に混ざって存在しているのは流石の風格だ

都市伝説がいきなり今までの妖怪などを捨てきれずにそういう風に一部引き継ぐ形で出来上がったのかな

いや、そんなことを考えている余裕はないか

狐だとわかっても人間が丸腰で簡単に勝てる動物の限界を軽く越えている

死ぬ気でやられたら間違いなく大怪我はしてしまうだろう

実際は死にたくはないので逃げてくれるはずだが

それは相手がただの狐の場合だ

そもそも普通の狐相手に僕で勝てるのかという疑問はあるが、通学用の鞄という盾と中にはカッターなどの武器が入っているので狐位なら死ぬ気で行けば勝てる、といいよね

さてさて、ここからどうしよう

どうしよう、思い浮かばない

狐の退治法、弱点

刀か弓矢か猟銃が欲しいところだ

あー、つまりは

狐ってわかったから何か結果が変わるのか、ということか

勝てない物は勝てない

そもそもの性能差が違うのだ、人間と野生の獣では

野生の獣どころか、あれは妖狐の類だ

本格的にまずい、一周回って焦りを感じ無い程度にはどうしようもない状況である

「正体がバレただと? 今時のガキにしちゃ面白いが」

「面白いだけじゃあ、意味ねぇよなぁ!」

その通りです、と頷きたくなる位正論だ

妖狐相手に丸腰でどうにかなる程の豪傑無双な英傑では僕は残念なことに無いので勝てるわけも無し

「きつねぇ!けんっ!」

よくわからない掛け声だがあからさまに攻撃が来そうな気がしたので

誘導かも知れないけれど、飛び退いてみた

コンクリ塀が砕け散ったのが横目に映る

これが神通力というやつか、凄まじい

なるほど、神々しいと思っても不思議ではない

でも、近隣住民は気付かないのだろうか

まぁ、多分気付かないのだろう

口裂け女と遭遇した時点から周りに人がいないのには気付いていたし

狐あたりは何でも出来る万能型だから、何をしてきても驚かないけれど

人払い程度は気にならないけれど

だけど、さっきの攻撃は何だったのだろう

神通力で破壊したのか

きつねけん、狐拳なのだろうか

狐に伝わる、拳法のこと

なわけないだろう、そんなものは聞いていないし妖狐に肉弾戦が必要であるとは思わない

「避けんなよ! きつね!けん!」

当たってなるものか、即死だろうあんなもの

見苦しいけれど、走って転がり回ってなんとか避けた

ちょっとわかったことがある

あの技は同じポーズで出す物である、目の前の物しか破壊出来ない

つまり、形の決まったゲームの中の技のような物であろうということか

バンバン打てるものではない、どんな体勢からも打てる技ではない

はずだ、そうで無ければ1発目を外した段階でもう一回打ち、僕は死んでいただろう

遊ばれているのならこの前提は成り立たないが、相手は苛ついているように見える

遠くの物まで砕ける技ではなく、空気中を伝わって先まで届く物でも無さそうだ

やはり物理的な衝撃波のようなものを発生させているわけではないのだろう

だからと言って僕に反撃の手段があるわけでもないし、当たれば終わるであろうことも変わりはない

これが虚仮威しの幻覚であればどれだけいいか

じゃんけんのように平等に勝ち負けのあるような物ならば、まだ話は変わってくるのだけど

じゃんけん?

そうか

さっきから何か引っ掛かると思ったらそれだったのか

狐拳は別に拳法の名前では無くて

じゃんけんと同じような、三すくみの拳遊びだ

相手は見ての通り狐であろう

狐に勝つのは猟師で、狐に負けるのは庄屋だったか

男「僕は別に庄屋ではないのだけれどね」

「なっ! なんでそれをてめぇが」

男「え?」

もしかして、こいつの技って

男「出さなきゃ負けってやつなのかな」

「そろそろ逃げられねぇことには変わりないだろ、行くぜ」

全力疾走はやっぱり肺とか心臓に来るものがあるね

強がろうにもそろそろ限界か

どうやら、これはそれをモチーフにした物のようだし、賭けてみるしかないのだろう

「狐拳!」

男「猟師!」

今までと違い、狐の目の前が粉砕されることは無く

代わりに狐がぶっ飛んでいった

男「狐拳のポージングなんて、覚えておくものだね、何かの役に立つもんだ」

「グ……ガッハ…てめぇ…」

男「本当に狐拳だったんだ、冗談みたいな術だね、技って言った方がいいのかな」

男「まぁ、そもそもに冗談みたいな奴らが冗談みたいな力を振るっているのだから、それこそ冗談みたいでも構わないのかも知れないけど」

男「君、狐だよね」

「だったら、何だよ…」

男「この辺に狐って生息していたかなって思ってさ」

男「ごめん、ちょっと息整えさせて、限界なんだ」

「ふざけてんのか、オレを倒せていい気になってんじゃ」

男「よし、狐くんはどこから来たの?」

男「そんなことよりもしかして、死にそう?」

「見ての通りだよクソ……情けねぇ、はぐれた挙句に捕食も失敗してこの有り様……」

男「泣くなって、はぐれた?」

男「もしかして群れで移動していたのか」

男「狐の大移動なんて狐の嫁入りが思い浮かぶけれど、通り道が近いのかな」

男「君に何かされたくないし、逃げてもいいかな」

「もうそんなことは出来ねぇよ……だが、そこまで長くは持たないが」

「仲間のとこに合流出来れば……」

男「他の妖狐がいればどうにかなるのか」

男「このまま普通に死なれるのも寝覚めが悪いし、助ける努力はしてみようか」

「バカかお前」

男「尻尾は1本しかないから死なれても大騒ぎになることはないだろうけれどさ、どちらにせよ」

男「その腹の傷は銃創にしか見えないんだろ、おそらくは」

男「ならやっぱり、見殺しにはしたくないね」

男「僕が犯人だと特定されるはずは無いけれど、騒ぎにする気は無いんだ」

男「君の仲間、というのもどうにも気になるし」

男「さて、どうしたものか」

第30話




男「口裂け女って、ちょっと古い気もするんだけれど」






今日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

1周年に近いことにもっと早く気付いていればもう少し多く投下出来たのでしょうけれど、今回はこれでどうか

ではでは、また来ますね

今日は来ました

投下が遅くなってしまい申し訳ありません

なんだかんだ忙しくて滞っていました

明日から本気出したいです、今日はもう疲れてて何もやる気がしないので投下して寝ます

では、投下していきます

「どうしようってんだ」

男「任せておけ、とまでは言えないけれど勝算が無いわけでも無いさ」

男「そもそもに、どこからどこに移動しているか位は君が教えてくれれるのだろう?」

「甘い考え方だな、と言いたいが俺から距離を取っているあたりは抜け目無いのかどうなのか」

男「近付いたらガブリ、だろう?」

「そんな余裕あるといいんだがな」

「人払い、そろそろ解いていいか」

男「自分の姿、他人から見えないように出来るならいいよ」

「そん位は出来る、安心しろ」

「向かってる先は○○県の方だ」

男「そっちなら、このあたりからだと国道に出る道の方に行けば」

男「まぁ、そうだね」

男「とりあえず、天気雨を追うか」

「はっ、遠くの雲でも見えんのか?」

男「天気雨の雲を追っていくのも楽しそうだけれど、そんな虹の根元を探すようなことはしないよ」

男「いや何、今の時代ライブカメラというのがいろんな場所にあってね」

男「色んな種類があって、山の天気だったり街の天気だったり」

男「観光スポットや街の様子を映していたり」

男「とにかくいろんな場所の様子が見れると思ってくれればいいよ」

男「千里眼とか言えば馴染みがあるのかな?」

「てめぇ、千里眼が使え」

男「るのだったらもっと楽だったさ」

男「ま、現代の人間に普及している物も魔法じみているところは少なからずあるということだ」

男「やっと、見つかった」

男「携帯からだとやっぱり遅くて困っちゃうね、なんて君に愚痴っても意味がわからないとは思うけれど」

男「それとも今の人間の一般的な技術位なら知っていたりするのかな?」

「興味ねぇよ、んなもん」

男「興味次第なのか、まぁそういうものなのかも知れないね」

男「そこら辺は人間と何も変わらないということかな」

男「いやしかし、人払いを解いたからとか、君が長くは持たないからとかではなくて」

男「別の理由からしても早くしないと」

「追いつけなくなるってか」

男「徒歩で移動しているようなものに追いつけなくなる心配なんてしていないんだ」

男「出来れば一人でこなしたい、というだけだよ」

男「こういう状況に駆け付けてしまいそうな子がいてさ」

男「君の人払いだっておそらく意味をなさずにこられてしまうから」

「なんだそいつ、神職か?」

男「神職じゃないけれど」

男「ま、とっととタクシー呼んで移動しようか」

男「車なら隣町程度ならすぐだろう」

男「君が電車に乗る余裕があれば、出費も違っただろうに」

「は、オレを抱えて移動する腕力があれば良かったのになぁ」

同「男くん、何やってるの?」

男「噂をすれば影がさすと言うやつだね」

同「夕方だからね、ボクも元気になるよ」

同「にしても、やっぱりそこの狐、もう倒したのかな?」

同「男くんって戦えたの?」

男「まさか、そんな力があったら君の知っての通り、こんな風にはなっていないさ」

同「よく勝ったね、それで」

男「普通は普通の人間が相手するものだと思うよ、都市伝説なんてさ」

男「妖怪もそうだけれど」

同「普通の人間、まぁ普通なのかな男くんも」

男「意味合いとしては、僕はほら妖怪退治するような職業でも何でも無いからさ」

男「そういう意味で普通の人間だよ、という話だね」

男「それと僕が勝ったと言っても力技じゃあないんだよ」

同「あれ、そうなの」

男「銃創っぽいだけであって、僕が銃で撃ったわけでもないんだ」

男「狐拳って知ってる?」

男「ジャンケンみたいなものなのだけど」

同「ごめん、わかんないや」

男「グーチョキパーの代わりに狐庄屋猟師を使う拳遊びなんだけど」

男「本当にそれだけなのだけれど、まぁそれを知ってたから何とかなった、それと」

男「口裂け女の対処法も知ってたからというのもあったけれど」

男「そんな感じだね」

同「普通、ねぇ」

男「で、ここまで来た君は」

同「あー、まぁそれはさ?」

男「君やっぱりさ、こういうのに慣れてるよね、多分」

同「あははー」

男「いや、別にいいのだけれどね、どうせ学校あたりからここまで走ってきてくれたのだろうし」

男「そもそも君の生活圏だろうと、君の生活時間と合わなければ」

男「君は見つけてしまうことはないだろうから」

男「ま、でもそうだね、そんな話し込む時間は無いかな」

男「ほら、こいつ怪我してるからさ」

同「怪我というか、致命傷じゃないの?」

男「猟銃で撃たれた怪我の様な何かだからね、まぁ普通の狐じゃないからしばらくは大丈夫らしいけれど」

同「どうするの?」

男「君はどうしたい、というかどうする気で来たのかな?」

同「少なくとも追っ払う気ではいたねー、無理そうだったら逃げるけどさ」

男「僕と違ってヒーローという感じで羨ましいね」

男「悪を討つなんて少年少女の夢じゃないか」

同「悪というよりは闇なんだろうけれどね、まぁでもヒーローではないよ、やっぱり」

男「ダークヒーローと言いたいのかな?」

同「まぁ聖なる力とかそういうのではなくてダーク系な気はしなくもないけどさ」

男「ヒロインとしてもさしてヒーローと意味は変わらないけどね、英雄という意味で使っているのだろうし」

同「ボクはそっちではなくて、退治される側だろうからさ」

「そこの女、人間じゃねぇからんなこと言ってんだろ?」

同「そうだねー、違うかも」

男「この子、仲間がいるらしいからさ、そこまで連れってってあげたいんだよね」

同「どこにいるの?」

男「まぁ、大体の場所はわかってるから追うだけかな」

同「走って追う?」

男「いや、僕にはそんなことは出来ないよ」

同「自転車?」

男「だから僕は体力資本の行動はちょっとね、情けないけれど」

同「男くんは別に運動神経悪いってわけじゃないでしょ」

男「君とは比べられない、ということでもあるし、何より徒歩で移動し続けているだろうからさ」

男「そんな時間は無いだろう?」

男「これ、背負って走るわけにもいかないし」

「これ呼ばわりかよ」

同「じゃあどうするの?」

同「その狐、なんかやっているみたいだから普通の人に見つかるってことは無いとは思うけど」

男「見つからないってことは、一般的な移動方法が取れるということだからさ」

男「タクシーでも呼ぼうかな、車なら苦労せずに追いつけるだろうし」

同「そこまで遠くないのかな?」

男「隣の市かな、今の所」

同「ボクが知っているのはこの街にはいない、ということだけなんだけど、教えてもらったの?」

男「いやいや、ただ天気雨を追うだけだよ」

男「ライブカメラがないところを通られたらわからなくなってしまうけれど」

男「向かっている方向がわかれば、ライブカメラを確認するところもそこまで多くはないからね」

男「当たり前だけれど、そこまで遠くには行っていないんだ」

男「だって、1時間も前には僕達の学校の近くを通過していたのだから」

男「いや、そこは知っていたのだろうけどさ、それで街の外に出るまでは見張っていたのだろうし」

同「相変わらずよくわかるね、そんなこと」

男「ただの逆算だけどね、君がここにきたということは」

男「この狐は君の探知圏内にいた」

男「でも、君はすぐに来ることはなかった」

男「つまり、結構君は離れていたんだ」

男「通り雨が狐の嫁入りだとするなら、君は学校を通ったそれには気付いただろう」

男「だが、君は通り過ぎるだけのそれに手を出すこともしなかった」

男「そしてこの街から出ていくまで、見張っていた結果、気付いたのだろう」

男「一匹残っていることに」

同「そして、今に至るというとこかな」

男「じゃあ」

第31話




男「狐の嫁入りに追いつこうか」






今日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

おそらくさっき帰宅してから夏休みに突入したのでペースを上げていきたいです

勇者物もチマチマ書き溜めたいです、まだ3レス目とか終わる気がしませんが

登場人物まとめ、ありがとうございます

こういうのを読むのは面白いですね、なんだか不思議な気がしてしまうのはこれが未だに初SSだからなのかも知れませんけれど

ではでは、また来ますね

今日は来ました

ゲームしてたら結局投下ペースいつも通りとかちょっと許されないですね

明日から本気出します

勇者物はしばらくは建てる予定無いですねー、建てられる時は来るのでしょうか

推敲もしていない1レス目予定の500文字程度の物なのですが、貼ってみますね

世界に魔界が初めて観測されたのはいつだったのだろう

少なくとも2000年前には人間界と魔界を分かつ魔界隔壁は存在していた

どちらが世界の内側かという議論は、未だ決着のついていない物である

人間界が外側であるという学派はこの世界の一部を切り取る用にドーム状に囲む隔壁の外側が人間界であることを根拠としている

また、魔界こそが外側である学派は隔壁が年々その囲う面積、を増やし続けていることを根拠としている

つまり、いずれは魔界が世界を包み込み人間界は消滅するという予測を盾にしているのだ

しかしこれは反論は出来こそ、論争に終わりは来ていない

なぜか、答えは単純で魔界が広がり続ける理由がわからないのだ

魔界と人間界の境目、隔壁の観測はされていてもその内側、魔界に何があるのかは観測出来ていない

現代の人間の技術では隔壁を突き抜けることが出来ないのである

隔壁の内側は超科学世界であるとか、何も存在しない虚無の世界であるだとか、根本から技術体系の異なる別世界であるだとか

色々な憶測は飛び交う中、最も有名かつ有力とされている説は古代人のロストテクノロジーである

2000年前には存在していたという史実は、2000年前を区切りとして歴史が存在していないことの裏返しだからだ

とまぁ、こんな書き出しでいずれはスレを建てたいところです

ではでは、投下していきます

同「で、どうするの?」

男「僕としてはタクシーでも呼んで行こうかと思っていたのだけれど」

男「それに君を付き合わせる気は起きないね、やはりいい出費になってしまうから」

同「二人の方がお金、かからないじゃない」

男「ま、そうなのだけれど、それは確かに正しいのだけれど」

男「なんて言えばいいのかな、これって別に君が望んだことでもないわけだしさ」

男「付き合いでお金払わせたくないというか、女の子にあまりお金を使わせたくはないというか」

同「まー、普通のお友達だと思ってくれればいいんじゃないかな」

男「だとしてもやはり、ね」

男「何も君は得る所もないようなことでお金を、とは思ってしまうよ」

男「そんなことを言うなら、そもそも僕が一人でお金を出せばいいだけなのだから問題は無いと言えばないんだね」

同「あー、そうなっちゃうか」

男「まぁそうなるだろうさ、実際あまりのんびりも出来ないから」

男「おや、呼ぶまでもなくタクシーが来たのかな?」

男「客がいたり、客を拾いに行く所なのかはまだ見えないけれど」

同「大丈夫みたいだね、乗れるんじゃない?」

男「夕暮れ時に昼間以上に目が効くのは流石だね」

男「まぁしかし、渡りに船だね、使わない手はないな」

同「この子はボクが持っていくね」

同「ボクなら攻撃されても、多分何とかなるからさ」

男「そうかい? 悪いね」

男「運転手には見えないだろうから、あまり目立つようなことをすると」

男「変な人だと思われるから気を付けて」

同「わかってるよ」

男「すいませーん、隣町の方までお願いしたいのですが」

「はい」

男「大丈夫ですか? お願いします」

「行き先は」

男「とりあえず、隣町の方まで行って国道に出て下さい」

男「降りるところは微妙な所なので直接指示します」

「では、出発します」

同「よろしくお願いします」

「学生さんですか」

男「はい、見ての通り」

「何か急ぎの用事がおありで?」

男「まぁ、そんなところです」

「なるほど、自分も実はこちらに用事があって来ていてですね」

男「遠くから来ているのですか?」

「そうですね、少なくとも県内ではありませんので」

男「プレート見逃してしまいましたね、どこから来たかわかったかも知れないのに」

「そうですね、まぁちゃんと見えるわけないと思うのですが」

男「え?」

「どこから来たかはいいんですよ」

「そんなことはどうでもよくてですね」

「何をしにここに来たかなんですよ」

男「何の用事なんですか?」

「仲間、いえ、知り合いがここにいてですね」

「彼、はぐれてしまったみたいで」

「どこか抜けているところがあるというか、割かし残念なやつでして」

「まだまだ新入りの下っ端なので仕方ないのではありますが」

「だからと言って放っておくわけにもいかないので」

「仕方なく、迎えに来たのですが」

同「男くん! 舌噛まないように気を付けて!」

「どうしてこんなことに、なっているのですかねぇ」

「ねぇ?」

そんな声は横に座っている子がドアを蹴り開ける音と被ってしまい聞き取りにくかった

何のことを言っているのか考える暇も無く、いきなりドアを蹴り開けるという行動に僕も運転手も驚く暇すら与えられず

狐を抱えたまま外に飛び出ようとする吸血鬼っぽい子に、空いている手で引っ張られ

タクシーから引きずり出された

片手で引っ張り出されるとは、想像もしていなかった

パワーの差を身をもって知った

同「大丈夫?」

男「問題無いけれど、これって」

同「うん、このタクシー、いやこの運転手は人じゃない」

同「気付かなかったなんて、油断していたよ」

同「タクシーに乗ったはずの場所から、全く動いていないし」

男「妖術とか、そう言った部類なのかな」

男「タクシーからして、そもそも存在していなかった」

男「どうにも現代のそれに物が変わっているからわかりにくいけれど」

同「うん、間違いなくあれは」

男「狐の仕業だね」

「こっちの正体がバレたのも驚きなんですがねぇ」

「まぁだけれども、やっぱりそんなことはどうでも良いのですよ」

「私がここに来た理由何かに比べたら、本当にどうでも良いことなんですよ」

「その子に、何してくれてるんですかねぇ?」

「とりあえず、死ぬ覚悟は出来ましたかぁ?」

この狐は尾が五本のようだ、あからさまに迫力が違う

なるほど、これは崇拝もしたくなるというものだ

同「男くん、下がってて」

同「あと、この子もお願い」

狐を渡された、どうにも気絶しているようだ

まぁ、失血で意識を失っているのかも知れないけれど

さっき引っ張られた時に気絶したのだろう

僕と違って随分適当に持たれていたし、というか首根っこ掴まれてたし

飛び出る時に変な声出てたし、首が締まったのだろう

当然僕よりも頑丈だろうという考えがあるのだろうが

正直死んでもいい程度の扱いを受けている気がする

あの子はどうにも妖怪だとか、都市伝説だとかが嫌いなフシがあるようだ

同族嫌悪なのではないこと位が想像がつくけれど

おそらくは、自分のこの体質というか

文字通りに人間離れしていることが、嫌なのだろう

それがわかったところで僕に何かが出来るわけではないのだが

「その子、まだ死んでいませんよねぇ」

「ま、取り返すだけで済ませて上げる気もさらさら無いので」

「とりあえず殺してからにしましょうかぁ」

いやいや、ちょっと待って欲しい

この展開は確実に僕らの思う所では無い

探すまでもなく相手側からやってきてくれたことには感謝したいが

手間が省けたというかお金がかからなかったという意味合いが強い、ということは別に伝える必要は無いのだろうけれど

こちらとあちらが何がしたいか、を考えてもらいたい

だってそうだろう、僕たちはこの狐を返したい

あちらは自分の仲間を取り返したい

いや、別に奪った訳ではないのだけれど

僕が一方的に襲われただけなのだけれども

それでも事実として今あの狐は瀕死なわけだから

はぐれた仲間を迎えに来たら、誰かに殺されかけていたのだから

激昂してしまうのも、わからなくはないけれど

妖狐って頭いいはずだから、気付いてくれてもいいとも思う

とりあえずは意思疎通を図りたいところだ

言葉の通じる相手はそういう意味ではやはりやりやすいのだろう

選択肢が増えるから、確実に倒さなければならないというわけではない僕達にとっては確率が上がるだろう

最も、言葉が通じるような相手は基本的に非常に強いことが多く敵に回して大丈夫なものではない為

実際の所、生存率は上がっていないのかも知れない

とりあえずは、この状況だ

相手さんは、どうにもブチ切れているようだが

だけれども、人間と妖狐の戦力差が圧倒的である為か同時に油断もしている

こう、モーションが無駄に勿体つけているというか、ちゃんと動きに間を置いてくれているというか

つまりは、余裕があるということなのだ

攻撃されない内にどうにかしないと

今日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

投下早くなるよ!とか言ってて変わらなかったのでお詫びに勇者物の1レス目を投げてしまいました

次はもう少し早く来たいです

ではでは、また来ますね

今日は来ました

ちょっと山登ってきました

筋肉痛が酷いです

思ったより投下間隔開いちゃってますね…

では、投下していきます

これが、いつもの状況ならば

女がいる状況ならば、やれることがあった

僕か女の一方がここに残り、もう一方が逃げる

残る方は時間稼ぎ役だが、こんなの相手に戦ったりすることが出来るわけもないので

口先三寸で生き残る時間を伸ばすことしか出来ないだろうけれど

正直、今の状況ならばある程度距離を置ければあちらの頭が冷えてどうにかなるであろう

もちろん、この騒ぎの元凶となっている狐をここに置いたまま逃げる

ということが前提になるのだが

とりあえずは現状だろう、どうしようか

どうやら僕は狐を抱えていなかったからか、あまり注目されていないようなので

このままお暇したいところだけれど

考えるまでも無く無理だろう

余計な動きをするなんて自殺行為だ

では、あの子に時間を稼いでもらうか?

あの子だって無事で済むかもわからないし、どちらが強いのか僕にはわからないし

何より、そういうのはダメだろう

自分の為に人を犠牲にするなんて、と僕は言ってはいけないのだろうが

同「危ないから近付かないでね、男くん」

同「ボクなら大丈夫だから、気にしないで」

気にするだろう、気にしないことには出来ないだろう

だけど、こんな時にそんなことも言っていられないので黙っているしかない

完全に守られている側だ、庇われているのかな

男くん、今とてもヒロインしています

立場逆だろう、と思っても無駄だけど

「そうそう、大丈夫ですよぉ」

「だって、どっちも死ぬんですから」

「どちらが早いか位の差しか無いので心配なんてしなくていいんですよ」

「まぁ、でも」

「なんだかそっちの男の方、弱そうな癖に策でも巡らせているのでしょう」

「無駄だとは思いますけど、何かされても不愉快なだけなので」

「そっちの方から殺しちゃいますね」

同「あー、こうなるんだったらボク一人で来ればよかったよ」

同「はー…」

同「ま、やるしかないよね」

「なんかする気ですかぁ?」

「ちょっと人間じゃない程度で調子に乗らない方がいいですよ?」

「もうめんどくさいし、とりあえず二人まとめて死んじゃいましょうか」

「ねぇ?」

同「オイ」

同「思イ上ガルナヨ、獣風情ガ」

同「喰イ殺スぞ!!」

「はは…、やれば出来るんじゃありませんか」

うわ、吸血鬼に近付くとそうなるのか

なるほど、確かにこれは迫力がある

纏っているオーラが違う、という僕には見えないはずの物が発生しているのではなくて

これはなんだろう、黒いガスのような物が見えるけれど

おそらくは、あの纏っているような何かは影なのだろうけど

何か影が捲れ上がっていたし

今は影が無くなっているし、間違いないだろう

鏡にも映らなくなっているのかも知れない

これならば、妖狐だろうと仙狐だろうとやっつけられるであろうという迫力は感じさせるが、実際はどうなのだろう

少なくとも、相手から余裕を奪うことには成功しているので

奥の手としては有用な強さではあるのだろう

正直に言ってしまえばあの様な力は僕は非常に羨ましいのだ

だって、あれ位まで強ければ何回死なないで済んだことか

単純な力比べの土俵に立てない僕が欲しくても手に入らない力だ

欲しかったからと言って手に入れることは出来ない物だ

もちろん、そんなこと本人には言えないが

女にも言えないな、こういうことは

まぁ、僕の胸の内に秘めておくべき事柄だ

それよりも、この現状である

お互いに動いていない今の状況、このタイミングしかないのだろう

クールダウンしてくれないと攻撃されるって、山で突然出くわしたクマじゃあるまいし、困ってしまうね

本当のところ、女がいない時に危ない橋なんて渡りたくないのだけれど

男「まぁ、どちらも何事も無く済むのならばそれが一番だもんな」

「いきなりしゃしゃり出てきてどういうつもりですかぁ?」

男「いや何、争うつもりはないということだよ」

「そっちに無くてもこっちには、理由も意思もあるんですよお?」

「馬鹿なんじゃないんですかぁ?」

「そっちに決められるとでも思ったんですかぁ?」

男「さっきのままだったら無理だったろうね」

男「それこそ、僕なんて喋った途端殺されていたかも知れない」

男「だけど、今はそうじゃない」

男「この子のおかげだ」

男「いやいや、尻尾が五本と相当強い霊狐なのだろうけれど、それをビビらせてしまうのは流石だよね」

「だーれが」

男「少なくとも、頭に上ってた血は下りただろう?」

男「熱くなっていたのが冷めて何よりだけれど」

男「というわけでさ、話をしようよ」

「ふざけてるんならただじゃおきませんよ」

男「あなたはこの狐を、迎えに来た」

「それは教えましたねぇ」

男「僕たちは、この狐をあなた達のところに届ける途中だったんだよ」

男「正確には、届けに行こうとしたところの出鼻を見事に挫かれてしまったのだけれど」

男「つまり、やろうとしていたことは同じだったんじゃないかなってさ」

「なるほど、つまり私がこの子を受け取って帰ればいい、ということかな」

「なるほどなるほど、悪くないですねぇ」

「落とし所としては非常に妥当なのかも知れませんねぇ」

同「ンナ事アルワケネーダロ、コッチハソイツニ襲ワレテ撃退シタダケダロ」

同「アンマフザケタコト言ッテルト」

男「いいよ、やめておきなよ」

男「君の方に血が上ってどうするんだよ」

男「まぁ、そういうことだからさ、帰るなら早めに頼むよ」

男「僕としては是非仲良くしたいところなのだけれど」

男「やはり叶わないかな」

男「神職なら話は違ったりするのかな、とまぁそういう話もするような間柄では無いか」

「この子も、まぁまだしばらくは大丈夫でしょうけれど、怪我していますからね」

「どうやら自業自得気味ですが、可哀想なので早めに連れて帰りましょう」

「そこの吸血鬼ちゃんに食べられちゃたまったもんじゃありませんしね」

「ま、この街には近付かないであげますよ、いい街なんですがね」

「機会があればまた会えるかも知れませんね」

男「合縁奇縁、ここで会ったも何かの縁」

男「ということがどうにも少なくないからね、楽しみにしたいかな」

「ただの人間の癖にどうにも度胸がありますねぇ、ただの馬鹿ですかぁ?」


男「あんまり人を襲わないようにって言っといて欲しいかな、大層驚かされたよ」

「驚かすのは嫌いじゃないんでねぇ、それは無理かも知れませんねぇ」

「ですが、考えておいてあげますよ

「では、そういうことで」

男「じゃあね」

男「さて、そろそろ十分離れたのかな?」

男「もう、いいんじゃない?」

同「あはは、そうだね」

男「声にも力が無いね、やっぱり止めといて正解だったのかな」

同「人間に戻らなければ、問題ないんだけどさ」

同「いや、戻らなかったとしても戦っていたら回復にはやっぱり時間がかかっただろうし」

男「吸血鬼らしいことしないといけなくなるのかな?」

男「精気を吸い取るのは体液とかごとに吸いとるのだったかな」

男「まぁ、君が実際にどうするのかもわからないし、別に知りたいわけでもないのだけれど」

同「はは、まぁ、そんなことも出来るかもねぇ」

男「喰い殺すだっけか」

男「まぁ、僕は気にしないから別にそちらも気にしなくて、気にしない方がいいと思うのだけれども」

男「重要なのはそこでは無くてさ」

男「助かったよ、ありがとう」

同「それは、ボクも危なかったわけだし」

男「君なら一人で逃げることも可能だったろうし、そもそもに僕の所に来ないという選択肢だってあったわけだろう?」

同「それは、そうだけれど」

男「さて、帰ろうか、送ってこうか?」

同「ごめん、もう一人にして欲しいかも」

男「おっけ、わかったよ」

もう人と話している余裕が無いのだろう、僕がいなくなった途端物陰で吐く、程ではないど思いたいのだが

男「じゃ、またね」

同「またねー」

彼女には負担をかけてしまったけれど、時間経過で治ってしまうだろうし

何かお詫びの品でもあげれればいいのだが

トマトジュースとか好きなのだろうか、塩の効いている素朴なやつ

何にしろ、今日はもう帰ろう

死ななくてよかった

第31話




男「狐の嫁入りに追いつこうか」






今日の投下はここまでになりますお疲れ様でした

投下するとやる気出るのは不思議ですね、すぐ忘れてしまうあたりいつも通りなのですが

次こそは早く来る…つもりです

ではでは、また来ますね

今日はきました

バックナンバー回収方法が思いつかないので、普通にバックナンバーを使うことにしました

では、投下していきます

男「そもそもに僕ってそんな良い夢みないんだけどさ」

女「うんうん」

男「そもそも良い夢ってどういうのなのかな」

男「美味しいもの食べる夢とか?」

男「何かいい事が起きる夢だとか?」

男「ラブでコメな夢とかかな?」

男「いや、定義はどうでもいいんだけれど」

男「僕の場合は純粋に不快な夢や現実で嫌なことが起こる夢、人が死ぬ夢、死ぬ寸前で起きる夢とか」

男「そんなのだよね、普通の夢って」

女「そうなの、かな?」

男「夢は非常に個人差が出ると思うから、だからどうしたと言った感じだけれどね

男「別に人が見た夢なんて、宣託みたいな物でもない限りは所詮、夢だからさ」

男「何が言いたいかって、いくら暇だからといって」

男「僕が見た夢の話なんて聞いても面白くもなんともないよ?」

男「と、いうことなのだけれど」

女「でも、やることもないじゃない、夏休みだし」

男「夏休みなのだから、とこかに出かければいいと思うのだけれど」

女「学校に来ているじゃない」

男「暇だからね」

女「部活とか入らないの?」

男「その質問、オウム返しにしていいかい?」

女「あー、うん、まぁ大体わかってはいたけれど」

男「僕達のルールの発動する頻度は数日に1回が平均だっけ」

女「ルールが適応されなくても、そういう忙しい日はあったもんね」

女「案外、疲れることも多いよね」

女「まぁ私は体調だってリセットされるから関係ない事の方が多いけど」

同「便利な身体してるよねぇ、君って」

同「いや、身体ではないか、体質でもないし」

同「まぁ君たちのルールが結構便利だね、と言いたいだけだよ」

女「そっちも大概だとは思うよ?」

同「あはは、ボクのはまた君たちのとは種類が違うけどねー」

同「まぁ、それはいいんだけれど、良い夢って見ないの?」

男「不思議な位見ないね、困ってないからいいけれど」

男「だからといって寝れないとか、そういうわけではないから問題ないしさ」

男「不快過ぎて目が覚めた時は流石に驚いたけれど」

同「どんな夢見たの?」

男「水が無いのにとても辛い歯磨き粉を使って歯磨きをしなければならない夢、だったかな」

男「水が無いから吐き出しても吐き出しても口の中が痛いという、とても不快な夢だったよ」

同「あ、本当に不快なだけなんだ、面白いけどさ」

男「僕は面白くなかったけどね」

男「やはり定番の落ちる夢や走っても前に進まない夢、殺される夢とかは昔から見るね」

同「そこらへんはよく聞くし、ボクも見ないことはないかな」

男「基本的に体験したことのないことは夢で見ても感覚が伴わないから実はあまり不快ではないんだよね」

男「つまり、死んだことがないからか、死ぬ寸前に夢はカットされてしまう、場面が切り替わってしまうということなんだけれど」

女「私は別に男くんみたいな夢は見ないなぁ」

男「見ない方がいいとは思うけれどね、自分の見る夢を自分で変えることが出来たならとっくに変えているさ」

男「もっともそんなことが出来たら、夢の世界から帰ってこなくなる人もいそうだけど」

同「他に面白い夢を見たことはあるのかな?」

男「他に、ねぇ」

男「そもそも夢だから、あんまり覚えていないのだけれど」

男「学校に遅刻する夢だとか、走っても前に進めずに殺人鬼に殺される夢だとか」

男「そこいらは、時々見ると言っても過言ではないけれども」

男「話して面白い夢ってちょっと思いつかないかなぁ」

同「水無しの辛い歯磨き粉の夢、面白かったよ?」

男「そういう一発ネタのような物こそ忘れてしまうからね、どうにも」

男「というか、君も大概に暇なんだね、よく会うよね夏休みになってからも」

同「ボクも君たちと似たような物だね、ボクの場合は文化部なら問題無いとは思うけれどさ」

同「めんどくさくてさぁ」

男「僕達だって、本当にやりたい何かがあったのならばやっているだろうよ」

男「そういうものが無いから、こんなことをしているのかも知れないけど」

女「私達でオカ研でも作る?」

男「オカルト研究部、いやいや無しでしょそれは」

女「だよねー」

同「めんどくさいからねー」

男「昼間の君は驚くほどに暑さにほだされているね」

同「だって暑いじゃなーい」

男「君ならそのまま溶けてしまっても夜には元に戻れそうだし違和感は無い、わけないけれども有り得そうだね」

同「うー、頑張れば出来るかもー」

同「でも頑張れないからムリムリー」

男「頑張れば出来るのかよ」

同「うんー? ちょっと不可能だとは思う」

男「だよね」

同「だよだよー」

男「というかオカルト研究会とかそんなの作ったらロクなこと起こらないと思うのだけれど」

女「確かに」

同「君たちなら或いは、まぁ普通に何か起こるだろうね」

女「暇だから学校に来ているけど、そろそろ宿題も終わりそうだしねぇ」

女「本格的に暇になってしまうね」

女「何かどっか行く計画立てる?」

男「宿題が全部終わったら記念にどこか行ってもいいとは思うけれど」

男「あんまりいいこと起こりそうもないよね」

女「確かに」

男「でも、だからと言って何もしないのは、これからそうだと思うとぞっとしないので何か考えようか」

女「そうだね」

男「どこか行く、とかで思い出したのだけれど」

女「うん」

男「どこか遠くの、ああその前に」

男「これは夢の話なのだけれど」

同「お、どんな話かな」

第27話




男「いつか見た夢の話」






今日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

中々暑さが収まりませんね、溶けそうです

ではでは、また来ますね

今日は来ました

そういえば、もう三年は海水浴に行ってない気がします

ではでは、投下していきます

男「あの夢にタイトルをつけるのならば」

男「三十三歩」

女「歩く夢なの?」

男「まぁ、そんなところかな」

男「夢にしては珍しく話っぽくなていた、というだけだけどさ」

女「大抵は支離滅裂だったりするもんね」

同「そもそもに、起きた時に忘れちゃうよね」

同「覚えているのは夢を見たということだけで、何の夢だったか覚えていない」

同「ということはよくあるねー」

男「思い出せない夢ってやけに気になるものだけれど」

男「まぁ、しかし僕が今から語ろうとしている夢も」

男「夢特有の脈絡の無い場面転換や、視点変更、主人公変更などが起こっていたので」

男「そういう意味ではしっかりとした話とは言えないのかもしれないけどさ」

男「僕が言いたいのは、夢の割にロジックがしっかりしていたというか」

男「話として成り立っていたと、まぁそう言いたいわけなんだ」

女「うんうん」

男「では、三十三歩、語り始めようか」

男「舞台は近代、少なくとも戦後ではあるだろう程度の時代背景だった」

男「詳しい年代設定は無かったけれど

男「そもそもに、山奥の田舎の村で非常に隔絶されているところ、という場所だった為に数十年位の差はわからないんだよね」

男「いや、戦前、下手したらそれよりも前だ」

男「みんな着物だったから」

男「近代なわけなかったね」

女「みんな着物って、相当前じゃないの?」

男「どうなんだろうね、着物と言っても甚兵衛や作務衣のような服だったからさ」

男「普段着みたいな?」

男「おかげで100年は離れていないであろう、という感じしかわからなかったね」

男「そこまで昔ではないけれど、戦後20年以内の片田舎と言ったところだろう」

男「閉鎖的な村というか古くからの言い伝えや行事を大切にしている村で、だから正確に何年であるかわかりにくかったのだけれど」

男「始まりは旅人が村に訪れているところからだった」

男「滅多に旅人なんて来る所ではないのか、歓迎されていたようだった」

男「木造の寄り合い所のようなところで、何人か集まり談笑していたのだけれど」

男「旅人はそこに飾られていた玩具のような置物か何かが目についた」

男「木で出来た物で、なんだろう」

男「木の棒と輪っかがいくつかずつあって、その輪っかの大きさが違う玩具ってわかるかな?」

女「輪っかは小さな物の上に大きな物を乗せてはいけないっていう、あの輪っかを全部移動させるあれ?」

同「何となくわかるけれど、それって玩具なのかなー」

同「パズルじゃない?」

男「あー、パズルだね」

男「知恵の輪とかそういうものみたいに難しくはないし、寄木細工のような芸術性はないけれど」

男「数学の勉強に、なるわけではないか」

男「教材として出されることがないわけでは無いけれど」

男「棒から棒に輪を移し終えるのに必要な最低回数はnを使って求められる、とまぁそんな感じの遊び心があるというか」

男「生徒の気を引くためのような、そういう程度の使われ方をするあれだね」

男「いや、僕はあれ結構好きなんだけれどね」

男「ああいう、木で作られている物って好きなんだよね」


男「そういうのは置いといて、夢の続きだけれど」

男「さっき話したパズルに似ている何かが置いてあったんだ」

男「だけど、知らない形をしていたのでそれは何か訪ねてみた」

男「ここ特有の物かも知れないとも思って」

男「確かにその置物は、村特有の物だった」

男「基本的な遊び方は、同じだけれど」

男「動かすのは輪っかでは無くて人形だ」

男「だからこそ、目についたのだが」

男「遊び方を聞くと、非常に単純で」

男「一番後ろの棒から、一番前の棒まで人形を動かし、そして折り返す」

男「折り返して一番前の所にまで戻すだけ」

男「それだけの、簡単な玩具だ」

男「小さな子供に触らせるのが一番良さそうな、そんな物」

男「だけど、その玩具にも守らなくてはいけない決まりがあった」

男「人形に、大きさの差があるからという物ではない」

男「もっと独特な、特有な物で」

男「だけど単純なルールだった」

男「村人が口を揃えて言ったその言葉は」

『絶対に、男よりも前に女が出てはいけない』

男「人形には男性と女性の二種類があった」

男「進む時は確実に男から先に」

男「最悪でも同時に動かすことしか許されていない」

男「なぜ、と聞いても周りは」

男「そう決まっているから」

男「としか答えてくれない」

男「旅人はこのパズルについて訪ねてしまったのは間違いだったと後悔し始めていた」

男「このことに対する詳しい決まり事を説明するときの彼らは、なんというか怖いのだ」

男「今まで優しい田舎の人達だったのに、この時だけ狂信者のような何かを感じるのだ」

男「絶対的な何かを信じている、そういう何かを」

男「他の話に戻れば、また気のいい人達になるのだから違和感が一層駆り立てられた」

男「この話を切り上げる際に言われたことの中の三十三歩という何かを指しているであろう言葉が気になったのだが、怖くなった旅人はこれ以上深く聞くことはせずに、村を去った」

『三十三歩はこんな子供の遊びじゃすまないからな』

『決まり事は守らなければならない』

男「ここでこの夢の視点や時間が変わるんだ」

男「と、いうわけでここまでが前半なのだかな」

男「前半というか、導入かな」

男「そのまま続きにいってもいい?」

同「つまり、今の旅人っていうキャラクターでは村に特有の遊びがあって、それがどうやら土着の宗教と絡んでいそうだ」

同「田舎の盲信されている宗教に横槍を入れてもいいことにはならないのでそれ以上踏み込むことなく、そのまま旅人として当たり障りないまま去った」

同「ってところなのかな?」

男「うん、そうだね」

男「夢を見ていた僕でさえ、この段階では何のことだったのかさっぱりだったのだからそうなのだろうさ」

男「まさか場面転換した夢の話が繋がっているとは思わなかったけれど」

男「というか、話を聞くのはいいんだけどさ」

同「うん」

女「うんうん」

男「宿題進めようよ」

同「うん」

女「うんうん」

男「返事もやる気無いね、もう」

同「手伝ってよー」

男「別に急ぎじゃあるまいし、暇なんだから自分でやりなよ」

同「暇でも勉強はしたくないのー」

男「僕ももうやりたくないんだよ?」

同「あー、うん、だよね」

同「そういえば、どっか行くって言ってたけれどどこに行くの?」

男「どこがいいかな?」

女「私に振られても、近場はイベントでも無い限りわざわざ行っても仕方ないし」

女「海とかどう?」

同「殺す気か」

男「苦手なんだ」

同「夜の海とか、曇や雨の日ならまだマシだけど晴れてる日に行くんでしょ、どうせさ」

男「晴れてないと寒いからね」

同「太陽は好きになれませーん」

今回の投下はここまでになります、お疲れ様でした

なんだかんだ定期投下になってる…

ではでは、また来ますね

今日はきました

お、お久しぶりです…

あれ、こんな経ってたかな、すいません一週間程忙しくて

ではでは、投下していきます

同「夜の海の方が空いてていいじゃない、それに風情もあるし」

男「いや、だからさ、寒いんだって」

男「いや、そもそも海だからと言って泳ぐ必要は無いわけか」

男「つまり、浜辺で花火とかしても夜の海ではあるということかな」

女「それは中々いい提案だけれど」

男「どうしたの?」

女「川でもよくない?」

男「あー、確かに」

男「夜の川ねぇ、蛍でも飛んでいない限りはいいイメージ無いかな」

男「最も、夜の海のほうが危ないとは僕は思うけれど」

同「そんなこと言ったら、どこにも行けなくない?」

同「それこそ引きこもりでもしない限り」

男「いやいや、この世の中家にいたって危ないのだから油断ならないさ」

男「家にいたって危ないことが起こる可能性があるのだから、逆に言えばある程度までならどこにいようと変わらないということだよ」

男「とは言え、海ね」

男「ここから一番近い海水浴場ってどこだろう、あんまり覚えが無いけれど」

男「海難事故系の話はあまり聞かないから大丈夫、と断定できるわけないか」

男「今までだって聞いたことの無い物や、あまり聞かないような物にだって遭っているわけだし」

男「というか、プールでもいいのかもね」

男「大きな所は確実に混んでいるだろうから、まぁ行って楽しいかは別だけれど」

同「プールねぇ、ここらへんって屋内プールあったかな」

男「そもそも少し遠出しようという話なのだから近場で無くてもいいのだけどね」

同「あ、そっか」

男「というか、君って日光があまり得意ではないのだろう?」

同「服に当たる分には問題無いから露出度の問題だね、肌が弱い人とそこら辺は変わらないね」

男「じゃあ、日焼け止めクリームとか塗ったらどうなのかな?」

同「いや、ボクは紫外線がダメなわけじゃないんだよ?」

男「ブラックライトで苦しむわけじゃないんだね」

同「だからボクは雑菌じゃないからね」

同「太陽光という概念がダメなんだよ」

同「直接太陽が見えるという状態がダメみたい」

男「だから曇っていたり室内だったりすると大丈夫だと」

同「鏡とかの反射光や窓越しの日光も苦手だけどね」

同「まぁそこら辺は普段はほとんど人間なボクだから昼間は姿形も無く消えていて、夜だけ現れるあれではないんだけれど」

男「その、ほとんどではない部分が昼間は非常に弱ってしまうのだろう?」

同「そういうことだね、超低血圧とかそんな感じでの認識でいいかもね」

同「多分昼間は身体の一部が消えようとしてる、というか消えてるのだと思うけど」

男「不死者だから、死にやしないのだろう?」

同「人間の部分は死んじゃうよ、不死者の王、吸血鬼な部分で死なないようになるけど」

同「あれって死んでも生き返るわけではなくて、そもそも死んでるから死なないって感じの不死性だから」

同「人間部分もバリバリ元気ー!って感じじゃないんだよ」

男「あれま、そうなんだ」

同「人間である割合を下げて、無理やり出力を上げることはできるけどさ」

男「体調悪そうだったね、あれ」

同「多分ね、死んでいる箇所が多くて敗血症になってるんだと思うの」

同「それこそ、死んでいるから死なないわけだけどさ」

同「死んでいない部分も無理やり維持されて治ってしまうボクの身体だから、ひどく体調が悪い程度で済むのだろうね」

男「まぁ確かに君の身体は普通の人よりも格段に早く治るだろうけれど、ノスフェラトゥが混ざった状態に適応している君の身体ならば大丈夫なのかも知れないけれど」

男「だけど、気になるのはやはりそこらへんではなくて」

男「いや、敗血症の症状が出てしまうのにも驚きだけれど」

男「そこら辺も含めて、なのかな」

男「君は死んでも生き返るわけではなくて」

同「死んでも活動し続ける化物、不死者」

同「その王とされる吸血鬼、ノスフェラトゥ」

同「まぁ、そうなんだよね」

同「ボクの身体は死んでも活動することが出来るよ」

同「ただ、やり過ぎると戻れなくなるとは思うけど」

同「その限界のラインを計るようなことはしたくないからわかんないねー」

同「でも、この前のあれがボクの出せる全力だったと思ってくれていいよ」

同「あれは本当に死ぬかと思ったから、無茶しちゃったなぁ」

同「いや、人間としてという意味ではなくてこう、消滅してしまう的な意味での死ぬ、なんだけど流石に言わないでもわかるか」

同「本気を出しても短期間なら死なないことがわかったから収穫だったねぇ」

同「おかげで未だにダルいんですよぉ」

同「元々の体力はあるから、ダルいだけなんだけどさー」

同「君が止めてくれてよかったよ」

男「僕は君がいなかったらおそらく死んでいただろうからお互い様どころか助けられたのはこっちなのだろうけれど」

女「そんな危ないことは、私がいる時だけにしなよ」

男「それもどうかと思うけど」

男「とりあえず夢の続きと行こうか」

女「うん」

同「はいはい」

男「あと君は手も動かす」

同「だからダルいんだって、あんな長々と説明したじゃない」

男「ダルいだけなんだろ?」

同「うぇー」

男「どこか行くっていっても山は遠いしね」

女「え、近くにもあるじゃない」

男「あそこは行き慣れたじゃないか」

男「宿題終わった記念にあの神社まで登りたいのならば」

男「話は変わってくるのだけれど」

女「あー、それはパスで」

同「ボクはそこは無理なんだよねー」

男「記念とか関係無いけれど、あの隠れ里に遊びに行くのは僕としてはやぶさかではないけどね」

男「あそこは面白いところだし」

女「何もなくない?」

男「そこにあるというだけですごいじゃないか」

男「とはいえ、そういうところに入り浸ることがいいとは僕には思えないけれど」

男「僕はここで君の幽霊に会いにいっているわけだし」

同「ボクみたいなのとも仲良くしちゃっているみたいだしねぇ」

同「いや、実際しているんだよね」

同「ま、それが悪いかどうかはボクには判断出来ないよ」

同「ボクは気付いたらこうだったから」

男「はは、同じ穴の狢だよ、傷の舐め合いではないと思いたいね」

男「ではでは、話の続きだ」

男「旅人の来ていたところから場面はいきなり変わるんだ」

男「そこで時間も大きく遡ったんだと思う」

男「ここからはサイレント映画、というわけではないのだけれど」

男「人の声が入らない、そういう夢だったから」

男「話し方が古めかしいかはわからなかった」

男「でも、服はやっぱり古そうだったのでそうとう昔なのだと思う」

男「場面は川の上、ここから三十三歩が始まる」

男「正確には、もう始まっていた」

男「やらなければいけないことは単純で、三十三歩で川を歩き決められたところまで行き」

男「そこで折り返して岸に戻ってくる」

男「それだけだった」

今回の投下はここまでになりますお疲れ様でした

夏が終わる…

ではでは、また来ますね

今日はきました

涼しくなってきましたね、夏の終わりが寂しいわけではありませんが、冬の到来が恐ろしいですね

では、投下していきます

男「それだけだっただけれど」

男「それだけだったのはやらなければいけないことの方で」

男「これをこなす際に、やってはいけないこともあった」

男「まず、川を歩くのは二人でなければならなかった」

男「多くても少なくてもいけない」

男「歩くのは、男と女の一人ずつだった」

男「僕はその川を歩いている男の方の視点での夢だったから、今何が行われていて、どのようなことをしなければならないのかは当然知っていて」

男「だけど僕はそれが何なのかわからなかった」

男「僕の視点となっている男の子は知っていても、別に僕と記憶を共通しているわけではなかったんだ」

男「僕からすれば、いきなり川の中を歩いていた、それも一歩一歩とても意気込み、緊張しながら」

男「呼吸が止まりそうな焦りや恐怖を感じてもいたのは、なぜかわからなかったけれど」

男「その男の子、と言ってもまぁ僕らと年齢はさして変わらないあたりだったのだが」

男「その男ともう一人歩いている女の子がいた」

男「しきりにその子の事を気にしていたので、相当の仲なのだと推測出来た」

男「人の声は無い夢だと言ったけれど」

女「言っていたね」

男「僕の視点となる人物の地の文というか、そいつが考えていることはわかったんだよ」

男「だから、音は無くてもある程度状況はわかったんだ」

男「無論、解説なんてしてくれるわけもないので、断片的だったり、結果から前提を推測しなければならなかったりで分かりにくいのだが」

男「だから、その男の子と女の子が仲が良いだろうということは想像出来たし」

男「年齢が近い、或いは同じであることも想像がついたし」

男「何より、とても田舎だったので幼い頃からの仲だということだって推測出来た」

男「そして、その子のことを心配している様子だった」

男「心配している、のは嘘ではないのだけれど」

男「その感情は相手のことだけを思った心配では無くて、もっと漠然としたものに対する不安や恐怖をごちゃ混ぜにした心配で」

男「とにかく、やらなければいけないことを、違えずにやるしかないということを念頭に起きしっかりと川底を踏みしめ歩いていた」

男「やってはいけないこととは、彼女が自分の前に出てはいけないということだ」

同「おもちゃの決まり事と同じな訳だね」

同「いや、逆か、こちらの決まり事と同じようにおもちゃが作られたってことかな?」

男「そうなのだろうね」

男「しかし、まぁ普通に考えて歩くだけだ、失敗する確率の方が低いだろう」

男「もちろん、普通ならばだ」

男「普通ではないので、ここまで怖いんだ」

男「まず、川というのは案外歩きにくい」

男「流れがあるというのはもちのんなのだが、川底の石はぬめりがあって滑るのだ」

男「履いているのは草履だ、どうやったって滑る時は滑るだろう」

男「それに、川が汚いわけではなく、水は非常に綺麗なのだが」

男「足元を見て歩くことはしていない」

男「いや、ここは明確な何かがあったのかはわからないのだけれど」

男「おそらく、おもちゃのコマが前以外を向くことがないように」

男「歩いている自分達も、真っ直ぐ前を向いているしかなかったんだ」

男「もちろん会話をすることだって出来なかった」

男「だから、怖い」

男「三十三歩というもの原則を守るには、転ぶということや、足を踏み外すということは出来ないだろう?」

女「まぁ、確かに」

男「超人的な身体能力があれば別だろうけれど、そんなことはないからさ」

男「振り向けないから、自分と女の子の距離がわからない」

男「抜かされてしまってはいけないのに」

男「でも、これは自分が前にいるからわからないだけであって、後ろを歩いている子は違う」

男「真っ直ぐ前を向いていても自分の姿が目視出来るのだから、自分はただ歩いていさえすれば、あちらが合わせてくれる」

男「その程度の信頼も出来る仲だったが」

男「歩き出した時はどうだったかいざ知らず、十五歩程歩いた現在、川は霧に覆われていた」

男「自分の前には誰かがいるわけではないからよくわからないが、おそらくは視界は1メートルもないであろう霧の濃さで」

男「ただ前を向いて歩くだけと楽観していた自分を呪いながら」

男「急に立ち込めたこの霧に対して、どうしたらいいのかわからなくなってしまい」

男「気付いた時には足は止まっていた」

男「いつから止まっていたかなんて自覚はなく、少なくとも今止まっているのは確実で」

男「あいつがこの状況で歩き続けていた場合、下手をすれば抜かさrれてしまうのではないか」

男「すぐにその発想に至り、焦りながらも、恐怖しながらもだけど落ち着いて」

男「また歩き始めた」

男「そもそも、川の中を歩くので歩くペースは非常に遅い」

男「そこに来てこの霧の濃さだ、普段よりも遅くなるだろう」

男「足元が見ることが出来ない上に遠くが見えないので、遠くを見て足元を知っておくということすら出来なくなった」

男「それに、なんだか流れが早くなった気がする」

男「足を取られる程ではないけれど、流れが出てきて」

男「水面が見えたとしても足元は覚束ないままなのかも知れないな」

男「やはり相方が心配になるのだけれど、自分の心配をするべきだろう」

男「流れが渦巻いてきている為、真っ直ぐ歩けているかも恐ろしくなってしまうが」

男「やけに平らな場所とは言え、やはり川だ」

男「流れる方向でどちらに進んでいるかは大体わかる」

男「ただ、間違っていたらと思うと怖くて、疑心暗鬼になってしまうだけだ」

男「だから、迷ってはいけないんだ」

男「川の水が冷たいのか冷たくないのかもわからない」

男「季節から考えればけ心地良いはずの温度なのだが」

男「感覚がなくなっている」

男「この霧が、身体の感覚すら隠してしまったのかも知れない」

男「川の流れる音がうるさくなってしまい、相方の足音も聞こえなくなった」

男「この霧に相方も隠されたのではないか」

男「いや、隠されているのは自分の方なのかもしれない」

男「そんな重々しく神々しい雰囲気を感じながらも、止まるわけにはいかないので」

男「歩き続けた」

男「別段、視界が極端に悪いだけで」

男「他に何があるというわけでもなかったので」

男「問題無く進めたのだ」

男「問題は、なかったはずなのだ」

男「何も違えることはなく、三十三歩歩き切った」

男「あとは折り返して、同じようにして岸に戻るだけ」

男「水の冷たさに足が動かなくなるようなこともない」

男「ここまでこれたんだ、帰るだけのどこに問題があろう」

男「だから何も間違えることなんてないはずで」

男「手抜かりなんてあってはならなくて」

男「だけど、どうしてなんだろう」

男「折り返した途端に一寸先すら危うかった霧が何もなかったように晴れた」

男「喜ぶべきことなのだろうけれど」

男「どうしても、喜ぶことが出来なかった」

男「何かが終わってしまったという具体性のない喪失感を抱いたまま」

男「歩き出そうとした時に」

男「視界の端に捉えてしまったんだ」

男「何かが流れてくることを」

今回の投下はここまでになります、お疲れ様でした

涼しくなるのは一瞬ですね、いやはや秋は短く感じてしまいがちな物なのでしょう

ではでは、また来ますね

今日はきました

大分開いてしまいました、正直次の話のプロットが組めなくて止まってました

もうネタ切れかよ、やばいんじゃねーのこれ

それはそれとしてプロットが組めたので来ました

ではでは、投下していきます

男「それは彼女だった」

男「流れてきたのは、彼女だったんだ」

男「転んだとか、そんなものではない」

男「瞳孔は開きっぱなしで、半ば沈みかけながらも川の勢いに押されてくる彼女がそこにいた」

男「いや、彼女だった物だろう」

男「もう、生きていない」

男「確認するまでもなく、一目見た段階で本能的に理解してしまった」

男「だけど、注視せずにはいられなかった」

男「前以外向いてはいけない、なんて」

男「守れるわけはなくて」

男「よく見ても、それはやっぱり彼女でしかなくて」

男「なんで死んでいるのか、その理由は考えるまでもなく、失敗したということなのだろう」

男「どうして失敗したのか、どうして失敗してしまったのだろうか」

男「それよりも先に、頭に浮かんだのは失敗した時の光景だった」

男「霧は晴れたのではなく、晴れてしまったのだろう、失敗しなければ終わる時まで晴れることはなかったのだろう、そういうことも考えた」

男「あの濃い霧の中、自分は折り返さなければならなかった」

男「そして、折り返す時に注意しなければいけないことがあった」

男「男より前に女はいってはいけない」

男「もちろんわかっていたし、注意もしていた」

男「そして、一番危ないところはわかっていたのだ」

男「折り返す瞬間が一番危ない」

男「視界に問題がないことを前提とならば、歩いているときにさして問題はないはずだった」

男「想定外の霧により、それすらも危うくなったのだが」

男「だけど、基本的には自分の方が早く歩けば問題はないのだ」

男「そこには早めに気付くことが出来た」

男「焦らずにペースを変えずに歩けばまず問題はないであろう、と」

男「そこまではすぐに思い立てたのだ」

男「だから、問題は無かったはずだった」

男「少なくとも、自分には」

男「だけど、三十三歩は一人でやるものじゃなかった」

男「女が男よりも前に出てはいけないという制限」

男「ここが問題だったんだ」

男「途中で曲がるような道ではなく、綺麗に折り返してしまうから


男「折り返した時に、自分の後ろにいた女は自分の前にいることになってしまうから」

男「だから、折り返す時が一番危険だと、わかっていたのだ」

男「つまりは三十三歩歩き、横並びになった状態ならば、折り返すタイミングがズレたとしても自分より前に出ることはない」

男「そういう予定だった」

男「が、深い霧に音を激しくする川、お互いの位置を確認することは不可能となってしまった」

男「それでも、待ったはずなのだ」

男「十分過ぎる程、待ったはずなのだ」

男「なのに、どうして」

男「彼女は自分の前で、倒れていたのだろう」

男「失敗した理由としては、自分が折り返した時にまだ辿り着いていなかったということも考えられるし」

男「自分が待ち過ぎて、女が先に戻ってしまい自分が折り返したところで失敗となった、ということも考えられるけれど」

男「視界が遮られた為に微妙に真っ直ぐ歩けていなかった、同じになるよう努めていた歩幅がズレてしまった」

男「或いは、転んでしまったのかも知れないけれど」

男「そこら辺だ、ということも理解は出来た」

男「失敗したということが理解出来てしまったからこそ」

男「彼女が死んだということも理解出来てしまって」

男「僕は、川に身を投げ出したんだ」

男「十分歩けるような川だったのに、その水かさは見る見る間に増していった」

男「そもそも、人の死体が流れてくる時点でその傾向はあったのだろうけれど」

男「急激に、劇的に水の量は増えた」

男「川に身を投げ出した一瞬で一面青の世界へと変わってしまった」

男「自分が水に潜ったのではない、水が人の背丈を遥かに上回る高さまで来てしまったのだ」

男「激流なはずなのに、なぜかその水はとても澄んでいて」

男「山の中を水の勢いに任せて全てを見下ろしながら滑るように下って行き」

男「自分の住んでいた村も水の底に沈んでいるのがわかっても妙な清々しさに支配されていて」

男「全部忘れてしまったように気持良く水の中を泳いでいて」

男「苦しくなって息継ぎがしたくて」

男「空に向かって泳いでいって」

男「辿りつけなくて、苦しくて」

男「やっと水面にたどり着けそうで」

男「そこで夢は覚めてしまった」

男「と、まぁそんな感じの夢だったよ」

女「結局死んじゃったのかな」

男「僕が起きたというこは、まぁそういうことなのかも知れないね」

同「水で溺れて起きたって何? 男くんおねしょでもしたの?」

男「僕を何歳だと思ってるんだよ、そんなわけないだろ」

同「だろうねぇ、というかその夢は水神様あたりの神事だったのかな」

男「そうかも知れないね、神事であった可能性は高いけれど」

男「邪神や妖怪の類であった可能性も否定は出来ないのかな」

同「妖怪にしては規模が大きい、と思ったけれどその位する妖怪はざらにいるか」

同「ま、どっちにしろそれは地方独特の何か、ということだったんだよね」

男「だろうね、水神か山神か、ま、前者だという推察は中々マトを射ている思うけれど」

男「しかしこういう夢を見ると寝覚めがなんか微妙な感じになるんだよね」

同「だろうね、見事にバッドエンドだし悪夢の類じゃないの?」

男「こういうの時々見るから今更悪夢なんてねぇ、とは思うけどね」

女「男くんはそういうの現実でも見慣れているしね」

男「見慣れたく無かったけれどね、しかし体験してしまっている君程ではないだろうさ」

男「というか悪夢を見た際のリアリティにおいてはここの二人は僕なんかに比べて相当な物になるんじゃないのかな」

女「そんなに夢みないしね、私は」

同「ボクも変なのはみない、かなぁ?」

男「ま、昔は今よりも水害とか怖かっただろうからね、そういう信仰は多かったとは思うけれど」

男「変な夢だったよ」

男「まぁだからさ、あんまり泳ぎたい気分じゃないんだよね」

女「えー」

同「あ、そういうことが言いたかったの」

男「うん、まぁそういうことだね」

男「見た夢の中では中々に面白い方だとも思うけれど」

同「あんましっかりしたストーリーある夢なんてみないもんねぇ」

男「で、そろそろ終わったかな?」

同「あー、もう少し?」

男「君は?」

女「私は終わったかな、多分」

男「いや、多分ってなんだろう」

男「じゃ、僕達は終わったのかな」

男「まだ終わっていないだろうし、最後まで付き合うよ」

女「どうせ暇だもんね」

同「え、悪いよ、そんなこと」

男「僕はそもそもここに人に会いに来ているということもあってさ」

女「私じゃん」

男「元君?」

女「人じゃなくて幽霊じゃない」

男「人の幽霊じゃないか」

男「まぁ、そんな感じでここには来ているからさ」

女「またね」

同「うん、またね」

男「じゃ、また」

第27話




男「いつか見た夢の話」






今回の投下はここまでになりますお疲れ様でした

バックナンバー埋めで普通に話するのはどうなのか、と思ったのでただの雑談回を挟んでみました

ええ、ネタ切れでしたしね、仕方がないです

こういう不思議な夢、数ヶ月に一回位見ますよね、中々ストーリーになっているのでああいう夢は夢にしては面白くて好きです

ではでは、また来ますね

今日は来ましたー

もうすっかり寒くなって来ましたね、風邪にはお気をつけて

では、投下していきます

男「宿題終わった?」

女「終わってるよー」

同「終わったー」

男「どっか行く、というか何かするんだっけ?」

同「そんな話してたねー」

同「考えてみたらボク、昼間に動きたくないし?」

男「いや、それは暑いから嫌なだけなのではとも思うけれど」

男「夕方から始まるお祭りとか、そういうのがあれば丁度いいのだけれど」

女「縁日ねぇ、もう少し先じゃなかった?」

男「なんだよね」

男「わざわざ縁日探して遠出するという程のものがあるかと言われたら微妙だし」

同「どうしよっか」

男「そろそろ君も元気になる時間なのかな」

男「まぁ、気怠そうでもないし夏に夕方、人気の無くなってきた来長期休暇中の学校」

男「本当は夜のほうが雰囲気は出るけれど」

男「怪談でもしてみようか?」

同「ボク達が?」

同「いやいや、何のギャグって感じだよね、ボク達は自分自身が怪談の中のものみたいな所はあるし」

同「それに百物語でもするつもりなの、そんなことしたら」

男「青行灯が現れるかも知れないって、まぁ僕らが本当にしたら出てもおかしくはない、と思えてしまうのがどうとは思うけどさ」

男「ここは学校だよ、百物語より良い物があるじゃないか」

第32話




女「学校の怪談?」






男「そういうこと」

男「せっかくだし集めてみようよ、知ってる話を合わせてさ」

同「うんうん、いいねそれ」

同「この学校色々あるみたいだし、そういうの数えたら面白いかもね」

女「普通の怪談としての楽しみ方とは違う気がするけどね」

男「今時怪談で怖がる人も減っただろうさ、うわさ話として楽しむというので正しいのかも知れないね」

同「どうしようか、別にボクってそういうの収集しているわけではないんだよね」

同「わざわざ出会う確率上げたいわけではないからさ」

男「じゃあ、そうだね」

男「僕達が遭遇した七不思議から順に話していこうか」

同「もう遭遇してるの!?」

同「いや、まぁ流石としか言いようが無いけれど」

同「君たち普段から何やってるの?」

女「何してるんだろうね」

男「普通にしていたら、巻き込まれてたことも多いよ」

男「全部とは言えないから、流石に自分達のせいというところもあるけれど」

同「ボク見たことあるかもわからないんだけど」

男「君、そもそもに七不思議を知らないでしょ」

同「いくつか知っているけどね、七不思議という区分に含まれているのかがわからないね」

同「七不思議という区分での噂を聞いた覚えがないし」

男「そうだね、この学校において明確に上の世代から伝わるものはあまりないと言った様子だね」

男「どうにも変わっていっているというか、流行り廃りの関係でどの7つが七不思議と言われているのかよくわからないというか」

男「そんな感じがするね」

同「実際、そういうの意外に数あるもんね、ボクみたいなのから観測してしまうと」

男「君も僕達も怪談や噂になっていなくてよかったね、本当に」

同「そうだね、噂になるとろくな事にはならないだろうし」

男「とりあえず、僕達が遭遇した中で七不思議であろう物から話していこうか」

女「何個あったっけ」

男「覚えておこうよ、その位はさ」

女「学校であったやつは七不思議でいいのかな?」

男「多分ね」

男「まず一つ目は踊り場の鏡かな」

同「鏡の中の世界に吸い込まれる、とかだっけ?」

男「そうそう、正確には合わせ鏡に挟まれたら入っただけだけどね」

男「左右反転するだけだから、実害はそこまでないのかも知れないね、慣れてしまうらしいし」

男「この鏡がまずは一つだろう」

男「二つ目は、十三階段の怪かな」

同「登り切れない、降り切れない、出口の無い階段だっけ」

同「あれは見に行ったけれど何かあるのか無いのかわからなかったなぁ、出てきてくれるタイミングがあったのかな」

男「あれは十三階段という物に似せた伸び上がり、見越し入道の類だったね」

男「見越してしまえば元通りだけれど、目が離せない、上を見るとどこまでも伸びていく」

男「当然動けないから、降りれないし登れない、階段は増えていって」

男「最後には気絶する、と」

男「保健室の対応としては貧血ですねーで終わるものだし、さして大事にはならなかった」

同「逆に考えると、大事にならないからこそ」

男「放って置かれる可能性があった」

男「そもそもあれは下りでは現れないし、何より発生に若干のランダム性を有していたからね」

男「まぁ、放って置かれるのやむなしだろうさ」

男「というか、君が出会っても身体能力で誤魔化せる類ではないからね」

男「しかし、誰にでも対処可能であったのだけど」

女「あれ面白かったよね、写真に撮っておけばよかったよ」

男「いや、写らないとは思うけどね」

男「写ってしまったら写ってしまったで他の問題を起こしそうだね」

男「あとはなんだっけ」

女「学校の神様じゃない?」

男「うんうん、それだね」

同「神様って、あの微妙に祀ってあるやつ?」

男「あれは土地神を鎮める為のものだったとは思うのだけれど」

男「まぁ、ここは学校自体が古いからねぇ」

同「もしかして付喪神?」

男「土地神兼付喪神なのかな」

男「どちらもこの学校限定だけれど」

男「この学校においては君よりも強いかもね」

同「神様にはねぇ、ボクもあんまり歯向かいたくないかな」

同「死にたくはないし」

男「これで3個、だけれど僕達があったのはこれで終わりだね」

同「あと四個は何なのかな?」

男「いやいや、わかっていないのは三個さ」

男「僕と女が出会ったのは確かにここまでだけれど、君を含めたこの三人が出会っているものがあるだろう?」

同「それって放課後の自殺霊のことかな、つまりは」

初「私だね!」

同「うん、だろうね」

初「せっかくタイミング見計らって出てきたのにリアクション薄いよー」

同「だからボクはその位の距離ならいるのわかるからさ、壁の中にいるんだなーって思ってたよ」

男「僕が呼んでおいたんだけどさ、とはいえいつ来るかまでは聞いていなかったからね」

男「時間からしてもう来るとは思っていたけれど、待っていたんだ」

初「私の話が来ると予想出来たからね、待ってたよ」

男「自分が七不思議だという自覚はあるんだね」

女「そして私は驚いたのだけれど」

女「これ驚いたの私だけじゃない」

初「図らずも自分に対してのドッキリになっちゃったね」

初「そもそも私の存在自体が既に自分に対するドッキリのようなものだけれど」

男「ここまでで4個、残り3個は僕達も預かり知らぬ所だよ」

同「ここからはボクが話そうか」

同「ボクは近くに何かいればわかるからさ」

同「特に怪談の元気な時間は放課後から、ボクも元気になる夕方からだからね」

同「心当たり位はあったりするんだ」

男「じゃあ、お願いするよ」

同「うん、任せて」

今回の投下はここまでとなります、お疲れ様でした

夏休みだけど学校が舞台のままですね、そろそろ移動させたいとは思っていますが中々どうして

ではでは、またきますね

今日はきました

ハロウィンの季節まで進むのにあとどれだけかかるのでしょうね

一年かかってもまだ夏休みですからね、ここが冬になるころには現実ではまた夏が通り過ぎていそうです

ゆっくりですがまだ続けていく予定です

ではでは、投下していきます

同「まぁやはり例に漏れず時間は放課後で」

同「場所はプールだね」

同「放課後のプール、水泳部も使っていないプールは誰も使っているわけもなく」

同「だけれど見回りに来た教師なのか、たまたま忘れ物がそこにあって来てしまった生徒なのか、それは定かではないけれど」

同「誰もいないはずのプールに誰かがいる」

同「生徒がどうやってか勝手に入り込み、遊んでいるに違いない」

同「そう思い、誰が使っているのか見にいくと」

同「誰もいない」

同「人の気配を感じて来たのは確かなのだけれど、誰もいない」

同「どころか直前まで人がいたとは思えないような静けさで」

同「プールの水も不自然に波があるようなこともなかった」

同「仕方なく、気のせいだったのだろうと思いそのまま帰ろうとした」

同「踵を返して帰ろうとしたら、視界の端に人影が映り込んだ」

同「振り返り確認すると、誰もいない」

同「見えるのはいつも通りの壁だけ」

同「こんなところに人影が見えるなんてこと、あるのだろうか」

同「放課後で誰もいない場所ということも相まってか薄気味悪さを感じ、逃げるように帰っていった」

同「そういうことが何回かあったのかも知れない」

同「いつの間にかそこに流れるようになった噂が」

同「プールの人影」

男「なるほど、今年のことなのかな」

男「そうだとすると比較的最近の話になるのだろうけれど」

男「プールで足を引っ張られるだとかの類ではなくて、夜中の体育館で幽霊がバスケをしているとか」

男「そちらの類になるのかな」

男「つまりは放っておいても害はないのだろうし、害はないということはそれはつまり」

同「嘘か本当かわからない、それが都市伝説を都市伝説たらしめているところだと思うけど」

同「悪魔の証明ってわけじゃないかもしれないけどさ」

同「実害のない、そこで見かけただけ、出逢っただけ、そういう類の物はボクたちみたいなのからしてもそれが本当か嘘かが判断出来ない」

女「実際に被害の出るような物だと、被害の有る無しでわかっちゃうもんね」

女「それこそ私は被害があっても、それは記憶の中だけの物になってしまうけれど」

同「君の場合はそれもほとんどの人は目撃したとしても覚えていられないじゃない」

同「ボクが言えたことでは無いけれどやっぱりそういう意味では遭いやすいのだと思うよ」

男「まぁ、流石に自覚はあるさ」

男「だからと言って、どうかする気にはなれないけどね」

男「さて、これで五つ目だね」

初「じゃ、私が一つ話すね」

男「君が?」

初「うん、別にそっちの私でもいいのだけれど」

初「まぁ聞いたのもまだ私が私だったころだから、覚えていないのも仕方ないのかな」

初「夜の校庭に浮かぶ火の玉」

初「そんなのを聞いたことがあってね」

女「あったね、そういうの」

女「でもそれ、流行らなかったよ?」

初「地味だからね、怪談にしては」

初「さっきのプールのもそうだけれど。そういうのは消えていくものなんじゃないかなって」

初「まぁそういうことを私が言うのはあまりよくないことなのだろうけどさ」

初「だからそこら辺の地味なやつは、一年経つ前に入れ替わってしまうのかも知れないね」

男「まぁそもそもここ、多分七個よりも多く、数えたらというかつついたら出て来そうだしね」

男「少なくとも忘れ去られているものとかはありそうだ」

男「そもそもに僕らや君みたいなのも実際いるわけだし、まぁいろいろとあっても驚かないけれど」

男「それにしても火の玉ねぇ、人魂のことなのかな」

同「怪火といえば霊魂であることは多いよね」

男「この学校が墓地跡、戦場跡、病院跡に葬儀場跡、過去にここで起こった事件、そういうものと関連付けて語られることが多いと思うけど、どうなんだろう」

女「それは聞いたことないよね」

男「だから噂話としては微妙ですぐ廃れたのかな」

男「どうしてそんな半端な噂が流れたのかが僕は気になるけどね」

同「怪火の科学的説明はいろいろとあるもんね、もしかしたら実際に起こったのかもよ」

男「まぁもちろんそれを否定することは出来ないけれど、基本的にそれは特定条件下で起きる現象だと思ったから、ここで起きたのかと言われると難しいんじゃないかな」

同「なんでもかんでもプラズマのせいにするよりはいいんじゃない?」

男「そうだけれど、というか古いよね」

男「その、すべてはプラズマで説明出来るって考え方」

男「僕達の世代だと知らない人がいてもおかしくない位には古いよね」

同「そうだねぇ、最近は聞かないかも」

男「UFOとかミステリーサークルとか、アブダクションだっけ」

男「そういうのも流行らなくなったね」

女「それはほとんどが捏造ってことがわかっちゃったからじゃないの?」

男「ま、そうだろうね」

男「ブームだからってやり過ぎたのだろうけれど、如何せん世代じゃあないからよくわからないよね」

男「とりあえずこれで六個なのかな」

同「七個目は?」

男「これもやはり定番だろうけれど」

男「七不思議の七つ目は、七不思議を全て集めてしまうと不幸に遭う」

男「という物じゃないかな」

男「こういう系は正直、いや全部集めるってどういうことだよ」

男「とか、カウントに対する突っ込みどころが多かったりするのだけれど」

男「とは言え、現状から鑑みるに危なそうな物はもう全部遭遇済みのようだね」

同「情報収集も兼ねたお話だったけれど、まぁ知らなくても問題は無さそうだったかな」

同「知らなくても問題無いということを知れたのが、収穫と言えるねぇ」

男「思ったよりも話すことはなかったね」

初「そもそもに半数近く実際に遭っていて怪談ではなく体験談だったし」

初「それにこの面子じゃ、誰も怖がらないってわかっているから怖がらせようという工夫もしなかったしさ」

初「短くなって当然と言えば当然だよね」

男「ま、その通りだよ」

男「しかし、これじゃあお疲れ様という感じにもならないし」

男「何か考えるべきなのかも知れないけれど」

男「ま、それこそそういうのは君たち二人でどこかに行くべきなのだろうけれど」

男「僕がいてもあれだろう?」

女「そう?」

女「って言いたいけれどまぁ確かにそういう所はあるのかも知れないよね」

同「普通ならばそうなのだろけどさ、ボク達はボク達だからね」

同「ボクと女さんの二人ならいざ知れず、他にクラスメイトのお友達と一緒に何かするよりは、男くんのような知っている人の方が遥かに気楽なんだよね」

男「あー、君って友達いないもんね」

同「ぼっち言うな、殺すぞ」

男「いやそんな必死にならなくてもね」

男「いや君の場合は死んでも活動し続けられるからこそ、軽々しく必死になれるということかな」

同「そういう微妙なニュアンスの隙間みたいなのを突かなくてもいいから」

同「でも、ま、なーんかね、友達って作りにくいよね」

男「言いたいことはわからなくもないさ」

男「似ているとは言い難いのかもしれないけれど、それでもまぁ僕達は似た者同士なのだろうさ」

男「じゃ、今日の所はとりあえず帰るよ」

女「何かあったらまた連絡するねー」

男「じゃ、またね」

同「はいはい、またねー」

今回の投下はここまでになります、お疲れ様でした

寒くなってきましたね、手袋が欲しくなってきました

ではでは、また来ますね

今日は来ました

思ったよりこの話長いですね、これ話数分割するべきだったかな

では、投下していきます

途中までは一緒に帰るものだとばかり思っていたのだけれど、どうやら彼女は何か用事があるようで

仕方ないので二人で帰ることになった

まさかこのタイミングで二人きりにさせてあげようという気を持ったなどということは流石にないだろうから、本当に用があったか、何か意図があったのだろう

純粋にただの用事であったと信じていたいところである

もし二人きりに、という方であったらそれほど残念なことはないだろう

いや、今更過ぎるだろその気遣い

本当に今更過ぎるのでまずないであろう

となれば用事ということを信じたいけれど、学校から出る前に僕達と別れる必要があったのかということか

まぁ、うっかりしていた為に早めに別れてしまったけれど実際はそんなに早く別になる必要はなかったということも考えられるけれど

しかし、彼女は僕達と違って妖怪や幽霊、都市伝説、はたまた神様まで探知可能であるという性質を知っている上に

彼女は彼女で向こう見ずというか、お人好しというか

そこら辺の意図や目的はわからないけれど、何故か積極的に関わっていこうとする性質を持っていることも察しているのもあり

嫌に心配である

僕達を引き止めなかったということは、とりあえずは僕達の行く先に何かがいることはない、ということではあるので

実際にただの用事であったのだろうと、厄介事だったのだろうと、僕達はこのまま帰るのが正しい行動であろう

無論、彼女が単体で対処出来ない事態に陥るという可能性だってあるわけだが

この学校内やこの町内でそのような物にぶつかる可能性はかなり低いだろう

死んでも大丈夫という性質は僕達が関わってきたような物に対して無類の相性の良さを発揮する

そもそもが死んだら普通に死ぬ一般的な人間を対象にしている存在なのだから当然だが

人間に対しては異常で過剰な威力のある攻撃、とりあえず死ぬ、何か死ぬ、みたいな理不尽な攻撃は死なないやつに取っては無害であろう

彼女は代わりに様々な弱点を備えてしまっているので、負ける時はあっさり負けてしまうのかも知れないが

そういうことをしてくるのは人間だ

つまり彼女が探知可能でないタイプであろう

そもそもに彼女は今までだって色々とそれこそ僕らとは違い文字通りに戦ってきたのであろう

パワーバトルが出来る彼女はそれ故に純粋な力に頼りがちなのではないかという心配もあるが

女もいる時に話すこともないであろう、というのが僕の意見である

彼女は深く立ち入るべきではない

これ以上無く巻き込まれている、というか本体そのものでもある彼女だが

だからこそ彼女はこういう本質に触れるような話からは遠ざけるべきなのだと思っている

おそらくそれは女にはやっぱり伝わっていて、それを理解されているから彼女は彼女のままでいられるのだと

そう思うんだ

実際はどうなのかはわからないけれど、あまり僕ならまだしも彼女が考え過ぎるのはよろしくないことを招く可能性は高い

とりあえず吸血鬼、と言うと微妙に違うのかな

不死者の王という意味での吸血鬼なのだから同じと言えば同じなのだが

よくマンガとかで出てくる人型の吸血生物ではなくて、死んでいるのに動くという古めかしい伝統の化物だ

体液や肉体を媒介に精力を吸い取ることも出来るので比較的吸血鬼と言ってイメージされるようなことも出来るのだが

女「ねぇ」

男「今ちょっと考え事が忙しいんだ」

女「いや、現実見ようよ」

男「だよね」

男「いやいや、まぁ予想は出来てしまっていたさ」

女「帰れないね」

男「そうだね、帰れない」

男「そもそも校舎を出た段階で気づくべきだったのかな」

男「元々夕方だったから、外が変に暗くても、多少変な色でもわからなかったのだけれども」

男「しかし、気付いたところでどうしようもなかったか」

女「これ、どうなってるの?」

男「この暗さは前に見たことある類ではあるね」

女「あの病院帰りの時のよくわかんない空間のこと?」

男「そうそう、色は似ているよね」

女「言われてみれば確かに」

男「出れないという感じはそこら辺の物とは仕組みが違うから、同じ空間では無さそうだけれども」

男「色が似ている、というよりは雰囲気が、空気が似ているというべきなのだろうね」

女「こういうのはおどろおどろしいって言うんだっけ?」

男「まぁそんなところだろうさ」

男「しかしこれはなんだろうね」

男「確かこれは、旧校舎の怪」

男「とか言うんだっけ」

女「旧校舎?」

男「いやいや、まず門のボロさで気付いてもいいと思うのだけれど」

男「校舎、見てごらん?」

女「ボロいね」

男「少なくとも僕らの通っていた校舎ではないね」

男「旧校舎の怪、どういうものだったかな」

男「ま、こういうのは大抵帰れなくなる、という物なのだけれど」

女「どうするの?」

男「んー、どうしようもないからとりあえず」

男「探索しようか、この旧校舎とやらを」

女「一階から回っていく?」

男「校舎の中に入る前に見ていきたいところがあるからさ」

男「そっちから行こうか」

女「どこからでもいいけど、大丈夫かな」

男「いや、おそらくここにいる時点で大丈夫ではないけれど」

男「もしかして僕たちのことじゃなくて、キューちゃんのこと?」

女「キューちゃんって誰さ」

男「キューちゃんは吸血鬼ちゃんさ」

女「あー、うん、まだ学校にいたと思うんだけど」

男「でも、ここにいるとは、限らないだろう?」

女「まぁ、そっか」

やらかした、二重の意味でやらかした

まずはボクが学校から出れなくなったことだ

これはめんどくさいと言う他ない、自分のいる学校の敷地全体が何かになっているのを感じる

ここら辺の理由は七不思議なんて興味本位で語ったからなのだろうけれど

しかしあのメンバーで共通していた認識として、本当の七不思議は語らないという物があったので大丈夫だと思ったのだけれど

男くん達が語った最初の4個は、七不思議であろうとなかろうと、既に解決済みだからいいのだろう

ボクが語ったそれや、あとから男くんや幽霊っ子が語ったそれはやはり、適当なものだろう

少なくとも危険度は無さそうで、七不思議でもなさそうなものを

選んでいたはずなのだ

でもこの状況は少なくとも厄介事で

おそらくは七不思議のせいだろう

とはいえ、短絡的に考えてしまうのは人間の悪い癖だとも思うので決め付けはしないけれど

ボクが語ったあれは、幽霊っ子ちゃんが放課後のプールで遊んでいることをボクは知っているよということだった

流石に彼女も自分のことだとわかったらしく、ちゃんと適当な七不思議を出してくれたし、話を合わせてくれた

ボクは近くにいればわかっちゃうから、プールにいたのも発見出来てしまったから

ま、幽霊なのに泳げるの?とか幽霊だから暑くないんじゃない?とかいうことは置いといて

半ば別館になるように校舎にくっついている図書館にきたのはいいけれど、まさか休みだから休館していたなんて

と、これが二つ目のやらかしたことと言うか、こっちをやらかしたから学校にまだいるのだろうということが推測されてしまう

自分が自分で残念過ぎて、脱出する気も起きないよ

今回の投下はここまでになります、お疲れ様でした

もう朝の寒さが辛いですね、春になるまで寝ていたいです

ではでは、またきますね

今日は来ました

いやほんと寒いですね、気温酷い時間だと0度割りますね、冬は怖いものですねぇ

ではでは、投下していきます

さて、脱出する気がしないと言ってもこのままでいるというわけにもいかないだろうし

ボケっと突っ立っているのは止めにしていい加減に動かないと

ここは居心地が悪くないのだけれど

だからといってくつろいでいくわけにはいかないし

というか普通にあと数時間も帰るのが遅れたら怒られるというか

早く帰らないと面倒くさいなぁ、とかこんな時に何を考えているの?とか思うのかもだけど

慣れっていやだねぇ

端っこまで行ければこのよくわからない空間の境目ぶん殴って穴開けて帰れるかな

調子が良いから力技で帰れる気もする

そもそもここに連れ込まれたのが防げなかったから、力の差はあるのかも知れないけど

ここが夢の中とか、そういう精神的な世界である可能性は

否定は出来ないや

ボクの吸血鬼としてのスペックもそのままこっちにきているようだけど、だからといって精神的な世界であることの否定にはならないし

あれ、そういえばここってボク以外にも誰かいるのかな

校舎内の人間が全部追いやられたとしたら面倒くさいね

この微妙な季節は校舎どころか学校自体の需要が無い

成績処理期間と言う名の夏休み

教師も休んでるだろ、とか部活も顧問不在に校舎などは業者清掃で全滅のこの期間はそう言われている

ブレーカーを落としていないからか電気系統は自分でつけていけば使用可能なので、ボクとかはきていたけれど

こんな時にわざわざ学校内に、しかもこんな時間にいる物好きな人なんてボクの他に誰がいるのか

いるか

いたじゃん、さっきまで一緒に

男くんと女さん、彼らならばこんなところに当たり前のようにいても驚きはしないけれど

残念ながら、彼らはここにはいないだろう

残念ではなく、運の良いことに、だったか

何もここにいることがいいわけはないよね

ボク的には一人よりはマシかも知れないけど、彼らからしてみれば知ったこっちゃないだろうし

まぁどうであったとして、ボクが図書館まで移動している間に彼らは学校外に出たであろう

しかしどうだろう、ここは一体どうなているのか

いやに湿気ているというか、カビでも生えそうというか

物が腐りやすそう、とかだとボクの場合あまり冗談にならない気もするけど

しかし季節の割に涼しいので過ごしやすいと言えば過ごしやすいけど

ボロボロの校舎の中は落ち着くとは言い難い

電球も古いし所々まだ点いている程度で薄暗い

普通に暗いと言っていいとは思うけど、ボクは暗くても見えてしまうので問題はなかったりするけど

やはり、雰囲気の問題だよね

さて、どうにもこの校舎自体が何かであることはわかるけれども、そのせいでどうにも遠くまで見渡せないのは困ったちゃんだ

ここは一体何なのだろう

ゆっくり消化されている、ということも無さそうだからゆっくりすることに別に焦燥感を抱く程ではない

今のところは、タイムスリップした、と言われても納得出来るし

ん、もしかしてそういうのなのかな

タイムスリップして違う時間軸に強制的に存在させられているとしたら、この空間全体にボクが違和感を覚えていてもおかしくはなさそうだ

そうだとしたらどうしようも無くない?

じゃあ、とりあえずその線は無しということにしとこう

空間的に隔離された、というのが最有力候補であるのには変わらないし

しっかし、ここまで古いと歩いていて壊れてしまわないかが不安になる

ボクが重いということではなくて

とりあえずうろうろしているけれど、人の気配は感じられない

ここじゃボクの探知範囲も残念なまでに狭いので、いる可能性はまだまだあるけど

いるかもわからない人を、しかも味方とは限らない人を探して時間を潰すよりは帰り方を探す方がいいに違いない

あっちこっちによくない気配は感じるので、あまり長居はしたくなくなってきた

どうやら自分で動けるようなものでは無いのか動きそうにはなかったから

ボクが自分から行かない限りは問題無さそうな物ばかりだけれども

そもそも四階建ての校舎ではなく、三階建て、或いは二階建てでありそうな古さだけれど

とりあえず本来ならボクの使っていた教室は二階なのでそこに行ってから考えよう

女「で、男くん、どこ向かってるの?」

男「ご覧のとおりに校庭を歩いているのさ」

女「いや、それはわかってるけどね」

女「こっちって体育館の方じゃない」

男「まぁ体育館はさして危なくはないだろうし、校庭だってそこまでの危険度は無いとは思うからね」

男「とりあえず確認ってやつだよ」

男「ここがどこなのか知らないと困ってしまうからさ」

女「現在進行形で困っているけどね」

男「とりあえず校舎から叫び声が聞こえることもないし、誰かが走っているような音もしないから」

男「校舎内に僕たちみたいにここに移動させられた人はいない、と見てもいいのかもね」

女「いた方がよかったの?」

男「どうだろう、そもそも僕たち以外にこの学校に人がいたかも疑問だし」

男「うちの学校って宿直とかないみたいだし」

女「都会でもないんだから、警戒するものもないんじゃない」

男「警備のゆるさというか、警戒の無さというのはもう少し都会になると無くなるのかな」

男「そんなこと考えなくていい方が楽でいいとは思うけれども」

男「実際問題としては、起きてからでは遅いのだから」

男「ここらへんはやっぱりみんな手抜きなのかもね」

男「お金も手間もかからないし、そっちのほうが楽だろうけど」

女「人が少ないってわけじゃないけどね」

男「いやいや、やっぱり都会に比べてしまうと少ないと思うよ」

男「ま、ここに他に人がいるかいないかなんて後で考えればいいし」

男「他の人が現れてから考えればいいことさ」

男「今はとりあえず、目の前のことだろう」

女「目の前、ねぇ」

女「校舎は古いけど、ここは今よりは新しく見えるね」

男「今の物が昔の物がそのまま置いてあるだけみたいだからそうなるだろうさ」

女「でも、なんで社なんかに来たの?」

男「ここが学校なら、いるんじゃないかなってね」

男「いないなら、考えないといけないけれど」

男「で、いるのかな?」

「わざわざここまで来なくても、呼べば学校内なら大丈夫だと、言わなかったかの」

男「いやいや、こういう物は決まった場所で会わないとね、雰囲気とかそういうわけじゃないんだろうけどさ」

「それでここ、か」

「とはいえ、この校舎内ならどこでもよいのだがな、あたしとしては」

男「へぇ、にしても相変わらず似合わない座敷童子みたいな服着てるね」

「童子みたい、で十分だったろうが、まぁ似合っていない自覚はあるがそうはっきりと言うな」

「何なら縮んでやろうか?」

男「そういうことも出来るんだ、それは今度見せてもらうよ」

男「とりあえず神様がいるってことは、やっぱりここは」

「ふむ、何の問題も無くここはお主らの通っている学校に違いない、安心してよい」

男「言われた通り安心しておくよ、そこんとこはね」

男「で、ここからどうやったら帰れるのかな」

「ふむふむ、いきなり教えてしまうのもどうかとは思うが、可愛い生徒の頼みを無下にする程、意地悪でもない、教えてやろう」

「何、そう怖がらなくてもよい」

「ここで日の出を拝めた者はいない、安心して眠りにつくとよい」

「それだけのことよ」

今回の投下はここまでになります、お疲れ様でした

あーこのスレも残り2割5分切ってしまいましたね、このペースならまだまだかかりそうですが

ではでは、またきますね

今日は来ました

昨日はVIPServices落ちてましたね、月の日だったんですねぇ、重いのではなくてよかったです

学校の怪談懐かしいですね、打ち切りみたいな終わり方で残念に思ったた記憶があります

ではでは、投下していきます

男「なるほど、覚えておくよ」

男「他にも聞きたいことはあるのだけれど、いいかな」

「夜は長い、ゆっくり聞くといい」

男「ここ、僕たち以外に誰かいるのかな?」

「ふむ、人ならざる者ならここにもおるがのう」

男「質問を変えよう」

男「他に生徒っているかな?」

「それはいるのう、ここは学校だからの」

「当然そういうのもいる」

男「あと一ついいかな」

「いいぞ」

男「君的には、僕たちが死んでもいいと思ってるかどうか、教えてよ」

「いいに決まっておるだろう」

「偶に不可解な事件が起きるのはいいことぞ」

「我らの為に、死んでくれていいのだぞ」

男「助けてはくれないのかな」

「残念ながらその気はない」

「語られなければ存在できぬ我らのような存在の、何が貴様に分かるというか」

男「そりゃそうだ」

男「手伝ってくれそうにないことがわかったから、僕たちだけで頑張ってみるよ」

「いつでもくるとよい」

「また、来れたらの話だが」

男「じゃ、また来るとするよ」

男「行こうか」

女「う、うん」

女「ねぇ、大丈夫なの?」

男「大丈夫だといいね、直接殺す気はないみたいだけど」

男「僕らがどうなってもいい、というスタンスのようだ」

男「ま、怪談なのだから優しい方だとは思うけれども」

男「しっかしどうしたものかな」

男「校舎内はどうにも危ない気が、と思うけれど」

男「校庭もそろそろよくないのかもね」

男「僕たちの力ではどうにも出れないことはわかっているのだし」

男「やっぱりここは、この廃校舎の怪の中心であろう校舎自体に入るべきなんだろうね」

女「危ないんじゃないの?」

男「危なくても、入っていくしかないだろうさ」

男「ずっとここにいるわけにもいかないだろうし」

男「あまり変な場所に行かなければ問題は無いと思うよ」

女「そうなの?」

男「何もこの校舎自体が人をとって食おうというわけでもないだろうしさ」

男「とりあえず、どこかで座って考えようか」

女「男くんがそう言うなら、そうするけれど」

女「どこに行くの?」

男「ま、僕たちの教室でいいんじゃないかな」

男「この場合、僕たちの教室がある場所と同じ所、になるけれど」

男「間取りも若干違うかも知れないけれど、行ってみようか」

女「上履き取りに行く?」

男「いや、自分の上履きはここには無いと思うなぁ」

一人で寂しく校舎内を徘徊していたけれど、大体行ってはいけなさそうなところはわかってきた

何かがいそうな所は、おおよそ男くんが語っていた場所と一致している

ということは、やはりここは同じ学校なのだろうけれど

そもそも七不思議が全部、現れているということは異常でしかない

一つが現れているだけで、それは事件なのに

とはいえ、解決済みのものが現れている、ということ自体はおかしくはないのだろう

彼らが行なったのは退治では無く、巻き込まれた事件の解決で

つまり、相手を殺して、化物を相手に殺すという言葉でいいのかわからないけど、まぁボクがニュアンスでわかればいいのだ

つまり、相手を殺しているわけではない

中には正しい手順を踏むことで殺してしまえるものもあるだろうから、彼らが必ずしも殺していないというわけではなさそうだけどね

だけど、やっぱりボクと彼らは大きく違う

彼らは見事に遭遇し続けているけれど、ボクは発見していて

彼らは生きようとするけれど、ボクは殺そうとしていた

だから、彼らが出逢った七不思議は、また発生したっておかしくはないと

そこまではいいのだが、やたらめったらみんな発生しているというこの状況はおかしいだろう

あ、でも自分で確認したわけじゃないし、本当に同じかはわからないのか

じゃあ、同じかどうか確認しに行こう

とりあえずどれかと接触してみないと、ここかどういう空間かイマイチ理解できないし

どれかにここから帰る方法がわかるものがあるかも知れない

男「あ、でも僕たちの教室に行くよりも先に寄りたいところがあるんだけれど」

女「どこ?」

男「とりあえずは屋上かな」

女「どうして?」

男「ここにはしっかり七不思議がいるんじゃないかというのが僕の予想だ」

男「七不思議の話をしていてこの状況だ、関連付けて考えてもおかしくはないだろうさ」

男「だから、屋上」

女「私がいるかも知れない、いるかどうかを確認しようってことなんだね」

男「そうそう、君の幽霊は七不思議の中では直接被害の無い部類だからね」

女「スプラッターな光景を見させられるという意味では、被害はあるのだろうけどね、私達には関係ないね」

男「ま、そうだね」

男「あと気になるのは彼女はいるとしたらどこにいるのかなってさ」

男「僕たちより先に学校を出たわけでは無さそうだから、同じ七不思議を語ったという括りでここに来ているとしたらどこにいたのかな」

男「彼女のことだから、ここでだって死んでしまうなんてこと、それこそ滅多に起きないのだろうからそういう心配はしていないけれど」

男「いるとしたらここ、という場所が無さそうだから探し回る気はないんだけどね」

男「そもそも僕らと違ってここに連れ込まれなかった可能性だってあるしさ」

男「彼女なら耐性があっても変ではないのかな、まぁそこまで耐性は無さそうだけど」

女「でも、ここって七不思議がいるんだよね?」

男「そうだね」

女「このまま屋上に向かうと、十三階段があると思うんだけど」

男「ん、確かにそうだね、ぶつかることになりそうだ」

男「でも別に、そんな困らないでしょあれなら」

女「確かにね、むしろもう一回見てみたいよ、あの光景は」

男「普段見れるもんじゃないからね、あれは」

男「ま、あったらあった時に対応すれば問題ないんじゃないかな」

男「それがある、ということはつまりは七不思議がここにあるということだろうしさ」

女「そうなるね、それだと屋上まで行く意味ってないんじゃない?」

男「階段にもいて、屋上にもいれば確実性が増すじゃないか」

男「それに、話の出来る相手、というのは大事だと思うよ」

女「ここどこなの?って聞けるもんね」

男「それに、さっきの敵か味方かどっちつかずの神様と違って君だからね」

男「何を考えているかわからない相手よりは幾分やりやすいと思うよ」

女「そうだね」

男「さて、んじゃちょっと先に言って見てくるね」

女「一緒に行けばいいんじゃないの?」

男「もしも、危険な何かがいたら困っちゃうじゃないか」

女「そっか、そうだね」

女「じゃ、行ってらっしゃい、ここで待ってるね」

男「はいな、行ってきますよ」

今日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

いよいよ寒くなってきましたね、朝起きてあまりの寒さに引きこもりそうになりました

ではでは、また来ますね

今日は来ました

寒くても意外に雪は降りませんねー

ではでは投下していきます

男「さて、わざわざ女を置いて来たのはいいのだけれど、君は何をしているのかな?」

同「あー、その声は男くん?」

男「そういえばそれって、目離せなくなるんだったっけ、大変だねぇ」

同「そうそう、というか今力んでて話すの辛いから、さ」

男「筋力で無理矢理視線を下にずらそうとしてるんだ、無茶するねぇ」

同「わかってんならさ、ちょっとどうにか出来ない、かな?」

男「えー、これ以上進むと僕も巻き込まれそうだからなぁ」

同「いじわる言わないでよ、これホントにキツイんだから」

男「上を見ようとしなければ、視線が下がることはなくても上がることはなかったと思うのだけれど、違ったかな」

同「いや、うっかり結構上までね、見ちゃってね」

男「え、それもしかして、自力で視線下げてるの?」

同「ボクの力でここまでしか下がらないというか、いずれ限界来るんだけれど、助けてくれない?」

男「筋力で下げられることから察するにそれの固定力は物理的な力で拘束してるのか」

男「それだと僕では君をそこから引き剥がすことは出来ないし、そもそも近付いたら巻き込まれてしまうだろうからね」

男「まぁ、僕が知っているのと同じなら問題なく解決出来るよ」

同「どうするの?」

男「それ、見越し入道なんだよ、ま、つまるところ」

男「見越した、と言ってやればいいわけだ」

同「ありがと!」

同「よっし、見越したぁー?」

同「あ、れ?」

男「あれま」

これは失敗した、まさか気絶してしまうとは

確かに見越したと言えば大丈夫だとは言ったけれど、その前に上を向いてしまっては意味がなかったようだ

気絶するまでにしっかり言い切れたのだからそこを褒めるべきなのかも知れないけれど

とりあえず、彼女が気絶してしまったので、階段が増えようと僕も上らなければならない

というか、上を向いた体勢のまま気絶したから、そのまま後ろ向きに倒れてきている

せめて前に倒れて欲しかったし、膝から崩れ落ちるように倒れるのかと思ったが

なんて文句を言っても仕方ないので

仕方ないと、どうするんだ?

そもそも彼女が倒れこんできたところを僕が受け止めると

下手したら僕ごと階段の下まで行ってしまい、被害が増えてしまう

では僕が下敷きになる形で彼女を守るか

その必要は無いだろう、男としてこの考えはどうかとは思うが肉体の回復力が彼女は常人のそれではない

吸血鬼混ざりなのだから当たり前だが

では、ここはスルーということで、結論付けよう

間に合わなかったんだ、仕方ないさ

と冷静に考えている内にしっかり彼女を支えようと全力で階段を駆け登った僕の身体の自律性は中々誉められるものだろう、僕が褒めてあげよう

まぁ、予想通りに格好良く支えられるわけもなく、受け止められるわけもなく

やれやれ、怪我しないと嬉しいな

男「死ぬかと思った」

男「まぁ、怪我無くてよかったというところだね」

女「で、組んず解れつしてたと」

男「助けにきてくれたのはありがたかったけど、なんで微妙に機嫌が悪いんだよ」

女「いや? 男くんが私をわざわざ置いてって女の子と会っていて激しいスキンシップをしていたことについて思う所なんて何もないけど?」

男「具体的過ぎるって」

男「というか、語弊をわざわざ招くような言い方はしないの」

女「はーい」

女「で、結局三人ともこっちにいたんだね、というかなんで気絶してるの?」

女「死んでは、ないよね?」

男「あー、あれだ、僕がきたらここの階段と出くわしていてね」

女「ここの怪談? あぁ、階段ね」

女「そういえば、これ見続けると気絶しちゃうんだっけ」

男「僕の方は打ち身にもならなかったし、とりあえず屋上に行こうか」

女「置いてくの?」

男「屋上まで運ぶかい?」

女「起きるまで待とうよ」

男「だよね」

女「水持ってないけれど、麦茶ならあるし、ぶっかけたら起きるかな」

男「待ってるって言った君はどこにいったんだい」

男「ただの貧血だと診断される程度という話だっただろう」

男「ということは、すぐに起きるさ」

女「それもそっか」

男「やぁやぁ、お早うごきげんいかが」

同「んあー、おはよー、よ?」

同「あーそっか、ボク気絶してたんだっけ」

男「そうそう」

同「思い出した思い出した、最後油断しちゃったなぁ」

同「あそこで力抜かなければボクの勝ちだったのにね」

男「引き分けに持ち込めたんだから十分だとは、思うけどね」

男「君が起きたから、屋上に移動しようか」

同「寝起きの人にいきなり動くことを要求するなんてひどいなぁ」

同「というか先に屋上に行かなかったの?」

男「ん、まぁ行っても良かったのだけれどね、今回は君の意識が戻ってからちゃんと話そうと思ってさ」

同「そう言われてみれば、ボクも君らとはちゃんと話しておきたかったんだったね」

男「お互い言いたいことは、本物か? と言ったとこだろうけどねぇ」

同「ここまで近づけば、ボクにはわかっちゃうんだけれどね」

同「逆にここまで近付いてるのにボクが欺かれていたら、それはもう仕方ないと言うしかないからね」

同「ボクとしては君たちは本物で、さっきまで会っていた男くんと女さんだ、ということにしたよ」

男「そう、それはよかった」

男「では、僕としても君は本物であるという方向で行くよ」

男「あいにくこっちにはそんなに便利に特定する機能は搭載されていなくてね」

同「ボクを機械みたいな言い方しないで」

男「生体兵器?」

同「大差ない!」

男「冗談だよ」

同「当然だね」

男「やぁやぁ、さっきぶりだね」

初「さっきぶりー、どうしたのー?」

男「いやいや、なんだかこんな所にきてしまってね」

男「帰り方もわからないから彷徨いていたというわけなんだ」

初「こんなとこでも屋上に来るなんてよっぽど好きなんだねー」

初「こっからの眺めなんて湿気たもんだと思うんだけどなぁ」

男「少なくとも普通の世界じゃ見れない景色さ」

初「そうかもねぇ」

男「とりあえずさ、ここはどこなのかな」

初「んー、ちょっと難しいねー」

男「そっかー、難しいかー」

初「うんうん、男くんがいいこいいこしてくれたら頑張れるかもしれないけどねー」

男「よしよし、これでいい?」

初「躊躇いもなく触ってきたね、まぁでもそうだね」

初「どちらにせよ、いつものように私にはそういう自由は存在しないからあまり多くは語れないのだけどね」

初「それにしても、男くんもこっちに来ちゃうなんてね」

初「どうやって入って来たか知らないけど、気をつけてね」

初「ここ、変だから」

男「そっか、わかったよ、気を付けよう」

同「ま、ボクもいるから出来る限りは男くんを守るようにするよ」

初「そんなことしなくても、生きている私がいるんだから大丈夫だとは思うけどねー」

初「さて、そろそろ飛び降りないとダメみたいなんだけど、見ていたいならここにいてね」

男「じゃ、ここらへんで僕らは移動するよ」

男「ありがと、参考になったよ」

男「じゃ、またね」

初「うん、また明日ね」

今回の投下はここまでになります、お疲れ様でした

ではでは、また来ますね

今日は来ました

最近寒くなってきm…いや本当冗談抜きに寒いですね、雪も降るレベルの気温です

降水量が少ないのでまだ降ってませんが、時間の問題でしょう

では、投下していきます

同「で、どうするつもりなの?」

男「いや、そんな全権を僕に投げられてもね」

男「ま、三人しかいないのだから一人の意思を尊重しないなんてこと出来ないのだけれども」

男「ま、とりあえず落ち着けるとこ、なんてここにはないのかも知れないけれどうろうろしながらってのもあれだしね」

男「どっかの教室入って座ろうか」

同「まぁ、どこでもいいけどね、話さえ出来るなら」

男「じゃ、ここでいいかな、僕らの教室と同じ位置関係にある何かだけれど」

同「だからどこでもいいって」

男「そう、んじゃ、とりあえず合流するまで何か面白いことはあったか教えてくれると助かるのだけれど」

同「さりげなく自分の席だとおぼしき場所に座ったね、ま、ボクは教壇の上でいいか」

同「にしても、面白いことねぇ」

同「そもそもここに来たってことが面白いことなんだろうけれど」

同「あー、そうだ、ここ変なのがあちこちにいるからあんまりうろうろしない方がいいかもね」

同「やけにしっかりいる感じがするから、多分そこに行ったら遭遇しちゃうと思うよ」

男「しっかりしてないっていうのもあるんだね」

同「朧げって感じかな、実際にそこに行っても遭遇出来るか微妙だけど、いることにはいる、存在感はある」

同「そんな感じって言ってもボクの感覚でしか無いから伝わらないか」

男「要は、ここには変なのがうろちょろしているってことでしょ、そこらへんは僕らも予想はしていたことだし驚かないかな」

同「あれま、わかってたの」

男「わかってなくて、あの階段に来ると思うかい?」

同「成る程、確かにね」

男「まぁ実際は人の気配があったから来てみたんだけどね」

男「念の為に僕一人でいったとかそういうのはあったけれどね」

女「え、そうだったの?」

男「やっぱり気付いてなかったんだ」

女「むしろなんで気づいたの」

男「聞き耳を立てていたから?」

男「なんだか上の方から足音がする気がしてね」

男「足音というよりは軋む音か」

同「ボクはそう重いわけじゃないからね?」

男「わかってるよ、君が重いわけでも僕が地獄耳なわけでもなく」

男「ただ単に校舎が古くてボロいからだろう」

女「全然気づかなかったけどねー」

男「まぁそりゃ僕らが歩いたって軋んでいるんだからねぇ」

女「でもよく気付いたね」

男「いるかもと思って気をつけていれば意外に聞こえたりするもんだよ」

同「あれ、それは身体能力は上なはずなのに気付かなかったボクへの当て付けなのかな?」

男「そんなつもりはないけどね」

同「まぁ、そうだろうけど、でも実際そうだよね」

男「何が?」

同「気付けた、聞こえただろうって話だよ」

同「ボクはボクの探知能力に任せっきりになっていたんだろうなってさ」

同「そりゃ音が聞こえていないとかそういうわけじゃないんだけど」

同「どっかで何かいれば探知圏内に入ればわかるっていう油断があったんだろうね」

同「ボクはある程度なら死んでも大丈夫だしねぇ」

同「でもそっか、そうなんだよね」

同「こんなだとボクは人間に遅れを取る可能性が高いわけだ」

男「でも人間だって近ければわかるのだろう?」

同「わかるけどさ、危険だとは思わないから敵意や悪意を持って近付かれた場合に間違いなく不意打ちを喰らってしまうじゃない?」

男「んー、でも大丈夫なんじゃ、ないのか」

男「死んでも死なないことがバレちゃ、ダメなんだよね」

男「僕らもルールにそこら辺は頼ってるところがあるからそういう意識は高くなかったね」

同「そもそも君ら自体は別に普通の人間なんだから大丈夫でしょ?」

男「ま、そういう意味では大丈夫なんだろうね」

男「とはいえ多少不死だろうが現実で起きることだからそうそう不死者だといきなり気づく人もいないだろうさ」

男「そうとうエグい死に方をした所でやはりみんな科学的に、ある種妄信的にその理屈を考えてくれるさ」

男「首なし鶏マイクのようにね、死んでいるような姿でも生きている場合だってあるわけだし」

女「首なし鶏マイク?」

男「簡単に言うと首をはねられてからも18ヶ月だったかな、そんくらい生存した鶏のことだよ」

男「片方の耳と脳幹の大半が残って頸動脈が凝固した血で塞がれた為に死ぬこともなく生存を続けたとかなんとかだっけ」

男「そういうのがあると首無しの馬というのも何かの理由で生き残ったもので妖怪や幽霊ではなかったのかもね、とか考えてしまうけれど」

男「そういう話は置いといてだ、君のそれは見られたところでそうそうバレるもんじゃないだろうという話だよ」

同「似たような境遇の人じゃないと、そういう方向では考えない、確かにそうなんだろうねぇ」

同「いやいや、羨ましいね、普通の人は」

男「ふふふ、そうだろうそうだろう」

同「え?」

男「ん?」

同「いやいや、いやいやいや」

同「男君は普通じゃあないでしょう」

男「ははは、また面白いことを言うね君は」

男「僕は普通の人じゃないか」

同「言葉尻を捉えたらそうだけどさ、そうなんだけどさ」

男「普通じゃないから不幸せだ、というわけでもないだろう?」

男「別にそこ自体に固執する必要は、無いのかも知れないね」

同「まぁ、確かにね」

男「しかしそういうことは置いといてだ、うっかり世間話に花を咲かせてしまっていたけれど」

男「ここがどういう所であるか、ということだったね」

男「やはりここの校舎自体は七不思議の一つ、旧校舎の怪なんだろう」

男「取り壊されたはずの旧校舎がなぜか存在している、という類の話だね」

同「うん、そうなんだろうけど」

男「隔離され、取り込まれるというのは驚いたね」

男「校舎だけが入れ替わるのなら、それこそ君が力技でぶち破って出れたのかも知れないけれど」

男「しかし、これを七不思議の一つだと認めるのならば、お互いに本当の話をしなければならなくなってしまった、ということになる」

同「そうだね、こうなっちゃもう伏せる必要はなくなったか」

同「やっぱり男くんたちも知ってたのね」

男「まぁね、そりゃあ僕はこういうの知っていないと困ってしまうからね」

男「生憎と力で勝てるようなもんじゃなくてね、僕らにとっては」

同「それでも勝ってきたのだから、すごいよね」

同「ボクには出来ないやり方だよ」

男「勝って、きたのかな?」

男「負けてから、負けたあとの敗者復活戦でなんとか勝つ」

男「僕らはいつだって、そんな感じだったよ」

男「ま、そういう話はどうでもいいんだ」

男「君は関係ないからね」

男「僕ら三人関係しているのはやはりこの、七不思議だろう」

男「僕も君もそれを大体は、或いは全て知っていた」

男「それでも語ることはお互いになく、適当な嘘でごまかした」

男「理由は、言わなくてもわかるだろうけれど」

女「噂をすれば影がさす」

女「語られる噂は生きてしまうから」

女「そこに、あることになってしまうから」

女「何も無かったのに、確かに現れてしまう」

女「現れたから語られたのか」

女「語られるから現れたのか」

女「そんな不思議な存在のことを、私たちは知っているから」

女「避けたんだよね?」

男「あぁ、そうだ」

男「それでも、僕らは今旧校舎とやらに閉じ込められている」

男「さぁ、どうしてだろう」

男「僕らのやり方は、謎解き方式でね」

男「今回は僕らなりにやらせてもらうよ」

同「それは頼もしいね」

今回の投下はここまでになりますお疲れ様でした

んー、そろそろ次スレ用の話考えとかないと詰んでしまいそうですね、そもそも次スレ用どころか次の話が無くて詰んでいるのですが

ではでは、また来ますね

今日は来ました

近頃感覚変だな…こんな空いた気はしてなかったんだけれど…

いや申し訳ない、もうちょいがんばっていきたいですね

では、投下していきます

同「実際、ボクの力技ではどうにもならなそうな感じがするんだよね、ここ」

男「へぇ、そうなのかい」

同「ボクが力技で出るっていうのは、わかりやすい結界みたいな物理的に存在しているような壁を破壊して出る、ということだからね」

同「ここは学校の敷地外が見えるけど何もない、はっきりとした境目があるようには見えないしさ」

同「もっとも、見えないだけで壁があるのかも知れないけれど」

同「それでもここはなんだかさ、なんていうんだろう」

同「神隠しに近い、というのではあると思うんだけれども」

男「そうそう、ここの神様、つまりはこの学校の神様にさっき会ってきたよ」

同「うん?」

男「この学校においてあの神様が持っている権限というか、影響力は大きいようだからね」

男「大方僕たちがここに閉じ込められている理由は彼女だとは思うのだけれど」

同「会ってきたの?」

男「会ってきたの」

同「へ、へぇー、それでどうもなかったの?」

男「まぁ許容的な神様だしね、どうにも学校が学校であればいいというか、ふざけているというか、そこら辺はよくわからないけど」

男「僕たちが死んでも死ななくても、どっちでもいいとは言っていたね」

男「君が言う、この校舎にいるあれこれは」

男「だから、彼女は知っていると僕は考えるね」

男「出るための短絡的な方法としては、彼女をぶっ飛ばすというものだと思うけど、君、出来る?」

同「無理無理、ここはそういうものが居やすい空間なのかボクも元気だけれども」

同「ボクはそこまで強くないからね?」

男「そこら辺の格付けがよくわからないけどね、僕からしてみれば」

同「神様は基本的に限定的とはいえ他の追随を許さない強さがあるから神様なの」

同「ま、付喪神みたいなのは妖怪程度だったりはするのだけれども」

同「場所を守っている神様は、廃れて無い限りは相当強いよ」

同「その場所という限定的なものだけどね」

同「それに、ここの神様って土地神も兼ねてるというか土地神が元なんだよね?」

男「そうだね」

同「自然崇拝系の古い神様は、ちょっとねぇ」

同「半妖程度のボクがぶつかってどうにかなる相手じゃあ、ないんだよ」

男「そういうもんなのかな、やっぱり」

同「やっぱりとか言ったし、わかってたでしょ」

男「そんな気はしてた、それだけだよ」

男「神様は潰す時は他の神様持ってくるしか無かったのかな」

男「ま、妖力とか霊力とかそういうあるのかわからないようなエネルギーは僕には感知出来ないし、計りようがないか」

男「そもそもエネルギー保存の法則みたいなのが当て嵌まるとも思えないし」

男「やっぱりそこら辺は、ルール次第、なんだろうねぇ」

同「ルール?」

男「僕らがこういうことを考える上での中心としている考え方、ルールって言っているけれど法則とか規則とかそういうものなんだ」

男「ルール、わかりやすいとこから説明すると僕らのそれが当たるね」

女「私たちを、強いていうなら私を構築しているルールだね」

女「男くんに何らかの形で死が訪れると、行動からダメージまで全て私が肩代わりして受ける、というのが基本で」

女「次の日になると問題なく私が別人だけれども私として現れて、とかまぁもう知ってるよね」

同「ぶっ飛んだルールだと思うけどね、そっちはそっちで」

同「他人の記憶、認識にも影響するんでしょ」

男「さらに言うと情報にも影響しているし、他人ではなく他者に影響を与えていると言っていいかな」

同「他者と他人って同じなんじゃ、あぁそっか、ボクにも影響を与えられるもんねそれ」

同「まぁボクはそういう幻術みたいなのの耐性が高いわけじゃないから、あんま当てにならないかもだけど」

男「僕達を維持するということに重きを置いているルールだからか、あまり命の危険が無い相手には影響は強く出ないのかも知れないね」

男「或いは影響範囲外である僕から情報を得ることで影響外に出るのか、そこら辺は曖昧だけれども」

女「私が別人になって現れるのか、死んだ私が別人となって死ななかったことになっているか、みたいにどっちでも変わらないことだね」

男「いや、それは割と変わるような気もするけれど」

男「確かに君の言うそれもそうなんだよね」

男「いやいや、だから話が逸れがちで悪いけどさ、僕が言いたかったのは」

男「ルールは絶対である、ということなんだ」

同「それがどうかしたの?」

男「この場合の絶対とはそのままの意味で、法律や規則のような破ってはいけないものじゃあないんだ」

男「ルールを破って行動することは不可能なんだよ」

男「僕らが付け入るのはそこなんだ」

同「んー、正面からぶつかり合いをする、というのではなくて弱点を突くって感じなのかな」

男「そうだね、君を吸血鬼とするなら取っ組み合いの殴り合いでなんだかんだ勝利を収めるのではなく、銀の弾丸や胸の杭、まぁそこらへんでトドメを刺すというところか」

同「ボクで例えたところにささやかな悪意を感じちゃうね」

男「いやいや、敵意は無いよ?」

同「悪意はあるんだ……」

男「茶目っ気と言って欲しいけど、まぁそこら辺が重要なとこではなくてね」

男「普通に戦う、つまり殴り合いの喧嘩で勝つようなもんだけれども、そういう芸当は中々出来るもんじゃない」

男「別に出来ちゃ悪いなんて言うつもりはないよ、むしろ僕は逆だと思っているし」

男「まぁそれに対して僕らがルールに拘るのは、ルールには逆らえないからなんだ」

男「ルールには逆らえないから、ルールで定められている生き残り方、撃退方法、弱点、そういうのでどうにかする」

同「成る程、確かにそうやってきたらしいよね、男くんは」

同「まぁよくも普通の人間に出来るもんだとは思うけれど」

男「怪談や都市伝説にくっついている撃退方法や弱点はその話の語り手や聞き手、つまり普通の人間に出来るようなものだと相場が決まっているさ」

男「そうでなくては弱点としてわざわざ付けても意味がないからね」

男「神話、伝説レベルになってしまうと普通の人間がどうこう出来る弱点じゃなかったりはするけどさ」

男「そういう弱点、或いはルールの抜け道とかかな、まぁそういうのなんだけど」

男「この考え方、対処の仕方がどうではなくて、問題はその前の相手が何なのか」

男「巻き込まれている現象は何なのか」

男「正体探しが問題なんだよね」

同「つまり、ボクらは今どこにいるのでしょーか、ということ?」

男「そういうことだね」

同「旧校舎の怪って言っていたけど根拠は?」

男「まぁここが旧校舎でないという可能性もあるけれど、それは無いと見ていいでしょう、女もいたことだしね」

男「それより問題なのは、旧校舎の怪ってのがそもそもあんまはっきりしてないことじゃないかな」

同「はっきりしてない?」

男「マイナーで情報が少なくはっきりしていないと言えばいいのかな、よくそんな程度で形を為して現れることが出来たのか感心してもしまうけれど」

男「まぁ、そんなのは僕が言えたことじゃないか」

同「そうそう、ボクみたいに混ざったりして元の伝承なんて知ーらないみたいなのも、男くんたちは見てきたんでしょ?」

男「おかげ様で古典的でも典型的でもなかったりして読めないのが多くて毎回大変だよ」

女「まぁ生きてるんだからいいんじゃない?」

男「生きてはいるね、確かに」

男「さて、そしてここが旧校舎の怪であろうという話だけれどそれは簡単で」

男「まず一つは外側をうろうろしてわかったけれど、僕たちの通う学校と名前が一致していること」

男「そしてもう一つは、内装がおんぼろ過ぎるということだ」

同「おんぼろ過ぎるとダメなの?」

男「おんぼろ過ぎるから、ここがタイムスリップの類ではないということがわかるということさ」

男「僕たちが過去の世界に移動しているわけではなく、ここは現代だけれど、しかしこの校舎は過去の遺物だ」

同「確かに、古過ぎるね、ここが今も人が通っている学校とは思いたくない程には」

男「まさしく廃墟というところだけれど、ここが旧校舎の怪だとして、どうやって脱出するのかというと」

女「男くん?」

男「ん、何?」

女「ここから出るのってもう少しかかる?」

男「もう少しの基準が欲しいところだね」

女「あと1時間位で出れたりする?」

男「難しいと思う」

女「トイレ行ってきていいかな」

男「間違いなく死ぬよ!?」

今日の投下はここまでになりますお疲れ様でした

やっとこさモチベが復活してきましたが課題や帰省でぐぬぬ

年末年始明けたらペース戻したいなーという感じです

では、またきますね

今日は来ました

雪降りましたね、起きたら道路凍結と考えるとやはり春になるまで冬眠するしかないのではなかろうか

ではでは、投下していきます

女「このままトイレに行けない位なら私はトイレに行って死ぬことを選ぶよ!」

男「尊厳の問題か、尊厳の問題なのか」

男「いや、しかし落ち着こう、別に」

同「別にわざわざトイレに行かなくてもいいんじゃないの?」

男「あ、君が言うんだねそれ」

同「男くんがいうよりはマシなんじゃない?」

男「そうだけれど、しかしどうしたものかね」

男「どうとも無さそうなトイレって見つけられない?」

同「近づけばある程度はわかるけど、確証となるとやっぱり入らないとわからないからちょっと難しいと思うよ」

同「特にトイレに出るタイプのものなら間違い無くトイレの個室に入ったタイミングで発生するから、ボクじゃその時までわからない可能性があるよ」

男「ここって君の体調と言っていいのかわからないけれど、不死者の力が強くなっているんだよね?」

同「そうそう、だから何となくはわかるんだけど」

女「トイレがすぐそこだからそこでいいと思うの」

男「この旧校舎内で下手にうろつくよりはマシだという考え方もあるんだよね」

男「引き止めて悪かったね、いってらっしゃい」

女「いってきまーす」

同「え、いいの?」

男「僕としてはどちらでも、という感じかな」

男「今回、保険という意味で女が生きている必要は無いと思っているからさ」

同「その考え方は、ちょっと、あんまりなんじゃ」

男「うんうん、いいよいいよ、後で説明するから」

男「追いかけなくていいの?」

同「そうだった、ボクも行ってくるね」

男「やぁ、おかえり」

同「うん、ただいま」

男「中々にいい格好になって帰ってきたね、水も滴るといった感じかな」

同「水というか油かもね、いや、これは血だから普通に血塗れなだけなんだけど」

同「やっぱりこうなったね、というかボクも死にかけたんだけど」

男「やっぱりダメだったか」

男「僕が死んじゃ元も子もないからね、ここで待たせてもらったけれど」

同「いやだからボクも死にかけたって」

男「存外元気そうじゃないか」

同「まぁね、戻ってくる間に大体治ったし」

同「グロテスクな断面とか見せつけてあげようと思ったのに、ここは治りも早いからダメだったよ」

男「トイレにいるのって、赤い半纏だっけ?」

男「答えてもダメ、無視してもダメなトイレの待ちぶせ系怪談は厄介だよねぇ」

男「強かった?」

同「強いねぇ、やってらんないよあれは」

同「条件を満たしたら殺す系はバトるもんじゃないね」

同「まぁボクは死んでも大丈夫だからいいんだけど」

男「女が死んだのは気付いたけどね、君も巻き込まれたんだ」

同「助けようとはしてみたからね、返り討ちというか、ボクも殺されかけたけど」

同「女さんが標的だったからボクは執拗に攻撃されることもなかったし」

同「女さんが消えた瞬間に相手も消えたのは流石だと感心させられたよ」

男「対象がいなかったことになったから現れなかったことになったってとこかな」

同「そうだろうね、ここじゃあボクは人間として認識されてるかも怪しいし」

男「まぁ君を対象として現れたのでない、ということなのだろうけれど」

男「しかし、服がまた露出が激しいというか、ダメージ加工し過ぎたというか」

同「男くんしか人がいないから、このままでもいいかなって感じだよね、ほんと」

同「薄暗くてどうせよく見えないでしょ?」

男「薄暗くなくても血塗れで見えないというか、それ血で覆ってるよね?」

同「流石にバレますか」

男「女の血だとしたらとっくに消えているはずだし、君の血だろうと誰の血であろうと君は吸収しようと思えば出来るんじゃないのかな」

男「出来ないとして、女以外の血ならば君の血と考えるべきだろうし、そもそもに血塗れでみずみずしい血がついているのに全く床には垂れず、固まる様子もない」

男「不自然でしかないじゃないか」

同「よく血塗れの人を冷静に観察なんか出来るねぇってボクが言ってもどうかとは思うけど」

同「言うまでもなく男くんの言う通りで、これはボクの血を服が破けたとこに適当に覆ってカバーしてみたりしてるだけだね」

同「ま、ボクなんかの身体が見えても誰も喜ばないと思うけどさ……」

男「応答に困るようなことを言わないでくれ」

男「どう答えてもセクハラになりそうな地雷原にしか見えないよ」

同「それもそっか」

男「服は直せないの?」

同「そんな便利機能は搭載しておりません」

男「だよね、制服代かさんで大変だね」

同「うん、そうなの、制服がダメになるのはだから嫌なんだよ」

同「って、そういう話じゃなくて、ボクが聞きたかったのはどうして女さんを見殺しにしたのってことだよ」

男「見殺しにしたなんて人聞きの悪い」

同「ボクにはそう見えたけれど?」

男「まず、僕ら、男と女の命は二人ではあるが一つの物である」

同「え、何?」

男「女が死んでいるという状態は、そこまで不自然ではないということだね」

男「そもそもに僕は死んでいるはずで、だけど僕は死ななくて」

男「女は僕の代わりに死んだ、そしてこれからも死ぬだろう」

男「代わりに僕が生きている限り、女は現れることが出来る」

男「女が死ぬということは、別に終わりではないということだよ」

男「普通の人が普通に死ぬのとは、いい意味なのかはわからないけれど違うんだ」

男「だから、ここまでは問題ないとも言えるんだ」

男「近頃の僕らの状況を鑑みるとむしろ、この状況も普通とすら言えてしまうかも知れない」

同「だから、放っておいたって?」

男「今回の件はそれだけじゃないというか、そっちはサブでしかないけれど」

男「どうせ、ここで一夜を過ごす間に誰か死ぬ」

男「僕が死ぬか女が死ぬか、ここは結果が変わらないだろうけれど、そして君が死ぬか」

男「君は僕らと違ってそう簡単には死なないだろうから、一緒にいるのならば僕か女から死ぬだろう」

男「避けなければならないのは、二人共死ぬことだ」

男「一緒にいるということは僕が死ぬ代わりに居場所が代わるというルールが意味を為さずに二人共死ぬ可能性がある高いということで」

男「ならば死ぬなら一人で死ぬしかないのだろうということだ」

同「確かに、そうだけれど」

同「そうかも知れないけどさぁ!」

男「他にも、というか女が進んで死にに行ったような行動を取った理由があってさ」

男「ほら、そもそも別に普通ならば自分から死ぬようなことするわけないだろう?」

男「見殺し云々の前にさ、なんで女がああいう行動を取ったかを考えてみようよ」

同「トイレに行きたかったんじゃないの?」

男「そうだけど、そうではあるのだろうけどさ、そうじゃなくて」

男「他に考えていることはなかったのか、ということだよ

同「どういうこと?」

男「んー、繰り返しになるけどさ、僕と女のルールってあるだろう?」

同「うん」

男「これってさ、唯一僕らが相手のルールを越えて押し通すことが出来る、こっちのルールなわけじゃないか」

男「相手のルール、法則という相手の土俵上で無くても干渉が出来るとか」

男「あー説明しにくいなこれ!」

同「まぁ、言いたいことはわかったよ」

男「僕たちのルールはまぁその特性上相手を倒すのには向かないけれど、逃げることならどうだろう」

同「逃げる?」

男「僕たちのルールの特性の一つだよ、そこにそもそもいなかったこととなって、死ななかったこととなって移動が出来る」

男「移動ではなくて、僕と女の入れ替わりというやつだけどさ」

同「あ、あー、もしかして」

同「女さんが死ぬ、次の日に女さんが復活する、けどその復活する場所は死んだ場所ではなくて」

男「女の家で固定されている」

男「そして僕が自殺なり他殺なり、命を落とすと?」

同「入れ替わりによって女さんの家に移動する!」

同「出れるじゃん!」

男「そういうことさ」

男「まぁ、これにはいくつも問題があって、その一つは君は出られないってことだ」

同「ダメじゃん!」

今回の投下はここまでになります、お疲れ様でした

冬はここからですねー、寒さに負けずに生きていきましょー

ではでは、またきますね

というわけで消し飛んだプロットと小ネタと書きための復旧というか書き直しが終わったので投下にきました

故障箇所はHDDでした、皆様もお気をつけ下さい

ではでは投下していきます

男「問題はもちろん他にもあってさ」

男「まぁ、女が死んでしまうのも問題なのだけれども」

男「これは、死にでもしない限り、僕らはここから出ることは出来ないと女が判断したということで」

男「これに対して僕がとやかく言うつもりはない」

男「ここで一晩僕が生き延びなければならない、ということが問題というか課題になるだろうね」

男「さらに、ここで正確な時間という問題もある」

同「正確な時間?」

男「ここでは外と連絡は付かないだろう?」

男「つまり、ここで女が現れたことをどうやって知るか、ということなんだ」

男「時間はある程度決まっているし、携帯があるなら現れれば連絡は無理でも連絡先の発生により確認が可能だ」

男「ここが異常に遅く時間が流れる場所及び外と大差の無い速度で時間が経過するのならば問題は無い」

同「女さんがいないと、連絡先も消えちゃうんだって、そりゃそっか」

同「いない人の連絡先って、そんなのが残っていたらどこかに繋がってしまいそうだもんね」

男「女の幽霊は間に合っているからねぇ」

男「だからさ、ここが外に比べて異常に時の流れる速度が早い場合だけ、携帯の電池が持つわけもなくてタイミングもわからずに困ってしまうわけだ」

男「でも、ここがそういう浦島的空間だということは無いと思うけど」

男「そうだったとすると、外の時間とリンクするようにここに僕らが引き込まれたことがよくわからなくなってしまうしね」

男「結局問題となるのは、僕が朝まで死ねないということだよ」

同「普通の人はそんな簡単に死なないんだけどね?」

同「って、普通だったら死んでいる負傷をし たボクが言っても説得力皆無だね」

男「服装も際どいしね、薄暗さが恐怖以外を 演出してしまいそうだよ」

同「服、直らないかな」

男「女のルールが適用されれば治るはずなん だけど、なんで服破れたままなんだろうね」

男「治るというか、女はそこにいなくて、だ から誰も襲われなくて、君が怪我することも ない、という風に事実がねじ曲がるだけなん だけどさ」

同「いや、本当にすごいルールだよね」

同「例外なのは男くんの記憶と、似たような ルール」

同「つまりは一般的な物理法則を越える力が 耐性を持つんだよね」

男「僕はルールそのものみたいな物だから ね、実際僕という例外は無いようなものだけ れど、たしかにそういうのは耐性はあるのか もね」

男「それでも、女のことを意識し続けでもし ない限りルールが適用されるはずなんだけ ど」

男「もしかして、女が消えてからダメージ受 けた?」

同「女ちゃんが消えた時に赤い半纏着せま しょかだっけ? それも消えたって言った じゃない」

男「そうだったねぇ、んじゃ君は受けたダ メージを自分で修復して、それを維持するの に絶えず不死者の力を使ってたりする?」

同「あ、するする、ボクは生きた人間として 再生するのにはそれなりに時間かかるからと りあえず死体繋いで誤魔化してる感じ、夜の 間なら死体でも普通に動くしあんまり変わら ないんだよね」

男「多分だけど、それやめればルールの効果 で君の怪我も無くなると思うよ?」

同「今やめたら手足落ちちゃうんだけど なぁ」

同「治るってわかっていても抵抗あるけど、 ちゃちゃっと廊下でやってくるね」

男「行ってらっしゃいな」

同「治ったよー」

男「治ったということがわかっている、

り記憶は維持されている、か」

男「ルールの最高優先は僕の生存、記憶を消 さないことにマイナス的な要因が無いと判断 したか、或いは消すことで僕にマイナスなこ とがあるとの判断か」

男「それとも、今の君からは記憶を奪えない のか」

男「君はどう思う?」

同「ボクが治ったことに関しては反応無いん だね……別にいいけどさ」

男「よかったね、服が直って」

同「うん、正直服が直ったのが一番助かるよ ね、買うのも大変だし」

男「血生臭くなければ、さっきのも色っぽく ていいとは思うんだけどねぇ」

同「昼間はあんなに血を貼りつかせとくこと 出来ないからダメだね、そんなに器用なこと は昼間にやるのは大変だよ」

同「そもそも貼りつかせとけたとしてもアウ トだけどね、世間的に」

男「ボディライン出てるというか、もう露出 し過ぎて血が見えてるレベルの露出だったも んね」

同「確かに肌より血の方が内側にあるけれど さぁ」

同「しっかしボクが治らなかった理由は、 やっぱりボクのルールが男くんらのルールを 阻害していたってことなんだろうねぇ」

男「君の肉体再生と血液での服の代替、

が君が怪我をしたという事実を捩じ曲げるの を阻害している、と」

男「ここは君のようなルールが強く働ける場 所で、さらに今は夜である為、君の能力は強 くなっている」

男「まぁ、ここらへんが君の能力によって阻 害されたであろう要因だろうけど、君の記憶 を捩じ曲げる必要が無いというのも君の身体 が治らなかったことに関係しているのかも ね」

同「ということはもろに影響外の男くんは怪 我をしても治らないんだね」

男「いや、女が死んだ時に全部持ってってく れるからそこは問題無いよ?」

同「あー、そっか、だから切り傷とか掠り傷 とかすぐ治ってたんだ」

男「無論、今怪我したらまずいけどね、次に 女が死ぬまで治らない」

同「怪我治すには大き過ぎる代償だね」

男「さてさて、朝まではまだ長い、潰す暇はたくさんあるね」

同「そうだね、ゲームとかもないし」

男「じゃあ、話でもしようか」

同「何も変わらないじゃない」

男「ここは、どのような空間なのか」

同「わかったの?」

男「推理する為のパーツ、になりうる物程度ならね」

同「教えてよ」

男「なりうる物だからね、まだパーツにすらなってないのさ」

同「それでもいいよ、どうせボクにはわからないんだし」

男「んー、そうだ、手出して」

同「ん? はい、どうしたの?」

男「痛かったらごめんね」

同「え、何が?」

男「えい」

同「え? あ、痛ッ……あぁ……ったぁい……」

同「男くん、これ……っはぁ……抜いてよ、痛いの……」

男「うん、悪かったよ」

同「あー、手の平に綺麗な風穴がーって全然治らないんだけど、え、何これ、なんで刺さるの」

男「銀の箸、高いんだよ?」

同「え、銀の箸だとそんな粘土に刺すみたいに人の身体に穴開けられるの?」

男「いや、人には刺さらないよ」

男「銀には退魔の力があるからさ、君のことを知ってから用意して持ち歩いてたりはしたのだけれど」

男「やっぱり直接触れると効果はあるみたいだね」

同「今はなんともないし、もう穴もふさがったけど、これすっごい痛いね、腕もげたって大丈夫なボクなのにあんな痛いなんて」

男「対君用というのも兼ねての常備だったのだから効かないと困るんだけどさ、しかし使い捨てというのはいささか僕の財布に優しくないね」

男「君に触れてた部分が黒く崩れてしまったよ」

男「魔に触れれば反応する銀の箸」

男「異変を察知するのに最適だ、というわけだ」

同「反応するってこと?」

男「少なくとも、魔ならばね、触れれば反応出来るようだね」

男「実際に君に反応した以外、実績は今のところないのでどうとも言えないけれど」

男「でもどうだろう、この空間に箸は反応していない」

男「これは、どういうことなのだろうか」

男「面白くなってきたと思わないかい?」

同「そんなことよりボクは箸で刺されたこと に対する何かを求めたいところだよ」

同「理不尽な暴力だよ、許されてはいけない よ」

男「君以外に気軽に試せる相手がいないじゃ ないか」

男「そんな感じで許して、とは言いにくい ね、まぁ埋め合わせはいずれするよ」

同「まぁ、穴はもう埋まったんだけどさ」

同「で、銀ってボクみたいな悪に反応するの かな?」

男「善悪というよりは、無害有害なんだろう ね、しかも人間から見たって相も変わらず自 己中心的な考え方さ」

男「銀が何故退魔の力を持つのか、

ころを考えればいいのだけれど」

同「理屈があるの?」

男「ほら、君に触れた部分が黒くなって崩れ ただろう?」

男「銀は毒に、砒素とか硫黄の化合物に反応 して黒くなるんだよ」

男「昔はそういう毒が流行っていたからね、 銀の食器なら毒物混入に反応してくれるわけ だ」

男「銀イオンは強い殺菌効果を持つ、

ことも無関係じゃないかもね」

男「目に見えない毒に反応する、つまりは退 魔の力があると考えられたわけだね」

男「そもそも金属光沢って信仰を集めやすい し、不思議な力を持つ金属だと思われていた んだろうさ」

同「なる程、それで不死者のボクに反応した と」

男「でも、ここの壁には反応していないし、 見ての通り君に触れるまでは反応しなかっ た」

同「つまり、ここは有害じゃないってこ と?」

男「そうなんじゃないかな、と思ってる」

男「ここは人に悪意を持って害をなすタイプ じゃあ無さそうだ、と言うわけだ」

今回の投下はここまでになります、お疲れ様でした

パソコンが帰ってくるまで一週間位かかりそうですがそれまでに普通に携帯から投下出来そうです、久々に書いてみましたが携帯でも割と書けますね

しかし文字数とかが画面小さい分見えないのと、何かコピペしたら変なとこに半角空白挟まるのはどうにかして欲しいです、主に後者

空白挟まってて申し訳ないです、見落としました

みんな僕にネタを考えてくれてもいいのよ?

ではでは、またきますね

今日は来ました

パソコンさん帰って来ました、HDD新品になって帰って来ました…

消えて困るものがある使い方はしていなかったので問題なかったですが、再インストールと再認証はめんどくさかったです

皆様もノートパソコンにけっつまずいてHDD壊さないようお気をつけ下さいな

では、投下していきます

同「つまり?」

男「つまりはここは敵意や悪意のある空間ではない、ということなのでは?」

男「と言いたいわけだよ」

男「空間自体に害意はなくて、ただそこにあるだけ、というものだったり」

男「神聖なものだったり」

同「後者ではないだろうね、神聖な類はボクには合わないから」

同「ボクが元気な理由がつかなくなるよ」

同「むしろ、その逆の性質を持っているはずなんだけれど」

男「まぁ、僕に不具合はないから人体には影響ないんだよね、そういうの心当たりあるけれど」

男「とは言え今回は恐怖を具現化するような空間ではないだろうから、やはりここはあるだけの物だと考えてたいのだけれど」

男「居心地がいいというのはここに住み着いているのかわからないけれど、やたらと怪談やら都市伝説やらがいるところからも察せられるよね」

男「やっぱり、どうしてこんなにいるのかってことかな」

同「居心地いいからじゃないの? ボクはここ嫌いじゃないよ」

男「じゃあ、どうして女の幽霊がここにいたのかな」

同「あー、そっか、何でだろうね」

男「ここは意図的に、学校の怪談が集められている空間である」

男「目的はイマイチそこら辺の理屈は僕にはわからないから、見えてこないけれど」

男「ねぇ?」

男「教えてくれるとありがたいんだけど、そろそろ出て来てくれないかな」

「呼んだかね?」

男「やぁやぁ、呼んだともさ」

男「出て来てくれてありがとう、本当に学校内ならどこでもいいんだね」

「神、というのは伊達ではないのだよ、試しに手品でも見せてやろうか?」

男「いやいや、とんでも現象は間に合ってるんでね、遠慮させてもらうよ」

男「それよりもさ」

同「ねぇ男くん、あれ相当強いよ?」

同「ボクじゃ本気出しても食べれないかも、だから神様は好きじゃないのに」

男「君がやっつけてくれるのも手っ取り早くていいのかも知れないねぇ」

同「何で面識あるのか、とか今更つっこむ気にもならないけれど」

同「ドンピシャだよ、あれが黒幕だ、ここの主だよ」

「ほう、わかるのか、我が校の生徒は優秀で誇らしいよ」

同「それはどうも」

「ふむふむ成る程、不死者の生徒とは面白い、よくもまぁ不死者と生身の人間が混ざれた物だ」

「んー、まぁ後でそちらの方から聞けば良かろう」

「出会って早々悪いが、不死者の子には寝ててもらおう、そちらとは話をするつもりはないのでな」

同「え、何? バトる感じなの?」

「いや、一方的な攻撃よ、そちらに何かさせるつもりは無いのでな」

同「何をする気か知らないけど、そんな簡単に」

「ほれ、手品でも見せようか、と言ったであろう?」

「何も無いところから火の玉が出ました、ほれ、驚らんか」

同「火の玉? 普通の人間ならそれで倒せるのかも知れないけれど、ボクはそんなんじゃあ」

同「倒せな…………あれ?」

同「あー、これ今日二回目だよ……」

男「うっわ、それなんの火?」

「精霊風の様なものじゃな、風では無く火なのだが、通り抜けるというところは同じであろう」

男「なるほど、そういう類の怪火か」

男「しかし精霊って書いてしょうろうとは読めないよね」

「それを言うなら怪火もかいかとは読みにくいであろう」

男「かって読ませること少ないもんね、鬼火とか狐火とか、そういうの基本ひとかびだし」

男「しかし、通られると害のあるもの、というのは確かにあるけれど、そんなのうちの学校にあったか?」

男「あー火の玉なら、校庭に浮かぶ火の玉があるのか、あれはてっきりセントエルモの火程度のものだと侮っていたよ」

「ま、ここで無ければそう害はないであろうし、そうそう出会えるもんでもなかろうて」

男「で、こういうのって死ぬような病気になると思うんだけどさ、彼女、大丈夫なの?」

「死ぬレベルの熱病を患っているだけだから心配する必要はないぞ」

男「普通の人なら死ぬってことかな、まぁ言いたいことはわかったよ」

「流石にしばらくは寝ているとは思うがの、まぁ低い体温を無理やり上げてやったわけだ」

男「死体だから体温低い、のか?」

男「今はそっちの割合が高いらしいからそうかも知れないけれど」

男「まぁ、意識取り戻すのにそんな時間かからないんじゃないかな、死んでいても大丈夫らしいし」

「話が終われば起きてもらっても構わんよ、どうせ起きたところで治るわけではあるまい」

男「話ねぇ、ここが君の管理する場所なんじゃないの? という話でいいのかな」

「わかっていたから呼んだのだろう?」

男「心当たりがそれしかなかっただけだけどね、しらばっくれられたら終わりさ」

男「どうしてこんな空間があるのか、どうして管理しているのか」

男「そこらへんがわからないんだよ」

「存在するのに必要だから、という説明ではダメか?」

男「詳しくお願いしたいね」

「そもそもに我らは現代では数多く存在していられない、なぜかわかるか?」

男「いると信じている人が圧倒的に少ないから、現代の主な信仰は科学という文明で、それで説明出来るものが現実で、説明出来ず、観測も出来ないものは」

「存在しない、存在出来ないのだ」

「それでも今ここに存在しているし、あちらでも存在は出来ている、短い時間ではあるが」

「だから、どうしてこんなところがあるのか、ある必要があるのかという疑問になったのであろう」

「その疑問にも答えよう、ここは歴史の保存場所なのだ」

「この空間、廃校舎の中でなら学校の怪談は存在していられる、言わば舞台裏」

「そう、舞台裏という言葉が似合うのだろう、出待ちをしているのだよ、消えないで、あちらで存在出来る時が来た時に存在する為に」

男「完全に消えたら、もう二度と出てくることは出来ないということかな?」

「それはあっているし、間違ってもいる、例え話をしよう」

「体育館の幽霊というのがいたとする」

「それは皆から忘れられ、長い間が経ち自らを維持出来ずに消えたとしよう」

「幾年が経ったか、どこにあったかその幽霊の怪談が何者かに発掘されたとしよう」

「その幽霊はその時代に現れることが出来るか否か、どう思う?」

男「条件を満たせば現れる、そう思うけれど」

「それが間違いでもあり、正解でもあるのだ」

「実際、言う通りに条件さえ満たせば現れるであろう、幽霊程度だ、簡単に現れることが出来よう」

「でもそれは、歴史に流され消えた幽霊と同じではないのだ」

「無論、我らを構築するのは人々の噂だ、その幽霊は過去にいた幽霊と何ら変わらないであろう」

「それでもやはり別物なのだ、その幽霊は、昔あったとされる怪談の中に出てきた幽霊、なのであって、昔体育館で死んだ人の霊と同じではないのだよ」

「難しいか?」

男「わかりにくいけれど成る程と思ったよ、確かに言う通り、前者と後者は違うと言える、いや、実際に違うのだろう」

男「そうか、昔からいる妖怪、神、幽霊、そういう存在も昔から存在し続けているとは限らないのか」

男「忘れられて消えて、討伐され消え、戦いに敗れ消え、それでもまた現れる」

男「成る程、良い事を聞いたよ、面白い話だった」

「ある程度わかっていたのだろう?」

男「んー、そこまではっきりとはわかっていなかったよ、僕は人間だからさ、そういうのに関わりはしてもそのものではなくてね」

男「見た目も中身も同じもので区別はつかなくとも、それは昔から居続けたものか、どこかで新しく生まれた別物なのかという話は面白かったよ」

男「沼男みたいだね」

「沼男?」

男「スワンプマン、簡単に言うと沼の近くで不幸にもある男が落雷に遭い死んでしまう、しかし奇跡的に沼にも雷が落ち、沼の泥などと反応しその死んだ男の生前と全く同じ物体が生成される」

男「そして動き始める、記憶すら同じように生成されたその元泥は男が死ぬ直前と同じ姿のまま男の家に帰り、そのままその男として生きていく」

男「ある種のホラーみたいだけれど、無論作り話で、自分はどうして自分であるのかということを考える為の作り話みたいなもんだよ」

男「君が言っていることと似ているんじゃないかなってね」

「そうか、そうなのかも知れぬな」

「いや、そうなのだろう」

「死ぬという概念を持つ物も無論我らの中にはいる、しかし死ぬという概念を持たぬものも当然数多くいる」

「それでも、消えたくないのだよ」

「どうしても、そこにいたいのだ、消えるのは、いやなのだ」

今回の投下はここまでになります、お疲れ様でした

逆男とか、その簡単な説明を聞くだけで面白そうですね、すごいなぁ、ああいうのよく考えられますよね

あの番組は非常に名作が多いと思います

しかし今回の話長いですね、この人達中々会話終わらせてくれないですね、話し込むと長いタイプなのでしょう

そんな感じでもう少しだけ続きます

ではでは、また来ますね

今日は来ました、そろそろ暖かくなってくれるとありがたいのですがしっかり寒いですね

では投下していきます

男「つまりだ、この空間は、旧校舎の怪が存在している間は、その中に怪談を存在させることで、消えることを防いでいるということだろう?」

「うむ」

男「消えてもまた現れることの出来る君等がその様なことをするのは、その沼男の話よろしく、全く同じだとしても違う物だから、だから消えたくない」

男「そういうことだろう?」

「そういうこと、なのかの」

「はっきり言われたことなぞなし、考えたこともなかったのだが」

「こんなのでも、存在したいと思っているのか」

男「別に、生き物だろうと化け物だろうと変わらないさ」

男「しかし、ここに学校の怪談を集めるというのは面白い手法だね」

「そうだろう、そうであろう、妙案なのだ」

「ここに集めておくことでここが存在する間は学校の怪談として消えることはない」

「それだけではない」

「あちらにいる数の調整にもなっておるのだ」

「如何せん学校の怪談はその種類が多い、その種類の多さからもはや全ては同時に知られることは不可能であろう」

「そこでこちらに置くのだ、適度に間引いて入れ替えて、噂の鮮度を維持するのだ」

「無論、ここの怪談と学校の守り神の噂も維持は必須だが、しかしこれは難しくない」

「旧校舎があったという事実は無くならないし、社が取り崩されることも無かろう」

「まぁ、取り崩されることになったらそれはそれでおいしいのだが」

男「おいしいのかよ」

「適当に祟って工事関係者を取り殺していれば噂は広がるし新しい社は何だかんだ建ててくれるしでおいしくない要素がなかろうが」

男「それでいいのか、それでいいのか神様として」

「神様だって忘れられたくないものよ」

男「死にたくない、という感情の人外版と言ったところかな」

男「わからなくはないけれど」

男「あぁ、そうか、だから僕らをここに引っ張り込んだわけか」

「定期的にここのことを知る者を作る、これによりここは維持出来る」

「ここさえ維持出来ればどうにでもなる」

男「僕らは引っ張り込み易くてよかったね」

「ま、校舎内であれば誰であろうが引き込めるがの」

「しかしどうにも相性というか、こういうのに対する耐性というのがの」

「慣れている者の方が角が立たなくて平和で良い」

男「確かに普通の人引っ張り込んで無事に返しても面倒くさそうだ、騒ぎそうだし」

「死んでも問題ない、そうそう死なないという者はこちらとしてもありがたいのだよ」

男「いや、こちらとしたらありがたくないんだけどね、そっちの行動は」

「まぁそうつれないことを言うでない、持ちつ持たれつの関係と言うだろう?」

男「僕が何をもらったのだろうか」

「生きる権利、かの」

男「ただの脅迫だった」

「妖怪が人間に利をもたらすことの方が珍しかろうて」

「しかし学校内が比較的安全なのは守り神がいるからだということを忘れては困るぞ」

男「でも君半分付喪神みたいなものでしょ?」

「土地神でもあるから三分の一位だもん」

男「いきなりだもんとか可愛く言わないでくれよ」

男「ま、女が死なないと今日はどちらにしろ帰してはくれなかっただろうし、そこは諦めといてあげるよ」

男「そして、彼女が気絶させられたのは彼女が混ざりだからかな」

「うむ、人間との混ざりはこういうことをあまり意識してはならんよ」

「あれは人間でいたいのだろう?」

「踏み込むことがいいこととは限らぬ」

「触らぬ神に祟りなしとはよく言ったものよ」

男「そう考えているなら、僕もわざわざそれに逆らうようなことをする気はないよ」

男「誰が正しい、ではなくてね」

男「それこそ僕だって、事なかれ主義だからね」

「その割にはやたら首を突っ込んでいるように見えるが?」

男「死にそうな人が目の前にいてさ、まぁでも? 僕には関係ないし? って無視出来るほど出来た人間じゃなくてさ」

男「というか、やたら出てくるんだよ、そういうの」

「出てくるであろうな、認識してくれる者がいるのだから」

男「そういうものか」

「そういうものだ、諦めよ」

男「わかってはいたけどさ、どうにかならないかな」

「ならないのでは?」

男「ま、この話は今日はいいや、もう少し考えて見ることにするよ」

男「さて、帰るには徹夜すればいいんだっけ?」

「眠いなら寝ていてもよいが」

男「んー、どっちにしろ朝まで待機ってことだよね」

男「帰宅時間が流石にね、正直もう帰して欲しいのが本音だよ」

「本音か、正直なのは悪くないぞ」

「ま、そうだの」

「混ざりをこのまま意識不明にしておくのも骨じゃしな」

「こちらの用事も終わったしの、ここの存在を知ってくれたのならそれでいいのだ」

「無論、女とやらが死んだのも役に立っておる」

男「やっぱりわかっているんだね」

「まぁの、神様だからというよりはここの管理をしているから、という気もするがの」

男「死んだことにより噂はより広がったということがここに対して影響を与えているということかな」

男「死んだことが観測されなくなっているから、その後の噂の広がり方も観測されなくなっているというか、そこら辺は上書きされて別に未来になっているはずだけど」

男「それでも確かに在ったことなんだよね」

男「少し前に人の命を糧に願いを叶えるというか力を行使する悪魔が街にきてさ」

男「女の命も取られたのだけれど、そのことはわからなくなっていても、奪った命は消えないんだよ」

男「エネルギーとしては残ったままなんだよね」

「だから、巻き込まれると言っているのだ」

「お前たちは便利なのだよ、我々が存在を維持する力を何も無いところから生み出せるようなものなのだ」

「無論、それはお主らのルールを知っているものだけに限るはずなのだが」

「それが無くともこちら側を覗き込める人が少ない現代では、貴重な餌であることには変わりあるまい」

男「餌、ねぇ」

男「随分とはっきり言ってくれるじゃないか」

男「それでいいけどね、たとえそうだとしても僕は僕ではなく僕らであろうと思うから」

「そうか、まぁお主はこちら側とそちら側の境目を歩いているようなものだからの」

「精々気を付けるがよい」

「学校から出たら守ってはやれぬのだぞ?」

男「だからってずっと学校にいろっていうのかい?」

「貴様なら餓死もするまい、まぁ食べ物くらい何とかしてやってもよいのだが」

「とはいえ、学校に監禁するのも流行らないからの」

「昔のようにもう少し楽に人が消えられたらよかったのだが」

男「現代は生きにくい世の中だね、人も人外も」

「人には楽であろう?」

男「どうなんだろうね」

男「今がいい時代か決めるのは今の僕じゃなくて未来の僕だしね」

男「ま、何十年かしたら聞いてくれよ」

男「昔はよかったか?ってさ」

「頑張って長生きして欲しい、いや、長生きしないといけないのはこちらの方かも知れない、か」

「では、そろそろ外に帰してやろうかの」

同「ちょっと、待てや」

「おや、もう起きたか、心配するでない、貴様のそれは外に出れば完治するようにしてある」

同「勝手に攻撃して勝手に帰して、はい終わりって少しズルいと思うんだ」

同「とりあえず、一発ぶん殴ってから!」

「では、また会おうぞ」

男「やぁや、お疲れ様」

同「殴れなかった……」

男「そこ気にしてるんだ」

同「いや、まだちょっと具合悪くて俯いてるだけだから気にしないで」

同「この時間ならすぐ回復するから」

男「しっかし、外って学校に戻されると思ったけれど、敷地外まで移動させられるとは」

男「ま、こんな時間に校舎内に戻されても面倒だから助かるっちゃ助かるか」

男「じゃ、帰ろっか」

同「よし、おっけー」

同「大体人間に戻れたから帰ろうか」

男「僕から見ると差がわからないんだけどね」

同「分からないように混ざってるからねー」

同「しっかし、この学校多いとは思っていたけどまさかあんなふうに裏に隠れてるとはね」

同「どうりでボクが適当に倒しに行こうと出向いても現れないわけだ」

男「……君、だからさっき攻撃されたんじゃない?」

同「あり得るね」

男「しかし人間がいない所に隔離するだけで」

同「隔離するだけで?」

男「君の探知外になってしまうなんて面白いね」

同「そうだねぇ、入り口が開いてればわかるのかも知れないけど」

同「ああいう現実じゃない場所は、現実じゃないからわからないね」

同「そう考えるともっとたくさんああいう風にいてもおかしくないけど」

同「こっちに出てこないならボクには関係ないから気にする必要ないかな」

男「僕にだって関係ないさ、本当に出てこないならだけれど」

同「じゃねー、怖いなら家まで送ってあげようかー?」

男「その文句で送ってもらいたがる男の子はいないと思うから、言い方をどうにかする努力をしようね」

同「ふふふ、まぁ何かあったら連絡してよ、間に合えば助けてあげるよ」

男「頼りにしておくよ、それじゃあ、また今度」

同「またねー」

第32話




女「学校の怪談?」





今回の投下はここまでになります、お疲れ様でした

あまりに久々の完結で最後のあれ貼るの忘れてました、投下中に思い出して滑り込みセーフ

次からやっと話が変わって日が進みます、正直これ2話くらいにわけなかったの後悔しました

こんな長い1話になるとは、失敗でしたね

ではでは、またきますね

お久しぶりです、引っ越してから2週間ほど見事にネット回線が通じていませんでした

この時期こういうのってなかなか工事とか入れられないものなんですね、お勉強になりました

では、投下していきます

女が自らそう思わなくても、そういう風に思考を歪めてくる奴に憑かれた可能性だってあるわけだ

そうだったとすると今の状況になっていることも、まぁわからなくもないけれど

女の本心を歪めてくるような何かがいないと決め付けることはできない、というのは悪魔の証明とかそういう奴だったか

それこそ悪魔の所業のような物なのでしっくり来るような来ないような、不思議な感じがするけれど

そんな奴がいるならば、起こりうるのだろうけれど

それは、相当なことだろう

だって、そいつは女がルールを維持出来ずに消えても女を歪めたままだということになるのだから

女が消えたということを、つまりは僕らのルールをわかった上でそれを上書きしてきているのだろう

僕らのルールは僕を生き残らせるということにのみ特化しているから、その効力を発揮出来ているのだと僕は見ているけれど

だから、そんなに強くはないのかも知れないけれど、わざわざそうしなければいけない理由がわからない

女がいては不都合がある?

その程度が不都合になるような奴がこんなこと出来るとも思い難いし

ならば、事故なのだろうか

偶然、偶々こうなってしまったのだろうか

考えていても仕方ないだろう、情報を集めに行くしかない

後手に回るのなんて、慣れたことじゃないか

現状、あれこれ推測しようとやはり今何が起きているのかわからないことにはどうしようもないだろう

いつもなら、次の日まで待てばいいのだし、それにこんな風に何も形跡がないなんてことはなかった

怪しめるものがない、ということこそが問題である

いや、実際のところは可能性は低そうだが、怪しむことのできる相手はいる

ただ、それを行う動機がないわけで

それに、行えるかもわからないし

そう、怪しむのならば昨日僕らと一緒にお化け屋敷というか、お化け校舎にいた彼女、そしてそこで出会った学校の神さまの二人であろう

一人と一柱とカウントするべきなのかな、神も人で数えられたような出来ないような、どちらだったか

いや、別に兎が匹だったか羽だったかみたいなそれはどうでもよくて

つまり、女が最後に死んだ時に関わっていたであろう者を怪しむという

至極当然と言えば当然のことなのだけれど

前者は動機も方法も無いように思えるし、無意味に疑うのは悪いから直接聞きただすということはやめておこう

あー、いや、ダメか、これが長引いた場合バレる可能性があって、それでバレた場合にどうして黙っていたのかと考えられてしまうと

どう思われるのだろう、どちらにせよいい気分にはならないとは思うから、先に行くか後に行くかなのだろう

んー、これはどちらから行くべきなのだろうか

どちらからでも変わらない、ということは勘弁して欲しいものだ

同「それで、ボクが呼び出されたわけだ」

男「呼び出したと言う程は遠出させていないじゃないか、呼び出したことについては否定出来ないけれど」

同「ボクを真昼間に家から出すことが既に大罪だからね」

男「新時代的な登校拒否だね」

同「いやいや、世の中憎みながらもちゃんと登校していたじゃない」

男「憎んでいたのかなんて知らないけれど、というかどうでもいいのだけれど」

同「どうでもいいんだ」

男「関係ないしね」

同「関係ないんだ」

男「というか、結局君は知らない、わからないという感じでいいんだよね?」

同「うん、ボクにはちょっと何が起きているかわかりかねるって感じ」

同「一応、学校にはついてってあれげるよ、そこで死なれても寝覚めが悪いからね」

同「と、ボクが着いて行く流れになることを見越してボクの方に先に会いに来たということ位わかってはいるけどさ、まぁ乗ってあげる」

男「助かるよ」

同「あ、ちなみに、多分だけど男くんに何かが憑いているってことはないと思うから」

同「少なくとも、ボクにはバレるようなものは憑いてないから安心していかも」

男「何かが憑いていた方が安心出来たのかも知れないけどね、原因がはっきりするし」

男「ま、とりあえず学校行って事情聴取ってとこかな」

男「学校に行って、解決出来ればいいんだけど」

同「出来なさそうなの?」

男「わからないんだよ、今回は」

男「結果しか見えていない感じで、何が起こったのかわからないんだ」

男「だからと言って無視出来るようなことでもないから、どん詰まりの匂いがしてさ」

「知らんぞ? 関係ないと断言は出来ないが、解決するという視点からして見れば全くもって関係ないであろう」

男「えーっと、根拠とか、証拠とか、そういうのは?」

「その現象はわたしのやったことではない、その現象に廃校舎が関わっていることはない、そもそもにわたしがそういう事態だということ知らなかった」

「と、その位で納得してもらえると助かるのだが」

男「廃校舎内で起きたことだったとするならばわかるということか、そりゃあそうか」

「こちら側の校舎のこともわかるがね、しかし管理出来ているのはあちら側だけと何とも情けない状態でね」

「こちら側のでの権限はそこまで強くないのさ、全く困ってしまうよ」

男「君はむしろあちら側がメインのものなのかもね」

「ふふっ、それだと丸っきり逆になってしまうけれど、言われてみれば確かに確かに、面白いね」

同「でもさぁ、女さんに関係あるないなんてしらばっくれればわかんないわけだし?」

同「とりあえず、ぶん殴ってから考えてもいいよね?」

「おっと、殴りかかってからそういう危ないことを言うのはよしてくれよ、そもそもに君とは話していないんだよ?」

「無視されたからって癇癪を起こすなんて子供っぽいことはやめたほうがいいよ、高校生にもなったのだからガキっぽいことは控えたほうがいいと忠告してあげるよ」

同「男くん、やっぱりこいつ喰っていいかな」

男「無理でしょうに、遊ばれているだけじゃないか」

男「で、本当に関係ないの?」

「すまないね、関係ないものはないのだ、力になれれば幸いなのだが難しいだろう」

男「そう、わかったよ」

「また暇なら遊びに来ておくれ、君みたいなのは珍しいんだ」

男「暇になってから、考えることにするよ」

男「今日はありがとう、じゃあね」

同「家まで送るよ?」

男「いや、そこまでしてもらわなくていいよ」

同「そう? 大丈夫?」

同「何だか、調子が悪いみたいだけど」

男「いや、この位問題ないよ、これ位普通さ」

同「それならいいんだけど、何か顔色も悪い気がするというか」

男「もう夕方だからね、光の加減でそう見えるんじゃないかな」

同「ボク的にはこの時間からの方がよく見えたりするんだけど」

男「ちょっと、外にいた時間が長くてさ、汗をかきすぎたのかも知れないね」

男「でも、もう家だから大丈夫だよ、ここまでで」

男「大丈夫だから、大丈夫だからさ」

同「うんまぁ、それなら、いいけど」

同「何かあったら言ってね? 手伝えることなら手伝うから」

男「ありがとう、そうするよ」

同「じゃあ、元気でね」

男「うん、そちらこそ夏風邪には気をつけて」





女が最後にいた日に、女が最後に死んだあの場所にいた二人に会ってきた

結果は徒労のような物で、この二人は知らないし関係もないだろうということだった

騙っている可能性も否定は出来ないけれど、あの二人が揃って知らないと言ったのだから、やはり二人共知らないと考えるべきなのだろう

二人共、そういうことを起こすことが出来るのかが疑問な上に、する必要性も見えない状態だったので

考えてみればそうである可能性が高いわけだったのだが、それでも、それでも考えたくない内容だった

だって、それは女が現れなくなった理由が分からない、ということなのだから

だから、わざわざ一日かけて二人に会ってくるということをしてきてしまったのだろう

ゆっくりと、時間をかけるように、目を背けるように

別れ際、あの子に「手伝うよ」なんて言われてしまうとは、今の僕は相当な顔をしていたのだろう

あの子は普通に生きたくて、厄介事は避けようとしていて、関わらないでいいなら関わらないようにしたいのに

だけど、僕の手伝いをしてくれると言っているのだ

無視出来ない程に、今の僕は顔色が悪いのだろう

もしかしたら支離滅裂なことを話していたのかも知れない、さっき何を言っていたのかも思い出せないのだから

少し前の自分が何をしていたのか、自分が何を考えていたのかもわからない

とりあえず家に着いたら寝て起きて、そうしたら全て終わっていればいいのに

今日の投下はここまでになります

女さん消えてる感じのお話ですね

やっと暖かくなってきましたね、これ位の気温が素晴らしいと思います

ではでは、またきますね

新学期、それは時間的にも精神的にも肉体的にも人々から余裕を奪い取る化け物

そんじょそこらの妖怪なんかよりよっぽど怖い

ではでは、投下していきます

お早うございます、寝て起きても何も変わっていませんでした、そりゃそうでしょうね、そうですよね、そうなんですよねー

あー、まじかー

そっかー、そうだよねー

起きたら女が元通りなんてことにはならないか

元通りというか、新しくなるという感じだけれども

僕らのルールは現在停止している

停止しているのだ

停止でしかない

停止である

だから、ルールが消えたなんてことは

そんなことは起こりえなくて

女はその内ルールが再起動すれば現れるはずで

だから、こんなに悲しい必要なんてなくて

いつもの様に相手が何か突き止めて、解決すればいいはずで

相手なんていないなんて、そんなことはあるはずなくて

だから、だから

「だから、泣き言を言いに来た、と」

男「いや、別に、そういう訳ではなくて」

男「だから、これは、そうだな」

男「遊びに来ただけであって、そういうことでは」

「縁を結んで欲しい相手でも出来たか?」

「縁結びの神に直接頼める者などそうはおらんぞ」

男「そんな相手、いないよ」

「では、女がいないままでいいのか?」

男「いいわけないだろ!」

男「いいわけないけれど、わからないんだ」

男「お手上げなんだ、どうして女が現れなくなったのかが皆目検討が付かなくて」

男「だけど、女がいなくても周りは何も問題なくて」

「ルールによる認識影響は残っているということじゃないか、ルールは雲散霧消してしまったというわけではないとわかったのではなかろうか?」

男「その保証はないじゃないか、僕らのルールは、いや、僕らのルールのようなものはその存在を観測は出来ない」

男「構築している物は物質的な物ではないから、現実に影響を及ぼしたという結果でしか観測は出来ない」

「ふむ、難しくてよくわからんの」

「何が言いたいのだ?」

男「女なんて、始めからいなかったみたいで、怖いんだよ」

「そんなことはあるまい、女は確かに」

男「いや、僕の言い方が悪かった」

男「女はいたよ、それは確実だ」

男「でも、僕らが呼んでいる『女』という呼称は一回目の女なんだ」

男「だけど、二回目以降の女も僕らは『女』と呼んでいる、無論女のことを知っている人がいる前でむやみに呼ぶことは控えるべきだけれど」

男「僕にしろ、女にしろ、そちらの方が慣れていたから」

男「慣れていたというのも言い訳なのかも知れないけれど」

男「やはり怖かったんだ、僕だって、ましてや女は言わずもがなだろう」

男「女が本当に女であるのかどうか、呼び名まで変わってしまうと」

男「ふとした瞬間に、怖くなってしまうんだよ」

男「でも、今僕が怖いのはそれではなくて、そんなことじゃあなくて」

男「二人目以降の女は実在したかどうか、ということなんだけれど」

「何を言っておるのだ?」

男「君等の様な物は全て実在するわけはなくて」

男「全部、僕の妄想だったオチ、全ては僕らが僕らに都合のいいように見ていた幻覚だったオチ、ということは流石に無いだろうけれど」

男「まぁそういう可能性だってあるわけじゃないか」

「あるわけじゃないか、と言われてものう」

男「でも、正直そんなのは僕らがいる世界は、実は箱庭的な玩具のような物で、それを誰かが見て遊んでいるだとか」

男「そういう類の話の様な物と同じで、否定こそ出来ないけれどというようなもんだろう」

男「だって、僕は君等、つまりは人外とコミュニケーションを取っているのだから」

男「少なくとも僕には、これがもう架空であるかなんて判断は付かない」

男「まぁ、僕はそんなことを怖がっているわけではないと思いたいのだけれど」

男「それでも、それでもなんだよ」

男「僕らみたいに、そういうのに関わっていない人間には二回目以降の女は認識出来ないから」

男「二回目以降の女なんて、いなかったんじゃないかと、僕の想像だったんじゃないかと」

男「いなくなってしまうと、怖くなったんだ」

「ふむ、助けになってやりたいが、この山の外に行くのは至難の技での」

男「出ようと思えば出れるんだ」

「あまり神自体が範囲外に行くのはよろしくないのだが、出れないことも無い程度かの」

「元国津神の現人神だった頃はともかく今はただのか弱い神様よ」

男「別に、女を復活させてくれとか、助けてくれとか、そういうことを頼みに来た訳じゃないよ」

男「話を聞いてもらいたかったんだ」

男「自分一人だと堂々巡りで、止まっているように感じてしまう」

男「いや、実際止まっているのだろう」

男「他の人の意見が欲しかったというのもあるし」

男「君等の様な、完全に人間の枠から外れている存在に話したかったというのもあるかな」

男「どうにも、話す相手を見定めることが難しくてさ」

男「普通の人は当然こんなこと話しても意味がないだろう?」

男「じゃあ、何かこう関わってしまったというか一部人間じゃなかったりだとかそういう知り合いに話すのが普通なんだろうけれど」

男「今回話したい内容は、そういう人に話していいような内容かわからなくてね」

男「まぁ、今僕が人と会いたいような状態ではない、というのも割りと大いに結構にあるんだけどさ」

男「心配されたり、同情されたり、そういうのって逆にくるものがあるよね」

男「悪気は無いどころか、ということはわかるんだけれど」

男「どうにも、いつも通りには出来ないもんだね」

「泣いてもいいのだぞ?」

「抱きしめて、慰めてやることくらいは出来るぞ」

男「いや、いいよ、別にセクハラをしにきたわけでもないからさ」

男「聞いてくれるかな」

男「女がいなくなって、ルールが止まってしまって、それでも黒幕は見つからなくて」

男「見つからないのか、最初からいないのかわからなくなって」

男「それで、僕は僕なりに考えてみたんだ」

男「僕らのルールや、妖怪、都市伝説、怪談、神話、そういうものがどうやって存在しているのかを考えてみたんだ」

今回の投下はここまでになります、お疲れ様でした

操作ミスでコピーとペースト間違えて1レス分真ん中が消えてどうしようかと思いました、ノート同期する前のスマホが無ければ即死でしたね

急いで投下する、というのもいいことはありませんね、またひとつかしこくなりました

ではでは、またきますね

今日は来ました

GW挟んだらいつの間にかこんなに開いて……

では、投下していきます

「ふむ、我らの存在理由か」

男「存在理由、と言うとちょっと違うかな、それだと誰かが理由をもって作ったみたいだし」

男「存在している理屈、みたいなものかな」

男「まぁ、君等からしてみれば感覚的に理解しているところなはずだし、何より僕が言うことが全て合っているということはないのだろうけれど」

男「それでも、女を構築していたルールについて考えていたらさ」

男「そもそもに、どうしてルールが動くのか、とか、ルールはどうやって発生して、どうやって消えるのか」

男「とかそういうのが気になってきてね」

男「経験則も混じえて考えてみたわけさ」

「我らが人と話すような内容ではないのう」

「自分から話すようなことでもなし、わざわざ人が話に来るようなことなど、これが始めてになる」

男「そういうもの、なのかな」

男「君たちみたいなのは理屈で考えるものではないからねぇ」

男「とは言え、僕達生物が存在して活動しているのには理屈があって」

男「それと同じように君達にだって理屈はある」

男「それが人間の科学の内か外かという違いはあるけれど」

男「どう言えばいいのかな、簡単に言えば君達は情報によって存在している、と言うことなんだけれど」

男「いや、全然言い表わせていないし、伝わっている気もしない、ちょっと待ってくれ」

男「うん、そうだな、生物はDNAの乗り物であるという言葉がある、あった気がする」

男「まぁつまり、生物は遺伝子に動かされているだけなのだ、という考え方だ」

「ふむ、遺伝子が支配しているということか?」

男「そんなところだね、遺伝子に仕組まれた通りに大方動いているのが僕らだということだよ」

男「人間は何だかそこのところを超越しているような気もするけれど、それすら遺伝子の指示通りだとか何とか言うのも聞いたことがあるね」

男「人間は考える余裕がある生物だとか、そういう類のことなのかもね、間違っている気はしないけれど」

男「それと対比するように、君達は情報の乗り物だ、というのが僕の持論だ」

「情報?」

男「情報っていうとどうにも幅が広すぎて語弊があるから言い換えるよ」

男「ミーム」

「ミームって言うと、アラビア文字のあれ」

男「ではない」

男「アラビア文字ではなくて、文化の伝播や情報伝達における情報単位みたいな意味を持つ言葉だね」

男「そんなに古くからある言葉でもないし、そもそも日本の言葉では無いから日本での知名度は高くないけれど」

男「遺伝子、geneって単語と、模倣っていう意味のギリシャ語mimemeをもじってmemeだったかな」

男「つまるところ、文化情報の単位をミームと呼んでいると思ってくれればいいよ」

男「人から人へコピーされていく情報、物語、習慣、技能そういう物を表す言葉だ」

「ふむ」

男「遺伝子は生物を形成する情報で、自己複製をし、進化していく」

男「ミームは文化を構築する情報で、人から人へ複製され、そして進化していく」

男「文化という物が生物のような動きをしている、という話なのだけれど」

男「生物において遺伝子が重要で、文化にも似たような動きをしているものがあって」

男「それをミームと呼んでいる、という定義の話は別に重要じゃないかな」

「待て」

男「どうしたの?」

「ミームが進化していく、とか言っていたな」

「どういうことかの?」

男「人から人へ文化、つまり何らかの情報がコピーされていく、というところは大丈夫だよね?」

「問題ないな、人間誰かしらと関わりを持てば自ずと発生する物ではないか」

男「意図的にしろ、意図的で無いにしろ、そのコピーされた情報が再びコピーされる際に形を変えるということがあるだろう?」

男「意図的ならば、話を盛ったとつまりは嘘をついたということだし」

男「意図的で無いのならば、お互いの意思疎通に齟齬が生じていた場合、つまりは勘違い」

男「完全にはコピー出来なかった場合、完璧には暗記出来ていなかった記憶違いというやつかな」

男「伝言ゲームがあるだろう?」

男「つまりはそういうことが起きている、というわけだよ」

「ふむ、少しずつ話が変わっていくというやつを進化と言うのか」

「しかしそれは、変化であって進化では無いのではないか?」

男「いや、進化するんだよ」

男「確かに変わるだけなら変化だけれど、それは遺伝子だって同じだ」

男「遺伝子もミームもまず、突然変異、元と違う形になるところから始まる」

男「だけど、それは自然選択、自然淘汰の結果適さない物が消え、適応力の高い物が残っていく」

男「多様化した結果、適応力の高いものだけが残っていく、つまりは進化だ」

男「遺伝子なら生物とわかりやすいけれどミームだと情報だからわかりにくいかな」

「面白い話が残っていく、ということか?」

男「そんなとこだね、別にわかりにくいということはないだろう?」

男「考えやすいから、僕はこの言葉を使って思考したわけなのだし、ということはいいとして」

男「ミームも遺伝子も正しさとか強さとかそういうのを目指しているわけではなくて、生存に適したものが残っていくだけなんだけれど」

男「ミームの場合、その適するというのにも種類が多くてさ」

男「君がさっき言った面白い話、人の興味を引くものというのももちろんあるけれど」

男「危機、危険、問題、使命と種類はあるけれど」

男「どれも人間という生物の生存確率を上げることに役立つであろうものだ」

男「そういうのに人間の脳は注意を引きつけられる性質がある」

「成る程、だいたいわかったぞ」

「つまり、お主は我らがミームにより構築されている存在であると言いたいわけだ」

「我らの存在はミームにより構築され、我らの行動は人間の間に自分というミームを広げるよう出来ている、と」

「人間など生物は本能的に生きようとするように、我らは本能的にミームを拡散しようとしていると」

「そう言いたいのだろう?」

男「そう、超常的な存在の君達ではあるけれど、どうしても付け入る隙があるところは、やはりそこから来ているのだろうね、と僕は思うんだよ」

男「だって、隙が無ければ絶対に負けないのに、それでも弱点や付け入る隙はある」

男「それがあれば、人々は君等という存在とその弱点を一緒に拡散していくだろう、自分が遭遇しても死なない為に」

男「人に良くしてくれるものの存在は言うまでもない」

男「つまり、神が人を創ったのではなくて、人の思いが神を構築しているんだ」

男「人から人への情報網、それこそが君らの依り代で、ルールの正体だ」

男「だからどうしてもルールは人間本位になるし、オチや教訓が含まれていたり、得があったり、損があったり、近年では低リスク高配当や食べ物、危機、恐怖あたりのミームを含んだ都市伝説もある」

男「人々の情報網に乗っている間は、君等は君等として存在出来るんだ」

男「そうでなければいずれ消えゆく、忘れ去られたら君等の存在だって無くなってしまう」

男「じゃあ、僕と女のルール、女を構築しているルールは?」

男「女を構築し続けられるだけの、要素はあったのかな?」

男「ねぇ、君は神様なのだろう?」

男「教えてよ、僕はこれが気になって、しょうがないんだ」

男「頼むからさ、教えてくれよ」

男「女はまだ、どうにかなるのか? また僕の前に姿を見せてくれるのか?」

今日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

いつの間にか春も過ぎ去る勢いで暖かくなってきましたね、気温の変化に体調を崩されぬようお気をつけを

ではでは、また来ますね

今日は来ました

熱と貧血を併発してしばらく死にかけてたりもしました

貧血併発は良くないですね、立ち上がれなくなりますし

ではでは、投下

「お主の言う通り、神だからと言っても全知全能ではない、どころか今の問いに答えてやることも出来ぬ」

「しかし、そこまで考えたのだからわかっていたのだろう?」

「それこそ、全知全能の神というのでも無い限り、そのままの能力でそれがわかる存在なんていないだろうということは」

男「あぁ、そうだよ、そうだった」

男「らしくも無いことをしてしまったかな」

男「今や僕らしい、ということがどういうことかも見失ってしまいそうだけれど」

男「僕らが自分の遺伝子がどのような構造をしていて、それがどのような意味をもって自分の肉体が構築されているか大抵の人間はわからないように」

男「君等も自分がどうして存在しているかまでは、わからない」

男「でも、君等は自分のルールを超越したことが出来ない」

「うむ、そもそもに自分が何であるか位は大抵の者はわかっているはずだがな」

「お主が言うところのミームというやつか、自分がどのようなをミームなのであるかということはわかっておる」

「そして確かに、自分が何の伝承、伝説、怪談などで出来ているかはわかっていても、どうして自分がそこから発生し、その存在を維持できているかということはわからない」

「無論、そういうことが出来るやつならば話は別であろうがの」

男「そういうこと、ねぇ」

男「都市伝説ですら、都市伝説がどうして人々の間で流行っていくかという理屈をわざわざ解説に取り込んだような話は無いだろうし」

男「まぁ、悪魔の証明みたいな物なのかも知れないけれど、世の中何が流行るかわからないとも言うし」

男「そもそもにそういうのに特化しなくても、もっと広い範囲で何でも出来てしまえば問題無いわけか」

「知識を司っていたり、それこそ全知全能の神だっているかも知れぬぞ?」

男「どうだか、それ程の力をもったのが存在し続けられるともいささか思い難いけど」

男「全知全能に、厳しい条件でも付いているのならば話は別なのかもね」

男「ん、あぁ、そうか条件付きで良いのならば、出来そうなのも結構いるか」

男「そもそもに目的からして、別にそういうのに頼る必要だって無いか」

男「うん、不可能では無いな」

「何を思い付いた?」

男「面白いこと、かな」

男「生物は生きている間に自分の遺伝子を書き換えて別の物に変化していく、ということは出来ないけれど」

「我らなら出来る、と」

男「そう、そもそもミームは伝統のミームのように昔から同じものが信じられているようなことでも無い限りは変化し続けるようなところはあるからね」

男「だから君らは大きな変化が起こりにくくなるように、有名なものへと、定番な話へと向かっていくのかもね」

男「君らって存在してしまえばどうとでもなるようなところはあるけれど、逆に存在するようになるまでは結構エネルギーが必要そうというか」

男「条件が揃う必要があるって感じかな」

男「だから、僕と女のルールがそもそもに存在出来てしまったことが謎なんだよね」

男「もしかしたら、そういう人間二人、あるいは一人だけの最小単位でもルールは発生し得るのかも知れないね」

男「それが存在し続けられるかは別問題、と言う感じで」

「だから、さっきから何が言いたいのだ?」

「はっきりしないやつだな」

男「ははは、人間は突き抜けた人じゃなきゃはっきりなんてしてないよ」

男「周りに揺さぶられて、曲がって折れて」

男「それでもなんとかやっていくのが人間なんじゃあないかなぁ」

男「ん? あぁ、そうそう、結局は僕は愚痴りに来たというか、僕らの事情を話せて、それでいて安全で」

男「話しながら考えたかったんだよ、一人だとどうにも怖くてさ、不安に潰されそうでさ」

男「ありがとう、おかげで大分纏まったよ、方針は」

男「じゃあね、一段落ついた頃に顔を出すよ」

「なら、最後に一つだけ、いや二つか」

「お主の言うミームは我らのような人外でも持つことは出来るのだろう?」

男「んー、確かに持っていてもおかしくはない、というよりは持っていないと考えるのには無理があるか」

「だから、我らはある程度以上の繋がりが作れれば人間から離れても、人間の修正力を無視出来る」

「わかっておるのじゃろう? 歪ませるのも人間ならば、直しているのも人間で」

「お主らのような例外は人間に認識されないからこそ、消えないと」

「発生した時点で放っておいても消えないことが約束された歪みは珍しいのだ」

「そんな科学的でないものは存在しない、と決めつけられてしまう現代ではな」

「だから、お主らのルールを知っているものが増えた今、そんな簡単に自然消滅するわけはないし」

「自然消滅が近付けば、女が気付く」

「だから、原因は他にある」

男「うんうん、わかっているよ」

男「外的要因で女は消えている」

男「ただし、ルールが壊されているわけでは無い」

男「何かが女の発生を止めているのだろう」

男「ただし、その何かは一切の不明」

男「そもそもにその何かというのが存在しているのかも怪しい」

男「僕らのルールが歪んでしまった可能性もあるからね」

男「だから、慣れるなんてしたくなかったのだけれど」

男「でも、それでも思い付いたよ」

男「僕が求めているのはルールではなく、女がいることだ」

男「ならば、今のルールに固執する必要は無くて」

男「もう一回作り直せばいいじゃないか」

「え?」

男「僕が作ればいいんだ」

男「噂でも都市伝説でも、使えるものは使ってさ」

男「女と、また会えるルールを」

「いや、それは」

男「じゃあね、もういい時間だ、結構長居してしまって悪かったね」

男「では、またいずれ」

「それは」

「間違っているのでは」

「大丈夫、なのだろうか」

「何かに憑かれていることはないのだが、憑かれているかのような危なさが」

「何もしてやれない、無力なこの身が憎たらしい」

男「ははは、別にそんなに悩む必要はなかったじゃないか」

男「何だか愉快になってきたな」

男「さぁて、どうやって女を取り戻そうか」

第33話





男「女がいない」






今回の投下はここまでになります、お疲れ様でした

あれれ、もう900越えちゃいましたか、んー考えとかないとですね

ではでは、、また来ますね

お久しぶりです

短期バイト終わってから気付いたら帰省からも戻ってきてました、なぜ帰省していても書けなかったのか

まぁ、自分の部屋というのがなくて、元自分の部屋となっているせいでどうにも家にいても落ち着かないとか、そういうものなのでしょう

とりあえず流石に放置し過ぎたので今週末もう一回来ようと思います

では、投下していきます

男「久しぶり、という程は開けてはないよね、結構足しげく通っているつもりだし」

初「でもでも結構来ない日とかあるよー」

初「って文句も言いたいところだけど、学校がある時は土日は休みで来なかったりするしあんまり変わってないんだよねー」

初「夏休みにしては会ってるとは思うし、むしろ君が構ってくれるんだから死ぬのも案外悪いことじゃあないのかもね」

男「悪いことだけでは、だけどね」

男「こんなの僕の自己満足に過ぎないと言われればそれまでだしね」

男「君は否定するのだろうし、そう言った意味では気の持ちようということなのだろうけどさ」

男「何にせよ、前向きに捉えようとすることは悪くない」

男「ここ数日顔を見せなかったのは、なんというか立て込んでいてね」

初「他の女の所に行ってたの?」

男「いや、間違ってはないんだけれどね?」

男「どうしてそういうとこをわざわざ強調するのかなぁ」

男「僕がそういう目的で動いているみたいじゃあないか」

初「まぁ、私のことが目的だもんね」

男「それも広い意味での君、という意味では合っているのだけれど」

男「本題から切り出してしまうと、生きている方の君がいなくなったんだ」

初「私が? どこに?」

男「そっか、いなくなったって言うと何処かへ移動したという意味で捉えるのが普通か」

男「訂正するよ、どうやら僕と君、つまり男と女のルールがどうしてか働いてないみたいで君が現れないんだ」

男「それで」

初「死んだ前後に関わるところを回ってから、私の様子を見に来たってところかな?」

男「はは、察しが良くて助かるよ」

初「で、私と話して何かわかった?」

男「そうだね、君がいるかいないかで考えようと思っていたこと認めるよ」

初「私がいなかったことにはなってなくてよかったねぇ」

男「でも、しかしまぁそれだけの為に君に会いに来たと思われるのもあまりいい気分ではないもんだね」

男「やっぱり、君には嫌われたくないよ」

男「死んでいる方の君には、特にね」

初「ふふふ、何だか嬉しいねぇ」

初「ま、どちらが本物かと言われたら生きていない私が少し有利だったりするってのもあるし」

初「あっちの私がそういう意味でも引け目を感じているみたいで、避けられていたし」

初「後回しにされているってわかっていてもね、それでも私は嬉しいんだよ」

初「うんうん、私以外にうつつを抜かしているってことも無いだろうし」

初「そんな男くんにはヒントをあげるよ」

男「ヒントを、出せる?」

初「私には生きていて欲しいからねー」

初「そうでないと、こっちの私も長持ちしなくなっちゃうし」

初「私だって、こんなんでも人並みには存在していたいんだよ」

男「ヒントを出せるっていうことが相当な情報だね」

男「君がいるなんてこととは桁違いに絞れそうだ」

初「へぇ、私が嘘を吐いてなければ、でしょ?」

男「そりゃそうだ」

初「久しぶりなんだし、もう少し話そうよ」

男「別にいいけれど」

初「だって、私が話したら男くん帰っちゃうでしょ」

男「どうであれ、下校時間には帰らないといけないけどね」

男「本当は下校時間付近は、巻き込まれかねないからその前には校外には出ていたいとこだね」

男「夕方に外をうろつきたくないという変な怖がりになってしまったよ」

男「深夜の方が今の時代安全なんじゃないかな」

初「それは流石に、変過ぎるね」

初「深夜って普通の人は出歩かないからねー」

男「やっぱり普通の人が出歩く時間帯にそういう話は生まれるからね」

男「ま、それに放課後の時間になったら君は」

男「君は」

男「あれ、ちょっと待って」

男「今、夏休みだよね」

男「なんで僕、君に会いに来たんだ?」

男「女の幽霊の発生条件は学校のある平日」

男「さらに限定するならば、それの放課後」

男「実際には放課後では無くてもどうやらそこら辺で出待ちをしているらしいから」

男「休日にも存在はしている可能性はあったけれど」

男「そして、旧校舎の方にもいて」

男「つまり、君はこの学校の怪談として成立していて」

男「だから、学校が休みでも」

男「もともと君は、学校が休みでも存在していた?」

男「それとも、長期休みに合わせて休みでも存在していると、怪談ごと変化した?」

男「いや、だからなんで僕は君に会いに来たんだ?」

男「会えると思って疑わなかったんだ?」

男「ねぇ」

初「うん」

男「君は、女だよな?」

初「女だよ?」

男「だから、そうじゃなくて」

男「あー、うん」

男「そうか、僕は動揺していたのか」

男「憔悴とかそういうのかな」

男「冷静さに欠けていたというか」

男「とりあえず、仕切り直してもう一回」

男「君は、怪談の幽霊なのかな?」

初「半分ってところかなぁ」

初「少し前までは、ぜーんぶそれだったけどね」

初「男くんが探しているのは、残り半分なんだと思うよ」

初「焦る必要はないよ、時間の問題ってところだし」

初「私から何も聞かなかったとしても、そう長くない内に気付くはずだよ」

男「君から何も聞かなくても、わかること?」

初「むしろまだ気付いていないのが愉快な位だけどね」

初「誰かに相談したのかな?」

初「まぁ、出来ない内容だから堂々巡りでここに辿り着いたのだろうけどさ」

初「んー、どうしよ、別に教えちゃっても問題ないけど」

初「まー、教えたとしてもどうなのかなぁ、しばらくは男くんがちょいちょい遊びに来てくれるとは思うから良いのかな」

男「教えて、くれないかな」

男「結構、悩んでいるんだ、助けて欲しいな」

初「そっか、じゃあ教えてあげる」

初「いいことも、思い付いたしね」

今日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

日曜日の夜にはくると思いますので終わりの挨拶はそこら辺で

ではでは、また来ますね

↑浮翌遊でした
すいません

今日は来ました、寝るまでが日曜日なんです

>>942
この板ではメール欄にsagaをいれない場合特殊なフィルターにより変換がかかってしまう単語や文字の並びがありますので
気になるのならばメール欄にsagaを入れることをオススメします、sageではなくsagaだということは知っていても間違いやすいのでご注意を

では、投下していきます

初「ねぇ、男くん」

男「うん?」

初「私が死んだままだっていうこと、誰か他の人間に」

初「そう、人間に相談したことってあった?」

男「え、いや、無いかな」

初「どうしてかな?」

男「普段は忘れていても、それは思い出せないだけで、意識できないだけでさ」

男「僕が話したら思い出すことになるんだよ」

男「普通の人ならすぐにまた忘れることになるだろうけれど、そこで発生した感情とかはっきりしない思考とかは消えなくて」

男「それが君や生きている方の女に影響を与えるかもしれないから」

男「あまり無闇やたらに、という訳にはいかなくて」

男「だから、そっか、止まっているの度合いが計れるのか」

初「そうそう、私がわかってるってことはさ」

男「今、女は死んでいるってことなんだね」

男「僕ら以外のルールの効果範囲内の人達も死んでいると認識出来ている」

男「そういうこと?」

初「だいせいかーい」

初「今、私は死んでいてね」

初「だから、私はバージョンアップされたんだよ」

男「バージョンアップ?」

初「そうそう、元々の私はここに発生した怪談で、地縛霊じゃない?」

男「そうだね」

初「だから、活動出来る時間も場所も限られていたんだけれど」

初「私が死んだことが認識されるようになったのが二回目で」

初「一回目の時が私が生まれた時だったから」

男「二回目の今、君の話が変化しているのか」

男「ごめん、それは僕は把握していないところだったよ、情報収集不足だ」

初「まー、こうなったのもここ数日だし、夏休み限定って感じだから気にしなくていいと思うよ?」

初「夏休みで学校が無くなったから、話が少しだけ変わってただの幽霊になったって感じだし」

男「それは、夏休みが終わると元に戻るものなのかな?」

初「ううん、夏休みが終わる前に綺麗にもとに戻ってるよ」

初「今の私はこの時期だけの特別仕様だもの」

初「女ちゃん夏仕様ーみたいな?」

男「見た目は何も変わらないけれどね」

初「水着でも用意すればよかったかな」

男「幽霊に用意も何もないだろうに」

初「んー、出せても学校指定水着だけかなぁ」

男「出せるんだ」

初「私が死んだのは元々は春だからそもそもに夏服も難しいからねー」

初「しかし、今の私は今までの私を引き継いだ言わば集合体」

初「幽霊としての格が違いますよ、何てたって一クラス分位の人数はいるからね」

初「某アイドルグループみたいな数はまだいないけれど」

男「君って、今までの全部の女の記憶を引き継いでるの?」

初「うん、何かよくわからないんだけれどみんなまとめて幽霊化しちゃったの」

初「見てみて、この姿での夏服だよー、本当だったら死んでも見れない姿だねー」

初「死んでるから見れない姿なんだけれど」

男「僕らのギャグは時々重過ぎるのが難点だね」

男「しかし、つまり今の君は全員の存在が認識されてるっていうことなのかな?」

男「まぁ、僕に何らかのコンタクトがあったわけじゃないから僕らのルールがバレているわけじゃいのかな」

男「記憶の操作はまだ微妙に効いていて、死んでいるのは認識されても複数存在することは認識出来ていないっていう危ういラインって考えるのが妥当か」

男「しかし、今の君は地縛霊じゃないんだろう?」

男「僕のところに来てくれてもよかったんじゃないかな」

初「ここから動いていいのかわからないの」

初「動けるのはわかるし、最後に死んだ時も覚えているから何故か私が幽霊になっている、しかも元の姿に戻っているどころか地縛霊の私も取り込んでいる状態で」

初「だけど、ここから動いて何か起こっても困るし、男くんが家に帰れているかもわからないからとりあえず待ってたの」

男「なるほど、様子見してたわけか」

男「まぁ、何日も待つのも幽霊の身体ならさして苦でもないわけだし」

初「すっごい暇だったよ」

初「生きているなら、私がいないはずだからすぐに来ると思ったし」

初「心配したんだから」

男「ごめん、来るのが随分と遅くなっちゃったね」

初「男くんのところに行ってもし死んでいたらって怖かったし」

初「それに、もしも男くんの隣に生きている私がいたら」

初「そう思ったら行けなくて」

初「でも、今、私はいないんだよね?」

男「あぁ、いないよ」

初「なら、この現象が何かわかったかも知れない」

男「わかったの?」

初「男くんは最初から全部の私を覚えていられたからわからなかったと思うけど」

初「私からなら何となくわかるの」

初「これって、お盆なんじゃないかな」

初「死んだ人が帰ってくるっていうあれなんだと思うんだよね」

男「確かにここらへんのお盆は旧暦と新暦が混ざってて一ヶ月間やっているようなものだし、もう旧暦ではお盆は過ぎているし」

男「新暦のお盆は、つまりは日本で一般的なお盆の季節は8月で、それはまだ先だから」

初「お盆の期間は、死んでいる人のことを思い出しちゃうのかな?」

男「季節柄、というのはありそうだね」

男「僕らのルールの影響力は自分で言うのはどうかと思うが、非常に特化はしているものの強いタイプなはずだけど」

男「流石に全国的な常識である、お盆の影響は受けてしまったのか」

男「なるほど、僕からの視点じゃわからないわけだ」

男「と、言うことはこれは」

初「8月の真ん中まで待てば勝手に元に戻る、んじゃないかな?」

男「学校の地縛霊としての君は、元には戻らないかも知れないけどね」

初「私が生きてられるのはいいことなんだけど、この私が消えちゃうのは嫌だなぁ」

男「まぁ、しばらくは時間があるし、何か考えておくよ」

男「と言っても、噂の矯正方法程度だけれどね」

初「ありがと」

男「それにしても」

初「うん?」

男「君がいなくならなくて、本当に良かった」

初「う、真正面から言われると照れるなぁ」

初「それじゃ、帰ろっか」

男「うん、そうだね」

男「え?」

男「帰れるの?」

初「地縛霊じゃないもの」

初「今日は久しぶりに男くんの部屋、行っていい?」

男「本当、久しぶりだね」

男「それじゃ、帰ろうか」

第34話





男「女がいない」






今回の投下はここまでになります、お疲れ様でした

書いてる途中で話が変わるってありますよね
この話はプロットを組むとやたら鬱や救われない話に向かっていく自分の傾向をキャラの設定が乗り越えていくことが多いです
第一話こそ、それの典型ですのでもはや十八番なのでしょう

作内期間で残り3週間強、生身の女さんがいない状態になります
残機0編と言ったところでしょうか、さしたる変化はないのでいつも通りやっていきます

ではでは、また来ますね

今日は来ました

気付いたら三週間経つのがもはやホラー

書くモチベーションは先月から上がっているのですがどうにも怪談伝承民俗オカルト系統をネットで調べて終わるの繰り返しが多いですね…
ネットの海に必要なデータが転がっているのが悪いですね、まぁお陰様でプロットというか小ネタの蓄えは少し余裕が出来た気がするので書いてしまえば一気にいけそうです

ではでは、投下していきます

初「男くん、男くん」

男「どうしたの?」

初「私が元に戻るまで、二週間以上あるわけじゃない?」

男「そうだねぇ」

初「その間は死ねないんだから、変なことに首を突っ込んだらダメだよ?」

男「いや、流石にそれくらいは言われなくてもわきまえているよ」

男「君が死んでいる状態だから、身代わりは発動しないからね」

男「死ぬようなことには巻き込まれたくないものだけれど」

男「そもそも、自分から巻き込まれに行ったのはそんなに多くはないと思うんだけどなぁ」

初「まぁ、今の私は幽霊にしては中々の強さだからある程度のなら追い払えるんだけどね」

男「へー、強くなってるんだ」

初「元々の私はいるだけで何も害を及ぼさないような類だから、たかが知れているけどね」

男「でもあれだよね、生身の時や幽霊の時よりも強くなったって言っても傷付いたりしたら大変なんじゃないの?」

男「今の状態の君が死ぬ、というか消えるようなことになったら復活出来ないと思うけれど」

初「あっ、そっか」

初「今死ねないのは私も同じなんだ」

男「ま、お互い大人しくしていようねってことだね」

初「まぁ、この街から出なければ大丈夫かな」

男「出たらダメなんだ」

初「まー、生きている私の生活圏を越えちゃうから大丈夫かなってのもあるんだけどね」

初「この街自体そういう生活圏というか色々な結界みたいなので塞がりまくってるみたいなんだよねぇ」

初「塞がっているだけで、別に私みたいなのがいられないわけじゃないんだけれど、言うならば縄張りみたいなのがひしめき合っていて逆にあんまり変動がないというか」

初「それって私達のせいというか、おかげというか、そういう部分がありそうだからどうかなとは思うんだけどさ」

初「不可思議な存在を維持させるための情報エネルギーみたいなのが多いんだよね」

男「それって、僕らのルールのせいで僕らの周りだけ過去が、つまり情報が重なっているから、だよね」

初「あ、わかってたんだ」

男「まぁ、流石にここまで高頻度で巻き込まれたりすればね」

男「それに、僕らのルールが消えないってのもそうでも無い限り説明出来ないし」

男「存在しないはずの情報エネルギーを生み出してそれを利用して存在を維持する永久機関に近いどころか、多くの余剰エネルギーを生み出しているよね」

男「情報にエネルギーが発生するというのならば、ここまで便利なシステムは中々無いだろうねぇ」

男「周りには知覚されているはずだけど意識されないというのが味噌なんだろうね」

男「おかげで架空の情報を生み出すことに成功しているわけだし」

男「だから、僕らが特定されて狙われるなんてことは無いはずだけれども」

男「僕らの周りに自ずとそういうものが発生してしまう、というのはあるだろう」

初「持ちつ持たれつってところだよね、実際」

初「私が存在する為には、そういう事実も認めなければならない」

初「だから」

男「周りの人間に及ぼす悪影響は、最低限に留める必要がある」

男「まぁ、お互い口にはしないでも考えてたってことかな?」

初「いや、私は今の状態になってはじめて気付いたんだけどね?」

初「まぁ、そもそもにこのエネルギーが増えているっていう状況も直接の観測は出来ないはずだし、気にしなくてもいいとは思うけどね」

男「科学的な物事よりも説明不可能な偶々っていうのに本当に左右される世界だからねぇ」

男「それに、街灯の下で鍵を探すとも言うしね」

初「え、なにそれ?」

男「あれ、知らない?」

初「うん、知らない」

男「やれやれ、仕方ないなぁ」

初「なんで上から目線になるの」

男「まぁ、元々は外国のたとえ話だから知らなくてもどうということは無いけどさ」

男「ただ、内容はとてもよくてね」

男「所謂教訓物みたいな小話なのだけれども」

男「まぁとても簡単に言うと、夜に街灯の下で鍵を探してる人がいてさ」

初「うんうん」

男「まぁ落とした鍵を探しているのだから一見何もおかしくはないのだけれど」

男「鍵を落とした場所は街灯の下ではないという話なんだよね」

男「見えているものでしか結局探せないとか、見えるところばっかり探してしまうとか」

男「重要なところは別だとわかっていても、ついそうしてしまうということなんだよね」

男「まぁ、つまりは僕らのこういう考えは結局光の下でしか見ていないもので」

男「僕らの相手としているのは人間の考えの外側、つまりは光の当たらないところだから」

男「どうやったって人間からして見たらよくわからない、偶々だとしか思えないと言ったことが起こると思うんだよね」

初「見えないものは探しようがないものね」

男「僕らが周りに与える影響というのはそういう意味では周りに見えないものがほとんどだから問題はないのだろうけれど」

初「私以外で被害者になるような人は別にどこにいても何かしらに関わってしまったのかもね」

男「その可能性は高いんだよね、関わってしまう人ってのは今も昔もいるもんだ」

男「問題なのは人間と何かが混ざってるタイプだと、思っているんだけれどね」

男「ああいうタイプは周りに既にいるけれど、僕らと関わらなければ、とは思わなくもないねぇ」

初「そういうのって考えるだけ無駄っていうけどね」

男「もっともだ」

男「そもそもに、僕らのルールでそういうエネルギーが発生していること自体も今の僕らには正否確認も出来ない仮説でしかないからね」

男「一笑に付したっていいのだろうし、確証がないのだし大多数には認識されないのだから無視したっていいのだろうさ」

初「それで、元々何の話してたんだっけ?」

男「あー、なんだっけ、つまりは結局僕らは前を見ていなければいけないわけだし、過ぎ去った過去を無意味に引きずることはよくなくて」

男「大切なことはこれからなわけじゃないか」

男「だからさ、積極的に活動するべきだと思うんだよね」

初「いや、だめだよ?」

初「男くんのすることを特に批判するつもりも邪魔するつもりもないけれど」

初「今回は私っていう残機がないんだから、無茶はだめだよ」

男「うん、家から少し出て、そこら辺を散歩するのですら無茶だと言われてしまうとこを見るに僕は足の骨でも折れているのかな?」

初「死んだら死んじゃうって言ってるの!」

男「いや、そりゃ死んだら死ぬだろうさ」

初「しばらくは引きこもろうよ」

男「帰ってこない夜があったと思えば今度は家から出なくなるわで情緒不安定過ぎるよ、思春期だとしても大分拗らせていると思われてしまうよ」

男「というかさ、ほら、僕は妖怪だとか都市伝説のようなオカルティックなものは好きか嫌いかで言ったら好きなわけじゃないか」

初「そうだね、好きか嫌いかで言わなくても好きだよね」

男「それでさ、面白い話を聞いたら、行くしかないじゃないか」

初「どんな連絡が来たんだっけ」

第35話





同「何か降って来たんだけど」




男「行くしかないだろう?」

男「こんな面白そうな話」

初「もう、しょうがないんだから」

今日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

度々思いますが、一回の投下の文字量が大体2500文字以上という形式をとっているのが書けない時の投下スパンの開きの原因になっていますね

とは言え、この文字量でも話が進まないのですから減らすわけにはいきませんが

毎回小レポートって考えると小レポートの山がもう出来ているのわけですか、まったくもって心踊らないから例えとは重要ですね

ではでは、次は早めに来ますね

今日は来ました

寒くなってきましたね、私は風邪を引きました、馬鹿は風邪を引かないというのはただの迷信でしか無かったようです

まぁ、毎年風邪を引いては思っているのですが

では、投下していきます

初「まぁ、止めても行くのはわかっていたというか」

男「止められるつもりも無かったでしょ」

初「まーねー」

初「男くん、すごく楽しそうな顔していたし」

初「それでもさ、また女の子のとこいくのー? みたいなね」

初「正直、幽霊の私が男くんを止められるわけもないからねぇ」

男「君、幽霊と混ざってから何かキャラ変わったというか」

男「むしろ幽霊の方に寄ってるのか」

初「そりゃ幽霊だもの、見た目もこっちだしね」

初「ただし幽霊として私を束縛するものはほとんどなくて、さらに記憶もゲットしているから」

初「そう、今の私、完全形態なんだよ!」

初「生きていないということを除けば、だけどね」

男「今なら僕でも触れるのかな?」

初「私の方で頑張ればねー、ポルターガイストっていうんだっけ」

男「まぁ、そんなところだろうね、心霊が物理現象を起こしているという意味ならば」

男「全くもって情緒の欠片もない解釈だとは思うけどね」

男「というか、君って他の人には見えてるの?」

初「大体の人には見えてないっぽい?」

初「でも今の私は混ざっているからどれかしらの私を思い出してしまったら見える可能性は上がるし」

初「私の怪談を知っていても見えるかもだから、見えない前提は危ないかもね」

男「普通にふわふわ浮かずに歩いていればいいんじゃないかな?」

初「ん? あー、そうかもね」

初「見えたとしても普通に歩いていれば、気のせいとかだと思うもんね」

初「浮いてるのに慣れ過ぎてて忘れてたよ」

男「そうそう、別に歩けないわけじゃないんでしょ」

初「まぁね、人目が無いならふわついてた方が楽だけれど、地に足が着くわけでもないし」

男「こっちとしてはそうふわふわされると目のやり場に困るんだけれどね」

初「さて、それじゃ、いこっか」

男「気付いてなかったのか」

初「どこに行くんだっけ?」

男「あぁもうわかったよ、んー何か町外れってほどではないけれど、川の向こうの方だね」

初「三途の?」

男「いや、君は何回もわたっていそうだけれども、そういう川ではなくて」

男「ほら、あっちの川渡ると一気に田んぼとか出てくるじゃないか」

初「あっちね」

初「なんか懐かしい感じがするよね」

男「別に、懐かしいと言う程思い出があるような場所じゃあないけれどね」

男「まぁ、何故か田んぼとかが懐かしく感じるというのはわかるけれど」

男「あれは、どうしてなんだろうね」

男「やっぱり田んぼは街には無いものというイメージがあるからかな」

初「思い出なんて逆にほとんどないような場所なのにねー」

男「田んぼに畑に空き地、雑木林とかそうい う如何にも昔の子供の遊び場だよというとこが固まってるからなのかな」

男「行ったことないとは言わないけれど、そんなにがっつり遊んだ記憶もないのに懐かし いや」

初「来たことないところでも、懐かしいって思うらしいしそういう何かがあるのかもね」

男「今の僕らならそれをオカルト的な理由で説明付けられてしまうのかも知れないね」

男「ま、脳科学的にみたいな説明をされてしまうよりは夢があっていいと思うけどさ」

初「ははは、私達だったら夢どころか目の前 に現れちゃうだろうけどね」

男「しかし、ここらへんは土地勘が無くて微妙にわかりにくいんだよねぇ」

男「というか、目印がなさ過ぎるよ」

初「ま、だから私を連れてきているんだもん ね」

男「理由が無くたって来るだろうに」

初「嫌なようならついてこないけどね」

男「ま、君を連れていけないようなところもあるだろうね、幽霊入場お断りってやつだ」

初「そんなところあるのかな?」

男「無いと決めつけることは出来ないだろうねぇ」

同「おー、いたいた、人間と人外のペアなんてそうそういないからわっかりやすくていいねー」

男「やぁ、この前ぶりだね」

同「ホントに幽霊なんだー、すごいねー」

初「吸血鬼の人よりはすごくはないんじゃない?」

同「二人はどう考えてもボクなんかより特殊だと思うけどねぇ」

男「隣の芝は青いってとこだとは思うけどね」

同「そうなのなぁ」

男「君のほうが断然実戦向きじゃないか、それに十分特殊だから安心していいよ」

同「混ざりだからねぇ、お仲間とは出会えそうにないや」

男「僕らもお仲間と出会ったらびっくりだけどね」

同「お互い大変だね」

男「少なくとも、今日に限っては君ほどじゃあないさ」

同「そうそう、いきなり降って来たんだよ、こいつがさー」

同「なんていうのかな、イタチとかハクビシン、だっけ?」

同「それっぽい感じるだけど、少なくともこいつは化け物だよ」

男「へぇ」

同「なんせ、いきなり落ちてきてボクの頭とそこら辺にあった岩を粉砕しても死んでないんだからね」

男「それは、君がクッションになったからじゃないかな」

男「というか、むしろ君の方が凄まじいと思うよ、素直にさ」

同「真っ昼間だったからレーダー的な距離も数メートルしかないからギリギリまでわからなかったんだけどさ」

同「何か服も若干焼けてたし、落ちてきた時に音も凄かったから」

同「雷が直撃したのかと思ったよ」

同「空き地とは言え道路沿いに落ちちゃったもんだから、人目につくとマズいし急いでこれ連れて逃げちゃったけど」

男「急いで動けたんだ」

同「まぁ、ボクは頭無くたって動けるからね」

同「それに絶命レベルのダメージ受けたおかげで昼にも関わらずかなり吸血鬼寄りになっちゃったし」

同「おかげで逃げるのには苦労はしなかったかなー」

男「頭、粉砕されたんだよね?」

男「まぁ、君がそれを苦労だと思わないんなら、それでいいけどさ」

男「しかし、なんだ」

男「見てみたいから来てみたけれど、それは雷獣だと思うよ」

男「落雷と共に落ちてくることがあると言われる生物だね」

男「今は知名度は大分低くなってしまったけれど、江戸時代あたりはかなりの知名度を誇るものだったらしいよ」

男「むろん、雷獣と言ってもブロントテリウムじゃあないよ」

同「ブロントテリウム?」

男「雷の獣という意味で、いつだったかなー新生代とかそういう時代の大型哺乳類だったと思うんだけど」

同「恐竜?」

男「恐竜って言ったらああいうのって怒られちゃうのかな、化石だと言う点は同じだけれど」

男「そういうのには明るくないからわからないや」

男「いや、同じ意味の名前で古代の生物がいるということなんだけどね」

男「その化石も、その地方では空中に生きていたと思われていたと」

男「伝説は以外と関わりの無いところでも似たようなものが多いという、よくある小ネタだよ」

同「あー、そういうのあるよね」

同「吸血鬼とか」

男「はは、そうだねぇ」

今日の投下はここまでになります、お疲れ様でした

途中IDが変わっているのはコピーするタイミングで貼り付けをしてしまい1レス分ロストしかけたので慌てて携帯の方からコピーして投下したというあれです
何回も同じことをしたことがあるのでここで既出な気もしますが、ミスするのは癖なんでしょうかねぇ

男くんと女さんの雰囲気が違うというのは、初と女の差というのと、周りの目が無いところだということや
男くんの癖として人外相手と人間相手で微妙に雰囲気が違うということもありますと、珍しくSSのことについての説明をしてみたり

そろそろ次スレの季節ですね、この話が終わったあたりで次スレを久々に建てるとしましょう

というかスレを先に建てないと今の話が終わらないような気もしますね

ではでは、またきますね

とりあえず、報告だけ

明日投下とスレ立て行いまsu

わぁお、途中送信失礼しました

まぁ、スレ立て失敗でもしない限り問題はないでしょう

明日というか、日付でいうと今日の夜になりますが

あ、よいしょっと 
一応先に次スレを建てておきました

男「死にたがりな幼馴染の自殺を止められない」 その3
男「死にたがりな幼馴染の自殺を止められない」 その3 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1384785150/)

これからもよろしくです

ではでは、投下していきます

男「にしても、そんな動物抱えてよくうろうろしていられたね」

同「いやいや、流石に近くの林の中に隠れていたよ」

同「人が近くにいればわかるとはいえ、普通の道路にいたら車が通っちゃうかも知れないからね」

同「いくら首が無くて誰か判別出来ない状態だと言っても目撃されたくはないから」

男「騒ぎになるか、ならなかったとしても見た人のトラウマになったり」

男「或いはそうだね、またそこから別の噂が流れてしまうかも知れないもんね」

同「その点、ボクは目撃を避けられるからいいね」

同「見た目も基本的には人間だし」

同「そういう意味でのステルス性は、男くんらに勝てるわけないけれどさ」

同「ま、でもこの、雷獣って言うんだっけ?」

男「そうだね」

同「この子って害とかあるのかな?」

男「君は落ちてきたタイミングで被害をこれでもかという程受けているとは思うのだけれども」

男「まぁ、そういうのを除けば害するようなことが無ければ危険だという印象はないかなぁ」

男「まぁ、暴れるくらいはするかも知れないけれど」

男「その程度なら、見た目通りの野生動物って感じだけどさ」

同「そっかー」

同「危ないものだったら、ボクが食べちゃうか男くんらにどうかしてもらおうと思ったんだけどさー」

同「いざ危なくないって言われてもそれはそれで対処に困るね」

同「ねぇ?」

初「私に振らないでよね、せっかく静かにしてたんだから」

初「というか、私のこと警戒してるんだったら普通に反応してよ」

初「別にとって喰おうなんてことはないんだから」

同「そういうことしてきたらボクが君を食べちゃいそうだけど」

同「まぁ、別に実際に喧嘩したら勝てる勝てないとか、そういうので判断するようなわけじゃないんだけどさ」

同「それでも、幽霊が前よりも強力になってるのを間近で見るとどうしてもね」

同「霊感のすごい良い人、って置き換えればわかりやすいのかな?」

初「あー、何か違和感がって感じ?」

同「そんなところ」

同「実際、女さんじゃなければとりあえずワンパンいれてるところだよ」

男「またひどい絡み方だね、無法者にも程があるってものだよ」

同「いやいや、これはもう幽霊じゃなくて悪霊とか怨霊の類の強さだよ?」

同「誰だって警戒するって」

同「攻撃は最大の防御ってのはあながち間違いじゃないしさ」

初「あんまそういう自覚はないけれどねぇ」

初「別に誰かをどうこうしようだなんて思わないし」

同「していたらボクがとっちめちゃうよ?」

同「いや、その前に男くんに怒られて終わりなのかな」

同「女さんの方は結局の所、強くなっただけで元は女さんだからいいけれど」

同「こっちは野生動物程度と言っても、やっぱり妖怪だしね」

男「雷獣も、確か封じられている神社とかあったと思うし、実際野生動物程度でしかないことはないからね」

男「ま、どっちにしろ君なら大丈夫だとは思うけれど」

同「雷を操るってわけじゃないんだよね?」

男「そうだね、僕が知る限り雷雨の日に元気になるとか、雷と共に落ちてくるとか」

男「たしかそういうのであって、さっきも言ったように空に生きる幻獣ってとこだからさ」

男「自由自在に雷を落とすとか、発生させるとか、そういう能力はないはずだけど」

男「それに、怪我が治れば空に帰っていけるから」

同「そっかそっか、治れば帰って行くんだ」

同「空に帰るって普通に死ぬみたいだね」

同「怪我が治って空に帰るとはこれいかに」

男「そんな、上手いこと言ったみたいな顔で言われても」

男「それを言うなら土に還るだろうし、空じゃあないんじゃないかな」

同「あ、そっか」

同「んーと、ボクはこの子が治るまで面倒見てあげればいいのかな?」

男「出来るのならばそれが一番いいんだろうね」

同「家族に隠して飼えるかな」

男「僕に聞かれたってわからないよ」

同「まぁ、何とかなるかな」

男「なるんだ」

同「何とかするというか、何とでもなるというかね」

同「餌って何食べるのかな」

男「食べ物に対する記述は記憶にないなぁ」

男「正直、知名度の低い動物の見間違えとかそういう解釈がされているし」

男「多分、果物とか種子とか小動物あたりじゃないかな」

男「ハクビシンが当時は知られていなくて雷獣だと思われたというのが見た目としても合致するらしいし」

男「というか食べなくても大丈夫なんじゃないの?」

同「そんな気はするよね」

同「少なくとも怪我が治るまで位なら問題ないかな」

同「りんごとかそういうの位はあげてみるけど」

男「あ、本当に飼ってみるんだ」

男「一応、檻とかなら鋼鉄製とかそういうのだった気がするよ」

男「そもそも生身の人間だと足を怪我している状態じゃないと捕まえられないものだし」

同「逃げないようには気をつけるよ」

同「どうせ暇だから、それにボクが見張っているのに何度も逃げようとするほど頭は悪くない、のかな?」

男「最悪食べればいいしとか思ってないよね」

同「あれま、お見通しだったの」

男「別にダメだとは言わないけれどね」

男「そこら辺の人に危害を加えられても困るし」

男「ぶっちゃけ、僕らにとっても、いてもいなくてもってところあるからね」

男「可哀想だと思わなくもないから、出来れば元気に空に帰してあげてね」

同「どっちの意味になるんだろうねぇ」

男「だから、そんなしてやったりみたいな顔しなくていいのに」

同「んじゃ、とりあえずは連れて帰るよ」

同「何かあったらまた連絡するね」

男「了解」

同「今日はいきなり来てくれてありがとね」

男「いやいや、こっちも面白いものを見れたから感謝するのはこちらこそだよ、ありがとう」

同「じゃあねー」

男「うん、またね」

第34話





同「何か降って来たんだけど」





初「男くん、男くん?」

男「うん?」

男「あー、おはよう」

初「何かメールきてるみたいだよ」

男「誰から?」

初「触ってないからわからないよ、何か光ってるなーってだけだし」

男「そっか」

男「あ、同からだ」

初「何かあったのかな」

男「昨日の今日だから、突然元気になって暴れだしたとか、あるかもね」

初「でも、別に心配しなくても大丈夫そうだけど」

男「まぁ、暴れたので鎮圧しました、みたいな事後報告になるだろうね」

男「はは、全然違ったよ」

初「なんだって?」


『懐かれちゃったみたいなんだけど、どうしよう』


初「ほんとだ、正反対だったね」

男「結局、心配する必要はなかったみたいだね」

本日及び本スレでの投下はここまでになります

以降は次スレでの投下となります

ここまでのお付き合いありがとうございました、そして次スレでもよろしくお願いします

そう言えばあれですね、現在の初はパンツを履いているのかという話ですが、これはつまり生前の初はパンツを履いていたのかという話なんですよね、大変面白い着眼点だと思いm……

ではでは、お疲れ様でした

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