少年「僕は想像でなんでもできるんだよ」 (29)

※初投稿です。拙い文章かもしれませんが、何卒よろしくお願いします。

※若干のグロ描写有注意です。

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少年「やぁ、初めまして・・・いや、こんにちは、かな?」





少年「まあそんなの今の君にとっては、どうでもいいね。」





少年「さて、今君はどういう状況に置かれてるか分かるかな?ああ、そんなのまるで『知ってるよ』って顔してるね。ごめんごめん。」





少年「そうだよね、だって、僕が君をそこまで追い込んだもんね。」





少年「もう分かってると思うけど、僕はね、想像でなんでもできるんだ。」

少年「はは、驚いてないね。当然か、当然だよね。」





少年「例えば、そう例えばの話をしよう。"今君の真上に隕石を落とす"、と想像してみよう。」




少年「それはね、本当に起きるんだよ。信じられる?信じられないでしょ?普通はそうだよね。けど、本当なんだよ。」




少年「まあ今の君の状況なら、本当にそうなるって思わざるえないけどね?」




少年「余計なお世話か。まあいいや、次の想像をしてみようか。」

少年「ほら、もうすでに僕の手に拳銃があったよ。」




少年「なにもこんなんで君を、撃とうなんて、思わないよ。これはただの僕の想像なんだから。」




少年「その証明に、もう僕の手元に有った拳銃なんてとっくに無くなっちゃったよ。」





少年「じゃあ次は君の骨が"スライムみたいに軟らかい骨だったら"と想像してみよう。」

少年「どうかな?右手首、折ってみようか。」




グニャリ・・・




少年「簡単に折れちゃったでしょ?あ、そうそう。骨にはそもそも神経がないんだよね。」




少年「だからね、代わりに皮膚が痛いって言うんだよ。どう?僕が想像したのはあくまで君の"骨自身を軟らかくすること"。」




少年「あははは、そんな苦痛な表情しちゃって。ごめんごめん、やり過ぎたかな?」




少年「まあ、いいでしょ。許してよ?どうせ君はもうじきそれ以上の苦痛を味わうんだからさ。」

鰤か

少年「不思議だよね、今もこうしてる間に君の仲間達は、君らから見た僕達"敵"と戦ってるからね。」





少年「じゃあさ、"今まで君が倒した敵"を想像してみようか。」





少年「戦ごとには勝つものと負けるものがいるよね。僕らの場合だと、それは生きるか死ぬかのゲームなんだ。」





少年「つまりさ、今から僕が想像すること、それってさ、君が今まで殺してきたやつらの具現化ってことだよね。」





少年「僕は、想像で新しい命も作り出せるんだ。」





少年「心配しなくても大丈夫。面識なんて無くても"君が今まで倒した敵を再生させる"、こう想像するだけでさ。」





少年「ほら。」

少年「どう?びっくりでしょ?これが君が殺してきた"敵"達だよ。」





少年「全く、すごい数だなあ。両手十本じゃ、収まらないね。」





少年「君は今まで、こいつらを倒してきたことで平和を保ってたと自負してたんじゃないかな?」





少年「でもね、それは違うよ。」

少年「君に仲間がいるように、こいつらにも仲間がいるんだよ。」





少年「だから、君がこいつらを倒したってことはさ、単純に考えてみよう。」





少年「"君からみた仲間"が、殺されたわけだよね。」





少年「まあ、僕らみたいにあまり仲間意識ないような連中もいけるけどさ。今はそんなの、どうでもいいでしょ。」





少年「でも、そう考えるとさ、むごい話でしょ。世の中って不条理でしかできてないと思わない?結局はさ、勝ったものが自己満足として己の"目的"と"平和"を実現するだけなんだよ。」





少年「僕と君は互いの目的のために戦った。どっちが善か悪かなんて、最初から無いんだよ。」





少年「突き詰めれば僕だって、なんのために戦ったか、なんてよく分かってない。」





少年「ただ、なんとなく君と戦ってみたい。そう思っただけ。」




少年「回りくどい話はここまでにしよう。じゃあさ、こいつらをどうすると思う?」

少年「簡単な話だよ。」





"君が殺したやり方で、こいつらはもう一度死ぬ"





少年「どうだい?君が過去に殺したやつらが、目の前でまた同じ死に様を晒す姿は?」





少年「いいものじゃないだろうね。でも、君はこれで平和を勝ち取ったんだ。」





少年「誇っていいと思うよ、僕は。」





少年「あまり気分が優れないみたいだね?あんな死に様を一気に見たんだから、無理もないか。」





少年「その気分の悪さ、良く自問自答して考えてみるんだね。」

少年「でも、ごめんね。僕もいつまでも話してるわけにはいかないからさ、最初の方に言ったこと、覚えてる?」





少年「・・・上を見てみなよ。」





少年「信じられないでしょ?」





少年「隕石、だよ。」

少年「もう動けない君はここから逃げれないし、動けたところで逃げ切れない。」





少年「今戦ってる君らの仲間も、きっと巻き込まれるだろうね。」





少年「僕?あぁ、僕なら"自分を透明にする"って想像して、隕石自体受けないよ。」




少年「さて、それじゃあ僕はそろそろお暇するよ。」




少年「あの隕石が落ちるまで、精々自分が今までやってきたことが正しかったかどうか、自問自答しておくといいよ。」




少年「でも、今の状態なら"走馬灯"の方が優先的にでちゃうかな?」





少年「ま、そんなの知ったこっちゃないけどね。」

少年「じゃあね」

???(・・・笑えるな、想像でなんでもできちゃうのか。)

少年「僕はね、想像でなんでもできるんだ」





???(あぁ、そんなの、知ってるよ。)




少年「"今君の真上に隕石を落とす"」





???(隕石、か。その想像力は無かったな。)





???(ははっ、流石にやめてくれよ。椅子に手足固定されたまんまなんだ。)

少年「ほら、もうすでに僕の手に拳銃があったよ。」




???(へぇ、拳銃で殺すつもりかな。案外、単純なんだな。)





少年「これはただの僕の想像なんだから。」





???(なんだ、今更脅しか?もう動けないし、しゃべる気力すら無い。好きにしなよ。)





???(それに、お前の想像が絶対なのも、多分一番理解してるよ。)

少年「"スライムみたいに軟らかい骨だったら"」





???(今度は、何だ?)





???(近づいてきて、スライム並になった骨をどうするつもりだよ。)





少年「どうかな?右手首、折ってみようか。」





グニャリ・・・





???(・・・ッッッ!!!痛ってぇよ。)





少年「代わりに皮膚が痛いって言うんだよ。」





???(・・・へぇ、そりゃいいこと覚えれたわ。)





少年「どうせ君はもうじきそれ以上の苦痛を味わうんだからさ。」





???(そうかい。)

少年「君の仲間達は、」





???(まさかこいつの口から、『仲間』なんて単語がでてくるなんてな・・・。我ながら可笑しいな。)





少年「"今まで君が倒した敵"」





???(ずいぶんと簡単な想像、するんだな)





少年「僕は、想像で新しい命も作り出せるんだ。」





???(・・・だろうね。で、そいつらでどうする気だ?たこ殴りにでもするのか?)

少年「全く、すごい数だなあ。両手十本じゃ、収まらないね。」





???(おまえも十分な数、殺しただろ。)





少年「平和を保ってたと自負してたんじゃないかな?」





???(少なくとも、そんな意識ないつもりだよ。)

少年「"君からみた仲間"が、殺されたわけだよね。」





???(何が言いたいんだ。)





少年「今はそんなの、どうでもいいでしょ。」





???(言わしてもらえりゃあ、そこが重要だと思うよ。)





少年「結局はさ、勝ったものが自己満足として己の"目的"と"平和"を実現するだけなんだよ。」





???(・・・)





少年「どっちが善か悪かなんて、最初から無いんだよ。」





???(そうだな・・・。)





少年「突き詰めれば僕だって、なんのために戦ったか、なんてよく分かってない。」





???(なんとなく、分かるよ。"最強"は二人もいらないもんな。)





少年「突き詰めれば僕だって、なんのために戦ったか、なんてよく分かってない。」





???(嬉しいよ。その理由だけは分かるから。)





少年「回りくどい話はここまでにしよう。じゃあさ、こいつらをどうすると思う?」





???(なんだ、たこ殴りじゃないのか?)

"君が殺したやり方で、こいつらはもう一度死ぬ"





???(そう、こういうことか・・・。)





少年「どうだい?君が過去に殺したやつらが、目の前でまた同じ死に様を晒す姿は?」





???(お前さんの目論見通り、キツイ精神攻撃だよ。)





少年「誇っていいと思うよ、僕は。」





???(なら、お前さんも誇っていいと思うんだがな。)





少年「その気分の悪さ、良く自問自答して考えてみるんだね。」





???(もう、わかってるつもりさ。全部、自分自身がやったことだ。)





???(そして、この状況もね・・・)

少年「・・・上を見てみなよ。」





???(分かってるよ。)

少年「隕石、だよ。」

???(隕石、だろ)

少年「今戦ってる君らの仲間も、きっと巻き込まれるだろうね。」





???(馬鹿言えよ、ここら一帯のやつら、全員巻き込まれるだろ。お前さんのいう"仲間"ってやつもな。)





少年「僕?あぁ、僕なら"自分を透明にする"って想像して、隕石自体受けないよ。」





???(心配してないよ。いや、心配しといた方がいいのか?)





少年「あの隕石が落ちるまで、精々自分が今までやってきたことが正しかったかどうか、自問自答しておくといいよ。」





???(する必要がないのは、一番理解してるだろにね)






少年「でも、今の状態なら"走馬灯"の方が優先的にでちゃうかな?」





???(走馬灯?そんなもの、ないよ。それも一番、理解してるだろう。)

少年「じゃあね」





???(・・・じゃあね)

少年(僕自身さん)

少年(・・・あぁ、僕の想像も限界に近いな。)





少年(まさか、自分自身で作り出した『僕』に負けるなんてな。)





少年(最強は二人いらない。だから『僕』自身と戦って、本物が負けた。いや本物か?)





少年(そもそも僕が本物かもどうか、わからなくなったな。まあ、今更そんなのどうでもいいや)





少年(ただハッキリ分かることは、確実にあいつは僕より強い。)





少年(あいつは僕に今まで殺してきたやつらを見せてきた。あいつは『僕』自身なのに動揺一つしなかった。精神的にも完敗だよ。)





少年(僕の負けだ。)





少年(ただ、一つ言える事は僕も仲間意識なんてもったことない。)





少年(『僕』自身が生み出した、新しい命の自分分身と戦ってるからなんだよ。)





少年(僕が負けたんだ。あいつらも負ける。というより、この隕石に飲み込まれるでしょ。)

少年(どうでもいいいこと考えてるうちに隕石も近くなったな)





少年(これで、本当に終わりだな。『僕』自身―)





少年(新しい『僕』として精々がんばってくれよ。じゃあな)





そして、敗北した少年を中心に隕石が一帯を飲み込んだ―

これにて終わりです。


>>6の言うとおり、とあるキャラをモチーフに物語を作ってみました。


ありがとうございました。

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