サシャ「大切な人に」(500)

夜・訓練生食堂


ワイワイ ガヤガヤ

サシャ「はむほむほむっ…一日の訓練の後のパァンはまた格別ですね!」モグモグ

クリスタ「サシャは本当に美味しそうにご飯を食べるね」

アニ「ここの食事でそこまで充足感を得られるのはアンタ位のもんだよ…」

ユミル「見てるだけで腹いっぱいだわ…」

サシャ「じゃあそのパンください!」

ユミル「やらねーよ」パク

サシャ「あぅ…」シュン

クリスタ「もうユミル!意地悪しないの!」




エレン「…で、よく見たら教官のズボンのチャックが開いてたんだよ!」

アルミン「はははっ、僕も見てみたかったな」

ミカサ「…」

サシャ「パァンもまた格別ですけど、やはり一日を終えて身も心も休まる
    時間と言ったら今しかないじゃないですか」モグモグ

ユミル「そんなもんかい」

クリスタ「…あれ?あっちのテーブルのミカサ達の様子が…」

アニ「…」

サシャ「?」

ミカサ「…エレン。さっきからしゃべってばかりでご飯をちゃんと噛んでない。噛まないと消化に悪い。」

エレン「ったく、口やかましいなぁ。お前は俺の保護者かよ!」

アルミン「は、はは…」

ミカサ「もっと噛まないとダメ。今日のエレンは飲み込むまでに平均6.23回しか噛んでいない。
    せめて30回は噛まないといけない」

エレン「ああもう、何俺のことをそこまで観察してんだよ!やりづれえな!」モグモグ

アニ「…」ガタッ テクテク

サシャ「アニ?」

アニ「…そうだよミカサ。エレンが息苦しく感じてるじゃないか。傍から見てもアンタの
   エレンに対する過保護ぶりは異常だよ。エレンが気の毒ったらありゃしないね」

アルミン(ああ…ミカサとアニのエレンを巡る諍いがまた始まった…胃が痛いよぉ)キリキリ

サシャ「!!」
    
ミカサ「気の毒…?私にこんなにも愛されてるエレンが、気の毒だと…?」イラッ

アニ「そうさ。朝起きて食事、訓練、そして消灯まで、まるで過保護な母親のようにべったりと
   エレンにくっついてさ。小さな子供ならともかく、エレンももう保護者が必要な歳じゃないんだ。」

アニ「それをアンタは四六時中金魚の糞みたくエレンにくっついて…。
   エレンはもちろん、それを見せられる他の同期の身にもなれってもんだよ」フン

ミカサ「…とうとう尻尾を表したようね。貴女こそ、隙あらば何かとエレンに言い寄ろうとする女狐。
    家族同然の私とよそ者の貴女には越えられない壁がある。」

アニ「言ってくれるじゃないか…この妄想女が…」ユラリ

ミカサ「…」ガタッ

アルミン「も、もうその辺にしておきなよ!(毎回)こんなことで喧嘩したってつまらないし、
     教官が見回りに来たらどうするのさ!?」
     
サシャ「…」

アルミン「ね、エレンも何とか言ってよ!」

エレン「アルミンの言うとおりだ。何か知らないけどお前ら感じ悪いぞ。仲良くしろよな」モグモグ

ミカサ「…」ガタン

アニ「ちっ…」ガタン

アルミン「ほっ…」

サシャ「…」

クリスタ「何とか、収まったみたいだね…」

ユミル「ったく、飽きねえ奴らだな」

ミカサ「ところでエレン、頬にパンくずがついてる」ペロッ

エレン「おま、それぐらい自分で取るのに!」

アルミン「」

ガタタッ

ジャン「こんのおおおお!いつもいつも黙って見てりゃあ羨ましいんだよこの死に急ぎ野郎が!」ガシッ

エレン「何だよいきなり!何の恨みか知らねえが毎日毎日一々突っかかって来んじゃねえよ!」ガシッ


コニ―「お、またジャンとエレンの喧嘩か!?」モゴモゴ

ライナー「また飽きもせずによくやるな…」ゴクゴク

ベルトルト「本当だね…」モグモグ

アルミン「」キリキリキリキリ

アルミン「あわわ…おねがいミカサ、二人を止めt…」

ミカサ「…」バチバチ

アニ「…」バチバチ

アルミン「…僕が行くしかないのか」ハァ…

アルミン「ねえ二人とも、遅くなるからこれ位にしときなよ…」

ジャン・エレン「ああん!?」ギロッ

アルミン「ひっ…教官に見つかったら、いい加減点数を下げられちゃうよ?もうすぐ考課もあるっていうのに…」

ジャン・エレン「…」

ジャン「ちっ…」ガタン

エレン「むぅ…」ガタン


サシャ「…」

サシャ「…どうして、皆さん食事の時間を楽しく過ごせないんでしょうか…。」

ユミル「ん?なんか言ったか?」

サシャ「いえ…」

食後、食堂裏


アニ「何だよ、夕食後に藪から棒に…」

ミカサ「貴女から呼び出される事があるなんて珍しい」

サシャ「まあ、とりあえずは来てくれてありがとうございます」

アニ「で用件は?大した用じゃないなら帰るよ」

ミカサ「もうすぐ消灯時間。私も早くエレンの寝床に忍び…」

サシャ・アニ「!!?」

アニ「アンタ今なんつった…?」

ミカサ「…何でもない」

サシャ「ミカサ、今しれっと爆弾発言しやがりましたね?」

ミカサ「…貴女達には関係のないこと。これは私とエレンだけの問題。干渉しない方が身のため。」

アニ「ったく。保護者かと思ったら今度はストーカーか。変態の幼馴染を持ったエレンが気の毒ったらありゃしないよ。」

ミカサ「この女狐め…」スッ

アニ「ぁあ?」スッ

サシャ「あのー」

アニ・ミカサ「何(さ)?」ギロッ

サシャ「っ!!…私がお二人に言いたいのは、そうやってエレンの奪い合いをするのを
    少しは控えてほしいというか…せめて食事の時だけでも…」

ミカサ「貴女は何を言い出すの。私とエレンは元々家族。すでに家族であるエレンを
    奪われるはずもないし、現に奪われていない。この女が勝手に噛みついて
    来るだけで、私はそれをあしらっているだけの事。」

アニ「何が家族さ…まあいいよ。男と女の関係性も見受けられないのに、家族イコール
   将来の伴侶と信じて疑わないアンタのお花畑加減、そこまで来るといっそ清々しいよ。」

ミカサ「この女狐削いでやる」スッ

アニ「やるのかい」スッ

サシャ「やめんねっ!!せからしか!!!」

アニ・ミカサ「!?」ビクッ

サシャ「お二人がそうやってエレンを巡って諍いを起こしているのを、私は憂いているんです!」

サシャ「そもそもご飯の時間は楽しく過ごすべきものです!そりゃあ、確かにここのご飯は
    満足とは言えないかもしれないけど、それでもありがたく頂ける食べ物じゃないですか!」

サシャ「そんな時間を、あなた達は、エレンと諍いを起こすことで空気を悪くして楽しくなくしてるんです!
    誰だってご飯ぐらい楽しく食べたいのに、わざわざ喧嘩まで食堂に
    持ち込まなくったっていいじゃないですか!」

ミカサ「エレンのことが原因だというなら、何度も言っているが貴女にはそもそも関わりのないこと。
    エレンは私と楽しく食事をとっている。何の問題もない。」

アニ「私だって別に好き好んで雰囲気悪くしてるんじゃないさ。この妄想女の暴走から
   エレンを守ってやろうとしてるだけだよ」

ミカサ・アニ「…」ゴゴゴゴ

サシャ「はっ…いいでしょう、そうやってお二人だけでエレンを蚊帳の外にして空回りしているだけならば」

サシャ「でも肝心のエレンはどうなります!?お二人がそんな調子で、気の毒だとは思いませんか?」

ミカサ「…」

ミカサ「…もう一匹、女狐がいるとは思わなかった。」

アニ「アンタ…まさかエレンに気があるんじゃないだろうね?」

サシャ「そっそれに…アルミンだってかわいそうですよ!」

ミカサ「アルミンが?」

アニ「…誰だっけ?」

サシャ「アルミンはエレンとミカサの幼馴染でしょ?」

サシャ「いつもミカサとアニが険悪な空気を出してる時に、周りを気遣って気をすり減らしているあまり、
    胃が痛そうにしてるんですよ?」

サシャ「それでご飯も満足に味わって食べられないんです!気づかなかったんですか?」
    
ミカサ「もちろんアルミンも家族同様とは言わずとも私の大切な友達。
    私はエレンはもちろん、アルミンも大切にしているつもり。」

ミカサ「そのアルミンが、すでに公然の家族である私とエレンとのことで気をすり減らして
    いるはずがない。貴女の妄想。エレンの件と同じに、貴女が口出すことではない。」

アニ「最後の部分だけはアンタに同意するよミカサ」

サシャ「なっ…」

ミカサ・アニ「…」イライラ

サシャ「と、とにかく私の話はこれだけです!いいですか、明日からはせめて
    エレンとアルミンと他の皆のために、食事中に変な諍いはしないで下さいよ!!」ダッ

ミカサ「…」

アニ「…」

ミカサ「…アニ、」

アニ「…どうやら考えていることが一致しているようだね」

ミカサ「サシャが何を考えているか、大体想像はつく。」

アニ「第三勢力…危険分子は取り除かねばならない…か。不本意だけど、ここはアンタと
   協力しないといけなさそうだね…」

ミカサ「こちらも不本意だけど仕方ない。敵がこれ以上増えるのは厄介だから。」

ミカサ「サシャはおそらく私と貴女をエレンから遠ざけて、その間に入って
    エレンを籠絡しようと企んでいる。さすがにそれは看過できない。だから…」

アニ「ああ、わかってるよ。とりあえずはあの女の動きを監視することだね。」

ミカサ「言っておくけど、今回手を組むことで、私と貴女がまったく和解するとか
    そういうことでは金輪際ないからそのつもりで」

アニ「分かりきったことさ。それより明日から芋女の様子を探るよ。いいね。」

ミカサ「ええ」

その後 女子寮


サシャ「はぁ…」

クリスタ「サシャ、具合でも悪いの?ため息なんかついて…」

ユミル「野生児のお前が体調悪いって?こりゃ明日は大雪かもな!ヒヒヒヒヒ!」

クリスタ「もうユミル!そんな事言わないの!」メッ!

ユミル「やべぇ怒ってるクリスタマジ天使」

クリスタ「それでサシャ、どうかしたの?」

サシャ「その…皆さん、どうしてご飯中に喧嘩なんかしたりするんでしょうかねぇ…」

ユミル「ああさっきの話か。毎度のことじゃねえか。いい加減慣れちまったよ」

クリスタ「メンツは大体固定されてるけどね…(エレンの周囲で)」

クリスタ「サシャは、皆に仲良くしてほしいんだね?」

サシャ「仲良くしてほしいっていうか、何というか…」

サシャ「私が狩猟を糧とする少数民族の出身ってことはご存知ですよね?」

ユミル「要は野生児ってことだよな」ケケケ

クリスタ「お願いだからしばらく口を開かないでユミル」

ユミル「」

サシャ「…私たちは日々の糧を狩猟で得ています。狩猟は農業に比べると確かな収入も見込めず、
    大猟の日はよくても、獲物がない日はほとんど何も口にできないこともあります」

サシャ「加えてシガンシナ陥落で多くの難民が流入して来て、狩場もだんだん縮小を
    余儀なくされてきました」

サシャ「そもそも狩り自体、危険を伴います。村に担いで帰るのが獲物じゃなくて、
    同じ村の仲間の亡骸だったりもするわけです」

クリスタ・ユミル「…」

サシャ「…そんな環境だからか、私の村にはずっと受け継がれてる掟のようなものがあります」

サシャ「食べられるときに食べること。食べ物に感謝すること。」

サシャ「そして…食卓に、争いや諍いといった陰鬱な空気を持ち込まないこと。」

サシャ「狩りの最中に笑ってられる時間なんてないんです。大自然と命のやり取りをしてるんですから。」

サシャ「でもそうして得られた貴重な食料を家族や皆で食べる時くらい、顔をほころばせて
    和やかに笑っていたい。そんな思いが、私の故郷の人々にはあるんです。」

サシャ「もちろんここは兵士になるための訓練所。ある程度厳しい生活なのは私も仕方ないと思います。」

サシャ「それでも…ご飯の時間くらい、何の思い煩いもせずに、食事ができたらいいじゃないですか…」

ユミル「へえ…あんたがそんな事考えてるなんて思わなかったよ。」

クリスタ「うん…言い方は悪いけど、なんだか意外っていうか…。」

サシャ「はっ…すみません、私なんだか暗い話を…」

クリスタ「ううん!私、サシャの優しい思いを聞かせてもらえて、何だか嬉しかったよ!」

ユミル「まぁ確かに、和やか云々はともかく、飯時くらいつまらねぇ痴話喧嘩や殴り合いなんて
    見ずに落ち着きたいよな。芋女も中々どうしてまともなことを言うじゃねぇか」

サシャ「中でも一番可哀そうなのはアルミンですけどね…」

クリスタ「アルミン?そうだよね、エレンの周囲の諍いを一番よく止めようとしてるよね…」

ユミル「人の顔色伺っておどおどしてるだけじゃねーのか?あいつ」

クリスタ「ユミル!どうしてそn」

サシャ「そんな事ありません!それならただ黙っていれば済む話です!それでもああやって身体を張って
    周りの諍いを止めようとするのはとても勇気のいることだし、場の空気を少しでも良くしようと
    することはいけないことでしょうか!?」

ユミル・クリスタ「」ビクッ

クリスタ「…ユミル」

ユミル「わ、悪かったよサシャ」

サシャ「いえ…ごめんなさい。何だか今日は思ったことを臆面もなく口に出してしまいますね。
    どうかしちゃったんでしょうか、私」

クリスタ「謝ることないよ!サシャの本音が聞けるなんて嬉しいよ私!」

ユミル「そうだよな。つい本音が…な、クリスタ?」ニヤニヤ

クリスタ「うん!」フフ

サシャ「…?」

ガチャ

ミカサ「…」

アニ「…」

ユミル「あれ、お前ら遅かったな」

ミカサ「少しアニと話をしていた」

ユミル(ミカサとアニが?二人で話だと?信じらんねえ)

クリスタ(その割に二人とも何事もないようだけど…)

アニ「もうすぐ消灯だな、悪い」

ミカサ「明日も早いので早く寝よう」

クリスタ「…そうだよね。じゃあ消すよ!」

ユミル「おう」

サシャ「では、おやすみなさい!」

>>1「おやすみ」
続きはまた明日の夜にでも書きたいな

お、残ってる

21時ごろから続き書きます

遅れてごめんなさい投下します

今更過ぎて申し訳ありませんがアニメ派の人はネタバレ注意な箇所が後々でてきます
では

翌朝 食堂

エレン「もぐもぐ」

ミカサ「…」モグ

アニ「…」モグ

アルミン(どうしたんだろう…いつもならエレンを巡って火花を散らしているはずの
     ミカサとアニが妙に大人しい…。もしや嵐の前の静けさか…?)

アルミン(…っ!何か知らないけどまた、い、胃が…)キリキリ


サシャ「おっはよーございます!!」

エレン「おうおはよう、元気だな」

アルミン「サシャおはよう」

ミカサ「…おはよう」

パクパクガツガツモグモグ

サシャ「んふ~っ、おいひ~!」モグモグ

エレン「しっかし美味そうに食うもんだな。なんだかこんなわびしい飯でも、こっちまで美味そうに感じちまうぜ」モグモグ

アルミン「あはは…」

ミカサ「…」ムス

アニ「…」ムス

アルミン(これは…ミカサもアニも、エレンがサシャに注目してるのを明らかに不快に感じてる…)

アルミン(もう、お願いだからそういうの止めてよ…)キリキリ

サシャ(…またアルミンが辛そうにしてますね…。何とかアルミンを元気にする方法はないものでしょうか…。)

訓練場


キース教官「貴様らも知っているだろうが、一週間後には定期考課がある!!ここに来て以来すでに何度も
      経験しているとは思うが、これは貴様らの現時点での訓練兵としての能力を見るものだ!
      
キース教官「貴様らの希望する兵科がどうあれ、これは卒業して立派な新兵となる一里塚である!
      考課には全力を尽くして望め!!」

訓練兵一同「はっ!!」

エレン「よぅし、今度はやるぞ!5位以内に入ってみせる!」

ジャン「へんっ、口だけなら何とも言えりゃあな!」

ナンダトオイ ヤルカコノ ザワザワ

ライナー「よし、調子あげてくか!」

ベルトルト「うん。立体機動と座学と馬術の三本柱、頑張らないとね」

コニー「立体機動と馬術はさておき、座学は苦手なんだよなぁ」

クリスタ「でも三位以上になれば特別休暇ももらえるしなぁ」

ユミル「ああ、確かそうだったよな」

サシャ「…」

サシャ「…それだ!それですよ!!」ピコーン

ユミル「?」

クリスタ「?」

ミカサ「…?」

アニ「…?」

15分ほど外します

再開します

立体機動訓練


サシャ「ジャン!ちょっと教えてほしいことがあるんです!!」

ジャン「何だよ芋女…随分熱心なことだな?」

サシャ「なっ、失礼ですね。私にだって向学心くらいありますよ!」

ジャン「まあ考課も近いからな…で、何だ?」

サシャ「それはその…えっと…立体機動についてアドバイスが欲しいんですが…」

ジャン「…やっぱりか。でもなんで俺なんだ?他にも上手い奴はゴロゴロいるぞ」

サシャ「それは…ジャンが一番、立体機動が大好きだと思ったからです!」

ジャン「俺が、立体機動が大好き…?」

サシャ「はい!」

ジャン「俺はただ憲兵団に入りたいがために上達しようとしてるだけだ。そのための技術は手段に過ぎねえ。」

サシャ「そっそれでも!風を切って飛ぶジャンは、何というかその、誰よりも格好いいです!」

サシャ「口では色々言っていても、素直に内地行きを目標にして努力しているジャンが!」

ジャン「…」

サシャ「私はそんなジャンに教えてほしいんです!もちろんお礼はしますから、どうかお願いします!」

ジャン「…」

サシャ「…」

ジャン「…お前だって立体機動は成績上位だろ?」

サシャ「それはそうなんですが、私にも課題があって…」

ジャン「…野生の感性で縦横に飛び回るのはいいが、終盤にガス不足になっちまうってか?」

サシャ「ジャン!あなたは神様ですか!?どうして私の欠点を…」

ジャン「そんなこったろうと思ったよ。参考になればと一通り同期の奴の立体機動は見てるもんさ。もちろんお前のもな。」

サシャ「すごい!さすがジャンです!」

ジャン「へ、へっ…なら今から言うことをよく聞いとけ。」

ジャン「要するにお前は姿勢制御で無駄にガスを浪費してるんだ」

ジャン「アンカーを固定する。それからいきなりガスを吹かし過ぎるんだお前は。
    アンカーを放って刺さった瞬間、一瞬でいいから何もせずにワイヤーにだけ身体を任せてみろ」

ジャン「そうすりゃあ、ワイヤーの張力が身体を自然とアンカーの方角に導いてくれる。ガスを吹かすのはその後だ」

ジャン「まぁお前は俊敏だから小回りのきく機動は問題ないだろう。お前の場合、要は索敵機動中にいかに
    素直に大きく飛翔してガスの浪費を防ぐか、それだけだ」

サシャ「おおお…すごいですすごいですジャン!ありがとうございます!」

ジャン「お、おう…」

サシャ「…」

ジャン「…」

サシャ「やっぱり、ジャンは立体機動が大好きなんですね!」

ジャン「は、はぁ!?」

サシャ「だって、点数を上げたいってだけでそんなに熱心に工夫するなんてこと、普通できないですよ!」

ジャン「…」

サシャ「やっぱりジャンに聞いて良かったです!
    じゃあ早速立体機動を試してみますので、失礼します!」

サシャ「…」

ジャン「何だよ…まだ何かあるのか?」

サシャ「ひとつだけおせっかいを言わせてください」

サシャ「ジャンはエレンに好戦的な態度を取るのを止めたら、女子からの人気が上がると思いますよ!」

サシャ「素直なのはいいですけど、それが行き過ぎて直情的になるのは問題ですから!」

ジャン「な、何おう…」

サシャ「では!あ、あとお礼に今夜のスープ、半分分けてあげますから!」

ジャン「あ、行っちまった」

ジャン(俺の聞き間違いか?サシャの奴が自分の飯を譲るなんて、巨人でも降って来なきゃいいが…。
    それにしても、あいつがここまで本気になるなんて、以前までの考課にあったか…?)

ジャン(って俺は何やってんだ!成績上位の奴に有益な助言をしちまうなんて!どうかしちまってるぜ…)

ジャン(…しかし、感情のあまりエレンに喧嘩ふっかけるのを控えたら、ミカサにももうちょいマシな
    目で見てもらえるってのもあるかもしれねぇな…確かに…)ブツブツ

シマッタ、クリスタニミトレテアンカーガ…アッー

ヒューン

ジャン「うごっ!!」ドガッ!

ライナー「」チーン

ジャン「ら、ライナーが降ってきやがった!?」

サシャ「♪」パシュッ カンッ フワッ バシュウウウ スー


エレン「おっ、サシャの奴調子よさげだな!」

ミカサ「…」

アニ「…」

ミカサ「エレン、私もここのところ調子がいい。よく見ておくべき」

アニ「私の立体機動も参考にしなよエレン」

エレン「え、お前らは別にいつも通りだろ?」

ミカサ・アニ「…」

アルミン(エレン、君ってやつは…)キリキリ

夜・女子寮

ユミル「おい芋女、お前今日何だか調子よかったな」

クリスタ「立体機動の終盤まで俊敏な動きを維持できるようになったんだね!すごいよ!」

サシャ「ありがとうございます!実はジャンにアドバイスをもらったんですよ!」

ユミル「あーあいつの助言があったのか。奴は立体機動だけは良いからな」

クリスタ「またそんな事言って!…そういえばジャン今夜はエレンと喧嘩しなかったね」

サシャ「!」

ユミル「しかし何だ、お前今回はずいぶん張り切ってんな?」

サシャ「そりゃーもちろん!」

クリスタ「もしかして成績トップ三位以上がもらえる褒章狙い?」

ミカサ「…」

アニ「…」

サシャ「えへへ、実は休暇が欲しくてですね…」

クリスタ「へぇ、何かしたいことがあるんだね?」

サシャ「はい。何しろ普通の日曜の休みだけでは足りそうにないので…土曜も休暇が欲しいなと…」

クリスタ「足りそうにないって何が?」

ユミル「おおかた一晩かけて街で食い倒れたいんだろ?」

サシャ「…」

クリスタ「…」

ユミル「…」

ミカサ「…」

アニ「…」

サシャ「そ、そうなんです!」

クリスタ「…?」

ユミル「今の間は何だよ!」

サシャ「あ、私今から教室で自習してきますね!」アセアセ

クリスタ「サシャ、座学も頑張るの?」

ユミル「こりゃ本気だな」

サシャ「あ、アルミンをつかまえて教えてもらわなきゃ!それじゃまた!」ピュー

ユミル「!」ニヤニヤ

クリスタ「!」ニヨニヨ

ミカサ「…」

サシャ「…」

ミカサ・アニ「…?」

>>48訂正

下から二行目はサシャではなくアニです

座学教室

サシャ「アルミン、男子寮にはいませんでしたが、聞くところによるとここにいると…」ガチャ

アルミン(ふぅ…この時間くらい、周りの諍いから解放されて一人になるのもいいよね…)ペラッ メモメモ

サシャ「…!いた!」パァア

アルミン「あれ、サシャも自習しにきたの?」

サシャ「こんばんはアルミン!本を読んでるところお邪魔して大変申し訳ないんですが、私に勉強を教えてください!」

アルミン「ど、どうしたのさサシャ?珍しいこともあるもんだね…」

サシャ「む!どういう意味です?おバカな私が勉強に身を入れるなんてって思ってるんですか?」

サシャ「私、これでも狩猟民族ですから、狩りで培った経験とかで兵学とかならかなりできるんですよ!?」

アルミン「そ、そうなんだ」

サシャ「ですよ!でも…私、弾道物理学がさっぱり…」

アルミン「うん、わかった。とにかく座りなよ」

サシャ「しっ失礼しまう!(アルミンの隣!)」ガタ

アルミン「?」

アルミン「一度に重力とか空気抵抗とかを計算に入れようとするから混乱してわからなくなるんだと思うよ。
     物理計算は、まずは力を全部ただのベクトルとして考えてみて…」ペラペラ

その頃女子寮

ユミル「なぁ~クリスタ、一度でいいからその氷魚のような美しい指をしゃぶらせてくれよ~」ダラ~

クリスタ「ばっ///何言ってるのよもう!それより重いからもたれかからないで!」

ユミル「つれないこと言うなよクリスタぁ~」

ワイノワイノ

ミカサ「…サシャの考課に対する熱の入れようが今回は物凄い。不気味とすら感じる」

アニ「同感だね。休暇を使って何か企んでるように感じるよ」

ミカサ「恐らく、あの様子だと褒賞がもらえる三位以内に食い込まれる可能性がかなり大きいと思う」

アニ「そうだね…」

ミカサ「問題は、あの女が特別休暇に何をしようと企んでいるかという事っ…!!」

ユミル(…またあの二人、ひそひそ話し合ってんな。仲が良くなったんなら別にいいんだが…。)

その頃教室

アルミン「くっ…何だか知らないけどまた胃が…!」キリキリ

サシャ「!!アルミン、大丈夫ですか?(ああ…可愛らしい顔が歪んでかわいそうです…!)」

アルミン「うん…いつものことだから。ここ最近とみに頻繁になってきてるけど…」ウウウ

サシャ「アルミン、これ飲んでください」っ水筒

アルミン「ありがとう…これ何?」

サシャ「タンポポ茶です!(胃腸痛に効く薬草なんですよ!)」

アルミン「そうなんだ、じゃあいただきます…」ゴクン

アルミン「…美味しい。まるでコーヒーみたいな風味だね…」

サシャ「!!」パァア

アルミン「あれ、何だか胃が落ち着いてきたよ。サシャありがとう!」

サシャ「いえそんな…」テレテレ

アルミン「サシャは狩猟の村で育ったから、アウトドアに詳しいんだね!」

サシャ「いえいえ、本当はもっと効くのがあるんですけど、この辺りでは見つからなかったので…」ゴニョゴニョ

アルミン「まさか…僕が最近胃を痛めてるのに気づいてくれてたの?」

サシャ「ま、まあそんなところです…」カァア

サシャ「私、いつも見てました。アルミンが周囲の諍いを勇気を持って止めてるのを。」

サシャ「アルミンは優しいんですね!幼馴染や仲間のことを本当に想って行動してるんですから!」

アルミン「え、えええ!?」

サシャ「私は、そんな強くて優しいアルミンの事を尊敬しています!」ニコッ
    
アルミン「!(ドキッ)…嬉しいよサシャ。僕なんかの事気遣ってくれてありがとう!!」

サシャ「!!」

サシャ「いえいえそんな私の方こそ食うことしか能がなくてもうそげん言われたら照れるやんかあわあわあわ」ドキドキ

アルミン(サシャって意外に気配りが出来て…意外に可愛いところもあるんだなぁ…気づかなかったよ…)ドキドキ

アルミン(クリスタみたいな天使的なそれじゃなくて、純なところから…かな?)ドキドキ

アルミン(…ドキドキが止まらないよ!お爺ちゃん!)

その頃女子寮

アニ「あの女の特別休暇の使い道?エレン絡みに決まってるさ」

アニ「どうせデートに誘おうとでもしてるんだろ、もしくはその準備とか」

ミカサ「でもそれだと、エレンも3位以内に入ってないといけない。残念ながらエレンにはまだそこまでの実力がない」

アニ「…確かに。そもそも普通の休日のエレンはアンタがマークしてるしね」

ミカサ「そして、私だって3位以内の常連者であることはあの女も知ってることと思う。
    これらを考慮しても、あの女が休暇にエレンを誘おうと企んでいるとは考えにくい」

アニ「ちっ…じゃあ何だってんだい、芋女が考えてることってさ…!」イライラ

ミカサ「いずれにせよ、エレンに近しい、またはそうなる可能性のある女については、
    これを排除した方がよいことに変わりはない。」
    
アニ(まぁアンタも)

ミカサ(その対象なのだけれど)

アニ「…」

ミカサ「…」

ユミル「…」

クリスタ「…?」

ユミル「…なぁ、お前ら二人最近こそこそと何話してんの?」

アニ「別に。アンタには関係ないだろ」

ミカサ「その通り」

ユミル「…はぁ!?何だそりゃ」イラッ

クリスタ「ダメよユミル怒っちゃ!…でも確かに最近二人とも深刻な顔して話し合ってるし…。
     何か困ったことでもあった?」

アニ「…大したことじゃないさ」

ユミル「あっそ」

クリスタ「そう…ならよかったけど…」

サシャ「ただいま帰りました~♪」

ユミル「歯ぁ磨いたか芋女。もう消灯すっぞ」

サシャ「大丈夫ですよ(あれ…何か空気が重い…?)」

アニ「…」

クリスタ「おやすみ…」

ミカサ「…」

次の朝 食堂

エレン「そういやアルミン、今日は顔色がいいな」モグモグ

アルミン「え、そうかな?(サシャ茶のおかげかな?結局ドキドキし通しであまり眠れなかったけど)」ゴクゴク

エレン「どうもお前最近あまり体調よさそうじゃなかったけどさ、安心したぜ」ゴクゴク

ミカサ「…アルミン」

アルミン「何?ミカサ」

ミカサ「昨日、サシャと勉強してたみたいだけど、何かあったの…?」

アルミン「うん、サシャに弾道物理学を教えてほしいって頼まれてたから一緒に勉強してたんだよ」

アニ「…それだけかい?」ズイッ

ミカサ「他に何か言ってたり、聞かれたりしなかった?」ズイッ

アルミン「えっ…他って…?別に何もなかったけど…」

ミカサ・アニ「本当?」

アルミン「う、うん…(僕がサシャに思わずドキッとしたことは別に関係ないよね…)」

アルミン(でもどうして、ミカサとアニがサシャのことをここまで気にしてるんだろう…?)

エレン「何だよお前ら、アルミンが困ってるだろ。サシャは座学が苦手なんだから、成績のいいアルミンに
    教えてもらったって何の問題もないだろ。仲間が頑張るのは結構なことじゃないか」モグモグ

ミカサ「…」

アニ「…」

アルミン(エレン、それは正論だけど相手に通じるかどうかはまた別の問題なんだよっ…!)キリキリキリキリリ

別のテーブル

コニ―「ジャン、飯食いながら何読んでんだよ?」

ジャン「『大空のサムライ』だ」ペラ

ライナー「ジャンが本を読むなんて珍しいな。それ振り仮名ふってあるのか?」

ベルトルト「しかもそれ座学にはまったく関係ない小説だよね」

ジャン「ああもううっせえな静かにしろよ!俺はそこまで馬鹿ってわけじゃねぇんだぞ!!」

ジャン「おいコニ―!考課の立体起動試験を楽しみに待ってやがれ!」

コニー「はぁ?」

そして考課当日


午前中 立体機動試験(対巨人模擬戦闘)

バシュッ ヒュウウウウウウウウ

ジャン(…)

コニー(…)

サシャ(…)

ジャン(コニ―の野郎、また俺の後ろに付けてやがる…。索敵の大きな動きでなら
    奴に追いつかれる心配はねえが、発見後の斬込みでの小回りは奴の方が利く…)

ジャン(そのすぐ後ろにはサシャもいるな…警戒すべき点はコニ―と同じだ)

サシャ(…)

ジャン(二人とも、獲物を追う狩猟民族出身のいつも通りの性質か、厄介だぜ)

ジャン(しかし、一応の対策は練ってある…!)

ジャン(…いたっ!!3時の方向の茂みの奥に15メートル級2体発見!)

ジャン(後ろはまだ気づいてないな…よし!)

ジャン「…」ヒュッ

コニー(ジャンが左に軌道を修正した!さては目標を発見したな!)

サシャ「!」

ジャン(いいぞいいぞ付いてくる…茂みが開けた!よし、ここだ!)

ジャン「ここで急旋回!」バヒュゥゥン!!

サシャ「!!?」

コニ―「なっ…ジャンが消えた!?…いや上か!?」

ジャン「決まった!捻り込みだ!これでコニ―はしばらく行動指針を失う!
    何度も何度も獲物を直前でかっさらわれてたまるかってんだ!」

コニ―「くそっ!後ろか!置いてかれちまった!」

サシャ「…!!」

ジャン「サシャは何とか振り切られずに喰らいついてきたか…まあいい!」

ジャン「あとは転回して…目標に突っ込む、そして!」

サシャ「…!」

ジャン「お前と…!」

サシャ「ジャンとの…!」

「「早斬り勝負だ(ですっ)…!!」」ザンッ!!!!

午後 座学試験

エレン「ん…」カキカキ

アルミン「♪」スラスラ

コニ―「zzz…」

ジャン「…」ゴシゴシ カキカキ

ライナー「ふむ…」カキカキ

ベルトルト(問題量多いなあ)カキカキ

サシャ「…」カキカキ カキカキ 

ユミル(サシャの奴、今までにないくらい筆記の手が動いてやがる…)カキカキ

ミカサ(…ふん)カキカキ

アニ(…サシャの奴め)カキカキ

クリスタ「えっと…これは…」カキカキ



アルミン(そういえばサシャはどんな感じだろう…)チラ

サシャ「…」カキカキカキカキ

アルミン(鉛筆の動きに淀みがない…その調子だよサシャ!)グッ

夕方 馬術試験

コニ―「よっ!ほっ!」パカラッ パカラッ

サシャ「行きますよ!はいやっ!!」パカラッ パカラッ

クリスタ「~♪」パカラッ パカラッ

エレン「あいつらの馬術は上手いよな~」

アルミン「やっぱり育ちの違いだよねぇ」

サシャ「あと少しですよ、頑張ってお馬さん!」サッソウ

馬「あいよ」パカパカ

アルミン(どうしてだろう…昨日のことがあるからかな、どうしてもサシャを見てしまう…)」ドキドキ

ミカサ「…」

アニ「…」

夜 女子寮

クリスタ「ふ~、考課終わったね~」ゴロン ノビー

ユミル「おいヘソ見えてるぞクリスタ」ダラー

サシャ「ん~!!私疲れたので早く休みますね!」バタン グー

ミカサ「…」

アニ「…」

ミカサ「…貴女は考課の手ごたえ、どうだった?」

アニ「まぁ5位には入れたかなってとこかな…」

ミカサ「私はいつも通りの手ごたえ。2位以上は確実」

アニ(ちっ…)イラッ

ミカサ「それにしても気になるのはあの女」

アニ「あの様子だと今までにない手ごたえを掴んでそうで怖いね」

ミカサ「…」

アニ「…まぁ、あとは明日の成績発表を待つしかないね」

ミカサ「ええ…」


ユミル「…?」

翌朝

キース教官「では考課の順位を発表する!1位、ミカサ・アッカーマン!」

キース教官「2位、ライナー・ブラウン!」

ミカサ「…」グッ

ライナー「うおっし!!」

ベルトルト「やったねライナー」

エレン「おお…さすがミカサとライナーだな」

アルミン「ここまでは予想通りだね」

サシャ「…」ドキドキ

クリスタ「…」ドキドキ

ユミル「…」ドキドキ

ユミル(って何で私まで緊張してるんだ!?)

キース教官「3位…サシャ・ブラウス!!」

一同「!?」ドヨッ

キース教官「…なおブラウス訓練生は得点の振るわない座学において急成長を見せた!
      貴様らも、自らの弱点を克服したブラウス訓練生の姿勢を大いに見習え!」

キース教官「4位…以下略」

サシャ「いやったああああああ!!!やりましたあああああ!」ワアアア

クリスタ「おめでとうサシャ!すごいよ!」

ユミル「いつも十位辺りにいる芋女がここまでやるとはな…見直したぜ!」

エレン「すげえな、サシャ…負けちまったよ」

ベルトルト「ああ、見事にやられたね」

ジャン「へ、へんっ!俺のアドバイスのおかげだぜ!」

サシャ「はい、おかげ様で立体機動はジャンとまったく同点でした!」

ライナー「サシャはいつも座学に足を引っ張られてたもんな」

コニ―「その弱点を克服したってわけか…くっそ、俺も座学さえ良けりゃあ…」

ユミル「じゃあ講義中寝るなwww」

サシャ「アルミン、本当にありがとうございます!」ニコッ

アルミン「えっ、あっいやサシャが頑張った結果だよ!」ドキッ

エレン「サシャは頑張り屋だな」ウンウン

ミカサ「…」

アニ「ちっ…」

キース教官「では一位には休暇二日と特別手当、
        二位には休暇一日と特別手当、  
        三位には休暇一日を与える!
      休暇はなるべく日曜の前後に取るように!
      成績の良かった者も振るわなかった者も、以後も訓練にハゲめ!」

訓練生一同「はっ!」

教官室

サシャ「考課三位の休暇を今週土曜に申請いたします!」

キース教官「分かった、明日だな。宿泊予定はあるか?」

サシャ「はい、山に野宿します!」

キース「…分かった。お前らしいがくれぐれも身辺には気をつけろ。明朝は門衛に一言言って行け。では行ってよし」

サシャ「…」

キース教官「どうした。行かんのか?」

サシャ「実は…そのぅ…へへ」

キース教官「分からないな。何だ?」

サシャ「できればそのぅ…軍馬と銃もお借りしたいのですが…」

キース教官「ふむ…」

サシャ「…」

キース教官「…貴様は座学での頑張りを見せた。その程度のわがまま、今回だけは聞いてやろう。」

サシャ「ありがとうございます!」パァア

キース教官「ただし通常弾はやれんぞ。貴様の目的から察するに…散弾なら文句なかろう。」

サシャ「感謝の言葉もありません!」

キース教官「くれぐれも怪我をせんこと、および一般市民を傷つけたり迷惑をかけたりせんようにな」

サシャ「はっ!!!」

土曜 朝

クリスタ「ふぁ…おはよう…」ムクリ

ユミル「あれ、サシャの奴がいないぞ」ボサボサ

ミカサ「…」

アニ「…」

ミカサ「サシャがさっき出かけて行った」

アニ「どうする、アンタも休暇申請して尾けるのか?」

ミカサ「…いや、その必要はないと思う。あの女は一人で出かけた。何をするにしても
    誰も一緒じゃないし、なにせエレンが一緒でないのならば取りあえず心配はない」

ミカサ「ちなみにエレン達はまだ寝てるのを確認した」

アニ「それで、芋女はどんな様子だった?」

ミカサ「意外に真剣な表情だった。あと教官から軍馬と銃を借用していた」

アニ「軍馬と銃?」

ミカサ「軍馬と銃」

アニ「…」

ミカサ「…」

アニ・ミカサ「…討ち入り?」

とある山腹

ガサガサ ゴソゴソ

サシャ「あっ!!ありました!!こんなところに生えていましたか!!」

サシャ「ではこれだけ採取して…あと2・3本は根元から取って訓練所で育てましょうか…」ブチブチ

サシャ「そろそろ野営地の選定と明日の準備にかかりましょう。明日は忙しくなりますからね…」フゥ

次の日 

とある山間部

パカパッ パカパッ パカパッ

サシャ「ようし…後ろにつきましたよ…」カシャ 

猪「ひいいい」ドドドド

サシャ「ごめんなさい、安らかに…」ジャキン

パァアン!!


とある沢

ザクザク ブチッ

サシャ「ふぅ…大体切り分けられましたね。こっちがお肉でこっちが毛皮、これが臓物、あとは…」

昼下がり 訓練所

ワイワイ ガヤガヤ

エレン「ふわぁ…せっかくの休みだったけどな…」

アルミン「結局、疲れがたまって寝てるだけだったね…(エレンが寝てることを知ったミカサがまた不機嫌に
     なったことは黙っていよう)」」

ざわ…ざわ…

ジャン「お、おい外見ろよ」

ライナー「どうした…何だあれ、サシャか?昨日から出かけてたが帰ってきたのか」

バタン ゾロゾロ

ベルトルト「サシャが引っ張ってる馬の背にイノシシの肉と毛皮が!」

ジャン「おおお…マジモンの肉じゃねえか」

コニ―「おいサシャ!それお前が獲って解体したのか!?」

サシャ「そーですよ!すごいでしょ!」

ユミル「お、芋女が帰ってきたぞ」

クリスタ「すごーい!サシャかっこいい!」

アルミン「狩人サシャ、かっこいいよね!」

エレン「ああ、まさにカウガールだよな!」

サシャ「へへーん!」

ミカサ「…」

アニ「…」

ミカサ「…ついにあの女の目的が判明した。」

アニ「間違いないね。芋女は手作りの肉料理を振る舞う気だ」

ミカサ「恐らくはエレンに。迂闊だった…まさか狩猟に出かけていたとは気づかなかったが、
    予測はしておくべきだった。やはり昨日、後を尾けて妨害していれば…」

アニ「…」

ミカサ「…」

アニ「…」

ミカサ「もはや、事は放っておけない事態に突入した。違う?」

アニ「芋女の思惑の実現…させるわけないだろう…?」

ミカサ「ええ…!」

夕方 食堂

クリスタ「あ、厨房にサシャがいる!」

サシャ「おや、お二人ともようこそ」

ユミル「食堂から普段からは考えられないほどいい匂いがするから覗いてみりゃ、やっぱり芋女だったか」

クリスタ「今料理してるそれ、今日サシャが狩ってきたお肉だよね?横に刻んであるのは野草かな?」

グツグツ

サシャ「そうです。ちょっと厨房を借りて料理してるんですよ~」♪

クリスタ「サシャはお料理が得意だもんね!」

ユミル「それで?誰だよ?」

サシャ・クリスタ「?」

ユミル「その料理のことだよ!それ、誰に作ってやってんだよ?このこの!」ウリウリ

クリスタ「確かに、これさすがに一人で食べきれる量じゃないよね♪」

サシャ「…」

サシャ「///」カァア

クリスタ「サシャが…女の顔になってる…!」

サシャ「もう…何なんですかお二人とも!お二人して私をからかって!!」

サシャ「…」

サシャ「お二人とも…よかったらアルミンを呼んできてくれませんか!?///」

ユミル(来たか…!)

クリスタ(ついに来たね…!)

ユミル「ああいいぜ。その料理、もし残ったらくれよ」

サシャ「もちろんお礼も兼ねて取っておきますよ!」

クリスタ「本当?ありがとう!」

サシャ「へへへ~///♪」

ガチャ バタン

テクテク

クリスタ「アルミン、どこにいるのかなぁ」

ユミル「あいつは大概エレンと一緒にいるはずだ」

クリスタ「そういえばそうだよね、エレンはと…」




ザッ!!

ミカサ「…」

アニ「…」

ユミル・クリスタ「!?」

ユミル「藪から棒に何だよお前ら」

クリスタ「どうしちゃったの…二人とも怖い顔して」

アニ「エレンがどうしたって?」

ミカサ「悪いけど、ここから先に行かすわけにはいかない」

クリスタ「そんな…」

ユミル「はっ!?訳わかんねぇ」

ユミル「それでも通るっつったら?」

ミカサ「実力で阻止する」

アニ「通さないよ」

ユミル「何だよお前ら…そんなにサシャの邪魔がしたいのか??」

クリスタ「そっそんな権利、ミカサとアニにはないよ!」

ユミル「そうか…今分かったぜ。こないだからのお前らがこそこそやってたの、あれはサシャに
    嫌がらせするためのものだったんだな!?」

ミカサ「貴女達二人には何の恨みもない。危害を加えるつもりも毛頭ない」

アニ「ただ、ちょっとばかしここで大人しくしててくれりゃいいのさ。痛い目に遭いたくなけりゃあね」

クリスタ「ひっ…」ガクガク

ユミル「くっ…」スッ

アニ「ユミルやる気?手加減しないよ」スッ

アニ「悪いけど、アンタじゃ私に勝てやしないよ」

ユミル「…」

ユミル「…なぁ~んてな!!」パッ

クリスタ「ユミル!?」

ユミル「ははっ、まさか格闘訓練トップ2のミカサとアニに手向かいするほど私も馬鹿じゃねーよ」

クリスタ「でもユミル、それじゃサシャが…!」

ユミル「はっ!あんな奴庇って二人とも痛い思いするよりゃあマシだろ!」

クリスタ「ユミル…」

ミカサ「賢明な選択。感謝する」

アニ「なら、そこに大人しく座っててくれないか」

ユミル「はい…よっと!!」ザッ!!

アニ「!!砂!?目がぁっ!!」ゴシゴシ

ユミル「間髪入れず双手狩りだっ!!」バッ!!

アニ「!!!」ドシン!

ユミル「クリスタ!走れ!逃げるんだ!!」

クリスタ「ユ、ユミル!」

ミカサ「」ギロッ

クリスタ「~!!!」ペタン

ユミル「急げってクリスタ!立て!走r…ぐっ!!!」グボッ!

アニ「はっ、はーっ………舐めた真似、して、くれたね………この女っ!!!」ビュン!ゴモッ!

ユミル「がっ!!ぐはっ!!!」ガクッ

ミカサ「私は食堂へ向かう。アニ、ここは任せた」スタスタ

アニ「ああ…!すぐ追いつく…!!」

アニ「ユミル…ずいぶん味な真似をしてくれるじゃないか…!お返しはたっぷりしてやるよ…!!」

クリスタ「な、何で…」

アニ「ふっ!」ビュッ!

ユミル「ぐあっ!!」ズドッ!

クリスタ「私は、親友が袋叩きにされてるのを呆然と見てるだけなの…?」

クリスタ「駄目…立たなくちゃ…けど足が…」ガクガク

ユミル「行けよおおお!クリスタああああ!」ボロボロ

クリスタ「!」

ユミル「…サシャの為じゃない!お前の為だ!」

ユミル「お前が、これから何も恐れず勇気持って生きていくためだ!!立て!走れえ!」

クリスタ「……っ!!!!」ダッ

アニ「ちっ…待ちな…っ!?」

ユミル「へへへ…行かせねえよ…!!」ガシッ クルッ

ユミル「喰らえ肘鉄!」ズッ…

アニ「がはっ…っ!!!」ゲホゲホッ

ユミル「自分が最強だと思うか…?自分が絶対に正しいと思うか…?人の想いを踏みにじって楽しいか…?」ヨロッ
    
ユミル「てめぇがもしそう思ってるとしたら、あたしがその幻想を粉々にしてやるぜ…!!」スッ

アニ「アンタも私の邪魔をするのかっ…!私の想いを否定するのかっ!!前からいけ好かない奴だとは
   思っていたが、今!ここで倒してやる…!!」ヨロッ スッ

男子寮

ライナー「王手だ」パシッ

ジャン「がああああ!ちきしょう!」

ベルトルト「ジャンは詰めが甘いんだよ…」

アルミン「だから、この問題における敵主力の主攻方面に対峙しうるのは…」ペラペラペラ

エレン「う~…悪かった座学の復習が宿題だなんてな…」

コニ―「やべぇせっかく教えてもらってるのに分かんねえ…」


バタン

クリスタ「だれか!助けてぇ!」

ベルトルト「クリスタ!!」

エレン「一体どうしたんだ?」

クリスタ「っ…ユミルが、サシャが…」ポロポロ

アルミン「とにかく落ち着いて、ね?」

ライナー「何があったか良くわからんが、とにかく行くぞ!」ダッ

アニ「…アンタ、まさかそれほどの腕を持っていたとはね…!」ハァハァ

ユミル「へっ…足癖の悪いバケモン相手に、出し惜しみはできねぇからな!」ハァハァ

アニ「なっ…」

ユミル「私は巨人と闘う術をここで学んでる。負けてらんないんだよ!!バケモンとはいえ小人のアンタなんかに!」

アニ「…このっ!よくもっ!!!!殺してやる!」ブン

ユミル「ふっ!やってみろよ!」ガッ!

クリスタ「あそこだよ、お願いいそいで!!」

アルミン「あれは…!」

ライナー「おい、何やってる!」

ジャン「アニとユミルがマジで格闘してやがる!」

ベルトルト「二人とも、止めるんだ!」

エレン「そんな…何があったんだよ!」

コニー「とにかく急ごうぜ!」




アニ「ふーっ!ふっー…!」ヒュッ!

ユミル「はぁ…うぐっ…!」バッ!

ライナー「聞こえてねえ!アニの奴…完全にキレちまってる!!」


アニ「…」ハァ…ハァ…

ユミル「どうしたよ…スタミナ切れか…?小人さんよぉ…」ハァ…ハァ…

アニ「…アンタみたいな…人間ごとき…に侮られるなんて…ユルセナイ」

ユミル「あ…?」

アニ「ワタシノオソロシサヲミセテヤル…!!」スッ…





ライナー・ベルトルト(!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)

ユミル(??アニが自分の指を口に…!!!!!!!!!!!!まさかっ…コイツまさかっ!!)




ユミル(ヤバい…どうする…どうしたらっ…!!)



ユミル(…仕方ないか。今、私に出来ることは…)スッ…

ライナー「アニッ!!」ガバッ

アニ「!?」ズザー

ベルトルト「ユミルーっ!!!?」バッ

ユミル「…!ベルトルト!?」ドサッ

ライナー「馬鹿な真似はよせ!頭を冷やすんだ、この馬鹿!!」パシィン

アニ「…」ガクッ

ベルトルト(…ユミル、今自分の指を…よもや君は…)

ユミル(終わった…のか…?)ドサッ

ベルトルト「…!ユミル、しっかりしろ!」

ライナー「アニは止めた!エレン達は食堂に急げ!」

エレン「おう!」ダダダ

ほんの少し前 食堂

カチャ ギィィ…

サシャ(来た…!)

サシャ「いらっしゃいませ!あr…」

ミカサ「…」バタン

サシャ「なっ…ミカサがどうしてここへ?」



ミカサ「ユミルとクリスタにはこちらから“お願いして”大人しくしてもらっている。」

ミカサ「貴女が待っている人間は、ここには来ない…」

サシャ「どういう、意味ですか…?」

ミカサ「そんなことはどうでもいい。それよりも…」

ミカサ「その鍋の中身は何?」ズイッ


サシャ「え?」

ミカサ「見せて」

サシャ「い、嫌ですよ!これは人にあげるんです!ミカサにはあげませんから!!」

ミカサ「…仕方ない。なら力づくで」バッ

サシャ「あ、返して!返してください!」

ミカサ「中身は何」

カパッ

ミカサ「これは…」

ミカサ「山菜とイノシシ肉の料理…」

サシャ「…」

ミカサ「…これをエレンに食べさせるつもりだったのね?」

サシャ「ち、違いますよ!」

ミカサ「シラを切る気?無駄。」

サシャ「それより、お料理返してください!」

ミカサ「それは出来ない」

サシャ「はあ!?どうして!?私が誰にお料理作ってあげようと、私の勝手じゃないですか!!」

ミカサ「この料理は、今ここで貴女に食べてもらいたい」グイッ

サシャ「…!!どうして…」


ミカサ「これをエレンに渡させるわけにはいかない。かといってこれを捨てさせたりするのは
    もったいない。さすがにそれは貴重な食材と、料理した貴女に対しても失礼」

ミカサ「私が食べるにしてもそれは単なる恐喝による窃盗に過ぎなくなる。私は貴女にそこまでしたいわけじゃない。
    だからこの料理はあなたに自分で処分してもらいたい。これは私とアニの総意でもある」

ミカサ「そして誓ってほしい」

ミカサ「…二度とエレンと私の事に首を突っ込まない、と!!」ギロッ!!!


サシャ「…嫌です!」

ミカサ「!?」

サシャ「これは私が大切な人のために作った料理です!!絶対にミカサ…とアニの思う通りにはさせませんから!!」

ミカサ「…どうあっても、それを食べてもらう気?」

サシャ「もとはと言えば、あ、貴女達のせいなんですよ!貴女達がエレンを巡って諍いを起こすから!
    それで傷ついてる人がいるんだから!!」

ミカサ「エレンが傷ついてるわけない。勝手なことを言わないで。」

サシャ「ミカサっ…!アニにしろ貴女にしろ、本当に自分の事しか頭にない分からず屋ですねっ…!!」

ミカサ「分からず屋は貴女のほう。もういい、こうなったら強引にでも食べさせる!」ガッ

サシャ「もごっ!!?」

ミカサ「食べて。食べなさい、ほら」

サシャ「むー!うー!」ジタバタ

ミカサ「どう?自分で作った最高の料理の味は。食欲旺盛な貴女なら、口に入れてさえしまえばあとは
    貪り食うだけ…そうでしょう?」

サシャ「んーーー!!」

ミカサ「飲み込みなさい…!」


サシャ「うう…」ジワッ

ミカサ「どうして食べないの…!食べなさい!!いつものように…!!」

サシャ「うげほっ!げほっ!!」ボタッ ビシャッ

ミカサ「!!」

サシャ「…」ゴシゴシ

サシャ「ミカ、サ…」

ミカサ「…」

サシャ「もう許せません…人の気持ちをこうも平気に踏みにじれるミカサが…アニが…」

サシャ「絶対に、許せんけんな。」ヒュバッ!

ミカサ「ぐっ!?」ガッ

サシャ「…」ユラリ スッ

ミカサ「…そう。もはや戦わないといけないようね。」スッ

サシャ「あんた、絶対許さんけん。」


ダダダダダ

クリスタ「サシャがいる食堂にミカサが向かっていったの…!」

コニ―「何なんだ、一体何が原因なんだ…!?」

ジャン「今は考えてる場合じゃねえ!お前ら、一気に食堂に突っ込むぞ!」

エレン「分かってるよ!」

アルミン(ミカサ、サシャ…二人とも、僕にとってかけがえのない存在なんだ。
      何があったのかはわからないけど、どうか、何事もないように!)


ミカサ「速いっ…!!サシャのどこにそんなパワーが…っ!」ガッ スッ
    
サシャ「狩猟民族なめんなぁっ!!アンタなんぞ素手で捻り潰しちゃるけんな!」ヒュ パッ

ミカサ「させないっ!」ズゴッ

サシャ「ぐっ…この!!」ガッ

ミカサ「この…!このこのこのこのっ!!!」ガッ ゴッ

サシャ「うおおおおおおおおおおおおお!!!」ヒュッ バッ


ガチャ!

クリスタ「…ひっ!」

アルミン「ああ…なんてことだ…!」

ジャン「何だよおい…ここでもガチで殴り合ってやがる!」

エレン「おい…ミカサ止めろ!止めろってば!聞こえないのか!?」

コニ―「サシャ!?」



ミカサ「エレンは私が守るエレンは私が守るエレンは私が守るエレンは私が守る!」ババババ

サシャ「切ってやる焼いてやる煮てやる茹でてやる炙ってやる干してやる千切ってヤル」ヒュヒュヒュ


コニー「サシャがミカサと互角に戦ってる…」

エレン「感心してる場合か!二人を引き離すぞ!」

ジャン「落ち着けミカサ!」ガシッ

コニ―「その辺にしとけサシャ!」ガシッ

ミカサ「邪魔するなぁああ!」ブンッ

ジャン「うわぁっ!!」ガシャーン

サシャ「はなさんねえええええええ!!!」ブンッ

コニ―「ぐぅあっ!」パリーン

クリスタ「きゃあああああ!!」


アルミン「エレン!」

エレン「ちくしょう、こうなったら俺たちで二人を止めるぞアルミン!!」

アルミン「う、うん!怖いけどやろう!」

エレン「止めろミカサアアアアアアアアア!!!」ガシッ

ミカサ「どけエレンそいつ殺せないっ!!!!…え、エレ、ン…?」

アルミン「もうやめてよサシャアアアアアアアア!!!」ガシッ

サシャ「…アル、ミン…?」

アルミン「…」ダキッ


サシャ「あ、アルミン…!」

アルミン「ね、落ち着いてサシャ…。いったい、ミカサと何があったの…?」

サシャ「…」

サシャ「ぅぅ…」ジワッ

サシャ「…ひっく、うえええええ…」ポロポロ ヘタッ

エレン「…」

ミカサ「…」

アルミン「…」ヨシヨシ


ジャン「何だか知らねえが…こんなことになっちまうとはな…」ボロボロ

ライナー「歩けるかアニ…来い。食堂の中を見ろ。決して目を逸らすんじゃねえ」

アニ「…」ヨロヨロ

ベルトルト「ほら、しっかりしてユミル…」オンブ

ユミル「つっ…サシャ…クリスタ…」ヨロヨロ

クリスタ「ユミルっ……!!!」ダキッ ポロポロ


サシャ「あるみ、ん」ポロポロ

アルミン「なんだい?」ヨシヨシ

サシャ「ご、ごぇんなさい…わたじ…せっかくアルミンにお料理つぐったのに…」ポロポロ

アルミン「…えっ…!?」

ミカサ・アニ「!!!???」

エレン・ジャン・コニ―・ライナー・ベルトルト・ユミル・クリスタ「…」


サシャ「いづも食事のときに胃がいたそうににしてるがら…
    すこじでもアルミンに元気になってほしいから…だからせめでお料理をたべで、
    お腹一杯味わってもらって、元気出してもらいたかっただけなのに…」ポロポロ

アルミン「サシャ…」

サシャ「大好きなアルミンのだめなのに…こんな…」ポロポロ

アルミン「!!」

アルミン「…」


アルミン「エレン、悪いけどその鍋を取ってくれない?」

エレン「お、おう」スッ

アルミン「ありがとう」パッ

アルミン「ジャン、そこに転がってるフォークをお願い」

ジャン「いいぜ」スッ

アルミン「コニ―、厨房からお皿を持ってきて」

コニ―「ああ、ほら!」スッ

アルミン「二人ともありがとう」

アルミン「サシャ、お皿に盛りつけてあったのは乱闘でひっくり返っちゃってるけど…
     お鍋にはまだ残りがある。食べても…いいかな?」

サシャ「…!!」コクコク

アルミン「ありがとう。いただくね」


アルミン「…」ヒョイ パク

サシャ「!!」

アルミン「…」モグモグ

一同「…」

アルミン「おいしいよ、すごくおいしい」ジワッ

サシャ「アルミン…」ポロポロ

アルミン「猪肉がトマトソースでとても柔らかく煮てある。タンポポの茎のお浸しとアロエの果肉も添えてある…」

アルミン「…!!」

アルミン「そうか…分かったよ。サシャは…僕に、いつも胃を痛めてばかりいる僕の為に、
     胃にいい薬草を使った料理を作ってくれたんだね、こないだのタンポポ茶のように…!!」ブワッポロポロ

エレン「そうなのか…!?」

ミカサ・アニ「!…」


サシャ「うぅ…私の想い…伝わりましたか…?」ポロポロ

アルミン「うん…僕、身体の奥でちゃんとサシャの想いを受け止めたよ…!」ポロポロ

サシャ「あぁ、あるみいいいいいん!!!うわあああああああああああああああああん!」ポロポロ

アルミン「ほら泣かないで、サシャの笑顔を見せてよ…」ポロポロ

エレン「アルミン、サシャ、良かったな…」グシッ

ジャン「へっ…うまくまとまったじゃねぇか…」

ユミル「…血反吐吐いた甲斐があったよ…。あれ、どうしたんだろ私」ウルッ

ベルトルト「ユミル…」

コニ―「アルミンの心を射止めやがって、サシャはすげぇ狩人だな!」

クリスタ「よ、良かった…良かったねサシャ…!」ポロポロ



ライナー「ああ…だが、まだ何も解決したわけじゃないぞ」


一同「…」

ライナー「分かってるな、エレン?」

エレン「ああ…ミカサ、そしてアニ!!」

ミカサ・アニ「!!」ビクッ

エレン「お前ら…どうしてユミルを、そしてサシャを…仲間をこんな目に…!!」ギロッ

ミカサ・アニ「…」ガクッ

エレン「おい、何とか言え」

ミカサ・アニ「!」ビクッ

エレン「何とか言えよ!てめぇら!!」グッ…!!


 ギシッ…ギシッ…!


キース教官「何の騒ぎだ」

一同「…」

キース教官「この有様で、誰かの放屁が原因ですなどという言い訳が通るとは思わん事だな」

ミカサ「…教官」

キース教官「何だ」

ミカサ「自分がご説明致します…!」

アニ「自分も…!」


(説明)


アニ「…以上の稚拙な錯誤により、自分はユミル訓練生に傷害を負わせました…!」

ミカサ「自分も同じ理由によりレオンハート訓練生と共謀し、食堂で乱闘を起こし、備品を破損せしめ…」

一同「…」

キース教官「…」

ミカサ「何より…」ポロッ

ミカサ「完全に善意であり…何ら過失のない同期生…うぐっ…ブラウス訓練生…にっ…」ポタポタ

ミカサ「紛れもなく暴行を、加え…ました…!」ポロポロッ

アニ「っ…」ポロポロ グシッ

一同「…」

アニ「自分は、…ひぐっ…本事案について、いかなる処罰をも…うぅっ、甘受いたします…!」ポロポロ

ミカサ「自分も、同じであります…っ…!」ポロポロ


サシャ「…。」

アルミン「…」ヨシヨシ


キース教官「ミカサ・アッカーマン。アニ・レオンハート。
      ユミル。サシャ・ブラウス。貴様らにはしばらく営倉に入ってもらう。」

一同「!!」

アニ「そ、そんな!」

ミカサ「教官、これは自分とレオンハート訓練生が売った私闘であり、ユミル訓練生及び
    ブラウス訓練生には何ら非がありません!」

アニ「二人の行動はただ一に正当防衛であります!自分らはどうなっても構いません、しかし二人の営倉行きだけは…!」

サシャ「…」

ユミル「…」


キース教官「…これだけの暴れようでは一方のみを処罰するのは示しがつかん」

ミカサ「ですが…」

キース教官「安心しろ。ブラウス訓練生とユミル訓練生はすぐに出られるようにしてやる」

キース教官「ブラウス訓練生は許可なく厨房を使用した罪、ユミル訓練生は格闘訓練において全力で
      取り組んでいなかった罪でな。」

キース教官「ブラウス訓練生、どうか?」

サシャ「…私は、」


一同「…」

サシャ「…喜んで営倉に入ります!」

アルミン「サシャ…」

キース教官「ユミル訓練生も、同じか?」

ユミル「はっ!」

クリスタ「ユミル…」


キース教官「この件について、何か私に上申したい者は他にいるか?」ジロッ

エレン「…!」

一同「…!」

エレン「…教官、アッカーマン訓練生とレオンハート訓練生が営倉に入る前に、今ここで自分が
    この二名に対し発言しておきたいことがあります…」ググッ

ミカサ「…」

アニ「…」


キース教官「…それはならん」

エレン「ですが教官、」

キース教官「ならんものはならん!」

エレン「どうしてもこれだけは!」

キース教官「お前は何者だ!?エレン・イェーガー!!」ギロッ

エレン「は、…!?」

キース教官「ミカサらの処分を決定するのは教官たる私の職権であり職務だ!」

エレン「…」

キース教官「処分以外のことを貴様がミカサらに背負わすのを見逃すわけにはいかん。
      一訓練生の分際で何様のつもりか、恥を知れっ!!!」

エレン「…はい」


ミカサ「…」

アニ「…」

キース教官「もう一度問う。貴様は何者だ?」

エレン「自分は…第104期訓練兵、エレン・イェーガーであります!」

キース教官「その通りだ」

キース教官「貴様は第104期訓練兵だ…ここにいる他の皆と同じ仲間の、だ」

エレン「…」


キース教官「どこの兵団であろうと、何を相手にしようと、兵士は一人では戦えない」

キース教官「巨人を相手にするのであればなおさら、味方…仲間の存在が不可欠だ」

エレン「…はい」

キース教官「自分しか見えていない者…自分の見たいモノしか見ない者が良い兵士になどなれるものか!」

エレン及び一同「!!!!…」

キース教官「貴様には食事の時を除き、寮内にて二日間の謹慎を命じる。抗弁したいならするがいい」

エレン「…いえ、謹んでお受けいたします」

キース教官「…良かろう。ではこの話はここまでだ」


キース教官「注目っ!」

一同「!」ザッ!!

キース教官「これより事後処理を行う!仲間の犯した失態は仲間が挽回しろ!」

キース教官「レンズ訓練生は営倉行き四名をいったん救護室まで確実に連行し、
      治療を見届けたうえで所内営倉まで連行しろ!」

キース教官「他の者は片付けだ!!急がんと食堂が再開できずに夕食が無くなるぞ!協力して進めろ!いいか!」

一同「はっ!!!」ザッ!!!


ついに書き溜めが尽きました
また明日暇を見て書いて投稿しよう
ここまでお粗末様でした

続きは夕方以降になります

書き溜めが尽きると心細さが半端ない

ちょっとだけですみませんがゆっくり投下します


そして、夜

訓練所内営倉

※サシャはユミルと、ミカサはアニと、それぞれ別に収監されている設定


【面会1:サシャ・ユミルにアルミン・クリスタ】


キース教官「面会だ」ガチャ


アルミン・クリスタ「サシャ!ユミル!」ダッ

サシャ「あ…クリスタと…っ…アルミン!」パァア

ユミル「ぉおう…お前らか…」ズキッ イテテ

アルミン「サシャ…どうだい?体は痛まない?」ダッ

クリスタ「ユミル、少しは良くなった!?」

サシャ「へ、平気ですよ。昔狩りの手伝いをしてて崖から転げ落ちた時のことを思えば何ともありません!」

ユミル「あたしもどうってことないぜ…(アニの野郎のせいで肢は無茶苦茶痛んでるけどよ…)」


アルミン「そう、なら本当に良かった…」ホッ

サシャ「でも…ごめんなさい。アルミン…」

アルミン「え、何で?」

サシャ「せっかくアルミンに勇気をもって自分の気持ちを伝えたのに、アルミンにもそれを受け取って
    もらったのに…たったそれだけの事なのに、今日こんな大ごとになってしまって…」

サシャ「わざわざ営倉まで会いに来てくれて、本当に申し訳ないです」シュン


アルミン「そんなことないさ!色々あったけど、今日、僕はサシャの恋人になったんだから!」

サシャ「…!///」カァア

クリスタ「わ、わぁ///」

ユミル「おおう、お熱いこって」ヒューヒュー

アルミン「でも本当、嬉しかったんだよ?元気で明るいサシャが、僕に好意を抱いてくれていたなんて…」

アルミン「お爺ちゃんが生きていたら、どんなに喜んでくれるだろう…」

サシャ「…」


クリスタ「え、えと、とにかく両想いだったってことで、良かったね!!」

ユミル「そりゃあ違いねぇ」

アルミン「…二人とも、今日は本当にありがとう…!」

クリスタ「わ、私は別に何も」アワアワ

ユミル「…別に、あたしも大したことはしてねぇし」

アルミン「何を言ってるのさ、ユミルが身を張ってアニを足止めして、クリスタが男子寮に
     異変を通報してきてくれなかったら、僕はサシャの想いを味わうことができなかった…」

サシャ「…そうですよ!」


ユミル「つってもサシャだってあのミカサと互角に渡り合ってたじゃねぇか」

ユミル「お前だって闘ったんだよ(アルミンのためにな)」

アルミン「いやでも、ユミル達には感謝してもしきれないよ」

サシャ「…ええ!」

ユミル「まぁ…お前らがそう言うんなら別にいいけどさ、…」

ついに弾丸切れ…今夜のところはおやすみサシャ

どうするんだろう…

今夜もちょいちょい投下していきますね


サシャ「ユミルぅ…普段から自分の事しか考えていないユミルが、私の為に闘って下さったんですね…」ウルウル

ユミル「だぁーっ!!変な勘違いすんな!私は自分のためにやったんだ!私はエゴイストだよ、エゴイスト万歳!」

アルミン「まぁ、それでもクリスタも守りきったんだし、ユミルはすごいよ」

ユミル「そ、そうさ!つまり私はクリスタを守るために…はっ」

サシャ「何ですか、結局ユミルは人のために何かを成し遂げたんじゃないですか」

クリスタ「ユミル…」ウルウル

ユミル「ふん!んなわけねぇ!人の為と書いて偽りって書くんだぞ、覚えとけ!」

サシャ「覚えときますよ!教えてくれてありがとうございます、優しい優しいユミルさま!!」

ユミル「~!~!」ジタバタ

クリスタ(あ、何か今のユミルかわいい)


ユミル「って、そんな話はどうでもいいんだよ!!それよりだ!!」

サシャ・アルミン・クリスタ「…?」

ユミル「結局のところお前…サシャ、お前はミカサとアニを許せるの?」

サシャ「…」

アルミン「…」

クリスタ「…」

ユミル「どうなんだよ?私らより、お前が一番ひどい目に遭わされたんだぞ?」


サシャ「…私は、」

アルミン「…」

クリスタ「…」

サシャ「私は、ミカサとアニを絶対に許せません!!!」

アルミン「!!…」

クリスタ「!!?」

ユミル「…」


サシャ「だって…そうでしょう!?」

サシャ「ユミルを暴行して、クリスタを脅して、そして私の想いを粉々にして!!」

サシャ「…それを許せるかと言われれば、私は出来ません…!」

クリスタ「でもサシャ、あの二人だっt」

ユミル「やめろ、クリスタ」

クリスタ「でも!」

ユミル「いいから…ここはサシャの気持ちを汲んでやれ」

サシャ「…」

クリスタ「…」

アルミン「…」

キース教官「面会時間終了だ」ガチャ

【面会1 おわり】


【面会2 ミカサ・アニにアルミン・クリスタ】

アルミン「…」

クリスタ「お、おはよう…」

ミカサ「アルミン…それにクリスタ…!!」

アニ「…!!!」

ミカサ「ごめんなさい!私、あなたたちに酷いことを…!!!」

アニ「私も悪かった!本当にごめん、ごめんなさい・・・・」

アルミン「…二人とも、頭を上げてよ」

クリスタ「ミカサ、アニ…」

ミカサ「…」グズッ

アニ「…」ズピッ


アルミン「…今回のことは、本当に不幸だったよ。もちろん僕には嬉しいこともあったけど…」

アルミン「でも、やはり君たちのしたことに対して怒りは隠せない」

アルミン「君たちがあのような行動をとった理由は大体分かっている」

アルミン「悲しいくらいに滑稽な勘違い、幼いとしか言えない独占欲」

アルミン「…それを、どうしてあんな暴走に至るまで放っておいたんだよ…!!」

アルミン「君たちも僕らも仲間だろう?教官がおっしゃったように、第104期訓練生の
     大事な仲間じゃないか…!!」

アルミン「なぜ、自分の想いを相手に素直にぶつけようとしなかった!?」

アルミン「なぜ、争いや諍いを自分たちの手で終わりにしようと思わなかった!!?
     なぜ、新たに生み出そうと画策した!?」

クリスタ「アルミン…」

ミカサ「…」

アニ「…」


アルミン「もちろん君たちは今こうして罰に服している。殊勝にね」

アルミン「しかし、これで僕やサシャ、ユミル、クリスタの気持ちがそんな君たちを受け入れるか
     どうかはまた別問題だ」

ミカサ「…」

アニ「…」

アルミン「…君たちを許せるかどうか、僕自身ははっきりとは言えない」

アルミン「もし、許せるとしたら…それは、サシャが…」

アルミン「君たちが一番傷つけた人が、君たちを許すことが出来るようになってからだと思う…」

ミカサ「…」

アニ「…」


アルミン「…それは、それとして」フッ

アルミン「営倉の生活はどう?二人とも元気にしてるかい?」

ミカサ「!!アルミン…」

アニ「…すまない、気を遣ってくれてありがとう」

クリスタ「!…」

アルミン「…ミカサ、今回のことがあったとはいえ、君が僕の幼馴染でなくなったわけじゃないからね」

ミカサ「…あれだけのことをした私を、あなたはまだ幼馴染だと思ってくれているの?」

アルミン「もちろんさ。エレンも一緒の三人でね」

ミカサ「…私は自分の偏狭さのためにつまらない勘違いをし、サシャのアルミンを想うひたむきな心を踏みにじった」

ミカサ「そして、大切な幼馴染の…アルミンの大事な人と格闘して…サシャを傷つけた」

ミカサ「本当に…どうかしていた。どう言い繕っても、許されないと自分でも思う」

ミカサ「サシャに殺されてしまってもいいかも知れない…そうなったらいいかとすら思う」

アニ「…」


アルミン「楽になることを考えちゃだめだミカサ」

ミカサ「…!」

アルミン「今は営倉にこうしてこもっていられる。しかし1週間で君らは放免される。
     そうなったらミカサ、君は嫌でも仲間達と…サシャと再会せざるを得ない」

ミカサ「…」

アルミン「それでサシャに殺されるんならいいだろう。しかし僕がそうはさせない。
     恋人に幼馴染を殺させるようなことはさせるわけがない」

ミカサ「…」

アルミン「どのみち、ミカサは生身でサシャと向かい合って今後を生きていくしかないんだ。
     君は生真面目な人間だ。一週間後にサシャと向かい合うのは死ぬより辛いだろう。」

アルミン「許される許されないは結局のところ君自身では決められないことだ。
     放免までの間にミカサが出来ることは…君自身の気持ちを自分で正直に見つめることだ」

弾丸切れ…まさかこんな長いssになるとは…
おやすみユミル

今夜はほんの少しだけ…

ミカサ「アルミン、分かっ…た…私、…見つめなおしてみる…素直じゃない自分を」グスッ

アルミン「そうか、それは良かった」

ミカサ「…アルミン、謝らなければならないことがもう一つある。
    その…私たちがいがみ合ってるせいで、アルミンが苦しんでたって…。」ゴシゴシ

アニ「…それも私らのせいだ。ごめんなさい…」

アルミン「…」

ミカサ「ごめんなさい…私、実は…」

ミカサ「エレンを巡ってアニと諍いを起こしたりするたびにアルミンが辛そうにしてるの、
    見て見ぬふりをしていたの。あなたが苦しんでる原因が、私…にあることを知りながら…」

アルミン「えっ…」


ミカサ「なぜなら…アルミンは、どんなことがあっても私の味方だと思っていたから。幼馴染だから…」

ミカサ「なのに、私がエレンの為にアニと争うたびに、あなたは辛そうにする。」

ミカサ「…それが、寂しかったのかもしれない。どうして、アルミンは私と一緒にアニに怒って
    くれないんだろう。どうして、私の味方をしてくれないんだろう、と…。」

ミカサ「そう感じていた。だから、アルミンの胃痛を、私は見て見ぬふりをしていた…
    アルミンに、ちょっとした仕返しをするつもりで…」

アルミン「君の性格のことだ、そんな事をしても君は…」

ミカサ「…苦しかった。もうこんな私なんて信じてもらえないかも知れないけど…間違っても、
    大切な幼馴染が苦しんでいるのをうれしく感じたり、ほくそ笑んだりできる訳がない」


ミカサ「ともあれ、私はアルミンの優しさを逆手に取ったような卑劣なことをした。
    …サシャが前に、私にアルミンの胃痛のことを責めたことがあったの」

ミカサ「私の行為が故意か悪意かをサシャが知っているかどうかは知る由もなかったけど、
    あの時、私は心底サシャを脅威に思った」

ミカサ「私と私の幼馴染…エレンだけではなくアルミンとの関係まで、サシャは壊そうとしてると感じたから…」

ミカサ「そういう意味では、私はアニにも悪いことをしたと思っている」

ミカサ「私の私怨のような何かのために、アニまで丸め込んでしまったのだから…」

アニ「…別に、私だって自分の独占欲のために進んであんたの共犯になっただけさ」

アニ「悪いのはお互い様さ」

アルミン「ミカサ」

ミカサ「…」


アルミン「…君といいエレンといい、子供のころから本当に僕の胃に負担をかけてくれるね」

ミカサ「ごめんなさい…」

ミカサ「私って、本当に子ども。これじゃエレンのことを笑えない。」グスッ

ミカサ「ここでは最強の訓練兵といって皆が認めてくれるから、私もエレン絡みのわがままを言えていただけ。
    兵士としての素養なんて無視されれば、私はただの陰湿で嫌な女でしかない…」

アルミン「…厳しいことを言うようだけど、今回のこと、君にとっては自分を知るいい機会になったと思う」

アルミン「アニもだ。君がエレンに向けた好意は、裏返してみれば結局のところ人を傷つけるものでしか
     なかった。ここにいるクリスタも、別室にいるユミルも、それを目の当たりにした」

クリスタ「…」

ミカサ・アニ「…」

アルミン「もうはっきり言うね。あの後のサシャを見る限り、サシャは君たちを許さないだろう。」


ミカサ・アニ「!!…」

アルミン「そしてそれは、僕の胃痛が今後も尽きないことを意味する」

アルミン「…だがそれは、僕を想ってくれるサシャの存在で何割かは償却される」

アルミン「…僕はもういいんだよ。今後胃痛に苛まれても、以前よりはぜんぜんマシだからね」

アルミン「だが君らはサシャに許される…赦されることなく、生き地獄のような日々を送ることになるだろう」

アルミン「同情はしないが理解はするよ。そんな君らが背負うであろう苦痛に比べれば、僕の胃痛など
     雀の涙ほどにもならないだろう」

アルミン「恋人と幼馴染(とその共犯者)の間で感じざるを得ない苦痛など軽いものさ。だがね…」

アルミン「君らの通るであろう煉獄の苦痛すら、君らに踏みにじられたサシャのけなげな心の苦痛に
     比べれば、そんなもの、吹けば飛ぶような塵の重さもない!!!!」


ミカサ・アニ「…」

アルミン「…僕が君らを許せるのは、サシャが君らを許してからになるだろうと言った意味はこれだよ。」

アルミン「余計なことは考えないことだ。考えるべきは、自分の思いを他人に伝えきれない意思伝達能力の欠陥、
     そんな自分をどう克服すべきか、そして…」

アルミン「…どうすればサシャの傷ついた心を癒せるか。」

アルミン「それだけを、放免されるまで、」

アルミン「血反吐を吐いても考えろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


アルミン「…どうすればこのssの前半部と後半部の整合性のなさを上手くまとめることができるか。」

アルミン「それだけを、解決の途が見えるまで、」

アルミン「血反吐を吐いても考えろ>>1!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


非常に粗末ですみません。予定していた終末に辿り着けなくなりそう。お休みなさい。

いや、>>1を信じるんだみんな!






だめなら別スレでアルサシャのいちゃラブ書いてくださいお願いします


アルミン「もうはっきり言うね。>>148以前と以降で、このssは>>1の中では別物になってしまった」

アルミン「書き溜めが一旦止まってしまうと、それ以降をつなげるのは簡単じゃないと>>1は知った」

アルミン「そしてそれは、>>1の予定していた終わりの形を迎えることが困難になってしまったことを意味する」

アルミン「…だがそれは、>>1がほぼ書きかけていた>>148以降を大幅に修正することで何とか回避される」

アルミン「…といいな。」

また明日以降投下していきます 今夜のところはお休みなさい


修正と書いたけど>>161~>203の内容を無効にするわけではありません念のため

148からリスタってことでいいのかな?
なにはともあれ満足いくようにしたらいいと思うよ


>>212
148からクリスタって何だろうってちょっと思ってしまった
いや一度投稿した以上>>148以降>>202までの内容を無かったことにするのもどうかと思うのでそのままにして
明日以降投稿する分で終わりに向けて頑張ろうってことです分かりにくくて申し訳ない

急がなくても思うまま書いてくれたらいいよ

頑張って
あと投下するとき上げてくれると死ぬほど助かる

明日の夜に大量投下を予定してますのでよろしく

>>214
ありがとう
>>215
ありがとう了解した

お待たせしました 
投稿していきます


【面会2 終了】

営倉の外

クリスタ「アルミン、」

アルミン「…」

クリスタ「アルミン…やっぱり、ミカサの言ってた胃痛の事で怒ってるの…?」

アルミン「…正確には違うよ」

クリスタ「え、じゃあ…」

アルミン「…あれぐらい言わないと、二人ともサシャに償おうと思えないかもしれないから、さ」

アルミン「少なくとも、そんな姿勢とは少し違う気がしたんだ」


アルミン「…たしかに二人は『悪かった』と思い、『サシャ達に謝ろう』と思ってはいるだろう」

アルミン「でもそれって、ともすれば『謝ればそれでいい』っていうだけの気がするんだ」

アルミン「ミカサもミカサだよ…自分が恥ずかしいだの、サシャに殺されたいだのって…確かに自分を省みるのも
     大事だけど、結局それで終わってるじゃないか…」

アルミン「アニもだよ。ミカサと二人で、これからサシャにどう償うかを考えてくれててもいいじゃないか…」

クリスタ「…」

アルミン「クリスタは、あの二人のことをどう考えてる?」

クリスタ「そ、それは…確かにあの二人はサシャに意地悪したし、ユミルにも酷いことしたけど…」

クリスタ「でも、同じ女の子だからかな…私、エレンを巡って我を忘れたあの二人を、どうしても心底許せないとは思えないの」

クリスタ「多分…だけど、ユミルもそんな感じだと思う…」

アルミン「…」


クリスタ「…ごめんなさい。私って、悪い意味でお人好しすぎるよね…」

アルミン「そんなことないよ。君の考え方もまた重要だ」

クリスタ「…」

アルミン「でも、僕の考え方としては、さ…」

アルミン「ただ謝るのは誰にでもできる。ただそれで、わだかまりが完全に無くなるとは思えない」

アルミン「外見的な関係は修復できても、ね」

アルミン「この機会に、ミカサとアニが本当に人を慮ることができるようになってほしいんだ」

アルミン「そうすれば…謝るだけでなく、傷つけた相手の心をどう癒して償おうか、そう考えるようになる。
     周囲にも目を向けられるようになる」

アルミン「…僕が今の二人に期待するのは、それだけだよ…。」

クリスタ「…」


次の日 朝 サシャ・アニ放免(エレンの謹慎も解禁)

食堂

ギィイ…

サシャ「…おお、食堂もすっかり片付いてますね!」

ユミル「お前とミカサですんげぇ滅茶苦茶にしてたもんな」

クリスタ「あ、サシャにユミル!」ダッ

アルミン「放免されたんだね!」ダッ

サシャ「アルミン!!会いたかったです!!」ギュッ!

アルミン「サシャ!!お帰り!!」ギュッ!

ジャン「おぉう、見せつけてくれるぜ」

ライナー「久しぶりの娑婆での再開だしな!」

エレン「アルミン、サシャ、良かったな!」


ユミル「おぉ~愛しのクリスタ、あたしのいない夜は寂しかっただろう!?」スリスリ

クリスタ「や、ちょっとユミル、久しぶりだからって変なスキンシップはしないで!」ジタバタ

コニー「なんか、いつも通りって感じだな!」

マルコ「そうだね、しばらくは女子がほとんどいない状況で寂しかったけどね」

ベルトルト「ははは…(クリスタにユミルというお邪魔虫がいない状況も終わりか…けどこれはこれで、いっか…)」

モウ!! ツレナイコトイウナヨクリスタ~ 

ベルトルト(ユミル…)






コニー「あとは、ミカサとアニが戻ってくれば、もう完全に元通りだな!!」


シーーン…

ライナー(馬鹿!この大馬鹿野郎!)

ジャン(サシャがミカサとアニをまだ許してねぇってのはとっくに伝わってるはずだろうが!)

ユミル(あの野郎…ちったあ空気ってえものを…)

ベルトルト(コニー、君ってやつは…)

サシャ「…」イラッ

アルミン(…やはり、こうなるよね。仕方のないことだけど)

クリスタ「…」オロオロ

エレン(…これが、重い空気ってやつか。でも目を逸らしちゃだめだよな)グッ

コニー「な、なんだよ。俺、何か悪いこと言ったか?」


ライナー「おうコニー。訓練が始まるまでちょっと野球しようぜ?」

ベルトルト「それはいい考えだライナー。さあコニ―、外に出よう」

マルコ「僕も行くよ。思いっきりかっ飛ばしたい気分なんだ」

ジャン「俺も混ぜてもらうぜ。何だか体を動かしたくて仕方ねえ」

コニー「ちょ、お前ら離せって!おい!」ズルズル

バタン

サシャ「…」ムスッ

アルミン「…」

クリスタ「…」オロオロ

ユミル「…」

エレン「…」


エレン「…なぁ、サシャにユミル、そろそろお前ら飯食わねえか?朝飯まだなんだろ?
    実は俺も、謹慎明けでまだ食っててなかったしさ」アセアセ

ユミル(こいつ…教官の説教をくらって、少しは周りを見れるようになったじゃねえか…)

アルミン(エレン、ありがとう…)

クリスタ「そ、そうだね!私が持ってきてあげるから、二人は座って待ってて!」ダッ

サシャ「…ありがとうございます!久しぶりの食堂のパァンが楽しみです!」ガタッ

ユミル「おう、2日ぶりに落ち着いて飯が食えるぜ」ガタッ

アルミン「実は僕もまだなんだ、クリスタお願い!」ガタッ

サシャ「アルミン、もしかして待っててくれたんですか!?」


アルミン「うん!」

サシャ「さすがは私のアルミン!ありがとうございます!」ニコッ

アルミン「!!そんなことないよ」テレテレ

ユミル「けっ、人目もはばからず見せつけてくれるぜ…」

エレン「ほら、持ってきたぞ」ゴト

クリスタ「お待たせ!」ゴト

アルミン「じゃあ、いただきます!」モグモグ

サシャ「いただきます!ん~、懐かしのパァン!」モグモグモグモグ

ユミル「…ん。」モグモグ

クリスタ「ユミル!ちゃんといただきますって言いなさい!」プンプン

サシャ「ほうれふよ、ふひる」モグモグモグモグ

エレン「はは、サシャの食いぶりも久しぶりだ」モグモグ


アルミン(とりあえず、エレン達の助け舟もあって今は大きな問題はない…。)

アルミン(…しかし、5日後にはミカサとアニも放免されて戻ってくる)

アルミン(その後、一体どうなるんだろう…)

アルミン(…ミカサとアニ次第、であればまだいいのだけど。頼むよ、二人とも…)

アルミン「…」

サシャ「?アルミン、何か考え事ですか?」モグモグ

アルミン「!!いや、ごめんなんでもないよ」

サシャ「そうですか…」

サシャ「…」

アルミン「…」


同日

【面会3 ミカサ・アニにエレン・ライナー・ベルトルト】

エレン「…おぅ」

ライナー「よう」

ベルトルト「…やぁ」

ミカサ「エレン…」

アニ「…あんたら…」

エレン「その…お前ら、元気か?」

ミカサ「…ええ」

アニ「…うん」

エレン「そっか…。」

ライナー「まあ、ケガも特にひどそうでなくて何よりだ」

エレン「…」


エレン「…俺、今日で謹慎解けたんだ。だから来るのが遅くなった。悪かったな…」

ミカサ「…エレン、もう怒ってないの?」

エレン「俺が?」

アニ「…私らが営倉に入る前、ものすごい剣幕で怒ってたじゃないか…当然だけど…」

エレン「ああ…それな…」

エレン「あの教官の話と、その後のアルミンからの指摘で、俺が周囲に対して、あまりにも
    鈍感で無神経すぎたってことに気づかされてさ…」

エレン「…それ考えるとさ、やっぱ俺も悪いんだよ。」

ミカサ「エレン…」

アニ「悪いのは私たちさ…」

エレン「もちろん、俺だってお前らに言いたいことはある。今でもな」


エレン「だけど、結局それはおそらく感情に任せただけの言葉でしかないと思う。」

エレン「俺は鈍いから、ただ無意味にお前らを傷つけることしか言えないんだろうな。
    今までのように…ガキの頃と変わりなくな」

エレン「…お前らが言われるべき事は、もう教官やアルミンから嫌というほど聞いてきただろう。
    もう俺が何か言う隙も資格も、ありはしないだろうし」

ミカサ「エレンは…私を見捨てようとはしないの?」

エレン「見捨ててほしいのか?」

ミカサ「…」フルフル

エレン「…父さんと母さんに俺の兄弟同然に育てられてきたお前を、俺が手放す資格はないと思う。
    俺自身だって見捨てたくはない」

エレン「もちろん、お前が今回さらけ出した陰湿な一面は、俺は大嫌いだ」


ミカサ「…そうね。それが当然…」

エレン「だから早くそういうとこ直せ」

エレン「お前は素直じゃねぇんだ。俺やアルミンに対してはちょっとマシかってレベルだな」

エレン「…そうそう、忘れるところだった。ジャンから伝言だ。『元気で早く戻ってきてくれ』ってさ」

ミカサ「!!」

ミカサ「そう…」

エレン「あいつも最近変わってきた。お前の事にぞっこん過ぎて異常なのは閉口するが、根は悪い奴じゃないさ」

ライナー「考課の前あたりからミカサ絡みでエレンに喧嘩を吹っ掛けることが少なくなってきてたよな」

ベルトルト「果たして何が原因なのかは分からないけどね…」

エレン「…お前の仲間は、俺やアルミンだけじゃない。みんなだ。」


エレン「俺はそれを分かっていたようで分かっていなかった。背中を任せるはずの仲間を、
    あまりにも見てなさすぎた。お前らは…俺みたいなつまらないモノしか見えてなさすぎた」

ミカサ・アニ「…」

エレン「お前らの…その、俺に好意?があったっての…」

エレン「さすがに気づいてないわけじゃなかったんだけど、あんまピンとこなくてさ、」

エレン「…訓練にもかまけて、ずっと放っておいたんだ」

エレン「情けねえよな。巨人を倒すための訓練に夢中で、周りの仲間が見えなくなっちまってたなんてよ」

ミカサ・アニ「…」


ライナー「それを自覚できるようになっただけでも、お前は進歩したよ」

ベルトルト「エレンの鈍感さには、やきもきしてた同期も多かったんだよ。アルミンやミカサ、アニを筆頭にね」

エレン「…」

エレン「きちんとお前らに向き合うことをしなくて、済まなかった。でも今の俺は特定の奴だけに応えてやるって
    ことはできないけどな…。」

ミカサ「…うん」

アニ「…わかったよ。ありがとう」

エレン「とにかくミカサ、仲間には素直に接することが出来るようになれよ。俺やアルミンだけじゃなくて、同期の皆にもだ」

エレン「もちろん、今お前の隣にいるアニにもな」

アニ「…」


ライナー「アニ…俺も、お前がミカサと組んでサシャに酷ぇことしたのは苦々しく思うぜ」

ライナー「ユミルを本気でぶちのめそうとしてたのは尚更だ」

ベルトルト「何か思いつめてたりしてたのなら、どうして幼馴染である僕らに相談しなかったんだい」

ベルトルト「…君も、確かに素直じゃないね」

アニ「…あんたらには、特に迷惑をかけたよ。ユミルと闘ってた時、取り返しのつかない事をしようとしてた
   私を止めてくれて、本当に申し訳なかった」

ライナー「ああ…結局ユミルも大事なく放免されて、今は元気だぜ…」

ベルトルト(ユミル…か…)

ミカサ・エレン(取り返しのつかない事???)


アニ「…幼馴染って、ありがたいな」グスッ

ベルトルト「はは、泣き虫のアニなんて久しぶりだね」

ライナー「おお、そうだな」ハハハ

アニ「からかうんじゃないよ…」ゴシゴシ

ミカサ「アニ…」

ライナー「…昨日、お前らの面会から戻ったアルミンが怒ってたぞ。あいつがあんな風に怒るのって見たことねえぞ」

ベルトルト「詳しくは聞かないけどさ、放免されたらさ、サシャ達とはきちんとした方がいいと思うよ」


ミカサ「…アルミンが怒るのも、無理はない」

アニ「営倉でおとなしく過ごしときゃ無かったことになるってわけじゃないって怒ってくれたんだしね」

エレン「…」

エレン「二人とも、早く営倉から出てきな」

エレン「…お前らがいないと、飯も訓練も寂しくなるからよ。」

ミカサ・アニ「!!」

ライナー「そして、サシャ達だ。さっき言ったが、あいつらは今日放免されたぞ」

ベルトルト「君らも放免されたら、ちゃんと誠意を尽くすんだよ」

ミカサ・アニ「…うん」

【面会3 終わり】


そして…

ミカサ・アニ放免当日 朝

ガチャ

ミカサ「っ…!」

アニ「眩しい…」

キース教官「今日で貴様らは放免だ。これから訓練に戻ってもらう」

ミカサ「…」

アニ「…」

キース教官「営倉内で少しは己を省みることができたか?」

ミカサ「はい…」

アニ「はい」

キース教官「…しかし今日からまた日常に戻ってもらう。もっとも…」

キース教官「それが貴様らにとって、以前の日常とは限らんがな」


ミカサ「…」

アニ「…」

キース教官「…ともかく、現時刻をもって貴様らを放免する。いいな!」

アニ「はっ…」

ミカサ「ご迷惑を、おかけしました…」


女子寮前

ミカサ「…」

アニ「…」

クリスタ「あ、二人とも…」

ユミル「そっか、今日が放免の日か」

ミカサ「ええ…」

アニ「…」

ユミル「…」

アニ「…ユミル、済まなかった。本当にごめんなさい。私、あの時は本気でユミルを…」


ユミル「…何だよ、…あたしの事はいいよ」

ユミル「こっちも、あの時は口が過ぎたし…」

サシャ「…すまない、ありがとう」グシッ

ユミル「な、泣くなよ…」

ミカサ「クリスタ、ごめんなさい。貴女を脅して、怖い目にあわせて…」

クリスタ「…そうだよ。でも、2人とももう営倉から出たんだから私はもう何も言わない…」

ミカサ「…ありがとう、クリスタ」グシッ

ユミル「ほらほら、一番謝らなきゃなんねえのが中にいるぞ」

クリスタ「うん、行って」

ミカサ・アニ「…ええ」


ガチャ

サシャ「…」

ミカサ「…」

アニ「…」

ミカサ・アニ「サシャ」

ミカサ「私たちは…貴女に対し、自分たちの嫉妬が原因で酷いことをしてしまった…」

アニ「本当に、ごめんなさい!」ザッ

ミカサ「ごめんなさい!」ザッ

サシャ「…」

アニ「…何をどうすれば私たちのしたことを償えるか、ずっと考えているけど…」



ミカサ「私たちに償えることはなんでも言ってほしい。もちろん、私たちも自分n」

サシャ「言いたいことはそれだけですか?」


ミカサ・アニ「…」

クリスタ「さ、サシャ、」

ユミル「…」

サシャ「あの時、私言ったでしょう?『絶対許さん』って。忘れたとは言わせません。」

サシャ「…もう何も言わないでください。今度ばかりは私だって堪忍袋の緒が切れたんですから。」

サシャ「私は絶対にあなた達を許せません。」

サシャ「失礼します」スッ

ミカサ「サシャ…!」ダッ

アニ「サシャ…」ダッ

訂正>>245 嫉妬→錯誤

サシャ「来ないでください!」

ミカサ・アニ「!」ビクッ

サシャ「…」

サシャ「…」

バタン

ミカサ「…」シュン

アニ「…」シュン

クリスタ「…」オロオロ

ユミル「…」


それからしばらくずっと…

食事中

アニ「あ、あの…サシャ、」

ミカサ「良かったら、話を…」

サシャ「アルミン、あっちで食べましょう」スッ

アルミン「…うん…」

ミカサ「…」

アニ「…」

>>244
>>サシャ「…すまない、ありがとう」グシッ

これってサシャじゃないよな?


エレン「…」

ライナー「…」

ベルトルト「…」

ジャン「…」

マルコ「…」

コニ―「…」

クリスタ「…」オロオロ

ユミル「…」

>>250 その通りです>>244はアニに訂正します


立体機動訓練

ミカサ「サシャ…あの…」

サシャ「…」パシュッ ビュウウウン

ミカサ「…」

アルミン「…」



対人格闘訓練

アニ「ね、ねえサシャ、…」

サシャ「相手をお願いしますアルミン」フイッ

アルミン「う、うん…」

アニ「…」

アルミン「…」


2、3日経って

女子寮

サシャ「…」

ミカサ「…」ドンヨリ

アニ「…」ドンヨリ

クリスタ「…」オロオロ

ユミル「…」

ユミル「…そろそろ、消灯すっぞ」

サシャ「…」フトンモグリ

クリスタ「え、えと…」オロオロ

ミカサ「…」

アニ「…」

ユミル「…寝るぞ」パチン


同じ頃 男子寮

エレン「…」

ライナー「…」

ベルトルト「…」

ジャン「…」

マルコ「…」

コニ―「…」

ジャン「…やっぱ、ああなってしまったな」

ライナー「ああ…さすがに俺らもキツいな、今の空気は…」

マルコ「とりあえず、コニーには教育を施しといてたからこっちは問題ないとして」

コニー「こ、この間は悪かったよ…」ボロッ

ジャン「俺としては…本音はミカサが帰ってきてくれたから嬉しい。これまでと変わらずミカサの
    味方でいてやりたいもんだが…」


ベルトルト「僕らもだよ。アニが帰ってきたのは嬉しい。だけど…」

エレン「あの二人がサシャ達に酷ぇことしたのは紛れもない事実なんだ。」

ライナー「そうだよなぁ…。サシャの態度も当然なんだ。俺達がサシャに、あの二人を許してやれ
     なんて言えるわけもないもんな」」

ジャン「ああ…」

マルコ「こんな時はアルミンの頭脳に頼ろう、と言いたいところだけど…」

ベルトルト「アルミンは今、物理的にも精神的にもサシャのそばに寄り添ってるんだ。
      そんなこと、相談できるわけがないんだよね…」

マルコ「アルミンがいないと、結局僕ら何も結論を出せないね…」


ライナー「…とりあえずは静観しかない…ともかく、もう先の事件のような悲劇は2度と起こさないようにしなけりゃな」

ジャン「そうだな。今はそこまでにしておこう」

エレン「了解だ」

ジャン「ところで、アルミンはどこだ?」

マルコ「…自習しに行ったよ」

ベルトルト「…ここにも居づらいんだろうな、アルミン…」

ジャン「せっかく仲間に彼女ができたのに、祝ってやれねえのもつらいな…」

エレン「…」



座学教室

アルミン「…」

アルミン「何だろう…せっかくサシャと恋人になれたのに」

アルミン「周りの空気が、低く重く暗く垂れこめて、素直に喜べない」

アルミン「サシャ…ミカサ…アニ…」

アルミン「こんなこと、予想はしてたけどさすがに…」

アルミン「…辛いものがある。ミカサとアニがサシャに袖にされるのは仕方のない…ことだけど」

少し中断します

再開します


アルミン「…そのサシャもどこか辛そうだ。ミカサとアニも言うに及ばない。やっぱり、見ていて辛いよ…。」

アルミン「みんな…ミカサとアニの放免以来、心の中に蓋をしてしまったような気がする」

アルミン「…」キリキリ

アルミン「僕は頭脳よりも、胃の方がずっと正直なのかもしれない」

アルミン「…僕が生きてることの証明である痛みが、こんな胃痛でしかないなんて…」ポロッ



そして…ミカサ・アニ放免から5日経った土曜日

就寝前 食堂裏

サシャ「…お話があるとのことで来ましたが」

ユミル「よう…お前、何だかイラついてんな。ここんとこ、ずっと」

サシャ「はぁ!?…用がないんなら戻りますよ?」イラッ

ユミル「…話の内容は大体想像つくだろう?」

サシャ「…」

ユミル「ミカサとアニの事だ」


ユミル「率直に言う。あいつら、お前に取り付く島も与えられなくて、どうしようもなくなっちまってる」

ユミル「もうかなり精神的にもキてるんじゃないか?なぁ、そろそろ潮時じゃ…」

サシャ「…それが何だっていうんです。あの二人はそれだけのことをしたんです。当然の報いじゃないですか」

サシャ「少なくとも私はあの二人を許せません」

サシャ「ユミルこそ、あれほどアニに痛めつけられたのに、今はそれほど怒っていませんね」

サシャ「もしかして、アニにされたことをもう忘れちゃったんですか?」

ユミル「いや、んなこたねぇけどさ…」

サシャ「ユミルはやっぱり優しいですね。私なんか足元にも及びませんよ」

ユミル「…」


サシャ「私は別にユミルがあの二人と関係を修復しても全然気にしません」

サシャ「この騒動にユミルを巻き込んだのは、元をただせば私ですから。それは申し訳なく思っています」

サシャ「ただ、私自身の感情として、私自身があの二人を許せないだけです。だから私はそれを通してるんです」

サシャ「この話はここまでです。もう行きますね」スッ

ユミル「この嘘吐き芋女が!」

サシャ「…ぁ!?」クルッ


ユミル「お前、前に言ってたよな。食事の時くらい明るく飯食いたいってさ」

ユミル「それに、アルミンも辛そうにしてたから、お前は血を吐くような努力してアルミンを労ってやろうとしてただろ?」

ユミル「…あの事件のとき、お前とアルミンが想いを交わせたのを見てあたしは、ああ闘った甲斐があったって思ったんだ」

ユミル「それなのに、今は…」

サシャ「…」

ユミル「今のお前、あの時のミカサやアニと変わんないぞ。」


サシャ「!!」

ユミル「周りの事なんて考えずに、いたずらに空気を悪くして、人の気持ちを重苦しくしてる」

ユミル「食事の時間を思い返してみろよ。言わせてもらうが、ありゃ、まだミカサとアニが争ってた頃のほうがマシだ!!」

ユミル「そんなんじゃ、せっかくアルミンと付き合い始めても、お前だってちっとも楽しくないだろうが…!」

サシャ「…分かってますよ!」

ユミル「お前さ、この世界にたった一人存在してるわけじゃないんだぜ!?」

サシャ「分かっとる言うてるやんか!!!」ガシッ

ユミル「!!?」


サシャ「アルミンは私の彼氏や!!彼氏が何を思っとるかくらい察しはついとるったい!」

サシャ「でもな、あいつらは今までアルミンを精神的に追いこんどったんやぞ!」

サシャ「それだけでも許せんやろうが!仮に、私にしたことは許せてもっ!!」

ユミル「だから、お前も今同じようなことをしてるっつてんだよ!何度も言わすな!この芋女!」ガシッ

サシャ「!!…、…」

ユミル「…」

ユミル「ミカサとアニも、アルミンもだけどさ、お前もそろそろ参るぞ?そんなんじゃよ…」

サシャ「…」


サシャ「どうしてろって、言うんですか…」

ユミル「はっ…それくらい自分で考えろよバカ」

サシャ「…」

ユミル「…」

ユミル「…私は先に戻るよ。おやすみ、サシャ」

サシャ「…」


同じ頃 女子寮裏

ミカサ「…」

アニ「…」

ミカサ「…結局、私たちはサシャにだけは何も償えず、許してもらえずに今日まで来てしまった」

アニ「ああ…覚悟はしてたけど、このままじゃあな…」

ミカサ「今の皆の空気が悪いのも、私たちのせい」

アニ「皆にも申し訳ないね…」

ミカサ「サシャもアルミンも、自分たちの関係を、全然楽しめていない」

アニ「せっかく付き合い始めたのに、悪いことしてるよね」


ミカサ「…明日は、私たちが放免されてから初めての休日」

ミカサ「アニは、何か用事はある?」

アニ「あるさ。あんたと同じ用事がね」

ミカサ「…」

アニ「…アルミンに怒鳴られてから、私なりに考えたんだよ。あんたも、恐らく同じことを考えたんだろ?」

ミカサ「ええ…話が早くて助かる」

アニ「明日は、お互い早起きしよう」

ミカサ「ええ…!」


翌朝 日曜日

女子寮

チュンチュン

サシャ「…」ムクリ

サシャ「…」

クリスタ「あ、サシャおはよう…」

ユミル「…おはよ」ボサボサ

サシャ「…おはようございます」

サシャ(ミカサとアニが、いませんね…)

ユミル「…」


食堂

ガチャ

サシャ(…ここにもいないですか…)

エレン「おうサシャか、…おはよう」モグモグ

サシャ「おはようございますエレン…あの、その、ミカサとアニを知りませんか?」

エレン「!!ああ…なんか朝早くに外出してたぞ…」

サシャ「そう、ですか…」

エレン「お、おい、朝飯食わないのか…」

サシャ「…」ガチャ バタン

サシャ「…」


アルミン「あ、こんなところにいたのかサシャ。おはよう」テクテク

サシャ「アルミン…」

アルミン「いいお天気だ、良かったら湖まで散歩に行かないかい?何なら釣りも兼ねてさ」っ釣竿

サシャ「…」

アルミン「エレンから聞いたよ。朝ご飯食べなかったんだって?だから厨房に頼んで、昼ご飯と
     一緒にお弁当箱に入れてもらったんだ、ほら」っリュック

アルミン「…僕ら、せっかく付き合うことになったのに、恋人らしいこともまだ何もしてないよね。
     だから、これは僕から誘う初めてのデートと言うことで…」

アルミン「…行かない?」

サシャ「アルミンがそう言うなら…ご一緒します」

アルミン「そっか、ありがとう。なら行こうか!」

サシャ「はい…」


湖のほとり

チュンチュン カッコオオォォォォォォォ…!

アルミン「いい、景色だね」ヨッコラショット

サシャ「…」オスワリ

アルミン「…」

サシャ「…」

サシャ「アルミン」

アルミン「…何だい?」

サシャ「ここへのデートに誘ってくれて、ありがとうございます」

アルミン「そ、そんなにかしこまらなくても」

サシャ「…ですが私、なんだか楽しくありません」


アルミン「…」

サシャ「もしかして…アルミンがここに私を連れてきたのは、ミカサとアニのことで、何か話があってのことですか?」

アルミン「…外れては、いない。」

アルミン「というのは僕が何か話したいから…というよりも、君の話を聞きたいとも思ったんだ」

サシャ「…」

アルミン「怒っても構わないよ…」

サシャ「怒る気は毛頭ないです。恐らくそうだろうと思ってましたから。」

アルミン「!」

サシャ「私の話の何を聞きたいかというのはとりあえず置いておいてください。それよりも、」

アルミン「?」


サシャ「ミカサとアニについて、アルミンが知ってることを話してくれませんか?」

アルミン「…??」

サシャ「すみません、言い方を変えます。私は、あの二人のことをよく知りません。
    同じ屋根の下で過ごしていても、私はクリスタとユミルほどにあの二人と元々親しくありませんから」

サシャ「知らないから…教えてほしいんです。」

サシャ「あの二人がしたことを、私はこの身をもって受ける羽目になりました」

サシャ「二人の行為…これは絶対に許せません」

アルミン「…うん」

サシャ「ただ…」


サシャ「…なぜあの二人があれほどのことをしでかしたのか、私にはいまだによくわかりません」

サシャ「二人の教官への申告を信じるならば、ただの錯誤というのがその説明になるでしょう」

サシャ「ですが、それでは私が今一つ納得できないんです」

サシャ「あの二人があの行為に踏み切った、根源的な動機…」

サシャ「すみません、うまく言葉にできませんが…。頭のいいアルミンになら、それが分かるんじゃないでしょうか」

サシャ「ミカサに至っては、アルミンの幼馴染ですし…」

サシャ「教えてください…あくまで参考までに、ですが」

アルミン「何の参考に、したいの?」

サシャ「…」

アルミン「…」

アルミン「…教えてあげる前に、今気づいたことを言わせてもらうね」


アルミン「君は、ミカサとアニを」

サシャ「…」ビクッ

アルミン「許したいと思ってるんじゃないか?」

サシャ「…ちっ…」

アルミン「なら言い方を少し変えよう。許す許さないはどうあれ、サシャはミカサとアニとの関係を
     修復させたいと考えている」

サシャ「…」

アルミン「…だけど、気持ちの上では許すことが出来そうにもない。今のような態度を取り続けた
     状況下で、引っ込みもつかなくなっている」

サシャ「…。」

アルミン「彼女らと同様、あれからの日々をいたたまれなく過ごしているのはサシャも同じだろう?」

サシャ「…アルミンは、私にどうして欲しいんです?」

アルミン「…」


サシャ「アルミンこそ、あの二人を許したい…」

アルミン「…」

サシャ「いいえ…私にあの二人を許してほしいんじゃないですか?」

アルミン「…、…」

サシャ「否定、しないんですか…?」

アルミン「…正直、分からない。ただ、あの二人の身勝手な行動に対しては、むろん怒りを感じている」

アルミン「だから、二人が簡単に許されるべきではないと考えた」

サシャ「…クリスタから聞きました。アルミンが、営倉でミカサとアニにすごい剣幕で怒りを表したこと…」

アルミン「…その通りだ。一事が万事、あの二人の主導した事件なのだから、ただ謝罪して救われようと
     二人が望んでいるのならば、決して許されるべきではないことだと考えたからだ。
     死に物狂いでサシャ、君に償う方法を自分たちで考えてほしいと思ったからだ」

サシャ「しかしアルミンは私をここへ連れてきました」

サシャ「なぜですか?」


サシャ「私があの二人を許さないと決めたのだから、私の意思を尊重して、何もせず放っておいてくれると
    いうことではないんですか?」

サシャ「アルミン、あなたはやはり私にあの二人を…」

アルミン「…身勝手な僕を許してくれ。今の僕は、どうしようもなくブレている」

サシャ「…」

サシャ「いえ…そこまで身勝手とは思いません…アルミンを私とあの二人の板挟みにしてしまっているという事でしょうから」

アルミン「板挟みなんかじゃない!僕はただ、君の…」

サシャ「…え?」

アルミン「…僕は、先述のとおり、君があの二人を簡単に許すべきではないと思っていた」


アルミン「それでもいいと思っていた。その…万一…万一にだ、僕とミカサ…アニとの関係が断絶してしまおうともっ…」

サシャ「!」

アルミン「僕は僕を心から慮ってくれる君の存在さえあれば、僕自身本当に救われると考えていた…!!」

サシャ「…」

アルミン「…がしかし、あれ以来、僕…そして何より君は苦しんでいる。」

サシャ「…そんなこと、ありません。私は苦しんでなんか…」

アルミン「本当に…そうなのかい?」

サシャ「…」

アルミン「君がそう言うのであれば、そうなんだろう…。
     僕は、君があの二人に持つ今なお消えない怒りを、否定しない。むしろ、尊重する…」グッ

サシャ「やめてください」

アルミン「!」


サシャ「そんなの、卑怯です」

アルミン「…」

サシャ「アルミンの意思はアルミンが決めるべきです。私がどうか?そんなの関係ありません。
    私のせいにしないでくださいっ!!!」

アルミン「っ…」

サシャ「…私だって、今の空気は嫌です。それを、他ならない私自身が醸成してるのも。」

サシャ「昨日、ユミルに言われました。私が今取っている態度は、結局のところ以前のミカサと
    アニが食事時に創り出していたものと違わない、と…」

アルミン「…」


サシャ「ショックでしたよ。でも確かにその通りでした。これからも私がそうし続けるなら、
    私は私の大切な人の精神を以前と変わりなく痛めてしまうのですから」

アルミン「!…」

サシャ「…」

サシャ「ごめんなさい。私、アルミンのことを責められません。私もアルミンを言い訳に使ってしまいました…」

アルミン「…」

アルミン「…さっきの君の頼みに応えよう。僕が語れるミカサとアニについて、聞いてもらえるかな?」

サシャ「…もちろんです。私が、そうするようお願いしたんですから…。」


その頃 とある山の中


バシュウウウウウウウウウウ… 

ミカサ「…」スタッ

アニ「…」スタッ

ミカサ「…」ガサガサ

アニ「…」ザッ ザッ

ミカサ「朝の買い物が早く済んでよかったけど…」

アニ「…こっちは、そうはいかなさそうだね。」

ミカサ「…中々、やすやすと見つかるものではないみたいね。足場も、悪いし…」

アニ「ああ…おまけに、道具も揃ってないときた」

ミカサ「経験もね…」


アニ「…」

ミカサ「…」

アニ「…もし私たちが獲物を捕まえて、訓練所に戻ったら…サシャは喜んでくれるだろうか?」

ミカサ「…分からない。だけど…これが今の私たちに出来る、精一杯の償い…」

アニ「サシャだけじゃないね…アルミンにも、他の皆にも喜んでもらわないと…」

ミカサ「…ええ!」


バキッ!!!


ミカサ・アニ「!!」


熊「グルルルルルルルルルルルル…!!!」

アニ「…いたね。あそこ、モミの木の下」

ミカサ「ええ、見つけた…!!」

アニ「熊か…ちょっとばかしでかいけど…あれなら十分皆に振る舞えるよ」シャキン

ミカサ「そうね…不足はないわ」シャキン

アニ「よし…ミカサはこっちから頼む。私はあっちからいくよ」

ミカサ「了解した、行こう!」バッ

アニ「ああ!」バッ


その頃 静かな湖畔

アルミン「…ミカサには、幼い時に肉親を目の前で喪った壮絶で哀しい経験があるんだ。」

サシャ「!」

アルミン「ミカサはエレンに、エレンの家族に引き取られて、エレンの一家の一員として育ってきた。
     シガンシナが陥落するあの日までは…」

サシャ「…」

アルミン「ミカサにとって、エレンはこの世にたった一人生き残った家族なんだ。」


サシャ「つまり…エレンを失うこと、エレンが自分のそばから離れて行ってしまうことが、
    ミカサにとっては自分が死ぬより何より辛いってこと…?」

アルミン「…。」

サシャ「…ミカサの異常な行動の裏側にあったもの…エレンという居場所を奪われる意味…ですか…?」

アルミン「…」

アルミン「アニだって、同じようなものだと思う。」


アルミン「僕はアニのことはよく知らない。せいぜい、ライナーやベルトルトの幼馴染だって事位かな。」

アルミン「ただアニはミカサとは違って、幼馴染たちから微妙に距離を置いてるところがある。」

アルミン「性別の違いかもしれないけれど、それが原因かどうかはわからない。ただわかるのは…」

アルミン「アニは、人から愛情を受けたり、自分から人に愛情を示すことが極端に下手だってことだ。」

サシャ「!」

アルミン「エレンは優しいし素直だから、よく一人でいるアニにも近寄って、交流している。」

アルミン「アニからすれば、恐らく自分に対して眩しいほどに素直な眼差しで見つめてくるエレンに、
     何らかの好意を抱かないはずがないと思うんだ。」

アルミン「たぶん…アニが時折見せる仄暗い過去を背負う瞳に向き合っていける異性は、ここには
     エレンしかいないだろうしね。」

サシャ「…」


アルミン「そのエレンだって、あれ以来反省しているんだよ?鈍感な自分にね…」

アルミン「彼は、今回の事件の大本が自分にあると知るべきだったと思うしね」

アルミン「しかし、エレンの弁護をあえてさせてもらうとしたら…」

アルミン「エレンは、異性から愛されるのを無意識に避けているんだ。」

サシャ「どういう…事ですか?」

     
アルミン「エレンの心に刻まれた、一生消えない傷…シガンシナ陥落の時、エレンのお母さんは、
     崩れた家の下敷きになって逃げることが出来ず、エレンとミカサの見ている前で巨人に喰われた」

サシャ「!!!…」

アルミン「大好きだったお母さんを見捨てて逃げざるを得なかった、自分への罪悪感。」

アルミン「エレンが巨人の駆逐のみに執着して訓練しているのは、お母さんへの償いだろうと思う。」
     
アルミン「愛する人を見捨てた自分を、エレンは…ずっと許せないまま生きていくだろう。」

アルミン「そんなエレンだから…母親以外の女性に好意を受ける、愛されるっていうのが、恐らく
     ありえない、あってはならない事だと無意識に拒絶してしまっている。」

アルミン「エレンは恐れているんだ、心の中で…自分が愛する人、自分を愛してくれる人を再び、喪うのを。」

アルミン「だから、自分に好意が向けられていたところで、エレンにとってはピンと来ないんだよ。」

サシャ「…」


アルミン「…僕も、巨人への反攻戦に徴用されたせいで…お爺ちゃんを殺された」

サシャ「!…」

アルミン「けれど、目の前で家族を喪ったエレンやミカサの心の闇は、いかに幼馴染とはいえ、
     僕には計り知れるわけもない。」

アルミン「だから、僕は…幼馴染の業として、二人の心の闇から発せられるエレンの鈍感と、
     ミカサのエレンへの過保護・過度な愛情表現になるべく水を差さないようにしてきた。」

アルミン「彼らの心の闇を押さえつけてしまわないように…」

アルミン「もちろん幼馴染の僕だからって二人の闇に向き合うのがしんどくないわけじゃない。
     いずれは、それを自分たちで克服してもらいたいと考えていた。」

アルミン「いや、アニも加えたら3人か…」

アルミン「ははは…僕は生来の臆病者だし、胃には結構まいったけどね…。」

サシャ「…」


アルミン「それでも…僕には守るものができた。それが、今までとは違うことだ」

サシャ「!」

アルミン「そんな僕の辛さに気づき、僕をいたわるために骨を折って料理を作って
     くれる優しくて元気な女の子に、僕は愛されていたんだ」

サシャ「…」

アルミン「優しいだけじゃない。僕のために、サシャは自分の闇に駆られたミカサとアニに
     真っ向から立ち向かい、一歩も引かずに闘い抜いた。」

アルミン「君は優しく、それでいて強かだ」

アルミン「僕は、そんな君に愛されている自分を誇りに思う」

サシャ「…っ!!!」ブワッ ポロポロ

アルミン「…」ヨシヨシ

サシャ「…」ゴシゴシ


アルミン「自分でも、ずいぶん恥ずかしいことを言ったものだなと思うよ」

サシャ「へへっ…アルミンも中々言ってくれますね…」グシッ

アルミン「でも、本当の事だよ?」

サシャ「そうじゃなきゃ怒りますよ?」

アルミン「あはは…」

サシャ「やっぱり、アルミンは優しいですね。」


アルミン「?」

サシャ「アルミンは人をよく見てると思います。幼馴染も、仲間も…。」

サシャ「だから、アルミンに今回苦しい思いをさせてしまったと思ってます」

サシャ「…だって、アルミンがミカサやアニを見捨てられるわけなんて、絶対にありえませんから…」

サシャ「アルミンは私が優しいって言ってくれましたけど…私だってアルミンの優しさに魅かれたんですよ?」

アルミン「…ありがとう」

サシャ「…」

アルミン「…」


サシャ「…私が、訓練兵団の入団式の時にしたことを覚えていますか?」

アルミン「ははは、104期の誰もが覚えているさ。サシャが教官の前で堂々と芋を食べていたのを」

サシャ「ええ。あれ、実はわざとやったんです。」


アルミン「えっ…!?」


サシャ「…私、生来の臆病からくる人見知りと、故郷の言葉が馬鹿にされるのが怖かったのがあって、
    訓練所では自分を隠していこう…そう決めて入所してきたんです」

サシャ「私の村、交易もほとんどなくて閉鎖的でしたし…」

サシャ「ここで友達もできるかどうかも分からないし、幼馴染なんかもいない」

サシャ「…すごく、心細かったんです」

サシャ「だから私…入所式のときに、一芝居うつことにしたんです」

アルミン「…!」

サシャ「…今となっては顔から火が出るほど恥ずかしいですけど、私は思い切って芋を盗み、
    教官が罵倒に回ってくるのに合わせて、食べ始めたんです」


アルミン「確かに…あの時、教官は僕ら3列目まで罵倒し終えてしまっていた…」

アルミン「時間的に、それまでに芋の一つ二つくらい見つからずに食べきってしまえただろうし、
     いくらなんでも冷えてしまっていたはず…!!」

サシャ「さすがはアルミン。その通りです。あの時、芋はとっくに冷めていました。」

クリスタ「でも、どうしてそんなことを…」

サシャ「…皆に、私はここにいるぞっ!ってことを、強いインパクトで印象付けたかったんです。」

アルミン「!…」


サシャ「ただの気弱な田舎娘として私が過ごしていくには、訓練所はあまりにも過酷だと思えましたから…」

サシャ「思惑通り、私は食い意地張った破天荒な“芋女”としての存在を根下しすることに成功しました。」

サシャ「あ…でも、私が自分でいうのもなんですけど、私の食い意地が凄いのは生まれつきですから…
    って私、何言ってるんでしょうか…。」

サシャ「…ごめんなさい。私、変に計算高く自分の臆病を隠そうとしただけの女なんです」

サシャ「アルミンに引かれたり嫌われたりしても、仕方ないです…」


アルミン「そんなことないさ!僕だって、座学が出来なきゃただの役立たずのもやしさ」

サシャ「そんなことはありません!………!?」

アルミン「…」

サシャ「…」クスッ

アルミン「!?」

サシャ「ごめんなさい…ふふ…私たち、もやしと芋のカップルなんだなぁって思って、つい…」

アルミン「!」

サシャ「アルミン?」

アルミン「…今、サシャが久しぶりに笑ったよ…!」ワナワナ

サシャ「なっ…!…」

サシャ「…ふふっ!」

アルミン「ははは!」


サシャ「…」

アルミン「…」

サシャ「人間って…」

アルミン「…?」

サシャ「みんな、自分の居場所を守ろうと、必死なんですね。」

アルミン「…!」

サシャ「だから、それが人から侵されようとすれば、死にもの狂いにもなる」

サシャ「…私、今回の事件は、人の持つ闇が悲しいことに芽を出してしまったと思うことにします」

アルミン「サシャ…」


サシャ「あの二人を許すとは言ってませんよ?」

アルミン「…うん。」

サシャ「…でも、理解してあげることは必要かな、とも思います。私は、そのためにアルミンの話が
    聞きたかったんです。」

サシャ「アルミンも、そう思って私にミカサとアニ達のことを話してくれたんでしょ?」

アルミン「…」

サシャ「あの二人は、教官が言ってたように…」

サシャ「一応、同じ釜の飯を食う“仲間”ですからね」フッ

アルミン「…うん!!」

サシャ「…色々ご心配おかけしました。私は、もう大丈夫です!」ニコッ

アルミン「ああ…僕もさ!」


サシャ「ところで、ミカサとアニは今朝どこに行ったんですか?」

サシャ「やっぱり、こんな私からは離れたいと思ったんでしょうか…」シュン

アルミン「いや、そうじゃないと思う。なにせ放免されて初めての休日だ、ミカサとアニも、
     彼女らなりに君に何らかの償いを…」

チリンチリン

サシャ「あ!竿に魚が掛かりましたよ!」ダッ

アルミン「本当だ、竿がしなってる!」ダッ

サシャ「私がリールを巻き上げますから、アルミンはたも網の用意を!」

アルミン「了解!」

アルミン「あ、水中で何か光った!」


サシャ「こいつは大物ですよ、油断しないようにしないと…!!」

アルミン「もうちょっと…あと少し…!」

サシャ「ぐ…よいしょっと!アルミン、網!」

アルミン「はいよ!」バシャッ

ニジマス「うひゃあ」ピチピチ

サシャ「やりました!!」フー

アルミン「これは…」

サシャ「すごく…大きいです…」

ニジマス「やめろ」



その頃 ミカサとアニ

アニ「ふっ…!!」ビュン!

熊「…」スッ

アニ「!!」ザクッ!!

アニ「ちっ、刃が木の幹に!」

アニ「一度刃を交換しないと…!」カシャ

アニ「!?」

アニ「くっ、外れない…!」ガチッガチッ

ミカサ「アニ!後ろ!!!」

アニ「!!?」クルッ

熊「グオオオ!」バッ

アニ「っ!」パッ ゴロゴロ


ミカサ「このっ!!」ビュン

ザッ!!!

熊「ニヤリ」

ミカサ「なっ…!!毛皮で斬撃が滑る…!!」

熊「フシッ!!!」ビュン

ミカサ「ぐあっ!!!!!」ズデェン

アニ「ミカサ!!足が!!!」

ミカサ「アニ、逃げて!一度熊と距離を取って…!」ボタボタ


熊「グオオオ…」ノシッ ノシッ

ミカサ「…!!」

アニ「ミカサから離れな!!」ケリッ!!

ズゴッ!!

熊「ァアア!?」クルッ

アニ「ちっ、大して効いてない!距離を…」

ガシッ

熊「…」グッ

アニ「な、なに…ふ、フードを、掴まれた…?」

熊「グオオオオオオオオオオオ!!!!」バッ!!

ザシュウウウウウウウッ!!!

ミカサ「アニいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!」


ボタ…ビシャっ…

アニ「…ぁ…ぁ……」

熊「オオオオオオオオ!!」グワッ!

ミカサ「このおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」ヒュン!

ビュッ!!

熊「!!!!!!!!!!」ザクッ!!!

アニ「…」ドサッ

熊「…」ヨロッ

熊「」ドサッ


ミカサ「アニっ!…痛っ!!!!」ズキッ

ミカサ「全身が痛い…左手が…動かない…」ブラン

ミカサ「アニ…しっかりして、」ヨロッ

ミカサ「」グリュッ!!!

ミカサ「あ゛…あああああああああああああああああああああっ!!!」ドサッ

ミカサ「ぐあああああああっ!!!あ、足が…!!」

ミカサ「左足が…不自然な方向に折れてる…血も…!!!」

ミカサ「…ぐうっ!!!」ズリッ ズリッ

ミカサ「アニ…アニ…!」ギュッ


アニ(…)

アニ(何が…私に、何が起きた…?)

アニ(熊はどうした…ミカサ…どこだ?無事なのか…?)

アニ(…駄目だ、視線すらぼやけて動かせない…もうろうとして何も分からない…)

アニ(と…とりあえず、再生…を…)

アニ(さい、せい…)

アニ(…)

ミカサ「っつ!……急いで、急いで止血しないと…!!」ビリッ


夕方、訓練所

ゴロゴロゴロゴロ…

サシャ「あんなにいいお天気だったのに、雲が垂れ込めてますね…暗くなってきました」

アルミン「一嵐来そうだね。降って来る前に戻れてよかった。早く食堂に入ろう」

ガチャ

ざわ…ざわ…

サシャ「?」

アルミン「どうしたんだ、皆が緊張してざわついてる…?」

アルミン「みんな!」ダッ

エレン「おう、お前ら戻ってきてたか」

アルミン「うん、それより何かあったの?」

エレン「…ミカサとアニが、まだ戻ってないんだ」


アルミン「戻ってない?外出先での用事が長引いて遅れてるだけじゃないの…?」

ライナー「それがな…あの二人の立体機動装置が、兵器庫から消えてるんだ」

サシャ「二人が…立体機動装置を持ち出した?」

アルミン「教官には確認したのかい?もしかしたら、二人に所外で懲罰…特殊訓練か何かを施してるとか…」

ベルトルト「いや、確認したがそんな事実はないとのことだった」

サシャ「…私用で持ち出したということですか」

エレン「くそっ、一体どこ行ったんだよ…」

アルミン「街へ出た様子は?」

ベルトルト「さっき少し聞き込みに行ったんだけど、朝早くに市場で買い物をしていて、以降は
      昼前に街を出たのを市場の人に目撃されたのが最後だ…だが、ここには戻ってない」

アルミン(…)


アルミン「クリスタにユミル、今朝の二人に何か変わった様子はなかったかい?」

クリスタ「うん…私たち、二人が朝早くに出て行こうとするときに物音で目が覚めたんだけど…」

ユミル「…何だか、思いつめたような顔をしてたぜ」

アルミン(…やっぱりか)

サシャ「で、これからどうなるんですか?」

エレン「2000時に二人が戻らなければ、教官の引率で訓練所周囲の捜索に出るそうだ」

アルミン「…それでは遅いかもしれない」

サシャ「…?」

キース教官「…遅い、とは?」ザッ

一同「…!」バッ


アルミン「恐らく、外出の動機は…サシャ、君だろう」

サシャ「私が動機?そんな………………………もしかして、」

アルミン「もしそうだとしたら、二人の目的地はかなり限られると思います」

キース教官「つまり、アッカーマン訓練兵とレオンハート訓練兵は、ブラウス訓練兵に先の事件での
      償いをするために、本日外出し、門限を過ぎたにもかかわらずまだ帰らない」

キース教官「その目的は…ブラウス訓練兵が先日特別休暇を用いて狩猟に出かけた…事と同じ、か?」

サシャ「!…、…」

アルミン「…自分はそう思います。」

キース教官「とすれば、彼女ら二名は、この近辺の狩猟地域に出向いたと推測されるわけだな?」

アルミン「…はい。そして、今現在も戻らないということは、二人の身に何かあったとしか…」

キース教官「…」


キース教官「なるほど、それでは確かに悠長なことをやってはおれんな」

アルミン・サシャ「!」

キース教官「注目っ!我々は準備が整い次第訓練所を出発、ミカサ・アッカーマン訓練兵および
      アニ・レオンハート訓練兵の捜索に向かう!」

キース教官「対象はこの近辺の狩猟許可対象地区の山系だ!山小屋および営林管理所を廻り、
      入山者の中に二名がいないかを調べる!」

キース教官「すぐ出発だ!携行食および雨具の用意も怠るな!装備が整った者から
      乗馬して整列しておけ!幌馬車も用意しておけ!いいか!」

一同「はっ!!!!」バッ!!!


キース教官「ブラウス訓練兵!」

サシャ「はっ!!」

キース教官「貴様が先日狩猟に入った山はこの近辺で間違いなかったな!」

サシャ「間違いありません!」

キース教官「ではまずはそこへ向かう。ブラウス訓練兵、案内しろ!他の者も行くぞ!」

サシャ・アルミン・エレン・ライナー・ベルトルト・ジャン・マルコ・ユミル・クリスタ「はっ!」


ゴロゴロゴロ…ザァアアアアアアアアアアアアア…


ミカサ「…雨、…」

ミカサ「…いけない、アニが濡れてしまう…」

ミカサ「もっと、アニを樹の幹のそばに…」ズルズル

アニ「…」ハァハァ

ミカサ「アニ、しっかりして…」ユサユサ

アニ「…、…」グッタリ

ミカサ「ごめんなさい…私が、山に入って狩りをしようと言い出したばかりに…」ポロ

アニ「…」スッ…

ミカサ「!…」ギュ…

ピシャアアアアン…!!!

ミカサ「!!」ビクッ!


ザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア…ビュオオオオオオ…

ミカサ「いや…風が…雨が降りこんでくる…!」ギュ

アニ「…」ハッ…ハッ………

ミカサ「雨…血…嫌、いや、こんな時に昔の事を思い出してしまうなんて…」

ミカサ「エレン…!」

ミカサ「………アルミン…!………サシャ…!」

ミカサ「だ、誰か…助けて…!!!」



ザアアアアアアアアアアアアア…

とある山の麓の山小屋

管理人「…はい、立体機動装置を装備した訓練兵の少女が二人、確かに昼ごろ山に入りました」

キース教官「その二人の外見をお教え下さいますか?」

管理人「一人は東洋人の血が濃い黒髪の少女で、もう一人は背の低い金髪の女の子でした」

サシャ「…ここですね」

アルミン「ああ…」

キース教官「間違いない…二人はこの山に…」

管理人「そうそう、二人が入山する前、ここに荷物を預けていきましたよ」

キース教官「荷物…ですか?」

管理人「はい、こちらです」バサッ

エレン「これは…」


アルミン「ものすごい量の、食料…パンもいっぱい…
    (おそらく、サシャのために午前中に市場で仕入れたものだ…)」

サシャ「!!…っ」

管理人「ここはまだ良いですが、山の中は雨風が激しくなっています。しかもこれからどんどん
    気温が下がる。おまけにこの山は狩れる動物が多い反面、人工林でないため鬱蒼としています。
    本格的な装備がない限り、いくら兵士でも少女が二人では…」

キース教官「…全員聞け。天候も悪化し、もはや猶予はない。直ちに捜索を開始する!」

一同「はっ!」

キース教官「捜索指揮所はここに設置する。捜索指揮は、アルレルト訓練兵に任せる。私は一度訓練所に戻る」

アルミン「はっ!…は?」

キース教官「訓練兵の失態は訓練兵があがなえ。貴様ならやれると信じている」

アルミン「は!」バッ


キース教官「なお、山に捜索に入るのは、身体的考慮の観点から、現時点で成績優秀者10位までの者とする。
      指揮を執るアルレルト訓練兵も含め、それ以外の者はここで待機だ」

ユミル「あ、私入れるのか」←10位

クリスタ「私は無理ね…」←11位
      
キース教官「…そして、日付変更までに二人が見つからない場合、訓練兵団はこの二人を脱走したと
      みなし、訓練所を追放する。それを覚えておけ」

一同「!!」

エレン「そ、そんな!」

ジャン「開拓地行きってことですか!?あんまりだ!」

ライナー「教官、ここにある荷物から鑑みても、二人に脱走の意思がないことは…」

キース教官「訓練兵団は貴様らの母親ではない。これは訓練兵団の内規であり、貴様らも
      入団時にこれを尊守することを誓約しているはずだ」


サシャ「そんな…」

アルミン「…」

エレン「くっ…」

ジャン「…」

ライナー「…」

キース教官「どうした、時間がないぞ!?さっさと捜索に入らんか!
      さもないと二人が脱走扱いになるか、負傷している場合、低体温症で死ぬぞ!」

アルミン「は!では教官殿、アルレルト訓練兵、指揮権いただきます!」

キース教官「うむ!せいぜいしっかりやれ」


アルミン「管理人さん、この山の地形図と、その他登山用の道具をお貸しいただけますか?」

管理人「ああ、はい地図。道具は今用意するよ」

アルミン「ありがとうございます!」

アルミン「全員集合!!捜索打ち合わせを行う!」バサッ

一同「!」ザッ

アルミン「これより山に向かう!二人の行動の時間的余裕から見て、彼女らはこの山の外の山系には
     出ていないと推測する!」

アルミン「よって、捜索は本山を重点的に行うものとする!」

アルミン「捜索班はこれを2班に分け、山に慣れているブラウス訓練兵およびスプリンガー訓練兵が
     これを指揮する!ここまで異論はあるかい!?」

サシャ「ありません!(アルミンのここまで真剣な表情、見たことないです…)」

コニ―「任せろ!」

エレン「他に異論のあるものはいないな?」

一同「おう!」


アルミン「ありがとう。ではブラウス訓練兵!スプリンガー訓練兵!捜索ルートの選定を!」

サシャ「ここは山の南側に面してますね。…北側は急峻なため、いくら二人でもこの辺りにはいないでしょう」

コニ―「待てよ、二人は立体起動装置を持ち出したんだぞ?あの二人ならこの地形を移動するのは難しくは
    ないんじゃないか?だからつまり、ここにいる可能性もあるってことだが…」

サシャ「…その可能性はありますが、この辺りを捜索する時間的・人的資源はありません」

サシャ「それに…」

コニ―「急斜面で遭難した場合、生存している確率は低いってことか…」

サシャ「現時刻に至るまで二人が帰還しないことを見ても、それは間違いありません」

サシャ「…私たちの目的は、二人を速やかに保護することです。それも、日付変更前に。」

サシャ「そうでしょう?アルミン」

アルミン「ああ…!」


サシャ「北側斜面に捜索を拡大すれば、仮にそれ以外の場所に二人がいた場合、見落とす可能性が高くなります」

サシャ「私たちは山岳救助のエキスパートじゃありません。限られた資源で目的を達成しようとする以上、
    捜索範囲は私たちの安全も考慮して、限定的にやるべきです…!」

ライナー「心残りではあるが…」

ベルトルト「…それが、一番合理的で、二人を助けられる確率の高い判断だね。そうだろう、アルミン?」

アルミン「うん。僕はサシャの考えを支持する」

サシャ「…それで、捜索行程ですが、」

コニ―「地図を見る限り、登山道が途中で二本に分かれてる。これに準じようぜ」

サシャ「異論はありません。ただ、沢が近くにある場合は、そこも捜索すべきかと思います」

コニ―「分かった。俺の班は東側寄りの登山道を行く」

サシャ「私たちは西側ですね。」

アルミン「決まったね?」

コニ―「ああ!」


管理人「お待たせしました。数は少ないですが、ストック・ランタン・軽量毛布・衣類・コンパス・
    非常食・救急キット・防水マッチです」ドサ

アルミン「ありがとうございます!」

ライナー「アルミン、立体機動装置は持ってった方がいいか?」

アルミン「いや、この天候では…かといって全く無いのも、万一のときに困るかもしれない…
     よし、捜索指揮班長の二名のみ、立体機動装置を装備!ほかの一名が予備ガス装備!」

アルミン「しかし、これはあくまで非常用だからね!それを忘れないで!」

ライナー「了解だ、ではコニーとサシャ」

コニー「おう」ガチャリ

サシャ「何か落ち着きますね」ガチャリ

アルミン「では各班、分担して装備を準備してくれ!」

一同「おう!」


ザアアアアアアアアアア…ビュウウウウウウウウ…!!

ミカサ「…!…」ブルブル ガクガク

アニ「…」ガチガチ 

ミカサ「…寒い、とにかく暖をとらないと…」

ミカサ「マッチ…は、ある…」

ミカサ「だけど、燃やせるものが…」

ミカサ「周りの枯れ葉や木の枝は、ほとんど雨にやられてしまっている…」

ミカサ「…無性に眠い…体温が奪われてる…」ガチガチ

ミカサ「…駄目、火を起こしてアニを暖めないと…」

ミカサ「アニと生きて帰って、サシャに償いをしないと…!」ファサ!!


捜索本部

アルミン「では、出発前に最終確認をしておく!」

アルミン「定時15分おきに、ランタンの明りを明滅させる方法で本部との通信を取ってもらう!」

アルミン「異常の有無、負傷者の発生、および二人を発見した場合など何かあれば定時でなくとも
     モールス信号で速やかに知らせてくれ!」

一同「おう!」

アルミン「全員、時計合わせ!10秒後に2030時に設定する…5、4、3、2、1、はい!」

全員「セット!」カチ

アルミン「サシャとコニ―には地図を渡しておく。座標が振ってあるみたいだから、通信での
     地点誘導を行う場合はこれに準じるからね!」

サシャ・コニ―「了解!!」



ザアアアアアアアアアアアアアアアア…ヒュウウウウウウウウ…


アルミン「では捜索班、出発!二名の無事救出、および君たちの無事帰還を願う!」

クリスタ「どうか、気をつけて!」

コニ―「おう!」

サシャ「必ず連れ帰りますよ!」

クリスタ「敬礼!」バッ!

アルミン「!」バッ!

一同「!」バッ!

キース教官「…」バッ!


ビュオオオオオオオオオオオオ…!!!


ミカサ「一応、土を掘ったかまどと小さな焚き火は出来た…」

ミカサ「…けれど、私自身が風よけにならないと、すぐに消えてしまう…」

ミカサ「アニ、焚き火よ、見て…」ギュッ ゴシゴシ

アニ「…」ガチガチ

ミカサ「マフラーの切れ端が全部燃え尽きたら、火が消えてしまう…」

ミカサ「濡れてる枝でもいい、焚き火で乾かして使わないと…!」


入山より一時間

捜索第一班

ザアアアアアアアアアアアアアアアアア…ヒュウウウウウウウウ…!!

コニー「おおおおおおおい!!!ミカサあああああああああああああああ!!!」

ジャン「アニぃぃぃいいいいいいいいい!!!…くそっ…これじゃあ声がほとんど届かねえ!」

ライナー「足元も悪ぃ…なんだってこんなに降りやがる!」グジャ

ベルトルト「身体が冷える…ミカサとアニは、こんな状況で立ち往生してるのか…!」

コニ―「お前ら、はぐれるなよ!何か見つけたらすぐに知らせろよ!!」

ライナー「おう!」


捜索第二班

ザアアアアアアアアアアアアアア…ゴオオオオオオオオオオオオオオ…!!

サシャ「ミカサぁああああああああああああ!!!アニぃぃぃいいいいいいいいいいいい!!!」

エレン「どこだぁああああ!!!俺たちはここにいるぞおおおお!!!」

マルコ「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおいい!!!!」

ユミル「さっさと出て来いよぉおおおおおおおおおお!!!!」

ザァアアアアアアアアア…ビュオオオオオオオオオ…

マルコ「何も聞こえない…こちらの声も果たして届いてるのか…?」

ユミル「うるせぇよ!届いてるって信じなきゃ、何にもなんねぇだろうが!」

エレン「お前ら喋ってる余裕があるんなら声を限りに叫べよ!」

マルコ「あ、ああ!!ミカサああああああああああああああああああ!!」

ユミル「アニいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」

サシャ「無事でいてくださいよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


本部

アルミン「…」

クリスタ「山の中に、捜索班のランタンの明りが微かに見え隠れしてるね…」

アルミン「ああ、強風に揺れる木々にさえぎられてるんだ」

アルミン「それにしても…捜索速度が、予想以上に遅い…」

クリスタ「…」

アルミン「やっぱり、ここにいる僕なんかが分からないくらい、山の中は闇と風雨と樹木で行動がとれないんだ」

アルミン「間に合えば、いいんだが…!」

クリスタ「ミカサ…アニ…無事でいて…!」ギュッ


ザアアアアアアアアアアアアアアアア…ヒュウウウウウウ…!!!!

捜索第一班

ジャン「コニ―!俺は北側の斜面を見てくる!」

コニ―「何だと!?」

ライナー「おいジャン!北側斜面は捜索から外すと決まってただろうが!」

ベルトルト「そうだよ!それに危険すぎる!二次災害の恐れもあるんだぞ!」

ジャン「立体機動装置を使ってひとっ飛びするだけだ!おいコニ―、装置を貸せ!」

コニー「そりゃ余計に危険だろうがよ!この雨風で飛ぶつもりかよ!?」

ライナー「お前の場合、殊にミカサが気になるのは分かる。だが頭を冷やせ!」

ベルトルト「この環境下で飛んで下手すれば、樹か斜面に激突死するぞ!!!」

ジャン「このまま4人固まって捜索しても、この雨風ではどの道発見は難しい。違うか?」


コニ―「…」

ライナー「だが、」

ジャン「それに、二人が北側にいる可能性も捨てきれない。そうだろ?お前らも少しは気になるんじゃないか?」

ライナー「…」

ジャン「北側は日当たりが悪いから樹木もまばらなはずだ。ここほど立体機動による捜索も困難じゃない」

ベルトルト「…」

ジャン「この辺りの捜索は引き続きお前らに任せる。どうせ徒歩捜索ではここからそれほど
    広く移動できないだろ?」

ジャン「20分で明かりを頼りに戻る。…戻らなくても、俺の事は構わず捜索を続行してくれ。本部にも伝えるな。
    もし二人を発見したら、信号弾を発射して知らせる。いいな?」

ライナー「お前、…」


ジャン「…総合順位はどうあれ、俺はお前らの中じゃあ立体機動の最高成績者だ。そこは文句は言わせねえ」

ライナー「…」

ベルトルト「…」

コニ―「…」ガチャ スッ・・・

ジャン「済まねえなコニ―」ガチャリ ゴンゴン

ジャン「じゃあ、行ってくらぁな!」バシュウッ!!!…

コニー「ジャンの奴、…」

ライナー「あの馬鹿野郎が…!」

ベルトルト「ちゃんと帰って来るんだぞ…!!」


ビュオオオオオオオオオオオオ…ザアアアアアアア…


ミカサ「アニ、眠らないで、目を開けて…」ゴシゴシ ユサユサ

アニ「…」

ミカサ「マフラーも燃え尽きた…火が消えそう…」

ミカサ「横に並べてる枝も、中々乾かない…」

ミカサ「何とかして、もっと火を大きくしないと…」

ミカサ「何でもいい、使えるものは…」

ミカサ「…」

ミカサ「…?」

ミカサ「…これは…!!」

ミカサ「…やってみる、価値はある…!」ズッ… カチャ


捜索第一班

コニ―「…俺たちも捜索を続けるぞ!!ミカサぁあああ!!!アニいいいい!!!!」

ベルトルト「ライナー」ボソッ

ライナー「…どうした?」

ベルトルト「…アニは普通の人間じゃない」

ライナー「…」

ベルトルト「一緒にいるであろうミカサを見捨てるような子でもない。
      それが、いくら自分の恋敵であってもだ。営倉での反省の日々を過ごした今なら猶更だ」

ライナー「…当たり前だ」

ベルトルト「…アニがこの状況下で今なお消息不明…もっと言えば、巨人化してないことにも違和感がある」

ライナー「…」

ライナー「言いたいことは…アニの身に何か起きたということだろう?」


ライナー「しかし、あいつの再生速度は、能力を集中すれば相当…」

ベルトルト「…すでに、彼女は低体温症に苛まれている可能性が高い。おそらく、どこか酷く負傷したんだろう。」

ベルトルト「…再生云々以前に、身体を否応なく冷やされて体力をほとんど失っているか…」

ベルトルト「そもそもの話として。何らかの原因で意識不明になってしまっているか…」

ライナー「…」

ベルトルト「いずれにしろアニは瀕死だ。それだけは疑いようがない」

ベルトルト「もしかしたら、もう…」

ライナー「一緒にいるであろうミカサも、状況は変わらないということだな…」

ベルトルト「覚悟は、しておいた方がいいと思う…」


ライナー「…まだ諦めるのは早いぞ。俺らやサシャ達が二人を探してるし、ジャンもさっき飛んでった…」

ベルトルト「…」

ライナー「本部ではアルミン達も見守ってる…。まだ終わっちゃいねえ。俺たちはまだ動ける、そうだろう?」

ベルトルト「…そうだね。その通りだ…!」

コニ―「何くっちゃべってんだよ!お前らも二人の名前を呼び続けろ!!」

ライナー「ああ!!ミカサああああああああああああああああああああ!!」

ベルトルト「アニいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」


その頃 北側斜面上空

ビュウウウウウウウウウウウウウウウ…!!!

ジャン「ちくしょう、飛んだはいいが雨風で前がほとんど見えねえ!!」

ジャン「見渡した感じ、木々の間に人影はないようだが…」

ジャン「おおーーーーーーーい!ミカサっ!アニっーー!!」

ビュオオオオオオオオッ!!!

ジャン「!!!!!!」グラッ

ドシャッ!!!!


ザアアアアアアア…

ジャン「いてて…俺としたことが、ちきしょう…落ちちまった…」

ジャン「身体は…大丈夫だ。どこも折れたりはしてねぇ…あっ」

ジャン「ベルトが衝撃で外れちまった…」

ジャン「くそっ…手がかじかんで上手く動かねえ!」ガチガチ

ジャン「手を温めねえと…とりあえずポンチョを広げて…」バサッ

ジャン「マッチはある…でも燃やせるもんがねぇ…」

ジャン「仕方ねえ!教官に後でどやされるだろうが、シャツをちょっと千切って…」ビリッ

ジャン「あとは何か、この辺に燃えるものは…」

ジャン「駄目だ、乾いてるもんが何もねぇ!!」

ジャン「…待てよ」


ジャン「立体起動装置のガス…酸素を一部含有してるこれを使えば…」

ジャン「…火の勢いを強くできるんじゃないか?」

ジャン「よし、ガスを超弱めに噴射して…まずはシャツ…次にその辺の枝を…」カチャ シュー

ゴォオオオオオオ…ボッ

ジャン「おおお…小さい火だが、ガスのおかげですぐに枝が乾いて燃え上がりやがる!」

ジャン「はは…立体起動装置にこんな使い方があったとはな…」ハハ…

ジャン「これが完全に可燃性ガスならもっとあったけえんだがな…ってそれだと普段の機動が危険か…」

ジャン「…あったけえ…手が動くようになってきた」ニギニギ

ジャン「はは、これさえあれば夜間行軍で仮に遭難しても…」


ジャン「…!!」

ジャン「…ミカサとアニも、もしかしたらこれと同じことを考えてるんじゃないか…?」スクッ!

ジャン「コニ―の奴に知らせなきゃ!ゆっくりしてる場合じゃねえっ!!」ダッ!


本部

ザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア…

クリスタ「アルミン!どこ行ってたの!?定時連絡ではまだ二人は見つかってないって…」

クリスタ「って、どうしたのそれ!?」

アルミン「教官が、訓練用の大砲を訓練所から持ってきてくれたよ!」ゴロゴロゴロ

クリスタ「何に使うの!?」

アルミン「空砲を撃って、ミカサとアニに助けが来てることを伝えるんだ!」

アルミン「恐らく捜索隊の声はこの暴風雨でかき消されるだろうから、これで援護する!僕たちも、
     ここでやれることをやるんだ!!!」

クリスタ「…はい!」

アルミン「よし、ここで射撃を行う!」


アルミン「車輪固定!」

訓練兵a・b「固定よし!」ゴトン

アルミン「照準合わせ!目標、本山山腹!!」

訓練兵a「照準よし!」グルグルグル

アルミン「装薬のみ装填!!急げ!!雨で濡らしちゃだめだよ!」

カシャ カパッ ガコン

訓練兵b「装填よし!」


アルミン「拉縄着け!」

プス

訓練兵a「拉縄よし!砲撃準備完了!」

アルミン「これより音響砲撃を開始する!耳をふさげ!撃ち方はじめ!」

アルミン「射ぇーーーーーーーーーーーーーっ!!!」バッ

訓練兵a「!」グイッ!

ズドォォオオオオン!!!!!…………ザアアアアアアアア…

アルミン「以降の音響砲撃は5分毎に行う事!では別命あるまで今後の射撃指揮権を移譲する!」

訓練兵a・b「おう!」


ズドオオオ…ン… ザアアアアアア…

ミカサ「…?」

ミカサ「何か、聞こえた…」

ミカサ「…誰か、助けに来てる…?」

ミカサ「お願い…助けて…」ヒュー…ヒュー…

ミカサ「…大声が、出ない」

ミカサ「アニが、死にかけてるのに」

ミカサ「このままじゃアニも助けられない」

ミカサ「せっかく、火を強める術を見つけたのに…」シュゥゥゥ

ミカサ「何か…ない?」

ミカサ「何か、燃やせるものは…」ハァ…ハァ…


ズドオオオオ…ン ザアアアアアア…

捜索第二班

サシャ「…砲声!?」

ユミル「山小屋の方角か…?」

エレン「恐らくアルミンだ。俺たちの手助けをしてくれてるんだ!」

マルコ「アルミン…!!」

サシャ「…!!!」ウルッ


捜索第一班

コニ―「今のは砲声か!?」

ベルトルト「アルミンだろうね。ミカサとアニに聞こえるように撃ってるんだ…」

ライナー「さすがアルミンだな…!」

ジャン「おーい!お前らここにいたか!!」ズザザザザッ

コニ―「ジャン!遅かったじゃねえか!めっちゃ汚れてるけど無事か!?」

ジャン「済まねえ、だが急いで伝えなきゃなんねえ事がある!!モールス信号の用意だ!」


ピカッ…ピカッ…

本部

アルミン「二人が火を焚いている可能性がある…?」

クリスタ「うん!コニ―が言うには、立体機動装置のガスが火起こしと火力維持の補助に使えるみたいなんだって!」

アルミン「!!!」

アルミン「そうか…!!どうしてそれに気付かなかったんだ…!!!」

アルミン「ミカサとアニが火種を持っていたとしてもこの雨風では無意味だと思っていたが…」

アルミン「いくら可燃性でないとはいえ、あのガスを使えば貧弱な火種の火勢を強めることも不可能じゃない!」

アルミン「…」

アルミン「現在時刻は23時過ぎ…二人や捜索隊の体力的にも、日付変更時間的にも、もう残り時間は少ない…」

アルミン「…」


アルミン「…二人が火を焚いている可能性に賭けよう!!」スクッ!

アルミン「そこの君!射撃照準用の単眼鏡を馬車からありったけ持ってきてくれ!急いで!!」

訓練兵a「あ、ああ!!」ダッ!

アルミン「これ以降の音響砲撃は一時中止する!」

訓練兵b「はっ!」

アルミン「クリスタ!捜索全班に通信だ!通信文を作成して読み上げるから、発信を頼む!」

クリスタ「はい!!」

今回はここまでです。続きはまた明日(?)。


こんばんは 投下します


ピカッ…ピカッ…

捜索第一班

コニ―「本部から通信だ!!」

ベルトルト「何といってる…………な、何だと!!?」


捜索第二班

サシャ「…もう一度繰り返してください!今の通信は確かなんですね!?」

ユミル「何度も言わすな!発信は二回、確かに繰り返した!
   『捜索全班ハ2320時ヨリ3分間 全テノ明リヲ消灯セヨ』だ!」

サシャ「!!…」

ユミル「明りを消せばミカサ達がこっちを見つけられなくなるぞ!?
    アルミンの奴、何を考えてるんだ…?」

マルコ「…恐らくだが、ミカサとアニが火を焚いている可能性を考えているんじゃないか!?」

エレン「何だって!?まさか…」

ユミル「有りえねえよ!この雨風だぞ!?一体どうやって…」

サシャ「…3分間だけ、アルミンの言うことを信じましょう。今は、彼が捜索指揮官ですから!」

ユミル「…そうだな。分かったよ。」

エレン「ああ!アルミンの言う事に間違いはねえよ!」

マルコ「うん!」

キタ―――――


ミカサ「…」スラッ ギラリ

ミカサ「…!!」ザクッ ブチッ 

ミカサ「…っ!!!」ザクッ ザクッ ザクッ…!!!

ミカサ「これで、いい…ともかく、急がないと」

ミカサ「お願い…誰か私たちを見つけて…!!!」バッ

ボウッ!!!


本部

アルミン「勝負は通常捜索に戻るまでの三分間!ここで決める!」

アルミン「山の中にちょっとでも明りが見えたら、ほぼ間違いなくそれがミカサとアニだ!!」

アルミン「単眼鏡での捜索範囲の分担は今決めたとおり!教官もお願いします!」

クリスタ「うん!」

訓練兵a・b「おう!」

キース教官「準備は万端だ」スチャ

アルミン「管理人さんはここの明りを全て消してください!我々も闇に目を慣らしますので!」

管理人「了解です」フッ


アルミン「では、カウントダウン!!2320時まで、5、4、」


ザアアアアアアアアアアアア…ビュオオオオオオオオオオオオ…!!!!!

捜索第一班

コニ―「3、2、」

捜索第二班

サシャ「1、消灯!!!」

ユミル「全員手持ちの明りを消せ!決して火種を濡らすなよ!!」





フッ…   ザアアアアアアアア…ビュウウウウウ…

クリスタ「山が、闇に沈んだ…!」


コニー「頼んだぞアルミン…!」


サシャ「アルミン、絶対にミカサとアニを見つけてあげてください…!!」


アルミン「頼む…どうか火を焚いていてくれ…!」

訓練兵a・b「…」

キース教官「…」

管理人「…」

クリスタ「…」

アルミン「…!!!!!」バッ

アルミン「あそこに、弱弱しいけど明りが明滅してる…!!」

キース教官「何だと…本当だ…!」

アルミン「クリスタ、現在時刻は!?」

クリスタ「2322時22分43秒!!」

アルミン「間違いない、あの明りにそばに、恐らくミカサとアニがいるっ…!!」


アルミン「地図、明りと地図!!」

キース教官「ほぃ」バッ

バサッ パッ

アルミン「あの地点は…この地図だと…h-7周辺…!!!」

アルミン「この座標の近くに、二人がいる!!!」

クリスタ「アルミン…すごい…!!」ウルッ

キース教官「…!」

アルミン「クリスタ、通信だ!『二人ヲ発見 h-7座標ニ急行シ、二人ヲ保護セヨ』!!!」

クリスタ「うん…分かった…!!」グシッ サッ


ピカッ…ピカッ…

捜索第一班

コニ―「な、何だと!!?アルミンが二人を見つけた…!?」

ベルトルト「地点はh-7だ!!」

ジャン「アルミンの奴、やりやがったか!!」

ライナー「明りを点けろ!!座標を確認するぞ!!」バサッ

> アルミン「地図、明りと地図!!」
>
> キース教官「ほぃ」バッ

ここでわろた


捜索第二班

サシャ「地図と明りを!早く!」バサッ

ユミル「h-7だと…ここは…」

ユミル「ここからh-7地点までは直線で250メートル…」

エレン「途中に、5メートル差の断層が一つ、だな…」

マルコ「そもそもそこまで道がない…林を突破するには、徒歩じゃ遅すぎる!!!」

サシャ「恐らく、h-7はコニ―達の班からはもっと離れていますね…」

エレン「くそっ…!!せっかく場所が分かったってのに…!!」

サシャ「のんびりしてるわけにもいきません…立体機動装置を使いましょう。」

ユミル「なっ…本気か!?」

サシャ「私が行きます。マルコ、以後この班の指揮をお願いします!」


マルコ「しかし…こんな山でこんな時間に、こんな天候じゃとても飛べるわけがない!」

ユミル「そうだぞサシャ!自殺行為だ!!!!」

エレン「お前、本気なのか…?」

サシャ「…戦場で雨風が強いからと言って、何もしないなんてことができますか?」

マルコ「…」

サシャ「せっかくアルミンが見つけてくれたのに!!ミカサとアニがいるところが分かったのに!」

サシャ「むざむざ二人を見殺しにする気ですか!?」

エレン「…」

ユミル「…、…」

サシャ「私は山に慣れてます。この風の中を機動するには都合よく体重も軽いです。それに、」

サシャ「…二人は、私が迎えに行かなくちゃいけないと思うんです。」


エレン「…分かった。頼む、行ってくれ…」

マルコ「そうだね…。サシャ、君に任せるよ。頼む!」

サシャ「…ありがとうございます!」

ユミル「おい、サシャ!!」

サシャ「…?」

ユミル「お前、私とクリスタとの約束忘れちゃいねえだろうな!?」

ユミル「お前の料理を食わせてもらうって約束だよ!」

サシャ「!!」

ユミル「こないだは無理だったけど、約束は守ってもらうぞ…ちゃんと生きて戻ってこいよ。ミカサとアニと一緒にな!」

サシャ「…はい!」ニコッ


エレン「サシャ…ミカサを、アニを、頼む…!!!」

サシャ「任せてください!」

マルコ「サシャ、救急キットだ!ミカサとアニを見つけたら、落ち着いて応急手当をするんだよ!」パッ

サシャ「ありがとうございます!」パタン

サシャ「では、行ってきます!!」バシュウウウウウウ…

ユミル「行っちまった…あのバカ…」

エレン「無事に…あいつらの所まで飛んでくれ…!」

マルコ「僕たちはここで待機だ!アルミンからの指示があるまで、いつでも動けるように待っておこう!」

エレン・ユミル「ああ!」


ザアアアア…ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

サシャ「くっ…雨で前が良く見えない…姿勢が安定しない…!!!」フラッ

サシャ「…負けてたまるか!山育ちの勘と動きと視力ば舐めんな!」

サシャ「h-7地点の目標は…あの大きなモミの木…!!」

サシャ「視線だけは…絶対に外さんけんね!」

サシャ「くっ…だいぶ近づいてきた…!」

サシャ「今や…アンカー射出!!」シュバッ…!!!


ヒュルルルルル…


サシャ「刺され、刺されっ…!!!」


…ズッ…!!

サシャ「…喰いついた!」

サシャ「ジャンの教えば思い出して…素直にワイヤーに従って…」

サシャ「…よし、いっけえええええええええええ!!!」バシュウウウウウ

ズシャアアアッ!!!!

サシャ「…着地、成功!」バッ

サシャ「ミカサ、アニ!どこです、どこにいるんです!!?」

          「…シャ」ヨロッ


サシャ「!?」バッ

サシャ「ミカサ、ミカサぁっ!!!!!!」ダッ!

ミカサ「…」ドシャッ

アニ「…」

サシャ「アニっ!!ああ、なんてひどい傷…!!!」

サシャ「待っててください二人とも、今手当しますから!!」ドサッ パカッ

ズシャアアアアッ!!!

ジャン「サシャ!」バッ

サシャ「ジャン!?あなたも立体機動で!?」

ジャン「俺様を舐めんなよ!つってもお前もよくここまで飛べたな…!」

サシャ「ジャンのあの時の指導のおかげですから…!!!」


ジャン「へっ、そうかい…それよりミカサとアニの手当だ!!とりあえず俺は火を燃やす!」ガシャ シュウウウウウ

サシャ「ジャン!いきなりミカサとアニの身体を暖めちゃダメですよ!」

サシャ「救護の授業で習ったでしょ、下手すると二人がショック死してしまいます!!」

ジャン「ああ!最初に身体を拭いて着替えだ、お前、衣類は持ってるな!」

サシャ「はい!」

ジャン「とりあえず防水布を敷け、二人を着替えさすぞ!」

ジャン「濡れた服はナイフで一気に剥がす!」ビビッ

ジャン「ミカサ…まるで氷のように冷てぇ。足も折れてるんじゃねぇか!?
    くそ、とりあえず乾いたタオルで…!」ゴシゴシ

サシャ「ジャン!アニが……!!!胸から腹部の大きな傷からの出血で、意識が…」ユサユサ


ジャン「揺らすな!呼吸と脈拍を確認しろ!!」

アニ「…」

サシャ「…」

サシャ「…」…ハッ…

サシャ「…微かに反応がある、生きてます!」ウルッ

ジャン「よし、なら応急止血だ!それが済んだら着替えさせろ!」

サシャ「はい!!!」

サシャ「アニ…こんな深手なのに生きてる…っ!」ポロッ

サシャ「本当に、アニは…頑張り屋さんですねっ…!」ゴシゴシ

アニ「…」…ハッ…


本部

クリスタ「サシャとジャンから通信!!
    『二人ヲ保護 生存セルモ重症ナリ 応急手当中』!!」

アルミン「見つけてくれたかっ…!!!」

訓練兵a・b「うおおおおおおおお!!」ヨッシャ

キース教官「…!」

アルミン「クリスタ、二人に了解の旨を返信!あと、捜索班に二人を発見したことを知らせてくれ!
     一応…二人は生存してるとのみ付記して!」

クリスタ「了解!」グシッ

アルミン「しかし、やはりミカサとアニは重症なのかっ…!!サシャ、ジャン、二人を頼む…!!」

>>386訂正 重症→重傷

ビュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ…!

捜索第一班

コニ―「アルミンからだ!ジャン達が二人を見つけたってよ!!」

ライナー「うおおおっ!!!」

ベルトルト「それで!!無事なのか!?」

コニ―「『生存』としか言ってきてねぇ!」

ライナー「ああ!良かったな、ベルトルト!」

ベルトルト「…とりあえずは、ね。しかし、二人の状態がどうなのか…」

ライナー「…ジャン達とアルミンに任せるしかねえ。とにかく今は待機だ!」

ベルトルト「うん…!」


ザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア…!

捜索第二班

マルコ「信号だ!サシャが二人を見つけたぞ!無事だそうだ!」

エレン「…う、うおおおおおっ!やったぞ!!!!!!!」

ユミル「それで!?二人の容体は!?」

マルコ「『生存』としか分からない…(アルミン、恐らくは僕たちに動揺させまいと…)」

ユミル「…しかし良かったぜ!あたしらへの指示は!?」

マルコ「まだ何も…とにかくここで待機だ…」

エレン「ミカサ…アニ…サシャ…!!」


h-7地点

ザアアアアアアアアアアアアアアアア…

サシャ「通信、終わりました…」

ジャン「こっちも応急手当はできるだけはやった…。」

ジャン「…あれ、見ろよ」

熊「」

サシャ「…大きな熊、ですね…」

サシャ「恐らくこの二人は、この熊を狩るために…」

ジャン「訓練所に持って帰って、お前への償いにしたかったんだろうな…」

サシャ「…っ!!!!」ポロポロ ポタッ

ミカサ「…」パチ

ミカサ「サ、シャ…」

サシャ「ミカサっ!!気が付いたんですか!?」


ミカサ「…ぃ」

サシャ「…?」

ミカサ「ゴメン…ナサイ…」ツッー…ポロッ

サシャ「!!!!!!」

ミカサ「…」

ジャン「…」

サシャ「…分かってます、分かってますけど、」

サシャ「私にあんな酷いことして許せないって思いますけど、」

サシャ「お二人とも…こんなことになってしまうまで、無理することなかったじゃないですか…!」ポロポロッ


ミカサ「…」

サシャ「絶対に許しませんよ!私だけを置き去りにして、謝るだけ謝って逃げるなんて許しませんからぁあああ!!!」

サシャ「…っ!」ポロポロ 

ジャン「…」

ジャン「しっかりしろぃ!!サシャあああ!!!」クワッ!

サシャ「…!」グシッ

ジャン「今から下山するぞ!!」

ジャン「立体機動で本部へ帰還する!俺がミカサを抱える。お前は軽いアニを抱えろ!」

サシャ「立体機動で…ですか!?人を一人抱えて…?」

※アニメ8話参照


ジャン「そうだ!一応だが訓練したことがあったろ!?急いで二人に本格的な治療を受けさせなきゃなんねえ!」

サシャ「…、…」

ジャン「しっかりしろ!木々の間を飛んでいくわけじゃねえ、ふもとの本部まで可能な限り高度を保って降りるだけだ!」

ジャン「今こそ学んだ技術を行使する時じゃねぇか!」

ジャン「急がねえと、ミカサとアニをどついてやりたくても、二度と出来なくなるぞ!!!」

サシャ「…はいっ!!」

ジャン「ガスは交換しておけよ!俺にしっかり着いてこい!いいか!!!」

サシャ「はいっ!!!」


ピカッ…ピカッ…!!

本部

クリスタ「アルミン!サシャとジャンから新たな通信あり!」
    『コレヨリ下山セントス 人力ニテハ困難ノタメ立体機動ニテ下山ス 着地誘導乞フ』!!」

アルミン「よしっ!!!」グッ

管理人「暖炉の用意だ!」ダッ

アルミン「クリスタ!了解の返信だ!それと捜索部隊に下山するよう伝えて!」

クリスタ「はい!」グシッ

アルミン「教官!救護班の用意を!」

キース教官「問題ない、待たせてある」

アルミン「ありったけの松明と信号煙弾を上げろ!明りを絶やすんじゃないぞ!」

訓練兵a・b「了解!!」シュボッ!………………パァッ…!!!


キース教官「アルレルト訓練兵」

アルミン「…はっ!」

キース教官「現時刻2350時を以って、指揮権は返してもらう。いいな」

アルミン「はい!指揮権、お返しいたします!数々のご援助、ありがとうございました!」

キース教官「…貴様は、よくやった。見事な指揮ぶりだった」

アルミン「…はい!」

クリスタ「ブラウス訓練兵とキルシュタイン訓練兵を目視で確認しました!負傷者二名を抱え、こちらに飛翔して来ます!」

アルミン・キース「!!」

ジャン「あらよっ!!!」ズシャアアア!!

サシャ「着地ぃいい!!!」ズシャアアア!!

アルミン・クリスタ「ミカサ!!アニ!!」ダッ!

キース教官「救護班、急げ!!」

・・・・・・・・・・・・

とりあえずここまで 中断します

ごめんね中断っつったけど今日はここで終わりです
おそらく明日、下手しても明後日で完結するでしょう 
ありがとうおやすみ

今日は休みかな?

>>403 …すまない、今日は最後までは投稿できないです…


それから3日後 訓練所

ミカサ「…」

ミカサ「…、」パチ

ミカサ「ここは…どこ…?」キョロキョロ

ミカサ「確かここは…訓練所の医務室…」ハッ

ミカサ「私…生きてる…!」

ミカサ「そう…あの時、私はあの山で大怪我で立ち往生していて…」

ミカサ「サシャが…来てくれて…」ウルッ


医務官「おや、起きたようだね」

ミカサ「医務官殿…つっ…!」フラッ

医務官「おっとっと、まだ寝ていたほうがいい。君は左腕の脱臼、左足骨折、
    その他出血と全身打撲、低体温症でボロボロの状態だったんだからね」

医務官「サシャ・ブラウス訓練兵とジャン・キルシュタイン訓練兵が、あの風雨の中
    君たちを助け出して下山したんだよ」

ミカサ「…そう、ですか…」

ミカサ「!!」ハッ

ミカサ「アニは、レオンハート訓練兵は今どこです、彼女はどうなったんですか!?」


医務官「安心したまえ、隣に寝ているよ」シャッ

アニ「…」スヤスヤ

ミカサ「アニ…よかった…」ポロッ

医務官「君のお友達は頑健だ。胸から下腹部に至る熊爪の大きな傷で大量に出血し、
    おまけに低体温症で死にかけていたが…」

医務官「どうにも解せない。これが普通の人間なら死んでいたであろう程の出血だ。
    それが収容して以来、順調に回復している。まさに奇跡だ」

医務官「君と、サシャ・ブラウス訓練兵の応急手当が良かったのもあるだろうが…」

アニ「…」


アニ「…、」パチリ

医務官「おや、こちらも起きたようだね」

ミカサ「アニ…!」

アニ「…ミカサ…!…無事だったの……ここは…?」キョロ

ミカサ「私達…サシャ達に助けられたのよ…!」

アニ「!」

アニ「そっか…、」


アニ「サシャにも……皆にも、…申し訳ないね…」シュン

ミカサ「…」シュン

アニ「けど、嬉しいよ。こんな私でも助けてもらえて…ミカサと一緒に…」ポロッ

ミカサ「アニ…」ポロッ

医務官「…では、私は少し用があるのでね。くれぐれも起き上がったりしてはいかんよ。
    何かあれば呼んでくれたまえ。」

ミカサ・アニ「ありがとうございました…!」グシッ

バタン


ガチャ

キース教官「…」

サシャ・アルミン・エレン・ジャン・マルコ・ライナー・ベルトルト・クリスタ・ユミル「…」

医務官「二名とも、今無事に意識を回復しましたよ。」

キース教官「…!」

サシャ「」ブワッ

アルミン「…!!」ブワッ

エレン「やった…」ヘタッ ブワッ

一同「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

医務官「ちょ、悪いけど少し静かに」


キース教官「静粛にしろ馬鹿ども!!」クワッ

一同「…、…」ソワソワ

キース教官「お世話になりました」ペコッ

医務官「これは私の職務ですから。今後の経過も見て、10日もすれば両名とも補助を伴って
    動けるようになると思います。むろんしばらくは絶対安静が必要ですが」

キース教官「はい…!」

キース教官「注目!」

訓練兵一同「!」ザッ!


キース教官「アッカーマン訓練兵及びレオンハート訓練兵の治療に当たった医務官殿、ならびに…」ジロッ

アルミン「?」

サシャ「!」ツンツン

アルミン「??」スタッ

キース教官「捜索作戦を指揮し、これを無事成功させたアルミン・アルレルト訓練兵に対し!」

アルミン「!!!」

キース教官「敬礼!!!」バッ!!!

サシャ「!」バッ!

一同「!」バッ!!!


医務官「ははは、ありがとう」

アルミン「…君たちの協力のおかげだ!ありがとう!」バッ!

キース教官「……直れ!」

一同「!」バッ!

キース教官「貴様ら、ここは医療所だ。分かっているな…?」

一同「はっ!」

キース教官「先ほどのような大騒ぎがしたければ…」

キース教官「10秒以内に駆け足でここを出ていけ!!!」

一同「はっ!!!!」ドドドドドドド…

医務官「若さとは、いいものですな…」シミジミ

キース教官「ふっ…」




サシャ「やったあああああああ!二人ともよかったああああああああ!」ポロポロ

アルミン「うう、ミカサ、アニ…!!」ヘタッ ポロポロ

エレン「泣くなよアルミン、まったくもう…!」ポロッ

ジャン「うおおおおおおおおお!!ミカサぁあああ!!」ポロポロ

ベルトルト「ア"ニ″いいいいいいいいいいいいいい!よがっだああああああ!!!」ポロポロボロボロ

ライナー「ベルトルト、お前泣きすぎだ」ポロポロ

ユミル「…」グシッ

クリスタ「あ、ユミルも泣いてる!」ポロポロ

ユミル「ち、ちげーし!泣いてねーし!」ポロッ


ライナー「おいみんな!アルミンを胴上げしようぜ!」

コニ―「そりゃいいな!ジャンとサシャもだ!!」

マルコ「うん!」

ベルトルト「ほらアルミン!」ヒョイ

アルミン「わっわ、高いよ怖いよベルトルト!」

ユミル「そらよ!」ヒョイ

クリスタ「えーい!」ヒョイ

サシャ「あひゃひゃひゃ、くすぐったいですよ!」

マルコ「ほらジャン、逃げないで」ガシッ

コニー「照れてる柄かよほら!」ヒョイ

ジャン「な、なんだよ何で俺もなんだよってわぁ!」


一同「ばんざーい!!!!」

アルミン「うわああああああああああああああああ!!!」ポーン

一同「ばんざーい!!!!!!!」

ジャン「お、おわわっ!!」フワッ

一同「ばんざああああああああいい!!!!!!!」

サシャ「いぇえええええええええい!!!!」フワッ

ワー パチパチパチ 

アルミン「はわわ…」ストン クラクラ

サシャ「ほら、しっかりしてアルミン!」ビシッ

ジャン「ま、何か久しぶりにほっとできたな!」


アルミン「…」

アルミン「…」ブワッ

サシャ「あ、アルミン!?」

アルミン「ぼ、僕が…」ポロッ

アルミン「僕があそこまでミカサとアニに言わなければ、こんな事にはならなかった…」グスッ

エレン「クリスタが言ってた、アルミンがミカサとアニに怒ったあれか…?」

サシャ「…」


アルミン「…皆にも、本当に申し訳なく思う…今は本当に嬉しい、けど…」

サシャ「アルミン、そんな、私こそずっと意地を張り通しだったから…」ウルッ

エレン「いや、俺がそもそも鈍感だったから…」

アルミン「いや、エレンの鈍感は、僕さえ…」

ジャン「何だよお前ら…それじゃ堂々巡りじゃねぇか」

ベルトルト「そうだよ。色々あったにしても、今は…」

ライナー「ああ。教官が言った通り、仲間の失態は仲間でカバーできたんだ。それでいいじゃないか!」

マルコ「今は、ミカサとアニが無事だったことを喜ぼうよ!」

コニ―「これ以上のことはないじゃねえか!」

クリスタ「そうだよ!」


ユミル「…それに、皆が素直になれたことも…な?」

アルミン「…うん!」

サシャ「はい!」

エレン「ああ!」



医務室

ワッハッハ アハハハハハ イェーイ! バンザーイ! …

ミカサ「…」ポロッ

アニ「…」グシッ

今日はここまでです悪しからず
明日こそは…幕引きを…!


待たせたなっ…!!

そして、10日ほどのちの昼下がり、面会も解禁され…


アルミン、エレン、ライナー、ベルトルトの四名

ガチャ

エレン「…」

アルミン「…ミカサ、」

ライナー「アニ…」

ベルトルト「あ゛に゛…」グスグス

ミカサ「…みんな、」

アニ「ごめん…迷惑ばかりかけて…」

エレン「ミカサ……この大馬鹿野郎っ!!」


アルミン「エレン…」

エレン「どうしてお前は昔っからこんな無茶ばっかするんだよ…!」グシッ

エレン「そもそも俺たちの敵は熊じゃないだろ、巨人だろうがよ…!」ポロ

エレン「うぅっ…」

ライナー「エレン…」

エレン「俺はなぁミカサ…また家族を喪うんじゃないかって…」ポロポロ

ミカサ「ごめんなざい…エレン…私、どうしようもなく悪い子…」ポロポロ

アルミン「僕だって、大切な幼馴染が死ぬなんて、絶対に受け入れられるわけないんだから…!!」グシッ

ミカサ「アルミン…」ヒグッ

エレン「そうだよバカミカサ…」グシグシ


エレン「お前もだよアニ…!」

エレン「ミカサ同様、なんでお前も全部抱え込むんだよ…!!」エグエグ

ベルトルト「そうだよ!営倉で面会した時に言ったじゃないか、何か悩んでたら僕らに相談しろって…!」ダバダバ

ライナー「お前ら、ちょっとは俺たちを頼ろうと思えよ。同期だろうがよ…」ウルッ

アニ「…ごめんなさい…」エグエグ

ミカサ「…」グス


アルミン「…で、あの日ミカサとアニがあの山に入ったのは…」

アニ「サシャに美味しい肉を食べてもらおうと思ったのさ…サシャがアルミンにしたみたいにね。
   それで、償いになればとね…」グシッ

ミカサ「日曜日を利用しての狩り自体を提案したのは私。…でも、結果的にアニに大けがをさせてしまった。
    …悔やんでも悔やみきれない。軽率だった…」

アニ「軽率なのは私もさ…対巨人用の装備さえあれば、狩りなんて簡単にできると思ってたからね。
   結局、いまさら思うのは…」

ミカサ「サシャは、とても強い女の子だった」

ベルトルト「強いってのは、サシャは狩りが出来るから?」グシッ

ミカサ「それもある。でも、それだけではない」

アニ「糧を得るために、一歩も引かずに大自然と闘えるのは確かにすごいよ」

ミカサ「しかも…この間は大切な人のために大自然と闘い、そして私たちとも闘った」

アニ「強かすぎるよ、サシャは…」


ライナー「そうか、確かにそうかもな」ズズ

エレン「アルミンも幸せ者だな、サシャに愛されてよ」グス

アルミン「そ、そんな…」テレテレ

一同「あははは…」

アルミン「…そうだね、僕は幸せ者だよ」

エレン「だろ?サシャもそれ聞いたらきっと…」

アルミン「うん、サシャも幸せ者だ。彼女のことを想ってくれてる仲間が、ちゃんとここにいるじゃないか」

ミカサ「え…」


アニ「私たち…?」

アルミン「そうだよ。僕は嬉しいよ、二人がサシャにきちんと向かい合おうとしてくれて…」

アルミン「何より、彼女のために身を投げ出してくれたなんて…!」

アルミン「…」

アルミン「ごめんっ…僕は…言わなければならない事だったとはいえ、あの時営倉で、僕は君たちに
     強すぎる呪縛をかけてしまった…!」グシッ

アルミン「だから君たちはあのような無謀な真似をして、傷だらけになってしまった…!!!」

ミカサ「それは違う。私たちは私たち自身で選択した行動をとった」

ミカサ「結果としてこんな無様なことになってしまったけど、後悔はしていない」

アニ「そうだよ。アルミンは私たちに言わなきゃならないことをきちんと言ったんだ。」

アルミン「でも…やはり僕は、君たちに…」

ミカサ「それに、アルミンは私たちを助けてくれた」

アルミン「!!」


アニ「医務官から聞いたよ。アルミンが、私たちの捜索の指揮を執ってくれたって話…」

ミカサ「アルミンの指揮と気転がなければ、アニも私もあの山で死んでいた。
    今、こうして皆と顔を合わせることも出来ず、二人だけで死んでいくところだった」

ミカサ・アニ「アルミン、ありがとう…!」

アルミン「…!」グシッ

アルミン「こちらこそ、ありがとう…」

アルミン「でもね、」

ミカサ・アニ「?」

アルミン「僕だけじゃない…僕の指揮に準じてくれた皆がいたおかげで、二人は生きて
     山を下りることが出来たんだよ…!」 

エレン「ああ、一応俺らも捜索したんだぜ。なぁ?」


ライナー「まぁ、一応な!」

ベルトルト「一番活躍したのはサシャとジャンだけどね…」  

アニ「そうか…でも、そうだよね」

ミカサ「皆にありがとう、ね…!」

アルミン「うん…!」

エレン「まぁしかしお前らも良くやったよ。一応、熊は仕留めたんだろ?それはそれですげえよな」

ミカサ「それは、そうだけど…」

アニ「ミカサが留めを刺してくれなかったら、私は本当にお陀仏だったさ」

ミカサ「アニ…」

エレン「そっか、ミカサは偉いな」

ミカサ「ありがとう…嬉しい…」


ミカサ「けど…私の斬撃は、熊の毛皮にはあまり意味がなかった…そこは悔しい…」ギリッ

エレン「…」

アルミン「…」

アニ「…」

ライナー「…」

ベルトルト「…」

アルミン「いや反省すべき点はそこじゃないからね!?」

アハハハハハ!!!!


アニ「私も、ミカサに向かっていこうとした熊に蹴りを見舞ったつもりだったんだけど…」

アニ「熊のやつ、本当にめんどくさそうな顔して振り向きやがったよ」

アニ「ったく、私も舐められたものさ…」

ライナー「残念だぜ。熊がご存命なら、どうすればアニの暴力的な蹴りをものともせずに
     いれるようになるかの教えを乞えたんだがな」

アニ「な、このっ…!ちっ、身体が万全ならここでその蹴りをくれてやるのに…!」

ベルトルト「残念だねアニ(棒)」

ライナー「おお怖ぇ。しかしアニ、それだけ言えるんならもう安心だな!」

アハハハハハハハ!


エレン「…ミカサ、お前マフラー燃やしたんだってな?」

ミカサ「ごめんなさい、エレン。私、エレンにもらった大切なマフラーを…」

エレン「何謝ってるんだよ。マフラーのおかげでお前らが戻ってこれたと思えば安いもんじゃねえか」

アルミン「二人を守れて、マフラーも本望だと思うよ」

エレン「アルミンの言うとおりだぜ」

エレン「それに…お前は自分の髪の毛まで燃やしたんだろ?」

ミカサ「そ、それは…私が助かりたかったから…」

エレン「だとしてもお前アニの髪は切ってねえよな」

ミカサ「…」

エレン「お前、やっぱアニを助けるために必死だったんだよな。偉いぞ、ミカサ…!!!」

ミカサ「…」ブワッ

アニ「ミカサ…」ジワッ


エレン「…ほらミカサ」

ポサ

ミカサ「エレン…これは?」グシッ

エレン「開けてみな」

ミカサ「?」ガサガサ

ミカサ「…!!」

エレン「新しいマフラーと毛糸の帽子だ。マフラーは、前のやつに色合いが近いのを選んだ」

エレン「帽子は、お前の髪が元通りになるまでのためのモンだ。ずっと包帯で隠しとくわけにも
    いかないだろ?これからはそれ使えよな」

ミカサ「ありがとう…エレン…!!」ポロポロポロッ

アルミン「よかったね、ミカサ」

ミカサ「うん…!」


ベルトルト「僕らだって…ほら、ライナー」

ライナー「ああ。アニ、これやるよ」ポサ

アニ「ありがとう…何これ?」パサ

アニ「!!!」

アニ「これ…新しいパーカー…」

ライナー「前のは熊にズタズタにされてたからな…似合ってたのにな…」

ベルトルト「だから新しいのを二人で買ってきたんだ。着てくれるかい?」

アニ「…当たり前じゃないか」ギュッ ポロポロッ

ライナー「やっぱり泣き虫だよな、アニは」

ベルトルト「いいんだよ、そんなアニも…」

アニ「うるさいよ…ベルトルト…」


ライナー「ベルトルトがどんなに心配したと思ってるんだ、こいつ今日までに5キロ痩せちまったんだぞ?」

ベルトルト「なっ…ライナーだって4キロも痩せたくせに!」

ライナー「ば、言うなって!」

アニ「…筋肉馬鹿のライナーが痩せるなんて信じられないね…」クスッ

ライナー「言ってくれたな!?」


ミカサ「…ところでアルミン、」

アニ「あの…アルミン、」

アルミン「…ああ、気にしないで。サシャの事だろ」

ミカサ・アニ「…」

ミカサ「サシャは、今どこ…?」

アニ「私たち、サシャに…」

エレン「だよな。今から行くぞ」

ミカサ「行くって…?」

エレン「食堂だよ」

ミカサ「え…」

アニ「食堂…?」

エレン「お前ら、一応もう動けるんだろ?」


アニ「肩を貸してもらえればだけど…」

ミカサ「私は、松葉杖があれば…」

ライナー「なら決まりだ。俺たちが手助けするから、ほら行くぞ」

ミカサ「でも…」

アルミン「大丈夫。医務官に許可はとってあるから」

アルミン「ほら、ミカサは帽子とマフラー!」

アルミン「アニはパーカーを着て!」

ミカサ「え、ええ…」ファサッ

アニ「んと…」スッ


アルミン「僕は先に行ってるからね!」ダッ

エレン「ほらミカサ、松葉杖だ」

ミカサ「ありがとう…」

ベルトルト「アニ、掴まって」

ライナー「足元気をつけてな」

アニ「…ありがと」ギュ


食堂

ガチャ

エレン「ほら着いたぞ」

ベルトルト「足元気をつけてね」

ミカサ「…!」

アニ「…!」

ユミル「よう、二人とも…」

クリスタ「二人とも…生きてる…」ウルウル

ジャン「へっ、待ちわびたぜ二人とも!」

マルコ「ミカサにアニ…あの山からの生還と順調な回復、おめでとう!!!」


パチ…パチパチパチパチパチ

アルミン「おめでとう!」

ユミル「おめでと…!」

クリスタ「おめでとう!」

マルコ「おめでとう!」

コニ―「めでてぇな!!」

ジャン「おめでとさん!」

ミカサ「ありがとう…みんな…」

アニ「本当に、ありがとう…」

アニ「…そして、…」

ミカサ・アニ「ごめんなさい…!」

スッ…

サシャ「おめでとうございます」


ミカサ・アニ「!!」

ミカサ「さ…サシャ!」

アニ「サシャ…!!」

サシャ「…」

ミカサ「…」

アニ「…」

ミカサ「サシャ、本当にg」

アニ「ごm」

サシャ「…」バッ ダキッ!!

ミカサ・アニ「…!!!」

サシャ「…」ギュッ

ミカサ・アニ「…!」ギュッ

サシャ「…」


サシャ「…お二人の顔が見えないうちに、しゃべらせてもらいますね」

サシャ「今日はここに来てくれて本当にありがとうございます」

サシャ「お二人に無理をさせてしまう形になって、本当にごめんなさい」

サシャ「…いえ、」

サシャ「…無理をさせてしまったのは、お二人があの日、山に入ったのも同じですね」

サシャ「…」

サシャ「まったく、狩りの経験もないくせにに、自分たちよりも大きな獲物を…」

サシャ「…」

サシャ「あんな、あんなに、お二人ともあんなに身体に酷い怪我をしてまで…」

サシャ「っ…」グスッ

ミカサ・アニ「!!」


サシャ「愚直すぎるんですよ、貴女たちは…」

ミカサ・アニ「…」

サシャ「一方では人を傷つけるし!その一方ではそれ以上に自分を傷つけてしまうしっ!」グスッ

ミカサ・アニ「…」ウルッ

サシャ「もし今回貴女たちが死んでしまってたら、こんな意地っ張りな私はもう…二度と!」

サシャ「貴女たちに恨みをぶつけることも!」

サシャ「貴女たちに罵声を浴びせることも!」

サシャ「貴女たちをしばき倒すことも!!!」

サシャ「貴女たちと仲直りすることも!!!!!!」

サシャ「どれだけ後悔しても叶わなかったじゃないですかああああ!!!」ポロポロポロ


ミカサ「…っ、」ボロボロ

アニ「ぐっ…」ボロボロ

アルミン「…」ポロポロ

サシャ「…間違いないんですよね?」グシッ

サシャ「私が今こうして抱いているミカサとアニの温かさは、」

サシャ「私たちが助け出したからこそ今ここに存在する、間違いのない確かなものですよね?」

ミカサ「ぅっ…!!」コクコク

アニ「…っ!!」コクコク

アルミン「ああ、その通りだよ!」



ユミル「間違いねぇよ!」

クリスタ「そうだよ!」

ライナー「ああ!」

ベルトルト「その通りだ!」

ジャン「違ぇねぇな!」

マルコ「ちっとも違っちゃあいないっ!!」

コニ―「おう!!」


ミカサ「サシャ、貴女には…ごめんなさい……、ありがとう…!」

アニ「ごめんなさいサシャ……そして、ありがとう…!」

サシャ「こちらこそ…!」

サシャ「…、」ゴシゴシ

サシャ「とにかく、良かった…!」グシッ

サシャ「それじゃ、お二人とも座ってください!!」バッ ニコッ

ミカサ「サシャ…、」グシッ

アニ「サシャ…!」グシッ

サシャ「さあ早く!」






サシャ「私の村では、仲直りするときには相手を食卓に呼ぶんですから…!」ニコッ!


アルミン「ほらミカサ、ここにゆっくり腰かけて。松葉杖は立てかけとくよ」

ミカサ「うん…ありがとう…」

ベルトルト「じゃあアニはその隣に」ヒョイ

アニ「済まないね…」

サシャ「私は準備しますのでちょっと待っててくださいね!」

ライナー「サシャ、手伝うぞ」

エレン「俺も!」

サシャ「じゃあミカサとアニのところにこの鍋を!あとのお料理の皿は適当に並べてください!」

ベルトルト「フォークがしまってあるのどこだった?」ドタバタ

マルコ「えっと…」ドタバタ

ユミル「おい、皿が足らねえぞ」

ジャン「お前も手伝えよ!」バタバタ


クリスタ「あ、私もやる!」

ライナー「いいんだ、座ってなクリスタ」キリッ

ユミル「…」ゲシッ

ライナー「いてえ!」ピョンピョン

ミカサ「サシャ、この鍋開けてもいいの?」

サシャ「どうぞ!」

カパ

ミカサ「…!」

エレン「なんだこれ…」

コニ―「すげぇ!これ熊の肝料理じゃねぇか!美味そうにできてるな!いい匂いだ!」

アニ「え、もしかしてこの熊、」

アルミン「そう、君たちが倒した熊だよ!あの後、サシャとコニ―が中心になって解体したんだ!」

ミカサ「すごい…美味しそう…」

サシャ「熊の肝はものすごく身体にいいんですよ!肉と山菜と一緒にデミソースで煮てみました!
    ミカサとアニから、どんどん食べてください!」


一同「いただきます!」

ミカサ「…」モグ

ミカサ「美味しい…!」

アニ「熱が身体に染み渡るみたいだ…!」モグモグ

エレン「お前ら二人がどんどん食べてくれよ、これ」モグ

コニ―「どこか懐かしい味だぜ…さすがサシャ…」ムシャ

アルミン(サシャは料理が上手いから僕は幸せだよ…)シミジミ

マルコ「ポタージュ持ってきたよ!各自で取り分けてね」ドン

ジャン「これに浸けて食べろってさ」ドン

アニ「え、ジャンのそれ何だい」

ジャン「えっと、サシャの奴なんて言ってたっけか……」

ジャン「…そうそう、クルミンだ!」


エレン「は?アルミンの親戚かなんかか?」

ミカサ「私は聞いたことがない」

アルミン「ジャン、それクルトンって言うんだよ…」

ジャン「あ、済まん確かそんな名前だったな」カァア

マルコ「ジャン…」

ミカサ「…ふふっ」

ジャン(あ!ミカサが笑ったぜ!)ウッシ

ミカサ「ジャン…言うのが遅くなって申し訳ない。私達を助けるために危険なことをしたり、
    私を無事に山から降ろしてくれて…ありがとう」ギュッ

ジャン「…!!!!!」

ジャン(すべてが、むくわれた…)ミカサノテアッタケエ

ミカサ「ジャン?」

ジャン「あ、ああ!いいってことよ!無事に回復してるようでよかったな!」アセアセ

ミカサ「ありがとう…」


エレン「顔赤いぞジャン」モグモグ

アニ「ジャン、私からもありがとう…!」

ジャン「…ああ!それよりどんどん食べろよ!ほら、ポタージュもクルトンも冷めちまうぞ!」

サシャ「そのクルトンはパンをもう一度焼き上げて作ったものですよ!」ドタドタ

サシャ「その…お二人が、あの日の午前中に買ったものを使わせてもらったんですけど…」

ミカサ「そう…ありがとう…!」

アニ「そっか、10日ほども前のパンをそうやって使ってくれたのか、嬉しいよ。ありがとうサシャ!」

サシャ「…はい!」パァア

ベルトルト「だいたい料理は揃ったようだね」ガタ

ライナー「ああ、もう大丈夫だ」ガタ


エレン「おい、サシャもそろそろ座れよ。アルミンが待ってるぞ」

サシャ「はい!…///」スッ

アルミン「///」

ミカサ「サシャ、改めて…」

サシャ「?」

ミカサ「アルミンのこと…これからよろしくお願いします」ペコ

エレン「お、そうだな。サシャ、俺らのアルミンを頼むぜ」ペコ

アルミン「な、ななな」カァ

サシャ「任せてください!ミカサとエレンの幼馴染は、この私が守ってみせます!」フンス

アルミン「な!僕だってサシャのことを守るよ!」

サシャ「はい!守ってくださいアルミン!」ヨシヨシ

アルミン「あ、もう!子どもみたいに撫でないでよ!」プンプン


サシャ「アルミンは可愛いです!」

アルミン「も、もう!サシャだって可愛いさ!」カァ

サシャ「な、なななっ!///」カァ

コニ―「仲が良くて何よりだな!」ムシャ

ジャン「バカップルじゃねえか…」

エレン「おいジャン!アルミンはバカじゃねえぞ!」

ジャン「ぁあ?…………確かにそうだな、済まん」

エレン「お?………おう…」

ミカサ「!…」

サシャ「…」ウンウン


サシャ「ってちょっと!それじゃまるで私はバカだって言ってるみたいじゃないですか!」プンプン

ジャン「お、ちゃんと突っ込みやがったか」

サシャ「きぃいいいいいいい!!!」ジタバタ

アルミン「あはは…」

ジャン「まぁ、その何だ、俺が言いたいのは、………お互い補い合えってことだよ」

サシャ・アルミン「…///」

エレン「おいジャン…」

ジャン「ぁあ?」

エレン「お前、すごくいい事言うんだな…」キラキラ

ジャン「や、やめろ!俺をそんな目で見るな!」

マルコ「ジャンも素直じゃないね」

ミカサ「ジャン、私もあなたは二人にいいことを言ってくれたと思う」

ジャン「そ、そうか!?それならそうかもな!?」テレテレ

マルコ「もう訳が分からないよ」ヤレヤレ


ライナー「みんな盛り上がってるな!」ゴクゴク

クリスタ「楽しいね!」ホムホム

ユミル「それは何よりだ」モグモグ

ベルトルト「ねぇアニ、この熊肉の燻製も美味しいよ」モグモグ

アニ「ああ…大怪我してでも仕留めた甲斐があったよ。まぁ仕留めたのはミカサだけどさ」

コニ―「でもすげぇよな…よく銃もなしにこのサイズの熊に立ち向かったもんだぜ」ムシャ

ライナー「ああ…」

アニ「べ、別にこれ位…」

アニ「こんな熊と比べたら、まだユミルの方が手強かったよ」

ユミル「」ブフォオッ!

クリスタ「わ!もうユミルったら!飛んだじゃない!」

ユミル「な、何だよアニ!私は熊以上に恐ろしい存在ってか!?」

クリスタ「~!~!」プルプル


ベルトルト(あ、クリスタが笑いをこらえてる可愛い)

ライナー(結婚しよ)

アニ「…私の格闘技を脅かす点では確かに恐ろしいね。ユミル、今度訓練で相手してくれないかな」

ユミル「ああ…いいぜ。私も楽しみだ」

ライナー「お前ら…」

ベルトルト(ユミル…)


サシャ「何だかそっちも楽しそうですね!何の話ですか?」

クリスタ「あ、サシャ!実はユミルって熊だったんだって!!」

サシャ「え、えええええええ!?」ガーン

サシャ「ゆ、ユミルうううううう!!??」ナベノゾキ

ユミル「ど阿呆!誰が熊だ!」ゴン

サシャ「ひぃ!」

アルミン「大変!僕、さっきユミルを食べちゃった!」

ユミル「お前は無理して乗っかんな!」ゴン

アルミン「ああっ!」

アハハハハハハハハハ!!!


ユミル「…なあ、サシャ」


アニ、コレモオイシイカラタベタガイイ …アリガトウ 


サシャ「何でしょう、ユミル」


モウ、ライナーッタラ! スマンスマン、ハハハ! 


ユミル「お前が求めてた食事の時間…今、目の前にあるな…」


ジャンハハメヲハズシスギダヨ ダヨナ! オマエラウルセー!


サシャ「はい…!」


ベルトルトオツカレ ア、エレンモアリガトウ


サシャ「そして、」


アルミン「あははははっ!」


サシャ「私のいちばん大切な人の笑顔も…!」


ユミル「…ああ!」


アルミン「ん?サシャ、今何か言った?」



サシャ「あ、あr…」






ガチャ…!


キース教官「…」

一同「…!」

キース教官「先ほどからいい匂いがしているが…だれか説明してもらおうか?」

サシャ「は!アッカーマン訓練兵とレオンハート訓練兵の回復祝いであります!」

キース教官「…ほう、」

キース教官「それは素晴らしいな!」

キース教官「貴様には2日間営倉に入ってもらおう!」クワッ!

サシャ「な、なああああああ!!!?」ガーン

キース教官「当たり前だ!ブラウス訓練兵、貴様また厨房を無断で使用したな!?」


ミカサ「教官、私もサシャに協力しました!」

アニ「わ、私も!」

アルミン「ぼぼ僕もです!」

エレン「俺もです!」

ジャン「お、俺も!」

マルコ「僕も!」

ライナー「俺も!」

ベルトルト「僕も!」

ユミル「あたしも!」

クリスタ「わ、わたちも!」


キース教官「…ならアッカーマン訓練兵とレオンハート訓練兵以外、全員営倉行きだ!」

キース教官「何をぼさっとしとるか!腹いっぱい食って片づけてから出頭しろ!いいな!?」

一同「…はいっ!!」

サシャ「ふふっ!!」

アルミン「ははっ!!」

一同「あはははははっ!!!」

ヨシクオウ! アア、イマノウチダナ!


アルミン「…ねえサシャ、さっき何て言いかけてたの?」


サシャ「!」


アルミン「…?」


サシャ「…ここにいる人たちは、みんな私の大切な仲間です!」


アルミン「…うん!」


サシャ「そして…アルミンは、私のいちばんの、」






サシャ「大切な人、です!!」



      ~ 完 ~


くぅ、疲れた。

ちゃんとしたssを書いたのは初めてですが、ここまで長くなるとは思いもよりませんでした。
一度折れそうになりましたが、>>209をはじめたくさんの応援をありがとう

次回作ねぇ…就活終わったらそれこそたくさん書きたいね

ただ…>>209の願いには応えなければならないかなと正直思っているっ…!

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