高垣楓「Sweet Softly Birthday」 (22)

・楓さん誕生日おめでとう
・超短い
・雰囲気オンリー



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楓「……Pさん?」

P「あれ? 楓さん、どうしました?」

楓「まだ、お仕事ですか?」

P「ええ、まあ。あと少しですけど」

P「楓さんは、今日飲み会?」

楓「はい」

P「お誕生会、ですよね?」

楓「もうそんなかわいらしい歳ではありませんけどね」

P「いや、いくつになったって、お祝い事は嬉しいもんですよ」

楓「そうですね。……でも」

P「でも?」



楓「ちょっとだけ、淋しいです」



P「淋しい?」

楓「ええ。淋しいです」

楓「……だって、ここにPさんが」

楓「……いませんから」

P「……ああ。いや、ほんと。申し訳ないです」

楓「いえ、わかってます。Pさんはいつだって忙しくて」

楓「私には、お祝いしてくれる仲間がいて」

P「……」

楓「んー、でも。ままならないなあ、なんて」

楓「……パパでもないですけど?」


P「……なんすか、それ」

楓「本当に祝ってほしい人が、ここにいないのが」

楓「ままならないです」

P「……ですか」

楓「……です」

楓「Pさん」

P「なんです?」

楓「今、何時か。わかります?」

P「ん? ……ああ」

楓「もうすぐ、終わっちゃいます」


P「……なんか……その」

楓「いえ……いいんです。でも」

P「?」

楓「こうして、自分の気持ち……ごまかしてばかりで」

楓「今、ひとつ歳を経て、新しい私になりたくて」

P「楓、さん?」

楓「……だから今日は、我慢しません」

楓「Pさんに、見て欲しいので……」

 がちゃり。

P「……楓さん」




楓「来ちゃいました……」




P「いつから、来てたんです?」

楓「Pさんに電話する直前ですよ?」

P「飲み会は」

楓「とっくに終わってます」

楓「って、言うか……」

楓「みんなに、背中押されちゃいました」

P「背中、ですか」

楓「ええ」

楓「『今日だけは、何をしたって許される……たぶん』って」

P「たぶん……って、なんとまあ」

P「出たとこ勝負な背中押しですね」


楓「ふふっ……でも、ちょうどいいかなって、思います」

P「ちょうどいい?」

楓「臆病な私と……雰囲気鈍感のPさんには……」

P「雰囲気鈍感って。そりゃまたひどいなあ」

楓「だって、こうしてお仕事ですし?」

楓「あえて空気読まないんじゃないかって、思っちゃいます」

P「……申し訳ない……」

楓「でも、いいんです。歳を重ねた新しい私は、やる気スイッチを押したので」

楓「取り立てに参上したわけです」

P「ほう? 取り立てていきますか」

楓「ええ、Pさん」

楓「今、この時間を」




楓「プレゼントにください……」






 ちゅっ。




楓「……Pさん」

P「……楓、さん」

楓「なんか、気恥ずかしいです」

P「……言わんでください」

楓「あ」

P「ん。どうしました?」

楓「日付、変わっちゃいましたね……」

P「……ですね」

楓「なんか、残念なような、淋しいような」

楓「むずむずした感じ、しますね」


P「楓さん」

楓「はい」

P「……日付は変わっちゃいましたけど、もしよかったら」

P「一杯、お付き合いいただけませんか」




つ[くどき上手]




楓「あら?」

P「職場で飲酒なんて、ほめられたもんじゃないですけど」

P「でも、大切な人の誕生日を祝えなかったので。罪滅ぼしに」

楓「……仕方ないですね……くどかれましょう」

P「ありがたい。では」

楓・P『ふたりの、行く末に』

 ――Cheers!





おわりん


雰囲気オンリーで申し訳ない。
誕生日に間に合いました。本当におめでとう。

ノシ

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