エレン「これが海か…」(39)

ザーッザーッ

エレン「やっと、ここまで来たんだな…」

ミカサ「…えぇ」

エレン「これが海か…」ペロッ

エレン「…しょっぱいな、アルミン、お前の言ってたと通りだ。海は塩水だったぞ、こんなのが世界のほとんどを覆ってるなんてな、そりゃ商人も取り切れねえよ…」

ミカサ「エレン・・・」

エレン「この景色を、お前や104期兵の仲間たちで見たかったよ・・・」ツーッ

ミカサ「エレン、涙が・・・」ゴシゴシ

エレン「ん、ありがとな」

ミカサ「ううん」

エレン「にしても、結局104期から調査兵団に入ったなかで生き残ったのは俺とお前か・・・」

ミカサ「そうね…」

エレン「はっ、何が巨人の力だよ…、結局俺は、俺は誰一人として守れてねえじゃねえか!くそっ!くそっ!」

ミカサ「それは違う!」

エレン「み、ミカサ?」

ミカサ「エレン!あなたは覚えてないと思うけど、トロスト区であなたが初めて巨人になったとき!私はあなたにその命を助けられた!いや、私だけじゃない!ガスを補給しに行ったみんなは、
エレンがあそこで戦ってたから生き延びれた!」

エレン「…けど、結局みんな死んじまったじゃねえか」

ミカサ「…確かにそれはそう」

エレン「・・・」

ミカサ「でもねエレン、思い出したくはないと思うけど、ジャンやアルミン達が死んだときのことを思い出してみて」

エレン「は?」

ミカサ「これから死ぬのに…、みんな笑ってたの」

エレン「あっ・・・」

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ジャン『くそ!もうだめだ!』

エレン『はっ!?あきらめんじゃねえよ!早くこっちにこい!』

ジャン『へっ、自分の死に際くらい自分でわかるんだよ』

エレン『お、お前何言って・・・』

ジャン『エレン、お前とは喧嘩ばっかりだったが、俺はお前を嫌いになったことは一度もねえ・・・、ミカサを頼んだぞ』ニッ ガブッ

エレン『ジャアアアアアアン!』

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アルミン『エレン、君と過ごした時間は楽しかった。正直君と世界を回れないのは残念だけど、この世に悔いはない
けどこれだけは覚えておいて、僕はエレン、ミカサ、君たちをずっと見守ってるって』バタン

エレン『アルミーーーーーーン!』

エレン「…」

ミカサ「思い出した?サシャもコニーも、最後は笑ってたでしょ?」

エレン「あぁ、そうだな…」

ミカサ「だから私は思うの、彼らはきっとこの世に未練はないって、じゃなきゃあんなときに笑えないよ…」ポロポロ

エレン「そうだよな…、ってお前も泣いてんじゃねえか・・・」ゴシゴシ

ミカサ「だって・・・」

エレン「そういや、あいつらも最後は笑ってたな…」

ミカサ「あいつら?」

エレン「ベルトルトにライナーだよ…、あいつらは俺達の母さんを殺したんだから死んで当然だって思ってた。
なのに、なんでこんなに悲しいんだろうな…」

ミカサ「…」

エレン「しかも最後は笑って逝きやがって・・・、なにが「殺される相手がお前でよかった」だ。ふざけんじゃねえ」

ミカサ「エレン、大丈夫?」

エレン「あぁ、もうないたりしねえよ」

ミカサ「…そういえば、これからどうするの?」

エレン「あぁ、実はな、エルヴィン団長から聞いたんだけど、憲兵団は最後の巨人を殺すらしい」

ミカサ「そ、それって!」

エレン「あぁ、俺だ」

ミカサ「そ、そんなことさせない!」

エレン「落ち着けって、それで折り入って話があるんだが」

ミカサ「…何?」

エレン「俺は壁に戻ったら、その日に支度をして壁の外にでる。そして壁からずっと遠くに離れたところで暮らすよ」

ミカサ「で、でも家は!?」

エレン「ん?お前も見ただろ?ここに来る間にさ、ちらほら煉瓦の家みたいなのがあったのを、あれを見つけてすもうかなって」

ミカサ「…私も行く」

エレン「…お前はそういうと思ってた。」

ミカサ「もし行くなと言われても私はついていく」

エレン「少し落ち着け、ミカサ、頼みがある」

ミカサ「え?」

エレン「俺と一緒に壁をでてそこで一緒に暮らそう!」

ミカサ「!」

エレン「そしてそこで俺と、死ぬまで一緒にいよう・・・」

ミカサ「エレン・・・」

エレン「3人で」

ミカサ「え?」

エレン「だから、3人で」

ミカサ「・・・一応聞くけど3人目はだれ?」

エレン「アニだよ、だってあいつも巨人化できるじゃん、まだ結晶の中にいるけどさ、そのうち殺されるだろ」

ミカサ「…確かに、てっきり途中で行方が分からなくなったユミルとクリスタかとおもった」

エレン「そしたら4人だろ」

ミカサ「確かに、でもアニを許せるの?」

エレン「ん?あぁ、そりゃ最初は殺してやろうかとさえ思ったよ、でもさすがにもうこれ以上仲間が死ぬのは嫌なんだ…」

ミカサ「…やっぱりエレンは優しい」

エレン「それに思ったんだ。あいつってさ、俺をさらおうとしたときに「戦士になりそこねた」って言ってるよな?」

ミカサ「…そういえば」

エレン「あれってさ、もしかしたらライナーやベルトルトについていけなくなって、俺をどこか安全な場所に逃がそうとしてくれてたんじゃないかって思ったんだ。まぁ勝手な妄想だけどな」

ミカサ「…そうとも考えられるけど」

エレン「まぁとりあえず。実際会ってみてだな」

ミカサ「どうやって結晶から出すの?」

エレン「なんとなく、なんとなくだけどさ、今話しかければアニが結晶からでてくれるきがするんだ」

ミカサ「…そう」

??「おいお前ら」

エレン「あっ、リヴァイ兵長」

リヴァイ「そろそろ壁に戻るぞ」

エレン「はい、あっ!兵長」

リヴァイ「…なんだ?」

エレン「俺、壁の外で暮らすことにします・・・、ミカサとそれにアニも」

リヴァイ「そうか・・・、エレン、あの女に会えたら俺はお前を許さないって言っておけ」

エレン「はい・・・」

リヴァイ「…がんばれよエレン」

エレン「は、はい!」

アニのいる地下

エレン「…アニ、久しぶりだな、聞こえてるんだろ?そろそろ出てきてくれよ」


エレンがそう話かけると、今まで何をしても壊れなかった結晶が、みるみる音を立てて壊れていった。

アニ「…エレン」

エレン「久しぶりだな」

アニ「…私を殺すの?まぁ、仕方ないね」

エレン「殺さねえよ、アニ、もうアルミンもジャンもライナーもベルトルトもサシャもコニーもみんないなくなったんだ」

アニ「…え?」

エレン「死んだんだよ」

アニ「み、みんな?」

エレン「あぁ、クリスタとユミルは行方不明だがな」

アニ「…そう」

エレン「それで、お前に話があるんだ」

アニ「…何?」

エレン「憲兵団は近いうちに最後の巨人を殺しにくる。もちろん俺とお前だ。
だが俺はこんなところで死ぬわけにはいかないんだ。アルミンの分もしっかり外の世界を見て回りたい。
だからアニ、お前も一緒にこないか?」

アニ「えっ!?」

エレン「…もう、かつての仲間が死ぬのは嫌なんだよ」

アニ「…でも私は、あんたの仲間を」

エレン「だからお前はその人たちが生きたかった今日、明日を生きろ、死ぬなんて選択肢は許さねえからな、死んで楽しようなんてずるすぎだろ」

アニ「…」

エレン「それとリヴァイ兵長から伝言だ「俺はお前を許さない」だそうだ」

アニ「…だろうね」

エレン「それで、お前は俺たちと行くのか?」

アニ「…分かった。私も外の世界にいくよ」

エレン「わかった」

アニ「ちなみに俺たちって、ほかに誰かいるの?」

エレン「ミカサ」

アニ「…あぁ」

エレン「壁を出るのは明日の早朝だ。それまでは俺とミカサの家にこいよ」

アニ「…分かった」

エレン「それと聞きたかったんだけどさ、お前、俺をさらおうとしたときに
「戦士になりそこねた」とか言ってたけど」

アニ「…あんたの想像どうりだと思うよ」

エレン「…お前って案外やさしいんだな」

アニ「…どうも」

そして次の日

エルヴィン「…行くんだなエレン」

エレン「はい、団長、いままでありがとうございました」

エルヴィン「いいんだ、後のことは任せてくれ」

エレン「…本当にありがとうございます」

ハンジ「それにしてもさみしくなるなー」

エレン「ハンジさん・・・、よければ遊びに来てくださいよ」

ハンジ「はははっ、いつか見つけてみせるよ」

エレン「リヴァイ兵長・・・」

リヴァイ「ッチ」スッ

エレン「えっ?」

リヴァイ「男の別れなんてこれで十分なはずだ」

エレン「兵長・・・」ギュッ

リヴァイ「…元気でな」

エレン「兵長こそ」

>>一応アニが結晶にはいってから1年後くらいかな?頭のなかではですが

リヴァイ「…そこの金髪」

アニ「・・!」ビクッ

リヴァイ「お前は俺の班を皆殺しにしたんだ」

アニ「…」

リヴァイ「そのほかにも大勢殺した。だからその分しっかり反省して生きろよ」

アニ「…はい!」

リヴァイ「そしてミカサ」

ミカサ「…」

リヴァイ「・・・・エレンとお幸せにな」

ミカサ「!、ありがとうございます!」

リヴァイ「…ッチ」

エレン「それじゃあ、そろそろ行きますね、ほらアニ肩貸してやる」

アニ「…ありがと」

エレン「お前は荷台に乗ってるだけでいいからな」

アニ「・・・うん」

エレン「それじゃ、行くぞミカサ」

ミカサ「うん」

エレン「みなさんも、お幸せに」

エルヴィン「あぁ」

ハンジ「エレンもね」

リヴァイ「…じゃあな、また会おう」

エレン「はい!それじゃあ行ってきます!」

おしまい

書き溜めてたメモ忘れてきてしまい、30分あればかけるのを1時間くらいかけてしまった。
本当はもうちょい濃い内容だったのですが仕方ないですね、またもし機会があればこういうのを書いていこうと思います。

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