クリスタ「やだ……誰か助けてよぉ!」(57)


「誰か助けてよぉ!」

クリスタは声高に叫んだものの、非情なる世界はそれを打ち壊し、

安堵を遠ざけ恐怖を呼び込んだ

「まだなにも終わってないのに……」

息を切らしながらもクリスタは止まることは出来なかった

なぜなら彼らの足音が絶えないから

少しずつ、確実に。

クリスタへと近づいてくるのだ

「早く、早く逃げないと!」

別れ道。どっちにいくか迷う余裕はない


「こっち!」

右側を選び、しかしクリスタは踏み出した足を止めてしまった

いや、止めるしかなかった

「う、うそ……」

前から進んでくる集団はニヤニヤと笑いながら

クリスタに近づいてくるし、

残りの道からも足音は近づいてくる

つまりクリスタは逃げ切れなかったのだ

追い込まれ、その身を捕らわれることになってしまったのだ


「ひひひ……捕まえた」

数人のうちの一人が気色悪い笑みを浮かべながら

捕らわれたクリスタの太股に指を這わせた

「ひっ……」

「どうせ死ぬならヤっときてぇからな」

血走った瞳をした彼らはズボンを脱ぎ捨て

隠されていた醜く汚いそれをクリスタに押し付けた

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