僧侶「私達には使命があります」勇者「嫌です」 (70)

勇者「嫌です」

僧侶「まだ何も言ってませんが」

勇者「さっきあんたが言ったことを復唱する。最近、この世界に強い魔物が増えつつある。これは500年前、勇者に封印された魔王が蘇ろうとしているからに違いない」

僧侶「伝説の勇者様は『魔王は再び目覚めるだろう。その時は、また我々が魔王を封じよう』と言い残しております。そして私達5人は、その伝説の勇者一行の生まれ変わりなのです」

勇者「話の流れからして、俺たちが魔王を封印しろというのでしょう。嫌です」

僧侶「な、何故」

勇者「理由を話せと言うか。なら理由は3つある」

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勇者「一つは、俺は魔物と戦ったことがないからだ。何故戦ったことがないか?それは魔物が怖いからだ」

僧侶「レ、レベル1でも大丈夫です、最初は弱い魔物を倒して経験を詰めば…」

勇者「弱い者いじめしろってことか?最低な僧侶だな」

僧侶「うぅ…」

勇者「二つ目。俺は今、預かり屋でバイトをしている身分なので、旅に出たら収入が無くなるんだ」

僧侶「預かり屋!?それはスキルが身につかなそうな…あ、いえ、収入は魔物を倒せば…」

勇者「今の職場は人間関係がとても理想的だ。この職場を手放すのは嫌だ」

僧侶「そ、そんなぁ」

勇者「何より大事な三つ目。このメンバー、明らかにその辺の冒険者より弱いだろう」

魔法使い「もぉヒッドイなぁ~。そりゃあたしは魔法学校の劣等生だけどぉ、まだまだ強くなるもん!」

メイド「…」ドヨーン

踊り子「ウフフ、ボウヤの言う通りね♪」

勇者「な?魔法使いはわかるけど、メイドさんと踊り子さんていうイロモノが2名もいるんだぞ?ハーレムおいしいです、だがそれだけです」

僧侶「ぜ、前世では私達は勇者、僧侶、魔法使い、戦士、武闘家だったのですが…」

踊り子「どう見ても前世と同じなのは僧侶ちゃんと魔法使いちゃんだけじゃない、ネェ?私はすばしっこいし、武闘家かしら?」

勇者「その豊満な果実をゆっさゆっさ揺らして戦う淫靡な武闘家か、俺的にはストライク」

僧侶「やめて下さいふしだらな!そ、それでメイドさんは戦士で」

メイド「…どう見たら私が武器を使えるように見えんだよ、ブァーカ」ボソッ

僧侶(く、口悪い…)

魔法使い「んもー、前世の約束ってもう無効じゃん!500年もたって生まれ変わったらそりゃあ、職業も違ってるよぉ!」

勇者「そんな中、前世と同じ道を辿ってる魔法使いちゃんマジミラクルエンジェル。そんなロリっ娘魔法少女、俺的にはストライク」

僧侶「ストライクゾーン広いです…じゃなくて、『封印の力』は私達5人に受け継がれているのです、ですから私達がやるしかないのです!」

メイド「…んだよ、その縛りゲー。誰にでも封印できるようにガムテープで封印しとけやクソが」ブツブツ

踊り子「ていうか、魔王殺しておけば良かったのにネェ?」

魔法使い「きっと前世でも色々あったんだよ!」

僧侶「そうです色々あったのです!ですから皆さん、旅立ちましょう」

勇者「嫌です」

魔法使い「嫌です」

メイド「嫌です」

踊り子「嫌です」

僧侶「…」シクシク

僧侶「えと、魔法使いさんはどうしてですか!?」

魔法使い「だって学校があるもん。それに友達と会えなくなるのもやだもん、皆と学校生活送りたいもん!」

メイド「…リア充かよ」ケッ

僧侶「メ、メイドさんは?」

メイド「別に…私、何の夢も希望もないし…でも自[ピーーー]るのは怖いから、いっそ世界が滅びてしまえばいいなって思ったり」ボソボソ

僧侶(重ッ…)「踊り子さんは!?」

踊り子「せっかく集団で旅するのに、男女比率1:4だとヒロイン争いが大変そうじゃない」

勇者「これはいいビッチ」

踊り子「ンもう、こう見えても私、体の方は綺麗なんだゾ♪」

僧侶「」シクシク

僧侶「わかりました踊り子さん、ヒロインは貴方です。勇者様は差し上げます」

踊り子「あら、いいのォ?」

勇者「何か勝手に差し上げられちゃったよ」

僧侶「メイドさん…魔王を封印したら貴方は一躍スター。皆が貴方を褒め称える…そんな世界になっても、希望がないと思いますか?」

メイド「」ピクッ

勇者「おぉ口元がニヤついている。こりゃ落ちるな」

僧侶「そして魔法使いさん。魔王を封じないと、大事な皆の未来が失われる。そう思いませんか?」

魔法使い「…!せ、正論すぎてつまらないけど、確かに」

僧侶「そして勇者様…」

勇者「うん」

僧侶「どうぞこれを。金一封です」

勇者「普通に金で解決した」

僧侶「教会に集まったお布施です。本当は旅の資金にしたいと思いましたが…勇者様が旅を嫌がる理由については、もうお金で釣るしかないんです」

魔法使い「結構ゲスいねー」

勇者「でもなー…」

僧侶「はい?」

勇者「俺、大金が欲しいわけじゃなくて…今の職場でのんびり働いて、それに見合った収入を得て、贅沢もせず身の丈にあった生活を送る、そんな人生が丁度いいわけで…」

僧侶「」

勇者「こんな方法で大金を得ても心が貧しくなる…そう思いませんか?」

僧侶「」ビキビキ

踊り子「…僧侶ちゃん?」

僧侶「せやっ」ドガッ

勇者「ゲフッ」

メイド「うわー…普通に殴りおった」

僧侶「とう、やっ」バギィ、ボキッ

魔法使い「ちょ、勇者君血が出てる、死んじゃう死んじゃう!」

僧侶「大丈夫です、HPギリギリになったら回復魔法をかけます、死にはしません」ドゴッ

勇者「死ぬ!心が死ぬ!」

僧侶「…勇者様、私の身の上を聞いて下さいませんか?」ギュウゥゥ

魔法使い「それRPG的に、ある程度旅が進んでから打ち明ける話だよね」

僧侶「前世の私は、来世で生まれる年月日と場所を予言して逝きました…」

踊り子「強制的に始まったわ」

僧侶「それから500年…予言通りの年月日、その場所で私は生まれました。私は幼少より、勇者一行の生まれ変わりとして、僧侶として厳しく修行させられてきました…そんな幼少期を送ったからこそ、今では僧侶としてそれなりの力を身につけることができたのです。ですが…私には、誰にも言っていない夢がございました」

勇者「そ、その夢とは?」フラフラ

僧侶「暗殺者です」

勇者「」

魔法使い「」

メイド「」

踊り子「」

僧侶「神の使いとして厳しく躾けられた反動か…人道に反する職業に憧れを抱いてしまったのです。これは私の抱える深い闇…そして私は、その闇を制御できなかった…」ベキィ

踊り子「制御できなかった…まさか」

僧侶「そう…私は隠れて、暗殺者としての修行を行っていたのです」ドゴォ

魔法使い「あ☆それでさっきから急所を的確に突いてるんだね、納得~」

勇者「ゲボォ…」

僧侶「あら勇者様、もう終わりですか?でも大丈夫、回復魔法をかけますね。それからまた私の闇を貴方に」

勇者「わがっだ!旅立づがらや゛めでぐれぇ!」ゴホッグパァ

僧侶「良かった…わかって下さったのですね」ニコッ

踊り子「勇者ちゃん、ヒロインの私が癒してあ・げ・る♪」パフパフ

勇者「おフッ、回復しでがらにしで…」ドクドク

メイド「どうでもいいけど私と被ってるんだよ、闇を抱えたキャラってのが」ブツブツ

魔法使い「とりあえずパパとママと、あと学校の友達と先生に事情を話しておきたいんだけどぉ…」

僧侶「そうですね。他の皆さんはご家族さんへの連絡はよろしいですか?」

勇者「あ、大丈夫っす」

踊り子「私は一人旅をしている身だから問題ないわ」

メイド「どうせ私がいなくなったって、誰も気にしないわよ…」ブツブツ

僧侶「で、ではまずは、魔法使いさんの学校がある『魔法の街』を目指しましょうか」

踊り子「最初の目的地としては近いから丁度いいわね。皆さんのお手並み拝見ということで…♪」

僧侶「呪縛の魔法!からの急所突きッ!」ベキッ

踊り子「武闘の舞、せやッ♪」バキッ

メイド「喰らえ、特性爆弾…ニヒヒヒヒヒ」ドゴーン


勇者「意外と戦えるんですね」 ←傍観者

魔法使い「ふえぇ、また魔法失敗しちゃったよぉ…」

勇者「気にすんなって、魔法使いちゃんはまだレベル3だろ?」

魔法使い「うん、ありがとう勇者君!」

メイド「テメーはまだレベル1だろ…戦わないと経験値入らないぞオイ」ブツブツ ←レベル8

勇者「いや、何かオロオロしてる内に戦闘が終わるもんで」

踊り子「その気持ちわかるよォ、まだ戦い方わかんないもんねェ」ナデナデ ←レベル10

僧侶「でも、序盤でこうだと困りますね…」 ←レベル15

踊り子「じゃあ勇者ちゃんは預かり屋のスキルを活かして、荷物持ちってことで♪」

勇者「荷物預かりはスキルじゃなくて倉庫があるからできたんですが」

メイド「ゴチャゴチャ言ってねーで持て、カス」ドサッ

勇者「うおっ重たッ!どんだけ爆弾持ってんですかアンタは」

魔法使い「じゃあ…お願いね勇者君。これ、魔法道具の調合材料」

勇者「あのー、何かビンからミミズが出てきて俺の顔を這っているんですが」

魔法使い「きゃっ!さ、触れないよぅ、男の子なんだから自分で取って勇者君…」ビクビク

勇者「両手ふさがってて無理。ぎゃー、鼻の中入ってくるー…」

僧侶「あらそれ、『毒ミミズ』じゃないですか?」

勇者「」

僧侶「あ、鼻の中に入っちゃって判別できなくなりましたね。勇者様、毒状態になったら言って下さいね」

メイド「…毒状態治っても、ミミズは鼻の中で生きてんじゃ…」

踊り子「やだー、コワーイ」

>勇者は毒霧を吐いた!

魔物「グアアアァァ」

魔法使い「良かったね勇者君!上手いこと毒ミミズを吸収して、毒の技を覚えたね!」

勇者「うん!良かったよ!」 ←レベル2

メイド「良くねーよ」

踊り子「勇者ちゃん、私ヒロインだけど、キスはしばらくおあずけね♪」

僧侶「そんなことより見えてきましたね『魔法の街』が」

勇者「うん!そんなことより見えてきたね!」

踊り子「あら、キラキラしてる街ねぇ。ねぇ魔法使いちゃん、あそこの大きな建物が学校?」

魔法使い「うん、そうよ!あたし、あそこに友達沢山いるんだよ~♪」

メイド「ケッ」

踊り子「ふぅん…で、彼氏は?」

魔法使い「えっ」ドキッ

踊り子「さては…片思いの人がいるんだ~♪」

魔法使い「ちょ、やだぁ踊り子さん!そ、そりゃ友達としては好きだけど、そんな恋愛なんて」カアアァァッ

踊り子「ウフフ、魔法使いちゃんたらか~わいいッ♪」

魔法使い「も~っ」アセアセ

メイド「…で、どんな男なのヒヒヒ」

魔法使い「そ、そのォ…」

同級生男「あれ?魔法使いじゃないか」

魔法使い「!!」ドキッ

踊り子(へぇ~、なかなかのイケメン君じゃない)

僧侶(そこそこの魔翌力も有しています)

魔法使い「同級生男君、え、えっとね、その…」モジモジ

同級生男「ん?この人達は魔法使いの友達かい?初めまして、同級生男です」

僧侶「初めまして、魔法使いさんの友人の僧侶と申します」

勇者「初めまして」毒霧コホー

メイド「そ、その…」(ヤベ、イケメンと目合わせらんねー)

踊り子「うふふ、よろしくね♪」

同級生男「大人の人もいるなんて、流石魔法使いは交友関係が幅広いなぁ。何せ、うちの学校のムードメーカーだもんな」

魔法使い「え、えへへ、そうかなぁ」

同級生男「そうそう、皆から好かれるドジっ子魔法使いとして、な!」

魔法使い「ちょ、もぉ~っ」プンプン

メイド「」ビキビキ

すみません、sage忘れていました


同級生男「おっと、用事があるんだった。それじゃ、またな」

魔法使い「じゃあねぇ~」

踊り子「魔王を封印できたら、惚れられちゃったりして♪」

魔法使い「んぷーっ!?もぉ、踊り子さんたらからかわないでーッ!じ、じゃああたし、家と学校に事情話してくるから待っててねっ!」

僧侶「行ってらっしゃい」

勇者「それじゃあ俺はこの街を見て回るかな」

踊り子「待って勇者ちゃん、デートしましょうデート♪」グイッ

勇者「お、おう」

踊り子「わぁっ、この魔法のビキニ、値段も高ければ露出も高いわ~。きゃあ、こっちのムラムラアーマーも過激ィ」

勇者「好きなの買いますよ踊り子さん」

踊り子「んもォ…エッチなんだから♪」ツンッ

勇者(踊り子さん色気もあるし包容力もあるし、いいヒロインだよなぁ)

勇者(でも僧侶さんも胸は控えめだけど、清楚で綺麗な人だし)

勇者(メイドさんは地味だけど、俺は結構可愛いと思うな)

勇者(魔法使いちゃんは明るいロリっ娘だし)

勇者(皆、こういうエロいの着てくれないかな…)

踊り子「とりあえずお財布は僧侶ちゃんが持っているし、装備については合流してから相談しましょう」

勇者「そうですね。…うん?あれは」

>同級生男は何だかソワソワしている…

勇者「さっきの同級生男じゃないか」

踊り子「ほんとねぇ、さっきは用事あるって言ってたけど」

同級生女「ごめ~ん、待ったぁ?」

同級生男「同級生女!良かった、来てくれた!」

勇者&踊り子「!」

同級生女「同級生男との初デートだから、洋服選ぶのに時間かかっちゃって…反省」シュン

同級生男「あはは、その分こんなに可愛くなって来てくれたじゃないか…それだけで待った甲斐があったよ」

同級生女「も、もぉ~恥ずかしいこと言うなッ!で、でもありがとうね」モジモジ

同級生男「よし、今日は色んな所に行こう。俺の彼女を自慢して歩きたいな♪」

同級生女「ちょっバカッ///」

同級生男「いいよね、その照れた顔。俺、その顔が一番好きかも」

同級生女「…バカ///」

勇者&踊り子「」

踊り子「魔法使いちゃんがいなくて良かったわ…」

勇者「そうですね、純粋な彼女に心の傷背負わせられません」

踊り子「いい?私達は何も見ていないわよ」

勇者「はい、何も見ていません」

魔法使い「見ぃ~たぁ~ぞぉ~」ゴゴゴゴゴ

勇者&踊り子「」

メイド「お帰りなさいませ…あら、3人仲良くご一緒かい」チッ

魔法使い「たっだいまー☆あのね、パパもママも先生も、みぃ~んな応援してくれてたよっ♪」

僧侶「あらどうしました魔法使いさん?何か、暗黒魔法に似た魔翌力が溢れていますが…」

魔法使い「えー、暗黒魔法ォ?やだなぁ僧侶さん、あたしそんなの使えないよ闇属性の神官じゃあるまいしィ~♪」

踊り子「そ、そうよね、魔法使いちゃんは闇属性の神官じゃないもんね」

勇者「そうだよな、まさか闇属性の神官だなんてな」

僧侶「2人とも様子がおかしいですよ?」

踊り子「う、ふふふそんなことないわよ?」

魔法使い「爆発魔法オオオォォォ!あははは、みんな爆ぜちゃえーっ☆」ドゴオオオオォォォン ←レベル18

僧侶「凄いです魔法使いさん、あれからどんどんレベル上がってますね」 ←レベル17

メイド「爆発って私と被ってんだよ…」ブツブツ ←レベル11

踊り子「手出しできないかもぅ…」 ←レベル12

勇者「毒霧コホー」 ←レベル5

僧侶「あ、街で情報を集めたんですが『城下町』西の洞窟に住む魔物が、最近旅人に悪さをするようです」

踊り子「あら、城下町なら夜には着くわね。そこで泊まって、明日早速小ボス討伐ってことで行ってみましょう」

魔法使い「うわ~あ、遂に小ボス虐殺かぁ。何か「冒険してる」って感じだね☆」

踊り子「頼むから楽にやってあげて」

城下町

僧侶「おはようございます皆さん、今日は西の洞窟へ行きましょう」

魔法使い「うふふふふ、昨晩から血がざわめいてるの~♪」

踊り子「あら、メイドちゃんどうしたの」

メイド「いや、別に…」キョロキョロ

勇者「城下町は人が多いしな…俺も苦手かも」

魔法使い「じゃあ早速とっとと殺りに行こ~♪」

僧侶「えぇ行きましょう、殺りに」ウズウズ

メイド「殺りに…ウフフ」

踊り子「どんだけ殺意の波動に目覚めてるのよこのメンバー」

洞窟 ~ボス戦~

魔法使い「やーん、MPが足りないよぉ~っ」

踊り子「もう魔法使いちゃんたら、だからMPは節約しようって言ったじゃな~い」

僧侶「仕方ありません!呪縛の魔法&急所突き!」

>しかし攻撃は外れた!

僧侶「くっ、素早い…!」

踊り子「やん、敵を目で追えないわ!これじゃあ攻撃を当てられない…!」

勇者「どうすれば…」

メイド「…」チッ

メイド(ここは洞窟の最奥…道のあそことあそこをポイントにすれば…)

メイド「…おい、女衆は撤退しろ」ボソッ

僧侶「え?」

魔法使い「どういうこと…?」

踊り子「撤退って、逃げろってこと?」

メイド「2回も言わせんな!早くしろ!」クワッ

女衆「!」ビクッ

メイド「勇者!敵をひきつけとけ!」

勇者「わかった!」脱ぎッ

僧侶「何を考えてるかわかりませんが多分無意味です勇者様!」

>魔物は怒っている!

魔法使い「あ、上手くいってる!」

メイド「よし、ここまで来れば…3、2、1…!」

どごおおおぉぉぉんガラガラガラッ

踊り子「きゃっ、なにこれ、メイドちゃんの爆弾!?」

魔法使い「岩が崩れて道が塞がるっ!勇者君が閉じ込められちゃうよ!」

メイド「大丈夫だ、私の爆弾でまた道を作ればいい」

僧侶「そ、そうですね…」

踊り子「ふぅ、収まったわ…ねぇ、これでどうするの」

メイド「まぁ待ってな」

5分後

メイド「そろそろいいか…魔法使い、魔翌力回復させといた?」

魔法使い「う、うん、少しは…」

メイド「じゃあ、真空魔法で私達をガードして」

魔法使い「うん…メイドさん、何をする気?」

メイド「ガレキを爆発させて勇者を助けるからさ…よし、やるよ」

どごおおおぉぉん

僧侶「勇者様ーっ、大丈夫ですかーっ!」

踊り子「勇者ちゃ…あっ!?」

勇者「…」


>そこには、口から泡を吹いて絶命した魔物と、肌が紫色に変色した勇者がいた

メイド「…つ、つまり洞窟を密封して、毒霧を蔓延させて魔物を毒[ピーーー]る作戦だったわけ。魔法使いの真空魔法は、私達を毒霧から守る為の手段で…」ボソボソ

勇者「さっきまでの男前さはどこ行ったんですかメイドさん」

踊り子「勇者ちゃんの顔色が戻らないんだけど…」

僧侶「勇者様自身も相当毒にあてられたのでしょう…でもおかげで、毒耐性がついたようです」

魔法使い「順調に強くなってるね勇者君!」

勇者「どーすんのよこの肌」

僧侶「大丈夫です!国では人種差別を厳しく禁じていますから、肌の色が違うくらいで差別は受けませんよ!」

勇者「そうか」

踊り子「そうかじゃないわよ騙されないで勇者ちゃん!」ゆっさゆっさ

魔法使い「それにしてもメイドさん、とっさにあんなこと思いつくなんて頭いいね~」

メイド「…別に」ボソッ

城下町

僧侶「ふぅ、戻ってこれましたね」

メイド「は、早く宿に行きましょう」オドオド

魔法使い「そうだねー、流石にクタクタだよぉ」


兵士「メイド?」

メイド「!!」ビクッ

兵士「メイドじゃないか。少し見ないと思ってたら、何やってるんだお前」

メイド「…!」ビクビク

勇者「?」

僧侶「あ、そうか。メイドさんはお城のメイドさんだったのですね」

魔法使い「じゃあ兵士さんは、メイドさんのお仕事仲間ってことだね」

メイド「あ、う、あぁぁ…」

兵士「とりあえず、休むならちゃんと言ってから休めよ」スタスタ

踊り子「あ、行っちゃった」

メイド「…」

僧侶「でもメイドさん、やっぱり無断欠勤だったんですか。普通はもっと怒られますよ。ちゃんと今からお城に戻ってお休みを…」

メイド「…いい」

僧侶「え?」

メイド「いいの、どうせ皆私に関心ないし…」スタスタ

踊り子「あっ、メイドちゃん!」

魔法使い「どうしたんだろね~」

勇者「ところで皆、話がある」

僧侶「何ですか勇者様…」

勇者「明日はバイトのシフトが入ってるから、今から馬車使って戻りたいと思う」

僧侶「ちょ、バイトと旅を両立するつもりですか!?」

踊り子「ま、無断で休むよりはね…」

バイト先

勇者「はい、3000Gと鉄の剣お預かりですね。手数料100G頂きます、ありがとうございましたー」

店長「ガッハッハ、休みの日にどっか行ってきたのかオメー、顔も焼けて逞しくなったなぁ!」

勇者「や、まぁちょっとね。それより仕事中なんで…」

店長「ワリーワリー、じゃ頑張って働いてくれよ!」

魔法使い「みんな来て、早く早くぅ、勇者君が頑張って働いてるよぉ~」

僧侶「勇者様、アルバイトは真面目にやるんですね」

踊り子「素敵よ勇者ちゃん♪」

メイド「フン…バイトごときがやる気出して」ボソッ

勇者「ちょ、バイト先に来るのはやめて、恥ずかしいから」オロオロ

店長「おぉ美女がゾロゾロと。勇者、お前の知り合いか?」

勇者「あ、えぇ、まぁ」

僧侶「あ、すみませんお邪魔してしまって」

店長「ガハハ、いいってことよ。それよりも意外だな勇者、お前普段は誰ともお喋りもしないってのに」

踊り子「え、そうなの?」

勇者「あ、えぇ、まぁ」

メイド「んだよ…勇者はコミュ障で私と被ろうってのかよ」チッ

僧侶(あら?でも勇者様、この職場の人間関係が理想的だって…)

勇者「あの、仕事中なんで…」

店長「おぉそうだな、じゃあまた遊びに来て下さいよ皆さん」

僧侶「あ、はい、お邪魔しました」

勇者「みんなお待たせ」

魔法使い「おつかれー☆」

踊り子「失敗しなかった?」

勇者「うん、皆が来たこと以外は順調だったよ」

メイド「別に、私は行きたかったわけじゃ」ブツブツ

僧侶「…あの、勇者様」

勇者「ん?」

僧侶「勇者様は、あの職場が気に入っているんですか?」

勇者「あ、うん。…店長はああだけど、基本皆あまり干渉してこないからね」

僧侶「そう…ですか…」

メイド「そ、それって皆が仲良かったらハブられてるんじゃ…」ブツブツ

踊り子(勇者ちゃん、前々から淡白な子だとは思っていたけど…)

悪魔の塔

僧侶「くっ、手ごわいですね…」

メイド「僧侶、力溜めておきな…踊り子は周辺の雑魚を魅了。勇者は毒霧、魔術師は氷結魔法であいつらの動きをにぶらせて、隙ができたらとっておきの神聖魔法をぶち込みな、僧侶」ブツブツ

一同「おうっ」





踊り子「何とかここのボスも倒せたわね」 ←レベル21

魔法使い「ピンチの時にメイドさんが出してくれる指示、すっごい的確だもんね」 ←レベル25

メイド「そ、そこまでじゃないって…兵士の訓練いつも見てたから、戦略は真似みたいなもんで…」ボソボソ ←レベル19

僧侶(流石、伝説の戦士の生まれ変わりですね) ←レベル24

勇者「みんなお疲れー」 ←レベル15




?「あれが、伝説の勇者一行か…」

?「魔王様を封印する術を持った5人…」

?「この辺で、叩いておかねば後々厄介か」

魔法使い「みんなー、ここの街おいしいケーキ屋さんがあるんだって~、行こう行こう♪」

僧侶「あらいいですね、甘いものなんて久しぶりです」

踊り子「みんなスマートだから甘いものなんて怖くないわよねェ…でも、行っちゃおッ♪」

メイド「い、行ってもいいけど…」ボソッ

踊り子「勇者ちゃんは?」

勇者「俺はゆっくり休みたいんで。それじゃお休み」

僧侶「え、えぇ。お休みなさい」

魔法使い「付き合い悪いよねー、勇者君」

メイド「そ、そりゃ男1人だし」ボソッ

踊り子「そうかなぁ、あれで結構スケベだからむしろ嬉しいはずだけどねぇ…」

僧侶「でもメイドさんですら最初の頃と比べるとお話してくださるようになったのに、勇者様は出会った当初とあまり変わりませんね」

メイド「ですらって何だよ…」ボソッ

僧侶「勇者様はあまり自分の事を言わないから…まだどういう方なのか、わかっていないというか…」

踊り子「うーん、生まれた頃から淡白な子なのかもねぇ」

魔法使い「生まれた頃…あーっ、そうだ!」

メイド「な、何、突然大声上げて」ドキドキ

魔法使い「そういえば前聞いたんだけど、今日は勇者君の誕生日だよ!ここの所忙しくて、すっかり忘れてた!」

メイド「誕生日…フン、あいつがそんなイベント喜ぶわけないでしょ…」ボソッ

僧侶「だけど皆で祝うイベントって素敵じゃないですか!よく思い出してくれました魔法使いさん!」

魔法使い「勇者君、もう寝ちゃってるかなぁ…」

踊り子「私勇者ちゃん呼んでくるわ。寝てたら、夜這いでもしてあげようかなッ♪」

メイド「おいこらビッチ」

踊り子「だから私は清い体だってば。それじゃ、待っててねぇ~♪」

勇者「…」

勇者「誕生日、か…」

勇者「別に…歳を1こ重ねるだけだしな…」

勇者「…?外が、騒がしいな…」




ビュンッ

踊り子「…っ!」サッ

?「すばしっこいな…だが、今度は外さん」

踊り子「だ、誰…?」

闇の神官「俺は魔王様の使い、闇の神官…勇者一行の者よ、貴様を[ピーーー]」

踊り子「わざわざ一人になった所を狙おうってわけ…?狡猾なボウヤだこと」

闇の神官「確実に[ピーーー]為だ」スッ

踊り子(くっ、流石に私1人じゃキツいかも…)

↑規制かかりましたが[ ]は こ/ろ/す です



勇者「踊り子さん!」

踊り子「!勇者ちゃん」

闇の神官「増えたか…だが丁度いい、勇者を討てばお前たちは終わりだ」

勇者「…来いよ」

勇者(踊り子さん、俺が引きつけておくから皆を呼んでくるんだ)

踊り子(えっ、でも…勇者ちゃん、大丈夫!?)

勇者(ま、何とかなるでしょ)

勇者「ほら、早くやり合おうぜ」

闇の神官「…っ、そんなに死にたいか」ビキッ

闇の神官「喰らえ、暗黒魔法!」バアアァン

勇者「が…ッ!」

踊り子(…!あれじゃあ皆が来るまでにもたないわよ、勇者ちゃん!)

闇の神官「弱い、弱いな!威勢がいいのは口だけか!」バンバァン

勇者「ゲフッ…ふっ、かかったな…」

闇の神官「何…!?」

勇者「俺の体は毒を生み出す…お前がチマチマ遠距離魔法撃ってる内に、ここらの空気を汚染させておいた」

闇の神官「!?」

勇者「じわじわ蝕んでいくぜ、お前の体を、俺の毒が」

メール欄にsagaって入れれば規制は解除できるよ

>>43ありがとうございます!

闇の神官(まさか人間がそんな力を…しかし、今まで倒された魔物で確かにいた、毒で死んだ者が…)

闇の神官(つまり長期戦になれば、それだけ多くここの空気を吸うことになる…それなら、我が身が毒に侵される前に…)

闇の神官「この暗黒の剣で、奴を確実に殺す!」

勇者(聞こえてんだよバカが)

闇の神官「その心臓を貫いてくれる!喰らえ――ッ!」ダッ

踊り子「勇者ちゃーん!!」

勇者(これを避けることは不可能…しかし)

勇者「ああぁ―――ッ!」

闇の神官「―――ッ!?」

踊り子「!?」

むちゅう

>勇者は、闇の神官の唇に熱い口づけを送った

闇の神官(な、な!?こ、殺―――)

勇者「…」フッ

勇者(喰らえ、ありったけの毒をよおおぉぉ―――ッ!!)

フオオオオォォォォォッ




闇の神官「あ…が…」ピクピク

勇者「…くっ」ブシュッ

闇の神官「ハァハァ…お前の毒は私を殺すまではできなかった…だが、俺の暗黒の剣も、お前を一瞬で殺すまではできなかったようだ、ハァハァ」

勇者「チッ、しぶとい奴だぜ…」

闇の神官「まぁいい…次は外さん、殺してや―――」

踊り子「させるかぁ――ッ!」ドガッ

闇の神官「が…ッ!」

踊り子「ふぅ、今度こそ死んだわね…勇者ちゃん待ってて、僧侶ちゃん呼んでくるから、今すぐ!」

勇者「ハァ、ハァ…―――よな、踊り子、さん」

踊り子「―――え?」

勇者「踊り子さん、俺―――」




メイド「遅い…こりゃ確実に夜のバースデーに入ってやがるぞニヒヒ」

魔法使い「初めっから皆で行けば良かったね~」

僧侶「…?でもこの辺、空気が澱んでいるような…あら、あれは…」


勇者「踊り子さん、俺―――」

踊り子「勇者ちゃん?」

勇者「俺、気持ち悪いよな」

踊り子「―――!?」

勇者「父さんと母さん、仲悪くて…その相手の血が入っている俺も、気持ち悪いって」

勇者「俺、気持ち悪い子だから、親にも捨てられたんだよ」

勇者「俺は気持ち悪い存在だから、ずっと人とも関わらないようにして、欲求も最低限に抑えて…」

勇者「この旅でも戦闘で迷惑かけないように、こんな体になってみたけど…」

勇者「結局、気持ち悪いよな」




踊り子「勇者ちゃん…どうして今、そんな話を?」

勇者「…さぁね。血がこんなに出てるから、ラリってんのかな?それとも、誕生日だからかな――」

踊り子「…勇者ちゃん」

勇者「ごめん。勝手にこんな話して。こういう所も、本当気持ち悪――」

踊り子「気持ち悪くなんか、ないわ」

踊り子「勇者ちゃんは人に拒絶されるのが怖いから、自分から壁を作って――」

踊り子「でも、私達に迷惑をかけないように、頑張ってくれているじゃない」

踊り子「そんな勇者ちゃんを気持ち悪いなんて言う人、許さないわよ」

踊り子「勿論、それが勇者ちゃん本人でもね」

勇者「踊り子さん…」




僧侶「…そうだったんだ」

魔法使い「勇者君のあの性格には、ちゃんと理由があったんだね…」

メイド「踊り子の奴いいとこ持っていきやがって…わ、私らだって、勇者を気持ち悪いだなんて」ブツブツ

僧侶「…今は、踊り子さんに任せておきましょう」

魔法使い「どうして?」

僧侶「踊り子さんは――ヒロイン、ですから」

翌日

勇者「ふぁ~……ん?」

踊り子「うふふ、お・は・よ・う♪」

勇者「…あれ?何で踊り子さんが俺のベッドに?」

踊り子「んもう、昨日結局勇者ちゃん出血多量で気を失って、皆で勇者ちゃんをベッドに運んだんだからねェ」

勇者「あ、それは面倒をおかけしました。…で、だから何で踊り子さんが俺のベッドに?」

踊り子「そりゃあ、夜通し勇者ちゃんを看病する為じゃなァい♪」

勇者「で、俺の貞操は無事でしょうか?」

踊り子「うふふふ…♪それは、今から…」ジリジリ




魔法使い「ちょっと待った――ッ!」

踊り子「あら何よぅ魔法使いちゃん、入ってくる時はノックしてよね」

魔法使い「朝からヤラシイことしないで下さいーっ!それよりも勇者君、来て来て!」

勇者「ん?何だ?」

メイド?「…来たな勇者」ボソッ

僧侶?「ふふ、来ましたね」

勇者「おはよう…って、2人とも、どうしたんだその格好は」

メイド?「似合うか…?」

僧侶?「うふふ、実はですね…」

魔法使い「2人とも、ジョブチェンジすることになったのだー☆」

勇者「!?」




メイド→戦士「…っつーわけで、これからは堂々と前線に立って、皆にも指示出ししていくからな」モジモジ

僧侶→暗殺者「ふふ、ようやく夢が叶いました~」

勇者「それは一向に構わないんだが、どうして急に?」

暗殺者「ふふふ…周囲を気にして生きていくなんて窮屈じゃありませんか。これからは、やりたいことをやっていこうと思って」

勇者「急にそう思いついたの?」

暗殺者「えぇ、そうです」ニコッ

戦士「あ、あのさ…」ボソッ

勇者「うん?」

戦士「い、今だから言うけどさ…私、メイドなんてやってたけど、毎日上手くいってなかったんだ。それで消えたいって思ったりもしてた…」

勇者「初めて会った時、そんなことも言ってたね」

戦士「で、でね、唯一の楽しみがお城の兵士の姿を自分に投影して妄想することで、それでいつでも戦えるように爆弾なんかも作ったりして…だけど戦士になるのは、挑戦もせずに諦めて、どうせ自分なんかって思ってて…」ボソボソ

暗殺者「だけど、今は違いますよね戦士さん」

戦士「うん…やってみたいの、私…堂々と戦士を名乗って、戦っていきたいの…!」ブルブル

勇者「そうか…」

魔法使い「いいでしょ?いいよね勇者君、2人とも前より生き生きしてるよ」

勇者「勿論。それに、職業が変わっても2人は2人のままじゃないか」

暗殺者&戦士「!」

踊り子「フフフ」

勇者「何ですか踊り子さん?」

踊り子「いえ、何でもないわ」


踊り子(同じことよ…どんな体になっても、勇者ちゃんは勇者ちゃんのままじゃない)

獣の森

暗殺者「暗殺術ッ!」ビシュッ ←レベル30

魔法使い「凄いね暗殺者ちゃん、次から次へと的確に急所突いていくね!」 ←レベル26

戦士「ジョブチェンジ前からあったスキルだろ…」ブツブツ ←レベル20

暗殺者「フフ…でも、僧侶の時とは違うんですよ」

踊り子「どう違うの?」←レベル21

暗殺者「それは…ハーッハッハッハ、ざまぁみやがれ!!」

暗殺者「や、やっぱりまだ恥ずかしいですね///でも、これからはどんどん自分を出していけそうですっ」

勇者(あ、やっぱ素はこういう人なんだ) ←レベル15




迷いの館

戦士「痛ええぇぇ!!あークソ、メイドの時みたく後ろでコソコソできないから大変だな戦士は!!」 ←レベル28

暗殺者「戦士さん、早く指示を!」 ←レベル30

戦士「あぁ、ここの敵は集団で襲ってくるからこっちも全体技を駆使しろォ!」

踊り子「オッケー♪フフ、それにしても戦士ちゃん…」 ←レベル22

魔法使い「本格的に指示出しが仕事になったから、前よりも声が張ってるよね~」 ←レベル27

戦士「!!バ、バカ、戦闘に集中しやがれ…///」

勇者(役割が変わるだけで、こうも変わるんだなぁ) ←レベル17



混沌の泉

魔法使い「てぇーい、全力爆発魔法ッ☆」ドオオォォン ←レベル34

魔法使い(あたし、やっぱり魔法が好きだなぁ…それに)

暗殺者「やっぱり凄いですね魔法使いさん」 ←レベル31

踊り子「うちのアタッカーNo1の座はブレず、よね♪」 ←レベル24

戦士「ナ、ナイス」ボソッ ←レベル29

魔法使い「うんっ!」ニコッ

魔法使い(皆と一緒だから、勇気もわいてくるねっ)

勇者(最近吹っ切れたのか、ますます成長してるなぁ) ←レベル19

勇者(皆、旅を始めた当初から随分成長したな…強さもそうだけど、人間的な所というか)

勇者(俺は、成長してるのかな…)

勇者(自分に何の期待もしてないから、成長しようとも思わなかったよな…)

勇者(でも、今は…)

勇者(…)





勇者「遂に来たな…あそこが魔王の城か」 ←レベル24

魔法使い「くぅ~っ、遂に来たね!」 ←レベル40

暗殺者「クク…我が刃の錆にしてくれよう…」 ←レベル37

戦士「あんたはすっかりキャラが変わったな…」 ←レベル35

踊り子「それじゃあ、行きましょうか…」 ←レベル25

一同「おーっ」


勇者「あの、踊り子さん…話が…」

踊り子「なぁに?」

勇者「…いや、この話は、戦いが終わってからで」

踊り子「…えぇ、じゃあ期待して待ってるわね」

魔王戦

魔王「なかなかやるな勇者ども!しかし500年前我を封印した勇者どもは、こんなものではなかったぉぞおお――ッ!」

勇者「500年前の勇者?それが何だ!」

魔法使い「そんなもの、関係ないよーっ!」

戦士「私達は私達のやり方で…」

踊り子「貴方を封印する!」

暗殺者「てか[ピーーー]!二度と復活できないように!」

魔王「ならば見せてみろ、お前たちのやり方とやらを!」




勇者(やっぱり手ごわいな魔王は…)

勇者(前世の俺たちは、こんなとんでもない奴を相手に戦っていたんだ)

勇者(下手すりゃ死ぬかもしれない…だけど)

勇者(何だろうこの気持ち…)

勇者(何だか…)

勇者「充実してるかもしれない…」





――死ぬとか、死なないとか…

勇者「…ん、の関係…」

勇者「そん、の、関係、い…」

勇者「そんなの…関係ない!」

勇者「そんな゛の゛ブワッんけい あばばばばばばばば」

魔法使い「えっ」

暗殺者「えっ」

戦士「えっ」

魔王「えっ」

踊り子「ゆ、勇者ちゃあああぁぁん!?」

勇者「」ブワッ ブチャブチャブチャ

魔法使い「ひゃああああぁぁ、ミ、ミミミミミ」

暗殺者「勇者様の穴という穴からミミズが大量にいいぃぃぃ!?」

戦士「な、何てことだ…勇者は毒ミミズに寄生されて、中で染色まで行われていたのか…!」

勇者「」ブチャッブチャッブビュビュビュ

魔王「ひいいぃぃ、寄るなー!キモいわ!」

踊り子「勇者ちゃんは、気持ち悪くなんかない!」

魔王「!?」

踊り子「これが前世とは関係ない、私達のやり方!」

踊り子「そしてこれが、戦う為に勇者ちゃんが手に入れた力よ…」

踊り子「勇者ちゃんを気持ち悪いなんて言う人は許さない!」

踊り子「だから絶対に許さないわ、魔王!」

魔法使い(いや、これは…)

暗殺者(流石に…)

戦士(うん、気持ち悪いわ)

踊り子「さあ勇者ちゃん…私の手を取って、あいつを倒すわよ」

戦士「何をする気だ踊り子…まぁいい、魔法使い、暗殺者、全力であの2人をサポートするよ!」

魔法使い「らじゃ!」

暗殺者「了解!」

踊り子「勇者ちゃん…」




踊り子(私は前世の自分なんて関係なく、ずっと踊り子を貫いてきた…)

踊り子(だけどそれで良かったと思っているわ)

踊り子(貴方を、リードしていけるから…!)


魔王「うわああぁぁ、寄るな寄るなああぁ――ッ!」バキュンバキュン

踊り子「当たらないわっ」

戦士「!そうか踊り子、お得意の舞で勇者を魔王のすぐ側までリードする気か」

魔法使い「踊り子さん、何て華麗な舞…」

暗殺者「相手がミミズまみれじゃなきゃね」




踊り子(これが私の極めた、唯一の力…)

踊り子(最終決戦で貴方と舞うことができるなんて――)

勇者「」ウニュルウニュル

踊り子「さぁ勇者ちゃんぶつけなさい!貴方のありったけの毒ミミズを!!」

魔王「うわあああぁぁ―――」

どおおおぉぉぉん、ウニュルルモニョモニョ

踊り子「これで、私の役目は終わり…」

踊り子(私は、ヒロインになれたのかな――)

>>56でsaga忘れたのでまた規制が…orz また殺/すです





戦士「なーにが「役目は終わり」だ、自分に酔いやがって」ブツブツ

踊り子「テヘヘッ♪あそこで終われば格好良かったのにねぇ~」

魔法使い「ミミズぶつけた位で倒せるわけないじゃん。ま、でも魔王がミミズ責めで混乱してる内に袋叩きにできて勝てたけど」

戦士「格好悪い決着だったよな」ボリボリ

魔法使い「…ま、それが」

踊り子「私達のやり方、ってことで♪」

暗殺者「もうっ、何大円団ムード出してるんですか。勇者様の治癒でこちらは大変なんですよ」

踊り子「ウフフごめんね暗殺者ちゃん。どう、勇者ちゃんの容体は?」

暗殺者「えぇ、あちこちミミズに破られた箇所はありますが、命に別状はありません」

戦士(てか、口調が前に戻ったな…)




踊り子「勇者ちゃん…」

魔法使い「そりゃ「話がある」なんて言っておきながら、[ピーーー]ないよねぇ」

踊り子「えっ!?ど、どうしてそれを///」

戦士「期待して待ってんだろ踊り子…お熱いこってククク」

暗殺者「まぁ、踊り子さんはヒロインですからウフフ」

踊り子「え、あの…も、もうからかわないでーっ///」

勇者「」ピクッ

暗殺者「あ、勇者様!」

一同「!」

勇者「う、うーん…」

魔法使い「勇者君!良かったぁ、心配したんだよぉ!」

勇者「み、んな…?」

暗殺者「勇者様、私達魔王を討ったんですよ!」

戦士「たく、ミミズまみれて格好つかないったら」ボリボリ

勇者「…そうか。討ったんだ、魔王…」

踊り子「…勇者ちゃん、意識はっきりしてる?」

勇者「そうか…そうか、そうか!はははは!」

一同「!?」


勇者「はははっ、まさかあのミミズ攻撃で魔王が討てるなんてなー!はははははっ!」

戦士「オイ…勇者の野郎、まさか脳みそまでミミズにやられたんじゃ」

暗殺者「い、いえ、そんなはずは…」

魔法使い「けど、こんな明るい勇者君初めてっていうか」

勇者「そりゃ、大笑いもするよ!だって伝説の勇者の生まれ変わりが、最後の最後までそんな感じってさ!あはははははっ」

戦士「…」

暗殺者「…」

魔法使い「…」

踊り子「…ぷっ」

戦士「く、くくっ」

暗殺者「ふふふふふ…っ」

魔法使い「あははははっ、ほんとだね~っ、おかしいや!」

踊り子「うふふふっ、もう、さっきまで堪えてたのに…っ」

勇者「あっはっはっはっは!」





踊り子(こうして私達の旅は終わりを告げた――)

踊り子(それからの皆はというと――)

僧侶「神に背く不届きな者よ…この私が神に代わってその命、頂戴する!」

大神官「不届き者はお前だーっ!一から修行し直せバカタレ!」

僧侶「うへぇ」


>僧侶は生まれ育った神殿で、暗殺者から再び聖職者に戻された。しかし様子に以前のような窮屈さはなく、自分らしく生きる彼女の姿があった





兵士「今日の訓練終了!」

戦士「うひぃ~、体力不足で堪えるわ…」ゼェゼェ

兵士「しかし動きは悪くなかったぞ。これからバッチリしごいてやるからなハッハッハ」

戦士「くっ…早く司令官にまで出世してぇわ~」

>戦士は城に戻り、兵士としての訓練を受けていた。以前よりも大変な毎日を過ごしてはいるが、以前よりも充実しているようであった





魔法使い「今日は苦手な実験の授業かぁ…でもふふーん、魔王を倒した魔法使いちゃんに、怖いものなんてないもんね~♪」

同級生女「あれ、魔法使い…あんたのビン、痺れミミズ入ってなくない?」

魔法使い「えっ…あーっ、どうしよう蓋ちゃんと閉めてなかったーっ!」

>魔法使いは魔法学校に復学した。魔法の腕は誰もが認める所となったが、相変わらずそそっかしいようだ。





>そして、勇者と踊り子は―――



パチパチ

勇者「今日の踊りも良かったよ、踊り子さん」

踊り子「うふふ、ありがとう♪この街でも人気が出てきたわねぇ」

勇者「そうだな。さっきなんて、嫉妬した観客にからかわれちゃったよ」

踊り子「でも、皆いい人よねぇ。どうする?勇者ちゃんがそうしたいなら、もうしばらく居てもいいけど…」

勇者「…いや、もうそろそろ出発しよう」





勇者「踊り子さんと一緒に、色んな世界を回っていきたいから―――」





fin

>>57
×染色
○生殖
でした。
一応メモ帳に書いて読み返してから投下したのですが、他にもあるかもorz

色々不手際ありましたが、読んで下さった方いましたらありがとうございました。

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