アルミン「アルレル党……?」(277)

【夜のまにまに/02:00/訓練兵団兵舎・男子寮】
アルミン「……すーすー……」
……ゥウ
アルミン「んん……(――なんだ?何か呻き声のような……誰かうなされているのか?)」
……ゥウゥ…ウヴゥン
アルミン(……!これ、女の声だ!ここは男子寮だから女は居ないはず……)
……ゥヴッ、ゥウウゥウッ
アルミン(この苦悶の声に、胸に重石を乗せられたような不快感……!!まままさか……幽霊……!?事故死した訓練兵のタタリ……!!?)
アルミン(……うう、怖い。――でも、気になる……少し、ほんの少しだけ目を開けて……)チラッ
ミーナ「ンゥウウッ……!!フッ…ヴゥヴウンッ!!///」←目隠し+猿轡&海老反り亀甲縛り型宙吊り
アルミン「ア イ エ エ エ エ エ エ エ エ エ !!」
コニー「ワッザ!!!?」ガバッ
エレン「なな何だ!?」ガバッ
ベルトルト「なになにー……?」ネムヒー
ジャン「どうした!?何があった!?」ガバッマルコ「ああっ!!ミーナが吊されてる!?」
ライナー「ナンデ!?」
\ギャーギャー/


???「……危なかった」コソコソ

【誘い/08:00/訓練兵団兵舎・食堂】

ミカサ「……で、ミーナは犯人を見ていない。気がついたら既に救出されていた、と」

ミーナ「うん……。何で男子寮だったんだろ」

マルコ「何もかもが謎だね。教官に報告したけど、どうなるのかな……」

アルミン「判断材料が皆無だから何も出来ないね……」

クリスタ「とりあえず、ミーナが無事で何よりかな」ニコ

ユミル(あの姿で発見されたのは無事とは言えないとか言わないほうがいいよな……)

ミーナ「私は大丈夫だけど……みんなごめんなさい。犯人探しの為に今日の訓練潰れちゃうんだよね」シュン

コニー「気にすんなって!それより犯人のヤツ、一体どこに行ったんだ?」

ライナー「侵入者だとしたら厄介だな」

ベルトルト「行動の意図が掴めないのも厄介だね」

エレン「兎に角早めに捕まえないとな。モタモタしてたら次の犠牲者が出ちまう」

ジャン(次はミカサが被害にあって俺の上に吊されねーかなー。あれなかなかエロかったし……)ムフフ

ミカサ「ジャンから不快な気配を感じた」

ジャン「」

.....

ジャン「んで、色々調べてみたら侵入の形跡なし。内部犯の可能性高しだとさ」

アニ「内部犯ね……」

サシャ「怖いですね……」モグモグ

アルミン「怨恨の類にしては色々不可解な点が多いね。もうちょっと調べてみようか」



ミカサ「ミーナ」

ミーナ「なに?ミカサ」

ミカサ「実は犯人に心当たりがある……けれどミーナ以外に知られたくない事情がある」

ミカサ「……ので、消灯したら着いてきてほしい」

ミーナ(すごい怪しい)

【邂逅/23:00/兵舎外】

ミカサ「暗いから足元に気を付けて」ガサガサ

ミーナ「こんな外れまで連れてきて何を……って何この小屋?」

ミカサ「廃棄された施設の一部。ここでならあなたの疑問に答えられる……ただ、一度足を踏み入れたら後戻りは出来ない。あなたにその覚悟はある?」ゴゴゴ

ミーナ「え、そんな重い話なの?」

ミカサ「それくらい色々あるという例え。ミカサジョーク」

ミカサ「とりあえず中に入ろう。みなさんお待ちかね」コンコン

ミーナ「ちょっ、他に誰か居るの?」

??「……合い言葉。"ベルトルトが地獄からライナーを助ける為に切れやすい蜘蛛の糸を垂らした。ナンデ?"」

ミカサ「"ゲイのサディストだから"」

??「正解です。……入れ」ギィ

ミーナ「……なにそのあからさまにあからさまな合い言葉」

ミカサ「全てはニンジャ。早く入ろう」

―小屋内―

ミーナ「ひっ!!」

おお、見よ!
小屋の壁にはアルミンの姿見!そして

『アルミンカワイイヤッター』
『実際天使な』
『邪念が一切無い』
というスローガンに、アルミンを過度に賛美するチャントを唱える黒装束の集団!コワイ!


ミーナ「……帰りたい」

ミカサ「ダメ」

????「よく来た、ミーナ・カロライナ」

???「歓迎します」モグモグ

ミーナ「うわぁ……。来たくて来たわけじゃないけど、此処は一体何?私を襲った犯人は?」

????「順を追って話します。……アニ」

??「はい」パサッ

ミーナ「ワッザ!!?」

ミーナ「……何してるの、アニ?これあなたのキャラじゃないよ絶対」

アニ「アルミンの前では全て些事」

ミーナ「エレンを目の前にしたミカサみたいなこと言わないで!」

ミカサ(……自制したほうがいいのだろうか)

アニ「……気をとりなおして、ようこそミーナ」

――アルレル党へ。

ミーナ「アル……レル党?」

????「そう、ここは天使アルミン・アルレルトを賛美するものの集い」パサッ

ミーナ「クリスタ!?」

???「アルミンは神聖にして侵すべからず。だそうです」パサッモグモグ

ミーナ「やっぱりサシャだったか。モグモグしよってからに」

サシャ「いやー、何やら客分として参加する流れになりまして」モグモグ

ミーナ「どうせ餌付けでしょ」ジトォ

サシャ「ち、違いますよ!確かにパァンは頂きましたけど」モグモグ

ミーナ「じゃあ何で参加したの?サシャってそんなにアルミン好きだったっけ?」

サシャ「アルミンというより、訓練兵女子の皆さんがどういうことをしているのか興味がありまして……。ほら、歩みよりが必要かなーと」モグモグ

ミーナ(言ってることは立派だけど、頬張ってる食料とこの集団の不気味さのせいで感動出来ない!!)

ミーナ「……み、ミカサは何でここに?アルミンと幼なじみなのは知ってたけど……」

ミカサ「私は傭兵。女子禁制の男子寮に囚われたエレンへの夜這いの際、クリスタ達にアリバイを作ってもらうことを条件に、アルミンの夜を守っている」

ミーナ「……うん、ミカサはブレないね。お願いだからこれ以上心臓動かさないで」ニコッ

ミカサ(喋るなとかでは無いの……?少し傷ついた)グスン

クリスタ「私達は天使アルミンを崇めると同時にその神聖さを守護する活動をしているの」

クリスタ「平たく言えば、アルミンを狙う痴女やホモにファックされないよう見張る役目」スラァ……

ミーナ「……く、クリスタ?何で乗馬用ムチを?」ドキドキ

クリスタ「ミーナ、貴女は昨晩、男子寮に忍び込んだんだよね?」

ミーナ「!!!!??なななな何を!?そんな訳がアルマイヤー!!」

サシャ(アルマイヤーって何ですかね?モグモグ)

ミカサ「党首クリスタ。彼女は確かに男子寮に忍び込みました。アルミンを狙う可能性がありましたので即座に無力化した次第です」

ミーナ「アンタかい犯人!!」

クリスタ「ネタは上がったようだね……同志アニ!同志ミカサ!この雌豚を四つん這いにさせなさい!」

アニ「jar」シャギャッ

ミカサ「……ヤルッツェ・ブラッキン」ヒュバッ

ガッシボカッ!

ミーナ「ちょおお!!何、何するの!?何されるの私!?」ドキドキ

クリスタ「お・し・お・き。……えーいっ☆」ヒュバッチーン

ミーナ「あひん!!声とインパクトが釣り合わない!」ビクンビクン

クリスタ「ほらほら!正直に言いなさい!何故男子寮に侵入したのこの豚!」バッチンバッチン

ミーナ「ふぁああん!!い……言うから止めて!これ以上だとダメになるぅ!!クテってなっちゃううん!!///」ビクンビクン


サシャ「これ折檻になってるんですかね?」

ミカサ「世の中には色んな人がいる。否定してはダメ」

サシャ「……受け入れることが大事なんですね」ブッ

家畜以下「ううっ……もうお嫁に行けない」ヒクッヒクッ

アニ(シクシクじゃないんだ……)

クリスタ「ゼーハーゼーハー……で、男子寮に侵入した目的は……?」ヨロヨロ

ミーナ「……す」ボソボソ

クリスタ「え?なんだって?」

ミーナ「マ ル コ に 夜 這 い か け に 行 っ た ん で す っ!!////」

一同(!!!???)


マルコ「ヘックシ!」

ジャン「風邪か?」

マルコ「んー……そうかな」ズズッ

ミーナ「うう……なぜ私はこんな場所でこんな告白を」サメザメ


クリスタ「えっとえっと、本当にごめんなさい!!せっかくミーナが勇気を出したのに……」ペコッペコッ

アニ「……ごめん」ドゲザ

サシャ「えっと、……何かすみませんでした」アニニナラエ

ミカサ「ミーナ、本当にごめんなさい。……貴女の決意を踏みにじる真似をしてしまった」シュン

ミーナ「あ、ごめん……。ちょっと恥ずかしかっただけだから。私は大丈夫」

クリスタ「ミーナ、お詫びと言ってはなんだけど……今度マルコに想いを伝えに行くときは私達アルレル党が全力でバックアップする!」

アニ「……まあ、私はアルレル党関係無しに協力するよ。その、トモダチ――だから」テレテレ

サシャ「私もです!仲間の夢は私の夢!サシャ・ブラウス、微力ながらお手伝いします!」モグモグ

ミカサ「ミーナ、私も相手を想うあまりの苦しさや狂おしさは理解しているつもり。だから私もあなたの味方になりたい」

ミーナ「みんな……ありがとう」ジーン



ミカサ(だからミーナを拘束した時の道具は、全てミーナが持ち込んだ物だとは絶対言わない。空気が壊れる)

ミーナ「……で、どうしてアルレル党は出来上がったの?ミカサ以外の面子にアルミンとの深い接点あったっけ?」

クリスタ「ええー聞きたいー?」テレッテレッ

ミーナ(ウザいようでウザくない。クリスタはカワイイ)

クリスタ「キッカケは本当些細なことだったの」

~兵站行進時~

アルミン『……』ヨロヨロ

キース『どうしたアルレルト!貴様だけ装備を棄てるか!?』

アルミン『……ッツ!!』ググッ

ライナー『……貸せ、持ってやる!』バッ
アルミン『駄目だライナー……!そうしたら君が』
ライナー『ならバレないよう努力しろ……!』

クリスタ(……アルミン、辛そう。でも凄い気迫……)ハァハァ


アルミン『……死んでも、足手まといにはならないっ……!』クワッ



クリスタ『!!!』


ライナー『おいっ……!』

アルミン『………ッ!』ザッザッザッ

クリスタ『……』ポーッ

クリスタ「あの時のアルミンはとても格好良かった」

クリスタ「ので、アルミンがもっと評価されるべくこの組織を立ち上げたの」

ミーナ(ただのファンクラブだった。そして誰かを好きなると一時的に言語が変になるのこの兵団?)

アルミン「実際アルミンは意志力も強い、すごく強い」

私は本来ミカサと打つべき名前をアルミンと打ってしまい、あたかもアルミンが自演したようなアトモスフィアを作った。

だがこれはコウボウ・エラーズでありケジメ案件ではない。
いいね?

ミカサ「ケジメ案件ではない。いいね?」

ミーナ「アッハイ……って何の話?」

ミカサ「気にしない気にしない。――私個人としては、何故アニがここにいるのかが気になる」

クリスタ「私も気になるなー。どうしても言いたくないなら良いけど」

サシャ「過度な追求は奥ゆかしくないですからね」プスーッ

ミカサ「あなたの放屁も奥ゆかしくない」

アニ「……笑うなよ」

~格闘訓練後~

アルミン『ごめんね、僕が下手なせいで……』包帯グールグール

アニ『……別に、私の捌きが甘かっただけだし。それにこんなキズ、唾つけりゃ治るよ』

アルミン『駄目だよ!ばい菌が入ったら化膿するし、傷も残っちゃうだろ?こんな綺麗な手してるのに勿体無いよ』ギュッ

アニ『……なにそれ、兵士には必要ないだろ』

アルミン『それはそうだけど、綺麗なままが良いよ』


アルミン『アニは女の子なんだからね』ニコッ

ズッキューン!

アニ(結婚しよ)

アルミン『何!?なんの音!?』

クリスタ「普通に素敵だよ!」

ミーナ「むしろアニが可愛い!」


サシャ「これはドキッとしちゃいますね!」

アニ「……もう良いだろ////」


ミカサ(アルミンもエレンに負けず劣らずジゴロめいている。これが類友というのだろう)

ミーナ「とりあえず内装のアレ具合は兎も角、アルミンのファンクラブだという事はわかりました」

クリスタ「偏に愛です。――でもこのアルレル党がアルミン本人に受け入れられるとは思ってないよ」

アニ「私達はただ見守るだけ」

サシャ「アルミン、なんて言うか内罰的ですからね。神格化とか嫌がりそうな気はします」

ミカサ「それがアルミンの悪いところ。アルミンは評価される点が沢山有る。――ただクリスタ達がアルレル党を伏せておきたいなら私はそれを尊重しよう。そういう愛の形もある」

クリスタ「ありがとう、ミカサ。――ミーナ、今日は本当にごめんね?」

ミーナ「ううん、もう良いの。一回や二回の失敗でへこたれたら巨人にも勝てないからね!」

ミカサ「その意気。私からもう一度深い反省と共に、ミーナの恋路が成就するようにエールを送りたい」

サシャ「あそーれ!」

ミカサ「フレッフレッミーナ。フレッフレッミーナ」ビュゴオオオ

ミーナ「エールの手振りが見えない!」

\ムッハハハ!ムッハハハ!/




エレン(とんでもないモノを見ちまった……)ガタガタ

エレン(深夜の鍛錬の途中、ミカサとミーナが外れに向かうのが見えて尾行して見たが……)

エレン(アルレル党!?なんだそりゃ!……アルミンがこう人気なのは喜ばしいけど、果たしてあのスタイルでいいのか!?あんな怪しいカルトみたいなスタイルで!)

エレン(胸の内に秘めて置くか、アルミンに報告すべきか……でもなあー、何かアルミンに知られたくないみたいだし)

エレン(……うん)

エレン(これは黙っておこう。人の嫌がることはしちゃいけないな。エレン・イェーガーはクールに去るぜ)ソッ…



ミカサ「!私のエレンレーダーに反応有り!エレンが近くにいる。――いや、離れつつある!話を聞かれた可能性があるので捕獲するっ!」パァンッ!

ミーナ「音速超えた!?」

ミカサ「エレン!」ズギャギャギャギャ

エレン「!?」


ミカサ「……ドーモ、エレン・イェーガー=サン。ミカサ・アッカーマンです」ペコ

エレン「ドーモ、ミカサ・アッカーマン=サン。エレン・イェーガーです――じゃねえ!なんだその起動」


ミカサ「私の血中エレンが為せる愛の業。それよりエレン、私はあなたに聞きたいことがある――ので、連行する」

エレン「はぁ!?」

血中エレン
血中エレンってなんだ

エレン「アルレル党のことか……?なら安心しろよ、喋る気はない」

ミカサ「……そう、なの?」

エレン「ああ。夜這いとかいろいろツッコミたいところはあるけど、アルミンを好いてる連中を邪魔するなんて野暮だしな」

ミカサ「ツッコミたいなら私のウォール・マリアに進撃すればいい」

エレン「やかましいわ!」

ミカサ「エレンがそう言うならば、信じよう」

エレン「サンキューな。……しっかし、クリスタやアニがあんな事やってたとはな」

ミカサ「彼女たちも女の子。そういう事がある。なのでエレンも私がほとばしるパトスを抑えきれず夜這いに走ることを容認してほしい」

エレン「なのでじゃねーよ欲望抑えろ」

ミカサ「……という訳で、エレンから情報が漏れることは無くなった」

クリスタ「ごめんねエレン。手間かけさせて」

エレン「いや良いけどさ……しかしこの小屋凄いな。アルミンの姿見だらけだ」

アニ「絵に自信がある奴が描いてくれたのさ」

サシャ「実物そっくりですよねーこれ。何度みてもビックリです」

ミーナ「あ、このうたた寝してるアルミン可愛い」

ミカサ「エレンもアルレル党のアソシエイトとして協力してほしい。アルミンの純潔を守るために」

エレン「純潔を守るって……」

アニ「実際軍隊ってのはゲイのサディストが多いからね。異性の交遊が制限されて、欲望の捌け口が見つからない」

サシャ「そんな中、目と鼻の先には中性的な美少年。危ないですね」

クリスタ「別に私たちはアルミンに近づく全てを排除したいわけじゃないの。アルミンがせめて自分の想いを伝えられる相手が出来るまで、アルミンには綺麗でいてもらいたいだけ」

エレン「……それが自分じゃなくても?」

クリスタ「……」

クリスタ「確かに、アルミンのあの姿を見てドキッとしたし、かっこよかったとは思ってる」

クリスタ「でも、この"好き"で良いのかなって」

アニ「右に同じ」

サシャ「私は友達を守るためですから」フンス

ミーナ「同じく」フンス

エレン「……俺はそう言うのよくわかんないけどさ、クリスタ達がアルミンを守りたいってのはよくわかった。俺も協力する」

ミカサ「……エレン」パァアア

エレン「アルミンは俺の大事な友達だし。みんなも大事な友達だ。友達がやりたいことは、悪いこと以外や手伝ってやりたいしな」

アニ「……あんたは本当、バカに真っ直ぐっていうか」

エレン「小賢しいのは苦手だしな」

ミカサ「それもエレンの魅力」

クリスタ「ありがとう、エレン!みんな!」


サシャ「……さて、良い具合に話も纏まりましたし、宿舎に戻りましょう!アリバイ工作班に迷惑がかかります」

ミーナ「まだ居たんだ、党員……」

クリスタ「勿論、男女合わせて100人は下らないわ!」キャバァーン!

エレン「うちそんなに兵員居たっけ」

ミカサ「モブならキャベツから生えてくる。彼らの命は実際安い」

ミーナ「世知辛い……」

アニ「ほら急ぐよ……教官にどやされて朝食抜きはイヤだろ?」

サシャ「はい!パァアアン!」パァンッ!

エレン「音速超えた!?」

ミーナ「エレン、それ二回目」

【急襲/00:45/訓練兵団兵舎・男子寮】


エレン「はぁー、なんか疲れた」ギィ

エレン(しかしアルミンが狙われてる……か。交遊制限っつっても夜這いが流行ってるんだし有ってないようなもんじゃないか)ヌギヌギ

エレン(今もミカサが天井に張り付いてるし)

ミカサ(エレンの生着替えエレンの生着替えエレンの生着替えエレンの生着替えエレンの生着替ィイエェガァアアアーッ)

エレン(もう慣れたから良いけど。手ェ出してきたらファックしてやる)

アルミン「すーすー……」

エレン「ははっ、アルミン毛布ズレてんぞ」ナオシナオシ

アルミン「んん……」ゴロン

エレン(全く気持ち良さそうに眠て。……俺も寝)

ゴトン!

エレン「!?」

バッ!ザッ!

エレン「ぐうっ!」ダンッ

エレン(な、なんだ!?いきなり地面に……)ググッ

黒装束「……」

エレン(これ、アルレル党の!?まさか俺を敵だと……)

ミカサ「!エレ…あうっ!!」ガッ

エレン「ミカ……ふぐ!」

エレン(猿轡!……って言うかミカサに当身って、どんだけ精鋭なんだよ!!)


スカム黒装束「アルミンさま……よくぞ」

スカム黒装束「アルミンさま……」


アルミンさまアルミンさまアルミンさまアルミンアルミンアルミンアルミンミンミンアルミンさまままアルミンままアアアルミンさ

エレン「……ッ!!」

エレン(コイツらあからさまに正気じゃねえ!!)

黒装束「お前らエレンに何を……ぐっ!」ガッ!

黒装束「アルミン閣下をお守り……アバッ!」ガスッ


ライナー()ジタバタ
ベルトルト()ジタバタ
ジャン()チーン
コニー()ドッタンバッタン!
マルコ()ジタバタ

エレン(くそっ!全員拘束されてやがる!)

アルミン「……」

スカム黒装束「アルミンさま」

エレン(待て!てめぇアルミンをどこに連れて行く気だ!!)

キース「貴様ら!夜中に何を騒……」ギイ

スカム黒装束「イヤーッ!」ビュバッ

キース「ぬうっ!」バシッ

エレン(すげえ!今の貫手を簡単に)

キース「貴様ら何者だ……。わからないな、何故こんな真似をする……っ」グググ

スカム黒装束「アルミンさま」グイッ

キース「おおおっ!?」グワッ

エレン(教官を持ち上げやがった!?)

スカム黒装束「マリーナ!!」ブォン

キース「ぐおあっ!」ダンッ

エレン(教官!てめぇらぶっ殺す!駆逐して)ガッ


エレン(しまっ……ある、みん……っ)バタ


スカム黒装束「……」バッ

アルミン「……」

スカム黒装束「アルミンさま……」バッ

【同時刻/兵舎・女子寮】

ミーナ(また縛られた!悔しいけどクリムゾンっ)

アニ(黙れ豚!)

サシャ(チャーシュー……とか言ってる場合じゃないですね)

クリスタ「くっ……」

女子黒装束「ううっ……」ビクン


スカム黒装束「アルミンさま……」


女子黒装束「と、党首クリスタ。これは……」

クリスタ「……"アル民アルレル党"めッ!」



ユミル「……ッチ」

【kyojinslayr】

もとい
【アルミン「アルレル党……?」】

再開は明日夜な

>>51

血中エレンとは

賢明な進撃ファンならすでにご存知だろうが、ミカサは東洋人の末裔、つまりニンジャである。
彼女が並外れたニンジャ筋力、そして立体起動カラテを用いるのに必要なのが血中エレンである。

血中エレンの補充は容易であり、エレンを中心とした半径20m以内に居れば自動的に補充されるほか、接触、抱擁、エレンからの罵倒により補充される。

【これまでのあらすじ】

シガンシナ・スコシセマイ地区において巨人に母を無慈悲に殺められたエレン・イェーガーは、親友のミカサ・アッカーマンとアルミン・アルレルトと共に訓練兵団に入り、巨人を駆逐する術を学ぶ日々を送る。

ある日、同期のクリスタ・レンズ率いるカルトめいた「アルレル党」の存在を知ったエレンは、その夜謎の集団に襲われてアルミンを攫われてしまう。ウカツ!

同時刻に女子寮も襲撃され、クリスタは謎の集団を「アル民アルレル党」と呼称した。

アル民アルレル党とは何か!?
クリスタは何を知っているのか!?
アルミンは攫われて激しく前後されてしまうのか!?

アルミンの青少年のなんかを守るため、走れ!エレン・イェーガー、走れ!!
カラダニキヲツケテネ!!(注釈:凄惨なイクサに赴く兵士への奥ゆかしい手向けの言葉)

【資本主義/08:00/訓練兵団兵舎・男子寮】


ミカサ「エレン!目を覚ましてエレン!」

エレン「……っつ、ミカ……サ?」ズキズキ

ジャン「ようやくお目覚めかよ。そのままずっとおねんねしてても良かったんだぜ?」

マルコ「一番心配してたくせに」

ジャン「してねえよ!!」

エレン「……あっ、アルミンは!?アイツラらは――っ痛ぅ」ズキ

ミカサ「無理をしないでエレン。あなたは頭を強く打たれた」

ライナー「とりあえず落ち着け。簡単にだが状況を説明する」

ライナー「俺達はあのイカレ野郎共に拘束された。そんで眠ってるように偽装されてた訳だ」

ベルトルト「多分隠密に事を運びたかったんだろうね。それから幾分してからミカサ、その数分後にエレンが入室したんだ」

ベルトルト「多分エレンも同じように無力化しようとしたんだろうけど、いきなりタガが外れたように襲いかかってたように見えた」

エレン(多分アルミンの毛布をかけ直したからだろうな……)

マルコ「暫く僕らも拘束されたままだったんだけど、彼女が助けてくれたんだ」



ユミル「――よう、役立たず共」

エレン「ユミル!?」

ユミル「気紛れに深夜の散歩をしてたら、なにやらとんでもない事態にぶち当たったみたいだな、オイ」

スカム黒装束「」キュウ

スカム黒装束「」グテッ

ベルトルト「ユミルが見張りを倒してくれたお陰で、自由になれたんだ」

マルコ「ただ教官が――」

エレン「どうしたんだ!?」

マルコ「教官は打ち処が悪かったのか、まだ目を覚まさないんだ。息はしてるけど、骨は折れてるし早く適切な処置をしておきたい」

ユミル「包帯ぐらいは持ってきてやろうと思ったけど、ダメだね。廊下にもうじゃうじゃ湧いてやがる」

コニー「まさか兵舎が占拠されてるってのか!?」

ユミル「バカにしちゃ頭働かせたなぁ。少なくとも女子寮は占拠されてる」ジョリジョリ

ユミル「お前らを助けたのも、女子寮奪還の為だ。アタシ一人じゃ骨が折れる」ジョリジョリジョリジョリ

エレン「畜生、アルレル党の奴等め!」

ライナー「アルレル党?」

ジャン「なんだそりゃ?」

ミカサ「私が説明しよう」


~斯々然々 馬々改々~

ジャン「なにそれ怖い」

ユミル「クリスタ何やってんだ!」

ユミル「だからクリスタ、いきなりアル民アルレル党だなんてワケの解らんことを……」ジョリジョリジョリジョリジョリジョリ

ミカサ「アル民アルレル党!?」

エレン「知っているのかミカサ!」

ミカサ「ええ。クリスタですら唾棄する悪辣な派閥」

ライナー(クリスタから唾棄か……悪くない)ニッカリ

ベルトルト(ライナーが下らないことを考えてる気がする)

ユミル「で、私の嫁がそんなに嫌うアル民某って何よ?」ジョリジョリジョリジョリジョリジョリジョリジョリジョリ

コニー「ユミルやめて、禿げちゃう。俺禿げちゃう」

ミカサ「アル民アルレル党は、"アルミン資本主義"を主体とするアルレル党のタカ派」

エレン(まーたワケの解らんことになってきたぞ)

ジャン(知的なミカサも素敵だ……。この場合、知的が的確な表現かは知らねえけど)

ミカサ「本来アルレル党は、アルミン不可侵条約に基づき皆でアルミンを遠巻きに愛でる"アルミン協賛主義"を主体とした組織。あ、コミュニズムではないほう」

コニー「コミュニズムってなんだ?」

ユミル「怠け者が働き者に集る仕組みだよ。逆の資本主義は強者が弱者から根こそぎかっぱらう仕組みだな」ジョリリン

コニー「頭撫でんな!」

ミカサ「アルミン資本主義は、アルミンを力づくで奪取、物量と財産を用いてアルミンの寵愛を得ようとする歪んだシステム」

ライナー「資本主義をカスってすらいねえ!」

ベルトルト「ユミルの説明も形無しだね」

エレン(うわめんどくせぇ)

エレン「うわめんどくせぇ」

ミカサ「エレン、思ったことをそのまま口に出しては駄目」

マルコ「何にせよ、アルミンが良からぬ連中にさらわれたのは事実だ!早く助けないと!」

ライナー「ああ、アルミンの身に何か起こってからじゃ遅い」

エレン「しかし、どうすりゃ良いんだ!?手掛かりは無いし、どう捜せばアルミンが……」

ミカサ「パンはパン屋。アル民アルレル党の連中も元はアルレル党員。ならば党首クリスタに聞いた方が効果的」

ユミル「それに女子寮にはアニも居る。荒事には少しでも腕利きが欲しいしな」

ジャン「必然的に女子寮解放が必要ってワケか……」

ジャン「……よし」



ジャン「オイお前ら」

エレン「何だ」

マルコ「ジャン?」

ジャン「やるなら効率的にやろうぜ」

ライナー「?」

【ジャックポット/14:22/訓練兵団・立体起動装置保管庫】


スカム黒装束「……」

スカム黒装束「アルミンさまの立体起動装置をアルレルト」

スカム黒装束「マーケティング的に正解ですね、ウフフ」

スカム黒装束「お前ら真面目に見張れ」


スウッ……


スカム黒装束「グッ!」ギュウウ

スカム黒装束「ガッ!」ググ

スカム黒装束「アッコラア゙」グリッ

どさどさどさっ

ミカサ「クリア」

ベルトルト「クリア」

エレン「こっちもクリア。……ミカサ」

ミカサ「倉庫内に気配無し。……みんなを呼ぼう」クイックイッ




コニー「……ミカサからのハンドサイン確認。敵無力化成功」

ジャン「よし、静かに――でも迅速に移動するぞ」

ジャン「よし、立体起動装置は三つでいい。手早く点検作業してくれ」

マルコ「ジャン!あったよ!」ブンッ

ジャン「――っと」パシ

ジャン「サンキューマルコ!」




ユミル「それ、発煙弾か?んなもん何に使うんだよ」

ジャン「救出に使うんだよ」

【訓練兵団兵舎・女子寮】

サシャ(お腹がすきましたぁ……)グゥウ

ミーナ(用を足したい……)モジモジ

アニ(なかなか縄抜け出来ない……技術有りすぎじゃない?)グリグリ

クリスタ(…………)

スカム黒装束「アルミンさまはカワイイ。ナンデ?」

スカム黒装束「○○○○○(好きな言葉をいれよう)だから」

スカム黒装束「バカ!」

――キィ

スカム黒装束「ん?」


バシュッ、シュウウゥ…

スカム黒装束「なんだ!?煙!」

サシャ(何!?何やのこれ!?)

ミーナ(梶!?もとい火事!?)

アニ(この色、発煙弾!?)

スカム黒装束「扉が開かねえ!?」

スカム黒装束「窓開けろ窓!」

ガチャッ
バシュ、シュルルル

スカム黒装束「!この音、立体起動装――」

ミカサ「イヤーッ!」ビュンッ

スカム黒装束「グワーッ!」ドグシャ

コニー「うぉりゃあー!俺参上ぉ!」ギュンッ

スカム黒装束「アバーッ!」ドガン


モクモク モワモワ

スカム黒装束「開け!開けってんだ!」ガチャガチャッ

スッ

スカム黒装束「おわっ!」ズテン

スカム黒装束「いてて、何で急に――」

ライナー「よ う」ズオオオ

スカム黒装束「」

スカム黒装束(クソ!思いきり蹴りやがって)クラクラ

スカム黒装束(だがこの煙幕のお陰で相手に気取られず接近出来る)

コニー「これで全員か?」

ミカサ「まだ気を抜かないで」

スカム黒装束(よっしゃ隙有り!死ねやハゲ――!)

ガッ

スカム黒装束(!!)

ベルトルト(駄目だよ、水を差しちゃ)

スカム黒装束(いつの間に……つうか何で目を!)ゾワワッ

ベルトルト(悪い子は嫌いだな、僕)グイッ

スカム黒装束(おいおい待て待てそっちは窓で墜)

ガタッ

スカム黒装束「あ」



ドサッ

ベルトルト(――死んでなければ良いね)

ミカサ「――クリア」

ジャン「……よし」


~作戦開始前~

ジャン『まず、この発煙弾をちょい弄った奴を部屋に打ち込む。早い話が煙幕だ』

ジャン『女子寮の間取りは男子寮と同じだ。部屋が煙たくなったら奴等は扉から逃げるだろう』

ジャン『まずはライナーとベルトルトに扉を塞いで貰う』

ライナー『おう』

ベルトルト『任して』

ジャン『突入班は窓が開いたら立体起動装置を屋根に引っかけ、振り子の要領でエントリー』

ジャン『班員は比較的小柄なコニーとミカサ、そしてユミルだ』

ジャン『だがユミルはまず屋上で待機。万が一窓から逃げる用意されてた時の観測役だ』

ユミル『つまんねえの』

ジャン『俺、エレン、マルコは扉側のバックアップだ。騒ぎを聞きつけた奴らの無力化を兼ねてな』

エレン『わかった』

マルコ『了解』

ジャン『これはタイミングが全ての一発勝負だが、俺達にかかれば朝飯前だ。あのクソ共の鼻っ柱、文字通りへし折るぞ』

全員(コクッ)

ユミル「――んで、アタシの出番は結局無し。窓から逃げようとした奴は落っこちてピクピクしてるし」

ベルトルト「間抜けなヤツもいたもんだね」アハハ……


コニー「おーいサシャ、大丈夫かー?」
サシャ「お腹空きすぎて死にそうです……」


マルコ「ミーナ、大丈夫?怪我は?」

ミーナ「う、ううん。大丈夫……///」

ミカサ「アニ、無事」

アニ「……遅いよ」

ライナー「クリs」
ユミル「クリスタ大丈夫かあ~!?ん~怖かったろ~?アタシが着いてるからなー!」ギュウウー

クリスタ「ユミル苦っ大丈夫大丈夫だから離してええ~」ジタバタ



ライナー「……」
ジャン「……」肩ポン

エレン「とりあえずみんな無事のようだな。――クリスタ、アルミンが!」

クリスタ「やっぱり、攫われたんだね……」

ライナー「アル民アルレル党のアジトに心当たりは?」

クリスタ「正確な位置は私にも解らないの。ただ、訓練で使う山間部にあるのは解ってる」

エレン「山間部か。――よし!」

ミカサ「待ってエレン!目的地も解らないのに」

エレン「山間部を虱潰しに捜す!ぐずぐずしてたらアルミンが危ねえ!」

エレン「アイツは親友だ!だから助ける!もしアイツが危険な目にあっちまったら――」

ジャン「止めとけ死に急ぎ野郎!頭にカッカ血ぃ昇らせて馬鹿か!」

エレン「んだと!?」ガッ

ジャン「ミカサの言うとおりだろ。闇雲に捜して万が一お前に何かがあったら、元も子もねえだろ!」

ジャン「いいか……アルミンを心配してるのはみんな同じだ。みんなカッカとしたいのを抑えてるんだよ」

ジャン「お前一人が独断先行してよ、それで予期せぬトラブルが皆に降りかかったら責任とれるか!?」

エレン「……ッ!!――ああ、悪い」

ジャン「それで良いんだよ、クソ野郎……」

マルコ(ジャン、君ってヤツは……)

サシャ(ちょっとかっこよく見えました!)

コニー(熱いねぇ……)

ジャン「それに山間部なら、うってつけのヤツがいる――芋女!」

サシャ「はーい」

ミーナ「返事しちゃうんだ」


ジャン「確かお前、狩猟民族っつってたよな」

サシャ「いぐざくとりぃー。その通りです」フーッ…

ジャン「俺は狩猟に疎いから良くわかんねえけど、お前なら出来るんじゃねえか?トラッキング」

サシャ「おお!それは私の100の特技の内の一つです!」ビシ

ジャン「だそうだ。山間部なら山の専門に頼みゃいいんだ」

エレン「お、おう……」

エレン(ジャンから溢れる大将オーラがやべえ)

ジャン「山間部なら少数精鋭の方が動き易くていい筈だ」

ジャン「エレンとミカサ、サシャ。頼めるか」

エレン「言われるまでもねえよ」

ミカサ「アルミンは私が助ける」

サシャ「お任せあれ!」

クリスタ「ジャンお願い!私もアルミンの救出部隊に――」

ジャン「ダメだ。クリスタはここに居残りだ」

クリスタ「どうして!」

ユミル「そりゃ、アルレル党の残党を纏めなきゃだしな」

ジャン「その通りだ。それに兵舎奪還の為に、少しでも敵の情報を持ってる奴が欲しい」

ジャン「だからアニ、クリスタは必然的に残るしかねえし、アルミン救出にはアルミンと一番息の合うエレンとミカサが適任だ」


クリスタ「……解った。私はここに、残ります」

ジャン「安心しろ。あの馬鹿とミカサなら必ずアルミンを連れて帰ってくるって」

クリスタ「うん、そうだよね……!」



サシャ「じゃ、装備を整え山間部に向かいましょう!」

エレン「おう。……おい、ジャン」

ジャン「あんだよ」

エレン「ありがとな」

ジャン「――ヘッ、お前だけくたばれよ」

ミカサ「ジャン、素直になるべき」

ジャン「ドーイタシマシテー!!」

エレン「……あ、なんかごめん」

ジャン「うるせ!」

ジャン「――行ったな」

ジャン「よし、まずは他の寮の奴らを解放する。いいな?」

ライナー「任せとけ」

ベルトルト「巧くやるよ」

アニ「借りは返す」ズォオオ

ミーナ「怒りのオーラが見える!」

マルコ「スゴイコワイ!」

コニー「足引っ張んなよ?あと頭撫でんなよ?」

ユミル「フリか」

コニー「ちげーから!」

ジャン「うっせーぞハゲとソバカス!」

ジャン「状況開始だ!行け行け行け!」








クリスタ「アルミン……無事でいて――っ!」

【プライベート・アルミン/16:08/訓練兵団敷地内・山間訓練区画】


サシャ「ここがあの女のマウンテンね」モグモグ

エレン「黙れ」

サシャ「冗談ですよ。では、早速トラッキングといきますか」

ミカサ「ねえ、そのトラッキングと言うのは?」

サシャ「平たく言えば追跡術です。自然に残された痕跡から獲物の足取りを追います」

エレン「痕跡って……」

サシャ「自然は雄弁なんですよ、エレン。獣の鳴き声、草の倒れ方一つで色々分かります」

サシャ「自然全てが我々狩人の師匠です。自然は糧だけでなく生きる術も教えてくれるんですよ」

ミカサ「……!サシャ、足跡が」

サシャ「お、ちょっと失礼をば」ナイフシャキン

ザッザッ

エレン(無数の足跡のうち一つを選んで、辺りを四角になぞる……。どういう作業なんだ?)

サシャ(こん土、まだあんまり乾いとらんね。踏まれて削らたばっかしや)

サシャ(それにこん足跡、幅や長さから出せる体重に比べたらえらく深めに土に食い込んどるね。ちゅうことは何か担いどるっちゅう訳たい)

サシャ「この足跡です。これがアルミンを攫った奴の足跡です」

エレン「!」

ミカサ「ではこれを辿れば……」

エレン「アルミンに会える!」

サシャ「急ぎましょう!」

ミカサ「アルミンに何かあったら、一人残らず削ぎ落とす」ゴゴゴ

エレン「爪剥いで指折ってそこに釘突き刺してやる……!!」ギリリ


サシャ(やだ……殺伐……)ドキッ

【同時刻/兵舎】


スカム黒装束「ヒャッハー!ミーナだぁー!」

スカム黒装束「豚小屋出身家畜以下だぁー!」

ミーナ「」

マルコ(あいつら……女の子になんて酷い言葉を!)


スパァン!

スカム黒装束「アバッ!」

マルコ「!?」

アニ(ミーナの動きを……捉えきれなかった!?)

ミーナ「あのね」スパァン

ミーナ「豚とか家畜以下とか言われて」スパァン

ミーナ「私が悦ぶと思うの?」スパァン

ミーナ「悦ぶと思っているなら」スパァン

ミーナ「あなたはクズよ」スパァン

ミーナ「女を傷付けて悦ぶ男はクズよ」スパァン

スカム黒装束「アバ…アバババ」ビクッビクッ
スカム黒装束「スイマセンスイマセン」ガクガク

ミーナ「つまりは」

ドサッドサッ

スカム黒装束「あちょっと待ってその足そのまま下ろすと我々のマイサンが」






ミーナ「――身の程を知るのね、豚」


グシャッ

ジャン(内股)「おいいいいいい!!」

ライナー(内股)「ななななんてことしやがる!!」

ベルトルト(内股)「ひっ酷いよミーナぁああ!」

コニー(内股)「そりゃねええだろおーっ!!」

クリスタ(皆どうしたんだろ?)キョトン

ユミル(あ、ああ……異性にゃ解らないアレか///)

アニ(うわ……顔色がめまぐるしい)


マルコ「」キュン

ミーナ(……うう、マルコに見られた)

ミーナ(絶対ドン引きされるんだろうなー……)


~猥褻が一切ない妄想~

マルコ『何でことだ!君がこんなにはしたない人だったなんて!君は家畜以下だ!』

ミーナ『はひぃっ!私はマルコ専用の家畜以下の雌豚ですっ///』ゾクゾクッ

マルコ『じゃあ家畜以下の君に服は必要ないね。これからは兵団の外套のみで暮らすんだよ?』

ミーナ『はぁい///』
マルコ『いい子だねミーナ……。じゃあご褒美に……』



ミーナ(……はうぅ)

【同時刻/山間訓練区画】

サシャ「豚の匂いがしました!」

エレン「今は食い物じゃなくて足跡に集中しろ!」

ミカサ「足跡が増えてきた。これは近づいていると解釈していい?」

サシャ「んー……。鳥の鳴き声が何時もと違いますし、私達以外の誰かが通った可能性はあります」

ミカサ「……!エレン、サシャ」ガサガサ

サシャ「どうしました、ミカサ!?」ガサガサ

エレン「見つけたか!?」ガサガサ

ミカサ「如何にもな廃屋が、一つ」

エレン「アレか……!!」ザワッ

ミカサ「慎重に、しかし迅速に急襲する」

エレン「よし、俺は面から行く。ミカサとサシャは裏から」

サシャ「あらほらさっさー」

ミカサ「エレン、気をつけて」

エレン「お前もな」

エレン(……)

エレン(なんとか中の様子が見られれば良いんだが)

エレン(……あ。あれは窓、か?)

エレン(丁度いい。あそこから覗いてみよう)ソーッ

エレン(日が差してるお陰で中が良く見える)

エレン(……!あれは黒装束達に、アルミンッ!)

エレン(良かった、特に怪我は無さそうだ!……しかしアイツら、アルミンを囲んで何を……)

【小屋内】


スカム黒装束「……アッ…アッ……」硬貨ジャラジャラ

アルミン「い、要らない。僕はそんなの欲しくない……」

スカム黒装束「エ……エッ……」







エレン(なんか涙出てきた)

エレン(アイツら結局何がしたいんだよ!マトモな人間のやることが一つもねえ!)


エレン(……なんか馬鹿らしいし、適当に奴らをボコって、アルミンを連れ帰ろう)


エレン(ただ、頭のおかしい奴らとは言えミカサを一度下したのは事実。用心はしねえと)

エレン「アルミンッ!」バッ

アルミン「!エレンっ!!」パァアア

エレン「うおお眩しい!何でだ!?」

スカム黒装束「ォオ、アルミンのてんしはひかった……!」

スカム黒装束「なぜならアルミンだからだ……!」

エレン「やかましいわ!お前らもう黙れ!」

ミカサ「アルミン!」バッ

サシャ「無事ですか!?」モグモグ

アルミン「ミカサにサシャ!……ごめん、迷惑をかけたみたいで」

エレン「それは後だ!とっととこのイカレ野郎共を振り切るぞ」

オオオ…アルミンオイテケアルミンオイテケ
オマエテンシダロ…アルミンオイテケ!!
オオオ…アルミンノタメニイキアルミンノタメニシネ…

アルミン「伏せ!」

サザザザッ!

エレン「はい調教済みしたぁーッ!!」

エレン「とにかくチャンスだ!アルミンを連れて離脱!」

サシャ「はい!アルミン失礼します!」バッ

アルミン「わわっ!」


アア゙ア゙アア゙アア゙ア゙アア゙アア゙ア゙アア゙アア゙ア゙アア゙アア゙ア゙アア゙アア゙ア゙アア゙アア゙ア゙アア゙アア゙ア゙アア゙アア゙ア゙アア゙アア゙ア゙アア゙アア゙ア゙アア゙アア゙ア゙アア゙!!
オヒメサマダッコダアア゙ア゙アア゙アア゙ア゙アア゙!!


エレン「うわああ!!」

ミカサ「ひっ!」

ミカサ「エレンが危険!早急に離脱すべき!」ガバッ

エレン「俺 は 担 が な く て い い !!」

サシャ「逃げますよ!!」

アルミン「うわわわっ」

ドヒャアッ!!ドヒャアッ!!

ダダダダダ

エレン「降ろせよ!せめてお姫様抱っこは止めろよぉ!」

ミカサ「大丈夫!私はサラマンダーよりはやーい!エレンを無事に離脱させる!のでっ、安心してほしい!」ダダダダダ

エレン「いっそ殺して!」



サシャ「アルミンはあまり抵抗しませんね」ダダダ

アルミン「……諦めたものは幸福になるんだよ」ハハハ

ミカサ「……逃げ切れた」ゼェハア

エレン「」沼のような目

アルミン「しっかりしろエレン!傷は浅い!」

サシャ「無傷なのに大ダメージ負いましたね」ブヒッ

【18:18/訓練兵団兵舎・某所】

アルミン「みんな!」

ライナー「アルミン!」

ベルトルト「良かった……!無事だったんだね」

アニ「怪我、無い?」

アルミン「大丈夫。……すまない、僕のせいでみんなに迷惑をかけてしまって……」

ジャン「全くだぜ。そのまま帰ってこなくても構いませんのことよー」

エレン「俺にあんな説教かまして良く言うぜジャンさん」

コニー「かっこよかっすジャンさん」

ユミル「マジリスペクトっす」

ジャン「てめえら馬鹿にしてんのか!!」

ダダダダダ

クリスタ「ァァアールーミィーンンッ!!」ゴォッギュッ

アルミン「ファッ!?」ゴロゴロドンガラガッシャン

エレン「アルミーン!!」

ライナー「クリスタァー!?」


クリスタ「うわああああんぶじでよかったよおおあるみいいいん!」ピイィィッ

アルミン「うえっ、へっえ!?くくくくりすた!?////」

クリスタ「ありゅみいいいん!あありゅみいいいいんっ!」フィィィィン

ユミル(天使)

アニ(なんか可愛い)

アルミン「はい、落ち着いて」背中トントン

クリスタ「うう……」ヒックヒック

アルミン「ところで、誰でも良いから今の状況を教えてくれないかな?何がなんだかよく解らなくて……」ナデナデ

アニ「私が話す。アルレル党のことから全て」

アルミン(なぁにそれ……)


~なうろ~


アルミン「」

アニ「あの、その……」

ライナー「土下座の体制にならなくていい」

アルミン「単純になぜ僕なのかという」

エレン「アレは本当狂気でした。うん」



クリスタ「……こんなつもりじゃなかったの」

アニ「ただ、アルミンがすごい奴だと知ってほしかったんだよ……」

クリスタ「――でも、こうなったら、もうどうにかしなければならない」

クリスタ「私は組織の長。組織の不祥事には責任をとらなければならない」

――死んでも足手まといにはならない!


クリスタ(あの時、逃げない勇気をアナタがくれた)

クリスタ(私も、自分の責務から逃げない!)


アニ「クリスタ」

クリスタ「解ってる」



クリスタ「アルレル党は、本日を以て解党します」

ユミル「そりゃいいんだがね」

ユミル「問題が一つ残ってるんだよな」

クリスタ「え……」

ジャン「……」





マルコ「暴徒化したアル民アルレル党が爆発寸前なんだ」

クリスタ「!」

ベルトルト「兵舎の占拠、教官及び訓練兵への暴行」

ライナー「全員開拓地行き……運が悪ければ壁外追放かもな」

クリスタ「そ……んな」

ミーナ「で、でも……みんなどう見ても正気じゃなかったし、弁解の余地は」

ジャン「あっても、暴動が起きちまえば関係ねえ」

アニ「……」

クリスタ「あ…ああ……」

クリスタ(どうすれば、どうすればいい!?)

クリスタ(考えろクリスタ!責任を負うって決めただろ!)


アルミン(考えろ……考えるんだ!)

アルミン(僕の取り得はこの無駄に回る頭だけだろ!考えろ!)

アルミン(悲しく歪んだクリスタの顔なんて、見たくないっ!)

アルミン(!)

アルミン(……あった)

アルミン(暴徒化したアル民アルレル党を、傷つけず無力化する方法が!)




アルミン(やったら僕社会的に死ぬけど)

アルミン(でも……これしか方法がないなら、やるしかない!)

アルミン(僕の社会的評価がなんだ!仲間を守るために死ねるなら本望!)

アルミン(そうだ、暴徒だって訓練兵。人類の未来を担う人間なんだ!)

アルミン(彼等に崇拝されていたなら、僕には彼らを厚生させる義務が生じるはずなんだ!)


アルミン(多分気のせいだろうけど)

アルミン「みんな、一つだけ方法がある」

全員「!」

アルミン「ただし、これをやるにはクリスタの協力が必要だ。恐らくは、身を切るような」

ユミル「おいアルミン!」

クリスタ「ユミル!……私、やります。必ず暴徒を止めます」

アルミン「ありがとう……。確かここの近くに倉庫がある筈、それをまず使う必要があるんだ」

【数分後】



マルコ「……!」

アルミン「これを、使う」



エレン「アルミン無茶だ!これは……」

アニ「……ッ」

アルミン「エレン。何かを得るには何かを捨てなければいけない」

アルミン「何かを捨てられなければ、何も得ることは出来ないだろう」


クリスタ「……私は大丈夫だけど、アルミン!」

アルミン「これは君と僕じゃないと意味がないんだ!」

ライナー「やらせてやれ」

エレン「ライナー!」

ライナー「兵士には戦わなきゃいけない時がある。云ったよな」

ライナー「アルミンは、今がその時だと判断したんだ」

ベルトルト「誰から非難されようと、それを心に強く抱いた以上、誰にも止められないんだ」

ライナー「少なくとも俺はその決断を支持する」

ミカサ「私も。アルミンは必ず正解を導きだす。私もエレンもそれに救われてきた」

アルミン「ライナー、ベルトルト、ミカサ……」ウルッ

アルミン「ありがとう!僕はやるよ!必ずみんなを助けてみせる!」ニコッ




コニー(アルミンは男アルミンは男アルミンは男アルミンは男)

サシャ(ファックしたい)ジュル

アニ(天使)

クリスタ(頭がフットーしそうだよぉ……)

ユミル(――アルミンもなかなか美味そうだな)ギラリ

【アルミン「アルレル党……?」】


再開は明日夜。
最終回な。

【今更重点】

・紙→端末なので更新は遅い。寿司かドリトスをつまみながらみると吉。

・ネタバレは極力なし。

・シリアスではない。オチはくだらない。肩の力を抜いてみるといい。

・暇があれば文章のなかのパロディネタを探してみても楽しめるのかはわからない。

・アルミンリスペクト。

【もう少ししたら再開】

【たった一つの冴えたやり方/21:00/訓練兵団兵舎・グラウンド】

「アルミン法改正だ!」「悪い王政府だ!」「搾取されていると思う!」「アイエエエエ!」「アルミンきゅんを合法化しろ」


…………


ミカサ「凄い数」

ジャン「全員がこのグラウンドに集まってるみたいだな」

ジャン(この倉庫は、平屋根になってるお陰でグラウンド全体から見えるステージのようになっている――ってアルミンは言っていたな)

ジャン(アルミンの作戦にゃうってつけだろうが、作戦自体があまりにも――)

ミカサ「ジャン」

ジャン「おおおう!どうしたいミカサ!?」ビクビクン

ミカサ「アルミンなら大丈夫」

ミカサ「アルミンには正解を導きだせる力がある。その為に自らを犠牲に出来る覚悟もある」

ミカサ「アルミンを信じてほしい」

ジャン「お、おう……」

ジャン(くっそ、頼んだぜアルミン先生よ!)

ベルトルト「ジャン!ミカサ!」

ライナー「用意出来たぞ!」

ミカサ「分かった。ジャン、始めましょう」

ジャン「ああ――クリスタ!」


クリスタ「私もアルミンも準備できてる!」

アルミン「……始めてくれ」

ジャン「よし――。コニー、サシャ!ガス装填!」

コニサシャ
「「了解!」」


ガチッ


ジャン「アニとエレン!照らせ!」

アニ・エレン
「「了解!」」



◇◆◇◆◇◆

\ワーワー/\ワーワー/

「アルミンもアンタイセイと言うぞ!」「クリスタ断固粉砕骨折」「ヤメテ」「ちょっとアルミンしないか!」


カッ!

「何だ!」「屋根が光った!」「屋根が光りますか?おかしいとおもいませんか、アナタ」


ミカサ(あり合わせの器具と立体起動装置のガスを合わせて作った簡易スポットライト)

ミカサ(これであの三下共の気を引く)

ミカサ(そして1の矢として――)



――傾注(アハトゥング)ッ!!


「「「!!!」」」

全員の視線が屋根へ向く。

眩い光のカーテンを超えて現れたのは、光と共に眩く光る金髪を持つ少女だった。

だが頭には、伸びた黒い耳。上品な光沢を持つそれと同じウエストコート。鮮やかな黄色のパレオ。

美しい脚を艶やかに彩る網タイツに、可愛いまん丸尻尾。

それはまさに

「クリうさ」だった。

「ワオオーッ!!」「クリスタだー!!」「実際可愛い!」


アニ(あの衣装いいなあ……)

ライナー(結婚しよ)

ベルトルト(ライナー……)

サシャ(ドヤってますけど耳まで真っ赤ですね)モッチャモッチャ

ユミル(今夜のオカズだな)

コニー(まぶしい)

クリうさ「傾注!」

ざわ……


ミカサ(さすがアル民アルレル党。正気を失いながらもクリスタの言葉に従っている)

エレン(なんつー統率力だ)

ミカサ(何にせよ暴徒の耳も奪った。そして2の矢……)


クリうさ「アルミン!」

アルミン「……」ザッ


「「「!!!」」」


栗色の髪から伸びる黒い耳は、片方がへたれていた。

薄く筋肉がついた、しかし美しくしなやかな肢体を包むのはクリうさと同じ黒と黄色のバニースーツ。

その姿は

"男"というにはあまりにも可憐で

あまりにも可愛らしかった――。

「ワ オ オ ー ッ!!」「アルミンカワイイヤッター!!」「前後したい!!」

うさミン「………」プルプル



エレン(アルミン……お前漢だよ!)ブワッ

ミカサ(紅潮し、瞳に涙を溜め、頬を膨らませながらもアナタは変態に立ち向かっている。――アルミン、アナタはその名の通り勇敢な『兵士』……!)ググッ

ライナー(もう男でもいいや)フゥ……

ベルトルト(もう止めてよライナーァァア!君と幼なじみだと言うのがたまに厭になる!)

ジャン(アルミンは男アルミンは男アルミンは男アルミンは男アルミンは男アルミンは男)

コニー(男とはなんだったのか)

マルコ(普通に似合うとか言ったらもうアルミンは口きいてくれないんだろうな……)

サシャ(……ハッ!ああアルミンの可愛さにボケてしまったやんか!何やのアルミンもクリスタも可愛すぎ!)

ミーナ(アル民アルレル党に入りたいと思ってしまった……)

ユミル(あれこれ、アルミンも手込めにすりゃ両手に天使じゃね?)

アニ(……)ジュンッ

うさミン「これがたった一つの冴えたやり方!」

クリうさ「後は燃え尽きても構わないっ!」

うさミン・クリうさ
『だから私(僕)達の歌を聴けーッ!!』



エレン(――始まった!)

♪one-way! 迷走してくー本命ラ!ラ!ラ! loーveッ!


◇◆◇◆◇◆

【数時間前・倉庫内】

アルミン『彼等は完全に理性が崩壊しているわけじゃない』

アルミン『エレンとミカサ、サシャは見てたから分かると思うけど、彼等は僕の命令を簡単に受諾した』

――伏せっ!

――はい調教済みでしたぁーッ!

エレン『じゃあアルミンがこの馬鹿騒ぎを止めろって言えば!』

アルミン『駄目だ。理性を失っていないとは言え……いや、理性を失っていないからやっかいなんだ』

アルミン『彼等は僕が止めろと言っても、"無理やりクリスタらアルレル党穏健派が無理やり僕に言わせた"と記憶を改竄するだろう』

アルミン『――だから、敢えて彼等の残った理性を壊す』

ライナー『!』

アルミン『剥き出しになった彼等の心に直接"刷り込む"!』

エレン『――巧くいくのか?』

アルミン『保障は無い。……でもやるしかないんだ』

エレン『で、でも!』

アルミン『決意が鈍るような事を言わないでよ!エレンの馬鹿!アホ!間抜け!スカタン!このド低脳があーッ!!』

エレン『な、何だよ!そこまで言うことねーだろぉ!!』

ジャン(俺でもそこまで言わない)

気になったから一言言わせてください。

>>206のジャンの発言の「平屋根」は間違いです。平らな屋根の正式名称は「陸屋根(ロクヤネ)」です。

アルミン『そりゃ確かにあんな変態に立ち向かうなんて、不安になるのは当然だ!』

アルミン『なんの確証も無しに挑むんだから、僕だってヤバイと思う!』

アルミン『だが!僕たちなら、僕の知ってるエレンならッ!あともうちょっとで敵を倒せるって状況を決して諦めたりはしないッ!』

>>234 訂正に感謝

アルミン『君は「ママッ子(マンモーニ)」なんだよエレン!ビビったんだ 甘ったれてるんだ!』
アルミン『分かる?僕の言ってる事。「確証」のせいじゃなく、心の奥のところで君にはビビリがあるんだ!』

エレン『アルミンしっかりしろ!自棄になるな!』

クリスタ(こんな男らしいアルミン、テストに出ないよぉ……///)ホゥ…

アニ(やだ……かっこいい)トゥンク

アルミン『僕だって逃げたいけど逃げるわけにはいかないじゃないかー!!うわあああん!』ピィイイ

ライナー『よしよし、落ち着けアルミン(結婚したい)』ナデナデ

ベルトルト『(ライナー……愚かな)とにかくアルミンだって拉致されたりなんだりで限界だ。他に方法がないならアルミンの作戦を行うしかないよ』

エレン『――そうだな、腹くくるしかねえな。俺たちに出来るのは、アルミンてクリスタが100%の力を以てして作戦遂行出来るようにバックアップすることだ』

ミカサ『後ろは任せて、アルミン。私達は全力でアナタとクリスタを守る』

アルミン『うん……頼む』グスッ


アニ『(アルミンの涙舐めたい)しょうがないね。面倒だけど、あんな変態に跋扈されちゃ堪らないし……』

マルコ『しかし、よしんば本能云々は良いとして……この衣装も、その、必要なのかい?』

アルミン『うん、これにはインパクトが必要だから』

アルミン『派手で、彼等が求めるような、彼等の欲望が具現化されたような格好をしたほうが、彼等の心を剥き出しにしやすい』

アルミン『クリスタが必要なのもそこが理由なんだ。アルレル党が組織足り得たのも、クリスタのカリスマ性や可憐さで人間を繋ぎ止めていた点もある』

アルミン『兎に角、頭が回らなくなるようなインパクトを沢山与えなければならない。そのせいでクリスタにこんな格好させるのは、その……』

ソッ…

クリスタ『アルミン。私には彼等の暴走を止める義務がある。私は人間だから、自分の責務から無責任に逃げるわけにはいかない』

アルミン『クリスタ……』

アニ『それなら私にも責任がある。私だってアルレル党の一員だ』

クリスタ『アニ、私は組織の長だからこそとる責任がある。アニにはアニで、いつかその責任を果たす時が来るんだよ』

クリスタ『今は私が泥を被る番。――アニは、ちょっと待っててね?』

アニ『――分かったよ、党首様。でもアンタだけに泥を被せるつもりはないからね』

クリスタ『もちろん』フフッ


ユミル『――さて、ドラマが終わりまして具体的にどうすんの、アルミンちゃん?』

アルミン『――歌だ』

全員『歌!?』

アルミン『歌以上に心を剥き出しに、全員の心を一つにする手段は思い浮かばない』

アルミン『僕の恥ずかしい格好で浮き足立った連中を歌で誘い、剥き出しになった心に僕がこの事態を鎮圧出来る一言をねじ込む』

◇◆◇◆◇◆

♪一途に想えばこそ 神様をノロいたい
キミのアツい視線 そりゃうれしいケド…

三下共「決めたの!出会えたコト、神様に感謝してる!」ワーワー

うさミン「女の子じゃダメですかっ♪」キャルンッ

クリうさ「あなたについてく俺の俺じゃない俺がジャマするっ♪」キャルンッ

♪ねぇ、もうあなた以外キュンってこないのー
こんなに好きなのは同じなのに

三下共「ナンデナンデエエエ!?」アイエエエエ

うさミン(感じる……みんなの心が一つになっているのが!)

クリうさ(こんなにも一つになれるのに……なぜ争わなきゃいけないの!?)

うさミン(こんな歪んだ悲しみは断ち切らないといけない!それが彼等に痛みを強いることでも!)

クリうさ(そして私は、その重荷をアルミンだけに背負わせはしない!)


これはきっと両想い!?
見方によれば両想い!

【一時間後】

「ワオオーッ!」「天使と天使!マーケティング的にも正解ですよ!」「結婚しよ」「アルクリの温もり!」

\ワアアアアアア……!/

うさミン(今だ!)チロリロリーン

クリうさ(うん!)

クリうさ「ぜぇぇんいぃんっ!!傾注(アハトゥゥゥング)っ!」

ピタ……

三下共「buliz und degen!」ビシッ




ライナー「buliz und degen!」ビシッ

エレン「buliz und degen!――ハッ!?」ビシッ

ジャン「何でお前らまでやってんだよ!」

ベルトルト(ああ……今期の――)

クリうさ「これから偉大なるアルミン・アルレルトより!諸君らへ送る言葉があるっ!全神経を集中し拝聴せよ!!」

「いばっててもカワイイ!」「クリうさヤッター!」「ウサギヤッター!」

クリスタ「うるさいバカッ!聞けっ!///」

ユミル(可愛いなぁ)


スッ

アルミン「…………」

アルミン

「あなたたち最ぃぃ……ッ、低!!!大ッ嫌いっ!!」ドォオン

――……っきらい!

……キライ!

…ライ――

エレン「!?」

ミカサ「!?」

ライナー「!!!!!?」

ベルトルト「!?」

コニー「?」

サシャ「?」モッチャモッチャム

マルコ「!?」

ミーナ「!?」ゾクゾクッ

クリスタ「……ッ!」

アニ「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!????????????????」

ジャン(……!そうか、アルミンの野郎!)


三下共「……」


三下共「……ォ」


三下共「……ォオォオオ」ドシャッドシャッ




ミカサ「見て……!」

エレン「暴徒達が、膝から……」


崩れて、ゆく。


彼等は見てしまった。
アルミンの、険が走った顔に、目の端に浮かぶ涙の玉を。

訓練された変態ならば、ある程度の罵倒などご褒美に過ぎない。

だが、明らかに嫌悪を滲ませた本気の拒絶。――そして何よりも、"天使"と崇拝していたアルミンにあんな顔をさせたという罪悪感が、彼らの心を叩き折った。

そして暴徒が膝を付くのと同時に、アニも膝から崩れ落ちた。

ジャン「今だ!鎮圧しろ!」

コニー「お、おう!」

サシャ「一網打尽でっす!」





そして、うさミンもまた、膝から崩れてゆく。
紐の切れたマリオネッテのように。

クリうさ「……アルミン」

うさミン「クリスタ……独りに、してくれないかなぁ……?」ジワッ

クリうさ「でも!」

うさミン「頼むよ……ッ!独りに、そっとしておいてくれ……!」

クリうさ「……!」

ミカサ「クリスタ。行こう……」

クリスタ「でも……」

エレン「大丈夫だ。アルミンは強い」

エレン「でも、立ち止まらなきゃいけない時もあるんだよ……」

クリうさ「……、アルミンッ……!」


うさミン「……ぅうああああぁあああッ!う゛ああ゛ああああああああああっ!!!」


こうして、アルレル党最初にして最大、そして最期の騒乱は幕を閉じた。

多くの者の心――そしてアルミンの『男の矜持』に、決して癒えない傷をつけて。

【わが天使、アルレルト/xx:xx/アルレル党本部】


アルミン(あの騒乱から一週間……)

アルミン(アルレル党員は全員拘束されたが、みんな開拓地戻りは免れた)

アルミン(成績優秀者のミカサを始めとした鎮圧メンバーの嘆願、そしてなにより処罰によって大幅に訓練兵が減ることを考慮した結果だろう)

アルミン(クリスタ・レンズ以下百余命はこの騒乱を招いた罰として、教官の温情があったとはいえ一週間の営倉入り、その後に通常の三倍の訓練を無期限に行うという重い罰を下される)

アルミン(そして僕は――)

ゴオオオオ パチパチ……

アルミン(クリスタとアニと共に、アルレル党最後の遺産――僕に無許可で製造された僕の姿見が燃え逝く様を見ている)

クリスタ「……」

クリスタ「おしまい、だね」

クリスタ「牧歌的な姿見参拝も、ノスタルジアなアルミン賛美も、猪武者のようなストーキングも、みんなおしまい」

アルミン(ストーキングまでしてたのか……クリスタとアニじゃなかったら怒ってたよ!)

クリスタ「ありがとう、アルミン、アニ。お陰で万事、片がつきました」

アニ「……うん。――あれがアルミン好きが流す、最後のアルミン好きの血になるだろうね」シュン

アルミン「クリスタにアニ、君たちは良くやったよ。君たちは自らを斬り、返す刃で右を斬ったんだ」

クリスタ「うん、アルミン好きは常に中道じゃないといけないから」

クリスタ「これからは普通にアルミンにアプローチするねっ」ニコニコ

アニ「……覚悟しなよ?」フフッ

アルミン「えっ、あのその、――よろしく、お願いします?」


クリスタ(きゃわわ)キュンッ

アニ(ファックしたいの……)モジモジ

アルミン「……帰ろうか。ここは、寒いよ」

クリスタ「うん」

アニ「帰るか」ギュッ

アルミン「ちょっアニ!後ろから抱きつかないで!」

アニ「……アルミンニウム補充だよ、我慢しな」

クリスタ「あ、私も」ペロペロ

アルミン「指舐めないで!」

【アルミン「アルレル党……?」】


おわり

◆うさ◆

今回のssは処女作でしたが、皆さんの暖かい目で完結とあいなりました。かんしゃだ

◆ねこ◆

◆せんし◆こんかいはカプ・ネタバレ要素はなかったが、次は色々試行錯誤して、皆さんの腹筋を削ぎたいです◆へいし◆

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