エレン「巨人……」ローカスト「グランドウォーカー……」(15)

進撃の巨人×gears of war
※キャラ設定、世界観改変注意


人類の歴史は、一時は変革を、その後は破滅への一歩を辿って行った。
偶然採掘された新エネルギー【イミュルシオン】が全ての始まりだった。
安価で無尽蔵のエネルギーへ変換できるそれは世界経済を壊しつくした。

人間は欲望に飲まれ、イミュルシオンを独占しようと戦争を起こし、挙句の果てには世界大戦を引き起こした。
その戦争は長期に亘り、各国で停戦の気配が漂い始めた時――――

【奴ら】は突如として姿を現した。

「死ネェ、グランドウォーカー……!」
「ローカスト万歳!!」

地底から現れた【ローカスト】を名乗る人型の化け物達は戦争で疲弊しきっていた各国を襲撃。
彼らの銃器、そして圧倒的な数の暴力に人類全体の25%が瞬く間に虐殺された。
2mを超す身長と体格、例え子供であっても情け容赦無く殺すその姿は、生き延びた者達からこう語られた…。

【巨人】と。

互いに争っていた人類は、攻撃から生き延びた国同士で手を取り合い、巨大な城郭都市を建設。

それは三重に築かれた城壁と、地底に潜むローカストでさえ掘削が難しい岩盤を備えた要塞だった。

そこで人類は、ローカストの襲撃に怯えながらも、一時の平穏を手に入れたのだった……。

『エレンッ!?』

ああ、まただ。またこの夢だ。

『母さんッ!?』

子供の頃の俺、非力な俺、何も守ることが出来なかった俺……。
次の台詞は分かってる。何回も見た夢だから覚えてしまった。

『お前は逃げてッ! 逃げるのよエレン!!! お願いだから!!』

『いやだ!! 母さんを助けるんだ!!』

子供の力では、母さんの足を挟み込んだ瓦礫は到底動かせない。
分かっていても、必死に何とかしようとする俺の姿。

――酷く滑稽だった。

そんな姿を見兼ねたのか、母さんが力を振り絞って俺を傍から突き飛ばした。
瞬間、家の壁が轟音を立てて突き破られる。そして入ってくる巨大な黒い影。

『きょ、巨人……』

ガタガタと震える俺の体。突き飛ばされ、転んだ体制から体を動かせない。

『―――――――ッ!?』

母さんが何かを叫んだ気がする。具体的な言葉は思い出せない。
その直後に俺はその場から全速力で逃げ出した。

『苦シメ、グランドウォーカー…』

おぞましい声と共に、何かが踏み砕かれる音が俺の耳に届いた。

ぱんつぬいだ

「――――ハアハア……!?」

夢が覚めた。最近はいつもこんな調子だった。
額から汗が流れ落ちる。気が付けば全身も汗で濡れていた。

(シャワー浴びても、これじゃあな……)

月もまだ明るい。周囲の仲間達は、穏やかな寝息を立てていた。
日々行われる厳しい訓練の疲れを癒している最中だというのに。

「またかよ……」

「――ッ!? 起きてたのか……?」

「誰かさんのせいでな。寝れやしねんだよ」

「他のみんなは寝てるじゃねえか……」エレンが罰が悪そうに言った。

「寝付きが良いんだろうよ。お前のうなされる声が気にならねえくらい」

ジャン・キルシュタイン――エレンの同僚で幼馴染の一人。
彼の憎まれ口は昔からの物で、エレンは気にしなかった。
寧ろこういう彼の態度は、決まって自分を心配してのことだった。

「また、あの夢か……?」

「…………」エレンが俯く。

「黙ってるってことは、図星か?」

エレンはジャンの問い掛けに答えなかった。答えることが出来なかった。
夢の内容は散々にジャン、そして残る二人の幼馴染に言われたことだった。

『母さんが死んでしまったのはエレンのせいではない。巨人のせいだ』

心の中で自分を何度も納得させた。
子供が適う相手ではない、奴らのせいだ、必ず敵を討つ――。
しかし毎晩同じ夢を見るのは、やはり自分を責めているせいなのか。

「おい、馬鹿エレン」いつの間にかエレンの目の前まで来ていたジャンが言った。

「――な、いきなり馬鹿とか言うなッ!」

「そうかい? また下らねえこと考えてるんじゃねえかと思ったんだがよ」

やはり口が悪いこの幼馴染は何もかもお見通しのようだった。
エレンが反論する前に、ジャンは早々に自分の寝床へ戻った。

「さっさと寝ちまえ。明日はまたローカスト討伐訓練なんだからな」

「言われなくても分かってらぁ……!」

頭から布団を被り、エレンは暗闇の中で目を閉じた。

「……なあ」

寝ようを思っていた矢先、ジャンから声が掛かった。
閉じていた目を開け、身体を彼の方へエレンは向ける。

「あんだよ……」

「何度も言うが、お前のせいじゃねえからな」

フンと、ジャンは不器用に言った。

「んでもって、助けたかったのもお前だけじゃねえ。
 世話になった俺も、アルミンも、ミサカもだ。悔しいさ」

「…………」

「テメエ一人だけ背負い込んで、何を辛い夢見てんだ。
 俺らにも分けろよ。水臭えんだよ。大馬鹿野郎」

ジャンの言葉に喉の奥が痛くなる。そして不覚にも目が潤んだ。
そんな自分を誤魔化すように、エレンはジャンから身体を背ける。

「……馬鹿って、何回も言うな……」

辛うじて自身の口から絞り出したのは、そんな言葉だった。

「へえへえ……そうかよ」

対する彼の言葉も似たようなものだった。

ここで一旦終わります。
読んでくれてありがとうございました。

>>1です。
人がいるか分かりませんが、牛歩で再開します。

いや再開しろよ

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