エレン「来たか…」(8)

エレン・イェーガーはそう呟く。

窓辺から夜空を見上げる眼には炎が宿っていた。
憎しみを焼べ、赤く、紅く燃え盛る炎は、いつかその身をも焼き尽くすであろう。

それでも構わない。
全ての憎しみを焼き尽くせるのなら。

「そんな…早過ぎる…!」

アルミン・アルレルトが呟く。

隠せぬ動揺。
僅かに体を震わせ、汗が頬を伝う。

しかしその顔に浮かぶ笑み。
何故笑っているのか、誰のために笑っているのか。

誰にも分からない。
そう、本人でさえも。

楽しい?
NO

不安?
NO

絶望?
NO

僕は壊れているのか?






yeah.

「全て…終わらせよう」

鏡に映る自分にミカサ・アッカーマンは呟く。

浴場に射し込む月明かりが少女の美しい裸体を照らす。

1人佇み、鏡の自分を見つめる。

問う。

自分の存在意義を。

誰のための命なのか、を。

握りしめたマフラーに少女は誓い、再び呟く。



「私の命は、貴方だけのもの」

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