苗木「超高校級のゴーストスイーパー?」舞園『リポート2!』 (445)


これは
苗木「超高校級のゴーストスイーパー?」
の続きにあたるssだよ


・ダンガンロンパのss
・ネタバレあり
・投下遅
・設定改変アリ
・ちーたんマジ天使
・残姉マジ残姉


書き溜めていたものがクラッシュして長いこと絶望してたんだよ。おのれモノクマ。
それでも希望は前に進むんだ!! ということで再開するよ。
一応プロットは最後まで出来てるから、なんとか完結させたいよ。

そんなんでもよければ書いてくよ。







SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1402235677

おおおおお!待ってた!





chapter2 週刊少年ボンノウサンデー




 ―――学級裁判翌日・苗木の部屋―――



苗木「……ん」ムクリ


苗木(学級裁判から一夜明け、ボクは再び目を覚ました)


苗木(コロシアイ学園生活。そんなものはただの悪い夢だ―――そんな淡い期待にを抱きながらの起床)

苗木(しかし目を開ければ、自分が未だ悪夢の真っ只中にいることを実感させられる)

苗木(外光の入らない部屋。打ち付けられた鉄板。無機質な視線を向ける監視カメラ)


苗木(いつまで経っても、この異様な生活に馴れる予感がしない)


苗木「…はぁ」




舞園『――苗木君おはようございます!』


おぉ!待ってた!


苗木(この学園から脱出する。そう意気込んだはいいけど、具体的な策は何もない)ノソノソ

舞園『あっ、寝癖ついてますよ。アンテナが雷みたいですね』クスクス


苗木(霊能力者の横島クンが味方にいることが、今のところ唯一可能性のある突破口だ)パチャパチャ

苗木(彼の霊能力…たしか“もんじゅ”だったっけ。あれがきっとカギになるハズだ)ゴシゴシ

舞園『洗顔はあまりゴシゴシ擦っちゃダメですよ? お肌が荒れちゃいますから』


苗木(ボクも話を少し聞いただけだけど、けっこう何でもアリのチカラだってことは理解できた)

苗木(上手く活用すれば、この学園からの脱出だって不可能なことじゃないはずだ)

舞園『今日も一日頑張りましょうね! ファイトです!』グッ



苗木(ただ、そうなると大きな問題がひとつ浮上してくる。横島クンの処遇についてだ)

苗木(霊能力――そんなモノの存在が知れたら、なにか起こった際に真っ先に横島クンが疑われることになる)

苗木(どんな不可能犯罪も、彼ならば可能となってしまうからだ)

苗木(やっぱり、このことは皆には黙っていたほうが得策なんじゃ…?)


苗木(っ! なに考えてるんだボクは! これじゃコロシアイが起こることが前提みたいじゃないか!) ブンブン!

苗木(でも、皆に余計な混乱を招くよりは…)

舞園『難しい顔してますね…大丈夫ですよ、きっと』


苗木「…」

舞園『…』




舞園『……リアクションが無いとさみしい』グスン



<コンコン ガチャ


横島「おーっす」

苗木「あ、おはよう横島クン」

横島「はよっす。様子見に来たぜ」

苗木「様子…?」


舞園『横島君っ、おはようございます!』

横島「おぅ、おはようさやかちゃん! 幽霊初日は良く眠れたか?」

苗木「へ? まいぞの……あっ!?」

舞園『うぅ…やっと返事をしてくれる人に会えましたぁ…』ホロリ


横島「あ゛あん!? 苗木テメーさやかちゃんを無視してやがったのかこの冷血漢が!!」

苗木「ご、ごめん舞園さん! 違うんだちょっと考え事しててっ、決して忘れてたとかじゃ…!」アタフタ

舞園『忘れるほど存在が薄くてすみません…』ウナダレ


横島「なーかしたーなーかしたー! いーけないんだーいけないんだー!!」

苗木「ごめんっ、ホントにごめん!!」ペコペコ


横島「苗木、そっちには誰もいねーぞ」コッチダコッチ

苗木「」

舞園『…』グスン


舞園『姿が見えないって地味に辛いです…声も届かないし…』

横島「霊視ゴーグルでもありゃシロートでも視認できんだがなー」

苗木(また聞きなれない単語が出てきたな。…ゴーグル?)


横島「地縛霊だけあって、行動範囲もこの部屋ん中だけだし…霊格が上がらんと部屋からも出られそうにないなぁこら」

苗木「横島クンの能力でどうにかできないかな?」

横島「文珠は凝縮させた霊力の塊だからな、精製には数日かかるんだ。それ頼みって訳にもいかねーよ」

苗木(霊能力も万能じゃないってことか)


舞園『…ごめんなさい。こうして現世に留まってること自体、奇跡みたいなモノなのに…その上こんなワガママまで言って…』

横島「なーに気にすんな! 女のワガママなら普段から虐待レベルで浴びるほど受けてんだ、こんなの序の口以下さ!」

苗木(一体どんな生活を送ってたんだこの人は)


横島「それに解決のアテがないわけじゃないんだ。準備があるからちょっと待っててくれんかな?」

舞園『…本当に、迷惑かけてごめんなさい』


横島「だーから、もう『ごめんなさい』は無し! 感謝の言葉もしくは愛の囁き以外受け付けません!!」バッテン

舞園『横島君…はい、ありがとうございます!』

横島「ん!」ビッ


苗木(こういうときは、横島クンの底抜けの明るさが頼りになるなぁ)

苗木(舞園さんは横島クンにしか視えない。だから、彼女を励ますのも慰めるのも彼にしかできない)

苗木(…ボクに霊感がないのが、今はちょっとだけ悔やまれる)



横島「そんじゃ朝メシ会の時間だし、そろそろ行くな」

舞園『はい、皆さんにもよろしくお願いしますね』

苗木「舞園さん、また後でね」

横島「苗木、そっちじゃない。ベッド側だ」ユビサシ

苗木「あっ、ごめん。こっちだね」フリフリ


横島(プフゥー! 何もないトコに手ぇ振ってやがる! マヌケぇー!)プークスクス

舞園『横島君、いたずらしちゃダメですよ…ぷっ、ふふっ』クスクス

苗木「?」




石丸「諸君っ大発見だぞ! 新たに上階への扉が開いたのだ!!」



苗木(朝食会で石丸クンが高らかに言い放ったこの言葉により、本日最初の行動が決まった)


苗木(どうやら最初の学級裁判を超えたことで、学園の一部が解放されたらしい)

苗木(具体的には、寄宿舎の倉庫や大浴場、それに校舎2Fに行けるようになった)

苗木(大浴場が解放されたと知った横島クンは、初めて月面に降り立った宇宙飛行士のように感動に打ち震えていた)

苗木(…覗く気だ。多分。いや絶対)


苗木(そしてボクらは校舎の探索に向かった)


 ―――図書室―――


横島「うぇっほっげほっ! なんかやたらホコリっぽいなー…ちゃんと掃除してんのか?」

石丸「埃具合からして、だいぶ長い間放置されていたようだ。掃除をサボるとはけしからんな!」

山田「それよりも僕ちんの作品が一切置いてないのはどういうことですかな!?」ムキー

腐川「あ、あるわけないじゃない…そんな有害指定物質なんて…!」


苗木「ん?なんだこれ…『希望ヶ峰学園 閉鎖のお知らせ』?」カサリ

霧切「私達以外に生徒がいないのは、この学園が既に教育機関として機能していなかったから…それも、かなり前からのようね」

朝日奈「そんなことってあるの? 入学した時はそんな感じしてなかったよ?」

苗木「ネットにもそんなことは書いてなかったけど…」

十神「それだけの情報操作を容易く行うなど、並の連中には不可能だ。黒幕とは一体どれほどの存在なのだ・・・?」


大和田「お、これパソコンか?」

大神「回線に繋げば助けを呼べるやもしれぬな」

葉隠「…ウンともスンともしないべ」カチカチ

山田「へんじがない。ただのしかばねのようだ」

不二咲「・・・」ジー


 ―――水練場・更衣室前―――


朝日奈「さくらちゃんっ、プールだよプール!」ウキウキ

大神「良かったな、朝日奈よ」フッ

横島「プールじゃプールじゃ水着の女じゃ!」ワッホイワッホイ!

苗木「…うん、よかったね」

江ノ島「ここまで露骨だといっそ清々しいわね」


横島「つーわけで早速探索だっ!」ガチャリッ

セレス「ナチュラルに女子更衣室に入ろうとしないでくださいな」



横島「…あり? 開かねーぞ?」ガチャガチャ

不二咲「ロックされてるみたいだね。扉の横にカードリーダーみたいなものがあるから、多分それが…」


モノクマ「そう、そこに生徒手帳をタッチあんどゴーするんだよ!」ニョキ

不二咲「ひゃあっ!」

セレス「…相変わらず神出鬼没ですこと」


横島「なるほど、それタッチっ!」タッチ


  ブーッブーッ


横島「開かねーじゃねーかウソつき!」

モノクマ「当たり前だよこの不埒者! 男子は男子更衣室のロックしか解除できないの!」プンプン

セレス「つまり異性の更衣室には入れない仕様なのですね」


横島「へっ、まぁいいさ。方法はいくらだってあるさ!」アレトカコレトカ

大神「せめて企みを口に出さないようにはできぬのかお主…」

江ノ島「だから入んなっつーの。てか上見てみなよ」

横島「うえ?って、うげ!?」


ガトリング<ジャキーン!


苗木「ガ、ガトリング砲!?」

モノクマ「もし誰かがドアを開けた隙に忍び込もうとしたら、あれで蜂の巣にしちゃうよ! 真っ赤なハチミツ垂れ流しだよ!!」ウププ

朝日奈「じゃあ、もし誰かの生徒手帳を使って勝手に入ったりしたらどうなるの?」

モノクマ「ンモー、あーいえばこーいう! なら手帳の貸出は禁止!! もう決めた今決めたっと!!」



横島「そんな…女子更衣室に入れないなんてッ…何の為の女子更衣室だと思ってんだ!!」ドン!

セレス「少なくとも貴方の為ではありませんわよビチグソが」

モノクマ「学舎の秩序はボクが守る! そんじゃまたね!」ヒューン



苗木「なんか、ドッと疲れたね…」

朝日奈「せっかくのプールなのに…もう入る気分じゃなくなっちゃったよ」

横島「!?」ガビーン

大神「今は探索を優先させるか…」

セレス「ですわね」スタスタ

不二咲「」ホッ



横島「せっかくの煩悩イベントのチャンスが…っ! ここには神も仏もないのか…っ!」サメザメ

江ノ島「いたら真っ先に天罰喰らってるわよアンタ」

苗木「アハハハ…」




苗木(その後も探索を続けたが、結果は行動範囲が広まったという事実のみ)

苗木(出口やそれに準ずるもの、脱出の手がかりになりそうなものは見つからなかった)


苗木(食堂での情報交換を終え、その日はとりあえず解散となった)




―――
――



 ―――苗木の部屋―――


横島「―――というわけで、これからさやかちゃんの特訓を始めようと思う!」

舞園『わぁー!』パチパチ

苗木(なにが『というわけ』なんだろうか?)


舞園『苗木君、特訓ですよっ特訓!』

横島「おー、気合十分だな!」

舞園『もちろんですよ。舞園さやか、再起を賭けた第一歩ですから!』

横島「俺のコーチは厳しいぞ! ついて来れるか!?」

舞園『私、なんだってやりますよ! 例えこの身が尽き果てようとも!』

横島「若干シャレになってないがよく言った!」


苗木(…相変わらず独り言にしか聞こえないな)


苗木「えーっと…ボクは何をすれば?」

横島「お前は単なる賑やかし、もとい観客だ」

苗木「観客て…」

横島「そんな顔すんな。霊感の無いお前にさやかちゃんの声が聞こえたら成功なんだ。ある意味重要な役目だぞ」

苗木「あ、そっか!」

舞園『苗木君に声が届くよう、精一杯がんばります!』



舞園『それで、私は何をすればいいんですか?』

横島「うむ、さやかちゃんにはこれを使って特訓してもらうぞ!」ゴソゴソ

苗木「そんな特訓に都合のいいものがあったの?」

横島「うむす、これだ!」ババーン


 ⊃ロウソク<ヤッホー


苗木「ロウソク?」キョトン

横島「倉庫から見つけてきたんだ。多分、非常時の明かり用なんだろうな」

舞園『百物語でもするんですか?』

横島「いや、さやかちゃんにはこれから火のついたロウソクの前に立って思いっきり歌ってもらい、声の力で炎を揺らす特訓をしてもらう!」

舞園『歌…っ』


苗木「それが姿を現す特訓になるの?」

横島「実体の無い幽霊が音を出すには、それだけ強い念が必要になるんだ。念っつーのは、思いとか気持ちだな」

横島「念が強ければ、魂の密度は当然濃くなる。結果として霊としての格が高くなり、声や姿が見えやすくなる…というわけだ」

苗木「なるほど…」

舞園『普通は炎を揺らさないようにするんじゃ…?』

横島「普通はな。でも今回は幽霊方式だ。存在感を出すための訓練、とでもいえばわかりやすいか」


苗木(さすがに幽霊の専門家だけあって説得力があるなぁ)

横島(まぁほとんど受け売りなんだけど…やることは一緒だからいいよな)


舞園『歌の力で、炎を揺らす…』

横島「かつて幽霊ロックミュージシャンを再起させた由緒正しい方法だ、効果は折り紙付きだぞ」

横島「まぁ、効果のほどは本人の頑張り次第だけどな」

舞園『! が、がんばります!』



 シュボッ


苗木「点火したよ。いつでもオーケーだからね」

横島「よっしゃ行くぞっ、本番5秒前!」

舞園『っ!』


横島「3、2、……キュッ!」




 ―――――――




 『 きっと Shooting Lave Shooting Heart 見上げた空にプリズム ♪ 』



横島(…おー、流石に上手いな。『超高校級の“アイドル”』は伊達じゃないか)



 『 夢に 続くような 道を踏みしめて ♪ 』



横島(…だがしかし)



 ロウソク<シーン



苗木「…えっと、いま歌ってるんだよね?」

横島(苗木には聞こえてない。炎も動いてない)



舞園『――♪  …っ、ど、どうですか!?』ハァハァ


苗木「横島クン、舞園さんまだ歌ってる?」ミミスマシ

舞園『…あぅ』シュン


横島「ま、そうそう順調にはいかないか」


苗木「先は長そうだね」

舞園『持ち歌だったのに…軽く凹みます…』ションボリ

横島「持ち歌だからいいってわけでもないぞ。各々に合った歌い方を見つけなきゃな」

舞園『うたいかた、ですか…?』

横島「さっき言ったロック歌手も、最終的に演歌に落ち着いたしな」

苗木「ものすごい軌道変更だね」


横島「とにかくいろいろ試してみることだ。落ち込んでる場合じゃないぞ!」

舞園『はっはい、コーチ!』




苗木(その後も、横島クン監修の霊感トレーニングは続いた)




 ―――――――



『 金曜6時になーったらぁ 必ず会いましょ YEAH YEAH YEAH YEAH  ♪ 』

ロウソク<ピクリトモ


横島「ノドで歌うんじゃない! 念を籠めろ念を!!」



 ―――――――



『 Bye Bye Sadness, And Find Out! 行っきっ場っのっなーい! あなーたっだっかーら! ♪ 』

 ロウソク<ビドウダニ


横島「上手く歌おうとすんな! 魂の底から声出せぇいっ!!」



 ―――――――



『 あぁまぎぃいいいいいごぉおおおおおうぇええええええぃっ!! ♪ 』

ロウソク<ウントモスントモ


横島「肉体がない分は気合で補えッ!!」



 ―――――――



『 真っ赤なああぁぁちかぁぁあいぃぃいいぃい!! ♪ 』

 ロウソク<タダノシカバネノヨウダ


横島「もっと愛をこめてッ!!」



 ―――――――


苗木(―――だが、ボクの耳に舞園さんの声が届くことはなかった)



苗木「なかなか上手くいかないね…」

舞園『』ハァハァ

苗木(存在をカタチにするっていうのは、それだけ難しいことなんだろうな)



横島「…」フーム


横島「苗木、ちょっと外にでててくれ」

苗木「え?」

横島「今から横島家一子相伝の秘術を試してみようと思う」

苗木「秘術…!? そんなものが?」

舞園『…?』


横島「門外不出の奥義だから、お前に見られるわけにはいかんのだ。というわけで出てけ」

苗木「う、うん。わかったけど……もしかして、舞園さんに変なことする気じゃ…」

横島「するかっ! オノレは俺をなんだと思っとんのだ!?」



横島「ホレ出てった出てった!」グイグイ

苗木「わ、わかったってば! そんなに押さなくてもいいって!」

横島「聞き耳立てんなよ!」バタンッ

舞園『…?』




苗木(横島家の秘術……一体どんな…!?)ドキドキ


―――
――





横島「やれやれ、どっこいしょっと」スワリ

舞園『あの…秘術って、一体どういう…?』


横島「ああ、あれウソ。苗木を締め出す為のただの口実」

舞園『へ?』

横島「ちょっとな、さやかちゃんと腹割って話したいと思ってさ」

舞園『お話、ですか…?』


横島「―――さやかちゃん、なんかまだ悩んでんだろ?」

舞園『っ、そんなこと…」

横島「隠さなくったっていいよ。苗木は外だ、ぶっちゃけちゃえよ」

舞園『そんな…苗木君にも許してもらって、悩んでることなんてもう…』



横島「桑田のことか?」

舞園「っ!」


横島「どーにもキミの気持ちが定まってない感じがしてさ。苗木のことじゃないとすれば、そういうことかなと」



舞園『…横島君は、エスパーですか?』

横島「ゴーストスイーパーだよ。幽霊の悩みを聞くのも、俺らの大事な役目だ。…まぁ、上司の受け売りだけどね」

舞園『…』

横島「話してみなよ。そうすりゃ、ちったぁ気が楽になるだろ?」




舞園『……楽になっちゃ、ダメなんです』



舞園『私、アイドルに戻れるかもしれないって分かったとき、本当に嬉しかった…』

舞園『道を示してくれた横島君には、感謝の言葉しかありません。それは嘘じゃありません』


舞園『…でも時間が経つに連れて、もう一人の私の囁きが大きくなっていくんです』


舞園『“人殺しにアイドルの資格なんてあるものか”って』



横島「さやかちゃんが殺したわけじゃないだろ? 殺したのは…」

舞園『私が殺そうとしたから、桑田君は殺人犯になってしまった。だから、処刑されてしまった……そうでしょう?』

横島「…」

舞園『私が殺したも同然ですよ…』



横島「…苗木は『悪いのは全部黒幕だ』って言ってたけど、さやかちゃんは納得しないんだろ?」

舞園『…』コクン


横島「確かに、キッカケはさやかちゃんだよ。結果として、桑田が死ぬ原因を作った。それは事実だ」

舞園『はい…だから…』




横島「―――けどキミは殺さなかった…いや、殺せなかった。それも事実だ」



舞園『それは…』


横島「桑田が殺人犯になったのは、自分を止められなかったからだ。そこは桑田が一番悪い」

横島「そして桑田を実質的に殺したのは学園の黒幕で、殺すように仕向けたのは…裁判で投票した俺たち全員だ」


横島「さやかちゃんは未遂犯、この中じゃ一番軽い罪だ。そこまで気に病むことじゃない。それにもう十分すぎるほどの代償を払ってんだぞ?」

舞園『…それじゃ無責任すぎますよ』


横島「乱暴な言い方だけど、キミが殺された時点でチャラを通り越して過払いだ。還付金が出るレベルだぜ」

舞園『還付金て…』

横島「荒稼ぎするだけして脱税とかしてる俺の上司より億倍マシだと思うぞ?」

舞園『だつぜ…ッ!?』

横島「平気で俺を殺そうとしたり盾にしたり、おまけに何があっても絶対謝らないし…あれに比べりゃカワイイいたずらだよ」

舞園『そんな破天荒な人と比べられても…』


横島「それに、苦しんで悩み続けることだけが償いじゃないと思うぞ?」

舞園『え? それ、どういう…』

横島「自分に正直に生きることも、ひとつの償いだってこと」

舞園『私、もう死んでるんですけど』

横島「細かいこと気にすんなって…じゃ、今日はここまでにしとこうか。腹減ったし」スック

舞園『え、あの…はい』


横島「ちゃんと魂を休ませとけよ、特訓はまだ続くんだからな」ガチャ



 キィィ バタン





舞園『…自分に正直に』



舞園『…わからない…わからないよ…』



舞園『…苗木君…横島君…』ギュ




とりあえずここまで。

さて、このさき続くかな。頑張ってみるよ。


頑張れ

同年代と絡むと横島の態度がラフになるから好きだ
意外と横島は敬語使うキャラだからなぁ、ちゃんとした敬語になってないけど

復活キテタ━(゚∀゚)━!
桑田くんの幽霊とかきてもええんやで…

久々のGSの長めのSSだ
期待機

横島は基本女の子に優しいからああ言ってるけど、こんな状況で殺人図ったら
返り討ちにされて殺されても正直文句言えないし、狙われたことに関して言えば
桑田に非はないからなぁ。悪霊化してもおかしくないが…どうなる

幽霊は足がないから野球できないし幽霊ミュージシャン目指せばいいやん

復活キター

美神さんがいたら、そろそろ脱出してる頃だな

おキヌちゃんなら壁抜けできるんだろうか

期待して全裸待機してます


予想以上のレスの多さに正直ブルってるよ
みんな横島好きすぎでしょうよ

てなわけで、投下開始


 ―――食堂―――


苗木「―――っえ、秘術なんてないの!?」⊃カップメン

横島「ねーよンなもん。なんだよ一子相伝て、俺んちただのリーマン家庭だっての」ペリペリ

苗木「なんだ、そっか…」

横島「なにをちょっとガッカリしとんのだお前は」トポトポ



苗木(朝食と違い夕食は各々が好きな時に摂ることになっている)

苗木(とはいえ夜時間間近ともなると、食堂で夕飯を食べている生徒は限りなくゼロに近くなる)

苗木(特訓に思いの外時間を使っていたボクらは、倉庫から拝借した即席麺を夕飯とすることになった)


―――
――




苗木「舞園さん、悩んでるなる相談してくれればいいのに…」

横島「悩んでるからこそ相談できなかったんだろ。特にお前にはよ」フーッフーッ

苗木「え、どうして?」モグモグ


横島「自分でもどうすればいいのかわかんねーんだよ。やらかしたこと、巻き込んだお前や桑田、それにどう向き合っていけばいいのかがさ」ズルズル

苗木「それならなおさらだよ。一人で抱え込むよりも打ち明けてくれた方がいいよ、悪いのは全部黒幕なのに…」

横島「確かにそのとおりだし、さやかちゃんもその言葉にかなり救われたと思う…けど、今はソイツがちょっとばっか重荷になってんだよなぁ…」ズズーッ

苗木「えっ?」


横島「重荷ってのは語弊があるか。つまりよ、『お前は悪くない』って言われると、なんつーか…『それは違う』って気持ちが余計に強くなるんだよ」

横島「気持ちの整理をつけようとしてるトコにそう言われちまうと、『悪くない訳無いだろ』って考えちまって、さらに罪の意識がデカくなるっちゅーんかな」

苗木「…」チュルチュル

横島「本人が納得する答えを見つけねーと、根本的な解決にはならないんだよなぁ…」




横島「こーなると、当人同士をサシで話し合わせんのが一番手っ取り早いんやけども」


苗木「当人…て、もしかして、桑田クンのこと?」

横島「かなり荒療治だけどな。その分、振り幅は大きいだろ」

苗木「そうかもしれないけど…、それって可能なの?」

横島「桑田の魂を引っ張ってきてさやかちゃんの前に放り出せばいけるだろ」

苗木「いけるかどうかはわかんないけど…ボク、その辺は門外漢だし」




横島「……問題は、当の桑田がどこにいるかってことだけどな」


でも横島の両親ってただのリーマンじゃないよな
父親は素手で悪霊殴れるし、母親は超高校級の幸運みたいな能力持ちだし


苗木「桑田クンも、舞園さんみたいに幽霊になったのかな…?」

横島「わからん。成仏した可能性もゼロじゃねーけど…多分、どっかしら彷徨ってるとは思うんだが」

苗木「今日の探索じゃ見つからなかったんだよね?」

横島「ああ。探せるとこはシラミつぶしに見てみたけど、それらしい気配はなかったな」

苗木「そっかぁ…」


横島「いるとすれば、裁判場か処刑場だろうな」

苗木「やっぱり…。でも、そこに行くには…」


横島「学級裁判の開廷が必須条件。コロシが起こらねーと入れないな」


苗木「それじゃあ本末転倒じゃないか…!」

横島「わーってるよ、言ってみただけだ」



横島(それに、最期があんなだったからな…成仏してないだけないならマシだが、下手すりゃ悪霊化してるって可能性も…)


苗木「なんとかできないのかなぁ…」

横島「…」フーム



 カツッ コツッ ガチャリ


江ノ島「…あ、アンタら居たんだ」

苗木「っ、江ノ島さん?」


横島「おっ、盾子ちゃんも晩メシか?」

江ノ島「まーね。この時間帯は静かだからゆっくりできるし」

横島「よかったら一緒に食べないか? 俺の隣は君の指定席さ」キラーン

苗木(切り替え早いなこの人)


江ノ島「あほか…まぁ、食事くらいならいいけどさ」ガタン

横島「あぁ、向かい側へ…」シクシク

苗木(ドンマイ)


江ノ島「アンタたちって最近よく一緒にいるよね。仲いいの?」パカッ

苗木「そうd横島「ないないないない仲良くない!! 男と仲いいなんて虫酸が走るわッ!!」


苗木「食い気味すぎだよ、セリフ被せないでよ」

横島「黙らっしゃい、こんなとこから変な噂たったらどーすんだ。安心してくれ盾子ちゃんっ、俺はいつでもキミに釘付けやさかい」

江ノ島「あっそ」ムグムグ

横島「あぁ、ツレナイ返事…」


苗木「あれ、江ノ島さんが食べてるのって…」

江ノ島「ん? 倉庫にあったレーションだけど?」

横島「ミリメシってやつか。変わったもん食ってんな」

江ノ島「ハァ? アンタ、レーションをナメてんの? レーション馬鹿にするとかマジありえないんだけど」

横島「お、おう、スマン」タジタジ


苗木「江ノ島さんはレーション好きなの? ボク食べたことないんだけど」

江ノ島「そりゃ人生損してるわ。レーションは戦場の娯楽品、美味いうえに栄養価も高いんだからね」

苗木「そ、そうなんだ…」

横島(ミリメシを語るギャル………うん、ありっちゃありだな!)ゼンゼンオッケー



江ノ島「アタシからすれば、そんなジャンクなモンで満足するアンタの方がありえないわ」ナイワー

横島「んなっ、カップ麺をバカにすんなよ! 俺にとっちゃカップ麺は主食であり生命線でもあるんだぞ!」

江ノ島「ふーん・・・美味しいの?」

横島「美味しいとか以前にこれしか食うもんがないんだ。基本的に金がないからな」

江ノ島「そーいうのより自炊する方が安上がりなんじゃないの?」

横島「米炊くくらいしかできん俺に自炊などできようか!」

江ノ島「威張んなし」


苗木「横島クンはひとり暮らしなの?」

横島「親が両方とも海外に行ってるからな。仕送りも乏しいから赤貧アパート暮らしじゃ」


苗木「へー、海外ってアメリカ? それとも中国とか?」

横島「んな大国じゃねーよ。ナルニアだナルニア」

苗木「ナルニア…って、どんな国だっけ?」



江ノ島「中東の小国だよ。レアメタル資源で最近発展してきてるトコだね。
    アチコチでゲリラがドンパチしてるし、治安はお世辞にもいいとは言えないよ。
    日本との貿易に反発して武力行使も辞さない連中がウジャウジャ湧いて出てるしね。
    反政府軍への軍備横流しが横行してるから、政府が近く大規模介入して弾圧するとか」



苗木「…く、詳しいね」


横島「レーションのことといい、ひょっとして盾子ちゃんて軍事マニアか?」

江ノ島「へ!? いっいや、ギャルたるもの世界情勢くらい把握しとかないと!」

苗木「ギャル関係ないような…」

江ノ島「だ、だからこそっていうか! ホラ、世間じゃギャルは軽く見られがちでしょ!? 頭まで軽いとか思われんのも癪じゃん!?」アタフタ

横島「ギャルの地位向上にも一役買ってるわけか。流石はギャルのカリスマやなぁ」

江ノ島「ま、まーねぇー! アハ、アハハハハハ!」


苗木「でも心配だね、そんな危ない国にいるなんて」

横島「別に」

苗木「別にって…随分ドライな」

横島「ゲリラからブン盗ったナイフを手土産に帰ってくるような親父どもをどうやって心配しろというのか」

苗木「あれおかしいな、横島家はサラリーマン家庭なんだよね? 戦闘民族とかじゃないんだよね?」


江ノ島「武装ゲリラを返り討ちにするほどの人ねぇ、一度会ってみたいかも」

横島「それはイカン! 盾子ちゃんを親父の毒牙に晒させるわけにはイカン!!」

苗木「毒牙て」

江ノ島「どんなオヤジだよ」



横島「…はっ! もしや盾子ちゃん…!!」



 俺の親にあってみたい

→両親にご挨拶したい

→結婚を前提にお付き合いをしたい



横島「それはプロポーズとみなしていいんですねー!!?」ダイブ

江ノ島「都合のいい解釈をすなッ!!」バキッ

横島「そばっとッ!?」グヘェ


苗木(おぉぅ、廻し蹴りが的確に即頭部へ…)イタソウ


江ノ島「ったく、油断も隙もないわ」モグパクモグパク

横島「さ、最近、俺の扱いがハードになってきてへんか?」ピクピク

江ノ島「いや、なんか『叩き落としてくれ』って顔してるから」


江ノ島「そーいうのはアタシじゃなくて朝日奈あたりにでも絡んでよ。好きでしょ、あーいう肉感的なの」

横島「葵ちゃんは免疫無いからあんま強く迫ると赤くなって泣いちゃいそうなもんで」

苗木(一応相手は選んでるんだ。行為の是非は別として)


横島「その点盾子ちゃんはちゃんとシバいてくれるから安心して飛び掛れんねや」

江ノ島「…なに、アンタってマゾ?」

横島「失敬な! [セクハラ→折檻]の流れが生活の一部なだけだ!」

江ノ島「失敬はアンタだよ」



苗木(…さっきまで真面目に舞園さんの心配をしていたとは思えないおどけっぷりだ)



苗木(今更だけど、このスケベ大魔王に舞園さんを任せて大丈夫なのか?)ジト



横島「…ん、なんだ?」

苗木「えっいや、なんでもないよ」アタフタ


横島「おっ、いらねーならチャーシューもらうぞー」ヒョイッ

苗木「へっ…てああ! 取って置きだったのに…」


江ノ島「そんくらいで落ち込まないの。ほら、アタシのスパムあげるから」

苗木「あ、ありがとう江ノ島さん」

江ノ島「感謝しなよー? あっそうだ、あーんしてあげよっか?」

横島「あーん♪」

江ノ島「アンタじゃないっ!」ズビシッ

横島「んぎゃぁあ!?」メガァー!



苗木(……非常に不安になってきた)


 ―――翌日―――


横島「…ハヨーッス」テクテク


石丸「おはよう横島君っ、と言いたいところだが遅刻だぞ!」

大神「珍しいな。寝坊か?」

横島「ちぃーっと夜更かししちまってさー…」フアァ

朝日奈「まさかまた更衣室に入る方法考えてたんじゃ…」

石丸「なっ、横島君キミというやつはまたそのような!!」

横島「」ウツラウツラ


苗木「…」イブカシゲ

不二咲「? どうかしたの?」

苗木「へ? あ、うぅん、なんでもないよ」


苗木(今日も今日とて校舎の探索)

苗木(…なんだけど、昨日調べたばかりなので真新しいものは見つからない)


苗木(途中、葉隠クンの辻占いでボラれそうになったり、十神クンに粘っこい視線を送る腐川さんを見つけたりもしたが、これといった収穫は無し)


苗木(違うことといえば、十神クンの機嫌がいつもより悪かったってことくらいだ)

苗木(それとなく理由を聞くと、『深夜に図書室で読書しようとしたら邪魔が入ったからだ』と吐き捨てるように答えてくれた)

苗木(夜時間は出歩き禁止じゃないのかというツッコミは彼には無意味だろう)

苗木(邪魔が入ったって、何かあったのかな…?)



苗木(目的もなく動き回るのも効率的ではないと思い至り探索は午前中で切り上げ、昼食をとるべく食堂に向かうことにした)



 ―――食堂―――



苗木「さて、何を食べようか…」キイィ





セレス「――そぉいっ!」バッシャアァァ

横島「あっづあぁああぁあッ!!?」


苗木(セレスさんが横島クンに紅茶をぶっかけてる!?)



横島「せ、セレスちゃん、一体なにをなさるんでせうか…?」ポタポタ

セレス「わたくし、ロイヤルミルクティー以外は紅茶と認めておりませんの」

横島「なんでわざわざ俺にぶっかけてん…?」

セレス「躾のなってないおサルさんには罰が必要でしょう?」ニコリ

横島「罰だったら、できればくんずほぐれつ系のヤツを所望しt」

セレス「いいからとっとと淹れ直してこいや万年発情猿がァアアッ!!!」

横島「うひぃいいっ!? かっ、かしこまりでごぜぇますだセレス様ァアア!!」ピュー


苗木「」ウワァ


苗木「えっと…」

セレス「あら苗木君、ごきげんよう」ニコッ


苗木「ごきげんよう…じゃなくて、なにやってるの? 横島クンが変なキャラになってたけど」

横島「彼が奇特なのは今に始まったことではありませんが…質問にお答えするのであれば、『給仕』をお願いしています」

苗木「給仕?」

セレス「先程までインディアンポーカーをしておりまして、その罰ゲームです。とても良いカモでしたわ」

苗木(横島クン、顔に出やすそうだもんなぁ…)

セレス「雑用はそこそこできるようですが、給仕はご覧通りの落第っぷりですの」ナゲカワシヤ


苗木「セレスさんにギャンブルだなんて…なんだってそんな無謀なことを」

セレス「わたくしに訊きたいことがあったようですが、タダで教えるのも面白くなかったので」

苗木「」ヒドイ

セレス「まぁ多少の暇つぶしにはなりましたし、セクハラめいた質問でなければ答えてあげることにしましょうか」


 シタタタッ

横島「へいっ、ロイヤル一丁お待ちっ!」

セレス「これさっきのヤツにクリープぶッ込んだだけだろうが牛乳から煮出せやビチグソがァアア!!!」

横島「ひょぇええええゲロブタでしぃましぇええんっ!!?」


苗木(…やっぱりこの人はダメかもわからんね)




山田「…」ムムム


苗木「あれ、どうしたの山田クン? そんな神妙な顔して」




山田「……あれは拙者のポジションだったような気がするのですが、気のせいでしょうか…」デブーン

苗木「さ、さぁ…?」




ねみぃので一旦切りますよ。
前に書いたやつを思い出しながらちまちま投下予定。書き溜めなんてなかったんや…。

乙どすえ

おつおつ
桑田期待


山田の下僕化が薄くなった……?

平気平気、美神さんよりセレスさんの方がヌルいから


ちょっこと投下するよ。



苗木(午後からは昨日に引き続き、舞園さんの霊感トレーニングの時間に当てられることになった)


苗木(ボクが部屋に戻ってからしばらく経った後、時間差で横島クンがやたらコソコソとやってきた)

苗木(一緒に来ればいいのにと思ったが、『男二人がロウソク持って同室に入るなぞ趣味を疑われるわぃ!』とのことらしい)





 ―――苗木の部屋―――


横島「つーわけで、今日の特訓を始めんぞー」

舞園『はっはい、がんばります』


苗木「そういえば横島クン、さっきセレスさんに何を訊こうとしてたの?」

横島「あー…、あとで話す」

苗木「…?」




 シュボッ


横島「んじゃあ始めんぞー」


苗木「舞園さん、しっかりね」

舞園『よ、よろしくお願いします』

横島「んー…」ポリポリ


苗木(気のせいかな…なんか横島クン、投げやりにな感じがするんだけど…)




『 ―――― ざぁーんーこくーな天使のよぉに しょーおーねーんよ 神話になぁーれぇーー ♪ 』




―――
――




『 このおぉーぞらーに 翼をひろぉーげ とんでーゆきたーいーよーー ♪ 』


ロウソク<…ヘッ


苗木(…やっぱり、聞こえない)



舞園『――っ♪! …ど、どう、でしたか…?』

横島「苗木、感想」

苗木「え、あっその…まだ…」

舞園『…そう、ですか』ハァ ハァ


苗木「ゴメン…」

舞園『苗木君のせいじゃないです。私がもっと…』



苗木(声は聞こえないけど、彼女が申し訳なさそうな表情をしているのはなんとなくわかる。霊感とかじゃないけど…その、場の空気で)


苗木(昨日あれだけ響いていた横島クンの熱烈な叱咤も、今日は鳴りを潜めている。開始からずっと、腕を組んで淡々と眺めている)

苗木(一体どうしちゃったんだよ、横島クン…)



苗木「だ、大丈夫! まだ時間はあるし、焦らず行こうよ! ねっ、横島クン!」

横島「…」

苗木(何か言ってよ…!)



苗木「そ、それじゃ気を取り直して続けよっか!」

舞園『じゃあ、次の曲を…』





横島「あー、もういいや」


苗木(え?)




舞園『そう、ですか。わかりました、今日はもう…』


横島「いや、もうヤメだ」


舞園『――え?』



横島「特訓はもうナシ、おつかれさん」


舞園『な…なん、で…』


苗木「ちょ、どういうことだよ! 特訓を打ち切るって…!」

横島「気概が感じらんねーんだよ。これ以上やっても無駄だ。ヤメだヤメ」

舞園『そ、そんな…』


苗木「そんなのっまだわからないじゃないか! 舞園さんだって必死になって…」

横島「見えも聞こえもしないのになんで必死だって分かんだよ」

苗木「っ、それは…」


横島「こんだけやってもピクリとも反応ないんじゃ見込みなんてねーよ。時間の無駄だったな」

舞園『…っ』



苗木(なんで…どうしちゃったんだよ、横島クン! あんなに気にかけてくれてたのに、急にどうして!?)


苗木(キミとって舞園さんは、そんなどうでもいい問題だったってことなの…!?)



苗木「どうして…どうしてそんなこと言うのさ…!?」

横島「どーしたもこーしたもあるかっての。所詮はその程度の意思だったってことだろ」

舞園『その、てい…ど…』


横島「口では頑張るとかテキトーなこと言って、ホントはやる気なんかないんだろ?」

舞園『っ、ち、違います! そんなこと…!』


横島「桑田も哀れやなぁ。こんなしょっぱい歌のために死んだなんてよォ」


舞園『っ!!』

苗木「横島クン言い過ぎだよ!!」




横島「――あ?」


苗木「っ!」ビクッ


横島「横から口挟むな。黙ってろ」

苗木「…っ」


横島「超高校級とか褒め称えられて、そこが居心地良かったから戻りたいだけなんだろ?」


舞園『違いますっ…違うんです…!』



横島「媚売ってヘラヘラしてりゃチヤホヤされんだから、そりゃ気分いいわなぁ。安っちぃ商売だよ」


舞園『違う…そんなんじゃ…!』



横島「ま、これから幽霊人生長いんだ。そんなスカスカのつまんねぇモン忘れて他の道探したほうが懸命だってわかってよかったじゃんか」

舞園『…ッ!!』




横島「あーあ、くっだらねぇ。なにがアイドルだよ、アホくせェ」


苗木「ッ! 横島クンいい加減に―――!」








舞園『―――して』



   ユラ…






苗木(っ? 今、なにか…)



横島「あ? なんだって?」


舞園『…取り、消して…!』ブルブル


  ユラリ



苗木(っ! 気のせいじゃ、ない…!)




横島「取り消すぅ? なにを?」


舞園『…くだらなくなんか、ない…っ!』ワナワナ


  ユラリ ユラリ



舞園『スカスカじゃない…、つまらなくなんて、ない…!』


舞園『アイドルは…寂しかった私の心を照らしてくれた、大事な…!!』


    ユラリ  ユラリ ユラリ



苗木(炎が、だんだん…!)



横島「あぁ? なに? 聞こえねーぞ?」


舞園『バカに、しないで…』


横島「…聞こえねーって言ってんだろ」


舞園『アイドルをっ…私の居場所をっ……バカにしないで…ッ!』







横島「もっと大きな声で言えッ!! 聞こえねーぞォッ!!」




舞園『―――アイドルをっ! 私の夢をっ!! バカにしないでぇッ!!!』







    ――― ヒュボボボッ!! ―――



苗木「っ!! き、聞こえた!!」


舞園『…ふぇ?』


苗木「聞こえたよっ、舞園さんの声! 『バカにしないで』って!!」

舞園『…え、うそ…私、できて…!』




横島「いいいいよっしゃあああああああああああ!!!」ガッツポーズ!!


舞苗『「!!?』」ビクッ!?



横島「よくやった!! よくやったぞさやかちゃんッ!!」ダバー!

舞園『よ、よこしま、くん?』キョトン


横島「スマンかった! スマンかったさやかちゃん!! 特訓のためとは言え、ワイはなんてヒドイ事を!!」ドゲザァ

苗木「! もしかして、さっきの罵倒って…」

舞園『ぜんぶ、演技、だったんですか?』


横島「仕方なかったんやー! 本気の本音を引き出すにはこれしか思い付かなかったんやぁああ!!」

苗木「本気の、本音?」

横島「実体のない幽霊が音を出すのは至難の業や…せやから、魂を震わすほどの本気の叫びやないと意味がないんやぁ…」エグエグ

苗木「だからわざと舞園さんを煽るようなことを…」


横島「『本性をさらけ出させるには煽るのが一番。揺さぶりをかけるのは心理戦の基本』だってセレスちゃんが…」

苗木「! もしかして、それを聞くためにセレスさんと賭けを?」


横島「もっといい方法があったかもしれんけど、所詮俺は見習いなんやー…知識はからっきしなんやー…」メソメソ

横島「図書室にロクなオカルト資料がなかったから、ギャンブラーの精神論にかけるしかなかったんやー…」シクシク

苗木(今日寝不足で遅刻してきたのは、図書室で使えそうな資料を探してたからだったんだ……十神クンの言ってた『邪魔』って横島クンのことか)



横島「怒りでもなんでも、とにかく正直な気持ちをワイにぶつけて欲しかったんや! それだけなんやぁ! 堪忍してくれさやかちゃあああん!!」オガーン!




舞園『…あは』ヘタリ

舞園『あは、あははは…』ポロポロ

横島「あぁ!? さやかちゃんの心に一生消えない傷をつけちまったぁ!?」


舞園『ちが、うんです…わたし、自分が、情けっなくて…』ポロポロ

横島「へ?」


舞園『見限られたのかと思って…昨日の言葉が、いままでの言葉が、ぜんぶ嘘だってのかって、勝手に思いこんで…』

横島「ウソなわけあるか! 俺はいつだって本気だ!」


舞園『横島君はずっと、私と正面から向き合ってくれていたのに…ヒック…わたし、は、自分の気持ちから、ヒグッ、に、逃げてっばかり、で…!』

横島「…」




横島「…じゃあさ、今の正直な気持ちを聞かせてくれねーかな?」

舞園『…私の、気持ち…』


横島「アイドルをバカにすんなって言ってたろ。アイドルが大好きで、誇りなんだろ? 心を照らす光なんだろ?」

横島「もう自分の気持ちからは逃げらんねーんだ、全部ぶちまけちまいなよ」




舞園『……うたいたい』



舞園『もうそんな資格なんて、ないかもしれない…でも…』


舞園『それでもっ…! わたし、アイドルを諦めたくない…!』


舞園『それに…桑田君にも、謝りたい…』


舞園『だましてごめんなさいって…死なせちゃてごめんなさいって…』


舞園『許してくれないかもしれないけど…逃げたくない…ちゃんと、正面から謝りたいです…!』


舞園『わがままで、自分勝手で、打算的で、どうしようもない女かも、じれない、げど…!』




舞園『逃げたくない゛っ! 間違えだぐない゛っ! 誰にも゛っ、自分に゛も゛っ! もうウゾづぎだくないでずッ!!』




横島「――ん、よく言えました」ポンポン

舞園『よご、じま゛ぐん…』ヒッグ



横島「間違えたと思ったんなら、なおさら自分が正しいと思ったことをしなきゃな」

舞園『…うん』


横島「誰かを応援するのに資格なんて必要ないんだ。だから、何も諦めなくていいんだ」

舞園『…う゛ん・・』


横島「辛くなったら泣いたっていい。苦しくなったら周りを頼っていい」

舞園『う゛ん、う゛ん…!』



横島「忘れないでくれ。キミを応援してる奴が、ちゃんとここにいるんだからな」




舞園『…ッ…ヒグッヒック…ふえぇぇえ……っ』

横島「あぁっ泣かんといてくれさやかちゃん! キミに泣かれたらワイはっ、ワイわぁ!?」


舞園『ふえぇえええぇええぇぇえぇえええんっ!!』

横島「号泣ぅーー!? スマンさやかちゃあああん!!?」




苗木(相変わらず、舞園さんの姿は見えない)


苗木(それでも、確かに聞こえてくる。今まで聞いたことのなかった、子供のような彼女の泣き声が)


苗木(迷いの吹っ切れた、彼女の本当の声が)



苗木(幼子に微笑みかける聖母のように、小さな炎が優しく揺らめいていた)



ここまでだよ。
どうしたことだ、苗木君が空気だよ。

歴戦のキャラが出てくると、既存キャラが空気化しちゃうって誰かが言ってた

苗木は解説役に徹してるだけだから空気じゃないと思いたい


伏線回収がすごく上手 おかげで読みやすい

舞園さんかわいすぎる
乙乙!

ジェームズ伝次郎との出会いは無駄ではなかった

苗木ならそのうちスキル習得みたいな感じで霊感てに入れそうだが

(効果音)横島君と少し仲良くなれた気がした・・・



いや、仲良くなれてるのか?

人外に好かれる横島だし、幽霊化した舞園さんとフラグが立つのは必然か

人外以外にも長い間付き合いのある人には好かれてるよな

まさか横島がNTRする側になるとはな
堂本くん視点だと近しいものはあったが

二次創作にありがちな完璧超人横島

原作でも性格と容姿以外は完璧みたいなもんだった

悟空と共に研鑽積んできたクリリンは
悟空居ない場でもそこそこ以上の活躍が期待できるジャン?

経験の差だよね

女と子供には優しいからな
その分嫌いな奴に対しての態度はちょっとアレだが


見返してみたらセレスさんのセリフが横島のセリフになってたよ。
軽く凹んだけど気を取り直して投下いくよ。

よしこい



 ―――???―――



横島(あの後、さやかちゃんは泣きつかれてスヤスヤと眠ってしまった)

横島(泣いてる間も炎は揺らめいていたし、苗木にもその声が聞こえていたようだ)

横島(特訓二日目にしては上等な成果だろう。ジェームズ伝次郎だって完全にモノにするまで数ヶ月掛かったし)


横島(しかし、女の子を泣かすのはベッドの上だけと決めていたのに…なんたる不覚)

横島(しかも泣いてもいいといった直後に泣かんといてとか言っちまったし。支離滅裂やないか)



横島(…なんにせよ、さやかちゃんはこれでひとまず山を越えたな)

横島(涙の数だけ少女は強く成長し、たくましく生きていくんだなぁ)

横島(もう幽霊だけど)




横島(さて、懸念もひとつ消えたところで、そろそろ行動せねばなるまい)


横島(この学園生活を左右する、重要な任務…!)


横島(そのために今、俺はこの場に立っている…!!)





横島「―――そう、このサウナになッ!!」クワッ




 ―――サウナルーム―――


横島(俺の統計によれば、この時間帯は女子の誰かしらが使用する確率が非常に高い!)ムシムシ

横島(そうでなくとも女子はお風呂が大好き! きっと『洗いっこしよ♪』とかいって複数人で入るに違いない!)ムワムワ


横島(そうっ、最初からここで待機していれば女子たちと合法的に混浴ができる!!)ムワムワ


横島(つーかいい加減シリアスはええっちゅうんだよ! もっとボケたりツッコんだりしてくんないと身がもたんちゅーの!)モンモン

横島(もっと言えばお色気が圧倒的に足りないッ!! このままでは煩悩が枯渇してまう!!)モンモン


横島(そうだ、これは必要な処置なんだ! 俺の煩悩の糧となれ…チチよ、シリよ、フトモモよッ!!)ムラムラ

天使光臨こい


横島「完璧な作戦だ…完璧すぎて自分の才能が怖いぜ」フハハハ


横島(しかし、無駄に湿度が高い…汗が噴き出す…!)ムシムシ

横島(だが汗など必要経費でしかない! この見返りは百倍にもなろうて!)


横島「きっとこのあと、オンナノコたちが洗い場に一堂に会して…!」ホワンホワーン





朝日奈『きゃーっ、横島入ってたのぉー?』

霧切『気が付かなかったわ。私たちの落ち度ね』

腐川『い、いいわよ、出て行かなくても…!』

セレス『お詫びにお背中お流ししますわ。ささっ、こちらへ』

江ノ島『抱いて!』





横島「―――てなことに!!」グヘヘ





 ―――2時間後―――



横島「…ま…まだか…」アセダクダク



横島(いい加減…目が霞んできたぞ…)クラクラ

横島(俺は…ここで終わってしまうのか…)カヒュー カヒュー


横島(っええいっ、諦めてなるものか…! 俺はまだ桃源郷を見ちゃいないんだ…!)フラフラ


横島(しんとうめっきゃくすればなんちゃらかんちゃら……しりもつつけばやわらかい…!)コンラン


横島(あおいちゃんのチチ…! じゅんこちゃんのシリ…!! きょうこちゃんのフトモモ…!!!)フーッフーッ





 < ガチャ


横島「っ!!」

横島(浴場に誰か入ってきた…ッ!)ユラリ


横島(ついに…ついに、エデンが、すぐそこに…!)フラフラ



横島「――いざ参らんっ、泡の遊園地へ!!」バンッ!





大和田「あぁん? なんだ先客か?」ガチーン

石丸「スマンが場所をあけてくれたまえ!」ムチーン


横島「」


ねーよ


苗木「あれ、横島クン入ってたんだ」フクキタママ


横島「…」

苗木「?」


横島「…また、おまえか…」ガクリ

苗木「ちょっ、横島クン!?」


 サラサラサラ…


苗木「灰になった!?」



大和田「おいコラ苗木ィッ! 早く来い!!」

石丸「立会人の君が居なくては始まらんのだぞ!!」

苗木「え、ちょっと待って、これほっといていいの!?」


<ショウブダ,ナンジャクモノ!
<ジョートーダ、コノカタブツガァ!


苗木「…聞いてないし」


横島だったもの「」

苗木「…」


苗木「…とりあえず、水に漬けとけば大丈夫かな」 ← 扱いに慣れてきた



―――
――




 ―――食堂・厨房―――



横島「ン、ング…」ゴクゴク

横島「…プハァッ」


横島「…あー、ひどい目にあった…」ゲンナリ


横島(なんだよ根性比べって、暑苦しいことこの上ない)

横島(んなことにサウナ使うなっつーの! 公共設備をなんだと思っとんのだアイツら!)



横島「そんなことより…!」ギリッ


横島「なぜだ! なぜ煩悩イベントがことごとく潰されるんだ…!?」

横島「神様、そんなにボクがお嫌いですか!? いいじゃないか、ちょっとくらいオイシイ目を見ても!!」

横島「俺はただチチが見たいだけなんや! シリを拝みたいだけなんや! ソレがそんなにイケナイことか…!?」


横島(…むなしい)


横島(…あーあ、カワイイ女のコの部屋に招かれたりしねーかなーチクショー!)エグエグ



 ガチャ キイィ


不二咲「――あ、横島君だぁ」

横島「ん? おぉ、千尋ちゃんか。どうしたこんなところで」

不二咲「疲れたから飲み物を取りにね。ちょっと休憩なんだぁ」


横島(休憩? なんか作業でもしてたんか?)


横島「えーっと飲みモンだな、ポカリでいいか?」レイゾウコ<ガチャ

不二咲「あ、ありがとぉ!」

横島「俺も二本目飲むか…」


横島「あいよ」ホイ

不二咲「ありがとぅ、…んしょ」カシュッ

横島(…っちぃ、体力消耗してプルトップが開けづらい)カスッカスッ

不二咲「?」ンクンク



不二咲「横島君、なんだか疲れてるみたいだけど大丈夫?」

横島「あぁ…ちょっとサウナに長居しちまっただけだよ」

不二咲「サウナかぁ…僕苦手なんだぁ。どれくらい入ってたの?」

横島「2時間」

不二咲「ふぇ!? す、すごいね!」

横島「いや、スゴクなんてないよ…得た物は虚しく、ただただ多くを失っただけに終わったよ…」トオイメ

不二咲(なんだかよくわからないけど…かっこいいなぁ)キラキラ



 ガチャリ


朝日奈「あれ、不二咲ちゃんだ! あと横島」

大神「む、お主らも水分補給か」

不二咲「あ、大神さんに朝日奈さん」

横島「葵ちゃん、俺をついで扱いせんといて」



不二咲「二人も何か飲む? ポカリあるよ」

大神「それには及ばぬ。我らにはコレがあるのでな」スッ


横島「…粉?」コムギコノヨウナモノ?


朝日奈「プロテインだよ! 倉庫にあったの見つけたんだー!」

横島「ほーぅ。あの倉庫そんなモンまであんのか、知らんかった」

大神「うむ。比較的安価なものだが、今の状況化では非常に重宝する」

不二咲「ちょうほう?」


大神「プロテインは万能の妙薬だ。プロテインさえあれば大抵の病や怪我は何とかなる」

横島「それだけでケガが治るってどんな体してんだよ」

朝日奈「誰を差し置いても横島にだけは言われたくないよ」


美少女のパンツでもあれば、どんな怪我でも完治


朝日奈「さくらちゃん、横島なんてほっといてプロテインだよプロテイン!」

大神「うむ、運動後はやはりプロテインコーヒーに限る」




横島「…運動、後?」ピクッ


不二咲「二人は運動してたの?」

朝日奈「そーだよー、さっきまでプールでひと泳ぎしてたんだー! さくらちゃん泳ぐのすっごく速いんだよ!」

大神「しかし、やはり水泳では朝日奈には敵わぬな」

朝日奈「へへーん、『超高校級のスイマー』の面目躍如だね!」


不二咲「二人共、やっぱりすごいなぁ…」


横島「」

不二咲「…横島君?」




横島「ぷーる、いってたの?」

大神「? そうだが?」



横島「アオイチャンも?」

朝日奈「だからそう言ったじゃん」



横島「…みずぎで?」

朝日奈「当たり前でしょ」




横島「…」





横島「なぜオレはあんなムダな時間を……!」

不二咲(泣いてる!?)


三井か
プルタブの辺りも含めて


横島「なしてや葵ちゃん!? なして俺を誘ってくれなかったんやぁ!?」

朝日奈「いや、誘う理由がないし。そもそも誘いたくないし」

横島「なぜ!?」ガビーン

朝日奈「イヤラシイ目で見てくるからに決まってるでしょ!」

横島「そりゃ見るさオトコだもの!」

朝日奈「うわっ開き直った」


大神「…横島よ、朝日奈に不埒を働くようなら容赦せぬぞ」ズオォ…

横島「ひぃ!?」

不二咲(こ、こわい…!)


横島「い、いや、俺は引かんぞ! カワイコちゃんとキャッキャウフフするまでは!!」


大神「その心意気やよし…せめて一撃で沈めてやろう…!」ググッ

横島「ひいぃぃいいぃっやっぱ痛いのは嫌ぁああっ!?」


朝日奈「さくらちゃん、そこまでしなくてもいいよ」

横島「おおお葵ちゃんっ、やっぱり俺のことを!」


朝日奈「こんなの殴ったら変な菌が伝染っちゃうよ」

横島「バイキン扱い!?」

大神「案ずるな。そのためのプロテインだ」

横島「プロテインにそんな効果はねーよッ!!」


大神「冗談だ」フッ

朝日奈「さくらちゃん、おっちゃめー♪」

横島「お茶目で殴られてたまるかっ!」


wwwwww

おっちゃめーwwwwwwww


朝日奈「さ、こんなのほっといて行こっ。倉庫で見つけたドーナツもあるし、女子会しようよ!」

大神「そうだな。早くプロテインを摂取せねば効果も薄れてしまう」


朝日奈「不二咲ちゃんも来る?」

不二咲「え、あっその…え、遠慮しとくよ」

横島「俺も行っていい?」

朝日奈「この流れで『いいよ』って返事を期待できるのがすごいよアンタ」



大神「それではな」

朝日奈「じゃーねー不二咲ちゃん!」


 キイィ パタン


横島「最近女のコ達が冷たい…」シクシク

不二咲「えっと…」

横島「だがしかしっ! 俺は諦めんぞ、この手に栄光を掴むまでわっ!!」クワッ

不二咲「!」

栄光(ちちしりふともも)



不二咲(…横島君は、すごいな)


不二咲(誰に対しても尻込みしないし、気持ちを包み隠さない)


不二咲(失敗を怖がらないし、失敗しても挫けない)


不二咲(自分に、自信を持ってるんだ。だから、あんなふうに…)



不二咲(…僕も)




不二咲(僕も、横島君みたいになれたらなぁ…)





横島「ぬ? どした千尋ちゃん、浮かない顔して」

不二咲「…へっ? う、うぅん、別にどうもしないよ」アタフタ

やめとけ

そんな不二咲クンいやだ……


横島「そーいや、さっき『休憩』とか言ってたけど何してたんだ?」

不二咲「あっうん、実はねぇ……あ、そうだ!」

横島「?」


不二咲「横島君、このあと時間ある?」

横島「? まぁ暇だけど」

不二咲「部屋に来てくれないかな? 見てもらいたいものがあるんだぁ」


横島「…部屋って、千尋ちゃんの?」

不二咲「うん! …だめ、かなぁ」シュン

横島「いやいやっ喜んでお呼ばれするぞ!」

不二咲「本当!? じゃあ先に部屋で待ってるねぇ!」タタタ


 カチャリ キイィ パタン


横島「…」



横島「…」


横島(可愛い子に部屋へ招待された)

横島(嬉しいはずなのに……なんだろう、喜びが湧いてこない)

横島(反応したらそれはそれで俺のアイデンティティーが崩壊しそうで怖いけども)

横島(俺好みのネーチャンに育て上げる…のも無理っぽいしな。俺と同級生だし、アレ以上の発育は望み薄か)



横島「しかし仮にも美少女だというのに、千尋ちゃんには煩悩センサーがピクリとも反応しないんだよなぁ……謎だ」


横島(…やっぱ俺ってば、ロリっ子は範囲外やなぁ…俺は正常だ、正常)


横島「…見せたいものってなんやろか?」



ここまで。短く刻んでいくよ。
平日が忙しくて書きためる暇がないんだよ。ごめんね。

続編がきてたとはありがたい


待ってくれてる人いるかな?
投下いくよ。


 ―――不二咲の部屋―――


 < ピンポーン


不二咲「いらっしゃい横島君!」ガチャリ

横島「なんの土産もなくてスマンな」

不二咲「いいよ気にしなくても。さ、入って入ってぇ」

横島「おじゃましまーす、っと」


横島(何のためらいもなく男を部屋に招くとは…無防備というかなんというか)

横島(俺が特殊な変態だったらどうする気だマッタク)

不二咲「?」

特殊な変態だよなぁ実際

待ってたよん


横島「それで、見せたい物ってなんだ?」

不二咲「うん、これなんだぁ」


スッ ⊃パソコン


横島「これって、図書室に置いてあったノートパソコンじゃねーか。これがどうしたって…」

不二咲「えへへ…」ポチットナ


 パソコン<ヤッホーヤッホー!


横島「って、あぁ!? 電源が入ってる! 壊れてたはずなのに!」

不二咲「うん。工具でバラシてみればなんとかなるかなと思っていじってたんだけど、どうにか起動できたんだ」

横島「おー」カンシン


横島「見て欲しいもんってのはコレかぁ。大したもんだ」ワシワシ

不二咲「わわっ。えっとね、それもあるんだけど、本命はコレだよぉ」カタカタ



 ???<ピコン


横島「おぅ? 画面に千尋ちゃんに顔が…」

不二咲「これはね、『アルターエゴ』って言うんだ」

横島「あるた?」スタジオ?



アルターエゴ《コンニチハ御主人タマ!》


横島「うおぅ!? 喋ったぞコイツ!」

不二咲「AIを構築して組み込んでみたんだ。まだ大まかな枠組みしか出来てないけどね」

横島「えーあい?」

不二咲「人工知能っていえばわかりやすいかな。学習機能を備えたロボットみたいなものだよ」

横島(マリアみたいなもんか)


横島「でもよぉ、こんなオンボロパソコンに知能なんかつけられんのか?」

不二咲「ハード自体のスペックはそれほど高くないけど、構築次第ではメモリ以上の処理速度になるよ。
    アルゴリズムのパターンさえ掴めば最適化は容易いし、学習が進めばマルチタスクで演算できるから」ツラツラ

横島「???」

不二咲「あっ、ごめん。僕ばっかり勝手に喋っちゃって…」

横島「え、あぁいや、千尋ちゃんがなんかすごいことしてんのは分かったぞ」ウン


不二咲「コイツの構築が終わったら、パソコン内のデータを復元させてみようと思うんだ」

横島「そっか、なんか手がかりが残ってっかもしれねーもんな」

不二咲「AIが完成すれば復元と解析がリアルタイムで進められるハズだよ。作業効率の最適化は大事なんだよぉ」

横島(この子イキイキしとるな)


横島「しかし人工知能か。科学の力ってスゲーな」


不二咲「…もしかしたら」

横島「ん?」

不二咲「もしかしたら、このAIにもココロが生まれたりするのかなぁ」

横島「ココロ?」


不二咲「前に横島君、機械にも魂が宿ることがあるって言ってたでしょ?」

横島「あぁ、付喪神(ツクモノカミ)とかそういうのな」

不二咲「それってスゴイ事だよね。生き物同士ですら新しい生命を生み出す為には大変な行程がたくさんあるのに…」


横島(新たな命を生み出す行程…)


横島(…イカン、下世話なことしか頭に浮かんばん)


不二咲「みんなの想いがモノに命を与えるってことだもんね。電子回路と数列だけじゃ到底できないことだよ!」キラキラ

横島(笑顔が眩しい…汚れてんなぁ俺…)


不二咲「僕の作ったAIが心を持ってくれたらって…そう考えるとすごくドキドキしてくるよ」

横島「製作者冥利に尽きるってヤツだな」

不二咲「いつかそんなAIができたら…一緒にお話しながら二人三脚でプログラムを作ってみたいなぁ」

横島「ほへぇーでっかい夢やのぉ」スゲェヤ


不二咲「まぁそれはそれとして、データが解析できればこの学園についても何かわかるかも知れないからね」

横島「頼んだぞ千尋ちゃん」

不二咲「うん、できるだけ急ピッチでやってみるよ」


横島「しかし千尋ちゃんはスゲーなぁ。流石は『超高校級のプログラマー』だな」アッパレ

不二咲「…」

横島「? 千尋ちゃん?」



不二咲「僕には…」




不二咲「僕には、これくらいしかできないから…」



横島「これくらいって…これ以上ないくらいの成果じゃんかよ」

不二咲「ボクは弱いから、こうしてパソコンとにらめっこする事くらいしかできないんだ」


不二咲「強くなりたい…でも、ボクにはパソコン以外なにもない。何もできない」


不二咲「弱くて、怖がりで、逃げてばかりの臆病者なんだ」


不二咲「そんな自分が…嫌い、なんだ」


横島(…急にネガティブになったな)

横島(天才ゆえの苦悩? いや、ちょっと違うか…)




不二咲「僕も…」




不二咲「…僕も横島君みたいになれたらなぁ」


横島「はぃ?」


不二咲「明るくて、前向きで…」

横島「W、What? え、ちーさん? いったいなにを?」


不二咲「物怖じしないで、生き生きしてて…」

横島「いやいや千尋ちゃん、よく見て。俺をよく見て」アリエン


不二咲「僕に無いものをたくさん持ってる…」

横島「落ち着こう。一回落ち着こう、ね?」


不二咲「…だから、だから僕は…」

横島「ホント待って。俺にそんな憧れる要素は――」





不二咲「いつも自信に満ちてる横島君みたいになりたいんだ」


横島「――」ピクッ



不二咲「ボクは怖がりだから、怖いものなんてない横島君が羨ましいんだ…」


横島「」



不二咲「自分が嫌いだから…」


横島「…、…」プルプル



不二咲「だから、横島君みたいに…」


横島「…~っ…」ワナワナ



不二咲「…? 横島、くん?」








横島「アホ抜かしてんじゃねぇええッッ!!!」ウガァー!


不二咲「うわぁ!?」



横島「いまキミは『自信』と言ったな!? 自分を信じると書いてじしんと読む、あの自信か!?」

不二咲「う、うん、そうだけど…」

横島「んなもんあってたまるかッ!!」

不二咲「えぇ!?」ガビーン


横島「俺をよく見ろ千尋ちゃん! 顔はオゲチャでアタマも腕っ節もカラッキシで根性無しのヘタレな上にビンボーなドスケベ男だぞ!?」

不二咲「だ、だっていつも女の子に躊躇なく話しかけて、何度もアタックして…それって自分に自信があるからじゃ」


横島「キレイ事ぬかすなっ! この世に自分ほど信じられんモンが他にあるかってんだッ!!」


不二咲「えぇー!?」

原作でも言ってたな、それ


横島「そんな己をどーやって信じるか!? いや信じないねっ絶対!! 自分なんて大嫌いじゃ!!」

不二咲「そ、そこまで卑下しなくても…」

横島「だいたい俺の周りの奴が凄すぎんだよ…美神さんとか隊長とかアレとかコレとか…!」ブツブツ


不二咲(ふ、触れちゃいけないところに触れちゃったのかなぁ…)オロオロ

横島「俺かて、俺かて頑張ってんねや! 少しは報われたってええやないか!」オガーン!



不二咲(…)

不二咲(…横島君も、コンプレックスを抱えてるんだ)

不二咲(横島君も、僕と同じように…)


横島「ちくせう…みんな西条が悪いんや…」イジイジ


不二咲(なら、どうして横島君は――?)


不二咲「…どうして?」

横島「ん? なに?」グスン


不二咲「どうして、横島君は躊躇しないの?」

不二咲「僕と同じで自分が嫌いなのに、行動を起こすことにためらいがないの?」

不二咲「傷つくのが、嫌われるのが…怖くないの?」


横島「コワイに決まっとろーが! 嫌われるのもイヤじゃ! 失敗の辛さにも一向に慣れない! 今までどれほど枕を涙で濡らしてきたことか…!」

不二咲「じゃあ、なんで?」

横島「…いや、改めて『なんで』と訊かれると困るんだけどさぁ」ポリポリ




横島「強いて言うなら…ソレが俺だから、としか答えられないんだよな」



不二咲「横島君、だから…?」


横島「そりゃ俺かて人並みに怖いモンはあるさ。てか怖いモンの方が多いさ」

横島「でもそれ以上にキレーなネーチャンと仲良くしたいし、美少女がいればお近づきになりたいし」

横島「怖かろうと危なかろうと、考える前に煩悩がオンナを欲して飛び出しちまうんだ」


横島「目の前の欲望にどこまでも正直な男――それが横島忠夫だからな」


不二咲「…」

横島「まぁ、こればっかりは性分だからどーしよーもないんじゃ!」ワハハ



不二咲「…できない」

横島「?」


不二咲「僕には、横島君みたいにはできない…」

不二咲「動く前に怖いと考えちゃう僕には、横島君みたいには…」



横島「いや、できちゃいかんだろ。キミは俺じゃないんだから」

不二咲「――え?」


横島「俺だって千尋ちゃんみたいにカッコよくパソコン駆使してみたいけど、土台ムリなんだよ。俺はキミじゃないから」

不二咲「かっこ、いい…? 僕が…?」


横島「今は理系男子がモテるらしいからなー。千尋ちゃんの才能が羨ましいぜ」

不二咲(……羨ましいなんて初めて言われた)


横島「もし俺が千尋ちゃんみたいにできたら……」ホワンホワーン




女『横島くぅん、何もしてないのにパソコンが壊れちゃったのぉ(キャピルン』

横島『大丈夫、ここをこうして――(カタカタ…タァーンッ)――ほら治ったよ』

女『きゃーすっごぉい! 頼りになるぅ(クネクネ』

横島『HAHAHA、大したことじゃないさ』

女『ねーえぇ? 今度はぁ、アタシのココロのフリーズを直してぇ?(ウッフン』

横島『オーケェイ僕の電脳天使ちゃん。君にイタズラするウイルスは全部ブロックしちゃうよ』

女『もぉう、イタズラなウィルスはアナタのくせにっ(ツンッ』

横島『さぁ、一緒に僕らの幸せ家族プログラムを構築しよう(キリッ』

女『あぁん、アタシのハードディスクがアナタ色に書き換えられちゃうよぉ(ビクンビクン』





横島「―――なーんつってなんつってッ!」ゲヘゲヘ

不二咲「」

横島「…っと、失敬。女の子に聞かせることじゃなかったな」ハンセイ


横島「とにかくだ、千尋ちゃんが俺みたいになるなんてダメだ! そんなことしたら『不二咲千尋』が消えちゃうぞ!」

不二咲「僕が、消える?」

横島「キミが消えたら、千尋ちゃんを信じてくれてる人たちが悲しむぞ。同じく、俺が消えたら世界中の美女が泣き叫ぶことになるしな」


不二咲「僕を信じてくれてる人……そんな人なんて…」

横島「いるさいっぱい。少なくとも俺は頼りにしてるぞ。俺に出来ないことを平然とやってのけるしな」

不二咲「…ほんとに?」

横島「ホントホント。だから俺になろうなんてトチ狂ったこと言っちゃいかんぞ」


横島「俺は俺らしく。千尋ちゃんは千尋ちゃんらしく。それが一番や」

不二咲「自分らしく…」


横島「おうとも。そうでなきゃ、信じてくれた奴がガッカリしちまうだろ?」

不二咲「…」



不二咲(僕は、いろんなモノを偽って生きてる)

不二咲(性別も、格好も、周りの目も、僕自身も)

不二咲(弱いから。怖いから。嫌いだから)


不二咲(横島君も、僕と同じことを言った)

不二咲(腕力がなくて、怖いものばかりで、自分が大嫌いだって)


不二咲(でも、横島君は自分を偽らない。偽ろうともしない)


不二咲(自信はなくても、自分を信じてくれる人を信じてる)



 ――― キミが消えたら、千尋ちゃんを信じてくれてる人たちが悲しむぞ ―――



不二咲(…自分らしく)



 ――― 少なくとも俺は頼りにしてるぞ ―――



不二咲(…僕、らしく…)



 ――― 千尋ちゃんは千尋ちゃんらしく。それが一番や ―――



不二咲「…っ」




横島「お、もう夜時間までそんなにないな」

不二咲「!」

横島「AI構築、頑張ってな。ほんじゃ、また明日――」





不二咲「―――まっ、待って!」



横島「ん?」


不二咲「…ダイジョウブ……シンジル…」ボソボソ

横島「?」


不二咲「」スー ハー


不二咲「…横島君!」

横島「なんぞ?」

不二咲「僕…キミに話さなきゃいけないことがあるんだ」

横島「話さなきゃイカンこと?」

不二咲「」コクン


横島(真剣な表情…何を言うつもりだ?)


横島(しかしっ、美少女が俺を頼ってきてる! 無下にするわけにもいくまいて!)


横島「よし、なんでも言ってみんしゃい!」

不二咲「う、うん、言うね…!」

横島「落ち着いてな」


不二咲「僕、僕は…」

横島「ふんふん?」



不二咲「じ、実は…」

横島「実は?」



不二咲「ほ、ほんとうは…!」

横島「ホントは?」





不二咲「……お、」

横島「お?」



不二咲「お、男なんだ!」

横島「おぉーなぁーんだそうだったんか男かー!」









横島「…………Pardon?(なんだって?)」



不二咲「僕、ホントは、男なんだ…!」


横島「…ゑ?」



横島「オトコ?」

不二咲「」コクン


横島「まじで?」

不二咲「マジだよ…」


横島「オトメでなく?」

不二咲「…オトコであってるよ」


横島「…ついてんの?」オマタニ

不二咲「…///」コクリ



横島(ちひろちゃんが、おとこ?)

横島(こんなかわいいこが? んなアホな)


横島(いや、でもそれなら俺のセンサーに反応がなかったのも納得できる)

横島(よく考えたらパソコンバラすのに工具使ってるじゃねーか。男にしか配られてないとか言うヤツを)


横島(ということは、コイツは正真正銘の野郎ということに…)


横島(なんで女装してんだ?)

横島(というか、なんでそれを俺に話した?)

横島(野郎が俺にカミングアウトする理由…)


横島(…ま…ましゃか…!)





不二咲『僕、一目見た時から横島君のことが…』


不二咲『でも横島君、女の子にしか興味ないかなって思って黙ってたんだ』


不二咲『けどそんなの関係ない! こんなに親身になってくれて…もう止まらないよ!』


不二咲『横島君なら、僕を受け入れてくれるよね?』


不二咲『僕のアルターエゴ♂もこんなになっちゃったよぉ…』エゴーン



不二咲『…さぁ、今日から僕がキミの御主人タマだよ』





横島「」ガタガタガタ


不二咲「!?」


不二咲「よ、横島君…?」

横島「ぅひょあきゃぃ!?」

不二咲「ひゃ!?」


横島「ままままま待ててておおおおおちおちおちち落ち落ち着おちんちつけけけけ!」

不二咲「わわわっお、落ち着いてぇ!」

横島「落ち着いてられるかおチンが付いてるのに!」

不二咲「いや付いてるけど…ってそうじゃなくてぇ!」

横島「おおお俺をどどどどうする気だ!? 掘る気か!? 股間のアルターエゴで!!」

不二咲「へぁ!? しっしないよそんなこと!!」

横島「いやぁー!? エロ同人みたいにされるのはいやぁあああ!!?」

不二咲「お願いだから落ち着いてよぉ!!」ナミダメ


横島「ほ、ホントのホントに、ソッチのケは無いんだな!? ウソだったら泣くぞ!?」

不二咲「ホントのホントだよぉ! ぼ、僕も、そういう対象は女の人だよぉ…///」


横島「」スーハー スーハー


横島「………よし、落ち着いた」

不二咲「ここまで取り乱されるとは思わなかったよぉ…」

横島「取り乱しもするわコンニャロめ。いきなりドデカイ爆弾落っことしやがってからに」

不二咲「うぅ…」


横島「で、なんで俺に話したんだよ? つーかなんで女装?」

不二咲「う、うん…それは…―――」



―――
――




不二咲「―――…というワケなんだ…」

横島「なるほどねぇ。それでそんな格好を…」

不二咲「…」


横島「木を隠すなら森に、弱さを隠すなら更なる弱さにってか。なるほど理にかなってる」ソノハッソウハナカッタ

不二咲「黙っててゴメン…」


横島「いや許さんっ、許さんぞ貴様ッ!!」

不二咲「うぅっ…そうだよね…こんなことして、僕は…」

横島「女の着替え覗き放題なんて絶対に許さんぞこの野郎ッ!!」

不二咲「そこなの!? 騙してたことじゃなくて!?」


横島「ハっ!? もしやお前、ここの女子更衣室にも入れるのか!? そうなのか!?」

不二咲「は、入れないよぉ。男子用の生徒手帳だもん…」

横島「男児一生の夢を易々と叶えやがって! 言え!その体でナニをしたきた!? 女湯巡りか!? そうなんだな!?」

不二咲「し、してないよぉ! そんなことしたら流石にバレるよぉ! 無いものが有るんだから!」

横島「代われ! 今すぐ俺と代われ!! その羨ましい体を俺に寄越せ!!」


不二咲「少しは話を聞いてよぉ…さっきまでの優しい横島君はどこいったのぉ…?」

横島「『美女に優しく。野郎はくたばれ』が俺のモットーだ」

不二咲「男扱いされて嬉しいような悲しいような…」グスン

横島「俺に男だと打ち明けるということはこういうことだ。割り切れ」


横島「だいたい、俺に話したらこういう扱いされるのはわかってたこったろ? 何でワザワザ暴露したんだよ」


不二咲「横島君みたいになりたいから…」


横島「いやだから、んなアホなことできないって」

不二咲「そうじゃなくて…そのものになるんじゃなくて、その、在り方を見習いたいなって…」

横島「ありかた?」


不二咲「自分に自信がなくても、自分を偽らないでいること…いつでも自分らしくあること…」

不二咲「自分が嫌いでも目を逸らしたらダメだって…横島君が教えてくれたから」

不二咲「だから横島君には話しておかないとって。そう思ったんだ」


横島「…んな大層なこと言った覚えはないんだがなぁ」ポリポリ

不二咲「それでも、僕にはとても大きなことだったんだ。誰かに羨ましいなんて言われたのも初めてだったから」

横島「へんっ、野郎のことなんか羨ましくなんて無いやい!」


不二咲「ウソだったの…?」ウルウル

横島「スミマセン羨ましいですコンチクショウだから泣くなちっちゃい子苛めてるみたいで精神的にキツイ」

不二咲「っ、泣かないよっ! 大和田君と約束したもん!」グシグシ

横島「約束ぅ?」


不二咲「うん。僕はもう泣かない、だから大和田君も怒鳴らない。男の約束なんだ」

横島「さよか」ミミホジホジ

不二咲「露骨に興味なさそうだねぇ…」

横島「そんなむさ苦しいもんに興味なんてあるかっつーの。女との約束なら死んでも守るけどな」


不二咲「…ふふっ、やっぱり横島君は横島君なんだね」

横島「そこはかとなくバカにされた気がするんだが」

不二咲「し、してないよぉ!」ワタワタ


横島「んで、他のみんなには話すのか?」

不二咲「…うん。いきなり全員の前で話すのはちょっと怖いから、少しずつ打ち明けていこうと思うんだ」

横島「じゃあ俺は口外しないほうがいいか」


不二咲「ごめんね横島君。こんなことに巻き込んで…」

横島「すまないと思うならそのカラダ寄越せ! そんでもってオネーサマ方に可愛がってもらうんだぃ!」

不二咲「ムチャ言わないでよぉ…」



 < キーンコーンカーンコーン



横島「っと、いかん。もう夜時間になっちまった」

不二咲「ごめんね、遅くまで引き止めて」

横島「あー、もういいって…ほんじゃな。今度こそオヤスミ」ガチャ

不二咲「おやすみなさぁい」


横島「…」

不二咲「…? どうしたの?」

横島「…まぁ、アレだ。ガンバれよ?」

不二咲「! うんっ!」


 キイィ バタン



不二咲「…」



不二咲「がんばろう」グッ

アルターエゴ《ガンバレー》


 ―――廊下―――


横島「…」


横島(……衝撃の展開だった)


横島(まさか千尋ちゃんが男だったとは…これは由々しき自体だ)

横島(俺のストライクゾーン外だったとは言え、女子の比率が減ってしまったじゃないか!)

横島(そして野郎が一人増えたということは、その分倍率も上がるということ…)

横島(あんニャロウの小動物チックな雰囲気に女子たちが懐柔されたらどうする!?)

横島(俺のハーレムエンドへの道が、また遠ざかってしまう…くそぅ、千尋ちゃんめ…)シクシク



横島(…俺、今ナチュラルに『千尋ちゃん』て呼んでるけど、これからどうしよう)

横島(呼び方変えるべきか……『不二咲』? 『千尋』?)

横島(いや、いきなり呼び方変えたらアイツが男だとバレるか…)

横島(でも男を『ちゃん』付けで呼ぶのもなぁ…)


横島「…」

横島「……」


横島「『千尋ちゃん』て種類の座敷童子だと思うことにしよう」ウン



苗木「…あれ、横島クン。何してるの?」トコトコ


横島「でたな煩悩ブロッカーめ」

苗木「変な二つ名つけないでよ…」

横島「うっせ。お前がいるとスケベイベントがブチブチ潰されていくんだからやってられんわい」

苗木「僕のせいにされても…。それより今、不二咲さんの部屋から出てきたみたいだったけど…」


苗木「まさか…」ススッ

横島「なに退いてんだコラ」

苗木「いや、女っ気を求めて守備範囲広げたのかなと…」

横島「変な勘ぐりすなっ!!」


横島「そんなんじゃねーっての。ただの人生相談だ」

苗木「人生相談?」

横島「これ以上は話してやらん。とっとと帰れガチムチ請負人め」

苗木「また二つ名が増えた!? というかなにその請負人て!?」

横島「請け負ってたろうが、サウナでむさい奴らの勝負を」

苗木「ひどい言い掛かりだよ!」


横島「…まぁいい、今日はもう疲れた。はよ寝よ…」

苗木「あ、そうだ。横島クン」

横島「んだよ」


苗木「ありがとう」

横島「…はぁ?」


苗木「舞園さんのこと、まだちゃんとお礼言ってなかったね」


横島「オメーに礼を言われる為にやったんじゃねーよ。全部さやかちゃんの為だ」

苗木「そうだろうけどさ。でも、言わせて欲しいんだ」

苗木「きっとボクだけじゃ、彼女のことを救えなかった」

苗木「だから、ありがとう」


横島「…男に言われたってうれしかねーやい」

苗木「だろうね」ハハッ




『…ふえぇぇぇん…』



横島「ん?」

苗木「この声…?」
 



『よこしまくーん…なえぎくーん…どこぉー…』



苗木「! 舞園さん!?」

横島「行くぞ!」ダダッ




 ―――苗木の部屋―――


苗木「舞園さんっ! どうしたの!?」ガチャ!

横島「大丈夫か!?」



舞園『グスン……あっ!』

横苗「「?」」



舞園『どこ行ってたんですかぁ!? いきなり居なくなるなんてぇ!?』ビエーン!

苗木「え、えっと…?」


横島「…書置きとかしなかったのかお前?」

苗木「ご、ゴメン舞園さん!」

舞園『幽霊は寂しいと死んじゃうんですよぉー!?』

苗木「すごいツッコミたい! でも今はやめとこう、ゴメン!!」


舞園『起きたら誰もいなくて、シーンとしてて…なんか、心細く、なっちゃってぇ…』グスン

横島「さやかちゃん、なんか幼児退行してないか…?」

舞園『…横島君のせいです』

横島「なぜに!?」



横島(…しかし幽霊に防音は関係ないとは言え、部屋の外まで声が届くようになってるとは…)

それだけ成長したという事だけど
事情を知らない人達に聞かれたら面倒な事になりそう・・・


苗木「…あれ、なんか薄ボンヤリとだけど、舞園さんの輪郭が見えるような…?」

横島「なっ、マジか!? この短期間で目視できるまで霊格が上がったってのか!?」

舞園『?』クスン


横島(ここまで急成長するなんて思わんかったぞ…どうなってんだこれ)


横島(…もしかして、さやかちゃんは元々霊能力の素質があったんじゃないのか?)

横島(エスパー並みの勘が良さは、精神感応系のチカラが働いてたからなんじゃ…)

横島(だとしたら『超高校級のアイドル』として躍進してきたのにも説明がつく)

横島(歌声で観客の精神をダイレクトに響かせられんなら、アイドルとしてこれ以上ない武器だもんな)


横島(まぁ、本人に自覚があるかどうかはわからんが)


苗木「! 声が外まで聞こえてたってことは…!」

舞園『ことは?』

苗木「他のみんなにも聞こえちゃってるかもしれないってことか!?」

舞園『あ』

苗木「どうしよう、このままじゃ大パニックだよ!?」

 
横島「…」ドア<カチャリ

横島「」キョロキョロ


横島「…特に騒ぎにはなってないみてーだな」ドア<パタン

苗木「よかったぁ…」ホッ

舞園『他の皆さんには聞こえなかったんでしょうか?』

横島「俺と苗木だけに向けた呼び声だったからか…もしくは、縁の深い俺らしか認識できないかだな」

舞園『一応気を付けますね』

横島「別に霊がいたって構いやしないだろうになぁ」

苗木(キミの常識で語られても…)



舞園『苗木君、私が見えてるんですか?』

苗木「うん…ホントに靄みたいな感じにだけど、わかるよ」

横島「声はもう完璧に聞こえてるみたいだな」


舞園『…んーっ、やぁ!』シュンッ

苗木「あれっ!? 見えなくなちゃった…」

舞園『…ほぃ!』ポムン

苗木「わっ、またモヤモヤが…!」

舞園『なんかコツがわかってきました!』


横島(任意でステルスのON・OFFが切り替えられるって…やっぱ才能あるわさやかちゃん)


舞園『これからはちゃんと書き置きしてくださいね!』

苗木「うん、そうするよ。ホントにごめんね舞園さん、寂しい思いさせて」


横島「明日から壁抜けの特訓でもしてみるか」

舞園『はいっ、どんどんレベルアップしますよ!』

横島「ハハハ、嬉しそうやなぁ」

舞園『えへへー。舞い上がっちゃってますね、私!』

横島(この娘、そのうち死霊使いとかになったりするんじゃなかろうか…)

苗木「一応声は抑えてね、万一があるから…」











 ―――寄宿舎・廊下―――



霧切(…死神の足音…いや、歌声…? なにかしらこの感じは…)



とりあえぇずぅここまぁでぇ~~ってかーっ!?(ポケモン音頭風に)
話が全然進まないよ。グダグダした会話が止まらないよ。

いいよいいよー(非)日常編っぽいし
次辺り動機提示くるかな

乙です
ちーたんは天使、>>1の言うことに間違いない

乙です
もしかして霧切さんも霊感持ちなのかな?

おつー
>>176いいえ厨二病です

やだ舞園さんかわいい…おつです
桑田くんは成仏できてるのかねえ

>>178
作中でも横島が言っていたけど、成仏出来ずに彷徨っていそうかな。
未練がなくあの世に行けるような死に方じゃなかったし。

別のさやかちゃんの台詞を使うと不吉なフラグに見えてしまうのは何故だろうか


均等に喋らせるって難しい。
そんなこんなで投下開始。

よしこい

待ってた




 ―――翌日・食堂―――



横島(…たまには布団で寝たいな)フアァ…



横島「おはよーっす」ガチャ

苗木「あ、横島クン」
不二咲「おはよぉ!」
朝日奈「おっはよーっ!」
大神「うむ」

横島「おう、葵ちゃんは今日m」


大和田「おいおい冗談きついぜ兄弟ィ!!」ガハハ
石丸「君の方こそ言うじゃないか兄弟よ!!」フハハ


横島「ってうるさっ! なんだコイツら!?」

大神「我らが来た時には既にこの状態であったな」

朝日奈「さっきからずっとなんだよ。うるさいったらないよ」


横島「おいなんだあの見るからに暑苦しい光景は。苗木、説明しろ」

苗木「昨日のサウナ対決を通じて友情が芽生えたらしくてさ」

横島「ちょっと前まで水と油だったくせに…どーいう心変わりだよ」

不二咲「男の友情だねぇ。いいなぁ」

横島「お前あんなのがいいのかよ」

不二咲「えへへ…」


大和田「おっ横島来てたのか」

石丸「おお、横島君グッモーニン! 清々しい朝だな!」

横島「えぇいっ話しかけんな鬱陶しい! 男臭さが伝染る!」

石丸「ハッハッハッ、男臭くて結構じゃないか!! 男同士の濃厚なつながりに勝る絆など無いぞ!!」

大和田「さすが兄弟、いいこと言うじゃねぇか!」

横島「でぇええいウルセー!! 俺はそんな吐気を催す邪悪に引きずり込むなっ!!」


大和田「まぁ女のケツばっか追っかけてるテメーにはわかんねぇかもしれねーな!」

石丸「照れなくてもいいのだぞ? 男の友情とは素晴らしきもの、同性間のそれは異性との比ではないのだからな!」

横島「気持ち悪い言い回しをするなボケナス!!」ゾワワッ



苗木「拒絶っぷりがスゴイね」

大神「余程嫌なのだろうな」

朝日奈「わからなくもないけどね」



 <ガチャ

江ノ島「おっはー…て、何この騒ぎ?」

苗木「江ノ島さんおはよう。今日は早いね」

江ノ島「まっ、たまにね。んで何なのアレ」

不二咲「男の友情だよぉ」

江ノ島「なるほど。全然わかんない」



大和田「オメーも男ならわかんだろォ、男の友情パワーってヤツがよォ!」

石丸「苦楽と空間を共有することで人は固い絆で結ばれるのだよキミィ!」

横島「空間を通じて生まれる絆…ハッ!そうかっ!!」

石丸「わかってくれたか横島君!」

横島「盾子ちゃーんっ! 俺とサウナでハダカの付き合いをーーっ!!」

江ノ島「朝っぱらから発情すんなッ!!」ゴシカァンッ!

横島「しろたっ!?」グベッ


朝日奈「ほんとサイテー」

大神「相変わらずだな」

苗木「いつも通りだね」

江ノ島「この光景を日常と認識しないでよ」マッタク


不二咲「だいじょうぶ?」

横島「あぁ、もう慣れた」ムクリ

江ノ島「アタシは慣れたくなかったよ」ゲンナリ


大神「大した回復力だな」

不二咲「どうやったらそんなに丈夫になれるの?」

横島「一日一万回、感謝のセクハラをこなす事だな」

朝日奈「不二咲ちゃんに変なこと吹き込まないでよ!」


不二咲「…お、大神さんっ、きょ、きょうも、いっいいからだ、してるね…///」

苗木「不二咲さんっ無理してやらなくていいから!!」

江ノ島「しかも相手大神かよ」

大神「…」

朝日奈(あ、さくらちゃん照れてる)

さくらちゃんかわいい!


石丸「不埒な言動は慎みたまえ横島君!! 君という奴はどうしてそう風紀を乱すのだ!!」

大和田「諦めな兄弟、あの野郎の腐った性根はもうどうしようもねぇ」

石丸「何を言う兄弟っ、風紀委員の僕が風紀の乱れを諦めるなどできるわけがない!!」

大和田「おっと、コイツは一本取られたぜ! 今の言葉は忘れてくれ!」

石丸「お安い御用だ兄弟! 忘れろっ忘れろっ忘れろビィーームッ!!」ズビシィ

大和田「ナイスだぜ兄弟!」ワハハッ



江ノ島「なんなのこの茶番」

大神「覇気が無いよりは良いではないか」フッ

苗木「やっぱり活気があったほうが雰囲気が明るくなるもんね」

朝日奈「それもそーだね! 元気が一番!!」

横島「俺のセクハラのおかげだな」フフン

不二咲「セクハラってすごい」

江ノ島「不二咲、頼むから毒されないで。お願いだから」


不二咲「そろそろ朝ごはんの準備しないとね」

大神「では今日は我が用意しよう」

江ノ島「んじゃ、たまには手伝おっかな」

朝日奈「私もー!」

大神「うむ、助かる」



苗木「っと、そうだ…」


苗木(ねぇ横島クン)ヒソヒソ

横島(んだよ)ヒソヒソ

苗木(このあとボクの部屋に来てもらえるな?)ヒソヒソ


横島(まさかオメーまで男のつながりがどうとかいう気じゃ…)ヒソヒソ

苗木(そうじゃなくてさ…舞園さんの件だよ)ヒソヒソ


横島(? なんかあったのか?)ヒソヒソ

苗木(うん。とりあえず来てくれればわかるよ)ヒソヒソ

横島(…うっし、わかった)ヒソヒソ



霧切「仲が良さそうね、貴方達」

苗木「わっ!? 霧切さんいつの間に…」

霧切「今来たところよ。内緒話に夢中で気づいてなかったみたいだけど」

苗木「ご、ごめん気がつかなくて…おはよう霧切さん」

霧切「おはよう」


横島「おっす響子ちゃん! 今日も美人でなりよりだ!」

霧切「それはどうも」スタスタ



<キリギリチャンオハヨー!
<エェ、オハヨウ。ワタシモテツダウワ
<スマヌ


横島「相変わらずクールやのー。全然表情変わんなかったぞ」

苗木「でも、冷たいヒトってワケじゃないと思うよ。表に出さないだけで」

横島「ほーん? 知ったような口きくじゃねぇか」

苗木「うん。前にボクに発破掛けて励ましてくれたことがあったんだ」

横島「…なぬ?」

苗木「ホントは優しい人なんだよ、きっと」


横島「…それいつの話だ」

苗木「え、前の学級裁判が終わったすぐ後だけど…」


横島「テメなに無断でフラグ立ててんだアンテナ野郎ッ!! 制裁じゃ!!」

苗木「うぇ!? そんなメチャクチャな!!」ダッ

横島「あっコラ逃げんな!」

苗木「逃げるよそりゃ!」


<ガッハハハハッ!
<アッハハハハッ!

<マタンカイワレェ!
<カンベンシテヨォ!



朝日奈「男子ってバカばっかだね」

大神「そう言うな朝比奈よ。仲良き事は美しき哉、だ」

江ノ島「…仲良きこと、ね」

霧切「…」



霧切(横島忠夫。才能は私と同じく不明)

霧切(意図して隠しているのか、単に言ってないだけなのか)

霧切(彼のキャラクターからしたら後者の可能性が高い…けど)

霧切(あの異常なまでの回復力と耐久力。並の人間ではありえない)

霧切(黒幕となにか関わりがある…? いえ、断定するには根拠が浅すぎるわ)

霧切(最近は苗木君と一緒にいることが多いみたいだけど、接点はなにかしら)


霧切(…いずれにせよ、情報が少なすぎるわね)


朝日奈「霧切ちゃん、どうかしたの?」

霧切「いえ、なんでもないわ。少し考え事をしていただけ」

朝日奈「さ、ちゃっちゃと作っちゃお! 女子力の見せ所だよ!」



大神「…ぬ、鮭の切り身が人数分も無いな」

江ノ島「シャケなら冷凍室に丸々一匹入ってたよ。捌こうか?」

朝日奈「江ノ島ちゃんサカナ捌けるの!?」

江ノ島「こー見えてサバイバル的なことは得意なんだって」ズバッ ザクッ ズババッ

朝日奈「わぁお…包丁一本で…」

江ノ島「…ん、引っかかった…あんま研いでないなこの包丁」ガチッ

大神「では我が…ヌゥンッ!!」ズバキッ

朝日奈「スゴイ! 手刀で切り裂いた!」

江ノ島「ヒュー、やるね。あんがと」

大神「礼には及ばぬ」

朝日奈「二人とも女子力高いなー。よーし、負けないよー!」


霧切(…女子力ってなんだったかしら)



苗木(豪快な調理法にしては非常に繊細な味付けの朝食を戴いた後、食事会は解散となった)

苗木(余談だが、霧切さんは調理中も手袋を外さなかったらしい。ポリシーだろうか?)


苗木(まぁそれはそれとして、今ボクは先程予告したとおり自室にいる)

苗木(舞園さんの特訓・ステップ2のためだ)

苗木(彼女のためにもがんばろう。出来ることは少ないけど)



―――
――





 ―――苗木の部屋―――



横島「――壁抜けができない?」

苗木「うん、そうらしいんだよ」

舞園『自主練のつもりで何回か試したんですけど、うまくいかなくて…』

横島「それでオデコが赤いのか」


舞園『ヒリヒリします。なでてくれないとしんでしまいます』

横島「おーよしよし」ナデナデ

舞園『えへー』フニャー

苗木(舞園さんの幼児化が深刻だ)


苗木「それで壁を抜けるためにはどういう特訓をするの?」

横島「いや、特訓とはいったけど特別なことをするわけじゃないんだ」

舞園『? どういうことですか?』

横島「ぶっちゃけ幽霊は壁抜けできて当たり前なんだよ」

舞園『がーん!』ガーン

苗木(口で言った…)


舞園『私がオチコボレお化けってことですかぁ…?』ウルウル

横島「地縛霊だから部屋から出られないって理由もあるかもしれないけどな」

苗木「でも舞園さんは『霊格』、だっけ?それがかなり上がったんじゃないの?」

横島「…ふむ、試してみるか」


 ドア<ガチャ


苗木「…うん、廊下には誰もいないよ」


横島「それじゃさやかちゃん、この開いたドアから廊下に出てみるんだ」

舞園『よ、よーし…』ドキドキ

横島「部屋から出られれば『地縛霊』から『浮遊霊(仮免)』に昇格だぞ」

苗木「がんばって!」


舞園『』スーハー スーハー

舞園『…』ギュ

舞園『やぁっ!!』ピョイン


舞園『…っ』パチ


舞園『! 出られた! 出られましたよ!!』ピョンピョン

横島「うっしゃ!」ガッツ

苗木「おめでとう舞園さん!」

舞園『私、ついに地縛霊を脱しました!』

横島「霊格は問題なく上がってるみたいだな」ドア<パタン


舞園『よーしっ、この調子で壁抜けだって!』

苗木「え、それはちょっと待っ」


舞園『そいやっ!!』


 ゴインッ!

舞園『…~~っ』プルプル


苗木「だ…だいじょうぶ?」

舞園『いたいです…』ズキズキ


横島「壁は通れないままか」ナデナデ

舞園『もうっ、ぬか喜びですよっ!』プンプン

苗木「部屋から出られるだけでもスゴイ成長だけどね」


横島「…さやかちゃん、ちょっと苗木を通り抜けてもらえるか?」

苗木「へっボクを!?」

横島「物体がダメなら人体はどうかなってことで」

舞園『苗木君を通り抜ける…なんだかちょっと怖いですね』ワクワク

苗木「その割にワクワクしてない?」


舞園『えーい!』

苗木「うわぁ躊躇いもなく!?」


 シュルン

苗木(っ! 舞園さんの腕がボクの体を突き抜けて…!)


舞園『抜けられました!』ヒョコッ

苗木「うはぁ…感触はないけど変な感覚…」ゾクゾク

舞園『私も変な感じ時です。触れているのに触れない、近いけど凄く遠い気がします」


横島「物理干渉できるまで成長した、ってことじゃないみたいだな」

舞園『どうして壁は抜けられないんでしょうか…』ピョコリ

苗木「ボクのお腹から顔出したまま会話しないで」


横島「壁に霊を妨げるモンでも入ってんのか?」

苗木「そんなものがあるんだ」

横島「わからん。素材や配置やらでたまたまそういう効果が得られただけかもしれんし」

舞園『偶然でそんなことが起こるんですか?』

横島「デザイン重視で配置した照明が魔法陣の役目をして霊を呼び寄せた、なんて事例もあるからな」


苗木「案外、『超高校級の風水師』が監修した建物だったりしてね」

横島「だとしたら余計なことしてくれたもんだぜ。さやかちゃんの邪魔しやがって」


舞園『残念です…窓の鉄板を抜けられれば助けを呼びに行けたかもしれないのに』

横島「気にすんなって。行動範囲が広がっただけでも儲けもんだろ?」

舞園『…ふふっ、そうですね!』


苗木(そっか…舞園さんが壁を抜けられるようになれば、脱出へ大きく近づくんだ)

苗木(…でもそれはオマケ程度に考えておこう。あまり気負わせちゃ悪いし)

舞園『む、私はオマケですか?』

苗木「わっ! ボク、声に出てた…?」

舞園『いいえ、エスパーですから!』

苗木「…ハハッ、なんだか久しぶりに聞いた気がするよ」





 < ピンポンパンポーン♪



横島「っ!」

苗木「放送の音…っ!」




モノクマ《オマエラっ、元気にコロシ合ってるぅ?》

モノクマ《いや解ってるけどね? 最近停滞気味だもんね》

モノクマ《そんなわけだから、ボクはオマエラにまたまたプレゼントを用意してあげました!》


舞園『っ…!』


モノクマ《大至急、体育館に集合してくださーい! 来なかったら…ウププププププッ!!》


 < ブツン



舞園『…』

横島「最近大人しいと思ったら…」

苗木「また動機か…!?」


横島「行くしかない、か」

苗木「…そう、だね」

舞園『――あのっ』

横島「ん?」


舞園『あの、その…』


横島「―ーだいじょうぶ」


舞園『…え?』

横島「だいじょうぶだ。な?」

苗木「うん、大丈夫。だから、ちょっと行ってくるね」

舞園『っ、はい!』


 ガチャ キィイ パタン


舞園『っ…』ギュッ


―――
――




 ―――体育館―――



モノクマ「全員集まったね? よっぽどボクのプレゼントが待ち遠しかったと見えるねぇ」ウププ

葉隠「全然待ってねーべ!」

山田「あんな意味深なこと言われたら来ざるを得ないですぞ」

モノクマ「そんなこと言ってぇ~、ホントは期待してたんでしょ? このいやしんぼめ!」


十神「戯言は結構だ。用があるなら簡潔に言え」

腐川「そっそうよ! 十神君に時間を取らせるなんて無礼よ…!」

横島「ちょっと待って冬子ちゃんソイツだけ扱い違くないか?」

腐川「な、なによ汚物…十神君は唯一無二の気高い御人よ…侮辱は許さないわ…!」

横島「十神テメェ俺に断りもなくフラグ立てやがってシバくぞあぁん!?」

十神「口を閉じろサルモネラ菌。貴様の発言で酸素が毒された」

横島「さるもねら!?」


霧切「話は後にしてもらえるかしら。今はアイツの用件を済ませることが先よ」


横島「くそぅ…」

十神「…フン」



 <シーン…


モノクマ「はいっ、オマエラが静かになるまで40秒もかかりました!」


モノクマ「40秒あれば捕らわれの少女を助ける支度もできるってのに、そんなんじゃドーラに怒られるよ!?」

霧切「いいから用件を言ってくれるかしら」

モノクマ「うるさくしてたのはそっちじゃないか…これだからゆとりは…」ゴソゴソ


モノクマ「というわけで、放送でも言ったように最近停滞気味でマンネリだから刺激を与えることにしました!」ピラッ

山田「人数分の封筒ですな」

セレス「それが今回の動機というわけですのね」


モノクマ「察しのいい人は大好きだよ! つーわけで、そぃや!」ポーイッ

石丸「封筒は投げるものではないぞ!!」

葉隠「そこはどーでもいいべ」


苗木(それぞれに名前が書いてある…ボクのはこれか)カサリ

苗木(この中に一体何が…!)ピラッ



〈苗木クンは小学校5年生までおねしょをしていた〉


苗木「」



石丸「なっ…これは…!」

朝日奈「うそっ…なんで知ってるの…!?」

不二咲「っ!」

腐川「な、なななんで、こっこんな…っ!?」

大和田「っ…!!」

江ノ島「…」

横島「」


苗木(っ! みんなのこの反応…)

苗木(…同じだ。あのDVDの時と…ッ!)ググッ

横島のやつは何て書いてあるのか気になる


モノクマ「ウプププ、みんな行き渡ったようだね?」


モノクマ「そうっ! 今回の動機は『過去と秘密』!!」


モノクマ「その手紙にはみんなの恥かしい過去や知られたくない秘密がひとつ書いてあります!!」


モノクマ「制限時間は24時間!それ以内にオマエラが誰一人としてコロシを仕掛けなかった場合、その秘密を全世界に大暴露しちゃいマース!!」


セレス「なるほど、秘密を隠したければ自らクロになる他ないということですわね」

江ノ島「悪趣味なことしてくれんじゃん…今更だけどさ」

苗木「ふざけるなっ!! こんなことでボクらが仲間を殺したりするもんか!!」

モノクマ「ふぅん、強気だね。果たしてそう言い切れるのかな?」

苗木「ど、どういう意味だよ…!?」

横島の反応が気になる…。
どんな内容なのかな?


朝日奈「そ、そうだよ。確かに秘密はバラされたくないけどさ、それだけで人を殺すなんて…」

石丸「その通りだ! 例え後ろめたい秘密があるとしても、話し合えば解り合えるはずだ!!」


十神「自分一人の感覚を全員に当てはめて考えるな。これだから愚民は愚民なんだ」


山田「ど、どういうことですかな、十神白夜殿?」

十神「秘密の重さなど個人で変わる。それこそ千差万別、殺してでも隠し通したい内容だってあって然るべきだ」

葉隠「た、確かに…他人から見たらどうってことない秘密でも、本人にとっちゃヤベーことだってあるべ」

モノクマ「そのとーり! 流石に実感こもってるね!」


十神「まぁ俺は後ろめたい秘密もヤワな精神も持ち合わせていないから関係ないがな」

セレス「自信満々ですのね」

十神「当然だ。俺がこのゲームで敗北することなどありえんのだからな」

大和田「まだテメェはンなことを…ッ!」

十神「プランクトンの分際で囀るなよ。精々無い脳味噌を絞って俺を楽しませることを考えろ」

大和田「こんのヤロォがぁ…ッ!!」ビキビキ

石丸「落ち着くのだ兄弟! 冷静さを失ってはいけない!」

霧切「その通りよ。それこそ黒幕の思うツボだわ」

大和田「…っ!!」ギリ


モノクマ「んじゃ、質問がないようならボクは帰るよ」


横島「おいちょっと待てクマ公っ!」

モノクマ「なんだい横島クン、文句がお有りかい? あるなら30字以内でね」

横島「大アリだ! なんで俺のだけ秘密が十個も書いてあんだよ!?」ビッシリ

モノクマ「だってキミって恥の多い人生送ってるでしょ? ひとつふたつ秘密バラしたくらいじゃみんなとのバランス取れないもん」

横島「こんなところでバランス取るなッ!!」


モノクマ「嫌なら誰かを殺すことだね! そんじゃバイビー!」シューン

横島「あっおいコラァア!!?」

苗木(可哀想に…)


横島「チッキショー…あいつ絶対俺のこと嫌いだろ」

セレス「あら、好かれたいのですか?」

横島「とんでもない、俺が好かれたいのはセレスちゃんのような美少女だけだ」

山田「ではモノクマの中の人が美少女だった場合は?」

横島「…っう、っ…、ぐ…ぅ…っ」ウヌヌヌ

江ノ島「悶えるほど悩んでんじゃないよ」


大神「…さて、これからどうするべきか」

朝日奈「じゃ、じゃあさ、いっそのことここで秘密バラしちゃう?」

石丸「名案だ! そうすれば僕らが無意味に諍いを起こす事もなくなるだろう!!」

不二咲「…っ!」


葉隠「よっよし、バラす順番を占うぞ…むむっ閃いたべ!まず横島っちから頼む!」

横島「はあ!? 嫌に決まってんだろっ、こんなの知られたら俺の爽やかなイメージが台無しになるだろが!!」

江ノ島「アンタにそんなイメージはないよ」


葉隠「ここで秘密を明かせばモテモテになれんぞ! 俺の占いは三割当たる!」

横島「七割はお先真っ暗じゃねーか!!」

葉隠「十個もあんだから一個くらい大丈夫だって!」

横島「どんな理屈だそれは!」


横島「だいたいテメーの3割占いなんか信用できるかっ、この逆たずね人ステッキがッ!」

葉隠「3割をナメたらいけねーぞ。リアルな話、打率なら大したもんだべ」

横島「はんっ、だったら俺の秘密を一発で当ててみやがれってんだべらんめぃ!」


葉隠「横島っちの秘密は十個全てオンナ関連、内九つはセクハラ系と出たべ!」

横島「ガッツリ当てんじゃねーよッ!!」

朝日奈「うわぁ…」

江ノ島「大体分かってたけどね」

セレス「むしろ残り一つはなんなんだよという話ですわね」

全部セクハラ系だと思っていたけど、違うのか……


十神「時間の無駄だ。俺は部屋に戻るぞ」

石丸「待ちたまえ! 秘密を公表はどうするのだね!?」

十神「する訳無いだろう。わざわざ話してやる義務もない」

腐川「わ、私も嫌よ…もし知られたら、は、破滅よ…!!」

セレス「自ら弱みを握らせるギャンブラーはいませんわ」

大和田「…兄弟には悪ィが、この状況じゃあな」

石丸「ぬぅ…!」


霧切「今日のところは解散したほうが良さそうね」

石丸「……仕方あるまい。だが諸君っ、気をしっかり持つのだ! 毅然とした精神で臨めば必ずや打ち勝てるはずだ!!」


横島「…俺の秘密暴露の意味は?」

セレス「無駄打ちでしたわね」

横島「」

セクハラ以外の一つはルシオラの事だったりして


山田「具体的な内容は露見しなかったからギリギリセーフですぞ!」

横島「セーフじゃねーよ! 葵ちゃんおもっくそ引いてたわ!!」

セレス「元々低い評価が少しばかり落ち込んだだけですから、さした違いはありませんわ」

横島「ウッソっ、マジで…!?」

苗木(そんなに驚くの!?)



セレス「わたくしも戻ります。ごきげんよう」

山田「不二咲千尋殿、横島忠夫殿のケアは任せましたぞ!」

不二咲「あ、うん…」


横島「ちくせう…」シクシク

不二咲「げ、元気出してぇ…」


横島「…オメーの秘密は、例の件か?」

不二咲「っ、…うん」

横島「そっか。で、どうすんだ」


不二咲「……みんなに打ち明けるよ。今すぐには無理かもしれないけど」


不二咲「それから、ちょっとずつ身体も鍛えようと思うんだ。早速、今夜からでも」

横島「あっそ」

不二咲「ドライだね」

横島「男の心配なぞするだけ無駄だ」

不二咲「そうだったね」クスクス


苗木(…? 横島クンと不二咲さん、何話してるんだろ…)


朝日奈「あーっ! 横島、不二咲ちゃんになにコソコソやってるの!?」

横島「へ、いや別になn」

朝日奈「不二咲ちゃんこっちおいでっ、あんなセクハラ魔神に近づいたら何されるかわかんないよっ!」グイッ

不二咲「わわっ!」

朝日奈「行こっさくらちゃん!」

大神「…そうだな」

不二咲「ひ、ひっぱらないでぇぇ…」ズルズル



横島「葵ちゃん、あからさまに拒絶しとる…」シクシク

苗木「…どんまい」

葉隠「そのうちイイことあんべ」

横島「テメェのせいだろうが!!」ドゲシ!

葉隠「いてーべ! ひでーべ!」



霧切(…私達全員の秘密を握れる人物…黒幕とは一体何者なの…?)



腐川(『アイツ』のことが知られたら…あぁ、あああぁあ…!)



江ノ島(…っ)



不二咲(…目を背けちゃダメだ。弱くても、怖くても…!)



大和田(…………アニキ…!)






苗木(秘密の公表…これが今回モノクマが提示した動機)

苗木(…けど、こんなことでコロシアイなんてさせてたまるか!)


苗木(みんな、黒幕なんかに負けないんだ!)











横島(…10個目のこれ、別に秘密じゃないんだけどなぁ)ポリポリ




ここまでぇー、ここまでぇー。(勉強小僧風に)
霧切さん、動かしづらいよ。喋らせにくいんだよ。

でも一番好きなんだよ。

下手に情報提示すると
一足飛びで真実にたどりついちゃうからな>霧切さん

10個目が気になる・・・

乙です
横島が秘密と思っていない10個目って霊能関係のものかな?
本人は気にしていないけど、能力が知られたら色々と疑いの目が向きそうだからなぁ…。

女関係だけどセクハラ系ではないと言うことはルシオラのことかな?
横島は元カノを殺したことがある
とか

神様にセクハラしたことがある、とかもありそう
小竜姫様相手にやってたよね

10個目の秘密も「オンナ関係」だという事を完全に忘れていた……。
横島とモノクマの考えのズレを見ると、雇い主関係のものか…?
時給255円や扱いの悪さ(初期辺り)等は第三者から見て
『隠したい秘密』と思われても不思議じゃないし。


>>226

私も「結果的にルシオラを殺してしまった」を候補に挙げましたけど
それにしては、横島の反応が軽いんですよね。
10個目を言う事に全く抵抗がない雰囲気だし…。

仮にルシオラ関係の場合、ありえそうだと思うのは
「横島は魔族(ルシオラ)と恋人関係にあった」ですかね。
基本的には『魔族=人類の敵』という認識ですし、
「横島は魔族と付き合っていた事を周囲に知られたくない」
とモノクマが判断してもおかしくないと思います。

幽霊が見える、とか?

幽霊を襲ったことがある(性的な意味で)

とか

(貧乏神の件で)結婚(の真似事を)したことがある、とか

もしルシオラ関係のことだとしたら、モノクマよく知ったなw

妖怪(シロ)を弟子にしている、とか

まだ?


お久しぶりですよ。時間が取れなくて全然書き進められなかったんだよ。
更新が遅れつつも投下開始。

わくわく




 ―――苗木の部屋―――



舞園『――秘密と過去、ですか』

横島「ああ、バラされたくなきゃ誰かを殺せだとさ」


舞園『相変わらず心の嫌な部分を的確に突いてきますね』

苗木「…モノクマは一体どこでボクら全員の秘密を知ったのかな?」

舞園『黒幕って一体何者なんでしょうね』

横島「さぁな。アイツに関しちゃ謎だらけだよ」


舞園『それにしたって趣味が悪いです。秘密をバラすなんて乙女の敵ですよ』プンスカ

横島「男だって同じだぞ。こんなん知られたら俺のイメージガタ落ちだっつーの」

苗木「キミの秘密はもう七割くらいバレちゃったけどね」

横島「うっせ!」

舞園『?』



横島「まぁ秘密って言っても、殺してまで秘匿したいもんじゃないんだけどな」

苗木「当前だよ! ボクらはこんなことで仲間を殺したりしないんだ!」

舞園『うーん…耳の痛いセリフですね』

苗木「っ! ご、ごめん! そういう意味で言ったんじゃ…!」

舞園『いいんですよ。自分でも理解してることですから』

苗木「舞園さん…」


横島「その話は置いといてだ、なにか対策を講じる必要があるかもな」

苗木「対策?」

横島「そうだ。第2第3のさやかちゃんを生まないためにもな」

舞園『ククク…舞園さやかは四天王の中でも最弱…』

横島「こらこら不吉なこと言わないの」

舞園『はーい』テヘペロ

苗木(舞園さん、ちょっと吹っ切れ過ぎた感があるな)


舞園『それで、具体的には何を?』

横島「うむ。今回の動機は秘密だよな」

苗木「そうだね。それで?」


横島「秘密とは読んで字の如く秘めて密にするもの、本人以外が知らない物事のことを言う。わかるな?」

舞園『ふむふむ』

横島「ならば本人以外が知ってしまえば秘密は秘密でなくなる。つまり動機は成立しないのだ」

苗木「でもその案はさっき却下されたよね…他人に話す義務はないとか言ってたし」

横島「そうっそこだ!」ビシッ

舞園『どこです?』


横島「知り合ったばかりで距離のある相手に話せる秘密など無い…」

横島「ならば秘密を打ち明けられる間柄になり、心の距離を縮めれば良い!」

横島「触れ合いを通して生まれる絆…深まる信頼…共有する秘密というスパイス…溢れ出る愛、そして愛…!!」



横島「名づけて『ドキ!? ハンサム忠夫くんと極楽☆らーぶらーぶ大作戦!! オマケもいるよ?』だ!!」ドドン


舞園『おおー!』パチパチ

苗木(…オマケってボクのこと?)



舞園『素晴らしい作戦ですよっ! 希望に満ち溢れています!』

横島「ワッシャシャシャ! 自分の才能が怖いぜ!」

苗木「でも、24時間以内に全員と絆を深めるのは無理があるんじゃないかな…せめて50日は欲しいところだよ」

横島「バッキャロォイ!! ヤル前から諦めてどーすんだトーヘンボク!!」

舞園『諦めたらそこで人生終了ですよ!』

苗木「あながち間違いじゃないからツッコミづらいよ舞園さん」


横島「というわけで、俺はこれからオンナのコと交流を深めてくる! 野郎はお前に任せたッ!!」

苗木「あぁ、それが本音だったんだね」

舞園『作戦云々は建前ですか』

横島「手始めにプールだ、地に落ちた葵ちゃんからの信頼を回復してやるぜ!」ガチャ ダダダダッ

舞園『いってらっしゃーい』フリフリ


苗木「相変わらず自分の欲求に正直な人だなぁ」ヤレヤレ

舞園『それが横島君のイイところですからね』

苗木「…うん、そうだね」クス


舞園『さぁっ、のんびりしてる暇はナイですよ! 早く皆さんとらーぶらーぶしに行きましょう!』

苗木「いや、それは横島クンの建前なんじゃ…」

舞園『でも作戦自体は否定するほど間違ってないですよ? 結束を深めれば、苦難にだってきっと打ち勝てるハズです』

苗木「…確かに、それもそうだね」

舞園『それに私もそろそろ行ってない場所とかを見て回りたいですし』

苗木「もしかしてそっちが本音かな?」

舞園『エッヘヘ、横島君のマネです!』


苗木「それじゃ散歩がてら、ブラブラしながらみんなを探そうか」

舞園『あっ、『ブラブラ』と『らーぶらーぶ』を掛けたんですね! おもしろいです!』

苗木「掛けてないよ」


 ―――校舎1F・廊下―――


横島「なぁーぎさのハイカラにん~ぎょぉ~♪」ルンルン


横島(昨日は失敗したが、今日は違う! 必ずやあのダイナマイトな肢体を拝んでやるぜ!)

横島(つでにポロリなんかも起きちゃったりして…デュフフっ!!)


横島「待っててボインちゃーんっ……ん?」



大和田「…ン?」


横島「なんだ大和田か」

大和田「…ンだよ、テメェか」

横島「ナニをこんな薄暗いとこでボーッとしとんのだ。仲良しの石丸はどうした?」

大和田「兄弟は見廻りだ。オレは…別にどーもしねぇ」

横島「ふーん…ま、いいや。どーでもいいし」




大和田「ノンキに鼻歌なんか歌いやがって…今の状況わかってんのか?」

横島「悩んだところでどーしよーもないからな。殺してでも隠したいような秘密でもなかったし」

大和田「…そうかよ」ッチ

横島「なんでぇ、ご機嫌斜めじゃねーの。そんなにマズイ事書かれてたんか」

大和田「…ッ」ギロッ

横島「なんだよ、そんなに睨むなって。たかが秘密じゃねーか」

大和田「ッ、るっせんだよ…! 転がされたくなかったらとっとと失せろ…ッ!」

横島「うぉうっ…急に凄むなよ、ビビるだろうが」

大和田「テメーみたいなヤツの相手するほど暇じゃねーんだよ…ッ!」

横島「へんっ、こっちのセリフじゃ! こんな一文の得にもならん会話なんぞよりもっと重要なミッションが俺を待っている!」

大和田「あぁ?」

横島「キサマとくっちゃべってる時間が惜しいっ! こんな所にいられるかっ、俺はプールに行くぞ!」ダダダッ




 <マッテテネ、アオイチャーン!




大和田「…ッチ、軽薄ヤローが」



大和田(オレは…オレには、あんなに楽観的に構えてる余裕はねぇ)


大和田(オレの秘密…オレとアニキだけが知ってる、あの秘密…)




 〈大和田クンは自分のお兄さんを殺した〉




大和田(バレるわけにはいかねぇ…他の誰にも知られちゃなんねぇ)


大和田(アニキとの最後の約束を守んねぇといけねぇんだ)


大和田(あんな軽薄野郎なんかとは、背負ってるモンがちげーんだ)



大和田(『男に約束』だけは、何があっても…っ!)ギリィ




不二咲「あ、大和田君だ」テコテコ

大和田「っ…不二咲か」


不二咲「だいじょうぶ? なんだか、恐い顔してたよ」

大和田「…別になんでもねぇよ。それより何か用か?」

不二咲「あ…うん。実は、ちょっと相談があるんだ」

大和田「相談だぁ?」


不二咲「うん。だからね、もしよかったら今夜―――」



あああ、ちーたんダメ・・・・・・

不味い……




 ―――水練場・更衣室―――



 ピピッ カション


横島「おー、開いた開いた。最近のセキュリティは凝ってんなぁ」

横島「水着は…コレか。さっさと着替えちまおう」ヌギヌギ


横島(俺の見立てによれば、葵ちゃんは悩みを体を動かして発散するタイプだ)

横島(動機が提示されたこの状況は、悩みの真っ只中と言って差し支えないだろう)

横島(そして『超高校級のスイマー』の彼女が体を動かす場所といえば、この水練場をおいて他にあるだろうか…いや無い!)


横島(ふっふっふ、今回はサウナの時と同じ轍は踏まんぞ! 先程からプールの方から飛沫を上げる音がするのを確認済みなんじゃ!)

横島(つまり葵ちゃんは今この瞬間、ここのプールで泳いでる可能性が極めて高い!)

横島(今こそっ、失墜した俺の評価をウナギ登りに爆上げする千載一遇のチャンス!!)


横島(俺のこの肉体美の前に、葵ちゃんはイチコロだっぜ!!)



横島「お待たせっ、俺だけの熱帯魚ちゃん!!」ガチャッ





大神「ヌウゥウウウウウウウウンッッ!!!」ザッパアァアアン!!



横島「くじらじゃねーか!!」

大神「ぬ…?(CV.くじら)」

ですよねー


大神「横島か。お主も水練に来たのか」バシャリ

横島「あ、はい(棒」

大神「ふぅ…」カミカキアゲ

横島(おぉう…うれしくないサービスシーン…)


大神「やはり水中は程よい負荷があって良いな」

横島「あのー…」

大神「なんだ」

横島「つかぬこと聞くが、葵ちゃんは一緒じゃないのか?」

大神「うむ。誘ってはみたのだがな、今はそんな気分ではないと断られてしまった」

横島「あー…葵ちゃん、けっこう繊細っぽいもんな」

大神「おそらく今頃は、一心不乱にドーナツを頬張っていることだろう」

横島(ヤケ食いで気を紛らわすタイプでもあったのか…判断を誤ったか)クソゥ

大神「それと、お主が来そうだからパスするとも言っていたな」

横島「読まれてる!? そこまで拒絶せんでもエェやないか!?」

大神「朝日奈は純粋な娘だ。お主のように下心ある言動を取る男に拒絶反応を示すのは無理からぬ事だ」

横島「ちくせう…俺が何したっていうんや…」

大神「…それはギャグで言っているのか?」


横島「葵ちゃんがいないんじゃ居ても仕方ねーな…ほんじゃまぁそーいうことd」

大神「待て」ガッシ

横島(きゃっ逞しい手…)


横島「…じゃなくて、ボクに何用でせうか…?」ビクビク

大神「いい機会だ。我の鍛錬に少し付き合ってもらうぞ」

横島「…なぜ?」

大神「最近のお主は少々目に余るものがあるのでな。我が直々に鍛え直してやろう」

横島「余計なお世話だよ!」

大神「朝日奈に近づきたくば、まずは我を納得させることだ」

横島「オメーは葵ちゃんのオトンか!」

大神「我は女だ」

横島「お前みたいなデカくて筋肉質な女がいるか!」


大神「」ゴゴゴゴゴゴ

横島「サクラチャンハ、カワイイデスヨ」


大神「案ずるな、少しばかり泳いでもらうだけだ」

横島「さ、さよか…それならあんしn」

大神「追走する我に追い付かれたら水練場の藻屑となってもらうがな」

横島「ちょっとしたパニックホラーじゃねーか!!」


大神「40秒で支度せよ。準備体操を怠るなよ」

横島「ちょ、ちょっと待て俺やるなんて一言m」

大神「残り30秒」ゴゴゴゴゴ

横島「ラジオ体操第一10倍速ッ!!」イチニサンシゴロクシチハチッ!

大神「では入れ」

横島「いえっさー!!」バチャン!


大神「5秒後に我もスタートする――始めッ!」

横島「ぬおおおおおぉ!!」バシャバシャバシャッ


大神「む、存外速いな…本気で行くか」

横島「無理しないでガボガボっ、流すくらいでおねがボガボボっ!」


大神「ヌゥウウウゥウンッ!!!」ザッパアァアアン!!


横島「いやぁああああジョーズやぁああッ!? モビーディックやぁああああッ!!?」



―――
――


中学生の頃に会っていればねぇ



大神「まさか本気の我から逃げ切るとはな…大した胆力だ」

横島「し…死ぬかと…思った…」ゼーハーゼーハー


大神(よく見れば此奴の身体、なかなかに鍛え上げられているな)

大神(しかもこれは筋力トレーニングの類で鍛えたものではない)

大神(あくまで自然な筋肉…それもかなり実践的な身の付き方をしている)


横島「な、なんだよ。ジロジロ見やがって」

大神「お主、何か武道の心得はあるか?」

横島「ブドー? ねーよンなもん、好き好んで痛い思いしたくないわい」

大神「む、そうか。かなり均整の取れた体付きをしているのでもしやと思ったのだが」

横島「まぁ毎日が死闘の連続だからな。逃げたり隠れたり殴られたり」

大神「なるほど、合点がいった。まったくもって感心は出来んが」


横島「つーか筋肉の話するためにプールに来たんじゃないんだよ! プールサイドで美少女とイチャイチャしたいんだよ俺は!!」

大神「正直は美徳だが、もう少し自重できぬのか」

横島「俺に一言も喋るなというのか!?」

大神「0か100かしかないのかお主は」


横島「クソゥ…美少女達とカラオケで盛り上がったりしたいよぅ…」メソメソ

大神「このような状況下でないのなら、それも有り得たのかもしれぬな」

横島「そーだなぁ…」




横島「…大神」

大神「なんだ」



横島「お前はこの先、また殺人が起こると思うか?」


大神「…お主はどう思う」

横島「起きて欲しくはないな」

大神「予想というより願望だな……だが、我も同意見だ」


横島「別に野郎がどうなろうと構いやしないし、むしろ積極的にくたばって欲しいんだけどよぉ」

大神「おい」

横島「でも…そしたら葵ちゃん、また泣いちまうだろ」

大神「…朝日奈は優しい娘だ。死したのが誰であれ、心を痛めて涙するだろうな」


横島「俺はオンナを不幸にする奴が大ッ嫌いだ」

大神「…」

横島「もう見たくねーんだよ。オンナのコが泣き崩れる姿なんて」


横島「さやかちゃんのような悲しい犠牲者が出んのは、もうたくさんだ」



大神「…そういう真面目な台詞も吐けるのだな。驚いたぞ」

横島「どういう意味じゃっ!」


大神「そういった姿を積極的に見せれば、周りの女子もお主を多少は見直すのではないか?」フッ

横島「まぜっかえすなよ…オメーだって葵ちゃんを泣かすヤツを許しちゃおけねーだろ」

大神「無論だ。朝日奈は親愛なる我が友、その瞳を涙で曇らせる者に容赦など無い」

横島「…容赦無さ過ぎてクロになるとかやめてくれよ?」

大神「…」

横島「黙るなよ!! こえーよ!!」


大神「善処はしよう。だが、朝日奈を守るためなら我は…」

横島「それで葵ちゃんを泣かしたら本末転倒じゃねーか」

大神「…我が朝日奈を泣かせる、だと…?」

横島「ったりめーだろ。お前に何かあったら、一番悲しむのは誰だと思ってんだよ」

大神「…そうだな」

横島「頼むから変な気は起こすなよ? オメーにクロ側に回られたら、こちとら完全に詰みなんだからな」カテルキガシナイ

大神「…」


横島「さて、一区切りついたところで俺は退散するとしようそうしよう」ソソクサ

大神「…待て」

横島「ひぃっ!? 鍛錬という名の拷問はもうやめてっ、ワイのライフはゼロよ!?」

大神「そうではない。一つ聞きたいのだ」

横島「あん?」






大神「もし…お主の大切なもの2つを天秤にかけられ、どちらか一方しか選べぬ状況に陥ったとき、お主ならどうする?」


横島「」ピクッ



横島「なんでンなこと訊くんだよ」

大神「少し参考にさせてもらうだけだ」

横島「一体なんの参考なんだか」


大神「それで、どうなのだ横島よ」

横島「さぁな。そん時になってみないとわかんねぇよ」

大神「…そうか」



横島「まぁ、敢えて言うなら」

大神「…?」




横島「自分が本当に正しいと思った方を選ぶんじゃねーか? それが絶対に後悔する選択だってわかっていたとしてもな」



横島「参考になったか?」

大神「…ああ。引き止めて済まなかったな」

横島「よしっ、ではサラバっ!!」サラダバー



大神「…」



大神(己が本当に正しいと思う道)


大神(その先に必ず後悔が待っていると承知した上での選択)


大神(我は…)




大神「我は、一体どうするべきなのだろうな…――」





 ―――寄宿舎・校舎連絡口前―――


横島「思いの外プールで時間を食ってしまった…これじゃ計画が完遂できん」

横島「いや諦めるな俺っ、今からでもまだ間に合う! 今すぐオンナのコとキャッキャウフフを――!」



舞園『横島くーん』フヨフヨ

横島「おろっ、さやかちゃん。こんなとこで一人で何してんだ」

舞園『お散歩です。私が死んでから開放された場所に行ってみようと思って』

横島「あー、だから校舎から出てきたのか」

舞園『その辺をふよふよ漂ってただけですけどね。扉は開けられないし、他の皆さんに声をかけるわけにも行きませんから』

横島「だろうなぁ……あり? 苗木は一緒じゃないのか?」

舞園『苗木君なら、さっき――』



―――
――



 ―――食堂―――


苗木「えーっと、どうかな?」


朝日奈「美味しいよー、苗木が淹れてくれたロイヤルミルクティー! ドーナツに良く合う!」モキュモキュ

セレス「ふむ…まぁ及第点といったところでしょうか」

苗木「ハハハ…厳しいなぁ」

江ノ島「アタシは味の良し悪しなんてわかんないから飲めればそれでいいよ」


セレス「ですが、努力次第では認めて差し上げなくもないですわよ? 貴方ならCランク以上も夢ではありません」

苗木「こ、光栄、なのかな?」


朝日奈「今度からドーナツ食べる時は必ず呼ぶから、また淹れてね苗木!」

江ノ島「それ毎日じゃね?」

苗木「毎日は大変だなぁ」

セレス「殿方が淑女をもてなすことに休みなどありませんよ」

朝日奈「そーそー、ドーナツ食べることに休みなんてないんだよ!」

苗木「たまには休んだほうがいいんじゃないかな…」

江ノ島「苗木センセーは朝日奈に暗に太るぞと仰ってるよ」ニヤニヤ

苗木「言ってないよ!? ボクはただ健康面のことを…!」

朝日奈「いーんだもんっ! ドーナツは別腹だから太らないの!!」

セレス「女性としては羨ましい限りの体質ですわね」

苗木「セレスさんもそういうの気にするんだ?」

セレス「当然です。体重は乙女の永遠の命題ですから」


江ノ島「アタシはあんま気にしたことないけどなぁ」

セレス「まっ、雑誌の専属モデルとは思えない発言ですこと。世の女性が聞いたら発狂しますわよ?」

江ノ島「へっ!?い、 いや、食べたら食べた分だけ運動するから自然と保たれるというかさ!」

朝日奈「あーわかるわかる、動いてお腹すいて食べてまた動いての繰り返しだもんね」

セレス「その『動く』という当たり前のことができない女性が多いのですがね。痩せたきゃ運動しろという話ですわ」

江ノ島「アンタ動かない女の代表じゃん」

セレス「動かないのでありません。優雅に振舞っていると仰って下さい」


朝日奈「うーん…体重の話してたらなんか心配になってきちゃった。ドーナツの量、少し抑えたほうがいいのかなぁ」

苗木「心配いらないと思うよ? 朝日奈さんスタイルいいし」

朝日奈「へっ!?」


セレス「苗木君、それはセクハラと受け取られても仕方ない発言ですわよ」

江ノ島「ちょっと勘弁してよ。セクハラは横島だけで十分なんだっての」

苗木「い、いやっそんなつもりじゃ!?」アタフタ

朝日奈「そっ、そーだよね、純粋な褒め言葉だよね! あははは…///」

苗木「ハハハ…///」

江ノ島「なーに二人して顔赤らめてんだよぉ」ウリウリ

セレス「ウブですのね。可愛がって差し上げましょうか?」

苗木「か、からかわないでよ…」









横島「――楽しそうだなぁオイ」ニコニコ


苗木「ッ!?」ビクゥッ



苗木「よ、横島クン…いたんだ…?」ヒクヒク

横島「居ちゃ悪いかね苗木誠君」ニコニコ

苗木「ニコニコしてるのに目が笑ってないよ!?」

横島「いいからなにしてたのか簡潔に述べろ」ニコニコ


苗木「その…ボクもみんなと話そうと思って部屋を出て」

横島「おう」


苗木「校舎の方へ行こうとしたら食堂の前でセレスさんに会って」

横島「ふむ」


苗木「そのまま捕まって、それで給仕をするように指示されたところにドーナツ抱えた朝日奈さんが来て」

横島「ほう」


苗木「用意しようと厨房に入ったら、江ノ島さんが水飲んでて」

横島「それから?」


苗木「折角だから一緒にお茶会しようってことになって…」



横島「有罪<ギルティ>ッ!!」

苗木「待ってッ! 控訴、控訴ッ!!」

横島「棄却するッ!! くたばれッ!!」

苗木「理不尽!?」

横島「うるせぇッ! 俺が死の恐怖と戦っている間ずっとキャッキャウフフしやがってッ!!」

苗木「死の恐怖!? 一体何してたの!?」

横島「チキショォオオなんでいつもお前ばっかぁああああ!!」ドドドッ

苗木「ボクに言われてもぉおおおお!!」ダダダッ



セレス「相変わらず1人で10人分は賑やかな方ですこと」

江ノ島「もうちょっと大人しくなんないもんかなアイツは」


朝日奈「苗木もいなくなっちゃたし、ここからはガールズトークだね!」

セレス「ですわね」

江ノ島「まぁいいけど」

セレス「では紅茶のおかわりを所望しますわ」ニコリ

江ノ島「自分で淹れろ」

朝日奈「まぁまぁ、今度は私が淹れてくるよ」

セレス「頼みましたわ」

朝日奈「頼まれましたっ!」

舞園『盛り上がっていきましょう!』

朝日奈「おー!」

江ノ島「やれやれ…」






江ノ島「…ねぇ、今一人多くなかった?」

朝日奈「そぉ?」

セレス「気のせいではありませんか?」

舞園『♪』



ここまでよ。
また更新遅れるかもだけど、気長に待ってれると嬉しいよ。

まってるよ

乙なんだよ
次回も待ってるんだよ

乙乙


気長に舞ってる


マスコットと化した舞園さんかわいい

待機保守

早く


生存報告だよ
長いこと音沙汰なくてゴメンナサイだよ。いろいろバタバタしてたんもんでよ
更新はもうちょっと待っててくださいな

まってるよー!

ほいほい

早く

なかったので前スレ
苗木「超高校級のゴーストスイーパー?」 - SSまとめ速報
(ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379905104/)

1よい、そろそろまた生存報告せんと落ちるぞ。
24日までだぞ、気を付けろ

生存報告だよ
現在大幅な修正を敢行中
重ね重ねごめんね

トリップつけたほうがいいと思う

はやく

まだ?

舞園さん生きてる時より楽しそうだなwwww

2ヶ月経っちゃうし生存報告欲しいな

まだ?

二カ月経っちまった

経ったのに落ちてない?

【Fate】無人の戦場で聖杯戦争が行われる様です18【安価】
【Fate】無人の戦場で聖杯戦争が行われる様です18【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1412761162/)
苗木「超高校級のゴーストスイーパー?」舞園『リポート2!』
苗木「超高校級のゴーストスイーパー?」舞園『リポート2!』 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402235677/)
二ヶ月

誤爆スマン

ふぁっ!しまった!!

おお来ていた
けどこの場合どうなるんだ??

ふぁっ!しまった!! で酉消してるから別人じゃないの?
依頼されてるから>>1じゃなければそのうち落ちるんじゃない?

タイムリミットか
残念だ

生存報告だよ
筆が進まなくて…、待たせてごめんよ
きっと続きは書くから、今しばらくお待ちを

おぉっ?

前からここの1は酉つけてなかったからなぁ……
本当に>>300が1ならhtml化依頼は無効になる?かもしれんがどうなるか

うう……ごめんなさい。酉外すの忘れてて……
以後気を付けます。


待ってます

生存報告だよ トリップってこれでいいのかな
新年早々、ウィルス性腸炎でくたばりそうだったよ



予告します
今日続きを投下する…予定
出来てる分だけだけど、なんとかやってみるよ

ラストシーンの構想ばかり練ってしまうのはなぜなのか
完結できるようがんばるよ

待ってた 期待してる

中々の原作再現度なんで自信持ってくれ

待ってるべ!


筆が進まないのも更新が滯るのも、すべて妖怪の仕業

責任転嫁しながら投下開始



 ―――夜時間・横島の部屋(トイレ)―――



横島「ったく、苗木のヤローめ。一人だけイイ思いしやがって…」ブツクサ



横島(結局、大してオンナのコ達とスキンシップできないまま夜時間を迎えてしまった)

横島(出来たことといえば、もろこしヘッドとの一銭にもならない会話と、クジラ女とのスキンシップ(殺意)くらいのもんだ)

横島(成果は散々。いつになったら俺は報われるのであろうか…)


横島「明日になったら俺の秘密も公になるんだよなぁ…」

横島「そしたらまた俺の株が大暴落…どうせ落ちるなら情熱的な恋に落ちたいわぃ…」シクシク





横島(…何事もなく夜が明けてくれりゃいいんだけどな)


横島(なんで俺がこんな気を揉まなきゃならんのだ。クソッタレめ)

横島(それもこれもあのクマ公のせいだ。アイツがこんな手紙なんて寄越さなきゃ…)ガサガサ


横島「…ん?」カスッカスッ


横島「っ!? 封筒しかねぇ!? 中身が消えちまってる!?」スッカラカン


横島(苗木と追いかけっこしてる間に中身が零れちまったのか?)

横島(…まぁ、どーせ明日になりゃ全部バレちまうんだし特に問題は――)



横島「…いや待て。もし万が一、あのクマ野郎が―――」



モノクマ『秘密バラすのやっぱ無しね!』



横島「――なんてキマグレ起こす可能性はゼロじゃない…よな」

横島「そんなことになったら、マヌケにも俺の秘密だけが白日の元に晒されて…」





霧切『これは一体どういうことかしら』

腐川『や、やっぱり汚物だったのね…いいえ、汚物以下よ…!』

セレス『ジロジロ見ないでください。不快です。死にます』

朝日奈『この変態! ド変態! 変態大人!!』

江ノ島『失望しました。横島のファンやめます』




横島「なんてことに…!!」アワワワ


横島「こうしちゃおれん、すぐに回収せねばっ!」バンッ ダダダッ





 ―――同時刻 水練場・男子更衣室―――



 ピピッ カション

  ガチャ


大和田「不二咲…は、まだ来てねぇか。ちっとばかし早く来すぎちまったか…」



不二咲『今夜、水練場の更衣室に来て欲しいんだ。大事な話があるから…―――』



大和田(いつになく真剣なツラで頼んできたから、とりあえず了承して来ちまったが…)

大和田(不二咲のヤツ、一体何の用でこんなトコに呼び出したんだ…?)

大和田(こんな誰もいねー深夜の更衣室なんかに…)


大和田「っ!まさか…ッ!」





大和田「いわゆる――告白ってやつか!?」ゴーン


大和田「…いや、ねーわな。こんなタイミングで」ナイナイ


大和田(そうだ、あるわけねェ。秘密の暴露が明日に迫ったこの状況で)

大和田(横島のヤローじゃあるめぇし、不二咲がンなフヌケたこと考えるなんてねぇハズだ)


大和田(そう、こんな…誰かを殺さねぇと、全部終わっちまうような、こんな時に…)



大和田「アニキ…っ」ギリィ




 ピピッ カション


大和田「ッ!」


  ガチャ


不二咲「大和田君っ、お待たせ!」パタパタ

大和田「っ、…よぉ」


不二咲「ごめんね遅くなって。僕の方から誘ったのに」

大和田「別に構いやしねぇ、そんなに待ってねーからよ」

不二咲「そっか、よかったぁ」ホッ



大和田「…で、話ってなんだよ。そのために俺を呼んだんだろ?」

不二咲「あっ、うん…それは…」

大和田「しっかしよぉ、話なら別にどっか別んトコでも良かったんじゃねーか? なんだって更衣室なんかで…」




大和田「―――ちょっと待て、不二咲……なんでオメーが『男子更衣室』に入れてんだ?」

不二咲「っ」


大和田「うっかり忘れてたけどよ、“女”は男子更衣室には入れないんじゃなかったのか?」

不二咲「…っ、うん。そのことも含めて、全部説明するよ」


不二咲「―――僕の、秘密について」





 ―――寄宿舎・食堂前―――



横島「落っことしたとしたら、やっぱこの中だよな」ガチャッガッチャ

横島「…ダメだ、閉まってやがる。とっくに夜時間だもんなぁ」

横島「ピッキングも…無理そうだな。鍵穴が無ぇからどうしようもない」


横島「…」



横島「…万策尽きた」ゴーン



横島(…終わった。終わってもうたよワイのハーレム計画)

横島(今までの苦労は水の泡。立てたフラグも全部オジャン)

横島(ぼくもう疲れちゃったよシロラッシュ…なんだかとっても眠いんだ…)



横島「もうだめだぁ…おしまいだぁ」

セレス「なにをヘタレているのですか貴方は」

横島「どぅわあぁ!?」ビックリ


横島「セ、セレスちゃんか。あーびっくりした」

セレス「ごきげんよう…と言いたいところですが、夜歩きとは感心しませんわね」

横島「あ、いやぁその、ちょいと探し物をですねハイ」アセアセ

セレス「拘束力は無い自主的ルールとはいえ、こうも破る方ばかりですと提案した身としては些か物悲しいですわ」ヨヨヨ

横島「セレスちゃんも出歩いてるやん」

セレス「黙らっしゃいな色情魔」

横島「えぇー…」



セレス「それで、探し物でしたかしら。こんな時間に一体何を?」

横島「心配してくれるんやな! セレスちゃんやっぱり俺のことを!」

セレス「訊かれたことだけ答えろビチグソがァ!!」

横島「ひぃ! ひ、秘密の手紙を探しておりますぅ!!」

セレス「よろしい」ニコッ


横島(うぅ…相変わらず、美神さん的な女王様気質やなぁ)


セレス「例の動機の件ですわね。失くされたのですか?」

横島「いつの間にかどっかいっちまっててさ」

セレス「とんだオマヌケさんですのね」

横島「うぐ、グゥの音も出ない…」


セレス「それでこんな夜更けに廊下をカサカサ這い回っているんですのね」

横島「人を虫みたいに…。まぁそーいうこっちゃ、誰かに拾われでもしたらと思うと気が気じゃないわい」

セレス「別に構わないのではなくて? 明日になればどうせ知られてしまうことなのですから」

横島「しかし精神衛生上良くないというか、万が一があるというか…いや変な意味でなくてな」

セレス「これからもこの学園で生活を送る以上、そこは割り切って考えるべきかと思いますわよ」


横島「…これからも、か」

セレス「言ったでしょう? 生き残るのは変化を受け入れた者だけだと。貴方も早く適応することですわね」


横島(…適応ねぇ)


横島「あ、さっき『ルールを破るヤツばかり』っつってたけど、俺以外にも誰かいたのか?」

セレス「えぇ。先程、倉庫で不二咲さんを見かけましたわ」

横島「千尋ちゃんを?」

セレス「カバンにジャージを詰めてそそくさと走っていかれました。なにやら急いでいたようですが」


横島(そーいやぁ、今夜あたりから体鍛えるとか言ってたっけか。てことは今頃水練場に…)


横島「あ」



横島『水着は…コレか。さっさと着替えちまおう』ヌギヌギ



横島「もしかしてあの時に落っことして…。サンキューセレスちゃん!」

セレス「?」

横島「おやすみ、いい夢を!」スタタタッ



セレス(本当、慌ただしいおバカさんだこと)



セレス(…まぁ、駒としては扱いやすそうではありますがね)ニィ




―――
――




不二咲「―――というワケんだ」


大和田「マジかよ……オメーが、オトコ…!?」

不二咲「…黙ってて、ごめん」



大和田(オイオイ…告白は告白でも、トンデモねぇ類のヤツだぜこりゃあ…)

大和田(コイツは、ずっと本当の自分を隠して生きてきたってのか)

大和田(知られたくない本当の真実をずっと、ずっと隠して…)


大和田(なら、どうして…)


大和田「どうしてだ」

不二咲「え…」


大和田「どうして、それを俺に話した」

大和田「テメーにとっちゃ、絶対に知られたくない事だったんだろ。なのにどうして…」



不二咲「ガッカリさせたくなかったんだ」


大和田「が、っかり…?」


不二咲「僕は、弱い自分がずっと嫌いだったんだ。今も嫌いだよ」

不二咲「ずっと変わりたいって思ってたんだ。弱っちい僕じゃなくて、強くて男らしい新しい自分に」

不二咲「だから…ずっと憧れてたんだ。強くて、カッコよくて、自信に満ち溢れた、男の中の男みたいな…そういう人に」

不二咲「そんな人には、僕みたいに弱っちい悩みなんかないんだろうなぁって」


大和田「…っ」





不二咲「でも、それは違うんだって教えてもらったんだ」


不二咲「ある人にね、『キミみたいに自信にあふれた人間になりたい』って言ってみたんだ」

不二咲「僕から見たら、その人は失敗を恐れないで突き進む自信に満ちたスゴイ人だったから」

大和田「…」


不二咲「そうしたらその人は、『自信なんかない。一番信じられないのは自分だ。自分なんか大嫌いだ』って怒ったんだ」

不二咲「僕と同じだったんだ。同じようにコンプレックスを抱えて、同じように自分が嫌いで、傷つくのが怖くて…」


不二咲「だから訊いたんだ。どうして躊躇わないのかって」

大和田「…それで、なんつったんだよ」

不二咲「『それが自分だからどうしようもない』だって」

大和田「…はぁ?」


不二咲「嫌でも怖くても、そうやって動いちゃうのが自分ていう人間だから、もう変えようがないんだって」


大和田「…参考になんねぇじゃねーか」

不二咲「うん。僕も、そういう風にはなれないって思った」

大和田「なら…」


不二咲「『ならなくていい。そんなことしたら“不二咲千尋”が消えちゃうぞ』」


大和田「…?」

不二咲「自分を取り替えて違う“誰か”になったら、“不二咲千尋”を信じてくれた人がガッカリしちゃうんだって…そう教えてくれたんだ」


不二咲「僕、わかったんだ。変わるってことは、弱い自分を捨てることじゃないって」

不二咲「弱くて嫌いな自分でも、信じてくれてる人が必ずいるんだって」

不二咲「弱くて嫌いな自分を認めて一緒に成長するのが、本当に自分らしいってことなんだって」


不二咲「だから、もう自分を偽って目を背けるのはやめようって…そう思った」


大和田「…ッ!」


不二咲「大和田君はこんな僕を信じて『男の約束』をしてくれた。それがすごく嬉しかった」

不二咲「だからこそ…信じてくれた大和田君を、これ以上『ウソの僕』でガッカリさせちゃうのはイヤだから」

不二咲「だから大和田くんには、ちゃんと直接言わなきゃって思ったんだ」


不二咲「僕を信じてくれた大和田君には、『本当の自分』の口から真実を伝えなきゃって。そう、思ったんだ」


大和田「不二咲…」


不二咲「今まで騙してて、本当にごめんなさい」


大和田「…」



大和田(弱ぇヤツだと思ってた)


大和田(ちっこくて。細っこくて。小突いたらすぐ倒れちまうようなオンナだと思ってた。なのに…)


大和田(偽りの自分とタイマン張って、テメー自身と真っ向からブチ当たって…)


大和田(…ンだよ。なんだよ、コイツ…)





大和田(――コイツ……すげぇ強いヤツじゃねェか…)



大和田(俺に、同じことが出来るか…?)



大和田(…いや、違う。ンなことする必要ねぇ。しちゃいけねぇんだよ)


大和田(俺には『約束』がある。アニキと交わした鉄よりも固い誓いが)


大和田(そうだ、俺は背負ってるモンが違う。強い俺で有り続けると決めたんだ…ッ)


大和田(突き通さにゃならねェんだ…チームを守るためには、この嘘だけは絶対…ッ!)


大和田(『男の約束』だけは、たとえ死んでも…ッ!!)




不二咲「大和田君…?」

大和田「ッ!」ビクッ


不二咲「やっぱり、怒ってるよね…?」

大和田「っ、い、いや、そうじゃねぇ。驚いて混乱しちまってよ」

不二咲「あっ、やっぱり驚いたよね」


大和田「そのナリで男だとは誰も思わねぇからよ、ちっとばっか面食らっちまっただけだ」

不二咲「うん。だからね、大和田君にトレーニングの協力をして欲しいんだ。ちょっとずつでも成長したいから」

大和田「そうか…いいぜ、付きやってやるよ」

不二咲「ありがとう! じゃあちょっと待ってて、すぐ着替えるから!」


大和田「…」



大和田(夜が明けたら、否応なく俺達の秘密は世間にばらまかれる)


大和田(秘密を――『約束』を守るには、誰かが殺されなきゃなんねぇ)


大和田(オレが やらなきゃ やくそくを アニキを)




不二咲「~♪」ゴソゴソ





大和田(今なら―――)スッ…





大和田(――ッ! なに考えてんだ俺はッ!!)


大和田(不二咲をどうしようとした俺は!? バカ言うなッ、ンなこと出来っかよっ! コイツは俺を信じて秘密を…ッ!)


大和田(ならどうしろってんだ!? 俺に同じことをしろってのか!? 全部ぶちまけて台無しにしろっていうのかよ!!)


大和田(俺は強いんだ…ッ!! 誰よりも!コイツよりもっ!アニキよりもッ!!)


大和田(俺は…オレは…ッ!!)






不二咲「――あれ?」

大和田「ッッ!!」ビクッ!


不二咲「…コレ、なにかなぁ?」

大和田「な、なンだよ…?」

不二咲「コレ、ロッカーの中に入ってたんだけど」

大和田「…紙?」ヒョイ


大和田「なんか書いてあんな…」カサカサ

不二咲「なんだろう…」ノゾキコミ






〈1:横島クンは女性の盗撮写真を複数枚所持している〉




大和田「コイツは…」

不二咲「! これって、横島君の秘密の…」

大和田「なんで更衣室なんかに…」




〈2:横島クンは覗きポイントのタイムテーブルを作成している〉


〈3:横島クンは上司の下着を物色するのが日課である〉


〈4:横島クンはチカン容疑で逮捕経験がある〉


〈5:横島クンは女子に裸を見られることに興奮を覚える〉


    ・
    ・
    ・



大和田(揃いも揃ってくっだらねぇ秘密ばっかじゃねぇか…)


大和田(…そりゃそうだ。じゃなきゃ、あんなヘラヘラしてられるワケがねぇ)


大和田(…俺は違う。あんなお気楽ノーテンキ野郎なんかとは、背負ってる重みが違う)


大和田(俺には義務がある。アニキが託したモンを死んでも守り抜く義務が)


大和田(たとえ、どんなことをしてでも――…)


不二咲「ど、どうしよう。勝手に見ちゃった…怒られちゃうよ」オロオロ

大和田「…っ。別に構いやしねぇだろ。こんなトコに置き忘れるくらいどうでもいいことなんだろうからよ」

不二咲「で、でも――……っ!!」

大和田「? どうした?」


不二咲「こ、これ…最後の項目…っ」


大和田「あン? 最後のって…――」












〈10:横島クンは自分のカノジョを殺した〉






大和田「―――ッ!!?」



大和田(自分のオンナを殺した…だと?)


大和田「…ンだよコレ…」

不二咲「よ、よこしま君が…これってどういう…」






 ピピッ カション


不二和田「「っ!?」」ビクッ




横島「WAWAWA忘れ物ぉ~っと」ガチャ


大和田「っ!!」

ダンロン世界のイレギュラーのはずなのにルシオラの件を知ってるってことは
最終的に霊能合戦かな


不二咲「よ、横島君…」

横島「お、やっぱココに居たか千尋ちゃん。…あれ、大和田までいやがる」

大和田「なんでテメェがここに…」

横島「うっせ、探しモンだ探しモン」

不二咲「探し物って、もしかして…」スッ

横島「おお! やっぱここにあったか俺のシークレットメモリーズ!」


大和田(コイツ、置き忘れた秘密の紙を取りに来ただけか…)



大和田「…オイちょっと待てよ。テメェなんで不二咲が男子更衣室にいるのに平然としてんだよ。しかも『やっぱり』とか言いやがったよな…?」

横島「あ、ヤベ…い、いやーんっちひろちゃんのえっちーここはだんしこういしつだよー(棒」

大和田「白々しすぎんだよ!」

不二咲「大丈夫だよ横島君。大和田君にはさっき話したから」

横島「なーんだ」ホジホジ


大和田「…テメェ、不二咲が男だって知ってたのかよ」

横島「ん? ああ、昨日聞いた」


大和田(…つーことは、さっき不二咲が言ってた『あるヤツ』ってのは…まさかコイツの…)




大和田(なんでだ)


大和田(なんでコイツにそんなアドバイスができる)


大和田(こんなノー天気野郎に。こんな軽薄男に。こんな、自分のオンナを…)


大和田(こんなヤツが、どうして俺より…!)



横島「それより、そろそろソレ返してくれんかな。秘密を握られてると思うと精神に悪い」

不二咲「あ…ご、ごめん! 勝手に読んじゃって」

横島「別に野郎に見られる分には構わんけどな。女子にバレたらドスケベ大王だと思われちまうぜ」

不二咲「それはもう今更な気がするけど」

横島「言うようになったなオメー…いいか、オンナのコたちには言うなよ? 絶対言うなよ!?」


大和田「ソレ、どういう意味だよ」

横島「フリじゃねぇからな!? こんなんバレたらエロ汚物扱いされちまう…」


大和田「そこじゃねぇ!! テメェが自分のオンナ殺したってのはどういう意味か訊いてんだ!!」

横島「!」


不二咲「お、大和田くんっ、ダメだよ!」

横島「なんでテメーにンなこと…」

大和田「答えろっ横島!!」


横島「…」





横島「言葉通りの意味だ。俺は、俺を好きだと言ってくれたオンナを死なせちまった」


不二咲「っ!」


大和田「…詳しく話せ」

横島「偉そうに…まぁいいや、かいつまんで話すぞ。全部説明すると平安時代まで遡んねーとなんないからよ」

不二咲(へいあん?)


横島「俺はとある事情で、俺の上司に敵対する組織にスパイとして潜入したんだ。情報を得るためにな」


横島「その女――ルシオラは、その敵組織の幹部だった」


不二咲「…外人さん?」

横島「外人というか人外というか…まぁそこはいい」


横島「で、いろいろあってルシオラは俺を好いてくれるようになった」

横島「俺のためなら親玉を裏切れる。俺になら抱かれてもいいっていうくらいにな」

不二咲「抱かっ…///」カァ


横島「けど、裏切れば命はない。生殺与奪の権利は全部親玉が握ってた。そういう契約のもとにアイツはいた」


横島「だから俺は約束した。必ず俺の手で親玉をブッ倒してやるってな」

大和田(約束…)




横島「戦いが最終局面に入ったとき、親玉は切り札を用意してきた。世界を自分の思い通りにできるバカでかい装置をな」

大和田「あぁ?…なんだそりゃ…?」

不二咲「そんなすごいものが本当にあったの?」

横島「そんなもんが創れちまうヤツだったんだよ。装置を起動させられたら負け、その前に破壊できれば俺らの勝利。そんな状況だった」



横島「…そんな中、俺は無茶をして飛び出して、敵の攻撃を受けて死にかけた」


横島「そしてそんな俺のためにアイツは…ルシオラは、自分の命を差し出して…」



横島「俺の身代わりになって―――死んじまった」


大和田「っ…!」

不二咲「そんな…」


大和田「…スパイだの攻撃だの、突拍子もねぇ単語ばっかだな」

横島「かいつまんで話すっつたろ。詳細は面倒だから省く。説明してやるだけありがたく思え」

大和田「族同士の抗争みてぇなもんか?」

横島「…まぁ、ザックリ言えばな」


不二咲「その人は、どうにもならなかったの…?」

横島「ひとつだけ。親玉の切り札である装置、ソイツを使えばルシオラを蘇らせることができた」

不二咲「じゃぁ…!」


横島「だが状況は切迫してた。装置の起動を許しちまえば、もう取り返しがつかない。事態は一刻を争ってた」



横島「そして、最後の最後。装置をどうにかできる場所にいたのは、俺だけだった」


大和田「…てめぇは、どうしたんだよ」



横島「ブッ壊したよ。俺自身の手で」


不二咲「っ…!」

大和田「…」


横島「詰まる所、俺は俺に惚れてくれたオンナを二度も殺しちまったってことだ」


不二咲「そんな…そんなのって…」グスッ


大和田「テメェは、その秘密がバレても構わねってのか」

横島「秘密って言っても同業者なら知ってる奴も多いし、絶対秘匿しときたいものでもねーよ。好んで吹聴したいとも思わんけどな」




大和田「…後悔しなかったのかよ。オンナ死なせて、助ける手段も自分でブッ壊してよ」


横島「死ぬほど後悔したに決まってんだろ。わかりきった事聞くなアホんだら」




大和田「…っ!ッならなんでテメェはそんなに飄々としてられる!?」ガッ!

横島「ぐぇっ!?」エリツカマレ


不二咲「お、大和田君っ!」




大和田「テメェのために大事なヤツが一人死んで! なのになんでヘラヘラしていられる!? どうして変わらないでいられんだ!?」


大和田「俺は違う!! テメェみたいに全部忘れて軽薄になんかしてられねぇ!!強い俺じゃねぇといけねんだ!!」


大和田「秘密背負って!でけぇモン託されて!約束守んねぇとならねんだよ!!」


大和田「テメェにとっちゃその程度の軽い存在なのかもしれねぇがなぁ!!俺は…俺は――!!」










横島「じゃかーしい!! 顔面が暑苦しいんだよトサカ野郎ッ!!」ガゴォン!!

大和田「ごがっ!!?」


不二咲(ず、頭突き…!!)ヒェェ


横島「さんざん他人の過去を根掘り葉掘り聞いた挙句キレてんじゃねーっての!! 情緒不安定か!!」

大和田「こ、ンヤロウ…俺にチョーパン喰らわすなんざ…!」


横島「大体さっきからワケわかんねーこと捲し立てやがって! テメーの事情なんか知ったことかってんだこのチキンヘッド!!」

大和田「チキ…ッ! てめ今なんつった!?」

不二咲「喧嘩はダメだよぉ!!」ハシッ ←腰にしがみついてる


横島「だいたいなぁ! ルシオラが軽い存在だぁ!? 全部忘れてヘラヘラぁ!? んなわけあるかこのスットコドッコイ!!」

大和田「アァン!!? ならなんでオンナを助けなかった!? てめぇになら出来たんだろうが!!」



横島「そんなことアイツが望むハズねぇからに決まってんだろッ!!」


大和田「ッ!?」


横島「俺は約束した! 必ず俺の手で決着つけるって!」

横島「他の誰かじゃなくてっ、俺が戦って!俺が勝つって!」


横島「アイツは…ルシオラはその言葉を信じて俺の命を救ってくれた。俺に全てを託してくれた。俺を好きだと言ってくれたんだ」


横島「それなのに、テメェの身が可愛いからって…」

横島「自分の手を汚したくないなんて理由で約束破るなんて、ンなことできるかってんだよ!」



大和田「…ッ!!」

不二咲「…横島君」 ←まだしがみついてる


横島「アイツが消えちまって死ぬほど後悔したし、喉が裂けるくらい泣き叫んだ」

横島「ガラにもなく、アイツのためにおフザケ抜きに生きてみようかなーなんてことも考えた」


不二咲「…でも、横島君はそうしなかったんだね」

横島「言ったろ、ガラじゃなかったんだよ。そんな俺は無価値だし、周りの誰も求めてなかった。もちろん、ルシオラもな」

大和田「…」



横島「バカでスケベでヘタレな煩悩丸出し男の横島忠夫を、アイツは好きなってくれたんだ」



大和田「字面だけ聞くと正気とは思えねぇな」

横島「やかましいわ!!」


不二咲「すごい女の人だったんだね。そのルシオラさんて」

横島「キサマまで言うか!!」

不二咲「そっそういう意味じゃなくて! 好きな人のためにそこまで出来るなんてすごいなぁって!」

横島「ヌ…」

不二咲「好きな人のために自分を貫いたんだよね…」


横島「…あぁ、そうだな。アイツはスゲェ女だったよ」


横島「アイツと出会えたことや過ごした時間は俺にとっちゃ掛け替えのない大事なモンだ。そこに後悔なんてない」

横島「フタして閉じちまったら、アイツの覚悟も想いも、全部否定しちまうことになっちまうからよ。忘れるなんてできないし、する気もない」


横島「だから、もう落ち込むのはヤメにしたんだ」



大和田「…」

不二咲「…強いね。横島君も、その人も」

横島「俺はただ、アイツをガッカリさせたくないだけだよ」



横島「それに…いつか生まれ変わったアイツに逢うまでは、ちゃんと胸張って証明してやんねーとならないからさ」

不二咲「? 証明って?」

横島「決まってんだろ。アイツにはちゃーんと男を見る目があったってことをだよ」


大和田「…いい女だったんだな」


横島「ったりめーだろ。なんたって世界と天秤にかけて釣り合っちまうオンナだからな」



横島「そして目下の目標は、その生まれ変わりを産んでくれるイイ女としけこむことなんだけどな!」ガハハ

不二咲「もう、横島君たら…」クスクス

大和田「…」





大和田(――強ェな)


大和田(ほんとに強ェよ。不二咲も。横島も。そのルシオラって女も)


大和田(…アニキも、同じくれぇに強ェ男だった)




大和田(強い俺でないといけないと思ってた)

大和田(背負ったモンを顔色ひとつ変えず軽々持ち続けてられるくれーに)

大和田(チームを守るためには、そうする以外に道は無いって思ってた)



大和田(…けど、それがアニキの求めてた俺だったのか?)




大和田(アニキは最期に言った―――『チームを守れ』って)

大和田(『ウソを貫き通せ』でもない。『強いお前で有り続けろ』でもない)

大和田(俺を信じて。俺になら任せられると思って。だから俺に託してくれたのか?)


大和田(俺のやり方で……他の誰でもない“大和田紋土”だから信じてくれたんじゃないのか?)



大和田(――で、俺は今の今まで何をしていた?)

大和田(なんてこたぁねえ。『約束』って言葉を楯にして逃げ回ってただけじゃねぇかよ)





『テメーの事情なんか知ったことかってんだこのチキンヘッド!!』



大和田(チキンヘッド、か……『臆病な総長』ってか? ヤローの言う通りじゃねぇか)

大和田(『男の約束は死んでも守れ』なんてよく言うぜ……守る以前の問題だ。まだ始めてすらいなかったんだな)

大和田(非難されんのが怖くて。見放されんのが恐ろしくて。テメェの身が可愛くてよォ)


大和田(…すまねぇな。すまねぇアニキ)








大和田(俺が、弱かったんだ)







横島「―…うグっ…!」ガク



大和田「っ、オイ!」

不二咲「よっ横島君…!?」



横島「お、俺に…さ…触ん、な…」ヒザツキ

不二咲「もしかして、さっきの頭突きで脳にダメージが…!?」

大和田「おいしっかりしろ!」



横島「お…」

不二和田「「お?」」





横島「男相手に長々シリアスやってたら気分が…」ウプッ

大和田「どんな体質してんだテメェは!!」

不二咲「とことんギャグ気質なんだねぇ」



横島「見っけるもんも見っけたし、俺ァ帰って寝るぞ」フラリ

不二咲「あ、よかったら横島君も一緒にトレーn」
横島「断る!!」

不二咲「否定がはやいよぉ…」

横島「こんな男臭い場所にいられるかっ! 俺は部屋に戻るぞ!!」

不二咲「フラグ立てちゃだめぇ!」

横島「アデュー!」 ガチャ バタン





不二咲「やっぱり横島君は横島君だね」

大和田「…あぁ、そうだな」



大和田「…なぁ、不二咲」

不二咲「なに?」


大和田「今日のトレーニング、ナシにしてもらっていいか」

不二咲「え…あの、やっぱり迷惑だった?」

大和田「ちげーよ。まぁ、ヤローの言葉を借りるなら…」

不二咲「?」


大和田「オメーをガッカリさせたくないから、だな」


不二咲「それって…」

大和田「オメーには話しておきたい…いや、話さなきゃなんねぇ」




大和田「俺がずっと隠してた『秘密』について―――」






―――
――






 ―――翌朝・食堂―――



横島「ふぁ~ぁ…ねみぃ…」ノソノソ


苗木「あ、横島クンおはよう」
石丸「グッモーニン!!」
大神「…ウム」
朝日奈「おはよ」


横島「うぃっす葵ちゃん。今日も…ん、なんか元気ない?」

朝日奈「え…あー、うん。昨日の今日だし、ね」

苗木「そうだね。何事もないのが一番だけど、無いなら無いで…」

大神「それ即ち、我らの秘密が世間に公表されるということだからな」


横島「ま、なるよーになるって。意外とクマ公も気紛れ起こして『やっぱナシ!』とか言い出すかもしれねーし」

石丸「その通り! 楽観的ではあるが良い事を言うではないか横島君!」


朝日奈「よく言うよ。秘密の手紙失くして夜中に大慌てで探し回ってたクセに」

横島「えっなんで知ってんの!?」

大神「我と朝日奈はその時間、大浴場の脱衣所に居たのだ。セレスとの会話が筒抜けであったぞ」

横島「」


苗木「え、そんな時間にお風呂?」

石丸「君達! 夜時間は出歩き禁止だとあれほど言ったはずだぞ!!」

朝日奈「え、えーと…そう、例によって私が不安で眠れなくて、それでさくらちゃん一緒に居て貰って、それで気を落ち着かせるためにお風呂にでもって…ね?」

大神「…うむ。概ねそう言った処だ」


石丸「そういった理由であったか…。規則違反は容認できないが、今回は大目に見ようじゃないか」

朝日奈「それはどーもありがと」

大神「感謝する」

石丸「だが横島君っ、君は別だぞ! 今の話によればセレス君も一緒だったそうじゃないか!! そんな時間に男女が密会するなど…!!」


横島「」


石丸「む…?」
苗木「横島クン?」



横島「なんで気付かなかった!! なんで覗かなかったんだ昨夜の俺ェ!!」ウォーン!!

石丸「なっの、覗き!? 君という男は!! 破廉恥な言動は慎むようにと以前から…!!」

苗木「なんだ、いつもの病気か」
大神「だな」
朝日奈「サイッテー」


江ノ島「おっはー」

朝日奈「あ、おはよう江ノ島ちゃん!」

苗木「今日も早めだね」

江ノ島「まぁね。見直した?」ピース



横島「盾子ちゃんっ傷心な俺を君のボディで慰めてぇー!!」

江ノ島「フンッ!!」ドボォッ!!

横島「ぼでぃっ!!?」ストマック!!


大神「綺麗に決まったな」
苗木「イイのが入ったね」
朝日奈「しばらく息できないよアレ」


横島「●※ッ□っ、#▲ッ…!っ」パクパク

石丸「まだ話は終わっていないぞ横島君! そもそも僕達は学生という身分に重きを置いてだな――…!!」クドクド




江ノ島「あれ、そういや不二咲は?」ヒラヒラ

大神「ム、そういえば今朝はまだ見ていないな」

朝日奈「いつも早めに来てるのにね」



苗木「…っ、ま、まさか…」

朝日奈「…え、うそだよね…?」

大神「考えたくはないが…」

苗木「っ! い、急いで部屋に――!!」





 <ガチャ



不二咲「みんな、おはよぉ」

大和田「うっす」


朝日奈「あ! 不二咲ちゃん無事だったんだね!」

苗木「大和田君と一緒だんだね。よかった…」ホッ

大神「うむ、息災で何よりだ」

不二咲「心配かけてごめんね。ちょっと夜更しして寝坊しちゃって…」

大和田「俺らさっき一緒に起きたとこだったからよ」


苗木(…ん? 一緒に?)


大神「…大和田よ、随分と目が赤いが大丈夫か?」

朝日奈「ホントだ、すっごい充血してる。泣き腫らしたみたいな顔だね」

大和田「…単なる寝不足だ。心配いらねぇ、もう目は醒めた」


石丸「おぉ兄弟! それに不二咲君も一緒かね!!」

不二咲「おはよぉ石丸くん」
大和田「おぅ」


横島「っ、…っ!」コヒュー コヒュー

不二咲「横島君、だいじょうぶ?」

大和田「なんでコイツは朝っぱらから死にかけてんだ」

朝日奈「いつもの病気だよ」

大和田「なるほどな」

江ノ島「何がスゴいってそれで通じちゃうことだよね」





大和田「オラっ、しゃんと――しろッ!!」バチコーン!


横島「ホグォアッ!!?」エビゾリ



江ノ島「背中に張り手か」
大神「鞭打<べんだ>だな」
苗木「うわぁ…痛そう」


横島「テメいきなりなにしやがる!?」ガバッ

大和田「そんなとこに寝っ転がってっからだ。いい気付になったろ」

石丸「はっはっは! 兄弟の漢気がいい薬になるな!」

横島「笑ってねーで暴力沙汰を取り締まれや風紀委員!!」



横島「くそぉ…昨日のチョーパンまだ根に持ってやがんなテメェ…」ヒリヒリ

大和田「逆だ。目ェ醒ましてくれた礼を込めてやったんだよ。ありがたく受け取れや」

横島「男に叩かれて悦ぶ趣味なんてないわい!」


江ノ島「なんの話?」

不二咲「男の友情だよぉ!」

江ノ島「なるほど。やっぱりわかんない」


大和田「ま、今日からもよろしく頼むぜ横島よォ」

横島「断る! よろしくするなら美少女相手と相場が決まってんねや!!」



大和田「ハッ、テメェらしいな。ならこっちも勝手にやらしてもらうぜ―――」










    「大和田紋土! これからも胸張っていくんで夜露死苦ゥッ!!」









 第二章   週刊少年ボンノウサンデー


       END    




 生き残りメンバー:14人  <KEEP!>

 死に残りメンバー:1人  <KEEP!>



              TO BE CONTINUED

おつーーーーーーーーー!



投下終了

ようやくチャプター2が終わった…
ちーたん生存ルートに入りましたよ

>>1は横島が大好きです
だからこそ、極端に美化しないようにするのが大事
YOKOSIMAより横島。でも決めるとこは決める。配分が難しいよ

チャプター3以降も書く予定…内容薄くなっちゃわないといいけど

ではまたね

男相手にシリアスかまして具合が悪くなったのを見てなんか安心した
乙乙

乙乙



エタったかと心配してた。今後も期待

はじめて読んだけど面白かった、乙です

皆様、応援と保守をありがとう

面白かった
アイマスとモバマスも好きなのかなーとちょっと思った

乙!

待ってた!面白かった!
ちーたんも大和田も無事なルート嬉しい
次回から大きく展開変わるのかな楽しみにしてます

横島ってここまで男相手だと露骨に感じ悪かったっけ?
イケメンでライバルの西条とは仲悪かったけど、ピートとはなんだかんだ仲良かったような

憎しみで人が殺せたら……!

乙です!
ところで腐川はどうなった?

>>368
そりゃ目の前でモテモテだったらなw
女絡みでなければ割りとフツーのような気も

面白いです!!
続き待ってます!!

まだかなー

生存報告だよ
現在アホほど時間が取れないため筆が停滞中
しばしお待ちを

うい

楽しみ楽しみ

黒幕が文殊使いの横島を放置している理由は何なのかな。
使い方次第ではコロシアイが破綻してもおかしくないんだが……。

まだかな

生存報告だよ
春先は忙しくてかなわないよ…
もうちょっと待っててね

了解だべ!

早く来て

保守

生存報告だよ
一応まだ生きてるよ

待ってるべ!

いくらでも待つ

待ってる

ただいま生存中

生存報告サンクス
ちゃんと待ってるで

ほっとした
いくらでも待つ

死んだら地縛霊となって書こうね

これがホントのゴーストライター

一ヶ月前保守

待ってるよー

生きてます

待ってるべ!

待ってる

sageミススマン

保守

保守

生存中

保守ほしゅ

保守

保守

保守

生存中

保守

待ってます

保守

保守しゅ

保守

生きてるよ

ゎぁぃ

氷室さん「生きててよかった」

桑田の行く末が心配になる展開だわ……

悪霊化待ったなし

GSいるしへーきへーき

0523

💛

生存る

書かんの?

保守

生存報告途絶えていいところで消えちまったスレもあるからちゃんと報告入れてくれるのが嬉しい。
希望はまだあるんだ

モノクマ「なんつってねうぷぷ」とかありそうだけど

0714

イキテル

ゎぁぃ

続き書かんのか?

うぇいうぇい

やばいめちゃやばい

8月ももうそろそろ終わりである。時の流れのなんと速いことよ。

イキテル

ゎぁぃ

生存は良いことだけど、更新できそうもないなら話まとめて畳んでくれんかのう…

1年以上も更新できないなら今後ももう無理だろ
打ち切りENDで良いから締めてくれ

しゅ

この先を読むにはクリッククリック

ダンガンロンパ!!

さっき見つけて一気に追いついたんだが…
定期的に生存報告されてるなら希望はあるんだな

期待は、ありますっっっ

年明けたか

ほしゅ

そろそろ生存報告してくれないと落ちるんじゃ…

落ちそう

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