サシャ「ケーキ入刀!」(208)

コニー「なんだそれ?」

サシャ「結婚式で出されるでっかいケーキに、新郎と新婦がナイフを入れる作業なんですって!」

サシャ「二人の初の共同作業って言われています!」

コニー「ふーん。でっかいケーキか。どのくらいでっかいんだ?」

サシャ「んーと、3,4メートル級?くらいだと思います!」

コニー「3メートルのケーキだって!? すげえじゃん! サシャ! 結婚しようぜ!」ジュルリ

サシャ「いいですね! 結婚しましょうコニー!」ジュルリ

コニー「でっかいケーキが食えるぞー!」

サシャ「わっほーい♪」

アニ「こいつらばかなの?」

ミーナ「昔から馬鹿でしょ」

~数日後~

サシャ「むむ、困りましたね」

コニー「どうしたんだサシャ」

サシャ「私もコニーもまだ結婚できる年齢じゃないみたいなんですよ」

コニー「ウソだろ!? 結婚なんて本人らが同意の上ならそれで結婚なんじゃねえのか!?」

サシャ「私も今、初めて知りました…うぅ、折角3メートルのケーキを食べられると思っていたのに!」ウガー

コニー「おいおいマジかよ…すぐにでも結婚して式を挙げるつもりだったのに…」

サシャコニ「はあ…」

ライナー「今日も馬鹿だなああいつらは」

ベルトルト「今に始まったことじゃないよ」

~数日後~

コニー「なあサシャ! 俺すげえことに気が付いたんだ!」

サシャ「何ですかコニー」ホグホグ

コニー「別に正式に結婚しなくても、式だけ挙げちまえばケーキは食えるんじゃね!?」

サシャ「さすがですコニー! 今日は冴えてますね!」ガバッ

コニー「よっし! 式の準備をしようぜ!」

サシャ「おー!」

ジャン「おうおう、なんか馬鹿が盛り上がってるな」

マルコ「はは、元気なのは良いことだと思うよ!」

~直後~

コニー「だめだ…金が全然足りねえ…これじゃケーキが買えないぞ…!」

サシャ「ケーキのない結婚式なんてやる意味がないじゃないですかああああああ!!」ウオーン

ダズ「いいよなぁ馬鹿は気楽でよぉ」

~数日後~

コニー「サシャ! すげえいいこと思い付いたぞ!」

サシャ「なんですか!? ケーキを手配できるんですか!?」

コニー「教官に相談すればいいんだよ! 結婚式挙げるって言えば金の工面ぐらいやってくれるぜ絶対!」

サシャ「なるほど! さすがコニー! 盲点でした!」

エレン「結婚式…?」

ミカサ「しょ、将来的にエレンもできる///」ギュ

~数時間後~

サシャ「おーい、コニー、生きてますか~」ツンツン

コニー「こめかみが砕けるかと思った…」

クリスタ「なんか教官のすごい声が聞こえたけど…大丈夫?」

コニー「おう…さすがに慣れっこだからな。それにしてもどうすりゃいいんだ…」

サシャ「あぁ…ケェキ…」

クリスタ「二人とも何を悩んでいるの?」

コニー「サシャと結婚しようと思ってんだが…」

クリスタ「え? コニーとサシャが結婚?……え!? ウソ!? 本当に!!?」ワクテカ

サシャ「おおうテンション高いですね」

クリスタ「だって仲間の二人が結婚するなんておめでたいじゃない!」テカテカ


コニー「そう言ってくれると嬉しいけどよ、式場を借りる費用がないんだ。歳が足りてねえから借金もできないし」

クリスタ「あ、そっか。でも、アレなんだよね!? 二人は! 今! 一番気持ちのピークに達しているんだよね!!?」ズイズイ

コニー「お? おう…?(ピークってなんだ、豚か?)」

サシャ(気持ちの豚に達する…?)

クリスタ「そうだよね…一番燃えてる時にこそ、そういうお祝いをしたいよねっ! そういうことなら私に任せて!」

クリスタ「絶対に二人が結婚式できるように用意を整えるよ!」

コニー「な、なんかわからんが頼もしいなクリスタ!」

サシャ「ああ…神様…! ケェェェェェェェェェェェェェェエェェキ!!」ガシィ

クリスタ「大丈夫! 全部私に任せていいからね! サシャ!」ナデナデ

サシャ「神ィィィィィ…神ィィィィィィィィィ…」

クリスタ(とは言ったものの、さすがに一人で準備をするのは無理だよね)

クリスタ(ここは協力してくれそうな人に頼んでみよう)

クリスタ「ねえ、ライナー」

ライナー「ん?どうしたクリスタ」

クリスタ「ちょっと頼み事があるんだけど…」

ライナー「何だ水臭いな。遠慮なく言っていいぞ?(結婚したい)」

クリスタ「私ね、(友達の)結婚式を挙げたいの」

ライナー「…なん、だと?」

クリスタ「ライナーだったら頼りになるし、引き受けてくれると思って(準備的な意味で)」

ライナー「そ、そそそそれはつまり、お、俺とクリスタが主役になって…?」

クリスタ「うん、私とライナーが主導で進めたいな!」

ライナー「そ、そそそそそうか(待て、俺には故郷に帰るという大きな目的が!)」

クリスタ「駄目、かな?」クビカシゲ

ライナー「イヤ、俺に任せておけ(裏切ろ)」

クリスタ「ありがとう! じゃあライナーは、会場の設営を担当してもらえる?」

クリスタ「あまりお金がかけられないから、大変だとは思うけど」

ライナー「…あ、ああ! 任せておけ任せておけ」

クリスタ「それじゃあよろしくね!」ニコッ バタン

ライナー「……」

ライナー「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」コロンビアアアアアアア



クリスタ「さて、次はユミルかな」

クリスタ「ユ~ミルっ」チョコンッ

ユミル「おうどうしたクリスタ、今日は随分と甘えん坊だな」ナデナデ

クリスタ「お願いがあるんだけど…」

ユミル「なんだ?言ってみろ、クリスタの頼みだったら何でも聞いてやるぞ」

クリスタ「サシャとコニーの結婚式を挙げるのに協力してほしいの!」

ユミル「サシャとコニーの? あー、そういえばそんなこと言ってたな。戯言と思って聞いてなかったが」

ユミル「…別にそんなイイコトしなくてもいいんじゃないのか?」

クリスタ「それとは関係なく、これは友達として当然のことだよ!」

ユミル「…そんなもんか。でもこれは私が何とかできることじゃないな」

ユミル「あの金髪チビに頼んでみた方がいいと思うぞ」

クリスタ「アルミンね。うん、行ってみる!」



アルミン「ふぁ…さすがに肩が凝ってきたなぁ」

エレン「本の読み過ぎだよ、お前。目が悪くなっちゃうぞ?」

アルミン「そうだね。今日はこのくらいにして、寝ようかな…」

クリスタ「アールミン、クリスタだけどちょっといい?」

アルミン「どうぞどうぞ!」ガチャ

クリスタ「ごめんね、こんな時間に」

アルミン「全然かまわないよ! 泊って行ったってかまわないよ!」

エレン「なんか珍しくテンション高ぇな」

クリスタ「あはは、それでね、ちょっとお願いがあるんだ」

アルミン(疲れが吹っ飛ぶ笑顔だよ! 女神! 天使! 僕の嫁!)

クリスタ「私ね、(友人の)結婚式を挙げようと思うの!」

エレン(サシャとコニーのことか?)

アルミン「だっ、誰と!?」

クリスタ「え? アルミンとに決まってるじゃない(設営の協力者という意味で)」

アルミン「そっ、そんな急に困るよ! ちゃっ、ちゃんと話したことだってまともにないのに!(えんだあああああああああああああ)」

エレン「何でアルミンがテンパってんだよ…クリスタの話はもごもご」

クリスタ「だめかな?」ウワメヅカイ

アルミン「いっ、いやっ! ももももちろんオーケーに決まってるじゃないかクリスタ!」

クリスタ「ありがとうアルミン。頼りにしてるね!」

エレン「おいクリスタ、アルミンをからかうなよ。サシャとコニーの結婚式の話だろ?」

アルミン「…え?(絶望)」

クリスタ(男の子のやる気を出させるにはこれが一番いいのに…余計なことを)

アルミン「え、あの、クリスタ…ぼ、僕と結婚式を挙げようって言ったんだよね…?」

クリスタ「ええっ、違うよ!///アルミンと一緒に会場の設営をしようって言ったんだよ!///」

アルミン(確かにそう取ることもできるけど…でもクリスタかわいいからいいや)ニヘラ

エレン「ちゃんと説明しなきゃダメだろクリスタ。アルミンは純情なんだからな」

クリスタ「う、うん、気を付けるよ」

クリスタ「それで協力してくれるってことでいいんだよね…?」

アルミン「う、うん…ごめんね、変な勘違いして。協力は約束するよ!」

クリスタ「ありがとう! さすがアルミン!」ギュ

アルミン(クリスタの手のひらって…ちっちゃくて、すべすべで、あったかくて…)

エレン「やわらかああああああああああああああああああああああああああああい!!」

クリスタ「どうしたのエレン!?」

エレン「いや、何でもねえ。条件反射だ」

アルミン「それで、僕は何をすればいいのかな?」ニギニギ

クリスタ「うんと、会場設営についてはもう手配してるんだ。だから…」

アルミン「わかった。花嫁花婿の衣装や料理の手配、参加者名簿の作成とイベントの開催交渉は任せてくれ」ニギニギ

クリスタ「う、うん、さすがだね!(アルミンの手って女の子みたいだなぁ…そろそろ放してくれないかしら)」

エレン「なあクリスタ、俺は何かしなくていいのか?」

クリスタ「エレンはアルミンのお手伝いをしてくれればいいよ」

エレン「ん、そうか(なんか寂しいな…)」

クリスタ「それじゃあアルミン、そういうことでよろしくね!」

アルミン「うん、頑張ろう!」ニギニギ

~数日後、教官室~

キース「なに? スプリンガーとブラウスの結婚式だと?」

アルミン「はい!」

キース「ふざけているのかアルレルト…お前ら歳はいくつだ!!」

アルミン「スプリンガー訓練兵が15、ブラウス訓練兵が16であります!」

キース「スプリンガーが結婚するには三年早いッ! ブラウスはいいけど!」

キース「そもそもあのブラウスがッ! スプリンガーに靡くはずがないッ!」

キース「あんな馬鹿にウチの馬鹿娘はやれん!」

アルミン「…教官? 大丈夫ですか?」

キース「…すまん少し取り乱した。詳しく話を聞かせてくれ」

アルミン「はあ…。二人がそういった関係であることは、当人らに確認済みであります」

アルミン「資金もなく、結婚の条件も整っていない。私も話を持ち掛けられた際には耳を疑いました」

アルミン「しかしこうも思うのです。ここで催される二人の結婚式は、104期生が全員そろって楽しむことができる最後の催しになるのではないでしょうか」

アルミン「我らが同じ釜の飯を食べていられるのも、後数か月。最後にこういった思い出を作ることは…」

キース「…うむ、貴様の言いたいことはよくわかった」

キース「確かにそうだな。散々痛めつけられてきたのだ、最後に一度くらい羽目を外したいという気持ちもわかる」

キース「だがな……いや、そうか…しかし…よりにもよってスプリンガーに奪われるなど…」

アルミン「…教官?」

キース「…二人は、同意の上なのだな? それは確かなんだな? 心臓を賭けられるな?」

アルミン「は、はい!」

キース「そうか…わかった。うん…わかった。諦めよう…」

アルミン「…あの、教官?」

キース「訓練兵団が所有する礼拝堂と、その正面の広場の使用を許可しよう」

キース「時に愛する者の幸せのため、身を引くことも重要だろうからな…」

アルミン「あのそろそろツッコミ入れてもいいですかね教官」

キース「許可は与えた。貴様が欲しいのはそれだけだろう? 退室しなさい」

アルミン「は、はい…」バタン

キース「……」

キース「……ブラウス、いや、サシャ……」

サシャ『蒸かした芋です!』

サシャ『それは…人は何故芋を食べるのか、という話でしょうか』

キース「あの奇抜な思考回路、肝の据わった物言い…16になった今年こそ、嫁に迎えようと思っていたのに…」

コニー『俺の心臓は右にあるんだze☆』

キース「ううわああああああああああああ!! サシャぁあああああああああああ!! どうか! どうか幸せになってくれえええええええええ!!!」ガンガンガン

アルミン「クリスタ! 教官からイベントの開催許可と、礼拝堂と正面広場の使用許可をもらったよ!」

クリスタ「さすがアルミン! 仕事が早いね!」

ライナー「ふむ、礼拝堂に正面広場か。式と披露宴両方できるな!」ムフフ

アルミン「あれ、何でライナーがいるんだい?」

ライナー「何だよアルミン、知っているくせに」コノコノ

アルミン(きもいなぁ…)

クリスタ「ライナーの方はどのくらい用意できたの?」

ライナー「会場で使うテーブルと椅子の用意は整えた。とりあえず104期全員分の席を確保してある」

クリスタ「さっすがライナー! 頼りになるね♪」

ライナー「なに、一世一代のイベントだからな。張り切りたくもなるさ」ニヤニヤ

アルミン(きもいなぁ…)

ユミル「おーいライナー、お前んトコのノッポの名前なんだっけ?」

ライナー「ん? お前何をしてるんだユミル」

ユミル「参加者名簿を作ってんだよ。名前がわからなきゃ書けないだろ?」

クリスタ「ユミルはとっても字が上手いの!」

アルライ「それは意外だな」

ユミル「ぶっ飛ばすぞお前ら…それよりなんだっけ、あいつの名前」

ライナー「まったく、仲間の名前を忘れるなんて信じられん奴だ」

クリスタ「うん…さすがに可哀想だよ」

アルミン「もう三年も一緒に居るのにね…」

ユミル「わかったよ私が悪かったよそれより早く教えてくれ」

ライナー「ベルトルト・フーガーだ」

クリスタ「ベルトルート・バルクホルンだよ」

アルミン「ベトベトン・ベルベットだよ」

ユミル「みんな微妙に違うじゃねえか!」

ライナー「同郷の俺が言うんだ、俺の言うベルトルト・フーガーが正解だ」

クリスタ「そうなの? ずっとベルトルート・バルクホルンだと思ってた」

アルミン「僕が人の名前を間違えて記憶するなんてありえないよ」

ユミル「いいや、ライナーが一番信憑性あるわ。間違えてても知ったこっちゃねえ」カキカキ

クリスタ「音伸ばしたと思ったんだけどなあ」

アルミン「頭文字はb・bだったはず…」

ライナー「お前ら…ベルトルトが可哀想だろ」

サシャ「な、なんか本格的に話が進んでますね…」

コニー「だなー。俺が主役なのに、『全部こっちに任せて』の一点張りだもんな」

サシャ「俺たち、ですよ? コニー」

コニー「あ、そうか。でも待ってるだけで食べられるんだな!」

サシャ「ええ!縦3メートル、直径1.5メートルの、」

コニサシャ「ウェディングケーキ!!」

解散式まで残り…1か月

クリスタ「後は仕上げだけだね…」

アルミン「うん。会場の用意、設営予定図、神父さんの手配も済ませたし」

ライナー「料理の方も、キース教官が顔を効かせて内地のイイ店に頼んでくれた」ムフフ

ユミル「あとは…やっぱり衣装だな。本人らに選んでもらうのが一番いいだろう?」

ライナー「あ、ああ! そうだなっ! その通りだ!(背中が開いてるの着てもらお!)」

クリスタ「そうだね。でもそういうのは新郎新婦で別々に決めた方がいいんじゃないかな」

ライナー「何故だクリスタ!!?」

クリスタ「…その方が、当日はきっと感動すると思うんだ」キラキラ

ライナー「確かにそうだ!」

ユミル(なんだこいつ)

アルミン(きもちわるい)



エレン「あー、疲れたな」

ミカサ「エレン、大丈夫? 二人の結婚式の準備をしていたんでしょ?」

エレン「ああ。今日は内地からテーブルとか椅子を馬車で運んできた」

ミカサ「…それはいいけど、忘れていないだろうか」

エレン「ん、何をだ?」

ミカサ「…明日は、座学の期末試験」

エレン「」




ライナー「俺としたことが…」カリカリ

ベルトルト「まったく、結婚式の準備なんかに熱くなるからだよ」

ライナー「あ、ああ。すまないとは思っている」カリカリ

ベルトルト「頼むから成績を落としたりしないでくれよ。予定通り憲兵団に入って貰わないと困る」

ライナー「ああ(クリスタとの新婚生活…幸せ、そのためなら俺はベルトルトをも…)」カリカリ

~翌日~

コニー「やっべー、勉強なんかちっともやってねえぞ」

サシャ「私もですよ…巨人の弱点ってうなじの縦何メートル横何メートルでしたっけ?」

サシャ「縦3メートル横1.5メートル?」

コニー「そりゃケーキだろうが」

ライナー「世話の焼ける奴らだな。ちゃんと覚えるんだぞ?」ウキウキ

サシャコニ(なんか機嫌いいなぁ)

ライナー「縦1メートル、横10㎝だ」

サシャコニ「あー」

ライナー「もしくは奴らのケツにぶち込む。弱点はこの二つのみ」

コニー「知らなかった! そんな別解があったのか!」

サシャ「私も今…初めて知りました!」

ジャン(救いようのねえ馬鹿だ…ライナーも)

ダズ「そういや今度、あの二人の結婚式があるんだってな」

モブ「女神クリスタの主導なんだと! さっすが女神!」

ライナー(ふふ…みんな俺たちの晴れ姿を楽しみにしているぞ、クリスタ…)チラッ

クリスタ「へくちっ…あ、コニーとサシャ、明日外出許可を取ってくれないかな?」

コニー「なんでだ?」

クリスタ「当日着る衣装を決めなきゃいけないでしょ!」

サシャ「え、衣装? そんなのあるんですか?」

クリスタ「もうとぼけちゃって…、女の子の憧れじゃない、ウェディングドレス!」

サシャ「そんなものなんですか?」

ライナー(ふふふふ…クリスタ、相談する相手を間違えているぞ?)ニヤニヤ

モブ「今日のライナーきめぇな…」

モブ「ああ…無視しようぜ」

アルミン(それから結婚式の準備は円滑に進められた)

アルミン(クリスタはサシャの、僕はコニーの衣装を選び、貸衣装屋から貸し出してもらった)

アルミン(入れ違いにライナーを見たけど…多分僕の気のせいだと思う)

アルミン(そんなこんなで、とうとうその日がやってきた――)

~当日、ライナーの部屋~

ライナー「ついにこの日が来たか…」シュッ ピシッ

ライナー「店主に頼んで特注してもらったこのタキシード…」

ライナー「ふふ、俺がこんな格好をすることになるとはな」

ライナー「ああ、クリスタ…お前は今日、どんな姿で俺の前に姿を現してくれるんだ…」

~一方、礼拝堂前~

エレン「しかし、全員戦闘服とは物々しい結婚式だよなー形式だけとはいえ」

アルミン「ははは、一応兵団が関わっているからね。これが正装だよ」

ミカサ「エレン、いつか私たちも…」

ジャン「ミカサ! いつか俺たちも二人みたいに…」

マルコ「ジャン…僕が、いるだろ?」クイクイ

ミーナ「おぉう…ほぉんもぅ…」ウットリ


アニ「こ、こちら受付になります。ごごごご自分のお名前をご確認の上、サ、サインをお願いします…」ガチガチ

ベルトルト「…」

アニ「なにやってんのさ、ベルトルト」

ベルトルト「…いや」カリカリ カッカッ

アニ「あ、ちょっと待ちなよ!」

ベルトルト「…なんだい?」

アニ「名前が違うじゃないか。ちゃんとしてくれないと私が怒られるだろ」

ベルトルト「…それでも、僕はフーバーだよ」

続きはまた明日書きます。構成が下手くそですまない

ライナー「~♪ お、みんな集まってるな!」テカテカ

エレン「…おう、ライ…ナー…?」

ミカサ「何故あなたがそんな格好をしているの?」

ライナー「おいおい、野暮なこと聞くなよな」ニヨニヨ

ミーナ「新郎新婦以外の訓練兵は全員軍服のはずなんだけど…」

ライナー「はっはっは、面白くない冗談だなミーナ。それが答えじゃあないか」ニマニマ

アルミン(ああ…ライナー。君は最後までクリスタの策略に気付いていなかったんだね)

アニ「おいライナー。来たんなら参加者名簿に名前を書きなよ」

ライナー「ん? こういうのは客が書くものだろう?」

アニ「いや客だろアンタは」

ライナー「おいおい、何の冗談だよ」

ジャン「ブッフォwwwなんだよライナーその恰好はよぅwwwww」

ダズ「タwwwキwwwシーwwwwドwwww」

モブ「余興かなんかやるのか? ライナー」

ライナー「何を言ってるんだお前ら…これが誰の結婚式かを考えろ」

トーマス「サシャとコニーの結婚式だろ? 受付をよく見ろよ」

ライナー「……ん、んん? ななななんだどういうことだこれは…!」

ベルトルト「ライナー…新郎より目立とうとするのはタブーじゃないかな」

ライナー「新郎は…俺だろ…? クリスタ! クリスタはどこにいるんだ!」

ベルトルト「あそこにユミルと一緒に居るじゃないか」

ライナー(何故…戦闘服なんだクリスタ…? 背中の空いたウェディングドレスはどうしたんだ…?)

クリスタ「あっ、ライナー! どうしたのその恰好?」ニコニコ

ユミル「ぶはっwwwwお前wwwwなんだその恰好wwwプギャーwww」

ライナー「ク、クリスタ…この、式典の主役は、俺とクリスタだったはずだよな? 何かの手違い、なんだろう…?」

クリスタ「え? 主役はコニーとサシャだよ?ケロッ

クリスタ「ライナーと一緒に結婚式の準備をしたいとは言ったけど」ケロケロッ

ライナー「」ガクガクガクガク

ベルトルト「ライナー? 結局君は何故そんな格好を…」

ライナー「そうか…その通りだよな…何を…考えているんだ俺は…」

ライナー「本当におかしくなっちまったのか? きっと…童貞をこじらせすぎてしまったんだな、バカな奴らに囲まれて…3年も暮らしたせいだ」

ライナー「俺は童貞で…何一つ知らなかったんだよ、こんな女神がいるなんて知らずにいれば……俺は…こんな半端なクソ野郎にならずにすんだのに…」

ベルトルト「おいライナー、何を言っているんだ!? 様子がおかしいぞ!」

ジャン「おかしいのは格好もだろwwwww」

ライナー「……すまない、ベルトルト。俺は、席を外す。もう今にも…壊れちまいそうなんだ」

ベルトルト「だから説明をしてくれ! 何故君はそんな勘違いをしたのか!」

アルミン(女神の方便によってですね)

ライナー「じゃあな…みんな、元気に、やってくれ…この、式の間だけでもな…」ダダダッ

ベルトルト「ライナー!」

ダズ「ちょwwww何しに来たのあいつwwwww」

ユミル「ダッハッハ、傑作だなぁクリスタ! あの野郎クリスタと結婚すると信じ込んでたみたいだwww」

クリスタ「悪いことしちゃったかなぁ…途中で気付いてくれると思ったんだけど。明言もしてないし」

アルミン(童貞を舐めないほうがいいよ、クリスタ。でも僕はそんなクリスタに踏みつけられたい)

エレン「おーい、そろそろ中に入れってよ」

クリスタ「うん、今行くよエレン!」

ミカサ「……」

トーマス「それにしてもでかいケーキだよな。ちょっとくらい食べてもばれないんじゃないか?」

ミーナ「ダメ、一口目は新郎新婦の特権なの!」

マルコ「ははは、早く食べたいね」

エレン「お前ら、急げって!」

トーマス「おう!」

ジャン「お、もうコニーがいるぜ。ピシッと決めてんなぁ」

ダズ「チビだからどんなもんになるかと思ってたけど似合ってるな」

アルミン「僕が選んだものだしね。少しでも見栄えがよくなるようにシークレットブーツも履かせてある」

エレン「へー、考えたなあアルミン。俺もあんな格好してみたいぜ」

ミカサ「だいじょ」

クリスタ「エレンもすぐにできるよ! 絶対!」

ミカサ(…こいつ)

クリスタ(ブーケゲットしたらすぐにエレンのところへ駆け寄ろう…!)

ユミル(ブーケゲットしたらすぐにエレンのところへ駆け寄ろう…)

ジャン(ブーケゲットしたらすぐにミカサのところへ駆け寄る!)

トーマス「なんかキース教官がハンカチを顔から放さないんだけど」

キース(ああ…サシャ…サシャぁああああ…私は、こんな一番前の席で、お前が接吻する姿を見なければならんというのかぁ)グスグス

エレン「教官、教え子が立派になって感動してんだろうな」

ミーナ「入団式のコニーがあんなに精悍な顔つきをしてるんだもんね…」

アルミン(教官が暴走しないようにガタイのいい大人を左右に配置しないと)

ミス。>>107のユミルの台詞でエレンのとこクリスタで

アニ(結婚、か…結婚)

アニ(………ふふ///)

アニ(っ! な、ななな何を考えてんのさ私はっ…!///)

ミーナ「アニ、顔真っ赤にしてイヤイヤしてどうしたの?」

ベルトルト(ライナー…何か嫌な予感がするよ)

司会「新婦、入場」

みんな「サシャがくるぞー!」パチパチパチパチ

キース(せめてウェディングドレス姿を目に焼き付けよう…そして今晩の肥やしにするんだ…)

キース(たとえ今晩スプリンガーと盛っていたとしても…)

 ガチャ

サシャ「うわー、すごい人ですねー。どうどうどう」ペコペコ

司会「し、新婦! 整然とこちらまでお歩きください!」

サシャ「も、申し訳ございませんでしたぁー!!」

キース(今日も絶好調だな…そして綺麗だサシャ、スタイルいいな)ギンギン

エレン「サシャっぽいなぁ…」

アルミン「これはこれで楽しいよ、ははは」

おとこたち「サシャってスタイル良くね!? コニーにはもったいねえぞ!」ガンミ

ミカサ「サシャは顔はとても整っている。ので、あの美しさにも納得がいく」

クリスタ「うんうん、思った通りとってもきれいに仕上がったよ!」

ユミル「だなー、さすがクリスタのチョイスだ。歩きにくそうだが」


コニー「よう、サシャ。似合ってるぜ!」

サシャ「コニーも、かっこいいです…///」

コニー「そうか? へへ…あと一歩だな、ケーキまで」ヒソヒソ

サシャ「今見てきましたよ、本当に3メートルあるケーキ!」ヒソヒソ

コニー「マジか、早く食べたいな! お前と一緒になれてよかった!(ケーキケーキ)」

サシャ「はい! 私もですコニー! 愛しています!!(ケェキケェキ時々コニー)」

ジャン「おうおう見せつけてねーで式進めろや」イライラ

(中略)

神父「夫たる者よ。汝、健やかなる時も、病める時も、常にこの者を愛し、慈しみ、守り、助け、この世より召されるまで固く節操を保つ事を誓いますか」

コニー「誓います!」

神父「妻たる者よ。汝、健やかなる時も、病める時も、常にこの者に従い、共に歩み、助け、固く節操を保つ事を誓いますか」

サシャ「はいっ! 誓います!」

神父「あなた方は自分自身をお互いに捧げますか」

サシャコニ「誓います!」

ミカサ「…」ノウナイヘンカンチュウ

キース「そこは捧げますだろうが…馬鹿め(私が新郎ならばちゃんと打ち合わせたものを)」

(中略)

神父「では新郎、ベールをあげてください。誓いのキスを」

キース(やだよぅ見たくないよぅ)

コニー(え?キスなんかするの?)

サシャ(キスの仕方なんか知りません)

神父「…ご安心を、お恥ずかしいかもしれませんが、誰もが経験することでございます」ボソボソ

コニー「…よ、ようは口と口をくっつければいいんだよな?///」

サシャ「…は、はい…多分…そうだと…///」

キース「巨人攻めてこい巨人攻めてこい巨人攻めてこい巨人攻めてこい巨人攻めてこい)

コニー「…い、いくぞサシャ…///」ドキドキドキドキ

サシャ「…は、はい、どどどどうぞ…///」ドキドキドキドキ

みんな(ウヒョーヒューヒュー)

ミカサ「…///」ノウナイヘンカンチュウ

クリスタ(あっと2センチ!2センチ!)

エレン「おっ、くっつくくっつく…」

 ドッゴォォォォォォォン!!

サシャ「っ!?」

コニー「サシャ! 伏せろ!」

エレン「何だ!? 今のすげえ音!」

アルミン「地震とは違うようだけど…!」

駐屯兵「お前ら!すぐに立体機動装置を持ってこい!巨人だ…巨人が壁を破りやがった!?」

ベルトルト「そんな馬鹿な! 普通の巨人に壁を破る力なんて…!」ハッ

駐屯兵「鎧の巨人が壊したんだよ! わらわら巨人が入り込んで来やがる!!」

ベルトルト「何やってんだよあの馬鹿ぁああああああああああああああああああああああ!!」

アニ「もう…なんなの?ばかなの?あいつしぬの?」

エレン「鎧の巨人…あいつがまた、現れたってのか…!?」

アルミン「鎧の巨人の動向は!?」

駐屯兵「トロスト区の壁をぶち抜いてから、手当たり次第に町を壊して回ってる」

駐屯兵「しかも同類のはずの普通の巨人にまで、まるで癇癪を起したように攻撃を…」

ベルトルト(何なんだよ…ほんとなんなんだよ…)

エレン「鎧の巨人…あいつがまた、現れたってのか…!?」

アルミン「鎧の巨人の動向は!?」

駐屯兵「トロスト区の壁をぶち抜いてから、手当たり次第に町を壊して回ってる」

駐屯兵「しかも同類のはずの普通の巨人にまで、まるで癇癪を起したように攻撃を…」

ベルトルト(何なんだよ…ほんとなんなんだよ…)

駐屯兵「おい! 巨人が一匹こっちにまっすぐ向かってくるぞ!」

駐屯兵「鎧の巨人か!?」

駐屯兵「違う! 普通の巨人だ! ものすごい速度できてる!」

駐屯兵「早く脱出するぞぉぉおおおおお!!」

ギャーギャーワーワー

キース(私の…せいか?)

巨人「…」ドシンドシンドシンドシン

エレン「あいつか…!?」

ミカサ「待って…おかしい、人が逃げる方向に向かっていない…」

ジャン「おい…あいつ、料理が並んでいるところで止まったぞ…」

サシャ「…!」ゾクッ

巨人「…」ムシャムシャムシャムシャ

アルミン「巨人が料理を食べている…!? 人間よりも料理を優先しただって!?」

キース「なんという奇行種…初めて見るな」

マルコ「あいつが料理を食べている隙に脱出を!」

巨人「…?」ムシャムシャムシャムシャ

ウェディングケーキ「」

巨人「…!」ニタァ

サシャ「ケェキ!!」

コニー「やめろサシャ! 死ぬ気か!?」ガシィ

巨人「…」ドシン…ドシン…

コニー「っ! 行くぞサシャ! すぐに別の巨人がここまでくる!」

サシャ「コニー! なにやってんですか! まだ、まだケェキが!!」

巨人「…」ドシン…アーン

サシャ「やめでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


――――ムシャッ

サシャ「あああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!」

コニー「抑えろっ! 抑えろサシャっ!」

巨人「…♪」ムシャムシャバクバクペロペロムシャムシャ

サシャ「あ…ああ…ああああああ…」

サシャ(その時…思い出した)

サシャ(この世界は…残酷なんや)

 ピシャーン

コニー「行くぞサシャ! あいつは駐屯兵団の人に任せろ! 俺たちも装備を…」

サシャ「……わかり、ました」

サシャ「……コニー、私は決めました…」タッタッタッタ

コニー「ああ!?何をだよ!」

サシャ「私からケェキを奪った巨人達を…駆逐します…一匹残らず。特に、鎧の巨人を!!」ギロッ

コニー(なんだサシャの奴…見たこともねえような怖え顔を…)

サシャ(何だか体が軽い…まるで、足枷がなくなったみたいや…自分でもようわからんけんど…)

サシャ(やれる…今の私なら、やれる!)

~トロスト区中央~

鎧の巨人「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!」ズガシャァ

エレン「いたぞ、鎧の巨人だ!」バシュッ

ミカサ「本当になりふり構わずといった挙動で、自分の周りにあるものを破壊している…」バシュッ

アルミン「待って二人とも! 鎧の巨人のいるところまでには巨人がうじゃうじゃいる! 考えもなしに向かっていったら危険だよ!」

マルコ「こんなに建物が壊されたんじゃ、立体機動にも限界があるよ!」

ジャン「やはりあいつには知性があるってことか…対策を講じるなんて、まるで特性を知ってるようじゃねえか」

ベルトルト(まずいどんどん足がついていく)

エレン「さすがに人数が集まり過ぎたな…巨人が向かってくるぞ」

ジャン「各個撃破だ! 散るぞ!」バシュッ

アニ「おい…どうすんだい、ベルトルト」

ベルトルト「どうするもこうするも…そのうち精鋭も到着するだろうし、的になるだけの僕に打つ手はない」

ベルトルト「ライナーが平静さを取り戻すまでには時間がかかりそうだ…最悪、殺すしかないだろう」

アニ「そうか…ったく、あいつは何なのさ、意味が分からない」

ベルトルト「僕が聞きたいよ…」バシュッ

鎧の巨人「…!」ピクッ

アニ「おい、あいつこっちを見たぞ」

ベルトルト「…いや、避けろアニ!」

鎧の巨人「ゥゥゥアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」ブゥン

巨人「…!?」ヒュー

 ドゴッシャアアアアアアア

エレン「あいつ、味方の巨人を飛び道具にしやがった!」

ミカサ「これでは近づけない!」サッ

巨人「…??」ドゴッシャァァ

ミーナ「いやぁぁぁあああああああああ!!」

トーマス「考えることを放棄するなミーナ! 負け犬になるぞ!」サッ

巨人「…」ドゴッシャァァ

鎧の巨人「ウゥッゥゥゥゥゥゥウゥァアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」ブゥンブゥン

アルミン(なんだ…鎧の巨人の目元に何か…)

鎧の巨人「ァァァアアアア!!ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」ブゥン キラキラキラ

アルミン(なみ…だ…?)

ダズ「もう駄目だぁあああ!! あんなデカいのがたくさん、相手で、勝てるわけがねえんだああああ!!」

ジャン「黙れダズ!(…とは言うものの、味方すら武器にするヤツが相手じゃ無理もねえか…!)」

 ――――――ヒュンッ―――――――

ジャン「!?」

ジャン(何だ…今、何かが通り過ぎて…というかなんかくさい)

巨人「」ズズゥン

ダズ「おい! 巨人がひとりでに倒れたぞ!」

ジャン「なに!?」

巨人「」ズズゥウン

マルコ「また一体…いったい何が!?」

エレン「あれは……」

ミカサ「まさか……」




サシャ「―――討伐数、5です」スタッ

ジャン「サシャ…だと?」

ジャン(今の速度は、何だ…どうすればあんなに早く…)ハッ

ダズ「おい、ジャン…なんかくさくないか? この辺り」

ジャン「まさか、あいつ…放屁を推進力にプラスしやがったのか!?」

サシャ「……今の私は、自分を支配できている…ような気がします」

サシャ「放屁も自由自在です」

サシャ「恐ろしいほどに体が鋭敏に反応して、力もこもります…」

サシャ「さあ、鎧の巨人…次は貴方です」

鎧の巨人「…」

サシャ「思い知らんかい…食べ物の恨みの…恐ろしさを!」バシュッ

エレン「よせサシャ! 下手に突っ込んだら…!」

巨人「」ドターン

巨人「」バターン

巨人「」ズデーン

巨人「」ドゴーン

サシャ「討伐数9!」

エレン「何だよあの動き…」

ミカサ「放屁で速度を上げているだけじゃない…あんなジグザグ移動は、強い私でもできない」

アルミン「何がどうなっているんだよ…」

コニー「おいお前ら! サシャは…って、なにあれつよい」

鎧の巨人「ァアアアアアアアアアアアッ!!」ビュン

サシャ「お前さえ壁を壊さなけりゃぁああああああああああああああ!!」サッ バシュッ

サシャ「ケェッェェッェェェェエェェェェェェェェェエェェェキ!!」ガキィィン

鎧の巨人「…」ドヤァ

サシャ(刃が折れた……!? ッ!)ドテッ

鎧の巨人「…」ドシンドシン

コニー「今助けるぞサシャ!」バシュッ ガシッ

サシャ「すみませんコニー…弱点を狙ったんですが…!」

コニー「鎧なんだから硬いに決まってんだろ! この馬鹿!」

サシャ「わひぃ」

コニー「無茶して死んだりなんかしたら、一緒にケーキが食えなくなるだろうが!」

サシャ「コニー…」

コニー「ケーキが食いたいんじゃねえ! お前と食べるから価値があんだよ! 俺を一人にしやがったら承知しねえぞ!」

サシャ「…すんません…」

鎧の巨人「ァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」ドゴォォン

サシャコニ「ぎゃああああああああああああああああ!!」

ベルトルト「ライナー…」

アニ(羨ましかったのか)

コニー「あっぶねー、危うく死ぬところだったぜ」

サシャ「無駄話している時間はありませんね…どうにかして、あの畜生を駆逐せんと…」

エレン「うぉらあああああああああああああ!!」ガキィィン

鎧の巨人「ウグァアアアアアアアアアア!!」ドヤァ

コニー「やっぱりうなじへの攻撃はダメなのか」

ダズ「どうすんだよぉ! 教官に教えられた弱点に当てても全然効かないじゃないか!」

ミカサ「鎧が硬すぎる…!」ガキィン

サシャ「そんな…弱点のない巨人だなんて…」

コニー(巨人の…弱点…)

鎧の巨人「ォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオン!!」バキィ

コニー(なんだ…なんかひっかかってるぞ。喉元まで出かかってるのに)

クリスタ「きゃあああああああああ!!」

鎧の巨人「…!」ピクッ ドシンドシンドシンドシンドシンドシンドシンドシン

ユミル「クリスタ! あの野郎、クリスタに特別反応してやがる!(てことはやっぱり…?)」

コニー(クリスタ…? 結婚式の企画したのがクリスタで…会場設営が…ライナー)

コニー(…ライナー? ライナー…そうだ、確かあいつが言っていた……!)

ライナー『縦1メートル、横10㎝だ』

ライナー『もしくは奴らのケツにぶち込む。弱点はこの二つのみ』

コニー「そうだ! サシャ! もう一つ弱点があったじゃないか!」

サシャ「……! そうか! ライナーの言っていた!!」

コニサシャ「ケツだ!!」

クリスタ「いやぁあああああこないでえええええええええ!!」バシュッバシュッ

鎧の巨人「…! …!! …!!!」フシューフシュー ドシンドシンドシンドシン

ユミル「おい! クリスタから離れろ! おい!」ガキィンガキィン

コニー「なんか知らんが、クリスタが上手く囮になってる。今がチャンスだ!」

サシャ「はい!」

ベルトルト「ライナー…どこまで自分を見失えば気が済むんだ…」

アニ「で、どうするの? 殺すの?」

ベルトルト「殺したいところだけど、鎧の巨人は無敵だからね」

ベルトルト「とても人類の装備では壊せない、絶対無敵の鎧を纏っている」

ベルトルト「それが本気になっているんだ…殲滅は確実だろうね」

アニ「……あの馬鹿」

コニー「お! ヤツのケツの谷間は赤色だ!」バシュッ

サシャ「赤いところは筋肉みたいに見えますし、あそこは鎧じゃないってことですかね?」バシュッ

コニー「さすがライナーだ…」バシュッ

サシャ「ッ! コニー!」

コニー「え?」

巨人「…!」バキィ

コニー「ぶはっ!?」

サシャ「はぁっ!」ズバァン

巨人「」ドテーン

サシャ「コニー! 大丈夫ですか、コニー!」

コニー「平気だ! 装備は壊れちまったが、俺は動ける!」

サシャ「コニー、すぐに撤退を…」

コニー「お前を一人にできるかよ…撤退なんか絶対しねえぞ、俺は」

サシャ「コニー…」ブワッ

鎧の巨人「ァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」ドゴーン

サシャコニ「ぎゃああああああああああああああああ!」

ジャン「何なんだあの巨人…あいつらがイチャつき始める度に攻撃を…」

マルコ「まるで嫉妬しているようだ…」

コニー「そうか! おい! 誰でもいいからヤツの傍でイチャついてくれ! 俺に考えがあるんだ!」

ミカサ「…エレン」クイクイ

マルコ「…ジャン」クイクイ

鎧の巨人「…!」フシューフシュー ドシンドシンドシンドシン

クリスタ「もういい加減にしてぇえええええええええ!!」

ユミル「クリスタァアアアアアアアアア!!」

アルミン「あの巨人、どうやらクリスタとイチャつく男女に反応するみたいだよ」

アルミン「弧を描く壁の上にクリスタとバカップルを適当な距離で配置すれば、どちらを狙うべきか困惑して隙ができるんじゃないかな」

コニー「そうだ! それが言いたかったんだよ俺は!」

ミカサ「私とエレンが引き受けよう!」

エレン「え、なんで?」

ミカサ「人前でイチャつくことにかけて私たちの右に出る者はいない」

エレン「いや、そんなの心当たりねえよ」

ジャン「そ、それはおかしいぞミカサ!」

マルコ「そうだよ! 僕たちの右に出る者こそそれこそいない!」

フランツ「…俺たちの出番のようだな、ハンナ」

ハンナ「そうねフランツ! あの巨人に見せつけてやりましょう!」

アルミン「うん、二人が適任だね。思いっきり接吻でもかましてくれ」

フランツ「ああ! 任せろ! 今日はキスまでやろうかハンナ!」

ハンナ「そんな、人前でキスだなんて…/// でも、興奮する!」

ミカサ「…さすがに身を引かざるを得ない」

マルコ「…だね」ガックシ

エレン「おいクリスタ! 聞こえるな!?」バシュッ

クリスタ「エレン! 私を助けに来てくれたの!?」パァァ

ユミル(さっきから頑張ってんだけど)

エレン「すぐに壁の上に登れ! 南門の傍の、カーブしたところに向かってくれ!」

クリスタ「え?…う、うん! わかった!(助けに来てくれたんじゃないのかあ…)」

鎧の巨人「ォオオォォォォオオオオオ!!ォォォォォォォォォォォオ!!」ガァンガァン

ユミル「なんだこいつ…急に壁を殴りやがった」

ミカサ「エレン! ハンナとフランツが配置についた!」

エレン「クリスタも壁の上に上ったぞ! 鎧の野郎もクリスタを追うようにして作戦区域に向かってる!」

コニー「よし、サシャ! 俺たちも配置に!」

サシャ「はい!」



アルミン「…よし、鎧の巨人が作戦区域に入った!」

ジャン「緑の煙弾を打ち上げるぞ!」

ドシュッ

フランツ「…見てごらんフランツ。煙弾が上げられたよ」

ハンナ「ホントだね…雲に交じってとっても綺麗」ギュッ



クリスタ(旗のついた大砲…これね。ここに立ってればいいってエレンが言ってた)

鎧の巨人「ァアァァァァァァァアアアアグリズダァアアアアアアアアアアア!!」ドシンドシンドシン

フランツ「なあハンナ…今日ここで、君に伝えたいことがあるんだ」

鎧の巨人「……!」ピクッ

クリスタ(あれはハンナとフランツかな…?)

鎧の巨人「…! …!!」キョロキョロ

フランツ「見てくれ…夕日が綺麗だろう? ここでなら、きっと君の心に響くと思う」

鎧の巨人「…っ!」ドシンドシンドシン

クリスタ(地団太踏んでる…)

ハンナ「つ、伝えたい…ことって…?」ギュ

フランツ「そうだね…言葉では言い表せないから、僕の唇に想いを乗せるとしよう」

鎧の巨人「…ッ! …ッ!!」ワナワナ

クリスタ(な、なにやってるこのあの二人…この状況で)

ハンナ「くちび…そんな、フラン――――」

―――――――ズギュゥゥゥゥゥゥン――――――――

鎧の巨人「ウァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」バカァン!

クリスタ(巨人が、壁に手をついて…! 悔しがっている!?)

コニー「いくぞサシャ! やつがケツを突き出してる隙に!」バシュッ

サシャ「はいっ!」バシュッ

コニー「二人分の体重を乗せて!」バッ

サシャ「今!!」ババッ

コニサシャ「突き立てるッ!!」シャキーン ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ



―――――ザシュッ――――――


鎧の巨人「!!!????!!!?!?!!?」

コニー「まだだ!! ガスを噴かせ! 自前のもだ! 押し込むぞ」ブシュゥゥゥゥゥウゥ

サシャ「ええ!! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」バモモモモモモモモオッ

鎧の巨人「ア"ッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」ドターン

アルミン(結婚式の最中だったから、というのもあるのだろうが)

アルミン(二人で一つの刃を巨人の尻に突き立てるその姿は)

アルミン(ケーキ入刀のそれを連想させた)

クリスタ「すごい! 巨人を倒したの!?」

ハンナ「ああっ! フランツ!! そんなっ、激しいよっ!」ンチュッブヂュゥゥゥゥ

フランツ「ここまでやったら作戦なんて関係ないじゃないか! おさまりがつかない!」チュッムチュッチュゥゥゥゥゥ



コニー「すげえ…ライナーの言った通りだ」

サシャ「鎧の巨人が…煙を出しながら消えていきます…」

ミカサ「…トロスト区にいた残りの巨人は排除した」

アルミン「いつの間に…」

ジャン「おい…あれ…」

エレン「巨人のうなじに…何かいるぞ…」

コニー「…そ」

サシャ「……そんな……」

ライナー「……」ピクピク

クリスタ「どうして、ライナーが…」

ミーナ「巨人の中に…?」

コニー「ウソだろ…ライナーが…ライナーが、街を壊して回ってたってのかよ…?」

サシャ「どうして…どうしてなんですか、ライナー…!」

アルミン「…詳しいことはわからないけど、ひとまずライナーを連れて本部に…」


アニ「…ベルトルト」シリオサエ

ベルトルト「もしバレて捕まった場合の策は伝えてあるけど…今のライナーにそれができるかどうか」シリオサエ

エレン「何でお前ら尻押さえてんだ」

アルミン(その後、拘束されたライナーは様々な拷問を受けた)

アルミン(黙秘を続けたライナーだったが、クリスタが結婚を引き合いに出すと)

アルミン(間抜けなほどにペラペラと自分たちの事情を話してくれた)

アルミン(もちろんクリスタの方便であり、実際に結婚なんてしていない)

アルミン(逆上したライナーはベルトルトが超大型巨人でアニも巨人であることも暴露し)

アルミン(ライナーから引き出された情報で、人類は巨人に勝利した)

~数か月後、拡大した人類領域~

コニー「これが海かぁ」

サシャ「なんか変なニオイがしますけど、波の音って落ち着きますねぇ」

コニー「あれから事態が急変し過ぎて、結婚式の続きもできなかった」

コニー「結局食えなかったな、バカでかいケーキ」

サシャ「ですねぇ…でも」

コニー「ん?」

サシャ「私は、ケーキがきっかけでしたけど、もっと大事なものを手にできた気がします」

コニー「?? えっと?」

サシャ「コニー、ずっとずっと、一緒に居てくれますよね?」

コニー「ああ、おう! 約束するぜ!」



サシャ(大好きなコニーと一緒に、大好きな食べもんを食べていける、未来を)


~おわり~

くぅ疲これ終!
サシャコニと鎧入刀しか考えてなかったけど締められて感無量です

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom