モバP「みんな……今まで、ありがとう。俺忘れないよ」 (118)



※キャラ崩壊





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1402100049

本田未央「そんな、私だって……忘れない……忘れられるわけないよ、うぅ……ぐすん」

島村卯月「そうですよ……あんなにキラキラした毎日、私……私っ……ぐすん」

渋谷凛「……」

モバP「おまえたち、こんな俺の為に泣いてくれるのか。くそぅ、目から汗が出やがるぜ……ぐすん」

未央「当たり前でしょ、あんなに楽しい時を一緒に作って、過ごしてくれた……ぐすん」

卯月「うん、モバ……プロデューサー!さんが、もう私達とは一緒に……ぐすん」

モバP「っ!そう……もう、そうだな……ぐすん」

北条加蓮「……」

未央「ぐすん」

卯月「ぐすん」

モバP「ぐすん」

神谷奈緒「……」

未央「ぐす……へっぶし!」

卯月「……フフ」

モバP「ンフ」


先輩P「もういいか?あれな、未央と卯月な、演技のレッスンしこたまやってもらうから」

未央「ちょっ!?」

卯月「あぅ……」

城ヶ崎美嘉「あはっ★未央と卯月頑張れ~。それから、改めてプロデューサー就任おめでとっ!」

モバP「おう!ありがとう!やっと研修と称したパイセンからのパワハラから……」

先輩P「パイセン?パワハラ?」

モバP「……ッス。先輩からのありがたい指導で無事研修を終えることができました」

美嘉「でも、寂しいなぁ~。もう一緒に仕事に行くことも滅多になくなるだろうし。ね、凛?」

凛「っ!別に。そうでもないかな」

未央「おっと、美嘉ねーそこつっついちゃう?……チラ」

加蓮「……事務所で会えるし」

卯月「奈緒ちゃん奈緒ちゃん。凛ちゃんと加蓮ちゃんなんか……あれ、奈緒ちゃんも?ん?」

奈緒「ち、近い。いや、まあ、そのなんだ……」

モバP「なんだよ~トライアドの三人は俺のことどうでもいいのかぁ。……あれ?結構ダメージあるなこれ」

美嘉「……言っとくけど、アタシはプロデューサーのこと大好きだからね!」

未央「ほほぅ……私なんて愛してるからね!」

卯月「あ!私も私も!」ピョンピョン

モバP「お前達……ちょっと本気で泣ける。ありがとう……あ、卯月ちょっとダブルピースしてみて」

卯月「はい!えへっ」エヘ

モバP「かわいすぎんだろ、これ」

美嘉「ちょっと!アタシ割と勇気だしたのにっ切り替え早いよ!」

未央「ふっふっふ……美嘉ねー、得てしてそういうものなんだよ。プロデューサーというものは」キリ

モバP「未央……アホっぽいぞ」

未央「なにおう!?」

凛「……もぅ。拗ねてるのが馬鹿みたい。ごめんね、新しい子に取られちゃう気がして……あのねプロデューサー就任おめでとう。たった三ヶ月だったけど一緒に居れて楽しかった。うぅ……楽しかった」

美嘉「そんな今生の別れじゃないんだから……もう、仕方ないからアタシの担当になっちゃいなよ★凛も新しい子にモヤモヤするらしいし、パイセンもTPとNGさらにソロのアタシだなんて大変だろうし」
 
加蓮「ちょっ!?ズルイ、駄目!!」

奈緒「そ、そうだ!駄目だぞぉ……あ」

先輩P「美嘉……今、なんと?」

美嘉「……ッス。先輩P大好きッス。プロデュース感謝してるッス」


先輩P「はぁ、まあいい。おい、モバP。……ちょっとこっち来い」

モバP「ん?なんですか?そんな隅で……え?もしかして殴られる?泣かされる?いや、鳴かされる!?」

先輩P「ふざけんな。マジな話だよ」

モバP「あ、すいません。……で、話とは?」

先輩P「前々から言ってきたが、未央、卯月、美嘉……この三人はお友達感覚だからまだいい。まぁ、すこし怪しい感じはあるが」
  
モバP「はぁ、またそれですか。TPの三人も似たようなもんですよ」

先輩P「いや、危ういよ。あきらかに変だったのお前でもわかっただろ?」

モバP「はい、まぁ……」

先輩P「大体、あの年頃の娘なんてちょっとしたことで意識するんだよ。同じクラス、隣の席……もしかして運命!?みたいなチョロさを発揮するからな」

モバP「そんな、思春期の男子中学生じゃないんだから。大袈裟ですよ」

先輩P「男子も女子も似たようなもんだよ」

モバP「パイセンに女の子のこと言われても説得力が……ぷふっ」

先輩P「あぁ!?」

モバP「……ッス。説得力抜群ッス」

先輩P「とにかく、そんな女子達をおまえは映画や漫画のように、乙女のピンチから助けた……助けてしまった!……いや、助けてくれたことは心からありがとう!」

モバP「まぁ……あいつらにとっちゃ貞操の危機だった訳ですから、言いたいことはわからんでもないですよ?でも、所詮俺ですからね。先輩が心配してることは、所謂つり橋効果ってやつですよ」

先輩P「その卑屈さがホントむかつくな。惚れてるのは間違いないんだ……だから例のことやるぞ。お前とアイドル達の恋愛沙汰は事務所の存続に関わる。先方には了承を得た」

モバP「え~?考え過ぎだと思うけどなぁ。と言うかよくオッケーしてくれましたね」

先輩P「……まあ、事務所全体に関わることだからな。ついでにスタドリの在庫がうんぬん言われて、よろしくと」

モバP「……あ~」

凛「ねぇ、二人でなにコソコソ話してるの?」ヌッ

モバP「っひゅ!?り、りんちゃん……気配消して近づくのはね?びっくりするからね?」

凛「ちゃん付けで呼ばれるのも、うん。なかなかいいね……で?」

先輩P「威嚇すんなよ、別にお前が心配することじゃねぇよ」

凛「むぅ……」


―――

美嘉「あ~あ、荷物持ちいなくるのかぁ」

未央「だよね~」

加蓮「頼りにしてたんだけどなぁ」

モバP「おうコラ、そこだけか」

美嘉「へへへ、冗談だよ★でも研修って私達から見たらただの付き人みたいだったよ?それが勉強って奴?」

モバP「まぁ、そうだな。他にもお前たちがいないとこでいろいろあったけどな。マーケティングから予想されるなんたらとか、スポンサーとのなんたらとか。正直俺自身、想像してたプロデューサー像と違ったな」

奈緒「へぇ、ちなみにどんなプロデューサー像だったんだ?」

モバP「作曲したり、詩も書いたり、時には振り付けとかボイトレなんかも指導したりとか」

先輩P「そういった人もいるが、うちはマネージャー業務の割合が大半だからな」

モバP「そうなんですよねぇ。せっかく一通りはできるように、学生のころ通信講座でマスターしたのになぁ」

凛「通信講座でマスターって……」

モバP「いやいや、馬鹿にすんなよ。そうだな……じゃあ、通信講座によって鍛えられた音域と肺活量を披露してやろう」

卯月「わぁ!お願いします!」パチパチ

モバP「おう!わかりやすく高音な。んんっ、あーあー。あーあーあーあーあー。よし……スゥ」




モバP「ファ―――――――――――――――――――――――――――――」



凛(うわっすごい)

未央(なんたる美声)

卯月(ファ?)



モバP「ファ―――――――――――――――――――――――――――――」


加蓮(ぶれない、きれい)

奈緒(すごいな、途切れない)

卯月(ファ??)



モバP「ファ―――――――――――――――――――――――――――――」


美嘉(すごいんだけど……ふふ……どうしよう、これ面白いかも……でも笑うのは……みんなは……)

凛(……)フルフル

未央(……)フルフル

加蓮(……)フルフル

奈緒(……)フルフル

卯月(ファ???)

美嘉(こらえてる……の……かな?……ふ、ふふ)



モバP「ファ―――――――――――――――――――――――――――――」



奈緒(なんだ!?なんで笑ってはいけないみたいになってんだ!?て言うかPさん長いよ!)フルフル

凛(……)フルフル

未央(……)フルフル

加蓮(……)フルフル

美嘉(……)フルフル

卯月(んー?)キョロキョロ


モバP「ファ―――――――――――――――――――――――――――――」



先輩P「……ラミエルかな?」

奈緒「ぶふぉ!くふふふ、ち、ちがくて……んふふふ」

モバP「ででーん。奈緒アウトー」

卯月「はっ!なるほど!えいっ!」パチム

奈緒「あいたっ!なんで!?卯月っなんで!?なんで、尻ビンタ!?」

卯月「え?笑ったから?」

奈緒「み、みんなは!?」

凛「ふぅ……奈緒、プロデューサーは真剣にやってくれたんだから笑っちゃだめだよ」

奈緒「ででーんって言った!ででーんって!!真剣と違う!」

加蓮「奈緒……笑ったらそれはやっぱり叩かれるべきだと思うの……フフ」

奈緒「わーらってるじゃーん!加蓮だってわーらってるじゃーん!!」ダンダン

未央「……ンフ」

美嘉「……フヒュン」

モバP「ででーん。未央、美嘉アウトー」

未央、美嘉「「!?」」

卯月「ホイきた!」パチムパチム

未央「痛いってより恥ずかしい……」

美嘉「うん……お母さんだよ、これ」

卯月「お母さんと違うよ!!」

先輩P「……楽しそうなお前ら。……ああ、そろそろ時間だ」

モバP「おっそうですね。自分だけの担当アイドルかぁ……よしっ!応接間に行けばいいんでしたっけ?」

先輩P「うん、そうだ。2,30分面談して来い。終わったらちひろさんともう一回こっちに来い」

モバP「うす。ちなみにどんな子達なんですか?一ヶ月前には決まってたんですよね?ずっと教えてくれなかったですけど」
  
先輩P「え?あ~、お前初めてのプロデュースだから、言い方悪いかもしれんが、癖がなくて前向きで……その……やる気のある子達で、えっと……すごいかわいいな」

モバP「へぇ!そうですか!ありがとうございます。それだったら早く言ってくれてもいいのに」

先輩P「いやまあ、昨日スカウトしてきたから」

モバP「……」

先輩P「……」

モバP「……」

先輩P「……ほら、早く」

モバP「……ッス」


―――――――――

――――――

―――


ちひろ「あ、プロデューサーさん。就任おめでとうございます!女の子達もう来てますよ」

モバP「ありがとうございます!やっぱり少し緊張しますね」

ちひろ「ふふ、どうです?景気づけに一本」コト

モバP「はい!パイセンにツケといてください!」カシュ

ちひろ「毎度あり~」

モバP「ぷはっ。うし、行きますか」



モバP「入るよ~」コンコンコン

モバP「始めまして!今日から君たちをプロデュースさせてもらうモバPです。よろしく!」


双葉杏「さっそくですけど、杏、週休8日を希望しま~す」


森久保乃々「静かに暮らしたいんですけど……」


大沼くるみ「お、おとこのひと……ふぇぇ」
      




モバP「……ふぇぇ」



―――――――――

――――――

―――




モバP「パイセン!パイセン!パイセ~ン!!」

先輩P「……ッシ!!」

モバP「コッ!!」


どしゃぁぁ


奈緒「あぁ!Pさんがemethのeを削られたゴーレムのようにっ!!」

先輩P「パイセンと呼ぶんじゃねぇ。アゴぶち抜くぞ」

モバP「ほ、ほのひほ、めひゃひゅひゃひゃ……オオウ、オウ」ガクガク

卯月「……すごい、フルフルしながら立った。フルフル」

モバP「あ~あ~、ぅうん。ふぅ、卯月は冷静だなぁ。じゃなくて!先輩言ってること全然違うじゃないですか!」

先輩P「え?何が?」

モバP「担当アイドルの子達ですよ!自己紹介でいきなり週休8日を希望されましたよ!?」

先輩P「はっはっは、お前は馬鹿だなー。一週間は7日だぞー」

モバP「そういうことじゃなくっ!静かに暮らしたいって引退コメントみたいなこと言われたり!」

先輩P「ぷふぅ~、まだデビューもしてないのにねー。未央、ねー?」

未央「ね、ねー」

モバP「んぐあぁ!もう!あと、泣き虫で胸でかい!」

先輩P「最高だろ?」

モバP「最高です!……あれ!?」

凛「最低だよ」

加蓮「サイテー」

モバP「じゃなくて、なんで嘘ついたんですか!て言うかよくスカウトできましたね!」

先輩P「いや、お前アイドル達に懐かれてて、ムカつくじゃん?それにまったくの嘘じゃないだろ?……めちゃくちゃかわいいだろうが!!」

モバP「アイドルですからね!そりゃかわいいですよ!キレて誤魔化そうとしてるけど嘘ついた理由、わりと器がちっちゃいからね。おちょこ並!」

先輩P「んだと、こらぁ!ももに膝いれてホロホロさせんぞ!」

モバP「あ!俺がやり返さないと思って、そうやって!」

先輩P「え?やりかえすの?」

モバP「……いや、無理ですけど。理不尽暴力系ヒロインは嫌われますよ!」

先輩P「気持ちの悪いこと言ってんじゃねぇ!」ドッ

モバP「んぐぉぉ……ぉぉ……」ホロホロ

卯月「ねぇ、美嘉ちゃん。ホロホロしてるね。ホロホロ」

美嘉「うん……卯月、冷静だね」

ちひろ「面談が終わったと思ったら急に走りだして……また、二人して遊んでるんですか?」

未央「あ、ちひろさん。お疲れさまでっす!」

凛「見ての通りだよ。それで何かあったの?」

ちひろ「プロデューサーさんに呼ばれてたんだけど……」

先輩P「あ!ちひろさん来ましたね!それじゃさっそくですけどっ」

モバP「あってめぇ!このタイミングは完全に私怨のそれだろ!」

先輩P「誰に向かってそんな口聞いてんだ!完全に事務所の為だねっ!」

ちひろ「あ、あの……何を……」

先輩P「みんな聞いてくれ!お前達にいらん気を使わせたくなくて黙っていたんだが、もういいだろう!この二人付き合ってるから!彼氏と彼女だから!!」




アイドル達「「「」」」



ちひろ「へあ!?……あぁ!」

卯月「ぷぷ、ぷろでゅ、ぷろでゅーさー、つ、つき、つき!?」

モバP「お、お、落ち着け。ど、どどど動揺してるぞっ、つ、つき、うづき」

凛「プロデューサー卯月で遊ばない。卯月も落ち着いて。ちひろさんもびっくりしてたでしょ。たちの悪い冗談だから」

ちひろ「……ごめん、凛ちゃん。ずっと内緒でいようって話だったから急な展開でびっくりしちゃって……」

凛「……え?」

先輩P「すいません、ちひろさん。ちょっとこいつらモバPと仲良すぎる感じがしたんで、二人の仲を知ってる者としては些か心苦しく……勝手だとは思ったのですが、もう公にしたほうがいいかと」

モバP(うわ~よく言うよ。この人の演技力、営業でかなり有利だよなぁ)

ちひろ「いえ、気を遣ってもらってかえって恐縮です。プロデューサーさん公認になっちゃいましたね?ふふ」

モバP「は、はい。さんきゅーちっひ!」

ちひろ「なんですかそれ?ふふ、面白い人」

モバP(あ、俺駄目だ。ちひろさんも若干おかしいぞ。なんか変に大人ぶってる……はっは~ん、さてはまだおぼこだな?……って、んな訳ないか)

    

凛「……」

加蓮「……」

奈緒「……」

未央「……」

モバP(うわっ空気わるっ!)

卯月「え?え?」キョロキョロ

美嘉「……なんかちひろさん、アタシと似たような感じがする」

ちひろ「えっと、似てる……かな?タイプ的には……」

加蓮「……ちひろさん。Pさんとはどこまでいったの?ううん、ヤったの?」

ちひろ「ヤ、ヤった!?そ、それはもう大人ですから?あ、あの……最後まで?」

凛「……ふ~ん」

未央「……確かに美嘉ねーだ」

美嘉「……ね?」

モバP(ちひろさんマジか!?美嘉はそれでいいのか!?)

奈緒「……まぁ、だからって訳じゃないけど、引かないから」

凛「そうだね。引く理由はないよね」

加蓮「最終的には私の隣にいればいいけど、それはあくまで最終的にはだから。やっぱり全力だよね」

未央「おおぅ……制圧前進……」

卯月「拳王と聖帝のいいとこどりだねっ」

美嘉「……アタシ、なんか自爆した?ううん、アタシはカリスマギャル!キャラは守れてる!あはっ★」


先輩P(う~ん、やっぱTPの三人は手強いな。おい、モバP一応言っとけ)

モバP(はいはい、まさか本当にこんな感じになるとは)

モバP「という訳で、俺とちひろさんは付き合ってます。知られたからには好きな人には嫌な思いをさせたくないので、過度な接触は禁止。もちろん俺からも日常に起こりえる最小限に留めます」

ちひろ(例え嘘でも好きな人って言われるのはうれしいですね。やん、恥ずかしい)

未央「え~?抱きつくのはいいでしょ?」

モバP「いいわけないだろ。そもそも恋人がどうとか以前に、アイドルとプロデューサーなんだから当たり前のことなの」

卯月「頭撫でてもらったりは……」

モバP「うっ……まぁ、しない方向で。ファンの方が見て不快に感じるようなことはしないようにするよ」

美嘉「事務所内だったらいーじゃん」

モバP「ちひろさんがいるだろ」

凛「……」ジッ

加蓮「……」ジッ

奈緒「……」ジッ

ちひろ「ひぅ!」

モバP「あのな……」

凛「うん、ごめんわかってる。ちひろさんは悪くないし、私ちひろさん大好きだよ。ただね……」

加蓮「やっぱり割り切れないのもあるしね。いろいろあきらめてないし」

奈緒「それだけのことPさんはしたんだってこと自覚しろよ。馬鹿」

先輩P(あんまり効果なかったか?……牽制にはなっただろうが、う~ん……あっ!やばっ今日レッスンの時間……)

モバP「なんども言うけどつり橋効果で一時的な……もういいか。変にあの事を掘り起こしてもな。そうだな後は特にないか。んじゃ、俺担当アイドル達の仕事につきますので……先輩?」

先輩P「……え?あ、うん。まぁ初めての担当だ。わからないなりにぶつかって行け。そうすれば自ずと道は開けるさ」

モバP「適当に言ってくれるなぁ。あの子達の強烈な個性についてはうやむやにしてるし」

先輩P「この業界個性は宝だぞ。……よし、お前ら今日昼からレッスンだったよな。実は開始時間変わって……うん。10分ほど過ぎています。えー、そして手の中で携帯が振るえあげています。画面にはマストレとの文字が」

アイドル達「「「!?」」」

モバP「うわぁ……先輩すげぇ脂汗……」

先輩P「怖いのであえて出ません。今日は付き添わないので、すいませんが後よろしくお願いします」

アイドル達「「「よろしくできるかぁ!早く車出せぇ!!」」」

―――――――――

――――――

―――



モバP「ただいま帰りましたー。お疲れ様でーす」

くるみ「お、おつかれさまですぅ……」

乃々「あうぅ……帰りたいんですけど……」

杏「……杏も、もう帰りたい」

モバP「乃々と杏、あいさつはちゃんとしろよー。くるみは偉いぞ」

くるみ「ぷろでゅーしゃーがほめてくれた……やった」

先輩P「おぉ、お疲れ。無事あいさつ回り終わったみたいだな。んじゃ、これから初レッスンか」

乃々「え……聞いてないんですけど……」

杏「……騙したなっ杏を騙したな!事務所に戻ったら終わりって言ったのに!」

モバP「あいさつ回りがな。ほら、帰るまでが遠足的な?」

杏「きたないぞっ!そんなことばっかり言ってると杏だって考え」

モバP「はい、あ~ん」ポイチョ

杏「考え……考えが……ん~、おいしい……この飴に免じて許してあげるよ」コロコロ

モバP「ありがたき幸せ。かわいいかわいいお嬢様」

乃々「……ァー」ドキドキ

先輩P「上手く手懐けてるようだな」

モバP「手懐けるってのは、なんか違う気がするんですが。まぁ、仲良くやってますよ」

乃々「もりくぼスルーなんですけど。いぢめですか……」

モバP「ごめんごめん。ほら、くるみも。モバP特製どんぐり飴だ」ポイチョ

乃々「もりくぼは飴で懐柔されないんですけど……ん~」

くるみ「くるみ、ぷろでゅーしゃーの飴大好きだよぅ。ありがとぅ、おいひ~」

先輩P「なんで自作してんだよ……引くわ」

モバP「いや、杏が飴飴うるさいし、そういえば関東ってどんぐり飴ないなぁって思ったらつい。それが無駄に上手くなっちゃいまして、好評に……」

先輩P「なんだそりゃ。あ、トレーナーさんには連絡しといたから。……ベテランさんだから安心だよ?」

モバP「なんですかその言い方……気持ち悪いですよ。まあ、ありがとうございます」

先輩P「そろそろあいつら帰ってくるから、うるさくなる前にはよ行っとけ」

モバP「そうですね。よし、それじゃ皆行くぞ!」

くるみ「が、が、がんばりゅ……あう」

乃々「あの……えっと……その……むーりぃー」

杏「返事がない。ただの杏のようだ」ゴロン

モバP「……うんっ!最高のチームワークだぜ!」


―――――――――

――――――

―――

ルキトレ「あ、あのっ今日からここで働くことになったあなた様方の担当です!えっとえと!至らぬ点が多くあるとは思いますが、末永くよろしくお願いしますっ!」

モバP「……ぃよし!大丈夫落ち着いて。こっちも初めてのレッスンだからここから共に成長して行こうじゃないか。俺も多少手伝えることもあるだろうし、一緒に頑張ろう!」

ルキトレ「は、はい!ありがとうございます!」

モバP「う~ん元気だ~、イイネ!……それでいきなりで悪いんだけど、俺ちょっと席外すね。どうしても面と向かって一言ぶつけたいんで。すぐ戻ってくるから」

ルキトレ「え、ええ……??」

モバP「それじゃ、お前らルキトレさんの言うことよく聞いて……特に準備運動は念入りにな。怪我だけはするなよ」

くるみ「う、うん!」

乃々「怪我はしたくないですから……」

杏「わかったよ、終わったら飴三個は貰うからね……ってもういないし」



―――

モバP「パイセン!パイセンっあんたまたっ!」

先輩P「……ッシ!!」

モバP「コッ!!」


ズゥゥゥン


奈緒「あぁ!Pさんがk1時代の元横綱のようにっ!!」

先輩P「パイセンと呼ぶんじゃねぇって言ってるだろ。アゴぶち抜くぞ」

モバP「りふゅふぃんふゃ……オオウ、オウ」ガクガク

卯月「理不尽だ、かな?すごい、またフルフルしながら立った。フルフル」

モバP「んんっ!あ~、ふぅ……卯月正解!じゃなくてっ先輩なんでまた嘘ついたんですか!?」

先輩P「え?何が?」

モバP「ベテランのトレーナーさんだって言ったじゃないですか!今日が初めての子でしたよ!」

先輩P「かわいかったろ?正直めっちゃタイプだろ?わざわざマストレさんに頼んでやったんだぞ」

モバP「はいっ!ありがとうごぜーまっす!……じゃなくて、嘘つくその性根が腹立たしいんですよっ」

先輩P「だって、新人の子達までお前に懐いてるのがムカつくじゃん?」

モバP「だから、器ちっちゃ過ぎるんですよ!おちょこの裏!」

先輩P「んだと、コラァ!最近マジでちひろさんとイチャイチャしだして調子乗ってんな、てめぇ!」

モバP「あれは、あんたがやらせっ……くっ!もうしないっすよ!あの時の凛達のプレッシャー、獣の槍並でしたからねっ。天敵を前にしたバイソンでもいいですよ」

先輩P「お前妖怪なのかよ。とにかく、むしろ感謝して欲しいね。あの子かわいい上にちょっと無防備なところがあるからな。大きめのシャツ着てたりしたら……最高だろ?」

モバP「最高です!……いや、だからそういうフリ本気でやめて下さいって。ほら、ものすごい圧がっ!」

先輩P「ははっバイソンでもいるんじゃね……ぇ……の……」
    
凛「……」

加蓮「……」

奈緒「……」

未央「ぶ~」

美嘉「む~」

先輩P「うわ~ほんとだ~圧すげぇ……」

卯月「あ、ちょうちょだ!……蛾でした」

モバP「なぁ、蛾だなぁ……卯月、追いかけてみよう」

卯月「蛾を?」

モバP「蛾を」

卯月「……がをがを~」

モバP「がをがを~、わ~」

卯月「わ~」

先輩P「逃げんな逃げんな。悪かったから、ちょっとした茶目っ気のつもりだったんだよ」

モバP「まったく……もうこんなしょうもない嘘やめてくださいよ。心構えってもんがあるんですから。それじゃ、俺戻りますね。レッスンのサポートするんで」

先輩P「え、嘘……いやいや、もうちょっとここの空気暖めてから、なっ?なっ!?」

モバP「知りませんよ。それじゃ!」

卯月「いってらっしゃ~い!」フリフリ

凛「……」

加蓮「……」

奈緒「……」

未央「ふ~」

美嘉「は~」

先輩P「……ヒュゥ」


―――

くるみ「ふ~ふ~あっ、はなみずが……あぅ」

乃々「こひゅ~こひゅ~」

杏「はぁはぁはぁはぁ……」

モバP「こ、これは……」

ルキトレ「あの……準備運動しただけなんですけど……ごく一般的な」

モバP「うそん……」

ルキトレ「いやっ!でも頑張ってましたよ!」

モバP「……うん、ありがとう。トレーニングメニュー、もう一回考えてくれる?微力ながら手伝うから。ほんと、ごめんね……」

ルキトレ「いえ、謝らないでください。大体の基礎体力はわかりましたし、デビューまでのプロセスに問題はないですよ。ちょっとハードになりますけど」

くるみ「ふ~ふ~、それでかわいくなれる?」

ルキトレ「もちろん!くるみちゃん今でもかわいいけど、もっとっもっとかわいくなれるよ!頑張れる?」

くるみ「うんっがんばるっ!ぷろでゅーしゃー、応援してね?」

モバP「当然だ!いつでも応援してるぞっ!もちろん、乃々と杏もな!」

乃々「む~、かひゅ~かひゅ~、り~、かひゅ~」

杏「んはぁはぁはぁはぁ……ん、ん!はぁはぁ、つ、つばが、はぁはぁ飲みこめ、はぁはぁはぁはぁ」

ルキトレ「……えっと、焦らず一歩ずつ着実にステップアップしていきましょう」

モバP「……おうえんしてるぞー」


―――――――――

――――――

―――

マストレ「よしっ今日はここまでお疲れ!」

トライアド、美嘉「「「お疲れ様でした!」」」


「森久保が逃げたぞぉ!であえであえぇ!」


マストレ「なんだ、騒がしいな。またプロデューサー殿のとこか?」

凛「だね。乃々また逃げたんだ」

加蓮「もうちょっとした名物だよ」

美嘉「ルキトレさんも大変だ★」

奈緒「なぁ、マストレさん。せっかくだしちょっと見学して行ってもいいかな?」

マストレ「そうだな。今日付き添いもいないみたいだし、ついでに送ってもらえ」

加蓮「さすが、マストレさん。いいこと言う~」

マストレ「風邪引かないように、ちゃんとシャワー浴びてからだぞ」

凛「こんな汗だくで会いに行けないよ。乙女として当然」

マストレ「会いにって……見学じゃないのか?まったく、邪魔はするなよ」

トライアド、美嘉「「「はーい」」」




モバP「ぼののさんよぅ、あんた最近逃げすぎじゃぁないかい?」

乃々「無理矢理捕まえてくるのは、良くないと思うんですけど」

モバP「逃げたらそりゃ捕まえるでしょーよ。と言うか、お前最近逃げるの楽しんでないか?」

乃々「……そんなことないんですけど?」

モバP「目を合わせようなぁ。あっ、凛達じゃん」


凛「なんで」

加蓮「手を」

奈緒「繋いでるんだ」

美嘉「の~のちゃん?」


乃々「ひぃ!?」

モバP「唯の捕獲だよ。お前ら息ぴったりだな。でも乃々を怖がらせて遊ぶのはいただけないぞ」

凛「ごめんごめん。でも過度の接触はしないんでしょ?ここからは私達が護送するよ」

モバP「過度ってほどでもないだろうに……」

加蓮「ファンの方達が不快になるような~」

美嘉「デビューしてないとはいえ~」

モバP「オッケー、悪かった。確かに傍から見れば駄目だな」パッ

乃々「あっ……もりくぼはプロデューサーさんに見捨てられました。先輩方のいぢめの標的に……」

奈緒「こらこら、人聞きの悪い事言うなって。ほら、手繋ぐぞ」ギュ

モバP「あと、見捨てることなんて絶対しないから。冗談でもそんな悲しい事言うなよ。最後の時まで傍にいるからな。……ストーカーじゃないよ?」
   
乃々「……言い訳が余計なんですけど。ふふ」

凛「もぅ、ずるいなぁ。くやしいから変わりに乃々に抱きついちゃお」ギュ

乃々「え、あの……ちょっ、え……あ、あの」

加蓮「アタシもっ!よいしょっ」グッ

乃々「ひゃぁ……えっとえっと」

奈緒「あたしもだ、それっ!」ググッ

美嘉「前後左右、全方位抱きつきっ★」グググッ

乃々「あ、あのっもりくぼは、みこしじゃないんですけど……神輿じゃないんですけど!」フワッ

モバP「お前達、力あるなぁ……」


―――

くるみ「あ、ぷろでゅーしゃー乃々しゃんは……あ、先輩方お疲れさまですぅ」ペコ

凛「くるみちゃん、お疲れ様。おいでおいで」

くるみ「は、はい……な、なんですか、ひゃぁ!」

凛「抱き心地最高だよ、くるみちゃん。いい匂いもするよ、ん~」

加蓮「あ、アタシも。ふかふかだぁ」

美嘉「……」

くるみ「ふぇぇ……ぷろでゅーしゃーたすけてぇ」

モバP「二人共、若干カリスマギャルのキモチワルイモードみたいになってるから、やめとけ」

凛「ん、残念。ごめんね、くるみちゃん」

加蓮「キモチワルイモードは駄目だよね。ごめんね?」

美嘉「そうくると思ったよっ!そんなモードは都市伝説だから!!」

モバP「ふひひ★」

美嘉「むっかつく~!ば~かば~かっ」

モバP「ふはは、すまんすまん。くるみ、大丈夫か?」

くるみ「だ、大丈夫ですぅ。ちょっと泣いちゃってごめんなさいぃ」
    
モバP「よし、乃々も戻ってきたしレッスン再開するか」

奈緒「あれ?杏は?」

モバP「あいつサボりやがった。家からも逃亡しててな、まぁ親御さんが発見してるからいいんだけど、ここも時間に限りがあるから、今日は休み」

奈緒「杏もそんな行動力はあるんだな……」

モバP「このままでは終わらせんけどな、ふっふっふ。ともあれ、ルキトレさんお待たせ。ごめんね?」

ルキトレ「いえっ!では、さっそく続きからやりましょう!」

くるみ「は、はい!」

乃々「ほんの少しだけ……頑張ってみます……」

―――――――――

――――――

―――



未央「おはよーございまーす。プロデューサーは……あ、いた」

モバP「おう、未央おはよう。どうしたこんな時間に」

未央「今日学校早く終わって暇だったから、事務所に行ってさ。そしたらレッスン場にプロデューサーがいるって聞いて、私もレッスンあるしちょうどいいやって」

モバP「そっか……う~ん、なかなか上手く撮れないな。よっ、ん、こうか?」

未央「何してんの?ゲーム?あ、なんかエッチな奴だ!い~けないんだ、いけないんだ~し~ぶりんに言ってやろ!」

モバP「おう、別にいいぞ。これ、杏のだし……お、可愛く撮れた。う~ん、点数低いな……」

未央「ちゃんと相手してよ~。もぅっ、私にも見せて!……恋愛ゲーム?」

モバP「ああ、どの娘を攻略しようか迷ってるんだけどな。そうだな……未央っぽい気がせんでもない、このソフトボールっ娘にするか」

未央「おっ!それはこの未央ちゃんを口説きたいと!やだなぁ、そんな遠まわしに言わなくても、えへえへ」

モバP「パンツ見えてるな、これ」

未央「聞いてよ!」

杏「はあはあ……て言うか、なんでゲームしてるんだっ!んはっ、はあはあ……杏は休日返上で、ふ~ふ~、頑張ってんのにっ、一人で!」

モバP「この前サボったツケだよ。二人は学校だし、杏のとこが休校日で良かったよ」

杏「お~ぼ~だ~。人権無視だ~」

モバP「あのな、今日俺もルキトレさんもオフなんだぞ?おまえだけじゃないんだ、ほら頑張れ!」

ルキトレ「そうですよ!もう一息頑張りましょう!」ムンズ

杏「メ、メリハリが大事だよ!休憩しないとっ、ちょっ!わぁ、た、たすけれ~」ズルズル

モバP「……未央、ツケって怖いな」

未央「うん……さすがマストレさんの妹だね」



―――



モバ未央「「新見……さん」」

モバP「おかしい……俺は確かにののかを攻略してたはず……」

未央「気がついたら新見さんエンド」

モバP「恐ろしいものの片鱗を味わったな……」

モバ未央「「新見……さん」」

ルキトレ「新見さん?何かあったんですかね?」

杏「全盛期の新見…さん伝説で調べるといいよ。それよりも、杏はもう動かないぞっ、うんしょ」

モバP「おまっ!何ナチュラルに膝の上に座ってきて……くせぇ!」

杏「美少女の香りとかご褒美だよ。ていうか、ゲームで遊んでた罰」

モバP「なんかねちょつくっ!お前のシャツ粘性がっ!」

杏「すっごい汗かいたうえに、マストレさん特製のドリンク噴出しちゃった結果だね」

ルキトレ「お姉ちゃんのドリンク疲労にいいからちょっと強引に……えへっ」

杏「今日のルキトレさんテンション高くてまいったよ……」

モバP「なんでもいいから、シャワー浴びて来い。ていうか、降りろ!くさいっ!」

杏「乙女に対して言ってはいけない最たるものを、軽々しく言うなんて鬼畜だよ。はぁ、やだやだ」

モバP「くつろぐな!ほんとむ~り~!」

杏「あははっ乃々そっくり。だが、杏は動かない」

モバP「未央っ、そんな冷めた目で見てないで助けて!これすごいのっすっごいの!!」

未央「はぁ……わかったよ。仕方ないなぁ」

杏「ふん、杏は退かないぞ。二人していちゃコラとゲームしてた復讐なんだ」

未央「うん、それはごめん。でも……もう、来るよ?」

杏「何が来るのさ?」

未央「トライアドプリムス」

杏「へ?」

未央「ト ラ イ ア ド プ リ ム ス ……withウヅキ」

杏「……」スッ

未央「シャワー……行こっか」

杏「……ん」


モバP「あー……ルキトレさん、休みなのに無理言ってごめんね?」

ルキトレ「……いえ、楽しかったですし」

モバP「俺も、シャワー浴びてこようかな」

ルキトレ「あ、わたしも……」

モバP「一緒に?」

ルキトレ「プロデューサーさんにその勇気があるのなら」

モバP「ここにヘタレが一匹」

ルキトレ「意気地なし」

モバP「あ、それかわいい」

ルキトレ「……ふふ」

モバP「ははっ」

凛「何がおかしいの?」ヌッ

モバP「ふゃ!?だ、だからりんちゃん!気配消すのダメ絶対っ」

ルキトレ「な、なんでもないですからっ!わたしシャワー行って来ます!」ダダッ

凛「ん~?」

モバP「か、加蓮と奈緒と卯月は?……一人で来たのか?」

凛「ラウンジにいるよ。嫌な波動を感じたからちょっとダッシュで来た」

モバP「は、波動?そ、そか……」

凛「……」ジー

モバP「じゃ、じゃあ、俺もシャワー浴びてくるな」

凛「……私も行く」

モバP「な、なんで?」

凛「それ着替えたいんでしょ?代わりの服用意してあげる。まだ時間あるし」

モバP「……あ、はい、すいません。いろいろと……」

凛「??」

―――――――――

――――――

―――



先輩P「よぉ、デビューの日決まったらしいな。ちょうど三ヶ月か、やるじゃねぇか」

モバP「えぇ、まぁ……。来週のLIVEバトルで……」

先輩P「ん?テンション低いな。どしたん?」ニュッ

モバP「そりゃ、本当の意味で研修が終わる訳ですし……」

先輩P「うん、半年間お疲れ」ハムッ

モバP「……先輩、魚肉ソーセージ上手いっすか」

先輩P「え?別に?」モッモッ

モバP「そうっスか……」

先輩P「うん」

モバP「……」

先輩P「……」モッモッ

モバP「……」

先輩P「……」ンク

モバP「もうちょっとやさしくしろやぁ!!」ガタッ

先輩P「なんだてめぇ!!訳わかんねぇぞっボケェ!!」ガタッ

美嘉「たっだいま~★チョコピョッキー売り切れてた~もう、サイアクだよ~」

卯月「おかえり~。魚肉ソーセージならあるよ?」

美嘉「おっさんぽいから、パスで★」

モバP「ぴゃ~!おっさんだって!うへはははっ!」

先輩P「……ふんっ」ゴッ

モバP「ッイ!?」

卯月「頭突きされると、ッイってなるんだね。ッイって顔になってる。ッイ!」

美嘉「びっくりしたぁ……一瞬キスしたのかと思った……卯月、その顔、人前でやっちゃダメだよ」

卯月「え~、楽しいよ?……ッイ!」

美嘉「…………ッイ!」

先輩P「……ウ、オオ」フラフラ

モバP「……イイ、アアア」フラフラ


ちひろ「……私には持て余すっ!凛ちゃん早く来てっ!!」

―――――――――

――――――

―――



くるみ「ぷ、ぷろでゅーしゃー……だ、大丈夫かなぁ?くるみ変じゃない?」

モバP「大丈夫、いつも通りかわいいぞ。……もう、立派なアイドルだ。うん……」

杏「何、涙目になってんのさ。嫁入り前の娘を見るお父さんみたいだよ」

モバP「せめて兄で例えろよ。……杏に関しては、父の気持ちになってしまうけどな」

杏「そんなトキみたいな目で杏を見るなっ! 慈悲深い漢の目で見るんじゃない!」

乃々「トキの立ち位置、兄なんですけど……あっ、み、見ないで下さい」

モバP「乃々も、ここまで頑張ってくれて……その衣装もよく似合って……」

乃々「プロデューサーさんが、なんかおかしいんですけど……」

くるみ「ぷろでゅーしゃー、何かあったのぉ?ふぇぇ……くるみにできることあるぅ?」

モバP「ごめんごめん。今日のライブを精一杯楽しんでくれたら、それでうれしいよ」

くるみ「うん、くるみ、絶対がんばるから……ぷろでゅーしゃー、応援してね?ぜったいだよ?」

モバP「おう、任せとけっ!」

杏「それで、今日対戦する子って、どんな子なの?」

モバP「え~と、確か前川みくさんだな。猫キャラでセルフプロデュースしてるらしいぞ」

乃々「あう……すごそうなんですけど……」

くるみ「芸暦長いのかなぁ……ぷろでゅーしゃー、あいさつしたほうがいい?」

モバP「そうだな、くるみ偉いぞ。先輩も後輩も関係なくあいさつはしていこうな。お互い気持ちよく仕事できるから、これからは積極的に、……一人でもな?」

くるみ「う、うん……ぷろでゅーしゃー?」

杏「……じゃあ、行こうか。なんか手土産持って行く?猫だから魚でも。生で」

モバP「普通の人だったら嫌がらせの極みだけど、猫だからな。仕方ないな」

乃々「んふ……突然の悪ノリなんですけど」

モバP「相手のキャラを全力でリスペクトすると、ほら不思議。仕方ない」

杏「魚屋近くにあったかな?んひひ」

くるみ「あ、あの……あいさつ……行かないのぉ?」


前川みく「その必要はないのにゃっ!」


モバP「誰だ!?」

みく「天知る地知るみくが知る! あの日あの時あの場所で!!簡単には懐かない、超絶キュートアイドル、みく参上にゃっ! 」

モバP「あ、はい。すいません、ちょうど今から魚屋に……」

みく「お魚なんか持ってきたらぶち殺すにゃっ!」

くるみ「あ、あのっ前川しゃん!今日はよろしくお願いしますっ」

みく「みくにゃ」

乃々「前川さん……えっと……あの、よろしくお願いします」

みく「みくにゃ」

杏「!……前川さん、今日はお互いほどほどにがんばろー」

みく「みくにゃっ」

モバP「前川さん、こちらから伺わないといけませんのに、ご足労をおかけして申し訳ありません。今日がデビューの若輩者達ですが、ご教授頂ければ幸いです」

みく「みくにゃっ!その畏まった態度やめるにゃっ!」

モバP「しかし、前川さん……」

みく「み!く!にゃぁ!!わざとでしょっ!んにゃぁぁ!!」バタバタ

モバP「ふ、ふふ……この子楽しいぞ」

杏「……なんか、完全にいつものプロデューサーに戻ったね。みくちゃんありがとね」

みく「よくわからないけど、絶対負けにゃいからっ!覚えておけにゃ~」ダッ

くるみ「こ、これでよかったのぉ?」

モバP「うん、くるみ達はちゃんと出来てたぞ。杏から流れが変わっただけだから」

杏「ノっかってくるプロデューサーが悪い」

乃々「前川さんも大概でしたけど……」


ミクニャァ!!


モバP「んはは、猫ミミって聴力すげぇ」

乃々「前川さんに敏感過ぎ「ミクニャァ!!」るんですけど……っふふ」

スタッフ「出番まであと10分でーす。準備のほうお願いしまーす」

くるみ「!?」

モバP「おお、ついにか……」

くるみ「……ぅぅ、……ふぇぇ」

モバP「どうした、くるみ?……あぁ、鼻水が。ほら、泣いてちゃわからないぞ」

くるみ「あ、あのね、もうすぐだと思ったら急に怖くなっちゃたのぉ……ふぇぇ」

モバP「怖く?ゆっくりでいいから話してくれるか?」



未央「あ、いたいた。お~い、プロデューサー応援にっくぽっ!!」キュッ

凛「未央ちょっと待って」

卯月「凛ちゃん、襟引っ張ったら伸びちゃうよ」

未央「し、しまむーつっこむとこおかしいよぉ……」

くるみ「ふぇぇん……。くるみ馬鹿だからきっと失敗するぅ。杏しゃんに乃々しゃんに迷惑が……ふぇぇ」

モバP「……」

くるみ「それに、くるみはなんのとりえもない子だから、お客さんにあきれられるぅ……ぅぅ」

モバP「……」

くるみ「だから勝負に負けちゃったら、くるみのせいだからぁ……みんな大好きだからぁ、嫌われたくないけどぉ。……ふぇぇ、それはダメだからぁ。だから、だからぁ怖いぃ」
   
モバP「……くるみ。この三ヶ月、俺達みんながひよっこでさ、上手く行かない事なんて当たり前のことで、それでもガムシャラにやって……やっぱり上手く行かなくて、へこんで弱気になったり」

くるみ「ふぇぇん……」

モバP「そんななかでも、くるみは上手く行くまでずっと一所懸命にやって……振り付け一つでも真剣で……上手く行ったときの笑顔にこっちまで引っ張られてさ、抱えた弱気なんて吹っ飛ぶんだ」

くるみ「……ぅぅ」

モバP「俺達はな、くるみにずいぶん助けられてるんだよ。そんなくるみをどうして嫌える?」

くるみ「でも、でもぉ」

モバP「くるみは魅力の塊なんだよ、人を引き付けるんだ。それは、アイドルに必要な最も大事な才能だ。もちろん、杏も乃々も持ってる」

杏「ふ、不意打ち……」

乃々「もりくぼにはむりがあるんですけど。騙されないんですけど……」

モバP「くるみ、今の乃々の発言どう思う?」

くるみ「乃々しゃんは間違っていますぅ。上手く言えないけどぉ、絶対絶対間違っていますぅ!」

モバP「その気持ちが、くるみが怖がってる事への、俺達の答えだよ」

くるみ「あぅ……」

モバP「失敗なんて誰でもするんだ。あの凛でもな。少々失敗しても自分の全力を出し切れば、人に想いは伝わるから。勝ち負けは気にするな」

くるみ「……うん」

モバP「どうだ?まだ怖いか?」

くるみ「ううん……でもやっぱり勇気がほしいぃ」

モバP「勇気?」

くるみ「ぎゅってしてくれれば勇気でるぅ」

モバP「……そうだな、周りにちょうどスタッフもいないし、最初で最後の特例だ」ギュッ

くるみ「えへへ、ぷろでゅーしゃー、くるみ頑張るね」ギュー

モバP「おう、もう大丈夫だな」

スタッフ「あと5分でーす!最終チェックお願いしまーす」

モバP「さて、いよいよか……ん?」クイクイ

乃々「もりくぼも不安でいっぱいなんですけど……」

モバP「……乃々、たった一度のアイドル活動の為によくここまでついてきてくれた」

杏「は!?」

くるみ「ふぇ!?」

モバP「そりゃ何回も逃げ出してたけど、レッスン自体サボった事は一度もなかったな。アイドルに活かせないのは残念だけど、努力は絶対裏切らないから、これからの」

乃々「そういうのいいんで、行動で示して欲しいんですけど……ん」パッ

モバP「……おまえ、恥ずかしいだろうが。で?何、そのポーズ」

乃々「……ぎゅってしてくれれば勇気でるぅ」

モバP「レアなものまねと、その真っ赤な顔にお答えして、乃々にも特例だ」ギュッ

乃々「う~……あ、あの……アイドル、もう少しだけ頑張ってみようと思います」ギュー

モバP「……そうか。そんな気はしてたよ。うん、乃々なら大丈夫だ」

くるみ「よ、よかった~。びっくりした~」

杏「一安心したとこで、はい」パッ

モバP「何?元気玉でも作ってんの?」

杏「あぁん!?杏だけ仲間外れなんて許さないぞっ!勇気を注入しろぉ!」

モバP「勇気を注入って、人間にカテゴライズされてんの、それ」

杏「時間ないっ!はよはよはよっ!」

モバP「わかったよ、ほら……高いたか~い!!うえははは」グルグル

杏「ば、ばかっ!何子供扱いっ……やっ、まじたかっ!ばかっ……ふへへへ」

くるみ「いいなぁ、たのしそう~」

乃々「スタッフの人、苦笑してるんですけど」

モバP「見られたか……まずいな……スキャンダルだ」

杏「うるさいよ、ちょっと楽しんだ自分に腹立つ……」

モバP「ふはは、よしっ!お前ら時間だ。このまま楽しんでこい!」

くるみ「うんっ!」

乃々「できるものなら……」

杏「ぼちぼちね」

モバP「行ったか……」

凛「うん、杏達なら大丈夫だよ」ヌッ

モバP「んっふ!……りんちゃんは縮地法を会得してるのかな?」

凛「私も明日ライブバトルなんだ」

モバP「聞いて?」

凛「勇気が足りない。はい」バッ

モバP「そっかぁ……」

未央「勇気が足りない。はい」バッ

モバP「未央もいたかぁ……」

卯月「私は高い高いがいいですっ!」バッ

モバP「卯月はそうくるかぁ……」

先輩P「勇気を注入かな?」ググッ

モバP「拳を下ろそう。俺は何もしてない」

凛「……ッチ」

未央「あ~……」

卯月「そこまで重くないですよ?」ピョンピョン

先輩P「担当アイドルに舌打ちされたこのやるせない気持ちは、どこにぶつければ?」

モバP「知らないですよ。それよりちょっといいですか?」

先輩P「なんだよ。あ、凛達は杏達の応援してやれ」

凛「うん。ほら、卯月」

卯月「あぁ、たかいたかいがぁ……」

未央「しまむーはきびしいんじゃ……」

卯月「なにおう!?」


先輩P「で?なんだ」

モバP「このライブ終わったら杏以外送ってもらえますか?」

先輩P「別にいいけど、なんで?」

モバP「今日で杏達もデビューしたし、凛達と仕事が一緒になることもあると思うんですが」

先輩P「まぁ、そうだな。あぁ……あの事言うのか。確かにくるみと乃々はやめておいたほうがいいな」

モバP「ええ、杏はああ見えて気が利くし、それにまあ一応年長者ですからね」

先輩P「しかし、こんなライブ終わってすぐ言わんでも」

モバP「そこはいろいろ思うところがありまして……察して下さい」

先輩P「は?いいけど……」

モバP「それじゃ、応援しましょう!」

先輩P「お、おう」

―――――――――

――――――

―――



みく「うにゃぁ!負けたにゃぁ、辱められたにゃぁ!」

モバP「あ、お疲れ様です。今回は偶然勝つことができましたが、勉強になりました。前川さんっ」

みく「それはもういいにゃ!責任とるにゃ!」

モバP「責任?」

みく「セルフプロデュースの限界を知らしめられたにゃ!だからみくをこてんぱにしたその手腕で、みくをトップアイドルに仕立て上げるのにゃ!」

モバP「……俺スカウトする権限ないから!先輩よろしくっ」

みく「にゃ!?」

先輩P「また適当な……前川さんならすぐうちの事務所に……いえ、むしろぜひお越しください」

みく「み、みくにゃ……Pちゃん、Pちゃんは?」

モバP「それじゃ、杏はちょっとこれからの打ち合わせがあるから残ってくれ」

杏「な!?や、やだ!今日はもういいでしょっ!?帰ろう!うん、それがいいよっ帰ろうっ!」

モバP「じゃあ、先輩」

先輩P「はいよ、よしお前ら帰るぞ。前川さんは一回事務所に行きましょう」

アイドル達「「「は~い」」」

みく「みくにゃ……あの、担当はPちゃんだよね?」

先輩P「……」

みく「答えるにゃっ!ちょっ待つにゃぁ~」


モバP「やれやれ、行ったか」

杏「やれやれは杏のセリフだよっ!う~、飴を所望するっ!たくさんだ!」

モバP「おう、いっぱい作ったからな。ほら、どんと袋ごとだ」

杏「……何をたくらんでるの?」

モバP「今日のご祝儀みたいなもんだ。あと、お願い事を少々」

杏「ご祝儀はありがたく頂くよ。けど、お願い事は断るっ!絶対めんどくさいことだっ!」

モバP「まぁそう言うなよ。凛達、トライアドプリムスのことでな」

杏「……聞くだけは聞いてあげる。何かあったの?」

モバP「うん、あったんだ。……あいつら三人が行動するとき、誰かしら付いてるの気付いてるか?」

杏「え?う~ん、そんな気がしないこともないけど……それが?」

モバP「そのな……半年前、あいつら男数人に襲われたんだ」

杏「は!?え、え!?何それっ!?」

モバP「いや、すまん。最悪な事にはなっていない。脱がされてもいないし。掴まれたり、羽交い絞めにされたり……まぁ押し倒されてたが」

杏「っ!……何が……あったの?」

モバP「あぁ、俺が研修に来てしばらくして、テレビ局で打ち合わせがあってな……」


―――

モバP『凛の奴どこ行ったんだ?携帯も通じんし……』

美嘉『こらぁ、研修君!サボりとはいい度胸じゃん★』

モバP『お、美嘉ちょうど良かった。凛見なかったか?次の収録の打ち合わせもう始まるんだよ。NG三人揃ってないと不味くてパイセンイライラ』

美嘉『え?さっきTPが先になったって、ディレクターの人が連れて行っちゃったよ?三人共。ていうかアタシ含めて一緒に打ち合わせすればいいのにね』

モバP『だよなぁ……ま、この業界はいろいろあるんだろ。ディレクターの人が連れてったんなら、戻ってるかな。ちょっと先輩に電話してみる』

先輩P《○×▲△!!!×××!☆☆▲○○□!!○○!》

美嘉『……うへぇ。こっちまで聞こえたよ』

モバP『……という訳で、俺探してくるな』

美嘉『暇だからアタシも行くよ。まだ、この社屋不慣れでしょ?』

モバP『おお、助かる。ディレクターの人が連れてったんなら、会議室かな』

美嘉『んじゃ、片っ端から探していこうか。とりあえず、あっちの方に歩いて行ったから』

モバP『よっしゃ。急ごうか』

美嘉『おかしいな……こっちじゃないのかな?』

モバP『う~ん、加蓮も奈緒も携帯電波入ってないな、電源落としてんのか?』

女の子『あ、あれってハクビシン♪タヌキなのんっ♪アライグマでしょ♪フっレデリカっ♪』

美嘉『あ、すいません!トライアドプリムスの三人見ませんでしたか?携帯も通じなくて困ってるんです』

女の子『ん?あぁ、その三人なら奥の試写室に向かったんじゃないかな?あそこ電波入らないし』

美嘉『そうですか!ありがとうございますっ助かりました★』

女の子『のぐち~♪ひぐち~♪ゆきちをしもべに~♪』

モバP『なぁみいぃるツワモノおぉしのぉけ!全米オープン♪』

女の子『Fu! Fu!』

美嘉『……はよ』

モバP『はい……』


美嘉『なんか、この廊下薄暗いね。人通りもないし……あ、ここだ。すいませ~ん』コンコンコン

モバP『……うん?なんか……』

美嘉『返事ないな。失礼しま~、あれ?鍵掛かってる』ガチャガチャ

モバP『美嘉、なんか聞こえないか?』

美嘉『え?怖い事言わないでよ。こんな薄暗いとこで』

…………ヤァ……ヤメ

モバP『!?美嘉っ離れろ!』

美嘉『え?え?え?』

モバP『履いてて良かったゲッタグリップ!オラァ!!』ガコッ

美嘉『ちょっ何を……え?凛!!加蓮っ奈緒!!』

凛『やめてぇ!いやっいやぁ!!』

加蓮『離してっ!凛から離れてぇ!』

奈緒『やめろぉ!どけろぉ!!』

美嘉『アンタたちっ、ひゃっ!』グイッ

モバP『……』ダッ

男1『は?へ?ちょまっ』

モバP『……ッ』

男1『オゴッ……』ゴジュ

モバP『いつまで乗っかってんだボケ。凛から降りろクズ』ドッ

男1『ひゃ、ひゃが……』

モバP『加蓮、奈緒……』

男2『ま、まって!』パッ

男3『ちがう、これちがう!』パッ

加蓮奈緒『『凛っ!』』ダッ

モバP『……ッフ』グッ

男2『おわっ!――っぅん!?』

美嘉『うわっ、こっち飛んできたっ』

モバP『あ、悪い。……美嘉、踵でおもいっきり踏め。顔だったら当たり所によっちゃ女子供でも殺せるぞ』

美嘉『無茶言わないでよ。怖いよ……』

モバP『……ふぅ。ごめんごめん冗談だ。とりあえず、先輩呼んで来てくれ。凛がまずい。俺じゃダメだ』

凛『……ヒッ』

加蓮『大丈夫っ、もう怖くない。変な奴はもういないから』ギュッ

奈緒『やっつけてくれたから。あの人は味方だから』ギュッ

凛『ヤァ……ァァ』

美嘉『……わかった。もう、十分だからね?』

モバP『ん、そうだな。おいっ』

男3『っはい……』

モバP『二人回収して隅っこにいろ』

男3『はい……』

モバP『加蓮、奈緒は大丈夫か?何もされてないか?』

加蓮『うんっだ、だいじょ……ひっひっんぁぁぁわぁぁぁ、こわ、こわかったよぉぉ』

奈緒『なにも、ん、されてふぅぅ、ない、んんふぅ、んくぁぁぁ』

モバP『そうか、よかった。ほんとによかった……凛も、もうすぐ先輩来るからな安心しろ。あれだぜ?包容力すごいぜ?』

加蓮『んく……ふふ、うん』

奈緒『すんっ……ふふふ、ありがとな。ありがと……ありがと』

凛『……フゥ……フゥ……ウン、モウ……ダイジョウブ』

モバP『おうっ!』



―――


モバP「……とまぁ、こんな事があった訳だ」

杏「え?プロデューサーが主人公みたいなんだけど盛ってない?俺TUEEEEって」

モバP「まっ!やな子だよっ!通信講座でならった空手を舐めんな!?」

杏「通信講座って……。それにしても、テレビ局でそんなことが……」

モバP「うん。しかもな、あいつらドッキリ企画だったって言ってきてな?」

杏「は?ドッキリ?はぁ!?」

モバP「番組のプロデューサーって奴が、リアルな反応が欲しいから事務所には許可を得なかったってほざくんだよ」

杏「いやいやいや」

モバP「そう、事務所の許可もくそも本人が知らないのに襲ったら強姦じゃねぇかと」

杏「ほんと、信じられない……」

モバP「そもそも、例え本人の了承を得てようと、地上波で流せる内容じゃないだろう」

杏「考えなくてもわかりそうなもんだけど」

モバP「だろ?でもドッキリだって言い張ってな。人気のない、電波の入らない奥の部屋に騙して連れ込んで、あまつさえ鍵をかけて押し倒してんのに」

杏「ゲスの極みだね」

モバP「社長もぶちギレてな。そこのテレビ局の社長と旧知の仲だったらしいけど、直接怒鳴り込んでぶん殴ったみたい」

杏「ちょっ!それ社会人として……まして責任のある社長が……」

モバP「……俺も蹴っちゃってたからなんとも……まぁ、そのテレビ局の社長も平謝りで、関係者は今塀の中。凛達が襲われたってことも全力で報道規制に邁進してくれたよ」

杏「そっか……プロデューサーは鉄板靴で蹴ったのはお咎めなし?過剰防衛みたいな。ていうか、なんで鉄板靴履いてたのさ」

モバP「お咎めはなかったよ、見逃してくれたのかな……。研修中何故か大道具運ばされたりしたから必須だったんだ」

杏「それが功を奏したの……かな?」

モバP「鍵壊せたからな。……あぁ、長くなっちゃったな。凛達はもう大丈夫とは言ってるけど、やっぱり心配なんだよ」

杏「なるほどね。フラッシュバックしないとも言い切れないよね。うん、わかった。仕事とか一緒になったら気にかけとく」

モバP「すまんな。恩に着る」

杏「……凛ちゃん達がプロデューサーを好き好き言う理由が納得できたよ」

モバP「ベタな展開だからな、一時的なものだ。はしかみたいなもんだよ」

杏「……ばーか」

モバP「なんだよ、こっちだって大変なんだぞ?ちひろさんと付き合ってるふりしたり……あ、これオフレコな」

杏「うわっ!最低だっ」

モバP「先輩にやらされてるの。俺は意味ないって言ってるからな」

杏「凛ちゃんたちかわいそー」

モバP「いや、だから……うわぁ……すっごい冷たい目っ」

杏「ふんっ」


―――

 

モバP「さて、これで役目は終わったかな」

杏「役目?」

モバP「あぁ、お前達のプロデューサーになって三ヶ月、実はこの間も研修の一環だったんだ。新人を三ヶ月でデビューさせろってね」

杏「へ~、ぎりぎりだったね。杏に感謝するといいよ。具体的には休みを増やせばいいんじゃないかな?」

モバP「……」

杏「あれ、怒っちゃった?やだなぁ、冗談だよ。一割ぐらい」

モバP「いや、こんなやり取りもいい思い出だなって……」

杏「……どうしちゃったの?なんか今日朝からちょくちょく変だよ?」

モバP「言っただろ?三ヶ月でデビューさせるまでが研修だって」

杏「ちょっ、ちょっと待って!このまま杏達の担当なんでしょっ?」

モバP「担当は先輩になるんじゃないのかな」

杏「はぁ!?そんなの無責任だっ!認めないぞっ!!」

モバP「杏……プロデューサーが変わることなんて、そう珍しいことじゃないんだ」

杏「プロデューサーはそれでいいのっ?簡単に割り切れるのっ?この三ヶ月はそんな軽いものなのっ?」

モバP「そりゃ、出来る事ならお前達とトップを目指して……」

杏「じゃあ!!」

モバP「でも、俺この会社の所属じゃないんだ」

杏「……え?」

モバP「ジュニアアイドルの事務所でな……あぁ、だから先輩くるみや杏みたいなちっちゃい子を俺の担当にしたのか。乃々は親戚の頼みだって言ってたな」

杏「……」

モバP「子供扱いするな、みたいなつっこみはないんかい」

杏「……なんで、そんなさばさばしてんのさ。なんでなんで……」

モバP「ははっ、実は結構無理してたり。ここに他のみんながいたらやばかったなぁ」

杏「……イデ」

モバP「凛達の事のお願いもあったけど、杏だけに残ってもらったのもみっともないとこを見せない為なんだ。卑怯だなぁ、俺」

杏「……イカナイデ」

モバP「杏?」

杏「やだ……行かないで……すんっ、やだ……やだ」

モバP「ごめんな。初対面の時に言っとくべきだったな。そしたら、さよならも」

杏「いやっ!聞きたくないっ!っひ、んく」

モバP「……」

杏「ヒッ、り、りんちゃん達みたいに、んっ、好きだとか、愛してるだとかっわかんないよっ!でもっやだぁぁ、うぁぁ」

モバP「そうだな。嫌だよな。すごい楽しかったもんな、この三ヶ月。あぁ、これあれだな……」

杏「ヮァァ、ヒッヒッ、アァァゥァァ」

モバP「花に嵐のたとえもあるぞ、さよならだけが人生だ……ってな」

杏「ヤァァ!ヒッ、ウァァァ」

モバP「……そろそろ、タクシーが来る。杏、行こう」

杏「ヤダヤダヤダ、ヤァァ!」

モバP「おぉぅ……駄々っ子。仕方ないな、ほらおぶされ……よっと!」

杏「ヒッヒッ、ンァァ」ギュウ

モバP「うぉっ、どこにそんなパワーが……ほら、タクシー待ってるぞ、降りな」

杏「んんっ!!」ギュウ

モバP「……ドアのとこまでな。……ほら、気をつけて、よし。じゃあ、運転手さんよろしくお願いします」

杏「っん……プロデューサーは……?」

モバP「ここで、さよならだ。……飴、大切に食えよ?」

杏「え?え?まだ一緒に」

モバP「ごめんな。最後に伝言頼むよ」

杏「いや……いや……」



モバP「みんな……今まで、ありがとう。俺忘れないよ」



―――――――――

――――――

―――

先輩P「ちひろさん、知ってます?ある事務所の話なんですが」

ちひろ「なんですか、急に」

先輩P「そこにいる事務員さん、仕事が終わって帰ってくるとお疲れさまですって栄養ドリンクをそっとくれるらしいんです」

ちひろ「へー」

先輩P「もちろんタダで」

ちひろ「ほー」

先輩P「……なんか最近疲れが溜まってるなぁ」

ちひろ「毎度っ!」コトッ

先輩P「んふふ……ちひろさん、なんかもう逆に大好きです」

ちひろ「うふふ、ありがとうございます♪」


モバP「その事務員さん、たいやきも買ってきてくれるらしいですね」


先輩P「……」

ちひろ「……」

モバP「あっ!無視だっ!職場内いじめだ!いけないんだぁ」

ちひろ「ふぅ……プロデューサーさん。あなたがしでかした事でストが起きたの忘れましたか?」

モバP「ストってそんな大げさな……」

ちひろ「プロデューサーがいないと、アイドルやめるんだからー」

モバP「わー、かわいいなー」

ちひろ「え?」

モバP「……ッス」

先輩P「はい、ここに社長に向けたアイドル達からの、かわいいかわいいお手紙があります」

モバP「わー、かわいいなー」

先輩P「あぁ!?」

モバP「……ッス」

ちひろ「まったく、大体ライバル会社に研修に行くって発想がわからないですよ」

先輩P「普通に産業スパイだよな」

モバP「だって、事務所の名前違ってるし……そんなものなのかなって……」

ちひろ「よく入社出来ましたね。系列ぐらい覚えましょうよ」

先輩P「ば~かば~か、ぷぷぅ~」

モバP「先輩も悪いんですよ。最後の週あきらかに俺おかしかったでしょうがっ。察してくださいよ!」

先輩P「うわっこいつ最悪だ。人に責任押し付けてきやがった。あの時のお前気持ち悪いだけだったからね」

モバP「ああっそうだよ!気持ち悪かったよ、畜生!」

先輩P「うえははっ、こいつアホだっ!んははは」

モバP「……くそぅ。やっぱりこっちに転属希望せんで、ジュニアアイドルをプロデュースすればよかった」

乃々「嘘つきなんですけど……傍にいると約束をしたあなたは嘘つきなんですけど」

モバP「あらあら、乃々ちゃん冗談なのよ~。それよりも、机の下から出ましょうね~」

乃々「ここでプロデューサーさんを監視します。居心地もいいですから」

モバP「ものすごい机が使いづらいんですけど……」

くるみ「おはよーござい……あっぷろでゅーしゃー!ふぇぇ……いたぁ、よかったぁ」

モバP「おぉ、いるぞ。おはよう、くるみ。もう一週間になるんだからもう安心したろ?そんなじゃ大人のレディーになれないぞ?」

くるみ「だってだってぇ、いなくなった時ほんとに悲しかったからぁ、ふぇぇ……ぐすっ」

モバP「あぁ、鼻水が……ほら、こっちこい。あ~あ~」ウニウニ

未央「おっつかれさまで~す!六人の美少女ただいま帰還しましたぁ!」

モバP「おぅ、おつかれぇ」

ちひろ「みんなおかえりなさい。平日なのにお疲れ様。理解ある学校で助かりましたよ~」

凛「プロデューサーの事で仕事に穴あけちゃったから仕方ないよ」

モバP「おっふ……」

加蓮「Pさん、ちょっと立って」

モバP「うん?なんだ……って、なになに!?」バッ

加蓮「Pさんただいまっ!ん~。これからは、帰ってきたらハグするからね」ギュー

卯月「あ、私もお願いします!プロデューサーさんただいまっ!えいっ」ギュ

モバP「やめっ、ちひろさんがっ」

凛「杏が、とんでもなく恥ずかしい思いをさせられた復讐だって、教えてくれたよ?……嘘だったんでしょ?ちひろさんと付き合ってたこと」

モバP「あいつ!俺だってあのやりとりかなり恥ずかしいのにっ!さよならだけが人生だってドヤ顔でっ!うぉぉ、やべぇ思い出してきたぁ!うわぁぁ」

凛「落ち着いて、大丈夫だから。……ただいま、プロデューサー」ギュー

モバP「やだ……落ち着く……お母さん、うぼっ!りんちゃんっそれは鯖折りっ!」

奈緒「……あたしも、その……ただいまPさん」ギュ

モバP「奈緒、顔真っ赤だぞ。照れるならやらんでもぉっ!?なおちゃんもっそれは鯖折りっ!」

未央「よ~しよし、未央ちゃんの番だね。ただいま、プロデューサー!とぅ」ドンッ

モバP「んっふ!未央、それはぶちかましだ……」

美嘉「へへへ、ただいま★」ギュ

モバP「あ、なんかやすらぐ……」

先輩P「ふへへ、いってらっしゃい★」グッ

モバP「ちょっと待って。ほら、俺ずっと万歳状態。手はだしていない。オッケー?」

先輩P「?」ググッ

モバP「不思議そうな顔で、力溜めてんじゃねぇよ!……パイセンパイセンほんとやめて?」

先輩P「……ッシ!!」

モバP「コッ!!」


ドッ


奈緒「あぁ!Pさんがプラトーンのパッケージのように!!」

先輩P「パイセンと呼ぶんじゃねぇ。アゴぶち抜くぞ」

モバP「ひはのは、はいへんはんへいはいよ、へっはい……オオウ、オウ」ガクガク

卯月「今のは、パイセン関係ないよ、絶対……どうですか!?」

モバP「んん、あぁ~うぅん!卯月正解!ほんとパワハラの権化ですわ」

先輩P「まぁ、許せ。今度焼き鳥オゴッたるから」

モバP「やっすいんですよ!!」


凛「……あの二人仲いいよね。やっぱり、プロデューサー胸が大きい人がいいのかな?」

美嘉「なんで?いや、たしかに先輩Pのすごいけど」

凛「だっていつもパイセンパイセン言ってるし……おっぱいせんもんみたいな意味でしょ?」

未央「しぶりん、ハンパないわ~……」


くるみ「ふぇぇ……くるみもぎゅってしたいけど、うまくいけなかったぁ。乃々しゃん、おじゃましますぅ。ふぇぇ……ぐす」

乃々「せ、せまっ。おっぱいの圧迫がすごいんですけど……すっごくぎゅっとしてるんですけど……」

―――


先輩P「さて、お前も本格的にプロデュースすることになったな」

モバP「まあ、やることは変わらないですよね?」

先輩P「そうだが、新人を別に受け持ってもらうぞ」

モバP「おぉ!マジっすか。あ、もしかしてみくですか?」

先輩P「いや、あれは私が担当する。あれは猫だから~とか言って、べたべたしそうだからお前じゃいろいろ危険だ。主に凛とか」

モバP「……はい、それがいいと思います。では、どんな子なんでしょう?」

先輩P「……ちょっと弱いところがあるが、くるみと乃々を育てたお前なら大丈夫だ。頑張れ」

モバP「え、何そのやさしさ……気持ち悪いッス」

先輩P「アゴぶち抜くぞ。……そろそろ来てるんじゃないか?」

モバP「了解ですっ!じゃ、いっちょ行ってきます」

先輩P「あぁ……頑張れ~」



ちひろ「あ、プロデューサーさん。女の子達もう来てますよ」

モバP「うすっ!二回目だけどやっぱり少し緊張しますね」

ちひろ「ふふ、それならどうです?景気づけに一本」コト

モバP「はい!パイセンにツケといてください!」カシュ

ちひろ「毎度あり~」

モバP「ぷはっ。うし、行きますか」


 

モバP「入るよ~」コンコンコン

モバP「始めまして!今日から君たちをプロデュースさせてもらうモバPです。不安もあるかもしれないけど、弱気にならないように行こうな!」




財前時子「あ?」

向井拓海「あ?」

村上巴「あ?」




モバP「……………………………………………………強い!」



                            ハッピーエンド

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom