とある安価の生活満喫 (593)


・禁書キャラで禁書世界を生きていく話。

・場合によってはシリアス、バトル、微グロ、鬱あり。

・脈絡がない、意味不明、某荒し安価、その他進行妨害、阻害になると>>1が判断したら安価↓、再安価、コンマ。

・更新が超気まぐれかつ遅筆。




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1402058439

主人公を決める。

↓3まででとあるキャラの名前をどうぞ。その後コンマで決める。

↓1の安価が

00~30みこっちゃん

31~60みさきち

61~99ビアージオ

でやる。

ID:9NXJJvc+0こいつはただの安価スレ潰しの荒らしだから無視してくれ

3 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします sage 2014/06/06(金) 21:04:09.46 ID:9NXJJvc+0
18歳の兄と13歳の妹だけど一緒に風呂に入る。何もつけずに

>>8クソAOについてはイヤというほど知ってる。

ただ、明らかにおかしい等々の理由がないと判断した限りは採用する。


コンマ66というわけで主人公はビアージオさんです。

本来魅力あるキャラのはずなので悪いイメージ払拭できたらと思う。


『ローマ正教』。

十字教旧教三大宗派の一つで、魔術サイド最大勢力。

世界113ヶ国に教会を持ち、実に20億を数える教徒を従えている。

故に「世界の管理と運営」という独自の方向性を持っている。

『自分達以外の者は、他の十字教宗派も含め全て"異教徒"と断じているかなり過激な思想の集団。』

洗礼を受けたローマ正教徒以外の人間と結婚すると、獣姦罪に問われるというのだからたまらない。

『異教徒』であれば何ら処刑も躊躇わない危険人物も多数おり、
同教の者さえも強引に『異端』の烙印を押して処刑してしまう事すらある。



――とある教会。

その教会の奥、神父や修道女達の居住区域…執務室。

古びた木製デスクで書類を書いている中年男性がいた。


ビアージオ=ブゾーニ。

職業神父。階級は司教(ビショップ)。

重たく引きずりそうな法衣を纏い、首にはメノラー(数十の十字架を取り付けた四本のネックレス)をかけていた。


「…いかんな、書類と睨めっこばかりでは肩が凝る」

自分で左肩をこねこね。とマッサージする。


「全く、また部下の尻拭いだ」


溜め息しか出ない。




~ビアージオさんが禁書世界で生きていく話。~



コンコン。

この執務室のドアが規則性を持ってノックされる。

「司教(ビショップ)。少しよろしいですか?」

「…ああ。フゥ…今度は何かね」

入ってきたのは修道女。ルチアだった。

「どうも最近、教会に嫌がらせをする輩がいるそうです。その解決をと嘆願書が届いてます」

「…そうですか」

では、とルチアは嘆願書とやらをビアージオの机に丁寧に置き、退室していった。


(―ッハア――……また、面倒事、か……)

これで何百回目だ。


「…私は、面倒な事は大嫌いなんだがな」



嘆願書の入った封筒の封をペーパーナイフでシュッ…と丁寧に裂く。

一見、乱暴にしか見えないがスピーディーさと合理性、その他諸々を加味していくとこう洗練されていくのだ。

…もうこの動作も何十年も繰り返してきた


「…それで。今度はなんだというのだ…」

渋々ながらに開く。


ビアージオへの嘆願書。教会への嫌がらせ内容とは?

安価↓3までで>>1がよさげなのをチョイス。↓3まで埋まらなければ次回。

そちらのシスターに学園都市の能力開発を受けている者がいます。すみやかに引き渡し願います

by学園都市暗部

>>30『嫌がらせ内容』であって犯行動機ではないので申し訳ないが無効にします。

安価↓


『教会の壁にスプレーでラクガキされる。今までの犯行は―――』


(……これは、私が解決しなければならないのか?)

渋い顔しかできない。

幼稚も幼稚だ。大方、頭と躾、ガラの悪い少年達だろうに。

「――ッッハァー……」

だが、"仕事"だ。

例えどんなに面倒であろうと、放置してサンドバック状態になっていてはローマ正教の面目がたたない。

「いくか」

どっこいしょ。

文字通り重い腰をあげ、ビアージオは執務室を後にした。




「これは酷いな…」

教会の裏の壁。

壁には一面に"このファッ○野郎"やら"チーム○○参上!"

といった文句で埋め尽くされている。

(嘆願書には『夜に来る』との事だが…)

警察に通報するのが一番いいが。

(しかし、それはそれで他の教会や魔術師から

『…え?お宅、自分で解決できないの?ダサッ』ププー

って言われるだろうな)



(…仕方ない。夜に待ち伏せて取っつかまえて『"説法"コース』か。)

この手の"痛みを伴う教訓"というのは若い連中には存外効果的だ。

どんなに有名な悪タレも最初は粋がる。が、最終的にはどの子も『ごめんなさい』と良い子になる。

…夜には誰か仲間をつれていくべきか。

(まあそれはそれとして……)

「この壁のラクガキを消さねばな…」

散歩していたシスターを捕まえ、指示を出す。



安価↓4まで。誰を連れていくか。


安価↓1

00~20フィアンマ
21~60アニェーゼ
61~80アックア
81~99テッラ


「おや、どうしましたかねー?」

間延びした、あるいは『あ、今あくびしながらしゃべってるんですよ』ともとれそうな声。

振り向けば。

(だ、誰だ?この爬虫類系男子は?)

緑髪。逆立てりゃいいってものじゃないと言ってやりたくなる髪。

全身緑のエリマキトカゲみたいな男。

だが服装の節々から十字教のそれが伺いしれる。

("土"の象徴がやけに強いのが気になるが…)


※このビアージオさんはテッラさんを知りません


「…イタズラですかねー?」

ちらり。壁のラクガキを見やる。

「ええ、まあ。…あなたも魔術師ですかな?それも相当な技量の持ち主とお見受けしますが」

「まあまあですかねー」

にやり。と男は不敵な笑みを浮かべる。

「しかし、今時まだいるんですねー?そういう方は」

「ローマ正教信徒でなければいいのですが」、と付け加え。

「…ところで、どう対応なさるおつもりですかねー?」

「いや、それは言えませんな」

ハハ、と笑って誤魔化す。機密漏洩を組織のトップがするわけにはいかない。

「そうですか。なら…今夜あたり」

「?」



「私も見張ります。」


「は?いや、」

「見張りますねー」

「あの?」

「では」

「いや困りますな!?」

…逃げられた。

……ま、まあ。害意はないだろう。そんなオーラは感じた。

神父を何十年もやってればある程度は人を見る目というのが備わってくる。


…何故か感じたオーラが"大物"というのが気になるが。




夜。


(おのれ、上層部。)

ビアージオは一人で教会の物陰で見張っていた。

というのも。ビアージオはきちんと修道女達で作戦部隊を編成したのだが、さあやってやるぜぇ!という時に


「あ、緊急でそちらのシスターさん全員貸して欲しいんですねー」

      ・・
と上層部から正式に通達が下ったからだ。


(なんという事だ…これも主のお導きだというのか…)

軽く頭を抱える。



せっかく壁を綺麗にしたのに(修道女達が)、また汚されてラクガキを消すのは面倒だ(指示を出すのが)。

こっそり酒でも飲みたくなる。


「あっ、ごっめ~ん!待ちましたかね~?」

(どうしよう。すっげえ殴りたい)

思いっきり主の教えに反するがこの不気味としか言いようがないウフフー♪な笑顔を見たら、
主も『右の頬も左の頬もグーパンしてよし!』ってなるんじゃないだろうか。


「やっこさんはまだ来てないみたいですねー」

「あ、よかったらお食べになりますかねー?神の肉(パン)と神の血(ワイン)ですが」

「いや、結構。」

本気で何しにきたんだ、この男は。



と。


ブァアアアア!!!爆音を鳴らしてバイクが教会の横に停まる。


「ヒャッハー!」

「あれ?あっちゃん(本名:アレッサンドロ)のチームマークが消されてんべ?!」

「ああん?どこのクソじゃあ!」



ビアージオ(うっわあい)

テッラ「いやあ、これでもかってくらいわかりやすい社会のクズですねー」ハハハ


ビアージオはどうする?

※殺害してしまうと失敗。上手い作戦を考えてください。
 但し、テッラさんを動かす場合、光の処刑は使えません。(ビアージオさんが知らないから)


安価↓3まででいいのがあればそれをやる。

声で脅す

若本声のアニメキャラのお面を被って、二次元からやってきたと言って驚かす

>>55>>56の安価はビアージオさんが知らない事、意味が無さすぎるため申し訳ないが無効。安価↓

長くなりそうだから今回はここまで。また明日やるかも。22:00越えはする


今更だけど時系列は禁書本編1巻前。

後、追加ルール。

○一度無効とされた安価をした人の連投による安価取得は基本的に無効にします。
 (次回安価から安価取得可になる)


(さて。どうしたものか…)

自他勢力が使えない。

複数の事柄の並列進行による任務遂行を得意とするビアージオにとって、『単純な戦闘』というのは苦手分野に属する。

(もっとこう…狡猾さが私のスタイルだったはずなのだがな)

本来なら。

修道女達にサーチ術式を使わせて彼等の家や生活環境等を特定、完全に把握してから存分に社会的肉体的精神的に叩いてやるのだが…

(その直前に部下を持っていかれたからな…)


しかし無い物ねだりをしても意味はない。

ザッザッザッ。

「おや、直接戦闘ですかねー?大丈夫ですか?」

「ええ。ご心配痛み入りますが問題はありませんよ」

緑エリマキトカゲの心配する声を流して。

威風堂々とビアージオは教会の壁、彼等の方へ歩いていく。


「君達。ちょっといいかね?」


スプレー片手に小型音楽再生機から大音量を垂れ流すヤンキー達と対峙した。



(仕方ない。私の流儀ではないが…真っ向から捩じ伏せてやろう。)


「ああん?!んだよオッサン!なんか用かゴルァ!」

「俺ら無神論者系男子なんでェ――!?説法とかマジイラネェんでェ――!!」

「死ぬかコラァ!!」

「ハァ…教養や礼儀、マナーも何もないとは思っていたが…」

「なるほど、言葉も通じぬ異教徒(さる)か」

「「「ああ?!舐めてんのかコラァ!!!」」」


信徒でもなく。社会規範すら守れぬ汚物へ送ってやるのは侮蔑と白い目だけだ。


「だが主はどんな人もお救いになる。救済しようとなさる対象にはなる。
 …君達。よかったらローマ正教に入信しないかね?"救われる"ぞ」

「はあ?!イ・ヤ・で・すゥゥゥ!!!ギャハハハ!!!ブッコロっぞー?!」

「バッカじゃねーの?!バッカじゃねーの?あっちゃんならお前ワンパンだぞコラ!舐めてんのかゴルァ?!」

「俺らは好きにするんでー?好きにしちゃうんでー!?ジジイは黙ってろって!!主なんざクソ食らえじゃ!!」


(ハァ…予想通りとは言え、いかにも頭が悪い切り返し方だ…)

呆れて物も言えない。


(自分の主張も満足にできずに罵詈雑言を浴びせるだけ。ただただ自分の事だけを考える…)

(いやはや、愚か過ぎるな。あんなレベルが低い輩をローマ正教の枠組み入れるのも嫌だが、ローマ正教に入信すればまだ救ってやれたのに)

それは精神的に、というだけではない。

ローマ正教への勧誘はビアージオにとっての最大限の良心的な譲歩、及び最後通告だった。


『今から私がお前達を完膚なきまでに叩き潰すが、入信するなら私が手を出せない人間になれる。
 降伏(にゅうしん)するなら今のうちだぞ?』

そういう、勧告だった。

ビアージオ「主の意向に反する意思を示すとは、悪い言葉だ。」

「あぁ?」

ビアージオ「ならば、その悪性は我が十字架が拒絶する」



ビアージオ「全員纏めてかかってくるといい。ローマ正教の偉大さを…その身に刻め」



「殺れ!殺れ殺れ!殺っちまえ!!!」

「うあああああ!!」

「死ねコラ!!」


―――戦斗開始。


(得物はナイフ、バット、メリケンサックか)

(銃がなくてよかったな。あれは対処が面倒なのだ)

首元の十字架の一つを手に、『詠唱』する。

「『―――"十字架は悪性の拒絶を示す"』」

十字架の一番長い部分が突発的に膨張する。

「んなっ?!なんだ、ありゃガッフ?!」

クリーンヒット。顎を見事に打ち抜けたようだ。



「てめっ、よくもぺっち(本名:ぺトロ)を!!」

「死ねッ!」

振りかぶるバット。拳。

対してビアージオはメノラーから十字架を一つ千切り、掲げ。

ただ一言だけ呟く。


「『―――"シモンは神の子の十字架を背負う"』」



「あ……れ…?なんッ…んで、動か…な…があっ……!」

襲いかかる少年の膝が崩れ落ち、倒れる。

「講釈してやろうか?」

歌うような、講演か何かでもするかのようにビアージオは少年の頭上から語りかける。


「主が十字架の磔刑に処せられる際。処刑場まで歩く時の事だ。
 主はご自身の磔に使われる十字架をお担ぎになられた。」

「は?それが…なんだっていうんだ…?」

「しかし、主は十字架の重さに耐えきれなくなり倒れられてしまう。
 そこでローマ軍の兵士は、エルサレムへの巡礼ついでにたまたま見物に来ていたシモンという男を見つけ、代わりに十字架を担がせたのだ。」

「聖書なんか読まねーって!!いいからこの重いのをどけやがれ!」

「…この伝承を基に。罪を犯し、ローマ正教神敵専用牢獄に囚われた者達に私が持つ十字架と連動させられる装備品を持たせている」

「その全ての装備品の重力起点をメノラーの一極に集約し…それを重量として、標的(きさま)に肩代わりさせているのだよ」

「は、はあ?!なんでそーなるんだよ!意味わかんねーっつーの!」

「…ハァ。"だから、君は猿なのだ。"私が語る言葉に耳を傾けずに理解すらしようとしない」

「わけわからん理屈を聞くわけねーだろ!」

「その『わけわからん理屈』によって今まさに君は斃(たお)れているのにかね?」

「…っ、」


(さて…)

ちらりと残りの一人に目線を向ける。

「ひっ、」

(…情けない。仲間が斃れているにも関わらず助けようともしないとはな)

ビアージオは十字架を手に取り、彼にも向ける。

(ローマ正教信徒であればすぐに仲間を救いに向かっただろうに。)

「…君はどうするのかな?このまま私の十字架術式の餌食になるかね?
 それとも…仲間を連れて『二度と教会に嫌がらせをしない』と神に誓い、撤退するか」

躙り寄るように歩を進める。

「あ、あ……」

少年はそれに合わせて半歩づつ後退する。

「っ、」

だが数歩下がった所で少年は止まる。

背後は既に壁しかなかった。



「選びたまえ。君にその権利を差し上げよう」

慇懃無礼なその態度。傲慢不遜なその男は不敵に嗤う。

「あ、あ…えっと…スンマセンした!」

「おや、謝罪だけで済むと思うのかね?…ああ、なるほど。餌食になるのかね」

「へっ?!」

ビアージオは十字架を少年に向けてバラ撒く。

丁度ブロック消しゲームのように十字架同士を組み合わせ、押し潰すためにだ。

「あ、ああ…あ、謝ったじゃねぇか!赦せよ!神なら、神父なら赦すもんじゃねーのかよ!?」

「ああ、御許しになるだろうし許しているよ。
…だが、赦すのと"ケジメをつける"のは違うのだよ、少年。」

「ひっ…」

(な、なんだよこのおっさん!化け物かよ!)

こんな恐ろしい神父がいるなんて知らなかった。知っていたなら。

だが、今更後悔しても時計の針は戻らない。



「神に祈るといいだろう…ああ、すまない。君には信じる神がいなかったな。可哀想に」


十字架が容赦なく少年の体を押し潰し―――







「…なんだ、気絶したのか」

十字架が直撃する寸前。少年は泡を吹いて膝を折っていた。

巨大化した十字架は少年を粉砕する事なく壁に突き刺さっていた。


ビアージオの十字架術式は一度膨張させると本人の意思では止められない。

神が少年をお救いになったようだ。

(ふん、よかったな少年。主はお前みたいなものも救うらしい)

十字架を元の大きさへ戻す。

「いやあ、お見事でしたねー」

ぱちぱちぱち。

声の方へ振り向くとエリマキトカゲが嬉しそうに拍手していた。。

(…いや本当に何しにきたんだこの男は)

「そんなに顔をしかめないでほしいですねー」

ズルズルと引きずる音がエリマキトカゲの後ろから聞こえる。

「ん?ああ、あなたの術式で動けなくなっていた少年達を捕縛したのですよ」

ほら、と自分の前に縛られた少年達が放られる。

「いてぇ…」
「クソ…」


「では私はこれで。いやあ。いいものを見せてもらえましたねー」


ホクホクとした顔でエリマキトカゲが帰っていく。

「…何しにきたんだ、本当に。」

溜め息を一つついて、ふと。




(……術式はまだ解除してなかったはずなんだがな)

…あのエリマキトカゲは自分の術式をどう潜り抜けたのだろうか。



いんふぉめーしょん!:ビアージオさんのローマ正教上層部への覚えが少しだけよくなりました。



~後日~


朝5時30分。聖職者の朝は早い。

食堂で一人。ビアージオは朝食を取るところだった。

「…父よ、あなたのいつくしみに感謝してこの食事をいただきます。

 ここに用意されたものを祝福し、私達の心と体を支える糧としてください。

 私達の主。イエス・キリストによって。アーメン。」

お世辞にも豪華とはいえない粗末な食事。

(――だが、清貧は美しい。)

何十年もこれと似た食事以外は殆どとってこなかった。

司教(ビショップ)。一組織の長は皆の模範たらねばならない。

(遥か昔に始めたばかりの頃は「こんなのが続くなんて!」と思ったものだが…案外できるものだな)

もぐもぐ。咀嚼しながらかつての自分に想いを馳せてみる。

もっとも、それだけ続けられたのは偏に彼の敬虔さが本物だからだろうが。

カリカリカリ!

「……む?」

通信(筆記式)霊装に文面が書かれていく音。

また何か面倒事か、と広げてみると。


『先日は緊急にあなたの部下をお借りして申し訳ございません。
 お詫びと神敵を討った報酬に秘書を差し上げますねー

           左方のテッラ 』


…ふざけてるのか本気でバカなのか判断に困る文面だった。


「……何故私は上司に恵まれないんだ」


元より粗末な食事だったが、更に味が粗雑になった気がした。



~数日後~



コンコン。コ、コン。……コン。

執務室の扉が規則性を持って叩かれる。

(…来たか)

書類を書いていたペンを止めて、ドアの向こうへ声をかける。


「入りたまえ」



…何故こんなノック暗号を事前に決めたのかと言えば、それはスパイや暗殺防止等のためだ。

"魔術"というのは、引き起こせる結果だけに限って言えば 何でもアリ 。

応用すればいくらでも敵の腹を探れる。


…具体例を挙げるならば。

北欧神話の雷神やアステカの魔術を用いれば変身や変装。

イギリス清教の"禁書目録"につけられている『首輪』なんかの記憶操作、人格乗っとり、etc、etc。

『ゴーレムの目』なんかの遠隔視覚や、通信霊装を対象の部屋のどこかに置いて通話しっぱなしにするだけでも盗聴や盗撮が可能になる。


…そのために魔術系組織では科学サイド以上に静かな侵略というものに過敏にならなければならない。


だから、最初が肝心なのである。


合図を事前に取り決めておけば、少なくとも無限に近い可能性から"成り代わり"や強盗の類いなんかの可能性が潰せる。

こういった単純なものはシンプルではあるがかなり効果がある。

魔術を一切用いない手段であるために術式や霊装ばかりを警戒する魔術師を捕まえるのは勿論、
科学側や一般人からの襲撃も警戒できる。

ビアージオが長年の間愛用してきた策の一つだった。




(さて…どのような人物か。事前通達によれば…)


(オリアナ=トムソン、18才。元魔術関連専門の『運び屋』。)

("追跡封じ"の異名で呼ばれ、逃亡術に長けた魔術師…)


腑に落ちない。


(…明らかに"秘書"には向かなすぎる人選だろう)

これならばまだそこらの教会の修道女だとか一般の秘書の方が使えるのではないだろうか。




(というよりそもそも司教に秘書など聞いた事がないし、普通は私に了解をとるか、私が面接した上での採用だろうに。)


どう考えたって色々おかしい。


(だが通達は正式なものだったし、通信霊装は上層部と長い間使ってきたものだ。)



(……しかし、あの文面を思い出すと何故"左方"がまだ私が報告していなかった 神敵を討った事 を知っているのかが…)


考えられるのは、

1、あの緑エリマキトカゲが上層部の手先でスパイだったか。

2、上層部に何かした犯人か、

3、エリマキトカゲ自身が"左方のテッラ"


―――に限られてくるのだが。


(まあ最後のはあり得んな。というか、なんかイヤだ)

"神の右席"。ローマ正教最暗部組織。

ビアージオはその存在を、それがローマ正教内で絶対的な権力を持っているのは知っている。

(しかし本当にわからんな。いかに最高権力とはいえ、私は直属ですらない部下だというのに)

だが、まあ。

(それも。あれも、これも。彼女と接してみればわかる事だ。)


少しだけ気を引き締めて。開かれていくドアを見ていた。



「しっつれいしま~す♪」


入ってきた件の"秘書"は金髪の美女だった。

ふるんっ…と柔らかそうな豊満バスト。ふわりと緩やかに巻いた髪。

軽薄な言葉に妖艶さを含ませ、爆乳を揺らしながら彼女はビアージオの執務室に入ってきた。

「今日からビアージオ=ブゾーニ司教の秘書を務めさせていただく、オリアナ=トムソンでっす♪」

セックスアピールが激しい、というかもう暴発しているスーツの女性。

スーツだというのに中のシャツは胸部だけボタンが留められていない。

ブラもつけていないらしく、胸の谷間が全部見えてしまっていた。

短すぎるスカートからほんの少しだけムチムチとした尻肉をはみ出させている。


ビアージオはそれを仏頂面と小さな溜め息で出迎えた。

(…………"左方のテッラ"殿は一体何をお考えになって私に痴女を送りつけてきたのだ?)

右手を思わず顔に当てる。


(経歴からして、とは思っていたが…そもそも頭が良いようには見えん。
 というより 教 会 に この格好で入ってきた時点でもう…なんか色々とアウトだ)

ビアージオは上司に続いて部下にも恵まれない試練をお与えになる主に対して軽くWhy?を感じていた。


「んもう…エロエロバイオレンスあっはーん♪なAVの中にしかいないようなバインバイン秘書ちゃんが来たっていうのに…」

ゆったりとした動作で髪を軽くかき上げ。

ツカ。ツカ。とハイヒールの踵を鳴らしてビアージオの傍にフェロモンたっぷりに歩み寄る。

「おじ様ったら興奮してくれないのかしら?お姉さんはもうアソコをびちゃびちゃにしてるっていうのに…」

ビアージオの肩に乳房を押しつけ。彼の耳元で暖かい息と共にそっと囁く。

「ねぇ…おじ様。私……まずはナニをすれば…いいのかしら?」

艶かしい手つきで指をビアージオの首筋に這わす。




ビアージオは。

「…そうだな。では……」

オリアナの肩にそっと手を置いて。






ビアージオ「チェンジで」クルクルッ。

オリアナ「いやそんなんないから」




ビアージオ「あ゙あ゙あ゙あ゙!!ふざけてるのか?!人選を間違えすぎだろう!貴様などチェンジだチェンジ!
      ここは教会だ!貴様のような娼婦が来る所ではないわぁああ!」


キレた。


オリアナ「ひっどーい!酷すぎるわ!
     お姉さんみたいなSSSランク上玉ねーちゃんに対してそこらの三流デリヘルみたいな扱いするなんて!!!」

ビアージオ「ぇえええええいいぃぃ!!黙れぇ!ン黙れぇえええええいい!!
      貴様などチェンジだチェンジ!!店長!チェンジお願いします!もっとストイックな子にぃぃぃぃいいい!!!」

オリアナ「ダメよ!お姉さんはもうここでおじ様と一生添い遂げなきゃいけないの!そういうお仕事なの!」

ビアージオ「ジーザス!!!」



―――こうして、男の性的欲望を体現するかのごとき扇情的な若い女と


「! わかった、あなた少女趣味(ロリコン)なのね?お姉さんが幼児体型じゃないから不満なのでしょ?!」


―――禁欲で戒律を固く守る敬虔な信徒、聖職者の中年男という


「主よ、何故私を見捨てたのですか…」


何とも正反対なコンビが誕生した。



「むしろ主からの御褒美じゃないかしら?」

「君はもっぺん聖書を読み直せ」



いんふぉめーしょん!:オリアナさんが仲間になりました。また、今後一緒に仕事をしていく事になります。



~とりあえずオリアナにスーツをまともに着させました~


ビアージオ「…いいか?君が外で何を着て何をしようと自由だが、ここではとにかくアホな格好をするな?」

オリアナ「せめてエッチな格好ってイッて欲しいわ?」

ビアージオ「………ハァ」

オリアナ「ほらぁ。……イッて?」ハリィハリィ

ビアージオ「………エッチな格好をするな」

オリアナ「…ぶふっ!」

ビアージオ「」

オリアナ「ご、ごめんなさい…ふふっ…!だってあなたの真面目な顔で言われると…!ふふふっ!」クスクス

ビアージオ(主よ。私はこの女の右頬と左頬を往復ビンタしても構わないでしょうか。)


彼女は口に手を当てて楽しそうに笑う。


ビアージオ(ハァ……また面倒な事が増えた…)

だが上司からのプレゼントだ。無下にはできないし、使える手札は多い方がいい。

(謎だらけでもあるし…今後の事も考えて彼女とは多少なりとも信頼できるビジネスパートナーレベルの仲を構築しなければならんな…)


腕を組み、ビアージオは静かに思案を巡らす。



オリアナと仲良くなるために、ビアージオはどうする?

※ビアージオさんしか動かせません。

安価↓5まで。その中から>>1が選ぶ。連投はなしで。

ビアージオさんは聖職者ですので。117~119まで無効

今日はテンポが良すぎても困るから


~しばらくして~





―――ローマ正教一筋40年、思えば女性に対しても淡白だった。

買う事はしなかったし、自分の恋人とは信仰だ。

聖職者とは、敬虔な信徒とはそういうもの。

そう思って今日までやってきた。

昔は「そんな真面目なあなたが好き!」と言い寄られる事も何度かあってモテないわけではなかったが、

主を信じ、その為に粉骨砕身働く事よりその女性と付き合う事が魅力的とはどうしても思えなかった。


そんなわけで。


ビアージオ(うむ、どうしたらいいかわからん!!!)

漢ビアージオ4×才。女性との仲良くなりかたがさっぱりわからなかった。


ビアージオ(うむ…食事や気晴らしに遊びに誘う……まだそこまで仲良くないからな…女性によってはかなり嫌がられる)

ウロウロと執務室の中を手持ちぶさたにうろつく。

ビアージオ(髪をとかしてやるとか…?いや女性同士ならばまだしも、まだ仲良くもない40のおっさんにされたら年頃の娘は嫌がるのではないか…?)


ウロウロ。うろうろ。


ビアージオ(うむ……難しい…)


そんな彼は悩みに悩み抜いて。




ビアージオ「あー、君。」

オリアナ「あら何かしら?おじ様」ニコッ





ビアージオ「肩を揉んでくれ。」ドッコイショ


まさかの仲良くなってもらう側になる事を選んだ。


オリアナ「ふふ。いいわよ?お姉さん結構マッサージ得意なんだから」クスクス

いきなりの申し出にも関わらず、オリアナは素直に承諾した。

もみもみもみもみ………

ビアージオ(ぬぅぅう……言うだけあって確かに上手い…!)

ビアージオが心内で唸る程には彼女はマッサージが上手かった。

オリアナ「ああん…おじ様のココ、カチカチ……♪お姉さん硬いのは好きよ?ヤり甲斐があるもの♪」

念のために言うと彼女が優しく揉んでいるのはビアージオの左肩である。

ビアージオ(四十肩もあって左肩が痛くて上がらなかったのだが…随分楽になったな…)


彼女は運び屋や秘書ではなく、もっと年配の層と接するような職業の方が向いているのではないだろうか。


ビアージオ「…ありがとう。君のおかげで随分楽になった」

オリアナ「あらいいのよおじ様。また言ってちょうだい」ニコッ

ビアージオ「そうかね?…ああ、お礼と言ってはなんだが君何かほしい物はあるかね?」

オリアナ「え?何か贈り物でもしてくださるのかしら。」

ビアージオ「まあ、そうだ。何が欲しいのかね?」

オリアナ「うーん…特にはないわ。だから…」

オリアナ「おじ様のセンスに任せるわ」クスクス

…それが一番困るのだが。


「期待、してるわね?お・じ・さ・ま?」


くすっといたずらっぽく笑って、オリアナは退室していった。


~イタリアの街中~


ビアージオ(…主よ、我を導きたまえ)


気軽に言うべきではなかっただろうか。彼女の好みなど全くわからない。

何がいいのか。何がまずいのか。

ビアージオ(ふむ…)

ビアージオは珍しく街に出掛けていた。

カタログなんかの通信販売や、適当に思いついた物を修道女に買いに行かせてもよかったのだが。

ビアージオ(やはり"贈り物"なのだから私の気持ちも一緒に贈らねばな)

とことこ、キョロキョロ。

何かめぼしい物はないかと露店商がある所まで来た所で。

「いらっしゃいいらっしゃい!そこの旅行者さんイタリア土産でもどう?!今なら『幸福を呼ぶ1$紙幣』とか安いよ!」




ビアージオ「…バルビナ。ぬぅぅあああにぉぉをしているぅぅ……?」

バルビナ「んげっ!ビアージオのおっさんじゃないか!」


知り合いの少女と会った。


ビアージオ「全く、君という子は…またぼったくりでインチキ商品を売りおって。
      また彼女に叱られても知らんぞ」

バルビナ「リドヴィア?あーいいのいいの。あいつ今宣教中でイタリアにいないから」フリフリ

ビアージオ「…まあいい。ところで、何か贈り物に最適なオススメな物とかはないかね」

バルビナ「は?おっさんが贈り物?!誰に?!まさか…」

ビアージオ「何でもいいだろう。若い女性になんだが」

バルビナ「ほえーっ?!おっさんが若い女性に?!いやいやマジか」

ビアージオ「…私は茶化されるのは嫌いなんだがな」




かくかくしかじか。




バルビナ「へー…秘書にねえ?うーんとさ、あれだ。あれはどう?」

ビアージオ「む?」

バルビナ「おっさんと言えば十字架じゃん?」

ビアージオ「…そうだな、まあ。私のトレードマークでもあるが」

バルビナ「どういう経緯かとかは知らないけどさ、やっぱり自分が一番いいと思えるものを贈ったらいいんじゃないの?」

ビアージオ「…つまり、ロザリオか」


……彼女は喜ぶだろうか。



また夜に再開。時間は未定。


参加ありがとう


リアルの事情が変わった。申し訳ないが安価一つだけ置いておく。

次回は>>1がこれそうな時。確約ができないため予告は無し。
「見かけたら参加してやるか」くらいに思って欲しい。



ビアージオはオリアナにどんなロザリオを贈る?

今はレス数に余裕があるので↓1から次回>>1が来るまで募集。制限は特になし。
来た中から>>1がいいなと思ったもので書かせてもらう。

むしろロザリオでできたネックレス(ロザリオを繋ぎまくってる)

>>140と少し迷った


結論から述べるならば

ビアージオは薄い桃色のロザリオを選んだ。


一言で言えばたったそれだけ。

だがその間。ロザリオを贈ると決定してからあーでもないこーでもない、散々悩み、考え、バルビナに助言をもらいまた一考。

そんな熱いドラスティックな一時があった事を明記しておく



ロザリオとは仏教徒でいう数珠であり、よくお洒落用十字架のネックレスと混同されがちであるがそれは誤りだ。

実は首紐も重要で紐に小さな玉を59個通した物がカトリック正式の物で、各地の聖地を回る巡礼する人がこの玉を使い
『自分が何度祈りを捧げたのか』をカウントしておくための道具。


(桃色というのは中々に珍しいし女性へ贈るならば…こういう可愛らしい物がいいだろう)

去り際、「おっさんがんばれよー」と茶化すバルビナに軽い拳骨をくれてやった






ビアージオ「君」

オリアナ「あらおじ様。何かしら?」ニコッ

ビアージオ「前に言っていた贈り物だ。…喜ぶかはわからないが…」

オリアナ「わあ!本当!?嬉しいわ~♪」

彼女の顔には虚偽、偽りなどなく素直に嬉しそうだった。

オリアナ「開けていいかしら?」

ビアージオ「ああ」

オリアナ「♪」ガサガサ

オリアナ「あっ…カワイイ!ちっさなピンクのロザリオね?」

ビアージオ「う、うむ……」

何となくこの年でそういうプレゼントを買ったのが気恥ずかしくなってくる。

オリアナ「ありがとう!大事にするわね?おじ様!」ニコッ




――その後。ビアージオの執務室で働く彼女の腕にはピンクのロザリオが巻かれるようになった


(アクセ感覚か…まあいい。しかし痛く気に入ったのか義理だてなのかはわから…いや、邪推か?)


――彼女の腕で揺れるロザリオを見ると己の頬が少し緩むのは気のせいだと思いたい



~次の休日~


ビアージオ「さて…今日はどうするか」



ビアージオはどうする?↓5まででいいのを選ぶ



オリアナ「おじ様?ちょっといいかしら」

ビアージオ「む?なんだ?」

オリアナ「ユダって人からあなたへ手紙が届いているわ」

ビアージオ「…そうか、わざわざすまないな」


"ユダ"とは学園都市に放っているビアージオのスパイのコードネームだ。

勿論、魔術師である。

ビアージオ(今回の報告はどうだ…?)

オリアナ「あ、ねえおじ様?後でよかったらお茶でもどうかしら?」ニコッ

ビアージオ「私の分は水で頼む」

オリアナ「…あなたって本当敬虔よね?」クスクス

ビアージオ「…それが私の全てだよ」

オリアナ「わかったわ。最高の質素な茶菓子とお水を用意して待ってるわ♪」

鼻歌でも歌いそうな足取りでオリアナは廊下を歩いていった。

(最高の質素なって…大丈夫なのか?)


ビアージオは苦笑しながら"ユダ"からの手紙を開封した。



"ユダ"は誰?また、報告内容とは?

※魔術師限定。

↓5まで。

大丈夫だ問題ない↓4



『でぃあ"クルサファイ"どの』

『お久しぶりですユダです。』

『私は学園都市で元気にしています。』

『学園都市ではどうやら一足早く世紀末を迎えているようで、』

『よくガラと頭が悪いおにーさん逹がちょっかいかけてきます。さすが科学サイド。さすが異教徒。』

『でも私の剣は無敵なので大丈夫です。ぼっこぼこにしてやりました』

『"そういえば"、この前また襲われたのですが東洋人系のいえろーもんきーが"右手"で私を助けてくれました』

『どうも本物っぽい人です。名前は上条当麻15才』

『正義感が強い人で、すぐお友達になりました』

『最近はいつも一緒に遊んでいます!あ、写真を入れておきました』

『また連絡します。』

『ユダより』


クルサファイはビアージオのコードネームだ。

十重二十重にも組まれたトラップ術式を解除し、
幼稚な文章に隠された暗号文の真意を解読していく。

「どれ…」


『潜入は問題なし。予定通りに任務遂行中、現在はフェイズ2』

『なお、不良に絡まれた時に奇妙な右手を持つ日本人に接触』

『彼曰く「全ての異能を打ち消す」との事で、事実科学側の能力と私の術式全てを無効化してみせた※別資料参照』

『もしかするとかの"幻想殺し"の可能性有り。』

『現在は私も顔を変え、彼と友人として人間関係を構築。任務遂行と共に鋭意調査中』

「……幻想殺し?まさかな」




同封された写真に込められた術式に開封キーを当てる。


パサッ…


写真がバラけて書類に変わる。

さらさらと流し読み、記憶にある情報と照合していく。

「………確かに…"幻想殺し"の可能性があるな」

だがそれは問題ではない

仮にあの伝説通りの右手の再来であってとしても彼は科学側にいるのだから今どうこうはできない

問題なのは。



「…我々ローマ正教にとって害となるか、味方となるか」


ただ、それだけだ




~教会の中庭~


ビアージオ「すまない、待たせたな」

オリアナ「あらいいのよ?おじ様♪」

にっこり笑ってオリアナはビアージオに椅子に座るようジェスチャーをする

ビアージオ「姪からの連絡だった」ドサ

オリアナ「あら、姪っ子さんがいたのね」クスクス

ビアージオ「ああ、まだ若いが…将来に期待ができる子だよ」フッ

オリアナ「へえ?お姉さんもいつか会ってみたいわぁ」クスクス


(彼女にはまだ隠しておいた方がいいだろう。彼女が何者なのかはわかってないのだから)




ビアージオ「…美味い水だな」

オリアナ「でしょう?」クスッ



現在夕方。


ビアージオはどうする?

↓3まで

※基本的に行動安価ではビアージオさんしか動かせないですの
イベント、結果は決められませんの。御了承くださいですの安価↓


簡素な二人っきりのお茶会を終えて、ビアージオは…


(…持ってきてしまった)

残ったクッキーの処理に困っていた。

オリアナもあまり食べなかったし、自分は一枚だけしか食べなかったのだから当然なのだが


(捨てるには忍びないしな…)

誰かにでもくれてやろうか。

(しかし、『清貧を心掛けよ、余計な甘味等々は原則とるな』と言っている私が破らせるわけには…)

うむむ。


アニェーゼ「ふーっ…やれやれ、やっと掃除が終わりやがりました」ふぃ


(これも主のお導きか)

(安息日だと言うのに働く?のはどうなのかとは思うが…頑張った子には褒美がなければ)

(御褒美ならば。そうだこれは敬虔たる修行中のシスターに対しての褒美なのだ)

(だから問題ないのだ!)

(よし!)

しっかりと自分に言い聞かせて信念に言い訳をしてみたり。



ビアージオ「あー…シスター・アニェーゼ」コホン

アニェーゼ「わひゃあっ?!な、なななななんですか!ビアージオ司教!?私は働いやがってませんよ?!ちょっと汚れてたのが気になったのでっ」

ビアージオ「いや、いい。いいのだよ。私は怒っておらん」

アニェーゼ「あ、そうですか」ホッ

ビアージオ「あー…時にシスター・アニェーゼ。小腹は空いておらんかな?」

アニェーゼ「え?あ、はい…」

ビアージオ「掃除を頑張った御褒美だ。よかったら受け取りたまえ」つクッキー

アニェーゼ「! ほ、本当ですか!ありがとうございますー!」

ビアージオ「…他の者にはナイショだぞ」

アニェーゼ「ふふ…はい!」



ビアージオ(さて…まだけっこう残っているな…)カサ…


ビアージオ(む?あれは…シスター・ルチアとシスター・アンジェレネ?)

ルチア「シスター・アンジェレネ?またあなたは甘味ばかり食べて!」

アンジェレネ「でも甘いもの食べたいんです!」

ルチア「はあ…いいですか?シスター・アンジェレネ。」

ルチア「ビアージオ司教も常々仰っているでしょう?」

アンジェレネ「う…」

ルチア「『清貧を心掛けよ、余計な甘味等々は原則とるな』と。怒られてしまいますよ?」

アンジェレネ「だあってぇ……」クスン

ビアージオ(ぬぅ…まさか今日に限って裏目に出るとはな…)

ビアージオ(だが今日くらいは構わんだろう)

ビアージオ(そうだ。今日は安息日。少しは戒めを解いても構わんはずだ!)

再び自分の信念に言い訳をする。


ビアージオ「シスター・アンジェレネ、シスター・ルチア」

ルチア「あ、司教。何か御用でしょうか」

アンジェレネ「はう!ビアージオ司教?!」わたわたっ

ビアージオ「ああいや、大した事ではないのだがな…」ゴソゴソ


ビアージオ「いつも節制している君らに御褒美のクッキーでもと」つクッキー

ルチア「?! ビアージオ司教?!」

アンジェレネ「わー!ほんとですか!」

ビアージオ「うむ…ほら、今日は安息日だしな…」

ルチア「…まあ、司教がおっしゃるのでしたら」しぶしぶ

アンジェレネ「うわー!美味しそう!司教と主に感謝いたします!」ピョンピョン!



ビアージオ(たまには私も緩める事が必要かもしれんな…)




いんふぉめーしょん!

アニェーゼとアンジェレネのビアージオに対する好感度と尊敬度がほんのちょっぴりあがりました

ルチアからは尊敬度がほんのちょっぴり下がりました。

ビアージオの信念がほんのちょっぴり緩くなりました。




~数日後~

オリアナ「おじ様。お仕事が3つ来ているわよ」つ

ビアージオ「ふん、また面倒事か」


ビアージオ「どれ…」カサ




ビアージオ司教に上がってきた仕事内容は?

一人一つずつ。

↓3

今回はここまで。次回開始もランダム。見かけたらどうぞ御参加ください

想定してたのとはちょっと違うのともう少し後くらいになってからそれ系のやろうかなって思ってたしかなりギリギリだけど


いいよ


「うむ……」

オリアナから受け取った書類は3種類だった。

一つは子供が書きなぐったような字で書かれた手紙。

一つは上層部からの指令書。

最期のは―――


「……バカな」


思わず呟く。

―――赤い蝋で封をされた上等な書類

その封印された蝋に描かれている紋は間違いなく……



「…教皇様から、だと…?」




ローマ正教トップ(表上)、ローマ教皇からだった。

眉をひそめ、訝しむ。

(教皇様から…一宗教の代表たるトップ直々にたかが一介の司教である私に?一体何の用だ)

いつもの乱雑な開封方をとるのはやめ、丁寧に丁寧に開く。


内容は、たった3行。



『近々、学園都市で大きな動きがあるらしい』

『暫くの間オリアナと共に学園都市に教師として潜伏しろ』

『手続きは既にとってある。』

            『ローマ教皇より』



(……どうも最近不可解過ぎる事が立て続けに起こるな)

緑エリマキトカゲの件といい、秘書の件といい、今回の件といい。

(ローマ正教トップが直々に何を言ってくるかと思えば…潜入任務?)

("司教"の私に?)

そんなもの1組織のリーダーに任せるような事案ではない。

それこそローマ正教の暗部組織やスパイなんかの専門に任せるべき事だし、何よりこの教会の統治はどうする気だというのか。

(『その間、秘書にこの教会の統治を任せろ』なんかであればまだ一連の異常には納得できたのだがな)

だが、『秘書も一緒に』だ。

(……まさか、逃亡術に長けた人間を無理矢理私の秘書につけたのはこの任務のため、だったのか?)

この任務でビアージオが学園都市で失敗をした時の撤退時のために。

(ふむ……"心底信頼されている"か、"左遷"のどちらかになるが)


(しかし…漠然とし過ぎていて何もわからんな)

『学園都市で大きな動きがあるらしい』、『教師として潜伏しろ』。

具体的にその大きな動きはどんなジャンル、ベクトルのものなのかが全くわからない。

報告は当たり前だが阻止のために動くのか…

しかも教師?自分が何を教えると言うのだ。

自分が他人に教えられるものなんて精々、聖書と宗教学(十字教オンリー)くらいだ

…異教徒の科学のガキどもに宣教でもやれと言うのか。


(…そのまま学園都市の宗教学区に紛れ込むのではダメだったのか?)


そうだったら楽だったのだが、と己の面倒臭がりな部分が顔を出す。


だが、命令は命令だ。

どれだけ納得できずとも、面倒で嫌でやる気がしなくても。

『ローマ正教のために働く』



―――それがビアージオの生涯をかける"仕事"なのだから。



翌日。

ところで、ビアージオが所属する教会には孤児を保護している区画がある。

ビアージオとオリアナがお呼ばれした誕生日パーティーの主催者はどうやらそこの孤児の一人らしい

「…ああ、あの子か」

パーティー会場へオリアナと歩きながら手紙を読む。

招待状の下の方に書かれた名前は聞き覚えがあった

(確かミサに参加する時、一番前に座って熱心に主へ祈る子だ)

急であったし、誕生日プレゼントは特に用意はしなかったが。


「ねえおじ様どうかしら?この格好地味過ぎない?」

「君の中では胸元パックリ、背中バックリの深紅のパーティードレスは地味なのかね?」



主催者の子への「誕生日おめでとう」を済ませ、誕生日パーティーは滞りなく進む。

ご馳走、と銘打つ割には地味な料理やお菓子もなくなった頃。

シスターアニェーゼがこっそり入室してきた

「ビアージオ司教、報告です」

パーティーの空気を破壊しない用に耳元で。

「ご指示通り、反乱因子は殲滅しました」


「御苦労」



さて、仕事は一通り終わった。


ローマ教皇から指示された潜入任務期間までにはまだある程度日にちが空いている。

ドッカリと椅子に深く腰掛け、目立たぬよう嘆息する


(…願わくば、何ごともなくゆったりと過ごせればいいのだが)




「おじ様?ほら、あーん♪」

「…やめたまえ、子供が見ている」



数日後。


ビアージオはどうする?

↓5までで


ビアージオ「…」カタカタ

魔術sideとはいえ、教会にも電子機器やパソコンというものは存在する。

ビアージオも自分の執務用パソコンを持っており、今彼はそれを弄っていた。

「ふむ…」

検索エンジンにかけたのは日本、学園都市…

そして、それに付随する『超能力』、『治安組織』、『噂』『事件』である。


「…聞けば聞くほど。見れば見るほどに醜い部分が浮き彫りになるな」


学園都市は何人たりとも侵入ができぬ聖域ではない。

親や、技術者、取引する会社、魔術勢力等などは学園都市を出入りする。

そして、いかに法や能力、科学で取り締まろうとも人の口に戸は立てられない

人間とはそういうものだ

故に、『目撃情報』や『情報漏洩』なんかは常にどこかに存在する。


「まだ未熟な十代の若い青少年達による『能力』関係の事件、治安維持…」

また様々な角度、見地、専門家、分野からの学園都市の評価データを閲覧していけば

『隠さなければならない表沙汰にはできない事』

なんかもぼんやり見えてくる。




全ての根源が『超能力』という人の身に余るチカラによるものである事も


「…やっていいことと悪い事。やるべき事…こんな事は大人が教えてやるべきだろうに」

大多数が愚かだとは言わない。だが少なくないのも事実だ


ナイフや銃が人を殺すのではない。人が人を殺すのだ

(……教師として行くのはある意味正解だったのかもしれんな)


…自分がそういう事を子供に伝えられれば少しはそんな不幸も減るのかもしれない




(後は学園都市の外で動いた学園都市製兵器群、能力者、科学者といった所か…)

更に絞りこみをかけ、ジャンク系情報なんかを探っていく。





(…大分手に入れたな)

(ネットの情報を鵜呑みにするわけではないが、情報をある程度手に入れていけば精度は増す。
それが公式と専門性を持てば持つ程に)

なんとか『超能力者』の大雑把な能力詳細、能力者の種類、『超能力』の理論なんかを知る事ができた。

(基本的には我々魔術sideと変わらんな。能力が固定か、育成可能か等の違いがあるくらいで)

ビアージオはそれらと対峙した場合の対策をシュミレートしていく。




「ぬ、」


気がつけば夕刻だった。

窓の外からのオレンジの光がそれを知らせる

「……私がもう少し機械に明るければもっと早く出来たかも知れんな」

目をショボつかせ、肩をグルグル回す。

(…肩が凝った)



…何度も頼むと悪いだろうが、また秘書に揉んでもらうのもいいかもしれない



いんふぉめーしょん!:ビアージオさんが能力者に対してある程度であれば有効打を打てるようになりました!



夕方

ビアージオはどうする?

↓5まで


今回はここまで。御参加ありがとうございました



安価採用の基準ですが、>>1のその時の気分と書きやすい等の他に

ビアージオさんの思考回路や対象になるキャラへの好感度、実行可能かどうかなんかがあります。


今はビアージオさんはオリアナに対してあまりいい印象を持っていないため、オリアナに甘えたり愛情表現をする事はまずないと思ってください


入手した情報を手帳に書き記してパソコンの電源を落とす。

時刻は只今16:30。まだまだ一日は終わっていない時間帯だ。

(むぅ)

食事までもかなり時間があるし、少々手持ち無沙汰感が否めない


(…そういえば、彼女には待機命令を出してあるが今彼女はどうしているのだろうか)

ビアージオはのそのそと執務室から出てオリアナの部屋へ行く。


ビアージオは秘書の行動を常に気にかけている。

だがそれは別に彼女が魅力的フフーウ♪だとかストーカー気質から来るモノではない。

……真に味方か敵かの判別がついていないからだ。


教皇や左方の件で、今は特に。


コンコン。コッコッコ、ココン。

彼女が待機している部屋を規則的にノックする。


「はあい♪開いてるわよ、おじ様♪」


「失礼するよ」

扉を開くと、オリアナは―――――




オリアナは何をしていた?

↓3まで



「? 何をしているのかね」

「んー…弾作りって所かしらね」

単語帳のような物のリングをつまみ上げふりふりと振る。

「弾?」

「そうよ。お姉さんの術式はね、一度発動させて撃つとその魔術は二度と使えないの」

「一回こっきりの魔術なのよ」

悪戯っぽい笑顔を浮かべてオリアナはビアージオに向き直る。

「それで、なんだったかしら?」

「む、ああ…特に大した理由はないのだがな」

ふと思う。

(…40ほにゃらら歳の男がいい年して18才の女の子に「俺と遊ぼうぜ!」とはどうなんだろうか色々大丈夫だろうか、自分)

(探るためだ!これは真意を探り、また、仲良くなるための儀式なのだ!)

「ああ、いや実はだね」



オリアナさんと遊びます。ビアージオさんは何して遊ぶ?

(断られる場合もあります)

移動する場合は教会、教会近くの街まで

↓5まで

222、224、225は移動範囲外および実行不可のため

あと↓3


「少し暇ができたのだ。何か君の手伝いでもしようかと思ってな」

「あらそうなの?」

うーん、とオリアナは人差し指を自身の唇の下に当て、考えたフリをする。

「でもお姉さん、仕事は全部終わらせたし?特に何かおじ様の手を借りる事はないのよね」

「そうか、では」

立ち去ろうとすると、オリアナがビアージオの服の裾をきゅっと掴んだ


「よかったら、私の術式作成でも手伝ってくれないかしら?」

にこにこ笑う彼女を裏切るのも気が引けた。

「……わかった」





単語帳の1ページに適した色と書き方、魔力を込めて文字を綴る。

カリカリ。カリカリ。

一つの単語帳(デッキ)を組むので、様々な戦法、属性なんかもバランスよく書き綴っていかねばならない。


…で、20枚程度書いた所で後悔の念が胸にわく

(承諾すべきではなかったんじゃないのか?)


面倒だ。果てしなく。

「…そういえば。おじ様って子供の頃はどんな子だったのかしら?」

「む?」


オリアナ「おじ様が子供の頃って、やっぱり可愛かったんじゃないかなーって」ニコッ

ビアージオ「そうでもない。今と同じように仏頂面で神に祈ってばかり。我ながら可愛気のない子供だったよ」

オリアナ「あら?子供の頃が今と同じならやっぱり可愛いんじゃないかしら?」クスクス

ビアージオ「今の私が可愛い、と言っているように聞こえるが」

オリアナ「そうよ?おじ様って可愛いじゃない♪」クスクス

ビアージオ「…君の感性はよくわからんよ」




「あ、ねえねえおじ様?よかったら何かビデオでも見ない?」

「ビデオ?」

50枚程書いた頃にオリアナからそんな提案をされた。


「友達から借りたの。面白い、とだけは聞いているけどどんなモノかはわからないのよ」

「ふむ?」

「一人で見るのも寂しいじゃない?おじ様一緒に視てくれないかなーって」


「…まあ構わんが」



オリアナと見るビデオ↓5

既存でも実在しないモノでもOK。

(一応18禁系統のモノは無しとしておきます。)

今回はここまで



『イケメン天使ていとくん』


パーパパッパッ♪パッパッパヤパヤ♪パパッパラー♪



―――300X年、地球は"みっちゃん"が支配していた




御坂「さあ私と結婚しなさい!あんたに拒否権なんてないんだから!////」グイ

上条「いやでもミコッちゃん?俺達まだ18と16になってませんし」

御坂「大丈夫よ、私が法律だから」

上条「いやでもそれ以前に俺の意思とかがな(ry」


美鈴「酒持ってこーい!/////」ウヘヘ

一方「なンで俺が…」ッチ

浜面「1番浜面!クレヨンしんちゃんのケツだけ星人やります!」バサッ


美鈴「下品。帰れ」ペッ

浜面「?!」


御坂妹「ヘイヘーイ、ミサカにもふもふされるがいい!とミサカは顔を犬のもふ毛に埋めます」モフモフ

番外「ミサカも!ミサカもやる!」モフモフ

脳幹「ぐあああああ!やめろ!静電気が!静電気がァァアアアア!!!」



婚后「その、私と遊んでほしいのです///」
泡浮「もちろん」ニコッ

湾内「喜んで!」ニコッ


食蜂「エクレアがもっと欲しいのぉー」プクゥ

ウート「じょ、女王…」

シルクロ「食べすぎだぞ」

騎士団長「そろそろおやめになっては?」

食蜂「…じゃあそこのタレ目、暇潰しになんか芸をしてぇ?」ビシ

ウート「俺すか?!」ガーン


警策「チョットォ?頭の匂い嗅ぐのやめてくれない?」

ドリー「えーダメ?」

警策「…まあ、ちょっとだけなら」プイ

ドリー「やった!みーちゃん大好き!」ダキッ


この"みっちゃん"達による支配から脱却するために、一人の超能力者が立ち上がった!


垣根「ふざけやがって…俺達はメスガキどもの奴隷じゃねぇ!」ギリッ


垣根「―――革命だ!」



ていとくんは仲間を集め始めた。


むぎのん「いいわね!私から浜面を盗っ……ムカつくクソガキどもに泡吹かせてやるわ」

アウレオルス「決然、インデックスに危害が及ぶのを防ぐために」

トール「面白そうだな!」


垣根「…いける!この面子なら…!」


スフィンクス『果たして、ていとくんは"みっちゃん"達に勝つ事ができるのだろうか』



オリアナ「…」クスクス

ビアージオ(……一般や子供向け、か…?つまらなくはないが私の趣味ではないな…)


ビデオはそのまま3時間程続いた。



オリアナ「面白かったわね!おじ様♪」ホクホク

ビアージオ「ああ、そうだな。中々に楽しめた」

オリアナ「ビルが倒壊する中でていとくんの未元物質の翼が支えて仲間やみっちゃん達を助ける所とか…お姉さん感動しちゃったわ♪」

ビアージオ「うむ。確かにあの自己犠牲の精神は見事だった」



ビアージオ「……」

オリアナ「おじ様?どうしたの?」

ビアージオ「いや、なんでもない」フルフル



ビアージオ(…何故か映画の中の彼等と顔を合わせる気がするのは何故なんだ…?)


キャスト達は全員CGアニメだというのに。


もう学園都市に行くか、まだ教会で魔術サイドの話をするか


↓5までで。


今回はここまで。




「―――スーツにネクタイ、か」

鏡の中に写る己を苦々しげに見つめながらネクタイを調整する。


今のビアージオは十字架があしらわれたカフスボタンをつけたダークスーツ姿だった。

本日から学園都市へ行き、2日後には教鞭を取る事になっていた。

「彼女プロデュース、テーマは『渋カッコイイ中年教師』との事だが」


宗教的意味を全て捨てた服を着るなど初めてかもしれない

(丸腰、か)

厳密にはスーツの下にメノラーを仕込んでいるために十字架術式は扱える…のだが、防御術式だけはどうしても組み込めなかったのだ。

「……私には似合わんな」

後ろ髪をうなじ近くで縛り、短く垂れ下げ、

ロマンスグレー(白髪はないが)の雰囲気を醸し出すダンディスタイル。


「さて、彼女はもう準備できたのか?」


待ち合わせの教会前へ革靴のつま先を向ける。

(靴が固い…間違いなく靴擦れするな、これは)

軽いため息をつき、自室を出た。



「あらおじ様」

「なんだ、今日はまともだな」


噴水に腰掛け、キャリーケースを横に手を振る彼女はいつものスーツ姿を正装にしたような出で立ちだった。


「ふ、君の事だ。てっきりマイクロビキニか何かでも着てくるかと思ったよ」

「あら、おじ様がリクエストしてくれてたなら着てきたわよ?」

「するかバカ者。……行くぞ」



ゴロゴロゴロ。


キャリーケースを二人で転がしながら慣れ親しんだ教会を後にした。




『頑張ってきやがってくださいね!ビアージオ司教!』

『お土産楽しみにしていますね!ビアージオ司教!』

『ご武運を、ビアージオ司教』


飛行機の中。水を飲みながら前日修道女三人組にかけられた声をふと思い出す。


(ルチアにあの教会での権力はほぼ全て渡したが…大丈夫だろうか)

彼女が一番しっかりしていて、リーダーシップや仲間への配慮に長けていると判断しての代理任命だったがやはり心配の種は尽きない。

(部下の中で最も信頼でき、能力があると判断した人間が年端もいかぬ女とはどうなのだ?)

年少の子らが多いというのも理由の一つとしてはあるのだが、如何せん他が無能過ぎるのだ。

(…学園都市に私の教会にスカウトしたい有能な子でもいればよいのだがな)

念のために言うが、ビアージオは科学が嫌いなのではない。

野蛮で無粋、倫理ガン無視で神を信じない心を持つ…その辺りがビアージオにとっては勘にさわるのだ。

(だがもうこの際それでも構わん。主よ、どんなのでもいいから私に有能な部下と上司を下さい)

もう自分の好嫌など叶わなくていい!と、なりふりかまっていられないくらいにはビアージオは職場の人材に恵まれていなかった。




「おじ様、一緒に一つのブランケット使わない?このコーヒーより熱くなれるわよ?」

「欲深い私をお許し下さい主よ。できればプラス常識を持ち貞淑で慎み深い人がいいです」





~学園都市~


「…どういう事だ」

到着後、滞在予定のマンション前へ直行したビアージオは困り果てていた。

「カードキーは通したはずなのだがな?」

エントランスのドアが開かない。

「ぬぅ…」

立ち往生。

「…」

シュッ。シュッシュッシュッ。

『………』

どういうことだ。

(ぬぅぅぅうううあああああ!?何故だ!何故開かん!?)

カードキーの向き、認識させる速度、期限といったモノは全て試した。

(そしてこういう時に限ってマンションの管理人がおらんとはどういうことなのだ)


管理人室を覗くと『ただいま出払っています』のプレート。


(Very shitッッ!!)




(主よ、我を助けたまえー!!!)


神頼み。祈りを捧げ、主と様々なものに感謝を捧げ―――


シュッ。


『……』

「……」


神も仏も居なかった。



(彼女に連絡してみるか…ひょっとしたら彼女の鍵と間違っていたかもしれん)

通信霊装を取り出した所で。


ぽん。


「む?」

肩を叩かれた感覚。


振り返ると―――――



おとなりさん。教師仲間を決めます。(科学側、大人限定)

↓5まで


↓3が、

00~30天井
31~60小萌
61~80木山
81~95博士
96~99幻生


老人――という割りには若さが目立ち、初老というには年老いている。

そんな眼鏡をかけた白衣の男だった。


「何をまごついているのかね」

怒ってはいないようだ。

『もしそのトラブルが自分に解決できそうならなんとかしてやろう』

そんな類いの声色。

「カードキーが通らないのですよ」

「ふむ?貸してみたまえ」

半信半疑で老人(便宜上そう呼ぶが)にカードキーを手渡す。


「どれ……」


カシンッ!


老人がカードキーを持った指を横に滑らせるとカードキーがS字にスライドし、電子部キーが露出した。

「なん……だと……?」


シュッ。

『ピッ。認証確認。開錠シマシタ』

ガコンッ…

扉がスーッと開く。



「……普通に開いたが」

「すみません。助かりました」




(いやまさかあんなギミックがあったとは…)

侮りがたし、学園都市。

「ところで…」

「君は見かけん顔だが、ひょっとして例の海外からの新人教師かね?」

「ええ。恐らくそうですな」

老人と二人でマンションの廊下を歩く。


「私も教師だ。数学を担当している…あー、博士と呼んでくれ。皆私をそう呼ぶのだよ」

「確かにあなたにアダ名をつけるならば『博士』でしょうな」

てっきり科学か化学、物理なんかの理科学系統担当教師かと思ったがどうやら違うらしい。

「君の担当は何かね」

「私は、」



ビアージオ先生の担当教科は?

↓5までで


色々考えて、ちょっと迷ったからコンマ。


00~19英語、宗教学
20~40道徳
41~60家庭科
61~80音楽
81~99芸術

↓1


「英語と宗教学ですな」

「ほう。文系かね?…っと」

老人が立ち止まる。

「私はここなんだ。君は…その角の部屋かね」

「そのようですな」

見上げたドアの右上の隅にある数字はカードキーに描かれた部屋ナンバーと一致している。

「御隣さんだったのだな。煩くしてしまうかもしれんが…これからよろしく頼むよ」

「よろしくお願いします。私も煩くしてしまうかもしれませんが、極力静かにいたしますので…」

「ではまた学校で」

「ええ、よろしくお願いいたします」



(助けてくれた人間が同じ職場で隣部屋…これも主の御導きか)

主へ感謝を捧げながら自室に入り扉を閉じる。




ビアージオ先生の赴任先は?

↓3まで



~とある高校~



教壇に立ち、黒板に筆記体でサラサラと名前を書く。

「本日より諸君らに英語と宗教学教える、ビアージオ=ブゾーニだ」

「そして…君達の担任だ」

クラスを見渡す。

ぶすっとしている者もいれば、興味深そうにこちらを見ている者もいる。

友達と話している者もいれば携帯を弄る者も

「…折角だ、自己紹介でもしようじゃないか」

「私も君らの名前と顔は一致していないのでな、頼むよ」

左端の席の子に手で立つよう促す。



↓5まで、15~18才、科学側、能力者(能力が判明している人)限定でそれぞれ自己紹介の台詞を

キャラが被った場合は>>1が適当に決めます


※口調、キャラは文が変わりすぎないようにある程度勝手に直します。


左端のボブカットが立ち上がる。

査楽「私は人呼んでMr.死角移動、本名は査楽と言いますね。どうぞお見知り置きを」

ビアージオ「? キルポイント?」

査楽「ええ、端的に言えば空間移動能力者(テレポーター)なんですがね、このように…」ヒュッ

ビアージオ「む?消えた?」

査楽「ここですね」

ビアージオ「ぬ、後ろにだと…?」

査楽「ええ、実は11次元上の演算が苦手でしてね、『他人の位置情報を元にしなければ能力が使えない』んですね」

ビアージオ「なるほど、だから『死角移動(キルポイント)』か」

査楽「そうなんですね」ヒュッ

「うわ?!俺の後ろに来るなよ!」

査楽「おっと、すみませんね」

ビアージオ「そうか…よろしくな、査楽」

査楽「はい。」ニコッ



ビアージオ「えー…では…」チラッ

削板「……!…!」ソワソワソワソワ

ビアージオ「…次の者」

削板「! おうっ!」ガタンッ!

削板「俺は学園都市第7位の超能力者、削板軍覇だ!!」

ビアージオ「? 彼の後ろから煙が…?」

削板「座右の銘は『根性』!!」カッ!


削板「よろしくな!!」ドーンッッ!!!


ビアージオ「ぐおおおっ?!なんだ?!煙が爆発した?!」

「ごはっ?!」ズシャアアアア!

削板「ああっ!?すまんカミジョー大丈夫か!?」

上条「いてて…ああ、大丈夫だよ削板」

ビアージオ「ふう…今のは君の能力かね?」

削板「そうだ!名づけてすごいスモークだ!」クワッ!

削板「説明しよう!すごいスモークとは!」

削板「~~で、~~な~~チャラヘッチャラウルトラゼットで」ペラペラ


ビアージオ「では今吹き飛んだ君、自己紹介したまえ」スルー




上条「あ、えっと、上条当麻です。能力は異能なら何でも打ち消します。何故かレベルは0です」

ビアージオ「…」ピクッ

ビアージオ(上条当麻…ユダからの報告にあった幻想殺しの可能性が高い少年か…監視には好都合だな)

ビアージオ「そうか、よろしくな」ニコッ

上条「? はい」


削板「――トイウAIMカクサンリキバニカンショウシ、アエテソレヲハカイスルコトデダイバクハツヲ――」ペラペラ



ビアージオ「では次」

姫神「はい。私。姫神秋沙。能力は吸血殺し(ディープブラッド)。よろしく。」

ビアージオ「うむ、よろしく」

姫神「……」

ビアージオ「……」

姫神「好きな食べ物とか。言った方がいいですか?」

ビアージオ「あ、ああ。言いたければ…」

姫神「和食。全般。」

ビアージオ「ほう」

姫神「……」

ビアージオ「……」

ビアージオ「……で、では次!」



絶対「…あ?」ギロ

ビアージオ(…態度悪いなこのクソガキ)

ビアージオ「…とりあえず足を机から下ろしてキチンと座りなさい」

絶対「は、っせーな、アンタと仲良しごっこをやるつもりはねぇよ 先 生 ?」

ビアージオ「そうだな、私も無理に君と仲良くなろうとは思わんよ」

ビアージオ「だが…あー、私は君を何と呼んだらいいかわからないんだがな」

絶対「……」ペッ

ビアージオ「…ふむ、ではせめて能力名だけでも言ってはくれないかな?」

ビアージオ「私も担任である以上は君の成績をつけなくてはならない」

ビアージオ「私も初日から君の成績表の平常点を大きくマイナスにはしたくないんだよ」

絶対「チッ…絶対等速(イコールスピード)だ。よろしく」



ビアージオ「…では次の者」



ビアージオ(面倒だな…ああいう悪ガキは本当に厄介なんだ)

だが体罰をする訳にもいかない。


ビアージオ(主よ、どうか私を御導き下さい)


こうして、ビアージオのどうにも不安が隠せない教師生活初日が始まった。



今回はここまで。参加ありがとう


「ふー…」

職員室で自分に与えられた机に座り、一息つく。


(まさか自己紹介だけでここまで疲れるとはな)

椅子に深く座り直して腹の前で手を組む。

次の別クラスにもこれから授業をしにいかなければならないが、ただでさえ少ない体力を初っぱなからここまで奪われて大丈夫なのだろうか


(ぬぅ…私も昔に比べかなり体力が落ちたからな…)


やはり人間、年には勝てないという事か。

(気持ちだけはいつまでも若いつもりなのだがな)

なんとはなしに日が差し込む窓に目を向け、サッカーで盛り上がる男子生徒達を眺める。

("若い"とはいいものだな)


…漢ビアージオ四十ほにゃらら才、切ない春の昼下がりだった。



(そういえば)


自分の秘書は今どうしているのだろうか?

よくよく思い出してみると、各々の住む場所へ行く時に別れて以来会っていない。

自分への『教師として潜入』の指示は出ていたがオリアナに特には指示がなかった。(少なくともビアージオへの指示書には)


(…まあメールくらいは、…いや通信霊装で?)


…メールでいいか。科学の街で下手に魔術を使って目をつけられても面倒だ

外の街でも骨董品な己のガラパゴスケータイを開いてカチカチとボタンをおしこんでいく。

(私くらいの年だと最新式の携帯はわからん)

特に、この科学の街の最先端は。




(…年はとりたくないものだな)



オリアナさんの学園都市での役目、または仕事は?

↓5までで


00~19保険医
20~40芸術科教師
41~60秘書兼同居人
61~80体育教師
81~99メイド

↓1


from:秘書

sab:


元気かね。私の方はなんとかやっている。

君の方がどんな"仕事"だったか、私は知らないが…

暇な時にでもメールをくれ



送信ボタンをポチッと押す。


(さて、しばらくかかるだろうし…授業に行くか)


教材を持ち、職員室を後にする。


…そういえば博士とは会わなかった。

ビアージオは今日は一日それなりに職員室にいたが、彼とはかちあわなかった。


中々に彼もハードスケジュールのようだ




「ふぅ…」

授業が終わった後、再び職員室に帰還。


担任クラスには問題児がいるが、今担当した別クラスは特に問題はないように見えた。

『上手い教育方法』なんてわかりはしないが人並み…自身の記憶する少年時代の教師のやり方で授業をした。

すなわち、教科書を開かせて読ませ、解説。あとは書き取り。

(平々凡々?元聖職者(not比喩)にまともな教育なんてできると思うな)

どこかの誰かに半ギレしてみる。


しかし、問題児が何人かいるようなクラスを担当させられるあたり、新参者故に難しいのをやらされているorなすりつけられたのかもしれない。



(いやさすがに邪推か…ん?)

ふと携帯を見てみるとメールアイコンが携帯の画面を踊っていた。




(差出人は…オリアナか。しかし返信時間が私が送ってから5分で返信とは…)

ちょっと不貞腐れながらメールを開く。

(即メールができるくらい暇そうで羨ましいもんだ)



from:秘書

sab:メールありがとおじ様♪(はぁと


すっごく暇っ!(´-ω-`)

お姉さんはおじ様と同じ学校で保険医してるわ♪

おじ様も気分悪くなったりムラムラしたらお姉さんのとこに来てね♪(^з^)-☆

書類や何やらは書いたり対応の説明を受けたりはしたけど、基本的に気分が悪くなったり怪我したりする子なんてこないもの

あ、でも聞いて聞いておじ様!《*≧∀≦》
何人か廊下ですれ違った子がいたんだけど、私に「綺麗な人だ」って(以下略)




(以下略、以下略)





でね?それから(以下略)








最初意外は長々、延々とどうでもいい話で埋め尽くされていた。

(…面倒だ)

これだけの分量を5分で書くあたり、彼女の指の動きや思考スピードはどうなっているんだと気になったが

(まあ、とりあえずは)

カチカチと指を動かして。



『そうか、それはすごいな』



と適当に返しておいた。



……なんだか年頃の娘を持つ父親になった気分だった。

(妻も子供も居たことはないし、欲しいとは思わんが)


―――若い頃は結婚なんかを望んだ時もあったはずなのだが。




これから任務期間となります。基本的に学園都市外へは出られません。

これから起こる事件やエピソードなんかを↓5までで。

(なるべくジャンルとかは被らないようにしてください)

禁書本編や超電磁砲の事件でも可。


レベルアッパー使った能力者が学校を破壊しにくる

ところで質問なんだけど、ビアージオだけで魔術科学両サイドの事件担当するの時系列的に考えて不可能に近いよね? もう一人くらい主人公いた方がいいんじゃ?

>>333

ある程度時系列は破壊しようかなって。

神の右席関連、第三次世界対戦、ロシア、グレムリン関連 はさすがに無理(ていうかビアージオさん死ぬ)

ので、まあオリジナルかそれまでの事件か何かとかをやろうかとは。

安価↓


00~09ニセ札騒動(後で事件内容を安価)
10~40インちゃん、来日
41~60番外個体塾
61~80幻想御手
81~99上からどれか好きなのを

↓2


尚、夏になったらプール行けます。(今一応春なので)安価↓


ニセサツ騒動の概要とかを↓5


一応もう一人くらいサブ主人公居てもいいですが

・今まで出てきていないキャラ

・ボス級は無し(フィアンマ、オティヌスアレイスター、垣根とか)

・科学side限定

・女性限定

なんかの制限がつきます。(ビアージオが魔術sideで男性なので)

あとはまあ>>1が使いやすそうなヤツにしようかなとは。

今回はここまで。参加ありがとう

把握。ゲームは未プレイなので再安価。

インさんかミサワかアッパー↓2


「では気をつけて帰るように」


赴任してから数日後。教師生活はそれなりに上手くいっていた。

絶対等速や他の頭と素行、ガラが悪い生徒も特に問題は起こしていなかったし、他の生徒はいたって真面目だ。

特に問題は起こしていなかったとは言ったが、もちろん絶対等速らの生活態度は悪いし、自分に対してタメ口(というかもはや挑発)をきいてきたりはする。

だがまあ、そんなものは可愛いものだ。

これでもし「誰それを刺した」だの「能力で犯罪行為をした」だのされたら自分も危うくなる。

メディアで謝罪しなければならないだろうし、潜入中にそんな事件を起こされたら間違いなく学園都市には正式にバレるだろう。(あるいはもうバレているかもしれないが)

(ん?)

他の皆が立ち上がり「やっと終わったー」だの「帰りマックいこうぜー」なんかの声が飛び交う中で、

黒髪の美少女だけは微動だにしていなかった。


(…目を瞑っているが、寝ているのか?)


……まさかHR中ずっと寝ていたんじゃないだろうな?



「姫神」

「………」

のーりあくしょん。



「姫神くん」

「………」

無言。



「あー、姫神くん?私は少しお話をさせていただきたいのですがお時間をいただけませんかな?」

「………」

こんなおっさんとは話したくねぇってか。



(いやいや。彼女は純朴で真面目だし、まともだ。何か理由が―――)

ふと見ると、彼女の長いサラサラ髪に隠れて黒いコードがポケットに延びていた


そんで、彼女の耳元に顔を近づけてみると

『滴り香り♪甘い香りさーそう~♪』



こいつ、ずっと音楽聴いてやがった




ビアージオ「…姫神」ポン

姫神「…?」ハッ

ビアージオ「いつから聞いていた?」ニッコリ

姫神「ごめんなさい。」



「『聞くと能力強度が上がる音楽』?」

そんなわけあるか。

そんな類いの言葉が喉まででかかったが、彼女が本当に信じていた場合も考えて黙る事にした。

代わりに「どこで手に入れたんだ」と聞いてみる。

世の中うまい話なんてものは転がってない。
本当にうまい話があったとしても誰だって独占しようとするはずなのだから


とりあえずは彼女が悪い輩に騙されていないかどうかは確かめておかなければ。

詐欺商品というだけならともかく、悪質な詐欺に騙されて彼女が莫大な借金持ちにでもなったら困る。


「ネット。能力強度があがるということは。制御能力もあがるという事。」

「うむ」

「…もしかしたら。もし私の能力をコントロールできるようになれたら。私が学園都市に来た目的が達成できる。」

「だから。落としてみた。」

「そうか、で、首尾はどうかね」




「今日一日。ずっと聞いていたけど。まるで効果なかった。がっかり。」

「そうか。ところでその『今日一日音楽を聞いていた』件で先生は君にお話しなければならなくなってしまったのですがな」



結局のところ。姫神の件からして『能力強度が上がる音楽』なんてものは嘘っぱちだったようだ。


(大体、もし本当にそんな音楽が存在するならば街中でずっとかけるのではないか?)

強力な能力こそ、この街ではステータスとなるのだから。

(それか、何らかの副作用があるに決まって―――)

「む?」

デパートの裏を通り過ぎた時だった。

いかにも陰鬱とした眼鏡の少年がコソコソとしているのを見かけた。

「……」


別に、無視して帰宅してもよかったのだが。


「……」

何故か気になった。

第六感、神からの神託、虫の知らせ。


そんな何かがビアージオに警告を発していた。

『こいつを、見逃すな。』

(関わるべきではない…のだがな)



十字架に触れ、主へ祈りを捧げたあと、ビアージオは静かに少年を追った。




眼鏡少年はデパートに入り、スプーンを幾つか目立たないところへ隠していった


(あ、怪しい………)

怪しいというか、最早まさに事件を起こそうとしている犯人である。

(…そのスプーン、爆弾にでもなったりするんじゃないだろうな)

少年はデパート中にスプーンを配置していく。

背中のリュックサックからスプーンを取りだし、

商品と商品の隙間に。

階段の隅に。

非常ドアの裏に。

エレベーターの中に。

次から次へとスプーンを配置していく


(実はデパートから『デパートをスプーンだらけにしてくれ』って委託を受けた業者じゃないだろうな)

ダメだ、意味がわからない。何が何だかさっぱりわからない。



ビアージオ(さて…どうするか)


ビアージオはどうする?

↓5までで。虚空爆破の話になってますが流れはアッパーですの


00~40話しかける
41~60かまをかけてみる
61~81警備員さんコイツです
82~99抱きしめる(己の体で拘束する)

↓2

※ちなみに言動や運、展開によっては誰かが死ぬ事もありえます(ビアージオさんも)

安価↓

何て話しかけるか↓3までで

00~29それ爆弾?
30~60十字架攻撃
61~90お菓子あげるからやめんしゃい
91~99好きなのを

↓1


「あー、君。何をしているのかね?」

眼鏡がビクンッと振り返る。

(…しまったな、思わず話しかけてしまったが)

「な、なな……なんにも」

(なわけねえだろ)

こそこそスプーンを大量に隠して『なんにもしてない』などおこがましいわ。

「うむ…そうか。私は店の者じゃないから怒らんぞ?
…何かイタズラをしようとしていたのだろう?」

「………」

『怒らん』という言葉に反応したのか、眼鏡は少し表情を柔らかくした。

「ふむ。そうだ、菓子を買ってやろう。だからイタズラなんかやめて、下のフロアにでもいかんかね?」

出来うる限り柔和な微笑みを作り、少年に問いかける。

(…これで逆上してきたら攻撃、逃亡するならば店員に連絡…といった所か)


「………」

少年は――――



00~20少年、対話に応じる
21~51少年、逆上
52~70少年、逃亡
71~99少年と対話続行

↓2

※安価範囲が狭かったり広かったりするのは大体>>1のリアル事情が絡んでます。

安価↓


「う、うわぁあああああ!!!」

逃げた。

「うっ、くっ…あああ!!!」

脱兎の如く、脇目もふらず。


……何かに心が耐えきれなかったように。


「……うむ」

どうやら説得に失敗したらしい。


(しかし、あの少年…どうも精神的に追いつめられていたようだな)

長年"人間"を視てきたからわかる。

(あれは他人から虐げられてきた者の目だった)

少年が逃げ去っていくのをぼんやり眺めながら、ビアージオは一人思う。


(もし仮にあの少年がローマ正教徒であれば『救わねば』と思っていたかもしれんな)


所詮はifの話だが。



ビアージオはこの事件についてどうするか

↓3までで。帰るも良し、通報しておくも良し、あえて少年に触れるも良し。


「……む?」

少年が何かを落としていったようだった。

拾い上げてみると、

「…音楽再生機?」

iPhoneだったか、iPodだったか…MPプレイヤー…いやアイパッドだっただろうか。

とにかく、音楽再生機(名称不明)だ。


音楽がかけっぱなしだった。とりつけられたイヤホンから音が僅かながらに漏れている。


「…?」




聞き覚えが、あるような。


『消える♪消え去る♪またね♪さよならー…♪』


間違いない。曲調と音の高さ、歌っている歌手からして学校で姫神秋沙が聞いていた曲だった。


(…『能力強度が上がる音楽』、か)

大方、あの少年も低レベル能力者だったのだろう。

そして、この曲の噂を聞いて入手。


『これでレベルが上がった!やってやる!』


で、あのスプーンで何かをしようと――……



(…いや、何をだ?ならばあの少年は何をしようとしていたのだ?)




あのスプーンの量、配置箇所からして間違いなく彼の能力はスプーンを危険物に変える能力だろう。


……もし。あれがもし、自分が想像した通り『本当に爆弾だった』としたら?


(いや、だが姫神は『効果がなかった』と)


本当に?


本当に、『能力強度を上げる音楽』は噂だけのインチキなのか?





『効果が出るのが遅い』としたら?

『個人差があって、全く効果がない人もいる』としたら?

『聞き続けている間だけ強度が上がる』としたら?


また、別の件、別の可能性として。


『副作用があって、"音楽を聞いたから"犯罪に走ろうとした』としたら?





(……多少なりとも独自に調べる必要がある、か……?)


何せ、自分のクラスの生徒がその音楽を聞いている。

もし、姫神秋沙が何らかの形で犯罪行為に手を染めたら。


(いかんな…それは、不味い。)


オリアナにもメールを送っておく事にする。

"ユダ"には後で自宅から通信霊装で。


(だがまずは。)



そこらにいたバイトを止めて、経緯を話す。

店員はお偉いさんに伝えると青ざめた顔でスプーンを探しにいった。

(危なかったな)



…もしあの時少年を放置していたら。

このデパートに明日はなかったのかもしれない。






―――比喩ではなく、物理的に。





いんふぉめーしょん!

『幻想御手』ルートに入りました。

以後これに関連しない事件は起きず、何らかの形で収束を迎えない限りこのルートは続きます。

また今回に限らず、ルートに入った場合は事件毎に応じて何らかの形でビアージオさんの生活にも影響を受けます。


帰宅後。

自室に設置した十字架(おっきい)の前で膝をつき、主へ祈りを捧げる。



「一日の働きを終えた私に安らかな憩いの時を与えてくださる神よ」

「貴方に祈り、感謝します」

「今日一日、私を支えてくれた多くの人達に沢山の恵みをお与え下さい」

「私の思い、言葉、行い、怠りによって貴方を悲しませた事があれば、どうか御赦し下さい」

「明日はもっと良く生きることができますように」

「悲しみや苦しみの中にある人達を、助けて下さい」

「私が幸福の中にあっても困っている人達を忘れる事がありませんように」




「Amen.」




(む、しまったな)


ポケットに触れた時に何か固い物の感触を得て思い出す。


(…あの少年の音楽再生機を持ってきてしまった)


…明日、警備員の詰所に持っていこう。




翌日。学校へ行くついでに警備員の詰所に寄る。

(ふむ…オリアナからは『任せて♪』、ユダからは『了解』とのことだったが)

自分もパソコンでネットサーフィンしてみたが成果は今のところ出てはいない。

昨日の今日なのだから至極当たり前ではあるが、心なしか焦ってしまう。

(…早く情報が欲しいな)


何かが起きてからでは困るのだ。……主に自分が。


「…ついたか」


詰所に入り、事件経緯は暈しながら拾得物の届け出報告をする。

「あーはいはい、さーません、今対応できる奴が来ますのでちょっとお待ち下さい」

外部者に対しての言葉づかいについて「貴様本当に大人か」と説教したくなったが我慢する。


対応に来たのは、


対応に来た警備員(協力者になる可能性アリ)は?


科学side、大人限定、未登場限定

↓4までで

美濃部

>>400今手元に19巻ないから美濃部の一人称と二人称、口調、性格やキャラの特徴なんかを大雑把でいいから教えて欲しい

いや書きようがないから…じゃあ申し訳ないが再安価。↓1


00~20じゃん!
21~40クソガキィ!
41~61はう
62~80ふん、はっ!
81~99挙がらなかったしステファニー

↓1


「あぁ?テメェか?俺の安眠妨害してきやがったクソは」


頭をボリボリ掻きながら現れたのは金の短髪、顔に刺青を入れたガラが悪い男だった。

(そもそも仕事中に安眠するな)

「あーはいはい、これな?フンッ!」

中身のチップだけ抜きとり、ゴミ箱に叩きつける

「いいか?テメェは何も拾わなかった。落とし物はなかった。OK?」

(…呆れて物も言えんな。これだから科学sideの異教徒は)


尻切れで悪いけど今回はここまで。


「…それは治安と法を守る者としてどうなんだね?」

「あぁ?説教ならいらねぇから早く帰るか死ぬかどっちかにしろうぜェ」

シッシッ。手で「あっちへ行け」のジェスチャーを鼻先でやられる

「礼儀を知らん男だな」

「テメェに対する礼儀を知らねぇだけだよクソジジィ」

(付き合ってられん)

あの眼鏡少年には悪い事をしてしまったなと渋い顔で踵を返し、入り口に向かう。

―――と。

「……あん?」

頭の後ろで刺青男が何かを呟いた。

そして、「おい」と自分を呼ぶ。


「あー、待て待て。待てよ。テメェさぁ、名前なんていうんだ?」

「…異教の無礼者(さる)に名乗ってやる名などない」

「まぁそう言うなって」


なんなんだコイツは。



「…ビアージオだ。ビアージオ=ブゾーニ。」

「とある高校で英語の教師をやっている」

渋々、職と名前を告げる。出血大サービスだ。

「ほーん」

対して刺青男は鼻でもほじりながら聞いているのか?と思わせるようなイントネーション。

完全にビアージオを舐めくさっている。

(あぁ、腹ただしい。)

「ああいや、ありがとな?わざわざ時間取らせて悪かった。もう帰っていいぞ」

(何様だコイツ)


もう一度口の中で呟く。




…これだから科学sideの異教の猿は。



ビアージオはこれからどう動く?

具体的な行動を↓3までで



○仕事もこなしながら幻想御手事件に関わります。

あくまで事態が収束すればいいだけなので、波及していく幻想御手の被害を止めたらこのルートは終わります。


そんなこんなで学校へ。そして今日も授業をこなしていく。

(しかし…)

教壇に立ち、教師としての目線で教室を見渡すと学生時代では見えなかった景色が見えてくる。

(どいつもこいつも聞く気がないな)

全員、というわけではない。だが大抵の者は

「ぶっくく…」

漫画を読んでたり。

「でさ、」

「ふーん」

話しこんでいたり。

「…」ポチポチ…

携帯を弄り。

「~♪」

音楽を聞いてたり

「これで…」

熱心に教科書に落書きしていたり。

(一々言うことはしないが…全員私からは見えているからな?)


学生時代は「後ろの席とか窓際の席はサボりやすい」なんて認識があったものだが


(…教師からはこう見えていたのだな)

当時の自分の教師へと思いを馳せる。




(さて。)

能力を上昇させる音楽のとっかかりはひとつしかない。

すなわち、


「上条くん。今日はすりおろしれんこん汁を持ってきてみたのだけど。」

「へぇー」

姫神秋沙に入手経路を聞く事だろう。


「その。上条くんこういうの。好きかなって。」

「おー好き好き!」

「そう。よかった。」


(…青春を邪魔する気はないがな)


十代らしく微笑ましいランチタイムを尻目にビアージオは職員室へ一旦待機しにいった。


ビアージオ(放課後だ。)

ビアージオ(ちょうど彼女も一人だし…頃合いだろう)



ビアージオ「姫神」

姫神「?」

ビアージオ「実は少し聞きたい事があってな」

姫神「はい。」

ビアージオ「前に君が聞いていたあの音楽なんだが…あれはどうやって手に入れていた?」

姫神「…」



姫神の台詞↓3までで


姫神「前。私の部屋にセールスマンみたいな人が来て。渡してきた」

ビアージオ「…ふむ?」

ビアージオ(胡散臭い事この上ないな?姫神もよくドアを開けたものだ)

ビアージオ(私なら無視するんだがな)

ビアージオ「そいつの連絡先はわかるかね?」

姫神「はい。スマホに入ってる。」

姫神「『欲しくなったら』って」


連絡先に電話をかけると場所と金額を指定された。

能力値が上がる音楽ファイルの値段は10万円。

(…念のために武装しておくか)

簡単な防護術式といつもの十字架術式をスーツの下に忍ばせる。

(ささっと鎮圧してから情報を聞き出していくかな)

オリアナと"ユダ"に連絡をし、自分に何かあった場合の指示を出しておく


(面倒がなければいいんだが)



ビアージオ「…待たせたな。お前がバイヤーか?」


?「………」

↓3までで。未登場キャラ限定、バイヤーとバイヤーの言動を

00~20浜面
21~60絹旗
61~99黒夜

↓1


「……あんた学生じゃないだろ、おっさん」

口を開いた金髪のチンピラ少年はボロいソファにだらけたスタイルで腰掛けている。

「学生でなければ求めてはいかんかね?」

「ダメじゃねーけど、大人ってだけでまず信用できねぇ」

「そうかね。では取引はしてもらえんのかな?」

「いやするけどさ。仕事だし」

それは"信用している"とは言わないのか。


(さて…どうするかな)



どうも見た印象として、姫神の言う「セールスマン」とは似ても似つかない。

彼には悪いが頭も悪そうだ。

この少年があの音楽ファイルを成形したとも考えにくい

……やはり末端か。


(さて…どう聞き出すかな)

(単純に十字架術式で重力による押さえつけ、…からの拷問をかけてみるか、)

(このまま雑談でもしてボロを出すのを待つか)

(それとも。)

↓2まで。ビアージオはどうするか


ビアージオ(まあ、平和的に解決できるのならばそれに越した事はない)

ビアージオ(例え異教徒でもだ)

ビアージオ「あー、君」

浜面「なんだよ」


どんな話題をふろうか。(台詞でも可)

↓3までで


ビアージオ「君はこの能力強度が上がる音楽を使ったのかね?」

浜面「…」

ビアージオ「いやな、具合を聞いておきたかったのだよ」

ビアージオ「個人差というのがどのくらいあるかもわからんしな」


ヅラは使ったの?↓1


浜面「…悪いが俺は使ってないから教えられないな」

ビアージオ「む…そうかね。残念だな」

浜面「……」

ビアージオ「…ところで」

浜面「なんだよ」

ビアージオ「別に説教をするワケではないんだがな、何故このバイヤーの仕事を?」

浜面「……」

ビアージオ「そんな顔をするな。興味本意だよ」

浜面「…」


↓3までで

金 00~25
脅迫26~65
指示66~99

↓1


浜面「上からの指示だよ」

ビアージオ「ほう…君はそういう組織に所属しているのか」

浜面「もういいだろ。ほら、金。さっさとだ」

ビアージオ「まあ待ってくれ。そんなに急ぐわけでもないんだろう?」

浜面「いやまあ、そうだけどよ」

ビアージオ「どんな組織なんだ?」


浜面「ああ?」

↓1が偶数ならば答えてくれる。奇数、ゾロ目は無理


浜面「なんだってそんな事を聞くんだよ」

ビアージオ「世間話だよ。別に誰ぞに言いふらすわけでもないさ」

ビアージオ「客の要望や雑談に応じるサービスをするのも販売人の仕事だろう?」ニコッ
浜面「あー……まあ、いいけどさ」

ビアージオ(チョロい。もし私がコイツの上司だったら処罰した上でクビにするがな)


↓3までで。浜面の所属組織は?

↓1のレスの下1桁が

メンバー0~3
スキルアウト4~6
スクール7~9


浜面「スクール…そういう名前の組織だよ」

ビアージオ「ふむ」

浜面「言ってもわかんねぇだろ?」

ビアージオ「そうだな」ハハ

ビアージオ(かなり重要な手がかりを得たようだ)

ビアージオ(しかし不安になるな。ここまで末端の管理や情報統制が杜撰であるとは)


ビアージオ(…まさか、罠ではないのか?)


ビアージオ(例えば、スクールの名で何らかを探し始めると捕まるようなシステムになっているとかな)

ビアージオ(…だが他に手がかりはないし、高い金をこの小僧に払って帰るだけというのも馬鹿馬鹿しい)



ビアージオ(さて、どう捜査したものかな)


さて、これからどうしようか。


↓3番目のレス


ビアージオ(ひとまず、得た情報はオリアナに送っておくか)

ビアージオ(しかし、コイツと金はどうするかな)

浜面「おっさん早く金払ってくれよ」

浜面「俺も早く飯食いにいきてーし」


↓2番目。浜面との取引はどうしようか?

今回はここまで。安価↓


バタン!


すぐ扉を閉めてトイレから離脱する。

(気づかれたかはわからんが…とにかく見なかった事にしなくては)

チラリと後ろを見やりながら席へ戻る。

尿意は引っ込んでいた。

(なんだアレは)

ホスト染みた金髪の少年が、中学生くらいの少女の肩を踏みつけていた。

(まず間違いなくまともではない少年。そして状況だろう)

もう一つ。


(間違いなく、アレに関われば面倒臭い!)


危なそうな橋は渡らない。面倒な事は他人に任せる。

バカを見るだけ。関わるから辛くなるのだ。

ましてや異教徒のイザコザなど微塵も興味はない。



(私は面倒な事は大嫌いなんだ!)




もしこれがローマ正教の信徒ならば助けに入っただろう。


・・・・・・・・・・・・・・・・
それが少年と少女、どちらの側でも。


もし少女が信徒ならば少年を止めただろう。

もし少年が信徒ならば少女を押さえつけただろう。


だが二人とも無宗教だ。見ればわかる。


新しく信徒にでもなるなら話は別だが、この多神教国家日本の学園都市育ちが信徒になる事は考えにくい。


(主よ…我を面倒事からお守りください)


十字架をそっと握り、祈る。


自分の好きな主の言葉の一説を頭でリフレインしながら目を閉じる。


「あの…お客様?ご注文の品をお持ち致しましたが…」


「え?あ、ああ…すまない」


目を開ける。





「んでさぁ、さっきの見たよな?おっさん」



―――――先程のトイレで見た金髪の少年が、人工山菜サラダを片手ににやついていた。


「話をしようぜ?相席、いいよな?」


にっこりと笑う、色々と危険な香りを醸し出す謎の少年。


「はぁ………」


できることなら全力で

エリ・エリ・レマサバクタニ
(主よ、何故私をお見捨てになったのですか)

と叫びたかったが、さすがにそれはみっともない。


「……かけたまえ」


優しい声色、ついでに「どうぞ」のジェスチャーもつけてやった。


今回はここまで。

酉てす


ビアージオ「」

ビアージオ「」


テスト


「おっさんは何やってる奴なんだ?」

「教師だが」

「へー。聖職者ってやつか?珍しくもない職業だな」

「そうだな」


さっきの少女はどうしたんだ。

何故注文した品をお前が持ってきた?

お前は何者だ?

何故あんな事をしていた?

私に何をする気だ?


いくつかの気になる質問が頭の中で渦巻く。



「にしてもこんな小さなサラダ一つかよ?」

「少食でな」

「はー。よく倒れねーな?」

「運動もあまりしないから丁度良いのだよ」


取引の類いをする時、いきなり核心の話題からいかずにまずは雑談から始めるのは当たり前の事ではあるのだが。

(何とは無しに圧をかけてくるような、)

会話の内容は至って健全であるのに。

(…瞳は)

"人を見る"時はまず見た目。そして、目だ

人の中身というものは存外見た目に滲み出る。

(……燻っている、な。)

(人の死。欺瞞。非合法なモノ。権謀術数や嘘…暴力)

(そういったモノと触れ、自分も行ってきた…)

(そういう、目だ)

まだ十代にしか見えないのに。

この少年の目はマフィアだとかの犯罪組織に所属する人間の目だった。


「でさ、」

「うむ」

「さっきも言ったけど」

「うむ」

「さっきの。見たよな?」

「うむ」

「まあ発端とか、具体的に何を要求してたかとかは何にも聞いちゃいねーとは思うんだけど」

「うむ」

「アレさぁ、黙っててくれないかな?」

「ん?」

「だからよ、黙っててくんね?」

「ああ、かまわんが」

「お?マジ?」

「うむ」


こちらこそ「お?マジ?」な申し出だ。

面倒事に巻き込まれたくない自分にとっては願ったり叶ったりだった。


「ん。じゃあ…はい」

少年は手を出してきた。

「…?」

何かをねだる、寄越せといったジェスチャー。

(いや、意図がわからん)

金を出せ、という事だろうか。

ならばそのジェスチャーをする立場は逆になると思うのだが。

「いや、ID。免許でもいいぜ?とにかく公的な身分証明書を出せよ」

どこか寒々しさを感じさせるニコニコとした笑みで、少年はそう要求してきた。


「…普通、逆じゃないかね?私が『黙っててやるから金を出せ』とか『学生証を提示しろ』と言うと思うんだが」

「は?」

(何故『何言ってんだコイツ』と言う顔をしているのだ?)

「んー…?ああ、そっかそっか。あんた俺を知らねーのか」

あはははと笑って。

「いや、あんまりにも手際よく逃げたからさぁ、あんたも同類かと思ったんだが」

「何を、」

「あー、まぁ、アレだよ。説明するとさ、『見逃してくれたらテメェの命は取らないでやる』って事」

「身分証明書はその保証の証って事さ。今ってコエーよな。」

「何せ身分証明書があったら色々と法的な事が合法でできちまうんだから」


「……」


それは、つまり。

「身分証明書があれば、あんたがどこで何をしてても。すぐに特定して殺しに行けるだろ?」

(…喋ったら、すぐに殺しにくると?)

「いやな?俺も殺しはあんまりしたくねぇんだぜ?」

「だってよ、処理屋に仕事を任せなきゃいけねーだろ?ゴミ処理にだって金がかかる」

「まあ別にそれくらい払ってもいいんだが、面倒臭いだろ。わざわざ電話とかすんのもよ」

だから、ほら。

少年は変わらずにこやかに手を出してくる。

「出せよ。早く。」

「………」


(……参ったな)


今後命を狙われるかも、という事ではない。


(私が今所持しているIDは、一部偽装された物だ。)

(もし、それがバレたら)


確かに、ビアージオが持つIDは正式にローマ正教が学園都市に発行させたモノではある。

だが、実は本当に正規のカードではない。

…まず、魔術サイドが科学サイドの総本山へ魔術師を送り込む事自体大問題である。

そのため。それをクリアするという意味でビアージオは魔術師としての経歴、ローマ正教の司祭であった事実を隠匿していた。

IDカードにもその為の嘘情報は書かれている。が、

(その部分が。カード自体に細工されたモノ。そこの部分を本気で調べればバレる可能性は多分にある)

とある高校の教師である、とだけわかればそれだけで済むかもしれないが…

(いずれにせよ、渡すべきではない。)

しかし、もし「渡さない」と言ったとして。


(…この少年が何をしてくるか。)


(武力で勝てる相手ならばまだいい。だが、もし、そうでなかったら。)

どうもこの少年はイリーガルな存在であるらしいし、平気でああいう事が出来る人間でもあるという事はわかっていた。


(どうする…?)




渡せば。

最悪、魔術サイドに迷惑をかける真似をした上での任務放棄の可能性。


渡さなければ。

この少年にどれだけの力があるかはわからないが、何をされるかわからない。


(……ふむ。)




さて、どうしようか。


安価↓3を採用。



「うむ」

「お、物分かりよくて助かるぜ」


仕方あるまい。

ほぼほぼ、絶対あり得ない事だろうが…もしも仮にこの少年がLevel5の超能力者だった場合、自分に勝ち目は無い。

超能力者でなくとも強力な能力者だったならば。

あるいは最先端科学兵器を使用されたら。

リスクヘッジを考えれば例え臆病と揶揄されようとも戦うべきではないだろう。

何より。



(もうなんか面倒臭い)






垣根「ん。じゃ、確かに領収したぜ」

ビアージオ「うむ」

垣根「……」

ビアージオ「…なんだ?」

垣根「…いや、なーんか、な」ジロジロ

ビアージオ(早く帰れ異教の猿が)

垣根「…あんたからよ、なんていうか…あー、アレだ。」

垣根「こう、胸を圧迫されるみてぇな?そんなオーラみてぇのを感じるんだよ」

ビアージオ(恐らくは私の魔力や霊装から滲み出る力の事なのだろうが…この少年は感じ取れるというのか?)

ビアージオ「ほう。科学の街に住むのにオカルトを信じているのか?」

ビアージオ(…例え能力者や一般人でも感知はなかなか出来んはずなのだがな)

垣根「バカ言うなよ。信じちゃいねぇよ、んなもん」

垣根「…ただ」

ビアージオ「…ただ?」



垣根「科学だとか、わかりやすい数式や理屈じゃ説明出来ねぇもんってのがあるって思ってるだけだ)

ビアージオ「……」





垣根「あんたさぁ、本当にただの教師なのか?」

ビアージオ「君の手元にある身分証明を見ればわかると思うのだがね」

垣根「肩書きなんかでその人間の真価が測れるかよ」

ビアージオ「フン、そうかね?その人間の概要や能力は測れると思うが」

垣根「周りのヤツがそいつの価値をわかってねーだけかも知れねーだろ」

ビアージオ(『自分の価値をわからせる』というのもその人間の能力だと思うのだが)




垣根「まぁいい。時間とって悪かったなおっさん」

ビアージオ「ふ、君とは二度と会わん事を祈る事にする」

垣根「だな。俺もあんたはなんか殺りたくねーし」

垣根「もし次に会うとすれば」

垣根「…まぁいい。じゃあなおっさん」

ビアージオ「うむ」

ビアージオ「…」



(そういえば。)


ふと思った。


(あの花飾りをつけた異教徒の女子中学生はどうなったのだろうな)





あとから聞いた話だが。


あの花飾りをつけた女子中学生は行方不明扱いとなったそうだ。


彼女の親友は未だ彼女を探しているのだとか。


…異教の猿がどうなろうとどうも思わないが。




いんふぉめーしょん!:『初春飾利』が一切登場出来なくなりました。



次の日。

ビアージオ「む」

査楽「おはようございます」

ビアージオ「ああ、おはよう。 いい朝だな」

ビアージオ(朝から異教徒とはついてないな)

姫神「先生。おはよう。」

ビアージオ「ああ、おはよう!」

ビアージオ(首に下げたケルト十字。彼女は好感が持てるな)

上条「おはようございまーす」

ビアージオ「囀るな(ああ!おはよう!元気か?)」

上条「 」

ビアージオ「…すまん、言い間違えた」

上条「不幸だ」




さて、今日はどうしよう?


下3



夕刻。



ビアージオ(さて。)

オリアナ「もうっ!おじ様ったらお姉さんを暗がりに連れ込んでナニする気?」クスクス

ビアージオ「情報収集だ」

オリアナ「…おじ様のいけずぅ」ムスゥ

ビアージオ(何かあった時に戦力になるかと連れてきたのは間違いだったか?)

オリアナ「お姉さんと腕、組む?」

ビアージオ「わざわざ動き辛くする事もあるまい」

オリアナ「ちぇ」





ビアージオ(どこに行こうか)


下3まででランダム。




路地裏、もしくは廃屋の具体的にどこに、という意味でした。

取り敢えずビアージオさんは路地裏に行きます。



今回はここまで。


〜路地裏〜

ビアージオ「む」

オリアナ「ん?」



イベント発生の有無。

↓1コンマが偶数ならば収穫ゼロ。奇数ならばイベント発生。




猫「なーん」

オリアナ「あらカワイイ」

ビアージオ「野良か」

猫「っ、っ」クシクシ

オリアナ「かっ、かっわいい〜!」

猫「みゃー」スリスリ

オリアナ「ああん!やだもう可愛すぎ!!もうお姉さんの谷間に挟んで持って帰りたい!」

ビアージオ「…君の住まいはペット可なのかね?」

オリアナ「…」

ビアージオ「…」

オリアナ「…ねぇ、おじさま一人暮らしって寂しくない?」ニコッ

ビアージオ「飼わんからな」

オリアナ「どうして?!ローマ正教徒じゃないからかしら?!」

ビアージオ「いや単純にペット不可だからだ」


オリアナ「ごめんねネコたん…せめてあなたの幸せを祈るわ…」プルプル

猫「にゃー」

ビアージオ「ほら、次へ行くぞ」






さて次はどこへ行こうか。

↓2


〜廃屋〜

ビアージオ「む」

オリアナ「ん?」



イベント発生の有無。

↓1コンマが奇数ならば収穫ゼロ。偶数ならばイベント発生。


ビアージオ「…随分豪華な内装だな」

オリアナ「ホントね。そのままワルい子の溜まり場になってもおかしくないくらい。今もまだ使えそうだわ」

ビアージオ「場所がもったいないものだな」

オリアナ「権利関係だとか、諸諸の事情があるのでしょう?」

ビアージオ「違う。どうせ使わぬのならばせめて解放し、主の像や絵、十字架だけでも安置しておけば」

オリアナ「学園都市でそれは失笑を買うだけじゃないかしら?」

ビアージオ「問題ない。学園都市内には宗教学区も存在する。それに」

オリアナ「それに?」

ビアージオ「人と宗教とは切っても切れないモノだからな」

オリアナ「そんなものかしらね」

ビアージオ「普段科学万能主義の人間でも、友人や親が死んだら途端に天国の存在を信じたりする」

オリアナ「…そうね」

ビアージオ「人は、何かに縋らねば生きられぬ生き物だよ」

オリアナ「…」




さて、まだどこかへ行こうか?(但しあと一回)

↓多数決。3まで。切り上げても良し






ID変えての連投はご遠慮ください。

とりあえずトイレには行きます


オリアナ「…?」

ビアージオ「…」

オリアナ「どうしたの?おじ様顔色が悪いわ」

ビアージオ「…悪いが少しそこで待っていろ」

オリアナ「?」

ビアージオ「…トイレだ」

オリアナ「あら。わかったわ」

ビアージオ「すぐ戻る」



〜しばらくお待ちください(笑)〜



ビアージオ「うむ…」


ビアージオ「?」







イベント発生の有無。

↓1のコンマに3と7と0のどれかが入っていたら発生。


イベント発生。↓3まででランダム。同じ内容は安価下。



文字通り馬場の飼い犬になってる佐天さん発見
どうやら馬場に麻薬漬けにされたらしい


>>555初春のイベント関係で申し訳ないが却下。

安価下。

男性用トイレの真ん中で裸で寝転がってる婚后光子

>>557>>66



浜面「…」

ビアージオ「…」

浜面「あんたか」

ビアージオ「君か。息災かね?」

浜面「さあな…どうなんだろうな。よくわかんねぇな」

ビアージオ「…何かあったのかね?」

浜面「…」





浜面「前にあんたに売っただろ」

ビアージオ「うむ」

浜面「アレさ、相当やべーモンだったみてぇなんだ」

ビアージオ「まぁ、そうだろうな」

浜面「あんた知ってたのか?アレを使ったら昏睡状態になるって」

ビアージオ「…」

ビアージオ(漠然と『ヤバいモノ』だろうとは思っていたがまさかそんな副作用があるとはな)

浜面「知らなかったんだ」

ビアージオ「…」

浜面「俺、アレをダチに勧めまくっちゃってさ」

浜面「…あいつら、まだ目を覚まさねぇって」

ビアージオ「…」

浜面「俺、あいつらが能力強度にコンプレックスがあるのを知ってたから」

浜面「あいつらの助けになればって、バイヤーになれば分けてもらえるからって、」

浜面「…あいつに、第二位に言われて、」

ビアージオ「…」











浜面「第二位になんとかならないのかって聞いたらさ、『もう助からねぇ』んだってよ」

浜面「…なぁ、おっさん」

ビアージオ「何かね」

浜面「俺…もう、どうしたらいいかわかんねぇよ…」

ビアージオ「…」

浜面「あんたからしたら知ったこっちゃない事だろうけどさ…」

ビアージオ(全くだな)

ビアージオ(これがローマ正教の者ならば助け、優しい言葉の一つでもかけるのだがな)



浜面「……」

ビアージオ「…」


↓3まで。ビアージオは、づらぁに何か声をかけるか?または何かするか?

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