ミカサ(10)「あいどる?」(54)

845年


エレン「なんだそれ?」

アルミン「アイドルっていうのはね、夢と希望を人々に与える存在っておじいちゃんの本にあった」

ミカサ「どんなことするの?」

アルミン「えっと、可愛い衣装を着て歌ったり踊ったりするらしいよ」

エレン「祭りの時踊るあれみたいなものか?」

ミカサ「全然可愛くない」

アルミン「二人とも違うよ…これを見て」

ミカサ「可愛い」キラキラ

エレン「なんだこれ?腹丸出しで寒くないのか?」

アルミン「エレンが理解するには早かったかな」

エレン「なんだと!」

ミカサ「私はアイドルになる」フンス

エレン「いきなりどうした」

アルミン「ミカサは美人だからきっとなれるよ」

エレン「でも目付き悪くね?夢と希望じゃなくて不安と絶望を与えたり」

ミカサ「エレン」ギロリ

エレン「ごめんなさい」

アルミン(否定できない)

みかりん誕生秘話か

ミカサ「ところでアイドルが歌う歌ってどういう曲なの?」

アルミン「ごめん、その辺はよくわかってなくて」

ミカサ「そう」ションボリ

エレン「昔の適当な曲にしたらいいんじゃね」

アルミン「そうだね」


捜索中


エレン「よし!これに決めた!」

『紅蓮の弓矢』

アイドルが歌う曲じゃねぇww

アルミン「なんか凄い曲名だね…歌詞は?」

エレン「えっと…

踏まれた花の 名前も知らずに

地に落ちた鳥は 風を待ち詫びる

祈ったところで 何も変わらない

今を変えるのは 戦う覚悟だ

屍踏み越えて 進む 意思を 嗤う 豚よ

家畜の安寧 虚偽の繁栄 死せる餓狼の 自由を

囚われた屈辱は 反撃の嚆矢だ

城壁のその彼方 獲物を屠る イェーガー

迸る衝動に その身を灼きながら

黄昏に緋を穿つ 紅蓮の弓矢」


アルミン「うん、却下」

エレン「何でだよ!かっこいいだろ!」

アルミン「確かにかっこいいけどアイドルが歌うような歌詞じゃないよ。もっと可愛らしい曲を…」

ミカサ「いやこれでいい」

アルミン「!?」

ミカサ「『獲物を屠る イェーガー』に運命を感じた」

エレン「そういえば俺の名字と同じだな」

アルミン「……君がいいならそれでいいよ」

うん、却下www

その日の夜


ミカサ「おばさん」

カルラ「何、ミカサ?」

ミカサ「新しい服が欲しい」

カルラ「そう。ミカサも女の子だものね。どんな服がいいの?」

ミカサ「フリフリで可愛くて」

カルラ「うんうん」

ミカサ「おへそ丸出しの服」

カルラ「うん?」

カルラ(おへそ丸出し?え、それってそういう下着か何か?)

カルラ「えっと、ミカサ?そんな服を着てどうするのかな?」

ミカサ「エレンに夢と希望を与える!」ドン!

カルラ「…」ガタッ

エレンの寝室


エレン「腹筋が…腹筋が攻めてくる…」zzz


バンッ!


エレン「な、なんだ!敵襲か!?」ガバッ

カルラ「このバカ息子!」パシン

エレン「あだっ」

カルラ「お母さんは悲しい」シクシク

エレン「何で!?」ヒリヒリ

エレン「昨日寝ていたら母さんに叩かれた」イタイ

アルミン「怒られるようなことしたの?」

エレン「いや、全く思いつかない」

アルミン「ミカサは何か知らない?」

ミカサ「エレンを叩く前に新しい服…昨日言っていたアイドルみたいな服が欲しいと言ったら突然立ち上がって」

アルミン「エレンのとこに行って叩いた?」

ミカサ「うん」コクリ

アルミン「怒られるようなことじゃないね」

ミカサ「不思議」

ミカサ「おばさんに頼むのは無理そうだったから、おじさんに頼んだらすぐ買ってくるって飛び出していった」

エレン「父さんもいいところあるんだな」

アルミン「それはおじさんに対して少し酷くない?」

数日後 衣装到着


ミカサ「どう?」フリフリ

アルミン「可愛いよ」

ミカサ「アルミンには聞いてない。エレンは?」

アルミン(ひでぇ)

エレン「うーん、やっぱり寒そうだな」

ミカサ「…」ゲシ

エレン「いたい!」

アルミン(あ、パンツ見えた)

アルミン「そういえばおじさんとおばさんは?」

エレン「憲兵団のところへ行くみたいだぞ」

ミカサ「何故かおじさんがおばさんに引きずられていた」

アルミン「そう…」

エレン「そんなことより…」

アルミン「早速歌ってみてよ」

ミカサ「わかった。特訓の成果を今見せる」


ミカサ「~♪」紅蓮の弓矢を熱唱


エレアル「おおー!」

ミカサが熱唱している近く


少年j「シガンシナ区に住んでいる親戚に会いに来たはいいが、暇になったな…」

少年j「お、なんだあれ」


ミカサ「~♪」


少年j「!!」ドキッ

少年j(な、何だあの子は)

少年j(整った顔立ち、綺麗な黒髪、何故か知らないが熱くなる歌…)

少年j(そしてへそ丸出し!!)

少年j(こ、これは…)ハァハァ


ミカサ「二人ともありがとう」フゥー

エレアル「いいぞいいぞー!」

少年j「アンコール!!」

エレアルミカ「!?」ビクゥ

おい少年ジャンなにやってんだ

少年j「アンコール!アンコール!」

エレン「誰だお前!!」

少年j「うるせえ!それより君、もう一回歌ってくれ!」

ミカサ「邪魔」ゴスゴス

少年j「あふん」ビクン

エレン「何だったんだ今のヤツ。ミカサに殴られて笑顔だったぞ」

アルミン「気持ち悪いね」

ミカサ「そんなことよりどうだった?」

エレン「おお!凄くよかったぞ!」

アルミン「うん!まさかここまでとは思わなかった」

ミカサ「ありがとう」テレテレ

少年j「なあ父さん、次はいつシガンシナ区に行くんだ?」

父「どうしたジャン。いつも面倒臭がっていたのに」

ジャン「べ、別にいいだろ」

父(顔を腫らしていたのに笑顔だったのと関係あるのか?)

アルミン「それからは定期的にミカサのライブ(というらしい)が開催された」

アルミン「最初は僕達だけだったけど噂を聞きつけたのか、結構な人が集まるようになった」

アルミン「どうやらエレンのおじさんが広めたみたいだった。あとまた憲兵団に連れて行かれたみたい」

アルミン「ミカサはいつもとは違う自分ということで『みかりん』という名前で活動している」

アルミン「…人類最強のリヴァイ兵長がいる気がするけど触れないでおこう」


リバイ「次のライブはいつかな~」ウキウキ

847年 入団初日の夕食時


ミカサ「…」テクテク

ジャン(!あれはあの時歌っていた子!)

ジャン「な、なあアンタ」

ミカサ「?」

ジャン「ええっと、昔シガンシナ区で可愛い格好で歌っていた子だよな」

ジャン「その…もう一度歌ってくれないか。あの格好で」

ミカサ「…気持ち悪い」スタスタ


ジャン「」ビクンビクン

解散式


オツカレー
ゲンキデナー


エレン「なあミカサ、ちょっといいか」

ミカサ「何?」

エレン「久々にお前のアイドル姿が見たくなってな…宴の席だしちょうどいいと思って」

アルミン「僕も見たいけど衣装なんてないでしょ」

ミカサ「大丈夫。こんなこともあろうかと用意しておいた」

エレン「さすがミカサだぜ!」

ミカサ「着替えてくるからちょっと待ってて」

やっぱりりばいはみかりん
親衛隊やってるのか

ジャンと喧嘩中


エレン「ふっ!」

ジャン「この!」

みかりん「やめなさい!」バーン!

一同「!?」

トーマス「ふ、腹筋だああぁぁぁ!!」

ダズ「おえっ!」ゲロゲロ


アルミン「あ、着替え終わったんだ」

ジャン「み、みか、み…みかりーーん!!」

エレン「!?」

みかりん「ジャンうるさい」ギロリ

ジャン「あふん」ビクンビクン

コニー「なあ、これから何が始まるんだ?」

ライナー「俺もわからないが…おぞましい何かが始まりそうだ」ゾクッ

ベルトルト「あの衣装と腹筋のアンバランスさ…」ウエッ

サシャ「おや?催し物ですか?」モグモグ

ユミル(クリスタがあの服着たら…おっといかん鼻血が)タラー

アニ(何でエレンとアルミンは平然としてんだ?)オロオロ

アルミン「みんな今日までの訓練お疲れ様。解散式ということでちょっとした余興をミカサ…いや、みかりんにやってもらいます。エレン、準備はいい?」

エレン「okだ」楽器スタンバイ

アルミン「よし…じゃあ行くよ!」


エレアルみか「紅蓮の弓矢!」

ガチャ

キース「おい貴様ら。いくら宴の席とはいえはしゃぎ過ぎ…」


みかりん「屍踏み越えて 進む 意思を 嗤う 豚よ♪」

わああああああーーーー!!!


キース「……」

キース「ごゆっくり…」

パタン

コニー「いやー熱くなった。腹筋はどうかと思うけど」

ライナー「こう、胸にくるものが…腹筋はどうかと思うけど」

ベルトルト「僕まではしゃいじゃったよ。腹筋はどうかと思うけど」

みかりん「ありがとう」

アニ(え、あれでありがとうなの?腹筋バカにされてたよ?)

ジャン「みかりん最高!腹筋も可愛いぜ!」

みかりん「ぺっ」

ジャン「ありがとうございます!」

マルコ「ジャン…」

トロスト区奪還後


マルコ『ジャンは強い人ではないから、弱い人の気持ちがよく理解できる』

ジャン「マルコ…」

ジャン「なあお前ら、所属兵科は何にするか決めたか?」

ジャン「俺は…俺は…」

ジャン「みかりんと同じ調査兵団になる」キリッ

マルコ『ふざけんな』

アルミン「こうしてミカサはみんなが認めるアイドルになった」

アルミン「応援されているせいか、みんなの士気が上がっているようだ。特にジャンの」

アルミン「この勢いなら巨人を絶滅させるのもそう遠くないだろう」

みかりん「私たちの戦いはこれから」


終わり



番外編 リバイへいちょのみかりん愛

先に言っておく
リヴァイ好きの人達ごめんなさい

ウォール・ローゼの壁を塞いだところ


ミカサ「あれは…」

エレン(自由の…翼…)

リヴァイ「おいガキ共。これはどういうじょうきょ…」

リバイ「みかりん!?」

ミカサ「?」

リバイ「みかりんだよな!シガンシナ区で昔歌っていた」

ミカサ「…そうですけど」

リバイ「うわーこんなところで会えるとは。あ、あとでサイン頂戴」

アルミン「あの、リヴァイ兵長…ですよね…?」

リヴァイ「あ?当たり前だろ。何言ってんだクソガキ」

アルミン(ええ~)

へいちょ…

裁判にて


リヴァイ「これは持論だが…躾に一番聞くのは痛みだと思う」ドコッドコッ

リヴァイ「今お前に一番必要なのは言葉による教育ではなく『教訓』だ。しゃがんでいるから丁度蹴りやすいしな」ドスッドスッ

リヴァイ「…」ゴスゴス

リバイ「いつもみかりんと一緒にいやがって…」ゲシゲシ

エルヴィン「ちょ、リヴァイ!?」

裁判終了後


リヴァイ「なあエレン」

エレン「は、はい!」

リヴァイ「俺を憎んでいるか?」

エレン「い…いえ、必要な演出として理解してます」

リヴァイ「ならよかった」


ハンジ「いや私情挟んでいたでしょ」

リバイ「何のことだ?」

旧調査兵団本部


ぺトラ「失望したって顔だね」

エレン「はい?」

ぺトラ「世間の言うような完全無欠の英雄には見えないでしょ?現物のリヴァイ兵長は…」

ぺトラ「思いの外小柄だし、神経質で粗暴で近寄りがたい」

ぺトラ「そしてアイドルのみかりんに関すると『リバイへいちょ』になる…」

エレン「そこだけは俺も幻滅しました」

リヴァイの部屋


リバイ「次はいつみかりんに会えるのか…」

コンコン

リヴァイ「入れ」

グンタ「失礼します。この書類なんですが…」

リヴァイ「そこに置いておけ」

グンタ「わかりました。では失礼します」パタン


リヴァイ「…さて」

リバイ「この前貰ったサインでも眺めていよう」

コンコン

リヴァイ「ちっ…入れ」

ぺトラ「失礼します。お茶が入りました」

リヴァイ「そうか」

ぺトラ「はい。それでは失礼します」パタン


リバイ「今度こそ」

ハンジ「遊びに来たよ~!」バン!

リヴァイ「」ビクッ

リヴァイ「あ」バシャ

ハンジ「ビックリさせちゃった?ごめんごめん。新しいの入れてくるから」パタン


リバイ「サインが…みかりんのサインが…」

リバイ「ちくしょおおおおおおおおお!!!」

女型の巨人戦


ミカサ「そもそもは、あなたがエレンをちゃんと守っていればこんなことにはならなかった」

リバイ「ごめんなさい」シュン

ミカサ「素直!?」

ミカサ「うなじが狙える!」パシュ

リヴァイ「よせ!」

女型の巨人「」ボッ

ミカサ「!!」

リヴァイ「くっ!」ガン!

リヴァイ(やべえ、足が)ビキッ

リバイ「だが、みかりんのためなら何のその!!」

ミカサ「ジャン並みに気持ち悪い…」

エルミハ区に向かう途中


リヴァイ「みかり…ミカサ。お前の能力はエレンを守ることに使え」

ミカサ「はい!もちろんです」

リヴァイ「お前がなぜエレンに執着してるか知らんが…」

リバイ「ふざけんなよてめぇ!」ガシッ

エレン「え?…あの、そんなに強く引っ張ったら服が破けちゃうんですが…」

リバイ「服なんかどうでもいいだろうが!うらやましい!」

ハンジ「いやそんなこと言っている場合じゃないでしょ!」

へーちょ・・・

リバイ「なあ新入り、みかりんって知っているか?」

ジャン「知っています。俺の全てです」

リバイ「そうか…俺もだ…」

ジャン「兵長…あなたもでしたか…」

リバイ「ああ…」


エルヴィン「お前らこんな時に何呑気に話してんだコラ」

終わり

リバイ好きの人たち本当にすまんかった

関係ないけどさっきダイソー行ったら紅蓮の弓矢が流れてびびった


リヴァイだったりリバイだったり大変だなwww

>>51
俺が働いてる薬局でも流れてるぜ……usenありがとう。

笑ったわ


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