【咲】京太郎「女の子たちと怖い話をする」 (523)

夏休みの練習中。
涼むという名目で、お馴染み清澄麻雀部の皆で怖い話をすることになった。

久「それで繰り返しそのビデオを見ると、だんだんその顔みたいなものが真正面を向いてきているの。停止させた画面

のはずなのにね……」

和「SOA。SOA」ガクブル

優希「のどちゃん、落ち着くじぇ」

久「そして思ったのよ。この顔みたいなものが真正面を向いた時、きっとヤバイことが起きるってね……」

まこ「おっかないのぉ……」

京太郎「よく聞くような話ですけど、実際あった話だと思うとシャレになりませんね」

久「確かにね。この映像を見て、大きな怪我をした人や、病気や本当に亡くなってしまった人もいるらしいから」

咲「へー。……きょ、京ちゃん私コワイー」棒読み

京太郎「おい咲。お前さっきから引っ付きすぎじゃね? 熱いっつの」

咲「だって、こ、怖いだもーん」ピトッ

優希(咲ちゃん、いくらなんでもあざといじぇ)


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久「じゃあこの話のオチね。結局そのビデオは学園祭での上映は中止。テープは今もその人の押入れの中に保存されて

いるそうよ」

優希「なんだ。オチは大して怖くないじょ」

久「あら、本当にそう思う? よく考えてごらんなさい」

優希「じょ?」

久「これは実話で現物はまだあるのよ? もしもこの話を知らない誰かがそのテープを見つけて……」

優希「……何も考えず再生してしまったら、ギリギリまで真正面を向いていたその顔はついに……」

和「……」ブクブク

優希「うわぁ……すまんかったじょ。想像したらのどちゃんみたいな気持ちになったじぇ……」

久「でしょ? ハイ、これで私の話は終わり。最後は須賀君よ?」

京太郎「いや、和がいい加減限界な気がしますし、もうここら辺で締めたほうが……」

優希「なんだじぇ京太郎? もしかしてビビッてるのかぁ?」

京太郎「ビビってねえし! てか自分の話で怖くなったりしねえっての」

まこ「ほんなら最後に花咲かせんしゃい。和ならもう聞くファイトもないから大丈夫じゃろ」

和「あ。阿知賀の皆だぁー」白目

京太郎「全然、大丈夫に思えないですけど……」

咲「わ、私京ちゃんの怖いお話聞きたいなぁ」ガシッ

京太郎「咲まで。てか抱きつくなっつの」

優希「咲ちゃん……」

京太郎「わかったわかった話すよ。とは言っても、俺も映像に幽霊が映ったって類の話しようとしたんですけど、部長

と見事に被っちゃったしなぁ」

久「あら、ごめんなさいね」

京太郎「いえいえ。でも、どうすっかなぁ」

しばらく思案する京太郎。
夏のそよ風が葉を揺らす音が、小さく響いた。

京太郎「……あ、ひとつ、とっておきなの思い出しました」

――友人から聞いたんですけど、、こんなことがあったんですって……。


俺の友人――仮にAとします。

このAの従兄弟が、大学付近の下宿先で暮らしていた時のことです。

安いアパートでしてね。部屋は悪くないんですけど、立地条件のせいで安く借りられたそうです。

と言うのもですね、そこのアパ−ト、窓の外がちょうど隣のビルと向き合う形になっていたんですよ。

二階の部屋に住んでいたらしいですが、ビルのせいで日当たりが悪かったんですって。

まぁ、仕送りも限られていたみたいでしたし、部屋自体は快適だから、それぐらいだったら文句は言わなかったようで

す。

幸い、窓同士が向き合っているわけじゃないから、部屋の中を見られる心配はなかった。

だから気兼ねなく、いつも窓に顔を出してタバコをふかしていたそうです。

そんなある夜のことです。

いつものように窓に顔を出してタバコを吸っていると、真向かいのビル壁に、奇妙なものが生えていたんですって。

――なんだありゃ?

丸くて白いものでした。

電灯みたいのものが、ニュッといった具合に、三階ぐらいの高さの壁から突き出ていたんです。

昨日まであんなものはなかった。Aの従兄弟は不思議に思いました。

新しく電灯を設置したのだろうか。

それにしたって、ずいぶん変な場所に設置しているなぁと最初は思ったんだそうです。

確かに奇妙なんです。

彼の部屋から大分離れた場所、ビルの窓の真下に、その白くて丸いのがあるんです。

あんな場所に明かりを用意して、どうしようと言うのだろう。

一つしか取り付けていないというのも変だった。


しかし、よく見てみると、それはどうも電灯じゃないみたいなんです。

と言うのも、それ、光っていなかったんです。

だって、それが明かりであるなら、周りの暗い部分だって白く照らしているはずじゃないですか。

でもそうじゃなかったんです。

丸いところだけ、白いんです。

まるで黒地に白紙を貼り付けたように。

はっきりとそう見えるんです。

他は完全に暗闇の黒に染まっているのに……。

真っ暗闇の中、影がさしかかることもなく、それだけが、はっきりとした白色として存在している。

Aの従兄弟はだんだんその丸く白いものが、不気味に思えてきました。

でもそれがなんであるのかも気になる。

好奇心に駆られるまま、目を細めて遠くを見ます。

でも、やはりただの白色の球体にしか見えない。

色や輪郭ははっきりとわかるのに、それがどんなものなのかわからない。

双眼鏡を持ってきて見てみようか、と思った時です。

――あっ。

ビルの窓から、男の人が顔を出したんです。

ちょうど、白い球体が生えている上の窓から。


ビル内の会社に勤めるサラリーマンのようでした。

Aの従兄弟と同じようにタバコを吸おうとしていたのかもしれません。

そのサラリーマンは、真下にある白い球体に気づいたようで、首を傾げるような動作をします。

やはりそこに生えている白い球体は、不自然なところにある物のようです。

サラリーマンは身を乗り出し、それをじっと見ていました。

Aの従兄弟は思いました。

あそこなら、あの白くて丸いものが、なんであるかはっきりわかるだろう、と。

その時です。

窓に身を乗り出していたサラリーマンが、突然笑い出したんです。

なにがそんなにおかしいのか、ずっと笑い続けている。

普通の笑い方じゃありません。正気を失くしたような、狂った笑いでした。

そしてさらに驚くことに、窓に身を乗り出して、その白く丸いものに手を伸ばし始めたんです。

欲しくてしょうがないとでも言うように。子どもみたいに手をバタバタさせて。

サラリーマンはその白いものに触れようとするために、ズルズルと身を乗り出します。

――あっ、やばい!

それ以上身を乗り出したら、落下してしまう。

そう焦った時には、手遅れでした。


窓から身を乗り出したサラリーマンは、狂ったように笑いながら、落ちてしまったんです。

その瞬間を見てしまったAの従兄弟は、ひっ、と冷や汗をかいて、悲鳴を上げかけました。

……その時です。もっと、身が凍りつくようなものを、見てしまったんです。

いや、正確には「感じた」と言うべきでしょうか。

サラリーマンは窓から落下する拍子に、その白く丸いものを抱きかかえたんです。

抱きかかえられた白く丸いものは、サラリーマンと一緒に落ちて行きました。

……その、ほんの一瞬のことでした。


Aの従兄弟は、その白く丸いものが――笑ったように思えたんですって。


目で見えたわけじゃありません。ただ、そう思えたらしいです。

皮膚が粟立ちました。

見てはならないものを、見てしまった。そういう気がしたそうです。

恐怖で体が硬直していると間もなく、グシャリと鈍い音が下から響いてきました。



しばらく経って、冷静さを取り戻したAの従兄弟は、救急車を呼びました。

サラリーマンの狂ったような笑い声や、落下音に気づいた人々も、その現場に集まってきました。

……しかし不思議なことに、落下したはずのサラリーマンの体が、そこになかったんです。

明らかに落下音はした。三階の高さから落ちて無事でいるはずがない。

しかし、なかったんです。血の痕すらありませんでした。

……そして、

サラリーマンと一緒に落ちた、白色の球体もなかったんですって。


その後日、Aの従兄弟は、何気なく窓から顔を出してみました。


――また、ある。


白くて丸いものは、またビルの壁に生えていました。

今度は、別の場所で。三階よりも、もっと高い場所から。

Aの従兄弟は窓とカーテンを閉めました。二度と開けないと誓って。

その夜も、狂ったような笑いが響き、最後には落ちる音がしました。

でも、もう救急車は呼びませんでした。どうせ、なくなっているからと。

その後日も、何度か狂った笑い声や、落下する音がしました。

それでもAの従兄弟は窓を開けようとせず、ただ耳を塞ぎました。

見ない。絶対に見ないと言い聞かせて。

もしも、窓を開けた時、あの白く丸いものが、目の前に生えていたとしたら。

その姿を、はっきりと目にしてしまったら、自分は……。

そう想像すると、カーテンすら開けることもできなくなってしまったそうです。

Aの従兄弟は下宿中、ずっとカーテンを閉め切った薄暗い部屋で、人の笑い声や、グシャリと骨が砕ける音を聞いてい

たそうです。


京太郎「その従兄弟は、今は実家にいるそうですが、今でもカーテンを開けることができないんですって」

――あの白いものが、ついて来ているかもしれない……。そう言いながら、震えているんだとか。

京太郎の話は終わった。

一堂、彼の話を聞いて息を呑んでいる。

久「……それって、本当の話?」

京太郎「あ、いや、俺も友人から聞いただけなんで、マジかどうかまでは」

まこ「……まぁ、かなり涼しくなる話じゃったし、真相は別にいいじゃろ?」

優希「そ、そうだじょ。あまり詳しいことは知りたくないじぇ」

咲「う、うん。でもすごいね京ちゃん。怖かったよ」

京太郎「お、そうか? いやぁ、俺ってばストーリーテラーに向いてるのかもしれねえな」テレテレ

優希「調子乗るなだじぇ。怖いのは話の内容で、京太郎の語りや顔は別に怖くないじょ」

京太郎「なんだとこのヤロ。稲川○二ばりのドキツイ顔見せたろかこの」

優希「きゃ〜♪ 汗だらけの京太郎に襲われるじぇ〜♪」

咲「あ、京ちゃん! 襲うなら私……じゃなくて優希ちゃん虐めじゃダメだよ〜」

まこ「やれやれ、せっかく怖い雰囲気になっていたのに、これじゃ締まらんの」

久「まぁ、怖すぎると却って具合が悪くなるし、これでいいんじゃない?」

和「わぁ、夜桜がとっても綺麗〜♪」チ〜ン


久「さてと、これで充分涼めたことだし、怖い話大会はこれでおしまい。あんまり怖い話をし過ぎると……」


――ホンモノが寄ってくるって言うからね……。


ひぐらしが鳴き、夏陽が傾き始める。

久「よし、それじゃ今日はここまで」

練習も終わり、各々帰宅の準備をする。

――それじゃ、明日もみっちり特訓よ。

――遅刻せんようにな。

――ほらのどちゃん。しっかり歩くじぇ。

――私は今日何も聞かなかった。何も聞かなかった(ブツブツ……)

部員たちがそれぞれ部室から出て行く。

自分も帰宅しようとカバンを持つ京太郎。

咲「……ねぇ、京ちゃん」

京太郎「ん? どした咲」

咲「ちょ、ちょっとついて来て欲しいんだけど……」キュッ

太ももをもじもじと擦り合わせながら、京太郎の服をぎゅっと掴む咲。

困っている様子なので、京太郎は素直に彼女の要望に従った。


京太郎「……って、トイレまでついて来て欲しいって、優希か和に頼めよ」

咲「だ、だって急に催してきちゃって……そしたらもう皆帰っちゃったから」

京太郎「だからって、一人でトイレ行くの怖いとか子どもかお前……」

咲「うぅ……きょ、京ちゃんの怖い話のせいだもんっ!」

京太郎「なんだよ、そんなに怖かったのか?」

咲「だ、だって〜……」

ぶつくさ言いながらも、京太郎は咲について行ってあげた。

京太郎「さっさと済ませろよ。遅くなるぞ」

咲「う、うん。そこにいてね? どっか行っちゃヤだよ?」

京太郎「ハイハイ。ちゃんと待ってるし、用足しが聞こえないように耳も閉じてますよっと」耳塞ぎ

咲「別に京ちゃんなら聞いてくれてもいいんだけど……」

京太郎「なんだってー?」ミミフサイデルカラキコエナーイ

咲「ううん何でもない。それじゃ、待っててね」テチテチ

京太郎(まったく、変なところでガキっぽいよなアイツ)

耳を塞ぎながら、京太郎は咲を待つ。


日が暮れ出し、橙色だった廊下はやがて紺色に変わっていく。

京太郎「……」

音が聞こえないと、意識は周りの景色に向く。

自分以外に人がいない廊下は、見ていて何だか不安な気持ちになる。急に心細くなった。

京太郎(なんで放課後の学校って、こんな不思議な印象になるんだろうな)

怖い話をした影響か、いつも通っているはずの廊下が、別世界のように思えた。

まるで遠く、暗い洞穴に迷い込んでしまったような。

京太郎(暗い洞名……あぁ、本当に暗くなってきたなぁ。早くしろよ咲)

日が沈んだせいか、廊下はやけに暗くなった。
音のない暗闇は、少年に強い孤独感を与えた。

京太郎(……ちょっと待て)

そこで京太郎は違和感に気づく。

京太郎(……暗すぎないか?)

いつのまにか、廊下は墨を塗りたくったように暗くなっている。

京太郎(日が沈んだからって、まだ夏だぞ? こんなに急激に暗くなるもんか?)

いや、暗いなんてものではない。何も見えないのだ。

電気も点いていない。月明かりも射していない。

廊下はいつのまにか、視覚が意味を成さないほどの暗黒に染まっていた。


何が起きている? 京太郎の頭は混乱する。

目を閉じているわけじゃない。しっかりと瞳孔は空気の刺激を受けて、瞬きを繰り返している。

京太郎(なら、なんで、こんなにも暗い?)

何度目を瞑って、思い切り開いても、景色は変わらない。

外の様子もわからないほどの暗黒が、目の前に広がっている。

京太郎(……咲)

先ほどまで一緒にいた少女が非常に恋しくなった。

恥ずかしいと思われてもいい。いますぐ少女を抱きしめて、その温もりを感じたい。

人肌で心を安心させたい。

京太郎(咲、早く)

京太郎の心拍数が上がる。

京太郎(早く早く早く)

早くこの場を離れなければ、一生ここから抜け出せないような気がした。

ここが学校の廊下であるという認識は、彼の中ではとうに消えていた。

少女を待つ。ここから帰るためのきっかけになる少女を。

京太郎「っ!?」

ふと、身が凍りつくような気配を感じた。

いや、正確には、見た。

白いものがある。

暗黒の空間に、ただ一つ、ぽぉっと浮かんでいるものがある。

丸くて、白い。それが、窓の外で、京太郎の真正面にある。

京太郎(なんで?)

なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで。

自分が話した物語と似たようなものが、目の前にある?

京太郎は、部長が何気なく言っていたことを思い出した。


――あんまり怖い話をし過ぎると、ホンモノが寄ってくるって言うからね……。


百物語と言うものがある。

百個の実話怪談すべてを話し終えると、何かが起きるという儀式。

実話怪談と言っても、やはりいくつかは虚偽だ。……それでも中には、本当の話が混じっている。

――実話は、その原因となった実物を、呼び寄せることがある……。


京太郎(見ちゃいけない)

京太郎は、白いものから目を逸らした。なぜならそれが……。

――こっちを振り向こうとしたから……。

咲「京ちゃん」

京太郎「っ!?」

肩に手を置かれた瞬間、京太郎は耳を塞いでいた手を思わず離す。

京太郎「さ、咲」

暗さから、咲の姿までぼやけている。

だが声で彼女がすぐ傍にいるのはわかった。
うっすらと、咲のセーラー服が見えてくる。

咲「どうしたの? すごい汗だよ?」

咲はこの空間の違和感に気づいていないらしい。

自分だけがこの異常を知覚しているのか。

どちらにしても、あの白いものの傍にいてはいけない。

待ち人が用を足し終えたのを確認すると、京太郎は彼女の手を掴んで歩き始めた。

咲「きゃっ。きょ、京ちゃん?」

京太郎「咲。お前には見えてないかもしれないけど、ここにいちゃまずい」

京太郎は感じていた。

窓の外のアレが、ついて来ていると。

必死に歩いている自分の横をすーっと追尾してくる冷たい気配を、京太郎は肌で感じていた。

アレから逃げなければ。

――こっちをじっと見続けているあの『顔』から!

咲「――ねぇ、京ちゃん」

手を引く少女が立ち止まる。

止まるな歩けと言い含めようと、京太郎は、振り向いた。

咲「京ちゃんがさっきから逃げているものって……」

振り向いた先、手を握っているのは……



――コンナ カオ?



自分が知る少女の顔ではなかった。

咲「……ふーすっきりした。お待たせ京ちゃん。一緒に帰ろ……ってあれ?」

用を足し終えた咲は、ハンカチで手を拭きながらトイレから出てきた。

しかし、待っていたはずの少年の姿はそこにない。

沈み始めた夕焼けに染まる、薄い橙色の廊下が広がっているだけだった。

咲「あれ? 京ちゃんどこ行っちゃったんだろ? 京ちゃーん!」

少年の名前を呼ぶ。
しかし返ってくる声はない。

咲「京、ちゃん……?」


その日、京太郎は見つからなかった。





後日



――須賀君、遅いわね。どうしちゃったのかしら?

――サボリか? 真面目なアイツが珍しい。

――咲さん。連絡も取れないんですか?

――う、うん。昨日、京ちゃんのお家に電話したんだけど、帰ってないんだって……。

――もしかして、家出か!? きょ、京太郎の奴! ご主人様を心配させるとは何事だじぇ!

部員それぞれが、行方知らずになった京太郎を心配する。

思い当たる場所を探したが、京太郎は見つからず、ついに捜索願が出された。

しかし、それでも彼の行方は掴めなかった。




――その後、京太郎の姿を見た者は誰もいない。





 〈了〉

怪談ものか。ちょっとボリュームが足りないけど、これからの時期にぴったりだな

京太郎をストーリーテラーにして、もう2つ3つ書いてくれよ

>>16
やっぱりもっとボリュームあったほうがいいんですね。
単発系の怪談じゃ引き伸ばしは難しいですけど、その分はキャラとの絡みに使った方がいい感じ?
今回は清澄ですが、高校別によって同じように怪談話する予定です。

一緒に怪談話をしたい高校があれば指定してください。

安価↓2

宮守女子


姫松高校に決定しました。

プロットと怪談話を組み立てるので今夜はこれまで。
短い、遅筆、更新が遅いと思いますが、よろしくお願いします。

京太郎SS書くなら酉付けといてくれ
荒らしも居るし、それらを除くにも色々と面倒が少ない

>>25

失礼しました。
以降はこの酉で。

最高に面白かったw


続き期待してる


土曜休日最高ナウ

姫松編のプロットができたので投下していきます。

そしてたくさんのレスありがとうございます。
一夜過ぎてから多くなってたんでびっくりした。


姫松のレギュラー陣と怪談。
細かい設定はスルーでお願いします。
また関西弁がおかしかったらごめんなさい。


姫松麻雀部でのある日のこと。


由子「皆で怖い話をするのよー」

京太郎「いきなりですね真瀬先輩」

漫「まぁクーラーが壊れてますから、やりたい気持ちはわかりますよ」パタパタ

絹恵「せやなー。こう熱いとかなわんわー」汗びっしょり

京太郎(上重先輩と絹恵先輩の制服が汗で張り付いて立派なおもちの形が……)

京太郎「すばらっ!」

由子「まぁた須賀君が邪な目で二人を見てるのよー」

恭子「……」胸ペタペタ

洋榎「ヘコムな恭子。需要はある」肩ポン

恭子「な、なに言うてるんですか主将!?」

由子「とは言っても肝心な意中がおもち好きじゃ意味ないのよー」

恭子「い、意中って、わ、私は別に須賀君のこと……」もじもじ

洋榎「だーれも京太郎とは言うとらんで」

恭子「しゅ、主将ー!」真っ赤

由子「まぁまぁ隠さなくたっていいのよー。わかってるからー」

洋榎「せやせや。せっかくやから怖い話してる時にビビッてるフリして引っ付いたり」

恭子「そ、それええなぁ……///」

洋榎(チョロイわ)

由子「まぁ、それで意識してくれたら苦労はしないのよー」チラッ

京太郎「ただでさえナイスなおもちがくっきりと……すばらっすばらっ!」

漫「須賀君、心の声丸聞こえやで……」胸隠し

絹恵「もう、京太郎は相変わらずエッチやなー」微笑み

漫(なんでこっちはこんなに寛容なん……)


由子「というわけで改めて怖い話をするのよー」

全員「ワー」ドンドンパフパフ

恭子(あれ? マジでやるん? 私こういうのあんまり耐性が……)

洋榎「よぉし。ただ作り話語るのも面白味に欠ける。ここは実話形式で行くで」

恭子(ほっ。作り話やないんなら、そんなにぶっ飛んだ内容は出んやろ)

洋榎「これがうちが小さい頃の話や……」

全員「……」ゴクリ

洋榎「ホッチキスの芯を換えようとしたら、誤って自分の指に芯が埋まってしもた……」

恭子「それ怖い話やのうてただの痛くなる話や!」指カタカタ

絹恵「あれはホンマ痛そうやったなぁ……」

洋榎「しかしそれに怒って叱ってきたオカンの顔が一番怖かったんや……」

恭子「どうでもええわ!」

由子「でも実話となるとそうそう不思議なお話ネタは出てこないのよー」

漫「そうですね。うーん、私は何話そ」

漫(ラクガキが一番怖いって言うたらまら虐められそうやし……)

京太郎「実話かぁ。俺もあんまネタないな」

京太郎(しかし、ここで誰かが凄く怖い話をしたら……)



以下京太郎の妄想。

絹恵『京太郎ーうち怖いー』むぎゅっ

京太郎『大丈夫、僕がついてます(キリッ)』さり気なく胸に手を回す

絹恵『京太郎素敵! 抱いて!』満更でもなく

 ↓

アハーン


京太郎「皆さん! もっと背筋が凍るような怖い話をしましょう!」鼻血ダラダラ

由子「煩悩丸出しなのよー須賀君」

恭子「むぅ……」

絹恵「私もむっちゃ怖い話聞きたいなぁ。そういうの平気っつうか割と好きやし」

京太郎「」OTL

由子「……」肩ポン

洋榎「そんじゃ次は恭子が話し。うちよりおっかないの期待しとるで」

恭子「わ、私ですか。せ、せやな。実際に会った怖い体験と言うと……」




これは一年前の合宿で、私の身に起きた話や。

練習の後、私は部員のデータや牌譜の整理をしていたんよ。

そのせいで、風呂に入るのが最後になってしもうた。

閉まる時間ギリギリ前に、慌てて一人で風呂に入った。



洋榎「あざといわー。京太郎の前やからって自分の入浴シーン連想させようとするとか」

恭子「そんなつもりありませんから! 途中で茶々入れんといてください!」

恭子(あ、でも言ってから恥ずかしゅうなってきた/// 須賀君、どう思っとるんやろ)もじもじ

京太郎(合宿の風呂かぁ。去年てことは一年生の絹恵先輩が……)



絹恵『う〜ん、高校入ってからまたおっきくなってきた気がするわー』泡まみれ



京太郎「なんという桃源郷」じーん

恭子「す、須賀君が私の裸を想像して……」ドキドキ

由子「たぶん違うのよー」


とりあえず仕切りなおし。



こほん。

それで、私はシャンプーをしていたんです。

とっとと入ってすぐ寝てしまおうと思って、簡単に済ませようとしていました。

すると……



――え?



私以外の手が……誰かの手が私の髪を掴んだんです。

どっかのホラー映画のワンシーンみたい?

せやな。私も最初そう思った。

しかも運の悪いことに、ちょうど私その映画、バスの中で見たばかりやったんよ。

だから、もう凍りつく勢いやった。

映画と同じ目に遭ってるんやで? そら誰だってビビるわ。

ありえへんありえへんって自分に言い聞かせても、やっぱり誰かの手が私の頭洗うんよ。

頭から落ちてくる泡の感触がイヤに気持ち悪かったのを覚えてる。

体がカタカタ震えてな。それでもそのままでいるのはもっと怖かった。

私は勢いでシャワーを出して、泡を落とした。

そして勇気出して後ろ振り向いたんや。

きっと間違いや。映画みたいなものがおるはずがない。

そう言い聞かせて。






――でも、おったんや。








恭子「髪をだらんと前に垂らしてにっこり笑う代行が……」

洋榎「何故やろ。笑うところなのに全然笑えへん」

由子「奇遇ね。私もなのよー」

漫「ヘタなホラーより怖いと思うのは何ででしょう……」

恭子「しかもその後『末原ちゃーん、たっぷり洗ったるなぁ』って隅々まで……」カタカタ

絹恵「た、大変でしたね」

京太郎「俺男ですけど、同じ目に遭ったらたぶん泣くと思います」

恭子「す、須賀君。わかってくれるん?」ウルウル

京太郎(かわいい……)

洋榎「とりあえず、うちら姫松麻雀部のもんしかわからん怖さやな」

由子「のよー。とりあえず今のところベストなのよー」

漫(これだけ恐れられる代行っていったい……)


その後も怪談は続く。



由子「……それでー、結局その子が誰とお話していたのかはわからずじまいなのよー」

洋榎「ひょえー。ただの痛い子とも取れるけど……」

漫「でも『もしかしたら本当に』って考えると怖いですね……」

絹恵「うんうん。ええねぇ、そういうの」キラキラ

京太郎(やべー。結構本格的でびびったぁ)

恭子「」カタカタ

京太郎(ん? 末原先輩震えてる。こういうの苦手なのかな?)

恭子「怖くてメゲルわ……」

京太郎「末原せんぱーい」ちょんちょん

恭子「きゃっ! な、なに須賀君?」

京太郎「あの、怖いようでしたら俺の袖握っててもいいですよ」ヒソヒソ

恭子「え?」トクン

京太郎「長野にいた頃の幼なじみがひどい怖がりでしてね。よくそうしていたんです」

恭子(その幼なじみさん、なんて羨ましいことを……げふんげふん)

恭子「……えと、ええの?」

京太郎「もちろん」

恭子「……じゃ、じゃあ失礼をば」きゅっ

京太郎(なんか小動物みたいでかわいいな先輩)

恭子(私、須賀君に触れとる……)きゅう〜

由子(いい雰囲気なのよー。感謝するのよー恭子)

絹恵「……」


絹恵の番。



絹恵「それで、その女の子は最後は諦めたらしいけど、今でもその男のこと恨んでるそうや」

洋榎「絹……随分とおっかない話隠し持ってたんやなぁ……」

由子「結局のところ一番怖いのは幽霊よりも生きてる女ってオチだったのよー」

絹恵「せやなー。だからな京太郎? あんまり女の子ヤキモキさせたらアカンのやで?」鼻チョン

京太郎「え? は、はぁ、なんのことわかりませんが気をつけます」

京太郎(というか絹恵先輩に鼻チョンされた。ちょっと嬉しい)デレデレ

恭子「……むぅ」ギュッ

京太郎「イテテ。ど、どうしました末原先輩?」

恭子「別に……」

絹恵(……普段からそうやって露骨にアピールすればええのに)

絹恵「まぁ、鈍感さんな京太郎じゃそれでも気づかないかもしれへんけど……」

京太郎「え? どういうことですか先輩?」

絹恵「なーんでもあらへんよ。ところで末原先輩」耳寄せ

恭子「ん?」

絹恵「もたもたしてっと、私が取っちゃいますよ?」ボソッ

恭子「っ!?」

絹恵「こういうことは、先輩後輩対等ですから」カツカツ

恭子「」プルプル

京太郎「? どうしました末原先輩。そんなに絹恵先輩の話怖かったんですか?」

恭子「せやな。怖いな、絹ちゃんは……」ぎゅっ

京太郎(え? 絹恵先輩自身が?)

恭子(負けへんもん)プクー


漫「では次は私がとっておきのを!」

洋榎「ほな、次は京太郎やりー」

漫「なんで私をスルーするんですか!?」


突然話を振られて、困惑する京太郎。


京太郎「あ、俺ですか。うーん。実体験で怖い思いをしたことですかー」


あるにはあるが、とてもが怪談になるようなネタは少ない。
しかし、言伝で聞いたものなら、それらしいものが一つある。
実際、その話の信憑性は高い。


京太郎「……俺の実話ではないんですけど、友人が実際に体験した話だそうです……」


この学校付近に、バス停がありますよね?

ええ、そうです。薄暗くて不気味っていう理由で、あんまり使われていないバス停。

まぁここの学生はだいたいチャリ通か徒歩ですから、もともと使われることはないんですけど。

でも、雨が降って、傘とか忘れた時は、使う人もいますよね?

近くにコンビニもないですから、傘も買えない。濡れたくない人は素直に乗ろうとします。

友人も、そういう理由でバスを使ったんです。

そいつ、美術部でしてね。文化祭で展示する予定の油絵を持ち帰っていたんです。

そこで雨が降ってきた。

シートには入れてますが、やはり雨が直撃していると、中の作品が湿らないか心配になる。

そういうことで、薄暗いあのバス停に急いで向かったんです。

遅くまで作品に取り掛かっていたため、日はすっかり暮れていました。

ただでさえ暗いバス停は、もう真っ暗です。

しかもそのバス停の付近にある街灯が、ほとんど壊れてるときた。

チカチカと点滅する街灯だけしかなくて、それが頼りの明かりでした。

まぁそれがより一層、その場所の不気味さを際立たせていたみたいですけど。

それに加え、バス停の後ろは森林になっているでしょ?

そんなところに一人でバスを待っているんです。心細いと言ったらなかったでしょう。


ジブリ映画の一つに、似たようなシーンがありますよね?

あれを想像していただけるとわかり易いと思います。

バスを待っている間、暗い場所で、雨音を聞いている。

実際やってみたら怖いだけだと思いますよ。

そこに森のオバケが隣に並べば気分が明るくなるんじゃないかって?

ええ、まぁ、映画じゃそう見えますけどね。


でもね、本当に人でないものが隣に並んだら、そら金縛りもんですよ?










……ええ、出るんですよ、そのバス停。











オバケが……。






――っ!?


友人は凍りつくような気配を感じました。

そして、向こうから奇妙な足音が近づいてくることに気づく。

人の足音じゃありません。動物の足音でもありません。

何かを引きずるような、うじゅるうじゅると、粘着質な足音だったんです。

そして、奇妙なにおいもしました。

秋の公園などで嗅ぐ枯れ草のにおい。廃棄工場での鉄さびのにおい。

その二つが合わさったような、イヤなにおいがするんです。


……もうわかった人もいるんじゃないですか?

そうです、あの噂です。


バス停に出る怪物。


人気のないバス停で待っていると、何かが這いずるような音が近づいてくる。

そして枯れ葉と鉄さびの混じったようなにおいがする。

その足音とにおいを発するものが隣に立ったら、決して動いたり、声を出してはならない。

隣に立つものは、この世のものではない。

動くものや、鳴き声を発するものを片っ端から捕らえて、自分の世界に連れて行ってしまう。

だから、それが隣に立ったら、なんとしても身動きを止めて、口を閉じていなければいけない。

バスが到着するまでは、それは絶対傍を離れない。


友人は、この噂を思い出して、体を石のように硬直させました。

枯れ葉と鉄さびのにおいが、むっとするほど鼻を突いても堪えました。

その友人は現実的な奴で、都市伝説みたいな内容は、信じないタチだったんですが。

その友人が本能的にそうしてしまうほど、隣に立つ存在の気配は、尋常じゃなかったんです。

動いたら連れて行かれる。喋ったら連れて行かれる。

友人はバスが来るのをひたすら待ちました。

早く来い。早く来いと。

友人は震えそうになる体を必死に抑えます。

震えてはならない。歯を鳴らしてはならない。

そんな彼を嘲笑うように、隣に立つものは、『無言』で友人を威圧しました。

友人はそれを、『気配』で感じ取ったそうです。


動いてごらん。連れて行ってあげる。
騒いでごらん。連れて行ってあげる。


友人は怒りよりも、ただ恐怖に支配されました。

足が竦み、その場に崩れてしまいそうでした。

悲鳴を上げそうになりました。

それでも絶えました。

行きたくない。こんな化け物が住む世界なんか行きたくないって。

永遠の地獄のような時間が過ぎました。

いや、もう時間感覚も狂っていたんだそうです。

だから、バスが到着したのが、一日置きのように思えたそうです。






はい、友人は無事家に帰れました。

だからこうして俺は話が聞けたんです。

その友人はその後どうしたって?

……その、そいつ、この経験が相当トラウマになっちまったみたいで、今引き篭もりなんですよ。

見舞いに行ったときに、この話を聞いたんです。

怯え方が尋常じゃなかったので、もしかしたら、本当なのかもって……。


洋榎「はいダウトー」

由子「即興の作り話なのがバレバレなのよー」

京太郎「えぇ!? いや、本当ですって!」

洋榎「だいたい『友人に起きた話なんですけど……』ってのがインチキくさいねん」

漫「創作怪談のお約束ですね」

京太郎「いやいや! だって実際この噂あるでしょ!?」

漫「そらそうやけど……」

洋榎「根拠のない噂ほど一人歩きするってなー」

京太郎「う。で、でも何年か前には生徒の行方不明事件が多発してたって」

由子「あったらしいけどそれが噂通りのこととは限らないのよー」

京太郎「うぅ。皆信じてくれない……」

恭子(須賀君が泣いとる! こ、ここは私が慰めれば……)




京太郎『俺を一番に信用してくれるのは末原先輩……いや、恭子さんだけだ』イケメン顔

恭子『す、須賀きゅん』ドキドキ




恭子「す、須賀君! わ、私は信じるで?」チラッ

京太郎「絹恵せんぱぁい! 皆で寄ってたかって俺を虐める〜」太ももスリスリ

絹恵「ヨシヨシ♪ なかなか怖かったで京太郎の話」頭撫で撫で

恭子「」

由子「ド、ドンマイなのよー」

恭子「おもちか。そんなおもちがええんか? それとも黒ニーソにか?」プルプル

由子「きょ、恭子のスパッツも需要はあると思うのよー」

漫「こほん。では、そろそろ私が最後の締めを……」

洋榎「よぉし。大分冷えたことやし、そろそろ練習再開すっか」

漫「なんで私だけスルーするんですか!?」ガーン

京太郎「はぁ〜♪ 絹恵先輩の体あったかくて柔らかいでしゅ〜♪」

絹恵「あん。もう、赤ちゃんみたいやなぁ♪」デレデレ

恭子「メゲルわ……」


怪談話が終わり、やがて練習も終了する。
空模様が怪しくなり、それぞれ帰宅を急ぐ中、京太郎は部室に残っていた。


恭子「あれ? 須賀君、まだ残ってたん?」

京太郎「ええ。掃除しちゃおうと思って」

恭子「後輩やからって、そんな頻繁にやってくれなくてもええんやで?」

京太郎「長野にいた頃もこんな感じでしたから、しないと落ち着かなくって」

恭子(……ホンマ、ええ子やなぁ)


見た目は今時のチャラい男子のようでいながら、誠実で真面目な彼を恭子はずっと気にかけていた。


恭子(まぁ、エッチなところが玉に瑕やけど……)


しかしそれが愛嬌でもある。
女の子にデレデレする姿にやきもきはすれど、
それをかわいいと思ってしまうのは、惚れた弱みか。


恭子「……私も手伝ったるよ須賀君」

京太郎「え? いいんですか?」

恭子「いつも任せっきりじゃ申し訳ないやろ。二人なら早よ終わるで」

京太郎「あ、ありがとうございます!」

恭子「ふふ♪」


鈍感な彼だが、こうして二人きりでいられる時間は心地いい。
早く済ませようとは言ったものの、恭子はわざと作業を遅くして、
京太郎といる時間を長くした。


それが、決定打となった。



恭子「アカン。降ってきてしもた」


掃除を終えていざ帰宅しようとすると、外は土砂降りだった。


京太郎「先輩、傘は?」

恭子「持ってきとらん。須賀君も?」

京太郎「ええ。困りましたね」


しばらく校舎の玄関で立ちすくむ二人。
雨は止む素振りを見せない。
時間だけが無情に過ぎていく。


京太郎「……ねえ先輩」


この場合、安全に帰る方法は一つ。
しかし、それは……。


京太郎「ここは素直に、バスに乗って帰りましょう?」


例の場所に行くということで……。


草木に覆われたバス停の屋根は、まるで自然の脅威に侵食されているかのようだった。
湿った空気と、風に揺れる葉音。
それが、人里の中にいるという認識を狂わせる。
黙っていると、ひどく孤独を感じる。


――先輩、平気ですか?

――何が?

――いや、あんな話しちゃった後で、こんな場所に……

――別に怖ないよ?


陰鬱な雰囲気で、不安にはなるが、怖いというほどではない。
恭子はホラーが苦手だが、根っこは冷静沈着なリアリストだ。
京太郎には申し訳ないが、先ほどの話も、そこまで信じているわけではない。


……しかし、恭子は敢えてそれを口実にしようと思った。


――ごめん、須賀君。やっぱりちょっと怖い……。

――え? だ、大丈夫ですか?

――うん。でも、不安になるから、その……手握っても、ええ?


後輩の少年は、一度照れくさそうに頬を赤く染めたが、


――どうぞ……。


快く手を差し出してくれた。
男の大きな手を、恭子は握り返す。


――……須賀君の手、あったかいなぁ……。


恭子の胸に歓喜の怒涛が走り抜けた。


京太郎の手の温もりを感じながら、恭子は絹恵の言葉を回想する。


――もたもたしてっと、私が取っちゃいますよ?


負けへんもん。
恭子はきゅっと京太郎の手を強く握る。


自分は凡人だ。
努力を怠れば、すぐに他人に追い越されてしまう。
麻雀に置いても、恋愛に置いても。
だからもう遠慮しない。
この機会に、京太郎に思い切りアピールするのだ。
いや、もう、いっそ告白する勢いで……。


でないと、取られてしまう。








渡さない。


誰にも渡さない。


彼は自分のものだ。







――なぁ須賀君? こうして二人きりで手繋いでるとドキドキせえへん?


雨音が激しくなる。


――私は、さっきからドキドキしっぱなしやよ? 怖いからじゃないで? 須賀君と二人きりやからや。


雨音が激しくなる。


――須賀君って、やっぱり絹ちゃんみたいな子が好きなん? 私みたいなチビは好かん?


雨音が激しくなる。



――私、須賀君な望むなら、頑張って君好みの女になるよ?



雨音が激しくなる。



その音の中に、



ノイズが奔った。







うじゅるうじゅる。





――なぁ須賀君。なんでさっきから黙ってんの? 私ともっとお話しよ?




うじゅるうじゅる。





――私な、ずっと須賀君のこと見てたんやで? そんな君と今二人きりで、めっちゃ嬉しいねん。






うじゅるうじゅる。。





――二人きりやない? 何言うてんの? もしかして照れとるん?





うじゅるうじゅる。





――聞こえんな。変な音なんて、なんも聞こえん。雨音しか聞こえん。ホンマやで?





うじゅるうじゅる。




――なぁ、もっと私とお話しよ? 須賀君のこともっと教えて? 私のこともっと知って?



うじゅるうじゅる。



――私な、ホンマ須賀君が大好きやねん。絹ちゃんや、他の誰にも渡したくないくらいに……。




うじゅるうじゅる。




――ふふ。そんなに震えんといてよ。大丈夫。なんも怖ない。私がついてるから。



うじゅるうじゅる。




――私、このままずっと須賀君と手を繋ぎっぱなしでもええなぁ。本気でそう思うよ?




うじゅるうじゅる。




――バスが来ても、正直離したくない。ずっとこのままでいたい。





うじゅるうじゅる。




――だってここで動いたら、アウトなんやろ? なら、こうして繋いだままでいよ? 




うじゅるうじゅる。




――あれ? 声出すのもアウトやったっけ?


――……


――…………


――………………




――……………………あはっ♪





――それって、もう手遅れやん。



――怒らんといて。わざとやないんよ? でもな、別にええやん。




雨音が、遠ざかる。
止んではいない。
雨が降る景色が、遠ざかっているだけ。



――だって、これで、須賀君とずぅっと一緒なんやで?



手を繋ぐ二人の世界が、暗く、暗く閉じていく。




――これで、誰にも邪魔されへん。私たちは……




うじゅるうじゅる。
うじゅるうじゅるうじゅるうじゅる。
うじゅるうじゅるうじゅるうじゅるうじゅる。
うじゅるうじゅるうじゅるうじゅるうじゅるうじゅる。
うじゅるうじゅるうじゅるうじゅるうじゅるうじゅるうじゅる。



――永遠に、この世界で、一緒や♪











――私、とっても幸せやで……。





 〈了〉


以上、姫松編でした。
特定のキャラだけ持ち上げてしまう形になりましたが、お許しください。

恭子ちゃんかわいい。
一緒に怪談してカタカタさせたい。

人が集まり次第、次の高校の安価始めようと思います。

ではそれまで稲川淳二さんの怪談聞いてます。


やべえ。
稲川淳二さんの「生き人形」やべぇ……。

何が怖いって、話はもちろん最後の写真が本当におっかない。
やらせだろうとモノホンだろうと、あれは二度と見たくない。
そしてやっぱり淳二さんの顔も怖かった。

人いますかね?
いたら安価取ります。


いらっしゃないようなので夕方頃に出直します。

学校怪談の山岸君みたく死に続けるのか……
むしろボス?


席を外していると人が来てしまう。
間の悪さを改めて実感。

>>73
基本的に京太郎主人公のオムニバス形式で進んでいきます。
あの漫画は怪談ものとして完成度が高いです。

とりあえず人はいるようなので、安価取ります。

次に一緒に怪談をしたい学校を指定してください。

安価↓3


安価決定

新道寺女子となりました。

OTL
方言が難しい……。
いきなり壁にぶつかる私。

プロットや怪談以前にまず博多弁を勉強せな。

でも安価絶対なんでとりあえず書きます。
お疲れ様でした。

子供の頃工具用ホチキスを足にさした私が通りますよ

乙なのよー
京ちゃんリザベられてしまうん?(


二日連続の休日って最高だね。

こんにちは。新道寺編のプロットができました。
方言は強敵だったよ。

>>84-85
最初は私も鎖系の怪談でやろうかなと思いましたが、露骨なので別路線にしました。
哩さんを始め、新道寺はは太ももがエロイ(確信)。

とりあえず、投下を始めていきます。


新道寺女子で怪談します。
細かい設定はスルーでお願いします。

一応三年組が卒業して、その後共学化したという設定。
一部登場しない新道寺キャラがいます(コンマによっては登場)。
申し訳ありません。

博多弁が明らかに間違っている思いますが、ご容赦ください。

   ◆

全国大会から、年度としての一年後。
新道寺女子改め、新道寺高校での、ある日のことだ。


姫子「ねえねえ、怖い話せん?」ニコニコ

京太郎「突然いい笑顔で何言い出すんですか姫子さん?」

煌「こ、怖い話とかすばらくない」ガタガタ

京太郎(花田先輩、怖いの苦手なんだな……)

姫子「夏と言えば怪談ばい。ちょっと休憩がてらやろうちゃ」

京太郎「う〜ん、まぁ俺はいいですけど……」

姫子「さすが京くん。話がわかる後輩持てて私は嬉しか♪」ナデナデ

京太郎「あぅ、ちょっと姫子さんそんなのくっついて撫でたら……」ドキドキ

姫子「う〜ん♪ もう恥ずかしのってかわええなぁ京くんはぁ♪」

煌「……やれやれ。今日もですか」

煌(新道寺が共学化して一年。先輩方が卒業してから姫子は変わってしまいましたね)

姫子「京くーん♪」

京太郎「あぅあぅ」

煌(男の子である須賀君にあんなにじゃれつくようになって……)

煌(そりゃ、新しく男の子の後輩ができたことにはしゃぐ気持ちはわかりますが)

煌(でも、まるで白水先輩がいなくなってしまった寂しさを埋めるように……)


しかも、ここのところ、あんなに尊敬していた白水哩の話題も出さない。
今の姫子は、京太郎しか見えていないかのようだった。


姫子「京くん、怖かったら私に抱きついてよかけんね?」ぎゅっ

京太郎「あ、いや、そこまでは大丈夫ですから……俺よりも花田先輩の方が」チラッ

煌「こ、後輩君が堂々としていて先輩が怖気づいてはすばらくないです!」ピシッ

姫子「そいや一人一人怪談話そー♪」

煌「あ〜……」ホントハコワイドウシヨー

煌(しかし、今彼らを二人きりにするのは危うい気がします。なので耐えます!)すばらっ

姫子「京くん。お膝の上でお話聞かしぇてあげるからおいでー♪」膝ぽんぽん

京太郎「それは、さすがに恥ずいです……」

煌「……」

煌(ほ、本当に二人きりにしたら危険です!)


怪談中……


煌「そして、42件の留守電には全て……」

二人「……」ゴクリ

煌「『んお姉さまぁあんっ!!』という奇声が録音されていたのです! あぁっすばらくないぃっ!」

京太郎「自分の話にビビッてどうするんですか……」

姫子「キャー京くん私怖いー」ピトッ

京太郎「ひ、姫子さん。またそんなにくっついて、もう……」

京太郎(これでもしもおもちがあったら即死だった……)

姫子(私の武器は足ばい)

京太郎(こいつ! 直接脳内に!?)

煌「フ、フゥ……。これで私のお話は終わりです。つ、次はお二人ですよ?」ガクブル

京太郎(そんなに怖いなら止せばいいのに……)

姫子「そいやぁ次は私の番やね」


姫子が嬉々として語り出そうとする。


姫子「京くん。本気で怖くなりよった時は、私の口を京くんの口で塞いで止めて♪」んー

京太郎「しませんから……」

煌「姫子……」スバラクナイ


姫子「そんでからね、その『こっくりさん』をやった小学生は皆亡くなっちいた……」

煌「」カタカタ

姫子「そいで、どげんやらこっくりさんの最中をテープで録音しよったらしい。そいば聞いてみると……」

京太郎「」ゴクリ

姫子「亡くなっちいた小学生は四人のはずなんに、テープの中には五人目の声があったんやって……」

煌「すばらくないいいいいいぃ!」

姫子「どげん京くん? 怖かった?」

京太郎「え、えぇ、やばっかたです。しかも実話なんでしょそれ?」

姫子「そーばい。未だ未解決の事件ばい」

京太郎「うわぁ……」

姫子「その五人目の女の子、他の子から名前呼ばれてたから、クラスメイトのはずっちゃけど……」

京太郎(え? まだオチあるの?)

姫子「教師もクラスメイトも、だーれもその子のこと覚えていなかったらしいよ……」

京太郎「……」

京太郎(一番怖い思いをしたのは、もしかしたらその五人目の子なのかもな……)

姫子「結局こっくりさんはするなって話なんやろうけど、私は忘れられたってオチが怖か」

京太郎「え?」

姫子「大切な人の中から、自分の存在が消えていく。こげな怖いことはなかとよ……」

京太郎(……忘れられることに、何かトラウマがあるのか?)


姫子の話から、京太郎は彼女の真意を知ろうとする。


京太郎(この人が俺によく構うのは、それが理由?)


もちろん、直球で聞くことなどできなかった。


姫子「……そいや、次京くんの番♪」


姫子はいつも通りの笑顔に戻った。


姫子「私のことビクビク震え上がらせるような話してな?」ハァハァ

京太郎「なんで息荒いんですか? ……ま、そうですね。何を話すか」

煌「すばらすばらすばら」ビビクン

京太郎(花田先輩はもう聞いてない感じだし、遠慮しなくていいかな?)

京太郎「……それじゃぁ、こんな話を……」


これは俺が北九州に来てから、小耳に挟んだ話です。

一言で言えば、トンネルの話です。

よくありますよね? 

曰くつきのトンネルに入ったら、車に大量の手形が着いてたとか。

何かに横から追いかけられたりとか。

トンネルにまつわる怪談は、かなり多いみたいですね。

どうしてかって言うと、トンネルって山を切り開いて、彫られるものでしょ?

奇怪な事件がトンネルで多発するのはですね……。

元々その場所に住んでいたものが、開通された後もそこを彷徨っているからなんですって。

……後天的に生まれたものもあるでしょうけどね。事故とか自殺とか……。



話を戻しましょう。

俺が聞いたトンネルにまつわる話は、こんなものです。



怪物トンネル。



そう呼ばれる小さくて古いトンネルがあるようです。

本当に小さいトンネルのようですよ? 長さもそんなにない。

普通に歩いて40秒もすれば抜けられるようなトンネルです。

……そんな短いトンネルなのに、不思議なことに、先が真っ暗で見えないんですって。

いや、ちゃんと開通はしているようですよ?

落石事故をが起こった様子もない。

遠くからトンネルの外装を見ても、それははっきりしている。

風だって吹き抜けるから、塞がれているわけがないんです。

……なのに、中は真っ暗で先が見えない。

入り口からすでに、黒色いっぱいに染まっているんですって。

いや、もう暗いなんてもんじゃないみたいです。

まるで、黒い水面が、平面になっているかのような感じなんですって。









そんな不気味なトンネルに、興味本位で入って行ったカップルがいたそうです。


言い出したのは女の子のほうでした。

怖いもの見たさで、色んな心霊スポットに足を運ぶのが趣味だったそうです。

対して男の子のほうは、あまりそういうことに乗り気じゃありませんでした。

と言うのも、彼少し霊感が強かったんですって。

だから興味本位でそういう場所に行くのはよくないというのは、身に沁みてわかっていたんです。

しかし立場的には女の子が強かったみたいで、強引に付き合わされるのが日常になっていたんだとか。

そしていつものように、怪物トンネルっていう曰くつきの場所に行きたいって言ったんですね。

男の子は渋々、出かける準備をしました。

その時、出かけようとした男の子を、彼のおばあさんが呼び止めたんです。

おばあさんは、何か嫌な予感をしていたらしく、頻りに孫にこう言いました。


「この数珠を持っていけ」


それはおばあさんがよく使う紫色の数珠でした。

彼の霊感はおばあさん譲りだったそうです。

それも彼以上の霊感の持ち主でした。

だから、孫が危ないところに行くことがなんとくわかったのかもしれません。

祖母が言うのだから、素直に聞こうと、男の子はその数珠を受け取りました。

もしもの時、きっと役立つだろうと。


そしてカップル二人は例のトンネルに着きました。

男の子は、入り口付近に立った時点で、やばいと思ったらしいです。

でも女の子はそんなことわかりません。

ただ不気味な入り口に目を輝かせていました。

女の子は早く行きましょと急かします。

言って止めても無駄ということはわかっていました。

口よりも、実際に入ってみて、危険性を知らしめるしかない。

そう考えた男の子は諦めてトンネルに入ることにしました。

ただ、彼女にいくつか条件を出しました。

まず、自分と手を握って入ること。これは絶対条件だと。

数珠を嵌めたほうの手で、彼女の手を掴みました。

そして、少しでも何か奇妙なことが起きたら、必ず引き返すこと。

トンネルを抜けるという選択肢は、考慮しなかったそうです。

その時点で疑っていたんでしょう。

このトンネルを、ちゃんと抜けられるのかって……。



二人は、手を繋いでトンネルに入りました。

入った瞬間、男の子は体全体に、ぬめっとした感覚が奔ったそうです。

まるで、生き物の口に入ったような、不快な感触でした。

女の子は何も感じていなかったようです。

ただ男の子の手を引っ張って前に進みます。

中は本当に真っ暗でした。もう何も見えません。

先すら見えません。一緒に歩いている彼女の姿も確認できません。

手を握っている温もりと感触でしか、彼女の存在を認知できません。

男の子は、暗いところで光る腕時計で、現在時刻を確認しました。

ここから一分以上経ったら、引き返そうと決めました。

彼の心臓は、トンネルに入った瞬間から、喉から飛び出そうでした。

それぐらい、トンネルの中は異様な気配で満ちていたのです。


無言で先を進みます。

やはり、出口は見えてこない。

時間としては、まだ昼間でした。

たとえ日が差しにくい場所だとしても、一筋の光くらい見えるはず。

でもそれすら見えてこない。

まるで洞窟でした。

……いや、それよりも……。

体内にいるような気分になったそうです。



どれだけ歩いたのか。

緊迫感に支配されていたせいで、男の子は時間を把握することを忘れてしまいました。

それだけその真っ暗いトンネルは、時間感覚を狂わせたんです。

慌てて腕時計を確認します。すると……。

男の子は目を疑いました。嘘だろ、と。

時計は、トンネルに入った時間から、すでに15分以上が経過していたんです。

あり得ない。

外からどう見ても、このトンネルの長さは15分も歩くような距離ではない。



まずい、と本能的に思いました。

引き返さなければ、二度とここから出られない。

そう確信したそうです。

男の子は後ろを振り返ります。

よかった。まだ入り口の光は見える。

でもそれが、だんだんと小さくなっていく。

遠ざかっているというよりも、まるで閉じていくような……。

まずいまずいまずい。

男の子は未だ歩みを止めない女の子に言います。

もう引き返そう。これ以上はやばいと。

しかし女の子は止まりません。どんどん先を歩きます。

おい、もう十分だろと、女の子の手を引っ張ります。

しかし、びくともしませんでした。

女の子は、普段の彼女では信じられないくらいに強い力で、男の子を手を掴んでいたんです。

男の子はずるずると、奥へ奥へ引っ張られます。

彼女はただ黙って、先へ進みます。

いよいよまずいと思ったそうです。


彼女は今正気じゃない。

ならば、自分の力で助けなければならない。

自分が正気を保っている内に、ここから出なければと。

男の子は、彼女と自分を繋ぐ手に嵌めた、数珠に意識を向けます。

そうすると、彼女の抵抗は弱まり、少し後退することができました。

しかしそれに対抗するように、磁石で引っ張るような力が彼らを引きずり戻そうとします。

男の子は数珠に意識を向け続けます。

外に出る。外に出るんだと言い続けて。

渾身の力を振り絞りました。人生で一番、筋肉と体力を使ったそうです。

そして男の子は雄叫びを上げました。

すると、奥へ引きずり込もうとする引力から、一瞬だけ解放されたそうです。

その機を逃しはしませんでした。

女の子の手をしっかりと握り、入り口へ戻ります。

足がパンパンになろうが構わず、駆けて駆けて駆けます。

そして、とうとう外に出ることができました。

日は、暮れかけていました。

はぁはぁと息を激しく吐いて、男の子は呼吸を整えます。

そして、呆然としている彼女の頬をはたき、声をかけます。

おい、しっかりしろ。

虚ろな目をしていた彼女は、そこでハッと我に返ったようです。

彼女は男の子の顔と、トンネルの入り口に目配せをします。

そして、わぁっと泣き出し始めた。

よかった、正気に戻ったと安堵して、男の子は腕に嵌めた数珠を見ました。




紫色だった数珠は、真っ黒に染まって、ヒビ割れていました。

そしてそれは間もなく、パリンと弾けて、サラサラと砂のようになってしまったそうです。


危なかった。

男の子は思いました。

この数珠がなければ、二度と帰れなかっただろうと。






京太郎「この話の真相は定かではありませんが、もしも本当だったら非常におっかな……」

煌「」ブクブク

京太郎「あぁ花田先輩が泡吹いてる! 結局聞いてたんですか! 先輩しっかりぃ!」

煌「スバラスバラスバラ」白目

姫子「……」



三人全員が怪談を語り終える。
鶴田姫子は、京太郎の話を聞いて、薄く笑っていた。
まるで、一つの楽しみを見つけた童子のように。





――放課後


姫子「京くん♪ デートして帰ろ?」腕組み

京太郎「またですか? ま、まぁいいですけど」ドキドキ

姫子「えへへ、そいや行こ行こ♪」


――一緒によかところに……。


煌「……」



いつも通り京太郎にベタベタ甘える姫子。
そう、いつも通りの光景のはずである。
しかし煌は、妙な危機感に駆られた。
友人の笑顔に、何か異質なものがあるのを感じたのだ。



姫子は京太郎の腕にしがみついたまま、彼を誘導する。
どこへ行くんですか、と成すがままになっている京太郎が尋ねようとすると……


姫子「ねえ京くん……」


京太郎の腕をぎゅっと抱きしめながら、切なげに呟いた。


姫子「私、すごい寂しがりなんや。先輩が卒業してからそれに気づいた」


いつもと声色の違う彼女に圧倒され、京太郎は何も口に出せなくなる。


姫子「会える機会は減っても、頻繁に連絡取れればよかって、そう思ってた。でも……」


服の上に爪を立たされる。


姫子「顔を合わせないっていうのは、想像以上に溝を生むばい……」

京太郎「姫子、さん?」


やはり、姫子には対人関係でトラブルがあったのだ。
恐らくは、尊敬していた白水哩と。


姫子「新しい生活が忙しいのもわかる。それを邪魔したくないのも本音。でも……」


――寂しかよ……。


姫子「……そん時、京くんに会った♪」


姫子の声色が、いつものように甘いものに変わる。


姫子「優しくて素直で、かわいい後輩ができて嬉しかったばい」


機嫌よく京太郎を引っ張る姫子。
二人は街中からどんどん離れたところに向かっていく。


先輩、どこに行こうとしてるんですか。
尋ねる隙を、姫子は与えない。


姫子「こんな気持ち、初めてやった。男の子に甘えたくなるだなんて」


腕越しから彼女の熱が伝わってくる。


姫子「ねえ? 京くんは、私を一人にしない? 私と、これからもいてくれる?」


姫子の声は、京太郎にしがみつく少女の声はあまりにもか弱かった。
だから、京太郎は戸惑いよりも、強い情が湧いてしまった。


京太郎「……当たり前です。俺だって、姫子さんのこと……大事ですもん」


その気持ちが恋愛感情かはわからない。
ただ、自分を強く求め、寂しさを恐れる姫子が愛しいというのは、本当の気持ちだ。


姫子「京くん……」


京太郎の言葉で、姫子はうっとりと悦に浸る。
京太郎の腕に顔を埋め、すりすりと動かす。
愛しくてしょうがないと言うように。


姫子「……よかった」


何か吹っ切れたのか、姫子はまた京太郎の腕を引っ張って誘導する。
いつのまにか、二人は街灯も少ない小道を歩いていた。
その先には……。


姫子「じゃあ、ここにも一緒に入ってくれっとよね?」

京太郎「――え?」


ごおっと、生暖かい風が吹き抜けた。
いつのまにか、彼らの目の前には……


姫子「……京くんがさっき話した怪談な、地元の話なんや」



先の見えない、暗黒に染まった、トンネルがあった。




呆然とする京太郎の前に、姫子の無邪気な笑顔が広がる。



姫子「……私のことが好きなら、ね? ここで、デートしよ?」

※間もなくコンマを始めます。
人がいましたらお返事ください。


所詮噂だ。
そう納得して、京太郎は姫子に手を引かれた。


京太郎「……」


しかし、入った瞬間に感じた不快感は、尋常なものではなかった。
本当に、生き物の体内に入ったような錯覚に陥った。

そんな京太郎とは正反対に、姫子は鼻歌を歌いながらどんどん先へ進んでいく。


暗黒の、トンネルの奥へ。


姫子「嬉しいなぁ♪ 京くんが私のこと大事って言ってくれて」


自分たちはどれだけ歩いたのか。
暗黒の闇は、時間感覚を本当に狂わせる。


姫子「嬉しいなぁ♪ 一緒にいてくれるって言ってくれて」



噂だ。
本当に出られなくなるなんて、あり得ない。


……ならば、どうして自分はこんなにも怯えているのか。
どうしてさっきから、自分の頭は「戻れ」と警告を発しているのか。


ドクンドクン。


この不気味な心音は、本当に自分の体から鳴っているものか?


京太郎「……姫子さん」


歯をカチカチと鳴らしながら、京太郎は姫子を呼び止める。


京太郎「戻りましょう。もう、これ以上は……」

姫子「え? 何で?」

京太郎「や、やばいですって。だって、本当に向こうが、出口が……」


まったく見えない。


姫子「……京くん、約束してくれたじゃなか」


ぐっと、姫子の華奢な手の力が、信じられないくらいに強くなる。


姫子「私と、ずっと一緒にいてくれるって……」

京太郎「っ!?」


京太郎は気づく。
今の姫子は、おかしい。
彼女の声に、もう一つ、異質な声が混じっていた。


それは、人の声ではなかった。

京太郎は、ずるずると姫子に手を引かれる。
……姫子の声を持った何かに……。

姫子「もう嫌ばい。忘れられるのも。疎遠になるのも。なら、そんためには……」


――離れ離れにならないように、するしかなか。


京太郎「姫子さん!」


姫子はもう、京太郎の声を聞いていなかった。
ただ一人ブツブツと、寂しい、悲しいと呟いていた。


京太郎(クソッ!)


京太郎は必死に抵抗して、姫子と入り口に引き返そうとする。
しかし、先ほど自分がした話のように、まるで強い引力に妨害されているようだった。
体が、まったく動かない。


姫子「……部長は、もう私と一緒にいてくれない。京くんなら、京くんは一緒にいてくれる……」

京太郎「姫子、さんっ」


ダメだ。
だからと言って、この先に行ってはダメだ。
一緒にいられる方法は、他にもある。


だが、口で説得しても姫子の心には響かない。
力ずくで、ここから抜け出すしかない。
このままでは、自分たちは、


本当に帰れなくなる。



京太郎(くそっ! なんとかしないと!)


コンマ判定

失敗・00〜59
成功・60〜99

チャンスは二回のみです。

↓2



判定・成功


京太郎「姫子さん! 姫子さん!」

姫子「京くんと一緒、京くんと一緒、ずっとずっとずっと」

京太郎「う、うわぁ!」


京太郎は足を崩してしまった。
体が地面に倒れる。
それでも姫子は止まらない。
倒れた京太郎を引きずって、奥へ奥へ進む。

オオォっと、遠くから唸りのような不気味な声が聞こえた。
それはまるで、おいで、おいでと言っているようだった。


京太郎「い、嫌だぁ!」


京太郎は子供のように泣き喚く。
本能的な恐怖が、京太郎を幼くする。
もうダメだ。
意識が絶望という漆黒で染まっていく。

姫子の歩みは止まらない。
このままでは本当に自分たちは……。


京太郎(くそっ。俺じゃダメだ。俺の言葉じゃ、この人の心に届かない)


姫子を救うことができるのは、それは……


白水哩しかいないのだ。


京太郎は、会ったこともないその上級生に救いを求める。
彼には、もう祈ることしかできなかった。


京太郎(お願いです。この人の心を、姫子さんを救ってください!)



少年の祈りが届いたのか、あるいは、少女二人の絆がそうさせたのか。








ジャラジャラ……。




二人の絆を象徴する物の音が、確かに響いた。



京太郎「っ!」


急に体が軽くなった。
トンネルの奥からの引力とは別に、入り口方向から引っ張る力があった。
まるで、見えない鎖に引っ張られているような……。



?「姫子ーーーっ!!」

姫子「っ!」ピタッ


入り口から、姫子を呼ぶ声。
それによって、姫子の歩みは止まった。


京太郎(今だ!)


京太郎は体制を立て直し、姫子を連れて入り口へ走る。


両方向から強い引力に引っ張られる。
それでも、入り口から伸びる、鎖のような力が一番強かった。
自分たちを救ってくれる、希望の手綱だ。
京太郎はそれを決して離しはしなかった。
光が見えてきた。
ただそこを目指す。


京太郎「うおおおおっ!」


雄叫びを上げて、一点の光を、ついに突破した。


その先には、


哩「姫子! 姫子!」


写真で見た、白水哩、その人がいた。



外はもう月が出ていた。
トンネル付近の月下では、一人の男子と、三人の女子がいた。


哩「姫子! しっかりせ!」


哩は大粒の涙を流しながら、意識が落ちている姫子を揺さぶった。
その傍では、京太郎と花田煌が心配そうに二人を見ていた。


煌「私が呼んだんです」

京太郎「花田先輩……」

煌「姫子の様子がおかしいと思って、二人の後をついて行ったら、あのトンネルに入ったので……」

京太郎「先輩……ありがとう、ございます。本当に、助かりました」グスッ

哩「姫子! 姫子!」

姫子「あ……、部、長?」


姫子の意識が戻る。
彼女の目の前には、尊敬していた女性の顔があった。
姫子の表情が、驚愕の色に染まる。


姫子「何、で?」

哩「何でって……お前のことが心配やったに決まっちょる!」

姫子「そんな、だって、先輩は……」


私のこと、もう忘れて……。
そう言いかけると、哩は強く姫子のことを抱きしめた。


哩「違うとよ……私も、私も同じ気持ちやった」

姫子「え?」


卒業してから哩は、姫子が自分のことを忘れてしまうのではないかと恐れた。
そう思ってしまったのは、姫子が新しくできた後輩のことをよく嬉しそうに語っていたからだ。


もう、自分のことは、どうでもいいのだろうか。


暗い気持ちが湧いてしまうと、途端に姫子と会うことが怖くなった。
負は負を呼び、連鎖となった。
やがて、姫子と連絡を取ることすら、躊躇うようになってしまった。




結局、どっちもどっちだったのだ。
面と向き合わなければ、そんな些細なことにも気づけなくなる。



哩「須賀君、やったっけ? 君にも、申し訳ないことしたばい」

京太郎「え、いや、俺は……」

哩「……正直今まで君に嫉妬しよった。姫子が君のことばかり話すから、余計ひねくれて。でも……」


ぎゅっと、姫子を抱きしめる。


哩「そんせいで、取り返しのつかんことになるとこやった……」

姫子「部長……」

哩「ゴメン姫子。これからは、また一緒におろう。もう寂しい思いはさせん」

姫子「……ひくっ。うわあああん!」


姫子は仕切りなしにごめんなさいと謝った。
この場にいる全ての人間に対して。
そんな姫子を、哩は慈愛の篭もった笑顔で抱き止めた。


二人の長い擦れ違いは、ようやく幕を閉じたのである。


煌「うぅ、よかっだぁよかったでずよ〜」すっばらん!

京太郎「イイハナシダナー」涙&鼻血ダバー



その後、京太郎は散々泣いた姫子を家まで送っていた。
泣き顔を見られたせいか、姫子の顔はリンゴのように赤かった。
京太郎はクスッと笑いながら、気遣いでなるべく彼女の顔を見ないようにしてあげた。

歩きながら先ほどまで哩と話していた事を思い出す。


哩『須賀君。これからも、姫子のことよろしゅう頼む』

京太郎『はい、お任せください。あ、もちろん、白水先輩とも仲良くしていきたいです』ニカッ

哩『……あんがと。姫子も、そいば望むちゃろう』ニッコリ


二人はそうして硬い握手をした。


京太郎は思う。
あの人とはいい友人になれる一方で、いいライバルにもなれるだろう。
なにせ、姫子があれほど尊敬している相手なのだ。
自分も、うかうかしていられない。
トンネルの中で、京太郎ははっきりと姫子への気持ちを自覚した。


京太郎(俺は、この人に幸せになって欲しい)


そのためなら、何でもできそうな気がした。


姫子「……ね、ねぇ京くん」もじもじ

京太郎「ん? 何ですか姫子さん」

姫子「えと、今日は、ほんとゴメン……」

京太郎「ははは。もう気にしてませんよ」

姫子「でも……」

京太郎「んー。じゃあ、今度の休日にデートしてくれたチャラにしてあげます」

姫子「え?」

京太郎「今度はちゃんとしたデートしましょう?」

姫子「あ……うん♪」


初めて京太郎からデートの誘いをされた。
姫子の頬に、桃色が広がる。

姫子「……京くん、こぎゃん私ばってん、これからも一緒にいてくれる?」

京太郎「もちろんです。俺、姫子さんのこと好きですから」

姫子「っ!? ……あんがと」





もう堂々と好きと言うことができる。
姫子と哩との絆が鎖のごとく強固なように、自分たちも強い絆を作っていこう。
彼女があの恐ろしい暗闇に呑み込まれないように、言葉の鎖で繋ぎ止める。


姫子は変わった。
声にはとても晴れやかな色がある。
きっと、あのトンネルで昔の自分を置いてきたのだろう。
今ここにいる彼女には……


――新生した彼女には、きっとこれから素晴らしいことが待っているはずだ。



京太郎は、彼女と歩む未来に、希望を抱いた。



















……そう、姫子は、トンネルに『自分』を置いてきたのだ。




人工物のトンネル。
そこには、穴を彫られる前から、ずっとその場所で住み着いているものがいる。
大自然の中に身を潜めていた何かが……。




――……嬉しかぁ。



その中には、冷たい暗闇の中で凍えているモノもいるだろう。
きっとそれは……


――京くんにそー言うてもらえて……。



人肌の温もりを求めている……。



――じゃぁ、約束ばい。私たちは、ずっと、ずっと一緒……。



少年は気づかない。
気づくはずがない。


自分が手を引いて連れてきた少女が、本当に『鶴田姫子』その人かだなんて、考えさえもしない。



京太郎は、告白した少女の顔を見るのが照れくさくて、前を向き続けている。

その後ろで、




















――モ ウ 絶 対 離 レ ナ イ








『鶴田姫子』の形をした『ソレ』が、

人間ではあり得ない笑い方をしていることも知らずに……。



〈了〉

ハッピーエンドかと思った?
残念だけど、これ怪談なのよね。

以上新道寺でした。
途中コンマで人がいっぱい出てきたのが私にとってはホラーでした。ウエーン。

話の都合上、登場しなかった人もいました。
申し訳ありません。


美子「うちなんか……」
仁美「なんもかんも作者が悪い……」

それでは次の高校の安価取ります。

安価↓4

安価決定

白糸台となりました。

なにこれ、すごく楽しくなりそう。
それではプロットと怪談を組み立てます。

ちなみに、「この『怪談』でやって欲しい」みたいなものがありましたら、
お気軽に提案してくださっても構いません。

それではご参加ありがとうございました。


ちなみに今回のコンマを失敗した場合、
姫子とひたすら「らぶちゅっちゅっ」するラストが待っていました。
一発で危機回避した皆さんの腕のすばらなこと!
本スレのコンセプトを守ってくれてありがとう!

なんてことだ…なんてことだ…
もう一回新道寺取ればワンチャンある?

>>127
申し訳ありませんが同じ高校は二度とやりません。
ただ小ネタによってはIFエンドを書くかも。

赤マントとかいける?

>>131
優希ちゃん?
ではなく、超有名なアレですね。
うーん。一応、今考えてる話と絡め安そうですが。
でも今決定するとネタバレになってしまうから、心の隅に留めておきます。
ご提案ありがとうございます。

くっそ可愛い退魔巫女憧の出番ですね

コンバンワ。

巫女憧ちゃんだけでこの盛り上がり。
さすがアコチャー。

>>149-157
元ネタにはそんなに詳しくないんですけど、
アコチャー魔物や悪霊に陵辱されてしまうん?

まぁ、ノクターンでエロ書いてた時期もあるので、
書こうと思えば書けますが、需要ありますかね?

ないよね! だって皆怖い話聞きに来てるんだもんね!

よし、では今日は練習という名目で即興で書いて投下するよ!

作業BGMはこちらで。
http://www.youtube.com/watch?v=04EShclPAa0

皆さんも蒸し暑い夜をこれで乗り越えよー。


白糸台のレギュラー陣と怪談をします。
細かい設定はスルーでお願いします。






淡「怖い話をするのだ〜」ばーん

菫「突然何だ?」

淡「夏と言えばホラーだよ! ジャパニーズカイダン!」ドヤッ

京太郎「英語か日本語かはっきりしろよ」

照「京ちゃん、もっとお菓子」モヒモヒ

京太郎「はい照さん、ア〜ン」

照「ムグムグ……おいしい」てるーん

京太郎「そりゃよかったです♪」

淡「そこの二人いちゃつくなー! 私の話を聞けー!」ガバッ

京太郎「うわっ! なんだよ、背中に乗っかってくんなよ!」

淡「私にもかまえーきょーたろー!」あわん!

照「京ちゃん、もっとー」くいくい

菫「子供が二人もいるな……」

誠子「どっちかって言うと小動物ですかね?」

尭深「見てて微笑ましいです……」お茶ずずず


菫「しかし須賀が厄介者二人の面倒を見てくれるのは、素直にありがたい」

菫「おかげでこちらの負担が減ったよ」

誠子「須賀が来るまでお菓子不足やら迷子やらで大変でしたからね」

菫「それを須賀一人でカバーできるのだから、大したものだ」

京太郎「え? 何ですか弘世先輩? 俺が素敵? 結婚したいって?」

菫「……誰もそんなこと言っとらん」

菫「ただお前の世話の才能に感服しているだけだ」

京太郎「ありがとうございます! 弘世先輩にそう言って貰えて俺幸せです!」

京太郎「では日頃の功績を讃えて、その立派なおもちを揉ませてください」真剣顔

菫「シャープシュート」ロン

京太郎「あん」ドスン

菫「な、なにバカなこと言っているんだコイツは」もじもじ

誠子(弘世先輩、実は純真)

京太郎「く、くそう。俺は俺は諦めないぞ。立派なおもちを揉むまでは何度でも蘇る」

照「」ちょんちょん

京太郎「ん?」

照「揉んでいいよ?」セクシーポーズ

京太郎「……」

照「……ふんす」ペターン

京太郎「ちくしょう、悔しいのぉ、悔しいのぉ……」


淡「こらー! 淡ちゃんを無視するなぁ! 怪談しようぜ怪談!」あわんあわん

京太郎「その怪談への拘りは何なんだよ? 後背中で騒ぐな」

照「怖いの苦手」

誠子「ネタがないな」

尭深「同じく」ずずず…

菫「く、くだらんことで練習時間を削るな」ガクブル

尭深(震えてる)

誠子(意外と弱点の多い弘世先輩)

淡「ちぇー皆ノリが悪いー」

淡「せっかく淡ちゃんが怖い話で熱い夏を涼しくしようと思ったのに」

照「クーラー効いてるから平気」

淡「ノンノン、甘いねテルは」

照「?」

淡「ここでビクビク怖がれば、きっときょーたろーに一杯ハグしてもらえるよ?」ヒソヒソ

照「怖イ話ヲスル」ギュルルルルッ

誠子「わかりましたから竜巻止めてください」

菫「な、なんだと? ほ、本当にやる気か?」

尭深「しないと治まらない感じですよ?」

淡「ふぅっはっはっはっはぁ! 淡ちゃんの手にかかればチョロイもんよー!」あわっ

京太郎「何を偉そうに……」

淡「なんだよー。まさかきょーたろーまで怖いのダメなのー?」頬チョンチョン

京太郎「いやそんなことはないけど……」

京太郎(何でだ? こういう展開が何度もあったような……)

京太郎「でもっていい思いした覚えがない……」

淡「何電波さんみたいなこと言ってるのー?」あわん?

淡「とにかく一人一人とっておきの怪談をぶちまけろー!」イエーイ

照「いえーい」京ちゃんとハグハグしたい

淡(……ふふ。きょーたろーとハグしたいのはテルだけじゃないけどね……)


怪談を利用して少年と密接になりたい。

そんな思いが渦巻く中、怪談が始まった。


――たっぷり。そう、たっぷりと抱き合おうね。きょーたろー……。



照「私が小学校から帰ってくると、お母さんに冷蔵庫にプリンがあるって言われた」

照「私は機嫌よく冷蔵庫を開けた。でも言われたプリンはなかった」

照「リビングに行くと、テーブルに中身が空のプリンの容器が置いてあった」

照「誰かが食べたんだ。怒った私はお母さんに問い詰めた」

照「すると、お母さんは奇妙なことを言った」


――何言ってるの? さっきまでそこで嬉しそうに食べていたじゃない。


京太郎「……」ゴクリ

誠子(それって、ドッペルのオバケってやつか?)

菫「あ、ありえん。そんなこと科学的じゃない」ガクブル

京太郎「っ!? 弘世先輩! 怖いなら僕が震えを抑えてあげます!」

京太郎「特にそのぷるぷる揺れているおもちを中心的にっ!」

照「てい」コークスクリュー

京太郎「ぐはっ!?」

照「京ちゃん、人の話は最後まで聞かなきゃメッ」てるぷんぷん

京太郎「す、すみまちぇん……」

誠子(前から不思議だったけど、あいつ先輩たちの攻撃受けて何で毎回無事なんだ?)

淡「で、テル。その話のオチは?」

照「うん。私はプリンを食べた覚えはない。でもお母さんは私が食べていたと言う。だから……」

照以外全員「ゴクリ……」









照「……わざわざ私の変装をした誰かが食べたに違いない」テッテルー


その結論に全員がずっこけた。


菫「ま、まぁ、照らしい考えと言えばらしいが……」

誠子「怪談のオチとしては如何なものでしょう……」

照「京ちゃん怖かった? 怖いなら抱いていいよ?」腕広げる

京太郎「すみません。最後で拍子抜けしちゃったので特に……」

照「」ガーン

淡(ふっふっふぅ。テルは見通しが甘いねー)ドヤドヤ

尭深(なんでこんなにドヤ顔なんだろう)


怪談継続


誠子「その釣りマニアは、どうしてもその噂の人食い魚を釣ってみたくなったんですって」

誠子「釣竿を握る彼の姿は尋常じゃなかった。執念とも言える形相で」

誠子「そこに偶然、彼の後ろを通り過ぎた男が『釣れますか?』と尋ねてみた」

誠子「釣り人がどんな面構えで竿を握っているのかも知らずにね」

誠子「釣り人は『いえまったく』と答えると、男は『エサは何を使ってるんです?』と聞き返す。すると……」


――そりゃ、人食い魚を釣るんですから、人肉に決まってるでしょ?


誠子「そう言って、イカレタ笑顔で男をじっと睨めつけたんですって。まるでエサを見るように」

菫「」プルプル

京太郎(うわぁ。噂の魚よりも人間が怖いってオチか)

照「京ちゃん怖いよー」シクシク

京太郎「おー照さんよしよし」ナデナデ

京太郎(……ハッ! 弘世先輩や照さんですらこんなに怯えてるんだ!)

京太郎(大人しい渋谷先輩はそらもう大層に震えているに違いない! 特に部内No1のおもちが!)チラッ

尭深「」ズズゥ

京太郎(普通に平気そうだった)OTL


京太郎(いや、ここはポーカーフェイスの渋谷先輩! きっと内心では怯えている!)

京太郎「渋谷先輩! 怖かったら照さんのように抱きついてもいいですよ!」

京太郎「ついでにその立派なおもち揉んでいいですか(僕が守ってあげますからね)!?」


本音と建前が逆である。
しかし……


尭深「いいよ」

京太郎「」( ゚д゚)

尭深「須賀君ならいいよ?」ぷるん

京太郎「……」とりあえずワキワキ

尭深「♪」待機

京太郎「……」いざとなると緊張



京太郎「じょ、冗談です、すみまちぇん」ヘタレ

尭深「残念」満更でもなそうに




淡「……むぅ。きょーたろーのおっぱい星人めぇ」あわぷぅ

照「大丈夫。まだ成長の余地はある……」ペタペタ

淡「むきーだ! こうなったら淡ちゃんがとっておきの話して、きょーたろーをビビらせてやる!」

誠子「おー期待してるぞ大星」パチパチ

菫「こ、怖くない。所詮は淡の話だ」ビクビク

尭深「須賀君。怖くなったら抱いていいよ?」にこり

京太郎「え?」ドキッ

照「京ちゃんは私の」ぷぅ

淡「あわー! どいつこいつもぉ! 私の怖い話で怯えろー!!」

淡「レッツ淡ちゃん怪談!」






















――本当だよ? これ聞いたら皆、夜眠れなくなるよ? クスクス……。




昭和初期にさ、すごーい有名な都市伝説が生まれたの。

起源はとある事件から。

戦争前にね、東京で一人の女の子が暴行を受けて殺されちゃったの。

それだけなら、ただのむごい事件で終わったんだろうけど。

問題はね、未だその事件の詳細が不明なことと、犯人がまだ捕まっていないってこと。

ただそれだけだったのに、色々な要素が絡み合って、ソレは一つの都市伝説を形成した。



いったい、どうしてそうなったかはわからない。

関連性の強そうな異常事件だから、一緒くたにされたのかもしれない。

東京の少女暴行殺人事件。

そして福井県で起きた、一家一人を順番に呼び出して殺していく「赤毛布の男」事件。

正気とは思えない二つの事件。

そして当時流行していた創作作品が合わさって、とんでもない怪物が生み出されたの。






もうここまで言えば、わかる人もいるんじゃない?



そうだよ。

子供が怯えて、不登校までになってしまった恐怖の象徴。

警察の大人ですら、その存在を信じて取り締まりを行ったほどの信憑性。



最も古い都市伝説にして、今でも語られ続ける最凶の怪人。









――赤マント














人の噂ってさ、本当に怖いもんでさ。

見たこともない筈の存在を信じ込んで、それに姿形を与えてしまう。

曰く、それは赤いマントを着た怪人である。

曰く、それは子供を攫って残酷なやり方で殺す。

曰く、それは元は床屋で、子供の悪戯で火事に遭って、やがて妖怪になった。

噂が噂が呼び、ソレにいろーんな形が与えられてきた。

でも名前だけは変わらなかった。

それだけ、人々の心に「赤マント」っていう名称は、色濃く植えつけられたんだ。

本当、すっごい流行したんだってさ。

なんせ子供向けにこの話をモデルにした楽曲が作られたほどだしね。

普通ありえないでしょ? 子供向けだよ? 

え? 子供向けの歌の方が残酷なのが多い?

……あはっ。思い返してみればそうかも。

『かごめ』とか『はないちもんめ』とかさ。

まぁ、子供たちに恐怖を与えて、危ない人について行くなよって教訓にしようとしたんだろうけどさ。

ちょっと効き目が強すぎたんだろうねぇ。

だってさぁ、元はガチであった殺人事件から来ている都市伝説なんだよ?

子供なんて、それだけで信じちゃうって。

大人が信じてるなら、尚更さ。

まぁとにかく、異様な誘拐事件とか殺人事件の代表と言いますか、

あることないことの恐怖話の総体として、赤マントは様々な解釈をされ、派生を起こした。



昔の漫画であったじゃん?

ちょっとエッチなのに時々シャレにならないくらい怖い少年向けの奴。

それにもさ、似たようなのが出てるんだよね。

大人は皆その怪人の名前を知っている。

それが街に出没したら、子供に早く帰れって言い含めるの。

詳細は子供に教えない。

だってそうしたら、怖さのあまり不登校になって塞ぎ込んでしまうから。

子供だけには知らせてはならない、大人たちだけが知っている恐怖。

幼心に植えつけられた、潜在的に眠っているトラウマ。

真実はどうあれ、いくつなっても、その存在は怖いんだよ。

だってさ……赤マントの何が一番怖いかって言うと……






















――なろうと思えば、誰にでもなれるんだよ。







だって、そうでしょ?

赤い衣服を着て、ついでにオシャレな仮面を被ればいい。

そうしてこう聞けばいい。








――赤が好き? 青が好き?





ってね。




なんでそんな風になったんだろうね〜。

元は正体不明の人攫いで人殺しっていうシンプルなものだったのに。

どうしてか人はそこに余計な設定を盛り込んじゃうんだよね。

残酷だよね、人間って。

噂に怯えて、自分の身に起こるかもしれないって震えながら、

一方じゃ脚色を加えて盛り上がっちゃうんだ。

どっかで、人が本当にその噂通りのことに巻き込まれているかもしれないのに……。


ん?

赤と青が何かって?

嘘、知らないの?

怪談のお約束じゃん。

ほら、似たのが学校の怪談であるでしょ?

旧校舎のトイレを使うと、


――赤い紙か青い紙どっちが欲しい?


ってどこからか声が聞こえる。

その質問にね、赤って答えると、


――血まみれになって死ぬ。


そして青って答えると、


――血を抜かれて真っ青になって死ぬ。


あれ? 首絞めVerもあったかな?

まぁ、だいたいそんな内容だよ。

たぶんさ、怪談で盛り上がってる小学生たちが考えたんだと思うよ。

ほんと、おっかないね子供って。

かわいい顔して、そんなことばっかりに想像力が働くんだもん。

まぁこれも、そもそも派生の話でね。

原点は赤マントから来てるんだよ。

……そう、ソイツも旧校舎のトイレみたいに、同じこと聞くわけ。



赤が好きか、青が好きかって。


ひどいよねこれ。

どっちもバッドな選択なわけじゃん。

出会ったら即アウトってことがはっきりわかるよね。

殺される選択肢しかないんだもん。

これが赤マントの恐ろしいところの一つだね。

出会ったら終わり。

噂を作るのは勝手だけどさ、せめて救われる方法も一緒に考えて欲しいよね。

口裂け女だって、「ポマード」とか「べっこうあめ」とか対策あるのに。



……ん?

なんでこんなに赤マントについて熱く語るのかって?

……それが私の話の本筋なんだよね。

私がこの話をするのはさ、正直、赤マントの噂を作った連中に腹立ってるからなんだよ。

さっきも言ったでしょ?

赤マントは、なろうと思えば誰でもなれるんだよ。

その役柄に、色々な属性が付加されていれば、成りきれる材料もたくさん。

どこかのイカれた人間が、自分は赤マントだって自称して、同じ凶行を働くかもしれない。


噂はね、伝染するんだよ。

だから模倣犯だって生まれるんだ。

最も有名で、誰もが恐れる都市伝説をマネようとする異常者が、世の中に何人いるんだろうね。














そうだよ。

私さ、会ったこと、あるんだ。




赤マントに。




それが本物なのか、偽物かだなんて、どうでもいいことだよ。

赤マントの格好をしているなら、それは赤マントなんだよ。

残虐な凶行に走る異常者なんだよ。


それと会ったのは、私がずっと小さい頃、友達と一緒に公園で遊んでいた時のこと。

すごく仲のいい子でさ。

東京に遊びに来ててさ、友達が作れないみたいだったから、私が仲良しになってあげたの。

日が暮れるまで遊んだもんだよ。

……その子と二人だけの公園で遊んでいる、ある日のことだよ。

そろそろ帰ろうと思った時に、入り口にソレが立っていた。

そして、やはりこう聞いてきたんだ。




――赤いのと青いの、どっちが好き?








あれ?

きょーたろーどうしたの?

顔真っ青だけど、もしかしてそんなに怖かったの?

あはは。やだぁ、きょーたろーってばかわいい。

そんなにテルの手握っちゃってさぁ。

よかったじゃんテルー。尭深もついでに抱きしめてあげれば?

ん? その後どうなったんだって?

あはは。

そこでもし赤か青って答えてたら、私ここにいないって。



質問には答えなかったんだよ。

当然じゃない。どっちも答えたら死んじゃうだから。

ただ逃げた。それだけだよ。一番賢明でしょ?










……でもね、友達はダメだった。



その子、知らなかったんだよ。赤マントの噂を。

だから素直に答えてしまったんだ。自分の好きな色を。


何度も言ってるけど、

その赤マントが本物か偽物かだなんて関係ない。

たくさんの噂で膨れ上がった禍々しい伝説に従って、回答通りのことをするんだよソイツは。


助ける余裕はなかった。自分のことで精一杯だった。

あんなにも仲のよかった友達なのに、白状だよね。

……ねぇ、きょーたろー。本当に大丈夫?

具合悪ければ止めるけど? 最後まで聞きたい? あ、そう。


それじゃ、その後どうなったかと言うと、

その友達は行方不明になった。

生きてるのか、死んでいるのかは、今もわからない。

ただ、あの赤マントに連れて行かれた。それは確かだよ……。




私がこの話で言いたいのはね、

安易な面白みで、怖い噂に勝手な脚色を加えるなってことだよ。

もしも恐ろしい殺人事件から、赤マントの伝説を生み出さなければ。

噂が異様なほど肥大化する前に、誰かがその存在をはっきり否定していれば。

あの時、赤マントの格好をした何かと会うことはなかった。

その子だって、赤マントに無知なままでも、助かったんだ。


私がね、今日怪談しようって言ったのも、皆にこのことを伝えたかったから。

安易に話す空想話は、時々リアルになって、襲ってくることがある。

それが、実現可能になりやすいものなら、尚更ね。

皆の様子次第では、注意を呼びかけようとしたんだけど、

その心配はなさそうだね……。





……あはっ♪ ごめんね試すようなことして。

淡ちゃんの怪談話はこれでおしまいー♪




淡の話が終わる。





誰も続きをしようと言う者はいなかった。

言う勇気など、あるはずがない。

それほどまでに、赤マントの話をしている時の淡の様子は、いつもと違っていたのだ。

普段の陽気さのカケラもない、深い闇を抱えた表情。

軽々しく語る怪談は、時折現実の脅威と化す。

そんな話を聞いて、誰が怪談の続きをしようなどと言えよう。

淡以外の白糸台のメンバーは、皆顔面を蒼白にしていた。

その中でも、京太郎の顔色はひどいものだった。

まるで赤マントの問いかけの後者を、答えたように。

            ,,,,。―'━━-_:
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  ./    ,,,il ●.,l“““““''l| ●.,l。_   'i、
  .,|   .,-″`-,,,,r゜    .レ.″,i″`'¬l,
 |/      (  |       ,,..-‐"|   | 
‐‐|--,,.___   `T゙         | __,,⊥-‐

  'i,        |         ̄l  /
  'i,       '-、     丶、/  / 
   'i, /     -<    |   /丶、' 
 _,. -‐く /    ー′  l  ,'  ∠__'
     X  ',      /  ,' r'´

    / \  '--─一'´   r'"
   ,.-‐'''" ''‐- __,,...‐'′


その後、結局怪談は淡の話で締めることとなった。

練習再開の後も、京太郎の様子は良くなかった。

帰りの時間、部員それぞれが彼に心配の声をかける。

照「京ちゃん大丈夫? ポンポン痛いの? チュウする? 結婚する?」てるん?

菫「ドサクサにまぎれて何とんでもないこと言ってるんだお前は」

尭深「須賀君。辛かったら一緒に添い寝してあげるよ?」ぷるるん

誠子「お前もさり気なく誘惑するなっての……」

菫「しかし、本当に具合が悪そうだな……」

菫「淡。我々は彼とお前と帰り道が逆だ。須賀の面倒はお前がしっかりと見ろ」

淡「任せられた〜!」あわっ!

照「じゃあ私もついてく……」テチテチ

菫「お前がいると却って迷惑だ」襟元ひょい

照「えーん京ちゃんの看病したい……」てるーん……


上級生と別れる。
京太郎と淡は同じ帰路を歩いた。

京太郎は問題でも起こさせて、小悪党扱いで綺麗に処分するのが一番。
汚い金髪にしてるようなDQNだし、小悪党にしても矛盾はない。
それなら、背景にすら出る事もないし、厨も公式での扱いに冷めて消滅するだろうから丁度いい。

京豚は朝から夕までの間に打ち砕かれ、顧みる者もなく、永遠に滅びる。



淡「ねえ、きょーたろー。さっきから本当に辛そうだねー」

京太郎「あ、いや。平気だって」

淡「そう? ちょっとどこかで休んだ方がいいんじゃない?」

京太郎「いや、ほんとに平気……」

淡「嘘つくなー! 淡ちゃんが心配してやってるんだから素直に言うこと聞けー!」がしっ

京太郎「うわっ! お、おい。どこ行くんだよ?」

淡「一先ず休めるところ。うーん。あっ、あそこがいいね」

京太郎「……え?」


京太郎の手を掴んで、淡はある場所に歩を進める。
京太郎の皮膚が粟立った。


京太郎「あ、淡。あ、あそこは……」

淡「ん? どうかしたの?」

京太郎「あ、あそこは、あそこに行くのはイヤだ」


京太郎は幼子のように震える。
そこだけは、そこだけは二度と足を運びたくない場所だと言うのに。

しかし淡は小首を傾げて、京太郎をそこへ誘導する。
どこか、悪戯心を含んだような笑顔で。




淡「変なきょーたろー。別に怖いことなんてないよ? だって……」




ニヤリ、と。

少女の口元が、

歪に裂けた。








――ここ、私たちが昔よく遊んだ公園じゃん……。


京豚はキモいんだよ 神聖不可侵である百合漫画の咲に手を出すんじゃねえ チンポ脳どもが
百合は神聖なもので 男は汚いの わかる? お前らのしてることは いちゃついてる女の子達に うんこ投げつけて喜んでるようなものなんだよ

あと 咲が百合漫画じゃないとか言ってる奴はアニメ見てないだろ 麻雀興味ないから 原作は知らないけど あんな百合百合してる素晴らしいアニメの原作が百合漫画じゃないわけがない それに 作者も百合好きらしいし 咲が百合漫画だというのは 紛れもない事実

それに 百合が世間ではマイナーだとか 言ってる奴がいるけど そんなわけ ねーだろ なのはやゆるゆり らきすたがどれだけ人気だとおもってんだよ こんな当たり前のことも理解できずに 性欲のためだけに喚き散らすから京豚は馬鹿にされるんだよ



ねえ、きょーたろー。

さっきの話でね、ちょっと言い忘れたことがあるの。

赤マントの問いかけでさ、赤と青以外の色を答えた時は、どうなると思う?

実はね……。

たとえ何色を答えたとしても、問いかけと異なる色を言ってしまった場合、





――冥界に連れて行かれちゃうんだって……。



それでね。

冥界に連れて行かれちゃった子は、


――同じ、赤マントになるんだよ。


霞「彼らはね、咲のSSが好きなのではないのよ」

霞「自分の姿を須賀くんに重ね、咲キャラたちと絡みたいだけなの」

初美「そうなんですかー?」

霞「そうよ。須賀くんはかわいそうだわ。京豚の、自己投影の犠牲になってしまったせいでいろいろな人に嫌われてし亦野だから・・・」

霞「京太郎SSの『京太郎』を、『俺』に置き換えて御覧なさい」

霞「ほとんどのSSで、違和感なく話が進むはずよ」

初美「うわー・・・ほんとうなのですよー」

霞「こういったスレにはね、ただちにふんふむを召還しなくてはならないの」

霞「『悪』をのさばらせてはいけないのよ」

霞「咲の魅力はキャラクターの多さなの」

霞「様々な人が、色々なキャラクターを好きになっているわ」

霞「それを欲望のために汚すような行為は、当然反感を買うことになるのよ」

小蒔「じゃあ、こんなしょうもないSSのために永水女子を使ってファンの感情を汚していいんですか!?」


霞「そう。ちょうど今これを見ている永水女子が好きなお方は、相当な不快感を感じているでしょうね」

霞「それと同じ感情を京太郎スレで感じる方が多くいるということを知って欲しいのよ」

初美「ふんふむ」



京太郎は幼い頃、一度東京に遊びに来たことがある。

その先で、一人の女の子と仲良くなった。

いつも公園で、一人きりでいる子だった。

何だか、長野の幼なじみと面影が重なって、放っておけなかった。

京太郎はその子に声をかけた。

少女は最初戸惑ったが、持ち前のマイペースから、すぐ少年と打ち解けた。

二人はそれから公園で待ち合わせるようになって、よく遊んだ。

楽しかった。

京太郎は、自分と同じ髪の色をしている、しかしとても綺麗な長髪の少女が好きになって行った。

……それにも関わらず……。



淡「……ねぇ」




幼い頃と同じ、綺麗な金髪を靡かせた少女が、虚ろに問いかける。



――何で、私を置いて逃げたの?




淡が先ほど語った怪談は、本当にあった出来事だ。

ただ、淡は自分と友人の立場を逆にして語っていた。

だから、あの時、友人に見捨てられ、赤マントに連れ去れたのは……



淡「私、おかげで、もう人間じゃないんだよ?」


パキリ、と、少女の体が、歪曲していく。
真っ白な制服が、鮮血の赤に染まっていく。
少女の美しい、金髪が、オゾマシイ暗黒色に蝕まれていく。

長くなりましたがこのSSはこれで終わりです。
ここまで支援、保守をしてくれた方々本当にありがとうごさいました!
パート化に至らずこのスレで完結できたのは皆さんのおかげです(正直ぎりぎりでした(汗)
今読み返すと、中盤での伏線引きやエロシーンにおける表現等、これまでの自分の作品の中では一番の出来だったと感じています。
皆さんがこのSSを読み何を思い、何を考え、どのような感情に浸れたのか、それは人それぞれだと思います。
少しでもこのSSを読んで「自分もがんばろう!」という気持ちになってくれた方がいれば嬉しいです。
長編となりましたが、ここまでお付き合い頂き本当に本当にありがとうございました。
またいつかスレを立てることがあれば、その時はまたよろしくお願いします!ではこれにて。
皆さんお疲れ様でした!

ふんふむは立ち上がらなくてはならない。


今現在、ふんふむは荒らしという不当な扱いを受けている。


弾圧に屈してはならない。悪を許してはならない。




私は、このスレッドに正義の言霊を書き連ねた。

今後、悪にとり憑かれた京豚スレが現れた場合、このスレの言霊たちを思い出して欲しい。

そして、粛々と『浄化』に勤めていただきたい。繰り返すが、ふんふむは荒らしではない。

愛であり、警告であり、怒りであり、悲しみである。


淡「本物か、偽物かだなんて、どうでもいいって言った。だってさ……」

二人がいる公園。
思い出の場所である公園は、少年を裁く、法廷所と化す。
そこは、少女の……




淡「先天的であれ、後天的であれ……赤マントであることには変わりないしぃ!」ニタァ





赤マントに連れて行かれて変質した、「何か」の領域なのだ。
赤い衣を纏いて、闇色の長髪を伸ばした「赤マント」が、京太郎の前で笑った。


京太郎「あ、わい……」


京太郎は身動き一つ取れない。
それは恐怖からというよりも、悲しさから。
少女を、こんなに風に変えてしまった、自分の臆病さを呪いたくなったから。


淡「バカダヨネ。アンナ有名な怪談モ知ラズニ、答エチャッタンダモン。好キナ色」


『大星淡』の形をした赤マントは歪に笑いながら語る。


淡「皮肉ダヨネー。赤マントニ連レテ行カレテ、同ジ存在ニナッテシマッテカラ、
  ソノ情報ガ一気ニ私ノ体ニ入ッテクルノ」

彼女は、赤マントと化した者たちは、
……それだけの存在となってしまった者たちは、
人々は作り出す「赤マント」の像として、相応しい知恵と姿を身につけてしまうのだ。

噂は伝染する。
それと同時に、赤マントも数を増やしていく。
戦前に生み出された悪魔は、
闇の因子を持ってして、現在まで根を這わし続けている不死身の怪物なのだ。
それが赤マント。
目の前で笑っている少女も、同じ……。

神はふんふむに向かって言われた。

「お前は女の声に従い 取って食べるなと命じた木から食べた。お前のゆえに、土は呪われるものとなった。

お前は、生涯食べ物を得ようと苦しむ。お前に対して土は茨とあざみを生えいでさせる。野の草を食べようとするお前に。

お前は顔に汗を流してパンを得る。土に返るときまで。お前がそこから取られた土に。塵にすぎないお前は塵に返る。」

噂は伝線するとか甲田学人かよw今日豚はパクリばかりだな

小蒔「じゃあ、どうすればいいんですか!?みんなが幸せになる方法はないんですか!」

霞「速報でやれ」

小蒔「え?」

霞「速報で子ね」


淡「ネェ、キョータロー。気持チ悪イヨー。人ノ噂デ、ドンドン私ノ姿ガ変ワルノー」

噂は、変質する。
何年後先、赤マントの伝説は、まったく今とは別の形になっているかもしれない。
悪意のない、無意識の道楽は、
赤マントである少女を、無限に変質させる。


淡「モウイヤダヨコンナノー。絶対ニ許サナイ。私ヲコンナ風ニシタ赤マントヲ。噂シ続ケル人間モ。ソシテ……」


病的に白い手が、京太郎に伸びる。


淡「アナタガ、一番許セナイー!」


黒い前髪の奥で、憎悪に染まった瞳が赤く燃えていた。


淡「見捨テタクセニ。私ヲ見捨テタクセニ。テルヤ皆ト楽シソウニシテイル、アナタガ許セナイ!」


京太郎は抵抗しない。
することができない。
それは全て、少女が心の内に溜めてきた本音だから。


淡「私、好キダッタンダヨ? キョータローノコト大好キダッタカラ、コウシテ出テキタンダヨ? ナノニ……」


空が、大地が、震えた。


淡「オ前ハ、私ヲ忘レテイタ! 私以外ノ女トイチャツイテイタ! 見捨テタクセニ。見捨テタクセニ」

淡「許サナイ! 絶対ニ許サナイ!」


夕焼け空が、血のように天を赤く染める。
それはまるで、あの時赤マントに遭遇した頃のようだった。


淡「キョータローハサァ、私ガアノ時、何色ガ好キッテ言ッタカ、覚エテル? ネェ!」



そして今、赤マントとして君臨する少女は、少年に死刑宣告を与える。



淡「――キョータロハ、赤ト青、ドッチガ好キ?」



もう、
この選択からは、逃れられない。




安価↓5

1・赤
2・青
3・どれでもない
4・ここは逃げるしかない


安価決定
3・どれでもない


京太郎「どれでもない」

淡「…………ハ?」



京太郎の答えに、赤マントは素っ頓狂な声を上げた。


京太郎「俺が好きな色は、赤でも青でもないって言ってんだ」


京太郎は、少女に近寄る。
自分を殺そうとしている赤マントに。


だが、構わなかった。

一度は、失いかけた命だ。
そして結局、この命は赤マントに捧げるものらしい。

ならば、もう、いっそのこと目の前の少女に……。

だが、京太郎は嘘は言えなかった。


京太郎は少女を抱きしめた。



淡「キョー、タロ?」

京太郎「知ってるよ。お前が好きな色だなんて。だって、俺と同じだったじゃないか」



大星淡が赤マントと化してしまう前、

赤マントの問いかけに答えた、彼女の好きな色とは……





淡『赤も青も嫌い! だってあわいは……』





京太郎「金色が、好きなんだ……」

淡「ッ!?」


――それは、二人お揃いの色だから。


京太郎「……連れて行ってくれ」


瞬間、公園の風景が一変した。

夕焼けよりも深く、暗い世界に様相を変えた。



その空間で、二人の男女が抱き合っていた。

霞「彼が齎した行為によってスレに生まれた負の感情こそ、ふんふむの最大の栄養なの」

霞「きっと・・・彼がこの先何回諜報部スレを立てても、新たなふんふむが発生し、スレは完結しないでしょうね・・・」

初美「そんなー・・・あんまりなのですよー」

霞「それが、自然の摂理なのよ。仕方が無いことなの」

主なる神は言われた。

「ふんふむは我々の一人のように、善悪を知る者となった。

今は、手を伸ばして命の木からも取って食べ、永遠に生きる者となるおそれがある。」


淡「……バカ。どうして、今さら……」


暗黒に染まっていた淡の髪は、美しい金髪に戻っていく。
まるで蛍火が宿るように。

だが、少女の運命は変わらない。
変わったのは、少年の方。
同種の存在になったことで、認知感覚が合うようになっただけ。


京太郎「……最初は、認められなかったんだ」


少女と同じものと化した少年は、闇の中で自白する。


京太郎「あの時の女の子が、生きていただなんて。もし違ってたら、心が壊れてしまいそうで」

淡「きょーたろー……」

京太郎「忘れたことなんて、一度もなかったさ」


ただ、心の奥に封印していただけだ。
思い出せば思い出すほど、辛くなってしまう。
罪悪感で、死にそうになってしまう。
だが……


京太郎「もうお前が何者でも、一緒にいられるなら、もうそれでいい……」

淡「あ……」


闇の空間で、赤い衣纏った男女は、深く、深く口づけをした。
その空間だけは、おぞましいものから独立した、甘美な雰囲気を発していた。


淡「ふ、ん、ちゅ……」


欠けた時間を取り戻すように。
これからの時間を掴み取るように。
二人はいつまでも口づけをしていた。

>>218

>淡「……バカ。どうして、今さら……」
>はあ?

>暗黒に染まっていた淡の髪は、美しい金髪に戻っていく。
>まるで蛍火が宿るように。
>糸ね
>だが、少女の運命は変わらない。
>変わったのは、少年の方。
>同種の存在になったことで、認知感覚が合うようになっただけ。


>京太郎「……最初は、認められなかったんだ」
>きよえ喋るな

>少女と同じものと化した少年は、闇の中で自白する。
京太郎と淡がなんで知り合いなのか?

>京太郎「あの時の女の子が、生きていただなんて。もし違ってたら、心が壊れてしまいそうで」

>淡「きょーたろー……」

>京太郎「忘れたことなんて、一度もなかったさ」


>ただ、心の奥に封印していただけだ。
>思い出せば思い出すほど、辛くなってしまう。
>罪悪感で、死にそうになってしまう。
>だが……


>京太郎「もうお前が何者でも、一緒にいられるなら、もうそれでいい……」

>淡「あ……」


>闇の空間で、赤い衣纏った男女は、深く、深く口づけをした。
>その空間だけは、おぞましいものから独立した、甘美な雰囲気を発していた。


>淡「ふ、ん、ちゅ……」


>欠けた時間を取り戻すように。
>これからの時間を掴み取るように。
>二人はいつまでも口づけをしていた。


京豚はキモいんだよ 神聖不可侵である百合漫画の咲に手を出すんじゃねえ チンポ脳どもが
百合は神聖なもので 男は汚いの わかる? お前らのしてることは いちゃついてる女の子達に うんこ投げつけて喜んでるようなものなんだよ

あと 咲が百合漫画じゃないとか言ってる奴はアニメ見てないだろ 麻雀興味ないから 原作は知らないけど あんな百合百合してる素晴らしいアニメの原作が百合漫画じゃないわけがない それに 作者も百合好きらしいし 咲が百合漫画だというのは 紛れもない事実

それに 百合が世間ではマイナーだとか 言ってる奴がいるけど そんなわけ ねーだろ なのはやゆるゆり らきすたがどれだけ人気だとおもってんだよ こんな当たり前のことも理解できずに 性欲のためだけに喚き散らすから京豚は馬鹿にされるんだよ

結局京太郎を使って願望を満たしたいだけだからな


少年に後悔はない。

初恋の少女が何者でも、彼は幸せだった。

たとえ、自分たちが人間たちを恐れさせる、暗黒の住人なったとしても。





淡「もう、私の傍から離れないでね?」

京太郎「もう、絶対に、見捨てない。これからは、いや……」




――永遠に一緒だ……




  ◆


ねえ、知ってる? 二人組の赤マントの話。

あぁ、知ってる。夫婦で人を襲うふざけた赤マントだろ?

なんだよソレ、オバケのくせにリア充か。氏ね。

嫉妬乙。でね、その二人の赤マントはね、子供を見つけると……

赤か青が好きって聞くんだろ?

ううん。そいつらは違うらしい。なんでも……







――金色は好き? ってだけ聞くんだってさ……。





TRUE END

ふんふむは、常に正しい道を示している。


導きに背いてはならない。立ち止まってもいけない。


進め。


執行しろ。


ふんふむを信じろ。


ふんふむを信じるものは、必ず終わりの日に救われる。




─── 咲「清澄高校諜報部」 了

 ̄ ..    \    ( E)
フ ア.フ.ィ /ヽ ヽ_//
>>21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40
  ∧_∧

  (´・ω・`)     n
 ̄   ..  \    ( E)
フ ア.フ.ィ /ヽ ヽ_//

>>41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60
  ∧_∧

  (´・ω・`)     n
 ̄ ..    \    ( E)
フ ア.フ.ィ /ヽ ヽ_//

>>61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80
  ∧_∧

  (´・ω・`)     n
 ̄   ..  \    ( E)
フ ア.フ.ィ /ヽ ヽ_//

>>81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100
  ∧_∧

  (´・ω・`)     n
 ̄..     \    ( E)


以上、白糸台編でした。
途中から淡ちゃんの独壇場になってた。
あるぇ?

今回の話で一番不憫なのはてるーになってしまった。

照「京ちゃん取られた……」くすん。

さて、今回はご提案してくださいました
赤マントを採用させていただきました。
某スレの影響受けすぎてるのはご愛嬌。
ゴメンナサイ……。

さて、次の安価と言いたいところですが、
アイディアのご提案したくださった感謝の気持ちで、
一つ小ネタなどを書こうと思います。
これまで登場したキャラ、または未登場のキャラでも構いません。
+「こんな話で」、を付け足してください。
内容は問いません。本スレのコンセプトに逸れててもOK
ただし、倫理道徳に沿った内容に留めてください。

あ、ちなみにエロはおKよ?

小ネタ安価↓4

クソくだらない駄作
ヘテロ主義の権化

京豚はキモいんだよ 神聖不可侵である百合漫画の咲に手を出すんじゃねえ チンポ脳どもが
百合は神聖なもので 男は汚いの わかる? お前らのしてることは いちゃついてる女の子達に うんこ投げつけて喜んでるようなものなんだよ

あと 咲が百合漫画じゃないとか言ってる奴はアニメ見てないだろ 麻雀興味ないから 原作は知らないけど あんな百合百合してる素晴らしいアニメの原作が百合漫画じゃないわけがない それに 作者も百合好きらしいし 咲が百合漫画だというのは 紛れもない事実

それに 百合が世間ではマイナーだとか 言ってる奴がいるけど そんなわけ ねーだろ なのはやゆるゆり らきすたがどれだけ人気だとおもってんだよ こんな当たり前のことも理解できずに 性欲のためだけに喚き散らすから京豚は馬鹿にされるんだよ

神はふんふむに向かって言われた。

「お前は女の声に従い 取って食べるなと命じた木から食べた。お前のゆえに、土は呪われるものとなった。

お前は、生涯食べ物を得ようと苦しむ。お前に対して土は茨とあざみを生えいでさせる。野の草を食べようとするお前に。

お前は顔に汗を流してパンを得る。土に返るときまで。お前がそこから取られた土に。塵にすぎないお前は塵に返る。」

安価決定
姫子と京ちゃんのその後


え、エライの持ってきやがった。
正等ルートだと蛇足になりそうだから、
姫子がマトモな状態のにしますかな。


……というよりも、
もしかして姫子の形をした「ナニカ」との後日談をご所望?




とりあえず小ネタは決まりました。
でもって速報クソ重い。
時間もキリがいいんで、今夜はここまで。

皆さんお付き合いありがとうございました。

長くなりましたがこのSSはこれで終わりです。
ここまで支援、保守をしてくれた方々本当にありがとうごさいました!
パート化に至らずこのスレで完結できたのは皆さんのおかげです(正直ぎりぎりでした(汗)
今読み返すと、中盤での伏線引きやエロシーンにおける表現等、これまでの自分の作品の中では一番の出来だったと感じています。
皆さんがこのSSを読み何を思い、何を考え、どのような感情に浸れたのか、それは人それぞれだと思います。
少しでもこのSSを読んで「自分もがんばろう!」という気持ちになってくれた方がいれば嬉しいです。
長編となりましたが、ここまでお付き合い頂き本当に本当にありがとうございました。
またいつかスレを立てることがあれば、その時はまたよろしくお願いします!ではこれにて。
皆さんお疲れ様でした!

団   ユダヤの陰謀             二段階革命論     日     都市を農村で包囲せよ
結                                      和  同志!              資本論
せ   暴力装置   ヨーロッパに亡霊が出る           主            
よ                共産主義という名の亡霊である    義   第一次五カ年計画
!      自らを縛る鎖                       者              断固たる階級闘争

                    コルホーズ                 ゲバ棒
結合発展の法則  世界同時革命                   プ                 暴

                       ブ     / ̄ ̄ ̄\    ロ    無慈悲な鉄槌     力
   最終的にたどり着くのはアカ   ル    .../.\   /. \   レ                  革
                        ジ   /  <◯>  <◯>  \   タ    遊撃戦論         命
     非搾取階級           ョ   |    (__人__)    |   リ
             造反有理    ワ    \    `ー'´    /   ア        ゲリラ闘争
     地上の楽園           ジ   /             \   |
             革命の意義   |                     ト  資本主義(笑)
 10月革命                                           理性と科学に基づく社会

                       共 産 主 義 こ そ 人 類 の 理 想 ! !

神はふんふむに向かって言われた。

「お前は女の声に従い 取って食べるなと命じた木から食べた。お前のゆえに、土は呪われるものとなった。

お前は、生涯食べ物を得ようと苦しむ。お前に対して土は茨とあざみを生えいでさせる。野の草を食べようとするお前に。

お前は顔に汗を流してパンを得る。土に返るときまで。お前がそこから取られた土に。塵にすぎないお前は塵に返る。」

ただの姉妹喧嘩じゃ怖い話じゃないだろ

黒魔術で思い人を自分だけのものにする方法を試していたら
実は姉も同じ相手に同じ方法を試していて
結局姉妹仲良く思い人を「半分こ」する破目になってしまい…
みたいなホラー要素も絡めないと

長くなりましたがこのSSはこれで終わりです。
ここまで支援、保守をしてくれた方々本当にありがとうごさいました!
パート化に至らずこのスレで完結できたのは皆さんのおかげです(正直ぎりぎりでした(汗)
今読み返すと、中盤での伏線引きやエロシーンにおける表現等、これまでの自分の作品の中では一番の出来だったと感じています。
皆さんがこのSSを読み何を思い、何を考え、どのような感情に浸れたのか、それは人それぞれだと思います。
少しでもこのSSを読んで「自分もがんばろう!」という気持ちになってくれた方がいれば嬉しいです。
長編となりましたが、ここまでお付き合い頂き本当に本当にありがとうございました。
またいつかスレを立てることがあれば、その時はまたよろしくお願いします!ではこれにて。
皆さんお疲れ様でした!

コンバンワ。
今夜も暑いですね。

むっちゃ怪談したいところですが、
ちょっと必要な書類を書かなくてはなりませんので、
本日はお休みします。

とりあえず小ネタの姫子ですが、
いちゃいちゃセックルまで考えましたが、どうやら皆さんガチホラーをご所望のようなので、
やっぱりやめました。
子供も見てるかもしれないからね!

それではすみません。
丑三つ時にお気をつけてください。

和の指チュパや頬染みても立が百合好きで百合が描きたいのは事実
そのロジックには無理がある
それに少女達の物語であって京太郎物語ではない
つまりヘテロは論外

コンバンワ。
猫背を極めたせいで首がやばい。
きっと私の背中にナニカが乗っているに違いない。

猫背が治らない方、またはいつも肩が重い方も、
手遅れにならない内に「見て」もらいましょう。

>>262-266
京ちゃんの上に照が跨り、下に咲ちゃんが顔を埋めるん?(すっとぼけ)
大岡裁きと言えば、「どちらが多く母乳を出すか」って回もありましたけど、
絵にするとすごいシュールですよね。
てか「学級王ヤマザキ」でそんなシーンあった気がする。
思い出してはならないトラウマを思い出してしまった……。

色々と業が深いもの書いてしまった気がするけど、
とりあえず小ネタ投下していきますね。

 小ネタ
『姫子と京ちゃんのその後』
・京太郎視点
・微エロ注意
・キャラ崩壊注意


あの「怪物トンネル」に入ってから数日後。
恐ろしい記憶も薄れてきて、前よりも良い日常が続く中、俺達は今日も一緒にいる。


まぁ、一緒にいること事態は別にいいんだけどさ。
一応俺ら、恋人なわけだし……。

しかしだからと言って……。


姫子「京く〜ん♪ おはよ〜♪」

京太郎「また勝手に部屋に忍び込まないでくださいよ姫子さん……」


目覚めてまず感じるのは柔らかい感触と温もり。
寝ぼけた頭をさらに蕩かせるような甘い香りと、鈴を転がすような可愛らしい声。

正常な男子ならば否応なしにあの生理現象が働く時間帯に、
恋人である少女がベッドに潜り込んでいるというのは実に宜しくない。
健全的な意味合いでだ。もちろん。


姫子「ふにゅ〜♪ 京くんの香り〜♪ 京くんの感触〜♪」すりすり

京太郎「あぅ、姫子さん。朝にそんなくっついたら色々ともう……」


晴れて姫子さんと恋人になれてからと言うもの、
元から俺にべったりだった彼女はまるでタガが外れたかのように
さらに激しいスキンシップを求めてくるようになった。
朝に俺の部屋に侵入して、寝入っている俺のベッドで一緒に寝ようとするなんてザラだ。


部活の時間なんてさらにすごいもんだ。
他に部員がいるのに、平気で「京くん愛してる〜♪」とか言ってキスしようとしてくるし、
ちょっとでも具合が悪いような素振りを見せると、「京くん死んじゃらめぇ!」と大慌てで膝枕をしてくるのだ。
目立つことこの上ない。

最初こそ部員達から「滅べリア充」と冷たい視線をぶつけられていたが、
今ではもう慣れてしまったのか、堂々とイチャイチャしていても溜め息を吐かれるだけになった。

花田先輩に関してだけは「す、すばらくない!」と顔真っ赤にして叱られるが。


まぁイヤなわけじゃない。
ただ恥ずかしいだけだ。
二人きりだったら俺も姫子さんとむっちゃイチャイチャしたいし。

……だけど、姫子さんはその度合いが俺よりも過剰だ。
何だか、日に日に行為が過激にエスカレートしている気がする。
今この時も……


姫子「やん。京くんたらもうこげん硬くしてからに……」

京太郎「ひょ〜っ! ひ、姫子すわん! 京太郎の京ちゃんならぬ『京ちん(意味深)』に触れちゃいけましぇん!」

姫子「んぅ? めっちゃ期待してると違う?」さわさわ

京太郎「あ、ああああああっあああっスパークぅぅ!」テュンッ





皆さん。
俺は優良健康男児なんです。
好きな女の子。それも黒ニーソの似合う小悪魔美少女に責められてごらんなさい。
一枚の下着を無駄にしてしまうのは避けられぬことなのですよハイ。


一気に羞恥の火が燃え上がる。
だってねぇ。手だけでとか男の自信というかね。
それも好きな人の前で。
情けねぇっすよホンマ。


姫子「あう、京くん? 怒っとると?」


ブルーになっている俺に姫子さんが心配の声をかけてくる。
いや、怒っているわけじゃないんですよ。
ただこういうことに慣れていない自分が情けなくてですね。


……まぁ、場数踏んでないからしょうがないんですけど……。
ていうか経験ねえし。


恋人がいるのに未だにチェリーな身分でいることに、より悲しさ倍増。


姫子「……私京くんを傷つけてしまったと……。うん。こげんなったらお詫びに……」


落ち込む俺を見て姫子さんは罪悪感が湧いたのか、


姫子「京くん。仕返しに私のこと虐めてよかよ?」

京太郎「ぶっ!」


とんでもないことを言い出した。

いや、別にこういうことは初めてじゃなかったりする。
あのトンネルの事件があってから、姫子さんは罪悪感が抜けないのか
度々俺に仕置きのような行為を求めてくる。
でも今まではさり気なーくそれらしきことを口で仄めかしていただけで、
こんな直球に言い出したのは今日が初めてだ。


京太郎「いや、俺はそこまで求めては……」

姫子「ダメばい。京くんはイケナイ私のこと叱らんといかんとよ」


断りを入れようとするものの、姫子さんってばすでにスタンバイOKな状態。
火照った顔に、どこか期待を込めた瞳でハァハァしているではないか。
……もしかして、姫子さん単に俺にイジられたいだけ?


姫子「京くん……イケナイ私に、意地悪して? お仕置きして?」


ころりんとベッドに転がり、制服姿の身を、無防備で俺の目の前に曝す。
普段自分が使っているベッドで、
発情したような顔で寝転がる制服美少女を見て、ときめかない男がいようか。


京太郎「いやいない」


というわけで、
俺の脆い理性、呆気なくプッツン。


京太郎「健康男児を舐めとるんかおんどりゃー!」

姫子「きゃあ〜ん♪」


我、煩悩の塊となる。
獣化だ。ビーストモードだ。


姫子「ひゃぁん、京くん、そげんとこ舐めんでぇ……」とろん

京太郎「否! 愛ある限り、この舌は止まらん! 止まりはせんよはむちゅペロペロ!」

姫子「きゃぁ♪ ケダモノさんばぁい♪」


愛しい恋人の若々しい身体を徹底的にむしゃぶりつきますよワタクシ。
姫子さんペロペロである。

あぁ、しかし不思議なものだ。
あれほどおもちに拘っていたはずの俺が、
逆に控えめな女の子に対してここまでケダモノと化してしまうとは……。
人間の可能性って計り知れないね!


京太郎「姫子さん! 姫子すわん! 最早姫子たん! かわいい! かわゆすぎて僕はもう……!」

姫子「ふにゃぁん! 太ももにぃ、太ももに硬いの擦りついてるぅ〜! 何これぇ♪」

京太郎「あざといな姫子たん! さっきアナタが『テュン』させたものだよ!」

しかしこうして触れてみると、
姫子さんの身体ってむっちゃ、柔らかああああぁい!
しかも控えめかと思ってたけど、ダイレクトに揉んでみると結構あったね! 
ゴメンね姫子たん! 着痩せるんだね!?

でもって、エロイよ太もも!
ミニスカに黒ニーソって反則だってばよ!
もう何言ってるか意味わからんくらい魅力的だよ!
肌色と黒のコントラストがこんなにすっばらしいとは思わなかったよ!


姫子「ふみゃぁああ……京くんに触られたり舐められたりで、私。もう……」

京太郎「ひ、姫子たん? ……ぬおおおおおっ、こ、これはぁーーっ!!」


お初にお目にかかります!
女子特有のFOUNTAIN!

やった。
ラ○ュタだ! ラ○ュタは本当にあったんだ!
やったよお父さん!


姫子「京く〜ん。私切ない……。もっと、もっと激しく……激しく虐めて……」

京太郎「ひ、姫子たん! しかし、そうしてしまったら俺はもう……」

姫子「遠慮せんで? 私……京くんなら……うぅん……」




――京くんじゃなきゃ、ダメばい……。


その言葉に、俺の脳内はすべて白色に染まった。



京太郎「キャストオーーーフッ!!」



最早俺達を阻むものはなかった。
良識も理性も吹っ飛ばした。



ついでに衣服も吹っ飛ばした。



時間なんて知ったことじゃない。
この空間は俺達に与えられたエデン。
正にアダムとイヴ状態。
ところで神話ってよく考えるとなんかエロいの多いよね?




姫子「京くん!」

京太郎「姫子さん!」

姫子「○×△□◆▼っ!!」

京太郎「♪?★÷※ーーーーーっ!!」


言葉にもならない感動と愛しさに包まれて、
ただ深く快楽の波に沈んでいった。




この日、
ぼくぁは最愛の人と大人になりよったんつぇ。

ちゃんちゃん。

イザナミが現世に帰れなかったのは黄泉の国の食物を口にした為…
これで京太郎もトンネルに潜んでいた何かの仲間入りか


マダオワッテナイデスヨ?





http://www.youtube.com/watch?v=G35DF7WthNY


少女は叫ぶ。
暗く、冷たい場所に囚われながら、叫び続ける。














――そいつは……ソレは自分じゃないんだと。


しかし、彼女の知り合い達はソレを彼女本人と疑わない。
少女の知り合い達がその異変に気づかないのは、
恐らく自分達が記憶している「鶴田姫子」の姿を、ソレを通して再構成しているからだ。

それを可能にできる力を、「鶴田姫子」の形をしたナニカは持っている。


ソレが「鶴田姫子」と名乗れば、彼女を知る者達は、
何の違和感を抱くこともなく、今まで通りに接するのだろう。


だから、彼女と初対面になった者は、
もしかしたら知人とは別の姿をした「鶴田姫子」を見るかもしれない。

やがて彼女の容姿について話が噛み合わない事態が起きるだろう。

……だが、それすらも「鶴田姫子」の形をしたナニカは認識を修正するに違いない。


自分の今の居場所を守るために……。



――返して……


少女は暗黒の世界で懇願する。
愛しい人と過ごすを日々を……。
自分が手にするはずだった日常を返せと。


ソレは少女の願いを聞いて言う。



――……ダ〜メェーー



歪に口を歪めながら、最愛の少年と繋がったまま、
明らかな悪意と嘲笑を含んで切り捨てる。





――心配しなくていいよ『私』? 『私』がこの人を愛してあげる。この人の赤ちゃんを産んであげる。


やめて、と暗黒の鎖に繋がれた少女は泣く。懇願する。
「自分」の姿をしたソレはさらに笑う。


――きっと、かわいい赤ちゃんが産まれるだろうね。たっくさんたくさん産もうね。


イヤ、イヤだ。
取らないで。
私の最愛の人を。
その場所を奪わないで!



いくら泣いても、もう事態は取り返しのつかないところまで進んでいた。


後戻りは、もうできない。


人間の因子と闇の因子は直結し、産まれてはならない存在の鼓動をその体内で響かせる。


――たくさん赤ちゃんが産まれたら、またそっちに帰ってあげるよ? ……この人を連れてね。クスクス。


それは、「本物の鶴田姫子」にとって、最低で最悪の宣告だった。


――それまでは、遊んであげてね? そのトンネルの中の皆と……。


蛇のように絡みつく闇の綱は、絶望して虚ろに泣く少女の身を黒く覆っていった。



トンネルを抜け出た「今の鶴田姫子」の姿を見た時、
ある者は恐怖に慄き、やがて発狂してイカレタ笑いを上げながら死滅するだろう。




それはきっと、ソレの本来の姿を見てしまった悲劇なのだ……。



〈了〉

はい、(怪談的)に完璧なハッピーエンドだったね!
怪談のコンセプトを守りつつ姫子ちゃんとイチャラブできたんだから、
皆ウルトラハッピーに違いない。

ちなみに「沙耶の唄」は私の中で最高傑作の恋愛物。

姫子(仮)さんは都市伝説的な何かではなく、クトゥルフ的な何かだったでござる。

さてと小ネタも終わったんで
次の高校の安価と行きましょう。

一緒に怪談をしたい高校を決めてください。
すでに話で登場した高校は無効です。

安価↓5

淡=赤マント
姫様=姦姦蛇羅
姉帯さん=八尺様
姫子(仮)=沙耶さんの眷属?
で京太郎を賭けた闘牌が浮かんだ。

安価決定
永水女子となりました。

アカン。これはガチや(震え声)。
それではまたプロットと怪談を組み立てます。
恐らく次は休日の更新になるかと思います。

後「せっかく巫女さん軍団とヤルのだからこの話を使おうぜ」
みたいなネタがありましたら、参考にして検討いたしますのでお気軽にどうぞ。

姫様に似合いそうなのは、姦姦蛇羅、巣くうものかな。

ふんふむ。
巫女さんや鹿児島は怪談の宝庫やね。

じゃ明日も早いので本日はここまで。
お付き合いありがとうございました。

宮守は八尺様(かわいい)でほぼ固定なのがなんとも。

乙ー小ネタエロかったし可愛かったし怖かったです
でも、これ逆に考えれば、トンネルに戻った後、京太郎って偽姫子ちゃんと姫子ちゃんとでハーレムになるんじゃないだろうか

>>325
偽哩と本物姫子ちゃんのクソ濃厚なレズプレイ見せつけられながらの、偽姫子ちゃんに犯される上級プレイもアリだね

哩も連れてこう(提案)

??「京ちゃんとハギヨシさんを連れてけば、クソ濃厚なオスプレイが見れるねキュフフ」

更新しようかと思ったらVIPに不具合っていうね。
そして私の身体も不具合でした。
病院ってやだね。薄暗いし、陰気で。
隣の人もずっとイライラしてて怖かったし。

正直ダメかと思った。
本気で怪談やり過ぎちゃったせいかと。
でも無事帰宅。
というわけで更新していきますね。

……そういえば、後から看護師さんから聞いたんですが、
私がいた病室って、私一人しかいなかったらしい。


ずっと隣でイライラしていた人って……。

間違えてsageちゃった失礼。


雨が降っている。

厚く薄暗い雲から、ざーざーと雫が滝のように落ちてくる。

あまりに薄暗い。

曇っているせいなのか、夜だからなのか。

それすらもわからない。

なぜ自分はこんな土砂降りの中を歩いているのだろう。

傘も差さずに。濡れてしまうではないか。

風邪をひいてしまう。

……だが、不思議といらないと思ってしまう。

だって、こんなにも身体が熱いのだ。

燃えるように熱い。

あぁ、熱い熱い。喉が溶けそうだ。

水が欲しい。

雨水でも構わないが、腹はくだしたくない。

どこかで水を貰えないだろうか。

そもそもここはどこだろう?

どこに向かって歩けばいいのかわからない。

とりあえず歩いてみた。


歩いていると、神社が見えた。

立派な神社だ。


入り口に美しい少女が立っていた。

幼い顔立ちにも関わらず、思わず唾を飲み込むような、たわわな体つきをしている。

どうやら、この神社の巫女らしい。

巫女の少女は、こちらに視線を配ると、にこりと小さく微笑んだ。


――こんな雨の中、傘も差さずにいたら、いけませんよ?


少女はこちらの身を案じてくれる。

優しい娘だ。


大丈夫です、と答える。

身体が、すごく熱いんです。ずっと雨に打たれていたいほど。


――まぁ、そうでしたか。でも、やはり濡れたままではいけません。どうぞこちらに。


巫女の少女に境内へ案内される。

扉を開けると、そこには四人の巫女がいた。


――この方を、雨宿りさせてあげてください。


中の四人は快く頷いた。

ひどく熱がっていることも同時に伝える。

巫女の中でも一番大人びている者が口を開く。


――まぁまぁ。あいにく涼む機械がございませんの。


気にしない、と言ったが、室内に入ったせいで、さらに熱さが増してしまった。

あぁ、熱い。溶けてしまいそうだ。


――これは大変。


巫女たちは思案する。

そして一つの提案をした。


――では、涼むために、皆で怪談をしましょう。きっと、涼しくなりますわ。


六人で輪を作り、それぞれ怖い話をすることになった。

どうして急に、こんなことなってしまったのか。

しかしどうでもいいと思った。

とにかく、涼めるなら、なんでもいい……。

そしてなにより……。


――うふふ。遊びましょう。逞しい殿方……。


こんなにも美しい女性たちに囲まれているのだ。なんて幸福なことか……。







京太郎「……むふふ。おもちがいっぱい。綺麗だなぁ、大好きさー」

小蒔「京太郎さまー。起きてくださいなー」ゆさゆさ

京太郎「むにゃ? おや、こんなところに白桃が」むにゅ

小蒔「ひゃぁん!? きょ、京太郎さまぁ!?」あせあせ

京太郎「むっ!? こ、この手に広がる温かく超柔らかいものは、もしや……」ふにゅん

小蒔「あぅ、ダ、ダメぇ……」どたぷん

京太郎「や、やったぞぉ!! さんざんロクな目に遭ってない気がする中、とうとう俺は夢を叶えた!」もにゅもにゅ

京太郎「あぁぁあっ! やわっこいなぁ! これがおもちの感触かぁ!」むにむにむに

小蒔「んっ! い、いけません、こんにゃことぉ、やぁん……」とろり

京太郎「か、感じてらっしゃる!? こ、小蒔さんが俺の手で悶えている!?」

京太郎「なんというすばら! 人生まだ捨てたもんじゃないね! やったよ霞さん! 一人でできるもん!」もみもみもみ

霞「あら、須賀君は教育TVでそんな破廉恥なものを放送する気かしら?」

京太郎「」

京太郎(モウダメダーオシマイダー。グッバイマイゴールデンボール)

小蒔「か、霞ちゃん。きょ、京太郎さまは寝ぼけていただけだから、お、怒らないであげてー」はぁはぁ

霞「あらあら、小蒔ちゃんは相変わらず須賀君に甘いわねー」

霞(そんなとろんとした顔で言われたら断れないじゃないの……)うっとり

京太郎「タ、タスカッタノカ? イヤ、マサカ……」

霞「須賀君。姫様のご厚意で助かったのだから、それ以上に意味あり気なことを言うのはやめなさい」ワキワキ

京太郎「ひいぃ! ごめんなさぁい!」

小蒔「はぁはぁ……もうちょっと、やって欲しかったなぁ……」ドキドキ


京太郎「と、ところで、小蒔さんは何の御用だったんですか?」

小蒔「あ、はい。いつものをしようと思いまして、お声をかけしました」

京太郎「いつもの? はて、なんでしたっけ? 俺と小蒔さんがきゃっきゃっウフフすることでしたっけ?」

小蒔「えぇ!? ち、違いますよぉ! ……そういうことは二人きりの時に……」もじもじ

霞「須賀君、その歳で健忘症かしら? 毎日皆としていることを忘れたの?」

京太郎「毎日!? あんなすばらな美少女たちと毎日!? 俺ってばいつのまにかそんなハーレム王に……」

霞「冗談でも小蒔ちゃんの前でそんなこと言うと許さないわよ?」ニコッ

京太郎「すみません……」

霞(まったく、相変わらず色欲に目がない子。それがなければ『よかにせ』なのに……)

霞「とりあえず、行きましょう。もう皆準備して待っていますから」

霞「では、今日も始めましょうね……」


――怖ぁい、怪談を……。


京太郎(……不思議だなぁ)

京太郎は思う。なぜ自分たちは毎日のように怪談などをしているのだろう。
だがそんな疑問も、すぐに消える。不思議とどうでもよくなってしまうのだ。

京太郎(まぁ、いいか。だって……)

一室にはいつものメンバーが揃っている。
彼女たちの美しい容姿を見て思う。

京太郎(こんなに美人たちと、一緒に遊べるなら……)

細かいことはどうでもいいことだ、本気でそう考えてしまう。



初美「来ましたねキョウタロー。それじゃロウソクに火を着けるですー」

京太郎「本格的ですね初美さん。あと見えそうなんでそんなに屈まないでください」

初美「やぁんですぅ。キョウタローのエッチー、ですぅ♪」フリフリ

京太郎(エッチなのはそんな格好してる初美さんだっつの)目逸らし


これでおもちがあったら即死であった。
小蒔や霞にして欲しいなと内心で激しく思う京太郎。


京太郎「あのダイナマイツボディに初美さんのような巫女服……ぐへへ」

初美「人が露骨に誘惑してるのに、この鈍感野郎はですぅ……」

春「ドンマイ」肩ポン

初美「……」じーっ

春「?」ぽよん

初美「ちくしょうーですぅ……」

巴「悩むなハッちゃん。中途半端な私より需要はあるさ……」普乳


初美「むきーですぅ。こうなったらすっごく怖い話をして、キョウタローを震え上がらせてやるですぅ」


そうして怪談が始まる。
四方にロウソクを立て、盆に水を用意し、襖を開けて風を入れる。
皿に土を乗せて、部屋の真ん中には鏡を用意する。
これでお膳立ては整った。悪しきものも、これで招かれることはない。
あくまで、外側にいるものだけは……。


初美「では怪談を始めるですぅ」


ロウソクを立てた傍に、一人ひとりが座る。
しかしロウソクは四本しかないので、残り二人は余る形になる。

京太郎「春は怪談しないの?」

春「お話、上手じゃないし。それに……」


――四人が話さないと、『四界』が完成しない。


京太郎(? 専門用語言われても俺にはチンプンカンプンだ)

春「それに、私には私の役割があるから」

京太郎「あ、そなの?」

春「こうして京太郎を抑える役……」ふにゅ

京太郎「っ!?」

京太郎(春が俺の腕を掴んで……お、おもちがぁ! 霞さんや小蒔さんほどじゃないけど立派なおもちがぁ!)

春「ご不満?」もにゅん

京太郎「全然オッケーっす!」

京太郎(すばらっ! さすがおもち平均率が高い永水女子! 我、五度目の転生にして桃源郷に辿り着いた也!)

初美「イチャイチャしてねえでさっさと始めるですぅ……」イライラ

小蒔「むぅ……」ほっぺぷぅ



四つの灯の中、艶やかな女性の口から、戦慄するような物語が語られていく。
一人が話せば、その隣の者が。その者が話せば、次の者へ、周回していく。
それを繰り返して、四度目の周回となる。


霞「それじゃ、これが私の最後のお話。『磯女』というものをご存じかしら?」


磯女。

九州地方に広く伝わる女の物の怪よ。

上半身は人間の女性なのだけれど、その下は幽霊のようにぼやけていて、足がない。

最近では、蛇のようになっている、というほうが有名なのかしら。

この物の怪はね、沿岸付近に現れては、海岸を歩く男を誘惑して、そのまま食い殺してしまうの。

人魚みたい?

確かにそうね。

お伽噺では、人魚ってかわいらしい存在だけれど、妖怪としての人魚は恐ろしい存在よ。

その美貌と美声で男を誘い出し、とつぜん奇声を発して、海に引きずり落とし、生き血を吸いだす。

磯女は、髪で絡め取って、毛先から血を吸うらしいわ。怖いわね。

こういうことから、磯女が現れる土地では、海岸を歩くとき、決して美人がいても近づいてはならないと言われているわ。

ただの迷信?

あら、須賀君は意外とリアリストなのね。

でもね、須賀君。迷信には、迷信なりに、生まれる理由や原因があるのよ?

この磯女の話はね、言わば安易に女の誘惑に乗ってはいけないという戒めがあるのよ。

ほら、薩摩の殿方って、色事に関しては厳しかったって言われていたでしょ?

彼らは、女が怖い存在だと知っていたのよ。例え妖怪じゃない、ただの人間であっても。

……いえ、人間だからこそ恐ろしかったんでしょうね。

この磯女には、モデルとなった一人の女性がいたの。

彼女は、人間離れした美貌を持っていた。

そして男を誘惑しては、自分のために死んでくれと頼むような、気の狂った性癖を持っていたの。

彼女に魅了された男は、喜んで彼女のために身を捧げた。それでなにか見返りがあるわけでもないのに。

でもそんな疑問も消えてしまうほど、男たちは彼女の美貌に酔ってしまうの。

そうして海に身を投げる男を見ては、彼女は忘我の境地に至るの。それが磯女の原型って言われてる……。

作り話?

うふふ。そう思うのなら、そう思って構わないわ。

だってただの迷信のなのだから、それを嘘か、真実と受け取るかは、人の自由よ。


須賀君。顔色悪いわね。

もしかして、女の人絡みで、イヤな思い出でもあったのかしら?

クスクス……。



フッ。

霞が四つ目の話を終えたので、ロウソクの火が一つ消えた。

残り、三つ。


初美「それじゃ次はハッちゃんが話すですー」

初美「妖怪の話をされたので、ハッちゃんも鹿児島に伝わる妖怪のことを話しましょうー」


ハッちゃんがよく知っているのは、奄美大島に伝わる『片耳豚(かたきらうわ』ですー。

名前の通り豚の妖怪です。

これだとあんまり怖い印象はありませんねー。でもとってもおっかない妖怪なのですよー。

特に殿方にとってはね。クスクス。

この妖怪はですね、ウサギのようにぴょんぴょんと跳ねて、すごく素早く動くのですー。

もしもその珍妙な動きをして、片耳のない豚を見た人は、すぐに足を閉じるのです。

なぜかって? 


その妖怪に股をくぐられると、魂を奪われて死んでしまうからです。


随分凶悪な豚さんですよねー。

でももっと怖いのはですね、仮に命は助かっても、くぐり抜かれた瞬間、その人の性器は損傷してしまうのです。

女性であれば、子供はもう生めない。

男性なら、一生腑抜けですー。


……うふふ、これなら死んだほうがマシですか?

こんなに怖い豚さんはですね、名前のように片方耳が欠けているのですが、

話によっては、目や体の一部がどこか欠けているとも言われています。

このことから、、とにかくどこか欠損している豚を見たら、人は足を閉じて、股をくぐられないようにしているんです。

……うふふ。怖いですかキョウタロー? そんなにお股押さえちゃってかわいいですぅ。

でもね、キョウタロー。ハッちゃんがこんな怖い話をするのは、忠告でもあるからなんですよー。

昔にですね、女遊びをしまくってお咎めを受けたお侍さんがいたのです。

薩摩の武士はとにかく色恋沙汰には厳しいですから。

でも腕の立つ武士でしたので、貴重な戦力を失うことはしたくない。

ちょうど重要な戦をしていましたですし。




だからですね、二度と女と遊べないように、切っちゃったんですよ。大事なもの。


これで女遊びしたくても、できなくなりました。

これによって気が狂ってしまったそのお侍さんは、戦の場で相手の股を切り上げる『逆風』ばかりをやっていたんだとか。

お前も俺と同じ気持ちを味わえ、とザックザクと下から斬り上げる、斬り上げる。

片腕が跳ね飛んだり、足が無くなっても、這いずるように動いては、相手の股をくぐて、刀を振るったんですって。

余程悔しかったんでしょうねー。

そして、その死にかけたお侍さんの発する苦しそうな声が、

豚のようであったとのことから、片耳豚の原型となったのではないかと言われています……。


……あらら? キョウタローってば耳を塞いじゃってますー。

もう、ほんと可愛いですねー。

そんな震える顔見たらゾクゾクしちゃいますー。

……ハイハイ。わかりましたよ。もうこれ以上お股が痛くなるような話はしませんから。

だから姫様もそんな怖い顔しないでほしいですー。


でもね、キョウタロー。さっき言ったことは忘れない欲しいですー。

あんまり女の人にデレデレして遊びが過ぎると、女の人の嫉妬で、さっくりと……。



フッ。

初美が四つ目の話を終えたので、ロウソクの火が一つ消えた。

残り、二つ。


巴「はぁ〜。男の人にとってはとても怖い話だったね〜」

巴「それじゃ次は私だね。と言っても、実は私も妖怪ネタしか残っていないんだよね」

巴「あぁ大丈夫。ハッちゃんみたいに痛い話じゃないから」

巴「漫画でもアニメでも超有名になったアレだよ」


一反木綿(いったんもめん)

創作話じゃ、正義の妖怪って立場になってるけどさ、実は結構おっかない妖怪なんだよね。

その姿はもちろん、白い木綿のようなもので、長さは十メートル、横幅三十センチ。

これがちょうど『約一反』っていう単位でね、名前の通りになるわけ。

なんか怖いよね、具体的な数字があるっていうのは。



まるで、本当にいるみたいで。



……でもね、一反木綿は、実際によく目撃されている妖怪なんだって。

低空を飛ぶ白い物体。伝承地であるここで、何人もの住人が見たんだって。

新幹線と併走して猛スピードで飛ぶ布みたいなものも有名だよ。乗客の人が本当に見たんだって。

ただの布?

まぁそれ言ったらおしまいだけどさ。

でもね、現地の人にとっては、特に子供にとっては一反木綿って恐怖の象徴なんだ。

いるか、いなかって話になると、かなり真剣になる。


昔はね、夜遅くまで遊ぶ子供たちに「早く帰ってこないと、一反木綿が出るぞ」って脅してたんだって。

農業で忙しいから、子供の面倒を見れなかったんだよね。だからそういう戒めを作った。

でも、ただの空想話で脅していたわけじゃない。実際あったことだから引き合いに出しているの。



一反木綿はね、子供を布で包んで、そのままどこか遠くへ連れて行ってしまうの。

空彼方までね。

一反木綿が空を飛んでいると、必ず子供一人が行方知れずになっていたんですって。

だから、誘拐事件なんかがあると、昔の人は一反木綿の仕業って言っていた。

まぁ、本当に空を飛んで連れて行ってしまったのかはわからないけど。

布に包んで誘拐するなら人間でもできるしね。

でも、現地の人は一反木綿の仕業って頑なに言うんだ。

それはやっぱり、何度も目撃されているからなんだろうね。

今でも目撃されるらしいよ?

UFOを撮影しに来た若者たちが、代わりに三十メートルもの一反木綿を撮ったとかね。

あれ? 京太郎君、この話もそんなに怖いの?

意外と怖がりなんだね。そんなに、はるるにしがみ付いちゃって。

あはは、ほら姫様が羨ましそうに見てるよ?

……え? 怖いのは一反木綿じゃない?




……あぁ、もしかして……。


『誘拐』って、言葉が怖かったのかな?



フッ。

巴が四つ目の話を終えたので、ロウソクの火が一つ消えた。

残り、一つ。



小蒔「えと、それでは、小蒔が最後のお話をさせていただきます……」


そう言う小蒔だが、いつまでも語りを始めなかった。

躊躇うように俯いている。

まるで、何かの終わりを惜しむような、そんな悲しげな表情をしていた。


霞「小蒔ちゃん」


霞が静かに叱咤をする。

小蒔はわかっていると言うように、瞳に涙を溜めながら、頷いた。


小蒔「私が今からお話しするのは、昔、薩摩で起こった悲しいお話です」


話が始まった瞬間、京太郎は小蒔の心の声を聞いた気がした。


――これで、さよならです……。


と。


昔、薩摩には『ひえもんとり』というものがありました。

これは、いわゆる一つの刑罰でした。

霞ちゃんや初美ちゃんの話でもありましたが、薩摩の武士は、とにかく人一倍武の気風が強かったんです。

異常と言えるほどの……。

薩摩の武士は、常々度胸試しをしたと言います。

例えば、皆が車座になって座り、中央で火の着いた火縄銃を天井から吊るしてくるくる回すんです。

いつ発砲されるかわからない。そんな場所にずっと座っていることができるか。

そういう訓練をしていたんです。命がけの度胸試しが彼らの日常でした。

そして、少しでも武士らしからぬ卑怯な振る舞いが見られた者は、

今で言う胴上げのようなことをされ、地面に叩き付けられるんです。

女性と立ち話をしても、同じでした。

女と話すとは、薩摩男児の風上に置けない奴だと、死刑にするんです。

その死刑が、ひえもんとりと呼ばれます。

刑罰の決まった方を、武士のみなが寄ってたかって、試し斬りをするんです。

そして生きたまま引きずり出された肝を、武士の者たちに食べさせるんです。

お前たちも逃げれば、こうなるぞ、と言い含めるんです。


京太郎「……」


死刑。
生き肝。


京太郎「あ、あぁ……」


小蒔「なんて、残酷な話でしょう。少し、女の方と、お話をしていただけなのに……」


女。
磯女のような女性に。
誘惑された。
いや、ただ話しかけられただけだ。


小蒔「お侍さんでも、恋をしたいと思うものなのに……」


恋。
愛した女性がいた。
皆にバレた。
斬られた。
男のものを。
皆の前で吊るして。
許せない。
片耳豚になってしまいたかった。


小蒔「もしも、薩摩の武士にならなければ、幸せになれた方もいたでしょうに」


武士になった。
なりたくなかった。
連れていかれなければ。
布に包まれて、攫われなければ。
一反木綿のせいにせず、皆が探してくれたなら。



京太郎「あ。あぁ。あぁああああっ」

小蒔「これで、私の話は……」


――終わりです……。


フッ。

小蒔が四つ目の話を終えたので、最後のロウソクの火が消えた。

部屋が、真っ暗になった。

その中で……


――……ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!


少年の……少年の形をしたナニカが咆哮を上げた。


『四界』と呼ばれるものがある。

四本のロウソクで作った一つの結界である。

四という数字は冥界に通じる数とされている。

『四界』は『死界』とも言われるのだ。

この結界の中で、四巡して怖い話をすると、百物語の略式として、同じ現象が起きるという。



……すなわち、死の世界との、パスが通るのだ。


この、内部に限って。



ウオオオオァアアアアアアァァッ!!



四界の中で、一匹の獣が吼える。

それは、先ほどまで少年だったもの。だが、どこにもその面影は見当たらない。

身体のあちこちが、刃物で斬りつけられたように抉れている。

抉れた傷口から、臓器が溢れている。

辛うじて残っている皮膚は、ひどい火傷によって、ぶくぶくと膨れ上がっている。

とても人の姿には見えなかった。

身が凍りつくような奇声。

地獄の穴を空けたように、黒い口から怨みの咆哮が上がっている。


京太郎「あぁああっ、熱いぃいいっ! 身体がぁ、身体が燃えるぅうううっ!!」

霞「ようやく本性が顕れたわね」

初美「はるる。離しちゃダメですよ」

春「わかってる……」


突然肉体が変貌した京太郎の身体を、春が押さえつけている。
物理的にではなく、霊的な力によって。


巴「祓いの準備を。さっ、姫様」

小蒔「はい……」


小蒔が変貌した京太郎の前に出る。


京太郎「小蒔、さん。助けて……熱い、苦しい、死ぬ……」

小蒔「……京太郎さん」


小蒔に向けて伸ばす異形の手を、彼女は優しく受け止めた。
しかし、小蒔は厳しい表情で、しかし辛そうな色を滲ませながら、言った。


小蒔「京太郎さん。あなたはもう……」




――この世にいない方なのです……。


小蒔の言葉で、彼はすべてを思い出した。

自分は普通の農家の息子だった。

しかし、その整った容姿から、薩摩の武士に目を付けられた。

女にはうるさい薩摩藩士。しかし、男同士ならば男らしいと推奨されていた。

その武士がたまたま男児を好んでいたのが、運のつきだった。


――お前は、某が立派に育ててやる。


下卑た笑みで、布に包まれた。

きっともう帰れない。

少年は確信した。

きっと村では、一反木綿の仕業と決めつけて、探してさえくれないだろう。

少年はその男のもとで暮らすことになった。

修行は辛かった。

だがそれ以上に、夜の奉仕が辛かった。

あんなことをするなら、死んだほうがマシだ。

だから女を求めた。美しい女だった。

人格など関係なく惚れた。

女の柔肌とは、なんて素晴らしいものなのか。

このまま女と逃げて、一生その暖かさを感じていたかった。

だが、醜い野獣の鎖から逃れる術はなかった。


――お前は、某の愛を裏切った。


愛であろうと、そんな歪んだものはいらなかった。

斬って、斬られまくった。

生きたまた臓物を引きずり出される感触。

ものが斬り落とされる喪失感。

辛い。

ただひたすら辛い。

そして悲しい。


喰らっている。

野獣どもが嘲笑しながら生け肝を貪っている。

そして、最後には焼かれた。

内部が燃える激痛。

そんなにも苦しいのに、なかなか死ねない。

なんで、こんな残酷な死に方をしなければならないのだろう。

自分は、ただ普通の暮らしをしたかっただけなのに……。








呪ッテヤル。

コイツラ全員、呪ッテ、呪ッテ、呪ッテ……

呪イコロシテヤル!



野獣どもは呆気なく死んだ。

笑ってしまう。

奴らに度胸などない。

あるのはただケダモノのような欲望だけだった。

斬って殺し、悲鳴を楽しみ、か弱い男を貪る。

滅びるべきだったのだ。

だからこれでいい。

思い残すことはないと思った。


だが、あの女性のことだけが心残りだ。

まだ彷徨う。

愛しい女性に会いに行くため。

そうして旅をして、この神社に辿り着いた。


小蒔「京太郎さん。あなたはもう、この世にいないんです」


小蒔は重ねて言った。

少年を説得するために。


小蒔「でも、あなたはそれを忘れていた。自覚のないまま、ここを彷徨っていたんです」


幽霊は、自分が死んだことを認識できてないことが、よくあるという。


小蒔「辛い過去があるせいで、思い出したくなかったのでしょう。でも、このまま彷徨ったままでは……」


――あなたは、いつまでも報われない……。


京太郎「……」


京太郎は……京太郎という名の霊体は、ただ呆然としていた。


京太郎「死んでいる?」


自分が、もう死んでいる。


霞「事実よ」

巴「あなたを認識できるのは、巫女である私たちだけ」

初美「あなたは私たちと意志疎通をすることで、より自分が生きた人間だと思いこんでしまった」

春「死んでいるにも関わらず」

京太郎「そ、んな……」


そんなこと、ありえない。

だって、これまで自分たちは、ずっと一緒にいたではないか。

名前を呼び合って、仲良くしていたではないか。

一緒に怪談もしたじゃないか。


京太郎(……それって、いつから?)


京太郎は気づく。

自分はいつからここにいて、彼女たちと過ごしていたのだろう。

なぜ怪談をし続けていることに、疑問を覚えなかったのだろう。


霞「ここに迷い込んだあなたと、数日間過ごしたのは本当の話」

巴「知人のふりをして、その心象を知ろうと思ったの」

初美「そして薩摩藩士の亡霊と知り、私たちはそれを思い出させようとした」

春「怪談を使って……」


この数日、彼女たちは何度も今日のような怪談をしている。

それは死の世界に繋げるための儀式。

そして京太郎の記憶を蘇らせるための手段だった。


霞「あなたに縁のある話を引っ張ってきて、とにかくあなたを刺激した」

巴「そして四回目にして、あなたは自分のことを思い出した」

初美「忌々しい、薩摩藩での記憶を……」

春「それが真実……」

京太郎「……あぁ」


自分はこの世の者ではない。未練がましくこの世を彷徨う亡霊。

ニセモノだった。

皆と過ごした時間は、全部、ニセモノだった。


京太郎「俺は……俺は……」


ただ、幸せに暮らしたかったのに。

それは、ここなら可能だ思った。

でも全部マヤカシだった。

生きる人間にとって、幽霊が非現実な存在のように、幽霊にとっても、生ける者の世界はもう現実ではない。



http://www.youtube.com/watch?v=vsQKFvE8GQE


――自分は、ここにいてはならない。


どうしようもない疎外感。

だが、それが正しいのだ。それが在るべき姿なのだ。

ならば……


京太郎「……わかった」


潔く、消えよう。

それが、彼女たちの望みならば……。


小蒔「京太郎様!」

京太郎「え?」


意識が闇に沈もうとする中、小蒔の切なげな声に呼び止められた。


小蒔「私は、あなたと過ごせて幸せでした。たとえ、短い間でも、あなたの優しさに触れることができて」

小蒔「あなたは、本当はそんな恐ろしい存在じゃない。とても、心の温かい方だったはずです」

京太郎「小蒔、さん……」

小蒔「だから、お願い。もう、この世を怨まないで。穏やかなあなたのまま、成仏して……」


小蒔は泣いていた。

彼の悲しい過去を知っていたから。

だがなによりも、少年としての彼と接して、その優しさを知ったから。

それは、他の巫女も同じだった。


霞「私も、もしもあなたが生きた子であったら、本気で落としていたかも」

巴「短い間でしたが、私も楽しかった」

初美「ハッちゃんもです。本当はもっと一緒にいたいぐらい。それだけキョウタローは『よかにせ』なんですよ?」グスッ

春「罪作りな人……」うる


少女たちの思いが、祝詞となって少年の心に届く。

それは、焼け爛れた傷を、優しく癒していった。

あぁ、自分は、なんて幸福者なんだ。

そう思うことができた。


京太郎「……」


もう、思いの残すことはないではないか。

こんなにも美しい女性たちが、自分のために泣いてくれるのだから。

自分が去っても、覚えていてくれる人がいる。


京太郎(充分だ、それで……)


京太郎は、頬が綻ぶのを感じながら、その身を粒子のごとく拡散させていった。

それはゆっくりと、天に昇っていく。


京太郎「小蒔さん……」

小蒔「京太郎、さん……」


少年は微笑む。

幼い頃もそうしていたであろう、とても綺麗な笑顔で……


――ありがとう


それを最後に、京太郎は成仏した。


部屋には巫女五人が残された。

それがあるべき光景だった。


巴「……逝ってしまいましたね」

初美「ぐすっ……あの子は、報われたのでしょうか?」

霞「大丈夫よ。最後に、あんなにいい笑顔を見せてくれたじゃない」

霞「だから信じましょう。ちゃんと、向こうへ逝けたと」

春「うん……」


少女それぞれに、少年への思いがあった。
その中でも人一倍思いが強いのは、彼を神社に招いた小蒔だった。


小蒔「……」


小蒔は京太郎が昇っていた先を、いつまでも見上げていた。


霞「小蒔ちゃん……」

小蒔「……覚悟はしていました。出合った時から、こうしなければいけないというのは」


巫女としての役目を全うした小蒔。
しかし少女としての思いが、彼女の身を震わす。


小蒔「生きた者と、死した者は相容れない。それはわかっています。でもそれでも……」


涙を溜めた瞳を、零さないとばかりに、小蒔は空の彼方を見上げる。


小蒔「――私は、あの方が好きでした」


それは、少年の心を癒すために、その深層まで触れた結果だ。

恋を知った喜び。

その思いをいだくことは、少女にとって幸福なことだったのか、悲劇だったのか。



もしかしたら、これは一時の夢だったのかもしれない。

しかし、小蒔の胸には、いまでも少年への思いが、確固として残っている。


〈了〉

これはイマイチ、一話目の怖さ、二話目の後味の悪さ、三話目の爽快感がない。

以上永水編でした。
まどろみの中書いたせいか、よくわかんない話になちゃった。
ごめんよ京ちゃん。

今回も様々なアイディアのご提供ありがとうございました。

そして小ネタですが、内容的に多く書く形なので、
書き上がったものから一つずつ上げていく形になります。

それでは今夜はここまで。

なんだか隣側がずっと誰かの怒声でうるさいのでそろそろ寝ます。

皆さんも明日の朝は寒いらしいので、お体に気をつけて寝てください。
私もちゃんと朝日を迎えられるよう願って寝ます。

京太郎(語り部)の恐怖体験(乗り越え有り)がないとどうも物足りない。

>>388
恐怖体験(攫われて掘られる)

>>390
今回は語り部"が"恐怖体験(提供する側)

こんばんは。

前回のお話は色々と賛否両論なようで。
物足りなかった方には申し訳ない気持ちでいっぱいです。
永水はハードルが高すぎて、色々慎重になりすぎた……。

と、とりあえず『各ルートハッピーエンド版』の小ネタの内、
永水だけ書けたので投下していきます。


そういえば今日は結局熱かったですね。
窓開けないと部屋も熱いよ。
まぁ日が当たらない場所だからそこまでじゃないけど。
そのせいか、窓から、熱がっていたらしい猫が入ってきました。
今も私の膝の上にいます。
余程熱くてダルかったのか、身体をダランとさせています。
まったくかわゆい奴ですね。



でも不思議なんですが、私の部屋って三階にあって、しかも窓には足場になるようなものが一切ないんです。
目の前には建物もありません。


この猫、どうやって部屋に入ってきたんだろう? 随分変わった種類のようだけど。

あと大事なこと言い忘れてました。

今回の小ネタ何故かR−18レベルのガチエロになっちゃったので、
未成年さんは読んじゃダメ。

ボクたちは終わりの合図までキンクリお兄さんと遊んでいようね!


      __
    ∩/(゚Д゚)\∩
  ∩∩( ´∀` )∩∩   ディフェンスに定評のある
  ⊂ミ\ ××× /彡⊃   キンクリさん
     | ××× |
     \×× /
     |×||×|

     (__||__)

キンクリさんが歪んだ。
煩悩の塊が怪異になったせいか……。


ハッピーエンドVer・永水編(※R-18)



◆亡霊京ちゃんと小蒔ちゃんが二人きりで対面しています。


小蒔「京太郎さま。あなたはもうこの世にはいないのです……」

京太郎「あ、あぁ、そ、そんな」

小蒔「お辛い過去があったことは存じています。でもいつまでもそれに縛られていては……」

京太郎「うおおおん! 脱童貞しないまま逝けるかってんだ畜生がぁっ!!」がばぁ!

小蒔「え、ええ!?」

京太郎「小蒔さぁあん! 俺はあなたが好きだぁああっ!! だから最後に思い出をくれー!」

小蒔「え? きょ、京太郎さま……」きゅん

京太郎「こんなすばらなおもちが目の前にあって、味わないまま成仏などできんわ!」もにゅもにゅ

小蒔「あ、あぁぁん! そ、そんな京太郎さまぁ……」

京太郎「ぬおおおん! 向こうでも野郎共のお相手をするのはもうイヤなんじゃあぁ! あぁ畜生やわらけぇえ!」

小蒔「あ、ん、やぁ、きょ、きょうたろうしゃまぁ〜、こんなこと……」

小蒔(で、でもこのまま未練を残しても、彼の心は救われない。それに私は、この方を……)

小蒔「わ、わかりました京太郎さま。わたくしは、あなただったら、どんなことでも……」


――それに、これがきっと最後の思い出……。


少女の思いは加速する。
巫女としてではなく、ただの一人の女となる。
女として、彼の未練を断ってあげたい。
それがたとえ身を捧げることになっても。
だが、辛くはない。
なぜなら愛しい相手に求められているのだから。


京太郎「マジすっか!? では遠慮なく!」


純情な気持ちに反して、少年は欲望一色。
最低極まりない。


京太郎「霊体がなんのもんじゃい! 男は度胸! 何でも試してみるもんさ」おっぱい顔埋め

小蒔「あん! お、おっぱい歪んじゃいますぅ!」

京太郎「はぁはぁ、大きさだけではなく感触も最高なり!」ちゅぱちゅぱ

小蒔「ひゃぁん! そんな赤ん坊のように……」


最早顔に近い大きさの乳房が巫女服の白衣からぶるんと零れ出る。
羞恥と快感によって熱したその乳肉に、男は容赦なく舌を這わし、その先端に吸いついた。


京太郎「ちゅぷちゅぷ……あぁ、なんだか、甘い感じがする。お、おっ母ぁ……」涙目

小蒔「あぁん、京太郎さま。そんなにお母様が恋しかったのですね? いいですよ? もっと強く吸っても」頭撫で撫で

小蒔「それに、私もなんだか気持ちよく……ひゃぁん!」


少女の許可が下りたせいか、吸引の強さがさらに増す。
巨大な乳房は唇の吸い付きによって、円錐型に歪み、
顔を埋めると雫のように淫猥な形で潰れる。


京太郎「じゅうぅう。ちゅぽん、はぁはぁ、もう我慢ならん。小蒔さん、挟んでください」

小蒔「あぁ、これが殿方の……京太郎さんのなんですね?」ドキドキ

京太郎「あぁ、小蒔さんの、すごく柔らかくて、温かくて、気持ちいい……」ズンズンむにゅむにゅ

小蒔「んぅ……お、おっぱいの間に、京太郎さまの硬いのが……」


大きすぎる乳房は、少年の怒張をほとんど包み込んでしまう。
辛うじて亀頭の先が谷間から顔を出すのみである。


京太郎「はぁはぁ、小蒔さん、その先っぽ、舐めてみて……」

小蒔「は、はい。こうでしゅか?」ちろ、ちゅぱちゅぱ

京太郎「あぁあ、なんて、気持ちいいんだぁ……」


特大の豊乳で肉樹を扱き、敏感な鈴口を可愛らしい舌で舐め回されて、絶えられる男がいるはずもなかった。


京太郎「あぁ! ダメだぁ! 股間からエクトプラズムだぜえええ!!」ドピュッ!

小蒔「ひゃぁああん! 熱くて、ねばねばなのがぁ」ドロリ


小蒔の巨峰の間で、白い欲望が弾けた。
霊が射精できんのか、というツッコミはスルーである。
きっとある種の霊的エネルギーなのである。
それがちょっと白くて粘っこいだけである。


小蒔「あぁ、なんだか、とても、気持ちいいですぅ♪」うっとり


だからその物質に催淫効果があったとしても、なんら不思議はないのである。


小蒔「ちゅぷ、ちゅぱ、それになんだか、じゅるる、おいしい♪」

京太郎「はぁはぁ、それなら、もっとたくさんあげますよ、うっ」ドビュ

小蒔「あぁん♪ こんなにたくさん♪」


巫女服の白衣がさらに白濁で染められる。
神聖な巫女服がそのような有り様になるのは、なんとも背徳的で淫靡な光景だった。


京太郎「あぁ、もう辛抱たまらん。そろそろ、ここに挿れますよ?」

小蒔「ハァハァ、はい、来てください。小蒔を、あなたに差し上げます……」

京太郎「くぅ、小蒔さん、あなたって人はまるで天使のような方だ! あなたと出会えたことを、幸せに思います!」

小蒔「私も、京太郎さまと出会えて、とても嬉し……あぁん♪ そんないきなりぃぃ♪」

京太郎「むおおおおおおおっ! これが女性の中! なんてすばらぁ!」


破瓜の痛みも霊力によってカバーである。
これでいきなりズンズン突いても問題ない。
やったね京ちゃん。


小蒔「あん! あん! ひゃぁん♪ こんなに、こんなに気持ちいいなんてぇ♪」じゅぷ、じゅぷ

小蒔「堕ちちゃうぅ♪ 私、堕ちちゃう♪ 神様の前で、はしたない、罰当たり……でもいいのぉ♪」

京太郎「俺も最高です! 小蒔さんの中、すぐイッちゃいそうだぁ! うおおおお!」ずんずん

小蒔「あぁああん! 京太郎さま好きぃいい! もっと、もっと突いてぇ!」

京太郎「突いてやりますとも! うぉお! 動かすたびに揺れる小蒔さんのおっぱいも最高にエロイぞおお!」


前後運動を繰り返すたびに、ゆっさゆさと妖しく揺れる巨乳に手を伸ばし、鷲掴みながら抽挿を深める。


小蒔「んああああん! 飛んじゃうぅ! 気持ちよくて、飛んじゃうよぉおお!」

京太郎「うおおおおっ! 俺も限界だぁ! 中に出します! うらあああぁ!」


ドビュウウウウウウウウウ!
ズビュルルルルルルルルルル!


小蒔「んあああああん! 熱いのがぁ! 熱くて、ドロって粘ってしたのがぁ、赤ちゃんのお部屋に入ってくるのぉ♪」

京太郎「あぁ、最高に気持ちいい……」


現役女学生にして、巫女である巨乳美少女の膣内に欲望の化身を大量に注ぎ込み、少年は深い忘我を噛み締めた。
しかし、貪欲なる怒張は尚硬度を保ち、破瓜したばかりの膣で蠢いている。


京太郎「はぁはぁ、こ、小蒔さん。も、もう一度、あともう一回だけ……」

小蒔「うふふ♪ いいですよ京太郎さま。私はあなたとなら、何度でも……」


一度着いた性の火は止まらない。
二人はその後も何度も交わり、共に昇りつめた。


そんな交わりの嬌声が、他の者に聞こえないはずがなく……。


霞「ふ、二人とも! 何をしているの!?」

小蒔「あはっ♪ 見てのとおりだよ霞ちゃん? 愛し合ってるのぉ♪ 京太郎さまのぉ、んぅ♪ 心を癒すためにぃ♪」

霞「だ、だからってこんな……」

小蒔「えへへ♪ 霞ちゃんもおいでよぉ♪ 京太郎さまとぉ、んぅ♪ こうするの、あん♪ とても気持ちいいよぉ?」

霞「え? ちょっと小蒔ちゃん、手を引っ張っちゃ……あぁあれえええ!」


催淫によって変貌した小蒔に導かれて、霞も淫欲の波に引きずり込まれた。

そして数分もすると……


霞「あん♪ 須賀くぅん♪ もっと欲しい……奥までズンズン突かれるのイイ♪」


すっかり出来上がり、ひたすら男の怒張を求めていた。


京太郎「うおおお! 霞さんのおっぱいヤバすぎですぅ! 顔より大きいサイズなんて、反則だ!」

京太郎「こんなにエロくブルンブルン揺らしやがって、こうしてやる! はむっちゅうべろべろじゅううううっ!」

霞「はぅううん! 両方吸われながら、突かれるのいい! もっと吸ってぇええ! ズンズン来てぇえ!」

小蒔「あぁん! 京太郎さまぁん! 霞ちゃんばかり構わないで、私のことも可愛がってくれなきゃイヤですぅ!」

京太郎「うおお、すまん小蒔さん! だがあいにく俺の槍は一本しかないのだぁ!」


京太郎が一本しかない槍を不便だなと思ったその瞬間、奇跡が起きた!
京太郎「ん? ぬお!? 何もない空間から俺のとそっくりな形をしたジャベリンが!」


分身したようにしか見えない京太郎の怒張が、ぬっと無の空間から現れる。
それはまるで水面から顔を出すように、存在を主張していた。
そしてそれは、放置されている小蒔の膣に矛先を向けていた。


小蒔「んああぁん! 京太郎さまの形をしたものがぁ、入ってきたぁ♪ はぅん♪ 大きさも硬さもそっくりですぅ♪」

京太郎「おおおっ!? 霞さんの中にいるのに、小蒔さんの中の感触も感じ取れる!」


どうやらその分身は、京太郎の脳とシンクロしているらしい。
彼の意思のままに動き、そして肉樹全体で味わっている感触を、そのまま京太郎の脳に送っているのだ。
今京太郎は、同時に二人の女性の膣を味わっていた。


京太郎「なんというすばらな現象! その気になればもっと増えるんじゃないか!? ぬおりゃあ!」


その予想は正しかったようで、二人の女性の乳房の間や、手の中に、勃起した怒張のみが、数本姿を現した。


霞「あぁん♪ 須賀君のがぁ、アソコにも、おっぱいにも、手の中にも、いっぱぁい♪ 全部熱くて、とても硬いわぁ♪」

小蒔「ひゃぁん♪ 京太郎さまのがあちこちにぃ♪ 全部、全部気持ちよくしてあげますぅ♪」


膣の締め付け、パイズリによる乳房の圧力、手コキの刺激。
その快感が全て一つとなり、一切の漏れもなく、京太郎の脳はそれを認知する。


京太郎「うおおおおっ! 気持ちよすぎて頭が狂いそうだぁ! もう我慢ならねえ! 一本残らず動かしまくってやる!」

霞「ああぁああん! ビクビクしてるぅ! 全部気持ちよさそうに、脈打ってるぅ♪」

小蒔「エッチなお汁も垂れてきてますぅ♪ はぁん♪ これが全部果ててしまったら、小蒔真っ白に染まっちゃう♪」

京太郎「染めてやるとも! 真っ白になぁ! オラオラオラ!」

霞「んああ気持ちいい! もっとお!」

小蒔「あぁあん! 京太郎さまぁああ♪」


野獣のような雄叫びと、艶かしい女性たちの嬌声。
それを聞きつけて、さらに巫女たちが集まってくる。


巴「ぇえっ!? ナニこれ!? どういう状況!?」

初美「増殖おチ○ポなのですぅ!」

春「触手ゲーみたい……」写真パシャパシャ


増殖した男根は、新たに現れた巫女たちにも矛先を向ける。
それは性欲に染まった京太郎自身の意思である。


京太郎「お前らもまとめて相手してやるぜええ!」

巴初美春「えええええっ!?」


その結果も言わずもがな。


巴「んぅ、あはっ♪ またこんなに大きくしてぇ♪ どれだけ出せば気が済むのぉ?」


巴は片手それぞれで膨張した男根を扱き、膣に埋まった怒張を絶えず肉襞で締めつける。
艶かしい肢体は、無数の先端によって、分泌した先走りを塗りたくられている。


巴「ぅうん♪ くさぁい♪ でも、癖になっちゃうよお♪ あぁん……」


無数の男根の攻め立てに、巴はひたすらよがった。


初美「ひゃぁ♪ また出すですかぁ? ハッちゃんの小さなオマ○コに、熱いの出すですかー?」

初美「んぅ♪ しかも両方の穴になんて、鬼畜、鬼畜ですぅ♪」


小柄でありながらも、魅惑的なラインを描くヒップには、滾った肉棒が埋め込まれ、
その下でも欲棒が絶えず、初美の小さな膣に快感を送り込んでいる。


初美「はぁん♪ きかん棒さんには、こうしてやるですー♪」


初美は白のサイハイソックスに包まれた足で、地面に生えている男根を優しく踏みつけて、扱き始めた。


春「んぅ、じゅう、ちゅうううう。もっと、もっと気持ちよくなって……んじゅうう」


膣を男根で貫かれながら、春は口で別の怒張を喉奥まで飲み込み、吸引と舌で射精へ導こうとしていた。


春「じゅっじゅっ、んにゃ、おっぱいでも、してあげる……」


口淫を続けながら、別の肉樹を乳房で挟み込み、むにゅむにゅとやわっこい刺激を送る。
霞や小蒔に比べたら劣るものの、他校ならば一番を張れるであろう巨大な乳肉の間で、男根は歓喜に震えた。


京太郎「あぁ、もうあっちこっちで挿れたり、扱かれたり、挟んだり、舐められたり、吸われたりで気持ちよすぎる!」

霞「うふふ♪ じゃあもっと気持ちよくなってね? 私たちのおっぱいで♪」

小蒔「あむ、ちゅううう、京太郎さまぁ、いっぱい出してぇ……」


分身の本体である京太郎の怒張は、今や二つの穴を犯されている霞と小蒔の爆乳で挟まれていた。
逃れようのない乳肉の波が、左右から押しつけられ、隙間のない快感を与える。
その極上の快感も、無数の淫欲の渦に飲み込まれる。


京太郎「くぅ、皆のオマ○コやおっぱいや口や手や足や肌が気持ちよすぎて……」

京太郎「もう、限界だあぁ! 出すぞ! 全部のチ○コから出すぞぉ!」


五人すべての女体の感触が一対となり、閃光として京太郎の脳に飛来する。
瞬間、無数の肉樹から灼熱の波が暴発した。


全員「ああああああああああああんっ♪」ドバドバドバ


まるで白濁の泉を作らんとする勢いの量は、欲望の雨となって、少女たちの艶かしい肢体に降り注いだ。
数百年分の色欲を解放したような爽快感に、少年の心は途方もない悦楽と至福に包まれた。


京太郎「あぁ、最高だった! これでもう思い残すことはない!」

京太郎「ありがとう皆! これで心置きなく、成仏できるぜ!」


満たされた京太郎が天へ昇ろうとしたその時だった。


http://www.youtube.com/watch?v=WHSUZPSdDLI


ガシッ


京太郎「え?」

霞「うふふ♪ 逃がさないわよー?」

巴「こんなに気持ちいいことさせられて、そう簡単に成仏させるわけないでしょう?」

初美「もっともっとエッチなことしてもらうですー♪」

春「まだまだ、したりない……」ぽっ

小蒔「あはっ♪ 京太郎さまぁ、だぁい好きですぅ♪ 私たちとずっとエッチして過ごしましょう?」

京太郎「え? ちょ、ま、素直に成仏させて……アアアアアアアアアアアアッ!」


こうして鹿児島の神社には、巫女たちと交わって神気を向上させる守護霊が住むようになったとか、ならかったとか……。


HAPPY END!

こうですか? わかりません!


キンクリさんと遊んでいたボクたち戻っておいでー。


永水版のハッピーエンドはこんな感じ。
どうしてこうなったか。
ハッピーエンドって皆と幸せなキスやらエッチして終了だからじゃないですかね。

>405
撮ろうしたら消えちゃった。シャイちゃんだね。

さて小ネタの安価としては、他の高校も書かないといけませんので、
しばらくは小ネタラッシュですね。
次回は清澄か白糸台あたりにします。

HAPPYENDは
死人だと思い込んでいた京太郎と永水巫女s、戒能プロが思い込ませていた何かを祓い、彼女等の未熟さを指摘まで妄想していた。
もう一つは浮気一つ許せなかった狭量さを恥、京太郎に許しを請い愛を語る前世を思い出した大沼プロと独占欲全開の前世の記憶を持っているハギヨシが乱入。姫様達が呆然とする中、全力で逃げる京太郎とか。

冥婚ならムカサリ絵馬やリゾートバイトをネタにした割とガチな話も作れたのではないだろうか。

こんばんわ。
今日も小ネタのみの投下となります。
怪談に関しては永水の失敗を教訓に、ちょっと勉強してる状態。

>>409
良子さんを登場させる発想はなかった。不覚……。
ハギヨシさんから逃げるのは果たしてハッピーエンドと言えるのか……。

>>412
あ、あのキッドクリチャーの話から一体どうやってハッピーエンドを作れと?(震え声)


さて今回の小ネタもちょっと不健全な内容があるから未成年の人はまこ先輩と遊んでいようね。
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小ネタ・白糸台ハッピーエンドVer

それは二人にとって思い出の場所。
同時に、忘れ去りたい恐怖の場所……。


淡「うふふ。ねえ、きょーたろー。ちょっとそこの公園のベンチで休むだけじゃない」

淡「なにをそんなに怖がっているのかな? クスクス……」

京太郎「や、やめてくれ淡。お、俺は、あそこだけには、行きたくない……」ガタガタ

淡(ふふ。情けないねー。私を今まで苦しめておいて、自分だけまた逃げようとするんだ)

淡(絶対に許さない。その顔を鮮血の色か、青色に染めてあげる……)

京太郎「う、ぅう。いやだぁ、いやなんだよぉ」

淡(染めて……)

京太郎「うぅ……」マジ泣き

淡「……」キュン



淡(……やっべー。きょーたろーの泣き顔が可愛すぎて復讐とかどうでもよくなってきた)

京太郎「ぐしゅ、助けてくれー……」うるうる

淡(ていうかそんな女顔で泣かれたらワクテカせずにいられない)ハァハァ



瞬間、淡の中での憎しみは、幼い頃の恋心によって染め尽くされた!



淡「あぁ、なんかもう色々どうでもいいやぁ。きょーたろー♪ 公園なんかよりもっといいとこ逝こ?」

京太郎「ひぐっ。本当かぁ? もう怖いとこ逝かない?」

淡「逝かない逝かない。ちゃんと休憩できるところに連れて行ってあげるから♪」きゅんきゅん

淡(はぅ〜泣き顔きょーたろーかーいよー)はぁはぁ


最近、原作の京ちゃんの女体化が留まることを知らない気がする。
そして二人が辿り着いた場所は……


京太郎「……」

淡「〜♪」

京太郎「あの、淡さん?」

淡「な〜にぃ? きょーたろー♪」

京太郎「ここって……」

淡「だから『休憩場所』だよ」



ピンクのお城「あは〜ん」


http://www.youtube.com/watch?v=2x2xWmRgqcU

淡「さぁ、きょーたろー♪ 空白の時間を埋めるために私とアバンチュールなひと時を過ごそうね〜♪」

京太郎「ちょ、ちょ待てぇ! まだ心の準備が!」

京太郎「というか俺が初エッチすんのは弘世先輩か渋谷先輩との予定なんだぁ!」ズルズル

淡「んもう、相変わらずおっぱいフェチだなぁ」

淡「でも大丈夫♪ 私も最近のアニメで可変式ってことが証明されたから♪ ほら、ちらっとな♪」

京太郎「あ、ほんとだ♪ 意外に立派な谷間が……って違う! と、とにかくいきなりこんなことは……」鼻血ダラダラ

淡「そんなに鼻血出してたって説得力ないよ。そぉれベッドインなのだぁー♪」ポーン

京太郎「ありゃ〜? いつのまに回転するベッドにぃ!?」

淡「ぐふふ。きょーたぁん? 淡ちゃんがいっぱぁい可愛がってあげるからねぇ?」ボタンプチプチ

京太郎「それ普通こっちのセリフ……アアアアアアアアアアアアアアアアッ!」



数分後……



淡「じゅううっ……ちゅぽん。にゃ、変な味ぃ。でも、きょーたろーのだって思うと、なんだかオイシイ♪」

京太郎「むごむご」

淡「あはっ♪ きょーたろーもぉ、もっと舐めてぇ♪ 私のお尻揉み揉みしながら、ペロペロしてぇ♪」

京太郎「はぁはぁ。女の子の身体って、こんなに柔らかい……それに、ここもこんなに濡れて……」ペロ

淡「ひゃぁん♪ そう! もっともっと奥に舌入れてぇ♪」

京太郎「くぅ、その甘い声、もう辛抱たまらん! はむ、じゅう、べろべろ!」

淡「きゅうぅ♪ あわあわも負けないもん! あむっ、じゅう、じゅちゅううううううう」

京太郎「あぁあ! これが八尺様……じゃなくて尺八! んぅ気持ちいいぃいですぞおお!!」

淡「んんんぅ……じゅぽん。あん、まだ出しちゃだめぇ♪ 出すなら、こ・こ・で♪」ビラッ

京太郎「ゴクリ……も、もう止められんぞぉおお!!」

淡「あわーん♪」


二人はそうして愛を育む。


淡「あぁん! いやぁん♪ もう、なんだかんだでノリノリじゃんきょーたろー♪」

京太郎「あ、淡がいけないんだ! 淡がそんなに、可愛いから……うっ!」

淡「うにゃぁあん♪ これで八発目ぇ♪ もう元気過ぎだよぉ。こんにゃに入らにゃぁい♪」

京太郎「ぁあ! エロいよ淡ぃ! その声も、つやつやの肌も、意外にあるおもちも、全部たまらん!」パンパン

淡「やん♪ ケダモノぉ♪」ビクンビクン


交わりは続き……


淡「にゃ〜お腹いっぱい♪ こんなに出しちゃって、もう、きょーたんのエッチ♪」つんつん

京太郎「」干からび

淡「はぁ、しかし大分予定変わっちゃたけど……ま、いっか♪ きょーたろだ〜い好き♪」あわチュウ♪

京太郎「ひー、もう出ましぇん……」


こうして悲劇を回避した二人は……。


淡「恋人同士になりましたぁ♪」あわっ

照「バカな。こんなことあってはならない……」ギュルルルルル

尭深「……」ズズ

菫「つ、付き合うことは結構だが、部活中は慎みのある行動を頼むぞ」ドキドキ

誠子「弘世先輩、いくらなんでも初心(うぶ)すぎます」

淡「にゅふ〜♪ ねえ、きょーたろー♪ 私たちお揃いの金髪でお似合いだよねー?」ぴとっ

京太郎「あ、あぁそうだな。……俺も、嬉しいよ。淡と同じ金髪ってことが……」

淡「きゅん♪ んもぅ、淡ちゃんをドキドキさせることばっかり言ってぇ♪ もう大好き〜♪」あわんっ♪

京太郎「うわ! おい! せ、先輩たちの前では止せって!」

淡「見せてるんだもーん♪ きょーたろー愛してるぅ♪ むちゅぅ♪」

照「てるてるてるてるてるてるてるてるてるてるてるてるてるてる」

誠子「あぁ!? 宮永先輩が壊れたぁ! 弘世先輩! どうすれば……」

菫「はぅ……あ、あんなにほっぺにチュウするなんて……破廉恥だぁ」お手々で顔隠し

誠子「なに可愛らしい声してドキドキしてるんですか!?」

照「てるるー……京ちゃんと結ばれるのは私……ブクブク……」


淡「えへへ♪ きょーたろー! 私、あなたとその綺麗な金色が……だーい好きだよ♪」



少女の運命は変わらなくとも、その関係自体はきっと幸福だ。
これもまた、ひとつの結末として、少年少女に明るい未来が示されることだろう。


尭深「……」ズズズ

尭深(淡ちゃん。私はまだ諦めたわけじゃないから)

尭深(恋人だからって油断してたら――取っちゃうよ? うふふ……)



HAPPY END(多分)

赤マント化をスルーできたんだからハッピーに決まっている(確信)。

短いので次は清澄Ver書きます。
あ、多分咲ちゃんがあざといから、ボクたちはまだまこ先輩と遊んでて。

……ていうかもう深夜じゃねえか。ここからは大人の時間だよ。

           _, -‐、     __
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小ネタ・清澄ハッピーエンドVer

咲「うぅ、京ちゃん。怖いから一緒にトイレまでついて来て?」

京太郎「ったく。話したのは俺だけど、そこまで怖がることないだろ」

咲「だってー……京ちゃんの話し方にキュンキュンきちゃった……じゃなくてゾクってしたんだもん」

京太郎「ふふ。やはり俺には怪談の才能があるようだな。なんだかそのせいでロクな目に会ってない気がするけど」


メタ発言をしながら薄暗い廊下を二人で歩く。


京太郎「さっさと済ませろよ。早く帰らないと暗くなっちまう」

京太郎「ていうかマジ暗くなるんで早くしてくださいお願いします」

咲「う、うん。わかったぁ……」テチテチ


人気のない廊下で一人咲の帰りを待つ。
誰もいない廊下は、まるで別次元のよう云々……。


咲「……京ちゃーん」

京太郎「ん? 早いな。もう済んだのか?」

咲「違うの……」もじもじ

京太郎「ん?」

咲「……怖くて、一人じゃできない……」

京太郎「……は?」

咲「一人だけのトイレって、すごく怖いの……こんな時に限ってトイレの花子さんとか思い出しちゃって……うぅ」

京太郎「いや、いくらなんでも極端過ぎだろ。てか、それじゃどうするんだよ? 今から和を呼ぶか?」

咲「うぅん。和ちゃんじゃなくても大丈夫……」きゅっ

京太郎「……なぜ俺の制服を掴む?」

咲「京ちゃんが、一緒に入って……?」上目遣い

京太郎「」



京太郎「と、とっと済ませろよ」

咲「うん……」

京太郎(たくっ。なんで俺が女子トイレに入らなくちゃいけないんだよ。頼むから誰も来ないくれよー)

咲「京ちゃぁん……」

京太郎「今度は何だよ?」

咲「うぅ、やっぱり出ないよぉ」

京太郎「そんなこと言われてもなぁ。こうして声かけるのが限界だっつの……」

咲「声だけじゃやっぱり不安なのぉ。京ちゃんが見えないと、やっぱり……」

京太郎「……おい、ちょっと待て。それってまさか……」



咲「……個室の扉、開けて入ってきて?」



京太郎「」鼻血ダバー



個室In



京太郎「め、目逸らしてるから早くしろ!」

咲「別に見てもいいのに……」

京太郎「え゛?」

咲「じゃなかった。……ちゃ、ちゃんと目合わしてくれなきゃヤダァ……」

京太郎「で、でもそんなことしたら……」

咲「いいよ? 大事なところはこうしてスカートで隠すし……それに、京ちゃんなら」

京太郎「うっ……わ、わかったよ。み、耳だけでも閉じてるから」

咲「うん。見ててね、私のこと……」

京太郎(言葉だけならドキッとする感じなのに、何なんだよこの状況……)

この咲はあざとい状況から既成事実で墓場(人生的な意味)に引き摺り込むつもりだ。
咲さんは真に恐ろしいのは幽霊ではなく生きた人間ルートですね。

淡は夫婦の赤マントで良かったと思う。
淡、京「金色は好きかい?」
照、咲「大好きだけど、大嫌い。京ちゃんをとってそのままで済むとは思っていないよね(ゴッ)」
淡「ヒッ」
照、咲「足腰が立たなくなるぐらいゴッ倒す」
アラフォー「私も協力していいかしら(リア充[ピーーー])」
淡「助けて・・・京ちゃん(ガクガク)」
京太郎「済まない、無力な俺を許してくれ」
徹底的に麻雀でゴッ倒された淡、京太郎はその恐怖体験から赤マントではいられなくなり人間に戻る。



咲「ん、んぅ……」

京太郎(……おいおい。なんて顔で用足そうとしてんだよ)

咲「あぁ、はぁん……」

京太郎(そら、男に見られてたら顔も赤くなるけど……これじゃまるで喘いでいるみたいで……)

咲「ぁう、はあ、くぅん……」すりすり

京太郎(ふ、太もも擦り合わせるなって。エ、エロい目で見ちまうだろ!)

咲「はぅん、あぁ……京ちゃんに、見られて……きゅうん♪」

京太郎(耳閉じてるから何言ってるか聞こえないけど、その分余計にやらしいような……)

咲「あぁうう♪ おしっこじゃないのが、先に出そう♪」クチュクチュ

京太郎(なんか指でアソコ弄り出したんですけど。そんなに出にくいわけ?)

咲「ん、あぁん♪」

京太郎(しかし、こうして擦り合わせている太もも見てると……)

咲「んぅ、京ちゃんもっと見てぇ♪」

京太郎(咲の太ももってムッチリしててエロいなぁ。おもちがない分、下半身に栄養いってんのか……)

咲「はぅ〜♪ 京ちゃん、私の太ももじっと見てるぅ♪」ムチムチ

京太郎(うっ。やべぇ。今まで性的な目で見てこなかった分、急に咲が魅力的に……)ムクムク

京太郎(ってオィ! 耳閉じているせいで手使えないのに、ここでいきり立つなマイサン! 隠せないだろ!)

咲「あっ……」股間眼見

京太郎「あっ」

咲京「……」



人妖構わずカップルの身包みを剥ぐアラフォーと姉妹の麻雀打ちが新たな都市伝説になるな。


京太郎「あ、咲、これは、違う!」ムクムク

京太郎(って、言い訳してんのますますデカくなるなぁ! あぁ! 咲に引かれる!)

咲「……あはっ♪」ニッコリ

京太郎「アレ?」

京太郎(咲、なんでそんな満面な笑み?)

咲「京ちゃん♪」

京太郎「っ!?」

京太郎(さ、咲! なんで足開いて……)

京太郎「お、おい咲! そんなことしたら見え……」

咲「いいよ?」

京太郎「エ?」

咲「京ちゃん、私でそんなに興奮してくれたんだよね? いいよ? もっと見て、咲のアソコ……」くぱぁ

京太郎「」ゴクッ

京太郎(いつのまにか、耳を塞ぐことも忘れて、咲のツルツルのアソコを凝視していた)

咲「んうあぁん♪ 見ててぇ♪ 咲がおしっこするとこ、見てて京ちゃぁん♪」

京太郎「咲……」モゾモゾ

咲「うふふ♪ いいよ? お○んちん、弄りたいんでしょ? 私のアソコ見ながら、好きなだけ扱いて?」

京太郎「っ!? くぅ」じーっ

京太郎(咲とは思えない妖艶的な空気に当てられて、躊躇いなく息子を取り出してしまった)

京太郎「ハァハァッ」シコシコ

咲「はぅ♪ 京ちゃんの、お○んちん♪ すごく、脈打ってる♪ 先っぽから、エッチな涎も垂れて……」

咲「きゅう♪ 来ちゃう♪ 京ちゃんにオカズにされてるって考えただけで、体がきゅんってしちゃう♪」

咲「んぅ出ちゃう。出ちゃうよぉ。京ちゃんに見られながら、京ちゃんのお○んちん見ながらおしっこしちゃうのぉ♪」

京太郎「あぁあっ! 咲ぃいい!」

咲「京ちゃぁん! 見てぇっ! 咲のおしっこ見てぇえええ!」

咲「あああああっ!」プシャァ、ジョボボボボボボボ


むき出しの下半身から、透明な聖水が放出される。


京太郎「咲っ! ウッ!」ドピュッ!


少女が放尿する瞬間を垣間見た少年も、怒張の先端から滾りを放出した。


咲「きゃぁん♪」


勢いよく放出された白濁は、容赦なく少女の身に降りかかった。


京太郎「はぁ、はぁ……。やべえ、出しちまった……アァっ!?」


射精したばかりの分身に、新たな快感の波が広がる。
下を見ると、放尿を終えた少女が、少年の股間に顔を埋めていた。


咲「ん、じゅぼ、ちゅううううっ……京ちゃんも、ちゅぱ、おしっこ出したりないよね?」チロチロ

京太郎「あ、うぅ、咲……」

咲「いいよ? 私のお口に、白いおしっこ出して? いっぱい、呑んであげる……ん、じゅううう!」

京太郎「……お、おぉおお! 咲ぃ!」頭掴み

咲「ん、ん、ん、じゅぼぼぼ、じゅくるるるるう」


頭を押さえつけられ、ガンガンと腰を打ち付けられても、咲は吸引を止めない。
むしろ腰の前後運動に合わせて、自らも顔を動かすほどだ。
肉樹全体を吸い、敏感な部分に舌を這わす。


咲「じゅじゅじゅじゅじゅっ! チロチロチロチロ、ぶちゅうううううう!!」

京太郎「うぅうおおおおぅ! 限界だぁ! 出る! 出るぞぉ!」


鈴口に舌が差し込まれ、バキュームで亀頭を吸われた瞬間、京太郎のモノは咲の口内で欲望を解放した。


咲「んんぅ、じゅじゅうう、ゴクン、ゴクン……」


咲は放出された樹液を、躊躇わず呑み込み、嚥下していった。


咲「ん、ちゅぽん……ごっくん。……えへへ、おいしいよぉ? 京ちゃんの、白くて熱いのぉ」

京太郎「さ、咲。お、俺は……」

咲「うん、まだこんなに元気だね? もっと、エッチなことしたい? ねえ? 私とエッチしたい?」シコシコ

京太郎「」こくんこくん

咲「あはっ♪ 嬉しい……じゃあ、京ちゃん……」


立ち上がった咲は、短いスカートを自ら捲り、肉づきのよい下半身を見せ付けた。
彼女の秘所には、放尿したものとは明らかに異なる粘着質な液体で濡れそぼっていた。


咲「ここにぃ、京ちゃんの、熱くて、硬いの、挿れて?」

京太郎「ごくっ」

咲「一緒に、大人に、なろう?」にっこり


その誘惑に、逆らえる男はいなかった。



咲「あぁあん! 京ちゃん! 京ちゃぁん!」じゅぶじゅぶ

京太郎「はぁ、はぁ、気持ちいい。咲の中、俺のにいっぱい絡みついてきて、吸い込まれそうだ」パンパン

咲「私もぉ、私も京ちゃんのに突かれてぇ、すごく気持ちいいのぉ♪」じゅくじゅく

京太郎「うおおおっ! 咲がこんなにエロい娘だったなんて!」ズンズン

咲「うん、私エッチな娘だよ? 京ちゃんのこと思うと、毎日こんなことしたいって思っちゃうのぉ♪」きゅんきゅん

京太郎「くぅ! この、お前みたいな淫乱娘にはこうだ! ソラソラ!」ズプズプズプ

咲「いやぁあん♪ もっとぉ♪」

京太郎「ふんっふんっ! まったく、こんなにやらしい尻と足して……手触りも最高だ!」

咲「あぁあん! もっと撫でてぇ♪ お○んちんで突きながら、お尻と太もも撫でてぇ♪」

京太郎「エロい! エロ過ぎるぞ咲ぃ! うおおっ、また一発出るぞおおっ!!」ドビュドビュルルル

咲「きゃぁあん♪ あったかくて、気持ちいい♪ んもう、京ちゃんだーい好きぃ♪」


個室では絶えず、少女の嬌声と、少年の雄叫びと、衰える様子のない射精音が響いた。


咲「京ちゃぁん♪ もっともっとエッチなことして、咲のことやらしく育ててぇ♪ 京ちゃん好みの女の子にしてぇ♪」

京太郎「おうともよ! この胸も毎日揉んで俺好みのボインにしてやるぜ!」もみもみ

咲「んやぁん♪ うん♪ なるぅ♪ 私、京ちゃんだけのエッチな女の子になるぅ♪ だからもっと突いてぇ!」

京太郎「あぁあっ! 気持ちよ過ぎて腰が止まらねえ! 咲ぃ大好きだぁあ!」どびゅうううう

咲「私も大好きぃいいい!!」プシャアアッ


二人だけの空間による宴は、当分終わりそうにない。







白くて丸いもの「早ク誰カ来ナイカナー」待機中



結局、二人が行為を終えたのは、怪異が去る夜明けだったとかなんとか。




咲「勝った! 第一章カンッ!」


HAPPY END


以上、今宵はここまで。
そろそろ霊が集まってくる丑三つ時なので、怪談を扱っているこのスレは危険です!
用を済ませたら即刻このページを閉じましょう!

というか眠い! 寝る!

それではお疲れさまでした!
ご協力してくれたまこさんも!

         -‐<:::::::::::::::::>へ           強  お  そ  森  咲
      /:::::::::::::::\:::::/:::::::::::::\、           く.  前  こ  林  よ
      /:/::::::::::::::::、:::::∨:::::::::ィ:::::::::::ヽヽ、      |  も  に  限
      /:/:::::::::::::::::/::\::::/:::::|::::::::::::::ヽ:ヽ      |     花  界  嶺
     l::::l::::::::::::::::::l ` `´ ´  |:::::::::::::ヽ:!:::i           そ  が  を  上
   /:::::!:::::::::::::::::i         l:::::::::::::::::::\        の  咲  越   開
   」::::::::::::::\::::/       \::/:::::::::::::〉     麦   花  く  え   花
 /:::/:::::::::::::::::{`ヽ、__   、_,、__-‐´〉:::::::::::::::::ト.,    に  の  こ.  た   じ
..∨ヘ:::::::;;:へ::「 ̄ ̄ ヽ  /y┬o┬<`ヽ:::ノ::∧:/    な  よ  と.      ゃ
  ノ:ゝト{  `       L__!}`┴‐┴'′ 1 レ::く    る   う  も  高
..//::::::、',        /  、  ̄ ̄´   //:::::、::\  ん . に  あ   い
〈::/ {:::::::::::`ゝ__ / 、 \ __ ィ´:::::::::}ヽ::::〉  じ  .|  る   山
    ヽ_||      └`----'┘      ||_ノ       ゃ  .|     の
      |  ヽ ヽ--―‐--―‐--/ /   |                 上
      \ ! \二二二二/ ! /       ,..-''"´ ̄`ヽ

       | \    ――    /lヽ       _」  ,/´    ヽ
     __/\   ヽ_____,i____ノ /井ヽ      く. `く   ,.-''´  ヽ
┬┬/ /井\           /井井|\┬r-、 `r‐ヘ. 〈   ,. -''" ヽ
t井/  /井井\.         /#井井ト、 \井ヽ. ヽ `''ヽ_〈 r┬ |
:井|  |ヽ 井井\        /:#井井|#ヽ ヽ井ヽ ヽ、__ゝ-'   |
井|  | #ヽ井井#\     /井井井|井tヽ ヽ井|ヽ   | l、   |
f#|  |井#ヽ:井井#\.    /#井井井|井井|  |井|井`ノ   ヽ   |

白丸(仮)の代わりに咲さんが京太郎に取り憑くのですね。
タコスとか京太郎に気のある女の子と楽しげに話す京太郎の後ろでニコニコ威圧する咲さんが浮かんだ。

>>417
リゾートバイト版は赤マントの亜種になるけど、術者の情念のみで作られ意思がない筈の化生が、祓われる間際に、ここまで想ってくれてアリガトウと礼を述べ取り殺さずに消滅とか。

お久しぶりです。

祖父が入院して呼吸器着けるか着けないか一族で揉めてたので、
精神的に色々きつかった。
怪談するのも不謹慎かなと思ったのですけど、
小ネタだけならとりあえずいいだろうと思いました。

では投下します。

ちなみに、ガチエロで冷めた人もいるようなので、今回は普通の恋愛系でやります。
キンクリさんやまこ先輩は出ません。


小ネタ・姫松ハッピーエンドVer


雨が降るバス停で、恭子と京太郎、二人はバスを待つ。


恭子「あ、あんなぁ、須賀君……」


恭子は、手を握る少年に思いを伝えようとする。
二人きりでいる今だからこそ、勇気を振り絞ろうとする。


京太郎「末原先輩?」

恭子「わ、私なぁ、ずっと、ずっと……」


瞬間、恭子の身体に寒気が奔った。


それは、遠くから、這いずるような不気味な音を響かせるものがゆっくりと近づいている……からではなく……。


京太郎「す、末原先輩、どうされたんですか?」

恭子「わ、私……ちょっと冷えてしもうたみたいで……」プルプル


雨に濡れたせいで、どうやら催したらしい。
恭子は、艶かしいスパッツを擦り寄せ、身体を震わせた。


京太郎「えぇ!? それはいけない! 一回学校に戻りましょう!」

恭子「うぅ、こんなはずではぁ……メ、メゲるわ……」涙目


いい雰囲気が生理現象のせいで台無しとなった。




怪物「」オーイドコイクンダーコッチコイヨー



ついでに怪奇によるロマンス展開も消えた。
さすが末原先輩。ここぞというところで失敗をする。
準決勝での活躍も期待しています。


恭子(うぅ、台無しや。つぅか恥ずかし過ぎるわ)用足ししました

京太郎「先輩、保健室からタオル持ってきましたけど」

恭子「あ、あんがと須賀君」

恭子(須賀君、こんなときでも優しいなぁ……)フキフキ

京太郎「……」ポーッ

恭子「? どないしたん須賀君?」

京太郎「あ、いや、別に!」

京太郎(濡れた先輩がちょっと色っぽいなんて言えない……)


濡れた女性は美しい。
普段の幼さとは違う、どこか艶っぽい雰囲気が、少年を昂揚させた。


京太郎(おかしいなぁ、末原先輩を普段そんな風に見ないのに……)


濡れた異性にときめているのは、恭子も同じだった。


恭子(濡れた須賀君、余計に二枚目な感じになっとる……。水も滴るいい男?)ドキドキ


互いにこっ恥ずかしくなり、タオルで顔を隠してしまう。


恭子(うぅ、なんか顔熱い。とにかく早よ拭いてまおう。髪もびしょびしょやし)シュル


複雑な髪型を解き、ロングストレートになった髪に布をあてがう恭子。


京太郎「ファッ!?」

恭子「ほえ?」

京太郎(な、なななんだ!? 髪解いた末原先輩、全然印象違うというか、めっちゃ美人じゃん!)


ストレートヘアにした恭子は、小柄な身体ながらも、大人びた印象を少年に与えた。
思わぬ恭子の美貌に、京太郎はさらに胸をときめかせる。


恭子「ど、どうしたん須賀君?」きょとん

京太郎(はぅっ! 上目遣いされるとさらに意識を……)


顔を赤くしている京太郎を心配して、ジッと彼を見上げる恭子。
紫水晶(アメシスト)のような瞳に、少年の動揺した顔が映っている。
透き通っているその瞳に、彼は、そのまま吸い込まれてしまいそうな錯覚に陥った。


京太郎(末原先輩、睫毛長いなぁ……。目も丸くて大きくて、とっても……)


京太郎「綺麗だ……」

恭子「え?」ドキッ

京太郎「あ……」


つい心で思ったことを、口にしてしまった。


恭子「///」

京太郎「///」


互いに気まずい沈黙が続く。


恭子(しゅ、しゅが君が、わ、私のこと綺麗って……)歓喜のカタカタ

京太郎(あばばばばばば、は、恥ずいーっ!)


二人は恥ずかしさを誤魔化すように、タオルでごしごしと濡れた部分を拭いた。

京太郎「あ、雨止みましたね!」

恭子「せ、せやな。よ、よかったよかった……」


濡れた地面を少年と少女がギクシャクしながら歩く。
会話はない。何か話そうとするだけで、心臓が喉から飛び出そうだった。
その内、別れるポイントに到着する。


京太郎「……そ、それじゃ自分はここで。先輩、お疲れさまでした」


未だに赤くなっている顔を隠すように、京太郎は踵を返そうとした、その時。
きゅっ、
と可愛らしい音が鳴りそうなか弱い力に服を握られた。


京太郎「せ、先輩? ど、どうされました?」

恭子「……す、須賀君、あんなぁ?」


恭子は瞳をうるうるとさせ、頬をこれでもかというほどに桃色に染めて、京太郎を見つめる。


恭子「さっき、私のこと綺麗って、言うてくれたやん?」

京太郎「あぅ、そ、それは……」

恭子「ほ、ホンマに、そう思ってくれたん?」

京太郎「……」


真剣味を帯びた彼女の顔に感化されて、京太郎は誤魔化さず語ることにした。


京太郎「あ、雨に濡れた先輩見て、その、正直ドキドキしました。綺麗っていうか、色っぽいというか……」

恭子「っきゅ!?」ボフン


思い人の褒め言葉に、頭を沸騰させる恭子。


恭子「な、何言うてんの!? わ、私、絹ちゃんと違うて、ちんちくりんやし、ガキっぽいし……綺麗とか、色っぽいとか、そんな……」

京太郎「そ、そんなことないです! た、確かに今までは邪な目で先輩を見たことはなかったですけど……」

恭子(やっぱ女として意識はされてなかったんやね……)ずーん

京太郎「で、でも……髪解いた末原先輩、すっごく美人でした」

恭子「へ?」

京太郎「……末原先輩は、絶対ストレートヘアが似合いますよ」

京太郎「今も、充分可愛らしいけど。もったいないですよ。もっとおめかしすれば、先輩だって……」

恭子「は……はうはうはうはうはうはうはうはうはうはうはうはうはうはうはうはうはう!」

京太郎「せ、先輩!? だ、大丈夫ですか!?」

恭子「はにゃにゃにゃ、しゅ、しゅが君に褒められたぁ。可愛いって、甘く言われた……しゅ、シュガー君に」

京太郎「俺は砂糖じゃありませんよ!? って先輩! しっかりしてー!!」肩揺さぶり

恭子「にゃぁん!?」

京太郎「!?」ビクッ

恭子「しゅが君に肩抱かれた! 甘い言葉で囁くしゅが君にいいぃ!」鼻血ブーっ

京太郎「ああっ! 先輩鼻血が噴水のように!」


興奮のあまり鼻から大出血して倒れた恭子は、京太郎に介抱される。


恭子「お、お恥ずかしいところを……」

京太郎「い、いえ……」


雨に濡れ、鼻血に濡れ、いろいろ散々な目に遭っている二人だが、胸のドキドキは以前として収まらない。


京太郎(やべぇ、末原先輩が可愛く見えてしょうがねえ……)


隣でもじもじとしている小柄な少女を、京太郎は完全に「女」として意識していた。


恭子「……須賀君」

京太郎「は、はい!?」

恭子「……も、もしも、私が、今よりもおめかししたら、その時は……」チラッ


艶やかに紅潮した美しい顔を、少年に向ける。





恭子「……私と、付き合ってくれますか?」





後日……


洋榎「な、何やてー!」

漫「末原先輩と須賀君が……」

由子「カップルになったのよー! おめでとなのよー!」

恭子「お、大声で言わんといてください!」あわあわ  (淡じゃないよ?)

郁乃「へぇ〜末原ちゃ〜ん、ウチ詳しく聞きたいわ〜♪」ニコー

恭子「ひぃい! 代行! 来ないでくださぁい!」びゅーん


合宿での恐怖を思い出し、慌てて逃げ出す恭子。


京太郎「あ、恭子さん! すいません! ちょっと俺連れ戻してきます!」びゅーん

郁乃「……うまく逃げたなぁ、あの二人」

漫「どゆことですか?」

由子「二人きりになれる機会を狙ったに決まっているのよー」

洋榎「あざといわー。やっぱりうちの智将はあざといわー」

絹恵「……」

絹恵(ふーん。二人、付き合い始めたんか。……ふーん)


京太郎「おーい、恭子さーん。あ、いた」

恭子「恥ずかしくてメゲるわ……」壁端ポツーン

京太郎「もう、またそんなこと言って。可愛い顔が台無しですよ?」

恭子「きゅぅ!? も、もう京太郎君たら、またそういうこと言うて……」

京太郎「本当のことですよ。そのリボンも、スカートも、すごくお似合いです♪」

恭子「ふにゅぅ……そ、そんな褒めんといて。かなり、勇気出して着てきたんやから……」

京太郎「俺のために?」

恭子「……京太郎君のために」

京太郎「へへ、嬉しいっす!」抱き

恭子「きゃん!?」

京太郎「……こんなに可愛くて、献身的な恋人持てて、俺は幸せもんです」

恭子「……私かて、京太郎君みたいに優しい彼を持てて……」

京太郎「そんなに優しい奴じゃないですよ俺。だって、これまで恭子さんの魅力に気づけなかったんだから」

京太郎「今の格好も好きだけど……前と同じ格好していたとしても、俺にとっては、素敵に映えますよ。それぐらい、恭子さんのすべてが大好きです」

京太郎「だから、ありがとうございます。俺を、こんなに好きになってくれて」

恭子「……私も、嬉しい。京太郎君と両思いになれて……ん」


愛しさを抑えきれず、互いに唇を重ねる。


恭子「……」ぽーっ

京太郎「……」ドキドキ

恭子「なぁ、京太郎君……」

京太郎「ん?」


恭子「……このまま、部活サボっちゃお?」にこり

京太郎「」ぷつーん





京太郎「恭子すわーーーん! 可愛過ぎんだよあんたぁーーー!!」抱きしめぐるんぐるん

恭子「ふわぁっ!? きょ、京太郎君! め、目回りゅうぅ!」

京太郎「えぇい! 辛抱たまらんわ! レッツ保健室ーーー!! もしくはロッカーーー!!」


ロッカー「オッシャ、ワイノ出番ヤ」オイデオイデー


恭子「きゃぁん♪ 京太郎君のケダモノー♪」



その日、とある教室のロッカーから、薄い本みたいな喘ぎ声が響いたとかなんとか狭いところがおちつくのってなんだろうねあれ。


HAPPY END!


◆蛇足

絹恵(はぁ、先手取られたもうたかぁ。まぁ挑発したの私やけど)

絹恵(京太郎は末原先輩選んだんかぁ。ただおっぱいが大きければよかったわけや、なかったんやね)


ひとつの失恋。
青春の思い出にはよくあることの一つ……。
絹恵はそれを甘酸っぱいアルバム写真の一枚として貼ろうと……







するつもりはなかった。



絹恵「アカンなぁ。諦めきれんわぁ」


そう言って微笑む絹恵は、どこか正気ではなかった。


絹恵「だって京太郎を思う気持ちの強さは、私も同じなんやで?」


納得できない。
告白したのが早いか、遅かっただけの違いで、すべてが決まってしまうことが。



絹恵「……前に言ったで京太郎? 女の子をやきもきさせたら、怖いんやで?」


ふふふ、と笑う絹恵は、一つの算段を立てた。
……それは、恭子が血迷ってやろうとしたことだ。


絹恵「今度、京太郎をバス停に誘おうか……。もちろん、二人きりで、無理矢理にでも……」


クスクスクス……。


うじゅるうじゅる……。



END


以上、姫松ハッピーエンドでした。
おめでとう末原先輩。末永くカタカタしろ。

エロに関しては、ほんとう調子乗りすぎたと反省。

というか、京太郎スレを立てようかと考えた時、
「ガチエロ」か「ガチホラー」かの二択で悩んでた。

「でもエロは他の人がやってるから二番煎じやん。ほな怖いのやるべ」

ってことで今コレ。
ちゃんと方向戻していくのでご安心を……。

というか小ネタで時間かけ過ぎや。
姫子は前の小ネタでハッピーになったし、彼女はいいよね?

ほな、次の安価始めよっか。

……いいですよね?


次の高校安価。

怪談をしたい高校を指定ください(すでに出ている高校は不可)。

安価↓3

安価決定

劔谷高校となりました。

莉子ちゃんがレイプ目でひどい目に遭う姿しか想像できんぞオイ。

とりあえず怪談とプロットを構築します。
お付き合いありがとうございました。

怪談ネタなども随時募集。

それでは明日も早いので、申し訳ありませんがお休みなさい。

赤マント淡「私と京太郎は夫婦100年、化物以外も合わせると200年生だよ。京太郎が自分の意思でこっちの世界に堕ちてくれた時のプロポーズは忘れられないわ(ドヤッ)」
咲「へぇ〜(ゴッ)」
恭子「自分の意思やなくて、京太郎の罪悪感に付け込んだだけとちがうか(うじゅるうじゅるうじゅるうじゅる)」
姫様「化物なら祓って(物理)も問題はないですね」
姫子「これをネタに部長と京太郎を…(助けて部長)」
何か「キョウタロウ、ワタサナイ」
ハギヨシ「京太郎君は私の弟子です・・・ダレニモワタサン」

なんか混じった。

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