ミカサ「好きな人ができた?」(124)

エレン「…おう
…悪い。こんなことお前らくらいにしか相談できなくってさ」

アルミン(…これはまずい。ミカサが暴走しかねないぞ)

ミカサ「……」

エレン「えっと…その、協力してくれないか…?だめ、かな」カアッ

アルミン「エ、エレン! ミカサ「わかった」

アルミン「…ミカサ!?」

ミカサ「協力する。私にできることならなんでも言って」

初ss
投下は遅いと思う

ーーーーーーーーーー
アルミン「まさかエレンがサシャを好きだったなんてね…」

ミカサ「サシャは仲間思いの良い子。それに強い」

アルミン「ねえミカサ」

ミカサ「何?」

アルミン「ミカサはエレンのことが、えっと、…好き、なんだよね…」

ミカサ「そう。私はエレンが好き」

アルミン「じゃあどうして協力するなんて言ったの?」

ミカサ「家族が困っているとき助けるのは当たり前のこと。何も問題はないはず」

ミカサ「私は寮に戻る。おやすみ、アルミン」スタスタ

アルミン「えっちょっと待っ…ミカサ!?」

ーーーーーーーーーー
兵舎内・廊下

ジャン(チッ…教官め…俺に雑用なんか押し付けやがって
もうこんな時間になっちゃったじゃねえか)

ジャン(さっさと部屋に帰って寝…)

ジャン(今、外に誰か)

ジャン「ってオイ、お前ミカサか?何してるんだ?そんなとこで」

ミカサ「…ジャン
あなたには関係ない」グスッ

ジャン「ミカサお前、泣いて…(半泣きのミカサマジ天使)」

ミカサ「…っ」ダッ

ジャン「あっ…ちょっと待てよ!ミカサ!」

ーーーーーーーーーー
男子寮

ジャン「おい死に急ぎ野郎…ってなんだ もう寝てやがる」

アルミン「やあジャン。随分遅かったね。もうそろそろ消灯時刻だよ?」

ジャン「おいアルミン、お前なら知ってるか?ミカサに何があったんだ?」

アルミン「ミカサ?……ジャン、ちょっと外に出よう」

マルコ「何かあったのかい?僕も行くよ」

また来ます

すいません
気をつけます

ーーーーーーーーーー
男子寮裏

マルコ「あのエレンが恋ねえ」

ジャン「それでミカサは協力するって言ったのか?」

アルミン「うん。『家族が困っているとき助けるのは当たり前のこと』って言ってたよ
その時から様子がおかしかったけど、やっぱりショックが大きかったんだね…」

ジャン「あの死に急ぎ野郎…ミカサの気持ちも知らないで…」

ジャン「一発ぶん殴ってやりたいところだが…」

マルコ「とりあえずこのことは黙っていた方が良さそうだね。エレンのためにも、ミカサのためにも」

アルミン「そうだね。とりあえず他言無用で頼むよ」

ジャン「何かあったら俺も協力するからな」

マルコ「僕も協力するよ。遠慮なく頼ってくれ」

アルミン「…ありがとう!」

ーーーーーーーーーー
翌朝 食堂

ミカサ「とりあえず少しでも距離を縮めることが大事。分かる?」

エレン「お、おう。とりあえず今日の対人格闘術はサシャと組めばいいんだよな?」

ミカサ「そう。それと食事のことだけど」

エレン「食事?」

ミカサ「私とアルミンではなくて、彼女と同席するべき」

エレン「そうか…ちょっと寂しいな」

ミカサ「何かを得たいのなら少しくらい犠牲を払わなくてはいけない
それに、私たちは家族なんだからそんなことは気にしなくていい」

アルミン「僕もそう思うよ。そのくらいで 僕たちの友情が壊れたりはしないさ」

アルミン(犠牲、か…それって他でもないミカサ自身のことじゃないか)

エレン「おう!ありがとな!頑張ってみるぜ!」


ジャン「あのクソ鈍感死に急ぎ野郎…巨人より先に駆逐してやりてえ」

マルコ「とりあえず落ち着こうかジャン…」

ーーーーーーーーーー
訓練場

キース「それでは各自しっかりと訓練に励むように!始めっ!!」


エレン「お、おいサシャ!今日は俺と組もうぜ!」

サシャ「エレンじゃないですか。私と組もうだなんて珍しいですねえ」

エレン「まあたまにはサシャと組んでみたいと思ってな!」

サシャ「そうですか。じゃあ夕食のパンをかけて勝負です!」

エレン「おう!負けねえぞ!」


アルミン「…上手くいったみたいだね」

ミカサ「……」

ジャン(明らかにミカサの様子がおかしいだろうが…こっちを見もしねえのかあいつは)

ジャン「な、なあミカサ、ミカサは俺と組もうぜ!」

ミカサ「……」コクコク

アルミン「じゃあ僕はマルコと組むよ」

マルコ「そうだね。よろしく」

ジャン「……」

ミカサ「……」ボーッ

ジャン「ミ、ミカサ?大丈夫か?」

ミカサ「……」

ジャン「体調が悪いなら医務室にでも…」

ミカサ「……必要ない。私は元気」

ジャン「そ、そうか」

ジャン(どうみても大丈夫じゃないだろ…好きなやつを助けることすらできねえのか
、俺は)

キース(ん?珍しくアッカーマンの動きが悪いな)ジーッ

ジャン(やべぇ…教官がこっちガン見してやがる)

キース「」ジーッ

ジャン「お、俺が先に暴漢役な!」

ミカサ「……」

ジャン「行くぞ!」ダッ

ミカサ「」バッ

ジャン「えっ」クルッ

ドーーーン

ライナー「」ゴンッ

ベルトルト「うわあああああライナーにジャンが直撃したあああああ」


ザワザワ

エレン「なにやってんだあいつら」

サシャ「物騒ですねー」

ーーーーーーーーーー
医務室

ジャン「ん…ここは…医務室のベッドの上か」

ジャン(確か俺は…ミカサに投げられて、それで…まさかミカサは俺が目を覚ますのを待ってたのか?)

ミカサ「zzz」

ジャン(寝てる…寝顔も天使…って、よく見たら目の下に隈が…)

ミカサ「」フラッ

ジャン(うおおおおおこっちに倒れこんできたああああ)

ミカサ「…っ」パチッ

ジャン「ミ、ミミミカサ!?すまん起こしちまった!!」

ジャン「あの死に…エレンのことだよ
このままじゃあの芋女に取られちゃうんじゃないのか?」

ジャン(!?俺は何を言ってるんだ…)

ジャン(よく考えたら昨日もなんで『協力する』なんて言ったんだ?ライバルが消えるのはいいことだろうが!)

ミカサ「……なんでそのことを知っているの」

ジャン「あ…昨日からお前の様子がおかしかったんでな…気になって、アルミンに聞いた」

ミカサ「そう……でもあなたには関係ない
これは私たちの問題」

ジャン「それが違うんだよな」

ミカサ「……どういうこと?」ギロッ

ジャン「俺とマルコも協力するって約束しちまったんだよ」

ジャン(さすがに怖え…)

ミカサ「………マルコはともかく、あなたが?」

ジャン「お、おう」

ミカサ「……」

ジャン「自分でも何してんだか分からないんだがな
……多分好きな女の悲しむ顔が見たくないだけなんだろうな」

ジャン(!?ちょっと待て俺!さっきから混乱しすぎだろ!俺は今何を…)

ミカサ「………」

ジャン「………あの、さ」

ミカサ「……私は訓練に戻る。怪我のこともあるので、あなたはそこで休んでいるといい
怪我をさせてしまったことは謝る
ただ、余計なことをするのは許さない」

ミカサ「じゃあ」ガラッ

ジャン「おい、ちょっと待て…」

ピシャッ

ジャン「行っちまった…怒らせちゃったかな…」

本当だ…>>24の前が抜けてましたすいません

ミカサ「ジャン!目を覚ましたの?
…ごめんなさい、私のせいで」

ジャン「お、おう!気にすんな
俺は大丈夫だ」

ジャン(いつもより弱々しいせいか三割り増しくらいで女神に見えるヤベエ)

ミカサ「……」

ジャン「……」

ジャン(物凄く気まずい)

ジャン「なあミカサ、お前本当にこのままでいいのか?」

ミカサ「……なんのこと?」

>>26からの続き

ーーーーーーーーーー
食堂

ジャン「よお」

アルミン「やあジャン。席空いてるよ」

マルコ「ジャン!もう怪我は大丈夫なの?」

ジャン「ああ、もともと大した怪我でもねえ。大丈夫だ」

ミカサ「……本当にごめんなさい」

ジャン「そんなに気にしないでくれ
ライナーはピンピンしてんだ。俺の鍛え方が足りなかっただけだからよ」

マルコ「あれはライナーが特別なんだと思うよジャン…」

ジャン「それより死に急ぎ野郎は一緒じゃねえのか?」

アルミン「エレンなら向こうでサシャたちと一緒にいるよ」

ジャン「そうか…」チッ

………

ユミル「珍しいなあエレン?お前が私たちと同席するなんてよ」ニヤニヤ

クリスタ「本当。ミカサたちは呼ばなくて良かったの?」

エレン「ま、まあたまにはこういうのもいいだろ?
ほらサシャ、約束のパン。お前食べ物が絡むとほんと強いのな…」

サシャ「ありがとうございます!!神様!!」

ユミル「そういえばお前昼もこいつと……ふーん、そういうことねえ」ニヤニヤ

サシャ「? どういうことです?」ムシャムシャ

エレン「な、何でもねえよ!
ユミルお前ちょっと黙ってろ!」アセアセ

アルミン「結構上手くいってるみたいだね」ヒソヒソ

マルコ「まだ初日だから分からないけどね」ヒソヒソ

ミカサ「エレンならきっと上手くやれる。私が保証する」

ジャン「そうか…」

ジャン(なんでこんなにイライラしてんだ俺)

アルミン「そういえば来週の休暇にデートに誘うつもりなんだって」

ミカサ「…私が提案した」

ジャン「は?おま…」

ミカサ「…何か問題でもあるの?」

ジャン「あ、いやなんでもねえ」

アルミン「それでね、デートに上手く誘えたらこっそり僕たちもついて行こうと思ってるんだ」

マルコ「一応初デートだからね。色々不安だと思ってさ」

ジャン「趣味がいいとは言えねえが…仕方ないか」

ミカサ「嫌なら無理についてくる必要は
ない」

ジャン「い、嫌とは言ってねえよ!」

ジャン(ミカサの私服……)

………

アルミン「ごちそうさま、っと」

マルコ「じゃあ行こうかアルミン」

アルミン「そうだね。ごめんミカサ、ジャン。教官に頼まれてた仕事があるから先に行くね!」

ミカサ「分かった。いってらっしゃい」

ジャン「え…ちょっと待…」

ジャン(行っちまった)

ミカサ「………」

ジャン「………」

ジャン(………)

ミカサ「ごちそうさま」スッ

ジャン「あ、おいミカサ!」

ミカサ「何」

ジャン「この後ちょっといいか?」

ーーーーーーーーーー
女子寮裏

ミカサ「……話って何?」

ジャン「分かってるだろ?」

ミカサ「……」ギロ

ジャン(……怖えが負けねえぞ)

ジャン「もう一度聞くがな…お前は本当にこのままでいいと思ってるのか?」

ミカサ「あなたには関係ないと言ったはず」

ジャン「協力することになった、と言ったはずだが」

ミカサ「……」

ジャン「好きなんだろ?あいつのこと」

ミカサ「当たり前。エレンは私の大事な家族だから」

ジャン「…そういう意味じゃねえ」

ミカサ「どういう意味だろうと、あなたに話す義務はない。それじゃ」クルッ

ジャン「」ガシッ

ミカサ「!」

ジャン「今度は逃がさねえぞ?」

ジャン(うおおおお俺は何をしてるんだ!?混乱しすぎだ落ちつけ俺)

ミカサ「…手を離して」

ジャン「…このままじゃお前は絶対に後悔することになる。思いを伝えもしないままでいいのか?」

ミカサ「…私の対人格闘術の成績をあなたも知っているはず」

ジャン「ああ。今日ので体感済みだ」

ミカサ「…もう一度だけ言う。この手を離して」

ジャン「それは無理だな」ニイ

ジャン(俺は何をカッコつけてんだよ…そんな余裕ねえくせに)

ミカサ「……あなたは何か勘違いをしている」

ミカサ「私とエレンは家族。私がエレンを好きなのは家族だから…家族なので、私、は……」グスッ

ジャン「……お、おい。ミカ、サ?」

ミカサ「とにかく、エレンの邪魔をするのは許さ、ない……」

ジャン「……ちゃんと顔を見て話せ、おい、聞いてんのかミカサ!」

ミカサ「……」バッ

ジャン「……!」

ミカサ「……っ」ウルウル

ミカサ「……ジャン。私はあなたが嫌いだ…きらいになった」ポロポロ

ミカサ「離して、いや、離せ」ドンッ

ジャン「うおっ」ドテッ

ミカサ「」 ダッ

ジャン「おい、待てよ!待てって!」

………

ジャン(くそ…一瞬で見失なっちまった……速すぎだろ…)ハァハァ

??「おい。そこの馬面」ゲシッ

ジャン「!?」

ジャン「ユミル!」

ユミル「ミカサを泣かせたのはお前か?」

ジャン「……っ!あ、あれは、別にわざと泣かせたわけじゃ…」

ミーナ「うわ…女の子泣かせたあげくに言い訳するの?最低」

サシャ「見損ないました」

クリスタ「……最低」ボソッ

ジャン「お前ら…いつの間に!?」

ユミル「うるせえ。こんなのほっといて部屋に戻るぞ」ゲシゲシ

女子「ウワーサイテー セイカクワルイトオモッテタケドマサカアソコマデトハ…」ゾロゾロ

ジャン(ミカサを傷つけた上に…他の女子にまで……)

>>38
>ジャン「それは無理だな」ニイ

参考http://i.imgur.com/p4pzjat.jpg


ーーーーーーーーーー
男子寮 消灯後

ジャン(最悪だ……)

ジャン(泣いてた、よなあ…)

ジャン(俺が余計に傷つけたのか…でも仕方なかったんだ)

ジャン(…と、思えれば楽なんだろうな)


ジャン「」 ハァ

ジャン(自分でも俺が何をしたいのかわからん)

ジャン(俺はミカサのことが好きなはずなのに)

ジャン(そのミカサが死に急ぎ野郎とくっつくのを望んでる…んだろうか)

ジャン(ったく…今日一日だけで色々ありすぎだ。今までろくに会話すらしたことなかったってのに)



ジャン『……多分好きな女の悲しむ顔が見たくないだけなんだろうな』

ジャン「!!」


ジャン(よく考えたら俺告白しちゃってるじゃねーか…でも…ミカサは無反応だったな…)

ジャン「……っうわあああ」ゴロゴロゴロ

マルコ「!?」ビクッ

コニー「うるせえぞジャン!」

ーーーーーーーーーー
男子寮 翌朝

ジャン「」ボーッ

マルコ「どうしたのジャン。寝不足かい?」

ジャン「ああ…ちょっとな…」

マルコ「何か悩んでるみたいだけど?」

ジャン「……おう、自分でもよく分からねえよ」

マルコ「なんかジャンがそんな風に悩むなんて珍しいね。でも体調には気をつけるんだよ?相談ならいつでも乗るからさ」

ジャン「……ありがとよ」ボソッ

ーーーーーーーーーー
食堂

エレン「おいサシャ!それは俺のパンだろ!」

サシャ「いいじゃないですかーちょっとぐらい!」

ユミル「朝っぱらからお熱いこって」ニヤニヤ

クリスタ「もう、ユミルったら」ニヤニヤ

エレン「おい何言ってんだよユミル!クリスタまで…」

サシャ「そんなにこのスープ熱いですか?」

ユミル「お前ほんとにバカだな…」

………

ジャン「……」ジーッ

ミカサ「……」モグモグ

ジャン(……目を合わせてももらえねえ)ズーン

マルコ「…ジャ、ジャン?ほんとに大丈夫?」

ジャン「ああ…」

アルミン(明らかにミカサの機嫌が悪い。それにジャンも。女子が昨日騒いでたみたいだけど、何か関係があるのかな)

アルミン(ジャンには後で聞くことにしよう)

アルミン(エレンは上手くいってるみたいだけど…これ以上ミカサに色々手伝わせるのは…うーん…)

バタバタ ガチャ

ライナー「おいお前ら!教官から連絡だ」


エレン「連絡ぅ?」

サシャ「何でしょうね?まさかお芋が貰えたりとか…」

ユミル「ねーよ」


ライナー「今日の午前の立体機動の訓練は悪天候のため明日に延期!各自休息をとること!だそうだ!」

ウオオオオオ ヤッター

ライナー「ちなみに午後からは座学だからな!」


エーーーッ ライナーノアホー バーカ ブーブー

ライナー「お前ら…」

マルコ「ライナーも大変だねえ」

ジャン「104期の兄貴分だからな。不満を素直にぶつけやすいんだろ」


アルミン「そういえば、2人は午前に何かしなきゃならないこととかあるかい?」

ジャン「俺は何も」

マルコ「僕も特にないよ」

アルミン「丁度いい機会だから作戦会議でもしようと思うんだけど、どうかな」

ジャン「別に俺らは構わねえが…」チラッ

ミカサ「……じゃあ決定。場所は図書室。これから30分後に」チラ

ミカサ「……」プイッ

ジャン(……お)

ーーーーーーーーーー
図書室

アルミン「みんな揃ったし、そろそろ始めようか」

ジャン「死に急ぎ野郎は来ねえのか?」

アルミン「エレンにはサシャをデートに誘っておくように言っておいた。今頃2人で話でもしてるところじゃないかな」

アルミン「だから僕たちはそのデートの計画について話し合いたい」

マルコ「デートか…経験がないから難しいね……ジャンは?」

ジャン「」ズーン

アルミン「ないんだねジャン…まあ僕もなんだけど」

ミカサ「そうだと思った。…これ」パサッ

ミカサ「昨日女子に色々聞いてまとめておいた。少しは役に立つと思う」

アルミン「…!ありがとうミカサ!助かったよ!」

マルコ「『好きな男子の服装』『誘われたいお店』…これは…」ゴクリ

ミカサ「大したことではない。エレンのためなら私は何だってする」

ジャン「……(エレンのため、ねえ)」ペラペラ

ジャン「すげえ…」

………

アルミン「大体これでまとまったね!ミカサのおかげだよ。本当にありがとう」

マルコ「確かに、僕らじゃここまで考えつかなかっただろうね…」

ジャン「そんときゃ適当に飯でも食わせときゃよかったんだよ。あの芋女はそれで満足だろ」

ミカサ「サシャのことを悪く言わないで。サシャだって女の子」ギロ

ジャン「おう…悪かった」ビクッ

ミカサ「…私は座学の準備をするように言われていたから、先に行く。じゃあまたあとで」

ジャン「それなら俺も手伝…「あなたはいらない」スタスタ

ジャン「」

マルコ「行っちゃったね。…ジャンはもう少し言葉を選ばなきゃ」

ジャン「そういう性格なんだから仕方ねえだろ…」グスッ

アルミン「あはは……」



アルミン(昨日女子が騒いでたのはこれかな…ジャンがミカサに何か言ったんだろうな)

アルミン(あまり2人っきりにはさせないようにしよう)

アルミン(もっとも、その必要もないみたいだけど)



ジャン(完全に嫌われた……) ズーン

ーーーーーーーーーー
2日後 デート当日 朝

ジャン「こんなもんでいいだろ」

エレン「おお!お前意外にオシャレなんだな!」

ジャン「……」イラッ

ミカサ「よく似合っている。これならきっとうまく行くはず…ありがとう、ジャン」

ジャン「!?…お、おう!このくらい簡単だぜ!気にすんなって!」

エレン「お前俺とミカサで態度違いすぎだろ…」

ジャン「当たり前だろうが!この鈍感野郎」

ミカサ「…ジャン?」

アルミン「まあまあ…今日はそのくらいにしておこうよ。はい、エレン。計画表はちゃんと覚えた?」

エレン「おう!何から何まで頼っちまって悪いな……」

ミカサ「そんなことは気にしなくていい。それよりエレン」

エレン「おう!今日のデート、必ず成功させてみせるぜ!」

マルコ「頑張ってね!」

エレン「ああ、お前らが協力してくれたんだ。上手くいかねえはずがないよな!」

エレン「…まさかあのジャンまで手伝ってくれるなんてな」

ジャン「ハッ…別にお前のためじゃねーよ。ミカサのために決まってんだろ」

エレン「とにかくありがとよ。頑張ってくるぜ!」タッタッタッ

ミカサ「いってらっしゃい」

アルミン「じゃ、僕らも準備しようか」

マルコ「待ち合わせは今から1時間後か…急がないと」

ミカサ「サシャはまだここを出発していない。勘付かれないように気をつけて」

アルミン「それじゃ僕らは50分後に待ち合わせ場所の前のカフェに集合しよう。できればそれまでは4人での行動は避けたほうがいいね」

ジャン「じゃあ2人ずつで行くか…俺はマr「ジャンは私と行こう」

ジャン・マルコ・アルミン「!?」

ミカサ「それじゃ。10分後にここで」タッ

………

ジャン(ミカサが俺と…嫌われたとばかり思ってたが…これは)ニヤ

マルコ「……ジャン、君今すごく気持ち悪い顔してるよ」

アルミン「考えてることが顔にかいてあるね…」

ジャン「は!?おま「ごめんなさい。少し遅れた」

ジャン「!」

アルミン「大丈夫、僕らも今ついた所だから」

ミカサ「それは良かった…ジャン?」ジト

ジャン「その……ミカサ…とてもよく似合っている……///」

ミカサ「……どうも(気持ち悪い)」

アルミン「じゃあ僕たちが先に出るね」

マルコ「じゃあまたあとで会おう!」

ジャン「おう!気をつけろよ!」

ミカサ「」バイバイ


ジャン(しかし…ミカサの私服…予想以上の破壊力だぜ)デレデレ

ミカサ「……?どうかしたの?」

ジャン「!?あ、いや、な、なんでもねえよ…はは…」

ミカサ「…そう?顔が赤いけれど」

ジャン「あっいやこれは…大丈夫!大丈夫だからよ!気にすんなって!」アセアセ

ミカサ「……じゃあ、そろそろ私たちも行こう。念のためアルミンたちとは別の道で」

ジャン「そ、そうだな!」アセアセ

ミカサ(やっぱり少し気持ち悪い)

………

ジャン「……」テクテク

ミカサ「……」テクテク

ジャン(少し気まずいな。ミカサとこうしてられるだけで幸せではあるんだが…)

ジャン(うっかり喋るとまた機嫌を損ねそうだ…今そうなるのはさすがに避けたい。死に急ぎ野郎のこともあるからな)

ジャン(そうだ、一応この前のことを謝っておこう)

ジャン「な、なあミカサ!」

ミカサ「何?」クルッ

ジャン(かわいい…)

ジャン「その、この間は悪かった…言い過ぎちゃったみたいでよ…あー、その、泣かせた、んだよな。本当にすまない」

ミカサ「……」ジト

ジャン「……あ、えっと」

ミカサ「…私は気にしていない。つい感情が昂ぶって泣いてしまっただけ。…私もあなたにひどいことを言った、と思う」

ミカサ「それについては撤回させてほしい。あなたも私の大切な仲間だから。少し苦手ではあるけど…けして嫌ってなどいない」

ジャン「……マジかよ」

ミカサ「マジ。…少し走ろう。待ち合わせの時間が近い」

ジャン「お、おう!そうだな」

ジャン(ミカサが俺のこと嫌いじゃないって!?夢みてえだ…)

ーーーーーーーーーー
待ち合わせ場所

ジャン(…アルミンたちはどこにいるんだ?死に急ぎ野郎もまだ姿が見えねえが)キョロキョロ

ミカサ「…」チョンチョン

ジャン「?どうしたミカ…んぐ」

ミカサ「……静かに」グイ

ジャン「…っ///」コクコクコク

ジャン(ミカサの手に口を塞がれてるなんて……もう死んでもいい)

ミカサ「…もうエレンが近くまで来ている。向こうからは視認できない位置」ヒソヒソ

ミカサ「このまま50m後方のアルミンたちと合流する。ついて来て」ヒソヒソ

ジャン(耳元で囁か…ババア、産んでくれてありがとう)

………
アルミン「ミカサ!ジャン!」

ミカサ「アルミン…エレンがそろそろ待ち合わせ場所に着く」

アルミン「よし。じゃあ僕らはそれに接近しよう」



マルコ「ジャン?顔が赤いけど何かあったの?」ヒソヒソ

ジャン「天国を見てきた…」

マルコ「?(なんかいつもにまして気持ち悪い)」


ミカサ「行こう、ジャン、マルコ」

ジャン「おう」

マルコ「わかったよ」

………

アルミン「いた!サシャも来たみたいだね」ヒソヒソ

ジャン「デートコース1番はたしか…」ヒソヒソ

マルコ「まずは昼食だ。そこのレストランに入るはずだよ」ヒソヒソ

ミカサ「私たちは向かいのカフェに入ろう。あたりには十分気をつけて」ヒソヒソ



サシャ「すいませんエレン!少し遅れてしまいました!」

エレン「いいっていいって!俺も今来たとこだし…まずは飯でも食いに行こうぜ!」

サシャ「ご飯ですか!?いいですね!」キラキラ

エレン「よし、さっさと行こうぜ!」タッ

サシャ「はい!」タッ


ジャン「ムードもクソもねえ…」

マルコ「まあエレンとサシャらしいけどね…」

アルミン「上手くいくといいけど…なんか緊張してきちゃった」

ミカサ「……っ」ズキ

ジャン「ミカサ?…どうした?」

ミカサ「なんでもない。私たちも早く移動しよう」

………

サシャ「ん~!おいひいれふう~!」モグモグ

エレン「へへ、だろ?」

エレン「ん。おい、食べかすついてるぞ」

サシャ「ふえ?」

エレン「よっと」ヒョイパク

サシャ「…っ///」カァァ

エレン「え…あ、ああスマン!つい…//」

………

ジャン「…けっ」

ジャン(やっぱ面白くねえな。ミカサが時折辛そうな表情してんのが気になって仕方ねえ)

ミカサ「……」ズキン

………

アルミン「そろそろエレンたちも帰るよね?門限までには帰らないと…」

マルコ「結局特に問題はなかったね…ん?」

ミカサ「…!」

ジャン「何を話してんだあいつら……って、おい、あれは告白か?」

アルミン「そうみたい…//」

ミカサ「……っ」ズキズキ

ミカサ「……私たちは帰ろう。後は2人の問題」

アルミン「そ、そうだね!帰ろっか!」ドキドキ

ジャン「……止めなくていいのか?」

ミカサ「?どうして止める必要があるの?」

ジャン「死に急ぎ野郎が他の女に盗られちまうぞ?」

マルコ「ちょっとジャン!」

ミカサ「私にはあなたの言っていることが理解できな「いい加減にしろよミカサ」

ミカサ「…ジャンは少し疲れているみたい。やっぱり早く帰ろう」

アルミン(やっぱりこの間のこともジャンが…どうしよう)

マルコ「ちょ、ちょっと落ち着いてよジャン!ここで騒いだらエレンたちにバレちゃうよ!」

ジャン「…チッ。おい、帰るぞマルコ」クルッ スタスタ

マルコ「待ってよジャン!」

ミカサ「アルミン、私たちはこっちから帰ろう」

アルミン「う、うん」

………

マルコ「ちょっとジャン!突然何を言い出すんだよ!」

ジャン「うるせえな!俺はああいう態度が一番ムカつくんだよ!」

マルコ「…それってミカサのことだよね?」

ジャン「他に誰がいるってんだ?クソッ…なんで自分に正直にならねえんだよ!」

ジャン「俺は…俺は…っ」ギリッ

マルコ「ジャン…」



マルコ「…ジャン、怒らないで聞いてほしい」

ジャン「………なんだよ」

マルコ「僕はジャンが好きだ」

ジャン「ハァ?俺はホモじゃねーぞ」

マルコ「そういう意味じゃなくてさ…僕はジャンはすごく正直者だと思うんだ。いい意味でも、悪い意味でも。僕はジャンのそういう所に憧れてる」

ジャン「憧れるようなもんじゃねーよ…現にこの間からそれで何度もミカサを傷つけてんだからよ」

マルコ「…そうみたいだね。ジャンは自分に嘘がつけないし、そういうのが嫌いだろ?だからミカサが身を引こうと
しているのが理解できない。許せない」

ジャン「……」

マルコ「現にミカサがエレンのことが好きで、脈がないのを知りながらもさりげないアプローチを続けていた」

ジャン「知ってたのかよ…」カァァ

マルコ「気づいてないのはエレンくらいだよ」

マルコ「君はすごく優しい人なんだよね」

ジャン「は?俺のどこが…」


マルコ「ジャンは自分に正直であることが欲しいものを手に入れるための近道であることを知ってる。逆に、自分に嘘をついていてはけして欲しいものは手に入らない、ってことも」


ジャン「……ああ」

マルコ「だからミカサの態度が気にいらないんだろ?…でもね、ミカサは多分そうは思っていないんだ」

ジャン「……だろうな」


マルコ「ミカサは自分よりもエレンの幸せを願っている。多分それは『家族だから』って理由だけじゃないよね」

マルコ「それでもミカサはエレンの幸せを望んだ。そばにいられるだけでいい、とでも思ったのかな」

ジャン「……そんなのただの臆病者だ。俺には理解できない」


マルコ「いや。今の君には分かるはずだよ、ジャン」

ジャン「……!」

マルコ「君だって自分じゃなくてミカサの心配ばかりしてるじゃないか。自分じゃ気づいてなかったのかい?」ニコ

マルコ「ミカサと事情は少し違うけどさ、やってることは同じだよ」

ジャン(そうか、俺も…)

ジャン「はは…ほんとお前には敵わねーよ…」

マルコ「…それで、君はどうするの?ジャン」

ジャン「さあな…ミカサの態度が許せねえのは変わらねえし…」

マルコ「そっか。…そういえばエレンとサシャはどうなったのかな?」

ジャン「今日のあの様子だ…多分上手くいってるはずだ。となると、ミカサは…」

ーーーーーーーーーー
兵舎前

アルミン「はあ…結構ギリギリになっちゃったね」

「おーいアルミーン!ミカサー」タッ

アルミン「あ、マルコとジャンだ」

ミカサ「……」

マルコ「僕たちも今帰ってきたところなんだ…エレンは?


ミカサ「まだ姿を見ていない」

アルミン「もう帰ってきてるとは思うんだけどね」

ジャン「……ん」

ミカサ「?」

ジャン「あれ、エレンとサシャじゃねえか?…おい!!死に急ぎ!!」


「だれが死に急ぎだこの馬面ーー!」

マルコ「ほんとだ」クス


エレン「よお!」タッタッタッ

アルミン「やあエレン。今帰ってきた所かい?」

エレン「ああ、ちょっと前にな。それで、報告があるんだが…//」カァァ

サシャ「言っちゃうんですかエレン//」

ミカサ「………」

エレン「お、俺たち…付き合うことになった!」

エレン「その…お前らには感謝してるよ…ミカサ、アルミン、マルコ…あとジャン」

ジャン「人をおまけみたいに言ってんじゃねーよアホ」チッ

マルコ「まあまあ…とにかくおめでとう」

アルミン「2人ともおめでとう」

ミカサ「……おめでとう、エレン、サシャ」

サシャ「皆さん協力してくれてたんですよね…さっきエレンに聞きました」

サシャ「本当にありがとうございましたっ!」ペコッ

ミカサ「頭をあげて、サシャ。エレンも…お礼なんていい。家族や友達を助けるのは当然のことでしょう?」

サシャ「ふぇ…ミカサァア…」グスッ


ジャン(ミカサ……お前は)


マルコ「2人ともおめでとう」

アルミン「詳しい話は後で聞くとして…とりあえず食堂に行こうか。もうそろそろ点呼の時間だ」

ミカサ「…サシャ、そろそろ離して。私たちも行かないと」

サシャ「あいぃ……」ズルズル

ーーーーーーーーーー
食堂

マルコ「あれ?ジャンどこに行ってたの?」

ジャン「ああ…ちょっとな…ん?死に急ぎはこっちにはこねえのか?」

アルミン「ああ、エレンなら向こうに…」

………

クリスタ「へーエレンとサシャがねー…」ニヤニヤ

ユミル「まあ察しはついてたけどな」ニヤニヤ

エレン「……うるせーよ///」

サシャ「……//」

………

ミカサ「ユミルとクリスタにからかわれている」

ジャン「あいつらも好きだよなあ…」

ミカサ「……」ハァ

ジャン「…浮かない顔だなミカサ?」

ミカサ「……それはあなたの気のせい」

ジャン「とてもそうは見えねーけどな」

ミカサ「………」キッ

ジャン「……」ハァ

マルコ「……」

マルコ(あーあ…)

アルミン(このテーブルだけ急に空気が重く…)

ジャン「結局お前は何もしなかったんだな」

ミカサ「…少し黙るといい」

ジャン「ハッ、他人の幸せだけを望んで、それが叶ったかわりにお前はその様か。とんだお笑い草だな…なあ?」

ミカサ「エレンは他人なんかじゃない。私の家族。家族を助けることの何が悪いのかわからない」

ジャン「『家族』?お前のエレンへの気持ちは家族へ向けるもんじゃなかっただろ?なあ、どうなんだよミカサ」

マルコ「ジャン!それはなんでも言い過ぎだ!」ガタッ

ジャン「ああ?お前はちょっと黙ってろ!」ガタッ

ミカサ「……っ。やめて、2人とも」

ジャン「なあミカサ、俺には理解できないんだ。教えてくれよ。お前が今落ち込んでる理由は何だ?」

ミカサ「……っ」ギリッ…

ジャン「黙ってちゃわかんねえぞ?」

ミカサ「……っ…う、ぅぐ」ウルッ

ミカサ「わたし、は……」


マルコ「いい加減にしろジャン!少しは頭を冷やせ!」ガシッ

ジャン「ああ?離せよ!」

ナンダナンダケンカカ? ジャントマルコダ!
メズラシイナ… ミカサモイルゾ ザワザワ


アルミン「ミカサ、大丈夫?」

ミカサ「……問題ない」

ハナセヨ! イイヤムリダネ!
ワーワー イイゾマルコー



エレン「おい!何やってんだよお前ら!」

ミカサ「えれん…!」

すいません…今夜は書けそうにないのでまた来ます
もうそろそろ終わると思います

エレン「ミカサ…どうしたんだ?おいアルミン、何があった?どうしてこんなことに…」

アルミン「あー…えっ、と…」

ジャン「チッ、元凶が来やがった…」

エレン「は?俺?俺が何したって言うんだよ!」

ジャン「ああ?ミカサが悲しんでたのは元はと言えばてめえのせいだろーが!」ガシッ

エレン「は?意味わかんねーよ!離せよ!服が破れちゃうだろ!」

ジャン「うるせえ!」ドガッ

エレン「…ってーなこの馬面!」ボガッ


マルコ「おい!2人ともやめてくれよ!」

アルミン「そうだよエレン!ジャン!」

サシャ「エレン!」オロオロ

ワーワー ヨクワカランガモットヤレー ギャーギャー

ライナー「おい忘れたのかジャン!エレンの対人格闘の成績は今期でm「んなもんどうでもいいんだよ!」

ジャン「自分でもよくわからねーがとりあえずこいつを殴らなきゃ気が済まねーんでな!」

エレン「クソッ…」

エレン(こいつ前より大分強くなってやがる)

エレン(こうなったら…)スッ


アニ「……」ジー

アニ(!あの構え…)


ミカサ「…駄目」

ミカサ「……」ダッ…バッ

エレン「うおっ!ミカサ!?邪魔すんなって!」

ミカサ「これ以上は駄目…教官が来てしまったらどうするつもり?」

ジャン「…どけよ」

ミカサ「エレンにも勝てないくせに、私に勝てるとでも?」

ジャン「チッ…」

ザワザワ

ガチャッ

「「「!!」」」

キース「今しがた大きな音が聞こえたようだが…「ライナーが理由のない暴力を受けた音です」スッ

ライナー「なっ…おいベルトルト!?」

キース「また貴様か…少しは慎みを覚えろ」バタン

ライナー「えっ!?」

ギャハハ ヤルナベルトルサン ガヤガヤ


ミカサ「エレン、巻き込んでしまってごめんなさい」

エレン「え?ああ…まあ気にしねえよ…」

ミカサ「…アルミン、マルコ。悪いけど私たちの分の片付けもお願い。…ジャン、行こう」グイッ

ジャン「うおっ…ちょっと待てよ、おい!」ズルズル

アルミン(行っちゃった…)

エレン「何だったんだ…」

ーーーーーーーーーー
食堂 外

ミカサ「」ドサッ

ジャン「ってーな!いくらなんでも投げる必要は「どういうつもり?」

ジャン「あ?」

ミカサ「余計なことはしないで。エレンの邪魔はしないで。そう伝えていたはず」

ジャン「あー…さっきは少し熱くなりすぎた…すまない」

ミカサ「……話ならここで聞こう。私も逃げてばかりもいられない、から」

ジャン「!ミカサ…」

ミカサ「…あなたも悪い人じゃない。それは私にも分かっている…心配してくれていることも」

ミカサ「ので、私もあなたと向き合わなければならない、と思う。覚悟はできている」

ジャン「そうか…ありがとう」

ミカサ「……」ジイッ

ジャン「……」

ジャン(しかし…こうなると何から話せばいいのかわからんな…)


マルコ『僕はジャンはすごく正直者だと思うんだ』


ジャン(正直者、か。うじうじすんのも俺らしくねえか)

ミカサ「……?」

ジャン「単刀直入に聞こう…お前はエレンのことをどう思ってるんだ?」

ミカサ「エレンは私の家族…、だと思う」

ジャン「だと思う?ずいぶんはっきりしない言い方だな」

ミカサ「…大切な家族。ので私はエレンを守らなければいけない」

ミカサ「私はエレンが好きだ。エレンと一緒にいたいと思っている…家族だか…?家族だから?」

ジャン「……」ジイッ

ミカサ「エレンは大切な家族…だから私はエレンが好き?……わからない、私、どうして」

ジャン「お前…まさか気づいてなかったのか?いや違うか…気づかないふりを…」

ミカサ「?どういうこと?教えて欲しい…この気持ちは何?」

ジャン「これじゃ俺が入り込む隙もねーわけだよ…お前ってやつは…」ハァ

ミカサ「?」

ジャン「お前はエレンが好きなんだよ…家族じゃなく、1人の男としてな」

ミカサ「…!でもエレンは私の…」

ジャン「家族、ってか?確かにそうかもしれないがな…」

ジャン「お前からのエレンへの気持ちはいつのまにかそうじゃなくなってたってことだ…いや最初からか?」

ミカサ「…そんな」

ジャン「まさか本気で分かってなかったなんてな…気づいてなかったのはエレンとお前ぐらいだと思うぞ?」

ミカサ「わたし…なんで……」ポロポロ

ジャン「!ミカサ…」ギュ

ジャン(しまった、つい勢いで)

ミカサ「どうしよう…私、もう家族じゃなくなったの?どうしたらいいの?…うぅ」ポロポロ

ジャン「あー…そういうことじゃないから安心しろ。今でもあいつとお前は家族だから、な!」

ミカサ「ほ、本当…?」ジイッ

ジャン「お、おう!」ドキッ

ミカサ「……っ、良かった」グスッ


ジャン(自分で気づいてねえふりをしてたのはこのせいか。あいつと家族でいたかったから…自分の気持ちを抑え込んで…)


ジャン「辛かったな、ミカサ



ミカサ「っ…私、ずっと分からなかった」

ミカサ「どうしてサシャとエレンが仲良くしているのを見て胸が痛くなるのか」

ミカサ「どうしてエレンを本当に助けてあげたいと思えなかったのか…あなたがあんなことを言った理由も……ぜんぶ」

ジャン「ああ…だろうな」

ミカサ「うぅ…っ…ごめんなさいエレン…」グスッ

ジャン(もう少し早く気づいていれば…いや、それでもこいつは自分の幸せだけを望んだりはしねえか…)

ミカサ「ただ、そばにいられるだけで、…っ、いいと思っていたのにっ…」グスッ

ジャン(恨むぞ死に急ぎ…こんないい女を泣かせるなんてよ)

ジャン「いいんだミカサ…お前が間違ったことをしたわけじゃない」

ミカサ「でも私は…サシャに嫉妬してしまった…エレンの幸せを心から祝福できなかった…!」

ミカサ「こんな私はきっと嫌われてしまう…そうなって当然だ…いやだ……」グスッ

ジャン「落ち着けミカサ。誰だってそうだ」

ミカサ「でも…」

ジャン「そういうもんなんだよ…人を好きになるってのはよ」

ミカサ「…うぅっ」グスン

ジャン「そうやって嫉妬すんのも当たり前だ。俺とエレンの喧嘩の原因の9割はそれだしな…お前は間違ってねえよ」

ミカサ「わたし、嫌われたりしない…?」

ジャン「あいつがそんな不義理なアホに見えるか?そんときゃ俺がぶん殴ってやる」

ミカサ「…それはダメ」

ジャン「はは…そうか」


ミカサ「……」

ジャン「…どうした?」

ミカサ「失恋してしまった…」

ジャン「…そうだな」

ミカサ「でも、エレンが幸せならそれで……」グスッ

ジャン「お前はエレンのことばかり考えすぎだと思うぞ」

ミカサ「……でも、それは」

ジャン「たまには俺のこととか考えてくれてもいいんだが」

ミカサ「?それって」

ジャン(!また俺は勢いで…)

ジャン「い、今のは、その、忘れt「…たまになら」

ジャン「え?」

ミカサ「たまになら考えてもいい」

ジャン「おう…」

ジャン(ついに俺にも春が)


ミカサ「…ジャン」

ジャン「な、なんだ?」

ミカサ「そろそろ苦しい」

ジャン(忘れてた…!)

ジャン「す、すまん!こんなことしてしまって、つい勢いで…」アタフタ

ミカサ「…離す必要はない、離さなくていい」

ジャン「え…?」

ミカサ「今は少しだけ、そばにいて欲しい…」グスッ

ジャン「ああ…分かった」

ミカサ「……っ」グスン ギュ

ジャン「辛かったなミカサ…お前はよく頑張ったよ」

ミカサ「……うぅ」

ジャン「好きなだけ泣けよ…な?」

ミカサ「うぁっ…うっ…」グスッ

ミカサ「うぁ、うわあああぁぁあんっ」

………
物陰

アルミン「心配になって探しに来たけど」

マルコ「その必要はなかったみたいだね…」

マルコ「にしてもあのミカサが…」

アルミン「僕もびっくりだよ」

マルコ「エレンだけじゃなくついにジャンにも春が…」

アルミン「死ねばいいのに」チッ

マルコ「ああ、正直嫉妬が抑えられないよ…」

アルミン「うっかり2組の恋のキューピットになっちゃったね…」

マルコ「今は破壊神になりたいよ…」

アルミン「…帰ろうか」

マルコ「そうだね」

ーーーーーーーーーー
翌朝 食堂

アルミン「おはよう」

ミカサ「おはようジャン、マルコ」

マルコ「おはようアルミン、ミカサ」

ジャン「…おう、まあ座れよ」

ミカサ「ありがとう」ニコ

ジャン「…っ!」カァァ

マルコ「慌てる姿も気持ち悪いねジャン」チッ

アルミン「ミカサ、少しでもイラついたら思う存分殴るんだよ?もちろんジャンを」

ジャン「なんかお前ら昨日の夜から俺に冷たすぎるだろ…」

エレン「だよなあ!なんか俺にも冷たいぞ!」

サシャ「喧嘩でもしてるんですか?珍しいですねえ」

ミカサ「エレン、それにサシャ。おはよう」

サシャ「おはようございます!」

エレン「よう!俺たちも座っていいか?」

ミカサ「もちろん」

ジャン「狭くなるから却下だ。サシャはともかくお前は床で食べてろ死に急ぎ」シッシッ

エレン「なんだよ!べつにいいだろ!」

ミカサ「落ち着いてエレン…ジャンも。そんなこと言っちゃだめでしょ?」

ジャン「お、お前が言うなら仕方ないな!ミカサに免じて許してやるよ死に急ぎ!///」

エレン「顔赤いぞ?気持ち悪いな」

ジャン「ははは!何とでも言え!」


アルミン「死ねばいいのに」

マルコ「」 チッ


ジャン「お前ら……」

あの夜から、ジャンはミカサにこれまででは考えられなかったくらい急接近している

ミカサの方も満更でもない様子で、最近は笑顔が増え、大分雰囲気が柔らかくなったと思う

2人が付き合い出すまでそう時間はかからないだろう


エレンとサシャは言うまでもない
ユミルと天使によくからかわれているみたいだ

ジャンとエレンの関係も以前よりはずっと良好だといえるだ
多分ジャンから嫉妬が消えたからだと思う

訂正
ジャンとエレンの関係も以前よりはずっと良好だといえるだ

ジャンとエレンの関係も以前よりはずっと良好だといえるだろう

親友として2人を祝福してやりたい気持ちはあるけど、正直羨ましさの方がそれを上回っている


そして、今回、僕アルミン・アルレルトが学んだことがひとつある

他人に協力したからといって自分が幸せになれるとは限らない、ということだ


アルミン「あーリア充爆発しないかなあ」

マルコ「本当だよ」


おわり

原作では恋愛フラグもくそも無い一方通行のジャンに報われて欲しくて書きました

原作ではこのまま(恋愛的な意味で)報われない方が彼らしくていいと思います

ありがとうございました

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