【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその2】 (1000)


このスレはスレタイ通り
ブラック・ブレットを安価で生き残っていくスレです


基本的にコンマと安価で進めていく
選択肢を出してそこから選んでもらう感じですが
選択肢の中には自由安価があります
自由安価は脈絡のないもの、不自然なものは却下させていただく場合があります
このスレからは
安価の連続取得(コンマは除く)は禁止にする予定です


基本的なシステムなどは全て【http://goo.gl/5Gbakx】このsswikiに


前スレ
【安価で】ブラック・ブレット【生き残れ】
【安価で】ブラック・ブレット【生き残れ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1401004642/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1401897044


玉樹「クッ……クソファッキンだぜこりゃぁ……」

弓月「しっかりして!」

力加減はともかく

あの速度での峰打ちで気絶しないのは

この人の忍耐力の高さゆえかもしれない

弓月「アンタ序列3000じゃないの!?」

陽羽「3000だよ?」

弓月「じゃぁなんで兄貴が反応さえできないのよ!」

それは実力が違いすぎるから。という

至極単純、かつ簡単な答えがあるにはある

でも、序列3000という肩書きが答えることを許さない


花菜「さて……」

弓月「!」

私が一歩動くと女の子はビクッと震える

それでもプロモーターから離れようとしないのは

信頼があるから……だよね

女の子の瞳は輝いてる

元々光のない子もいるけれど

プロモーターと一緒に生活するうちに

光を失うイニシエーターが何人もいる中で

この子の瞳は明るいのだからきっと……このプロモーターさんは悪い人ではないのだろう


陽羽「どうしよっか」

花菜「んー……」

殺すつもりは全くない

戦うつもりだってなかったわけだし……

影胤さん達のように武器を全て奪う?

それとも、お話しを聞いてもらう?

玉樹「弓月……」

弓月「兄貴、大丈夫だから」

陽羽「………………」

陽羽が黙って私を見つめて

弓月ちゃん? は私を睨む


1、貴方達って兄妹?
2、私達は殺すつもりはもちろん、敵意もないわ
3、実はね、政府に内通者がいるの
4、今すぐ武装解除して
5、貴方達……私の同僚に似てるわ
6、じゃぁね。優しいプロモーターさん達
7、ふふっ……陽羽。その女の子を拘束して
8、その他


安価下


スレ立ても出来たので

今日はここまでにします。ありがとうございました


明日はまたできれば10時ころからで


再開します


花菜「私達は殺すつもりはもちろん、敵意もないわ」

弓月「………………」

弓月ちゃんの警戒するような瞳は和らぐ事はなく

より一層厳しいものへと変わる

まぁ……わかってた

だって

傍から見れば私達は……ね

花菜「………………ふぅ」

大きく息を吐き、目を瞑る

信じて貰えないかもしれないけど

話しておこうかな……政府の事


花菜「実はね? 政府に内通者がいる可能性があるの」

玉樹「何言ってやがる……」

花菜「封印指定物が本来どうなっているかを考えてみて」

2人は顔を見合わせて

訝しそうな瞳を私に向けたものの

素直に答えを呟く

弓月「そんなの、政府が管理してるんじゃないの?」

花菜「そうね……じゃぁどうして封印指定物がガストレア感染源に取り込まれていたの?」

玉樹「元になったやつが持ってたってわけか……封印指定物なのに。なぜか」

プロモーターさんは気づいたように顔を顰め

私が言おうとしたことを呟く

弓月「でも兄貴。それが影胤ってヤツに奪われそうになって持ち出した可能性もあるんじゃないの?」

花菜「封印指定物よ? そんな簡単に割れるような情報管理はしてないはず。それに、奪われそうと解った時点で護衛依頼があるはずだわ」

重要なものだものね

最初のように守るものの内容なんて言わずに

護衛依頼をしてくるのが普通

相手が解らなくても、奪われたら大変だから最大限の警戒をするべきだし


花菜「だから……ね。奪われそうだったのではなく、受け渡す予定だったっていう可能性もあるわ」

玉樹「それが事実ならクソファッキンな状況じゃねぇか」

花菜「だから私はケースを聖居に届けられない。だから、逃げ回るしかない」

弓月「聖天子様に渡せばいいじゃん。さすがに国家元首が敵ってことはないんだからさ」

弓月ちゃんの最もな指摘

けれど……私は静かに首を振る

花菜「政府に敵がいて、それは大絶滅を狙ってる」

弓月「だから?」

花菜「大絶滅は東京エリアを消滅させるわ。それを狙うような人が、国家元首の命を考慮すると思う?」

弓月「!」

もっとも、

そこはまだ解らないんだけどね

どうして影胤さん達を使わなければいけなかったのか

どうしてこんな危ない事の情報がマスコミに漏れかけていたのか……



閃き判定  花菜単体

コンマ一桁安価下


0   5   7  ゾロ目 


花菜「あ……」

陽羽「花菜?」

花菜「なんでもないわ」

解った……気がする

なんで封印指定物が必要だったのか

なんで影胤さん達を……ううん、私達も混ぜて

プロモーターとイニシエーターを使わなければいけなかったのか

ガストレアは敵

その因子をもつイニシエーターも敵。そう考える人は多い

でも、イニシエーターは聖天子様の新法によって救われようとしてる

けれど……そこでプロモーターとイニシエーターによって

大絶滅計画が起きるか、起こされようとしているという事が公になれば

そんな新法は叩き潰される。それどころか、プロモーターとイニシエーター全体が非難を浴びる

犯人は許せないんだね……ガストレアが

その因子を持つ……子供たちが

大絶滅の危険性と天秤にかけても遥かに重いほどに……憎いのね


花菜「…………………」

犯人は誰?

封印指定物の情報を持っているくらいだから

かなり上の方の人だということは解る

玉樹「へいガール」

花菜「うん?」

玉樹「さっきからどーした。何か解ったのか?」

花菜「ううん、別に何でもないの」

言うような事じゃないわよね……

憎まれるような存在であることは

誰だって、解っていることだもの


国家の存亡に関わるものだし防衛大臣……?

その他大臣? それとも聖天子様? それとも天童菊之丞?

聖天子様はないわよね

自分で新法を出しているんだし、報道規制だってした

花菜「………………」

聖天子様

貴女の周りに味方はいますか?

大臣や、菊之丞様は貴女の法案を認めてくれているの?

もしも違うなら……ううん

これは私が悩むことじゃない

……菊之丞様が首謀者ではないこと願う

そうだったなら水が与えられてしまう

そうなったら木更ちゃんが……だから……

その私の願いへの答えのように携帯が震える

相手は木更ちゃんだった


木更『無事?』

花菜「ええ、無事。ケースもちゃんとね」

木更『良かった……』

木更ちゃんは電話の奥でため息をつく

口調の穏やかさと明るさ

時間帯とかを考慮して考えれば……

花菜「片付いたのね?」

木更『ええ。終わったわ』

花菜「誰だったか聞いてもいい?」

その問いに対して

木更ちゃんは間を空けた

言うのを躊躇ったのではなく、結果が不満だったということは

木更『……轡田防衛大臣』

その声ですぐに解ってしまった


・逃亡を終了
・聖居に移動します
・時間が夜になります


→ 6日目  夕方(夜ではなく夕方でした)  聖居


聖天子「この度は申し訳ありませんでした」

花菜「そ、そんな聖天子様が頭を下げるようなことではありません」

聖天子「いいえ。政府側の問題だったのです。従える私が貴女に謝罪をしなければなりません」

聖天子様はそう言って

もう一度私に頭を下げる

完璧に問題が収束した……わけではない

でも、一応の解決はした

花菜「では聖天子様。ケースを」

聖天子「はい」

聖天子様は

ケースを見るやいなや

巻きつけてある鎖などを確認し、頷いた


聖天子「中を見たりはしなかったのですね」

花菜「封印指定物ですから。開けて何かが起こったら弁解のしようもありませんので」

聖天子「そうですか」

聖天子様はほとんど無表情ではあったけれど

少しだけ微笑む

やっぱり、見るべきではなかったらしい

聖天子「では……山科さん」

花菜「はい」

聖天子「東京エリアのために、一時は反逆者と蔑まれながらもケースを守り通した貴女がわたくしに求めるものはなんですか?」

花菜「………………」


1、地位(序列1000番) 1500番までは確定
2、名声(天童民間警備会社の名前が知れ渡る)
3、お金(1千万) 500万は確定
4、呪われた子供たちの人権
5、聖天子の命
6、聖天子の体
7、与えられるものだけでいい(序列向上1500番、報奨金500万は貰う)
8、何もいらない(序列向上1500番、報奨金500万も拒否します)
9、その他


安価下


花菜「では、因子を持つ子供たちの人権を」

聖天子「それは……」

花菜「解っています。聖天子様がご尽力いただいていることは。でも、だからこそ私は言わせて頂きました」

聖天子「………………」

聖天子様は黙り込み、私のことを見つめる

言いたかった事が伝わらなかったわけではないと思う

聖天子「……解りました。ですが絶対にと約束は出来かねます。よろしいですか?」

花菜「はい。よろしくお願いします」

深く頭を下げる

私がお願いしたからといって

新法が必ず通るというわけではない

でも、少なくとも

聖天子様が無理矢理にでも通そうとしているガストレア新法を望む人がいる

それを解って貰えたはず

そして、それを叶えるために私が味方であるということも……解ってもらえたはず

それだけで十分だった


聖天子「山科さん」

花菜「はい」

聖天子「蛭子影胤及び蛭子小比奈を退けたものがいるという話を伺っています」

花菜「………………」

聖天子「それは貴女方ですか?」

聖天子様は私のことを見つめる

うん。誰かに聞かれるんじゃないのかなって思ってた

新人類創造計画の生き残りだもんね……

それを退けるほどの人のことは

知っておくべきだろうし……


1、いえ、私達ではありません
2、はい、私達です
3、……里見くんです。多分
4、申し訳ありません、お答えできかねます
5、序列向上の話を取り下げてくださるのでしたら、聖天子様だけにはお話いたします
6、その他


安価下


花菜「序列向上の話を取り下げてくださるのでしたら、聖天子様だけにはお話いたします」

聖天子「……は?」

聖天使は理解できないと言うかのように

眉を潜める

序列向上取り下げを願うなんて

民警にしてはありえない話だものね……

花菜「どうでしょうか」

聖天子「本当に良いのですか? プロモーターである貴女にとって序列の向上は望むべきものであるはずですが」

花菜「構いません。反逆者の汚名は取り下げられていますから」

私が言いつつ微笑むと

聖天子様は解ってくれたらしく、静かに頷く

聖天子「解りました。貴女の序列向上は取り下げましょう」

花菜「では……」


影胤さん達を倒したのは私達だということを

聖天子様だけに話す

その方法は影胤さん達のためにも言うことはなく

聖天子様も聞こうとはしなかった

聖天子「……貴女は一体」

花菜「ただのプロモーターです。聖天子様」

聖天子「………………」

花菜「…………………」

とは言っても

私の素性はそう……隠すほどでもない

11歳の頃に数えるのも面倒になるほど人を殺して

その時にいろいろと学んで未織ちゃんから学者になれるって言われるほどの知識を持ってる程度だしね

聖天子「そうですか」

花菜「はい」

聖天子様の探るような瞳に微笑みを返す

さっきの「因子を持つ子供たちの人権を」発言による

政府の人たちからの厳しい視線を感じながら

その中でも一際厳しい菊之丞様へと目を向け、もう一度笑みを浮かべた


・夜に移ります
・家に戻ります


→ 6日目  夜  自宅


花菜「ふぅ……」

やっぱり自分の家のお風呂が一番リラックスできる

逃亡生活は短かったけど

湯船に浸かるなんてことはできなかったし――

陽羽「花菜ーっ!」

そんな安らぎ空間を壊す陽羽の声

それに続いてお風呂場のドアが開け放たれて

花菜「陽――」

陽羽「陽羽も入るー!」

ばっしゃーんッ! と

お風呂のお湯が跳ね飛び、溢れていく


花菜「解った? 危ないんだから」

陽羽「……ごめんなさい」

お風呂から出てすぐお説教

何もなかったから良いものの

硬い部分に頭を打ち付けたり

入ってた人のことを怪我させたりしかねないんだから

花菜「全くもう……でも、陽羽も疲れたんだよね」

陽羽「そこまででもないよ。陽羽はトクベツだし」

花菜「でも、精神は女の子でしょ」

陽羽「あはは……まぁ……うん」

陽羽はそう言いながら

正座を崩して私の隣に寄り添い、肩へと頭を預ける


逃亡中はずっと気を張っていて

今日だって短時間ではあれ戦闘もした

肉体的な疲労は因子を持つがゆえにそこまでではないのかもしれない

でも、ガストレアの因子が精神まで補強するわけじゃない

10歳に満たない女の子であるということは変わらない

傷を負って、強く縛られ、色あせたりしていてもそれは変わらない

花菜「……お疲れ様」

陽羽「うん……花菜もお疲れ様」

小さく呟きあって

陽羽の頭を優しく撫でた



1、もう休む
2、武器関連
3、陽羽と交流
4、電話
5、その他


安価下


花菜「そういえば……陽羽」

陽羽「んー?」

花菜「何か技名欲しいって言ってたでしょ?」

陽羽「うん」

真に受けて真面目に考えたわけではないけど

ネットなどで検索して

いろいろなものを見せていく

花菜「なにか良さそうなのある?」

陽羽「う~ん……なんかいまいち出来そうな技がないよー」

花菜「……やるつもりなの? 適当に技名持つんじゃなくて?」

陽羽「名前つけるなら専用の攻撃してみたいんだもん」

陽羽はどうやら本気で

新しい攻撃+技名を考えるつもりらしい

ここまで本気だとは思わなかった……


陽羽「蓮太郎だって轆轤鹿伏鬼! とか、焔火扇! とかやってるし」

花菜「あれはそういう流派とかの名のもとにある一つ一つの動きを別けるものよ?」

陽羽「へー……じゃぁ陽羽も山科流とか作る!」

花菜「か、簡単に作れるものじゃないからね……?」

変な話題振るべきじゃなかった……

陽羽が欲しがっていたし

なにか上げられればなって思ったのに

陽羽「そっかぁ……」

花菜「そんな落ち込まなくても」

陽羽「あはは、ちょっと残念なだけだよー」

陽羽はそう言って笑いながら

小比奈ちゃんの小太刀を優しく撫でる

花菜「………………」


1、作るのは無理だけど、名乗るくらいなら良いんじゃない? 山科流
2、じゃぁ、これなんかどう?(技名自由明記   他作品からでもオリジナルでも)
3、ごめんね。期待させただけで
4、もう寝ましょうか……
5、小太刀に名前をつけてあげたら?
6、その他


安価下


花菜「小太刀に名前をつけてあげたら?」

陽羽「バラニウムブレード?」

花菜「ふふっ、そんな感じ」

陽羽「……んー」

陽羽は少し悩んでから

2本の小太刀の柄を

持っていた鎖で繋いでいく

陽羽「できた! 双魚理」

花菜「鎖で自分が傷つくから止めなさい」

陽羽「……日陽とか」

花菜「うん?」

陽羽「小比奈のひと陽羽の陽。合わせて日陽!」

比を日に変えて

陽と合わせて日陽……ね……



1、いいんじゃない?
2、なにか提案する(自由明記)


安価下


花菜「良いんじゃない?」

陽羽「じゃぁそうする!」

陽羽は名前の決まった2本の小太刀を

優しく抱きしめながら「よろしくね、日陽」と頬ずりする

傍から見たら

結構危ない画なんだけど……

陽羽「えへへっ」

花菜「……ふふっ」

陽羽の嬉しそうな笑顔に引かれて

私もなんとなく笑う

里見くんと延珠ちゃんも無事に再会したらしいし

今頃……笑えているのかしらね

学校どうしようかしら

……ほかの因子を持つ子供たちと同じように青空教室でも行かせるしかないかしら

自分を隠すことなく通えるそこの方が、陽羽にも延珠ちゃんにも向いているだろうし……保証金で家買って学校にしようかしら



・一日を終えます
・序列の向上はありません
・500万円手に入れました
・片桐兄妹に勝ちました(40P)

スコーピオン…

────────────────────────────────────────

 交友関係(好感/信頼)  2月6日目 現在

  手地嶋 陽羽 (60/60  信頼するパートナー) 戦闘勝利+3/+2

    天童 木更 (20/22  仕事仲間) 修正 任務完了+2
    里見 蓮太郎(17/18  仕事仲間) 修正 任務完了+2
    藍原 延珠 (18/18  仕事仲間)  修正 任務完了+2
    山科 香織 (59/62  大切な双子の妹)
    司馬 未織 (24/24  仕事仲間) 修正 会話+1 任務完了+3(約束補正)
    室戸 菫   (19/19  仕事仲間のようなもの) 修正
    千寿 夏世 (05/05  その他のプロモーター)
    伊熊 将監 (-30/-15  敵)
    蛭子 影胤 (02/04   敵)
    蛭子 小比奈(-35/-35 敵)
    片桐 玉樹 (04/02  その他の民警) 初期0 戦闘+1/+1 性別補正+3/+1
    片桐 弓月 (01/01  その他の民警) 初期0 戦闘+1/+1 
       聖天子(10/12  気になる民警) 初期8 賛同+1 任務完了+1/+3


           序列:3000番  所持金 557.7万円

────────────────────────────────────────


>>65
第三次関東開戦に参加すると思います



片桐兄妹から得た40Pを振り分けします


花菜のステータスのどこに振る?(40P)

1、HP1210
2、筋力:226
3、防力:216
4、脚力:240
5、知力:260
6、視力:260
7、直感:297
8、射撃:328
9、物理:216


安価下

10ポイントずつなので、最大 4個まで選択可能

同じ場所に使う場合は  122 など、2回以上振り込む場所を2回以上入力してください


陽羽のステータスのどこに振る?(40P)

1、HP3250/3250
2、筋力:355/710
3、防力:340/680
4、脚力:315/630
5、知力:305/610
6、視力:300/600
7、直感:276/603
8、射撃:300/600
9、物理:300/600



安価下

10ポイントずつなので、最大 4個まで選択可能

同じ場所に使う場合は  122 など、2回以上振り込む場所を2回以上入力してください


筋力全振り?

────────────────────────────────────────

 【名前】 山科 花菜  21  優しいプロモーター(天童)  侵食率:00.00%

 【ステータス】
  HP1210/1210 筋力:226 防力:216
  脚力:250/260 知力:270 視力:270 直感:297
  射撃:328 物理:216

 【装備】
  頭:なし 胴:なし 右手:ソドミー 左手:ゴスペル
  予備(4/5):ハンドカノン、対物ライフル、スナイパーライフル、軍用ナイフ    総重量  69/226

 【技】
  射:ソドミー    威力350 装弾10
  射:ゴスペル   威力300 装弾15
  射:スナイパー  威力400 装弾10 命中+15 被弾でキャンセル 連続使用不可

  射:ライフル    威力664 装弾5 命中+5  連続使用不可
  射:ハンドカノン  威力1000 装弾1 1回の戦闘につき1度のみ
  特:ガンカタ    威力216 装弾25  耐久減少 両武器40 
  物:ナイフ     威力100 耐久減少5

  物:CQC      威力50

 【スキル】
  銃器使い:射撃命中+15%・銃器の改造可・銃器の威力+30%

 【所持】
    スパンキング・ソドミー(重:3 装:10 弾:30/30 耐:250/250 威:350)
   サイケデリック・ゴスペル(重:3 装:15 弾:45/45 耐:250/250 威:300)
      スナイパーライフル(重:10 装:10 弾:30/30 威:380 命+15  連2/4 脚-10)
           ハンドガン(重:1 装:14 弾:41/42 威:200)
          対物ライフル(重:50 装:5 弾:23/25 威:664 命+5)
          ハンドカノン(重:2 装:1 弾:9/10 威:1000)
           軍用ナイフ(重:1 耐:50/50 威:100)

────────────────────────────────────────

 【名前】 手地嶋 陽羽 09 意地っ張りなイニシエーター(天童) M:ホエール 侵食率:18.05%

 【ステータス】
  HP3250/3250 筋力:375/750 防力:340/680
  脚力:315/630 知力:305/610 視力:300/600 直感:301/603
  射撃:300/600 物理:300/600

 【装備】
  頭:なし 胴:なし 右手:バラニウムの鎖 左手:なし
  予備(2/5):小比奈の小太刀A、小比奈の小太刀B    総重量  18/710

 【技】
  特:鎖の盾 物理攻撃のダメージ半減  継続は無し  耐久減少(10)
  物:鎖の鞭 威力300 耐久減少(5)
  物:鎖の舞 威力500 連続使用は負荷 耐久減少(25)
  物:  斬撃 威力400 耐久減少(8)
  物:剣の舞 威力550 耐久減少(15)
  物:二刀流 威力700 耐久減少(35)
  物:飛び蹴 威力50
  物:陰陽剣 威力950 耐久減少(50) 朝・昼なら相手の視力低下 夕・夜なら必中

 【スキル】
 抑止力:全能力半減(解除は自由に可)・侵食率上昇を抑える
 エコロケーション:不意打ちなどを阻止。逆に反撃が可能

 【所持】
  バラニウムの鎖(重:10 耐:445/500 威:300)
 小比奈の小太刀A(日陽)(重:4 耐:300/300 威:400)
 小比奈の小太刀B(日陽)(重:4 耐:300/300 威:400)

────────────────────────────────────────


スコーピオンが来なかった
蓮太郎の順位が上がらなかった
聖天子の護衛が変わる
聖天子が消される
→物語終了


とりあえず七日目を開始します


→ 7日目 朝 自宅


花菜「んーっ……ふぅ……」

明るい朝の日差しを浴びながら

大きく体を伸ばす

昨日までの逃亡生活が嘘のような静けさ

街に住む殆どの人がその騒ぎを知らない

それは幸せなのか

それとも不幸なのか……

花菜「私が言えることではないよね」

陽羽「うぅん……ぇへへ」

花菜「ふふっ」

本来ならそろそろ起きて学校だけど

今はどこの学校にも通ってないのよね……


花菜「まったく……私ってばもう」

憂鬱な気分にばかり陥っていく思考を止めるために

冷水を叩きつけるように顔を洗う

花菜「………………」

今日の予定は何もないし

どうしようかしら

未織ちゃん達学生は確かお休みだし

会いにいくこともできるわね

花菜「さて……と」



1、武器関連
2、出かける
3、電話
4、陽羽と交流
5、その他

安価下

3


1、蓮太郎
2、延珠
3、香織
4、未織
5、木更
6、聖居
7、事務所(万引きの女の子)
8、片桐民間警備会社
9、不動産


安価下


花菜「そういえば……」

助けた女の子の名前

考えたはいいけど

逃亡犯になっちゃったから

まだ話せてなかったのよね……

花菜「いるかしら」

事務所に電話をかけると

『は、はぃ! こ、こちゅらてんどーみんかんけーびがいしゃ!』

女の子の不慣れな答えが返ってきた

パートナーがいないために

あの子は電話番などの事務職の立場で雇っているけど

どうやらまだまだ……練習が必要なようね

(かわいい)


花菜「おはよう」

『お、おはようございます!』

花菜「……私よ?」

『わ、私私詐欺ですか!? ごめんなさいお金はありません!』

……木更ちゃんかしら

変なマニュアルのようなものを読ませたのは

花菜「だから、花菜よ。山科花菜」

『あ……お姉ちゃんだったんだ』

花菜「ええ、頑張ってるようで何よりだわ」

『お姉ちゃんに貰ったお仕事だから』

そういった女の子の声は明るく

初めて会った数日前とは全然変わって感じる


『今日は事務所に来れるんだっけ?』

花菜「そうね……話したいこともあるし行く予定かな」

『あ、あた……私はちゃんとしてるよ!』

花菜「ええ、それは解ってる。あと、無理に言葉は直さなくてもいいから。電話とかではダメだけどね」

『わ、解った。気をつけるます』

女の子の答えはちょっと崩れていたせいで

思わず笑ってしまう

結果、女の子には「なんだよっ」と、怒られてしまった


→ 7日目 昼  事務所


花菜「こんにちは――」

「やっと来た!」

花菜「っ、きゃぁっ」

ドアを開けた瞬間、黒い影が舞い

私の体に思いっきり圧力がかかって倒れ込む

陽羽「避ければいいのに」

花菜「こらこら、別に攻撃じゃないんだし……」

「べー」

陽羽「っ、早くどいてよーっ!」

女の子の挑発のような仕草に

陽羽がむっとして声を上げる

「やだ」

陽羽「もーっ!」

そのまま子供の小競り合いがしばらく続いた


「それで、話ってなに?」

花菜「まず、貴女に名前をあげるわ」

「名前……名前!?」

女の子は聞いた瞬間

ソファから飛び跳ねると

驚きを隠さないままに私を見つめる

「あたしの……名前?」

花菜「ええ」

「ほんとに……?」

花菜「ええ」

「っ……ほんとに、ホント?」

花菜「ええ、本当よ」

涙ぐむ女の子に微笑みを向けながら

花菜「貴女には私と同じ山科という姓と、憩という名前をプレゼントするわ」

優しく告げる

モデルとか戦闘力とかが地味に気になります


憩「憩……山科……憩。あたしの、名前ッ!」

花菜「ふふっ」

ぎゅっと何かを抱きしめるように

女の子は腕を交差して

そのまま床へと崩れていく

憩「あたし、今日から。名前……あるの?」

陽羽「……花菜が付けてくれた名前なんだから大事にしないとダメだからね」

陽羽はそう言いながら

座り込む憩の前でしゃがみ、手を差し伸べる

憩「……えっと」

陽羽「陽羽。てち……山科陽羽。憩のお姉ちゃんなんだから」

花菜「うん?」


1、陽羽は手地嶋でしょう?
2、……ふふっ、そう。山科香織と山科花菜と山科陽羽と山科憩。みんな家族
3、陽羽もその方が良いの?


安価下


花菜「……ふふっ、そう。山科香織と山科花菜と山科陽羽と山科憩。みんな家族」

陽羽「ぁ……ぇへへ……うんっ!」

憩「家族……家族っ」

陽羽一人だけ苗字が違う

それが嫌だったのだろうと考えてとっさに言ったけれど

どうやら正しかったらしい

陽羽も憩も

本当にいい笑顔を浮かべてる

花菜「よろしくね、憩」

憩「ぅ、うん!」

陽羽の手に私の手を重ね

そこに憩の手が加わる

憩はもう、私の家に連れ帰ってもいいかもしれないわね

影胤さんたちの事件も終わったわけだし……行方不明だけど


陽羽「そういえば」

憩「なに?」

陽羽「憩ってどのくらい強いの? その因子のモデルは?」

憩「いんしのもでる……?」

憩は首をかしげて私のことを見つめる

それはそうよね

捨てられてしまった子達が

因子とか、そのモデルを理解してるなんて滅多にない

赤目は延珠ちゃんたちの協力で押さえ込めるようになってきてるけど……

花菜「ちょっと陽羽と戦ってみる?」

憩「戦う……?」

陽羽「武器なしの格闘勝負だね」

憩「解った……やってみる」

憩の瞳が赤く光る

花菜「うん、まずは場所変えよう? 事務所壊れたら困るから」


→移動

悲報「憩ちゃん、初戦がラスボス」

悲報「憩ちゃん、初戦がラスボス」

すみません連投してました

書き込んでるの気づいてたんだけどクリックミスったんだ…


あくまで
原作の台詞、人物描写、IP序列を参考にしたものです
蓮太郎(1)はバラニウム装備のブーストなし
蓮太郎(2)はバラニウム装備のブーストつき



01~10 基礎50  最弱
11~20 基礎70 
21~30 基礎100
31~40 基礎120
41~50 基礎140 片桐兄妹
51~60 基礎160 夏世 将監
61~70 基礎180 序列1000クラス 蓮太郎(1)
71~80 基礎200
81~85 基礎240 影胤 小比奈 花菜 蓮太郎(2)
86~90 基礎280 序列100クラス 延珠 ティナ
91~95 基礎350 木更
96~00 基礎450 

ゾロ目

11、22 基礎500
33、44 基礎550  序列50クラス
55、66 基礎600  陽羽
88、99 基礎650

   00 基礎800
   77 基礎950 


安価下コンマ判定(反転  12→21)

やだ…普通に強い…


陽羽「おっと」

憩「っ――貰った!」

陽羽「うっそー」

憩「ぇ、きゃぁぁぁっ!」

陽羽の策略にはまって

憩ががれきに突っ込んでいく

花菜「あらあら……」

陽羽「うん。中々」

陽羽は満足そうに頷き

私に微笑みと親指を立てた拳を向ける

憩「うぅ……」

花菜「お疲れ様」

憩「負けちゃった」

花菜「ふふっ、勝てたら怖いわ。陽羽は私よりも強いんだから」


憩「お姉ちゃんよりも?」

花菜「ええ」

とはいえ

憩も中々強い

ううん、中々なんて優しいものじゃない

私と同じくらい強い……因子を持つ子を守るために頑張ってるのに

因子を持つ子より劣ってるのはちょっと……なんていうか、うん

陽羽「花菜、憩のモデル解った?」

花菜「うーん」

憩「………………?」


安価コンマ判定

→生物知識に疎い


コンマ 一桁  2  7   ゾロ目なら自由選択

それ以外はコンマ判定


花菜「ごめんなさい、私にはちょっと解らなかったわ」

陽羽「そっかぁ……」

花菜「陽羽は戦ってみてどうだったの?」

陽羽「陽羽もそこまで知識ないし、感覚だけど……」

陽羽はそう言いながら顎に手を当てて

憩をまっすぐ見つめる

憩「な、なに?」

陽羽「えっとねー」


01~10 射撃特化
11~20 物理特化
21~30 防御特化
31~40 速度特化
41~50 知能特化
51~60 回復特化
61~70 特殊(クモなど)
71~80 射撃特化
81~90 物理特化
91~00 速度特化


ゾロ目の場合は不明(この場合、基礎値を大きく上回るステータスになる場合があります)


安価下で

もしも>>129があればそれで


陽羽「怪我の治りが早いから回復系じゃないかな」

花菜「たしかに………」

がれきに突っ込んだだけっていうのもあるかもしれないけど

憩の体には傷一つない

憩「あたしはなんなの?」

陽羽「治癒能力の高い因子だね」

憩「じゃぁ、あたしはお姉ちゃん達の怪我も治せるの!?」

花菜「ううん。多分貴女自身だけよ」

周りまで治癒できるような動物なんていないだろうし……

というより、私が知らないだけかもしれないけど

憩「そっか……残念」

花菜「ふふっ、それでも十分すごいわ」

落ち込む憩の頭を撫でて話を終わらせる

とりあえず……



1、武器関連
2、移動
3、電話
4、陽羽と交流
5、憩と交流
6、事務所へ
7、その他

安価下


イベント判定

4 襲来

5 片桐

189 依頼

それ以外は無し


>>137があればそれ

なければ安価下で


→ 7日目  昼  事務所


事務所に帰る前から嫌な予感はしていた

けれど

だからといって帰らないなんて言えるわけがない

私たちと入れ替わりで事務所に残った木更ちゃんから

お客様が来てるわよ。と

メールがきていたからだ

花菜「良い?」

陽羽「…………」

憩「…………」

私の言葉に二人が頷く

花菜「じゃぁ――いくよ」

事務所のドアを開け放ち、勢いよく転がり込む

目に入ったのは良くも悪くもある人達だった


影胤「やぁ、山科くん」

花菜「影……胤……さん」

右半身にはまだ痛々しいダメージの痕が残る

そんな影胤さんと小比奈ちゃんは

新しい武器をちゃんと持ちつつソファに座り込んでいた

影胤「まだ完全に怪我が癒えたわけではないのでね。すぐに失礼するよ」

木更「ねぇ、花菜……一体」

小比奈「うるさい黙ってあなたに用はない」

木更「はぁ……?」

小比奈ちゃんと木更ちゃんの視線のあいだに体を割り込ませながら

影胤さんへと笑みを向ける


花菜「今日はどういったご用件でしょう」

影胤「キミの推測にひとつだけ答えておこうと思ったのだよ」

花菜「と、言いますと?」

影胤「私の執刀医はアルブレヒト・グリューネワルトという者だ」

影胤さんの執刀医

怪我のことではなく

きっと……機械化のことよね

花菜「グリューネワルト……ですか」

影胤「少しは知ることができるだろう? 心とやらのみでなくね」

影種さんはそれだけを言うと

小比奈ちゃんを呼び、出口へと向かっていく

影胤さんは相変わらず仮面を外さない

その中の表情は今どうなんだろうか


1、どうして教えてくれるんですか?
2、少し……お散歩でもしませんか?
3、少し……デートでもしませんか?
4、影胤さん。まだ……戦いを望みますか?
5、お体に気をつけてくださいね。元気になったらまた、お会いしましょう
6、影胤さん。私の連絡先を差し上げます。迷ったらぜひ、電話してください
7、もしもまだ大絶滅を狙うというのなら、私達はまた貴方達の前に立ちはだかりますからね
8、その他


安価下


花菜「どうして教えてくれるんですか?」

影胤「それは妙な質問だ」

影胤さんは立ち止まり

首だけを動かして横目で私を見つめる

花菜「妙ですか?」

影胤「先に教えてくれたのはキミの方ではないかね? 山科君」

花菜「………………」

影胤さんは言い終えてすぐ

小さな笑いを漏らし、そのまま立ち去っていく

花菜「……私が、か」

木更「どういうこと? ねぇ、花菜。ちょっと」

花菜「影胤さんと少しお話したのよ。多分それだわ」

もしもまだ大絶滅のような悪いことを狙うというのなら

私達はまた貴方達の前に立ちはだかりますからね……影胤さん


言いそびれたことを心の中で呟く

連絡先でも交換……するのはさすがにリスキーよね

私が教えたというか話したのは

小比奈ちゃんの想い

影胤さんの力に込められた想い

その力が本来向かうべき方向

花菜「………………」

教えたからといって

ちゃんとした道に進んでくれるとは限らない

でも、進んでくれないとも限らない

どうか、進んでくれますように

小さく祈った私を

木更ちゃんは訝しそうな瞳で見つめていた



・夕方になります


→ 7日目 夕方 事務所


気づけばもう夕方という時間

依頼もからっきしで

延珠ちゃんと里見くんも来たけれど

すぐに帰ってしまった

木更「ほかのところには依頼来てるのに……」

花菜「そうなの?」

木更「ええ、まぁ迷い込んだステージⅠのガストレア討伐程度だけどね」

木更ちゃんは退屈そうに言いながら

パソコンを閉じた

そろそろ解散の時間らしい


1、木更と交流
2、陽羽と交流
3、憩と交流
4、電話
5、武器関連
6、移動
7、その他


安価下


花菜「そういえば……憩」

憩「なに?」

花菜「貴女に聞いておきたいことがあるの」

憩「?」

ボロボロの服から

新しい服に変わっていて

ボサボサで汚れていた髪は綺麗に艶がかかっている

そんな憩は首をかしげて私を見つめる

花菜「その……ね」


1、貴女に外周区での家族はいなかったの?
2、今……幸せ?
3、ねぇ、今日から私達の家で暮らさない?
4、その他


安価下


花菜「ねぇ、今日から私達の家で暮らさない?」

憩「お姉ちゃん達の家?」

花菜「ええ、そうよ」

憩「行きたい! あ、でも……」

憩は即答しながらも

途中で不安そうに首を振り

木更ちゃんのことを見つめる

木更「ん?」

憩「その、あたし……名前貰ったんだ」

木更「ええ、何回か聞いたわ」

憩「それで、だから。あたし、木更……さん。にはお世話になったけど、でも」


憩は何度も詰まりながら

木更ちゃんに対して感謝を述べて

さらに、望みを告げる

憩「お姉ちゃん。と、が……良い。木更……さんじゃなく、て……でも、その、全然嫌とかじゃ、ないから」

木更「そ、そう……」

木更ちゃんは残念そうに呟き

私の方に視線を動かす

木更「………………」

花菜「あはは………」



1、木更ちゃんも一緒に暮らす……?
2、木更ちゃんも泊まりに来る?
3、ごめんね。預けておきながら
4、憩。やっぱり……木更ちゃんと一緒にいたら?
5、お願い。木更ちゃん
6、その他


安価下


花菜「木更ちゃんも泊まりに来る?」

木更「な、何言ってるのよ。花菜の手料理に釣られたりなんかしないわ」

木更ちゃんはそう言いながらも

お腹に手を当てながら顔をそらす

木更「で、でも?」

花菜「うん?」

木更「花菜がどうしても料理食べてほしいって言うなら――」

陽羽「花菜ー帰ろーよ。木更は良いらしいし」

木更「えっ……」


陽羽は木更ちゃんを一瞥すると

苦笑しながら憩と私の手を握る

結構本気でおいていくつもりなのね……

陽羽「花菜のご飯はすっごくおいしーんだよ?」

憩「そうなの? でも、木更……さんも美味しいよ。それにいっつも綺麗な容器に入ってるんだよ?」

陽羽「綺麗な容器……? それって食べ終わったらゴミ箱に捨てるやつ?」

憩「うん。水道代の節約になるすごいやつ!」

憩のキラキラした良い笑顔とは対照的に

陽羽は残念なものを見る瞳を木更ちゃんへと向ける

木更「し……」

花菜「木更ちゃ」

木更「仕方ないじゃない! 出来ないものはできないんだから!」

木更ちゃんの悲しい愚痴をしばらく聞いたあと

4人で私の家へと向かった


→ 7日目  夜  自宅


木更「相変わらずね……花菜の料理は」

花菜「そう?」

木更「これが毎日食べられる陽羽ちゃんが羨まし……でも、食べ過ぎて太りそう」

困ったように笑いながら

木更ちゃんは自分のお腹を優しく撫でる

花菜「そうならないようにちゃんと栄養調整するわよ」

木更「なら良いかもしれないわね……ちょっとお手洗い借りるわ」

木更ちゃんはそう言って席を外す

注射をしなくちゃいけないんだったわね

陽羽「どう? 美味しかったよね?」

憩「うん、凄く美味しかった」

花菜「……ふふっ」


今度から憩も一緒に……かぁ

今までよりも少し賑やかになりそうね

陽羽「陽羽も作るの美味いんだよ」

憩「嘘だね。全部お姉ちゃんに任せてそうだし」

陽羽「そんなことないもん!」

憩「じゃぁ今度作ってみて」

陽羽「憩のためになんか作らないよーだ」

憩「ふーん。作れないんだ」

陽羽「つーくーれーるー!」

陽羽がからかっているのか、からかわれてるのか

一目瞭然ではあるけど

貴女はお姉ちゃんじゃなかったの……?

まぁ、ふふっ

仲が良いみたいでなによりだわ


花菜「はいはい、いいからお風呂入ってきちゃいなさい」

陽羽「花菜と入る!」

憩「お姉ちゃんと!」

花菜「うーん……」

今しがたお手洗いから戻った社長さんが

自分の方を指差してるけど

2人は全く気にしていない様子

さすがに4人は無理だし

3人にしたらひとり余る……私が余るのもありね

木更「………………」

花菜「泣きそうね……」


1、憩と
2、陽羽と
3、木更と
4、自分が余る
5、くじ引き(コンマ)


安価下


陽羽「陽羽が花菜と入るの!」

憩「あたしが入る!」

木更「私……」

陽羽「陽羽!」

憩「あたし!」

木更「私と……」

陽羽「木更は黙ってて!」

憩「木更……さんは静かに!」

木更「あ、はい」

言い争いを続ける2人と

その輪には入れない1人

さすがに……ね

花菜「いい加減にしなさい!」


声を上げて、手を叩くと

二人がビクっと驚いて言葉が止まる

花菜「別に誰が誰と入ったって良いでしょう? それに、木更ちゃんを無視しちゃダメ!」

陽羽「ぅ……ごめんなさい」

憩「ごめんなさい」

花菜「全くもう……」

適当なものを使って簡単に2枚のくじを作る

2枚は何も書かず

2枚は1と数字を入れる

花菜「はい、それぞれ引くように。白紙と白紙、1と1よ。誰が相手でも文句は無し」

陽羽「絶対とるんだから」

憩「あたしが取る!」


安価下  コンマ 一桁で陽羽   二桁で花菜

安価下2 コンマ 一桁で木更   二桁で憩


※例:89だとして、 9が一桁 8が二桁
※コンマの数字が近いもの同士が組みます
※789のように、隣接したものが来た場合は78が組みます
※6789の場合は 67 89となります


陽羽「しゃっ!」

憩「むーっ……くじなら仕方がないよね」

憩は少し不満そうにしていたけど

くじだから仕方がないと諦めてくれたらしい

……これ、私が木更ちゃんと入るべきだった気がする

憩「木更……さん。その、さっきは」

木更「ふふ……良いの。慣れてる」

里見くんから聞いたことあるけど

木更ちゃんって

子供からなかなか好かれないのよね

本人は好きなのに……でも

子供って人の内面に敏感なところもあるから

もしかしたら薄々感じているのかもしれないわね……貴女の中の本当の一面に


→時間経過 (入浴は 花菜&陽羽、憩&木更)


花菜「ん……」

お風呂から出て時計を見れば

そろそろ寝る時間だけど

少しくらい話すのもいいわよね

さすがに出かけたりは無理だけど

陽羽「えーいっ」

憩「あはははっ、だめ、あははははっ」

木更「ふふっ」

木更ちゃんは陽羽と憩のじゃれあう姿を見ながら

幸せそうに微笑む

いつまでもそのままでいれば……良いのに

それはともかく、どうしようかしら


1、もう寝る
2、憩と交流
3、木更と交流
4、陽羽と交流
5、電話
6、その他


安価下


花菜「木更ちゃん」

木更「花菜……」

花菜「憩や陽羽は悪気があるわけじゃないのよ」

木更「うん、解ってる」

木更ちゃんはそう言いながら

絡み合ったまま寝息を立てる2人を見つめる

その瞳は少し……悲しげだった

木更「料理が下手だから手料理で引っ張れないし、花菜には完敗よ」

花菜「でも、憩は木更ちゃんの事好きだと思うわ」

木更「でも、花菜ほどの包容力が私にはない」

花菜「木更ちゃん……」


木更ちゃんは悲しそうに呟き

私の方に顔を向け、微笑む

木更「花菜の方が大人だし」

花菜「たしかにそうだけど……」

でも、それだけじゃないということは

私はなんとなく解っていた

木更「良いわよね、花菜は。ほんと、凄い」

花菜「………………」


1、何か悩みがあるなら聞くわよ?
2、貴女……心に余裕がなさすぎるわ
3、抱きしめる
4、私のこと……お母さんだと思ってもいいのよ?
5、私は良く甘いって言われる。でもね、悪い子はちゃんと叱る。見逃したりしない。たとえ、それが社長である貴女でも
6、料理、教えてあげましょうか?
7、……もう、寝ましょ
8、その他


安価下


木更「!」

花菜「………………」

木更「………………」

木更ちゃんの体を優しく抱き寄せて

そのまま包み込む

抵抗はなく、何かを言うこともなく

木更ちゃんはそのまま体を預けてくる

木更「………………」

花菜「……木更ちゃん」

木更「……なに?」

花菜「……私は何も凄くはないわ」


悩みがあるなら聞く。と

耳を傾けてあげるべきなのかもしれない

心の余裕のなさを指摘してあげるべきなのかもしれない

失ったお母さんのように、私を頼ってもいい。と

手を差し伸べてあげるべきだったのかもしれない

その裏の一面が表に出ないように、釘を指すべきだったのかもしれない

たくさんある出来ることの中から

私は抱きしめるという一番楽なことしかできなかったのだから……

木更「……そんなことないと思うわ」

花菜「……そう?」

木更「だって……なんだか、懐かしいの」

花菜「………………」

木更「貴女は全然違うのに、なんだか……私……」


木更ちゃんは小声で呟くように言いながら

抱きしめる私の服を握り締める

木更「……ねぇ、花菜」

花菜「うん?」

木更「花菜は優しいのよね」

花菜「甘いって言われることもあるけど……」

木更ちゃんの言葉の意図が掴めずに

正直に答えると

木更ちゃんは「そっか」と、挟む

木更「花菜はずっと私の味方でいてくれる?」

花菜「………………」

それが聞きたかったのね……

でも、その質問に答える前に

木更ちゃんは何言ってるのかしら……と

苦笑して離れて、眠りの中に逃げていってしまった

花菜「……馬鹿」

それは、どっちの貴女の言葉なの? 木更ちゃん



・一日を終わります

────────────────────────────────────────

 交友関係(好感/信頼)  2月7日目 現在

  山科 陽羽 (62/62  信頼するパートナー) 交流+1 交流+1
  山科 憩   (37/37  信頼するプロモーター) 初期30 名づけ+5 交流+2
  天童 木更 (24/28  仕事仲間) 交流+2 相談+2/+4

  里見 蓮太郎(17/18  仕事仲間) 
  藍原 延珠 (18/18  仕事仲間) 
  山科 香織 (59/62  大切な双子の妹)
  司馬 未織 (24/24  仕事仲間)

  室戸 菫   (19/19  仕事仲間)
  千寿 夏世 (05/05  その他のプロモーター)
  伊熊 将監 (-30/-15  敵)
  蛭子 影胤 (04/06   興味) 交流+2
  蛭子 小比奈(-36/-36 嫌い) 影胤と会話-1
  片桐 玉樹 (04/02  その他の民警)

  片桐 弓月 (01/01  その他の民警) 
      聖天子(10/12  気になる民警)

           序列:3000番  所持金 557.7万円

────────────────────────────────────────


とりあえず今日はここまでです

ありがとうございました


ところどころ原作知らないと解らない部分が増えてきたような気がする……
あと、蓮太郎と延珠が全く……


蓮太郎達は固定のイベントで出すのもありですね。たしかに

月日の流れは ひと月14日(2週間)+祝日・休日で+1or+2の15または16日
それが経過したら次の月に飛びます

一応、sswikiいも記載しておきました


安価下コンマ判定。イベント

159 お仕事

  4 依頼

それ以外は無し


→ 2月 8日目  朝  自宅


木更「おはよう、花菜」

花菜「おはよう。木更ちゃん」

今日も学生はみんなお休み

天童民間警備会社は営業中

でも、依頼がないからお休みみたいなもの……だったりする

木更「あれだわ。花菜がやっぱり序列を上げてくださいって言えばいいのよ!」

花菜「え?」

木更「そうすれば知名度も上がって仕事も増えて万々歳!」

花菜「取り下げてもらったんだもの。やっぱり上げてくださいなんてダメだと思うわ」

苦笑しながらそう言うと

木更ちゃんは残念そうにため息をついた


花菜「ん…………」

依頼なんてない方が平和でいいとは言え

何もないと逆に仕事がなさすぎてちょっと困る

とは言っても

先日の件で多少のお金は貰えたから生活に困ることはないし

時間が余るから

何をしたらいいのかな……という平和なものだけれど

木更「美味しい夕飯を食べて寝て、美味しい朝食を食べて出勤……ねぇ陽羽ty」

陽羽「ダメ」

木更「まだ何も言ってないんだけど……」

憩「木更……さんが言いそうなことは解るから」

木更ちゃんは出勤するそうだけど、憩は未定らしい

出かけるなら連れて行ってあげるのもありよね


1、木更と交流
2、陽羽と交流
3、憩と交流
4、電話
5、武器関連
6、出かける
7、その他


安価下


花菜「お出かけしようかしら」


1、菫のところ
2、蓮太郎のところ
3、外周区
4、事務所
5、不動産
6、香織のところ
7、未織のところ
8、公園
9、商店街
10、その他



A、一人で
B、陽羽と
C、憩と
D、陽羽、憩と



安価下2 (1~10、A~Dを同時に選択)


いや、さすがに行き先なのでそれはないですね

単独行動は確定


1、菫のところ
2、蓮太郎のところ
3、外周区
4、事務所
5、不動産
6、香織のところ
7、未織のところ
8、公園
9、商店街


安価下


外周区で

安価下コンマ判定


4 ガストレア

5 盲目の少女

8 影胤&小比奈

9 新しい幼女

6 奪われた世代


そのほかは何もなし


→外周区


ふらりと外周区に立ち寄ってみる

先日、私が葬ったガストレアの遺骸はすでに運び出され

研究の糧になっているのだろう

遺体は跡形もなく消え去っていた

花菜「…………」

感染源になってしまった人もやはり

ガストレアだけでなく、子供たちが憎かったのだろうか

聖天子様の唱えるガストレア新法が心の底から気に食わなかったのだろうか

死者は何も語らない。語れない

でも……生前の行動がその答えを耳を塞ぎたくなるほどに叫ぶ


花菜「……憎い。気に入らない。認められない」

あなたはきっとそんな気持ちだったのよね

だから、封印指定物を持ち出した

ガストレアに襲われる危険性を踏まえながらも

モノリスの外へと飛び出した

花菜「………………」

世界はどこに向かうつもりなのだろう

人々の思いはどこへ向かうのだろう

憎しみに駆られ、平和を維持する術を自ら破壊し、滅びる

なんだか……そんな気がしてならない


彼が横たわっていたであろう場所に向かって手を合わせて一礼

後に空を見上げる

花菜「……澄んだ空気ね」

人が消え、自然が増えた外周区

当然といえば当然かもしれないけれど

皮肉にも人の文明が繁栄し

様々な建物に囲まれた町並みの中の空気よりずっと……イイものだった

ガストレアウイルスが自然発生したものなのなら

私達は自然を破壊した罪を背負い

それを償うために淘汰されているのかもしれない……なんて

花菜「……………うん?」

何かの気配を感じ、後ろを振り向く


安価下コンマ判定

1 鉛の子
2 女の子
3 影胤&小比奈 
4 ガストレア
5 将監&夏世
6 陽羽
7 片桐兄妹
8 憩
9 奪われた世代
0 蓮太郎&延珠


ゾロ目の場合は最安価


弓月「あっ」

玉樹「お……アンタは」

感じた気配は片桐兄妹のものだったらしく

草根をかき分けて2人が姿を現す

花菜「どうしてここに?」

玉樹「それはオレっちのセリフだな。ここは外周区だぜ? 一人は危険だろ」

片桐お兄さんこと

片桐くんはそう言いながら臨戦態勢を崩して

私のことを見つめる

花菜「ちょっと……お散歩にね」

弓月「散歩ってアンタ……まぁ、強いんだっけね」

片桐妹である弓月ちゃんは

不機嫌そうなため息とともにそう呟いた


見たところ怪我を庇うような動作もないし

陽羽との戦闘によるダメージはさほどでもなさそうね

手加減はもちろんしたんだけど……恐るべきは片桐くんの頑丈さかしらね

玉樹「強くても囲まれたりしたらダメじゃねーのか? 戻ったほうがいいと思うぞ」

花菜「囲まれるほどいるとは思えないけど……」

でも

片桐くんは片桐くんで

私のことを心配してくれているのよね

昨日の敵は今日の友達……なんて



1、片桐くん達はここでなにを?
2、昨日はごめんなさい。痛みはない?
3、ふふっ、心配してくれてありがとう。でも、大丈夫よ
4、ねぇ、連絡先交換しましょう? ここであったのも何かの縁だと思うし
5、その他


安価下(1~5のどれか一つ)


花菜「先日はごめんなさい。痛みはない?」

玉樹「オレっちは頑丈だからな。何も問題ねぇさ。この通りピンピンしてらぁ」

片桐くんはそう言いながら

元気よく跳んだりなんだりと

健康アピールを大々的に行う

花菜「そう……」

安堵のため息をつきながら

そっと胸をなでおろす

花菜「大怪我させちゃっていたらどうしようって……ふふっ良かったわ。何も問題なさそうで」

玉樹「お、おう……」

片桐くんは頬を掻きながら

弓月ちゃんへと視線を落とす

弓月「馬鹿なこと考えないでよ?」

玉樹「わかってるっての」


そういえば。と

片桐くんが切り出す

玉樹「相方がいねぇってことは散歩なのは事実だよな?」

花菜「ええ」

片桐くんは少し真面目に呟き

神妙な面持ちで顎に手を当てる

玉樹「昨日今日と、連続でガストレアの侵入があったってのは知ってるか?」

花菜「今日も……?」

ガストレアの侵入は全くないというわけじゃないけど

それでも連続するほど確率の高いものではない

玉樹「ああ、だから気をつけたほうがいいぜ。特に外周区に一人はあぶねぇ」


1、ええ、気をつけるわ
2、片桐くんが守ってくれる?
3、……気になるわね。この偶然
4、政府は何か言っていないの?
5、じゃぁ貴方たちと一緒にいるわ
6、その他


安価下(1~6の一つ)


花菜「……気になるわね。この偶然」

玉樹「そうだな。だからおれっち達は――」

弓月「兄貴、さっさと行くよ」

玉樹「ちょ、ま、待てって」

片桐くんは弓月ちゃんに強引に引っ張られていく

弓月ちゃんからは

かなり嫌われちゃってる……かな

花菜「………………」

初対面が戦闘

しかもお兄さんを戦闘不能に追い込んだんだものね

心象も悪くて当然かしら


それにしても

ガストレアの侵入の連続

未踏領域で何かが起きているの?

それとも

何かが起きる前触れなの?

花菜「なんにしても警戒はしておかないとダメよね」

培った直感が

嫌なものを感じ取り、体を震わせる

何かが来る

そんな気がした


・場所を移動します
・陽羽、憩は事務所待機です


とりあえずここまでにします

お疲れ様でした


明日は可能なら朝にちょこっとやって飛んでお昼頃からになるかもしれません

連絡先を教えていれば
影胤達とは交流がしやすかったかもしれません


ティナもちゃんとやりますよ
空気にはならないように気を付けないと……

蓮太郎達もなんとかしないとですね
イベントなしの場合には時々出すとか


→ 8日目  昼  街道


「ママー甘いもの食べたーい」

「ダメよ。さっき食べたばかりでしょ」

「えーパパー」

「そうだなぁ……」

「もうっ、貴方は甘いんだから」

お休みの日だからか

ところどころで子供と母親だったり、父親と子供だったり

両親と子供……家族で

楽しげに歩いているのが見える

花菜「………………」

そこに因子を持つ子供たちの姿はない

幸せな家族を見て、家族のいない孤独な少女たちを思う

因子を持つということの壁の高さを改めて感じた


花菜「お昼はどうしようかしら」

陽羽たちは事務所にいるみたいだけど

里見くん達は解らない

生きて会いにいくと約束した未織ちゃんに会いに行こうかしら

それとも、お姉ちゃんに会いにいく?

それとも、ガストレア関連の話を聞くために菫さんのところに?

花菜「それとも……不動産?」

報奨金をもらった時に考えた

呪われた子供たちのための学校を建てる……というか買う?

花菜「……陽羽や、延珠ちゃん。憩のためにも」



1、移動
2、電話
3、商店街をふらつく
4、外周区にもう一度
5、その他



安価下


花菜「どこに行こうかしら」


1、不動産
2、香織のところ
3、未織のところ
4、蓮太郎のところ
5、聖居
6、菫のところ
7、事務所


安価下


安価下コンマ判定


一桁  3 8 0  で蓮太郎イベ

      4 で影胤&小比奈


→ 菫の研究室


花菜「相変わらずですね。菫さん」

菫「相変わらずの君がそれを言うか。序列を偽ってるハゲタカのくせして」

花菜「なんでハゲタカなんですか……」

菫「なんとなくだよ」

菫さんは一人でクスクスと笑いながら

背丈に合わず

引きずっている白衣を翻す

菫「例のペア、倒したのは花菜と陽羽だろう?」

花菜「菫さんには隠せませんよね」


菫「蓮太郎くん達が不安がっていたぞ? あいつら以上の奴が潜伏してるかもしれねぇ! 俺の大事なハーレム要員が消されちまうって」

花菜「そういうの、延珠ちゃん達にも言ってますよね」

菫「ハハハ、延珠ちゃんはいいぞ。簡単に信じ込む。まるでスポンジのようだ」

花菜「もうっ……あんまり変なこと教えないでください」

何度目かの注意にため息を混ぜ込み

そっと近くの机の上を見つめる

ガストレアの破片

私達が討伐したものではなさそうだし

一番新しいもののかしら……

菫「それでどうかしたのかい?」

花菜「…………………」


1、陽羽の力について
2、憩の力について
3、延珠の状態について
4、侵入してきたガストレアについて
5、影胤たちについて
6、アルブレヒト・グリューネワルトについて
7、その他


安価下


花菜「菫さんはアルブレヒト・グリューネワルトという人を知っていますか?」

菫「どこでその名を?」

花菜「昨日、影胤さんが事務所に会いに来て……それで」

一瞬だけ険しくなった菫さんの表情に

言葉が少し詰まる

あまり聞きたくない名前だったのかしら……

花菜「影胤さんは自分の執刀医だと言ってました」

菫「なぜその影胤という人物は君にそのような話をした? 本来なら他言無用だ。なにせ幻の計画のことなのだからな」

花菜「影胤さんは「先に教えてくれたのはキミの方ではないかね?」と」

菫「また例の癖をこじらせて誘惑したのか……相変わらずだねぇ」

花菜「ち、違います! あれは落ち着かせたりするためです!」

菫「逆に興奮するだろう。特に蓮太郎くんや影胤のような男性諸君は」

菫さんはにやっと笑い私の胸を見つめる

菫「延珠ちゃんに背中から刺されるぞ」

花菜「だからしてませんってば!」

……誘惑は。だけど


菫「なら何を教えた? 処女との交わりの無意味さではないとすると……まさか」

花菜「何を考えてるのかわからないけど違います」

力強く机を叩き、ため息をつくと

大きく入り込む部屋の空気に頭が痛む

菫「じゃぁなにを?」

花菜「影胤さんの力ですよ。殺すために作られたという影胤さんに、貴方は守るために作られた。と」

菫「ふむ……なるほど。たしかにグリューネワルト翁は生命を尊重する人間だ。殺すためよりも守るためにつくる可能性が高いよ」

花菜「影胤さんの力は攻撃でなく、絶対防御の盾としての役割が強い。だから、執刀医は守らせたかったんじゃないかって」

菫「花菜はそれを執刀医もその方針も何も知らず推測だけで語ったのか」

呆れたように言う菫さんに対して

微笑を浮かべながら頷く

菫「だがおそらく間違いではないよ。今さっき言った通り、命を大事にがモットーな人間だからね」


花菜「そ、そうですか……」

菫「だが、君は当然解っているだろうけどね。力は力でしかない。善悪が持ち主によって定まるように殺すも救うも持つ者による」

花菜「……………………」

それは逃れられない自然の摂理

誰がどのような意図で作り上げたのかは関係なく

それを使う人によって捻じ曲げられてしまう

爆弾だってそう

道を作るためだったりしたものが

いつしか生命を破壊するためのものに発展していった

人々の夢、宇宙空間へと運ぶ巨大な夢の舟がある

でも、

それを小型化したようなものは生命を散らせる死の方舟と化している

花菜「そうしようと思ったわけじゃない。でも、気づけばそうなっていることって……多いですからね」


菫「……まぁそうだね」

花菜「………………」

菫「…………………」

黙り込んだ私に並ぶように

菫さんもまた黙り込み

やがて……口を開く

菫「殺すために作られたから戦争を。という思いだったのであれば、きっと平気さ」

花菜「……そうかしら」

菫「少なくとも『教えられた』んだろう?」

菫さんの怪しい笑顔は不安だったけれど

たしかにそう言われた……と

言葉に頷き、うつむき気味だった顔を上げる

花菜「そう……ですね」

また会えたらいいな。なんて

そうそうかなわない願いを胸に小さく笑った



・場所を移動します
・夕方に移ります


→夕方 街道


もう日も傾いてきた夕方

私は未だに街中を車で駆け巡っていた

ガストレア侵入の一報が入ることを期待していた。とは言わないけど

それがもしもきた場合に備えていたのである

駆けつけたけど被害者が出ていましたなんて

そんな最悪の状態には陥らないために

でも結局なんの連絡もなく

1日はその半分の時間を終わらせてしまった



1、移動
2、電話
3、家に帰る
4、その他


安価下


花菜「いずれにしても同じ場所にいても仕方がないわよね……」

ギアを入れ替え車動かす

アクセルを軽く踏み込み

前の車にぶつからないように丁寧に扱う

何度同じことを繰り返したことか……と

しみじみ思いながら

あかね色の空を見上げた



1、香織のところ
2、未織のところ
3、外周区
4、蓮太郎のところ
5、事務所
6、聖居
7、商店街
8、不動産
9、その他


安価下


安価下コンマ判定

1 蓮太郎&延珠
2 歌を歌う少女
3 小比奈
4 電話
5 露店のような店
6 ボロボロの女の子
7 未織
8 片桐兄妹
9 香織
0 男性


→ 商店街


商店街を歩いていると

私服ではあるがサングラスをかけた男性が道を阻む

スーツだったら何らかの護衛についていそうな人ね。と

ある程度の予測をしながらため息をつく

花菜「何か?」

「何か? とは随分だな」

花菜「はい?」

男性はあたりを見渡しながら

もう一度私を見つめる

私より10cmは背の高い男性は

どうやらナンパというわけではなさそうだった


「今は一人か?」

花菜「ええ、そうですけど……」

見て分かるものじゃないのかしら。と

不可解な男性の挙動に頭を悩ませながら

周りへと目だけを動かす

何らかの不審者がいる様子もないただの商店街

「そうか……ならちょっと来い」

花菜「え、ちょっと……」

強引に手を捕まれ

路地裏の方へと引っ張られていく



1、誰かと勘違いしてませんか?
2、止めてください!
3、体術で押さえ込む
4、大人しく付いていく
5、その他


安価下


花菜「………………」

勘違いしているのかもしれない。と

罪悪感を抱きながらも

体を這いずり回る嫌な予感を突き止めるべく

大人しく付いていく

男性だし、それなりに鍛えているようで

自分の力だけで抗えるのか解らない

乱暴されたら多分……

嫌な考えを振り払い、男性の足が止まったところで私も足を止めた


「考え直しては貰えたかね?」

花菜「……何を?」

本当に内容は知らないけれど

知っているけどとぼけているかのように

微笑とともに呟く

「ふん。その態度なら交渉決裂と見てよさそうだな」

花菜「………………」

「睨んでも無駄だ。俺はただの連絡係なんでね」

男性は嘲笑を交えながら

サングラスをクイッと上げて私を見つめ返す

話の流れが全く読めないけど

あまり良い話ではなさそうだった


「やっぱり、処分する側に回ったらどうだ?」

花菜「処分……」

「怖いのは最初だけだ。時期に慣れる」

男性の口ぶりから想像するに

処分というのは殺処分……なの?

花菜「……………………」

「手も汚さずにあんた一人でのし上がれるのはここまでだ。あとは何十年もかけていくしかねぇぞ?」

花菜「何十年も……」

「それが無理なら手を汚せ。それが嫌なら妹を使えば良いだけだ」

……妹?

私を見て妹を使えという

つまりは……お姉ちゃんが関係してるってこと?

何を言ってるのかとか全然わからないけれど……



1、私がその妹よ
2、銃を突きつける
3、もう少し……考えさせて
4、そのどっちも断ったら?
5、その他


安価下


花菜「もう少し……考えさせて」

「あまり時間は引き伸ばせないぞ。上だっていつまでも同じものを求めているわけではないからな」

花菜「ええ、解ってるわ」

私の答えを聞いて男性は足早に去っていく

その後ろ姿を見ることすらできずに

私は自分の手を何度も握り締める

花菜「……お姉ちゃん」

何が起きてるの?

何をしようとしているの?

なぜ、私が必要なの?

なぜ、処分することがのし上がることに必要なの?

不安に不安が重なって、疑問が膨れ上がっていく

嫌な気分は拭えないまま、時間だけが経過していった


→ 夜  自宅


花菜「………………」

携帯の電話帳の一角

山科香織という部分を見つめる

電話をするべきか否か迷っていて

なかなか動けない

陽羽「花菜?」

花菜「………………」

憩「お姉ちゃん?」

体が左右から強く揺さぶられ

携帯が床に落ちて音を立ててはっとする

花菜「ごめんね、ぼうっとしちゃってた」

その言葉とともに生み出した笑みを、陽羽達は少し不満そうに見つめた


陽羽「今日一日ほったらかしにしてさー、帰ってきてからもって変だなー」

憩「何かあったのかもしれないって不安だったのに」

花菜「……ごめんね」

不満を漏らす2人の頭を優しく撫でながら

ふっと息を吐く

悩んでばかりじゃいられない

やること、やれることはたくさんあるし

今は何をするべきなのかを……考えなきゃ


1、電話
2、武器関連
3、陽羽交流
4、憩交流
5、2人交流
6、もう休む
7、その他



安価下


花菜「………………」

落としたままの携帯電話を拾いあげて

電話帳を開く

電話をしようと思いたったのは良い

でも……誰に電話する?

お姉ちゃん?

それとも、あれからまだ顔合わせすらしてない未織ちゃん?

里見くんや延珠ちゃんに侵入してくるガストレアの話?

花菜「…………どうしよう」



1、香織
2、未織
3、延珠
4、木更
5、蓮太郎
6、菫


安価下


電話をする相手の選択肢なんて

いっぱいあるけど一つしかなかった

しばらく呼び出しを続けたあと

相手の声が電話から響く

花菜「こんばんは、お姉ちゃん」

香織『どうしたの? こんな時間に』

お姉ちゃんは私がよくわからないことを知ってしまったことを知らない

だからか

私とお姉ちゃんの声には温度差を感じる

花菜「……色々とあって」

香織『それはそうよ。生きてれば色んなことがあるわ』

姉ちゃんは苦笑しながら

そんな当たり前のことを呟く


香織『子育ての相談には乗れないわよ? 私、結婚とかしてないし』

花菜「私が知らないあいだに結婚してたら凄いと思う」

香織『ふふっ、そうね』

お姉ちゃんの声は変わらず明るい

処分か、妹を何かに使うか

その二択を責められているとは到底思えない

もしかしたらお姉ちゃんではないもっと別の人と見間違えたのかもしれない

そんなちっぽけな希望に心が踊る



1、ねぇ……隠し事。してない?
2、夕方にね。男の人と会ったわ。処分ってどういうこと? 私を何に使うの?
3、……私、お姉ちゃんのこと好きだよ。私にとってとても大切な人だよ
4、因子を持つ子供たちのために、学校を作ろうと思ってるの
5、明日……会えない?
6、ちょっとお姉ちゃんの声が聞きたかっただけ
7、その他


安価下

陽羽連れてったら突然の襲撃もお姉ちゃん逃走も実力で抑えられるな

憩も地味に連れて行っても大丈夫なぐらいつよいけど武器ないから事務所でお留守番だな


花菜「明日……会えない?」

香織『明日? 私仕事があるからお昼の休憩の時なら多分……』

お姉ちゃんはスケジュールか何かを確認しながら

問題ない。と、言葉をつなげた

花菜「じゃぁ……明日のお昼に会いにいくから」

香織『ふふっ。お姉ちゃんが相談に乗ってあげよう』

お姉ちゃんはそんな風に楽しげな声を漏らし

冗談交じりに笑う

花菜「……ねぇ」

香織『なぁに?』

花菜「……………………なんでもない」

言えなかった。聞けなかった

明日言えばいい。聞けばいい。と

少し強引に自分を抑えて電話を終わらせた


・一日を終了します

>>348>>349
蓮太郎達も連れて行って確実に話を聞ける環境しつつ、万が一の襲撃にも備えるのがベストだな。
ついでに出番も確保できるし!

そんなぞろぞろ連れて話聞くような内容じゃないだろ
ただでさえ内密な内容なのに

>>352
話は一対一で聞いて、こっそり数人配置して万が一に備えるみたいな考えだった

────────────────────────────────────────

 交友関係(好感/信頼)  2月8日目 現在

  山科 陽羽 (62/62  信頼するパートナー)
  山科 憩   (37/37  信頼するプロモーター)
  天童 木更 (24/28  仕事仲間)

  里見 蓮太郎(17/18  仕事仲間)
  藍原 延珠 (18/18  仕事仲間)
  山科 香織 (59/62  大切な双子の妹)
  司馬 未織 (24/24  仕事仲間)

  室戸 菫   (19/20  仕事仲間) 交流+0/+1
  千寿 夏世 (05/05  その他のプロモーター)
  伊熊 将監 (-30/-15  敵)
  蛭子 影胤 (04/06   興味)
  蛭子 小比奈(-36/-36 嫌い)
  片桐 玉樹 (05/03  その他の民警) 交流+1
  片桐 弓月 (01/01  その他の民警)
      聖天子(10/12  気になる民警)

           序列:3000番  所持金 557.7万円

────────────────────────────────────────

ひょっとして五翔会関係かな?


朝イベント判定


4 TV


9 影胤&小比奈

qq


安価下

もしも>>361があるならそれ

朝のTV見るタイミングでたずねてくる中ボス系親子がいるらしい

>>365
朝、目覚めたら蛭子親子がTV見てたのか……


→ 9日目  朝  自宅


朝の自宅

朝食の準備とかで色々とせわしなく動いているのが一般的なものかもしれないその空間に

軽い緊張感が漂っていた

というのも

思いがけない来訪者があったからだ

花菜「それで……今日はなんで」

影胤「少し話があってね」

花菜「だからって家に来ます……?」

影胤「……ふむ。割と緊急だったのだ」

じとっとした私の瞳から逃れるように

影胤さんはニュースを見せるテレビを見つめる

憩ー、この人があなたのお父さんよー(棒)

ピンチになったら蛭子親子が颯爽登場しそうww

>>373
信頼も好感度も-36な小比奈ちゃんに命狙われそうな展開だなww


花菜「まぁ良いです。影胤さん達もどうぞ」

影胤「いや、結構だ」

花菜「行き倒れそうだったとかじゃないんですか?」

影胤「君は私達をなんだと思っているのかね?」

軽い冗談のつもりだったけど

影胤さんはともかく

小比奈「斬っていい? 斬りたいな。斬っちゃっていい?」

小比奈ちゃんはかなり不機嫌で

影胤さんが言うには

私と接触すること自体に抵抗があるとか

陽羽「花菜に手を出す前に陽羽がその手を斬るから」

憩「そうだね……お姉ちゃんに何かするなら」

小比奈「っ……」

陽羽と憩が瞳を赤くして小比奈ちゃんを睨み

流石の小比奈ちゃんも後退り、大人しく食卓につく

このまま蓮太郎にもフラグ立てたら、蓮太郎と影胤の戦闘が私の為に争わないで戦闘になるのか


なんだかこうしていると

みんな一緒に暮らしているようにも感じる……のは

因子を持つ子供たちを交えた家庭というものを

私が世界の未来の理想として抱いているからかもしれない

花菜「陽羽、憩」

陽羽「うん?」

憩「なに?」

花菜「小比奈ちゃんが武器を構えてない以上、貴女達も収めなさい」

憩「でも――」

陽羽「解った。花菜がそう言うなら」

即断して瞳の色を戻す陽羽についていくように

憩も瞳の色を戻す

花菜「……さて」



1、影胤さん結構自信あるんですけど……どうですか?
2、小比奈ちゃん、毒なんか入ってないから食べてみて?
3、さっさと本題に入る
4、その他


安価下

仮面を着けたまま味噌汁を飲むのを想像して草不可避


花菜「影胤さん結構自信あるんですけど……どうですか?」

影胤「手をつけていないが……」

花菜「じゃぁ、ぜひ」

影胤「……君という人間が解らんな。私は大絶滅を狙った敵ではないのかね?」

影胤さんの問いに対し

私は首をかしげて聞き返す

花菜「私は貴方の切なる願いを砕きました。なのにこうして会いに来てくれる。それこそ不思議だわ」

影胤「……ふむ」

影胤さんのつける仮面の奥の瞳が私を見つめる

その力強さは私のそれとは差があるけれど

引くわけにも行かずに微笑みを返す


影胤「………………」

小比奈「パパ駄目! 毒が入ってるかもしれない!」

影胤さんが料理へと視線を落としただけで

小比奈ちゃんが鋭く怒鳴る

陽羽「そんな勿体無いことしないに決まってるのに」

小比奈「馬鹿だねあなた。敵を殺すのに勿体無いも何もない。殺すためならこんな食べ物なんてゴミと一緒」

陽羽「ゴ――」

憩「あんたの方が馬鹿だよ。食べ物がゴミ? 食べ物の有り難みも解らないヤツが価値を口にするな!」

小比奈「!」

思わぬ方向からの怒鳴り声に

小比奈ちゃんがビクッと震える

憩「あたしは許さないよ。絶対……許さない」

小比奈「…………パパ。どうする?」

小比奈ちゃんは憩の真紅の瞳から目をそらさずに

影胤さんへと問う


影胤「………………」

花菜「……ここ、私の家なんですけど」

影胤さんの無言の瞳に

笑顔とともにそうぼやく

影胤「私の斥力フィールドも敗れる上に、実力がはるかに上がいるが勝てるのかね? 愚かな娘よ」

小比奈「………………」

小比奈ちゃんは陽羽を一瞥し

小太刀の柄から手を離す

どうやら、家の中でバトル勃発は避けられたようだ

花菜「憩も落ち着きなさい」

憩「でもっ!」

花菜「小比奈ちゃんは貴女を。貴女は小比奈ちゃんを知らないだけなんだから。ね?」

憩「う~っ……解った」


影胤「すまないね」

花菜「いえいえ、何事もなかったわけですし」

小比奈ちゃんたちは敵だったわけだし

料理に毒が含まれている可能性を考えるなっていうのは難しい話だものね

陽羽はいつでも戦えるようにしているし

憩は小比奈ちゃんを睨んでるし

小比奈ちゃんは俯いちゃってるし……

このままじゃ無意味に時間が過ぎて言っちゃうし

ギスギスした朝食なんて……



1、本題に移ってもらう
2、毒見をして小比奈に渡す
3、毒見をして影胤に渡す
4、小比奈ぎゅっ
5、その他


安価下

必殺技発動! 4

堕ちたな(確信)


花菜「小比奈ちゃん」

小比奈「っ!」

小比奈ちゃんの座る椅子ごと抱きしめると

体がこわばったのを感じた

抵抗したいのかもしれない

でも、陽羽たちがいるからできない……といったところだろうか

花菜「怖い?」

小比奈「………………」

花菜「私達に対してなにか疚しい事をしてる?」

小比奈「そんなこと言うわけないじゃない」

小比奈ちゃんは素早くバッサリと言葉を切る


花菜「……じゃぁ、私のこと好き?」

小比奈「嫌い」

花菜「そ、そっか」

さっきよりも早く鋭い言葉が胸に突き刺さる

本当の本当に嫌われているらしい

花菜「それで……ね? この料理は来ることを想定してたわけじゃないの」

小比奈「………………」

花菜「全て同じ場所からよそったものだし、それらすべてを小比奈ちゃんは警戒してたでしょ?」

小比奈「だから?」

花菜「毒なんて入ってない。それは解ってるはず」

耳元で囁くように言うと

小比奈ちゃんの手が私の腕を放せと掴む


小比奈「でも――」

花菜「じゃぁ、美味しくなかったりしたら1対1の勝負してあげる」

小比奈「……嘘つかない?」

小比奈ちゃんの目が輝く

それはやはり、狩るものの狂気の瞳

花菜「うん。陽羽にも、憩にも邪魔はさせない。殺されても復讐とかもなし」

小比奈「斬っていいの?」

花菜「うん。でも、それは私のご飯を食べて、小比奈ちゃんが気に入らなかったらね?」

ゆっくりと小比奈ちゃんから離れつつ

肩に手を置いて軽く揉む

花菜「結構腕前には自信があるの。もちろん、小比奈ちゃんの口に合うかどうかは解らないけど。でも、食べて欲しいから」

小比奈「……………………」

小比奈ちゃんは首を回し

私のことを見上げる


小比奈「こんなことに命を賭けるのなんて馬鹿みたい」

花菜「そう? 私はそうは思わない」

小比奈「どうして?」

花菜「ほかならぬ小比奈ちゃんのためだからよ。小比奈ちゃんが私を嫌いでも、私は貴女のこと嫌いじゃないもの」

小比奈ちゃんの真っ赤な瞳に微笑みを向けて

そこから離れ、影胤さんの対面の席に座る

ほんの少し長めの話のあとだからか

少しだけ冷めてしまっているけれどでも

花菜「ん……おいし」

いただきます。と。一言添えてから

お味噌汁をすすってつぶやく

陽羽、憩と順に料理に箸を運び

小比奈ちゃんたちはやはり毒に警戒しているのか

私達が手をつけたものを口に運ぶ

……仮面が外れて見えた影胤さんの素顔は、言葉にし難い複雑な感情を刻み込んでいた


→花菜の料理スキルにより、判定は不要とします


小比奈ちゃん達は食事を終えるまで無言で

食べ終えてもまた無言だった

でも、戦おうという素振りを見せない辺り

なんとか合格点は貰えたらしい

影胤「君は店でも開いているのかね?」

花菜「ふふっ、そう思います?」

影胤「問題はないと思うがね。むしろそれを望むよ。君達が民警から退けば私も随分と動きやすくなる」

花菜「たとえ民警でなくても、悪さをするなら私達は阻み――っ」

影胤「阻むか。まるで正義のヒーローのようだね」

私が届かない戸棚の奥の物を取り出し

影胤さんは私の言葉を代わりに終わらせた


影胤「これかね?」

花菜「ありがとうございます。でも、仏って言ったり悪魔って言ったり、ヒーローって言ったり。適当ですね」

影胤「その場その場で抱いた印象だ。変わりもする」

苦笑する私に対して

影胤さんはそっけなく言葉を返す

花菜「私は悪い人にとっては悪魔で救いを求める人には仏。なのかもしれませんね」

影胤「かもしれんね。少なくとも、君が従える2人にとっては仏であったと解る」

影胤さんは横目でにらみ合う3人を見つめ

再び私へと視線を戻す

花菜「……影胤さんにとっては?」

影胤「微妙なところだよ。敵の時は化物にも思える。だが、何もないときはただの女にしか見えん」

花菜「ふふっ、お茶飲みます?」

差し出したお茶を影胤さんは何の抵抗もなく受け取り

しばらくそれを見つめて……首を振る

花菜「影胤さん?」

影胤「……何でもないよ。気にするようなことではない」

全員落としたら、誰も敵対しようなんて思えないレベルの勢力になるなww


影胤「さて、本題に入ろうか」

花菜「そうですね」

料理の消えたリビングの席に座り込み、向かい合う

最初ほどの敵意は小比奈ちゃんから感じない

でも

チラチラと見てくるのは少し……気になってしまう

影胤「単刀直入に言おうか」

花菜「え?」

影胤「ゾディアック・ガストレア・スコーピオンが東京エリアに向かってきているようだ」

花菜「……え?」

二度目の間の抜けた声をかき消すように

小比奈ちゃんが「だから」と割り込む

小比奈「ステージⅤが来るんだよ。ここに」

陽羽「……なんで?」

影胤「詳細は私の知るところではないよ。だが、すでに空自が動いている。ガストレアが迷い込むのはその戦火から逃れるためだ」


一旦ここまでで

昼に聖居からお呼び出しの強制イベント

一旦おつ

ステージⅤ……新しい攻略対象ですね

>>1

聖天使様抹殺とステージⅤの同時進行になるんかな?



>>432
もう護衛の方は蓮太郎まかせでいいんじゃないかな……
ただでさえ姉の方の話も立て込んでるし

>>433
相性的にスコーピオンを蓮太郎にまかせてティナの件をこっちで処理した方がいいんじゃ
姉の状況次第だけど政治絡みなら、聖天使様とのパイプ強くした方がいいと思う

武器開発とか、こういうぶっ飛んだのも造れるの?
それとも、常識の範囲内?

35mm狙撃砲
超バラニウムを銃身とフレームで大規模に使用する事で、重量を20キロまで軽量化。
反動はマズルブレーキとロングストロークのリニア駐退器で軽減。
電動リニア駆動、ベルト給弾


バラニウム製の錨
最大幅2.5m重量15トンのバラニウム製の錨に超バラニウムとカーボンナノチューブの複合ワイヤーを付けた物。
錨の鉤の部分には刃となっており、切り裂き・突き刺し等が行える。
また超バラニウム複合ワイヤーは直径5ミリ程度ながら、15トンの錨を振り回すのに十分な強度が有り、その細さと強度で切り裂き攻撃にも使用できる。

>>432>>433>>434
ステージⅤは倒す。護衛もする。姉の問題も解決する。
全部やらなくっちゃあならないってのが主役の辛いところだな。

主役は蓮太郎…あっ(察し)

『蓮太郎「』での検索結果0件
『影胤「』での検索結果30件

新スレ入ってから蓮太郎一言も喋ってない件……。


蓮太郎達は隠しキャラだから仕方がないと思います


再開


>>438
さすがに規格外の武器はないですね

武器作成時に大成功でも出ればちょっとはオーバースペックになるかもですが

何かしらの巨大な戦略級兵器使わなきゃステージⅤなんて倒せる訳無いだろ!いい加減にしろ!(震え)

>>451>>452
オーバースペック……武器……Ⅴ……オーバードウェポンのことか!


花菜「……逸らす方法は?」

影胤「君は既にその方法を知っている。いや、考えついているはずだが?」

影胤さんはまっすぐ私を見つめる

たしかに……ステージⅤの進路を逸らす方法を

私は既に知ってる

花菜「封印指定物……ですよね?」

影胤「その通り。だれかが未踏領域の最奥にまで向かい、スコーピオンの進路が変わるまでそこで封印指定物を開放する」

花菜「……倒せないんですか? ステージⅤ」

影胤「倒せないことはないはずだ。現にタウルスとヴァルゴの撃破が完了しているからね」

影胤さんは言いながらも

仮面の口元に手を当てて苦笑する

影胤「やるつもりかね? いくら君たちでもステージⅤ相手は厳しいと思うが」


陽羽「花菜を守るためなら、陽羽……私は刺し違えてでもステージⅤを消すよ」

花菜「陽羽……」

陽羽が目を真っ赤に輝かせて

握り締めた木製の机の端がバキッと音を立てる

影胤「死ぬ気かね?」

陽羽「それ以外に道がないのなら。でも、陽羽は生きて勝てると思う。ステージⅤにだって」

小比奈「無理だよ」

陽羽「陽羽が本気で戦う。花菜が本気で考える。それならぜったいに負けない」

どこからか最大限の自信を持って

陽羽は私を見つめて頷く

影胤「夢物語に過ぎん。現実的に考えてみたまえ。序列1位2位レベルならまだしも、ただのイニシエーターである君には無理だ」

陽羽「知らないの? 夢は叶えるためにあるんだよー?」


陽羽と影胤さんの視線が交錯し

影胤さんが流れるように私へと視線を移す

影胤「率直に問おう。山科君は勝目があるとお思いか?」

花菜「………………」

ステージⅤを私は知っている

その残虐性も理解している

驚異も、強大さも何もかもを……

それと陽羽の全力を比べるなんて不可能だわ

陽羽の全力なら倒せる可能性があるかもしれないし、ないかもしれない

陽羽「花菜」

花菜「………………」


1、勝てるわ
2、勝てないわ
3、勝てるかもしれないし、勝てないかもしれない
4、影胤さん達も力を貸してくれるのであれば……あるいは
5、その他


安価下

蛭子親子がデレデレになってるけど、この選択肢は難しいな……。

影胤さん達も力を貸してくれるのであれば(蛭子親子だけとは言っていない)


安価下コンマ判定


学者知識で発生

ただし、極秘で-補正


3  7  9  またはゾロ目でセリフ追加

>>473
それだ!


花菜「影胤さん達も力を貸してくれるのであれば……あるいは」

小比奈「あなた、自分が言ってること解ってるの?」

花菜「ええ」

小比奈「パパ、帰ろう」

小比奈ちゃんは私をひと睨みして

椅子を蹴飛ばすように席を立つ

けれど

影胤さんはじっと私を見つめ苦笑する

影胤「私達が加わって何が変わる? 囮の数かね?」

花菜「チームの連携パターンと、手数。なにより勝率が変わります」

……あまり晒したくはないけれど

緊急事態だからそうも言ってられない

花菜「さっき倒せるかと聞きましたけど……理論が正しければ倒せる兵器がひとつだけ」

影胤「ほう?」

花菜「10年前、多くの研究者が知恵を絞り作り出した悪魔の殺戮兵器、線形超電磁投射装置―レールガン―またの名を天の梯子。ご存じですよね?」


影胤「……知っているとも」

花菜「それの発射までの時間稼ぎと誘導。それなら影胤さん達がいればほぼ確実に成功できるでしょう」

影胤「だが、それを誰がどうやって操作する」

花菜「襲来までの時間があるなら専門の人を。無理なら私がやります」

天の梯子は理論を元に作られただけで

試射すらまだ行ったことのない

生まれ落ちてからずっと眠り続けている兵器

憩「お姉ちゃんにはできるの?」

小比奈「パパ、出来ると思う?」

影胤「斥力フィールドを即理解するほどの知識だ。不可能だとは言い切れん」

花菜「できるわ。ううん、出来ないわけがない」

私の知識の糧となった超技術の塊だもの

逆に言えば、天の梯子がなければ

私の知識はここまで大きくはならなかったといっても過言ではないのよね……


影胤「10年前の君は一体何者なのかね……?」

花菜「10年前ですか?」

影胤さんの質問に対して

少しだけわざとらしく首をかしげる

一言であらわすのは少し難しい

でも、あまり公言したいことではないし……

けれど、影胤さん達の信頼を得るためにも

多少は話してもいいかもしれない



1、禁則事項です
2、影胤さんの過去を教えてくださるのなら
3、セーラー服とハンドガン。だったわ
4、研究チームに混じる後期心旺盛な女の子
5、ふふっ、秘密です
6、その他


安価下


花菜「影胤さんの過去を教えてくださるのなら」

影胤「ヒヒヒッ、ただならぬ過去ということだけはわかるよ」

影胤さんは何故か嬉しそうな笑い声を漏らしながら

私の瞳の奥の闇を見つめる

影胤「興味はあるが、私の過去を話すつもりはないのでね。地道に詮索させてもらうとしよう」

花菜「……そういえば、どうやって家を?」

影胤「あんなに目立つ車に乗っておきながら、まさか隠せているとは言うまい」

花菜「……なるほど」

乾いた笑いを漏らしながら陽羽たちを見やると

だから目立つって言ってるのに。と

悪態をつかれてしまった

花菜「それで、本当は?」

影胤「調べただけだよ。そう、例えばあの事務所に行った時などにね」


花菜「調べるって……」

影胤「ヒヒヒッ、道行く人に小比奈が尋ねたのだよ」

影胤さんはそう言って小比奈ちゃんへと顔を向けると

微かに頷いたけれど

小比奈ちゃんは不機嫌そうに眉を潜める

小比奈「この辺りにママの家があるの。スポーツカーのお家。どこ?」

花菜「そっかぁ……まっすぐ私の家に来れただろうなぁ……」

小比奈ちゃんの普通の女の子らしい一言に感動を覚えるのと同時に

やっぱり車がダメだったのね。と

思わずため息をつく

憩「花菜はあんたのママじゃない!」

小比奈「あなた馬鹿? 料理は確かに美味しいかもしれないけど、それだけ。別に欲しくなんてない」


陽羽「美味しいんだ」

憩「認めたんだ」

小比奈「………………馬鹿みたい」

小比奈ちゃんは柄に触れていた手を離し

陽羽たちにそっぽを向いてしまった

影胤「……さて。伝えたいことは伝えたからね。お暇しよう」

花菜「別にもう少しゆっくりして言っても構いませんよ?」

影胤「そういうわけもいかない関係だということを忘れないほうが良い」

影胤さんは少し厳しい口調でそう告げて

小比奈ちゃんとともに玄関の方へと向かって行く



1、命を取り合ったからこそ、そうではない今を仲良くできるんじゃないでしょうか
2、いってらっしゃい。影胤さん。小比奈ちゃん
3、待ってください、これ私の携帯番号です
4、ふふっ、またお待ちしてます。今度は電話の一本でもくださいね
5、その他



安価下


花菜「ふふっ、またお待ちしてます。今度は電話の一本でもくださいね」

影胤「……君という人間はやはり理解に及ばないね」

影胤さんは呆れ混じりの声でそう言いながら

苦笑とともに「それに」と、続ける

影胤「私は君の電話番号を知らんよ」

花菜「そうでしたね。じゃぁ。ぜひ」

影胤「……理解した。君は怖い女だよ」

私の差し出した携帯を一瞥し

小比奈ちゃんが私を睨む

花菜「交換はダメですか……なら、連絡先だけ。急に来られるのは本当に困るので」

半ば押し付けるように私の連絡先を書いた紙を渡す

影胤「困ってくれた方が愉快だよ。ヒヒッ」

そんな意地悪な一言を残し

2人は私の家から去っていった



・昼に移ります


切りもいいので今回はここまで

お疲れ様でした


sswikiのあらすじ(本作)でここまでの大体の話を纏めておいたので
軽い確認や、新規の参加者がもしもいて、全体見るのはちょっと……って場合はそっちを見れば
大体の経緯は知ることが出来ると思います

>>521
蛭子親子との朝の内容を一行でまとめるとよりシュールになるなww

>>521
編集乙です


→ 9日目 昼 聖居


影胤さん達が帰ったあと

携帯に着信があり、私達は聖居へと呼び出されてしまった

防衛省ではないのは

先日の影胤さんの襲撃で一部がまだ壊れてしまっているかららしい

お姉ちゃんには申し訳ないけれど

行けなくなってしまったことをメールすることにして

憩には事務所での留守番を任せて

木更ちゃん達も連れて聖居へとむかった


蓮太郎「なんだってんだ一体」

延珠「ガストレアが迷い込んでいることではないのか? 妾はそれが気になって仕方がないぞ」

木更「イニシエーターも連れてっていうのが怪しいわよね……襲撃警戒かしら」

確かに

防衛するための本部である防衛省があんなにも簡単に襲撃されたんだもの

イニシエーターを連れてくることを必ずって念押しするのもわかる

でも多分

影胤さんは既に話の内容を分かってるし

あの様子なら襲撃をするなんてことはない

……私たちだけで矛を収めるのに

もっと大勢に向かって挑発なんて真似をするほど馬鹿ではないはずだから

延珠「そういえば、花菜」

花菜「うん?」

延珠「彼女を憩と名づけてくれたこと。花菜の家に連れ帰ってくれたこと。礼を言うぞ。ありがとう」

>>526
>延珠「ガストレアが迷い込んでいることではないのか? 妾はそれが気になって仕方がないぞ」

シャベッタアアア


花菜「ふふっ。別にお礼なんていいわ」

延珠「おぬしが良くても妾は嬉しかったのだ。話したこともなく、見かけた程度だが……だからこそ、会話できたことが嬉しい」

花菜「良かったわ」

延珠ちゃんの笑顔に笑顔を返して

陽羽の方へと目を向けると、陽羽もまた微笑む

陽羽「延珠」

延珠「どうしたのだ?」

陽羽「延珠と蓮太郎が持つブレスレットは陽羽と花菜も持ってるんだよねー」

延珠「なるほど! あとで買いに行こう」

陽羽と延珠ちゃんはなんの相談をしたんだか

腕に付けるブレスレットを軽くコンッとぶつけて嬉しそうに笑う


1、里見くん、ちょっと良い?
2、延珠ちゃん、木更ちゃんのは?
3、こらこら、もうひとり持っていない人がいるでしょ?
4、その他


安価下


蓮太郎の光化学迷彩を破壊しないと(使命感)

>>530
一言喋って、さっそく見えなくなった時点で問題はかなり深刻


花菜「こらこら、もうひとり持っていない人がいるでしょ?」

延珠「木更はおっぱいで蓮太郎を誑かすからな」

花菜「でも、私達の社長なのよ?」

延珠「それはそうだが……」

延珠ちゃんはやっぱり不満そうに顔をしかめる

そんなに木更ちゃんが嫌なの……? と

思わず乾いた笑いが漏れ出す

陽羽「……乳神様にお供え物も必要かもしれないよー?」

木更「!」

延珠「確かに、お供えしないとおっぱいが大きくならないかもしれない……解った。ちゃんとちちが――木更にも買うぞ」

延珠ちゃんはそう言いながらお財布を確かめる

花菜「お金は私が出すわ。お釣りはあげるから憩と木更ちゃんの分。お願いね」

延珠ちゃんは2万円を受け取り

少しためらったけれど、「承ったのだ」と、元気よく答えた


蓮太郎「延珠には渡す必要ないぞ」

花菜「でも、憩と木更ちゃんに買って貰うわけだし」

蓮太郎「平気で2万円出せるアンタが羨ましいよ。俺なんて食費ですら切り詰めてるんだぜ?」

ため息をつく里見くんは

後ろで楽しそうに会話を続ける2人を横目に

軽くポケットを叩く

花菜「それは大変ね」

蓮太郎「日々がもやしで体までもやしになりそうだよ」

花菜「あらあら……よく見れば髪の毛がもやしみたい」

蓮太郎「マジでそう見えてくるから止めてくれ」

そう言いながら、里見くんは自分の髪の毛を軽く軽く整えた


1、よかったら今夜食べに来る?
2、少しくらいならお金。出してあげるわよ?
3、ふふっ、ごめんね
4、でも、それは里見くんが依頼料を貰い損ねるのがいけないのよ?
5、手ぐしじゃダメよ、ちょっと手をどけて
6、その他


安価下

攻略女王は蓮太郎も落としにきたか……

(あんまりフラグを立たせまくると刺されそう)


里見くんの手の動きを縛らく見つめて

となりから後ろへと周り、歩調を合わせる

花菜「手ぐしじゃダメよ、ちょっと手をどけて」

蓮太郎「ちょっ」

花菜「水で適当にやってるの?」

蓮太郎「いや、まぁ……ワックスとか買うならもやし買うほうが良いし」

乾いた笑いを漏らす里見くんの髪を

持ち合わせた櫛で梳いていく

当然のように女の人とは違っていて櫛の通りが悪い

花菜「そこまでキツイの?」

蓮太郎「まぁな」

花菜「そう……なら、よかったら今夜食べに来る?」

>>543
>花菜「そう……なら、よかったら今夜食べに来る?」
や、やべぇww 本気で攻略するつもりだww

>>542
刺されたらついでにぎゅっとしてフラグもゲット!


蓮太郎「でも、迷惑だろ?」

花菜「ふふっ、一人二人増えるくらい問題ないわ」

櫛で梳きながら今朝の食卓を思い出す

突然は困るけど

あらかじめ予約してあるなら何も問題ない

蓮太郎「なら悪いけど頼んでいいか? 延珠が陽羽達とも話したいだろうし」

花菜「ええ……っと、こんな感じでいいかしら」

蓮太郎「何から何までわりぃな」

花菜「気にしないで。私が好きでやっているんだもの」

そう言って微笑んだ私を見つめる木更ちゃんの瞳は

里見くんを一瞥し、自分のお腹に触れる

花菜「……き、木更ちゃんも来る?」

木更「良いの!?」

花菜「う、うん。多い方が楽しいだろうし……ね」

結局、天童民間警備会社全員で私の家に来ることになった……けど

協力妖精の返事を貰えてないし

影胤さん達がまた来ないか少し……不安があった


協力妖精→協力要請


会議用に用意された部屋に向かうと

もうすでにいくつもの民警が集まっていて

この前の防衛省の時の記憶が自然とフラッシュバックする

夏世「………………」

花菜「………………」

将監さんのパートナーである夏世ちゃんは

私を見つけると小さくお辞儀し、私は軽く笑みを向ける

戦うことにならなくてよかったわ……本当

今更、そう思って安堵の息を付き

定位置につく

弓月「ふんっ」

花菜「ふふっ」

片桐くん達もいるらしい


スコーピオン襲来までの時間

安価下コンマ判定

12 1日
34 2日
56 3日
78 4日
90 5日


例によって

説明はモニターに撮された映像の中の聖天子様からのものだった

そしてあらかじめ想定していた通り

ガストレアの侵入の理由である

4日後のゾディアック・ガストレア・スコーピオンの襲来を告げる

どうするんだなんだとざわつく中で政府から提案されたのは

封印指定物を用いての進路変更である

「ならそれをやればいいではないか!」

誰かが声高に怒鳴り

そうですね。と、聖天子様は静かに返す

聖天子「そこで民警の方々にお願いしたのです」

木更「ガストレアからの護衛ですか?」

聖天子「はい。変更予定進路上までの護衛。加えて進路の変更が確認でき次第の回収もお願いしたいのです」


玉樹「回収したあとまた向かってくる可能性は無いのか?」

聖天子『その可能性は0とは言い切れません。ですが、やらなければどの道この東京エリアは壊滅します』

つまり

とにかくやるしかない。ということらしい

天の梯子の使用を提案しないのは

政治的な理由があるのかしら……?

聖天子『みなさん。どうかお願いいたします』

お願いいたしますとは言っても

依頼説明の前に離席するか否かは問われたし

残った以上はもう……受けないなんてことは言えない

花菜「…………」


1、聖天子様、天の梯子の使用許可を
2、何も言わない
3、その他


安価下


花菜「聖天子様、天の梯子の使用許可を」

聖天子『貴女は……』

花菜「理論上では、たとえステージⅤのスコーピオンであっても消滅させることが可能です」

聖天子『しかし――』

花菜「作り上げるために知恵と命を絞った研究者たちの願いをまたも無下にされるおつもりですか?」

聖天子『……………………』

政治的な確執だとか

そういうのはどうでもいい

私達にはなんの関係もない

花菜「東京エリアに住む全ての命のために、出来ることはすべてやりましょう。聖天子様」

映像の中の聖天使様の瞳をまっすぐ見据える


聖天使『……………………』

花菜「……………………」

沈黙し

静寂が包み込んでいく中で

聖天子様が口を開く

聖天子『そうですね。貴女の言う通りです』

花菜「では」

聖天子『天の梯子……使用しましょう』

聖天子様の判断に対して

映像の奥がざわつく

ステージⅤが倒されなくても生き延びることを保障された人々

だからこそ判断は鈍る

だからこそ、政治的最善と最良ばかりを気にしてしまう

私はそういうの……嫌いだわ


聖天子『では、依頼内容を変更します。民警のみなさんは天の梯子の発射までの護衛をお願いいたします』

一気の依頼内容が軽くなった。と

ステージⅤのおびき出しから見れば思えるけれど

そうでもない

天の梯子があるのは未踏査領域

ステージⅠからステージⅣまでのガストレアの住処になっている場所

でも、その程度なら。と

血気盛んなプロモーター達が頷く

聖天子『皆さん。どうかよろしくお願いいたします』

聖天子様のその言葉を最後に映像は終わる

任務の内容は決まった

蓮太郎「久しぶりの依頼か……これならもらい忘れることもねぇ」

花菜「ふふっ、そうね」

4日後――ステージⅤ討伐作戦が始まる



・夕方になります


→  9日目(討伐作戦まであと4日)  夕方


里見くん達は商店街に寄るらしい

というのも

さっきの木更ちゃん達へのブレスレットが目的である

木更ちゃんは事務所に戻るらしい

陽羽「花菜、陽羽達は?」

花菜「そうね……」



1、未織のところに行く
2、香織のところに行く
3、外周区に行く
4、菫のところに行く
5、特訓
6、武器関連
7、里見と一緒に商店街
8、木更と一緒に事務所


安価下


花菜「遅くなっちゃけど……お姉ちゃんに会いにいくわ」

陽羽「花菜のお姉ちゃんかー」

陽羽は少し嬉しそうにつぶやき

微笑を浮かべながら窓の外を見つめる

お姉ちゃんと陽羽の面識は当然ある

というか、私の家族全員と陽羽は面識がある

そして……結構気に入られている

とはいえ

今回お姉ちゃんに合う理由は

決して楽しい理由じゃない

陽羽に聞かせていい内容かどうか……


1、陽羽は連れて行かない
2、陽羽も連れて行く


安価下


花菜「ごめんね、陽羽」

陽羽「え?」

花菜「お姉ちゃんとは大事な話があって。その……」

陽羽の気分を害さないようにと

慎重に言葉を選んでいたのがかえってダメだったのか

陽羽「解った」

花菜「陽羽……」

陽羽「大事な話なら仕方ないねー」

陽羽は苦笑して車を降りると

またねーと子供らしく手を振る

それを背中に受けながら私は車を走らせた


→ 夕方  公園



香織「仕事の方は?」

花菜「依頼の話だけだったからもう終わったわ」

香織「そう、お疲れ様」

お姉ちゃんは何の気もなくそう呟いて

缶コーヒーを私へと差し出す

香織「お姉ちゃんの奢りよ」

花菜「……ありがと」

受け取った缶コーヒーは少し温かい

でも、私の心は少し冷たい

だって、目の前にいる実の双子の姉を

隠し事なんて今まで全くしてこなかった姉に対して

私は今から知ってはいけなかったような悪いことを聞こうとしているのだから


香織「それで?」

花菜「え?」

香織「貴女が会えないかーって言って来たんじゃない。何かあるんでしょう?」

お姉ちゃんは真似する必要もない声真似をして呟き

おかしそうに笑う

仕事場ではあまり見せない陽気な姿

でも仕事ではないときと比べれば

いつもと変わりのないお姉ちゃんの姿

花菜「っ…………」



1、ねぇ、何か隠し事してない?
2、昨日ね。変な人に言われたの。妹を使うか、処分する側に回るか選べって
3、久しぶりに家に帰らない? お父さん達の方
4、なんとなく会いたくなって……
5、実は、陽羽のほかにもう一人因子を持つ子を養うことに決めたの
6、その他


安価下


ぎゅっと拳を握り締める

聞きたくはない

でも聞かなければならない

正反対の言葉が混じり合って言葉を作り出す

花菜「昨日ね。変な人に言われたの。妹を使うか、処分する側に回るか選べって」

香織「……何言ってるの?」

花菜「っ」

一瞬で表情の崩れを取り繕った

でも、その一瞬を見逃せるほど……私は子供じゃなかった

自分の表情が険しくなっていくのが解る

比例してお姉ちゃんの表情が暗くなっていくのが解る

……あれはお姉ちゃんと勘違いしていたんだと。確信を得てしまった


香織「……………………」

花菜「……お姉ちゃん」

香織「……………………」

私のつぶやきは自分でも驚く程悲しみに満ちていて

お姉ちゃんは手に持つ缶コーヒーを力強く握り締める

風が一際強く吹き

木々のざわめきを攫って静寂を残す

花菜「お姉ちゃん!」

香織「……知ったらきっと後悔する」

花菜「っ…………」

香織「それでも知りたいの? 花菜」

その瞳はまっすぐで

でも、何よりも悲しく、何よりも切なく、暗い闇を宿していた



1、知りたい
2、聞くのをやめる
3、私はお姉ちゃんの助けになりたい。だから……教えて
4、その他


安価下


花菜「私はお姉ちゃんの助けになりたい。だから……教えて」

香織「…………相変わらず損するモノの考え方してるわね」

お姉ちゃんは解っていたかのように

驚く素振りもなく

ただただ淡白に私の言葉を叩く

香織「助けになりたいなら何も聞かないほうがいい。むしろそのほうが助けになる」

花菜「何言ってるの……?」

香織「高卒でしかない私がなんで巡査部長になってるか知ってる?」

花菜「ものすごく悪い人を捕まえたから……って言ってたよね?」

お姉ちゃんの言葉の先が想像できずに

思考も体も一歩後退りながらお姉ちゃんの言葉を待つ


香織「ふふっ、キャリアでもないただの高卒の婦警がそのくらいで昇進できると思う?」

花菜「それは解らないけど……でも、お姉ちゃんも周りの人もそうだって。だから私……」

お姉ちゃんの笑顔が怖かった

笑うべきではない場面の笑顔は狂気の微笑み

その感情は暗く、冷たく絶望を滴らせ、牙を剥く

香織「……権力を持つ人達っていうのはね?」

花菜「……なに?」

香織「普通のことはもうやり尽くしててね? 普通じゃないことに手を出すようになるの」

花菜「どういうこと?」

私の質問に対して

お姉ちゃんは乾いた笑い声を漏らし、首を横に振る

その表情は見ていられないほどに悲しげだった

香織「例えば……そう。双子を使って性的な遊びをするとか。双子で殺し合わせるとか……ただの兄弟姉妹では出来ないことをしたがるし、見たがる」


花菜「じゃぁ……妹を使えっていうのは」

香織「そういうことよ」

お姉ちゃんは冷たく言い捨てて

缶コーヒーをゴミ箱へと投げ入れる

昇進できた理由

そこに繋げてきた権力を持つ人たちの話

……なんとなく想像がつく

これ以上のし上がれないという

言葉の意味も……何もかも

香織「でも、私は花菜を巻き込みたくないから」

花菜「っ………………」

お姉ちゃんの瞳の中の暗い闇から

思わず目をそらす

香織「……このことは全部忘れなさい。ね?」



1、どうしてそこまでするの? なんで、自分を犠牲にしてまで変えようとするの?
2、嫌。忘れない……お姉ちゃんが抱えるそれも全部、私は背負って生きていく!
3、お姉ちゃん。民警に移ろう? みんな優しいから。みんな強いから。きっと、警察以上に強くなることができるから!
4、馬鹿……バカだよお姉ちゃんは
5、……解った
6、……また、誰かを殺しちゃったんだね
7、その他


安価下2


花菜「馬鹿……バカだよお姉ちゃんは」

香織「解ってるわよ。そんなこと」

花菜「じゃぁ――」

香織「それでも!」

お姉ちゃんは声を張り上げてベンチから立ち上がり

私のことを見つめる……ううん、睨みつける

香織「それでも私はしたいことがある! しなくちゃいけないことがあるのよ!」

花菜「っ……そんなのっ」

香織「貴女だってそうでしょう!? 自分を犠牲にして、周りを助けて。他人のためなら命だって投げ出せる馬鹿じゃない!」

花菜「それは……」

お姉ちゃんの怒号に

私は反論を見出すことはできず

立ち去ろうとするお姉ちゃんを見送るしかない

香織「私を止めたいなら……私を殺せばいいわ」

花菜「っ……馬鹿」

私が絶対に出来ないと解っていながら

私が一番嫌っていることと知りながら

お姉ちゃんはそう言い残して――立ち去っていった


一旦中断


……原作にもそんなことを求めてるって記述が

警視総監もネストじゃなかったか?
その息子もだが
……処分のところに触れない辺り
ネスト関連には触れさせたくないんじゃね?

で、どうするよ
お姉ちゃんコロコロしちゃう?

性的なお遊びにさんかできないの?
出来ればいろいろ出来んのに

性天使「わたくしを抱いて下さったあなたが国家元首であるわたくしに求める事はなんですか?」

花菜「強くなりたい! 大切なものをこの手で守れるくらいに!」


再開します



1、夜行動は自宅で開始
2、夜行動は公園で開始


安価下


→ 9日目  夜  自宅


延珠「蓮太郎よりもずっと凄かったぞ!」

憩「当たり前だよ。お姉ちゃんのお料理なんだから。ね陽羽」

陽羽「……………………」

憩「陽羽?」

陽羽「え? あ、うん……そだね」

陽羽は延珠ちゃんたちの会話から外れて

私のことを見つめる

花菜「なぁに?」

陽羽「……別に」

何か用事かと聞いただけなのに

陽羽は素っ気なく言葉を返し

私から目を離した


蓮太郎「どうかしたのか?」

花菜「ううん、そんなことはないと思うんだけど……」

ちゃんと家に帰ってきた

ちゃんと料理だって作った

ちゃんと笑顔でいた……のに

木更「花菜のご飯もちゃんと食べてたわよね?」

蓮太郎「食べてたな」

木更ちゃんと里見くんも

少し離れたところで憩達と話す陽羽を見つめる

その視線に気づいているのかは解らないけれど

陽羽は楽しげに笑っていた


木更ちゃんも里見くんも延珠ちゃんも

この家に泊まっていくわけではなく

あと少ししたら帰るつもりらしい

花菜「……どうしようかしら」

木更ちゃん達と話す?

陽羽と話す?

未織ちゃんに電話する?

お姉ちゃんに……電話する?

花菜「………………」


1、木更と交流
2、里見と交流
3、延珠と交流
4、陽羽と交流(木更達が帰ったあとになります)
5、憩と交流(木更達が帰ったあとになります)
6、電話



安価下


花菜「里見くん、どうだった?」

蓮太郎「ああ、メッチャ美味かった。やっぱスゲェよ」

花菜「ふふっ、そう。良かったわ」

嬉しそうな里見くんの様子が見られたからか

私も少しだけ……嬉しくなる

でも、私を陰らせる根本的なものは何一つ癒されることなく

どんよりとした重い感情が心を押しつぶしていく

そんなことも露知らない里見くんは

少し暗い雰囲気を持ちながら口を開く

蓮太郎「……俺が言うようなことじゃねぇかもしれないけどよ」

花菜「なに?」

蓮太郎「アンタは民警よりも料亭とかの店主とかやってるほうがいいぜ。きっと」


花菜「………………」

蓮太郎「料理美味いしさ。そのなんつーかよ……」

里見くんはポリポリと頬を掻きながら

延珠ちゃん達にブレスレットを貰い

子供みたいに喜ぶ木更ちゃんを一瞥し、私へと視線を戻す

蓮太郎「年上だからそう感じるだけかもしれねーけど、母親みたいなんだ」

花菜「は、母親って」

蓮太郎「わ、わりぃ意味じゃねーんだ。安心できるつーか、落ち着けるっつーか……」

里見くんは慌てて取り繕って

「すまん」と、頭を下げる

蓮太郎「つまり言いたいのは……まぁあれだ。死んだりして欲しくねーんだよ」

花菜「………………」

蓮太郎「民警やめろっていうのは言いすぎかもしれないから言わねぇけど……でも、今回の任務からは外れてくれないか?」


花菜「……外れて欲しいの?」

蓮太郎「ステージⅠからステージⅣまでがどれだけ押し寄せてくるか解らない。最悪死ぬ可能性だってある」

花菜「私の方が里見くんよりも序列は上よ?」

蓮太郎「それは解ってる。でも、危険なことに変わりはねぇだろ?」

里見くんは真面目に私の心配をしてくれてる

死んで欲しくないと……思ってくれてる

それが嬉しいという感情よりも

悲しいという感情が上回るのは

みんなが傷つく姿を見ているだけで我慢してと言われているようなものだからだろうか

蓮太郎「聞いてくれるか?」



1、ううん、聞いてあげられない
2、ありがとう……でも、それはできないわ
3、里見くんって優しいのね。意外に
4、抱きしめる
5、……そこまで言うなら
6、なら、私はどうしていればいいの?
7、その他


安価下


花菜「ありがとう……でも、それはできないわ」

蓮太郎「なんでだよ……」

花菜「私だって、みんなには死んで欲しくない。願うなら退いて欲しい。貴方と同じよ」

私の言葉を聞いて

里見くんの握り締めた拳が震える

きっと……怒鳴りたいほどに

私が提案を拒否したことに怒りを覚えているのよね……

里見くんを見ると里見くんも私を見ていて

目が合って、里見くんが口を開く

蓮太郎「アンタは戦って血に塗れるよりも、戦って血に塗れた奴らを迎えるべき人間だ」

花菜「………………」

蓮太郎「……俺はそう思う」

里見くんは残念そうにそう呟いて

暗い感情を飲み込むように、目の前のコップの中身を一気に飲み干す


私はもうすでに血に濡れているの……ごめんね。里見くん

里見くんが知る私は偽りの私

だから、そんな優しい母親みたいな幻想を抱いてしまう

蓮太郎「どうしても戦うって言うんだろ?」

花菜「ええ」

蓮太郎「だったら、俺はあんたを守る。死なせない。絶対にだ」

里見くんはそう言いながら拳を差し出し

さらに続ける

蓮太郎「その為なら、俺はこの力だって使ってやる」

花菜「力……?」

蓮太郎「……ああ。今は無理だから決戦の時に見せるけど、俺も機械化兵士なんだ。左目、右腕、右足だけだけどな」

里見くんはそう言って小さく笑った


花菜「……里見くん」

蓮太郎「そんな悲しそうな顔すんなよ。俺は後悔したりしてねぇ。むしろ感謝してる」

里見くんはそう言って笑うと

延珠ちゃん達の方へと向かう

蓮太郎「帰るぞ、延珠」

延珠「もうそんな時間なのか?」

木更「そうね……なんだかんだで長居しちゃったわ」

木更ちゃんも体を伸ばして立ち上がり

里見くんと延珠ちゃんと一緒に玄関へと向かう


延珠「また明日だぞ!」

陽羽「うん」

憩「またね!」

木更「それじゃ、今日も美味しいご飯ありがと。花菜」

花菜「ええ」

お別れの挨拶を済ませて

延珠ちゃんと木更ちゃんが家を出ていき

あとは里見くんだけとなったところで

里見くんは家をでる瞬間

振り返ることもなくつぶやく

蓮太郎「やっぱ……アンタはそうしてるほうがいい」

花菜「………………ありがとう」

里見くんは

私のそれに答えることなく家を出ていき

耐え切れないとばかりに

憩が眠そうに欠伸をして寝室へと駆けていく

私と陽羽だけが静寂に包まれる玄関で立ち止まっていた


陽羽「………………」

花菜「………………」

陽羽を連れて行かなかったこと

それで拗ねているのかもしれないと

声をかけようとした私を陽羽は見つめる

それも……悲しそうに

花菜「あ、あのね。お姉ちゃんとの話は――」

陽羽「美味しかったけど美味しくなかった」

花菜「え?」

陽羽「花菜の料理。花菜の気持ちが全然なかった」

花菜「陽羽……」

陽羽のまさかの言葉に

うまく言葉が見つけられずに黙り込む


陽羽「香織との話が良くなかったんだよね?」

花菜「それは……」

陽羽「言わなくてもいいよ。陽羽は話されてもきっと良い言葉なんて言えないから」

陽羽は俯き気味にそう呟いて

でも。と、続ける

陽羽「陽羽はずっと花菜と一緒にいるよ。それに、陽羽に出来る事ならなんだって頑張るから」

さらに「だから」と

間髪いれずに言葉をつなぐ

陽羽「なんでも言ってよ。花菜だけで苦しんだりしないで……ね?」

花菜「……ありがとう。陽羽」

私の言葉を聞いて

陽羽は少しだけ嬉しそうに笑うと、力強く私の手を引く

陽羽「一緒に寝よっ! 花菜」

悩みは消えないまま

でも、少しだけ和らいだような

そんな気がして……小さく笑った



・一日を終了します

────────────────────────────────────────

 交友関係(好感/信頼)  2月9日目 現在

  山科 陽羽 (62/62  信頼するパートナー)
  山科 憩   (39/39  信頼するプロモーター) プレゼント+2
  天童 木更 (28/32  仕事仲間) プレゼント+2 交流+2

  里見 蓮太郎(22/22  仕事仲間) 交流+3 交流+2/+1
  藍原 延珠 (20/20  仕事仲間) 交流+2
  山科 香織 (61/65  大切な双子の妹) 交流+2/+3
  司馬 未織 (24/24  仕事仲間)

  室戸 菫   (19/20  仕事仲間)
  千寿 夏世 (05/05  その他のプロモーター)
  伊熊 将監 (-30/-15  敵)
  蛭子 影胤 (09/09   興味) 交流+2 提案+2/+1 交流+1/+0
  蛭子 小比奈(04/04 料理当番) 解除マイナスを0に 交流+4
  片桐 玉樹 (05/03  その他の民警)
  片桐 弓月 (01/01  その他の民警)
      聖天子(11/13  気になる民警) 進言+1/+1

           序列:3000番  所持金 555.7万円

         スコーピオン襲撃まで あと3日

────────────────────────────────────────

>>662ミス・訂正

────────────────────────────────────────

 交友関係(好感/信頼)  2月9日目 現在

  山科 陽羽 (62/62  大切なパートナー)
  山科 憩   (39/39  信頼するプロモーター) プレゼント+2
  天童 木更 (28/32  仕事仲間) プレゼント+2 交流+2

  里見 蓮太郎(22/22  擬似母親) 交流+3 交流+2/+1
  藍原 延珠 (20/20  仕事仲間) 交流+2
  山科 香織 (61/65  大切な双子の妹) 交流+2/+3
  司馬 未織 (24/24  仕事仲間)

  室戸 菫   (19/20  仕事仲間)
  千寿 夏世 (05/05  その他のプロモーター)
  伊熊 将監 (-30/-15  敵)
  蛭子 影胤 (09/09   興味) 交流+2 提案+2/+1 交流+1/+0
  蛭子 小比奈(04/04 料理当番) 解除マイナスを0に 交流+4
  片桐 玉樹 (05/03  その他の民警)
  片桐 弓月 (01/01  その他の民警)
      聖天子(11/13  気になる民警) 進言+1/+1

           序列:3000番  所持金 555.7万円

         スコーピオン襲撃まで あと3日

────────────────────────────────────────


とりあえずここまでにします

お疲れ様でした



擬似母親というよりは、母親のような存在ですね

ただ、漢字四文字の方が都合がいいので擬似母親で


再開します


→ 10日目(襲来まであと3日)  朝   自宅


花菜「スコーピオンが来るまであと3日……」

天の梯子の準備は聖天子様達が担ってくれているから心配はないはず

私達は私達の出来ることをする

お姉ちゃんに関して

陽羽に関して

憩に関して……里見くん達に関して

扱う武器とかに関して

出来ることを

陽羽「おはよー。花菜」

花菜「うん、おはよう」

憩「おはよう、お姉ちゃん」


憩「お仕事が控えてるんだっけ?」

花菜「ええ。といっても3日後だけどね」

憩もこの依頼に参加させることは出来る

でも、プロモーターのいない憩を

この依頼に参加させるのは……

陽羽「とりあえず今日はどうする? また影胤達が来る前にご飯食べる?」

花菜「ご飯食べるのは当たり前として……」



1、菫のところへ(憩は事務所へ)
2、事務所
3、香織のところへ(憩は事務所へ)
4、未織のところへ(憩は事務所へ)
5、蓮太郎のところへ(憩は事務所へ)
6、外周区(憩は事務所へ)
7、武器関連(憩は事務所へ)
8、特訓(憩は事務所へ)
9、電話
10、商店街
11、その他


安価下


接触・イベント判定

安価下


1 小比奈
4 香織
7 夏世
8 緊急アラート
9 露店
0 影胤・小比奈


それ以外は何も無し


→商店街


陽羽「おっかいもの~おっかいもの~」

憩「っ……」

元気よく歌う陽羽とは対照的に

憩は少しだけ萎縮する

その姿は連れてきたことを申し訳ないと思わせる……けれど

私は連れてくるべきだったと思う

花菜「憩……」

憩「解ってる。あたしがしたこと……でも、だからこそ来る必要があったんだよね?」

憩は不安そうに呟き

私の服の裾をぎゅっと握り締めた


花菜「じゃぁ――」

見間違えるはずのない姿が視界を横切っていき

その先の言葉は空気へと変わる

陽羽「花菜?」

花菜「………………っ」

人ごみに紛れてしまったけれど

でも、見慣れているからこそ

見間違えるはずなんてない

花菜「……ガンケース」

憩「ガンケース?」

普通のカバンのような見た目だから

周りの人が気づくことはないかもしれない

でも……専門的な知識を持つ私の目はごまかせないわ。お姉ちゃん


1、一人で香織を追う
2、陽羽と追う
3、3人で追う
4、追わない
5、香織に電話


安価下


花菜「……ごめん。陽羽」

陽羽「…………花菜」

陽羽は悲しげな瞳で私を見つめたものの

小さな溜息とともに頷いて憩の手を握る

陽羽「花菜は用事が出来たみたいだから事務所行こ」

憩「それならあたし達も――」

陽羽「花菜が一人の方がいい。だよね?」

花菜「うん」

陽羽は私の方には目もくれず

踵を返して憩の手を強引に引いていく

花菜「……ごめん」

出来る事なら何でもすると。陽羽は言ってくれた

けど……やっぱり、今はまだダメだと思うから

私は陽羽達とは真逆

お姉ちゃんが歩いて行った方へと……駆けていった


安価下コンマ判定


1 見失う
2 追いつく
3 遺体発見
4 見失う
5 待ち伏せされる
6 追いつく
7 遺体発見
8 待ち伏せ
9 殺害現場
0 見失う


花菜「っ!」

途中まではお姉ちゃんの姿をちゃんと捕捉できていたのに

気づけば見当たらなくなっていた

完全に撒かれたと

今から見つけるのは不可能だと

そう諦めるまでの時間はほんの数秒足らず

花菜「……気づかれてないと思ってたのに」

歩幅、歩速、足音

雑踏の中で混じり合うがゆえに気づかれにくいとは思っていたけど

それでも何十パターンもおり混ぜてカモフラージュしてたのに……

なのに……気づかれた

花菜「……何をしようとしてるの? お姉ちゃん」


私の声は喧騒に紛れて消えていき

どこからか……声が帰ってくる

「……馬鹿な真似はよしなさい」

花菜「っ!」

慌てて振り向いても誰もいない

周りを注意深く見渡してもお姉ちゃんの姿はない

花菜「……………………」

せわしなく動き続ける道の真ん中で

まるで……時間が止まってしまったかのように

私だけが立ち止まっていた


・昼に移ります


昼の行動開始位置


1、商店街(単独)

2、事務所(陽羽、憩、木更)


安価下(開始位置によって開始前判定の内容が変わります)


接触・イベント判定

安価下


1 小比奈
3 未織 
7 夏世
8 緊急アラート
9 露店
2 片桐兄妹
0 影胤・小比奈


ゾロ目 香織


それ以外は何も無し


→ 10日目  昼  商店街(単独)


12時の音楽が鳴り響いて

私は初めてまだ商店街にいること

陽羽達と分かれてから2時間近く経っていることに気づく

花菜「……どうしよう」

香織「なにが?」

花菜「………………っ!」

そのあまりにも自然な現れ方に

反応が遅れた挙句

大げさに飛び退いてしまい、お姉ちゃんは顔を顰める

香織「なによ……私に会いたくなかった?」

花菜「そんなことは……」


目を逸らすふりをしながら

お姉ちゃんの服装を調べていく

スーツに身を包み

カバンはガンケースなんかではなく

ごく普通……というには少し値段の高いカバンだった

花菜「……なに、してるの?」

香織「お昼だからなにか食べようと思ったのよ。花菜も……っていうわけには行かないわよね」

花菜「………………」

お姉ちゃんは昨日の言い争いを気にしているのか

困ったように目をそらして首を横に振る

香織「……昨日は少し気が立っていたっていうか、ごめんね?」

花菜「ううん……別に」

香織「……そう」


うまく会話が繋げられない

うまく会話を切り出すことができない

なんだろう……当たり前だったことが当たり前じゃなくなってしまったような

そんな違和感がある

花菜「………………………」

香織「………………………」

黙り込み、互いに目を合わせようとはしない

どうしようかしら

このまま……別れてしまった方が良いのかもしれない



1、お姉ちゃん。家に来ない? お昼……作ってあげるから
2、食べに行こう?
3、それじゃ……
4、朝、ガンケース持ってたよね?
5、ねぇ……お姉ちゃん。昨日聞きそびれたんだけど、処分ってどういうこと?
6、抱きつく
7、私……お姉ちゃんが心配なの。お願いだから危険なことはしないで
8、私のところに一人だけ因子を持つ子が余ってるの……どうかな? お姉ちゃんも民警に来るのは
9、その他


安価下


花菜「ねぇ……お姉ちゃん。昨日聞きそびれたんだけど、処分ってどういうこと?」

香織「……知る必要ないわ」

私の質問を一蹴したお姉ちゃんの声も瞳も冷たく

鋭い眼光が私を射抜く

それでも簡単に引くわけには行かない

だって……私の大切なお姉ちゃんのことだから

自分の心にそう言い放ち

僅かな震えを持つ手をぎゅっと握り締める

花菜「私は知りたいの。なんとなくの予想がついているからこそ。知りたい」

香織「予想できてるならそれでいいじゃない。答えを知ることが必ずしも幸福ではないってことくらい、貴女は解っているでしょ」


確かに言われた通り

知ることが必ずしも幸せに導いてくれるとは限らない

知らなければよかったと。後悔することだって少なくない

花菜「でも、知らないことが幸せだとは限らないということも私は知ってる」

香織「知ったところで何もできない無力感にとらわれることもあるということを忘れたわけじゃないでしょう?」

花菜「何もできないということを知ることができれば、何かができるようにするという目標ができるわ」

相手の言葉に否定をぶつけて

また否定の言葉が返されて、否定の言葉を投げる

香織「……花菜」

花菜「……お姉ちゃん」

じっと見つめ合うその視線は不可視の火花を散らし

殺し合う寸前の相手とのにらみ合いのような緊張が走る


やがて、お姉ちゃんは苦笑して

おそらく、ガンホルダーに触れていた手を口元へと充てがうと

呆れたように首を横に振り――

香織「……死ぬわよ? 貴女」

花菜「……え?」

――一見楽しそうに見えるその姿からは想像できないほど

暗い言葉をお姉ちゃんは呟く

死ぬ? 私が?

困惑する私を尻目に

お姉ちゃんは手でハンドガンのような形を作り

私の眉間へ通し当てる

香織「……私に撃たせないで頂戴。花菜」

花菜「………………………」

香織「その為に、貴女は何も知らないで。何も探ろうとしないで。何も手を出さないで。関わろうとしないで……お願いよ。花菜」

お姉ちゃんはそのまま私の横を抜けて

雑踏の中に紛れていき

すぐに姿を見失ってしまった


・夕方に移ります


短いですがここまでにします

ありがとうございました


両親の職業設定しておくべきだったと後悔

なので――


1、設定する
2、設定しない(ごく普通のサラリーマンと主婦。ただしコンマ判定アリ)



安価下~下5


了解です

まずは父親の職業


安価下で自由(漁業関係は無し)


次は父親の職業


安価下で自由(漁業関係は無し)


ごめん、母親ね

父親二人とかおかしい


元自衛官のコックと科学者の娘……

物語に大きく絡めていく可能性もあるので名前も決めます


父親の名前


安価下


母親の名前


安価下


山科 弘一(こういち) 元自衛隊のコック

山科 美菜(みな) 科学者

山科 香織(かおり) 警察官

山科 花菜(かな) 民警


辞めた理由とかはこっちで作っちゃって平気かな?
それとも、コンマ判定の方が良い?


ではこっちで作成します
多少……盛ることになるかもしれません


では再開



再解地点を選択


1、商店街(単独)
2、自宅(判定)
3、実家(父 あとは判定)


安価下


※場所によってイベントの判定が変わります


安価下コンマ判定


2 美菜 
3 男性(母親関連 この場合、母親も同席) 
4 香織

5 影胤&小比奈
6 男性(父親関連)
8 美菜
0 影胤


それ以外は父親のみ


→ 10日目 夕方 実家


なんとなく実家へと帰ってみると

お父さんの声と

数人の男性の声が聞こえてくる

またいつものだろうなぁ……と少しだけため息をつく

花菜「ただいま、お父さん」

弘一「おお、花菜。久しぶりだな」

花菜「うん。そちらの方々もお久しぶりですね」

「花菜さん。ご無沙汰しております」

居間でお父さんと机をはさんで向かい合う男性達とは

そこまで親しく話したことはないけれど

他人というわけではなかった

……というのも、お父さんの元同僚なのだ


花菜「また……お誘いですか?」

「はははっ、言うまでもないかもしれないがね……」

戦いに向かないメガネの男性は

苦笑しながら私のことを見つめる

弘一「何度も言っているが私はもう辞した身だ。今更隊に戻る気などない」

「そうは言ってもよ……弘一さん。俺達はやっぱりアンタが必要だって思ってるんだよ」

「腕の一本持ってかれたくれぇで終いになるような男じゃねぇだろ。弘一!」

気を込めて力強く願い出る同僚に対して

お父さんは腕の消えた左肩を軽く掴みながら

気だるそうにため息をつく

弘一「今の戦場は調理場なんだ。銃を握ってた手は包丁を握って、それが切るのは人でも化物でもなく食材。それが私だ」


「……片腕でやる職業じゃないとは思わないか?」

弘一「思わんな。仕事を可能としているのはウチのが作り上げたシステムキッチンのおかげだが……」

お父さんはそう言いながら

お店の調理場と同じシステムを持つ

銀色のシンクがまばゆいキッチンを見つめる

弘一「実に良い仕事だ。私の料理を美味いと言い笑顔を見せてくれるのだからな」

「……………………」

お父さんは元自衛隊でコック

お母さんはシステムキッチンを作り上げたというので予想は付くと思うけれど

……言わずもがな、科学者である

IISOに登録されていない憩が侵食抑制剤を注射できるのも

実はお母さんが作ってくれているから……だったりしなくもない


「命を守ればもっと多くの笑顔が見られる。歓声だって得られる。アンタに向いてるのはそっちだ」

弘一「馬鹿を言うな。自分の家族もろくに守れない男が、他人様の命を守れるわけがない」

「そんなことはないぜ……それにな。弘一さんがダメなら奪われた世代のほぼ全てがダメってことになるぞ?」

弘一「……私のそれはお前のそれとは違うのだ」

花菜「………………………」

お父さんの表情に後悔と悲しみが影を差し

悟られまいとしたのか

お父さんは大きく息を吐き、天井からの光で表情を覆う

「どういうことなんだ?」

「さぁ……?」

首をかしげる同僚の人達に対して

お父さんは軽く手を叩く

弘一「何度来ても答えは変わらん。もう帰りたまえ」


同僚の男性達は

考え直してくれるまで何度でもくる。と

再来を告げて帰っていく

何度来ても多分無駄なのに……

弘一「相変わらずだよ。あいつらは」

花菜「……そう?」

弘一「私は信頼に足る男ではない。解るだろう? お前なら」

花菜「………………」

もしもお父さんがちゃんと守ってくれていたのなら

私やお姉ちゃんが戦いを

ううん、人を殺すということを覚えたりはしなかったかもしれない

でもはぐれたりしたのは自分たちのせいであってお父さんのせいではないのに……


弘一「それで……どうした?」

花菜「え?」

弘一「おまえが戻ってくるなんて珍しいじゃないか」

花菜「そう……かな?」

そういえば

最近は全然こっちには帰ってきてなかったんだっけ……

となると

急に帰ってくるのは不自然かしら

お姉ちゃんも別の場所でひとり暮らしだし

こっちには帰ってないのかな……


1、最近のお姉ちゃんの様子おかしくない?
2、最近、お姉ちゃんは帰ってきた?
3、お母さんは?
4、お父さんのご飯が食べたい
5、……陸上自衛隊東部方面隊第七八七機械化特殊部隊って知ってる?
6、私が戦うの……嫌?
7、ねぇ、義手は付けないの?
8、その他


安価下


花菜「お父さんのご飯が食べたくなってね」

弘一「定食500円だぞ?」

花菜「え、お金取るの?」

弘一「ふっ……冗談だよ。好きなもの――まぁ、言う必要はないな」

お父さんはそう言って

ほぼ平面のキッチンの側面のボタンを押す

瞬間、一部に亀裂が走り

かすかな駆動音と共に蓋の役割を担っていた部分はどこかに収納され

流しとIH機能の台が露出する

花菜「手伝おっか?」

弘一「花菜は客なのだから座っていなさい」

花菜「そう……残念」


私の家のとは全く違うキッチン

私のところも安全性のためにオール電化だけど

それとは機能のレベルが違う

冷蔵庫もキッチンと完全に一体化しており

冷蔵や冷凍、それも更に希少な魚や肉、野菜等と分けられたボタンがあり

それを押すとそれらの食材が冷蔵庫につながるカウンター部分にレールのように流れてきて

もう一度ボタンを押すと元の場所に収納されていく

正直要らない機能だけど

お母さんいわく、洋服ダンスの試作モデルにしたかったらしい

ボタンを押せば下着やズボンやシャツが自動で流れ出てくるシステムだとか……


私よりも数倍手際のいいお父さんの手の動きを見つめる

私と違って片腕調理にも関わらず

そのハンデを全く感じさせない

花菜「……私も結構料理上手になったんだよね」

弘一「流石だよ。お前は……だが、まさか母さんみたいな化学的調理法ではあるまいな?」

花菜「ふふっ。私はあんなことはしないってば」

お母さんの料理は美味しい

もっとも、美味しくするために

コンマレベルの微調整をも行う化学調理だから当たり前なのよね……

弘一「そういえば……お前は陽羽と暮らしているのだったな」

花菜「今は憩も一緒」

弘一「そういえばそんなことを聞いたおぼえがあるよ」


お父さんの手元からフランベの真っ赤な炎が上がる

けれど

お父さんは当然の如く一切動揺することなく会話を続ける

弘一「……なぁ、花菜よ」

花菜「うん?」

美味しそうな匂いが鼻腔をくすぐる

自然と口の中に水が溜まっていく

弘一「……民警を辞めるつもりはないのか?」

花菜「………………」

お父さんの手は料理の心地よいリズムを刻み

まだかまだかと、心躍らせる

その一方でお父さんの言葉は私の心を沈ませた



1、辞めるつもりはないよ
2、そんなに……私が戦うのは嫌?
3、…………………
4、なんでそんなことを言うの?
5、その他


安価下


花菜「そんなに……私が戦うのは嫌?」

弘一「娘が戦うことを喜ぶ親などいると思うか?」

私の言葉は

お父さんのたった一言に完全に壊されて

沈黙し、お肉や野菜を炒める音が部屋一杯に響く

弘一「公開されていたわけではないが、一部では指名手配だってされただろう?」

花菜「……知ってたんだ」

弘一「当たり前だ。私や母さんが知りたくなくとも耳に届く」

花菜「……………………」

弘一「陽羽や憩の抑制剤なら母さんが作る。仕事なら料理人にでも学者にでもなるといい」

花菜「お父さん……」

弘一「せっかく戦う必要のない世界が出来てきているんだ。悪いことは言わん。戦いから身を引け」


お父さんはまっすぐ私を見つめる

気づけば調理中の綺麗なBGMはいつの間にか途切れていて

お父さんは盛りつけでもしているのか

カチャカチャと纏めているような音を響かせる

弘一「死と隣り合わせの世界だ。女子供が抜けたことを嘲笑うようなことだってあるまい」

花菜「……そうかもしれないね」

弘一「普通に生きて、普通に結婚して、普通に家庭を持って、普通に幸せな人生を終える。それでいいじゃないか」

普通が消えて

異常だけが蔓延っていた過去があるからこそ

その普通ということの尊さを重く感じる



1、それでも私は戦うわ
2、ううん。それは無理……だって、私は人殺しだから
3、ごめんなさい
4、その普通を守るために誰かが立たなければいけなくて、その役目を私が選んだの
5、……うん。それも良いかな
6、そう……しようかな
7、その他


安価下


花菜「その普通を守るために誰かが立たなければいけなくて、その役目を私が選んだの」

弘一「……お前は馬鹿な子だよ。花菜。世界はその責を押し付け合っているというのに」

花菜「だから私が担わなきゃ」

弘一「それはただの踏み台に過ぎん。世界が見てるのは目先の平和ではない、その先の支配だ」

お父さんは私を厳しく睨むように見つめながら

私には言葉を挟む隙を与えずに続ける

弘一「それでもか?」

花菜「私は凡人だから目先のものしか見れない……そして、先の先を見通す天才の考えなんて凡人を諭すための道具にさえなりはしない」

弘一「花菜……」

花菜「でも、天才が凡人の積み木を足場に支配をするというなら。私は天才の足場を奈落に変える――……なんてね。ふふっ」

視界に映るお父さんの顔が引きつっているのを見て

いつぞやの自分に回帰していることに気づき、慌てて取り繕う

でも……そんな誤魔化しなんて無意味だということは解りきっていた


お父さんの表情を諦めが彷徨い始める

何を言っても無駄だと

多分……気づいたんだと思う

弘一「……そうか」

花菜「………………」

だからか、哀しげな呟きとともに

お父さんは私の目の前のテーブルに

美味しそうな料理を並べていくだけで

あとは沈黙を保ってしまう

花菜「……頂きます」

お父さんの料理は凄く美味しかった

五臓六腑に染み渡るといってもいいほどに……でも

私の心はそれで晴れる事はなく

暗く重い感覚がまとわりついたままだった







普通に寝落ちしてました

申し訳ない


昨日の投下分は以上です

ありがとうございました


再開します


再開地点選択


1、自宅(花菜・陽羽・憩 あとは判定)
2、商店街(単独・あとは判定)
3、実家(父・母・あとは判定)


安価下


イベント及び接触判定


安価下コンマ一桁


1 影胤・小比奈
4 香織
5 将監・夏世
6 相手すると面倒くさそうな人達
7 片桐兄妹
8 陽羽
9 怪しげな店
0 蓮太郎・延珠


ほかは無し


→ 単独  夜 商店街


花菜「………………」

いつの間にか夜の帳が降りた商店街

にも関わらず

明かりにまみれているのは人が住んでいるから……というわけでもない

ただ、忘れかけているからよね

昼夜問わず危険であったということを

光あるところに虫は集い、黒く染め上げるということを

花菜「平和を謳歌するのは悪いとは言わないわ……でも」

それなら、因子を持つ子供達も認めてくれたって良いじゃない

夜でも昼間のように明るくできるほどに過去の絶望を失いかけているのなら

絶望の欠片を埋め込まれた子供達に優しくしてくれたって……

「おー姉ちゃん一人か?」

花菜「え?」

声をかけられて意識が戻り

数人の男性と対面していることに気づいた


花菜「……なにか?」

「暇ならちょっくら俺らと遊ぼうぜ?」

花菜「………………」

なるほど。と

自分が置かれている状況を即座に把握

私なんかをナンパする人がいたのね……

同年代と比べて筋肉質だし

そのせいか体だってほかの子よりも10kg近く重い

正直、男の人からしたら論外だと思ってたのに

「ほら、行こうぜ」

男性の一人が私の手をつかみ、引く

今は遊ぶような気分じゃない

でも、確かに遊んで気を紛らわせるのも必要かもしれない


1、付いていく
2、ごめんなさい、暇じゃないの
3、ねぇ知ってる? 貴方達が遊べるのは、小さな女の子達が頑張ってるからだってことを
4、ねぇ……貴方達は因子を持つ子供達をどう思う?
5、大人しく家に帰りなさい。夜は遊びの時間じゃないのよ? 眠れる有り難みを大事にしなさい
6、残念だけれど……私は民警よ
7、その他


安価下

3+5


>>897

どちらか片方で


3+5だし3で行くけど良いかな?


花菜「ねぇ知ってる? 貴方達が遊べるのは、小さな女の子達が頑張ってるからだってことを」

「はぁ?」

「何言ってんだアンタ」

あからさまに興味のない声だった

立ち止まった私の手を引く男の人も

私を見つめて答える

「そんなことどうだって良いじゃねぇか」

花菜「どうだっていい?」

「アンタはホームレスがゴミを拾い集めてる姿を見てなにか思うか? 思わねぇだろ?」

花菜「…………」

「自分の利益のために自分達で率先してやってんだから俺達には関係ねぇよ」


自分の利益のために率先してやってる……?

それは違う。それは絶対に違う

そうするしかほかに道がないからだ

陽羽だって、憩だって、延珠ちゃんだって……本当は普通の女の子としての暮らしがしたいはずだわ

学校行って、勉強して、お友達と楽しくお話して、放課後には部活したり、お友達とお出かけして……

そんな人として当たり前で普通で、なんの変哲もない日常を望んでいるはずだわ

でも、みんなが認めてくれないから。謂れもない恨みをぶつけられてしまうから

戦う以外の道が残されていないのよ……

花菜「……それでも」

「ん?」

それでも、みんなは笑顔を見せる

戦って、傷ついて、傷つけて……辛くて、苦しくて、悲しい思いをしながらも

人が平和に暮らせる世界を守れたと。嬉しそうに……笑う


ホームレスの人たちは誰かが捨てたものを集める

それはやりたくてやっているわけではなく

やるしかないからやっている。仕事が見つかり、家を手に入れるまでは

やらざるを得ないこと

花菜「貴方達はきっと彼らを汚らしいと嘲笑っているのでしょうね」

「だから?」

花菜「でも、子供達が戦わなければ、私達はそうならざるを得なくなるのよ。泥水を啜り、木の根をかじって生きながらえるような存在にね」

過去回帰する記憶と思考が嫌なものを呼び起こしているような不快感

自分の口角が釣り上がっていく

自然と手が銃へと伸びていく

恐怖を教えてやれと、平和の脆さを知らしめてやれと何かが叫ぶ


「んな面倒くせーこと考えてねーで今を楽しもうぜ?」

「楽しませてやっからよ」

この人たちは興味がない

子供達がなぜ戦うかということに

子供達が戦うことでどれだけの恩恵を得られているのかということに

彼らが例えたホームレスという人々が

なぜ、嘲笑されるようなことをしているのかも

なぜ、そんな姿になってしまったのかも

彼らがどれだけのものを街に与えているのかということも

何もかも興味がない

にも関わらず、嘲り、蔑み、憎み、嫌い、差別するの……?

ピリッっと嫌な痛みが脳を刺激し

噛み締めた奥歯が削り合う音が響く


1、銃を構える
2、最低だわ。貴方達は
3、ふふっ……良いわ。楽しみましょう? ワルツを
4、ごめんなさい。用事があるの
5、――放して
6、悪いけれど、貴方達のような人は嫌いよ
7、……面倒でも考えた方が良いわ。でなければきっと後悔する
8、その他


安価下


花菜「ごめんなさい、用事があるの」

「ちょっとくらい――」

花菜「ううん。用事があるの」

私は微笑みを向けたはずだった

陽羽や憩、延珠ちゃんや木更ちゃん、里見君たちにも向けるような

ごく普通の笑顔だったはず

なのに……彼らは黙り込んで

怯えるように息を飲んで、後退る

私を掴む男性の手が緩み、手が自由になって

その彼に対し目を向ける

彼らは震えていた

彼らは怯えていた

何かにではなく……私に

花菜「……ごめんなさい。でも、貴方達も考えるべきだわ。面倒だなんて言わずにね」

そう言い残して立ち去る私を

彼らの畏怖の視線が追いかけてくる

周りの闇は夜以上に……暗く感じた


・1日を終わります

────────────────────────────────────────

 交友関係(好感/信頼)  2月10日目 現在

  山科 陽羽 (62/62  信頼するパートナー)
  山科 憩   (39/39  信頼するプロモーター) 
  天童 木更 (28/32  仕事仲間)

  里見 蓮太郎(22/22  擬似母親)
  藍原 延珠 (20/20  仕事仲間)
  山科 香織 (60/63  大切な双子の妹) 尾行+0/-1 交流-1
  司馬 未織 (24/24  仕事仲間)

  室戸 菫   (19/20  仕事仲間)
  千寿 夏世 (05/05  その他のプロモーター)
  伊熊 将監 (-30/-15  敵)
  蛭子 影胤 (09/09   興味)
  蛭子 小比奈(04/04 料理当番)
  片桐 玉樹 (05/03  その他の民警)
  片桐 弓月 (01/01  その他の民警)
      聖天子(11/13  気になる民警)

           序列:3000番  所持金 555.7万円

         スコーピオン襲撃まで あと2日

────────────────────────────────────────


再開地点は 自宅

イベント判定


5 影胤&小比奈


9 母親


ほかは無し


>>933


→ 11日目(あと2日) 朝  自宅


美菜「はい、これ追加のお薬ね」

花菜「ありがとう……でも、なんで急に?」

いつもは宅配とかで

渡しに来るなんてことはないのに

何故か今日は朝からお母さんが家に来ていた

美菜「なんで急に? じゃないでしょ? 昨日、お父さんには会ったのにお母さんには会いに来てくれなかったじゃない」

花菜「あ……ごめんなさい」

美菜「もうっ」

お母さんは納得いかないといった感じで膨れると

陽羽や憩を見つめて微笑む

美菜「元気そうでなによりだわ」

花菜「お母さんこそ、最近。また研究室に篭ってるって聞いてるよ?」


美菜「ちょっとトクベツな依頼が来ててね。ふふっ、なかなか楽しませて貰ってるわ」

花菜「特別な依頼……?」

お母さんの楽しいは

私達の楽しいとは外れていることがあるし

正直想像が全くつかない

陽羽「花菜ーっ、陽羽は聞いてないよっ!」

憩「あたしも聞いてない」

花菜「ふふっ、ごめんね? ちょっと立ち寄っただけよ」

むっとする2人の頭を撫でながら

お母さんへと目を移す

美菜「どうかしたの?」



1、ねぇ、最近お姉ちゃんとは会った?
2、……武器とか、作る気ない?
3、ステージⅤがくるっていう話は聞いてる?
4、今度、天の梯子を動かすことになったわ
5、少し……2人で話さない?
6、その特別な依頼って何?
7、その他


安価下


花菜「少し……2人で話さない?」

美菜「あら、花菜ちゃんがそんなこと言うなんて珍しいわねぇ」

お母さんは頬に手を当てながら

あらあらと呑気な笑みを浮かべる

美菜「陽ちゃん、けーちゃん。お母さん達はちょっとお出かけしてくるけど、お留守番できるかなー?」

陽羽「問題ないよー。憩と私は事務所に行くから、昨日みたいに待ってればいいんだよね? 昨日みたいに」

花菜「あはは……」

昨日丸一日

放ったらかしにされたことを少し妬んでいるようね……

ごめんね……陽羽、憩

でも、今はまだ

何も教えたりはできないの

後ろめたさを感じながらも

陽羽と憩を事務所へと送り届け

私はお母さんと2人きりの空間を作った


美菜「……結構な無茶をしているようね」

花菜「お母さんも知ってるんだね」

美菜「当たり前でしょ。今回だってステージⅤに勝てるかどうかなんて馬鹿なことも考えたらしいじゃない」

お母さんはコップの縁を指でなぞりながら

私に対して言葉を紡ぐ

やっぱり……ほとんどの情報はお母さん達に筒抜けなのね

美菜「天の梯子を使うのも貴女が進言したんでしょ?」

花菜「……うん」

美菜「まぁ……あの子があのまま直立不動を望むとは思えないし、使わなければただのオブジェだものね」


花菜「あのね、お母さん」

美菜「なぁに? 天の梯子なら万全で眠りについたから起きても万全のはずよ?」

花菜「そうじゃないの……」

美菜「……………………」

私の落ち込んだ声に

お母さんは言われる前から解っていたかのように

ため息を返す

美菜「……なに?」

崩れた口調じゃなく

真剣そのものなお母さんの声



1、お姉ちゃんがなにか危ないことをしてるかもしれない
2、私……壊れそう。街の人たち、全員じゃないって言うのは解ってるの。でも。でもっ……守る価値がないって壊してしまえって
3、私……いつか人を殺すわ。多分きっと……
4、因子を持つ子供達を何とかしてあげられないかしら。全員なんて言わないわ。でも、できるだけ多くを!
5、私に力を頂戴……もっともっと、力を
6、……武器の改造を頼みたいわ
7、その他



安価下


花菜「お姉ちゃんが何か危ないことをしてるかもしれないの」

美菜「お姉ちゃんが……ね。未踏査領域に行くよりも危険なことかしら?」

花菜「それは……」

お母さんもやっぱり反対なのね

私が戦うこと

でも、お母さんはそれ以上は言わずに、小さく息をつく

美菜「それは私でも思ってることよ。あの子が巡査部長になった時からずっとね」

花菜「お母さん……」

美菜「でもね。お母さんにはさっぱり解らないわ。あの子が何をしているのか」

花菜「情報は集まらないの?」

私の当たり前のような質問に

お母さんは苦笑を返す

美菜「馬鹿ね……解らないという情報があるじゃない。そう、まるで大きな何かが後ろに隠れているくらいに真っ暗だっていう情報がね」


花菜「大きな何かって……」

美菜「だから悪いことは言わないわ。貴女は身を引きなさい。あの子に関わると最悪消されるわよ」

花菜「っ……」

お母さんは手遊びをやめて

私をまっすぐに見据える

その瞳は真剣そのもので

嫌とは言わせない気迫があった

殺されるではなく、消される

本当に危ないからこその言葉



1、ごめんねお母さん。それでも私は……お姉ちゃんを見捨てられない
2、私は死なないよ……お母さん。この両手では抱えきれないほどの魂持ってるんだもの
3、……解った
4、お母さんは?
5、その他


安価下


花菜「ごめんねお母さん。それでも私は……お姉ちゃんを見捨てられない」

美菜「まるで聖人君子ね。愚かだわ」

お母さんは微笑を浮かべながら

私のそれを踏みつけるように言葉を返す

言われた通りだと思う

聖人君子を模した愚か者……が正しいかもしれないけど

花菜「誰かの為に命をかけることが愚か者なら、誰かの為には何もしない人は?」

美菜「そのまま言うなら賢者ね。他人を救う道理なんてない。ゆえに、生物として最も正しい行いだもの」

花菜「そんなの……」

美菜「貴女は嫌よね。でも、周りの人間はそうは思わない。むしろ貴女のことを嫌うでしょうね」


美菜「……なんでかわかる?」

花菜「社会のシステムに反してるから?」

美菜「それもあるわ。でも、それだけじゃない」

お母さんはそう言いながら

コップの中身を飲み干して、一息つく

私を見つめる瞳に優しさと暖かさを感じる

美菜「貴女はまるで人々や子供達、弱者の理想や夢、希望や願いを擬人化したようなものなのよね」

花菜「私が……?」

美菜「子供達も人々も守る。差別はしない、暴力も振るわない。権力格差なんて許さない。まるで夢みたいな善人じゃない」

お母さんは言葉を並べ立てながら

何がおかしいのか、苦笑する


花菜「な、なに?」

美菜「そんな人がいたらどう? 弱者や子供たちは縋り付くと思わない?」

花菜「それは……」

確かに

目の前に救いがあるなら飛びつきたくなるほど

現状の弱者にカテゴライズされる人々の生活は危うい

私だって多分……弱者であれば縋る

ううん、自分と同じ夢や希望、理想や願いを掲げる人がいるなら

ついて行ってしまうと思う

美菜「つまり、権力者が最も恐れる弱者の団結を実現させられるから。貴女は嫌われるのよ」


美菜「それに大抵の人は、その目的の為なら多少の犠牲は黙認するわ」

花菜「そうだよね……」

美菜「その過程で追い詰められて壊れていくんだけど……貴女は敵味方問わず犠牲を出したがらない」

お母さんは私を一瞥し少し躊躇って口を開く

美菜「敵からすれば、それは怖いを通り越して気持ち悪いわ」

花菜「えっ……」

嫌われるとか、恐れられるとかなら

まだ納得がいくというか……

仕方ないことだって思えるけれど、気持ちが悪いって

美菜「だからどうにかして排除しようとするはずだわ」

花菜「排除……」

美菜「本気でその生き方を続けるなら、強くなりなさい。それこそ、序列3000なんて大嘘ついてたらダメよ」


美菜「敵は序列なんて無視して刺客を使うからね。多くを味方に出来るように序列はあげなさい」

花菜「それしか……ないの?」

私の問いに

お母さんは静かに首を振る

美菜「花菜ちゃん。ひとつだけ……言っておくわね」

花菜「なに?」

美菜「すべてを救うには貴女の命が必要よ。救ったあとの人々には貴女の存在が必要よ。だから……命は絶対に守りなさい」

お母さんはそう言いながら

薬と一緒に持ってきていた少し大きいカバンを机の上に置く

美菜「すべての人を幸せにしたい。そう言いながら自分の命を投げ出すなんて馬鹿よ。まるで自分は人ではないみたいだわ」

花菜「…………………」

美菜「良いわね? 絶対に自分の命も守りなさい。貴女の死は、沢山の人の不幸に通じているのだから」

お母さんはそう言ってカバンを開いた


1、片手剣
2、両手剣
3、ハンドガン
4、スナイパーライフル
5、対物ライフル
6、二刀流用大剣
7、二一式黒膂石義眼
8、その他


新武装(花菜専用) 安価下


二一式黒膂石義眼

ランク判定  安価下


奇数 新人類創造計画

偶数 その後継


ゾロ目 その更に先


お母さんが取り出したのは

ケースに入れられた黒い目のような球体だった

花菜「……これは?」

美菜「新人類創造計画で生み出された二一式黒膂石義眼の後継、二一式改」

花菜「……え?」

あまり聞くべきではない言葉が聞こえたような気がするし

それ以上の言葉も聞こえたような気がする

……ううん。気がするじゃない。現実だわ

花菜「どういうこと?」

美菜「本当は昔やってたメガネの探偵くんみたいな眼鏡を目指してたんだけどね。演算処理が必要だからそれは無理だったのよ」

花菜「……うん?」

美菜「性能上げればメガネにできるかなって思って……やっちゃった」

それで出来なかったんだから

A博士はきっと凄いのね……


二一式改の理由は解った

でも、聞きたいのはそれじゃないのよね……

花菜「なんでそれがここにあるの?」

美菜「……貴女が必要なら、これを付けるためかしら」

花菜「………………」

義眼を付ける

つまり……機械化手術を受けるということ

でも、それをするということは――

思考を裂く一拍が響き

お母さんと目が合い、沈黙が場を制す

美菜「冗談よ。さすがにお母さんはそんなことできないし、させられないわ」


美菜「でも、これの使い道は2つあるわ」

花菜「なにとなに?」

美菜「一つは、これの装着を望む人に与える。2つ目は、これを演算処理のみに特化させ、手術なしで使用する」

これを望む人に装着させる

それはわかるわ

でも、演算処理のみに特化させて

手術なしで使用するなんてそんなことが――

美菜「不可能じゃないわ。義眼は思考を加速させるのだけど、その思考と加速を義眼に任せて、結果だけを見るのよ」

花菜「……つまり?」

美菜「簡単に言えばパソコンよ。箱の中で膨大な演算処理をしつつ、画面には結果のみを出すそれと同じ」

お母さんはそう言いながら

縁が少しだけ厚いメガネを取り出す

美菜「眼鏡で見たものを義眼がPCのように演算処理して、レンズがPCで言う液晶になるのよ。ふふっ、どう? 試しに使ってみない?」


美菜「これで貴方も少年探偵団! なんて、ね?」

花菜「遊びで作ったの? それとも本気で作ったの?」

子供のように無邪気な笑みを見せる大人に対して

私は真剣に問う

その真面目な空気を払うように

お母さんは小さく笑いながら

義眼入りのケースを軽くつつく

美菜「……遊びでこんなもの作るはずないじゃない」

花菜「っ」

儚げなお母さんの表情が私へと向けられて

見たくはなかった……でも、逸らすことはできなかった

そして

美菜「止めても止めても貴女達が無茶ばっかりするからッ! だから……だからお母さんは少しでも生存率上がるようにって頑張ってるんじゃないッ!」

力強く蹴りだされた椅子が倒れこみ

叩かれた机が揺れてコップが倒れて転がり、床に落ちて砕け散る

大きな音のあとの沈黙は

静かなはずなのに……耳に痛かった


美菜「なんで戦う必要があるのよ……」

花菜「……………………」

美菜「なんで誰かに任せるっていう賢い知恵を付けないのよ……」

お母さんは膝を折り

机の上にはお母さんの右手だけが残る

研究に没頭し

大切にされているとは言い難い手は

とても綺麗とは言えないほどに、ボロボロだった

美菜「なんで貴女なの? 押し付け合う責任を、なんで貴女が背負うのよ!」

花菜「お母さん……」

きっと、お父さんから話を聞いて

だから……会いに来たんだ

顔を見せなかったからって理由じゃなかったのね


美菜「言ってもどうせ聞いてくれないんでしょ……」

花菜「……うん」

美菜「最低の親不孝者……この時点で人々の救済なんて失敗だわ」

花菜「ごめんなさい」

お母さんの呆れ返った呟きに

頭を下げて

謝罪の句を述べる

美菜「……花菜ちゃん」

花菜「はい」

美菜「……………………」

お母さんは黙り込み

少しだけ間を明けてから……言い放つ

美菜「貴女はこれを使うの? 使わないの? 使わないなら……ひぃくんにあげちゃうわ」


1、使う
2、使わない



安価下


続きは次スレに


【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその3】
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