エルヴィン「これが本物の敬礼だ!」(53)

エルヴィン「心臓を捧げよ!!」


シン.......


エルヴィン「あれ.....? 誰もいない....」

エルヴィン「今年は調査兵団希望者0人か....」

エルヴィン「近頃の若者は情けない.....」

ハンジ「いや、団長の演説が怖すぎるのが悪いね」

エルヴィン「なっ!?私は正直に本当のことを言っただけだ!」

ミケ「......正直すぎんるんだ、悪い部分は極力隠さなければ」

ハンジ「本当にそうだよ、団長は勧誘演説に向いてないねw」

エルヴィン「そんな.....」

ミケ「しかし困ったな.....調査兵団は人手不足だというのに......」

エルヴィン「うむ、このままでは人員が減る一方だ」

ハンジ「...........私がもう一回演説してみようか?」

エルミケ「!?」

数分後

コニー「また調査兵団の演説あるんだってよ...」

エレン「面倒くせぇなぁ....」

ジャン「最初から俺達はエリート憲兵団勝ち組コースに行くって決めてんのになー」

ハンジ「オホンッ..........はい皆さん!訓練兵団卒業おめでとう!!」

ハンジ「さっきはウチの中年が変なスピーチしてごめんね!」

ハンジ「本当の調査兵団は実はすご~く楽しいんだよ!」

コニー「楽しい.....?」

ハンジ「うん!調査兵団には他の兵科にはない楽しい行事がいっぱいなんだ!」

エルヴィン「(ミケ!こんな幼稚な演説で大丈夫なのか!?)」

ミケ「(まぁ.....入団者さえ増えれば何を言ってもいいんじゃないか)」

ハンジ「まずドキドキ壁外遠征!楽しい遠足だ!!」

ハンジ「外に出ると沢山の奇行種がいて、見て楽しい!触って楽しい!!」

ジャン「(不謹慎だ、その奇行種に何人の仲間が殺されたと思ってんだ....)」

コニー「(見たくも触りたくもねぇ....)」

エレン「(この人キ○ガイだ....)」

ハンジ「次に巨人の研究!君達はソニーとビーンの事は知ってるよね」

ハンジ「実はその2体の研究は調査兵団がry」

ジャン「あの、もういいですよ」

エレン「何を言っても俺達の気持ちは変わりませんから」

コニー「誰もこんなブラックに入団しないですよ」

ハンジ「ちょ.....ちょっと最後まで話を聞いry」

エレン「さようなら....」

シン.......

エルヴィン「皆行ってしまったな.....」

ハンジ「.....」

ミケ「君の演説は私にも理解できなかったよ.....」

エルヴィン「しかし、これ以上人員が減れば調査兵団は解体される可能性がある...」

ミケ「これまでの努力と英霊の魂が無駄になってしまうのか.....」

ハンジ「............それだけは絶対いや」

エルヴィン「.........だが、入団者がいなければ本当に...」

ミケ「.....じゃあ私が最後に演説してみようか?」

ハンジ「ミケにできるの?」

ミケ「わからない.....が、策はある!」

ミケ「彼等の兵士としての自尊心を刺激すれば.....きっと」

エルヴィン「よし、最後に足掻いてみるか!」

数分後

コニー「また調査兵団の演説やるってよ...」

エレン「また~!?何回やるんだよ!」

ジャン「どうせ無駄なのにな....」

ミケ「オホンッ.......私は調査兵団分隊長のミケだ」

ミケ「突然だがそこの君、君の希望する兵科は?」

エレン「俺?......憲兵団ですけど」

ミケ「それは何故だ?」

エレン「えっと....安全な内地勤務だし、楽そうだし、給料高いし...」

エレン「まぁ自分が大事なんです、今は亡き母親に『生きろ』って言われてるんで...」

ミケ「..............フッ」

エレン「何がおかしいんですか?」

ミケ「少年よ、生き残りたければ調査兵団が一番だ」

エレン「はぁ??意味わかんねーよ」

ミケ「超大型が現れた時から内地の安全神話は崩壊した。早いか遅いかの違いだ...」

ミケ「最終的に自分を守るのは壁じゃない、己の力だ....」

ミケ「そして調査兵団ほど強くなれる兵団はない!」

エレン「た、たしかにそうだけど......」

ジャン「エレン!!奴の口車に乗せられるな!」

コニー「おいテメー!!エレンを誘惑すんな!猫みたいな可愛い名前しやがって!!」

ミケ「エレンだけではない、良い機会だ、皆聞け!!」

ミケ「たしかに調査兵団は死亡率が高い、しかし!」

ミケ「調査兵団の目的は英霊になることではない!生きることが目的なのだ!」

ミケ「壁外調査を何としても生き残り、経験を積み、強くなれば......」

ミケ「自分も他人も守れる立派な兵士になれる!」

ミケ「憲兵団はそれからでもいいんじゃないか......」

ミケ「最低でも1年はここで頑張ってほしい、諸君らのために言ってるんだ....」

ミケ「私も他の先輩も君達を全力でサポートする」

エレン「う~ん、まぁたしかに........」

ジャン「いつか内地に巨人が入る時が来たら.....」

コニー「実戦経験のない憲兵団じゃ一瞬で死ぬ自信ある....」

ハンジ「(訓練兵達の心が揺らぎ始めた!!)」

エルヴィン「(もう一押し.....もう一押しだ!)」

リヴァイ「ただいま。」

エルヴィン「おぉリヴァイ、帰って来たか!」

リヴァイ「.....今年は何人入団するんだ?」

エルヴィン「今演説してるミケの頑張り次第だな」

ハンジ「私達の演説は誰も聞いてくれなくてさww」

リヴァイ「.........そ、そうか」ソワソワ

エルヴィン「リヴァイ、何をソワソワしてるんだ?」

リヴァイ「いや.......そのぉ........ミケがもし駄目だったらの話だが....」

リヴァイ「俺.....一か月前から頑張って一人で演説内容考えてきたんだ....」

リヴァイ「だから............俺もやりたい!」

エルヴィン「......そうか」

リヴァイ「そうだ」

リヴァイ「俺が考えたのはただの演説じゃない、歌を作った」

リヴァイ「調査兵団の歌だ、作曲も作詞も俺が作った....」

エルヴィン「.....」

ハンジ「.....」

リヴァイ「歌いたい......」

エルヴィン「.........残念だが、ミケの演説で何とかなりそうなんだ。」

リヴァイ「頑張って作ったのに.......」

エルヴィン「来年お願いしよう、リヴァイ」

リヴァイ「...........ミケウザい」ダッ!

ハンジ「あ!リヴァイ!どこ行くの!?」

リヴァイ「....................ゲリラライブ」

ミケ「....以上、私の話を聞いて調査兵団に対する考えが変わったかね?」

エレン「俺入ります!兵士になったからには一流になりたいんです!!」

コニー「死にたいわけじゃないけど.......俺も入る!」

ジャン「そうだ.......もうマルコの粉にガッカリしたくねぇ!俺も!!」

ミケ「そうか、皆良い表情だ(洗脳完了.......と)」

ミケ「(ん?誰か走ってくる.........遅刻した訓練兵か?)」

リヴァイ「ぃいいいいいいっくぜぇええええええ!!おめぇえらぁああああああ!!」ダダダッ

ミケ「(リ、リバ!?)」

コニー「な!誰だあいつ!?」

エレン「調査兵団のリヴァイ兵士長だ、どうしてあんなテンション高いんだ....?」

リヴァイ「トゥッ.....!」シュタ

ジャン「おいっ、檀上に上がったぞ!」

リヴァイ「おい...........雑魚の新兵共.............聴け!」

リヴァイ「俺と調査兵団の魂の叫び............『リヴァイの弓矢』」

sie sind das essen und wie sind die rivai

踏まれた花の 名前も知らずに
地に堕ちたリヴァイ 風を待ちわびる

祈ったところで 何も変わらない
今を変えるのは リヴァイの覚悟さ

屍踏み越えて 進む 意志を 笑う 豚よ
家畜の安寧 虚偽の繁栄 死せる餓狼の自由を

囚われた屈辱は 反撃の嚆矢だ
城壁のその彼方 獲物を屠るリーヴァイ

迸る衝動に その身を灼きながら
黄昏に緋を穿つ リヴァイの弓矢

矢を番へ追いかける リヴァイ逃がさない
矢を放ち追い詰める 決して逃がさない
限界まで引き絞る はち切れそうなリヴァイ
奴が息絶えるまで 何度でも放つ

敵を殺すのはミケでもハンジでもない
研ぎ澄まされたリヴァイの決意だ

リーヴァイ リーヴァイ 炎のように熱く
あぁリーヴァイ リーヴァイ 氷のように冷やかに
リーヴァイ 想い矢に込めて
あぁリーヴァイ リーヴァイ 全てを貫いていけ

何かを変えることができるのは 何かを捨てることができるもの
何一つリヴァイなど背負わないままで 何かが叶うなど

暗愚の総勢 唯の亡霊
今際に振るえ 勇気を

自由の生命 影のリーヴァイ
奔るリヴァイに 勝利を

課せられた不条理は 進撃の嚆矢だ
奪われたその地平 世界を臨むリーヴァイ

とめどなき衝動に その身を掠めながら
夕闇に死を運ぶ リヴァイの弓矢

ハンジ「...............終わった.........全て終わった」

ミケ「調査兵団..................解体だ」

ハンジ「いやだぁあああああ!!」

エルヴィン「!?.........待て!訓練兵の様子が!?」


エレン「兵長カッコイイな......」

ジャン「あぁ......感動したぜ」

コニー「こんな魂に響くライブは初めてだ!」

ライナー「あんな奴がいるとはな、知らなかったぜ.....!」

ベルトルト「僕は彼をリスペクトするよ!」

アニ「そうだね.......彼には大物のオーラがあるね」


104期生「リッ!ヴァ!イッ! リッ!ヴァ!イッ! リッ!ヴァ!イッ!」

リヴァイ「ケッ......やめろよテメー等///」

エルヴィン「ミケの演説にすら反応しなかった者まで......!」

エルヴィン「成績上位10名はもしかしたら調査兵団の総取りか!?地獄から天国だ!!」


ジャン「......すごいけど調査兵団はやめよ」

コニー「俺も...ライブは面白かったけど一緒にアイツと仕事したくねーよな」

エレン「アイツに命は懸けれんな、やっぱり憲兵団にしようぜ....」


エルヴィン「」

ミケ「..........訓練兵皆帰ってしまった.........」

ハンジ「ミケが上手に演説してたのに........」

エルヴィン「.............何てことだ」

リヴァイ「ただいま」

エルヴィン「何を呑気に帰って来て.............え?」

ハンジ「あれ? リヴァイ?」

ミケ「ん?さっきまで檀上でライブ.......え?」

リヴァイ「ライブ?俺は今帰ってきたんだぞ....」

もう歌詞でてたのかw
宵闇に灯を運ぶだと思ってた

エルヴィン「では、さっきまで檀上で恥ずかしい歌を熱唱してたのは!?」


気付いた時には檀上の上に誰もいなかった......
ただそこには、リヴァイのカツラだけが落ちていた.....


ミケ「....」

ハンジ「....」

リヴァイ「???」

>>45どっかの解読サイトで見たやつだから俺が間違ってるかも....

エルヴィン「諸君.....君達には何が見える?誰が敵だと思う?」

ミケ「奴だな....」

ハンジ「うん、アイツしか思いうかばないよ......」


そのころリヴァイ班の基地

オルオ「ただいまーー!」

ぺトラ「おかえり、オルオ今日は機嫌が良いね」

オルオ「へへっ、俺は今日リヴァイ兵長にまた一歩近づいたぜ!」

ぺトラ「?」




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