海未「どうして教えてくれなかったのですか!?」 (540)


穂乃果「えっと……何のこと?」

ことり「……?」

海未「惚けないでくださいっ! 前々から不審に思っていましたが、遂に私は確信に至ったのです!」

海未「ここが……、この音ノ木坂学院が……女子校だと! どうして黙っていたのですか!?」

穂乃果「えぇー!! 今更!? だってもう穂乃果達二年生になったから入学して一年経ってるよ!?」

ことり「海未ちゃん、気付くの遅すぎるよ…」

海未「いえ、そこまで私も鈍くはありません。妙だとは感じていました……周りには女性しかいませんし、この制服も……」

穂乃果「いやいやっ、もっと早く確信出来たでしょ!?」

ことり「もし、入学前に知ってたら海未ちゃんはこの学校に入らなかったの?」

海未「まさか、私は穂乃果とことりとずっと一緒にいたいと思っていますから。しかし、秘密にされていたのは些かショックです…」

穂乃果「別に秘密にしてたわけじゃないんだけど…」

ことり「ねぇ…、海未ちゃん」

海未「ちゃんはやめてください…! 私は誇り高き日本男児なのですよ!」

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穂乃果「昔っから海未ちゃんって呼んでるじゃん」

海未「それは…そうですが、もう高校生なんですし……私としても…、その…男として見られてないと思うと」

ことり「え? 男の子として見て欲しいの?」

海未「い、いえっ! そういうわけでは…」

穂乃果「もうー、男とか女とか関係無いよー! 海未ちゃんは海未ちゃんなんだから、穂乃果の大好きな幼馴染みの海未ちゃん! ね?」
ギュッ

海未「ちょ、ちょっ、穂乃果…近いですっ//// そんな…」

ことり「……」

海未「す、少し離れてください……////」

ことり「……海未ちゃん」
ヒソッ

海未「こ、ことりっ…?」

ことり「勃ってるよ、スカート捲れ上がってる」
ヒソッ

海未「っ!?////」

穂乃果「?? 二人で何話してるの?」


ことり「穂乃果ちゃんのこと、ヤラシイ目で見てたんだ? だからくっつかれて興奮しちゃったんでしょ?」

海未「ち、違いますっ…私は」

ことり「だったらどうしてこんな大きくしちゃってるのかなぁ?」

海未「んぁっ…! こ、ことりっ! やめてくださいっ、穂乃果もいるんですよ!?」

ことり「……うふっ」


ことり「穂乃果ちゃん、そういえば前に言われてたプリント提出した?」

穂乃果「あっ! 忘れてた! 穂乃果、ちょっと職員室行ってくるね!」

ことり「いってらっしゃ~い♪」

海未「あ、穂乃果…」


ことり「穂乃果ちゃん、行っちゃったね」

海未「こ、ことりっ、ここは学校ですよっ…こんなことっ、もう触るのを止めてくださ、いっ…」

ことり「ん~? あ、今日も可愛い下着履いてる♪ 男の子なのに女の子の下着付けてるなんて変態さんだよね? 海未ちゃんは」

海未「わ、私は…ただ穂乃果やことりと同じ物を」

ことり「うふっ、窮屈そうにしてるよ? 苦しいよね? このままじゃ困っちゃうよね?」

海未「あぅ…っ、どうしてこんなこと…」

ことり「海未ちゃんはどうして欲しいの? 言ってみて? ことり、海未ちゃんのお願いなら何でも聞いちゃうよ」


海未「うぅ……っ」

ことり「ねぇ、早く? このままじゃ海未ちゃんだって困っちゃうでしょ? 授業中もその状態だと…匂いとか、ね?」

海未「こ、ことりのせいですっ……ことりが触るからっ…」

ことり「うん、ことりのせいだからことりが責任持って何とかしてあげたいな。だから…」

海未「……も、もっと沢山触ってくだ、さい……いつもみたいに…////」

ことり「うふっ♪」

海未「あ、しかしここでは人目が……何処か違う場所で…、んんっ…!」

ことり「だぁめ♪ 人に見られるかもしれない方が海未ちゃんも興奮していっぱい気持ち良くなれるでしょ?」

海未「こ、ことりっ! だめっ、だめです…っ、んぁ…っ、んくっ…!」

ことり「ふぁぁ…、ことりが手で擦る度にどんどん大きくなってる…////」

海未「あぁっ、ンっ…はっ…」

ことり「すごぉい……あ、お汁が溢れて……ぁむっ」

海未「ンふぁっ…! ことりっ、それはダメっ…人が来たら、どうするのですか!?」

ことり「んちゅっ、じゅぷっ…ちゅる……ほいひぃ…ふひはんほほひんひんほいひぃほぉ…んじゅるっ…////」


海未「んぐっ、ぁっ…ことりっ、もういいですっ…もう結構です、からっ…////」

ことり「じゅぽっ、んちゅ…じゅる、ちゅぱっ…んぷっ…! まだだぁめ♪ 海未ちゃん、まだ気持ち良くイけてないじゃん」

海未「そ、それはもう別に…、こんな所…誰かに見られたらっ…」

ことり「大丈夫、誰も来ないよ。ほら、続き……はぅ、んちゅっ…じゅちゅぅ…! へぇ、ひほひひぃ…?」

海未「は、はいっ…ン、ぁっ…!」

ことり「んじゅっ、じゅぽっ…ずずずっ、ちゅりゅ…れろっ、ちゅぱっ…!!」

海未「あぐっ、くっ…ンンっ、うぁっ…!!」

ことり「イキそう? いいよ、イって…いっぱい出してっ、じゅぷっ、ちゅじゅっ…ずじゅぷっ…! ぴちゃっ、ちゅぴ…っ! んっ、じゅちゅっ、はっ…ふぁっ…!」

海未「ンくっ、うぁっ、くっ…! あっ、で、出ますっ…こと、りっ!! ンあぁぁっ!!」

ことり「んぐぅっ、ンっ、ンんーっ!! はふぁっ、ん…ぁ……ごくッ……」

海未「だ、大丈夫ですか…? ことり」

ことり「ん…、うんっ、えへへ…海未ちゃんの、精液美味しいから大好き♪
けほっ、けほっ……んっ、喉にっ……ごくンっ…」


━━


海未「今日は弓道部は休みなので久しぶりに一緒に帰りましょう。穂乃果、ことり」

穂乃果「あ、ごめんね。穂乃果達、部活あるんだ」

海未「部活?」

ことり「そういえば海未ちゃんには話してなかったっけ?」

穂乃果「実はね、あ……でも、馬鹿にしたりしない…?」

海未「私が穂乃果を馬鹿になどするわけないでしょう」

穂乃果「そうだよね…。あのね、穂乃果達、スクールアイドル始めたんだ。だからアイドル研究部って部活に…」

海未「アイドル……?」

ことり「……! 良かったら海未ちゃんも入ってみる?」

海未「はい!」

穂乃果「即答!? いいの!?」

海未「だって私はいつだって二人と一緒がいいのです。仲間外れはイヤです…」

穂乃果「海未ちゃんが入ってくれると穂乃果も嬉しいなぁ」

ことり「じゃあ行こっか♪」


━━


穂乃果「というわけで、新入部員の園田海未ちゃんです!」

海未「よ、よろしくお願い致します…」


にこ「い、今の話って…」

花陽「本当に…」

凛「男の子なのー!?」

希「すごい可愛らしい顔しとるなぁ…」

絵里「女の子って言われたら絶対に疑わないわ…」

真姫「ど、どうして男がこのアイドル研究部に!? ていうか何でこの学校にいるのよ!?」

海未「私事で申し訳ないのですが、穂乃果とことりと一緒にいたいからです。片時も離れたくはありません…」

真姫「はぁ…?」

絵里「どうして女性用の制服を着ているの?」

海未「穂乃果とことりと一緒が良いからです」

絵里「……??」

穂乃果「と、とにかく! 皆、海未ちゃんをよろしくね!」


それから数週間が経ち、アイドル研究部の部員達は海未の人柄の良さもあってか自然と彼を受け入れ始めていた

それも当然の事だ

姿かたちは女性そのもの、話し方、仕草すらも品があり、誰しもが男ということを忘れてしまう程であった

ただ、真姫だけは未だに抵抗があるようだ

見た目が女性らしいといっても、生物学的には園田海未は紛れもなく男に分類される




真姫「……はぁ」

にこ「また海未のこと?」

真姫「それ以外にあると思う? ていうか何で皆、そんな普通なの? 男よ? 男がいるのよ?」

にこ「いや……海未は女みたいなものじゃない?」

真姫「それでも男であることには変わりないでしょ!?」

にこ「何をそんなに気にしてるのよ。アイツがいきなり襲ってくるとでも思う? ニコの全財産を賭けてもいいわ。そんなこと有り得ない」

真姫「でも、男は何をしでかすか…」

にこ「あ、真姫ちゃんの場合、一回くらい襲われた方がいいかもね~」

真姫「は、はぁ!?」

にこ「どうせ処女なんでしょ? 初めてを奪ってもらえば抵抗感なんて一瞬で消え去るわよ」

真姫「ば、馬鹿言わないでっ!」

にこ「だったらもっと愛想良くしてなさい。いくら海未が優しいからって良い気分はし ないでしょう」

真姫「むぅ……」


海未「失礼します」

にこ「海未? どうしたの?」

海未「忘れ物をしてしまいまして」

真姫「……ニコちゃん、私先に帰るから」

海未「真姫…?」

真姫「ふんっ…」



にこ「ホントに子供なんだから…」

海未「あの…私、何か真姫を怒らせる様なこと、してしまったのでしょうか?」

にこ「気にしなくていいわ。つまらない事よ、真姫ちゃんが考えすぎなだけ」

海未「は、はぁ……?」

にこ「それにしても…」

にこ(男、か……)
ジーッ

海未「……あの、何か…」

にこ「……あんた、本当に男なのよね?」

海未「はいっ!」

にこ「何でそんな嬉しそうに答えるの…?」

海未「皆、私のことを男として扱ってくれなく……稀に本当に私を女だと思っている人もいましたし…」

にこ「苦労してるのね…」

にこ(まぁわからなくもないかな……。綺麗な顔、繊細な髪、華奢な体つき……どれを取っても女そのものだし…)


にこ「……」
ジーッ

海未「……ニコ?」

にこ「……も、もしもよ! もしも、ニコが……あんたの、その……男としてのモノ見せてって言ったら…、どうする…?////」

海未「男としての、モノ……はっ! な、何を言っているのですか!?////」

にこ「い、一応よっ! 確認の為っ!」

海未「何の確認ですかっ!?」

にこ「あ、あんたが男って確認……イヤなんでしょ…? 女と思われるのが…」

海未「うぅ……」

にこ「そ、そんなイヤらしい考えとかじゃないからっ! 同じ部の仲間としての信頼の問題…、で…」

海未「……っ」

にこ「あ…、ごめん……おかしいよね、何言ってるんだろ……ニコ」

海未「わかり、ました……」

にこ「え…?」

海未「す、少しだけ…ですよ……////」

にこ「う、うん……」


海未は身に付けているショーツを脱ぎ、スカートを捲り上げる

恥じらいに歪む表情は女性そのもの

しかし、スカートの中には女性には決して相応しく無いモノが蠢いていた


海未「うぅ…っ、あまり……まじまじと見ないでくださいね…////」

にこ「……すご…、想像してたのより、ずっと大きい……」

海未「ぁっ……」

にこ「え…? きゃっ…! さっきより大きくなって……これって、勃起ってやつ……?」

海未「い、言わないでくださぃ…っ」

にこ「何で……勃起、しちゃったの……?」

海未「そ、それは……ニコが、見ているから……////」

にこ「好きな人じゃなくても見られると勃起しちゃうの…? へぇ……不思議ね……」

海未「も、もういいですか…っ」

にこ「……もっと…、もっとこれ以上に大きくなったりする…?」

海未「え……そ、それは……」

にこ「するんだ……これよりもっと、大きく……ごくっ…」

海未「ニ、ニコ…あの、もう…」

にこ「ニ、ニコのおっぱい……見る……?」


海未「な、何をっ、…言って」

にこ「あんまり大きくないけど……興奮してくれる、かな…////」

海未「だ、だめですっ…!////」


ニコはシャツのボタンを開け、ブラジャーを上にずらし、乳房を露にさせた

お世辞にも大きいとは言えないが、それは小振りながらも美しい形をしており、ツンと固くなっていた先端は真っ直ぐ海未の方を向いていた


にこ「海未……、見て……////」

海未「だ、だめです……っ、女性の胸を見るなどっ……////」

にこ「……ニコのおっぱい見て、もっと…それを、大きくしなさい……部長命令よ…っ」

海未「いくら部長命令でも、そんな…っ」

にこ「……海未が男として見られないのを嫌がるように、ニコも女として見てもらえないのは……悲しいのよ…。だからお願い……ニコのおっぱい…、見て」

海未「……っ、うぅ…ズルい、ですよ…////」

にこ「やっと見てくれた……、どう…かなぁ…?」

海未「ぁうっ…//// き、綺麗ですよっ…とても…」

にこ「わぁ……また大きくなった……すごぃ……//// あ…、ねぇ…おしっこ出るとこから何か垂れて」

海未「み、見ないでくださぃっ…!!////」

にこ「えっちなお汁……床まで垂れてるよ…? いっぱい興奮してくれたんだぁ…嬉しいなぁ…////」


にこ「精液……じゃないわよね…」

海未「わ、私が…男ということ、わかって頂けましたか…?」

にこ「う、うん……すごく、男だった…////」

海未「な、なら私はこれで…失礼します…」

にこ「ごめんね……変なこと、させちゃって…」

海未「い、いえ…お気に召さらず……ですが、この事は他言しないようにして頂けると助かるのですが…」

にこ「そ、そうよね…! 海未が下半身露出させてニコに危険なモノ向けてたって知られたら大変だものね!」

海未「ニ、ニコ…っ!」

にこ「冗談よ……。大丈夫、誰にも言わないから」

海未「ありがとうございます。では、私は…」

にこ「また明日ね…」



にこ「はぁ……ドキドキした……。アレって触ったらどんな感触するんだろ…」

にこ「海未……」


ことり「……」


書いてて興奮します。この淫情が少しでも伝わればいいなー
エロそうなシチュ募集してます

今日はここまでー
ではではー

定番の外に誰かいるのにロッカーか掃除用具入れでえっちなことしちゃう展開頼むで

>>47
おぉ…、ちょうど今日書くネタがまさにそれでした……

まぁいいや、もう少ししたら書いていきます


━━


穂乃果「海未ちゃんもダンス覚えたら?」

海未「い、いえ…私は雑用係として入部したので……そんな、ダンスだなんて…」

穂乃果「穂乃果、海未ちゃんと一緒に踊ってみたいなー」

ことり「海未ちゃんって可愛い衣装すっごくよく似合うから色々着させてみたいかも♪」

海未「ま、また人をそういう風にからかって……ん?」


にこ「……」
ジーッ


海未(先日のあの一件以来、ニコの視線を感じることが多くなってきた気がします……嫌われてしまったのでしょうか……)

海未(真姫にも疎ましく思われているみたいですし……ダメですね、私…。しかし、ニコが誰にも言わないでいてくれているのは助かります…)

海未(もし、皆に知られてしまったら、もうここにはいられなくなる……穂乃果とことりの側にいられなくなる……そんなの絶対に、嫌です)

ことり「海未ちゃん、元気ない…?」

海未「そ、そんなことありませんよ」


絵里「海未、ちょっといい?」

海未「は、はい……?」


絵里「穂乃果、ことり、ちょっとだけ海未を借りるわね」

海未「えっ…穂乃果とことりも一緒じゃダメなんですか?」

絵里「えっと……生徒会室の段ボールを整理するから男手が欲しいのよ。海未一人でいいんだけど…」

海未「は、はぁ……そういうことなら…」

穂乃果「いってらっしゃーい、海未ちゃん」

ことり「……」

海未「うぅ……穂乃果、ことり……すぐ帰ってきますから」

絵里「お、大袈裟すぎじゃないかしら…」

海未「お待たせしました。では、行きましょう。絵里」

絵里「ありがとう、助かるわ」


━━生徒会室


海未「これは、そっちでいいですか?」

絵里「えぇ、じゃあこの辺りに」

海未「はい」

絵里「……」

海未「……? 何か?」

絵里「前から少し気になってたんだけど、海未って…私とだけ目を合わせて話してくれないわよね」

海未「…っ!? す、すみませんっ……失礼、ですよね…」

絵里「私、もしかして嫌われてる?」

海未「そ、そんなことは絶対にありませんっ!」

絵里「だったらどうして? どうして私の顔、見てくれないの?」

海未「そ、それは…っ、……言わなきゃいけませんか…?」

絵里「まぁ…嫌いな相手に貴女のことが嫌いですとは、なかなか言いづらいから無理にとは」

海未「ち、違うんですっ…!! その……緊張してしまうんです…////」

絵里「緊張?」

海未「絵里は、とても……綺麗ですから…////」

絵里「……へ?」

海未「へ、変な意味じゃないんですっ! 今まで穂乃果とことり以外の女性とはあまり関わってこなかったので…、絵里みたいな綺麗な人と話す機会など無くて……だから、そのっ…////」

絵里(へぇ…顔真っ赤にしちゃって可愛い……ふふっ)

海未「ですから、絵里のことが嫌いとかではなく…っ」

絵里「貴方、女の扱い方わかってるわね。天然? それとも計算ずくだったりして」

海未「何の話ですか…?」


絵里「ねぇ、20秒だけ私の顔を凝視してみて」

海未「えっ…、ど、どうしてですか…」

絵里「だってこのままじゃ社会に出てずっと俯いてることになるわよ。私より美人なんか星の数ほどいるんだから」

海未「それなら大丈夫です。この学校を卒業したら、穂乃果とことりと結婚して3人だけで暮らす予定ですので」

絵里「は……? 海未ってたまに変なこと言うわよね…」

海未「……??」

絵里「とにかく、顔を見るだけだから。それとも、貴方はこの先も私に失礼な態度をとり続けるつもりなのかしら?」

海未「あぅ……わ、わかりました…」

絵里「よろしい。はい、スタート」

海未「うぅっ……」
チラッ

絵里「……」

海未「……っ////」

絵里(本当に可愛いわね、この子…)

海未「ぁ……ま、まだですか……」

絵里(こんな子見るとついついイジワルしたくなっちゃうのよね、ふふふ)


海未「も、もういいでしょうっ…////」

絵里「はい、よくできました」


海未「だ、段ボールはこれで全部ですか…?」

絵里「えぇ、ご苦労様。すごく助かったわ、さすが男の子ね」

海未「力になれて何よりです。なら私はもう部室に戻り」

絵里「もう一つ、お願いしたいことがあって」

海未「何ですか…?」

絵里「恥ずかしいんだけど……私のスリーサイズを計ってくれないかしら?」

海未「な…ななな何で私がっ、他の人に頼んでくださいっ…!!////」

絵里「本当はそうしたいんだけど、皆部室にいるじゃない? でも、衣装作るからことりに今日までに測定してこいって言われてるのよ」

絵里「部室にはことりもいるから、まだ測定してないことバレたら怒られちゃう……ダメ?」

海未「だ、だめですっ…そんなの、私は男なんですよ…っ」

絵里「……そう、私がことりに怒られても海未には関係無いものね…」

海未「え、絵里……」

絵里「ごめんなさいね、つい甘えてしまって……私が悪いだもん、素直に怒られるわ」

海未「……わ、私でいいんですか…?」

絵里「海未…?」

海未「絵里は、男の私に身体を触られても…嫌では、ないのですか…?」


絵里「私は、海未のこと信用してるから…」

海未「……わかりました、手伝います」

絵里「本当!? ありがとう!」

海未「え、えっと……メジャーは何処に」

絵里「その棚の引き出しの中に入ってるわ。でもちょっと待って、準備するから」

海未「準備?」

絵里「海未、悪いんだけど私のシャツボタン外してくれる?」

海未「な、なななっ…!?////」

絵里「何をそんなに驚いてるの? 測定するんだから服着たままだと計れないでしょ?」

海未「そ、それは…そう、ですが……何故私が」

絵里「さっき爪割っちゃってね…自分じゃ上手く脱げないのよ。だから、お願い」

海未「うぅ…////」


海未は震える手をゆっくりと絵里の胸元へと運ぶ

絵里の顔を見ないように…、これから自らの手で開く肌色を見ないようにと、目線を足下に置いたまま手を伸ばす

しかし、見ずしてその手は正確にボタンの位置まで辿り着けるわけもなく……

海未の指先には柔らかな感触が


絵里「んっ…、海未…」

海未「え…? あ、あぁっ…! す、すみませんっ、決してわざとじゃ」


絵里「……海未のえっち」

海未「あぅ…//// 弁解のしようもありません……しかし、信じてくださいっ、天に近って私にはそんな邪な気持ちは一切無いのですっ…!!」

絵里「……それはそれで複雑だわ」

絵里(思春期の男の子ってもっと女の子の身体に興味あるんじゃないの…? それとも海未だけ特別……?)

絵里「ほら、よそ見してるからでしょ。ちゃんと見なさい」

海未「は、はぃ……////」


海未は絵里の胸のふくらみの辺りに視線を留め、再度恐る恐る手を伸ばす

日常ではあまり見ない様に心掛けてきた……女性の胸を凝視するなど、失礼極まりない行為

そう自分に言い聞かせてきた

大好きな幼馴染みの穂乃果とことりは当たり前だが、女性だ

そんな二人を何よりも大切に思っているからこそ、海未は異性に嫌われることを極度に恐れている

しかし、今この状況では逆に相手の胸を見ないと嫌われてしまうかもしれない

海未の頭の中は真っ白になっていた


指先は震えながらも、一つまた一つと丁寧にかつ慎重にボタンを外していく

3つ目に差し掛かった辺りだろうか、はだけたシャツの間から絵里の下着が顔を出す

黒のレースが付いているブラジャーだ

当然、海未の視界にも嫌でも飛び込んでくる


海未「ぁ……っ////」

絵里「……ふふ」


海未は一刻も早く、終わらせようと懸命になり残りのボタンを外していく

頭がいっぱいになっている海未は自らの身体の変化に気付いていなかったが、対面する絵里の目にははっきりと映っていた

海未の膨れ上がるスカートの異変に


絵里(あんなにスカートが持ち上げられて……、どのくらいの大きさなのかしら……?)

絵里(海未が興奮してくれてる……私の身体を見て…)


対する絵里も興奮状態にあった

自分を見て男が悦んでくれる……女としてこれ以上の幸せはないだろう

加えて、恥ずかしさで顔を真っ赤にした男が自分の服を脱がしている……この状況を再確認することによって、絵里の劣情に更なる火を燃やしていった


海未「ぜ、全部…外し終えました…////」

絵里「……あ、ありがとう」

海未「……っ////」

絵里「……終わりじゃないでしょ? ボタン外しただけ……シャツもまだ着たままだし、スカートも」

海未「そ、それも私が…!?」

絵里「勿論よ、早くしなさい」


興奮のあまりか、海未が女性に対して内気で自分に逆らわないと判断してしまったのか、つい強い口調になってしまう

海未のことを、何でも言うことを聞いてくれる召し使いの様に

そして、自分は女王様になったかの様に


海未「し、失礼します……////」

絵里「んっ…」


海未はシャツの袖口を引き、脱がせる

絵里の上半身はブラジャーを纏っているのみの状態となった

脱いだシャツは綺麗に畳まれて机の上に置かれていた……なんとも海未らしい


そして次に、スカートを脱がせるべく海未は絵里の正面に両膝をつく体勢となった

その一見、服従ともとれる姿勢は絵里の支配欲を掻き立てる


絵里(ふふっ…)


そうだ、少しイタズラをしてやろう

そう、絵里は心の中でにやつく


海未がスカートに手を掛ける行動を絵里の声が遮った


絵里「海未」

海未「は、はい…?」


絵里は海未の位置から中がはっきりと見えるように自分のスカート捲り上げた


海未「え、絵里っ!? な、何をっ…何をしているのですかっ!?////」

絵里「何が見える…? 答えなさい」

海未「え、絵里……!?」

絵里「早く答えて、ふふっ」


絵里「海未、目を逸らさないで」

海未「うぅ…、え、絵里の……下着が、見えます……」

絵里「よくできました」


絵里は海未の頭を撫でてあげた

海未の恥ずかしさのあまり今にも泣きそうな表情は、絵里をどんどん大胆にしていく

スカートも脱がし終え、絵里は完全に下着だけの格好となった


絵里「大丈夫? 海未」

海未「は、はい……何とか……////」

絵里「ならさっそく計測をお願い」

海未「はぃ……」


海未はメジャーを手に持ったまま、困った表情で立ち尽くしていた


絵里「何をしてるの? そんな所にいたら計れないでしょ」

海未「そ、そうなのですが…」

絵里「だったらもっとこっちに」


絵里は海未を自分の元へと引き寄せる


海未「だ、だめっ、だめですっ…!!」


絵里の身体と海未の身体が触れる

瞬間、絵里は全てを理解した

海未が近くに来ることを拒んでいた理由……。絵里の太股に触れている固い感触、それが答えだ


絵里「貴方、確か……邪な気持ちは無いって言ってたわよね?」

海未「……っ////」

絵里「だったらこれはどう説明してくれるのかしら?」


絵里はスカート越しに海未の肥大した陰茎に触れた


海未「あっ…違っ……これ、は……」

絵里「どう違うの? ちゃんと説明して頂戴」


絵里が再び陰茎に触れようとした瞬間


海未「…っ!?」

絵里「足音……?」


誰かがこの生徒会室に向かってきている

それもそのはず、もうすぐこの場所では会議が行われるのだ

絵里と希も含めた生徒会役員による会議が


絵里「あ、そっか……今日だったっけ」

海未「え、絵里…っ! 早く服をっ、こんな所見られたら」

絵里「間に合わないわ……こっちに来て」


絵里は海未の腕を引き、部屋の隅にある用具用ロッカーに連れ込む

幸いにも中は殆ど空の状態であった為、窮屈ながら二人して身を潜めるのとは可能であった


絵里と海未がロッカーの中に隠れた直後、部屋には生徒会役員が次々と入ってきた

その中には東條希の姿もある


希「ん…? 制服……? 誰の…」


近い……こんなにも近くに男性を感じたことがあっただろうか

興奮状態……しかもこんな狭い環境、下着姿の自分

絵里は考えるより先に、太股に触れてあった海未の陰茎を掴んだ


海未「んぁっ…!」

絵里「声出したら気付かれるわよ」

海未「や、やめて…くださぃ……」

絵里「貴方が悪いのよ、こんなにギンギンに勃起させてるから……はぁ、はぁ……私の身体見て、興奮…しちゃった…?」

海未「そ、そんなこと…っ」

絵里「正直にならないと…」


絵里は陰茎を海未が履いている女性用下着の上から強く擦る

擦る度に海未は声を漏らし、時に女の様な喘ぎ声を小さく発していた


海未「んっ、ぁ…っ…やっ、やめっ…」

絵里「ねぇ…ここでの事は誰にも言わないから、海未も素直になりなさいよ」

海未「ぁ…っ、んく…、はぁっ…はぁっ…////」

絵里「触っていいのよ? 私の身体……。見るだけでこんなおちんちん凄いことになってるのに触ったらどうなっちゃうのかしら……知りたくない? ねぇ?」


海未の首筋に唇を乗せ、ピチャピチャと音を立てる

汗で湿った肌は、この狭い空間に充満している互いの体液の匂いも相まってか、とても淫靡な味がした


絵里「んちゅ、じゅるっ…ちゅぱ…」

海未「ンくっ、ぁっ…やめ、てっ…くださ、ぃ…////」

絵里「海未ぃ…触ってぇ……ここ、よ…ここを…」


海未の手を自分の乳房に誘導する

初めは抵抗してきたが、口で顎や耳に音を立て唾液を送り込むと途端に弱くなった

海未の手を握り、強制的に乳房を揉ませる

自分の手ではない手が、自分の身体に触れている……その事実は、今の絵里にとって何よりも気持ちの良いことだった

心も身体も満たされいくのを感じる


絵里「海未っ、もっと…強く、揉んで…っ、めちゃくちゃにしても、いいからっ…////」

海未「や、やっぱり…だめっ、だめですっ……こんな、こと……////」

絵里「……嘘つき。海未は嘘つき……ほら、海未のおちんちん、こんなにヒクヒクして悦んでるわ…」


絵里は下着の中に手を入れ、直接海未の陰茎に触れた

ショーツの中はもう海未の体液でベトベトだ……すごい湿気を帯びているのを感じる

そして、何より……熱い

熱い……こんなに熱くなっちゃうんだ

男の子って


海未「ンぁっ、んんっ、あぁっ…!」

絵里「ふふっ、海未のおちんちん…ヌルヌルして、とっても気持ち良さそう…、ねぇっ? 気持ち、いい…?」

海未「んはぁっ、ふぁ…んぐ、はぁっ、はぁっ…!!」

絵里「手も休めちゃだめ、私のことも気持ち良くしてくれないとやぁよ…?」

海未「え、絵里…っ、はぁっ…はぁっ…////」

絵里「ここも触って…、固くなってるのわかる…? 海未と一緒……私も海未のおちんちん触って…えっちな気持ちになっちゃった…」

海未「ぁっ…ン、はぁっ……絵里、絵里っ…」

絵里「あんっ、あっ、やっ…ンンっ、そうっ、もっとっ、もっと海未の好きな様に弄って…///」


海未も性欲に負け理性が崩壊したのか、自ら絵里を求めるようになっていた

乳房に触れるのも、その先端を口に含み舌で転がすのも、身体中をまさぐるのも、そして……絵里が陰茎を擦るのに合わせ腰を動かすのも、全て海未自身だ

それが絵里にとって、限りなく嬉しい……。学校の、それもこんな用具ロッカーの中……背徳感など入り込む余地の無い程に、幸せを感じていた


海未「ンっ、あっ、え、絵里っ…だめですっ…それ以上はっ…!」

絵里「出そうってこと…? 精液が…?」

海未「は、はぃっ…だからっ、もう…手を止め」


絵里はその場で屈み、顔を海未の恥部へと近付ける


海未「え、絵里っ…!? ンくっ、あぁっ、やっ…!」

絵里「いいわよ、出してもっ…私に頂戴……いっぱいいっぱい、海未の精液…////」


陰茎を擦る手は加速していく

目の前にある男性器の強烈な匂い、頭がクラクラしてくる

早く……欲しい……

ここから出てくる海未の劣情を、全身に浴びせられたい


絵里「海未っ、海未ぃっ…はぁっ、 はぁっ…!! 出してっ、私に…いっぱい出してぇっ…!!」

海未「んぐっ、あっ、やっ、あぁっ…絵里っ、でっ…でりゅっ…あっ、 あぁぁぁぁっ…!!」

絵里「んぐっ…!? ひゅっ、ふぁ… んぁぁっ…ぁン、んんーっ…!!」


海未の陰茎から放たれた白いソレは、絵里の顔中を真っ白に染め上げるほどの膨大な量だった

絵里は顔に飛び散った精液を指で掻き集め、口に運ぶ

そして一滴も残さず、全て飲み切った


絵里「ンぐっ、……ごくんっ…」

海未「え、絵里……すみませんっ……私、どうかしてて…」

絵里「……っ」

海未「絵里……?」

絵里「……ちょっとくらい余韻に浸らせなさいよ、……馬鹿」

海未「……?」


海未「あ、会議終わってるみたいですね……もう誰もいないみたいです」

絵里「…そう、なら出ましょうか」


二人はロッカーの扉を開け、外へ飛び出す

外の空気は爽快でとても清々しい気分になれた

でも、もうちょっとだけあのままでも良かったかも……。五感全てで海未を感じることができた

あの空間を…

名残惜しい……そう思いながら、脱ぎ捨てた制服を探す


絵里「えーと、何処に置いたかしら…」


希「探し物はコレかな?」


絵里「え……?」

海未「の、希っ…!?」

希「うふっ、どうしたん? その化け物を見たかの様な顔は」


今日はここまでですー

今回のは、自分の中で体験してみたいシチュエーション第三位でしたー

ではではー


この部屋に入って目にした脱ぎ捨てられた制服から、希は頭の中であらゆる可能性を探った

端から見たら隙の無い完璧な人間の絢瀬絵里だが、実はおっちょこちょいな面もある

その絵里が練習着に着替える際に着ていた制服の存在を忘れ、生徒会の会議の存在も忘れ……

まぁ、その可能性は限りなく低いだろう

もしかしたら、この制服は絵里の物ではないのかもしれない


そして、絵里と誰かが情事に勤しんでいる……勿論、これを想像出来なかった希ではない

更に言えば、この可能性が一番高いのではないかと希は睨んでいた


大当たりだ


会議を終えた後、息を潜めここに留まっていたら案の定二人は姿を現した



海未「あっ…、あっ……ぁ……っ」

絵里「希……、どうして……」


下着のみ纏った状態の絵里、乱れた髪、息づかい、匂い……

希は顎に手をやり、目を細め、ニヤニヤとした表情で二人を観察していた

そして、口を開く


希「……二人で何してたん?」


絵里「……」

海未「ち、違うん…です…っ、これ…は……っ」


どうしていいかわからず、震える声で懸命に弁明しようとしている海未

それとは対照的に、絵里は希を見つめ口元を緩ませていた


希「エリチ……?」

絵里「……希、私ね……海未に襲われたわ」

海未「なっ……!?」

絵里「無理矢理……服を脱がされて、ロッカーに連れ込まれて、酷い事されたの」

海未「な、何を言っているんですか!? 絵里っ!!」

希「そっかそっか……、海未ちゃん」

海未「の、希…、これは」

希「駄目やん? 女の子苛めたら」

海未「き、聞いてくださいっ、私は絵里を襲ったりなんかしてません…っ!! 絵里っ、どうして」

希「……でもな」


希は絵里の側に足を運び、絵里の髪に手を伸ばす

髪に付着していた粘物を指に取り、匂いを嗅いだ後、その指を海未の方に向けた


希「これ、海未ちゃんの精液なんやない?」

海未「…っ!?」


海未「……っ」

希「答えて」

海未「……そ、そうです…っ……しかし、私は無理矢理絵里を襲ったりなんかしてませんっ!!」

希「……まぁそんなことはどうでもいいわ。うふっ」

海未「の、希……」

希「ウチは面白いモノが大好きなんよ。目の前に玩具があったら遊びたくなる」

海未「お、玩具……?」

希「エリチは?」

絵里「ふふっ、私もよ。だって玩具で遊ぶの大好きだもの」

海未「あ、貴女達は何を言って…」

希「エリチとばっかズルいやん。ウチとも遊んでよ、海未ちゃん」

海未「……わ、私が素直に従うとでも」

希「この事を穂乃果ちゃんやことりちゃんが知ったらどう思うかなぁ? 何ならこの精液、今から皆に見てもらう?」

海未「……っ」

絵里「海未、さっき貴方言ってたわよね。穂乃果とことりと結婚するって……でもね、海未」

絵里「他の女に欲情し、快楽を求めた男を誰が受け入れてくれるかしら?」

海未「ひ、酷い……っ、何でこんなこと……っ……ひぐっ…」

希「ちょっ、泣かんでええやん! ウチらは別に海未ちゃんを苛めとるわけやなくて、……一緒に遊びたいだけなんやから」

絵里「さっきみたいに気持ち良いことしましょう? 貴方も夢中になってたじゃない」


海未「……絶対、に」

希「ん?」

海未「絶対に……皆には黙っててくれるって、約束してくれますかっ…?」

絵里「勿論よ」

希「うん、ならさっそく……脱いでみて」

海未「えっ……?」

希「あれ? どないしたん?」

絵里「大丈夫よ、鍵は閉めておいたからここにはもう誰も入って来ないわ」

海未「……わか、りました…」


海未はシャツ、中に着ていたインナー、スカート、ショーツ、全て脱ぎ……一糸纏わぬ姿となった

絵里と希の視線は当たり前の様に、恥部へと注がれる

見られるというのは、無意識の内に快感へと変換され……海未の陰茎にはドクンドクンと音が聞こえる程に血液が集まってきていた


絵里「すごい……さっき、あんなに出したばっかりなのに、もうこんな……////」

希「お、男の子のって……こんな、おっきぃんや……////」


希は興味津々に男性器に顔を近付け、亀頭に触れた


海未「あっ、んぐ…っ!」

希「い、痛かった…?」

絵里「気持ち良いのよ、そうよね? 海未」


尿道からもう既に溢れ出してきている粘液をペニス全体に拡げるように、掌を使い撫で回していく

ネチャッ……ネチャッ……

耳に入ってくる卑猥な音は、希をどんどん夢中にさせていった


希「はぁっ、あはっ……気持ち良いん? 海未ちゃん…っ」

海未「ンぁっ、はっ、うぅ…ッ、は…はいっ…!!」


希「あ、そうや! ウチな……前からずっと興味あって…」

絵里「……?」

希「なぁ、海未ちゃん……ここで自慰してくれん?」

海未「え…? な、なっ…!!」

絵里「自慰ってオナニーよね……男の子のオナニー、私も見てみたいかも…」

希「まさか、ウチらのお願いを断ったりせんよな?」

海未「は、恥ずかしい…ですよ……そんなの…////」

絵里「……穂乃果も呼んできて一緒に見てもらう?」

海未「や、やめてくださいっ!」

希「なら……、な?」

海未「うぅ…っ、は…ぃ……」


心が踊り、我慢出来なくなった希は、無造作に制服を脱ぎ捨て、下着姿となった

艶かしい紫色の下着

それを見た海未は今日一番の赤い顔を見せる


希(本当に純情な子やったんや…)


どうしてこうも、海未の羞恥に歪む表情は好奇心を駆り立てるのか

絵里も希もにこも、そうであった

この事を海未は一生知ることはないだろう


海未は俯き目を閉じ、自らの性器に右手を乗せた


海未「はぁっ、はっ…ンっ、ぁっ…」


自分の体液がその手にまみれ、べたべたになった陰茎は快感を増していく

抗う事の出来ない靡悦に右手が擦るスピードは一層速まっていった


気付けば希も絵里も、辱しめを受け自慰行為に励んでいる海未の姿を見ながら同じく自慰に勤しんでいた

目をとろんとさせ、自らの胸をまさぐり、下着越しに秘部を弄る

紛れも無く、正真正銘の自慰行為だ


絵里「んはっ、はぁっ、ンっ、やぁ…ンんっ…////」

希「はぁ…はぁっ、あっ、海未ちゃ…見てっ、ウチの恥ずかしい姿も、見てぇ…っ!!////」

海未「うっ…、ぁ…くっ……!」


目の前にいる半裸の女性二人の姿を見ないように見ないように、ずっと目を瞑り、擦り続けてきた

しかし、闇の中から聴こえてくる……欲望を駆り立てる吐息、喘ぎ声

男としてそれらを無視することなど、最早不可能だった


目を開くとそこに見えたのは、蕩けた顔で自分と同じ事をしている希と絵里

精液が物凄い速さで昇ってくるのを感じた


海未「あぁっ、んく、はぁはぁっ…! も、もうっ…」

希「きてっ…、きてっ…海未ちゃ…っ! ウチのここにっ、いっぱい出してっ…!!」

海未「ンっ、あぁッ…! の、希っ…! うぁっ、ああぁぁぁっ…!!!!」


二回目とは思えないほどの量の精液は、希の豊満な胸の間へと勢いよく放出された


希「あっ、ぁぁ…っ、温かい……っ、海未ちゃんの、あったかい……////」


どろどろと谷間を流れる精液を見て希はある事を思い付く

ブラジャーを外し、乳房を揺らしながら海未のペニスへと身を寄せた


海未「の、希…っ!?」


つい先程、自分に精液を浴びせてくれたペニスを両の乳房で挟み

そこに口から唾液を溢し、精液とまみれた胸の間で陰茎を刺激していく


海未「ンぁっ、んぎっ…! あぁっ…!」

希「すごぃなぁ……はっ、はぁっ、さっき出したばっかやのにっ、またこんな固くっ…////」


希「またっ、いっぱい…出して…っ! ウチのおっぱいっ、ぐちゃぐちゃに…してっ…!」

海未「んくっ、あっ、やめっ…うぁぁっ、ンンっ…!!」

希「あっ、あンっ、乳首擦れてっ、気持ちいぃっ…もっと動かしてっ! もっとっ、もっとウチのおっぱいまんこいっぱい突いてぇっ…!!」

海未「やっ、やぁっ、あっ…だめっ、おかしく…なっちゃい、ますっ…!!」


自分の精液と希の唾液でぐちゃぐちゃになった快感は、イッたばかりの陰茎に直ぐ様絶頂をもたらしてくる

腰の動きは、より一層速まり、本日三回目となる射精は希の胸の中へ注がれていった


希「はぁ…っ、はぁっ……////」

海未「うっ、あぁ…っ、はぁ、はぁ…」


絵里「海未ぃ、私の相手もしてぇ……んっ…、ちゅるっ、じゅぷっ…」

海未「んぁっ、んぎっ…あっ、絵里…っ////」


またしてもイッたばかりのペニスに更なる刺激

絵里は残った精液を掻き出す様に、舌を使い亀頭を弄ってきた


日が暮れた後も、絵里と希の“遊び”はまだ続いていた

今日だけで何回射精したのかわからない


この日から私は、二人の玩具になった


━━


ことり「んっ、ふぁ…ちゅ、じゅる…っ、じゅぷっ…」

海未「こ、こと…りっ、学校では、だめだとっ…////」

ことり「じゅぷっ、ちゅるっ…んはっ、ンむっ…ずずじゅっ…!!」

海未「ンぁっ、で、出ま…っ、あぁぁぁッ…!!」


ことり「……」

海未「……ことり?」

ことり「……最近、薄いね……海未ちゃんの精液…」

海未「えっ……?」

ことり「……ねぇ、海未ちゃん……ことりに隠してること、ある…?」

海未「…っ!? な、何を…言って……」

ことり「…海未ちゃん」

海未「……あ、ありませんよ…」


──ウソだ


ことり「……本当?」

海未「わ、私が…ことりに、嘘を吐くわけないじゃない…ですか……」


──ウソ


ことり「……そう、だよね。ごめんね、変なこと聞いちゃって」

海未「い、いえ…」

ことり「あと二年だね……。あと二年経てば海未ちゃんと結婚できる。楽しみだなぁ、海未ちゃんのお嫁さんになれるの」

海未「そう、ですね…」

ことり「幸せにしてね…、ことりだけを、愛してね……」

海未「……はい」


──この日、私は初めてことりに嘘を吐いた


ことり……、ごめんなさい……

私は、最低な人間です……

貴女を……貴女と穂乃果を大切に思うあまり、こんなこと……

大切で、大好きで、ずっと一緒にいたいと心から思っている貴女達を……私は裏切ってしまいました


私は、どうしたらよかったのでしょう……

いくら考えても、わかりません

本当のことを全部話したら、私を……


『他の女に欲情し、快楽を求めた男を誰が受け入れてくれるのかしら?』


私は……

私、は……


海未「うああああああああああっっ!!!!」


今日はこれにて
次は一年生の誰かと絡ませたいなーって思ってますけど、どうなるかわかりません

ではではー


━━


くる日もくる日も、希と絵里による“遊び”は続いていた


それは放課後だけにとどまらず、休み時間……時には早朝に呼び出し海未の身体を玩び、精液を搾り取る

何度果てようとも、拒もうとも、二人は満足せず更にを求めてきた


穂乃果とことり以外の人間から女を身体に刻まれる……海未にとっては耐え難い恥辱、屈辱だ

罪悪感に飲み込まれながらも、身体は快楽を求め反応してしまう。自ら希と絵里の……女の身体を求めてしまう日も度々あった


──おかしくなりそうだ


──私が愛しているのは、穂乃果とことりだけ……。それはまやかしに過ぎなかったのか……?

──今まで女の身体の感触を知らなかったから、そう思い込んでいただけ……?

──嫌だ……そんなの……そんなの……


──助けて、誰か助けて



「──ゃん、──ちゃんっ! 海未ちゃんっ!」

海未「はっ…!?」

凛「やっと気付いたにゃー」

花陽「目開けたまま寝ちゃってたのかな…?」

海未「凛…、花陽……」


凛「どうしたの?」

花陽「元気ないみたいだけど、何かあった?」

海未「い、いえ……何も……」


二人は顔を見合わせる

明らかに様子がおかしい海未に疑問を感じていた


海未「……」

凛「……そうだ! こんな時は……えいっ!」
チュッ

海未「えっ…!?」


視線を横にずらすと凛の顔がすぐ近くに……いや、近くどころではない

触れていた

私の頬に、凛の唇が


海未「り、凛……?」

凛「きゃー! ちゅーしちゃったー! 凛、男の子にちゅーしちゃったにゃー!」

花陽「り、凛ちゃんっ…! ダメだよぉ…っ、そんなことしちゃ…!」

凛「どうしてー? だって凛、海未ちゃんのこと大好きだもん! 好きな子にちゅーするのって普通だにゃ?」

花陽「ふ、普通…だけど、そうじゃないのぉ…!!」

凛「でもでも、凛のチューで元気出たでしょー? 海未ちゃん」


無邪気過ぎる凛の顔を見て、少し気分が楽になった気がした

凛と花陽といると心が安らぐ

一年生に心配をかけ、励まされるなんて私もまだまだですね


海未「ふふっ」

凛「あ、笑ったにゃ!」

花陽「良かったぁ……でも凛ちゃん! 今度からはいきなりあんなことしちゃダメだよ?」


花陽「でも、何か悩み事…? 花陽達で良ければ相談に乗るよ? 解決してあげられるかはわからないけど……話聞くくらいだったら…」

海未「本当に何でもありませんよ、少し精神統一していただけです。……ですが、心配してくれてありがとうございます」


海未は花陽の頭に手を乗せ、軽く撫でた


花陽「ふわぁ…////」

凛「ずるいずるーい! 凛もナデナデして欲しいにゃー!」

海未「凛はすぐイタズラしてくるのでダメです」

凛「えぇーっ!!」

海未「ふふっ、冗談ですよ」


凛の頭も撫でてあげる

目を閉じ、口元を緩ませている凛の表情はなんとも幸せそうだ


凛「ふにゃぁぁ~~////」


すると唐突に、扉の開く音が聞こえた


真姫「凛、花陽、仕方無いから一緒に帰ってあげても…っ!?」

凛「あ、真姫ちゃん!」

海未「真姫…」


真姫は海未の存在に気付き、途端に不機嫌な表情になる

そして強く睨み付け、言った


真姫「汚ない手で私の友達に触れないでもらえますか? 園田先輩」


海未「す、すみません…」


海未は凛を撫でていた手を即座に引っ込める


花陽「ま、真姫ちゃんっ…」

真姫「女にだらしないって本当みたいね。凛と花陽までたぶらかすつもり?」

海未「……え?」



──真姫は、知ってる……?

──絵里や希、ニコとのことを


全身から血の気が引く音が聴こえた


見られていたのか、それとも誰かが喋ったのか……

どっちにせよ、海未は驚愕を隠せなかった


真姫「え…? 何、その顔……まさか、貴方本当に…」

海未「……ち、違いますっ! 私は、そんなこと……」

凛「真姫ちゃん、何をそんな怖い顔してるの?」

真姫「……とにかく、そんな人と一緒にいると録な事ないわ。さぁ帰るわよ」

花陽「で、でも…」

凛「今日は凛達、海未ちゃんと遊んで帰るんだー! 真姫ちゃんも一緒に遊ぶにゃ?」

海未「え……?」

凛「たまには凛達とも遊んでよー! どうせ暇なんでしょ?」

花陽「海未ちゃんは穂乃果ちゃん達と帰るんじゃない? いつもそうだし」

凛「えー、そうなのー?」

海未「……別に構いませんよ。あ、でも真姫」

真姫「…っ! 勝手にしたら!! 私は先に帰るからっ! 今日は雨も降るみたいだし」


真姫は勢いよく扉を開け、部屋から出ていった


なんとなく……穂乃果とことりと顔を合わせるのを躊躇ってしまい、つい凛と花陽の誘いを承諾してしまった


花陽「……ごめんね、海未ちゃん」

海未「え?」

花陽「真姫ちゃん、本当はとっても良い子なんだ……だから、嫌いにならないであげてほしいなって……」

海未「……ふふっ、わかってますよ。私も真姫と仲良くなれたらって思っています」

花陽「うん…、ありがと」

海未「花陽は優しい子ですね」

花陽「ふぇっ…!? う、海未ちゃん……////」


はしゃいで先頭を突っ走る凛、それを追う花陽、花陽に手を引かれ二人に続く海未

ウィンドウショッピング、ゲームセンター、クレープ屋に立ち寄ったり、妹みたいな二人と放課後の寄り道を楽しんだ


凛「海未ちゃんって、普段こういう所来たりするの?」

海未「いえ、全く」

花陽「あんまりこういうの好きじゃなかった?」

海未「正直な話、寄り道という行為に少し抵抗があったのですが……、二人のおかげでとても楽しいです」

凛「凛も海未ちゃんと遊べてとっても楽しいにゃー!」

花陽「は、花陽も……////」

海未「今日は誘って頂き、ありがとうございました」

花陽「う、うん…」


凛「にゃ…? 雨…?」


ポツポツと冷たい雨の滴が鼻先に落ちる

次第に雨足は強まっていき、気が付けば三人の体はびしょ濡れになっていた


凛「冷たいにゃーっ!!」

花陽「凛ちゃん、傘は!?」

凛「持ってないにゃ! かよちんは?」

花陽「帰る時、降ってなかったから学校に忘れてきちゃったぁ…」

海未「すみません……鞄から取り出すのに手間取ってしまって、とりあえずこの折り畳み傘を」

凛「さっすが海未ちゃん! あ、でも小さいから三人入れるかなぁ…」

海未「身を寄せれば二人ならなんとかなるでしょう。私は平気ですので使ってください」

凛「でも…、海未ちゃん…」

海未「大丈夫ですよ、常に体は鍛えてますのでこの程度の雨…。では」

花陽「だめっ!!」


立ち去ろうとする海未の腕を花陽が掴む


海未「花陽…?」

花陽「海未ちゃん、風邪引いちゃうよ……花陽の家すぐそこだからっ」

海未「し、しかし…」

凛「かよちんの家、こっちだよー! 早く早くー!」

花陽「海未ちゃん、お願い…っ」

海未「……では、お言葉に甘えて」


雨は更に強くなっていた

最早、人一人入る程度の折り畳み傘など意味をなさない程に

そして、三人はずぶ濡れになりながら花陽の家まで走った


花陽「はぁっ、はぁっ…!」

凛「にゃはははっ! かよちんも海未ちゃんもびしゃびしゃだにゃー! まるで海に飛び込んだみたい」

花陽「そういう凛ちゃんだって…えへへ」

海未(せ、制服が濡れて下着が透け……//// って私の馬鹿っ!! 花陽の好意にそんな下心を…)

凛「海未ちゃん?」

海未「そ、それより…この状態で人様の家に入るのはとても申し訳無いのですが…」

花陽「気にしないで、今タオル持ってくるからっ」



花陽「お待たせぇ、二人ともこれで体拭いて」

海未「ありがとうございます」

花陽「あと、体冷えちゃったでしょ? お風呂も沸かしてるから使って」

凛「わーい! かよちんの家のお風呂久しぶりだにゃー!」

花陽「えっと……じゃあ先に海未ちゃん、どうぞ」

海未「何を言っているのですか、花陽と凛から先に入ってください」

花陽「え、でも…」

凛「三人で入るのは?」

海未「なしです! さぁ早く」

花陽「うん…、じゃあ行こっか? 凛ちゃん」

凛「了解にゃー……へっくしゅ!」

花陽「わわっ、早くお風呂行こ! 凛ちゃん! 海未ちゃん、リビングでくつろいでてね」

海未「はい、ゆっくり温まってきてください」


海未「……くっ、駄目…、駄目ですっ、何で…っ」


先程見てしまった花陽と凛の濡れた制服越しの下着

考えないよう懸命に目を閉じ、無心になろうとするも闇に浮かんでくるのはやはり数分前の映像

体は冷えきっているのに、股間にあるモノは火傷するくらいに熱い


ここ数日で、射精によって得られる快感を数えきれないくらい得てきた

それを思い出すように固くなった陰茎に手を伸ばす


海未「はぁ…、はぁっ…、くっ…!」


触れようとした瞬間に、背後からカタッという音が


海未「っ!?」

花陽「う、海未ちゃん…」

海未「花陽…!? どうして…?」

海未(まさか、見られ……)

花陽「あ、あの……これ…」

海未「え……?」

花陽「ココア作ったから飲んで……温まるよ」

海未「…あ、ありがとうございます」

花陽「ねぇ、海未ちゃ……へくちっ!」

海未「私はことなど気にせず、早くお風呂に入ってきてください。花陽が風邪を引いてしまったら、もとも子もありません」

花陽「うん…」


凛「ふはぁー、良い湯だったにゃー」


花陽「お待たせぇ、海未ちゃん」

海未「……あの、本当に良いのですか?」

花陽「何が?」

海未「その……自分が入った後の湯に男が入るということへの嫌悪感などは…」

花陽「ううん、花陽は全然気にしないから…」

海未「……そうですか、なら有り難くお湯頂きます」

花陽「いってらっしゃい」



花陽「さて、と……今のうちに夜ご飯作っておこうかなぁ。海未ちゃんにも食べていってもらいたいし」

花陽「あれ? 凛ちゃん? 何処に行っちゃったんだろ……」



海未「はぁ……」


湯船に浸かり、固いままの陰茎を握り締める

花陽に見られていなくて本当に良かった

我慢しなくては……

他人の家で、それが浴室であってもそんな場所で自慰行為など許されるわけがない

一月前の海未なら射精の誘惑に耐えることはいとも容易かったことだろう

しかし、現状ではそれが困難極まりない

自分で触れていても、絵里や希が触れてきているような錯覚に……感触に陥る

海未の性器は短期間の間に淫らな刺激を与えられ過ぎたのだ


それでも海未は懸命に耐える


冷水のシャワーを頭から流しながら……


海未「……くしゅんっ!」


疚しい気持ちを断ち切る様に、シャワーの蛇口を目一杯捻る

滝さながらに打たれながらも海未の陰茎は猛々しくそそり立ったままだった


「……あはっ」


夢中になり精神を落ち着かせようとしている海未は浴室に侵入してきた人物の気配に気が付かない

人影はこっそりと海未の背後へと近付き……

抱き付いた


海未「ひゃッ!?」

凛「冷たいにゃっ!! 何で水が出てるのー!?」

海未「なっ…!? り、凛!?」

凛「えへへー♪ ビックリしたでしょー?」


海未は一瞬何が起こったのかわからなかった

背中に感じるのは人肌の温かな感触

女性特有の胸の突起の存在も感じられる

そして、悟った

今、自分に抱き付いているのは裸の凛だということに


海未「あ、貴女は何を──」

凛「大きい声出したら、かよちんが心配して来ちゃうよ?」

海未「な、ななな…何を考えて…!?」

凛「凛はただ、海未ちゃんと一緒にお風呂に入りたかっただけだにゃ♪」


凛の身体を見ないように恐る恐る首を回し、目にした表情はいつもと変わらず無邪気な凛そのものだった


海未「……っ////」

凛「ねぇ、どうして水のシャワー浴びてたの? こんなに冷たくなっちゃってる」

海未「んぁっ…!」


凛のまさぐる手が海未の乳首に触れる

唐突な事に思わず声が漏れてしまった


凛「海未ちゃん?」

海未「な、何でもありません……それより早く出ていってください…」

凛「温かいお湯出すけどいいよね?」

海未「ひ、人の話をちゃんと」


凛は海未から身体を離し、湯の蛇口を捻る為前のめりの体勢をとった

自然と凛の顔は海未の股間の辺りに位置することになる


凛「きゃっ!? わぁ…、海未ちゃんのおちんちんおっきいにゃぁ…」

海未「み、見ないでくださいっ!////」

凛「何だろう……海未ちゃんのおちんちん見てると何だか凛、変な気持ちになってくるにゃ…」

海未「り、凛…」

凛「……そうだ! 凛が海未ちゃんの身体洗ってあげるにゃ!」

海未「な、何を言って……結構ですっ! 自分で洗えますからっ!!////」

凛「よくわかんないけど、凛がそうしてあげたいって思ったの」

海未「わ、私は嫌ですっ…!」


凛は海未の言葉など聞く耳持たず、ボディーソープをたっぷりと手に取り身体中を撫で回す


ヌチュッ……ヌチュッ……


凛「凛、知ってるよ? 男の人って身体で洗ってあげたら喜ぶんだよね?」


海未は強引に仰向けの体勢をとらされ、凛の為すがままとなった

凛は手を使わず、海未の身体中を纏ったボディーソープに胸や太股を滑らせていく


凛「あははっ、これ…気持ち良いねっ…////」

海未「んっ、あっ、やンッ…!////」

凛「あっ、ンンっ、にゃっ、ふぁ…!! ////」


海未の体全体を汚れてなど微塵も残さないくらい丁寧に丁寧に肌と肌を擦り合わせていく

海未は凛の姿を視界に入れないようぎゅっと目を閉じているものの、快楽に抗えず抵抗などする気も起きなくなっていた


凛「はぁ、はぁっ……最後は、おちんちんだよねー」

海未「り、凛っ! そこはっ、だめですっ!!」

凛「ここを一番綺麗にしないとダメだにゃ!」


凛は再びボディーソープを大量に手に取り、それを全て海未の陰茎に塗り込んだ

仰向けに寝ている海未の上に跨がり、顔を性器の側、臀部を海未の顔の方へと位置取る

目を開けると凛の性器を見てしまう

海未は未だに目を開けずにいた


凛は、両手を上下に滑らせる

ぐちゅっ…ぐちゅっ…

卑猥な音も入り交じり、海未の尿道からは止めどなく粘液が溢れ出してくる


凛「わわぁ…、すっごいぬるぬるだにゃ! 海未ちゃんのおちんちんからいっぱい出てきてるよー?」

海未「んふぁっ、あぁっ、ンぁっ…////」

凛「ねぇ何でおちんちん洗ってるだけなのにそんな苦しそうな顔してるの? 何で? 何で?」


ぐちゅッ…、にゅるっ、ぐちゅっ…


海未「んぁっ! あぐっ、やめっ…やめてくださ、いっ、凛っ…!!////」


凛「はぁっ、はぁっ、すごっ…いっぱいっ、ぬるぬるが出てっ、凛の手がべちゃべちゃに…っ!」

海未「あぁッ、んきゅ、はぁっ、やッ… !!////」

凛「もう少しでっ、キレイになるからねっ、海未ちゃんっ! んにゃっ、ふぁっ…!!」

海未「や、やぁっ…も、もうやめっ…! 凛っ、出ますっ…出ちゃいそうなのでっ、やめてくださ…っ!!」

凛「出るっ? 何が出るの? 凛、よくわかんないよ、はぁっ…はぁっ!!」

海未「んぁぁっ、だめっ…だめです… ! もぅっ…あっ、ああぁぁぁぁッッ!!」


海未のぺニスが噴射した物凄い量の精液は、真上にあった凛の顔に全て注がれていった


凛「んぅぁっ…!? んむっ…おちんちんから何か飛び出して…っ、ちゅるっ…ぁむっ…ごくっ…」

海未「だ、大丈夫ですか…? 凛…」

凛「うぇ…変な味だにゃぁ……あ、海未ちゃんのおちんちん…また汚れちゃった。キレイにしてあげないとねー」

海未「ちょ…、り、凛…それは本当に、ダメ……今、イったばかりですからっ、んぎぃっ! ひぃっ…!!」

凛「どしたの? さっきより苦しそうだにゃ、早くキレイにしてあげないと! んしょっ、はぁっ…!」


射精した直後の敏感になっているぺニスに凛からの刺激はまだ続く

だが、先程までと違うのは凛が刺激を与えているのは陰茎全体ではなくその先にある亀頭のみ

尿道に残っていた精液を拡げるように掌で亀頭を激しく擦っていく


海未「うぁっ、ひぎぃっ、ああぁぁっ!! ンぁぁっ!!」


凛の小さな両の掌で海未の赤く膨張したぺニスの先端を挟み、竹トンボを回す様に動かしていく

何度も、何度も

海未が苦痛を叫んでも、凛はそれを止めない


海未「ンぁぁッ…!! やめぇっ、てっ、ぁぐぅっ…!!」

凛「はぁっ…はぁっ、海未ちゃっ、声っ、だめ! かよちんにっ、聞こえちゃうっ!」

海未「でもっ、でもぉっ…! あぁッ、ぐぅっ、はっ、やぁぁ…これっ、以上らめっ、また…出ちゃっ」

凛「出してっ! さっきみたいにいっぱい出してっ!! あの液体見ると、凛…ドキドキしちゃうんだぁ…!! だから、我慢しないでっ!」


亀頭を挟む力は強くなり、擦るスピードは上昇していった

限界を超えた海未は、自分の陰茎の深部から何かが……精液とは違った何か…が込み上げてくるのを感じる

射精とは違い、それは絶頂を迎えてから放出までに1秒……いや、0.001秒もかからなかった

絶頂……? 違う

それはそんな快楽を伴うモノではなく

そう……苦痛の具現化

海未はそう思ったことだろう


頭で悟った瞬間には、もう終わっていた


海未「うぁぁぁぁああああああッッ…!!!!」

凛「えっ…!? んぶっ、あっ、ン……なにこれ? さっきと違う……? 透明な、おしっこ……?」

海未「はぁっ…はぁっ……うぅっ…!!」


凛は気付く

透明な液体を放った海未の性器が微振動を起こしていることに


凛「海未、ちゃん……大丈夫? ごめんね…、凛」


あぅ…、予定してた1/3くらいしか進めませんでしたー
書くの遅すぎ……すみません……

凛ちゃんでエロを考えたことなかったので大変でしたが、凛ちゃんソープランドはありだと思いました

お風呂パートはこれでおしまいです

ではではー


━━


海未「すみません、お風呂だけでなく夕飯まで御馳走になって…」

花陽「ううん、誰かに食べてもらうのってすっごく嬉しい。元々、今日は一人で適当に済ませるつもりだったから二人が来てくれて良かったよ」

海未「一人…? 御家族の方は?」

花陽「……出張で二、三日帰って来ないんだぁ」

海未「そうでしたか……それは寂しいですね」

凛「んんーっ! このコロッケうんめぇーにゃぁー!!」

海未「凛、口の中にモノを入れて喋るのは行儀が悪いですよ」

凛「はい、海未ちゃんにもあげるー! あーん?」

海未「ひ、一人で食べられますっ…!」

凛「だめだめー、あーん?」

海未「……もぅ……はむっ、もぐもぐ…」

花陽「どう、かなぁ…?」

海未「とても美味しいですよ。花陽は料理が上手なんですね」

花陽「そ、そんなこと……//// ていうか凛ちゃん! ちょっと海未ちゃんにくっつき過ぎじゃない……?」

海未「はい、それは私も先程から気にはなっていました…。離れなさい、凛」

凛「えー! 何で何でー? またおっきくなっちゃうからー?」

花陽「へ…? おっきくって…何が?」

海未「り、凛っ!!」

凛「えーっ! 何で怒るのー?」


花陽(何だろう……この胸がモヤモヤする感じ……。これって、そういうこと…だよね……)



海未「御馳走様でした」

凛「やっぱりかよちんのご飯は美味しいにゃー」

花陽「喜んでもらえて良かったぁ」

海未「後片付けは私がやりますので」

花陽「いいよ、ゆっくりし……やっぱり、手伝ってもらおうかなぁ…////」

海未「はい」



凛「……雨、止まないねー」

海未「そうですね、しかしあまり長居すると迷惑になります……私はそろそろ」

凛「え? こんなどしゃ降りの中外に出たら危ないにゃ! 風もビュービュー言ってるし」

海未「しかし…」

凛「あ、かよちん! 今日、凛達泊まっていってもいい?」

花陽「うん…、勿論!」

凛「わーい! かよちんとお泊まりパーティーだにゃー♪」

海未「花陽が迷惑ではないのでしたら、凛はそうした方が良いでしょう」

凛「へ? 海未ちゃんも一緒にお泊まりするにゃ?」

海未「い、いえ……さすがに泊まるのは問題がありますよ。親御さんも審判してしまいます、男と一緒だと…」

凛「でも外は危険だにゃ……もう暗いし」

海未「私なら平気ですよ。花陽、今日は色々とありがとうございました」


花陽「……待って」


ぎゅっと、海未の制服の裾を掴む

振り返った海未が目にしたのは、いままで見たことがない程に艶かしい表情をした花陽だった


花陽「……行かないで、ここに……いてよ……」


海未「花陽……?」

凛「かよちん?」

花陽「あ、ごめん…なさい……花陽っ、うぇっ…」

海未「ど、どうして泣くのですか…!?」

凛「海未ちゃんがかよちん泣かしたにゃー!」

海未「わ、私のせい…?」

凛「海未ちゃんが一緒にお泊まり会しないから! かよちんだって海未ちゃんに泊まっていって欲しいんだもんねー?」

花陽「……っ」


花陽は無言で頷く


凛「ほらー」

海未「うぅ…、しかし…」

花陽「……海未、ちゃん」


瞳に涙を溜め込み、上目遣いで海未を見詰める

いつもは皆より一歩後ろで、あまり自己主張することなどない控えめな性格の花陽

しかし、女としての性なのか

好意を寄せている男と離れたくない、ずっと一緒にいたい……そういう女なら誰しもが抱いている当たり前の感情

当然、花陽も持っていた

普段から自らを卑下しがちな花陽だからこそ、胸に秘めた想いは人一倍強いのだろう

頭では上手く整理出来てはいないが、表情、仕草、行動……今の花陽を作っている全ては無意識の内に、海未を求めるようになっていた

>>168
審判?


海未(……親御さんが不在で寂しかったのでしょうね)


男として、女性に……それも年下の後輩に頼られるのは嬉しかった

それに、こんな大雨の夜に女の子二人を置いて帰るのは少し不安……可哀想だと、海未は思っていた


海未「……わかりました」

花陽「海未ちゃん…」

凛「やったにゃ!」

海未「でも、皆には……特に真姫には絶対に内緒ですよ? また怒られてしまいますから、ふふっ」

凛「はーい」

花陽「じゃあお布団の用意してくるね」

凛「凛も手伝うにゃー」

海未「私は家に連絡しておきます。凛もちゃんと連絡しておくのですよ?」



海未「……もしもし? はい……雨が凄くて、今日は友達の家に……」


厳しい家系だが、こういった時は寛容な親だ

誰の家にとか問われることもなく、すんなり外泊の許可は下りた

とても有難い

もし、自分が女に生まれていたらもっと執拗に問い質されたに違いない


とりあえず、ホッと一息付いていると今度は着信が


海未(家からでしょうか?)


携帯の画面に目をやると、そこには


『南ことり』


の文字が表情されていた

>>170
あー誤字ったー

審判×
心配◎

あ、また……

表情じゃなくて表示!!
あーーーーーーーーー


ことりからの着信

それは決して珍しいことではない

だが、海未の胸中は穏やかではなかった

鼓動は倍速し、耳の裏には冷や汗がツーっと流れ落ちるのを感じた

ことりに対して、後ろめたい事をしている……その自覚があったのだろう


──私は、今この瞬間もことりを裏切り続けている


電話を取ろうか、少しだけ考えてしまったが、恐る恐る通話ボタンを押す



海未「……も、もしもし」

『……』

海未「……ことり?」

『……海未ちゃん』

海未「はい……どうかしました……?」

『ううん、海未ちゃん何してるのかなって……雨、すごいね』

海未「そう、ですね…」

『……海未ちゃん、今……おうち?』

海未「…………はい」

『……』

海未「……こと、り…?」

『あれれ……おかしいなぁ……。海未ちゃんちに電話したら、今日は友達の家に泊まるって…』

海未「…っ!?」


『海未ちゃん……どうして嘘、つくの……?』

海未「……っ」

『……海未ちゃん』

海未「……」

『……海未ちゃん、今……何処にいるの?』

海未「……こと──」



携帯のバッテリー切れ

なんとタイミングの悪い……いや、良かったのか……内心、海未は安堵していた

それによって、ことりとの通話は強制的に断たれてしまった


花陽に頼めば充電器くらい貸してもらえるだろう


しかし、海未はそれをしなかった



海未(……明日、誠心誠意謝りましょう……)






綺麗に敷かれた布団、三人で川の字になって寝転ぶ

左から海未、凛、花陽という並びだ


当然、海未は最初、断った

同じ部屋、同じ布団で寝るなど有り得ない、と

だが、女性の押しに極端に弱い海未……二人の勢いに抗えるわけもなく、この状況だ


凛「海未ちゃーんっ!」

海未「きゃっ! だ、抱き付かないでくださいっ!」

凛「触って欲しかったらいつでも言ってね?」
ヒソッ

海未「ば、馬鹿っ…!!////」


凛「ふぁぁ…、男の子の匂いだにゃぁ……くんくんっ…」

海未「や、やめなさいっ…////」


海未の胸に顔を埋める凛

頬をくすぐる凛の髪からはシャンプーの良い匂いがした

こんなにも近くに凛がいると、嫌でも先程の浴室での出来事を思い出してしまう

一旦気にしてしまったらもう頭から離れない……フラッシュバックした映像は興奮を呼び起こし、興奮は快楽を求めたがる


海未(くっ……我慢出来なくなる前に凛を何とかしなくては……凛、を……ん?)

凛「すぅ……すぅ……」


胸の辺りから小さな寝息が聴こえる

遊び疲れたのか、とても無邪気な寝顔だ

凛を起こさないよう胸からそっと離し、横に寝かせた


花陽「凛ちゃん、もう寝ちゃったね…」

海未「…えぇ、凛の相手は大変でした、ふふっ……花陽も昔から苦労していたのでは?」

花陽「ふふ、そうかも……でも、凛ちゃんといると楽しいから」

海未「そうですね。私達も早く寝ましょう、今日は疲れたでしょう?」

花陽「……うん、おやすみ…」

海未「お休みなさい、花陽」


花陽「……海未、ちゃん…」



海未「…………」


眠れない

海未の頭の中を巡り続けるのは、興奮と後悔


浴室であんなに欲望を放出したのに……限界を超えた限界まで

隣から香ってくる女の匂いが海未の煩悩を掻き立てる


そして、ことりへの罪悪感

怒っているのか、泣いているのか、それとも……憎まれているのか


──嫌われて、しまったのでしょう



そんなことを考えていると、反対側からモゾモゾという音が聴こえてきた


海未(花陽……? トイレにでも行くのでしょうか……)


案の定、花陽は起き上がると部屋を出ていった


五分程経った頃、花陽が部屋に戻ってきたのに気付く

驚いたことに、花陽は凛とは逆の海未の左側に身を降ろした


海未(え…、花陽……? 寝惚けているのですか……?)


確認の為、海未が花陽の方へと顔を向けると、視線が交差した

花陽の瞳は真っ直ぐ海未を捉えている


花陽「起きてたんだ…」

海未「ど、どうしたのですか……?」

花陽「海未ちゃん…」


凛が海未にしていたのと同じ様に、花陽も海未の胸へと顔をくっ付ける


海未「は、花陽っ…」

花陽「……ずっと、モヤモヤしてたの……海未ちゃんが凛ちゃんと仲良くしてるの見て」

海未「え…?」

花陽「……海未ちゃんは、好きな人いるの?」

海未「す、好きな……人……」

花陽「うん……、やっぱり穂乃果ちゃんかことりちゃん……?」

海未「……そうですね。私は、大好きです……あの二人のこと」

花陽「……そう、なんだ……」

海未「花陽……」

花陽「……花陽には、チャンス無いんだね……」

海未「……」

花陽「でも…、聞いてくれる…? 答えなくていいから……わかってるから…」

海未「は、花陽…」


花陽「私……海未ちゃんのことが、好きです…」


花陽「大好きに…なっちゃったの……だから、今日……いっぱいいっぱいワガママ言って、困らせちゃった……」

海未「……花陽」

花陽「大好きだよ……海未ちゃん」


海未「わ、私は…」

花陽「言わないで……、どんな言葉を海未ちゃんがくれたとしても、花陽の胸の中……爆発しておかしくなっちゃう…」


穂乃果とことりと交わしたのは、結婚の誓い

こういった純粋な……ストレートに想いを伝えられたのは、生まれて初めてだった

しかし、経験が無いにしても告白を受けた者がするべき事は重々承知していたつもりだ

それは答え……相手の想いに対する自分の胸の内を伝える

当然の礼儀と認識していた


花陽「……花陽ね、告白なんか一生出来ないって思ってたんだ。でも、海未ちゃんが花陽を変えてくれた」

花陽「海未ちゃんを好きになったおかげで、花陽は勇気を貰えたの…。だから、ありがと…」

海未「……っ」

花陽「ほら、花陽の胸……すごくドキドキしてる……、わかるでしょ……?」


花陽は海未の手を握り、自らの胸に触れさせる

いつも寝る時はブラジャーを付けてはいない、薄手のパジャマ越しに触れる花陽の胸の感触はとても柔らかかった

心臓が激しく鼓動を打っている……花陽と海未、両者とも


海未「あっ…ぁ、だめ…です……こんなことしては…っ」

花陽「いっぱいいっぱい、頑張ったんだよ……海未ちゃんのこと、好きだから……////」

海未「わ、わかりました…っ、わかりましたからっ、もう…手を……」


海未が動転して体勢を反らした時、花陽の身体に何か固いモノが触れた

海未の堪えず膨れ上がっている、男の象徴……陰茎だ


花陽「ひゃっ…!? こ、これって……////」

海未「あ、あのっ…、すみませんっ…」

花陽「う、海未ちゃん……勃起しちゃったの……?////」

海未「うぅっ……」

花陽「ど、どうして…? 花陽のおっぱい触ったから…? でも、海未ちゃんは穂乃果ちゃんとことりちゃんのことが、好きなんだよね…?」

海未「は、はぃ……っ」

花陽「花陽なんかにも興奮してくれるの……? それとも…真姫ちゃんが言ってたみたいに海未ちゃんは、女の子だったら誰でもいいの…?」

海未「そ、そんなことはっ…!」

花陽「そうだよね…! 海未ちゃんはそんな人じゃない……花陽もそう信じてる……」

海未「あ、ありがとうございます…」

花陽「だから、花陽に何されても気持ちよくなんかならないもんね…? 絶対に射精なんかしたりしないよね…?」

海未「え…?」

花陽「花陽が好きになった海未ちゃんはそんな軽い人じゃないって、花陽が証明してあげなきゃ…!!」

海未「な、何を言って…」


花陽は恐る恐る、手を海未の股間に伸ばし指の先で陰茎にちょんと触れた


海未「んッ…」

花陽「これが……男の人の、海未ちゃんのおちんちん……////」


布団に入ってから終始勃起しっぱなしだった海未の亀頭の先からは、ぬるぬるの粘液が泉のように流れ出ていた


花陽「ふわぁ…これ…、えっちなお汁……? 気持ち良いの……?」

海未「は、花陽っ……お願いですから、やめて…」

花陽「だめだよ……今やめたら、海未ちゃんは花陽の大好きな海未ちゃんじゃなくなっちゃう…、そんなのやだよ…!」


ぎこちない手つきで海未の陰茎を握り、ゆっくりと動かしていく


花陽「はぁっ、はぁっ、海未ちゃんの…おちんちん…、すごく固いしっ、大きいっ…////」

海未「んんぁっ、ふぁっ、はぁっ…!」

花陽「海未ちゃんっ、凛ちゃん起きちゃうから…声、だめ…! 我慢しなきゃ…」

海未「そ、そうは言いましてもっ、んぁ…こんなっ、され…っ、あっ…!!////」

花陽「気持ち良くなんかないよねっ? 絶対にイッたりなんかしちゃダメだよぉ…?」


海未のぺニスを弄るという行為に慣れてきた花陽は、 ぎゅっと強く握り……激しく手を上下していった

陰茎に食い込むほど固く握った花陽の指は動かす度に亀頭の…、カリの部分に引っ掛かり、強い刺激を与える


海未「んくッ、あぁっ…! そんなっ、早く動かしてはっ、やぁンっ、裏側そんな擦っちゃ…!」

花陽「だめぇ、イッちゃダメぇ…! もっと我慢しないとぉ…!!」

海未「やぁっ、ンンっ、あぁくぅ…ッ、が、我慢…でき、なっ……ああぁぁぁぁッッ…!!!!」


我慢出来ずに、放出してしまった

自分の家でも、学校でもない……花陽の家で二度目の射精

ドロドロと先端から流れる精液は自分のぺニスを伝って、花陽の指を侵食していく


花陽「ふぁ……温かい……これ、精液? 海未ちゃんの精液……//// どうして出しちゃったの……?」

海未「うぅっ…、はぁ…はぁ……////」

花陽「気持ち良くなっちゃたから…? 花陽の手で気持ち良くなってこんなにいっぱい精液でお布団汚したんだ…?」

海未「す、すみませんっ…! すぐに拭き取って」

花陽「……まだダメだよ、今出したから次は我慢出来るよね…?」

海未「つ、次……?」


精液でぐちゃぐちゃになったことなどお構い無しに花陽は再び、手を動かし海未の陰茎を擦る

海未が何度果てようとも、直ぐ様次へ次へと……


雨もいつの間にか止み、静かになった夜に

ぐちゃっ…ぬちゃっ…

布団の中では卑猥な音が止むことなく、流れていた


━━

早朝……、花陽も凛もまだ眠っている

海未も自分がいつ眠りについたのか全く覚えていない

つい数時間前に、あんなに何度も何度も射精を行い精液を放出したのに朝になるとまた鋼のように固くなっている

この身体は快楽を求める為だけに存在しているのか……

絶頂を迎える度、自分のことを嫌いになっている気がしてきた


海未「……二人を起こさないように帰りましょう」


海未は静かに布団から起き上がると、荷物を取り、花陽の家を後にした



「おはよ、海未ちゃん」


──え?


「良かったね、雨すっかり上がって」


──どうして?


「早く会いたかったからここまで来ちゃった」


──ここに?


「どうしたの? 海未ちゃん」


──ことりが?


ことり「海未ちゃんが寝惚けるなんて珍しいかも?」

海未「あ…、ことり……」


ことり「そっか、昨日はかよちゃんちに泊まってたんだ」

海未「……ことり?」

ことり「どうしたの?」

海未「……お、怒らないのですか…?」

ことり「怒る…? 何で?」

海未「な、何でって……それは…」

ことり「変な海未ちゃん……、行こ?」

海未「……はい」

ことり「今日はお休みだからずっと二人でいられるね、何しよっか?」

海未「……ことりが、好きなことを」

ことり「海未ちゃんもちゃんと考えてよ~! あっ、ことりの家で一緒にケーキ作りでもする?」

海未「……良いですね、ことりが作る洋菓子はとても美味しいので好きです」

ことり「海未ちゃんも作るんだよ?」

海未「……ふふ、わかってますよ」

ことり「じゃあ、行こっか」


ことりは私の手を優しく握り、歩き出した

私も歩幅を揃え、横に並ぶ

温かなことりの手、私の大好きなことりの手

私を見て微笑むことりの顔

朝、シャワーを浴びてきたのだろう……ことりの髪から甘い匂いが香ってくる


私の、愛している……ことり


──見えない


ことりが、何を考えているのか


どうして叱ってくれないのですか?

どうして笑っていられるのですか?

私は貴女を裏切り続けてきているのに

貴女だって見たじゃないですか

私が花陽の家から出てきたのを


問い詰めてください、怒ってください、泣いてください


──そんな顔で、笑わないで


━━


あの日以来、ことりが海未の性器を弄ることはなくなった

その事以外は、何ら変わりはない

今まで通り、穂乃果と3人で登下校したり教室で話したり……手も繋ぐし、抱き締め合ったりもする

ただ、海未に対しての性の関心がパタリと消え失せた様だった



絵里「ンっ、あンっ、あっ、海未ぃっ…、んんーっ!!////」

海未「はぁっ、はぁっ、絵里っ、絵里っ…!!」

絵里「はぁ…っ、今日はやけにっ、積極的じゃないっ…? 嬉しいわっ、海未のしてほしいこと、何でもしてあげちゃう」

海未「な、何でも……?」

絵里「えぇ、例えば……挿れたいって海未が言ってくれれば私は喜んで、ココ……貴女に差し出すわ」

海未「い、挿れ……////」

絵里「手と口じゃ貴女ももう満足出来なくなってきたんじゃない? きっとすごく気持ち良いわよ…」

絵里「この、海未のギンギンに勃起したおちんちんを……私の、もうビショビショのおまんこに挿れるの……どうかしら?」

海未「うぅ…、そ、それはっ…////」

絵里「ねぇ、手貸して」


絵里は海未の手を自分の秘部に触れさせる


絵里「ね…? すごいことになってるでしょ? ココに、海未のおちんちん挿れるの……指、入れてみて…っ」

海未「ンっ、あぁ…っ……や、柔らか…っ」

絵里「ねぇ……ダメかしら……? 私、海未のおちんちん欲しいの……//// 海未のおちんちんでいっぱい突かれて掻き回されて……精液、たくさん注いで欲しいの……」


海未「うぅ…っ、だ、ダメですっ…!! それはっ、それだけは…っ!!////」

絵里「むぅ……海未の意気地無し……、ならどうして欲しいのよ?」

海未「く、口で……お願い、します…っ」

絵里「仕方無いわねぇ…、うふっ……あ、でもセックスしたくなったら、いつでも言ってね…?」

海未「は、はい……」

絵里「んちゅ、じゅるっ…じゅぷっ、はふぁっ、ンっ、んむっ…!!」



━━


この学院にいる限り、性欲は無限に溜まり続けていく

ことりから与えられていた刺激がゼロになったせいで、海未は他の女による性欲解消に前向きになっていた

時には陰茎を苛めてもらう為に、自分から赴くこともあった

絵里や希だけではなく、凛や花陽とも何度も情事に及んでいる


そして、今日も……



海未「え……?」

にこ「だ、だからっ、その……あんたのソレ……もう一回、見せなさいよ…////」

海未「な、何故ですか……」

にこ「な、なんとなく……忘れられなくて……、ニコの言う通りにしないと…前の事、バラすわよ…!」


いっそのこと、バラされた方が良いのかもしれない

それで、ことりが私を叱ってくれるのなら……本音を見せてくれるのなら……

それでも……


しかし、ニコの要望を断る理由もない

快楽を与えてくれようとしているのだ

今の海未なら喜んで性器を露出させるだろう


海未「……わかりました」


海未はショーツを脱ぎ、もう既に痛々しい程に反り返っている淫棒をニコの方へ向けた


にこ「ひゃっ…!? も、もう大き……勃起してる……?////」

海未「……触り、ます…?」

にこ「いいの…?」

海未「わ、私も我慢出来そうもありませんので……お願いします……っ////」

にこ「え? 我慢って…射精…しちゃうの? それをニコがお手伝いするの…?////」

海未「あ…、嫌……ですよね……、すみません……私、変なことを」

にこ「や、やるわ…! 海未のおちんちん……ニコがシコシコってすれば気持ち良くなれるのよね…?////」

海未「はい……」

にこ「んッ……すごい…硬いっ、それに熱い……おちんちんっ、海未のおちんちん…っ////」


ニコはシャツを脱ぎ、ブラジャーを外して上半身裸の状態となる

そして、右手で海未の陰茎を擦りながら左手では、自分の秘部を下着越しに弄っていた


にこ「んぁっ、はぁっ、はぁンっ…////」

海未「ニコっ、ニコっ…んぁ、ぁくっ、はぁっ…!!」


眠気が限界なのでかなり中途半端ではありますが、寝ます

ていうかエロ描写に限界を感じてきました……難しすぎ、よくわかりません

次からは完結に向けてストーリー進めていく予定なのでお付き合いよろしくお願ウィッシュ

ではではー


ニコは海未の陰茎を使い、自分の胸にある突起を刺激する

もう陰茎全体が淫らな液でヌルヌルの状態である為、擦られているニコの乳房もすぐに同じ様に艶かしい輝きを放つこととなった


にこ「あぁっ、ンっ、すごっ…海未のおちんちんがニコの乳首…クリクリって…、んぁぁッ…!////」

海未「ンっ、くっ、あぁっ…////」

にこ「ふぁ…っ、海未…、気持ち良さそうな顔してる……ねぇ、ニコのおっぱい気持ち良い…?」

海未「は、はぃっ…んく、はぁンっ…! あっ、んんッ…ふあっ…!!////」

にこ「おちんちん…ヒクヒクしてる……、もうすぐ出そうなの…? おちんちんから精液……////」

海未「で、出そう…でっ、ニコっ…んぁぁっ…////」

にこ「ま、待って…! ニコにっ、ニコに……いっぱい頂戴っ…! 海未の精液っ、ニコのお口に全部注いでぇ…っ////」


ニコは胸を弄っていた陰茎に顔を近付け、小さな口を目一杯開き、その大きなモノを含む

顎が外れそうになる程の巨大な海未のペニス

唇を亀頭に滑らせ、なんとかその先端だけでも口内に留めようと懸命になっていた

そして口の中にあるヌルヌルの亀頭を味わう様に、拙いながらも舌で纏わりついた粘液を丹念に舐め取っていく


にこ「んふぁっ、ンぐ、はっ…ちゅる、じゅぷっ…////」

海未「あっ、あぁンっ、んくッ…ニコっ…!!」


ニコの舌が陰茎の裏筋を刺激する

絶頂間近の海未は更なる快楽を求め、腰を前に動かし、ニコの喉奥へとペニスを突いた

ニコの苦しそうな顔など、もう目に入っていない

欲望のあるがまま、目の前にいる少女の口を犯していく

強引に腰を突き動かし、その小さな口を今にも張り裂けそうなくらい固く熱い陰茎で蹂躙した


にこ「はぎゅ…ぐごっ、がぁッ…!! んんーーっっ!! はっ、ふふぁ…ッ!!」

海未「ンっ、あぁ…っ、出ますっ、ニコっ…、ニコ……っ!! んぐっ、あっ、ああぁぁぁぁッッ !!!!」

にこ「ンぐゅぅぅッッ!? んんーっ、ンンッ…!!」


出した後も肥大したままのペニスが突っ込まれた状態のニコの口内に、放たれた大量の精液を受け止めるスペースなど無く、

開ききった口の端からは、ボタボタと白い液体が溢れていた

そして、ようやくニコの口からペニスが抜かれる


にこ「んぐっ、けほっ…げほっ…!! んぁ…ンっ……、ゴクンッ……げほっけほっ…!!」

海未「ニ、ニコ……すみません……、無理に飲まずとも吐き出しても」

にこ「ンく…ッ、ごくっ……はぁ、はぁ……海未の、精液……美味しい……っ//// もっと…」


ニコは尿道に残っている精液目掛け、もう一度口を大きく開く


にこ「おちんちん、ベトベトになっちゃったから……ニコが、キレイにしてあげるね……ちゅぱっ、じゅぷ…ッ////」

海未「……ニコ」



それから事あるごとに、ニコは絵里、希、花陽、凛と同様に海未を求めるようになっていった

ただ、他の四人と違い……ニコは海未を自分だけのモノと思っている

自分だけが海未とそういう関係にあるのだ、と

男と女の秘め事……ニコが海未に恋心を抱くのにそう時間はかからなかった


毎日のように海未を求める日々

抵抗もしない……いつも快感に溺れる表情を魅せてくれる海未に、ニコは思っていた

海未も自分の事が好きなんだ、と


海未が他に何人もの女性とそういう行為に及んでいることも知らずに


━━


ある日の放課後、ニコといつもの様に情事に励んでいた

行為が終わり、服装の乱れを直していると唐突にニコが口を開く


「……好き」


海未「……え?」

にこ「あんたの……海未のことが好き……、ニコと付き合って…」

海未「な、何を言っているのですか……ニコ…」

にこ「え……?」

海未「……ニコの気持ちはとても嬉しいです。しかし、申し訳ありませんが、私は」


ニコは耳を疑った

断られることなど想像もしていなかったからだ


──どうして? だって、ニコがあんたを求めて……それを嫌がらずに受け止めてくれて……海未だってニコのこと求めてくれて……


にこ「な、何で……? 嘘、よね……?」

海未「……ごめんなさい」

にこ「あ、あはは……もしかして、ニコ……遊ばれてただけ…だったの……?」

海未「……っ、……否定は、出来ません…」

にこ「べ、別に……ニコはそれでもいいわよ…! 海未が性欲強いのはよく知ってるから…っ、だったら、ニコと付き合った方がよくない…? そ、そうしたら…毎日でも海未が満足するまでニコの身体好きにしていいし、いっぱいエッチだってさせてあげるから…」

海未「……ニコ」

にこ「勿論、処女よ…? 男の子って処女の女の子好きでしょ? あ…もしかして心配してる? ニコが小さいから……大丈夫よ、少しくらい痛くても海未の為なら何だって我慢出来るから…っ」

海未「……」

にこ「だから……だから、ニコと……」


にこ「……もしかして、付き合ってる人いるの?」

海未「……現状、付き合っていることになるのかはわかりませんが、私は穂乃果とことりと結婚の約束をしています。ですから、ニコの気持ちには…」

にこ「そう、だったんだ……はは…、ニコ……馬鹿みたい……っ」

海未「私が悪いのです……私が弱いから、欲望に流されてしまって…」

にこ「穂乃果とことりには秘密にするから……結婚するまでの間だけでもいいから、ニコと…」

海未「……」

にこ「って言っても無理よね……あんたが承諾する筈ない…」

海未「……もうやめにしましょう。こういう事は……お互いの為になりません」

にこ「……嫌」

海未「ニコ…」

にこ「……ねぇ、海未はセックスしたことあるの? 相手は勿論、穂乃果かことりよね? 二人と、もうしたの…?」

海未「な、何故そんな事…っ」

にこ「答えてよ……そうしたら諦めつくかもしれないから」

海未「……まだです。……結婚するまでは、そういった事はするべきではないと思いますから…」

にこ「……あんたが言っても全然説得力無いわよ、ふふっ」

海未「です、よね…」

にこ「……なら、海未はまだ童貞なんだ?」

海未「……そう、なりますね」

にこ「……うん、わかった……ニコ、海未のこと諦めるわ」

海未「本当に、すみませんでした…」

にこ「……でも、最後にニコのお願い一つだけ聞いてくれる?」

海未「な、何でしょう……?」

にこ「ニコに、頂戴……」


にこ「海未の、童貞──」


海未「……私が頷くことないのはわかっていますよね?」

にこ「…っ! ニコは本気よ!! ……信じて……貰えないかもしれないけど、初恋だったの…」

海未「え?」

にこ「おかしいわよね? もう高校三年生なのに…っ、でも……本当なの。海未は、私が初めて好きになった人……」

にこ「……だから、ニコの初めてを…処女、海未に貰ってほしい……海未じゃなきゃ嫌なのっ…!!」

海未「ニコ……、疑ったりしません…信じますよ……信じます、しかし…」

にこ「海未が好きなの!! いいじゃない…エッチくらい……、今まで散々それ以外の事はしてきたでしょ!? 男だったら黙ってれば誰にもわからないわよ…」

海未「……そういう問題ではないんです」

にこ「……っ! あ…そっか、出したばっかりだからそんな気分じゃないのね……また明日になれば」

海未「いつ言われようとも、ニコとはできません……」

にこ「……バラすわよ? 今までの事、全部喋ってやるわよ!? いいの!?」

海未「構いません……、私は罰を受けるべきなのです。それくらい…大切な人を裏切ってしまいました」

にこ「……っ」

海未「例え、穂乃果に泣かれようとも……ことりに憎まれようとも……、仕方の無いことです。全て私自身の責任」

にこ「……わよっ…、出来ないわよ…っ! 大好きな人を不幸にするなんて…!! ごめんね……海未…」

海未「ニコ…」

にこ「な、なら……デート! 最後に一回だけデートしてよ! これくらいならいいでしょ……?」

海未「デート……ま、まぁ構いませんが……」

にこ「……約束する、これで綺麗さっぱりあんたへの気持ちは忘れるから……でも、明日一日はニコの彼氏として振る舞うこと、いいわね?」

海未「はい、わかりました」


━━


待ち合わせ場所は、時計台の真下

約束の時刻の30分前に海未はそこに現れた


先に来て待つのは、男として当然の務め

そして、ニコが到着するのをただひらすら待ち続ける


待ち合わせ時刻の午前10時、その10分前にニコは海未の前に姿を現した


にこ「おはよう、海未。待たせちゃった?」

海未「おはようございます。私もつい先程着いたところですよ」

にこ「ふふっ、合格」


海未の堂々とした恋人っぷりに大満足のニコは満面の笑顔を見せる


にこ「……格好いい」

海未「え?」

にこ「あんた、私服はちゃんと男物なのね…」

海未「あ、当たり前ですっ!」

にこ「てっきりスカート履いてくるのかと思っちゃった」


ニコは自分が履いているミニスカートの裾を掴み、口元を弛ませ上目遣いで海未をじっと見詰めた


海未「わ、私は男なんですよ……ニコはお洒落なんですね、とてもよく似合っています。可愛いですよ」

にこ「っ!?////」

海未「ニコ…?」

にこ「な、何でもない…っ! ほら、行くわよ!」

海未「はい」


にこ「……手」

海未「え?」

にこ「手くらい握るの…普通でしょ…? 恋人同士なんだから……////」

海未「そ、そう…ですね……」


差し出されたニコの右手を、海未の左手が掴む


海未「……っ////」

にこ「……何で手くらいでそんな赤くなってるのよ」

海未「あ、赤くなんかなってません…!!」

にこ「いや、なってるから……それより今日は何処に連れて行ってくれるの? 海未」

海未「そうですね……ニコは行きたい所とかありますか?」

にこ「うーん……ホテルとか?」

海未「却下です」

にこ「冗談よ…」

海未「なら映画でも観に行きましょうか?」

にこ「ちょっと定番過ぎる気がするけど、海未と一緒だったら楽しいかも♪」

海未「では決まりで。映画館はこちらです、さぁ」



にこ「そういえば、今って何やってるんだっけ? ニコ、全然知らない」

海未「私もよく知りませんが、大きな映画館なのでニコの興味を惹く物もいくつかあると思いますよ」

にこ「まぁでも恋人と観るなら恋愛モノだよね~」

海未「そうなのですか…? すみません、そういうのには疎くて」

にこ「恋人と映画かぁ……憧れてたのよね~。あ、途中で寝たら怒るわよ?」

海未「私はニコが寝てしまわないか心配です…」



上映開始から十分が経過した頃


ニコは飽きていた

正確に言えば、最初から内容に興味などなかった

ニコが夢中になっているもの……それは



海未「……? ニコ……?」

にこ「海未…」


海未の手の上に自分の手を乗せ、身を寄せる

そして、海未の首筋に舌をツーっと這わせる

ピチャ……ピチャ……

映画のおかげで周りには聴こえないものの、二人の間には淫らな音が存在していた


海未「ン……やっ、ニ、ニコ…?」

にこ「声出したら、変に思われちゃうよ?」

海未「こ、こういう事はもうしないと…っ」

にこ「でも今日の海未はニコの彼氏……恋人なら映画館でイチャつくくらい普通だって……ちゅ…、ちゅぱっ…」

海未「……っ!////」

にこ「海未……ニコの、大好きな……海未……ちゅるっ、じゅる…」


衆人環視の中で行う秘め事がこんなに興奮するなんて

背徳感はニコを益々大胆にしていく

左手で恋人の手を握り、唇と舌で恋人の顎、首…… 胸板を愛撫する

そして、右手は恋人の股間の上に位置していた


海未「ニ、ニコ……!? 駄目……それは、いけません……っ」

にこ「あれ? 固くなっちゃってるよ? ズボンの上からでとわかるくらいおっきく……膨らんでる…」

更新かと思った?(・8・)
残念!ことりちゃんでした!(・8・)


海未「ニコ……っ、お願いですから……もう…っ」

にこ「だぁめ……映画が終わるまで、我慢だよ……?」


ベルトを弛め、そこからズボンの中へと手が侵入する

既に勃起していた陰茎を直に握り、目をトロンとさせたニコの愛撫は強くなる一方だった


にこ「ねぇ…もうパンツびしゃびしゃになってるよ? こんなになるのって今さっきのことじゃないよね?」

海未「ンくっ…ぁ……ッ…////」

にこ「ニコと会った時から興奮してた? ずっと勃起しっぱなしだったの…? 本当は今もニコのこと襲いたいんだよね?」


耳に口を近付け、小さく囁く


にこ「エッチなこと大好きだもんね、海未は……うふっ…、海未のおちんちん……ニコに犯されたい、ニコのことを犯したいってビクンビクンしてるよ?」

海未「ぁっ…ンっ、くっ……////」

にこ「ニコを映画館に連れて来てくれたのだって、こうなるの望んでたんでしょ? ねぇ……ニコとエッチしよ?」

海未「ンく、あぁっ…ぁ、ンっ……///」

にこ「海未もニコの……触って」


左手で握っていた海未の右手を、スカートの中へと誘い込む

海未と同じく、もう愛液でグショグショになっている下着に海未の手を触れさせた


にこ「わかる? ニコも海未と同じ……海未の顔見た時から、エッチなことしか考えられないの……もっと、触って……一緒に気持ちよくなろ?」


ニコが陰茎を、その小さく細い指で撫でると、それに応える様に海未も下着越しにニコの膣口……陰核をなぞる

二人の手は互いの愛液でベタベタになっており、男の匂い、女の匂いを周囲に振り撒きながら愛撫を続けていた


にこ「ぁンっ、海未…っ、海未ぃ……気持ち良いよぉ……////」

海未「はぁっ、はぁ、ニコ…っ、ダメなのに……っ、こんなの……いけないのに……っ////」


夢中になり、互いの性器を弄り合っていた


そして、気が付けば上映が終わり、館内が明るくなる


にこ「や、やばっ……!」

海未「ンっ、はぁっ…はぁ…っ////」





海未「……」

にこ「……怒ってる?」

海未「はい、怒ってます……と言いたいところなのですが、私も乗ってしまった事は事実……はぁ…」

にこ「……この後、どうしよっか? 海未もまだムラムラしてるんでしょ?」

海未「そ、それは……、そんなことありません……! お願いですから普通にデートしましょう…?」

にこ「え~……」

海未「……こんなこと言いたくないのですが、ニコがそういうつもりならば……中断して帰りますよ?」

にこ「……ごめん」

海未「あ……すみません、そんな強く言ったわけでは」

にこ「ダメだね……ニコ……、海未のことが好きすぎて、つい焦っちゃった」

海未「……ズルいですよ、そんな風に言われたらもうこの先怒れないじゃないですか…」

にこ「うふっ…でも、これだけは覚えておいて……。女の子がエッチになれるのは、それだけ相手のことを大好きって思ってるからなんだよ」


ニコのその言葉を耳にした時、海未の頭の中に、五人の女性が思い浮かぶ

花陽は勿論、凛が好意を抱いていたことも何となくは察していた

絵里と希……あの二人は海未を玩具の様に扱い、遊んでいただけ

そう思っていたが、本当は違うのだろうか

少し考えてしまったが、すぐに自分はそんな高尚な人間ではないという結論に行き着く


そして、ことり


『女の子がエッチになれるのは、それだけ相手のことを大好きって思ってるからなんだよ』


ニコの言葉を鵜呑みにするなら、今まで淫らな行為を海未に強要していたことりがパタリとそれを止めた

それが意味する事は……


──やはり、嫌われてしまったのですね


海未「……」

にこ「海未……? どうかした?」

海未「……何でもありませんよ。さぁ、次は何処に行きましょう?」


自ら望んだ事ではないとはいえ、ニコの恋人になることを承諾した以上、そのデート中に他の女性との問題で葛藤するなんか論外だ……失礼極まりない


海未(今はニコだけを……)

にこ「本当に大丈夫…?」

海未「平気ですよ。そんなことより、お腹空いてはいませんか? そろそろ昼食はいかがでしょう?」

にこ「うん、そうしよ」

海未「言っておきますが、個室の店には絶対に行きませんよ?」

にこ「目が怖いわよ…」


洒落たオープンカフェの店

そこで二人はキッシュランチを食べ、一休みして店を後にした


二人で手を繋ぎ街を歩いていると、急にニコが立ち止まった


にこ「わぁ~、あのお店可愛い~!」


ニコが指差したのは、女性物の洋服店だ


海未「ニコに似合いそうな物が沢山ありそうですね」

にこ「ちょっと寄ってもいい?」

海未「勿論です」


目をキラキラと輝かせたニコは、海未の手を引き、店内へと入っていく

店内をぐるっと回り、冬物の服をいくつか手に取った


にこ「これとこれ……どっちが似合うかなぁ?」

海未「どちらもよく似合っていますよ」

にこ「うわぁ……」

海未「な、何ですか…?」

にこ「それ一番やっちゃダメなやつね。もう…、こういう時はどっちか決めてくれないと」

海未「そ、そうなのですか……」

にこ「んー…じゃあ、試着してくるからちゃんと決めなさいよ?」

海未「わ、わかりました…」



試着室のカーテンを開け、ニコが出てくる


にこ「どう?」

海未「とても、可愛いと思います」

にこ「……じゃあ次は」


別の洋服に着替え、再び試着室から顔を出す


にこ「…これは、どう?」

海未「はい、よく似合っています」

にこ「……」

海未「……?」

にこ「もういいわ……」


元の服に着替える為、再度試着室へと入るニコ


にこ「海未の、バカ……覚えてなさいよ……ふふっ」


悪知恵を働かせ、ニコは試着室の外で待っている海未にわかるように何かを落とした


海未「……?」


にこ「あ、ごめん……ヘアピン落としちゃった」


海未「これ、ですか…」


拾い上げた海未は、カーテンの隙間から手を伸ばすニコにヘアピンを差し出そうとする……が、その時

ニコは海未の腕を掴み、力強く試着室の中へと引き込んだ


海未「なっ!?」


当然、中には着替え途中で下着姿のニコがいる

海未は慌て直ぐ様、外に出ようとするが……ニコの手によって阻まれた


にこ「海未、カーテン閉めて…! ニコ、恥ずかしい…」

海未「えっ、あ……はぃ…っ」


混乱していた海未は為すがままに、ニコの言いなりとなりカーテンを閉める

密室ではないにしろ、誰に見られることもない……二人だけの空間がそこには完成していた


海未「ニ、ニコ……っ!」

にこ「このお洋服ね、ニコにはちょっと大きすぎたみたい……海未なら丁度よく着られるかなって」

海未「だ、だからといって……こんな場所に、二人でいるのは…っ」

にこ「誰かに見られたら絶対、エッチなことしてるって思われちゃうよね?」

海未「と、とにかく…服を着てくださいっ!!////」

にこ「海未の着替えが先よ、ほらほらニコが脱がしてあげるね」


慣れた手付きでベルトを外し、勢いよくズボンを下ろす

女性物の下着では収まりきらない程に膨張した海未の陰茎は、ショーツからはみ出し、ニコの頬に触れていた


にこ「やっぱりずっと勃起してたんだ…うふっ、映画館であんな中途半端に終わっちゃったから、出したくてしょうがなかったんでしょ?」

海未「お、怒りますよ…!?」

にこ「ふ~ん、ニコ気付いてたよ? 海未がずっとヤラシイ目でニコのこと見てるって……歩いてる時も、ニコの太股ばっかり見てたよね?」

海未「そ、そんなことは…っ」

にこ「視線って案外わかっちゃうものよ? ほら、こっち向いて……これが見たかったんでしょ? ニコの下着……いっぱい見て……////」

海未「や、やめて、くださぃ……////」

にこ「おちんちん、すっごく苦しそう……今日は、いっぱい我慢してるもんね……ニコが、スッキリさせてあげる……んむっ、ふぁ…んく、じゅる…ッ」

海未「ニコっ、本当にやめ…誰かに、見られ……ぁンっ、くっ…や、やめっ…////」

にこ「ンっ、くぁ…じゅぷっ、ちゅぴ…海未、の…極太おちんぽっ、おいひぃ…っ、じゅちゅ、ちゅぶっ…!」


鏡に写っている、男性器を口に含んでいる自分の姿

それを見て更に興奮し、求めるべく一心不乱に頭を前後に動かす


ニコの言った通り、今日は一日中射精を我慢していた海未だ

その状態でいきなりこんなにも刺激を与えられれば、すぐに限界は……快楽の絶頂は訪れる


海未「うぁっ、くっ……ニコっ、もぅ…////」

にこ「んっ、じゅぷ……ちゅ、……ぷはっ」


ニコは今にも大量の精液が溢れ出しそうなくらい、ヒクヒクと鼓動を打っている海未の陰茎を口から抜いた

あと三秒ほどあのまま快感を与えられ続けていれば、間違いなく今頃ニコの口内は海未の精液で溢れ返っていただろう

もう少しでイケそうなのにイカせてもらえない……こんな事、初めてだった

すぐそこまで迫っていた絶頂の味を手に入れるべく、海未は自らの手で陰茎に触れ


られなかった


ニコの手がそれを阻んだからだ


海未「ニ、ニコ…っ!?」

にこ「ダメよ、一人だけイっちゃうなんて…」

海未「し、しかし…もぅ…我慢が…////」

にこ「今、海未は一番エッチな気分になってる……それなのに出しちゃったらニコに何もしてくれなくなっちゃうでしょ?」

海未「そ、そんな…っ、酷いです…っ」

にこ「だからぁ、ニコのことも気持ち良くしてって言ってるの」

海未「ど、どうすれば……っ」

にこ「……うふっ、ニコのぐちょぐちょになったおまんこ……触って…////」

海未「お、おま……っ//// そんな、こと…っ」

にこ「女の子の一番えっちな部分……海未に触ってもらいたくて、いっぱいお汁溢れてきてるの……ねぇ? 海未」


海未「うぅ……でも…っ////」

にこ「ニコをいっぱい気持ちよくしてくれたら…、海未のおちんちんまたさっきみたいに口でしてあげる…////」

海未「……わ、わかり…ました……////」


海未は恐る恐る手をニコのショーツの上に乗せ、擦り刺激する


にこ「ンっ、ぁん…や、はぁンっ…//// ねぇ…いっぱい濡れてるの、わかるでしょ…? だからっ、直接…触って……」


ニコはブラジャーとショーツをその場で脱ぎ、洋服店内の試着室で全裸となった

女性の裸は何度となく見てきたが、場所が場所なだけにとても自分は悪い事をしているのではないかという……罪の意識が海未を襲う


ニコの下半身……太股の間に薄く生えている陰毛の少し下の辺り

そこを指をなぞった

ヌチャッ…

今この瞬間も溢れ出ている愛液を塗り広げる様に、上にある固くなった陰核を転がす


にこ「んンっ、あぁぁっ…はっ、やぁンっ…はぁっ、はぁっ、あぁンっ…////」


初めて目にするニコの蕩けそうな快感に歪む表情……それを見て陰核を擦る指は一層激しくなっていく

自分の手によって女性が快楽に喘いでいる……海未は初めて、女を攻める行為に悦びを覚えていた


にこ「やぁンっ、んくっ、やっ…はぁンっ…んんーッ…! あぁぁンっ…////」

海未「ニコっ、ニコ…の、スゴいです…どんどん溢れてきてっ、気持ち良くなってくれていますか…?////」

にこ「んぁッ、んン……はぁっ、気持ち、いぃっ…海未の指っ、すごく…いい…ッ!!////」


にこ「海未ぃっ、指…、中入れてぇ…//// ニコのおまんこの中にっ、海未の指挿れてぇ…」


海未は膣口に指を添わせると、躊躇うことなく侵入させた

蕩けそうなほど、その中は柔らかく……熱い……

膣壁に這わせ、中を掻き回す

指を動かす度に、ニコの喘ぎ声が激しくなる

その声に反応する様に、膣壁からは液が滲み出て、海未の指ごと膣内を愛液で満たしていった

ヌチャッ……クチュッ……


にこ「あぁぁンっ、らめぇ…イ、イクぅ…海未っ、お願いっ…海未のおちんちん挿れてぇ…! 海未のおちんちんでイきたいのぉ……////」


ニコは海未の陰茎を掴み、自分の膣口へと誘う

そして、触れた


陰茎で膣口をなぞる……角度を少しでも変えればたちまち中へ挿ってしまうだろう

海未の陰茎がニコの陰核を刺激する度に欲しくなる


にこ「海未ぃ…、ニコのぐちょぐちょおまんこに…そのおっきぃおちんちん突いてぇ…! 絶対気持ち良いからぁ…っ、我慢出来なぃのぉ…ッ!!////」

海未「はぁっ、はぁっ……うぅっ、だめぇっ…!////」

にこ「海未っ、海未ぃ……お願いだからぁ…っ、おちんぽ、ニコにちょうだぃ…っ!!////」

海未「ふっ、くぁ…ッ、わ…わかり──」


海未が快楽の誘いに飲まれ、ぺニスの先を膣口へと向け、あとはほんの少し腰を前に出すだけ……

その時、

非常事態は突然やってくる


「──お客様」


相変わらずの遅筆……にこにーデートは終わらせたかったのにっこにっこにー
今日はここまでです

試着室プレイは大好物です

ではではー



にこ「はぁ……助かったぁ……」

海未「……」

にこ「海未が女の子のフリしてくれたから、なんとか大事にならなくて済んだわね……」


不審に感じた店員が声をかけ、試着室のカーテンを開けて中を拝見する

そこで見たのは……女の子二人が何着もの服をあてがい真剣に悩んでる微笑ましい景色

とは言っても、二人の性器はまだ熱いままで床にある愛液の染みは広がっていく一方だ

問い詰められたら、言い訳のしようもない……店員が離れた隙を見計らってニコと海未はそそくさと店内を後にした


にこ「ごめんなさいっ…!」

海未「……お願いですから、もう私を誘惑するのはやめてください」

にこ「……ニコのこと、エッチな女の子だと思ってるでしょ?」

海未「その通りでしょう?」

にこ「うふっ、そうかもね……海未の前だけでは、ニコはとってもエッチな女の子だよ?」

海未「ニコ……」

にこ「……最後にね、海未と行きたい場所があるんだ……あ、でも、こんなニコに愛想尽きてもう帰りたいなら止めないけど…」

海未「……付き合いますよ」


恋愛事では惚れた方の負け、とよく聞く

しかし、この場合だと惚れられた側の海未の方がはるかに分が悪かった

自分の感情を躊躇することなくストレートに表現するニコに対し、海未はそれを上手くかわす術など持ち合わせていない

相手が百の想いを放ってきたら、百全てを受け止めてしまう

恋愛に対しては、とても不器用な海未

だが、それがニコの心に強く焼き付けられた要因の一つなのだろう



ニコが海未を連れてきた先、そこは音ノ木坂学院

二人が通う学校だ


海未「何故ここに…?」

にこ「休日の学校ってなんだか新鮮~! さ、入ろ?」

海未「怒られませんか……?」

にこ「部活してる子もいるんだし、平気よ」


アイドル研究部の活動は今日は休み

本当は、部員の皆に海未とデートしているところを見せつけてやろう……と頭の中では少し考えていたが

ニコもそこまで自分勝手な女ではない

自らの私利私欲の為に、大好きな人を悲しませる……そんな事出来る筈もなかった


校内を歩き、向かった先はアイドル研究部の部室

鞄の中から部屋の鍵を取り出し、中へ入る


海未「……」

にこ「……ここで、海未と初めて会った」

海未「はい……」

にこ「校内の何処かですれ違っていたかもしれないけど……ニコにとってここは、すごく大切な場所」

海未「……ニコ」

にこ「……海未、大好き…」

海未「……」

にこ「……よし、言えた……はは……今日、何回目だろうね…?」

海未「……ありがとう…ございます」

にこ「海未、ニコの手……握って…」

海未「……はい」


海未は、差し出されたニコの小さな手に触れる

強く……ぎゅっと強く、握った

想いに応えられない、自分の……ニコに対するせめてもの感謝を込めて


にこ「痛っ…」

海未「す、すみません…っ」

にこ「ふふっ……ありがと…、ねぇ……海未」



「──キス、して」


海未「……」

にこ「断られるのはわかってる……でも、軽い気持ちで言ったわけじゃないよ」


夕陽に照らされ、茜色に染まったニコの顔は、美しかった

今まで海未が目にしたどんな表情よりも、綺麗で……ただただ美しかった


穏やかな表情をしたまま、ニコは目を閉じる


期待はしていない……、海未を好きだという儚い想いを、自分の中だけの思い出にする為の儀式みたいなもの

そう心に決め、ニコは闇の中で海未を閉じ込める


──好き、大好き、愛してる


──叶わなかったけど、海未を好きになって良かった


──初恋が海未で、本当に良かった




言ってしまえば、所詮は自己満足……己の美学に酔いしれ、充分に恋を堪能した

もう海未はここにいないかもしれない……だが、自然と恐怖は無かった

目を開けようとしたその瞬間


にこ「……っ!?」


唇に柔らかな感触が

すぐに状況は理解出来た

本当は心の何処かで、期待していたのかもしれない


熱く、とっても熱く……蕩けそうなくらいの


──海未のキス


にこ「ン……ぁ…ちゅ……ッ」

海未「……っ、ぁ……ん……」


両者とも初めてのキスだった

だが、その事をお互いは一生知り得ない


にこ「……優しいね、海未」

海未「優しさだけで……こんな事するわけないでしょう……」

にこ「海未……?」

海未「……これから私はニコに対して、かなり酷い事を言います……聞いてください」

にこ「……うん」

海未「……私は、穂乃果とことりを愛しています」

海未「今、ニコとキスしたのは……情が移ったとかそんな理由などではなく……ただ大切だと、思ったから」

海未「ニコを大切な存在だと感じたからです……今日一日を貴女と過ごして、惹かれました……ニコのことを好きになりました」

海未「……しかし、私の中には貴女以上に大切な存在がいる……だから、ニコの気持ちには応えられません」

海未「こんな事してもニコを余計悲しませるだけ……わかってたのに、またしても私は誘惑に負けて……ニコとキスしたいという誘惑に……抗えませんでした」

海未「ニコの言葉を借りるなら……、それくらい私は貴女のことを大切に思っている…………本当にすみませんでした…」

にこ「……」

海未「……」


沈黙が二人を包む

俯いて表情を見せないニコにかける言葉を、海未は思い付けなかった

何時間にも感じた沈黙、実際にはほんの数分……それを破ったのは、ニコだった


にこ「……海未」


にこ「ありがと」

海未「ニコ……」

にこ「いい男ね、あんた……さすがニコが惚れた男…、あー! 穂乃果とことりが羨ましいー!!」

海未「ニ、ニコ……!?」

にこ「絶対幸せにしてあげなさいよ、あの二人はニコの大切な友達でもあるんだから」

海未「……はい」

にこ「それと、ニコとキスした事……将来すっっっごく自慢出来るわよ? 何てったってニコはスーパーアイドルになるんだから☆」

海未「……ふふっ、楽しみにしてます」


にこ「さて、じゃあそろそろ帰ろっか」

海未「そうですね」

にこ「今日はありがとね、すごく楽しかった」

海未「私もです」


海未はニコの手を握ろうと手を伸ばす

が、その手は軽快な音と共に弾かれた


海未「えっ?」

にこ「はぁ……やっぱりあんた全然女心わかってない」

海未「し、しかし…今日一日は恋人の」

にこ「もういいから…まったく……ふふ」

海未「は、はぁ……?」



にこ「……着いてこなくていいって言ってるでしょ…」

海未「ダメです。もう薄暗くなってきているのに女性を一人で帰すわけには……家までお送りしますよ」

にこ「あんたもなかなか頑固なのね…」

海未「男として当然です」


軽口を叩き合いながら、二人でニコの家を目指し、街を歩いていると向かいから見知った人影が近付いてくる

先に気付いたのは、ニコだった


にこ「え……?」

海未「どうしました? ニコ」


「あっ!」


相手も二人に気付き足を止める


海未「……っ」


ことり「やっぱりニコちゃんと海未ちゃんだ! 二人で遊んでたの? 仲良しなんだね~」

にこ「こ、ことり……!? これは、ニコが海未に無理を言って…っ」

ことり「何で慌ててるの? ニコちゃんおかしい~」

海未「……こと、り…?」

ことり「デート中お邪魔だったかなぁ? じゃあことりはもう行くね。バイバイ、ニコちゃん、海未ちゃん」

海未「……」



海未「……っ」

にこ「何してるの…? 早く追いなさいよ!!」

海未「でも……もう……っ」

にこ「あんたの大切な人なんでしょ!? だからニコをフったんでしょ!? あんたがそんなんじゃ、何の為に私が…っ」

海未「……はい。ニコ…、恋人としての役目を最後まで全う出来なくて、申し訳ありません」

にこ「そんなのどうでもいいから……さっさと、行きなさいよ…」

海未「…はいっ」



海未「はぁっ、はぁっ、……ことりっ!!」

ことり「きゃっ!? ビックリした……海未ちゃん、どうしたの?」

海未「……どうしてですか、どうして…何も言ってくれないのですか!?」

ことり「海未ちゃん……?」

海未「花陽の家での時もそう…、今日も私はニコと…っ、私はことりを裏切っていたのですよ!? 嘘まで吐いて……なのに何で!? どうして!?」

ことり「こ、恐いよ…海未ちゃん…」

海未「もう……もう…私のことなど、嫌いになってしまったのですか……?」

ことり「そんなことないよ? ことりは海未ちゃんのこと大好きだよ」

海未「嘘です……なら、どうして…っ」

ことり「どうしてって……」

海未「……わ、私は……ことりと穂乃果がいるのに……他の女性と淫らな行為を、してしまいました……」

ことり「……」

海未「ニコとも……花陽や凛とも…、絵里と希とまでも……私はっ、貴女に嘘を吐いて裏切り続けていたんです……っ!!」

海未「すみません……、貴女と穂乃果のこと、大好きで…大切に思っていた筈なのに私は……っ」

ことり「……知ってたよ」

海未「え……?」

ことり「全部、知ってたよ」


━━


真姫「……ちょっと皆に話があるんだけど」


ある日の昼休み、真姫によって部室には穂乃果、ことり、海未を除く六人が集められていた

真剣な表情の真姫に、部室全体の空気が緊張感を纏う


希「恐い顔してどうしたん?」

絵里「ただ事じゃなさそうだけど…」

真姫「……あの人、園田海未をいつまでこの部に居続けさせるつもり……?」

花陽「な、何言ってるの……? 真姫ちゃん」

凛「そうだよ、海未ちゃんはずっとこれからもアイドル研究部の一員だにゃ?」

真姫「……もう限界なのよ! 男と一緒の空間なんて…っ!! 同じ空気を吸うだけでも吐き気がするわ…」

にこ「……何それ…、海未が真姫ちゃんに何かした? してないよね? 海未のことよく知りもしない癖にそんな」

真姫「うるさいっ! ……でもまぁニコちゃんならそう言うでしょうね…」

にこ「……どういう意味?」

真姫「だって付き合ってるんでしょ? 園田海未と」

にこ「……っ!?」

花陽「え……?」

絵里「それ本当なの……?」

真姫「この前見たのよ、二人が仲良さそうに手を繋いで街を歩いているところ」

にこ「……」

希「ふーん……」

凛「ニコちゃん…」

花陽「……っ!」

絵里「……抜け駆けってわけね」


真姫「所詮、友達は友達……男の方が大事なのね、ニコちゃんは」

にこ「……違う、そんなんじゃない……ニコが一方的に好きになっただけ……だってニコは、フラれたんだから」

花陽「でも、手繋いでたって…」

にこ「……我が儘言って、海未を困らせて……最後に、一回だけデートしてもらったの」

希「……」

にこ「おかしいでしょ……滑稽よね…、笑っていいわよ……でも、海未を悪く言うのは絶対に許さない」

真姫「……」

絵里「……ニコの言う通りよ、男ってだけで毛嫌いするのはあんまりだと思うわ」

希「真姫ちゃんも海未ちゃんと偏見無しに一回よく話してみれば、何か考えが変わるんやない?」

凛「そうそう、凛だって海未ちゃんのこと大好きだにゃ」

花陽「真姫ちゃんも大切なお友達だけど、海未ちゃんも花陽にとって大切なお友達……、二人とも大好きなのにそんなの悲しいよ…」

真姫「な、何よ…皆して……」

にこ「真姫ちゃんは、ニコの親友だよ」

真姫「は、はぁ…!? い、いきなり何を」

にこ「ニコが大好きになった人だから……真姫ちゃんには信じてほしいって思う」

真姫「……」


エロ無しですが今日は終了です
あと三回くらいの更新で完結できるかなー

ではではー


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海未「けっこん?」

穂乃果「うん! 穂乃果もよくわかんないんだけど、けっこんすれば家族になってずーっと一緒にいれるんだって!」

ことり「すごい!」

海未「ずっと一緒……穂乃果ちゃんとことりちゃんとずっと一緒に」

ことり「ならことり、海未ちゃんのお嫁さんになる!」

穂乃果「ことりちゃんずるーい! 穂乃果も海未ちゃんのお嫁さんになるもーん!」

海未「穂乃果ちゃんもことりちゃんも私のお嫁さんです! ずっと一緒です!」

ことり「わぁ~嬉しい! 海未ちゃんかっこいい~!」

海未「さぁ早くけっこんしましょう!」

穂乃果「わわっ! でも大人にならないとけっこんできないんだよー!」

海未「え? そうなんですか?」

ことり「早く大人になりたいっ!」

穂乃果「うん! 大人になってけっこんして、3人ずーっと一緒! 約束だよ!」

ことり「うんっ! 約束!」

海未「はい! 約束です! 絶対に穂乃果ちゃんとことりちゃんを私のお嫁さんにします!」


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海未「…………夢、ですか……」


現実に引き戻された海未は、静かに虚ろな目を開ける

瞳からは涙が溢れていた

幼少期を思い出し幸せを慈しみ泣いていたのか、夢が幸せ過ぎた分だけ今の現状の罪深き自分を許せず泣いていたのか

恐らく、後者だろう



ここ数日、海未は学校を病欠していた

少し身体が怠いが、動けないことはない……そう、仮病だ


海未「…………ことり、……穂乃果……」


流れる涙を現実に溢してしまわないよう、再び布団に潜り目を閉じた


暗闇に浮かんでくるのは、あの日の事


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海未「……知って、た……? え……なら、何故……何も言ってくれなかったのですか……?」

ことり「海未ちゃんもことりに何も言ってくれなかったよね?」

海未「そ、それは……」

ことり「だったら別にいいかなって」

海未「……っ、ことりが怒るのも当然ですよね……ですが、信じてほしい……私が愛しているのは、ことりと穂乃果だけ……この気持ちに嘘偽りは、ありません」

ことり「…海未ちゃん」


海未はことりに顔を近付ける

瞳を見詰めたまま、視線を逸らさずゆっくりと唇を目掛け……

愛する相手へ、愛を証明する手段として


ことり「……キスするの?」

海未「……はい」

ことり「ニコちゃんとキスしたその唇で?」

海未「な、何でその事まで……知っているのですか……?」

ことり「今、知ったんだよ。海未ちゃんの口から」

海未「……っ!?」

ことり「へぇ~そっかぁ、ニコちゃんともうキスしちゃったんだね。ことりには今まで一回もしてくれなかったのに」

海未「あ……あぁ……っ、それ、は……ことりのことを大切に、大切に……してたから……」

ことり「それって結局、ことり達のことを言い訳にしてるだけだよね? 自分を赦す為の逃げ道として。そうすれば自分を追い詰めずに気持ちいい事、できるもんね」

海未「ち、違っ……」

ことり「いいよ、しよっか? キス」

海未「……っ」

ことり「あれ? しないの? 海未ちゃんがしたいなら今からことりの家でエッチもする? もうエッチもしちゃってるんでしょ? 誰としたのかなぁ? 絵里ちゃん?」

海未「……やめ、て…、やめて……ください……」


吸い込まれそうな瞳に思わず目を逸らしてしまう


ことり「ねぇ、海未ちゃん……ことりのこと愛してる?」



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震えて、言葉を発せずにいた


海未「あの時、私は……何と答えれば良かったのでしょう……」


何を考えているのかわからないことりに恐怖したというよりも、どんな言葉を……自分の気持ちを声にしても、それを信じてもらえない……否定されるかもしれない、それがとても怖かった


──でも、このままじゃ……何も変わらない


中途半端な事が……立ち止まる事が、何より嫌いだった海未

洗面所の鏡に映る自分の姿はとても情けなく見えた

こんな今の自分が、誰かを愛するなんか烏滸がまし過ぎる

そんな資格などないとさえ思えた

……何かを変える為には行動するしかない、自分自身でなんとかするしかない


もう外は真っ暗になっていたが、支度をして家を出た


海未が向かった先は音ノ木坂学院の弓道場だった

こんな時間に残っている生徒も少ないだろう。ただ、巡回の教師に見付かれば注意されるかもしれない


海未(まぁ、その時はその時です……)


明かりを点け、袴に着替える


呼吸整え、的を見据え、矢を放つ


海未「…………はぁっ!!」


何度となく、同じ動作を繰り返しているが……当たらない

海未が射る矢は、一本たりとも的に命中しなかった

当然の事だ。基本技術が必要とはいえ、やはり物を言うのは集中力……精神力

こんなボロボロの精神状態では、話にならない

だが、海未は一心不乱に矢を放ち続ける

それは、何もしていないよりずっとマシだったから……何が解決する訳でもないが、身体を動かし汗を掻けば気分が晴れるかもしれないと思った



「……明かり? こんな時間に……」


ポタポタと足元に水滴が落ちる

それは汗ではなく、涙

無心になろうとしても、頭を過るのは笑っていることり

結局、ことりは表情から怒も哀も海未に見せることはなかった

それが何より海未には辛い


海未「はぁっ、はぁっ……」


何十本も矢を放っているが、的に刺さっているのはたった三本のみ


「……全然駄目じゃない」


海未「…っ!?」


声を掛けられるまで、背後にいた人の気配に気が付かなかった

巡回の人間だろうか……そう思い、振り向いた

が、しかしそこにいたのは


真姫「……」

海未「……え? 真姫……?」

真姫「……酷い顔」

海未「え……あっ……」


慌てて動着の袖で涙を拭う


道場の中を覗いた時、真姫は海未の姿を発見する

本当は即座にその場を立ち去ろうとした

だが、先の会話で皆、海未を擁護していた……ニコに至っては激しい怒りを自分にぶつけてきたことを思い出す

それが何となく、頭に引っ掛かり今に至る

少しでも気分を害せば、何も言わず帰ろうと思っていた


海未「何故ここに……?」

真姫「別に……貴方には関係無いでしょ…」

海未「は、はぁ……」

真姫「……他に誰もいないからって変な事したら、許さないわよ」

海未「…っ、しませんよ!!」

真姫「きゃっ!? な、何よ……いきなり大声上げて…」

海未「す、すみません……」

真姫「……」

海未「……」

真姫「……どうしてそんな顔してるの? ニコちゃんと何か関係あるの……?」

海未「……聞いたのですか?」

真姫「……ニコちゃんから少しだけ」

海未「……そうですか」

真姫「どうして、フったの……? 別に、ニコちゃんに貴方なんかと付き合って欲しくなんかないけど……そんなに穂乃果とことりが大事?」

海未「……その話は、やめてもらえますか」

真姫「……貴方、そう……わかったわ」

海未「ありがとうございます……正直、かなり参っています……。それ以上深く問い質されたら、冷静でいられる自信はありませんでした…」

真姫「……別に、貴方に対して興味が無いだけよ」

海未「でも、それが今は……とても有難い」



海未「好きの対義語は無関心……上手く言ったものですね」

真姫「いきなり、何……?」

海未「気にしないでください。ただの一人言です……いえ、本当は誰かに聞いて貰いたかったのかもしれません…」

真姫「……」

海未「こんなにも、辛いものなんですね……興味を持たれなくなるというのは…っ、これなら嫌われた方が何倍もマシです……」

真姫「……そうかしら?」

海未「え……?」

真姫「私は嫌われる方がイヤよ…。憎まれて、恨まれて、暴力に訴えられるかもしれない……そんなの恐ろしいじゃない?」

海未「……しかし」

真姫「関心を持たれなくなったのなら再び相手に興味を植え付けてあげればいい、簡単な事よ」

海未「そうは言っても…」

真姫「元々は無関心どころか存在すら知らなかった人間同士でしょ? 一度成し遂げた事、出来ない筈がないわ」

海未「……」

真姫「な、何よ…」

海未「……ふふっ、確かに真姫の言う通りかもしれませんね」

真姫(へぇ、この人……こんな顔で笑うんだ…)


初めて間近で見た海未の笑顔

胸の鼓動が聴こえる……顔全体、耳までも熱くなるのを感じた


真姫(わ、私がこんな男に……有り得ないわ……)

真姫「……帰る」

海未「ならば送っていきます、外は暗いですし」

真姫「結構よ」

海未「女性一人で夜道は危険です」

真姫「……っ」


本気で断ろうとすれば、断れた

それをしなかったのは、真姫が海未を少し受け入れ始めているからだろう


すみません、集中力を何処かに落としてしまったみたい……短いですが今日はここまでで
原因は最近、エロを書いてないからですー

明日更新は多分無理です
次回はエロエロ展開なのでよろしくお願いします

ではではー


海未と二人並んで歩くという状況……今まで真姫は想像すらしたこと無かった

しかし、不思議と嫌な気はしない

自分より少しだけ小柄だが、やはり男といると暗い夜道でも安心出来る

男という生き物に警戒心を剥き出しだった真姫は、今とても複雑な心境で海未と肩を並べ帰路についていた


海未「そういえば真姫は何故、あんな時間に校内に?」

真姫「……別に。貴方の方こそ、学校休んでた癖に…」

海未「うっ……それを言われると……」

真姫「……明日はちゃんと来なさいよ。……う、海未……」

海未「…はい」


真姫「……ねぇ」

海未「何ですか?」

真姫「余計な事かもしれないけど、ニコちゃんとのこと……もう一回考え直してあげたら……?」

海未「……」

真姫「……ごめん、怒った……?」

海未「いえ、以前花陽が言ってた事を思い出して」

真姫「え?」

海未「真姫はとても優しい子だと……、本当にその通りですね」

真姫「なっ…!? は、話をはぐらかさないでっ!!」

海未「ふふっ、……ニコは、私には勿体無いくらいの素敵な女性です」

真姫「……だったら」

海未「しかし、ニコももう望んではいない筈ですよ……私との事は」

真姫「そうなの…?」

海未「はい……きっと」

真姫「ふーん……恋愛ってめんどくさそう…」

海未「真姫は恋愛経験は無いのですか?」

真姫「う、うるさいわね…!! それくらいあるに決まってるでしょ!?」


今日、真姫と話せて良かった

少し気分が軽くなり、救われた様な気がしていた

今まで誰にも相談出来なかったが、真姫なら聞いてくれるかもしれない……真姫になら話していいかもしれない

迷惑を掛けるつもりは無いが、もしまた話す機会があれば……

そんな事を考えながら、真姫に別れを告げ、自分も家へと向かった


言わせなきゃいけない台詞忘れてたので1レスだけ追加

ではではー、今度こそおやすみなさい


昨日は書き溜めしてたのでその分をシャンシャンしながら投下します
前に言ってたエロエロ展開までいけませんでした。次回こそ必ず…


━━


希「海未ちゃんの方から声掛けてくれるなんて嬉しいなぁ、やっとその気に」

海未「……」

希「……?」


希の嬉々とした表情に、固めていた決意を揺さぶられてしまう

海未も自惚れではないが、朧気ながら察していたのだろう

淫らな関係になった当初、希は海未の身体を求めていた……しかし、今、希の心は海未自身を求めているという事を


──言わなきゃ……、ちゃんと言わなきゃいけないのに


海未「……っ」

希「海未、ちゃん……? …………ふふ、そっか」


勘の鋭い希はいつもと違った空気を纏っている海未を見て、すぐに納得していた

羞恥でも憤怒でもない、悲しみを嘆いているのともまた違う……優しい海未らしい、憂いを帯びた表情から


海未「希……」

希「……ごめんな、そんな辛そうな顔させたかったわけやないんよ。ちょっと、遊びが過ぎてしもうたみたいやね……反省反省」

海未「遊び……本当に……?」

希「ホントホント…、海未ちゃんがあまりにも可愛いからつい加減忘れて…、な」

海未「なら、どうして……私の目を見てくれないのですか?」

希「……はは、そんな照れるやん」

海未「……一つだけ…聞いてもいいですか? 希、貴女は……私を」

希「それ、聞くってことはウチを選んでくれるん? そうやなかったら女の子に対してデリカシーなさすぎなんやない? うふっ…」

海未「希……」

希「身体だけやなくて、女心も教えてあげた方が良かったかもね」

海未「……本当は私の方から言うべき事だったのに……すみません…」

希「もぅ、謝らんといてよ。別にウチは全然平気やし、本気になって傷付くの嫌やから何するにしてもそこそこに……海未ちゃんとの事だって遊びの…、遊びの恋……の筈やったんやけどな……っ、あれ…変やな…、何で…っ……」

海未「……ありがとうございます、希」

希「……ふふ、ウチも変やけどアンタも相当変やな……ウチ今まで海未ちゃんに酷い事ばっかりしてきたのに、恨まれるならわかるけど……感謝なんか…」

海未「……ありがとう」



絵里、花陽、凛の元にも訪れ、今までの謝罪とこれからの敬愛の念を告げた

罵られ、蔑まれるだろう……と覚悟を決めていた海未だったが、拍子抜けするくらい皆あっさり聞き入れてくれ、何か裏があるのかと疑う程だった

自分本意な人間……初めこそは被害者の立場だったかもしれない

だが、快楽の誘いに負け女の身体を求めてしまったのは紛れもなく海未自身だ

それなのに今更……、自己嫌悪に襲われながらも膝を付かず、前を向いたままでいられたのは、海未の中に何よりも大切な存在があったからこそだろう


──二人に相応しい自分になるべく、私は


━━


一週間が経った

ことりの様子は相変わらず

今まで通り、話をしていても海未に本音を見せないまま……。胸を締め付けられる日々を送っている

皆、海未の身体を求めることはなくなった……しかし、情けない事に性欲というモノは日々蓄積されていく

ことりからの愛撫が恋しい……身体がことりに慰めてもらいたがっている、大好きなことりを犯してしまいたい……そんな最低な事すら時折海未は考えてしまう様になっていた


ことり「海未ちゃん? どうしたの?」

海未「……ことり、私と…」



──駄目だ、私は何を考えて……、こんな今の状態でことりを求めても何の意味も無い


──焦らず、ゆっくりと、また自分を好きになってもらえるまで精進しよう


──真姫に言われた通り、一度好きになってもらえたんだ……私さえしっかりしていれば、また絶対に好きになってもらえる


皆との性の関係を断ち切り、着実に良い方向へ向かっていると海未は信じていた

三人で過ごす幸せな未来を願っていた



放課後の屋上、μ'sはここで毎日練習を行っている

海未もアイドル研究部の一員として参加はしないまでも、大切な仲間達の力になりたいと懇願しサポートとして見学させてもらっていた

歌やダンスの知識は乏しかったが、皆の歌って踊る姿を見るのは楽しかった


絵里「はい、少し休憩ー」


海未「穂乃果、ことり、お疲れ様です。ドリンクどうぞ」

穂乃果「はぁー疲れたよー、ありがと、海未ちゃん」


他の皆にもドリンクやタオルを渡して回る

ハードな練習で疲労している皆の為に海未が出来る事など、たかが知れている

だからこそ、自分に出来る事を精一杯頑張ろう……そう決めていた


にこ「海未も一緒に踊ってみたら? 身体動かすの気持ちいいわよ」

海未「わ、私は…」

凛「うんうん、女の子の格好してライブに出ても絶対に誰もわかんないにゃ!」

海未「な、何を言って……男の私が…っ」


ついつい想像してしまう自分が恥ずかしい

平静を保つ様に握っていたペットボトルのお茶を勢いよく喉に流し込んだ


そして再び、練習が再開される


休憩時の和やかな雰囲気とは一変し、スイッチが入った様に真剣ながら笑顔を忘れない、本物のアイドル……そう海未の目には映っていた


──すごい、素晴らしい、まだ結成されて数ヶ月というのに

──こちらまで熱が伝わってくるみたい……身体が熱い、燃えるように、熱い……え?


海未「はぁ…っ、はぁっ……」


海未はその場にしゃがみこむ

急な体調不良……違う、不良というより変化

息は上がり、意識はハッキリしているのに何も考えられない……全身が熱く、その中でも一段と熱を帯びているのは、今までにないくらいに固く膨れ上がった陰茎だった


──何、これ……? 隠さないと……皆に変に思われてしまう、穂乃果に……ことりに……


気を紛らわせようとペットボトルに手を伸ばすが、焦って上手く掴めない

倒した拍子に蓋が取れ中身がトクトクと流れ出ていた


海未「はぁ…っ、はぁっ、はぁっ……////」


穂乃果「海未ちゃん?」

絵里「大丈夫? 海未」

真姫「……?」


明らかに普通ではない状態の海未に、皆の視線が集中する


──やめて……、見ないでください


にこ「海未っ! どうしたのよ!?」


ニコが誰よりも早く海未の元へと駆け寄り、肩に触れる


海未「ニ、ニコ……? ニコ……っ」

にこ「具合悪いの? なら無理しないで帰っ」


この瞬間、海未の脳内はニコとの記憶によって全て埋め尽くされた


『ニコの、大好きな……海未』『一緒に気持ちよくなろ?』『海未のおちんちん……ニコに犯されたい、ニコのことを犯したいってビクンビクンしてるよ?』『お願いっ…海未のおちんちん挿れてぇ…! 海未のおちんちんでイきたいのぉ……////』『ニコのぐちょぐちょおまんこに…そのおっきぃおちんちん突いてぇ…! 絶対気持ち良いからぁ…っ、我慢出来なぃのぉ…ッ!!////』『本当は今もニコのこと襲いたいんだよね?』


『ねぇ……ニコとエッチしよ?』



海未「はぁ、はぁ…っ、ニコっ!!」

にこ「きゃっ!?」


海未はニコの腕を強引に掴み、引き摺る様にその場から消えていった



花陽「今の……何?」

凛「やっぱりあの二人付き合ってるんじゃないかにゃ?」

絵里「……練習放棄して二人でよろしくやっちゃってるのかしら? ……何で……ニコなのよ……」

希「エリチ、穂乃果ちゃんとことりちゃんもおるんやから」

絵里「あ、ごめんなさい……さぁ、私達は練習続けるわよ」

真姫「……」

穂乃果「海未ちゃんとニコちゃん、どうしちゃったんだろ?」

ことり「さぁ?」


━━


部室に入るやいな、海未は乱暴にニコに覆い被さった


にこ「う、海未!? どうしちゃったの!? ねぇ!?」

海未「…ッ!!」

にこ「だって、ニコ……あんたのこと、諦めたのにっ、何で今になって…!?」


脳裏に浮かぶ、過去の記憶のニコが語りかける


『本当は今もニコのこと襲いたいんだよね?』


破り捨てる勢いでニコの服を剥ぎ取り、露になった乳房を強引に揉みしだく


にこ「んぃぎっ…!! あぁっ…!! や、やだ…ッ!!」


抵抗し暴れるニコを非情なまでの男の力で捩じ伏せ、スカートの中のショーツを引き摺り下ろした

そして、血管が浮き出て今にも張り裂けそうな程限界まで勃起した陰茎を


『……ねぇ、ニコとエッチしよ?』


躊躇いもなく、挿入した


にこ「ぇ……ま、まだっ濡れて…な、あぎゅッ…!? あ"あ"ぁぁッ…痛あああぁぁぁぁああ!!!!」

海未「はぁ…っ、はぁ…っ!!」


悲痛に泣き叫ぶニコのことなど目もくれず、ただただ一心不乱に腰を振り続ける

グチュッ……ヌチャッ……

激しく突いては、腰を引き、また膣内の奥深くまで突く

一瞬にして貫かれた処女膜から流れ出した血液は、海未の陰茎を伝いポタポタと床へと垂れ落ちていた


『ぁンっ、海未…っ、海未ぃ……気持ち良いよぉ……////』


自分の大きく膨張したペニスを小さな膣口がちゅるっと音を立て全て飲み込んでいく……これに興奮を覚えない男が果たしているだろうか

海未は抗うことなく自らの欲望の赴くままに従い、“ニコ”ではなく“女の身体”だけを求めていた

狭い膣内に隙間無くぎゅうぎゅうに詰め込まれたペニス、動かす度にニコは絶叫を上げた


にこ「い"や"ぁぁぁぁっ!! あぎゅぁっ、ぐぎゃぃッ!! やめっ、やめてよ海未ぃぃぃぃぃぃ!!!! 痛ぃ痛ぁぁぁあああ!!!!」

海未「はぁっ、はぁっ…! うっ、あぁぁ…ッ!!」


ニコの小さく狭い膣に締め付けられた快感は壮大なもので、海未の陰茎はすぐに絶頂を迎える

絶頂、即ち射精……膣内には大量の精液が注がれた


にこ「い、いやっ、いやああぁぁあああッッ…!!」


出した直後でも固いままの陰茎は、そのままニコの膣内で動き続ける


『ニコのぐちょぐちょおまんこに…そのおっきぃおちんちん突いてぇ…!』


どんなにニコが悲痛に泣き叫ぼうとも、その動きは止まらず、精液と愛液、血液でぐちゃぐちゃになっている膣内を海未のペニスは子宮を壊すほどの勢いでひたすらと貫いた


にこ「なんっ、でっ、やだ…っ!! こんなのっやだぁぁ!! あ"あぁぐゅ、ぎぃぃ…っ!!」

にこ「ニ、ニコのっ、名前、呼んでよ…っ、こっち、向いて…っ、キス…してよ…っ!! なんでっ、こん、なっ…いやああぁぁっ…!!」


何度果てても勃起は治まることを知らず、悲鳴を上げ泣きじゃくるニコに、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も狂った様に精液を吐き出し続けた


『ニコの、大好きな……海未』


大切な場所……思い出の場所で、大好きだった人に初めてを奪ってもらった


それは、本来とても幸せな事……忘れることのない素敵な記憶になる筈だったのに……


にこ「う…っ、うみ…ぃ……っ…ぁ……ッ」



海未「……に、こ……? わ、私……ぁ……ああ……っ」



正気を取り戻した海未は、目の前にある状況を見て顔が青冷め、血の気が引いていくのがわかった

自分が何をしてしまったのか鮮明に覚えていたからだ

行為に及んだのは間違いなく自分自身、でもどうしてあんな異常なまでに性欲に支配されていたのか見当もつかない


──犯したい、犯したい、誰でもいい、女の身体を犯したい


あの時はその事しか考えられなくなっていた


海未「ニ、ニコ……っ」

にこ「いや……いやぁっ、来ないでっ……こっちに来ないでぇぇ……っ!!」


ニコは差し出された海未の手を振り払い、部屋を飛び出していった


海未「わ…私は……何てこと、を……して……っ」


怖くなり、その場から立ち去ろうとしたが冷静さも僅かにだが頭の中に残されていた

このままにしておいたらマズイ……皆に勘づかれてしまう、私がニコを強姦してしまった事を

床に飛び散っている体液と血液が入り交じったモノを念入りに処理し、部室を後にした


──どうして、どうして、どうして!? 二人と…、穂乃果とことりと心の底から向き合う為に、私を愛してもらえるように、恥ずかしくない自分になろうと頑張っていたのに……どうしてこんな酷い事を


━━


絵里「結局、海未とニコ戻ってこなかったわね」

凛「やっぱり怪しいにゃ…」

花陽「フラレたって言ってたけど、本当は付き合ってたんじゃ……」


練習を終えたメンバーが部室に戻ってくる


希「でも…海未ちゃんの様子、変やったよね? いつもの海未ちゃんとは違うっていうか…」

絵里「それだけ情熱的な恋ってことでしょ?」

穂乃果「え……? 海未ちゃんとニコちゃんって付き合ってるの?」

絵里「ほ、穂乃果……えっと、それは……」



真姫「……? これ……血の跡……?」


床に薄く残っていた血液が流れた痕跡を、真姫は発見した


真姫(こんなの今日来た時は無かったわよね……何だか、気味悪い……)


少し悪寒を感じながらもじっとその染みを観察していると、部屋の隅にあるゴミ箱の側に何か小さな袋なような物が落ちてあるのを見付ける

いつもなら目も触れず見て見ぬフリをしているのだが、言葉では言い表せない胸騒ぎを覚え、その袋を手に取った


真姫「……薬の袋かしら…?」



家に帰った真姫は、パソコンの前に座り、先程部室で手にした袋に入っていたであろう薬について調べてみる

あそこに落ちていたのだから、部員の誰かしらの物だろう……

真姫はキーボードを叩く手を止め、少し考えた

こんな無断でその人が服用している薬……もしかしたら誰にも知られたくないデリケートな問題を抱えている場合もあるかもしれない

やっぱり止めておこう……と手を離してみるものの、部室で見た床の血跡を思い出す


──アレと何か関係があるのかも……


まだ胸騒ぎは止まない……何か嫌な予感がする

今、真姫を突き動かすのは、好奇心でも恐怖感でもなく、仲間への想いだった


──皆、私の大切な仲間……友達だ。困っているなら力になってあげたい


真姫(そういえば、園田海未のあの様子……もしかして、この薬はあの人の物で、何か病気を患っているとか……? 床のアレは吐血……?)


真姫「……っ」


真姫は再び、キーボードを叩き始めた


真姫「えっと……識別番号は……、431-L-249……」


真姫「出た出た…………ベル……え? な、何よ……これ…?」



【ベル:bell】

・中枢神経を興奮させ極度な淫覚作用をもたらす物質
・性的気分が容易に増幅される
・作用されている間、男性は常時勃起状態、女性は膣液の分泌が過剰なまでに促進される
・上記の事項から使用する際は貧血、脱水症状等に注意が必要
・多幸感を伴う福音と共に脳内に強い警鐘を鳴らされている様な錯覚に陥る為、この名称で知られている
・興奮剤、催淫剤、劇薬



真姫「げ、劇薬……」


様子が急変した海未、部室に残っていた血の跡、そしてこのベルという薬……媚薬、セックスドラッグ

部室で何が起こったのかは最早明白だった


真姫「ニコ…、ちゃん……」


書き溜めここまでです
ちょっとキメシャンしてくるので消えます

余裕あったら続き書くかも


真姫は携帯電話を手に取り、ニコに連絡しようとする

が、すぐに思い止まった


真姫(何て言うつもりなのよ……私は……。まさか、あの人がニコちゃんを求めたのは薬のせいでした、とでも……?)

真姫(……ニコちゃんは今何を思ってるんだろ……? 好きだった人とセックスできて喜んでる……それとも…)


もしかして、ニコちゃんがこれを使って自分を襲わせるよう仕向けたのかもしれない

絶対にないと言い切れないのが酷く悲しかった


── もしそうじゃなかったら、一体誰がこんな事を……?


園田海未自身が己の快楽の為にするとはとても思えない

なら、あの人に好意を寄せている他の誰かがニコちゃんに嫉妬して……?


そもそもどうしてニコちゃんだったの……?

このベルという薬の作用からして園田海未はたまたま近くにいたニコちゃんを強姦したとしか考えられない

ニコちゃんじゃなくて、例えば私がそこに駆け寄ってたら……


真姫「……っ!」


想像しただけで恐ろしくなり、体が震えてきた


真姫(こんな……恐ろしい薬……、え……? なら、何でこれが落ちてたの? こんなの誰かに知られたら大変なのに……)

真姫(この薬の持ち主は今頃大慌てで、探しているのかも……学校の、私達の部室で……、許さない……)


真姫は部屋を飛び出し、学校へと向かった


━━


真姫「はぁっ、はぁっ…!」


もしかしたら誰もいないかもしれない

むしろその可能性の方が高いだろう

大好きな仲間を疑いたくない、これはきっと何かの間違いだ……そう願いながら走った


学院に到着し、校舎を見上げる


真姫「…っ!?」


夜の闇に包まれた外壁の中に明かりが一ヶ所灯っていた


──あの位置は、私達の……アイドル研究部の部室


恐怖もあった、誰か人を呼ぼうかもと考えた、しかし……人の道を踏み外したとはいえ、元は私の大切な友達だった人だ

説得できるなら……、私の手で助けられるならそうしてあげたい……

真姫は真っ暗闇の校舎の中に入り、ゆっくりと一歩一歩部室を目指した



唯一電気が点いている部室前まで来ると、確かに中に人の気配を感じる


そして、緊張からか手汗で湿っていた手でドアノブを握り、恐る恐る扉を開けた


ガチャ……


中の光景に目を疑った


真姫「……ど、どうして……貴女が……? ……ことり……」

ことり「……真姫ちゃん……、くすっ…」


真姫「……何を、しているの……?」

ことり「真姫ちゃんこそ何しに来たの?」

真姫「質問に質問で返さないで、今は私が聞いているの……っ!!」

ことり「真姫ちゃん、顔が怖いよ? くすっ…」

真姫「……これを探してたのよね……?」


真姫は薬が入っていた袋をポケットから取り出した


ことり「う~ん、半分正解で半分不正解かなぁ」

真姫「……どういうこと?」

ことり「ことりは待ってたんだよ、真姫ちゃんが来るのを」

真姫「え……?」

ことり「それを落としたのは確かにことりの不注意だったけど、拾ったのが真姫ちゃんでホッとしたよ」

真姫「さっきから、何を言ってるの……?」

ことり「だって賢くて友達想いの真姫ちゃんなら、絶対ここまで辿り着いてくれるって信じてたから」

真姫「わかるように話しなさいよ!!」

ことり「うふっ、それ返してくれる?」

真姫「……嫌よ」

ことり「ならことりと遊ぼ?」

真姫「……?」

ことり「その薬、スゴいよね……あの海未ちゃんがあんなになるんだもん。女の子に使ったらどうなるんだろうね?」


ことりは素早く手を真姫のスカートの中……下着の中……更には、膣の中に伸ばす

その手の中にはベルが握られており、粉末状のベルは瞬く間に真姫の膣内へと吸収された


真姫「きゃっ!? な、何して…っ!?」

ことり「普通は飲み物に混ぜて使うんだけどね……粘膜に直接吸わせたら、多分スゴい事になると思うんだ」

真姫「えっ、あ……やっ、イヤっ……!!」


真姫「ぁ……やぁ、ン……はぁ、はっ……////」

ことり「うふっ」

真姫「いや…ぁ、イヤ…っ、助け…てぇ……」

ことり「もう効いてるんだぁ……真姫ちゃんすっごくエッチな顔してるよ」

真姫「んぁっ、何なの…っ、何なのよ、これぇ……っ////」

ことり「真姫ちゃんやらしぃ♪ ことりの前でオナニーしちゃうなんて」

真姫「ぁ…ッ、あぁン…だって…だってぇ……はぁっ、はぁ…////」


真姫は床に尻をつき、左手で乳房をまさぐり……右手では陰部を激しく擦っていた


真姫「ンんっ、あぁッ…! やぁっ、ン、すごぃ…お汁がっ、こんなに…っ、あぁぁンッ……!!」


真姫の膣から分泌される異常なまでの愛液でショーツはまるで水に浸かっている様な状態

その下には小さな水溜まりができている

クチュ……クチュ……ッ

指を膣内に入れ掻き回したり、固く肥大した陰核を転がし、時にはつねったりし、火照る身体を慰めていた


真姫「んやぁっ、あぁっ、あっ、ことりぃっ、ことり…っ、ねぇっ、触って…!!////」

ことり「だぁめ♪ ことりは淫乱真姫ちゃんの恥ずかしい姿を見てるだけだから」

真姫「いやぁ、触って…触ってほしいのぉ…ッ! もっと、もっと…気持ちよくなりた…ぃンんっ、やぁぁンっ…!!」


いつもでは考えられないくらい淫れた真姫の恥態を見るのをことりは楽しんでいた


膣内から無限に分泌される愛液を指に取り、乳首に潤滑油として塗り転がす……

ぐちょぐちょになった手で身体中を自ら愛撫しているせいで、真姫の全身は膣液にまみれた状態となっていた


真姫「んんぁぁっ、はぁッ、やぁ…っ、 だめぇ…っ、い…くっ、あっ、ああぁぁンンーっっ!!////」


クチュ…ッ……クチャッ……


絶頂を身体が受け止めている最中でも真姫の指は止まらず、更なる快感を求めている

口からは涎をダラダラと垂らしながら……ひたすら乳房を、膣を、陰核を、全身を弄り続けていた


真姫「あぁ…ぁッ、やらぁ…ッ! またぁ…またイっちゃぅのぉ…っ!! あっ、あぁン、やッ…イクっ、イク…イクぅぅぅぅッッ……!!////」

ことり「ねぇ、真姫ちゃん」

真姫「んぁ…、こ、こと…りっ、触って…わたしのこと、気持ちよくして…くれりゅの…ぉ…?」

ことり「ことりはしないよ、でも……欲しいよね? おちんちん」

真姫「おちん…ちんっ、ぁっ、ふぁ…ンンっ、あぁっ、あっ…////」

ことり「すっごく固くてすっごく太すてすっごくおっきいおちんちん……真姫ちゃんのおまんこに挿れてみたいよね?」

ことり「奥までいっぱい突かれて中を掻き回されるの、真姫ちゃんのおまんこ今でもぐっちゃぐちゃなのにもっともっとぐっちゃぐちゃにしてもらいたいって思わない?」

真姫「ぁ…おちんちん…欲しいっ、おちんちんでわたしのおまんこめちゃくちゃにしてほしぃ…っ、ン…あぁン…////」

ことり「……うふっ」


真姫の欲しがる顔を眺めながら、ことりは鞄から携帯電話を取り出した


ことり「……もしもし、海未ちゃん?」


━━


海未「……お待たせしました、ことり」

ことり「あ、海未ちゃん」


ことりからの電話を受け、海未は学校近くの公園に来ていた


海未「……あの…、話というのは…」

ことり「……うん」

海未「……」


中々話を切り出してこないことりを無言で見詰め、差し出されたコーヒーに口を付ける


──言わなくちゃいけないのは私の方なのに……ニコを襲ってしまった事


──私は卑怯だ、これ以上嫌われるのが怖いから自分からは何も言わず……ことりに気付かれるのをただ待っている


ことり「……えへへ、何だか恥ずかしいね……」

海未「え……?」

ことり「ちょっとお散歩しよ?」

海未「は、はい……構いませんが……」


ことりと二人、無言のまま夜の道を歩いている


ことり「……」

海未(……ことりは、私が自分から言ってくるのを待っているのでは……? きっとそうに……)

海未「……ことり、私は」

ことり「あれ? 学校に電気点いてる…」

海未「え? あ、あぁ……そうですね…」

ことり「誰かいるのかなぁ? もしかして部員の誰かかも……行ってみよっか」

海未「し、しかし…こんな時間ですよ…」

ことり「いいからいいから♪」

海未「わ、わかりました……」



ことり「やっぱり夜の学校ってちょっと怖いね……海未ちゃん、先に行って見てきてくれない?」

海未「え…? まぁ、いいですが……」

ことり「さすが海未ちゃん、頼りになる! それも当然だよね、だって海未ちゃんはことりの王子様だもん♪」

海未「ことり…」


夜に学校に忍び込むなんて悪い事の筈なのに、ことりに頼られるのはとても嬉しかった

少しずつでもいい……、ことりの心にまた私の存在を大きくして……昔みたいに心と心で繋ぎ合える関係に戻れたら


海未「では、ちょっと見てきますね。ことりは」

ことり「ことりはここで待ってるから」

海未「わかりました……何かあったら連絡してください」



カツンカツン…と自分の足音だけがこだまする

黙々と歩いていると、明かりが点いてるアイドル研究部の部室前へ辿り着く


「……ッ、……ぁぁン、……めぇ…っ」


海未「声……? 誰かいるのですか?」


その扉を開けると中には


真姫「あぁっ、ンっ、はぁっ、はぁ…またっ、また…イっちゃぅのぉ… あっ、あぁぁンンッッ……!!////」

海未「ま、真姫!? 何をして」

真姫「あ……海未ぃ…ッ、やっと来てくれたぁ……おちんちんっ、はぁっ、はぁっ、私を気持ちよくしてくれりゅ…おちんちんだぁ……」


真姫は海未の股間に顔を寄せ、ズボンの上から涎でベトベトの口でキスをした


真姫「んぁ…、ちゅ、じゅる……ふぁ、もうこんなに固くて…おっきくなってる……////」


海未「や、やめて…くだ…っ……!?」


──この感覚……夕方の時と同じ……


何故、真姫に触れられるまで気付かなかったのだろう

こんなにも熱く固く勃起している陰茎に……


海未「はぁ……はぁ……っ」

真姫「んむぅ、じゅる…じゅぱ…っ、おちんちん…おちんちんっ、早く欲しいのぉ……////」


──ことりが、待っているのに……抗えない……抗えない、女の身体が欲しい、女の身体……


海未「……っ、真姫っ」

真姫「海未ぃ…ン、あっ、早くぅ…早くおちんちんちょうだい……っ」

海未「は、い…っ、勿論ですよ…」


海未は着ていた服を全て脱ぎ捨て、真姫を抱き寄せた


真姫「ふぁ…ッ、海未っ、海未ぃ…おちんちんすごぃおっき…んちゅ、じゅぷ…ぁンちゅ…ッ、じゅぽっ……////」


真姫は口いっぱいに海未のぺニスを頬張り、涎を垂れ流しながら幸せそうな表情で味わっていく

左手でぺニスの根元を掴み、激しく頭を振る……右手で弄っている膣からは止めどなく愛液が溢れ、床まで糸が引いていた


真姫「ぁ…んぶっ、しゅぷ、じゅるっ…ンちゅっ、んふぁっ、おいひぃ…ふひほほひんひんっ、ほいひい…じゅぷっ……////」

海未「はぁっ、はぁっ、真姫っ、出します…っ!!」


海未は淫棒をくわえている真姫の頭を抑え付け、喉奥まで届いているぺニスの先から勢いよく精液を放出した


真姫「んぐぅっ!? んむ…ンンーっ!! ちゅぱ…ッ、んふぁ…ンっ、ぁ…んく……ふぁ……ゴクッ……////」


真姫「ふふぁ……んく、ぁ…っ、美味しい…、海未の精子……おいしぃ……////」


海未は勃起したままのぺニスを口から抜き、真姫の今にも蕩けそうな膣口に当てた


真姫「ぁッ、んんっ…いいよ…挿れて…、私のおまんこ…海未のおちんちんで、ぐちゃぐちゃに突いて…っ////」

海未「ん、あっ…ふ…っ!」


ジュプ……ッ……


真姫の、愛液で溢れかえっている膣はいとも簡単に海未の膨れ上がった陰茎を飲み込んでいった


真姫「んぁぁっ、んきゅっ…はぁぁンンっっ…!! あっ、あぁンっ、すごっ…やっ、はぁぁッ!!////」

海未「ふぁっ、あっ、んく…はぁっ…!!」

真姫「あぁぁぁンっ!! 奥までっ、おちんちんがっ、イク…っ、こんな…すごいのっ、すぐイちゃぅのぉ…っ!! あっ、あぁっ、あぁぁぁぁンンっ!!」


快感によがる真姫の膣内は、中に挿っている陰茎を逃すまいとぎゅうっと締め付ける

ただでさえ処女の狭い膣内だ

激しく動いている陰茎は圧迫の快感に耐えられず、大量の精液を膣の一番奥へと勢いよく注ぎ込んだ


真姫「あぁぁンっ、精液すごぉぃ…っ! おちんちんびくんびくんって…してりゅ…っ、そんないっぱい出されたら、赤ちゃんできちゃうよぉ…っ////」

真姫「あっ、あンっ、すぐそんな激しいのっ、気持ちいい…っ! 気持ち良すぎておかしくなっちゃぅぅっ!! もっともっとおまんこに精液いっぱい出してぇぇ…!!」


ベルによって、鎮まることを知らない海未の陰茎は何度射精しても満足せずひたすらと腰を動かし、膣の中を突き続けた


いつもの射精とは比べ物にならないくらいの快感が永遠と続く……頭がおかしくなるような幸福感が海未を取り込んでいく

対する真姫も男根に貫かれる悦びを膣……身体中で感じており、何度イッたかなんて数えられない

ぺニスが膣内に挿っているだけで絶頂する程に感度が完全に狂っていた



海未と真姫、両者とも飽きる事を知らないくらいにセックスに酔いしれていた


ジュプッ……ズチュ……ッ


繰り返される射精により、真姫の膣からは収まりきらなくなった精液がポトポトと外に流れ出ていた

それでも海未が絶頂に到達する度、精液は放たれる


真姫「ふぁぁッ、あンくぁっ、んくぁぁっ!! あぁぁっ、らめぇぇ…イっ、ちゃ…ンぁっ、ああああぁぁぁぁッッ!!!!////」

海未「はぁっ、はぁっ、真姫、また出します……っ、うぁぁっ…!! ふふっ、真姫の身体は最高ですね…もっと…もっと、しましょう…!」

真姫「んくっ、はぁはぁ…っ、うん…もっと気持ちよくしてぇ…っ、ン…みゅぁぁっ!!」


ことり「……うふっ」


海未「ことり…? はぁっ、はぁっ…////」


海未が夢中で腰を振っていると、視界の隅にことりが映っていた


──そうだ、私はことりとここに来てて……見られてしまった、真姫とセックスしているところを


──まぁ、いい……今は真姫とのセックスが優先だ、もっともっと真姫と……



お互いがお互いの身体をひたすら求め、最早喘ぎ声と言えない半狂者の絶叫は一晩中、校舎の中に響き渡っていた

正気を取り戻した頃には外はもう明るく、体液にまみれた床に寝転ぶ相手の姿を確認して酷く後悔に襲われる二人がいた


海未「……わ、私は……また……っ」

真姫「……っ」


記憶が無くなっていればどんなに楽だったことだろう

二人の頭の中には鮮明に一晩の記憶がが残っていた……思い出そうとすればすぐにでも思い出せる程に

肌の手触り、匂い、温度……相手の快楽に歪む表情、そして性器の感触、味……全てが夢ではない事を物語っていた


海未「ま、真姫……っ」

真姫(……海未のおちんち……ぺニス、また欲しい……もう一度、気持ちよくしてほしい……)

海未「真姫……?」

真姫「海未……、海未ぃ……っ」


真姫は正気に戻っている海未のぺニスを強引にくわえ込む


真姫「ん、じゅぷ…ちゅぱ…っ、ちゅる……」

海未「な…っ、ダメです……っ、ダメですよ…真姫っ!!」

真姫「んぁっ、ふぁ…ンちゅ……最後だから、最後に少しだけぇ……じゅぷ…ちゅるっ……ぁ…ン……////」


真姫も当然ベルの効力は切れていた

だが、初めてあんなに天国の様な快楽を味わった……それも何度も何度も

薬が切れたという理由だけで、それを忘れることなど出来なかったのだ


快楽の虜……今の真姫は正にその状態と呼ぶに相応しいだろう


真姫「んちゅ、れろっ…ちゅぴ……んふぁ、ン……出してぇ…海未ぃ、精液いっぱいお口の中、ちょうだい……////」



海未「や、やめてください……っ!!」

真姫「ンっ、んぐっ…!?」


海未は真姫の口からぺニスを引き抜いた


海未「しっかりしてください! 真姫」

真姫「あ……あぁ……っ、……ごめんなさい…」

海未「……謝るのは私の方です……またしても私はこんな」

真姫「また…?」

海未「い、いえ……何でもありません…っ」

真姫(ニコちゃんとの事でしょ……知ってるわよ……、そういえばことりは…)


真姫は海未から目を逸らし、俯き考えていた


──ことりが薬を使ったこと、海未は知らない……それどころか全く疑ってすらないだろう


言うべきか言わざるべきか……

普通に考えれば言うのが正しいに決まっている、しかし……薬によって性欲が高まったからと知れば、海未は二度と私に淫棒を与えてはくれない

だったらこのまま黙ったままの方が……


真姫「……海未」

海未「……はい」

真姫「どうして貴方は、私を抱いたの……? 私に惚れちゃった?」

海未「……わからないんです」

真姫「私のことが好きだから……求めてきたんじゃないの?」

海未「……本当に、自分でもわからなくて……おかしいのです……っ、性欲にどうしても抗えなくなり……それで」

真姫「それで、私を犯した」

海未「……申し訳ありません…っ」

真姫「……」

海未「今までこんな事は無かったのに……病気なのかもしれません……」

真姫「……そうよ」

真姫「貴方は病気なのよ……病気の患者には治療が必要、当然よね?」


━━


ことり「へぇ、言わないんだ?」

真姫「言ってほしいの……?」

ことり「やだやだ! バレちゃったら、ことり警察に連れていかれちゃうよ」

真姫「そうなるわね、犯罪者さん」

ことり「くすっ、真姫ちゃんだって同罪だよ。使用しちゃったんだから……それに、ことりは持ってただけで使ったことなんてないし」

真姫「……最低な人……、なら私が何を考えているかくらいお見通しなんでしょ」

ことり「ん~……何だろ?」

真姫「……少し、分けてよ」

ことり「何を?」

真姫「だ、だから……ベルよ」

ことり「ふふ…、あれそんなに良かったんだぁ♪ そうだよね、あんな気持ち良さそうにしてたもんね」

真姫「……誰にも、言わないでおいてあげるから……お願い……」

ことり「欲しいのはベルだけ?」

真姫「え……?」

ことり「海未ちゃんのことも欲しいんでしょ?」

真姫「な、何を…っ」

ことり「あげるよ」

真姫「あ、あげるって……」

ことり「真姫ちゃんに、海未ちゃんあげる」

真姫「……何を、考えてるの? そもそもどうして貴女が海未にベルを使ったのよ!? 海未が言ってた大切な人ってことりのことでしょ!?」

ことり「……なら、いらないの? ベルも海未ちゃんも」

真姫「……」

ことり「うふっ、素直な真姫ちゃんは大好きだよ♪」

真姫「……私は貴女なんか大嫌いよ」


ここまでです!

エロシーンというのは言葉の掛け合いでエロさが増し増しになると思うのです
しかし、キメセク中にぺらぺらとエロそうなこと喋らせようとしても不自然になることが判明……難しかったのであんまエロく出来ませんでした

ではではー


━━


一人、自分の部屋で布団に潜り丸くなる海未

思考が追い付かない……、有り得ない事の連続で涙の流し方すら見失っていた


海未「……私が、わからない……何なんですか……この身体は……っ」


震える口から零れた辛辣な嘆きを聞いてくれる者など何処にもいなく、答を与えてくれる者が存在しているのかどうかさえわからない


──ことりに、見られてしまった


真姫とのセックスの最中、あそこにいたのは間違いなくことりだった

あれから一度も会ってはいない、連絡も全く途絶えたままだ……顔を合わせるのが、怖い

今度こそ、絶対に嫌われてしまったのでしょう……私は一体どれだけ大切な人を裏切ったら気が済むのか


女性を目にしたら、また衝動的に襲ってしまうのではないか……自分の身体、精神……園田海未という概念そのものがとても恐ろしくなる


海未(やはり真姫が言っていた通り、私は病気なのでしょう……ならば一人このまま此処で朽ち果てるのがお似合いですね……)


半開きの虚ろな眼で、じっと部屋の壁を見詰めていると机に置いていた携帯が鳴っているのに気付く


海未(着信……? まさか、ことり……)


表示されていたのは登録されていない番号だった

躊躇いつつも、通話ボタンを押し着信に応える


海未「……もしもし?」

『もしもし…』

海未「……どなたですか……?」

『……私よ、西木野真姫……』


海未「真姫……? ど、どうしたのですか……?」

『……今から少し出てこられる?』

海未「……わ、私は…っ」

『知ってるかもしれないけど私の家は病院なの、だから……貴方の身体のこと、診てあげるわ』

海未「ほ、本当ですか……!?」

『えぇ、で…来られるの?』

海未「は、はい…!」

『……ふふっ、なら私の家に来て頂戴……場所は──』



海未は大急ぎで支度を整え、真姫の家へと向かった


急にセックスが我慢出来なくなって女の子を無理矢理犯してしまうんです

こんな事、一体誰に相談すればいいのか……普通に考えれば頭がおかしい人…もしくは性異常者と思われてしまう

いや、今の私は性異常者なのだろう


でも、真姫ならきっと理解してくれる筈だ

言い方は酷いが、私の豹変した異常っぷりをその身で体感しているのだから



海未「園田海未です…」


インターホンを鳴らし、呼び掛ける

すると、すぐに扉が開かれた


真姫「いらっしゃい……待ってたわ」

海未「……」

真姫「突っ立ってないで早く入りなさいよ」

海未「……その前に、……この前は、すみませんでした……。謝って許される問題ではないのはわかっています…」

真姫「……別に、もういいわよ…」

真姫(どうしてこの人、自分が全部悪いみたいに……? 薬のことは知らないにしても……、私が激しく貴方の事を求めていたのはわかってる筈なのに…)

真姫「……さっさと上がりなさい」

海未「はい……」


長い廊下を進んでいき、海未が通されたのは二階にある真姫の寝室だった


海未「……? あの……病院というのは…」

真姫「あぁ、それね……私が診てあげるわ」

海未「え……?」

真姫「信頼しなさいよ? こう見えても将来医学部を目指していて医療の知識はかなり蓄えてるんだから……それに、貴方だってあまり他人には知られたくないでしょ?」

海未「ま、まぁ……はい……」

真姫「ふふっ……なら、早速始めるわ」

海未「よ、よろしくお願いします…」


真姫「まず、貴方が悩んでいる症状を教えて」

海未「そ、それは……その……言わなくてはいけませんか……? 察してくれると助かるのですが…」

真姫「それがわからないと、どうしようもないじゃない……早く言いなさいよ」

海未「うぅ…っ、はい……女性を……女性を襲いたい衝動に…、駆られるんです…」


真姫「襲いたいって、具体的には?」

海未「ぁ…う、うぅ……せ、性行為を…求めてしまって……」

真姫「でも、貴方くらいの年代の男性が女性と性交渉したいと思っているのは普通な事じゃない?」

海未「わ、私の場合……その、理性が及ばなくなり……普段悪いと思っている事でも、快楽を求める為に全て肯定化させる程……私の思想、信念、道徳が何もかもがねじ曲げられる様な……」

真姫「へぇ……それで快感は得られたの?」

海未「……は、はい」

真姫「女の子を無理矢理犯して、気持ちよかったんだ、ふぅん…」

海未「……っ」


真姫「……まぁ何となくはわかったわ。じゃあ次は、その病気の根源となってるモノ出してみて」

海未「え……? 根源……?」

真姫「貴方は何を使って女の子を犯したのかしら?」

海未「な、何を……って、まさか…?」

真姫「そのまさかよ、男性器そのものに異常があるのかもしれないでしょ? これは診察なんだから恥ずかしがってんじゃないわよ」

海未「……そ、そうです…よね…」

真姫「早くして……っ」

海未「は、はい……////」


ベッドに腰掛けていた海未は立ち上がり、ズボンと下着を脱いだ

そして陰茎が、真姫の目の前で露になる


真姫「勃起、してる……っ」

海未「す、すみま…せん……っ////」

真姫(ぁ……ダメ……、見てるだけで身体が疼いて……あの大きいのが私の中に入ってたんだ……////)


真姫(欲しい…、欲しい……またアレで私の中を突いて…っ////)


ベルは使ってないというのに、真姫の身体は男性器を…海未のぺニスを見ただけで熱を帯びていた


真姫「はぁ……っ、はぁ……////」

海未「真姫……?」

真姫「な、何でもないわ…! それの外側に異常が無いか、今から見てみるからじっとしてなさい…」


真姫は勃起したぺニスに顔を近付け、色々な角度から観察した


真姫(はぅぁ…すごい匂い…っ、これが…海未のおちんちんの匂い……//// 頭がぼーってしてきて……アソコが濡れてきてるのが触らなくてもよくわかる…)

真姫「変な所はっ、見当たら…ないわね…でも、もう少しよく見てみない、と……っ」

海未「うぅ……ま、まだです…か……////」

真姫(はぁっ、はぁっ……今すぐこれをくわえたい……口の中に入れて、おちんちんの味を堪能したい……////)

真姫「あ、これって……? まだ触ってないのに先っちょから透明なのが流れてきてるわ…」

海未「こ、これはっ……////」

真姫「見られてるだけで…感じちゃったの? 診察なんだからハッキリ答えて」

海未「…は、はぃ……////」

真姫「ふぅん……触んなくても一人で気持ちよくなっちゃうなんて変態ね、貴方」

海未「……っ」

真姫「変態って自覚ちゃんと持ってるのかしら? 自分を戒めるのも時には大事よ、ほら言ってみなさい? 私は真姫に見られてるだけで気持ちよくなっておちんちんからお汁垂れ流しちゃう変態です、って」

海未「ぁ…うう……っ、わ…私は、真姫に見られてるだけ……で…、気持ちよくなって……お、おちん…ちんからっ、お汁垂れ……流してしまう、へ、変態……です……////」

真姫(はぅぁ……何かしら、このゾクゾクする感じ……)


真姫「次は触診……といきたいところなんだけど」

海未「さ、触るのですか……っ、それはやめてくだ、さい…」

真姫「……ねぇ、さっきから何様のつもり? 貴方に拒否権なんかないのよ、私だって触りたくて触るんじゃないんだから」

真姫「貴方の汚ならしいモノなんて本当は見たくもないわ……でもね、放っておいたらまた誰かを犯しちゃうでしょ? だから私が仕方無く診てあげてるのよ、それを何?」

海未「す、すみません…」

真姫「何とかしてあげるって言ってるんだから黙って従いなさいよ!」

海未「は、はい……」


真姫の剣幕に圧され、たじろぐ海未

精神的に追い詰められていた海未は現状、真姫にすがるしか道は残されていなかった


真姫「ふふっ…、なら何をすればいいか考えなさい」


真姫は穿いていた靴下を脱ぎ捨て、海未の顔の前に素足を差し出した


海未「な、何を……?」

真姫「いくら触診するって言っても手で貴方のソレに触れるのはさすがに抵抗があるわ……だから、足でなら触ってあげる」

真姫「その為には、まず私の足を綺麗にしてもらわないと……指の間まで念入りに、ね…?」

海未「なっ…!? な、舐めろ……と…?」

真姫「別に嫌なら構わないわ、また我慢出来なくなって誰か襲えばいいじゃない? エリーでも希でも、穂乃果でも……無理矢理犯しても何とも思わないならね」

海未「そ、そんなわけっ…!!」

真姫「へぇ、まだ良心残ってたのね……ならどうすればいいか、わかる?」

海未「……ッ」


海未は目の前にある真姫の足に、ゆっくりと舌を伸ばす


ピチャ……ッ


ピチャ……ピチャ……ッ


海未「ちゅ…れろっ、じゅちゅ……ン、 ぁく……っ」

真姫「……っ、ン……ふぁ……」


海未の舌が卑猥な音を立てながら、真姫の足の指を一本一本丁寧に舐め取っていく

小さな薬指と小指を同時に口の中に含む、その口内で舌を巧みに使って指の間まで丹念に舌で撫で回す


チュピ…ッ、チュル……ッ


真姫「ぁ…ンふぁ……ふっ、はぁっ……////」

海未「ンちゅ…じゅる、れろれろ……ちゅぴ……ン、ぁッ……じゅぷ…」

真姫(海未が、私の足を舐めてる……これ…、この光景……すごく、エロい……////)

真姫(私……この人の事、好きなの……? わかんないけど……またセックスしたい、海未と早くセックスしたい……////)



二十分くらい経っただろうか、海未はひたすら真姫の足をふやけるくらい舐め続けた

指、その間……甲、裏側、もう海未の涎でそれらはベトベトになっている


真姫「もう…いいわっ、約束通り触ってあげる……その汚いモノこっちに出しなさい」

海未「は、はい……っ////」


真姫は海未の陰茎に足を乗せ、ゆっくりと動かした


真姫「ふふ……貴方の涎でぐちょぐちょになっていってるわ、どう? 気持ちいいの?」

海未「ンぁっ、はっ、あっ…く……っ 」


真姫「私が聞いてるのよ、答えなさいっ」


陰茎を擦る足に強く力が入る

それに反応するように、尿道からはどんどんと透明な粘液が分泌され、陰茎全体に淫らな膜を張っていく


真姫「こんなにヌルヌルさせちゃって……感じてるの? どうなの?」

海未「んぐ、ぁあ…ッ、か…感じて、ます…ッ、ぁぐぅ…ン……////」

真姫「本当に変態ね……女の子の足で弄られて感じちゃって恥ずかしくないわけ? うふっ」


足の裏で亀頭を…、尿道をグリグリと押さえ付ける

女性の様に淫液をダラダラと流している陰茎を見た真姫の口からは、涎が首元まで垂れ落ちていた


真姫(おちんちん…おちんちん…っ、おまんこに挿入してこの前みたいにいっぱいいっぱい気持ちよくしてほしい……////)

海未「ンンっ、あぁっ、ま、真姫…っ、だめ……ッ」

真姫「ここ、気持ちいいんでしょ?」


親指で陰茎の裏筋を擦り、刺激する


海未「ンぁっ…! あっ、ふっ、あぁっ、 やめ…だめです…っ、そんな激しくしたら、きちゃいま、すぅっ…!!」

真姫「我慢しなさいよ、これは診察……気持ちよくなって射精するとか許されないわ」


真姫はそう言いながら、陰茎を擦り続ける


海未「んく、うぁ…ンンッ、あっ…く……!!」

真姫「私は真剣に貴方の病気について診てあげてるのに、当の本人がこれじゃあねぇ……うふっ」

海未「あぁッ、だめっ、やめ…出ちゃ…出ちゃぅ、ンッ…あっ、あっ…、 ああぁぁ…ッッ!!////」


精液が放たれる直前、真姫は足裏で尿道に蓋をした

射精の勢いで僅かな隙間から漏れた精液が、ドロドロと陰茎全体に流れ落ちる


真姫(んはぁ…、精液ベトベトのおちんちん、はぁ…はぁ……もぅ、我慢出来ない……////)


真姫は陰茎に唇を這わせ、纏わり付いている精液を舐め取っていく


真姫「ンちゅ、じゅる…ちゅぱ…、ちゅぴ……ッ、ンはぁッ…ぁ…////」

海未「ま、真姫……やめ……っ…」

真姫「ん…ぁ……、精液…おいひぃ…、もっと…もっとぉ、全部私のモノなの……ちゅる…っ」


真姫の恍惚とした表情、唇と舌によるペニスへの刺激により、すぐにまた勃起し大きさを取り戻す


真姫「ぁ…ふぁ…っ、おっきぃおちんちん…わたひのおまんこ入れてぇ……////」

海未「うぅ…くっ、わ、私は…そんなつもりでここに来たわけでは……っ」


拒む海未を見て、真姫はポケットに入れておいた袋を取り出した

そう、ベル……以前にもこれを服用し二人して狂ったセックスに明け暮れた

真姫はベルを自分の口に流し込み、その口で海未に口付けする……そうする事により、口移しでベルを海未に与えたのだ


海未「ん…む、ぁ……んく……ッ」

真姫「はぁ…ンちゅ…っ、ちゅる…じゅちゅ……////」

海未「ん…ぷは…っ、真姫っ…! 貴女は、どうして……っ」

真姫「んふっ…、ふふ……私、海未が好きみたい……海未のおちんちん、私をいっぱい気持ちよくしてくれるから大好き…」

海未「…っ、ぁ……真姫……」

真姫「二人で気持ちよくなろ? この前みたいに……私のおまんこ気持ちよかったでしょ? ニコちゃんのより、ずっとずっと…」

海未「え……どうして…それ、を……」

真姫「ことりの事なんてどうでもいいじゃない、セックスして死ぬほど気持ちよくなれたらそれで幸せ……ねぇ、私と……エッチしよ?」

海未「……はい」



ジュプ……ッ、ジュポッ……


真姫「あぁぁンッ、すごぉい…ッ!! おっきぃの入ってるぅ…っ、あっ、ン…やぁン…!!」

海未「ぁ…くっ、真姫の中……温かぃ…ン…っ!!」

真姫「んぁぁっ、海未のっ、おちんちんが子宮まで、届いて…っ、あっ、あぁン…そこぉ…いっぱい突いてぇっ!!」

海未「真姫っ、真姫…ぁっ…、くっ…」

真姫「うぁっ、あきゅ…はっ、はっ、気持ち、いぃっ…! あっ、あンっ、おちんちんに突かれて幸せぇっ、気持ちよすぎてっ、おかしくなっちゃぅぅ…ッッ!!////」

海未「わ、私もっ、です…! はぁ、はぁっ、真姫っ、出しますよっ!! 一番奥にっ…」

真姫「あっ、ん…きてっ、いっぱい出してぇ…っ!! 奥のっ、子宮のとこっ、おちんちんくっ付けて出してっ、ビクンビクンって気持ちいぃからぁ…!!////」

海未「はぃっ、ふっ、く…ぁ、あっ、 あぁ…すごっ、あっ、はっ、ふ…ぁあああッッ!!」

真姫「んぎゅっ、あぁンンッ!! ふぁぁ、おまんこの中にいっぱい出てりゅぅっ、ふぁっ、あっ、ああぁぁッッ……!! らめぇ、あたひもイッちゃぅぅ…!!////」

海未「はぁはぁっ、まだですっ、またキテっ…、ンンっ、ああぁぁっ…!!」

真姫「えっ、今出したばっかりなのにっ、そんなすごっ、ンンぁぁっ、くっ…あぁンッ、またいっぱい精液きてりゅぅっ、ンンぁぁああッッ!!!!////」


━━


セックスに溺れる日々


ベルを乱用し、海未から最上級の快楽を与えてもらう

真姫は幸せだった

ベルの効果が切れても海未が傍にいてくれれば心が満たされる

身体が疼けば、薬を服用して所構わず性行為を繰り返した


だが、海未は違っていた

真姫とのセックス後……薬が切れる度に毎回酷い後悔に襲われる

冷静になった時、必ず横にいる真姫の自分を見詰める表情に深く心を抉られる


真姫も海未のその顔を見る度、複雑な心境だった


──私を好きになってくれれば、もうそんな事に悩む必要なんて全くなくなるのに……


──そんなに……そんなに、あの二人が……穂乃果とことりが大切なの……?





ことり「ふーん…」

真姫「だから、またお願い……」

ことり「どうしようかな~」

真姫「な、何言ってるの…!? お金なら持ってきてるからっ!!」

ことり「ねぇ、一つ聞いてもいい?」

真姫「え…?」

ことり「真姫ちゃんが本当に欲しいのは、ベル? それとも海未ちゃん? どっちなの?」

真姫「そ、そんなの……どっちもに決まってるじゃない!! ベルがないと私のこの身体…、満たされない……それに」

真姫「ベルがなかったら……私…っ、海未を繋ぎ止められないっ!!」


真姫「……どうして…っ、どうして貴女なのよっ!? いつまで経っても海未の心には貴女と穂乃果がいるの!!」

真姫「前に言ってたわよね……私に海未をくれるって……だったら出ていってよ!! いつまでも海未の中にいないでよっ!!」

ことり「……はぁ、真姫ちゃんにはがっかりだよ」

真姫「……っ、全部…海未に話すわよ…」

ことり「話したところで真姫ちゃんには何の有益もないと思うけど? 海未ちゃんの性格考えればどうなるかわからない? ことりも真姫ちゃんも海未ちゃんも皆破滅……ゲームオーバー」

真姫「……ッ」

ことり「もっと賢くなろうよ、ね?」

真姫「……ことりは、私に一体何をさせたいの? 貴女の目的は何なの? 穂乃果はこの事を知ってるの?」

ことり「質問が多いなぁ……一つだけなら答えてあげる」

真姫「なら……」


真姫「海未のこと……どう思ってるの……?」

ことり「……嫌いだよ」


あと3回くらいで終わりですかねー
これからはエロシーンはあんまないと思われ

ではではー



──最低な男……私は、最低な男だ


愛してる人を裏切り、真姫が求めてくるのをいいことに性欲に従順に性行為を繰り返してしまう

これでは何の為に皆との性関係を決別したのかわからないではないか……ニコにもどんな顔して会えばいいのか……


海未はここ最近、休み時間になると誰とも関わらないよう…自分を外界から隔離する様に机に突っ伏していた


海未「……」


穂乃果「海未ちゃん、最近元気ないよね……何かあったの? 穂乃果じゃあまり役に立たないかもだけど……穂乃果はいつだって海未ちゃんの味方だからね!」

海未「……っ」


穂乃果の優しさが、今はとても心苦しい


海未「何でも、ありませんよ……」

穂乃果「そうなの? じゃあさ、今日帰りにどっか寄ってかない? ことりちゃんも誘って、3人でいられるのも」


海未(……っ、駄目……女性の声を耳にするだけで身体が熱くなって……)


私の大好きな穂乃果……、穂乃果を今すぐ犯してしまいたい……穂乃果とセックスがしたい

勃起した陰茎が女を求めているのを感じる


穂乃果「ねぇ聞いてるー? 海未ちゃん」

海未「……す、すみませんっ、少し花を摘んでくるのでその話はまた今度にしましょう」

穂乃果「花を摘む?」

海未「……御手洗いです、言わせないでください…」

穂乃果「あ、そうなんだ…」



海未(もう、嫌ですっ……こんな身体……、また真姫に頼んで……っ! 何を…考えているのですか、私は……ッ)


疼く身体を鎮めるべく、トイレへと向かう

思えばここ毎日のように校内で自慰をしている……そうしないとまた衝動的に誰かを襲ってしまうのではないかという恐怖で頭がおかしくなりそうだった

もう、これ以上……過ちを重ねるわけにはいかないのだ



「……なのっ、……て……ない……ッ……」


海未「声……?」


部室の前を過ぎる辺りで、中から言い争っている声が聴こえてきた


海未(部員の、誰かでしょうか……)


今は誰とも話したくない、それがアイドル研究部の部員なら尚更だ

海未はそのまま歩を進めようとした

その時、


「 ベルがなかったら……私…っ、海未を繋ぎ止められないっ!!」


海未(真姫の声……ベル……? 繋ぎ止めるって……)


盗み聞きなど悪いと思いつつも、つい足を止めて耳を傾けてしまう

どうやら真姫と話しているのは、ことりのようだ


海未(真姫とことりが私のことについて……まぁ…当然ですよね……あんな現場を見られてしまったら……、私は、真姫と……っ)


今すぐことりに謝りたい……誠心誠意、謝罪したい……が、怖い……勇気が出ない

息を潜め、そのまま話の内容を聴いているとそれは耳を疑いたくなるようなモノばかりだった


海未(ことりが…、私を……真姫に、あげた……?)


耳を塞ぎたくなる……いっそ切り落としてしまいたくなる

だが、非情なことに次の言葉は海未を更なる絶望へと叩き落としてしまうものだった



「海未のこと……どう思ってるの……?」

「……嫌いだよ」



海未「う、嘘……だ……そんなの……嘘に、決まって……」


全身の力が抜け、その場に崩れ落ちた


ガタッ……


ことり「……!?」

真姫「誰かいるの!?」


真姫が扉を開け、外を確認するとそこには座り込んでいる海未の姿があった


真姫「う、海未……!? どうして、ここに…?」

ことり「聞いてたの……? 海未ちゃん」

海未「……」


海未は今にも泣き出しそうな表情で、ことりを見詰めていた


海未「……こと…り……こと、り……」

ことり「聞いちゃったならもうわかってるよね? 仲良しごっこは、もうおしまい」

海未「な、何を…言って……ごめんなさい、ことり……ごめんなさい、ごめんなさい……っ、私は、ことりのこと……」

ことり「謝らなくていいよ? だってことり、何とも思ってないから」

海未「嘘…です……私は、ことりを愛して……、ことりも私を……また愛してくれるよう、に……結婚も…っ」

ことり「直接言ってあげないとわからないのかな? ことりはね…海未ちゃんのことが、嫌いです」

海未「あ…、あは…は……、ことりは嘘を吐くのが…下手ですね…」

ことり「それは海未ちゃんの方でしょ? 嘘つき海未ちゃん♪」

真姫「も、もうやめなさいよ…っ!!」

ことり「うふっ、嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い」

海未「う…ぁ……ああ…っ、やめて…やめてください…っ、許してください…ごめんなさい、ことり…、許して…っ、何でも…します、から……嫌いにならないで…」

ことり「何でも? なら、真姫ちゃんと付き合ってあげたら? 真姫ちゃん、海未ちゃんのこと大好きみたいだし」

真姫「ことりっ!!」

海未「何、で……何で…そんなこと、言うんですか……」

ことり「バイバイ、海未ちゃん……あ、一つ勘違いしてそうだから教えてあげるけど、ことりが海未ちゃんのこと嫌いなのは、ずっと昔からだから♪」


ことりはいつもとなんら変わらない笑顔で残酷な言葉を残し、立ち去った

それは海未の心に重く深く鉛の様にのし掛かり、追うことはおろか、立ち上がることすら出来なかった


今日までのことりとの記憶が一つ一つ鮮明に甦る


──いつも幸せそうに笑っていたことり……あれは全部、嘘だったのですか……?


──私に触れてくれた手も、指も、髪も、口も、胸も……その温もりは全て偽り……?


海未「…………っ」


真姫「……海未」


真姫「海未……、可哀想な…海未……」


真姫は生気を失った抜け殻の様な海未を抱き寄せ、耳元で囁く


真姫「……海未は何も悪くないわ、悪いのは……そう…、全部ことりよ」

真姫「あんな人、もう忘れよう? そうすれば辛い想いなんてしなくて済む……私ならずっと傍にいてあげるから」

海未「…………」

真姫「ずっと、ずっと……海未を愛し続ける……何があっても嫌ったりしないわ……海未…、ねぇ…こっち向いて……」


海未の瞳から音もなく流れる涙を、舌で拾い上げる

そして、唇にキスをした


真姫「ん……ちゅ、ンむっ……、海未……私を見てよ……もうことりはいないの……だから、私を…」

海未「…………」

真姫「……どうして……どうしてわざわざ辛い道を選ぶの……私じゃ、ダメなの……? 嫌われるのは悲しいでしょ……? 傷付くのは痛いでしょ……? だから、もう……忘れて楽になろ…?」

海未「…………」

真姫「海未……好きなの…っ、貴方のことが…好きなの……私はどうしたらいいの……? もうベルも無いの……どうやったら貴方を私の元へ置いておける……? どうすれば、海未は私を求めてくれるの……?」

海未「…………」

真姫「……教えてよ……ねぇ…、ちゅ…ン……ぁ…、ちゅる……ッ」


━━


私には大好きな人が二人いた

一人は女の子、もう一人は男の子

幼馴染みだった私達3人は、お互いの事が大好きで、ずっと一緒にいようって結婚の約束とかしてたっけ

子供の遊びみたいな夢物語

でも、私はずっとずっと忘れずに宝物の宝石みたいに胸の中に大事にしまっていた

大好きな人から貰った言葉を


3人で結婚してずっと一緒なんて、絶対に不可能なのに


それから年を重ねる度に、私の彼への想いは深まっていくばかりだった

大好きで、大好きすぎて、考えるだけで胸がドキドキして……その頃からかな? 私が彼を独り占めしたいって思い始めたのは

別に幼馴染みの女の子のことを妬ましいとか邪魔とか、思ったことは一度もない

だってその女の子のことも同じくらい大好きだったから

でもね、

彼が子供の頃と変わらずに『二人と結婚する』と言ってくるのを耳にするだけで、すごく悲しくて……すごく辛くて……自分の気持ちがよくわからなくなって


だから……私、思ったんだ


自分だけを愛してくれないなら、愛されない方がいい……って


それからだ……彼が私に優しい愛の言葉を投げ掛ける度にどんどん嫌悪感を抱くようになったのは

自分でも驚いた

あんなに大好きだった人のこと、少し見方を変えただけでこんなにも嫌いになれるんだ……って

大好きだった時間は嫌いになった時間よりずっとずっとずっと長かった筈なのにね

人の想い…愛って、すごく脆い


怖くて今まで一度も聞けなかったけど、貴女は彼のこと…私のこと、どう思ってたのかな?


穂乃果ちゃん


何度も何度も考えたよ……私が身を引いて貴女に彼を譲ろうって

でも、出来なかった

大好きな人を大嫌いな人に取られるなんて絶対に納得出来なかった


私が彼を嫌いになるのと貴女に譲ろうって思うのが……その順序が逆だったら皆幸せになれたのかな?

無理だよ……例え、子供の頃に戻れたとしても私、絶対彼を好きになっちゃう

欲張りだから、絶対にまた彼を自分だけのものにしたいって思っちゃう


こうなる運命だったんだよね、私達3人は……もし彼が、私達と同じ女の子だったらずっと一緒にいられたのかな……


ふふ……自分の鬱憤を晴らす為に、大好きで大嫌いな彼を嵌めてしまった

女の子だらけの環境に、可愛くて格好よくて、優しくて真っ直ぐな彼を入れたらこうなるってことは容易に予想できた

皆、私の思った通りに動いてくれた……まるでゲームを動かすプレイヤーみたいな感覚で楽しんでたんだと思う


我儘で自分勝手な子供みたいだな……私

ずっと……子供のままだったら良かったのにね



穂乃果ちゃん、海未ちゃん……ことりは二人のことが大好きでした


さっきは脆いなんて言っちゃったけど、全然そんなことないね……


大嫌いの中にある大好きは、今でも目を背けたくなるくらい輝いてて……ことりには眩しすぎるよ……



真姫「ン……ぁ、ちゅ……海未…、お願いだから喋ってよ……」

海未「…………」

真姫「何も言ってくれないと…、私までおかしくなっちゃいそう……っ、私がどんなに海未を求めても……貴方はことりのことばっかり考えて……」

真姫「拒絶するならしてくれていいから……っ、私を見て……貴方の目の前にいる私を見てよ……っ」

海未「…………」

真姫「……は、はは……やっぱり、無関心の方が辛いのかもしれないわ……でも、貴方は元々私に関心なんてなかったのよね……そうなんでしょ……?」

真姫「求めてくれたのは、ベルのおかげ……ベルが無かったら私は……貴方にとって何の存在価値と無い人間……でしょ……? ねぇ…何とか言ってよ…っ!!」


部室の扉の前、人目も憚らず廊下の脇で海未の首に手を回し抱き付いている真姫

そこを歩く生徒は声を掛けないまでも当然、異様な目で二人を見て去っていっていた

しかし、そこに足を止める人間が現れる


穂乃果「ま、真姫ちゃん……海未ちゃん……? 何してるの……?」

真姫「……」

海未「…………ほの、か…」

真姫「……ッ」

穂乃果「ど、どうしちゃったの……二人とも」

真姫「放っておいてよ!! あんたのせいで海未は……っ、もう海未を傷付けないでっ!!」

穂乃果「えっ……ど、どういうこと……?」

海未「穂乃果…、穂乃果……」

真姫「駄目…っ、駄目よ…海未…っ!! この人もことりと同じで貴方に酷い事するに決まってるんだからっ!!」

穂乃果「ことりちゃんと……ねぇ、何かあったの? 教えてよ」


今日はCoCoまででっす
次かその次で終わる……と思います
長々と書いてますけど読んでくれてる人マジ感謝
ことりちゃん可愛い

ではではー



真姫「……」

穂乃果「……海未ちゃん」

海未「……ことりに…、ことりに…嫌われて、しまいました……っ」


海未は今出来る限りの精一杯の笑顔を作って、穂乃果と視線を交錯させた


穂乃果「喧嘩でもしたの……?」

海未「……喧嘩すら、してもらえませんでした……っ、愛想尽かされて……しまったんです……」

穂乃果「な、何かの間違いじゃ……そんな、ことりちゃんが……」

海未「面と向かって…言われて……嫌い、だって……ッ…」

穂乃果「そんな…」

海未「……穂乃果は、穂乃果は……私のこと、どう思ってくれていますか……?」

穂乃果「そんなの……大好きに決まってるよ!! 穂乃果は海未ちゃんが大好き!! ことりちゃんだってそうに決まってる……だって約束したでしょ!? 3人で結婚しよう、ずっと一緒にいようって」

海未「穂乃、果……っ」


大好きと言われ、子供の頃の約束も覚えていてくれていた……それはとても嬉しいこと、嬉しいことの筈なのに……

海未は穂乃果の顔を見れず、俯いたままだった


──穂乃果は、何も知らない……何も知らないから私を愛したままでいてくれてる


──全て知ってしまったら、ことりと同様に私に背を向けてしまうのでしょう……


海未「……っ」

穂乃果「海未、ちゃん…」

真姫「……いい加減にして…」

穂乃果「真姫ちゃん…?」

真姫「約束がどうとか……そんなのっ…! 今は私の方が海未を好きなんだから…っ!! 必要としてるんだからっ!!」

真姫「もうセックスだって何回もして…っ、ここに精液いっぱい注いでもらったのよ……それにね、私知ってるの……海未はニコちゃんとも行為に及んでいたこと……もしかしたら、他の誰かともやっててもおかしくないわよね!?」

海未「……っ」

穂乃果「本当、なの……?」

海未「…………はい、真姫の言っている事は全て事実……真姫とニコ、私は二人と身体の関係を持ってしまいました…」

穂乃果「…っ!?」

海未「……それと、……絵里、希、凛、花陽とも……性交為とまではいいませんが、それに近いことを……っ」

真姫「へぇ……」

海未「……嫌いに、なりましたか……? 穂乃果……」

穂乃果「……」

真姫「……ふふふ…っ、あはははははっ!! わかったでしょ? 貴女の好きだった海未はもういないのよ!! 幻滅した? なら、今すぐ私達の前からいなくなって!!」

真姫「海未、私ならどんな貴方だって受け入れられる…好きでいられるわ……!! 貴方も私とだったらきっと幸せになれる……ねぇ、海未……早くいつもみたいにエッチしよ?」


息を荒げ、海未のシャツのボタンを一つ外していく

海未は微かに抵抗を見せるものの、その弱々しい腕には真姫を退ける力は残されていなかった


真姫「身体が疼いて仕方無いの…っ、早く海未のが欲しいって言ってる、海未だって同じでしょ? 二人で気持ちよくなろ…?」

穂乃果「ま、真姫ちゃんっ!」

真姫「ベルがなくても海未がいっぱいいっぱい私を求めてくれたらっ、満たされるからっ! ねぇ…いいでしょ? 欲しいの…っ、海未のおちんちん早く挿れて欲しいのっ!!」

海未「……真姫」

真姫「海未、貴方も」

海未「ベルとは、何ですか…?」


真姫「…っ!?」

穂乃果「ベル……?」

真姫「……ッ」

海未「答えてください、真姫…」

真姫「……セックス、してくれたら、教えてあげる……だから早く頂戴っ、そうしてくれないと私っ、おかしくなっちゃいそう…っ!!」

海未「……ベルのせいで、ですか…?」

真姫「…っ、海未……、貴方……」


海未は哀しそうな表情で真姫の痩せこけた頬に触れる

目の下に深くできていた痣の様なクマ……そこに溜め込まれた今にも溢れてきそうな涙を拭った


海未「これは、あくまで私の推測の観点ですが……」

海未「ベルによって私を繋ぎ止める……そう真姫は言っていました、それに今の言動……、そして……最近の異常なまでの私の性欲……」

真姫「……海未…」

海未「……ベルとは、性欲を欲させる興奮剤……違いますか?」

真姫「……っ」

穂乃果「そ、それって…危ない薬……テレビでやってる覚醒剤みたいなの……? 嘘だよね…? 真姫ちゃん」

真姫「……だったら……何だって言うの…、今まで気持ち良かったでしょ? 穂乃果やことりのことなんかどうでもよくなるくらいに夢中になってセックスして…」

海未「真姫っ、貴女はどうしてそんな…、そんな事を…」

穂乃果「真姫ちゃんっ、目を醒ましてよ!!」

真姫「うるさいっ!! うるさいうるさいうるさいっ!! もう後戻りは出来ないのよ…っ、私も海未もっ、あの至上の快楽を知っちゃったんだから…っ!!」

海未「おかしいです……、どうして…どうしてなんですか……っ!?」

真姫「海未だってセックスしたくてしたくて堪らないんでしょっ!? だったら我慢しないで私としよ!? お願いっ、お願いだからっ、海未…っ! 海未っ!!」

海未「や、やめ…っ」


バシ……ッ!!


その場に響き渡る乾いた音は、三人の中に流れる時を止めた

頬に感じる痛みは、数秒後に真姫の元へと届けられる


真姫「ぁ……痛……ぃ、っ……」


にこ「……最低よ、あんた」


穂乃果「ニコちゃん…!?」

海未「……ニコ」

真姫「ぅ…、ぁ……ッ……」


性欲で埋め尽くされていた頭の中には他者の介入など全く予想もしておらず、真姫は何が起こったのか状況が理解出来ず、ただただ目を丸くしていた


にこ「あんた自分が何したかわかってるの…? ふざけないで…っ」

穂乃果「ニコちゃん…っ!!」

にこ「大丈夫よ、私は冷静だから…それより中に入りましょう、ここじゃ目立ち過ぎるから」

海未「そう…、ですね……」


四人は呆けている真姫を支え、部室の中へと移動する



にこ「……話は聞かせてもらったけど、ベル……これはさっきの海未の認識で間違いは無いの…?」

真姫「……そうよ」

海未「……もう少し、早く気付くべきでした……気付けた筈なのに……っ」

にこ「……海未だって、被害者なんでしょ…? ……あの時の海未は、これのせいで……ってことよね……」

海未「ニコ……すみませんでした…、何度も謝ろうと思っていたのに……本当に、すみませんでした…っ」

にこ「……海未は、悪くないよ……悪いのは…」


ニコは瞳に涙を浮かべ、険しい形相で真姫を睨み付ける


にこ「何で…、海未に使ったの…? ニコの気持ち知ってたのに、どうして!?」

真姫「……私じゃ、ない…」

にこ「え…?」

真姫「最初に海未に飲ませたのは……私じゃない……」

にこ「今更逃げられると思ってるの…!?」

海未「真姫ではないなら、誰が……?」

真姫「……ことりよ」


穂乃果「……嘘…」

にこ「ことりが……?」

海未「し、信じられません……」

真姫「……私だって、ことりによる被害者なの…っ、あの日……夜にここで会ったの覚えているでしょ? それが始まりよ…」


真姫はニコが海未に強姦された日からの出来事を話し始める


部室に残っていた血の跡のこと、落ちていた薬の袋のこと、その薬の詳細

ことりにベルを盛られ、海未を夢中で求めさせられたこと

ことりがどんな心境だったのかわからないが海未の存在とベルを譲渡されたこと

そして、今日今までのこと


全てを話した


穂乃果「……嘘、嘘だよ…っ、ことりちゃんが…」

にこ「……っ」

真姫「私は事実を述べているだけ……何か思い当たる節、あるんじゃないの……? 貴方も何処かでことりにベルを盛られていた筈よ」

海未「……」


ベルというものがどういった形状なのかは海未はわからないが、確かに盛られる機会はあったのだろう……

屋上での練習の際には、海未が常備していたペットボトルの飲み物に

夜、急に呼び出された時には缶コーヒーを受け取っていた


海未(あのコーヒー……蓋が、開いていた……)

海未「……そんな、ことりが……」


ことりとの思い出と真姫との快楽の記憶がグルグルと頭の中を回り、海未はその場に膝を付き崩れ込む


海未「……ぁ……こと…、り……」

穂乃果「海未ちゃんっ!!」

真姫「……もう、終わりよ……何もかも……っ」

にこ「……っ、穂乃果っ!! 今すぐことりを呼び出して!!」


穂乃果「う、うん…っ!」


ポケットから携帯電話を取り出し、ことりにダイヤルする


穂乃果「……ダメ、繋がらない!」

にこ「くっ……、このまま逃げるつもりじゃないでしょうね!!」

穂乃果「出発はまだ先だからそれはないと思うけど…、もう学校にいないのかな…」

海未「……出発…? 何の話ですか……?」

穂乃果「え……?」

にこ「知らないの……?」

海未「何が、ですか……?」

穂乃果「ことりちゃん、もうすぐ留学するんだよ……だからもう、この学校にいられるのもあと少しで……」

海未「なっ…!? 私には何も……っ」

真姫「私も、初耳だわ……」

穂乃果「と、とにかくっ! 今はことりちゃんを探そう! 絵里ちゃんや希ちゃんに電話してみるから!!」

にこ「私は凛と花陽を当たってみるわ!」


海未「こと、り……何で……」



──私は、ことりにとって一体何だったのでしょう……


『ことりが海未ちゃんのこと嫌いなのは、ずっと昔からだから♪』


──私の素行の問題なら自分を責めて納得出来る……しかし、何故嫌われているのかわからないまま別れるなんて……


ことりの言葉……今の海未は何よりそれを必要としていた


━━


屋上、冷たい秋の風が頬を撫でる


──ここからの景色を見るのも、これで最後かな……


南ことりはこの場所で一人、校舎、街並み、空……視界に入るもの全てを眺め立っていた


ことり「……えへへ……言っちゃった……、嫌いって……」


流れ落ちた涙が、秋風によって冷やされる


ことり(あれ……何でだろ……、大嫌いな人に嫌いって言っただけなのに……)


──胸が、苦しいよ……


ことりも気付いていた

大嫌いな海未のことが、大好きだということに

大好きな気持ちと大嫌いな気持ちが心の中でぐちゃぐちゃになっている

何年も前からずっとこうだった


相談したくてもできなかった……、だって、こんな事口にしたら二人を裏切ることになっちゃう

今だってすごく酷い事して裏切ってるのにね……変な私……、もうわかんないよ


このぐちゃぐちゃで苦しくて悲しくて辛い心を癒すには、大好きって気持ちをそれ以上の大嫌いで塗り潰す

それしか方法が思い浮かばなかった


鏡とハサミを鞄から取り出す


ことり「……好き……嫌い……、好き……嫌い……」


少し伸びた前髪

それを少しずつ切っていく

ハサミに、想いを乗せて

ハサミで、想いを断ち切る様に


ことり「……嫌い……好き……、嫌い…嫌い…嫌い…嫌い……」



──嫌い、私のことを愛してる貴方が嫌い



ことり「……好き、好き……好き……好き…好き…好き…好き……っ」



──好き、私のことをいつも愛してくれる貴方が大好き



ガチャ……


後ろから扉の開かれる音が聴こえた


そして、足音が近付いてくる


ことり(……やっぱり、来ちゃったか…)


鏡越しに扉の方を見ると、よく見知った顔が八つ確認できた


ことり(どうして皆……? お喋りな海未ちゃん……うふっ、リンチされちゃうのかな…)


──まぁ、それもいいかも


短いですが、今宵はここまでー
次で完結させます、嘘じゃないです本当ですっ

最後は書き溜めてから投下する予定ですので明後日か翌々年になるかも
まぁ今週中には終わらせます

ではではー




──少し、切りすぎちゃったかな……おでこが冷たい


前髪を気にする仕草

その薬指では誰にも悟られないよう、涙を拭っていた


海未「ことり……」

にこ「ことりっ!! あんた…っ」


他の部員も真剣な面持ちで、ことりの背中を睨んでいる


穂乃果「……ことりちゃん、こっち向いて」

ことり「……穂乃果ちゃん」


ことりは鏡に写る自分の顔を見て、涙の痕跡が無いことを確認する

そして、手に持っていた鏡を閉じ、ゆっくりと振り返り皆と対面した


ことり「うふっ、皆揃ってどうしたの? お別れ会でもしてくれるのかな?」

希「…残念やけど、それはちょっと違うかなぁ」

ことり「そっか」

海未「……どうして、言ってくれなかったのですか? 留学の件…」

ことり「嫌いな相手に言う必要なんかないよね?」

海未「…ッ」

穂乃果「本当に、ことりちゃんなの……? どうしてそんな酷い事言うの…?」

ことり「……それで、何か話があって集まったんでしょ?」


穂乃果の目を見るのを避けるよう、隣にいるニコに反応を促した


にこ「ベル……、あんたの仕業って本当……?」

ことり「……」


ことりは視線を動かし、皆の顔を一瞥する


絵里「全部、穂乃果達から聞いたわ」

ことり「へぇ…」

にこ「皆には知ってもらう必要があるって思ったから」

穂乃果「真姫ちゃんはすごく嫌がってたんだけど、ね…」

真姫「もぅ……、いやっ……ひぐ…っ」

花陽「真姫ちゃん…っ」

凛「ことりちゃん、凛怒ってるんだよ……? 真姫ちゃんもニコちゃんも海未ちゃんも…皆、凛の大好きな友達だったのに、何でこんな事したの!?」

希「理由、聞かせて貰える?」


ことり「海未ちゃんが大嫌いだから、それだけだよ」

海未「……っ」

絵里「……なら、私達の事は? 貴女と海未に何があったのかは知らないけど、真姫やニコまでこんな目に遇わせて……そんなんじゃ、とてもじゃないけど納得なんて出来ない」

花陽「友達……だよね? そう、ことりちゃんも思っててくれてたんじゃないの……?」

ことり「……それも、海未ちゃんが嫌いだから」

絵里「答になってないわ……、ちゃんと答えて」

ことり「全部、海未ちゃんを貶める為……本当にそれだけだよ? 絵里ちゃんには、もっと期待してたんだけどね」

絵里「何の話…?」

ことり「誰が海未ちゃんを篭絡できるかゲーム? ニコちゃんは頑張ってくれてたよね♪ 最初はベルなんて使うつもりなかったんだけど、海未ちゃんが中々折れないのと、ニコちゃんにもっと頑張って欲しかったから」

にこ「ふざけんなっ!! あんたは人の気持ちを何だと思ってるのよ!?」

ことり「うん、よくわかんないよね。ことりがせっかく海未ちゃんとエッチさせてあげたのに、ニコちゃんったら全然喜んでくれなかったんだもん」

にこ「殺す…ッ!! 絶対に殺してやるッ!!」

絵里「ニコっ!! 落ち着いてっ!!」


いつもの愛らしい笑顔など微塵も感じさせない……憤怒に狂ってことりに飛び掛かろうとするニコを絵里が抑える


にこ「離しなさいよっ!! あいつはっ、あいつは…ッ!!」

ことり「真姫ちゃんにはもっと幻滅したなぁ」

真姫「え……?」

ことり「ベルまで与えてあげたのに、全然海未ちゃんを落としてくれないんだもん」

穂乃果「ことりちゃん!! もうやめようよ? 何で……いつもの、穂乃果の知ってることりちゃんに戻ってよっ!!」

ことり「ことりはことりだよ? 変なのかなぁ? 海未ちゃんがいなくなってくれれば元に戻るかも♪ なんてね」

海未「全部……私の、せいで……」

穂乃果「どうして……っ、どうしてなの……」


希「さっきから海未ちゃん海未ちゃんって、ことりちゃんはよっぽど海未ちゃんの事が大好きなんやね」

ことり「へ? 何言ってるの? ことりの話ちゃんと聞いてなかった? 嫌いだよ、ことりは海未ちゃんなんて大嫌いっ!」

希「…ふーん、そうなん? 今、図星突かれて表情変わった風に見えたんはウチの気のせいかー」


ことり「……っ」

穂乃果「穂乃果が知ってることりちゃんは、海未ちゃんの事が大好きだったよ。海未ちゃんといることりちゃんはとっても楽しそうで幸せそうで……時々羨ましくなるくらい」

ことり「やめてっ!!」

真姫「昔からって、どういう事なの? さっき言ってたじゃない……海未のこと嫌いなのは…昔からだって」

海未「……」

穂乃果「昔、から……? 穂乃果が知らないだけで何かあったの……?」

海未「……私も知りたいです……理由もわからず、嫌いになられても……納得出来ません、……教えてください、悪い所があるなら、直しますから…っ」

ことり「……海未ちゃんには無理だよ」

海未「そんなことありません…っ! 私はことりの為だったら」


ことり「じゃあさ、ことりのこと愛してる?」

海未「それは勿論です…」


ことり「ふーん、なら……ことりと穂乃果ちゃん、どっちの方を深く愛してくれてるの? 海未ちゃんは」


海未「え……?」

穂乃果「……そう、だったんだ…」


穂乃果はことりに向けていた視線を、自分の足元へと落とした


ことり「穂乃果ちゃんならわかるよね? ことりが考えてる事」

穂乃果「わかる……わかるよ、でもっ! 三人でずっと一緒にいようって…」

ことり「一度もないって言える? 私達を愛してくれてる海未ちゃんに疑問を抱いたり、ことりを妬んだりしたことが一度もないって言える!?」

穂乃果「……そんなの、言えないよ。でも……私はことりちゃんのことも大好きだから、だから……そんな風に考えちゃいけないんだって……」

ことり「……強いね、穂乃果ちゃんは」

ことり「ことりは穂乃果ちゃんほど強くなかった……すごく弱くて、すごく我儘だったから……」

海未「穂乃果……、ことり……」


ことり「聞かせてよ、海未ちゃん……。穂乃果ちゃんも知りたいでしょ? 海未ちゃんの気持ち」

穂乃果「……うん」


穂乃果とことり、二人の視線が海未に向けられる

他の部員達も誰一人口を挟むこと無く、三人の動向を見守っていた


希「……ニコっち、辛くない?」

にこ「……辛くない、ワケないでしょ……っ」

絵里「我慢しないの……、馬鹿ね…」


大好きだった人……今も大好きな気持ちはニコの胸に存在していた

その人が自分ではない二人から一人を選ぼうとしている

海未の想いは心が泣き疲れるくらい理解してた筈なのに……

今にも溢れ出しそうなニコの涙を隠す様に、絵里は自分の胸へとそっと優しく抱き寄せた



真姫「……ぁ……いゃぁ……っ、海未…ぃ…」

凛「真姫ちゃん…」

花陽「辛いよね……花陽だって、泣いちゃいそうなのに…っ、真姫ちゃんはもっと…」


身体が海未を強く欲している、心も海未をそれ以上に欲しているのを感じていた

自分の気持ちまでベルに侵されていたって思ってたけど……違ったみたい、そっか……


──私、恋してたんだ



穂乃果「……」

ことり「……海未ちゃん」

海未「……はい…、私は…」


こんな質問、何の意味などない

海未が自分を選んでも、穂乃果を選んでも、何も変わりはしないだろう

決して受け入れたりしない、喜んだりしない、妬んだりしない

曖昧な答を出そうものなら、どんな手を使ってでもこの気持ちを永遠に消し去るくらいの覚悟で、一生涯憎んでやる

そう、ことりは思っていた



そして長い沈黙を破り、海未の口が開かれる


海未「……一番、我儘だったのは私の方です…」

海未「何度考えても、答は変わりませんでした……だって、昔からずっとずっと私の中に大きく存在していた揺るぎない想いなんです。二人は怒るでしょうね、完全に呆れられてしまうでしょう……嫌われるのは怖いです、でも……もう恐れはしません」

海未「……聞いてください、私の最大級の我儘を…」


海未「私は……、私は二人を愛しています。穂乃果とことり、二人が大好きです」


穂乃果「…っ」

ことり「ふふ…っ、ふふふ……何それ…? そんなの全然」

穂乃果「全然変わってないよね、海未ちゃんは……、穂乃果は良いと思うな」

ことり「穂乃果ちゃん…?」

穂乃果「海未ちゃんだけは変わらないでいてくれた……あの頃のままでいてくれた、私達二人と結婚して三人でずーっと一緒にいようって。穂乃果も海未ちゃんに賛成!」

穂乃果「海未ちゃんも大好きだし、ことりちゃんも大好き! だから三人でこれからもずっと一緒、駄目かな? これって簡単な事のようですっごく難しい事……、でも本当はとっても簡単な事だと思うんだ」

海未「穂乃果、それではことりの気持ちを丸っきり無視してることになるのでは…」

穂乃果「あ、そっか!」

ことり「……ふふっ、ズルいよ…二人とも……っ、ことり…皆にいっぱい酷い事してきたのに…っ、大好きって気持ち…一生懸命、抑えてきたのにっ…」

海未「ことり、私は貴女が大好きです」


海未は震えることりの肩を両手で抑え、静かに唇を重ねた


ことり「……ン…っ、ぁ……、……もぅ…… 海未ちゃんは、優しすぎるよ……バカ…………ことりも、大好き…」



希「一件落着……かな?」

にこ「改心したのかどうかは知らないけど……あんたがやった事は、許されないわよ……」

絵里「そうね、冷たい言い方になっちゃうけど……薬物を使用したことは罰せられるべきだと、私は思う」

ことり「……うん」

海未「はい……絵里の言う通り、罪は償わなくてはなりません……私も真姫も……、いいですね? ことり」

ことり「……うん、ごめんなさい。ニコちゃん、真姫ちゃん、皆」

真姫「……私、逮捕されちゃうの……?」

花陽「み、未成年だから…どうなんだろうね……」

凛「それに真姫ちゃんは被害者なんでしょ? だったらそんなに」

真姫「いや…私、は…」

海未「そうですね、ですので真姫は私やことりと比べて罪は軽いと思います」

真姫「え…?」


海未は穏やかな表情で微笑みかけた



絵里「じゃあそろそろ警察に行くわよ。学校に呼んだら大騒ぎになりそうだから、歩いて向かいましょう」

凛「え、絵里ちゃんっ!!」

希「凛ちゃん、エリチだって辛いんよ? でも誰かが言わないけんことやから……、わかってあげて」

凛「うん…」

穂乃果「……あの! 一つだけお願いがあるの…」

絵里「穂乃果…?」


最後に三人の時間を作りたい

一応、三人とも納得はしてくれたと思うけど、これから先どうなるかわからない……だから、今まで言えずにいた事、想いの内、全部……語り合いたい

と、穂乃果は皆に告げた


穂乃果「明日には絶対に警察に行くから……約束する」

ことり「……穂乃果、ちゃん…」

海未「……当事者の私が言える立場ではないのですが、……どうか、お願いします…」


反対する者は一人もいなかった

皆、三人を信じていた……道を誤ったことりだが、元は……いや、今も自分達の大切な仲間だから


ことり「……皆、ありがとう」


━━


放課後、三人は各々仕度を整え穂乃果の家……穂むらへと集った


ことり「お邪魔します」

穂乃果「あ、ことりちゃん! 遅いよー!」

海未「来てくれないのかと思いました…」

ことり「来るよ……だって、ことりは穂乃果ちゃんも海未ちゃんも大好きだもん…」

海未「ことり…」

ことり(あぁ……やっぱり、そうだ……)


ことり「ごめんね、遅くなっちゃって……これ、作ってたらつい…」

穂乃果「わぁ、ケーキだー! すごいすごーい!」

海未「す、少し大きすぎませんか……?」


ことりが取り出したケーキの表面には砂糖細工で作られたレースのリボン、飴細工の天使の羽……等とても豪華な装飾が施されている

その大きさも一般家庭で食べられるモノと比べて一回り以上に大きく……その上、二段重ね仕様になっていた


穂乃果「これって、もしかして……ウェディングケーキ?」

ことり「うん、頑張って作っちゃった♪ 美味しく出来てると良いなぁ」

海未「嬉しいです……とても、結婚式みたいで」

穂乃果「いつかこんな風に、本当に挙げられたら幸せだよね」

ことり「……うん、そうだね」

海未「不安……ですか?」

ことり「う、ううん…」

穂乃果「大丈夫だよ! 穂乃果とことりちゃんと海未ちゃん、三人だったら絶対に大丈夫!! だから言ってよ……何でも……、また今回みたいになっちゃうのなんてイヤだよ…っ」

ことり「ごめんね……穂乃果ちゃん」

海未「すみませんでした……」

穂乃果「ずっと待ってるからね、二人のこと……罪を償って帰ってくるまで…。ずっとずっと何年でも何十年でも!!」

海未「はい…」

ことり「…うん」


穂乃果「よし! 早くケーキ食べよ! ナイフ持ってくるねー」



大きなケーキとまるで釣り合いが取れない、家庭用の小さなナイフ

それに三人の手が重なり……、想いも乗せたその刃がケーキに通る


穂乃果「ケーキ入刀ー! なんちゃって、えへへ……何だか穂乃果、今すっごく幸せな気分」

海未「私もです」

ことり「……本当に幸せ……、幸せすぎるよ、こんなの…っ」

海未「ことりは相変わらず泣き虫ですね、ふふっ」


海未が器用に取り分け、ケーキの乗った皿を二人に渡す


ことり「ありがと、海未ちゃん」

穂乃果「もー、こういうのは女の子の役目なのにー」

海未「だったら少しくらいそういう素振りを見せてください」

穂乃果「むぅー、それはひとまず置いといて……いただきまーす!」

海未「頂きます、ことり」

ことり「いっぱい召し上がれ」


穂乃果と海未がケーキを口に運ぶ


穂乃果「んんーっ! おいひぃーっ!! 最高だよ、ことりちゃん!!」

海未「ことりはとてもお菓子作りが上手ですね」

穂乃果「あれ? ことりちゃんは食べないの?」

ことり「う、うん……実は作ってる時につまみ食いしちゃって、もうお腹いっぱい…」

穂乃果「えー! ずるーい!」

海未「せめて一口くらいでも」

ことり「……あのねっ!」


唐突に強い口調になることり、それは涙声にも感じられる

どうしたことかと、穂乃果と海未は顔を見合わせた


ことり「……ごめんね」


海未「ことり……?」

穂乃果「ことりちゃん? どうしたの?」

ことり「ことりは、穂乃果ちゃんと海未ちゃんのこと……大好きだよ」

穂乃果「うん…知ってるよ、そんなの穂乃果達が一番よく知ってるよ」

海未「……何故、そのような悲しそうな顔で言うのですか……?」


ことり「私は、二人が大好き……これは私の本当の気持ち、だと思う……二人といると嬉しくて楽しくて幸せで…っ、ことりには眩しすぎるよ……」


ことり「穂乃果ちゃんと海未ちゃん、二人ともいつもキラキラしてて、手を牽いてもらってることりも輝いてる様な気がして……っ、そんな二人の思い出を濁しちゃったことりは、一緒にいちゃいけないんだ…って」


ことり「でも、穂乃果ちゃんも海未ちゃんも優しいから……そんな事ないよって言ってくれるんだよね? ぎゅって抱き締めてくれるんだよね? ……優しすぎるのって、時には残酷なんだよ…」


ことり「穂乃果ちゃんは、海未ちゃんの事……独り占めしたいって思ったことなかったの? そんなわけ無いよね、女の子だもん……当たり前だよ、今だって海未ちゃんと二人きりになりたいって思ってるのかな? ……最後まで穂乃果ちゃんの心だけは、わかんなかった……ずっと一緒にいたのに……おかしいなぁ…」


ことり「海未ちゃん……ことりの大好きな海未ちゃん……愛してる……。愛してるから……愛してあげない……。愛してくれてるから……愛はもう充分……っ」



ことり「…………ことりの声、もう聴こえてないよね。……大好きな二人に、私からの贈り物…」


ことりには、聴こえないけど……


二人には、ちゃんと聴こえてるかな……?



──祝福を告げる、ベルの音が



カーン……カーン……カーン……カーン……



教会中に鐘の音が響き渡る


私は、今とても幸せです


右を向けば、ことりがいる

少し照れているような、幸せそうな表情で私の右手を抱いている

ことりは花嫁衣装がよく似合う、そのブーケも素敵ですよ

とても可愛らしい……この場では、美しいと言うべきなのでしょうか? そこら辺はよくわかりませんが

綺麗ですよ、ことり


左を向けば、穂乃果がいる

緊張しているのか顔が強張っている気がする

こういう時こそ、その一番の武器である笑顔を見せないでどうするのですか

左手に少し力を入れ、穂乃果に微笑みかけた

すると、穂乃果も笑った

今までで一番の最高級の笑顔で



二人の指に、リングを填め……口付けを交わす


これからも、ずっと一緒にいよう……私が幸せにします


そんな誓いを込めて


幸せすぎて……幸せすぎて……、まるで夢の中にいるような……


夢、の……


──あれ……? 幸せな筈なのに、この違和感は……?


海未「あの、ことり……え? ことり!? 何処へ…」


私の隣から、ことりが消えていた


まるで、初めからそこにいなかった様に……


海未「ほ、穂乃果っ!! ことりは」


穂乃果「ことりちゃん? そんなのどうでもいいから…」

海未「え……?」


穂乃果「穂乃果と……エッチなこと、しよ? 海未ちゃん」

海未「ほ、穂乃果……!?」

穂乃果「穂乃果ね…、ずっとずっと欲しかったんだよ、海未ちゃんのおちんちん……早く挿れて…、穂乃果を気持ちよくして? ね?」

海未「……っ、はい…」


━━三年後



「うぇっ…っ、うああぁぁんっっ!!」

「よしよし、泣かないの」

「うぅ…っ、ままぁぁ…っ!! うぁっ、うぁぁぁぁんっ!!」

「あぁもぅ…っ、笑顔をいつも忘れちゃダメって言ってるでしょ? ほら、にっこにっこにー☆」

「ひぐっ、うぁっ…にっこ、にこ…にっ……」

「上手上手、にっこにっこにー」



「へぇ、意外とちゃんと母親やっとるみたいやね」

「意外とって何よ、意外とって……こっちは大変なんだから…毎日必死よ…」

「……お父さんのこと、もう話したん?」

「いくらなんでも、まだ早すぎるでしょ…」

「もしかしたらニコっちのとこに帰ってくるかもしれんしね」

「そんな淡い期待なんてとっくに…、っていうか最初から持ってないわよ……大体、アイツはこの子の事知ってるわけ……っ」

「ん?」

「とんでもないお節介が目の前にいたわ……、あんたそんな勝手に…っ!! はぁ…、ニコじゃなかったらぶちギレられてるわよ?」

「なんならウチがお父さんになってあげてもええんよ?」

「だーかーらーっ! デリケートな問題なんだから少しは躊躇しなさいよっ!!」



「もう身体は大丈夫なの?」

「えぇ、薬も完全に体内から抜けたみたい」

「よかったぁ…」

「……ごめんなさい、いっぱい心配かけちゃって……私、とんでもなく馬鹿だったわ……本当に、ごめんなさい……」

「真姫ちゃん…」

「もうー! そんなの真姫ちゃんらしくないにゃ!」

「そうだよ、真姫ちゃんはちゃんと反省したんだから」

「……ありがとう。凛、花陽」


「手紙……、沢山溜まったね」

「これって、全部海未ちゃんからの?」

「えぇ…」


「……聞いていいのかわかんないんだけど、……真姫ちゃんは、薬から解放された今……海未ちゃんのこと、どう思ってるの……?」


「好きよ」


「あの人は、私が初めて好きになった人……今もそれは変わらない、きっとこの先も……」



「……」

「隣、いいかしら?」

「……絵里ちゃんはダメです」

「ここの紅茶、美味しいわよね」

「……何で、ことりに構うの?」

「それは同じ大学の先輩と後輩だからじゃない?」

「監視のつもり? またことりが何かしないか見張ってるの?」

「だったらどうするの?」

「……」


「……あれから、もう三年が経つのね…」

「……」

「そろそろでしょ? 海未が釈放されるのって」

「……」

「会いに行かないの?」

「行けるわけないよっ! 私の代わりに海未ちゃんは……っ、それにどんな顔して会いに行けって言うの!?」

「……海未はことりに会いたい筈だと思うけど?」

「……そんなわけないよ、海未ちゃんはことりのことなんてもう……。これはわたしが望んだ事……嫌えないなら、嫌われるしかないって……っ」

「めんどくさくて不器用で変で馬鹿で、どうしようもない人……貴女の事よ? 南ことりさん」

「……」

「でも、すごく人間らしくて私は嫌いじゃないかな? 私ですらそう思うんだから、あの子がそれに気付かないワケないんじゃない?」

「……授業は、いいの…?」

「してるわ、今ここで。貴女は人間性に少し問題があるみたいだし? ふふっ」

「……絵里ちゃんの方が、ずっと変だよ…」



「ありがとうございましたー!」

「って、お姉ちゃん!? 何で店番なんかしてるの!?」

「何でって……ここが和菓子屋だから?」

「何をそこに山があるからだ、みたいに言ってるの……今日は大事な日なんでしょ!?」

「大事な日?」

「海未ちゃんがシャバに出てくる日! まさか忘れてたの!?」

「シャバって……いや、勿論覚えてるけど」

「だったら何でそんな平静なの? あんなに好き好き言ってたのに……もしかして冷めちゃった?」

「海未ちゃんのことは今でも昔と同じくらい大好きだよ。でもあれからずっと考えてて…」

「……?」

「穂乃果が海未ちゃんを縛ってたんじゃないのかって……。穂乃果が海未ちゃんのこと大好き大好きって言ってたから、海未ちゃんも無意識の内にそれに答えようとしてくれてたのかな……なんて」

「真面目っぽく言っちゃったけど、本当は穂乃果も全然よくわかんないんだよねー。でもね、海未ちゃんの重荷になりたくないから……海未ちゃんの帰る場所は海未ちゃんが決めてほしいんだよ」

「もし、それで……海未ちゃんが穂乃果を選んでくれたなら、それは……すっごく嬉しいなって、えへへ…」

「……」

「雪穂?」

「お、お姉ちゃんが大人になってるーっ!!!!」



「お世話になりました」


看守の方に頭を下げ、鑑別所に背を向ける

そして、一歩一歩力強く外の大地を踏みしめた


罪は償ったとはいえ、人の心に残る傷は癒えない


ニコにとても酷い事をしてしまった……真姫をいっぱい泣かせてしまった

ことりがあの様な行為に走ってしまったのは、私のせいだ……、穂乃果……

他にも、沢山の人達に迷惑をかけてしまった


あの頃を思い出すと、どうしても自分を赦せなくなってしまう


過去を悔やむのは簡単だが、そこから前を向いて歩くのは何よりも難しい


以前、何かの本で読んだ言葉だ


だから私は前を向こう、未来を信じよう、生まれ変わろう

もう絶対に誰も悲しませたりしない

こんな私を受け入れてくれるのなら、必ず幸せにしてみせる


そう強く心に誓い、目の前の扉を開けた


ガチャ……


「…っ!?」


扉の向こうにいた彼女は、驚いた顔を見せる

だが、それも数秒後には安堵の表情に変わり、優しい微笑みでこう言った



「おかえりなさい」



それに私も答える



「ただいま」




━━fin━━


まさかこんな真面目に書くなんて……
ただのネタスレ書いてたつもりだったのに
長々と書いちゃいましたけど読んでくれた人ありがとウィッシュ

その内、海未ちゃんがえりのぞりんぱなにこの性奴隷化してた間とか自暴自棄期間とかで、エロそうなシチュ思い付いたら書くかも、書かないかも

ではではー

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