渋谷凛「ふーん…新しいアイドル?」 (93)

モバマスのSSです。若干のクンカー要素があります。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1401800038

悠貴「乙倉悠貴、13歳ですっ。あ、あの、可愛いアイドルに憧れてますっ!」

悠貴「一生懸命頑張りますので、どうかよろしくお願いしますっ!」

P「…というわけだ。岡山からこっちに来たばかりだから色々と教えてやってくれ。頼むぞ。」


「「はーい」」


凛「よろしくね。悠貴。」

悠貴「は!ははは、はいぃっ!!」

悠貴「すごい…本物だ…」

蘭子「万物を司る理は我にあり!(わからないことがあったらなんでも聞いてくださいね!)」

悠貴「わ、か、神崎蘭子ちゃん!?」

悠貴「あ、ごめんなさい!ちゃんづけなんて!すいませんでした…神崎先輩っ!」

蘭子「よい。楽にせよ。(そんなに遠慮しなくてもいいですよ。)」

きらり「うきゃー☆かーわいーっ!」ギュッ

悠貴「ひゃぁっ!」

P「はっはっは。そうだろうそうだろう。キュート期待の星だぞう?」

卯月「キュートだったら私の後輩だね!一緒に頑張ろうねっ!」

悠貴「そ、そんな…私、背だってこんなに大きいし、可愛くなんか…」

P「いーや、岡山にこんなに可愛い子がいるなんて思わなかったぞ!まさしくキュートofキュートだ!」

悠貴「そ、そんな…///」







凛「…へえ?」

お母さんへ

今日、初めて事務所の方たちに挨拶しました。

テレビで見たアイドルばっかりですっごく驚きました。やっぱりみんなすごくキラキラしててかわいいです。

渋谷凛ちゃんに、島村卯月ちゃん、諸星きらりちゃん、神崎蘭子ちゃん…他にもたくさん!


あ、ちゃんづけなんてダメだよね。もう同じ事務所の先輩なんだからちゃんとしないと。

それに私だってアイドルになるんだから驚いてばっかじゃなくて頑張らないと。


東京はすっごく都会です。今まで岡山は日本一の大都会だって思ってたけどそれに負けないくらい。

色んな説明を聞いたり、荷物を片付けてるだけであっという間に一日が終わります。


今日はもう眠いのでこれで終わりにします。明日からも頑張ります。応援しててね。

悠貴「あ、Pさん。その…」

P「ああ、寮の手続きのことな…」

悠貴「はい、それで…」



P「…まあ、おいおい説明してくから。…今日は夕飯はどうするんだ?」

悠貴「あ、まだ荷物をほどいてないのでお弁当にしようかと…」

P「なんだ。じゃあ一緒に食べに行くか。まだこの辺も不慣れだろうしな。」

悠貴「いいんですか?ありがとうございますっ!」

P「ああ、もちろんだ。あんま高いものはナシだぞ。」

悠貴「えへへ。本当は一人で食べるのちょっとさみしいなって思ってたんですっ。」

P「そうだったのか。俺は悠貴のプロデューサーなんだからもっと頼ってくれてもいいんだぞ?」ナデナデ

悠貴「あ…///もうっ。子どもじゃないですっ。」







凛「…どう思う?」

加蓮「…地方から出てきたばっかだし、家族の代わりなんじゃないの?」

蘭子「蒼の姫君よ、審判の時は未だ来たらず!(凛さん、もう少し様子を見ましょう。)」



凛「…そうだね。まだ13歳なんだから。しょうがない面もあるよね。」

お母さんへ

今日は初めてのレッスンがありました。トレーナーさんは女の人でした。

途中でトイレに行ったらそこにもトレーナーさんがいてびっくり!

さらにドアの外にもまたトレーナーさんがいてまたびっくり!

あとで聞いたのですが、トレーナーさんは4姉妹らしいです。


…レッスンはちょっと大変でした。

でも、私と同じくらいの年の子や、私より小さい子達が普通にこなしているのを見ると早く追いつこうって思います。


でも、今日はもうへとへとで力が入りません。そろそろ寝ます。



あ、Pさんが私のことをほめてくれました。

私、才能あるのかな?…そうだったらいいな。


おやすみなさい。

凛「大丈夫?無理してついてこようとすると怪我するよ。」

悠貴「はい…でも、早く、みなさんに追い付きたいですっ…」

きらり「おっつおっつ☆きらりんパワーで回復するにぃ!」

ありす「どうぞ。スポーツドリンクです。」

悠貴「あ…ありがとうございます。ありすちゃ、じゃなくてっ、橘先輩っ。」

凛「初めてのレッスンにしては上出来だよ。手足が長いから見栄えもいいしね。」

悠貴「あ、ありがとうございます!…でも、みなさん本当にすごいです。びっくりしました。」

きらり「うきゃー!てれるー!」

P「おう、お疲れ。どうだ?初めてのレッスンは?」

悠貴「あ!お疲れ様ですっ!」

P「はは、座ったままでいいぞ。相当しんどそうだな。」

悠貴「いえっ…へいきっ……ですっ…」

P「そこでトレーナーさんに聞いたらなかなか素質があるって言ってたぞ。さすがは俺の見込んだアイドルだな!」

悠貴「えっ、本当ですか?お世辞でも嬉しいです。」

P「お世辞なんかじゃないぞ!こんなにかわいい子がアイドルになれないわけがないからな!」

悠貴「わ、私かわいくなんて…///」

P「いやいや、そんなことはないぞ…」

キャッキャッウフフ







ありす「…やっぱり、早めに言っておいた方がいいんじゃないですか?」

凛「…かもね。」



きらり「にょわー…うらやましいにぃ☆きらりもPちゃんとはぴはぴしたいにぃ…」




凛「…そうだね…みんなも一緒なのにね…」

お母さんへ

今日、寮の部屋に置く棚を買いに行きました。一人では持って帰れないのでPさんに車を出してもらいました。

お休みだったのに付き合ってくれるなんて、やっぱりPさんは優しい人です。


それにとっても力持ちでした。組み立て式の棚だったので、部屋で組み立ててもらいました。

何かお礼がしたかったのですが、お茶を出すくらいしかできませんでした。


今度岡山に帰った時に何か簡単なお料理とかお菓子の作り方を教えて下さい

悠貴「ありがとうございました!助かりましたっ!」

P「おー、じゃあなー…」



凛「こんにちは、悠貴。」

悠貴「あ、渋谷先輩!こんにちはっ。」

凛「今のってプロデューサー?」

悠貴「はい。今日ちょっと買い物に付き合ってもらったんです。」



凛「…買い物?」

悠貴「あ、部屋に置く棚をちょっと…私一人じゃ運べないし、助かっちゃいましたっ。」

凛「部屋までいったの?…一応、女子寮は男子禁制だからね。」

悠貴「あ…ごめんなさい。」

凛「まあ、プロデューサーは黙認されてるみたいだから…」

悠貴「あ、そうなんですか?Pさん、いい人ですもんね。今日だって休日なのに…」



凛「…そうだね。」


悠貴「あ、そういえばPさんって結婚してないらしいですねっ。私てっきり結婚してるのかと…」


悠貴「休みの日なのに悪いなーって…あ、でも彼女さんには悪いことしちゃいましたねっ。」

凛「…」

凛「…プロデューサーは彼女いないよ。」

悠貴「え、そうなんですか!?なんかモテそうな感じなのに。意外ですねっ。」



凛「うん。そう、だね…」



悠貴「ふーん…そうなんだー…へー…」

凛「…」

お母さんへ

私の衣装案が届きました。デビューはまだだけど、もう大体のイメージはできているそうです。

私は背が高いからカッコいい系の衣装かな、と思っていたらすっごく可愛い衣装でした。

Pさんが私がかわいいアイドルになりたい、って言ったのを覚えてくれていたんだと思います。嬉しいなっ。



Pさんについてきて正解でした。Pさんと一緒ならかわいい私になれるかもしれません。

写メしておいたので見てみてください。

卯月「悠貴ちゃん、何見てるの?」

悠貴「あ、島村先輩お疲れ様ですっ。これ、私の衣装の写真です!」


卯月「わあ…かわいい衣装だね。きっと似合うと思うよ!」

悠貴「本当ですか?うれしいですっ。まだできていないみたいですけどね。」



卯月「楽しみだね…あれ?ここに貼ってあるプリクラって…」

悠貴「あ、これ、この前Pさんと買い物に行った時に撮ったんですっ。」

卯月「え、そうなんだ…」



悠貴「東京に来た記念とアイドルデビューの記念に…Pさんちょっと照れてますよねっ。」

卯月「…」

凛「…へえ。この前はそんな話聞かなかったけど…」

卯月「…さすがにちょっと…」

未央「うーん、これは放置しておいたらまずいかなー」

卯月「他の子たちの手前もあるし…この辺で…」

凛「もう少し様子を見ようと思ったけど…」


未央「グズグズしてると誰かさんみたいなことになるかもよ?」

卯月「うん…そうなる前にちゃんとしといたほうがいいかもね。」




凛「わかった。じゃあ、今夜ね。」

凛「悠貴ちゃん。ちょっといいかな。」

悠貴「あ、お疲れ様ですっ!渋谷先輩!」

凛「頑張ってるね、どう?こっちの生活にも慣れた?」

悠貴「はい!みなさんとってもいい人ですしっ!」

悠貴「それに…Pさんも優しいですから!」

凛「…」

凛「そっか。よかった。実はさ、今夜暇なら悠貴の歓迎会をやろうと思うんだよね。」

悠貴「えっ!本当ですか!ありがとうございますっ!」

凛「うん。寮のカフェテラス。あそこだから。よろしくね。」

悠貴「はいっ!」




悠貴(わあ、すごい…!渋谷先輩に誘われちゃった!)

悠貴(えへへ…楽しみだな。)

お母さんへ

緊急連絡ですっ!なんとあの渋谷凛先輩に誘われちゃいました!

私の歓迎会をやってくれるそうです!

渋谷先輩だけじゃなくて他のアイドルの方たちもわざわざ来てくれるって!

私もアイドルの仲間入りをしたみたい…なんてうぬぼれすぎかな?


とにかくすっごく楽しみですっ。そろそろ約束の時間なのでいってきますねっ。

――悠貴「ごめんなさいっ。遅くなっちゃいましたっ。」

凛「ああ、まだ全員揃ってないからさ、とりあえず座んなよ。」

悠貴「あ、はい…」



「「…」」



悠貴(え?あれ…?なんか雰囲気が…。)


蘭子「魂の盃を飲み干すが良い。(お茶どうぞ)」

ありす「いちごケーキです。」スッ


悠貴「あ、ありがとうございます…」

悠貴(え?これって私の歓迎会…なんだよね?)

悠貴(でもなんかみんな真面目な顔だし…)

悠貴(どうしよう…私、何かやっちゃったのかな…少し遅れちゃったから怒ってるのかな…)



加蓮「ただいまー。」

凛「お帰り、加蓮、未央。」

未央「近くには誰もいなかった。多分気づかれてないよ。」

加蓮「まあ、一応念の為に、きらりに見張り頼んどいたから。」




悠貴(え?え?)

悠貴(見張り、って…)

悠貴(こ、これってやっぱりアレだよね…中学でもあったやつ…)

悠貴(芸能界って上下関係厳しいって聞くし…私、調子乗ってたかも…)

凛「ありがとう…さて、悠貴。早速だけど話があるんだ。」

悠貴「は、はい…」

凛「最近の悠貴の様子を見てて思うことなんだけどさ…」



悠貴「…うぅ」グス


凛「えっ!?」


悠貴「ごめ…ごめん、なさい…私…こっち、来たばっかで…」

悠貴「全然、芸能界の決まりとか、知ら、なくて…」

悠貴「もし、失礼なことしてたなら…謝りますっ…」

悠貴「悪い所はなおします…だから、アイドル、続けさせてくださいっ…」


蘭子「神々の怒りなど恐るるに足らず!(ちょ、ちょっと落ち着いて!)」

悠貴「私、アイドルになりたいんですっ…本気ですっ…」

卯月「え?え?…あ!そうじゃないよ悠貴ちゃん!」

未央「あー、完全に勘違いしてますなー。」

加蓮「うん。これは凛が悪いね。」

凛「…え?私!?…あのね、悠貴。大丈夫。私達は別に怒ってないよ。」

悠貴「…えっ?」



凛「今日ここに呼んだのはね…『全P連』について話すためだったんだ。」

悠貴「ぜんぴれん?」


凛「うん、全アイドルプロデューサー連盟。略して全P連。」


卯月「えっとね、うちの事務所には一人しかプロデューサーさんがいないことは知ってるよね?」

悠貴「あ、はい。」

卯月「そうなってくるといくらプロデューサーさんでも全てのアイドルと密に関わりあうことは難しいよね。」

凛「当然、なかなかかまってもらえなくて寂しい思いをするアイドルも出てくる…」

卯月「そこで作られたのが全P連なんだ。」

凛「簡単に言ってしまえば、全てのアイドルがプロデューサーと均等に関われるように調整する組織。」

凛「関わりの少ない子に仕事の付き添いを優先的に振ったり、うまく触れ合う機会を作ったりね。」

凛「それからプロデューサーが倒れないようにお互いに自重しあう協定の意味もある。」

凛「例えばこの前の悠貴ちゃんみたいにプロデューサーがお休みだったら、誰かが代わりに買い物に付き合うとかね。」

悠貴「あ…。ごめんなさい…。」

卯月「ううん、いいんだよ。まだこっちに来たばっかりでPさんも気にかけてるんだから。」

未央「まあ、ぶっちゃけ抜けがけしないための取り決めだしねー。」

凛「未央。」

未央「はーい。」



悠貴「え、えと…つまり…私も入らないかっていう、お誘い、なんでしょうかっ。」

卯月「うん、そういうこと。」



凛「さっきの質問だけどさ…最近の悠貴ちゃんの様子を見ててさ…」

凛「プロデューサーのこと、好き?」

悠貴「えっ!?」



悠貴「あ、あのっ…いい人、だとは思いますけど…好きとかそういうのは私あんまりよく…ごめんなさいっ。」

加蓮「…やっぱ早すぎたんじゃないの?」ボソボソ

蘭子「深淵からの呼び声未だ届かず…(まだ自覚してないだけかも…)」ボソボソ



凛「うーん…見立て違いだったかなあ…」

悠貴「あ、あのっ!」

凛「ん?」


悠貴「どうして私を…?」

凛「そうだね…まあ一番は直感かな。出会った時に思ったんだ。この子は素質がある、って。」

悠貴「素質…?」

凛「もう一つは傾向…何らかのコンプレックスを抱えた子は落ちやすい。」

悠貴「あ…」


加蓮「…」ニコニコ

未央「…」ニヤニヤ

ありす「…なんですか。」


凛「まあ、あくまで傾向だけどね。まだどうなるかはわからないし。」

悠貴「あ、でも…私、Pさんのことは信頼してますけど…その…好きとかは…」

凛「うーん…」


加蓮「今日はもう終わりでいいんじゃない?またおいおい…」

凛「でも『奴ら』の勢力も拡大してるから…あ、そうだ。」

凛「悠貴、これ着てみて。」

悠貴「え?これって、ワイシャツ…ですか?」

ありす「なるほど、リトマステストというわけですか。」



悠貴「あの、着ましたけど…ちょっとおっきいですっ…これ、男の人用じゃ…」

凛「どう?」

悠貴「どうって…あの、私が着てもこれだけ余るなんて、男の人って大きいんだなーって…」

凛「それだけ?」

悠貴「あ、でも…なんか安心します…包み込まれるっていうか…ほうっ、てなりますっ。」




卯月「…」コクン

蘭子「魔力の覚醒が始まったか…(合格ですね。)」

凛「…実はね、それ、プロデューサーのワイシャツなんだ。」

悠貴「…え?」


悠貴「え、え?ええええええええっ!?」


未央「と言いつつ脱がない悠貴ちゃんなのであった。」

凛「やっぱり私の目に狂いはなかったね。…改めて、どう?」

加蓮「まあ入っておいても損なことはないよ。実際、Pさんとの時間を保証してくれるってのは大きいしね。」


悠貴「えと…あの…」



悠貴「よろしく…お願いしますっ!」

「「パチパチパチパチ」」


凛「よろしくね。会長の渋谷凛だよ。それで、卯月が副会長。」

凛「ところで…そろそろいいかな?」

悠貴「あ…ごめんなさいっ」

凛「ごめんね。これ、プレミアム会員用の特典なんだ。」

悠貴「プレミアム会員?」

凛「うん。一般会員とは別にね、月額1万円で特別なグッズやサービスが受けられる制度があるの。」

悠貴「え…1万円…」

凛「ごめんね…これでも赤字なんだ。代わりのワイシャツを用意したりアリバイ工作の費用がかさむから…」

悠貴「あ、いえ…私は別に…」

凛「最初は一般会員でいいと思うよ。プレミアムと一般の間に差はつけないようにしてるし。」

卯月「はいこれ。会報と会の規則。あとで目を通しといてね。」

悠貴「わ、すごい。雑誌みたいですねっ。」

未央「うちは優秀な写真家やイラストレーターを揃えてるからねっ!毎号のグラビアでは色んなプロデューサーが見れるよ!」

ありす「いい加減電子版にも対応してほしいものですが…」

凛「そっちは泉に任せてあるからもうちょっと待ってね。」


悠貴「…あの、メンバーってここにいる人たち全員なんですか?」

ありす「私は全P連ではありません。『 L.O.L.I.T.A 』です。」

悠貴「ロリータ?」

ありす「Love Only Little & Innocence by Tachibana Alice…」

悠貴「わ、すごくいい発音ですっ。」


未央「いっぱい練習してたもんね?」

ありす「…何のことでしょうね。水を差さないでもらえますか?」

ありす「…私達は主に未成年との結婚や交際に関する法改正を目的に活動するグループです。」


卯月「私達とは別系統の組織なんだけど、協力関係にあるの。」

ありす「目的や利益が一致するところも多いですからね。」


凛「他にも小さなグループや同盟関係はたくさんあるよ。」

凛「どこにも属さないで自由にやってる子たちもいるけどね。」

蘭子「魔王の軍勢はあまねく世界に広がる!(大体の子たちはうちに加入してますよ。)」

加蓮「まあ、会報とかポイント目当ての子たちも多いけどね。」

悠貴「ポイント?」

未央「そっ、P-ポイント。連盟の利益になる行動をするともらえるんだ。」

未央「用途はグッズとかの引き換えが主だね。悠貴ちゃんのプリクラも提出すればポイントになるよ?」

ありす「ツーショットはコラ素材として人気が高いですからね。」



悠貴「え…。あの…これは東京に来た記念なので…ごめんなさい…」

卯月「そうだね。提出したらPさんとの二人だけの思い出じゃなくてみんなのものになっちゃうから。」

未央「ちえー。まあいいや。Pに関するものならなんでもポイントになるから、申請は福利厚生担当の未央ちゃんによろしくね!」

悠貴「…あの、佐久間先輩はいらっしゃらないんですか?」

凛「…え?」


悠貴「あ、いや…佐久間先輩、いつもPさんのことが好きだってアピールしてるからっ…」

加蓮「…まゆはP信会だよ。」

悠貴「ぴーしんかい?」


凛「『Pさんとの運命を信じる会』…過激派だよ。…まゆも、もともとはうちのメンバーだったんだけどね…」

凛「気をつけてね、P信会はひとつの組織にみえてそれぞれがナンバーワンになるのを狙ってる…」

凛「全アイドルの幸せが目的の全P連とは真逆の組織なんだ。」


悠貴「…はい。」(あんまり聞いたらよくなさそうだな。)



蘭子「いざ、暗黒の饗宴を行わん!(さあ、歓迎会を始めましょう!)」

卯月「そうだね!お仕事の都合で全員は来れなかったけど、今日はいっぱいお話しようね!」

悠貴「あ、はいっ!ありがとうございます!先輩方っ!」

凛「その先輩っていうのもナシでいいよ。」

凛「うちは上は17歳から9歳まで年齢もバラバラだし、経歴も様々だからさ、最低限の礼儀さえ守ってくれればいいよ。」

悠貴「えっと…じゃあ…凛、さん?」

凛「うん、それでいいよ。」

ワイワイ  ワイワイ

悠貴「でも、本当…東京ってすごいですね…こんなカフェテラスがあって…素敵な音楽が…」

未央「ふぇ…音楽…?」

悠貴「はい…フルートの素敵な音色…」

凛「!」

卯月「まずいわ!みんな耳をふさいで!」

加蓮「ううん…」

蘭子「冥府へと誘う調べ…(眠くなってきました…)」

凛「…っ…まずい…私も…」





「…あっけないですね。さて、今のうちにPさんグッズを回収するとしましょうか。」

「にょわーーーーーっ!!!」ズガァン!

「っ!」


きらり「みんなおっきおっきしてー!P信会がきたよぉーっ!」

悠貴「…うーん…えっ!? 何これ…コンクリートがえぐれて…」


加蓮「ありがときらり。助かったよ。」

きらり「へーきへーき!ここはきらりに任せて☆」


ゆかり「相変わらず騒がしいですね…音楽は静かに聞くものですよ?」

きらり「んー?きらりはゆかりちゃんの音楽とっても素敵だとおもうよぉ?」


ゆかり「じゃあ、そこで静かに聞いていてください…永遠に。」

きらり「にょわ?」



「え……えい!」

ズバァッ!!

きらり「ひょわぁ!」

「あ……はずし、ちゃった……」

蘭子「使者の顕現か!?(新手?)」


智絵里「もう一回……チ…チ…チョ…チョップ、です。えい。」

ズバァッ!!


悠貴「ひ…!」

加蓮「まずいよ!このままじゃ悠貴ちゃんが巻き込まれる!

卯月「凛ちゃんは悠貴ちゃんを安全なところへ!」


凛「うん!後は頼んだよ!みんな!悠貴!こっち!」

悠貴「えっ?は、はい!」

ありす「…ふう。ここまで来れば問題ないでしょう。あとはあの階段を上れば…」

ありす「…?」(誰かいる?)


「こんばんは。ありすちゃん。」


ありす「響子さん…。」

響子「計画がうまくいって一安心、ってところかな?」

ありす「…なんのことでしょうか。」

響子「とぼけなくてもいいよ。私達に全P連の集まりがあるって教えてくれたのありすちゃんでしょ?」

響子「ありがと、おかげで裏をかけたよ。」

ありす「なぜそう思うんでしょう?私には何のメリットもなさそうですが。」

響子「うーん…ありすちゃんのメリットかあ…例えば、最近ありすちゃん仕事が減ってる、とか?」

ありす「…まるで関係ないですね。」

響子「あはは!だって私達が潰し合えば自然にありすちゃん達が強くなるでしょ?」

ありす「…」

響子「そのために私達を利用した…違う?」


ありす「…仮にそうだとしても、今私を狙うことに意味があるとは思えません。」

響子「え?…ああ、違うの。私がここにいるのはありすちゃんにお話するため。」

ありす「?」

響子「ありすちゃん、私に憧れてるんでしょ?」

ありす「…何を言っているのかよくわからないのですが。」

響子「照れなくてもいいよ。…だって、よく私の真似するでしょ?」

響子「お料理だったり!Pさんの世話をやいたり!ねえ!?」

響子「そんなに私の真似したいならさ…色々教えてあげるよ!まずは『さしすせそ』の『さしみ』からね!」

ありす「!」

カカカカッ


響子「動いちゃダメだよ!変なところにあたっちゃうよ!」

ありす「…結構です!お刺身だったらもっと適任者がいますから!」

響子「…!減らず口を!」

ありす「っ!」

ありす(このままでは…一か八か論破してみましょうか…)


響子「あははははっ!今度はかくれんぼ?ありすちゃんって結構子どもだよね!」

ありす「…待ってください。」

響子「?」

ありす「私はおそらく響子さんとは似つかないアイドルになると思います。」

響子「へえ…?」

ありす「響子さんはキュート、私はクール…そして私を表現する単語、IT、知的、ロングヘアー…」

響子「…」

ありす「そこから考えるに私はおそらく泉さん…ひいてはマキノさんのような女性になるのではないでしょうか?」

響子「えっ。」

ありす「…納得していただいたようですね。」


響子「あの、でも、あの二人は本当にすごくて…」

ありす「確かに…あそこまでのスキルを持つのは難しいかもしれません。ではもう一つの可能性を示します。」


ありす「私はよく『大人びてる』と言われます…クール…大人びてる…つまり…」



ありす「奏さんのような女性になると言いたいのですね!」


響子「…」

響子「あっ、はい。」


ありす(ふう…なんとか論破できましたね。)

凛「よし…悠貴はここで待ってて。私はみんなを…」

悠貴「はい…え、何このリボン…きゃっ!」

凛「悠貴っ!」


「うふふ…こんばんは。」


凛「まゆ…悠貴を離して」

まゆ「離して、なんて…新人さんが騙される前に助けに来てあげただけですよぉ?」

凛「人聞きの悪いこと言わないで。私達はみんなの幸せのために活動してる。」


まゆ「笑っちゃいますねぇ…」

まゆ「ほんと、よく考えたものです…他のアイドルの行動を管理しつつ自分は折衝役としてPさんと接触する…」

凛「それは…その分私は自重してるよ…」

まゆ「それだけじゃない…会費と称して資金を集めて…」

凛「…!」

まゆ「…わかってますよぉ?あなた達は横領なんてしてない…でも、『上納金』は払っているみたいですねえ?」

凛「…」

まゆ「仕方ありません…現状、あの人の命は彼女に握られているわけですから…」

凛「それなら…」


まゆ「だったら、なぜ体制を変えようとしないんですかぁ?あの人を解放すれば全ては終わる!Pさんは救われるんです!」

凛「違う!そのやり方じゃたくさんの人が不幸になる!だから私達がトップアイドルになるまで…!」

まゆ「だったら今すぐ全てのアイドルにPさんを授けてくださいよ!」

凛「そんなの!」




まゆ「…これ以上は無駄のようですねぇ…Pさんがいなければあなたとは友達になれたかもしれないのに…」

凛「…」

まゆ「…さよなら。」シュルシュルシュルシュル

ドドドドド!




凛「大丈夫?悠貴ちゃん。」

悠貴「あ、はい…なんとか…」


まゆ「いつの間に…っ!?」

凛「バカにしないでくれる?これでもシンデレラガールなんだよ?」

まゆ「…!」ギリ




「そこまでよ。」

凛「マキノ!?」

まゆ「あらぁ…?」

凛「どうしたの?やっぱり私達の仲間になりに来た?」

まゆ「あなたならまゆ達と一緒のほうがうまくやれると思いますよぉ?」

マキノ「お生憎様。悪いけど私は誰とも組むつもりはないわ。」



マキノ「それよりいいの?Pが『婚活同盟』に拉致されたわ。」



凛 まゆ「「!」」

凛「しまった…今日は金曜の夜…!」

まゆ「こっちに気を取られすぎましたねぇ…」

凛「場所は!?」

マキノ「…」スッ

凛「…アンタにとってもまずい状況だと思うけど。」

マキノ「そうね。でもそれはあなた達にも言えることでしょう?」

凛「…っ」ヒュン

マキノ「…飲み差しのペットボトル。随分と張り込んだのね。」

凛「…泉、聞こえる?この会話を全帯域で発信して。」

『了解』


マキノ「場所は駅から少し離れた個室居酒屋…いわゆる隠れ家的空間というやつね。現在移動中よ。」

マキノ「実働メンバーは『セクレタリー』『未亡人』『ミスメープル』『アンチエイジング』」


まゆ「…大部隊ですねえ。」

マキノ「店ではすでに『マッドマックス』…同盟メンバーではないけど『クレイジーキャッツ』が待機しているわ。」

凛「…個室に入られたら未成年の私達では手が出せないね。」

まゆ「…困りましたねえ。」



凛「一時休戦だね。まゆ。プランU-18でいこう。」

まゆ「U-18…。夜遊びが見つかったふりをしてPさんに送ってもらう…ですね?」

凛「そう。プロデューサーに叱られるっていうリスクを伴うけどね。」

まゆ「リスク?ご褒美、の間違いでしょう?」

凛「ふん…。行こう。グズグズしている暇はないよ。」

まゆ「ええ。もちろん。」ニコ

凛「ごめんね悠貴。ここからは私達だけで…先に帰ってて。」


悠貴「え、はい。あの…一体…」

まゆ「凛ちゃん、急がないと?」 シュンッ

凛「うん。じゃあね。おやすみ悠貴ちゃん。」バシュッ

悠貴「うう…昨日はなんかすごかったなあ…先輩たちが裏ではあんな…」

悠貴「私…どうすればいいんだろっ…」



悠貴「おはようございます…」

凛「どう?昨日のプロデューサーのお説教、こっそり録音しといたよ。」

まゆ「さすがですね。まゆにも後で送ってください♪」

未央「まーゆっ!それならまゆの秘蔵のプロデューサーコレクションもちょうだい?」

泉「音声データに自分の名前を合成したい人はいない?100ポイントでやるわよ?」

きらり「うきゃーっ!ほしーほしーっ!」

智絵里「…あ、わたし、も…」

ゆかり「フルートの練習がはかどりそうですね。」

蘭子「数多の天使を堕とせし禁忌の至宝が今ここに…!(怒り顔の写メ撮っちゃいました。)」

加蓮「ちょっと!それは共有財産にするべきだよ!」

ありす「私のタブレットで拡大して見るのが正しいのではないでしょうか?」

響子「えへへ…亭主関白もいいよね…」

キャッキャッ ワイワイ





悠貴「…」

お母さんへ

東京ってすごいところです。芸能界ってやっぱり大変です。

こっちに来てまだ少ししかたっていないけれどすごくたくさんの事がありました。

なんだかずっと岡山に帰っていない気がします。

お母さんのご飯が食べたいです。


…だめだね。これじゃ。アイドルになりたいって言ったのは私だもんね。

まだまだ負けないよ。私頑張るから、応援しててねっ。




追伸

お小遣いが足りなくなってしまいました。ごめんなさい。至急1万振り込んでください。

おしまい


こんなおっさんのSSを読んでくれてありがとう。
こんな訳のわからんこと書いて何が言いたかったかって言うとありすちゃんの出番を増やせってことなんや。
あと悠貴ちゃんかわいい。おっさん大好き。べろべろしたいで。

鬼「酷い奴も居たものだ」

悪魔「我々もここまではしない」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年09月23日 (火) 02:46:52   ID: XW5NMVcr

かっこよく言っちゃいるけど、結局はただの変態集団という
オチ

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