妖精「君の慎ましい安価ファンタジー」 「えっ」 (282)

明日が休みになったので丸一日書き続けるよ!
安価スレだから、更新が10分かかるなんてザラかもね。
唐突過ぎて反応に困るような安価はちょっと遠慮するよ。

始めるよ。

>>3 主人公の名前をお願い。ふざけたのは駄目だよ!
三文字とか四文字で覚えやすい名前が好ましいな!

>>5 主人公の性別をお願い!

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1401636512

かなえ

女の子

主人公はかなえちゃんだね! カタカナで【カナエ】と表記するよ。

彼女には何か人より長けている所があるのかな?
例えば、剣術だとか槍術だとか勘だとか。

>>8

天使の歌声を持つ

【天使の歌声】を持ってるんだね! これは物語で活躍させたいなぁ。

最後に、【カナエ】の種族は何かな? 人外でもいいけど、人の形をした魔物として扱うよ。

>>14

陸に上がれる人魚
水で濡れると足が魚になっちゃう

【人魚】だね。ファンタジーっぽくて素敵!




舞台は妖精、魔物、魔法だらけのファンタジー世界。
人は王に守られ、王を崇め、神を信仰する。

これはそんな世界に産み落とされた少女が、慎ましく平穏な毎日を歩んでいく物語である。



始まり始まり。

─森の小屋─


カナエ「……」

カナエ「ふぅ」ズズー

少女、カナエは時間をもて余していた。
森の奥の静かな小屋で、本を読み紅茶を啜る毎日。

これ程慎ましい生活が他にあっただろうか。
鬱陶しい近所付き合いも、騒音も、生活苦も無い。

ある人には、夢のような暮らしかもしれない。

カナエ「……はぁ」パタッ

活字を追っていた本を閉じて、ふと窓をぼんやり見つめる。

カナエ「あれ?」

カナエの目に写ったのは人影。自分と同じ背丈の影である。

その影はゆっくりと戸に手を伸ばし、

とんとん

と叩いた。

カナエ「お……お客さん!?」

カナエは慌てた。それはそうだ、人が来たのは初めてなのである。

急いで服のシワや髪の寝癖を整えて、

カナエ「はーい!!」

と、やや上ずった声で戸を開け放った。


訪ねてきた種族 >>21

ワーウルフ

カナエのその人への第一印象は決して低くない。
整った顔立ち、優しそうな、悪く言えば気の抜けた表情。

「あの……道を訪ねたいのですが」

その人は弱々しい声で、相手の様子を伺うように言った。


>>24 【ワーウルフ】の名前と性別をお願い! これも三文字か四文字だと嬉しい!

ワウル メス

カナエ「うぇっ!? 道ですか……?」

「はい……」

カナエ「えーとぉ」

カナエは困惑した。
何せ森の奥にやってきて二年余り、この小屋の中でしか生活してこなかった。

そんな人に道を聞いても、

へー、この辺にそんなのがあるんですか?

という返事しか返ってこないだろう。

カナエ「……」

とにもかくにも、カナエは、

カナエ「まあ、中へどうぞ!」

この客人をもてなす事にした。


********

カナエ「──なるほど、ワウルさんはこの辺にある【人狼の村】に里帰りしに来たんですね」

ワウル「……はい」

訪ねてきた女性、ワウルは差し出された紅茶に目を落としながら応える。

カナエ「ふむふむ」

カナエ (さっぱり分からない)

ワウル「私も、その……久々に来たもので」

ワウル「道を忘れてしまって……」

少し照れ臭そうにそう言う彼女は、カナエの目にとても可愛らしく映った。

カナエ (この人の力になりたいなあ)

そう願うも、それは出来ない。
有力な情報を一つも持っていないからだ。

ワウル「分からないですか?」

カナエ「!」ビクッ

ワウル「先程から困っているように見えるのですが……」

困ってる人に心配される始末である。

カナエ「いや、えーと……」


どうしよっか >>28

地図を渡す

カナエ「あっ」

ワウル「……?」

カナエはここで何かに気付き、席を立った。

カナエ「確か、この棚に……」ガサゴソ

突然棚を探り、そして、

カナエ「……あった!」

ワウル「それは……」

何かを見つけた。

カナエ「何ってこれは地図帳です!」

カナエ「少し古いですが、これに載ってませんか?」

差し出されたワウルは、その碧眼を大きく見開いて驚いた。

ワウル「地図帳だなんて、そんな高価なもの……畏れ多いです……!」

そう渋ってなかなか受け取ろうとはしなかったが、やがて手に取り、文字を追った。

********


ワウル「あっ!」

カナエ「ありました?」

ワウル「はい、これです」

彼女が指した先には確かに【人狼の村】とあった。

カナエ「あー……この小屋からもうちょっと奥に行った辺りですね」

ワウル「そのようですね……」

そう言うとワウルは立ち上がってカナエに向き直る。

カナエ「?」

ワウル「この度は、助けて頂き……言葉に言い表せない程の感動を今、私はしています」

ワウル「ありがとうございました」ペコッ

カナエ「いっ!? いやそんな……!」

深々と頭を下げられて、取り乱すカナエ。
だが、顔はほんのりニヤついてるのが分かる。

ワウル「このお礼は、必ず」

そういって自分の身辺を改め、カナエに背を向けた。

カナエ「あっ……」


行ってしまうよ。どうしようか。 >>32

追跡

カナエ「うん」

カナエ「気を付けてね」

ワウル「はい……それでは」

ワウルは戸を開けて、部屋を出た。

パタン

と、戸のしまった寂しい音が後の部屋に広がる。

カナエ「……」

カナエはすっかり硬直していたがやがて、

カナエ「……私、私人と話せたんだよねっ?」

と、喜びを露にした。

そして、

カナエ「でも、また独りに戻っちゃったなぁ」

と、うってかわって悲壮感を漂わせた。
カナエは非常に感情の移り変わりが激しいのやもしれない。

カナエ「……い、いや」ブンブン

カナエ「日常に戻ったんだ、今まで通りさあ本を読もう!」

無理矢理に明るく振る舞って、カナエはこの体験を胸にいつまでも留め、
終生まで慎ましく独りで暮らしたとさ。


********

カナエ「……」ソーッ

ワウル「……」ザッザッザッ

なんて訳ない。カナエは行動派である。
独りが嫌な彼女の下した決断は、追跡だ。

森を静かに、しかも足早にワウルは歩く。

それを木を利用してカナエが上手く隠れ、こっそり尾行している、という構図になっている。

カナエ「ワウルさん、足速いなあ」


何かイベントを起こそうか! >>36

何者かの手により滅ぼされ廃墟になった人狼の村に到着

─人狼の村─


ワウル「……」

村に辿り着いたワウル、後ろのカナエは言葉を失った。

カナエ「……!」

ワウル「これは、これはっ……!」

ワウル「一体っ!」

涙が溢れ、目の前もよく見えないワウルは村に足を踏み入れた。

家屋が全て壊され、人の気配のしない村に。

カナエ「酷い……あんまりだ」


カナエはどうしよっか。 >>39

ワウルと共に犯人探しのたびへ

カナエ「お、追い掛けなきゃ……!」

こういうときの人の心を、カナエは知っている。

今ワウルは、誰かに触れたいはずだ、と。
どうしようもなく、孤独だ、と。


カナエ「ワウルさん……!」

********


ワウルは村の中央、空き地のようなところに膝をついていた。

ワウル「……」

まるで、全て夢であって欲しいと祈るように。

カナエ「……」


何て声を掛けようか。 >>43
この安価の後、きちんと旅立つよ!

生き伸びている人を一緒に探しましょう

カナエ「ワウルさん」

ワウル「っ!」ビクッ

驚いて振り返ったワウルの碧眼は赤く、涙が絶えず流れ出していた。

ワウル「あなたは……。ついてきてたのですか」

カナエ「ワウルさん、生き延びてる人を探しましょう……!」

カナエ「きっといるはずです、きっと!」

元気付けるようにカナエは言うが、ワウルは諦めた表情で、

ワウル「……カナエさん」

ワウル「私はワーウルフです……だから、人より鼻が良いのです」

諭すようにカナエに言う。

カナエ「それが……」

ワウル「私がいくら狼に変身しない期間が長くとも、鼻は衰えません」

ワウル「血と温かい食卓の香りぐらい……かぎ分けますよ」

そういうワウルはどこか現実を見てないようで、
しばらくカナエと共に放心状態にあった。

********

口を開いたのは、ワウルからだった。

ワウル「カナエさん」

カナエ「……」

ワウル「私、鼻が良いって……言いましたよね?」

カナエ「はい」

カナエは持ち前の明るさをすっかり無くし、同情で心が一杯だった。

ワウル「"嗅いだ"んです、匂い」

ワウル「犯人の、匂い」

カナエはワウルを見て、ああ、と察した。
眼が決意したと強く物語っている。本気だ。

カナエ「……」

ワウル「だから私……その、犯人を──」

カナエ「私も犯人探し……手伝います」

ワウル「!」

カナエ「私も、その犯人が許せない」

カナエ「ワウルさん、ついていっても良いですよね?」

ワウル「でも、あなたは……」

何かをいいかけたワウルを、カナエは手で制す。

カナエ「私が私の意思でワウルさんに協力したいと言ったんですよ」

カナエ「お願いします、邪魔はしませんから」

ワウル「……」

ワウルは感動した。
世界に、人のために涙を流す聖人が数えるほどしかいない。

ワウルは、その一人に出会えたのだと。
ただ、感動した。


********

カナエ「それで、ワウルさん……いや」

カナエ「ワウルちゃん、犯人の匂いって?」

ワウルちゃん、というのに反応しかけたが、
ワウルは、

ワウル「はい、種族特有の匂いがありました」

と応える。

カナエ「その犯人の種族は……?」

ワウル「あれは……そう、正に」

ワウル「 >>49(種族) の匂いでした……」

ドラゴン

カナエ「ドラゴン……」

カナエは本の虫だったから、知識はある。

ドラゴンは古来より気性が荒く、傲慢で知られていた。
その癖実際に強く、ブレスを吐き敵を焼き尽くすのだから、畏怖されている。

カナエ「倒せるかな」

ワウル「……倒してみせます」

そういい放ったワウルは、すっかり気丈であった。


旅立つ前に森で何かする? >>52

尿意を増幅させる香りを放つ植物のモンスターと遭遇

>>52は【する】じゃなくて【された】だね。
安価下だよ、ごめんね!

次のイベント安価の時に書いて踏んでくれれば、ちゃんと採用するからね!

********

二人はもう一度、カナエの小屋に立ち寄っていた。
旅の準備を計るためである。

カナエ「何を持っていった方がいいかな」

ワウル「地図と、水筒と……後何でしょうか」

カナエ「まあ、適当で良いでしょ」

カナエのいい加減な性格が、露呈しつつある。

ワウル「……」

カナエ「あっ……水が無いや……」

露骨に面倒そうな顔をするカナエ。

ワウル「えーと、近くに湖があったはずですけど」

カナエ「うん……私、あそこが不気味で嫌いなんだ」

カナエ「水に濡れたくないってのもあるけど……」

小首を傾げて、ワウルは訳が分からないといった顔をする。

ワウル「不気味ですか? 確か、あそこには精霊様が居るらしいですし、むしろ神秘的ですが……」

カナエ「そうなの?」

ワウル「ええ」

ワウル「お祈りがてら、行きましょうか。加護を貰えるやもしれません」

訝しげだがカナエは、

コクッ

と頷いた。

─森の湖─


カナエ「……」ブルッ

カナエ「やっぱり不気味だなぁ」

身を震わせて、ワウルの方をチラッと見る。
彼女はもうお祈りのポーズをとっていた。

ワウル「……」

カナエ「はぁ」

カナエも荷物を置いて、膝をつき祈る。

すると、

『誠に殊勝な心掛けだ。加護を授けよう』

という女性の落ち着いていた、それでいて力強い声が聞こえた。

カナエ「今のは……」

ワウル「きっと精霊様です……! 精霊……!」


加護の効力はどんなの? >>58

とくになし

【気休め】だね! 何かリアル!

ちょっと睡魔がやばいから、珈琲飲んでくるよ。
30分投下が無かったら寝やがったなって思ってくれて構わないよ!

寝たよ、ええぐっすりとね! ごめんね!
ひとまず、人が居るかわかんないけど12時に始めるよ。

二度寝って怖い。重ねて謝罪するよ!ごめんね!
今度こそ始めるよ!

カナエ「加護……ねぇ」

ワウル「それよりもカナエさん。水をさっさと汲んじゃいましょう」

カナエ「ああ、うん。そうだね」

二人はせっせと水筒に水を汲み、やがて湖を後にした。

********

カナエ「森を出るなんて久々だなぁ」

カナエは空を仰いで呟くように言った。
ちなみにこのカナエ、インドア歴が長いが人見知りをしない、特異な娘だ。

森を出て少し行った街へは半年に一度か、本や食料を買いにいくぐらいなのだが、それなのに口が達者である。

ワウル「そうなんですか?」

カナエ「うん、森の外に用事なんて……そんなに無いし」

カナエの少し悲しそうな顔を見て、ワウルは唐突に話題を変える。

ワウル「そ、そういえば」

カナエ「?」

ワウル「地図、持ってますよね。広げてみてくれませんか?」

そう言われて、鞄から地図を取りだし
目の前に広げた。

ワウル「えーっと……」

ワウル「ここ! この辺にその匂いが向かったはずです!」

ワウルが指差したのは、どこかの地名だった。
カナエはイマイチぱっとこない。


そこには何があるかな? >>76
例えば、城だとか塔だよ!

イオンモール

カナエ「い、いおんもーる?」

ワウル「はい。この近くの街よりもずっと大きな都市です」

ワウル「この世に存在する物の四割の品が揃うと言われています」

ワウルの口から滑らかに聴こえてきた説明に、カナエは目を見開いて驚いた。

カナエ「よく知ってるね」

ワウル「あー、これでも旅をしていましたから」

カナエ「あ、じゃあさじゃあさ!」

見た目こそ16年生きたか生きてないかの少女が、
この時ばかりは幼子に見えた。無邪気だ。

カナエ「他にはどんなことを知ってる? 教えてよ」

ワウル「そうですね──」

二人は語らいながら、森より東、イオンモールの地へ歩を進める。


イベントを何か起こそうか! >>80

地殻変動が起こった!

********

カナエ「あ、あれは何? ワウルちゃん」

ワウル「あれは……」

カナエが指した先には雄大に聳え立つ、恐怖の塊。
それすなわち、

ワウル「火山……ですね」

火山。
一度火を吹けば、辺りをマグマが道連れに、
周りへ大きくひろがっていく。有名な天災の一つだ。

ワウル「こんなところにあったとは」

カナエ「かざん……。字に起こせば火山かな」

カナエ「はて、どこかで聞いたような……」

カナエが手を額に当てて、何かを思い起こそうとした。

その時だった。

ワウル「っ!」ピン

グラグラッ

と、辺りは大きく震動し、カナエやワウルは驚き尻餅をついた。

そうして、丁度二人が居た位置にはパックリと地下へ誘う大穴が──



突如開いた穴から地下へ二人が落ちてしまったよ!
その地下には何があったかな? >>86
例えば、◯◯の住む王国だとか地下迷宮だとか!

デパ地下

レスつかないなーっと思ってたらいっぱいついてたね。ごめんね!
デパ地下……はちょっと厳しいかな?
今回は再安価という処理だけど、また書き込んで踏んでくれたらちゃんと採用するからね!

じゃあ、申し訳ないけどもう一回お願い! >>96

ドワーフ王国

********


カナエ「あいたたた……」

地面に勢いよく衝突した自らのお尻を擦りながら、カナエは周りを見渡す。
周りは土の壁に囲われ、上を見上げれば微かに青空が見えた。

カナエは深い溜め息と共に、もう一つのことにも気づいた。
ワウルが居ないのである。

カナエ「あれ……ワウルちゃん?」

カナエ「ワウルちゃーーん!!」

シーン

と、反響したカナエの声が静寂を伝える。

カナエ「……」

カナエ「ふぅ……よし」

決心し、腰の砂を払って、ゆっくりと立ち上がり、

カナエ「探すとするかな!」

カナエはまだ恐怖で僅かに震える足にムチ打って、
奥からうっすらと見える灯り目指して歩き始めた。

─ドワーフ王国─


ドワーフ「ラリホーー!」

カナエ「ラ……ラリホー」

カナエはしばらく歩いて、やっと辿り着いた場所。
何かの金属で作られた芸術的な門の前に構える、小柄だが力強さを感じる者に声を掛けられた。

ラリホー。カナエには縁のない言葉である。

カナエ (ドワーフっていうのかな? 存在は本で読んだ気がするけど……ラリホーって?)

ドワーフ「うん、お前、なかなか良い挨拶だ!」

門は、

ガラララ…

と音をたてて開いた。

ドワーフ「入ってもいいぞ!」

カナエ「ど、どうも」

何だかやりづらいとカナエは感じたが、男に従い街へと入っていった。

奥には壮大な建物が見える。



カナエはドワーフ王国に入国したよ!
入ってまずは何をしようか? >>102

ワウルを探す

カナエ「あのっ」

カナエは入ってすぐ、
目の前を通ったドワーフに声をかけた。

ワウルを見たか尋ねるためである。

ドワーフ「ラリホー!」

カナエ「……ラリホー」

さっき見たドワーフと似たような風貌で、
なおかつ同じ挨拶をされた。

何故だか段々と、ドワーフというものをカナエは分かってきた。

カナエ「髪は柔らかな亜麻色で、綺麗な碧眼の女の子を見ませんでした?」

ドワーフ「んー? その娘はドワーフじゃないのか?」

カナエ「はい」

ドワーフ「そんな珍しい者、見たっけなあ」

ドワーフ「うーん」

ドワーフの男は眉間にシワを寄せて、記憶を探っている。

やがて、

ドワーフ「 >>106

と答えた。

ごめんなさい誤爆しました

ドワーフ「見ていない」

そう言われてカナエは少し顔を曇らせたが、

カナエ「そうですか、ありがとうございました」

と、笑顔でお礼の言葉を延べて立ち去った。

********

カナエ「……うーん」

カナエは悩んでいた。
ワウルを探して城下町を歩いたが、見つけたのは美味しそうな料理屋と、
古めかしい【鍛冶屋】と呼ばれるものだけだった。

一向にワウルは見つからない。

カナエ「こうなると……やっぱり」

そうして上を見上げた先には、門からも見えた建物。
街のドワーフによれば、城らしい。

調べていない建物はここぐらいだ。

カナエ「いや、どうしよう」



どうしよっか? >>113
ちょっとトイレ行きたいから遠めだよ! ごめんね!

料理屋へGO

カナエ「……」グーッ

……。

カナエ「……まずは」

カナエ「ご飯かな」

カナエは先程見つけた料理屋へ向かった。

********

店員ドワーフ「ご注文が決まったら、大声で呼ぶラリ!」

カナエ「あ、はい」

入ってすぐ、店員はこっちを見るやいなや席に案内してきた。
極めて迅速な対応である。

カナエ「んー、これでいいかなあ」

カナエも迅速に注文する品を決め、店員を呼びつける。

ちなみに、頼んだのは【カレーライス】なるものだ。
カナエは見聞きすらしたことが無い。

****

少し時間が経った。
カナエは今か今かと待つが、なかなか来ないのも無理はないとも思っていた。

カナエの他にも客が結構な数居たし、厨房にはあまり多くのドワーフが居ないようにも見える。
カナエは気長に待つことにしていたのだが。


何かイベントを起こそうか! >>119

ドワーフには効果がないが人魚が食べると数日間続く利尿作用のある料理をたべる

>>119 料理が来るまでの間のイベントを安価したんだよ! 説明不足でごめんね。
このまま>>119を採用するとちょっとした誤差が出るから安価下だよ!

その時であった。

ガララッ

と、大きな音が入り口からして、店内の客全員がそちらを見た。

親分オーク「おう、飯を食わせろ!!」

子分オークA「おうおう!」

子分オークB「勿論半額でなあ!」

汚ならしい風貌のオーク三人組。

カナエは物凄い嫌悪感を彼らに感じた。
生理的に無理、というやつである。

カナエ「うわあ」

先程まで和気藹々としていた店内もすっかり冷め、店員の応対が響くのみとなった。

そういえば、とカナエは思い出す。

カナエ (荒くれオークってあいつらのことかな? 街の嫌われもの、オークの集い……)

嫌だなあ強く思うカナエの横にオーク達は、

ドカッ

と、腰掛けた。

カナエ「えっ」

親分オーク「よう、姉ちゃん。ここらで見ない顔だなあ?」

その豚にも似た醜悪な顔を近付け、カナエにオークは問う。

それにカナエは、

カナエ「じ、地震に巻き込まれて……」

と、弱々しく答えた。
恐怖と嫌悪感で足がガクガクと震えている。
カナエは、臆病なのである。

親分オーク「ああ、そういえばさっき大きく揺れたもんなあ!」

親分オーク「そんときに開いた穴にでも落っこちたか?」

オーク本人は普通に話しているつもりだが、
すべてがカナエにとって、脅しに聞こえる。

カナエ「……」コクッ

親分オーク「いや、なんでお前震えてんだよお! ガッハッハ!!」

カナエ (だ、誰か助けて……!)

カナエはただひたすらに震えているのみであったが、
それを助ける者が現れた。

それは、オークを制止する声と共に。

親分オーク「何だあ……お前え!」


それは誰? >>130

ワウルさん

ワウル「私はその女の子の連れです」

ワウル「嫌がってますし、離れたらどうですか?」

亜麻色の髪を揺らし、
その碧眼は相手をしかと睨み付けている。

まさしくそれは、カナエの知る人であった。

カナエ「ワウルちゃん!」

親分オーク「……ああ?」

子分オークA「おいねーちゃん! この人の腕っぷしを舐めちゃあいけねえ!」

オーク達も席を立ち、ワウルから遥かに高いところから睨む。

ワウル「……」キッ

子分オークB「強気だなあ」

険悪なムードに、たまらずカナエは声を発する。

カナエ「わ、ワウルちゃん……! あまり刺激しない方が!」

ワウル「カナエさん、私は大丈夫です……」グーッ

グーッ

と、ワウルの腹から狼の唸り声のようなものが聞こえた。

ワウル「……オーク達に」

ワウル「腹を空かせた野犬の怖さを思い知らせます!」グッ

カナエ「大丈夫じゃないそれ!」

ちょっとご飯食べるね! 30分かそこらで戻るよ!

すまん。
こんなスレ誰も見とらんしつまらないって言われてるかと思って頃合いを見て依頼をしようと思ってた。
時間を守る・指定するっていうのは本当当たり前だよね。
ネットだからってルーズになってた。
本当ごめんなさい。

それで、恥を承知で聞くけど
もう一回かきはじめてもいいかな。このスレを完結させたい。

人いないしやめておきます

>>152
本物?
寧ろ書いてください

>>153
いや、乗っ取りは勘弁して!

>>154
はい本物です。
一応、最後に落ちる前に使ったトリップをつけてますので、これで判別できますよね。

親分オーク「随分と勇猛なねーちゃんだなあ! がっはっは!!」

親分オークの笑い声で、一様に店内の客は顔をしかめる。

子分オークA「親分、こいつぁ俺がやります!」

ワウル「……」

子分オークA「こんな女に舐められてちゃあ、なんだか男が廃る気がするんでぇ」

ワウルはなおもオークから目を離さない。
その様子をカナエは、ぷるぷると震えて見守っていた。

カナエ「ああっ、神様……ワウルちゃんをどうか」


親分オーク「よし、やっちまえい!」

子分オークA「あいあい!」

親分オークに任され、勇んで攻撃をしかけようとする子分オークの目の前に、

子分オークA「って、ありゃあ?」

居ない。
否、消えたのではなく、『移動』した。


ワウル「……人狼格闘術、その一」


子分オークA「な、何ィ! 天井だと!」

狼狽える子分オークに、ワウルが微笑みかける。


ワウル「『上から叩く』!」


ワウル「友人を怖がらせたその罪、私が裁いてやりますっ!」


ワウルは素早い動きで天井から子分オークに、
爪を降り下ろした。

これにはたまらず、

子分オークA「ぎゃあ!」

と、相手は情けない声を出すほかなかった。

ワウル「ふう」

カナエ「わ、凄い! ワウルちゃんって可愛い上に喧嘩が強いんだね!」

カナエは一連の動きに感動し、
目を輝かせてワウルを見つめる。

ワウル「いや、そんな……」

ワウルもそれを聞いて、先程の闘志も忘れ、
頭の後ろを掻いて頬を赤らめた。


親分オーク「ぐぬぬ。子分がやられるたぁ、どういうことだ!」

親分オーク「それも女に!」

子分オークB「ま、まあまあ親分!」

親分オークは絶対勝利の自信があった。
自信どころか、勝利したあとの始末も考え、
もはや確信していた節があった。

が、それなのにみっともなく負けた。
その事実は親分オークを激昂させ、

親分オーク「……くっ」

恐怖させた。


親分オークはどうしようか! >>163

女性にのみ効く毒ガス(吸うと激しい尿意におそわれる。漏らしてしまうとおしっこと一緒に魔翌力まで抜けてしまう)をぶちまける

>>163は何か前の尿安価に似た何かを感じるよ!
うん、全然構わないよ! >>1も何とか安価を遂行しつつ暗い展開を避けていくから!

で、いいところなんだけど一旦オチ。
もともと用事の合間に覗いただけなんだよね! ごめんんね!
でも次はちゃんと戻ってくるよ!
PM8:00、それまでにはちゃんと戻るよ!
遅れる可能性も微レ存だけど、それでも8:15までには戻ります。

ワウル「……それで」

ワウルが親分オークの方を向いた。
その顔はいたって真剣である。

ワウル「あなたもやりますか?」

親分オーク「な、なめやがってぇ」

親分オークは考える。

このまま殴りあっても恐らく負ける。
一瞬で天井へ張り付く脚力、子分を引き裂いた爪。
それらが己を襲うと考えると、

親分オーク (真っ向勝負なんて無理だなあ)


親分オーク「……がっはっは!!」

カナエ「……?」

親分オーク「もう女だからって容赦はしねえ」

ワウル「? 今更何を」

親分オーク「これでも……」

懐から取り出した小瓶。
それをワウル目掛けて親分オークは投げつけ、

親分オーク「喰らえっ! ってなあ!」

顔に凶悪な笑みを浮かべた。

コンマ判定

直下↓の下一桁が 偶数・ワウル回避

         奇数・ワウル直撃

コンマがゾロ目だったら何か起こるかも……?

ワウル「よっと」

だが、それをワウルは軽くキャッチした。
これには親分オークもたまらず、

親分オーク「なっ!」

と、狼狽えた。

カナエ「え、ちょ! その小瓶大丈夫?」

カナエは心配でワウルに声を掛ける。

ワウル「大丈夫でしょう。恐らく、中に毒ガスでも入ってたんじゃないですか?」

親分オーク「ぎくっ」

ワウル「なら、割らなきゃ大丈夫です」

カナエ「そ、そっか……ほっ」


親分オーク (まずいぞ、こりゃあ! とにかく子分Bを代わりに立ててその隙に逃げ出すしか……)

親分オークは後ろにいるはずの子分を見る。
だが結果として、虚空を見るはめになった。

親分オーク「……あら?」

ワウル「さて、オークさん? 貴女は街で相当悪事を働いたそうですね」

親分オーク「い、いや頼む! 許してくれえ!」

ワウル「そうですね」ニッコリ

ワウルはそのあどけない顔に女神のような、
美しい笑顔を浮かべて、


ワウル「反省は牢獄のなかで、どうぞ」


地獄の判決を下した。

********

カナエ「……げぷ」

あの後、カナエとワウルはドワーフ達に感謝され、
ただで食にありつけた。

ちなみにカナエはカレーを大層気に入り、二杯。
ワウルは炒飯を三杯平らげた。

ワウル「いやー、美味しかったですね!」

カナエ「う、うん。でもお腹キツくない?」

言いつつ、カナエは苦悶の表情を浮かべる。

ワウル「いえ、私は足りないぐらいですよ? 人狼はよく食べますから」

カナエ「……底無しだあ」

カナエは出会って一日でワウルの凄みを知った。


二人揃ったけど、次はどうしようか! >>175

カナエが毒ガスの瓶を謝って割ってしまう

カナエ「そういえば、この瓶……」

カナエは荷物から先程の瓶を取り出そうとして、

カナエ「あっ!」

パリーン

と、落とした。 

ワウル「あ、ああ! すぐに鼻と口を押さえて!」

そう呼び掛けるが、ワウルの声はカナエに届かない。

カナエ「うっ……げふ!」

辺りには紫色の煙が立ち込める……。


カナエは吸ってしまったよ! 安価三回分は尿を耐えるよ!
この後どうしようか! >>178

トイレ探しするも見つからない

ワウル「へ、平気ですか?」

ワウルが心配そうに窺う。

カナエ「……う、うーん」

ワウル「どこか、悪くなりましたか? ……くっ! あのオークめ!」

カナエ「いや、悪いというか……悪い?」

ワウル「?」

カナエの様子がおかしい、とワウルは思った。
少し足を内に寄せて、腰を折り、
顔をほんのり赤くしている。

何かを我慢している、というのは、
誰が見ても明白であった。

カナエ「いや、そのー」

ワウル「……どうしました?」

カナエ「……おしっこが、したいな」モジモジ

ワウル「……」

ワウルは身構えていたが、それを聞いて脱力した。
が、ほっとしたのも事実だ。

すぐに切り替えて、

ワウル「トイレ、探しますか?」

と、尋ねた。

カナエ「う、うん……」


********

ワウル「……無いですね」

カナエ「無いね」

結果から言えば、無かった。
散々探し回ったが、それらしいものはなく、
先程の飯屋にも無かった。

カナエ「うーん、まだ我慢出来るけどきついなあ」

ワウル「……他に探してないといえば」

ワウルが恐る恐る上を見上げる。
そこには、ドワーフの国を象徴する、立派な城壁が聳え立っていた。

カナエ「いや、さすがにお城は」


どうしようか! >>182

入ってみよう

今日はここまで。
また明日の夜7:00頃に更新します。

カナエ「……入るしかないよね。もう他に探す場所もないし」

ワウル「そうですね、行ってみましょう」

カナエとワウルは城の入り口から中へと入り込んだ。
お城の中はとても広く、
方向音痴の人間なら迷ってしまいそうだ。

カナエ「……」モジモジ

ワウル「急ぎましょうか」

カナエ「う、うん……」

カナエはスカートを握り締めながら、
必死に生理現象を我慢する。
限界が近いのだろう。

カナエ「はやく、しないと……」モジモジ



お城の中には何があった? カナエは間に合う? >>226

変わったところもないがトイレは見つからずだんだん歩く速度が遅くなるカナエ
そしてちょっとずつパンツに漏れ始める(ワウルも匂いで気づいているがあえて言わずにいてくれてる)

城の中はいたって普通であった。
王室への階段は厳重に守られており、
食堂ではコックが何人も働いており、
宝物庫の前では兵士が暇そうに警備をしていた。

しかし、どれだけ探してもトイレは見つからない。
そしてカナエは広い城を歩いているうちに、
少しずつ歩く速度が遅くなっていく。

カナエ「く……うぅ……」モジモジ

ワウルのにおいに敏感な鼻は、
カナエがすでに限界を超えていることに気づいていた。

おそらくすでにパンツをぬらしてしまったのだろう。
しかし、そのことを知られたとわかればカナエが傷ついてしまう。
そう思い、ワウルはそのことを口に出さずにいた。

ワウル「もう少しで、きっと見つかりますから」

カナエ「あっ……」

結局、トイレらしいものは見当たらず、
来た道を戻り始めていたワウルとカナエ。
しかし、城から出る前にカナエはとうとう、タイムリミットを迎えてしまった。



カナエはもう限界みたい! どんな風にやっちゃう? >>229

立ち止まって、我慢するようにうずくまるけど、
ついに決壊し、泣きながら見ないでぇって言っておもらし
勢いは強いわけではなく、じょじょに水溜まりができていく感じ

ワウル「カナエさん?」

とうとう立ち止まってしまうカナエにワウルが声をかけた。
股間を押さえながらうずくまっており、尿意を我慢しているようにも見えた。

ワウル「もう少しで外ですよ。そうすればせめて物陰で……」

声をかけたワウルはカナエが涙を流していることに気づく。
その理由は、すぐに理解できた。

カナエ「……見ないでぇ……」

ワウル「あ……」

耳を澄ますと聞こえるちょろちょろという音。
そして徐々にカナエの下に広がる水溜り。
間に合わずに決壊してしまったのだ。

それでも、勢いよくおしっこの音が聞こえないのは、
カナエの最後の抵抗だろう。



とうとうおもらしをしてしまったカナエ!
どうしよう? >>232

証拠隠滅

ようやく小さな水の音が聞こえなくなったときには、
カナエの作った水溜りはかなりの大きさになっていた。

運よくその場に居合わせたのはワウルだけのようだが、
早くなんとかしないとこの状況が他の誰かにも見られてしまうかもしれない。

ワウル「と、とにかく、誰かに見られる前に片付けましょう」

カナエ「うん……」コクッ

よろよろと立ち上がるカナエ。
スカートには大きなしみが出来ている。

ワウル「……えっと、一人で着替えられます?」

カナエ「>>234

一人でできると思うけど着替えがない
ワウルの持っている服もサイズが合わない
仕方がないのでワウルの持っているタオルで下半身を隠す感じに(ノーパン&ガード緩めでチラチラ大事な部分が見えそうになってる感じで)

カナエ「着替えたいんだけど……その、着替えが……」

ワウル「え?」

まさかおもらしをしてしまうなんて、
考えてもいなかったカナエは、
顔を真っ赤に染めてうつむいた。

ワウルは自分の荷物から、自分のズボンと下着を取り出す。

ワウル「これに着替えてみるのは?」

カナエ「たぶん、サイズが……」

ワウル「……そうですね」

改めて荷物を漁ると、
あまり大きくはないタオルが出てくる。

ワウル「……あの、これしかなくて……」

カナエ「……何もないよりは、ましですね」

物陰に移動し、すでに濡れてしまったスカートと下着を脱ぐと
カナエはワウルのタオルを腰に巻いた。

正直、かなりガードがゆるく、
激しく動けば中が見えてしまいそうだ。

カナエ「はずかしいけど、あの服を着ていくわけにも行かないし……」

ワウル「着替え終わりました?」

カナエ「あ、う、うん!」

ワウル「こっちも終わりましたからそろそろ行きましょう」



この後はどうしようか?>>237

今日はもう宿決めて休みたい

カナエ「今日はもう休もう……こんな格好じゃ出歩けないし」

ワウル「そうですね。宿に着いたら休んでいてください。私が服を買ってきます」

カナエ「うん、ごめん……」

タオルで隠した下半身を気にしながら宿を探すカナエ。
ワウルもその様子を心配しながらキョロキョロと建物をチェックする。

そして、宿を見つけると早速止まる手続きをして部屋へとあがった。

カナエ「じゃあ、おねがい……」

ワウル「はい、すぐに買ってきますから、ゆっくり休んでいてくださいね」

自分の代わりに衣服を買いに行ってくれるワウルを見送りながら、
ほっとため息をつくカナエ。

スースーとする下半身を早く何とかしたいなんて考えていた。

宿でワウルを待ってるよ!
イベントは起こる? それともワウルが帰ってくるまで何も起きない? >>240

今日はもう終わります

最後に謝っておきます
続きが見たくて書いてましたけど、自分は>>1じゃないです
>>1はやく帰ってきてください

あまりageないで貰えると助かります。
完全放置するわけでもありませんし、多少期間が空いても完結はさせます。
こちらの事情というのもあるわけですから。

今、このssの方向性をどうしようか練っていますので
今しばらくお待ちを。

というか、勝手に進められていましたけど
これは>>179から始めますね。都合が悪くなってしまうので。
申し訳ない。

始められる時間は今日中ということだけ言っておきます。
ごめんね!

始めるよ!

*******

カナエ「はぇー、地底のお城っていうのは以外に豪華絢爛なんだね」

城の門を潜って早々、カナエが発した一声は、
意外な内装に驚いた声だった。

それにワウルも同調する。

ワウル「意外かはさておき、確かに中は目が痛い程の華美さですね」

ワウル「それで、本題ですが……」

城に立ち入った目的はある。決して見学に来たわけではないのである。
カナエも、内心限界だ。

カナエ「ここにあればいいけど……」


あった? ↓2

謝罪より遅れてしまった分の物語進行を優先しました。そっちのほうが、皆さん謝罪より満足すると思いましたので





ワウル「あっ、あれじゃないですか?」

ワウルの碧眼が捉えたのは、『お手洗い』の文字。
男子と女子に分かれている、まごうことなきトイレである。

これにカナエは、

カナエ「やったあ!」

と、無邪気に歓び、ワウルに断って用を足しに向かった。

しかし、

警備員「あ、ちょっと待つラリ!」

と、呼び止められた。

これにカナエは苦悶の表情を浮かべる。

カナエ (な、なんで呼び止めるのさー!)


呼び止められた理由はなにかな! ↓2

警備員「ここはトイレじゃないラリ。著名な絵師さんによる作品『浄め場』というラリ!」

警備員の言葉に、ワウルが耳をぴくっと振るわせて、
反応した。

ワウル「その著名な絵師というのは……」

その口元は緩みきっている。どうやら、ファンらしい。
眼すらも輝いて見える。

だが、その横。
カナエはもう我慢など出来なかった。
この『浄め場』を発見したときに安心からか、力が抜けていた。
それが、敗因である。

カナエ「うっ……も、もう……!」

ワウル「か、カナエさん……?」


↓直下コンマ

0-29 バレない

30-50 バレる。同情でドワーフ警備員が服を貸す

51-99 バレる。警備員は怒って摘まみ出す。

しゃわしゃわ…

と、カナエの股下から湧いたのは湯気立ち込め仄かに香る、黄金水。

カナエは顔を紅潮させ、涙を目尻に浮かべ、ワウルに目配せする。
これは、不本意だ。信じてほしい。
その目は必死だった。

カナエ「……うぅ」

ワウル「カ、カナエさん……」

ワウルもどうしていいか分からない。
先程緩んでいた口も、今はへの字である。

警備員「な、何してるラリかァ!」

ドワーフの怒号が飛ぶ。
カナエは僅かに体を振るわせ、そちらを向く。

警備員「ぐっ……女性だから多目に見るラリ」

警備員「……王様には黙っておくラリ! だから、とっとと立ち去るラリ!!」

カナエ「うっ」

立ち去りたいのは山々だが、それが出来ない。
実に、歩き辛いのである。

そこを警備員が、

警備員「早く去るラリ!!」

と、捲し立てた。
ワウルは申し訳なさそうに一礼して、カナエを背負う。

カナエ「……ワウルさん」

ワウル「行きましょう、カナエさん」

二人は城を立ち去った。


*******

カナエ「あの、ワウルちゃん?」

ワウルに背負われて、
カナエは余りの情けなさに泣きが混じった声で、ワウルに問いかける。

カナエ「一体、どこに……」

ワウル「服を買います。冷えますし」

カナエ「でも、仇は急がなきゃ……」

カナエの言葉に反応して、
ワウルは城から遠ざかる足を止めた。

ワウル「カナエさん」

ワウル「と、友達が困っているのであれば……それを助けるのをなによりとする」

ワウル「……ワーウルフの心の掟みたいなものです」

カナエ「わ、ワウルちゃん……!」

ワウルは再び歩を進めた。


服屋にて何かイベント起こそう! ↓2

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