少年剣士「冒険学校の休暇です!」(348)

・前作
少年剣士「冒険学校に入学します!」
少年剣士「冒険学校に入学します!」 - SSまとめ速報
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少年剣士「冒険学校で頑張ります!」
少年剣士「冒険学校で頑張ります!」 - SSまとめ速報
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の続編になります。


 
――――特待学校・実践場
(女エルフと別れてから2年後)

少年剣士「うおおおっ!小斬っ!」ビュッ

僧侶戦士「うおっと!」ヒュッ


・・・・ドゴォォン!!


少年剣士「避けたっ!?」

僧侶戦士「・・・水流魔法っ!」バシャッ

少年剣士「ぶわっ!」

僧侶戦士「・・・小雷撃魔法!」バチッ・・

 
少年剣士「そのコンボはちょっとまずいって!・・・抵抗魔h・・!」パァッ

・・・バリバリバリッ!!


少年剣士「うあああっ!」バリバリバリ

僧侶戦士「・・・小斬!」ビュッ

少年剣士「ぐ・・・・!」ヨロ

・・・キィン!

僧侶戦士「やっぱ近接はまだ威力が伸びないか・・」ザッ

少年剣士「回復魔法!」パァッ

僧侶戦士「・・・っく」


剣士教官「そこまでーっ!」

 
少年剣士「・・・ふぅ」

僧侶戦士「くっそー・・・少年剣士の本気まで見れなかったか・・・」

少年剣士「充分強いよ・・・危なかった・・」ハァ

剣士教官「お前らの歳でそこまで戦略練れて、実力もありゃどっちも充分だよ」


少年剣士「嬉しすぎて体動かさないとやってられないんですよ」ヘヘ

僧侶戦士「過去にない事らしいじゃないですか」


剣士教官「俺も驚いてるぜ・・・5人も最上官に選ばれるなんてな・・・」

・・・・・・・・・・
―――――中央国・街道

少年剣士「あ、武道家と女錬金師さん!」


武道家(少年武道家)「よう」


女錬金師「おや、少年剣士。実践は終わったのかい?」

少年剣士「一応」アハハ

武道家「どっち勝ったんだ?」

僧侶戦士「俺の負け」

少年剣士「うそだよ!引き分けでしょあれは」アセアセ


僧侶戦士「俺は本気だったけど、お前の本気引き出せなかった俺の負けだ」

 
少年剣士「む、むう・・・」

女錬金師「ははは、さすがだね少年剣士」

武道家「・・それにしても、5人全員で最上官に上がれるなんて思ってなかったわ」ハハ


女錬金師「アタシ、少年剣士、武道家、僧侶戦士、筋肉賢者さん・・・」

僧侶戦士「まあ俺らなら当然だろ」ッフ

少年剣士「だね」ハハ

 
女錬金師「でもたいしたもんだよ。少年剣士なんて史上最年少での最上官らしいじゃないか」

少年剣士「そんなこといったら武道家だってそうだよ」

武道家「誕生日の差だろ!俺だってもうちょっと遅ければ最年少に・・・」ブツブツ

 
女錬金師「はいはい、女々しくしない」ゴン

武道家「痛い・・・」

 
少年剣士「あ、そういえば明日から最上官の実践演習の組み直しで2週間の休みらしいね」

武道家「あー・・そういやそんな事言ってた気がする・・・」

女錬金師「暇になるね・・」


僧侶戦士「・・・全然顔出ししてないし、実家に戻ってみるかな?」

少年剣士「あ・・・そうだね・・全然休みなくて戻ってないんだよね・・」

武道家「少女僧侶とか幼馴染とかも、めっちゃ怒ってるんじゃねえ?」ハハハ

少年剣士「馬で3日かかるよね・・・そうなると明日には出たほうがいいのかな?」

 
女錬金師「みんないなくなるとちょっと寂しいね」ハハ

僧侶戦士「まあすぐに帰ってくるよ」ッフ

女錬金師「そうだね。アタシはアタシで色々とやってることにするよ」


武道家「うーん、3日か・・・。休みも長い!ってわけじゃないし、今日から向かうか?」

僧侶戦士「善は急げっていうしな」

少年剣士「じゃあ準備して行こうかっ」

女錬金師「気をつけて行ってくるんだよ?」

少年剣士「うん、いってきます!」

 
・・・・・・・・・・
―――――3日後・北西冒険学校

少年剣士「さて・・ついたものはいいけども」

武道家「考えたらこっちの事何も知らないんだよな」

僧侶戦士「こっちは学年制だから、順当なら高等部にいるはずなんだが」

武道家「とりあえず職員室行くか?」

少年剣士「戦士先生いるかも!」

 
・・・・コンコン

戦士先生「はい、どうぞー」

ガラッ

少年剣士「あ・・・戦士先生!」
僧侶戦士「お久しぶりです」
武道家「戦士先生!お久しぶり!」

戦士先生「・・・お前らっ!」

 
・・・・・・・・・・・・

少年剣士「あ、お茶ありがとうございます」ペコッ

戦士先生「いやー本当に久しぶりだな。こっちに全然顔出さなくて心配したぞ」オチャアツイ

僧侶戦士「結構忙しかったんですよ・・・というか忙しいしかないんですよ」ハァ

武道家「俺は腕が完治して、今はバリバリ活躍中だぜ!」

 
戦士先生「おお、そりゃ良かった。今のクラスはどこなんだ?上官にはなったか?」グビグビ

3人「・・・」ニコッ


少年剣士「最上官が決まったので、その準備期間で休みなんですよ」ヘヘ
 
 
戦士先生「ブーーーッ!」ブホッ
 
武道家「わっ!きたねぇ!」

 
戦士先生「ごほっ・・すまんすまん。さ・・・最上官!?お前ら・・まだ15だよな!」

少年剣士「僕は1個下ですけどね・・・」ナハハ

僧侶戦士「ああ、少年剣士は最年少での最上官昇格ってことで、かなり有名ですよ」


戦士先生「マジかよ・・・。じゃあ相当強くなったんだな?」

少年剣士「二流僧侶は僧侶戦士を目指すことになりましたしね」

僧侶戦士「色々ありまして・・・」


戦士先生「ま・・まじか・・・」


武道家「そういや、幼馴染とか少女僧侶とか今は皆どうなってるんだ?」

 
戦士先生「ああ、お前らと仲良かった生徒な・・・ええと・・・」

少年剣士「幼馴染、少女僧侶、魔法剣士、劣等魔法使い・・・それと見習剣士ですね」

 
僧侶戦士(見習剣士はわからんが)

戦士先生「あ、ああ!あいつら全員一緒のクラスだぞ。あいつらも皆強くなったしな」

武道家「今は授業中か何か?」

戦士先生「ちょうど高等部の授業中だ。・・・サプライズゲストで行ってみるか!?」

武道家「!」

僧侶戦士「面白そうですね。驚く顔が浮かびますよ」ハハ

少年剣士「・・行きましょう!」

 
・・・・・・・・・・・

コンコン・・ガラッ

先生「あれー?戦士先生じゃないですかあー。どうかしたんですかあー?」

戦士先生「あ、いやちょっとな。ちょっと来客が来ているから紹介するぞ」


オキャク・・?ダレダロウ・・・?
ザワザワ 


乙女僧侶(少女僧侶)「誰なんですかね・・・?」ボソボソ

幼馴染「さあー・・」

魔法剣士「どーせ・・・外部の学校の先生・・とか・・・」


見習剣士「面倒くっせ・・・」ッケ

劣等魔法使い「でも、そういう雰囲気じゃないよ?」

 
戦士先生「中央国の特待学校の生徒で、最年少で最上官まであがった実力者たちだ」


幼馴染(あいつらが行った学校じゃない・・・)


戦士先生「入っていいぞ!そして・・・お前らの良く知っているー・・・・」

カツッ・・・
カツッ・・・・・

幼馴染「・・・・・・!」
乙女僧侶「あ・・!」
魔法剣士「・・・・あ」


戦士先生「この3人だ!」

 
少年剣士「あ・・えっと・・・お久しぶりです」ヘヘ

武道家「おーおー!皆変わってねえなあ!」ハハ

僧侶戦士「二流僧侶、今は僧侶戦士です。よろしく」


戦士先生「皆も知ってる通り、彼らは特待学校に編入した。その後、頑張ってたようでね」

先生「久しぶりー!」フリフリ

戦士先生「この3人は、特待学校の最年少で最上官まで上り詰めた。
       実質、世界で最も早く認められた戦士達ということだ、凄い名誉なことなんだぞ」ハハハ


少年剣士「せ、先生・・大げさです・・・」カァ

武道家「いいじゃねえか!本当なんだから!」バンバン

僧侶戦士「・・・」ッフ


 
乙女僧侶「・・・・凄いですねえ、凄いじゃないですか!」ボソボソ

幼馴染「・・・・こ・・・」ブルブル

乙女僧侶「・・・?」

幼馴染「このぉぉ!バカがあああ!顔も出さないで!!」ダダダッ


少年剣士「あっ!幼馴染ひさしぶr・・」

幼馴染「バカアァァ!!!」ゴンッ

少年剣士「いたぁぁ!」

 
・・・・・・・・・・・・・
 
戦士先生「と・・ハプニングもあったが・・・」

幼馴染「ごめんなさい・・・」イソイソ

戦士先生「せっかくだし、その実力を見せてもらわないか?」

イイネエ!ミテミタイ!
アイツラドンダケツヨクナッタンダロウ・・・


戦士先生「じゃあ校庭に集合だ!」


乙女僧侶「・・少年剣士さん本当に久しぶりですね!」キャッキャ

魔法剣士「凄い・・・強くなってる・・・わかる・・・・・」ジー

幼馴染「それに背ぇちょっと伸びたんじゃない?」テレッ

少年剣士「はは、そうかもしれない」ヘヘ


武道家「なんかずっと昔も同じような光景でお前と愚痴いい合ったよな」
僧侶戦士「・・・・あぁ」

 
・・・・・・・・・・
―――――校庭

戦士先生「よっしゃ!1人ずつかかってこい!」キュッ

僧侶戦士「じ、実践形式ですか?」

戦士先生「皆にお前らの実力見せるにはこれが手っ取り早いだろ」ハハ

武道家「確かにそうだな!・・・ギャラリーも多くなってきたみたいだし」


乙女僧侶「わわ、学校の教室から皆さん見てますよ!」

戦士先生「そりゃそうだ。なんたって我が学校のエースの帰還だからな!」


武道家「面白くなってきたな・・最初は俺だ!・・・行くぜ!」

 
戦士先生「こいっ!」

武道家「肉体鋼鉄化!小攻撃増大魔法!」パァッ

戦士先生「・・・へえ」


少年剣士「あれは筋肉賢者さんの!いつの間に・・・」

僧侶戦士「なんかすげー教え請ってたみたいで、知らないうちに覚えてたみたいだな」

少年剣士「いけー!武道家!」


武道家「掌底波ぁっ!!」ブンッ

戦士先生「ぐっ!」ガキィン!


武道家「何・・受け止め・・」

戦士先生「良い踏み込みだ・・・だがな!解除魔法!」

 
武道家「何!?鋼鉄化が解除され・・・」

戦士先生「おりゃああっ!中衝撃波!!」ブワッ

武道家「ぐああっ!」


全員「ああっ!」

戦士先生「ふふ・・・、って何!?」

武道家「くっ・・・」クルッ・・スタッ


戦士先生「今の距離でダメージを軽減させるなんて・・どうやった?」

武道家「別に・・・あの位の攻撃ならいつも食らってるから・・・痛いけどな」イツツ

戦士先生(いいタフさだ・・・)

 
武道家「おらあっ!掌底連弾!」ガガガガガ

戦士先生「くっ・・・・」バババババ


劣等魔法使い「す、すげえ・・・」 
 
乙女僧侶「撃つ早さも凄いですが、それを流す戦士先生も凄いです・・」


僧侶戦士「あいつまたちょっとだけ撃つ速度早くなったな」

少年剣士「だけど荒削りなんだよね・・・」アハハ

幼馴染「あれで褒められないって・・あんたらどんだけ強いの・・?」

僧侶戦士「正直、武道家より俺のほうが強い。だが、少年剣士はもっと強い」

少年剣士「だーかーらー・・、そんなの分からないって」

魔法剣士「凄い・・・少年剣士・・」キラキラ

 
武道家「戦士先生すげえな・・・」ハァハァ

戦士先生「いやいや俺もびっくりしたぞ。だが・・・そろそろ選手交代だな!」ヒュッ

・・・・ドゴォン!!

武道家「・・・うぐっ」ドサリ


ウオーーーーー!!!
ミエナカッタ!ナンダイマノ!センシセンセイツヨインダナー!!


僧侶戦士「すげー・・あそこから4連打入れたぞ・・」

少年剣士「それだけじゃなくて威力も凄い高いよ・・・こんなに強かったんだ戦士先生・・・!」ゴクッ

戦士先生(へえ・・・あいつらには今の見えるのか・・・)


劣等魔法使い「お前らも・・すげえよマジで・・・」

乙女僧侶「・・・尊敬します」キラキラ

戦士先生「次は誰だ!」

 
僧侶戦士「じゃあ俺が行きますよ」スッ

魔法剣士「頑張って・・・」

僧侶戦士「おうよ」

 
戦士先生「雰囲気でわかるぜ。お前相当強くなったな」ググッ

僧侶戦士「今・・・見せますよ!」ブワッ

戦士先生(ほう・・いい闘気だ)

僧侶戦士「中攻撃増大魔法!抵抗魔法!」パァッ

戦士先生「俺も一応・・・抵抗魔法!」パァッ

 
僧侶戦士「・・・中雷撃魔法!」バチッ


戦士先生「おおう!?上級魔法か!」サッ

僧侶戦士「小水流魔法!」バシャッ


戦士先生「先読み!?くっ」バシャァ

僧侶戦士「中火炎魔法!」ブワッ

戦士先生「詠唱速度が速い!・・・・ってどこに撃って・・・」


僧侶戦士「小斬っ!!」ヒュッ

戦士先生「おっと!物理攻撃まで覚えてやがったか・・・」ガシッ


少年剣士「・・・きっ、きた!」

 
僧侶戦士「ふふ・・この距離ならっ!」ニヤッ

戦士先生「む・・・!?」

僧侶戦士「中雷撃魔法!!」バチッ

戦士先生「ぐ・・・ぐあああ!」バチバチバチバチッ


オオオー!!!
スゲエ!!!!ザワザワ!!

 
戦士先生「ぐふっ・・・」ザッ

僧侶戦士「まだまだ!中火炎魔法!」ブワッ

戦士先生「ちぃっ・・・音速!」ヒュッ


乙女僧侶「せ、戦士先生が消えました・・・?」

 
戦士先生(悪いが気絶してもらうぞ!)ヒュッヒュッ

ヒュッ・・・ゴツッ!

戦士先生「これで終わっ・・・、何!?」ッフ


ウオーーーーー!!!



僧侶戦士「へへ・・・戦士先生・・・見えるんですよ・・・」ググッ

戦士先生「音速打撃を弾いただと・・・やるな!」

僧侶戦士「ここからが本番ですよ・・・!」グッ

戦士先生「・・・こい!」

僧侶戦士「と、いいたいところですが・・・今の攻撃で戦力差がわかりました」ハァ


 
戦士先生「・・降参か?」フフ

僧侶戦士「全然本気じゃなかったですしね・・」

戦士先生(そこまで理解したか・・・)

僧侶戦士「あの電撃で倒れなかったのは結構予想外でした」


戦士先生「電撃を囮にして水流をぶつけ、そこから囮の炎・・・。打撃をガードさせてからの電撃・・・」

僧侶戦士「今の得意な戦法です」

戦士先生「中々いい戦略だ。動きも悪くなかった」

僧侶戦士「だけど今一歩・・・戦士先生に届かなかったですね」

戦士先生「はっはっは」

僧侶戦士「ま・・・あとはアイツに任せますよ」チラッ

 
戦士先生「なるほどな・・・少年剣士!ご指名だ!」


幼馴染「あ、あんたの出番みたいよ!頑張って!」

乙女僧侶「頑張ってください!」 

魔法剣士「頑・・・張って・・・・!」


少年剣士「よっし!行くぞぉ!」チャキッ

 
戦士先生「・・・お前らを推薦してやって本当に良かったよ」

少年剣士「えぇ。感謝しています」


幼馴染「・・・」ドキドキ


戦士先生「お前らの中じゃ一番、少年剣士が強いんだろ?楽しみだ・・」

少年剣士「さあ・・どうでしょうか・・・」ハハ・・

戦士先生「本気で来いよ・・・」ググッ

少年剣士「わかりました・・・行かせてもらいます・・・」チャキッ

 
戦士先生「肉体鋼鉄化!音速!抵抗魔法!」パァッ


劣等魔法使い「最初から本気だ!」


少年剣士「抵抗魔法!火炎装!」ボワッ

戦士先生「ほう・・・武器属性化か。いいもん覚えてるな・・・!行くぞ!」ヒュッ


・・マタキエタゾ!!
ハヤスギル!

少年剣士「くっ・・・」ガキィン!

戦士先生「大衝撃波っ!!」バッ

少年剣士「火炎斬りぃ!」ブワッ

 
・・・・ドゴォォォォン!!!

幼馴染「し、衝撃が・・・!」

魔法剣士「凄い・・・」


戦士先生「ふふ・・・相殺か・・・まだまだ行くぞ!」ヒュッ

少年剣士「火炎刃ッ!!」ビュンビュン

・・ドゴォン!ドゴォン!

戦士先生(おいおい・・飛ばしまで覚えてるのかよ・・・、それはお引取り願おうか)

 
戦士先生「解除魔法!封印魔法!」パァッ


少年剣士「な・・・か、火炎装が消された!?」・・プスンッ

戦士先生「・・・さあ得意の魔法は封じたぞ!どうする!」

 
少年剣士「・・・水炎装ッ!!!」ブワッ


戦士先生「・・・ハハ」

 
幼馴染「す、凄い・・・」

少年剣士「うらあああっ!大斬ッ!!」

戦士先生「そ、それはちょっとやばいな!」

 
・・・・ドッゴォォォォン!!!


僧侶戦士「入った!」

幼馴染「あの爆発じゃあ・・さすがに・・・!」

・・・・・モクモク

戦士先生「げほっ・・・げほげほ・・・今のはやられたかと思ったぞ・・」クッ


幼馴染「あれで平気なのー!?」ガビーン

乙女僧侶「どんだけ戦士先生強いんですか・・・」

 
少年剣士「・・・やりますね!」

戦士先生「・・・お前もな!」

 
少年剣士「まだ・・・自分の体に負担が大きいんですが・・コレを使うしかないみたいですね」

戦士先生(・・・おいおい、まだ隠し技があるのかよ・・・
       余裕ぶっこいてるが・・今の一撃で足がガクついてんだがな・・・)ハハ

 
少年剣士「・・・光炎装!!」チャリッ・・・ピカッ!

戦士先生「と、特級魔法!?おま・・・そんなものまで・・・」

少年剣士「マナ消費凄いんで、あんま使い続けられないんですけどね・・」


僧侶戦士「やっぱ俺はアイツにゃ絶対勝てないわ・・」ハハ


少年剣士「初めて使ったときは数秒で倒れちゃいましたし・・。ま・・時間もないですし・・行きますよ!」


戦士先生「・・・わかった!わかったわかった!」

少年剣士「・・・え?」


 
戦士先生「俺の負けだ!もうさっきの一撃で脚がガクついてるんだ!そんなの受けたらマジで死んじまう!」

少年剣士「勝てた・・」ワァッ


幼馴染「凄い・・・勝っちゃった」ヘナ


・・・・スゲエエエエエ!!!
アノバケモンニカッタ!!サスガトクタイセイ!!!
アトデサインモラオウカナ!!ウオオオオ!!

 
少年剣士「ありがとうございました!」ペコッ

戦士先生「おどろいたぞ・・・、まさか火、水、光の装炎を出来るなんてな・・・」ハァ

少年剣士「へへ、光はこのネックレスのおかげですけどね」チャリッ

 
戦士先生「光・・・?それは太陽の石のネックレスか・・」

少年剣士「知り合いのエルフから頂いたものです」ハハ
 
戦士先生「ま・・よく使いこなせたもんだ」

少年剣士「状況が状況でしたからね・・・、っとと!」


幼馴染「凄いじゃない!どうしたの!?」ガバッ

少年剣士「わわっ・・・!」カァ

僧侶戦士「やっぱつえぇなお前は」

少年剣士「はは・・・」


戦士先生「よし、それじゃあ一回教室に戻って、どんな体験してきたかでも聞かせてもらおうか」ニコッ

 
・・・・・・・・・・・・

全員「・・・・おおお」

少年剣士「と、いう感じですね」

戦士先生「魔獣を倒し、魔物を倒し、人々を救ってきたんだな」


僧侶戦士「色々辛かったこともあったけどな・・」

戦士先生「みんな、いい勉強になっただろ?」

全員「はい!」 
 

乙女僧侶「・・凄いですねえ」

幼馴染「凄いとは思うけど・・・何か心配になるわ・・・」ハァ

魔法剣士「冒険してるなぁ・・・って感じ・・」

 
少年剣士「そういや、僕も聞きたい話があるんですが」

戦士先生「・・・なんだ?」

少年剣士「戦士先生の昔話です!」

僧侶戦士「そういや気になりますね・・・」


武道家「あー聞いてみたいかも」


戦士先生「俺の昔話・・・?」


武道家「なんでそんなに強いのかとか、色々聞きたいんだけどなー」

戦士先生「・・・本当に少しだけだぞ?」ハァ

少年剣士「・・・!」ワクワク


戦士先生「ありゃ俺がまだ17の頃だ・・・」

 
・・・・・・・ 
・・・・・・・・・・
―――――30年前

戦士(後の戦士先生)「・・・魔王だ?」

剣豪(後の剣士教官)「太陽の国が崩壊したらしい」

魔法使い(後の英雄魔法使い)「そうらしいわね・・」

神官(後の大神官)「・・参りましたね、僕らに声がかかるなんて」

 

戦士「使えるやつらは使うってことだろ。討伐隊に参加するしかないのか」

神官「で、魔王の強さってどのくらいなんでしょうか」

魔法使い「前線の話によると、魔物を率いているみたいよ」

戦士「だから魔界の王、魔王なんだろ。魔法使いの幼馴染の剣士クンはどうしたんだ?」

 
魔法使い「・・・言ったら『面倒くさい』だって。殴ってきた」

 
戦士「たはは・・・怖い怖い」


神官「で、僕らはどこに向かうんですか?」

剣豪「普通に考えたら太陽の国なんじゃねーのか?前線だろ?」

戦士「しゃあねえなあ、サクっと行こうぜ!」
 
 
 
・・・・・・・・・ 
・・・・・・・・・・・・

  
戦士先生「と、いうわけで。太陽の国の前線に向かった俺らは、魔王軍と衝突。

       俺らのパーティは好戦するも敗北し、遅れて来た剣士が見事討伐をだな・・・」
      

乙女僧侶「・・・えええっ!?」

武道家「ち、ちょっと待て!色々突っ込みどころが追いつかない!」

少年剣士「戦士先生・・・凄いですね」

僧侶戦士「英雄魔法使いとか、大神官とか、色々ぶっとびすぎて・・・」ヒクヒク

幼馴染「戦士先生って何者なの・・・?」

 
戦士先生「その時の魔法使いは剣士と結婚してなあ・・・、田舎に隠居暮らしをしてるはずだ」ハァ

少年剣士「・・・、もしかして、戦士先生はその魔法使いの事が・・・」

戦士先生「べべべ、別にすきとかじゃないぞ!?」


 
幼馴染「わかりやすっ!」

僧侶戦士「それで、その後どうなったんですか?」

戦士先生「俺は魔王軍とぶつかった時に、バハムートの極斬を受けたのが致命傷で、冒険の出来ない体になっちまった」

少年剣士「・・・・」

戦士先生「その時にまあ、色々あってな。その責任を感じてか、大神官のヤローは、
       この町に聖堂作って・・俺に何があっても守れるようにするんだ!とかいってな」ククク

乙女僧侶「もしかして、今その聖堂は・・・」

戦士先生「そう。お前が今、住み込みして世話になってる大聖堂にだ」


僧侶戦士「人に歴史ありってよく言ったもんだな・・」

戦士先生「まあな。はいはい、これで昔話は終わりだ!」パンパン


エエーモットキキタイー
ジュギョウモサボレルノニー


 
戦士先生「はいはい・・で、お前らはこれからどうするんだ?」

少年剣士「とりあえず実家に顔出そうと思ってます」

僧侶戦士「俺らはここからバラバラになりますね」

武道家「8日後にもう1度ここに集まればいいのか?」


少年剣士「うん、そうだね」

僧侶戦士「じゃあ俺はさっさと出発するわ」

戦士先生「ゆっくりしていかなくていいのか?」

僧侶戦士「結構山奥なんで、早めに行かないとだめなんですよ」

少年剣士「・・・僕も田舎だし、早めに行きますよ」

武道家「皆もう行っちまうのかー。じゃあ俺も出発すっかぁ

 
幼馴染「・・いいなあ。私も休みだったら一緒に実感に戻るのに・・・」

少年剣士「幼馴染のお母さんにも挨拶しておくよ」ハハ

幼馴染「うん、元気だって伝えて♪」


戦士先生「ま、楽しかったぞ。また来いよ。今日は皆の良い刺激にもなった」ハハ

少年剣士「・・・はい!」


乙女僧侶「・・気をつけてくださいね皆さん」

武道家「おうよ!」


幼馴染「ここに8日後にまた来るんだよね?」

 
少年剣士「そうなるねー。でも、少し早く戻ってくるつもりだよ」

幼馴染「・・わ、わかった!」パァァ

 
少年剣士「じゃ、行きますかあ」

僧侶戦士「またな」

武道家「また来週な!」


幼馴染「・・行ってらっしゃい!早く戻ってきてね!」

少年剣士「うん・・・行ってきます!」

・・・・・ガラッ・・・タッタッタ・・・


戦士先生「行ったか・・ほらほら、授業の続きやるぞー。次はえーと・・・」

エェー!!
メンドウダー!!キュウケイジカンマダー?

先生「・・戦士先生・・ここ・・私の教室ですよおーー・・・」


・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・

>>44 実感×⇒実家

今の戦士先生って全盛期と比べたら何割位なかんじ?

>>47 
ちょっとしたネタバレになるので詳しくは書けないのですが、3~4割ほどです。

 
・・・・・・・・・・
―――――次の日・森林

少年剣士(あと少しだ・・・やっぱ僕の村は遠いなあ)


・・・・ガサ

少年剣士(お母さん、突然帰ってきてどんな顔するだろ・・・へへ)


・・・・ガサガサ

少年剣士(・・・・ん?今、何かの音が・・・・そこかっ)ガサッ


???「ひっ!」ビクッ

少年剣士「うわっ!・・・って、女の子!?」

???「・・・・」

少年剣士(わ・・・なんか凄い吸い込まれそうな瞳だ・・)ジッ

 
???「・・・・」プイッ

少年剣士「あ・・・ちょっと見つめすぎたね、ごめん・・」

???「・・・」

少年剣士「・・・?、その脚どうしたの・・?血が出てるよ」

???「・・・」

少年剣士「・・・・あの、大丈夫?」アセ

???「・・・」

少年剣士「痛くてしゃべれないの・・かな?・・・・う~ん・・そうだっ」ヨイショ


???「ひっ・・・、こっちに・・来ないで・・・」ビクッ


少年剣士「怖がらなくても大丈夫だよ・・・回復魔法!」パァッ

???「・・・・!」

 
少年剣士「これでもう大丈夫」ニコッ

???「・・・ありがとう・・」

少年剣士「うん。・・・君のこと、なんて呼べばいいかな?」

赤髪少女「・・・赤髪少女・・」


少年剣士「赤髪少女・・・、どこから来たの?」

赤髪少女「・・・言えない」

少年剣士「そっかぁ。これからどこかに行く宛はあるの?」

赤髪少女「・・・ない」

少年剣士「う~ん・・・そっか。じゃあ、家に来る?」

赤髪少女「・・・お家?」

 
少年剣士「もうすぐ僕の家があるんだ。そこで少し休まない?」

赤髪少女「・・いいの?」

少年剣士「もちろん!」

赤髪少女「・・・行く」ギュッ

少年剣士「行こうっ」ニコッ


赤髪少女「・・・貴方の名前は?」


少年剣士「あ・・・ごめん。僕の名前は少年剣士!」

赤髪少女「・・・・少年剣士・・」ギュッ

 
・・・・・・・・・・・

コンコン・・・

母親「はいはい」

・・・ガチャッ


少年剣士「ただいま、母さん」

母親「・・・少年剣士!」

少年剣士「それと・・・この子」

赤髪少女「・・・こんにちわ」チョコン

母親「あら・・・?今晩はお祝いかしら!」

少年剣士「えっ?」

母親「・・・あら?」

 
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・

母親「てっきり娘が出来たのかと思ったわよー」アハハ

少年剣士「違うよ・・・」ハァ

母親「赤髪少女ちゃん、ホットミルクは美味しい?」

赤髪少女「・・・美味しい」ゴクゴク

 
少年剣士「さっき言ったけど、、久々の休みだったから顔を出そうと思ったんだよ」

母親「久々に顔を見れて嬉しいわあ」ホッコリ

少年剣士「僕もだよ」ヘヘ

母親「ふふ・・・それで、しばらく泊まってくの?」

 
少年剣士「うん。少しの間だけ泊まっていく予定」

母親「じゃあ、腕によりをかけて料理を作らないとっ」


少年剣士「あ・・・赤髪少女はどうする?」

赤髪少女「・・・」

少年剣士「まただんまりか・・・どうしようかなあ」

赤髪少女「・・・」

少年剣士「行く宛もないみたいだし、母さんどうしよう?」


母親「別にいつまでいてもいいのよ~。自由主義なのよ」アハハ

少年剣士「あ・・アハハ・・」

 
・・・・・ドンドンドン!!!

赤髪少女「!」ビクッ

母親「あらあら、今日はお客さんが多いわねえ」パタパタ

赤髪少女「・・・だめ」

少年剣士「・・・?どうしたの、赤髪少女」


赤髪少女「だめ・・・開けちゃ・・・開けないで・・・」ビクビク

少年剣士「?」

母親「・・・・、一体どなたですか?」


村人a「母親さん!村人aです!ちょっとお聞きしたいことがあって!」
 
母親「村人aさん?赤髪少女ちゃん・・大丈夫。私の知り合いよ。今開けますね」パタパタ


赤髪少女「あ・・・開けちゃだめええ!!」

 
少年剣士「・・・!?」


村人a「・・間違いねえ!今の声はあいつだ!」
村人b「母親さん!開けてください!その子は危険だ!」

ザワザワ・・・ドンドンドン!アケテ!!


赤髪少女「・・・」ビクビク


母親「何・・の用ですか?用をおっしゃってください」

少年剣士「・・・」ゴクッ

村人a「・・・ええい面倒くせえ!ドア壊せ!」
村人b「ごめんなさい母親さん!一刻を争うんです!メキメキ・・

 
・・・・バキィ!!メキメキ!!


母親「きゃあっ!」

少年剣士「母さん!」

村人達「すいません、失礼しますよ」
ダダダダッ


少年剣士「なんだよ一体!」

村人a「いた・・・あの少女だ!」


赤髪少女「やだ・・・!」フルフル


村人b「くっ・・・この災厄がっ・・・」

少年剣士「一体何なんだよ!」

 
村人達「早くその少女を縛り上げろ!」

赤髪少女「痛いっ・・・やめて!」


少年剣士「痛がってるだろ!やめてやれよ!」

村人c「後で説明してやる!」ゲシッ

少年剣士「くっ・・・」チャキッ

母親「・・・!」


少年剣士(ダメだ・・・相手は人間だ・・・。それに僕が暴れたら母さんの立場がない・・・)

赤髪少女「助けて・・・少年剣士っ・・・!」ギュッ


村人a「・・・よし、縛ったな?村長の家に連れて行くぞ」

村人b「失礼しました」

・・・・・バタン
タッタッタッタッタ・・・・
 
少年剣士「くっ・・・くそおっ・・・」

今日の投稿はここで終了します。有難うございました。

 
母親「・・・少年剣士」

少年剣士「何なんだよ・・・一体・・・」

母親「・・・」

少年剣士「・・・ちょっと聞いてくる」ダッ

母親「あっ!・・・少年剣士!」

 
タッタッタッタ・・・


村人c「・・・」

少年剣士(あ・・・さっきの・・)

村人c「・・・」

少年剣士「そうです・・・お聞きしたいことがあるのですが」

村人c「おや、母親さんのところの・・・さっきは悪かったね」

 
少年剣士「あ・・・はい。一体どういうことなんですか?」

村人c「さっきの・・・女の子のことかい?」

少年剣士「はい」

 
村人c「・・・災厄、だよ」

少年剣士「災厄・・・?」

村人c「・・・」プイッ

少年剣士「あの、それってどういう・・・」

村人c「あんま首を突っ込まないほうがいいと思うがね・・・気にしちゃいけないよ」

少年剣士「あの子はどうなるんですか?」

村人c「明日には中央国に引き渡すってさ。早く行ってほしいよ」

 
少年剣士「・・・」

村人c「じゃあ、俺は用事があるからまたな」

少年剣士「あ・・・はい」

 
・・・・・・・・・・・・

赤髪少女「・・・助けて!少年剣士!」

・・・・・・・・・・・・


少年剣士「・・・・」グッ・・・

 
・・・・・・・・・・
―――――夜中・自宅の寝室

少年剣士(・・・)


サワサワ・・・


少年剣士(あの子・・本当に災厄なのかな・・・)

・・・スタッ

少年剣士(・・・)

・・・・チャキッ

少年剣士(母さん、ごめん。どうしても気になるんだ・・・そっと・・・出て行こう)

 
・・・ガチャッ・・・

母親「・・・」ニコッ

少年剣士「って、母さん起きてるし!」ビクッ

 
母親「はぁー・・・やっぱりね。あの子、助けに行くんでしょ?」

少年剣士「と・・止めたって無駄だよ・・・!」

 
母親「わかってるって。お父さんもそんな感じだったしね」フフ

少年剣士「お父さんも?」

母親「わかってるでしょ。色々と面倒事に巻き込まれちゃうのよね・・血筋なのかしら」

少年剣士「・・・」

母親「口では『面倒くさい』って言っても、結局最後は来てくれて解決しちゃう」フフ

少年剣士「・・・」


母親「ま、あんたは『面倒くさい』じゃなくて『やってやる』の熱血タイプだけどね」

 
少年剣士「・・・じゃあ」
 
母親「いいわよ。行ってらっしゃい」フゥ

少年剣士「う・・うん!」

母親「たーだし、無事に帰ってくるんだからね?」

少年剣士「もちろんだよ・・行って来る!」

母親「はい、行ってらっしゃい」ニコッ


・・・・タッタッタッタ
・・・・・・・・・・・・・

母親(あの子からは魔の匂いがしてたけど・・・、悪意は感じられなかった)
   (何か訳ありなのね・・・気をつけるのよ、少年剣士)

 
・・・・・・・・・・・

・・・タッタッタッタ・・

少年剣士(着いた・・村長の家。確かここに閉じ込められてるはず・・)

村人a「・・・」

少年剣士(こんな時間に人が・・・?やっぱりあの子は何かあるんだ・・・)

村人a「・・・」


少年剣士(顔を隠して・・・峰打ち狙いなら・・・)グイッ・・チャキッ

・・・ダダダダッ・・

村人a「!」

・・・バキィ!!

村人a「」

少年剣士(よし・・・)

 
――――村長の家の中

少年剣士(・・・、・・・・話声?)


村人c「・・本当に明日には連れて行くんでしょうね」

村長「村の若者に頼んでおいた。大丈夫じゃろ・・」

村人b「もし侵攻が始まっていたりしたら・・・」

村長「今のところは・・あいつしか確認されておらん」

村人b「また、あの悲劇が繰り返されるんでしょうか・・・」

村長「・・・・」


少年剣士(離れすぎて・・聞き取りにくいな?)ググッ


・・・・ミシミシッ

少年剣士(やばっ・・・音がっ!)

 
村長「誰じゃ!?」

村人b「・・・村人cですよ。そろそろ交代の時間ですし」ヨイショ

少年剣士(わー!まずいまずい!こっち来る!)


村人b「次はお前の休憩だったな、さ、交代するk」

少年剣士(・・・ごめんなさい!)ゴン

村人b「」


・・・ドサ


村長「・・・む?」

村人c「何の音でしょう?」

少年剣士(わわ、どうしよ!)

 
村人c「・・・?おーい、村人bどうした?」ヨイショ

少年剣士(またこっちに来たーー!)


村人c「おい、どうしt・・・」

少年剣士(ごめんなさいいい!)ゴン

村人c「」

・・・ドサ

 
村長「・・・おい、村人b!村人c!どうした!」

 
少年剣士(あと村長だけか・・・ここは強行突破しか・・・)ダダダッ

 
村長「む!何奴じゃ!」

・・・・ダダダダッ

少年剣士(ごめんなさい!)ゴン


・・・ガシッ!!!

少年剣士「へ?」

村長「・・・ワシはこれでも先の戦争で活躍した身じゃぞ!」バキッ!

少年剣士「うわっ!」ドサッ


村長「かかってこい!」グキッ
 
少年剣士(つ・・・強い・・・って、グキッ?)

 
村長「む・・・むお・・・腰が・・・!」ガクッ
 
少年剣士(チャンス・・・ごめんなさい村長!)ゴン

村長「」

・・・・ドサッ

 
村人a「」
村人b「」
村人c「」
村長 「」
 
少年剣士「・・・ふぅ、あとは赤髪少女がどこにいるか・・だね」

 
・・・・・・・・・・・
 
少年剣士「あ・・・いた!」

赤髪少女「・・・」

少年剣士「寝てるの・・かな?赤髪少女!」


赤髪少女「・・・!」ハッ

少年剣士「あ・・・良かった、大丈夫?」

赤髪少女「・・・」ビクッ

 
少年剣士「・・・僕だよ!」

赤髪少女「・・・」ビクビク

少年剣士「あ・・・そっか。顔隠してたらわからないよね・・はは」グイッ

 
赤髪少女「・・・少年剣士!」

 
・・・・・・・・・
―――――森林
  
少年剣士「はぁ・・はぁ・・ココまで来ればとりあえず安心かな」

赤髪少女「・・・ありがとう」

少年剣士「どうしても気になってさ」

赤髪少女「これから・・どうするの?」


少年剣士「・・・赤髪少女、聞きたいことがあるんだ」

赤髪少女「なあに?」

少年剣士「村人たちは君のことを災厄だとか、侵攻とか、悲劇っていってた。どういうこと?」

赤髪少女「それは・・・」

 
少年剣士「・・・本当の事を言ってくれないかな?」

赤髪少女「・・・」

少年剣士「・・・ダメかな?」

赤髪少女「・・・・分かった」

少年剣士「・・・ありがとう」ニコッ

 
赤髪少女「私・・ね。魔界から来たの・・・」

少年剣士「・・・うん?」


赤髪少女「・・・・」

少年剣士「・・・・」

赤髪少女「・・・・」

少年剣士「・・・ん?」

赤髪少女「・・・え?」


少年剣士「・・・・魔界?魔界って、魔界?」

赤髪少女「うん、魔界」コクン

 
少年剣士「・・・」

赤髪少女「・・・?」

少年剣士「・・・・え、えっと・・・うん」

赤髪少女「・・・うん」

少年剣士「えっと・・君は・・・人間なの?」


赤髪少女「ううん」

少年剣士「・・・、えっと・・・何者?っていうのも変だな・・・種族は?」

赤髪少女「・・・竜族」

 
少年剣士「り・・竜族?竜って・・・神獣・・・の・・?」

赤髪少女「しんじゅう?」

少年剣士「あー・・・いや・・うん・・・何でもない・・」

赤髪少女「・・・・?」


少年剣士「・・・赤髪少女は、何で魔界からこっちに・・・?」

赤髪少女「・・・戦争が起きたから」

少年剣士「戦争?」

赤髪少女「・・・うん。魔界で私たちに、白竜たちと戦争が始まって・・・」

>>80 赤髪少女「・・・うん。魔界で白竜たちと戦争が始まって・・・」

 
少年剣士「ちょっと待って!」

赤髪少女「・・・?」

少年剣士「ちょっとまって・・・突拍子がなさすぎて、頭が混乱してるんだ・・・」

赤髪少女「・・・うん」

少年剣士「・・・・」

赤髪少女「・・・・」


少年剣士「・・・よし!で、続きをどうぞ!」

赤髪少女「う・・うん。それで、お父様が私をこっちの世界に逃がしてくれて・・・」

少年剣士「・・・お父さんが?」

赤髪少女「うん」


少年剣士「・・・、えっと・・・うん。そういや、何でそっちの世界で戦争が始まったの?」

赤髪少女「・・ちょっと前・・私たちの住んでた所に、こっちと繋がるの穴が現れたの」

 
少年剣士「穴が・・・うん」

赤髪少女「それで、私たちはそれを塞ごうとしたんだけど、白竜たちが再び人間界に攻めようって提案して・・」

少年剣士「・・なんだって!?」グッ


赤髪少女「きゃっ!」ドタッ

少年剣士「あ・・・ごめん・・。それで?」


赤髪少女「う、うん。私たちは・・それに反対して・・・それで・・・穴を巡って戦争になって・・」

少年剣士「なるほど・・」

赤髪少女「お父様は、私を戦争に巻き込まない為に穴からこっちに逃がしてくれたんだけど・・」

 
少年剣士「・・・」

赤髪少女「変身魔法で人間に化けた時に、人間に見つかっちゃって・・斬られたの」

少年剣士「・・治癒とかは出来なかったの?」

赤髪少女「うん・・こっちの空気っていうか・・・合わなくて・・」

少年剣士「・・・」


赤髪少女「それで・・人間を追い払おうと・・竜に戻ろうとしたんだけど、何故か戻れなかった・・・」


少年剣士(・・・変身魔法でマナを使い切ったのか・・)

赤髪少女「マナも回復できなくて・・・ケガも治せなくて・・どうしようって・・・」

少年剣士「・・・なるほど」

 
赤髪少女「うん・・・ごほっ・・・ごほごほっ」フラッ

少年剣士「・・赤髪少女!?」ギュッ

赤髪少女「だめ・・・やっぱりこっちの世界の気が・・合わない・・」

少年剣士「・・・!、待って、変身魔法はマナを消費し続けるんだよね?」

赤髪少女「・・・うん」


少年剣士(それで・・・竜に戻れず、ずっとこっちの世界にいたら・・・)

赤髪少女「・・・」ハァハァ

少年剣士(赤髪少女・・・マナが枯渇して・・・死んじゃうんじゃ・・・)

 
赤髪少女「・・・少年剣士・・・?」ハァハァ


少年剣士「・・・赤髪少女、君が出てきた魔界の穴はどこにあるんだろう?」

赤髪少女「あっち・・・あそこのてっぺん・・・」

少年剣士「あっちって・・・猛雪山・・・・」ゴクッ
 
 
赤髪少女「・・・ありがとう・・ちょっと楽になった・・」

少年剣士(こんな女の子・・放っておけないよ・・・)ギュッ

 
赤髪少女「・・・」

少年剣士(だけど・・僕1人じゃ・・あの山を登りきるのは無理だ・・・)

 
赤髪少女「・・・?」ジッ
 
 
少年剣士(でも・・・助けたい・・・。みんなに相談してみるか・・・)

赤髪少女「・・・少年剣士?どうしたの?」

少年剣士(よし・・・決めた)

 
・・・・・チャキッ


少年剣士「赤髪少女、僕と一緒に魔界へ行こう」

 
・・・・・・・・・
―――――次の日・朝

赤髪少女「・・・・んっ」モゾ

少年剣士「あ・・起きた?」チラッ

赤髪少女「う・・うん」


少年剣士「急いだほうがいいと思って、背負ってゆっくり歩いてたけど・・寝れたかな?」

赤髪少女「うん・・ありがとう・・もう、歩けるよ」ヨイショ

 
少年剣士「よいしょ・・」

赤髪少女「これからどこに行くの?」

少年剣士「僕一人だとあの山は登れないからね・・・、仲間を集めようと思って」

赤髪少女「なか・・ま・・?」

 
・・・・・・・・・・
―――――北西冒険学校

少年剣士「・・・えっと・・いたいた。戦士先生!」

戦士先生「あれ?随分早い戻りだな。どうかしたのか?」

少年剣士「ええ・・・ちょっと」

赤髪少女「・・・」ジッ

戦士先生「・・・・!」ゾワッ


赤髪少女「・・・」ビクッ

戦士先生「なんだその子は・・・なんて気を放ってるんだ・・・」

少年剣士「だ、大丈夫です!」

戦士先生「大丈夫なわけあるか!そ、その子から離れるんだ!」

 
少年剣士「・・・」ジッ

戦士先生「・・・」

少年剣士「・・・戦士先生・・・・大丈夫です」

戦士先生「・・・」

少年剣士「・・・」

戦士先生「・・わかった。お前の眼は嘘をついてない。どうしたんだ・・・?」ハァ


少年剣士「・・・・!、ありがとうございます!」

 
・・・・・・・・・・・

少年剣士「・・・というわけです」

戦士先生「なるほどな。それは本当なのか?赤髪少女」


赤髪少女「・・・」コクン


戦士先生「にわかには信じがたいが・・・本当にその子の気は人間のものではない・・」

赤髪少女「・・・ごほっ」

少年剣士「赤髪少女・・・」


戦士先生「・・そして確かに少しずつだが、衰弱していってるようだな・・」


少年剣士「猛雪山に登って、この子を魔界に戻して元気にしてやりたいんです」

戦士先生「ふむ・・・」

 
少年剣士「それで、手伝っていただければなと・・・」

戦士先生「手伝ってやりたいのだが・・・この脚では山を登り続けることが出来ないんだ・・・」スッ


赤髪少女「・・・!」


少年剣士「わ・・・これが戦争の時の・・・ですね」

戦士先生「この間みたいな短期での戦いは何とかこなせるのだがな・・・」

少年剣士「じゃあ・・無理ですね。他をあたってみます」


戦士先生「・・・、待て。少年剣士」

少年剣士「はい?」

 
戦士先生「赤髪少女の件は、俺の身内に聞いて連れて行こうと思う」

赤髪少女「え・・・」

少年剣士「身内・・ですか?」

戦士先生「ああ。魔界に送り出すだけなら、俺の身内のほうが早いだろう」

少年剣士「それなら・・・」


赤髪少女「やだっ!!」キッ


戦士先生「・・・何?」

赤髪少女「やだ・・・少年剣士がいい。少年剣士と一緒にいたい」ギュッ

少年剣士「・・・」

 
戦士先生「・・・なぜだ?」

赤髪少女「・・・私を守ろうとした。私を助けてくれた。やさしくしてくれた。凄い嬉しかった」

少年剣士「・・・・赤髪少女」


戦士先生「・・・」ハァ

赤髪少女「一緒じゃなかったら行かない!」

戦士先生「はは・・・厄介なのに好かれたな、少年剣士」


少年剣士「これでも妹みたいで・・結構可愛いと思うんですけどね」ハハ

 
赤髪少女「・・・」ギュゥ


戦士先生(行かないなんて言われて、こっちの世界で竜が死んでしまって・・・
       この子側の竜が一緒に攻めてくることになったら大惨事だ。・・・ん?そういや何で・・・)

少年剣士「・・・そういや、何で赤髪少女たちは穴を塞ごうとしたの?」

戦士先生「・・俺も今聞こうとしたんだ、なぜだ?」
 
 
赤髪少女「私のお父様とかは、戦争とか嫌いなの。平和が一番いいんだって」

戦士先生「・・・・何?」

赤髪少女「魔王様っていうのがいた時は従うしかなかったって言ってたけど・・・、
       いなくなってからは私たちが一番力を持っていたから、お父様の平和が良いっていうのに従ってるんだって」


 
戦士先生「・・・魔界でも色々あるんだな」

赤髪少女「けど穴が開いて、白竜たちが突然裏切って戦争になって・・・」
 
少年剣士「・・・お父様って偉い人・・人?偉い竜なの?」


赤髪少女「うん。俺は竜の王様だぞーっていってた」


戦士先生「・・・」

少年剣士「・・・」

赤髪少女「・・・?」


戦士先生「いよいよ、本当に洒落にならなくなってきたぞ・・・」

 
少年剣士「竜の王様・・・」

戦士先生「その王様の名前は?」


赤髪少女「・・・バハムート。赤竜の王だよ」


少年剣士「え・・・バハムートって・・・戦士先生の脚の・・」

戦士先生「・・・何て因果だ。人に歴史あり、竜に歴史ありって感じだな」ハハ

少年剣士「・・・せ、戦士先生・・・」

戦士先生「はーはっはっは・・・」

少年剣士「・・・」



戦士先生「・・・・」グワッ


少年剣士「せ、戦士先生っ!」

 
赤髪少女「・・・・!」ビクッ

戦士先生「・・・・」


ポスッ・・・ナデナデ


少年剣士「・・・・へ?」

戦士先生「・・・よいしょっと。んー?お前本当に竜か?こんな軽いのに」ハハハ

赤髪少女「・・・うう」


少年剣士「せ・・戦士先生・・」

 
戦士先生「別に・・・脚のことは恨んじゃいないさ。いや・・違う。
       本当は恨んでいた。特に斬られた時は、必ず殺してやるってね」

少年剣士「・・・」

戦士先生「だけど、今の話を聞いてわかったさ。俺らと一緒だったよ・・竜たちもな」ポンポン

赤髪少女「あうあう・・・」


戦士先生「戦争に行けといわれたら、上に従ってやるしかない。たとえ平和主義でもな」

少年剣士「戦士先生・・・」

戦士先生「それに、この子の眼も真剣そのものだった。嘘はついていないだろう・・」

少年剣士「・・・」

戦士先生「それにあれは戦いだった。はは・・・何か色々ふっきれたよ」ニコッ


 
少年剣士「た・・戦い・・」

戦士先生「戦争は恨み、恨まれだ。恨みの連鎖は断ち切りが必要だ。許しも必要だろう?・・・」ニコッ

少年剣士(何て・・凄い人なんだ・・・)

戦士先生「よっしゃ!少年剣士・・赤髪少女をしっかり届けろ!」

 
赤髪少女「・・・少年剣士と行ってもいいの?」

戦士先生「はは、いいぞ!」

赤髪少女「ありがとう・・・!」パァァ

 
少年剣士「・・・ありがとうございます」ペコッ

 
・・・・コンコン

戦士先生「どうぞ」


・・・・ガラッ

幼馴染「あの、ちょっと授業のことで質問が―――・・・」

少年剣士「・・・あ」

幼馴染「・・・え?」

戦士先生「・・・・あ」

赤髪少女「?」

 
・・・・・・・・・・・・

少年剣士「」ズタボロ

幼馴染「なるほど。そういうことだったのね・・・よく説明してくれたわ、うん」

戦士先生「・・・はは」


幼馴染「ってなわけで、休みを少しの間とりますね戦士先生」

少年剣士「へ?」

幼馴染「私もいく!」

少年剣士「え、いや、でも、結構危険なこともあるだろうし、その・・・」

幼馴染「私も行くんだからね!準備してくるから待ってて!」

少年剣士「あの、でも、ほら・・・って」

・・・・・ガラッ・・・ダダダダ


戦士先生「・・・もう、1人仲間が決まってよかったじゃないか・・・」ハハ

 
少年剣士「でも、戦士先生の身内と僕が一緒に行ったほうが良いんじゃ?」

戦士先生「考えたら、中央国まで時間かかるしな・・・
       この事はあんま他言せず進めたほうがいいと思った所だし、丁度いいんじゃないか?」


少年剣士「猛雪山、登れますかね」

戦士先生「元々頂上までのルートはあるし、必要な装備を整えれば大丈夫だろう」

赤髪少女「・・・」

戦士先生「ま、となると・・・。あとの仲間は・・アイツらになりそうだけどな」

少年剣士「ですね」ハハ

赤髪少女「?」


 
戦士先生「あいつらの住所は知っているのか?」

少年剣士「一応聞いたことがあります」

戦士先生「そうか・・・ま、気をつけて頑張ってこいよ」

少年剣士「ええ、わかってまs」

・・・ガラッ!


幼馴染「さーて行くわよ!赤髪少女ちゃんのためにも!」

戦士先生「・・・本当に頑張ってこいな」ハハ

少年剣士「ええ・・・分かってます・・・」ハハ

 
・・・・・・・・・・・・・・・

少年剣士「じゃあ、行ってきます」

赤髪少女「・・・行ってきます」

幼馴染「行ってきます!みんなには適当に言っといてください!」


戦士先生「お・・おう・・・気をつけて・・・」


タッタッタッタ・・・


戦士先生「頼むぞ・・・」

 
・・・・・・・・・・・・

幼馴染「誰々を仲間にするの?」

少年剣士「やっぱり武道家と僧侶戦士かなあ」

赤髪少女「・・・お友達?」

少年剣士「ああ。優しい人らだよ」ニコッ

赤髪少女「・・・!」パァァ

 
少年剣士「僧侶戦士は猛雪山のふもとの、雪降町だから、まずは武道家かな」

幼馴染「武道家はどこだっけ?」

少年剣士「東部の町。歩いて1日ほどかな」

 
幼馴染「馬とかあれば早いんだけどね」

 
少年剣士「ま・・ないものを願ってもしょうがないよ」

幼馴染「・・・そうだよね」ハァ 


少年剣士「そういや、武道家の実家って何してるんだろう?」

幼馴染「本当かどうか知らないけど、英雄武道家の息子とかいってなかったっけ」

少年剣士「言ってるね・・・。道場開いてるっても聞いたし・・凄い家なのかも・・」

幼馴染「家の場所はわかるの?」

少年剣士「海の傍にあるって言ってたし、わかるんじゃない?」

幼馴染「そっか。・・とりあえず急ぐ?」


少年剣士「うん。急ごう!」

赤髪少女「出発ー!」ヘヘヘ

 
・・・・・・・・・・・次の日の昼・東の町

武道家「・・いいかぁ!腹から声出せ!」

子供達「はいっ!」

武道家「壱に努力!弐に努力だ!精進しろよ!」

子供達「はいっ!」


 
・・・・コンコン

武道家「・・・どうぞー!」


・・・・ガラッ

少年剣士「・・・や」

幼馴染「わー、本当に道場なんだ・・・!」

武道家「な、何だ・・・お前ら?どうしてここに?」


少年剣士「ああ・・ちょっとね・・」

 
・・・・・・・・・・・

武道家「・・・マジかよ」

赤髪少女「・・・」ジッ


少年剣士「うん。だから・・・一緒に猛雪山登ってほしい」

幼馴染「もちろん、オーケーよ」

武道家「もちろんオーケーだ・・・が、なんで幼馴染が言った・・?」

幼馴染「・・・流れよ」

武道家「・・・・流れか」
 
 
少年剣士「・・・あまり時間もないし、早い段階で出発したいんだけどな・・」

 
武道家「僧侶戦士の家って猛雪山のふもとの雪降山だよな?」


赤髪少女「・・・」フラフラ

少年剣士「だね。歩いて3日ってところかな・・・・って、赤髪少女?」

 
赤髪少女「・・・」ハァ・・ハァ・・


幼馴染「・・・赤髪少女ちゃん?」

少年剣士「・・・!」


赤髪少女「し・・少年剣士・・」ドサ

少年剣士「マナの影響だ・・・僕のひざ使って横になっていいよ・・・」

赤髪少女「・・・うん」ハァハァ

 
武道家「・・・見てるのが痛いな・・」

赤髪少女「・・・」ハァハァ


幼馴染「・・・でも、変身魔法ってマナがなくなったら自然と解けるものだと思ってたけど・・」

武道家「こっちの空気が合わないとか言ってたし、身体的に異変をきたしてるのかもな」

少年剣士「早く魔界に戻してあげないと・・・」


幼馴染「・・・大丈夫よ、赤髪少女ちゃん。必ず元気にしてあげるからね」ナデナデ

赤髪少女「うん・・」


少年剣士「・・前の時よりも消耗が激しい・・・」

武道家「竜っていっても、まだまだ子供だもんな・・・必ず助けようぜ・・」

幼馴染「当たり前だよ・・」

 
少年剣士「・・・猛雪山まで・・もっと早く行けないかな・・」

武道家「・・・そうだな・・」

幼馴染「冒険の扉とか使えればいいんだけど・・」

少年剣士「緊急事態って言えば軍の支部の扉を使えるだろうけど・・・あまり事を大きくできないし・・」
※冒険の扉のワープは基本的に軍の管轄
※私用や商用などには使うことが出来ない



武道家「・・・・ちょっと待て・・・良い考えがある」

幼馴染「何?」

武道家「確かさ・・・今晩、商人が交易で各町に向かうはずなんだ」

 
少年剣士「交易・・・?」

武道家「で、もしかしたらだけど・・・その中に雪降町行きがあるかもしれない」

幼馴染「本当!?」

武道家「分からないが・・・だけど、もしそうなら馬で1日ほどで着くだろう?」

少年剣士「・・・もし、なかったら?」

武道家「出発が遅れる・・」

幼馴染「そんな賭けできるわけないでしょ・・・」


子供「あ、あの・・」

武道家「お?どうした?打ち込み練習は終わったのか?」

子供「はい!えと・・・それで・・」

 
武道家「?」

子供「たぶん、雪降町に交易で行くと思いますよ」

少年剣士「・・・本当!?」

武道家「マジかよ?何で知ってるんだ?」


子供「僕のお父さんが交易所の管理をしてるので・・・、いく場所の札を見てるんです」

武道家「そりゃいい情報だ・・・何番線から出発するとか分かるか?」

子供「3番線のはずです」


武道家「そうか、ありがとうよ・・。だがな・・・」

子供「?」

武道家「人の話を盗み聞きするってのは良いクセとは・・・いえないな」ゴンッ

子供「ごめんなさいっ!」ズキズキ
 
武道家「ほら・・・俺らは大事な話をしてんだから、あっちでまた打ち込みしてこい」

子供「はーい・・・」ブツブツ

 
幼馴染「ふーん、いい先生してるじゃん」ニヤニヤ

武道家「久々に帰ってきたから、手伝えっていわれてるだけだよ」ハァ

少年剣士「ま・・・今晩そこにお願いするの?」

武道家「違う!忍び込むんだよ!」

幼馴染「ええー!?何か犯罪っぽいよ・・・」

少年剣士「う・・・うーん・・・」


武道家「しのご言ってられないだろ!」

幼馴染「そうなんだけどさ・・・バレたら・・どうなるの?」


武道家「理由言っても信じないだろうし、逆に信られたら・・とんでもないことになるし。
     ま、普通に防衛隊に引き渡されて逮捕だろうな」ハハ

幼馴染「・・・うーん」

少年剣士「・・・・しのご言ってられないのは本当だよ。忍び込もう」

 
赤髪少女「・・・」ハァハァ

幼馴染「・・・」

武道家「そうだよな。バレたらバレたら、だ」


幼馴染「分かったわよ・・・。私だって。赤髪少女ちゃんを助けたいもん・・・」

武道家「そうこなくっちゃ!」

 
少年剣士「・・・武道家、それとさ・・どこか休めるところはないかな?
       赤髪少女を夜まで休ませたいんだけど・・」


武道家「・・裏に俺の家があるし、そこで休ませようか?」

少年剣士「うん・・ありがとう」


 
幼馴染「そういや、あんたの家・・今は誰が切り盛りしてるの?お父さんは・・その・・」

武道家「いいよいいよ。今は、爺ちゃんと母さんがここの武道場を経営してるんだ」

幼馴染「なるほどね・・」


少年剣士「とりあえず・・・赤髪少女を休ませない・・?」

幼馴染「あ・・・ごめん、うん・・そうだねっ」


武道家「そうだったな・・・こっちだ」

 
・・・・・・・・・
―――――夜・交易場

幼馴染「赤髪少女ちゃん・・・大丈夫?」

赤髪少女「・・・うん」ハァハァ


少年剣士「前はすぐ元気になったのに・・・やっぱり・・どんどん衰弱してるんだ・・」


武道家「えと・・・4番線のはずだったな」

幼馴染「3番線ね」

武道家「・・うっせ!わざといったんだよ!・・・どこだ3番線・・・」


少年剣士「・・・あった・・あそこだ・・」

武道家「お・・・3番って書いてあるな。思ったより荷台が広いし・・結構楽できそうだ」

幼馴染「そうね・・・」

 
少年剣士「まだ商人はいないみたいだし・・・今がチャンスだね」ゴソゴソ

幼馴染「次は私・・・っと・・結構高いな・・・」グラグラ


武道家「赤髪少女、登れるか?」

赤髪少女「う・・うん・・」ガタガタ


少年剣士「手を・・・」

赤髪少女「・・・ん・・ありがとう」ギュッ

少年剣士「よいしょ・・・、武道家で最後だ」

武道家「おっこらしょっと・・・」ゴソゴソ

 
少年剣士「・・・ここにいればバレないかな?」ボソボソ

武道家「わかんねーが・・バレないように願うだけだ」

赤髪少女「何か・・ドキドキするね」

幼馴染「赤髪少女ちゃんは、少し寝ていくといいよ・・・もう夜遅いしね」


少年剣士「一応毛布持ってきたから、横になってていいよ」ヨイショ

赤髪少女「ん・・・」モゾモゾ

武道家「はは、また膝まくらか。好かれてるな」

幼馴染(むう・・・)

 
・・ガタ・・・ガタ・・ 
・・・・・・ガタガタ・・・・

武道家「・・商人が来た・・静かに・・・」

幼馴染「・・・」ドキドキ

少年剣士「・・・」

赤髪少女「・・・」スゥスゥ


初老の商人「・・・さて・・、出発するか・・・」

・・・ヒヒーン!!


・・パカッ・・・
・・・・・パカッ・・パカッ・・・パカッパカッパカッ・・・



・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

本日の投稿はここまでです

 
パカッ・・・パカッパカッ・・・・・ギシ
・・・・・・・ギシギシ
ミシ・・・ギシッ・・・・・・・ミシミシ


少年剣士「・・・」グーグー

赤髪少女「・・・」スゥスゥ

武道家「・・・」ブゴゴゴゴ・・ンガー!!

幼馴染「・・・」クークー
 
 
少年剣士「・・・・」パチッ

3人「・・・」zzz

 
少年剣士(朝・・・かな?すっかり寝ちゃったよ・・・外見てみよう)ソッ

 
・・・・・パサッ・・・パァッ

少年剣士(わ・・・眩しっ・・・って、うわあ・・・!)キラキラ

 
武道家「んむ・・・眩しい・・・ふわあああ」ノビノビ

幼馴染「眩し・・・んー・・?すっかり寝ちゃってたね・・」ノビノビ

赤髪少女「・・・」スゥスゥ


少年剣士「あ、2人共起きた?外見てみなよ!」

武道家「んー・・・?」ゴソゴソ

幼馴染「わ・・・」


・・・・コンコン・・サァッ・・・・フワフワ・・

少年剣士「雪だよ・・・」

 
武道家「そうか・・この辺からもう猛雪山が近いのか・・」

少年剣士「僕と幼馴染は珍しくないけど、やっぱ何か綺麗でいいよね」ヘヘ

幼馴染「だね・・・って、寒っ!」ブルッ


赤髪少女「・・・」スゥスゥ


少年剣士「これ着ていいよ。僕は大丈夫だから」パサッ

幼馴染「・・・ありがとう」ギュッ
 
 
武道家「いやマジでちょっと寒いな。あとどんくらいで着くんだ?」

少年剣士「雪がものすごくて・・遠くが見えないけど、そろそろだと思うんだよなあ・・」

 
赤髪少女「・・・んー・・着いたの?」ゴシゴシ

少年剣士「あ・・・ごめんね。起こしちゃった?」

赤髪少女「んーん・・・」ヨロヨロ


少年剣士「あ・・危ないっ!」ダキッ

赤髪少女「あう・・・なんかフラフラする・・・」

少年剣士「寝起きだからだよきっと」アハハ


幼馴染「・・・」

武道家「・・・」
 

少年剣士「・・・、まだもう少しかかりそうだから休もうk・・」

・・・・ドォン!!

 
武道家「何の音だ!?」

少年剣士「攻撃音っぽかった・・・なんだろう?」

 
・・・・・ヒヒーン!!!

初老の商人「な、なんだあんたら!」

盗賊a「俺らは高貴な盗賊団!」

盗賊b「見たところ、雪降町への輸送の途中と見た!」

盗賊c「あんたにゃ悪いが、その荷物をもらおうか・・」

 
幼馴染「盗賊!?こんなところで・・・」

少年剣士「くっ・・・」チャキッ

赤髪少女「・・・」ギュッ

武道家「だが・・・出て行ったら忍び込んだのがバレるぞ!」

 
少年剣士「荷台を見られたらバレだろうし、商人のオジサンも助けないと!」バッ

幼馴染「あっ!少年剣士!」


盗賊a「面倒だ、このオッサン殺して奪おうぜ」

盗賊b「それがいいな」

盗賊c「覚悟しろオッサン」

初老の商人「く・・・」


少年剣士「おい!やめろ!」チャキッ

初老の商人「・・・!?」

 
盗賊a「あ?なんだぁテメェ」

少年剣士「・・・・ご、護衛だ!」

初老の商人「・・・?」


・・・パサッ、ダッダッダ

武道家「ったく!」グッ

幼馴染「しょうがないわねえ・・・」スッ


初老の商人「に・・荷台から・・・いつの間に」


盗賊a「はっはは、ガキばっかじゃねえか」

盗賊b「お、おお、俺あの女の子欲しい!」

盗賊c「じゃあ俺はあの少年でいいわ」ヘヘ

 
少年剣士「引いてくれませんか?」チャキッ

盗賊a「んなの無理に決まってんだろ。ガキは家でカーチャンの乳でも吸って寝てろ!」ヒュッ

盗賊b「出た!アニキの得意なナイフ投げ!」
 
 
少年剣士「・・・」チンッ!

盗賊c「弾きやがった!」


少年剣士「・・・、どうしても引かないというのなら・・・・」ビュッ

盗賊a「な・・・早っ・・」


・・・・バキッ!

盗賊a「」ドサリ

 
盗賊b「よ、よくもアニキを!」
盗賊c「覚悟しやがれ!」

武道家「掌底波!!(非常に弱め)」

幼馴染「中水流魔法!!」バシャッ


盗賊b「」ドゴォン
盗賊c「」ブシャアァ
 
・・・・・ドサリ


少年剣士「・・・ふう」

武道家「弱いなこいつら。お疲れサン」

幼馴染「余裕ね♪」


初老の商人「ちょっと・・・・」

 
少年剣士「あ・・・」

初老の商人「助けていただいのは感謝するが・・・何で荷台にいたのか・・説明してくれるね?」

少年剣士「・・・あの・・・その・・」

幼馴染「ち、ちょっとどうしても早く雪降町に行きたかったので・・」


初老の商人「・・なぜだね?」

武道家「そ・・それは・・・」
 
少年剣士「・・・その・・」

 
初老の商人「・・・理由はいえないか。仕方ない・・・、今回は護衛ということにしておこう」

少年剣士「ほ・・本当ですか!?」

初老の商人「理由はどうあれ、助けてくれたのには変わりないからな・・」ハハ

  
赤髪少女「お・・終わったの・・・?」ハァハァ

初老の商人「ま、まだいたのか・・・大所帯だな」

少年剣士「出てきたらダメじゃないか!」タッタッタ


赤髪少女「で・・でも・・心配・・で・・」

少年剣士「あはは、大丈夫。お兄ちゃんは簡単にやられないよ」ポンポン

 
赤髪少女「お兄・・・ちゃん?」

少年剣士「あ・・・その・・う、うん。お兄ちゃんはやられないよ!」

赤髪少女「お兄ちゃん・・・!」ヘヘ


初老の商人「ま、出発しようか・・・。雪降町までは急いでいるんだろう?」

 
戦士僧侶「あ・・お願いします」

幼馴染「あの・・・あと雪降町まではどのくらいですか?」

初老の商人「あと2、3時間といったところだね」


少年剣士「そうですか・・・ありがとうございます」

初老の商人「これでも恩はきちんと返すほうでね・・密航はよろしくないけどな」ハハ

武道家「ははは・・・」

 
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・

>>137 間違いなので修正分はります

武道家「あ・・お願いします」

幼馴染「あの・・・あと雪降町まではどのくらいですか?」

初老の商人「あと2、3時間といったところだね」


少年剣士「そうですか・・・ありがとうございます」

初老の商人「これでも恩はきちんと返すほうでね・・密航はよろしくないけどな」ハハ

武道家「ははは・・・」

 
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・

 
――――――3時間後・雪降町

初老の商人「よいしょと・・・着いたぞ少年たち」パサッ

少年剣士「あ・・本当にありがとうございました」ヨイショ

赤髪少女「・・・」フラフラ

少年剣士「・・・おっと、お兄ちゃんが背負ってあげるよ・・」ヨット

赤髪少女「・・・うん」

初老の商人「何やら大変そうだが・・・頑張ってな」


武道家「・・・ふー・・」

少年剣士「さてと・・どこに僧侶戦士の家があるのかな」

幼馴染「どこらへんとか聞いてないの?」

武道家「あー・・そういえば聖堂で世話になってるって言ってなかったか?」


少年剣士「そっか・・そういや言ってたかも。聖堂探そう」

武道家「そうだな・・」

幼馴染「あと・・・僧侶戦士に聞いて・・・防寒具も買おう・・・」ブルブル

 
・・・・・・・・・・

僧侶戦士「・・・父と子の聖霊のみ名によって、主願わくは我らを祝し、
       我らの食せんとする賜物を祝したまえ・・・」

子供たち「・・・頂きます」


・・・コンコン

僧侶戦士「はい、どなたでしょうか」


・・・ガチャッ

シスター「僧侶戦士、あなたにお客様ですよ」

僧侶戦士「シスター・・・私に客人が・・・?」


武道家「・・・よっ」

少年剣士「わ・・僧侶っぽい」

幼馴染「なんかかしこまってたねー!」

僧侶戦士「な・・・何だお前ら・・・?」


 
・・・・・・・・・・

少年剣士「っていうわけ・・」

僧侶戦士「なるほどな。赤髪少女に竜の王・・か」


赤髪少女「・・・」ハァハァ


武道家「最初は元気にしゃべってたのに・・・」

幼馴染「・・・」


僧侶戦士「まあ、手伝うのはいいぜ。が、ちょっと色々と困ったことがあってな」

少年剣士「・・・?」

 
僧侶戦士「雪山に登るのなら俺が慣れてるし、実際、猛雪山自体は
      何度か登ってるし頂上まではいけないことはないんだ」

少年剣士「うん」

僧侶戦士「だがな、その中枢部分に特待学校の下官クラスが来てるんだよ」

武道家「え?」

僧侶戦士「山の中枢でここ最近、イエティが見られるようになってな」

幼馴染「イエティ?」

少年剣士「雪山の巨人。僕らもここじゃないけど、討伐しにいったことはあるよ」


僧侶戦士「で。だから、今は封鎖されているんだ」

少年剣士「どうしよう・・」

武道家「俺らなら顔面識あるし、通れるんじゃないか?」

 
僧侶戦士「通れることは通れると思うんだが・・・」チラッ

赤髪少女「・・・」ハァハァ

僧侶戦士「赤髪少女に負担をかけないで登れるか?イエティと遭遇したら?」


少年剣士「・・・大丈夫。きっと。僕は赤髪少女を元気にするって決めたんだから」

僧侶戦士「・・・はは、お前ならそう言うと思ったよ」


武道家「急いだほうがいいだろう・・・頂上まではどのくらいかかる?」

 
僧侶戦士「山に登るのが大体2日はいるだろう。中枢にある山小屋で必ず休憩が必要だ」

少年剣士「休みとか、学校とか、今は気にしていられないかな・・・」

武道家「そりゃそうだろ!」

幼馴染「・・・今日から出発できるの?」


僧侶戦士「そうだな・・・、今日は雪がひどいからな・・・」

武道家「それでもいいだろ!・・・急ごうぜ!」

僧侶戦士「ばかやろう!山を甘く見るんじゃねえ!
       どんなベテランでも遭難することがあるんだ!」

武道家「そ・・・そうか・・・悪ぃ」

 
僧侶戦士「それに、防寒具と食料が必要だ。出発は明日の明朝にしよう」

少年剣士「・・・わかった」コクン


幼馴染「どこで食料とかは買うの?」

僧侶戦士「ここは登山客の多いふもとの町だぜ?何でもあるさ」ッフ

武道家「・・・わかった。赤髪少女はここで休ませて・・おくか?」


少年剣士「赤髪少女・・・どうする?」

赤髪少女「・・・」ハァハァ


僧侶戦士「・・・辛そうだな。シスターに頼んで休ませておこう」タッタッタ

少年剣士「・・・すぐ戻るから大丈夫だからね・・」

 
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・

赤竜「戦争?」

バハムート「ああ。白竜側がワシらに戦争を仕掛けてきた」

赤竜「それで・・・私たちはどうなるの?」

バハムート「大丈夫だ。ワシらが負けるはずがないだろう」

赤竜「・・・うん!」

・・・バァン!

竜側近「大変です!白竜軍がそこまで来ております!」

バハムート「・・・、竜側近。言っていた事を頼む・・」

竜側近「・・・わかりました。お嬢様、こちらに来てください」ガシッ

赤竜「・・・え?どこに行くの?お父様のところにいる!」

バハムート「・・・」

赤竜「・・・お父様?お父様・・・!お父様・・・・・!!」

・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・

 
赤髪少女「・・・・お父・・様っ・・・!!」ハッ

・・・コチコチコチ・・

赤髪少女「ここ・・どこ・・・・?お兄ちゃん・・・?」グスッ

コチコチ・・・

赤髪少女「・・・・」ハァハァ

スタッ・・
トコトコ・・・・トコトコ・・

赤髪少女「どこなの・・・?お兄ちゃん・・・・」


ガチャ・・・ギィ・・・・・・・・・バタン・・・・


シスター「・・・赤髪少女ちゃん、ご飯ができ・・・って・・・あら・・・?」

 
・・・・・・・・・・・・

武道家「すげええ!何でも揃ってるな!」

僧侶戦士「当たり前だ」

幼馴染「防寒具は赤髪少女ちゃんの分も買わないとね」


少年剣士「そういや、赤髪少女ぜんぜん寒がらなかったなぁ・・さすが竜族ってところだね・・」

武道家「だな・・・。ま、一応ないよりはあったほうがいいだろ」ゴソゴソ

僧侶戦士「じゃあ俺は食料品買ってくるわ」

少年剣士「・・・わかった、ありがとう」

武道家「俺は肉がいいな!」

僧侶戦士「イエティの肉でも食ってろ」

武道家「アァ!?」

 
・・・・・・・・・・・・

・・・・・ヒュオオオォオォ・・・

赤髪少女「お兄ちゃ・・・」ハァ・・・ハァ・・


・・・ザワザワ・・
アレ、ダレノコカシラ・・ミタコトナイワヨ・・


赤髪少女「・・・あう・・・ごほっ・・ごほごほごほっ・・」ハァ・・・ハァ・・


???(・・・あれは)

赤髪少女「・・・・ごほっ・・」ドサッ

???「・・・・」グイッ

赤髪少女「・・・・」フワッ

???「軽いな・・・」ヨイショ


タッ・・・タッ・・・タッ・・・・・

 
・・・・・・・・・・

幼馴染「ふぅ~買った買った!」

僧侶戦士「買いすぎだ・・」

幼馴染「えへへ、買い物なんて久々だから・・ね」

少年剣士「・・やっと聖堂に着いた・・・」ガサガサ


幼馴染「持ってもらっちゃって悪かったわね♪」

少年剣士「いやいやこれくらい・・・」アハハ

武道家「自分で持てよ・・」

幼馴染「私は可憐な乙女なのよ・・・」ウルウル

武道家「・・・ッハ!!」

幼馴染「鼻で笑ったわね?」ゲシッ

武道家「あいたぁ!」

 
僧侶戦士「ん・・?シスターが何か騒いでないか・・・?」

 
シスター「あ・・・僧侶戦士!」

僧侶戦士「どうしたんですか・・シスター?」

シスター「・・・赤髪少女ちゃんが消えちゃったの!」

少年剣士「・・・・え?」


シスター「ご飯を作ってる間に、寝かせてたベッドから消えて・・・」

幼馴染「せ、聖堂の中にはいないんですか?」

シスター「今見てきたところなんだけど・・・外に出てしまったのかも・・」


少年剣士「・・・・!」ダッ

幼馴染「あ・・・少年剣士!」

武道家「おい!待てよ!」

僧侶戦士「荷物、お願いします。ちょっと探してきます!」

 
・・・・・・・・・・

少年剣士「・・・赤髪少女ぉーーー!」


・・・・・ヒュオオオオオオ

武道家「雪もひどいし・・・、まずいぜこりゃ」

幼馴染「赤髪少女ちゃん・・・どこー!」

僧侶戦士「くそ・・・」


町人「あのー・・」

少年剣士「・・・はい?」

町人「誰か探してるみたいだけど、どんな感じの人かな?」

少年剣士「真っ赤な髪の毛と眼をした、小さな女の子です・・」


町人「ああー・・・見たよ!」

 
武道家「・・・本当か!」

町人「ああ。何やら苦しそうで、お兄ちゃん、お兄ちゃんって必死に叫んでたけどねェ」

少年剣士「・・・!」

町人「でも、そこで倒れちゃってね」

幼馴染「倒れた・・・!?そ、それでどうなったんですか!?」


町人「何か、男の人が抱きかかえてそこの宿に入っていったよ」

武道家「おい・・・まずいんじゃないか?さっきの盗賊だったりしたら・・・」

少年剣士「くっ・・・!」ダッ


幼馴染「あ・・・!待って!」

 
・・・・・バタン!!ガランガラン!


宿人「はいー・・・イラッシャイ」

少年剣士「すいません、さっきここに女の子を抱えた男が来ませんでした!?」


宿人「・・・泊まってる人のプライバシーは教えられないよ」

僧侶戦士「・・・・」チャリッ

宿人「1万g金貨・・・!?だ、だけどねえ・・・」

僧侶戦士「・・・・」チャリッチャリッ

宿人「・・・たぶん、2階の一番右奥の部屋だよ」


少年剣士「ありがとうございます!」

 
タッタッタッタ・・・

少年剣士「ここか・・・!」

武道家「何かあってからじゃ遅い!蹴り開けろ!」

少年剣士「っうおおお!」

・・・バキィ!!ドゴォン!!


???「な・・・なんだ!?」

少年剣士「赤髪少女を返せっ!!」チャキッ

武道家「おとなしく返さないとヒデー目にあわせるぞ!」

僧侶戦士「・・・」スッ

幼馴染「そ、そうよ!返しなさ・・って・・」


初老の商人「な・・・何だ何だ・・・!?」

 
少年剣士「し、商人さん!?」

初老の商人「何だ君たちか・・・人の宿のドアを蹴り飛ばすのは・・少々マナー違反だな・・」

僧侶戦士「なんだ・・・知り合いか?」

幼馴染「東町から、ここまで運んでくれた商人さんよ・・」


武道家「赤髪少女が連れ去られたって聞いて・・」

初老の商人「人聞きが悪いな・・・、倒れたところを介抱しただけだ・・・そこで寝てるだろう」

赤髪少女「・・・」スゥ・・スゥ・・


少年剣士「よ・・よかった・・・」ヘナヘナ

 
僧侶戦士「よくわからんが・・・良かったみたいだな」


初老の商人「・・・・、少年剣士くんと言ったか?」

少年剣士「はい・・」

初老の商人「理由はわからんが、こんな子を放っといてどこにいってたんだ?」

少年剣士「預けて・・・買い物を・・」

初老の商人「見たところ、君はこの子のお兄ちゃんなんだろう?」


幼馴染「あ・・それは」

僧侶戦士「・・・っし」

 
少年剣士「あの・・・はい・・・」

初老の商人「だめだろう・・・?傍にいてあげなければ・・・」

少年剣士「すいませんでした・・」

初老の商人「こんな雪の中を・・・、君を必死に探して歩くほどだ・・もう離れるんじゃないぞ・・?」

少年剣士「・・・はい・・」

初老の商人「わかったらいいんだ。一瞬の別れが永遠の別れになることもあるんだ・・」

少年剣士「・・・・?」

初老の商人「あ、いやこっちの話だ。それよりも、この少女を早く連れてってあげなさい」


少年剣士「本当にご迷惑をおかけしました・・・」

 
・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
 
竜側近「お父様は、貴方をこの戦いに巻き込みたくないのです」

赤竜「い・・嫌だ!お父様と一緒にいる!」

竜側近「わかってください・・・」

赤竜「やだ・・・嫌だ・・・」

竜側近「いいですか?ここから人間界に抜けることができます。
     どこに出るかはわかりませんが、今の魔界よりは確実に安全です」

赤竜「・・・」グスッ

竜側近「あちらに着いたら、すぐに身を隠せる場所で変身魔法で人間になってください」

赤竜「竜側近・・・お父様は・・・大丈夫・・・だよね・・?」グスッ

竜側近「ええ・・・私もついています。きっと大丈夫です」ニコッ

 
赤竜「わかった・・・」スッ

竜側近「わかっていただけたなら結構です。すぐに迎えに行きますので・・・」

赤竜「ジっとしていれば・・いいんだよね・・・?」

竜側近「はい・・・お願い致します。
     万が一、人間のままバレた場合は、赤髪少女と名乗ってください」

赤竜「・・・わかった」

竜側近「さすがです、お嬢様」ニコッ

赤竜「・・・」

竜側近「では・・・」


・・・・ギュウウウン!
・・・・・・・・・・・・・・・ウウウウン・・・・・・

 
・・・・ドサッ

赤竜「・・・ここは・・・雪山?」ハッ

・・・ヒュオオオオ

赤竜「とにかく・・違う場所に行こう・・・ごほっ・・」

・・・バサッバサッ


赤竜「このへん・・で待ってよう・・・」

・・・ザワザワ・・
・・コノヘンデミタンダ!

赤竜「・・?」

・・・・ガサガサ

赤竜「あ・・・人間が・・・・変身魔法・・・!」ピカッ

 
村人a「・・・だから、マジで真っ赤な竜がいたんだよ!」

村人b「あ?やっぱ見間違えじゃねーの?」

村人a「見間違えじゃねーよ・・・確かこの辺に・・・」


赤髪少女「・・・」

村人b「女の子じゃん。・・どうしたのこんなところで?」

赤髪少女「・・・」

村人a「おい・・・そいつから離れろ・・」

村人b「あ?」

村人a「さっき見た竜と一緒の色をした髪の毛と眼・・・そいつが・・竜だ・・」

村人b「んなわけないって・・・」

 
赤髪少女(追い払わないと・・・怪しまれてる・・・)ググッ

村人a「お、おい!動くな!」

赤髪少女「・・・変身解除・・・・・!」パァッ


村人a「・・・・!」
村人b「・・・・!」

赤髪少女「・・変身が・・・解除できない・・・!」


村人a「・・やっぱりな!今の聞いただろ!」

村人b「あ・・あぁ!」

村人a「今のこいつ・・・少女から戻れないみたいだぜ・・・」チャキッ

村人b「捕まえて村長に相談だな・・・」スッ

 
赤髪少女「や・・・」

村人a「う、動くんじゃねえ!」ヒュッ

赤髪少女「・・・痛いっ!」スパッ

・・・タラ・・


村人b「いまだ・・・捕まえろ!」

村人a「おらっ!」


赤髪少女「・・・に・・逃げないと・・・!」ダッ

村人a「に・・・逃がすか!」

 
・・・ダッダッダッダ・・

 
・・・・・タタタタ・・ 
 
村人b「くっ・・」

村人a「どこいきやがった・・・」

村人b「まあいい・・一回村長に報告しよう」

村人a「そうだな・・・」


赤髪少女「・・・回復魔法!」ハァハァ

・・・シーン

赤髪少女「なんで・・・使えないの・・・・・」ハァハァ


・・・・ガサッ

 
赤髪少女「ひっ!」ビクッ

少年剣士「うわっ!・・・って、女の子!?」

赤髪少女(もう・・・動けない・・・痛いよ・・)

少年剣士「・・・」ジイッ

赤髪少女(私・・殺されるのかなっ・・)プイッ

少年剣士「あ・・・ちょっと見つめすぎたね、ごめん・・・」

赤髪少女「・・・」

少年剣士「・・・?、その脚どうしたの・・?血が出てるよ」

赤髪少女「・・・」

少年剣士「・・・・あの、大丈夫?」アセ

赤髪少女「・・・」

 
少年剣士「痛くてしゃべれないの・・かな?・・・・う~ん・・そうだっ」ヨイショ

???「ひっ・・・、こっちに・・来ないで・・・」ビクッ


少年剣士「怖がらなくても大丈夫だよ・・・回復魔法!」パァッ

赤髪少女「・・・!」


少年剣士「これでもう大丈夫」ニコッ

赤髪少女「あの・・・ありがとう・・」

少年剣士「・・うん。君のこと、、なんて呼べばいいかな?」

赤髪少女「・・・赤髪少女・・・。あなたの名前は・・?」

少年剣士「僕の名前は少年剣士!」


赤髪少女「少年・・剣士・・・・・」ギュッ

・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・

 
赤髪少女「・・・・・少年剣士・・!」ハッ

・・シーン

赤髪少女「・・・」キョロキョロ


少年剣士「・・・」グゥグゥ

武道家「・・・」フゴー!!

幼馴染「・・・」クークー・・

僧侶戦士「・・・」スー・・・スー・・


赤髪少女「・・・夜?」

少年剣士「・・・ん」パチッ

赤髪少女「あ・・・お兄ちゃん・・・」

少年剣士「赤髪少女・・起きた・・?・・体、大丈夫?」

 
赤髪少女「ちょっとだけ楽になった・・」

少年剣士「そっか。昼間はごめんね・・・もう1人にはしないからね・・」

赤髪少女「・・・寂しかった・・」グスッ

少年剣士「うん・・・」



赤髪少女「・・・ごほっ」

少年剣士「・・・赤髪少女?」

赤髪少女「ごほっ・・・ごほごほごほ・・ごほっ・・・!」

少年剣士「・・・・!」

赤髪少女「はぁ・・・はぁ・・・苦し・・ごほっ・・・」・・・ドサッ

 
少年剣士「赤髪少女!!」


武道家「・・・な、なんだどうした!?」

少年剣士「あ、赤髪少女が!」

僧侶戦士「・・・どうした」

幼馴染「・・・・ふわ・・・」


少年剣士「あ、赤髪少女が凄い咳をした後に・・・倒れ・・」

武道家「落ち着け!」

僧侶戦士「見せてみろ・・・」

幼馴染「・・・・あ・・赤髪少女ちゃん・・?」

 
僧侶戦士「・・・、顔が青い・・・」

武道家「な、なんだ!?」

僧侶戦士「・・・、凄い熱だ。風邪を引いたんだ・・・」

少年剣士「風邪・・・!」

僧侶戦士「マナ不足の影響も受けて、悪化してるんだ・・・」

少年剣士「どうにか・・ならないの!?」


僧侶戦士「一応即効で効く風邪薬はあるが・・・」

幼馴染「早く飲ませましょう!」

僧侶戦士「だめだ・・・」

 
少年剣士「なんで・・・!」

僧侶戦士「あれは人間用だろう・・・?竜が飲んでどうなるという保障がない!」

少年剣士「くっそ・・・・」

赤髪少女「・・・」ハァハァ


僧侶戦士「今は・・この子の強さに賭けるしか・・・ない・・・」

幼馴染「・・・・」

赤髪少女「お父様・・・おにい・・・ちゃ・・・」ハァハァ

僧侶戦士「少年剣士。腕を握っててやれ・・・、それが今の俺らにできる精一杯だ」

少年剣士「・・・わかった」ギュッ

武道家「俺らも様子を見てようぜ・・・・」

幼馴染「・・・うん」

 
・・・・・・・・・
――――3時間後

・・・・・チュン・・・
チュンチュン・・・

僧侶戦士「・・・夜明けだ」

少年剣士「・・・赤髪少女の顔色、少しだけど良くなってきた・・」

赤髪少女「・・・・」ハァハァ


武道家「良かったぜ・・・とりあえず一安心ってとこか?」

幼馴染「・・・だね・・」


僧侶戦士「・・・お、今日はいい天気だな・・・」サァァ

武道家「それじゃ・・・・」

僧侶戦士「ああ」


少年剣士「出発だ・・・!」

 
・・・・・・・・・
―――――猛雪山・ゲート前

武道家「俺はお前の分の荷物を持ってやる。赤髪少女、しっかり守れよ」

少年剣士「・・・・もちろん」


・・・タッタッタ

僧侶戦士「・・・よし、話つけてきた。最上官の証明証で一発だった」

武道家「学生証だけ先に渡されていてよかったな」

少年剣士「赤髪少女・・・もうすぐだからね・・・」

赤髪少女「・・・・」

 
・・・・・ギィィィ

幼馴染「ゲートが開いた!」

少年剣士「みんな・・頑張ろう」

全員「・・・おう!」「もちろんだ」「当たり前でしょ!」

 
・・・・・・・・・

少年剣士「思ったよりも、道は荒くないね」ザッザッザ

僧侶戦士「昨日の雪で多少深いけどな」

幼馴染「中枢地点まではどれくらい?」

僧侶戦士「昨日いったとおり、1日でいける」

幼馴染「でも、目に見えてあそこにあるんだけど・・・」


僧侶戦士「山っていうのは、色々と近くに見えるけど実際はかなり離れた場所にあるんだ」

幼馴染「あー・・・確かにそうだね」

僧侶戦士「実際は12時間くらいで登りきれるんだが・・・」

少年剣士「わかってる。雪山は危ないもんね・・・、必ず早い段階で休憩をとらないといけない」

 
僧侶戦士「そう。何が起きるかわからないからな・・・、一歩ずつ確実に。だ」

武道家「俺らが倒れちゃ何にもならねえしな・・・」

幼馴染「・・・」コクン


僧侶戦士「そういや、敵に遭遇しても大技は使うなよ。いいか、絶対にだ」

少年剣士「使えるのは打撃系と剣技くらいかな・・・」

僧侶戦士「ああ。それも命中は確実にさせないとダメだ」

幼馴染「なんで?」

 
僧侶戦士「大技ぶっぱなしで振動で雪崩が起きたらどうする・・・?」

幼馴染「あ・・・」

武道家「そうだな。前の雪山じゃあ死に掛けたからな・・・」

僧侶戦士「お前が連弾ぶっぱなして岩砕いたからだろ!」

少年剣士「あの時は・・・死ぬかと思ったよ・・・」

幼馴染「あんたら凄いわよ・・・本当に・・・」

 
・・・ピョンピョン

幼馴染「あ・・・雪うさぎ!」

武道家「あれ美味いんだぜ」

幼馴染「・・・」

 
少年剣士「はは、かわいいよね雪うさぎ」

僧侶戦士「・・・少年剣士、ずっと赤髪幼女背負ってて大丈夫か?」

少年剣士「うん。このくらいなら余裕だよ」

幼馴染「凄い体力・・・」


・・・・ベチャッ!

武道家「べちゃっ?」

幼馴染「・・・・?」クルッ



イエティ『・・・・』ペチャペチャ

 
幼馴染「ゆ・・・雪うさぎが食べられ・・・」

僧侶戦士「っち・・・・早速お出ましかよ!」

武道家「イエティなら一発で沈められるだろ・・・!って、あれ?」


イエティ『・・・?』スパッ

・・・・ドサッ・・・ゴロゴロ・・・


幼馴染「今度はイエティの首が・・・落ち・・・」

武道家「・・・・お?」


ヒュッ・・ヒュッ・・・スタッ!!

 
生徒a「こんな下までイエティが・・・」

生徒b「危うく町に降ろすところだったな・・・」


武道家「特待学校の・・生徒か」

 
生徒a「・・・・あれ?どうしたんですかー!そんなところで!」

生徒b「ここは今、一般人の立ち入りは禁止ですよ!」


少年剣士「いや僕らは・・・」

僧侶戦士「待て・・・」スッ

少年剣士「?」

 
僧侶戦士「あー・・・ごめんよ!ちょっと格闘教官に用事があって来たんだ!」


生徒a「格闘教官・・・?」
生徒b「えーと・・・格闘教官なら中枢の山小屋にいますよ!」


僧侶戦士「わかった!ところで、お願いがあるんだけど!」

生徒a「・・・ちょっとお待ちください!」

ヒュッ・・・スタッ

生徒a「遠かったもので・・・、お願いとはなんでしょうか?」

僧侶戦士「護衛をお願いしたいんだ」ニコッ

 
・・・・・・・・・・・・

武道家「・・・良い悪巧みを考えたな」ボソボソ

僧侶戦士「妙案っていってくれよ・・・」ボソボソ


生徒a「・・・どうかしたのですか?」

武道家「はは、いや何でもないよ」


少年剣士「でも、何でこの人たちにお願いしたの?」ボソボソ

僧侶戦士「見たところ、短剣武器だし盗賊系だし・・・
       この雪山に負担をかけず相手を倒せるし・・・・な」ボソボソ

幼馴染「・・なるほどね」


 
少年剣士「ところで、君らの名前は?」


ローグ「自分がローグと・・・、こいつがシーフです」

少年剣士「・・・ローグとシーフだね」

ローグ「あの・・貴方たちの名前は?」


幼馴染「私は幼馴染」

少年剣士「僕は・・しょうねn・・・」

僧侶戦士「あ、ああーえっと。こいつは剣士、俺は僧侶、こいつが格闘家だ」


武道家「・・なんでウソつくんだ?」ボソボソ

僧侶戦士「厄介ごとに巻き込みたくないし、仮にも俺らは最上官だからな・・・
       下手に騒ぎは起こしたくないんだ」ボソボソ


 
ローグ「名前を教えて頂きありがとうございます・・わかりました。
     山小屋までお送り致しますので、ご安心ください」ニコッ

武道家(・・・出来た後輩だぜ・・)


僧侶戦士「今はイエティ討伐なんだろ?頑張ってるな」

ローグ「いえいえ。2人パーティでやっと倒せるくらいなので・・・」

シーフ「それにしても、格闘教官に何の用なんですか?」

僧侶戦士「ちょっと町のほうから伝えたいことがあってね・・・」


ローグ「なるほど・・・、もう少しなので頑張ってください!」

少年剣士「うん・・・ありがとう」


 
・・・・・・・・・・
―――――6時間後・山小屋

少年剣士「ふう、着いたね」

ローグ「・・・何事もなくてよかったです」


僧侶戦士「ありがとう。格闘教官は・・・どこに?」

ローグ「今は自分の部屋にいると思います。呼んできますね」

僧侶戦士「ああ・・・お願いするよ」

 
幼馴染「私山小屋って初めて来たけど、結構立派なのね」ホウッ

僧侶戦士「特にここは人が来る場所だからなー・・よく手入れもされてるし、大きいほうだよ」

幼馴染「へえ・・・」


・・・・・ギィ

格闘教官「俺を呼んでるのって・・・・、お前らか・・・」

 
・・・・・・・・・・

少年剣士「というわけです。あるクエストで・・どうしても頂上に行かなければならないのです」

幼馴染(やっぱり本当のことはいえないよね・・・)


格闘教官「なるほどな・・・」

僧侶戦士「明日の朝には出発するので、お構いなしで大丈夫です」

格闘教官「ああ・・・わかった」

少年剣士「ありがとうございます」


武道家「とりあえず俺らは飯でも作るかー・・・」

僧侶戦士「そうだな。キッチンは共用だから、少年剣士は赤髪少女と休んでいてくれ」

少年剣士「・・・うん」

 
・・・・・・・・・・

・・・・トントン・・ジュー
カチャカチャ・・

幼馴染「よしっと!でーきたっ♪運んで運んで~」

僧侶戦士「はいよ・・・」


ギィ・・バタン

少年剣士「あ・・・出来た?」

僧侶戦士「赤髪少女は眼、覚めないのか?」


赤髪少女「・・・」ハァハァ

少年剣士「うん・・・昨日から何も食べてないし・・大丈夫かな・・」

 
僧侶戦士「・・・」

少年剣士「・・・傍にいてやることしか・・今は出来ないけど・・」

武道家「・・・すぐ元気になるさ。あと1歩だからな、頑張ろうぜ」

少年剣士「・・・うん」

 
・・・・・・・・・・
―――――次の日・朝

格闘教官「・・・気をつけてな」

少年剣士「ありがとうございます」

僧侶戦士「今日も幸い・・・天気が良い。さっさといこう・・」

武道家「おう。急ごうぜ」

幼馴染「だね!」
 
 
 
・・・・・・ギィ・・・バタン

格闘教官「あいつらも・・立派になりやがって・・・」ハハ

ダダダダッ!!
バタン!!

格闘教官「・・・ん?」

 
ローグ「た・・大変です・・・」

シーフ「ア・・アイスタイガーが・・・確認されました・・・」

格闘教官「・・・馬鹿な!この辺にはいないはずだぞ!」

ローグ「おそらく、イエティを捕食しに裏山側から現れたのでは・・・?」


格闘教官「魔物クラスか・・・シーフ!すぐに下山して、冒険の扉から学校に連絡しろ!」

シーフ「わ、わかりました!」タタタタタッ


格闘教官「ローグは、今いった人たちを追いかけて、このことを報告するんだ!」

ローグ「は、はい!」

 
・・・・・・・・・・

少年剣士「・・・」

赤髪少女「・・・」ハァ・・・ハァ・・

武道家「あと・・・もう少しなんだ・・赤髪少女・・・・頑張れ・・・」


タタタタタッ・・

ローグ「み、皆さん!」

僧侶戦士「おや・・・どうした?」

ローグ「アイスタイガーが付近で発見されています。山小屋に戻ってください!」

少年剣士「あ・・アイスタイガー!?」

 
僧侶戦士「こんなときに・・・」ッチ

武道家「戻るわけにはいかねえ・・・」

幼馴染「だね・・」

ローグ「し、しかし!アイスタイガーは魔物といって・・・魔獣よりも強く・・・」

武道家「わかってるよ・・・獣のくせに魔物かよ。って聞いた時は笑ったな」


僧侶戦士(今の俺らじゃ太刀打ちできる相手じゃないな・・・)

ローグ「お願いします、戻ってください」

僧侶戦士「どうする・・?少年剣士」

 
少年剣士「戻るわけには行かない・・・。進もう」

 
ローグ「しかし・・・!」


武道家「はぁ・・・俺らなら大丈夫だよ・・・」

僧侶戦士「やっぱ言うしかないか・・」

武道家「ほら・・・これ」チラッ


ローグ「さ・・・特待学校・・最上官の・・・証明書!?」

僧侶戦士「俺らは今、極秘任務で頂上へと登っている。他言無用だ・・頼んだぞ?」

ローグ「し・・失礼しました!ご健闘を祈ります!」ビシッ

武道家「ああ・・祈っていてくれ・・」

 
・・・・・・・・・・
―――――4時間後

少年剣士「天候が・・・悪くなってきた・・・・」

赤髪少女「・・・」ハァハァ


僧侶戦士「もうすぐなんだ・・・、頂上まで・・・踏ん張るぞ・・・」

武道家「おうよ・・・!」

幼馴染「・・・はぁ・・・はぁ・・・」


赤髪少女「・・・あ」ハッ

少年剣士「赤髪少女!?」

 
幼馴染「気がついたの!?」

赤髪少女「・・・ここ・・は・・?」

少年剣士「猛雪山の上・・・もうすぐ頂上だよ」

赤髪少女「なんか・・・少しずつ・・・力が・・・戻ってきてる・・・」ゴホゴホ


僧侶戦士「そ、そうか!このへんはもう、魔界の影響が届いているんだ・・・!」

武道家「つ、つまり?」

僧侶戦士「その穴とやらから、魔界の気が流れ込んでるんだよ!
       だから、赤髪少女が気がついたんだ・・・」

少年剣士「そうなんだ・・・じゃあ・・・助かった・・んだね?」

僧侶戦士「まだまだ弱ってるのには違わないけどな・・・多分・・そうだろう」

幼馴染「・・・良かった・・」



 
少年剣士「良かったね・・・赤髪少女・・・!」

赤髪少女「うん・・・お兄ちゃん・・・ありがとう・・・」ギュウッ

少年剣士「あはは、苦しいよ」

赤髪少女「・・・」グスッ


武道家「良かったよかった・・・」


僧侶戦士「待て・・・何だあれ?」

幼馴染「人影・・・にしては大きいよね」


僧侶戦士「・・・イエティだ」

 
イエティ『・・・・』

武道家「っち・・・一発かますか・・・」グッ


僧侶戦士「ちょっと待て・・・雪でよく見えないが・・・あいつ、浮いてないか?」

武道家「・・・あ?」

幼馴染「本当だ・・・イエティって空飛べるの?」


僧侶戦士「そんなわけ・・・ないだろ」

武道家「空を飛ぶ亜種か・・・?」

少年剣士「聞いたことないよ・・・」

 
イエティ『・・・・』ダラン


僧侶戦士「いや・・・おい・・・ちょっと・・待て・・」

武道家「・・・・」

幼馴染「・・・・」

少年剣士「そん・・・な・・・ココまで来て・・・?」


・・・ベキッ・・
クチャ・・クチャ・・・・・・ッペ

・・・ドサ


アイスタイガー『ガアアアアアッ!!!』

 
少年剣士「くっ・・・くそお・・・」


アイスタイガー『ガアッ!』ビュンッ


幼馴染「・・・え?」
武道家「ボサっとすんな!」ゲシッ

・・・ズサア


幼馴染「いたっ!何すん・・・」

武道家「・・・ぬおっ・・・なんつう馬鹿力だこいつ・・・」グググッ

 
少年剣士「武道家!」

赤髪少女「・・・!」

少年剣士「赤髪少女、一回降ろすよ・・・僕も戦わないと!」

赤髪少女「・・・うん」
 
 
僧侶戦士「中回復魔法!抵抗魔法!」ピカッ


武道家「ぐ・・・」ブルブル

少年剣士「うおおおおっ!大斬っ!」キィン


アイスタイガー『・・・ガアッ!』ブウン
 

僧侶戦士「何て硬さだ!」

武道家「雪崩とか言ってられねえ!肉体鋼鉄化!」ビキビキ・・

少年剣士「火炎装!」ボワッ

 
僧侶戦士「中雷撃魔法!」バチバチッ

武道家「掌底波連弾!」ダダダダダッ

少年剣士「火炎斬りぃぃ!」ゴォォォ

幼馴染「中水流魔法!」バシャッ


・・・・ドゴォォォン!!

アイスタイガー『・・・ガアアアアアッ!!』


僧侶戦士「くそっ!まるで効いてねえ!」

少年剣士「手を休めるわけにはいかない!」

幼馴染「・・・・くっ!」

 
アイスタイガー『ガ・・・・』チラッ


赤髪少女「ひっ・・・」ビクッ

少年剣士「赤髪少女!」

幼馴染「赤髪少女ちゃん!」

武道家「・・・まずいぞ!」



アイスタイガー『ガアアアッ!!』ダッ

赤髪少女「・・・・!!」


・・・・スパッ!!ザシュッッ!!!


赤髪少女「・・・・痛くない?」チラッ

 
少年剣士「・・・ぐ」ブルブル
 
赤髪少女「あ・・・お兄・・・ちゃん・・?」

少年剣士「・・・大丈夫?赤髪少女・・・・・・」フラッ



・・・・・・・・・・・・ドサッ・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ドバッ・・・
ドバァ・・・ダラダラ・・・



赤髪少女「・・・・え?」

武道家「少年剣士・・・?」

赤髪少女「お兄・・・ちゃ・・・」




幼馴染「し・・・少年剣士ぃぃぃぃぃっっっ!!!!!!」

今日の投稿は終了です。ありがとうございました。

 
僧侶戦士「お・・おい・・・!」

武道家「少年剣士・・・・!」



・・・・ドク・・・ドク・・

赤髪少女「お兄ちゃん・・血が・・・血が・・・・」

少年剣士「・・・」



アイスタイガー『・・・』


僧侶戦士「こ・・・この・・・」

武道家「・・・・・このやろうがあああっっ!!」

 
僧侶戦士「"大"攻撃増大魔法!"大"雷撃魔法っ!!」バチッ
 
武道家「肉体鋼鉄化!!掌底波ぁぁっ!!」グワッ

アイスタイガー『・・・グガアアアッ!』ブワァァッ




幼馴染「少年剣士・・・嫌だよ・・・返事してよ・・・」

少年剣士「・・・」


赤髪少女「お兄ちゃん・・・・起きてよ・・・」

幼馴染「ほら・・・?赤髪少女ちゃんも呼んでるよ・・・?」

少年剣士「・・・」


・・・・・ダァン!!ザシュッ!・・・ズサッ・・・

 
僧侶戦士「・・・ぐあっ!」ドサッ

武道家「ぬああっ!」ズサァ

 

アイスタイガー『・・・グルルル・・』

武道家「・・・僧侶戦士。俺が注意をひきつけるから、あいつを回復しにいってくれ!」

僧侶戦士「・・・だ、だがっ!」

武道家「頼むっ!」

僧侶戦士「・・わかった。気をつけてな・・・」

武道家「・・・任せてくれ」

 
・・・・ダダダダダッ

武道家「こっちだ!」

アイスタイガー『ガアアアアッ!!』ブワッ

 
 
僧侶戦士「・・・幼馴染、赤髪少女!どけ!」

少年剣士「・・・」


僧侶戦士「大回復魔法っ!!異常回復魔法っっ!」ピカッ

・・・・ドク・・・ドク・・・


僧侶戦士「大回復魔法っっ!!異常回復魔法っ!!!」ピカッ

・・・・ドクドク・・・ドク・・・


少年剣士「・・・・」

 
幼馴染「どうした・・・の・・・?血・・・止まらないよ・・?」

赤髪少女「僧侶・・戦・・士?」


僧侶戦士「・・・最悪だ・・・」

幼馴染「・・・え?」

僧侶戦士「呪いだ・・・。あのアイスタイガー・・・異種・・・だ・・・」


赤髪少女「・・・いしゅ?」

幼馴染「異種って・・・。じゃ・・・じゃあ・・・じゃあっ!!!!」

僧侶戦士「すまない・・・」ブルッ


赤髪少女「・・・・お兄ちゃん・・どうなるの・・?」

僧侶戦士「・・・すまない・・・俺にもっと力があれば・・・本当にすまない・・・」

 
少年剣士「・・・」

幼馴染「・・・少年剣士ぃ・・・」ポロポロ

赤髪少女「・・・・」


僧侶戦士「・・・・く、そ・・・くそおおおおおっ!!!」



―「お困りのようですね、お嬢様とその仲間の方々」―

 

赤髪少女「・・・・あ・・・あぁっ!」

幼馴染「・・・・え?」

僧侶戦士「・・・・あ・・・あんたは・・・?」

 
竜側近「こんにちわ、バハムート様の側近の竜側近と申します」バサッバサッ

赤髪少女「・・・竜側近っ!!」

僧侶戦士「り・・竜人?」 




アイスタイガー『・・・・ガッ・・』ピタッ

武道家「な、なんだどうした・・・?」チラッ


竜側近「・・・」バサッバサッ


武道家「な、なんじゃありゃっ!」

 
 
赤髪少女「おねがいっ!あのアイスタイガーをやっつけて!!」

 
竜側近「お嬢様の願いとあらば」ヒュッ

アイスタイガー『ガアアアッ!』グワッ



竜側近「竜波動!!」ブワッ

アイスタイガー『ガアアッ・・・!!」ブシャッ

・・・ドォン!!


僧侶戦士「い、一撃で吹き飛ばしやがった・・・」

竜側近「極斬っ!」ズァッ


アイスタイガー『・・・・!!!』

・・・・スパッ・・・ドサッ・・・

 
武道家「つ・・・つええ・・・真っ二つかよ・・・」

僧侶戦士「はは・・・あれが神獣ってやつ・・・?次元が違うぜ・・・」


竜側近「あまりその呼び方は好みじゃないのですがね・・・」


赤髪少女「り、竜側近!こっちも・・・少年剣士を助けてっ!!!」

竜側近「少年剣士・・・?」
 

赤髪少女「私をかばって・・・・・・こんな・・・こんなことに・・・」

 
竜側近「お嬢様をかばった・・・と?見てみましょう」

少年剣士「・・・」


竜側近「・・・、これは呪い斬りですね。・・・意識もないようだ」

幼馴染「何とかなりませんか!?」グスッ

竜側近「・・・ならないことはないですが・・」


赤髪少女「お願い・・・助けて・・・。お兄ちゃんを・・・・」グスッ


竜側近「・・・・・・特別ですよ・・・?本当はこちらの世界とあまり干渉をしてはダメなんですけどね・・」

赤髪少女「・・・・竜側近・・・!」

 
竜側近「ふっ!」パァッ

・・・・・ブワッ!!


竜側近『グオオオオッ!!』


武道家「変身を解いたのか・・・・でかっ!」

幼馴染「・・・!」

僧侶戦士「・・・・まさか伝説の神獣を見る事になるなんて・・思わなかったぜ・・・」


竜側近『早く背中に乗せて下さい。人間たち、しっかり掴まって下さいよ・・・』グルル・・


・・・バサッ
・・・・・・バサッバサッバサッ!!


武道家「た・・・たけぇ!」

僧侶戦士「・・・・!」


竜側近『このまま、亀裂に進入して魔界へと向かいます』

 
・・・・・ヒュオッ!!!


幼馴染「・・・・・わ・・・早っ・・!」

武道家「っていうか・・・魔界って・・・俺らもか!」

僧侶戦士「何がなんだかわけわかんねーぞもう!!」


赤髪少女「お兄ちゃん・・・必ず助けるからね・・・!」



・・・・ヒュオオオオ
・・・・・・・・ヒュウウウウウウウッ!!


幼馴染「あ・・・そこに見えるのが穴!?」

僧侶戦士「冒険の扉に似ているな・・」

武道家「・・・おっしゃあ!突撃だああ!」

赤髪少女「お父様・・・・」


竜側近『いきますよっ!!』

 
 
 
・・・ギュウウウウウウウン・・・
ウウウウン・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 
・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・・・
・・・



幼馴染「・・・!」ハッ


武道家「・・・眼ぇ覚めた?」

僧侶戦士「・・・おはよう」

 
幼馴染「ここは・・・?し、少年剣士は!?赤髪少女ちゃんは!?」

武道家「落ち着け」

僧侶戦士「どっちも今は治療室にいる」


幼馴染「そ・・そう・・助かるの・・・ね・・」

 
僧侶戦士「・・ここは客用の部屋らしい」

武道家「それと・・・お前が寝てる間に・・俺らの勝手な判断だったが・・・」

幼馴染「・・?」


僧侶戦士「・・・まあ俺の責任でもあるからな・・」

幼馴染「どうした・・の・・?」

武道家「もしかしたら・・・いや・・・。もしかしなくても、少年剣士はさ・・・」

僧侶戦士「・・・・」

幼馴染「何・・・?早く言ってよ・・・」


武道家「人間という人間では、なくなるかもしれない」


幼馴染「・・・・えっ?」

 
・・・・・・・・・・・
―――――2時間前

竜側近「着きました」バサッ・・

武道家「・・・冒険の扉以上に空間の捻じ曲がりがひどかった・・」

僧侶戦士「お・・幼馴染、気絶してるぞ・・・」

幼馴染「・・・」カクン


赤髪少女「・・・・竜側近!早く・・・少年剣士を・・・」

竜側近「わかっております・・・、お嬢様にもお手伝いをお願いすることになるのですが・・」

赤髪少女「・・・何でも手伝う・・・・!!」


竜側近「・・・と、もう1つ。この方のご友人方に聞きたいのですが・・」

  
僧侶戦士「何でしょうか・・?」

竜側近「これから行う治療は、呪いの浄化なのですが・・・、時間がたちすぎています」

武道家「・・・・」


竜側近「ですので血の浄化を行わなければなりません。
     それには、若き竜の血・・つまりお嬢様の"血"を輸血し、内部から治癒させます」

 
僧侶戦士「そ・・・それって・・」

竜側近「・・・いわゆる混血になります。正直、普通の人間がどうなるか見当がつきません」

赤髪少女「こん・・・けつ?」

 
武道家「そんな・・・」

僧侶戦士「それしか・・・方法はないんですか?」

 
竜側近「時間が立ちすぎているのです。人間の技術を持っても、これを治癒はできないでしょう」

僧侶戦士「・・・・」

武道家「・・・・」


竜側近「・・・どうしますか?彼の命の火は、今にも消えそうなのは確かです」


僧侶戦士「・・・武道家」

武道家「・・・・ああ」コクン


2人「・・・お願いします」

 
・・・・・・・・・・・・・・・

幼馴染「そんな・・・」

武道家「一筋の望みしかなかった。望みがあるなら、賭けるしかない・・・だろ?」

僧侶戦士「勝手に決めて本当にすまない・・・」

幼馴染「ううん・・・」

武道家「?」


幼馴染「決めてくれて・・ありがとう・・」

僧侶戦士「・・・」

幼馴染「私もその望みにかけたと思う・・・信じよう・・・・・ね?」


武道家「・・そうだな」

 
・・・・・・・タッタッタッタ・・・

僧侶戦士「・・・ん?」


タッタッタ・・・

武道家「・・・足音が・・」



・・・・ガチャッ

赤髪少女「・・・・・みんなっ!」


幼馴染「赤髪少女ちゃん!」

武道家「・・・お、治療は終わったのか!?」


赤髪少女「・・・うん」

 
僧侶戦士「それで・・・・容態は?」

赤髪少女「えっとね・・・拒否はんのー?」


僧侶戦士「拒否反応!?血を受け入れなかったのか!?おい!」


赤髪少女「・・・!」ビクッ


幼馴染「こら!赤髪少女ちゃん、怖がってるでしょ!」

僧侶戦士「ご・・・ごめん・・」


赤髪少女「う・・うん・・。それでね・・・、拒否反応もなくて・・・
       溶け込むようにして血を受け入れて・・浄化を始めたんだって」


 
幼馴染「ほ・・・本当・・・?」ウルッ

赤髪少女「うん・・・、竜側近も・・・凄いことだっていってた」


僧侶戦士「じゃあ、助かるんだな!」

武道家「・・・・うおおおおっ!まじかああ!」

幼馴染「良かったよぉ・・」グスッ


赤髪少女「あの・・・それでね・・・みんな・・」ゴニョゴニョ

僧侶戦士「・・・?」


赤髪少女「本当にありがとうございましたっ!」ペコッ


僧侶戦士「・・・ふ」

幼馴染「うん!」

武道家「・・・へへ」

 
・・・・ガチャッ


幼馴染「あ、竜側近さん」
 
竜側近「・・・本当にお嬢様がお世話になりました」


幼馴染「側近さん・・」

僧侶戦士「いえ・・こちらこそ・・」


幼馴染「そういえば、こちらでは戦争が起きていたとききましたが・・」

竜側近「ええ。ですが、無事に白竜側を黙らすことができました・・」

武道家「ずいぶん早い決着だったな?」


竜側近「あ、魔界とそちらでは時間の流れが異なるんですよ」

僧侶戦士「・・・ほお?」

竜側近「そちらの1時間はこちらの1日に相当します」


僧侶戦士「・・・なるほど」

 
竜側近「ですので、お嬢様と離れてからええと・・・そちらの時間でいうと・・・」

僧侶戦士「こちらは恐らく4日程ですので、こちらでは100日以上に及ぶ戦争ということですか?」

竜側近「そうですね・・・。長い戦いでした」

 
 
赤髪少女「?」

竜側近「はは、お嬢様には難しい話でしたね」

 
僧侶戦士「ちょっと待て・・魔界の24日が人間界では1日ってことなんですよね?」

竜側近「・・・そうなりますね」

僧侶戦士「・・・1日を24日として・・、365日・・・、30年前で・・・」ブツブツ


赤髪少女「?」

武道家「何数字並べてんだ?」


僧侶戦士「・・・・・・、はあああああっ!?」

赤髪少女「」ビクッ

幼馴染「なっ、何!?」

武道家「どうした!?」

 
僧侶戦士「・・・側近さん!ってことは、人間界に魔王が進行したのは720年前なんですか!?」

竜側近「そうなりますねえ・・・」


幼馴染「な、720年前!?」

武道家「ちょっとまってくれよ、側近さん何歳なんだよ!」

竜側近「私は1050歳になります」

武道家「」
幼馴染「」


僧侶戦士「た・・たはは・・・何か本当にワケわからん・・・」

 
僧侶戦士「そ・・そういうことか!だから、この子を・・人間界に離したんですね・・・?」

竜側近「そうです。そちらで過ごした短い時間でも、こちらでは日数的に経過しますからね」

 
僧侶戦士「この子が人間界の気に弱かったというのは分からなかったんですか?」

竜側近「・・・まさか、この子がそちらの気に犯されるとは思いませんでした・・」

僧侶戦士「幼いというか・・子供の竜だから・・とか?」

竜側近「そこまで弱い訳ないんですけどね・・・・、多分ですが、
      まだ小さいうちに親と離れさせてしまったストレスが大きいとも思います・・・」

 
幼馴染「そうだよね・・・小さいもんね・・・」

赤髪少女「?」キョトン


 
僧侶戦士「ああ・・あと、もう1つお聞きしたかったのですが」

竜側近「何でしょうか?」

僧侶戦士「ここには竜族が住んでいると聞きましたが、竜人・・という認識でもいいんですよね?」


竜側近「そうですね、今の私の状態がいわゆる竜人です。
     そうでないとサイズ的にも問題ありますし・・・。力を解放すると本来の姿に戻りますけどね」

 
武道家「なるほどな。ってことは、赤髪少女も力を解放したら・・・」

竜側近「ええ。まだまだ子供ですが、お父様に似て立派な竜ですよ」


僧侶戦士「お父様・・・。そういやお父様って・・・」


・・・・コンコン


竜側近「・・・どうぞ」

 
竜召使「失礼します。少年剣士様が目覚めました」

幼馴染「・・・・!」

武道家「まじか!どこにいるんだ!」

赤髪少女「はやく!はやくいこ!」


竜側近「落ち着いてください・・・。案内しますので・・・」

僧侶戦士「落ち着けよお前ら・・・」


武道家「拒否反応!?おい!?なんて言ってたのは誰だったかな」プークスクス


僧侶戦士「・・・死ね」ゲシッ

武道家「痛いっ!」

 
・・・・・・・・・・
―――――医務室

・・・ガラガラッ


幼馴染「少年剣士!」

赤髪少女「お兄ちゃん!」


少年剣士「・・・・あっ・・・・幼馴染・・・赤髪少女・・・?」



幼馴染「良かった・・・って・・・、あんた・・その髪の毛の色・・・」

赤髪少女「わあ・・・私と一緒だ!」

少年剣士「・・・え?」


竜側近「・・・・やはり、竜の血の影響は避けられませんでしたか・・」

幼馴染「か・・・鏡見る?」

 
・・・・・・・・・・・・・

竜側近「・・・というわけで、少年剣士様を治療いたしました。その影響だと思います」


少年剣士「そうなんですか・・・・参ったなぁぁ・・・真っ赤だよ・・・」アカアカ

武道家「すげー・・見事にまっかっかだな・・・」


赤髪少女「私と一緒の色・・・やだ?」グスッ

少年剣士「う、ううん?そんなことないよ・・・ただ、ちょっとビックリしちゃってさ」ハハ

赤髪少女「キレイな色だよっ!」

少年剣士「はは・・ありがとう」ニコッ

 
竜側近「・・・立てますか?」

武道家「いやいや・・あれだけの出血とキズを受けたのに・・・」


少年剣士「・・・」ヨイショッ


・・・スタッ

 
少年剣士「全然大丈夫だよ、はは」

僧侶少年「・・・・まじかよ」

武道家「・・・・、すげえな竜の血・・・」

     
幼馴染「少年剣士ぃぃっ!」ダキッ

少年剣士「わわっ・・・」

赤髪少女「私も抱きつくー!」ギュッ

少年剣士「ち、ちょっと・・・!」ギューギュー



武道家「・・・納得いかねえな?」

僧侶戦士「・・・ああ」

 
竜側近「それでは、バハムート様にご挨拶にいきましょうか?」

少年剣士「バハムートって・・・」

赤髪少女「私のお父様!」

竜側近「はい。お嬢様のお父様にして、我ら竜族の王です」

 
武道家「お、俺らが簡単に挨拶できるような方なの?」

僧侶戦士「魔王に次いで、今の魔界を取り仕切る最強の竜か・・・」

 
竜側近「先にお話はさせていただいておりました。ぜひ、お会いしたいと」

少年剣士「・・・僕らでよければ」

竜側近「わかりました。では、ご案内いたしますのでこちらに・・」


幼馴染「緊張してきた・・・」

 
・・・・・コンコン

バハムート「入るが良い」

竜側近「失礼いたします」


・・・・・ガチャッ


少年剣士「・・・・!」
幼馴染「・・・・」
武道家「・・・・はは」
僧侶戦士「・・・・圧巻というべきか」

赤髪少女「お父様っ!」

 
少年剣士(・・・何て気迫・・・)

幼馴染(凄い大きい・・・これが竜族の王・・・)

武道家(大陸戦争で本当にこんなスゲェやつらに俺らの先輩は勝ったのかよ・・・)

僧侶戦士(何で擬態して竜人化してねーんだ・・・?)

 
 
バハムート「気迫は成長と共に得られるものだ。そこの少女よ・・・ワシが王では不服か?・・・
        まあ、先の戦争ではしてやられたがな・・・気にするな、竜人化は色々と具合が悪いのだ」

 
少年剣士「え・・・?」

幼馴染「か、考えてることが・・・」

武道家「読めるのかっ!?」

僧侶戦士「・・・・凄いな」


 
バハムート「驚かすつもりはなかったのだがな・・・」

少年剣士「い・・いえ・・・」

バハムート「今回の旅、お前にとっては非常に重いとなったな。
        我が娘の件、ワシから直々にお礼を言う。ありがとう」

少年剣士「いえ・・・そんな・・」

 
 
バハムート「・・・分かっている。全て。お前たちが我が娘にしてくれた事。
       この子への優しさが溢れているのをしっかりと感じている」

武道家「・・・」

幼馴染「・・・バハムートさん」


バハムート「・・・礼をしたい。一人ずつ、望みを言うがよい」


 
少年剣士「いえ・・・僕は望みはありません。命を助けて頂いただけでも・・・」

幼馴染「私も・・・。少年剣士の命が救われただけでも・・・」

僧侶戦士「俺もです」

武道家「・・・俺も!」


バハムート「・・・欲のない子たちだ」

竜側近「・・・お嬢様が出会ったのが、あなた達で本当に良かったと思います」

バハムート「・・・そうだな」

 
僧侶戦士「あ、そういえば・・お聞きしたいことがあるのですが」

バハムート「・・・なんだ?」

 
僧侶戦士「戦争のとき、終結寸前で・・・あなたと戦い、脚に傷をつけた人がいるのを覚えていますか?」

少年剣士「それって・・・」

 
バハムート「・・・・、ワシが極斬で脚を切り裂いた戦士のことか?」

僧侶戦士「・・・はい」

バハムート「覚えている。今はもう・・・亡くなっているのだろう?」

僧侶戦士「いえ・・・生きているんです。な、少年剣士」

バハムート「何!?」


少年剣士「はい。それで、赤髪少女をココに連れてく決め手になったのは・・その人のおかげなんです」

バハムート「な・・・」

少年剣士「その時、赤髪少女がバハムートさんの娘だと分かったんです。
       ですが、そっと頭を撫でて、抱き上げ、笑って"あれは戦いだった"から仕方ないと」


 
バハムート「・・・」

少年剣士「上に従うしかなかった竜たちは、俺らと一緒だった・・・と」

バハムート「そうか・・・、・・・そうなのか・・・・・」

少年剣士「・・・はい」

バハムート「竜側近。ワシのウロコを5枚剥がせ」

竜側近「はい」・・・ベリベリッ

 
少年剣士「な・・何を・・・」
 

バハムート「それをその戦士に1枚。残りの4枚をお前たちにやろう」

武道家「竜のうろこ・・・?」

僧侶戦士「・・・・!」

武道家「なんだなんだ?」

僧侶戦士「ばっ・・・ばっかやろう!竜のウロコは伝説の素材だ!
       武器、防具・・・。魔力を宿し、硬く、全ての素材の頂点を・・・」

武道家「わかった、凄い素材だな!」



少年剣士「ありがとうございますバハムートさん」

バハムート「許してもらえるかは分からん。が、それがワシからの気持ちだと伝えてくれ・・・」

少年剣士「わかりました!」


 
バハムート「それと・・・あの亀裂に関してだが・・・あれはワシらによって閉じることにする」

幼馴染「・・・閉じるのですか?」

バハムート「次も必ず守りきれるとは限らないのだ・・・それと・・・」

赤髪少女「えっ・・・!?待ってお父様・・・そ、それじゃ・・・!」


少年剣士「・・・・」

赤髪少女「や、嫌だよ・・?せっかくお兄ちゃんが出来たのに・・・・」

竜側近「お嬢様・・・」

 
赤髪少女「そんなの嫌だ・・・そんなのやだよ・・・・やだやだ!」

バハムート「娘よ・・・。寂しいのは分かる。だが・・・、
       亀裂を閉じなければ、人間界に少なからず影響があるのだ・・・」


赤髪少女「で・・・でも・・・嫌だっ!」ダッ

・・・・タッタッタッタ・・ガチャッ・・


幼馴染「あっ!赤髪少女ちゃん・・・」

バハムート「・・・・」

少年剣士「・・・・」


・・・ドタドタッ!!

赤髪少女「きゃああっ!」

 
少年剣士「なんだ!?」

竜側近「・・・今の悲鳴は・・お嬢様!」

バハムート「・・・・!」

 
 
・・・・・ガチャッ


バハムート「貴様は・・・」

竜側近「・・・どうやって地下牢から逃げ出した?」

僧侶戦士「真っ白な竜人・・・ってことは・・」

幼馴染「あれがバハムートさんたちの敵!?」


赤髪少女「は・・・離して・・・・苦しい・・・」ググッ

 
少年剣士「あ・・・あいつは・・・・!?」


バハムート「・・・バジリスク・・・」


バジリスク「はっは!逃げ出してみるもんだ!!こんなチャンスが巡ってくるとはなァァ!!」


僧侶戦士「・・・・バジリスク?」

竜側近「白竜側の長で、反乱を起こした張本人です・・・、まさか逃げ出すとは・・」


少年剣士「くっ・・・赤髪少女を離せ!!」チャキッ

バジリスク「・・・あァ?」イラッ

赤髪少女「あう・・う・・・」


竜側近「し、少年剣士様・・・」

 
バハムート「・・・バジリスク。どの道お前ではここから逃げ出せんだろう」

バジリスク「うるせェ。コイツを盾にしながら進ませてもえば・・・どうかなァ?」

バハムート「・・・」

バジリスク「くくく・・・」


少年剣士「やっと・・・お父さんにも会えたんだ・・・。
       やっと、元気になったんだ。お前の手に渡すわけにはいかない!」


バジリスク「・・・」イラッ


少年剣士「その子を離せ!」

バジリスク「クソ下等生物風情が・・・・てめェ・・・死にてェらしいな・・・?」


 
幼馴染「り、竜側近さん・・・バジリスクって強いんじゃ・・・」

竜側近「・・・そうですね・・・、私以上ですよ・・・」


僧侶戦士「ばか!少年剣士!せっかく拾ってもらった命・・・、捨てることになるぞ!」

武道家「落ち着くんだ!」



少年剣士「助けてもらったからこそだよ・・・!」

バジリスク「クソガ・・・・死ねや!竜波動!」ブワッ!!

 
武道家「ありゃアイスタイガーを吹き飛ばした技じゃねえか!」

幼馴染「少年剣士ぃぃーーーっ!」



少年剣士(・・・・あれ・・・?なんだこれ・・・?)


・・・・・・キィン!!

 
幼馴染「あ・・・!」

バジリスク「何・・・・弾いただと・・・?」

少年剣士「・・・・」

バジリスク「てめェ・・・何しやがった!」


僧侶戦士「け・・・剣気で跳ね除けやがった・・・」

武道家「ど・・・どうやったんだ!?」


バハムート「・・・血か」

僧侶戦士「・・・血!?そういや・・・竜側近さん・・・、アイツ・・すんなり血を受け入れたって・・」

竜側近「え・・えぇ。本来は拒否反応なども含んで対処するはずでしたが・・、
     あまりにも吸い込まれるように馴染んでいったんです・・・」

 
少年剣士「・・・・」


幼馴染「ど・・どういうことなの!?」

 
バハムート「竜の混血を持った人間・・・か」

竜側近「髪の毛が赤くなったという事は、何かしら細胞に変化をきたしたということですので・・・
     やはり、竜の力を自身で変化させていったようですね・・・」


少年剣士「・・・」


幼馴染「どういうこと・・・?じゃあ、もう少年剣士は人間じゃないの・・・!?」

僧侶戦士「人間だ。人間だけど・・・人間でありながら・・・竜の力を持ったんだ・・」


バジリスク「気に入らねェなァ!!」ヒュッ

僧侶戦士「ま、また竜波動!」

少年剣士「・・・・」スッ


・・・キィン!!

 
バジリスク「くっ・・・!」

武道家「バジリスクがひるんだ!」


竜側近「ここです!」ヒュッ

・・・・バキィ!!


バジリスク「うあっ!」ドゴォン!!


赤髪少女「きゃあっ!」ポーン

少年剣士「・・・赤髪少女!」ギュッ


赤髪少女「えへへ・・・ありがとう少年剣士」



バハムート「・・・・・一度地獄を見てくるが良い・・・」スゥゥゥ


バジリスク「・・・・ちっ・・・逃げるが勝ちよォ!」ダッ

 
少年剣士「逃がさない!竜波動!」ブワッ

バジリスク「な、何ィ!」

・・・・ドゴォン!!


僧侶戦士「・・・おいおい」



バハムート「分かり合えず・・・・残念だったバジリスク・・・・・竜波撃っっ!」ゴワッ・・・!


・・・・・ブオォォォォッ!
!
バジリスク「こんな・・・クソガキ・・・にィ・・・!!」


・・・・ジュワッ・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・ドサッ


幼馴染「や、やったの・・・?」

竜側近「・・・・ですね」

 
・・・タッタッタッタ・・

僧侶戦士「・・・少年剣士」

武道家「少年剣士、お前、その力・・・」

少年剣士「・・・なんか強くなっちゃったのかな?・・・はは・・・」
 
幼馴染「いや強くなりすぎでしょ・・・って」


赤髪少女「あれ?お兄ちゃん、髪の毛の色・・少し戻ってるよ」

少年剣士「・・え?本当?」サワサワ


竜側近「・・・なるほど。力は一時的なものだったようですね」

バハムート「人には過ぎた力であったということだな・・・。
        だが、混血は紛れもない事実・・・」

竜側近「それに・・・まだ完全に戻っていないようです。
      恐らくですが、わずかながら竜の力は引き継いでしまったようですね・・」


 
バハムート「力を得た・・か。だが、あいつなら安心出来る・・・そう思わないか?」

竜側近「ええ・・・そうですね」


バハムート「少年剣士。再び娘を助けてもらうとはな・・・心から感謝する」

少年剣士「当然のことをしたまでです・・」

バハムート「・・・」


赤髪少女「お父様・・・やっぱり穴は閉じちゃうの・・?」

バハムート「・・・お前も今、体験しただろう。あのような危険分子が
        亀裂を通じ、外の世界へと出て行けば、再び世は混乱する」

赤髪少女「・・・」

少年剣士「赤髪少女・・・」

 
竜側近「・・ふむ。そういえばですが、皆さんはお急ぎの旅なのですか?」


 
僧侶戦士「いや・・・、あ。そうか、特待学校に戻らないといけないのか・・・」

武道家「あと休みは何日だっけ?」

幼馴染「えーと・・・あと・・・、5日くらいかな?」

少年剣士「北西冒険学校に1回戻らないといけないから、戻りも含めると
      ・・・ぜんぜん時間がないよ!」


僧侶戦士「北西学校から特待まで3日、ここから学校まで2日!?」


赤髪少女「え・・・。じゃあ・・・もう帰らないと・・・いけないの・・・?」

少年剣士「そう・・・なっちゃうね・・・」

 
竜側近「・・・なるほど。では、相談があるのですが・・・」

今日はここまでです。ありがとうございました

おつ
毎回すごい量だがどれくらいでかいてるんだ?

>>262 大体2~3時間ほどですねー(´ー`*)

 
・・・・・・・・・
―――――6時間後

竜側近「ここが一番の繁華街、光街です」

幼馴染「わあ・・・本当に街全体がキラキラ光ってるよ・・・」

僧侶戦士「魔界ってなんか想像してるよりも・・・ずっと凄いな」


竜側近「どんなイメージなんですか・・・」


少年剣士「・・・でも、本当にいいんですか?」

武道家「俺らを北西冒険学校まで飛んで送るとか」


竜側近「その近くまでですけどね。それならこちらの時間でもたっぷりありますし」

幼馴染「でもバレたら・・・」

 
竜側近「バレてもすぐに亀裂から戻れますし。今はもう塞ぐ準備をしています。
     万が一追われても、私が亀裂に入った瞬間に亀裂は閉じますよ」

少年剣士「そうですか・・・では言葉に甘えさせていただきますね」
 

赤髪少女「えへへ、少年剣士~」ベッタリ

幼馴染「・・・むっ」

 
武道家「へっへっへ、幼馴染よ、もしかしたら赤髪少女に少年剣士を奪われt」

幼馴染「うっさい!」ゲシッ

武道家「ぬあっ!」ボコッ

 
僧侶戦士「・・・、はぁ。伝説といわれてる神獣がここまで町に住んでいるとか・・」

竜側近「そちらから見れば、神獣というのは恐らく一部です。
     人間界でも"英雄"と呼ばれるのは極一部なのでしょう?」

少年剣士「そうですね・・」

竜側近「誰もが戦うという訳ではなく、弱い方もいれば軍のように
     確固たる場所で戦い続ける強者もいます」


僧侶戦士「なるほど・・・。ところで、こちらの世界で魔王というのはどのような存在だったんですか?」


竜側近「・・・あの方は魔界の底の底といわれる、殺害や強奪が当たり前の深部街という
     場所で誕生したと聞きます」


武道家(こっちのスラム街みたいなもんか)

 
竜側近「環境もあったでしょうが、ズバ抜けた魔力と戦闘力を持ち、あっという間に魔界を支配していきました。
     最終的には我々を制圧。人間界への侵攻を提案し、亀裂を開きました」

幼馴染「その時は竜側近さんは?」

竜側近「ええ、バハムート様と一緒に確か・・・そちらの太陽の祭壇に攻め入りました」

少年剣士(東の祭壇が失われた原因・・・か)


竜側近「その後、北部へと向かい東の町、巨大な港がありましたね・・・。そこを中心に戦いました」

武道家「俺の故郷・・・」

 
竜側近「ですが魔王軍がそちらと戦い、苦戦を強いられていると聞くと
     すぐに引き上げバハムート様と一緒に太陽の祭壇付近へと戻ります」

僧侶戦士「・・・」


竜側近「その時におきたのが、先ほど言った脚に怪我を負わせたという話です。
      最終的には英雄剣士が率いるそちらの軍に圧倒され、魔王軍は壊滅しました」


少年剣士「それで・・・バハムートさんたちは戻ってこれたのですか?」

竜側近「その時、その方たちが"戦争は終わった、帰ればいいんじゃねえの"と。
      だから人間たちにはある種、いえ・・・、心の底から助けていただいたと思っております」

 
僧侶戦士「なるほど・・・・」

竜側近「まあ、固い話はそれまでにしましょう。そろそろ街の街道ですよ」


幼馴染「そうそう!わけわからない話はここまで!あとは楽しもうよ!」


 
赤髪少女「私ね、アイス食べたい!」

竜側近「食べ過ぎないでくださいね?お腹壊すじゃないですかすぐ・・・」

赤髪少女「大丈夫!」

少年剣士「へえ・・・色々あって楽しそうですね」

竜側近「いえ、多分もっと凄い事になりますよ」

・・・ダダッ


僧侶戦士「どういうことです?」


・・・・ダダダダダッ

 
・・・・ダダダダダッダッダ!!

武道家「な、なんだ・・あの竜人の大群は!」

竜側近「来ましたね・・・」

 
竜人a「あ、あんたらが少年剣士一行かい!?」

竜人b「へえーこんな子供がねえ。凄いねえ!」

竜人c「サイン頂戴!」

竜人d「旅は大変だった?ねね、今まで色々冒険してきたの!?」

 
少年剣士「り、竜側近さんこれは?」

竜側近「こちらでは英雄ですよ。私たちのお嬢様を助け出し、
     バジリスクをも追い払い、平和をもたらしたのですから」


少年剣士「ただ流されるままにやってきただけなんだけどな・・・」ハハ

武道家「ま、いいんじゃないの?へへ、英雄たちか・・・気分悪くないな」

僧侶戦士「・・・」ッフ

幼馴染「なんか恥ずかしいよ・・・」


竜側近「流されようが、そういう結果になったのは事実です。胸を張ってください」

 
竜人の子「凄い!僕もあなたみたいになります!」

竜人a  「息子も、あなたのように立派な子になるように育てますよ!」


少年剣士「へへ・・・。竜側近さん・・・楽しいところ期待してますよ」

竜側近「任せてください。まずはお嬢様のいう、絶品のアイスクリーム屋に・・・」

幼馴染「楽しみー・・・・」

武道家「俺も・・・」・・

僧侶戦士「お前ら・・」・・・

赤髪少女「・・・えへへ・・」・・・・・・

・・

・・・

・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 
・・・・・・・・
―――――魔界の亀裂前

赤髪少女「これで・・・本当にお別れ・・・なんだね・・・・・・・・」

少年剣士「うん・・」

幼馴染「・・・」

武道家「楽しかったぜ。夢みたいな体験だった」

僧侶戦士「・・・あぁ」


竜側近「・・・・」ニコッ


「人の出会いとは、別れの始まりなのだ」


武道家「なんだ?あのジジイ」

>>273
 
・・・・・・・・
―――――それから幾日が過ぎた、魔界の亀裂前

赤髪少女「これで・・・本当にお別れ・・・なんだね・・・・・・・・」

少年剣士「うん・・」

幼馴染「・・・」

武道家「楽しかったぜ。夢みたいな体験だった」

僧侶戦士「・・・あぁ」


竜側近「・・・・」ニコッ


「人の出会いとは、別れの始まりなのだ」


武道家「なんだ?あのジジイ」

 
竜側近「バハムート様!」

武道家「バ・・・」

幼馴染「バハムートさん!?」


バハムート「この姿になるのも久々だな・・・。恩人の見送りくらはさせてもらう」

少年剣士「バハムートさん・・・」


バハムート「時に娘よ。人と人の縁。それはそう簡単に切れるものではないのだ」

赤髪少女「・・・?」

バハムート「一度繋がったら断ち切ることは神にですら難しい。どこまで離れていても
       心は繋がっているのだ。お前が考えるよりも、本当に"離れる"ということはありえないのだ」

赤髪少女「難しくて何いってるのか分からないよう・・・」

 
少年剣士「・・・・よいしょっ」ダキッ

赤髪少女「わっ・・・お兄ちゃん」

少年剣士「僕らはずっと友達。離れていても、ずっとずっと。っていう事だよ」ニコッ

赤髪少女「・・・そうなの?」


武道家「・・・ああ」ヘヘ

幼馴染「あったりまえじゃん!」ニコッ

僧侶戦士「ああ。俺らは友達で、仲間だ」ッフ

 
赤髪少女「えへへ・・・友達・・・ずっと」ギュウッ

 
バハムート「・・・・そろそろ、塞ぐ準備が終えたところだ」

竜側近「分かりました」

バハムート「恩人方よ。またいつか会うかもしれぬ。だが、その時も
       ワシらはお前達のことを忘れず、ずっと心に刻むだろう」

竜側近「・・・ですね」


少年剣士「・・・はい」


竜側近「解除します」パァッ

・・・・グググッ

竜側近「グオオオオオオッ!!』

 
バハムート「娘よ。最後にお前の姿を見せてやれ」
 
赤髪少女「・・・うん」スゥッ

・・・・グググッ
・・ググググッ・・・・パァッ


少年剣士「・・・・凄い」

幼馴染「・・・赤髪少女ちゃん」

僧侶戦士「・・・」


赤竜「・・・。お兄ちゃん、本当にありがとう・・・・」


少年剣士「引き込まれそうな・・・赤。ああ。僕は赤髪少女のお兄ちゃんだよ」

赤竜「・・・バイバイ・・・・バイバイ。また・・・また会えるよね・・・」

少年剣士「・・・もちろん」


武道家「よっしゃ、んじゃ行こうか」

 
竜側近『では、お連れいたしてきますね』

バハムート「うむ、気をつけてな」

竜側近『・・・・』バサッバサッ


赤髪少女「・・・お兄ちゃん!バイバイ!」

少年剣士「・・・・バイバイ」

 
・・・・・・ヒュオッ

赤髪少女「・・・・お兄ちゃん・・」


・・・・ヒュオオオオオッ

少年剣士「・・・赤・・・少女・・・」


・・・・ヒュオオオオオオオッ

赤髪少女「・・・ちゃん・・」


・・・・・ヒュオオオオオッ

少年剣士「・・・・」


・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 
・・・・・・・・・・
―――――北西学校付近の森


・・・・バサッバサッ・・・ズシン・・・

竜側近『つきました。本当にありがとうございました皆様」

少年剣士「・・・はい」

竜側近『では・・私もここに長いこといるわけにはいきませんので。失礼します』

・・・バサッバサッ
・・・・・・・・・・・・ヒュオオオオオオッ

 
幼馴染「いっちゃったね・・」

僧侶戦士「なんか、あっという間だったな」

武道家「向こうにいたのもあるけど、スゲー長い休みだったよな」

少年剣士「なんか大冒険だったよね・・」アハハ

 
僧侶戦士「あ、そういえば竜のウロコと話を戦士先生にしないと」

少年剣士「あ・・・忘れてた。じゃあ行こうか」

武道家「つかさ、お前本当に竜の力失われたのか?髪の毛まだ少し赤いまんまだけど」

少年剣士「うーん・・・あとで学校でちょっと試してみるよ」


幼馴染「まだあの力のままだったりしたら・・・」

武道家「洒落にならん・・・俺とライバルだったはずなのに・・・」

僧侶戦士「はは、ナイナイ」


武道家「あぁん!?」

 
・・・・・・・・
―――――北西冒険学校・校庭

少年剣士「あ。戦士先生!」


戦士先生「お・・・お前ら。無事だったか!」

僧侶戦士「ええ・・・大冒険でしたけどね」


戦士先生「お前・・・髪の毛どうしたんだ?」

少年剣士「ああ・・・ちょっとその事も含めてお話したいんですよ」

武道家「・・・だな」


戦士先生「?」

 
・・・・・・・・・・

戦士先生「それで・・・ウロコをこの俺に・・・か」

少年剣士「はい」

戦士先生「はは・・・なんていうか・・義理堅いというか・・・」


僧侶戦士「思った以上にすばらしい世界でした」

戦士先生「このことは俺以外にいうんじゃないぞ?
       魔界を探索とは・・・歴史上聞いたことがない事だ・・・」


少年剣士「・・・わかっています」


戦士先生「それと・・・少年剣士。辛い体験をさせてすまなかったな・・・」


 
少年剣士「今は元気ですし・・・大丈夫ですよ」ヘヘ

戦士先生「そうか・・・」


武道家「それより、早く・・・力使ってみてくれよ!

少年剣士「そ、そうか。ちょっと校庭お借りしますね」

戦士先生「ああ・・・竜の力のことか」


少年剣士「・・・・・」スゥッ

全員「・・・」

 
少年剣士「・・・・竜波動!!」クワッ

・・・・シーン

少年剣士「・・・・」

全員「・・・」


少年剣士「やっぱり失っちゃったみたいですね」

武道家「うーん何か残念だな」

少年剣士「でも・・・何か体の奥から変わった気がするんですよね」

戦士先生「ふむ・・・ちょっと大斬をやってみろ。もちろん向こう側にな」

少年剣士「は、はい」

 
・・・・チャキッ

少年剣士「・・・大斬っ!!!」ブワッ

・・ドゴォン!


武道家「・・・変わってないな」

僧侶戦士「まあ確かに威力は上がってるが・・」

幼馴染「う~ん?」


少年剣士「じゃあ・・・、光炎装!!」ピカッ

・・・ボワッ

少年剣士「わ・・できた」

戦士先生「・・・なるほど。マナの増大と変化か」

 
僧侶戦士「竜の血に流れるマナ・・・。魔法の力を引き継いだんだな」

戦士先生「ま・・肉体面はさすがに引き付げないだろう。
       少し前の光炎装は辛かったんだろ?今はどうだ?」


少年剣士「いえ・・・全然楽ですよ。はぁっ!」ボワッ

幼馴染「わっ!おっきぃ!」

戦士先生「こりゃ凄い受け取り物だ・・。ビリビリと竜の気も放ってやがる・・・」


少年剣士「解除!」フッ

戦士先生「マナの増大化、魔法の強化を受け継いだな・・・凄い事だ」

僧侶戦士「いや、もしかしたらだけど・・・あと1つありますよ」


武道家「なんだ?まだあるのか?」


 
僧侶戦士「ちょっとすまん」スパッ

少年剣士「あいたっ!」ドロッ

幼馴染「な、何してんのよ!」


少年剣士「・・・・いたた・・って・・・あれ?」

・・・・・シュウシュウ


幼馴染「キズが・・治ってく・・・?」

僧侶戦士「やっぱり・・・か」


戦士先生「自然治癒・・・」

武道家「・・・・すげえ」

 
僧侶戦士「深いものは厳しいだろうが、簡単なものなら治せると思うぞ」

少年剣士「なんか僕の体が僕の体じゃないみたい・・」

僧侶戦士「呪い斬りの呪いとかにも免疫力がついているかもしれない」

戦士先生「・・・」


武道家「いいないいなぁ!うらやましー!」


戦士先生「・・・少年剣士。強いっていうのは便利だが・・・な」

少年剣士「・・・はい」

戦士先生「それが時に凶器にもなり、信頼を奪うこともある。
       過信し過ぎる時は己を滅ぼすこともある。覚えておくんだ」

少年剣士「肝に銘じておきます。僕は、みんなを守る力として・・・」

戦士先生「ああ。わかっている」


 
僧侶戦士「・・・さて。そろそろ特待学校に戻らないと怒られるぞ」

武道家「あー・・・剣士教官おっかねえからなあ」

戦士先生「あいつは怒らせるとこえーぞ。早く戻って頑張ってこい」


幼馴染「じゃ、私はここでお別れだね」

少年剣士「うん。またすぐに会いにくるからね」

幼馴染「・・・うん」


少年剣士「あと母さんに大丈夫だったっていう手紙を送っておかないと・・・」

僧侶戦士「それも後でな!まずは早く帰ろうぜ!」タッタッタ

幼馴染「がんばってきてね!」



少年剣士「・・・うん。またね!」


・・・・・タッタッタッタ・・・・

 
・・・・・・・・・
――――中央国・特待学校

剣士教官「よし、これでお前らは正式に最上官だ」


少年剣士「ありがとうございます!」

筋肉賢者「はっはっは、みんなで最上官は嬉しいぜ」ムキッ

僧侶戦士「これからもっと大変になるんだろうな」

武道家「何があろうと大丈夫だろう!」

女錬金師「ガンバっていくよ!」

 
剣士教官「・・・いい度胸だ。たっぷりしごいてやるから覚悟しとけよ」


武道家「う、う・・う・・・ウソですよ!」

少年剣士「あはは・・・・・、ふふ」

僧侶戦士「・・・どうした?」


少年剣士「向こうでは、赤髪少女も頑張ってるのかなって・・・」

武道家「そうだな・・・」

僧侶戦士「いつかまた会った時、立派になってないとな」ッフ



少年剣士「よおーーっし・・・ファイトだ!!」

 
・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・
 
・・・・・・・・・
 
 
 
・・・・・・・

・・・

・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・
・・・

 
・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
―――――更に月日は流れ・・中央国の酒場


オヤジ「ういー・・ひっく!そこの若造!一緒に酒ぇ・・飲まねえか?」


若造「あ・・・すいません。俺は未成年なので・・・代わりにジュースで」ニコッ


オヤジ「おお!それでもいいねぇ・・・!ノリがいいじゃないか!」バンバン

若造?「いたた・・・」ハハ


オヤジ「では、おっちゃんと若造の未来にカンパーイ!」ワハハ


・・・・ドォン!!!
パリンッ!!

 
オヤジ「ひっ!何の音だっ!?お、俺のグラスが割れ・・・」

盗賊団a「手ぇ上げろ!俺たちは盗賊団だ!」カチャッ
盗賊団b「妙な動きするんじゃねえぞ!」
盗賊団c「てめえらの頭吹き飛ばすぞ!」

ザワザワ・・・!トウゾクダン・・・!

若造「・・・!」


オヤジ「や、やべえ!最近この辺荒らしまくってる盗賊団じゃねえか・・」

若造「・・・へえ」

オヤジ「何落ち着いてるんだよ!持ちモン全部取られるぞ!」

若造「ふふ、大丈夫ですよ」ヒュッ

 
オヤジ「何も大丈夫じゃねえよ!・・・って、消え・・・」

 
盗賊団a「っはー!今日は金持ちばっかじゃねえか!」
盗賊団b「女もいい女ばっかだ!こっち来いコラァ!」
盗賊団c「うへへ・・・」


キャー!!
イノチダケハ・・・!

盗賊団a「さっさと盗るもん盗ってズラかるぞ・・・・、ん?」


スタッ
・・・チャキッ


若造「盗賊団さんたち。大人しく捕まってくれませんか?」ニコッ

 
盗賊団a「あ・・?舐めてんのか?」

 
若造「いえ・・・」

盗賊団c「・・・じゃあ死んどけよ」ドォン!

若造「・・・」チンッ!


盗賊団a「銃弾を剣で弾きやがっただと!」
 
若造「・・・」ヒュッ

盗賊団b「な・・早・・・!」ザシュッ!


タッ・・・・


盗賊団c「み、見えねえ!!・・・ぐあっ!」ザシュッ!

・・・・ドサリ

 
盗賊団a「て・・てめぇ・・・」

オヤジ「す・・すげぇ・・何もんだ若造!」


若造「まだ降参しませんか?」チャキ

盗賊団a「く・・・!逃げるが勝ちってね!」ダダッ


若造「あ・・・盗賊団さん。前・・」

盗賊団a「ああん!?」クルッ


???「ラリアットォォォ!」ドゴォォォ


盗賊団a「」ドサッ

 
???「あ・・・やりすぎちゃった?」ハハ


若造「やりすぎだって・・・武道家・・・」ハァ

武道家「うるせー!お前だって他の盗賊団切り刻んでるじゃねーか!」

若造「俺のは峰打ち。気絶させただけだって!」


オヤジ「に・・・兄ちゃんたち強いな・・・」

武道家「こんくらいの相手は余裕だな」ハハ

オヤジ「わかぞ・・・いや、兄ちゃんの名前は?」


青年剣士(少年剣士)「俺は青年剣士。特待学校の最上官です」ニコッ

 
――――――中央国・街道
 

青年剣士「やっと明日・・・卒業かぁ」
 
武道家「参ったわ。まさか18歳まで卒業できないなんてな」

 
青年剣士「軍に入れるのが18歳だったししょうがないでしょ」

武道家「まあな。最上官で長いことすごして、スキルアップにもなったしよ」ググッ

 
青年剣士「武道家はそのまんま軍に入るの?」

武道家「昔言ったまま変わっちゃいねぇよ。俺は英雄武道家になるんだ」

青年剣士「はは、そうだったね」

 
武道家「お前はどうするんだ?」

青年剣士「俺も、英雄剣士になるっていう夢は変わってないよ」

武道家「じゃあ・・・一緒に軍か?」

青年剣士「そうだね・・でも、俺は冒険者になるよ」

 
武道家「どういうことだ?」

青年剣士「軍には兵役部があって、今までの学校みたいな上から下にクエストを受けるのが普通でしょ?」

武道家「ああ、そうだな」


青年剣士「軍にはもう1つあって、冒険部があるらしくてさ」

武道家「なんだそりゃ?」

 
青年剣士「簡単にいうと、自分で自由に動いて、それぞれのクエストを見つけてこなすってこと」

武道家「ほー、楽そうだな」


青年剣士「でも普通の兵役部と違って完全に給料は歩合だし、リスクも高くなる」

武道家「お前はそっちに行くのか?」

青年剣士「そっちのほうが俺には合ってると思う。もちろん、度々呼び出されることもあるけどね」ハハ

 
女鎌金師「・・・何を話しているんだ君たちはっ」トン


青年剣士「あ、女鎌金師さん。明日、いよいよ卒業だなって話ですよ」

女鎌金師「そうだねえ・・・色々あったし、感慨深いよ」

 
武道家「そういや、明日、卒業式が終わったら軍の入隊式まで2週間は空くよな」

青年剣士「うん。だから、一回実家に戻ろうかなって」

武道家「ああ、そりゃいいや。あいつらと最後に会ったのは2年前だしな」

青年剣士「僧侶戦士も行くかな?」

武道家「行くだろ。あとで聞いてみようぜ」

 
青年剣士「そうだね・・・。そういや、女鎌金師さんは軍には入らないんでしたっけ?」

女鎌金師「私は錬金術の勉強に一回、本場の東方の地に行かないといけないんだよ」

青年剣士「寂しくなりますね・・・遊びに行きますよ」ハハ

女鎌金師「ああ、いつでも来てくれよ!」

 
・・・・・・・・・・
―――――次の日・卒業式

剣士教官「今日、この特待学校から5人の生徒が、羽を広げ飛んでいく!」

全員「・・・」

剣士教官「女鎌金師!武道家!僧侶戦士!筋肉賢者!・・・・青年剣士!」

全員「はい!」


剣士教官「軍に入る者、ここを離れる者、その"道"は無限に伸びている!」
      「己を見失わず、その力を過信せず、日々精進せよ!」

全員「はい!」

剣士教官「短かったが、これで卒業の挨拶とする!・・・・、おめでとう!」

全員「ありがとうございました!!」

 
ワアアアッ・・・・・パチパチパチ

 
・・・・・・・・・・・・

武道家「なんかサックリした終わり方だったな」

女鎌金師「アタシららしくていいんじゃない」ハハ

青年剣士「はは、ですね」

僧侶戦士「で、お前らこれからどうすんの?」

 
武道家「そうそう。俺ら、一回実家に戻りがてら北西冒険学校に顔出ししようと思うんだ」

青年剣士「僧侶戦士も来るよね?」

僧侶戦士「あー・・・最後に顔出したのって2年前か?」

青年剣士「そうだねぇ・・」

 
武道家「最上官になると、完全に身内との連絡遮断だったしな・・」

僧侶戦士「・・・わかった。出発はいつだ?」

青年剣士「これからでもすぐに行こうと思ってる。時間かかるしね」

武道家「冒険の扉は?もう軍の人間になるし・・・」

青年剣士「ダメだと思うよ・・・」

僧侶戦士「じゃあ準備してさっさと向かうか」


女鎌金師「じゃ、アタシはここでさよならだね」

 
武道家「あ・・そうか。長い間、お疲れ様」

女鎌金師「まだしばらくはこの街にいるから、戻ってきたら声でもかけてくれたら嬉しいよ」ハハ


青年剣士「もちろんですよ!」

僧侶戦士「仲間、パーティだもんな」ッフ


武道家「じゃ・・またな」ニヤッ

女鎌金師「また、ね」フフ

青年剣士「また・・・」ニコッ

僧侶戦士「またな」ッフ

 
・・・・・・・・・・
―――――3日後、北西冒険学校

青年剣士「久しぶりだなあ!変わってないや」

僧侶戦士「こっちの学校は、今日高等部の卒業式のはずだ」キョロキョロ

武道家「ああ、だから妙に人が多いのか」


・・ザワザワ
アレッテトクタイノセイフクジャ・・
スゲェ・・カッコイイ・・・ッテイウカアノヒトタチッテ・・・


青年剣士「な、何か俺ら目立ってるね・・・」

武道家「ああ!悪くねえ視線だな!」ハッハ

僧侶戦士「あほか」

武道家「あぁん!?・・・・・・・、ん?」

 
???「・・・変わってないわねぇ・・・」

???「・・・久しぶりです!」

???「・・・・久々・・・」


青年剣士「・・・やあ」

僧侶戦士「・・・よっ」

武道家「久しぶりだな」


「幼馴染、乙女僧侶、魔法剣士!」

 
・・・・・・・・・・・・

幼馴染「ちょっとー・・あんた背伸びたんじゃない?」ググッ

青年剣士「そ、そうかな?あんま変わってない気がするんだけど・・」


乙女僧侶「いえいえ・・・凄い大きくなってますよー」

武道家「むっ、俺も・・・結構伸びたんだけどな」


魔法剣士「私・・・色々・・変わってない・・・」ショボーン、ペチャーン

僧侶戦士「・・・気にするな」

 
・・・・タッタッタ 
・・・ザッ

戦士先生「・・・・よっ」

青年剣士「戦士先生!お久しぶりです!」

戦士先生「色々と話は聞いていたよ。随分と活躍しているんだってな」

 
 
武道家「これも一重に俺のお陰で・・・」

幼馴染「あんたには聞いてないでしょっ!」ゲシッ

・・・グフォッ!クッヒサビサダゼ・・・
アンタモオトナニナッタラ!?ギャーギャー!

 
青年剣士「あ・・あはは」

戦士先生「・・・名実とともに・・・立派になったな」
 
 
青年剣士「いえ、そんな・・・」

戦士先生「・・・卒業式は終わったし、これからどうするんだ?」

青年剣士「あと10日ほど休みなので、今日1日ここで過ごしたら実家に戻ろうと思います」

戦士先生「そうか・・全てはこれから始まるんだ。応援してるぞ」

青年剣士「はい!」

 
幼馴染「・・今日泊まるなら、近くにあるところがいいね。今晩はみんなでゆっくり話そうよ」

青年剣士「そうだね。結構歩いたし疲れたしなあ・・・」

僧侶戦士「それじゃ、さっさと宿いくかあ」

戦士先生「おう、じゃあまた来てくれよ!」

青年剣士「もちろんですよ!」

 
乙女僧侶「皆さんの色々なお話聞きたいですっ」

武道家「そうだな・・とりあえず今晩は、宿の近くのレストランででものんびりしようぜ」

魔法剣士「私・・・パフェ・・・食べたい・・・」

僧侶戦士「俺もパフェを食うぞ」ッフ


青年剣士「・・・・ん?」

幼馴染「ん?青年剣士・・どうしたの?」

青年剣士「・・・・なあ・・・あれ・・・・」


幼馴染「・・・・あ」

僧侶戦士「・・・・何でここに!?」

武道家「はは・・・久しぶりだな」

 
・・・・サァァァッ・・・・
 
 
赤髪少女「へへ・・・、実はまた亀裂が入って・・・ちょっとだけコッソリ遊びにきちゃった」


青年剣士「・・・悪い子だな」ハハ

赤髪少女「う・・・怒ってる?」


青年剣士「・・・・、久しぶり。大事な妹・・・・赤髪少女!」ニコッ

 
 
赤髪少女「・・・・・お兄ちゃんっ!」

 
―――その日、1番の暖かく優しい春の風が、青年達を包み込んだ。
そして風と共に・・・その少女は微笑みながら1人の青年へと抱きついた。
少女は涙を流し、また、それを見た周りも涙を流した。

出会い・・・別れ。そして・・・また出会う。人生とは、その繰り返しだ。
信じれば、また会える。信じれば、きっと叶う。


きっと彼らは、幾度とない壁に立ち向かうことになるだろう。
だが、きっと大丈夫。
仲間がいる。そう・・・仲間を信じているから。


青年たちの物語は、これからである・・・・・・・・。



【f i n】

・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・
・・・


これで、少年剣士シリーズは完結になります。

思った以上に読んでくれた人がいて、本当に感謝いたしております。
実は慣れないながらも初投稿でした。
色々失敗をしておりますが・・・。

この3章は自分の中でもかなりお気に入りな出来ですので、
つまらない面も多いでしょうが、楽しめていただけたら幸いです。ありがとうございました。

乙乙乙!
これでシリーズは完全に終わり?
名残惜しいけど面白かった

>>324
ですねー。メインシリーズとしてはこれでおわりですねw読んでいただきありがとうございますw
皆さんも乙ありです~(a;´ω`)

エピローグはよ乙

読後感がいいわー

>>324
魔王との戦いの時のことや、一部キャラのスピンオフ、新シリーズなども出来たらなーと考えています。

>>327
最後の青年編がエピローグみたいなようなものなんですよね・・・、
今後の話も一応、色々と広めたい部分もあるので、また是非よろしくお願いします

みんなの強さのランキングがみたい

>>330終了時(青年剣士時点)ですが、

100 英雄剣士
90  魔王>バハムート
80  英雄武道家 英雄魔法使い
70  覚醒少年剣士>戦士先生(現役時代)
60  バジリスク>>アイスタイガー
50  剣士教官
40  青年剣士(少年剣士)>※バンシー>僧侶戦士>武道家
30  女錬金師>戦士先生
20  幼馴染>ゴーレム以下

ですね。わかりにくいですが。
バンシーは実際は2章の時点でアイテムに助けられてましたしね・・w

>>328
お褒めいただきありがとうございます(;a´ω`)



で幼馴染と女エルフと赤髪少女による青年剣士の取り合いは?

>>332
それも今後あるかもしれませんw
次回の目処がたったので、次回作開始するときは同様に新スレいきます

誰もいなさそうですが、コッソリとその後の話を短くアップしときます(^ω^)

 
◆その後のちょっとした話



幼馴染「・・・本当に、乙女僧侶は軍に入らなくてよかったの?」

乙女僧侶「・・・ちょっと後悔してる部分もありますが・・・」

武道家「何で乙女僧侶は入れなかったんだっけ?」


乙女僧侶「・・大聖堂で恵まれない子供たちを預かることになって、人手が足りなかったんです」



僧侶戦士「ま・・それも人を救うということには変わりはないけどな」ッフ

幼馴染「そうだね。応援してるよ!」

乙女僧侶「ふふ・・ありがとうございます皆さん」


幼馴染「それにしても、アイツは凄いね・・・。軍に入ってすぐにもう冒険部の仲間とクエスト行くなんて・・」

 
乙女僧侶「さすがです!」 
 
武道家「一歩、二歩も先に行かれてる感じだな。でも、幼馴染も凄いじゃねーか。
     魔法研究部で評価高いらしいじゃん」

幼馴染「へっへーん」



僧侶戦士「ま、俺らも尉官候補生ってことで自信持とうぜ。・・アイツはもう少尉からの入隊だけどよ」チクショー

武道家「そりゃなあ。あいつなら気づいたら元帥とか将官とかになってそうだ」ハハ


乙女僧侶「皆さんもきっとなれますよ!頑張りましょう!」

幼馴染「うん、そうだね!」

武道家「それにしても、噂のアイツはいつになったらくるんだ?」

僧侶戦士「お・・・噂をすれば・・・」

 
・・・・・タッタッタッタ・・・


「はぁっ・・・はぁっ・・・遅れたよ・・・ごめん」ハァハァ



乙女僧侶「クエストお疲れでした・・・お帰りなさいです!」

僧侶戦士「・・・お疲れさん・・・そして、お帰り」ッフ

武道家「先に行きやがって・・・おかえりだぜ!」




幼馴染「初クエスト・・・お疲れ様。お帰りなさい・・・!」



青年剣士「・・・ただいま!」ニコッ


 

・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

非常に短いですが、新シリーズにも繋がる部分の1つです。
(新シリーズとして、前作を読まなくても楽しめる作品を目指します)

新シリーズは、明日か明後日からの投稿を予定しております。
よろしくお願いいたします。

http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1372216047/l50

新シリーズ始動致しました。

題名会った方がいいんじゃ…

幼剣士「待っていて下さい・・僕が必ず・・!」

>>342
あ、わざわざ有難うございます(;a´ω`)

最後に修正分まとめを貼っておきます

 
>>80

少年剣士「り・・竜族?竜って・・・神獣・・・の・・?」

赤髪少女「しんじゅう?」

少年剣士「あー・・・いや・・うん・・・何でもない・・」

赤髪少女「・・・・?」


少年剣士「・・・赤髪少女は、何で魔界からこっちに・・・?」

赤髪少女「・・・戦争が起きたから」

少年剣士「戦争?」

赤髪少女「・・・うん。魔界で白竜たちと戦争が始まって・・・」

 
>>137

武道家「あ・・お願いします」

幼馴染「あの・・・あと雪降町まではどのくらいですか?」

初老の商人「あと2、3時間といったところだね」


少年剣士「そうですか・・・ありがとうございます」

初老の商人「これでも恩はきちんと返すほうでね・・密航はよろしくないけどな」ハハ

武道家「ははは・・・」

 
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・

 
>>259
 
バハムート「少なきながらも力を得た・・か。だが、あいつなら安心出来る・・・そう思わないか?」

竜側近「ええ・・・そうですね」


バハムート「少年剣士。再び娘を助けてもらうとはな・・・心から感謝する」

少年剣士「当然のことをしたまでです・・」

バハムート「・・・」


赤髪少女「お父様・・・やっぱり穴は閉じちゃうの・・?」

バハムート「・・・お前も今、体験しただろう。あのような危険分子が
        亀裂を通じ、外の世界へと出て行けば、再び世は混乱する」

赤髪少女「・・・」

少年剣士「赤髪少女・・・」

 
竜側近「・・ふむ。そういえばですが、皆さんはお急ぎの旅なのですか?」


修正分完了しました。本当にありがとうございました。

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