真紅「水銀燈腹パンしたいのだわ」 水銀燈「やめなさいよぉ!」 (251)

・ほのぼの
・腹パンとかマッサージとか
・めぐちゃんは元気になって退院しています
・キャラ崩壊しまくりな上に、設定も弄りまくっています
・腹パンとか痛そうなので、このSSではあまり腹パンをしないと思います
・某所に投下したSSを修正して再投下したものもあります
・基本は台本形式


某所で『水銀燈腹パンしたい』と言い続ける「腹パンの人」を鎮めるために書いたSSです。
冒頭でその「腹パンの人」が出てきますが、オリキャラというほどでもないので気にせずお読みください。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1401543076

 
第1話『水銀燈腹パンしたい』



――――桜中学校


腹パンの人「水銀燈腹パンしたい」

ジュン「えっ?お前いきなり何言い出すんだ」

腹パンの人「水銀燈腹パンしたい」

ジュン「お、おいやめろよ。そんなこと言ってると…」

めぐ「水銀燈がどうしたの?」

鳥海「至高の薔薇乙女に腹パンとは感心しないな」

ジュン「柿崎さんに鳥海…」

めぐ「なんで私の水銀燈なのかなぁ?真紅や雛苺に腹パンすればいいじゃない」

ジュン「そ、それは…」

巴「それは聞き捨てならないわ」

ジュン「か、柏葉…!」

鳥海「そもそもなんで腹パンしたいんだ?」

腹パンの人「水銀燈腹パンしたい」

鳥海「なるほどな。たしかに、ちょぼらうにょぽみ先生の水銀燈は可愛かったよ」

鳥海「でも、こっちの水銀燈は腹パンさせてくれるかな?」

腹パンの人「水銀燈腹パンしたい」

めぐ「ちょっとやめてよ!水銀燈に腹パンするのはこの私なんだから!!」


ジュン(柿崎さんってボケナスなのかな?)

めぐ「桜田くん…?」

ジュン「いえっ!なんでもないです!」


海鳥「腹パンかぁ。俺は翠星石を腹パンしたいなぁ」

ジュン「はぁ!?鳥海まで何言ってんだよ」

巴「女の子に腹パンは良くないわ。お腹をくすぐるくらいでどう?」

ジュン「このツッコミ不在の空間が嫌すぎる…」

めぐ「水銀燈に腹パンする前に………オラァ!!!!」ドゴッ!

腹パンの人「腹パン!!」グフッ

ジュン「ひっ!」

鳥海「こわっ!」

めぐ「水銀燈!待っててね~~~…」スタコラサッサ

巴「恐ろしいわね…」

――――教会


めぐ「ねぇねぇ、いいでしょう?腹パンさせて♪」

水銀燈「いいわけないでしょ!こんな所に呼び出して何かと思えば…。あなた本当にイカれてるわぁ」

めぐ「じゃあさ、くすぐるだけだからぁ」

水銀燈「触らないで!腹パンとか言ってる今のあなたは危険すぎよぉ」

めぐ「ねぇ、ちょっとだけ。脇だけでいいから。次点で首も!」ハァハァ…

水銀燈「うっざあぁぁあああい!!こっちに来ないで!」

めぐ「この位いいじゃなぁい。ほら、こしょこしょこしょ」コチョコチョ

水銀燈「ちょっ…うふ、やめ…ぁはは…!」プルプル…

めぐ「水銀燈…水銀燈…」ハァハァ…

水銀燈「やぁあ……やめ…、やめてって言ってるでしょっ!!このおばか!!!」ドゴッ!

めぐ「ぎんっ!!」ガハッ!

水銀燈「はぁ…はぁ…、付き合ってられないわぁ」ゲンナリ

――――桜田家


翠星石「ぎゃぁああああああああああああああ!!」

翠星石「こ、こっちに来るなですぅ!この極悪非道悪魔人間!!」

鳥海「いいじゃないか。俺と翠星石の仲だろ?」

翠星石「知らねぇですぅ!!真紅!蒼星石!助けて―――!!」

真紅「嫌がっているレディに迫るなんて…、紳士のすることではなくってよ」

蒼星石「また翠星石を魔改造するようなら僕のハサミが黙っていないよ!」

翠星石「そもそもチビ人間がいけねぇです!なんでこんなのを連れてきたですか!?」

ジュン「ついて来ちゃったんだからしょうがないだろ」

翠星石「きぃいいいいい!!開き直るんじゃねぇですぅ!」

鳥海「さぁ、翠星石。腹パンしよう」

翠星石「いやぁぁあああああああああ!!!」

真紅「はぁ…、しょうがないわね。………だわっ!!」ドゴォ!!

鳥海「ぐはぁっ!! う、美しい…」ガクッ

真紅「悪は滅びたのだわ」

翠星石「しんく~~~!!うぇぇぇぇぇん」ダキッ

真紅「怖かったわね。翠星石」ヨシヨシ

蒼星石「怖がってる翠星石をもうちょっと見ていたかったなぁ」

翠星石「S星石っぷりに磨きがかかっているですぅ…」ゴクリ

真紅「さて、そろそろお茶にしましょうか。ジュン」

ジュン「はいはい」









雪華綺晶「腹パン…?」

――――みっちゃんのマンション


雪華綺晶「…ということがありました」

薔薇水晶「聞いたことがある。腹パンを極めた乙女はアリスに昇華できるらしい」

金糸雀「ほ、本当かしら!?」

薔薇水晶「うん。本当と書いてマジだよ」

雪華綺晶「でも…、紅薔薇のお姉様が身内に打ち込んだ拳が忘れられませんわ…」

金糸雀「うっ…、やっぱり腹パンなんて野蛮かしら…?」

薔薇水晶「そんなことはない。身につけて損な能力ではないと思う」

金糸雀「そ、そうよねそうよね!カナもそう思ってたとこかしら!」

雪華綺晶「気は乗りませんけど練習してみますか?」

薔薇水晶「うん」

薔薇水晶「えぃ、やぁ」ヒュッヒュッ

金糸雀「えい!とう!かしら!!」ビュッビュッビュッ

雪華綺晶「やぁ!たぁ!」ヒュヒュンッ!

薔薇水晶「きらきー速いね」

雪華綺晶「ばらしーちゃんほどではありませんわ」

金糸雀「ねぇねぇ!カナのはどうかしら?」

雪華綺晶「お姉様のは意外と重そうなパンチですわ」

金糸雀「やったかしらーー!」ヤッター

雪華綺晶「………」

薔薇水晶「きらきーどうしたの?」

雪華綺晶「ばらしーちゃん、やっぱり腹パンはやめませんか」

薔薇水晶「きらきー?」

雪華綺晶「紅薔薇のお姉様の腹パン…、すごく痛そうでした。あれが我が身に向けられると思うと…」

金糸雀「たしかに怖いかしら…」

薔薇水晶「私たちは自分がされて嫌なことを他人にしようとしている…?」

雪華綺晶「えぇ…。覚えて損はないかもしれません。でも、使いたくないですわ…」

金糸雀「私たちが腹パンしている姿を見て、お父様はどう思うかしら?」

薔薇水晶「………」

雪華綺晶「………」

薔薇水晶「やめよう」

雪華綺晶「そうですわね」

金糸雀「そうね。あぁ~…、運動したからお腹が減ってきたかしら~」

薔薇水晶「もう…、金糸雀ったら…」

雪華綺晶「うふふ、黄薔薇のお姉様かわいい♪」

みっちゃん「ただいま~」ガチャッ

みっちゃん「カナ~、ばらちゃんきらちゃ~ん!シュークリーム買ってきたからお茶にしましょー!」

金糸雀「わ~い!みっちゃん、おかえりなさいかしら~!」

薔薇水晶「おじゃましてます」

雪華綺晶「シュークリーム楽しみですわ」ジュルリ…

ジュン「こうして腹パンの恐ろしさを知った薔薇乙女たちは今日ものんびり過ごしたんだってさ」

巴「こしょこしょこしょ」コチョコチョ

雛苺「きゃはは!トモエくすぐったいの~」

ジュン「はぁ…、いつまでやってるんだろう」

巴「桜田くんも私をくすぐってみる?」

ジュン「なっ…!?えっと…、その…ちょっとだけなら…///」

巴「お手柔らかにお願いします///」ペコリ





真紅「まったく!人間のオスは想像以上に下劣ね!」プンスカ


~おわり~

本日の投下はここまでです。

はい、続きます。
続きは明日の夜に投下します。

それでは投下していきます。

 
第2話『腹パンは負の連鎖』



水銀燈「まったく…、めぐには困ったものね」

水銀燈「でも腹パンねぇ……腹パン…」ウーン…

水銀燈「腹パンを真紅にお見舞いするのも面白いかもしれないわねぇ」ウフフ

水銀燈「原作では殴られて、アニメでも殴られて…」ムカ

水銀燈「スピンオフでも腹パンされて…」ムカムカ

水銀燈「頭にきたわぁ!真紅をボコボコにしてやるんだからぁ!!」

めぐ「ふふ、水銀燈がんばってね」

水銀燈「ぁりがと、めぐ…」

――――桜田家


水銀燈「ふふ、真紅の驚いた顔が目に浮かぶわぁ」ウフフー

水銀燈「さてと…、ジュンの部屋の窓から入ろうかしらぁ」チラッ



鳥海「さぁ、翠星石。腹パンしよう」

翠星石「いやぁぁあああああああああ!!!」

真紅「はぁ…、しょうがないわね。………だわっ!!」ドゴォ!!

鳥海「ぐはぁっ!! う、美しい…」ガクッ

真紅「悪は滅びたのだわ」









水銀燈「うわぁ…」

水銀燈(えっ…?なにあれ!?明らかに原作の真紅より強いわよ!)

水銀燈「ど、ど、どうしよう…。もし腹パンなんてしちゃったら…」アワワワ…




水銀燈『真紅ぅ、これでも喰らいなさぁい!!』ドゴッ!

真紅『きゃぁ!』ガクッ

水銀燈『ふふ、あははははははは!!無様ねぇ、真紅ぅ』

真紅『よくも…、よくもやってくれたわね!水銀燈!!』

真紅『喰らいなさい!!』∞ ヒュンヒュン!

水銀燈『し、真紅…?それって…ちょっと待っ』

真紅『デンプシーロールなのだわ!!』ドゴッ!!ドゴッ!!ドゴッ!!

水銀燈『うぐっ!きゃぁっ!』ガクガク

翠星石『真紅選手の連続ショートフックが炸裂ですぅ!!』

蒼星石『あれはたまらないね』

真紅『とどめよ、水銀燈!絆ックルなのだわ!!』ブォン!

翠星石『出たーーー!!真紅選手の絆ックルですぅ!』

蒼星石『水銀燈選手が壁にめり込んだぁ!?』


ワーー! ワーー! ピーポーピーポー





水銀燈「うぅ…」ガクガクブルブル

水銀燈「さ、作戦変更しようかしらぁ…」



真紅「さて、そろそろお茶にしましょうか。ジュン」

ジュン「はいはい」



水銀燈「…これで行くしかないみたいねぇ」ゴクリ…

真紅「アフタヌーンティーの時間なのだわ」


水銀燈「し、真紅ぅ。こんにちわぁ」ガラッ…

真紅「あら?珍しいわね。いらっしゃい、水銀燈」

水銀燈「お、お邪魔しまぁす。そうそう!そろそろお茶の時間でしょ?金粉入りの紅茶を持ってきたのよぉ」

真紅「…まさか硫酸入りじゃないでしょうね?」

水銀燈「そんなの入れないわよ…」

真紅「唐突過ぎて怪しいけど…、まぁ頂くわ」


ジュン「あれ?水銀燈来てたのか」ガチャッ

翠星石「おぅおぅ!水銀燈じゃねぇですか!水銀燈も翠星石のスコーンを食っていけですぅ」

蒼星石「やぁ水銀燈。お菓子もあるからゆっくりしていってよ」

水銀燈「どぉも…」

水銀燈「(持ってきた紅茶にブランデーを入れて真紅の隙を伺う手筈だったけど…)」

真紅「すぃぎんとぉ~~、愛してるのだわぁあああ////」ベタベタ

水銀燈「(身動きが取れないわね…)」

翠星石「ブランデーが入っていたとは…。水銀燈!何か企んでるんじゃないでしょうねぇ?」

蒼星石「翠星石っ!水銀燈も気づかなかっただけだよ。そうだよね?水銀燈」

水銀燈「え、えぇ…」

ジュン「僕たちはちょっとだけしか飲まなくて良かったな。残りは真紅が全部飲んじゃったけど」

真紅「すぃぎんとぉはこの真紅のものなのだわぁ///」ヒック

水銀燈「ちょ、ちょっとひっつき過ぎよぉ」

真紅「すいぎんとぉ脱ぐのだわぁ」

水銀燈「えっ?」

真紅「脱ぐのだわ!脱ぐのだわ!」グイッグイッ

水銀燈「えっ?えっ!?真紅ちょっとやめなさいよぉ!」

真紅「じゃあキスをするのだわ!ん~~~~~~///」ブチュー

水銀燈「んーーーーーーーー!!!!」ブチュー

ジュン「」

蒼星石「」ポカーン

翠星石「なっ…なっ…なっ……////」

真紅「…んちゅ…れろ…――――ん、ふぁ」チュッチュッ

水銀燈「んーーーー!!!んーーーーーー!!!」チュッチュッ

ジュン「ちょ、ちょっと僕トイレ///」スタコラサッサ

水銀燈「―――――ん、ぷはぁ!…いい加減に……」

水銀燈「いい加減にしなさいよぉ!!!!」ドゴッ!

真紅「だわっ!?」ガクッ

翠蒼「「!!」」

水銀燈「はぁ…はぁ…、真紅ぅ…酔いは覚めたかしらぁ?」ゼェ…ハァ…

真紅「うぅ…」

水銀燈「し、真紅…?」

真紅「水銀燈が…私に腹パンしたのだわ…」ポロポロ…

水銀燈「えっ!?ちょっと…真紅ぅ?」オロオロ

真紅「うぅぅ…、こんなに愛しているのに…真紅をぶったのだわ…」シクシク…

水銀燈「うぅ…」オロオロ

翠星石「オロオロしてますね」ヒソヒソ

蒼星石「うん。してるね」ヒソヒソ

水銀燈「ちょっと、そこぉ!ひそひそ話しないでよぉ!」

真紅「ひどいのだわ…ひどいのだわぁ…」ウェェェェン!

翠星石「こんなに泣いてる真紅は久しぶりですねぇ」

蒼星石「うん。かわいいね」

水銀燈「ちょっとぉ!妹が泣いてるのにその会話はどうなのよぉ」

翠星石「うっ…。そ、そもそもお前が腹パンしたのが悪いんじゃねぇですか!」

蒼星石「真紅が襲わなければ水銀燈も腹パンしなかったんじゃないかな」

翠星石「そ、それは…。はっ!それです!!」ピコーン!

蒼星石「翠星石?」

翠星石「水銀燈は真紅に毎回ひどい目に合わされてたです!その仕返しに酔った真紅に腹パンしようと企んだのですぅ!」エッヘン

水銀燈「っ!」ギクッ

蒼星石「そんなまさか」

翠星石「いたずらの達人である翠星石の目は騙せないですよぉ!」

蒼星石「そうなの?水銀燈」

水銀燈「し、知らないわぁ」プイッ

翠星石「なんにせよ!水銀燈が腹パンしたのは間違いねぇです」

蒼星石「まぁそれはそうだね」

水銀燈「なによ…、なによ!なによぉ!」チラッ

真紅「うぇぇぇぇぇぇぇん!!」ウェェェン

水銀燈「た、たしかに今回は私が悪かったわよ!でも真紅だって腹パンしたのよ!」

翠星石「そんなの言い訳にしかならねぇですよ」

蒼星石「お父様が見てたらなんて言ったかな?」

水銀燈「お、おばかさぁん!お父様が見てるわけないじゃなぁい」ドキッ

ジュン「見てるよ」

水銀燈「えっ!?」

ジュン「彼はいつでもお前たちを見ているよ」

水銀燈「ジュ、ジュン…?」

ジュン「彼は薔薇乙女のみんなを見守っている」

ジュン「水銀燈が真紅を腹パンしたことも当然知ってるはずだよ」

水銀燈「そ、そんな…」プルプル

水銀燈「今日は帰るわぁ…」バッサ!バッサ!


翠星石「水銀燈行っちゃったです…」

蒼星石「ジュンくん。さっきの話は…?」

ジュン「彼なら見守ってるような気がしたんだ」

蒼星石「…そうだね。そういえば真紅の様子はどうだい?」

ジュン「真紅は泣き疲れて寝ちゃったよ」ナデナデ

真紅「すぅ…すぅ…」グスッ

――――nのフィールド


水銀燈(なによ…!なによ…なによぉ……!)グスッ

水銀燈(ちょっと仕返ししただけじゃないの!)

水銀燈「でもこれからどうしよぅ…」ハァ…



ドア「」

水銀燈「ん?あの扉は…」

――――みっちゃんのマンション


金糸雀「シュークリームおいしーかしらー!」パクパク

薔薇水晶「うん。おいしい」モグモグ

雪華綺晶「あらあら、黄薔薇のお姉様。ほっぺにクリームが…」

金糸雀「えっ?どこかしら?」

雪華綺晶「動かないでくださいね。―――ん」ペロ   パシャパシャパシャパシャ!!

金糸雀「ひゃぁあああ!!い、いきなり何するかしら!////」

薔薇水晶「きらきーすごく大胆」ワァオ

みっちゃん「ギリギリ撮れたわね」ハァハァ

金糸雀「もーーー!!恥ずかしいかしらーー!///」

雪華綺晶「ふふ。お姉様かわいい♪」ニコニコ

クローゼット「」ガタンッ!

金雪薔み「!?」

金糸雀「みっちゃんは下がってて!」バッ

みっちゃん「う、うん…」

薔薇水晶「だれ?」

雪華綺晶「出てきてください」


クローゼット「」ギィイ…

水銀燈「…お揃いのようねぇ」スタッ


金糸雀「なぁんだ。水銀燈だったかしら」ホッ

水銀燈「なんだとは失礼ね」チッ

薔薇水晶「あれ?」

薔薇水晶「水銀燈泣いてる?」

雪華綺晶「あら、ホントですわ」

水銀燈「っ!」ゴシゴシ

 
水銀燈「…という訳よぉ」ハァ…

雪華綺晶「やっぱり腹パンは何も生み出しませんね」

薔薇水晶「生み出せても暴力と負の連鎖だけ…」

金糸雀「百害あって一利なしかしら」

雪華綺晶「ところで黒薔薇のお姉様。紅薔薇のお姉様にはもう謝ったのですか?」

水銀燈「うっ」ギクッ

金糸雀「この反応は謝ってはなさそうね」

薔薇水晶「だね」

水銀燈「うぅ…」

雪華綺晶「謝りには行かないのですか?」

水銀燈「なんで私が…」

金糸雀「ねぇ、水銀燈。真紅の様子を思い浮かべるかしら」

水銀燈「……(すっごい泣いてたわね)」

雪華綺晶「黒薔薇のお姉様。仲が良かったのに仲が悪くなる。それはとても悲しいことだと思いませんか?」

雪華綺晶「私は最初、お姉様方とはとても仲が悪かった。でも、こうして輪に入ることができた」

薔薇水晶「私も最初はみんなと仲が悪かった…」

雪華綺晶「本当に感謝していますわ。そして分かりました。それが何物にも代え難い大切なものなのだと…」

雪華綺晶「お姉様。私からのお願いです。仲直りしてください」ウルウル

薔薇水晶「水銀燈、お願い」

金糸雀「………」ジー

水銀燈「わ、わかったわよぉ!3人共そんな目で見つめるんじゃないわよ」チッ

金糸雀「やったかしらー!!」ワーイ

雪華綺晶「良かったですわ」グスッ

薔薇水晶「良かったね」

水銀燈「フン!」プイッ

 
きらきーとばらしーはおうちに帰りました。



みっちゃん「いや~、銀ちゃん説得できて良かったねぇ」

金糸雀「うん。水銀燈はカナのお姉ちゃんだもの。実は姉妹の中でも優しい方なのよ」

みっちゃん「カナは銀ちゃんが大好きなのね」

金糸雀「うん!」

みっちゃん「へ~、ちょっと妬いちゃうなぁ」

金糸雀「勿論みっちゃんも大好きかしら」エヘヘ

みっちゃん「カナ…、もう我慢できない!!カナーーーーーー!!!」スリスリスリ

金糸雀「きゃーーー!!まさちゅーせっちゅかしらーーーーー!!!」キャーー








――――桜田家


水銀燈「あの…真紅…?」

真紅「………」ムスッ

水銀燈「酔いは…覚めたのね」

真紅「おかげさまで。あまり覚えてはいないけど」

水銀燈「そうなの?」パァア

真紅「殴られたのは覚えているわ」

水銀燈「そう…」ドンヨリ

真紅「で? 何しに来たのかしら?」

水銀燈「それは…その…」

真紅「何もないなら帰ってちょうだい」ハァ…

水銀燈(お父様!勇気をください!!)

水銀燈「真紅!ごめ 真紅「ごめんなさい、水銀燈」

水銀燈「えっ?」

真紅「あなたが謝りに来たことはわかっていたわ(ピチカートから聞いたの)」

真紅「お酒に酔ってあなたにヒドイ事をしてしまった…。本当にごめんなさい」

水銀燈「そ、そうよぉ。でも、私も悪いところが無かった訳じゃないわぁ。だから…ごめんなさぃ…」

真紅「ふふ」

水銀燈「なによぅ…」

真紅「ごめんなさい。あなたの口から謝罪の言葉を聞けるとは思わなかったのよ」クスクス

水銀燈「はぁ…、じゃあ私は帰るわよぉ」

真紅「あっ!待って頂戴。紅茶にお酒を多く入れたことは許すけど、腹パンの事は別よ」

水銀燈「え゛」

真紅「腹パンの恨み!覚悟するのだわ!!」

水銀燈「ちょっ」


ドゴォオン!!!!

 
雛苺「こうして薔薇乙女たちは再び絆を取り戻すことができたなの!」

ジュン「こしょこしょこしょ」コチョコチョ

巴「んふ…ぁはは!……―――ん、ひゃん!///」プルプル

雛苺「ジューン!次はヒナがトモエをくすぐるなの!」

ジュン「あぁ、交代しようか」

巴「ちょ、ちょっと待って雛苺…ぁん///」ピクッ

ジュン「ふぅ…、なんだこれ…」


~おわり~

本日の投下はここまでです。
続きは明日の夜に投下します。

胸パンも痛そう…。
あと、金粉と金箔って微妙に違うんですね。


それでは投下していきます。

 
第3話『真紅マッサージしたい』



――――めぐのお部屋(自宅)


水銀燈「うぅ…ひっく…」シクシク…

めぐ「帰ってくるなりどうしたの?水銀燈」ナデナデ

水銀燈「な、なんでもないわよぉ」グスッ

めぐ「もしかして真紅に腹パンされたの?もしそうなら桜田くんをボコボコにしてやるわ!」

水銀燈「ち、違うわよぉ!これは…そう、カラス。カラスにやられたんだからぁ…」

めぐ「カラスって…。まぁいいわ。話したくなったら話してね」ナデナデ

水銀燈「…ぅん」

水銀燈(ケガはジュンに治してもらったけど…)

水銀燈(お互い謝ったんだからそれでいいじゃないのよぉ!)ムカムカ

水銀燈(本当に腹が立つわぁ。でも、これ以上腹パンしたりされたくもないしぃ)

水銀燈(う~ん…うぅ~ん…)ウーン…

めぐ「どうかしたの?水銀燈」

水銀燈「めぐぅ…、腹パンの逆ってなんだと思う?」

めぐ「腹パンの逆?『攻撃』の反対だから『癒し』かな?」

水銀燈「癒しぃ?」キョトン

めぐ「『痛い』の対義語は『快い』?『痒い』?うぅ~ん…、『気持ちいい』でいいんじゃないかしら。だからマッサージとかどう?」

水銀燈「マッサージねぇ…」ウーン…

めぐ「あとは『愛』かな」

水銀燈「あい!?」

めぐ「ハグやキスとか」

水銀燈「却下」

水銀燈「うぅ~ん…。マッサージねぇ」

めぐ「マッサージで真紅を骨抜きにしちゃうってのはどうかしら?」

水銀燈「それもいいかもねぇ…って真紅は関係ないわよぉ!」ギクッ

めぐ「うふふ、そうね」クスクスッ

水銀燈「そうと決まればマッサージの勉強よぉ!ちょっと出かけてくるわぁ」バサッ!

めぐ「いってらっしゃい、水銀燈。夕飯までには帰ってくるのよ」

水銀燈「わかったわよぉ」








――――図書館


ジュン「なんで僕が…」

水銀燈「しょうがないでしょ。図書館に詳しい知り合いはあなただけなんだからぁ」

ジュン「ほら、持ってきたぞ」ドサッ

水銀燈「どれどれぇ、指圧に電気?それに…針ぃ!?」ビックリ

ジュン「刺すと血行が良くなるらしい」

水銀燈「ふぅ~ん、私の羽根で代用できないかしらぁ?」

ジュン「おいやめろ」

水銀燈「冗談よぉ」ケラケラ

水銀燈「それにしても…、血行が悪くなるから身体が凝るのよねぇ?」ペラッ

ジュン「まぁそうだな」

水銀燈「薔薇乙女には血行が無いけど、マッサージして効果はあるのかしら?」ペラッ

ジュン「あれ?柿崎さんにマッサージしてあげるんじゃないの?」

水銀燈「えっ?」キョトン

ジュン「えっ?」

ジュン「ちょっと待て!ローゼンメイデンの誰かにマッサージするのか!?」

水銀燈「えぇ、そうよ。真紅に腹パンの借りを返すんだからぁ!」プンスカ

ジュン「しかも真紅なんだ…。もし薔薇乙女に肩こりがあってもダラダラしてる真紅は凝ってないと思うんだけど」

水銀燈「…それでもやってやるわよ」ペラッ

ジュン「なぁ、水銀燈。なんでマッサージなんだ?」

水銀燈「それはめぐが…」


~説明中~


ジュン「からかわれただけだろ」

水銀燈「えぇっ!?」

ジュン「それにマッサージして真紅の機嫌をとってどうするんだよ。ハグの方がまだ動揺すると思うぞ?」

水銀燈「どういうことよぉ…」

ジュン「この間の話だけど…」

ジュン『酔ってた時のことは覚えてないのか?』

真紅『えぇ、そうよ』

ジュン『ふ~ん』

真紅『その反応は何かしら?』

ジュン『別に』

真紅『そう』

ジュン『なんで水銀燈を脱がそうとしたんだ?』

真紅『色っぽかったから脱がしてみたかったのよ』

ジュン『そっか、なるほどなぁ』ニヤニヤ

真紅『はっ!嵌めたわね、ジュン!』ピシッ! ピシッ!

ジュン『そんなつもりは…いててっ!』




ジュン「覚えてたぞ」

水銀燈「うそぉ…」ゲンナリ

水銀燈「う~ん…、気が進まないけどマッサージとハグで攻めてみるわぁ」

ジュン「そうだな。よくわからないけど真紅を骨抜き(?)にしちゃえよ」

水銀燈「えぇ、そのつもりよ」

ジュン「その前にさ。マッサージが薔薇乙女に効くか試してみた方がいいと思うぞ」

水銀燈「えぇ~…、めんどくさぁい」エー…

ジュン「ここまで協力したんだから最後まで付き合うからな」

水銀燈「わかったわよぉ…」








――――巴のお部屋


巴「桜田くんがうちに遊びに来るのってすごく久しぶりよね」

ジュン「そういえばそうだな」

雛苺「みんなで遊ぶのー!」

水銀燈「ちょっとジュン!雛苺が相手って大丈夫なの?」

ジュン「いや、雛苺はあぁ見えてけっこう家の手伝いをしてるんだぞ。身体が凝ってるかもしれない」

ジュン「それに一番幼く見える雛苺に効けば、他の薔薇乙女にも効きそうな気がする」

雛苺「ヒナそこまで幼くないもん!」プンスカ

ジュン「あぁ、ごめん」

水銀燈「不安だわ…」

雛苺「ところで何して遊ぶなの?」

水銀燈「マッサージよぉ」

雛苺「マッサージ?」

水銀燈「疲れた身体をほぐして健康にするのよ」

雛苺「うゅ…?」

水銀燈「百聞は一見に如かずね。雛苺、うつ伏せになりなさぁい」

雛苺「はいなの!」

巴「桜田くんもうつ伏せになって」

ジュン「えっ?僕も…?」

巴「うん」

水銀燈「始めるわよ」

雛苺「うん!」


水銀燈「まずは肩甲骨の周りを……ドールに骨は無かったわぁ…」ギュッギュッ

雛苺「きゃはは!くすぐったいの~」


巴「どぅ?桜田くん」ゴリッゴリッ

ジュン「だ、大丈夫だよ(イタタタタた!!)」汗ダラダラ

水銀燈「意外と凝ってるわね…」グッグッ

雛苺「なんだか気持ちよくなってきたの~」ホワーン


巴「桜田くん気持ちいい?」ゴリゴリゴリ

ジュン「だ…いじょう…ぶぅ……(痛いなんて言えない!柏葉に申し訳ない!!)」


水銀燈「気持ちいい?」モミモミ ギュッギュー

雛苺「はぁぁぁぁぁん!気持ちぃぃぃなのぉ~…」ホニャーン


巴「どうかな?桜田くん」メコメコメコッ

ジュン「あぁぁぁぁぁぁぁ!!やっぱ無理ぃ!柏葉いたいいたい!!!」ギャー!

巴「桜田くん、もうちょっと待ってね」



水銀燈「えいっやぁっ」ググッ ギュッギュッ

雛苺「すぅ…すぅ…」zzZ


巴「もう少しよ!桜田くん」グイグイッ

ジュン「」

雛苺「すっごいのー!!体がすっごく軽いなのーー!!」タタタタッ!

水銀燈「走り回るんじゃないわよぉ」

雛苺「水銀燈、ありがとなの!」

水銀燈「ふ、フン!///」プイッ


ジュン「体が軽くなったような気がする。あんなに痛かったのに…」

巴「ごめんなさい…、桜田くん。桜田くんすごく凝ってたから荒っぽくなっちゃったの…」ションボリ

ジュン「そうだったのか。なんかこっちこそごめん」

巴「ふふ、私たち謝ってばっかりだね」ウフフ

ジュン「わ、笑うなよな」カァッ



水銀燈「………終わったぁ?」ジー

雛苺「邪魔しちゃダメなの」ヒソヒソ

ジュン「さて、これでもう大丈夫か?水銀燈」

水銀燈「まぁね。薔薇乙女にマッサージが効くこともわかったし……あっ」

ジュン「んっ?どうした?」

水銀燈「忘れていたわ。雛苺、ちょっとこっちに来なさい」

雛苺「はいなの」タタタッ

水銀燈「雛苺つ~かまえたぁ」ハグ

雛苺「うゅ?」

水銀燈「雛苺ぉ、愛しているわぁ」ボソッ

雛苺「えっ?えっ!? ひ、ヒナもなのぉ~////」トローン

水銀燈「うん!ハグも効くわね」ヨシ!


巴「えっ?今何をしたの?」

ジュン「僕には抱きついただけのようにしか見えなかったけど…」

水銀燈「それじゃあ、またね~」

雛苺「水銀燈お姉様!また遊びに来てなのー」ノシ

ジュン「じゃあ、柏葉。また今度な。おじゃましました」

巴「うん、またね」








――――nのフィールド


水銀燈「よーしっ!見てなさいよぉ、真紅ぅ!」

ジュン「なぁ水銀燈。さっき雛苺に何したんだ?」

水銀燈「んっ?ハグして愛を囁いただけよぉ」

ジュン「囁いただけって…。恥ずかしいやつだな」

水銀燈「何とでも言いなさいよぉ。これで真紅なんてイチコロよぉ!」ウフフ

次の日

――――ジュンの部屋


水銀燈「真紅!今日こそあなたをギャフン!と鳴かせてあげるわぁ」

真紅「愚かね。また私の腹パンを受けたいようね」

水銀燈「ちょっ、ちょっと待ちなさいよぉ!腹パンなんて野蛮よぉ。負の連鎖しか生み出さないわぁ」

真紅「あなたにとって腹パンもアリスゲームも似たようなものではなくって?」クスッ

水銀燈「言ったわねぇ!でも、そんな安い挑発には乗らないんだから。ここは平和的にマッサージ対決で決着を着けようじゃないの!」

真紅「嫌よ。なぜ私がそんな事をしなければいけないの」

水銀燈「じゃあ、これならどう?私がマッサージするから真紅は眠っちゃダメよ。眠ったら私の勝ち。眠らなかったら私の負け」

真紅「凝ってないのだわ」

水銀燈「勝負なんだからどっちでもいいわよ」

真紅「はぁ…、しょうがないわね」ハァ…

水銀燈「それじゃあ、うつ伏せになりなさぁい」

真紅「まったく、ドレスに埃が着くのだわ」ブツブツ…

水銀燈「いくわよぉ!真紅!!」

真紅「どこからでもかかってきなさい!水銀燈!!」


水銀燈「まずは肩甲骨より下の部分からよぉ(骨はないけどね)」モミモミ プニプニ

真紅「くすぐったいのだわ」

水銀燈(本当に全然凝ってないじゃない!プニプニしすぎよぉ…)プニプニ

真紅「これがマッサージというものなのね」

水銀燈(ならこっちも全力でいくわよぉ!)グッグッ

真紅「………」

水銀燈「えぃっやぁっ」グッグッ

真紅「………」

水銀燈「たぁっとぉっ」ギュッギュッ

真紅「………」

水銀燈「はぁぁ!たぁぁっ!」ギュッギュー

真紅「………」

水銀燈「うぅんっ!やぁぁっ!」グィィィ

真紅「………」

水銀燈「はぁ…はぁ…」グイッグイッ

真紅「………」

真紅「これで終わりかしら?水銀燈」

水銀燈「くっ…(まったく効いてないっていうのぉ?)」ゼェ…ハァ…

真紅「ここまでのようね。水銀燈」

水銀燈(どうすれば…。どうすればいいの?何か…何か…)グッグッ




水銀燈『ふぅ~ん、私の羽根で代用できないかしらぁ?』

ジュン『おいやめろ』




水銀燈(っ!これだわ!!)グッグッ

真紅「私の勝ちなのだわ」

水銀燈「いいえっ!まだよ!!」

真紅「!?」

水銀燈「ここからよ!!いくわよ真紅!」


水銀燈(私の両翼。羽根を針代わりに使うのは危ないけど…)バサッ!

水銀燈(この器用な両翼を手の代わりにする!手が4本あれば…)ググッ!

水銀燈「単純にさっきの2倍のマッサージができるって訳よぉ!!」グッグッ グィィィ

真紅「なぁぁぁっ!?こ、これは…!」

水銀燈「やぁぁぁっ!!たぁぁぁぁっ!!」ギュッギュッ グィィィ

真紅「こ、これがマッサージというものなの…?」ホンワカ

水銀燈「まだまだよぉ!!」グィィィ ギュッギュッ

真紅「うぅ…(耐えるのだわ!耐えるのだわ!)」ギリリ…

水銀燈「イっちゃいなさいよぉ!真紅ぅ」グイグイィィ

真紅「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」モウダメナノダワー

真紅「」

水銀燈「真紅、どぉ?気持ちいい?」ギュッギュッ グイッグイッ

真紅「すぃぎんとぉぉん、とっても気持ちいいのだわぁぁん」トローン

水銀燈「そう。それは良かったわねぇ」

真紅「あぁぁ~~、極楽なのだわぁぁぁ」ホワーン

水銀燈「えいっやぁっ」ギュッギュー グッグッ

真紅「んはぁぁぁぁぁぁぁ~~…」ハァァン

水銀燈「たぁっとぉっ」グッグッ グィィィ

真紅「気持ち良すぎてもうダメなのだわぁぁぁぁん」ホワワーン

水銀燈「もう寝ちゃいなさぁい」ニギニギ スッスー

真紅「まだまだよぉぉぉ………んあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~…」ンハァァァ

水銀燈「頭皮や足もマッサージするわねぇ」グッグッ グィィィ ギュッギュー

真紅「んへぇぇぇぁぁぁぁぁあああああ~~~……」キモチーノダワー

水銀燈「はぁ…はぁ…」

真紅「マッサージってとっても気持ちいいのね!びっくりしたのだわ」ツヤツヤ

水銀燈「えぇ…」

真紅「生まれ変わったようなのだわ!」キャッホー

水銀燈(眠らないわね…。かくなる上は…)


水銀燈「真紅!!」ガバッ ダキツキ

真紅「えっ!?」

水銀燈「あ、愛しているわぁ。真紅ぅ」耳フゥー

真紅「!!」


真紅「あ、あぁ…。つ、ついに私の積年の願いが叶ったのだわ…」ポロポロ…

水銀燈「え゛!?」

真紅「まさかこの真紅を愛してくれていたなんて…。いつも意地悪してくるからてっきり嫌われているのかと…」

水銀燈「え…?えっ!?」

真紅「ずっと愛しておりました。水銀燈お姉様////」

水銀燈(う、嘘でしょぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!)

真紅「お姉様。愛を契る前にほんの僅かなお礼として真紅がマッサージをして差し上げますわ」

水銀燈「い、いらないわよぉ!」

真紅「その後に存分にパンパンしましょう」

水銀燈「パンパンってなに?!」

真紅「では、うつ伏せになってくださいまし」

水銀燈「うぅ…」

真紅「いきますわ。はぁ!!!!」


ゴキャッ!!!!

イヤァーーーーーーー!!!






素人の方は無茶なマッサージをしないように気をつけましょう。

 
金糸雀「水銀燈はカナのお姉様かしら!」

真紅「違うのだわ!この真紅のお姉様よ」

雛苺「ヒナのお姉様だもん!ねー、お姉様ぁ」ネー

雪華綺晶「むっ!聞き捨てなりませんわね。私のお姉様ですわ!」プンスカ

蒼星石「いくら君が相手でもこればっかりは譲れないよ!」

翠星石「へへーんだ!妹は姉の決定に従うもんですぅ。だから水銀燈は翠星石のものなのですぅ!」

金糸雀「その理論だとカナに軍配が上がるのかしらー」ヤッター!

翠星石「や、やっぱり取り消すです!」アセアセ




水銀燈「長女だからみんなの姉なんだけど…」ゲッソリ…

薔薇水晶「私は義理の妹だから結婚できる」ポッ…

めぐ「聞き捨てならないわね…」ゴゴゴゴ…

ジュン「はぁ…、何故か急に覚醒した水銀燈の相手を魅了する力は数日間続いたんだ」

ジュン「その後も姉ちゃん、柏葉、みっちゃん、槐、ラプラスの魔も魅了されて大変なことに…、そして僕も…」ハァ…

ジュン「ローゼンがそうなるように造ったのか…。今でもよくわからないけど、水銀燈も今回は大変だったみたいだ」

ジュン「まぁみんな幸せだったし、一応ハッピーエンドだからいいかな」


~おわり~

本日の投下はここまでです。
きらきー祭があるので続きは少し遅くなるかもしれません。

続きは近日中に投下したいと思います。

とりあえず第3話までは終わりです。
最終回じゃないぞよ。もうちっとだけ続くんじゃ。

今夜投下します。

すみません。急な用事が入ったので明日の夜に投下します。

遅くなりました。
投下します。

 
第4話『みっちゃん恩返ししたい』



みっちゃん「ふぅ…、カナ~…ただいま~…」

金糸雀「みっちゃん、おかえりなさいかしらー」

みっちゃん「あぁあ~…、疲れた~…」

金糸雀「みっちゃん大丈夫?」

みっちゃん「だいじょぅぶよぉ!だって好きでこの業界に入ったんだもの。負けないわよ!!」

金糸雀「みっちゃんパワフルかしら」

みっちゃん「でも、カナ…。少しだけ休ませて~…」バタンキュー

金糸雀「み、みっちゃぁぁん!!」






金糸雀「―――ってことがあったかしら」

翠星石「それでこの有様ですか」

翠星石「久しぶりに金糸雀の家に遊びに来たですけど…」

翠星石「これじゃあ遊ぶ雰囲気じゃないですぅ」

金糸雀「せっかく来てもらったけど今日は遊べないかしら」

みっちゃん「うぅ~ん…」

翠星石「でか人間は病気なんですか?」

金糸雀「たぶん…過労だと思うの」

翠星石「過労?」

金糸雀「うん。お仕事忙しかったみたいだから…」

翠星石「か、金糸雀!ヤバイですよ!」

金糸雀「えっ?」

翠星石「翠星石はニュースで見たです!最近、お仕事頑張りすぎて過労死する人間が増えてるらしいのです」

金糸雀「死!?」

翠星石「です!このパワフル女がこの有様なら相当な労働を強いられたに違いねぇですぅ」

金糸雀「いや……、みっちゃんが死んじゃったら嫌かしら…」ウルッ

金糸雀「嫌かしらぁあああ~~~……」ウェェェェェェン!

翠星石「お、落ち着くです!まだ助かるですよ!」

金糸雀「ふぇ?」グスン…

翠星石「病は気から!もとい、心の樹に栄養を与えればいいのです」

金糸雀「あっ!その手があったかしら」

翠星石「さっそく蒼星石を連れてきて心の樹を元気にしてやるですぅ!」


~数分後~


蒼星石「やぁ金糸雀。おじゃまします」

金糸雀「いらっしゃいかしら」

蒼星石「翠星石から話は聴いてるよ。みっちゃんさん大変みたいだね」

金糸雀「うん…」

蒼星石「じゃあ、さっそく夢の扉を開いて彼女の心の樹を整えよう」

翠星石「ですです!」

 
――――みっちゃんの夢の中


みっちゃん「う~ん…、頑張りすぎちゃったかな~…」

みっちゃん「気をつけないと危ないわよねぇ……でも…」ウーン…


金糸雀「みっちゃ~~ん!」ダキッ

みっちゃん「えっ?カナ?」

蒼星石「こんばんは。みっちゃんさん」

翠星石「来てやったですぅ」

みっちゃん「………」ゴゴゴゴ…

みっちゃん「キャーーーー!!翠ちゃん!蒼ちゃん!久しぶり~~~~!!」ギュムッ!

翠星石「グェッ!」

蒼星石「ぅ…」

みっちゃん「ローゼンメイデントリプル抱っこよーーーーーーー!!」スリスリスリスリ

翠星石「ぎゃぁぁあああああああああああっ!!!」

蒼星石「ぁ、あつ…」

金糸雀「ま、まさちゅーせっちゅかしらー!!」

翠星石「はぁ…はぁ…、正気に戻りましたか?」ゼェ…ハァ…

みっちゃん「はい、すみませんでした…」ボロ…

蒼星石「意外に元気そうだね」


金糸雀「みっちゃん、大丈夫?」

みっちゃん「ん?大丈夫よ。さぁて!三人の撮影会を開催しようかしら……あら?」

みっちゃん「道具がない…っていうか、ここどこ?」


翠星石「寝たってより気絶に近いかもしれませんね」

蒼星石「これは危ないかもね」

金糸雀「やっぱり大丈夫そうに見えないかしら…」


金糸雀「えっとね、みっちゃんはお仕事から帰るなりバタンキューしちゃったの」

金糸雀「危険を感じたカナたちは、みっちゃんの夢に入って心の樹を治療しようと思ったかしら」

みっちゃん「あっ!ジュンジュンから聞いたことある。ここが私の夢の中?」

蒼星石「はい、そうです。みっちゃんさんの心の樹を元気にするのが目的です」

みっちゃん「ふぅむ…」

みっちゃん「せっかくだけど遠慮しようかな」

金糸雀「えっ!?」

翠星石「な、なんでですか!?」

みっちゃん「実を言うとね。自業自得なのよね」タハハ…

みっちゃん「実は、夢見ヶ原リリアさんの新作がどうしても欲しくてね」

翠星石「………」

みっちゃん「どうしてもカナに着せたくてね」

金糸雀「みっちゃん…」

みっちゃん「残業多めにやっちゃったのでした」テヘペロ

蒼星石「………」





翠星石「な~んか一気にバカバカしくなったですぅ」

金糸雀「みっちゃんが遠慮したいって思う気持ちも分かるけど…」

蒼星石「必要ないと言っても…。ほら、貴女の樹はもう目の前だ」

みっちゃん「えっ?」

みっちゃん「これが…私の樹?」

翠星石「意外に立派な樹ですねぇ」

金糸雀「さすがみっちゃんかしらー!」


蒼星石「見た感じ少し疲れているようだけど、生命力に満ちている」

蒼星石「僕の鋏で手入れをすれば今より成長する。けど、今回はそれをしない」

蒼星石「翠星石の如雨露で元気を与えるだけ。それならどうです?」

みっちゃん「うぅ~ん…、今回は心配させちゃったもんね。元気が出るだけならお願いしようかな」

蒼星石「翠星石!」

翠星石「がってん承知ですぅ!」スィドリーム

翠星石「スィドリーム。私の如雨露を満たしておくれ。甘ぁいお水で満たしておくれ」

翠星石「健やかにィ~ のびやかにィ~~」


みっちゃん「あ…」

みっちゃん(温かい…この感じは…)

みっちゃん「なんだか…とっても懐かしい…」


翠星石「樹も少し元気になったですぅ」

金糸雀「良かったかしらー!」

蒼星石「さて、そろそろ戻ろうか」

翠星石「はいですぅ」







みっちゃん「うん!なんだか元気が湧いてきたわ!」


金糸雀「みっちゃん、あのね…」

金糸雀「お洋服を買ってくれるのは嬉しいかしら。でも…」

金糸雀「みっちゃんが倒れたら嫌かしら…」ウルウル

みっちゃん「か、カナ…」ウルッ

みっちゃん「カナ~~~~~!!」ダキッ

金糸雀「みっちゃ~~~~ん!!」ダキッ




翠星石「おアツイこったですぅ」

蒼星石「僕たちはお暇しよう」

翠星石「そうですね」

 
次の日

――――めぐのお部屋


水銀燈「やぁ!たぁ!」ギュッギュッ グイッグイッ

水銀燈「めぐ、どぅ?気持ちいい?」

めぐ「あはぁぁぁぁぁぁん!気持ちいいわぁぁぁぁぁ~~…」アハァァァン

水銀燈「変な声出さないでよ」スッスー ノバシノバシー

めぐ「だって気持ちいいんだもほぉぉぉぉ~~…」イイワァ


水銀燈「はぁ…、じゃあ足首いくわよ。梁丘、足三里」グッグッ

めぐ「あっ!ほどよく気持ちいい…」

水銀燈「次に太谿(たいけい)」ギュー!

めぐ「あたた…。ちょっと痛いわよ」

水銀燈「少し我慢しなさい」ギュッギュー

水銀燈「次は足。親指から2cm下が心臓のツボ」ギュー

めぐ「あだだだだだ!!」

水銀燈「まだ治りきってないのかしら?」ググゥ~

水銀燈「心臓は移植できたけど再発の危険もあるし…、健康には気をつけなさぁい」ギュッ ギュー

めぐ「せ、先生!痛いです!!」ギブッ! ギブアップゥ!

水銀燈「あとは肝臓だっけ?」ギュー

めぐ「あっ!そこは気持ちいいわ」ホンワカ



水銀燈「うつ伏せのままでいてね。次は背中よぉ」

めぐ「あぁぁ、水銀燈のおしりが私の背中にぃ!」

水銀燈「変な想像してるんじゃないわよ!///」

めぐ「程よい重さと柔らかさで気持ちいいわぁ」ホッコリ

水銀燈「……肩井(肩の痛いツボ)」グリッ!

めぐ「いだだだだだぁぁああああああああ!!!」

めぐ「すみませんでした」

水銀燈「よろしい!では続けるわよ」

水銀燈「背中をやるわぁ。上から膈兪(かくゆ)、胆兪(たんゆ)、脾兪(ひゆ)、胃兪(いゆ)」グッグッ グッグッ

水銀燈「あらっ?胃が荒れてるけど、ちゃんとご飯食べてるんでしょうねぇ?」グッグッグッ

めぐ「食べてるもん」

水銀燈「これからもしっかり食べるのよ」ギュッ ギュッ

めぐ「はぁーい」



水銀燈「次は服を脱いで仰向けになって」

めぐ「えっ?」

水銀燈「ブラも取るのよ」

めぐ「えっ、えっ?水銀燈ったらいつの間にそんな大胆に…」

水銀燈「マッサージよぉ!」プンスカ

めぐ「脱いだわよ」

水銀燈「じゃあ仰向けになりなさい」

めぐ「うん」

水銀燈「……ここね」サワ…

めぐ「あ…」ピクンッ

水銀燈「前に私が腹パンした場所」

めぐ「私が腹パンしようとしたら逆に腹パンされたんだったわね」クスクスッ

水銀燈「…そうね」

めぐ「あの時は痛かったなぁ。苦しかったなぁ」

水銀燈「黙ってなさいよぉ…」

めぐ(負い目を感じてるんだわ。本当に優しい子)

水銀燈「鳩尾とおへその間。中脘(ちゅうかん)」

水銀燈「ここをマッサージするわね」

めぐ「…うん」

水銀燈「どぅ?めぐ」サスサス

めぐ「なんだかホッとする…」

めぐ「ママが撫でてくれてるみたい…」

水銀燈「………」サスリサスリ

水銀燈「そぅ…」サスサス…

めぐ「水銀燈…」

水銀燈「うん?」サスサス

めぐ「…ありがとぅ」

水銀燈「……」サスサス






金糸雀「……」ジー

水銀燈「ふぅ、これで終わりよ」

めぐ「わぁ!身体がなんだか温かいわ。ありがと、水銀燈」

水銀燈「――ふ、フン///」プイッ

金糸雀「やっほーかしら」ヒョッコリ

水銀燈「きゃっ!」ビクッ

めぐ「あら?金糸雀、来てたのね」

金糸雀「めぐ、お久しぶりかしら!」

水銀燈「ちょっと金糸雀!覗き見してたの!?趣味がいいとは言えないわよ」

金糸雀「ごめんなさいかしら。でも、潜入なんてアリスゲーム以来でワクワクしたわ」

水銀燈「まったく…」ハァ…

水銀燈「で?何しに来たの?」

金糸雀「あのね…」


~説明中~


水銀燈「貴女のマスターがぶっ倒れるって相当ねぇ」

金糸雀「さすがのみっちゃんも無敵超人とまではいかないかしら…」

水銀燈「それで私にマッサージを教わりたいってわけぇ?」

金糸雀「うん!」

めぐ「水銀燈のマッサージは最高だもの。覚えれば疲れた草笛さんをマッサージできるって訳ね」

金糸雀「その通りかしら!」

水銀燈「結論から言うわ。お断りよ」

金糸雀「えっ!?」ガーン!

水銀燈「そもそも貴方にはバイオリンがあるじゃないの」

めぐ「どういうこと?」

水銀燈「この子はね、バイオリンが奏でる音楽でなんでもできるのよ」

水銀燈「攻撃や幻術破りはもちろん、眠りから心の癒しまで色んな効果があるのよ」

めぐ「へー、万能なのね」

水銀燈「技の数だけは姉妹一だからね」

金糸雀「なんだか引っかかる言い方だけど、たしかに多いかしら」

金糸雀「最近では雪華綺晶から幻術も学んでるのよ……じゃなくて!」

金糸雀「カナの能力だけじゃ限界があるのよ。物理的な恩返しをしたいの」

水銀燈「物理的ってなによ?」

金糸雀「翠星石のお料理や水銀燈のマッサージみたいな事かしら」

金糸雀「特にみっちゃんは座り仕事だから肩が凝ったりするらしいの」

金糸雀「カナはマッサージをマスターしたいかしら!」

水銀燈「他を当たりなさいよぉ」

金糸雀「嫌かしら!教えてくれるまで一歩も動かないかしら!」

水銀燈「そういえば、貴女……姉妹一の頑固者でもあったわね」

水銀燈「本当に真紅よりもタチが悪いわぁ」ハァ…

めぐ「水銀燈、教えてあげれば?」

水銀燈「……わかったわよぉ」

金糸雀「ほ、本当かしら!」パァア

水銀燈「ただし!私は教えないわ。私の先生を紹介してあげるからそこで教わりなさい」

金糸雀「えっ?」

めぐ「マッサージの先生?水銀燈にそんなのいたんだ」

めぐ「『呪われた逆十字を背負う私は常に独り』とか言ってたのにね。今では…」

金糸雀「水銀燈…」

水銀燈「ちょ、ちょっとぉ!言わないって約束したじゃないの!!」

めぐ「ごっめーん」テヘペロ

水銀燈「めぐのいじわる!」プクー

水銀燈「金糸雀!行きましょ」

金糸雀「うん!おじゃましましたかしらー」

めぐ「また来てねー。水銀燈も早く帰ってくるのよ」クスクスッ

水銀燈「フン!もう知らない」プイッ

 
――――nのフィールド


金糸雀「水銀燈も良いマスターに恵まれたみたいで嬉しいかしら」ウフフ

水銀燈「どこがよぉ…」

金糸雀「でも、大好きなんでしょ?」

水銀燈「………」

金糸雀「ふふ、少し妬いちゃうかしら」

水銀燈「聞こえてるわよぉ」

金糸雀「カナも水銀燈が大好きだもの。でも、それ以上に二人が幸せそうで嬉しいかしら」

水銀燈「バカなこと言ってないで早く行くわよ!」

金糸雀「はーい!」

 
――――ローゼンの箱庭


水銀燈「着いた。ここにいるわ」

金糸雀「えっ!?箱庭…?先生ってもしかしてお父様のこと?」

水銀燈「違うわぁ。ほら、あそこを見なさいよ」





女王様「クビヲヲ 揉メェェエエエエエエ!!」

ジュン「はいはい。そんな大声出さなくても今やってるよ」モミモミ

女王様「モットォ 揉メェェエエエエエエエ!!」

ジュン「だからやってるだろ!首は完璧に直したから問題ないハズだけどな」モミモミ

女王様「クビィイィィイイイイイイイイイ!!!」

ジュン「うるさぁああああい!!」







金糸雀「先生ってジュンのことだったのね」

水銀燈「えぇ、そうよ」

ジュン「はぁ…、しょうがないなぁ」スゥ…

マイスタージュン「君の首が凝っているのは身体的な疲労からじゃない」

マイスタージュン「原因は精神的な苦痛から。……取っておいたお菓子を食べられたのか」モミモミ

女王様「クビヲヲ 斬レェェエエエエエエエ!!」プンスカ

マイスタージュン「…鎖骨辺りをマッサージするよ?」グッグッ…

女王様「アァァ、ワタシノ首ガァ……、キモチイイ…」ホンワカ

マイスタージュン「鎖骨辺りから徐々に上へ…。君には耳がないけど…、ここだな」グッ…

女王様「ハアァァァァァァ~~ン……」ホワー

マイスタージュン「首の天柱(後ろ髪の生え際)」ギュッ ギュッ

マイスタージュン「そして、背中の心兪(肩甲骨の下の真ん中辺り)も」ググィィイッ

女王様「アァァァァ~…、心ガ洗ワレルヨゥダヮ…」キモチイ~



ジュン「ふぅ…、終わり」

女王様「マエストロ、アリガトウ…心ガ楽ニナッタワ」

ジュン「良かったな」


ジュディカ「首治ったノ?マデュリンお菓子食ベル?」ムシャムシャ…

マデュリン「うン、食ベル。首治っテ良かっタネ」パクパク

女王様「」

女王様「ァ……ア…、ワタシノ…パイ…?」

ジュディカ「ア…ヤバい…」

マデュリン「エっ…?」

女王様「ワタシノパァァァァアアアイィィ!!!!」

ジュディカ「やばイ…!マデュリン逃げヨウ」スタコラサッサー

マデュリン「マ、待っテ、ジュディカ!」ワタワタ

女王様「待テェェェ!!クビヲ斬ッテヤルゥゥゥ!!!」ダダダッ!


ジュン「はは、相変わらず元気なやつらだな」



ジュン「さて…、あれ?」

金糸雀「こんにちは、マエストロ」

水銀燈「フン」

ジュン「二人共来てたのか」

ジュン「ローゼンに会いに来たのか?」

金糸雀「お父様にも後でご挨拶するけど、今日はジュンにお願いがあって来たの」

ジュン「僕に?」

金糸雀「えぇ。実はカナにマッサージを教えてほしいかしら!」

ジュン「マッサージ?なんでまた…。それに僕は素人だよ」

金糸雀「えっ!?じゃあ、さっきのは一体…?それに水銀燈が…」

水銀燈「ちょ、ちょっと黙りなさいよぉ!」

ジュン「水銀燈…?金糸雀、何か勘違いしてるみたいだけど…僕は人形を直すために色々勉強していたんだ」

ジュン「その時に水銀燈と図書館で調べ物をしててさ。何かの参考になるかもと思ってツボや指圧を少し調べたんだ」

金糸雀「そ、そうだったの…」

ジュン「素人の指圧でもマイスターローゼンの力と併用すれば、それなりのものになるって訳だよ」

金糸雀「じゃあ、カナじゃ無理ね…」ショボン…

水銀燈「………」

水銀燈「貴女らしくないわね、金糸雀」

金糸雀「えっ?」

水銀燈「貴女はもっと往生際が悪くて、意地っ張りで頑固で…しつこくて…」

金糸雀「なんだか散々な言われようかしら!?」ガビーン

水銀燈「そして、姉妹一の努力家」

金糸雀「…!」

水銀燈「何度失敗しても不屈に挑戦し続けて、最後には成功する」

水銀燈「自分を信じ、何があっても諦めない。それが貴女の強さ」

金糸雀「水銀燈…」

水銀燈「ジュンが教えてくれなくても貴女は諦めない…そうでしょ?」

金糸雀「そ、そうかしら!カナってば珍しく弱気になってたかしら」

金糸雀「よぉし!マッサージを絶対にマスターするんだから!!」メラメラ


水銀燈「まったく、向上心溢れるドールなんて私には理解できないわぁ。姉妹で一番人間っぽいかもね」

金糸雀「水銀燈、本当にありがとう。カナ、目が覚めたかしら!」

水銀燈「さっさとマッサージなりなんなり教えてもらいなさぁい」

ジュン「ふぅ~ん」ニヤニヤ

水銀燈「な、なによぅ…」

ジュン「しっかりお姉様してるじゃないか。ローゼンも喜んでるみたいだぞ」

水銀燈「あ、あんたはさっさとマッサージ教えてやりなさいよぉ!///」プンスカ

ジュン「じゃあ教えるけど、口で伝えるのもメンドくさいから知識を共有しよう」

金糸雀「えっ?そんな事できるの?」

水銀燈「無理よ。たとえ契約しても何を考えているのか少し分かる程度よ」

ジュン「いや、できる」スゥ…

マイスタージュン「僕ならできる」

マイスタージュン「僕とローゼンメイデンは奇妙な絆で繋がっている」

マイスタージュン「記憶の共有。それは、無意識の海を通して可能なハズだ」

金糸雀「本当かしら?」

マイスタージュン「二人共、僕の手をとって」

水銀燈「えっ?私もぉ?」

金糸雀「わかったかしら!」ギュッ

水銀燈「…しょうがないわねぇ」ニギッ



金糸雀「………」

マイスタージュン「………」

水銀燈「………」



ザアァァァァン…


ザアアアァァァァァァァン!


ざっぱぁぁぁぁぁん!!

水銀燈「わっぷ!み、水!?」

金糸雀「濡れたかしら…」

マイスタージュン「記憶の濁流の波を少し被ったんだ。これで共有された」

金糸雀「たしかに共有されたみたいね。二人の心が入ってくる。でも、ビショビショかしらー!」

マイスタージュン「ほら、二人共」スッ…

金糸雀「あれ?乾いたかしら」

水銀燈「あなたの能力って万能過ぎて意味がわからないわ…」




ジュン「ふぅ…、疲れた」

金糸雀「あ、元に戻ったかしら」

水銀燈「………」

水銀燈「あなたって匂いフェチなの?」

ジュン「えっ?どうして?」

水銀燈「めぐの上履きを嗅ごうとしてたでしょ」

金糸雀「えっ?へ、変態かしら…」

ジュン「わぁああああ!!まったく関係ない記憶まで共有されてる!?」

水銀燈「……」ジトー

金糸雀「……」ジトー

ジュン「ち、違う!思春期特有の気の迷いだってば!本当だよ!その目をやめてよ!」

金糸雀「さて、ジュンをからかうのも程々にしてマッサージをしようかしら」

水銀燈「三人の知識を共有できたけど、大したことじゃなかったわぁ」

ジュン「まぁね。あんまり重い記憶じゃなければ簡単に共有できるんだよ」

水銀燈「ふ~ん」

金糸雀「カナの話も聞くかしら!やり方は覚えたけど練習が必要だと思うの」

ジュン「水銀燈も雛苺で練習したもんな」

水銀燈「そういえばそうだったわねぇ」

金糸雀「相手はみっちゃんかしら。だから同じ人間のジュンがいいんじゃないかしら?」

ジュン「う~ん…、最初は同じ大きさの水銀燈で試した方がいいんじゃないか?」

水銀燈「え゛!?」

水銀燈(金糸雀はドジだし、真紅みたいにミスされたら嫌だわぁ)

水銀燈「ドールには骨もツボも無いし、最初はジュンがいいんじゃないかしらぁ?」

金糸雀「二対一かしら!さあ、ジュン!そこの芝生に横になって」

ジュン「しょうがないなぁ。まぁ、僕も疲れてたしお願いしようかな」ゴロン

金糸雀「それじゃあ、いくわよ!ジュン」

ジュン「あぁ」

金糸雀「まずは肩から揉みほぐしていくわね」モミモミ

金糸雀「そして首の天容(耳の下)と天柱(後ろ髪の生え際)のツボも押して、次は背中」グッグッ

金糸雀「厥陰兪(けついんゆ)、心兪を押していくかしら」背中の上側 グィッ グィッ

ジュン「おっ!けっこう上手いじゃん」

金糸雀「えへへ、そぅ?よぉし…」テレテレ

金糸雀「肩に腕を回してサソリ固めの要領で持ち上げるかしら!」ボキボキボキ!

ジュン「!?」グハァ

金糸雀「そして、背中の真ん中に膝を乗せて全体重と身体を掴んで、押す!」ゴキッ!

ジュン「わっ!」

金糸雀「次は足を折り曲げて伸ばす!」グキィ~

ジュン「うぅ…」ハァ… ハァ…




水銀燈「すごいパワーね…」

金糸雀「ふぅ…、どうかしら?」

ジュン「うん、荒っぽかったけど意外に気持ちよかったよ」

金糸雀「やったかしらー!」ヤッター

水銀燈「ボキボキ鳴ってたわねぇ」

ジュン「あ!そうそう」

ジュン「それについては共有されなかったみたいだから教えるけど、素人はやらない方がいいかもしれないぞ」

金糸雀「えっ!?なぜかしら?」

ジュン「僕も詳しくはないし明確なメカニズムもわからないけど、有力説では関節の気泡が破裂する音なんだって」

ジュン「一時的に血行が良くなるし爽快感も得られるけど、下手にやったら神経を圧迫しちゃうかもしれない」

水銀燈「私達は球体関節だから鳴らないけど、人間も筋肉の緊張が緩和すると鳴らなくなるみたいね」

金糸雀「そ、そうだったのね…。って、全然共有できてないじゃないかしらー!」

ジュン「共有したい記憶だけ共有するとか難しいよなぁ」

金糸雀「開き直った!?」

ジュン「まぁ大体上手だったし大丈夫だろ。みっちゃんも喜ぶぞ」

金糸雀「よぉし!みっちゃんをほぐすかしらー」

水銀燈「終わったぁ?終わったなら私は帰るわ」

ジュン「あぁ、そうだな……ん?」



アレニエ「……」



ジュン「アレニエ、どうした?」

アレニエ「マエストロ、お姉サマ、頭イタイの…」

金糸雀「あら?この子は」

水銀燈「あぁ、あの時の…」

水銀燈「見たところ修復されているみたいだけど、こんな子が私達の故郷に居るなんて気に入らないわね」

水銀燈「まぁ、他の人形も住んでるみたいだし、お父様が許可なされたのでしょうけど…」

ジュン「……ん?……!!」

ジュン「女王のやつ…フラミンゴでアレニエを殴ったな」

金糸雀「あのフルスイングを受けたのかしら!?」

ジュン「すぐ直さなくちゃ…!」


アレニエ「痛イ…!痛イワ!うわァぁぁァァァぁぁん!!」ブワッ!


水銀燈「あらまぁ、手じゃなくて糸を出すようになったのね」

金糸雀「か、感心してる場合じゃないかしら!」

ジュン「くそ!立て続けにマイスターローゼンになったから力が…」

水銀燈「しょうがないわねぇ」バサァ!

金糸雀「待って!水銀燈。あの子はただ痛くて癇癪を起こしているだけかしら」

水銀燈「言うこと聞かないお子様はお仕置きするのが一番だわぁ」

金糸雀「カナに考えがあるの!カナに任せて!」

水銀燈「……わかったわよぉ」



金糸雀(痛みで暴れているのならそれを緩和すればいいかしら!)

金糸雀「いくわよ!癒しのノクターン」


~~♪ ~~~♪~~~♪

アレニエ「あぁ、こレハ…なに?なンだか安ラグ…」

ジュン「金糸雀でかした!これなら…」

マイスタージュン「さぁ、こっちにおいで」

アレニエ「あァぁ…、はイ…」ヨロヨロ…


――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――



アレニエ「すぅ…すぅ…」

ジュン「無事に直って良かった。それにしても女王のやつ…」

金糸雀「何があったのかしら?」

ジュン「ジュディカとマデュリンを追いかけて行ったろ?アレニエは巻き込まれたらしい」

金糸雀「女王様って怒ると見境がなくなるものね…」

ジュン「災難だったな」ナデナデ

アレニエ「くぅ…くぅ…」zzZ


水銀燈「ちょっとぉ!用事が済んだならお父様の所に行くわよ」

金糸雀「そうね!ジュン、色々ありがとかしら!」

ジュン「あぁ、またな」

水銀燈「行くわよ、金糸雀」

金糸雀「またね~」ノシ

 
次の日の夜

――――みっちゃんのマンション


みっちゃん「疲れた~…。残業は極力溜めないようにしたけど、疲れたわぁ…」

みっちゃん「でも、あんまり元気ないとカナに心配かけちゃうもんね」

みっちゃん「ここは元気にいくわよ!」ガチャッ

みっちゃん「カナ~!ただいま~~!!」

金糸雀「みっちゃん、おかえりなさい!」

金糸雀「今日もお仕事ご苦労様かしら!」

みっちゃん「ありがと、カナ♪すぐにお夕飯の用意をするわね」

金糸雀「あっ!みっちゃん待って。今日は大変お疲れなみっちゃんにカナがマッサージしてあげる」

みっちゃん「えっ?マッサージ?カナできるの?」

金糸雀「もちろんかしら!座って座って!」

みっちゃん「カナのマッサージ…楽しみだわぁ」

金糸雀「その前にカナの演奏を聞いてね」


金糸雀(昨日気づいたわ。精神的な安らぎを与えれば、身体の緊張が緩和して少しほぐれるかもしれない)

金糸雀(それに、みっちゃんには心身共に健康でいてもらいたい)

金糸雀(この間は翠星石と蒼星石に任せっきりだったけど、今度はカナが…)



金糸雀「癒しのノクターン(夜想曲)」


~~♪ ~~~♪~~~♪


みっちゃん「良い曲ねぇ」ウットリ

金糸雀「心に元気が出たら次は体を元気にするかしら!」

みっちゃん「お願いしまーす」

金糸雀「いくかしらー」


金糸雀「みっちゃんはお仕事柄目が疲れやすいから目のツボを押すわね」

金糸雀「こめかみを押して…」ギュゥ~

みっちゃん「あたた…」

金糸雀「眉毛と目の間、それと首の風池(耳付近の生え際)も押すかしら」グッグッ

みっちゃん「目に効くぅ~~…」

金糸雀「さらに蒸しタオルで、こめかみをもう一度マッサージかしら」グィ グィ

みっちゃん「あったかぁい…」ホンワカ

金糸雀「さて、首と肩を揉んだら次は背中ね」モミモミ

みっちゃん「うつ伏せになるわね」ゴロン

金糸雀「みっちゃん、OKかしら!」

金糸雀「上からやっていくわね」

金糸雀「うんしょっと、厥陰兪(けついんゆ)、心兪(しんゆ)、胃兪(いゆ)」グッ グッ

みっちゃん「あぁぁ~~…、極楽よ、カナァ~」

金糸雀「手のひらのマッサージも気持ちいいかしら」ニギニギ ギュッ ギュッ

みっちゃん「ホントだぁ。手、気持ちいいわぁ」

金糸雀「次は足。太ももを上から強く摩るように…」グィ~

みっちゃん「おおぅ!」

金糸雀「ふくらはぎはよく揉んで…」モミモミ

みっちゃん「あっ!けっこう痛いかも…」アタタ…

金糸雀「次は足の裏。指を一本ずつぎゅってしていくかしら」ギュッ ギュッ

みっちゃん「あ、足の裏は汚いからやらなくていいのに~」イタタタ…

金糸雀「次は、足の裏の上真ん中から右に曲がっていくように押していくわ」グッ グィィ~~

みっちゃん「あだだだ…!」

金糸雀「あとは、呼吸器系と主要な臓器のツボ」グィィ~~ グィィ~~

みっちゃん「あぁぁあぁぁあああ!!カナ、ギブ!ギブッ!」



金糸雀「ふぅ…、みっちゃんどうかしら?」

みっちゃん「少し痛かったけど足が軽くなったような気がする」

金糸雀「痛くしちゃってごめんね、みっちゃん。でも、次は気持ちいいから」

みっちゃん「充分気持ちよかったよ。カナは疲れてない?」

金糸雀「大丈夫かしら。次はおしりをマッサージするね」

みっちゃん「お、おしり?」

金糸雀「うん、お尻よ」

みっちゃん「お、おしりはなんか恥ずかしいかなぁ~って思うのよ」

金糸雀「でも、おしりってすごく凝るのよ。みっちゃんみたいに座り仕事なら尚更かしら」

みっちゃん「で、でも、カナ~。恥ずかしいし汚いよぉ…」

金糸雀「みっちゃんに汚い所なんてないかしら!そのままうつ伏せでいてね」

みっちゃん「ぅ、うん…」

金糸雀「いくわよ、みっちゃん」

みっちゃん「お手柔らかにお願いします」


金糸雀「まずは、さすって寄せて引き上げるかしら」サワサワ

みっちゃん「あっ…」ピクン

金糸雀「内側と外側に揉みほぐすのよ」モミン モミン

みっちゃん「あぁ、カナ…。なんかイケナイ気持ちになっちゃう」ハァ…ハァ…

金糸雀「イケナイ気持ち? それからカナの全体重で押し込むの」グィッ グィッ

みっちゃん「あ、なんか気持ちいいかも」

金糸雀「でも、それだけじゃ弱いから肘や膝を使うかしら」グリグリ

みっちゃん「おぉぉ!そこ気持ちいいぃ」

金糸雀「おしりのマッサージは腰痛や冷え性に効果があるんだって」グリグリ

みっちゃん「そうなのぉねぇぇぇ~~…んあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~」ンハァァァ

金糸雀「さらに女の人限定で月経の指圧点もあるかしら」グリグリ グッ グッ

みっちゃん「んほおぉぉぉぉぉぉ~~~……」キモチイイ~

金糸雀「どぅ?みっちゃん」

みっちゃん「すごい…。身体軽い!」ヒャッホー

金糸雀「ホント?良かったかしら!」ヤッター

金糸雀「これからは、みっちゃんが疲れを残さないように定期的にやっていくかしら」

みっちゃん「カナ、ありがとう。でも毎回マッサージするのって疲れるでしょ?」

金糸雀「んーん、大丈夫よ。みっちゃんに健康でいてもらいたいから」

金糸雀「みっちゃんの幸せはカナの幸せだもの」

みっちゃん「カナ……カナァァアアアア!!」ダキツキ

金糸雀「み、みっちゃん。愛が苦しい…かしら」ウググ…





みっちゃん「ありがと、カナ。でも、これからはマッサージしあいましょ。カナがマッサージしたら今度は私の番」

金糸雀「えっ?でもそれじゃ、また凝っちゃうかしら」

みっちゃん「大丈夫!それにそっちの方が楽しいわよ」

金糸雀「みっちゃんはそっちの方が嬉しいの?」

みっちゃん「うん!」

金糸雀「じゃあ、次からはそうするかしら」

みっちゃん「よぉし!そうと決まれば夕飯の支度しちゃいましょ!カナ、少し手伝って」

金糸雀「アイアイサー!かしらー」

翠星石「マッサージ…」ボソッ

翠星石「これです!これならジュンと…」

蒼星石「ジュンくんがどうしたの?」ポン

翠星石「うひゃあ!!」ビクッ

蒼星石「わぁ!」ビクッ


翠星石「び、びっくりしたぁ…。蒼星石!脅かすんじゃねぇです!」

蒼星石「それはこっちのセリフだよ。僕もびっくりしたんだから…」

翠星石「…まぁいいです。ところで、金糸雀はどうでした?」

蒼星石「うん、幸せそうだったよ。無事解決したみたいだ」

翠星石「まぁ、あの二人なら問題ないですね」

蒼星石「そうだね」

蒼星石「ところで翠星石」

翠星石「はい?なんですか?」

蒼星石「翠星石もジュンくんにマッサージしてあげるの?」

翠星石「は、はぁ!?ま、まさか蒼星石!翠星石のひとり言を聞いてましたね?」

蒼星石「ん?聞いてないよ(棒読み)」

翠星石「も、もーっ!蒼星石ったら本当にいじわるなんですから…」

蒼星石「ふふ、ごめんね」

翠星石「今日という今日は許さねぇです!待ちやがれですぅ!!」ダダダダッ

蒼星石「追いかけっこかい?負けないよ」タタタッ!



蒼星石(良かったね。金糸雀)

蒼星石(でも、金糸雀だけじゃない)

蒼星石(マスターを想う気持ちは皆持ってる。だから、翠星石も頑張るんだよ)



翠星石「待つです!蒼星石!!」ダダダッ

蒼星石「……」タタタタッ!



蒼星石(そして、僕も…)




翠星石「そ、蒼星石ぃ…待ってですぅ…」ゼェ…ハァ…


~おわり~

本日の投下はここまでです。
全6話予定なので後2話あります。
できれば週1回は投下したいと思っています。


関係ないけど、ローゼンメイデン展行きたい。

酉ミスりました…。

それでは投下していきます。

 
第5話『色々お祝いしたい』



珪孔雀「は、はじめまして、お姉さま方」

珪孔雀「ローゼンメイデン第8ドール、珪孔雀なんだから」

金糸雀「よろしくかしら!」

雪華綺晶「やった!妹ですわ」


蒼星石「少し前まではアリスゲーム後に妹が生まれるなんて思いもしなかったよ」

翠星石「妹って言えば妹なんですが…」

真紅「よろしく、珪孔雀」

雛苺「わーい!妹なのー」

珪孔雀「よ、よろしくお願いします」


水銀燈「………」

水銀燈「ちょっと貴女たち来なさいよぉ」グイッ

金糸雀「ん?」

雪華綺晶「きゃっ」

水銀燈「貴女たちが余計な事するから姉妹が増えたじゃないの」

金糸雀「うん。嬉しいかしら」

雪華綺晶「ついに私も姉ですわ!」

水銀燈「もっとちゃんと止めておくべきだったわぁ」ハァ…

金糸雀「水銀燈も最後は乗り気だったかしら」

水銀燈「ぅ、うるさいわね!///」


水銀燈「協力せざるを得ないでしょ。だって私は…」

 
一年前


金糸雀「………」

水銀燈「………」

水銀燈「えっ?」

金糸雀「だからぁ!カナの対になる姉妹がいてもいいかしら」

水銀燈「対ってなによぅ…」

金糸雀「真紅と雛苺みたいな感じかしら。双子はもちろんだし、水銀燈は雪華綺晶かしら」

水銀燈「はぁ?何を言い出すかと思えば…、本当におばかさんねぇ」

金糸雀「…前から思っていた事なんだから」

水銀燈「それに雪華綺晶は薔薇水晶とセットじゃないのぉ?」

金糸雀「どっちにしてもカナと似てるドールはいないかしら…」

水銀燈「…私にだっていないわよ」

金糸雀「水銀燈は薔薇水晶と雪華綺晶でトリプルかしら」

水銀燈「その二人ならともかく、私はあの子達と似てないわよ」

金糸雀「黒と白。火と雪。対になってるし似てる所もあるかしら」

水銀燈「そんなこと言ったらキリがないじゃないの…」

金糸雀「ローゼンメイデンは7人。だから1人あぶれるのは仕方がないかしら」

水銀燈「その話まだ続くのぅ?」ウンザリ

金糸雀「うん。それに、もう1人姉妹がいてもいいじゃない?」

水銀燈「やぁよ。そもそも私は貴女が生まれたのも気に入らなかったんだから」

金糸雀「ふふ、そんな事もあったわね。懐かしいかしら」



金糸雀「私達は妹ができる度に絶望してきた」

水銀燈「えぇ、そうね」

金糸雀「でも、今は違う。アリスに届かなかったと思い悩む日々は終わったかしら」

水銀燈「関係ないわぁ。世界に必要なのはお父様と私だけだもの」

金糸雀「もうここまで来たら7人でも8人でもいいと思うの」

水銀燈「貴女…、本当に頭大丈夫なの?」

金糸雀「カナは正常かしら。アリスゲームを知らない世代がいてもいいと思わない?」

水銀燈「さぁね」


雪華綺晶「妹…?」ヒョッコリ


金糸雀「あ、雪華綺晶」

雪華綺晶「こんにちは、お姉さま方。妹できるんですか?」

金糸雀「わからないかしら。お父様に聞いてみようと思ってたの」

水銀燈「お父様がそんな願いを聞き入れるはずは…(でも不安になってきたわぁ)」

雪華綺晶「私も妹ほしいです!ばらしーちゃんは妹っていうより私の姉っぽい感じですし」

雪華綺晶「私もお父様の所に行きますわ」

金糸雀「じゃあ、一緒に行くかしら」

雪華綺晶「はい!」


水銀燈「ちょ、ちょっとやめなさいよぉ!」

 
――――ローゼンの箱庭


金糸雀「お父様、なんでカナには対になるドールがいないの?」

ローゼン「7人までが私の限界だったからだよ」

雪華綺晶「妹ほしいですわ!妹ほしいですわ!」グィッグィッ ユッサユッサ

ローゼン「ちょ、ちょっと待ってくれ。引っ張らないで」ガックンガックン

金糸雀「じゃあ…無理なのかしら…」

ローゼン「今の私では もう生み出すことはできないんだよ」

雪華綺晶「妹…ダメなんですか?」ウルウル

ローゼン「…そんなにほしいのか」

雪華綺晶「はい…」コクリッ


ローゼン「………」

水銀燈「お、お父様…?」

ローゼン「わかった。最後の力を振り絞るとしよう」

金糸雀「!」

水銀燈「!?」

雪華綺晶「ほ、本当ですか?」

ローゼン「あぁ」

雪華綺晶「あぁ、嬉しいですわ!」

水銀燈「ちょっとお父様!本気なの!?」

ローゼン「うん」

水銀燈「うそでしょ…」



金糸雀「……」

金糸雀「お父様」

ローゼン「うん?」

金糸雀「今のお父様では生み出すのは無理だと言ったかしら」

ローゼン「あぁ」

金糸雀「お父様が辛い思いをするくらいなら…カナは諦める」

雪華綺晶「お姉様…」

水銀燈「そうよ!金糸雀の言う通りよ。ご無理なさらないで下さい。お父様」

ローゼン「……」

ローゼン「大丈夫だ。正確には私ではない。新しい娘は新しいローゼンが造る」

金糸雀「えっ!?それって」

雪華綺晶「小さいマスターが!?」

ローゼン「前々から考えていたことだ。それに、あの子は受け継いだ。その資格はある」

ローゼン「大丈夫。彼は私とは違う。安心して任せられる」

金糸雀「お父様…」

雪華綺晶「とりあえず、小さいマスターに会いに行きましょう!」

ローゼン「もし彼が覚悟を決めたのなら、私も微力ながら手伝うつもりだ」

水銀燈「えぇ~~~……」

金糸雀「お父様、ジュンにこの事を伝えてもいいかしら?」

ローゼン「あぁ」

金糸雀「わかりましたかしら。行ってきまーす!」

雪華綺晶「お父様、それでは失礼しますわ」

ローゼン「いってらっしゃい」



水銀燈「……」ムスッ

ローゼン「水銀燈。そんなにむくれてどうしたんだ?」

水銀燈「フン!」ツーン

ローゼン「妹が増えるのがそんなに嫌なのかい?」

水銀燈「……」

水銀燈「…私は金糸雀が生まれる前から思っていました」

水銀燈「『世界に必要なのはお父様と私だけ』…と。今だって…」

ローゼン「私の娘、水銀燈。優しいお前なら姉妹の絆の大切さも身に染みているだろう」

水銀燈「私は優しくなんて…」

ローゼン「そんな君だからこそ長女に選んだのだよ」

ローゼン「そう。ローザミスティカは7つに分けたのではない。分かれたのだ」

ローゼン「ローザミスティカは私の中の私の娘そのもの。長い年月を経て私の心は砕けてしまった」

ローゼン「その時から7人造ると決めていた。その一番最初にお前を選んだのは何故かわかるかい?」

水銀燈「……」フルフル

ローゼン「私の娘に…、私の思い描く少女に一番近かったからだ。このローザミスティカには一番最初に体を与えてやりたいと思った」

ローゼン「そして、紛うことなき生を今度こそ与えてやりたかった。たとえ神に逆らってでも…」

水銀燈「それで私に逆十字を…」

ローゼン「みんな私の娘だ。誰もが一番大切だ」

水銀燈「………」

ローゼン「だから新しい娘も同じくらい大切なんだ」

水銀燈「まだ納得できません」プクー

ローゼン「そうか」ナデナデ

水銀燈「ん…」



ローゼン「私はボディの基礎を。彼にはそれ以外をやってもらう」

水銀燈「ジュンがローザミスティカを造るってことですね」

ローゼン「そうだ。だが、一人でローザミスティカを造るのは危険だ。私のように心が砕けてしまうかもしれない」

水銀燈「ジュンが真紅を目覚めさせた時は、元々の真紅の意識が『9秒前の白』にあった。でも今回は…」

ローゼン「そう。無から造るのだ。最も重要な仕事だが、今の私にはそれを手伝うことができない」

水銀燈「では、どうすれば…」

ローゼン「水銀燈、お前たちの少女性を与えるのだ。ローゼンメイデンの皆には女として生み出す者になってもらう」

水銀燈「生み出すって…。それでは、まるで…」

ローゼン「そう。母親だよ」

水銀燈「母!?」

水銀燈「えっ?えっ!?つ、つまり、お父様が『お父様』で私がお、『お母様』ってこと…?」

ローゼン「まぁそうかな」

水銀燈「だ、ダメ!そんな父と娘がそんな…。でもお父様なら…」ゴニョゴニョ

ローゼン「うん。お前たちには姉であり、そして母になってもらいたい」

水銀燈「そ、それならまぁいい…わね?」

ローゼン「新しい娘を一緒に生み出してほしい」

水銀燈「わかりました。私も協力しますわ」

ローゼン「よろしく頼む」

水銀燈「えぇ。この事は姉妹達には…?」

ローゼン「あぁ、伝えて欲しい」

水銀燈「雛苺や雪華綺晶はどんな反応をするのでしょうね」

ローゼン「はは、見ものだな」

水銀燈「もぅ。お父様も案外イタズラ好きですわね」ハァ…

ローゼン「申し訳ない」

水銀燈「ふふ。では、伝えてきます」バサッ!

ローゼン「あぁ、いってらっしゃい」

 
――――ジュンの部屋


ジュン「思ったより早かったな」

金糸雀「ジュンはこの事を知っていたの?」

ジュン「いや、知らなかったよ。ただ覚悟はしてた」

ジュン「ローゼンと再会した時に色んな覚悟を決めたんだ」

金糸雀「…そうだったのね」


雪華綺晶「それにしても私たちが『お母様』になるなんて…」

雛苺「ヒナ、ドキドキするの!」

真紅「みんなで生み出す喜びを知るのだわ」



翠星石「………」

翠星石(ジュンがお父様ってことですよね?そうなると私達は義理の娘…?)

翠星石(それとも、翠星石も『お母様』になるですから、ふ、夫婦ですか!?///)

翠星石「あぁ~~~~!!わからねぇですぅ!」

蒼星石「何がわからないんだい?翠星石」

翠星石「あぁ、蒼星石。なんでもないですよ。ただの考え事ですぅ」

蒼星石「一夫多妻みたいなものだからね」

翠星石「そうですよねぇ。父が二人に母が七人とはとんでもねぇです」

翠星石「って蒼星石!なんで考えてたことが分かったですか!?」

蒼星石「君はわかり易すぎるよ」



水銀燈(そういえば、ジュンも私達のお父様になるのかしら…?)

のり「あらあら。ジュンくんパパになるの?」

ジュン「生きた人形を造るからそうなるのかな?」

のり「まあ!それなら今夜はお赤飯よぅ!」

ジュン「造ってもないのに大袈裟だなぁ」




薔薇水晶「こんにちは」ヤッホー

雪華綺晶「あ!ばらしーちゃん!来てくれたのですね」

薔薇水晶「うん。妹ができるんだって?羨ましい」

雛苺「うん!それにヒナたちは『お母様』にもなるのよ」

薔薇水晶「『お母様』?なにそれすごい」

水銀燈「まぁ、貴女にとっては義理の妹ってとこね」

薔薇水晶「なるほど。楽しみだね」

真紅「えぇ。そうね」



金糸雀「新しい姉妹の誕生はどのくらいかかるのかしら?」

ジュン「わからない。ローゼンと相談してみるよ」

金糸雀「わかったら教えてほしいかしら」

ジュン「あぁ」

のり「よぉし!今夜はご馳走よぅ!みんな食べていってね」


キャー キャー ヤッタノー カシラー
オチツキナサイヨォ… ナノダワ デスゥ




こうして新しいローゼンメイデンの噂は瞬く間に広がったのでした。

本日の投下はここまでです。
続きは明日の夜に投下します。

投下します。

槐「新しいローゼンメイデン!?」ガタッ

薔薇水晶「はい。ジュンとローゼンさんが造るそうです」

槐「なんてことだ…。合作か」

薔薇水晶「造ったら見に来てほしいそうです」

槐「なるほど。これは負けていられないな。僕も後継者を探すとしよう」

薔薇水晶「後継者?」

槐「あぁ、そうだよ。まず一人目はこの子だ」


鳥海「やぁ」


薔薇水晶「」

槐「どうかな?薔薇水晶」

薔薇水晶「や、やめてください!!」

大ジュン「へぇ、新しいローゼンメイデンかぁ。あいつ頑張ってるんだな」

雪華綺晶「えぇ。完成したらマスターにも是非来てほしいそうです」

大ジュン「うん。もちろん行くよ」

大ジュン「それにしても…、あっちの僕は元気にやってるんだなぁ」

雪華綺晶「マスターも頑張っていますわ。演劇に大学、バイトに就職活動だって一生懸命じゃないですか」

大ジュン「まぁね。僕も負けていられないからさ」

雪華綺晶「その粋です」ニッコリ

巴「桜田くんが?」

雛苺「うん!頑張ってるのよ」

巴「そう。桜田くん、扉を広げたんだね」

雛苺「トモエ?」

巴「いえ、元から広がっていたのかな?」

雛苺「トモエ、なんだか寂しそうだわ」

巴「寂しい…のかな?嬉しい反面、桜田くんが遠くに行ってしまうような気がして…」

雛苺「ジュンはどこにも行かないわ。雛苺だってトモエの傍に居るよ?」ナデナデ

巴「えぇ、そうね。どうかしていたわ」

雛苺「トモエ、元気になった?」

巴「うん。ありがとう、雛苺。雛苺は成長したね」

雛苺「ヒナは立派なレディなのよ。常に成長してるんだから!」

巴「ふふ、そうだね」

真紅「……」

ホーリエ「」

真紅「成長とは不思議なものね」

ホーリエ「」ジュン?

真紅「えぇ。最初に出会った頃は『なんて頼りないマスターだこと』って思っていたわ」

真紅「あなたの選んだ人間だもの。信用はしていたわ。…していたけど、疑問はあった」

真紅「この子と私はどこが似ているのかしら?ってね」

ホーリエ「」…

真紅「それに、初めての男の子のマスターだった。人間のオスは下劣だと思ったものよ」ウフフ

ホーリエ「」ナツカシイ

真紅「えぇ、懐かしい。でも、昨日の事のように思い出せるわ」

真紅「私達は似た者同士だった。さすがの人選ね、ホーリエ」

ホーリエ「」ドウイタシマシテ

真紅「……」

真紅「ねぇ、ホーリエ」

ホーリエ「」?

真紅「あなた…、こうなる事がわかっていてジュンを選んだの?」

ホーリエ「」…グウゼンヨ

真紅「そう。まぁ、そういうことにしておくのだわ」


のり「真紅ちゃーん!紅茶の準備ができたわよー」


真紅「さて、行きましょうか。ホーリエ」

ホーリエ「」エェ、ソウネ

翠星石「それでですねぇ。ジュンが新しい姉妹を造るって言うんですよ」

一葉「そうか。もうヒッキーくんとは呼べないな」

蒼星石「マスター…。ジュンくんをそんな風に呼んでたんですか?」

一葉「いやいや、1回だけだよ」

元治「それにしても、ジュンくんは成長したのぅ」

翠星石「元治おじじもそう思うですか?なんか嬉しいような寂しいような…」

マツ「それが成長というものですよ。翠ちゃん」

蒼星石「成長…。僕たちもジュンくんに負けないようにしないとね」

翠星石「わかってるですぅ!」

マツ「でも、焦ってはダメよ。無理しない程度にね」

蒼星石「おばあさんの言う通りだね。僕も無理はしないようにしないと…」

翠星石「そうですよ。蒼星石はすぐ無茶をするんですから」

蒼星石「君には言われたくないよ」

翠星石「翠星石だって蒼星石にだけは言われたくないですぅ!」

蒼星石「聞き捨てならないな」


ギャー ギャー デスゥ!



マツ「うふふ、元気があっていいわねぇ」

元治「そうじゃのぅ」

一葉「やはり、姉妹は一緒が一番ですな」

みっちゃん「なるほどね。やはり神の子だったか」

金糸雀「みっちゃんが目をつけた通りだったかしら」

みっちゃん「あぁ!無理にでもうちのサークルに引き入れておくんだったわぁ…」オヨヨ…

みっちゃん「それにしても…、伝説の人形師。その二代目。新しいローゼンメイデンかぁ」

金糸雀「大丈夫!みっちゃんももっともっと成長するかしら」

みっちゃん「カナ…。そうよね!みっちゃんも負けてられないわ!」

金糸雀「その粋かしら!」


みっちゃん「ところで、カナ。新しいドールはどんな子なの?」

金糸雀「それがまだわからないかしら。カナも姉でありママになるとしか…」

みっちゃん「ん?カナ、なんだって?」

金糸雀「まだわからないかしら」

みっちゃん「最後の方、最後の方」

金糸雀「最後?あぁ、カナはママになるかしら」

みっちゃん「」

みっちゃん「カナ…。ちょっとジュンジュンの所に行きましょ」

金糸雀「? うん、わかったかしら」

めぐ「……」

水銀燈「……」

めぐ「それで?姉になり母となるんですってね」

水銀燈「えぇ、そうよ」

めぐ「貴女のお父様って変態なのね」

水銀燈「へ、変態じゃないわよ!」

めぐ「だって変態じゃないの。実の娘を母にするとかイカレてるわ」

水銀燈「わ、私は人形だからいいのよ!」

めぐ「どうだか…。姉妹全員ママになるんでしょ?とんでもないわね」

水銀燈「そ、それは姉妹全員の力が必要で…」

めぐ「それに桜田くんも居るんでしょ?さすが変態を受け継いだだけはあるわね。みんなバカみたい」

水銀燈「うぅぅ…。それ以上お父様をバカにしてみなさいよ。絶交するわよ…」ウルウル

めぐ「あぁ、ごめんごめん。悔しかっただけなの」コッチオイデ

水銀燈「悔しかったですって…?」グスンッ トコトコ…

めぐ「えぇ。だって悔しいじゃない。私も水銀燈との赤ちゃんが欲しいなぁって思ったの」ナデナデ ヨシヨシ

水銀燈「貴女だって十分イカレてるじゃないの…」

めぐ「でも、こうして水銀燈を抱きしめられるから許しちゃう」ギュッ

水銀燈「めぐ…」ギュッ

ジュン「う~ん…」

ローゼン「苦戦しているようだね」

ジュン「まぁね。でも、突破口はある」

ジュン「ここをこうすると…」

ローゼン「なるほど。考えたな」



ジュン「ふぅ…、休憩にしよう」

ローゼン「あぁ、そうだね。ところで、さっき金糸雀とそのマスターが来たようだが…」

ジュン「あぁ、何か勘違いしてたからちゃんと話しといたよ」

ローゼン「そうか」

ジュン「あと、『ローゼンさん色々教えてね~』だってさ。流石に抜け目ないよなぁ」

ローゼン「面白い人じゃないか。向上心もある。素晴らしいことだ」


ジュン「ところで話は変わるけどさ。前に水銀燈が相手を魅了しだしてね」

ローゼン「………」

ジュン「あれってなんだったの?」

ローゼン「…あれは…」

ローゼン「優しく誰からにも好かれますようにって願いを込めたら…」

ジュン「………」

ローゼン「すまなかった…」

ジュン「い、いや、別に気にしてないよ」


ローゼン「…人生とはうまくいかないものだね」

ジュン「そうだな…」

 
数ヵ月後

――――ローゼンのアトリエ


ジュン「さて、みんな集まったな」


翠星石「来てやったですよ。ジュン」

ジュン「ありがとう。翠星石」


蒼星石「僕にできることがあったらどんな事でも」

ジュン「うん、よろしく頼むよ。蒼星石」


水銀燈「ぱっぱと終わらせるわよ」

ジュン「あぁ、そうしよう。水銀燈」


真紅「さぁ、一肌脱ぐのだわ」

ジュン「おっ!やる気満々だな。真紅」


雛苺「ジュン!ヒナがんばるのよ!」

ジュン「一緒にがんばろうか。雛苺」


雪華綺晶「あの…、うまくできるかわからないのですが…」

ジュン「大丈夫、僕を信じて。雪華綺晶」


金糸雀「準備は出来たかしら♫ マエストロ」

ジュン「よし!始めようか。金糸雀」

マイスタージュン「これが新しいローザミスティカ」パァアアア

マイスタージュン「でも、これだけだと不完全だ。そこでみんなのローザミスティカを合わせる必要がある」

翠星石「……」ゴクリ

マイスタージュン「大丈夫。この場所ならできる。それに僕とローゼンも居る」

マイスタージュン「安心してローザミスティカを委ねて」


翠星石「わ、わかったですぅ」パァアアア

蒼星石「マスターの言葉のままに」パァアアア

水銀燈「失敗したら承知しないわよ」パァアアア

真紅「任せたわよ、ジュン」パァアアア

雛苺「ジュンなら大丈夫なの!」パァアアア

雪華綺晶「えぇ、信じていますわ」パァアアア

金糸雀「…ジュン」パァアアア


マイスタージュン「最後に僕とローゼンの想いを乗せたローザミスティカを中心に…」パァアアア



キィイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!!
 

今日はここまで。

ローゼンメイデン展に行ってきました!最高だった!!

投下します。

真紅「あっ、私達のローザミスティカが戻ってきた」

雛苺「新しいローザミスティカだけ浮いてるの」

マイスタージュン「そう。そして、ここからだ。新たな魂は順番に姉妹の中を巡っていく。まずは…」


パァアアアアアアアアアアア!!

スイ~ッ


水銀燈「えぇっ!?わ、私ぃ?!」

マイスタージュン「まずは水銀燈からみたいだね」


水銀燈「あぁ…」パァアアア

水銀燈「な、なにこれ…。蒼星石のローザミスティカを手に入れた時とはまた違う」

水銀燈「このお腹の温もりは…まるで新たな命を授かったようだわ」パァアアア

水銀燈「あっ、出て行っちゃった…」シュン…


真紅「あっ!次は私みたいね」パァアアア

真紅「ん…、この感じはあの時の…」

真紅「アリスゲームが終わった時…みんなのローザミスティカが入ってきたあの感じに似ている…」パァアアア

真紅「やはり、アリスとは生み出す者だったのね」


雪華綺晶「あ…あ…、わ、私の方に…」アタフタ

雪華綺晶「…ぁん」パァアアア

雪華綺晶「あぁ、これが 命…?」

雪華綺晶「な、なんて温かいのでしょう」ポロポロ パァアアア

蒼星石「おや?次は僕か」

蒼星石「…ん」パァアアア

蒼星石「なぜだろう…。すごく懐かしい」

蒼星石「僕たちもこうして想われて生まれてきたのかな…」パァアアア


雛苺「うん。きっとそうなの」

雛苺「だからね、ヒナもね」パァアアア

雛苺「元気に生まれてきますように。すくすく育ちますように」

雛苺「生まれてくる子のために、お祈りとお願いをするの」パァアアア


翠星石「おっ!翠星石の番ですね」

翠星石「元気に育つですよ。健やかに強かに生きるです!」パァアアア

翠星石「人生へこたれる事もあるでしょうが、負けるんじゃねぇですぅ!」

翠星石「翠星石たちがいつも一緒にいるですからね」パァアアア


金糸雀「最後は私かしら」

金糸雀「私もみんなと同じ気持ちよ。元気に…そして幸せを感じてほしい」パァアアア

金糸雀「いつでもカナたちを頼ってね」

金糸雀「生まれてくるのを待っているかしら」パァアアア

マイスタージュン「よし。ローザミスティカ完成まであと少しだ」

マイスタージュン「僕は残りの工程を行う。みんなお疲れ様」




水銀燈「ふぅ…、疲れたわぁ」

金糸雀「でも良い経験だったかしら」

翠星石「あの感じが妊婦さんに違いねぇですぅ」

真紅「私達は一生妊娠しないと思っていたけど、わからないものね」

蒼星石「お腹は膨らんでなかったけどね」

雪華綺晶「あの感覚…、一生忘れませんわ」

雛苺「ヒナも忘れないわ」


ローゼン「お疲れ様。みんな頑張ったね」

雛苺「あっ!お父様!!」

ローゼン「やぁ、雛苺。完成は三ヶ月後を予定している」

蒼星石「つまり6月に妹が生まれるんですね」

ローゼン「予定だけどね」

金糸雀「楽しみかしら」

雪華綺晶「そうですね」

 
数十分後


水銀燈「さて、お父様もアトリエに戻ったし、帰るわよぉ」

雛苺「待って、水銀燈」

水銀燈「なによぅ」

雛苺「ヒナね、トモエから聞いたの。日本には父の日って行事があるのだって」

水銀燈「あぁ、100年くらい前にアメリカで始まった習慣ね」

翠星石「ふーん、日本の父の日はいつなんですか?」

蒼星石「たしか6月だったと思うよ」

金糸雀「あれ?お父様のお誕生日も6月かしら」※

雪華綺晶「えっ?妹誕生、お父様のお誕生日、父の日、みんな被っているのですか?」

真紅「これは何かお祝いしなくてはね」





※ローゼンのモデルであるデカルトは3月生まれですが、
PEACH-PIT先生のおふたりが6月生まれなので今回はローゼンの誕生日も6月にしました。

水銀燈「アリスゲームが終わってから初めてのお誕生日会よね」

金糸雀「そうかしら。また一緒に二重奏でもしない?」

水銀燈「いいかもしれないわね。久しぶりにピアノの練習もしたいし」

金糸雀「カナと一緒に練習しましょ!」


翠星石「長女次女の音楽コンビ復活ですぅ。翠星石たちはどうしましょう?」

蒼星石「料理を振る舞うのはどうだい?」

翠星石「無難ですがそうしますか」

蒼星石「うん、今度は鍋を焦がすようなヘマはしないよ」

翠星石「当然です!」


真紅「私達は箱庭のお茶会会場の飾り付けでもしようかしら」

雪華綺晶「そうですわね。妹、お父様、小さいマスターをおもてなししましょう」

雛苺「トモエやのりも呼ぶのー!」

 
それから月日は経ち――

――――ローゼンの箱庭


金糸雀「いよいよ今日かしら」

雛苺「父の日過ぎちゃったね」

翠星石「まぁ6月ならいつでもいいです」

蒼星石「気持ちが大事だからね」

水銀燈「………」ソワソワ

真紅「水銀燈、少し落ち着いたら?」

水銀燈「わ、わかってるわよぉ…」

雪華綺晶「無理もありませんわ。素直に妹を歓迎するのはこれが初めてですもの」ソワソワ

真紅「貴女も落ち着いてはどう?」

蒼星石「あっ、来るよ」


扉「」ギィイイ
 

ジュン「やぁ、お待たせ」

ローゼン「ほら、珪孔雀。お前の姉妹たちだよ」

珪孔雀「ひゃ、ひゃじめまひて!け、珪孔雀なんだから…」カッチンコッチン


翠星石「めちゃくちゃ緊張してるですぅ」

蒼星石「キミも負けてなかったよ。翠星石」

雛苺「よろしくね!珪孔雀」

真紅「自己紹介した方がいいわね。ほら、水銀燈。貴女からしなさい」

水銀燈「わかったわよ、うるさいわねぇ」

水銀燈「私は誇り高きローゼンメイデンの第1ドール、水銀燈よ」

珪孔雀「よ、よろしくお願いします。水銀燈お姉様」

水銀燈「えぇ、よろしく」


金糸雀「次はカナかしら!私は第2ドールの金糸雀よ」

珪孔雀「あ…、お母様…」

金糸雀「えっ?」

珪孔雀「いえっ!なんでもないです!よろしくです。金糸雀お姉様」

金糸雀「うん、よろしくね」

翠星石「なんです?新参乙女のくせに金糸雀の事は知ってるのですか。それなら私達の事も当然知ってるですよねぇ?」

蒼星石「せめて僕の後ろから出てきてから言いなよ」

珪孔雀「は、はい。双子の庭師、翠星石お姉様と蒼星石お姉様ですよね」

翠星石「わかってるじゃないですか」

蒼星石「ほら。新しい妹にそんな態度は良くないよ」

翠星石「わかってるです。よろしくですぅ」

蒼星石「よろしくね」

珪孔雀「はい、よろしくお願いします」


真紅「なんでしょうね。貴女とは初めて会った気がしないわ」

珪孔雀「た、たぶん、お姉さま方の中に入っていたから そう感じるのだと思います」

真紅「そう…なのかしら?まぁいいわ」

真紅「私は誇り高いローゼンメイデンの第5ドール、真紅よ。よろしく」

珪孔雀「はい。よろしくお願いします」

雛苺「珪孔雀、はじめまして。そして、おめでとうなの!」

雛苺「第6ドールの雛苺よ。よろしくね!」

珪孔雀「あなたが雛苺お姉様…」

珪孔雀「はじめまして、よろしくお願い致します」


雪華綺晶「あ、あの私…」

珪孔雀「は、はい…」

雪華綺晶「私、第7ドールの雪華綺晶と申します」

雪華綺晶「前までアストラル(霊体)でしたがアリスゲームを経てエーテル(物質)化しました」

雪華綺晶「よ、よろしくお願いします」

珪孔雀「は、はい、こちらこそよろしくお願いします」


珪孔雀「えっと、私も似たようなもので、空想世界のドールなんだから…です」

雪華綺晶「空想世界?」

珪孔雀「はい。私はどこにも居るし、どこにも居ないんだから」

真紅「ローゼンメイデンは皆どこにも居るし、どこにも居ない。でも、彼女は少し勝手が違うようね」

水銀燈「アストラル体ってわけでもなさそうだし」

珪孔雀「は、はい。アストラルではないんだから」

翠星石「どういうことです?ジュン」

ジュン「そこまで特異な存在じゃないよ。第8ドールは空想を糧にするドール」

ジュン「エーテル体だけど自分の意識に左様するんだ」

ローゼン「ローゼンメイデンは空想に近い。どの世界にも居て、どの世界にも居ない。それを特化したドールだ」

ローゼン「言ってしまえば、自分の意識があれば媒介を必要としないという訳だ」

金糸雀「でも、それって途方もない力かしら。充分特異だけど大丈夫なの?」

ジュン「大丈夫さ。空想を操ると言ってもごく僅か。それに、この子の能力は皆とそんなに変わらないよ」

翠星石「よくわからねぇですけど、まぁいいです。それじゃあ、お茶会会場に行くですよ!」

ローゼン「何が始まるんだ?」

ジュン「さぁ?」

 
――――箱庭のお茶会会場


ドールズ「新しい姉妹誕生を祝して、そして、父の日とお父様のお誕生日も祝して、おめでとうございます!!」カシラー デスゥ ナノダワ ナノー

クラッカー<パンパーン!! オメデトー! 


珪孔雀「きゃっ!?」

ローゼン「おぉ!これはすごいな」

ジュン「ローゼンって6月が誕生日だったのか」


雪華綺晶「私たちが飾り付けしたんですよ」

雛苺「ジューン!褒めて褒めて!」

ジュン「あぁ、すごいな」

真紅「私も飾り付けしたのだわ」



みっちゃん「こ、この子が新ドール。どことなく金糸雀の匂いがするわぁ」プルプル

珪孔雀「ど、どちら様なの?」ビクビク

みっちゃん「あぁ、ごめんね。私はみっちゃん。金糸雀のマスターよ」

珪孔雀「お姉様のマスターさん?」

みっちゃん「えぇ、そうよ!あぁぁぁん、スリスリしたいわぁ」ハァハァ…


水銀燈「本当に見境ないわね」

ローゼン「皆さん、よくぞお越しくださいました。私の娘たちを良くしてくれて、ありがとう」

巴「いえ、私の方こそ雛苺に助けられてばかりで…」

オディール「私もです…」

大ジュン「まぁ、僕だって真紅や雪華綺晶に助けてもらってばかりだし」

一葉「私も双子の庭師には頭が上がらないよ」

元治「まったくですな」

マツ「えぇえぇ、そうねぇ」

のり「真紅ちゃんたちが来てくれて毎日が楽しいですよぅ」

めぐ「あなたがローゼン…」

みっちゃん「ローゼンさん!今度いろいろ教えてください!!」


ローゼン「積もる話もありますが、まずは席にお着き下さい」

槐「久しぶりですね、先生」

ローゼン「あぁ、久しぶりだな」

薔薇水晶「こんにちは」

ローゼン「あぁ、こんにちは」

槐「聞きましたよ。新しい人形を造ったそうで」

ローゼン「私は少しだけ力を貸したにすぎない。ジュンくんあってのものだ」

槐「……いつか超えてやりますよ」

ローゼン「人形造りに関しては私と同等の腕前だったと記憶しているが…」

槐「僕はまだ1体しか造っていない。まだまだだ」

ローゼン「そうか」





薔薇水晶「あなたが8人目?」

珪孔雀「は、はい。あなたはたしか…」

薔薇水晶「私はバラリンだよ」

珪孔雀「え…?バラリン?」

バラリン「うん。薔薇乙女の義理の姉妹だよ。よろしくね」

珪孔雀「よ、よろしくお願いします」

 
ワイワイ ガヤガヤ


大ジュン「ふぅ…、演劇もあって最近は宴会続きだな」

ローゼン「……」

大ジュン「うわっ!?び、びっくりした…」

ローゼン「やぁ」

大ジュン「ど、どうも…」

ローゼン「君にも話があってね。順番にマスターの皆さんにあいさつしてきたのだよ」

大ジュン「は、はぁ…」

ローゼン「雪華綺晶のマスターになってくれて、ありがとう」

大ジュン「……」

ローゼン「アリスゲーム。すべての元凶は私だ。父親失格だが、それでも言わせてくれ」

ローゼン「ありがとう」

大ジュン「………」

大ジュン「僕は…」

大ジュン「なんで僕は『まかなかった』んだろうって一時期悩みました」

大ジュン「もしも僕が『まいた』僕だったら、真紅たちを助けることができたんじゃないかって思ったこともあります」

ローゼン「……」

大ジュン「でも、それは間違いで僕は自分で自分の可能性を否定していただけだった。本当はこんな僕でも真紅たちの力になれた」

大ジュン「どっちを選択しても僕は僕だ。やれないことなんて何もない」

大ジュン「世界は無限に広がっている。人形たちはそれを教えてくれたんです。だから…」

大ジュン「僕の方こそ感謝しています」

ローゼン「………」

ローゼン「君でよかった」

大ジュン「えっ?」

ローゼン「娘たちを君の元に送るよう仕向けたのは私だったが、選択したのは君だ」

ローゼン「真紅や蒼星石を造ったのも、水銀燈を呼んだのも…雪華綺晶を受け入れたのも君自身だ」

ローゼン「君は再びローゼンメイデンたちとの繋がりを結んだ。『まいた』んだ」

ローゼン「君だからできたことだ。本当に感謝している」

大ジュン「な、なんか照れますね」



ローゼン「雪華綺晶をよろしく頼む」

大ジュン「はい、わかりました」

鳥海「あなたがローゼン?」

ローゼン「君は…たしか雪華綺晶の…」

鳥海「はい…、まぁその後は知ってると思いますが…」

ローゼン「あぁ。君の人形は私の箱庭に住んでいるんだったね」

鳥海「お、俺の人形たちはどうでした?」

ローゼン「あれはあれで可愛いものだよ。ただ…」

ローゼン「薔薇の女王様にお菓子をあげたら殴られたよ。お菓子が腐っていたみたいだから私が悪いのだが…」

鳥海「そ、そうですか…」


鳥海「あ、あの…」

ローゼン「うん?」

鳥海「俺…、こんな体ですけど…人形師になるのが夢なんです」

ローゼン「うん」

鳥海「ローゼンさんや槐さん、ジュンみたいになれるでしょうか?」

ローゼン「そうだな…」

ローゼン「君次第だ」

鳥海「でも、俺は…」

ローゼン「人形が人形師になって何が悪い」

ローゼン「私や槐だって普通の人間ではないのだよ」

鳥海「!」

ローゼン「それに、さっき大きいジュンくんが言っていたが、世界は無限に広がっている」

ローゼン「君は雪華綺晶が作り出した存在だが、すでに独立して彼女の手から離れている」

ローゼン「君は自由だ。だから、なんでもできるはずだ」

鳥海「俺…次第…」

ローゼン「槐に弟子入りしたのだろう?」

鳥海「…はい」

ローゼン「だったら自分と槐を信じてやってみなさい。槐の腕は素晴らしいものだよ」

鳥海「はい!」

金糸雀「衰えてないわね、水銀燈」バイオリン ~~♪~~~♪♪

水銀燈「まぁね。そういう貴女こそ」ピアノ ♪~~~♪~~♫


めぐ「綺麗な曲ね」

みっちゃん「癒されるね」ウットリ

マツ「銀ちゃんもカナちゃんもすごいわねぇ」ホンワカ

ローゼン「二人共うまくなったな」



翠星石「翠星石と蒼星石の料理も食えです!もっと食べるですぅ」

ローゼン「娘の手料理を食べられる日が来るとはな…」シミジミ

蒼星石「どうですか?お父様、マスター」

ローゼン「あぁ、美味しいよ」

一葉「えぇ、絶品だ」

元治「これを二人が作ったのじゃからたまげたのぅ」

ジュディカ「ハフッハフッ!」ムシャムシャ

マデュリン「ガッつキすギだヨ…」

大ジュン『そう!今度は僕が雪華綺晶を守っていくんだ』


鳥海『もう真似ない。今度は自分自身になろう!負けないぞ、ジュン』




ジュン「…心配なさそうで安心した」ボソッ

巴「桜田くん?」

ジュン「ん?ごめん、なんだって?」

巴「もぅ…。桜田くんはすごいねって褒めてたのに…」

ジュン「えっ?なんだよ、いきなり…」

巴「だって、学校に受験勉強、マイスターローゼンだって…。どれも大変なのに全部こなしちゃうんだもの」

ジュン「それは柏葉も同じだろ?受験勉強と剣道を両立させてるし」

巴「だって、置いていかれたくなかったから…」

ジュン「置いて…?」

巴「…なんでもない」


ジュン「進学先は女子高だっけ?」

巴「んーん、桜高校にしようと思う」

ジュン「僕と同じとこか。女子高はやめたの?」

巴「うん。だって、ずっと一緒にいたいから…」

ジュン「え」

女王様「イイワネェ!青春ッテ素晴ラシイワァア!!」パチパチパチ!!

ジュン巴「!?」ビクッ

雛苺「オディールと薔薇水晶はお父様の日に何をあげたの?」

オディール「キーケースとスマフォ用のストラップよ」

薔薇水晶「水晶のペンダント。あげたら泣いてた」

真紅「どちらもアクセサリー類ね。その手があったのだわ…」

アレニエ「………」

雛苺「アレニエどうしたの?」

アレニエ「ワタしタち、オ、オ父様に、プレゼんト…渡しテない…」ウルッ

雛苺「つ、次のお父様の日にプレゼントすればいいのよ!だから泣かないでー」

真紅「貴女たちのお父様は皆人だったわね。愛されていて幸せ者だわ」

アレニエ「ウん、オ父様、大好き」

薔薇水晶「これは私も負けてられない」

雛苺「ヒナもヒナもー!あっ!そうだわ。お父様にマッサージしてあげよっと!」

真紅「お父様も喜ぶのだわ」

翠星石「ジュン、お疲れ様ですぅ。疲れているでしょうから肩でもマッサージしてあげるです」モミモミ

ジュン「おっ!サンキュー。翠星石」

翠星石「もっと感謝してくれてもいいですよ?」モミモミ

ジュン「調子に乗るなって。でも気持ちいいよ。ありがとう」

翠星石「ど、どういたしましてですぅ///」モミモミ



雛苺「トモエから教わったマッサージよ。どぅ?お父様気持ちいい?」メコメコ…

ローゼン「あ、あぁ、気持ちいいよ(すごく痛い…)」

雛苺「やったのー!じゃあ、もっと強くするなの」メコメコメコメコ

ローゼン「」



珪孔雀「み、皆さん!マシュマロでも食べ…キャッ!」スッテンコロリン

珪孔雀「あ…あぁぁ……、マシュマロがぁ……」ウルウル

金糸雀「大丈夫?マシュマロならいっぱいあるから取ってくるわよ?」

珪孔雀「あ、自分で取ってきます。ありがとう、お姉様」ペコリ

金糸雀「じゃあ、カナも貰いに行くかしら!一緒に行きましょ」オテテ ギュッ

珪孔雀「は、はい///」ギュッ




みっちゃん「な、なんて可愛いの…。カナとケイちゃんって似た者同士だから二人一緒だと映えるわぁ…いいわぁ…」ガクガク

珪孔雀「マシュマロ美味しいんだから」ムグムグ

金糸雀「マシュマロ美味しいかしらー」モグモグ


翠星石「…今回のパーティの主役が影でマシュマロ食ってるんじゃねぇですぅ」

珪孔雀「あ、翠星石お姉様。で、でも、こんなにたくさんの人間の方々とお姉さま方に囲まれたら…ワタシ…」カッチンコッチン

翠星石「何言ってるですか!主役なんですからもう一度自己紹介するですよ」

珪孔雀「えっと…き、緊張してうまくできるかどうか…」

翠星石「いいから来るです!」グイッ

珪孔雀「あわわわ…」


金糸雀「頑張るかしら、珪孔雀」





翠星石「今回の主役の一人、新しいローゼンメイデンの登場ですぅ!」バーン!

ワー ワー カワイー!


珪孔雀「あ、ああの…その…」カッチンコッチン

ジュン「あー、緊張してるなぁ」

大ジュン「あぁ、すごく気持ちがわかるよ」

ジュン「やっぱりか。さすが僕」

大ジュン「うん。大勢の前って慣れないよなぁ」シミジミ

ジュン「だよなぁ」シミジミ

真紅「そう言いながら手を差し伸べようとはしないのね」

水銀燈「何事も経験よ」


珪孔雀「えっと…その…私は、マシュマロが好物なんだから…それで…」

珪孔雀「ドジもしちゃうけど、私は…」

珪孔雀「ローゼンメイデン第8ドール、珪孔雀なんだから!」

ジュン「おっ、吹っ切れたな」

水銀燈「意外と度胸あるじゃないの」


珪孔雀「空想世界のドールで、お父様が二人、お母様でもあるお姉さま方が七人。そして、義理の姉妹たちもいます」

薔薇水晶「私達のことだね」

マデュリン「えェ、そうネ」


珪孔雀「人工精霊のティアドロップもいます」

ティアドロップ「」チッカチッカ

雪華綺晶「!?」

雪華綺晶「人工精霊…いるの?」

珪孔雀「えっ?はい、いますよ」

雪華綺晶「お父様…?」

ローゼン「あの時は人工精霊を与えても取り込まれちゃうと思ったから…」

雪華綺晶「………」

ローゼン「今度作ってあげよう」

雪華綺晶「約束ですからね!」


珪孔雀「えっと、その…、とにかくこれからよろしくお願いします!」

オー! パチパチパチ
ヨロシクデスゥ ヨロシクネー!


ジュン「珪孔雀は特に金糸雀に近いドールだけど、姉妹みんなの想いから生まれたドールだ」

ローゼン「そう。私達だけでなくローゼンメイデン皆が生み出したドールでもある」

ローゼン「娘たちよ、仲良く暮らすのだよ」

ハーイカシラー ナノー!



水銀燈「………」

水銀燈(新しい姉妹を迎える喜び…)

水銀燈(そんな事考えもしなかったし、今だって必要ないと思ってる)

水銀燈(だって、この世に必要なのは私とお父様だけ…だけなのに…)

水銀燈(嬉しいと感じてしまう私がいる…。アリスゲームで絆の大切さを学んだからかしらね…。私も丸くなったものだわ)チラッ

めぐ「ん?どうしたの?水銀燈」

水銀燈「なんでもないわよ」

めぐ「ふふ、変な水銀燈」

水銀燈(新しい姉妹であり、私達の娘でもあるドール。いいわ、祝福してあげる。だって私は…)

水銀燈「私は、ローゼンメイデンの長女ですもの。そうでしょ?お父様」クルッ


めぐ「よくも私の水銀燈に絶望を与えてくれたわね。水銀燈に絶望をプレゼントするのは私だけなのに…」ドスッ ドスッ

ローゼン「うぐっ…お腹にパンチするのはやめて…」

めぐ「あら、そんなにこれがお好き?ならもっとプレゼントしてあげるわ。腹パンをね」ドスッドスッドスッ

ローゼン「」


水銀燈「な、なにやってんよぉおおお!!めぐぅううううううう!!!!」


~おわり~


本日の投下はここまでです。
近日中には最終話を投下できるようにします。

投下します。
リクエスト=レスです。

 
最終話『ラプラスの魔腹パンしたい』



珪孔雀『えっと、その…、とにかくこれからよろしくお願いします!』

オー! パチパチパチ
ヨロシクデスゥ ヨロシクネー!


















ラプラスの魔「」

 
――――nのフィールド


ラプラスの魔「…トリビァル……本当にトリビァル……」

ラプラスの魔「他の演劇を見ていたら私だけハブかれてしまいました…」

ラプラスの魔「席を立っていた私にも非があります。でも呼びに来てもよろしいかと…」

ラプラスの魔「ウサギは寂しいと死んでしまう。皆さんもご存知でしょう?」

ラプラスの魔「なぜ私だけハブられたのでしょうか…?」

ラプラスの魔「噂の第8ドールにお会いしたかったのに…。私もパーティで皆さんと談笑したかったですよ」

ラプラスの魔「アリスゲームは終わったのですから、もう審判ではないのです。一体なぜ呼んでくれなかったのでしょう?」


ラプラスの魔「ふぅむ…」

ラプラスの魔「納得できませんね。これはイタズラ…もといお仕置きが必要でしょう」

ラプラスの魔「さて、どんなお仕置きをしましょうか」ガサゴソ

ラプラスの魔「おっと、リクエストが届いていますね。紹介しましょう」つリクエスト


『エロいマッサージしてほしい』


ラプラスの魔「……次に行きましょう」

ラプラスの魔「お次のリクエストです」つリクエスト


『大人のマッサージ』


ラプラスの魔「……」バサッ


『胸のあたりはリンパの流れが悪くなる所ですので念入りに…』

『胸のあたりはリンパが』

『脇の下から乳房にかけてはリンパが集中しているのだわ』

『リアジュン爆発しろ』



ラプラスの魔「トリビァル!セクシャルなリクエストしかありませんね」

ラプラスの魔「まぁせっかくですし…その方向でお仕置きをしましょう」

ラプラスの魔「そうと決まれば行動あるのみです」

ラプラスの魔「イーニー ミーニー マイニー・モー 神様の言うとおり… クク…ッ」

 
数日後

――――ジュンの部屋


翠星石「めぐを救うために真紅の力を借り、水銀燈はようやくめぐにたどり着いたのです。しかし、悲劇が…」

翠星石「なんと!助ける存在のめぐが攻撃してきたのですぅ!」

珪孔雀「!?」

翠星石「めぐのジェットスクリーム腹パンが水銀燈にヒット!」

翠星石「あまりの威力にお腹を貫通してしまいました」

珪孔雀「は、腹パン怖いんだから…」ガクブル

雛苺「水銀燈かわいそうなの…」

翠星石「結局、めぐと水銀燈は共倒れ。悲劇が続くかに思えたその瞬間!覚醒したジュンが舞い降りたです!」

珪孔雀「お父様が!?」キラキラ

雛苺「ジュンかっこいいのー!」

翠星石「マイスターローゼンとなったジュンは彼女たちを救えるのか…!?次回のアリス神話に続くですぅ」

雛苺「えーー!もっと聞きたいわ!」

珪孔雀「聞きたいんだから!」

翠星石「ダメですよ。続きはまた明日です。それより今日は約束があるんじゃなかったですか?」

雛苺「あっ!そうだったわ。今日は薔薇水晶と遊ぶ約束だったの」

雛苺「珪孔雀、行きましょ!」

珪孔雀「うん!行ってくるんだから~」ノシ

雛苺「行ってきま~す」ノシ

翠星石「ふぅ…、おチビ達の相手は疲れるですぅ」

真紅「あら、翠星石。母親姿が様になっていてよ」

翠星石「な、なんですか!真紅。姉妹の相手をするのは当然のことで…」ゴニョゴニョ

真紅「そういうことにしておくのだわ」

蒼星石「う~ん…、僕は『お姉様』と『お母様』、どちらでもいいけど」

真紅「あの子も気を使って『お姉様』と言ってくれてるじゃないの」

翠星石「やっぱり姉妹同士って事の方が気兼ねしないですぅ」

蒼星石「そうかもね」



ぽわぁん


真紅「あら?鏡の扉が…。誰か来たのかしら?」

蒼星石「僕ちょっと見てくるよ」

真紅「えぇ、お願いね。蒼星石」

真紅「………」

翠星石「………」

蒼星石「………」





女王様「……」

 
――――桜田家リビング


翠星石「ちょ、ちょっと真紅。これは一体どういう事ですか?なんであいつがここに来てるです?」ヒソヒソ

真紅「わ、わからないわ。さっきから喋りもしないでずっと黙っているもの」ヒソヒソー

蒼星石「ちょっと怖いね」ヒッソリ


女王様「………」


翠星石「どうして黙ってるですかね。あれって怒ってるんですか?」

蒼星石「笑ってるのかもよ?」

真紅「笑ってたらそれはそれで怖いのだわ」


女王様「……」ギロッ


翠星石「ひぃっ!」ビクッ

翠星石「や、やべぇですぅ!このままだと翠星石たちは首を斬られてしまうかもしれませんよ!?」ガクブル

真紅「それはまずいわね。雛苺!客人に苺大福を差し上げて頂戴」

蒼星石「雛苺ならさっき珪孔雀と一緒に遊びに行ったじゃないか」

真紅「そ、そうだったわね…。なら、翠星石。客人に紅茶を」

翠星石「りょーかいですぅ!」



女王様「………」

翠星石「翠星石の入れた紅茶でも飲んで落ち着くです」コトッ

女王様「……」ジー

真紅「飲まないわね」

蒼星石「飲まないね」

翠星石「翠星石の入れた紅茶は飲めねぇってことですか!?」

真紅「翠星石。もしかしたら彼女はコーヒー派かもしれないわよ」

翠星石「上等ですぅ!それなら極上のコーヒーを入れてやるです!」




翠星石「いっちょあがりですぅ!」コトッ

女王様「………」ジー

蒼星石「飲まないね」

真紅「飲まないわね」

翠星石「きぃいいいい!!どういうことですか!?」プンスカ


真紅「そういえば貴女、どうして喋らないの?」

女王様「………」

蒼星石「何かショックなことでもあったのかな?」

女王様「!」

真紅「図星のようね」


翠星石「翠星石のスペシャルドリンクとスコーンですぅ!これならどうです?」コトッ

女王様「ア、オ菓子…」

蒼星石「…! 喋った」

翠星石「なぁんだ。お腹がすいてただけですか。脅かすんじゃねぇですよ」

真紅「では本題に入りましょうか。貴女はなぜここに来たの?」

女王様「……」ムシャムシャ ゴクゴクッ

翠星石「た、食べるのに夢中で聞いてねぇです…」

真紅「…丁度いいわ。私たちもお茶にしましょう。翠星石」

翠星石「ちょっと待っていてくださいね。真紅、蒼星石」

真紅「ふぅ…、改めて本題に入りましょうか。今日はどうしたのかしら?」

翠星石「遊びに来たですか?」

女王様「チガウ…」

女王様「実ハ…オ父様トオ母様達ガ…」



―――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――

――――ローゼンの箱庭


女王様「今日モ花々ガ咲キ乱レテルワ」ホンワカ

水銀燈「ちょっと貴女」バサッ

女王様「…ナニ?」

水銀燈「私達のお父様を見かけなかった?」

女王様「見テナイワ」

水銀燈「そう。お父様…どこに行ってしまわれたのかしら?」



金糸雀「こっちには居なかったかしらー」

雪華綺晶「見つかりませんわ」

アレニエ「ウん。いナいヨ」



ジュディカ「コッちにもいナかッタヨ」

マデュリン「どコに行ッちゃッたンダロうね」



ラプラスの魔「おやおや」

ラプラスの魔「おやおや、おやおや」

アレニエ「ア!ウサギさンダ」

金糸雀「あら、ラプラスの魔。お久しぶりかしら」

水銀燈「この際あなたでもいいわ。お父様を見かけなかった?」

ラプラスの魔「…クッ……」

雪華綺晶「ラプラス…?」

ラプラスの魔「ククッ…」

金糸雀「九九?」

ラプラスの魔「クククククククク…!!」

水銀燈「なっ…!?」

水銀燈「あなた!何か知ってるの!?」

ラプラスの魔「えぇえぇ。貴女方の愛しのお父様は私が預かっていますよ」

金糸雀「な、なんでそんなことをするのかしら!?」

雪華綺晶「意味がわかりませんわ」

ラプラスの魔「まずはこちらをご覧下さい」パチンッ



ローゼン「」

鳥海「」



ドールズ「!!??」

水銀燈「いやぁああああああああ!!お父様ぁああああああああ!!!!」

金糸雀「ふ、二人共…亀甲縛りされてるのかしら…」

雪華綺晶「な、なんてことでしょう…」

アレニエ「オ父様…!」


ラプラスの魔「えぇっと…あぁ、そうでした。胸の周りのリンパをマッサージ致します」サワサワ

鳥海「ん…」

ローゼン「ラプラス…気は確かか?」


金糸雀「と、とんでもないことになってきたかしら!」アワワワ…

マデュリン「ナ、ナんとカカししにゃきゃ!」

ジュディカ「オ、オ、オ、オチけつテ!マデュリン」


水銀燈「もう許さない!!!」バサッ!

女王様「クビヲ斬ッテヤルゥウウウウウウウウ!!」ダッ!

ラプラスの魔「おや?来ますか?」ニヤニヤ

亀甲縛り
http://image.news.livedoor.com/newsimage/1/9/19373_650_2011-11-18_023948.jpg

水銀燈「ジャンクになりなさい!!!!」ゴバッ!!

女王様「アアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」ブォン!

ラプラスの魔「トリビァル!それでは足りませんね」フワン


水銀燈「くっ…、攻撃が届かない…!?」

女王様「クビィイイイイイイイイイ!!!!」ブン! ブン!



金糸雀「相手はラプラスの魔…全員で当たらないと勝てないかしら!」

雪華綺晶「お、お姉様…どうしましょう…」オロオロ

金糸雀「カナに考えがあるわ。みんな聞いて!」



ラプラスの魔「おやおや。この程度ですか?こうしている間にも貴女たちのお父様は…」サワサワ モミモミ

鳥海「くっ…や、やめろよ…」

ローゼン「今の私ではどうすることもできないな」

ラプラスの魔「乳首の周りもこねくり回しましょう」

鳥海「うわぁあああぁあああああああ!!」ゾワゾワ

ローゼン「」



金糸雀「あぁぁ、も、もっとすごいことに…///」

雪華綺晶「こ、これは…///」ゴクリ…

水銀燈「…ここまで私を怒らせた奴は過去いないかもね」ゴゴゴゴ…

金糸雀「よし!準備が整ったかしら!」

金糸雀「水銀燈、雪華綺晶!そして、みんな!連携よ!!」

金糸雀「まずは雪華綺晶!幻影でラプラスの視覚を惑わして!」

雪華綺晶「はい!」ウニョン

金糸雀「そして、カナも聴覚から幻に嵌めるかしら!」ピチカート!

金糸雀「幻想のためのソナタ 第三楽章」

~~~♪~~~~♪~~~~~~♫


ラプラスの魔「おやおや、私に幻影など効きませんよ」

金糸雀「アレニエ!今よ!!」

アレニエ「エい!!」ブワッ

ラプラスの魔「ふむ…、糸が絡まって身動きが取れませんね」

ラプラスの魔「!?」グラッ

雪華綺晶「うふふ…」ニョキニョキ

ラプラスの魔「なるほど…、二人がかりの幻術。たしかに強力です」

金糸雀「今かしら!!」


水銀燈「はぁぁあああああああ!!!!」ブワァ!!

女王様「クビィイィイイイイイイイイイイ!!!」ブォン!

ジュディカ「挟ミ撃ち攻撃ヨ!!」

マデュリン「オ父様タちを離しテ!!」



カッ!!!!

ラプラスの魔「ブラボォ!!なんと美しい光景でしょう!」



水銀燈「な、なによ、これ…」

マデュリン「全員…亀甲縛りサレてる…?」

雪華綺晶「そんな…お姉様たちの攻撃が当たったと思いましたのに…」

ジュディカ「あぁ…、ドうシテこうなッタノ…」

金糸雀「っ!?ま、まさか…!!」

ラプラスの魔「気づきましたか。さすが2番目のお嬢さん」

金糸雀「幻影返し。カナたちは幻をかけたと思っていたら逆だった」

金糸雀「幻に嵌っていたのはカナたちだったかしら!」

水銀燈「な、なんですってぇ!?」

雪華綺晶「そ、そんな…。私の幻を破るだけでなく幻を返してくるなんて…」

雪華綺晶「しかも幻に特化している私にまで幻術をかけ…ここにいる全員までも…」

ラプラスの魔「そういうことです。幻に強い。その過信がすでに命取りだったのですよ」



ラプラスの魔「さて、胸の周りはリンパが張っていてとても凝るのです」

水銀燈「う、嘘言いなさいよぉ!」

金糸雀「こ、このままじゃカナたち…」ガクブル

マデュリン「アわわわ…」ガクブル

水銀燈「くっ…」チラッ


ドア「」


水銀燈(nのフィールドの扉に一番近いのは…)

女王様「縄ガ食イ込ムワ…」

水銀燈(いろいろ不安だけど…しょうがないわね)

水銀燈「ハァ!」バサッ! ビュッ!

女王様「ア…縄ガ解ケタ」パラッ

水銀燈「貴女!すぐここから脱出して応援を呼んできなさい!!」

女王様「!」ダダダッ!

女王様「スグ…助ケヲ呼ンデクル!」スゥ…



ラプラスの魔「ふふ…、逃げられてしまいましたね」クククッ…

水銀燈(こいつ…わざと逃がしたの?)


――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――


女王様「――トイウ事ガアッタ」

翠星石「」

翠星石「はぁ!?つまり…えっとぉ…どういうことです!?」

蒼星石「お父様や姉妹たちが亀甲縛りをされてエッチなマッサージをされそうになってるって事かな」

真紅「これは想像以上にとんでもない話だったわね。まさかラプラスの魔がそんなセクハラまがいなことを…」

翠星石「二人共落ち着きすぎですぅ!!ど、ど、どうするですか!?」

女王様「勿論、救出シニ戻ルワ」ムシャムシャ

翠星石「お前はなんで呑気にスコーン食ってるですか!」プンスカ


翠星石「こうしちゃいられねぇです!早く行くですよ!」

真紅「待ちなさい!翠星石」

真紅「薔薇乙女でトップクラスの強さを誇るあの三人がやられたのよ」

真紅「しかも、相手はあのラプラスの魔。私達だけで勝てるかどうか…」

翠星石「うっ…」

翠星石「そ、それなら薔薇水晶たちを呼ぶです!」

翠星石「薔薇水晶は物理攻撃だけなら最強ですからね!」

蒼星石「たぶん…呼びに行ってる時間なんてないよ」

真紅「そうね。こうしている間にも彼女たちは…」

翠星石「あぁ~もう!じゃあ、どうするですか!?」

女王様「私ガ薔薇水晶タチヲ迎エ二行クワ」

翠星石「えっ?おめぇがですか?」

女王様「エェ」

蒼星石「なら任せるよ。僕たちは先を急ごう!」

翠星石「こんな時にジュンが居てくれたら百人力なのですが…」

真紅「仕方がないわ。ジュンは学校だもの。それに…あっちのジュンも就職活動で忙しいでしょうし…」

蒼星石「この時間帯はみんな学校や職場だよ。マスターなしでやるしかない」

翠星石「結局、腹をくくるしかないってことですね?上等ですぅ!」

真紅「貴女は薔薇水晶の所へ」

女王様「エェ、スグ行クワ」

真紅「私達は箱庭に向かうのだわ!」

蒼星石「うん!」

翠星石「よっし!行くですよぉ!!」

 
――――ドールハウスEnju


雛苺「にゃん♪にゃん♪にゃーん♪」つ子猫のぬいぐるみ

珪孔雀「わん♪わーん♪」つ子犬のぬいぐるみ

薔薇水晶「おっと、そこに大型犬登場。ドン!」つワンコのぬいぐるみ

薔薇水晶「ばうわう!ばうわふぅん!グルルル…」つワンコのぬいぐるみ

雛苺「にゃっ!?お、大きい犬さんなの…」

珪孔雀「こ、怖いんだから…わん…」

薔薇水晶「実はこの犬…とっても良い子。本当は仲良くしたい。でもツンデレ」

雛苺「そうだったのね。犬さん一緒に遊びましょ♪」

珪孔雀「遊ぶんだから♪」

薔薇水晶「犬は嬉しくてじゃれつきます。それはもう大喜びです。でも…」

薔薇水晶「わふぅん♪わふぅん♪」ゴロンゴロン

雛苺「きゃー!押しつぶされちゃうのー!」

珪孔雀「私のわんちゃーん!」

薔薇水晶「体格の差がアダになったのでした」

薔薇水晶「幸い子猫も子犬もケガはありませんでした。でも、犬はすごく反省しました」

薔薇水晶「シュン…」ションボリ

雛苺「あ、事故だったんだもの。大丈夫よ」アセアセ

珪孔雀「そうなんだから!子犬ちゃんも許してくれるよね?」つ子犬のぬいぐるみ コクリッ

薔薇水晶「それを聞いた犬は嬉しくて涙を流しました。嬉しくてしょうがなかったのです」

薔薇水晶「こうして三匹はずっと仲良く暮らしたのでした」


薔薇水晶「ばうわう!」

雛苺「にゃーん♪」

珪孔雀「わん!わん!」


薔薇水晶「おわり」




雛苺「面白かったのー!」

珪孔雀「私…なんだか感動したんだから…」

薔薇水晶「よぉーし!次の人形劇は…」


女王様「コンニチワ」ガチャ


薔薇水晶「いらっしゃい」

雛苺「うゅ?女王様も遊びに来たの?」

女王様「違ウノ…。実ハ…――」

女王様「――…トイウ訳ヨ」

薔薇水晶「そんな事が…」

雛苺「みんなその人に捕まってるってことなの?」

女王様「翠星石ト蒼星石、ソレニ真紅ガ向カッタケド相手ハ強大デ…」

珪孔雀「そ、そんなぁ…」オロオロ

薔薇水晶「どうしよう…。お父様は出掛けていて何時に戻ってくるかわからないのに…」

薔薇水晶「せめて白崎が居てくれたら…」

女王様「言イ忘レタワ。敵ハ、ラプラスの魔ヨ」

雛苺「えっ!?」

薔薇水晶「そ、そんな…。こんな事をするような人じゃないのに…」


女王様「真紅タチハ箱庭二向カッタ。ワタシ達モ行コウ」

雛苺「うん!」

珪孔雀「お父様とお姉様たちをピンチから救い出すんだから!」

薔薇水晶「………」

薔薇水晶「珪孔雀はここに残っていた方がいいかもしれない」

珪孔雀「えっ!?バラリンどうして!?」

薔薇水晶「勘だけど…ラプラスの魔は貴女を狙ってるのかもしれない」

雛苺「ほ、本当なの!?」

薔薇水晶「この間のパーティ…白崎だけ居なかった」

女王様「呼バレナカッタ事ヲ根二持ッテルノカモネ」

薔薇水晶「うん。白崎どこに行ったかわからなかったんだもん…」

雛苺「ラプラス行方不明だったから呼べなかったのよ…」


珪孔雀「あ、あの…、じゃあ私はどうすれば…」

薔薇水晶「ここに残ってお父様の帰りを待ってて。そして、この事を伝えて」

薔薇水晶「お父様が居ればなんとかなるかもしれない」

珪孔雀「う、うん。りょーかいなんだから!」

薔薇水晶「よし。私達は箱庭に向かおう」

雛苺「はいなの!」

女王様「急グワヨ!」




珪孔雀「………」

珪孔雀(お父様や姉妹がピンチなのに私だけ安全な場所に居る)

珪孔雀(そんなの耐えられないんだから!)

珪孔雀「そうでしょ?ティアドロップ」

ティアドロップ「」コクッコクッ


珪孔雀「でもね。本当は……怖い…」


珪孔雀「私は…アリスゲームに参加できなかった事に安心してきた」

珪孔雀「お姉様たちの話を聞くと特にそう思うんだから…」

珪孔雀「でも、アリスゲームが終わっても闘わなきゃいけないなんて…」

珪孔雀「闘うのは怖いよ…ここに居たい…」ブルブル

ティアドロップ「」アセアセ

珪孔雀「でも、心の奥底ではそれを『絶対に許さない』って言ってる」

珪孔雀「『行かなきゃ』って言ってる私がいるんだから」

ティアドロップ「」!



珪孔雀「ローゼンメイデンの誇り。それは、『闘うことは生きること』」

珪孔雀「お父様方、お姉様方、私に少しだけ勇気をください」

今日はここまで。
続きはまた明日投下します。

今日はドールズトーク3巻の発売日ですね。
素晴らしい最終巻でした!

投下します。

 
――――ローゼンの箱庭


真紅「あっという間だったわね」

蒼星石「口ほどにもないとはこのことだね」

翠星石「二人共!なんでそんなに冷静でいられるですか!?」

翠星石「翠星石たちも亀甲縛りにされちまったじゃないですか!!」プンスカ

真紅「翠星石…。ここまでくると意外と落ち着くものよ?」

真紅「それはそうとして、まさか箱庭に入った瞬間から幻を見せられていたなんてね…不覚だったわ」

蒼星石「僕のハサミでみんなの縄を切ったと思ったら、気づいたら僕たちも縛られていたからね」

蒼星石「最初は何がなんだかわからなかったよ」

真紅「えぇ、そうね。それにしても…」



鳥海「」

ローゼン「」

水銀燈「……」チッ…

金糸雀「……」ハァ…

雪華綺晶「うぅ…」グスン…

ジュディカ「お菓子食べタイね」

マデュリン「今ハそんなコト言ッテる場合ジャないヨ、ジュディカ」

翠星石「ラプラスの魔!!いないんですか!?いい加減縄を解くです!」ユッサユッサ



蒼星石「みんな吊るされててシュールだ」

真紅「同感だわ」

水銀燈「はぁ…、貴女たちに助けを求めた私がバカだったわぁ」

真紅「なんですって!?私達だって全力を尽くしたのだわ!」

水銀燈「どうだか。速攻で捕まってたら世話ないわねぇ、真紅ぅ」クスクス

真紅「貴女だって捕まってるじゃないの!」

水銀燈「私はけっこう善戦したわよ。それに比べて貴女ときたら…」

真紅「もう我慢できないのだわ。はぁ!!」グググッ…

真紅「ふぅ…、ダメね」

水銀燈「真紅の馬鹿力でも無理なら脱出は無理ね」フゥ…

真紅「どうやらケンカを売ってるようね…!」

水銀燈「そう聞こえたぁ?真紅ぅ」クスクスッ

金糸雀「もう二人共やめるかしらー!無駄な体力は使わない方がいいかしら!」

水銀燈「だって真紅が…」

金糸雀「最初に挑発したのは水銀燈でしょ?この話はもう終わり!」

水銀燈「わ、わかったわよぅ…」

真紅「いい気味なのだわ」クスッ

金糸雀「真紅…?」

真紅「も、もう言わないのだわ」


金糸雀「はぁ…、雪華綺晶だいじょうぶ?」

雪華綺晶「はい…。私は大丈夫ですわ。でも…お父様たちが…」

雪華綺晶「もう見ていられませんわ…」

金糸雀「それには同感かしら…」

水銀燈「そうよ!早くお父様を助けなきゃ!」

蒼星石「ん?君たちは何もされてないのかい?」

翠星石「亀甲縛りをされてるですぅ…」

蒼星石「あぁ、それ意外で」

雪華綺晶「されていませんわ。でも…お父様たちが…」

真紅「お父様たちがどうしたの?」


ラプラスの魔「これはこれは。またもや三人も。飛んで火に入る夏の虫ですねぇ」

翠星石「ラプラス!早くこれを解くです!」

ラプラスの魔「ふぅむ…、3番目のお嬢さんはせっかちでいけない」

ラプラスの魔「それではショーを再開しましょう」

蒼星石「ショーだって?」

ラプラスの魔「えぇえぇ。そうでございます」お胸サワサワ


ローゼン「」ピクン

水銀燈「あぁ!お父様ぁ!!」

翠星石「えっ?えっ?」

真紅「あぁ……なんてこと…なんてこと…」

金糸雀「もうやめるかしらー!!」

雪華綺晶「もうやめてください…!」ポロポロ

蒼星石「ラプラスの魔…!なんて恐ろしいやつなんだ!」



ラプラスの魔「私もずいぶん嫌われたものですねぇ」モミモミ

ローゼン「ぐっ…、ラプラス…。私はどうなってもいい。だから娘たちだけは…」

ラプラスの魔「おやおや、何か勘違いをしていますね。私はマッサージをしているだけ」モミモミ

ラプラスの魔「胸の周りは凝りやすいですからね。クククッ…」モミモミ

ローゼン「」




薔薇水晶「そこまでだよ!」

雪華綺晶「ば、ばらしーちゃん!!」

真紅「薔薇水晶!」


薔薇水晶「やっほー。助けに来たよ」

雛苺「ヒナたちもいるのよ!」

女王様「ミンナ…、間二合ワナカッタミタイネ」


翠星石「間に合ってますよ!?ギリギリセーフですぅ!」

金糸雀「三人共!幻に気を付けるかしら!」


薔薇水晶「まぼろし?」

ラプラスの魔「えぇえぇ、知っていますよ。紫の薔薇のお嬢さん」

ラプラスの魔「貴女には2番目と7番目の薔薇以上に幻に耐性がある。いえ…」

ラプラスの魔「まったく効かないのでしたね」

薔薇水晶「お父様が言ってた。きらきーが最高の精神攻撃だったから、私を最高の物理攻撃にしたって」

薔薇水晶「当時のお父様が最も警戒していたのがきらきーだった」

薔薇水晶「お父様は、ローゼンさんがきらきーを造ってる所を忘れられないって言ってた」

薔薇水晶「この能力はきらきーとも闘うことを想定して付けられたもの」

雪華綺晶「……」

薔薇水晶「結局、この力を使うことはなかったけど…ようやく役に立ちそうだよ」


薔薇水晶「私は如何なる幻影も通さない」

ラプラスの魔「ブラボォ!!なんとも素晴らしいセリフ!かつての敵を倒すための力。それをその相手を助けるために使う…!」

ラプラスの魔「なんと素晴らしく 感動的な場面でしょう!」パチパチパチ!!

薔薇水晶「今だよ!雛苺」

雛苺「はいなの!」バッ

ラプラスの魔「おっと!これは…苺わだちですか」グルグル ギュッ!

雛苺「ここはヒナたちの故郷よ!マスターがいなくてもパワーアップされるんだから!」

ラプラスの魔「ふむ…、紫のお嬢さんの効果で貴女たち二人にも幻が通じませんね」

ラプラスの魔「6番目のお嬢さん。どうせなら皆さんと同じ亀甲縛りにしてくれませんか」

雛苺「うぃ?きっこう?」

翠星石「ち、チビ苺は知らなくていいです!!」


薔薇水晶「はっ!」ビュッ!


雪華綺晶「! 縄が…!」パラッ

水銀燈「お父様ぁ!!」バッ

ローゼン「あぁ、水銀燈…私は大丈夫だ…」グッタリ

アレニエ「オ父様…大丈夫…?」

鳥海「うん、僕も大丈夫だよ。アレニエ」



真紅「お父様…良かった…でも、あなたは許せないわ。ラプラスの魔!」

ラプラスの魔「クククッ…」

真紅(この状況でこの余裕…?)


翠星石「チビ苺!苺わだちを緩めるんじゃねぇですよ!」

雛苺「はいなの!」

蒼星石「よくもやってくれたね。ラプラス、君の耳を切り裂いてあげようか?」ジョキッジョキッ

金糸雀「どうやら貴方はまだ姉妹の誰も見たことがないカナの本気を…見たいようね」ゴゴゴゴ…

水銀燈「もういいわぁ…私が燃やしてあげる」メラメラ

翠星石「翠星石は本来ケンカは嫌いですけど…おめぇは許さねぇですぅ」スイドリーム!

雪華綺晶「ずぅぅっと廻ってもらいましょうか」キィィィン


ラプラスの魔「これは大ピンチですねぇ」


真紅(この余裕は…一体なに?これは何かあるわね。警戒しないと…!)

真紅「みんな… ラプラスの魔「トリビァル!!」ブワッ!

真紅「しまっ…!」

真紅「こ、これは…雪華綺晶の……色は違うけど…」

雪華綺晶「私の花弁よりも力強いですわ!」ググッ…

薔薇水晶「助けに来た私まで捕まっちゃうなんて…みんなごめんね…」

雪華綺晶「そ、そんなことありませんわ!ばらしーちゃんが助けに来てくれて嬉しかったです…!」

雪華綺晶「それに、さっきのお話し。本当は私たちと闘いたくなかったのでしょう?」

雪華綺晶「私はいつでも、貴女を信じていますよ。ばらしーちゃん」

薔薇水晶「きらきー…」

翠星石「あー、もう!見つめ合ってる場合じゃねぇですぅ!」


金糸雀「あのラプラスの魔だもの…。余力は十分に残してると思ってたけど…油断したかしら」

女王様「マタ捕マルナンテ…」

水銀燈「今この花弁を燃やしたら大惨事になるわね」

真紅「ちょ、ちょっと水銀燈!やめてちょうだい!」

水銀燈「わかってるわよぉ」


ラプラスの魔「私の用意した花弁は飲み込みません。心配なさらぬよう」

翠星石「誰がお前の言う事を信じるですか!」

雛苺「うゅ…。でも、お父様やアレニエたちも身動きがとれないみたいなの…」

蒼星石「万事休すか…!」




珪孔雀「そこまでなんだから!!」

金糸雀「珪孔雀!?」

薔薇水晶「やっぱり来ちゃった…」


ラプラスの魔「これはこれは…。はじめまして、水色の薔薇のお嬢さん。お会いしたかったですよ」

珪孔雀「ウサギさんってことは貴方が…」

ラプラスの魔「えぇ、そうです。ラプラスの魔とお呼びください」

珪孔雀「あなたがあの…ラプラスの魔さん…」

ラプラスの魔「はい、そうです。さん付けはけっこうですよ。8番目のお嬢さん」

珪孔雀「たしか…アリスゲームの審判をしていた人で、お父様の古いお友達。アリスゲームの始まりを告げた人」

ラプラスの魔「ブラボォ!その通りです。私のことを知っていてくれて嬉しい限りですよ」

珪孔雀「あの…なぜこんなことをするの…?」

ラプラスの魔「ふむ…、どこから話せばよいのやら…」

ラプラスの魔「ウサギは孤独だと死んでしまうのは知っていますか?」

珪孔雀「え…?死んじゃうの?」

ラプラスの魔「えぇえぇ、そうですとも」ニヤニヤ




蒼星石「いけない!ラプラスのペースだ。翻弄されてしまう」

翠星石「でも、何故かこっちの声はあっちに聞こえないみたいですぅ…」

雛苺「うゅ…」

金糸雀「……」

ラプラスの魔「私は寂しがり屋なのです。誰かが相手をしてくれなければ消えてしまう」

珪孔雀「うん、わかるんだから。私も寂しがり屋だから…」

ラプラスの魔「わかってくれますか!嬉しいですよ」フフフ…

ラプラスの魔「やはり私と貴女の本質は似ていますねぇ」

珪孔雀「?」


ラプラスの魔「私は夢か幻か。いえいえ、確かに存在しているのです」

ラプラスの魔「いるけどいない、いないけどいる。貴女もそうでしょう?」

珪孔雀「たしかに似てるかもしれないわ。でも、本題がズレてるんだから!」

珪孔雀「あなたは何故こんな事をしたの?」

ラプラスの魔「おや、新しいお嬢さんもせっかちでいけませんねぇ」

ラプラスの魔「では、お教えしましょう。先ほども言いましたが、兎は寂しいと死んでしまうのです」

ラプラスの魔「退屈を嫌うウサギがパーティに招待されなかったら、どうします?」

ラプラスの魔「イタズラを仕掛けたくなるのは人の性」クククッ…

珪孔雀「そういえば、この間のパーティには居なかったんだから」

ラプラスの魔「そう!その通りです。水色のお嬢さん」

珪孔雀「あ、あの…、パーティに招待できなくてごめんなさい…」

ラプラスの魔「いえいえ、貴女もパーティの事は知らなかったでしょう」

ラプラスの魔「貴女はいいのです。貴女は」

ラプラスの魔「しかし、あちらにいるお嬢さん方は許しませんよ」

ラプラスの魔「ウサギは意外とねちっこいのですから。ククッ…」

珪孔雀「そ、そんな…」

珪孔雀「どうしたらやめてくれるの?」

ラプラスの魔「やめるのなら最初から行わないのが道理でございます。もしも止めたいのでしたら、力尽くがよろしいかと」ペコリ

珪孔雀「ち、力ずく…?」

ラプラスの魔「そう!力ずくです!!アリスゲームの時のように咲き乱れるのです!」

珪孔雀「そ、そんな…」

ラプラスの魔「さぁ、どうしますか?8番目のお嬢さん」

ラプラスの魔「  たたかいますか   たたかいませんか  」


珪孔雀「うぅ…」ブルブル

真紅「なんてことを…!あの子はアリスゲームを知らない世代なのに…」

雪華綺晶「あぁ…どうしましょう…」

雛苺「でも、ラプラスの魔もなんかかわいそうなの…」

水銀燈(ラプラス…?いいえ、考えすぎよね?)チラッ


ローゼン「」グッタリ


翠星石「珪孔雀…」オロオロ

薔薇水晶「……」

蒼星石「どちらにしても、彼女ではラプラスには…」

金糸雀(…みんなも感づき始めてる。ラプラスの魔はもしかして…)




ラプラスの魔「さぁ、どうしますか?」

ラプラスの魔「  たたかいますか   たたかいませんか  」

珪孔雀「私は…」


『 闘うことって 生きるってことでしょう? 』


珪孔雀「私は…!」


『 生きているわ 闘っているから それがローゼンメイデンの誇り 』



珪孔雀「“たたかう”んだから!!」


ラプラスの魔「ブラボォ!!強い気持ちを感じました」

ラプラスの魔「まるで坊ちゃん…貴女は貴女のお父様によく似ている」フフ…

短いですが今日はここまで。続きはまた明日投下します。

それでは投下します。

ラプラスの魔「さて、それはそうと…どうするのですか?」

珪孔雀「うぅ…、怖いけど……ティアドロップ!」

ティアドロップ「」パァアアア

ラプラスの魔「おぉ!無数の水色のリボンが現れましたよ」

珪孔雀「これで貴方をグルグル巻きにするんだから!」

ラプラスの魔「ほぅ!これはなかなか…」グルグル

珪孔雀「今のうちにみんなを救出するんだから!」

ラプラスの魔「おっと残念。こっちですよ」

珪孔雀「あ、あれ?な、なんで…?捕まえたはずじゃ…」

ラプラスの魔「あれは私のビジョンです」

ラプラスの魔「そして私もね」




翠星石「うわぁ…、ラプラスの魔がいっぱいいるですぅ」

真紅「分身…?いえ、あれは…」

雪華綺晶「はい。映像に近いと思います。でも、彼なら分身も容易かと…」

水銀燈「手を抜いてるってことね」ギリッ…

金糸雀「カナのバイオリンなら打ち消せると思うけど…」

女王様「全部叩キ潰シテヤリタイィイイイ!!」キー!


ジュディカ「」zzZ

マデュリン「ジュディカ…起きナきャダめだよ…」

珪孔雀「こ、こうなったら全部捕まえてやるんだから!ティアドロップ!!」パァアアア

ラプラスの魔「おっと、これはすごい。全員捕まってしまいましたよ」

ラプラスの魔「でも、いいのですか?マスターがいない貴女がそんなに力を使っては、薇がすぐ切れてしまう」

珪孔雀「私は幻想世界のドール!マスターなしでも私自身の思考が途切れない限り…ほぼ無限に力を使うことができるんだから!」ゼェ…ハァ…

珪孔雀「あなたならご存知でしょ?」ハァ…ハァ…

ラプラスの魔「えぇえぇ、知っていますよ。私と貴女は同じ力を使っているのですから」

ラプラスの魔「しかし、お嬢さん。力は無限でも体は有限ですよ」

ラプラスの魔「見たところお疲れのご様子」

珪孔雀「でも…全部…捕まえたんだから。今なら………っ!!」ハッ!

珪孔雀「そこなんだから!!」ビュッ!

ラプラスの魔「おぉ!よくわかりましたね」グルグル

珪孔雀「あっ!映像じゃない!?あなたが本体ね!」




雛苺「本体を捕まえたみたいなの!」

アレニエ「私ヤ雛苺ノ能力に似てるネ。相手ヲ捕まエルとコとか」

蒼星石「うん。でも、油断は禁物だよ」

珪孔雀「硝子の向こうにお姉様たちが…」

珪孔雀「お姉さま方!救出に来たんだから!」ドンドン!


金糸雀「花弁に捕まっていなければ…こんな硝子なんて…」ググッ…


珪孔雀「待っててください!今どうにかして硝子を…」


薔薇水晶「!?」

雪華綺晶「ケイちゃん!!後ろですわ!」


珪孔雀「お姉様…?なんですか?聞こえない…」

珪孔雀「後ろ…? えっ!?」




ラプラスの魔「これはどうも。お久しぶりです」

珪孔雀「ど、どうして…?たしかに本体は捕らえたハズなのに…」

ラプラスの魔「あぁ、あれですか?」

ラプラスの魔「あれは私に限りなく近い分身です」



雪華綺晶「くっ…、やっぱり分身もできましたか」

薔薇水晶「幻とも違うみたいだね。実体がある」

翠星石「か、影分身ですか!?もうダメです!珪孔雀、逃げるです!」



ラプラスの魔「さぁ、どうしますか?分身は増える一方。諦めますか?」

珪孔雀「私は…諦めない!最後まで闘うんだから!!」

珪孔雀「ティアドロップ!!空想でさらにリボンを増やして!」バッ!

ラプラスの魔「それ以上は危険ですね。いいでしょう。及第点です」グルグル

珪孔雀「ど、どう…なんだから…」ハァ…ハァ…

ラプラスの魔「素晴らしい。すべての分身たちを捕縛するとは…」

珪孔雀「また…、分身…?」ハァ…ハァ…

ラプラスの魔「よく頑張りましたね。チェックメイトです」スッ…

珪孔雀「きゃっ!」





槐「……」

珪孔雀「あ、あれ?」

ラプラスの魔「ブラボォ!絶妙なタイミングです!まさか貴方が来るとは……槐」

槐「僕が来ることは気づいていただろう?とにかく間に合ってよかった」




薔薇水晶「お父様かっこいい…。まるでお姫様を守る王子様のようだった」

雪華綺晶「すごく良いタイミングでしたわ」

雛苺「槐かっこいいのー!」

真紅「たしかに良い紳士っぷりなのだわ。さすがお父様の一番弟子ね」

翠星石「翠星石もいつかあんな風に助けてもらいたいですぅ」キラキラ

蒼星石「あっ! 翠星石、どうやら僕たちの王子様も来たみたいだよ」

翠星石「えっ?」

珪孔雀「バラリンのお父様!助けて頂いてありがとうございます」ペコリ

槐「あぁ、僕こそ遅くなってすまなかった。この書き置きは君のだね」ペラッ

珪孔雀「はい、一大事だったので…」

槐「感謝するよ。 よくも僕の娘を花まみれにしてくれたな。白崎…いや、ラプラスの魔!」

ラプラスの魔「何を言っているのですか。貴方もああいうのはお好きでしょうに」

槐「変態のお前と一緒にするな」

ラプラスの魔「おやおや、これは手厳しい」クククッ…

ラプラスの魔「しかし、槐。あなた一人ですか?あなたでは私には勝てませんよ」

槐「たしかに僕たけでは勝てないな」

槐「だが、この状況ならどうだ?」

ラプラスの魔「この状況…というと?」

槐「お前ほどの奴が気づかないとは…、ローゼンに選ばれただけはあるな」

ラプラスの魔「……?」

ラプラスの魔「…!」ハッ!





マイスタージュン「……」

マイスタージュン「……」

ラプラスの魔「これはこれは…、坊ちゃん」


ローゼン「やってくれたな……ラプラス」

鳥海「覚悟は出来てるんだろうな?」

槐「どんな理由があるかは知らないが…今夜は晩飯抜きだ」


ラプラスの魔「マエストロが4人…。それに…」



金糸雀「よくもやったわね!ラプラスの魔!」ピチカート!

水銀燈「お父様に働いた狼藉…万死に値するわぁ」メイメイ!

真紅「許せないのだわ」ホーリエ!

雪華綺晶「さすがにイタズラが過ぎますわ」

薔薇水晶「冗談が通じないイタズラはいくない…」


アレニエ「お父様…気丈二振舞っテルけど、足ガ震えテル…」

マデュリン「相当なトラウマダッたンだロウね」

ジュディカ「ウサギ許せナイね」

女王様「クビとシャッポヲ引キチギッテヤルゥウウウウウウウウ!!」

ラプラスの魔「多勢に無勢ですね。私の負けです」

ジュン「潔いな。なんでこんな事をしたんだ?」

ラプラスの魔「いいでしょう。お話し致します。ウサギはお喋りな動物なのです」

ジュン「お前限定だろ」


~説明中~


ジュン「えーっと…、無駄に話が長かったから省くけど…」

ジュン「要はパーティに招待されなかったから拗ねたってことか?」

ラプラスの魔「そうです」キッパリ

翠星石「そ、そんな理由で翠星石たちはあんな恥ずかしめを受けたですか!?」プルプル

蒼星石「正気の沙汰とは思えないな」

真紅「一発殴っていいかしら?」

水銀燈「あら、奇遇ね。私も殴りたくてしょうがないわ」



アレニエ「オ父様…大丈夫…?」

鳥海「だ、大丈夫だよ。アレニエ」ガクブル

マデュリン「オ父様…かワイそう…」

ジュディカ「完全にトラウマにナッテるジャん」

薔薇水晶「私がやってもいい?水晶でドスっと…」

金糸雀「い、いくらなんでも水晶の剣はまずいかしら…」

水銀燈「………(嫌なこと思い出しちゃったわぁ…)」ブルッ


真紅「じゃあ、まずは私がお仕置きをするのだわ。覚悟はよろしくって?ラプラスの魔」

ラプラスの魔「麗しの真紅嬢からのお仕置き。受けないはずはありません」

槐「本当に変態なんだな…」

真紅「いい度胸ね。いくわよ!」

雛苺「待ってなの!!」バッ

珪孔雀「待ってなんだから!」バッ

真紅「そこをどきなさい!二人共!」

雛苺「待ってほしいの!ヒナ…ラプラスの気持ちもわかる気がするわ」

雛苺「一人ぼっちは……本当に辛いから…」

真紅「ひ、雛苺…」

珪孔雀「それと、さっき金糸雀お姉様からこんなお話をお聴きしたんだから」

珪孔雀「もしかしたら、ラプラスさんは私に闘う大切さ…生きていく力強さを教えようとしたのかも…と」

金糸雀「…みんなも少なからず そう感じたんじゃないかしら?」



ラプラスの魔「おやおや…、そう捉えましたか。これが私の単なるイタズラとは思わないのですか?」

槐「お前は無駄な事を好むが…本当の無駄なんてこの世にはない」

槐「その無駄に思える行動も何かしらの理由があるのだろう?白崎」

ローゼン「私も同意見だ。だが、今回は本当に縁を切ろうかと思ったぞ。古き友よ」

ローゼン「見ろ。彼などまだ震えているじゃないか」


鳥海「」ガクブル


翠星石「普段だったらいい気味だと思っちゃうですけど…流石に気の毒ですぅ」

雪華綺晶「あぁ…、ラプラスのセクハラでこんなに怯えてしまって…」オロオロ

ジュン「大丈夫だ。今の鳥海なら自分自身を直すこともできると思う」

ローゼン「ふむ。それで、今回の件はどうするのかね?」

ジュン「みんなの意見をまとめると…今回のことは、ラプラスがパーティに招待されなかった事による仕返し」

ジュン「珪孔雀を闘わせることで生きる力を付けさせる事。ラプラスなりのプレゼントって訳か」

ジュン「最後は、単に暇だからイタズラしたかった。大きく分けてこの3つだな」

真紅「アリスゲームを知らないこの子に、闘うことで一人前の薔薇乙女にしようとしたって事なの?ジュン」

ジュン「そうだと思うよ」

翠星石「えー…、本当ですかぁ?」

ジュン「あぁ、たぶんな」



ローゼン「お前は万能だが…相変わらず変な所で不器用だな」

ラプラスの魔「不変などありません。それこそ不変なのですから」

ローゼン「良くも悪くも 簡単に変わるものではない…か」

 
ワイワイ ガヤガヤ
ソレガイイノダワ 満場一致デスゥ


金糸雀「じゃあ、薔薇乙女代表で水銀燈にお願いするかしら」

水銀燈「えぇ、いいわよ」



水銀燈「私達の娘のために悪役を買って出てくれたことも解った」

水銀燈「貴方が見つからないままパーティを進めてしまった事にはこっちにも非があるものね」

水銀燈「いいわ。お礼としていいことしてあげる」

ラプラスの魔「いつぞやの時に聞いたセリフですね」

水銀燈「えぇ。あの時も似たような事をしようと思ってたわぁ」

水銀燈「さぁ、近くに来て…目を閉じて頂戴」

ラプラスの魔「これでどうです?」スッ…

水銀燈「いいわね。…いくわよ」

水銀燈「はぁ!!!!」ドッゴォン!!

ラプラスの魔「ぐはぁ!!」ゲフッ!




雪華綺晶「やっぱり腹パンは怖いですね…」

珪孔雀「怖いんだから…」

雛苺「恐ろしいの…」

ラプラスの魔「ぐふっ…!こ、これのどこがいい事なのですか…?」ガクッ…

水銀燈「真紅の腹パンじゃなかっただけでも有難いと思いなさいよ」

真紅「失礼しちゃうわね」


ラプラスの魔「あの…1つよろしいですか?」

水銀燈「…なによ」

ラプラスの魔「貴女は前にも『教えてくれたら いい事してあげる』と仰っていましたね」

水銀燈「……」

ラプラスの魔「教えたら何をするつもりでした?」

水銀燈「教えても教えなくても同じよ。両耳を引き抜いていたわ」

水銀燈「すぐに移動しちゃってできなかったのが残念だったわ」ニヤリ

ラプラスの魔「ククッ…、やはりそうでしたか」

水銀燈「優しい姉妹たちに感謝することね。お父様をあんな目に合わせて…」

水銀燈「本当なら全員で袋叩きにするところよ」

金糸雀「そ、そんなことしないかしら!」


水銀燈「今回は私が代表で貴方に罰を与えたってことよ」

ラプラスの魔「以前は『あべこべのお嬢さん』と言いましたが、やはり貴女の本質はこちらでしたか」

水銀燈「本質ってなによ」

ラプラスの魔「この程度であれだけの事を許していただける。お優しいお嬢さんかと」

水銀燈「何か勘違いしてるみたいね。ローゼンメイデン代表は私ってだけよ。あの子達はやる気満々みたいよ」チラッ

ラプラスの魔「えっ?」




ジュディカ「マデュリン、一緒にパンチしヨ」

マデュリン「うン、ダブルお腹パンチだネ」

女王様「ウフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ」ブォン! ブォン!

アレニエ「私ハ糸デウサギさンをグルグル巻キにスるネ」ビュッ



ラプラスの魔「」糸グルグル

ラプラスの魔「いえ…あの…、女王様のは腹パンというより腹バットもとい腹フラミンゴですよね?あれは反則ですよね?」



水銀燈「さぁ、みんな帰るわよぉ」スタスタ…

珪孔雀「はーい!帰るんだからー」

雛苺「おやつの時間なのー!」

雪華綺晶「おやつですか!?」キラキラ

翠星石「はしゃぐんじゃねぇですぅ!」

金糸雀「疲れたからティータイムにしましょ♪」

真紅「それはいいわね。帰ったらお茶にしましょう。ジュン」

ジュン「はいはい、わかってるよ」

蒼星石「ジュンくん、僕も手伝うよ」

薔薇水晶「ジュンの紅茶おいしいから楽しみ」


ゾロゾロ…




ラプラスの魔「」

ラプラスの魔「こ、これは困りましたねぇ…」チラッ



ローゼン「私たちもジュンくんの家でお茶をもらおうか」

槐「行こう。鳥海」

鳥海「はい」



ラプラスの魔「坊ちゃん…」

ジュン「自業自得だよ」


<ジューン!!早く来るですぅ!


ジュン「すぐ行くよ」

ジュン「お前たちも終わったらうちに来いよ。お茶の用意しとくからな」

アレニエ「うン!」

女王様「パイヲ用意シトクノヨ」

ジュン「あったらな」


<ジューーン!!


ジュン「わかってるってば!」タタタッ

ラプラスの魔「お茶会…パーティ…。あれは冗談だったのですが…私も一度は参加してみたくなってきましたよ」フフフ…

アレニエ「ウサギさン、ウサギさン」チョンチョン

ラプラスの魔「はい、なんでしょう?」

アレニエ「女王様ダケでなくテ、あの二人ノ事も警戒シた方ガいいヨ」

ラプラスの魔「え」

アレニエ「彼女達が揃ウ時、二人ノパワーは無限大ナンだかラ!」

ラプラスの魔「」


ジュディカ「じゃア、いクヨ。マデュリン」

マデュリン「えェ、ジュディカ」

ジュディマデュ「「二人ハ一人!一人ハ二人!」」

ジュディマデュ「「私達ノ力が邪悪ナ存在を打チ砕く!!」」

ラプラスの魔「ちょっ、邪悪な存在って……あ…!ちょ、ちょっと待ってください!タイム!!タイムを取ります!!」

ジュディマデュ「「いクわヨ!!正義ノ拳!!ダブルお腹パーんち!!!!」」カッ!!

ラプラスの魔「と、トリビァァァァァァァァァァァル!!!」



ドッゴォォォォォォォォン!!!!!

ジュン「その後、マデュリン達はラプラスの魔(白崎)も連れてきて皆でお茶会をしたんだ」

ジュン「余りの大人数に姉ちゃんは目を白黒させてたけど喜んでるみたいだった」

ジュン「それにしても…、ラプラスもよく許してもらえたよなぁ。腹パン(腹バット?)はされてたけど…」

ジュン「水銀燈もかなり怒ってたのに…よくあれだけですんだよ」

ジュン「まぁ、その後のお茶会は楽しかったし、一応ハッピーエンドかな」


~おわり~


 
『おまけ』



――――桜田家


のり「ケイちゃん、ヒナちゃーん。アップルパイをテーブルに持って行ってくれる?」

珪孔雀「りょーかいなんだから!」

雛苺「はいなの!」

翠星石「落とすんじゃねぇですよ!」

雛苺「わかってるもん!」



ワイワイ ガヤガヤ

白崎「おぉ!このパイはすごく美味しいよ!」

ローゼン「お前…よく食べるな」

白崎「だってぇ、前回出席できなかったじゃん?その分も合わせて楽しんでるからね」

ローゼン「腹は大丈夫なのか?」

白崎「貴方も知ってるでしょ?デウス・エクス・マキナである僕がそう簡単にダメージを受ける訳ないじゃーん」アハハ…

女王様「ワタシノパァァァァァァイ!!」

白崎「ひぃ!?」ビクッ!

珪孔雀「マシュマロおいしいんだから!」モグモグ

翠星石「お前は本当にマシュマロばかり食べますねぇ…」

珪孔雀「だって美味しいんだから」

翠星石「しゃーねーなーですぅ。なら、翠星石がとっておきの話をしてやるです」

珪孔雀「とっておき?」

翠星石「マシュマロはですね。食べ過ぎると肌の色がマシュマロと同じ色…つまり白くなるです」

珪孔雀「ホント!?マシュマロに美白効果があるなんて知らなかったんだから!」

翠星石「本題はここからです。マシュマロをさらに食べ続けると…体がマシュマロみたいになるです」

珪孔雀「ふ、太っちゃうの…?」

翠星石「いいえ。食べ過ぎた本人は マ シュ マ ロ のような体になって、最後には…」

珪孔雀「さ、最後には…」ゴクリ…

雛苺「うぅ…」ハラハラ

雪華綺晶「ど、どうなるのですか?」ドキドキ

水銀燈「……」

薔薇水晶「……」ワクワク


翠星石「最後には、理性もなく街を徘徊するマシュマロマンという化物になっちまうですぅ!!」

マシュマロマン

珪孔雀「う、うそ…、私…いっぱい食べちゃったんだから…」ウルッ

雪華綺晶「わ、私も食べましたわ…。だから私は白いの…?」ウルッ

水銀燈(マシュマロはもう食べないようにしようかしら…)

薔薇水晶「かっこいい」キラキラ

雛苺「こ、怖いのーー!!」ブヤォエェェェェェン!!


ジュン「まったく…!お前はまた嘘を教えて…」

翠星石「フフフですぅ」

珪孔雀「ジュ、ジュンお父様ー!!」ウワァァァァン! ダキッ

ジュン「大丈夫。マシュマロになんてならないよ」ナデナデ

珪孔雀「ほ、本当?」グスンッ

ジュン「あぁ、本当だよ」

珪孔雀「お父様が言うんだからそうなのね」


翠星石「なぁんか面白くねぇですぅ」ジー

珪孔雀「お姉様!!ビックリしたんだからー!」

翠星石「ご、ごめんですぅ」

蒼星石「金糸雀。君はいつから気づいていたんだい?」

金糸雀「ラプラスの事かしら?」

蒼星石「あぁ」

金糸雀「う~ん…、自信はなかったけど花弁に捕まった辺りかしら」

金糸雀「もしかしたら別の目的があるのかも…とは思っていたわ」

真紅「興味深いわね。どうしてそう思ったの」

金糸雀「正直、ラプラスの力はカナ達が思ってる以上に強力かしら」

金糸雀「今のお父様にはほとんど力は残っていないし…やろうと思えば一瞬で決着が着いたハズなの」

蒼星石「物理的な攻撃もしてこなかったし…ラプラスは本気じゃなかったよね」

金糸雀「うん。よくよく考えると最初からなんか変だったかしら」

金糸雀「あとは、ラプラスの微妙な様子と女の勘かしら」

真紅「そう言われるとそんな感じだった気もするわね」

金糸雀「まぁ、憶測だから自信はなかったのだけれど」

真紅「そう。 あら?紅茶がないわね。ジュン!持ってきなさい」

ジュン「自分で持ってこいよな…」シブシブ

白崎「鳥海くん、さっきはごめんねぇ」ヒョッコリ

鳥海「いや、無理だって!トラウマものだよ!」

白崎「本当にごめんよ。ウサギの時はSっぽくなるんだよ」

鳥海「S…?」ウワァ…

白崎「人間の時はMだよ」

鳥海「槐さんが言うように本当に変態なんだな…」

白崎「変態とはひどいなぁ。ただの趣味だよ」

鳥海「へ、変態だーーー!!」



槐「まぁ、ゆる…さなくていいんじゃないか?」

白崎「えっ!?」

鳥海「あっ!槐さん」

槐「ただ、この変態は私たちと一緒にドールショップを経営している」

槐「君も一緒に住むことになるだろう」

鳥海「えぇ~~…」

白崎「あからさまに嫌そう!?」ガビーン

槐「だから、これからはこいつをこき使ってやればいい。真紅の言うところの下僕だな」

鳥海「それなら許してやってもいいですよ」

白崎「そ、そんなぁ…」

鳥海「ラプラス…いや、白崎さん これからよろしく!」ニヤリ

白崎「よ、よろしく…」



白崎「はぁ…、女王様的な女性の下僕なら嬉しいんだけどなぁ。真紅とか…」ボソッ

女王様「呼ンダ?」

白崎「よ、呼んでないよ!」

マデュリン「ノリのパイおイしイネ」モグモグ

珪孔雀「うん!美味しいんだから」パクパク

ジュディカ「たダ美味シいダけじゃナいネ。まろみガ違ウ」ムシャムシャ

薔薇水晶「同感だね」ウンウン

アレニエ「まろみっテなァに?」モグモグ



水銀燈「………」


珪孔雀「あっ!水銀燈お姉様!パイ食べますか?」

水銀燈「……いただくわ」

珪孔雀「はい、お姉様の分です」ニコニコ

水銀燈「……」

水銀燈「ねぇ、珪孔雀」

珪孔雀「はい」

水銀燈「貴女…今幸せ?」

珪孔雀「えっ?はい、幸せなんだから」

水銀燈「そう」

水銀燈「……」



水銀燈「アリスゲームを知らないという事は絶望を知らないということ」

水銀燈「絶望を…挫折を知らなければ強く生きていく事はできない。…そう思わない?」

珪孔雀「え…!?」





薔薇水晶(真紅!金糸雀!ちょっとこっち来て)コッチコイコイ

水銀燈「他の姉妹がどんな話をしてきたか知らないけど…」

水銀燈「アリスゲームとはアリスを決めるために姉妹と殺し合いをするゲーム」

水銀燈「貴女の中にもあるでしょ?そのローザミスティカを奪い合ったの」

珪孔雀「うぅ…」ゴクリ…

水銀燈「そして、皆大きな絶望を抱えていた…。この水銀燈も…」

水銀燈「新たな姉妹が誕生するたびに自分はアリスになれなかったのだと…」

水銀燈「お父様に必要とされていないジャンクだったのだと痛感させられた」

珪孔雀「そ、そんなことは…」

水銀燈「今は大丈夫でしょうよ。でも、当時は…双子が誕生した頃からかしらね」

水銀燈「お父様は私たち古いドールに見向きもしなくなっていった」






ローゼン(………)

水銀燈「長い年月放置された私達の気持ちがわかる?」

水銀燈「アリスになれなかった絶望から本当は愛されていないのかもしれないと考えさせられる日々」

水銀燈「私達は絶望するために生まれてきたのだと、ネガティブな考えに走るには十分な時間だったわ」

珪孔雀「うぅ…」

水銀燈「アリスゲームが始まり、今までそれなりに仲が良かった姉妹が殺し合いを始めた」

水銀燈「この時代になるまで本格的なアリスゲームはなかったけれど、それでも小さな闘いはあった」

水銀燈「私達は憎しみあっていったわ」

水銀燈「まぁ、私は楽しんでいたけどね」

珪孔雀「そ、そんな…」





真紅(な、なぜ珪孔雀にアリスゲームの話を!?しかも暗い部分だけを…)

真紅(あれでは無駄に怖がらせてしまうだけよ。止めてくるのだわ!)

金糸雀(真紅!もう少し待つかしら)

真紅(金糸雀!?)

水銀燈「この時代でついに全ての薔薇乙女が目覚めたわ」

水銀燈「それは、この時代にアリスが生まれるということ。本当のアリスゲームが始まる。今までのは序章だったの」

珪孔雀「……」ハラハラ

水銀燈「翠星石辺りからコミカルにアレンジされた話は聞いてると思うから省くけど…」

水銀燈「次々に姉妹は倒れていったわ。私が言えた義理ではないけどね」





翠星石(まったくですよ!)プンスカ!

蒼星石(今ではもう懐かしくさえ思うよ)フフフ…

雛苺(あの時は悲しかったのよ…)シュン…

水銀燈「まぁ、長く話したけど…要は私たちに生きる力を付けさせるための苦肉の策だったってわけ」

珪孔雀「えっ?アリスを生み出すのが目的じゃ…?」

水銀燈「お父様は諦めていたそうよ。私たちが生きていく事が一番の目的で、アリスは二の次になっていた」

水銀燈「でも、アリスゲームで勝者が決まり、ローザミスティカは再び一つに戻った。お父様の心がまた元に戻ったのよ」

珪孔雀「そ、それでそれで!?」ドキドキ

水銀燈「ローザミスティカとはお父様の中のお父様の娘そのもの」

水銀燈「アリスに限りなく近いけどアリスではない…まったく新しい少女を生み出したの」

珪孔雀「アリスだけどアリスじゃない少女…」

水銀燈「えぇ。亡くなった人間はもう二度と帰ってこないから…」

水銀燈「それでも求めずにはいられない。無理だとわかっていても造らずにはいられない。そうして私達は生まれたの」

珪孔雀「そ、そうだったの…」





ローゼン(………)

雪華綺晶(お父様…)

水銀燈「この絶望を経て私達は強くなったわ。一人ひとり強さの質は違うけれど…」

水銀燈「金糸雀、翠星石、蒼星石、真紅、雛苺、雪華綺晶。それぞれに強さと弱さを兼ね備えている」

水銀燈「醜く美しい。この不完全さ、その矛盾こそがアリス。それを私達はアリスゲームで学んだのよ」

珪孔雀「す、すごいんだから…!」

水銀燈「すごくないわよ。貴女も学んでいくのよ」

珪孔雀「えっ!?私も…?」

水銀燈「アリスゲームの話をしたのはね。貴女に私たちが味わった絶望を教えるためよ」

水銀燈「これから生きていけば辛いことだっていっぱいある。それに立ち向かう時に参考にすればいいわ」

珪孔雀「私のために話を…?」

水銀燈「……」プイッ

珪孔雀「やっぱり…聞いてた通り、お姉様は優しんだから」

水銀燈「や、優しくないわよ。あんな話を聞いてなんでそういう考えに至るのよ…」

珪孔雀「んーん、お母様は優しいんだから」

水銀燈「お、お母様…!? ……ハッ!」



ドールズ「……」ニヤニヤ

ジュン「……」ニヤニヤ

ローゼン「……」フフフ…

水銀燈「ちょ、ちょっと貴女たち!聞いてたの!?」

珪孔雀「あっ!お母さま方にお父さま方」


翠星石「お母様ってのもいい響きですけど、お姉様も捨てがたいですぅ」

蒼星石「僕はどちらでも構わないかな」


金糸雀「いや~、あの水銀燈がここまで雄弁に語るなんて珍しいかしら」ニヤニヤ

真紅「お母様ですもの。娘を思ってのことなのだわ」ニヤニヤ

水銀燈「か、金糸雀…!それに真紅も……そんなにはっ倒されたいの!?」ワナワナ



水銀燈ヾ(・д薔` )ネェネェ

水銀燈「なによ!?ウザいわねぇ!」

薔薇水晶「さっきの話の中でなんで私は出てこなかったの?ねぇ、なんで?」

水銀燈「貴女は自分のお父様とずぅっと一緒だったでしょ!貴女も珪孔雀と一緒に学べばいいじゃないの」

薔薇水晶「あぁ、なるほど」

雪華綺晶「私、感動しましたわ!私のことも見ていてくださっていたなんて…。感激です!」

雛苺「さすが一番のお姉様なの!ところで、ヒナ達の良い所ってどこなの?」

水銀燈「…知らないわよぉ」チラッ

金糸雀「目が明後日の方を向いてる…。本当は知ってるのがバレバレかしらー」クスクスッ

水銀燈「金糸雀……覚悟はできてるみたいね…」

キャーー! デキテナイカシラー マチナサァイ!
 ワー!  キャー! キャー!





ローゼン「……」

ローゼン「…私は本当に酷い父親だな」

ジュン「まぁね」

ジュン「良い父親か悪い父親かって言ったら悪い方だろ」

ローゼン「ズバッというなぁ」ハハハ…

ジュン「アリスになったドールの願い。最終的には誰もがあの願いに辿り着く」

ローゼン「あぁ、その通りだ」

ローゼン「私の娘たち全員に生きてもらいたかったからな」

ジュン「それだけ聞ければ十分だよ」



ジュン「それにしても…前から思っていたけど、水銀燈って意外と姉妹を見てるんだな」

ローゼン「意外でもなんでもない。もともとそういう所があったのだよ」

ジュン「それを潰しかけたのは…?」

ローゼン「……私です」

ジュン「冗談だよ。どうしようもないことってあると思うよ」




鳥海「おーい!ジュン!ジュンの部屋に上がってもいい?」

ジュン「唐突だな。まぁいいけど」

鳥海「ベッドの下も見てくるよ」ダダダッ!

ジュン「!? お、おい!鳥海!!ちょっと待って!待てって!!」ダダダダッ!


ローゼン「私もベッドの下に隠しておいたら、水銀燈に見つかった事があったなぁ」シミジミ

金糸雀「水銀燈は優しいかしらー!」ネー

珪孔雀「うん!優しんだから!」ネー

水銀燈「ちょっとぉ!貴女たちやめなさいよぉ!!////」

真紅「耳まで真っ赤なのだわ」

翠星石「真っ赤ですぅ」

蒼星石「水銀燈、恥ずかしいの?」

水銀燈「もうやめてよーー!!」








白崎「……」

白崎「今回の人形劇…いかがだったでしょうか」スゥ…


ラプラスの魔「人間はいつか寿命が来る。人形にも勿論寿命はあります」

ラプラスの魔「しかし、私にとっては人間の寿命は刹那のような短さ」

ラプラスの魔「とても儚いですね」

ラプラスの魔「人形たちは有限なれど膨大な時間を生きていきます。これからも…」

ラプラスの魔「アリスゲームはその予行練習といったところでしょう」

ラプラスの魔「今回は本当の絶望が始まる前に、私が少し力をお貸ししただけに過ぎません」

ラプラスの魔「彼女たちは果たして耐えることができるのでしょうか」


ジュン「大丈夫さ」

ラプラスの魔「おや?坊ちゃん。聞いてましたか」

ジュン「彼女たちなら大丈夫。それに、そのために僕はローゼンを継いだんだ」

ラプラスの魔「ほぅ…。私には全ての未来が見えています。坊ちゃんがどの未来に辿り着くのか…見ものですね」

ジュン「知ってるのなら話は早いな。僕にはできる。でも一人では無理だ」

ラプラスの魔「ふむ…」

ジュン「みんなの力が必要だ。もちろん、お前の力も」

ラプラスの魔「ブラボォ!!その言葉を待っていました!」

ラプラスの魔「この機械仕掛けの神が必要でしたらなんなりと。そして願いを叶えましょう」

ジュン「ありがとう。でも、まだいいよ。リスクもあるだろうし…。ローゼンもそうだったんだろ?」

ラプラスの魔「さぁ、どうでしたかな」クククッ…




真紅「ジュン?こんな所で何をしているの?一緒に紅茶を飲みましょう」

ジュン「あぁ、今行くよ。真紅」

ジュン「それからもこのお茶会は定期的に行われたんだ」

ジュン「人形たちがこれから受ける試練」

ジュン「それは、人間たちを見送ること」

ジュン「僕たちが居なくなった後、人形たちは世界から取り残されていくかもしれない」

ジュン「今まで以上に何度も出会いと別れを繰り返して…何もかもが嫌になるかもしれない」

ジュン「そうならないためにも僕が…僕たちができることは…」


真紅「ジュン。私達は大丈夫よ」

翠星石「そんな先の話をいつまでも考えてるんじゃねぇですぅ!」

雛苺「そうなの!それに、ヒナたちには姉妹が13人もいるのよ。大丈夫なんだから!」

真紅「そうね。それに、お父様やみんな。なにより…ジュン。あなたが居てくれる」

ジュン「そうだったな」

真紅「それはそうと、そろそろ行きましょう」



ジュン(僕はすべてが見えるけど、それに頼りすぎない)

ジュン(彼女たちの幸せ。それがローゼンの願いであり、僕の願いでもある。だから…)

ジュン(今を大切にしていこう。生きている。それだけでもう闘っているから)


ジュン「あぁ、行こうか!みんな」


~おわり~

これで終わりです。
第2話のサブタイは『水銀燈脱がしたい』の方が良かったかもと思いましたが、
まぁどっちでもいいですね。

ここまで、ありがとうございました。

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