千早「ベルセルくっ」 (42)

以下に注意
・エログロな展開
・ダイジェストなストーリー改変
・悪意あるキャスティング

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1401475912

この世界には
人の運命を司る
何らかの超越的な律……さん
神の手が存在するのだろうか?
少なくとも人は
自らの意志さえ自由にはできない

ミッドランドとチューダーの戦乱は、百年に渡り続いていた。


――とある戦場、ミッドランド所有の砦にて

モブ兵「ワァァァ!」

モブ兵「正面の城門が破れたぞ!」

隊長「突っ込めぇ! 大将首を上げた者には、褒美は思いのままだぞ傭兵諸君!」

モブ兵「マジか」

モブ兵「オラァァ……へぶっ」 バカァ…

???「………」 オノ ブンブン

モブ兵「ちょwこいつ強……デュクシッ」 グシャ

隊長「な、何だ!? あの騎士はぁ!?」

モブ兵「ほ、ホクトだ! 三十人斬りのホクトだぁ!」

ホクト「ここから先は通さぬぞ」 チャオ

隊長「……えぇい、何をもたついておる! 奴を討ち取り名をあげろっ!」

モブ兵「お、お前行けよ」 ジリジリ

モブ兵「お断わりします」 ジリジリ

隊長「クソ……使えん傭兵共めぇ……」

隊長「……よし。奴を討ち取った者には、金貨五枚を出そう!」

ザワザワザワザワ

ホクト「ふん、向こうは腰抜けばかり……ん?」

ガチャ…ガチャ…

チハヤ「………」

ダレダ…?
ヨウヘイミタイダナ。
オイ、ミロヨ。アノデカイケン。

ミエハリヤガッテ

チハヤ「……くっ」

チハヤ「……金貨十枚」

隊長「なに?」

チハヤ「なに、じゃない。この斧男の首よ。三十人斬りとか言うんでしょ?」

隊長「……七枚! これ以上はまからん!」

チハヤ「仕方ないわね……」 ガチャ…ガチャ…

ホクト「クク……お嬢さん、後悔するよ。金貨七枚で、その首叩き潰されるんだから……」

チハヤ「………」 ジリ…

ホクト「君みたいなケツの青い小娘が戦場に立つとはね。そちらは余程の兵員不足とm」

チハヤ「……!」 バッ

ホクト「うおっ!」 ガキィ!

ハヤイ!
ナンテウチコミダ!
ホクトガオサレテイルゾ!

ガガガガッ

ホクト「ぐ……ぜやぁっ!」 パリィ

チハヤ「くっ……!」 フラ…

ホクト「むぉぉおっ!」 ブゥン!

チハヤ「……ォォオオオオッ!」 ブゥン!

ガキィン!

斧「」ビキ

ホクト(斧にヒビっ!? 競り負けた……!?)

チハヤ「ヒュ……!」 グン

ホクト「……!」 ブゥン!

ホクト(焦ったなお嬢さん! この体勢なら、こちらが先に当たる。その程度の兜、砕き割ってやる……!)

ガッ!

斧「」バキン

ホクト(マジか!)

グシャァ…!

ホクトガヤラレタゾー!
イッキニケチラセ-!
ウォォォォ!

――砦の高台

ウォォォォ…!

???「……この城も、もう終わりだぞ」

???「それにしても、敵にも強いのがいるものね」

???「ねぇハルカ、ハルカとどっちが強いかな?」

???「次元が違いますよぉ。ねーハルカさん?」

???「………」

――陥落した砦前

隊長「半年分の給料と、今回の報奨金だ。確かめてくれ」

チハヤ「………」 チャリ…

隊長「しかし、まぐれとは言えあのホクトを討ち取るとはな……どうだ? お前、正式に私に仕えてみんか? 何なら騎士見習いとして……」

チハヤ「……契約は今日まででしょ。この辺はもう戦の話もないだろうし」

隊長「お、おい……何も危険な戦場に身を投じずとも……!」 ガシッ

チハヤ「! 触るなぁ!」 バシッ

隊長「ひ……!」

チハヤ「私に、触るな……!」

隊長「」 タジッ

チハヤ「……ちっ」 スタスタ

――平原

モブ「……お、誰か来るぞ」
モブ「あん?」

モブ「……おい、あいつ昨日ホクトをやった奴だ!」

チハヤ「………」 スタスタ

モブ「……まだこっちにゃ気付いてないな。おい、どうする?」

モブ「砦は落ちたんだ、もう関係ないだろ」

???「だけど、ホクトをやった時の報酬を持ってるはずだぞ」

モブ「ヒビキ」

ヒビキ「ねえ、良いでしょハルカ?」

ハルカ「………」 ネコロビ

ハルカ「好きにして良いよ」

チハヤ「………」 スタスタ

ヒャッハー!

チハヤ「!」

ヒビキ「よし行け! イヌミィ!」 パカラッ パカラッ

イヌミ「ヒャッハー!」

チハヤ「……山賊」 カチャ ブゥン…!

イヌミ「ヒャッハー!」 パカラッ パカラッ

チハヤ「……!」

ズバァ!

イヌミ「」 ドシャァ

ハムゾウ「馬上のイヌミを一撃で……!?」

ヒビキ(うっ……こいつ、ホントに強いぞ!)

ハムゾウ「オォォッ!」

ズバァ!

ハムゾウ「チ"ュイ!? 腕ぇ!?」 ドシャァ

ヒビキ(アレを見て、どうしてハムゾウは行ったんだ!?)

モブ「おい! イヌミとハムゾウの奴、やられちまったぞ!?」

モブ「そして言い出しっぺのヒビキがビビっちまってるぜ!」

ンァーッ!
ギャァァァァ!
ヒビキノヤツ、ニゲダシタゾ!?
ビビキダァ!!

ハルカ「……ヤヨイ、行ってあげて」

ヤヨイ「え、でもヒビキが勝手に……」

ハルカ「………」 ジー

ヤヨイ「……解りましたぁ」 カチャカチャ

チハヤ「」 ダダダッ!

ヒビキ「うがー! こっち来んなー!」

ヒュン

チハヤ「!」 バッ

ダンッ

チハヤ(ボウガン……!)

ヤヨイ「下がっててくださいヒビキさん」 ボウガン ポイッ

ヒビキ「や、ヤヨイィィッ!」 (;ω;)ブワッ

チハヤ(……兜から二つ、お下げが出てる) カチャ

ヤヨイ「行きますよー」 シャリン

ガァン キィン

モブ「お、おい。あのヤヨイが追い込まれてるぞ!?」

モブ「うちでヤヨイに勝てるのは、ハルカだけだぜ!?」

ワーワー…!

???「……行って頂戴ハルカ」 オドオド

ハルカ「………」 ゴロゴロ

???「ハルカ」

ハルカ「分かってるよイオリ」 スクッ

ガキィン…!

ヤヨイ「わわっ!」 ドテッ

チハヤ「ヒュ……!」 ブン!

ヤヨイ兜「」 コロコロ

ヤヨイ「うー……」

チハヤ「!」

それは、少女と言うにはあまりに可愛い過ぎた。
可愛いく、美しく、小さく、そして幼すぎた。
それは正に、アイドルだった。

チハヤ(すごい、さすが幼女! ほんとにかわいいぜ!!) ホウシン

ヤヨイ(や、やられちゃう……!) ビクッ

レズレイプの犠牲まっしぐらですわ

ハルカ「剣を引いてくれない?」 パカラッ パカラッ

チハヤ「……!?」

ハルカ…
ハルカダ…
コレデアイツモオワリダナ

チハヤ(ハルカ……?)

ヤヨイ「ハルカさん気を付けてください! この人、手強いです!」

ハルカ「……引いてくれないかな?」

チハヤ「………」 チャキ

ハルカ「……そっか。なら、仕方ないかな」 シャリン

チハヤ「!」 ダダダッ!

ドン…!

チハヤ「!?」

ハルカ「………」

チハヤ(一瞬だった。私の振り下ろしをいなし、一瞬で突き返された……) ガクッ

オォォ…!
イチゲキダッタゾ!
ヨクモワタシノヤヨイニー!
ワーマッテイオリチャン!

チハヤ(倒れて見上げる。ハルカと呼ばれる少女と、青い空)

チハヤ(そして不意にきた横合いからの蹴りで、私の意識は完全に沈んだ)

ダレカイオリヲトメロー!

>>19
相手がPとか社長だとライン越えてまう。

ここいらで一度休憩。風邪で出掛けれないからって、突飛な真似するんじゃなかった。

そろそろ、そろりと再開。

――夢の狭間

チハヤ(それは、ただ恐ろしかった)

チハヤ(逃げても追ってくる、剣で斬っても死なない。やがて私は……それに押さえ込まれる)

チハヤ(助けを乞うように伸ばした手の先には、リツコが……でも、あの人は助けてくれない)

チハヤ(だって、あの人は……この、この手で……)

チハヤ「……ッ……リツコ」

ヤヨイ「………」

チハヤ「……許して、リツコ…許して」

ヤヨイ「………」 ナデナデ

チハヤ(……朝?) パチッ

チハヤ(……ここは? テントの中?) ウッ

チハヤ(胸が痛い……そうだ、あの時あいつに……!) ガバッ

チハヤ(とにかく、ここから出なきゃ) バサッ

ワイワイ
ガヤガヤ

チハヤ(……傭兵の拠点? 捕まったの? 私?) キョロキョロ

ドーシテワタシナンデスカー!
カワイイカラダヨ、ヤヨイ。

チハヤ「!」

チハヤ(あの二人は……)

ヤヨイ「うー……」

チハヤ(こっち来た) ハァハァ…

ヤヨイ「……ぇぃ!」 ポコッ

チハヤ「ァフン」

ヤヨイ「お前なんて、あの時ハルカさんにやれちゃえば良かったんです!」 プンスカ

チハヤ(鼻血出た……) ハァハァ ボタボタ

アッカンベーダ!
ア、マッテ…

イオリ「無理もないわ」 イス ニ フンゾリカエリー

チハヤ「?」

イオリ「ヤヨイは女を捨てて、ずっと傭兵としてやってきたんだ。実際、そこらの男よりよっぽど腕も立つ」 スクッ

イオリ「それがハルカの命令で二日二晩、あんたと添い寝させられたのよ? 血を流しすぎて冷えきったあんたの体を、温める為にさ……」 ツカツカ

チハヤ「………」

イオリ「……添い寝は妹系の役目だ……ってね!」 ドコォ!

チハヤ「ゲフッ!」 ドシャァ

すまん、>>28にミス

リツコ→ミキ

ハルカ「今ので目が覚めたかな?」

チハヤ「?」 ゼェ…ゼェ…

ザッ…

ハルカ「……私はハルカ。お前の名は?」

チハヤ「……チハヤ」

ハルカ「……改めて見ると、凄い剣だね」 スッ

チハヤ(あ、私の剣……)

ハルカ「私には振れないよ。あ、返すね」

チハヤ「………」 カチャ

ハルカ「………」 ニコッ

ハルカ「一緒に来てくれない?」

チハヤ「……何なの?」 スタスタ

ハルカ「え?」 スタスタ

チハヤ「ここにいる連中よ」

ハルカ「……鷹の団」

チハヤ「鷹の団!?」

チハヤ(噂で聞いたことがある。戦場の鷹、最強の傭兵団……この前の戦も、鷹の団のせいで三日の予定が三ヶ月も長引いていた)

チハヤ(じゃあ……その団長がこの……) チラッ

ハルカ「~♪」

――小高い丘

ハルカ「んー! 良い眺めだね!」

チハヤ「………」

ハルカ「あ、ほらチハヤちゃん! ウチの拠点ですよ! ウチの拠点!」

チハヤ「……どうして」

ハルカ「へ……?」

チハヤ「どうしてあの時、心臓を狙わなかったの?」

ハルカ「………」

チハヤ「どうして、殺さなかったの?」

ハルカ「……四日前のホクトとの一騎打ち、私達も拝見させてもらったよ」

ハルカ「……でも、危なかった。ホクトの戦斧に亀裂が入っていなかったら、頭を割られていたのはチハヤちゃんの方だったよね」

チハヤ「………」

ハルカ「チハヤちゃんの戦いぶりはまるで、自分の命を試しているように見えるよ」

チハヤ「……!」

ハルカ「わざわざ自分の身を死の危険にさらして、逆にそこから命を拾おうとあがいている……そんな風に感じたんだよ」

チハヤ「……くっ」

ハルカ「私は、チハヤちゃんが気に入った」 ニコッ

チハヤ「え……?」

ハルカ「あなたが欲しいの、チハヤ」

チハヤ「……人の胸に風穴開けといて、馴々しいわ……」 シャリン

ハルカ「……剣なんか抜いて、どうするつもり?」

チハヤ「これでケリを着けましょう」 ブンッ

チハヤ「私が勝ったら、その胸に私のと同じ大穴を開けてやる。そっちが勝ったら、兵隊にするなり穴掘りするなり好きにすればいい!」 ニィ

ハルカ「……解った」 シャリン

ハルカ「力ずくっていうのも、嫌いじゃないよ」

ヤヨイ「ハルカさん!」

ハルカ「! ヤヨイ……見てたんだね」

ヤヨイ「そのことは謝りますけど、でも……!」

ハルカ「手は出さないでねヤヨイ。……私は欲しいものは、必ず手に入れる」

チハヤ「……そのヒロイン面した態度が……気に入らない!」 バッ

ンアー!
ヴァイッ!

タカネ「……!」

ヒビキ「? どうしたんだタカネ?」

マイ「……あ、あれ!」

ンアンアンアー!
ヴァイヴァイヴァーイッ!

ヒビキ「あ……あいつ性懲りもなく!」

イオリ「待ちなさい!」

マイ「イオリ……でも」

イオリ「ハルカも考えあっての行動なはず。それに私達が行っても、手出しは望まないはずよ」

ヒビキ「………」

ハルカ「ヴァイッ!」

チハヤ「くっ」 ドシャァ

チハヤ(……なんて強さなの。私はこの剣でなら、鉄板だって叩き斬る自信がある。そんな剣を、あの細身の剣でいなすなんて!?)

ハルカ「………」 スタスタ

チハヤ(駄目だ、惨敗だ)

ハルカ「………」 スッ

ハルカ「これでチハヤちゃんは、私のものだよ」

チハヤ「……!」

ハルカ「ヤヨイ」

ヤヨイ「……は、はい!」

ハルカ「宴の準備をして。今日からチハヤちゃんは、鷹の団の一員だから」

ヤヨイ「……解りました」 タッタッタッ

チハヤ「………」

ハルカ「………」 ニコッ

ハルカ「まな板にしようぜ(訳:拳で語ろうぜ)」

ンアー!
バキィ!

ヤヨイ「………」 タッタッタッ

……あなたが欲しいの

ヤヨイ(……あんなこと、ハルカさんは誰にも言わなかった。……言ったことなかったのに!) タッタッタッ

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