咲「お姉ちゃんとケンカしてなかったら」 (517)

※一年前の話で、咲は中三です
※咲と照は仲良し姉妹です
※原作通り、照は上京して白糸台に通ってます
※虎姫メンバーは淡を含め全員が知り合いということでお願いします
※その他、当ssのみの勝手な設定が出てきます

注意書きが多くて申し訳ありませんが、それでもいいという方はお付き合いください

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一年前・夏

咲「うぅ、学校の補講が思ったより長引いちゃったよ。早く帰らないとお姉ちゃんの試合始まっちゃう!」バタバタ

咲「今日は個人戦の決勝なのに!」バタバタ


咲「ただいまー!」ガラッ

咲「ふぅ…なんとか間に合ったよ……テレビテレビっと」ピッ


アナ『それでは個人戦決勝、対局開始です!』

ビー


咲「お姉ちゃん…!頑張って!」ソワソワ


照『ツモ、ロン、ツモ、ツモ』ギュルギュル


咲「お姉ちゃん、すごいすごい!」キャッキャッ


照『ツモ!』ギュルルル

アナ『決まった―!今年のインハイ個人戦優勝者は白糸台高校、宮永照ー!』

アナ『去年に引き続き団体戦、個人戦ともに優勝!チャンピオンの力を見せつけたー!』


咲「やったぁ!お姉ちゃんが勝ったよ!」バンザーイ

咲「さっそくお姉ちゃんに電話しなきゃ!」

プルルルルルルル…ピッ

照「もしもし……咲?」

咲「お姉ちゃん!優勝おめでとう!試合見たよ!」

照「ありがとう、咲」

咲「やっぱりお姉ちゃんは強いね!自慢の姉だよ!」

照「…やめて、恥ずかしい///」テレ

照「それに私はたまたま勝てただけで…私が特別強いわけじゃないし…」

咲「もう、何言ってるのお姉ちゃん。お姉ちゃんは一番強いんだから!誰にも負けないんだよ!」

照「……咲がそう言うなら、そういうことにしておく」

咲「うん!」

照「咲、悪いんだけどこれから記者会見があるから……」

咲「そっか、そうだったね。生中継ばっちり見ておくよ」

照「……恥ずかしい」

ミヤナガサーンソロソロオネガイシマース

咲「お姉ちゃん、呼んでるよ?」

照「うん、ごめん咲、もう切るね。また夜に落ち着いたら電話するから」

咲「うん、またあとでね」

ピッ

咲「さてさて記者会見っと」


記者『まずは優勝おめでとうございます!昨年に引き続き団体戦、個人戦ともに優勝ですが、それについてどう思われますか?』

照『ありがとうございます!』ニッコリ


照『まず団体戦ですが、これは私個人の力ではなくチームメイト全員の力です。私一人ではここまで来れませんでした』エーギョースマイル

照『個人戦についても同様です。私を応援してきてくださった皆様のお力があったからこそ、今回も優勝することができました』ニコニコ

照『本当に、ありがとうございました!』ニッコニッコニー

パチパチキャーミヤナガサンステキーパチパチ


咲「うわぁ…お姉ちゃん…相変わらずひどい営業スマイルだよ…」ヒキッ

咲「どこで練習したんだろう……」

咲「さてと…お姉ちゃんの出番も終わったし、受験勉強しないと…」ヨイセ



菫「おい照…打ち上げ行かないのか?先輩たちが待ってるぞ」

照「ん…行く。ちょっと待って」

菫「ああそうか、妹さんに電話するんだったな」

照「うん」

プルルルルルルル…ピッ

咲「はい、宮永です」

照「もしもし、咲?」

咲「あ、お姉ちゃん!」パァァァ

照「うん」

咲「お姉ちゃん、ほんとにお疲れさま」

照「ありがとう。…咲は」

咲「ん?」

照「咲は最近どう?勉強とか…受験校はもう決めた?」

咲「あ、うん。清澄に行こうと思ってるよ」

照「?…風越じゃないの?」

咲「うん、あそこ私立だし…」

照「……そっか、ごめん」

咲「もう、なんでお姉ちゃんが謝るの?」

咲「それに清澄にも小さいけど麻雀部はあるみたいだし…」

咲「確かに風越とか龍門渕は強いけど、絶対に倒してお姉ちゃんに会いに行くから!」

照「…うん!待ってる…!」

咲「…そうだ、お母さんは?元気?」

照「うん、元気だよ。咲にも会いたがってた」

照「それよりお父さんは?元気なの?」

咲「うん。いっつもweekly麻雀today買ってきてお姉ちゃん出てないかチェックしてるよ」

照「え……そうなの?…恥ずかしい」

咲「うん。私も見てるよ。お姉ちゃんの営業スマイルにはいつも感心するよ」

照「あ、あれは…成り行きで……」

咲「まあ普段のお姉ちゃんじゃ評判悪くなりそうだし、あれでいいんじゃない?」ケラケラ

照「え……普段そんなにひどい?」ガーン

咲「あ!嘘だよ嘘!私、自然体なお姉ちゃんが一番好きだよ!」

照「……咲…ありがとう」ウルウル

咲「あーよしよし、泣かないでお姉ちゃん」

照「うん……………」グスン

照「…ねえ咲、夏休み中に一回こっちに来ない?」

咲「え?でももう8月も半ば過ぎてるよ?」

照「学校は9月の頭からでしょ?まだ平気」

咲「行っていいなら行きたいけど…お父さんが…」

照「お父さんだって大人なんだから二、三日放っておいても大丈夫だよ」

照「それに咲のことだから塾とか行かないで一人で勉強してるんでしょ?」

咲「う、うん」

照「わからないところは?」

咲「……結構あります………」

照「だったらやっぱりおいで。(菫が)勉強見てあげるから」

菫「…おい照!」ガシッ

照「うわっ!」

咲「!!?お姉ちゃん!どうしたの!?」アセアセ

照「菫!今電話中!」ボソボソ

菫「お前…!」ボソボソ

照「大丈夫だよ咲。ちょっとシャープシューターに絡まれただけだから」

咲「な、なんだぁ…よかった…」ホッ

菫(なんなんだこの姉妹…)

照「よし、じゃあ日程を決めよう。咲はいつがいい?」

咲「私は用事とかないからいつでも。お姉ちゃんの都合のいいときでいいよ」

照「うーん、私もインハイ終わってしばらく部活ないし…急だけど明後日とかどう?」

咲「おぉう…ほんとに急だね。うん、大丈夫だよ」

照「咲、どこまでなら一人で来れる?そこまで(菫と)迎えに行く」

菫(……………おい照)グググ

照(いだだだ…!菫落ち着いて)ドウドウ

咲「え、大丈夫だよ。一人で白糸台の寮まで行けるよ」

照「だめ。住み慣れてる私ですら毎日どこかしらで迷子になるんだから」

咲「……じゃあ東京駅まで行くから迎えに来てよ」

照「わかった、東京駅ね。何時ごろ来る?」

咲「うーん、明日電車の時間調べてまた電話するよ」

照「わかった。じゃあ私はその時間に合わせて東京駅に着くようにする(菫に連れてってもらう)から」

菫(ロン!(物理))ドシュッ

照「ふぎゃあ!」グサッ

咲「っ!?お姉ちゃん!?何があったの!?」

照「だだ、大丈夫……ちょっとシャープシュートされただけだから…」イタタタ

咲「もう、気を付けてよ…お姉ちゃんのおっちょこちょい」

照「…む、咲におっちょこちょいとか言われたくない」

咲「……なんかオウム返しになりそうだから何も言わないけど」

咲「とりあえず明後日は東京駅まで迎えに来てくれるんだよね?」

照「うん、任せて」フンス

咲「ふふ、ありがとう。久しぶりにお姉ちゃんに会えるの楽しみだな」

照「私も楽しみ。お菓子たくさん買っておくから」

咲「結局お姉ちゃんがほとんど食べちゃうけどね」

照「う…」

咲「あはは、大丈夫だよ。私、お菓子を幸せそうに食べるお姉ちゃんが大好きだから」

照「咲ぃ~」ウルウル

照(ああ、この場にいたら今すぐ抱きしめたい…!)

咲「はいはい、じゃあそろそろ切るね。お風呂入らなきゃ」

照「あ、うん」シュン

咲「明後日には会えるんだし、そんなにシュンとしないでよ」

咲「お姉ちゃんも打ち上げとかで盛り上がるのはいいけど、ちゃんと休んでね」

照「うん、咲もね」

咲「うん、ありがとう。じゃあね」

照「ばいばい」

ピッ

照「………………………菫」クルッ

照「お願いします!明後日東京駅まで連れてってください!」ドゲザー

菫「ちょっ、やめろよこんなところで土下座なんて!」アタフタ

照「お願い!私一人じゃ咲を迎えに行けないよぉ!」ウエーン

菫「ちょっ、わかったからとりあえず立て、立ってくれ」

照「ほんと!?連れてってくれるの!?」パァァァ

菫「しょうがないだろ…それにもう妹さんと約束しちゃったみたいだし」ハァ

照「ありがとう菫!この恩は一生忘れない!」ダキッ

菫「ええい!抱きつくな暑苦しい!」グワッ

照「菫~♪ありかとう」ギュゥゥゥ

菫「はぁ…まったく…しょうがないやつだな…」ナデナデ

長野

咲「ふふーん♪」チャポーン

咲「明後日かぁ…ふふ、楽しみだなぁ」

咲「お姉ちゃん元気かn…元気だったよね、うん、元気だった」

咲「それにしてもお姉ちゃんが誘ってくれるなんて…嬉しいな。何かおいしいお菓子でも買っていこう」

サキーイツマデハイッテンダハヤクデロヨー

咲「はーい!今出るー」

咲「もー、お父さんてばうるさいなー。お風呂くらいゆっくり入らせてよ…」イヨット

咲「ふぁあ…早く寝よ」

東京

照「いっい湯だな♪」バババン

照「いっい湯だな♪」バババン

菫「うるさいぞ照」チャポーン

照「菫のケチんぼ。今日でホテルの広いお風呂最後なんだからちょっとくらいいいでしょ」ブー

菫「ケチで結構。私は疲れたんだよ。なんでお前はそんなに元気なんだ」

照「…聞きたい?」フフフ

照「それはね…明後日咲に会えるから!!」ババン

菫「お、おい…すっぱだかでそんなに堂々とするなよ…目のやり場に困るだろ…」アワアワ

照「…ふんだ、私には菫と違って見られて減るような胸はないもん」プイッ

菫「何を卑屈になってるんだよ…お前だってそのうち…いや、そう言っている間に一年半過ぎてしまったな…」

菫「気休めを言うのはやめておこう…」

照「菫の馬鹿!ひどい!鬼!悪魔!」ウエーン

菫「おい泣くなよ、泣いてもどうにもならんだろ…」

照「うわあああああああああああああああああん!」ポカポカ

菫「いたっ!やめろ馬鹿!」

照「……………はっ!」ピタッ

菫「ん?どうした」

照「……咲が…咲がしばらく会わない間におもちになってたらどうしよう!!」

菫「」

菫(良いのか悪いのか知らんが…照を見る限りそれはないな……)

照「咲がおもちになんてなってたら……あああ考えたくない!私のほうがまな板なんて!」イヤァァァ

照「姉としての威厳が!」

菫「すでに無いがな」

照「うるさい!」ポカッ

菫「いたっ!?」

照「うぅ……急に明後日が怖くなってきた…」ブルブル

菫「おい風邪ひくぞ。湯船につかれ」

照「咲ぃ~…私は信じてる…咲は私をおいておもちにはならないって…」チャプン

菫(………疲れた)ハヒ

菫「…そういえば、妹さんはこっちの高校を受験しないのか?」

照「…ん、咲がこっちに来るとお父さん一人になっちゃうし…」

菫「…あ、そうだったな……すまん、変なことを聞いた…」

照「気にしてないよ…確かに咲とは一緒にいたいけど、家族なんだし会おうと思えばいつでも会えるから」

菫「なあ、失礼なのは重々承知でもう一つ聞きたいことがあるんだが」

照「ん?何?」

菫「どうしてお前がこっちに出てきたんだ?お前の性格からして東京に出たいといったようには思えないんだが」

照「ああ、それね。私もあんまり乗り気じゃなかったんだけどね」

照「お母さんが出ていくってなったときに、私とお父さんはほとんど家事ができなくて…」

菫「ああ…なるほど」

照「それで咲はお父さんと長野に残ることになって、私はお母さんとこっちに来たの」

照「それに麻雀やりたいって気も少しはあったしね」

菫「少しか…」

照「うん、私は家族麻雀ができればそれで良かったから」

照「なつかしいなぁ…小さいころは私も咲も負けが込んでくるとムキになって……」シミジミ

菫「幼少期とはいえ、ムキになった照とは絶対に打ちたくないな…」

照「小学校高学年のころは咲と協力してお父さんとお母さんからのお年玉を倍に増やして山分けしてた」

菫「なんて姉妹だよ…」ドンビキ

照「でもそれがバレてすごい怒られて…それから咲はプラマイ0ばっかりするようになった」

菫「プラマイ0!?」

照「…?うん、怒られて以来咲は毎局プラマイ0だよ」

菫「」

照「咲が攻めてこなくなったから私が一人でたくさん和了ってたくさん稼いで、結局それを咲と半分こしてた。それで気づいたら連続和了できるようになってた」

菫「山分けしてたんなら、やってることは変わってないじゃないか…」

照「そんなことないよ。咲も怒られる前はガンガン稼ぎにきてたから。やっぱり咲がプラマイ0するようになってから稼ぎは減った……」

菫(照………幼いころからすでに大魔王の面影が………)

菫「でもあれだな…妹さんそんなに強いんだったら来年全国に出てこれるんじゃないか?」

照「うーん、どうだろ…今年の長野代表の龍門渕の…あのちっこいのがいるから…」

菫「ああ、天江衣か…」

照「そうそう、その子…すごかった」

照「今の咲がどれくらい強いかわからないから何とも言えないけど…」

菫「じゃあ明後日来た時に少し打ってみたらどうだ?」

照「あ、そうだね!それがいい!咲と打つのは久々だなー」ルンルン

菫(絶対に同卓したくないがな)

照「ああ、早く明後日にならないかんー」ウキウキ

>>24 訂正 最後の行 照「早く明後日にならないかなー」です。失礼しました


2日後・東京駅

菫「妹さんが言ってた時間よりも早く着いたな」

照「うん、あと20分もあるよ」

菫「いいか照、絶対に私の手を離すなよ?」

菫「こんなところで迷子になったら一生見つからないからな」

照「菫、私馬鹿にしてる…。いつか後悔する」

菫「お前の手を放して後悔することになるほうがよっぽど嫌だけどな」

照「…えっ…///」

照(何今の…ちょっとキュンときた)

菫「ん?」

照「なな、なんでもない」オドオド

菫「明らかに挙動不審なんだが…ん?」

照「どうしたの菫」

菫「いや、あの∠はもしかして……」

照「あ、咲だ」

菫(やっぱり)

照「おーい!咲ぃ~!」ブンブン

ア!オネーチャーン!

照「咲ぃ~咲ぃ~!」ブンブン

ザワザワヤダナニアノヒトザワザワ

菫「おいやめろ!注目の的になってるぞ!」

咲「お姉ちゃーん!」ダキッ

照「咲いいいいいいいいいいいいいいい!」ギュゥゥゥ

照「咲、元気だった?一人でよく来れたね」ナデナデ

咲「えへへ…。うん、元気だよ。お姉ちゃんこそ疲れてないの?」

照「平気、咲を見たら疲れが吹き飛んだ!」フンス

咲「もう、お姉ちゃんたら……あ」

咲「えっと初めまして。弘世さんですよね、姉がいつもお世話になっております」ペッコリン

菫「初めまして。咲ちゃんだったかな。こちらこそ照にはいつもお世話になっt……」

照「なぜそこで黙る」

菫「いや、私がお前を世話することはあっても、私がお前に世話になることってあったか?」

照「ある」

菫「即答だなおい」

咲「弘世さん、大丈夫です。わかってますから」クスクス

菫「咲ちゃんはいい子だな…」ナデナデ

咲「えへへ」テレテレ

照「む………」

とりあえず今日はここまでです。読んでくださった方々、ありがとうございました。
土日は用事があるので、続きは月曜日に投下する予定です。
こんな駄文ですが、最後までお付き合いいただけると幸いです。

少し時間ができたので続きを少し投下します


咲「あ、そうだお姉ちゃん。はい、お父さんがこれ持ってけって」

照「なにこれ?」

咲「おこずかいだよ。それで好きなお菓子でも買いなさいって」

照「………お父さん…大好き」

菫「立ち話もなんだし、そろそろ行くか?」

照「そうだね…咲、おいで」テヲサシダス

咲「あ、うん」キュッ

菫「ここからまだ結構電車に乗るから、眠かったら寝ててもいいぞ」

照「私は眠くない、昨日ちゃんと早く寝た!」キリッ

咲「あ、私も大丈夫です」

菫「そうか、でもまあ眠くなったら寝たらいいさ」

照「あ、ちょうど電車きた」トテトテ

咲「あ、お姉ちゃん置いてかないで」テテテ

菫「あ!おい待て!それは反対方向に行く電車だ!」ガシッ

照「わっ!」ドテッ

照「………菫、痛い…」

咲「お姉ちゃん大丈夫?」アセアセ

菫「すまん…だけどな照、お前今の電車に乗ってたら一生迷子だぞ」

照「そんなことない。今の電車はあってたはず」

菫「………」

菫(なんでこいつ乗ってきた電車覚えてないんだ…)

咲「あ、あの弘世さん……次の電車来たみたいですよ」

菫「ん?ああほんとだ。今度は間違いないな」

照「さっきの電車もあってたのに」

菫「まだ言うか」

ガタンゴトンガタンゴトン

咲「……」ウトウト

照「咲…眠いの?」

咲「ん……大丈夫……」カクンカクン

菫「別に気を使う必要はないぞ、まだしばらく乗るから寝ててもかまわない」

咲「……すみません」カクッ…カクッ

照「ほら咲、寝るなら私の肩使っていいから」

咲「ん、ありがとうお姉ちゃん…ちょっと寝るね」ポスッ

照「はい、おやすみ」ナデナデ

咲「」クカー

照「」ナデナデナデナデ

菫「……かわいい妹さんだな」

照「でしょ?」ドヤァ

菫「別にお前のことは褒めてないが」

照「むっ」

今日はここまでです。ほんとに少ししか投下できなくてすみませんでした。
次回の投下は今度こそ月曜日になると思われます。最後までお付き合いいただけると幸いです。

続き投下します


菫「でもまあよく似てる姉妹だとは思うよ」

菫(特にその∠が)

照「よく言われる」

照(……∠がそっくりねって)

菫「そうか………」

照「うん」

菫「……………」ガタンゴトン

照「……………」ガタンゴトン

菫「……………」ガタンゴトン

照「……………」コクッコクッ

菫「……………」ガタンゴトン

照「」スピー

菫「………なあ照」

照「」ポスッ

菫「なんだ…寝てるのか…」

咲「」スピー

照「」スピー

菫「…同じ顔して寝てるな」ナデナデ

菫(……なんか…いいな、こういうの)

咲「むにゃ……清一、対々…三暗刻…三槓子……嶺上ツモ…赤1……むにゃ…数え役満……うはは」

菫「」

菫(……どんな夢見てるんだ………)

菫「…おっと、そろそろ着くな」

菫「咲ちゃん、そろそろ着くぞ」ユサユサ

咲「…んあ?」ポケー

菫「照、お前も起きろ」ユサユサ

照「がおー!」グワッ

菫「っ!!?」ビクッ

照「……………ん?あれ…?」ポケー

菫「おはよう照、もう着くぞ」

照「……………なんか変な夢みてた」

菫「だろうな」

咲「……………むぅ…」ゴシゴシ

菫「おはよう咲ちゃん、もう着くよ」

咲「おはよう…ございます」ムー


ドアプシュー

菫「よいせっと」

照「ついた」

咲「これからどこに行くんですか?」

菫「ああ、寮に行く」

咲「え、白糸台のですか」

菫「ああ」

咲「…私が入って大丈夫なんですか?」

照「問題ない。咲を泊められるよう手続きもしっかり済ませてある」フンス

菫(私がな)

照「とりあえず寮に行って、お菓子食べながら麻雀でもしよう」

咲「ほんと!?お姉ちゃんと打つの久々だよ!」

菫「……………」ダラダラ

菫「お、おい照……メンツもう一人どうするんだ……?」

照「あー」

菫(この二人と三麻なんてしたら確実に精神を殺られる…それだけは阻止しなくては…!)

菫(まだメンツが決まっていないのなら誠子を呼んで的を分散させる…!)

照「どうしよう……あ、淡呼ぼうか」

菫「」

咲「…淡?」

照「あ、そうか…咲には言ってなかったね。淡は咲と同じで中三なの」

咲「同い年?」

照「そう、でもとっても面白い麻雀を打つ子だから、いつか咲と会わせたいと思ってたんだ」

菫「お、おい照……淡は受験勉強で忙しいんじゃ……」ダラダラ

照「大丈夫だよ、淡は麻雀推薦一本みたいだから。勉強もしてないみたい」

咲「へぇ…白糸台の麻雀推薦一本なんだ……すごいね」

照「うん。たまに調子に乗りすぎるところもあるけど、実力は確かだよ」

咲「お姉ちゃんがそんなに絶賛してるの初めて見たよ。ほんとにすごい子なんだね」

咲「ちょっと打ってみたいかも」

照「そうと決まればさっそく淡に電話」

プルルルルルルル…ピッ

淡「もしもしテルー?どしたのー?」

照「淡…今ひま?」

淡「うん…ひまだけど…あれ、テル今日は用事あるんじゃなかったっけ?」

照「うん、その用事の一環で。今から麻雀しない?」

淡「うん、いいよ!メンツは?」

照「私と菫と、それから咲」

淡「サ……キ…?誰?」

照「私の妹」

淡「うっそ!テルの妹!?行く行く!今すぐ行く!テルたち今どこなの!?」

照「今白糸台の寮に向かってろところ」

淡「じゃあ私もこれから行くよ!寮の前で待ってて!」

照「うん。淡が先に着いてもちゃんと門の前で待っててね」

淡「はーい!じゃ、あとでね」

ピッ

照「よかった、淡ひまだって」

菫「」

照「菫?」

菫「」

咲「弘世さん?」

菫「」

菫「……………誠子、尭深……頑張ってレギュラー入りするんだぞ……」トオイメ

照「…菫、どうしたの?早く行こうよ」

菫「………ああ、そうだな」トボトボ

咲「…大丈夫ですか?顔色悪いですよ?」アセアセ

菫「ん、ああ、大丈夫だ…ありがとう咲ちゃん」ナデナデ

照「咲、淡とちゃんと仲良くしてね」

咲「うん、大丈夫だよお姉ちゃん」

菫(思えば17年……短い人生だったな…)シミジミ

咲「ところでお姉ちゃん、白糸台の寮ってほんとに私が泊まって平気なの?」

照「うん、友達の場合はちょっと手続きがめんどうだけど、身内は割と楽」

咲「へえ、そういうものなんだね」

照「うん。ところで咲、何泊するの?」

咲「3泊」

照「そっか、じゃあお母さんには帰りがけに会いに行こう」

照「確かお母さん、その日の午後は休みだったはず」

咲「うん!」

菫「」ポケー

照「……あれ、菫?どうしたの?」

咲「な、なんかすごく遠い目をしてるね…」

菫「」ポケー

照「すみれー、元気ー?」

菫「」ポケー

照「あれ、反応がない…よし」

照「菫のばーかあーほどーじまぬけー」ンベー

咲「お、お姉ちゃん!」

菫「………」

照「あなたの心を狙い撃ち!」キリッ

照「白糸台の!シャープ!シューt 菫「ロン!(物理)」ドシュッ

照「ぎゃうん!」グサッ

菫「」スッ

照「無言で第二射を構えないで!」アワワワ

咲「こ、これがシャープシュート……生で初めて見たよ…」

照「…ものすごい威力でしょ?でも試合のときはもっとすごい」

照「撃ち抜かれた相手は衝撃のあまり『……は!?』としか言えなくなる」

咲「ひ、弘世さんって意外に怖い人なんだね…」ビクビク

菫(……………これから私のほうがよっぽど怖い目にあうんだが)ハァ

菫(……もういい、腹を括ろう)

菫「…淡を待たせても悪い。そろそろ行こう」

照「よし、出発進行!」オー

咲「お、おー」オー

数分後

菫「そこの角を曲がればすぐに寮だ」

咲「意外と駅から近いんですね」

照「そう、近くにコンビニもあって結構便利」

菫「お、寮が見えたぞ」

咲「あれ、だれかこっちに走ってくる…」

照「あ、淡だ」

淡「テルぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうう!」ダキッ

照「おぅふ!」ヨロッ

淡「テルーテルー♪」グリグリ

照「よしよし、どうしたの淡」ナデナデ

淡「んー♪テルと会ったの少し久しぶりな気がしたから」スリスリ

菫「うそつけ、三日前に三人でファミレス行ったばっかりだろ」

淡「三日も会わなきゃ久しぶりなんだよ!」

咲「あ、あの…」オドオド

淡「おお!あなたが例のテルの妹だね!」

照「淡、紹介する。私の妹の咲。淡と同い年」

咲「は、はじめまして。宮永咲です。お姉ちゃんがいつもお世話になってます」ペッコリン

淡「こちらこそはじめまして!んー、同い年なんだし敬語いらないよ!」

淡「私は大星淡!よろしくね、サキ。私のことも淡でいいよ」

咲「う、うん!よろしくね、淡ちゃん」

淡「よーし!じゃあさっそく麻雀やろう!」

菫「そ、そんなに急ぐ必要ないだろ……咲ちゃんだって遠くから出てきて疲れてるんだし」

淡「えー、だって早くサキと打ちたいんだもん!」

咲「弘世さん、ありがとうございます。でも大丈夫ですよ。私も淡ちゃんと早く打ってみたいです」

淡「すでにこう、ビビッとオーラを感じる。サキはやっぱりテルの妹なんだね」

咲「そういう淡ちゃんこそ」

照「よし、じゃあ私の部屋に行こう」

咲「お姉ちゃん雀卓持ってるの?」

照「うん、去年個人戦で優勝したときに学校からプレゼントされた」

咲「へぇ~すごいねぇ」

照「でも今年は高級なお菓子を山ほどもらえることになってる」フフフ

咲「……………お姉ちゃんらしいよ……」

淡「もー!立ち話してないで早く行こうよー!」グイグイ

咲「わわっ!ちょっ、淡ちゃん!あんまり引っ張らないで!」アワワワ

菫「こら待て!ああもう…まったくあいつは忙しないな…」

照「…………………」

菫「ん?どうした照……ボーっとして」

照「いや、なんか…こういうの、いいなぁって思って。淡も咲のこと気に入ってくれたみたいだし」

照「咲も、すごく楽しそう」

菫「………お前もなんだかんだでお姉ちゃんなんだな」

照「どういうこと?私はずっとお姉ちゃんだよ?」

菫「いや、なんかお前…姉って感じがしないからな」

照「失礼な…これでも15年間姉をやってるのに……」

菫「いやなに、馬鹿にしてるわけじゃない。お前の意外な一面が知れて良かったと思ってるのさ」

照「………今回はそういうことにしておく」

菫「さてと、早く行かないと淡たちに置いて行かれるな…」

照「あ、ほんとだ。早く行こう」タタタッ

菫「おい、あんまり急ぐなよ?お前はいつも……」タタタッ

ドベシャ

菫「…ほら、そうなる」

照「……………………い゛だい゛」ボロッ

サキーイソゲイソゲ!マッテアワイチャン…ウワッ!ドベシャ

照菫「あ」

チョットサキー!ダイジョーブ!?ダ、ダイジョウブ…

菫「…そっくりだな」

照「……………………あんまり嬉しくない……」

淡「もー、サキったらおっちょこちょいだね!テルとそっくりだよ!」アハハ

咲「うぅ…それはあんまり嬉しくないよぉ」ボロッ

照の部屋

咲「おぉ…寮とは思えないよこれ」

照「でしょ?なかなか快適」

咲「でもちょっと散らかってる……掃除してる?」

照「………た、たまには」ダラダラ

菫(私がな)

咲「あ!お姉ちゃん…またポテチの袋開けっ放しにしてる!」プンプン

照「うっ!」

咲「もう!湿気っちゃうからダメって前から言ってるのに!」プンスコ

照「………ごめんなさい」シュン

菫「どっちが姉だかわからないな」

淡「テルは麻雀強くても普段ダメダメだからねー」ケラケラ

照「うぅ…みんなひどい…」

淡「そんなことよりほら!早く麻雀やろうよ!ほらほら!」

咲「そうだね、うん、やろう!」

淡「今日は最初から本気でいくよ!覚悟しろサキ!」ゴゴゴ

照咲「…!」ピクッ

咲「…私も…全部――ゴッ倒す!」ゴッ

照「二人がそうくるなら…私も最初から本気出す」ゴゴゴ

菫「」

菫(メゲるわ……)

麻雀描写はザックリで失礼します

淡「リーチ!」

咲「!?」

咲(いきなりダブリー?配牌も最悪だし…ここはオリ)

菫(淡のやつ…ほんとに初っ端から本気できたな……)

淡「カン!」

咲「っ!?」

淡「ツモ!」

淡「ダブリー…裏………あれ?」

淡「裏乗ってない………なんで?」

咲「……?」

照(王牌の支配は咲のほうが上……?)

淡「むー、なんか腑に落ちないけど…とりあえずダブリーのみ」

菫「次、行くか…」

咲「カン!カン!もいっこカン!」

咲「ツモ!嶺上開花!」

淡「うっわ!何それー!サキすっごい!」キラキラ

咲「え、そんなことないよ普通だよ」

菫(どう考えても普通じゃないだろ…)ヒキッ

照「次、東三局く。私の親番」ゴゴゴ

咲「…う」

咲(うぅ…お姉ちゃん…明らかに昔よりオーラがひどくなってるよぉ)

照「ロン、ツモ、ツモ、ロン、ツモ」ギュルルルルルルル

淡「うー、さっきから全然和了れてない………」グヌヌヌ

淡「もおおお!本気の本気!絶対本気!」グオオオオオオ

照咲「…!!!」ビビビッ

照(淡が本気になった……)

咲(ひえぇ…これ、限定プリンかけて戦ったときのお姉ちゃんよりほどいよ)ガクブル

菫(もうやだこの卓……普通の麻雀させてくれ……)ナミダメ

淡「ダブリーカンツモ裏4!跳満!」ゴッ

咲「…すごい…!淡ちゃん!すごいよ!」キラキラ

淡「ふふん!とーぜん!」ドヤッ

菫(や、やっと東風戦終わった……これ南場もやるのか……)ゼェゼェ

ドアコンコン

照「ん?お客さん?」

照「はーい、どうぞー」

ドアガチャ

誠子「失礼します」

尭深「こんにちは」

照「あれ、どうしたの二人とも」

誠子「いえ、弘世先輩に勉強教えていただこうと思って部屋に行ったんですけどお留守だったので…こちらにいらっしゃるかと」

尭深「もしかしてお邪魔でしたか?」

照「ううん、そんなことない。入って」

誠子尭深「お邪魔します」ペッコリン

菫「誠子!いいところに来た!代われ!代わってくれ!」ガシッ

誠子「えっ…え?」

菫「頼む!私はまだ死にたくないんだ!」

誠子「ちょっ、なんですか一体…どうしたんですか…」

尭深「…麻雀してたんですか?」

照「うん、今ちょうど東風戦が終わったところ」

尭深「淡ちゃんと……その子は…えっと…」

照「そうだ、誠子と尭深にも紹介する。私の妹の咲。中三」

咲「は、はじめまして。宮永咲です。姉がいつもお世話になっております」ペッコリン

誠子「はじめまして、亦野誠子です。よろしくね、咲ちゃん」

尭深「渋谷尭深です。よろしくね」

今日はここで終了です。明日も続きを投下する予定です。
読んでくださった方々、ありがとうございました。最後までお付き合いいただけると幸いです。

続き投下します


淡「亦野先輩に尭深先輩だー!何しに来たのー?」

菫「いや、さっき勉強聞きに来たって言ってただろ」

淡「あれ?そうだっけ?まあいいじゃないですか!二人とも一緒に麻雀やりましょうよ」

誠子「いや、私たちは勉強を聞きに…」

淡「えー!いいじゃないですかー!やりましょうよー!ねえってばー!」バタバタ

誠子「え…と、どうする?尭深」

尭深「いいんじゃない?勉強なら今日じゃなくても聞きに来れるし…」

誠子「そうだね…よし、やろうか」

菫「すまんな、二人とも。明日ここで咲ちゃんの勉強見る予定だから、よければ来てくれ」

咲「すみません弘世さん、ご迷惑おかけしてしまって…」

菫「ん、気にすることはないさ」

照「す、菫…実は私も夏休みの宿題が……」

菫「はっ!?お前インハイ始まる前に終わらせたってドヤ顔で言ってたじゃないか!」

照「そそそ、そんなこと言ってない…読書感想文書き終わったって言っただけ…」

菫(いや、全部終わったって言ってたぞ…)

菫「………何が終わってないんだ?……正直に言えよ?」ゴゴゴ

照「…数学の冊子あと30ページ…漢字のワーク20ページ……英語の問題集50ページ…」

咲「け、結構あるね……」

菫「……………おい、今日は何月何日だ?」

照「8月26日」

菫「始業式はいつだ?」

照「……9月1日」

菫「………………………」ジトッ

照「そ、そんな目で見ないで…」

菫「はぁ……もうしょうがないな…とりあえず今日は咲ちゃんも疲れてるだろうし、明日からみっちりやるからな」

照「…ありがとうすみれぇ」ウルウル

淡「ねーえー!麻雀やろーよー!」バタバタ

照「そ、そうだった…えっと…私が抜けようか?」

淡「えー、テル抜けちゃうの?つまんなーい」

菫「ま、待て照!私が!私が抜ける!」

誠子「じゃあ代わりは……」チラッ

尭深「……………………」フルフル

誠子「な、なんだよ!私に死ねって言うのか!?」コソコソ

尭深「じゃあ私に死ねって言うの?」コソコソ

照「二人ともどうしたの?」

誠子「いっいえ、なんでもないです!」

誠子「尭深、こうなったら公平にじゃんけんで決めよう…!」

尭深「………わかった」

誠子「じゃあいくぞ…最初はグー…じゃんけん…」

誠子「ほいっ!」グー

尭深「ほいっ!」パー

誠子「ま、負けた……」ガクッ

尭深「…誠子ちゃん、頑張って」ポンッ

誠子「………………行ってきます」トボトボ

尭深「無事に帰ってきてね………」

照「……ふつう勝ったほうが入るんじゃないの?」

誠子「…いいんです、負けたほうであってます」ガックシ

照「…?」

菫(あんな卓……罰ゲームみたいなものだからな…)

数時間後

誠子「」プシュー

尭深(ごめんね誠子ちゃん…あとでお茶淹れるから……)ナム

淡「あー、楽しかった♪また打とうね、サキ!」

咲「うん、私もすごく楽しかったよ!ありがとう淡ちゃん」

照「咲、強くなったね……これなら清澄でも来年全国狙えるかも…」

淡「あれ?サキは白糸台には来ないの?」

咲「うん、長野の清澄高校ってところに行くつもりだよ」

淡「なんだーつまんないの!サキがこっちに来たら私とサキで高一最強コンビ組めるのに」

咲「さ、最強だなんて…私はそんなに強くないよ…」アタフタ

淡「ううん、サキ、すっごく強いよ!」

咲「そ、そうかな…///」テレ

咲「でも、淡ちゃんのほうがもっともっと強いよ。私、お姉ちゃん以外でこんなに強い人と打ったの初めてだよ」

淡「んもー!嬉しいこと言ってくれちゃって!サキ大好き!」ギュゥゥゥ

咲「わっ!淡ちゃん、苦しい苦しい!」ケホッ

淡「あー、このまま持って帰りたい!」スリスリ

照「…!そ、それはいくら淡でもダメ!」

淡「テルのケチ!テルには菫先輩がいるでしょ!」

照「それとこれとは話が違う」

淡「むー」

菫「おい、そこのバカ二人。そろそろ夕食の時間だが」

照「え、もうそんな時間?」

淡「うわっ!私そろそろ帰らないと!」

咲「え、淡ちゃん帰っちゃうの…?残念…」ショボン

淡「っ!!」

咲「残念だけどしょうがないね…また今度遊ぼうね」

淡「……」プルプル

淡「サキぃいいいいいいいいいいいいいい!!サキってばかわいすぎ!」ギュムッ

咲「ぐえっ」

淡「もー!明日も来ちゃお!ねえテル、明日も来ていい?」

照「淡がいいなら大丈夫だよ」

菫「明日は勉強会だが…いいのか?」

淡「うっ!…だ、大丈夫!サキに会いに来る!」

尭深「淡ちゃん…相当咲ちゃんになついてるのね」

誠子「同い年で互角の実力がある人に会えてうれしいんだよ、きっと」

淡「じゃあそろそろ帰るね!ばいばいサキ!また明日ねー!」フリフリ

咲「うん、また明日」フリフリ

ドアバタン

咲「お姉ちゃん、淡ちゃんっていい子だね」

照「でしょ」

菫「あれでもう少し落ち着きがあったら完璧なんだけどな」

誠子「あはは、大星に落ち着きがあったら気持ち悪いですよ」

菫「ふむ、それもそうだな…」

グキュルルルルルルル

咲「あう……///」

照「咲、お腹すいたの?」

咲「う、うん、少し…」

菫「そういえばもう夕食の時間だったな。食堂に行こうか」

誠子「今日のメニューなんですかね」

照「今日はオムライスだった。魚じゃないよ」

誠子「え、そうなんですか…」シュン

菫「テルは相変わらずメニューのチェックが早いな」

照「当然。メニューによってはお菓子の寮をセーブする」

咲「亦野さんは魚がお好きなんですか?」

誠子「え、あ、うん。…なんか亦野さんって堅っ苦しくてやだなあ…誠子でいいよ」

咲「あ、いやでも…先輩ですし…」

誠子「いいのいいの、ほら」

咲「う、え…じ、じゃあ…えっと…誠子さんは魚がお好きなんですか?」

誠子「うん、食べるよりも釣るほうが好きだけどね」

尭深「私も昨日釣りに付き合わされた」

誠子「…しょうがないだろ、ほかに頼める人いないんだから…」

尭深「別に嫌とは言ってない」

咲「渋谷さんも釣りするんですか?」

尭深「私も尭深でいい」

咲「う…えっと、尭深さんも釣りを?」

尭深「ううん、私は誠子ちゃんに付き合ってるだけ」

咲「海釣りですか?」

誠子「いやいや、海はちょっと遠いからね。川釣りだよ」

照「何か釣れた?」

誠子「いやー、昨日はダメでしたね。まあ、何か良いものが釣れたら持って帰りますよ」

菫「……うわ、食堂結構並んでるな…早めに来たんだが…」

尭深「私と誠子ちゃんで並んできます」

菫「いや、それは悪い」

尭深「全然かまいませんよ。先輩方はゆっくりしててください」

菫「……すまんな、ありがとう」

尭深「いえ」

咲「あ、私も行きます」

照「咲はダメ。お客さんなんだから座ってて。代わりに私が行くから」

菫「……いや、照は咲ちゃんとここにいろ。私が行ってくる」

菫「さ。誠子、尭深、行くぞ」

誠子「え、先輩悪いですよ…座っててください」

菫「いいからいいから。ほら、行くぞ」グイグイ

菫(思えば照と咲ちゃんはまだ二人っきりになってない…)

菫(はるばる長野から来たんだ…少しでも多く姉妹の時間を作ってやらんと…)

照咲「………」ポツーン

咲「弘世さん…気を遣ってくれたのかな…」

照「べつに気にしなくても良かったのにね…」

咲「うん…でもちょっと安心したよ」

照「なにが?」

咲「お姉ちゃんの周りの人が、みんな良い人ばっかりだったから…」

照「そんなこと心配してたの?」

咲「………だってほら、お姉ちゃん初対面の人には誰彼かまわず営業スマイル振りまくでしょ?」

咲「ちゃんとお姉ちゃんのことわかってくれる友達いるのかなって…」

照「もう……咲ってば失礼…私にだって友達くらいできる」

咲「うん、だから今日それを確かめられて良かったなって思ったの」

照「…咲は私のことより自分のこと気にかけたほうがいい。受験生なんだから」ナデナデ

咲「う………」

照「ちゃんと勉強しなきゃダメだよ?」ナデナデ

咲「うぅ…宿題ため込んでるお姉ちゃんに言われたくないよ!」

照「むぐ……何も言い返せない…」

咲「お姉ちゃん、夏休み何してたの?」

照「麻雀麻雀おかし麻雀おかしおかしおかし麻雀おかしおかしおかしおかしおかし麻雀おかしおかしおかし麻雀」フンス

咲「……麻雀よりお菓子の時間のほうが多い……」

咲「お菓子の時間を少しでも宿題に充てられなかったの?」

照「むり」

咲「……………」

照「咲も知ってるでしょ?お菓子が私にとってどれだけ重要なものか…」

咲「それは…まあ……」

照「とにもかくにもお菓子がないと、私のすべては始まらないの」

咲「わかったよ…もう何も言わない……」ハァ

照「……あれ、なんか呆れられてる?」

咲「ううん、そんなことないよ…。お姉ちゃんらしいなって思っただけ…」ハァ

照「…むー……やっぱり呆れられてる…」

照「………………とりゃっ!」ガバチョ

咲「うひゃっ!?」ビクッ

照「くらえ!」コチョコチョ

咲「ちょっ、お姉ちゃん!うひゃwwやめwwwww」ケラケラ

照「お姉ちゃんをバカにする妹はこうしてやる!」コチョコチョコチョコkチョ

咲「ごめっ、謝る!謝るかwwらwwwお願いやめてwwwww」ケラケラ

照「よろしい!」ピタッ

咲「ふー…ふー…」ハァハァ

照「どう?参った?」フンス

咲「もー、お姉ちゃんてば……ふふ」

咲「お姉ちゃんとこんなことするのも久しぶりだね」

照「…うん」ナデナデ

とりあえず今日はここまでです。明日も投稿する予定ですので、お時間のある方はお付き合いください。
読んでくださった方々、ありがとうございました。

続き投下します


菫「お、姉妹仲良くやってるじゃないか」

照「あ、菫おかえり」

咲「あ、おかえりなさい」

菫「ああ、待たせてすまんな」

咲「いえ、そんなことないですよ」

照「おお、オムライスおいしそう」

咲「うわ、けっこう量があるね…こんなに食べれないかも…」

菫「まあ高校生向けの献立だからな」

照「咲、ちゃんと食べなきゃ大きくなれないよ」

咲「身長はこれから伸びるもん」

照「確かに私も中三のときは咲と同じくらいだったけど……」

照「でも咲……私たちは身長よりも何よりも、おもちを大きくしなければいけない!」クワッ

咲「うっ……わ、私はこれから大きくなるもん!まだまだ成長期だもん!」

照「中三のときは私も咲と同じことを思ってた…でもね咲、現実は残酷なんだよ…」

照「事実、私の現状はひどい……華の女子高生が周囲から鉄板呼ばわりされる……」

咲「そ、それはお姉ちゃんだけでしょ!私は大きなおもちをお持ちな女子高生になるもん!」

照「………………」ポンッ

咲「…な、なにその哀れみに満ちた眼差しは!」

照「あきらめな、咲。咲の分も私がおもちの大きな女になってあげる。安心してお姉ちゃんに任せなさい」

咲「…違うよお姉ちゃん、あきらめるのはお姉ちゃんのほうだよ!」

照「む?」

咲「いい、お姉ちゃんは私より2年長く生きてるんだよ?」

照「…それがなに?」

咲「つまりねお姉ちゃん!お姉ちゃんは私よりも2年長く生きててそのおもち!」

照「!!?」

咲「2つも年が離れてるのに私と同じくらいのおもち…お姉ちゃんの成長はもう終わってるんだよ!」

照「ばかな………」ガクッ

菫「なあ、酷なことを言うようだが…二人とももう無理だと思うぞ」

照咲「…!?」

尭深「そんなことよりそろそろ食べませんか…?お腹すきました…」

照咲「…そんなこと……」

誠子「そうですよ、ご飯食べましょうよ!いただきまーす」パチッ

菫「いただきます」パチッ

尭深「いただきます」パチッ

菫誠子尭深「………」モグモグモグモグ

咲「……………た、食べようか…お姉ちゃん」

照「うん、そうだね…」

照咲「いただきます」パチッ

照咲「………」モグモグモグモグ

照咲「おいしい」

食後・照の部屋

咲「ふー、お腹いっぱいだよ」

照「うー…苦しい…」ゲフッ

咲「もう、お姉ちゃん…女の子が人前でゲップなんてダメだよ」

照「いいの、咲しかいないから」

咲「そういう問題なの…?」

照「それよりも咲、お風呂いつ入る?お風呂って言っても部屋についてる小さいバスルームだけど」

咲「うーん、どうしよう…もう入っちゃおうな」

照「わかった。タオルは洗面台の下にあるから適当に使って」

咲「うん」

照「シャンプーとリンスは…まあ見ればわかる」

咲「うん、わかった。じゃあ先にシャワー使わせてもらうね」

照「はい、ごゆっくり」

バスルーム

ガラッ

咲「おお……お姉ちゃんは小さいって言ってたけど…十分広いよ」

咲「これ、個室ごとについてるの…?…おそるべし私立…」

咲「えーと、シャワー出すのはこれかな」キュッ

シャワァァァァァァァァァァ

咲「ひゃっ!?つめたっ!」

咲「うわわわ!いったんシャワー止めないと…うわっ!」ツルッ

ドンガラガッシャーン

咲「うぅ…いたい…」

ドドドドド…ガラッ

照「咲っ!!どうしたの大丈夫!?」

咲「うひゃぁあ!お、お姉ちゃん!?」///

照「咲…転んだの?大丈夫?頭とか打ってない?」

咲「だだ、大丈夫…///」

シャワァァァァァァァァァァァ

照「…あ、そうかごめん…シャワーの使い方言ってなかったね…」キュッ

咲「う、ううん、大丈夫だよ」

照「…そうだ、この際私も一緒に入ろう」

咲「えっ!」

照「ちょっと待ってて…準備してくる」テテテ

咲「あ、ちょ、お姉ちゃん待って………行っちゃった…」

咲「まあいっか…小さいころはいつも一緒に入ってたし」

ガラッ

照「おまたせ」

咲「はやっ」

短いですが今日はここまでです。続きは明日投下する予定ですが、場合によっては投下できない可能性もあります。
それでも続きを待ってくださるというお心の広い方々は、どうか最後までお付き合いください。
では、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

続き投下します


照「よっこらせと…」

咲「年寄りくさいよお姉ちゃん…」

照「いいのいいの……シャワーシャワーっと」キュッ

シャワァァァァァァァァァァァ

咲「あ、そっちでお湯が出るのか…」

照「うん…よし、ちょうどいい温度」

照「咲、こっちおいで。頭洗ってあげるから」

咲「え、いいよ。自分でやるよ」

照「いいからいいから…こっちおいで」

咲「…うん」トテトテ

照「よし、じゃあここ座って」

咲「はい」チョコン

照「じゃあシャワーかけるけど熱かったら言ってね」シャワァァァ

咲「ん、大丈夫…ちょうどいい」

照「~♪」ワシャワシャ

咲「♪」

照「大丈夫?痛くない?」ワシャワシャ

咲「うん、平気だよ。それよりもお姉ちゃん、私たちのこの∠ってなんなの?」

照「さあ…」ワシャワシャ

咲「濡らしても整髪料使ってもどうにもならないんだよね、これ…」

照「私もこっちに来てから一度、思い切って美容室で切り落としてもらったことがある…」ワシャワシャ

咲「あ、切ったの?」

照「うん…次の日にはもとに戻ってたけど……」ワシャワシャ

照「ていうか、切り落としたその日一日、菫にすら私の存在を認識してもらえなかった…」ワシャワシャ

咲「え、なにそれ…怖い」ガクブル

照「うん、本当に怖かった…ほ○怖に投稿できるレベル…」ワシャワシャ

照「タイトルは…―角のない女―とか?」

咲「お姉ちゃんそれ普通だよ」

照「…ま、まあそれは置いといて……」ワシャワシャ

照「咲も絶対に∠は切り落としたらダメだからね?」ワシャワシャ

咲「切り落とすなんて発想今の今までなかったよ。むしろなんで切り落とそうと思ったの?」

照「だって…満員電車とか乗ると近くの人に刺さって嫌な顔されるし…」ワシャワシャ

照「枕にも穴あくし…」ワシャワシャ

咲「ああ、それはまあ……うん」

照「デメリットしかないなら、切っちゃっていいかなって」ワシャワシャ

咲「なるほど…」

照「よし…こんなものかな。咲、痒いところとかない?」ワシャ…

咲「うん、平気だよ。ありがとう」

照「じゃあシャンプー流すから目つぶって」シャワァァァ

咲「ん」

咲「ふー、さっぱりしたよ。ありがとうお姉ちゃん」

照「どういたしまして」

咲「今度は私がお姉ちゃんの頭洗ってあげるよ」

照「うん、じゃあお願いする」

咲「じゃあ濡らすね」シャワァァァ

照「んー」

咲「シャンプーするけど、痒いところあったら言ってね」ワシャワシャ

照「んー♪」

咲「うーん、懐かしいなぁ、昔はいつもこうしてたよね」ワシャワシャ

照「うん」

咲「いつだっけ…お姉ちゃんがシャンプーしてる間に間違えてコークスクリューしちゃって…」ワシャワシャ

咲「お風呂場中シャボン玉だらけになったことあったよね」ワシャワシャ

照「……あれは確か私が7歳のとき」

咲「お姉ちゃんが7歳ってことは私は5歳…もう10年も前かぁ…」ワシャワシャ

照「…早いね」

咲「うん。気が付いたらあっという間にアラサーになってそうだよ…」ワシャワシャ

照「……私、あと10年でアラサー…」

咲「10年後かぁ…何してるかなぁ…」ワシャワシャ

照「…きっと、姉妹で麻雀プロになって、大活躍してる」

咲「…うん、そうだといいね」ワシャワシャ

咲「よし、こんなものかな。どう?お姉ちゃん痒いところない?」ワシャ…

照「うん、大丈夫」

咲「じゃあシャンプー流すよ」シャワァァァ

照「んー。ありがとう、気持ちよかった」

照「じゃあ次は体を…」

咲「え!か、体はいいよ…///」

照「別に姉妹なんだから気にすることない。別に減るもんでもないし」

咲「た、確かに減る胸はないけど…」ツルペター

照「………」ツルペター

照咲「」ズーン

照「……と、とにかく私に任せて。小さいころは洗いっことかしてたでしょ」

咲「うー…わかったよ」

照「よしきた。じゃあまずは背中から。咲、後ろ向いて」

咲「うん」クルッ

照「ゴシゴシするけど、痛かったら言うんだよ?」ゴシゴシ

咲「うん、平気」

照「……」ゴシゴシ

照(……咲…大きくなったと思ったけど…背中は小さいままだ……)ゴシゴシ

咲「♪」

咲(懐かしいなあ、この感じ…やっぱりお姉ちゃんに背中流してもらうの落ち着くよ)

照「うん、背中はこんなものかな」ゴシ…

咲(ありゃ、もう終わっちゃった…)ショボン

照「咲、前向いて」

咲「えぇ…ちょっと恥ずかしいよぉ///」

照「もう、咲ってば昔っから恥ずかしがりなんだから…」

咲「だ、だって…」オロオロ

照「はいはい、わかったわかった…前はいいから、代わりに私の背中流して」クルッ

咲「う、うん!それくらいお安い御用だよ!」

照「じゃあおねがい」

咲「うん」ゴシゴシ

照「あー、いいね。ちょうどいい」

咲「お姉ちゃんは相変わらずきれいな背中してるね」ゴシゴシ

照「そんなことない。咲だってきれい」

咲「…えへへ、それは私がお姉ちゃんの妹だからだよ」ゴシゴシ

照「…もう、咲ってば……」テレ

咲(満更でもなさそうな顔してる…お姉ちゃんって昔からこういうところがかわいいんだよね)ゴシゴシ

照「ん、ありがとう咲。もういいよ」

咲「ん、じゃあ流すね」シャワァァァ

照「ふいー、さっぱりさっぱり。ありがとう、咲」ナデナデ

照「咲の受験が終わったら、今度は温泉にでも行こうか」

咲「わ、ほんと!?」パァァァ

照「うん。淡や菫たちも誘って、みんなで行こう」

咲「うん!」

照「だから咲、頑張るんだよ」ナデナデ

咲「うん」

照「じゃあそろそろ上がろうか」

咲「うん、そうだね」

ガラッ

照「うー、蒸し暑い…せっかくさっぱりしたのにまた汗かきそう…」

咲「クーラーないの?」

照「あるにはあるけど…学校から極力使わないように言われてるの。電気代削減だって」

照「でも扇風機が部屋ごとに支給されてる」

咲「もしかして羽のないやつ?」ワクワク

照「ううん、普通に羽のあるやつ。それに羽のないやつは扇風機とは呼ばない」

照「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ー…ができない」

咲「お姉ちゃんそれ好きだよね」

照「うん、楽しい」

咲「昔、コークスクリューでそれやろうとして口の中カッピカピになってたよね」

照「あ、あれは若気の至り…二度とあんな馬鹿な真似はしない」

咲「そんなことよりお姉ちゃん早く服着なよ、風邪ひくよ」

照「おっと、そうだった」

本日はここまでです。大変申し訳ないのですが、明日は用事があるので続きを投下できないと思います。
次回の投稿は早ければ土曜日、遅ければ月曜日になると思われます。
少々時間が空いてしまいますが、気長に待っていただけると嬉しいです。
では、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

続き投下します


照の部屋

照「咲、今日は疲れたでしょ?もう寝ようか」

咲「11時か…うん、ちょっと早い気もするけど明日は弘世さんに勉強見てもらうし、早く寝るよ」

照「よし、じゃあ寝よう。こっちおいで」ポンポン

咲「え、私の布団ないの?」

照「………」ポンポン

咲「一緒に寝ようってこと?」

照「………」コクコク

咲「も、もう…しょうがないなぁ…///」ゴソゴソ

照「………」ギュゥゥゥ

咲「お、お姉ちゃん…ちょっと暑いよ」テレ

照「咲と一緒に寝るのは久しぶり…」ギュゥゥゥ

咲「もー、お姉ちゃんてば寂しんぼなんだから…」キュッ

照「じゃあ電気消すけど…咲、真っ暗でも寝れる?」

咲「い、いつの話してるの!ももももう真っ暗なの怖くないもん!」ガバッ

照「…わかった、じゃあ消すよ?」

咲「ご、ご自由に!」

パチッ

咲「ひゃわっ!?」ギュムッ

照「ぐぇ」

咲「~~~~~~~!」ギュゥゥゥ

照「さ、咲…ちょっと痛い…」

咲「うぅ~……」ギュゥゥゥ

照「………咲、やっぱり怖いんでしょ…」ナデナデ

咲「そそ、そんなこと……」ムギュゥゥゥ

照「別に強がることないのに…電気点けようか?」

咲「……ううん、お姉ちゃんがここにいてくれれば……平気」ギュッ

照「!!」

照(……かわいい、かわいすぎる)

照(菫にはよくシスコン呼ばわりされてその度に否定してきたけど、もうシスコンでもなんでもいい。咲かわいい)

咲「……どうしたのお姉ちゃん」キュッ

照「……なんでもないよ」ナデナデナデナデ

照(私……姉に生まれて良かった)

咲「ん……じゃあおやすみ、お姉ちゃん」

照「はい、おやすみ」ナデナデ

照(…そういえば明日って起床時間何時だったっけ……)ナデナデ

咲「」スピー

照(…まあいっか、どうせ菫が起こしに来てくれる)ナデナデ

咲「」クカー

照(…明日の……朝ごはん……なに…かな……)ナデ…

照「」スピー

照咲「」クカー

翌日・朝7時

ドンドンドン!

オイテルオキロ!モウスグアサゴハンダゾ!

照「んう~……」クカー

咲「んむ~……」クカー

ドンドンドン!

オイテル!マダネテルノカ!?オキロ!

照「んん……ぅるさい…」ムクッ…ヨロヨロ

照「うるさい……誰?宇宙人?」ポケー

ネボケテルナコノアホ!モウシチジスギダゾ!

咲「ん……あれ?…お姉ちゃん?」ムクッ

イイカゲンチャントオキロ!カオデモアラッテコイ!

咲「…弘世さんの声……?あれ、今何時…?」

照「咲…大変だ…宇宙人が攻めてきた……」ポケー

咲「お姉ちゃん何言ってるの…?早く起きてよ…」

照「咲、何してるの…早く迎撃準備を…」ポケー

咲「……まあいいや、しばらく放っておこう…」

咲「それより外で弘世さん待たせてるみたいだし…」トテトテ

ドアガチャ

咲「おはようございます、弘世さん」ペッコリン

菫「ああ、咲ちゃん。おはよう」

咲「すみません弘世さん。もしかしてお姉ちゃん、毎朝こんな感じですか?」

菫「いや、まあ…な」

咲「本当にごめんなさい、ご迷惑おかけして…」

菫「咲ちゃんが謝ることじゃないさ。それになんだかんだで私も照には世話になってるからな、お互い様だ」

咲「そう言ってもらえると助かります…」

照「あ!宇宙人が咲をキャトルミューティレーションしようとしてる…!」ポケー

菫「よし、じゃああのバカをさっさと起こすか。すまんが、少し下がっててくれ…」

咲「え、何するんですか…?」

菫「いやなに、少し…」スッ

菫「ロン!(物理)」ドシュッ

照「ふぎゃ!」グサッ

菫「シャープシュートするだけだ」キリッ

咲「お、お姉ちゃん!!ちょ…ひ、弘世さん!何してるんですか!」オロオロ

菫「安心しろ、今のは目覚ましタイプだ。命に別状はない」

咲(目覚ましタイプってなに!?)

照「………うぅ」ムクッ

咲「あ!お姉ちゃん大丈夫!?」

照「…菫、いつもありがとう」

咲「」

菫「礼はいい。もう日課になってるからな」

照「うん…これからもお願い」

咲(…お姉ちゃんが壊れた……)

短いですが、眠すぎるので今回はここまでとさせていただきます。
明日もできれば投下したいと思っておりますが、できない場合もありますのでご了承ください。
ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。
次回もお付き合いいただけると嬉しいです。

続き投下します


菫「よし、照も起きたし食堂に行くか」

照「うん、お腹すいた」グゥー

照「菫、朝ごはんなに?」

菫「確か今日はパンだったはずだが」

照「パンかー。イチゴジャムあるかな…」

咲「私はブルーベリージャムのほうがいいな」

照「え、咲いつの間にブルーベリー派に…」

咲「いや、どっちも好きだよ」

照「昔はイチゴ一択だったはず…」

咲「それはうちにイチゴジャムしかなかったからでしょ」

照「…そうだっけ?」

咲「お姉ちゃんがイチゴ以外のジャムが冷蔵庫にあるとものすごい憤慨してたから、お母さんが他の買ってこなくなったんだよ」

照「記憶にない」

菫「今の照もよくわからんが、昔の照もよくわからんな」

照「うーん、ほんとに覚えてない」

咲「まあ覚えてなくても問題ないことだし」

菫「確かに照には他にもっと覚えるべきことがあるな」

照「…なにそれ、どういうこと?」

菫「英単語とか」

照「うっ……」

菫「お前、この間の単語テスト何点って言ってたっけ?」

照「………………………5点」ボソッ

咲「…それ、何点満点のテストだったの?」

照「………………………20点」ボソッ

咲「うわぁ…」

照「なに、その反応…これでも一応4分の1は点数取れてる」

菫「さすがに一桁はひどいだろ」

照「英語なんて知らない」

菫「お前には麻雀があるとはいえ、多少の学力は必須だと思うが」

照「菫うるさい。そんなんだから白糸台の母とか言われる」

菫「……宿題手伝うのやめてもいいんだぞ」イラッ

照「っ!?そそそ、それだけは勘弁!」

菫「……まあ冗談だが」

照(嘘だ…今の絶対本気だった……)

咲「そういえば、弘世さんは宿題終わってるんですか?」

菫「ああ、全国大会が始まる前に終わらせたよ」

咲「爪の垢を煎じてお姉ちゃんに飲ませてあげたいですね」

照「私だってやろうと思えばできる。ただやろうと思えないだけ」

咲「ダメじゃん」

菫「ダメだな」

照「……むぅ」シュン

咲「でもお姉ちゃん、小学校の頃は成績良かったんだし、本気になればいい成績取れそう」

菫「え、そうなのか?」

咲「はい、お姉ちゃんこれでも小学生の頃は学年でも1、2を争うくらい成績良かったんですよ」

菫(想像できん……どうして今こうなった……)

咲「特に国語はいつも5で…」

照「国語は今でも5」

咲「え、そうだったの?」

菫「ああ、照の貴重な得点元だな」

咲「さすが文学少女だねお姉ちゃん!」

照「えへ、えへへ」テレテレ

菫「そういう咲ちゃんの成績はどうなんだ?推薦とか狙ってるのか?」

咲「あ、いえ、一般でいこうと思ってます。今の内申だと推薦はちょっと厳しいので…」

菫「そうなのか?」

咲「はい。それに清澄って倍率高くって…」

照「公立の割に敷地も広いし施設もいいからね」

咲「うん」

菫「なるほどな……お、今日はそんなに食堂混んでないぞ」

照「――!イチゴジャム発見!」ビビッ

照「確保してくる!」ドピューン

咲「あ!ブルーベリーもよろしくね」

照「任せて!」ダダダッ

菫「ふむ、じゃあ私たちは並んでおくか」

咲「はい」

菫「…それにしても、咲ちゃんはしっかりしてるな。二つも年下とは思えないよ」

咲「そ、そんなことないですよ」アセアセ

菫「謙遜する必要はないぞ、私は本当のことしか言ってない」

咲「え、ええとその…ありがとうございます」ペッコリン

菫「照も少し咲ちゃんを見習うべきだな……」

咲「いえ、そんなことないです…それに私、これでもお姉ちゃんのことすごく尊敬してるんです」

菫「…?」

咲「確かにお姉ちゃん、少し抜けてるところがありますけど…」

菫(それは姉妹共通だ…)

咲「でも、いざというときは本当に頼りになるんです」

菫「いざというとき?」

咲「はい、昔二人で迷子になったときも…」

菫(…昔から迷子になってたのか……)

咲「お姉ちゃんがいろんな人に道を聞いて、私の手を引いて家まで連れて帰ってくれたんです」

菫「へぇ…少し意外だな」

照「なになに?何の話?」ヒョコッ

菫「おわっ、照お前いつの間に…」

照「見て見て!イチゴジャムいっぱい持ってきた!」ドンッ

菫「バカ、そんなに食べられるわけないだろ。戻してこい」

照「むー」

咲「お姉ちゃん、ブルーベリージャムは?」

照「抜かりない。しっかり確保してある」フンス

照「…で、二人は何の話してたの?」

菫「ああ、少し二人の昔話を聞いていたところだ」

照「昔話?」

咲「ほら、二人で迷子になっちゃったときの話」

照「ああ、おまわりさんに家まで送ってもらったときの…」

咲「え?」

菫「え?」

照「…………………えっ?」

菫「咲ちゃんはお前がいろんな人に道を聞いて連れて帰ってくれたと言っていたが…」

照「…ああ、確かに人に道は聞いたけど、結局家にはたどり着けなくて…」

照「二人で泣いてるところにおまわりさんが来てくれたんだよ」

咲「…………………あれ?」

菫(……だいぶ記憶が美化されているな…)

照「あ、そろそろ私たちの番」

菫「おっと」

照「おかずは…ベーコンエッグ!やった!」

咲「おお、おいしそう」

菫「ふむ、定番だな」

咲「あ、そういえば席取るの忘れてましたね」

菫「あ」

照「……ふふふ、こんなこともあろうかとイチゴジャムで席を確保しておいた!」ドヤァ

菫「おお、でかしたぞ照!」

咲「さすがだよお姉ちゃん!」

照「ふふん!」フンス

菫「じゃあさっそく席に行こうか」

咲「はい」

照(…あれ、もっと褒めてくれると思ったのに……)シュン

菫「よし、食べるか」

照咲菫「いただいきます」パチッ

照咲菫「………」モグモグモグモグ

照咲菫「ごちそうさまでした」パチッ


照の部屋

照「お腹いっぱい……」

菫「朝から食べ過ぎなんだよお前は」

照「だってイチゴジャムおいしかったから……」

菫「限度があるだろ限度が」

照「うー…」

咲「お姉ちゃんってたくさん食べるのに太らないよね。うらやましいよ」

菫「ああ、それは私も不思議に思ってたんだ。お前なんで太らないんだ?」

照「体質…としか言いようがない」

照「それに咲だって食べても太らないほうでしょ」

咲「私はお姉ちゃんほどお菓子を摂取してないもん」

菫「まったくもってうらやましいな、その体質は」

照「私はむしろ少しくらい脂肪になってくれてもいいと思ってる…」ツルペター

咲「………」ツルペター

照咲「………」グスッ

菫「ななななんだどうした!?」

照「菫はいいよね、つくべきところに脂肪がついて」

菫「…なんだ、そのことか」

照「なんだとはなんだ!このおもちシューターめ!」

菫「なんだよおもちシューターって…」

菫「だいたいな、あったらあったで面倒なんだぞ」

咲「お金にしろ何にしろ…持ってる人のほうがその重要さに気付いてないって、よく言いますよね………」ボソッ

菫「さ、咲ちゃん!?」

照「咲!良いこと言った!」グッ

今日はここまでです。続きは明日投下する予定ですので、そのときはお付き合いいただけると嬉しいです。
ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

続き投下します


照咲「………」ジーッ

菫「な、なんだよその目は…」

照「全力で謝罪して」ゴッ

菫「うっ……くそ…私は何も間違ったことは言ってないぞ……」

照「私たちはひどく傷ついた」ゴゴゴ

照咲「………」ゴゴゴゴゴ

菫「……………すまん。いや、すみませんでした」

照「いいだろう」

菫「何様なんだお前は」ゴスッ

照「いたっ!?」

菫「ところでだな、勉強はいつから始める?」

照「そ、そうだった…すっかり忘れてた…」サスサス

菫「今ちょうど9時半になるところだが…どうする?10時からにするか?」

咲「そうですね」

照「うん、それでいい」

菫「よし、なら私は誠子と尭深に伝えてくる」

照「じゃあ私は淡に連絡しておく」

菫「ああ、よろしく頼む。じゃあまたあとでな」

照「うん、あとでね」フリフリ

ドアバタン

照「よし、淡に電話しよう」

プルルルルル…ピッ

淡「ふぁい……もしもし……」

照「淡……もしかして寝てた?」

淡「…ん、別に寝てましぇ~ん…」

照「確実に寝てたよね」

照「それはそうと淡、今日の勉強会は10時からになったから」

淡「………」クカー

照「……………」

照「……………淡、起きて」

淡「………」スピー

照「……………」

咲「お姉ちゃん、もしかして淡ちゃん寝てるの?」

照「うん、爆睡」

咲「ありゃりゃ」

淡「………」クークー

照「……………」

咲「どうするの?」

照「うーん……淡の家、ここからそんなに遠くないし…行ってみる?」

咲「勝手に行って大丈夫かな」

照「淡のご両親はもう仕事に行ってるだろうし、電話じゃ起きないだろうから行くしかない」

咲「…そうだね、私も淡ちゃんに会いたいし…行こう、お姉ちゃん」

照「よしきた!…菫に心配かけるといけないから、書置きしておこう」カキカキ

照「咲と一緒に淡を家まで…迎えに……行ってきます……っと。よし、完璧」カキカキ

照「行こうか、咲」

咲「うん!」


数分後

菫「照、入るぞ……ん?いないのか?」

菫「まったく…もうすぐ10時だというのに……ん?書置きか?」


 『咲と一緒に淡を家まで迎えに行ってきます  照』


菫「!!」

菫「あのバカ!!自分の迷子スキルを知ってるくせに!!」

菫「くそっ、どこ行ったんだあいつ!早く見つけないと北海道まで行ってしまう!!」ダダダッ


照咲「ここどこ?」フルフル

咲「お姉ちゃん…淡ちゃんの家知ってるんじゃなかったの?」

照「うう…前に行ったときは菫と行ったってすっかり忘れてた…」

咲「どうしようお姉ちゃん…完全に迷子だよぉ」フルフル

照「お、落ち着いて咲……」オロオロ

照(どどどどうしよう助けて菫)アワワワ

照「――!そうだ!私は携帯電話を持ってる!菫に電話すればいいんだ!」

咲「さ、さすがだよお姉ちゃん!」パァァァ

照「さっそく菫に電話!」

プルルルルル…ピッ

照「あ、すみr 菫「このバカ!今どこにいる!」

照「ひっ!…わ、わかんない…」ビクッ

菫「ええい、周りには何が見える!」イライラ

照「……木」

菫「もっとヒントになるものを言え!」

照「うーん…あ、コンビニ発見!」

菫「なんていうコンビニだ!?」

照「ローピン」

菫「…把握した。今から行くから絶対に動くなよ!?いいか、絶対だぞ!?」

照「うん!ありがとうすみれぇ!」ウルウル

ピッ

照「よかった…菫がこれから迎えに来てくれるって」

咲「ほ、ほんと?」ホッ

照「うん、ここで待ってれば大丈夫」


ドドドドドドド

菫「照っ!」

照「あ!菫!」パァァァ

菫「ロン!(物理)」ドシュッ

照「ぎゃふっ!」グサッ

菫「大丈夫だったか咲ちゃん…怖かっただろ」ナデナデ

咲「うぅ…弘世さん…」ダキッ

照「ちょっと待って扱いが違いすぎる」

菫「黙れ照、元凶はお前だろうが」

照「そ、それはそうだけど…それにしたって今のはあんまり」

菫「私はお前が心配だったから怒ってるんだ。それくらい分かれバカ」

照「す、すみれ…!」

咲(……おお!なんかいい雰囲気だよ…!)キラキラ

菫「おい何してるんだ、淡の家に行くんだろ。早く行くぞ」

照「えっ、ああ…うん」

咲(ありゃ…弘世さん無自覚だったのか…)

数分後・淡の家

ピンポーン

淡「………」クカー

ピンポーンピンポーン

淡「んん……」ムニャ

ピンポーンピンポーンピンポーン

淡「んん~……」ゴロッ

ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン

淡「うがぁぁぁぁあ!うるさいなーもー!」ガバッ

ドアガチャッ

淡「だれ!人の安眠を妨害するのは!」

照「淡、おはよう」

咲「おはよう淡ちゃん」

淡「あれ、テル…サキ…それに菫先輩も…どうしたの?」

菫「どうしたもこうしたも…今日は勉強会するんだろ?」

淡「そ、そうだった!」

菫「お前、夏休みだからって堕落した生活送りすぎだ」

淡「うー……と、とりあえずすぐ準備してくるからちょっと待ってて!」ダッ

ドアバタン

淡「おっまたせ~」

咲「はやっ」

淡「さっ、行こう行こう!」

菫「…お前、なんか荷物少なくないか?」

淡「え?いやだって私は勉強しませんし…」

咲「そうなの?」

淡「うん!だって私は麻雀推薦確実だからね!」

照「淡…そういうのは良くない。万が一の時のために少しくらい勉強しておいたほうがいい」

淡「ええ~、大丈夫だよ。心配性だなーテルは」

照「……………」ジーッ

淡「うつ……わ、わかったよテル…」

照「うん、それでいい」ナデナデ


その頃・照の部屋の前

誠子「先輩たち…どこ行ったんだろうね…」

尭深「………うん」

誠子尭深「………はぁ」

数分後・照の部屋

照「誠子、尭深、ごめんね」シュン

菫「私もすまなかった。一言言ってから行くべきだったな。本当にすまん」

誠子「いえ、気にしないでください。言うほど待ってませんから」

尭深「……」コクコク

菫「そう言ってもらえると助かる…ありがとう」

誠子「お礼なんてとんでもないですよ!」アセアセ

尭深「私たちが先輩に勉強を教えていただくんですから、先輩に合わせるのは当然です」

照「よくできた後輩を持って私は幸せ…」

菫「…誠子も尭深も、照みたいになるんじゃないぞ」

照「菫、それどういう意味?」

菫「そのままの意味だが」

照「むー…」

菫「まあおしゃべりもこのくらいにして、勉強始めるか」ヨイセ

咲「はい、よろしくお願いします」

菫「それで咲ちゃん…何がわからないんだ?私に教えられることならいいんだが…」

咲「あ、はい。まずは数学なんですけど…」

菫「ふむふむ、ここはだな………」

咲「おお、なるほど…」

誠子「すみません弘世先輩…古典の……」

菫「ああ、これは………」

尭深「あの、世界史のこれが……」

菫「はいはい、これはだなー………」

照「すみれぇ、英語わかんない…」

菫「おいおい、これ1年生の範囲だぞ……」

淡「……………ひま」グテー

咲「すみません弘世さん…生物も聞いていいですか?」

菫「まあ、ある程度ならな…どの範囲だ?」

咲「はい、この範囲なんですけど…」ペラッ

菫「うっ!」

菫(せ、生殖と発生……教えづらいところを……!)カオマッカ

菫「そ、その範囲のどこがわからないんだ?」

咲「あ、はい。減数分裂のところとか…」

淡「お、なーにサキ!生物?」

咲「うん」

淡「私、生物なら結構得意だよ!どれどれー?」

咲「どう?淡ちゃん、わかる?」

淡「ふんふむ。これはあれだ、サキ!」ズイッ

咲「な、なに?」

淡「実際にヤってみたほうが早い!」ガバチョッ

咲「え?…うわっ!」ドサッ

菫「……!!」アワワワ

咲「あ、淡ちゃん…どうして私に馬乗りになるの…?」

淡「ふふーん、どうしてだろーね」ニヤニヤ

淡(この反応…サキってばまだ知らないんだね…かわいいなぁ)

淡「じゃーサキの初めては私がいただきまーs 照「あ わ い」ゴッ

淡「ひっ!」ビクッ

照「せっかくこの年までピュアに育ってきた私の妹を汚さないで…」ゴゴゴ

淡「ごごごゴメンナサイデシタ!」アワアワ

咲「…二人ともなんの話してるの…?」

照「なんでもないよ、咲はまだ当分知らなくていいことだから」ナデナデ

咲「……?ふーん…」

照「じゃあ菫、改めて咲に勉強を教えてあげてほしい」

菫「あ、ああ」

照「くれぐれも、咲に変な知識を植え付けないように」ボソボソ

菫「…だったらお前が自分で教えてやればいいだろ」ボソボソ

照「むむむむむむむむむ無理!無理無理!絶対に無理!」アワワワ

菫「なぜ」

照「だだだって…咲に向かって有性生殖とか言えないよぉ」オロオロ

菫「そんなの私だって同じことだ!人の妹に向かってそんな単語言えるわけないだろ!」

照「うぅ~…」ナミダメ

今日はここまでです。
無警告で少し下ネタ使ってしまいましたが…大丈夫だったでしょうか。
下ネタはこのあともう少しひっぱる予定ですので、ご了承ください。
それから、今週は予定が不安定なので、何曜日に続きを投下できるかわかりません。時間ができたときに投下したいと思います。
では、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。
次回もお付き合いいただけると幸いです。

続き投下します


咲(うーん、この問題難しい…)

咲(…お姉ちゃんたちは話し込んでるみたいだし…淡ちゃんに聞こう)

咲「ねえ、淡ちゃん」

淡「ん?なーにサキ、質問?」

咲「うん、この問題なんだけど…」

淡「どれどれー?ふんふむ」

咲「どう?わかりそう?」

淡「ああ、これはね~……」

咲「あ!なるほど…」

淡「こんな説明でわかった?」

咲「うん、ありがとう淡ちゃん」

淡「どういたしまして」

菫「…淡、お前人に勉強なんて教えられたんだな」

淡「むっ!私だって得意科目くらいありますよ!」

淡「ところでテル…ちょっといい?」

照「…?なに?」

淡「サキってばどうやったらあんなにピュアに育つの?」

照「…お父さんの努力の賜物だと思う」

淡「有性生殖から体内受精まで、あの単元の際どい単語を恥ずかしがる様子もなく連発してたよ」

淡「知らないって恐ろしいね…」

照「……ところで淡…咲に変なこと吹き込んでないよね?」ゴゴゴ

淡「ななな何をおっしゃいますそそそそんなことある訳ないじゃないですか!」アワアワ

照「………怪しい」ジーッ

淡「お願い信じてテルー!」ダキッ

照「………わかった。今回は信じてあげる」

淡「ありがとうテルー!」

咲「ねえお姉ちゃん、セッ○スってなに?」

照「」

淡「」

照「…さ、咲………その言葉をどこで覚えた……」プルプル

咲「え?さっき淡ちゃんが……」

淡『これはこの単元の最重要単語だよ!』

咲「って言ってたんでけど…教科書の索引にも載ってないから…」

咲「お姉ちゃんなら知ってるかなって…」

照「咲!その単語は忘れなさい!いい!?今すぐに忘れるの!!」ガシッ

咲「え、でも最重要単語……」

照「いいから!フォゲット!!今すぐフォゲット!!ドントリメンバー!!!」グワッ

咲「わ、わかったよお姉ちゃん……」

照「よしよし、咲はいい子だね。ユーアーグッドガール」ナデナデ

淡「……………」ソロリソロリ

照「あ わ い」ガシッ

淡「ひっ!」ビクゥ

照「……………」ゴゴゴゴゴ

淡「ごごごごめんテル!」アワアワ

淡「でで、でもさほら!中三にもなってセッ○スのセの字も知らないってのもあれでしょ!?」アワアワ

照「淡……ユーアーバッドガール……」ギュルギュル

淡「あわわわわわ!」アワワワ

照「ゴートゥーヘル!」ギュルルルルル

淡「ぎゃんっ!」ドゴッ

菫「照!お前ちゃんと英語使えてるじゃないか!偉い偉い!」

淡「」プシュー

咲「あ、淡ちゃん大丈夫?」アセアセ

照「自業自得」

誠子(………うるさくて勉強できない…)

尭深(もうやだこの部屋………)

数時間後

菫「ふー、今日はこの辺でやめておくか。根詰めすぎてもあれだしな」

咲「弘世さん、今日は本当にありがとうございます。助かりました」

菫「いや、あまり役に立てなかった気がするが…」

咲「そんなことないですよ」

照「うん、私も助かった」

誠子「私もです。おかげで課題なんとかなりそうです」

尭深「私も…ありがとうございました」

菫「そ、そうか…まあ力になれたなら良かったよ」

咲「淡ちゃんもありがとう、助かったよ」

照「………」ジーッ

淡「う、うん。どういたしまして」

淡(な、なんかさっきからテルがこっち見てくるよ…まだ怒ってるのかな)カタカタ

菫「……もう5時過ぎか…淡は門限何時なんだ?」

淡「えーと、7時半までに戻れば大丈夫」

咲「じゃあまだ時間あるね!良かったよ!」

淡「え?なんで?」

咲「だってせっかく淡ちゃんと仲良くなれたんだし、一緒にいたいもん」

淡「うぅ~!サキぃ~!」ダキッ

咲「わっ!」ヨロッ

淡「あぁ~!サキかわいい!」スリスリ

咲「も、もう淡ちゃんてば…くすぐったいよ」

淡「ねえテル!サキ頂戴!」

照「そ、それはダメ!」

照(淡に咲あげたりなんかしたら次の日には絶対ロストバージンしてる…それだけはダメ!)

淡「あ~、テル今私がサキにスケベなことするって考えたでしょ!」

照「そ、そんなことない」

淡「嘘だね!安心してよテル、結婚するまで手は出さないから」

照「そういう問題じゃ…」

咲「お姉ちゃんたちなんの話してるの?」

照「な、なんでもないよ、咲。咲は気にしなくていいことだから」

菫(いや、咲ちゃんの貞操のことなんだから気にしなきゃダメだろ…)

淡「だいたいスケベなこと吹き込んだのはテルでしょ!」

照「そ、そんなことない。覚えがない!」

淡「ウソつき!テルのムッツリスケベ!」

照「い、いきなり何を…そんなこと言ったら菫だってムッツリスケベ」

菫「なっ!?なんでいきなり私を巻き込むんだ!」アセアセ

照「焦るところが怪しい…」

菫「うっ……だいたいな、高校生にもなったらみんなスケベだろうが!誠子も尭深もみんなスケベだ!」ドンッ

誠子「えっ!私たちまで!?」

尭深「………………」

菫「なんだ誠子!事実だろ!」

誠子「うっ……否定しきれない」

尭深「……………///」カァアアア

照「尭深…顔真っ赤……」

尭深「……………///」ウツムキ

誠子「や、やめてください先輩!尭深はこういう話苦手なんです!純情なんです!」

>>210 訂正 6行目 淡「だいたい私にスケベなこと吹き込んだのはテルでしょ!」 です。失礼しました。


淡「高校生ってみんなスケベなんだね、幻滅…」

菫「黙れマセガキ」

咲(………話についていけない)

照「……………咲」

咲「ん?どうしたのお姉ちゃん」

照「ちょっとこっちおいで…」

咲「なぁに?」トテトテ

照「あのね咲…約束してほしいことがあるの」

咲「?」

照「これから先、もし咲に好きな人が…恋人ができたら……ちゃんと私に紹介してほしい」

咲「なな、何言ってるのお姉ちゃん!」アセアセ

照「お願い。それでその人が、本当に咲のことを大切に思ってくれてるって思えたら、私は何も言わないから」

咲「…思えなかったら?」

照「コークスクリューで捻りつぶす」

咲「そ、それはダメだよ!」

照「でも、咲には幸せになってほしい。だからお願い、これだけは約束して」

咲「……お姉ちゃん……うん、わかった。約束するよ」

照「うん、ありがとう」ナデナデ

咲「恋人ができたら、だけどね」

照「咲かわいいから、作ろうと思えばすぐ作れる」

咲「そ、そんなことないよ…もう」


菫淡誠子尭深「……………」ジーッ

照咲「な、なに?」

菫「いや…」

淡「姉妹愛って」

誠子「良いものだなって」

尭深「思ってたところです」

照「…そんなに大げさなものじゃない」

咲「そうですよ、姉妹愛なんて大層なものじゃ…」

菫「いやいや、正直言ってな、照がこんなにちゃんとお姉ちゃんやってるとは思ってなかったんだ。本当に驚いたよ」

誠子「私もちょっと意外でしたね」

尭深「私も…」

照「みんな…私にどういうイメージ持ってたの…」

菫「おかし」

淡「迷子」

誠子「コークスクリュー」

尭深「大魔王」

照「待ってなんかおかしい」

咲「いや、お姉ちゃん…これすごいよ…全部的確にお姉ちゃんを表してる…」

照「え」

咲「この中のどれが欠けてもお姉ちゃんにはならないよ…」

照「え……大魔王も?」

咲「うん」キッパリ

照「………」グスッ

菫(咲ちゃんも魔王だということは言わないでおこう…)

照(………私は普通に麻雀打ってるだけなのに…大魔王か…)ショボーン

照(どの辺が大魔王だったのかな…もしかしてコークスクリュー…?)ショボーン

淡「テルー、そんな部屋の隅っこで何してんの?」

照「……考え事。どうしたらみんなに大天使って思ってもらえるかなって…」ショボーン

淡「ふーん、まあどうでもいいや」

照「…!」ガーン

菫(……大魔王がそんなにショックだったのか?てっきり自覚があるものだと思っていたが…)

照「対局前に対戦者の人たちにアメちゃん配れば天使になれるかな…」ショボーン

淡「そんなことよりサキ!サキ、明日はまだこっちにいるんでしょ?」

咲「うん、そうだよ」

淡「じゃあさ、せっかく東京に来たんだし明日はみんなで都心のほうに行こうよ!ね!」

菫「お、いいな」

淡「でしょー!」

咲「え、あの、すごく嬉しいんですけど…みなさんのご都合はよろしいんですか?」

菫「ああ、インハイが終わったら休み明けまで部活はないんだ。誠子と尭深は…個人的に用事とかあったりするのか?」

誠子「いえ、特にないですね」

尭深「私も特には」

淡「じゃー決まりだね!サキ、どっか行きたいとことかある?」

咲「えっと…インハイ会場に…行ってみたい」

菫「…そんなところでいいのか?」

咲「はい。お姉ちゃんがどんなところで闘ってたのか…見てみたいんです」

照「咲………」

誠子「インハイ会場って今入って大丈夫なんでしたっけ?」

菫「あー、どうだったかな…」

咲「あ、いえ、別に外から見られればそれで…」

菫「いや、せっかくなんだし中に入っておいたほうがいい……ちょっと待っててくれ、確認してみる」

咲「すみません…」

淡「ねえサキ、せっかく都心に行くのにお洋服とか見たりしなくていいの?」

咲「あー、うん。それは別にいいや」

淡「年頃の女の子とは思えない発言」

咲「だって洋服はお姉ちゃんのお下がりあるし…」

淡「へぇ…テルのお下がりかぁ……どんなの?」

照「咲が今着てるのがそう」

淡「え、この黒いピタッとしてるノースリーブ?」

照「うん、私のお気に入りだったやつ」

咲「おかげで少し色あせてるんだよね」

照「ずっと着てたからね」

菫「会話中にすまん。咲ちゃん、確認取れたぞ。インハイ会場は事前に連絡しておけば自由に出入りしていいらしい」

咲「あ本当ですか?ありがとうございます」

淡「じゃあ明日はインハイ会場行って、あとは適当にぶらぶらするってことで」

照「うん」

菫「そんな無計画な…咲ちゃん、他に行きたい所とかないのか?」

咲「うーん、しいて言うなら大きい本屋さんに行ってみたいですけど…」

菫「本屋か…照、お前本屋には詳しいだろ。どこかいいとこ知らないのか?」

照「うーん、都心のほうは大きい本屋は探さなくてもあるから…」

菫「そうだな、なら本屋は見つけ次第ってとこだな……それでいいか?」

咲「はい、十分です」

誠子「観光地とかは行かなくていいの?」

咲「観光地…?」

尭深「スカイ○リーとか…東京○ワーとか…はたまたディ○ニーランドとか」

咲「あ…その、私…高いところとか少し苦手で…」

淡「ふーん、テルと同じだね。確かテルも高いとこダメだったよね?」

照「…べ、別に怖いんじゃない。わざわざ高いところに行く意味がわからないだけ」

淡「強がらなくていいよテルー、怖いんでしょ?」ニヤニヤ

照「ち、違う。断じてそんなことはない」アセアセ

淡「またまたそんなこと言っちゃって…この前みんなで遊園地行った時もすごい怖がってたじゃん。ね、菫先輩?」

菫「ああ、ジェットコースターに並ぶって言っただけでコークスクリュー使ってジェット機並みの速さで逃げてったからな……」

照「あ、あれは逃げたんじゃない…メリーゴーランドに乗りたくなっただけ…」

淡「メリーゴーランドって……。でもさテル、ジェットコースターの何が怖いの?あんなのたかが絶叫マシーンじゃん」

照咲「それは違う!!」バンッ

淡「え?」

咲「淡ちゃん…それは違うよ…」

照「あれは絶叫マシーンなんかじゃない………あれは…」

照咲「殺人マシーン!!」ビシィ

淡(…なにこのシンクロ率……)

菫「おい照…なに言ってるんだ…咲ちゃんまで…」

照「みんな何もわかってない…娯楽のために命を危険にさらすなんて正気の沙汰じゃない…」

照「落ちたら死んでしまう……」

誠子「でも先輩、いつも係員さんたちが点検してくれてますよ?」

照「バカか誠子!」ドンッ

誠子「ひぇっ!」ビクッ

照「人のやることに絶対なんてない……」

照「そもそも怖いのが楽しいっていうのがどうかしてる…」

菫「照…さっきから何言ってるんだ?しっかりしろ」

照「ねえ菫、菫はシマウマが『俺ちょっと刺激がほしいからライオンのところ行ってくるわ~』って言ってライオンの群れに一匹乗り込んで言ったらどう思う?」

菫「いや、頭おかしいだろ」

菫(話が飛躍しすぎててよくわからん…)

照「でしょ!?頭おかしいでしょ!?ジェットコースターが楽しいっていうのはこれと同じこと」

照「自らの命を危険にさらしてスリルを味わっている…絶対おかしい」

淡(テルさっきから何言ってんの?)

咲「さすがお姉ちゃん!そのたとえ完璧だよ!」

尭深(一理あるかも………)

照「という訳で、ジェットコースターが怖いのは生物としてごく自然なこと」

菫「すまん、さっぱりわからん」

淡「どうでもいいけどやっぱりジェットコースター怖いんだね、テル」

照「っ!!」

照「こっこここ怖くなんかない!」ダラダラ

淡「いや、思いっきり怖いって言ってたじゃん」

照「幻聴だよ、幻聴幻聴。淡の耳が悪いの」

淡「……」イラッ

淡「……」ポカッ

照「いたっ!?淡に殴られたぁ!」ウエーン

誠子「…もともと何の話してたんでしたっけ?」

菫「さあ…もうさっぱり思い出せないな…」

淡「……」ポカポカ

照「痛い痛い!無言で殴らないで!」ドタドタ

淡「……」ドタドタポカポカ

照「すみれぇ!淡が!淡が反抗期だよぉ!」ドタドタ

淡「あはは、テル待て―!」キャッキャッ

照「ひぇえ、追いかけてくる!助けて咲ぃ!」イヤー

咲(上京するときは少し不安そうだったけど…良かった、お姉ちゃん楽しそうだよ…)

咲「楽しそうだね、お姉ちゃん」ホホエミ

照「ど、どこが!?」

淡「えいや!」ポカポカ

照「いだだだ!菫、助けて!」サッ

菫「あ、おい私を盾にするな!」

淡「むむ…シャープシューターが護衛についてると下手に攻撃できない…」

淡「傭兵を雇うとは卑怯な……」グヌヌヌ

菫「勝手に人を傭兵扱いするな」

照「………」ジーッ

淡「……なに?」

照「………」

淡「……………?」

照「……………ふっ」ドヤァ

淡「!!」

淡「きぃいいいいい!なにあの顔!あんのドヤ顔!腹立つぅううううう!」ウガァアアア

照「ふふふ、残念だったね淡…最強の傭兵シャープシューターを雇った時点で私の勝ち」

菫「だから傭兵扱いするなと…」

淡「……テルがそうくるなら私にも考えがあるよ」

照「……?」

淡「サキっ!」ガバチョッ

咲「うわっ、ちょ、なに淡ちゃん!」ドサッ

照「!!?」

咲「淡ちゃん…ちょっと重いよ…」

淡「むっ、サキってば少し失礼」

咲「あはは、ごめんね……でも淡ちゃん、私に馬乗りになってなにするの?」

淡「ふっふーん、楽しいこ・と♪」

尭深「………///」プシュー

菫「ばばばバカ!こんな早い時間から何を………///」カオマッカ

誠子「…時間の問題なんですか?」

咲「……?」

照「咲!今すぐそこから離れて!いろいろ危ない!」

咲「…?どうして?」

照「と、とにかく危ないの!ものすごく危ないの!」

淡(ふふふ…ムダだよテル…ピュアすぎるサキに何を言ってもムダなのだ…!)

照「くっ!」

淡「テル…おとなしく降伏すればサキの貞操は保障するよ」フフフ

照「さっ、最低だこいつ…!」グヌヌヌ

淡「さあどうするテル!自分のプライドか、妹の貞操か!」フハハ

照「くそっ!淡のほうがよっぽど大魔王じゃないか…!」

菫「いつまでやってるんだバカたれ」ポカポカッ

照淡「いたっ!?」

菫「淡、いいかげん咲ちゃんからどいてやれ」

淡「あわ、そうだった、ごめんサキ!」バッ

咲「よっと…ううん、大丈夫だよ」ノソッ

今日はここまでです。前回の投下から一週間近く空いてしまったみたいで…申し訳ありませんでした。
明日もまた投下したいと考えてはおりますが、投下できない場合もありますのでご了承ください。
では、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

続き投下します


菫「それで明日のことなんだが…11時くらいにこっちを出れば、昼過ぎには向こうに着く」

菫「電車の時間は私が勝手に調べてしまって大丈夫か?」

咲「あ、はい、お願いします。何から何まですみません」

菫「いやいや、いいんだよ。好きでやってるんだから」ナデナデ

淡「じゃー私は11時に駅にいればいいの?」

菫「ああ、そうだな。そうしてくれ」

淡「りょーかいでーす」

菫「インハイ会場には私が連絡しておく。照、明日は寝坊するんじゃないぞ」

照「……………善処する」

菫「おい」

淡「ありゃ、もう7時過ぎてる…帰らなきゃ」

咲「…お姉ちゃん、淡ちゃんのお見送りしてきていい?」

照「どこまで?」

咲「うーん、寮の門の少し先まで…」

照「…うん、まあそのくらいなら迷子になる心配もないか。いいよ、行っておいで」

咲「ありがとうお姉ちゃん」

淡「テルはお見送り来てくれないの?ケチ!」ブー

照「…私はこれから菫に宿題手伝ってもらうから」

菫「言っておくが私は教えるだけだからな、代わりに問題解いたりしないからな」

照「すみれぇ……」ウルウル

菫「そ、そんな目で見てもダメなものはダメだ!」

照「ちぇっ」

咲「じゃあお姉ちゃん、ちょっとそこまで行ってくるよ。宿題頑張ってね」

照「うん、いってらっしゃい。くれぐれも遠くまで行かないようにね」

咲「うん、わかってるよ」

淡「それじゃまた明日ねテルー」フリフリ

照「はい、また明日」フリフリ

ドアバタン



淡「ありがとね、サキ」テクテク

咲「ん?なにが?」テクテク

淡「お見送り」テクテク

咲「ああ、うん、気にしないで淡ちゃん。私がもうちょっと淡ちゃんと一緒にいたかっただけだから」テクテク

淡「んもー、サキってばかわいいこと言っちゃって…冗談でも嬉しいよ」テクテク

咲「む、冗談じゃないよー」プンスコ

淡「あはは、ごめんごめん!怒らないで、冗談とか思ってないから」

咲「…淡ちゃん、私ね、同い年のこと麻雀したの…初めてだったんだよ。昨日淡ちゃんと打ったのが初めてだった」

淡「え、そうなの?」

咲「うん。うちの学校には麻雀部はないし、麻雀やってる友達もいないから…」

淡「へぇ~、サキの学校って麻雀部ないんだ…今どき珍しいね」

咲「うん。だから私はほとんど家族としか打ったことなくて…」

咲「たまにお父さんが会社の人と打つ時に数合わせで卓に入ったことはあるけど…」

淡「…けど?」

咲「正直言って、楽しくなかったんだ。お姉ちゃんみたいにかっこいい麻雀打つ人が一人もいないんだもん」

淡(いや、そりゃそうでしょ……)

咲「だからね、私は家族と…お姉ちゃんと麻雀できればそれで良かったの……でも」

淡「…?」

咲「昨日淡ちゃんを一目見たときに思ったの…この子はすごい打ち手だって。お姉ちゃん以外の人と打ってみたいって、初めて思った」

淡「……………」

咲「それで、実際に打ってみたらすごく強くて……すごく楽しかった」

咲「だから、ありがとね、淡ちゃん」

淡「……サキ…」

淡「ねえサキ…」

咲「…ん?」

淡「サキは今、お父さんと二人で暮らしてるんだよね…?」

咲「うん、そうだよ」

淡「…寂しくないの?」

咲「うーん、寂しくないって言ったら嘘になるかな…」

咲「お母さんにも会いたいし、お姉ちゃんともずっと一緒にいたいしね…」

淡「……………」

咲「…?淡ちゃん、どうしたの?」

淡「サキっ!」ダキッ

咲「うわわっ!どうしたの淡ちゃん!」ヨロッ

淡「サキ、寂しいときはいつでもこっち来ていいからね!白糸台の寮が無理な時はうちに来てもいいから!」ギュゥゥゥ

咲「………淡ちゃん……うん、ありがとう」ギュッ

淡「……うん。サキ、もうこの辺で大丈夫だよ。お見送りありがとう」

咲「わかった、じゃあこの辺で。また明日ね、淡ちゃん」フリフリ

淡「うん、ばいばいサキ」フリフリ

照の部屋

照「うぅ~………英語わかんない…」

菫「わかんないじゃない、わかれ」

照「むり」

菫「即答するなバカたれ」

ドアガチャ

咲「ただいまー」

照「あ、咲おかえり」

菫「おかえり咲ちゃん」

咲「お姉ちゃん、宿題の調子はどう?」

照「…………………」フルフル

菫(…今にも泣きそうな顔だな……今日はこれ以上やっても辛くなるだけか…)

咲「あわわわ、お姉ちゃんそんな顔しないでよ…」オロオロ

照「もう無理…メゲる…」

菫「…よし照、今日はもうやめにしよう」

照「ほ、ほんと?」パァァァ

菫「ああ、今日はお前わりと頑張ってたからな。それにもうすぐ夕食の時間だし」

咲「そういえば、誠子さんと尭深さんはどちらに…」

菫「ああ、二人なら少し前に部屋に戻ったよ」

咲「そうだったんですか…」

菫「ああ、私もいったん部屋に戻る。食堂に行くときに呼びに来るよ」

咲「あ、はい。わかりました」

菫「うん、じゃあ後でな」

ドアバタン

照「………」モグモグ

咲「あれ、お姉ちゃん何食べてるの?」

照「………おかし」モグモグモグモグ

咲「だ、ダメだよお姉ちゃん!もうすぐご飯なんだから!」

照「………」モグモグモグモグ

咲「もう、お姉ちゃんてば!」

照「………わかった、もうやめる」ゲフッ

咲「……………」

咲(単にお腹いっぱいになっただけだよね……)

照「………咲も食べる?」

咲「食べないよ!!」


コンコン

照「あ、菫だ。咲、ドア開けてあげて」

咲「うん」トテトテ

ドアガチャ

菫「おお、ありがとう咲ちゃん」

咲「いえ」

菫「…そろそろ食べに行かないか?」

照「うん、行こう行こう」

咲(あんなにお菓子食べてたのに…大丈夫なのかな?)

菫「ちなみに照、今日の夕飯はなんだ?」

照「焼き魚」

菫「ふむ、今日は焼き魚か」

照「菫ってなんか焼き魚似合うよね」

菫「…そうか?」

咲「あー、確かに…なんというか和食が似合う感じがしますね」

菫「…そうなのか?自分だとよくわからないな…」

照「うん。菫はサンドイッチよりもおにぎりのイメージ」

菫「さっぱりわからん」

照「メールより矢文のイメージ」

菫「おい、それどういう意味だ」

照「いや、特に深い意味はない」

菫「本当だな?」

照「………………………………うん」

菫(今の間はいったいなんだ……)

今日はここまでです。
申し訳ありませんが、明日と明後日は続きを投下できません。
続きは、早ければ土曜日に投下したいと考えておりますが、それより遅くなることもありますのでご了承ください。
では、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。次回もお付き合いいただけると嬉しいです。

続き投下します


食堂

菫「この辺で誠子と尭深が席を取っておいてくれてるらしいんだが…見つからないな」キョロキョロ

誠子「あ、弘世せんぱーい!こっちですー!」オーイ

照「いた」

咲「いたね」

菫「いたな」

誠子「すみません、来た時には端の席しか空いてなくて…」

尭深「すみません…」

菫「いやいや、席を取っておいてくれただけでもありがたいよ。ありがとう二人とも」

咲「誠子さん、尭深さん、ありがとうございます」ペッコリン

照「うん、二人ともありがとう。お礼にお菓子あげる。はいこれ」

誠子「あ、ありがとうございます…って食堂にまでお菓子持ってきてるんですか?」

照「うん、非常食」

尭深(絶対違う気がする……)

菫「よし、じゃあ食べるか」

咲「そうですね、お腹も空きましたし…」

照咲菫誠子尭深「いただきます」パチッ

誠子「♪」モグモグウマウマ

尭深「……」モグモグ

照「……」モグ…

照(……お腹いっぱい。苦しい)

菫「……」モグモグ

咲「わ、弘世さん食べ方きれいですね!」

菫「そ、そうか?」

咲「はい!」

菫「……///」テレ

咲(それにしても弘世さん…ほんとに和食が似合うよ……絵になるなぁ)

照「……」ゲフッ

菫「ん、なんだ照…もう食べないのか?」

照「うん、もうお腹いっぱい…」

誠子「あれ、宮永先輩もう食べないんですか?」

照「うん、お腹パンパン…これ以上食べたらリバース」

誠子「あの、食べないでしたらその魚もらっていいですか?」

照「うん、むしろもらってほしい」

誠子「ほんとですか!じゃあ遠慮なく!」ヒョイパクッ

誠子「♪」モグモグウマウマ

菫「照、お前食事前にお菓子食べただろ……」

照「……………脳に糖分を送るためにしかたなく」

菫「…お前は数年お菓子を食べなくても十分なくらい糖分のストックはあるだろ」

照「そんなことない。コークスクリュー30秒ごとに明○の板チョコ10枚分の糖分が消費される」

咲「お姉ちゃん無理やりすぎるよ…」

菫「まったくだな」

照「………とにかく無理。もうご飯食べれない」

咲「わかったよ…じゃあ残ったおかずは私が食べるから、お味噌汁くらいは飲んでね」

照「…!うん、ありがとう咲」

咲「うん、まあ昔はよく私が食べきれない分をお姉ちゃんが食べてくれてたし…お互い様かな?」

照「いい妹を持って幸せ…」ナデナデ

菫「どちらかというとお前がダメな姉って感じだけどな」

照「むっ…」

誠子「確かに咲ちゃんが姉って言われた方がしっくりくるところはありますね」

尭深「それは少しわかる…」

照「………!」ガーン

咲「そ、そんなことないですよ!お姉ちゃんは立派なお姉ちゃんですよ!」

照「………咲ぃ」ウルウル

咲「よしよし、泣かないでお姉ちゃん」ナデナデ

菫誠子尭深(…咲ちゃんが立派な姉にしか見えない……)


菫「……よし、みんな食べ終わったな」

咲「はい」

照咲菫誠子尭深「ごちそうさまでした」パチッ

照の部屋

照「…咲、お風呂どうする?」

咲「あー……私ちょっと食休みしたいからお姉ちゃん先に入ってきてよ」

照「わかった、それじゃ入ってくる」スタスタ…ガラッ

バタン

咲「……………………」ポツーン

咲「……………………」ポツーン

咲「………一人だとなんか寂しい……」


ガラッ

照「わっ!咲、どうしたの?」

咲「…お姉ちゃん、一緒に入っていい?一人だとなんか寂しくて…」

照「咲………うん、いいよ。おいで」

咲「うん、ありがとう」トテトテ

照「まったく……咲は寂しがり屋なんだから…」ナデナデ

咲「お、お姉ちゃんだって同じでしょ!」

照「はいはい」ナデナデ

咲「むー……」

照「じゃあ髪洗ってあげるからここ座って」

咲「あれ、お姉ちゃんは?」

照「私はもう洗っちゃったから大丈夫」

咲「え、私だけ洗ってもらうの悪いよ…」

照「気にしなくていい。はい、シャワーかけるから目つぶって」シャワァァァ

咲「ん」

照「シャンプーしまーす」ワシャワシャ

咲「んー♪」

照「どう?痛くない?」ワシャワシャ

咲「うん、ちょうどいいよ」

照「なら良かった」ワシャワシャ

咲「♪」

照「……」ワシャワシャ

咲「♪」

照「……」ワシャワシャ

咲「……ねえ、お姉ちゃん」

照「……ん?」ワシャワシャ

咲「……ううん、なんでもない」

照「もう……なに?」ワシャワシャ

咲「呼んでみたかっただけだよ」

照「……………」ワシャワシャ

咲「♪」

照「……………とりゃ!」グリグリ

咲「いだだだ!何するのお姉ちゃん!」バタバタ

照「正直に言わないと頭グリグリの刑!」グリグリ

咲「いだだだ!呼んでみたかっただけだよぉ!」ジタジタ

照「ほんとのほんと?」グリグリ

咲「ほんとのほんとだよ!」ジタバタ

照「なら良し!」ピタッ

咲「もー…お姉ちゃんてば乱暴なんだから…」イタタタ

照「くすぐりのほうが良かった?」ワキワキ

咲「ど、どっちも嫌だよ!」

照「はいはい、じゃあくすぐりはまた今度ね。シャンプー流すから座って」

咲「くすぐりは遠慮しておくよ…」チョコン

照「シャワーかけるから熱かったら言ってね」シャワァァァ

咲「んー♪」

照「よし、完璧」

咲「ありがとうお姉ちゃん」

照「どういたしまして。次は背中流すね」

咲「あ、うん。ありがとう」

照「痛かったら言ってね」ゴシゴシ

咲「うん、平気だよ」

照「…そういえば咲、少し痩せた?」ゴシゴシ

咲「え、そうかな…」

照「うん、なんとなくだけど…そんな感じがする」ゴシゴシ

咲「うーん…8月の頭に夏風邪引いたから、そのせいかな…」

照「え、そうだったの?大丈夫?」ゴシゴシ

咲「うん、そんなにひどくなかったし平気だよ」

照「…言ってくれればお見舞い行ったのに……」ゴシゴシ

咲「いや、お姉ちゃんその頃インハイだったし…」

照「麻雀より先のほうが大事」ゴシゴシ

照「もし今後そういうことがあったらちゃんと言って」ゴシゴシ

咲「でも……」

照「わかった?」ゴッ

咲「う……わかったよ…」

照「よし、いい子いい子」ナデナデ

咲「うぅ~…」

照「咲、背中かゆいところない?」ゴシゴシ

咲「あ、うん」

照「よし、じゃあ流すね」シャワァァァ

咲「ふー、ありがとうお姉ちゃん」

照「どういたしまして。もう上がろうか」

咲「うん、そうだね」

ガラッ

咲「うわ、あっつい…」

照「むしむしする…さすがに今日はクーラー入れようか…こんなんじゃ寝れない」

咲「うん……さすがにこれは暑すぎるよ…」

照「スイッチオン…」

ピッ……ゴォォォォォ

咲「あ、なんか涼しい風出てきた…」

照「もう少しすれば涼しくなる…」

照「さてと…まだ10時過ぎ…咲、何しようか…」

咲「うーん…寝るにはまだ早いしね…」

照「……あ、そうだ咲!オセロやろうオセロ!」

咲「え、オセロあるの?」

照「うん」ゴソゴソ

咲「でもお姉ちゃん、オセロすっごい弱いじゃん…」

照「昔の私とは違う…菫にたくさん鍛えてもらった。今こそリベンジの時!咲、勝負だ!」ババン

咲「お姉ちゃん、先に角二つ取っとかなくて平気?」

照「ば、馬鹿にしないで!もうハンデがなくても大丈夫になった!」

咲「ふーん、じゃあ遠慮しないからね」

照「のぞむところだ!私がどれだけ強くなったか思い知れ!」

今日はここまでです。続きは明日も投下したいと思っておりますが、できない場合もあります。
では、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。
次回もお付き合いいただけると嬉しいです。

続き投下します


咲「お姉ちゃん白と黒どっちにする?」

照「先んずれば人を制す!もちろん黒!」

咲「わかった、じゃあ私が白ね」

照「うん。じゃあ始めるよ…」トン

咲「よっと…」トン

照「………」トン

咲「………」トン


一時間後

照「…………………」ズーン

咲「お、お姉ちゃん…そんなに落ち込まないでよ…」

照「…菫にあんなに練習付き合ってもらったのに……また負けた…しかも5連敗…」

咲「お姉ちゃん…私から一つアドバイスしとくよ」

照「…?」

咲「次に置こうと思ってるところ見つめる癖、どうにかしたほうがいいよ」

照「え…そんなに見てる?」

咲「うん、盤面に穴があきそうなほどに…」

照「むー…こうなったら目隠ししてオセロするべき…?」

咲「……お姉ちゃんそれ本気で言ってる?」

照「ん、なんで?」

咲「目隠ししたら何も見えないじゃん」

照「……!…も、もちろん冗談に決まってる!」アセアセ

咲「………」ジーッ

照「な、なに?ほんとだってば!」アワアワ

咲「……まあいいや、そういうことにしておくよ」

照「むぅ……」

咲「ふぁあ……」アクビー

照「咲、眠いの?」

咲「うん、少し……」

照「あ、もう11時半過ぎてるのか…」

咲「結構オセロやってたんだね…」

照「よし、もう寝ようか咲」

咲「うん…」

照「電気は……どうする?」

咲「ん…お姉ちゃんがいてくれれば暗くても平気だから」

照「…わかった、じゃあ電気消すね」ナデナデ

パチッ

照「咲、もうちょっとこっちおいで」

咲「うん」モゾモゾ

照「……」ギュッ

咲「おやすみ、お姉ちゃん…」キュッ

照「うん、おやすみ」ナデナデ

咲「……」ウトウト

照「……」ナデナデ

咲「」スピー

照「……」ナデナデ

咲「」クカー

照「咲………おやすみ」ナデナデ

咲「」スピー

照「」スピー

翌日・朝7時

チュンチュンチュンチュン

照「………」ムクッ

咲「」スピー

照「………………あれ、今何時?」キョロキョロ

咲「」クカー

照「……7時か…こんなにすっきり目が覚めたのはいつ振りだろう…」

咲「んむ~……」クークー

照「咲は…まだ寝てるのか…」ナデナデ

咲「ん………」スピー

照「咲………」ナデナデ

咲「んう~……」クカー

照(…小さいころと同じ顔して寝てる……)ナデナデ


コンコン

照「ん?」

テルーアサダゾー…オキテルワケナイカ…

照「菫か…」ノソノソ

ドアガチャ

照「おはよう菫」

菫「ああ、おはy……照!?」

照「なに、そんなに驚いた顔して…どうしたの?」

菫「ててて照がこんな時間に起きてるだと…!?天変地異の前触れか!?」ガクブル

照「菫、それは言い過ぎ。私だって朝早くに目が覚めることもある」

菫「お前と知り合ってこのかた、そんなことは一度もなかったぞ」

照「じゃあ今日が記念すべき一回目だね」

菫「毎日こうだと助かるんだがな…」

照「それは無理」

菫「お前なぁ……」ハァ

菫「ところで咲ちゃんは?」

照「まだ寝てる」

咲「」スピー

菫「ぐっすりだな…」

照「うん」

菫「すまないが…もうすぐ朝食の時間だから起こしてやってくれ」

照「わかった」

咲「」クカー

照「咲、起きて…」ユサユサ

咲「んん……」ゴロッ

照「咲…もうすぐ朝ごはん……」ユサユサ

咲「ん~…あと5分……」

照「……咲、起きて」ゴッ

咲「ひぇっ!?」ガバッ

菫(…オーラ使って起こすってすごいな……)

照「やっと起きた…」

咲「お、おはようお姉ちゃん…」ビクビク

照「おはよう」

菫「おはよう咲ちゃん、よく寝れたか?」

咲「あ、おはようごz…ひ、弘世さん!?いつからそこに!」

菫「ああ、ついさっきな」

咲「あわわわ、すみません!みっともないところをお見せして…」ペコペコ

菫「いや、気にすることないぞ。それに照よりよっぽど寝起きがいい」

照「私は今日ちゃんと起きれた」

菫「今日だけな」

照「むー…」

菫「起きてすぐですまないが咲ちゃん…そろそろ食堂に行かないと席が込んでくる…」

咲「あ、はい。わかりました」

照「誠子と尭深は?」

菫「ああ、先に言ってるってさ」

照「じゃあ待たせても悪いし早く行こう」

菫「そうだな、行こうか」

照「咲、おいで」

咲「うん」テテテ

食堂

誠子「あ、先輩おはようございます」

尭深「おはようございます」

菫「おはよう、待たせてすまんな」

誠子「いえ、そんなことないですよ」

尭深「咲ちゃんもおはよう」

咲「おはようございます」ペッコリン

菫「よし、じゃあ食べるか」

照「うん」

照咲菫誠子尭深「いただきます」パチッ

照咲菫誠子尭深「……」モグモグモグモグ

照咲菫誠子尭深「ごちそうさまでした」パチッ

菫「ふぅ……もう9時前か…」

誠子「11時に駅ですよね、何時ごろ寮を出ましょうか」

菫「そうだな、余裕をもって10時半くらいか」

誠子「わかりました」

尭深「10時半前に宮永先輩の部屋に行けばいいですか?」

菫「そうだな、そうしてくれ」

誠子「わかりました、ではまたあとで」

尭深「お先に失礼します」ペッコリン

菫「ああ、あとでな」

照の部屋・10時半頃

照「咲、準備できた?」

咲「うん、ばっちりだよ」

コンコン

照「あ、みんな来たかな」

ドアガチャ

菫「二人とも準備できたか?」

照「うん」

菫「そうか。よし、ならそろそろ行こうか」

照「うん」

咲「あの、いろいろお世話になります」ペッコリン

菫「ん、気にするな」

誠子「それにしてもプライベートで都心に行くのは久しぶりですね」

尭深「確かに…」

菫「まあそうだな、インハイはプライベートとは違うしな…」

照「おいしいお菓子たくさん……!」ワクワク

咲「思えば私、都心に行くのは初めてかもしれないです」

菫「そうなのか?」

咲「はい、前にお姉ちゃんに会いに来たときは日帰りだったので…」

照「ああ…そういえばそうだったね」

菫「長野と東京往復で日帰りか…なかなかハードだな…」

菫「まあ今日は時間はたくさんあるんだし、ゆっくりしていくといい」

咲「はい、ありがとうございます!」





菫「着いたな」

照「淡は…まだ来てないみたい」

菫「なんだかんだでもう11時前なんだが…」

照「あ、ねえ菫…あれ淡じゃない?」

菫「ん?どれだ?」

照「あれ、こっちに向かって走ってくるあれ」ユビサシ

菫「あ、ほんとだ淡だ」

ドドドドドド

淡「おっ…お待たせ…しました…」ヒューヒュー

菫「虫の息だな…寝坊したのか?」

淡「………」コクコク

咲「淡ちゃん大丈夫?」

淡「だっ…大丈夫……」ヒューヒュー

咲(おおよそ大丈夫な人の顔じゃない……)

菫「淡、死にかけのところすまないがそろそろ電車が来る。歩けるか?」

淡「はい……」ゼェゼェ

菫「よし、なら行こうか」


ドアガシマリマースゴチュウイクダサーイ…プシュー

咲「弘世さん、どのくらい電車に乗るんですか?」

菫「そうだな、まあ二時間くらいかな」

照「臨海は会場が近くてズルい。来年はこっちのほうでやるべき」

菫「まあそういうなよ、うちなんて近いほうだろ」

照「まあそうだけど…」

誠子「そうですよね…沖縄とか北海道なんて来るだけで一苦労ですよね」

尭深「交通費と滞在費がすごいことになりそう…」

淡「そういえば、長野の強豪校ってどこなの?」

咲「うーん、ここ最近は風越ってところが全国に行ってたけど…」

照「今年は龍門渕が出てきた」

とりあえず、いったんここまでとさせていただきます。
夜にまた投下するかもしれません。
では、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

続き投下します


淡「ふーん、強いの?その龍門渕ってところ」

照「淡、龍門渕の試合見てないの?」

淡「うん、白糸台の試合しか見てないよ。他の高校とか興味ないし」

照「なら録画を見ておいた方がいい。龍門渕の天江衣はすごい……淡といい勝負できると思う」

咲「あ、私も見たよ。確かにすごかった」

淡「え、そんなに?」

菫「あれは照とか淡いと同じで化け物の類だな」

照「化け物って……ひどい菫…」

菫「あ、すまん。つい本音が…」

咲「そうだ、あの人もすごかったよね」

淡「あの人?」

咲「えーと、あれ…名前が思い出せない…鹿児島の巫女さん」

菫「ああ、神代小蒔だな」

咲「あ、そうです、その人!」

照「神様降ろすって本当なのかな?」

菫「いや、さすがにそんなオカルトありえないだろ…」

淡「…神様?」

菫「ああ、なんでも身体に神様を降ろして麻雀するらしい」

淡「えー、なにそれずっこい」

照「もし来年あたる機会があったら鏡で見てみる」

咲「鏡に神様うつったりするのかな?」

照「…!…なんか面白そう…神様見たい…!」

咲「いいなぁ、お姉ちゃんは鏡が使えて…私も鏡使えたら良かったのに…」

照「大丈夫、神様見えたらどんな感じだったかちゃんと教えてあげるから」ナデナデ

咲「うん」

菫「おっと、そろそろ着くな」

ドアプシュー

咲「わ、すごい!ビルばっかり!」

照「よくあんなに高いビル建てられるよね。大工さんすごいなぁ」

菫「淡、ちょっといいか?」チョイチョイ

淡「ん?」

菫「淡、お前に一つ頼み事がある」

淡「え、めんどくさいのは嫌ですよ?」

菫「いやなに、そんなに大変なことじゃない」

淡「ほんとですか?」

菫「ああ。咲ちゃんの手を握っておいてほしいんだ」

淡「え、なんで?」

菫「淡、照の方向音痴は知っているよな?」

淡「…!…もしかしてサキも…?」

菫「ああ、そのとおりだ」

淡「…わかりました。サキの手を離さなければいいんですね?」

菫「ああ、すまんな」

淡「テルの手はどうするの?」

菫「照の手は私が握っておく。これで抜かりない」

誠子(弘世先輩も大変だなぁ…)

尭深(姉妹で極度の方向音痴ってすごい…)

照「菫、なにしてるの?早く行こうよ」

菫「ああ、すまん。だがその前に照、手を出せ」

照「…?これでいい?」スッ

菫「ああ」ギュッ

照「い、いきなり何?」

菫「気にするな、お前に迷子になられたら困るだけだ」

照(…なんだ、そういうことか……)

淡「はいサキ、私たちも手つなご?」スッ

咲「ええ、恥ずかしいよ…///」

淡「だーめ。こんなところで迷子になったら絶対見つからないからね」

咲「うぅ……」

淡「もー、せっかく来年の高校100年生が手を繋いであげようというのに…」

咲「うぅ…わかったよ」ギュッ

淡「よろしいよろしい!」

淡「よーし、じゃあさっそくインハイ会場に向かってしゅっぱーつ!」ダダダッ

咲「わわっ、淡ちゃん引っ張らないで!」

菫「あ、待ておい!…照、私たちも行くぞ」ダダダッ

照「わっ、菫ちょっと待って…」ダダダッ

誠子「あ、先輩待ってくださいよ!」ダッ

尭深「………」クイッ

誠子「ん?なんだよ尭深…早く行かないと置いていかれるぞ」

尭深「………」ジーッ

誠子「…!…私たちも手、繋ぐ?」スッ

尭深「…うん」キュッ

誠子「よし、それじゃあ行こう!」ギュッ

インハイ会場

淡「ついたー!」

咲「おお…ここが…」

菫「ちょっとここで待っててくれ、受付に行ってくる。照、行くぞ」

照「え、私も?」

菫「当たり前だ。お前の手を離したらどこに行かれるかわからないからな」

照「むー・・・信用ないなぁ」

菫「当たり前だ」

ダイタイオマエハイツモ…アーアースミレウルサイ

咲「結構大きいんだね、インハイ会場」

淡「うん、私も初めて来たよ」

咲「中ってどんな感じなんですか?」

誠子「うーん、私たちもモニタールームしか入ったことないから何とも…」

菫「すまん待たせた…確認取れたぞ。控え室以外は入っていいそうだ」

淡「やったー!行こう行こう!」

菫「会場内は走るんじゃないぞ」

淡「それくらいわかってますよー」

菫「ならよし、行こうか」

ドアウィーン

咲「わぁ、中も広いですね…天井高い…」

菫「さて、どこから行こうか」

淡「やっぱり最初は競技室でしょ!」

咲「うん、そうだね。弘世さん、競技室でお願いします」

菫「わかった、競技室だな…といってもたくさんあるが」

照「決勝会場以外はどこも同じだし、一番近いところでいいんじゃない?」

菫「それもそうだな」

誠子「ここから一番近いっていうと…」

尭深「競技室A…そこの角を曲がってすぐ」

淡「そこの角を曲がってすぐだね!行こうサキ!」グイグイ

咲「うん!」

菫「あ、走るなって言ったのに…」

照「しょうがないよ菫、私たちも行こう」

菫「ああ…」

淡「とーちゃーく!」

咲「おお…すごい…広い…」

淡「こんな部屋がたくさんあるのかー…さすが全国…」

菫「はて……こんなに広かったかな、ここ」

誠子「緊張してたんじゃないですか?それで周りがあんまり見えなくなってたとか…」

菫「あー…確かにそうかもしれないな…」

照「菫…緊張してたんだ…ガラにもなく」

菫「む…私だって緊張くらいするぞ」

照「ふーん」

菫「興味なさそうだな」

照「うん」

菫「なんか腹立つな」

淡「うわ、カメラがこんなにある!」

咲「ほんとだ……なんか恥ずかしいね」

淡「え、なんで?」

咲「だ、だってこれ…自分が麻雀してるところをたくさんの人に見られるってことでしょ…?」

淡「そんなの気にしない気にしない!サキ強いんだから、堂々と打ってればいいんだよ!」

咲「そ、そんなこと言われても…」

照「咲、そんなに恥ずかしがることない…すぐ慣れるから」

菫「…………………ぷっ」クスッ

照「………菫、なんで笑うの」

菫「いや…照が初めて公式戦出たときのこと思い出してたんだよ」

照「!!!」

淡「テルが初めて公式戦出たときのことって?」

咲「私も気になります」

菫「いやな、てr 照「す、菫!それ以上はダメ!」

淡「えー。気になるよー!いいじゃん昔話の一つや二つ…減るもんじゃないし」

照「減るの。いろいろ減るの」

淡「何が減るの?」

照「威厳」

淡「ならいいじゃんもう無いよ」

照「!!?」

照「……………………」グスッ

淡「膝抱えて部屋の隅に座り込んじゃった……」

菫「大丈夫なのかあれ…」

咲「しばらく放っておけば元に戻ると思いますよ」

菫「昔からああなのか?」

咲「そうですね…お父さんがお姉ちゃんのお菓子食べちゃったときとかは一日中あんな感じでしたね…」

菫「お菓子か…」

咲「はい…」

淡「ねーねー、それよりもテルが初めて公式戦出たときの話は?」

菫「ああ…そうだったな……」チラッ

照「……………………」ズーン

菫(こっちの話は聞いてなさそうだし大丈夫か……)

淡「はーやーくー」

菫「ん、ああ。それじゃ…」コホン

咲淡「………」ワクワク

尭深(地味に気になる………!)ワクワク

菫「いやな、あいつ、去年の春季大会が初めての公式戦だったらしくてな…」

淡「ふんふむ」

菫「それはもうこれ以上ないくらいに緊張してたんだよ」

誠子「あの宮永先輩が……」

菫「ああ、特にカメラを気にしてたみたいでな。でもまあそうだよな、初めての公式戦だったらカメラも初めてだったろうし」

淡「それでそれで?」

菫「ああ、変に意識しすぎて逆にカメラ目線になったりしてな…ぷっ、あの時の照の顔は思い出すだ下で笑える」

淡「えー、祖見れ先輩だけずっこい!私もテルの情けない顔見たいー!」

菫「まあ聞けよ。それで試合後に控え室に戻ってきてな…」

照『ずみ゛れ゛ぇ…ガメラやだよぉおお…ごっぢ見でぐる゛よぉぉ!』ビエー

菫「って、それはもう情けない…そうだな…ちょうどこんな顔で」

菫「(´;ω;`)」カオマネ

淡「ぶはっ!あはははははははは!!テルってばかわいー!あはははははははは!!」ゲラゲラ

咲「ぷっ…淡ちゃん、そんなに笑ったらお姉ちゃんに悪いよぅ…くふっ!あははははははは!!」ケラケラ

誠子「……………ぶふっ」プルプル

尭深「………ゲホッ!?…ゴホゴホ」ビチャビチャ

菫(……尭深、無理に笑いを堪えようとしてお茶を飲もうとしたが失敗)

照「……………菫」ゴゴゴゴゴ

菫「ひぅっ!?」ビクッ

照「………………」ゴゴゴゴゴ

菫「お、おい照…そんなに怒るなよ…」ビクビク

照「さっきの顔マネは何?」ゴゴゴ

菫「…怒るところはそこなのか?」

照「当然……私はあんな情けない顔した覚えはない」

菫「いや、お前あんな感じだったぞ。自分でも割とうまく再現できたと思ってる」

照「……そんなことない」

菫「何を根拠に…お前あの時の自分の顔見てないだろ」

照「見なくてもわかる。私があんなへなちょこな顔するわけない」

菫「…本当にそう思っているのか?」

照「ロンおぶモチ」

菫「…寮に戻ったら証拠写真がある。それを見ても同じことを言えるのか?」

照「!!?」ガタッ

照「い、いつの間に撮ったの!?菫の盗撮魔!!」

菫「盗撮魔とは失礼な……へなちょこなお前があんまりにかわいかっt…ゲフンゲフン」

菫「へ、へなちょこなお前があんまりに情けなかったからな…ちょっと記念撮影を…」

誠子(弘世先輩も素直じゃないなぁ……)

照「ひどい……菫の鬼……」グスッ

菫「!!?」アセッ

淡「あー!菫先輩がテル泣かせてるー!いけないんだー」

菫「お、おい!人聞きの悪いことを言うな!だいたいお前も爆笑してただろうが!」アセアセ

淡「ふーん、知ーらない」フイッ

菫「っこの………!」ワナワナ

照「うぅ…咲ぃ…菫がいじめるよぉ」ダキッ

咲「あーよしよし、泣かないでお姉ちゃん」サスサス

照「うぅ…咲ぃ……」ズビズビ

菫「お、おい…悪かったって照…泣くなよ…かわいい顔が台無しじゃないか…」アセアセ

照「………///」グリグリズビズビ

咲(照れ隠しに私に顔うずめるのはいいんだけど…鼻水…)サスサス

菫「ほんとに悪かったって…お菓子でもおごってやるからさ…泣き止んでくれよ」アセアセ

照「……!」ピクッ

今日はここまでです。
続きは、早ければ水曜日に投下できると思います。
では、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

申し訳ありません。とんでもない誤字を発見したので訂正させていただきます。

>>294 7行目 菫「ああ、変に意識しすぎて逆にカメラ目線になったりしてな…ぷっ、あの時の照の顔は思い出すだけで笑える」

   8行目 淡「えー、菫先輩だけずっこい!私もテルの情けない顔見たいー!」

です。大変失礼しました。

続き投下します


照「…言ったね?」

菫「え?」

照「お菓子ごちそうしてくれるって……」

菫「ああ、言ったが…お、おい照…あんまり高いのは無理だからな!?」

照「うん、その辺はわきまえてる。コンビニのプリンでいい」

菫「そ、そうか…それでいいのか?」

照「うん、その代わり残りの数学の宿題を全部肩代わりしてもらう」

菫「!!?」

照「私をからかった罰。あきらめて」

菫「し、しかしだな照…お前の数学の宿題って何ページ残ってたんだっけ?」

照「30ページ」

菫「……………多すぎだ」

照「菫ならできる。頑張って」

咲「ダメだよお姉ちゃん!宿題は自分でやらなきゃ!」

照「さ、咲……でも…」

咲「お ね え ちゃ ん?」ゴッ

照「うっ……わ、わかった……じゃあ菫、コンビニのプリン3個買って。それで我慢する…」シュン

菫「あ、ああ…わかったよ」

菫(ずいぶんと安上がりだな……)

淡「えー!テルだけプリンずっこい!菫せんぱーい、私もプリン!」

菫「お前は関係ないだろ」

淡「むー」 

咲「あの、そろそろ別の部屋行ってみませんか?」

菫「お、そうだな…次はどこにするか…」

淡「決勝会場!!」

菫「ふむ…咲ちゃん、決勝会場でいいか?」

咲「はい、お願いします」

誠子「そういえば、決勝会場と普通の競技室って何が違うんですか?」

照「基本的なつくりは同じ……でもなんかこう…豪華」

咲「漠然としすぎててよくわからないよ」

照「むむ……」

菫「まあ確かに何が違うかと言われると説明しづらいな…」

照「じゃあ早く行こうよ!レッツゴー!」ダダダッ

咲「うわっ!淡ちゃん引っ張らないで!」ダダダッ

菫「……いい加減、淡が突然走り出しても驚かなくなってきたな」

照「まあ…慣れるよね」

菫「ああ……」

照「行こうよ、菫…」クイクイッ

菫「ん、ああ…そうだな」

尭深「あの、弘世先輩…」

菫「ん?どうした尭深」

尭深「……淡ちゃんって決勝会場までの道、知ってるんですか?」

菫「え………………」

照「…………………」

誠子「…………………」

尭深「…………………」

菫「さっ、探せぇええええええええええええ!」アタフタ

照誠子尭深「い、いえっさー!!」

菫「誠子と尭深は右から探してみてくれ!私と照は左から探す!」

誠子「わ、わかりました!尭深、行くぞ!」ダダダッ

尭深「うん!」ダダダッ

菫「照!私たちも行くぞ!」ダダダッ

照「うん!」ダダダッ

菫「まだそんなに遠くに行っていないとは思うが…とにかく早く見つけないと!」

菫(淡は迷子になるやつじゃないが…道も知らない所で極度の方向音痴が一緒にいるとなると…)




咲淡「ここどこ?」フルフル

咲「うぅ~…すっかり迷子だよぉ」フルフル

淡「ごめんねサキ……私が飛び出したばっかりに…」シュン

咲「ううん……私のほうこそ方向音痴に巻き込んじゃって…ごめんね淡ちゃん」

淡「あやまらないでよサキ…それにここで待ってればきっとテルたちが迎えに来てくれるよ!」ニパッ

咲「うん…そうだね!」

淡「そっれにしてもインハイ会場ってほんとに広いねー、こんなんじゃ迷子になるなって言うほうが無理だよ」

咲「うん、まさかこんなに広いとは思わなかったね…」

淡「来年の夏は私もここで大活躍かー…むふふ」

咲「気が早いよ淡ちゃん…」

淡「でもさー、正直言ってテルと私がいて地区予選負けるって言うほうがおかしくない?」

咲「それは…確かにありえないと思うけど…」

淡「でっしょー?」フンス

咲「うん」

淡「まあ来年も白糸台がインハイ出るのは確実としてさ…」

咲「うん」

淡「サキが行こうとしてる…清澄高校だっけ?…はどうなの?実績とかあるの?」

咲「うーん、今まで県予選に出たって話も聞いたことないかな…」

淡「え゛!?ウソ!それほんと!?」

咲「うん、今もほとんど活動してないみたい」

淡「もったいないよサキ!そんなとこ行って万が一県予選にも出れなかったら…」

咲「うーん、でも清澄が一番近い公立学校なんだよね…」

淡「公立じゃなきゃダメなの?」

咲「うん…私立はちょっと…お金が」

淡「あわっ、ごめん…」アワアワ

咲「ううん、気にしないで淡ちゃん。それに淡ちゃんが私のこと気にしてくれて嬉しかったし…」

淡「だったサキ、絶対全国レベルの力あるし…それにサキとインハイで闘ってみたいんだもん」

咲「あはは、ありがとう淡ちゃん…でも全国レベルは言い過ぎだよ」

淡「もー、サキってば謙遜しすぎなんだよー」

咲「ええ…そんなことないってば…」

淡「ほらまたー…そもそもテルや私と卓囲めてる時点で全国レベルだよ」

咲「え?」

淡「ねえ、もしかしてテルがインハイチャンプだってこと忘れてない?」

咲「あ」

淡「そして私は来年の高校100年生!」フンス

咲「それは知らないかな……それに100年生って…淡ちゃん留年するの?」

淡「違うよ!麻雀の実力的に!」

咲「ああ、なるほど…数が大きいほど強いってことだね」

淡「そっ!」フンス

咲「じゃあお姉ちゃんは高校何年生?」

淡「うーん…テルはそうだなー…サキはどう思う?」

咲「んー…お姉ちゃんはちょっと次元が違いすぎて…うーん…」

咲淡「わっかんねー」

淡「…………………」

咲「……………ぷっ、あはは」クスクス

淡「あはははははははははは!きれいにハモったねー」ケラケラ


サキーアワイーオーイ


咲「ん?今お姉ちゃんの声が…」

淡「え、うそー…私聞こえなかったよ?」

咲「うーん…確かに聞こえたと思うんだけど」


オーイサキーアワイードコー?プリンアゲルカラデテオイデー


淡「あ、ほんとだ!テルの声だ!」

咲「ね?」


サキーアワイーソロソロバスガデルデー…マジメニヤレテル!


咲「あ、弘世さんの声も」

淡「よーし、こっちからも呼んでみよう!」スーハー

淡「テぇえええええええルぅううううううううううう!」

咲「!!?」キーン

今回はここまでです。続きは、月曜日に投下したいと思っております。
では、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

訂正を一つ。

>>305 下から2行目 「じゃあ早く行こうよ!レッツゴー!」は照ではなく淡のセリフです。失礼しました。


では、続きを投下していきたいと思います。


スミレイマアワイノコエガ…アアワタシモキコエタ、イクゾテル

ドドドドドドドドド

照「咲っ!淡っ!」ゼェゼェ

咲「お姉ちゃん!」パァァァ

淡「テルー!」パァァァ

菫「照っ!咲ちゃんたちいたか!?」ゼェゼェ

照「うん」

菫「そうか…良かった…」ホッ

淡「ふー、これで一安心」

菫「それはこっちのセリフだバカ者」

淡「う……ごめんなさい」シュン

菫「ん、なんだどうした…えらく素直じゃないか」

淡「…だって…私が飛び出したせいでみんなに心配かけちゃったし…」

菫「淡……まああれだ、失敗は誰にでもある。繰り返さなければいいだけの話だ」ナデナデ

淡「……うん」

菫「よし、決勝会場に行こう。誠子と尭深ともそこで待ち合わせてる」

照「うん、行こう」

菫「淡、今回は走り出すなよ?」

淡「わかってますよー。サキ、行こう」ギュッ

咲「うん」ギュッ


決勝会場前

咲「おおお……競技室とはドアからして違う……」

淡「すっごーい!なにこれドアでっか!」

菫「おお…改めて見ると確かにすごいなこれは……」

誠子「さすがに全国決勝ともなるとすごいですね……」

尭深「ドア重そう……」

淡「よーし、さっそく中も拝見拝見っと………ん?サキ?」

咲「……………」

菫「どうした咲ちゃん…入らないのか?」

咲「…すみません…やっぱり私、中に入るのはやめておこうと思います」

照「どうして?」

咲「やっぱちりここには…来年、ちゃんと勝ち上がってきて堂々と入りたい…」

淡「サキ……………よし、私も今日はやめとく!」

咲「え、どうして?」

淡「んー、やっぱり私もここに初めて入るのはインハイの決勝の時がいいなって」

咲「あの…もし無理して私に付き合ってくれてるんだったら……」

淡「もー、サキってば自惚れ屋さんだなー。私が今ここに入りたくないだけだよ、サキのためじゃない」

咲「そっか………うん、ありがとう淡ちゃん」

淡「お礼なんていいよ」

咲「え、でも……」

淡「んー、でもそうだな…じゃあお礼の代わりに約束してよ」

咲「……約束?」

淡「うん。来年絶対、ここに来るって」

咲「……!」

咲「うん、わかった…約束するよ。来年絶対、ここで会おうね!」

淡「ん!もちろん卓を挟んで、だけどね!」

咲「うん!」

菫「なら私たちも、ここに入るのは来年の夏まで待っておくか…なあ照」

照「そうだね…来年の夏、みんなでここで会おう」

誠子「私も来年はレギュラーになってみせます!」

尭深「私も……!」

菫「おお、その意気だ」

淡「よーし、じゃあみんなの約束ね!来年絶対ここで会おう!」

照咲菫誠子尭深「おー!!」

菫「よし、なら今日はここまでにして何か食べに行くか。お腹空いただろ」

照「私ペコペコ…」

誠子「私も少し…」

菫「まあ食べに行くといってもそこら辺のファミレスだけどな」

照「えー、菫のおごりで高級フレンチ期待してたのに…」

菫「バカ、私がそんな金持ってるわけないだろ」

照「冗談だよ、冗談冗談。あはははは」マガオ

菫「……冗談ならせめて笑顔で言ってくれないか?冗談に聞こえないんだよ」

照「代わりに笑い声を出した」

菫「ものすごく乾いた笑い声だったけどな……」

菫「まあでもお前は冗談言う顔してないし…似合わないよな」

照「冗談言う顔ってなに」

菫「うーん、そうだな……淡みたいな顔のことだ」

淡「え?」

照「ああ、納得」

淡「むっ、ちょっとそれどういうことですかー!私がアホ顔ってことですか!」プンスコ

菫「違う違う。何でそうネガティブにとらえるんだよ」

咲「そうだよ淡ちゃん、淡ちゃんすっごくかわいいよ?」

淡「え…そ、そう?」テレテレ

咲「うん!」

淡「お、お世辞じゃ…」

咲「ないよ!」

淡「……………///」ギュムッ

咲「わわっ!?どうしたの淡ちゃん…」ポンポン

照「淡が照れてる……」

淡「て、照れてないよ!テルのバカ!」

咲「淡ちゃん照れてるの…?」

淡「へうっ!?」

淡「てっ、照れてるわけないじゃん!そんなことよりほら!ご飯行こうご飯!」グイグイ

咲「ちょ、待って淡ちゃん…!もー、せっかちなんだから…」

菫「ひどい誤魔化しかただな……」

誠子「まったくもって…」

照「菫、ご飯……」グゥー

菫「ん、そうだな。行こうか」

誠子「さっき調べてみたんですけど、近くにサイゼ○アがありますよ」

尭深「ここから徒歩5分くらいみたいです」

菫「ふむ、近いな…咲ちゃん、サイ○リアでいいか?」

咲「あ、はい。かまいません」

菫「そうか、なら良かった」

淡「そうと決まればさっそく行こう!お腹空いた!」

菫「そうだな…誠子、案内頼めるか?」

誠子「はい、大丈夫です」

菫「うん、なら頼むよ」

誠子「案内役、任されました!」

サ○ゼリア

ワイワイガヤガヤイラッシャイマセーワイワイガヤガヤ

照「菫、メニュー取って」

菫「ん、ほら」ヒョイッ

照「ありがとう……ふふ、何食べようかな」ワクワク

菫「いきなりデザートのページ開くなよ…」

淡「サキー、サキは何食べるの?」

咲「んー、スパゲティにしようかな」

淡「じゃあ私もサキと同じやつにするー!」

咲「淡ちゃんがいいならそれでいいけど…自分で選ばなくていいの?」

淡「うん!サキと同じのがいい!」

咲「そっか、うん、わかったよ。なら同じのにしようか」

淡「やったー!サキとお揃いだー!」キャッキャッ

菫「照、いいかげんデザートのページ見るのやめろ!」グググ

照「何するの菫……その手を離せ!」グググ

菫「お前がデザート見てると私がメニュー決められないんだよ!」グググ

照「メニューなら淡たちに見せてもらえばいい…」グググ

照「今プリンにするかアイスにするか運命の瀬戸際なの…邪魔しないで…!」グググ

菫「メニューは二人に一つ置いてあっただろうが…!それにデザートなら食後に頼め!」グググ

照「やだ」グググ

咲「お、お姉ちゃん…だったら私がアイス頼むから半分こしようよ、ね?」

照「え、いいの?」パァ

咲「うん、だからまずはメニュー決めなきゃ。弘世さんも困ってるよ」

照「わかった」

菫「すまないな、咲ちゃん…」

咲「いえ、お姉ちゃん昔からこうなので…慣れました」

今日はここまでです。
続きは、水曜日か木曜日に投下したいと思っております。
では、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

続き投下します


菫「咲ちゃん…苦労してきたんだな…」

咲「弘世さんこそ…」

照「~♪」メニューペラペラ

照「あ、これおいしそう。ねえ菫、これ…」

菫「ん?ピザか…おいしそうだな」

照「うん、でも一枚丸ごと食べるとプリンとアイスが食べれなくなっちゃう…」ムムム

菫「ああ、なら半分こにするか。私もピザ半分ならちょうどいい量だしな」

照「ありがとう菫」

菫「気にするな。…誠子と尭深はメニュー決まったか?」

誠子「あ、はい。私たちもピザ半分ずつにしようってことになりました」

菫「そうか、ならもう呼び鈴押していいか?」

照「待って菫!私が押したい!」

淡「えっ、テルずるいよ!私も押したい!」

照「やだ」

淡「大人げないよテル!こういうのは年下に譲るもんでしょ!」

照「やだ、私が押すの。それに世の中には年功序列という言葉もある」

菫(何やってるんだこいつらは…)

ピンポーン

照淡「!!」

菫「…時間かかりそうだったから押したぞ」

照「菫のバカ!なんてことするの!」

淡「ほんとですよ!どういう神経してるんですか!」

菫「え、私が悪いのか…?」

照「菫のアホ!KY!空気読め!」

淡「まったくもってテルの言うとおりですよ!」

照「菫はこれから白糸台のSS名乗るのやめたほうがいいね」

淡「まったくもってー」ウンウン

照「これから菫は」

照淡「白糸台のKYだ!」

菫「ロン!(物理)」ドシュドシュッ

照淡「ぎゃん!」グサグサッ

菫「まったく失礼な奴らだな…」

照「いだだだ…痛いよ菫…」サスサス

淡「ま、まったくもって…」サスサス

菫「お前たちが失礼なこと言うからだ。それに私は自分でシャープシューターを名乗った覚えはない」

咲「え、そうだったんですか?」

菫「ああ…相手に寄せて打っていたらいつの間にかあんな異名ができててな…困ったものだよ」

誠子「でもシャープシューターっていいですよね、かっこよくて」

菫「そうか?私は一度としてかっこいいと思ったことはないが…」

誠子「私はかっこいいと思いますよ?」

照「そうだよ菫、私なんて大魔王だよ?」

菫「いや、それはしょうがないんじゃないか?」

誠子尭深「………」コクコク

照「……ひどい」

咲「大丈夫だよお姉ちゃん!大魔王もかっこいいよ!」

照「ほ、ほんと…?」

咲「うん!チャンピオンって感じだよ!」

照「そ、そうかな…えへへ」テレテレ


オマタセシマシターゴチューモンハオキマリデスカー

菫「あ、えと…ピザ二枚とスパゲティ二つ…それと食後にプリンとアイスを一つずつお願いします」

カシコマリマシター


オマタセシマシターゴユックリオメシアガリクダサイ

照「おお…おいしそう!」

淡「いっただっきまーす!」

咲「いただきます」

誠子「私たちも食べようか」

尭深「うん…いただきます」

照「すみれぇ…お願いピザ切って。私このゴロゴロするやつ苦手…」

菫「ん、ああ。貸してみろ」ゴロゴロ

照「わ、菫うまい…」

菫「別に普通だろ…お前がぶきっちょなだけじゃないのか?」

照「むー……」

誠子「いただきまーs…あっつ!」ベチャ

尭深「誠子ちゃん何やってるの…もう…」フキフキ

誠子「いやぁ…ははは…思ったよりピザが熱くて…」

尭深「もう…気を付けてね」フキフキ

誠子「うん、ありがとう尭深」

照「ふふん、まだまだだね誠子…私はフォークを使う…知的な作戦」ドヤァ

菫「ピザをフォークで食べるのか…」

照「いただきまーす!」パクッ

菫「あ!おいそんな急に口に入れたら…!」アセッ

照「あっづぅうううえぇ!」ゲホゲホ

菫「……手で持って熱いものは口に入れても熱いに決まってるだろまったく…」フキフキ

照「うぅ……舌やけどしたぁ…」

菫「どれ、見せてみろ」

照「ん……」ンベ

菫「……………」ジーッ

照「……………」ンベ

菫「………舌のやけどなんて見てわかるわけなかった…」

照「…菫ってときどきおバカだよね:

菫「照だけには言われたくなかったな…」

照「なんか舌がカピカピになった…」

菫「すまん…水は?」

照「もう飲んじゃった」

菫「…私の飲みかけでよければ残ってるが…」

照「ん…もらう」ゴキュゴキュ

照「ぷはぁ……生き返った」

菫「おやじくさいぞ照…」

照「ほっといて……」

淡「ふふーん♪はいサキ、あーん♪」

咲「あ、淡ちゃん…何を…」

淡「何って…あーんだよ、あーん…サキ知らないの?」

咲「いや、それは知ってるけど…」

淡「じゃあいいじゃん!はい、あーん♪」

咲「ちょ、待って…ここレストランだよ?公共の場だよ?お行儀悪いよ…」

淡「むー…いいじゃん、サキに私のスパゲティ食べてほしいんだもん」

咲「同じもの頼んだのに?」

淡「気分だよ気分!」

咲「しょ、しょうがないなぁ…じゃあ一口だけだからね」

淡「やった!じゃあ改めて…はいサキ、あーん♪」

咲「はむっ……」モグモグ

淡「どう?おいしい?」ニコニコ

咲「うん」

淡「やった!じゃあ今度はサキのちょうだい」

咲「え、あーんするの?私が?」

淡「うん!食べさせてよ!」

咲「ええ…ちょっと恥ずかしい…」///

少し短いですが、今日はここまでです。
続きを投下するのは月曜日以降になると思われます。
では、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

続き投下します


淡「やだやだやだー!食べさせてくれなきゃやだー!」ジタバタ

咲「あ、淡ちゃん…ちょっと落ち着いて…」

淡「やだー!サキが食べさせてくれるまでご飯食べない!」

咲「うぅ~……わ、わかったよぉ」

淡「やったぁ!あーん」アー

咲「うう……」オドオド

淡「早く―!口の中カピカピになっちゃうでしょー」アー

咲「わ、わかったよ…それじゃ…///」ドキドキ

淡「……///」アー

咲「あ、あーん……///」ドキドキ

淡「はむっ!」パクッ

淡「んー!おいしい!ありがと、サキ!」ニパッ

咲「ど、どういたしまして…」ドキドキ

淡「んふー!サキ大好きっ!」ギュムッ

咲「ひゃわっ!?あ、淡ちゃん…///」クルシイ

照「………」ジーッ

菫「ラブラブだな」

咲「えっ、ちょ、弘世さん!何言ってるんですか!」アセアセ

淡「菫先輩ってばいいこと言うじゃないですかー」ギュゥゥゥ

咲「淡ちゃん、苦しい苦しい……///」

照「………」グギギギ

淡「ん~?なーにテル…そんなに悔しそうにこっち見て」ニヤニヤ

照「なな、なんでもない…」グヌヌヌ

淡「そ、ならサキは私がもーらい!」スリスリ

咲「淡ちゃん、髪の毛がくすぐったいよ…///」マンザラデモナイー

淡「あーもう、サキかわいー!食べちゃいたーい!」スリスリ

照「!!?」ガタッ

咲「…?」

照「淡…今のはどういう意味…?」

淡「それはつまりその…さ、咲を…」

淡「そっ!サキの処女は私がもr 菫「声が大きい!」ゴスッ

淡「いだっ!?…何するんですかぁ!」ナミダメ

菫「時と場所をわきまえろ!公共の場だぞまったく…」

淡「ぶー、ケチ!」

照「………」ギュルルルルル

淡「うぇっ!?」アセッ

照「咲が結婚するまで咲の貞操は私が守る!」ギュルルルルル

淡「ちょ、テル!落ち着いて!ここレストラン!」アワワワ

菫「淡の言うとおりだ照!さすがにここでコークスクリューはますい!」ガシッ

照「は、離して菫!妹の危機…姉として見過ごすわけにはいかない!」ガルルル

淡「ひぇえ!」ガクブル

菫「どうどう、落ち着け照!ほら、プリン食べようプリン、な?」ヨシヨシ

照「……!」パァ

照「プリン食べる!プリンプリン!」

菫「ほら、あわてて喉に詰まらせるなよ?」

照「うん!いただきまーす!」

淡「た、助かった……」ホッ

照「………」モッチャモッチャ

照「えへ……おいしい」ニパー

菫「そうか、よかったな」ナデナデ

咲「はい、お姉ちゃん。アイスも食べるでしょ?」

照「食べる!」

照「………」モキュモキュ

照「んふー……おいしい…」ウットリ

菫「お前は甘いもの食べてるときが一番幸せそうだな」

照「うん、至福の時間」

淡「こんなに顔の緩んでる人がインハイチャンプとか思えないよね」

菫「普段から麻雀してるときみたいにキリッとしてくれると助かるんだがな」

照「私は麻雀のとき以外でもキリッとしてる」

菫「それはないな」

咲「うん、ないね」

淡「ないない」

誠子「ないですね」

尭深「………」コクコク

照「……………ひどい」

菫「まあまあ、いいじゃないか」

照「なにが……」

菫「ほらあれだ、ギャップ萌え?」

照「なんで疑問形なの」

誠子「でも確かに宮永先輩ってギャップすごいですよね」

照「………?」

誠子「規格外の麻雀打つのに…」

尭深「普段は迷子のおかし狂…」

誠子「実際、入部するまで宮永先輩のことめちゃくちゃ怖い人だと思ってました」

照「え、そうだったの?」

誠子「はい」

照「……ごめんね」シュン

誠子「え!?なんで謝るんですか!」アセッ

照「だって……」シュン

誠子「いやいや、そんなに気にしないでくださいよ!それに先輩が良い人だってわかりましたし…」アセアセ

菫「そうなんだよな、離してみると天然でいいやつなんだよな」

照「私は天然じゃない…」

菫「天然のやつはみんな総じてそう言うんだよ」

照「む………」

淡「まあいいじゃん!この話はテルが天然ってことでおしまい!」

照「心外……とても心外」

淡「ねえねえ!ご飯も食べたしどっか行こうよ!」

菫「それもそうだな」

淡「サキは本屋さんに行きたいんだっけ?」

咲「あ、うん」

菫「本屋ならさっき見かけたような…」

照「うん、あったよ」

菫「案内を頼みたいところだが……」

誠子「それはやめた方が……」

菫「ああ、わかってる。私もそこまで愚かじゃない」

照「ものすごく失礼なことを言われてる気がする」

咲「しょうがないよお姉ちゃん…こればっかりは…」

照「うん…わかってるんだけど……なんか悲しい」

淡「本屋さんまでの道なら私わかるよ!」

菫「ほんとか?」

淡「うん!」フンス

菫「よし、なら行ってみよう」

淡「おー!」


ワイワイガヤガヤアリガトウゴザイマシターワイワイガヤガヤ

本屋

咲「うわ…広い…!」キラキラ

照「私もこんなに広い本屋さんに来たのは久しぶり…!」キラキラ


尭深「………」ペラッ

誠子「ん?尭深、何呼んでるの?」ヒョイッ

尭深「…!?か、返して…!」ピョコピョコ

誠子「いいじゃんいいじゃん…えーとタイトルは……」


  『釣りの本』


誠子「……!」

尭深「……………///」ウツムキ

誠子「え、ええと…その…こ、今度一緒に海釣りにでも行こうか…///」

尭深「うん…!」キュッ

誠子「♪」

菫「………」ペラッ

照「菫、何呼んでるの?」ヒョコッ

菫「!?」アセッ


  『おいしいプリンの作り方』


照「………!」パァ

菫「な、なんだその顔は!べ、別にお前に作るわけじゃないぞ!」アセアセ

照「………」シュン

菫「お、おい…ウソに決まってるだろ、真に受けるなよ…!」オロオロ

照「…作ってくれるの?」

菫「あ、ああ…今度な」

照「やった!約束だからね!」パァ

菫「ああ、わかったよ」

照「♪」

今回はここまでです。
今週は少し用事が立て込んでいるので、続きの投下は来週になると思います。
間が空いてしまって申し訳ありません。次回もお付き合いいただけると幸いです。
では、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

すみませんが訂正を一つ。

>>351 7行目  淡「それはつまりその…さ、咲を…」 は淡のセリフではなく照のセリフです。

失礼しました。

続き投下します


淡(……………バカップルどもめ)チッ

淡「ん?」

咲「………」ペラッ

淡「サキ~♪何見てるの?」ヒョコッ

咲「あ、淡ちゃん」

淡「どれどれ~……原村和?誰それ?」

咲「今年のインターミドルチャピオンだって。そう書いてあったよ」

淡「へぇ~…うわっ!おっぱいでっか!」

咲「はは、あんまり実績には興味なさそうだね」

淡「まあ…興味ないわけじゃないけど

>>366 最後の「」忘れました。すみません。


咲「そういえば淡ちゃんはインターミドル出なかったの?」

淡「うん、私はテルと麻雀したいからテルのいないインターミドルには出ないよ」

咲「そうだったんだ…」

淡「うん。…にしてもこの原村って人おっぱい大きすぎ…」マジマジ

淡「同じチャンピオンなのにテルとは大違い…こっちの方が真のチャンピオンだね」

照「あ わ い?」ゴゴゴゴゴ

淡「ひうっ!?」ビクッ

咲(お姉ちゃん…いたんだ…)

照「淡……今のはどういう意味?」ゴゴゴ

淡「てててテル!誤解だよ!誰もテルが鉄板なんて言ってないよ!?」アセアセ

照「…」ゴッ

咲「あ、淡ちゃん!」

淡「あわっ!?」アワアワ

照「…」ギュルルルルル

咲「お、お姉ちゃん落ち着いて!」アセアセ

淡「あわわわわわ!」アワワワ

照「淡…覚悟はできてる?」ギュルルルルル

淡「あわわわ……!」ブンブン

照「……そう…でももう遅い…」ギュルルルルルル

照「淡は身を以て反省するべき!」ギュルルルルルルルルル

淡「あわわわわわわわ!」ガクブル

菫「待て待て!ストップ!ストップだ照!」ガシッ

照「は、離して菫!」ジタバタ

菫「本屋さんでコークスクリューするな!」グググ

照「でも菫!淡が私のこと鉄板って…!」ジタバタ

菫「事実だ!受け止めろ!」グググ

照「!?」

照「菫……ひどい…」グスッ

淡「あわ……助かった…」ヘナヘナ

咲「まさに九死に一生を得たって感じだね…」

淡「まったくもって……今度から発言には気をつけるよ…」

咲「うん、それがいいよ」

咲「私ちょっと他の本探してくるね」

淡「あ、私も行くー」

咲「淡ちゃん、本読むの?」

淡「ううん、まったく」

咲「そう…」

淡「サキのおすすめとかないの?」

咲「おすすめかぁ…そうだなあ……ん?」

淡「ん?どしたのサキ」

咲「いや、あの人たちどこかで…」

スコヤンナニヨンデルノー?コーコチャン!?ウワッ!スコヤンガゼクシィヨンデル!アハハハハハ!ヒドイヨコーコチャン…

咲「どこかで見たことあるんだけど…誰だっけ?」

淡「ちょ、サキ!あれ小鍛治プロと福与アナだよ!」

咲「あ!」

淡「すごい…有名人が二人も…さすが都会!」

コーコチャンノバカー!チョ、スコヤンマッテヨナクコトナイデショ!

淡「…サインもらいたいけどお取込み中みたい」

咲「うん、そうみたいだね…」

淡「まあいっか。サキ、本探すんでしょ?行こ!」

咲「あ、うん。え~と…この辺にあるはずなんだけど…」キョロキョロ

淡「何の本探してるの?」

咲「うん、好きな作家さんの新刊なんだけど……あ、あった!これこれ!」

照「咲」ヒョコッ

咲「うわっ!お姉ちゃん!?」ビクッ

淡「テル…いつの間に…」

照「咲、本買うなら私が買ってあげる」

咲「え、ほんと!?」パァ

照「うん!」フンス

咲「やったぁ!お姉ちゃんありがとう!」ダキッ

照「よしよし…それで何がほしいの?」ナデナデ

咲「うん、これなんだけど…」

照「ああ、レジェンドさんの新刊…私これ持ってるよ」

咲「え、ほんと?」

照「うん、よかったら持って帰る?」

咲「でもそれじゃお姉ちゃんが読めないよ?」

照「私は今別の本読んでるから大丈夫」

照「今度咲がこっちに来るときか、私が帰省した時に返してくれればいいから」

咲「そう?じゃあ借りて帰るよ。ありがとうお姉ちゃん」

照「うん」

淡「そっかぁ…サキ、明日には帰っちゃうんだよね…」ショボーン

咲「うん…」

淡「やだよぉサキぃ!帰らないでよぉ!」ダキッ

咲「あ、淡ちゃん…こればっかりはどうしようもないよ…」オロオロ

淡「やだやだー!帰っちゃやだー!」ビエービエー

照「淡、本屋さんでは静かに…」シーッ

淡「やだやだやだー!帰らないでサキぃ!」ビャービャー

照(聞いてない……)ズーン

咲「淡ちゃん…会えなくなるわけじゃないから…」ヨシヨシ

淡「でも…帰っちゃったら…しばらく会えないんでしょ?」ギュゥゥゥ

少し短いですが今日はここまでです。
続きは木曜日もしくは金曜日に投下予定です。
では、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

続き投下します


咲「それはそうだけど…じゃあ今度は淡ちゃんが長野においでよ!」

淡「え…いいの?」

咲「うん、もし良かったら今度お姉ちゃんが帰省するときに一緒においでよ」

淡「ほんと!?」パァ

咲「うん。ね、お姉ちゃん?」

照「うん。淡だけと言わずみんな来たらいい」

照「余ってる部屋があるし4人くらいなら泊められる」

淡「やったぁ!行く行く!絶対行く!」ワーイ

菫「テルの実家か…見てみたい気はするな」

照「ただ、お客さん用の布団が二つしかないから、二人で一つの布団に寝てもらうことになるけど…」

誠子「あ、それなら私と尭深で寝ますよ。な?」

尭深「………」コク

淡「じゃあ私はサキと寝るー!」

照「え……」ジト

淡「なにテル…その反応…」

照「……咲に変なこと…しない?」ジーッ

淡「しないよ!」

照「………」ジーッ

淡「ほ、ほんとだってば!」

照「……まあいいや、信じてあげる」

淡「なんか上から目線……」ムー

咲「あはは、じゃあ決まりだね。誠子さんと尭深さん、お姉ちゃんと弘世さん、私と淡ちゃんが同じ布団ってことで」

照「うん」

菫「……………」

照「ん?どうしたの菫」

菫(照と同じ布団か…修学旅行の悪夢がよみがえる…)

照「ねえ、菫…」チョンチョン

菫「ん、ああ…どうした照」

照「いや、呼んでも反応がなかったから…」

菫「ああ、そうだったのか…すまん。少し考え事をしてたんだ」

照「考え事?」

菫「ああ…修学旅行の時のことを思い出してな…」

照「なんで?」

菫「……………」

菫(お前の寝相がこの上なく悪かったからに決まってるだろ!蹴られるわ殴られるわ布団を剥がれるわ…)

菫(しまいには宮永ホーンが刺さったんだからな……にしてもこいつ、自覚がないのか?)

照「……?修学旅行ってなんかあったけ?」

菫「いや、いい…なんでもない」

照「…?変な菫…」

淡「ところでさー、テルが帰省するのっていつなの?」

照「ああ…うーん、そうだなぁ…春休みになるかな」

誠子「冬休みは咲ちゃんが受験勉強で忙しいですもんね」

照「うん」

淡「春休みかー…遠いなぁ」

菫「淡、お前も冬休みは面接の練習くらいしておけよ?」

淡「ええー…めんどくさい」

菫「いくらお前が麻雀強いといってもだな…一応推薦入試なんだから礼儀がなってないと落とされるぞ」

淡「むー……実技試験で全員トバしても?」

菫「そりゃそうだろうな」

淡「むぅ……」

菫「照レベルの営業スマイルを身につけろとは言わん。適度にでいいんだ」

淡「うー…頑張る…」

菫「よしよし!」

咲「にしてもお姉ちゃんの営業スマイル…いつ見てもすごいよね」ペラッ

照「そっそれは今週のweekly麻雀today…!」アセッ

咲「普段のお姉ちゃんを知らない人はこれが自然だと思うんだろうけど…」ペラッ

淡「テルのこと知ってると気持ち悪いくらいだよねー」ケラケラ

照「わ、私だって好きでやってるんじゃない…」

咲「わ!来週はお姉ちゃんの特集記事やるの?もう、そういうことは先に言ってよ」ペラッ

照「やだ、恥ずかしいもん」

咲「そう言わずに…お父さん、お姉ちゃんが雑誌に出るの楽しみにしてるんだよ?」

照「う……」

咲「もちろん私もだけど」

照「そ、そう言われても恥ずかしいものは恥ずかしい」

咲「まあ無理にとは言わないけど…」

咲「どうせお姉ちゃんが言わなくてもお父さんが絶対に全部買ってくるから」

照「そ、そうなの?全部?」

咲「うん。weekly麻雀todayから、割とマイナーな雑誌まで。全部切り抜きにしてるみたい」

照「え……恥ずかしくて家帰れない…」

淡「いーじゃん、有名人!私も雑誌に載ってみたい!」

菫「来年うちのレギュラーになれれば確実に載るだろうな」

淡「え、じゃあ私が載るの確実じゃん」

菫「調子に乗るなバカたれ」ポカッ

淡「あうっ!」

照「そうだよ淡…もしかしたら淡より強い人がたくさんいるかも…」

咲(淡ちゃんがレギュラーとれない状況って…お姉ちゃんが5人いるようなもんだよね…)ガクブル

淡「さ、さすがにそれは…ないと思うんだけど…」

誠子「そうですよ、大星がレギュラーとれないって…私なんか何軍になっちゃうんですか」

照「もしかしたら辻垣内さんと荒川さんと天江衣と神代小蒔が転校してくるかも…」

淡「それは…ちょっと困る」

菫「…私も勘弁願いたいな」

照「まあありえない話だけど、危機感は持っておいた方がいいってこと」

淡「はーい」

菫「さてと…そろそろ帰らないと夕飯に間に合わなくなるな」

淡「え、もうそんな時間?」

照「どうりでお腹空いてると思った」

菫「帰るぞ照、手を出せ」スッ

照「…今日は迷子にならなかった」

菫「帰りに迷子になったらどうするんだよ。そうなっても探しに行かないからな?」

照「うっ………わかった」ギュッ

淡「はい、サキ…手」スッ

咲「う、うん…///」キュッ

尭深「………」ギュゥゥゥ

誠子(手を出す前にしっかり握られてた…)キュッ

菫「よし、じゃあ帰るか」

今日はここまでです。
続きは火曜日に投下予定です。
では、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございまいた。

続き投下します



電車

ガタンゴトンガタンゴトン

淡「ふいー…つっかれたー」ノビッ

照「都会は人が多い…多すぎる」

菫「まあ、都会だからな」

誠子「でもやっぱり都会はいろいろありますよね。珍しいものとか」

尭深「うらやましい…」

淡「長野はどうなの?いろいろあるの?」

咲「うーん…私の地元はかなり田舎だから…」

照「うん、何もない」

淡「そーなんだ」

咲「あ、でも星がすっごくきれいに見えるよ」

淡「星?」

咲「うん。街灯がほとんどなくて真っ暗だから星がよく見えるんだ」

淡「へー!いいなー」

照「星……なつかしい…」シミジミ

菫「やっぱり天の川とかもきれいに見えるのか?」

咲「あ、はい、とってもきれいですよ」

菫「うらやましいな……」

マモナクーシライトダイーシライトダイー

菫「おっと…」

淡「着いたー!」

ドアプシュー

菫「もう6時過ぎてたのか…淡、暗くならないうちに帰れ」

淡「ええー!もうちょっとサキといたいー!」

菫「わがまま言うな。誘拐でもされたらどうするんだ」

淡「むー…大丈夫ですよー」

咲「ダメだよ。淡ちゃんかわいいんだから、狙われやすいよ」

淡「かわっ!?///」ドキッ

咲「うん、淡ちゃんかわいいよ」

淡「かかか、かわいくないよ!サキのバカー!///」カァァァ

咲「ば、バカってひどいよ…ほんとのこと言っただけなのに…」

淡「へうっ!?///」ドキドキ

咲「淡ちゃんほんとにかわいいんだよ?」

淡「そそそ、そんなことない!サキのほうがかわいい!」

咲「えっ、いや…わ、私なんかかわいくないよぅ…///」オロオロ

照「………」

照「…すみれぇ…咲が淡に取られたぁ……」グスッ

菫「あーよしよし…」ナデナデ

照「うぅ…咲ぃ…」グスグスッ

菫「よしよし…ていうかお前も少しは妹離れしろよ…」ナデナデ

照「むり」

菫「……そんなこと言ったってお前…咲ちゃんだっていつかはお嫁にいくだろ」

照「うぐっ!」

照「咲…咲が結婚……」


――――――――――――


淡「ただいまーサキー!」

咲「お帰りなさい、淡ちゃん」エプロンッ

咲「お風呂にする?ご飯にする?それとも―――わ・た・し?」

淡「ふふーん♪そんなのサキに決まってるでしょ!」ガバッ

咲「きゃんっ!」ドサッ

淡「もー、かわいい声出しちゃって」スルスル

咲「……優しく――してね?」ウワメッ


――――――――――――


照「うわぁあああああああああああああああああああああ!」アタマカカエッ

咲菫淡誠子尭深「!?」ビクッ

照「うわぁあああああああああああああああああああん!咲ぃいいいいいいいいいいいいいいいい!」ギャースギャース

菫「どどど、どうした照!?落ち着け!」オロオロ

照「ダメだよ咲ぃいいいいいいいいいい!自分を大事にしてぇえええええええええええ!」ビャービャー

咲「お、お姉ちゃん!?ちょっとどうしたの!?」オロオロ

尭深「ついに宮永先輩が壊れた…」

誠子「…どうしたんだろうね、宮永先輩」

照「あぁあああああああああああ!咲ぃいいいいいいいいいいいいいいい!」ビエービエー

菫「お、おい照…ちょっと落ち着けって…どうしたんだよ」ポンポン

照「うっ…ううううううう…」グスグスッ

菫「よしよし…落ち着いたか?」サスサス

照「……………死にたい」ボソッ

菫「!?」

照「自己嫌悪で死にたい…事に及ぶ前とはいえ、妹のそんなところを想像してしまうなんて…姉として最低…」ガクッ

短いですが、今日はここまでです。
続きはできれば金曜日に投下したいと思っておりますが、それ以降にな場合もあります。
では、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

投下予告日から一週間以上空いてしまい、申し訳ありません。
続き投下します。

菫「お前の脳内で何があったかは知らんが…まあ元気出せよ」ポン

照「うぅ…」グスッ

咲「お姉ちゃん大丈夫?具合悪いの?」アセアセ

照「う、ううん…大丈夫」

咲「そう…ならいいけど」

照(罪悪感で胸がいっぱい…)

菫「さてと、いいかげん寮に帰ろう。夕食に間に合わなくなる」

誠子「そうですね」

菫「ほら淡、お前も帰れ。ご両親が心配するだろ」

淡「……はーい」ムー

淡「あ、そうだ!サキに一つ聞きたいことあったんだった!」

咲「ん?」

淡「明日、サキは何時ごろ帰るの?お見送り行きたいんだけど…」

咲「ええ、そんな…悪いよ、お見送りなんて…」

淡「私が行きたいんだからいいのいいの!時間教えてくれたら駅までお見送りする!」

咲「うーん……寮を出るのはお昼くらいかなぁ」

淡「え、そんなに早いの?」

咲「うん、新幹線の時間とかもあるから…」

淡「そっかぁ…わかった。じゃーお昼くらいに寮に行くよ」

咲「ありがとう、淡ちゃん」

淡「ん!それじゃーねサキ、また明日ねー」フリフリ

咲「うん、バイバイ」フリフリ


菫「…私たちも帰るか」

照「うん、お腹空いた」

寮・照の部屋


照「うぃー…つかれたー」

咲「うん…でもすっごく楽しかったよ。ありがとうお姉ちゃん」

照「うん。でもお礼なら私じゃなくて菫たちに言ってあげて。私は何もしてない」

咲「もちろん弘世さんたちには後でちゃんとお礼するけど…」

咲「お姉ちゃんだって私のために色々してくれたんだし」

照「うーん…ほんとに何もしてないと思うんだけど…」

咲「そんなことないよ。インハイ会場で迷子になったときとか、探しにきてくれたでしょ」

照「そりゃ…妹が迷子になったんだから当然のこと」

照「大事な大事な妹に何かあったらどうするの」

咲「お、お姉ちゃん…!」ウルッ

照「なんたって、かわいいかわいいたった一人の妹だからね」ナデナデ

咲「お、お姉ちゃぁぁあん!」ダキッ

照「おうふっ!」

咲「………」ギュゥゥゥ

照「よしよし…どうしたの咲…」ナデナデ

咲「えへへ…お姉ちゃん大好き!」ギュゥゥゥ

照「うん、私も大好き」ギュゥゥゥ

咲「………」ギュゥゥゥ

照「………」ギュゥゥゥ

咲「………」コチョッ

照「うひゃわっ!?」ビクッ

咲「………」コチョコチョコチョコチョ

照「ひゃうっ!?ちょっ、咲やめて!」ジタバタ

咲「あはは、お姉ちゃんもくすぐり弱いねぇ」ケラケラ

照「くっ…やられた…」ゼェゼェ

咲「前に食堂で私のことくすぐったでしょ?その仕返しだよ」ニヤリ

照「もう…咲ってばお子様なんだから」ヤレヤレ

咲「むっ、私だってもう中三だよ!」

照「学年は関係ない。私が言ったのは精神年齢のこと」

咲「むむむ…!そんなこと言うならお姉ちゃんだってお子様だよ!」

照「どういうこと」

咲「お姉ちゃんの味覚は幼稚園児並みだもん!」

照「!!」

照(気にしてたのに……)ズーン

咲「あ、ちょ、お姉ちゃん…!?そんなに落ち込まないでよ、冗談だよぉ!」オロオロ

照「…ほんと?」

咲「うん、ごめんねお姉ちゃん…」

照「ううん、咲が謝ることじゃないい」

照「それに、味覚が子供っぽいっていう自覚も…少しはある」

咲「そ、そうだったんだ……なんかごめんね」

照「ねえ、やっぱり高2にもなって甘口のカレーしか食べれないのって…おかしい?」

咲「そ、そんなことないよ!好みは人それぞれだもん!」

照「夕食が餃子だったときは…菫はラー油と酢醤油で食べてたのに、私はラー油ダメだったし」

照「誠子とお寿司屋さん行ったときもサビ抜きしか食べれなくて、誠子に驚かれた」

照「それをこの間、淡に相談したら大爆笑された…」グスッ

咲「げ、元気出してよお姉ちゃん…私だってわさび苦手だもん。お姉ちゃんだけじゃないよ」

照「に、苦手…?咲、わさび食べられるの?」

咲「え、あ、うん…まあ一応は」

照「いつの間に…!私が長野にいた頃は食べられなかったはずなのに!」

咲「うーん…でもわりと最近のことだよ」

照「うぅ…咲が私をおいて大人になってしまった…」ガクッ

咲「ちょっとお姉ちゃん…なに訳のわからないこと言ってるの。そろそろご飯だし食堂に行こうよ」

照「ううぅ…」グスッ

咲「ほら立って…弘世さんたちを待たせたら悪いよ」グイグイ

照「……わかった」グスッ

咲「そういえば今日の夕食はなに?」

照「今日は確か…ハンバーグ…だったはず」

咲「ハンバーグ!?やったぁ!」バンザーイ

照「うちの寮のハンバーグはすごくおいしい」

咲「そうなの?今まで食べた奴は全部おいしかったけど…」

照「うん。でもハンバーグは群を抜いておいしい」

咲「お姉ちゃんが好きなだけじゃなくて?」

照「う………それもある」

咲「あはは、じゃあ早く食堂に行こうよ」

照「うん」

食堂


菫「遅かったな、照」

照「ごめん、待った?」

菫「いや、私もさっき来たところだ」

照「そう…なら良かった」

誠子尭深(…恋人みたい)

菫「よし、じゃあみんな揃ったしそろそろ食べるか」

照「うん」

照咲菫誠子尭深「いただきます」パチッ

照「」モグモグモグモグモグモグ

咲「わっ、ほんとだ!ハンバーグおいしい!」モグモグ

照「でひょ?」モグモグ

菫「こら照、食べながらしゃべるな」

照「ふぁーい」モグモグポロポロ

菫「ほら、こぼれてるこぼれてる」フキフキ

照「んむぅ……ありがとう」

咲「お姉ちゃん…いつも弘世さんにこんなことしてもらってるの?」

照「んー…まあ…」

咲「まあ…じゃないよ、もう!」プンスコ

咲「ごめんなさい弘世さん…お姉ちゃんがご迷惑おかけしてしまって…」ペッコリン

菫「いや、いいんだ。私が好きでやってるだけだからな」

照「そうそう、菫はこれでも白糸台の母って呼ばれてるんだよ。私のお世話するくらい朝飯前」フンス

菫「おい照、その呼び方はやめろ。私は白糸台の母なんかじゃない」

照「ええ…このあだ名似合ってると思うんだけど」

菫「ロン!(物理)」ドシュッ

照「ぎゃふっ!」グサッ

照「い、痛い…ひどいよ菫…」サスサス

菫「私はまだ17なんだ。母なんてあだ名が似合ってたまるか」プイッ

照「ちょ、菫…拗ねることないでしょ」

菫「ふんっ」プイッ

照「むぅ……」

誠子「なんかこういうパターンは珍しいね」コソコソ

尭深「うん。弘世先輩が拗ねるのはレアパターン…」コソコソ

照「す、菫…ごめんてば…」オロオロ

菫「……」ツーン

照「ねえ……私のプリン一つあげるから…」オロオロ

菫「……」ツーン

照「ず、ずみ゛れ゛ぇ……」ビエッ

菫「!?」

菫「す、すまん照!怒ってるわけじゃないんだ、その…ちょっと意地を張ってみたかったというか…」アセアセ

菫「と、とにかく怒ってないから!」アセアセ

照「ほ、ほんと…?」ウルッ

菫「当たり前だ!このくらいで怒るわけないだろ、まったく…」ナデナデ

照「す、すみれぇ……」ダキッ

菫「あーよしよし…」ナデナデ

今日はここまでです。続きは金曜日に投下予定です。
では、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

続き投下します


咲「…お姉ちゃんと弘世さん、いつもこんな感じなんですか?」コソコソ

誠子「うん、だいたいそうだよ」コソコソ

尭深「弘世先輩が拗ねるのは貴重だけど…」コソコソ

咲「そうなんですか…」コソコソ


咲「あの、弘世さん…」

菫「ん?どうした咲ちゃん」

咲「…お姉ちゃんのこと、これからもよろしくお願いします!」ペッコリン

菫「な、なんだ咲ちゃん…いきなりどうした」

咲「お姉ちゃん…弘世さんのこと、すごく信用してると思うんです」

照「ちょ、咲!///」アタフタ

咲「だから、こんなお姉ちゃんですけど…あと1年半、よろしくお願いします!」ペッコリン

菫「な、なんか、照れくさいな……」

菫「まあ、なんだ…1年半と言わず、私も照とはずっと付き合っていきたいと思ってるよ」

照「菫………!」ジーン

咲「お姉ちゃん、良かったね」

照「うん!」

誠子尭深(…微笑ましい)

照の部屋


照「うー…お腹いっぱい」ゲフッ

咲「私も…お腹苦しい…」ゴロン

照「咲、食べた後すぐ横になると牛になる」

咲「大丈夫だよー…むしろ、なれるものならなってみたいよ」ツルペター

照「………」ツルペター

照「…牛はいいよね、あんな立派なおっぱいが4つもあって…」

咲「うん、うらやましいよ……」

照「………」

咲「………」

照咲「…………………はぁ」ガックシ

照「それはそうと咲、お風呂どうしようか?」

咲「うーん…今日で最後だし、お姉ちゃんと入りたいなぁ」

照「そっか、わかった。じゃあ一緒に入ろうか」

咲「うん!」

照「は、じゃー服脱ぎましょーね。はい咲ちゃん、ばんざーい」

咲「ちょ、お姉ちゃん!?」ギョッ

照「ん?」

咲「ん?じゃないよ!私もう赤ちゃんじゃないんだから!」

照「いいじゃんいいじゃん、昔はよくこうしてたんだから」

咲「昔は昔!今は今!」

照「むー…咲のケチんぼ!」

咲「ケチでいいよ!」

照「咲から一緒に入ろうって言ったのに…」

咲「そ、それとこれとは関係ないでしょ!」

照「むー……」

咲「と、とにかく!服くらい自分で脱ぐから!」

照「ちぇー」ブー


ガラッ

照「はい咲、頭洗うから座って」

咲「うん」チョコン

照「じゃあお湯かけるけど、熱かったら言ってね」シャワァァァ

咲「うん、ちょうどいいよ。気持ちいい」

照「シャンプーしますねー」ワシャワシャ

咲「はーい」

照「……」ワシャワシャ

咲「~♪」

照「ところでさ、咲…」ワシャワシャ

咲「ん?なぁにお姉ちゃん」

照「髪、もう伸ばさないの?」ワシャワシャ

咲「あー…」

照「似合ってたと思うんだけどなぁ…二つ結び」ワシャワシャ

咲「んー…一回短くしちゃうと伸ばすのめんどくさいんだよね」

照「ふーん…そんなもんなんだ」ワシャワシャ

咲「うん。お姉ちゃんが長い方がいいって言うならまた伸ばすけど」

照「いや、そこまでしなくても。今の咲も十分かわいい」ワシャワシャ

咲「な、なに言ってるの!」///

照「ほんとのことを言っただけ。咲かわいい」ワシャワシャ

咲「~~!」///

咲「えいっ!」パシャッ

照「んぶっ!」ビッチャン

照「い、いきなりなにを…」ビチョビチョ

咲「お、お姉ちゃんが変なこと言うからだよ!」ンベー

照「あ、こら!まだ頭洗ってる途中なんだから大人しくしてて」ガシッ

咲「やだ!大人しくしてたら髪の毛コークスクリューされるもん!」ジタバタ

照「そんなことしない、ちょっとギュルギュルするだけ」グググ

咲「ほらぁ!やっぱり!」ジタバタ

照「うそうそ、冗談だよ咲」

咲「……ほんと?」ジッ

照「うん、ほんと」

咲「…わかったよ」チョコン

照「はい、いい子いい子」ワシャワシャ

咲「うぅ~…」

照「よし、こんなものかな。かゆいところとかない?」

咲「うん、平気」

照「じゃあ流すね」シャワァァァ

咲「ふぅー、さっぱりしたよ。ありがとうお姉ちゃん」

照「どういたしまして」

咲「じゃあ今度はお姉ちゃんの番だね。はい、座って」

照「はーい」チョコン

咲「シャワー熱かったら言ってね」シャワァァァ

照「うん」

咲「…前から思ってたけど、お姉ちゃんの髪、きれいだよね」ワシャワシャ

照「…そうかな」

咲「うん。サラサラだし、きれいな赤色だし」ワシャワシャ

照「色はともかく、髪質はそんなに変わらないはず。咲の髪だってサラサラ」

咲「そうかな…」ワシャワシャ

照「うん。短いからわかりにくいだけだよ」

咲「そうだといいんだけど……あ!」シャワァァァ

照「ん?」

咲「お姉ちゃん、少しじっとしててね」

照「なな、何するの?」ビクビク

咲「やだなぁ、そんな変なことしないってば…」

照「ほんと?」

咲「うん……ほら、できた!」キュッ

咲「お姉ちゃん、鏡見てみて!」

照「鏡…?…あ!」

咲「お姉ちゃん、二つ結びにしたら私の小さい頃にそっくりだよ!」

照「ほんどだ…!すごい…!」

照「やっぱり顔のパーツは似てるのかな…」フニフニ

咲「あ、あひゃりまえでひょ!」

照「咲のほっぺた…やわらか……」モニモニ

咲「いひゃいいひゃい!」

照「ああ……クセになりそう…」モニモニ

咲「ひゃめて!」モニッ

照「!!」

咲「お姉ひゃんのほっぺらってやわりゃかいよ!」モニモニ

照「ひょっと待っぺ!いひゃい!」モニモニ

咲「」モニモニモニモニモニモニモニモニモニモニ

照「」モニモニモニモニモニモニモニモニモニモニ

咲「」モニモニモニモニモニモニモニモニモニモニ

照「」モニモニモニモニモニモニモニモニモニモニ

咲「………」モニ…

照「………」モニ…

咲「や、やめようか…」ヒリヒリ

照「うん…」ヒリヒリ

照「ごめんね咲…ほっぺ痛くない?」ナデナデ

咲「うん、平気だよ。お姉ちゃんこそ大丈夫?」

照「うん」

咲「ならいいんだけど…やっぱりほっぺ少し赤いよ?」ペチペチ

照「大丈夫だよ。ありがとう」ナデナデ

照「それより暑いし、早いとこ体洗ってあがろう」

咲「うん」

照「じゃあ背中流すから、後ろ向いて」

咲「はーい」クルッ

照「ゴシゴシするから、痛かったら言って」ゴシゴシ

咲「うん、ちょうどいいよ」

照「……」ゴシゴシ

咲「~♪」

照「……」ゴシゴシ

咲(あー…気持ちいいなぁ)ホワー

照「……咲」ゴシゴシ

咲「ん?」

照「…細すぎ…ご飯食べてるの?」ゴシゴシ

咲「え、細くないよぉ…」

照「…いや、細い………」ゴシゴシ

咲「お、お姉ちゃんだってそんなに変わらないでしょ」

照「……」ツーッ

咲「ひゃっ!?」ビクッ

咲「ななな何!?」

照「いや、なんとなく…」

咲「もう!お姉ちゃんのエッチ!」

照「!?」ガビン

照「な、何がエッチなんだ…」オロオロ

咲「さっき私の背中をなぞった時の手つきがなんかエッチだった!」

照「そ、そうだった?」ガビン

咲「うん」

照(妹にそんなこと言われるなんて…姉失格…)ガクッ

照「咲……一つ言っておくことがある」

咲「ん?」

照「私は高校に入って思考が汚れてしまった…いろいろ知りすぎた…」

咲「え、ちょ、なに言ってるの」

照「でも咲にはきれいなままでいてほしい。今のままのピュアな咲で…」

咲「??????」

照「だから咲…保健体育の授業は聞かなくていい。教科書も開かなくていいから」

咲「…」

咲(お姉ちゃんが何言ってるのかさっぱりわからないよ…)

照「わかった?」

咲「う、うん…よくわからないけど、わかったよ…」

照「いい子いい子」ナデナデ

照「よし、そろそろあがろうか」

咲「うん」

ガラッ

照「ふー…さっぱりしたー」

咲「お姉ちゃんとお風呂入るのも今日でおしまいかぁ…さみしいなぁ」

照「……咲」ギュッ

照「大丈夫だよ、咲…春休みにはまた会えるから」ギュゥゥゥ

咲「…うん」ギュッ

照「…今日は遠出したし、疲れたでしょ。もう寝ようか」

咲「うん。そうする」

照「じゃあ電気消すから、先にベッド入ってて」

咲「はーい」モソモソ

パチッ

照「む…真っ暗で何も見えない…」

咲「お姉ちゃん、こっちこっち」

照「咲…どこ…」ゴソゴソ

ピトッ

咲「ひゃうっ!」ビクッ

照「あ、いた。お邪魔しまーす」モソモソ

咲「も、もう!お姉ちゃんてばどこ触ってるの!」プンスコ

照「い、いや…ごめん…わざとじゃない」

咲「うん、まあ…それはわかってるけど…」

照「……咲」ギュッ

咲「どうしたのお姉ちゃん」ギュッ

照「………」ギュゥゥゥ

咲「ちょっと…ほんとにどうしたの?」ポンポン

照「………明日」ボソッ

咲「ん?」

照「……明日からしばらく咲と離れ離れになると思うと…さみしい」ポロポロ

咲「っ!」

照「…ずっと…一緒にいたい…」ポロポロ

咲「やだちょっと、お姉ちゃん泣かないで…!」

照「……」ポロポロポロポロ

咲「お、お姉ちゃんが泣いたら…私も泣きたくなっちゃうよぉ…」ビエッ

照「………咲ぃ」ポロポロ

咲「うわぁぁあん!お姉ちゃぁぁん!」ダキッ

咲「帰りたくないよぅ…お姉ちゃんと一緒にいたいよぉ」ビエー

照「……咲」ギュッ

咲「うわぁぁあああああん!」ビエー

照「……」ポロポロ

咲「お姉ちゃん…お姉ちゃぁぁああああん!」ギュゥゥゥ

照「咲……うぅ…咲ぃ…」グスッ

照「咲ぃいいい!帰っちゃやだよぉおお!うわぁぁあん」ビエー



ウワァァァンオネエチャァァァァァン

ウワァァァンサキィィィィィィィィィ



菫「……いい話だな」グスッ

今日はここまでです。続きは水曜日に投下予定です。
では、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

昨日は急用が入ってしまい、更新できませんでした。
大変申し訳ありません。
では、続きを投下したいと思います。

翌朝


ドアコンコン

テルーサキチャーンアサダゾー

咲「ん………」ムクッ

オーイアサダゾー

咲「弘世さんの声……もう朝か」ノソノソ

クイッ

咲「ん?」

照「Zzz」キュッ

咲「…お姉ちゃん……」


オーイテルーサキチャーン

咲「お姉ちゃん、起きて…弘世さんが呼びに来てるよ」ユサユサ

照「んー………」モソッ

咲「ほら、お姉ちゃん…」ユサユサ

照「………いやだ」モグリッ

咲「ちょっと!?」

照「……………」

咲「お、お姉ちゃん…弘世さん待たせてるんだから…」

照「………いやだ。起きたら咲が帰っちゃう」モソッ

咲「っ!」

照「だから、いやだ」ギュゥゥゥ

咲「お姉ちゃん…うえっ…うぇええええええん!」ビャー


ウワァァァンウワァァァンオネエチャァァァン


菫「!?」ギョッ

菫「い、一体なにが…!」


ドンドンドン!

オイテルサキチャンドウシタ、ゴキブリデモデタノカ!?


照「咲…いっそのこと二人でこのままベッドに籠城しようか」ギュゥゥゥ

咲「…でも…そうしたらお父さんが一人になっちゃうよぉ」ビエー

咲「それじゃあお父さんがかわいそうだよぉ」ビャー

照「咲……咲ぃ…うわぁぁあああああん」ビャービャー


ウワァァァンウワァァァンサキィィィィィィィ


菫「!?」ギョッ

菫「事態が悪化している!?」


ドウシタテル!オイ!マッテロ、イマゴキジェットヲモッテキテヤル!

ドタドタ


咲「……お姉ちゃん、そろそろ起きないと…」グスッ

咲「……………わかった」グスッ

照「………」キュッ

咲「………」キュッ

照「…食堂行こうか、咲」

咲「…うん」


ドアガチャッ


菫「照っ!咲ちゃん!無事か!?」ドタバタ

照咲「?」

菫「安心しろ、ゴキジェットを持ってきたぞ!」ジャキッ

照咲「??」

菫「それで、Gはどこだ!このシャープシューターが一撃で仕留めてくれる!」キリッ

照「す、すみれ…?どうしたの?」オロオロ

菫「ん?どうって…ゴキブリが出たんだろ?」

照「出てないよ、そんなの…」

菫「え……」ショボン

照「いや、そんな残念そうな顔されても…」

菫「そうか…Gは出てないのか」

照「うん。なんか…ごめん」

菫「いやなに、早とちりした私が悪い。気にするな」

菫「それより早く食堂に行こう。誠子と尭深が待ってる」

照「うん、そうだね」


食堂


誠子「あ、先輩、おはようございます」

尭深「おはようございます。咲ちゃんもおはよう」

照「おはよう」

咲「おはようございます」

菫「おはよう。待たせてすまない」

誠子「いえ、私たちも今来たところですから、気にしないでください」

菫「そうか…そういってもらえると助かる」

照「菫、お腹空いた」グゥー

菫「ん、そうだな…そろそろ食べるか」

照咲菫誠子尭深「いただきます」パチッ

照咲菫誠子尭深「」モグモグモグモグ

照咲菫誠子尭深「ごちそうさまでした」パチッ


アキラメターラオーワーリー♪

照「ん?」

キモーチヲーリーセットシテー♪

菫「照、お前じゃないのか?」

照「うん、そうみたい…」ゴソゴソ

照「あ、淡だ」

メグーリアーイハーザンコクースギテーコーワー…ピッ

照「もしもし?」

淡「もしもし、おはようテル!」

照「うん、おはよう淡」

中途半端なところですが、今日はここまでです。
続きは月曜日に投下予定です。
では、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

続き投下します


淡「ねえ、今からそっち行っていい?」

照「淡がいいならいいけど…まだ10時前だよ?」

淡「だって早くサキに会いたいんだもん。ねえダメ?」

照「そっか。うん、いいよ、おいで」

淡「やった!ありがとうテルー!」

照「うん、じゃあ部屋で待ってるから」

淡「うん!じゃあ後でね!」

照「うん、後で」

ピッ

照「淡、これから来るって」

咲「ほんとに!?やったぁ!」パァ

菫「また随分と急だな」

誠子「まあ、大星らしいですよね」

菫「それもそうだな」

照「じゃあ悪いけど、私と咲は先に部屋に戻る」

照「咲の荷物とかまとめないといけないから」

菫「ああ、わかった。邪魔にならなければあとで部屋に行ってもかまわないか?」

誠子「あ、私もお邪魔していいですか?」

尭深「私も……」

照「うん、構わない。その方が咲も喜ぶ。ね、咲」

咲「うん!」

照「じゃあ、みんな後でね」

咲「お先に失礼します」ペッコリン

照の部屋


咲「ふぅ…こんなものかな」ゴソゴソ

照「忘れ物はない?」

咲「うん、ありがとうお姉ちゃん」

照「どういたしまして」

照「…あ、そうだ」

咲「ん?」

照「咲に渡すものがある」ゴソゴソ

咲「?」

照「はいこれ、学業守り」

咲「わ、ありがとう!どうしたのこれ?」

照「修学旅行で京都に行ったときに北野天満宮で買ってきた」

咲「お姉ちゃん…ありがとう」ジーン

照「ほんとは生八つ橋買っていこうと思ったんだけど…」

咲「……食べちゃったんでしょ?」

照「うっ……」ズボシッ

咲「あはは、お姉ちゃんらしいね」ケラケラ

照「ご、ごめんね…」シュン

咲「いいよいいよ、お守りすごく嬉しいし」

照「そう…なら良かった」

咲「うん、ほんとにありがとう」

照「うん…どういたしまして」ナデナデ


ドアバァァァン


照咲「!?」

淡「サキぃいいいいいいい!」ダキッ

咲「あ、淡ちゃん!?」

淡「昨日ぶりだねサキ!」スリスリ

咲「うん。昨日ぶり、淡ちゃん」ポンポン


ドアコンコン


照咲淡「?」

菫「照、入るぞ」ガチャ

誠子尭深「お邪魔します」

照「あ、いらっしゃい」

淡「入って入ってー」

菫「お前の部屋じゃないだろ…って、もう来てたのか」

淡「ついさっきね」

菫「そうか…で、咲ちゃんの荷物はまとまったのか?」

咲「あ、はい、大丈夫です」

菫「そうか…電車の時間まで暇ができたわけだな」

照「何かして遊ぶ?」

菫「そうだな、そうするか」

淡「麻雀!!」

菫誠子尭深「いやだ」

淡「ええー!それでも白糸台の麻雀部員ですか!」ブーブー

菫(あんな拷問みたいな麻雀、二度としたくない…)

照「そうだよ菫…麻雀しようよ」

菫「いや、しかしだな」

照「ねえお願い…今打たないと私しばらく咲と打てない」

菫「っ!」

菫(そ、そう言われると…)グヌヌ

照「……だめ?」

菫「わ、わかったよ…打てばいいんだろ、打てば…」

照「うん!」パァ

誠子「ひ、弘世先輩!何考えてるですか!」コソコソ

菫「し、しかたないだろ!あんな風に言われたら…」コソコソ

尭深「誰があの卓に入るんですか…?」コソコソ


照咲淡「」ゴゴゴゴゴゴゴゴ


誠子「ひえっ」カタカタ

尭深「………」ガクブル

菫「く…なんだあのオーラ…」ガクガク


照「ねえ、だれでもいいから早く入ってよ」


誠子「わ、私はもう嫌ですからね!」コソコソ

菫「私もごめんだ……尭深、お前まだあいつらと打ってないだろ?」コソコソ

尭深「……………………打ちました」コソコソ

菫「嘘つけ!」コソコソ

尭深「…私だってまだ死にたくありません」コソコソ

誠子「尭深、お前にはハーベストタイムがあるだろ!」コソコソ

尭深「…収穫前に台風が来て作物が全部ダメになるのが関の山…!」コソコソ


淡「ねーえー、まだー?」ジタバタ


菫「ほら、どっちでもいいから早く行け!」コソコソ

誠子「そこは先輩が行ってくださいよ!」コソコソ

尭深「………」コクコク

菫「き、貴様ら…先輩を敬う気持ちはないのか…!」コソコソ

誠子「先輩こそ、後輩を労わる気持ちを持つべきです!」コソコソ

尭深「………」ウンウン

照「まだかな……」モシャモシャ

淡「ねーってばー!テルが待ちかねてモナカ食べ始めちゃったじゃん」ジタバタ

照「おいしい……」ポロポロ

咲「ああ、お姉ちゃんこぼれてるこぼれてる」フキフキ


誠子尭深「………」ジーッ

菫「な、なんだその目は……」

誠子尭深「………」ジーッ

菫「うっ……わ、わかったよ!打って来ればいいんだろ!」ダンッ

誠子「先輩…さすがです!」

尭深「ありがとうございます」ペッコリン

菫「………………………うん」ナミダメ

今日はここまでです。続きは金曜日に投下予定です。
では、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

続き投下します


照「あ、菫が入るの?」

菫「……ああ、よろしく頼む」ズーン

淡「決めるの遅いよもー」

咲「じゃあ親決めしましょうか」

照「そうだね」

サイコロコロコロ

菫「!!」

菫(よ、よりにもよって照がラス親だと……絶望だ…)

淡「私が起家だね」ゴゴゴゴゴ

菫(……もうどうにでもなってしまえ)

ダブリーカンツモ!ウラヨン!

カンカン!モイッコカン!リンシャンカイホー

ギュルルルルルルルルルルルルルルル


1時間後


菫「」レイプメ

咲「またお姉ちゃんがトップかぁ…」

淡「ぐぬぬぬ…咲にも負けた…」グヌヌ

照「そんなこと言ったって点差なんてほとんどない」

淡「うぅ~…どうにかしてテルに勝ちたい…」

照「みんな知り合いだと鏡使わなくていいから楽…」モシャモシャポロポロ

淡「あ、テルまたモナカ食べてる!私にも1個頂戴!」

照「え……………」ポロッ

淡「え……?」

照「………………」ウーンウーン

淡「………………」

照「………………はい」ナミダメ

淡「あ、ありがとう……」

淡(なんだろう…ものすごい罪悪感…)

淡「…いただきます」モシャモシャ

照「………」ジーッ

淡「………」モシャモシャ

淡(た、食べづらい…)ゴックン

咲「お、お姉ちゃん…そんなに見てたら淡ちゃんが食べづらいでしょ」オロオロ

照「……うん、ごめん」

咲「お腹空いてたんならこれあげるから…」オマンジュウ

照「お饅頭!」パァ

照「ありがとう咲!」モグモグ

淡「………」

淡「ねえサキ…」コソッ

咲「ん?」

淡「テルって昔からこんなんなの?」

咲「ああ…うん、お菓子のことになるとね…」

淡「そうなんだ…サキ、苦労したでしょ」

咲「まあ…うん」

照「二人とも…なんの話?」モグモグ

淡「なな、なんでもないよテル!」アワアワ

咲「そ、そうだよお姉ちゃん!…それより弘世さんがさっきから上の空だよ!」アセアセ

照「む…?」モグ…


菫「」レイプメ


照「!!」

照「す、菫!どうしたの菫!」ユサユサ

菫「………」グッタリ

照「すみれぇ…しっかりしてよぉ」ビエッ

菫「………」グッタリ

誠子尭深(…私たちもああなっていたかと思うとゾッとする…)ガクブル

照「菫…どうしちゃったの…」グスッ

咲「麻雀やってるときからボーっとしてたけど…何があったんだろう」

淡「まったくもってー」

誠子(壊した張本人たちがよく言うよ…)

尭深(この人たち…自覚ないの…?)

菫「………」モソッ

照「あ、菫!大丈夫!?」パァ

菫「……………ああ」

照「そっか…なら良かった」ホッ

菫(……しばらく牌は触りたくないな…)

照「……あ!」

淡「ん?どしたのテルー」

照「咲、そろそろ電車の時間…」

咲「うわっ、ほんとだ…」

淡「え、サキ帰っちゃうの?」ショボン

咲「うん…もう行かないと」

淡「やだよサキぃ!帰っちゃやだぁ!」ダキッ

咲「あ、淡ちゃん…」オロオロ

淡「……」ギュゥゥゥ

菫「こら淡…しょうがないだろ、こればっかりは…」ベリッ

淡「うぅ~……」グスッ

菫「ほら、グズってないでお見送り行くぞ」

淡「……」コクッ

淡「……サキ」テテテ

咲「ん?」

淡「……」キュッ

咲「淡ちゃん…どうしたの?」ポンポン

淡「…駅までで手、繋いでいく」ギュゥゥゥ

咲「淡ちゃん……うん、そうしようか」キュッ

照「咲、忘れ物ない?」

咲「うん、平気だよお姉ちゃん」

照「そう…ならそろそろ行こうか」

咲「……うん」

淡「……」ギュゥゥゥ

今日はここまでです。続きは水曜日に投下予定です。
では、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

諸事情により、長い間投稿できませんでした。
大変申し訳ありません。

では、続きを投下したいと思います。




照「電車の時間より早く着いたね」

菫「まあ、何事も余裕をもったほうがいいしな」

照「そうだね」

咲「なんだかすみません…皆さんにお見送りまでしていただいて…」

菫「気にするな、私たちがしたくてやってることだからな」

尭深「うん。咲ちゃんが気にすることじゃない」

尭深「それより、はいこれ」スッ

咲「…?なんですかこれ?」

尭深「玉露」

咲「そ、そんな高級品いただけないですよ!」アセアセ

尭深「いいから、持って帰って」グイグイ

咲「で、でも…」オロオロ

照「咲、せっかくくれるんだから貰っておけば」

咲「お、お姉ちゃん…!そんなこと言ったって…」

尭深「返されても困る」

咲「うっ……あ、ありがとうございます、いただきます」ペッコリン

尭深「うん」ニコッ

誠子「私も何か用意できたら良かったんだけど…」

咲「いえ、とんでもないですよ!お気持ちだけで十分です!」ブンブン

誠子「ごめんね、今度は何か用意しておくから」

咲「す、すみません…ありがとうございます」ペッコリン

菫「私も何もないんだが…なんだかすまないな」

咲「いえ、本当にお気持ちだけで…」

菫「うん、受験が終わったらまた来るといい」ナデナデ

咲「はい…!」

照「………咲、またね」ナデ

咲「…うん、またね。お姉ちゃん」

菫「…それだけか?」

照「…うん」

菫「そうか……」

淡「……………」

菫「淡…?黙りこくってどうしたんだよ」

淡「………」グスッ

菫「ちょっ、どうした淡!」ギョッ

淡「サキぃ…帰らないでよぉ」グスグス

咲「あ、淡ちゃん…」ウルッ

淡「せ、せっかく仲良くなれたのにぃ…もうお別れなんて寂しいよぉ」ビエー

淡「うわぁあああああああああん」ビャー

咲「あ、淡ちゃん…泣かないで…また会えるよ」ポロポロ

淡「でも…寂しい…やっぱり寂しいよぉ」ビャー

咲「………」ギュッ

淡「っ!」ポロポロ

咲「大丈夫…またすぐに会えるよ…」ギュゥゥゥ

淡「……約束…だからね」ギュゥゥゥ

咲「うん…それに話したくなったら、お姉ちゃんに言えば電話繋いでくれると思うし…」

照「うん、それくらいお安い御用」

咲「だから…ね、淡ちゃん…ちょっとだけお別れ」

淡「うん…わかったよサキ…ちょっとだけね」グスッ

咲「うん」


デンシャガマイリマース キイロイセンノウチガワマデオサガリクダサーイ


咲「それじゃあね、淡ちゃん」

淡「うん、じゃあねサキ」

菫「咲ちゃん、気を付けて帰るんだぞ」フリフリ

咲「はい、ありがとうございます」

誠子「またね、咲ちゃん」フリフリ

尭深「元気でね」フリフリ

咲「はい。皆さん、本当にお世話になりました」ペッコリン

照「…じゃあ、お父さんによろしくね」ギュッ

咲「うん、わかったよお姉ちゃん」ギュッ


ガタンゴトンガタンゴトン

プシュー


淡「ばいばい、サキ」

咲「うん、またね」


ドアガシマリマースゴチュウイクダサーイ

プシュー

ガタンゴトンガタンゴトン

ガタンゴトン…

短くて申し訳ありませんが、今日はここまでです。
重ねて大変申し訳ないのですが、諸事情により9月末まで続きを投下できそうにありません。
それまで待っていていただけると幸いです。
では、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

9月の末も末になってしまいましたが、続きを投下したいと思います。
前回書き忘れていたのですが、当ssは今回の投下分で終了となります。
では、続きを投下していきたいと思います。

淡「行っちゃった…」ショボン

照「………うっ…ぐす…」ポロポロ

淡「ん?テル?」

照「うわあああああああああん咲ぃいいいいいいいいい!」ビエー

菫淡誠子尭深「!!」

照「咲……咲ぃ…うわぁああああああああああん」ビエービエー

菫「どどどどうしたんだ照!」ヨシヨシ

照「わっ…私はおね、お姉ちゃんだから…」グスグスッ

照「咲が泣いてないのに…なっ泣いちゃいけないって…思っ…て」ズビズビ

照「でも…やっぱり無理だよぉ…咲と…咲と一緒にいたいよぉ…」ヒックヒック

菫「照……」ナデナデ


電車内

ガタンゴトンガタンゴトン


咲「またね…お姉ちゃん…」ポロポロ

咲「……」グスッ


ガタンゴトンガタンゴトン

ガタンゴトン…

数か月後・インハイ県予選決勝


衣「和了るか…!?」トンッ

咲「ううん、それでロンしたら私の負け――でも!」


咲「カン!」

咲「もいっこカン!」

咲「もいっこカン!!」


咲「――清一、対々、三暗刻、三槓子、赤1、嶺上開花……32000です!」ゴッ

東京・地区予選会場


西田「圧勝でしたね、宮永さん」

照「………」ピタッ

西田「おめでとうございます」

照「…ありがとうございます」

西田「ちょっと聞きたいことがあるんだけど…いいかしら?」

照「はい」

西田「あなた、妹さんいらっしゃらない?」

照「…」ピクッ

西田「もしかして…清澄高校の―― 照「はい!」

西田「?」

照「清澄高校の宮永咲は―――」




照「私の、自慢の妹です!」ニパッ





カン!

おまけ


西東京・地区予選決勝戦終了直後

白糸台控え室


ドアガチャ


淡「………」シーン

誠子「………」シーン

尭深「………」シーン

菫「………」シーン

照「………」シーン

菫「…嬉しそうな顔くらいしろよ」

照「…この程度の相手じゃ、調整にもならない」

菫「ふん…」ポイッ

照「?」ガザッ

菫「本選始まる前にそれ見てモチベーション上げとけよ」

照(…新聞?)ガサガサ


『大将・宮永咲』


照「!!!」ガタッ

淡「ん?なーに、どしたのー?」

照「さっ、咲が!咲が新聞に載ってるぅううううううううう!!」ガクガク

淡「え、うそ!見たい見たい!」ガタッ

照「どっ、どどどどうしよう!ととととりあえずお母さんに…!」オロオロ

淡「むっ、何これ!サキが全中チャンプと抱き合ってる!ずっこい!」プンスコ

照「ねえ菫!この新聞もらっていい!?」ガシッ

菫「あ、ああ…別にかまわないが…少し落ち着けよ」

照「やったぁ!ありがとう菫!」パァ


照(咲……頑張ったね、咲…)ポロポロ

照(咲…私、咲と全国で会うの、楽しみにしてるからね…!)




咲「お姉ちゃん…私、お姉ちゃんと会えるよ」




もいっこカン!

これにて当ssは終了になります。
ここまで約4か月の間お付き合いいただき、ありがとうございました。
今後の参考にしたいと思いますので、ご指摘などありましたらお願いいたします。

では、誤字脱字が多く読みにくい文ではあったと思いますが、ここまで読んでくださった方々、本当にありがとうございました。

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