もこっち「妄想を現実にする能力?」 (517)

・「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」と「カオスヘッド」のクロスです

・もこっち及びわたもての原幕生達は翠明学園に通っている設定でお願いします

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1401199486

もこっち(やっと今日の授業終わったし帰るか)

リア充A「おいこのあと飯食い行くけど来る奴いねー!?」

リア充B「はーい!私いきたーい!」

リア充C「お?なになに?俺も行っていい!?」

ワイワイガヤガヤ…

もこっち(ちっ、うるせーなバカどもが。どんだけバカ集めて飯食いいけば気が済むんだよ…どうせ飯食い終わった後はそこにいるバカ女どもをいただいちゃってさらに食い足りないからって持ち帰りするんだろ?わかってんだよクソどもが…)

もこっち(…)

もこっち(帰るか…)

期待

?帰りの電車の中?

もこっち(今日は電車が空いてて椅子に座れてよかった)ガタンゴトン

もこっち(家まではあと30分以上あるな、よし、この30分はすべて妄想に使おう…)ガタンゴトン

?もこっちの妄想の中?

ヤンデレイケメン「どうしてそんな顔をするの?君がいけないんだよ?君が僕以外の男と一緒にいたりするから…」

妄想もこっち「やっ、だめ!こんな電車の中で!人に見られちゃう!」

ヤンデレイケメン「うるさい口だね、その口を僕の口でふさいであげよう」

妄想もこっち「だめえええええ!」

ープツンッー

>>4
すみません打ち間違えたので書き直します


ー帰りの電車の中ー
もこっち(今日は電車が空いてて椅子に座れてよかっ た)ガタンゴトン

もこっち(家まではあと30分以上あるな、よし、この3 0分はすべて妄想に使おう…)ガタンゴトン

ーもこっちの妄想の中ー

ヤンデレイケメン「どうしてそんな顔をするの?君が いけないんだよ?君が僕以外の男と一緒にいたりする から…」

妄想もこっち「やっ、だめ!こんな電車の中で!人に 見られちゃう!」

ヤンデレイケメン「うるさい口だね、その口を僕の口 でふさいであげよう」

妄想もこっち「だめえええええ!」

ープツンッー

ー現実の電車の中ー

もこっち(うへへ…)ニヤニヤ

もこっち(…ん?なんだあの女、あんな馬鹿でかい剣のおもちゃもって…よく改札とかで駅員に何かいわれなかったな…)

もこっち(しかし恥ずかしいな、周りの人も完全に見て見ぬ振りしてるじゃないか…
ってよくみたらあれ私と同じ学校の生徒じゃないか?全く、同じ学校の生徒として恥ずかしい。ああいう趣味があるにしても、私みたいに妄想の中だけにとどめておけよ…)ニヤニヤ

もこっち(ってやば!ばかにして笑いながら見てたら目合った!しかし目つき悪いなあの女…睨み殺されるかと思ったぞ…)

もこっち(まあいい、妄想に戻るか…)

ーもこっちの降りる駅ー

もこっち(ふう…楽しい妄想の時間も終わりか…)

もこっち(て、あの女もここでおりるのか?くそ、さっきのことがあるだけに気まずい…)

ー駅の出口ー

もこっち(くそ…さっきのあの女、ずっとこっちをにらんできやがる…くそ、あの女DQNなのか?面倒なことに巻き込まれてしまった…
ん?あいつ、あの剣どこにしまったんだ?あんな馬鹿でかい剣、仕舞えるところないと思うが…電車の中にでも置いてきたのか?いやでも電車を降りるときは持ってたような…)

意気投合するか同族嫌悪するかのどっちかだな

もこっち(てやば!あの女こっちにきてる!)

もこっち(くそ、逃げねば!)ダッ

DQN女「おい」ガシッ

もこっち「ひゃ、ひゃい!」

もこっち(終わった…腕つかまれた…これからこのDQN女の彼氏であるDQNのところに連れて行かれるんだ…そして財布の中身全部とられて…身ぐるみはがされて…何人ものDQNにヤられちゃうんだ…くそ、こんなことなら、こんな女みんなみたいに見て見ぬ振りをすればよかった…)

DQN女「お前、見えていたのか?」

もこっち「見、見えてたって…な、な、何が?…」

DQN女「とぼけるな!あの剣のことだ!」

もこっち「け…剣…?」

もこっち(剣てあの電車でもってたやつのことか?いや、そりゃ見えるだろ…だってあんな馬鹿でかいものだぞ?とりあえず、はいって答えとくか…)

もこっち「は、は、はい…」

DQN女「なるほどな…」スッ

もこっち(てなんだ?腕はなしてくれたぞ?も、もしかして、見逃してくれるのか?やった!一時はどうなることかと…)

DQN女「見ていろ」スッ

もこっち「ひいい!」

もこっち(な、なんだ?いきなり拳を私の前に掲げてきて…殴られるかと思っちゃったじゃないか…)

DQN女「そうおびえるな、行くぞ」

もこっち「ひゃ、ひゃい…」

もこっち(行くって何が?…て、えええええええ!?こ、こいつ、何もないところからさっきのあの剣を取り出したぞ!?くそ、何を言っているのか分からねえと思うが私も何が起こっていたのかわからなかった…頭がどうにかなりそうだ、喪女だとかリア充だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ!もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…)

DQN女「テンパり過ぎだ、少し落ち着け」

もこっち「は、はい…」ドキドキ

もこっち(な、なんださっきのは!?どんな手品だ!?い、いやどう考えても不可能だ、あれは手品なんかじゃない!く、くそ、このDQN女一体…)

DQN女「だれがDQN女だ、斬るぞ」

もこっち「ひ!?す、すすすすすみません!」

もこっち(て、いま声に出してたのか?)

DQN女「そういえばまだ名乗ってなかったな、私は三年の蒼井セナだ、よろしくな」

もこっち「は、はあ…よ、よろしくお願いします…」

セナ「お前は?」

もこっち「は、はい?…」

セナ「お前の名前を聞いているんだ」

もこっち「ひゃっ!え、ええと…に、二年の黒木智子です!よよよよよよろしくお願いいたします!」

セナ「そうか、では黒木」

もこっち「へ、へい!」ビクッ

セナ「はぁ…そうおびえるなといっただろう」

もこっち「は、はい…も、ももも申し訳ございません…」

もこっち(無理に決まってんだろーが!ただでさえちょっとこえーのにあんなもん見せられて怯えるななんてできるわけねーだろ!)

セナ「…」

セナ「黒木、お前、ガルガリ君は好きか?」

もこっち「え!?ま、まあ…」

セナ「何味が好きだ?」

もこっち「え?ソ、ソーダ味…」

セナ「そうか、気が合うな、私もだ」

もこっち「は、はあ…」

セナ「ついてこい、おごってやろう」

もこっち「え?」

もこっち(これって行った方がいいのか?いやでも逃げた方が…)

セナ「早く来い」ガシッ

もこっち「ひ、ひいいいいいい!わ、わかりました!行きます!行きますから放して下さいお願いします!」

もこっち(く、くそう…私が何をしたって言うんだ)グスン

今日はここまでで
続きは明日にでも

ラジオネタだけど、セナしゃんがDQNの意味を勘違いしたままだったらかわいい

もこっちの周りはいい人多いけど
カオへのモブは酷い奴も多いから、もこっち頑張れ!

ちょっと暇なので再開します

ーコンビニー
店員「ありがとうございましたー」

セナ「ほら黒木、食べろ」スッ

もこっち「あ、ありがとうございます…ま、待っててください…今お金だすんで…」

セナ「いい。おごってやると言っただろ?ほら、受け取れ」

もこっち「そ、それじゃあ…」スッ

セナ「さあ、早く食べろ」サクサク

もこっち「は、はい…ありがとうございます」サクサク

セナ「どうだ?うまいか?」

もこっち「は、はい、とても…」

セナ「フッ…そうか、それはよかった」

もこっち(な、なんだ?いい人…なのか?…)

セナ「それで」

もこっち「は、はい?」

セナ「お前にはあの剣が見えていたんだな?」

もこっち「え、えぇ…」

セナ「そうか…」

もこっち(な、なんだ?考え始めちゃったぞ?)

セナ「黒木」

もこっち「は、はい?」

セナ「VR技術というものを知っているか?」

もこっち「え?…VR?」

セナ「そうか、知らないか…」

もこっち(な、なんだ?何の話をするつもりだ?)

セナ「ヴィジュアルリビルディング。生まれながらに目が不自由な人でも、目の前の景色を見ることができるようになる。カメラなどを通してな」

ギガロマニアックス達って岡部並みのリーディングシュタイナーあるんだってな 期待

もこっち「は、はあ…」

セナ「そのVR技術を用いて物体の情報を神経パルスへと変換、それを人の脳へ認識させて五感をコントロールできたなら、その物体はその人にとって存在していることと同意義ではないか?」

もこっち(…?何の話だ?毒電波を垂れ流し始めたのか?)

セナ「世界の仕組みは3つの数字で説明できる、?1と0、そして1」

もこっち「は、はあ…」

セナ「そしてディソードは?1を生み出すためのものであり、ディラックの海へと干渉する端末でもある」

もこっち「ディソード?」

セナ「さっき見せた剣のことだ」

もこっち「あ、あぁ…」

セナ「ディソードがディラックの海へと干渉することで粒子と反粒子が生成される」

セナ「そしてこの時生成される粒子がエラーと呼ばれる。そのエラーを周りの人間のデッドスポットと呼ばれる視界の死角に送り込み、個人の妄想を《周囲共通認識》として成立させることで、妄想を現実にすることができる。この能力をリアルブートと呼び、この能力を使える者達のことをギガロマニアックスと呼ぶ」

もこっち(つまり、どういうことだってばよ?)

セナ「…簡単に言うと、自分の妄想を現実にする能力がある人間がいて、その者達がギガロマニアックスと呼ばれていると言うわけだ」

もこっち「妄想を現実にする能力?」

>>209
すみませんまた打ち間違えたので直します

セナ「世界の仕組みは3つの数字で説明できる、マイナス1と0 、そして1」

もこっち「は、はあ…」

セナ「そしてディソードはマイナス1を生み出すためのもので あり、ディラックの海へと干渉する端末でもある」

もこっち「ディソード?」

セナ「さっき見せた剣のことだ」

もこっち「あ、あぁ…」

セナ「ディソードがディラックの海へと干渉すること で粒子と反粒子が生成される」

セナ「そしてこの時生成される粒子がエラーと呼ばれ る。そのエラーを周りの人間のデッドスポットと呼ば れる視界の死角に送り込み、個人の妄想を《周囲共通 認識》として成立させることで、妄想を現実にするこ とができる。この能力をリアルブートと呼び、この能 力を使える者達のことをギガロマニアックスと呼ぶ」

もこっち(つまり、どういうことだってばよ?)

セナ「…簡単に言うと、自分の妄想を現実にする能力が ある人間がいて、その者達がギガロマニアックスと呼 ばれていると言うわけだ」

もこっち「妄想を現実にする能力?」

もこっち(いやいやいやいやありえない!そんな能力があったら、人はとっくに万能になってるぞ!?)

セナ「そんなに信じられないのか?」

もこっち(!?さっきからまさかとは思うけど、思考を読まれてないか!?)

セナ「そのまさかだ」

もこっち(…やっぱり。ていやいやいやいやいや!?思考を読む!?な、なんだその能力!?チートすぎんだろ!というかなんだこの人、超能力者なのか!?)

セナ「私は超能力者ではない、今話したギガロマニアックスだ。」

もこっち(ギガロマニアックス…妄想を現実にできるっていう…し、しかしそのギガロマニアックスってのは、他人の思考を読むことまで可能なのか?)

セナ「その通りだ」

もこっち(……チート過ぎんだろ常考)

セナ「ギガロマニアックスにできることは、他人の思考を読む、他人に思考を読ませる、あとさっき言ったように妄想を現実にすることができ、他には他人の記憶の改竄、マインドコントロール、あと力の強いものなら生物でも作り出せる」

もこっち(パネェ…)

セナ「しかし弱点もある。まずは《周囲共通認識》を作り出すためには周りに誰か人がいないと能力は使えない。」

もこっち「なるほど…」

セナ「あと他には怪我の治療などには使えない。脳が痛みを認識してしまうからな」

もこっち(いろいろあるんだな…)

セナ「そして黒木、お前にもそのギガロマニアックスの素質がある」

もこっち「へ?」

セナ「私のディソードが見えていたんだろう?あのディソードはリアルブート前だ。普通の人には見えない。リアルブート前のディソードを認識できるのは、ギガロマニアックスともしくはその素質を持つものだけだ」

もこっち(まじかよ…)

セナ「そして私の見たところでは、お前はかなり強力なギガロマニアックスの素質がある」

もこっち「え?」

セナ「お前の妄想能力がかなり高いということだ」

もこっち(ま、まあ…暇さえあれば妄想してるしな…)

セナ「いいか、極力エラーを作るな」

もこっち「エ、エラー?」

セナ「あまりギガロマニアックスの力を使うなということだ」

もこっち「…ま、まぁ…つ、使おぅ、にも…使い方が、わかりませんし…」

セナ「ならいいんだがな」

もこっち(で、でも、そんな能力使えるなら使いたいかもなー…そ、そうすればリア充化なんて夢じゃないし…)

セナ「…ひとつ言っておくと、ギガロマニアックスになるにはかなりの苦痛が伴う」

もこっち(え!?に、肉体的に!?それとも精神的に!?)

セナ「それは場合によるが、ただひとつ言えることとしては、ギガロマニアックスとなった者は、誰であろうと一度は壊れているんだよ」

もこっち「え…て、ていうことは、あ、蒼井さんも?…」

セナ「…」

もこっち「あ、す、すみません…」

セナ「いや、いい、気にするな」

もこっち「…」

セナ「もう一度聞くぞ。」スッ

もこっち(あ、ディソード…だっけ?…が出てきた、慣れてきた自分が怖い…)

セナ「このディソードはリアルブート前だ。これが見えているんだな?」

もこっち「は、はい…」

セナ「さっきも言ったがお前にはギガロマニアックスの素質がある。だが一部には、その力を、悪用しようとするやつもいるんだ。何かあったら私を頼れ。私は普段は駅前の電車にいる」

もこっち「は、はあ…」

もこっち(駅前の電車って?…)

セナ「ん?なんだあいつは?」

もこっち(ん?…てあれは、たしかうちのクラスのキモオタの、不登校気味の奴じゃなかったっけ?今席が隣だけど、あいつからは私と同じにおいがしてきてちょっと嫌なんだよな…えーと名前は、西條…何だっけ?)

セナ「あいつ、今私の方を見てギョッとしたぞ」

もこっち「そ、その、ディソードを、持っているからじゃ…ないですか?」

セナ「いや、このディソードはリアルブート前だ」

もこっち「あ…そういえばそうか…」

セナ「そういえばあいつ、これまでにも何度か…まさかとは思っていたが…」

ロボティック知らんけどいいぞー

もこっち「あ、い、行っちゃいますよ?」

セナ「…ッ、逃がすか!」

もこっち「て、あれ?蒼井さん?」

もこっち(!?な…西條の前に蒼井さんがいる!?そんなバカな!ほんの数秒前までここにいたんだぞ!?)

もこっち「…」

もこっち「でええい!」ダッ

拓巳(う、うおお!?剣を振り回し始めた!?)

セナ「お前も集められんたんだな」

拓巳「…?」

セナ(黒木と同じように…)

セナ「エラーを見たことがあるか?」

拓巳(エラー?)

セナ「見たら教えろ」

もこっち「あ、蒼井さーん」ゼイゼイ

セナ「おお、黒木。すまなかったな。置いてきてしまって」

拓巳(あ、確か隣の席、の女子、だったっけ?…)

もこっち「い、いえ…」ゼイゼイ

セナ「驚かせてしまったか?すまなかったな。とりあえず今日はもう暗くなってきたし解散にしよう」

もこっち「え!?あ、ああ…はい…」

もこっち(追いかけてきた意味ほぼねえ!)

セナ「それじゃあ私はあっちなので、またな」

もこっち「ああ…はい、さよなら…」

セナ「お前もな」

拓巳「え!?ああ…はい…」

拓巳「…」

もこっち「…」

拓巳・もこっち(気まず!!)

もこっち(え?いやなになに?どうすればいいの!?私こいつと一度もしゃべったことないんだけど!?しかしかといってここで何も言わずに立ち去ったら超気まずいじゃねーかどうすんだこれ!?)

拓巳(こいつ確か席隣のやつだよな?こいつも休み時間いつも寝てるよな…まあ、見るからにぼっちだけど…全く、僕みたいに最低登校シフト表作って最低限だけ学校にいけばいいのに…ふひひ…
てそうじゃなくて!
どうすんだこの空気!?すごい気まずいぞ!?なんか言った方がいいのか?しかしこいつと口利いたことないから何の話すればいいか分かんないし、くそう…こんな時、三住くんならどうするんだ!?くそう、僕がリア充だったなら、こういう状況にもうまく対処できたのに!)

もこっち(…)

拓巳(…)

もこっち・拓巳「あ、あの…」

もこっち・拓巳(…)

もこっち・拓巳(てタイミングかぶった最悪!ますます気まずいぞこれ!)

もこっち(と、とりあえずここは…)

もこっち「あ、な、なにか言うことあった?」

拓巳「い、いや別に…と、ところでそっちこそなにかあったの?…」

もこっち「い、いや、立てるかなー…って思って…」

拓巳「あ、ありがとう。だ、大丈夫。ひ、一人で立てるよ」スッ

もこっち「そ、そう…よ、よかった」

拓巳「ぼ、僕帰るけど君はどっちへ帰るの?」

もこっち「あ、あっち…」

拓巳(う…一緒かぁ…でも二人で一緒に帰るところをDQNや三住くんに見られたりして、そのネタで絡まれたらいやだしなあ…優愛のこともあったし…よし!)

拓巳「そ、そうなんだ。そういえばぼく、まだ買い物あったの思い出したから、ちょっとそっち寄ってくね…」

拓巳(こ、これで完璧なはず…)

もこっち「そ、そうなんだ、じゃ、じゃあね…」アイソワライ

もこっち(何が買い物だこの引きこもりキモオタが!私と歩くのがそんなにいやか!ああ私だってお前みたいなキモオタお断りだよ!じゃあな!帰ってブラチュー辺りでも見て星来だのエリン辺りに萌え萌えしてろこのくず!)

拓巳(よ、よし、完璧にごまかせてるな。さすが僕、学校に行かなくてもテストで上位の点数をとれてるだけはあるな)

拓巳「う、うん…じゃ、じゃあね」ペコリ、スタスタ

もこっち(ふん!)スタスタ

てことで今日はここで終了で

カオスヘッド知らないけど期待

ーその日の夜黒木家にてー

もこっち「ていうことがあったんだすごいだろ!?」

智貴「…」

もこっち「いやぁ?何も言えないって顔してんなぁ?。わかるぞー?その気持ち。お前なにかと姉である私を越えようと必死だったもんなぁ?弟の癖に。でももうそんな努力しなくていいんだぞ?だって私はギガロマニアックスなんだからな。他人の思考を読んだり、頭に考えたことを現実にしたり、何もないところからすげーかっこいい剣取り出せたりするんだからな!」

智貴「…」

もこっち「ん?なんだよ?そろそろなにか言ったらどうだ?」

智貴「…」

智貴(うぜえ…)

智貴(ていうかなんだこいつ?前々から変な妄想癖があるのは知っていたが、とうとう現実と妄想の区別が付かないレベルまでいっちまったのか?)

もこっち「いやぁ?中学二年の時からサッカー部のFWでレギュラーしてたり、女子からクッキーもらったり片思いされてたりして、完全に私に勝ったつもりでいたんだろうが、悪いね、どうやらこの勝負、私の逆転勝ちに終わりそうだよ」ハッハッハッ

智貴(べつに勝負なんてしてねえよ…)

もこっち「ふん、私もそのうちギガロマニアックスとして覚醒してやる、そうすれば、クラスのビッチやDQN、そしてお前のようなリア充などに嫉妬する必要などなくなる!ギガロマニアックスの力を使って、適当なイケメンを洗脳して、私の彼氏にしてやろう!いやそれだけではない!ギガロマニアックスの力を使えば、大学入学や就職も楽勝であろう!ふん!高校生になって少し自信をなくしていたが、やはり私は勝ち組になる運命だったのだ!」

智貴(それでいいのかお前の人生…)

智貴「…でも、ええとなんだ…?ギガマニア…なんだっけ?」

もこっち「ギガロマニアックスだ」

智貴「そうそう、そのギガロマニアックスってのになるには、かなりの苦痛を伴うとか言ってたじゃねえか。それはどうする気なんだ?」

もこっち「ふん、甘いな弟よ!我が弟ながら恥ずかしい!そんなことを私が考慮していないとでも思ったか!」スタッ

智貴(なんだなんだ?いきなり立ち上がったぞ?)

もこっち「気づいていなかったかも知れないが、私は高校生になって以来、高校ではずっとぼっちなのだ!」

智貴(高校入学前から薄々気付いてましたが…)

もこっち「そうして高校生になって以来私は、現実逃避と妄想を繰り返すようになった!つまりだ!」

智貴「?」

もこっち「私はすでに心に深い傷を負っていて、壊れてしまっているのだ!つまり、ギガロマニアックスとして覚醒する条件は満たしている!あとは覚醒するだけだと言うことだ!」

智貴(ものすごく都合のいい考え方だな…)

智貴「はあーあ…」

智貴(付き合ってられるか…)

もこっち「ん?どうした弟?数学の問題集なんか開いて。今はそんなことしてる場合じゃないぞ?」

智貴(…)

智貴「そっちこそそんな妄想垂れ流してる場合かよ、そろそろ期末試験だぞ?勉強しないとまずいんじゃねえの?」

もこっち「も、妄想だとぉ!?」ガシッ

智貴「うわっ、ていきなり胸ぐらつかむんじゃねえよ!」

もこっち「いいか!?蒼井さんは確かに私の目の前で、何もないところから剣を取り出したり、瞬間移動をしたり、私の思考を読んだりしたんだ!もしギガロマニアックスというのが私の妄想だとしたら、あの超常現象の数々はどう説明するつもりだ!?」

智貴(…)

智貴「あのなぁ姉ちゃん、そろそろ目覚ませよ」

相変わらず弟はなんだかんだ姉思いだな

こんな姉貴を見放して無い時点でかなりの聖人
俺がホモなら陥落してた

そういや智貴の方は七海と同じクラスだったりするんだろうか

すみません風呂入ってました


もこっち「は?どういう意味だよ?」

智貴「そのままの意味だよ。そろそろ現実見ろってこと」

もこっち「ふ、ふん!現実を見ていないのはお前の方だ!言っただろう蒼井さんは私の目の前で…」

智貴「姉ちゃん!」ドンッ

もこっち「!?」

智貴「それが妄想だっていってんだよ…」

もこっち「な、なに?…」

智貴「まじでわかんねえのか?そんなことできる奴なんているわけない…さっきから姉ちゃんが見たって言う超常現象は全部妄想だっていってるんだよ…」

もこっち「な、なんだと?」

智貴「分かったか?分かったらさっさっと中学生みたいな妄想やめて、勉強でもしろ。姉ちゃんこの前のテスト調子よかったんだろ?今回のテストで点数落ちないようにしろよな…」

もこっち「な、な…」

智貴「それじゃあな、おれは勉強するから…」

もこっち「ふざけるな!」バンッ

智貴「…なんだよ?まだなにかあんのか?」

もこっち「あれは私の妄想なんかじゃない!確かに私は見た!この目でな!」

智貴「…だったら他に見たって奴でもいんのかよ?」

もこっち「そ、それは…」

智貴「いないんだろ?だったらやっぱり姉ちゃんの妄想だってことだ」

もこっち(はっ!そういえば隣の席の西條は蒼井さんが瞬間移動したのを見たじゃないか!それに蒼井さんのディソードも見えているようだったぞ…ということは…)

もこっち「ふっふっふっふっふ…」

智貴(なんだ?壊れちまったか?たしかにちょっときつく言い過ぎたかもな…)

もこっち「いるんだよぉ他にもその超常現象の数々をみたやつがなぁ!」

智貴「え?」

もこっち「よし!明日お前にそいつと会わせてやろう!ついでに蒼井さんとも会わせてやる!さすがに二人も証人がいれば、信じるほかないだろう?」

智貴「まあ、確かに…」

もこっち「というこで明日の放課後に駅の改札に集合だ!わかったな!」

智貴「ま、まあ…部活はテスト休みだしいいけど…」

もこっち「約束だからな!明日を楽しみにしておけよ!」バタン

智貴(行っちまった…)

ー次の日の朝の教室ー

もこっち「とはいったものの…どうしたものか…」

もこっち(考えてみればまず西條が今日学校に来るかどうかも分からないしな…まあ、来るように祈るしかないか…)

三住「お、黒木さんじゃん!おっはよー!」

もこっち「ひっ!?お、ぉぉおはようございます…」

三住「やべー!おれ黒木さんと初めて絡んだぜ!」

リア充A「はは、三住彼女いるのに節操ねーなーw」

リア充B「大輔にはミナコがいるんだからだめだよー!?」

リア充軍団「ははははは!」

もこっち(…)

もこっち(氏ね)

もこっち「ふう、席に着くまでに相当体力を使ってしまった…」

もこっち(しかしなんなんだよあいつら…楽しむなら楽しむで好きにしてくれていいが、他人を巻き込むんじゃねえよ…)

もこっち(と、いかんいかん!私もギガロマニアックスとして覚醒したら、やつらと同じ、いやそれより上の地位に上り詰めるんだぞ!?こんなぼっち的思考はいますぐにでもやめねば!)

ガララッ

もこっち(ん?)

拓巳(はあ…ただでさえ今週は三回もこなきゃいけないのに、朝から七海に見つかって、その上三住君にも絡まれるし、FESはなんか訳わかんないこと言うだけ言って立ち去るし、なんなんだよもう…)

もこっち(お、西條キター)

拓巳「…」ガタッ

もこっち(くそ、昨日のことがあるから気まずい、その上よく考えたら私、他人に声をかけるの大の苦手じゃないか…くそ…
しかしよく見るとこいつ辛気くせえツラしてんな…女に全く縁がなさそうだ…
ん?まてよ?…そうか!こいつは女に縁がないんだ!つまりこいつにとって女である私に声をかけられることはご褒美他ならない!さらにその上帰り駅まで連れ回してもらえるんだぞ?…
そうか!私が悪いなんて思う必要はどこにもない!むしろ一種のボランティア的活動だと考えるんだ!)

もこっち「あ、ぁ…あの、に、西條くん?…」

拓巳「は、はい?」

拓巳(な、なんだいきなり?昨日のことか?いやでもなにか言われるようなことは別に…)

もこっち「そ、その…に、西條くんはみた?昨日、蒼井さんが剣持ってたり、しゅ、しゅ、瞬間移動したりしてたの…」

拓巳(蒼井?昨日一緒にいたDQN女のことかな?しかしやっぱりあれ瞬間移動してたのか?となるとあのDQN女一体…)

拓巳「う、うん。み、見たよ…」

もこっち「ほ、本当!?」パアア

拓巳(な、なんでこんなにうれしそうなんだ?)

もこっち「あ、あの…今日の放課後、駅までついてきてほしいんだけど…だ、だ、だめかな?」

拓巳(う、なんだこいつ?三次元女子の癖に僕を誘っているだと!?こ、こいつも将軍の手下か?…)

もこっち「あ、あの…だ、だめかな?」

拓巳「だ、…」

もこっち「?」

拓巳(「だが断る」っていおうと思ったのに、雰囲気的に断りづらい…)

拓巳「わ、わかった…いいよ…」

もこっち「ほ、本当?そ、それじゃあまた、放課後に…」パアア

拓巳(何で僕はこういう時に断れないんだ、くそう…)


ーそして放課後ー

もこっち「そ、それじゃあ西條くん…つ、ついてきて…」

拓巳「あ、そ、その前に…」

もこっち「え、な、なに?」

もこっち(まさかここまできてドタキャンしたりしねえだろうな?)

拓巳「ア、アニメエイト、寄ってもいい?」

もこっち「ア、アニメエイト?」

もこっち(なんだそんなことか…アニメエイトなら駅までの通り道にあるし、まあ別にいいだろ…)

もこっち「わ、わかった…いいよ…」

すみません書く上での都合上、翠明学園と渋谷駅の距離は、電車で30分くらいの設定にさせてください


拓巳・もこっち「…」テクテク

拓巳(くそ、またしても七海以外の女子と一緒に歩くことになるとは…)

もこっち(まさか弟以外の男子と一緒に歩くことになるとは…)

もこっち(というか待ち合わせ場所、駅じゃなくてふつうに学校にすればよかっ…
だめだ、弟に学校では話しかけんなって言われてんだった…)

もこっち(…て!そういえば西條つれてくるのに夢中で、蒼井さんつれてくるの忘れてた!どうしよう…もう学校終わって大分時間たっちゃってるし、蒼井さん部活とかやってなさそうだし、もう帰っちゃってるだろうな…)

拓巳「あ、つ、ついた…」

もこっち(長考してたらいつの間にかついたか…)

拓巳「そ、それじゃあ、買ってくるから…」

もこっち「あ、ま、待って…」

拓巳「?」

もこっち(外で待ってても暇だし、私も中を見てこよう…)

もこっち「わ、私も行く…」

拓巳「え?」

拓巳(星来たんのフィギュア、受け取るところあんまり見られたくないけど、くそ、仕方ないか…)

拓巳「わ、わかった…じゃあ、行こうか…」

ーアニメエイト店内ー

もこっち(ふむふむ…おっ、聖女タイム(もこっちが握手会の話で買っていた乙女ゲーム)アニメ化してたのか…しかしゲームからのアニメ化は失敗率が高いからな…まあ、帰ってから二、三話見て判断するか…)


拓巳(ふひひ、星来たんのフィギュア、ディスプレイされてるのを見ただけでも、原型師にはGJの一言を送りたいね…早く帰ってなめるように鑑賞しないと。ふひひ。
…て、あの黒木とかいう女子に、どこか連れて行かれるんだった…
くそ!これだから三次元女子は!
氏ね!死ねとまではいわないが氏ね!)

もこっち(そういえばあいつ、予約してたフィギュア受け取るとかいってたがなんのフィギュア予約してたんだ?まさかキモオタ御用達のブラチューの星来とか言わないよな?)チラ


拓巳(そういえばあの子、適当に店内見てくるとか言ってたけど何見てるんだろう?もしかして喪女御用達の聖女タイムとか言わないよね?)チラ


拓巳・もこっち「ブフォッ」

もこっち(いやいやいやいや!昨日も心の中で星来に云々とか言ったけど、まさかまじで星来たんのフィギュアかよwwしかも予約ってwwまじもんのキモオタのテンプレだったとはww)

拓巳(いやいやいやいや!確かに喪女っぽいとは思ってたけど、その中でも喪女御用達ゲームの五本の指に入る聖女タイムを選ぶとは…しかも僕は見てないけど、ネットの評判によると最近やってるアニメ原作レイプの連発で評判最悪らしいじゃないかwwそのアニメの方のグッズ見てるって、喪女の上ににわかってこと?無理無理wwガチ目にwwやっぱ三次元より二次元だわww)

店員「ありがとうございましたー」

拓巳「あっ…買い物終わったよ…」

もこっち「あ、ああ…そう…」

拓巳「な、なにか、買っていかなくていいの?」

拓巳(たとえば聖女タイムのヤンデレ言葉責めCDとかww)

もこっち「あ…い、いいです…」

もこっち(てめえとちがってグッズに金ぽんぽん出せるほど裕福じゃないもんでねww)

拓巳「あ…そう、じゃあ、いこうか…」

もこっち「は、はい…」

これはwwww

拓巳(さてと、早くこの女の用を終わらせて、家に帰って星来たんのフィギュア鑑賞会やるぞ、ふひひ。)

もこっち(こいつさっきからずっとニヤニヤしててきめぇ…)

もこっち(て、なんだあのふたり?こっちをみてるのか?なんか明らかに普通じゃない感じのオーラがでてるが…)

拓巳「…!!」

もこっち(な、なんだこいつ?落ち着きがないぞ?どうしたんだ?)

判「あのー…ちょっといいかい?」

もこっち「は、はい?…」

判「ああ…お嬢ちゃんの方じゃなくて、そっちのお兄ちゃんに用があるんだけどさ…」

拓巳「え、ぼ、ぼく?」

判「おじさん、こういう者なんだけどさ」スッ

もこっち(け、警察!?なんだこいつ!?警察のお世話になるようなことでもしたのか!?)

判「ちょっと話を聞かせてもらっていいかい?もちろん強制ってわけじゃないよ、あ、いやいやそんな身構えなくっていいよ。ほんとに話を聞くだけだから」

もこっち(こ、こいつがしょっぴかれるとか、そういうことではない…のか?)

判「えーと君さ、俗に言うニュージェネレーションの狂気って知ってる?」

拓巳「…」コクン

もこっち(な、なに?ニュージェネレーションの狂気って、あのニュージェネ事件か?ニュースとか見ないから詳しくはしらないが、最近めっちゃ騒がれてるあの…あれにこいつがなにか関係してるのか?)

判「それなら3番目の事件、《張り付け》についても知ってるよね?その目撃者を探しているわけだけど…あ、ちなみに君、名前を教えてくれるかな?」

拓巳「に、西條、拓巳…」

判「西條拓巳くんね、その制服翠明?だよね?何年生?」

拓巳「に、2年生…」

判「2年生ね、どうも…」

もこっち(な、なんだ?警察って、こんなことまで調べるもんなのか?)

判「それじゃあ西條くん。先月29日の午後6時から10時頃にかけて、どこで何をしていたのか、教えてもらえるかい?」

拓巳「っ…!」

もこっち(な、なんだこれ?アリバイ…ってやつ?こいつが疑われているのか?いやまさかそんな…)

判「いや別に君を疑ってるとかじゃなくてさ、その時間にこの辺にいたなら、怪しい人物をみたとか、なにか音を聞いたとか、ないかなと思ってね」

拓巳「…」

もこっち(こ、こいつ、汗がすごいぞ、大丈夫か?)

判「なあ西条君、今日はそんなに暑いか?まうすっかり秋だ、汗をかくほど暑くないと思うが…まあ体質って奴は人それぞれだしな。はっはっは」

もこっち(…)

拓巳「ぼ…」

判「んん?」

拓巳「僕はやってない…」

もこっち(!?)

判「ほう」

拓巳「…」

判「なにを、やっていないんだ?」

拓巳「み、見たんです!
《張り付け》の現場…そこに女がいたんです!手、血塗れにして…死体の前に…杭がたくさん、死体に刺さってて、500本は絶対、こ、こえてた…異常だ!…」

拓巳「死体はハリネズミみたいになってた…女は僕を見て、わらっ…笑ってた!あ、あの女は悪魔だっ…人間じゃない!ニュージェネの犯人は、ひ、ひとを、こ、超えた存在なんだ!予知とかすごい能力つかう…」

判・諏訪・もこっち「…」

拓巳(く、くそ、し、信じてもらえてないのか?)

判「なるほどねえ、悪魔かぁ、その女の特徴は?」

拓巳「す、翠明、の、生徒…」

拓巳(し、信じてもらえてる、のか?)

判「翠明って翠明学園?」

拓巳「そ、その制服、着てた…」

もこっち(翠明って私と同じ高校じゃねーか!?てことはなんだ!?うちの学校にニュージェネの犯人がいるってことか!?)

判「なるほどねぇ、他になにか分かることは?」

拓巳「…」

判「黙ってるってことは分からないってことか。いや、結構結構。貴重な情報、どうもありがとう。あ、そうだ、連絡先とか教えてもらえる?」

拓巳「え?」

判「いや、きみをその悪魔から守らなくちゃいけないだろう?」

拓巳「あ、ああ…」ガサゴソ

拓巳「じゃ、じゃあ、携帯電話…」スッ

判「ふむふむ…」カキカキ

判「それじゃあありがとう、君の証言は、重要な手がかりになりそうだ。またにかあったら連絡するかもしれないからそのときはよろしくね。」

諏訪「先輩、いいんスか?」ヒソヒソ

判「いいんだよ、黙っとけバカ」ヒソヒソ

判「それじゃあ忙しいところ悪かったね、それじゃあね」

もこっち(…)

もこっち(行っちゃった…)

とりあえずきょうはここまでで


時間はヴァンパイ屋後くらいかな?
そろそろこずぴぃが転校してくるの期待

>>56
一応カオスヘッド本編のリメイクという形でやっているのでそう思ってくれて大丈夫です

ーその後ー

もこっち「…」テクテク

拓巳「…」テクテク

もこっち(…く、くそ、何だよさっきの警察!この場の空気どうしてくれるんだ!ただでさえ話すことなくて気まずかったってのに…ていうかこいつ、さっきの警察見つけたときの態度、普通じゃなかったよな…まさか、こいつがマジで犯人とか!?)

もこっち(…それはないか、だってこいつ犯人は女とか言ってたし…)

もこっち(…その情報も胡散臭いけどな、犯人は超能力使いとかわけわからんこと言ってたし…)

もこっち(私がギガロマニアックスとして覚醒していたら、気の毒だし助けてやらなかったこともなかったんだが…)

もこっち(ん?ギガロマニアックス?超能力使い?…
……もしかしてこいつの言うニュージェネの犯人の超能力使いっていうのは、ギガロマニアックスなのか?ギガロマニアックスの能力を使えば、殺人なんて楽勝だしな…)

もこっち(いやしかし…)ウーム


拓巳「あ、あの…」

もこっち「へ、へい!?」ビクッ

拓巳「え、駅に着いたよ?…」

もこっち「あ、ああ…本当だ」

拓巳「そ、それで、なに何をすればいいの?…」

もこっち「あ、ああ…じゃあ、ついてきて…」

ー改札前ー

智貴「…」

智貴(おせえ…)

もこっち「おーい!弟ー!」

智貴「ちっ、おせえぞ!人を待たせて何してやがった!?」

もこっち(うっ、そんなに待たせたのか?)チラッ

もこっち(って、うおお!?学校終わって一時間くらいたってるぞ!?そういえばアニメエイト寄ったりあの警察に捕まったりして大分時間食ってたの忘れてたわ…)

智貴「たくよー…」

もこっち「うう…す、すまんな…」

智貴「それで、昨日言ってた二人は?」

もこっち「あ、ああ…こちらが、西条…君だ」

智貴(下の名前出てこないからってごまかしやがった…)

拓巳「に、西條拓巳です…よろしく。」

智貴「ああ、弟の黒木智貴です。いつも姉がお世話になってます」ペコリ

拓巳(な、なんだこの人、ほんとに黒木って人の弟なのか?姉とぜんぜんオーラが違うぞ?)

智貴「で、あとひとりは?」

拓巳「あ、あとひとり?…」

智貴「ああ、姉の方にきいたんです…」

拓巳(な、なるほど…しかしあとひとりって何の話だ?)

智貴「確か、蒼井さん…だっけ?」

拓巳(蒼井さん!?蒼井って、たしか昨日のDQN女じゃあ…)

もこっち「あ、ああ…すまない、それが、蒼井さんは用事でこれないそうだ」

もこっち(適当なこと言ってごまかしとこう…)

智貴(嘘くせえな、まあ別にいいか…)

智貴「そうか…じゃあさっさっときくこときいて終わりにしようぜ…」

拓巳(な、なんだ!?何を始める気だ!?さっき蒼井とかいうDQN女の名前まで出てきたし…くそ、もしかしてこいつらも、優愛みたいに将軍の手下なのか!?)

もこっち「あ、あの…じゃあ西條くん…」

拓巳「は、はい!?」ビクッ

拓巳(な、何を聞く気だ?ま、まさか、さっき悪魔女のことを警察に喋ったから何か…そうか!悪魔女は将軍の仲間で、それで悪魔女とをしや喋ったぼくを将軍の手下であるこいつらが殺しにきたってわけか?いや、でも朝の段階では、悪魔女のことは誰にもしゃべってなかったはず…いや、もしかしたら朝の段階から僕は見張られてたのかも…それで、僕が悪魔女のことを警察に喋ったから、こいつらは僕を殺すんだ、くそう、何でもっと早く気づかなかったんだ…これから僕は、今までのニュージェネの被害者みたいにむごいことされて、最後は殺されちゃうんだ…くそ、いやだ、死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない…)

もこっち「えっと、昨日、蒼井さんが瞬間移動したのみえたよね?…」

拓巳「えっ?…」

拓巳(な、何でこんな意味もないこときくんだ?いや、もしかしたら関係ない質問で油断させたところを殺そう、っていう作戦かもしれない…しかしどうしよう?これって、答えていいのか?いや、答えなかったら逆にもっとひどい目にあうかも…)

智貴「あ、あの…もし姉に無理矢理つきあわされてるとかだったら、無理しなくてもいいですよ?」

拓巳(?な、なんだ?まだ油断させようって言うのか?)

もこっち「え、ええーと…に、西條くん?…」

拓巳「は、はい!み、見ました、見ました確かに!」

拓巳(こ、こたえろといわんばかりの顔で見られたから、つい驚いちゃったじゃないか…)

もこっち「だ、だよね?…」パアア

拓巳(な、何だ?朝みたいにすごくうれしそうだぞ?)

智貴(なんか無理矢理いわされてねえか?これ…)

もこっち「そ、それと、蒼井さんがもってた、大きな剣もみえたよね?」

拓巳「は、はい…」

拓巳(く、くそう、これに答えれば見逃してもらえるのか?だったら早く見逃してくれ!)

もこっち「だ、だよね…う、うん…ありがとう…」

拓巳(て、なんだ?もうおわりか?)

もこっち「ふん!これで分かったか弟?昨日私の言っていたことが、嘘ではないということが!」

拓巳(?)

智貴(大分胡散臭えけど、面倒だし適当に話を合わせとくか…)

智貴「ああ…わかわかったよ…」

もこっち「ふはははは!そうだろうそうだろう!」ワハハハハ

拓巳(しかし弟と話すときの態度普段と違いすぎだろ常識的に考えて…)

拓巳(何はともあれ無事に解放されそうでよかった…)

七海「あれ?おにいじゃん!おーい!おにー!」タッタッタッ

拓巳「げ、七海!?」

拓巳(なんでこんな時間にこいつが!?)

七海「実の妹に向かって「げっ!」とはなによー!」プンスカ

拓巳「あ、ああ…ごめん…」

七海「てあれ?もしかして、うちのクラスの黒木くん?」

智貴「ああ、どうも…」ペコリ

もこっち(…こいつまた女子から声掛けられてやがる、くそ、私だってギガロマニアックスとして覚醒さえすれば…)

七海「なんでおにいと一緒にいるの?」

智貴「ああ、あの、姉につれてこられて…」

七海「姉って…この人、黒木君のお姉さんなの?」

智貴「ええ、まあ…」

智貴(こんなのが姉だとは俺も思いたくないけどな…)

七海「初めまして、智貴くんのクラスメイトの、西條七海です」ペコリ

もこっち「え、ええと…智貴の姉の
黒木智子です…よろしくお願いします…」

七海「よろしくお願いします…呼び方は、智子さん、でいいですか?」

もこっち「ああ、は、はい…」

もこっち(な、なんだこのかわいい娘は!?西條の妹、なのか?…なんで西條なんかにこんなよくできた妹が…くそ!私だってこれくらいよくできた弟がほしかったぞ!)

七海「じゃあ、智子さん、智貴君によると、おにいと智貴君を会わせたのは智子さん、てことらしいんですけど、おにいなんかに何の用だったんですか?」

もこっち「え、ええと…」

もこっち(礼儀までいいじゃねえか!くそ!ますます私の妹に欲しくなってきたぞ…西條うらやましい…)

もこっち(しかし説明するとなると長くなりそうだから面倒臭いな…くそ、なんていおうか…)

もこっち「そ、その…」

拓巳(く、くそ、早く帰って星来たんのフィギュアみたいのに…こうなったら…)

拓巳「べ、別にそんなことどうでもいいだろ七海、ぼ、ぼくは用事があるし、もうそろそろ帰るぞ…」

七海「え?ちょ、ちょっと待ってよおにいー!」

もこっち(よしナイス行動だ西條!)

すみませんこれまた書く上での都合上、もこっち達の家は拓巳のベースの近くという設定にさせてください


七海「あ!そういえば智貴君と智子さんは、家はどの辺なんですか?」

智子「え?あ、あの…渋谷駅の近く…」

七海「あ、私たちも渋谷駅で降りますので、もしよければ一緒に帰りましょうよ!」

拓巳「ちょ、私たちも渋谷駅でおりるって、僕とお前一緒に帰るのかよ!」

七海「なによー、その一緒には帰りたくないみたいな言い方ー!」

拓巳「だ、だって事実お前と一緒には帰りたくないし…」

七海「住んでるところは違っても降りる駅は一緒なんだから、一緒に帰るよもう!」

拓巳「ぐっ…て、ていうか、なんでこんな時間まで駅にいるんだよお前…」

七海「駅前のマクディで友達と勉強会してきたんだよ!悪い!?」

拓巳「じゃ、じゃあその友達とかえればよかったじゃないか…」

七海「その友達はこの駅の近くに住んでるから、もうさっき別れてきたんだよ!とにかくいつ一緒に帰るよ?わかった?」

拓巳「く、くそう…」

七海「それじゃあ智貴君、智子さん、一緒に行きましょう!」

もこっち「え?は、はい…」

もこっち(西條、あんないい妹をないがしろにするとは…)スタスタ

智貴(西條さんも兄弟関係について苦労してるみたいだな…)スタスタ

>>64
すみません

×とにかくいつ一緒に帰る

○とにかく一緒に帰る

でお願いします

すみませんまだ誤字ありました

>>61

×悪魔女とをしや喋ったぼく

○悪魔女のことを喋ったぼく


×智貴「ああ…わかわかったよ」

○智貴「ああ…わかったよ」

でお願いします、誤字多くてすみません

ー電車の中ー

七海「へえー、おにいと智子さんはクラスメイトなんですかー」ガタンゴトン

もこっち「え、ええ…まあ…」ガタンゴトン

七海「おにい、クラスではどうです?」

もこっち「…え?」

拓巳「ちょ、ちょっと、何変なこときいてんだよ…」


七海「いいじゃん別に。それとも、きかれちゃまずいようなことでもしてるの?」

拓巳「べ、別にそんなことはないけど…」

もこっち(本音を言ってしまえば、ぼっちで半ば不登校のキモオタ野郎だが、妹の手前下手なことも言えまい。仕方ない、ここは適当に…)

もこっち「ふ、ふつうだと思いますよ…成績だっていいし…」

もこっち(我ながらナイス返しだな)

拓巳(まあそりゃぼっちの半ば不登校のキモオタ野郎とはいえないだろうな…)

七海「本当ですか!?よかったー!」パアア

拓巳(七海も七海でさっきのあれ信じてるのか?もしかしてバカなのかな?)

もこっち(ものすごいうれしそうだな…兄思いのいい妹だ、それに比べうちの弟は…)チラ

智貴(なんかあのバカさっきからこっちちらちら見てきてうぜえ…)

七海「そういえば結局、おにいにはどんな用だったんですか?」

もこっち「え?…ええと、ちょっと弟にきかせたい話があって…」

もこっち(適当にごまかしとくか…)

七海「へぇー。おにいの話なんて黒木くんにきかせるべきじゃないとおもうけどなー…」

拓巳「き、きこえてるぞ…」

七海「聞こえるように言ったんだよ」

拓巳(ちっ、うざい…)

七海「ちょっとー、そんな怒った顔しないでよー」


もこっち(なんかこの兄妹ちょっとおもしろいな…)

アナウンス「次はー渋谷ー渋谷ー」

七海「あっ次渋谷ですよ!降りる支度しましょう!」

もこっち「あ、そ、そうですね…」

智貴(おれ結局ほとんどしゃべってねえ…)

拓巳(七海の相手はやっぱり疲れるな…早く帰って星来たんにこの疲れを癒してもらおう…ふひひ。)

七海(…おにい…また何か変なこと考えてるんだろうなー…)

ー渋谷駅前ー

七海「黒木君たちはどっちに帰るの?」

智貴「え?ああ、あっちの方…」

七海「あっちの方かー。私は違う方向に帰るけど、おにいは智貴君たちと同じ方向だから、よければ一緒に帰ってあげてね!」

もこっち(兄妹なのに帰る方向がちがう?…なにかワケありな家庭なのか?)

拓巳「お、お前はぼくの保護者かよ…」

七海「な、なによその言い方…ナ、ナナだって、いちおう、おにいのこと心配して…こういうこと言ってるんだからね!」

もこっち(デ、デレているだと!?くそ!うちの弟はここ数年全くデレていないというのに…くそ、西條のやつ、私の弟と奴の妹を交換してはくれないだろうか…)

七海「それじゃあね黒木君、また明日学校でねー」

智貴「はい、さようなら…」ペコリ

七海「智子さんもまたいつか!」

もこっち「え、は、はい、さ、さようなら…」

拓巳・智貴・もこっち「…」

拓巳・智貴・もこっち(帰るか…)スッ


拓巳・智貴・もこっち「…」スタスタ


拓巳・智貴・もこっち「…」スタスタ


拓巳・智貴・もこっち「…」スタスタ


拓巳「…あ、ぼく、この交差点あっちに曲がるんで…」

もこっち「あ、ああ…そう…そうなんだ」

拓巳「そ、それじゃあ…」

智貴「それじゃあさようなら、お気をつけて」ペコリ

拓巳(…やっぱりよくできた弟だなー、七海と交換してほしいくらいだ…)

拓巳「じゃ、じゃあ、さ、さようなら……そ、そちらも、お、お気をつけて…」ペコリ、スタスタ


もこっち・智貴「…」

智貴「なあ姉ちゃんよ」

もこっち「あ?」

智貴「おれっち来週試験だろ?」

もこっち「そうだな」

智貴「他の生徒のみんなは帰って勉強してるだろ?」

もこっち「そうだな」

智貴「…おれたちは貴重なテスト期間の放課後に、一体何をしていたんだ?もう夕飯時だぞ?物凄く時間を損した気がするんだが…」

もこっち「全く、誰のせいだろうな」

智貴「全部お前のせいだ!お前の!」アイアンクロー

もこっち「あだだ!アイアンクローはやめろアイアンクローは!」

智貴「うるせえ!下らないことに俺をつきあわせやがって!テスト勉強のための時間返せ!」

もこっち「下らないって…お前まさかまだ信じて!…」

智貴「だあーもう!うるせえ!黙れ!おれは遠回りしてこっちの道から帰る!だからお前はこっちの道から帰れ!わかったか!」

もこっち「そんなことしたらますますテスト勉強の時間なくなるんじゃ…」

智貴「黙れ黙れ!いいか!テスト終わるまで絶対に話しかけてくんな!家でもだぞ!分かったな!?」

もこっち「は、はあ…」

もこっち(普段クールぶってるこいつがこの怒鳴り声か…相当きてるな…)

智貴「おれはもう帰る!あばよ!」スタスタスタスタ


もこっち「行っちまった…」

もこっち(…)

もこっち(私も帰るか…)スタスタ

今日はここまでで
見ててくれた人いたらありがとうございました

些細なことだけど、翠明学園もベースも最寄り駅は神泉駅。西條実家は下北沢

兄妹と姉弟いいな

>>72
すみません
ではベース、西條自宅、および黒木家の最寄り駅は渋谷駅、という設定にさせてください
細かい指摘ありがとうございました

すみません>>74安価間違えました

>>73でしたすみません

ーその日の夜ー

もこっち(弟の奴…夕飯の時も一度も目を合わせてこなかったな…そこまで怒っているのか…)

もこっち(しかしまだ誰かにギガロマニアックスのこときいてもらいたいな…)

もこっち(そうだ!ゆうちゃんなんてどうだろう!ゆうちゃんなら弟と違って信じてくれるはずだ!)

もこっち(そうと決まればゆうちゃんに電話だ!ええと、ゆうちゃんゆうちゃん…)ピポパポピ

もこっち(出てくれ…ゆうちゃん…)プルルルル

ピッ

ゆう『もしもし、もこっち?』

もこっち「あ、ゆ、ゆうちゃん?きいてきいて!あのね…」

(説明省略)

もこっち「てことがあったのすごいでしょ!?」

ゆう『へえー!すごいじゃんもこっち!もこっちもその、ギガロマニアックス…だっけ?…の才能があるんでしょ!?へえー。いいなー、私なんて何の才能もないから、もこっちのことが羨ましいよ…』

もこっち「そ、そんなことないよ!ゆうちゃんはとっても可愛いし、やさしいし…」

ゆう『えへへ。ありがともこっち。そんなに私なんかのことほめてくれたの、もこっちだけだよ』

もこっち「そ、そう…」

ゆう『あ、ところで、そのディソードっていうの?私も似たようなものを見たことあるかも…』

もこっち「え?…」

ゆう『友達とファンタズムのライブに行った時に、FESが大きな剣を持っているのを見たんだ、それで友達にその剣のこといったら、友達は剣なんて見えないって言ってたの…だからあの剣は、もしかしてディソードだったのかもね』

もこっち(ま、まさかゆうちゃんもギガロマニアックスとしての素質が?…と、ところで、ファンタズムだのFESってのは何のことだ?)

もこっち「あ、あのゆうちゃん…ファ、ファンタズムとかFESってなんのこと?」

ゆう『え?もこっち知らないの?』

もこっち「う、うん…」

ゆう『ファンタズムっていうのはバンドの名前、で、FESていうのはそのバンドのボーカルのことなんだ、すごいんだよそのバンド!曲の歌詞の一部が、まるでニュージェネの犯行の手段を予言しているようだ、って今すごい話題になってるんだ』

もこっち「へ、へえ…」

もこっち(ニュージェネ関連かよ…正直グロは苦手だからニュージェネについては詳しくは知らないようにしてたのに…)

もこっち(しかしそのバンドのボーカルのFES…だっけ?…はディソードみたいなものを持っていたらしいし…)

もこっち(し、仕方ない…ちょっと調べてみるか…)

もこっち「へ、へえ…そうなんだ…じゃあちょっと調べてみるね」

ゆう『うん!予言抜きにしても曲はいい曲が多いから、試しに何かファンタズムの曲を聞いてみるといいよ!ちなみに今の流行りは、「密教の首飾り」って曲だよ!』

もこっち「ありがと…じゃあとりあえず、ファンタズムに調べてみるからじゃあね…」

ゆう『曲聞いたら感想教えてねー!』

もこっち「うん、じゃあまたね…」ピッ

ツーツー

もこっち(しかし夕方の警察といい…またニュージェネ関連かよ…)カチッウイーン

もこっち(ええと、ファンタズムっと…)カタカタ

もこっち(お、公式サイト出てきた…とりあえず公式サイト見てみるか…)カチッ

もこっち(てなんだこれ?メンバーのことについてまるで何もかかれてないじゃないか…全く、使えないにもほどがあるぞ…!!)

もこっち(まあいい…他の検索結果は…)カチカチ

もこっち(ふむふむ…@ちゃんのスレがいっぱいあるな…とりあえず一番上に出てきたこのスレを…)カチカチ

もこっち(ええと…なになに?…集団ダイブの予言?密教の首飾り…?
これってたしかさっきゆうちゃんが言ってた曲か…しかし集団ダイブってなんの話だ?ちょっと調べてみるか…)カチカチ

もこっち(ええと…集団ダイブっと…)カタカタ

もこっち(て、ニュージェネの事件のことかよ!く、くそ…あんまり見たくないな…
ま、まあでも…ちょっと興味あるし…少しだけ…)カチカチ

もこっち(ええと…ニュージェネ情報まとめサイト、「にゅ?じゃねっ!?」…?
な、なんだこのサイト?…殺人事件についておもしろおかしくまとめてるってことか?く、くそ…何面白がってるんだこいつら…人が死んでるんだぞ…)

もこっち(まあ、情報をみるには便利だけどな…ええと、集団ダイブの記事はっと…)カチカチ

>>78
すみません文字化けしてしまいました

×にゅ?じゃねっ!?

○にゅーじゃねっ!?

でおねがいします

ー30分後ー

もこっち(…)ガタガタ

ピシッ

もこっち「ひいい!?」ビクッ

シーン

もこっち(…)

もこっち(ニュージェネこえええええええ!)

もこっち(くそ!何で怖いもの見たさで、結局全ての事件についての記事を見てしまったんだ!)

もこっち(あの時の私に言ってやりたい!迂闊なことをするなと!軽率なことをするなと!見て見ぬ振りをするんだと!)

もこっち(何だよ!!集団ダイブ!?妊娠男!?張り付け!?ヴァンパイ屋!?)

もこっち(どれもこれもグロ過ぎだろ!!ニュージェネグロいとは聞いてたけど、ここまでグロいとは思ってなかったわ!!)

もこっち(しかもヴァンパイ屋の記事に張られてた、全部の血を抜かれてオークションに出品された死体の画像…!!あれ見たときはちびるかと思ったわ!!)

もこっち(そういえば最近クラスのDQNとかがよく、
「その目誰の目ww?」
とかいってたけど、元ネタニュージェネかよ!)

もこっち(こんな猟奇的な事件のどこがおもしろいんだ!警察も早く犯人を捕まえろ!そういえば今日西條が警察になにか言ってたハズだ!しよ証言を元に捕まらないだろうか…)

もこっち(無理だな…あの証言意味わかんなかったし、警察無能だし…)

もこっち(くそ、このままじゃあオチオチ外も歩けねえわ!ニュージェネの犯人死ね!氏ねじゃなくて死ね!)

短いけど今日はここまでで

>>81
すみませんまた誤字ありました

×しよ証言

○あの証言

でお願いします


ゆうちゃんも素質ありか
故意的に覚醒させられなければいいが……

ー翌日の朝、学校ー

もこっち(くそ、ニュージェネのこと知ってから外出歩くのがこええ…)

もこっち(なんでどいつもこいつも面白がってられるんだ?こちとら怖くて気が気じゃないってのに…)

もこっち「…あっ」

小宮山「あっ…」

もこっち(こいつは便所コオロギ…会いたくない奴に出くわしてしまった…)

小宮山(こいつは智貴くんの姉…会いたくない奴に出くわしてしまった…)

三住「お、黒木さんじゃん!おっはよー!」

もこっち「あっ、お…おはよう…」

三住「ははっ、そうかしこまらないでって、かわいいなー黒木さんは!」

もこっち(か、かわいい!?)

リア充A「おう三住ー、朝っぱらからナンパかー?」

リア充C「お前が女好きなのは知ってるけど、ほどほどにしねえとミナコに愛想つかされっぞー?」

リア充B「このこと、ミナコに報告した方がいいー?」

三住「な、や、やめろよ、てめえら!今度飯奢るからよ…」

リア充A「お、今の聞いたからなー?」

リア充B「一人三千円分ね!」

リア充C「三人合わせて九千円かー!頼んだぞ三住!」

三住「なっ…て、てめえら、一人三千は高すぎだろ…せめて二千に…」

リア充A「いいのか?ミナコにちくるぞー?」

三住「ちっ、ちくしょう…わかったよ…」

リア充軍団「わはははははははは!」


小宮山(行っちゃった…)

もこっち(…)

もこっち「フン!」ニヤ

小宮山(…この野郎!リア充軍団に絡まれたからって調子に乗ってやがる!!なんだあの顔!!私のことバカにしてんのか!?)

小宮山(ちっ!)クルッ

ドンッ

小宮山(いたっ!)ドタッ

あやせ「っ…!」ドタッ

小宮山(く、くそ!あいつのせいで人とぶつかっちまった…)
       
小宮山「ご、ごめんなさい…大丈夫ですか?」

あやせ「…ええ、大丈夫よ…」スタッ

小宮山(てあれ?うちのクラスの岸本さん?)

あやせ「それじゃ…」スタスタ

小宮山「あ…」

もこっち(ププ、便所コオロギめ…間抜けにも人にぶつかりやがった…)


あやせ「…っ!?」ピタッ

もこっち(…っ!?な、なんだ!?私を見て立ち止まったぞ!?も、もしかして、私になにか因縁を付けるつもりか?…

あやせ(この子…まさか…)ジー

もこっち(な、なんだ?ものすごいガンとばしてくるぞ?こ、こういうときはどうすればいいんだ!?)

あやせ(…)

あやせ「…」スッ

もこっち(うおお!?な、なんだ!?拳を私の前につきだしてきて…殴られるかと思ったぞ…)

もこっち(てあれ?…こんなこと前にもどこかで…)

あやせ(…試してみる価値はあるわね…)

もこっち(な、なにを…てうおお!?ディ、ディソードが出てきたぞ!?…ど、どどどどういうことだ!?ま、まさかこの人もギガロマニアックスなのか!?)アセアセ

あやせ(…この様子、間違いない…)

もこっち(く、くそ…一体全体…)

あやせ(どういうこと?この子の存在は予言にはなかったわ…)

あやせ(…まさか、今が予言と違ってきている?…)

あやせ(そうすると今やるべきことは…)

もこっち「あ、あ、あ、あの…」

あやせ「早く見つけて。剣を」

もこっち「え?」

あやせ(この子に剣を手に入れてもらうこと…)

もこっち(け、剣って…ディソードのことか?)

あやせ「でないと…世界が邪心王に侵略されてしまうかもしれない…」

もこっち(じゃ、邪心王…?なんのことだ?)

あやせ(…それにしてもどういうこと?今までは予言通りに進んできたはずなのに…)


小宮山「あ…あ…あ…」

もこっち(…?ど、どうしたんだ?便所コオロギの奴?)

小宮山「な、なにもないところから、す、すごく大きい…け、け、剣が出てきた…」

あやせ「!?」

もこっち(な、なに?こ、こいつ…ディソードが見えているのか?このディソードは、周りの通行人の様子から察するに…リアルブート、前だよな?…)

あやせ(まさか…この子も黒騎士だというの…?)

あやせ「…っ!」スッ

もこっち「あ…」

あやせ「……」スタスタ

もこっち(い、行っちゃった…)

小宮山「あ…あ…」

もこっち(こ、こいつ…腰抜けてるぞ…)

もこっち「ほ、ほら…立てる?」スッ

小宮山「あ…あ、ありがとう…」ガシッ、スタッ

もこっち(あ…うっかりコオロギの手握っちまった…)

小宮山「な、何よさっきのあれ…」

もこっち(…言ってる場合じゃなかったな…)

もこっち(仕方ない、こいつにも説明してやるか…)

もこっち「えっと、あれはだね…」

キーンコーンカーンコーン

もこっち「あ…予鈴…」

小宮山「ね、ねえ…何だったのよ…」

もこっち(相当テンパってるな…予鈴が耳に入ってない…)

もこっち「と、とりあえず…朝のホームルーム始まっちゃうし…ひ、昼休みにで、図書室であたり…」

小宮山「あ、ほ、ほんとだ…」

もこっち「じゃ、じゃあ、昼休みに図書室で…、ほらてん…遅刻しちゃうよ?」

小宮山「わ、わかった…」

支援

>>90
すみませんみすりました

×昼休みにで、図書室で

○昼休みにでも、図書室で

てことでおねがいします

>>90
すみませんまだミスありました

×昼休みにで、図書室であたり

○昼休みにでも、図書室あたりで

でおねがいします

ー昼休みー

もこっち(くそ…朝のことで全然集中できなかった…)

もこっち(…コオロギの方はもっとひどいだろうな…とりあえず説明しに行ってやるか…)テクテク


もこっち(ええと、図書室ついたか…)ガラッ

小宮山「っ!?」

もこっち「え、ええと…ち、ちぃーっす…」

小宮山「…っ!!」ツカツカ

もこっち(…うっ、こ、こっちきたぞ…)

小宮山「ねえ!!朝のあれはどういうことよ!!」

もこっち(と、図書委員のこいつが図書室でこんな大声出すとは…想像以上にテンパってるな…)

小宮山「岸本さんに聞こうにも、岸本さんは教室に行ったらもういなかったし!!朝のことが頭に離れなくて授業は全く頭に入ってこなかったし!!」

もこっち(し、しかし、声でかすぎだろ…他の生徒がすごいこっちみてるぞ…)

もこっち「と、とりあえずおちついて…」

小宮山「これが落ち着いていられる訳ないじゃない!!ねえ!!どういうことよ!!早く教えてよ!!」

もこっち「あ、あの…こ、ここ…図書室…」

小宮山「え?あ…」

もこっち「と、とりあえず、場所移そう…」

小宮山「え、そ、そうね…えっと…じゃあ、あとは頼める?」

図書委員A「え?は、はい…」ポカーン

小宮山(は、はずかしい…!!)カアア

もこっち「ほ、ほら!早く行くよ!」スタスタ

小宮山「え?あ、う、うん…」スタスタ

>>94
すみませんまたミスりました

×頭に離れなくて

○頭から離れなくて

でおねがいしますみミス多くてすみません

ー十五分後、適当な空き教室ー

小宮山「し、信じられないわね…」

もこっち「で、でも…朝のあれみたでしょ?」

小宮山「う、うん…」

小宮山「え、ええと…もうちょっとその…ギガロマニアックス…っていうものについて詳しく教えてもらいたいんだけど…」

もこっち「え、ええと…ごめんね…実は私もギガロマニアックスについては、そこまで詳しく知らないんだ…」

小宮山「そ、そっか…」

もこっち「で、でも…さっき話した、蒼井さんってひとが…大分詳しく知ってるみたい…」

小宮山「あ、そうなんだ…そ、それじゃあ…その、蒼井さんってひとに会わせてもらえないかな?」

もこっち「え、えっと…ごめんね、蒼井さんがどこに住んでるかとか、そういうことはぜんぜんわかんないんだ…」

小宮山「そ、そう…」

もこっち「三年っていっても、何組かもわかんないし…」

小宮山「そ、そうなんだ…」

もこっち「あ、で、でも…そういえば、普段は駅前の電車にいるとかなんとか…」

小宮山「駅前の電車?」

もこっち「な、なにか、ピンとくるものある?」

小宮山「え、ええと…」

キーンコーンカーンコーン

もこっち「あ、予鈴…」

小宮山「きょ、教室戻らないと…」

もこっち「そ、そうだね…」

小宮山「と、とりあえず…帰りまでに考えてみるね…」

もこっち「あ、じゃあ…私も考えてみる…」

小宮山「よ、よろしく…じゃあ、帰りのホームルーム終わったら、下駄箱に集合しよう…」

もこっち「そ、そうだね…」

小宮山「じゃあ、私あっちだから…」

もこっち「あ、うん…じゃあ帰りにね…」

今日はここまでで

ーーー
ーー

キーンコーンカーンコーン

もこっち(授業終わった…とりあえずあいつ迎えに行ってやるか…)テクテク

ー玄関ー

小宮山「あっ…」

もこっち(来るの早っ!!)

もこっち「ご、ごめん…待たせちゃった?」

小宮山「う、ううん…今来たところ…」

もこっち(待ってた奴の返事のテンプレだな…)

もこっち「そ、そうなんだ。それで、駅前の電車ってなんのことかわかった?」

小宮山「ああ…考えてみたんだけど、それって渋谷駅前のハチ公の近くにある電車のモニュメントのことじゃない?」

もこっち「あ…なるほど」

小宮山「とりあえず、そこに行ってみようよ。たしかあんた家あの辺でしょ?」

もこっち「う、うん…」

小宮山「じゃあいこ…」

ーその後、渋谷駅前ー

もこっち(着いたはいいけど、来る途中お互い全く口をきかなかったな…)

もこっち(くそ、人が多いからこの辺はあんまり好きじゃないんだよな…ええと、ハチ公ハチ公…)

小宮山「…あれ?何この鎖?」

もこっち(ん?鎖?)

小宮山「ほら、地面に落ちてる…」

もこっち「あ、ほんとだ…」

小宮山「それにしても大分長いよこれ…ずっと向こう側までのびてる…」

もこっち(たしかに相当長いな…100メートル以上あるんじゃないかこれ…)

小宮山「ちょっとこの鎖について行ってみよう…」テクテク

もこっち(さっさっとハチ公前の電車に行きたい気もするが、まあいいだろ…)テクテク

ーーー
ーー

小宮山「てあれ?これハチ公じゃない?」

もこっち「あ、ほんとだ…」

小宮山「よくみたら、この鎖あそこの電車から延びてない?」

もこっち(たしかに…)

小宮山「…どうする?電車の中見てみる?」

もこっち「えっ?で、でも…少し危なそうじゃない?…」

小宮山「た、たしかに…」

もこっち「ど、どうする?…」

小宮山(…)

小宮山「…よし、見に行こう!」

もこっち「え?」

小宮山(この機を逃したら、ギガロマニアックスついて詳しく知ることができないかもしれないし…)

小宮山「さ、さあ…そうと決まったら行くよ!」

もこっち(…まじかよ)

小宮山「で、どっちが中覗いてみる?…」

もこっち「え?そ、それはあんたが…」

もこっち(てめえが言い出しっぺだろーが!!)

小宮山(正直怖いし…よしここは!)

小宮山「…ね、ねえ?じゃんけんで負けた方が覗くことにしない?」

もこっち「は?」

小宮山「じゃ、じゃあいくよ!!最初はグー!!ジャンケン…」

もこっち「え?ちょ、ちょっと?」

もこっち(この野郎やっぱりクズだった!!)

もこっち・小宮山「ポンッ!!」バッ

小宮山「…」パー

もこっち「…」グー

もこっち(…)

もこっち(え…?)

小宮山「そ、それじゃあ…あんたよろしくね…」

小宮山(昔何かで
「突然ジャンケンを振られると人はグーを出す」
てきいたことあったけど、その通りだったわまじで!!)

もこっち「え…?いや、だって…え…?」

小宮山「だ、大丈夫…ここで見ててあげるから…」

もこっち「はい?」

小宮山「じゃ、じゃあ…がんばってね!!」

もこっち「…」

もこっち(ふざけんな…

短いけど今日はここまでで

もこっち(くそ、何故か窓からは中は全く見えないし…)

小宮山「ほ、ほら!はやく!」

もこっち(このくず…私がギガロマニアックスとして覚醒したら八つ裂きにしてやる…)

もこっち(ええい!もうどうにでもなれ!!)ヒョイッ

セナ「む?」

もこっち「てあれ…?蒼井さん?」

セナ「黒木か…どうした?私に何か用か?」

もこっち「え…あの…」

セナ「…」

セナ「ふむ、なるほどな」

もこっち「え?」

セナ「もう一人もそこにいるんだろ?早く入ってこい」

小宮山「え!?は、はい…?」

もこっち(ああ…私の思考を読んだのか…それにしても便利な能力だな…)

小宮山「そ、それじゃあの…し、失礼します…」

セナ「用件は分かっている、ギガロマニアックスのことについてききたいというんだろう?」

小宮山「え?あ、あの…もしかして、蒼井さん、ですか…?」

セナ「ああ、自己紹介が遅れたなうそうだ、私は蒼井セナ、よろしくな」

小宮山「え?あ、あの…小宮山琴美です…よろしくお願いします…」

セナ「そうかしこまるな、もう少しリラックスしろ」

小宮山「え?す、すみません…」

小宮山(てあれ?さっきまであった鎖が無くなってる?あんな長い鎖、そんな簡単にはしまえないと思うけど…)

>>107
すみませんみすりました

×自己紹介が遅れたなうそうだ

○自己紹介が遅れたな、そうだ

てことでお願いします

いいからはよ

セナ「私の作ったエラーが見えていたのか?」

小宮山「エ、エラー?」

セナ「鎖だ。白い鎖」

小宮山「み、見えました。だってそれをたどってここにきたんですら…」

小宮山「で、でもどこにもない。消えてる」

セナ「私が消した。私の妄想だからな」

小宮山「も、妄想…」

セナ「黒木からきいてるんだろ?私はギガロマニアックスだ」

小宮山「じゃ、じゃあ、あの、ディソードって剣も?」

セナ「おまえは持っていないのか?」

小宮山「も、持ってません…」

セナ「なるほど…」

セナ(…)

小宮山(な、なんだ?考え始めたぞ?)

セナ「窓の外になにが見える?」

小宮山「な、なにって…人しか見えませんけど…」

小宮山(そ、そういえば、あんなに人がいるのに、なぜ誰も入ってこないんだろう)

セナ「完璧な世界が、そこに見えるか?」

小宮山「はい?」

セナ「見えるはずがない。エラーが必ず存在する。すべてのものは、人も含め、電気仕掛けだからな」

小宮山(え、えっと…何の話?)

セナ「なにを見ているか、じゃない。なに見せられているか、だ。」

セナ「人は、身体の外からの情報は五感によって得ているが、その受け取る情報の8割は視覚から入ってくるんだ。そして視覚から得られた映像は、パルス信号になって視神経を通り、脳に送られる」

セナ「VR技術を知っているか?」

小宮山「ええと、どういうものかくらいは…」

もこっち(VR技術…私との話にも出てきたな…)

セナ「仕組みまではしらないのか?」

小宮山「は、はい…」

セナ「なるほどな、まあ、仕組みとしては単純な話だ」

もこっち(そういえば私もくわしい仕組みについては教えられていないな…)

セナ「カメラが映した映像も、脳を流れる神経パルスも、突き詰めれば電気による信号だ」

セナ「要は、神経パルスにコンバートする技術さえあればいい」

セナ「すでにテストは成功している。ある研究チームが特許を取得済みだ」

小宮山(特許って…本当に?)

セナ「このことからわかることがある」

セナ「ある意図的な情報を、神経パルスへコンバートする事ができたら、人の五感すべて、さらには人の意志もコントロールすることが出来るんじゃないか?」

小宮山(そ、そんなことって…)

セナ「さっきも言ったように、人は電気仕掛けだ。脳だけでなく、全身の神経も、電気が通っている」

セナ「つまり、肉体的な動きも、操れるということだ。理論的にはな」

もこっち(恐ろしいな…)

セナ「事実、特許を取得した研究チームもその方向へと研究内容をシフトした」

セナ「あまりに危険な内容だったから、アメリカ大統領からストップがかかったほどだ」

小宮山(まじかよ…)

セナ「だが世の中は、腐った連中ばかりだ。倫理を無視して、自分の利益のために他人を犠牲にするようなやつがゴロゴロしている」

セナ「…全く、反吐がでる」スタッ

もこっち(な、なんだ?突然立ち上がって…)

セナ「いいか、無知は罪だ。知らない方がいいこともある、なんていうのはただの甘えだ」

セナ「世界を疑え。仕組みを知れ。この世界は完璧じゃない」

セナ「ーその目に見えている景色は本物か?」

小宮山「…」

セナ「…では、私は用があるので、またな」

小宮山「え?は、はい…」

セナ「黒木もな」

もこっち「え?は、はい…また…」

セナ「すまない小宮山、道を開けてくれ」

小宮山「え?は、はい!」スッ

セナ「すまないな」スタスタ

もこっち「行っちゃった…」

小宮山「結局なにを言われていたのか、よくわからなかったんだけど…」

もこっち「まあ要は、ある情報を、神経パルス…?っていうものに変換して、他人の脳へ送り込むことができたら、その情報がたとえ嘘でも、その送られた人には、その情報が本当に感じちゃうってことかな…?」

小宮山「うーん…」

もこっち「そ、そうだ。あのさ、蒼井さんが言ってた、VR技術っていうのについて、少し調べてみない?」

小宮山「そ、そうだね…」

もこっち「ちょ、ちょっと待ってね…」スッ

もこっち(ええと、VR技術っと…)チョイチョイ

もこっち(てなんだこれ?英語のサイトばっかだぞ?そういえば、アメリカのチームが研究したとかいってたな…)

もこっち(まあ文系科目は得意だから、英語も少しだけなら読めるし、一応開いてみるか…)

もこっち(てなに?このページはパソコンでしか利用できませんだと!?くそ!!ふざけんな!!)

小宮山「…ど、どうだった?」

もこっち「だ、だめだった…パソコンからじゃなきゃ開けないみたい…」

小宮山「そ、そうなんだ…」

もこっち「…」

小宮山「…そ、それじゃあ…近くにある@カフェの、パソコンルーム使って調べてみない?」

もこっち「え?ま、まあ…別にいいけど…」

小宮山「…じゃ、じゃあいこ!」

ー@カフェにてー

店員「いらっしゃいませー」

もこっち「あ、あの…パソコンルーム、使いたいんですけど…」

店員「二名様でよろしいですか?」

もこっち「は、はい…あ、あの…ドリンクバー、つきで…」

店員「おつれさまは?」

小宮山「え?じゃ、じゃあ…わたしもお願いします…」

店員「こちら開いてるルームになります。どちらのルームになさいますか?」

もこっち「じゃ、じゃあ…ルーム37で…」

店員「わかりました。ルーム37ですね。それではごゆっくりどうぞー」

指定席取られた…

ーPCルームー

もこっち「じゃ、じゃあ、調べてみようか…」

小宮山「どうでもいいけど、なんでこんなドリンクバーから遠い部屋選んだの?」

もこっち「いやここ、近くの席にあまり人が入らなくて、比較的静かなんだよ。たしかにドリンクバーを取りに行くには不便だけどね…」

小宮山「ふーん、まあいいけど…」

もこっち「そ、それじゃあ調べてみよう。ええと、VR技術っと…」カタカタ

小宮山「えっと…これかな?」

もこっち「た、たぶん…」カチッ

小宮山「ええと、なにこれ?英語のサイト?面倒ね…」

もこっち「と、とりあえず、少しくらいなら私にも読めるし、一応訳してみるけど…」

小宮山「私も手伝うよ…」

もこっち「ええと、なになに?United States Patent…アメリカの特許?」

小宮山「あ、あの人の言ってたこと…本当に?」

もこっち「特許…ほんとに認められてる…」

小宮山「し、下の文は…?」

もこっち「ええと、なになに?『アメリカのヴィクトリア・コンドリア大学、精神生理学研究室で、VR技術という画期的な発明がある。これは介護を目的としており、世界中の盲目の人々から注目されている。生まれながらに盲目の人でも、そこに見える景色を見ることができるようになる。その方法は、カメラに写った映像信号を、脳が唯一認識できる神経パルスへと変換。これを脳と繋がる視神経に接続することである。すでにテストは成功している』…」

もこっち「これって、さっき蒼井さんが言ってたことと同じだ…」

小宮山「じゃ、じゃあ、本当に…」

もこっち「…」

このもこっちコミュ力あるな

ー三時間後ー

もこっち(結局あのあと、調べ物が終わったということで、コオロギはエンスーというネトゲ、私はマンガを読んでいる…)

小宮山「だあーちくしょー!下手くそプレイヤーが!!もう少し考えてプレイしろや!!」

もこっち(それにしても大分白熱してるなこいつ…そろそろ帰りたいんだが…)

もこっち(ていうかこいつネトゲ中毒者かよ…しかもこいつによると複数垢持ちらしいし、この白熱っぷり…終わってんなまじで…)

小宮山「ふぅー…とりあえず一段落ついたし、チャットで小休止するか…」

もこっち(てまだいるきかよ!)

小宮山「グリムwwあいつまた訳わかんねーこと言ってやがるwwww」

もこっち(こいつと一緒に来なきゃよかった…)

小宮山「ん?だれだこいつ?」

もこっち(ん?なんだなんだ?)

小宮山「将軍?見たことないな…」

もこっち(知らない奴がチャットにはいってきたってことか…)

小宮山「ておいおい、グリムがいきなり退室しちまったぞ?」

もこっち(なんかこいつ、ネトゲやり始めてひとりごと多くなってねえか?)

小宮山「まあいいか、とりあえず『よろ』っと…」カタカタ

もこっち(しかしあれだけのことがあったのに、よくこのテンションでいられるな…)

小宮山「ん?なんだこいつ?いきなり画像のリンクを貼り付けてきたぞ?」

もこっち(なんだなんだ?)

小宮山「なになに?『the world changes if you click it』?」

もこっち(なぜに英語…)

小宮山「まあ、別にクリックしてもいいか、どうせ自分のパソコンじゃないし」カチッ

もこっち(くずだな…)

小宮山「てなんだこれ!?グロ画像かよ!!」

もこっち(なんだなんだ?)

もこっち(てうわ!!なんだあれ!?人間の頭が切り開かれてる!!しかも中になにも入ってない…おえええ!!あのグロさ…まるでニュージェネ並だぞ!!)

小宮山「くそ!!このやろう!!グロ画像送ってきやがって!!一発文句を…」カチカチ

もこっち(い、いいぞ!!便所コオロギ!!)

小宮山「ええと、『グロ画像貼ってくんな死ね』っと…」カタカタ

もこっち(何のひねりもないな…)

小宮山「送信!!」カチッ

もこっち(こいつ、ネットだと強いタイプか…)

小宮山「てあれ?なんだこの数式? fun10×int40

>>118
すみません最後切れちゃってるので最後の一行からはじめます

小宮山「てあれ?なんだこの数式? fun10×int40

すみませんなぜかわからないけどIr2書き込もうとすると切れちゃうのでちょっと変えます

小宮山「なんだこの数式?Ir2?物理の公式かなにかか?」

もこっち(きいたことないぞ…)

小宮山「なになに?『おどかしてごめん』?ばかやろう!!いいか、ゴメンですめばけいさつはな…」

小宮山「てこいつ!また画像送ってきやがった!このやろう!!またグロか!?」カタカタ

小宮山「てなに?グロではないから安心しろ!?こいつ!もしまたグロ画像だったら…」カチッ

もこっち(結局開くのか…)

小宮山「…え?なんで…え?」

もこっち(どうかしたのか?)ヒョコッ

もこっち(…え?なんでわたしたちが、モニタに写ってるんだ?このパソコンのカメラか?いやこのパソコンのカメラは蓋がされてるぞ…じゃあいったいどうして…)

小宮山「!?」

もこっち「なっ…」

次の瞬間、私達の目はモニタに釘付けになった。最近ではよくきく、流行語になりつつある言葉。そんな言葉が送られてきただけだった。でもそのときのその言葉には、なにか不思議な重みを感じた。その言葉は、

『その目誰の目?』

とりあえず今日はここまでで

=が駄目なのかな?

グリムはともかく、将軍はどういう目的でこみちゃんに?

>>122
将軍はどちらかというとこみちゃんよりもこっちにメッセージを送りたかったという解釈でお願いします
将軍は思考盗撮でもこっちとこみちゃんが一緒にいることはわかっていたので

ー数日後の学校ー

もこっち(結局あのあと、将軍はすぐにチャットから退室して、私達もそのまま解散になった…)

もこっち(それにしてもなんなんだ?あの将軍とかいうやつ…どうやって私達の写真を撮ったんだ?)

もこっち(…もしかして、将軍はギガロマニアックスで、その能力を使って私達の写真を撮ったんじゃあ…)

もこっち(でも一体なにが目的で?私達にギガロマニアックスの素質があるからか?)

もこっち(いやしかし…)ウーム

ガララッ

梨深「やっほー!みんなおっはよー!ビシィ!!」

シーン…

もこっち(な、なんだあの女?あんな女うちのクラスにはいない…はずだよな?だってまず髪の色がピンクの時点で相当目立つし…ひょっとしてあの女、教室を間違えたんじゃあ…)

クラス一同「…」

クラス一同「よっ、おはよー梨深!!」

もこっち(…え?)

リア充A「梨深は朝から飛ばしてんなーww」

リア充B「全く、その元気分けてほしいよ。あたしなんて昨日彼氏と別れて最悪…」

梨深「たはは…恋愛のことは、私にはあんまり分かんないから何ともいえないな…ところで大ちん、タクはまだきてないの?」

三住「そーいやタクおせーなー。そもそも、あいつ今日学校来る日だっけ?」

ワイワイガヤガヤ…

もこっち(な、なんだ?なぜあの女クラスに溶け込んでるんだ?そもそもあいつが入ってきたとき、みんなの反応は完全に「おまえ誰?」状態だったじゃないか!!くそ、周りがおかしいのか?それとも私が…?)

梨深「そういえば私の席ってどこだっけ?」

三住「おいおい、そんなことも忘れたのか梨深?あそこだよあそこ。黒木さんの一個前」

もこっち(なに!?)

梨深「たはは…そうだったね。ごめん、ちょっとボーッとしてて…」

リア充C「ははは!!やっぱ梨深がくると和むなww」

リア充軍団「わははははは!!」

悪魔女キター

もこっち(…なにがどうなってるんだ?)

梨深「黒木さんおはよー!!ビシィ!!」

もこっち「え?お、おはよう…」

三住「おい梨深ー。数学の宿題やったかー?やってあったら見せてほしいんだけど」

梨深「えー!?数学の宿題なんてあったの!?どうしよう、あたしやってないよ…」

リア充C「なんだ梨深もやってねーのか。安心しろ、クラスの半分くらいがやってねーから」

リア充軍団「わははははは!!」

もこっち(それって大丈夫じゃないだろ…)

もこっち(ていうかまてまて!!絶対おかしい!!こんな濃い女が前の席にいたら、いくら私でも絶対覚えてるぞ!!くそ!!なんでこの女がこの教室にいるのが当たり前みたいになってるんだ!?)

梨深「どうしよー…黒木さん、やってある?」

もこっち「え?ま、まあ…いちおう…」

梨深「ごめん!!もしよければ、ちょっと見せてもらえないかな!?」

もこっち「え…?う、うん。ちょ、ちょっと待ってて…」ガサゴソ

梨深「助かるよー。本当にありがとう!!」

もこっち(く、くそ…一体どうなってるんだ?私か?私の方がおかしいのか!?)

梨深「…」

梨深(やっぱり、この子には洗脳が効かないみたい…)

もこっち「は、はい、これ…」

梨深「本当にごめんね!それじゃあ集めるときまでには返すから!!」

もこっち「え?う、うん…」

三住「お、なんだなんだ?もしかして黒木さんやってあったのか?」

梨深「うん!そうみたいだよ!!」

三住「わりい黒木さん!!おれも写させてもらっていいか!?」

もこっち「え?べ、別にいいけど…」

三住「わりい!!恩に着るぜ!!」

もこっち(結局クラスの連中の大半が宿題やってなかったみたいで、今みんなで私の課題を回して写している…)

もこっち(ていうかいくら何でもやってなさ過ぎだろ…カラオケだのゲーセンだの行ってる暇あったら課題くらい終わらせとけっての…)

もこっち(…て!今はそんなことどうでもいいんだった!!)

もこっち(そう、今の問題は、私の前の席の女(咲畑というらしい)が、どうしてクラスに溶け込めているかが問題だ…)

梨深「ほらほら!!裏面も写したいから早く表面写しちゃってよ!!」

リア充B「まってよ梨深!!これでもがんばって写してるんだからさ!!」

もこっち(しかも腹立たしいことに、私よりも断然友達が多い…)

もこっち(ていうか、昨日まで咲畑の席を使ってたやつはどこに行ったんだ?)

もこっち(て…よくみると教室の昨日まで空いてたスペースに席が移動してる…)

もこっち(やっぱりおかしい…おかしいのは私じゃなく、まわりの連中だ…)

もこっち(てあれ?席がもう一つ増えてるぞ?何でだろう…転校生でも来るのかな?)

ガララッ

もこっち(む?)

拓巳「…」スタスタ

もこっち(西條か、そういえばこいつ学校きてなかったから、あの日の帰り以来会ってなかったな…)

もこっち(まあこんなキモオタ、会ったところで別になにもないどな。せいぜい家で星来たんのフィギュアでも眺めてなw)

拓巳「…」ガタッ

拓巳「…」スースー

もこっち(登校して早々寝たふりかよ…)

三住「ふぅー。どうにか全員写し終わったか…ありがとな黒木さん、助かったぜ」

もこっち「えっ?い、いえ…そんな…」

三住「よおータク!お前は課題やってあるか?あれ朝に集めるらしいから、やってないとしたら今のうちに写しとかねーとまじーぞ!!」ポンポン

拓巳「…っ」スースー

三住「ておい?なんだ?人が話しかけてんのに寝たふりか?それともマジで寝てんのか?おーい、タクー?」

拓巳「…」スースー

拓巳(ほっといてよ…)

もこっち(あれやられたとしたらきついだろうな…)

プルルルルルル

もこっち(!?な、なんだ…携帯電話の着信音か…しかしわたしの携帯は今電源切ってあるぞ?てことは、この二人のうちどちらかのやつか…)

三住「えっと、おれのケータイじゃないから…おいタク?ケータイ鳴ってるぞ?」

拓巳「…」スースー

三住「…たく、早くも爆睡モードか?おーいタクー?おーきーろー」ポンポン

拓巳「…っ」スースー

三住「おーい、た…」

梨深「やめなよ、大ちん」

拓巳(!?)

三住「おう梨深。いや、だってよ…」

梨深「きっと、疲れてるんだよ。寝かせてあげよ…ね?」

三住「まあ、そうだな…」

拓巳(この声…悪魔女…!!)

拓巳(ほ、ほんとに、悪魔女はクラスメイトだったのか?いや、そんなはずはない。少なくとも、僕が前に学校にきたときには見てない!!くそ!!どうやって潜り込んだんだ?)

キーンコーンカーンコーン

ガララッ

荻野「はーい、じゃあみんな席ついてーホームルームはじめまーす」

当番「きりーつ、きをつけー、れーい、ちゃくせきー」

拓巳(て!あの女の席、僕の斜め前じゃないか!!やっぱり嘘だ!!さすがの僕でも、こんなに席が近ければ覚えてる!!くそ!!どうしよう…家に帰ればディソードがあるのに…)

もこっち(なんだか今日の西條落ち着きがないな…)

荻野「えー、今日から転校生が入ることになりました」

リア充A「あれ?あの子まじでかわいくね?」

リア充C「わかるわかる。なんか気が弱そうで、守ってやりたくなるオーラ出てるよな」

ザワザワ…

もこっち(ふん!なんだよ!かわいい子がきたからって浮かれやがって…どうせ化粧してスカート短くして、男に媚び打ってるクソビッチだろ!!全く…)チラッ

もこっち(…てあれ?別にそんなことはなかったな…むしろ見た目はそこそこかわいいかもしれん…)

もこっち(て、くやしくねーし!!あんな女のことしか考えてない性欲猿野郎どもに好かれてもなにもいいことねーし!!)

荻野「ほら、折原。みんなに挨拶しなさい」

梢「…っ」

荻野「えーと、どうやら折原は緊張してるみたいね。よし、挨拶はいいわ。みんな、この子は折原梢よ、仲良くしてあげてね」

荻野「折原、席は一番後ろよ、席についていいわ」

梢「…」

梢「…っ」ペコリ、テクテク

もこっち(なんか、この子私みたいだな…)

梢「…」スタスタ

梢「…」ピタッ

拓巳「…?」

もこっち(な、なんだ?西條を見て突然立ち止まったぞ?)

梢(この人、似てる…)

拓巳(え?)チラッ

もこっち(な、なんだ?今の声…)チラッ

拓巳・もこっち(てなんだ!?あの巨大な鉄板みたいなものは!?)

拓巳・もこっち(て、あ…れ…?まばたきしたら、鉄板みたいなものが消えたぞ?目の錯覚か?)

梢(同じクラスでよかった)

梢「…」スタスタ

拓巳(な、なんだったんだ一体?)

もこっち(くそ、どうなってるんだ…)

ー休み時間ー

もこっち(はあ、あのあと結局ホームルームはすぐに終わったな)

もこっち(一限目まであと5分か…暇だし妄想でもしてようかな…)

三住「よおー折原さん!おれ三住っていうんだ!よろしくー!」

リア充A「ねえねえ、折原さんって前はどこの学校だったの?」

リア充C「部活とかやってた?」

もこっち(…ふん、いきなりナンパかよ。ご苦労なこったな…)

拓巳「…」

梨深「タク」

拓巳「…!!」

もこっち(む?そういえば咲畑、こいつについてもまだ謎だったな…)

梨深「具合悪そうだけど、平気?」

拓巳「…っ」

もこっち(たしかに西條のやつ、顔色が悪いな…)

梨深「汗びっしょり。風邪でもひいた?」

拓巳(に、逃げないと…)ガクガク

もこっち(おいおい…大丈夫か西條のやつ?)

梨深「ねえねえ。さっきなに話してたの?」

梨深「すっごく気になるー」

拓巳(は、話してたって…なんのことだよ…)

梨深「転校生」

梨深「あの子がタクの横通るときに、小声でさ。ボソボソーっと」

梨深「もしかして、あの子と知り合い?」

拓巳「…」

梨深「タクってリアルの女の子に興味ないんじゃなかったっけ?もしかしてホントは興味あるの?」

拓巳「…」

梨深「じゃあさじゃあさ。あたしにも興味あったりする?…なんてね。たはは…」

拓巳「…っ!!!」ガタッ

梨深「あっ、タク!?」

拓巳(に、逃げないと…殺される!!)タッタッタッタッ

もこっち(な、なんだなんだ?西條のやつ相当慌ててたが、大丈夫か?)

梨深「タク…」

ー翌日ー

もこっち(くそ、まさか土曜日に学校に行かされるとは…模試なんかなくなれ!!)

もこっち(そういえば今日の模試、西條来てなかったな…昨日もあいつあのまま帰っちゃったし…)

もこっち(昨日のあいつ、明らかに普通じゃなかったが、大丈夫か?)

もこっち(…て、あれ?周りが急に静かになったな…)チラッ

もこっち(…え?渋谷駅前に人がいない?一人も…?)

もこっち(いやいや!!おかしいおかしい!!絶対おかしい!!今何時だ!?夜7時だぞ!?土曜夜七時って、渋谷が一番混雑する時間だろ!?)

もこっち(…て、あれは…)


拓巳(な、なんだよこれ!どうなってるんだよ!!)


もこっち(に、西條!?)

もこっち「…に、西條くーん!!」タッタッタッタッ


拓巳「!?」

拓巳「く、黒木、さん…?」

もこっち「な、なにこれ?どうなってるの?こ、この時間に渋谷に人がいないなんて…」

拓巳「わ、わからない、わからないんだ…なにがどうなってるか…」

ーーキィッ

拓巳・もこっち「!?」

ーーキィッ

拓巳「よ、よかった…人がいた…」

もこっち「う、うん…」

もこっち(しかし誰だろうあれ?車椅子に乗ってるけど、子供…かな?ここからじゃよく見えないけど…)

??「やっと、会えたね」

もこっち(え?)

拓巳(な、なにを、いっているんだ?)

もこっち「え、えっと?…ど、どうして…だれも…いないのか…」

もこっち「あ、あの…あ、あなたは…し、知っていますか…?」

??「知ってるよ」

拓巳「え…」

??「それより」

??「僕のメッセージは受け取ってくれた?」

拓巳「メ、メッセージ…?」

??「君たち二人に両方送ったはずだけど」

もこっち「あ、あの…?」

??「ーその目誰の目?」

??「でしょ?」

もこっち「え?」

>>134
すみません日本語おかしくなってました

×「君たち二人に両方送ったはずだけど」

○ 「君たち二人両方に送ったはずだけど」

てことでおねがいします

拓巳「あ、あの…一体、なにを…」

??「目覚めるんだ、早く」

??「でないと、もっとたくさんの人が死んじゃうことになるから」

ーキイッ

もこっち(ひっ!?な、なんだあいつ!?街灯の下に顔が行ったから、ようやく顔見れたと思ったら…皺だらけじゃねーか!!)

もこっち「あ、あの…あなたは一体…?」

??「僕?」

??「僕は…」

??「将軍だよ」

拓巳(なっ!?)

もこっち(え?…あ、あいつが…将軍!?)

将軍「忘れないで」

ーキイッ

将軍「君たちは、逃げちゃいけない…」

ーキイッ

もこっち「え?ちょ、ちょっと…?」

将軍「…」

ーキイッ

もこっち(い、行っちゃった…)

拓巳「う…」

もこっち(…?)

拓巳「うわあああああああああ!!!」

もこっち(!?)

拓巳「う、うううぅぅ…」ガクガク

もこっち(と、突然うずくまりだしたぞ?そこまで怖かったのか?)

「ータクッ」

もこっち(…?ど、どこから声が?)

「ータクッ!!」

もこっち(!?)

ーバアッ

もこっち(な、なんだ?まばたきしたら、無人だったのが、人でたくさんになったぞ…?)

通行人A「おい、立ち止まってんじゃねーぞ!」

もこっち「ひいっ!!す、すみません!!」スタスタ

通行人A「…てなんだこいつら?邪魔だな…」

もこっち(あ…西條と、となりにいるのは、咲畑…?何であいつがここに?)

梨深「タク…」

梨深「歩ける?歩いて…」

もこっち(く、くそ…私も何となくここで立ち止まってしまったが、通行人の視線が痛い…)

梨深「タク、今は私の言うことを聞いて…」スッ

拓巳「く、くるなぁ!!」バッ

梨深「!?」

もこっち(ど、どうしたんだいきなり?)

拓巳「お、おまえだろ…!!おまえの精神攻撃だろ…さっきのは!!」

拓巳「こ、この、この悪魔女めっ!!」

拓巳「お、おまえなんか…剣で殺してやる!!」

拓巳「ベースに行けば、僕にはディソードが…」

梨深「…っ!」

バチンッ

拓巳(なっ…)ヒリヒリ

もこっち(ビ、ビンタしたぞ…)

拓巳「…ひ、ひいいいい!!」

拓巳(殺される今度こそ殺される!!)

梨深「タクッ!」

ダキッ

もこっち(な…)

拓巳(…え?)

梨深「お願い。今は、あたしについてきて」

梨深「信号、赤になっちゃってるから…」

拓巳「え?…う、うん」

梨深「…黒木さんも」

もこっち「え?は、はい!」

梨深「よし!ここまでくれば安心だね!」

拓巳「え…う、うん…」

梨深「それちしてもびっくりしたー!タクと黒木さんが道の真ん中でぼーっとしてるんだもん!」

梨深「タクなんてうずくまっちゃってるし…信号赤になったときはどうなることかと…」

拓巳「あ、あの、手…離して…」

梨深「えっ?あっ!!ごめんごめん!!さっきから繋ぎっぱなしなの忘れてた!!」バッ

拓巳「ぼ、ぼく…帰る…」

梨深「え?じゃあ送ろうか?具合悪いんでしょ?」

拓巳「い、いや、いい…」

梨深「タク…」

拓巳「…あ、ありがとう」スタスタ

もこっち(…行っちゃった)

>>138
すみませんまた誤字ありました

×それちしても

○それにしても

てことでおねがいします

梨深「…」

もこっち「…」

もこっち(え、ええと…二人きりになってしまったが、正直気まずい…)

もこっち(というか考えてみたら、こいつの得体はまだしれないままじゃないか…さっきのあれを見る限り、悪い人ではなさそうだけど…)

七海「てあれ?梨深さんだ!おーい!梨深さーん!!」

梨深「え?あぁ…な、ナナちゃん!!久し振り!!ナナちゃんも模試帰り?」

七海「はい!それにしてもうちの学校、試験直前に模試入れるなんて、ほんと、やめてほしいですよねー」

梨深「たはは…そうだね。あたしなんて、試験勉強まだなにもしてないよ…」

七海「ナナも、まだ今回の試験対策終わってないんですよ。今からやっても間に合うかどうか…」

七海「てあれ?そこにいるのは、もしかして智子さんですか?」

もこっち「えっ?は、はい…」

七海「お久しぶりです。ナナのこと覚えてます?」

もこっち「え、えっと…西條くんの、妹の…」

七海「よかったー!覚えててもらえてて。そういえば智子さんに梨深さん、こんなところで何してたんです?」

梨深「え?ああ…ちょっとね…たはは…」

七海「そういえば梨深さん、今日はおにいは一緒じゃないんですか?」

もこっち(…?なんだなんだ?咲畑と西條はそんなに仲がいいのか?)

梨深「え?ああ…タクはちょっと、用事があるとかで帰っちゃった…」

七海「ええー?おにいが用事ー?どうせおにいの用事なんて、フィギュア買いに行くかゲームするかのどっちかですよー。全く、そんなんだから彼女もできないのに…」

梨深「たはは…ナナちゃんは手厳しいね…」

七海「今度梨深さんからも、ビシッといってやってくださいよ。ナナが言っても、おにい全然ききませんもん」

梨深「ええと、ごめん…あたしにはタクを怒ることなんてできないよ…たはは…」

七海「もぉー…梨深さんはやさしいんだから…」

もこっち(な、なんだこの会話?この会話きいてる限りだと、まるで西條と咲畑がカップルみたいじゃないか…いや、それはないな…だって西條は咲畑のことを見てものすごく怯えてたし…)

もこっち(し、しかし西條の妹も、咲畑と知り合いなのか…)

七海「そういえば梨深さん、きいてくださいよー、この前おにいがですねー…」

もこっち(しかも大分親しげだな…)

梨深「ええー!?そんなことがあったのー!?」

もこっち(まてよ!どうせなら西條の妹に、咲畑についてきいてみればいいんじゃないか!?)

七海「それだけじゃなくてですね、他にも…」

もこっち(おお!我ながらナイスアイデアだ!よし、そうと決まれば…)

梨深「ええー!?そんなことまでー!?」

もこっち(会話がとぎれたのを見計らって、解散するように提案する!!)

七海「全く、おにいにはほんと困らされてばっかりですよ…」

梨深「たはは…ナナちゃんも苦労してるね…」

もこっち(今だ!!)

もこっち「あ、あの…テ、テストも近いし、そ、そろそろ、解散にしませんか…?」

梨深「え?ああ…そ、そうだね!!ごめんね黒木さん!二人で話し込んじゃって…」

もこっち「い、いえ…」

梨深「それじゃあ、私は家があっちの方だからいくね、バイバイ!!黒木さんにナナちゃん!!」

七海「バイバイ梨深さーん!!また今度ー!!」

もこっち「え、えと…その、さ、さようなら…」

今日はここまでで

乙です

もこっち「…」

七海「…」

もこっち(よし、咲畑は帰った!!)

もこっち(ここまでくればあとは…)

七海「えっと…それじゃあ、ナナも帰ってテスト勉強しないといけないので、そろそろ失礼しますね」

もこっち(なに!?)

七海「それじゃあまた今度」ペコリ

もこっち「え…ま、まって!!」

七海「え?」

もこっち(せっかく咲畑を帰らせたんだ、この機を逃してたまるか!!)

もこっち「え、えと…その、さ、咲畑さんって、どういう人なのか、教えてもらいたいなー、なんて…」

七海「梨深さんですか?」

七海「ええっとですねー…」

もこっち(さあ、どんなやつなんだ!!早く教えろ!!)

七海「いい人ですよ、すごく。だっておにいと仲良くしてくれる女の子なんて、梨深さんくらいしかいませんもん」

もこっち(なに?西條と咲畑はそんなに仲がいいのか?少なくとも西條のあの様子を見る限り、そうは思えないが…)

七海「私が梨深さんと知り合いになったのだって、おにいを通じてでしたからね」

もこっち(…?どうなってるんだ?この子の話を聞く限り、西條と咲畑は大分仲が良さそうだぞ?しかし西條は咲畑を見て…)

七海「…あれ?でもナナと梨深さんが知り合いになったのって、どうやってだったかな…?」

もこっち(え?)

七海「いえ、なんとなくおにいを通じて…っていうのは覚えてるんですけど、いつどこでどうやってとか、そういう詳しいことになると、なんにも覚えてないんですよ…」

もこっち(?ど、どういうことだ?)

七海「あれ?ええっと…あれ?す、すみません。どんなに思い出そうとしても、全然思い出せないんですよ…まるで最初からそんな記憶はないみたいに…」

もこっち(最初からそんな記憶はないみたいに?)

七海「て、あー!!もうこんな時間!!帰って勉強しなきゃ!!すみません智子さん!!思い出せたらまた話しますから、今日のところはもう帰っていいですか!?」

もこっち「え?ああ…だ、大丈夫…ご、ごめんね。テスト前に付き合わせちゃって…」

七海「いえいえ!!そんなことないですよ!!とりあえず梨深さんがいい人なのは間違いありませんから、そこは安心してください。それじゃあ智子さん!またいつか!」

もこっち「う、うん…バ、バイバイ…」

ーその後、もこっちの部屋にてー

もこっち(くそ、結局西條の妹からは、ほとんど収穫が得られなかったな…)

もこっち(まあただ、悪い人でないことは間違いなさそうだな…どうやってクラスに入り込んだのか、とか、気になることは多々あるが…)

プルルルルル

もこっち(む?電話か。まあ私に電話をかけてくれる相手なんて、一人くらいしかいないがな…)スッ

もこっち(やっぱりゆうちゃんか…まあ、誰からも連絡がこないよりは、まだ一人でも連絡くれる友達がいる分、私の方がふつうのぼっちより上もだな。もっとも私がギガロマニアックスとして覚醒すれば、もうこんなレベルの低い争いもしなくてよくなるんだけどな、今のうちに下々の生活を楽しんでおくか…)ピッ

もこっち「もしもし、ゆうちゃん?どうしたの?」

ゆう『もしもしもこっち?いやこの前話したファンタズムのことなんだけどね…』

もこっち(うっ…ファンタズム…考えてみれば、やつらのおかげでニュージェネについて詳しく知る羽目になってしまったんだったよな…)

ゆう『今度ファンタズムのライブに彼氏と行く予定だったんだけど、彼氏が急に行けなくなっちゃったみたいなんだー。それでチケットが一枚余っちゃってるんだけど、よければもこっちこないかなーって思って…』

もこっち(…彼氏と行く予定だっただと?くそ!!このビッチめ!!)

もこっち(…っていかんいかん!!私はギガロマニアックスなんだ!!いつか能力を使えるようになれば、彼氏なんて好きなだけ作れるんだ!!それまでの辛抱だ。むしろ今のうちにソロプレイを楽しんでおかねばと考えるんだ!!)

ゆう『ええっと…もこっちー?』

もこっち「えっ!?ああ、ごめんごめん!!ちょっと考えごとしてて…それで、何の話だったっけ…?」

ゆう『ええっと…まあ平たく言えば、今度のファンタズムのライブにこないかって話』

もこっち(ライブか…あんまり人の多いところは好きじゃないが、せっかくだし行ってみるか。ゆうちゃんによれば、ボーカルのFESがディソードみたいなものを持っていたらしいしな…)

もこっち(それに何より、友達と話題のバンドのライブに行くなんて、いかにもリア充のすることらしいもんな!!今のうちにソロプレイを楽しんでおくことも重要だが、リア充生活の予行演習もやっておかねば…)

もこっち「うん、わかった。行くよ。何日の何時から?」

ゆう『え?きてくれるの?ありがともこっち!!えっと日時はね、22日の午後6時からだって。場所は駅前のGIGANTESってライブホールみたいだけど、大丈夫かな?』

もこっち(あそこか…まあその時間なら、学校からも帰ってこれるだろうし、多分大丈夫だろ…)

もこっち「うん、大丈夫。じゃあ、その日の五時半くらいに、ハチ公前の電車に待ち合わせにしよう…」

ゆう『うん、わかった!楽しみにしてるね、それじゃまたねもこっち!』

もこっち「う、うん、バイバイ…」ピッ

ツーツー

もこっち(ふむ、ファンタズムのライブか…)ゴロリッ

もこっち(…)

もこっち(…それにしても、あの人がだれもいなかった渋谷は、一体何だったんだ?私と西條で幻覚でも見ていたのだろうか…)

もこっち(…)

ーーー

将軍「僕?」

将軍「僕は、将軍だよ」

ーーー

もこっち「…っ!!」ゾクッ

もこっち(…く、くそ!!いや幻覚を見ちまった!!個人的にはあの将軍とかいうやつに謝罪と賠償を請求したい気分だ!!)

もこっち(て、あれが幻覚だとしたら、将軍とかいうやつもいないのか…だから謝罪も賠償も請求できない…)

もこっち(いやでも、小宮山とのチャットには、たしかに将軍というハンドルネームを使ってる奴が存在した。そして私たちの写真を…)

もこっち(…)

もこっち(…薄々自分でもわかってる。あれは絶対幻覚なんかじゃない)

もこっち(そしておそらく、咲畑はなにかを知っている…)

もこっち(次の学校で、咲畑にきいてみようか…いやしかし、咲畑は悪い人ではないことはわかったが、得体の知れない存在であることには変わりない。くそ、一体どうすれば…)

もこっち(…)

もこっち(ここで考えても仕方ないな。とりあえず最近あんまり寝てなかったし、今日はゆっくり寝よう。考えるのはそれからだ)

もこっち(よしそうしよう、それじゃ寝るとするか…)

もこっち「ええと、電気を消して…」カチッ

もこっち(…)

もこっち(寝るか…)

もこっち「…」

もこっち「…」スースー

>>148
すみませんミスがありました

×いや幻覚を見ちまった

○いやな幻覚を見ちまった

でおねがいします

ーーー
ーー

もこっち「…」パチッ

もこっち(…?ど、どこだここは?私は確か、自分の部屋で寝ていたはず…)

もこっち(周りが暗くてよく見えない、とりあえず起き上がって…)

もこっち(…)

もこっち(…え?なんだこれ?何で私の下半身がないんだ?)

もこっち(え?う、嘘だろ!?な、なんだよこれ!!どうなってるんだ!!よく見たら、腹から下が切断されてるじゃないか!!)

もこっち(う、嘘だ嘘だ!!だって、私が寝る前は、私は五体満足で…自分の両足で立って、自分の部屋の電気を消したんだぞ!?)

??「残念だったね…」

もこっち(え…?だ、誰?)

??「あなたはとうとう、目覚めることはできなかった…」

もこっち(だ、誰だ!?何を言ってるんだ!?)

??「まあでも、当初の予定より、大分多くのギガロマニアックスが覚醒してくれたし…」チャキッ

もこっち(な、なんだ?あのいびつな、鉄板みたいなものは…ディソード、なのか…?)

??「おそらく、あなたのコードサンプルはなくても大丈夫そう…」

もこっち(こ、コードサンプル?なんのことだ?)

??「それに、あそこにいる、あなたの友達も、すぐにそっち側に送ってあげるから…」

もこっち(と、友達?)

ゆう「は、はぁ…はぁ…も、もこっち…」

もこっち(ゆ、ゆうちゃん!?ひ、ひどい…何であんな血だらけに…)

??「だから、安心して死になさい…」チャキッ

もこっち(な、なんだよこれ…夢、だよな?)

??「さようなら…」ブンッ

ゆう「え、や、やだ…もこっち…?」

もこっち(こ、これは夢だ。これは夢だ、これは夢だこれは夢だこれは夢だ…)

もこっち「これは、夢だ!!」

ゆう「もこっちー!!」

グチャッ

ドバーッ

ープツンッー

もこっち「ひっ!!!」ガバッ

もこっち「…」

もこっち「え?」

チュンチュン、チュンチュン

もこっち(な、なんだ…夢、だったのか?)

もこっち(…)

もこっち(ゆ、夢でよかったー!!)

もこっち(し、しかし何だよあの夢!!怖すぎんだろ!!私の人生において余裕でワースト一位の悪夢だぞ!?)

もこっち(…考えてみればここ最近、現実離れしたことの連続で、少し精神が不安定だったからな)

もこっち(しかし今日は日曜なのに、こんなに早く目覚めしまった…仕方ない、朝ご飯食べて、テスト勉強でもするか…)スタッ

もこっち(…)

もこっち(それにしてもさっきの夢、すごいリアルだったな…なんか、絶望感とか、恐さとかが…)

もこっち(しかもなんでゆうちゃんが出てくるんだよ…全く…)

もこっち(まあ、もうさめてしまった夢のことは忘れよう、そんなことより、テストがもう近いんだった…)スタスタ

黒木母「あら?今朝は早いのね」

もこっち「ああ…うん。目が覚めちゃって。それよりテスト勉強したいから、早くご飯頂戴」

黒木母「はい、ちよちょっと待っててね…」

>>151
すみませんまたミスりました

×「はい、ちよちょっと待っててね…」

○「はいはい、ちょっと待っててね…」

てことでおねがいします

ー22日、午後五時、ハチ公前の電車前ー

もこっち(くそ、さすがに早くきすぎたな…)

もこっち(まあしかし、私たちの学校は今日テストが終わったので、気楽なことこの上無いのだ!!)

もこっち(…てここ、そういえば蒼井さんのいるところじゃないか…電車の中を見る限り、今日はいないようだが…)

もこっち(…ん?)

梢「…」トボトボ

もこっち(あれはたしか、うちのクラスの転校生の…名前は折原とか言ったか?こんなところで何をしているんだ?あいつも家がこの辺なのか?)

ちょっとキリが悪いけど今日はここまでで


面白いなこれ


>>150は誰なんだ…ただ妄想トリガー引いちゃっただけか?予知?
そういえば22日は優愛襲撃とふたりのあやせの日だったか
うん、色々と展開楽しみだわ

ごめん、それ俺だわ

>>157
オ、オマエダタノカ

もこっち(まあそんなことはどうでもいい。ゆうちゃん来るまで暇だし、妄想でもしてよっかな…)

もこっち(私は智子、普段はごく普通の高校生を演じているが、それはあくまで世を忍ぶ仮の姿。その正体はこの世界のどこかに潜む幻魔皇を討伐すべく天上界より派遣された使徒であり、高校生の仮面を被って幻魔皇をさがしている。「幻魔皇はまだ見つからないのか…」私はそう吐き捨て街を見下ろし…)


DQN男A「よおそこのきみ!今ちょっとヒマ?」

もこっち(ん?)

DQN男B「おれらちょっとヒマなんだよー。ヒマならちょっと相手してくんねー?」

梢「…っ!?」

もこっち(あれは、転校生が絡まれている、のか…?し、しかしどうする、相手はどう見てもDQN軍団だし、まわりの人間はみんな見て見ぬふりしてるし…)

DQN男C「…なあ。さっきからだんまりこいてねえで、何とか言ったらどうなんだ?それともなんだ?無言の了承と受け取っていいのか?」

梢「…っ」

DQN男A「…なんだこいつ、話になんね。まあいいか、とりあえず、そこの路地裏つれてくぞー」

もこっち(なっ!?)

DQN男C「はいよー。てわけなんで、とりあえずついてこいや」ガシッ

梢「…っ!!」ブンブン

DQN男C「てこいつ、抵抗すんな!!はやくついてこい!!」

通行人一同「…」

もこっち(く、くそ!!なんでどいつも見て見ぬ振りをしてるんだ…誰か助けに…)

もこっち(…)

もこっち(くそ!なんでだれもあの子を助けに行かないんだ!!もし私が、もし私がギガロマニアックスとして覚醒していれば!!)

>>159
すみませんまた間違えました

× なんでどいつも見て見ぬ振りをしてるんだ

○なんでどいつもこいつも見て見ぬふりをしてるんだ

でおねがいします

もこっち(…て、もう転校生つれてかれちゃった!!)

もこっち(ど、どうしよう…とりあえず、交番にでも駆け込むべきか?)キョロキョロ


セナ「…ん?もしかして、そこにいるのは黒木じゃないか?」

もこっち(え?ああ…蒼井さんか…)

セナ「どうした黒木?なにか慌てているみたいだが…」

もこっち(…あっ!!そうだ!!ギガロマニアックスの蒼井さんなら…)

もこっち「あ、あのっ!!蒼井さんっ!!つ、つい今さっき…私のクラスメイトの女の子が…わ、悪そうな男の人たちに、路地裏に連れていかれちゃって!!」

セナ「なにっ!?それは本当か!?」

もこっち「た、たすけなきゃって思ったんですけど…な、なにもできなくて…ど、どうしていいか…」

セナ「今はそんなことはどうでもいい!!どこの路地裏だ!?」

もこっち「え、えっと…あそこの…」

セナ「あそこだな!」ダッ

もこっち「えっ!?あ、蒼井さん!!ちょ、ちょっと待って…」ダッ

セナ「…っ」タッタッタッタッタッ

もこっち「あ、蒼井、さん!!ちょ、ちょっと…」タッタッタッタッタッ

セナ「…」ピタッ

セナ「ここだな?黒木」

もこっち「…え?は、はい…」ゼエッゼエッ

セナ「おまえはここで待っていろ、いいな?」

もこっち「…へ?は、はい…」

セナ「…」スッ

セナ「おいおまえたち!今すぐその子から手を離せ!!さもなくば…」

セナ「…」

セナ「…え?」

もこっち(な、なんだ?蒼井さんが急に黙っちゃったぞ…なにかあったのか?)ヒョコッ

もこっち(…)

もこっち(な、なんだあれは?私はてっきり、DQNたちに転校生が襲われているかも、くらいに思っていたのに…)

もこっち(でも目の前に見えているのは…私の想像と全く違う。DQNたちが全員腰を抜かしていて、その前に転校生が巨大な鉄板のようなものを持って立っている…)

もこっち(そういえば、あの転校生、転校してきた日も、たしかあんなようなものを…)

梢(転校生じゃーないよ!!こずぴぃは、こずぴぃだもーん!!)

もこっち(…っ!?な、なんだ今の声?頭の中に直接…?)

梢(それより、お兄さん達三人、悪い人、なーんだよね?じゃあ、殺しちゃってもいいのら♪)ジャキッ

DQN軍団「ひ、ひいいいいいいい!!」

梢(そーれじゃあねっ…)スッ

DQN軍団「ひ、や、やだ…やめて…お願い…」グスッ

もこっち(な、なんだ?どうなってるんだ?…って!!そんなこと言ってる場合じゃない!!とりあえず、どうにかして止めないと…)

もこっち「あ、あの、ちょっと…」

セナ「よせ」スッ

梢(うぴ?)ピタッ

もこっち(あ。蒼井さん…)

セナ「やりすぎだ」

梢(えー?でも、悪者だよー?この人たちー…)

セナ「…」

セナ「そこで見ていろ…」ジャリッ

もこっち(な、なんだ?どうするつもりだ?)

DQN軍団「ひっ…た、助けて…」

セナ「…」

ーカッー

DQN軍団「…え!?あっ…」フラッ

ドサッ!

もこっち(ん?な、なんだなんだ?こいつら突然倒れたぞ?どうしたんだ?)

セナ「いくぞ、黒木。…と、梢でいいのか?」スタスタ

梢(うぴ?な、なんで?なーんでこずぴぃの名前わーかったの?教えて!おーしーえーてー!)スタスタ

もこっち(え、えっと…こいつらはほっといていいのか?…)スタスタ

短めですけど今日はここで終了で

毎回訂正するくらいなら推敲くらいすれば?

>>165
そうですね、以後気をつけていきたいと思います
ご指摘ありがとうございました

ーハチ公前ー

セナ「ふう、ここまでくれば、もういいだろう」ピタッ

もこっち(結局、DQNたちは放置してきてしまったが大丈夫なのだろうか…)

梢(ねえねえ、なーんでこずぴぃの名前分かったのー?教えて!!教えてってばー!!)

もこっち(しかし、さっきから頭に響く、このバカみたいな声は何だ…)

梢(バカって言った!?今バカって言った!?ひーどーいー!!こずぴぃ、バカじゃないもーん!!)

もこっち(なに?何故私の考えたことが…)


セナ「…」

セナ「お前だろう?この声の主は」

梢(うぴ?)

もこっち(え?この声の主は転校生…だって?いやいや、そんなわけないだろ。こんな陰気そうな奴がこんなにハキハキと…)

梢(あー!まーたひどいこと言ったー!!こずぴぃ、陰気なんかじゃないもーん!!)プンスカ

もこっち(な、なに?また私の考えたことが…まさかとは思うが、蒼井さんの時みたいに、また思考を読まれたりしてないだろうな?)

セナ「そのまさかだ、黒木」

もこっち(え?)

セナ「薄々勘付いているだろ?この子はギガロマニアックスだ」

もこっち(なに!?)

セナ「最も、少し変わったタイプであるようだがな…」

梢(ねえねえ、そんなことより、なんでこずぴぃの名前わかったのー?教えてってばー!ねーえー!)

セナ「そうか、そういえばまだ教えていなかったな。よし、説明してやろう」

もこっち(…何が何だかわからない)

(説明省略)

セナ「と、いうわけだ」

梢(へえー!!じゃああなたもこずぴぃと同じ、ギガロマニアックス…っていうものなの!?)

セナ「そういうことだ」

梢(やったー!!お仲間さんだー!!)

セナ「そ、そんなにうれしいのか?」

梢(うんうん!だって今までこずぴぃみたいな力を使える人と、会ったことなかったんだもーん!)

セナ「…フッ、そうか」

もこっち(蒼井さん嬉しそうだな。もしかしてあんまり友達とかいないんじゃあ…)

梢(?蒼井しゃんって、この人のことー?)

もこっち(なにっ!?はっ、し、しまった!!私が考えていることはダダ漏れだったのを忘れていた!!)

セナ「梢、黒木が何か言っていたのか?」

梢(んー?えーっとねえ…)

もこっち「い、いえっ!!何でもありません!!ほ、ほんとに何でもありませんから!!」

セナ「?…そうか、なら別にいいんだが…」

もこっち(あぶねえあぶねえ…)

梢(ねえねえ、あなた蒼井って名前なのー?)

セナ「ん?ああ、そういえば名乗るのが遅れたな。私は三年の蒼井セナ、よろしくな」

梢(よーろしく!!セナしゃんって呼んでもいいかなー?)

セナ「ああ、構わないぞ」

梢(やったー!!こっちに来てから初めての友達だー!!よろしくね、セナしゃん!!)

セナ「ああ、こちらこそよろしくな」

もこっち(…)

もこっち(こいつのノリについていける気がしない…)

梢(それで、えーっと…あなたは智子しゃんでよかったっけ?)

もこっち「え?何で、私の名前…」

梢(クラス一緒だし、一応名前くらい覚えてるよ!まあ、こうして話すのは初めてな気がするけど…まあとにかく、これからよろしくね智子しゃん!)

もこっち「え?えと…よろしく…」

梢(ねえねえ!智子しゃんは、こずぴぃとお友達になってくれる!?)

もこっち「えっ?べ、別にいいけど…」

梢(やったー!!二人目のお友達だー!!よろしくね智子しゃん!!)

もこっち「う、うん…よろしく…」

もこっち(しかしこいつ、ええと、こずぴぃとかいったっけ?見た目と性格のギャップが激しすぎるだろ…)

梢(智子しゃんだって、あんまり人のこといえないんじゃないんじゃないかなー?)

もこっち(…)

もこっち(こいつの前では何も考えない方がいいかもな…)

梢(あ、そうだ、ちょっと待っててね…)ガサゴソ

もこっち(む?な、なんだ?)

梢(ええっと、あった!これ!)スッ

もこっち(?な、なんだあれ?飴玉か?し、しかしどうしたんだ?いきなり飴玉を差し出してきて…くれるってことか?)

梢(うん!そうだよ!お友達になってくれた人には、必ずあげることにしてるの!)

もこっち(まあ、くれるっていうならもらっておくか)

もこっち「あ、ありがとう…」

梢(どういたしまして!ほら!セナしゃんも!)

セナ「いいのか?ではありがたくもらっておこう」

梢(えへへへー。友達だ友達だー!)

もこっち(相当嬉しそうだな…まあ、私と友達になれて喜んでくれてるっていうなら、別に悪い気はしないけど…)ペロッ

もこっち(む…なかなかうまいじゃないか…)ナメナメ

セナ「うむ…なかなかおいしい飴玉だ。なにか礼をしなくてはだな…」

梢(いいですよお礼なんて。友達、でーしょ?)

セナ「そういう問題ではない。何かをしてもらったら、何かをしてあげるのが礼儀というものだ」

もこっち(お礼か…私も何かしたほうがいいのかな…)

セナ「そうだ梢、お前、ガルガリくんは好きか?」

梢(え?ガルガリくん?なーにそれ?)

セナ「ガルガリくんを知らないのか?」

梢(うん、こずぴぃ知らないなー…)

もこっち(珍しいな…)

セナ「な、なんてことだ、なんてことだ…」

もこっち(?どうしたんだ蒼井さん…)

セナ「ガ、ガルガリくんを知らない?ガルガリくんを知らない?…」

もこっち(え、えっと…大丈夫かこの人?)

もこっち「あ、あの…蒼井さん?す、少し落ち着いて…」

セナ「これが落ち着いてなどいられるか!!!」

もこっち「ひぃっ!!」ビクッ

セナ「ガルガリくんを知らないだと!?それではガルガリくんを知っている人と比べて、人生を実に90パーセント近く損している!!」

もこっち(…そんなことはないと思うけど)

セナ「梢!!今から私がガルガリくんの美味しさについて教えてやるから、よくきいておけ!!いいか!?ガルガリくんというものはだな…」

梢(わーなになに?おもしろそうなのらー♪)

もこっち(…蒼井さんが壊れた)

キャンディさんは鞄を漁って偶然出てきたからあげただけで
友達にあげるのはぶちゅぶちゅさんじゃ……
まぁ、初めての友達だしなにをあげるかは今決めたとかでいいか

>>173
すみませんミスでしたそんな感じで脳内保管お願いします

ーーーー
ーーー
ーー

セナ「つまりこのことから分かるようにガルガリくんはソーダ味が最高でありそれ以外の味は邪道で…」

梢(ほえー)

もこっち(もう10分間もガルガリくんについて語ってるぞ…蒼井さんの意外な一面をみた気がする…)

セナ「そしてさらにガルガリくんの当たり棒が当たる確率は…」

もこっち(しかしよく話すネタが尽きないな…どんだけガルガリくん好きなんだよ…)

セナ「…というわけでガルガリくんの当たり棒にはすばらしい価値があるのだ!」

梢(わぁーなるほどなるほど!!)

セナ「だがしかし!!最近巷ではガルガリくんの当たり棒のサーチが横行している!!全く反吐がでる!!自分の実力以外で当てた当たり棒になど価値はない!!」

もこっち(ガルガリくんの当たり棒のサーチなんてあんのか!?)

梢(セナしゃんセナしゃん、こずぴぃセナしゃんの話聞いてたら、そのガルガリくん、食べたくなってきちゃったのら…)

セナ「ふんいいだろう!私が何本でもおごってやる!さっきの飴玉のお礼だ!さあいくぞ黒木!みんなでガルガリくんを食べようじゃないか!」

もこっち「え、えと、あの…」チラッ

もこっち(今は25分か…ゆうちゃんとは30分に待ち合わせだから、ここにいた方がいいだろ。今の蒼井さんには、あんまりついて行きたくないしな…)

もこっち「あ、あの、すみません…友達と30分にここで待ち合わせで…」

セナ「な、なに?ほ、本当か…」ゼエッゼエッ

もこっち(どんだけ白熱してたんだ…)

梢(じゃあしょうがないのら♪セナしゃんセナしゃん、はやくガルガリくん食べにいきましょーよー)

セナ「む?そ、そうだな…」ハアッハアッ

梢(ていうことでばいばい智子しゃん♪またあーしーたー♪)

セナ「…ふう。で、ではな黒木。また今度…」

もこっち「え、えと、はい。さ、さよなら…」

もこっち(…)

もこっち(行ったか…)

もこっち(しかしあのこずぴぃ、なかなか強烈なキャラをしてたな…)

もこっち(そもそもこずぴぃってどうなんだこずぴぃって。このあだ名で呼ぶと呼んでるこっちまで恥ずかしくなってくるじゃないか…)

もこっち(しかもあいつ、常時他人の思考を呼んでいるらしく心の中でも下手なことが言えない…)

もこっち(…まあ、悪い奴ではないだろうがな)

もこっち(…)

もこっち(てあれ?あそこにいるのは…)

拓巳(ふひひ、テストも終わったし、今日から遊びまくるぞ。しかし優愛め…なにが話がしたいだよ…どうせまた、僕がニュージェネの犯人とかいう、意味の分からない妄想垂れ流してくるだけだろ。全く、探偵気取りは構わないけど、僕を巻き込まないでほしいね…)

もこっち(西條か。そういえばやつとは、学校で顔をあわせることがあったとはいえ、あの将軍の一件以来話してなかったな。やつもなにか将軍とは因縁があるのだろうか…)

もこっち(そういえばあの日の夜に見たあの夢…)

もこっち(ゆうちゃんが血だらけで泣いてて、私の下半身が切断されてた夢…)

もこっち(くそ!!何であんな夢をいつまでも覚えてるんだ、あんなのはただの悪い夢だ。そうだ、ただの夢なんだ、早く忘れよう…)

ゆう「もこっちー!!」

もこっち「!?」

ゆう「お待たせー!!ごめんね遅くなって…待たせちゃったかな?」

もこっち「い、いや…そ、そんなこと、ない、よ…」

ゆう「…もこっち?」

もこっち(バ、バカか私は!?あの夢をみたあとも、何度もゆうちゃんとはメールや電話したじゃないか!!何を心配しているんだ…バカバカしい!!あんなのは悪い夢なんだ、早く忘れてしまえばいいんだ…)

ゆう「えっと…大丈夫?顔色悪いけど…具合でも悪いの?」

もこっち「え?い、いやいや大丈夫!!大丈夫だから!!ね?そ、そんなことより、早くいこ!?ライブってたしか、六時からでしょ!?」

ゆう「え?う、うん…」

もこっち「じゃ、じゃあ、あんまり時間ないし、早くいこ!?もし遅れたりしたら、勿体ないしさ!!」

ゆう「う、うん。そうだね…」

もこっち「じゃ、じゃあ!出発!!」スタスタ

ゆう「あっ、ま、待ってよもこっち…」スタスタ

ゆう「…」スタスタ

ゆう(もこっち…)

ーライブハウスー

ワイワイガヤガヤ…

もこっち「い、いやー…さすが今話題のバンドなだけあって、ものすごい人の量だね…」

ゆう「うん…」

もこっち「…ゆうちゃん?ひょっとして、まだ気にしてる?わ、私は本当に大丈夫だからね…?」

ゆう「え?あ…うん。わ、わかってるよ…」

もこっち「ゆ、ゆうちゃん…?」

ゆう「あ…フェ、FESがでてきたよ!!もこっち!!ス、ステージの方見てごらん!?」

もこっち「え、ああ…うん…」チラッ

もこっち(てあれ?あ、あの人…)

あやせ「今日は、なぜだかとても調子がいいわ…」

あやせ「世界がとても澄んでいる」

もこっち(た、たしか、学校でディソードを持ってた…岸本、だっけ?)

あやせ「コキュートスへの門が閉じているからかもしれない」

もこっち(ていうかあの人、さっきから発言が電波じゃないか?)

あやせ「もう私からは、予言の詩は失われてしまったけれど…」

あやせ「それでも、私は歌うわ…」

あやせ「君たちのカオスを、受け入れてあげる…」

もこっち(…うん!まちがいない!!あれは電波だ!!)

あやせ「それじゃ一曲目…」

あやせ「『密教の首飾り』」

(前奏)

観客「ワーワー!!」

もこっち(てうるさ!!みんなこんなとこにいて耳がおかしくならないのか?)

あやせ「 捧げられた…」

もこっち(よ、ようやくボーカルの出番か…)

あやせ「血の半分…」

もこっち(ていうかゆうちゃんは…て!!ほかの客と一緒でノリにノってやがる!!)

あやせ「水盤に、まき散らして…」

もこっち(てこの曲…たしか集団ダイブの…)

あやせ「契約には、謳われない、背くことへの境界は…」

あやせ「目には見えない、不思議な視線で、見下ろされた瞬間、支配者は、主のごとく、不気味にあざ笑う…」

ジャジャーン

あやせ「月夜の、光が、示された、従者よ!」

もこっち(うっ、こ、この歌詞は…)

あやせ「この場所へ、つながる、幻の道…」

もこっち(集団ダイブの予言の詩…)

あやせ「叫びは!いつしか!沈黙に、変わって…」

もこっち(しかしなんて暗い曲だ…よく見たら客席も静まり返ってるじゃないか…)

あやせ「落ちてゆく、安息。風に手と、手を、つないで…」

(間奏)

観客「…」

あやせ「…ふう」ユラユラ

あやせ「…」ピタッ

あやせ「…」ジーッ

もこっち(…?な、なんだ?私を見てる、のか?)

もこっち(てあれ?いつの間にディソードを取り出したんだ?まわりの人間の様子から察するに、あのディソードはリアルブートされてない、のか…?)

もこっち(そういえばゆうちゃんは、ディソードが見えるんだっけ…よしここはゆうちゃんに…)

もこっち「ね、ねえ、ゆうちゃん。あれ、FESの手に…」

もこっち「…」

もこっち「ゆ、ゆうちゃん…?」

もこっち「…」

もこっち「てあれ?ここはどこだ?私はたしか、ライブハウスにいたはずなのに…」

もこっち「…?ど、どこだここは?学校の、屋上?」

もこっち(なんでこんなところに…?)キョロキョロ

もこっち(てあのフェンスの向こうにいるのは、岸本、か?あ、あんな危ない場所で何を…)

あやせ「…」

あやせ「還りたかった、大いなる意志が住む、もうひとつの世界に…」

もこっち(…?一体、何を?)

あやせ「そのために、心を切り刻んで、全部受け入れたわ、混沌の器としての、夢を…」

あやせ「だけど、グラジオールの胎動が活発化している…」

あやせ「もう、時間がないのに、見つからない、見つからないのよ、天国の扉も、賢者も、導き手も、七つの神罰も」

あやせ「黒騎士の伝説は本当なの?」

あやせ「詩はもうたくさん歌ったわ、それで足りないって言うなら、ねえ、大いなる意志よ…」スッ

もこっち(両手を広げたりして…まさか…)

あやせ「私は、飛ぶわ」

もこっち(やめろ)

あやせ「お願い、この器は、差し出すから」

あやせ「魂を、連れて行って」

もこっち(やめろ)

あやせ「ー還るべき」スッ

もこっち「まっ…」

あやせ「ー場所へ」グラッ

もこっち「待って!!」ダッ

あやせ(ああ、風が気持ちいい…)ゴオオオ

あやせ(…?あの扉は?…ああ、そういうこと、あの扉の向こうに…)

もこっち(く、くそ!もう落ちちゃってる…私が手を伸ばしても、届かない!!)

あやせ(ー私の求める)

もこっち(やめろ)

あやせ(ー空が)ゴオオオ

もこっち「やめろおおおおお!!!」

グチャアッ

ビチャーッ

もこっち「うわああああああああ!!!」

ープツンッー

もこっち「はっ!!」パチッ

ゆう「…?ど、どうしたの?もこっち」

もこっち「こ、ここはどこ!?FESは!?FESは!?」

ゆう「え、えっと?落ち着いてもこっち。ここはどこって、ここはライブハウスだよ。私ともこっちで、ファンタズムのライブを見に来たんだよ?」

もこっち「え…フェ、FESは!?」

ゆう「えっと…今ちょうど全部の曲が終わっちゃって…もう奥に戻っちゃったけど…」

もこっち「い、生きてる…?」

ゆう「え?生きてる?って、どういう意味?」

もこっち「学校の屋上から飛び降りたり、してない…?」

ゆう「え?そ、そんなことは、ないと思うけど。だってFES、ライブが終わるまで、ずーっとステージの上で歌ってたし…」

もこっち「そ、そっか。そうだったね…」

ゆう「ええっと、なにかあったの?もこっち」

もこっち「う、ううん!!大丈夫大丈夫!!ただちょっとぼーっとしてて…」

ゆう「そ、そう…」

もこっち「そ、それじゃあ、ライブも終わったみたいだし、帰ろっか」

ゆう「そ、そうだね」

今日はここまでで

ーーーー
ーーー

もこっち「きょ、今日はチケットありがとね、ゆうちゃん」

ゆう「うん…」

もこっち「…」

ゆう「あ、あの、もこっち?も、もしかして、何かあった?」

もこっち「え?な、なんで?」

ゆう「いや、今日のもこっち、なんかいつもと違ったから…」

もこっち「え?い、いや、何でもないよ。ただちょっと、テストが終わったばっかで疲れてただけだから…」

ゆう「そ、そう。ならいいんだけど…」

もこっち「そ、それじゃあねゆうちゃん…また今度…」

ゆう「え?う、うん…ま、またね…」

もこっち(…)

もこっち(はあ、結局今日は、ずっとゆうちゃんに気を使わせてしまったな…)

もこっち(くそ、これというのもすべて、最近私の周りで起きてる現実離れしたことが原因だ…)

もこっち(ギガロマニアックスとして覚醒さえすれば、こんな悩みからも解放されるのに…)

もこっち(てまてよ?今までギガロマニアックスとして覚醒覚醒言ってきたが、ギガロマニアックスとして覚醒するには、一体何をすればいいんだ?)

もこっち(そういえばギガロマニアックスは、みんなディソードを持っているな…ディソードを手に入れれば、ギガロマニアックスとして覚醒できるのか?)

もこっち(いやでもどうやって…私はあんなもの持っていないぞ…)

もこっち(いやまてよ?ギガロマニアックスはみんな何もないところからディソードを取り出していた…ということは…)

もこっち(私も同じことができるんじゃないか…?)

もこっち「…」スッ

もこっち(ええと…現れろ!!私のディソード!!)

シーン…

もこっち「…」

もこっち(だめだ、何も起こらない…)スッ

もこっち(くそ、私にはギガロマニアックスの素質があるんだろ?何だ?何が足りないんだ?)
もこっち(…考えても仕方ないな。今度蒼井さんにでもきいてみるか)テクテク

もこっち(む?@カフェか…そういえば聖女タイムのマンガ版、新刊出たんだったな…)

もこっち(この前アニメ見てみたら、アニメはクソつまらなかったが、マンガはそこそこ面白いんだよな。まあテストも終わったし、ちょっと@カフェ寄って読んでくか…)

ー@カフェ内ー

店員「いらっしゃいませー」

もこっち「え、ええと…パソコン、ルーム…ド、ドリンクバー、つきで…」

店員「わかりました、こちら空いてるお部屋のリストになります、どちらのお部屋をお使いになりますか?」

もこっち「え、ええと…」

もこっち(てあれ?ルーム37が使われてる?私以外にも、あの部屋使う奴いたのか…37が使えないとすると、どこにしよっかな…)


拓巳「はあっ、はあっ、はあっ」タッタッタッタッタッ

もこっち(ん?な、なんだ?あの猛ダッシュでこっちに向かってくる奴は…)

もこっち(てあれ西條か…なにやってるんだあいつ?店の中で走るなよ…)

拓巳(に、逃げないと!逃げないと!!)

拓巳「お、お金、ここにおいておきます!!」バンッ

店員「え?あ、あの…お客様!?」

拓巳「はあっ、はあっ、はあっ…」タッタッタッタッタッ

もこっち(ど、どうしたんだあいつ?あんなに慌てて…私なんか、視界にすら入っていなかったようだが…)

優愛「はあっ、はあっ、ま、待ってください!!西條くん!!」タッタッタッタッタッ

もこっち(な、なんだ?また誰か走ってきたぞ…制服から察するに、うちの学校の生徒か?)

優愛「あ、あのっ、お金、ここに置いていくんで…」バンッ

店員「え?あ、あの?」

優愛「に、西條くん、西條くん!!」タッタッタッタッタッ

もこっち(…)

もこっち(一体何なんだ…)

店員「ええと、あの…す、すみませんね…少々お待ちください…」

もこっち(それにしても、あの西條の様子、普通じゃなかったな…)

もこっち(少し気になるし、私も追いかけてみるか…)

もこっち「え、えっと…すみません。や、やっぱりいいです…」

店員「え?そ、そうですか…」

もこっち「そ、それじゃあ…」ペコリ、ダッ

店員(くそ、さっきのあの二人のせいで、客が一人帰っちまった…あの二人、出禁にしてやろうか…)

ーーーー
ーーー

もこっち「はあっ、はあっ」タッタッタッタッタッ

もこっち(く、くそ…どこに行ったんだ、西條のやつ…)ゼエッゼエッ

もこっち(…れ?公園にいるあいつ…)ハアッハアッ


拓巳(はあっはあっ、つ、疲れた…コ、コーラを…キンキンに冷えたコーラを飲みたい…)


もこっち(い、いた!!西條だ!!)ダッ


拓巳(はあっはあっ、く、くそ!!僕が、僕が何をしたって言うんだ…てあれ?あそこにいるのは…)


優愛(はあっ、はあっ…あ、いた!!に、西條くんだ!!)ゼエッゼエッ

警官「ちょっと君、どうしたんだ?そんなに慌てて…」

優愛「え?ああ、あの…あそこにいる人を…」


拓巳(優愛!?くそ、最悪だ。やっと休めると思ったのに…てあの女!!近くにいる警官になにかいってやがる!!ふ、ふざけるな!!ふざけるなよぅ!!)ダッ


もこっち(なっ!?や、やっと見つけたと思ったのに、西條のやつ、どこに行くつもりだ!?)タッタッタッタッタッ


拓巳(罠にはめられた、優愛は僕を破滅させるつもりだ、どうせ警察は、僕みたいなキモオタのいうことより、女子高生のいうことを信じるに決まってる…捕まったら、僕はおしまいだ…やってもない冤罪で、ずっと刑務所に入れられて、何十年も生き地獄を味わわされて、最後は死刑にされるんだ…くそ!!そんなのイヤだ。そんな人生はイヤだっ!!)タッタッタッタッ

ーライブハウス前ー

拓巳「はあっはあっ…」

拓巳(く、くそ!もう体力が限界だ!!こんなことなら、普段からもっと運動しておけばよかった…)ゼエッゼエッ


もこっち「はあっ、はあっ、に、西條くーん!!」タッタッタッタッタッ

拓巳「うわああああああああ!!」ビクッ

もこっち「はあっはあっ、や、やっと、追いついた…」ゼエッゼエッ

拓巳(…て、隣の席の黒木さんか。で、でも、こんなに息を切らして、一体何の用だろう…ま、まさか、こいつも優愛の仲間なのか!?)

もこっち「え、えっと、だ、大丈夫…?」ゼエッゼエッ

拓巳(く、くそ!僕が何をした、僕が何をした!?に、逃げないと…早く逃げないと!!)ガクガク

もこっち(そういえば、何となく追いかけてきたはいいものの、なんて言えばいいんだ?えーと…)ハアッハアッ


あやせ「私に付いてきて」


拓巳「ひいいいいいいいっ!!」ビクッ

もこっち「どぅおう!?」ビクッ

もこっち「…て、あれ?」


あやせ「逃げないと。さ、早く」スッ

拓巳「え?あ、うん…」ガシッ

もこっち(き、岸本?)


あやせ「あなたも付いてきて」

もこっち「え!?は、はい!」

あやせ「じゃ、行くわよ…」タッタッタッタッタッ

拓巳「あっ、ちょ、ちょっと待って」タッタッタッタッタッ

もこっち(くそ、一応マラソンは得意とはいえ、こうも走りっぱなしだときつい…)タッタッタッタッタッ

ー地下道ー

あやせ「はあっ、はあっ…」

拓巳(はあっはあっ…な、何とか逃げ切った、のか…?)ゼエッゼエッ

もこっち(はあっはあっ…も、もう限界…足が棒みたいだ…)ゼエッゼエッ

もこっち(ていうか、考えてみたら何で私はこんなに走り回ってるんだ?くそ、あの時西條なんか気にせず帰っていればこんなことには…)ハアッハアッ

拓巳(しかしFES、こうして見てみるとエロいな。スタイルもいいし。きっと、男たちからモテモテなんだろうな…)

拓巳(って、こんな状況で僕はなにをバカなことを考えてるんだ!)

あやせ「追われてたわね」

拓巳「え?う、うん…」

あやせ「警察?」

拓巳「ま、まあ…」

拓巳(警察だけじゃなくて、優愛にも追われてたけど、説明する気力も残ってない…)

もこっち(け、警察に追われてた?に、西條のやつ、なにかしたのか?)

あやせ「私も同じ」

もこっち(え?どういうことだ?)

あやせ「私の書いた歌詞と、なんとかっていう事件との関係について、だって。ライブのあと、しつこく聞かれたわ。私、疑われてるみたい」

もこっち(ニュージェネの犯人として、か…)

もこっち(私も最初はそう思ったけど、実際は違うのか?)

あやせ「あなたたちが追われてたのは、なぜ?」

あやせ「何か悪いことでもしたの?」

もこっち(ええと、あなたたちっていわれても、私は別に追われてたわけではないんだが…)

拓巳「ち、チクられた…」

あやせ「?」

もこっち(…?西條のやつ、どうしたんだ?)

拓巳「あの女、ぼ、僕のことをチクったんだ!!ニュ、ニュージェネの、は、犯人にされる!!」

もこっち(!?ま、またニュージェネの話か!?し、しかし…あの女ってだれだ?@カフェで西條を追いかけて出て行ったやつか?)

あやせ「そう」

あやせ「容疑者候補ね、私たち」

あやせ「うふふ」ニコッ

もこっち(な、なんで笑ってられるんだ…?)

拓巳「…ぼ、僕は無実だっ!!」

もこっち(うおおっ!?)ビクッ

拓巳「じ、事件を、もく、目撃しただけだっ!!証拠品を、も、持ち帰っちゃったけど、そ、それだけだっ!!ぼ、僕は、殺してない!!殺してなんかいないっ!!」

もこっち(…こいつがこんな大声出すとは、相当きてるな…)

あやせ「それなら」

あやせ「それはきっと、導きなのよ」

あやせ「大いなる存在による、ね」

拓巳「は?」

拓巳(またメンヘラか!?また中2病か!?)

あやせ「キミが見たものが事実なのか幻かなのかは、ほんの些細なこと」

拓巳(幻!?あんなにリアルだったのに!?)

あやせ「キミが今抱いてる苦しみや怒りは、必要なものっていうことよ」

拓巳(な、なにをいっているんだ、このデンパ女め…)

もこっち(…まるで意味がわからんぞ)

あやせ「だから、早く見つけて」

あやせ「剣を、見つけて」

もこっち(け、剣…?)

拓巳「ディ、ディソード…」

あやせ「そうよ」ニコッ

もこっち(ああ、なるほど…ディソードのことか…)

もこっち(って!なんで西條がディソードについて知ってるんだ!?)

もこっち(…そういえばたしか、西條はリアルブート前のディソードが見えてたな。ということは、西條もまさかギガロマニアックスなのか?)

あやせ「勉強、したみたいね」

拓巳「そ、それなら手に入れた!!」

もこっち(なにっ!?どうやって手に入れたんだ!?)

拓巳「い、今家に…」

あやせ「知ってるわ」

拓巳(え?)

あやせ「見たから。キミが渋谷の真ん中で、大きなオモチャを抱えて、恥ずかしそうにしてたのを…」

拓巳(ディ、ディソードを買った日のことかーっ!!く、くそ、まさか見られてたなんて…)

拓巳(っていうか、ちょっと待て。今、FESはなんて言った?)

拓巳「オモチャ…?」

あやせ「ニセモノ、だと思うわ。あなたの買った剣は」

拓巳「…っ!!」

もこっち(な、なんだ?ニセモノを掴まされたって話か?ていうかそもそも、ディソードってどこかに売っているものなのか?)

拓巳「じゃ、じゃあっ!!」

拓巳「お、教えてよ!!ディソードは、どうやったら手に入るのか!!」

もこっち(おお!!ナイス質問だ西條!!)


あやせ「…」

あやせ「見て」スッ


拓巳「!?」ビクッ

拓巳(な、なんだ…?おもむろに右手を突き出してきて…)

もこっち(ああ、何となく展開読めてきてた自分が嫌だ…)

ーパリンッ!

拓巳(っ!?な、なんだ?何もない空間に、ヒ、ヒビが…?)

ースーッ

拓巳「え?…あっ」

ージャキンッ!!

あやせ「…」

拓巳「…」

拓巳「…え?な、なにこれ…?ディ…ソード…?」

もこっち(相当驚いてるな…まあ、無理もないと思うが…)

拓巳(あ、ありえない…な、なんだよこれ?僕の見てる妄想か…?だ、だって、こんなのファ、ファンタジーだ、ア、アニメだよ…)


あやせ「この剣は、命運を握るもの」

拓巳「…え?」

あやせ「この剣は、嘆きを収束させたもの」

あやせ「この剣は、超越した場所に干渉するためのもの」

拓巳「ちょ、超越した場所って?」

あやせ「異空間、のようなもの」

拓巳(異空間って、いよいよアニメチックになってきたぞ…)

あやせ「同一次元上にある、もう一つの可能性」

あやせ「あるいは、妄想」

拓巳(妄想…?)

あやせ「言い方にあまり意味はないわ。唯一確かなのは…」

あやせ「この剣も、その領域に存在しているということ」

拓巳(つ、つまり、ディソードは妄想の産物ってこと?)

拓巳「そ、そんなの、あり得ない…」

あやせ「そう?」

拓巳「だ、だって、ぼ、僕には剣が見えているんだぞ!?」

拓巳「も、もし妄想だとしたら、ど、どうして僕に剣が見えているんだよ!?」

あやせ「言葉に振り回されてはダメよ」

あやせ「後ろを振り返ってみて」

拓巳「え?」クルッ

もこっち(後ろ?)クルッ

拓巳・もこっち「なっ!?」

拓巳(な、なんで、階段にもFESが!?)

もこっち(な、なんだ?双子?い、いや、そんなレベルじゃない…似てるとかじゃなくて、同一だ、完全に…)


あやせ「これも、キミの妄想よ」

拓巳(キ、キミってことはぼくのことか?ぼくがもう一人のFESを妄想した?そ、そんな覚えは全くないけど…)

もこっち(し、しかしどれだけ見ても全く一緒だな…違うのは服装くらいか…)


あやせ「なぜ、渋谷という場所は、若者たちをこんなに惹きつけると思う?」

もこっち(…?いきなり話題が飛んだな…)

あやせ「たとえ世界を見渡しても、こんな場所は他にはないわ」

拓巳(な、なんだ?ディソードと関係のある話か?)

あやせ「渋谷。この街の名前が独り歩きしてしまうくらいに」

もこっち(し、しかし、二人の岸本から同時にに声が聞こえてくるからなんか奇妙だな…)

あやせ「日本中の人に刻まれてるわ。「若者の街」という記号が」

あやせ「なぜだと思う?」

拓巳(な、なぜって…そんなこと、僕にはどうでもいい…)

あやせ「大いなる意志よ」

もこっち(こ、これは…)

あやせ「高次存在、神による意志なの」

もこっち(ヤバイ。まさか怪しげな宗教の勧誘じゃあ…)

拓巳(そ、そろそろ逃げた方がいいかもわかんね…)

あやせ「ディソードもまた…」

拓巳(…え?)

あやせ「その意志による導きなのよ」

拓巳「…っ!!」ツカツカ

もこっち(ん?ど、どうしたんだ…?西條のやつ…)

拓巳「さ、さっきから…どうでもいいような話ばかりして、は、はぐからかしてる…」

拓巳「お、大いなる意志とか、渋谷がどうとか、そ、そんなこと、僕にはどうでもいい…」

あやせ「…」

拓巳「き、聞きたいことは、ひとつだけだ…」

拓巳「ディソードは、ど、どうすれば、て、手に入るの…?」

あやせ「…」

もこっち(そ、そうだ!いいぞ西條!私もそれが聞きたかったんだ!)

拓巳「お、教えてよっ!!」

あやせ「…」

あやせ「教えられることじゃないわ」

拓巳「な、なんで…!!」

あやせ「見つけなくちゃいけない、自分自身で」

あやせ「方法なんて、私にもわからないわ…」

もこっち(なに?だったらどうやってお前はそのディソードを手に入れたんだ!?)

あやせ「ただ、ディソードは力を持つ人の目にしか映らない」

拓巳(じゃあなんだ!?僕には力があるってことか!?その力のせいで、将軍や優愛にちょっかいをだされてるのか!?だったら、そんな訳の分からない力いらないよ!!)

拓巳(ただ、ディソードは欲しい…ディソードがあれば、将軍や優愛から自分を守れるんだ。だから早く、ディソードを手に入れないといけないのに!!)

あやせ「感じて。世界の選択した意志を」

もこっち(くそ!この女!!この期に及んでまだはぐらかしてきやがる!!もうなんなんだ!?縛って監禁でもして喋らせてやろうか!?)

もこっち(…)

もこっち(うう、私って最低かも)

あやせ「ねえキミ、名前は?」

拓巳「え?」

あやせ「私は、岸本あやせ」

拓巳「あ…に、西條、拓巳…」

あやせ「あなたは?」

もこっち「え?あ…く、黒木、智子…」

あやせ「ふふふ」ニコッ

もこっち(な、なにがおかしいんだ?)

あやせ「また会いましょう、拓巳に、智子…」クルッ

もこっち「え?ちょ、ちょっと…?」

あやせ「…」スタスタ

拓巳(い、行っちゃった…)

もこっち(く、くそ!!結局、何の収穫も得られなかったじゃないか!!)

もこっち(って、そういえば、もう一人の方の岸本はどうなったんだろう?)

もこっち(って、消えてる…結局、何だったんだあれは?岸本は西條の妄想だとか言ってたが…)

もこっち(と、すっかり暗くなってしまったな。仕方ない、私もそろそろ帰るとしよう…)

もこっち「あ、あの…そ、それじゃあ、わ、私も…帰るね。バ、バイバイ、西條くん…」

拓巳「あっ、ちょ、ちょっと待って…」

もこっち「え?」

拓巳(帰り道、いつ優愛や警察に襲われるかわからないし、一人でなんて、怖くて帰れない…)

拓巳「あ、あの…よければ、い、一緒に、帰らない…?」

もこっち「えっ!?」

もこっち(わ、私と一緒に帰りたい!?ま、まさか西條のやつ…私に気があるのか!?)


拓巳「え、えっと…や、やっぱり、だめかな?」

もこっち「えっ!?べ、べべべ別にいいけど…」アタフタ

もこっち(ま、まあ!!前に一度お前を用事に付き合わせちゃったこともあるしな!!仕方ない!!こ、今回だけだぞ!?)


拓巳「…」

拓巳(どうしちゃったんだろうこの子…)

ーKURENAI会館ビル前ー

もこっち(ふむ、ここが西條の家なのか…)

もこっち(しかし西條のやつ、帰りに人通りの少ない道ばかり選んでたな。まあ結局、何もされなかったけど。全く、実行に移す度胸もないのか…)

もこっち(って、もちろん、そういうことはだめだぞ!?ま、まあっ、私に気があるって言うんなら、友達くらいにはなってやらんこともないがな!!まあ西條のやつ、見た目はそんなに悪くないし、友達になれば、ゆうちゃんに男の友達できたって自慢できるしな!!)ブツブツ

拓巳(…さっきからこの子何をぶつぶつ言ってるんだろう)

もこっち(まあとりあえず、今日のところはここでお別れか。まあ、明日も学校で会うわけだがな。ん、待てよ?明日はこいつが学校に来ない日である可能性もあるわけだから、そうとは限らないか…)

もこっち(いやいや、普通に考えて、好きな女が隣の席にいるんだから、毎日学校に来るようになるに決まってるな。そうなれば、私はこいつの不登校を治してやったことになる!!おお!!またゆうちゃんに話せるネタが一つ増えた!!)ニヤニヤ

拓巳「…」

拓巳(大丈夫かな?この子)

もこっち(まあ、時間も時間だし、ふつつにそろそろ帰るか…)

もこっち「え、えっと…じゃ、じゃあね西條くん、ま、また明日…」

拓巳「え…あ、あの!ちょ、ちょっと待って!!」

もこっち「どぅえ!?は、はい!?」ビクッ

もこっち(な、何だ?ま、まさかとはおもうが…)ドキドキ

拓巳「あ、あの…へ、部屋まで、付いてきてほしいんだけど…」

拓巳(ベースの場所は優愛にばれてるから、ベースに優愛がいないとも限らないし…)

もこっち「え、えええええええ!?」

拓巳(!?な、なんだ?なんでそんなに驚いてるんだ?)

もこっち(こ、これって、親に私を紹介とか、そういうつもりか?ど、どうしよう!!ま、まだ心の準備が…)ドキドキ

拓巳「え、ええと、む、無理なら別に…」

もこっち「え?い、いやいや無理じゃないよ!!む、無理じゃないから!!ほ、ほんとに!!そ、そうと決まったらはやく行こう!!」アタフタ

拓巳「え?あ、ああ…あ、ありがと…」

拓巳(なにをあんなにテンパってるんだろう?)

ー階段ー

拓巳「あ、あの、け、結構、きゅ、急だから、き、気をつけてね…」

もこっち「え、あ…うん…」

拓巳(しかし普段の僕なら、絶対女の子に部屋までついてきてくれなんて頼めないな…くそ!こんなことしなきゃいけないのも、全部優愛とか将軍のせいだ!!)

拓巳(あの二人死ね!!氏ねじゃなくて死ね!!)


もこっち(く、くそ…いきなり私を家族に紹介だと?西條のやつ、そんなに私にメロメロだったのか…ふ、ふふふ…私はブスでないとは分かっていたが、まさかこんなキモオタ野郎をここまで積極的にさせてしまうレベルの美少女だったとは…)

もこっち(し、しかしどうしよう…家族にもし、「僕の彼女」だなんて紹介されたら…いや、西條が嫌いというわけではないが、付き合えというのはさすがの私でもちょっと…)

拓巳「あ、え、えっと、つ、着いたよ、黒木さん…」

もこっち(ってなに!?まだ打開策が考えついていないぞ!?く、くそ!!こ、ここまできたら、もうなるようになるがいい!!)クワッ

もこっち「…」

もこっち「え?」

もこっち(な、なんだここ?屋上じゃないか…ひょっとして西條のやつ、階を間違えてないか?)

拓巳「えっと、あれが、僕の部屋…」

もこっち(え?あれって、あのコンテナハウスか?えっと、どういうことだ?もしかして貧しい家庭なのか…?)

もこっち(はっそういえば!!)

ーーーーー

七海「あっちの方かー。私は違う方向に帰るけど、お にいは智貴君たちと同じ方向だから、よければ一緒に 帰ってあげてね!」

ーーーーー

もこっち(こいつと妹は別々に暮らしているんだった!!そしてあのコンテナハウス、どうみても人が二人暮らせる大きさではない!!ということは…)

もこっち(私をここにつれてきたのは家族に私を紹介するためでない…)

もこっち「…」チーン

拓巳(ど、どうしたんだろうこの子、燃え尽きたみたいなかんじになってるけど…)

拓巳(まあそれはおいといて、とりあえず屋上には優愛はいなそうだな…)

拓巳(あとはベースの中か。とりあえず、ベースの中を確認するまでは、一緒にいてもらおう)

拓巳「えっと、じゃあ、ついてきて…」

もこっち「え?あぁ…うん…」

もこっち(いやいや私よ!!考えてみろ!!一人暮らしの男が女を部屋にあげようとしているんだぞ!?そうだ!!家族がいなくなっただけだ!!まだ西條が私にメロメロである可能性は十分にある!!)ブツブツ

拓巳(…)

拓巳「え、えっと…そ、それじゃあ、ちょ、ちょっとの間、扉の前で待ってて…」

拓巳(部屋の中に大量に置いてある、エロゲの箱を見られるわけにはいかないしね…)

もこっち「え?あっ、うん…」

もこっち(なるほど。好きな女を部屋にあげる前に、部屋の中を片付けようという寸法か…)

拓巳「そ、それじゃ、そ、そこから、う、動かないで、ね…」ガチャッ

もこっち「う、うん…」

もこっち(ま、まあ?部屋に上がってやるくらいは構わないけど、エロいこととかは駄目だからなっ!?)

拓巳「…」バタンッ

拓巳「…」キョロキョロ

拓巳(…よし!ベースの中にも優愛はいないし、あとは扉に鍵さえかければ、とりあえず今晩は安心だろう)

拓巳(さて、そうと決まれば…)

ガチャッ

もこっち(お、部屋の片づけもう終わったのか?考えてみたら、弟以外の男子の部屋にはいるのは初めてだな…)

拓巳「え、えっと、く、黒木さん、きょ、今日は、あ、ありがと…も、もう、帰ってくれて、だ、大丈夫…」

もこっち(はい?)

拓巳「そ、それじゃまた…」キイッ

拓巳(優愛が来たりする前に、急いで鍵をかけないと!!)

もこっち「え?ちょ、ちょっと…」

バタンッ

もこっち「…」

ガチャリッ

もこっち「…」

もこっち「死ねやキモオタ…」ボソッ

今日はこれで終了で

ワロタ

これはヒドイww

おまいう

ー翌日の学校ー

もこっち(ふう、結局昨日は疲れてすぐ寝てしまったな)

もこっち(しかし西條め、結局なんの目的で私を連れ回したんだ…)

生徒A「おーい、今日の英語の小テストの勉強やったかー?」

生徒B「やべーやってねー。おれ今回0点かもしんねえわー」

生徒A「おれもなんもやってねー。やべーどうしよー」

もこっち(なに!?今日英語の小テストなんてあんのか!?やばいぞ、昨日はいろいろあったせいで完全に忘れてた…どうしよう、今からやって間に合うかな?)

生徒A「昨日はニュージェネのせいでそれどころじゃなかったしなー。そういやお前見た?集団ダイブの動画」

もこっち(え?)

生徒B「あー見た見た。てかニュージェネマジでやばくね?」

生徒A「ああ、まじでやべえよな。ネットじゃ大盛り上がりだったけど、渋谷に住む身としては、早く犯人捕まってほしいぜ」

生徒B「そういや噂によると、ニュージェネの犯人ってすげー美少女って噂だぜ?」

生徒A「えっ?まじで!?やべー、ちょっと見てみたいかも…」

生徒B「いや、おれはいいわ…たとえどんなに美少女だったとしても、あんな猟奇殺人やってるやつとは会いたくねえもん」

生徒A「まあ確かに。いわれてみればそうかもな…」

生徒B「って、そんなことより小テストだ小テスト!!今からでも教室行って、なんとか詰め込もうぜ!!」

生徒A「ああ、そういえばそうだったな。よし、急いで教室行くか!」ダッ

生徒B「あ、おい!ちょっとまてよ!」ダッ

もこっち「…」  

もこっち(ニュージェネの犯人は美少女?)

もこっち(それってまさか、西條のいってたニュージェネ犯人の女のことか?)

もこっち(それにしても、集団ダイブの動画ってなんのことだ?飛び降り自殺の様子がアップでもされたのか?)

もこっち(さすがにそれはないか。まあ、ニュージェネこわいし、あまり深くは調べないようにしよう…)

あやせ「…」

あやせ「そんなところで立ち止まってなにをしているの?智子」

もこっち「ひゃいっ!?」ビクッ

もこっち(て、なんだ。岸本か…)

あやせ「おはよう智子。あのあと警察はどう?」

もこっち「え、ど、どうって…」

もこっち(私は別に警察に追われてたわけではないし、どうってきかれても…)

あやせ「捕まったりはしなかった?」

もこっち「え?ま、まあ、別に…」

あやせ「そう。ならよかったわ」

もこっち「は、はあ…」

もこっち(よかったもなにも、私は警察には追われてないって…)

あやせ「さ、こんなところで立ち止まっててもしょうがないわ。はやく教室に行きましょ」

もこっち「え?は、はい…」

ー教室ー

ガラッ

もこっち(はあ、今日もまた一日学校か。めんどくさいな…)

もこっち(って、いかんいかん!今日はたしか英語の小テストがあるんじゃないか!今からでも急いで勉強しないと!)

もこっち(ええと、テスト範囲の紙は…)ガサゴソ

三住「あのー、黒木さん。ちょっといいかな?」

もこっち(ん?なんだこいつ?こちとら今から勉強しないといけないってのに…)

もこっち(って、もしかしてナンパか!?そういえばこいつ、前々から私にちょっかい出してくるし、もしかして私のことをねらってるんじゃ…)

三住「黒木さんってさ、うちの学年の岸本と仲いいの?」

もこっち「え?」

もこっち(は?岸本?なぜこいつ、私に岸本のことをきいてくるんだ?ていうかなんだ?こいつは私のことじゃなくて、岸本のことについてききたいってことか?もしかして、私に岸本を紹介してくれとでもいうのか?)

もこっち(くそ!昨日の西條に引き続き、どいつもこいつも勘違いするようなことばかりしてきやがって!)

もこっち(ふん!こちとら小テストの勉強で忙しいんだ!ここは適当に…)

もこっち「い、いや、そ、そんなには…た、たまに話すくらい…」

三住「まじで!?あちゃー、黒木さんに岸本を紹介してもらおうっていうおれの作戦がー…」

もこっち(やっぱりかい)

三住「まあいいや、じゃあさ!岸本の趣味とか分かる?」

もこっち「え?しゅ、趣味…?」

三住「ほらこうさ、何が好きとか休みの日は何やってるかとか…」

もこっち(え?岸本の趣味?知らないぞ?ていうか、岸本に趣味なんてあんのか?あ、そういえば歌があるか。バンドのボーカルやるくらいだし、歌は相当好きなんだろうな)

もこっち「う、歌…?」

三住「はあー、やっぱ歌くらいしかないのかー。わかった!ありがとな黒木さん!」

もこっち「え?は、はい…」

リア充C「おーい三住ー。岸本のことなにかわかったかー?」

三住「だめだー。ほとんど収穫がねえー」

リア充A「まじかよー。全く、岸本はガードかたそうだし、なにか役に立つ情報があればいいんだけど…」

リア充B「もー。くだらないこと言ってないで、さっさっと小テストの勉強するよー?」

もこっち(くそ、岸本モテモテだな。私にだって、ひとりくらい振り向いてくれてもいいじゃないか…)

今日はここまで

もこっち(そういえば、昨日のライブハウスで見た、岸本の飛び降り自殺…)

もこっち(なんだったんだあれは?実際は岸本はピンピンしてるし、屋上から飛び降りたなんて事実はないが…)

もこっち(くそ、前に見た夢といい、最近嫌なものばかり見る!こんな鬱状態から解放されるためにも、一刻も早くディソードを手に入れギガロマニアックスとして覚醒せねば…)

もこっち(って、いけないいけない!とりあえず今は勉強しないと!)ガサガサ

ガララッ

もこっち(む?)

梨深「やっほー!みんなおはよー!ビシィッ!」

三住「おーっす、梨深。今日の小テスト勉強したかー?」

梨深「えーっと、実は何にもやってないんだ。たはは…」

リア充B「やっぱみんなそうだよねー。てかうちの学校、試験の直前に模試入れたり、試験の直後に小テストやったりまじ最悪…」

リア充A「全くだな。これじゃオチオチ彼女とデートも出来ねえっての」

リア充C「お?なんだなんだ?またのろけか?」

三住「お前らもう一ヶ月だっけ?俺の目から見れば、けっこう長く持ってる方だと思うぜ」

リア充B「でも最近試験のせいであんま会えてないんでしょ?このままじゃ愛想つかされるんじゃない?」

梨深「ええと、お気の毒に。たはは…」

リア充A「なっ、お、おめえらっ!!縁起でもないこと言うなよ!!」

三住「って、おいおいマジになるなよ。冗談だから冗談…」

もこっち「…」

もこっち(ざまあっ!!)ニヤリッ

ー放課後ー

もこっち(ふう、なんとか小テストは追試にならないレベルの点はとれたな…)

もこっち(しかし、西條のやつがめずらしく追試だったな。まあ昨日あんなことがあったし、ろくに勉強できなかったんだろう…)

もこっち(さて、帰りのホームルームも終わったし、支度して帰るとするか)

もこっち(ええと、明日宿題出てる教科は…)ガサゴソ

拓巳(くそ、優愛とか将軍のせいで、小テストが追試になってしまった…追試になるなんてDQN行為、絶対にしちゃいけなかったのに…)

拓巳(はあ、もうやだ。帰って星来たんにでも慰めてもらおう…)ガタッ

拓巳(ってあのドアのところにいるのは…)

優愛「…」

拓巳「わ、わあああああーっ!!」

もこっち「っ!?」ビクッ

クラス一同「っ!?」ビクッ

拓巳「あ、あ、あ…」ガクガク

もこっち(ど、どうしたんだ?西條のやつ。いきなり大声だして…)ジロジロ

リア充B「ちょ、ちょっとやだ、なにあれ?どうしちゃったの?あの子…」コソコソ

リア充C「さあー?とうとうおかしくなっちゃったんじゃね?」コソコソ

リア充A「全く、ああはなりたくないよな…」ジロジロ

拓巳(ーやめろ…)

拓巳(ー僕を、見るな…)

拓巳(ー僕を、見ないでくれっ!)

拓巳「う、うわああああああああ!」ダッ

クラス一同「っ!?」ビクッ

もこっち(なっ!?…ってうわあ!!)

ドンッ!

拓巳「っ!?」ドタッ

もこっち「いたっ!」ドタッ、バサアッ

もこっち(あいたたた…って、教科書が散乱しちまったじゃねえか!くそ、どうしてくれるんだこのキモオタ野郎!)キッ

拓巳「ひ、ひぃぃ…」ガクガク

もこっち(え?えっと…大丈夫かこいつ?)

拓巳(に、逃げないと…早く、どこか遠くへ、逃げないと!)

拓巳「う、うわああああああああ!!」ダッ

もこっち「どぅおうっ!?」ビクッ

拓巳「わあああああああ!!」タッタッタッタッタッ

もこっち「…」

クラス一同「…」

もこっち(な、なんだっていうんだ?)

梨深「ごめんね、黒木さん」

もこっち「はいっ!」ビクッ

もこっち(って、咲畑か…)

梨深「タクが、迷惑かけちゃって」

もこっち「え?いや、別に…」

梨深「立てる?」スッ

もこっち「え?ああ。あ、ありがと…」ガシッ、スタッ

梨深「タク、最近疲れてるみたいなの。だから、さっきみたいなことしちゃったんだと思う。でも、タクも悪気があってやったわけじゃないと思うから、あんまり怒らないであげて」

もこっち「は、はあ…」

梨深「それじゃ、あたしはタクを追いかけてくるから、落としちゃった教科書拾うのは手伝えないけど、ごめんね?」

もこっち「え?う、うん…」

もこっち(ごめんね、なんて。むしろ、私がお礼を言うべき立場なのに…)

もこっち「あ、あの…」

梨深「?」

もこっち「あ、ありが、とう…」

もこっち(ふう。なんとか、お礼を言うことができた…)

梨深「…」

梨深「うん。どういたしまして」ニコッ

もこっち(っ!?な、なんて眩しい笑顔だ!私の笑顔なんかとは全然違うぞ!?)

梨深「それじゃあ咲畑梨深、今からタクを追いかけに行ってきまーす!ビシィ!」

もこっち「えっ?は、はい…」

梨深「それじゃバイバイ黒木さん!また明日!」ダッ

もこっち「え?う、うん。バ、バイバイ…」

梨深「…」タッタッタッタッタッ

もこっち「…」

もこっち(聞こえた、かな?)

梢(聞こえてたー、みたいだよ?)

もこっち(ん?なんだ、こずぴぃか…)

梢(あっ!?今なんだっていった!?なんだっていった!?ひーどーいー!こずぴぃ、なんだじゃないもーん!)

もこっち(うるさい。授業中暇だからといってテレパシーを送ってくるからだ)

梢(しょうがないじゃーん!だって転校してきたばっかで、授業とか意味わかんないんだもーん!あ、それはそうとセナしゃんによればー、こずぴぃのこれは、テレパシーではないんだってー)

もこっち(なに?これがテレパシーじゃなきゃなんなんだ?)

梢(なんだったかなー。話が難しくてよく覚えてないんだけど、これも、こずぴぃのギガロマニアックスとしての能力のひとつらしいよー)

もこっち(ギガロマニアックスってこんなことまでできんのか…)

根元「ねえねえ、黒木さん?」

もこっち「はいっ!?」ビクッ

根元「さっきからぼーっとしてるけど、教科書拾わなくていいの?手伝うよ?」

もこっち「えっ?ああ、うん、あ、ありがと…」

根元「それにしても、さっきは災難だったねー、はいっ」スッ

もこっち「え?ま、まあね。あ、ありがと…」スッ

梢(わー!こずぴぃも手伝うのらー♪)スタスタ

根元「わっ、もしかして折原さんも手伝ってくれるの?わー!ありがと折原さん!」

梢「…っ」

もこっち(いや、だからお礼を言うのは私なわけで…)

もこっち(ていうかこずぴぃ、改めて思ったが心の声と態度の差がはげしすぎるだろ…)

ー5分後ー

根元「それじゃバイバイ、黒木さんと折原さん」

もこっち「あ、バ、バイバイ…」

梢「…っ」

リア充B「おーい陽菜ー。はやくいくよー?」

根元「あー、ちょっとまってよー」タッタッタッタッ

もこっち「…」

梢「…」

もこっち(さてこずぴぃよ、私たちもそろそろ帰るとするか)スタッ

梢(え?ああ、うん。それにしても智子しゃん、なんで智子しゃんこずぴぃにはそんなに態度が大きいのら?)スタスタ

もこっち(ふむ。いい質問だ。こずぴぃはたしか、常時他人の思考を読んでいるんだろう?ということは、普段の私のゲスな心の声も、全部こずぴぃには筒抜けというわけだ)スタスタ

梢(うんうん)コクコク

もこっち(だったら、もう隠しても意味がないし、ありのままの私で行くことにした。心の声なら、声を出す必要もないから好き放題言うことができるしな!)

梢(なるほどなるほどー。あ、でもひとつ言っておくとー、こずぴぃは他の人の心の声をききたくてきいてる訳じゃないよー?)

もこっち(え?どういうことだ?)

梢(こずぴぃ、気が付いたら他の人の心の声が聞こえるようになっちゃって、それからずっと聞こえてくるのら。中には、智子しゃんよりもずっとひどいこと考えてる人もいるから、できるなら他の人の心の声なんて聞こえないようにしちゃいたいのに、そうもできならいのら…)

もこっち(うむ。こずぴぃにはこずぴぃなりの悩みがあるわけか…)

梢(あっ!それはさておき智子しゃん!このあとセナしゃんと待ち合わせしてるんだけど、よければ智子しゃんもこないのら?)

もこっち(え?私?いや、私はこのあとちょっと用事があって…)

梢(えー?そんなー。うぷー。残念なのらー…)

梢(まあ、用事あるならしょうがないのら!また今度誘うのら!)

もこっち(う、うん。そ、それじゃあ私はあっちだから、それじゃあね…)

梢(そーれじゃーねー智子しゃーん!まーたあーしたー!)ニコニコ

もこっち(う、うん。また明日…)スタスタ

今日はここまでで
見ててくれた人いたらありがとうございました

乙ん



もこっちはこずぴぃ相手には開き直ったのか、ふむ

乙乙

ー数十分後、渋谷駅前ー

もこっち(さて、用事も済んだし帰るとするか…)テクテク

もこっち(しかしあの時、こずぴぃになんの用事かきかれなくてよかった。あいつに嘘はつけないしな…)

もこっち(いくら数少ない友達の一人とはいえ、ヤンデレ言葉責めCDを買いに行くとはいえない…)

もこっち(いやわかってる。気持ち悪いって自分でもわかってる。でもしょうがないじゃん。だって今部屋にあるやつもう全部聞き飽きちゃったんだもん…)

もこっち(まあ、それはおいといて、今日買ったやつはなかなか良さそうだな。よし、帰ってじっくり聞くとするか…)

デモ隊「犯人を渋谷から追い出せー!」

もこっち(む?)

デモ隊「悪魔を渋谷から追い出せー!」

もこっち(なんだなんだ?何かのデモか?ええっと、持ってるメッセージボードに書いてあるメッセージは…)

もこっち(『渋谷をテロリストから守れ』?『悪魔を街から追い出せ』?)

もこっち(ああ、なるほど。ニュージェネ事件への抗議か。まあ、私としても早く犯人には捕まってほしいがな…)

警官「みなさん!落ち着いてください!一般の人たちの通行の邪魔になっています!」

デモ隊員A「うるせえ!そんなこと言ってる暇あったら、さっさっと犯人見つけろっての!」

デモ隊員B「犯人を、渋谷から追い出せー!悪魔を渋谷から追い出せー!」

警官「みなさん!落ち着いてください!落ち着いてください!」

もこっち(あんな仕事やらされて、あの警官も可哀想に…)

もこっち(しかし、本当にデモ隊通行の邪魔だな。こいつらのせいでこっちの道が使えなくなってしまっている…)

もこっち(まあいいか、少し遠回りだけど、別の道から帰るとしよう…)テクテク

もこっち(ってあれは…)

梨深「ねえタク、本当にファンタズムのCD、ただで借りちゃってもいいの?」

拓巳「う、うん…」

梨深「ほんとにありがとタク!この恩は一生忘れません!ビシィッ!」

拓巳「は、ははは…」

もこっち(咲畑と西條か。そういえば、西條のやつは大丈夫なのか?教室出て行ったときのあいつは、どう見ても普通じゃなかったが…)

梨深「って、あれー?もしかしてそこにいるのは黒木さん?」

もこっち「えっ!?う、うん…」

もこっち(気付かれた…)

梨深「こんなところで奇遇だねー。黒木さんも、家がこの辺りなの?」

もこっち「ま、まあ…」

梨深「そういえば黒木さん、さっきはあのあと大丈夫だった?」

もこっち「え?う、うん…」

拓巳(さっき?ぼくが教室出ていったときのことか?そういえばこの子にぶつかっちゃったし、一応、謝っておいた方がいいかも…)

拓巳「あ、あのっ!」

もこっち「え?」

梨深「…タク?」

拓巳「さ、さっきは、ごめん…す、すごい慌てて、そ、それで…」

拓巳(よ、よし。なんとか謝れたぞ。まあ、許してはもらえないだろうけど…)

もこっち(ええと、おそらく教室でのことだろうな。まあ、確かにこいつかなり慌ててたみたいだし、仕方ない。特別に許してやるか)

もこっち「あ、ああ、うん。き、気にしないで…」

拓巳「えっ!?あ、ありがとう…」

拓巳(ゆ、許してくれた?本当に?黒木さんって、意外といい人なのかな?)

もこっち「…」

拓巳「…」

梨深「…」

もこっち(く、くそ。話題が話題だけに、どう返せばいいのかわからん。そもそも私、人と会話するのは苦手だし…)

拓巳(場が静まり返っちゃった…やっぱり本当は怒ってるのかな?)

梨深「え、ええーと…そ、そういえば黒木さんは、家がこの辺りって言ったよね!?も、もしかして、方向はあっち?」

もこっち「えっ?う、うん…」

もこっち(ふう、なんとか咲畑が切り出してくれたか。さっきのあの雰囲気は気まずすぎる…)

梨深「い、今からタクの家に行くんだけど、よ、よければ途中まで一緒に帰らない?」

もこっち「えっ?べ、別にいいけど…」

梨深「じゃ、じゃあいこっ!しゅ、出発進行ー!ビシィッ!」スタスタ

拓巳「あ、ま、待ってよ!梨深…」スタスタ

もこっち(くそ、まさか二日連続で西條と一緒に帰ることになるとは…)スタスタ

ーKURENAI会館ビル前ー

梨深「ふう。なんだかここにくるのも久し振りな気がするなー」

拓巳(そ、そうでもないんじゃ…)

もこっち(私はここでお別れか。しかしせっかくこの3人で集まれたんだ。私には確認しておかねばならないことがある…)

もこっち「あ、あのっ!」

梨深「ん?」

もこっち「こ、この前の土曜日、し、渋谷の駅前が、無人になってたの!そ、そこに、車椅子に乗った、皺だらけの子供がいて、ぼ、僕は『将軍』だって、言ってきた…で、でも、気が付いたら、い、いつもみたいに渋谷の駅前は人でいっぱいになってて、そ、その『将軍』はいなくなってたの。そ、それでなんだけど、この前の土曜日、咲畑さんは渋谷の駅前にいたでしょ?だ、だから、何か知らないかなーっておもって…」

拓巳「っ!?」

梨深「…」

もこっち(よ、よし。私にしては、長い台詞をなんとか言い切ったぞ。咲畑、おまえが何か知ってるのはわかってるんだ。西條がいる手前、おかしなこともできまい。さあ、観念して全て喋るがいい!)

拓巳(や、やっぱり、あれは僕の妄想なんかじゃなかったのか?)

梨深「…」

梨深「うーん…」

梨深「タクにも似たようなこと聞かれたけど、あの時、渋谷の駅前が無人だった、なんてことはなかったよ?」

梨深「いつもと同じだった」

もこっち「え?」

もこっち(…ふ、ふん!あくまでしらを切る気だな!だがこっちには証人がいるんだ!逃がしはせん!逃がしはせんぞ!)

もこっち「に、西條くんも、み、見たでしょ?無人の渋谷の駅前…」

拓巳「え?う、うん…」

もこっち「ほ、ほら。西條くんだって、み、見たって言ってる。ま、まちがいないよ。た、たしかに、渋谷の駅前は無人だった…」

梨深「ええっとー、ごめん。少なくとも私が見た限りじゃ、渋谷の駅前は確かにいつも通りだったよ?」

もこっち「え…」

梨深「それにあの時、渋谷の駅前にはたくさんの人がいたでしょ?ふつうに考えて、あれだけの人が一瞬で現れると思う?」

もこっち「だ、だから…」

梨深「それに私、車椅子に乗った皺だらけの子供なんて、たぶん見てないと思うよ?」

もこっち「え?」

梨深「ええっとー、もしかしたら、タクと黒木さんで、幻覚でも見てたんじゃないかな?ごめんね、役に立てなくて。たはは…」

もこっち(あれが幻覚?あんなにリアルだったのに?)

梨深「えっと、それじゃあね、黒木さん。また明日…」

もこっち「え?」

梨深「ほ、ほら、はやくいこっ!タク!」スタスタ

もこっち「ちょ、ちょっ…」

拓巳「あっ、ま、待ってよ梨深!」スタスタ

もこっち「…」

もこっち(行っちゃった…)

もこっち(くそ!結局なんの収穫もなしか…)

もこっち(咲畑のやつ、もしかして本当に何も知らないのか?そうなるとなんだ?私と西條で幻覚を見ていたとでも言うのか?)

もこっち「…」

もこっち(はあ、咲畑は行ってしまったし、考えてもしょうがないな。とりあえず、また次の機会を探そう…)

もこっち(仕方ない。今日のところは帰るとしよう…)テクテク

ー黒木家ー

黒木母「おかえり智子」

もこっち「ただいまー」スタスタ

もこっち(はあ、さっきはあんなに喋ったからのどが渇いたな…ジュースジュースっと…)ガチャッ

もこっち(ええっと、弟のスポーツドリンクとお茶しかないか…仕方ない。弟のスポーツドリンクで我慢しよう…)スッ、バタンッ

もこっち「…」ゴクゴク

もこっち(ぷはぁっ!弟にしてはうまいスポーツドリンクを買ってあるな!あいつもたまには役に立つじゃないか!)

ニュースキャスター『続いてのニュースです』

もこっち(む?テレビか…)

ニュースキャスター『本日未明、渋谷区の路上で、同区AH東京総合病院の精神科医師、高科史男さん、41歳が、遺体となって倒れているのが発見されました。警察は、高科さんの死因は栄養失調による衰弱死だと発表しました』

黒木母「あら、かわいそうに。栄養失調ですって」

もこっち「う、うん…」

ニュースキャスター『また、高科さんの頭部はきれいに切断され、脳が取り除かれていたということです』

もこっち「えっ!?」

黒木母「や、やだ。脳が取り除かれていた…?」

もこっち(あ、あのとき、将軍が送ってきた画像…)

ニュースキャスター『渋谷区では先月から、猟奇殺人が相次いでおり、警察では、同一犯の可能性もあるとして、捜査を進めているということです』

黒木母「や、やだ。またニュージェネ?渋谷も物騒になったわね…」

もこっち(そ、そんな、まさか!)ダッ

黒木母「と、智子!?一体どうしたの!?」

もこっち(ま、まさか…将軍があの時送ってきたのは、さっきの被害者の画像とでもいうのか!?)ダッダッダッ、ガラッ

もこっち(く、くそ。グロが苦手とか言ってる場合じゃない…早く詳しい情報を調べないと…)カチッ、ウィーン

ー数分後ー

もこっち(な、なんだよこの事件…被害者の男性は、脳が取り除かれた状態で、しばらく生きていた?く、狂ってる…こ、これを、あの将軍が?)カチカチ

もこっち(ん?なんだこの動画?集団ダイブの飛び降りの様子?)

もこっち(そ、そういえば今日、学校でそんなことを話してた奴がいたような…)

もこっち(く、くそ!見たくないけど、もしかしたら、ニュージェネの犯人が写ってるかもしれないし!も、もしそれが将軍じゃなかったら、こ、こんなに怯える必要もなくなる…)

もこっち(でももし将軍が写ってたら?そ、そしたらどうしよう…)ガクガク

もこっち(くそ!ここここまできたら、もうなるようになれ!)カチッ

集団ダイブ被害者A『えーん!やだー!やだよー!うわーん!』

集団ダイブ被害者B『死にたくない!死にたくないよー!わーん!』

もこっち「…」

もこっち(な、なんだよこの動画…や、やめろよ!そいつら!本当は死にたくなんてないんだぞ!?)

『ーーキイッ』

もこっち「…え?」

『ーーキイッ』

もこっち「こ、この車椅子の音…」

集団ダイブ被害者C『えーん!えー…』ピタッ

集団ダイブ被害者全員『…』ピタッ

集団ダイブ被害者全員『…』

もこっち「な、なんだ?どうしたんだこいつら?」

集団ダイブ被害者全員『…』スタッ、ガシッ

もこっち「み、みんなで手を繋いで、まさか…」

集団ダイブ被害者A『ーその目誰の目?』

もこっち「え?」

集団ダイブ被害者全員『…』グラッ

もこっち「な…ま、待て。やめろ、早まるな…」

『グチャッ、ビチャーッ』

もこっち「やめろおおおーっ!」

ーーーー
ーーー

もこっち「う、うううう…」ガクガク

もこっち(な、なんだよあれ…何でどいつもこいつも、面白がっていられるんだよ…)ガクガク

もこっち(あの動画の中で聞こえてきた、車椅子の音、カメラの目線の低さ、そして何より、あのチャットで送られてきた画像…)

もこっち(やっぱり、あの時見たのは幻なんかじゃない。ニュージェネの犯人は、将軍だ)

もこっち(ど、どうしよう。私もいずれ、ニュージェネの被害者みたいに殺されるのか?い、イヤだ…そんなのはイヤだ!)ガクガク

プルルルルル

もこっち「っ!?」ビクッ

プルルルルル

もこっち「で、電話…?」

プルルルルル

もこっち「だ、だれからだろう…?」スッ

プルルルルル

もこっち「え?知らない番号…?」

プルルルルル

もこっち(ど、どうしよう…これ、出た方がいいのかな?)

プルルルルル

もこっち「…」

プルルルルル

もこっち「…っ!」ゴクッ

ピッ

もこっち「も、もしもし…?」

小宮山『もしもし、黒木!?私よ私!小宮山!』

もこっち「…え?」

もこっち(よ、よかった…)ジワッ

小宮山『えっと、もしもし?黒木?』

もこっち「え?ああ、ごめん。ちょっとボーッとしてて…」

小宮山『そ、そう。ならいいんだけど…』

もこっち「そ、そういえば、私の番号どうやって?」

小宮山『ああ、成瀬さんにきいたの…って、今はそんなことはどうでもいい!』

もこっち「え?ご、ごめん…」

小宮山『あんたニュース見た!?ノータリンの…』

もこっち「え?う、うん…」

小宮山『あ、あれって、あのとき将軍とかいうやつが送ってきた…』

もこっち「う、うん。たぶん将軍が、ニュージェネの犯人だと思う…」

小宮山『え?』

もこっち「ね、ねえ、今、暇?話しておきたいことがあるんだけど…」

小宮山『え?まあ、暇だけど…』

もこっち「それじゃあ、今からうちにこられないかな?できれば早めに…」

小宮山『う、うん。わかった。今から出る…』

もこっち「うん、それじゃあ後でね…」ピッ

ツーツー…

もこっち「はあ…」

もこっち(よし、小宮山が来る前に、一旦思考をまとめておこう…)

もこっち(ええっと、何から話そうか…)

ーーーー

将軍「僕?」

将軍「僕は、将軍だよ」

ーーーー

もこっち「…っ!?」ゾクッ

もこっち(だ、だめだ!何を考えようとしても、あの将軍の皺だらけの顔が頭に浮かんでくる…)

もこっち(あっ!!そ、そういえばやつは、どうやったかは知らないが、私と小宮山の写真を撮っていた…ということは、やつは私たちのことをねらっているのか!?)

もこっち(く、くそ!ど、どうしよう、どうしよう…)ガクガク

??「少しは、落ち着いたら?」

もこっち(…え?)クルッ

もこっち「あ…あ…あ…」

将軍「やあ、また会ったね」

もこっち(しょ、将軍っ!?)ガタッ

将軍「そう怯えないでよ」

ーーキイッ

もこっち「こ、来ないで…来ないで…」ガクガク

将軍「ひどいこと言うなあ…」

ーーキイッ

将軍「ボクのこと嫌い?」

もこっち「あ…あ…あ…」ガクガク

将軍「へー、嫌いなんだー。ショックだなー」

ーーキイッ

将軍「もう少し優しい方法で殺してあげようかと思ったのに、そう言うんだったら、しょうがないな…」

ーーキイッ

将軍「僕に考えられる限り、できるだけ残酷な方法で殺してあげるよ…」ニタァ

もこっち「や、やめて…」ガクガク

将軍「それじゃあね…」スッ

もこっち「う、うわああああああああっ!」

ープツンッー

智貴「おい姉ちゃん!おい姉ちゃん!」

もこっち「はっ!?」ビクッ

智貴「冷蔵庫にあったスポーツドリンクはどうした!?」

もこっち「…えっ?あ、ご、ごめん、なさい…の、飲んじゃった…」ガクガク

智貴「って、そこまで怯えんなよ…別にそんなに怒ってるわけじゃねえからよ…」

もこっち「ご、ごめんね…ごめんね…」

智貴「たく、どうしたんだよ、調子狂うな全く…」ガラッ

ピシャッ

もこっち(な、なんだ、幻覚だったのか…た、助かった…助かった…)ジワッ

ピンポーン

もこっち(ん?ああ、小宮山か。よし、一応出迎えてやるとするか…)ゴシゴシ

ー玄関ー

もこっち「って…」

智貴「こんにちは、もしかして姉に何かご用でしょうか?」

小宮山「え、あ、あの…と、智子さんに、呼ばれてきて…」

もこっち「お、おう。弟よ、応対ご苦労…」

智貴「あ、姉ちゃん。この人、姉ちゃんに呼ばれてきたってよ」

もこっち「あ、ああ、私が呼んだ…ちょっと話があってな…」

智貴「ふーん。そういや考えてみたら姉ちゃんが誰かを家に呼ぶなんて、高校入学以来はじめてじゃねーか?」

もこっち「う、うるさい…」

黒木母「あら?智子のお友達?」

小宮山「え?あ、あの…お邪魔します…」

黒木母「あらあら。そんな気を使わないで。ゆっくりしていってね」

小宮山「は、はい…」

もこっち「そ、それじゃ私の部屋に…」

小宮山「えっと、そうだね…」

今日はここまでで
グロいシーン多くなってすみませんでした

やっぱカオへ知ってても怖え

貧乳姉妹が襲ってくるところはもこっち視点ではカットか
実はビシィさんルートに突入してたりしないよね

>>179
>>180
そういえばすみません
大分前のレスになってしまいましたが、あやせのセリフに
『密教の首飾り?グラジオール列王 記邪心編より?』( 歌 ファンタズム 作詞 志倉千代丸 作曲/編曲 林達志)
の歌詞を引用しました

ーーーー
ーーー

小宮山「そ、そんなことが…」

もこっち「信じられないかもしれないけど、本当のことなんだよ…ニュージェネの犯人は、将軍だと思う…」

小宮山「じゃ、じゃあ、あいつに写真を撮られた私達は、次のニュージェネのターゲットってこと…?」

もこっち「わ、わかんない…」

小宮山「そ、そんな、どうしよう…」ガクガク

もこっち「と、とりあえず、一旦落ち着いて話そう、ね?」

小宮山「う、うん…そ、そういえば、西條くんっていう人も、将軍を見たっていったよね?」

もこっち「え?うん、たしか…」

小宮山「な、なら、その人の話もききたいんだけど…連絡取れる?」

もこっち「ええっと、家しか知らない…」

小宮山「じゃあ、今からいこうよ…あ、案内して…」

もこっち「え?い、いいのかな…?」

小宮山「そ、そんなこといってる場合じゃないでしょ…ほら、早く…」

もこっち「う、うん…そうだね…」

ーKURENAI会館ビル前ー

小宮山「ここが、その西條くんの家?」

もこっち「う、うん。ここの屋上にある、コンテナハウスに住んでるみたい…」

小宮山「な、なんでコンテナハウス…」

もこっち「わかんない…」

小宮山「まあどうでもいっか…それじゃあ、早くいこ…」スタスタ

もこっち「あ、う、うん…」スタスタ

ーその頃、ベースの中ー

拓巳(梨深が買い出しにいってる間に、特許とか思考盗撮について調べてみよう…)カチカチ

拓巳(ってグリムからチャットがきてる…ええっと、なになに?ニュージェネの新事件発生…?)

拓巳(く、くそ。またニュージェネかよ…僕が殺されるのはいつだ?次か?次の次か?)

拓巳(もう勘弁してくれ…僕のライフはとっくにゼロだよ…)

拓巳(って、グリムが何か言ってる…)

拓巳(え?被害者は、精神科医だって…?)

拓巳(そ、そんな。まさか、まさか…)ガクガク

拓巳(い、いや!そんなはずはない!き、きっと僕の考えすぎなだけだっ!)カチカチ

拓巳(だ、大丈夫。そうだきっと大丈夫だ…ええっと、ノータリンのニュースはっと…)カチッ

拓巳「…」

拓巳「あ…あ…」ガクガク

拓巳「な、なんてことだ…なんて…」

拓巳「こ、殺されちゃった…僕が頼りにしてた、高科先生が…」

拓巳「そ、そんな…そんな…」

ー階段ー

もこっち「西條くん、いるかな?」

小宮山「いるよ、きっと…」

もこっち(なんの根拠があって言ってるんだ…)

小宮山「それより、三人で集まったあとはどうする?やっぱり、警察に行くべきかな?」

もこっち「ええっと、とりあえず、三人で集まってから考えよう…」

小宮山「そ、そうだね…」

梨深「ってあれー?もしかして、そこにいるの黒木さん?」

もこっち(えっ?)クルッ

もこっち「あ、咲畑さん…」

梨深「こんにちは黒木さん!ビシイッ!」

もこっち「は、ははは…」

小宮山「えっと、すみません…失礼ですが、どちらさまでしょうか?」

梨深「って、あーゴメンゴメン。名乗るのが遅れちゃったねー。あたし咲畑梨深。黒木さんのクラスメイトです。よろしくね!ビシイッ!」

小宮山「あ、小宮山琴美です…よろしくお願いします…」

小宮山(随分濃いキャラしてんなこの人…)

梨深「それはそうと黒木さん、さっきは一回帰ったのに、一体どうしたの?もしかして、あたしかタクに何か用かな?」

もこっち「あ、あの、西條くんの方に…」

梨深「タクの方に?もしかして、またあの無人の渋谷の話?」

もこっち「ま、まあ…」

梨深「…」

梨深「そう、その話なんだ…」

もこっち「え?」

もこっち(な、なんだ?このテンションの下がりっぷりは。聞いちゃまずいことでもあるのか?)

梨深「黒木さん」

もこっち「はいっ!?」ビクッ

梨深「お願いがあるんだけど…」

もこっち(お、お願い?)

梨深「もう、タクの前でその話はしないで」

もこっち「え?」

もこっち(な、なんで?やっぱり咲畑、あの事について何か知ってるのか…?)

梨深「タクね、今とても怯えてるの。これ以上タクに恐怖を与えたら、大変なことになっちゃう。だから…」

もこっち(た、大変なこと?大変なことってどういうことだ…?)

もこっち(って、そんなことを考えている内に屋上についてしまった…)

もこっち(しかし咲畑のやつ、確実に何かを知っているな。うーむ、何とかして聞き出せないものか…)

梨深「…」

「助けて!!誰か助けてくれぇぇぇぇ!!」

もこっち「おおうっ!?」ビクッ

小宮山「っ!?な、なにこの声、あのコンテナハウスからきこえてきたけど…」

梨深「…っ!?タクッ!!」ダッ

もこっち「えっ!?さ、咲畑さんっ!?」

「あああーっ!!わあああーっ!!!」

もこっち(うおおっ!?)ビクッ

「イヤだ!イヤだ!イヤだーーっ!!」

もこっち(ってこの声、西條の…)

「死にたくないよ!死にたくない!」

小宮山(この声の主に一体何があったんだ…)

拓巳「梨深っ!助けてっ!!」

梨深「タクッ!!」ガチャッ

拓巳「う、うううう…」ガクガク

梨深「タクッ!タクッ!」

拓巳「うああああ…」ガクガク

梨深(っ!!あたしが入ってきたことに気がつかないくらい気が動転してる!)

梨深「タクッ!タクッ!」

拓巳「う、うううう…た、助けて…」ガクガク

梨深「タク…?」

拓巳「助けて…僕を助けてよ、梨深…行かないで、どこにも行かないでよ…頼むから…」ガクガク

梨深「…」

梨深「うん…」

拓巳(えっ?)

拓巳(あ、梨深…いつの間に…)

梨深「ここにいる」

梨深「あたしは、ここにいるから」

梨深「怯えないで…」

拓巳「あ、梨深…梨深ぃ…うううっ…」グスッ

梨深「大丈夫」ダキッ

拓巳「えっ?り、梨深…?」

梨深「大丈夫だから…」ギュッ

拓巳「うう、あ、ありがとう、ありがとう…梨深…梨深…」ギュッ

もこっち「…」

小宮山「…」

もこっち(私たちは外にいるので、コンテナハウスの中は見えないが、叫び声は止んだようだな…)

もこっち(しかし西條のやつ、大分精神的にきてるようだな。とりあえず、今日は帰った方がいいだろう…)

もこっち「あ、あのさ、今日はやっぱりやめとかない…?」

小宮山「う、うん。私もそう言おうとおもってたところ…」

もこっち「そ、そう。じゃ、じゃあ、いこっか…」スタスタ

小宮山「あ、ま、待って」    

もこっち「え?」ピタッ

小宮山「いや、こ、このあと、どうするのかなーって…」

もこっち「ああ、そういえば…」

小宮山「どうする?やっぱり、警察…?」

もこっち「で、でも、私たちの言うことなんて、きいてもらえるのかな?西條くんだって、証言しても何もなかったみたいだし…」

小宮山「そ、そんな…」

もこっち「他に、私たちを守ってくれそうな人をさがそう…」

小宮山「あ、うん。そうだね。ええっと…」

もこっち(誰かいないか、誰か…)

小宮山(誰か…誰か…)

もこっち・小宮山(うーむ…)

もこっち・小宮山「あ!」    

もこっち・小宮山(そうだ、あの人がいたじゃないか!)

もこっち・小宮山「蒼井さん!」

ーその後、ハチ公前電車付近ー

もこっち(ええっと、蒼井さん蒼井さん…)キョロキョロ

小宮山(…今日はこの辺にはいないのかな?)キョロキョロ

梢(ってあれー?もしかして、そこにいるのは智子しゃんじゃないのら?)

もこっち(む?この声は、こずぴぃか…)

梢(ピンポーン!大正解なのらー♪ところでところで、智子しゃんはもう用事はもう終わったのら?)

もこっち(用事?ああ、ヤンデレ言葉責めCDを買いに行くあれか…)

梢(うぴ?ヤンデル…なあに?)

もこっち(ってしまった!な、何でもないぞこずぴぃ!ほ、ほんとに何でもないからな!?)アセアセ

梢(んー?)

もこっち(そ、そんなことよりこずぴぃよ!こんな所で一体何をしているんだ!?)

梢(あ、そうだったのらー。智子しゃん智子しゃん、用事が終わったなら、こずぴぃたちと一緒に遊ぶのら♪)

小宮山「…」

小宮山(あの二人、口もきかないでずーっと見つめ合ってるけど、一体何をしてるのかしら?)

今日はここまでで
見ててくれた人いてくれたらありがとうございました

おつ

もこっち(あっ、そういえばこずぴぃ、今日は蒼井さんと一緒じゃなかったか?)

梢(うん、そうだよー。今セナしゃんはガルガリくんを買いに行ってるのら♪)

もこっち(よし!でかしたこずぴぃよ!!)

梢(うぴ?)

もこっち「こ、小宮山さん!あ、蒼井さんの居場所がわかったよっ!」

小宮山「えっ!?本当に?」

もこっち「う、うん。この子について行けば、大丈夫…」

小宮山(どうやってわかったんだろ…)

もこっち(さあこずぴぃよ、案内は頼んだぞ!)

梢(えーっと、どういうことかはよくわからないけどー、とにかくセナしゃんと智子しゃんたちを会わせてあげればいいんだよね?わかったのら♪)

もこっち(よし!そうと決まれば出発進行だ!)スタスタ

梢(ええーっとー、出発進行って言われてもー、そろそろセナしゃんはここに戻ってくるはずだから、ここで待ってればそれでいいのら♪)

もこっち(って、そうならそうと先にいわんかい!)ガクッ

小宮山(どうしてこの二人さっきから全く口をきいてないんだろう…)

小宮山(ていうかそもそも、あと一人の子がだれかもわかんないし。制服から翠明の生徒ってことはわかるんだけど…)

小宮山(まあ、一応挨拶しとくか…)

小宮山「あ、あの、小宮山琴美です…よろしく…」ペコリ

梢「…っ!!」

小宮山(えっ?ええっと、すごい嫌がられてるんだけど、なにこれ?私ってそんなに第一印象悪いのかな?)

もこっち「…」

もこっち(ふむ、こずぴぃよ。おそらくこいつには心の声で話しかけて大丈夫だぞ)

梢(え?でも…)

もこっち(安心しろ。こいつはギガロマニアックスの素質があるし、お前のことを知ったところで言いふらす相手もいないようなやつだ。なにも心配する必要はない)

梢(へー、そうなんだー。じゃあ、安心この心の声を送れるのら♪)

小宮山(さっきからずっと二人で目配せしてる…なんなんだこいつら?私のことバカにしてんのか?)

ほとんど投下できなくてすみませんが今日はここまでで

>>250
すみませんミスがありました

×梢(へー、そうなんだー。じゃあ、安心この心の声を 送れるのら♪)

○ 梢(へー、そうなんだー。じゃあ、安心して心の声を 送れるのら♪)

でお願いします

小宮山(くそ、温厚な私でもそろそろ限界だ。ここは一発ガツンと…)

梢(わー、ご、ごめんなさーい!こずぴぃ、そんなつもりじゃなかったから怒らないでー!)

小宮山(っ!?な、なんだこの声…幻聴?)

梢(幻聴じゃ、なーいよ)

小宮山(っ!?私の考えたことがバレてる!?だ、誰だお前は…)

梢(こずぴぃは、こずぴぃなのら♪)

小宮山(は?こずぴぃ?なんだ、やっぱり幻聴か…)

梢(だーかーらー、幻聴じゃないってー!こずぴぃは今、あなたの目の前にいるのら♪)

小宮山(え?目の前?目の前って…)

梢「…っ」

小宮山「あ、あなたなの…?」

梢「…っ」コクコク

小宮山(っ!?頷いたってことは、ほんとにこの子が…)

小宮山(し、信じられない…なにこれ?テレパシー?)

梢(仕組みはよくわかんないのら)

梢(でもできるの)

小宮山「ふ、普通に話さないのはなんで?」

梢(だ、だってー、恥ずかしいし…)

小宮山「ちょ、ちょっと黒木、なんなのよこの子…」

もこっち「えっと、この子の名前は折原梢…この声はギガロマニアックスの能力みたい…」

小宮山「なっ…あ、あんたにも、このテレパシーみたいな声聞こえるの?」

もこっち「う、うん…」

小宮山「や、やっぱり本当に…」

梢(やっぱりこずぴぃのこと、気味悪い、よね…)

梢(こんなの、普通じゃないし…)

小宮山(い、いや、別にそこまでは言わないけど…)

梢(えっ、本当っ!?こずぴぃ、そう言ってもらえるとすごいうれしいのら♪)

小宮山(そ、そう…ならよかったけど…)

梢(ねえねえ、あなた名前はー?)

小宮山(えっ、こ、小宮山、琴美…)

梢(琴美しゃんだね。こずぴぃの本名は折原梢。これからよろしくね琴美しゃん!)

小宮山(あ、うん…よろしく…)

梢(ねえねえ、琴美しゃんはこずぴぃとお友達になってくれる?)

小宮山(え、まあ、別にいいけど…)

梢(やったー!三人目のお友達だー!よろしくねー!琴美しゃん!)

小宮山(は、はあ…)

もこっち「…」

もこっち(こずぴぃの声しか聞こえないが、おそらく私の時と同じようなやり取りがされているんだろうな)

すみません書く上での都合上、こずぴぃが友達にあげるのは飴玉という設定にさせて下さい


梢(そういえば琴美しゃん!はいこれ!)スッ

小宮山(えっ、なにこれ?飴玉?)

梢(うん!お友達になってくれた人には必ずあげてるの!)

小宮山(まあ、そういうならもらっておくけど…)

梢(えへへー。またお友達ができたのらー♪)

小宮山(私と友達になっただけで、こんなに喜んでもらえるなんて…)

梢(あー、そんなことを言ってるうちにセナしゃんが帰ってきたのら!おーい!セナしゃーん!)

セナ「待たせたな梢。と、そこにいるのは黒木と小宮山か?」

もこっち「あ、ど、どうも…」ペコリ 

小宮山「お、お久しぶりです…」ペコリ

セナ「そうかしこまるな。どれ、今日はガルガリくんを箱で買ってきたから、黒木と小宮山にもや分けてやろう」

もこっち(箱買い…そろそろ寒くなる季節なのに、よくそんなに食べられるな…)

小宮山「あ、あの、私今飴なめてて…」

セナ「そうか、なら仕方ないな。ほら黒木、食べろ」スッ

もこっち「は、はあ…」

もこっち(まあくれるっていうならもらっておこう…)スッ

セナ「ふう、やはりこういう日はガルガリくんに限るな」サクサク

もこっち(蒼井さんならどんな日でもガルガリくんに限るんじゃ…)サクサク

梢(セナしゃんセナしゃん、あのねこずぴぃね、また一人お友達が増えたのら♪ねー琴美しゃん♪)

小宮山「えっ、ま、まあ…」

セナ「小宮山か。小宮山、梢と仲良くしてやってくれ」

小宮山「は、はあ…」

梢(あ、それはそうと智子しゃんと琴美しゃんはー、セナしゃんに何か用があるみたいだったよー?)

セナ「私に?」

智子「は、はい。あの、実は今、ちょっと困ってて…」

セナ「何があったんだ。話してみろ」

智子「あの実は…」

(説明省略)

セナ「ふむ、なるほどな」

もこっち「そ、それで、どうしていいかわからなくて、蒼井さんのところに…」

セナ「その将軍とかいうやつは、どうやったかわらないがお前らの写真を撮ってきた、と言っていたな。そんな事できるやつなんて、限られている。ギガロマニアックスか、もしくは希の連中か…」

もこっち「の、のぞみ?」

セナ「いや、何でもない。しかしその将軍とかいうやつは気になるな…もしそいつが希の人間なら、ニュージェネ事件も奴らが起こしているのか?だとしたら…」ブツブツ

もこっち「え、えっと、蒼井さん?」

セナ(だが黒木たちをこれ以上巻き込むわけにはいかない。ここはひとまず…)

セナ「黒木、小宮山。これからお前達は私達と行動を共にしろ」

もこっち「え?」

セナ「お前達のことは私と梢で守る。だから出来るだけ私達のそばを離れるな、ということだ」

もこっち「え、は、はい…」

小宮山「あ、ありがとうごさいます…」

梢(えー。セナしゃんセナしゃん。そんなめんどくさい事しなくてもー、その将軍とかいう悪い人を見つけて、ドカバキグシャーってしちゃった方が手っ取り早くていいのら♪)

セナ(そうしたいのは山々だが、まだ情報が足りなすぎる。希に乗り込んでもいいが、これ以上黒木や小宮山を危険な目に遭わせるわけにはいかない)

梢(えー?のぞみ?なにそれー?)

セナ(いや、何でもない。気にするな)

梢(うぷー)

セナ「よし、決まりだ黒木と小宮山。これから放課後や休日はこの電車のところへ来い。学校にいるときは梢を頼れ。家にいるときになにかあったらこの番号に連絡しろ」カキカキ

もこっち「は、はい…」

小宮山「あ、ありがとうごさいます…」

セナ「よし、そうと決まれば行くぞ」

小宮山「え?行くって、どこに?」

セナ「…」

セナ「散歩だ…」

ーその夜ー

もこっち(結局、あのあとずっと渋谷を歩き回ってたな、疲れた…)

もこっち(しかし、別にどこに行くわけでもなく、ずっと歩き回ってただけだったな。こずぴぃ、蒼井さんは何の目的でウロウロしてるんだ?)

梢(うーん、こずぴぃにもよくわからないけどー、誰かを探してるみたいだよー?)

もこっち(なるほど。まあ守ってもらってる身だし、大人しくついていくことにするか…)

「ーその目誰の目?」

もこっち(っ!?な、なんだ?今の声…)

もこっち(って…)

「ーその目誰の目?その目誰の目?その目誰の目?その目誰の目?その目誰の目?」

もこっち「え?な、なに?この声…?」

梢(うぷー、この声なんだか聞いてると、なんだか気味が悪いのらー…)

セナ「これは、まさか…」

小宮山「み、みんなみて!あそこの公園!」

もこっち「あ、あれは…」

人々「その目誰の目?その目誰の目?その目誰の目?その目誰の目?…の目誰の目?その目誰の目?その目誰の目?」

もこっち(な、なにやってるんだあいつら…新手の宗教かなにかか?全員目が虚ろだし…って、あれ?)

ポーターA「うっしっしっしっし。いいぞいいぞ…」

もこっち(一人だけ正常な奴がいるぞ?なんかキモオタの典型みたいな見た目してる奴だが…っていうか、あいつはあんなところでなにをやってるんだ?)

セナ「…っ!NOZOMI…」ギリッ

もこっち「え?あの、蒼井さん…?」

セナ「…」

セナ「お前達はここで待っていろ…」スッ

もこっち「え?あの?」

セナ「…」スタスタ

もこっち(行っちゃった…あんまり近づかない方がいいんじゃ…)

すみません今見直したら二つもミスがありました

>>255

×黒木と小宮山にもや分けてやろう

○黒木と小宮山にも分けてやろう
               
>>258

× この声なんだか聞いてると、なんだか気味が悪いのらー

○この声聞いてると、なんだか気味が悪いのらー

でお願いします
なるべくミスしないように気をつけたつもりでしたがすみませんでした

ポーターA「な、なんだよお前!あっちいけよ!」

セナ「…」

もこっち(こ、こずぴぃ、蒼井さん大丈夫なのか?)

梢(大丈夫大丈夫ー。セナしゃんはとっても強いのら♪)

もこっち(そ、そうか。ならいいけど…)

ポーターA「よ、用がないならあっち行ってろよ!俺はお前みたいなガキに構ってるほど暇じゃないんだよ!」

セナ「…」

セナ「…」スッ

ポーターA「ひっ!な、なんだよ…」

もこっち(あの構え…まさか!)

ースーッ

ージャキンッ!!

セナ「…」ジャキッ

ポーターA「ひ、ひぃぃ…な、なんだよ…それ」

もこっち(や、やっぱりだ!ディソードを取り出した!と、止めに行くぞこずぴぃ!)

梢(えー?大丈夫大丈夫ー。セナしゃんつ普通の人をディソードで斬ったりしないのら♪)

もこっち(じゃあなんでディソードを取り出したんだよ!?しかもリアルブートしてあるみたいだぞっ!?)

小宮山「えっ?えっと、大丈夫なの?これ…」

セナ「…」ジリッ

ポーターA「あ…あ…」

ポーターA「た、助けてぇ!」ダッ

セナ「…っ!」ダッ

もこっち(ちょっ!)

ズバァンッ!!

ポーターA「ひいいっ!!」ドデッ

ポーターA「はあっ、はあっ、はあっ…うっ、うううっ…」ジワッ

もこっち(って、よかった…リュックを斬っただけか…)

人々「…えっ?わ、うわあああああーっ!」ダッ

セナ「…」

セナ「ふん」スタスタ

>>260

すみません言ってるそばからミスがありました

× セナしゃんつ普通の人を ディソードで斬ったりしないのら

○セナしゃんは普通の人を ディソードで斬ったりしないのら

でおねがいします
ミスが多くてすみませんもう少し推敲を重ねようと思います

推敲もだけど、毎回直すのはもういいじゃない?
誤字脱字が酷過ぎて意味が分からなかったり意味が変わってしまう場合以外は直さなくて
普通に読んでれば>>261みたいな間違いたいして気にならないし
それよりも続きが気になる

俺もそう思う
大体は把握できるからな
内容いいし大丈夫だろ

>>262
>>263
それではひどすぎる誤字脱字以外は放置というかんじで行こうと思います
ご意見ありがとうございました

小宮山「す、すごい…」

もこっち(そういえば、ディソードで何かを斬るところは始めてみたが、ものすごい威力だな…斬られたらひとたまりもなさそうだ…)

セナ「待たせたな、お前達」

もこっち「あ、いえ…」

梢(おかえりセナしゃーん!さっきのセナしゃん、すごーく格好よかったよー♪)

セナ「ほめても何もでないぞ」

梢(本当に格好ですよー♪ねー智子しゃん、琴美しゃん♪)

もこっち「ま、まあ…確かに…」

セナ「なっ!?ま、全く!黒木まで何を…」カアア

もこっち(なっ!?あの蒼井さんが照れてる…だと?さ、さすがはこずぴぃ…)

小宮山「…」

小宮山「あ、あのっ!」

セナ「ん?なんだ?小宮山」

小宮山「さ、さっきのあのリュックを背負った男は、一体誰なんですか?あ、あいつのリュック、中に変な機械入ってたし、それにあのリュックが破壊されてからなぜか周りにいた人がみんな正気に戻ったみたいだったし…」

もこっち(確かに。言われてみればそんな気がするな)

セナ「…」

セナ「あいつらは、ギガロマニアックスの能力を悪用しようとしている人間。それ以上詳しいことは教えられない」

小宮山「え?な、なんで…?」

セナ「これ以上、お前達を巻き込むわけにはいかないからな。安心しろ、お前達のことは必ず守ってみせる」

小宮山「は、はあ…」

セナ「すっかり暗くなってしまったし、今日は解散にしよう。帰りは、そうだな。梢、私は黒木を送っていくから、お前は小宮山を送れ」

梢(了解なのれーす♪さあさあ、行きましょ琴美しゃん♪)スタスタ

小宮山「あ、ま、待ってよ折原さん!」スタスタ

もこっち(帰り道は護衛してくれるってことか。しかし個人的には、こずぴぃの方が気を使わなくて済むから楽なんだけどな。まあ、守ってもらう立場だし、わがまま言うのはやめておくか…)

セナ「私より梢の方がよかったのか?」

もこっち「えっ?あっ、い、いえいえ!べ、別にそうは言ってないです!」

もこっち(そ、そういえば、蒼井さんも他人の思考を読めるのを忘れてた…)

セナ「冗談だ。さあ、時間も時間だし、そろそろ帰るとしよう」スタスタ

もこっち(まあ、確かにもう結構遅くなってるな。普段なら夕飯を食べてる時間だ…)スタスタ

プルルルルルル

もこっち(ん?電話か?ええっと相手は…)ガサゴソ

もこっち(って、お母さんか…おそらく、帰りが遅いことについてだろうな…)

もこっち「あ、あの、ちょっと失礼します…」

セナ「電話か。私のことは気にしなくていいから、早く出ておけ」

もこっち「は、はい…」ピッ

もこっち「も、もしもし、お母さん?」

黒木母「あっ智子?まだ帰ってこないけど、夕飯どうするの?」

もこっち「あ、今から帰るから、私の分も取っといて…」

黒木母「わかったわ。早く帰ってきなさいよね」

もこっち「う、うん。わかった…」ピッ

ツーツー

もこっち「あ、あの、お待たせしました…」

セナ「…」

セナ「家族からか?」

もこっち「え?ま、まあ…」

セナ「そうか…」

もこっち「あ、あの、蒼井さん?」

セナ「いや、なんでもない。家族とは幸せか?」

もこっち「え、ま、まあ。それなりに…」

もこっち(実際は母親が口うるさいし弟がムカつくけど…)

セナ「…」

セナ「そうか、家族を大切にな」

もこっち「え?」

セナ「さあ、家族が待っているんだろう?早く帰るぞ」スタスタ

もこっち「は、はあ…」スタスタ

ー黒木家前ー

もこっち「あ、あの、今日はありがとうございました…」ペコリ

セナ「気にするな。明日の朝からは梢が黒木と小宮山を家まで迎えに行くことになっているから、三人で学校に行ってこい」

もこっち「は、はあ。ありがとうございます…」

もこっち(朝も迎えにきてくれるのか、大分心強いな。しかし蒼井さんは一緒に来ないのか?てっきり蒼井さんとこずぴぃは一緒に学校に行ってるものだと…)

セナ「私は基本的に学校には行かないんだ。他にやるべきことがあってな」

もこっち(え?それって、出席日数とか大丈夫なのか?)

セナ「なっ!こ、細かいことは気にするな!そ、それじゃあな…」スタスタ

もこっち「あ、は、はい。さ、さようなら…」

もこっち(大丈夫じゃないみたいだな…)

今日はここまでで

ー数日後、学校の昼休みー

もこっち(結局あれから、登下校はこずぴぃと、放課後はずっと蒼井さんといる…)

もこっち(しかし、あの二人といると心強いな。私がディソードを手に入れるまでは、しばらく一緒にいてもらおう…)

もこっち(ん?待てよ?あの二人はギガロマニアックスなんだし、ひょっとして剣を手に入れる方法を知っているんじゃないか…?)

もこっち(おお!なんでもっと早く気がつかなかったんだ!こうしてはいられない!早速こずぴぃのところへ…)ダッ

ズキンッ

もこっち(っ!?)ガクッ

ズキズキズキズキズキズキ

もこっち(っ!?な、なんだ!?この頭痛は!頭が割れそうだ…だ、だれか、助けて…)

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

もこっち(な、なんだ?地震…?く、くそ。悪いタイミングで来やがって…)ズキズキ

もこっち(って、なんだあれは?空が…白くなっている!?)

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

ーーーー
ーーー

もこっち「…」パチッ

もこっち(あれ?えっと、私、どうしたんだっけ…そうだ、確かこずぴぃのところに行こうとしたら、突然頭が痛くなって、それから…)

もこっち(…)

もこっち(記憶がないってことは、気絶してたのかな?ええっと、最後の記憶だと、時間は昼くらいだったけど…)チラッ

もこっち(え?な、なにこの時間…私、何時間も気絶してたのか?)

もこっち(そ、そんなばかな…ていうか、何で校舎内に他の生徒がいないんだ?まだ、下校時間じゃあないはずだろ…?)スタッ、キョロキョロ

もこっち(って、なんだあれ…校舎の前に人だかりができてるぞ?あんなところでなにを…)

もこっち(って、あの屋上に立ってるのは、岸本か?あ、あんなところでなにを…)

もこっち(く、くそ!こうしちゃいられない!)ダッ

もこっち「はあっ、はあっ、はあっ…」タッタッタッタッ

もこっち(あのライブの日に見たあの映像…まさか、まさか!)タッタッタッタッタッ

もこっち(く、くそ!止めないと!早く止めないと!)タッタッタッタッタッ

ガチャンッ!

もこっち「はあっ、はあっ…き、岸本さんっ!!」

あやせ「…」

あやせ「ねえ、大いなる意志よ…」

もこっち(っ!!聞こえてないのか!?)

あやせ「お願い、この器は、差し出すから…」

あやせ「魂を、連れて行って…」

もこっち(と、止めないと!私が止めないと!)ダッ

もこっち「ま、待って!岸本さんっ!岸本さんっ!!」タッタッタッタッ

あやせ「ー還るべき」スッ

もこっち(やめろ)

あやせ「ー場所へ」グラッ

もこっち「やめろおーっ!!」

野次馬生徒「うわっ!飛んだっ!マジで飛んだぞっ!」

あやせ「…」ゴオオオ

もこっち(く、くそ!手を伸ばしても、届かない!こ、これじゃあ、あの時見た映像みたいに…)

もこっち(や、やだ!あんなの見たくないっ!あんなの見たくないっ!)

ドサアッ

もこっち「う、うわああああーっ!!!」

もこっち「あ、あ、ああ…」ガクガク

もこっち(た、助けられなかった…私の目の前で飛び降りたのに、私は、私は…)ガクガク

野次馬生徒「な…」

もこっち(人が死んでしまった…岸本が死んでしまった…私の目の前で…)ガクガク

野次馬生徒「お、おい!生きてる!生きてるぞ!」

もこっち「えっ!?」ガバッ

もこっち(う、うそ…)

あやせ「う…」

もこっち(か、花壇の上に落ちたのか…よ、よかった…よかったぁ…)ジワッ

もこっち「ううっ、うううっ…」グスッ

もこっち(…あれ?でもあんなところに、花壇なんてあったっけ?)

ーーーーー
ーーーー

ピーポーピーポー

教師A「ふう、岸本が無事でよかった」

リア充B「先生ー。ほんとにあの人大丈夫ー?」

教師A「ああ、目立った外傷もなかったしな。おそらく何ともないだろう」

リア充B「よかったー。あたしほんとに心配だったよー」

もこっち「…」

もこっち(みんな岸本に夢中で、私には気付いてなかったみたいだな。まあ、そっちの方がいいけど…)

もこっち(まあ岸本は無事みたいだし、こずぴぃを探して帰るとするか。ええっと、こずぴぃこずぴぃ…)キョロキョロ

セナ「おい」

もこっち「へいっ!?」ビクッ

もこっち(って、蒼井さんか…今日は学校に来てたのか。珍しいな…)

セナ「黒木、お前があの花壇を妄想したのか?」

もこっち「え…?花壇?」

セナ「そうか、違うのか。そうなると、やはりあの男か…」クルッ、スタスタ

もこっち「あっ…ちょ、ちょっと、蒼井さん?」スタスタ

ーーーー
ーーー

セナ「どこへ行った。あの男…」キョロキョロ

もこっち「あ、あの…誰か探してるんですか?」

セナ「少しな。って、公園にいるあいつは…」

もこっち(公園?)チラッ

拓巳(やっぱり、あの花壇は何だったんだろう…何でだれも疑問を抱かないの?あんなもの前は無かったのに…)

もこっち(西條か…たしか今日はあいつ学校にはいなかった気がするが…あんなところで一体何を…)

セナ「見つけたぞ、あの男だ」

もこっち「え?」

もこっち(西條を探してた?一体何の用で?)

セナ「黒木。お前はここで待っていろ」スタスタ

もこっち「は、はあ…」

拓巳(く、くそ…どうなってるんだよ一体…)

セナ「おい!」

拓巳「え?」クルッ

ガシッ

拓巳「…っ!?」

ガシャンッ

拓巳「うっ!げほっ…!」

セナ「…」

拓巳(な、なんだよこの女…いきなり胸ぐらつかんで遊具に押しつけてくるなんて…く、くそ!離せ!離せっ!)ジタバタ

セナ「…」

セナ「お前だな?」

拓巳(え?)

セナ「あの花壇を作ったのは」

もこっち(おいおい、いきなり胸ぐらをつかんだぞ?止めに行った方がいいかな…?)

拓巳「…っ!!」ブンブン

セナ「とぼけるな!」

拓巳「…っ!!」

拓巳(な、なんだよこの女…誰か、誰か助けて…)

セナ「お前は、天成神光会と関係があるのか?」

拓巳「がはっ!え…?」

セナ「その力を誰から教わった!?」

拓巳「…っ!?」

拓巳(な、なんだよこの女…息が苦しい…だ、誰か、誰か助けて…)ジワッ

もこっち(ええっと、さすがに止めに行った方が良さそうだなこれは…)スタスタ

セナ「ディソードなしで、エラーを現実にするなんて、ありえない!その力を誰に教わった!答えろ!」

拓巳(力のことなんて、誰にも教わってない…!でも、強いて言うなら…)

拓巳「うぐ…あ、あやせ…」

セナ「…」

拓巳(い、息が、できない…もう、だめだ…死ぬ…)

もこっち(って、西條のやつ顔が逝きかけてるぞ!?やばい!早く止めに行かねば…)ダッ

セナ「…」

スッ

拓巳「えっ?あ…」

ドサッ

拓巳「げっ…げほげほげほっ…げほっ…!」

もこっち(あ、蒼井さん、手を放した…)

セナ「本当に、天成神光会とは関係ないんだな?」

拓巳「…っ!!」コクコク

セナ「悪かった。関係ないならいい」

拓巳「え?」

セナ「それじゃあな…」クルッ

拓巳「え?あの…」

セナ「ん?なんだ黒木。きてたのか」

もこっち「えっ?えーと、その…」

セナ「私の用は済んだぞ。お前もこの男に何か用があるのか?」

もこっち「い、いえ、別に…」

セナ「なら行くとするか。とりあえず、梢と小宮山たちと合流しよう」

もこっち「ええっと、そうですね…」

拓巳(なんだこいつら?僕を攻撃する気はないのか?だったら…)

拓巳「あ、あ、あの…」

セナ「ん?」クルッ

拓巳(あ、振り返ってくれた。話は聞いてくれるんだ…)

拓巳「ち、力って、なんなの…?」

拓巳「さ、さっきの花壇…どうなって…」

もこっち(花壇?花壇って、岸本が倒れてた花壇のことか?やっぱり、あんな花壇学校にはなかったよな…?確かにどうなってるんだろう…)

セナ「お前が妄想したんだろう?」

拓巳「…え?」

もこっち(なに?西條が妄想した?西條があの花壇をリアルブートしたってことか…?)

セナ「妄想は、現実にすることが可能だ」

セナ「本当じゃないモノが景色に紛れ込む」

セナ「つまりエラーを現実として認識させる」

もこっち(リアルブートの話か。ていうかなんだ?西條は、既にギガロマニアックスとして覚醒してるってことか?)

拓巳「で、でもっ!視界に移すだけじゃ、ま、幻でしかないじゃないか!」

セナ「いいか、世界の仕組みは3つの数字ですべて説明できる。0と1、そしてマイナス1」

セナ「ディソードはマイナス1を生み出すためのショートカットだが、お前はディソードなしでそれをやった…」

もこっち(なにっ!?ディソードなしでギガロマニアックスの力を使っただと!?くそ、羨ましい…)

セナ「いいか、これ以上エラーをつくるな。それがお前のためだ」

セナ「それと、エラーを見たら教えろ」

拓巳「は、はあ…」

セナ「目に見えるものだけを信じられることが、どんなに幸せか…」

拓巳「え?」

セナ「なんでもない。行くぞ、黒木」スタスタ

もこっち「あ、はい…」スタスタ

拓巳(また訳の分からないことばかり…セナって一体どれだけのことを知ってるんだろう?)

今日はここまでで

ーその夜、黒木家ー

もこっち(ふう、今日はいろいろあって疲れたな…)ゴロッ

もこっち(しかし結局、あの花壇は何だったんだ?蒼井さんは西條がリアルブートしたって言ってたけど、本当なのかな?)

もこっち(って、そういえば蒼井さんやこずぴぃに、ディソードを手に入れる方法を聞くのを忘れてた。まあいいや、明日聞くことにしよう…)

ブブブブブブブ…

もこっち(ん?メールか。誰からだろう…)スッ

もこっち(ええっと、知らないアドレスからか。迷惑メールかな?件名は…)チョイチョイ

もこっち(『その目誰の目?』?なんじゃこりゃ。誰かのいたずらか?)

もこっち(まあ一応、中身を読んでおくか)チョイチョイ

もこっち(ええっとなになに?)

『久しぶりだね。僕の名前はしょうぐんだよ』

もこっち「…」

もこっち「え?」

もこっち(将軍って、まさか…)

もこっち(な、なんで将軍が私のアドレスを?いや、もし将軍が私の思考を盗撮してるなら…メールアドレスなんて簡単に…)

もこっち「ウ、ウソでしょ…」

もこっち(と、とりあえず続きを…)

『あやせさんは助かったみたいだね。ニュージェネの新しいネタにしようかとも思ったけど、さすがは西條拓巳くん、僕の予定が大分狂っちゃった。彼はハイスコア更新だ』

もこっち(なぜ西條の名前が…やっぱり、あの花壇は西條が…?)

『でもそのおかげで、君と彼との間に大分スコアの差ができちゃったね。このままじゃ君は大差をつけられて負けちゃうぞ?』

もこっち(ス、スコアとか、何の話だよ…)

『彼の方も、新しいクエストを始めたみたいだし、君のクエストも開始しよう。なあに、このクエストを彼よりも早くクリアすれば、君のスコアはあっという間に彼に追いつくさ。今回の君のミッションは、成瀬優ちゃんの救出だ』

もこっち(え?ゆうちゃん?なんでここで、ゆうちゃんの名前が…?)

『それじゃクエスト開始だ。今日の21時、O-FRONTの向かいにあるビルの、屋上まで来てほしい。もし来なかったり、誰かにこのことを話したりしたら、君の友達がどうなるかわかってるよね?』

もこっち(な、なんだよこいつ…ついに私か?私が殺されるのか?)ガクガク

もこっち(や、やだ…た、たすけて…蒼井さん、こずぴぃ…)ガクガク

『ー誰かにこのことを話したりしたら、君の友達がどうなるかわかってるよね?』

もこっち「…っ!!」ゾクッ

もこっち(ど、どういう意味だよこれ…ていうか、友達ってだれのことだ?ゆうちゃんか?ゆうちゃんのことか…?)ガクガク

もこっち(誰かにしゃべったら、ゆうちゃんを殺すってこと?そもそも、なんでゆうちゃんの名前が出てくるんだよ…)ガクガク

もこっち(って、まだ下にも文がある…な、なんだよ、もうなにも見たくないよ…)

『P.S.君の家族が留守の間に、君の部屋にプレゼントを置いておいたよ。拓巳くんの方には右手が送られたみたいだから、君には左手を送るね』

もこっち(は?プレゼント?左手?なんだよ、それ…)

もこっち(と、とりあえず、ゆうちゃんに連絡してみよう…ゆうちゃんがまだ無事なら、今からでも蒼井さんに守ってもらうこともできるし…)ピッピッ

もこっち(お、おねがい。出て、ゆうちゃん…)

プルルルルル…

もこっち(よ、よし、つながった…!)

チャーチャーラララー♪チャーラララー♪

もこっち(…え?この音ってたしか、ゆうちゃんのケータイの着メロじゃあ…)

チャーチャーチャーチャーチャチャラチャー♪

もこっち(な、なんでこの部屋からゆうちゃんのケータイの着メロが聞こえてくるんだ!?く、くそっ!)ピッ

ツーツー

シーン…

これは…

くそっ、蒋軍め……

もこっち「…」

もこっち「え?」

もこっち(私がケータイを切ったら、あのメロディが聞こえなくなった…?)

もこっち「そ、そんな…そんな…」

もこっち(い、いや!そんなことはない!きっと、何かの間違いだ!も、もう一度かけてみよう…そ、そうすれば、今度は着信音も鳴らないかもしれないし、ゆうちゃんも電話に出てくれるかもしれない!)ピッピッ

プルルルルル

もこっち(お、おねがい…鳴らないで…)

チャーチャチャーチャーチャー♪

もこっち「うっ…」

もこっち(だめだ…やっぱり、この部屋に、ゆうちゃんの携帯電話が、ある…)

もこっち(なんで?なんで…?)

『君の部屋にプレゼントを置いておいたよ』

もこっち「…っ!!」ゾクッ

もこっち(そ、そんな…まさか…)ガクガク

チャチャーチャチャー♪

もこっち(…って、この音、この箱から…)

もこっち(こ、こんな箱、見たことない…こ、これが、あいつの言ってたプレゼント…?)スッ

もこっち(…っ!お、重い…どう考えても、ケータイが入ってるだけじゃない…)

『拓巳くんの方には右手が送られた みたいだから、君には左手を送るね』

もこっち(そ、そんなわけない…そんなの、無茶苦茶だ…)ガクガク

もこっち(そうだ、そんなわけない、きっと、そんなわけはないんだ…)

ビリッビリッ

もこっち「うう…」

もこっち(あ、開けたくない…開けたくないよぅ…)ジワッ

もこっち「ううっ、うううっ…」グスッ

もこっち(でも、開けないと…もしかしたら、ゆうちゃんが大変な目にあってるかもしれないし…)

もこっち「はあっ、はあっ…あ、開けるぞ…ううっ!うううっ…」グスッ

ガサッ

もこっち「…」

もこっち「あ…あ…」ガクガク

もこっち(これ、ゆうちゃんの携帯と…)

もこっち(切断された…左手だ…)

もこっち「う、うわああああーーーーーーーーーーー!!!!!!」

今日はここまで
グロくなっちゃってすみませんでした

あんま覚えてないけどこれ偽物なんだっけ?

>>294
原作では、手首は偽物じゃなくて本物だったはずです

ー21時前、渋谷表通りー

もこっち「ううっ、ううう…」トボトボ

もこっち(本当は蒼井さんやこずぴぃに助けてもらいたかったけど、誰にも話すなって言われてたから、それもできなかった…)

もこっち(行きたくない、行きたくないけど…ゆうちゃんが、ゆうちゃんが…)

もこっち(私が助けるしかないんだ…でも、どうやって?このまま出ていっても、一緒に殺されるだけじゃ…)

もこっち(…っ!友達が人質に取られてるのに、何を考えてるんだ私は!そ、そうだ…ディソードを手に入れよう…そうすれば、将軍なんて目じゃないし…ゆうちゃんだって助けられるはずだ…)

もこっち(お、おねがい…出てきて、ディソード…)

もこっち「…」

もこっち(く、くそ!出てくる気配もない!な、なんでだよ…こんなに欲してるのに…こんなに苦しんでるのに…なんで私は覚醒できないんだよ…)

もこっち(もうやだ…私が何をしたって言うんだよ…)

もこっち(って、言われた時間まで、あと五分しかない!と、とにかく…今は急がないと!)ダッ

ー数分後、O-FRONT前ビルの屋上ー

もこっち「はあっ、はあっ…」

もこっち(な、なんとか間に合った…時間ギリギリだけど…)

もこっち(でも、ここには誰もいないぞ?言われたとおりにきたのに、なんで誰もいないんだ?)キョロキョロ

ーーキイッ

もこっち「…っ!?」ゾクッ

??「振り向いたら、殺すよ?」

もこっち(こ、この車椅子の音…将軍っ!?)ガクガク

将軍「殺すっていうのは、君のことだけじゃないっていうことは、わかってるよね?」

もこっち(ゆ、ゆうちゃん…)

将軍「ほんとに一人できてくれたんだね。ありがとう」

もこっち(な、なんでこいつ、ボイスチェンジャーなんて使ってるんだ?今さら正体がバレたくないとでもいうのか…?)

もこっち(って、今はそんなことどうでもいい!それより…)

もこっち「ゆ、ゆ、ゆうちゃんは、今、ど、どこに…?」

将軍「さあ?どこだろうね」

もこっち「い、生きてるの…?」

将軍「うん」

もこっち「で、でも、手首を…切られた…それじゃいつか…しゅ、出血多量で、死んじゃう…」

もこっち「な、なんでゆうちゃんを…ひどいよ…」

将軍「そうなりたくなければ、今から始まるクエストをクリアすることだ」

もこっち「え?」

将軍「そうすれば、成瀬優ちゃんは無事に返ってくる」

もこっち(無事にって…もう左手が切られてるのに…)

将軍「でももしクリアできなかったら、成瀬優ちゃんは帰ってこない」

将軍「あの子だけじゃない。君も死ねばいい」

もこっち「…え?」

将軍「まあ、前置きはこれくらいにして、そろそろクエストを始めようか」

将軍「まずそこの、落下防止のフェンスを飛び越えてほしい」

もこっち「な…」

もこっち(そ、そんな…私、ここから突き落とされちゃうの?)

もこっち(逃げなくちゃ…このままじゃ、ほんとに殺されちゃう…)ガクガク

将軍「早くして」

将軍「従ってもらわないと、成瀬優ちゃんが死ぬことになるよ?」

もこっち「っ!?」

もこっち(そ、そうだ…ゆうちゃんの命が懸かってるんだ…ここは、従っておかないと…)

もこっち(うう、ごめん、ゆうちゃん…ごめん…)スタッ

通行人たち「ワー!ワー!」

もこっち「っ!?」

パシャッパシャッ

もこっち(うっ、まぶしっ!)バッ

もこっち(って、あれ…?あの街頭ビジョンに映し出されてるのって…)

もこっち(私と…西條…?)

もこっち(な、なんだよあれ…『渋谷より生中継!エスパー男子高校生vsエスパー女子高生!』?)

もこっち(って、よくみたら向かいのO-FRONTから西條が顔を出してる…何やってるんだあいつ…)

通行人たち「その目!」

通行人たち「だれの目!」

通行人たち「その目!」

通行人たち「だれの目!」

もこっち(な、なんだよあいつら…何をあんなにバカ騒ぎしてるんだ…)

通行人A「応援してるぞー!トモコー!」

通行人B「おれたちお前の方に賭けたんだからなー!」

通行人C「あんな男に負けんなよー!」

通行人D「ぎゃははははは!」

もこっち(だれだよあいつら…やっぱり、私はここから突き落とされちゃうの?それでこいつらは、私がここから突き落とされるのを見に来たってこと?)

もこっち「やだ…やだやだやだ…たすけて…怖いよ…死にたく、ないよ…」グスッ

>>298は「フェンスを乗り越えて」かな
飛び越えて、だとそのまま死んじゃいそう……

その目!(チャチャチャ)だれの目!(チャチャチャ)

>>300
すみませんミスでした
そんなかんじで脳内補完おねがいします

将軍「そこから一歩でも下がれば、君の友達が死ぬことになるからね?」

もこっち(うっ…)ピタッ

将軍「大丈夫。君にしてほしいことはひとつだけ」

将軍「君には、そこから一歩も動かずに、ディソードを手に入れてほしい」

もこっち「…え?」

将軍「ディソードはすでに、景色の中にあるんだ」

もこっち「けしきの、なか…?」

将軍「あとは、それを見つけて、手に取るだけでいい。君にはその力があるんだ」

もこっち「見つけて、手に取る…?」

将軍「それさえできれば、君は自由の身だ。成瀬優ちゃんも解放しよう」

もこっち「ほ、本当っ!?」

将軍「でも、条件がある」

もこっち「条件…?」

将軍「うん。向かいのO-FRONTにいる拓巳くんより、早く剣を手に入れるんだ。もし拓巳くんのほうが一秒でも剣を手に入れれば、君の友達は死ぬからね」

もこっち「え?」

将軍「ほら、はやくさがして。ディソードを」

もこっち(え?そ、そんなこといったって…)キョロキョロ

通行人たち「オオオー!タクミー!!」

もこっち(えっ?)チラッ

もこっち(って、西條のやつ、何でビルからあんなに身を乗り出してるんだ?死にたいのか…?)

将軍「どうやら彼は、もうディソードを見つけたようだね」

もこっち「えっ!?」

将軍「彼はあとはディソードを手にするだけだ。どうするの?このままじゃ、君の友達が死んじゃうよ?」

もこっち(そ、そんなっ!くそっ!)キョロキョロ

もこっち(ど、どこにあるんだ…ディソード…ディソード…)キョロキョロ

もこっち(くそ、ない…やっぱり、どこにもない…)

通行人たち「んー!?どうしたんだー!?タクミー!!タクミー!!」

もこっち「え?」チラッ

もこっち(な、なんだ?西條が引っ込んだぞ?ま、まさかっ、もう剣を手に入れてしまったのか!?)

もこっち(そ、そんな…ゆうちゃんが…ごめん、ゆうちゃん…ごめん…)グスッ

将軍「どうやら彼は、あきらめたみたいだね」

もこっち「…え?」

将軍「彼は、ディソードを手に入れられなかったみたいだよ」

もこっち(な、なんだ…よかった、よかった…)ホッ

将軍「何を安心しているんだ?」

将軍「拓巳くんがいなくなっただけで、君がディソードを手に入れなくちゃいけないのは変わらないんだぞ?」

もこっち(そ、そうだ…はやく、ディソードを見つけないと…)キョロキョロ

もこっち(どこだ、どこにあるんだ…ディソード…ディソード…)キョロキョロ

もこっち「…」

もこっち(く、くそ!やっぱりない!どこにもない!)

もこっち(だめだ…やっぱり、私にはディソードを手に入れるなんて無理なんだ…どうしよう…なんとかして、ディソードを手に入れないでもゆうちゃんを助ける方法を見つけなきゃ…)

将軍「…」

将軍「君にはがっかりしたよ」

もこっち「え?」

ドンッ

もこっち「っ!?」グラッ

もこっち「う、うわああーっ!!」ゴオッ

もこっち(だ、だれかに背中を押された…だれに?車椅子の音は聞こえなかった、将軍にじゃない…じゃあ、だれ!?)ゴオオオ

通行人たち「うわっ、な、なんだ!?飛び降りたぞっ!?」

もこっち(地面が迫ってくる…私、ここで死ぬの?い、イヤだ…こんな終わりは、イヤだっ!!)ゴオオ

通行人たち「や、やばい!逃げろー!!」

もこっち(だれか、助けて…)

グチャッ

ビチャアーッ

ープツンッー

ーーーーー
ーーーー

ゆう「もこっち、もこっち!」

もこっち「っ!?」ビクッ

ゆう「もう、どうしたのもこっち?さっきからぼーっとしちゃって…」

もこっち「え?あの…ゆうちゃん?」

ゆう「ん?」

もこっち「あ、ううん…なんでもない…」

もこっち(なんだこれは?何でゆうちゃんの容姿が、中学生の時まで戻ってるんだ?)

もこっち(ていうか私は、屋上から突き落とされたはずじゃ…じゃあここは、死後の世界ってこと…?)

ゆう「今日はありがとね。もこっち」

もこっち「え?」

ゆう「私、自分から声をかけるの苦手で、一年の頃、あんまり友達いなかったんだ」

もこっち「…」

ゆう「だから今日も、一人で困ってたら、もこっちが声をかけてくれて、すごい嬉しかった」

もこっち「…っ!!」

ゆう「本当にありがとねもこっち。一人で困ってるところを、助けてくれて」

もこっち(やめて…)

ゆう「もこっちは、私のヒーローだよ」

もこっち(もう、やめてよ…)

ープツンッー

もこっち「…」パチッ

もこっち(…?どこだろここ? 病室、かな?)ムクッ

ガララッ

もこっち(ん?)

葉月「あら、黒木さん。目が覚めたんですね。おはようございます」

もこっち「え…?あ、あの…?」

葉月「覚えてませんか?あなたはあのあと、気を失ったんです」

もこっち「へ…?」

葉月「屋上で、突然気を失って倒れて…全く、転落しなかったのが奇跡ですよ」

もこっち「え…?あ、あの…お、屋上からは、お、落ちてない、ですか…?」

葉月「はい、安心してください。運良く、屋上からは落ちませんでしたよ」

もこっち(な、なんだ、あの映像は幻覚だったってことか…)

葉月「ご家族の方も、昨夜まではいらしたんですけど…」

葉月「黒木さんの意識が戻らないので、いったんお帰りになりました」

葉月「でも、朝にもう一度様子を見に来るとおっしゃってましたから、そろそろお見えになると思いますよ」

もこっち(家族か、会いたくないな…あんなみっともない姿を、テレビ中継されたんだ…)

もこっち(しかも、私はゆうちゃんを助けることもできなかった…くそ、ごめんねゆうちゃん…ごめんね…)グスッ

葉月「あれ?あの…どうかしましたか?」

もこっち「あ、いえ…なんでも、ないです…」ゴシゴシ

葉月「そうですか。ならいいんですけど。それにしても、もこっちなんて、かわいいあだ名ですね、フフフ」

もこっち「えっ!?」

葉月「…?どうしました?」

もこっち「な、なんで、そのあだ名…」

葉月「ああ、昨日いらしてた、お姉さん…ですか?その人がずっとあなたなことを呼んでたんですよ。『もこっち、目を覚まして!』って…」

もこっち(お姉さん?私に姉はいないし、何より私のことをもこっちと呼ぶのは…)

もこっち「あ、あの…その子、金髪、でしたか…?」

葉月「え?ええ…」

もこっち「う、腕に、けがとか、してなかったですか…?」

葉月「ええっと、特になかったと思いますよ…」

もこっち「そ、そうか…よかった。よかった…」グスッ

葉月「え?あの、黒木さん?」

もこっち「あはは…よかった、よかったぁ…」グスッ

もこっち(なんだ、結局、将軍の言ってた、ゆうちゃんを誘拐したって言うのは嘘か…よかった、よかった…)

葉月「えっと、それじゃあ、あと五分したら調べにきますので、とりあえずお熱計っておいてください」スッ

もこっち「あ、はい…」

葉月「それじゃあ、私は別の病室を見てくるので、またあとで…」

もこっち「は、はい…」

ガララッ

ピシャッ

今日はここまでで

ー病院内倉庫ー

葉月「…」ピッピッ

プルルルル…

ピッ

諏訪『もしもし』

葉月「もしもし護、あの二人が目を覚ましたわよ」

諏訪『へえ、様子はどうだ』

葉月「言われたとおりにしておいたわ。今は二人とも、だいぶ落ち着いたみたい」

諏訪『そうか、ご苦労。しかしあの連中、とうとう派手に動き始めたな。おまけに人のやり方を真似しやがって』

葉月「あっちもだいぶ急いでるってことじゃない?私たちもあっちに先を越される前に、早く西條拓巳を覚醒させないと」

諏訪『そうだな。あのガキが覚醒さえすれば、もうこっちのもんだ』

諏訪『さて、それじゃあ新しいニュージェネ事件でも起こして、あのガキが覚醒するのを手伝ってやるとするか』

葉月「やるのね?」

諏訪『ああ、もうネタは考えてあるからな。それじゃあ、一度切るぞ。またあとで連絡する』

葉月「護、あなたに、神光の救いあれ…」ピッ

ツーツー…

ーーーー
ーーー

もこっち(はあ、クソまずい朝食だったな…)カチャ

もこっち(あと30分ほどで、家族が迎えにくるらしい。くそ、どんな顔して家族に会えばいいんだ…)

もこっち(まあでも、そんなことどうだっていいか。だって、ゆうちゃんが無事だったんだから…)

もこっち「…」

もこっち(そういえば、朝起きてから一度もトイレに行ってなかったから、ちょっと行きたくなってきたな。トイレはたしか、この部屋を出て左だったか…)スタッ

もこっち「…」スタスタ

拓巳「…」スタスタ

もこっち「ん…?」ピタッ

拓巳「あ…」ピタッ

もこっち(西條か。そういえば昨日、こいつも向かいのO-FRONTで、ディソードを探してたらしいな。将軍がちょいちょいこいつの名前を出してたけど、こいつは大丈夫なのか…?)

拓巳(黒木さんか。この子も昨日向かいのビルで何かやってたけど、一体何をしてたんだろう…)

もこっち(っていうか、思いっきり目が合ってるな…すごく気まずいぞこれ…)

拓巳(くそ、早く帰る予定だったのに、思わぬ奴に時間をとらされてしまった…)

もこっち(ええっと、何か言った方がいいのか、これ?ええっと…) 

拓巳(早く帰りたい…早く何とかいってよ…)

あやせ「…」

あやせ「そんなところで何をしてるの?二人とも」

もこっち「ん?」

拓巳「え?」

あやせ「久しぶりね。調子はどうかしら」

もこっち(岸本か。こいつも飛び降りたりしたから、大分きてるかと思ったのに、意外と平気そうだな。まあ、私としてもそっちの方が気が楽でいいけど…)

今日はここまでて


たまたま出会ったにしては
かなりひどい二人だな特にコミュ力

おつ

あやせ「ところで二人とも、もう剣は見つかったかしら?」

拓巳「…っ!!」

もこっち「…っ!!」

あやせ「…?どうしたの二人とも。まだ剣を見つけていないの?」

拓巳「…」

もこっち「…」

あやせ「見つけて、はやく。そうすれば、あなた達は救われるわ」

拓巳(またそれか…)

もこっち(ディソード…結局見つけられなかったな)

もこっち(そもそもなんで、こいつはこんなにディソードを手に入れさせようとしてくるんだ?もしかしてこいつが将軍なのか?それならばニュージェネ事件の予言についても辻褄があうし…)

もこっち(いやそれはないか。こいつがもし将軍だったら屋上から飛び降りしないだろうし、なにより昨日のあの時間こいつは病院にいたはずだしな…)

あやせ「どうしたの智子?私の顔をじーっと見て」

もこっち「あっ、いえいえ!な、何でもありません…」

あやせ「そう、ならいいわ」

もこっち(びっくりした。疑ってるのがバレたのかと思った…)

あやせ「ところで二人とも、今から時間はあるかしら?」

もこっち「えっ、な、なんで…?」

あやせ「見せたいものがあるのよ」

もこっち(まあ、親が迎えに来るまで30分はあるし、多分大丈夫だろ…)

もこっち「わ、私は別に、大丈夫ですけど…」

あやせ「拓巳は?」

拓巳「あっ、ちょ、ちょっと今…急いでて…」

拓巳(看護婦とか先生に見つかる前に、早く抜け出さないと…)

あやせ「そう、残念ね」

あやせ「それじゃ智子。私の病室にきて」

もこっち「あっ、ちょ、ちょっと…」

あやせ「どうしたの?」

もこっち「そ、その前に、トイレに…」

あやせ「そう。じゃあ私はここで待ってるわ」

もこっち「はい、それじゃあ…」スタスタ

拓巳(僕もそろそろ帰らないと…)

拓巳「あ、あの、僕も、この辺で…」

あやせ「さようなら拓巳。また会いましょう」

拓巳「う、うん。そ、それじゃ…」スタスタ

ジャー

もこっち「ふう…」バタン

もこっち(そういえば、見せたいものって何だろうか…)テクテク

あやせ「お帰りなさい。智子」

もこっち「は、はあ…」

もこっち(お帰りって言うほどの距離でもない気がするが…)

あやせ「ついてきて」

もこっち「え?ど、どこに…?」

あやせ「私の病室よ。さっきも言ったでしょう」

もこっち「は、はい…す、すみません…」

ーあやせの病室ー

あやせ「そこに座って」

もこっち「は、はい…し、失礼します…」

あやせ「これをみて」スッ

もこっち(なんだこれ?文庫本?)

あやせ「『グラジオール記黙示録詩編』第3巻」

あやせ「11章23節にこう書かれてるわ。ディソードは、人の邪心を具現化したものだと」

もこっち「は、はあ…」

あやせ「智子。あなたにはディソードが見えている。あなたは、黒騎士なのよ。あなたには力がある。だから、早くディソードを手に入れて。手に入れてもらわなくちゃいけないのよ」

もこっち「…」

もこっち「私は…」

あやせ「?」

もこっち「私は、手に入れられなかった…」

もこっち(昨日だって、結局見つけることさえ出来なかったんだ…)

もこっち「む、無理だよ…」

あやせ「無理じゃないわ」

あやせ「不浄なる邪心に打ち勝って、純粋な邪心のみを心にとどめれば」

もこっち「…は?」

もこっち(なんだそれ…また電波を垂れ流し始めたか?)

あやせ「惑わされないで」

あやせ「それが、不浄なる邪心よ」

もこっち「…」

あやせ「黒騎士は、本来なら邪心を制御できるわ」

あやせ「けれど、邪心王は巧妙だった」

あやせ「グラジオール記黙示録詩編第2巻2章50節。グラジオールは邪心を少しずつ侵食することで、静かに支配を完了し、邪心の暴走を引き起こすのよ」

あやせ「負けてはいけないわ。邪心王の精神侵略に」

もこっち「…」

あやせ「みんなはこう言うわ。私が歌詞によって予知を行っていると」

あやせ「だけど私は、グラジオール記黙示録詩編からインスピレーションを受けているだけ」

あやせ「この詩編こそ、予言の書なのよ」

そういやこの世界の黙示録詩編に予言される黒騎士の数は何人なんだろう
7人のまま?もこっち、ゆうちゃん、こみちゃん追加で10人?

もこっち「予言の書…」

あやせ「事実よ」

あやせ「この渋谷で起きたことを、ツィーグラーは予言し、物語にしている」

もこっち「ツィーグラー?」

あやせ「グラジオール記黙示録詩編の作者よ」

あやせ「故人だけれど、ツィーグラーは強大な黒騎士だったと思うわ。私は」

もこっち「は、はあ…」

あやせ「読んでみる?」スッ

もこっち「あ、はい…」スッ

もこっち(予言の書…一体なにが書いてあるのだろうか…)パラパラ

もこっち(って、なんだこれ…白紙?どこにもなにも書いてないぞ。不良品かな?)

もこっち「こ、これ、不良品?」

あやせ「どういうこと?」

もこっち「だ、だって、なにも書かれてない…」

あやせ「なにを言っているの?ここに字が書いてある。見えないの、智子?」

もこっち「いや…」

あやせ「あなたには見えないのね。侵食されているからだわ。邪心王に」

もこっち「は、はあ…」

もこっち(冗談を言ってる顔じゃないな…なんだこいつ、真性のメンヘラなのか?)

あやせ「考えたことがある?」

もこっち「え?」

あやせ「世界は人によって見える形がちがう」

あやせ「その違いは、邪心による影響」

あやせ「邪心の集合体が、邪心王グラジオール」

あやせ「目覚めようとしている。もうすぐ」

あやせ「もしも目覚めたら、この世に67億ある世界は、混じり、溶け合うことになる」

あやせ「境界が消え、邪心により連結された世界になるのよ。あらゆるものが規則なく生まれ、あらゆるものが一瞬で死ぬ。概念も認識も因果律も、すべて破壊される」

あやせ「すべてあるが故に、なにもない世界」

あやせ「あらゆる神話と同じように、予言されているわ」

あやせ「終末予言。滅びの詩」

もこっち(おまえはなにを言っているんだ…)

>>320
このあとで描写する予定ですが、もこっち達は予言にはいないイレギュラーな存在という認識でお願いします

あやせ「けれど智子、あなたが現れてから、少しずつ予言と今が違ってきているわ」

もこっち「え?」

あやせ「あなたの存在は予言されていなかったのよ。黒騎士の数は予言では7人だった」

もこっち「はあ…」

あやせ「でもあなたが現れてから、予言にはいなかった黒騎士も現れ始めた。あなたは、それほどイレギュラーな存在ということよ」

もこっち「私が、イレギュラー…?」

あやせ「だからこれからどうなるのかは、私にももうわからない」

もこっち「…」

あやせ「だから、ディソードを手に入れて。じゃないと、最悪の結末を迎えてしまうかもしれない」

もこっち「…」

もこっち「わ、私は…」

あやせ「?」

もこっち「私は昨日、ディソードを、手に入れようと、ひ、必死に、探した…」

あやせ「…」

もこっち「で、でも、どこにもなかった…私にはディソードが手に入る兆しもなかった…やっぱり、私には、ディソードを手に入れるなんて、む、無理なんだよ…」

あやせ「…」

あやせ「神罰を乗り越えて。そうすれば、剣は召喚される」

もこっち「神罰…?」

あやせ「苦しみ、心的負荷の爆発、心の扉の向こう側、あるい精神的拷問」

あやせ「言い方はいろいろ」

もこっち「わ、私…これまでも、たくさん苦しんできた…」

もこっち「これ以上、ないくらいに…」

あやせ「…」

もこっち「そ、それでも、ディソードは手に入らなかった…や、やっぱり、私はディソードを手に入れることなんて出来ないんだよ…」

あやせ「私はよく、窓ガラスを割っていたの」

もこっち「え?」

あやせ「割れたガラスの破片、そこにいつもぼんやりと、剣が見えていた」

もこっち「剣が…?」

あやせ「でも何年も、それが何か分からなかった」

あやせ「でも私はある日から、何ヶ月もいろいろな拷問をされて…」

もこっち「拷問…」

あやせ「心が壊れる直前に、大いなる意志の声が聞こえて、やっと召喚できたわ、ディソードを」

もこっち「…」

あやせ「邪心を打ち破るには、純粋なる邪心が必要なのよ」

もこっち(それはつまり、私がもっと苦しめということか?じゃなきゃ、ディソードは手に入らないということか?)

もこっち(だとしたら、ディソードなんていらない。もうこれ以上、苦しむなんてごめんだ…)

あやせ「すでに渋谷に集まってるはずなの。黒騎士たちは」

もこっち「え…?」

あやせ「あとは、全員が覚醒するだけ。急がないと、世界は滅びるわ」

あやせ「グラジオール、もしくは他の何者かの手によって」

ーーーー
ーーー

ガララッ

もこっち「はあ…」テクテク

もこっち(あのあと結局、30分近くも予言だの黒騎士だの聞かされた…)

もこっち(もう、ディソードなんていらないから、私のことは放っておいてくれよ…)

智貴「ん?あっ、おい姉ちゃん!」ガシッ

もこっち「ひっ!!」ビクッ

もこっち(ってなんだ、弟か…)

智貴「たく、病室に迎えに行ってもいないなんてよ…わざわざ探しに行かされるこっちの身にもなってくれ」

もこっち「あ、ご、ごめん…」

智貴「まあいい、帰るぞ」

もこっち「えっ?あの…?」

智貴「あ?」

もこっち「いや、なんでもない…」

智貴「そうか、いくぞ」スタスタ

もこっち「あっ、ま、待って…」スタスタ

もこっち(絶対昨日のことで何か言われると思ったのに…)

今日はここまでで


智貴はホントいい弟だ

ーその後、黒木家ー

もこっち「ふう…」ドサッ

もこっち(やっと帰ってこられた。昨日のことなのに、随分前のことのように感じるな…)

もこっち(昨日はほんとに辛かった。地震がきて突然頭が痛くなるし、岸本の自殺未遂を目撃する羽目になるし、将軍からメールが来るし、切断された手首が送られてくるし…)

もこっち「切断された、手首…」

もこっち(そうだ、浮かれてる場合じゃなかった。あのあと家族に見つからないように、机の引き出しにあのダンボールを隠したんだ…)

もこっち「…」

もこっち(あの看護婦によるとゆうちゃんは無事らしいし、ゆうちゃんの手首じゃないよな…?だとしたら、一体誰のものなんだろう…)

もこっち(もしゆうちゃん以外の誰かのものなら、ケータイのことはどう説明するんだ?ゆうちゃんの番号にかけたら、たしかにあのケータイに繋がったんだぞ…?)

もこっち(くそ、ものすごくイヤだけど、もう一度確かめてみるべきかも。もしかしたら、本当はゆうちゃんのケータイじゃないかもしれないし…)スッ

もこっち「うう、くそぅ…」

もこっち(あ、開けるぞ…開けるぞ…開けるぞ!)

ガラッ

もこっち「…」

もこっち「え?」

もこっち(なくなってる?おかしいな、確かに昨日ここに入れたのに…)

もこっち(どうしてだろう…もしかして、他のところに入れたのかな…?)ガサゴソ

もこっち「ええっと、ない、ない、どこにもない…」

ーーーー
ーーー

もこっち(結局あのあと、どこにも手首の入ったダンボールはなかった。一体、何でなくなってるんだろう…)

もこっち(もしかして、あの手首は将軍のギガロマニアックスの力で見せられてた幻覚なのかも。だとしたら、全ての辻褄があうし…)

もこっち(そうか、そうだったのか…だとしたら、あんなに必死にならなくてもよかったじゃないか。全く、私はうまいことだまされてたってことか…)

もこっち「はは、ははは…」ジワッ

もこっち(嬉しくて涙が出てくる…たとえ世界中の人間からバカにされたって、構うもんか。だって、ゆうちゃんは生きてて、手首は偽物だったんだ。今、私の不安は全て取り除かれたんだ…)グスッ

もこっち「よかった。本当によかった…」

ー病院ー

将軍「…」

ガラッ

将軍「ん?」

梨深「…」

将軍「君か。どうしたの?」

梨深「これ、ナナちゃんの手と黒木さんの友達の手。ここの冷蔵庫に入れておこうかと思って…」

将軍「…」

将軍「そうだね、それがいい」

梨深「…」スタスタ

ガチャッ

梨深「…」スッ

バタンッ

梨深「…」

将軍「やつらが動き出した…ノア?とノア?は完成間近だ」

梨深「…っ!」

将軍「急がないとまずい事になる」

梨深「…」

梨深「どうしても、タクや黒木さんを覚醒させるつもりなの?それじゃあいつらとなにも変わらないよ?」

将軍「でも目的は違う。僕は覚醒したあの二人に、ノア?とノア?を破壊してもらいたいんだ」

梨深「でもタクが覚醒すれば、あなたは死ぬんだよ?それに黒木さんだって、これ以上巻き込むわけにはいかないよ…」

将軍「それじゃあ、どうするの?」

梨深「…」

梨深「私がタクを守る…ううん、黒木さんのことだって守るよ。それが結果的に、あなたを死なせない事になるんだから…」

将軍「…」

梨深「私が何とかする。だから、黙って見ててよ…」スタスタ

ガララッ

バタンッ

今日はここで終了で


ノアが二台ある…だと?
文字化けしてるから分からないけどノアⅡとなんだろう

>>330
てすみません文字化けしてました訂正します

ー病院ー

将軍「…」

ガラッ

将軍「ん?」

梨深「…」

将軍「君か。どうしたの?」

梨深「これ、ナナちゃんの手と黒木さんの友達の手。ここの冷蔵庫に入れておこうかと思って…」

将軍「…」

将軍「そうだね、それがいい」

梨深「…」スタスタ

ガチャッ

梨深「…」スッ

バタンッ

梨深「…」

将軍「やつらが動き出した…ノア2とノア3は完成間近だ」

梨深「…っ!」

将軍「急がないとまずい事になる」

梨深「…」

梨深「どうしても、タクや黒木さんを覚醒させるつもりなの?それじゃあいつらとなにも変わらないよ?」

将軍「でも目的は違う。僕は覚醒したあの二人に、ノア2とノア3を破壊してもらいたいんだ」

梨深「でもタクが覚醒すれば、あなたは死ぬんだよ?それに黒木さんだって、これ以上巻き込むわけにはいかないよ…」

将軍「それじゃあ、どうするの?」

梨深「…」

梨深「私がタクを守る…ううん、黒木さんのことだって守るよ。それが結果的に、あなたを死なせない事になるんだから…」

将軍「…」

梨深「私が何とかする。だから、黙って見ててよ…」スタスタ

ガララッ

バタンッ

訂正も終わったので今日はここまでで
文字化けしていたのは2と3でしたすみません

ー黒木家ー

もこっち「ふう……」グスッ

もこっち(たくさん泣いて、ようやく落ち着いてきたな……ゆうちゃんも無事みたいだし、ひとまず昨日のことについて調べてみよう……)カチッ、ウィーン

もこっち(やっぱり、昨日の騒動についての記事がたくさんあるな……とりあえず、一つ開いてみるか……)カチッ

もこっち(ええっとなになに……)

『電波ジャックエスパーはオオカミカップル!?超能力ショー最悪の結末』

もこっち(カップルって、まさかとは思うが……)

『27日、自らをエスパーだと称する男子高校生Nと女子高生Kが、ニュージェネ事件の犯人を透視する競争をするとテレビ局にメールを送り、テレビ局では取材を敢行した。しかし二人とも何度かビル屋上から飛び降りるようなジェスチャーを繰り返したが、パフォーマンスはそこまで。二人ともその後気を失って病院へと運ばれていった』

もこっち「……は?」

もこっち(私は、テレビ局にメールなんて送ってないぞ?どういうことだ?これも将軍の仕組んだことか?)

もこっち(そういえば結局、将軍は何がしたかったんだろう……わざわざマスコミまで集めて、私にディソードを手に入れさせようとする意味がわからない。それに、なぜかどの記事も将軍のことについては全く触れていないし。まるで、将軍なんてあの場所にはいなかったみたいに……)

もこっち「……」

もこっち(もしかして、ゆうちゃんの手どころか、あのとき現れた将軍すら妄想なのかも……だって車椅子を使ってる将軍が、そんな短時間であそこから逃げ去るなんてできるわけないし……)

もこっち(もうなにが現実でなにが妄想なのかわからない……悪い夢なら早くさめてくれ……)

ーーーー

ニュースキャスター「今日午後8時頃、渋谷区の渋谷川で、女性の変死体が発見されました」

ニュースキャスター「警察の調べによりますと、被害者は自らの右手を噛みちぎって食べたとみられ、また、足首が紐で縛られていたとのことです。警察では自殺と他殺の両面から捜査を……」

ーーーー

ー1週間後ー

もこっち(はあ、今日から停学明けて学校か……学校行きたくねー……どうせバカどもに何かいわれるだろうし……)

黒木母「智子ー。お友達が迎えにきたわよー」

もこっち「はーい……」スタスタ

黒木母「気をつけてね」

もこっち「うん……行ってきます……」

ガチャッ

小宮山「あっ、黒木……」

もこっち「……」

梢(ひさしぶりー智子しゃん♪元気だったー?)

もこっち(……)

梢(あのーあのー、聞きたいなー。先週智子しゃんがテレビに出てたときのことー)

小宮山「ちょ、ちょっと折原さん!」

梢(うぷ?どうしたのー?)

もこっち「………」

もこっち「どうせ言ったって、信じてくれないよ……」

ちょっと区切り悪いですが今日はここまでで

乙。美味い手あいたた

結構楽しみにしてるからこの調子で頼む

梢(え?)

小宮山「……黒木?」

もこっち「ど、どうせ……私が超能力パフォーマンスをやろうとしたとでも思ってるんでしょ……ネットでも、私の書かれっぷりは散々だったもん……バ、バカにしたければすればいいじゃん……こ、ここまできたら、もう何言われても気にならないからさ……」

小宮山「黒木……」

もこっち「……」

梢(それ決めつけー。うぷー)

梢(こずぴぃは、あの時、スクランブル交差点にいたんだよ)

もこっち(え?)

梢(ちょっと通りかかって。あの時、ずーっと智子しゃんの声、聞こえてきたよ)

梢(ゆうしゃんのこと、助けたい、助けなきゃーって、聞こえてたよ)

もこっち(え?私の心の声は、そんな遠くまで届いてたの?)

梢(それだけ、あのときの智子しゃんの想いは強かったーのら)

もこっち(じゃ、じゃあ……こずぴぃはわかってくれるんだね。私が超能力パフォーマンスをやりたくて、あんな騒動を起こしたわけじゃないって……)

梢(うん。それにそーれに、友達の智子しゃんを、バカにしたりするわけないよ♪)

もこっち(でも、私は何もできなかったんだ……これじゃ、ただの役立たずだよ……)

梢(そんなことなーいよ。ゆうしゃんは助かったんでしょ?それなら、それは智子しゃんががんばったおかげだよ♪)

もこっち(そんなことない……私は、何もできなかったんだし……)

梢(たーいじょうぶだよ。そんなに、気にすることないって♪)

梢(とりあえず、学校遅れちゃうし、そろそろ行きましょー。続きは、歩きながら教えてほしいのら)

もこっち「あっ、うん……」

梢(琴美しゃんも行きましょー♪)

小宮山「えっ?わ、わかった……」

梢(それじゃ、出発進行なのら♪)スタスタ

もこっち「う、うん……」スタスタ

小宮山「そ、そうだね……」スタスタ

小宮山「……」

小宮山(ゆうしゃんって、まさか……)

ー学校ー

もこっち(はあ、憂鬱だ……まじで教室行きたくねー……)

梢(だーいじょうぶだって。智子しゃんには、こずぴぃがついてるのら♪)

もこっち(ありがとう……私の味方はこずぴぃだけだよ……)

梢(えへへー。どういたしましてー♪)

小宮山「……」

小宮山「あ、あの、私こっちだから……」

梢(それじゃあね琴美しゃん。またあとでー♪)

小宮山「う、うん。じゃあね……」

もこっち「じゃ、じゃあ……」

小宮山「うん……」スタスタ

小宮山「……」

小宮山(やっぱり、一度確かめるべきじゃ……)

今日はここまで

待ってた


続きが楽しみ

ー教室ー

リア充B「ねえ、知ってる?西條と黒木、今日で停学あけるって話……」

リア充C「まじで?停学あけたとしても、学校来んのかな?」

リア充A「おれだったら無理だなー。よし、あの二人がくるかこないか賭けてみようぜww」

リア充B「いいねーwwじゃあわたし来るでー」

リア充A「じゃあ俺は来ないにww」

リア充C「俺も来ないでーww」

リア充たち「ギャハハハハハハハハ!!」

ガララッ

リア充A「ん?」

もこっち「……」

梢「……」

リア充B「あー、黒木さん来たじゃーん。ふたりとも、私の勝ちだね」

リア充C「くそー!!負けたー!!」

リア充A「いやだってよー、普通来るって思わないじゃん。ていうか逆に、なんで来れんの?」

リア充B「ちょっとやめなってー。超能力で石にされちゃうよー?」

リア充たち「ギャハハハハハハハハ!!」

もこっち「……」

梢(智子しゃん、大丈夫ー?なんならこずぴぃがあの人達を、ドカバキグシャーってしてあげてもいいんだよ?)

もこっち(いや、もういいよ……どうでも……)

梢(ほんとにー?)

もこっち(うん。一週間前、ゆうちゃんが無事で手首も偽物ってわかって、思ったんだ。世界中の人間から馬鹿にされたって構うもんかって……)

梢(ならいいけど。困ったときは、いつでも言ってほしいのら♪)

もこっち(うん、じゃあ席つこ……)スタスタ

ーーーー
ーーー

生徒A「おーい黒木さーん。超能力見せてよーwww」

生徒B「テレビで見たぜー。すげー超能力者と知り合いなんだろー?」

生徒C「西條とはいつから付き合ってんのー?」

生徒D「今日彼氏くるー?」

生徒たち「ギャハハハハハハ!!」

もこっち「……」

もこっち(黙れ……)

梢(大丈夫ー?智子しゃーん)

もこっち(うん、心配しないで……)

ガララッ

リア充C「お?」

拓巳「……」

生徒B「おー超能力カップル二人が揃ったぞー。おい、夫婦で何かパフォーマンス見せてくれよwww」

生徒A「式には呼んでくれよなーwww」

生徒たち「ギャハハハハハハ!!」

拓巳「……」

拓巳(梨深、梨深……)

生徒C「なあ、お前ら生きてるのきつくね?」

生徒A「オレら手伝ってやろうか?」

生徒たち「ギャハハハハハハ!!」

三住「……」

拓巳「……」スタスタ

ガタッ

拓巳「……」

拓巳(いない……梨深が、どこにもいない……)

生徒B「おおー。カップル二人が並びましたーwww」

生徒A「いつになったら超能力見せてくれんのー?」

生徒たち「ギャハハハハハハ!!」

もこっち(くそ、どいつもこいつも好き勝手言いやがって……)

拓巳「……」

拓巳(梨深がいない……もしかすると、梨深なんていう女の子は、僕の妄想でしか無かったんじゃないかな。そう考えると色々と辻褄も合うし……)

拓巳(そうか。そうだったのか。もう、学校に来る理由がなにもない……唯一の理由が消えたんだ……)

生徒B「おーい、早く超能力見せてよーww」

生徒C「星来たんってかわいいよなーwww」

拓巳(こいつら……もういっそ、こいつらの命を、僕の手で踏みつぶしてやろうか……もう、僕の人生なんてどうでもいいんだし……そうだ、そうしよう……)

拓巳「ふひひ……」ガタッ

もこっち(ん?どうしたんだ西條のやつ……)

拓巳「ふひ、ふひひひひ……」

生徒A「え?ちょっと、何……?」

もこっち(こいつ、まさか来ちゃったのか……?)

梢「……」

生徒たち「ねえ、ちょっとどうしたのあいつ……」ジロジロ

拓巳(見るな……僕なんか、見られる価値も無いんだ……)

梢(価値なら、あるよ)

拓巳「……え?」

もこっち(こずぴぃ?)

梢(いーっぱい、いーっぱいある!)

拓巳(なんだこの声?幻聴?それとも、妄想?)

梢(幻聴じゃ、ないのら)

梢(妄想でもなーい)

梢(こずぴぃは、ここにいるよ)

拓巳「こずぴぃって、なんだよ!?」

生徒たち「っ!?」ビクッ

拓巳「ここって、どこ!?」

拓巳「誰なの!?」

もこっち「……」

もこっち(こいつ、今心の声を初めて送られたところか……)

梢(西條くんに価値がないなんて、そんなのぜーんぜん違う)

拓巳「……」 

梢(むしろ西條君のことをひどく言う人たちの方が、価値がないから、いいと思うのら)

梢(殺しても♪)

拓巳「……」

拓巳「……」クルッ

スタスタ

ガタッ

拓巳「……」

拓巳(もう、やだ。どうやら僕は、完全におかしくなっちゃったみたいだ……)

今日はここまでで

いいねいいね

すごいおもしろい
わたもてしらないけど

俺はカオスヘッド知らんけど面白いとおもう

うん面白い

ー放課後、渋谷駅前ー

もこっち(はあ、学校疲れた……)

梢(本当に大丈夫ー?智子しゃん)

もこっち(まあなんとか……そんなことよりこずぴぃ、朝は何で西條に心の声を送ったの?)

梢(西條くん、自分に価値がないとか心の中で言ってたから、そんなことないってことを教えてあげたかったのら♪)

もこっち(へえ、あいつもだいぶ精神的に来てるってことか……)

梢(まあとりあえず、今はセナしゃんを探しましょー♪)

もこっち(そ、そうだね……)

梢(ええっと今日はセナしゃんはー、確かあっちの方にいるって……)


男A「おい、さっさっとついてこい!!」


もこっち(っ!?な、なんだ?今の怒鳴り声……)キョロキョロ

小宮山「あ、あっち!!」

もこっち(あっち?ってあれは……)


拓巳「助けて!誰か助けて!」

男B「うるせーな!はやくついてこい!」

拓巳「や、やだ!誰か!誰か!」

男C「うるせえ!これ以上騒ぐと殺すぞ!!」

拓巳「……っ!!」

男A「おーし、やっと黙ったな。それじゃとりあえず、あそこの路地裏行こっか」ガシッ

拓巳(や、やだ……誰か……誰か……)

もこっち「……」

小宮山「……」

梢「……」

小宮山「えっと、連れてかれちゃったけど、どうするの?」

もこっち「えっと、さすがに見て見ぬ振りっていうのは……こずぴぃ、なんとかできる?」

梢(さっき連れてかれちゃったー、西條くんを助けてあげるってことだよね?さっきの悪そうな人たちはー、殺しちゃっても大丈夫ー?)

もこっち「えっと、一応死なない程度にしておいて……」

梢(えー?悪者だよあの人たーち)

もこっち(いやそうは言っても……って!こんなこと言ってる暇あったら、早く助けに行こう!!)

梢(あ、それもそうだね。えーっと、たしかあっちの路地裏だったのら♪)

今日はここまでで



小刻みに更新あると忘れてなくてうれしい反面
じらされてる感がヤバいな

梢(ええーっと、たしかここの路地裏だったよーね?)

もこっち(うん……)

梢(それじゃ、行ってくるのら♪)

もこっち(絶対に、殺しちゃだめだからね!?)

梢(わかってるってー♪)スタスタ

小宮山「大丈夫かな……」

ーーーー
ーーー

ドゴォッ

男A「うぎゃっ!!」

バキッ

男B「ぐえっ!!」

男C「ひ……な、何だよそれ……おい、よせ……やめろ……やめて……」

ドガッ

男C「ごばっ!!うぐ……」

ドサッ

男C「う……う……」ピクピク

梢(ふう、お掃除完了なのらー♪)

もこっち「……」

小宮山「……」

もこっち「あ、あれ、本当に生きてるの……?」

小宮山「一応、呼吸はしてるみたいだよ?全員顔面が原型をとどめてないけど……」

梢(さーてと、これは西條くんの財布ですねー♪)スッ

梢(それでそれでー、その西條くんはー……)

拓巳「う……う……」ピクピク

梢(えーっと、智子しゃん琴美しゃん、ちょっと待っててねー)

もこっち(え?)

梢「……っ」サスサス

もこっち(ああ、なるほど……西條を起こしてやろうというのか……そこまでしなくていい気はするがな……)

拓巳「……ん?」パチッ

梢「……っ」

拓巳(あれ?僕、気絶してたのか……それにしても、なんでこの子こんな場所にいるんだろう……この子たしか、僕のクラスの転校生だよな?)

梢「……っ」スッ

拓巳(これ、僕の財布?どうしてこの子が……)

拓巳(って、なんだあれ?さっき僕に絡んできた三人がフルボッコにされてるぞ?ま、まさか……ニュージェネ第七の事件!?いったい、誰がこんなことを……)

梢「……っ」ガシッ

拓巳(え?なに?いきなり僕の手を掴んで……)

梢「……っ」ダッ

拓巳(って、いきなり走り出すなよ!!)

拓巳(てあれ?あそこにいるのは黒木さんと、もう一人は誰だろう……転校生といいあの二人といい、なんでこんなところに……)

梢(それじゃ智子しゃん琴美しゃん、表通りまで走るのら♪)

もこっち(え?あ、うん……)

小宮山(わ、わかった……)

ー表通りー

梢「はあっ、はあ……」

拓巳「え?あの、えっと……」

梢「……」

拓巳「あ……」

梢「……」

もこっち「……」

小宮山「……」

拓巳(みんな黙り込んじゃった……みんな僕と同じで、口下手なのかな?いや、そんなことより、状況がよくわからない……どうやら気絶してたみたいだけど、どれくらい気絶してたんだろう……)

梢(5分くらいなのら)

拓巳「な!?」

拓巳(まただ……また朝の時と同じ幻聴が聞こえてきた……)

梢(幻聴じゃ、なーいよ)

拓巳(そうか、幻聴じゃないのか。それじゃ僕は、優愛の言うとおり多重人格ってことか……)

梢(こずぴぃは、こずぴぃなのらー!)

梢(西條君とは違う人だよー!?)

梢(こずぴぃは、折原梢、なのら)

拓巳「え……?」

拓巳(折原梢って、たしか三住くんが転校生の名前だって……ていうことは……)

拓巳「き、君なの……?」

梢「……っ」コクコク

拓巳(頷いた!っていうことは本当に!?この転校生いったい……)

梢(転校生じゃなくて、こずぴぃだよー!)

拓巳(って、僕の心の声も聞こえるの!?)

梢(聞こえるよ)

拓巳(ふ、普通に話さないのは、なんで……?)

梢(だって、恥ずかしいし……)

拓巳(そっか。気持ちはよくわかるよ。僕もそうだから……)

拓巳(それにしても、さっき殴られたところが痛い……どこか、人のいないところでゆっくり休みたい……)

梢(あっ!それなら、いいところがあるから、ご案内しまーす♪)

拓巳(え?あっ、うん……)

梢(さあさあ、行きましょ!智子しゃん、琴美しゃん♪)

もこっち(あ、うん……)

小宮山(わ、わかった……)

今日はここまでで

おー、更新来てた。
乙です!

ーRoftの中ー

梢(さあさあみなさーん、こっちでーす♪)

拓巳「あっ、うん……」

梢(そんで次は次はー、このエスカレーターに乗ってー)

拓巳(ね、ねえこずぴぃ、こんな所に、人のいない場所なんてあるの?)

梢(だーいじょうぶだよ♪)

拓巳(いや、大丈夫って……)

梢(ところで西條くん、先週テレビにでてた時、屋上から手、伸ーばしてたよね?)

梢(何を、しようとしてたの?)

拓巳「……」

もこっち(西條が何をしようとしてたか、か。私も気になるな……将軍はディソードを掴もうとしてたとか言ってたけど……)

拓巳「剣を、手に入れようとしてたんだ……それは妄想の剣で、屋上からの景色に溶け込んでて……」

もこっち(え?妄想の剣?それってもしかして……)

梢(ディソード?)

拓巳「え?な、なんで?知ってるの?」

梢(こずぴぃも持ってるもーん)

拓巳(へ……?)

きたか

梢「……」スッ

もこっち(え?こずぴぃ、もしかして、こんな所でディソードを出すの?)

梢(だーいじょうぶだよ、ええと、リアルブータ?ブタ?ブッダ?)

もこっち(リアルブート?)

梢(そそ、リアルブートはしないのら♪)

もこっち(まあ、ならいいけど……)

ースーッ

ージャキンッ!!

梢「……」ジャキッ

拓巳「え……?」

梢(これが、こずぴぃのディソードだよー)

拓巳「ほ、本当だ……」

梢(悪い人たちをやっつけるのら♪)

拓巳(え?悪い人たちをやっつけるって……じゃあさっきのあの三人も、こずぴぃが……?)

梢(あんな人たち、死んでとーうぜんだよ、ぷんぷん)

拓巳(や、やっぱりあいつら、死んでたの……?)

梢(ううん。生きてる価値もないけどね。あんな人たちは)

梢(はあーあ、殺したかったのになー。智子しゃんが止めるんだもーん)

もこっち(え?ご、ごめん……)

拓巳「……」

拓巳(この子、僕とは違う意味で歪んでるのかも……)

ー階段ー

梢(さあさあ皆さーん、到着でーす♪)

拓巳(到着ってことは、ここが目的地だったわけか……たしかにここは、フロア内と違ってぜんぜん人がいないな……)

梢(Roftだけじゃなーくて、デパートの階段って、ぜんぜーん人がいないのー)

梢(それでそれで西條くーん、景色とか模様とか見ると、別の模様が見えたりしなーいかな?)

拓巳(え?なんの話?)

梢(ディソードの話ですよー、うぷー)

もこっち(ディソードの話?)ピクッ

梢(なにかの模様とか景色とか見ると、動物さんとか色んな形に見えることがあって)

拓巳(ああ、そのことか。そういえばO-FRONTでそんな見方で見たら、ディソードが見えたっけ……)

梢(はーい、ピンポンでーす♪)

梢(こずぴぃが初めて見えたのは、小学生の時)

梢(お空に、この剣の形が見えた)

梢(それからは、いろんなところでよく見るようになったのら)

拓巳(どうやって、手に入れたの?僕は、ディソードは見つけたけど、掴むことはできなかったんだけど……)

梢(ただ、願ったんだよ)

梢(殺してやりたい、ってね)

もこっち・拓巳・小宮山「え……?」

梢(こずぴぃね、この剣が怖くて、仕方なかったの)

梢(でもね、この前会ったホームレスのおじしゃんが、この剣は自分自身だ、って教えてくれたの。それからディソードを否定しないで見てみたたら、ディソード、こずぴぃのことを助けてくれたのら。だからこずぴぃね、ディソードのこと頼ることにしたの)

もこっち「……」

拓巳「……」

小宮山「……」

梢(うぴ?どうしたの?みんな黙っちゃって)

もこっち(こずぴぃは、壊れてる……)

梢(壊れてなーいよー!こずぴぃ、剣持ってるもーん!)

もこっち「……」

ーーー

セナ「ギガロマニアックスとなった者は、誰であろうと一度は壊れているんだよ」

ーーー

もこっち(私もこれくらい壊れなきゃ、ディソードを手に入れられなかったのかな……そもそも私は、まだ壊れてすらなかったのか……?)

梢(あ、そう言えばさっき話したおじしゃん、こんなことも言ってたのら)

梢(君たちは特別な存在だ。中でも一番特別なのは、その目誰の目?を産み落とした少年)

梢(なんだってー)

もこっち(その目誰の目?を産み落とした少年?誰のことだ、それは……)

拓巳「え……?」

もこっち(ん?どうしたんだ西條のやつ……)

梢(んー?どうしたの西條くーん?もしかして、なにか関係あーるの?)

拓巳「え?いや、別に……」

梢(ウソらー。西條くん、ものすごく関係ありまーすって考えてる)

拓巳「……」

梢(その目誰の目?って、西條くんが最初にかんがーえたの?)

拓巳「……」

拓巳「……」スタッ

梢(え?どこか行くの?)

拓巳「僕、帰る……」

梢(ええっ!?)

拓巳「そ、それじゃ……」スタスタ

梢(ちょ、ちょっと待ってよー!)

もこっち「あっ……ちょ、ちょっと……」

小宮山「私たちも忘れないで……」

今日はここまでで

ジラスマニアックス

ー表通りー

拓巳「……」スタスタ

梢(あのあのー、こずぴぃ、怒らせるようなことしちゃったかなー?)

拓巳「……」

拓巳(その目誰の目?を産み落とした少年って誰のことだ。僕?いや、そんなわけはない、僕は、特別なんかじゃない……)

もこっち(西條のやつ、いきなり不機嫌になったな……)

もこっち(それはさておき、西條に先週のことをもっと詳しく聞きたいんだが……)

梢(西條くーん、智子しゃんが、先週のことをもっと詳しく聞きたいってー)

もこっち(って、ちょっとこずぴぃ!)

梢(うぴ?どうしたのー?)

拓巳「……」

もこっち「あ……」

拓巳「ぼ、僕の方こそ聞きたいよ……先週黒木さんは、あそこで何をしてたの?」

もこっち「え?あの……」

拓巳「ニュ、ニュースには、テレビ局に僕と黒木さんがメールを送ったって書いてあった……でも僕は、メールなんて送ってない……もしかして、黒木さんがメールを送ったの?」

もこっち「ち、ちが……」

拓巳「こずぴぃだってそうだ……ど、どうしてこのタイミングで、僕に心の声を送ってきたの?」

梢(えー?こずぴぃは……)

拓巳「き、君たちも、将軍の指示で僕に近づいてきてるんじゃないの?だとしたら、全ての辻褄が合う……」

もこっち「そ、そんなこと……」

拓巳「……」

もこっち「……」

小宮山「……」

梢「……」

もこっち(場が静まりかえってしまった……しかし西條のやつ、だいぶ人間不信になってるな……)

小宮山(なによこいつ失礼ね……初対面の人間のことをいきなり将軍の手下呼ばわりしてくるなんて……)

梢(ええっと、こずぴぃはただ……)

拓巳「ただ……?」

梢(あー!)

梢(セナしゃんみっけー)

拓巳「え?」クルッ

セナ「お前たちか。黒木、久しぶりだな」

もこっち「え?は、はい……」

拓巳(な、なんだこいつら……セナと知り合いなのか?だとしたらこいつら、僕を殺すためにセナを呼び込んじゃ……)

梢(だーからー、それは被害妄想だよー)

拓巳(で、でもセナは、怖いし……)

梢(セナしゃんは、怖くなーいよ?)

拓巳(って、ちょっとこずぴぃ!!)

セナ「怖い?なんのことだ?」

拓巳「あ、いや……なんでも、ないです……」

梢(セナしゃんはねー、智子しゃんとか琴美しゃんと一緒で、こずぴぃのお友達なのらー。ね?ね?)

セナ「……」

セナ「お前たち、どうしてこいつと?」

梢(拓巳しゃんは、こずぴぃと智子しゃんのクラスメイトでーす。ね?智子しゃん♪)

もこっち「あ、うん……」

拓巳(た、拓巳しゃんって……)

梢(ほいでね、拓巳しゃんはこずぴぃの剣が見えるんだよ)

セナ「それは知っている。こいつもギガロマニアックスだ」

拓巳「え?なにそれ……」

梢(ディソードが見えるひとのことー。拓巳しゃんもそうだよ)

梢(あ、セナしゃんは、ガルガリ君買いーにいくとこなんですね?)

セナ「う、それは……」

梢(ほいじゃ、みんなでいきましょー)

拓巳「え?ぼ、僕は……」

セナ「……ついてこい」

セナ「お前にもおごってやる」

拓巳「え?は、はあ……」

梢(ほいじゃ智子しゃんも琴美しゃんも、行きましょー♪)

小宮山「あ、うん……」

もこっち(蒼井さん、相変わらずガルガリ君か……)

ーーーー
ーーー

(ディソードの説明省略)

セナ「と、いうわけだ」

拓巳「そ、そんなことが……」

もこっち(やっぱり、何度聞いてもギガロマニアックスの仕組みは理解できないな……)サクサク

もこっち「って、当たりだ……」

梢(わー!智子しゃん、すごいねー)

セナ「大した運だな」

拓巳「って、あれ?僕も……」

セナ「なにっ!?」

拓巳「ほ、ほら……」

セナ「本当だ……どういうことだ?ガルガリ君の当たり棒の割合は一割三分七厘……当たり棒が二つそろうなんて確率は、天文学的数値に等しい……」

もこっち(随分細かく把握してるな……)

セナ「私のは……くそ、外れか……」

もこっち「あ、あの、蒼井さん、よ、よければ、どうぞ……」

セナ「いや、いい。他人に施しを受けるつもりはない」

梢(でも、心は欲しーいって言ってるねー)

セナ「……」

梢(ほいじゃあ、こうしよーよ、セナしゃん)

梢(智子しゃんがお休み中に勉強した、渋谷言葉を言ったら、当たり棒をもらうのー♪)

小宮山「え?あれを言うの……?」

もこっち(渋谷言葉って……私が休みの間に何をしてたんだ……)

セナ「くっ……」

セナ「って、ていうか、ちょう楽しくて、まじやばい……」

セナ「ちょべりぐー」

梢(えへ。相変わらずセナしゃんはカタコトでーすね)

セナ「……っ!」カアアッ

もこっち「……」

もこっち(これはひどい)

>>377

すみませんディソードの説明じゃなくてギガロマニアックスの説明省略っていうことでお願いします

もこっち「そ、それじゃ、どうぞ……」

セナ「あ、ありがとう……」

拓巳「あの、よ、よければ、僕のもどうぞ……」

セナ「礼は、言わないからな……」

拓巳(何だろうこの扱いの差は……)

梢(あ、そだそだー!みんなで記念撮影しーましょ!ほらアレ!)

もこっち(え?あれって、もしかして……)

梢(ほらこれー!プリ撮りましょ!プリー!)

もこっち(やっぱりか……私はよくない思い出があるのであんまり撮りたく無いんだが……)

ー写真機内部ー

梢(拓巳しゃん、ほら、まーんなか!)

拓巳「いや、僕は……」

梢(琴美しゃん、もう少し寄ってー!)

小宮山「ちょ、ちょっと……そんなにひっぱらないで……」

梢(智子しゃーん、表情が固まりすぎだよー)

もこっち「い、いや、だって……」

梢(セナしゃーん、横見てたらダメですぅ)

セナ「私は、こういうのは……」

梢(こずぴぃだって初めてーなのだ。ドキドーキ♪)

シール機「みんな可愛いポーズ決めてね!ハイ!ポーズ!」

カシャッ

ーーーー
ーーー

もこっち「……」

拓巳「……」

小宮山「……」

梢(みんなでいい記念になったねー♪わーい!わーい!)

もこっち・拓巳・小宮山(これはひどい)

梢(ほいじゃあこずぴぃそろそろ帰るから、琴美しゃん、送ってくのら♪)

小宮山「え?あっ、うん……」

梢(ほいじゃあねー、また明日なのらー)

小宮山「そ、それじゃ……」ペコリッ

セナ「ああ、また明日な」

もこっち「じゃあね……」

拓巳(結局僕、あの人と一度も喋らなかったんだけど……)

セナ「さて、それでは私たちも行くとするか」スタスタ

もこっち「は、はい……」

拓巳(僕も帰るか……)スタスタ

セナ「お前も家がこっちなのか?」

拓巳「あっ、うん……」

セナ「そうか」スタスタ

拓巳(くそ、何で僕だけにはこんなに冷たいんだ……)

今日はここまでで

プレイしながら書いてるの?

>>383
カオスヘッドはクリアしてあるので書くところをバックログで見直しながら書いています

ーーーー
ーーー

セナ「……」スタスタ

拓巳「……」スタスタ

もこっち「……」スタスタ

拓巳「あ、あの……」

セナ「ん?」

拓巳「こ、こずぴぃの、心の声も、ギガロマニアックスの能力なの?」

セナ「心の声は、いわば妄想だ。梢は自分の妄想を他人に見せていると同時に、他人の妄想を見ているんだ。いや、他人がたれ流す妄想を、ほぼ強制的に見せられていると言ってもいい」

もこっち(そういえばこずぴぃ、嫌でも他人の心の声が聞こえるとか言ってたな……)

セナ「梢は一度、奴等に追い詰められ、心を壊した」

拓巳「や、奴等って……?」

セナ「……」

セナ「わかった、教えてやろう」

セナ「梢の過去に、何があったのか」

もこっち(こずぴぃの過去に、何があったのか?)

(梢の過去編省略)

セナ「ということがあって、梢はディソードで、同級生3人に襲いかかった」

拓巳「そ、そんなことが……」

もこっち「こずぴぃ……」

拓巳「って、ここ……」

セナ「どうした?」

拓巳「いや、僕の家はあっちだから、そろそろ曲がろうかと……」

セナ「そうか」

拓巳「そ、それじゃあ……」

もこっち「じゃ、じゃあね……」

セナ「……」

もこっち「あ、蒼井さん……?」

セナ「西條」

拓巳「はい?」

セナ「おまえが望むと望まないにかかわらず、もしこれ以上踏み込んでくるなら」

セナ「負を正にするぐらいの強い意識を持つんだな」

拓巳「え?」

セナ「中途半端な気持ちじゃ、妄想に食われるだけだぞ」

拓巳「っ!!」

セナ「話はそれだけだ。行くぞ黒木」クルッ

もこっち「えっ?ちょ、ちょっと、蒼井さん……」

セナ「……」スタスタ

もこっち(西條に、先週のことを詳しく聞きたかったんだけどな。まあいいや、また別の機会にするか……)スタスタ

拓巳「……」

ー翌朝、翠明学園付近ー

梢(さーて、今日も一日学校でーすね♪)

もこっち「う、うん……」

小宮山「……」

梢(てあれー?なんなのらこの建物?)

もこっち(建物?)チラッ

もこっち(って、なんだあれ……体育館かな?見る限り、もう使われてないみたいだけど……この辺に、こんな建物あったのか……)

梢(なんだかこの建物の中から、ヒュンヒュンヒュンヒューンって、音が聞こえてくるのら)

もこっち(え?そんな音、聞こえる?)

梢(こずぴぃには聞こえるよ。琴美しゃんは?)

小宮山「えっと、ごめん……私にも聞こえないな……」

梢(えー?そんなー……)

小宮山「ご、ごめんね……」

梢(そーれなら、今からあの建物の中を調べてみるのら)

もこっち「え?」

梢(学校が始まるまで、まだ時間はあるはずなの。悪い人たちがいても、こずぴぃがドカバキグシャーするから大丈夫なのら♪)

小宮山「そういう問題じゃないと思うけど……」

梢(いいから行きましょうよー。智子しゃん、琴美しゃん)

もこっち「まあ、そんなに行きたいなら私は別にいいけど……」

梢(琴美しゃんは?どーうしてもだめ?)

小宮山「いや別に、どうしてもってわけじゃ……」

梢(なーら、早くいきましょーよー)スタスタ

もこっち(仕方ないな……)スタスタ

梨深「待って!」

もこっち(ん?)クルッ

梨深「どこに行く気?」

もこっち(咲畑?そういえば昨日、こいつは学校に来てなかったから、久しぶりに見た気がするな……)

梢(昨日だけじゃないよ。咲畑しゃん、地震のあとからずーっと学校に来てなかったのら)

もこっち(え?な、なんで……?)

梢(ふみゅー。何でかまでは分かんないのら……)

もこっち(そうなんだ……)

梨深「そっち、行っちゃだめだよ?立ち入り禁止だから……」

もこっち(立ち入り禁止?そんなことどこに……)キョロキョロ

もこっち(って、よく見るとそう書いてある看板がある……あれ?でもさっきまで、あんな看板あったっけ?)

梨深「ほら、立ち入り禁止のところに入ったら、あとで怒られちゃうよ?早く、学校にいこ?」

もこっち「そ、そうだね……」
 
梢「……」

小宮山「……」

今日はここまでで

この展開オリジナル?

>>390
一応予定ではカオスヘッド本編の展開にオリジナル展開を混ぜていきたいと思います

ー学校ー

生徒A「おい見ろよ、黒木まだ学校来てるぜww」

生徒B「彼氏の方はまだ来ないのかなー?」

生徒たち「ギャハハハハ!!」

もこっち「……」

梨深「……」

梨深(黒木さん……)

ガララッ

生徒B「ん?」

拓巳「……」
 
生徒C「おー!黒木さん!彼氏が来たぞー!」

生徒A「早く二人で超能力見せてよー!」

もこっち「……」

拓巳「……」スタスタ

ガタッ

拓巳「……」

梢(おはーよう、拓巳しゃん)

拓巳(おはよう、こずぴぃ……)

梨深「タク、おはよー」

拓巳「……っ!?」バッ

拓巳「あ……」

梨深「久しぶり、たはは……」

拓巳「り、み……」

拓巳(梨深がいる。よ、よかった……また会えた……)ジワッ

梨深「ちょ、ちょっとタクどうしたの!?もしかして、泣いてるの?」

拓巳「う、ううん……泣いてない、泣いてないよ……」ゴシゴシ

梨深「も、もしかして、あたしに再会できて嬉しいとか?」

梨深「なんてね。たはは」

拓巳「……っ」ゴシゴシ

もこっち(どうしたんた西條、いきなり泣き出して……)

三住「お、おう、タク」

拓巳「み、三住くん……?」

三住「おいおい、朝から辛気くさいぜ。ははは」

梨深「そういう大ちんは無駄に爽やかだねー」

三住「なんだよその言い方。久々に来たと思ったらそれか」

拓巳(三住くん、僕なんかにまた話しかけてくれるなんて……)

三住「それはそうとタク、岸本のこと知ってるか?」

三住「ケガは大丈夫らしいけど、精神的に参っててまだ入院中らしい」

三住「いいかタク。女を落とすには、弱ってるときに優しくしてやるのが一番いいんだ。そういうわけでオレ、岸本のお見舞いに行こうと思うんだよね」

三住「それでタクってさ、岸本と知り合いだよな?なあ、一緒に行ってくんね?」

梨深「大ちーん……今度こそ彼女さんに刺されるよ?」

三住「別にいいだろ。お見舞いに行くくらい」

梨深「落とすとか言ってたじゃーん」

三住「細かいことは気にすんな」

もこっち(細かくないだろ……)

三住「そう、岸本と言えば黒木さん!」

もこっち「はいっ!?」ビクッ

三住「黒木さんもたしか、岸本と知り合いだったよね?」

もこっち「ま、まあ……」

三住「知り合いの数は多いに越したことはねえ。黒木さんも、よければ一緒に来てくんねえかな?」

もこっち「え……?」

もこっち(なんだこいつ、私について来てくれって頼むなんて……自分の立ち位置が心配じゃないのか?)

梨深「黒木さん、嫌なら断ってもいいんだよ?」

もこっち「え、いや……別にいいですけど……」

三住「まじか!ありがとな黒木さん!助かるぜ!」

梨深「もー。黒木さんもタクもやさしいんだからー」

もこっち(三住とかいうやつ、意外といいやつなのかな……)

ーその日の夜、黒木家ー

もこっち(はあ、今日も疲れたな……)

もこっち(暇だし久しぶりに、ネットでも見てみるか……)カチッ、ウイーン

もこっち(ってなんだこれ……ニュージェネ第7の事件?)

もこっち(また起きた……次こそ私か?私が殺されるのか?)

もこっち(とりあえず、事件の内容を見ておこう……)カチッ

もこっち「ええっとなになに……」

『今日午後4時50分頃、男性3人の他殺死体が発見された。3人とも胴体が切断されており、それぞれの上半身と下半身が入れ替えられて糸で縫合されていた』

『3人の額にはそれぞれ謎の傷がつけられており、警察では犯人からのメッセージではないかと見て調べている』

もこっち「あ……」

もこっち「この被害者の顔写真……」

もこっち「昨日、西條に絡んでた、あいつらだ……」

もこっち(どういうことだ……こずぴぃはあいつらを殺しはしなかったはずだ……ましてや胴体を切断なんて、絶対にしてない……)

もこっち(やっぱり、将軍だ……次こそ私か?私が殺されるのか?)

もこっち(もうやだ、私が何をしたって言うんだよ……)

支援

ー翌日の放課後、病院ー

もこっち(今日は岸本のお見舞いに行く約束をしていたので、蒼井さんたちの方へは行かずに西條たちと一緒に病院に来た……)

もこっち(しかし私としては、昨日のことがあったから蒼井さんたちと一緒に居たかったんだけど……)

三住「んでタクー、岸本の病室ってどこなのかなー?」

拓巳「そ、そんなの、知らないよ……」

もこっち(しかしひどいな。病室も調べないでお見舞いに来たのかよ……)

拓巳「で、でも、精神的な理由で入院してるなら、精神科かも……」

三住「タクって物知りだな」

梨深「常識だよ常識。ね、タク」

拓巳(常識ってわけでもないんじゃ……)

梨深「ところであたし、トイレ行ってくる。先に行ってて」

拓巳「あ、うん……」

梨深「それじゃ、またあとでね」ダッ

もこっち(女が私一人になってしまった……まあ何も変わらない気はするけど……)

三住「とりあえず、ナースステーションで岸本の病室がどこか教えてもらおうぜ」

拓巳「そ、そうだね……」

もこっち(初めからそうすればよかったんじゃないかな……)

今日はここまでで

ーーーー
ーーー

三住「ええーっと、ナースステーションで、岸本の病室はここだって言われたな」

拓巳「う、うん……」

三住「頼むぜタク、黒木さん。うまくオレに話を合わせてくれよ」

もこっち(こいつおそらく、まだ岸本の電波っぷりを知らないな……)

ガララッ

三住「おーっす、岸本さーん!お見舞いに……」

三住「ってあれ?いねえぞ?」

もこっち(本当だ……どこ行ったんだろう……)

もこっち(てあれ?あの窓際にあるのって、ディソード?たしかあれって、岸本のものじゃ……)

三住「おいなんだあれ?変な本があるぞ?」

拓巳「本……?」

三住「ああ。にしてもなんだこれ、オカルト雑誌に『グラジオール記黙示録詩編』?ファンタジー小説かな?」

もこっち(あの白紙の文庫本か……)

三住「はあ、岸本と付き合うとなると、この趣味に合わせねえといけねえのか。きつそうだぜ、これは……」

拓巳(以前秒殺でふられたのに、まだ諦めてないんだ……)

拓巳(そんなことより窓際にあるあのディソード……もし黙って持って行ったら僕のものになるのかな?)

拓巳(だとしたら、なりふり構ってる場合じゃない。あやせが帰ってくる前に、持って行ってしまおう……)スタスタ

もこっち(ん?どうしたんだ西條のやつ、急にディソードに歩み寄って……)

拓巳「……っ」ゴクリッ

もこっち(って、ディソードを盗もうとしてる!?やばい、早く止めねば……)

スカッ

拓巳「あれ……?」

もこっち(なんだ?掴めなかったのか?ということは、あのディソードはリアルブートされてなかったのか……)

三住「なにやってんだ?タク」

もこっち(まあ、ディソードが見えない人間から見たらそうなるよな……)

ー10分後ー

三住「梨深も岸本も来ねえな」

拓巳「そ、そうだね……」

もこっち(くそ、アウェー感が半端ない……)

三住「そもそも梨深って、この病室の場所知らないじゃねえか?」

拓巳「あ……」

三住「待つのも飽きたし、探しに行くか。タクもあいつがいねえと寂しいだろうからな。ははっ」

拓巳「……」

三住「なあ、タク。実際のところ、お前らって付き合ってんの?」

拓巳「え?」

三住「お前ら最近、けっこういい感じじゃね?」

もこっち(それは私もちょっと思ってたけど……)

拓巳「つ、付き合ってないよ……」

拓巳(僕も何度か妄想したことはあるけど、梨深は僕のことを友達って言ってきたし。梨深ってそういうのには鈍感そうだし……)

三住「おいおい、隠さなくてもいいんだぜ?」ニヤニヤ

拓巳(くそ、うざい……)

今日はここまでで

ちょっと暇なので再開します

ーその頃、ベースの中ー

セナ「ここが西條の部屋か」

梢(お人形さんがいっぱいなのらー♪)

小宮山「あの、これ、まずくないですか?」

セナ「お前は扉の前で待っていろ。ってあれは……」

梢(あー!その目誰の目だー!)

セナ「っ!!この作文用紙の裏の落書きっ……」

梢(あいあーるに?なにこれー?)

小宮山(え?Ir2って、たしか将軍が送ってきた……)

セナ「そうか、あいつだったのか……」

ー病院ー

もこっち(あのあと結局、手分けして探してるけど咲畑も岸本も全然見つからない……いったいどこに行ったんだ……)

梨深「あ、黒木さん!」

もこっち「あ、咲畑さん……?」

梨深「やっと見つかったー!」

もこっち(こっちのセリフだ……)

三住「おーい。梨深ー」

梨深「あれ?大ちんにタク?」

三住「おお黒木さんも一緒か。もうお見舞いは終わったぜ。やっぱりおれには、あんな電波女無理だったわ」

もこっち「あ、そうなんだ……」

もこっち(やっぱりな……)

三住「ところで梨深、お前岸本にビンタされてただろ?何があったんだ?」

梨深「えっ、いやあ、見られてたんだ、たはは」

梨深「まあ大したことじゃないよ。ちょっと口論になっちゃって……」

もこっち(咲畑と岸本が口論?想像できないな……)

ニュースキャスター『続いてのニュースです』

もこっち(む?ニュースか……)

ニュースキャスター『ニュージェネレーションの狂気と呼ばれる事件のうち』

ニュースキャスター『張り付け事件の容疑者が逮捕されました』

もこっち「えっ!?」

ニュースキャスター『容疑者は容疑を認めており、警察では……』

もこっち(信じられない……ニュージェネの犯人が逮捕?)

梨深「よかったねタク。これでもう、怯える必要もないよ?」

拓巳「う、うん……」

もこっち(私もだ。この容疑者が将軍なのかはわからない。でもニュージェネの犯人が捕まったなら、もう怯える必要はない……)

プルルルルルルル

拓巳「あ、電話……ちょっと、外に行ってくる……」

梨深「うん、わかった」

ーその後、黒木家ー

もこっち(ふう、久しぶりに楽な気持ちだ……)

もこっち(それにしても、西條が電話のあと元気がなくなってたな……何でだろう……)

プルルルルルルル

もこっち(電話?って誰これ……非通知?)

ピッ

もこっち「は、はい?」

ゆう『……』

ゆう『もこっち……』

もこっち「え?ゆ、ゆうちゃん……?」

もこっち(声に元気がないような……)

ゆう『ねえ、もこっち……何でこんなことするの?』

もこっち「え?ゆ、ゆうちゃん……?」

ゆう『痛い……やめてよ、もこっち……』

もこっち「え……?」

ゆう『お願い、お願いだから……』

もこっち「ちょ、ちょっとゆうちゃん!?」

ピッ

ツーツー

もこっち(切れちゃった……どうしたんだろうゆうちゃんのあの様子は?ゆうちゃんはあんな悪戯しないはずだし……)

もこっち(と、とりあえず、ゆうちゃんの電話にかけてみよう……)ピッピッ

『おかけになった電話は電源が入っていないため、繋がりません。こちらは……』

もこっち(え?電源が切れてる?どういうこと?)

もこっち「……」

もこっち(仕方ない、ゆうちゃんの家に行ってみよう……そうすれば、全部分かるはずだ……)

ーーーー
ーーー

もこっち「ううっ……」トボトボ

もこっち(なんだよ、病院の看護師はゆうちゃんが無事だって言ってたじゃないか……どうなってるんだよ……)

小宮山「あれ?黒木?」

もこっち「あ、小宮山さん……」

小宮山「黒木、こんな所で何してるの?」

もこっち「そ、そっちこそ……今日は蒼井さんたちと一緒じゃないの?」

小宮山「それがね……」

(セナが拓巳に斬りかかったところの説明省略)

もこっち「そ、そんなことが……」

小宮山「それで、蒼井さんと折原さんは行くところがあるから、今日は私一人で帰ってくれって……」

もこっち「そ、そうなんだ……でも、小宮山さんの家って、たしかこっちの方じゃないよね?」

小宮山「それは……」

もこっち「あ、あの、小宮山さん……?」

小宮山「ねえ黒木、この前のあんたと折原さんの会話で、成瀬さんの名前が出てきたでしょ?」

もこっち「う、うん……」

小宮山「それで心配になって成瀬さんに連絡してみたら、全然連絡がつかないの……」

もこっち「え……?」

小宮山「そ、それで、今から成瀬さんの家に……」

もこっち「……」

小宮山「黒木?」

もこっち「わ、私も……」

小宮山「え……?」

もこっち「さ、さっきゆうちゃんから非通知で電話が来て……それでゆうちゃんの番号にかけても繋がらなくて、今からゆうちゃんの家に……」

小宮山「そ、そうなんだ。じゃあ、一緒に行こう……」

もこっち「う、うん……」

ーゆうちゃんの家の前ー

もこっち「じゃ、じゃあ、チャイム押すよ……?」

小宮山「うん……」

もこっち(ゆうちゃん、無事でいて……)

ピンポーン

『はい』

もこっち「あ、あの、私、ゆうちゃんの友達の、黒木智子です!」

『ああ、智子ちゃん?』

もこっち「あ、あの、ゆうちゃん居ますか……?」

『……』

もこっち「あ、あの……?」

『ゆう、先週から帰ってきてないの』

もこっち「え、先週から……?」

『それで今、捜索願いを出してるんだけど、見つからないらしくて……』

もこっち「え……」

『だからね、すごい心配なの。家出するような子じゃなかったし、何か知らないかしら?』

もこっち「あ、わからないです……」

『そう、じゃあ何か分かったら教えてね』

もこっち「は、はい……」

『それじゃあごめんね。ゆうが見つかったらまた遊んであげて』

もこっち「は、はい……」

『それじゃあね』

ピッ

……エスパー少女扱いされなくて良かった

もこっち「……」

小宮山「……」

小宮山「な、成瀬さんに、何があったの?」

もこっち「え?」

小宮山「さっきは何も知らないって言ってたけど、そんなことないでしょ?先週、何があったの……?」

もこっち「……」

小宮山「もしかして、将軍に何かされたの?」

もこっち「う、うん……」

小宮山「黙ってちゃ力になれないよ……私だって、成瀬さんは見つかってほしいし……」

もこっち「わかった……全部話すよ……」

それでは今日はここまでで

続きはまだか!?

乙でした

面白かった
あー、先が気になる…

(説明省略)

もこっち「っていうことがあったの……」

小宮山「……」

もこっち「ごめん、私のせいだよね……私がディソードを手に入れられなかったからだよね……」

小宮山「そ、そんなこと……」

もこっち「ううん、私のせいだよ……私がゆうちゃんを巻き込んじゃったんだよ……」

小宮山「停学中に、連絡をとろうとはしなかったの……?」

もこっち「停学中は誰とも連絡とってなかったの……ゆうちゃんは無事だって決めつけてたし……」

もこっち「でも普通なら、無事かどうか確かめるよね……私はバカだ、最低だ……」

小宮山「と、とりあえず、過去を悔やんでもしょうがないよ……今は、成瀬さんを探そう……」

もこっち「え?ああ、うん……」

小宮山「それじゃ手分けして探そう……何かわかったら、私の携帯に連絡して……」

もこっち「う、うん……わかった……」

ーーーー
ーーー

もこっち「はあっ、はあっ、いない……どこにもいない……」

もこっち(ゆうちゃん、どこにいるの……)

智貴「あれ?姉ちゃん?」

もこっち「はあっ、はあっ……ん?弟……?」

智貴「どうしたんだよ?そんなに息切らして……」

もこっち(そうだ!弟にもゆうちゃんを探すのを手伝ってもらおう!)

もこっち「あ、あの、弟!手伝ってほしいことが……」

智貴「あ?何だよ、またろくでもないことじゃ……」

もこっち「頼む!一刻を争うんだ!」

智貴「……」

智貴「言ってみろ……」

もこっち「それが……」

(説明省略)

もこっち「っていうわけで、今ゆうちゃんを探してるんだけど……」

智貴「あのギガロマニアックスとかいうの、姉ちゃんの妄想じゃなかったんだな……」

もこっち「そんなことは今はどうでもいい!今は……」

智貴「わかってるよ。とりあえずおれはあっちの方探してくるから、姉ちゃんは向こうの方を頼む」

もこっち「え?うん……」

智貴「何かわかったらすぐ連絡する。じゃ、またあとでな」ダッ

もこっち「うん……あ、ありがと……」

もこっち「……」

もこっち(弟のやつ、こういう時は頼りになるな……とりあえず私も、ゆうちゃんを探さないと……)キョロキョロ

もこっち(って、あれ?)

拓巳「……」トボトボ

もこっち(西條?すごく目が虚ろだけど、どうしたんだろう……とりあえず、あいつにも手伝ってもらうよう頼んでみるか……)

鬱状態になっちゃったか……
あのタクは辛かった

もこっち「あの、に、西條くん!」

拓巳「え……?」ピタッ

もこっち「そ、その、ちょっと手伝ってほしいことが……」

拓巳「黒木、さん……?」

もこっち「え?」

拓巳「黒木さん、なの……?」

もこっち「う、うん……」

もこっち(どうしたんだこいつ?いつにもまして生気がないが……)

拓巳「僕は、ちゃんと存在してる……?」

もこっち「え?」

拓巳「助けて……僕を証明して……」

もこっち「しょ、証明……?」

拓巳「それが出来ないんだったら……」

拓巳「殺してよ……」

もこっち「え……?」

もこっち(殺してだって?いきなり何を言い出すんだこいつは……)

拓巳「ねえ、こんなの、もうイヤなんだ……自分の存在がイヤなんだ……何もかも忘れたい……楽になりたい……死にたい……」

もこっち「に、西條くん?」

拓巳「殺して……僕を殺して……」

もこっち「ちょ、ちょっと……しっかりして……」

拓巳「出来ないの……?」

もこっち「へ?」

拓巳「だったらいいよ、お前になんか用はない……ふひ、ふひひ……」

もこっち「な、何を……」

拓巳「僕、帰る……じゃあね……妄想クラスメイト……ふひ、ふひひひひひ……」スタスタ

もこっち(どうしたんだ?西條のやつ……)

もこっち「……」

もこっち(西條のことも気になるけど、今はゆうちゃんを探さないと……)キョロキョロ

ブブブブブブブ……

もこっち(ん?メール?もしかして、小宮山か弟が何か分かったのか?)ガサゴソ

もこっち(って、知らないアドレスからだ……なにこれ?件名『最後のチャンス』?)

もこっち(って、よく見たらこのアドレス、前にもどこかで……)

もこっち「あ……」

もこっち(思い出した。これ、将軍のアドレスだ……)

もこっち(な、なんでこのタイミングで将軍からメールが?もしかして、また私に何かやらせる気?)

もこっち(とりあえず、中身を読んでみよう……もしかしたら、ゆうちゃんの居場所について何か分かるかもしれないし……)

『久しぶり。元気だった?前にもメールしたから分かってると思うけど、僕の名前はしょうぐんだよ』

もこっち(やっぱり……)

『前回は君が途中でクエストをリタイアしちゃったから、スコアが更新できなかったね。もう分かってると思うけど、君の親友の命はまだ僕の手の中にある』

もこっち「……っ!!」

『でも僕はまだ彼女を殺してはいないよ。メールのタイトルにも書いたけど、これは最後のチャンスだ。今から始まるクエストにクリアしてくれたら、彼女のことは解放すると約束しよう』

もこっち(やっぱり、クエストだ……)

『クエストの内容は前回と同じ。君のミッションは、成瀬優ちゃんの救出。クエストをクリアする方法はただひとつ。ディソードを手に入れることだけだ』

もこっち(こいつ、まだディソードを……)

『それじゃあクエスト開始だ。今すぐ、翠明学園の屋上まで来てほしい。もちろん前回と同じで、誰にも話さず、一人でだ』

もこっち「……っ!!」

もこっち(やっぱり、一人でか……でも、行くしかない……今度こそ、ゆうちゃんを助けなきゃ……)

もこっち(ごめん……ゆうちゃん、ごめん……)トボトボ

ーーーー
ーーー

智貴「はあっ、はあっ……」

智貴(くそ、ああは言ったものの全然見つからねえ……とりあえず、人隠すのに適してそうな廃ビルとか見て回ってるけど……)

カツカツ

智貴(……っ!?足音!?やばい、勝手に入ったのがばれたか!?とりあえず、隠れないと……)

??「ともくーん、どこー?」

智貴「え……?」

??「ともくんいるんでしょー?でてきてよー」

智貴「この声、姉ちゃん……?」

??「あー、いたー!ともくんだー」

智貴(え?なんだあれ?何で姉ちゃんの見た目が、子供になってるんだ?)

もこっち(子供)「ねえともくん、こっちにきてー」

智貴「え……?」

もこっち(子供)「おねーちゃんといっしょにあそぼよー。ほらはやくー、こっちにきてよー」

智貴「……」

智貴「……っ」スタスタ

今日はここまでで

おつー

先が楽しみ

もこっち(子供)「きてくれたんだねー。やっぱりともくんはいいこだねー」

智貴「……」

智貴(なんだこれは?おれはおかしくなっちまったのか?)

もこっち(子供)「それじゃー、いうこときいてくれたごほうびにー♪」ニコニコ

スッ

智貴(え?ナイフ……?)

もこっち(子供)「ころしてあげる♪」

智貴「え?」

ドスッ

智貴「な……っ」

ビチャッ

智貴「うぐっ……」

もこっち(子供)「あはっ、あははははははっ!!」

智貴「な、なにを……」

もこっち(子供)「だからいったでしょ?いっしょにあそぼうって♪」ニコッ

智貴「……っ!!」ゾクッ

もこっち(子供)「だいじょーぶ。ともくんをひとりぼっちにはしないよー」

もこっち(子供)「すぐおねーちゃんも、ともくんのあとをおいかけていくから」

もこっち(子供)「だから、さきにいっててねー♪」ニコニコ

智貴(姉ちゃんがおれを殺そうとしてる……姉ちゃんが……)

もこっち(子供)「それじゃーね♪」

智貴(そうか、おれは姉ちゃんに殺されるのか……姉ちゃんに……)

智貴(ん?なんだあれ?何の模様もないはずの壁に、剣みたいなものが……)

智貴(掴めるわけない……わかってる……わかってるけど……)

智貴(指先に、何かが触れた気がする……)

智貴(引き寄せる……無意識に……)

智貴(次の瞬間、ナイフを刺された場所の痛みと、子供の姉ちゃんが消えた)

ースーッ

ージャキンッ!

リア充A「なっ!?」

智貴「……」

智貴「これが、ディソード?」チャキッ

智貴(軽い、まるで自分の体の一部みたいだ……)

リア充A「お、お前もギガロマニアックスだと!?きいてねえぞ!?」

智貴「お前か。さっきのきもちわりい妄想を見せてきたのは」

リア充A「ちっ!」スッ

ースーッ

ージャキンッ!

智貴「なっ、お前もディソードを?」

リア充A「こ、これがノア3の力だ!ノア3を使えば、人工のディソードを作り出すことだって出来るんだ!」

智貴「ノア3?なんだそれ?」

リア充A「へっ、知る必要はねえよ、だってお前は、今ここで死ぬんだからな!」ダッ

智貴「へえ、喋りたくねえってのか。じゃあ、力ずくで聞き出してやるよ」

リア充A「やってみろ!」ブンッ

ガキィン!

リア充A「なっ……」

智貴「人工のギガロマニアックスが本物に勝てる訳ねえだろ。諦めて、全部話せ。そうすれば、命まではとりはしねえからよ」

リア充A「ほ、ほざけ!」ブンッ

ガキィン!

リア充A「く、くそ……」

智貴「なるほどな。お前が背負ってるそのリュックの中の機械、そいつが壊されればお前はギガロマニアックスの力が使えなくなるわけか」

リア充A「なっ……」

智貴「悪いな、壊させてもらうぜ。そのリュックの中身」

リア充A「く、くそ!来るな!来るなぁ!」ブンッブンッ

智貴「なっ、剣を振り回し始めやがった……」

リア充A「死ね!死ねぇ!」ブンッブンッ

智貴「……っ!?」

ズバアンッ!

ビチャッ!

智貴「な……うぐっ……」ユラユラ

ドサッ

智貴「う……」

リア充A「え?や、やった……?やったのか……?」

智貴「……」

リア充A「へ、へへへへ!ざ、ざまあみろ!偉そうなことばっかりほざいてるからだ!やった!やっ……」

ズバアンッ!

リア充A「え……?」

智貴「リュック斬ってやったぜ。これでもう力も使えねえだろ」

リア充A「な、なんで……」フラッ

智貴「さあな。妄想でも斬ってたんじゃねえの?」

リア充A「く、くそ……」

ドサアッ

智貴「……」

智貴「さ、目が覚めたら洗いざらい吐いてもらおうか」

今日はここまでで

それっぽくて面白い、乙

姉に殺される妄想だけで覚醒とかすごく手軽だなーって思ってしまった
カオヘ勢が異常にキツすぎるだけか

それだけ
ともくんはお姉ちゃんの事を思って…いるんだろうか

お前らは智貴の何だなんだの姉愛を分かってない

年の離れた妹に会いに行ったら
発狂した母親がミイラ化した妹をむしゃむしゃ食べるのを見せつけられて
それは父が母親と妹を被験者として差し出した実験だと知った

姉のためにわざと素行悪く振る舞ってたコミュ障の妹が
オフ会に行くのが怖くなってなんとなく姉に代理を依頼したら
姉を含めたオフ会参加者が無惨な死体で発見された

大好きな兄のために口喧しくも献身的に尽くす妹が
初めて貰った兄からのプレゼントを自分の右手ごと切り落とされて
兄に助けを求めるものの、その兄はなかなか助けに来てくれない

黒木姉弟のなんだかんださは分かるけど、それでもなぁ……

すみませんこちらとしては

・昔は「大人に結婚する」というほど好きだった姉に殺される妄想を見せられる

・妄想とはいえナイフで刺された痛みもあった

ということで覚醒してもおかしくないと思ったのでこういう展開にしました

手軽に感じてしまったならすみません……

全然いいと思うから続きはよ

ちょっと思っちゃっただけで、面白いからまったく問題ない

ありがとうございます
そう言っていただけると助かります

ーーーー
ーーー

リア充A「……ん?」パチッ

智貴「やっと目を覚ましたか。さ、知ってることを全部話してもらうぜ」

リア充A「は?だ、誰だよ?お前……」

智貴「なに?とぼけてんのか?」

リア充A「とぼけるって、何のことだよ……そもそも、ここはどこだよ……」

智貴「……」

リア充A「な、なんだよ?なんとか言えよ……」

智貴(今こいつの思考を読んだからわかる。こいつは今、嘘をついていない……)

智貴「いや、なんでもない……ちょっと人を探しててな。何か知らないかと思っただけだ」

リア充A「そ、そうか……それにしても、何でおれはこんな所にいるんだ?」

智貴「さあ?少なくともおれがここに来た時には、あんたはここで横になってたぜ?」

リア充A「そうか……おかしいな……今日はあいつらと遊びに行ってた筈なんだけどな……」スタッ

リア充A「とりあえず、おれ帰るわ。誰かを探してるって話だけど、力になれなくてごめんな……」

智貴「ああ、気をつけてな……」

リア充A「それじゃあな……」スタスタ

智貴(どういうことだ?あいつは嘘をついていない……もしかして、誰かに記憶を消されでもしたのか?)

智貴「……」

智貴(考えても仕方ねえな。とりあえず今は、姉ちゃんの友達を探すとするか……)

ー数十分後、翠明学園屋上ー

もこっち(はあ、学校が開いていて助かった……)バタンッ

もこっち(さあ、言われた通りに来てやったぞ……どこだ……どこにいるんだ……)

ーーキイッ

もこっち「……っ!!」ゾクッ

将軍「やあ、早かったね」

もこっち(この音、将軍だ……)

もこっち「……」

もこっち「こ、今度は、何をすればいいの……?」

将軍「メールに書いたでしょ?ディソードを手に入れてくれればいい。他には何も、望んではいないよ」

もこっち「ディソードは、どうすれば手に入る……?」

将軍「前に言ったでしょ?風景の中から見つけて、それを切り取るだけでいい」

もこっち「ふ、風景の中にディソードなんて、どこにもなかったよ……だからあの時、私はディソードを見つけることも出来なかったんだよ……?」

将軍「友達を人質にとられてるのに、随分と落ち着いてるんだね」

もこっち「……っ!!」

将軍「まあいいや、じゃあ前と同じように、そこのフェンスを乗り越えてよ」

もこっち「え……?」

将軍「今回も、君がディソードを手に入れるのにふさわしい舞台を用意してあるからさ」

もこっち「……」

将軍「どうしたの?出来ないの?」

もこっち「……」

もこっち「出来る……それくらい、出来るよ……」

今日はここまでで

弟がいきなり使いこなしててワロタ 流石リアじゅう

自分が散々精神磨り減らして奔走してる傍目で、ちょっと話した程度の弟が直後にディソード手に入れて使いこなしている
なんて知ったら本当にもこっちプッツンしちゃうんじゃないか

このままもこっちが手に入れられなければゆうちゃん死ぬし弟に八つ当たりしそうだが
手に入った後ならそこまでおこんないじゃないかな まぁ、展開上もこっちは手に入れ屁だろうが

もこっち「……」スタッ

祭参加者たち「ワー!ワー!」

パシャッパシャッ

もこっち「……っ!!」

レポーターA「おおーっ!とうとうエスパー少女の登場だー!今回は一体、どんなパフォーマンスを見せてくれるんだー!」

祭参加者A「待ってたぞー!トモコー!」

もこっち「……」

レポーターA「さあーみなさん!今日彼女からテレビ局に届いたメールによると、今日逮捕されたニュージェネの容疑者はただの実行犯に過ぎず、真犯人がいるらしい!その真犯人を、今から彼女が言い当ててくれるらしいぞー!」

祭参加者たち「ワアアアアア!!」

レポーターA「ちなみに現在渋谷のスクランブル交差点では、エスパー少年によるパフォーマンスが繰り広げられている!つまり今日ここに集まってくれた人達は、エスパー少年ではなく、エスパー少女の方を選んだ人達なのだー!」

祭参加者たち「ワアアー!!」

レポーターA「エスパー少年によるパフォーマンスの情報は分かり次第すぐにお知らせする!それでは、パフォーマンス開始!」

祭参加者たち「トモコー!頑張れー!」

もこっち「……」

もこっち「……っ!!」キョロキョロ

将軍「今回は随分と、探し始めるのが早いんだね。この前はあんなに遅かったのに」

もこっち「うるさい、気が散る……黙ってて……」

将軍「おやおや、それはごめんね」

もこっち(ディソード……どこ、ディソード……)

もこっち(お願い、出てきて……ゆうちゃんを助けるためには、どうしてもディソードが必要なの……)

ースクランブル交差点ー

レポーターB「西條くん!ニュージェネの真犯人は君なんですか!?」

拓巳「そう……かもね……」

レポーターB「なんですって!?それは、事件への関与を認める発言と考えていいんですか!?」

拓巳「どうでも、いい……早く、殺してよ……」

祭参加者B「この人でなし!」

祭参加者C「望み通り、殺してやるよ!」

ースクランブル交差点から少し離れた場所ー

小宮山「……」

祭り参加者たち「ワー!ワー!」

小宮山(みんな、バカみたい……なんであんなに、興奮してるんだろう……)

小宮山(そんなことより、街頭ビジョンに映し出されてる黒木のパフォーマンス……あれって、また将軍からの脅迫じゃ……)

小宮山(だとしたら、こんな所にいる場合じゃない……私も早く、翠明学園に行かないと……電車はまだ、ギリギリ動いてるかな?)

智貴「あれ?そこにいるのって……」

小宮山(え?智貴くん?)

智貴「どうも……あの、何かわかりましたか?」

小宮山「え……?」

智貴「あ、すみません……実はおれも、姉に頼まれて成瀬さんを探してて……」

小宮山「ああ、そういうこと……私はなにも分かってないけど、ただあの黒木のパフォーマンス……あれ、将軍からの脅迫じゃないかなって……」

智貴「おれもそんな気がするんですよ。携帯繋がんないし……とりあえず、おれ達もあっちに行ってみましょう」

小宮山「うん……そうだね……」

ー十数分後、O-FRONT前ー

拓巳「どうしてあんなことを?グリム……」

葉月「ナイトハルト……」

葉月「全ては、教祖様のお言葉なんですよ」スッ

拓巳(な、メスを取り出したりして、まさか……)

葉月「神光の救いあれ!」

ドスッ

ビチャアッ

ー電車の中ー

小宮山「よかった……なんとか乗れた……」

智貴「祭りを見に行く人たちで、ほとんど満員ですけどね……」

乗客A「なあ?お前もやっぱ、りエスパー黒木見に行くの?」

乗客B「ああ、エスパー西條とどっち見に行くか迷ったぜ。やっぱりやべえよな、あのエスパーカップルww」

智貴「……」

小宮山「と、智貴くん……とりあえず、抑えて……」

智貴「大丈夫ですよ……この手のことは、学校でバカどもに言われ慣れてるんで」

小宮山「そ、そう……」

乗客C「ん?おい!みんなケータイ見てみろ!エスパー西條が、まじでニュージェネの真犯人を超能力で言い当てたってよ!」

小宮山「え……?」

乗客A「まじかよ!?くそ!そっちの方見に行けばよかった!!」

乗客C「なんでも目撃者の話じゃ、何もないところからすげー長い剣を取り出して、振り回してたって話だぜ!?」

小宮山(えっ?その剣ってまさか……)

智貴(ディソード……)

ー翠明学園、屋上ー

もこっち「……っ」キョロキョロ

もこっち(ディソード、ディソード……)

祭り参加者D「おーい!まただんまりかー!?」

祭り参加者E「今回も逃げるつもりじゃないだろうなー!?」

もこっち(くそ、うるさいな……私は今、ディソードを探すのに忙しいのに……)

将軍「どうしたの?まだ見つからないの?」

もこっち「……」

将軍「こっちも時間が惜しい。出来るだけ、早くしてね」

もこっち「うん、わかったから、少し黙っててよ……」

レポーターA「ん?みなさま!たった今情報が入りました!エスパー西條が、スクランブル交差点で超能力を使いニュージェネの真犯人を言い当てたそうです!」

もこっち「え?」

祭参加者A「おいおいなんだよそれ!?だったらそっち見に行った方がよかったじゃねえかよ!」

祭参加者D「ふざけんな!このインチキ能力者!」

もこっち「まさか……まさか……」

将軍「西條拓巳が、ディソードを手に入れたようだね」

もこっち「え?じゃあ……」

将軍「何をしている?早く見つけろ。ディソードを」

もこっち「え?」

将軍「お前の友達はまだ生かしておいてやるから、早くディソードを見つけろと言っているんだ。早くしろ。さもないと、お前の友達を殺すぞ」

もこっち「え?う、うん……」キョロキョロ

もこっち(どうしたんだこいつ?いきなり態度が豹変したけど……)

ズキンッ

もこっち「……っ!?」

ズキズキズキズキズキ

もこっち(この頭痛!この前の地震の時と同じ……)

ゴゴゴゴゴゴゴ

もこっち「っ!?な、なんだ?地震!?」ズキズキ

将軍「ちっ!サードメルト?予定より早い……」

祭り参加者たち「うわー!なんだ一体!?」

もこっち(揺れが大きい……落ちそう……とりあえず、フェンスに捕まらないと……)ガシャッ

もこっち(って、あれ……?)

??「なっ!?しまった……」

もこっち(なにあれ……あそこには、将軍がいたはずなのに……)

祭り参加者たち「ひいいい!た、助けて!」

もこっち(あそこにいるのって、私……?)

ゴゴゴゴゴゴゴ……

ーーーー
ーーー

もこっち「……」パチッ

もこっち(……え?どこここ?私、学校の屋上にいたはずなのに……)

もこっち(それにしてもなんだろうここ……水平線しか見えないけど……)

タクミ「やあ」

もこっち(なっ!?将軍!?)

タクミ「そう驚かないで。あんまり時間もないし」

もこっち「ゆ、ゆうちゃんは、もう死んじゃったの……?」

タクミ「あそこにいた自称『将軍』は、僕じゃない」

タクミ「気を失う前に見えたでしょ?あいつの本当の姿が」

もこっち(え?気を失う前って……私が見えたんだけど……)

タクミ「……」

タクミ「君には今から、酷い事を言うことになっちゃうと思う」

もこっち「え?」

タクミ「でも、よく聞いていて。君の友達を、助けたいと思うならね」

もこっち「……」

タクミ「まず、渋谷を騒がせてるニュージェネ事件についてだけど、あれは実は、西條拓巳を精神的に追いつめるために起こされていたんだ」

もこっち「え……?」

タクミ「プロジェクト・ノアの責任者、野呂瀬玄一。その男が黒幕だよ。沈黙の兵器、ノア2はもう稼働してる」

もこっち「ノア2……?」

タクミ「ギガロマニアックスの力を利用して作られた機械だよ。ノア2に人々の心を支配されるのを恐れて、僕はもうひとりの僕を生み出したんだ」

もこっち「もうひとりの、僕……?」

タクミ「西條拓巳。君のクラスメイトだよ」

もこっち「え……?」

タクミ「ごめん。詳しく説明をしている時間はないんだ」

もこっち「……」

タクミ「ノア2のことは彼に任せたんだけど、まだもうひとつ、ノアはあるんだ」

もこっち「もうひとつの、ノア……?」

タクミ「ノア3。プロジェクト・ノアとは別につくられたノアだよ」

タクミ「ノア3を使えば、思考盗撮や視覚投影はもちろん、ギガロマニアックスでない者にディソードを持たせたりすることも出来る。もちろん偽物のディソードだから本物のギガロマニアックスの物よりも性能は落ちるけどね」

もこっち「それと私に、どういう関係があるの……?」

タクミ「さっきまで君の後ろにいた自称将軍、奴の目的はそのノア3を完成させることなんだ。君のコードサンプルを手に入れることで、ノア3は完成する」

もこっち「コードサンプル……?」

タクミ「ギガロマニアックスが力を使う過程で放出する、特殊な脳波のことだよ。それを手に入れるために、あの自称将軍は君にディソードを手に入れさせようとしていたんだ」

タクミ「そしてあの自称将軍は、君の友達を監禁している人物でもあるんだ」

もこっち「……」

もこっち「ねえ、あの自称将軍は、誰なの……?」

タクミ「……」

タクミ「黒木、智子」

もこっち「え……?」

タクミ「君は高校に入って以来、何度も理想の自分像を妄想してきたでしょ?その結果、もうひとりの君が無意識のうちにリアルブートされちゃったんだ」

もこっち「そ、そんな……」

タクミ「普通は人間をリアルブートするほどの力を使うと、昏睡状態になったりするんだけど」

タクミ「君の力はあまりにも強すぎて、ディソードを使うこともなく、昏睡状態になることもなく一人の人間をリアルブートしてしまったんだ」

タクミ「そしてその妄想によって生み出された人格が一人歩きを始めて、プロジェクト・ノアについて知った」

タクミ「そしてもう一人の君は、野呂瀬玄一がもつコードサンプルのデータを盗んで、ノアを作り上げた。さすがに一人じゃ作れなかったみたいで、技術のある人たちを操ってね」

タクミ「それだけじゃない。生み出された時からギガロマニアックスとして覚醒済みだった彼女は、自身のコードサンプルのデータを取り入れることで、より強力なノア……ノア3を作り出したんだ」

もこっち「……」

タクミ「全部、僕のせいだ。僕が、Ir2を妄想しちゃったから」

タクミ「何とかしようと思ったけど、僕はこんな身体だから、満足に動くことも出来ない」

タクミ「それでこうして君のところに来たんだ。君に、ノア3を破壊してもらうために」

もこっち「そ、そんなの……嘘だ……」

タクミ「信じたくないだろうけど、真実だよ」

もこっち「私が作り出した人間が、ゆうちゃんを監禁してる?そんなの嘘だ……デタラメだ……」

ーーーーー

ゆう『ねえ、もこっち……何でこんなことするの?』

ーーーーー


もこっち「……っ!!」


ーーーーー

ゆう『痛い……やめてよ、もこっち……』

ーーーーー

もこっち(そうか……あの時ゆうちゃんは、もうひとりの私に拷問されてたんだ……だから私に、あんな電話をかけてきたんだ……)

タクミ「もうひとりの君ほど強大なギガロマニアックスを止められるのは、もうひとりの僕か君しかいない」

もこっち「……」

タクミ「でももうひとりの僕は、今ノア2を破壊しに向かってる。だから、ノア3の方には行けないんだ。たとえノア2を破壊できたとしても、ノア3が稼働してしまったら意味がないし」

もこっち「……」

タクミ「辛い役目を押しつけてごめん。でも、こうするしか無かったんだ」

もこっち「……」

もこっち「ノア3は……」

タクミ「え?」

もこっち「ノア3は、どこにあるの……?」

タクミ「翠明学園の近くに、使われてない体育館があったでしょ?あそこにあるよ」

もこっち「そこに、ゆうちゃんもいるんだね……?」

タクミ「うん」

もこっち「わかった……それじゃ、ディソードを手に入れる方法を教えて……」

タクミ「それについてはもうひとりの君も言ってたけど、風景の中から見つけて、手に取るしかないんだ」

もこっち(またそれか……)

タクミ「ろくなアドバイスも出来ずにごめん。でも君には、必ずディソードを手に入れることが出来るはずなんだ。ディソードなしで、人間をリアルブート出来るほどの力の持ち主なんだからね」

もこっち「……」

タクミ「それじゃ時間もないし、僕は行くね。ここは僕の心象世界で、現実の君は気を失っているんだ。そろそろ目が覚める頃だと思うから、目が覚めたらディソードを見つけて、あの体育館に向かってほしい」

もこっち「うん……」

タクミ「それじゃ、がんばってね」

今日はここまでで

おちんこ

乙です!
これはどんどん楽しみな展開になっていく…なんて俺得……

ディソードなしで昏睡状態にもならなかったとかチート過ぎだろ……
まぁアラサー無職ニート曰く、腐女子の妄想は童貞の妄想より遙かに上らしいから
乙女ゲー好きのもこっちの妄想力が強いのも当然か。性的な意味で


弟凄いなと思ったら、姉の方も大概チートだったとはww

弟を襲ってたのがリア充だったのはん?と思ったが、
もこっち(黒幕)の手の者だったってことかな、何か納得

ーーーー
ーーー

小宮山「……」パチッ

智貴「気がつきましたか?」

小宮山「あ、智貴くん……えっと、何があったの?」

智貴「実はさっきまでおれも気を失ったんでよくわかんないんですけど、窓から街を見る限り、地震でもあったんですかね?目が覚めたら何故か車内には誰もいないし……」

小宮山「本当だ……外すごいことになってる……よく電車横転しなかったね……」

智貴「とりあえずここにいてもしょうがないし、外に出ましょう。ここからなら、翠明もそんなに遠くないでしょうし」

小宮山「そ、そうだね……」

ーーーー
ーーー

智貴「それにしても、大変なことになってますね」

小宮山「本当だね……」

智貴「って、あれ?」

一般人たち「……」ゾロゾロ

智貴「なんだあいつら……あんな大人数で……」

小宮山「すごい人数だね……10人くらいはいそう……」

一般人A「おいお前たち。黒木智貴に小宮山琴美か?」

小宮山「え……?」

一般人A「お前たち二人は、見つけしだい捕まえろという命令だ」スッ

ースーッ

ージャキンッ!

小宮山「え?それってまさか、ディソード……?」

智貴(こいつら……あいつと同じで人工のギガロマニアックスか……)

一般人A「黒木智貴。お前がギガロマニアックスとして覚醒済みなのはわかっている。しかしこの人数相手では、さすがに分が悪いと思わないか?」

智貴「……」

小宮山「え?智貴くん……ギガロマニアックスだったの?」

一般人A「大人しく捕まれば、命は助けてやろう。さあ、大人しくついてこい」

智貴「……断る」

小宮山「え……?」

智貴「すみません、少し下がっててください」スッ

ースーッ

ージャキンッ!

智貴「……」ジャキッ

小宮山「ディソード……智貴くん、本当に……」

一般人A「残念だ。それではお前たち二人は、力ずくで捕らえることにしよう。みんな、ディソードを出せ」

一般人たち「はいっ!」

ースーッ

ージャキンッ!

一般人たち「……」ジャキッ

小宮山「え?なんでこんなにたくさんの人たちが、ディソードを持ってるの……?」

智貴「っ!!早く下がってください!」

小宮山「えっ!?う、うん……」

智貴(どこかにいるはすだ……あの機械を持っている奴が、どこかに……)

一般人A「いいかみんな、手加減するなよ!殺す気で行け!いいな!?」

一般人たち「オー!」

ーーーー
ーーー

一般人B「オラ!」ブンッ

ガキインッ!

智貴「ぐっ……」

一般人C「ほらほらよそ見してんじゃねえぞ!」ブンッ

智貴「!?」バッ

ガキインッ!

智貴(くそ、埒があかねえ……さすがに殺すわけにはいかねえし……あの機械を持ってる奴は、いったいどこにいるんだ……)

小宮山「と、智貴くん……大丈夫かな?」

ジャリッ

小宮山「っ!?」バッ

小宮山「……え?」

ゆう「はあ、はあ、こみちゃん……」

小宮山「な、成瀬さん!?」

ゆう「痛い、痛いよ……こみちゃん……」

小宮山(っ!?ひどい……左手が切断されてる……)

ゆう「……っ」フラッ

ドサアッ

ゆう「ううっ……」

小宮山「ちょっと成瀬さん!大丈夫!?」

ゆう「ねえ、こみちゃん……左手が、痛いの……私の左手、どこ……?」

小宮山「成瀬さん!とりあえず、今は落ち着いて!」

ゆう「こみちゃんが、持ってるの……?」

小宮山「え?」

ゆう「なら返して……返してよ……私の、左手を……」

小宮山「いや、私は……」

ゆう「返してくれないんだったら……」スッ

ースーッ

ージャキンッ!

ゆう「ちょうだい……」ジャキッ

小宮山「え?ディソード……?」

ゆう「こみちゃんの、左手……」

小宮山「え?」

ブンッ

ズバアッ

小宮山「……っ!!」

ビチャッ

ゆう「やったあ……もらうね……こみちゃんの左手……」

小宮山「っ!?な、成瀬さん……何を……」

ゆう「だって、こみちゃんが私の左手を持ってるんでしょ?だから、その代わりに……」

小宮山「何を言ってるの……」

ゆう「ところでこみちゃん、実は、もう一つお願いがあるの……」ジャリッ

小宮山「ひっ……」

ゆう「そんなに怖がらないでよ……私達、友達でしょ?」

小宮山「あ……あ……」

ゆう「それじゃあ、こみちゃん……」チャキッ

ゆう「死んでくれる?」ブンッ

小宮山「え?」

スバアンッ!

小宮山「な……」

ビチャッ

小宮山「うっ……」フラッ

ドサアッ

小宮山「ううっ……」

ゆう「バイバイ……こみちゃん……」

小宮山(痛い……さっき斬られた左手も、今斬られたところも……)

小宮山(もう、こんな痛いのやだ……今すぐ楽になりたい……死にたい……)

小宮山(そうだ……もういっそ死んじゃおう……こんな痛いのに耐えたって、何もいいことないんだし……そうだ、そうしよう……)

(しっかりして)

(それは、妄想だから)

小宮山(え?だれ……?)

タクミ(ぼくは、将軍だよ)

小宮山(将軍?一体、どこに……?)

タクミ(今は、君の心象世界から話しかけているんだ)

小宮山(心象世界?なにそれ……)

タクミ(ごめん、今は詳しく説明してる時間はないんだ)

タクミ(今は君に、ディソードを手に入れてほしい)

小宮山(え?何それ……?黒木の時と同じ……?)

タクミ(黒木智子を脅迫していた自称将軍は、僕じゃない)

タクミ(そんなことより、気をしっかり持って。君が今見ているのは、現実じゃない。ノア3の力によって、君が見せられている妄想なんだ)

小宮山(妄想?こんなに痛いのに……?)

タクミ(景色の中を、よく探してみて。どこかに必ず、ディソードがあるはずだよ)

小宮山(ディソード?そんなもの、どこにも……)

小宮山(って、なんだろうあれ?レールの上に、剣みたいなものが……)

タクミ(手をのばしてみて。君にはもう、剣を掴むことができるはずだよ)

小宮山(手を伸ばす?そんなことしたって、掴めるわけが……)

小宮山「……っ!!」

小宮山(なにもないところを握ったはずなのに、たしかに手応えが、ある……)

タクミ(引き寄せるんだ)

小宮山(言われた通りに、それを引き寄せてみる)

小宮山(次の瞬間、ディソードを持った成瀬さんと斬られた場所の傷が消えた)

ースーッ

ージャキンッ!

小宮山「……」

小宮山「これが、私のディソード……?」チャキッ

小宮山(重さは感じない……まるで、初めからここにあったみたい……)

タクミ(ここにいるノア3の端末を持つ者を、音を頼りにして探すんだ。彼らの持つ機械を破壊すれば、黒木智貴と戦っている人工のギガロマニアックス達も無力化できる)

小宮山(音?)

タクミ(聞こえてくるでしょ?機械の音が)

小宮山「……」

小宮山(見つけた、二人いる……)チャキッ

タクミ(黒木智貴と違って、君はギガロマニアックスの素質があることがすでに分かっていたからね。向こうも人数を増やしてきたんだと思う)

小宮山(関係ないよ……二人いるなら、二つその機械を壊せばいいんでしょ…‥)ダッ

タクミ(うん。でも気をつけてね、あっちもかなり警戒してると思うから)

ーーーー
ーーー

小宮山「……いた」タッタッタッ

リア充C「ふん、やっと覚醒したか」チャキッ

リア充B「さ、命令通りに連れていくよ」

リア充C「たしか、頭さえ残ってればそれでいいんだよな!」ブンッ

小宮山「……っ」

フッ

スカッ

リア充C「なっ!?消えた……?」

リア充B「バカ!後ろだよ!」

リア充C「なに!?」クルッ

小宮山「……」チャキッ

ズバアンッ!

リア充C「……っ!!」フラッ

ドサアッ

リア充C「う……」

小宮山「あとひとつ……」チャキッ

リア充B「ちっ!こんなに早くやられるなんて……」

リア充B「くそ!食らえ!」ブンッ

ガキインッ!

リア充B「な……」

小宮山「無駄だよ……本物のディソードと偽物のディソードじゃ、性能が違うんだから。大人しく、そのリュックを渡しなよ」

リア充B「っ!!うるさい!そんなことしてたまるか!」ブンッ

小宮山「仕方ないな……」ブンッ

ガキイッ!

リア充B「なっ……」ヨロッ

ドサッ

リア充B「く……」

小宮山「そこ……」チャキッ

リア充B「なっ!いつの間に後ろに……」

ズバアンッ!

リア充B「う……くそ……」フラッ

ドサアッ

小宮山「……」
 
小宮山「これで、よかったの?」

タクミ(うん、ありがとう)

ーーーー
ーーー

一般人たち「オラオラ!」ブンッ

ガキインッ!

智貴(ぐっ、流石にキツくなってきた……もう、ダメだ……)

一般人たち「あっ!うぐっ!」フラッ

ドサアッ

智貴(え?どうしたんだこいつら?いきなり倒れたけど……)

小宮山「お待たせ、智貴くん」

智貴「え?」

小宮山「ノア3の端末なら、私が壊してきたから大丈夫だよ。さ、先を急ごう」

智貴「え?あの、もしかして……」

小宮山「うん、私もギガロマニアックスだったみたい」

智貴(まじか……)

小宮山「ほら、早く翠明に行くよ。黒木もあそこにいるだろうからさ」

智貴「あ……はい」

今日はここまでで

ちんぼ

一乙

乙でした

ーーーー
ーーー

もこっち「……」パチッ

もこっち(ここは、学校の屋上か……ということは私は、屋上から落ちはしなかったのか……)

もこっち(でも、ここから見える街はひどいことになってる……建物が崩れて、辺り一面は瓦礫の山になってる……学校はなんとか倒壊しなかったみたいで、今は避難所になってる……)

もこっち「……っ」

もこっち(今は街の状態より、ゆうちゃんを助けに行かないと……今こうしてる間にも、私が作り出した人格がゆうちゃんを拷問してるかもしれないんだ……)

もこっち(うう、ごめん……ゆうちゃん、本当にごめん……)

ーーーー
ーーー

もこっち「はあ、はあ……」

もこっち(着いた……ここが将軍の言ってた、ノア3がある場所……)

もこっち(結局、来る途中どこにもディソードは無かった……でも、行かないと……ゆうちゃんを、助けないと……)

もこっち(お願い、ゆうちゃん……まだ生きていて……)

一般人D「おい」

もこっち「へ?」

一般人D「黒木智子か?」

もこっち「え……はい……」

一般人D「そうか」スッ

ースーッ

ージャキンッ!

一般人D「ならば動くな。大人しくついてこい」

もこっち「え?なにそれ……?ディソード……?」

一般人D「これはノア3の力によってつくられた人工のディソードだ。俺だけではない。ここにいる全ての者たちが、ディソードを持っている」

一般人D「お前たち!出てこい!」

一般人たち「はい!」

ゾロゾロ……

一般人D「どうだ?これだけのディソードを持った人間たちから、逃げきれる自信はあるかな?」

もこっち「……」

もこっち「……私は」

一般人D「ん?」

もこっち「私は、ディソードは持ってないけど、ゆうちゃんを助けてみせる……」

もこっち「あんたたちの指図には、従わない……」

一般人D「そうか。まあ生きていれば、どんな形でもいいという命令だからな」チャキッ

一般人D「では、死なない程度に痛めつけてやろう!」

ブンッ

もこっち「……っ」

ガキインッ!

一般人D「なっ……」

もこっち「へ?」

智貴「たくっ、ディソードも持ってねえのに意地張りやがって」

もこっち「と、智貴!?」

智貴「おう、待たせたな。もうエスパーショーは終わったのか?」

もこっち「お前そのディソード、何で……」

智貴「どうやらおれも、ギガロマニアックスだったらしい。おれだけじゃなくて、小宮山さんもそうだったみたいだ」

もこっち「え?」

小宮山「やっほー黒木」チャキッ

もこっち「小宮山さん……本当に……」

智貴「……」

智貴「なるほどな」

もこっち「え?」

智貴「大体の事情はわかった。お前の妄想が事の発端ってわけか」

もこっち「なっ……」

智貴「今姉ちゃんの思考を読んだ。お前、とんでもない力の持ち主だな」

もこっち「え……」

一般人D「ちっ!ゴチャゴチャうるせえ!!」ブンッ

智貴「……っ!」

ガキインッ!

一般人D「ちっ……」

一般人E「おれたちのことを忘れてんじゃねえよ!」ブンッ

小宮山「……っ!」ダッ

ガキインッ!

一般人E「くそ……」

小宮山「なるほど……ノア3の端末を持ってる奴が近くにいないのは、ノア3自体が近くにあるから、直接力を受けてるからってわけね」

もこっち「あ……あ……」

智貴「……っ!さっさっと行ってこい!」

もこっち「へ?」

智貴「ギガロマニアックスになった今ならわかる!お前にはとてつもなく強力なギガロマニアックスの能力がある!さっさっとディソードを見つけて、妄想のお前をぶったぎってこい!」

もこっち「え?あの……」

小宮山「ここは私たちが何とかする!だから早く!」

もこっち「う、うん!」ダッ

一般人F「ふん!逃がすか!」ブンッ

智貴「……っ!」ダッ

ガキインッ!

一般人F「くそ……」

智貴(頼むぜ、姉ちゃん……)

ー体育館の入り口ー

もこっち(とうとう着いた……この扉の先に、もう一人の私と、ゆうちゃんが……)

もこっち(結局、ディソードはどこにも見つけらなかった……でも、行かないと……もう一人の私が、ゆうちゃんを殺しちゃう前に……)

もこっち(ごめんね、ゆうちゃん、ごめんね……)

ガチャッ

ギイイーッ

バタンッ

もこっち「……っ」

フォンフォンフォン……

もこっち(あれがノア3……やっぱり、もう動き始めてる……)

もこっち「あっ」

ゆう「ううっ……」

もこっち「ゆうちゃん!」

ゆう「ひっ、もこっち……」

もこっち(っ!!やっぱり、左手がない……それに、ノア3の隣に立ててある鉄板みたいなものに縛りつけられてて、身動きもとれなそう……ずっと、あの状態だったってこと?)

もこっち「ごめんねゆうちゃん……待ってて……今助けるから……」

ゆう「や、やだ……やめて、来ないで……」

もこっち「ゆうちゃん、きいて。今までゆうちゃんを監禁してたのは、私じゃないの……」

ゆう「え……?どういうこと……?」

もこっち「ごめん、今は説明してる時間はないの……その拘束解くから、一緒に帰ろう……」

??「私じゃないっていうのには、語弊があるよ」

もこっち「っ!?」

ゆう「え……?」

もこっち(妄想)「やっと会えたね。もう一人の私」

もこっち(あれが、私の作り出した妄想の私……)

ゆう「ど、どういうこと……?もこっちが二人?」

もこっち「あれは私じゃないの……今までゆうちゃんを監禁したりしてたのは、全部あいつなの……」

ゆう「え……?」

もこっち(妄想)「ちょっとちょっと。だから私じゃないっていうのには語弊があるって」

もこっち(妄想)「私はあなたの妄想によって生み出されたんだよ?つまり私はあなたなの。都合が悪いからって他人の振りをしないでよ」

もこっち「……っ!!」

もこっち(妄想)「まあいいや。それで?ディソードはまだ手には入ってないの?」

もこっち「……」

もこっち(妄想)「はあ……全く、どれだけ焦らせば気が済むの?西條拓巳ですら、もう覚醒してるっていうのに……」

もこっち(妄想)「あなたを覚醒させようと、いろいろがんばってみたんだけどなあ……天成神光会のアイデアを真似したりもしてみたのに……まあ、全然だめだったけど……」

もこっち「……」

もこっち「ねえ……何でノア3を作ったの?」

もこっち(妄想)「え?だってあなただって思ってたでしょ?周りのやつらが楽しそうにしてるのを見て、全てぶち壊してやりたいって」

もこっち「そ、そんなこと……」

もこっち(妄想)「とぼけなくったっていいよ。私とあなたは、記憶を共有しているんだから」

もこっち「……」

もこっち(妄想)「そこでそこら辺にいた天成神光会の奴の思考を盗撮して、プロジェクトノアについて知ったの。それからコードサンプルのデータを盗んで、ノア3を作り上げた。やつらの持ってたコードサンプルだけじゃなく、私のコードサンプルも取り入れてね」

もこっち(妄想)「それでも、ノア3の性能はまだ不完全なものだった。それで思ったの。ディソードも使わず昏睡状態にもならないで人間をリアルブートできるほどのギガロマニアックスであるあなたからコードサンプルを採取すれば、ノア3の性能は完全なものになるだろうって」

もこっち(妄想)「そうそう、そう言えばゆうちゃんにも、ギガロマニアックスの素質があるんだよね」カツカツ

ゆう「ひっ……」

もこっち(妄想)「あなたを覚醒させるついでに、ゆうちゃんのコードサンプルもとろうかと思って、色々拷問したりしてみたのに、ゆうちゃんったら、全然覚醒しないの」ガシッ

ブンッ

ドサアッ!

ゆう「うっ……」

もこっち「ゆうちゃん!」

もこっち(妄想)「まあでも、ゆうちゃんを餌にあなたをここに呼び寄せることも出来たし、ゆうちゃんは期待通りの役目を果たしてくれたかな。あなたのコードサンプルを採取すれば、たぶんノア3は完成するしね」

ースーッ

ージャキンッ!

もこっち(妄想)「今からあなたを痛めつけて、覚醒させてあげる」チャキッ

もこっち「ディ、ディソード……」

もこっち(妄想)「安心して。コードサンプルをとるまでは、殺しはしないからさ」

フッ

もこっち(なっ、消えた……)

バッ

もこっち(っ!?いつの間に目の前に……)

ズバアンッ!

ビチャアッ

もこっち「うぐっ……」フラッ

ドサアッ

もこっち「ううっ……」

ゆう「もこっち!」

もこっち(妄想)「ほら!早く覚醒しなよ!」ブンッ

バキィッ

もこっち「うああああーっ!!」

ゆう「もこっち!」

もこっち(痛い、どこ……ディソード……どこ……)

もこっち(妄想)「ほらほら!覚醒しないとずっと続くよ!」ブンッ

バキイッ

もこっち「あぐっ!」

ゆう「もこっち!」

バキッ

ドガアッ

もこっち「うああっ!!」

ゆう「はあ……はあ……もこっち……」

ゆう「もこっちー!」

ースーッ

ージャキンッ!

もこっち(妄想)「なっ……」

もこっち「ゆ、ゆう……ちゃん……?」

ゆう「はあ、はあ、もこっち……もこっち……」チャキッ

もこっち(ゆうちゃん……ギガロマニアックスとして、覚醒したの?)

もこっち(妄想)「へえ、やっと覚醒したんだ。ゆうちゃん」チャキッ

もこっち「え?」

ズバアンッ!

ビチャアッ

もこっち「あ……」

ブシャーッ

もこっち(え?なにこれ?私の腰と、胴体が切断された?なんで?私のコードサンプルをとるまでは、殺さないんじゃなかったの……?)

もこっち(妄想)「残念だったね……」

もこっち(え……?)

もこっち(妄想)「あなたはとうとう、目覚めることはできなかった……」

もこっち(あれ?この光景、前にどこかで……)

もこっち(妄想)「まあでも、当初の予定より、大分多くのギガロマニアックスが覚醒してくれたし……」チャキッ

もこっち(妄想)「おそらく、あなたのコードサンプルはなくても大丈夫そう……」

もこっち(そうだ、あの時見た夢……)

もこっち(妄想)「それに、あそこにいる、あなたの友達も、すぐ にそっち側に送ってあげるから……」

もこっち(そうか、あの夢は……)

ゆう「は、はぁ……はぁ……も、もこっち…」

もこっち(今の、予知だったんだ……)

もこっち(妄想)「だから、安心して死になさい……」チャキッ

もこっち(これから私は、あのディソードを振り下ろされて)

もこっち(妄想)「さようなら……」ブンッ

もこっち(頭を潰される)

ゆう「え、や、やだ……もこっち…?」

もこっち(これから死ぬのに、何でこんなに落ち着いてるんだろう……)

ゆう「もこっちー!!」

もこっち(ゆうちゃんの声が聞こえた次の瞬間、もう一人の私のディソードが、私の頭の上に振り下ろされて……)

グチャッ

ドバーッ

もこっち(私の頭を潰した)

合いの手ゆうちゃん「もこっち!」

もこっち(妄想)「はあ、つまんないの……結局覚醒しなかった」

ゆう「もこっち!もこっち!」

もこっち(妄想)「まあいいや、今からゆうちゃんのコードサンプルをとって、智貴と小宮山のコードサンプルもとらないといけないし……」

ゆう「もこっち!もこっち!」

もこっち(妄想)「はあ、うるさいなぁ……」

ーーーー
ーーー

もこっち「……」

もこっち(どこだろうここ……真っ暗で、何も見えない……そもそも、何で私はまだ意識があるんだろう……私は、頭を潰されたはずなのに……)

もこっち(そうだ、黒木智子は、頭を潰されて死んだんだ。じゃあ、今あるこの意識は、黒木智子のものじゃないってこと?そうなると、この意識は、誰のもの……?)

もこっち(私は、誰……?)

ゆう「もこっち!もこっち!」

もこっち(声が聞こえてくる……誰の声かわからない、誰かを呼んでいるのはわかるけど、誰を呼んでいるのかわからない、そんな声が……)

もこっち(まあ、そんなことどうだっていいや。だって、私はもう死んじゃってるんだから)

タクミ(君はまだ、死んでいないよ)

もこっち(え?だれ?)

タクミ(君のギガロマニアックスとしての力が、あまりにも強すぎて、君は今、脳が無い状態で生きているんだ)

もこっち(え……?)

タクミ(よく聞いてみてごらん、声が聞こえてくるでしょ?)

もこっち(声……?)

七海『智子さん!』

あやせ『智子』

梢『智子しゃん!』

セナ『黒木』

梨深『黒木さん!』

智貴『姉ちゃん』

小宮山『黒木』

ゆう『もこっち!』

もこっち(色んな人たちが、私のことを呼んでいる。私は……私は……)

タクミ(君はもう、一人じゃない)

タクミ(こんなにたくさんの人たちに、囲まれているんだ)

もこっち(私が、たくさんの人たちに……?)

もこっち(私は、私は……)

ゆう「もこっちー!!」

もこっち(そうだ、私は、黒木智子。ゆうちゃんの友達で、あだ名はもこっち……)

もこっち(私は、ゆうちゃんを、助ける!)

もこっち(次の瞬間、暗闇の中に、青白く光る何かが見えた)

もこっち(迷うことなく、私はそれに手を伸ばす)

もこっち(次の瞬間、私はそれを握りしめていた)

ビチャアッ

もこっち(次の瞬間、私の体が人の形へと収束する)

ースーッ

ージャキンッ!

もこっち(気づけば私は、ディソードを握りしめて立っていた)

もこっち(妄想)「なっ!?」

ゆう「もこっち?」

もこっち「……」

ゆう「あれ?左手が治ってる……」

もこっち(妄想)「なにっ!?」

ゆう「左手だけじゃない……体中にあった傷も……」

もこっち(妄想)「そんな、バカな……ありえない……」

タクミ(ディソードをよく手に入れてくれたね)

タクミ(ありがとう)

もこっち(私はいいから、早く西條のところに行ってあげなよ……)

タクミ(僕の思考を読んだんだね。うん、わかった。それじゃ、行ってくる)

もこっち「……」

もこっち「ごめんね、ゆうちゃん」

もこっち(妄想)「っ!?」

もこっち「私がそいつを妄想しちゃったせいで、ゆうちゃんをこんな目に合わせちゃって……」

ゆう「もこっち……?」

もこっち「だから、待ってて。すぐに、終わらせるから……」チャキッ

もこっち(妄想)「ふんっ!すぐに終わらせる!?」

フッ

もこっち(妄想)「やってもらおうじゃん!」ブンッ

ズバアンッ

もこっち(妄想)(殺った……)パチッ

もこっち(妄想)「なっ!?」

もこっち「……」

もこっち(妄想)(再生してる……一秒も経っていないのに?)

もこっち(妄想)(そんな、ありえない……ギガロマニアックスは、怪我の治療に能力は使えないはずだ……だって……)

もこっち「そうだね」

もこっち(妄想)(なっ!?思考を読まれた!?)

もこっち「ギガロマニアックスは怪我の治療に能力を使えない。脳が痛みを認識しちゃうからね。だから……」チャキッ

もこっち「痛覚を遮断した」

やるじゃんもこ

フッ

もこっち(妄想)(なっ!?消え……)

バッ

もこっち(妄想)(なっ!?いつの間に……)

ズバアンッ!

ビチャアッ

もこっち(妄想)「ぐっ……!!」

もこっち「へえ、倒れないんだね」

もこっち(妄想)「ふ、ふんっ、これくらいで倒れてたまるもんか……」

もこっち(妄想)「い、いいことを教えてあげるよ……ノア3、あれはノア2に野呂瀬玄一以外が近づけないように、私以外は誰も近づけないんだ……たとえ、私が死んだとしてもね……」

もこっち(妄想)「こうなったら未完成でも仕方ない……ノア3を稼働させて、世界を破滅させてやる……未完成とはいっても、すでに現段階のノア2を上回る性能はあるんだ……」

もこっち(妄想)「ははっ、ははははははっ!」

もこっち「へえ、あんたにしか近づけないんだ。じゃあ……」

スタスタ

もこっち「私になら近付けるね」ピタッ

もこっち(妄想)「なっ!?」

もこっち「うん、やっぱり触れる」

もこっち(妄想)「そんな……どうして……」

もこっち「だって、あんたも言ったでしょ?あんたは私だって。それなら、あんたに近づけるなら、私に近づけないはずないじゃん」

もこっち(妄想)「……っ!!」

もこっち(そう、こいつは私。ノア3をつくったのもゆうちゃんを監禁してたのも、全部私。だから……)

もこっち「せめて一緒に、消えてあげるよ」チャキッ

もこっち(妄想)「く、くそっ!くそっ!」ブンッ

ガキインッ!

もこっち(妄想)「ううっ……」

もこっち「ごめんね、ゆうちゃん」

ゆう「もこっち……?」

もこっち「私のせいで、こんな事に巻き込んじゃって……」

ゆう「……」

もこっち「みんなにも、謝っておいて……」チャキッ

もこっち(妄想)「くそ!くそ!」

もこっち「バイバイ、ゆうちゃん」ブンッ

もこっち(妄想)「なっ……!」

ズバアンッ!

もこっち(妄想)「う、うわあああああ!!」シュウウウウウ

ビキビキビキッ

もこっち(妄想の私ごと、ノア3を破壊した……もう、何も思い残すことはない……あとは、ゆうちゃんが爆発に巻き込まれないように……そして、私が消えるように妄想するだけ……)

もこっち(みんな、さようなら……)

ドカアンッ

ーーーー
ーーー

もこっち(今度こそ、絶対に死んだ。なぜなら、私自身がそう妄想したから)

もこっち(何も見えない。何も聞こえない。暗闇の中に、私は立っている。やっぱり、天国とか地獄っていうのは、人間の空想でしかなくて、死後の世界っていうのは、無の世界なのかな?)

ゆう「もこっち!もこっち!」

もこっち(ゆうちゃんが私を呼ぶ声がする気がする。この期に及んで、私はまだ未練があるのかな……なんて見苦しいんだろう……あまりに滑稽で笑えてくる……私は、自分の意志で死んだのに……)

ゆう「もこっち!!」

もこっち(……っ!?)

もこっち「……っ」パチッ

ゆう「よかった……目を覚ましてくれた……」

もこっち「え?なんで?私は、確かに死んだのに……」

ゆう「もこっち、やっぱり死のうとしてたんだ……」

もこっち「え……?」

ゆう「私ね、あの時思ったの。もこっち、死のうとしてるんじゃないかなーって。だから、強く願ったんだ。もこっちがどうか、死にませんようにって」

もこっち「それじゃ、ゆうちゃんが……?」

ゆう「よかった……もこっちが、生きててくれて……」

もこっち「なんで?もうひとりの私が、ゆうちゃんにあんなひどいことしたのに……」

ゆう「私ね、もこっちに捕まって、色々ひどいことされて、すごく悲しかったの」

もこっち「え?」

もこっち「……いいの?」

ゆう「え?」

もこっち「私は、生きていていいの……?」

ゆう「いいに決まってるよ……もこっちが生きていてくれなきゃ、私はやだよ……」グスッ

もこっち「……」

もこっち「泣かないで」

ゆう「え?」

もこっち(ゆうちゃんがそう言ってくれるなら……ゆうちゃんがそう望んでくれるなら……)

もこっち「私も、生きていたい……」

もこっち「私もゆうちゃんに、一緒にいてほしい……」

ゆう「もこっち……」

パアアアアア……

ゆう「あ、空が晴れてく……」

もこっち(西條、うまくやったみたいだな……)

ゆう「見てもこっち。きれいな空……」

もこっち「うん……」

智貴「おーい、無事かー」

小宮山「大丈夫ー?」

もこっち「智貴に、小宮山さん……?」

小宮山「ふう、何とかノア3は破壊できたみたいね。成瀬さんも無事みたいだし」

ゆう「こみちゃん……」

小宮山「久しぶり成瀬さん。大丈夫?」

ゆう「うん、怪我は全部、もこっちが治してくれたから……」

もこっち「……」

もこっち「みんな……」

ゆう・小宮山・智貴「ん?」

もこっち「ありがとう……みんなが助けてくれなきゃ、私は今ここにはいられなかった……」

小宮山「私たちだけじゃなくて、他にもいろいろな人たちがあんたを助けてきたんだからね」

もこっち「うん、わかってる……」

もこっち「みんな、本当に、ありがとう……」グスッ

智貴「おいおい、いい年して泣くなよ。みっともねえ」

もこっち「ごめん……」グスッ

智貴「はあ、そう言ってもまだ泣いてるし……」

もこっち「ごめん、涙が止まんなくてさ…‥」グスッ

もこっち「ひとまず、渋谷に帰ろう……さっき確認したけど、ここにいるみんなの家族は全員無事みたいだからさ…‥」

小宮山「そうだね」

もこっち「それじゃ行こう……みんなの家族も心配してるだろうし…‥」

ゆう「うん…‥私なんて一週間ぶりだよ…‥」

智貴「姉ちゃんなんてエスパーショーやってたもんな」

もこっち「あはは、そうだね……」

智貴「なんだよ?突っかかってこねえのかよ」

もこっち「普段ならそうすると思うけど、今はそんなこと言われたって、全く気にならないよ……渋谷は崩壊しちゃったけど、それでも、今やっと、すべてが終わったんだから……」

ゆう「もこっち……」

もこっち「ありがとう……みんな本当に、ありがとう……」

ー数ヶ月後ー

黒木母「智子ー。お友達が迎えにきたわよー」

もこっち「はーい」

黒木母「行ってらっしゃい。気を付けてね」

もこっち「行ってきます」ガチャッ

バタンッ

梢「おはーよう、智子しゃん!」

もこっち「あっ……お、おはよう……」

梢「ふみゅー。なんで智子しゃんは心の声じゃないとそんなに元気がないのら?」

もこっち「い、いや……だって……」

もこっち(しょうがねーだろうが!だって声出すの苦手なんだもん!)

梢「ふみゅー。やっぱり心の声と現実の声じゃ違いが大きすぎるのらー……」

もこっち「ううっ……」

梢「まあでも、テレビにでた後の頃より、ぜんぜん元気になってるのら♪あの時の智子しゃんは、心の声でも元気がなかったから……」

もこっち「まあ、あの時はね……」

小宮山「ほらほら、いつまで喋ってるの。早くしないと、学校遅れちゃうよ?」

もこっち「あ、そうだね……」

梢「ふみゅー。ごめんなさいなのらー……」

小宮山「それじゃ、行こ」

ー学校ー

小宮山「それにしても、渋谷の復興作業も大分進んできたね」

もこっち「そ、そうだね……」

梢「あー!セナしゃんみっけー!」

セナ「ん?お前たちか。おはよう」

梢「ねえねえセナしゃん!聞いて聞いてー、あのねー……」

小宮山「すごい話し込んでるね……」

もこっち「うん…‥」

あやせ「あら?そこにいるのは、智子に琴美?」

小宮山「え?」

あやせ「ふふ、おはよう二人とも」

もこっち「あ、おはよう……」

あやせ「ねえ二人とも、今度ファンタズムのライブがあるの。よければこないかしら?」

もこっち「え?まあ……行けたら行くよ……」

小宮山「最近すごいよねファンタズム……どんどん人気になってる……」

あやせ「もしかしたら、それは邪心の導きなのかも知れないわね」

小宮山「は、はあ……」

もこっち(ノアが破壊されたあとも、岸本は電波なままだ…‥たまに何を言っているのかわからないときもある……)

七海「あっ、智子さんたちだ!みなさーん、おはようございまーす!」

もこっち「あっ、七海さん……」

七海「久しぶりです智子さん!ほらおにぃ!挨拶しなよ!」

もこっち「え?西條……?」

拓巳「……」

拓巳「お、おはよう……」

もこっち「うっ、おはよう……」

七海「もー、何でおにぃと智子さんの仲はそんなに険悪なの……?」

拓巳「だ、だって……喪女と童貞は相容れないものだし……」

もこっち「っ!誰が喪女だ!誰が!」

拓巳「き、君以外にいないだろ!」

もこっち「うぬぬ、このキモオタめ……」

拓巳「う、うるさい……」

梨深「もおー、この二人が顔を合わせる度にこれだよ……」

もこっち(ちなみにこうなってしまったのは何でかというと、私たち二人がギガロマニアックスとして覚醒した際に、西條と私が心の中でお互いの悪口を言いまくっていたのが分かってしまったからだ……全く、思考盗撮という能力も考え物だな…‥)

優愛「あら?みなさん、おはようございます」

もこっち「あ、楠さん……」

優愛「うふふ、またお二人で喧嘩ですか?」

もこっち(楠さん……あの騒動の時は全く顔を合わせることがなかったが、西條たちを通して知り合った。この人に何があったかは、西條の思考を読んだから知ってるしな……)

智貴「おーい姉ちゃん、朝から昇降口前で集まってんじゃねえよ」

もこっち「ん?弟?何してたんだお前……」

智貴「朝練だよ。そんなことより、これ何とかしろ。周りの迷惑になってるぞ」

もこっち「このメンバーで、私が何か言ってどうにかなるわけないだろ……」


梢「それでそのガルガリ君がー……」

セナ「なにっ!?それは本当か!?」

あやせ「そして開かれるのよ、大いなる扉が……」

小宮山「は、はあ……」

優愛「それで、その西條くんのフィギュアがですね……」

七海「ほえー」

梨深「タクは流石だねー」

ワイワイガヤガヤ……

智貴「確かに、どうにもならなそうだな……」

もこっち「だろ……?」

拓巳「はあ……何で僕がこんなに目立つ軍団と一緒にいなきゃいけないんだ……」

プルルルルルル

もこっち「ん?電話?」ガサゴソ

もこっち(って、ゆうちゃんからか……何の用だろう……)ピッ

もこっち「もしもし?」

ゆう『あ、もこっち?今日の放課後、空いてるかな?久しぶりに遊ばない?』

もこっち「あ、うん。いいけど……」

ゆう『よかったー。それじゃあ今日学校終わったら、渋谷駅に集まろう?そうそう、こみちゃんとか、他のみんなも誘っておいてくれないかな?』

もこっち(他のみんな……ギガロマメンバーズのことか。一度ギガロマメンバーズとゆうちゃんとで遊びに行ったら、すっかり意気投合しちゃったんだよな……)

もこっち「わかった……誘っておくよ……」

ゆう『うん!楽しみにしてるね!それじゃあね!』ピッ

ツー、ツー……

もこっち「はあ……え、えっとみんな!ゆ、ゆうちゃんが今日の放課後遊びに行こうって!き、来たい人いる!?」

梢「えー!本当ー!?行きたい!行きたいのらー♪」

セナ「まあ、私も用事もないし行くとしよう……」

梢「そんなこと言ってー、心ではすごーい行きたがってるねー♪」

セナ「……」

あやせ「私も行かせてもらうわ」

小宮山「わ、私も……」

優愛「それじゃあ、私も行きます」

七海「ナナも行きまーす!」

梨深「あたしも行きまーす!ビシィッ!」

拓巳「ぼ、僕はパスで……」

七海「ダメだよおにぃ!どうせ家に帰って引きこもってるだけでしょ!おにぃも来るの!いい!?」

拓巳「や、やだよ……だいたい、僕以外は全員女子じゃないか……絶対アウェーになる……まあ、君たちが二次元なら行ってやらないこともないけど。ふひひ」

七海「もー、いいから来なさい!わかった!?」

拓巳(くそ、放課後こっそり帰っちゃおうっかな……)

七海「梨深さん、おにぃが逃げ帰ろうとしたら、無理矢理連れてきてください」

梨深「了解!ビシィッ!」

拓巳(先に手を打たれた……)

もこっち「はあ……やっぱり全員参加か……」

智貴「がんばれよ。おれはこのメンバーとあんま面識ないし、部活あるから行かねえけど」

もこっち「そうか、お前も部活頑張れよ……」

ーーーー
ーーー

もこっち「……」

もこっち「はあ……」

もこっち(あのあと私は、ギガロマニアックスとしての能力を失った。蒼井さんによれば、一気に力を使いすぎたらしい。おかげで私の、ギガロマニアックスの能力でリア充化計画は大失敗に終わった……)

もこっち(でももう、あんな能力を欲しいとも思わない。あの能力さえなければ、もう一人の私が生み出されて、ゆうちゃんを苦しめることも無かったんだ……)

もこっち(能力を失ったといえば、西條も能力を失った。さらに西條は心象世界に閉じこもったりもしたけど、それはまた別のお話……)

キーンコーンカーンコーン

もこっち(予鈴が鳴った……ギガロマメンバーズが慌てて教室へと向かっていく。私もその後を追う)

もこっち(ふと空を見上げる。青く澄み渡った、きれいな空があった……みんなが望んだ、あの空が……)

もこっち(今日の放課後は、なんだかんだ言ってもすごく楽しみだ…‥あの濃いメンバーに、たっぷり振り回されてこよう)

もこっち( この平和な日常……当たり前に思えるけど、すごく大切な日常……こんな日常が、いつまでも続きますように……)

梨深「黒木さん急いで!早くしないと遅れちゃうよ!」

もこっち「う、うん!待ってて!すぐ行くから!」


ーENDー

以上でこのssは完結です
読んでくださった方々はありがとうございました



次は「過去が変わったことを認識できる能力?」だな



つまり、リーディングシュタイナーだな?

乙でした面白かった
ギガロマニアックスは強力なリーディングシュタイナー持ってるらしいな
どれくらいかは知らないけどww

>>506
>>507

シュタゲのssですか……時間があったら書いてみようと思います

乙でした!
>>1 のシュタゲSS…見てみたい…

すみません>>497の文章の途中の文が抜けていました最後に訂正させてください

もこっち「……っ」パチッ

ゆう「よかった……目を覚ましてくれた……」

もこっち「え?なんで?私は、確かに死んだのに……」

ゆう「もこっち、やっぱり死のうとしてたんだ……」

もこっち「え……?」

ゆう「私ね、あの時思ったの。もこっち、死のうとし てるんじゃないかなーって。だから、強く願ったんだ 。もこっちがどうか、死にませんようにって」

もこっち「それじゃ、ゆうちゃんが……?」

ゆう「よかった……もこっちが、生きててくれて……」

もこっち「なんで?もうひとりの私が、ゆうちゃんに あんなひどいことしたのに……」

ゆう「私ね、もこっちに捕まって、色々ひどいことさ れて、すごく悲しかったの」

もこっち「え?」

ゆう「もこっちは、私のこと嫌いになったのかなって、だからこんなことするのかなって」

ゆう「でもね、もこっちが助けに来てくれて、本当にうれしかった」

ゆう「もこっちは昔からそうだよね。私がひとりで困ってると、いつも助けに来てくれる」

ゆう「もこっちは、私のヒーローだよ」

>>511
>>497の後半の文と一緒ですか一応訂正続きです

もこっち「……いいの?」

ゆう「え?」

もこっち「私は、生きていていいの……?」

ゆう「いいに決まってるよ……もこっちが生きていてく れなきゃ、私はやだよ……」グスッ

もこっち「……」

もこっち「泣かないで」

ゆう「え?」

もこっち(ゆうちゃんがそう言ってくれるなら……ゆう ちゃんがそう望んでくれるなら……)

もこっち「私も、生きていたい……」

もこっち「私もゆうちゃんに、一緒にいてほしい……」

ゆう「もこっち……」

パアアアアア……

ゆう「あ、空が晴れてく……」

もこっち(西條、うまくやったみたいだな……)

ゆう「見てもこっち。きれいな空……」

もこっち「うん……」

智貴「おーい、無事かー」

小宮山「大丈夫ー?」

もこっち「智貴に、小宮山さん……?」

小宮山「ふう、何とかノア3は破壊できたみたいね。成 瀬さんも無事みたいだし」

ゆう「こみちゃん……」

小宮山「久しぶり成瀬さん。大丈夫?」

ゆう「うん、怪我は全部、もこっちが治してくれたか ら……」

もこっち「……」

もこっち「みんな……」

ゆう・小宮山・智貴「ん?」

もこっち「ありがとう……みんなが助けてくれなきゃ、 私は今ここにはいられなかった……」

小宮山「私たちだけじゃなくて、他にもいろいろな人 たちがあんたを助けてきたんだからね」

もこっち「うん、わかってる……」

もこっち「みんな、本当に、ありがとう……」グスッ

ということで間違いすみませんでした今度こそ終わりです
ありがとうございました

痛覚を遮断した、は名言だよな...

長い間お疲れ様ー
シュタゲ期待

乙でした

途中から見始めたけど、面白かった

完走乙
良かったよ

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