咲「私が殺し屋?」 (145)

殺し屋の咲ちゃんっていうか、幼女のあわあわが書きたかったっていうか何ていうか……

・咲キャラは殺せなかった
・夜にちょこちょこレスしていく
・キャラ崩壊有り
・幼女淡ちゃん

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1401198936

咲「……ここは?」

咲(高校入学までの記憶がない……あれ? デジャヴ?)

恒子「ヤッホー。新米殺し屋さん」

咲「え?」

恒子「そこに支給された服と得物。それと指令書があるからね」

咲「ちょっと待ってください!」

恒子「どしたの?」

咲「徹頭徹尾、訳が分からないんですけど」

恒子「……なんとかなるって!」

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ーーーーーー

ホテル

咲(支給されたのはアタッシュケースが2つ)

咲(片方……小さい方には私のサイズにぴったりのスーツだった)

咲(けど、男性用って……)

咲「…………これって」

咲(大きい方のケースにはスナイパーライフル……)

咲「マガジン、サプレッサー、可変倍率スコープ……」

咲「MSR……手触りや重さは本物としか思えないけど、まさか現代日本で……ないよね?」

「失礼しまーす」

咲「……子供? どうしたのかな? 迷子?」

「子供じゃやいよ! 私は大星淡」

咲(見たところ10歳前後なんだけど)

淡「職業はーー殺し屋」

咲「宮永咲だよ。それで、淡ちゃんは何をしに来たのかな?」

淡「何って、サキの手伝いだけど」

咲「お手伝い?」

淡「当たり前でしょ? 殺しの手引きをするのが私の仕事だから」

咲「つまり、共犯者? それと、それはーー」

淡「当然本物」

咲「嘘……」

淡「嘘だと思うのなら撃ってみればいいじゃん。サプレッサー付けて通行人でも狙ってみたら?」

咲「ううん。淡ちゃんがそこまで言うのなら信じるよ」

淡「ふうん。ま、いいや。今日は顔合わせだから明日から打ち合わせしよう。じゃね!」

咲「おやすみ」

咲(どうしてだろう? 不思議と落ち着いている)

咲(人を殺すことに対しての罪悪感がない……夢? 違う。掌の皺まで細かく認識できているし)

咲(MSR。ボルトアクション……やっぱり、思い出せない。私がどうして殺し屋になっているのか)

咲「あぁ、憂鬱だなぁ」

咲(生きる為に人を殺すなんて)

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※MSR
http://i.imgur.com/HvdsdxI.jpg

淡「おはようサキ」

咲「朝から元気だね」

淡「これでもテンションは低い方だよ? それより、ターゲットはこの写真の男」

咲「誰?」

淡「さぁ? ただ、社長としか聞いてないから私も分からないかな。このターゲットは難易度の低い方でね」

咲「難易度? そんなのがあるんだ」

淡「そりゃ勿論。生活が一定のリズムで成り立っている人と無茶苦茶な人、どっちが殺しやすい?」

咲「前者かな?」

淡「何でそう思ったの?」

咲「同じことを繰り返すなら計画が練りやすい。かな?」

淡「正解。ま、私ならカラクリみたいに決められたことを延々と繰り返す人生は真っ平ごめんだね」

咲「じゃあ難易度の低いっていうのはターゲットが決まったサイクルで行動しているから?」

淡「そう言うこと。決まったルーチンワークにどう割り込むか。それだけ考えたらいいんだよ」

咲「なるほど。じゃあ、まずはその人のスケジュールを調べようか」

淡「は? もう調べてあるし」

咲「え?」

淡「私の仕事はサキの仕事の手引き。サポートだよ? 先にそれくらいは調べてあるよ」

咲「そうなの?」

淡「始末するのはサキだけどね。とりあえず、調べた情報話すね」

咲「うん。お願い」

淡「まず、午前7時頃に起床。それから1時間後に家を出てるね。そこから昼の2時まで会社内で怒鳴り散らした後、外の定食屋で昼食」

咲「怒鳴り散らす?」

淡「何でも売り上げが思いの外伸びなくて苛ついてるらしいよ。それから帰って午後5時まで社内で仕事をして帰宅」

咲「狙うのは、会社から出てきたときかな」

淡「出来るだけ人目の無いところでね」

咲「うん。分かった」

淡「じゃあ、次は簡単に地形の把握しよっか。これ、周辺の地図だよ」

咲「……オフィス街?」

淡「そーそー。真ん中がそのターゲットの会社。サキの愛銃……MSRの射程は1500メートル。どこに陣取る?」

咲「そうだね。とりあえず、出てくるターゲットと向かい合う形になりたいから、このビルの屋上かな?」

淡「おっけー。ターゲットを始末したら連絡ちょうだい。迎えの車を向かわせるから」

咲「分かったよ」

淡「朝ごはん行こっか。何食べたい?」

咲「淡ちゃんの好きなもの食べていいよ。私が出してあげるから」

淡「いいの? やった!」

咲(幼女と割り勘なんて恥ずかしいよ)

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咲(困った……うん。困ったよ)

咲「淡ちゃん、どうしよう」

淡『今さらインカム越しにどうしようとか止めてよ』

咲「ごめんね。ただ、さ」

淡『どうしたの?』

咲「撃ち方が分からないよ」

淡『へ? 撃ったことないの?』

咲「うん。気がついたら殺し屋になってて今だから」

淡『……トリガー引いたら弾が出るよ』

咲「いや、それは分かってるよ!」

淡『…………グッドラック』

咲「淡ちゃん? 淡ちゃん!? 切れた……」

咲(引いたら出るね。うん、じゃあ言った通りしてみようかな?)

咲(割りと遠くないポジションだから、サプレッサー付けても余裕で届くらしい距離だから……)

咲「どうにでもなーれ」

咲(スコープを覗いて、十字を合わせる……後は出てくるのを待つだけだ)

咲(…………………………来たっ!)

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レストラン

淡「……あのさぁ」

咲「すいませんでした」

淡「いや、いいんだよ? まさか、ガラスをぶち抜くなんてさ。仕方ないんだけどね」

咲「……ごめんね」

淡「けど、どうして素人に以来が回ったんだろう?」

咲「それなんだけど、私ね、高校以前の記憶がないの」

淡「記憶喪失?」

咲「どうだろう、その前のことは覚えているから」

淡「ふうん。都合のいい記憶喪失だね。まぁ、いいや。問題なのは、手柄を同業者に取られたことだよ」

咲「仲間でしょ? なら、いいんじゃないかな?」

淡「はぁ? 仲間? そんなわけないじゃん。私達は同じところで働いていても皆ライバルだから」

咲「じゃあ淡ちゃんと私も?」

淡「私はちょっと特殊でね。殺しは出来ないんだ。体の関係でさ」

咲「……あぁ」

淡「納得したでしょ? 私の場合はサポートでお金を貰ってるから。今はサキの手助けが仕事」

咲「なら、私が失敗したから淡ちゃんも報酬が貰えない?」

淡「そゆこと。私の財布を潤すのはサキ次第ってこと」

咲「一蓮托生だね」

淡「しっかりしてね。私が飢えて死ぬときはサキも一緒だから」

咲「嫌な共同体だね」

淡「間違いないね。だから、私の為にもサキは頑張ってもらわないと」

咲「……」

咲(淡ちゃんを巻き込んだんだ……やるしかないんだね)

淡「じゃ、同業者の取り分を奪いに行こう!」

咲「へ? いいの?」

淡「当たり前じゃん。じゃないと私達、生きていけないよ?」

咲「……はぁ」

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咲「大きい屋敷だね」

淡「羨ましいくらにはね」

咲「それで、どうしてこの場所にいるって分かったの?」

淡「それは私の仕事が情報収集だからかな?」

咲「個人情報筒抜けとか嫌だな……」

淡「ふふん!」

咲「……そうだ。私の家ってどうなってるんだろう?」

淡「なんだ、そんなことか。気にしなくてもいいのに」

咲「淡ちゃんは知ってるの?」

淡「いや、ここに住んでる同業者を殺せば家は手に入るよ」

咲「過激だね」

淡「……さて、茂みに隠れて」

咲「うん。けど、凄く遠いから大丈夫じゃないかな?」

淡「一応、ね。今からターゲットの説明をするね」

咲「お願い」

淡「ターゲットはあの屋敷の主と数人の雇われた傭兵。傭兵は外を巡回してるから問題ないけど、同業者は……」

咲「まさか、ノープラン?」

淡「ノープランもノープラン。だってサキがへましなかったら、こんなことにならなかったもん」

咲「ごめんなさい」

淡「謝るのはいいから、今は集中してよ。スコープを覗いて、息を止めて……気づかれたら体勢を立て直される前に始末するんだよ」

咲(……ここだ)

淡「おーいいね。ヘッドショット。ほら、次」

咲「…………」

淡「おしい、1人逃したか。なんで、ボルトアクションなんか支給されてるの? セミオートの方が使いやすいのに」

咲「……うるさいよ」

淡「ほら、次。撃たれる前に」

咲「…………」

淡「ナイスショット。後は本命を殺すだけだね」

咲「どうするの?」

淡「うーん、多分気付かれたから出てくるのを待とう」

咲「分かった。それより、淡ちゃん、何それ?」

淡「へ? スナイパー用のスコープだよ」

咲「そんな形のもあるんだ」

淡「まぁ、いろいろあるよ。私の七つ道具」

咲「後6つは?」

淡「その内ね」

咲「楽しみにしてるよ。それより、来ないね」

淡「気付いて立て籠ってるのか、気付いてないのか……どっちにしろ、潜入だね」

咲「スナイパーで?」

淡「これ、私からのプレゼント」

咲「……ハンドガン?」

淡「G18C。ま、今回は別として護身用だと思ってて」

咲「ありがとう。それじゃあ、お邪魔しよう」

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※G18C
http://i.imgur.com/mx8wUgz.jpg

寝ますおやすみなさい

明日の21時頃から再開します

ーー次回予告(嘘)ーー

菫「ようこそSSS(死んだ世界戦線)へ」

淡「……はぁ」

菫「共に天使と戦おうじゃないか」

淡「天使?」

菫「ヤツだ」

咲「……へ?」

淡「…………天使?」

拝読ありがとうございました

では、おやすみなさい

こんばんは。再開します

咲「……」

淡「……おしまいだよ」

怜「止めてーな。尻拭いしただけやん」

咲「……確かに」

淡「それが問題なんだよ。私達が得るはずの報酬がそっちに流れたから」

怜「自分らが悪いんやろ? だから私が横取りした。私に否があるか?」

咲「確かにそうだよね」

淡「サキは黙ってて。アンタが報酬を横取りしたのなら私達だってアンタの報酬を横取りしてもいいんだよ?」

咲「横取りって言うか、強奪じゃないかな?」

怜「せやせや。強奪やで」

淡「うるさいなぁ……こっちはその金がないと明日すら生きていけないんだよ。何振り構ってられないの」

咲「え? そうなの?」

淡「財布の中身、サキあるの?」

咲「……ほとんどないや」

淡「私もだよ。だから、こんな強行手段に出てるんじゃん」

咲「なるほど。すいません、私達もいっぱいいっぱいなんです」

怜「さよか。なら、私と戦うか? 無駄やと思うけど」

咲「……確かに私は殺しの素人です」

淡「けど、やってみないと分からないよ」

怜「は? 何言ってるん? 負けるのは私や。3秒でノックアウトや」

淡「何か拍子抜けした。いいよ。今回の報酬をくれたら見逃すよ」

怜「嫌や」

淡「じゃあ死ね」

怜「それも嫌やな」

淡「二者択一だよ? どうするの?」

怜「第三の選択肢を考えようや」

淡「妥協点?」

怜「せや。例えば、報酬の30%とか」

淡「いやいや、安すぎない? 割りに合わないんだけど」

咲「いいよ。分かった」

淡「サキ!?」

怜「お嬢ちゃんええ子やな」

咲「え? 100%貰うよ?」

淡「やっと自覚してくれたんだ」

怜「本気か?」

咲「当然、本気ですよ。殺しはしませんが」

淡「それだと話が終わらないんだけど」

咲「終わらせるよ。報酬と貴女をいただきます」

怜「何が言いたいんや?」

咲「仲間になりましょう。そしたら報酬も経費になります」

淡「……何て言うか」

怜「無茶苦茶やな。私の報酬が経費になるって」

咲「駄目ですか?」

淡「サキ、パーティー組むのがどれだけ面倒なのか分かってる?」

咲「……さぁ?」

怜「パーティー組むっちゅうことは、まず報酬が減る。意見の食い違いで殺し合い多発。エトセトラやで」

淡「私とサキの付き合いは上からの命令だけど、今回は違うんだから引き返せるよ?」

咲「いいですよ。考えるのも駆け引きも面倒なんで」

淡「はぁ、どうする?」

怜「ええんちゃう?」

咲「決まりですね。じゃあ、今からここは私達のアジトです」

怜「横暴すぎやろ……」

淡「……同情するよ」

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咲「私が勇者?」を思い出す

>>33
そのシリーズも私が書きました

淡「依頼、持ってきたよ」

怜「ほー。なら報酬で咲と淡が使い込んだ私の金を返してもらうで」

咲「分かってますよ。それで、淡ちゃん、ターゲットは?」

淡「ターゲットはこの男。借金まみれで逃げ回ってるんだって」

咲「この人なら取り立てがすることじゃないの?」

怜「分かってへんなぁ」

咲「……ムッ」

淡「この人は隠し持ってるんだよ。逃げる為に何個か隠れ家を用意してね。保険を解約してないのが証拠。支払いをするだけの金、プラス今、ターゲットが持っている分。それで借りた金額を上回るかな」

怜「それで、報酬は?」

淡「報酬は借りた金額を越えた分だけの額。つまり、100円借りたところ、110円が依頼主に渡った。利益の10円を私達の元に支払われる」

咲「それじゃあ、依頼主は全く儲かってないよね」

淡「最低でも貸した分だけは取り返したいんだよ」

咲「そっか。だから私達を雇って強行手段に出てるんだね」

淡「そういうこと。どうする? 受理する?」

怜「一般人なら難易度ベリーイジーやしええと思うで」

咲「何でもいいよ」

淡「分かった。なら、皮算用するね。予想される金額が保険金で大体1500万。貸し付けた金額が1200万。最低でも約300万が懐に入ってくるね」

咲「300万……何ができるだろう?」

怜「何もできへんで。弾丸とかの消耗品の買い出し、依頼を斡旋してくれる組織への年貢。その他もろもろで消えてくわ」

淡「そうだね、それに3人だから純粋な給料は10万ほどかな」

咲「そうなんだ。あれ、消耗品って貰えないの? 私のスナイパーライフルはプレゼントされたよ?」

怜「あー、それな、実は強制購入やねん。上納金に上乗せされてるわ」

淡「ローンみたいなものだよ。サキは支払いが終わるまで組織に払うお金が少し多いよ」

咲「……悪どいね」

怜「しゃーないわ。ここは法がまかり通る世界やない。組織がここの法や」

じゃあ咲さんの姉母書いた人か!

>>38はい。書かせていただきました


淡「黙って従うしかないよ」

咲「仕方ないかぁ。それじゃあ、作成会議始めよう」

淡「そうだね。ターゲットの情報だけど、その男の家の周辺地図を持ってきたよ」

怜「どれどれ……大通りに面してるマンションやないか」

淡「厄介だよね」

咲「どうして?」

淡「単純に人目につきやすいから。だから、私が使いたい策は、毒殺」

怜「賛成やけど、どないして毒を盛るんや?」

咲「普通に家に忍び込んで牛乳パックにでも入れたらダメなの? それにスナイパーは?」

怜「ここらのマンションは金持ち御用達やからロックが厳しいねん。スナイパーは場所取りが無理やな。それと、忍び込むんやけどな、出てくるところを近所さんに見られたら詰みやで」

咲「なら、無理じゃないかな?」

淡「やり方は沢山あるんだよ? 食品サンプルって偽装した物を送りつけるとか」

怜「けど、捨てられたらアウトや。自分で買ったのはまだしもタダやからな。捨てやすいやろ」

咲「じゃあ、水道水に毒を混ぜたら? マンションに繋がる水道管に毒を流して」

淡「……殺すのは一人でいいんだよ」

怜「どないしよか」

咲「やっぱり、忍び込んむのが現実的だと思うな」

淡「それなら2つの問題を解決しないと」

怜「ロックと人目やな」

咲「……思いつかない」

淡「じゃあ却下だね」

怜「淡に同じく」

咲「そっか。なら、私は他の策を考えておくね」

淡「お願い。それより、少し毒殺から離れよう。他の殺し方を出していってよ」

怜「殺し方……毒殺、撲殺、圧殺、銃殺……山ほどあるで」

淡「うーん、そうだよね。もう、放火しちゃう?」

怜「考えるの放棄したな」

淡「だって人目につくことなく、ロックを解除するなんて無理だよ」

怜「他の住民はどないするん?」

淡「……さぁ?」

咲「火の出所も問題になるよね」

淡「うん。他殺よりも自殺や事故死に見せかけるのが理想だから」

咲「じゃあ火はターゲットの部屋から出さないといけないよね?」

淡「……結局、振り出しかぁ」

怜「せやな。放火も毒殺も無理となると……」

淡「どうにかしてサキに任せるのも考えたけど、やっぱり町中でスナイパー入れたケースは目立つよ」

怜「そんなん、簡単なことやん。ばらして、部品を三等分にして現地で組み立てたらええやん」

咲「あの、私組み立てれませんよ」

淡「サキに出来るのはサプレッサーとスコープの取り付けだけだから」

怜「私も無理やし、淡は訊かなくてもええか」

淡「うん。出来たとしてもサキに任せるのは少し怖いかな」

咲「……言い返せない」

怜「経験やで。誰もは最初はそうやった」

咲「ありがとうございます。早く一人前になります」

淡「期待してるよ新米スナイパーさん」

怜「ま、今回は堪忍な。金銭的余裕がないからな」

咲「じゃあ、失敗できませんね」

淡「もし失敗したら飢え死ぬからね」

怜「そう考えたら手段って選んでられるん?」

淡「だからこそだよ。上から評価されるためにさ」

咲「ちなみに期限は?」

淡「明後日だよ」

怜「早すぎへんか?」

淡「これしかなかったんだから文句言わないでよ」

咲(…………ロック…………人目)

淡「やっぱり食品サンプルを偽装かな? 毒なら自殺って可能性も考えるだろうし」

咲(偽装……毒殺…………)

怜「けど、偽装するにしても送り主……それこそ、会社が存在せんことには他殺って知られるで」

咲(…………)

淡「そうだよね。あー難しいな」

咲「何だ、簡単なことだよ」

淡「へ?」

怜「思い付いたんか?」

咲「はい。まずですねーー」

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ーーーーーー

マンション

怜「まさかそんな手があったなんてな」

咲「いえ、ヒントは会話の節々に転がってましたから」

怜「これやったら疑いも私達にはかからんし」

淡『話は終わってからにしてよ』

咲「了解だよ」

怜「はいはい」

咲「早いとこ帰ってゆっくりしましょう」

怜「せやな。仕上げにこれで終わりや」

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ーーーーーー

淡「いやー、お疲れ様」

咲「淡ちゃんこそよく1日で調べて用意できたね」

淡「ああ、契約してるガス会社でしょ? 余裕余裕。作業着も適当に刺繍入れただけだし」

怜「咲もよく思い付いたな。既存する会社の社員を偽って堂々と入るなんて」

咲「たまたまですよ。本当に」

淡「けど、サキは演技ダメだね。トキに助けてもらってたじゃん」

怜「笑いこらえるの大変やったわ。何がガスの異常で爆発がー、や?」

淡「よくそこからガスを吸い込んでしまい、身体に悪影響がって軌道修正したよね」

怜「私の演技舐めるなや」

咲「ともあれ、しっかり遂行しましたね」

淡「うん。今月の上納金も納めたから後一件仕事を受けたらお金持ちだよ」

怜「で、肝心の斡旋はどないや? 信用は得たやろ?」

淡「勿論。何個か来てるよ」

咲「我が儘だけど、スナイパーの練習ができる依頼がいいな」

淡「MVPはサキだから通るよ」

怜「せやな。尻拭いは私がやったるわ。この前みたいに」

咲「蒸し返さないで下さいよ」

淡「サキが失敗するからだよ」

怜「あーせやせや、足欲しいわ」

咲「そうですね。今回思いました。徒歩と電車は辛いです」

淡「じゃあ運転手でも雇う?」

怜「いや、運転できるのが絶対条件で殺しもできる人間や」

咲「殺しもですか?」

怜「尻拭い。私だけやったら不安やねん」

淡「分かった。私が探しておくね」

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寝ます。おやすみなさい

再開は今日と同じくらいの時間です


終盤の展開が思いつかない……

こんばんは。再開いたします

玄「初めまして! 松実玄です!」

淡「松実玄、得物は爆発物系。どう? 建物ごと証拠を吹き飛ばせるよ」

怜「……悪くないな」

咲「豪快ですね。そう言えば園城寺さんの得物はなんですか?」

怜「あー、ナイフとかハンドガンとか、近接系や」

咲「そうですか。松実さん、運転はできるんですよね」

玄「実家が田舎だから車がないと話にならないんだ」

咲「納得しました」

咲(あれ? 長野も……)

怜「情報操作が淡で咲がスナイパー。尻拭いに私で証拠隠滅が玄か……もしかすると組織のトップになれるかもしれへんな」

淡「……トップ…………」

咲「淡ちゃん?」

淡「ん? いいんじゃいかな、頂点。楽しみだな」

怜「ま、このチームのモットーはゆるりと稼ごう。やけどな」

淡「いつ決めたの?」

怜「さっきや」

玄「ゆるりとですね。了解です」

咲「いいね、ゆるりと」

淡「何でもいいや」

怜「ま、明日はオフやし騒ごや」

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咲「ん…………寝てたんだ……」

咲(皆寝てる。布団掛けておこう)

咲(…………通帳? 淡ちゃんのだ)

咲「……10桁…………」

淡「サキ、それはどうかと思うよ?」

咲「起きたんだ。ごめんね」

淡「いいよ。それにサキは私のこと知らなかったね」

咲「淡ちゃんのこと?」

淡「私、何歳だと思う?」

咲「10歳前後かな」

淡「実は15歳だよ。成長は既に止まったんだ」

咲「早くないかな?」

淡「事情があってね。私の生まれは組織で優秀な殺し屋になる為に薬物投与。結果、これだよ」

咲「…………」

淡「ま、裏方も楽しいからいいんだけどね。それで、この副作用っていったらいいのかな? それを打開する薬を組織は開発したんだ」

咲「問題解決してないかな?」

淡「一応はね。組織は子供の私に法外な値段で薬を売ってきたんだ」

咲「組織で育ったのに?」

淡「結局は金かそうじゃないかだよ。強制的に急成長させる薬の値段は100億と税」

咲「……税だけで8億円」

淡「5年かけてやっと半分だよ」

咲「じゃあ後5年、幼女のままだね」

淡「うるさいなぁ……だから、サキ、期待してるよ」

咲「うん。期待に添えるよう頑張るね」

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咲「園城寺さん、当たりました」

怜『了解や。玄、爆破していいで』

玄『おまかせあれ!』

淡『早く帰ってきてね』

咲「……ふぅ。疲れたなぁ」

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淡「お疲れ様。報酬は一人頭100万と少しね。振り込まれてるから」

怜「疲れたわ」

咲「園城寺さん、何もしてないじゃないですか」

怜「そんなことあらへんで? 周りの雑魚を知られずに殺すのも楽やないわ」

玄「うーん、ガソリン持つかなぁ」

淡「私語終わりだよ。次の依頼が来てるから」

咲「早いね」

淡「ターゲットは裏カジノのオーナー」

怜「警察に連絡した方がええやん」

淡「できない理由があるんだよ。ね、クロ」

玄「カジノ側が貯めてるお金が欲しいのかな?」

淡「正解。汚い金なだけに表にでないようにしないといけないから回ってきたの」

咲「じゃあ次はオーナー暗殺と店のお金を根こそぎ奪い取るの?」

怜「面倒やなぁ」

玄「どうすればいいんだろう……」

淡「面倒なだけに報酬は大きいよ。カジノから奪ったお金の4割だって」

怜「ほな、考えようか」

玄「そうですね」

咲「皆さん乗り気ですね」

淡「じゃあ、まずは殺害の方法から考えよう」

咲「今回は狙撃はできるの?」

淡「無理無理。地下に潜んでるから。その手の人間には変態として有名みたいでね、地上に出てこないんだって」

怜「カビ生えてるんちゃうか」

玄「健康にもよろしくないね」

淡「買い物とかも全部使用人に任せてさ……どうする?」

怜「当然、金庫のセキュリティは固いやろな」

玄「単純に殺しちゃうだけじゃ金庫には辿り着けないね」

咲「……脅し?」

淡「それが正しいんだけど、屈しなかった場合、行き止まりだよ」

咲「そうだよね」

怜「セオリーとしてはハニートラップとかやけど、やりたい奴おる?」

淡「いないよ。女の子としての尊敬を捨てる気もないしね」

玄「なら、もう一つの手を使うしかないかな?」

咲「もう一つですか?」

玄「そうだよ。内部の人間、それもセキュリティ関係を網羅している幹部クラスを抱き込むの」

咲「お金で買うんですか?」

怜「けど、それも問題があるねん。例えば交渉が成立して金庫に辿り着けたとするで?」

咲「はい」

怜「けど、待ち伏せがおった。何でやと思う?」

咲「提示した額以上のお金を貰ったからですか?」

怜「せや。その辺りになるとボイスレコーダーとか携帯してるやろな。提示した額と音声が入ってたら証拠として十分すぎるわ」

咲「後はそれよりも高いお金を渡せば終わりですからね」

淡「そう。だから、おすすめは出来ないね」

玄「新しい突破口を開くしかないんだ」

淡「殺すのは何とかなりそうだけど、金庫がなぁ」

咲「金庫って落とされたお金だよね」

淡「そうそう。出たり入ったりしてるよ」

怜「……なるほどな」

玄「何がですか?」

淡「ふうん。面白そうじゃん」

玄「何が……」

咲「合法的に底まで、全部、一から十まで、奪い去る方法があるよね」

怜「いや、存在自体が違法やからな。当然、私らも真っ黒やで」

淡「けど、私達の使えるだけのお金を注ぎ込んでも負ける可能性は高いよ」

玄「なるほど! 客になるんだね」

怜「分が悪すぎる賭けやでそれ。枯れるまで勝ち続けても時間がかかるわ」

咲「4人……幼女は駄目だね。淡ちゃん、3人で搾り取るのにどれくらいかかるかな?」

淡「馬鹿にしたから教えない」

咲「そっか。残念だよ。今回、成功したら淡ちゃんに私の取り分の半分を譲るつもりだったんだけどな」

淡「……開店から閉店まで最高レートで勝ち続けて約1週間。多分、1日目で出禁になると思うよ」

咲「1週間……7倍のスピードで勝てばいいんだよね」

怜「無茶やでそれ」

玄「私も無理だと思うな」

咲「スロットを遠隔操作すればどうかな? 毎回777が出るようにさ」

淡「私の出番? 確かに可能だと思うよ不正信号を流し込むことなら」

咲「なら、やってよ。私達は稼いで、殺すから」

淡「無茶言わないでよ。電磁波を流す装置……ゴトだっけ? まず、それを買わないと。それに持ち込んでも不自然な動きでばれるよ」

咲「遠隔操作とかは?」

淡「無理だと思う」

怜「結局、詰みかいな」

玄「やっぱりセキュリティ突破する方法を考えた方がいいのかな?」

淡「そうだね。時間と手間がかからないし」

咲「いいアイデアだと思ったんだけどなぁ」

淡「肝心の方法がないとね。まぁ、泥棒するにしても方法がないんだけど」

怜「淡、セキュリティの種類は?」

淡「赤外線、パスワード、指紋認証、並大抵の衝撃や爆破じゃ壊れない鍵と金庫かな」

怜「もう金庫ごと運んでいくか?」

淡「それこそ方法がないよ」

怜「せやなぁ」

咲「松実さんなら破壊出来るんじゃないですか?」

玄「私が扱うのは主にC4だから無理じゃないかな」

咲「そうですか。なら、尚更開けないとならないですね」

淡「じゃあ、1つづつ解決していこう」

怜「まずは赤外線のセンサーやけど、スイッチをか切れば一発やな」

淡「停電させる?」

怜「せやったらパスワードが入れられへんやろ。だから、数分、それこそ赤外線エリアを突破する為だけに必要な時間だけでええわ」

淡「じゃあ、誰かブレーカーを探さないとね。残った二人でパスワードと残りのセキュリティだね」

玄「指紋認証はザルだよね」

淡「まあね。斬ったらいいだけだから」

咲(……腕ごとか。どうやって落とすんだろう?)

淡「鍵もそれで問題ないね。厄介なのはパスワードか」

咲「監視カメラは?」

淡「ああ、それは遠くから私が何とかするよ」

咲「了解だよ。なら、パスワードだね。幹部を脅して吐かせたらどうかな?」

怜「まぁ、それが一番早いわな。吐かせるやつの技量にもよるけど」

咲「なら、殺害と平行して脅し役が一人だね。どこかに監禁して吐かせたらいいかな」

淡「決まりだね。役割、決めようか。私は監視カメラ」

怜「なら、私は金庫まで辿り着こうかな」

玄「ブレーカー係するね」

咲「じゃあ、私が……」

淡「パスワードを吐かせる係ね。分かってると思うけど、吐かせたら始末するんだよ」

咲「うん。分かった」

淡「それじゃあ、開始は明後日の午後8時からね。各自、用意を怠らないように」

ーーーー
ーーーーーー

寝ます。おやすみなさい

明日もこの時間です

再開します

怜「ほな、社長室まで行こか」

玄「私は別行動だね。咲ちゃん、頑張ってね。それじゃあ、また後で」

咲「はい。まぁ、園城寺さんと一緒ですから大丈夫ですよ」

怜「嬉しいこと言ってくれるやん」

咲「事実です。そこ、右でしたっけ?」

怜「左や」

咲「そうですか。それより、幹部って誰ですか?」

怜「まぁ、社長室に行けば分かるやろ」

咲「目の前社長室ですけどね」

怜「早いなぁ……それにええタイミングで1人出てきたで。頭下げてるし、咲の出番やな」

咲「分かりました。連絡しますね」

怜「お願いやで」

咲「…………殺し屋です。動かないで下さい。話すのも禁止ですよ」

怜「ほな、頑張りや」

咲「ええ。私の言ったことには頷いて下さいね。でなければ撃ちますよ」

怜「失礼しまーす」

ーーーー
ーーーーーー

怜「玄、ブレーカー落として」

玄『任されました!』

怜「ありがとう。淡、指示」

淡『角を右に曲がって』

怜「了解。次はどうするん?」

淡『これも右かな』

怜「おっ、これが指紋認証か」

淡『そうだね。ちょうどブレーカーも上がったしやっちゃって』

怜「気持ち悪い物とやっとおさばらや。扉、開いたで」

淡『後は一本道だよ。サキに連絡してあげて』

怜「了解や。また後でかけるわ」

淡『最後まで油断しないでねーー』

怜「…………あー、もしもし」

咲『もしもし? もしかしてもう着いたんですか?』

怜「せやで。そっちはどない?」

咲『後、一歩ですね。ほら、指三本目いきますよ』

『ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!』

咲『まだ吐かないんですか?』

怜「…………」

咲『取引しましょう。パスワードを教えてくれたら解放します』

『分かった! 分かったから、銃を下ろしてくれ!』

咲『嫌ですよ。先にパスワードの確認が取れたら解放しますから』

『本当だな? パスワードはーー』

怜「……こうやな」

怜「おー開いたわ。後は鍵だけやで」

咲『そうですか。嘘ついてなかったんですね』

『そうだ! だから俺も解放してくれ!』

咲『……嘘ですよ。生きていられると不都合ですから死んでくださいーー』

怜「切れた。次は淡に報告か」

淡『もしもし?』

怜「終わったで。キャッツアイ顔負けの大泥棒がな。けど、現金なんてこれっぽっちもないで?」

淡『書類は?』

怜「束であるわ」

淡『ビンゴ。それ、土地の権利書だから全部持って帰ってきて』

怜「金やなくて土地か。金持ちの考えることは分からんわ」

ーーーー
ーーーーーー

咲(依頼主は土地を全て売ったらしい。そこから4割が私達の報酬)

淡「あれから、依頼をこなし続けた結果、少し有名になったんだけど」

怜「困るなぁ」

玄「どうしようかな」

咲「何か問題があるんですか?」

淡「大問題だよ」

怜「仕事が私達に集まるから他の同業者には回らん」

玄「仕事がなければ咲ちゃんはどうする?」

咲「……なるほど。同業者を狩るんですか」

淡「そうだよ。これ以上目立ったら確実に命を狙われるね」

咲「どうしよう淡ちゃん」

淡「幸い個人じゃなくてチームで目立ってるから解散すればいいんだよ」

怜「寂しいけどそうするしかないわなぁ」

玄「そうだね」

淡「そう言うことで解散」

咲「……分かった。皆さん、ありがとうございました」

ーーーー
ーーーーーー

古いアパート

淡「ボロいけど、ここがサキのアジト」

咲「本部と近くないかな?」

淡「そっちの方が都合がいいよ。行くときに楽だから」

咲「ありがとう。淡ちゃん」

淡「気にしないでいいよ。サキ、何かあったら力になるからね」

咲「うん。頼りにしてる」

淡「それじゃあね」

咲「……行っちゃった」

咲(アパートだし、挨拶しないとね)

咲「すいません、お隣に引っ越してきた者ですが」

「あっ、ちょっと待ってー」

咲(返事があってよかったよ)

憩「初めまして。荒川憩や」

咲「宮永咲です」

憩「……へぇ」

咲「どうされましたか?」

憩「咲ちゃん、何人殺してきたんや?」

咲「っ!? どうしてそれを……」

憩「空気がな、違うんや。血生臭い殺し屋のそれやな」

咲「……なら、隠さなくてもいいですね。隣に引っ越してきた殺し屋です」

憩「同業者やな。仲良うしてな……あっ、無理やわ」

咲「どうしてですか?」

憩「同業者やけどな、ウチの専門は殺し屋を殺すことやから」

咲「…………」

憩「あっ、ええよ。銃なんて物騒な物取り出さんでも。咲ちゃんを狙うなんて依頼受けてないし」

咲「そうですか」

憩「ま、ウチも忙しいし、咲ちゃんに依頼するかもなぁ」

咲「……素人はともかくプロなんて太刀打ちできませんよ」

憩「いやいや、大丈夫やで。気付かれないように後ろから撃てば勝ちやから」

咲「無理です。第一、私は新入りですから」

憩「新入りかぁ。ほな、ウチの仕事を見学してみる?」

咲「殺し屋の暗殺ですか?」

憩「せや。ターゲットは最近成り上がってきてる園城寺怜、松実玄の暗殺。ま、簡単な仕事やで」

咲「なっ…………」

憩「どないしたん? 知り合いやったり?」

咲「……いえ」

咲(ここで私が殺す? 多分、無理だ……どうしよう)

咲「私も依頼があるので、今回は見送らせてください」

憩「残念やなぁ。華麗な暗殺見せたかったわ」

咲「それじゃあ、失礼しますね」

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ーーーーーー

カラオケボックス

淡「で、こんな夜中に幼女をここに連れ出してどうしたの? 店員を誤魔化すの大変だったんだよ」

咲「淡ちゃん、知ってたの? 隣が荒川憩だって」

淡「ちょっと、待って。荒川憩って……あの?」

咲「多分、その荒川憩」

淡「ごめん。知らなかった。それで、サキは死にたくないから私の言ったことには知恵を借りようしてるってこと?」

咲「ううん。私の命じゃなくて、私の仲間……園城寺さんと松実さん」

淡「ふうん。私とサキじゃないんだ」

咲「他人事だね」

淡「だって関係ないし」

咲「……何で? 一緒に仕事した仲だよ」

淡「は? そんな甘い考えでやっていけるほどぬるい世界じゃないよ」

咲「分かってる。けどーー」

淡「分かってない。仮に助けたとして次に目をつけられるのは私達じゃん」

咲「……助けないって言うの?」

淡「当たり前じゃん。助ける義理も理由もない。恨みを売る商売で殺されることを覚悟してない奴なんていないよ」

咲「分かった。もういいよ」

淡「止めておきなよサキ。荒川憩にはどう足掻いても勝てないよ」

咲「それでも、やらなければいけないんだよ。仲間を見殺しになんて出来ない」

淡「ふーん。じゃあ勝手に頑張ってね。サキだからこの話は聞かなかったことにしといてあげる」

咲「……見損なったよ」

淡「あっそ。勝手に言ってなよ」

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ーーーーーー

咲「こんにちは。お昼、一緒にどうですか?」

憩「出前頼んでんけどなぁ。ま、一人前追加したらええか。ほな、入り」

咲「お邪魔します」

咲(普通の部屋……凶器の類いは……)

憩「家に得物は隠してへんよ」

咲「いえ、そんなつもりじゃ……」

憩「ま、ええわ。で、何しに来たん?」

咲「暗殺、私も行っていいですか?」

憩「ええけど、咲ちゃん、依頼は?」

咲「終わらせました。昨日の夜中に」

憩「仕事早いねんなぁ。関心やで」

咲「それで、暗殺はいつですか?」

憩「明後日や。ま、行くときに迎えに行くわ」

咲「お願いします」

憩「分け前は8:2でええ?」

咲「いえ、ついていくだけなんで報酬はいらないですよ」

憩「真面目やなぁ。気にせんでええのに」

咲「いえ、仕事ですから大真面目ですよ」

憩「なら、こうしようや。咲ちゃんは私の手伝いーー見張りでもしてもらおか。それで報酬を分けようや」

咲「いいんですか?」

憩「ノープログレムやで」

咲「分かりました。背中は引き受けました」

咲(……すんなりとことが進むな)

咲「けど、どうしてほとんど知らない私に仕事を任せるんですか?」

憩「そりゃお隣さんやし、何より咲ちゃんとは仲良くしたいねん」

咲(……純粋な好意……私が悪者かぁ)

咲「……はい」

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ーーーーーー

寝る。おやすみなさい
明日完結させまする

終わらせるでー

屋敷

咲(園城寺さんの屋敷……ターゲットは園城寺さんか)

咲(憂鬱だなぁ)

憩「咲ちゃん、そない暗い顔してたら運が逃げるで」

咲「……すいません」

憩「ま、ウチが着いてるから大丈夫やろうけど」

咲「……すいません。本当にすいません」

憩「何謝ってん……信じとってんで? 銃なんて向けんとってや」

咲「すいません。けど、私の仲間なんです。黒い存在でも大切な」

憩「けど、咲ちゃんも分かってるやろ? この世界、いつどこで殺されても文句は言われへんし、第三者が口出しするのも不粋やって」

咲「はい。けど、私は銃を下ろしませんよ」

憩「何や。それを承知でウチを殺そうとするんや。ま、ウチが死んでも誰も悲しまんし、それもええけど」

咲「……そんなことないですよ。私は悲しいです」

憩「ありがとな」

咲「提案があります。この依頼は降りてください」

憩「断るなら命はないってやつ?」

咲「はい。お願いですから言うことを聞いてください」

憩「断る」

咲「え?」

憩「断るって言ってんねん。私だってプロや。それなりのプライドは持ってんねん」

咲「お願いです……私を好きにしてもいいですから」

憩「自己犠牲か? 泣けるな。けど、私だって信用ってもんがあるねん」

咲「……」

憩「ほな、引き金引かんのやったらウチは行かせてもらうわ」

「ウソー。本当にサキを好きにしていいの!?」

咲「……淡ちゃん」

淡「サキ、止めろって言ったよね。もしやと思って監視してみれば早速だから」

憩「大……星淡」

咲(狼狽えてる?)

淡「あーやだやだ。何? 幼女に狼狽してるの?」

憩「……勝ち目はないな。咲ちゃん、その要求飲むわ。やっぱり命は惜しいし」

咲「……私、舐められてたの?」

憩「経験と実績を重ねな。まだまだやで。銃を握ってる手、震えてる様じゃ私は殺せんよ」

淡「一件落着だね。サキ、私に謝らないといけないよね」

咲「……そうだった。見損なったなんて言ってごめんね」

淡「許す。荒川憩、サキの要求を飲むのならサキを好きにしてもいいよ」

憩「そら、当たり前やん。咲ちゃんはウチの友達になってもらいますぅ」

咲「え?」

淡「へ?」

憩「何驚いてるん?」

淡「いや、奴隷にするとかさ」

咲「命とか」

淡「性奴隷にするとかだと思ってたから」

咲「拍子抜けしたっていうか肩透かし食らったっていうか……」

憩「ウチを何やと思ってるん?」

淡「悪魔」

咲「人の皮を被ったムスカ」

憩「……少しへこむわ」

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ーーーーーー

咲(あの後、荒川さん……憩さんはとても有名だと知った)

咲(荒川憩に殺せない人間はいない。そんな人に喧嘩売ったんだ私)

咲(けど、その憩さんが動揺した淡ちゃんって……)

憩「咲ちゃん、ここはお姉さんが奢ってあげるから好きなもの頼みや」

咲「ありがとうございます」

憩「にしても驚いたで」

咲「何がですか?」

憩「同業者やのにウソを見て驚かなかったことと、淡ちゃんと繋がってるのがや」

咲「荒か……憩さんのこと知らなかったですし、淡ちゃんが有名なのも知らなかったですから」

憩「無知は罪やで。ま、それを淡ちゃんが言わないのならウチからは言わんわ」

咲「淡ちゃんって一体何者ですか? それだけは教えてください」

憩「しゃーないなぁ。ウチと他にも何人かいるんやけどな、化け物の中の化け物って呼ばれてる連中がおるねん。大星淡はその化け物の中でも異質で歪な光を放ってる人間や」

咲「何ですかそれ」

憩「これ以上は言わんで。本人もおらんし」

咲「分かりました」

憩「それがええ。奈落に足を突っ込んだら落ちるからなぁ」

咲「……奈落」

憩「案外最下層も悪くないで? ま、いつどこで命が吹き飛ぶのかは分からんけどなぁ」

咲(……こんな立場でよく笑えるな)

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ーーーーーー

咲「……依頼、完了しました。今から戻ります」

「ご苦労。後はこちらでやっておく」

咲「お願いします」

咲(私もこの業界でほんの少しだけど名前が売れてきた)

咲(といっても遠くから狙撃するだけなんだけどね)

咲(ちなみに今、漫画喫茶で少し調べ事をしています。淡ちゃん仕入れてきたセキュリティを突破するプログラムを使って組織のデータベースへ……)

咲「……大星淡っと」

咲(以前、憩さんが言っていた奈落)

咲「何これ……」

咲(大星淡。危険度SS。最重要警戒人物……)

咲「ちなみに私はどうなってるのかな?」

咲(宮永咲。危険度C)

咲「ちょっとショックだなぁ」

咲(荒川憩。危険度S。園城寺怜。危険度A。松実玄。危険度A-)

咲「皆凄いなぁ。狙われっぱなしだよね」

咲(Cかぁ……)

咲「……これは、過去の仕事の記録?」

咲(私が数十ほど。園城寺さんと松実さんは桁が1つ増えてる……憩さんは数は少ないけど一回の依頼での稼ぎはトップ)

咲「……なるほど。奈落ってこれかぁ」

咲(淡ちゃんの依頼の数がおかしい。千越え……それも1日に複数とかもあるよ)

咲(凄いなぁ)

咲「にしても、Cかぁ……」

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ーーーーーー

淡「今回の依頼だけど、手伝ってくれないかな?」

咲「手伝わなくても淡ちゃんなら出来ると思うよ」

淡「そりゃもちろん。けど、サキにとって大切な依頼だと思うよ」

咲「大切な依頼?」

淡「隣人、最近元気?」

咲「……全く会ってないや」

淡「だよね。荒川憩は誘拐されたもん」

咲「憩さんが? あれだけ強いのに」

淡「そう。どうする? 今回のターゲットは誘拐した組織全ての人間だけど」

咲「ちなみにどのくらいの人数かな?」

淡「40~50。一人頭数百万の報酬が出るけどどうかな?」

咲「乗った。他の人には声かけないの?」

淡「あの二人はこれ以上有名になったらダメだからね。今回は二人。ま、サキは狙撃してくれたらいいよ」

咲「じゃあ、淡ちゃんは?」

淡「私が前線に出る」

咲「……淡ちゃんが?」

淡「心配?」

咲「心配なんて微塵もしてないよ」

咲(少し、楽しみだなんて言えないかな)

淡「決まりだね。サキ、私の背中は任したよ」

咲「後ろから来るのを狙えばいいのかな?」

淡「そうそう。さすがの私でも後ろからは無理だから」

咲「……ね、淡ちゃん。話は変わるけどいいかな?」

淡「いいよ。何?」

咲「私と戦ったら勝てる?」

淡「……10秒で殺す自信があるよ。サキ、弱いから」

咲「さすが危険度SSだね」

淡「まあね。けど、それ以上は踏み込まない方がいいよ。ま、インターネットで調べられるのは地獄の釜の蓋までだけどね」

咲「憩さんも言ってたよ」

淡「別に覚悟があるなら教えてあげてもいいよ」

咲「まだいいかな。うん。今度だね」

淡「慎重だね。いいこといいこと」

咲「じゃあ、作成会議しようか」

淡「いらない。サキを安全で見晴らしのいい場所に連れていったら私が出るから」

咲「……その自信が命取りにならないことを祈るよ」

ーーーー
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咲(……凄い。まるで弾丸だ)

淡『サキ、調子は?』

咲「まずまずかな」

咲(敵と接触したと思えば倒れてる……淡ちゃんは歩いているだけにしか見えないのに)

咲「あ、後ろだよ。間に合わないかな」

『ベキッ』

咲「……ベキッ?」

咲(……嘘……淡ちゃん、真剣白羽取りしたよ……歯で)

咲「……ナイフが砕けた?」

咲(噛み砕いたんだ。無茶苦茶だよ……)

淡『いてて……舌少し切った……サキ、早く言ってよ』

咲「ごめんね。ちなみに後何人くらいかな?」

淡『さぁ? 半分くらいかな?』

咲「早いね。あっ、後ろ」

淡『ナイスショット。これ、最後の部屋だね』

咲(半分殺して最後の部屋? ボルトアクションじゃなくてセミオートが良かったな)

淡『しっつれいしまぁす。荒川憩の保護者です』

咲(あっ、ここで撃つんだね)

淡『サキの友達を虐めるなら死んでよ』

咲(……夢だよね。沢山いた敵が一瞬で……)

淡『はいおしまい。憩、サキと繋がってるから』

咲「憩さん、少し痩せました?」

憩『まぁ、3日監禁やからな。そら、痩せるで』

咲「大変でしたね。それより、縛られてる姿が凄く官能的ですよ」

憩『せやろー。エッロいやろぉ』

咲「とりあえず、淡ちゃんと帰って来てください」

憩『了解や』

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ーーーーーー

喫茶店

咲「ここって殺し屋の溜まり場か何かかな?」

淡「間違ってないよ。客の半分はそうだから」

憩「まさか淡ちゃんが助けてくれるなんてなぁ」

淡「別に。サキが悲しむから」

憩「素直やないなぁ。ま、ありがとう」

淡「どういたしまして。で、どうして失敗したの?」

憩「寝首をかかれたんや」

咲「寝首ですか? 憩さんほどの実力者がですか?」

憩「ウチだって寝てるときは無力やで。力も男には敵わんし」

淡「ふうん。で、これからの方針だけど」

咲「方針? また組むの?」

淡「もう個人でどうこう出来る範囲じゃないからね。仮にも組織一つ皆殺しにしたんだから」

憩「せやな。これはプライドとか言ってられへんわ。自分一人の問題やないし」

咲「なら、園城寺さんと松実さんも一緒がいいかな」

淡「兵隊は一人でも欲しいから採用だよ。収集かけておくね」

憩「……謝らんとなぁ」

咲「黙ってれば問題ないですよ」

淡「そうだよ。日常茶飯事だから二人も慣れてるだろうし」

憩「せやけど、組むのなら後ろめたさを感じるとか嫌やん」

咲「そういうものですか」

淡「真面目だね」

憩「世渡りの秘訣やで」

淡「どうでもいいや。とりあえず、拠点はトキの屋敷だね」

咲「また贅沢な暮らしが出来るんだ」

憩「贅沢?」

咲「園城寺さん、前に殺した金持ちの屋敷を報酬でもらったらしいですよ。あの日、憩さんが行った屋敷は園城寺さんのものです」

憩「ウチは泊まってるだけやと思ってたけど、あれが家なんてなぁ」

淡「お金溜め込んでるし、サキの料理は美味しいし、私は自由だし言うことないね」

憩「自由、なぁ」

淡「とにかく、明日行こう。そこで、私達、目をつけられた者達で話し合うから」

咲「楽しみだなぁ」

憩「咲ちゃん、嬉しそうやな」

淡「サキが初めて組んだチームだからね」

ーーーー
ーーーーーー

怜「粗茶やで」

咲「ありがとうございます」

玄「久しぶりですね」

淡「どうも」

憩「ありがとうなぁ」

咲「それにしてもビッグネームが揃いましたね」

玄「私なんてただの無名な殺し屋だよ」

怜「玄に同じくや」

憩「無名やったらウチに依頼が回ってこうへんわ」

淡「そうだよ。私と関わった人間は皆危険人物だから」

憩「せやで。ウチ等と関わったんやから組織からは狙われまくるで」

咲「一つ、いいですか?」

淡「いいよ。どうしたの?」

咲「憩さんと私達は同じ組織だよね?」

憩「せやで」

咲「なら、どうして憩さんが仲間を狙うんですか?」

怜「まだ、学んでへんか」

玄「……」

淡「サキ、仲間なんて本当は存在しないよ。ただの利害の一致だから」

憩「組織自体、不安定なものでな。いつ弓を引かれるか分からんから売れてきた人間を狙うんや。馬鹿みたいな防止でな」

咲「なら、憩さんも狙われてるんですか?」

憩「せやからこの前の一件があってん。ウチも他の同業者を殺す依頼を受けてるし、他の同業者もウチを殺す依頼を受けてんねん」

咲「けど、憩さんを殺せる人間っているんですか?」

淡「だから他の組織に依頼を渡したんだよ。無理だから代わりにやってって」

怜「荒川憩なぁ……ホンマごっつい人間やわ」

玄「人間じゃないかもしれないけど」

憩「なんやて? ウチは正真正銘の人間やで」

淡「どうでもいい話はそろそろ終わりだよ」

咲「今の問題は」

憩「組織に知られたから」

怜「どうやって」

玄「自分を守るのかだね」

淡「それも目立たないように」

咲「言うのは簡単なんだけどなぁ」

憩「結局、ウチ等が知ってる自衛手段は返り討ちやからな」

怜「自分達の立案能力が低いのを恨むわ」

玄「……これって、いつも通りでいいんじゃないかな?」

咲「私も賛成です」

淡「まどろっこしいの抜きにして、私達らしく。悪くないんじゃない?」

怜「それでも、負ける可能性を考慮せんとな」

憩「ま、ウチ等が負ける場合は戦車が師団組んでやって来たときやろ」

咲「それでもですよ。出来れば誰も依頼を受けたくなくなるようにしないと」

淡「できる限り、残酷な亡骸にして送り返したらいいかな」

玄「やだなぁ。殺したあげく加工するなんて」

怜「趣味やないからなぁ。ま、割りきろうや」

咲「決まったのなら次はどう迎え撃つのかだね」

淡「それに加えて、これ以上不信がられない為に依頼も受けていかないとね」

咲「そっか。まだ、組織は私達が組んでるの知らないんだね」

憩「それがアドバンテージやな」

玄「それでも5対沢山だけどね」

淡「単純な勝率……誰か一人以上が生き残る可能性は高く見積もっても1割。皆が生き残れるハッピーエンドの可能性は……1%未満だね」

怜「……けったいな可能性やな」

玄「これはこれは……」

憩「仕方ないな。これはもう恨みっこなしやで?」

淡「誰が生き残っても文句は言わない」

咲「…………」

咲(そんな結末、許さない……絶対に。いざとなればーー)

淡「サキ?」

咲「…………」

淡「サキ!」

咲「……へ?」

淡「何考えてたの?」

咲「ううん。何にもね」

憩「……嘘やろな」

怜「嘘やな」

玄「嘘だね」

咲「……外しますね」

ーーーー
ーーーーーー

咲「淡ちゃんからメール来てたんだ……依頼か」

咲(社長の暗殺……とりわけ普通の依頼に見えるけど)

咲「裏、あるよね」

怜「そらなぁ。裏ありありやで」

咲「園城寺さんですか」

怜「ええから依頼見せてみ」

咲「どうぞ」

怜「普通やな。けど、一人は危ないし、お姉さんがついていってあげるわ」

咲「ありがとうございます。依頼は私がこなしますので背中は任せました」

怜「了解や。それはそうと、釘だけ刺さしてもらうな」

咲「……?」

怜「ちんけな事故犠牲は捨てろ。咲も私達も自分が生き残ることだけを考えるんや」

咲「何でですか? 私は皆さんに生きてほしいです。恩返しさしてください」

怜「恩? 何やそれ? 利害の一致や。それだけやで」

咲「寂しい言い方ですよね」

怜「けど、それが事実や。そう思わな身動きがとられへんからな」

咲「……」

怜「納得はしてへんやろうけど、絶対に恩返しなんてせんとってや」

咲「……分かりました」

怜「ま、その気持ちだけは受け取っとくわ。ほな、おやすみ」

咲「おやすみなさい」

ーーーー
ーーーーーー

数日後

淡「あれ? トキは?」

玄「気分悪いから部屋で休んでるよ」

淡「気分悪い? 体調不良?」

憩「それもあるやろうけど、今日のスプラッターな出来事やろ」

淡「サキ、何したの?」

咲「実は早速刺客が送り込まれてきたんだ」

淡「返り討ちにしたんでしょ? 死体の処理は?」

咲「送り返したよ? 中身全部抜いて切ったとこを縫って」

玄「うわ……」

憩「やりすぎ……ではないんかなぁ?」

淡「これで依頼を受けるバカが減ってくれたらいいんだけどね」

咲「まぁ、効果的だと思うよ?」

淡「間違いないよ。で、次の話題だけど、クロに依頼が来たよ」

玄「簡単な依頼だけどね。けど、咲ちゃんの件もあるし、皆に相談しようと思ってね」

憩「今回と同じように誰かと組めばええんやないかな?」

淡「そだね。今回は私とトキが支援するよ」

玄「ありがとう。なら、荒川さんと咲ちゃんは休みだね」

憩「屋敷の警備は任せてやぁ」

咲「はい。何人たりとも通しません」

淡「じゃ、今からトキを起こして行ってくるよ」

ーーーー
ーーーーーー

咲「……暇だなぁ」

咲(来ないのにどうして屋根でスナイパー構えてるんだろ?)

憩「暇やなくなるで」

咲「憩さん、真面目な顔ですね」

憩「ツッコミはなしや。三人組が捕まった」

咲「淡ちゃんが? あれだけ強いのに?」

憩「多分、バックアップしてたんやろ。離れた場所で。おそらく個室やな。で、気体の薬品でアウトや」

咲「……それしか考えられないですね」

憩「助けに行く? 怒られるやろうけど」

咲「当然ですよ。場所はどこですか?」

憩「集めた情報によると、組織の奥や。これで完全に反逆者やな」

咲「その割りには楽しそうですね」

憩「当たり前やん。いっそのこと私達が支配者になったろうや」

咲「悪くないです」

憩「ほな、作戦会議やでまず、建物の構造は地下へ降りていくねん」

咲「……日陰者」

憩「せやな。階層は5階まで。一番下の一番奥に捕らえられてるわ」

咲「一ついいですか?」

憩「どないしたん?」

咲「何でその場ですぐ殺さなかったんですか?」

憩「それはな、餌やからや」

咲「私達を誘う。ですか」

憩「せや。やから、罠も敵も満載。引き返すなら今やで? ウチは咲ちゃんの選択に従うし、文句も言わん。あのとき、無くした命がまだあるのは咲ちゃんのお陰やしな」

咲「私の選択は変わりませんよ。装備を整え次第すぐ行きましょう」

憩「その優しさが命取りにならんことを祈るわ」

咲「何にですか? 絶対に神も仏も私達を見放してますよ」

憩「せやったわ。ま、咲ちゃんは私が守るから安心しいや」

咲「ありがとうございます」

ーーーー
ーーーーーー

本部1B

咲「沢山いますね。弾持ちますか?」

憩「多分持つわ。無駄遣いせんかったらな」

咲「それって憩さんだけじゃないですか。私なんてハンドガンだけですよ」

憩「十分やって。ウチが前線。咲ちゃんが撃ち逃したのに止めを刺すだけやから」

咲(どこからM61 バルカンなんて持ってきたんだろう)

憩「ほな、開幕式いくでー」

咲「……すごい」

咲(文字通り、目の前が蜂の巣だ)

憩「敵さんも焦ってるなぁ。ウチの得意分野が暗殺やと思ったら大間違いや」

咲「強襲ですよねほんと」

憩「……ふぅ。終わったなぁ。進むでー」

ーーーー
ーーーーーー

※M61 バルカン
http://i.imgur.com/1ugwt3G.jpg

本部4B

咲(私の出る幕なんてなかったよ……憩さんが全部殺しちゃった)

憩「いや、なんて言うかさ古風すぎへん?」

咲「同意です」

憩「何で、鎖やねん。ま、問題はそれだけやないんやけど」

咲「そうですよね。そんなことより、三人、生きてますよね?」

憩「勿論生きてるやろ。生き餌やないと釣られへんわ」

咲「安心しました。それで、この上記どうしますか?」

憩「せやなぁ。こんなに広いと思わんかったわ」

咲「円形だとも思いませんでしたよ」

憩「で、スナイパーに囲まれてるとも思わんかったな」

咲「けど、黒幕がこんな人だとも思いませんでしたよ」

憩「な。どこにでもいるオッサンやん」

咲「……どうしましょう」

憩「万事休すやな」

「お祈りは終わりましたか?」

憩「ちょっと待ってや。今何に祈るか相談してんねん」

咲「はい。水を差さないでください」

「……なら、祈らなくていいです。取引をしましょう」

咲「取引ですか?」

「組織に忠誠を誓うのなら二人は見逃します。ま、この三人組は始末しますが」

憩「断ったら? 断る気しかせえへんねんけど」

「皆殺しです」

咲「ですって」

憩「咲ちゃん、確認やねんけどな、咲ちゃんってスナイパーやろ?」

咲「一応は」

憩「皆、スコープ覗いてるやんな?」

咲「はい。覗いてます」

憩「ありがとうな。おじさん、答え決まったわ」

「そうですか。お聞かせください」

憩「皆死ねや」

咲(憩さんの足元何か転がってる)

咲「……」

咲(……あれってフラッシュバーー)

憩「残念やなぁ。スコープから目を離したらセーフな距離やったのに」

咲(見えないよ……バルカンの音しか聞こえないよ)

ーーーー
ーーーーーー

淡「お礼は言うけど、無茶じゃない?」

怜「言ったばっかやんな?」

玄「さすがに庇えないかな?」

咲(絶賛怒られてます)

憩「まぁまぁ、うまくいったんやから。な?」

淡「そういう問題じゃない! それに、あれ影武者だし」

憩「知ってるで。ま、目的は組織の壊滅やなくて囚われのお姫様三人組の救出やからな。ミッションコンプリートや」

淡「お姫様なんて柄じゃないし」

怜「せやで。ま、これで完全に敵対やな」

玄「うん。もう、逃げれないよ」

咲「……淡ちゃん、何か隠してるよね?」

淡「いつから気づいてたの?」

咲「最初からかな。依頼、直接私に来なかったから。淡ちゃんからじゃないと不都合なことがあるんだよね?」

淡「……いつからそんなに鋭くなったの?」

咲「そんなことないよ。教えてよ。それだけ強くて前線に出ない理由も」

淡「二つかぁ。そうだね、前線に出ない理由は単純に組織から止められてたから。戦死が減るからかな」

憩「けったいな理由やな」

淡「始めは組織の言いなりだったからね。結局、前線に出るのが面倒になったからなんだけど」

怜「なら咲と組織の仲介役をした理由は?」

淡「それは私の名前で依頼を受けてたから。無名のルーキーに仕事があると思ったら大間違いだよ。ま、組んでたときも皆がやらなかったからって理由だけど」

咲「……私の為?」

淡「ただ、頭の回らなさそうな寄生先を探してたから」

憩「素直やないなぁ」

玄「咲ちゃんを守るため。そう言ってあげればいいのに」

怜「せやせや。咲の頭が回るのなんて少し一緒に過ごしたら分かるやろ」

淡「ぐぬぬ……」

憩「それに、仮に寄生先を探してたのならそれに気づいたのならなんで離れんかったん?」

咲(フルボッコだなぁ)

淡「……ほっといてよ」

玄「……」

咲(松実さん、カップに何か入れた?)

玄「淡ちゃん、一息入れない? はい、紅茶」

淡「ん。ありがとう」

咲(それ、松実さんが何か入れたカップ)

淡「……この味……クロ、私をはめたんだ」

玄「そうでもしないと秘密を共有してくれないと思ったから。ごめんね」

怜「一服盛ったんか?」

玄「軽い自白剤です。組織が開発したらしいやつですよ」

憩「……うわぁ」

咲(本当に存在するんだ)

淡「気分、いいなぁ……あっ、組織のことだっけ?」

咲(焦点が定まってないよ……大丈夫かな?)

淡「組織の本当の目的は、国家の要人を殺して国を乗っとることだっけ?」

憩「国の支配……面白そうなこと考えてるやん」

怜「興味ないわ」

淡「で、優秀な人殺しを養成するために依頼が回ってくるんだ」

玄「なるほどなるほど」

淡「同業者の殺し。言ってしまえば……弱肉強食?」

咲「なら、私は……虎の威を借る狐」

淡「私が勝手にやったことだけどね。結果的にそうなったのかな。ま、最初は仕事のイロハを教えろって組織に言われてただけだけど」

憩「最初は?」

淡「途中で始末しろって言われたよ。ま、のらりくらりと誤魔化したけど。そろそろ無理っていうか……」


怜「無理以前にここにいる全員が抹殺対象やろ。今さら無理とか関係あらへんわ」

淡「いや、その対象に私は入ってないんだよね」

玄「どういうことかな?」

淡「だって私死んでないもん」

憩「ごめんな。意味分からんわ」

咲「私も分からないかな」

淡「私の体にはね超低威力の爆弾が隠されてるの。スイッチ一つで内臓が滅茶苦茶になるくらいの」

怜「なるほどな。淡が対象になった瞬間に爆破か」

淡「多分、ギリギリまで私を利用したいんだと思う」

咲「まるで首輪だね」

淡「さしずめ私は番犬ってところかな?」

憩「にしても、なぁ?」

玄「そうですね」

怜「せやな」

咲「気に入らないですね」

憩「汚いやり方はウチ等の十八番やのにな」

咲「淡ちゃん、どうする?」

淡「何が?」

咲「ここで私達と戦って死ぬか、裏切って生きるか……誰も文句は言わないよ」

淡「……サキ」

怜「せやで。私達がそう簡単にくたばるわけないし、元々は一人やったんや。淡ほどやないけどある程度は何でもできる」

玄「それでも私達と戦うなら、歓迎するよ」

淡「決まってるじゃん。戦うよ」

憩「ーーそれも気に入らんなぁ。自分の命は惜しくないん?」

淡「惜しくないわけないじゃん」

憩「なら、何で戦うん?」

咲「憩さん」

憩「少し黙っててや。なぁ、淡ちゃん、ウチが気に入らんのはこの甘い空気もやけど、自分を粗末に扱う淡ちゃんが一番ムカつくねん」

淡「……ならどうしろって? このまま組織側につけばいいの!? そうなったら……皆、私の手で殺すよ?」

憩「確かに淡ちゃんには誰も敵わんし死にたくもないで? けどな、淡ちゃんがそんな状況で叫ばへんのが腹立つんや」

淡「…………」

憩「ウチ等は殺し屋や。そのついでに脅しや泥棒もやってんねん。もう、言わんでもええな?」

淡「…………私を、助けて。お願い……助けて」

憩「依頼成立や。依頼主の護衛もウチ等が引き受けるわ」

怜「ほな、報酬やけど私は食べに連れていってもらおか」

玄「ガソリン代かな」

憩「ウチは……考えとくわ」

淡「サキは?」

咲「……100億。払えるよね?」

淡「なっ……」

怜「いくらなんでも度が過ぎるやろ」

咲「払えないなら私の元で仕事をしてもらうからね」

憩「咲ちゃんやるやん」

淡「分かった。残りの50億は一生かかっても返すよ」

玄「これで、後は戦うだけだね」

怜「せや。ま、殺し屋家業最後の仕事やし華々しく飾ろうや」

咲「はい。終わったら皆で美味しいもの食べに行きましょう」

憩「ええなぁ。ほな、今日は解散や。明日、朝から話し合いやで」

怜「お疲れさん」

玄「おやすみなさい」

憩「ウチも寝るわ。おやすみ」

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ーーーーーー

淡「……何で話したんだろ」

咲「松実さんに一服盛られたからかな?」

淡「……はぁ。借金50億かぁ……やだなぁ」

咲「勿論まけないからね」

淡「分かってる。一度吐いた唾は飲まないよ」

咲「うん。それより、紅茶飲む? 今度は薬なしの」

淡「貰おうかな。そこの棚にクッキーあるよ」

咲「……ほんとだ。隠してたの?」

淡「まあね。私の夜食」

咲「どうぞ。それより、気になってことなんだけど、いいかな?」

淡「私の知ってることなら何でも答えるよ。隠し事全部話したし」

咲「組織の本部は私と憩さん……九割九分憩さんが潰したけど、兵隊残ってるのかな?」

淡「ん? ああ、あのときのか。あれ、本部だけど本丸じゃないんだよ」

咲「別の場所にも隠れ蓑があるの?」

淡「そうそう。その隠れ蓑がヤバいんだよ」

咲「……ヤバい?」

淡「罠と人と罠を詰め込んだ建物って表現したらいいかな」

咲「そうなんだ。大変だなぁ」

淡「大変なんて表現じゃ足りないよ。私でも一人じゃ突破できないし」

咲「……何とかしてみせるよ。薬も手に入れてくるね」

淡「お願い」

咲「依頼の内容に含まれてるからね。まぁ、絶対に誰も死なせないよ。勿論私も」

淡「……サキ」

咲「どうしたの?」

淡「ありがとう」

咲「素直だね。気持ち悪いくらい」

淡「センチメンタルなってやつだよ」

咲「淡ちゃんでもそんな時あるんだ」

淡「でも? サキ、失礼だよ」

咲「そうかな?」

淡「いつも以上にね」

咲「夜中のテンションだよ」

淡「何それ。それより、私を手に入れてサキは何したいの?」

咲「淡ちゃん心配だから」

淡「私はサキが心配だけどね。頭が回ること以外は平均くらいの実力しかないし」

咲「私はそれくらいが丁度だよ。周りがおかしいだけだから」

淡「否定できないな」

咲「話は変わるけど淡ちゃん、将来何したい?」

淡「ゆっくりしたいかな。ここ数年働き詰めだったから」

咲「許さないよ。こき使うからね」

淡「サキに言われたら従うしかないか」

咲「楽しみにしててよ」

淡「してる……信じてるから」

咲(これは、負けられないね)

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ーーーーーー

憩「ほな、計画練ろか」

淡「まず、黒幕と研究者。それと、兵隊はこの屋敷に缶詰だから。これ、見取り図」

怜「屋敷か。地下までご丁寧にあるやん」

玄「面倒だし爆破します?」

咲「駄目ですよ。薬、手に入れないといけないですから」

憩「なら、正面突破か?」

淡「それだとバッドエンド直行だよ。だから、回り道しないとね」

玄「……回り道?」

怜「そらそうやろな。ラスボスの根城や。雑魚も一級品やろ」

咲「けど、一人殺したら異変に気付くよね」

淡「そうだけど、皆殺しにしないと私達が危ないよ」

憩「せやな。だから隠密行動や。それも証拠隠滅の下準備もしながらな」

玄「それ、私がやります。全て終わらせたら証拠も何も吹き飛ばすよ」

怜「なら私と憩さんは暗殺部隊やな」

憩「苦手分野やけどなぁ。ま、頑張りますわ」

咲「あれ? 私は……」

怜「淡の護衛兼スナイプや」

咲「了解しました。責任をもって淡ちゃんを守ります」

憩「なら、最後に得物の整理しよか。ウチはバルカンとベレッタM92。弾薬はバルカンがアホみたいにあるけど、ベレッタはマガジン10本や」

玄「C4が12個とナイフ、それとプラスチック爆弾が3つかな」

怜「Cz75。マガジンが15本や」

咲「MSRですね。弾が30発。それとG18C」

淡「十分だね。役割を決めたところで通る通路を決めないと。多分、意味ないと思うけどさ」

咲「この屋敷、広間に階段があるんだね」

淡「そうそう。で、その階段に向かう為の通路が2つ。1つは正面玄関から。もう1つは裏口からなんだけど、どうする?」

憩「ウチ等と玄ちゃんは別行動やろ? それに証拠隠滅の為の行動やから出来るだけ安全にしてやりたいねん」

怜「せやな。あえて正面から……は無理やな。裏口から入って私等が騒ぎを起こす。玄は死体から着てるものを剥ぎ取って私等の視界に入らんようにな」

憩「そこまでの余裕は多分ないやろうしな」

玄「了解しました。少し遅れて入ればいいんですね」

怜「せや。で、咲やけど、どこに陣取るつもりや?」

咲「数百メートル先の木の上のつもりです。こっちからの見張らしもいいですし」


憩「そんな不安定なポジションで大丈夫なん?」

咲「多分、問題ないです」

淡「これで決まりだね。簡単な作戦だけど、ミスすればお仕舞いだからね」

憩「怜さん、背中は任せましたよ」

怜「任せとき。玄、絶対に死ぬんやないで」

玄「はい。勿論死にません」

淡「サキ、間違っても味方は撃つんじゃないよ」

咲「分かってるよ。これで終わりにしよう」

淡「それじゃあ、決行は今日の22時からだから、各々準備していてね」

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※ベレッタM92
http://i.imgur.com/O0jJKmf.gif

Cz75
http://i.imgur.com/4PtQlwm.jpg

PM10:00
屋敷裏口

憩「ほな、行きましょか」

怜「……隠密行動って何やったっけ?」

憩「バルカンは非常事態用ですわ。サプレッサー付けましたか?」

怜「抜かりないわ。ドア開けるで」

憩「お願いします」

怜「ほな、開幕式や」

「……なっお前等ーー」

憩「さよならや。ほな、行きましょう」

怜「早業やなぁ」

憩「咲ちゃん、こっちは始まったで」

咲『了解しました』

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PM10:03
木の上

咲「淡ちゃん、始まったよ」

淡「サキ……その窓から見えるのは全部的だよ」

咲「ん……」

咲(無風……やりやすいなぁ。スコープの十字に合わせて息を止める……)

淡「今だよ」

咲「……っ」

淡「ナイスショット。これで後戻りは出来ないね。クロが通りそうなルートの敵を狙って」

咲「うん。淡ちゃん、もうちょっと上に隠れてて」

淡「はいはい」

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PM10:12
屋敷1F倉庫

怜「……カメラあるなんてな」

憩「予想はしてましたよ。結局、ウチ等にはこれがお似合いですわ」

怜「乱戦とか苦手やわ」

憩「ほな、派手にやりますか」

怜「先頭は憩さんな。バルカンの前とか死んでも嫌やで」

憩「分かりました。あっ、そこのフラッシュバン取ってください」

怜「これ? はいよ」

憩「景気よくやりますよぅ」

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PM10:03
木の上

咲「淡ちゃん、始まったよ」

淡「サキ……その窓から見えるのは全部的だよ」

咲「ん……」

咲(無風……やりやすいなぁ。スコープの十字に合わせて息を止める……)

淡「今だよ」

咲「……っ」

淡「ナイスショット。これで後戻りは出来ないね。クロが通りそうなルートの敵を狙って」

咲「うん。淡ちゃん、もうちょっと上に隠れてて」

淡「はいはい」

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PM10:30
木の上

淡「サキ、弾大丈夫?」

咲「まだまだ残ってるよ。実際、私が狙ってるのは逆走する敵だけだから」

淡「あの二人の援護は?」

咲「必要に見えるかな?」

淡「……ごめん。そうだった」

咲「私もバルカン使いたいなぁ……」

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PM10:31
屋敷1F広間

憩「一応、全滅?」

怜「多分やけど」

憩「この階段しかないんやけど、どないしましょ」

怜「待ち伏せとるやろな」

憩「フラッシュ残り何個あります?」

怜「5つや。ちなみにスタングレネードが4つな」

憩「厳しいですわ。けど、行くしかないんですよね」

怜「せや。私は右、憩さんは左や。準備はええ?」

憩「いつでもいいですよ」

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ーーーーーー

PM10:35
屋敷1F西通路

『何をやっている? 早く排除しろ』

玄「この柱でいいかな?」

玄(死体からインカムもらってよかったよ)

『2階だ。B班、C班、向かえ』

玄(この転がってる死体がA班かな?)

玄「後2ヶ所くらいかな」

『D~E班は研究施設を守れ』

玄(地下に研究施設があるならまずいよね……)

玄「クレイモア持ってきて良かったよ」

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PM10:49
木の上

淡「……まずいね」

咲「とうとう位置ばれしちゃったね。この場合のセオリーは?」

淡「逃走かな?」

咲「できる?」

淡「多分無理。とりあえず、木から飛び降りて次の狙撃ポイントに移動しよう」

咲「そうだね」

淡「サキ、気を付けてね。多分、相手にもスナイパーいるから」

咲「うん。なら、屋敷の死角を使って移動しよう」

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ーーーーーー

PM10:55
屋敷2F廊下

憩「……痛いわぁ」

怜「かすり傷や。右腕やし直撃でも急所でもない。しっかりせえや」

憩「分かってますわ。化け物の中の化け物、舐めんとって下さいよ」

怜「それでええ。まだ戦えるな?」

憩「愚問ですよ。そろそろ増援来はりますね」

怜「……気張ってこか」

憩「ねぇ、怜さん」

怜「どないしたん?」

憩「ウチ、この戦い終わったら結婚するんです」

怜「聞き飽きたわ。もう死亡フラグにもならんわ」

憩「ですよね。けど、バルカンの弾が残り僅かなんです」

怜「……実は私もや。今の内に死体から貰っとこ」

憩「見張ってますわ」

ーーーー
ーーーーーー

PM11:01
屋敷1F隠し通路

玄(設置完了。けど、この扉……)

玄「指紋認証、パスワード、網膜認識……厳重すぎないかな?」

玄(間違いないよ。ここが研究施設だよ)

玄「……いいこと? 悪いこと? 思い付いちゃった」

玄(天井にC4を貼り付けて……)

『罠だと? おい、カメラはまだ直らないのか!?』

玄(ありがたいなぁ。カメラ、壊してくれたんだ)

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ーーーーーー

PM11:07
屋敷庭

咲「淡ちゃん!」

淡「サキ、そこを右に曲がって!」

咲「違う!後ろだよ!」

淡「殺っちゃって」

咲「分かっ、た……」

咲(手が滑ったよぉ……)

淡「何やってるの?」

『ぐっーー』

咲「……今のどうやって?」

咲(私の手から滑り落ちたハンドガンをキャッチして、見ずに背後の追手の額を撃ち抜いた……)

淡「ん? サキの瞳に反射して見えてたから」

咲「人間業じゃないよ……」

淡「知ってる。ほら、今の内に向かうよ」

咲(それにも驚いたけど……あの早業……)

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ーーーーーー

PM11:11
屋敷2F東通路

憩「怜さん! まだ増援止まないんですか!?」

怜「踏ん張りどころや! 我慢せえ!」

憩「けど、怜さん!」

怜「なんや?」

憩「……いえ」

憩(この気迫……一発貰ったなんて言われへんな)

憩「AK47か。懐かしいなぁ」

憩(ウチの最初の相棒やん)

ーーーー
ーーーーーー

PM11:22
屋敷2F西通路

玄(逆サイド、助けにいきたいけど私は自分のことを終わらせないと)

『増援はそれで最後だ。死ぬ気で殺……いや、捕らえろ』

玄「ここもかな?」

玄(頑張って下さい)

ーーーー
ーーーーーー

※AK47
http://i.imgur.com/rTRlCq0.jpg

PM11:30
屋敷庭

咲(銃声が止んだ……そろそろかな?)

咲「淡ちゃん、少し待っててもらえる?」

淡「どこか行くの?」

咲「お仕事。私がしないとダメなことだから」

淡「……私も行く」

咲「それは無理かな。淡ちゃん、見つかったら死んじゃうから」

淡「それでも!」

咲「大丈夫。だからこれ、預けておくね」

淡「MSR……」

咲「後で返してね。それじゃあね」

ーーーー
ーーーーーー

PM11:38

咲「地獄絵図だよ」

咲(あの二人ならそうなるよね)

咲「……ここかな?」

咲(松実さんのC4が天井に……なるほど)

咲(これを扉に貼り付けて……)

ーーーー
ーーーーーー

PM11:45
屋敷1B地下牢

憩「んぁ……痛いなぁ」

怜「起きたんか。おはようさん」

憩「ここはどこですか?」

怜「見ての通り地下牢や。何でも公開処刑らしいで」

憩「見せしめですか?」

怜「せや。荒川憩を筆頭に裏じゃ名前の売れてる私達を殺して組織の強さを見せつけるんやと」

憩「同業者にですか?」

怜「それもあるやろうけど、恐らく政府やな」

憩「……政府? まさかこの業界、黙認ですか?」

怜「せやで。知らんかったん?」

憩「私の対象は同業者でしたので」

怜「納得や。ちなみに私は政治家を暗殺したことあんねん」

憩「ホンマですか?」

怜「マジや。大マジや。私が売れ始めたんはそれがきっかけやで」

憩「そうなんですか。私は……覚えてないですわ」

怜「さよか。ほな、この窮地とないして抜け出そか?」

憩「……手錠と牢なんてどうしようもないですよ」

怜「……せやな」

ーーーー
ーーーーーー

AM12:00
屋敷1B研究施設

咲「……こんばんは」

「なっーー」

咲「……そこに転がってなよ」

咲(全滅かな?)

咲「これは資料? 淡ちゃんの情報だ」

咲(彼女の体内には小型爆弾、盗聴器が仕掛けて……胸くそ悪いや)

咲「これが終わったら医者に連れていかないと。薬、探そう」

「薬? これのことか? 宮永咲」

咲「誰?」

「社長だ。欲しければくれてやるよ。ほれ


咲「……どうも。社長が何でこんなところに?」

「君と話をしたくなってね。あの失敗作をどうやってなつかせたのか」

咲「……もう一回言って下さい」

「失敗作をどうやってなつかせたのかと訊いている」

咲「……殺しますよ?」

「構わないが、私を殺したところでアレの命はないぞ」

咲「……」

ーーーー
ーーーーーー

AM12:00
屋敷1B地下牢

玄「……迷ったんだけど……なんで捕まってるんですか?」

憩「あれ?看守さん居なかったん?」

怜「これまた奇跡やな」

玄「看守さん? あっ、殺しましたよ。鍵ですね!」

憩「お願いなぁ」

ーーーー
ーーーーーー

咲「それはどうでしょう? そろそろですね。後ろのモニター見て下さい」

憩『あれ? このカメラ映ってるやんな? 』

咲「心配しなくても見えてますよ」

怜『こっちは終わったで。咲、はよ終わらせ』

玄『最後まで気を抜いたらだめだよ』

咲「ありがとうございます……で、どうします?」

「……負けか。だが、ただでは死なん」

咲(ポケットから何か取り出した……)

咲「それは……」

「さしずめ自爆スイッチといったところだ。この建物の屋根と地下に強力な爆弾を仕掛けてあってね」

咲「……やっぱり悪役の末路はそうなんだ」

「何をいいたーー」

咲「何で助けに来たの?」

淡「待つのはしょうに合わなくてね」

咲「ありがとう。助かったよ」

淡「じゃあ、帰ろうか」

ーーーー
ーーーーーー

一年後

咲「淡ちゃん、仕事だよ。憩さんと組んで遂行してきて」

淡「了解。社長」

咲「園城寺さんと松実さんも仕事です。簡単な暗殺ですよ」

怜「了解や。ほな、玄、運転任せたで」

玄「任されました!」

憩「ほな、淡ちゃん、行こか」

淡「うん。それじゃあサキ、また後でね」

咲「頑張ってね」

咲(社長か……成り上がり過ぎたよ。敵が多すぎる)

咲「まぁ、気楽にやろうかな」

カン

用事入ったんで急いで終わらせました
拝読ありがとうございました

一応、五人の戦い方
咲:スナイパー
淡:チート
憩:殲滅
怜:多彩な物を扱える万能型
玄:運転手兼証拠隠滅

次どうしようかな……ネタは腐るほどあるんだけど文にしてない

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