【モバマス】いろをなくしたおひめさま (21)


――とある世界、とある国に、

それはそれは綺麗なお姫様がいました。

そのお姫様は不思議な力を持っていました。

夢の世界を覗きこめる、不思議な力を……。



※みじかい。あと、ヘレンさんのステマやめました。



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お姫様は夢の世界の出来事をいつも楽しそうに見ていました。

でも、今日はその姿が見当たりません。

お姫様は覗いていた夢の世界に閉じこめられてしまったのです。

お城の中は大騒ぎになりました。


王様は夢の世界にむかって呼びかけました。

お姫様を返してくれと。

夢の世界から返事がありました。

お姫様は帰りたくないといっていると。


お姫様は自分から夢の世界に飛びこんだのです。

自分の意思でその世界にいることを決めたのです。


夢の世界は、時の止まった世界

ずっとその世界にいると、お姫様がどうなってしまうかわかりません。

王様は困ってしまいました。


しばらくして、お姫様は『色』を失いました。

灰色になってしまったお姫様

それでもお姫様は夢の世界の中から出ようとはしませんでした。


ある日、そんなお姫様の前に不思議な男があらわれました。

その男はいいました。


ここに君の未来はあるのかい?

ここに君の『色』はあるのかい?

元の世界をもう一度見てごらん。


最初、お姫様はその声を無視していました。

でも、その男は何度も何度も繰り返し呼びかけつづけたのです。

お姫様は仕方無く元の世界を覗きこんでみました。

……そこには『色』鮮やかな世界が広がっていました。

お姫様は目を奪われました。

『色』を失ったお姫様は『色』に憧れたのです。

しかし『色』を失った人間は、『色』のある元の世界には戻れません。


男はいいました。


望むのなら、君に『色』をあげよう。

君が鮮やかに輝ける『色』を。

そして、君を元の世界に送りだそう。


男の正体は、世界を旅して『色』を与える魔法使いだったのです。


魔法使いは続けていいました。


でも、気をつけてほしい。

君にあげる『色』は一時的なもの

近いうちに失われるだろう。

だから、その前に自分の『色』を見つけるんだ。

輝く努力を続けるんだ。

君はそれができるかい?


お姫様はうなずきました。

輝くことを心に決めて、お姫様は元の世界へと飛びたったのです。


――その後、お姫様は自分の『色』を取りもどしました。

そして、前よりもずっとずっと輝けるようになったのです。


――夢の世界とは、本の中の世界のこと

本の中の世界から飛びだしたお姫様は、今も輝いています。


――

加蓮「おしまい」

仁奈「仁奈もお姫様の気持ちになりてーですよ」

泰葉「『色』……ですか……」

加蓮「泰葉も気になる?」

泰葉「はい。……仁奈ちゃん、このノートどこから持ってきたの?」

風香「あ、それ私のノートです」

加蓮「風香のだったんだ」

風香「はい。文香さんに小説の書き方を教えているうちに、ちょっとこういうものも書きたくなって……」

――

そもそものはじまり


文香「あの……小説の書き方……教えてもらえませんか?」

風香「え……わ、私がですか!?」

文香「はい……ご迷惑でなければ……」

風香「め、迷惑だなんてそんな……ご、ごめんなさいっ!」ペコペコ

文香「いえ……こちらこそ……突然頼んでしまって……」ペコペコ

風香「あれ?……私達、謝ってばかりですね……」


興味


文香「書きたいものが特にあるというわけでは……。ただ、自分で表現をしてみたくて……」

風香「それなら興味あることを書いてみたらどうですか?」

文香「興味……あること……」ジー

風香「 (机の下を見てる……?) 」


机の下


輝子「フ……フヒ……?」

文香「あの……キノコのこと……教えてもらえませんか?」

輝子「……」

文香「……」

輝子「ヒィヤッハー!!!!」

文香「!」ガンッ

輝子「ご、ごめん……テ、テンションあがりすぎた……ちょ、ちょっとまってて……」

文香「あう……」アタマイタイ

輝子「こ、これ……氷枕……」

文香「あ……ありがとうございます」


キノコ


文香「キノコのことを……絵本のように書こうと思います」

風香「うん、かわいらしいお話になると思います」

文香「……擬人化されたキノコを食べようとする菲菲さん……これも一種のカニバリズムでしょうか……?」

風香「ま、まって!文香さん!絵本っぽくするんですよねっ!?」


再び机の下


輝子「フ……フヒ……?」

文香「あの……キノコちゃんのこと……書いてみました」

輝子「……」

文香「……」

輝子「ヒィヤッハー!!!!」ガンッ

文香「!」ガンッ

輝子「あうぅぅ……」アタマイタイ

文香「あう……」アタマイタイ

風香「あ、あの、氷枕、二つ持ってきました」


気持ち


風香「このお話は……」

文香「はい……私自身の今の思いを書き残しておきたくて……」

風香「……今度、文香さんに沙織さんを紹介しますねっ!」

文香「沙織さん……?奥山さんのことですか?」

風香「はいっ!きっと仲良くなれますよ!」

――

風香「ということがあったんです」

泰葉「そうですか。文香さんが……」

仁奈「仁奈も文香おねーさんのお話、読ませてもらったことあるですよ!」

加蓮「そうなの?どんな話だった?」

キノコの気持ちになるですよ!

キノコの気持ち?



その時、机の下では

文香「 (……恥ずかしくて……ここから出られません) 」


つづかないよ……フヒヒ……え?ふ、文香さんと一緒に、ず、ずっといましたけど……


おしまいです。

お姫様のお話といえば風香さんだと思います (※あくまで個人の感想です)


過去に書いたもの

【モバマス】わたしはキノコ
【モバマス】わたしはキノコ - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1399558225/)

【モバマス】ブサイクなボクと、カワイイボク
【モバマス】ブサイクなボクと、カワイイボク - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1399714749/)

【モバマス】アヤカシ 第一話『病弱な少女と思い出のキグルミ』
【モバマス】アヤカシ 第一話『病弱な少女と思い出のキグルミ』 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1400936746/)

(アヤカシにレスくれた方、レスできなくてごめんなさい。つづきはかきます)


以上になります。ありがとうございました。


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