大泉洋「私立希望ヶ峰学園?ドッキリじゃないの?」 (1000)

「えーと、札幌市のダベミさんからのおハガキです」
「ありがとうございまーす」
「『こんばんは!いつも楽しくSSを書いています』……SSってのは何なの?」
「いいから読みなさいよ」
「ええー……『もしも大泉洋さんを私立希望ヶ峰学園に入学させたらどうなりますか?私、気になります!』だって」
「どこよそれ」



※ダンガンロンパ1の再構成
※ネタバレが激しく存在します
※大泉洋知識は2009年くらいまでが一番豊富だから最近の事は知らないかもしれないんだ
※って言うかそもそも原作こんなのだっけ?って部分もあるかもしれない
※それらは大魔神・藤村のせいなんだ
※なお劇中ナレーションは主にHTBアナウンサーの谷口直樹で
※書き溜めなし、推敲なし、問題なし!

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1401000541

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◆回想

「---と言うわけだから行ってこいよ、大泉君」

大泉「はぁ?俺が?いやいやいや、何で…」

「だからさっきも言ったけど、」

「うちのスタッフの子供が何人か【超高校級候補】になってるらしくって」

大泉「………はぁ」

「だからね大泉くぅん」

大泉「………っww」

「君がぁ、向こうさんのね?様子を取材でもすればいいじゃあないか。ね?」

「もうね、学園長先生の許可は取ってあるから。」

大泉「いや、そんな簡単に言いますけどね…自分で言うのもあれですけど、」

大泉「僕ね!今スケジュール切りにくいんですよ!【水曜どうでしょう】ですらぎりっぎりなの!!」

※Tips…【水曜どうでしょう】
言わずと知れた怪物番組。大胆な編集やカメラ割り、スタッフが普通に喋るなど、バラエティの常識を崩した番組。
ちなみにアメリカでも放送されている。

大泉「それに最近なんか物騒じゃないの、なんか。…その、どこにあんのよ、希望ヶ峰学園っちゅうのは」

「東京」

大泉「東京?!」

「うん」

大泉「もう自分達で行けばいいべや、もぉー!」

「それにスケジュールなら大丈夫。社長が空けてくれたし。聞いてないの?」

※Tips…【社長】
大泉の所属事務所である、クリエイティブ・オフィスキューの社長。
【水曜どうでしょう】レギュラー放送最後のベトナムの回で無線機持って来てくれた人。会長・鈴井貴之の嫁。

大泉「………え?いや全然…え?何?希望ヶ峰学園行くの、ドッキリなの?」

「ドッキリじゃないって」

大泉「でも俺聞いてませんもん」

「あ、そう?とりあえずスケジュール空けてもらったから」

大泉「………はぃ」

「ざっくりと1年」

大泉「いちっ、1年んん!?」

大泉「え、えええ!?」

「って言ってもあれですよ?ずっといなさいっちゅってる訳じゃないんですから」

大泉「いや、いやいやいや、あんたそんな言い方しますけどねぇ---」

「他の仕事しながらでも、取材出来ますから。うちのスタッフもちゃんと付いてくし」

大泉「改めてなんで俺なのよ」

大泉「柳田でも谷口でもいいしょや」

※Tips…【柳田】【谷口】
いずれもHTBアナウンサー。
谷口はテレビデビューが、大泉らの出演していたバラエティ。その後も彼らの番組のナレーションを続けている。
柳田は若干シルエットの丸い、笑顔の似合う男性アナウンサー。よく大泉らの出演番組に司会進行しに来る。

「そこはほら、希望ヶ峰学園さんのオファーじゃないですか」

大泉「オファー?俺に?」

「ですよぉ。大泉さんが希望ヶ峰学園をね、こう、うわあっ!と取材してぇ」

大泉「うんうん」お茶ずずーっ

「あなたが、ね?こう、「希望ヶ峰学園サイコー!」とでも言ってみなさいよ」

「私も入りたいッ!僕も入れてくれッ!おーい、俺を忘れてるんじゃあないだろうなーッ!と!」

大泉「ほう…www」

「言う学生さんが増えるんじゃないか!ってのが先方のね?計算ですよ」

大泉「………なるほど」



大泉(そのあともこんな調子でしか打ち合わせしなかったけどこれ大丈夫か?)

大泉(知らんぞ?俺は、この企画滑っても)

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201*年 4月
私立 希望ヶ峰学園 校門前

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大泉「さぁ!始まりましたよ!大泉洋の希望ヶ峰学園観察日記のお時間です!」

大泉「………」

「………」

大泉「………何よ、このがなり」

「………www」

大泉「タケシ、笑ってる場合じゃないからな?」

※Tips…【タケシ】
鈴木武司。前述の【水曜どうでしょう】においては、本編放送前に流れる【前枠後枠】の撮影を行う本職のカメラマン。

大泉「いやー…しかしあれだな、緊張感なさすぎ」

大泉「今日あれなんですよね、入学式なんですよね?」

(カメラが頷く)

大泉「だってねぇ、僕も事前にね?今年の入学生がどんな人なのかっつって資料もらってさぁ…」

大泉「俺入学すんじゃないのにちょっと緊張してたっつうの」

大泉「うちの娘もおっきくなったら、こんなとこに入学すんのかねぇ」

大泉「………」

大泉「あ、やべ、泣きそ」

「大泉さん、早く中に入ってください」

大泉「うるせぇなぁ!!人がコメント考えて喋ったっつうのに!!」

大泉「…とりあえず行きましょうか」すたすた

大泉「いやぁ、なまらすげぇ!もう門からしてデカ---」

ぐらっ

大泉「………い………?」


大泉(……何だ?なんか、目の前が飴細工みてーにぐるぐるして……)

大泉(………そして………)

………暗転。









大泉「………」

もぞっ


大泉「ん……」



大泉「………」


がばっ



大泉「!?」

大泉「っつ、あー……ん?どこよここ…」

大泉「………きょう、しつ………?」

大泉「………あれ?スタッフ?タケシ?親分?」

大泉「誰もいないの?何よあいつら……」

大泉(ん?おかしくねぇか…窓に鉄板張ってあるし…、監視カメラあんの?すごいねぇ希望ヶ峰学園)

大泉(って言うかなんでジャージよ、俺の服)

※Tips…【ジャージ】
【パパパパパフィー】でも着てた大泉の勝負服。

大泉「…あ?何だこれ…入学おめでとう?…字ぃ汚いなオイ!」

大泉「………」しーん

大泉「………ほんとに誰もいないしょや…はぁ……」

がらららっ

大泉「っ」びくっ

※Tips
大泉さんはとってもビビリです。

大泉「……暗…、俺…来るとこ間違った?」

大泉「何よここ………」

大泉(………外にロケ車あるだろうし、そこまで行きゃ誰かと合流出来るべ)

大泉(まずは玄関に……)


がちゃ




「え?ボクの他にもまだ人が---」

「しかし16人、ですか?」

「オメーもここの新入生なんか?」


大泉「………は?」

※書き溜めなしったって時間かかりすぎだべ
※パスタ増えるよ

※ちょい中断

※こまこまと更新するのだが、いかんせん書き溜めはない

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【Chapter0】

ようこそ、絶望学園
(拉致・監禁だよ!これは!)

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大泉「………あ、えーと?」

大泉(何よこれ。なんか番組始まんの?でも……)

大泉(いかにもな素人多くねぇかなぁ…あ、舞園さやか)

パーカーの少年「あ、あの、あなたは…」

ドレッドの男「ここに来たって事は俺らとおんなじ生徒だべ、間違いねぇ!」

ゴスロリの女「しかし………どう見ても学生には見えませんわよ?」

ジャージの女「あ!ジャージ着てる!」

大泉(さっそくキャラかぶりか。ええ?他人と衣装かぶんのはいただけないなぁ。君、事務所どこだい?)

ミステリアスな女性「………ねぇ」

大泉「………あ?」

ミステリアス「…大泉洋、ね」

大泉「!」

パーカー「………え?いや、そんな…いくら【騙され芸人】の異名を持ってたって、さすがに…」

大泉「不名誉な称号を口にするじゃないか、君」

※Tips…【騙され芸人】
正しくは【騙され上手】である。なお、大泉洋は自他ともに認める騙され上手。その多くは【水曜どうでしょう】で見る事が出来る。

デブ「【大泉洋】?……レイトン教授ですか?」

※Tips…【レイトン教授】
レベル5から発売された謎解きゲームのシリーズであり、主人公の名前。大泉は主演のレイトン教授役。

筋肉質のお…男?「………有名なのか?その者は」

ミステリアス「ええ、日本が誇る名優よ」

ミステリアス「1973年4月3日の41歳・既婚、演劇ユニット【TEAM NACS】の4番手、通称【ナックスべしゃり】」

※Tips…【TEAM NACS】
チームナックス。森崎博之・安田顕・戸次重幸・大泉洋・音尾琢真の5人からなる男性演劇ユニット。
現在の演劇の敷居を下げ、取っ付きやすくしたユニットとして時折名前が上がる。

ミステリアス「代表作は挙げれば霧がないのだけれど…ふふ、面白かったわ。【探偵はBARにいる】…3回は見たわね」

※Tips…【探偵はBARにいる】
主演は大泉洋と松田龍平。東直己の原作小説を映像化したもの。北海道各地(主にすすきの)で大規模ロケが行われた事も有名。

大泉「あら、そう!嬉しいですねぇー…って事はもう僕の子猫ちゃんだね?」

※Tips…【子猫ちゃん】
大泉のファンの総称。ただし大泉は動物、特に猫が嫌いである。

ミステリアス「そう呼んでいただけるなんて光栄です、大泉さん。…霧切響子です」

大泉「霧切さん、霧切響子さんね、よぉぉし。…手袋?」

霧切「これはその、ちょっと…色々、ありまして」握手ぎゅう

大泉(…ははぁん、手が荒れてんのか?とりあえず外せないって事ぁ分かった。触れない方がいいな)

大泉「な、…なんっだ…心配しちゃったよぉ…俺の事知らない人しかいねぇのかと思っちゃって…」

パーカー「ほ、本物なんですか!?ご、ごめんなさい!」

小柄な女性「あ、えと、えっと…」

軍服の青年「名優…と言ったかね?ふむ…僕はあまりテレビ番組、ことかいてドラマやバラエティは見ないので分からないな」

大泉(…だよなぁ、高校生に俺どんだけ知名度あると思って浮かれてんだよって話だ)

白スーツの男「ふん、そんな事はどうでもいい。時間の無駄だ」

霧切「あなた…好きな人いないの?好きなな芸能人・有名人…残念ね」

白スーツ「くだらん。何とでも言え」

大泉「わかんねぇけど、あいつからシゲとおんなじ匂いがするわ」

霧切「シゲwwwwww」

白スーツ「………誰だそれは」

※Tips…【シゲ】
NACSの3番手、戸次重幸の事。なお読み方は『とつぎ・しげゆき』。ちなみに本名は佐藤重幸。
『尻ポケットに手渡しされた給料袋を入れたままバイクに乗ったら中から金が全部出て行った』『彼女がいてもクリスマスはどんぐりのちくわパンで充分』など、
その数多くのエピソードから通称【NACS残念】と呼ばれる。

霧切「え?ええ、あなたがとっても【残念】な人と言う話よwww」

大泉「どんだけ笑うのよ!」

ギャル「」びくっ

大泉「そして残念で反応したな、君は!なんだ、君もシゲ好きなのか?」

ギャル「ちちち、ちげーし!あたしはその、…ちげーし!」

ギャル(ごめんね……、残念って言われて反応しちゃったよ……)

リーゼント「っち、んでどうすんだ?自己紹介でもすんのか?」

大泉「………あぁー、そうだねぇ。僕の事知らないっちゅう人も多いみたいだしねぇ」

霧切「それなら大泉さん、私があなたの事を説明しましょうか?」

大泉「いやもういい(即答)」

ジャージ「あ、ねぇ!それなら、こっちが名前言って行った方が早くない?大泉の事知ってる人はいるんだし!」

大泉「なーにナチュラルに呼び捨てしてんのよ、スイカップ」

ジャージ「………スイカップ?」

大泉(え?伝わらないの?)

ジャージ「じゃあまず、私は【朝日奈 葵】!【超高校級のスイマー】って呼ばれて、この学園に来たんだ!」

大泉「まずそのタメ口辞めてみようか?」

朝日奈「あのね……大泉が、最初入って来た時ジャージだったから、親近感を感じちゃって……えへへ」

大泉「…この業界で衣装被りはいかんよ、朝日奈君?いいかい?」

朝日奈「そっか、そうなんだね…んと、………………覚えとく!」

大泉「絶対無理だわ」

大泉(…ん、【超高校級】?あー……なんかそういや書いてあったなぁ)

パーカー「さ、さっきはすいませんでした……ボクは【苗木 誠】。【超高校級の幸運】です」

大泉「おぉーい、次は君か。いやぁ?何も気にしてないよ?」

苗木「まさか本物に会えると思ってなくって、それで………」

大泉「あぁ……気持ちは分からんでもない。僕も篠原涼子さんに初めてお会いした時はソワソワしちゃったからね」

霧切「【ハケンの品格】の時、ですか」

※Tips…【ハケンの品格】
主演は篠原涼子、共演に大泉と小泉孝太郎、加藤あい。NACSの2番手・安田顕も出演している。
大泉の役柄は、会社の営業部販売二課主任(問題を起こし、最終話で降格)。ロシア語が堪能な人物でもあった。

大泉「よくご存知で」

霧切「いえ、大泉さんの人となりを調べる時にまず転機として出て来るのがこの辺りですから」

軍服「いつまで話しているのかね!自己紹介が終わらないではないか!」

大泉「おっと失礼……じゃあ進めましょうかね…おたくは?」

軍服「僕は【石丸 清多夏】、【超高校級の風紀委員】と申しますッ」

大泉「石丸君、石丸君………ね。しっかしきっちりした服だねぇ…疲れないの?」

石丸「学生が常時身につけるべきは学生服ですからね、はっはっは」

大泉(なに面白いところあった、今)

石丸「---ですから、ここは風紀を乱した衣服の者が多すぎます。あとで取り締まるので、協力願えますか?」

大泉(あっ、こいつめんどくせぇタイプだ)

大泉「………考えておきます(やるとは言ってない)」

石丸「感謝します、大泉さん…さぁ次」

舞園「じゃあ私………」

大泉「うっわ!本物の舞園さやかちゃんだべや!ドッキリじゃないよね!ドッキリじゃないよね!?」

※Tips
大泉さんは、有名人に会えると言われて拉致されるドッキリを何度もかけられています。

苗木「舞園、さん…【超高校級のアイドル】って言う…」

舞園「苗木君、お久しぶりですね」

苗木「………え?」

舞園「ほら、中学の時………」

大泉「………お?」

マサカマイゾノサンガオボエテルナンテナー
オボエテマスヨナエギクン

大泉「放置か?おい」

デブ「ふっふ…あんなふたりは置いておきましょう、リア充爆発しろ」

大泉「おわっ!?でけぇ!なまらでけぇ!どうやったらそんななるのよ!?…河野よりでけーかも…」

※Tips…【河野】
河野真也。お笑いコンビ【オクラホマ】のツッコミ担当、太っている方。ダンス能力が高い。

デブ「拙者は【山田 一二三】…【全ての始ま(ry

大泉(何?なんの罰ゲームよこれ?)

山田「それはさておき、拙者は【超高校級の同人作家】と申します」

大泉「どうじんさっか?」

山田「高ーくて薄ーい本を出す人間ですな。例えば大泉洋殿と…」

霧切「大泉さんの前ではしたないわ、山田君。それにナマモノは本人にバラすなんてもっての他よ」

※Tips
意味は各自で調べてください。なおそっちの界隈にもNACSは人気です。

山田「おっと失敬」

大泉「なんか分からんけど、とりあえず君がデカイって事だけは覚えておくわ」

山田「それだけ!?」

大泉「じゃあ次は…」

筋肉質「む…」ぬっ

大泉「」

筋肉質「………我は【大神 さくら】…【超高校級の格闘家】だ…」

大泉「………さくら、さくら?えっ?って事は」

霧切「彼女は女性の身にありながら、全世界で最も強い格闘家なの」

大泉「ごめんなさい!男だと思ってました!」平謝り

大神「…慣れている、気になされるな」

霧切「ちなみに、彼女は【オーガ】の異名でも知られています…」ふぁさ

大泉「オーガ…どっかで聞いたなぁ。どこだったっけ…」

大神「よろしく頼む」

大泉「いやもうもうもう!こちらこそ!」

大泉(下手な事言ったら殺されかねんな)

白スーツ「おい、お前…いつまでやっているつもりだ?」

大泉「何よシゲのくせに」

霧切「その言い方はシゲさんが可哀想よ」

白スーツ「そもそも俺はそんな人物知らん!…ちっ、さっさと自己紹介を終わらせろ。」

霧切「彼は【十神 白夜】…【超高校級の御曹司】ですよ」

十神「勝手に他人を紹介するな」

霧切「あなたじゃないの、さっさと進めろと言ったのは」

大泉「君、名前は?」

赤髪「オレは【桑田 怜恩】!【超高校級の野球選手】っつー触れ込みで来てんだよね」

十神「俺の話はもういいのか…!」

大泉「そっちの君は?」

ギャル「あたし【江ノ島 盾子】!【超高校級のギャル】だよん」

大泉「江ノ島…ああ、なんかの雑誌に載ってたわ。けどなんか記憶の江ノ島ちゃんと違うような…」

江ノ島「………こ、これはフォトショ使ってんのっ!あんたもしてないの?画像加工」

大泉「出来るもんならしてもらいたいわ。俺より画像加工必要な奴がいそうだけど」

十神「………おい」

大泉「そっちの君とか画像加工されてんじゃね?目線入れられてたり」

リーゼント「あー……何度か。俺は【大和田 紋土】…【超高校級の暴走族】っス」

大泉「暴走族とかなまらこえーべや!」

大和田「一応、暮威慈畏大亜紋土(クレイジーダイアモンド)っつーとこの頭張ってんすけど……」

大泉「ニュースで見たもぉぉぉー!」

石丸「大和田君っ!僕の目の黒いうちは君の暴走行為は取り締まるからなっ!」

大和田「おぉ?上等じゃねーか…」

大泉「いや、まぁ好きにやってくれ……」

女子「……ええっと、あのぉ」

大泉「うわっ!?……あー、びっくりした……」

※Tips
何度も言いますが、大泉さんはビビリです。

女子「あ、え、と…ご、ごめんなさ…」

大泉「いやいいって、いいって…んで子猫ちゃん」

女子「ふぇっ?」

大泉「お名前は?」

女子「え、と………【不二咲 千尋】ですぅ…」

大泉「不二咲ちゃんね、オーケー。君も【超高校級】なんだっけ?」

女子「はい、【超高校級のプログラマー】って呼ばれてますぅ…」

大泉「プログラマー?ほうほう…俺そつちはあんまり詳しくないから分かんないんだよなぁ…」

不二咲「何て説明したら分かり易い、ですかねえ…んー…」首傾げ

大泉(うん、かわいい。娘がこんな風に育ってくれたらなぁ)

不二咲「………うう」涙目

大泉「」!?

不二咲「あの、ちょっと、…なんて言えば言いか……考えておきますぅ…」

大泉「……あのー、うん。無理しなくていいからね」

十神「………」

大泉「あと名前聞いてないのは…」

ゴスロリ「うふふ………」

ドレッド「んー…」

メガネの少女「………」かたかたかた

大泉(…どいつもこいつも)

ゴスロリ「あら、大泉さん?女性を待たせるのは紳士失格ではありませんの?」

大泉「おっと、英国紳士たる僕らしくない振る舞いだね…申し訳ない。さて、君の名前を聞こうか」

ゴスロリ「英国……それはともかく、私は【セレスティア・ルーデンベルク】。【セレス】と呼んで頂いて結構ですわ」

大泉「セレスさん?外国の方?日本語上手!」

セレス「うふふ……ありがとうございます(こいつ後で殴る)」

大泉「あ、それでセレスさんは……」

セレス「私は【超高校級のギャンブラー】ですの。よろしくお願いしますわね」

大泉「ギャンブルはいかんよ、その歳で。破滅するから。借金とかするから」

ドレッド「借金!?」びくっ

大泉「…なんなのよ、お前!ひとりだけ空気違くねぇ?借金に過剰反応しない!」

ドレッド「うう、いやだって……」

大泉「………おい、おお、君事務所どこだい。ん?あろうことか天パキャラの僕がいながらにしてぇ、もっとインパクトあるパーマがいるじゃないかぁー…おいぃ」

ドレッド「これ地毛だべ…」

大泉「さらに方言まで被ってるッ!なんだよっ、もうっ!あれか?第二の大泉洋とか呼ばれてるやつか?」

※Tips…【第二の大泉洋】
北海道ローカルで地位を確立し、有名になったものに付けられる異名。それだけ大泉洋がすごいとも言える。
なお実際にこの肩書きを付けられたのは【ブギウギ専務】こと【上杉 周太】。

大泉「北海道弁まで被ってたっけ、俺の居場所ねぇべや!?」

ドレッド「それは知らねぇよ!」

大泉「で、君どこの誰よ!」

ドレッド「俺は【葉隠 康比呂】だべ。【超高校級の占い師】だ」

大泉「………あ?葉隠?占い師…なんかどっかで見た…」

葉隠「ま、まぁよろしく頼むべ」

大泉(どこで見た?すすきの?覚えてねぇなぁ…こんだけインパクトある見た目なら逆に覚えてんじゃねーのか)

大泉「まぁいいか……最後、君だな」

メガネ「ふ、ふふ……あああ、あたしがあまりに汚いから無視されてるのかと思ったわ…」

大泉「な訳ないしょ。それに知ってる……【腐川 冬子】さんでいらっしゃるでしょ」

腐川「………え………」

大泉「【磯の香りの消えぬ間に】……僕も読ませていただきましたよ」

腐川「え、あ、あ…嘘…」

大泉「いやほら、これの映画化するとかしないとかって、それで僕に話がちょっと来てた事があって…」

大泉「………ああそっか、実際に顔合わせはしてなかったんだったなぁ。確かまだ他のキャストが決まってないからってんで」

腐川「………う、うふ、うふふふふ」

大泉「あ?」

腐川「あ、あああ、あなた、あたしの事を知っていてくださるのね……」

大泉「………え?ああ、まぁ」

腐川「そうなの…ふ、ふふふ…」

大泉(何この子なまら怖い。断ってもらおうかな、映画の話)

大泉(っと、これで全員と挨拶したな。舞園ちゃんの声をあんまり聞けてないのが残念だけど、あの子はテレビでよく見た)

大泉(共演は……ああ、してねぇのか?いや、ドラマで一緒したような気がしてたんだけど気のせいだったかなぁ)

大泉(………つーか、今気付いたけど玄関塞がれてねぇ?機関銃みたいなのあるっしょ!これって---)


きーんこーんかーんこーん


大泉「!?」バッ

『あー、あー!』

『マイクテスッ!マイクテスッ!』

『キャッチューベイベー!おまーえーだけをしぬほどあいしてーーたーー!』

大泉(なんで音尾の曲よ)

※Tips…【君にキャッチュー】
作詞作曲:音尾琢真。アイドルを目指す男達のドラマを制作した時に、音尾の【伝説の野良アイドル】役の持ち歌として作られた。
その後、大泉が【嵐にしやがれ】に出演した時に歌った一節がこれ。また、アルバムにて森崎博之がカバーしている。

大泉(……だけど、その声はまるで……)

大泉(能天気。そう表現すんのが一番早い、明るすぎる声だった)

大泉(おいおい、こっちは取材だってんのになぜかスタッフもいねーし、もうどうしたらいいのか分かってねぇんだけど)

『聞こえてるよね?ではでは……』

『ただいまより!希望ヶ峰学園、入学式を初めますっ!みなさん、体育館に集合してくださあーい!』

ぶつっ

大泉「………はっ?」

十神「体育館か。やはりここでの一幕は時間の無駄だったな」すたすた

朝日奈「あ、私も行く!」すたすた

舞園「行きましょう、苗木君!」

苗木「うん、そうだね……舞園さん」すたすた

大泉「え?何、こんな異常な状態で、に、入学式?」

葉隠「きっと学園のオリエンテーションだべ?先行くぞー」すたすた

大泉「…いや、かもしれんけども…」

大泉(これあれだ。嫌な予感がする)

霧切「………大泉さん、私達も行きましょう。ここにいては何も始まりません」

大泉「あ、ああ、そうだねぇ……」







大泉(これ絶対、水曜どうでしょうの新作の企画発表だわ)

※おいChapter1にも入ってないってどう言うことだ苗木、説明しろ。
※ご飯休憩

※白スーツは説明するつもりやったんや。
けど元ネタの画像がどうあがいても見つからない。どうしよう。でも書く。

大泉(だって明らかおかしいもんな、壁に鉄板ってどう言う事よ。HTBがんばったな)

※Tips…【HTB】
北海道テレビ放送。
水曜どうでしょう・ハナタレナックス・FFFFF(エフファイブ)などの自主制作番組がある。

大泉(…うん?だとしたら変か。企画発表ってだいたい駐車場で…いや、今回は希望ヶ峰学園に行くっつうのが企画だったわけだし)

大泉(その追加で…なんかやるってんならきっとそうなんだな、きっと企画発表は体育館)

霧切「………行きましょう?」

大泉「そうだねぇ。あんまり気は進まないけど」

こつ、こつ、こつ……

大泉「……ところでね、霧切さん、ぼかぁ大変な事に気付いちゃったんだけども」

霧切「え?」

大泉「あの子、なんつったっけ、十神君?」

霧切「…それが何か…」

大泉「俺あれさぁ、ずっと白いスーツだと思ってたんだけど違ったんだね」

霧切「ああ、それですか?」

大泉「ずっと流し見してたから気付かなかったけど、あれ…」

大泉「………マイケルだよねぇ」

※Tips…【マイケル】
言わずと知れたキング・オブ・ポップス、マイケル・ジャクソン。

◆体育館前

大泉「てっきりスーツだと思ってたんだ。けどちょっと違うなって、あれって思ったっけマイケルのコスプレだよねぇ」

霧切「………それは、大泉さんが来る前に散々いじってしまった後で」

大泉「それで彼あんなに機嫌悪かったんだね?なるほどなぁ」

霧切「彼の私服ではない、と言っていました」

大泉「だろうねぇ、あれが私服だったらさすがの僕も引くよ…」

霧切「……と、話していたら体育館についてしまいましたね」

大泉「………ふぅーっ………」

霧切「大泉さん」

大泉「………ああ、分かってるよぉ、僕ぁ…次は何するんだろうねぇ」

霧切「旅では無い?」

大泉「かもね。君らに取材しなさいっつって来たんだから、君らに関係ある事をせにゃならんのかもしれんし」

大泉(………対決企画か?なら鈴井さんもいなきゃおかしいだろ)

※Tips…【鈴井さん】
鈴井貴之。クリエイティブ・オフィスキューの社長(現在は取締役会長に就任。なお社長は鈴井夫人)兼タレント。
【劇団OOPARTS】の主宰であり、【水曜どうでしょう】の仕掛け人のひとり。

大泉(んじゃなんだ?鈴井さんも向こう側か。俺ひとりやられたパターンだな?おぉ)

大泉(にしたってやり方があんだろ…今までと違いすぎる。今までの拉致やら監禁とはわけが違うみたいだしなぁ)

霧切「今は悩んでいても仕方がありません…行くしか、ないです」

大泉「…それもそうか…開けるぞぉ」

がらがらがら

◆体育館


大泉(そこには椅子が人数分。そんで赤い敷物…カーペット?がしてあって)

大泉(壇上が飾り付けられてた。ほぉ、これはこれは…ほんとに入学式じゃないの)

霧切「………」

苗木「あ、霧切さんに大泉さん」

石丸「遅いぞッ!霧切君!それに…大泉さんッ!大人なのですから、時間を守ってくださいッ!」

大泉「あぁうん、ごめんね」

大和田「しっかし、何もねぇな」

不二咲「…みんな集まったのに……」

舞園「ですけど、これから何が始まるって言うんですか?」

葉隠「オリエンテーションだろ、だから」

大泉「ならいいけどねぇ」

十神「とにかく早くしろ………早く俺のスーツを返してもらう……」イライラ

大泉(あいつ、急かしてたのそれのせいか。時間の無駄っつーより…)


きーんこーんかーんこーん


大泉「………始まったかい」



『うぷぷ!』

『ではではっ!』

大神「………む」

『これより!希望ヶ峰学園、入学式を…』

霧切「………」

『はーじーめーまーす!』


びよょょーーーんっ


大泉「………は?」


大泉(次の瞬間、俺達の前に現れたのは)

大泉(……体の右半分が黒くて、左半分が白いクマのぬいぐるみだった)

大泉(そいつがステージの壇上にぴょんっと現れて、乗っかった)


クマ「うぷぷ、全員揃ってる、よね?」

腐川「なっ、なななな…なによこれ…!」

不二咲「クマさん、かなぁ…」

十神「…お前か?こんな妙な真似をしたのは…」

クマ「はいはい、みんな言葉遣いが悪いよう?その前にまずはご挨拶」

クマ「気をつけー!おはようございます!」

石丸「おはようございますっ!」びしっ

大泉「……石丸君はさぁ、こう…硬いね」

石丸「何がですか?か、体が?」

大泉「いや………後でいいわ」

十神「聞け…なぜ俺にこんな衣装を着せた!」

クマ「不服?不満?いやね、ゲストが喜ぶかなと思ってやったんだけど…」

霧切「ゲスト?」

クマ「招かれざる客、だよね。ボクだって予想外だったんだから」

クマ(ついでに言うと十神クン、それ君が嬉々として着てたから脱がすのやめたんだけど、まぁいいや)

朝日奈「ねぇクマさん!」

クマ「こらーっ!クマさんって呼ばないの、ボクはモノクマ!この学園の学園長なのだ!」

大泉「」ぶふっ

モノクマ「………あら、どしたの」

大泉「っくっくっく…ははは、いやだって!さすがに嘘だろ?俺の局のお偉いさん、こんなのと取材許可のやり取りしたの?って話になるっしょや」

モノクマ「こんなのって、キミねぇ…ゲストだから許すけどさ?」

大泉「あれ、ゲストって俺だったんだ」

桑田「まー、大泉さんって学生じゃないっすから?」

大泉「そう言う事?」

モノクマ「とにかく、ともかく!オマエラ、静粛にっ!」

モノクマ「時間も押してるからぱぱっとやるよ?」

霧切「………」

苗木「やる、って何を………」

モノクマ「入学式だよ!オマエラのね!」

モノクマ「えー、オマエラ【超高校級】は、人類の希望です!」

モノクマ「そしてそれを取材している大泉クン、キミもまた北海道が生んだ大スター…希望に間違いありません」

モノクマ「そんな希望であるオマエラを、この学園は保護する事にしましたー」

モノクマ「オマエラにはここで!共同生活を送ってもらいます」

モノクマ「期限はありません」

モノクマ「つまり一生、みんなで学園生活を送ってねって事だよ」

モノクマ「あ、大泉クンは仕事があるんだっけ?それは心配しなくていいよ」

モノクマ「仕事はなくなりました!つまり今のキミは【ただの地図の読めないバカ】です!」

大泉「」

※Tips…【地図の読めないバカ】
【水曜どうでしょう】の、特に海外企画回で大泉が言われる言葉。

大和田「………てめぇ、ふざけんなよ」びきびき

朝日奈「そうだよ!早く家に帰してよっ」

大泉「………」

大泉(仕事が………なくなった?はぁ?ドラマも?映画も?バラエティすら?)

モノクマ「もー、なんだよぉ!文句が多いぞ、最近の若者は…」

大和田「るせぇ!無茶苦茶言いやがって!」

モノクマ「…帰りたい?【超高校級】になれたにもかかわらず、オマエラ帰りたいの?」

舞園「当たり前です!」

モノクマ「ない事はないよ?この学園から出る方法」

大泉「………え?」

大泉(もし学園を出れたら?……出てどうすんだ?ええと、まず…す、鈴井さん探して…?あいつらは?ヒゲなにやってんだ?)

モノクマ「この学園を出る方法!それはね」

モノクマ「学園の中でのルールを破っちゃった人が出たら、追放…【卒業】させられちゃうんだ」

大和田「つまりどうすりゃいいんだ!」

腐川「ま、回りくどいわね…」

十神「とにかく服をよこせ!」

モノクマ「十神クンだけベクトルが違うなぁ」

大泉(…いや、周りみんな高校生なんだぞ…大人の俺がなにひとりでパニクってんだよ…何か話題を…)

大泉「…十神君はムーンウォーク出来ないの?」

十神「何?」

大泉「こう、改めて見るとマイケルだなぁ。あとはグラサンと帽子か」

大泉「これで君がマイケルの物真似が出来りゃ上出来なんだけどねぇ?」

モノクマ「話脱線しすぎぃ!とにかく---」

モノクマ「学園から出たければルールを破る!」

モノクマ「それは即ち、人が人を殺す事…だよ!」

大泉「………はぁ?」

大泉(さすがの俺もこの状況にはお手上げですよ)

大泉(わけが分からん。はぁ?人を殺したら学園から出れんの?)

大和田「いい加減、ふざけんのも辞めてもらおうか…なぁ?」びきびき

モノクマ「ふざける?それってキミとか大泉クンの髪型の事?」

大泉「おい俺関係ねぇべや」

がしっ

モノクマ「」?

大和田「よォォォし…ボコってやる、ボッコボコのメッタメタにしてやる…」びきびき

モノクマ「わぁ、やめてぇ(棒読み)学園長への暴力は、校則違反だよぉ(棒読み)」

大和田「るせぇゴルァ!他人の髪型バカにして許されると思ってんのかぁ!?」

モノクマ「………」しょぼん

江ノ島「なんつか、止まった?」

大泉「あれ凄いなぁ…中に誰か入って…はないだろうし」

モノクマ「………」しょぼん

霧切「あれとonちゃんが戦ったらどっちが勝つかしら…」

※Tips…【onちゃん】
HTBの黄色い悪魔。元々は1年で辞めるはずのマスコットキャラだった。
が、【水曜どうでしょう】で大泉にぼっこぼこにされたり、中に入っていた安田顕が暴走したりしているうちに
いつの間にかアニメまで製作されるほどの人気マスコットとして成長していた。

モノクマ「」ぴこん

大和田「機械音出してねぇでなんとか言え!」

不二咲「うう…クマさん、動かないね」

葉隠「オリエンテーションだって、絶対な!さすがは希望ヶ峰学園!ユーモアセンスも抜群だべ!」

モノクマ「」ぴこん

霧切「onちゃんは鉄骨フレームを使っているから、強度は高そうだけれど…あちらのモノクマ、と言ったかしら…構造が分からないと何とも…」

※Tips…【onちゃんのフレーム】
onちゃんの中に入る時は、形を保つための鉄枠を背負う必要がある。
また、中に空気を送らないと丸く膨らまないのだが、バッテリーが勿体無いのでよく電源を切られて一反木綿みたいになる。
余談だが、鈴井貴之はonちゃんを殴る行為をした時、中の鉄骨フレームに指を当ててしまい骨折した事がある。

大和田「………なんだ?なんかだんだん音が早く…」

モノクマ「」ぴこんぴこんぴこん

霧切「………」ぶつぶつ

十神「大和田……死にたくなければそいつを手放せ」

大和田「は?何で---」

十神「お前の脳味噌はペーストなのか?」

モノクマ「」ぴこんぴこんぴこん

大泉「なんかヤーな予感するよぉ、大和田くぅん?」

霧切「私もonちゃんで走り幅跳びした………ん?」はっ

※Tips…【onちゃん走り幅跳び】
NACSの番組【ハナタレナックス】で実際に行われた競技。
onちゃんの中に入って、全力で幅跳びを行うだけである。ただしかなり辛い。

霧切「……大和田君っ!それを投げて!」

大和田「え?お、おお…オラァ!」


ぶーんっ

ちゅどおおおおおんっ


大泉(大和田君が手放した途端、中空でモノクマとやらは爆発して消えた。やっぱりこれって…)

大泉「自爆装置だったのか…」

霧切「チープですけど、あの音と反応で分かりました」

大和田「な……お、俺を殺す気だったっつうのかよ」

不二咲「でもモノクマはいなくなっちゃったね…」

朝日奈「じゃあもう出られるのかな?」

『ところがどっこい現実はそんなに甘くないんだよ、朝日奈さんっ』

びよょーーーんっ

モノクマ「ふぅ…」

腐川「まっ!また出てきたわっ!?」

桑田「うげ、あいつ何体もいんのかよ」

モノクマ「もう!折角色々出来たのに!まぁ今回は霧切さんに免じて許してあげるよ!」

モノクマ「次はないから」爪しゃきん

大泉「…スペアがあるって事か」

モノクマ「とにかくオマエラは、この中の誰かを殺せば出られます!殺し方は問いません!なんでもいいです!」

モノクマ「あとね、これ渡しておくから。はい、電子生徒手帳」

苗木「生徒手帳?…あれ、大泉さんの分もあるの?」

モノクマ「作ったんだよ、大慌てでね…」

モノクマ「ちなみに大泉クン、キミにもこの学園らしい感じの肩書をつけといたよ」

大泉「はぁ、ありがとう…でいいのか?で、その肩書って」



モノクマ「大泉クンは【超高校級のシェフ】です」

大泉「俺高校生じゃな…シェフ?」

霧切「それはダメよモノクマ!死人が出るわ!」

※Tips…【シェフ大泉】
ビストロ大泉、ピストル大泉とも。
とにかく調理に時間がかかり、しかも独創的な発想でとてもまず…特徴的な味わいの料理を生み出しまくる男。
安田顕をエビアレルギーにしたのは、大泉の【辛すぎるエビチリ】である。

モノクマ「死人が出るならボク満足!」

大泉「それ以前に俺、俳優だっつったじゃないの?それでいいじゃない」

モノクマ「【超高校級の演劇部】?………なんか肩書からして、一瞬で殺されそうなイメージだからやめたのに」

大泉「おいやめろ」

モノクマ「とにかくみんなはここから出れません、以上!出たかったら殺ってください!それじゃーねー」

ひゅうううんっ


大泉「………なんだったんだ、あいつ」

霧切「誰かを殺せば、学園から出られる…ね」

苗木「あんなの、うそ……だよね?」

葉隠「そ、そうだべ、きっとオリエンテーション」

十神「そんな事は問題じゃないだろう?」

大泉「…なんだい十神君。君は何が問題だと思う?」

十神「………この中の誰かが、今のバカバカしい話を真に受けてしまうかどうかだ」

大泉(…その通りだな。もしあれが事実であれ、嘘であれ…だからって人は殺したらダメだ)

大泉(俺達は全員で互いを見合った。)


大泉(………十神だけ、見てたら笑いそうになるから見れなかった)

※芸人とシェフと演劇部で迷って、実際に死人出そうだからシェフにした
※今日はここまでにする。おやすみさん

※料理人とシェフは若干意味合いが違います
※と言うか料理人と【シェフ大泉】を一緒にしてはいかん

ーーーーーーーーーーーーーーー

【Chapter1】

クイキル
(非)日常編

ーーーーーーーーーーーーーーー

大泉(…俺達はしばらく睨み合っていた)

大泉(そうだよなぁ。あんなテンションで話が進んだんであんまり信用してなかったけども)

大泉(…俺達は【人を殺せ】と言われたわけだ)

大泉(それもこの中の誰かを)


霧切「ねぇ」


大泉(そしてそんな沈黙を破ったのは、霧切響子だった)


霧切「いつまでこうしているつもりかしら…私、大泉さんのお話を伺いたいのだけれど?」

十神「そんな自己中心的な理由でこの場を押し切れるとでも?」

霧切「思うわよ。そもそもこの時間が無駄だって、あなたも分かってるはず」

十神「………」

セレス「ところで」

大泉(っと!セレスさんったっけ?)

セレス「こちら、電子生徒手帳を確認していただけませんこと?中に校則が載っていますわ」

大神「ほう……」ぴっ

桑田「なんかめんどくせぇな…」ぴっ

大泉「どれ?」ぴっ


大泉(電子生徒手帳を起動する。………改めて俺生徒じゃねーよと思いながら、さて)

大泉(そこには確かに校則が載っていた)

1・生徒と【ゲスト】はこの学園内で共同生活を送る事。期限はない。
2・夜の10時から朝の7時までは【夜時間】。その時間内は立入禁止区域がある。
3・就寝は寄宿舎の個室でのみ可能、他の部屋での故意の就寝は罰する。
4・希望ヶ峰学園について調べるのは自由。
5・学園長【モノクマ】への暴力は禁止。また【監視カメラ】の破壊も禁止。
6・仲間の誰かを殺した【クロ】は卒業出来る。が、誰にも自分が【クロ】だとバレてはいけない。

大泉「………なお、校則は順次増えていく場合があります……と」ぴっ

大泉(………寄宿舎?寄宿舎…ねぇ、泊まれる場所があるって事かい)

十神「妙だな…」

霧切「【誰かを殺したクロだとバレてはいけない】…ね」

苗木「なんでバレちゃいけないんだろう」

大泉「…罰ゲームでもあるんでないの?バレたら」

十神「そんな簡単なもので済めばいいがな」

大和田「ちっ…さっきのあれみてーなのがあるかもしれねぇって事だろ…」

大泉(あぁ、そういや大和田君…あのままだったら、モノクマが爆発したのに巻き込まれるとこだったもんなぁ)

大泉(いやぁ、僕の子猫ちゃんが優秀でよかっ…それはともかく…)

十神「全く、お前のようなプランクトンのせいで俺が迷惑を被る」

大和田「………ぁあ?」びき

大泉(最近の高校生って大人っぽいのねぇ、随分)

十神「プランクトンはプランクトンだろう…大海には何の影響もない、小さな存在だ。俺とは違う」

大和田「テメェ…何様のつもりだ…」

大泉(………おいおいおいおい、いきなり乱痴気騒ぎか?冗談じゃねーよ勘弁してくれよぉ)

十神「ふん、この程度の挑発で頭に来たのか。安い男だな」

大和田「---っ!」

大泉「はいはいはいはいストーーーップ!ストップ!」ばっ

セレス「……そうですわよ、十神君も大和田君も…こんな時間が一番勿体ありません」

山田「あのー……ですが、これからどうしたら……」

石丸「と、とにかく探索するしかあるまい…大丈夫!絶対にここから出られる!」

朝日奈「………そうだよね!こんな事になって、警察が動かないわけ無いんだから!」

大泉「だべ?そうだよ……あんなねぇ、爆発かなんかで脅そうったって無駄ですから」

不二咲「じ、じゃあとりあえず……行けるところに行って見る…?」

十神「………ちっ、興が削がれた」こつこつ

石丸「む?どこに行くのかね?」

十神「探索するんだろう?お前らは勝手にやっておけ…俺は俺で探索を進めさせてもらう」こつこつ…

大神「……む……であれば、我らも手分けして探索に向かうべきか」

腐川「………」

桑田「っしゃー!そうと決まればさっさと行こうぜー!…こんなとこずっといられるかっての」

江ノ島「だよねー。あー、マジうざ…」

大泉「………おい、なんて言うかみんなあれだな?最近の子はあれだな?協調性がないな」

舞園「かも、しれませんね…ふふっ」



大泉(ぞろぞろと生徒は体育館から出て行く)

大泉(そういやぁ僕の子猫ちゃん、と思って振り返ったのだが、)

大泉(そこには既に、霧切響子は影も形もなく………)

大泉(………)

大泉(………あれ?俺、ひとり?)

※朝ここまでやで
※のろのろ更新やで
※パイ生地腐るわ

>>34
※なんか違うなと思ったらやっぱり違ったので訂正

×【上杉 周太】(こっちは間違い)

○【上杉 周大】(こっちが正解)

全国のブギウギ専務ファンに謹んでお詫び申し上げます

※全国の子猫ちゃんありがとう
※安価は無しにしようねぇ

ーーーーーーーーーーーーーーーー

大泉(…ひとりにされた俺は、そのあとぶらーっと校内をあちこち回った)

大泉(大神さんが鉄板に強烈なツッコミを入れていたのを見て、ああ、あれはいい漫才師になるな、と思いました)

大泉(……いや、そんなボケはいいのよ)

大泉(校舎の方は大して見るものもなくて、随分と肩透かしを食らった)

大泉(…保健室?みたいなとこにテープが貼ってあったのも気になるけど、この北海道の大スターを通さないってんだから誰も入れないだろうねぇ)

大泉(あとあれだ、玄関。ありゃ完全に塞がれてんな。出れない出れない。しかも上にはマシンガンと来た)

大泉(…まぁあの爆発の後だ、本物…でしょうなぁ。僕も撮影で銃は見たり使ったりしたけども…それでもあれは【撮影用の銃】だからなぁ…)

大泉(そのあとはなんと、寄宿舎っつうみんなの寝泊まりするとこを見て回った。なんかねぇ、個室は全部防音なんですって奥さん。なにしてもバレねぇな?)


大泉(ちなみに俺の部屋、どこにあるか教えてやろうか)


モノクマ『大泉君の部屋?ああ、急いで作ったからなぁ…一応そのマップ見てよ。ほら分かるでしょ?』

モノクマ『そのトラッシュルームの横んとこだから。デッドスペース使って人の部屋作るのって疲れんだよね』

モノクマ『すずむしは黙ってトラッシュルームの横にいなさいよ』


※Tips…【すずむし】
【水曜どうでしょう】において、ディレクターであるはずの藤村忠寿(ふじむら・ただひさ)から言われるあだ名。
とある企画内で大泉があまりにも的外れなコメントをした事から、
「すずむしぐらいの 脳みそしかねぇから そんな事しか言えねぇんだ」と罵倒された事がきっかけである。


大泉(正直カチンと来たが僕は大人だ、モノクマに自ら手を出して殺される、なんて真似はしない)

大泉(……とまぁ、色々あって俺は今何をしているのかと言うと、学園内を見回った学生達の報告を聞いているところだった)

◆寄宿舎内、食堂


石丸「---と言うわけで、これで大体の報告は終わったな」

十神「………」

苗木「そうだね……」

大泉(俺はひとりでぶらぶらしてたからねぇ、君らの報告してくれた事っての、大体見ちゃってたんだよなぁ)

大泉(見てないのは厨房くらいかね)

不二咲「やっぱり…これって、どこかに閉じ込めらてるのかなぁ…」


ぎぃっ

大泉(そんな僕達の和やか?な報告会は)

霧切「………待ってちょうだい」

大泉(遅れてやって来た彼女によって崩れた)

十神「霧切…お前、今までどこにいた」

霧切「そんなのどうでもいいでしょ?それより…」

ぱさっ……

大泉「何だい、こりゃあ」

霧切「学園にあったのよ…」


大泉(………僕達の前に広げられたのは)


※参考画像↓(Amazon)
http://www.amazon.co.jp/dp/B00FFTQRWG/ref=cm_sw_r_tw_awdl_GA1Gtb06RHX5C



大泉(【水曜どうでしょう祭 UNITE2013】のポスターだった)

霧切「………」

苗木「………え?」

桑田「なにこれ…シュールギャグ?」

舞園「さ、さすが霧切さん…クールな表情を崩さずにそんなものを出すなんて…」

大泉「………霧切さん」

霧切「間違えたわ」キリギリッ

十神「お前、ふざけているのか?」

霧切「ふざけてなんかないわ。こっちが本命」ぱさっ

セレス「それは?」

霧切「………この建物の地図よ。やはり【希望ヶ峰学園】のようね」

大泉「………そっから立て直すのは無理じゃないかなぁ、霧切さん」

霧切「とにかく、ここが希望ヶ峰学園である事は間違いないわ」くるくるくる

大泉(そう言いながら彼女は【水曜どうでしょう祭】のポスターを丸めている。おい、あいつ持ってく気だぞ)

十神「お前…どこからそんなものを?」

霧切「どこだっていいじゃない……」

大泉「おいおい、冷たい事言うじゃないかよ霧切さん?」

霧切「…いくら相手が大泉洋とて、言えない事もある…分かってください」

大泉「まぁ………乙女の秘密は暴かない主義でね」

山田「しかし、これで情報も【打ち止め(ラストオーダー)】ですか…」

朝日奈「だ、大丈夫だよ!きっと警察が動くに違いないから!」

不二咲「でもぉ…も、もし、警察が来なかったら…」

大和田「………ちっ」

腐川「どど、どうせあんた達…あ、あたしを殺そうと思ってるんでしょ…」

石丸「みんな!何を言っているのだ!」

大泉(うーん…疑心暗鬼になってんなぁ、みんな。一時期の騙されすぎた俺見てるみたいで切なくなるよ)

セレス「して、皆さん?ここで私から提案があるのですか?」

石丸「セレス君っ!発言する時は手を挙げたまえと……」

セレス「……分かりましたわ、これでよろしくて?」ひょい

石丸「うむ!で、何かね?」

大泉(めんどくせぇなぁ、もー…)

セレス「校則……皆さんもう確認されましたよね?」

セレス「これを破ればどうなる事か分かりませんわ…」

霧切「そうね…3夜連続深夜バスに乗らされるかもしれないし」

※Tips…【3夜連続深夜バス】
【水曜どうでしょう】が5周年を記念して開催された一大企画。
【深夜バス】(正しくは夜行バスだが、番組では深夜バスと呼ぶ)に3夜連続で乗るだけの旅である。
【オーロラ号(現在の高速はこだて号)】【ラ・フォーレ号】と、【キング・オブ・深夜バス】の名を誇る【はかた号】と
まさに深夜バス3幹部が集合した、深夜バスファンにはたまらない企画である。

霧切「もしかしたら、リアカーで喜界島を一周する羽目になるかもしれないわ」

※Tips…【リアカーで喜界島一周】
鈴井貴之が映画撮影のため、番組を半年程おやすみした後の復帰企画。2001年2月に放送された。
鈴井復帰により、どうでしょう班が正式に復活した最初の企画のため、みんなで一致団結の輪を描く事を目標に
鹿児島県は奄美群島にある【喜界島】を、4人で反時計回りに一周した。
出演者、およびD陣の怪我が相次いだため、リアカーの【山田君】を引っ張って喜界島を歩く事となった。

霧切「それともカブで日本を」

十神「やはりお前ふざけているだろう」

霧切「ふざけているのはどっち?あなた、着替えたみたいだけど…衣装が変よ」

十神「これは…部屋にこれしかなかったんだ!なぜ俺が【こんな格好を】…」

大泉「…それ【秀樹】だねぇ」

※Tips…【秀樹】
どうでしょうで最も有名な企画のひとつ、【サイコロの旅】の第二弾の時の、大泉の最初の衣装。
当初大泉は「西城秀樹のインタビューをする」と聞き、西城秀樹を意識した派手な衣装でロケに臨んだ。

セレス「……」いらっ

大泉(おやおやセレスさん、お怒りですか?)

セレス「………とにかく、私達はこの校則を守らねばいけません。が、ここで私からの提案です」

セレス「この校則に定められた【夜時間】…即ち、夜の10時から朝の7時まで、各々、外への出歩きをしない…」

セレス「…と言うものです」

石丸「ふむ、やはり学生は早寝早起きが一番だからなっ!」にこーっ

セレス(ちげぇよ黙ってろ)いらっ

大泉(セレスさんって短気なのかね。ポーカーフェイス作ってても、雰囲気が違うって)

葉隠「……夜の出歩きを辞めて何になるってんだべ」

十神「牽制のつもりか、セレス」

セレス「ええ、そうですわ?だって---」

セレス「お分かりですか?今のままでは皆さん、怯えるだけではありませんの?」

セレス「…夜になるたびに、誰かに殺されるのではないか、と…」

苗木「………!」

大泉「はぁー……なるほど、なるほど?それは思いつかなかったなぁ」

セレス「バカにしてらっしゃいますの?」

大泉「いやいやとんでもない、それはいい案だなぁと思っただけじゃあないですかぁ」

大泉「それとも何だい?君は…」

大泉「…自分でそう言うルールを作っといて、自分で破る方法でも考えてるとか?」

セレス「ふふっ、どうでしょうね」

大泉(やっぱセレスさんこえーなぁ…何考えてんだかさっぱり分かんねぇわ、これ。ただ多分頭いいんだろうなってのは分かる)

大泉(でもねえ、ルールは常に変わるんだよ?セレスくぅん。それが僕らだからねぇ)

セレス「ですが、悪い提案ではないでしょう?」

朝日奈「うーん…確かに…」

江ノ島「アタシを殺ろうとか考えてる奴がいるかもしんないって事!?」

大泉(江ノ島さん、その反応若干遅くね?)

大泉(…しかしダメだな。実感ないとは言え、殺人強要された後だ。みんなビビってるのは変わりない)

大泉(そして、誰もがセレスさんの【夜時間は出歩かない】と言う提案に乗っかる。なるようにしてなった展開だねぇ)

十神「ふん…とにかく、俺はもう行く。どうせまもなく夜時間、とやらだしな」

石丸「もう、そんな時間だったのか…」

十神「お前らはお前らでせいぜい仲良しごっこでもやっていろ……」すたすた

腐川「……っ、ど、どうせあたしを殺ろうって魂胆なんでしょっ…!殺されないわよ…」ふらふらっ

石丸「こ、こら!ふたりとも!まだ話は終わって---」

桑田「ならここで終わりでよくね?なんか区切りもいいしよお」がたっ

石丸「……そう、かね…?」

大泉「だな。長話とかあんまり好きじゃないのよ、僕」

大神「では、各々は部屋に戻り就寝する…のだったな」

霧切「ええ、そうね…」

セレス「それでは皆さん、ご機嫌よう」

苗木「おやすみ、みんな……」

大泉(……そのまま、なし崩し的に報告会は終わった。正直途中寝てたけど気づかれなくてよかった)

※Tips
大泉さんは、寝ていても目が開いているタイプの人です。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

◆個室、大泉の部屋

大泉「はぁ…」

がちゃ

大泉「唯一の救いは、ここがシングルベッドって事かね」

大泉「昔はツインルームの4人使用なんてのがザラだったからなぁ…」


※Tips…【ツインルームの4人使用】
前述の【喜界島一周】での一幕。
経費を削減するために、ツインルームにどうでしょう班4人で泊まる事となったのだが、
その部屋に元からあった「質のいいベッド」と、急遽搬送した「質の悪いベッド」を巡り攻防が繰り広げられた。
夜は「質のいいベッド」に大泉・鈴井、「質の悪いベッド」にDの2人が寝ていたのだが、翌朝カメラを回すと、
「質のいいベッド」に鈴井と藤村、「質の悪いベッド」にDがおり、なぜか大泉は一番質の悪いベッドにいた。
もちろん一睡もしていない。
要約すると、カメラ担当Dの嬉野雅道(うれしの・まさみち)が大泉にベッドを代われと要求し、彼はベッドを泣く泣く交換したのである。
そうした事件があり、早朝から立腹する大泉が放ったのが上記の台詞である。
ちなみになぜこうなったのかと大泉が抗議した結果、「大泉君が一番若手だから」と言う答えが返って来たため、
大泉はさらに「君達といる限りねぇ、僕はいつまで経っても若手だよ」とボヤく事となる。


大泉「………しかもいいベッドだべや。いやぁ、やっぱりスターは優遇されるべきだよねぇ」

モノクマ「みんな同じベッドだけどね?」

大泉「あっそう…」

モノクマ「うん」

大泉「………」

モノクマ「………」

大泉「………なんでいるのよ」

モノクマ「面白そうだったから」

大泉「面白そうだった、って理由で人のプライバシー勝手に侵害してんじゃないよ」

モノクマ「監視カメラがある時点で、プライバシーも何もないでしょ?」

大泉「言うねぇ、君ぃ…いいのかい?僕が監視カメラにあんなものやこんなもの写しても」

モノクマ「それはちょっと困るかもしれないけどさ」

大泉「安田だったら多分真っ先に脱いでるぞ?」

※Tips…【安田】
NACSの2番手、安田顕の事。またの名を【平成の怪物】、【onちゃん】。
よく呑み、よく脱ぐ。あまりに脱ぐので付いたあだ名は【NACSちんちん】。事実なので仕方が無い。

モノクマ「ほんと君達の監視出来ないからやめてくんない?」

大泉「っちゅうか何よ、ほんと。何しに来たのよ」

モノクマ「いやねぇ、こんなとこに部屋作ってごめんねって言いに」

大泉「今更すぎるべや」

モノクマ「ほんとならもっといいところに作る予定だったんだけどさ、ほら、大泉クンの存在ってほんとイレギュラーだったわけ」

モノクマ「ぶっちゃけ誰よりも驚いてるんだよ?ボクが一番」

大泉「………ん?それってまるで、俺以外は初めっからここに閉じ込める気でした…って言ってるようなもんだけど」

モノクマ「さぁ、それはどうかな?」

大泉「なんだよ、連れないねぇ」

モノクマ「ああ、そうそう…【シェフ大泉】のために素材はしっかり用意しとくからさ。明日にでも、厨房見に行ってよ」

大泉「………そうかい」

モノクマ「ま、キミなら毒がなくても【毒より強い毒(りょうり)】作れると思うし!期待してるよ!!」

大泉「…あんまり言うとなぁ、モノクマ…お見舞いするぞ」

モノクマ「やめてよぉ、半生の鯛の塩焼きとか最悪だから!」

※Tips…【お見舞いするぞ】
【シェフ大泉】の決め台詞的なもの。
彼の料理は(ほとんどの場合)もはや罰ゲーム、と言うか毒である。
言い間違いから定着した【ピストル大泉】の異名のごとく、強烈な料理を繰り出す事を、技を浴びせる事にかけて
【お見舞いする】と言うようになった。
なお、【半生の鯛の塩焼き】は、大泉が実際に作った料理。試食のプロこと安田顕を以ってしてドン引きしていた。

大泉「って言うか詳しいな、君も。もしかして子猫ちゃんなのかい?」

モノクマ「なわけないでしょ。生徒やゲストの事を知ってるのも学園長の務めですから?…じゃ、そろそろ行くよ」

大泉「おう、もう二度と来るなよ」

モノクマ「…おやすみ、大泉クン」

どひゅーーんっ

大泉「…あいつどっから来たのよ…」

ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

大泉(…ベッドはいいはずだったのに、なぜだか俺は眠れなかった)

大泉(胸騒ぎがする、と言うか…なんて言うか)

大泉(……仕事がなくなった。その言葉が、大きくのしかかっていた)

大泉(仕事が、なくなった。……そんなのあり得ない。あり得ない……)

大泉(あり得ない、はずなのに、それが頭から離れない。なんでだ?なんでだよ)

大泉(……鈴井さんは?藤村さんや嬉野さんは……安田は、モリは、シゲは、音尾は?…ドラマは!映画は!!バラエティは?!)

大泉(……嫁は……娘は……)

大泉(あいつらは何してんのよ?あいつらの仕事もなくなったってのかい?)

大泉(……そもそも……無事、なのか……?)

大泉(……分かんねぇ事が多すぎる。分かんねぇ事が…そして、確かめようにも外には出れないと来た)

大泉(ちくしょう、こんなの旅出る前よりなんも分かんねぇじゃねぇかよ…)

大泉(などと思いながら、一体何時になったか…それも覚えていられないほどの時間が経ち……)

大泉(いつしか俺は……)

大泉(……眠っていた)

ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー
◆2日目、朝


ピンポーン


……もそもそ


ピンポーン


大泉(……ん……)


ピンポーン


大泉(…あれ、俺いつの間に…寝て、た?)


ピンポーン


大泉「………っるせぇなぁ朝から」

がちゃ……

大泉「………はぃ」

石丸「やぁ!大泉さん!おはようございます!」

大泉「」

石丸「日差しがないので朝と言う実感がないのが唯一残念なとこr」

ばたん

大泉「………」


ピンポーン


大泉(………ですよね)

がちゃ

石丸「なぜ突然扉を閉めるのですか!」

大泉「…いきなり大声出されたら誰だってビビるしょや…後ろからじゃないだけマシだけどね」

※Tips
大泉さんはかつて、四国の寺で後ろから近づいてきたNACSリーダー・森崎博之の声で心臓が爆発しかけた事があります。
ちなみにこの森崎博之と言う人物、大声対決で牛に競り勝った事があるほどの大声の持ち主なのです。
(森崎博之については後述します)

石丸「それは気が効かずに済みません…つ、次からはあまり大きな声を出さないように…」

大泉「………それで、朝からどうしたの」がしがしがし

石丸「ええ、実はですね…みんなで朝食会を開こうと思うのですが」

大泉「朝食会?」ふわぁ

石丸「ええ。皆で共同生活を送るのですから、是非ともそう言った食事の場を毎朝設けようと言う試みです」

大泉「あらそう…いいじゃない…んで、全員来るのかい?」

石丸「部屋の順番からして大泉さんが最後でしたのでね!皆には既に声をかけてありますが…一部からは返答がありませんでした」

大泉「…なるほどねぇ…分かった、今行く…」

大泉(…石丸君はあれだねぇ…空気を読むってのは苦手だけど…ほんとにまっすぐな子だわ。今時珍しい位には)

大泉(ま、断っても旨味ねぇしな。俺も行くか…っても、ジャージしか着るもんねぇし…まぁジャージでいいか…)

◆食堂

大泉(俺が石丸君と一緒に食堂に行くと、既に数人生徒がいる。あれか、優等生タイプだな?)

大神「ふ、おはよう…」

朝日奈「あ、大泉だ!どっからどう見ても大泉だ!」

大泉「せめて「さん」は付けてくれねぇの、朝日奈さん?」

朝日奈「えー?大泉でも5文字で長いのに、さらにさん付けしたら長いじゃん!」

大泉「長いとか長くないとかの問題かねそれ?」

不二咲「お、おはようございますぅ」

大泉「わぁ不二咲ちゃん、おはよう…つーかまだこんなもんかい?」

石丸「もう一度呼びに戻るべきか…!」

大泉「いや、いいしょ、ほっときゃくるよ…さて」

大泉「朝食会に僕が呼ばれたって事はあれかい、石丸君?僕の料理を食べたいって事でいいね?」

石丸「な、なんと!?いきなり大泉さんの【伝説の料理】が食べられると言うのですか!」

大泉(君にとってぼかぁどんな存在になってるんだい?)

朝日奈「え?でもさぁ、確か大泉の料理って---」

がちゃ

苗木「お、おはよう!」

大泉「おお、苗木君。おはようございまぁす」

大泉(そのあとは次から次へと生徒が来る)

大泉(これはつまり)

大泉(………【お見舞いしろ】って事だろう?)

◆厨房

大泉「………いよぉーし……作るぞぉ」

大神「我らに手伝える事はあるのだろうか……、大泉よ……」

大泉「…んー…ない!」

大神「………そうか」

大泉「とりあえずねぇ…そうだね、昼までには出来るから」

大神「」!?

大泉「そうだねぇ…今回はあれかな?【スープカレー】なんてのはどうかな?」

※Tips…【スープカレー】
大泉を始め、TEAM NACSの好物。
大泉は好きが講じて【大泉洋のスープカレーのスープ】を作ったり、【本日のスープ】と言う曲を書いたりしている。
北海道発祥のソウルフードで、カレールーをスープ状にした中にゴロゴロと大きく切った野菜が入っている事が多い。

大泉「大丈夫大丈夫、スープカレーは不味くなり得ないから!」


………スープカレーは不味くなり得ない………
この慢心が、のちに大泉洋の首を絞める事になるとは、思いもよらなかったのである……

朝日奈「大泉さぁ、料理作るとか言ってたけど……全然出て来ないよ?」

大和田「腹減って来たな……」

がちゃ

霧切「おはよう…あら?大泉さんは?」

葉隠「大泉っちなら、確か厨房にいたと思…え?」

霧切「………!!」わなわなわな

苗木「ど、どうしたの?霧切さん」

霧切「ま、まさか…大泉さん、作って…作っているの?料理を…」

舞園「き、霧切さん、そんなに震えるような事ですか?それって…」

霧切「………」さあぁっ

苗木(霧切さんの顔が青ざめている…)

霧切「………今はまだ………朝ね。みんな……覚悟して頂戴」

霧切「彼の…【シェフ大泉】の料理は………恐らく、昼までは出て来ないわ」

ざわっ……

セレス「…ひ、昼?ですか…こんな時間から調理して…昼?」

霧切「あの男は、北海道のイベントで400人分のカレーを作った時こそ制限時間内に収めたわ。けれど」

霧切「あれはオクラホマの力あってこその行為」

※Tips…【オクラホマ】
オフィスキュー所属のお笑いコンビ。
太っている方・河野真也と、天然ボケの方・藤尾仁志からなる。
大泉の舎弟的な存在であり、大泉のラジオ番組のアシスタントを務めたことも。

霧切「ひとりで16人分作ろうとして、いつも通りに行けば昼…に出来ていれば御の字ってところね」

桑田「………げ、マジかよ」

江ノ島「バッカじゃないの…!?」

霧切「今はただ、待つしかないわ…美味しい料理が出来るのを、ね…!」ごくり

※非日常編まで行くつもりだったのに行けない…!
※このあと日常パートを過ごして、色々あります
※果たして大泉さんは、第一の事件を止める事が出来るのか!乞うご期待!

※おやすみさん

※昔に比べたら、大泉さんの料理は上手くなってた…はず…

※数年前に見た件の400人分のスープカレーは、真夜中から調理してようやく間に合った…
いや、あれ間に合ったに入れていいのか?いいんだよな?
スープカレーが味がしなかったり、しないからって香辛料入れたらむせちゃうくらいの辛さになったりしてたけど
あれ間に合ったって事でいいね?

ーーーーーーーーーーーーーーー
◆調理開始からまもなく1時間


大神(…ありえん…)

大神(何なのだ、こやつは…)


大泉「あとはねぇ、こうやって煮込むだけだから」

大泉「大丈夫だって!今回はスープに!なんと!【ベル食品】さんから発売されている!この!
僕がプロデュースした【本日のスープカレーのスープ】を使いますっ!」どどん

※Tips…【ベル食品】
道民なら恐らく、誰でもご家庭で1度はお世話になっている会社。【ジンギスカンのたれ】が有名である。
焼肉のタレは、北海道では【ベル食品】か【ソラチ】かで好みが分かれる。
CMソングの「べーるべるべる ベル食品♩」でおなじみ。


大神(なぜ野菜を切るだけでこんなにも時間がかかっているのだ?)

大神(しかも…素揚げ、と言ったか。切った野菜を油で揚げたようだが)

大神(…カボチャが心なしか焦げていたようにも見えるのだが…言ってはいかんのだろう)



大神「して大神氏、それはあとどれほど煮込ん」

大泉「そうだね…野菜も肉も入れたし………1時間くらいかな?」

大神「………」

大泉「ほらぁ、スープカレーにはお馴染みのね、チキンが柔らかくならないから」

大神(あの肉も冷凍ものを使っていたが、多少まだ凍っていたのでは?)

すたすた

大神(………待ち兼ねた生徒達が、厨房までやってきた)

石丸「いつまで作っているのですか、大泉さん」

朝日奈「お腹空いてきちゃったよぉ…」

大泉「うん、あと1時間くらいで出来上がると思うよ」

石丸「」

朝日奈「」

大和田「朝飯は…バナナとかでもいいぜ、俺は…」

霧切「………大泉さん、私達は朝食を軽く食べて再び探索に出るわ。いいですか?」

大泉「そうかい?僕ぁもうこの鍋から離れらんないからなぁ、いいよぉ」

大泉「帰って来る頃にはちゃーんと出来てるから」

葉隠「……なぁ大泉っち、それカレーだよな」

大泉「勿論そうだよ?君ぃ、どこを見てそんな事言ってるんだい?」

葉隠「………メシは?」

大泉「ん?」

葉隠「いや、白飯は?」

大泉「………え?」

石丸「………」

朝日奈「………」

苗木「え?…今、えって…」

大泉「………」(動きが止まった)

葉隠「………まさかとは思うけど…忘れてたとか………」

大泉「大丈夫!今から用意しても間に合うから!」くるっ

苗木「忘れてたんですね?」

大泉「うるせぇなぁ!僕が間に合うってんだから間に合うんだよ!いいから探索に行きなさいよ、君達は!」

大泉「大体ねぇ、僕が調理するってんだから時間かかるのなんて皆知ってたでしょう?」

大泉「第一、今スープ煮込むのに時間かかるって言ったじゃない!その時間を利用してだよ、炊きたてのご飯で食べさせてあげようって寸法だっての」

大泉「それが何だい、君達はいきなり「白飯は?」だの「忘れてたんですね?」だのとやいやい言い出して…」

大泉「今から炊くっつってんだから安心して探索でも何でも行きなさいよ!」

苗木(逆ギレ。それもとてもとても見事な逆ギレだった)

霧切(これがあの【シェフ大泉】なのね…恥も外聞もかなぐり捨てて笑い出したい気持ちでいっぱいだわ…)ぷくくく

大神「…う、うむ、そのようにしよう…行くぞ、皆…」

石丸(これはどこから注意すればいいのだ?ぼ、僕の風紀が、倫理観が崩れる音がする)

ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー
◆それから数時間後、昼の食堂


霧切(あれから遅れてやって来た生徒などもいる。彼らと合流し、学園を見回ったのだけれど)


霧切「…どこにも脱出の糸口はない、わね」

苗木「くそっ…」

セレス「ところで皆さん、まもなくお昼ですが」

石丸「大泉さんの料理は出来上がったのだろうか」

霧切「大丈夫よ…大丈夫だと思うしかないわ」


<やべぇスープ味しねぇ!


石丸「…今、厨房から不吉な声が聞こえたのだが?」

霧切「大丈夫よ!」

苗木「ほ、ほんとに?」

霧切「ええ……昔NACSに振る舞っていた時はそれなりに食べられていたから」

※Tips
大体今から6~7年前位です。

大和田「それってよぉ…」


<出来たぁーっ!!


舞園「あ、出来上がったみたいですよ!」

苗木「ぼ、ボクがまず味見するよ…それまで舞園さんは食べないで」

舞園「え?」

石丸「折角の料理が冷めるではないか、苗木君…それに、僕から見ても調理の腕前はそれなりだった。」

石丸「恐らく、食べられないものは出ないはず…」

こつ…こつ…こつ…

霧切「来たわよ…【執行人】が…」

※Tips…【執行人】
【シェフ大泉】の異名のひとつ。
つまり、【おみまいする人】である。

※ちょっと二度寝してきます

こつ…こつ…こつ…


霧切「…彼が【炎の料理人】…」

霧切「料理を作るためだけに畑を耕し、皿を作り、パイ生地を2度も腐らせ」

霧切「挙句「調理していないものが一番美味しい」とさえ言われた、伝説の料理人」

こつ…こつ…こつ…


霧切「その名も、【シェフ大泉】」


こつ…こつ…こつ…

ぴたっ

苗木「………!」

セレス「あれが…」

大和田「お、おう…」



大泉「…ピストル大泉へようこそ」


大泉「撃ち抜くぞ!!」

どどんっ



※Tips…【ピストル大泉】
もともと【ビストロ大泉】の言い間違いである。
が、完成した料理がまるで拳銃に撃ち抜かれるかのような衝撃を伴うため、定着した。
【車内でクリスマス・パーティ】などでその勇姿を確認出来る。

大泉(不本意だが、大変不本意だが、僕もエンターテイナーの端くれだ)

大泉(僕に作られたイメージを崩すわけにはいかないのだ)

大泉(そう、霧切さん。この子猫ちゃんが僕に抱いてくれているこのイメージを崩すわけにはいかない)

大泉(ゆえに僕は、涙を飲んでピストル大泉として、スープカレーを作ったのだ)

大泉(そうだろう?そう言う事なんだ)

大泉(あ?誰だ?実際料理してもマズイもんしか作れねぇだろっつったやつ、おぉい、出てこいよ!)

※Tips
一応、美味しい料理を作る事もあります。
放送上カットされる事が多いようです。


石丸「お、おお、大泉さん……それで」

朝日奈「朝、ドーナツとバナナとリンゴしか食べてないからお腹ペコペコだよー!」

大泉「割と食ったなおい!」

桑田「そんなのいいから、さっさと飯食いません?」

石丸「だが……」

大和田「そうだな。飯はどれっすか」

石丸「………うむむ…」

大泉「こちらですよぉ、はい!僕のねぇ、特製スープカレーですよぉ」ことんっ

大泉「あぁそうだ、白いご飯も運んで頂戴」

大神「承知している」ことんっ

舞園「わぁ…美味しそうですよ!」

苗木「ほんとだ……匂いもいいし」

霧切「お皿にカレーの香り漂うスープと、素揚げした野菜がたっぷり、それに……大きなチキンレッグ」

大泉「ええ。今回はスープカレー初心者もいそうだから、シンプルに定番のチキンにしてみましたよぉ」

大泉「具材はカボチャ、ジャガイモ、ニンジン、オクラ、ブロッコリー、それとピーマン、レンコンをそれぞれ一旦素揚げしたのを盛り付け」

大泉「ジャガイモとニンジンはスープと一緒にねぇ、ちょっと煮込んだから多少は柔らかくなってるはずだよ」

大泉「チキンレッグも勿論、じっくりとろとろと煮込んで煮込んで……」

朝日奈「いただきまーすっ!」

石丸「こ、こら朝日奈君!まだ全員分の料理は出終わって……」

朝日奈「」ぱくっ

葉隠「気の早い子だべ」

朝日奈「」ぶふぉっ

苗木「!?」

朝日奈「~~~~~!?」じたじた

石丸「………え?」

大神「む?朝日奈?」

霧切(…来たわね!やはり!)

ぎぃ……

腐川「…なな、何よ…何の騒ぎよぉ…」

苗木「あ、腐川さん」

山田「その…こ、これから昼食と言う名の罰ゲームを執行するところなのですが」

腐川「何があったらそうなるのよ」

こつこつこつ

大泉「ほら、全員分あるからねぇ?お代わりもあるよぉ?」ことん

舞園「た、食べても大丈夫なんでしょうか…」

苗木「多分大丈夫……い、いや、ボクが味見するよ……」E:スプーン

苗木「」ぱくっ

大和田「な、苗木!」

腐川「何?ただご飯を食べてるだけ、じゃな」

苗木「」ぶはっ

腐川「!?」

苗木「かはっ、こほっ……!」

霧切(正直、この先の展開を考えたら笑いを堪えるのでいっぱいよ)かたかた

山田「ひいい!?苗木誠殿がむせてるぅ!?」

苗木「かっ………辛………!」

大泉「おやぁ、苗木くぅん」

苗木「」!

大泉「お水はここにあるよぉ…だからじっくり」

大泉「ゆっくり食べて行けよぉ…」ねっとり

苗木(コロシアイはもう始まってたんだな、ボクはそう思いました)

ーーーーーーーーーーーーーーー
◆それからしばらく


桑田「」

不二咲「」

大和田「」

腐川「」

苗木「」

朝日奈「」

山田「」

石丸「」

十神「」←巻き添えを食らった




死屍累々




江ノ島「ちょっと辛いけど…食べられない事もないかも」がつがつ

霧切「けほっ、けほっ…さ、さすがシェフ大泉…!」

大泉「あれあれ、みんなどうしてそんな無言になっちゃってるの?」

葉隠「お、俺はやめとこうかn」

大泉「まぁそう言わず食えよぉ…何か?僕の料理にケチつけようってんのかい?」

葉隠(いやいやあの光景を見て食べようって思うやつはいねぇぇぇ!!)

大泉「そう言わずにさぁ……おみまいされてけよ、葉隠くぅん」

葉隠(あ、俺死んだな)

江ノ島「あれ?なんでみんなそんな顔してんの?」

江ノ島「おかわりくださーい」

大泉「君よく食うねぇ、ギャル曽根みたいだよ」

霧切「そう言わず食べてごらんなさいよ、葉隠君?」

葉隠「」ぶふぉっ

ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー
◆2日目の夕方


石丸「結局、大泉さんの食事をおみまい?されて1日が終わってしまったな…けほっ」

江ノ島「はぁ?あんたら軟弱すぎんじゃないの?」

大和田(あんだけ辛いカレー食って平然としてるオメェは何もんだよ)

十神「……っ!俺は今まで何を…」

霧切「あなたはさっきまでシェフ大泉におみまいされていたの」

十神「どういう意味かさっぱり分からん、説明しろ」

舞園「うーん…でも、確かに辛いけどスープは美味しかったですよ」

大泉「だろぉ?いやぁ、アイドルは分かってるねぇ」

苗木(目が笑ってないよ舞園さん、ハイライト消すのやめて)

葉隠「」

不二咲(これが全部食べられたら強くなれるかなぁ……)

朝日奈「口直しにドーナツ食べよーっと!」

大泉「君、ほんと食うなぁ!」



大泉(と、こんな調子で試食会を開いていたら1日終わっていた。マジだ。本気だ)

大泉(まぁ僕が料理するったら時間がかかるのは当然の事だからねぇ。そこはみんな分かってもらわないと困るよ)

大泉(しかし高校生におみまいするってんで、ちょっと辛さ抑えたつもりだったんだけどな)

大泉(やっぱ味見しなきゃダメだな)

ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー
◆2日目、夜
◆大泉の個室


大泉「あっという間に夜か。うーん」

大泉(………どうも外の光がないと、今何時なんだか分かったもんじゃねぇなぁ)

大泉(だってそうだろう?今は夜だっつったって、もしかしたらそれは単に時計を弄って夜に見たててるだけかもしれない)

大泉(職業柄、僕ぁそう言う「演じる事」をやるわけだから…こう言った状況ってのは、どうも疑ってしまう)

大泉(果たしてそれは事実なのかと)


モノクマ「あのさぁ」

大泉「………なんだ、また来たのかい」

モノクマ「厨房になんかすごい辛いカレー置いてったの、君?」

大泉「あ、あー…まだ食い切らなくて残ってたかもしんねぇなぁ。それが?」

モノクマ「あれ殺人兵器じゃん。なに、どうやったらあんな風に作れるの?」

大泉「企業秘密だね。それにモノクマ、君は見てたんだろう?俺の作業風景をさぁ」

モノクマ「見てて分かんないから聞いてるんですけど?」

大泉「全く……なんだい、君は。おみまいされたいのかい?君が?それとも、君の中の---」

モノクマ「中に人なんていません!」

大泉「………ああ、そうかい。ならいいけど」

大泉「…って言うか出てけよ。二度と来るなっつったべや」

モノクマ「クマだけに?」

大泉「べやー?」

モノクマ「………」

大泉「………殺すぞ」

モノクマ「やめてよぉ(棒読み)」

ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー
◆3日目、朝


ぴんぽーん

がちゃ


石丸「おはようございます、大泉さん!料理はもうしないと言う条件付きにはなりますが、朝食会に来てください!」

大泉「おお、石丸君の笑顔が歪んでるよ。ぼかぁね、こんな純真な青年の笑顔を壊した事を一生後悔するかもしれんね」

大泉「分かった…朝食は作らないから、行こうか」

石丸「ええ!」

大泉「ちょっと支度するよ。待つの辛いなら、先に行ってても…」

石丸「いえ、それならば待ちましょう」

大泉「…ん?そうかい?」


がさがさ
じゃばばばは…


大泉(………あれ?昨日全員におみまいしたよなぁ?誰か抜けてるような……)


石丸「どうかしましたか?大泉さん」

大泉「……いや、ちょっとねぇ」

石丸「はぁ……」すたすた

大泉「それで、今日は誰が朝食作るってんだい?」

石丸「それはですね…」

ーーーーーーーーーーーーーーー
◆食堂


大神「おお、今日も早いのだな、大神氏」

大泉「…なんかむず痒いねぇ、その氏ってやつぁ…まぁいいか。んで、朝食は」

大神「今回は我と朝日奈が作らせてもらった。存分に召し上がってくだされ」

ことっ…

大泉(わぉ、和食セット。サバ味噌と味噌汁、ご飯、お漬物。シンプルイズベスト)

大泉(漬物はさすがにモノクマが仕入れたやつだろうなぁ。が、それ以外は彼女らの準備したものだ)ぱく

大泉「うまいっ!」

※Tips
大泉さんの食コメントはやったらめったら早いです。

大泉「味噌みそしてんなと思ったけどそんな事ぁないね、このいい塩梅のサバ味噌!」もぐもぐ

大泉「俺もさぁ、【豚一家】って呼ばれて全国いろんなもん食って来たけど、やっぱこういうシンプルな和食が一番うめぇなぁ」もぐもぐ

※Tips…【豚一家】
HTBのグルメバラエティ【おにぎりあたためますか】内のレギュラー陣の呼称。
大泉と戸次重幸、HTBアナウンサーの佐藤麻美の3人の事である。
彼らは常にロケで1日数件の店をハシゴするため、かなりの量を食べている。

大神「そう言って褒められるのが一番ありがたいものだ」

大泉「……んっ、お味噌汁もうまいっ!」

石丸「昨日は僕達がもてなされたので、今日は彼女らがもてなす、と言う話になったのです」

大泉「あぁ、そうだったの…うんうん、漬物も美味いじゃないの」

朝日奈「ご、ごめんね、漬物だけは出来合いのやつなんだけどさ」

大泉「いやぁ、でもこの食事にこれを出すって事が大事だよぉ。程よいバランスがたまらんね…そんでまた白いご飯がまぁ美味い」

大泉「炊き方にこだわったりとか?」

大神「否。我らは炭酸水を使って米を炊いて見たのだが」

大泉「………ほぉ、炭酸水ねぇ!」

朝日奈「炭酸が抜けないように注いで炊くと、ご飯がふっくらするんだって!」

大泉「いいじゃないいいじゃなぁい…いやぁ、最高!女子高生の手作り朝食最高ッ!」

※とりあえずここまでやで
※いつんなったら動機提示くんねんって思うでしょう?
※翌日です
※ちょっと休憩

さくらちゃんが大神氏って言ってるのはミス?

>>159
※それはミス。

>>155
※多分こっちが正解。ごめんやで。
ーーーーーーーーーーーーーーー
◆食堂


大神「おお、今日も早いのだな、大泉氏」

大泉「…なんかむず痒いねぇ、その氏ってやつぁ…まぁいいか。んで、朝食は」

大神「今回は我と朝日奈が作らせてもらった。存分に召し上がってくだされ」

ことっ…

大泉(わぉ、和食セット。サバ味噌と味噌汁、ご飯、お漬物。シンプルイズベスト)

大泉(漬物はさすがにモノクマが仕入れたやつだろうなぁ。が、それ以外は彼女らの準備したものだ)ぱく

大泉「うまいっ!」

※Tips
大泉さんの食コメントはやったらめったら早いです。

大泉「味噌みそしてんなと思ったけどそんな事ぁないね、このいい塩梅のサバ味噌!」もぐもぐ

大泉「俺もさぁ、【豚一家】って呼ばれて全国いろんなもん食って来たけど、やっぱこういうシンプルな和食が一番うめぇなぁ」もぐもぐ

※Tips…【豚一家】
HTBのグルメバラエティ【おにぎりあたためますか】内のレギュラー陣の呼称。
大泉と戸次重幸、HTBアナウンサーの佐藤麻美の3人の事である。
彼らは常にロケで1日数件の店をハシゴするため、かなりの量を食べている。

大神「そう言って褒められるのが一番ありがたいものだ」

大泉「……んっ、お味噌汁もうまいっ!」

石丸「昨日は僕達がもてなされたので、今日は彼女らがもてなす、と言う話になったのです」

大泉「あぁ、そうだったの…うんうん、漬物も美味いじゃないの」

朝日奈「ご、ごめんね、漬物だけは出来合いのやつなんだけどさ」

大泉「いやぁ、でもこの食事にこれを出すって事が大事だよぉ。程よいバランスがたまらんね…そんでまた白いご飯がまぁ美味い」

大泉「炊き方にこだわったりとか?」

大神「否。我らは炭酸水を使って米を炊いて見たのだが」

大泉「………ほぉ、炭酸水ねぇ!」

朝日奈「炭酸が抜けないように注いで炊くと、ご飯がふっくらするんだって!」

大泉「いいじゃないいいじゃなぁい…いやぁ、最高!女子高生の手作り朝食最高ッ!」

※まぁ大泉と大神と大和田いるからね。
これもiPhoneの予測変換が悪いんだよ。僕ぁ悪くないね。僕にSS書かせたらこうなるって君らも分かってただろぉ?

※ほんと大天使さくらちゃん、ごめんなさい
※謹んでお詫び申し上げます

※次からは気をつけるから、君達はちょっとスープカレーをおみまいされて待っててください

ーーーーーーーーーーーーーーー
◆3日目、昼
◆校舎1階、玄関ホール前


大泉「さすがに3日目、暇だねぇ」

大泉(調べられるところは調べ尽くしちゃったらしいし、生徒達も時間を持て余してるって感じかな)

大泉(………いやしかし、こんなにやる事ねーってのもきっと初めてなくらいやる事ねぇなぁ…)

大泉「…そういやぁ、【超高校級】ってどんくらいすげーんだろ」

大泉「基準が分かんねぇもんなぁ…ん?」


ばったり


桑田「あ?」

大泉「……お、桑田君じゃないですかぁ」

桑田「こんなとこで何やってんすか?」

大泉「いやね、やる事もないってんで散歩でも来たわけよ。君こそ何を?」

桑田「そ、それはいいだろ別に…」

大泉(おっとぉ?思春期のいけない遊びか?)

桑田「………それより!」

大泉「何よ、なしたのよ」

桑田「…もうあんな食いもん出すのだけは無しな?」

大泉「ははは、あれはジョークだよ?半分位」

桑田「料理にジョークとかあんすか?」

大泉「まあね」

桑田「分かんねぇなぁ、あんたが何考えてんのか…」

大泉「っくくく、大した事ぁないさ」

桑田「その大した事が既に俺の範疇超えてそう、っつーかなんつうか?」

大泉「言わんとする事は分かるけどねぇ。そんなに崇高な人間でもないって」

桑田「崇高とかよく分かんねっすけど…得体が知れねー感じ?」

大泉「…くくくく、あぁそう?僕ぁ言う方であって、言われる方ではないと思ってたね」

桑田「……どーゆー事っすか?」

大泉「いいじゃない、あとからゆっくり話すよ。ま、立ち話もなんだし、どっかで座ってお喋りしない?」

桑田「あー……」

大泉「それにひとつ聞きたい事もあったし」

桑田「聞きたい?オレに?」

大泉「うん、まぁ誰でもいいと言えばいいんだけど、君がいいかなぁ」

桑田「え、マジ何聞く気っすか…」

大泉「………あぁ、そっか。体育館にしようか。」

桑田「は?」

大泉「確かめたい事ついでだよ。体育館なら胡座でもなんでもかけるしょ?」

桑田「え?ああ、でも何で体育館…」

大泉「ほら、桑田君って【超高校級の野球選手】なんでしょ?」

桑田「…あ、その事っすか。ああ…」

大泉(野球って聞いて露骨に嫌そうな顔したねぇ。どんだけ嫌なの?)

大泉「え?もしかして俺にその実力見せんのいや?」

桑田「あー、そ、そう言うわけじゃなくって…」

大泉「なら素振りでも投球でも見せてよ、1回でいいからさ!」

※ほんとにちょっとやないか
※ほんまにおやすみやで
※夜来れたら来るで

なんと!今回は1さん、ちょっと書き溜めしてきましたッ!
でも桑田君との日常会話しか書き溜めて無いんだ…じっくりおみまいされてけよぉ…。

ーーーーーーーーーーーーーーー






体育館






ーーーーーーーーーーーーーーー

大泉(野球っつっただけですげー嫌そうな顔されたぞ?おい。どっちだ?出し惜しみしてんのか、それとも本当に…)

大泉(理由が分かんねぇしなぁ…もったいなくねぇか?褒められるもんがあるってのに嫌がるのは)

大泉(……さーて、どうやって彼のご機嫌をお伺いしたもんか………)


大泉「こう見ると普通の体育館なんだけどねぇ」

桑田「…まぁ確かに…」

大泉「これで殺し合いしろッ!なんて言われてなきゃよかったんですけどねぇ」はぁ

大泉「そしたらさぁ、桑田君も一緒に、ほらぁ。みんなでキャッチボールでもやりながら…ねぇ?」くるっ

桑田「………」イライラ

大泉「……ぉお?何、どうしたの?そんなイライラしちゃってぇ。体育館嫌い?」

桑田「いや、そんなんじゃ…」

大泉「あ、そうか…分かったぞ。こんなちっちぇえとこじゃ野球出来ねぇもんな!」

桑田「」!

大泉「やっぱ野球ったらグラウンドでやるもんだから、体育館しかねぇのがヤなんだろ、桑田君」

桑田「やんねぇ」

大泉「………何ィ?」

桑田「野球はもうやんねぇっすから」

大泉「あれぇ?どうして…」

桑田「嫌いなんっすよ、オレ。ああ言う感じの」

大泉(おお、いきなりのカミングアウト!僕もさすがに驚いちゃうなぁ…隠されるよりはマシだけど)

桑田「野球なんて泥臭いだけって感じしません?なんか無駄に頑張っちゃってっし、カッコ良くねーし…」

大泉「………」

大泉(そんな事ぁないけどねぇ。日ハムかっこいいよ?日ハム。稲葉選手とか、大谷君とかねぇ…あと多田野?)

桑田「だからオレ」

大泉「…おぉ」

桑田「ミュージシャンになりてーんっす」

大泉(…だから、の前後結びついてねぇぞ、大丈夫か?)

桑田「真澄じゃなくて圭祐の方のクワタ目指してぇっつーか…」

大泉「やりたい事と才能が必ずしも比例するとは限らない、ってやつ…ね」

大泉(なんかそんなセリフあったな。なんだったべ)

※Tips
【SPEC】と言うドラマで、安田さんがそんなセリフを言うシーンがありました。

桑田「そしたら…」

大泉「そしたら?」

桑田「………近所の美容室のおねーさんも、オレの事好きになってくれんじゃねーかと思うんすよね!」

大泉(思ったより理由がショボイ)

大泉(…いやいや、ショボくないショボくない。思春期ってのはそんなもんだよなぁ)

桑田「おねーさんはそう言うカッコわりーの嫌いそうだし?あんま野球興味ねーって言ってたし…」

桑田「だから、オレ…マキシマムカッケーミュージシャンになるんす!」

大泉(なんか新しい単語出てきたぞ、なんだ「マキシマムカッケー」って。その単語なまらだせぇ!気付け桑田!)

大泉(………待て待て、そう簡単に切れちゃいかん。俺ぁ大人だぞ)

大泉「…ミュージシャンねぇ…いい夢じゃあないの。何、桑田君、楽器弾けるの?」

桑田「いや全然」

大泉「!?」

桑田「オレはヴォーカルで…あとは適当にギター弾いてくれるヤツ探せば売れるっしょ」

桑田「そんでマキシマムカッケー感じに曲作って!売れる!どかんと!オレの才能ってそっちもあると思うんすよね!」

大泉「…確認だけど、それ本気で言ってんだよね?」

桑田「当たり前じゃないっすか!オレの歌でオリコン1位取る気満々っすから!」

桑田「そしたらすげーモテますよね!?」

桑田「ま、バンドなんて簡単に組めるもんですし?」






大泉「」カチッ




大泉(前言撤回、やっぱショボイわ)

桑田「な、なんすか大泉さん、そんな怖い顔しなくたって」

大泉「………僕の事務所にもね、バンドが何組か所属してんだ」

桑田「へ?」

※Tips…【事務所所属バンド】
CREATIVE OFFICE CUEアーティスト部門(A-CUE RECORDS)と言うものが存在する。
現在の所属アーティストは3組。

大泉「…だから、バンドってのがどんだけ大変かは、分かるつもりだよ」

大泉「君には覚悟があるのかい?」

桑田「お、大泉、さん?」

大泉「君が言ってたさっきのが本気なら、それだけ覚悟があるってこったろ?」

大泉「何があっても、どんな事があっても、絶対に…絶対に、音楽やめねぇぞってだけの、覚悟が」

桑田「……オ…オレは」

大泉「そうじゃないなら」

桑田「……っ」びくっ

大泉「簡単にバンドやれるとか、売れるとか言うなよ…!」

大泉(…【あいつら】は、それでも、何があっても…それでも絶対にやめねぇって言って続けたんだから)

大泉(ってやっちまったよ、おい。折角優しいお兄さんでいるつもりだったのに、もおぉ)

大泉(モノクマだ。モノクマが悪ぃんだよ、こんなとこに閉じ込めやがって)

大泉(だいたいモノクマは何がしてぇんだってんて話だよ。学生とっ捕まえてよぉ…)

桑田「……オレは、そんな…そんなつもりは」

大泉「………はぁー」がしがし

桑田「…っ、なんすか…いきなりキレて…」

大泉「んまぁ…君がそう言う事で、そう思う人もいるんでないの?って事だよ」わしわし

桑田「……はぁ」

大泉「いいね?そこは気をつけにゃならんよ。君が例えば、ほんとにやりたい事が見つかった時に---」

大泉「簡単だッ!こんなの誰でも出来るッ!って言われたら腹立つだろ?」

桑田「………はは、そっすね」

大泉(空笑いが虚しかった。ぼかぁね?シリアスな空気感を作る予定はなかったんだよ?)

大泉(ただね?僕だってね?そう言うところがあるんだよって言うのを全国の子猫ちゃんに見



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体育館前ホール








ーーーーーーーーーーーーーーー

大泉「おや、君らは」

舞園「大泉さんに…桑田君?」

苗木「どうしたんですか?体育館で…」

桑田「いや、オレのスイングが見たいっつーからバット振ってたんだよ」

大泉(概ね合ってる。あのあと素振りさせたからな)

舞園「………そうだったんですか」

大泉「ちゅうか、いつからいたの?全然気付かんかったけど…」

舞園「今来たところですよ、ね?苗木君」

苗木「え?えー…ああ、そ、そうなんです」

桑田「デートかっつーの…」ちっ

舞園「デートです。」

苗木「ふたりとも何言ってるの!?」

桑田「デートかよ!?おい、苗木ぃ!オメー舞園ちゃんと、で、デートだぁ?!」

大泉(………おや?なんだか僕は嫌な予感がするんだけどねぇ)

苗木「…はぁ、それじゃあ……そろそろ行こうか、舞園さん?」ごとっ

大泉「おぉい、何持ってんだよぉ!?あぶねぇじゃねぇか!」

舞園「摸擬刀です!」






摸擬刀






舞園「苗木君の部屋に置いておけば、護身用になるんじゃないかって」

大泉「そう言うさぁ、あぶねぇもんを振り回すんじゃないよぉ!」

桑田「ってか、なんでそんなもんを護身用に持ってこうとしてんだ?」

舞園「苗木君が変な人に襲われたら困るからですよ!」

大泉「普通逆じゃあないかね」

苗木「あ…」

大泉「…何よぉ」

苗木「手に金粉ついた…」

大泉「っはっはっはっはwwwww」←笑いながら崩れ落ちた

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書き溜めしゅうーーーりょーーーう
(ドラの音)

この後は書き溜めなしでゆっくり書くぞぉ。
ちょっと飯休憩だぁ。

まあ野球嫌いはともかく、美容院のお姉さんが~とか適当にバンドメンバー集めて~は
相手が苗木だからこその軽口だとは思うけどな。流石に芸能人の舞園の前で
そこまで堂々と赤裸々に言えるかな?

>>207
【悲報】大泉洋さん、桑田からただの面白いおじさんだと認識される

書き溜めしない、と言ったな。すまん、ありゃ嘘だった
なんか書き溜められそうだから、書き溜めて非日常編まで行けるようにしてきます。
おやすみなさい。、

なぁんと!今日は藤やんことかぶとむしこと、
鉄の玉を飲むおじさん・藤村忠寿の誕生日らしいじゃあないかぁ。
おぉい、びっくりしたぞぉ。
とりあえずなぁ、書き終わった3日目の終わりまでバッ!と投下するからなぁ。

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◆3日目、昼
◆玄関ホール


大泉(僕が芸能界の先輩として、桑田君に世間の厳しさをビシッと教えてあげました)

大泉(いやー、なんて優しいんだろうなぁ俺。…っても、あれモノクマも見てんだろ?)

大泉(恥ずかしいねぇ、せめて僕に対する認識は「イレギュラー」程度に抑えててもらえればよかったんだけど)

大泉(これでマークでもされてみろ?やりにくいぞぉ、色々と)

大泉(…しかし、いっこ気になる事が出来ちまったな…舞園さんがいりゃいいんだけど、あの後すぐ別れたし…)

ぴたっ

大泉「…ん?」

石丸「………」

大泉(玄関ホールに…石丸君?折角だからちょっと話して……っておい)

大泉(なんか男とばっかりつるんでんな…これじゃ、どうでしょうん時から変わってねぇよ全く)


※Tips…【どうでしょう班】
タレントの大泉・鈴井と、Dである藤村・嬉野の4人を合わせた総称。【旅のカリスマ】である。
男4人で様々な国に行くが、4人一部屋にされる事も多い(その際大泉は「ウィーアーオールメン」と抗議)。
「番組と言う利害関係で結ばれた4人」(藤村談。友人ではないらしい)
カメラの前では常に年功序列のない罵り合いが(主に大泉と藤村の間で)繰り広げられる。
実際は、大泉は藤村を「藤村さん」と呼び親しんでいるのだが、カメラの前では「ゲンゴロウ」「かぶとむし」呼ばわり。
一方、スタッフであるはずの藤村も、カメラが回っていると「すずむし」「地図の読めないバカ」と罵倒する。
また鈴井は大泉の事務所社長のため、立場は鈴井の方が上なのだが、時に鈴井のミスで力関係が逆転する事もある(【ミスターインキー事件】を参照)。

大泉「おい、おおい、石丸くぅん」

石丸「ああ、大泉さん?こんにちは!」

大泉「よう。君はこんなとこで何してるんだい?」

石丸「僕は…この扉に開ける方法が無いかどうかと思案していたところです。このままでは僕達は置いていかれてしまう…」

大泉「置いていかれる?」

石丸「学業ですっ!外では恐らく、勉強が進んでいるはずなんですからっ!」

大泉「ああ、まぁそうねぇ…」

石丸「……失礼しました。それで大泉さんは何をなさっていたんですか?」

大泉「僕ぁやる事がなくってぼーっとその辺歩いてんだけどさぁ」

石丸「そうでしたか…ぐぬぬ、大泉さんの仕事まで奪うとは、おのれモノクマ!」

大泉「そこまで怒らんでもいいんだけどねぇ」

石丸「ですが!」拳ぎゅっ

大泉「おぉい、なんだか温度感高いねぇ」

石丸「学生は学ぶ事が本分…それはこの校舎でも出来るでしょう」

石丸「学生は学生であるうちは学ぶべきなのですッ」

大泉「言わんとしてる事は分かるよ、まぁ…俺あんま勉強してなかったけど」

石丸「そして大泉さんは俳優と仰られていたので、演じるのが本分…」

大泉(本分なのかねぇ。楽しくはあるけどもね?)

石丸「ならば日々演技をすると言うのが常と言うものッ!」

大泉(その発想は分からん。って言うかそれ言い出したら、人間なんて常に演技してるもんなんじゃあないの?)

石丸「しかしっ!」

大泉(…何か突っ込みどころはいっぱいあるけど、とりあえず最後まで話聞いて見るか)

石丸「僕達相手に演技しても、それは練習にもならないでしょう!」

大泉「ん……?なんで?」

石丸「簡単な問題を解き続けても、新しく難しい問題が出た時に解けるとは限らない」

石丸「それと同様です。僕達のような素人相手に、大泉さんの技術を使っても…」

石丸「その力を引き上げる人物がいません」

大泉「…練習ってのは、必ずしも上手くなるためだけにやるもんじゃないと思うけどねぇ」

石丸「え?」

大泉「同じような問題を何度も解く…そしたら、その問題をより早く理解出来るようになる」

大泉「僕ら俳優ってのは【自分の中の引き出し】との勝負だ。それを増やすための努力に」

大泉「素人も玄人もいねぇって」

大泉(さすが俺、かっこいい事言ったよ今。子猫ちゃん達、聞こえてるかな?)

石丸「おお…なるほど!そんな考え方もあるのですね!今後の参考とさせていただきますッ!」

大泉(こいつほんとに意味分かってんのか?)

石丸「では、僭越ながら僕でお相手させていただきます!」

大泉「………は?」

石丸「どうぞやってくださいッ!」

大泉「…ちょーっと待った…ん?お相手?何の?」

石丸「演技の、です!」

大泉(わけがわからないよ)

石丸「大泉さんの本分は【演技】っ!ならば毎日、演技に勤しむ必要があるでしょうっ」

大泉(おまえはなにをいっているんだ)

石丸「ですから、ここは僕が相手となります。演技的指導をッ!見て見たいのですッ!」

大泉「………あぁたは充分演劇っぽいから大丈夫だよ、うん」

※Tips…【あぁた】
大泉、ならびにSTV(札幌テレビ放送。前述したHTBとはまた別の局)
のアナウンサー木村洋二(きむら・ようじ)が使う、相手の呼び方。

石丸「な、なんと…そうですかっ…!」涙ぶわっ

大泉(やっぱめんどくせぇ、こいつ!)

石丸「で、ではっ!大泉さん!やりましょうっ!」

大泉「よぉし石丸君、その前にまず座れ」



大泉(………その後石丸に、「俺別に毎日演技したいわけじゃねーから」と懇切丁寧に説明した)

大泉(まだ分かってなかったんであれだな。今度は【どうでしょうゼミナール】でも開講せにゃいかんか)

※Tips…【どうでしょうゼミナール】
通称【試験に出るどうでしょう】シリーズの設定、全3シリーズ。大泉は講師、生徒役に安田(日本史編は鈴井も)が参加。
通常のゼミと違うのは、問題として出る地理・歴史をフィールドワークとして現地で確認する点。
ただし第1回においては大泉は回答者であり、問題に間違えた時点で即拉致され現地に連れて行かれていた。
その際、安田は大泉が試験で合格点を取るまで、司会としてスタジオに監禁を余儀無くされた。
いずれも罰ゲームは【四国八十八ヶ所巡礼】である。
なお大泉は【高校地理歴史】の教員免許を取得しており、自身もまた歴史が得意科目である。

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食堂





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大泉「うどん!」


※Tips…【うどん】
どうでしょう班、もしくはNACSリーダー・森崎博之の好物。
彼らは【四国八十八ヶ所】巡礼などをした事があるのだが、その時の食事は香川ではうどんと決まっている。
上記の四国の寺巡りすら、うどんのためだけに行程や日程を変えようとしたほどまでである。
なお、以前の大泉の映像を使いまわし「寺に行った事にした」と言う既成事実を作ってまでうどん屋に行こうとした結果、目当ての店がその日は定休日だった事がある。
森崎に至っては「1杯80円のうどんを食べるためだけに、北海道と香川を往復する俳優」などとして知られ、
結果「UDON」と言う映画出演が決まったほど(ユースケ・サンタマリア主演。詳細は割愛)。


ずるるるっ


大泉「うまいっ!」


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◆大泉の部屋

大泉「まーたいちにち終わっちまったよぉ…そんなに話し込んでたかねぇ」

モノクマ「喋ってましたよ大泉さん、あなたずっと」

大泉「おぉ?見てたのか君ィ」

モノクマ「なんであんなに喋れるの?すごいよねぇ」

大泉「僕ぁほら、昔アメリカでスタンダップ・コメディのカリスマだった時期があるから」

モノクマ「え?そうなの?」

大泉「そうだよぉ?何、知らない?モノクマ君知らないの、僕の子猫ちゃんだってのに」

モノクマ「ボク、クマなんですけど…それはともかくさ」

大泉「なんだぁ、知らんのかぁ?僕がラズベリースタジオっつぅちっちぇえ小屋からコメディを始めてね、」

大泉「最終的にキャッツと、キャッツとおんなじホールでひとり喋りしたんだからw」

モノクマ「………その時は芸名か何か名乗ってたの?」

大泉「んん?」

モノクマ「だから、芸名かなんか名乗ってたの?って」

大泉「…おぉ、そん時は確かね」

大泉「オオイズミ・リッチー」

モノクマ「………www」

※Tips
大泉さんはホラ話、即興のウソ話がとても得意です。

大泉「………くっくっくっくっw」

モノクマ「あぁwそうだったんだ…www」

大泉「笑ってる場合じゃねぇよぉ!おめぇいつ俺の部屋入ってきたんだよ!」

モノクマ「最初からいたよ今日は!」

大泉「うるせぇなぁ!さっさと帰れよ!!」

モノクマ「大泉クン、こわーい」

大泉「だからwww帰れってwwwおい!!」

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まずここまでだぁ。
残りは行けたら夜来るぞぉ。
覚悟しろよぉ?

どうしてもやりたいところまで出来ましたよ、君達ぃ。
短いけどおみまいされてけよぉ。

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翌朝







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◆4日目朝
◆食堂


大泉(石丸君達はすでに集まっている。…おや、腐川さんと十神君と…子猫ちゃんがいないね)

朝日奈「おはよう大泉ー!」

大泉「そろそろさん付けしてくれ」

朝日奈「やだ!」

大泉「」カチッ

舞園「あ、おはようございます」にこ

大泉「…っと、おはよう舞園ちゃん。いやぁ、朝からかわいい顔を見れて僕ぁ幸せだ」

舞園「ふふっ、おだてても何も出ませんよ?」

大泉「………ああ、ところで舞園さ---」

舞園「すいません、今は朝ご飯の支度があるので」ぺこ

大泉(っと、なんだか僕の言いたい事を読まれたみたいに言葉を区切られた)

大泉「…おや、今日の朝ご飯の担当してらっしゃるの?」

舞園「はい!と言っても……トーストの準備ですけどね」

大泉「いやいや、それだけでも充分だよぉ?」

舞園「あ、コーンスープも持ってきます!」たったったっ

大神「コーンスープも既製品しかなかったようだ…すまぬ」

大泉「それにしたって、意味があるんだよ!舞園ちゃんが用意するって事に…だ」

桑田「現役アイドルが飯作ってくれるんだぜ?こんなのもう一生ねぇよな!」

山田「ですが僕は揺るがない!ブー子にご飯を作ってもらいたいものですなっ!」

葉隠「舞園さやかの作った料理を食べられる券とか作ったら多分すげー値段で売れるべ!」

大泉(この状況でそんな事しか言わないお前は死刑だ、葉隠)

大泉「さぁて、舞園ちゃんの用意してくれたトーストを…おや」

苗木「大泉さん、おはようございます」

大泉「おーぅ、おはよう。昨日はあのあとどうだったんだい?」

苗木「え?……あ、きょ、今日の朝はトーストが」しどろもどろ

大泉「デートだったんだろ?」

苗木「……違いますよ!ボクはただ舞園さんが、護身用の武器がいるんじゃないかって…言うから…」

大泉「コロシアイしろって言われてるからかい?」

苗木「…ええ、まぁ」

大泉「んなもんどう考えたって建前でしょうよ、苗木くぅん。現に誰もコロシアイなんて真に受けてないよぉ?」

「今はな」

こつこつこつ

大泉「…おや…十神君かい?」

十神「待て!ふ、振り返るな!」

苗木「え、どうして---」くるっ






十神「……」←黄色の全身タイツ着用






大泉「」
苗木「」
生徒達「」




!?





十神「………目覚めたら………部屋にこれしか服がなかった」

十神「モノクマぁ…、あいつは潰す…絶対に土下座させてやる…」ぎりぎり


※Tips…【黄色の全身タイツ】
どうでしょうでは【簡易onちゃん】と言う、頭にonちゃん(らしきもの)を被った時の衣装として安田が使用。
その後【トリオ・ザ・タイツ】と言う漫才トリオのキャラクターでも安田が着用している。


セレス「遅れて来てみれば凄い事になっていますわね…十神…君?」

十神「引くな!俺だって…俺だってこんなもの着たくなかったし、この時間にここに来たくはなかったんだ!」

朝日奈「でも随分似合ってるよ?」

不二咲(あれが男になるって事なのかなぁ)

十神「俺はモノクマに集中攻撃を喰らい、致し方なく出てきただけだ…」

※Tips…【集中攻撃】
前述の【どうでしょうゼミナール】における、【集中講義】の言い間違い。
その後のレクはまさに【集中攻撃】と言わんばかりに蹴りが飛び交う講義だった。
ただし今回に限っては十神は本当にモノクマから集中攻撃されたらしいので、誤用ではない。

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呼び出し







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きーんこーんかーんこーん


大泉(僕らが十神君の衣装を散々いじって遊び、朝ごはんを食べ終わった頃に、それは鳴った)

モノクマ『えー、皆さん!見せたいものがありまーす!至急!視聴覚室にお越しくださいっ!』

大泉「視聴覚室ぅ?でも確か、昨日は…」

霧切「入れなかった場所、ですね」

苗木「あれ、霧切さんいつから…」

霧切「十神君が入ってきた時からいたわよ?」

苗木「じゃあほぼ最初からじゃないか!」

霧切「ごめんなさい、でも…番組を見ている視聴者の気分で見ていたわ。楽しかったわよ」

大泉「いや今更いいけど…しかし何かねぇ、モノクマは」

霧切「大方揺さぶる気なんじゃないかしら?私達を」

大泉「揺さぶるったって…」

舞園「まさか…とは思いますけど」

不二咲「………こ、怖いよぉ」

霧切「けれど、これに従わないのは懸命ではないわね。今の所は」

十神「………」

霧切「………行きましょう?十神く………onちゃん?」

大泉「」ぶふっ

苗木「モノクマはなんで十神クンにだけそんな嫌がらせしてるのかなぁ」

大泉「さぁなぁ。まだ喧嘩売りに行った大和田君なら話は分かるんだけどねぇ」ちらっちらっ

大和田「さりげなく俺に振って来んなよ…」

十神「…俺が何をしたって言うんだ」いらいら

大泉「覚えてないだけで、なんかやっちゃったんじゃないのー?」

大泉「ミスターもねぇ、そう言うミスはわんさかやらかしてましたよぉ」

苗木「ミスター?」

霧切「【ミスターどうでしょう】、鈴井貴之の事よ」

大和田「誰だそりゃ」

霧切「大泉さんの事務所の会長」

セレス「会長…ですか。かなりえらい、いえ……大泉さん、あなたの雇用主に当たる方なのでは…」

大泉「いいんだ今更、あの人ぁダメ人間だし」

※Tips…【ダメ人間】
【サイコロの旅3】にて大泉が鈴井に言い放ったセリフ。
鈴井貴之の自伝のタイトルでもある。

霧切「………」ポーカーフェイス

舞園「笑いたい時は笑ってもいいですよ?霧切さん」

霧切「」!

舞園「それくらい分かりますよ、エスパーですから」

大泉「え?そうなの?」

舞園「人の考えてる事が分かるんです………なんちゃって」

大泉(なにそれアイドル怖い!)

霧切「………そう、ね。それは後から…この視聴覚室の一件を終わらせてからにしましょう?」

霧切「このモノクマからの指示を断って、何が起きるか分かったものではないから…」

大泉(霧切さんの変な眼力に押され、僕達は言われるままに視聴覚室に行くのだった)






江ノ島「………」






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視聴覚室







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モノクマ「おっ、みんな来たね!よかった…」

モノクマ「これで誰かひとりでも来なかったら、オシオキしなきゃいけなかったよ」

石丸「オシオキとは何かね、モノクマ」

モノクマ「え?それはもう決まってるよ!しょk」

霧切「ブンブン一泊………!?」


※Tips…【ブンブン一泊】
マレーシアのジャングルにある、動物観察小屋。割と過酷な環境であり、彼らも二度と行きたくないらしい。
どうでしょう班は【ブンブンブラウ】と言う小屋に2度宿泊している他、2度目の時はその前に【ブンブンクンバン】と言う人気の小屋にも滞在した。
当日は大泉の誕生日であったが、【ブンブンクンバン】に行くためにジャングルを11kmも歩かされた。
さすがのD陣も「ちょっと気の毒な事をした」と思ったらしい。


モノクマ「そんな辛い事しないよ!?処刑!」

朝日奈「ショートケーキ?」

十神「………処刑。つまり、オシオキとは俺達を殺す事だ」

大和田「もっと辛ぇよ…!」

霧切「いいえ!ブンブンは辛いわ!」

大泉「うれしーなんか虎と鹿見間違ったんだぞ!」


※Tips…【シカでした】
ブンブンで過ごした真夜中、観察小屋付近で光る目を見つけたどうでしょう班。
それをカメラ担当Dの嬉野(通称【うれしー】)が「トラだって、あれ!デカイって!」と言った。
警戒を強めた鈴井がふにゃふにゃのマットで防御し、全員がトラに襲われるかもしれないと覚悟を決めたのだが、
よく見てみたらトラじゃなかったため、嬉野が発したのが上記のセリフ。

大泉「俺なんか何が悲しくて、真っ暗い便所行って嬉野さんに照らしてもらいながら…うんこしなきゃいけなかったんだ…」

※Tips
そう言う事件が発生したのもブンブン。

モノクマ「あれは可哀想だったよ…照らしてやれよッ!って思ったもんね」

大泉「やっぱり君、さてはどうでしょう藩士だな?」

モノクマ「それはともかく」

大泉「おい話聞けよ」

モノクマ「じゃじゃーんっ!」

大神「む?それは…」

山田「……DVD、ですかな?」

モノクマ「そう!皆さんに見て欲しいDVDですっ!あ、【水曜どうでしょう】はないよ?霧切さん」

霧切「【ハナタレ】か【いばらのもり】は?」

※Tips…【ハナタレ】【いばらのもり】
前者はTEAM NACSのレギュラー番組【ハナタレナックス】、毎週木曜日深夜に放送(具体的に言うと「アメトーーク!」の次)。
後者はその前身となった番組であり、2000年の4月から2002年の12月まで放送された。
タイトル通りNACSのリーダー・森崎博之の冠番組で、コンセプトは「茨の道を森崎が進む」。
なお大泉は自らDに志願し、企画・演出・ロケ(後期は出演も)を担当。今では二度と出来ない企画ばかり放送していた。

モノクマ「ないよ?!」

霧切「【ドラバラ】も?」

モノクマ「いちいち解説書くのうっとおしいんだからやめてよぉ!ないったらないの!」

大泉「なんだねぇのか、【ドラバラ鈴井の巣】」

モノクマ「君もだよ!?ただでさえ知らない人多いんだからやめてよ!」

桑田「つーか何すか?それ」

大泉「あぁ【ドラバラ】はねぇ」

モノクマ「いいからDVD見ろって言ってんだよ!ひとり1枚あるからっ!」

腐川「………こ、これに一体何が…」

モノクマ「見ない人にもオシオキだよ?」

葉隠「ひぃぃ!?んじゃ…嫌でも見ろってか!?」

モノクマ「拒否権はありません」爪しゃきん

苗木「とにかく…見るしかないんだね…」

モノクマ「はい、大泉クンも!」ひょい

大泉「俺の分もあんの?」

モノクマ「まぁね。内容は見てのお楽しみだよ…うぷぷ」

モノクマ「ボクは君達の絶望するその顔が見たいんだ」

大泉「………っ!?」ぞくっ

大泉(胸騒ぎが止まらない。これに何が写ってるってんだよ)

大泉(ひったくるようにDVDを奪った。そして…ひとりひとりが、視聴覚室の机に座る)

大泉(机にはテレビ画面とDVDプレイヤーが装備済みだ。……俺はそれにDVDを入れ、備え付けのヘッドフォンを装着した)

大泉(再生を始めてもしばらく画面は真っ暗だったが、ふと---)


ぱっ




大泉(画面は切り替わった)

大泉(それも、見覚えのある顔の映像に)

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ーーーーーーーーーーーーーーー

『こんばんは、TEAM NACSでーす』ぺこり

『………何言ってんのリーダー?』

『え?何が?』

『これ、洋ちゃんしか見ないってさっき言ったべさ』

『……あ、そうだっけ?』

『そうだっけ、じゃねぇよ!話聞いとけってー、もー!』

『あはははははは』

『いや笑ってる場合じゃありませんし』

『まぁ誰にでもね、間違いはね、ありますよ…』


大泉(……叫びそうになるのを、堪えた。)

大泉(間違いない、俺の大学時代からの仲間達だった)

大泉(なんでったって、こんなバカ騒ぎしてんのに…顔が見れたら嬉しいもんだ)

※Tips…【リーダー】
森崎博之。脚本家・演出家・俳優。頭と声が大きい事で知られ、彼用のヘルメットは国内で最も大きいもの(64cm)を使用。
自身の番組で北海道フードマイスターの資格を取得、現在は農業タレントとしても活躍する。
自他共に認める晴れ男だが、機嫌を損ねると天気が崩れる。なお大泉は雨男であり、彼が同行すると負ける。


森崎『じゃあ気を取り直して…』

音尾『もうワンテイク?』

戸次『何回撮り直してんだよッ!もう時間ねぇから撮り直し出来ないっつったじゃんか!』

森崎『そう怒るなってシゲぇ』

戸次『モリなんだよ間違えてんの!』

安田『………』

音尾『安田さん今日も静かですよー、洋ちゃん』

大泉(なんの報告よ)


※Tips…【音尾】
音尾琢真(おとお・たくま)。元新体操部で、メンバー1の身体能力を誇る。が、かなり天然(関連:【オパンポ】)。
魚顔で離れ目であり、「目と目の間は離れていても、あなたの心を離さない」のキャッチコピーを持つ。
カレーが大好きで、「好きなお弁当のおかずは?」との問いにも「カレー」と回答している。

森崎『これさぁ、ほんとに洋ちゃんしか見ないの?』

音尾『なんちゅったっけ、あすこ』

戸次『希望ヶ峰学園?』

森崎『そうそう…その…きぼうがみねがくえん…の…(しどろもどろ)』

安田『言えてないよ、モリ』

音尾『学生さんは見ないのかな』

戸次『いや?そこまで俺は知らんっ』

森崎『学生さんも見るかも知れないしょ?』

戸次『だから知らねって』

森崎『と、ここで学生さん達に告知があります』

大泉(えっ)

音尾『安田さんが読みますよー?』肩ぽんっ

大泉(お前安田の事好きすぎなんだよ)

安田『………えぇー…今年もですね、【CUE DREAM JAM-BOREE】が開催される事が…決定しまして』

大泉(安田もっとテンション上げて!)

安田『えー…オフィスキューの2年に1度開催されるお祭りと言う事でね…えぇ、今回は我々NACS』

安田『5人が1曲ずつ書いてね、コンピレーションCDも発売します』

安田『会場は北海きたえーる。オフィスキュー所属タレントが…えー、勢ぞろいします』

安田『日程は…、7月の25・26・27の3日間。えー…26日は昼夜あるので…計4ステやります』

安田『チケットは全席指定で6500円。あとはね、詳しくは公式ホームページを…ええ、見てください』

大泉(マジで宣伝だった)

森崎『はい安田さんありがとうございましたー、拍手ー』ぱちぱち

戸次『さっきから何なのそのテンション!?』

音尾『洋ちゃん見に、学生さんも来てくれたらいいね』

森崎『そうだねぇ。北海道の美味しい食べ物の紹介くらいならするから、おいでぇ』

安田『ふふっ』

大泉(…なんだ、ただのバカすぎる映像か、と呆れ混じりの溜息をついた)

大泉(その時)


…ぶうぅんっ


大泉(…テレビ画面は不意に乱れ、次の瞬間…)

ぱっ

大泉「」

大泉(…そこには、荒れ果てた部屋で自分の股間を枕として提供しながら寝ている4人のおっさんの姿があった)

大泉(さっきまでとの温度差!…だけど、俺はなんだか不安になった)

大泉(お、おい、なんでこんなに部屋が荒れてんだ?一瞬で何があったのよおい)

大泉(お、おおぉい、何だよおい…元気だけが取り柄のおっさんどもが、なして輪になって寝てんのよ)

大泉(いや、え?ど、なに、これ)

大泉(混乱して、思考停止しそうな俺の頭にさらに追い打ちが飛んできた)

『仲間の股間をマクラにしながら寝ている4人!だが、果たして4人は本当に寝ているのかー?』

『なぜかピクリとも動かないぞー?』

『部屋もボロボロだし、うぷぷ……もしかしたら、もしかするのかな?』

大泉(………え………?)

『気になる?4人はどうなっているか、気になるよね?』


大泉(おぉい、こりゃ一体どういう……)



『正解は卒業の後で!』


ぶつっ


大泉(………は?)

大泉(今のは……なんだよ)

大泉(っつーか、4人とも無事なのか!?一緒にいるって事ぁ、鈴井さんとかも一緒にいんのか?)

大泉(…じゃあ…最後のあれはなんだよ……)

大泉(……もしかしたら、もしかする、って……お、い…)

大泉(………それって………)

大泉(違う、絶対にあり得ない。そう思いたいのに頭が重い)

「きゃあああああっ!」「うわああああ!!」「何だこりゃぁぁああ!?」「だべぇぇぇぇ!!」

大泉「」!

大泉(……部屋のあちこちから叫び声が聞こえる。恐らく、今みたいな映像を見せられたのだ)

大泉(頭に残ったのは、荒れた部屋の中、あいつらの眠るように横たわる姿だった)

大泉(………も、しかしたら、なんて…そ、そんなわけ…)

「…出してっ!ここから出してぇぇっ!」

大泉(…ひときわ取り乱した声が聞こえた。あれは)

舞園「もういや…どうしてっ!どうして私達なのッ!?」

苗木「こ、こんな映像…捏造に決まってるよ!」

舞園「どうしてそう言い切れるの!?」

苗木「それは…」

舞園「………ッ!」だっ

大神「舞園っ!」

桑田「…舞園ちゃん!?」

苗木「ボク…追いかけてくる!」だだっ

大泉(…僕ぁ、それを見てなんにも出来なかった。)

大泉(そう、なんにも。)

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ここまでっ!(どどんっ)
どうしてもCDJ宣伝ネタが使いたかったんで使って見た。反省はしてない
おやすみさん

うるせぇなぁ!うるせぇなぁ!!
僕がSS書いたら時間かかるって知ってんだろおめぇらもよぉ!
おい、書き上がった部分読んでけよ君達さぁ、待ってたんだろぉ!?

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舞園さん






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舞園「私は…」

舞園「どんな汚い事もやってきました…」

苗木「舞園さん」

舞園「アイドルは…夢なんです、夢だったんです…」

舞園「苗木君は………何があっても、私の味方でいてくれますか?」

苗木「……ボクは……」


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一方





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大泉(………重い、なぁおい)

大泉「しっかしどいつもこいつもひでぇツラしてんな!」

十神「………ちっ」

江ノ島「………」

山田「」でぶでぶでぶでぶ

大泉「……おいおいまさかのスルーだよ、はは…」

大泉「…この感じは…君らもひどいもん見せられたんだな」

大泉(外に出たい、どうなってるのか知りたいと、そう思わされるような何かを)

大和田「………っ」ぎりっ

腐川「…う、うう…」がたがたがた

大泉「僕もまぁ、不安になるようなもんが撮られてたよ。ああ、家族が…嫁と娘が映ってないのが余計に不安だ」

桑田「…そうかよ」

大泉(ちっくしょー、空気悪いなぁ…)

霧切「………」

大泉「けども…ぼかぁ…あえて家族を映さないようにしたってより、撮影が出来んかったと考えた」

大泉「つまりその…モノクマの手が届かないところにいる…きっと無事なんだ…そう思いたい」

大泉(……無事だよな?きっと…そう、こんな動画が撮れないようなとこにいるに違いねぇんだ)

大泉「そうさ……無事なんだ、きっと無事なんだよ。だから不安に思う事ぁねぇって。な?」

不二咲「…うぅ…」涙目

大泉(不二咲ちゃんはかわいいなぁ。あの子も僕の子猫ちゃんにしたいもんだ)

セレス「ひとつ、よろしいですか?」

大泉「……なんだい、セレスさん」

セレス「あなたがご覧になった映像……それは、ご家族の映像ではなかった…と仰いますのね、大泉さん」

大泉「あぁ、まあね」

セレス「……ではここの皆は賛同出来ませんわ。恐らく、ほぼ全員が血縁のあるものの映像でしょうから」

大泉「そうかい?」

セレス「えぇ……」

大泉「ったって言うけど、全員が全員、そうだったわけじゃあ…」

セレス「あなたのように、ご友人……確かに、ご家族の映像では無い人もいるかもしれませんわね。ですが」

大和田「…血より濃い絆っつぅのもあるんス……家族だけじゃあねぇと思うけど」

石丸「信じるものが全て崩れる…その恐怖にはどうしても、今は……勝てません…」

大神「人には時に、何よりも代え難く大切なものがあるのだ。それが、血縁があるないに関わらず……」

腐川「そんな事じゃ、ないのよ……あ、あたし達は……こんなもの信じたくない、けど……」

不二咲「……うう、今はやっぱり無理なのかなぁ……」

葉隠「オメーの言いてぇ事も分かるけど、その……」しょぼん

セレス「あなたの言葉では誰の心も動きませんわよ」

大泉「………そうかい」

大泉(そう言われちまったら積みだ。僕に出来るフォローなんてのぁ、実のところ今全くない)

大泉(こいつらの気持ちってのはぁ、僕には分かってやる事は出来ない。逆もまたしかりだろう)

大泉(悔しいが学生達の気持ちを分かる!って言ってやる事も出来やしないし、ましてや拒絶されたんじゃ寄り添ってやる事も出来ない)

大泉(…僕に出来ない事は、そう…僕以外にやってもらうしかねぇんだ)

大泉(な事言っても、こんだけ疑心暗鬼になってちゃあ難しいだろうけど)

霧切「………煽ってるのね。これを見せて……」

大泉(そんな中で口火を切ったのは、またしても霧切響子だ)

大泉(空気を気にしていない風にしていて、実は誰よりも周りの事を考えている)

大泉(さすがは僕の子猫ちゃんだ。素晴らしい。あとで褒めてあげよう)

霧切「あの映像を見せる事で…誰かを殺してでも、外に出なければと思わせようとしている…」

桑田「誰かを、殺してでも…かよ」

石丸「…ぐぬぬ、…悔しいが…」

大神「……そうであろうな」

霧切「でも」

大泉「……」?

霧切「これは罠。それを分かっていても、なお外に出て行きたい気持ちが強ければ事件が起きる……」

桑田「……待てよ、霧切」

霧切「…何?」

桑田「そんな言い方ねぇんじゃねぇか……」

山田「く、桑田怜恩殿……ひとまず落ち着いて」

桑田「罠ってなんだそりゃ。言い方ってもんがあんじゃねぇの!?」

霧切「………だって、結論まで映像の中で出されたわけじゃない。不安を煽られてはいるけれど、それが事実ではない」

霧切「あなた達ひとりひとりの映像を見たわけではない…のだけれど、そう言えるわ」

桑田「なんでそんな風に……!」

霧切「最悪の可能性は、常に自分の頭の中で妄想しているだけなのよ」

桑田「」!

江ノ島「……」

大泉(…仲間が、家族が……死んでいる、かもしれない。そのかもしれないの部分はあくまでも推測、だと)

大泉(割り切ってるね、霧切さん。普通の人よりも、いや、)

大泉(俺より随分……強いや)

朝日奈「そんなの…そんなの難しくって分かんないよ……」

霧切「………そうね………」

霧切「…………」ふむ

霧切「捏造よ、こんなもの」ぺしぺし

大泉(……え?)

葉隠「はぁ?いや、オメーそんな簡単に言うけど…」

霧切「真実はぼやかされたままよ。なら、それは捏造と言ってもいいんじゃないかしら」

十神「詭弁だな」

霧切「そうかしら?あながち間違いでもないと思うわよ」

十神「シュレディンガーの猫よろしく、事実が正確では無いからそれは事実ではない…詭弁以外の何物でもない」

江ノ島「…言ってる事、よく分かんないんだけど」

山田「つ、つまりどう言う事だってばよ?」

霧切「本当だと決定出来ない以上、この映像は嘘である可能性がある、って事よ」

セレス「ですが……」

大泉「……捏造、ねぇ」

朝日奈「そう、なのかな?」

霧切「そうよ」ふぁさ

石丸「だが、かと言って嘘と言ってしまっていいのかね」

霧切「誰もあれを真実と言い切れない以上は、捏造……今は……それでいいと思いません?ねぇ、大泉さん」

大泉「………あぁ、そうだな」

大泉「ありゃあ真っ赤なウソ!偽物!全部ウソ!はい、この話終了っ!」

大泉(まるで自分に言い聞かせるようにそう言った)

大泉(最悪の可能性を自分から断ち切るように、僕はそう言うしかなかった)

大泉(……言わざるを得なかった)

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まもなく夜時間






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◆大泉の部屋

大泉(あれから誰も何も言わず、部屋に戻って行った)

大泉(ぼんやりと、時計の針が進むのを眺めながら---)

大泉(そのうち夜になっていた)


『洋ちゃーん!』
『大泉!』


大泉(…俺は)


『…大泉君』
『大泉さぁーん』
『洋ちゃん』


大泉(俺は、あいつらに会うために誰かを犠牲にしたいと思うだろうか)


『大泉君、なんかやんなさいよ』
『…ぁあ?』


大泉(俺は…)


『なんかモノマネでもしなさいって』


大泉(………)

『すずむしはそこでリンリン鳴いてなさいよ』

『ぁあ?てめぇはかぶとむしなんだから樹液でも吸ってなさいよ』

『なんだとぉ?このぉ』

『甘いものベロベロ食ってなさいよあんたは』

『おぉ言うようになったなおい、昔はコットンレーヨンで歩いてた奴がだ』

『あぁ?なんだい?あれやらせたのも君だろうが』

『おめぇが面白いっつってやりだしたんじゃねぇか!』

『うるせぇな出たがりディレクター!黙って小倉トーストでも食べてなさいよ!』

『かあちゃんの小倉トーストはうめぇだろ?!また食わせてやっからな!』

『おめぇの実家、喫茶店やめたじゃねぇか!!』

『うるせぇこの2流タレント!』

『言ったなてめぇこのぉ!!』

『何が北海道の大スターだてめぇ!メシまずいんだよ!!』

『てめぇこのぉ!パイ焼くぞ!』


※Tips…【喫茶店】
どうでしょうD藤村の実家は喫茶店だった(名古屋市中央区。今年1月末で惜しまれつつも閉店したが、今度はパン屋になるらしい)。
彼の大好物でもある【小倉トースト】が人気だった。なおこの喫茶店はどうでしょう本編にも使われた事がある。




大泉(……いやいいわ、別に誰かを殺してまで見に行きたくはねぇわ)

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来客







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ぴんぽーん

大泉「……誰だい?もうすぐ夜時間だってのに」

……がちゃ

霧切「すみません、こんな時間に」

大泉「おぉい、君か」

霧切「どうしても…話しておきたくって」

大泉「霧切さんにしちゃ珍しいねぇ。どうしたんだい?サインなら明日にでも」

霧切「でも」

大泉「……ん?」

かさっ

大泉(……これは……?)

霧切「本当に少しでいいんです……話せませんか」

大泉(……何かを握っている?話を聞かにゃならん、と僕ぁなんとなく、そう思った)

大泉「全く…最近の子猫ちゃんは圧が強くて困るねェ…」ぎぃ

霧切「……痛み入ります」

大泉「で?これでサイン会なんて夜ごと開催されちゃあ僕も参っちゃうぜ」

霧切「そうですね…ふふ、本当に少しだけですから…」



ぱたん

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深夜








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舞園「……ごめんなさい、苗木君」

舞園「私にとって……アイドルは人生そのものなんです」

舞園「私は出なければいけない、この外へ」

舞園(……例え誰かを犠牲にしたとしても)

舞園(みんなの記憶から、あのきらめく世界から、私が消えてしまうその前に)



ぴんぽーん



舞園「……来ましたか」

舞園(準備には念を入れた。大丈夫、絶対にうまく行く)

舞園(私の仲間が倒れているDVDを見せられた。私の、命よりも大切な居場所がなくなる姿が)

舞園(私である事が、私の帰る場所がなくなってしまう)

舞園「それだけは、嫌なんです……だから」

舞園「死んでください……私のために……」

舞園「…………っ」



がちゃ



舞園(……それでも、あなたなら私は心を鬼にして、……)








舞園「こんばんは、桑田君」


大泉「よぉ、舞園ちゃぁん?」


舞園「」!?





大泉さん、奇襲!
どどんっ(←太鼓のSE)



舞園「な、ど、どうして……?」

大泉「優秀な子猫ちゃんが教えてくれたんだよ、君の異変をね」

舞園「……?!」さぁぁ

舞園(気付かれた!?そんなバカな!誰にもバレないようにしてたはずなのに!)

舞園(尾けられてた?わ、私、そんな……いっぱいいっぱいで気付いてなかったんですか……!?)

大泉「まぁそんなあぶねーもんは下ろしなさいよ、舞園ちゃん。かわいい顔が台無しだぜ?」

舞園「!!」

舞園(しまっ、動揺して……後ろ手に握ってた包丁を見られた……!?)

大泉「……おぉい、ほんとにあぶねーじゃねーかよぉ!」

大泉「いや……僕に憧れるのはいいけどねぇ?こう言うのは自主練には向かねぇんじゃないかい?」

舞園「あ、あの、わた……し……」

舞園(……終わった。完全に終わった。どうやったかは分からないけど…バレたって事は桑田君も来ない)

舞園(大泉さんに、凶器を持ってるのも見られてる。この自体を嗅ぎつけた『子猫ちゃん』とやらにも事情はバレてる)

舞園(完全に積んだ……私は……)

大泉「じきにもうひとり来るし、そこで決めようじゃあないか」

舞園「」

舞園(……え?く、来る?)

大泉「そんなに驚くなよぉ、君だろ?彼を呼んだのは」

大泉「まぁ、その彼も今は目を白黒してっかもしれねーけども」

舞園「それより……き、決めるって何が、何を、私は……」

大泉「決まってるだろ?」


すっ


舞園「大泉さん……そ、れは……」

大泉「え?ずんだ餅だけど?」


※Tips…【ずんだ餅】
宮城県の名産。枝豆をすりつぶし甘く味付けした餡を、餅に絡めて食べる甘味。
どうでしょうには数回登場している。
日本全国を回りながら大食い・早食い対決を行った【対決列島】では、藤村Dが魔神と化し、周りが引くほど食った。
また甘いものが苦手なはずのミスター(鈴井)が『甘いものに目がない』と言う設定で
甘味をしこたま食べると言う事が番組でよくあったのだが(なおこれを【ミスター生き地獄】と呼ぶ)、
【サイコロ4】では藤村Dのおやつとして現れたずんだをミスターが奪い、通称【甘味自殺】を行った。


舞園「ずんだ餅!?」

大泉「ほらぁ、決めるよぉ?舞園ちゃぁん……」

舞園「えっ?えっ?ず、ずんだ餅で何を!?」




大泉「おめぇと桑田、どっちが強いのかに決まってるだろ」

舞園「!?!?!?」

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クイキル

非日常編


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今日はまずここまで!(どどんっ)
僕ぁこれから書き溜めに戻るからね。いいか?マズイとか言うんじゃねぇぞ?

Chapter1の最後まで一気に行きます。

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舞園さん、混乱






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舞園「!?……!?!?」

大泉「ちょっとまぁ、混乱してるだろうけどほら、中入れてもらっていいかい」

舞園「あ、え、あの、え…?」

大泉「しかしあの子猫ちゃんにはちゃんとお礼せにゃあならんなぁ、僕ぁ」

舞園「だからっ、その子猫ちゃんってなんなんですっ!?」

大泉「子猫ちゃんは子猫ちゃんさ」

舞園(そ、そう言えば大泉さんが誰かにずっと言っていたような…頭がいっぱいで、思い出せないっ…)

大泉「それでは舞園さん、これは没シュートです」ぱしっ

舞園「!?」ひょい

大泉「ほんまにもうねぇ、こんなのゆで卵切るのにしか使わへんわぁ(板東英二のモノマネ)」


※Tips
大泉さんは無駄にモノマネレパートリーが多い事で有名です。


舞園(包丁を取られた…!?し、しっかり握ってたはずなのに……)

大泉「いや、ほんとに持ってるとは思ってなかったけどさ…俺刺されたら危なかったねぇ」

舞園「」!

舞園(呑気に言ってる、けど、目は真剣そのものだ…それにしても)

舞園(カマをかけられましたか。私が凶器を持っている事を見抜くなんて…おかしいと思った…!)

大泉「これは僕が預かっておくとして…さぁて舞園ちゃん?」

大泉「そろそろあいつを呼んでやらんといかんかな」

舞園(…あ…まずい!誰かを呼ばれたら、……ここを無傷で乗り越える事は出来ない!)

舞園(その前に扉を閉めなk

がっ

舞園(……え?誰かが扉を引っ張って……)

大泉「おお来たねぇ」

舞園「き、来たって誰が……」

大泉「いや、ひとりしかいねぇだろう?」

舞園「……まさか?!」

大泉「おぅ、ほら舞園ちゃん、部屋入るぞぅ」

舞園「あ、ちょっ」ぐいぐい


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挑戦者入場







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舞園「無理やり押さないでくださ…」

舞園「」!

桑田「……よう」

霧切「少し遅れたかしら、ごめんなさいね」

舞園「桑田…君…、それに、霧切さん……」

舞園(……桑田君のその手には私が書いたはずの、メモが…ある)

舞園(霧切さんが一緒って事は…いや何で一緒かは分かんないけど…顔つきが全然違う)

舞園(…あ…そうか…子猫ちゃんって霧切さんの事だ)

舞園(私が殺意を持って桑田君を呼び出した事はもう、バレてるってわけですか……あはは、はは……)

舞園(……終わった、私の計画は)

大泉「…さてと。一応もう夜中だからねぇ、防音の部屋ん中で話をしようか…舞園さん」

舞園「はは、は……ええ、もう好きにしてください……」

ぱたん

大泉「ようやくゆっくり話が出来るねぇ、舞園ちゃん」

舞園「私は……私はもう……ふふっ、あはは……」かたかたかた

舞園「……どうぞ、煮るなり焼くなりしてください……」かたかたかた

大泉「は?」

舞園「……は?」

大泉「いや、舞園さん、ごめん……なんでそんな絶望してんの?」

舞園「……え?いや、だって私は」

霧切「あなたが今夜誰かを襲うんじゃないか、なんてそんなのみんな分かったわよ。今日のあなたを見てたら」

舞園「…そう、でしたか」

霧切「だから私は夜時間になるギリギリまであなたを探して、そして観察した」

大泉「そしたらあぁた、思い詰めた顔して桑田んとこにメモ置いたって言うでないの」

霧切「誰にも見られないように、しかし規則を守ったと言う体裁を保つため」

霧切「何より確実に桑田君を呼び出すために、夜時間になる前ギリギリに動いた。それがあなたの敗因よ」

舞園「……っ、見られていないつもり、だったんですけどね」

大泉「夜時間直前に、子猫ちゃんが僕の部屋に来なかったら、僕だって気付かなかったねぇ」

舞園(…そしたら…上手く行ってたかもしれない、のに……)

霧切「私はまず桑田君の部屋に置かれたメモを即回収し、大泉さんと接触。ずんだ餅を用意した」

舞園「ずんだ限定なんですか」

霧切「バトルと言えばずんだよ」きりっ

大泉「ちょっとその気持ちは俺、分かんない」

桑田「霧切、オレもそれは分かんねぇ」

舞園(まさかの総スカン)

霧切「……続けるわ。大泉さんと作戦会議したあと…夜時間に入ってすぐね、私は桑田君の部屋に行った」

桑田「そうだ、舞園ちゃん聞いてくれよ!こいつひでぇんだぜ!」

桑田「こいつがいきなりオレの部屋にだ!腹を割って話そうッ!って入って来てな!」


※Tips…【腹を割って話そう】
【2泊3日東北バスツアー】で出た名台詞である。
旅でくったくたの大泉(と安田)の部屋に藤村Dが押しかけ、何を言うかと思ったら突然言い出した一言。
その後藤村・嬉野両氏は1時間半に渡って部屋に居座った。
ちなみに【一生どうでしょうします】はさらにこの後の大泉のセリフ。


霧切「私なりの思いやりよ」

舞園「かなりはた迷惑ですね!?」

桑田「そのあとこいつにひたすら【水曜どうでしょう】とは、みたいな事語られてよ…」

霧切「あなたがこんな真夜中に対決を指定するから、それまで時間が空いてしまったの」

舞園(いつから私は桑田君と対決する事になってたんですか)

大泉「それもこれも舞園ちゃん、君が桑田君を部屋に呼び出して殺そうなんて企んだからだ」

舞園「いきなり話が跳躍しすぎて、正直罪悪感感じにくいです」

霧切「言われてるわよ、桑田君?教えてあげましょう?あなたが何を思っているのかを、彼女に」

桑田「……」こくっ

舞園「え?何を---」

霧切「……」←何かを渡した

桑田「……」←何かを開いた

大泉「おい、おめぇまさかとは思うけどあれやるのか?」

霧切「……」にやっ

舞園(あれは…巻物?)


桑田「」すうぅ





桑田「やぁやぁ舞園さやかーッ!!」


舞園「」!?




ーーーーーーーーーーーーーーー







宣戦布告







ーーーーーーーーーーーーーーー


桑田「ほんの数日前、忘れもしないオレと舞園の初対面…オレは好意を抱いていた」

桑田「この度などはあまつさえオレが密かに抱いていた恋心を利用しッ!」

桑田「さらには苗木との部屋の交換まで済ませ、確実に殺る気満々で呼び出す作戦ッ!」

桑田「…敵ながらあっぱれであった」

舞園(なんで私、桑田君に褒められてるんですか?いや、そもそもこれ褒めてるんですか?)

舞園(それ以前になんで部屋の交換すらバレてるんですか?分かってて、なんで霧切さんも桑田君も来たんですか?)

桑田「しかーしッ!」

舞園「!?」びくっ

桑田「オレのプライド的にも、このままおめおめと引き下がっているわけにもいかないのだ」

桑田「よってここにッ!」

桑田「オレとオメーのプライドと命をかけてッ!」

桑田「甘味早食い対決を申し込ーむッ!!」

舞園(だからどうしてそうなるんですか)


桑田「これよりこの希望ヶ峰学園はッ!」

桑田「【対決学園】となるのだッ!」


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対 決 学 園







ーーーーーーーーーーーーーーー

霧切「お見事よ桑田君………私、不覚にも泣きそうだわ」ぱちぱち

大泉「ブラボー、おおブラボー……完璧だ。君はやはり天才だったな」ぱちぱち

霧切「寝ずに安田さんのよさを伝えた甲斐があったわ」

桑田「最初ぜんっぜん興味なかったのに、オメーがいつまでもいつまでも喋ってっからだろ!」

桑田「あー!ちっくしょー!野球してぇー!どうでしょう見てぇーー!!onちゃん見てぇーー!」

舞園(桑田君もいい迷惑こうむってたはずなのになんでいい笑顔になれるんですか!?)

桑田「……大泉さん、オレ……こっから無事に出れたら、やすd……onちゃんに会いたいです」

大泉「ああ、会わせてやるとも。君はもう立派な安田国民だ」


※Tips…【安田国民】
安田顕のファンの総称。ちなみに国歌も存在する。(→【安田国歌】)
他に【子裸ちゃん】とも呼ぶが、安田本人はあまり好きではない。
稀に【子ネズミちゃん】とも呼ぶ。


桑田「つーわけでオレ、野球選手やりながらずんだ早食いすんのを目標にする事にした!」

舞園(もはや話の結論が迷子です)

霧切「早い話が舞園さん、あなたと桑田君にはこれからこのずんだ餅を食べてもらうわ」

舞園「さも当然のように説明し始めましたね霧切さん、私まだやるって言ってn」

霧切「あなたが今晩凶行に及ぼうとしていた証拠は全て掴んでいるのよ?」

舞園「……つまり私に断る権利はないんですか」

大泉「残念ながらそうなるね。君は若手だから仕方ないよ」

舞園(理解が追いつかない……これ何?どう言う状況?)

ーーーーーーーーーーーーーーー


(ナレーション:藤村忠寿)

ではここで、今回の対決のルールを説明しよう。

舞園さんと桑田さんにはそれぞれ、ずんだ餅を1箱ずつを食べてもらう。
箱1つにはずんだ餅が6つ、いずれも大きさは均等である。
これを同時に食べ始め、最初に食べ終わり【テレマーク】(Yみたいなポーズ)を先に取った方の勝ちとなる。


舞園さんが勝てば、桑田さんは文字通りの地獄行き。

桑田さんが勝てば、脱出後に舞園さんとアラスカ・ユーコン川をキャンプしながら下ってもらう。

※Tips
なおユーコン川のガイドは、「大泉さんへメールを送って来たがウイルス付きだった」でお馴染み熊谷さん(ユーコンのYOSHI)です。


実のところ、桑田さんが勝った時のメリットはあまりない。
そう、桑田さんからすれば『もうこれどっちも罰ゲームじゃね?』なのである。

しかしこの時、夜中から延々と水曜どうでしょう知識を植え付けられ、桑田さんは変にハイになっていた。
その代償として、このあまりにも不利な条件に全く気付いていなかったのである。


そして、勝負方法がなぜずんだなのか。
確認するまでもなく、彼ら彼女らは【大魔神】ではない。
【鉄の玉を飲むおじさん】でもない。
どうでしょうの大魔神・藤村とは違うのだ。
そう言った理由から、今回はこのずんだ餅1箱1本勝負となった。

本来であれば、希望ヶ峰学園にちなんだものを用意したかったのだが、
大泉さんと霧切さんには、それは不可能だった。
そこで霧切さんの強い希望により、この戦いがマッチングされたのである。

なにより霧切さんが狙っていたのは

『舞園さやかの混乱』。

舞園さんの殺意を完全に奪うためには、それを上回る混乱と混沌が必要だったのである!


ーーーーーーーーーーーーーーー

舞園「え?ちょっ………ま、待ってください?あの、私が勝ったら」

大泉「桑田さんは煮るなり焼くなり好きにしてください」


ーーーーーーーーーーーーーーー






煮るなり焼くなり?






ーーーーーーーーーーーーーーー


舞園「」!!?

霧切「もちろん完全犯罪のための手助けもしますから」にやにや

大泉「舞園さんが勝ったら無事に学園から出られます!おめでとうッ!」

舞園「私が言える事じゃ絶対にないけど、あなた達それでも人間ですか!?」

大泉「言うねェ舞園ちゃん。人を殺そうと企んでた女のセリフじゃねぇよ」

舞園「だって、だって…人の命がたかがずんだ餅にかかってるっておかしいですよ!」

霧切「あなたは分かってないのよ、ずんだの…恐ろしさを」

舞園「理解出来ませんし、したくありませんし!!」

大泉「僕らが決めたルールなんだぜ?それに乗っかるだけで今回の殺意について黙っててやるっつってんだ」

大泉「君に不利な条件かい?これは」

舞園「そうじゃなくて…!」

舞園「それに…く、桑田君はそれでいいんですか!?こんなので死ぬか生きるかが決まっていいんですか!?」

桑田「そりゃオレだってくだらねぇ事で死ぬのはヤだぜ?」

舞園「だったら」

桑田「だから負けて悔いなしッ!って戦いをすりゃいいんだよ!」

舞園(だめだこいつ……早くなんとかしないと……)

大泉(………)

霧切「舞園さん、やるの?やらないの?」

舞園「………もう、分かりましたよ。やればいいんですよね?やれば」

大泉「そうだよ?君にゃ選択肢てぇのはないんだもの」


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セッティング







ーーーーーーーーーーーーーーー


ぱかっ


大泉「うおぉい…久し振りに見たなぁずんだ餅」

舞園「結構大きいじゃないですか…」

桑田「これじゃオレ勝つって絶対に」

霧切「そうね、あなたは男性だし…飲み込む速度も彼女より早いでしょうから…」

ひょいぱく

舞園「あっ」

霧切「……美味しい」もちもち

桑田「大泉さんも食っちまってください」

大泉「いいのかい?じゃあ」ひょい

舞園「え、いいんです、か?」

桑田「勝つならもう自信満々で、ハンデをも踏みにじって余裕勝ちしてぇじゃん」

舞園「………はぁ………?」

桑田「まあまあ、舞園ちゃん甘いもの好きだろ?」

舞園「いや、好きですよ?好きだけど……」

桑田「じゃあいいじゃねーかよッ!」

大泉「そうだぞッ!いいかい?舞園さんは明らかに有利なんだッ!」


---この時、桑田さんはこう思っていた。
『悪いな舞園、実はオレも甘いものって意外と好きなんだ。』
自分の情報を相手に与えない。これもまた、作戦のうちである。


舞園「でも、それとこれとは……」

大泉「ほら、舞園ちゃん!時間もあんまりないから座って!」

舞園「へ?あの、いや……」

大泉「昔の俺なんか寝てる所襲われてんだよ!食ったのミスターだったけどさぁ!」

霧切「そのあとの奇襲の仕返しは名シーンでした」

大泉「あぁそうさ!僕らが真夜中に起きてディレクターの寝込みを襲ってやったんだぁ!」


※Tips
敵の寝込みを襲い、用意した食べ物を食べさせるスタイルの戦闘方法を【奇襲】と呼びます。
ちなみに上記で上がった【奇襲の仕返し】は、早朝ではなくド深夜(1時)に行われました。
そしてその時の対決テーマは【サンフルーツ】。もちろん大泉さんと鈴井さんが勝ちました。
ちなみにかつての大泉さんは、別企画でわんこそばを105杯食べていた。意外と食べるじゃん。


舞園「物騒ですね………たかが食べ物の早食いでしょう!?」

霧切「そんな事を言っていていいのかしら?桑田君はもう準備出来てるわよ?」

桑田「シャーッ!」←既に上半身裸

大泉「もうやる前からおかしいぞ!おい!」

舞園「」

舞園(………ええい、もうどうにでもなーれ!)

霧切「始めるわよ……」

桑田「っしゃー!」


大泉「よぉし!やるよ!ふたりともッ!!」

大泉「希望ヶ峰学園特別大会ッ!ずんだ餅早食い一本勝負ッ!レディー………」

大泉「………ゴーッ!!」ばっ


ぱくっ


舞園(……!?)もちもち

舞園「…むうぅ!」もちもち

大泉「さぁどうだ?ふたりとも、まずはひとつめだぞ?」

桑田「」もちもちもちもち

舞園(あ、甘い!でもこの独特の味わいは…枝豆…!その餡が、もちもちふっくらした餅と絡まって)

舞園(お土産屋さんで買えるレベルの商品とは思えません、これはなんて……なんて……)

舞園「……なんて…美味しいんですか……!?」もちもち

霧切「そうよ!宮城の生んだ伝統の甘味ッ!全国各地の情報をお届けするのも、またどうでしょうの魅力なの!」キリッ

舞園「むぐっ、むぅっ…!?」もちもち

大泉「ひとつひとつが大きいから飲み込むのも大変そうだなぁ。数の多い桑田さんは絶対的に不利」

桑田「ふたつめー」ぱくっ

大泉「」

霧切「」

舞園「」

ーーーーーーーーーーーーーーー







! ?







ーーーーーーーーーーーーーーー

大泉「はwwwやwwwいwww」

霧切「………っ」ぷるぷる

大泉「………おおお!もう!もうふたつめだ、桑田さん……www」

桑田「」もちもちもちもち

霧切「顔が真っ赤じゃない…!」ぷるぷる

大泉「くっくっくっくっくっwww」

桑田「……っ、……!」どんどん

大泉「桑田さんが!桑田さんが自分の胸を…叩き…始めました……っ!www」

霧切「…っくく…」←笑うのを我慢出来なかった

舞園「……!?」もちもち

桑田「んん"っ」どんどん

大泉「唸っている!桑田怜恩、唸っているっ!大丈夫か!果たして大丈夫なのかっ!?」

舞園「……っ、ぷは…」ごくん

大泉「と言ってる間に舞園さん、ひとつめを食べ終わr」

桑田「」ひょいぱく

舞園「!?」ぱく

大泉「おぉーっとーッ!桑田さんッ!桑田さんがッ!喉に餅を詰まらせながら……www」

霧切「…っ、くくくく…w」

大泉「詰まらせ…ながら…みっつめを…っくっくっくっく…www」

桑田「っん"…んんぅぅ…」もちもち

舞園「」もちもち

桑田「」ひょいぱく

大泉「」!?

霧切「」!!

舞園「」!!


ーーーーーーーーーーーーーーー







桑田さん

甘味自殺







ーーーーーーーーーーーーーーー


桑田「ん"ん"ーっ!」←涙目

大泉「はっはっはっはっはっwww」

霧切「無理しちゃダっ…www…む、無理しちゃダメよ…」

大泉「あの霧切さんのポーカーフェイスもズタボロですッ!すごい試合だッ!」

舞園(ほんと何の時間?これ)もちもち

桑田「」ぐふっ

大泉「……おっと桑田さんが?」

桑田「ん、んぅ………」


桑田「」ごぽ


霧切「く、桑田君!しっかり!」

大泉「桑田さあぁぁんっ!」


桑田「」べほっ

べしゃ

舞園「!?!?!?」


ーーーーーーーーーーーーーーー







桑田 怜恩

希望ヶ峰学園に散る







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桑田「」←静かに崩れ落ちた

大泉「くwwwわwwwたwwwさwwwんwww」

霧切「………っっwww」

舞園「」もち…

大泉「桑田怜恩がッ!大クラッシュ!大クラッシュ…www」

大泉「試合続行は!いけるのか!いけるか桑田さんっ!?」

桑田「」べろん

大泉「ダメだーッ!!口からずんだがリバースだーッ!!」


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ありがとう

桑田 怜恩






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桑田「………オレ あんまりすごくないなぁ………」

大泉「あたかもかつて、岩手の地に散った安田顕の如く!」

大泉「一切手を抜かない、壮絶な最後を我々に見せてくれました!」

大泉「ありがとう桑田さん、僕達はあなたを忘れないッ!」


※Tips…【ありがとう安田顕】
【対決列島】にて牛乳早飲みを得意とする安田が、岩手決戦で壮絶に散った一幕。
詳しくは言葉で説明しても伝わらないので、是非皆様でご確認頂きたい。が、食事中に見るのは大変危険です。
余談だが、この【対決列島】から2年後の【ハナタレナックス】でも同様の事件が起きている。
なお安田は1本の牛乳瓶を2秒ペースで飲む事が出来る。

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結果







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霧切「言うまでもなく、今回は舞園さんの勝利よ」

大泉「まぁ、でしょうねぇ」

桑田「」テレマーク

霧切「桑田君、あなた食べ終わりましたと言わんばかりのポーズだけど……吐いてるからダメ」

桑田「」チーン

舞園「……もう、どうするんですか…こんなに部屋汚して…」

大泉「おいおい、これから人殺そうってやつがそんな変な事気にしなくてもいいぞ?」

舞園「………はぁ?」

霧切「とは言え桑田君は既に虫の息。簡単にヤレるわね」

大泉「彼も負けて悔いなしと言ってましたから、さぁどうぞどうぞ」

桑田「」

舞園「……もしかして、あれ本気だったんですか?」

大泉「本気じゃなきゃ来るわけねぇだろ?」

舞園「………はぁ………」


すくっ


大泉「お?」

霧切「?」

舞園「………桑田君を連れて帰ってください」

舞園「もう……いいです、もう……なんかそんな気なくなっちゃいましたよ……」

舞園「この人、勝っても負けても罰ゲームなのに……ふふ、なんでこんな必死なんですか……」

大泉「………そうだねぇ」

大泉「君の笑顔を見たかったからじゃねぇか?」

舞園「…何を言ってるんですか、あなたは」

大泉「君の笑顔が好きなんだよ、多分。桑田君はな……けど、君は桑田君を嫌いだ」

大泉「聞いてたんだろ?僕と桑田君の会話を」

霧切「え?」

舞園「………っ」

大泉「そりゃ桑田君は……軽率だと思うぜ。僕もありゃカチンと来たさ。それでもな」

大泉「夢を叶えたいって思うのは自由なんでないかい?」

霧切「………大泉さん」

舞園「…カチンと来たんじゃないんですか?」

大泉「カチンと来たのと、それを否定すんのは別だろ?」

舞園「でも」

大泉「僕ぁ……最初に、いっちばん最初にテレビに出た時は大学生だったんだ」

舞園「………え?」

大泉「そん時はまだバイト感覚でさぁ…ほんとはずっと、そんな時間が続けばいいのにって思ってた」

大泉「一生、こうやってのんびり大学生やりながら…好きな時に芝居やって、たまにバイトするみたいな」

大泉「………そんな時間がずーっと続きゃあいいのにって」

舞園「それが……桑田君と関係あるんですか」

大泉「あるさ。最初の頃の僕ってのぁ、実のところ会長…鈴井さんには好かれてなくってね」

霧切「………」

舞園「……そう、なんですか?何で…」

大泉「バイト感覚の僕の、バイト感覚なテレビスタイルが好まれなかったんだ。あの人には」

大泉「当時鈴井さんは【OOPARTS(オーパーツ)】って劇団をやっててね」

大泉「……札幌の演劇界で1000人動員する男って呼ばれてた」


※Tips…【札幌の演劇界】
大泉らが所属していた【イナダ組】を始め、中小多数の劇団が存在する。
有名なのは【劇団千年王國】、【劇団アトリエ】【ハムプロジェクト】など。
他にも【yhs】【プラズマニア(同主宰のリリカル・バレット)】【星屑ロンリネス】【劇団怪獣無法地帯】などなど。
また大学演劇も盛んで、各大学の演劇サークルにはそれぞれ特徴的な名前が付いている事が多い。


大泉「今ならいざ知らず、昔の札幌演劇界で1000人ったら…もうちょっとした神様みたいなもんでね」

大泉「そんなプロ意識の高い人だったから、僕なんてのはあんまり好きじゃなかったんだろう」

舞園「…そう、だったんですか」

大泉「けれどもね、僕はその後から色んな事を学んだ」

大泉「鈴井さんに怒鳴られ叱られ、時には本気で突っかかられながら」

大泉「僕ぁ、いつしか藤村さんって人に気に入られて、新しい番組に出ないかって言われた」

大泉「当時鈴井さんは勿論反対したんだけど、結局僕らは一緒にテレビに出て、旅に出て…」

大泉「………そしたらちょうど同じ頃かな?僕の友達のね…森崎博之ってやつがいるんだけどさ」

大泉「あの野郎、東京で仕事してたのに突然帰って来て「演劇やろうぜ」って言い出してねぇ」

大泉「全くさぁ…ハワイ旅行もらえるくらいの、優秀な商社マンだっのにだよ?」

舞園「………」

大泉「安田も就職したのにすぐ辞めて、芸能活動に専念するとか言い始めるし……」

大泉「………そんな奴らに囲まれながら」

大泉「テレビに出ながら、舞台やりながら」

大泉「俺ぁ………楽しいなって思えたんだ」

大泉「こいつらがいる限り、この世界で、この演劇界で、生きて行こうってそう思ったんだ」

大泉「………そりゃ、入りは確かに訳の分からんテレビだったかもしれけどさ」

舞園「………」

大泉「そんな風にさ…夢を叶えたいって思うのは自由なんでないのかい?」

大泉「いつか叶う夢だってあるんだから」

大泉「…俺は、俺のやりたい事をやってるし、出来てる。だから、きっと桑田も…」

舞園「………でも…それじゃ、それだけじゃダメなんです…」

大泉「………なんで?」

舞園「私は……アイドルになるのが夢でした」

大泉「………うん」

舞園「小さい頃から…ずっと、アイドルになりたいって思って来ました。そして、それは確かに叶った」

舞園「………でも、この夢は一過性なんです」

舞園「アイドルなんて、一生涯出来る仕事じゃない…そんなの、私にだって分かってます」

舞園「だからこそ今、私はなりたかったアイドルになって、輝き続けたい」

舞園「…でも、でも!このままじゃ私が忘れ去られちゃう……私の帰る場所が、命より大事な仲間が」

舞園「なくなっちゃう………私の、夢が」

霧切「…だから外に出たかった」

舞園「………」こく

大泉「だから、今外に出て…輝きたかった?」

大泉「……だから、桑田の夢なんて、大した叶う予定もないつまらない夢なんて」

大泉「それを潰してでも…出たかった」

舞園「………いけませんか?いけませんか?!」うるっ

大泉「いや?それを否定出来る奴ぁここにはいないさ」

舞園「だったら……なんでこんな回りくどい事してまで私を止めたんですか……!」

大泉「それは、ほら」

舞園「?」

大泉「…面白くねぇべや、あんなクマの手のひらで転がされてんの」

舞園「………!」

大泉「桑田殺したら出れるかもしれねぇよ?けど、舞園…おめぇそれでいいのか?」

大泉「おめぇのファンは、おめぇの事信じてるファンは、それで喜ぶのか?」

舞園「………でもっ………!」ぽろっ

大泉「………忘れねぇよ、絶対。」

舞園「…え…?」

大泉「誰も忘れねぇよ、舞園ちゃんの事は」

舞園「なんで……そんなの、言い切れるんですかぁ……」ぽろぽろ

大泉「もしも世の中の誰かが、それこそ全員がお前を忘れても、苗木誠はきっと覚えてる」

舞園「……!!」ぽろぽろ

大泉「北海道の大スターがこう言ってんだって。信じてくれてもいいんでないの?」

霧切「…でも大泉さんは、嘘つきで有名じゃないですか」

大泉「それ今言うかなぁ?」

舞園「……ふふっ」

大泉「お、やっと笑ったな」

霧切「桑田君を犠牲にした甲斐がありましたね」

舞園「あははは、なんですかそれぇ……」ぽろぽろ

桑田「」チーン(笑)

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翌日







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◆6日目、朝
◆食堂


大泉「……それでは登場していただきましょう、【桑田絶対殺すウーマン】の舞園さんです!」

苗木「ええええ!?」

舞園「」←渾身の土下座


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私が

やりました







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舞園「………未遂ですけど、ね」

舞園「苗木君も、桑田君も…霧切さんも、大泉さんも」

舞園「その節は本当にすいませんでした」ぺこ

苗木「……はは、未遂だった、んだ」へなっ

山田「何事も起こらず…よかったですな」

江ノ島「殺人未遂って既に犯罪じゃね?」

葉隠「裁かれなければどうと言う事はねーべ」

大泉「よし葉隠、お前死刑」

葉隠「」!?

朝日奈「で…桑田は?」

大泉「まだ部屋で寝てるよ」

石丸「むむ、生活リズムが狂ってしまうぞ、桑田くんっ…!」

苗木「…とにかく、何も起こらなくってよかったよ」

舞園「ごめんなさい、私は………」

苗木「ううん、謝らないで?何もなかったんだから」

大泉「部屋がずんだ餅で汚れた以外はな」

舞園「あれは桑田君がリバースしたからですよ」

霧切「名誉の負傷よ」

苗木「………ねぇ、昨日の夜何があったの?」

セレス「それ以前に、夜時間中は出歩き禁止では?」

大泉「ルール守ってたっけ桑田死んじゃうべや!かてー事言うなッ!おみまいするぞ!」

セレス(また気付かれない内に逃げなければなりませんね)


十神「…だが、これではっきり分かったな」

大泉「おや…一体何が、だい?」

十神「人間は簡単に、他人に殺意が持てる…つまり」

十神「この環境なら、殺人は容易く起きる」

十神「このゲームはまだ始まったばかりと言う事だ」

セレス「あなたは…これをゲームと言うのですね、悲しい人」

十神「殺し合い…この様子だと、明日にだってまた起きてもおかしくないぞ?大泉…くくっ」



霧切「………今日は普通の黒いスーツなのね」

十神「うるさい」



大泉(こうして俺は無事に舞園さんの凶行を止めた)

大泉(桑田君と言う尊い犠牲は出たが致し方がないだろう)

大泉(………けれども俺はまだ気付いていなかった)

大泉(これはまだ、全ての始まりにしかすぎないって事を)

大泉(…昨日のずんだ餅の最後を頬張って、ひとり椅子に座って天井を見上げた)

大泉(今日の夕食のメニューをぼんやりと、考えながら)

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【Chapter1】
クイキル


【END】


残り【16人】


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予告(うそ)


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---開かれた2階

朝日奈「プール!」


---謎深まる手紙

霧切「これは」

十神「希望ヶ峰学園は休校していたって事だ」

大泉「おいおい冗談じゃねぇぞ……」


---人を壊すサウナ

大泉「あっはっはっはっはっはっはっwwwww」膝ばしばしばし

石丸「大泉さん!?大泉さん!!」


---ひとりの小さなうそ

不二咲「ずっと、黙っててごめんね」


そして---


霧切「これは料理…あなたへの暴力じゃないわよ?」

大山葉「いやいやいやいやいやぁ!!」

大神「お主、本当は何者なのだ?」

苗木「ペグ打ち100回!?」

葉隠「………そうか、オメーはイレギュラーなのか」

腐川「エクスタシーっ!!」



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弾丸どうでしょう
【Chapter2】

乞うご期待!!


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ここまで。なんか変なとこがあったら本当にごめんなさい(最上級土下座)

Chapter2ですがまだ1文字も書いてないので、多分予告の台詞は入りません
どうでしょうでもね、予告の映像が使われないのは当たり前だからね、仕方ないね
さすがに前枠後枠やると水どうに寄せすぎなのでやりません
お疲れ様でした

ダベミです。新しいトリップを仕入れました。
でも分かり難かったら前のに戻す気です。すいません。やります。

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大泉「げほっ、げほっ…あ"ー、いででで…」


◆保健室


モノクマ「ほんと大泉クンはボクの邪魔が好きだね」

大泉「…うるせぇこの、誰のせいでこうなったと思ってんのよ」

モノクマ「そろそろボクも本気出そうかな」

大泉「…ぁあ?なんだとぉ?」

モノクマ「ナイショ、ナイショ!ボクにも色々作戦があるって事だよ!って言うかさぁ」

大泉「おぉ何だよ、俺ぁ怪我してるっつってんのに話に来たってかい」

モノクマ「どうせ大した事ない怪我のくせに、わあわあ言ってるんでしょ?分かってんだよ?」

大泉「俺はここを脱出したら確実にお前を相手取るからな」

モノクマ「訴えないでよぉ」

大泉「おめぇがこんな風に俺達を追い詰めねぇんなら考えてやる」

モノクマ「それは出来ない相談だね」

大泉「………目的はなんだ?」

モノクマ「キミ達を絶望させる事。それだけだよ」

大泉「わかんねぇなぁ…」

モノクマ「ん、何が?」

大泉「意味が分かんねぇんだよな、それ誰も得しねぇべ?」

モノクマ「ボクが得するんだよ?」

大泉「…要は俺とおめぇは交わらねぇって、そう言うこったろ」

モノクマ「怪我人なのか、それとも口達者なのか、どっちかにしてよ」

大泉「怪我してんのと口達者は関係ねぇべや!」




大泉(……あ、どうも皆さんご存知!大泉洋で御座います。お久しぶりですねぇ)

大泉(さて、今見てもらったのは…実は10日目の光景なんですねぇ)

大泉(そう、前回からいきなり飛んで10日目から見てもらっちゃったわけなんだ)

大泉(俺がいきなり保健室にいてびっくりしたろ?)

大泉(なぜこうなったのか……君達には嫌でも語らにゃならんと思う)

大泉(そう、あれは6日目)

大泉(……舞園さんが土下座の最上級である、土下寝を決めた後から話は始まる)

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【Chapter2】

瞬間少年ゼツボウオナー

(非)日常編


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時は戻り

6日目朝







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十神「今ここで殺人が起きてもおかしくないだろう」

十神「舞園をどうやって懐柔したかは知らんが…そいつは、殺人を思いついた時点で」

十神「俺達の障害だ」

苗木「…十神クン、言い過ぎなんじゃ」

舞園「いいんです、苗木君」

霧切「………残念だけど、それは事実だもの」

朝日奈「う、ま、舞園ちゃんが包丁を持って行ったのも…」

山田「桑田怜恩殿をSATSUGAIしようとしたのも……」

葉隠「模擬刀の先制攻撃だべ!」

大泉「…なんだ?この空気ぶっ壊して何がしてぇんだ、おめぇは?」

葉隠「分からん…けど、今言わんともう二度と言えねー…そんな気がしてな」

霧切「………とにかくそれは全て事実よ。拭いきれない事だわ」

舞園「…ええ、そうですね」

霧切「けれど、それは私達が止めた。そして、これからもそんな殺意は、きっと私達が止めて見せる」

舞園「どうしてそこまで………」

霧切「私は……いえ、私も出したくないだけよ、あのモノクマにそそのかされる人間を」

石丸「き、霧切くんっ、君はそこまで考えて…!」ぶわわっ

十神「くだらんな」

朝日奈「あんた、さっきっからなんなの…?」

十神「馴れ合いほどくだらんものはない。違うか?」

朝日奈「あんたって奴は…!」ぎりっ

大神「よせ朝日奈…朝から荒れてはいかん」

モノクマ「そうですよぉ?朝から怒ってるのは、ロケ当日に騙された事に気付いた大泉クンだけで充分ッ!」

霧切「そうね。サイコロでもカントリーサインでもなんでも憤慨しながら…あら?」

大泉「ナチュラルに入って来てるけども何しに来たのよ、モノクマ」

腐川「ででっでっ、で、出たわね……!」びくびく

舞園「も、モノクマ…さん」

モノクマ「まーったくさ、やっとコロシアイが始まりそうだったのに…キミ達が止めちゃうから」

モノクマ「ぜんっぜん始まんないじゃないっ!」

石丸「僕達は…コロシアイなどしないぞ」

苗木「そうだよ!ボク達はお前には負けないっ!」

モノクマ「そうやって言うのはいいけどさ?これじゃあみんな飽きちゃうよぉ」

霧切(……みんな?)

大泉「この画に飽きてみろ、殺すぞ」

モノクマ「やめてよぉ」

大泉「俺らだって好きでやってねぇっつってんだろ!」

不二咲「で、でもぉ、殺すとかって…そ、そんな言い方は…」

大泉「あぁごめんな、不二咲ちゃん。君は耳塞いでなさい」

大泉(不二咲ちゃんかわいい!天使だな!)


※Tips…【この画に飽きてみろ、殺すぞ】
原付・スーパーカブで新宿から札幌まで帰る事になった企画、【東日本原付ラリー】より。
交通渋滞でカブが進まず、後ろを着いて車で走っていたD陣がその画(映像)に飽き始めた。
そのD達へ、既に企画開始前から嫌がっていた大泉が言い放ったのが上記のセリフ。
その後「やめるぞ」と言ってカブから降りる一幕もあった。

モノクマ「ま、ボクはともかくオマエラが飽きると思ってさ?折角だから」

モノクマ「希望ヶ峰学園・校舎の2階を解放しました」

石丸「2階を?」

朝日奈「じゃあ、行けるところが増えたって事?」

モノクマ「そうだよ?あとは…」

モノクマ「この寄宿舎の【倉庫】と【大浴場】も整備完了したから使っていいよ!」

十神「怪しいな。ノーリスクと言う事もあるまい」

モノクマ「そんな、ボクの親切心を怪しまれたって困るんだよ、十神クン…それにさ」

モノクマ「こんだけあればやるでしょ?」

大和田「ぁあ?…何をするって…」

モノクマ「殺人だよ殺人!」

腐川「」がたがたがたがた

大泉「震えすぎやろ、腐川さん…」

※Tips
大泉さんは謎の関西弁を使う事が稀によくあります。

モノクマ「使えるトリックも凶器も増えるわけだし?これで楽しませてね!」

モノクマ「ま、殺人は既に起こったも同然だし…ワクワクしてきたよ、ボク」

大泉「なぁモノクマ、ひとついいかい?」

モノクマ「………なに?」

大泉「【大法螺】はねぇのかい?」


※Tips…【大法螺(おおぼら)】
【国士無双】などで知られる【高砂酒造株式会社】から発売されている純米酒。
北海道・新篠津(しんしのつ)村で作付けされた【きらら397】を100%使用。
その味わいは、米の甘みがありながらも、スッキリと淡麗な辛口。アルコール度数は約16度。
どうでしょう的には【釣りバカ対決】にて大泉・安田、加えて音尾も呑んだ。1本飲んだら5ポイント。
(大泉「僕ぁやっぱり大法螺だぁ」)


モノクマ「ないよぉ、地酒でしょ?」

葉隠「え?ないんかいな」しょぼん

大泉「……なんでお前が……いや、……俺ぁ大人だぜ?そりゃ酒のひとつふたつ飲みたいだろぉ」

モノクマ「ここをなんだと思ってるのキミ達、希望ヶ峰学園だよ?学び舎だよ?」

石丸「そんな神聖な場所に酒やタバコ、違法薬物などを持ち込ませる訳にはいかないぞ!」

大泉「お前もグルか石丸」

葉隠「そう言う硬い事言うなって!成人2人もいるんだし、酒あってもいいべ?」

大泉「成人2人……?いや、いやいや、誰よ?俺と」

葉隠「俺」

大泉「………はぁ?」

葉隠「ほら俺、なんだかんだあって3ダブしてんだよ…だから20歳にして現役の高校生なんだべ」

大泉「誇れる事じゃねーからな、それは確実に」

霧切「…大泉さんも大学は2浪して入られてたから、人の事はあまり…」


※Tips
なお大泉の兄は早稲田大学に行っていた。
兄と比べられたりして、大学受験は彼にとってかなり辛い時期だった模様。


大泉「………」←無言でケツ蹴り

葉隠「痛ぁ!?」ばしっ

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朝食






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(スープを注ぐ大泉)


(飲んでる)


大泉「……熱っ」


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探索






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石丸「では学園の2階と、寄宿舎の探索に行こうと思う」

大和田「……ちっ、めんどくせぇ……」

舞園「もしかしたら脱出の糸口があるかもしれませんし、行く価値はありますよ」

大泉「そうだねぇ……」

大神「なれば皆で2階へ行くぞ」

山田「…しかし寄宿舎も気になりますが…」

霧切「それなら人数を分けましょう?寄宿舎の探索をしたい人は残ってもらって構わないわ」

大泉「桑田は?」

霧切「寝かせておけばいいんじゃないかしら…」

石丸「ふむ、君が校舎に行くなら、僕は寄宿舎の探索に残るとするかな」

葉隠「はぁー……とりあえずあっちこっち見るしかねぇか……」

腐川「………ままま、待ち、待ちなさいよ!」

不二咲「あ、い、一緒に行こうよぉ」

石丸「では任せたぞ、皆!」



ばたばた
すたすたすた…
とてとて

ばたん



江ノ島「………」



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2階






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朝日奈「……あ、生徒手帳のマップも更新されてる」

セレス「ですわね。便利ですわ…モノクマさんには感謝しませんと」ぴっ

大和田「便利とか感謝とか言ってる場合じゃねぇだろ。ここから出る事を考えねぇとよぉ」

セレス「大和田君…あなたは分かっていませんわ」

大和田「あ?何が---」

セレス「死にたくなければ、適応すべきと言う事です…」こつこつ

大和田「………意味が分かんねぇよ………」

朝日奈「」!

朝日奈「プール」

大和田「…あ?」

朝日奈「プール!!!」
ずどどどどど……

大和田「……はぁ?」

葉隠「オメーら元気なのな…んじゃ俺はそっちの教室調べっかなぁ」

セレス「と言ってサボる気ですわね?」

葉隠「………あー、これはその……」

セレス「大和田君、その人を見守ってくださらない?」

大和田「いやなんで俺が」

セレス「…あなた以外に頼める相手がいませんもの」


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プール







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がちゃ

苗木「プールなんてあったんだね…」

大泉「ほぉー…プールは【プール前ホール】と【男女各更衣室】があって…」

霧切「それぞれの更衣室を抜けると【室内プール】に行けるようになっています」ぴっ

朝日奈「私泳いでいいかな!泳いで来てもいいかな!?」

苗木「あ、朝日奈さん!?なんかテンション高いよ!」

霧切「【超高校級のスイマー】…そうよね、泳げないのは随分辛かったはず」

大泉「………あー、いいんでないの?探索はみんなでやるし」

朝日奈「ありがとう大泉!!」

大泉「いい加減にさん付けくらいしろ」

朝日奈「やだ!!!」

大泉「」かちっ

不二咲「あ、あのぉ……」

苗木「不二咲さん、どうしたの?」

不二咲「あ、あれ…なにかなぁ……」

苗木「え?あれって、更衣室の扉の上についた……」

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ガトリング





ーーーーーーーーーーーーーーー

大泉「おっかねぇなおい!?」

霧切「これは…」

モノクマ「それはね!」どひゅーん

霧切「」!

大泉「うおっ!?湧いて出た!?」

モノクマ「オマエラって性的な事ばっかり考えてる年頃でしょ?大泉クンも心は中学生でしょ?だから」

モノクマ「男子は男子の更衣室、女子は女子の更衣室!」

モノクマ「それぞれ自分の性別の更衣室にしか入れないようになってます!」

モノクマ「扉の前にあるカードリーダーに、自分の生徒手帳をかざしてね!」

不二咲「他の更衣室に入ろうとすると…」

モノクマ「撃たれるよ?」


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撃たれる





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大泉「死ぬ気で覗けってかい…」

モノクマ「なんでもうやる気満々なの?」

霧切「モノクマ…それだと、他人の電子生徒手帳を使って更衣室に入れるんじゃないかしら」

モノクマ「あ、やっちまったな」

苗木「そのテンションは分かんないけど」

朝日奈「自分の生徒手帳をここにかざすんだね!!ありがとう!!」ぴっ


がちゃっ
ばたん


大泉「おい朝日奈マジで泳ぎに行ったぞ」

こつこつ……

セレス「いいんじゃありませんの?行かせて差し上げれば」

大泉「……セレスさん、今来たの」

セレス「大体の話は伺っておりましたので問題ありませんわよ?」

大泉「なんだとぅ?」

セレス「扉が開きっぱなしでしたもの」うふふふ

モノクマ「はいシャラーップ!ボク、新しい校則を思いつきました!」

苗木「……なんだよ突然!」

モノクマ「【電子生徒手帳の貸与禁止】!手帳を誰かに貸す事は許されません!」

モノクマ「破ったらオシオキ!…手帳の内容更新しとくから見といてね」


◆【校則】が更新されました


セレス「………貸す事が許されない、ですか………」ふむ

霧切「そう……」

モノクマ「これで覗きも起こりません!いやぁボクマジ天才」

霧切「次のところに行きましょう」ふぁさ

苗木「え?あ、う、うん…」

モノクマ「聞くだけ聞いたら放置?いいねぇ、絶望しちゃうね」はあはあ

大泉(気持ち悪ぃ)

セレス「私は更衣室を覗いて行きます。不二咲さんもいかがですか?」

不二咲「あ、えっと、そ、の……今は…」

セレス「あら?」

不二咲「………ごめんっ!」

ぴゅーっ

大泉「校舎走ると危ないよぉ、不二咲ちゃーん!」

霧切「行きましょう?私達も」

苗木「あ、う、うん、そうだね…」

セレス「………」

モノクマ「」はぁはぁ

大泉「……お前もういいべや」

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図書室






ーーーーーーーーーーーーーーー

腐川「あたしの本がないっ!」

山田「拙者の同人誌もですっ!」

霧切「【チビナックス】の絵本はあったわ!!」

大泉「なんでまたそんなもんが!」

霧切「しかも2冊ともっ!」


※Tips…【チビナックス】
2006~2008年まで、毎年製作されていたショートアニメ(1回2分ほどの枠での放送)。
DVDは3枚発売されているがほぼ絶版状態なので、入手は現在困難と思われる。
NACS5人+音尾の愛猫【裕次郎】をモチーフにしたチビキャラのシュールすぎるアニメであった。
4期の放送も匂わせていたが、2008年に裕次郎が亡くなった事もあり、その後の放送は無かった。
絵本は、キャラモデルを担当したイラストレーター【BAKU】が絵を、ストーリーを森崎が担当したもの。


大泉「懐かしいねぇ、こんなものがあるなんてさぁ」ぱらぱらっ

霧切「本当によく似ているのよね」

大泉「うわっ猫だ猫」ぞくぞくぞくっ

ばさっ

腐川「絵の猫もダメなの?」


※Tips
大泉さんは猫が苦手です。それは音尾さんの猫・裕次郎も例外ではなく、
上記【チビナックス】のDVD撮り下ろし座談会(チビナックス2.0)では
裕次郎が出てきた瞬間に大泉さんが逃げ出しフレームアウトする光景が見られます。


がちゃ

十神「…うるさいぞ、お前達」

大泉「おや、十神君」

十神「…なんだ?その絵本は…そんなものを読んでいるとは、底が知れるぞ」

こつこつこつ……

腐川「と、十神君は…な、何をしにこんなところに?」

十神「図書室の奥に【書庫】があると、マップに出たからな。見に来ただけだ」

大泉「あぁそうかい、嫌味言ってねぇでさっさと見て帰れ」

山田「……む…皆さん、これはなんでっしゃろ?」

大泉「あ?」


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パソコン






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霧切「かなり古いタイプのパソコンみたいね?」

山田「ほほぅ…パソコンと言えばちーたん!」

大泉「ちーたん?」

山田「不二咲千尋殿の事ですよ!彼女は【超高校級のプログラマー】ですからな」

山田「ずゔぁり!ことパソコンにかけては強いでしょう!」びしっ

苗木「でも電源が入らないみたいだね」かちかち

山田「なん………だと………?」

腐川「で、電源が入らないんじゃ、どうしようもないじゃない…」

山田「大泉洋殿、壊れたパソコンを直せたり…」

大泉「俺も器用な方だとは思うけどねぇ、こればっかりは難しいんじゃないかい?」

山田「デスヨネー」

十神「そんなものより、面白いものを見つけたんだが」

霧切「……何かしら?」



十神「これだ」


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手紙






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十神「ここには希望ヶ峰学園、休校のお知らせ……そう書いてある」

十神「つまり俺達が来るよりももっと前から、希望ヶ峰学園は休校していたと言う事だ」

霧切「希望ヶ峰学園が……閉鎖?休校…?」

大泉「だからモノクマの奴は、閉鎖せれた学園を乗っとれたとでも?」

十神「さぁな……」

苗木「でも、ボクは間違いなく、閉鎖する前の…休校する前の希望ヶ峰学園に…」

腐川「………そそ、そうよ、あたしだって…なのに…いきなりあんな風になるなんて……」

大泉「………」ふむ

山田「謎が深まるばかりですぞ…」

苗木「モノクマの目的が分からないよ」

十神「せいぜい殺されないように頑張るんだな…これはゼロサムゲームなんだ」

十神「誰も傷つかずに終わる事なんて絶対にあり得ない」

十神「それでも……止められるのか?霧切…そして大泉…」くくっ

大泉「………」


大泉(何時間かで出来るような技ではねぇもんなぁ、こんな装備を学園にするなんて)

大泉(となると……ここが元々希望ヶ峰学園じゃないのか、あるいは……)

大泉(いや………うーん、さすがにそれはありえねぇもんなぁ)

大泉(………考えても分かんねぇし、今はまだいいか)

大泉(今は……まだ、な)

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報告






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朝日奈「プールとっても楽しかったなぁ!」

葉隠「校舎には3階に行く階段があったべ。でもあれはシャッターが降りてて行けなかったべ」

大神「やはり2階にも脱出出来そうなものはなかった、すまぬ」

朝日奈「とにかく、プールだよ!なんかロッカーもあったけどしらない!」

セレス「更衣室にはダンベルや身体を鍛える器具がありましたわね」

不二咲「」!

霧切「図書室でチビナックスの絵本が2冊見つかったわ」

石丸「大浴場が解放されいたぞ。サウナも完備されていた」

腐川「は、入らないわよ…入りたくもないし…」

大泉「いやぁいいねぇ、露天がねぇのが残念だけどな」

大和田「サウナか…」

山田「それと図書室でパソコンを見つけたのですが」

苗木「不二咲さん、もしかして使えたりしない?」

不二咲「うーん、ちょっとやってみるねぇ…」

霧切「帯には森崎博之さんの写真が入っているわ、見たければどうぞ」

江ノ島「……あー、あと倉庫も解放されてたっしょ?あそこに水とか下着とかもあるから」

舞園「ほんとにたくさんありましたよ!これで服があんまりないって事にはならずに済みそうですね」

十神「だからどうした?それを使って殺人を犯す事も出来るだろう?」

江ノ島「あ、あとレーションがあったよ」

大泉「レーションってなに?どこ料理?」

霧切「子供向けの絵本にも関わらず大人を虜にするなんて…チームナックス、侮れない!」ぱらぱら

大泉「お前帰れ」

桑田「霧切、その本貸せ!」

大泉「おめぇもう一回ベッドに沈めるぞ?桑田」

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その日の夜

希望ヶ峰学園のどこか






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モノクマ「………うぷぷ、もう自分が使ってもらえるとでも思ってた?」

モノクマ「まだだよ、君はまだ動かないでもらいたいね」

モノクマ「…え?なんでって?その方が絶望が大きくなるじゃなあい」

モノクマ「みんなと仲良くなって、打ち解けたところで」

モノクマ「………君が、君自身が、君自身でそれを壊すんだよ」

モノクマ「絶望的…それこそなんて絶望的なんだろうね!キミを信じていたのに、殺される仲間の顔が早く拝みたい!」

モノクマ「うぷぷ…うぷぷぷぷぷぷ…!!」

モノクマ「…だからそれまでは【人質】は守ってあげる」

モノクマ「その代わり分かってるよねぇ?」

モノクマ「次は容赦しないよ、ボクはサファリパークでも有名な暴れん坊なんだ」

モノクマ「ボクに逆らったらどうなるのか分かってるよね?もう誰も殺したくないよね?」

モノクマ「もう、モニター越しにキミの名前を呼びながら死ぬ人は、見たくないよね?」

モノクマ「【内通者】さん?」


「………」


モノクマ「ぎゃーーーーっはっはっはっはっは!!」


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ここまで。チビナックスはDVDも絵本も予約して買った。
お疲れ様です。

※おまけTips
ナックス達のファンの名称は以下の通り。あなたはどれかな?

大泉→子猫ちゃん
安田→安田国民(単に「国民」とだけ呼ぶ事も)
森崎→子顔ちゃん(本人が巨顔である事から)
戸次→子残念ちゃん(そのまんま)
音尾→子魚ちゃん(音尾が魚顔だから)

ちなみにみすたさんのファンは子虎ちゃんと呼びます

子猫ちゃん拡大中
7日目書けたよ!

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7日目





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◆朝、食堂


大泉「……暇だわ」

朝日奈「びっくりするくらい暇だねー」

石丸「何ですと?今出来る事をやりましょう、大泉さんッ!朝日奈くんもッ!」

大泉「っつってもどうにもこうにも…もうやれる事がねぇもんなぁ」

朝日奈「出来る事って何?大体の事はやっちゃったよ?朝プールもやったし」

大泉「体力ありすぎだろ朝日奈さん」

石丸「……言われてみれば確かに…探索は昨日、皆で飽きるほど行いましたから…」

葉隠「んじゃーマジで何もする事ねぇんか?」

大泉「だねぇ」

石丸「……いいやっ!今日は皆で勉強会を開こうッ!」

朝日奈「あんた、ほんとそれ好きだよね…」

石丸「学生は勉学のプロで有るべきなのだ!学生の仕事は勉強をする事!ですよね、大泉さん!」

大泉(いや、俺に振るなや!)

大泉(石丸の言う事もまぁ、理解出来なくはないけども……)

大泉「いやぁ…まま、そうだけどもね?こんな異常な状況でぇ、勉強しても…頭に入らんしょ?」

石丸「ですが一分一秒も惜しいんです…このままでは置いていかれてしまいますよ!」

葉隠「置いてかれるって何なん?時代に?」

石丸「勉学だよっ!」

大泉「分かったってぇの!」

大泉(さすがに何日も、こう大所帯で閉じ込められてるとどうしても意思の擦り合わせってのは難しいよな)

大泉「どっかに脱出の糸口でもありゃいいんだけどねぇ」

石丸「ならば再び、この学内を見回りに…」




<ガシャーンッ

朝日奈「ねぇ、今のなんの音?」

葉隠「何か割れたみてーな音だったな」

大泉「……おいおい何だぁ?朝から騒がしいなおい」



<ぷぎーっ!


大泉「断末魔聞こえたぞ!?」

ぎいっ

大神「どうした…?」

朝日奈「あ、さくらちゃん!」

石丸「ああ、おはよう大神くん」

大泉「……ん?さくらちゃん?あれ、前と呼び方違うんでない?」

大泉「おいおいー、いつからそんな仲良くなったのよ?俺に内緒で」

大神「お主がちょうど、霧切と共に舞園を止めた日に…な」

朝日奈「怖かったから、さくらちゃんと一緒に寝て…」

大泉「朝日奈さんにも可愛いところがあったんだねェ」

朝日奈「うんっ!それで夜ずっと話してたら意気投合したんだ!」

大泉「なるほど」

石丸「そっ……それは!異性不順交際じゃないかッ!」

大泉(何言ってんだこいつ)

大神「………我は女だが?」

石丸「失礼したッ!」

葉隠「石丸っちって…その、命知らずすぎんべ…」

大泉(やべぇよ、大神さん目が笑ってねぇものあんた…死んでてもおかしくねぇからな?)

大泉「……ってあれ、何か忘れてねぇか?俺達」

朝日奈「えーと、なんだっけ?」

葉隠「………分からんべ」

大神「我はこちらから何か物音がしたので来たのだが…?」

石丸「そうだぞ皆!向こうから物々しい音が!」

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セレスさん






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セレス「だ・れ・が…こんな汚水のようなものを作れと言ったのですか…?」ごごごごご

山田「い、いえ、しかし…ミルクティを所望されましたので…」

セレス「私(ワタクシ)はこんなものを完成品とは認めないッ!」

山田「」!?

セレス「…私が飲むのは、牛乳で煮出した【ロイヤルミルクティ】だけですの」

山田「もしやそれを作れと」

セレス「作らないのですか?」にっこり

山田(…ひぎぃ!笑顔に殺意が篭ってる!)


大泉「……なんかやってんぞ、あいつら」

大泉(セレスさんの笑顔から、鈴井さんみたいな殺意を感じるねぇ…)さぶいぼざぁーっ


※Tips…【笑顔から感じる殺意】
大泉の直属の上司である会長・鈴井貴之(ミスター)は本気でキレると笑い始めるタイプ。
テレビドラマの企画で脚本を書く事になったものの締め切りを破りまくった大泉に対し、笑いながら説教していたため
関係者各位、特に所属タレント陣ががこぞって顔面蒼白となった、と言う逸話が残っている。
(大泉は、こののち主題歌の締め切りも破った。その時は「締め切りまでに上がらなかったら覚悟しとけ」と殺害予告を残した)
しかしながら鈴井も大泉の遅筆と遅刻グセには慣らされてしまったとの事。


大神「少なくとも、セレスは憤っているようだな」

葉隠「………」そろー

大泉「おいお前、大神さんいるからって逃げようとすんな」がしっ

葉隠「うっ」びくっ

大泉「何よおめぇは情けねぇ、大神さんが何したって?」

葉隠「いや、だって…」しゅーん

大泉「おめぇビビりすぎだ。大神さんは仲良くしようとしてんべ?(まぁ気持ちは分からなくもないけど)」

朝日奈「って言うかセレスちゃん、なんでカップを壁に叩きつけてんの?」

舞園「きっとあまり好きな味ではなかったんですよ…分かります、エスパーですから!」

石丸「舞園くん!いつからここに…」

大泉「…素直に最初から聞いてたって言ってくれねぇかな?」

舞園「いいじゃありませんか!そんな細かい事は!」

大泉(ずんだ餅決戦以降、舞園さんが何か吹っ切れてしまった。反省はしてないぞ、俺は悪くない)

舞園「…ところで、なんであんな事になったんでしょうね?」

大泉「あれかい?じゃあ、聞いてみるかい?」

大神「大泉氏、聞けるのか…?」

大泉「分からんがやってみる」


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接触






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大泉「おおい、セレスさん」すたすた

セレス「…あら?随分と大所帯でいかがなさいましたの、大泉さん?」

大泉「いやね、そっちにいたんだけどガシャーンッて音したから来たのさ」

セレス「それでしたらお構いなく。私と山田君の問題です」

大泉「座布団でも運ばせてんのかい?」

石丸「座布団はガシャンなどとは言いません!」

大泉「…シャレだろ?そう食ってかかるなよぉ」

葉隠「と言うか笑点知らんって…何か侘しいな」

朝日奈「笑点?…分かんないけど、そんなの見てるの?」

葉隠「道民の日曜ったら大体1×8から笑点見てバンキシャじゃねーんか?人によっちゃそのあとDASH、イッテQも流し見…」


※Tips
完全に偏見です。道民が全員こうなわけないので安心してください。
ちなみに【1×8】は【1×8いこうよ!】と言う大泉出演のバラエティの事。


大神「お主、道民なのか?」

葉隠「………ノーコメントで」

大泉「それはともかくねぇ、セレスさん。あんなでっけぇ物音立てといてなんもねぇってのは」

セレス「だって何もありませんでしたもの…」

山田「」でぶでぶでぶでぶ

大泉「……これでもかい?」

セレス「ええ。山田君には私の飲み物を作ってくださるようにお願いしていたのですわ」

大神「セレスよ…しかし、お主のその態度は何かを頼むもののそれとは思えんが」

セレス「………お黙りなさい、同意があるのです」いらっ

大泉(セレスさんはあれかな?思い通りにいかないと気ぃ済まねータイプかな?)

舞園「それで…どんな飲み物を作るんですか?」

セレス「【ロイヤルミルクティ】ですわ」

葉隠「……【ロイヤルミルクティ】?」

大神「それは…どのような飲み物なのだ?」

セレス「牛乳を熱し、そこで紅茶を煮出す飲み物ですの」

セレス「私はフランス人の貴族とドイツ人である音楽家を両親に持つ生粋のセレブリティですので」

セレス「………やはり本場に近い、手の込んだものでなければ、満足出来ませんもの」

大泉「ふぅん…?」

大泉(…少なくともフランスやドイツにゃあ、【ロイヤルミルクティ】なんて名前の飲み物はねぇんだけどな)

大泉(どうすっかな、ここはちょっと黙って)

石丸「む?確か【ロイヤルミルクティ】は日本の…」

大泉(あっバカ、天才だけどバカ!)

セレス「…今、何か仰いました?」ぎろっ

石丸「ん?ああ、【ロイヤルミルクティ】は---」

大泉「あ、ああ!あの、よかったら俺達が作ってやろうかって事だよ!」ばっ

セレス「………まぁ」

石丸「お、大泉さん!彼女には知らせて…」

大泉「黙ってろ石丸!シャラップ!」

セレス「ありがたい申し出ですが…皆さんの時間をいただくわけには行きませんわ。ですから」

セレス「山田、作って来いこのビチグソ」

山田「あ、は………はいぃ!只今ァァァァ!!」どひゅーんっ

大泉「……いいのか?山田お前それでいいのか?」

セレス「うふふふふ……」

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腐川






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きいぃ

腐川「………」

大泉「おおう、腐川さんでないの。おはよう、腐川さん」

腐川「………ょぅ」ぽそ

大泉「低血圧なのかな?」

舞園「女性は低血圧が多いって言いますからね」

大神「我はこの会話自体何かがズレているような気がするのだが」

石丸「しかし…むむむ、朝から見ていない生徒が多いな」

朝日奈「そう?大和田も桑田もさっき会ったよ?」

大神「苗木も先刻見た。江ノ島は…朝ランニングしている時に会ったな」

大泉「……大神さん、ランニングしてらっしゃるの?」

朝日奈「私と一緒に!…でも、普段江ノ島ちゃんって朝は遅く起きるイメージなのに…」

葉隠「あー、それと霧切っちも見たような見てないような」

大泉「どっちかはっきりしろよ」

葉隠「はい見ましたべ」

舞園「となると、誰も見てないのは十神君だけですね」

腐川「と、十神君がどうかしたの…?」

舞園「はい、朝から誰も見ていないと言う話です」

腐川「なっ…!?」

大泉「ほっといても大丈夫だとは思うけど、一応探してみる?」

石丸「彼の身が心配だな。問題ないとは思うが…」

大神「しかし奴の性格を考えると、何か起きていてもおかしくはあるまい?」

大泉「まさかそんな、…はは」

腐川「…さ、探しに行くの?手伝ってあげない事もない、けど」

舞園「じゃあ一緒に行きましょう?」がしっ

腐川「………へ?」

舞園「レッツゴー!です!」すたたた

腐川「あ、ちょ、ちょっ、引っ張るんじゃないわよおお!!」

大泉(まんざらでもなさそうだな、腐川さん。被害妄想つえーけど、ほんとは寂しいだけなのかね)

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寄宿舎





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朝日奈「いないよ?」

大泉「ランドリーもいねぇわ」

石丸「浴場もです」

大神「倉庫にもいなかったな」

葉隠「となると……校舎の方かいな?」

大泉「かもねぇ、行くかい?」

舞園「それしかありませんね」


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校舎






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大泉「いないねぇ」

石丸「うむ……」


(よく見ると大泉は教室のゴミ箱の中を覗いている)



(突然葉隠が何かに弾かれたように走り始める)

(大泉も石丸も気づいていない)


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しばらくして






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◆図書室


がらっ…


十神「………」

舞園「ここです…」そろーっ

大泉「あ、いましたいました!」

石丸「ああ、よかった……」

大泉「十神くぅん、十神くぅん?」

大泉「……つーか、朝日奈さんと大神さん見なかった?こっち来てない?」

舞園「そう言えば途中からいませんね」

腐川「はぁ、はぁ…」

大泉「君は体力ないねぇ、腐川さん」

十神「………」

腐川「はぁっ、はぁっ……と、十神く……」

舞園「全く…心配しましたよ?こんなところにいたんですね、ひとりで朝から」

十神「………」

大泉「十神ぃ、……おい残念、金髪、メガネ」

十神「なんだその妙な呼び方は」

大泉「やっと反応した…なして無視すんのよ!」

十神「お前らがうるさいからだ。俺がなにしてるのか、見て分からないのか?」


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怒ってる






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大泉「んー………、ナンプレ!」

十神「黙れ」


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ダメだった






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大泉「なぁ、なにしてんのひとりで。みんな心配したしょや」

十神「愚民や騙され芸人に心配される俺ではない」

大泉「」カチッ

十神「………俺は本を読んでいるのだが、それも分からないのか?分かったらさっさと部屋を出て行け」

十神「帰り方は分かるか?足を交互に前に出せば歩けるだろう?」

十神「俺は俺の好きなように行動する、お前らの心配など必要ない」

腐川「ででで、でも、朝からいなかったら、やっぱりみんな心配し」

十神「お前」

腐川「………て………?」

十神「臭うぞ。…俺に近寄るな、汚物」

腐川「」!!

石丸「女性に対してなんて口の聞き方を…!」

十神「事実を述べたまでだ。それに、俺がお前らの仲良しごっこに付き合ってやる義理はない」


ぱらっ…


大泉(そう言いながら十神君が読んでいるのは【雅楽戦隊ホワイトストーンズ】じゃないか)

大泉(………改めて、なんであんのよ)


※Tips…【雅楽戦隊ホワイトストーンズ】
ローカルヒーローの先駆けとなった作品。初出は【モザイクな夜V3】、のちに【ドラバラ鈴井の巣】にてシリーズ化。
南郷・本郷・北郷の3人が、札幌市白石区だけを守るためのヒーロー【ホワイトストーンズ】に変化して戦う物語。
十神が読んでいるのは、それを元にして鈴井の手で再構成された【小説版ホワイトストーンズ】である。
小説版は怪人などは現れず、白石区で起こったテロに対して、主人公達が立ち向かうストーリーになっている。
それぞれのキャラクターや設定、展開などがかなり違うので、見比べると面白いかもしれない。
なお1の推しはドラマ版に登場する白龍神社の宮司。


十神「俺は読書に忙しい。俺ひとりいなくとも、生活は出来るだろう?勝手にやっておけ」

石丸「だがっ」

大泉「………はぁ、分かった。帰るよ、石丸くぅん」

石丸「……ですが大泉さん」

大泉「仕方ねぇべや、十神がこう言ってんだから」

石丸「むぐぐぐ……」


ぱたん


十神「………」

十神「………」ぺらっ

十神「………」

十神「………ふむ」

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廊下






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大泉「十神がもうほっとけっつってんだから、しばらくほっとくしかねぇなぁ」

舞園「無理に従わせる事なんて出来なさそうですしね」

石丸「いいのですか、あれで!もっと協調性を持つべきだと思うのですか!?」

大泉「…ま、いいんでないの?無理に話しても意味ねぇと思うよ、今は」

石丸「…ぬうう」

腐川「………」

大泉「にしてもひでぇやつだな。レディに対して臭うぞッ!なんてのは許せねぇ話だ」

腐川「………十神君が」

大泉「おぉ、怒ってもいいぞぉ、腐川さんっ!」

腐川「十神、君が………」わなわな

大泉「おお、言え言え。話は聞いてやるから」

腐川「………心配してくれた………」うっとり


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大泉「………は?」

舞園「ち、違うと思いますよ?」

腐川「あ、あたしの体が臭うって…そんな、そんな事まで気にかけて…くれたっ…」

大泉「何を言ってるんだお前は」

腐川「あ、あた、あたし、おおおおお風呂入ってくるわッ!」どひゅん

石丸「こら、廊下を走るなと!……行ってしまったか」

大泉「………僕ぁ、腐川さんの謎がまたひとつ増えちまったよ」

舞園「大丈夫でしょうか、腐川さん」



がちゃ



朝日奈「あー、プール楽しかった!」

大神「お主が楽しければ我はそれで良い」

大泉「………あれ?朝日奈さんに大神さん?」

石丸「む、途中から姿が見えないと思っていたが」

舞園「プールに行っていたんですね」

大泉「なんだ、心配して損したべや!おめぇらまでいなくなってたら…何かあったんじゃねぇかって心配するべや」

大神「うむ、すまぬ……」

舞園「朝日奈さんはプールが好きですから…ね」

朝日奈「どうしても我慢出来なくて!」

大神「最初は止めていたのだがな」

大泉「っちゅうか朝プール泳いだんだよね?泳いだのにまた泳ぎに行くとか体力すげぇな!」

朝日奈「プールがあったら泳ぐのはスイマーの基本だもん!」

朝日奈「それに体育会系の部活6つ掛け持ちしてるし、体をずっと動かしてないと落ち着かないんだよね!」

大泉「化け物じゃねぇか!?」

舞園「ともかくこれで十神君も見つかりましたし、大神さんも朝日奈さんも無事でしたし」

石丸「では戻りましょうか?大泉さん」

大泉「……ん?…誰か足りねぇ気がするんだけど、誰だ?」

舞園「え?」


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その頃






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◆自室





葉隠「………いや、そんな………」

葉隠「…今の様子を考えりゃ、そんな事起きる訳がねぇべ……でも、でも……」

葉隠「………ッ………」がたがた

葉隠「言えるわけ、ねぇよな…」







葉隠「……【近いうちに大泉っちがオーガに殺される】なんて……!」がたがた

7日目終了(ドラの音)

とてつもなく不穏な感じにして見ました。
ちなみにChapter2タイトルの意味はまだ内緒。
8日目は自由時間もあるし、生徒との交流も深めますよ

乙乙
>>397で教室のゴミ箱の中を覗いていたのは葉隠ってことでいいのかしら

>>405
ニェット。
「大泉さんが意味不明なとこを探している」ので、ゴミ箱覗いてるのは大泉さん。
そのあと未来予知をしたので葉隠はダッシュで逃げた、みたいな流れです。
分かりにくくて申し訳ない。

7日目夜から8日目夜へ。
色々突っ込みどころはあるかもしれませんが、ご覧ください。

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7日目夜






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大泉「ラーメンっ!」


ずるる


大泉「うまいっ!」


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大泉「結局今日はなんもしてねぇなぁ」

大泉「…あの後も腐川探したくらいか。ったく、一日何してんのよ俺は」

モノクマ「全くだよね。なんでこんな時に…」

大泉「…また来たな?てめぇこの」

モノクマ「まぁいいじゃない。深夜バスのように、終着駅に止まるまで待ちなさいよ」

大泉「おめぇの話と深夜バスだったらぼかぁ深夜バスを選ぶね。どっちもやだけど」

モノクマ「それってボクがはりまや号よりひどいって事?」


※Tips…【壇ノ浦レポート】
【サイコロ2】で放送された、伝説のシーン。
高知駅から博多駅までの移動で、深夜バス【はりまや号】に乗り込んだどうでしょう班。
その移動中、休憩地点である【壇ノ浦パーキングエリア】で、途中経過を報告するためにカメラは回った。
が、この日も朝から移動しっぱなし、更に前日から2夜続けての深夜バスと言う事もあり、大泉・鈴井両名は遂に限界を迎えた。
そして彼らは「バスでね、もう寝れないんだよ」「デレクターがね、うなされたらしいんだよ」と報告(レポート)。
レポートはカメラを通しても臨場感、緊迫感、なにより疲労感が生々しくも充分に伝わる物となった。
これはどうでしょう史に延々と残る【(伝説の)壇ノ浦レポート】と呼ばれている。


大泉「確かにおめぇの話聞いてたらうなされるかもしれんな」

モノクマ「ところでさぁ、キミね?桑田クン止めてくれない?」

大泉「は?桑田?…なんで?」

モノクマ「どうでしょう見せろって、DVD出せって毎日たかられてんだよね…」

大泉「なもん見してやればいいべや」

モノクマ「…えー?やだよ」

大泉「おめぇ俺らの生活が不便しないようにしてくれるんでなかったの?」

モノクマ「いつそんな事言いましたっけ!」

大泉「違うの?」

モノクマ「食料は自動的に補充するよ、くらいなら舞園さんに言ったけどね?」

モノクマ「どうでしょうDVDを出すとか、そう言う事はボクやってないから!」

モノクマ(むしろどうでしょうDVDで釣れそうな生徒ってどう言う事なの)

大泉「知らねぇよぉ!つーか帰れよおめぇは!俺寝るんだから!」

モノクマ「ちぇ、仕方ないなぁ」

大泉「なしてそんな嫌々よ!?」

モノクマ「ボクのせめてもの反撃だったって事だよ。キミに対しての、ね」

大泉「反撃だ、っておめぇなぁ、俺がおめぇになんかしたわけじゃ…」



モノクマ「ほんとにそう言い切れるの?絶対に?」



大泉「…は?」

モノクマ「いや、大泉クンって忘れっぽそうじゃない?」

大泉「うるせぇなこの」

モノクマ「まぁいいや!おやすみ!」ぴゅーっ

大泉「おい、ちょっと待…」



ばたん



大泉「………」

大泉(…なんだあの匂わせ方。モノクマが無意味な事をするとは考えにくいしなぁ)

大泉(だとしたらあれは……)

大泉(…いや、意味が分からん…)

大泉「………どう言う意味だ………?」

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次の日






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◆8日目朝
◆自室


『オマエラ朝です!おはようございます!起きやがれ!』

大泉「…ううん、あと5分ぅ…」

『…起きないあいつがいるなら、アレ流しちゃうぞ!』


※Tips…【起きないあいつ】
大泉と戸次の番組内ユニット【FANTAN(ファンタン)】の曲。ファンタンは中国語で【おにぎり(握団)】の事。
釜山国際映画祭に鈴井の監督作品で出向いた際、サイン攻めにあったために手応えをつかんだ大泉が
「クリスマスまでにシゲとハングル語で一曲作りたい」と言った(恐らくホラ話)事がきっかけで製作された曲。
オリコン初登場は7位だった。ちなみに大泉がFAN兄さん、戸次がTAN兄さん。
のちに【ハナタレナックス】にて音尾・森崎によるパロディユニット【おむすび】も出来た。


大泉「……起きないあいつ…」もそもそ

大泉「………ふつうにそれ流す訳ねぇもな………」

大泉「……何していたいでも流す気か……」ふわぁ


※Tips…【何していたい】
パロディユニット【おむすび】の曲。
【起きないあいつ】のサビが、「見つめていたい、何していたい(以下鼻歌)」になっているだけ。
響き的に下ネタに聞こえてくる。と言うか多分下ネタ。一番最後は「朝の光で何していたい」。
ちなみにPV撮影で全編オーストラリアロケを敢行し、カナヅチの森崎が「海が綺麗」と言ってたのもこの時。


『……………』

大泉「………?」

『……………』ぴっ


じゃーんっ♩(ギター)


『女の尻を追いながらぁぁぁ!俺のハートは抜けがらぁぁぁ!』

大泉「」絶句

『マジで恋した時だけぇぇぇ!どうして勇気が出ないのおぉぉ!!』

大泉「…寝覚め悪ぃな…」


※Tips…【オヤシラズノヨウニ】
作詞作曲・森崎博之。アーティスト名としては【山田太郎】と言う役名になっている。
大泉がタイトルだけをミュージシャン志望役だった森崎に伝え、そこから作られた曲。
ファン内外に音痴で知られている森崎だが、曲を作る事は出来るので音感自体がないわけではないようだ。
のちにセルフカバーアルバムにて音尾がカバー。原曲もギター2本での弾き語りだが、こちらはよりしっとりした曲調。


大泉「………なんでこれ流してんのよ………」ふわぁ

『抜けー!抜けー!親知らずーっ!!』

大泉「もういいっちゅうの!止めろよ!!」


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食堂






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十神「………」いらいら

苗木「あれ?十神クンが食堂にいるなんて珍し…」

十神「あんな不快な音楽に目を覚ませられてな、さすがの俺も苛立ちを隠せない」

大泉(おぉ、十神がキレてるぞモノクマ。……いやモリは悪くねぇからな)


※Tips
何度も言うが、NACSリーダー・森崎は音痴。【リアルジャイアン】と言う異名からお察しください。
歌も音痴、しかも運動音痴でカナヅチ(、そしてハゲを気にしている)。
更に天然ボケ。NACSの代表作でもある【LOOSER】なんか本来スペルミスだし。(正しくは【LOSER】)
弱点だらけじゃないか、リーダー。北海道に封印しておこう(使命感)。

大泉「ま、十神君が食堂に来たって事をいい事だと捉える事にしよう…ね」

苗木「………そう、ですか?」

大泉「そうさ。彼が自ずと食堂に来たんだぜ?十神君のファインプレーだよ」

苗木(何故だろう、その響きに寒気がする)

十神「だからどうした?俺は別にお前らと馴れ合う気は無い、と言ったはずだが」

大泉「連れないね十神君?知り合いだが友達じゃない、ってかい?」


※Tips
大泉が作詞作曲した【what's 真池龍?】より。
安田制作のドラマに登場した大泉のキャラ、【真池 龍(まいけ・りゅう)】のイメージソング。
該当の歌詞は「安原バカ、知り合いだが友達じゃない」。ちなみに安原は安田の役名。


十神「………黙れ」ふいっ

大泉「なんだいもう…」

十神「話しかけるな。所詮お前も2流タレントなのだからな、大泉」

大泉「ふぅん?」

苗木「十神クン、そんな言い方って」

大泉「いやぁ?いいよぉ?僕ぁよく言われてたからねぇ、あの人に」


大泉(…カメラの前でだけども、藤村さんにな。……さて、その藤村さんは元気なのか?ま、死んではないと思うけどな)

大泉(…何してんだろうな)

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自由時間






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◆8日目、昼
◆プール


大泉(………俺は今、海パン一丁でこのプールサイドに立っている)

大泉(朝から昼の間に何があったのか…どうしてこうなったのか、簡単に話すと---)


朝日奈「さくらちゃんが今日は調子悪いって言ってて、ひとりでトレーニングしたいからってさ」

朝日奈「…だから暇そうな大泉がいてくれて助かったよ!」

大泉(うん、説明ゼリフをありがとう朝日奈さん)

大泉(しかし意外だねぇ。この子が俺に声かけてくれるなんて思ってもなかったよぉ?僕ぁ)

大泉(てっきり嫌われてるんじゃねぇかと思って………ってちょっと待て)

大泉「暇じゃねぇわ。あと呼び捨てやめような、大泉さん。オーケー?」

朝日奈「大泉!」

大泉「」かちっ

朝日奈「あ!そう言えばさ、大泉は劇団?…なんだっけ?」

大泉「………ぁあ、【TEAM NACS】…大学ん時の友達とやってんだ」

朝日奈「やっぱり、劇団でお仕事したいなって思ってそうなったの?」

大泉「ん?んー、俺の場合は気付いたらそうなってたところも大きいし」

大泉「まぁ俺も楽しかったから、芝居がね。君が体動かすのが楽しいみたいに」

朝日奈「んー、お芝居が楽しい気持ちは、私にはよく分かんないかも…」

大泉「はは、まぁそうかもしれんないねぇ。やろうと思わないとやらないもんだから」

朝日奈「そうなの?」

大泉「まあねぇ。演劇ってのぁ…ほら、行こうとしないと見ないもんだろ?そこでしか見れないんだから」

朝日奈「ん……、ドラマ見るのとか映画見るのとは違うって事?」

大泉「概ねそんなとこだね。その場でしか生まれないもん、その空気感っちゅうのが舞台の面白ささ」

朝日奈「早いから結果が出るとか、強いから必ず勝つのとは違うって事なのかな」

大泉「かもね。その時その時で必ず違うものになる。それが演劇で、それが俺の好きなもんだ」

朝日奈「へぇ、大泉にもそう言うのあるんだね!意外かも!」

大泉「…え?何がよ」

朝日奈「ほら、大泉って普段は力ない顔してるじゃん?」

大泉「はぁ?つくづく君はナチュラルに失礼だな」

朝日奈「なんにも面白くないって思ってるのかと思って!」

大泉「………な事ぁないよ」ふっ

朝日奈「その割には元気ないよ?」

大泉「………」

大泉(この子はあれだね、末恐ろしいよ)

大泉「いや、君はほんとに無礼だねぇ」

大泉(女のカンってヤツか?俺が地味に最初のDVDの事引っ張ってんのバレたか)

大泉(…それとも…別な事か?)

朝日奈「大泉さ、モノクマに会う前と会った後で顔つき全然違うの、気付いてなかった?」

大泉(おや?これは…どっちだ?分かってて言ってんならさぶいぼ立つけども)

大泉(でも、案外鋭いのかね?朝日奈さん。アスリートって人を見る目あるんだな)

大泉「……え、そんな違った?」

朝日奈「もう全然違うよ!すっごい怒ってたから、大泉…」

大泉(そっか、そんなに俺ぁモノクマにやーな顔してたかい。滲み出たな、感情が)

朝日奈「それに…舞園ちゃんを止めた次の日、だっけ。舞園ちゃんが土下座するの止めなかったし」

朝日奈「それ見ながらちょっと笑ってたのは安心したけど!」

大泉「君は…思ったより僕をよく見てるんだねぇ」

朝日奈「もうっ、大泉こそ失礼だよっ!」

大泉「ああ、ごめんね…」

朝日奈「………」

大泉「………」

朝日奈「………」むーん

大泉「………」

大泉(……何よこの沈黙!気まずいしょや!?)

朝日奈「……知ってる?」

朝日奈「『演じている人は、全てかっこよくなければいけない』…鈴木一郎の名言なんだけど」

大泉「……そうなんだ」

朝日奈「………ねぇ大泉」

大泉「…何よ」

朝日奈「大泉のかっこいいって、強がるのとは違うと思うんだよね」

大泉「………」

朝日奈「だからさ、もうちょっと素直になってくれてもいいんじゃない?」

大泉「俺ぁ別に無理してもねぇし、嘘もついてねぇって!」

朝日奈「それは違うね!」

大泉「…はぁ!?」

朝日奈「大泉はきっと思ってるよね?自分が大人だから、自分が…高校生を、子供を守んなきゃって」

朝日奈「だから自分が何かしなくちゃ、なんとかしなくちゃって、ちょっとだけでも…思ってるよね」

朝日奈「隙を見せないようにしてるって言うか……」

朝日奈「………私達がバラバラにならないように気を使ってるよ」

大泉「………!!」

朝日奈「そんな心配しなくたって大丈夫だよ?私達…一応【超高校級】って、【人類の希望】って呼ばれてるから」

朝日奈「十神はあれだけど、みんなちゃんと団結出来るって!きっとちゃんと外に出れるから!」

朝日奈「モノクマの殺し合いがどうのなんて、誰も絶対信じない!誰も人を殺さないって!だから」

朝日奈「だから…ちょっとでいいからさ」

大泉「………」

朝日奈「素直になりなよ!」


大泉(……………)

大泉(……俺は……そんな必死になってるように、見えてたのか?)

大泉(……それにしても…素直になりなよ、か………くくっ………)


大泉「………ハハッ」

朝日奈「」?

大泉「…はは……アッハッハッハッハ!こいつぁ一本取られたぞぉ!まさか朝日奈さんに見抜かれるとは!」

大泉「君はもっと鈍感な人だと思ってたけど、そこは改めにゃならんようだ!」

朝日奈「えっ…私、そう言うのに疎いと思われてた!?」

大泉「ぁあそうさ、君は他人は気にしないタイプなのかとね」

朝日奈「ううん、これは…この生活は、モノクマと戦う団体競技だから」

朝日奈「だから負けられないじゃん!」

大泉「………なるほど、そう言う発想もあんのか。ますますすげぇな、朝日奈さん」

朝日奈「大泉!」

大泉「おう何だい!朝日奈さん!」

朝日奈「その、朝日奈って呼び捨てでいいよ…なんか、さん付けって壁感じるし」

大泉「」!

大泉「…ふふっ、そう君が言うんならそうするぜ?朝日奈ぁ、おい」

朝日奈「大泉!」

大泉「朝日奈ぁ!」


朝日奈「25m往復100回泳ぐよ!」


大泉「おぉし任せて……」


大泉「………」


大泉「………はい?」

朝日奈「え?泳がないの?」

大泉「いや、えーと?」

朝日奈「泳げば大泉の悩みなんて吹っ飛ぶって!ほら、ほら!」ぐいぐい

大泉「ちょ、引っ張んなや!一回でいいから大泉さんって呼べ、な!」

朝日奈「大泉!」

大泉「」カチッ

朝日奈「ほら!道産子って泳ぐの好きなんじゃないの!?」

大泉「待て待て待て待て!俺そんなに泳ぐの好きじゃn」


どっぱぁぁぁぁぁん


朝日奈「っははははは!!」



大泉(………こうして俺は朝日奈さんに散々な目に遭わされた。死ぬかと思った。なまら怖かったわ)

大泉(マジでやりかねん言い方だったからなぁ、あれ。ほんとに泳がされなくてよかった)

大泉(おかげさまで俺は軽く朝日奈がトラウマで、軽々しく呼び捨て出来ない心境です)

大泉(…でも、久しぶりに楽しかった)

大泉(おっぱいでかかったし)

大泉(しっかし、まさか朝日奈さんに逆に気を使わせてたとは。俺も少しは立ち位置を考えにゃならんか?いや、女の子って怖いねェ)

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疲れた






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◆夜時間になる少し前
◆脱衣所


大泉「…今日は死ぬかと思った」


大泉(腹がプールの水でパンパンだ…いや、比喩じゃなくマジで)

大泉(本気で溺れるかと思ったぞ。海沿いの露天風呂入った時の比じゃねぇって)


※Tips…【海沿いの露天風呂】
函館市に実在する無料温泉・【水無海浜温泉】の事。函館駅からバスで約2時間程の場所。
以前大泉が【闘痔の旅】で訪れた時は海水がバンバン湯船に入っていたが、2004年に改修された。
源泉が足元から湧き出ており、海水と混じり合って適温になる。源泉は最高65度ほど。
なおフナムシが生息している。虫が嫌いな人は気をつけたし。


大泉「…はぁ…」とぼとぼ

がらら




大泉「!」←タオルで股間隠してる

葉隠「!」←湯船の中




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先客






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大泉「お、おう…」

葉隠「……よぉ」

大泉(うおぉっ!?キャラ被りの葉隠君じゃあねぇか!…っつーかよく考えたらまともに会話してねぇな)

葉隠(っ、大泉っち!?おおい、何だべ何だべ?今日の俺のラッキースポットは大浴場なんじゃあ…)

大泉(そもそもこいつ何なのよ、なしてここまでキャラ被ってんだ?まだ上杉だってここまで狙って来てねぇぞ?)

葉隠(あれ…言っちまった方がいいのか?…けどけど3割だぞ?3割事実だってのに、これ言っちまっていいんか?)

大泉(そもそもなんだこいつなんで俺より先に大浴場いんのよ)

葉隠(つーかこんな喋りにくいのになーんで大浴場来るかなぁ)


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気まずい






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大泉「………なんだい、妙なところで会うなぁ葉隠くぅん」

葉隠「!…お、おう、そうだな。これも天の思し召しだべ」

大泉「話が壮大すぎんだろ」

葉隠「ああ、いやー…ははは」

大泉「………」

葉隠「………」


大泉(…ちょっとスキンシップ持ってみるか…)


大泉「……葉隠」

葉隠「…な、なんだべ?」



大泉「ベールベルベル」

葉隠「…ベル食品」

大泉「白いタイツの」

葉隠「もん太君」

大泉「奥さん?」

葉隠「お絵描きですよ」

大泉「料理は」

葉隠「星澤先生だろ?」

大泉「エンプロって何の略?」

葉隠「どっち?ふたつあんだろ」

大泉「んじゃあどっちも」

葉隠「遠藤雷太プロデュース…劇団だろ?あとテレビの、吉本芸人出てるやつ」

大泉「焼酎は何割が好きだい?」

葉隠「番茶割だな」

大泉「………」

葉隠「あ、ホットで」

大泉「………」

葉隠「………」

大泉「………おい」

葉隠「………はい」

大泉「やっぱおめぇ道民だろ」

葉隠「………チガイマス」

大泉「おめぇふざけんなよ!?」


※Tips
全く分からなくても今後の生活に支障はないので大丈夫です。


葉隠「いやこれはそのマジで違うんだべ!マジで!!」

大泉「知らねぇよ違うか違わないかなんてよぉ!」

葉隠「あぁぁもう!何だべ、なんだべ!そもそも俺はオメーより【ブギウギ専務】派だっての!」

大泉「それも知るかよ!ってぇか、おめぇ確実に道民じゃねぇかよぉ!」


※Tips…【ブギウギ専務】
STVにて水曜深夜に放送されていた番組。元は【わくちん】と言う深夜番組枠のひとつ。
【上杉ポンプ商会】と言う架空のプロモート会社の専務と秘書が、道内の色んなものを宣伝するバラエティ。
…だったが、中期から後期にかけては体を張った企画が増えた。現在は【ブギウギ奥の細道】がDVDで発売中。
ネット局であるテレビ埼玉に厚遇されており、昼間放送となった回は深夜風にテロップのアレンジし直して放送された。
さらには北海道内に先駆けて最終回SPを流してしまった。なお現在は【ブギウギ専務ビギンズ】が放送中。
なお【ブギウギ専務】は、バンド【THE TON-UP MOTORS】の【上杉 周大】の愛称でもある。

葉隠「ああもう!それは!…今はいいだろ…」

葉隠「………っ」

大泉「おやぁ?葉隠くぅん、いきなり押し黙ってなんだってんだい」

葉隠「………」ぶくぶく

大泉「………?」←イスに腰掛けた

葉隠「………なぁ大泉っち」

大泉「なんだ、いきなり真顔になって」

葉隠「…もしも、もしもだぞ?未来を見る事が出来たらどうする?」

大泉「……は?」

葉隠「しかもそれは、自分が見たくもねぇもんだったり、その…自分でも選べねぇような未来だ」

大泉「おめぇは突然何を……」

大泉(………あれ?そういやぁこいつ【超高校級の占い師】だったっけか。占ったってのか?未来を?)

大泉(俺、占い師にゃさほどいい思い出がないんだけどなぁ……)

葉隠「俺な、大泉っち。俺…」

大泉「あぁ、なんだい?」

葉隠「………俺の占い………、インスピレーション占いって3割当たるんだよ」

大泉「ん?インスピレーション、って直感ってやつ…?」

葉隠「勘って言うとだせぇけど…でも、まぁ…そうだな。どんな事でも、正確に。」

大泉「いや、でもそれが3割なんだろ?3割の確立?……って……!?」


大泉(3割?3割?!おいおいおい、わりと当たるじゃねぇか!)

大泉(…っても、にわかには信じられんけどな。でもそれが本当なら……こいつ……)


葉隠「すげーべ?」

大泉「まぁ、ほんとならね」

葉隠「マジだべ、本気だべ」

大泉「………それに苦しめられて来たとでも言わんばかりじゃあないか、葉隠君」


大泉(仮に、それが事実ならこいつは…随分辛かったろうなと思う)

大泉(全部が全部見通せないとしても、僅かにでも当たってしまう可能性ってのを否定出来ない)

大泉(自分が望むにせよ望まないにせよ見えるってのぁ大変だねぇ)

大泉(…ま、正確にどんな感じかわかんないから何とも言えねーけども…常人なら発狂してるかもしれんな)

葉隠「…あー、この際だから言っちまおう!うん!」

大泉「何だい葉隠君、俺の未来が見えたとでも?」

葉隠「オメーは………近いうちに、オーガに殺されるべ」

大泉「………おいおい、こりゃあまた…冗談きついぜ……」

葉隠「俺の占いは3割当たるっ!」びしっ

大泉「……随分面白い話をするじゃあねぇかよぉ、葉隠ぇ!」

葉隠「いや実際笑えねーべ。だって3割当たるんだぞ?」

大泉「でも、7割は生きられるよな?えーと、オーガってのぁ…」

葉隠「オメー正気か?あと、オーガは大神っちのあだ名な」

大泉「当たり前だろ?僕が何回6分の1に挑んだと思ってんだい」

葉隠「んでそのうち何回負けたんで?」

大泉「負けた事聞くなよバーカ」

葉隠「…とにかく3割、オメーは間違いなく3割の確率で死ぬ。俺は…」

大泉「死んで欲しくねぇとか言うんだろ、キャラ付けのために」

葉隠「ちげぇよ!」

大泉「ま、俺はただでは死なねって。おめぇのその不安は絶対ぶっ潰してやるよ」

葉隠「…あのなぁ、何を根拠に…」

大泉「俺が死んだら子猫ちゃんが泣いちまうだろ」

大泉「運命か何か知らんけど、俺はこんなとこじゃ死ねねーのよ」

葉隠「………?!」

大泉「おめぇの占いなんて信じてやんねぇよバカ。もっといい結果の時にだけ言いに来て?」

葉隠「……なんだよ、はは……心配して損した」ざばぁ

大泉「あれえ、もうあがるのかい?」

葉隠「逆上せそうだからな。…大泉っち、ありがとよ」

大泉「はっ、礼を言われる事ぁしてねぇぞ?ま、また明日ゆっくり話そうか」

葉隠「【大法螺】がありゃいいんだけどな」

大泉「…おやすみ」

葉隠「……ああ、おやすみ」

大泉「また明日な」

葉隠「………おう、また、明日」


がららっ
ばたん

大泉(……わずかな会話。けれど、俺は変に肩肘張らずに話せた気がする)

大泉(葉隠君……もうちょい真面目に喋っときゃよかったな、初めから。あいつもよく分からん)

大泉(あいつは何を背負ってんだ?もしかして3割ってのはホラか?おいおい……)

しゃああああ

大泉(………)わしゃわしゃ

大泉(しっかしどいつもこいつも…はは、恥ずかしくなっちゃうよねぇ)わしゃわしゃ

大泉(なして俺に変に気ぃ使うのよ。そらぁ俺が北海道の大スターだから仕方ねーけど)わしゃわしゃ

大泉(朝日奈も葉隠もタメ口じゃねぇかよ)じゃばばば

大泉(立ち位置が分かんなくなっちゃうよぉ。僕ぁ大人なんだから、ちっとぁ敬えと)ごしごし

大泉(つーか今日は子猫ちゃんとも喋れてねぇ!いやぁ、毎日慌ただしいねぇ)ごしごし

大泉(さすが人気者は毎日辛いよ。……しかし実際どうすっかなぁ)ごしごし

ばしゃばしゃばしゃ

大泉(……これから先、モノクマがまた何かしかけて来た時)

大泉(十神が言った通りに…もしかしたら、また誰かに殺意を持つ奴が出てくるかもしれねぇよな)

大泉(ってもな、モノクマは何する気なんだ?)

大泉(それ以上に、何の目的があってこいつらを、俺を監禁してんだ?)

ばしゃばしゃばしゃ



大泉「………はぁ」


大泉(考えても考えてもわかんねぇ)

大泉(…あー、もういいや。今日は風呂入ろう。風呂入って今日はゆっくり寝)



がららっ


石丸「後悔してからでは遅いからな!」

大和田「上等だゴルァ!」

苗木「………なんでこうなったの?ふたりとも……」

大泉「え?」

苗木「………あ、大泉さん!ふたりを止めてください!お願いします!」

大泉「………ええ?」


大泉(どうやら俺の夜はまだ、終わらないらしい)


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今回はここまで。解説に出張ってくる森崎回。北海道で一番危険なのは彼だと思うの。

朝日奈さんはちーたんに対しても本編で色々推察してたし、観察眼持ってるようなので大泉さんの頑張りを見抜きました。
葉隠とはあと2回くらいコミュらないといけない気がする。

原作(ダンロン)のキャラが出てくるクロスって大概事件起きずに施設開放するよねぇ…

>>445
モノクマ「マジレスすると数字が取れないから」


大泉「頑張れモノクマーッ!」

大泉「ハナタレの視聴率は上下しても、生徒達の殺意はぴくりとも動かないぞッ!」

モノクマ「うるせぇ」

サウナばっかり書いてた

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(ナレーション:谷口直樹)

前回!

朝日奈さんに散々プールで追い回され、疲労困憊の中お風呂に入ろうと体を洗っていた大泉。
が、しかーし!
そこに、なんと苗木君達が現れたのだった。
事態の飲み込めない大泉に対して

苗木「ふたりを止めてください!お願いします!」

とまさかのおねだり。
戸惑う大泉をよそに話はどんどん進んでいく事に…。
果たして大泉は、無事に大和田と石丸を止める事が出来るのかー?
【弾丸どうでしょう】8日目夜、その幕が今開くーっ!

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(ハナタレナックスのOP※4期)

(ttp://sp.nicovideo.jp/watch/sm16779343の1:30辺りから)

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遭遇






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大和田「あ"?」

石丸「おお、大泉さんではないですかッ!?」

大泉「」

大泉(俺は今呆気に取られている。そう、呆気に取られているって表現が一番しっくりくる)

大泉(例えばそう、実はこれから行う企画が、さっきまで聞いてたのとは全く違うものだったって聞いた時みたいに)

大泉(石丸と大和田ぁ?水と油がなして一緒にいんのよ。どう言う事さ、おい苗木説明しろぉ)

苗木「お、お願いします大泉さんっ!」

大泉「…え、ええと?何?なんて?」

苗木「あの、このふたりを止めて欲しいんです」

石丸「む?なぜ止める必要が?」

大和田「んだよ、苗木ィ……漢の勝負に水差してんじゃねぇ」

大泉「えええちょちょちょ、ごめん今の状況説明して?」

苗木「あ、えっと」

石丸「大泉さんッ!僕は世を乱す悪が嫌いなのですッ!」

大泉「…はぁ」

石丸「そして彼は、珍走などして他人に迷惑をかける悪そのものっ!」

石丸「どうせ根性が足りないから、自らの苛立ちを抑えきれずに他人に当たり散らしているのです!」

大和田「言うじゃあねぇか…俺に根性がねぇだと…?」

大和田「俺は負けねぇ、俺は強いんだ…根性あるって事、教えてやるよ!」

大泉「」ぽかん

苗木「…とまぁさっきからこんな調子で…」

大泉「うん、苗木君、こう言う時は勝手にやらせておこう」

苗木「えっ?」

大泉「いいかい?あんなもんは止めるだけ無駄だよ。どうせ誰が止めたって止めやしねぇって」

大泉(どっちも負けず嫌いなのねぇ、しかし)

石丸「…しかし、大泉さんッ!僕達は【公平なジャッジ】が欲しいのですが」

石丸「いわゆる【立会人】と言うやつですっ!」

大和田「ぁあ、【立会人】がいねぇと不正があるかもしれねぇからな」

大泉「立会人とかいてもいなくてもどっちでもいいべや…っつーか今からなにすんの?」

大和田「我慢比べっスよ」

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我慢比べ?






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大泉「…ほう?」

苗木「大和田クンの我慢強さを試したいって石丸クンが言ってて…それで…」

大和田「俺の我慢強さを見てぇなら、精々煮え湯でも持ってこいゴルァっつったんすよ」

大泉(割と頭使った返ししたね君)

大泉「しかし我慢比べったってあんた、何すんのよ?北欧走るわけでもねぇし」


※Tips…【北欧】
何度も大泉が訪れた地方。
【ヨーロッパ21カ国完全制覇】、【ヨーロッパ・リベンジ】、【ヨーロッパ20カ国完全制覇~完結編】の計3回も旅をしている。
なぜ北欧が我慢比べなのか。
それは大泉が2度目に訪れた時…【ヨーロッパ・リベンジ】で【人格崩壊】を経験したからである。
彼らがフィヨルドを見たがために移動ルートを制限され、
ノルウェーのナルヴィクからフィンランド・ロヴァニエミに移動している時の事。
スケジュールはタイト、休憩せず移動しっぱなし、雨が続き外にも出られず、走れど走れど延々続く北欧の美しき自然の景色。
そして車内でABBAのカバー曲が流れた時、大泉が突如崩壊。自分の足を叩き、狂ったようにめちゃくちゃな歌詞を歌い出した。
その後、落ち着きを取り戻すも
「わかんねぇんだもん、もう。なんかねもう、もし出来ることであれば、なんだろな、今ここでグルングルン回りたいんだなぁ!」
との発言を残している。人間は車にすし詰めにされ、休憩なしで移動すると壊れてしまうと言う例である。
(この後大泉は突然「シカ!」と叫びしりとりを強要した。藤村Dが「んが付いて負けた」と止めようとしても続けた)
ちなみにこの【ヨーロッパ・リベンジ】は最も過酷な海外ロケだったとメンバーは振り返っている。
事実、海外ロケはこの後【コスタリカ】に行くまで実に約1年半もの間行われていない。
(藤村D「『鉄道員』見てェ!」)

大和田「男の我慢比べっつったらアレすよ」

石丸「サウナ我慢比べ対決です!」

大泉「なしてそうなんのよ」

大和田「我慢強さを見せられそうなもんがそれ位しかねぇんで…」

大泉「…んまぁそうか、潜水対決なんてやったらどっちか死ぬまで上がって来なそうだしな、君らは」

苗木「何に納得したんですか?!」

石丸「と言うわけなのです。ですからこれは男の勝負」

大和田「健全にサシでやってヤろうっつー事っすわ」

石丸「止めないでください!」

大泉「あ、そ。じゃああぁた達はこれからサウナ入るのね、はい頑張って頂戴」


がしっ


大泉「…へ?」

石丸「そこでです、大泉さんッ。あなたは大人だ、僕達とは立場も違う」

大和田「っつー事はほんとの意味で中立な立場で見ててくれんじゃねぇかって事ッスよ」

大泉「いやいや、俺関係ねぇべ…?ちょうどここにゃー苗木もいるし、おめぇらと一緒に来たろ」ぐぐぐ

石丸「むむっ…」

苗木(あれ?もしかしてこれボク帰れる?)

大和田「けどよぉ、こいつが俺らの邪魔しねぇとは限らねぇだろ?おい石丸」

石丸「確かに…僕達の我慢比べを止めようとしている苗木くんなら、もしかしたら中断させるかもしれないな」

大泉()

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思考停止






ーーーーーーーーーーーーーーー

大泉「くっくっくっく…wな、る、ほど、なっるっほっどぉ…そう来たかぁ…」ぐぐぐ

苗木(やっぱボク帰れるよね?…嬉しい反面、どんどん大泉さんと距離が増えてるような…)

大和田「んで俺ぁハンデとして服着たまま入んで、服に変なもん入ってねぇかのチェックもやってもらえねっすか」

大泉「やっぱそう言うのは苗木君の方が向いてるんじゃあないかなぁ?ほら、彼って主人公っぽいじゃない?」ぐぐぐ

苗木(えっ)

石丸「そこをなんとか!あなたは大人ですし!」

大泉「ってもなぁ…」ぐぐぐ

大和田「ムリんなったら最悪帰んのは仕方ねぇっすから!」

石丸「お願いします、大泉さんッ!一緒に来てください!」

大泉「え?なに?俺もサウナ入んの?ちょっと待て話ちげぇ」ぐぐぐ

大泉(っつーか掴まれた腕ほどこうとしてっけども全然ほどけん!力強すぎだろおめぇらよぉ!)

苗木「それじゃあ大泉さん、あとは任せt」がしっ

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!?






ーーーーーーーーーーーーーーー

苗木「」

大泉「…いやいやいやぁ、おめぇだけ逃げよったってそうはいかねぇぞぉぉ…」

苗木「え、ちょ、大泉さんっ!?」ぐぐぐ

大泉「行くならおめぇも道連れだ、苗木くぅん…」ぐぐぐ

苗木「み、道連れって言い方が怖いんですけど!?」ぐぐぐ

石丸「ならば4人で行こうではないか!はっはっは!」

大泉「だから何が面白いのよおめぇはぁ!?」

苗木「いや、いやいやいや、ボクこそサウナに入る必要ないんじゃ」

大泉「シャラーーーーップ!」


※Tips…【シャラップ】
ユーコンで大泉が、現地ガイド【ピート】に向かって吐いた暴言。
ちなみにピートはウィットに飛んだジョークをよく言っていた。


大和田「“蒸風呂(サウナ)”で“決闘(ヤ)”るぞゴルァ!!」

大泉「」___?!___

苗木「…なんか、不幸だな…」

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サウナ







ーーーーーーーーーーーーーーー

大泉「すっかり君達、準備出来ちゃってその、サウナに板付きだけれども」


※Tips…【板付き】
舞台用語。「場面が始まった時に舞台上にいる」事。


大泉(苗木も俺も、石丸と大和田に引っ張られるように来てしまった。股間だけ隠したままで)

大泉(っつーか大和田マジで服着たままじゃねぇかよぉ、絶対あれ蒸れるだろうなぁ)

石丸「止めるなよッ!苗木くんッ!」

苗木「ボクとしては帰って寝たいから止めたいんだけど」

大和田「ぁあ?」ぎろっ

苗木「…ごめんなんでもない」

大泉「負けてんじゃねぇよ苗木ぃ!」

苗木「だって大和田クンが…」

大和田「何か言ったか?」

苗木「ナンデモナイデス」

大泉「つぅかねぇ、ほんとにやるのかい?だってもうさぁ、夜時間だろ?時間見てないけどよぉ」

大泉「セレスさんも言ってたろぉ?なぁ、今日んとこは帰って寝ようぜ?明日も辛いし」

苗木「た、確かに…夜時間は出歩かないって話だったんじゃあ…」

大和田「…大泉さん、テメェで最初にそれ破っといてそりゃねぇっすよ」

大泉(あっ)

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回想





ーーーーーーーーーーーーーーー


苗木『………ねぇ、昨日の夜何があったの?』

セレス『それ以前に、夜時間中は出歩き禁止では?』

大泉『ルール守ってたっけ桑田死んじゃうべや!かてー事言うなッ!おみまいするぞ!』

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破ってた






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大泉「」

苗木「そ、そうだ石丸クン、ルール守るのはよくないんじゃ…」

石丸「男にはルールと同じ位、負けられない戦いがあるのだよ!」

苗木「」

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我慢比べスタート
(ゴングの音)






ーーーーーーーーーーーーーーー

石丸「………」

大和田「………」

大泉「いやぁ、このサウナ暑いねぇ」

苗木「標準温度、って書いてありましたけど」

大泉「俺ぁサウナの標準を知らんのだけど、標準って何度位なんだろうなぁ」

苗木「………分かりません」

大泉「………そうか」

苗木「………」

大泉「………」

大和田「………」

石丸「………」

大泉「………なんか話しなさいよ」

大和田「………」

石丸「………」

大泉「………おぉい、無言か?無視か?」

石丸「黙っていてくださいッ、これは僕と大和田くんの戦いなんですッ」

大和田「んであんたと苗木は俺達を監視してくれりゃあいいんで…」

苗木「ねぇ監視っている?」

大泉「立会いがほんとに必要かね?君ぃ、これ別にいらないんじゃない?ねぇ?」

ーーーーーーーーーーーーーーー






10分経過






ーーーーーーーーーーーーーーー

大泉「……いい汗かいてきたぜ?もういいんじゃねぇか?」

大和田「まだまだ行けますよ、俺ぁ…」

石丸「ふ、そう来なくては張り合いがないっ!」

大泉「張り合ってどうすんだってんだ、こんな事で」

石丸「」カチッ

石丸「こんな事で、とは何事ですか!?男の勝負ですよッ!」

大泉「こんな事ったらこんな事だろぉ?意味のねぇくっだらねぇ意地の張り合いしやがってよぉ」

石丸「今回は敢えて言わせていただきますが…そうなると貴方こそどうでもいい戦いを繰り広げてるじゃありませんか!」

大泉「」カチッ

大泉「………なんだとぉ?」

苗木「大泉さん、そう熱くならずに!」

大泉「あぁたは黙って見てなさいよッ!僕ぁ自分の戦いがどうでもいいなんて言われたかねぇんだ」

石丸「サイコロを振って出た目の駅に移動し続け、最終的に北海道に帰る?馬鹿馬鹿しい!」

大泉「おぉ、言ったな?石丸このぉ、覚悟しろよぉ?ここ出たらおめぇも深夜バスで引きずり回してやるぅ」

苗木「深夜バス?」

大泉「やられるぞぉ、あれは……」

石丸「僕はそんなものには屈しない!」

大泉「屈するとか屈しないとかじゃないの!深夜バスは!」

大和田「………どんな乗り物だよ」

苗木「………」汗だく

大泉「…昔、とあるディレクターが深夜バスに乗った時は…個別の仕切りの奥でシコってた事があるらしいぜ」


※Tips
実話。ちなみに鈴井は当時気付かず、後から話を聞いて悔しがっていた。


大和田「余計どんな乗り物だよ」

石丸「しこるとは何かね…?」

大泉「………」

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30分経過






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大泉「いや、しかし随分暑いねぇ。汗だくだわ、俺もう」

石丸「僕も健康的な汗をかいていますよ…ふふふ」

大和田「俺ぁまだ余裕だ…」

石丸「ふへへ、僕だってまだまだぁ…!」

大泉「もう帰って寝ない?ねぇ」

苗木「………出来たらそうしてますよ」

大和田「まだ行けるよなぁ、オメェよぉ…」ぐぐぐぐぐ

苗木(大和田クンが腕を掴んで離さない件について)


ーーーーーーーーーーーーーーー






さらに30分後






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大泉「………」

苗木「………」

大和田「………」

石丸「………」



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もうすぐ2時間






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大和田「……」はぁはぁはぁ

石丸「う、はは……僕は……」はぁはぁ

大泉「……ふっふっふっ……」だらだら

苗木「おじいちゃん……今、そっちに行くよ……」ふらっ

大和田「俺ぁまだまだ…行けるぜ?オメェはどうだ…?」

石丸「うへへ、僕もまらまらいけるろぉ…」だらだら

大泉「………www」

苗木「大泉さん?……目が虚ろです…よぉ」

大和田「オメェもな、苗木…つうか、よく耐えたな…オメェ……」

大泉「……くっくっくっ………」


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緊急事態






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大泉「………っくっくっくwwwww」

大和田「あ?」

大泉「っはっはっはっはwwwww」膝バシバシ

苗木「おお、いずみ、さん…?」だらだら

大泉「あっはっはっはっはっwwwww」膝バシバシ

大和田「………おい、あんた…大丈夫すか…」ふらふら

大泉「ひひひひっwwwww」膝バシバシ

石丸「大泉さ…そんなに膝叩いたらぁ…血が出ますよぅ…」

大泉「フゥーッ!フゥーッ!ぬはははははwwwww」

大泉「やwwwwwすwwwwwけwwwwwんwwwww」膝バシバシ

苗木「お、大泉さん、しっかり、して…」

大泉「安田ぁー!安田ぁー!会いてえぞ安田ぁー!wwwww」膝バシバシ

大泉「っくっくっくっくっくっwwwww」

石丸「さ、サウナに長時間いるのは、危険ひゃっひゃら…」

大泉「………あ」

大泉「くぁwせdrftgyふじこlp」

苗木「え?」


どさっ


大泉「」

石丸「………大泉、さん………?」

大泉「」←白目

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石丸VS大和田

無効試合(審判:大泉の気絶)





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大和田「…おい、おい…大泉さん、目ぇ開けろ…」ぺちぺち

石丸「気を失った……らしい。脱水症状があるだろう…無理をさせ過ぎたな……」


※Tips…【大泉の体の丈夫さ】
割と病弱なようである。
【水曜どうでしょう】でアメリカを縦断した際に、ホテルでの食事後に突然倒れ嘔吐をした事がある。
それより前には【サイコロ】で、ヘリ移動に喜び「トップガンみたい」とはしゃぐも、ヘリに酔い着陸寸前で吐いた。
体質としては白身魚とエビの頭に対しアレルギーがあるが、本人は好物なので薬を服用して食べている。
またホコリにも弱く、特に冬場はマスクを忘れるとくしゃみが止まらなくなるとか。
酒にもとても弱く、飲みすぎると吐くようだ。【ハナタレナックス】の沖縄ロケには二日酔いで参加したほど。
よく乗り物に酔い、酒に酔い、体もそれほど強くないが、スーパーカブでウイリーしても怪我はしなかった。


苗木「……と、とりあえずサウナを出ようか……」

石丸「どこへ行こうと言うのられ?」ふらふら

大和田「部屋に運ばねぇ事にはどうもなんねぇだろ…」

苗木「そ、そっか…じゃあ…ボクも手伝」

石丸「いや、君は………もう帰って寝ていてくれ」

大和田「オメェじゃ……力も足りねぇし、大人ひとり持ち上がらなさそうだからよ」

苗木「………えっ?」

苗木(トラブルに巻き込まれるだけ巻き込まれてお役御免?なんだか、大泉さんのせいで不幸になってる気がする)

苗木「わ、わかった……」

大和田「……今日はありがとな」

苗木「うん……ま、また……明日ぁ……」ふらふら

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移動した






ーーーーーーーーーーーーーーー


大泉(………………)←白目

大泉(………………)←白目

大泉(………………)←白目

大泉(………)!

大泉(………?)←白目


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起きた






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◆大泉の部屋



大泉「………っ………」もそ

大泉(あれ、俺……なんでここ……ベッド……?)

大泉(服も……着て、る………)

大泉(……もしかして、俺……ぶっ倒れて……?)


石丸「……話してくれないか」

大和田「あぁ……ちっ、ここまで言ったんだしな……」


大泉(………石丸、と…大和田?……俺の事運んだのは…こいつら、か?)

大泉(ベッドに腰掛けて…何か話してる……?)

大和田「俺には2つ離れた兄貴がいる」

大泉(………)

大和田「俺のチームの初代総長は、兄貴だった……憧れの、な」

石丸「………」

大泉(………)

大和田「俺ぁ兄貴が好きだった。小せぇ頃からずっと、ずっと…憧れで、誇りで…」

大和田「………その兄貴の、バイクで暴走(は)しる姿が……目に焼き付いて……」

大和田「引退するっつった、最後の爆走(ラストラン)だった。それが終わったら、俺に総長(ヘッド)を任せるって」

大泉(………ラストラン………か)


※Tips
【水曜どうでしょう】のレギュラー放送最後の企画、
【原付ベトナム縦断1800キロ】は【ラストラン】と銘打たれている。


大和田「………その時に、兄貴と約束したんだ………」

大和田「チームを、絶対に守るって……」

石丸「それで君は……」

大和田「総長(ヘッド)として……どんな戦い(ケンカ)にでも負けられねぇ……俺は、強いんだ」

石丸「………」

大泉(………はぁ、それであんなに勝利にこだわって)

石丸「」涙ぶわっ

大和田「?!」

石丸「いい……いい弟だったのだな、君は……」ぶわぁぁぁ

大和田「おい何泣いてんだ」

石丸「感動したッ!僕は自分の今までの考えを改めねばならないようだ!」ぶわぁぁぁ

石丸「君は弱くなんてない、強い!充分立派に……強いじゃないかッ!」

大和田「………」ぴく

石丸「しかし!」

大和田「」←何か言いかけたが止められた

石丸「僕は兄弟がいないので、君の気持ちに賛同してやる事が出来ないのだよ」

石丸「教えてくれ大和田くん、兄弟とは……どんなものなのだろうか」

大和田「そりゃオメェ………なんつーか、あー………」

石丸「………」

大和田「その、なんつったらいいか…あー……」

石丸「………」

大和田「………」←なんか恥ずかしくなってきた

石丸「………よし、こうしよう」

大和田「な、なんだよいきなり」

石丸「大和田くん、僕と兄弟になろう」

大和田「」

大泉()

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翌日








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◆9日目朝


石丸「はっはっはっはっ兄弟はっはっはっはっ」

大和田「おうなんだ兄弟ふっふっふっふっふ」

大泉「やったなぁおい兄弟ぃくっくっくっくっくっwww」


苗木(昨日夜まであんなに変な雰囲気だった石丸クンと大和田クンと大泉さんが肩車をして現れたんだが)

大泉「いやぁ、人んちでなぁに始まったかと思ったべや」

石丸「それはその、すいませんでした」

大泉「まぁいいんでねーの?おめぇら仲良くなれたんだろ?『兄弟』……っくっくっくっくっくっwww」

大和田「笑いすぎすよ」

石丸「聞いてくれ苗木くんっ、僕と大和田くんは昨晩義兄弟の誓いを交わしたのだ!」

苗木「………義兄弟の?」

石丸「ああそうだ!僕と兄弟の絆は血よりも濃く、海よりも深ァァァァいッ!!」


朝日奈(気持ち悪い)

不二咲(いいなぁ、兄弟かぁ)

腐川?(萌える)


がちゃ

葉隠「うーっす、おはようさん」

大泉「おぉおはよう葉隠くぅん。しかし君も朝は遅いのね」

セレス「個人のリズムと言うものもありますからね」

山田「そうですね!」←踏みつけられている

大泉(お前はそれでいいのか山田)

葉隠「ありゃ?みんないるかと思ったら十神っちだけおらんのな」

舞園「十神君は私達に会わないように、生活リズムをズラしているみたいです」

桑田「十神の事なんてオレにはどーーーっでもいいんだよっ!」


桑田「なぁ何で【車内でクリスマスパーティ】見せてくれねんだよ、モノクマはよぉ!」

大泉(これか……モノクマが言ってたのは。桑田が頭をかきむしっている。よっぽど面白いもんだと霧切に教え込まれたらしいな)

桑田「大泉さん、大人の権力でなんとかなんねぇっすか!?」

大泉(無茶言うなアホ)

不二咲(車の中でクリスマスパーティ?…面白そうだなぁ、今度みんなでやりたいなぁ)

大泉(しっかしいやぁ、実に平和な朝ねぇ。このまま何も起こらねーでいて欲しいんだけども)


肩とonとon(←とぉんとぉん)


大泉「」?


くるっ


霧切「………大泉さん、ちょっと」

大泉「おう、子猫ちゃん。昨日は会えなくてごめんよ?」

霧切「いえ、あなたは大スターですから…」

舞園「大スクープです!大泉さんが女子高生に鼻の下を伸ばしていますよ!」

葉隠「男はいつもそんなもんだ!」ドンッ

大神「それはお主だけでは?」

桑田「わっかんねぇよ?男は女が好きなんだっつーの、苗木とかもそうなんじゃね?」

石丸「そうなのか?兄弟」

大和田「さぁなぁ?」

腐川?(萌えるっクシュン)

朝日奈「……なんて言うかよかったね」

腐川「っは!あ、あれ……とととと十神君は……」

葉隠「下書きの時点ではここにいたけど、それだと矛盾するから書き直したんだべ。多分だべ」

舞園「それは正解です!分かります、エスパーですから!」

大泉(下書きってなんの話よ?)

桑田「大泉さぁんっ!DVD!!」

大泉(つうかうるせぇなぁ!おい!朝から!)

霧切「場所を変えましょう?……近場でいいですから、倉庫にでも」

大泉「話すんならランドリーでゆっくり座りながらでも…」

霧切「いえ……すぐに済みます」

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倉庫






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ぱたん


大泉「それで子猫ちゃん?……火急の件だろぉ?」

霧切「さすが察しのいい大泉さんで……そうです」

大泉「それで?」

霧切「モノクマが動くとすれば、恐らくそろそろ…今日、明日でしょう」

大泉「確かにあの訳分からんやつが、たーだ無意味に学校開放だけで終わらすとは思えんもな」

霧切「もしかしたら、以前のDVDのようなものが…私達に【動機を作るもの】が配られるかもしれません」

大泉「………子猫ちゃん」

大泉「君は言ったね?…モノクマにそそのかされる人間を出したくないって」

霧切「…ええ」

大泉「それは俺も、同意見だ。あんなやつにやいやい言われて殺人なんか起こさせてたまるかってんだよな」

霧切「馬鹿馬鹿しいけれど、実際未遂まで行っている。十神君の言う通り…些細なきっかけで殺人が起きる可能性があります」

大泉「……なぁ子猫ちゃん、頼みがあるんだ」

霧切「私で出来る事なら、何でも」

大泉「………」



(大泉が霧切に耳打ちしている)

(……監視カメラからでは音が拾えない、声が小さすぎる)

(しばらくの沈黙のあと、大泉が霧切から離れた)



霧切「………」

大泉「………無茶頼んでんのは分かってんだ。けど、君のおかげで桑田も舞園も止められた」

大泉「それは俺じゃ出来ない事だ。俺は、生徒じゃないから」

大泉「子猫ちゃん、きっと君なら……」

霧切「………それだけで、いいんですか?」

大泉「え?」

霧切「いえ、私がする事は……そんな、たったひとつで」

大泉「むしろ俺としては、ひとつ頼むのだって申し訳ねぇ位だからな」

霧切「…分かりました」

大泉「世話焼いてもらっちゃってごめんね」

霧切「いいえ。そんな事でよければ私がします。あなたは殺意を止められる人だから」

大泉「な事ぁねぇよ、買いかぶりすぎさ」

霧切「そうかもしれなくても………そうだとしても、私はあなたを信じます」

霧切(………きっと彼が、私と【大切なもの】を繋ぐ鍵だから)

霧切「だから、大泉さん……ひとりで無茶しないで。私が出来る事なら、私に言ってください」

大泉「子猫ちゃん…」

霧切「私でよければ…信じてください、寄り添って背中を…預けてください」

霧切「………立ち続ける事は、苦しいから」

大泉「………【CHAIR】………」


※Tips…【CHAIR~立ち続けることは苦しいから~】
作:森崎博之。【北海学園大学】の第41回定期公演として書かれたもの。
正確にNACSの舞台としてはカウントされていないが、ここが彼らのスタートだった事はまず間違いない。
森崎の作品は【Rシリーズ】とも呼ばれ、その題は必ず【R】で終わるのだが、そのきっかけは【CHAIR】である。
またサブタイトルに【続ける】【続けた】のいずれかが必ず入るのも、ここからの流れ。
NACS作品として本格的にカウントされるのは、【解散公演】と銘打たれた【LETTER~変わり続けるベクトルの障壁~】から。


大泉「………ははっ、そんな言い方されちゃあ、仕方ねぇな」

霧切「私は………」

霧切「………」

大泉「…子猫ちゃん?」

霧切「………私があなたを信じるように、あなたにも、私を信じて欲しいから……」

霧切「………ひとつ、言わなければいけない事があります」

大泉「なんだい?」


霧切「私は………この学園に来る前までの」

霧切「………【自分の記憶】を失っています」


大泉(それは突然の告白だった)

大泉(霧切ちゃんが、子猫ちゃんが記憶喪失……)

大泉(もしもここに俺が、いや、大人がいなかったら、彼女だって折れていたんじゃないかと、不安になった)

大泉(彼女が背中を預けられる場所は、あるんだろうか)

大泉(まだ、モノクマからの呼び出しはない)

よし!ここまで!

とんでもない誤字見つけちゃった

>>479
×苗木(石丸クンと大和田クンと大泉さんが肩車をして現れたんだが)
こっちは間違い

○苗木(石丸クンと大和田クンと大泉さんが肩組をして現れたんだが)
こっちが正解

肩車あぶねぇべや!死んじゃうしょや!

投下出来たら明日する予告

なにやら今度のジブリ作品にNACSメンバー全員でるらしいじゃないの

寝れないので折角だからもう投下してしまえホトトギス

>>499
マーニーだろぉ?僕んとこにも情報入ってるぞぉ。
5人全員が名前付きの役ってぇのは、ジブリでは初めてだねぇ。
ところで、安田さんの役が「10年に1回しか話さない」らしいんだが。

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(※原作イベント)

腐川「き、来てくれない…かしら」

苗木「え?…どこに?」

腐川「………そそ、それは…その、いいから来なさいよ……」

腐川「それとも何?あ、あた、あたしがブスだから来たくないの…?」

苗木「待ってまだなんにも」

腐川「じゃあどうしてそんなに小さいのよ!」

苗木「」ココロンパ


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その頃




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◆食堂

セレス「しかし飽き飽きしますわね」

江ノ島「………」

セレス「せめてギャンブルが認められていればいいのですが」

セレス「ポーカー、麻雀、スロット……ああ、何でもいいのですけれども」

江ノ島「………昔、そーゆーの好きな人見た事あるよ。弱いからすぐ負けてたけど」

セレス「それはご自分のご紹介ですか?目が笑っていませんわよ」

江ノ島「ちげーし。あたしがそんなのやるように見える?」

セレス「そうですわね………少なくとも、あまりそうは見えませんわ。むしろ」

江ノ島「………」

セレス「………俗世からも外れているように見えますが?」

江ノ島「………だから何?」

セレス「いえ?私が思った事を述べたまでですわよ」

江ノ島(………もしかして、この間レーション食べてるの見つかっちゃったかな)

セレス(読めませんわね、彼女)

江ノ島(今度セレスさんにも分けてあげよう)

セレス(ギャルと言うには大人しすぎる……それとも………?)

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一方




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◆視聴覚室


桑田「だーっ!ちっくしょー、どこにもねぇっ!」

霧切「あるとしたらここにしかないのだけれど……」

桑田「つーか……なんでオメーまで探してんだよ」

霧切「だって、もしあるなら見たいじゃない……」

桑田「何回も見たんだろ」

霧切「複数回見たからいい、と言うわけではないわよ。何度でも見たい、それがどうでしょう」

桑田「……いや、知らねぇけどさ?オメーがどんだけ大泉さんに入れ込んでんのかは」

霧切「面白いのよ?早くあなたにも見せてあげたいわ」

桑田「なぁ、なんでそんなにあの人に執着してんだよ」

霧切「そう、ね………」

霧切「………【鍵】、だからよ。例えるなら」

桑田「鍵?」

霧切(きっとそれが私の、失われた過去に関係がある)


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回想




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霧切「………私は、記憶を失っています」

大泉「え?」

霧切「最初にお会いした時、違和感はありませんでしたか?」

大泉「違和感ったって………あ」

大泉(そういやぁ彼女……一人だけ、自分が何の【超高校級】なのか名乗ってなかったな)

霧切「…お察しの通り」

霧切「私は……自分の才能を忘れているんです。言わないんじゃなくて、言えない」

大泉「難儀だね。きっかけがありゃいいんだけど」

霧切「………それでも忘れていない事があって」

大泉「忘れていない事?…なんだい、そりゃあ」

霧切「………」ぎゅっ

大泉(…手袋を抱きしめて…?)


霧切「あなたの事を好きになった事。それだけは、覚えています」


大泉「………照れるね、そう言われると」

霧切「…大切な人と私を結ぶもの…私の過去の鍵、それがあなた…そのはず…」

霧切(そしてそのために私は、この学園を訪れた。そんな……そんな気がする。直感だけど)

大泉「鍵、ねぇ?」

霧切(なぜかは分からない、けれど……そう言い切れる)

霧切(大泉さん、私にとってあなたは特別な存在)


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現在




ーーーーーーーーーーーーーーー


◆自室

大泉「」←白目

大泉「………」←白目

大泉「………」←よく見たらちょっと目が空いてる


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寝てた




ーーーーーーーーーーーーーーー


『きーんこーんかーんこーん…』

大泉「」←白目

『えー、みなさん!学園長のモノクマです』

『さぁ!楽しい楽しい呼び出しタイムでーすっ!』

『オマエラ、このボクが呼び出してんだからさっさと体育館に来ちゃいなよ』

『待ってるよー!』


ぶつっ


大泉「………」

大泉「………すごいなぁ、子猫ちゃんは」

大泉「………それとも………」

大泉「………」

大泉「………」←また寝そう

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体育館




ーーーーーーーーーーーーーーー


苗木「みんなおんなじタイミングで体育館に来ちゃったね」

桑田「ま、いんじゃね?」

朝日奈「そうだよ!みんな一緒の方が楽しいし!」

石丸「団体行動の基本だろう?集合して全員で行動するのだ」

霧切「………そんなつもりはなかったのだけれど」

江ノ島「タイミングいいだけじゃね?」

山田「まぁあんな呼ばれ方をしたらぞろぞろ集まるでしょうしなぁ。さて、行きますぞ?」


がらっ


十神「遅かったな」

大泉「あれぇ、十神君が一番乗りかい?」

腐川「………と、がみ………君…」きゅん

大泉「シゲのくせにやるじゃねぇの」

霧切「遅刻しないシゲさんなんて優秀ね」

大泉「いやぁダメだぁ、シゲは遅刻してなんぼみたいなとこあるからな」

十神「だから誰だそれは」


※Tips…【シゲの遅刻グセ】
戸次重幸の遅刻グセは異常。
近年は仕事都合でロケに遅れて来る事もあるが、単に寝坊して飛行機に乗り遅れる事がほとんど。
リーダー森崎曰く「シゲは乗るべき飛行機に乗らない事が多々ある」。飛行機以外にも、タクシーやら何やら乗れてない。
【おにぎりあたためますか】では、高級和牛を食べるタイミングに限って寝坊で遅刻し(5時間)、食べ損ねた。
【ハナタレナックス】で遅刻した時の言い訳は「怖い夢を見て寝覚めが悪かったのでもう一度寝た」。当然怒られた。
しまいには、ドラマの収録時間には間に合っていても、入るべき現場を間違える始末である。


十神「顔も名前も知らんが、相当どうしようもない男なのだろうな」

大泉「残念ながら正解だから何も言い返せないねぇ」

セレス「そんな方が世に存在していていいのですか?」

霧切「それもシゲさんの良さよ!」

大和田「言い切ったな、霧切」

大泉「まぁ、確かにそうだね」

石丸「社会人としてそれはいかがなものかと思われますが…」

舞園「シゲさん?…どこかの局でお会いした事があるかもしれませんね」

大泉「どうだったっけなぁ?あいつの事だし、舞園ちゃん見たら自慢しそうなもんだけど」

桑田「つーか、聞けば聞くほど残念な人なんすけど、その人」

江ノ島(ざ、残念!?)がたっ

大泉「火事に遭ったらガンダム背負って逃げるっつった男だからね、奴は」


※Tips
【ハナタレ】の雑談の一幕より。
もし家が火事になったら何を持って逃げるのか、と言う質問に対しての戸次の回答。
(当時の資料がなぜか見つからないので、記憶のみの微妙な解説で失礼)


どひゅーーーんっ


モノクマ「な事ぁどうでもいいんだよ!何勝手に雑談しちゃってんのよ!?」

大泉「お、出たなモノクマ」

葉隠「遅かったじゃねーかよ」

モノクマ「ボクの方が先にいたからね!?何自分達の方が先にいました風装ってるの!?」

モノクマ「まぁいいや……それより……」ぎろっ

大神「………っ」

江ノ島「………」

石丸「も、モノクマぁ!今度は僕たちに何をしようと言うのかね!?」

モノクマ「ふふふ、よくぞ聞いてくれました!今回も動機を提示したいと思います!」

モノクマ「オマエラが健全なコロシアイをするための、出来るための動機の提示を」

モノクマ「理由があれば殺っちゃっていいんですか?いいんですよ?あなたが望んだ事ならば」

モノクマ「ま、学校のルールをも破る事になるけどさ」

モノクマ「人間やめますか?それとも人生やめますか?うぷぷ!」

苗木「………趣味が悪いぞ、モノクマっ」

モノクマ「そう言わないでよぉ。今回は【みんなのバラされたくない過去・秘密】を集めたんだからさ」

モノクマ「これ出して24時間後に誰も殺人を起こしてなかったら、」

不二咲「起こさなかったら…?」


モノクマ「………バラすよ、外の世界に。その、秘密を。」


大和田「……!?」

不二咲「え……!?」

苗木「は?」

山田「何…だと…?」

モノクマ「もうねぇ、でっかい車借りて大々的に宣伝しちゃうから!うっぷっぷー!!」

モノクマ「ビラとか撒いちゃうから!」

不二咲「そ、そんなぁ…」

舞園「……っ、相変わらずひどい仕打ち…ですね」

霧切「………」

大泉「………」

大泉(今回はちょっと黙ってようかな?周りの緊張感が高まった時に、俺が糸を切ってやりゃいいんだから)

モノクマ「と言うわけで16人分の秘密の書いた封筒がこちら」びらっ

モノクマ「名前が書いてある封筒を受け取ってねー!」


ばさばさばさーっ


桑田「投げんなよ!?あーあー、もう…バラバラんなってんじゃねぇか…」

十神「…ふん」ぱしっ

腐川「………っ」がたがた

葉隠「ど、どうせ大したもんは書いて……な……」

不二咲「………」

大和田「………ちっ」

セレス「ひどい怯えようですわね、みなさん?…殺されてしまいますよ?もしかしたら…」

桑田「いやいや、あんなのもう勘弁だって」

朝日奈「コロシアイの代わりにずんだ餅食べるのはあんただけだから安心して」

桑田「別にずんだ食いたいとかまだ言ってなくねぇ!?」

モノクマ「はい、大泉クンもあるから、さっさと拾った拾った」

大泉「俺の分あんのね、今回も…」


ーーーーーーーーーーーーーーー




開封




ーーーーーーーーーーーーーーー


大泉「………」ばりっ

大泉「………どれ?どんな内容が………」ごそごそ





大泉洋は………

















未だに両親を「パパ」「ママ」と呼んでいる






大泉「」


※Tips
ほんとの事だから困る。
ちなみに父親の事は「親父」と呼ぶ事もあるらしい。

「うわぁああぁぁ!」「きゃぁぁぁぁ!」「何だこれはぁぁぁ!」「だべぇぇぇ!!」


大泉(…悲鳴!?)

大泉(…ちっ……前回と同様か)

大泉(いや、ちょっと手ぇ込んでんな)

大泉(秘密ごときで……僕や数人にそう思わせるからこその、封筒って手段なんだろうね)

大泉(現に、俺の秘密とやらはしょっぼいぞぉ?もっとマシな事書けってんだ)


霧切「………」きっ

モノクマ「どう?バラされたくないでひょ?おっと楽しみすぎて噛んじゃった!」

セレス「モノクマさんに噛む噛まないの概念はあったのですか」

モノクマ「………余裕そうな顔されたら残念だなぁ、ボクは」

苗木「こんなの余裕に決まってる!ボク達はコロシアイなんてしないっ!」

十神「それがまず間違っているんだ、苗木」

苗木「え?」

十神「お前にとっては露ほどの事でも、他の誰かには途轍もない爆弾かもしれん…そんな事も考えつかないのか?」

不二咲「………」がたがたがた

石丸「そんな、どうしてこの事が…!」

腐川「あ、あ…っ!?」

大神「………っ」

十神「桑田と舞園の一件を忘れたわけではあるまい?」

苗木「!………、そう…だね……」

霧切「………」

大泉「……モノクマぁ、俺のだけ手ぇ抜いてない?」

モノクマ「抜いてないよぉ、ボクが探せる限り一番恥ずかしいやつだって、それ」

大泉「」カチッ

大泉「いや、もっとなんか絶対あったろ!?俺別にバラされても困んねぇかんな、これ!」

そろっ

不二咲「………あのぉ、苗木君に……それに、それに大泉さん……」

苗木「不二咲、さん?」

大泉「っ!?」びくっ


※Tips
大泉さんはビビリです。
ちなみに前述の戸次さんもビビリ。
怖い話をされて、あまりの怖さに大泉さんを殴るほどにはビビリ。


不二咲「あ!えと、えっと…」

大泉「………はー、なまら焦った………あっちの世界の人かと思った……」

不二咲「あっちの?」


※Tips
大泉さんは【あっちの方々】、いわゆる【幽霊】【もののけの類】によく憑かれるタイプの方です。


大泉「…君はあれかい、僕の背後に回る達人の方が何か?」くるっ

苗木「えーと…不二咲さん」

不二咲「………」かたかたかた

苗木「ふ、不二咲さん、大丈夫…?」

不二咲「………あの、ね」

大泉「おう、なんだい?」

不二咲「いつか…勇気が出たら、この秘密………絶対に言うから………」

不二咲「だからそれまで…待ってて欲しいんだぁ…」

大泉「え…?」

苗木「…不二咲さん」

大泉「そんな、こんな…言わなくてもいいんだぜ?秘密なんだから、別に…」

不二咲「いえ、言いたいんです、…言わないといけないんです…」

苗木「なんでそんな勇気を振り絞って…?」


不二咲「……これをきっかけに、生まれ変わりたいんだ」


大泉(不二咲さん………?)

大和田「………ぁ?」

江ノ島「………ふぅん」

腐川「そそ、それにしても、参ったわね……」

葉隠「いやぁ……確かにこんなもんが世に出たら困るけどおぉぉお…!」

セレス「ではどなたかに手をかけますか、葉隠さん?」

葉隠「んなっ!そんな真似が俺に出来る訳ねーだろ?!」

桑田「自信満々だなオイ」

葉隠(まずいべ、実は的中率が3割じゃなくて…4割だったとかバラされたら…これはまずいべ…)

大神(…それでもいつかは言わねばならぬだろう、我は……)

石丸(だが、ここで怯えていては何も進まない…か。秘密を打ち明ける勇気…僕にもあるのだろうか)

霧切(……とは言え、なぜか私の封筒は白紙だった。私に情報を渡したらまずい事でも?)

桑田(っつってもバレなきゃどうって事ぁねーよな…ねーよな?)


江ノ島(………そっか、分かったよ。あとはその時を待てばいいんだね)くしゃっ


大和田(………俺は………)



十神「まあ、せいぜい今度は大泉に邪魔されんように計画を立てるんだな、愚民共」すたすた

舞園「どこへ」

十神「………?」ぴた

舞園「…行くん、ですか」

十神「お前らに付き合っている暇はない、と言う事だ。殺人が起きるなら起こしておけ…」すたすた

モノクマ「ま、そう言う事!オマエラ、ちゃんとコロシアイするようにね!」


どひゅーーーーんっ


山田「いなくなりまし、た、か……それにしても……」

舞園「秘密を暴露されたくなければ、殺人を犯せ…ですか」

苗木「そんな事をする人はいないよ……ボクは信じてる」

山田「…そう、ですな。苗木誠殿が言ってくれるとなんだか安心しますなぁ」

石丸「はっはっは!そうだよ苗木くんッ、人を信じる力は強いのだ!兄弟、君もそう思うだろう!?」

大和田「………」

石丸「兄弟!……兄弟?」

霧切「……?………」

大和田「………ぁあ、そうだな………」

石丸「よかった…はっはっはっは!」

苗木「……あはは」

大和田「………」

この時のセレスさんの秘密って、やっぱり本名なのかな

腐川「そ、そんな事言って…あああ、あたしがブスだから!すぐにでも殺すつもりなんでしょっ!?」

苗木「腐川さんっ!?」

腐川「あたしが、あたしがブスだって、気持ち悪いって言って…じ、自分の身の可愛さにあたしを…っ!」

大泉「誰がそんな事するかってんだい。あぁたみたいな天才小説家、殺せるわけがないじゃないの」

腐川「………え………?」

石丸「お、大泉さん、著書をご存知で?」

大泉「石丸君は聞いてなかったんだったね、僕んとこに映画化の話が来た事があって…」

腐川「な、ぁ………っ!?ああああ、あああんたなんのつもりよあたしなんかほめてぇぇぇぇ……」わなわなわな

大泉「!?」

腐川「あれね!?財産目当てね!?」

大泉「一旦落ち着こうか腐川さん?」

腐川「ぶえっくしゅぅい」

大泉「あ?」

腐川「………」ぽけー

大泉「な、なんだべ?」

朝日奈「ち、ちょっと一回大人しくしなよ!」

腐川「………」ぽけー

セレス「同意致しますわ。動機提示で動揺して、外の世界へ出て行こうとする人が出てしまうかもしれません」

大神「………深呼吸でもするのだな、お主ら一様に」

腐川「そしてそのまま空気の吸いすぎで浮き上がって、天井に挟まっちゃうのかしら」

大泉「バレーボールみたいに?」

桑田「なんの話っすか」

霧切「とりあえず今日は…ここで一旦解散しt」

腐川?「うひゃひゃひゃひゃ!大泉だ!大泉洋だ!北海道の大スターだ!ゲラゲラゲラ!」

大泉「なななな、なんだなんだいきなり?怖いしょや!?」

朝日奈「………腐川ちゃんが壊れた………」

腐川?「大泉あるところに安田あり、戸次あり、またあるところに音尾あり、森崎あり…」

腐川?「…総受けでお願いしたいところね…24か34で」

大泉「おまえはなにをいっているんだ」

※Tips
意味は各自で調べてください。

山田「ややっ!?腐川冬子殿が魔法の単語を使い始めましたぞ…拙者は意味が分かるからいいけど!拙者は意味が分かるから!」

大泉「るせぇな山田ァ!」

朝日奈「えーと、と、とりあえず私…腐川ちゃんを部屋に運ぶよ」

大神「我も行こう」ずいっ

腐川?「ゲラゲラゲラ!」

ずるずるずる

腐川?「いやぁん!アタシに乱暴しないでぇ!(迫真)」

ずるずるずる

朝日奈「何なのもうっ!いきなりおかしくなりすぎだよ!?」

ずるずるずる………




舞園「ふ、腐川さん…突然どうされたんでしょうか…?」

桑田「…殺されるって思い込みすぎて壊れたんじゃね?」

大泉「まさか。でも……」

セレス「演技ではなさそうですわね」

大泉「………なんなんだろうなぁ、ありゃあ」

霧切「………」

大泉(いきなり色々起こりすぎなんだよ、全く)

葉隠(…俺が見た景色と、違う)

セレス(しかし大泉洋…やはり侮れませんわ。もしかしたら、彼は…)

苗木(そうだよ、誰もコロシアイなんかしない。秘密なんかで人は人を殺さない…そう信じるしかない)

大和田(くそっ、俺はどうすりゃいいんだ……このまま、俺の…【俺達の秘密】がバレちまったら……!)




大泉(そんな風にいろんなやつの思惑が絡み合いながら、みんなすぐに体育館を出て行った)

大泉(俺と子猫ちゃん……それと彼女を除いては)



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交流





ーーーーーーーーーーーーーーー

大泉「……しっかしモノクマの野郎、なんだって今回はこんな変なもんを……」ぴらぴら

霧切「恐らく、私達の中にいるんです。誰かを殺してでも---ひた隠しにしたい秘密を持つ人が」

大泉「…まぁ、だろうね。じゃなきゃわざわざこんな仕掛け方はしねぇだろうし」

霧切「もしかして、あなたの秘密もそう言ったものなのかしらね」ふぁさ

大泉「…まさかそんな、ねぇ?」


不二咲「………」


霧切「なぜ、残ったの?」

不二咲「その、えっと…お、大泉さんは…大泉さんなら、秘密について相談出来るかなって、思って……」

霧切「あら、私はお邪魔かしら」

不二咲「そっ、そんな事ないよ!」

大泉「しかしお悩み相談?俺、そう言うのあんま向いてないよ?いいの?」

不二咲「それでも…聞いて欲しいんです…」

大泉「本気、かい?」

不二咲「大泉さんなら、もしかしたら…アドバイスをくれると思ったから…」

不二咲「………変わりたいんです、強く…なりたいんです」

大泉「強くなりたい、か」

霧切「…そう…なら、聞くわ。私と大泉さんがね」

大泉「君もちゃっかり聞く気満々じゃあないか」

霧切「だってもしかしたら、これが何かに役立つかもしれないじゃないですか」

大泉「何に役立てんのよ?次に殺しやりそうなやつに目星付けんのかい?」

霧切「……それも出来ない事はない、ですけど」

大泉「出来るんだね子猫ちゃん」

霧切「ええ。まあ、あなたに言われた通りの事をしていたまでの事ですよ」

不二咲「あのっ」

大泉「………おっと」

不二咲「あ、その」

大泉「ごめんよ不二咲ちゃん。またせたね…さぁ、君のお悩みを聞こうか?」

不二咲「そ、それなんです、けど」

大泉「………ん?」

不二咲「その、じ、実は……えーっと……」

不二咲「………」

大泉「うん、言ってごらん?」

不二咲「………、………っ」

大泉「…やっぱり言いにくいかい?」

不二咲「ふぇ…ご、ごめんなさい…」

大泉「謝る事ぁねぇさ。さっき君自身が、勇気が出たら言うっつってたんだから」

不二咲「………あのっ」

不二咲「……この秘密を……聞いて欲しい人が、実はもうひとりいるんです」

大泉「ほう?」

不二咲「ほんとはその人にも相談、したくて…、今まで言い出せなくって…」

不二咲「…でも、やっぱり大泉さんにもその人にも言わないといけなくって、それまでに、絶対に言う勇気を…振り絞るから…」

不二咲「………っ」

不二咲「…大泉、さん」

大泉「なんだい?」


不二咲「……今日の夜中、2階プールの更衣室の中で待っててもらえませんか…?」


大泉「………え?」

霧切「………」

不二咲「無理を言ってるのは、分かって…ます、でも…ここでやめちゃったら…ずっとこのままな気がして」

不二咲「強くなりたいんです…もう、このまま隠し事をしたままでいたくない、んです」

不二咲「それでもみんなにいきなり言うのも怖くって…変な事言ってるのは、分かってるんです」

不二咲「………お願いします、大泉さん………!」

大泉「…そのもうひとりってのは?」

不二咲「………憧れの人、です…理想の人と言うか、なんて言うか」

不二咲「その人に、もうひとつお願いを…変わるために必要な、お願いをしようと思っています」

不二咲「だからこそ、そのためにこの秘密について言っておきたくって」

不二咲「………お願いします!」ぺこっ

霧切「どうするんですか?こんな少女に深々とお辞儀させて…大泉さん」

大泉「………そう、だねぇ」

不二咲「………っ」ぷるぷる

大泉「……特別に聞いてやってもいいぜ、不二咲ちゃん。君の勇気を応援すんのも、俺の役目だからな」

不二咲「…大泉さん…!」

大泉「んで、時間は何時だって?」

不二咲「………はい!時間は………」

大泉(引っかかった事が、いくつかあった)

大泉(気になった。その場で、彼女に問いただそうと思ったほどだったわけだ)

大泉(けれどそれを今言うのは、ここで言ってしまうのは、彼女の決意を崩してしまう事になりそうで)

大泉(………俺は、この場で言う事は出来なかった)

大泉(軽く雑談などして不二咲ちゃんとは別れ、そのあと子猫ちゃんともいくつかの言葉を交わして)

大泉(光陰矢の如しとはよく言ったもんだと俺は感服した)


大泉(気付けば、時間は9日目の夜)

大泉(そしてここから物語は一気に、ひとつの結末へと向かっていく)

大泉(俺がプール前ホールからつながる、更衣室の扉を開けたところへと進んでいく)


大泉(そう、もう後戻りは出来ない)


大泉(時間は、どうやったってもう、戻らない)

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瞬間少年絶望オナー

非日常編


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『ニ』が抜けてる

今日はここまで。
何か違和感があってもお口チャックやど。頼むど。エッチデーデーだからな。

>>511
どうなんでしょうか。
ここでは【本名】と【出身地】が書いてあると想定してます。

>>518
ど、どこや!?
脳内保管で!すまん!すまん、大泉!

『オナ』と『ー』の間に…

>>521
なんだ!いつもの誤字脱字かと思って焦った!!

……こらっ!
タイトルの意味は後から説明だからもうちょっと待って!しこしこと作ったものを見せるまで!

どうでしょうくじが始まってる事にここの書き込みで気付いたから引いて来たらB賞でしたよぉ
君達も、ね。どうでしょうくじを引きまして、ね。
HTBにお布施をしなさい、ね。
こんなのもらえるから、ね。

http://i.imgur.com/pFjhWjb.jpg

◆9日目、深夜
◆校舎2階・プール前ホール


がちゃ


「ぁ?不二咲か?」

大泉「…誰かいるのかい?」

「え?」

大泉「あー、不二咲ちゃんに呼び出されてね…それで君もここに?---大和田君」

大和田「…っすよ。大泉さんももしかしてあの女に?」

大泉「ぁあそうなんだよね。君と僕ってのが、彼女はよく人選を考えたなと思うよぉ?」


大泉(正直なところ、やっぱ意外だね。大和田君と不二咲ちゃんって合わなさそうなのに)

大泉(しかし大和田君ったら、先に来てんならさっさと中に入ればいいのに)

大泉(まぁ好都合だけどさ。僕は今回も仕掛ける側なわけだし…驚く顔がこの場で見れるのは嬉しいねぇ)


大泉「なしたの?中入んないの?」

大和田「あの、俺実は」

大泉「ん?どしたの大和田君」

大和田「………これ。」

大泉(そう言って出して来たのは、彼の電子生徒手帳だった)

大泉「これがどうしたって?」

大和田「動かねぇんすよ、朝から」ぽちぽち

大泉「どれどれ?」ひょい

かちかちかち

大泉(………ん?ほんとだ、電源が入らない)

大泉(壊れた?でも壊れるような事したかねぇ、覚えてないな)

大泉(カードリーダーにかざしても…ダメだ、反応がねぇ)

大泉「…あー、なるほど。電子生徒手帳が使えないから更衣室に入れなかったのかい」ほいっ

大和田「ぶっちゃけそうなんす」

大泉「しかし困ったね。不便だし、モノクマに直してもらうか?明日には」

大和田「そっすね」

大和田「………」

大泉「…大和田君、顔色悪いぜ?今日は寝た方がいいんじゃねぇか?不二咲ちゃんには俺から」

大和田「俺ぁ大丈夫ですよ」

大泉「…そうかい?ならいいけどね……」

大泉(昼のアレが堪えてるんだろうなぁ、大和田君)

大泉「……いやしかし、更衣室で話をしたいって不二咲ちゃんは言ってたね。入れなくって大変じゃない」

大和田「むしろ大泉さんが来てくれて助かった的なとこあるっすね」

大泉「最悪待ってりゃ不二咲ちゃんと鉢合わせ出来たかもしれんけど……いつになるか分かんねぇしな」

大和田「……」

大泉(あれ、俺の電子生徒手帳で扉開けて、大和田と一緒に入ったら撃たれるか?いや、大丈夫だよな)

大泉(それを判定するためのカメラなんだから)

大泉(確かマシンガンが反応するのは…異性の更衣室に入ろうとしたら、だ)

大泉(………そう、そこでひとつの疑問が持ち上がる)

大泉(だけどきっと今これには触れちゃいけない気がする)

大泉(よし、大和田君にも聞かれそうだから力技で逃げますか)

大泉「とりあえずあれかい?中入って待ってようかい?」

大和田「え、でも」

大泉「どっちかが女の子だったら撃たれるかもしんねぇけど、違うだろ?」

大泉「だったら撃たれる義理はねぇはずだよ。撃ってきたらそれはモノクマのミスだぁ」

大和田「………すね」

大和田「………?」

大和田「………!」




気付いた




大和田「でも、それならどうやってあの」

大泉「まぁまぁまぁまぁまぁ」

大和田「」←口塞がれた

大泉「詳しい話は中でしようじゃない?」

大和田「……っぷ、は」

大泉「まずは座って落ち着こうじゃない。ね?不二咲ちゃんのためにもさ?」

大和田「そ、っすね……」こく

大泉(彼が頷いたのを確認して、懐から…そう、ジャージのポケットから僕の手帳を出す)

ぴっ

大泉(扉はすんなりと開いた)

大泉(……そして、そこに入った途端に大和田君の表情が変わった)

大泉(なぜなら)

大和田「……何だこりゃあ!?」



大泉(そこは既にじごkゲフンゲフン……パーティ会場となっていたからである)

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夕方の出来事






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霧切「大泉さん、言われた通りにしてきました」

大泉「おぉし。で、どうだった?」

霧切「不二咲さんが呼び出そうとしているのは、どうやら大和田君のようです」

大泉「………大和田君?」

霧切「随分意外そうですね」

大泉「まぁねぇ。プログラマーと暴走族って、絶対交わりそうもない組み合わせじゃない?」

霧切「実は、ふたりは男の約束…とやらを交わしていたらしいです。苗木君に聞きましたが」

大泉「なんだい、そりゃ」

霧切「大和田君は不二咲さんを怒鳴ったりしない…もう二度と泣かせたりしない、と」

霧切「それを男の約束、と言って絶対に守ると大和田君は言い切ったそうです」

大泉「僕が見てないとこでそんな事があったのね」

霧切「恐らく、不二咲さんは大泉さんと大和田君のふたりに悩み相談をするつもりなのでしょう」

大泉「なるほど。んじゃ不二咲ちゃんと大和田君にお見舞いすりゃいいんだね」

霧切「そうなると犯人は大泉さんただひとりですが」

大泉「僕の料理はたまには美味いよ、たまには」

霧切「………自覚あったんですか」

大泉「るせぇな!」

霧切「いえ、なんでも」

大泉「僕の料理ってのは料理を超えた芸術なの!みんなそれが分かってないの!」

霧切「……はい」

大泉「しかしあれだね、不二咲ちゃんにバレないようにしないとね。更衣室ったもな」

大泉「パーティやりたいんだったね。今から準備して間に合うかなぁ」

霧切「ところで、これはなんの準備ですか?」

大泉「君は僕の手つきが見えてないのかな?」

霧切「熱心に何かを湯がいている事だけはかろうじて分かります」

大泉「ひでぇなおい!僕ぁ料理してんの!料理!!」

霧切「どうしてまた……パーティに料理が絶対必要なわけではないですよね」

大泉「いやね、夜中じゃない。なんにもなかったらお腹空いちゃうでしょ?」

霧切「………はぁ」

大泉「それでね、あのふたりのための料理を仕込んでいるんだ」


ぐつぐつ


霧切(…こ、これは……まさか、伝説のドームパスタ!?)


※Tips…【ドーム型パスタ】
【アラスカ半島620マイル】より、伝説の料理。シェフ大泉の初登場でもある。
この企画はキャンピングカーを用いて北極圏に突入し、アラスカでオーロラを見る事を目的としていた。
その車中、料理係に任命された大泉は自らを【シェフ大泉】と名乗り、毎回お品書きを出して料理した。
1品作るのに45分以上かかるため、フルコースを20時に作り始めてメインが23時なんて事はザラである。
そんな中大泉が作ったメインディッシュがこれ。(自称)オーロラソースを作っている間に茹でてたら、ふやけた。
なぜか茹でる前よりも量が増えてしまい、ソースを絡めるためにフライパンに乗せたら全く絡まなかった。


大泉「これを準備して…」

霧切「ダメよ大泉さん!私も手伝います!」

大泉「ん?なんでだい?」

霧切「あなたが殺人犯としてモノクマに裁かれるなんて、私は我慢出来ない!!」

大泉「」!?

霧切「こほん…それはさておいても、そもそも大前提としてなんで料理を?」

大泉「………子猫ちゃんには教えてやんないよ」

霧切「意地悪しないでください」

大泉「どっちがよ!なんか冷たいよ、今日は君はぁ!」

大泉(………でもまぁ、なんかに使えたらいいな位の気持ちはあるかもしれないね)

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そして現在






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大和田「………」唖然

大泉「いやね?不二咲ちゃんが待ってろっつったじゃない?」

大和田「………」なにあれ…

大泉「で、彼女パーティしたい!って言ってたらしいからね、料理を作りましたぁ」

大泉「僕特製のパスタだよお。どうだい?オーロラソースは子猫ちゃんに止められたんで辞めたんだけどさ」

大和田「………」え?パスタ…?

大和田「………」皿からはみ出てる…

大泉「大和田君は食べ盛りだから量が足りないかもしれないでしょ」

大和田「………」充分だろ…

大泉「でも大丈夫っ!」

大泉「子猫ちゃんが急かすんでメインしか作れなかったけど…残りはほら、これから作るから」

大和田「………、………え?」←我に返った

大泉「簡易的なキッチンを作ってもらったんだよ、ここに」

大和田(カセットコンロとフライパン、それにいくつかの調理器具がある。包丁はあぶねぇからねぇのか)

大泉「不二咲ちゃんを待ちながら仕込んで行くよぉ」

大和田「………あ、えーと、つまり……」

大泉「作るよ?料理」

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作る






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大和田「……!?」

大泉「まぁいいじゃない?不二咲ちゃんのリクエストだもの」

大和田「で…い、今から!?」

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今から




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大泉「巻きで作るから巻きでさ」


※Tips…【巻き】
業界用語。「予定よりも早い事」や「早くする事」を指す。
語源は「ぜんまいのネジを巻く」事から…らしい。


大和田「いや、で、でも」

大泉「まあまあまあまあ座って座って!椅子も机も教室のやつだけどさ」がらがら

大和田「………はぁ………?」

大泉「何かを待つってのも退屈じゃない。ある意味メインディッシュは不二咲ちゃんなんだからさぁ」

大泉「不二咲ちゃんを待つ間にも、僕はどんどんおみまいしてくからね?大和田君」

大和田「え、お、おみまいってあんた」

大泉「まずはお水が用意してありますからねぇ?ほら、ボトルの中にレモンの輪切りを入れてあるんだよ」

大泉「よくスープカレーのお店なんかに置いてあるでしょ?あれ作ってみました」どんっ

大和田「…なんか嫌な予感が…」

大泉「まさか!水がまずいなんて言わねぇよなぁ」とくとくとく

大和田(………いや、ありうるぞ…カレーがあんだけ不味くなるんだから)

大泉「だからさぁ大和田くぅん?」

大和田「……!?」

だんっ

大泉「まずは水からおみまいされてけよぉ」


大泉(そう、これでいい…これでいいんだ)

大泉(子猫ちゃんが言うには、大和田君は焦燥している。それがなんのきっかけで爆発するか分からない)

大泉(いや確かに言ってたけど……よく分かんねぇな。約束するような奴が、わざわざ不二咲ちゃんに手ぇ出すか?)

大泉(けれど、子猫ちゃんにはこうも言ってある)

大泉(「生徒の視点で、一番モノクマにそそのかされて事件を起こしそうな生徒に目星をつけてくれ」と)

大泉(子猫ちゃんが生徒だからこそ頼める仕事だ。二言もなく受けてくれたのがありがたい)

大泉(そしてその彼女が、あまり他人と交わらない彼女が、聞き込みまでして目星をつけた大和田君だ)

大泉(……信じよう)

大泉(僕は頭がいいわけじゃあないし、誰かを力で止められる程腕っ節が強いわけでもない)

大泉(………だから)

大泉(俺はそれをかき消す役目になればいい)

大泉(死ぬ前なら取り返しなんて、いくらでもつく)

大泉(そうだろ?俺達は、煽られたって誰かを殺しちゃなんねぇんだ)

大泉(だって俺達は、モノクマを倒すって言う同じ目的を持った仲間じゃないか)

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ーーーーーーーーーーーーーーー

大和田「……」←死を覚悟した

大泉「ほら、水がまずいなんて絶対ありえねぇから。ね?」

大和田「い、いただきます」

ごくっ

大泉「どうだい?」

大和田「」ぶほっ

大泉「ん?」にっこり

大和田「……っ?!げほっ、げほっ…!?」

大和田(なん、だ?なんだよ今の衝撃…殴られたみてぇだった)

大和田(すっぱいだけかと思ったけどなんかそれだけじゃねぇぞなんだこれこいつなんか入れたな)

大和田(目がチカチカする)

大和田(水……だろ……?)

大泉「どう?美味しいよね?」

大和田「ぶはっ、が、ふっ」

大泉「………大和田君があまりの嬉しさに胸が詰まってるみたいだけども」

大和田(ちげぇよ!!)

大泉「メインディッシュ食べちゃっていいのよ?」

大和田「ぶっ……ってぇか何すか、このパスタ……」

大泉「エビチリパスタ」

大和田「………は?」

大泉「エビチリパスタ」

大和田「……エビチリ、パスタ?」

大泉「セイコーマートにあるからいけるかなぁと思ってねぇ、やってみたよぉ」


※Tips…【セイコーマート】
本社を北海道札幌市に置く、コンビニチェーン。コンビニ業界では最古参の部類に当たる。
ジャガイモ・ニンジンのような野菜もそうだが、バラ肉・鳥肉、時にラム肉がパック販売されている。
(セイコーマートで肉買うのが当たり前だった筆者は、他のコンビニに肉のパックがなくて絶望した事がある)
また、全国のコンビニとしては史上初となる、正式なポイントカード制度を取り入れたのもセイコーマート。


大泉「僕ね、昔っからエビチリ作るの得意だから。うん、だからエビチリをパスタに乗せたんだよね」

大和田「」!?

大泉「美味しいもんに美味しいもん乗っけてんだから美味しいぜ?」

大和田(………)ぐにゅー

大和田(既に麺がもちもちしてる)

大和田(食う気が起きねぇ……!!)

大泉「ほら、遠慮しないでほらぁ。食えよぉ」

大和田(断ったらヤバいんだろうな)

大泉「僕が食わしてやろうか?」

大和田「………は?」

大泉「口を開けてご覧?僕がそのパスタをよそって食べさせてあげるからさ」

大和田「分かりました、自分で食べます」

大和田(さすがに大人殴るのはまずい…しな、こいつが強ぇか弱ぇか分かんねぇし…)

大和田(いやでも、食うか…?とは言え食わずに過ごす事なんて出来なさそうだしな)

大和田(………ここは覚悟決めるか。きっと危険なのはこのパスタだけだろうし)

大泉「よろしい。じゃ僕は次の料理を作り始めるから」

大和田「え」

大泉「うん、次はスープかな?…何してるの大和田くぅん、食べな?」

大和田「………」くちゃ

大泉「あ、全部食べちゃいそうかい?大丈夫、不二咲ちゃんの分は別にあるから」

大和田「いや、そこじゃねんすけど…」

大和田(あんのかよ!?不二咲にこんなもん食わせらんねぇ…余計に俺が食わねぇと……!)

大泉「何を躊躇ってんの?僕が作った料理なんだから食べられないわけがないでしょ?」

大泉「ただちょっとさぁ、あれだよ……料理って概念を覆しすぎて目の前がチカチカするだけだよ……」

大和田「食いたくねぇよそんなもん!」

大泉「………ほう?食いたくない?」


大泉「逃げるんだね?大和田君」


大和田「…なに?」

大泉「君は強い男なんだろう?総長としてどんな戦いからも逃げないんだろう?」

大泉「そんな男が僕の料理から、何より不二咲ちゃんからの呼び出しから逃げてもいいのかなぁ?」

大泉「僕ごときの料理から逃げるような人が暴走族の頭ってどうなのかな?」

大和田「」かちっ

大和田「………分かった、分かったぜ……そこまで言うんなら食ってやるよ!」

大和田「売られた喧嘩は全部買う……っ!」

大和田「男・大和田見してやるぜ!おののけよ大泉さん!」

ずるずるもぐっ

大和田「俺は強い俺は強い俺は強い俺は強---」もごもご


びりっ


大和田「ぶぐっ」

大泉「美味いよね?」

大和田(辛い辛いからいカライ!?何だこのエビチリっ、ぐっ…しかもパスタはふっにゃふにゃだし)

大和田(なんだろう、餅に似た食感?麺なのに餅?餅?!おかしくねぇか!?)

大和田(かと言って男として!一回食ったもんを出すわけにはいかねぇ!そんな弱い自分を出したくねぇ!)

大和田(………だけ、ど………)

大和田「~~~!?」じたじたじた

大泉「あぁー、そんな気に入ってくれたぁ?」

大和田「!?!?!?」もごもごもご

大泉「前に朝作った時はもうさ、全然僕のよさが出せてなかったのよ。だからねぇ、今回は」

大泉「たーっぷり時間を使って……ゆーっくりおみまいしてやるからなぁ……?」

大和田(不二咲!早く来てくれ!不二咲ぃぃ!)

ーーーーーーーーーーーーーーー




その頃の不二咲




ーーーーーーーーーーーーーーー


霧切「こんばんは」

不二咲「ふぇ?」



霧切(不二咲さんより大和田君がプールに行くのは予想通り)

霧切(あとは大泉さんが上手くやるのを祈るだけ)

霧切(………と言っても、随分と無茶な作戦。成功するかどうかは………)

霧切(神のみぞ知る、ってところかしら)


ーーーーーーーーーーーーーーー




足止めされてた




ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー


それから約1時間---


いや、もっと時間は短かったのかもしれない。
しかし大和田にはその位に、否……もっともっと長い時間に思えていたのだった。
そして残念な事にその間、彼は常に大泉洋の料理を食べさせられ続けていた。
大和田は大泉洋の顔を立て、断らずに料理を食べていたのである。それは、己との戦いでもあった。
売られた喧嘩は全て買う。
そう言い切った以上、断る事は不可能だったのである……。

一方大泉洋も、己との戦いを繰り広げていた。
普段は何十分も待たせる料理だが、今回は料理工程を省き時間短縮に成功。1皿15分ペースで作っていたのだった。
(ただし生焼けである)
肉、魚、野菜にスープ…ふんだんに用意された毒に等しい料理が大和田を直撃する。

普通の人間なら発狂しているかもしれない。
だが、大和田は最後の気力だけで意識を繋ぎ止めていた---

逃げようと思えばきっと逃げられたのだろう。

しかし、そこに容赦無く襲いかかる大泉洋の
「でもさぁ、不二咲ちゃん泣くだろな、悲しむだろうな。今来て大和田君がいなかったら」
の一言により、大和田は部屋を出る事すら叶わなかったのだった。

結果的にこれが、不二咲の身を救う事になる---

ーーーーーーーーーーーーーーー

大和田(………どうやったらこんなまずい料理ばっかり作れるんだよ)

大和田(くそっ、目眩して来やがった…吐き気ももう限界だ……)

大和田「も、むり」

大泉「おいおいクレイジーダイヤモンドぉ!音を上げるんじゃあないよ!美味しいだろう!?」

大和田「………ぐぶっ」

がちゃ

大泉「あっ!」

大和田「………ぁ」

大泉「お、開いたぞおい!」

大和田「……うぶっ」

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やっと来た




ーーーーーーーーーーーーーーー


不二咲「遅れてごめんねぇ…あっ、パーティ?!」

大和田「」←突っ伏している

大泉「いやぁ、不二咲ちゃんのためにね、色々料理を作って待ってたんだよぉ」

不二咲「え?そ、そうだったんですかぁ?」

大泉「そうさぁ。そんで大和田君ったら待てなくてちょっと食っちまってね」

大泉「僕の料理を満喫して今腹いっぱいでちょっとグロッキーかもしんないけど、ごめんね」

不二咲「い、いえ、あの」

大和田「………待ったぜ、不二咲ぃ」のそっ

不二咲「あ、おお、わだく……」

不二咲(大和田君の目が死んでる…)

不二咲「………大丈夫?」

大和田「ぉう……体がちょっと、その、動かないだけだから……」

不二咲「それ割と大変だよねぇ!?」

大泉「僕の料理が成せる技だね」

不二咲「」!?

大泉「不二咲ちゃんお待たせ。君もほら、椅子に座りな?水もご飯もあるから」

不二咲「あ、えと、はい……」がたんっ

大泉「まずお水ね」←市販のペットボトル出してる

不二咲「……ありがとうございますぅ」

大和田「お、い大泉さ…んっ、それ水」

大泉「なんだ君は、おい?君はあれかこんな可愛い子にあんなレモン入った水飲ませろとか言うつもりじゃねぇだろうなぁ」

大泉「おめぇ頑丈だからいいけど不二咲ちゃん飲んだら死んじゃうべや」

大和田「よくねぇよ!……っぐほっ、あ、声出な…」

大泉「ほらどんどん食えよ君は、僕特製の飯をさぁ?」

大泉「………っと、不二咲ちゃんには僕のちゃんと作ったパスタがここに」ことん

不二咲「カルボナーラ?」

大和田「えっ」

不二咲「わぁ、美味しそう…!」

大泉「だから言ってるじゃないの、僕ぁやりゃ出来るんだよ」

大和田「さっきはそんなもんなかっ……」

大泉「つべこべ言わない!おめぇはおめぇで作ってやったんだから食べなさいよ!」

大泉「それにほら、キャベツと塩昆布合わせたサラダは食べられただろう?な?」

大和田「………う」

不二咲「わぁ、大和田君まだ食べられるのぉ?すごぉい!」

大和田「」きゅん


大泉(………けど、無傷でこの部屋に入れるって事ぁ………)


不二咲「大和田君も食べていいよ?」

大和田「俺は……俺は……」

大泉「パスタのおかわりかい?エビチリパスタはもうねぇしなぁ……よく全部食べたね君ぃ」

大和田(なんかその、煽られてイラっとしてたし、その…プライドが許さなくて…)

大泉「大和田君はあとでいいって。不二咲ちゃん、食べなよ」

不二咲「…い、いただきます!」もぐ

不二咲「………」もぐもぐ

大泉「どうだい、不二咲ちゃん。そっちのは子猫ちゃん…霧切ちゃんに見張られて作ったから随分マシかと思うけど」

大和田(こいつついにマシって言いやがった)

不二咲「………美味しい!」ぱっ

大和田「」

大泉「いやぁよかったねぇ、作ってよかったよ。嬉しいもんだよね、美味しいって言ってもらえると」

大和田「大泉さん、俺にも美味いもん……」

大泉「ぇえ?まだ食べるの?仕方がないなぁ、次は魚料理食わせてやるから」

不二咲「まだ料理あるんですかぁ!?」

大和田「さすがに魚はマズくなんねぇよな…?な……?」

大泉「ええっとねぇ」ごそごそ

不二咲「クーラーボックス?」

大泉「倉庫にあったんだよお。こうやって素材を入れて持ってくるのに便利だったんでね……よいしょ」


つ【冷凍されたサケの切り身】ごそっ


大和田「」!?

大泉「ルイベだぁ」


※Tips…【ルイベ】
北海道の郷土料理、および魚介類の調理方法のひとつ。元はアイヌ料理の一種だった。
凍った魚をそのまま切り身にし、溶かさずに醤油などにつけて食べる。しゃりしゃりとして美味しい。
北海道ではサケまたはマスを使ったものが郷土料理とされる。ヒメマス、ニジマスを使う事も。


大泉「もうこのまま食べてください」袋開封

大和田「はぁ……?」

大泉「そう言う食べ方なんだもの」

不二咲「ルイベ?」

大泉「僕のふるさとでよく食べられてる料理さ。生魚とはまた違う、格別の味わいが」


ごとんっ(サケの塊が皿に落ちる音)


大泉「………あー………」

大和田「完全凍って張り付いてるじゃねぇかよっ?!」

不二咲「さすがにちょっと待たないと食べられないかも…」

大泉「分かったぜ。んじゃちょっと待とう!」

大和田「………うぷ、大声出したらまた喉が…」

大泉「あんなに食べるから吐きそうになってんだよ、大和田君。無理するから…」

大和田(俺が食うまでオメェがプレッシャーかけて来てたんだろうが…!!)

ーーーーーーーーーーーーーーー



数分後



ーーーーーーーーーーーーーーー


不二咲「……今日は、ふたりに聞いて欲しい事が…あって…呼び出したんです」もぐもぐ

大泉「おう、なんだい不二咲ちゃん言ってごらん?」

大和田「」←具合悪い

不二咲「その、もしかしたら…ふたりとも驚くかもしれないんだけど…言わないと行けない事で」

大和田「……言って、みろ…っぷ……」






不二咲「実は………男なんだ、僕」






大泉「そうか、不二咲ちゃんは男だったのか」

大和田「………はぁ?」

大泉「え?不二咲ちゃんが男、男?………えぇぇ?!」

不二咲「……はい」

大泉「いや、どう見たって女の子…!」

大泉(……まさか)

不二咲「そう、です」

不二咲「…昔からずっと女みたい女みたいってからかわれて……それがずっといやで!」

不二咲「だから…男のくせに女みたいって言われるのが嫌で、女の子の格好をしてたんですぅ…!」

大泉「い、いやいやいや、え…!?」

不二咲「そしたら男のくせに、とか、女の子みたいって言われずに……済むから……」

大泉(…そう、だったのか)

大和田「っぐ」←衝撃で吐きかけた

大泉「…だから、部屋前で撃たれずに入って来れたんだね?」

不二咲「はい、そうなんです……」

大泉「それで、なんでまた突然そんな事を」

不二咲「……もう逃げたくないんです…強くなりたいんです」

大和田「はぁ、はぁ……強く?」

不二咲「大泉さんは頼れそう、だし」

大泉「まあね、紳士だから僕は」

大和田(嘘つけ)

不二咲「それに………大和田君は…強いから」

不二咲「だから秘密をバラされたって、どうもならないよね…?」

大和田「………」ぴくっ

不二咲「…だから自分を変えたかった、変わりたかった。これも何かのきっかけかなって、思って」

不二咲「それでまず、僕の弱さを知ってほしかったんだ。大和田君も大泉さんも……強いから」

ぷっちぃ~~~んッ

大和田「………当てつけか」

不二咲「え?」

大和田「……ぁあ………そうだ、俺は強い」

大和田「そうだ、だからこそ、守んねぇといけねぇんだよ……」

がたんっ

大泉「大和田君?なんで立って」

大和田「だから俺は、だからこそ俺はあの秘密を………」

大和田「誰にも知られちゃならねぇんだ……!」

ごとっ

大泉「おい、大和田君なんでダンベルなんて持ってんだい」

不二咲「え?大和田、君?」

大和田「そうだよ、俺は強い俺は強い俺は強い---」

大和田「お前よりも!」

大和田「兄貴よりも---」


ごぽっ


大和田「」!?

ごとんっ

大和田「っぶ……!?」←口を押さえてる

大和田(しまっ……エビチリパスタが………喉の奥からっ………)

大泉「………!?」

不二咲「え?な、大和田君っ!?」

大和田「~~~~~!?」

大泉「………っくっくっくっくっくっwww」

大和田「んぅ………っ!」

ーーーーーーーーーーーーーーー




耐えた




ーーーーーーーーーーーーーーー


大和田「っは、はぁっ、はぁっ…!」

大泉「おおわっ…大和田君っ!大和田君……w」

大和田「死ぬかと思った……」

不二咲「顔が真っ赤だよぉ」

大泉「おおっ…wわ…w」

大泉(やべぇ笑っちまう!集中集中…)

大泉「大和田君、君は今…何しようとしたか分かってんのかい?」

大和田「…俺はっ…」

不二咲「あの、大和田君…気に障ったならごめんね…」

大和田「………いや、オメェは悪くねぇ、んだ…っぷ」

大泉(くくっw)

大泉「ん"っ……少なくとも今、君は…衝動的に何かをしようとしてたね。何をしようとしたの?」

大和田「俺、その……あ、………」

大和田「俺…今、不二咲に……!」

大泉「言ってごらん。言ってくれたら許してやるよ、全部さ」

不二咲「?」

大和田「………っくしょ…こんなとこで…俺はやっぱ…っぶふ」

大泉「………っ」←堪えている

大和田「俺は……弱い………」

大和田「………言い逃れ……出来るわけねぇ……」うるっ

大和田「………っ、ふ、…不二咲ぃ、すまねぇ……」うるうる

不二咲「え…?」

大和田「俺は本当は、弱ぇんだ……」ぼろぼろ



大泉(食事をおみまいされ、僕の口八丁手八丁に丸め込まれ、ストレスが充分かかっており)

大泉(さらに追撃の一言………不二咲ちゃんかな?何が気にいらんのか分からんけど、が大和田君の我慢の限界に達した)

大泉(どうやら大和田君の爆発を促す準備は万端だったようだね)

大泉(しかし結果はどうだい、僕の料理で吐きかけて戦意喪失だよ。僕の料理ってとこが気に食わねぇけど)

大泉(こらぁ僕の勝利と言っていいんじゃあないだろうか)

大泉(………試合には勝ったが、勝負には負けた気がする)

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告白




ーーーーーーーーーーーーーーー


大和田「俺ぁ強くもなんともねぇよぉ……」ぼろぼろ

大和田「今俺は、一瞬でも俺は……オメェを殺したいって思っちまった……」ぼろぼろ

大泉「泣くなよぉ!泣くなって……www」

大和田「すまねぇ…すまねぇ不二咲…ぃ」ぼろぼろ

不二咲「そんな、ど、どうして………」

大和田「バラされたくねぇ事があるんだ」

大泉「バラ…w………されたくない事?(キリッ)」

大和田「あぁ……そうだ」ぐすっ

不二咲「そ、それっ、て…」


大和田「俺は兄貴を殺した」


ーーーーーーーーーーーーーーー




!?




ーーーーーーーーーーーーーーー


大泉「………え?」

大泉(さすがに笑ってられなかった)

不二咲「ど、どう言う事なの?大和田君…」

大和田「俺は………」

ーーーーーーーーーーーーーーー


ではここからは、
大和田君の過去を紙芝居でお届けしよう


ーーーーーーーーーーーーーーー


(BGM:なんか田舎っぽいやつ)

大和田の兄貴・大亜(だいあ)「転がされたいのか?」

大和田紋土「かかって来いやゴルァ!!」

俺は兄貴と一緒だった、いつでも。
兄貴が誰よりも好きだった。
そんな兄貴はチームのリーダー、俺はナンバー2だ。
俺はいつも言われてたんだ……

「あの弟は兄貴がいないとなんも出来ねぇな」
「紋土とかだせぇべ?」
「おいおいおいおいぃぃ!他人の名前をダサいとか言っちゃいかあぁぁぁんっ!」
「でもさぁ、あいつ結局腰巾着じゃん?兄貴の」

そんなある日---

大亜「紋土、俺は引退する事にした」

紋土「あ?……兄貴が引退したら、チームは」

大亜「お前が継ぐか?」

紋土「………あぁ、やってやるよ」

大亜「だが」

紋土「?」

大亜「俺より弱い奴にはチームの頭の名前はやれないな」

そして俺と兄貴は最後の戦い……レースをする事になった。
ルールは簡単だった、普段走ってるルートをどちらが先に走ってゴール地点に着けるか。
……でも、やっぱ兄貴は強くって。

遠かった。背中が。

走っても走っても、追いつけなくて。
だからその時俺は、少し乱暴な走りをしてしまった。
兄貴を出し抜こうと、一気にエンジンを吹かしたんだ。
でも勝負に夢中になっていた俺は、すぐそばを走ってきたトラックの存在に気付かず---

どんっ

紋土「あ、にき……?」

大亜「もん、ど…ケガはねぇか…」

紋土「俺はッ!……いや、そんな事より兄貴が!」

俺がトラックにぶち当たる寸前、兄貴が俺のバイクを蹴り飛ばし、俺の身代わりに轢かれた。

大亜「紋土……お前に頭をくれてやる。だか、ら……頼むぜ、チームを……俺達のチームを潰すな」

大亜「男の…約束だ………」

紋土「兄貴ぃぃぃぃ!!」

俺が勝手にトラックの前に飛び出したせいで、兄貴が死んでしまった。
俺のせいで、兄貴が。
俺なんかより、ずっとずっと強くてずっとかっこよかった兄貴が。
俺のせいで死んでしまった。



……俺は弱かった。
「兄は俺に恐れをなし、車線を外れてトラックに轢かれた」と吹聴し、俺が頭になった。
俺が弱いから、強いんだって嘘吐いたんだ。
そうしないと、周りが俺を認めなかった。
認めようとしなかった。

それだけ兄貴がすげぇって事だったし、それだけ俺が弱かったって事だった。

でも、この事実だけは知られちゃいけない。
これが知られたら、俺のために…兄貴のために着いて来てくれたチームが崩壊する。
兄貴が最後に願った事が叶わなくなってしまう。

だから俺は嘘のために嘘を重ねる。

俺は誰より弱いから。

…俺は誰よりも強くなきゃいけないんだ。
お前よりも兄貴よりも。
誰よりも。

だから、この秘密がバレないためなら俺は、何だってする。
何だって………。

ーーーーーーーーーーーーーーー




更衣室




ーーーーーーーーーーーーーーー

大和田「………俺は、っぷ、兄貴のために…チームは潰せない」

大和田「だから、その秘密を知られるわけにゃ…っ、ぐ、いか………ねぇんだ」

大泉「………」

不二咲「………」

大和田「俺は……不二咲の強さに嫉妬したんだ。テメェ、のよ…強くなりてぇって…思う、強さに」

大和田「歪んだ嫉妬だ…情けねぇ、よな…っはは……っが……」

大和田「………でも………今、殴ろうとした直前、タイミっ、ングがズレて、殴れなかっただろ」

大和田「そのせいで、カッとなった頭がすっと…冷え…たんっ、だ……」

大泉「………」

不二咲「………」

大和田「俺は………」

不二咲「もういいよ!もういい……っ!ごめんね……!」

大和田「………不二咲?」

不二咲「僕、僕…そんなつもりなくて!大和田君の嫌な事とか、言ってるつもりなくて」

不二咲「憧れてたんだよ、その…強さに。ぶっきらぼうだけど、優しい大和田君に」

大和田「ふじ、さき…」

不二咲「自分がこんなの、だからさ…余計にだよぉ。僕だって強くない…今まで逃げてたから」

大和田「………」

不二咲「………大和田君」

大和田「…どうした?」

不二咲「やっぱり僕は大和田君に憧れるよ、何度も。何度でも」

大和田「何でだよ…俺は、兄貴を」

不二咲「それをずっと黙ってたんだよね?」

大和田「!」

不二咲「誰にも………言えずに、言わずに」

大泉「………」

大和田「…俺は、俺はッ……!」

不二咲「それってやっぱり……強いと思うな」

大和田「………不二咲ぃ………」ぽろぽろ

大泉「………っくく」

不二咲「お兄さんの気持ちを、守り続けてたんだもんね?」

大和田「………ッ!」ぽろぽろ

大泉「……っっっ!」


大泉(ダメだ限界だ)

大泉(大和田が吐きそうになりながら喋ってんのがツボ入ったわ)

大泉(話の流れ上、笑えないのが辛い)


大和田「ふじさk………っ」

大和田「」もごっ

不二咲「………大和田君?」

大和田「」←顔面蒼白

大泉「……っっwwwww」

大和田「…、…っ、………!!」

どたどたどたどたどた………ばたん

不二咲「………」

大泉「っはっはっはっはっはっはっwwwww」

不二咲「……大和田君、いきなり走り出してどこ行ったんだろう?」

大泉(多分wwwwwトイレwwwww)

ーーーーーーーーーーーーーーー




数分後




ーーーーーーーーーーーーーーー

大和田「はぁ、はぁ、はぁ………」

大泉「ごめんよ、大和田くぅん。でも…スッキリしたかい?」

大和田「………ぁあ、吐くもん吐いたしな」

不二咲(吐いた?具合悪いのかなぁ)

大泉「水でも飲みな」ひょい

大和田「ペットボトルの水すか、持ってんなら最初から出せよ」

大泉「でもそんなんじゃきっと君は折れなかったろ」

不二咲「あの、もしかして」

大泉「…まぁ、そんなのいいじゃない?そんなのよりもだ、僕がいなかったら不二咲君殴られてたぜ」

大和田「その、悪ぃ」

不二咲「……ううん、気付けなかった僕も悪いんだ。…ごめんね」

大和田「いや、それはその、オメェを殺したいって一瞬でも考えた俺が言うべきなんだけど」

大泉「まぁ、いいじゃない?結果的になんも起きなかったわけだし?」

大和田「………すね」

大泉「秘密が知られるってのよりも…兄貴との約束が守れない事、なにより兄貴を殺したって念があんだろ?」

大泉「気にする事ぁねぇ、なんて俺が言える問題じゃあねぇけどさ、大和田君」

大和田「………はい」

大泉「兄貴は、おめぇの事恨んでねぇと思うな」

大和田「っ……!」

大泉「だからもう、兄貴に縛られんのもやめにしようぜ。俺も兄貴いっから分かっけど」

大泉「………優秀な兄貴がいると、比べられて大変なんだから」

大和田「大泉さん…」

大泉「もちろんすぐにっちゅうのは難しいと思うさ。自分のせいで、って君が悩んでんのも分かんだよ」

大泉「でもおめぇはおめぇだろ?」

大泉「君の、絶望しながらも見つけた誇り。大事にしな」

大和田「………」

大和田(正直よく分かんねぇけどなんか分かった気になるのがムカつく)

不二咲(なんかよく分かんないけど何となくわかったような気になるのがすごいなあ)

大泉(ぶっちゃけ俺もよく分からんで喋ってしまったけど伝わんねぇんだろうなコレ)

不二咲「大和田君…あのね、今度…一緒にトレーニングしてほしいんだぁ」

大和田「不二咲…」

不二咲「大和田君は強いって言ってくれたけど、僕はまだまだ、正直弱い」

不二咲「心も体も……今までずっと逃げてたから」

不二咲「だから、強くなりたい」

大和田「俺も…一緒に強くなっていいのか…?俺が…強くなっていいのか…?」

不二咲「もちろん、大和田君なら歓迎だよ!」

大和田「俺は……俺はっ!」

大泉「…君は充分に強かったさ、今でも強いんだ…歩んできたんだろ?守り続けた痛みと共に」

大和田「………」

不二咲「そうだよ!」

大和田「………ところで大泉さん」

大泉「なんだい?」

大和田「その……大泉さんにお返しがしてぇんすけど、いいすか?」

大泉「お返し?」

不二咲「お返しって、料理の?」

大和田「まぁ、色々と」

大泉「お返しかい?んじゃあありがたくもらっとこうかねぇ、ほらおいd」

大和田「っても返すのはコレだけどな」

大泉(そう言って目の前に出されたのは拳だったわけで)

大泉(ん?これはなんの冗談)



大和田「メシマズすぎんだよテメェコノヤロォォォオォォオオオ!!」



大泉(あ、その拳早っ)

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日付変わり




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大泉「………」←白目

大泉「………」←白目

大泉「………!」

がばっ

大泉「あ"?なんで俺、保健しっ……つぅぅ!?」

大泉「あだだだだっ!?な、脇腹なまら痛、げほっげほっげほっ!」

大泉「っだっ、ごほっ……!」

大泉「………、……っ!」

大泉「や、やりやがったな大和田ぁあのやろ……っでで、げほっ!」

大泉「げほっ、げほっ…あ"ー、いででで…」

ひょこっ

モノクマ「ほんと大泉クンはボクの邪魔が好きだね」

大泉「…うるせぇこの、誰のせいでこうなったと思ってんのよ」

モノクマ「そろそろボクも本気出そうかな」

大泉「…ぁあ?なんだとぉ?」

モノクマ「ナイショ、ナイショ!ボクにも色々作戦があるって事だよ!って言うかさぁ」

大泉「おぉ何だよ、俺ぁ怪我してるっつってんのに話に来たってかい」

モノクマ「どうせ大した事ない怪我のくせに、わあわあ言ってるんでしょ?分かってんだよ?」

大泉「俺はここを脱出したら確実にお前を相手取るからな」

モノクマ「訴えないでよぉ」




大泉(子猫ちゃんはこうも言っていた)

大泉(あの動揺の仕方は明らかに尋常ではなかった、もしかしたら)

大泉(………大和田をピンポイントで狙った可能性がある………と)

大泉(つまり、犯行を起こしそうな人物をあらかじめモノクマは知っていて、そいつを焚きつけた)

大泉(このままなんの手も打たなかったら、あいつの望む血みどろの殺戮劇が始まってしまっていただろう)

大泉(……やっぱり、優秀な子猫ちゃんだ。子猫ちゃんがいなければ、僕なんてのはただの力ない男だな)

大泉(甘えるなら。それなら……彼女に全力で甘えよう。そんで、俺は俺が出来る事をしよう)

大泉(そう決めたからこそ俺は気付かなかった)


大泉(次は、自分が狙われる可能性を)

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【Chapter2】
瞬間少年絶望オナー


【END】


残り【16人】


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予告(嘘)

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---新たな階層

モノクマ「アメとムチって言葉もあるからね」


---次なる動機

葉隠「ほしっ………くなんってないっ!」


---渦巻く感情

十神「リーダー……か。その座、俺がもらってやってもいいぞ」


---見つかった謎

『ともだちんこ!ともだちんこ!』

大泉「」


---動き出す3人の女



江ノ島「今がその時なんだね」

大神「なぜだ!なぜ我がやつを!?」

セレス「やはり現状、一番邪魔なのは彼の方ですかね」

山田「ダメかよ!デブでオタじゃダメかよ!」

桑田「ホクレンっ!」

舞園「タンチョウならきっと苗木君でも保護出来ます!」

苗木「それは違うよ?!」


「標的は、大泉洋………ただひとり」


大泉「子猫ちゃん、僕ぁダメかもしれん」



どすっ



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弾丸どうでしょう
【Chapter3】
近日公開!!


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ここまで。パワープレイすぎてつらい。お疲れ様です。
最大級の土下座をしながら書いています。嘘です。

大泉さんはあくまでも霧切さんがいないと何も出来ませんよ、が今回の目的
オナーとは【HONOR】でナックスの舞台のタイトル。【守り続けた痛みとともに】はその副題です
モリがね、ラジオで「俺達がシコシコ頑張るオナーをみんなに見せつける」って言ったからね、仕方ないね
舞台でも安田「オナーの木を守るオナー兄さん」→4人「おなにーさん?」ってネタがあったから仕方ないね
でもナックス史上一番ダサいタイトルは【ESCAPER(エスケイパー)】らしい

把握
あらためて一番くじのラインナップを確かめて、ラストワン賞に驚愕した次第

早くしろよ1
待ちくたびれて寝ちまうだろ。毎日更新してないか見に来る身にもなれよこいつ。
明日更新してなかったら泣いてやるかなぁー

例の舞台に松風さんが葉隠役で出るみたいですね

なんか出来たから投下投下。相変わらず変なところは黙っててやってくれッ!僕がなんとかカバーしてやっから!

>>589
待たせたなー!
お前はもうひとりじゃないぞー!

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10日目昼




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大泉(………どうも皆さん、大泉洋ですよぉ)

大泉(さて、あのあとの…これからの僕達の話を進めようか。)

大泉(僕は脇腹を痛めながらも、元気にしていた。いや、なまら痛ぇ。笑うのが響くんだよなぁ。あばらは折れてないらしいけど)

大泉(そのあとは保健室で寝ようと思ったんだけども…モノクマがわあわあうるせぇから部屋帰って寝た)

大泉(んで、その日の朝を迎えたって訳だ)


大泉(あ?原作だと保健室は11日目に解放?…な事ぁどうでもいいだろ、君ぃ…つーか原作って何よ?)

大泉(大和田と不二咲がモノクマに詰め寄って保健室開けさしたんだからいいんだよッ!こまけぇ事は!)

大泉(………いいね?保健室は10日目の夜中に嫌々開けさせたの。いいね?それ以上突っ込んじゃダメ。いいね?)

大泉(そして、そんな腹を括った大和田君と不二咲君はと言うと……)



◆食堂



大和田「………っつー訳だ」

苗木「そう、だったんだね」

朝日奈「大和田…」

舞園「…でも、よく話してくれましたね」

大和田「あぁ、覚悟出来たからな。俺は弱い俺だけど、その俺と向き合う覚悟がよ」

大和田(つーか覚悟させられたと言うかなんと言うか、もう覚悟するしかないと言うか…)

不二咲「大和田君っ…!」

腐川「にしても驚いたわね、ちーたんがまさか男の娘とは!」

山田「これは拙者の妄想が掻き立てられ…薄い本が分厚くなるに違いないっ!」

不二咲「薄い本ってなぁに?」

腐川「世の中知らなくていい事もあるのよ(はぁと)」

大和田「なんだそりゃ?」

腐川「例えばアタシの秘密とか?」

大泉「君が言うと割とシャレんなんない響きなんだけども、ジェノサイダー翔さん?」

腐川?「………あらァん?アタシ、アンタに名乗った覚えはないゾ?」

十神「俺が、お前の寝ている間に全員に喋った」

不二咲(寝ていると言うか寝かせたと言うか…だったよね…?)ひそひそ

大泉(………十神君がコショウ振り始めた時は何かと思ったわ)ひそひそ

腐川?「んもぅ十神君ったらぁ!これはアタシとアンタだけの秘密って話でしょうがこのダメガネ!」

十神「?!」

腐川?「と言うわけで初めまして、こんばんみ!」

ジェノ「呼ばれてなくても邪邪邪じゃぁーーんっ!アタシがかの有名な【ジェノサイダー翔】だっつーの!!」

大泉「その名前もニュースで見たけどさ、まさか腐川さんだったとはねぇ」

大泉(…今、色んなところで通り魔的な犯行を繰り返してる殺人鬼らしい。それが腐川さん?うーん…)

ジェノ「待って、ようちん」

大泉「………ようちん?」

ジェノ「アタシとアイツを一緒にされたら困んのよ!アタシはアイツであってアイツではねぇんだよ!」

大泉「なんだよぉ…意味わかんねっての!」

苗木「……えーと、つまり自分は自分!って事を言いたいのかな」

山田「我は影、真なる我的な?」

大泉「やめれ、話がややこしくなる!」

十神「待てお前…俺に対する暴言を訂正しろ…!」

ジェノ「えー?アイツはアンタの事を気にしてんのかもしんないけど、アタシはまだまだこれからだし?」

桑田「……にしてもダメガネって……くっくっくっ…w」

朝日奈「でもなんか分かるかも…あんだけ大口叩いといてさ、結局なんにもしてないよね?十神って」

十神「何だと…?」

大泉「仲良きは美しき事かな。喧嘩しない方がいいじゃないの」

苗木「そ、そうだよ!」

十神「俺はお前達と馴れ合う気は無い…!」

霧切「この会話に加わっている事自体が馴れ合いなのだけれど?」

十神「うるさいっ!」

葉隠「しかしなんつーか、カオスすぎるべ…なしてこうなった」

大神「そもそものきっかけは確か…大和田が、自らの秘密を言うと言った事だったか」

桑田「自己申告で喋れる奴だけ喋る…って話だったよなぁ、なんで腐川が二重人格とか十神が知ってんだよ…」

十神「俺はあの後、腐川本人からカミングアウトされたんだ。だが、別に黙っててやる義理もないからな」

セレス「女性の秘密をベラベラと話すなんて、あまり褒められたものではありませんわね」

江ノ島「………」いじいじ

大和田「まぁオメェもそう凹む事はねぇんじゃねぇか?その…」

葉隠「いやしかし、まさかすぎたべ…リアルな話、女の子でモデルガンマニアなんはどうかと…」

江ノ島(………うっかり口滑らせちゃった………)いじいじ

大泉「そういやシゲも集めてたな。モデルガンに模造刀に色々と。何が面白えんだか…」


※Tips
戸次:趣味・サバゲー。
そんな事より結婚しろ。オクラホマに抜かれてる場合か。


ジェノ「なになになんの話?珍宝の話?」

山田「それギリギリアウトですぞジェノサイダー翔殿」

大泉「僕ぁ昔、番組で「何故ちんぽはちんぽと呼ぶのか」ってのを聞いた事あるけど、やっぱ語源は「珍宝」なんだね」

桑田「ごめん何の話?」

葉隠「あー、一説には…ってやつだろ?珍宝は仏教用語だべ。諸説あっけどな?」

ジェノ「その話kwsk!」

葉隠「ん、知ってっか?小さいって意味のちんと、矛を合わせてちんぽこって呼んでたってのが、縮まってちんぽになって」

朝日奈「え?これ下ネタ?」

葉隠「何を言ってんだべ、こりゃ国語の勉強だ」

大泉「その通りさ葉隠君。そして歴史の勉強でもある」

舞園「それをどんな顔して聞いてたらいいんですか、私達は」

ジェノ「くそっ!バカのくせに賢い事を喋っている…だと…!?ギャップ萌え狙ってんじゃねぇよ!」

大神「ぎゃっぷもえ、とは一体何だ?」

山田「おぉっと!?大神さくら殿が食いついたぁ!?」

大泉「言っとくけどそこまで賢い事でもないと思うぜ、俺は」

葉隠「おいあっさり手のひら返しすんな!」

霧切「しかし、そんな事を議論していたなんて…さすが地上波最後の楽園、ハナタレナックス」

苗木「え?そうなの?!」


※Tips
「何故ちんぽはちんぽと呼ぶのか」「全世界のちんぽのサイズ」等を専門家を交えて真剣に議論し合い、
「おならでベートーヴェンの運命を演奏してみよう」と企画をやってみたり(なお音尾発案)、
沖縄では【完全な放送禁止用語】を伏せ音一切なし(注:干潟の名前なのでセーフ)に連発した上、
合法的に女子高生に「昔は汚かった」「今は綺麗になった」と言わせた(注:干潟の名前なのでセーフ)りした上、
最後にはインフルエンザで欠席した森崎以外の4人が「最高」「大好き」と叫んだ(注:干潟の名前なのでセーフ)。
地上波の限界と戦う番組…それが地上波最後の楽園、ハナタレナックスである。


十神「…何故お前達、殺人鬼と馴れ合えるんだ…?もっと混乱すると思ったんだが」

大泉「まぁあれだよ?あとから話は聞いてあげるからさ。ふたりとも、ね?」

大泉(どうせドッキリなんだろ?)←信じてないだけ

霧切「自分から殺人鬼と名乗る人がこんな閉鎖空間で殺人を犯すと思うの?そんなの自殺行為じゃない」

舞園「…確かにそうですね。何か事件が起きれば真っ先に疑われますし」

ジェノ「つーかそれ以前にアタシ萌えない男子は殺らないし」ぎろ

不二咲「ひっ」びくぅ

大神「もえる、もえない……?マッチか何かを持ってくればよいのか?」

山田「違う!言葉としては合ってるけど違う!!」

石丸「」

大泉「………ところでなんで石丸君は燃え尽きてるの?」

セレス「さぁ……?」

大和田「大方、俺達の会話の意味が分かんねんじゃねぇっすか?」

石丸「」

大神「……確かに、風紀は乱れているが、だからと言って気絶する必要もあるまい……」

大泉「仕方ないなぁ、僕が起こしてあげようか?コーレーグースで」


※Tips…【コーレーグース】
【ノニ】【シュールストレミング】と並ぶNACSの苦手なものであり、【罰ゲーム三種の神器】。
沖縄産の島とうがらしを泡盛に漬けて作った、沖縄の調味料である。ソーキそばなどにかけて食べる。
過去、沖縄ロケでは寝起きドッキリを大泉が仕掛ける事が定番となっており、
その際に寝ているメンバーに容赦無く飲ませていたのがコーレーグースである。


大和田「あ?そんなもんどこにあるん」

大泉「おいおい、僕を舐めてもらっちゃ困るよ、大和田くぅん?」すっ

苗木「なんで持ってるんですか!?」

霧切「くっ!悔しいけど、今回ばかりはモノクマに感謝するしかなさそうね……!」

十神「………もう図書室に行くがいいか?」

朝日奈「放置されて寂しいなら寂しいって言いなよ」

十神「俺はそんな事は思って…!」


<ぎゃああああ辛いぃぃぃぃ
<っはっはっはっはっはっ
<大泉さんそれは多すぎ!
<鬼だ!悪魔だ!
<ぐあああああああっ
<ノニは?ノニはないの!?
<ハッカのスプレーでもいいよぉ
<ぐぅぅぅっ…水を、水…っぶふーっ!?
<ばーか、それは泡盛ですー
<未成年の飲酒ダメ、絶対!!
<っつーか泡盛あったんかいな…


十神「………」

江ノ島「………」

不二咲「………えぇっと………?」





---こうしてなんやかんやしている間に、カミングアウト大会はうやむやになった。


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【Chapter3】

新世紀騙され伝説再び!
大泉洋よ新千歳空港に立て!

(非)日常編


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風呂




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大泉「オォーッ!」ばしゃ

苗木「お、おおー?」

不二咲「なんで両手を上げてるんですか…?」

石丸「………」

大泉「…昼のはごめんって石丸君、もう機嫌直してよ…」


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◆自分の部屋


大泉「………まだ痛えな、脇腹……痣出来てるしょ…」さすさす

大泉「どんだけ力任せに殴ったんだってぇの、大和田君ったら」

モノクマ「おお、おおいずみよ、しんでしまうとはなさけない」

大泉「死んでねぇよ……んで何でおめぇは俺の部屋にいるんだい」

モノクマ「いや、寂しいかなと思って」

大泉「おめぇにもコーレーグースかけてやろうか?」

モノクマ「やめてよ!壊れるじゃん!」

大泉「………ならとっとと出てってくれ。僕ぁ今は機嫌悪いんだよ」

モノクマ「うっぷぷぷ、そうやって睨まないでよ」

大泉「睨みもすんだろ、おめぇのせいで大和田は人殺しになる寸前だったんだから」

モノクマ「でも、ほら。大泉クンが止めるんでしょ?何かあったらさ」

大泉「…おめぇ、まさかまだあんな事しようとしてんじゃねぇだろうな?」

モノクマ「しようとしてるけど?」

大泉「…あぁ?何だとぉ?」

モノクマ「キミ達が絶望するまで、キミ達が希望を殺すまで---ボクはキミ達に動機を与え続ける」

大泉「……!」ぐぐっ

モノクマ「おおっと、暴力反対っ!」

大泉「……ちっ、手ぇ出したら負けだし……かと言って脱出方法教えろっても教えねぇんだろ?」

モノクマ「だから誰かを殺して、誰にもバレなかったら脱出出来るんだって」

大泉「俺はそこまで堕ちた人間じゃないよ」

モノクマ「じゃあ、捨てるんだ?」

大泉「………あ?」

モノクマ「ここの生徒のために………舞台も、事務所も、仲間達も、仕事も、家族も、」


モノクマ「北海道(ふるさと)も」


大泉「………!?」

モノクマ「ま、ヤル気になったら教えてよ。キミってばイレギュラーだから、必要なら手を貸してあげても」

大泉「うるせぇな、この」

モノクマ「ん?」

大泉「………失せろよ。もう………消えてくれ………」

モノクマ「………この程度で落ち込むなんて、キミってガラスメンタル?」

大泉「………っせ、この」

モノクマ「じゃあね、大泉クン…またあした」

びゅーんっ

大泉「………」



大泉(………ふるさとを、捨てる)

大泉(そう言う事じゃねぇ、そう言う意味じゃねぇんだ)

大泉(でも、けど、だけども)

大泉(どこからか焦燥感が湧き始めた)

大泉(………俺ぁ………お前らを捨てる事になるのか?)

大泉(大切な場所を、俺の誇りを、全てを………捨てる事になるのか?)

大泉(………)

大泉(教えてくれ、鈴井さん…俺はどうしたらいいんですか…?)

大泉(その後俺は寝るにも寝れず、頭を抱えたまま---)


大泉(………気付いたらまた、朝を迎えていた)

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翌日
11日目朝




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『この手に掴まれ!(もう食べられない)』

『お前達は先に行け!(僕にこんな力が)』

『ここは通さない(お前を待っていた)』


『 こ れ で さ い ご だ ! 』


大泉「………朝からうるせぇなおい!!」がばっ


※Tips…【Daydreamer】
作詞作曲:佐藤重幸。2009年に発表された曲で、ベストアルバムにも収録されている。
アーティストは北海道が生んだ2年に1度だけ現れるアイドル、【TEAM☆NACS(ちーむほしなっくす)】。
間違っても【TEAM NACS】ではない。【TEAM☆NACS】である。


『彼らをおいて僕は旅に出る』

『そこは単純な世界、出来ない事のない世界』


大泉「結構な爆音で鳴ってるけども……おいおい………朝からなんだってんだい……」がしがしがし

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食堂




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がちゃ



石丸「遅いですよ、大泉さんッ!」

大泉「石丸君、復活おめでとう…って、何してんの?朝から」

霧切「ああ、大泉さん!もう少し早く来てくれたらよかったのに!」

大泉「え?」

霧切「モノクマが、3階を解放したとの事でした」

大和田「またあの野郎、飽きるとかなんとか言ってやがったっすよ」

大泉「なしてまた俺がいない間に……」

不二咲「大泉さんも起こしに行ったんですけど、その…起きなかったから……」

モノクマ「そうだよ?みんな起こしに行って、それでも起きないからボクが起こしたの」

大泉「モノクマが?あぁ」

大泉(もしかして曲流してたのって、わざわざ俺のためにやってたのかい)

モノクマ「白昼夢に溺れて夢を見てる場合じゃないでしょ、全く!死ぬために生きなさい!」ぷんすか

大泉「あら、そうなの」

桑田「あらそうなの、じゃねっすから!なんかあったらどうしようかと思ったんスよ?」

朝日奈「ほんとだよね。ずっと寝てるだけでよかったよ」

山田「これで大泉洋殿の体に何かあったらと思ったら……」ぶるぶる

大泉「……ごめんな、みんな。ちょいビビらしちまって。俺ぁ元気も元気だから安心してくれよ」

霧切「えぇ、よかった……」

江ノ島「な事どーでもよくね?ほら、3階行くんっしょ?なるはやで!」

大泉「おいどうでもいいとか言うな」

セレス「3階ですか…ふふっ、ここで生きていくのがさらに楽しくなりそうですわね?」

朝日奈「セレスちゃんは脱出とか…そう言うの考えないの?」

セレス「生き残るためには適応するのですよ、朝日奈さん。今はまだ死者はでていませんが、現に…」ちらっ

舞園「………何ですか?」にっこり

セレス「………いえ、何でも」ふい

舞園「疑うならしっかりと疑ってください。私はもう何もしませんよ…それを信じるかどうかは皆さん次第なんですから」

大和田「そうだな。って……俺も人の事ぁ言えねぇけどよ…」

霧切「いいじゃない、過ぎた事よ。誰ももうあなた達を疑ったりなんてしないわ」

セレス「………本当にそうでしょうか?」

葉隠「セレスっち、ダメだぞ!マイナスな言霊はマイナスな運気を運ぶんだ…はい、この話やめやめ!」

大泉「葉隠ってのは気に入らんが確かにそうだな。やめな?人を疑っても騙される時は騙されるんだから」

セレス「………はぁ」

葉隠「おう、分かればよろしい」

大泉「おめぇバカにされてんだぞ、俺に。気付こう?」

霧切「とにかく3階を見に行く、それが私達に今出来る事…そうでしょ?」

苗木「そうだね……行こう、みんな」

桑田「3階にどうでしょうDVDねぇかなぁ」

大泉「多分ないよ」

霧切「ハナタレは?」

大泉「あったら逆に僕がビックリだね」

モノクマ「ねぇなんでそんなにDVD見たいの?」

大泉「その前におめぇはいつまでここにいんの?」

モノクマ「質問に質問を返さない!」

不二咲「えぇっと……とにかく行こう?」

江ノ島「そーそー。時間の無駄っしょ?さっさと探索して帰って……あ、ごっめんちょっとトイレ!」びゅーん

大泉「………一番ヤル気ある君が離脱かい?おいおい…」

苗木「さ、先に行ってるよ、江ノ島さーん…?」

不二咲「…んー…」

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3階




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<一攫千金だべー!


セレス「娯楽室!?」

山田「なるものを発見致しましたが、セレス殿?」

セレス「それは面白そうな…行って参りますわ」すたすた

朝日奈「こっちは美術室だってー!」

山田「なん…だと…?」

大和田「山田ぁ、オメェこういうとこ好きなのか?」

山田「僕はいずれフィギュア四天王になる男ですから!」ドンッ


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3階の奥の方




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がらっ


十神「………ここは物理室か」

ごうんごうんごうん

十神(…あれは何だ?)

石丸「おや、十神くん?」

十神「何だ、石丸…先に来ていたのか」

石丸「まさか、君も3階へ来てくれていたのだな。よければ探索を手伝っては」

十神「興味ないな。俺は俺のために、このフロアを探索しているだけだ」

腐川「………そ、そうよ、白夜様があんたなんかに従うわけないでしょう?」

石丸「腐川くんも…見かけないと思ったらそちらにいたのか」

十神「俺は離れろと言っているのだが、なにぶん言う事を聞かなくてな」

大泉「嫌われてんでないの?十神君さぁ」

十神「!……大泉、お前もこの部屋に……」

大泉「年上を呼び捨てとはいかんな、十神君。マナーがなってねぇぜ?大泉さん、な」

腐川「う、うるさいわね!あんたなんか、白夜様からしたら取るに足らない生物なのよ!」ぐぎぎ

大泉「……ぁあ、そうかいそうかい」

ごうんごうんごうん

石丸「しかし残念だ、君達が協力してくれればより心強いと言うのに」

十神「誰が協力など」

大泉「もしかしてさぁ、十神君」

十神「………なんだ?」

大泉「自分に自信がねぇから俺達と一緒にいないんじゃねぇの?」

十神「何っ…!?」

大泉「だってそうじゃない、いばってばっかだし?協調性がねぇくせに命令してくるだろう?」

大泉「チームをまとめるリーダーってのは、常に堂々と構えてるもんさ。僕んとこのリーダーもそうだぜ?」

大泉「十神君は正々堂々じゃないもの。そんなんじゃあチームのリーダーは務まんねぇぜ」

十神「」カチッ

腐川「あ、ああ、あんた白夜様に何て事を---」

十神「ならお前の」

大泉「あ?」

十神「お前の知るリーダーとはどんな男だ?」

大泉「あー…?」

十神「聞かせろ。お前のリーダーとはどんな男だ」

大泉「うちのリーダーかい?そりゃおめぇ……」

ごうんごうんごうん

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回想

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森崎『ぬぅぅぅぅ……ねりゃぁぁぁああああ!!』


森崎『まーみむーめ まーみむーめ もーんたくんーっ!』


森崎『俺だってなぁ、なまらこえぇよ!』


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戸次『泣けって言ってやれ!』

幼稚園児『なーけ!なーけ!なーけ!』

森崎『……ッ!!』ぽろっ

大泉『泣くな森崎!テレビだろ!!』


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森崎『行きますっ!』

森崎『………』

森崎『ッ』ぶーっ

音尾『………ッwww』


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森崎『音尾隊員っ…握手をしようっ!』


森崎『繁多寺ィィィィ!!ファンタジィィィィィ!!』


森崎『フゥーッ!』←霧を晴らしている


森崎『ぬおおおおおおおお!!』


森崎『俺…あの時どんなキャラだったっけ?』


森崎『死刑ッッッ!!』


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大泉『新番組!森崎博之のシュールストレミング!街の情報満載!』

ぱく

森崎『っぶふっ!?』

森崎『………オエェ』

大泉『えー、とこのようにですね……』

森崎『おえぇっ……』ぴちゃぴちゃ

音尾『後ろですごい音がwww』


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ーーーーーーーーーーーーーーー

回想終了

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ごうんごうんごうん

大泉「ごめん、俺が悪かった」

十神「今の沈黙の間に何があった」

大泉「ま、あれだよ。TEAMおもしろい顔って事だよ」

十神「………?」


※Tips…【TEAMおもしろい顔】
【ハナタレナックス】における、森崎と音尾のコンビ名。ハンサムな安田・戸次との対比で呼ばれる。
森崎と音尾は番組内外でコンビになる事が多く、その都度コンビ名称も生まれている。
かつて【ハナタレ】では姓名判断の結果、森崎は【湯けむり殺人】・音尾は【おっとー星人】に改名すべしと出た。
そしてその時一緒に出た、彼らのコンビ名は【TEAM爆発五郎】である。
【湯けむり殺人】は手に桶を持ちダジャレを言い、【おっとー星人】はオットセイっぽい。それぞれの持ちネタもある。
安田・戸次と対決企画を行った結果敗北したため、2ヶ月間テロップから何から全てこの名前で扱われた。
かなり古いが、【じゃらん】CMから生まれた【MOコンビ】は未だに使われる名称。
なおここに安田を入れて【YMO】と呼ぶ事もある(トリオを指して生まれた名称)。


ごうんごうんごうん

大泉「……っくっくっくっくっwww」

石丸「大泉さん、なぜ笑って…」

大泉「いやぁダメだ俺ぇ、リーダーのダメなとこばっかり思い出したwww」

大泉「カナヅチなのにさぁ、海に投げられてリポートしてて、サメにぶつかられた事もあったなぁwww」


※Tips
【いばらのもり】で起きた事件。ちなみにわりと衝撃的な映像。サメは肉食ではなかった。
どんなリーダーだよ、と思われるかもしれないが、これがリーダーである。
カナヅチだし高所もダメなので、まさに陸戦型リーダーなのだ。


大泉「あとー、あれだな。嫁さんにもリーダーって呼ばれてるんだよ」


※Tips
実話です。


十神「………それはどうなんだ?純粋にどうなんだ?」

大泉「俺は知らんよ」

石丸「とにかく君はリーダーではないと言う事だ」

十神「………」

ごうんごうんごうん

腐川「きいぃ…っ!何なのよあんた達!?白夜様ぁ、こんな奴らほっといて別なところへ」

十神「………面白い」

大泉「あ?何?」

十神「お前のリーダーとやらがどれだけ不出来な男か教えてやる、大泉」

十神「その座、俺が貰い受けてやるから覚悟をしておくんだな」くるっ

すたすたすた

腐川「………はっ!ま、待ってください白夜様ぁぁぁぁ!?」だっしゅ


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どっかいった



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石丸「………?」

大泉「よく分かんねぇな、あいつらは…さてと、僕ぁ奥を見てくるかな」

ごうんごうんごうん

石丸「あ、ええ……」

ごうんごうんごうん

大泉「どしたの石丸君?」

石丸「…いえ、今彼らにこれの事を教えてあげたらよかったかと後悔しているところです」

大泉「あぁ---」

大泉(物理室の中央には、でかい玉がでかい棒に突き刺さったような、機械的な柱が大声をあげている)

大泉(さっきモノクマが、わざわざここへ来てこれが何かを教えてくれたのだが)

大泉「それ、空気清浄機ったっけ?ほんとかねぇ…」

石丸「僕はもう少しこちらの部屋を見回ります」

大泉「おう、頼むよ石丸君」

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物理準備室




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がちゃ

大泉「………ありゃ、これまたちっせぇ部屋だな」

ぱたん

大泉「あー、ダメだこりゃ。なんか天秤とかしかないもの」

大泉「んー…ホルマリン?うっわぁ、初めて見たこんなもん…」

大泉「しっかしここにも何の手がかりもないとなると…」

大泉「………ん?何か落ちてる?」

ぴらっ

大泉「なんだこりゃあ…写真?えーと」

大泉「……え…!?」


大泉(そこに写っていたのは---鉄板のない窓の教室にいる桑田と大和田、不二咲…そして…安田だった)


大泉(…え?……安田!?)

大泉(あ…?桑田は安田に会った事ねぇ、いや…なんならこの間まで見た事もねぇんじゃねぇのかよ…!?)

大泉(はぁ?ちょ、ちょっと待て…ちょっと待て!…んじゃこの写真はなんだ!?)

大泉(……まぁこの際、安田と桑田がおんなじ黄色のブーメランパンツを履いてる事はさておいても!)

大泉(だけどこれは明らかにおかしい!一体どうして…)


ぴっ

大泉「」!?

モノクマ「大泉クン、ボクの大事な写真になんで手を触れてるわけ?」

大泉「おい待ててめぇ、その写真はどう言う事だ?えぇ?」

モノクマ「どう言う事って?」

大泉「桑田は安田の事を、俺が貰ったDVDの姿と子猫ちゃんの話でしか知らないはずだ」

モノクマ「え、何キミあのDVD見せたの(ドン引き)……つーかあれは他人に見せるもんじゃ」

大泉「な事ぁどうだっていいべや!俺が聞いてんのはその写真の事だよ!」

モノクマ「えー?どうして?知りたいのー?」

大泉「…捏造、か?少なくとも俺には心当たりねぇぞ」

モノクマ「さぁ、どうかな?キミが知らないだけじゃない?」

モノクマ「ま、とにかくこれはボクのものだから返してもらうんで!」

大泉「ちょっと待てっての!まだ話は---」

びゅーんっ

大泉「………逃げられた、か」

大泉(謎が深まるばっかりじゃねぇかよ……くそっ、なんで桑田達と安田がおんなじ写真に…?)


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探索終わり




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大泉(………もやもやした気持ちのまま、俺達は食堂へと戻った)

大泉(そしてすぐさま、今回の探索結果が発表されたわけだが…)


セレス「娯楽施設がありましたわ。ビリヤード台はかなりいいものを置いてありますわね?」

葉隠「ダーツにスロットまであったべ。あぁ、そういや新しい雑誌は入れない、とかってモノクマが…」

セレス「いえ、入れないのではなく「入れられない」と仰いましたわ。少し意味合いが変わるのでは?」

霧切「………そう。あとは?」

山田「美術室がありましたな。様々な絵が飾ってありました…僕の好きなアニメの絵もありましてな!」

大神「好きなアニメ?」

山田「ええ、【外道天使☆もちもちプリンセスぶー子】です!」

大和田「………は?」

山田「外道天使☆もちもちプリンセスぶー子です」

舞園「えーと…あ、そうだ!メンバーの子が好きなアニメに挙げていた事があった……ような無かったような……」

山田「あのぶー子のラインの描き方…まさにぶー子を描くのに長けておりました…」うっとり

朝日奈「………山田は放置しておくけど………あとね、美術準備室って部屋があったよ」

山田「ああ、そちらには彫刻刀や木槌が置かれておりましたッ!どれもこれも芸術、フィギュアなどを作る用のものですな!」

大泉「よく分かんねぇな…あとで見に行くわ」

山田「何でっ!?」

石丸「…それはともかくとして…他は?」

大神「うむ。またしても上に向かう階段があった。しかしこちらも塞がれており上がれぬ」

桑田「鉄板はぜんっぜん剥がせねぇしさ?その辺の教室もなんにもなかったぜ」

朝日奈「……そう言えば、黒板にモノクマ描いたの誰?」

苗木「誰だろうね?怖いからそのまま、消さずに置いてあるけど」

大泉「え?なにそれ」

朝日奈「あのね大泉、今までの階の教室全部の黒板に、それぞれモノクマの絵があったんだ」

大和田「………で、誰が描いたか分かんねぇし、そもそも消していいかも分かんねぇからそのまんまって事っすよ」

舞園「モノクマの他に、人面犬みたいな絵もありましたよ?」

大泉「人面犬?…なにそれ、怖くねぇ?」

霧切「それはあとにしましょう。…他は?」

石丸「ああ、物理室と物理準備室があった。3階の奥だな…大きな空気清浄機が置いてあるぞ。それと…」ことっ

山田「時に石丸清多夏殿、それは?」

石丸「あぁ、これかね?これは物理室で見つけたデジタルカメラだ」

葉隠「どれ?見して見して」

ひょい

葉隠「………何だこれ!ひっでぇな…写真5枚程度しか取れんし、セルフタイマーも付いてねぇぞ!」

山田「それはっ!ぶー子のカメラ…ぼ、僕のです!間違いない!」

大泉「は?」

山田「いえ、ぶー子のアニメ化に際して行われたイベントの1等商品でして…しかしそれは僕がオークションで…?」ぶつぶつ

葉隠「んじゃ山田っちに渡しておくか?」

山田「……でもよく見たら汚くなってる…?なら…いらないかな…」

苗木「えっ」

大泉「いやおめぇんじゃねぇのかよ」

山田「僕はファンとして、コレクターとして未使用品の綺麗なカメラを買ったのですぞ?」

山田「…なのに…誰かに使い古されております。これは詐欺です!悪徳詐欺です!だので僕は憤慨しているのですぞ!」

葉隠「………そ、そうなんか(困惑)」

山田「ダメかよ!デブでオタクじゃダメかよ!」

セレス「でしたらそちらは私が戴きますわ。何かに使えるかもしれませんし?」

葉隠「何に使うんだ、こんなのよぉ…」ほいっと

大泉「……なぁ、ところで俺ぁひとつ聞きたい事があるんだけども」

霧切「…何です?」

大泉「桑田にね……なぁ、聞いていいか?」

桑田「っげ、オレ?何すか…」

大泉「おめぇさ、安田と会った事ってある?」

桑田「…は?安田さん?な、何言ってんすか、オレまだ会った事ねぇっすよ」

大泉「………そう、ありがと」

桑田「え?」

大泉「いや…それだけだよ」

桑田「…はぁ?」

大泉「………」ふむ?

大泉(どう言う事だ…?あの写真は捏造?)

大泉(いや、でもそれだと色々と…だってあの教室ってこの希望ヶ峰学園じゃねぇのか?)

大泉(かと言って、桑田が安田を知らねえんなら…)

大泉「………うーん?」

霧切「…?…とにかくこれで報告は全てね。あとは…」

不二咲「そ、それじゃ僕からもひとつ…みんな、着いてきて欲しい場所があるんだ」

ーーーーーーーーーーーーーーー




脱衣所




ーーーーーーーーーーーーーーー


石丸「大浴場前の脱衣所だが…なぜここに僕達を?」

不二咲「…うん、実は…」

大泉(そう言うと、不二咲君はおもむろに脱衣所にあるロッカーのひとつに手を伸ばした)

がちゃん

大泉「…あれ、それって…」

苗木「パソコン!」

江ノ島「……ぱそこん?」

大神「江ノ島、覚えておらんのか?図書室で見つけた、壊れたぱそこんの事を」

江ノ島(全然覚えてないです)

不二咲「あの後なんとか直せて…それで、僕…作ったんだ」

舞園「作った?何かソフトを開発したと言う事ですか?」

不二咲「………【アルターエゴ】、ってみんな知ってる?」

霧切「アルターエゴ…噂には聞いていたけれど、実物が見られるのかしら…?」

大泉「待って待って子猫ちゃん、さも当然って感じで言ってるけど……」

桑田「?」あぽ?

葉隠「?」だべ?

江ノ島「……」チョベリバ?

大泉「とこのように既に理解が追いついてない奴もいるんだよ」

桑田「」カチッ

不二咲「えぇっと…アルターエゴって言うのは、僕が作っている人工知能プログラムの事なんだ」

不二咲「んー、分かりやすく言うと……【プログラムとして再現されるもうひとりの自分】ってところ?」

不二咲「今回は口調とか、声とか…素材がないから自分ので作ったんだけど…」ぽち

大泉(言うが早いが不二咲君はパソコンを立ち上げる。しばしの沈黙ののち、キーボードを何度か叩き)

大泉(そうして画面を僕達に向けた。そこにいたのは)


『こんにちはぁ、不二咲千尋ですぅ…』


山田「………何か、キタ………!」

大泉(…不二咲そっくりの、何か…これが【アルターエゴ】?はぁー、今時のパソコンはすげぇなぁ)

大泉(シゲが泣いて喜びそうなもんだよ。あいつに合う嫁さんをプログラムで作ってやりたいもんだ)

大泉(…早く結婚しろ!)

不二咲「この子がもうひとりの僕…」

セレス「して、その子には何が出来ますの?」

不二咲「あ、その、ね…ちょっと待って…」かたかたかた

アルターエゴ『…うわぁ、みんな揃ってるんだね!ご主人たまも元気そうで何よりだよ』

桑田「こっちが見えてんのか?」

不二咲「パソコン本体にウェブカメラが内臓されてるから、それで僕達の様子を見る事が出来てるよ」かたかたかた

不二咲「会話にはこうしてキーボードに言葉を打ち込まないといけないけど…」かたかたかた

不二咲「ゆくゆくはマイクを介した音声システムに対応させて、会話を出来るようにする予定なんだ」かたかたかた

大泉(パソコンと話出来るの?それ、なまらすげぇ!)

江ノ島「………ふぅん」

江ノ島(これって【私達】にとっては脅威なんじゃ…早く【あの人】に知らせないと…)

アル『…そう、ご主人たまに言われてた事は概ね順調だよぉ』

霧切「言われていた事?不二咲君、あなた何かを指示したの?」

不二咲「うん、実はね」かたかたかた

アル『あ、分かったよぉ。ええっと…このパソコンのハードディスクには、膨大なデータが残ってるんだ』

アル『多分、この学園に関する事が入っているとは思うんだけど、これがまたびっくりする程ロックが厳重で』

アル『その解析には…もう少し時間がかかりそうなんだぁ。ごめんねぇ…』しょぼん

山田「…可愛いですなぁ」

葉隠「2次元限定設定はどこ置いてきたオメー」

アル『でも、ひとつね。変なものを見つけたんだ』

霧切「変なものを…?」

アル『うん、今映像を出すね』

ざざっ

大泉「…変なもので映像っておい、なんか怖い映像とかじゃねぇの?」

山田「エコエコエコエコ…!」

葉隠「やーめーろー!なんか降りてきたらどうすんだ!」

舞園「その時は、昔ドラマで培った知識で悪霊を退治します!」

苗木「どんな役なのそれ!?」

セレス「そんな茶番はどうだっていいですわ、とにかくそれを見てみない事には…」


ぱっ

たたた たたた たたた たんた(スネアドラム)

ったたっ たたっ たったったった♩
ててっ♩ててっ♩てっててってってって♩

大泉(こ…これは…!?)


参考映像:http://youtu.be/kGP6OLthwtA
※Tips
↑まさかのフルコーラス、ドラマ映像全つなげバージョン。


大泉(……昔【ドラバラ鈴井の巣】で最低視聴率をマークした伝説のドラマ、【マッスルボディは傷つかない】)

大泉(その主題歌であり、振り付けを音尾がやった……幻の電波ソング……【ハッスルマッスルブギ】じゃないか!)

<あははぁーん
<ダブルバーイセップス!

大泉(……なんでパソコンにこれが……色んな意味で!!)


※Tips…【マッスルボディは傷つかない】
安田が脚本を担当したドラマ。鈴井の巣歴代(ドラバラまでに2回リニューアルしている)の最低視聴率をマークした作品。
安田はそれを知った当初凹みすぎて泣いた。そしてこの事実を未だに引きずっているらしい。
実際、この脚本は3日間の徹夜で書かれており、当初大泉が台本を読んで「今すぐ書き直せ」と怒鳴ったほど。
また安田がアメリカに行って色々と悲惨な目に遭ったのもこの時。身体検査されて大変だった模様。

あらすじ
高校を中退してしまい、現在は働きながら定時制の高校に通う主人公・安原(演:安田)が
廃部したボディビル部を復活させ、体を鍛える事で弱さを克服し強くなろうと決意をする。
同じクラスの仲音(演:音尾)や森崎先生、留学生(演:河野)、そして坂本マサル(特別出演)に囲まれながらボディビルに励むが、
ある日突然彼の前に、サル(注:鈴井会長である)を連れた謎の男・真池龍(演:大泉)が現れる。
真池龍は黒い噂の絶えない製薬会社の御曹司であり、安原は意図せず彼の陰謀に巻き込まれるのだった…。


セレス「………どうしろと?これを見てどうしろと?」

大泉(俺もそれに大いに同意した)

大泉(そしてその映像は、いつしか僕らのライブに切り替わっており)

大泉(大きな舞台の上で、安田と音尾が黄色いブーメランパンツ姿で立っている)


<ともだちんこ!ともだちんこ!
<安原!僕、またボディビルやってみるよ!
<……ああ!


大泉(………なんか、その、ごめんね?ほんとごめん)

大泉(期待させて…ほんとにごめんね)


桑田「大泉さん、もしかしてこの人…安田さん!」

大泉「………ぁあそうか、君はまともに見るのは初めてだね……いや、まともなのか?」

大泉(全く…僕があのDVDを自分から見せると思ったのかい?桑田と子猫ちゃんがうるせぇから見せたんだよ)

大泉(子猫ちゃんは……僕の言葉から、DVDに映っているのが4人だってのを推測したらしい)

大泉(だからってふたりがかりで来られたら、そらぁ僕だってDVD渡すしかねぇものなぁ)

桑田「………感動した」

大泉「は?」

桑田「オレこれ覚えるぜ!」

大泉「」

大泉(…桑田の身体能力の無駄遣いってこう言う事を言うんだろうなと、俺はそっと目を背けるしかなかった)

今日はここまでだぞぉ。
松風兄貴、舞台ダンガンロンパのWキャスト決定おめでとうございます。お前が葉隠のナンバーワンだ。

>>587
あれはきもかわいい。

>>590
心の底から見に行きたいです。

水曜どうでしょうがまたやるんだってな
楽しみだわ

来ないな…
まさか事故にでもあったんじゃ

>>646
ダベミなら俺の隣で寝てるよ

>>647
それは偽物だダベミなら俺と徹夜でジュマンジ中だよ

ごめんなさい。遅くなっちゃった。

ーーーーーーーーーーーーーーー




まだ脱衣所




ーーーーーーーーーーーーーーー


<らーぶまーいぼでぃー♩



桑田「これが安田顕…【平成の怪物】…!」キラキラ

朝日奈「なにその物騒な名前!?」

アルターエゴ『ネットワークがないからなんとも言えないけど、内蔵されてたデータを見ると…』

アルターエゴ『随分すごい人みたいだねぇ、この人。カルト的な人気があるみたい』

江ノ島「…あー、それ系の人なんだ…」


※Tips
それ系が何かはさておき、安田顕の世界は常人には理解されないと言われています。
前述の【マッスルボディ】も、一部の熱狂的なマニアが存在するほどの怪作です。


<あーのこーをまーちわーびだーいでーんきーん(音尾)


不二咲「…しばらくしたらまた仕舞うよぉ、桑田君?」

桑田「えー?まだ見てんじゃんか、オレ!まだ待ってくれってー!」

霧切「モノクマにパソコンが見つかったらどうなると思ってるの、あなたは?」

葉隠「ん?どうなんの?」

大泉「取り上げられるに決まってるべや。ネットがここにゃねぇけど、もしつなげられりゃあ」

霧切「…外の世界に、助けを呼べてしまうんだから」

苗木「インターネットさえあれば……か」

桑田「分かった!あと1回!とりあえずあと1回!」

アルターエゴ『さっきの映像をまだ見るの?ちょっと待ってねぇ』キュルキュル

大神「桑田よ……楽しいのか?」

大泉「しかし、不二咲君はなんでったってこんなとこにパソコンを?」

不二咲「ふぇ?」

大泉「湿気とかすごくねぇの?」

霧切「ここは他の部屋と違うところがあるんですよ…湿気を考慮してもなお、ここでなければならないんです」

不二咲「そうなんだよ!」

苗木「他の部屋と……?」

霧切「あら、苗木君も気付いてなかったの?」

桑田「ダブルバイセップス!」むき

アルターエゴ『えぇっと………き、キレてます!キレてます!』

石丸「やはり桑田くんの肉体は筋肉が程よく付いているな」

江ノ島「全く体作り込まないでこんだけ筋肉ありゃすごいんじゃね?」


※Tips
ボディビルの世界では、筋肉にキレがある事をこう褒めます。
別にふざけてるわけじゃありません。


<ともだちんこ!ともだちんこ!

大和田「不二咲、オメェもこうなりてぇのか?」指差し

不二咲「この人達は全然体が絞れてないからもっと大和田君みたいになりたい」真顔

大和田「……お、おう」


※おまけTips
安田と音尾は、【マッスルボディ】撮影後に本当にボディビルの大会に出場した。
が、元からそれほど引き締まった体でもなかったうえ、ドラマ撮影終了後から全く鍛えていなかった。
そのため、大会でもドベ1・2をふたりで取った上、大会役員から割と本気で注意された。


大泉「えーと、それはさておいといて…話がこじれんだよぉ!んで?他と違うとこって?」

苗木(きっとそれは…)


---閃きアナグラム!

 か ん し ○ ○ ○ 



苗木「そうか、分かったぞ!」

「監査カメラがない事、だろう?」
ばさっ

苗木「え…?」

石丸「……十神くん?」







十神襲来!!







十神「………」

大泉「おや、なしたの?僕らのとこに来るなんて珍しい」

腐川「ち、違うわよ…あんたらがどこにもいないし、何かと思って学園を彷徨いてたわけじゃないんだから…」

舞園「探してたんですか?って、それより腐川さん、元に戻ったんですか?」

腐川「……な、何よ…あ、あたしがブスだって事?」

舞園「どうしてそうなるんですか?!」

石丸「む、確かに腐川くんがいつもの腐川くんに戻っている…?これは一体どう言う事かね、十神くん」

十神「説明は面倒なんだがな…くしゃみをしたと同時に元に戻った」

山田「くしゃみで人格交代ってそれかなりギリギリですよ」

朝日奈「なんの?」

腐川「うるさいわね…し、仕方が無いでしょ…!」

大泉「また話がややこしくなる!十神がなんで来たのか聞こうぜ?みんな!なぁ!」

霧切(普段は好き勝手やってる大泉さんが、周りがとっ散らかりすぎて遂に纏め出したわ…)

苗木「ああうん、そうですね…それで、なんで?」

十神「些か俺への対応が悪いが許してやる。俺がここに来たのは、俺の決定事項を伝えるためだ」

苗木「決定事項?十神クン、何を決めたの…?」

十神「俺はそこの天然パーマを黙らせるために、お前達のリーダーになってやる事に決めた」

霧切「………は?」

大泉(子猫ちゃんが面食らってる…珍しい…)

十神「安心しろ。俺がお前達のリーダーになって、外の世界に導いてやる…十神の名にかけてな」

朝日奈「はいはい。あんまり期待してないけど、よろしくね」

十神「なに……?」

大泉「あー、大丈夫。リーダーって基本そんなもんだから」


※Tips
大泉さんはかつて、雑誌にて
「やっぱり森崎がリーダーじゃないといけない」と言うような旨の発言をしています。
しかしながら普段の扱いは言わずもがな。
(…なお、めちゃイケに森崎が出た時の大泉は
「何で何の関係もない、俺の20年来の友人出してんのよ?」と言っていた模様。)


十神「………ちっ」

舞園「舌打ちなんてダメですよ!チームのリーダーなら、もっと大きい心を持っているべきです!」

大泉「さすが舞園さん、するどーい。舞園さんの方がリーダー向いてるんでないの?」

十神「ハッ。俺の本気を知らんから、お前達はそんな事を言えるのだ」

腐川「そそそそそそうよ!あんた達は白夜様のすごさを知らないの!」

大泉「いや、本気ったって…」

霧切「そもそも、どう言った心境の変化なのかしら?私達の事はどうでもよかったんじゃあ?」

十神「……ちっ、凡人やプランクトンに説明するのも面倒なんだが…仕方が無いか」

大和田「ぁあ?」

十神「そう食ってかかるな、説明してやる」

苗木(食ってかかってるのは十神クンのせいなんじゃ…)

十神「基本、俺は愚民に対応するつもりなど全くなかった。だが、年下ならまだしも…」ちらっ

大泉「ん?」

十神「組織のトップとして、年上・目上の人間を束ねる必要もいずれ出てくる。その練習を兼ねて」

十神「……大泉洋。お前がこの多数の中の反乱分子にならないように、俺がお前達の面倒を見てやると言ってるんだ」

霧切「確かに…この場で大泉さんひとり屈せられないようじゃ今後が心配ね」

大泉「俺を従わせる事がまず第一なわけね?」

葉隠「あとさりげなく俺の存在無視したろ」

十神「………葉隠、お前にはそもそも期待してない。頭数にも含んでいない」

葉隠「」←静かに隅の方で体育座りした

十神「そう言うわけだ。お前ごとき取り合う必要もないが、かと言って野放しにするのも俺の性に合わん」

十神「ならば今、そう……今、俺のためにもお前のためにも、今……お前達を率いてやる」

大泉「ぁあ、そうかいそうかい」

セレス「………(めんどくせぇやつが、またひとり)」

山田「しかしかわいいですな、あるたん」

不二咲「…あるたん?」

山田「こちらの不二咲千尋殿…アルターエゴですよ。いつまでも名前がないのはカワイソス!」

不二咲「!」

十神「アルターエゴ……?」

不二咲「うん…図書室のパソコンが復旧したから、そこに擬似人格のプログラムを組んだんだよぉ」

腐川「ぎ、擬似人格…!?」

十神「さすが不二咲。俺は以前から、お前は何か違うと思っていた」

江ノ島「………あっそ。」

ひょい

桑田「あ!オレまだ見てる…」

江ノ島「ひとりで勝手に使ってんじゃねーっつーの!ほら、不二咲。十神にも見せてやれば?」

江ノ島(……あと私も見たい)

不二咲「うん、えぇっと…」

かたかたかたっ

アル『あるたん?…えへへっ、嬉しいなぁ』ぱぁっ

山田「……ッ」きゅんっ

江ノ島「………」きゅんっ

苗木「………?」

十神「………」

山田「ややっ!?皆さんにはこのラブプラスがトゥハートしてないのですかっ!?」

セレス「ときめきなメモリアルを感じている場合ですの?相手は機械…人間ではないのですよ、山田君」

山田「うごご…そうですが…!」

大泉「ときめきマン呼ぶ?」

セレス「なんですのそれ」


※Tips…【ときめきマン】
舞台【LOVER】に登場するキャラクター。5人いる。音尾は安定の黄色(カレー好き的な意味で)。
それぞれが演じるのとは別の役者演じる、登場人物の恋愛を応援していおり、応援されている本人にしか見えない。
(ただし大泉演じる【ときめきレッド】のみ、大泉自身を応援している。理由は「5人の中で一番かっこいい人の元へ」行ったから)
また、彼らは応援している人物の「ときめき」が「愛」に変わってしまう時に同時に消滅する。


江ノ島(さりげなく無視された…絶望的…)

山田「ややっ!?【LOVER】ですか!」

大泉「おや、山田君も知ってるの?」

山田「ええ!確かNACS作品として初めて、メディアミックスされて漫画化した作品だ…と、あれ?」

霧切「………どうしたの?」

山田「いえ、それを誰に聞いたんだか思い出せなくてですね…一体誰に聞いたんでしょう…?」

山田「漫画版にはときめきマンは出てこないんだとかなんだとか…、いつだったかなぁ…むむむ?」

大泉「やたら詳しいな、おい。子猫ちゃんに聞いたんじゃないの?」

霧切「…いえ?そこまで詳しい事なんて、山田君に話した記憶はないですよ…?」

大泉(…いやいや、何それ…?単に山田が詳しいだけとは思えねぇ…なんつっても、LOVERは)

大泉(……【少女漫画雑誌で掲載された】作品だし、なにより…【単行本化されてない】)

大泉(山田は自分から少女漫画を読むようなタイプではねぇだろ、間違いなく。んじゃ、誰が教えたんだ?)

十神「それよりいいのか、お前達」

大神「………む?何がだ」

十神「あまりここに長居しては、モノクマに怪しまれるだろう?」

石丸「ふむ…」

大泉「んー、そうかい?」

十神「ましてこの大浴場はどうやら混浴だ」

石丸「…何だとッ!?ふ、風紀が乱れる!」

桑田「なんだイインチョ、今まで気付いてなかったのかよ」

石丸「確かに表側に男女どちらの使用時間なのかを表示する表札はなかったが、しかし…!」わなわな

十神「…と、石丸も震えている事だ。長時間ここにいるのは極めて不健全だろうな」

十神「中が分からないとしても、学園内には監視カメラがある。俺達がここに入った事は知っているだろう」

腐川「さささささささすが白夜様!細かいところにまで気を配っていただいてぇぇぇ」

十神「誰かこいつを黙らせろ」

舞園「リーダーは十神君なんですよね?なら腐川さんを静かにさせるのも十神君の仕事ですよ!」

十神「………まぁいい」

十神「アルターエゴとやらが何に使えるかは知らんが、こいつの事が知られたくないなら…」

霧切「……もっと慎重に行動すべき、と言うわけね」

朝日奈「十神のくせして鋭い事言うね」

十神「」カチッ

石丸「そそっ、それにだ!不健全な行為に及ぶ輩が出る可能性があるただろうっ!?」

葉隠「へ?覗きでもするってか?そんな事考えようもんなら塵になるべ」

大和田「不健全な行為でいきなり覗きってのもどうなんだよ」

大泉「しかし、塵にって…そんなまた、大袈裟な」

葉隠「オメーそりゃあれだろ…」ちらっちらっ

大神「む?」

大泉「…あ、なるほど」

ーーーーーーーーーーーーーーー




出た




ーーーーーーーーーーーーーーー

朝日奈「でも、これってお手柄だよねっ!」

不二咲「う、うん……」

桑田「ほんとな、これはナイス発見じゃね?」

江ノ島「どっちでもいいってぇの…」

モノクマ「何が?」

桑田「あぁ、だから」

モノクマ「…だから…?」

十神「………」

霧切「………」ふぁさ

山田「………おっと、モノクマ発見伝」

桑田「いきなり出てくんじゃねぇよアホっ!なんだよ!」

モノクマ「ボクは学園長なわけよ。だからね、キミ達が学生の身分で変な事してないか監視しないと行けないわけ」

モノクマ「ねぇねぇ、男女がくんずほぐれつしながら大浴場で何してたってんだい?」

不二咲「くんずほぐれつってなにー?」

大泉「君がもう少し大人になったら聞きなさい」

大和田「オメェにはまだ早い世界だぜ」

不二咲「…早く男になりたい…っ!」

朝日奈(なんか不二咲ちゃんの目指してる方向が違う気がする)

腐川「って言うか………は、恥ずかしいやつね、あんたって///」

モノクマ「そこで顔を真っ赤にされても困るんだけどなぁ」

石丸「不健全な行為は一切なかった!風紀委員である僕が保証しようッ!」

モノクマ「うーん……石丸クンが言うんなら信用してあげなくもないけど……」

大泉「んならもういいべや。俺らは部屋に…」

モノクマ「じゃーなにしてたの?」

大泉「………ぁあ?」

霧切「ならお得意の監視カメラで、私達を監視すればいいじゃない?」

モノクマ「そこの脱衣所と大浴場は、監視カメラがどうしてもつけられなかったの!」

大神「ほう……」

十神「つけられないのか……」

霧切「………」にやり

モノクマ「ちょちょちょっ!?何を企んでるのキミ達!」

大泉「少なくとも変な事じゃねぇから安心しろ」

モノクマ「…しょぼーん…確かに残念ながら、何が起きてても見えないよ……」

モノクマ「………でもね、」

モノクマ「だからこそ尋ねるよ?不健全な行為がなかったってんなら、みんなでなにしてたの?」

苗木「そ、それはー………」

モノクマ「変な事がないんなら答えられるよね?それともキミ達、ボクに内緒でパーティしてたっての?」




セレス「………はぁ」

大泉(そこで口を開いたのは、セレスティア・ルーデンベルクだった)

モノクマ「ちょ、何だいセレスさん…溜息なんか吐かないでよ」

セレス「いえ、こんな些細な事すら報告しなければならないのかと思いまして」

モノクマ「些細な事?些細な事って何さ…」

セレス「順番決めですわ」

大泉(………え?)

モノクマ「………順番決め?」

セレス「桑田君が、この大浴場に男女どちらが使うのかを表示する表札がない事に気付きまして」

セレス「…大浴場でお互い鉢合わせてしまったのですが、たった今話し合いをしたのです」

セレス「その結果、毎日じゃんけんでどちらが先に大浴場を使うのかを決める事になりまして」

セレス「先ほど、朝日奈さんがそのじゃんけんに勝利し、本日は女子が先に使う事となったのです」

セレス「ですからこれはお手柄、そう…朝日奈さんのお手柄なのです」

大泉(息を飲むほどすらすらと出てくる嘘だった)

大泉(むしろ嘘には聞こえないほどの流れ。もしかしてそれは事実なのでは、と俺も思わされた)

モノクマ「………あ!それでさっき不二咲クンは青い顔してたんだね?」

不二咲「…え?」

モノクマ「ちくしょう、もう女子を偽って女子風呂に入る手が使えねぇと!」

大和田「不二咲はそんなやつじゃねぇよ!!」床ドン

モノクマ「いや、絶対1回は思ってるはずだって!」

不二咲「……ば、バレたら仕方がないねぇ……」

大和田「」!?

大泉(いやなんでそこノリノリよ、不二咲!)

朝日奈「あ、あはははー、じゃんけんで勝ったから先にお風呂だぞー(棒読み)」

桑田「くっそー、あとちょっとだったのになー(棒読み)なんであそこでグー出したんだろうなー(棒読み)」

大泉(んでお前らは誤魔化し下手か!)

葉隠「はぁ…しゃーねぇべ。一番風呂は浴びたかったけど、女共に譲るべ。な?十神っち」

十神「俺に振るな愚民が」

葉隠「はっはっはっ!」

苗木「なんで笑ってるの?」

霧切「………さぁ?」

大神「さて…我らが出るまでここから先には入ってはならんぞ、お主ら…分かったな?」

大泉「あぁ、分かってるぜ。命は惜しいもの」

石丸「風紀を乱すなら僕が鉄拳で制裁しておこう!」

霧切「ふふっ、そう…お願いね」

舞園「じゃあ行きましょうか?」

がしっ

舞園「ほら、行きますよ?腐川さんっ」

朝日奈「あ、いいね!みんなでお風呂なんて!」

腐川「へ?いいいいいいやあたしお風呂は…」

セレス「淑女たるもの、体を清潔に保つべきですわよ?腐川さん」

腐川「でででででででも………」

大神「そう案ずるな、腐川よ。取って食うような真似は誰もしないのだからな」

腐川「う、うう…!」

十神「ふん、風呂にでも浸かれば今の臭いも多少は消えるんじゃないか?」

腐川「分かりましたお風呂に行きます」きりっ

舞園「よかった!」

江ノ島「……あー、あたしはいいかも……(ウィッグ的な意味で)」

朝日奈「え?一緒に行こうよ、ね!」がしっ

江ノ島「…あー、その、さぁ」

腐川「なによぉ、あたしも行くのにあんただけ逃げるの……?」

江ノ島「いや、そうじゃなくて…」

霧切「そうね、女子全員が集まる事なんてなかなかないもの…いいんじゃないかしら」

舞園「何か隠し事があるんですか?ふふっ、後で聞きますよ、後でね!」

江ノ島(………ピンチ!助けて!助けてモノクマ!!)

モノクマ「いいねぇ、女子会だねぇ」はぁはぁ

江ノ島(って助ける気ゼロだーー!!)

セレス「では、ごきげんよう」

江ノ島「いやマジであたしひとりで入るから大丈夫…」

舞園「いいからいいから!」

ずるずるずる

江ノ島「あぁぁぁぁー………」



江ノ島(やばい超ピンチチョベリバ最悪バカ嫌いケチんぼぉおおおおおお!?)



モノクマ(とか思ってるのかな、面白いから放置しよう)

ーーーーーーーーーーーーーーー




入浴




ーーーーーーーーーーーーーーー


モノクマ「行っちゃったねぇ…」

大泉(このシチュエーション…アレをやれと言われている気がする)

大泉「………悔しいねぇ、僕ぁ」

大和田「何がすか」

大泉「この先にパラダイスがあるんだぜ?それを見れねぇってのは残念だよ」

石丸「パラダイス!?」

モノクマ「だよね。据え膳の完成待ってる場合かよって話」

大泉「おいおい、学園長なんだろぉ?それを推奨しちまっていいのかい?」

モノクマ「健全ってそう言うのも含めてだと思うんだよね」

苗木「ちょ、っと待って?!なんの話!?」

大泉「またまたぁ。そうやってかわい子ぶってもダメだぞ苗木ィ」

大和田「ああ、なるほどな」←ピンと来た

葉隠「もしかしてだけど?もしかしてだけど…」

石丸「………つまり?」

モノクマ「おめぇら女子風呂覗きしねぇのかって言ってんだよ」




自殺行為




石丸「な、なな、なっ…!?」

十神「くだらんな」

大泉「って言いながらちょっと見たいだろ?十神も」

十神「俺は別に……」ふいっ

桑田「…モノクマ先生…、……覗きが………したいです………!」

石丸「なっ!?く、桑田クン!不健全だ!」

モノクマ「ボクは桑田クンくらい素直な生徒は大好きだよ」

葉隠「男はそれを我慢出来ない!きっとあっちにゃ【行き過ぎた下ネタのため自主規制】があんだべ!そうだろ、モノクマ!」

モノクマ「君はAVの見過ぎだよ」

石丸「まままままま待ちたまえええええ」

大泉「石丸が壊れた……」

十神「どうした?お前、しっかりと意見を言わねば止められないぞ?」

石丸「ふふふうきがみだればばばばばば」

葉隠「んー?いきなり刺激強過ぎたんかな?」

大和田「ちげぇと思うけどな」

不二咲「……石丸君っ!」


不二咲「これは保健体育の勉強なんだよ!」


石丸「」!?

山田「いや、それはちょいと苦しいのでは?」

十神「石丸を丸め込む事を考えればまぁ、悪くはない選択だろうな」

葉隠「分かってるな、不二咲っち…!」

苗木「ねぇみんなどうしてそんなに真剣に覗きをしようとか言ってるの?」

石丸「だが、しかし!覗きは犯罪なのでは…」

不二咲「………じゃあ、この際だから言うね?石丸君」

不二咲「………そもそも…健全な男子は………」

不二咲「女子の裸体が見たいんだよッ!!」どどんっ



裸体が見たい!!



葉隠「それに賛成するべ!」賛成ッ

大泉「…不二咲君、一回深呼吸しようぜ?」

石丸「……!?」

大和田「…オメェ男になったな…」

大泉「そこで感じてどうすんのよ」

不二咲「って言うか僕も男だから見たくて仕方が無いよォ!」

不二咲「なんでもかんでも風紀風紀って規制してたら、それこそ異常事態!」

不二咲「だから僕は……行くよ!」

桑田「不二咲…オメーやっぱ強いぜ…」

山田「まさかすぎました…」

大泉(舞園に続いて今度は不二咲か。不二咲が吹っ切れてしまったのか。まぁ隠す必要がねぇんだからいいけども)

大泉「……で?なんかみんなの意見は出揃ってんだけど、十神君はどうすんの?」

十神「………」

十神「………」

十神「………」←ちょっとにやけた

苗木「あれ?」

十神「……チームのリーダーとして、多数派の意見を採用するのは当然だ。俺は気乗りせんが、行くぞ」

大泉「って言いながらやっぱり見たいんだろ君」

苗木「十神クンも男の子だもんね…」

十神「黙れ愚民」

石丸「そ、そんな…た、多数なのか?覗きなどと言う野蛮な…違法行為をしたいものが多数なのか?」

山田「いや、拙者は別に3次元興味ないけど別に、まぁ見れるなら今後の参考のために見たいし?」

葉隠「なら行こうぜ山田っち!」

桑田「無限大の彼方へ!」

大和田「………あー、不二咲が行くなら俺も行く」

モノクマ「さすが大和田クン!自分の弱さを乗り越えて強くなっただけあるね!うぷぷ!」

山田「なんかそれはそれで違うような気もしますけども」

大和田「あぁそうだ、俺は強い!だから俺は俺の気持ちを隠さねぇ!」

大和田「不二咲とか関係なく覗きてぇ!!」

モノクマ「やっぱ男子はこうじゃないとね!」

大泉「青春が蘇るようだよ。僕の学生時代見てるみたい」

モノクマ「嘘付けや!」

十神「……俺達はチームだ。チームは常に共に行動する義務がある…だろう?石丸」

石丸「ぐっ…!だ、団体行動の基本は、多数決…っ!多数決の結果がそうなら…僕も従わざるを得ない…!」

苗木「って言いながら覗きたいだけじゃないの!?」

石丸「バカを言うんじゃあないっ!僕がそんな野蛮な行為を、まさか自らの意思でやりたいなんて…!」

山田「あー………まぁ?石丸清多夏殿みたいなタイプってむしろ今では珍しいみたいな?」

桑田「イインチョも一回やったら女の素晴らしさに目覚めるって!」

大泉「なんだろうなぁ、その言い方はとんでもなく語弊があると思うんだよなぁ」

葉隠「でも桑田っちならマジでやってそうで困るべ…」

不二咲「そ、それも男の勲章なのかなぁ?」

大和田「多分ちげぇぞ」

石丸「……覗きたいと思うのは健全、女性の裸が見たいのは健全……」ぶつぶつ

苗木「言い聞かせてる!」

大泉「ミスター…あなたの犬は今、大浴場に向かっていますよ…」すたすた

苗木「待って待って待って!?早いよ!?」

モノクマ「で?全員一致で覗きに行くけど、苗木クンは行かないの?見たくない?舞園さんの体」

苗木「………」

モノクマ「………」

苗木「………………」

モノクマ「………」

苗木「………………い」

モノクマ「え?」

苗木「………………」

モノクマ「………」

苗木「………………見たい」


ーーーーーーーーーーーーーーー




突撃




ーーーーーーーーーーーーーーー

◆脱衣所


苗木「モノクマは結局、中に入って来なかったね」

山田「湿気で壊れるからじゃありませんか?」

葉隠「まぁなぁ…あ、パソコンにゃこの湿気って大丈夫なん?」

不二咲「湿気取りを入れてあるから多分…」

大和田「簡単だな、湿気対策」

不二咲「湿気取りは倉庫にたくさんあるから、使ってもなくならなさそうなんだぁ」

石丸「このような湿度の高い場所で精密機器が壊れないようにするのは大変だからな!ハッハッハ!」

大泉(石丸君がすでに正気を失っている目をしているが、俺は見なかった事にしました)

大泉「………さて、あれだね、見るよ?僕達は覗くよ?絶対に覗くよ?」

苗木「…なんでこんな流れになったんだか……」

山田「そらぁあれですよ、大浴場があるからこんな事になるんですよ」

十神「大浴場があり、そこに女子がいる………苗木、こうなったら俺達が取るべき行動はひとつだ。説明してみろ」

苗木「なんで!?って言うかやっぱり十神クンもノリノリだよね!?」

十神「バカを言うな、苗木」

十神「俺は今まで十神家にふさわしい人物になるため厳しい教育を数々受けてきた」

十神「それ故、むしろこんな状況になるのが初めてなんだ…噂話にしか聞いていなかったからな」

桑田「……マジかよ……女湯覗きが噂話とかどんだけ?」

十神「俺が通っていた高校にはそもそも修学旅行のような制度はない。あるとしたら長期休暇だな」

大泉「なるほど?行こうと思えば行けちゃうもんねぇ…」

苗木「わざわざ全員で行く必要ないって事なんだ」

葉隠「すげぇなぁ、そっちのが想像つかんべ」

十神「…こんなにもザルな警備の女子用風呂を見たのも初めてだ、生まれて初めて」

十神「こんな面白い事があるか?初めての経験が出来るんだぞ?愚民達と共に行動しなければ出来ない体験だ」

山田「つまり覗きがしたいって事でいいね?」

十神「おいそんな簡単な言葉で切り捨てるな!」

石丸「……しかしこんな行動が本当に健全な男子なのだろうか?」

大泉「そうに決まってるだろお?石丸君、なに?君は女の子とエッチな事したいとか思わないわけ?」

大泉「そっちの方がどうかねぇ。少なくとも、普通ではねぇよ。異常だな、異常」

石丸「ぐっ……」

不二咲「そしてお風呂を覗けば、きっと分かるよ……石丸君!」

石丸「ぬぐぐぐっ…!」

桑田「オレら男子の正常な行動をちゃんと見てねぇとダメだって、イインチョ!」

葉隠「そうそう、オスとしての本能だべ。これは普通なんだべ!」

山田「い、石丸清多夏殿?どうしても無理なら先に帰っていても」

石丸「………わかった」

大和田「兄弟?」

石丸「これが健全な男子の行う行為なのだな!

石丸「…ならば僕も挑戦するぞ!そして!健全な男子の気持ちを学ぶ事にしよう!」

葉隠「こいつチョロいな…」

大泉「よぉし、その粋だぞ!石丸ッ!」

苗木「………で、どうするんですか?」

大泉「ぇえ?なにが?」

苗木「や、覗くって言っても扉を開けないと行けないし」

大泉「ああ、そうだね。じゃあ行きなさいよ」

苗木「え?」

大泉「開けなさいよあんたが」

苗木「え…ボクが?」

山田「さっさと開けなさいよ」

桑田「そっとだぞ、そっとだからな。バレんなよ」

苗木「なんでボクが…」

十神「お前が一番扉に近いからに決まってるだろう?」

大和田「いいから開けろ開けろ」

苗木「なに?ボクが開ける流れなのこれ?」

大泉「ぁあそうさ。苗木君なら僕達の期待に答えてくれるって信じてるぜ」

苗木「………いや………」

葉隠「…見つかったら苗木っちを囮に逃げるべ」

苗木「やっぱり!ひどいよみんな…」

大泉「骨は拾ってやるから」

苗木「いや、あの」

不二咲「い、いいから、開けなさいよッ」

大泉「…不二咲君、相当見たいのね?」

石丸「見る方が健全見る方が健全見る方が健全」ぶつぶつ

大和田「オメェももう少し俗世を知った方がいいぜ?兄弟」

不二咲「開けなさいよッ」

苗木「…わかった、分かったから……行くよ……」

苗木「………行くよ?」

大泉「ぁあやれよ苗木君、一思いにな」

十神「声を上げるなよ。中の女子に勘付かれては意味がない」

不二咲「ようやくなんだね……」

石丸「女性の裸を見たいと思う気持ちは正常、男子なら普通…」ぶつぶつ

苗木「………ッ!」


がらがらっ




苗木「………」


ーーーーーーーーーーーーーーー











ーーーーーーーーーーーーーーー


山田「誰もおりませんよ?」

大泉「うっせぇ山田…あれかい、湯気かい?」

葉隠「シッ………!」


<きゃっきゃっ
<わいわい


大泉「……聞こえた?」

葉隠「あぁ…いるべ、ぜってぇいるべ」

桑田「どこだよ」

苗木「待って押さないでボクをスケープゴートにしようとしないで」

桑田「ちょっとどけよ苗木ィ、見えねぇって」

石丸「こら君達…大声を出すんじゃあない。動物観察の時もそうだろう?」

大泉「あー、そうだね。大声出したら向かってくるかもしれねぇから静かにな」

葉隠「にしても見えねぇなぁ」



---「やはりご都合主義ではお風呂の中を見せるわけがない」
大泉さんはそう考えていた。
それもそのはず、中には現役のアイドルやギャルが入っているのである。
アラフォーになった大泉さんに聖域を見せるわけにはいかない、年端も行かぬ子供達なのだ。
「でも……せめてこの子達には見せてやりたい」
大泉さんは願っていた。
せめて石丸さんの気持ちを、少しでも変えてやろうと思っていたのである。
だがあまり時間をかけては、こちらの事がバレてしまうだろう。
あまり長くは粘れない…湯気が激しいために、誰もが諦め掛けた


その時!

十神「………いたぞ」

大泉「…おおっ!?」

大和田「」!

苗木「」!

葉隠「」!!

山田「」!?

石丸「」!?!?

不二咲「」凝視

桑田「」ガッツポーズ




大泉(そこには……全員いた)

大泉(そう、7人だ。女子生徒全員が裸でお湯を楽しんでいた)

大泉(舞園さん、おっぱい綺麗だな)

大泉(あれ?子猫ちゃんってお風呂でも手袋取らないの?やっぱ手が荒れてんのかなぁ)

大泉(とにかくそこは楽園だった。もうそうとしか言いようがない)

大泉(あれだな。何才になっても、男は女の裸が大好きだな。…男の裸も好きだよね。下品だからかな)

大泉(なんにせよ、俺達は大切なロマンを手に入れる事が出来た。これはあれだ、俺達の結束はさらに深まったに違いない)

大泉(やけに十神の目が輝いてる気がするんだけども、なんでかねぇ)

大泉(そういやぁ中にひとりだけ見覚えのない髪型の子がいた。……いや、ふたりかな?)

大泉(だがその子は体がとても引き締まっていて可愛かったなー。あの子誰なんだろ)

大泉(1分にも満たない時間、それが活動限界だった。俺達は、みんなで喜びながら)

大泉(若干前かがみになりつつも、大浴場を後にしたのだった)

大泉(………)

大泉(………)

大泉(………あー、お手洗い寄って来ていい?)



ーーーーーーーーーーーーーーー






終了
かーんかーんかーん(ゴングのSE)






ーーーーーーーーーーーーーーー

◆食堂


モノクマ「おかえり。どうだった?」

大泉「あぁもう、最高。アフリカの動物くらいたくさん出てきたよ」


※Tips…【はじめてのアフリカ】
2014年時点でのどうでしょう最新作。2013年に放送された。全13夜、現在最長の企画。
藤村Dが飲み屋で行き先を決めた、まさかの慰安旅行のような企画である。ちなみにこのヒゲはずっと呑んでた。おい。
「アフリカに行く」事しか決めずに旅に出ており、ガイドに全て任せている。スケジュールには余裕がかなりあった。
全体的に今までのどうでしょうとは全く路線となってしまい、ファンの中でも賛否別れた問題作である。
(面白かったと思うんだけどなぁ…)
とにかく野生動物がめっちゃ見れた。途中からはまるでアニマルプラネットを見ている気分になる。
あまりに動物が見れるため、ガイドとして帯同してきたスティーブが仕込んでいるのでは?と大泉は予想した。
ゾウめっちゃいるよォ?何頭見たい?100頭?200頭?100頭単位で仕込めるよォ?


モノクマ「その例えはちょっと分かんないけどさ」

葉隠「な?いいもんだったろ?」

山田「アルターエゴ……やっぱり三次元より二次元には夢がある…巨根生やしたい…」ぶつぶつ

葉隠「…あははは…山田っちがエキゾチックトリップしてるべ…」ドン引き

十神「なるほど……これが庶民の遊びか。まさか俺がお前達に学ばされるとはな」

石丸「………」げっそり

苗木「って石丸クン!?なんで!?」

不二咲「石丸君が燃え尽きてるよぉ…」

大泉「何、石丸君。もしかしてあそこでも目ぇ瞑ってたりしたの?」

石丸「………いや、見た。見たのだが、それ故にこう…罪悪感が……」

大泉「全く弱いなぁ石丸くぅん。…見るだけでこれってもう…もしかして、あれ聞いたら死ぬんじゃねぇか?」

大和田「あれって何すか」


大泉「まんこ」


不二咲「」!?

石丸「む?………ああ!漫湖だな!」

大和田「」!?!?

桑田「い、イインチョが下ネタ!?」

葉隠「つーか石丸っち知ってんだ?漫湖」

石丸「そのくらいは常識だろう?漫湖は有名じゃあないか」

桑田「いや、ちょちょっ!?ま○こま○こ連呼すんなよ!?」


※Tips…【漫湖】
沖縄に実際に存在する干潟。名前こそ「湖」だが湖ではない。干潟である。
1999年にはラムサール条約の登録湿地になっており、クロツラヘラサギと言う世界的にも貴重な鳥が冬に飛んでくる。
読みはそのまま「ま ん こ」。紛れもなく関東圏で使う【女性器の俗称】と同一だが、干潟の名前なのでセーフ。
ちなみに、以前の沖縄ロケでNACSが連呼したのはこの干潟の名前なのでセーフ。


苗木「何これ」

大泉「漫湖知らねぇの?」

石丸「沖縄に存在するのだが?」

桑田「いや、沖縄っつーか女がいるとこには存在するだろ!?」

葉隠「ん?桑田っち知らんの?」

桑田「知ってるっつうか知らねぇっつうか…!」

石丸「………君は何を言っているのかね?」

大泉「昔は汚かったらしいんだわ、漫湖。でも最近は綺麗に」

桑田「わあぁぁぁぁ!?」


わいわいがやがや


大泉「っと、女子が来たぜ」

葉隠「おう、んじゃ話はおしまいだな」

石丸「……はっ!女子……」げっそり

大和田「さっきまであんな元気に下ネタ行ってたやつの顔じゃねぇだろそれ」

大泉「え?だから漫湖だって」

桑田「もうそれいいっすから!とりあえず覗きの事は内緒なオメーら!内緒な!」

苗木「も、もちろんだよ…」


がちゃっ


朝日奈「んーっ!いいお風呂だった!楽しかったよ!」

セレス「…ふふっ、まさかあんなものが見られるとは思いませんでしたわ」

十神「その臭い体も多少はマシになったのか?腐川」

腐川「ああああああすみません白夜様あたしやっぱもう一回風呂にぃぃぃぃ」あばばばば

舞園「そんなに慌てなくてもいいじゃないですか」

江ノ島「……うう……」

舞園「江ノ島さん、それウィッグだったんですね」

霧切「意外だったわ。まさかあなたが地毛を染める事に抵抗があって普段はウィッグを使っていたなんて」

江ノ島(むしろこれで許してもらったって感じだよぉ…ぐすん、手のひら隠すので精一杯すぎてあんま覚えてない…)

江ノ島(風呂上がりも真っ先に手のひら隠しちゃったよ)

大泉「あ、え?地毛じゃないんだ?」

江ノ島「……撮影とか多いし……地毛から染めるとセンセーがうるさかったから……」

江ノ島(バレてないといいなバレてないといいな)

霧切(………、………)

大神「しかしいい風呂であった。次はお主ら男性陣の番であろう?待たせてしまって悪い」

大和田「いや、気にすんなよ。女の体っつうのは冷えやすいんだろ?」

朝日奈「大和田やっさしーい。得点稼ぎ?」

大和田「ちげぇよ!」

不二咲「大和田君はみんなに優しいんだよぉ!」

舞園「確かにそうかもしれませんね。人は見た目で判断しちゃいけません!」

霧切「そうね、ここにウィッグの人もいた事ですし」

江ノ島(うぐっ、やっぱ怪しまれてる)

石丸「………」げっそり

霧切「ところでどうして石丸君がこんなに哀れな姿になっているのかしら」

大泉「さぁねぇ、僕には分からんよ」

モノクマ「さーて、桑田クンが舞園さんの裸を覗くのに成功して喜んでたんだけど、それはさておき」

大泉「え?そうなの?桑田おめぇ」

桑田「………アポ………?」

セレス「それはさておけないのでは?」

江ノ島「え?桑田…あんた覗いてたの?」

桑田「…はぁ!?オメー根も葉もない事言うなよ!」

朝日奈「根も葉もないとか知ってるんだ、桑田も」

舞園「で?どう言う事ですか、桑田君?」にっこり

桑田「いや!え、いやいやいや!オレだけじゃねぇって!みんなで行ってたんだってぇ!」

舞園「見苦しいですよ!」

大神「そも石丸よ、桑田を止められなかったのか?」

石丸「桑田くんは健全な男子なのだ!健全な男子だから容認したのだ!」混乱

朝日奈「あんたらサイテー」

舞園「………はぁ………まぁ、何もしないって言う方がよりおかしいですもんね」

朝日奈「へ?」

霧切「そうね。だって…男子でしょう?むしろ今までが何もなさすぎたのよ」

山田「あるたん…あるたん…」

石丸「………」げっそり

朝日奈「このメンツでなんかあったらそれはそれで怖いんだけど」

大泉「あ、ところで子猫ちゃんってさ」

大泉(その手袋取らないの、と聞きかけて)

霧切「………」ぎろり

大泉「………あー、ナンデモナイ」

大泉(鋭く睨まれた。あと多分、子猫ちゃんは俺達に気付いてたんだろうなって今思った)

モノクマ「んじゃ、全員仲良く揃ったところで言っときますか!」

苗木「モノクマ…ま、まだいたのか…」

モノクマ「ちょっと、ボクの事忘れるとかひどくね?」

桑田「つーか全然よくねぇからな!オレは悪くねぇ!」

腐川「………で、何を言うのよモノクマぁ…」

十神「その口ぶりだ。恐らくあれだろうな」

大和田「あれか?」

葉隠「あれだべ?あれ、あの…」

苗木「葉隠クン、目が泳いでるよ」

セレス「どうせくだらない事でしょう?私達を焚きつけるような、何か」

モノクマ「そうだよ?」

腐川「…まさか!」

モノクマ「はい、と言うわけで動機提示のお時間です!みんな、体育館に来てね☆」

十神「まだ懲りずにそんな事をするのか?」

モノクマ「十神クンこそ。こんなところで馴れ合いしてていいの?君はリーダーなんでしょ?もっと殺伐としないと!」

十神「………」

腐川「ぐぎぎ…あんた白夜様に失礼よ!」

石丸「僕達は何があっても殺し合いなどしないと何度も…」

モノクマ「さて、それはどうだろう?…まぁいっか。とりあえず待ってるね!」

モノクマ「早く来いよてめぇら」シャキンッ

ばひゅーんっ

大泉「はは…動機提示、ねぇ」




大泉(この空気の中でそれを聞いて、動揺する奴はいなかった)

大泉(良くも悪くも、だれていた)

大泉(…それだけみんなの危機感は薄れていた)

大泉(なんとかなる、きっと誰も何もしないだろうと、そう思っていたんだ)

大泉(それにしても………)

大泉「守れなかった…」

大泉(なんか分からんがそう言っとけばいいんじゃねぇか?)

大泉(……でもまぁ、なんとかなるだろ。桑田だし)

大泉(そう考えていて、俺は大事な事を全部忘れてしまっている)


大泉(ここはモノクマと言う謎の学園長に殺し合いを強要された、希望集う絶望の学園なんだって事を)


大泉(そして俺はヒーローでも、希望でもない、ただの人間だって事を)

ここまで。
今回一番考えたのは、石丸と十神をどうやって覗きに参加させるかだった。石丸がいたら覗きなんて出来ないしなぁ。
あと忘れてた。左右田ごめん。

>>631
東北サミットでしたっけか。
どうでしょうが東北のためになるなら、いくらでも開きなさいよッ!と思います。

>>646
遅くなってごめんやで。

>>647
簡単に寝るウサギだと思わないで。

>>648
そのボードゲーム、栗生んじゃねぇ?
…ジュマンジ、なんとかインチキ出来んのか。したらしたでさるになるけども。


なにやら安田さんソロライブやるんだって?

ヤスケンがドラマでエヴァの監督を演じるらしいね

3日以内に来なかったらこのスレのURLを大泉洋に送り付ける

キリのいいとこまで書けた…。危なかった……。

>>703
それが一番実行出来るからやめてぇぇぇ!
相手取られるからやめてぇぇぇ!!

ーーーーーーーーーーーーーーー





体育館





ーーーーーーーーーーーーーーー



モノクマ「遅いんだよ、キミ達は!ちんたらちんたらしないの!さっさと走る走る、走ってきなさい!」

モノクマ「あれなの?キミ達は戸次重幸と愉快な仲間達なの?遅刻しても許されるのは5時間までだよ!」

モノクマ「こんな事ならオクラホマの河野クンの全力疾走の方が早いんじゃないの?ねぇねぇ!!」

モノクマ「……ってぇかね!学園長たるボクを待たせるなんてどう言う神経だよぅ!」

モノクマ「我、モノクマぞ?我、学園の長たるモノクマぞ?」

モノクマ「そんな事してる子達はみんな正座したまま砂浜に埋めちゃうよ!どっかの有名な北の演劇集団みたいに!」


※Tips…【正座で砂浜に埋められる】
【いばらのもり】で行われた悪行?のひとつ。
大泉が森崎はじめ、事務所メンバーに行った。ブルドーザーで砂がかかる光景は悲惨ながらも圧巻。


モノクマ「キミ達…分かってないよね。ボクがどんな立場のクマなのか。説明してるのにさぁ」

モノクマ「なんなの?バカなの?フィンガーボールの水飲んじゃうの?」


※Tips…【フィンガーボール】
同じく【いばらのもり】で起きてしまった事件。【マナー選手権】なる企画を行った際、
オクラホマのバカな方・藤尾と、NACSの(バカ)じゃないかと言われている音尾がなぜかタッグに。
そして藤尾に言いくるめられた音尾は、おっかなびっくりフィンガーボールをスプーンで飲んだ。
ちなみに(バカ)←の中は音尾には見えないし読めない。


モノクマ「夜も遅いんだから!いつまで11日目やってるの!」


ぞろぞろ

桑田「オメーの呼び出しを後にしろよォォォ!」

モノクマ「はい桑田クンは減点ね」

山田「そんな得点制度ありましたっけ!?」

モノクマ「いいから減点ね」

霧切「そんな事はいいわ。さっさとしなさい、モノクマ」

朝日奈「そうだよ!寝る前にひと泳ぎしてくるんだし、時間ないから早めにして!」

モノクマ「うそ…ボクの扱い、雑すぎ…?」

不二咲「う、えっと…そ、それでぇ…」

大和田「テメェは何しよってんだ、こんな夜によぉ」

モノクマ「…うぷ、うぷぷぷぷ…」

モノクマ「よくぞ聞いてくれました、大和田クンッ!」

十神「くだらん動機提示なら俺は帰るぞ」くるっ

石丸「良い子は寝る時間だからな!」

セレス「それは違いますが、私もあなたに使う時間がもったいないので…」

モノクマ「いや帰るなよぉ!?」

桑田「だったらさっさと言えよアホアホアホ!!」

大泉「そうだそうだ!いい加減さっさと言えやモノクマぁー!」

モノクマ「大泉クンまでそんな事言うのね!ひ、ひどいっ!」

桑田「そんでオレをさりげに無視すんなっつーの!」

モノクマ「………あーあー、はいはい。まぁあれだよ。動機提示なんだけどさ」

モノクマ「やっぱあれだよね。何出してもキミ達は動かないんでさ?」

モノクマ「手っ取り早くコレで釣る事にしました」

大泉「……これ?」


大泉(なにを言ってるんだこのクマは、ついにバグったか?と俺が首を傾げたその瞬間---)


どさっ

苗木「…え」

どさどさどさ

石丸「っ!?」

大神「な……なんだこれは……」

大泉(モノクマの前にあった教壇へ、俺達からモノクマの姿を隠すように何かが落ちてきた)

大泉(積み重なって行く…それは、まるで積木のように、ブロックのように)

大泉(一瞬、それがなんなのか分からなくて目を凝らす)

どさどさどさどさどさどさ

大泉「……札束!?」

……どさ


モノクマ「そう!なんとここにあるだけでもひゃっくおっくえーん!」


葉隠「ひゃくおく!?ひゃくおくっていくら!?」

ざわっ……!(いろんな意味で)

モノクマ「バレないようにひと一人殺れば、お金がもらえて外にも出られる!やったー!」

葉隠「お、俺、欲し」

十神「やはりくだらなかったな」

モノクマ「え」

葉隠「え」

苗木「え」

十神「100億程なら十神財閥が有している。実際はその何倍か…数えた事はないが」

大泉「さすが十神さ」

腐川「さすが白夜様よぉおぉ!個人資産も億単位で持ってらっしゃるし!!」

大泉「」

葉隠「」

セレス「私も見飽きましたわ、この程度の札束」

石丸「これを見飽きるだとッ!?もちろんそのお金はちゃんと寄付しているのだろうなッ!」

セレス「私とテメェを一緒にすんじゃねぇボケがぁぁぁ!!」ふぁーっく!

朝日奈「………ねぇ葉隠、あんた」じろり

葉隠「………」だらだらだら

江ノ島「………」じーっ

大神「事と次第によってはお主をこの場で裁く」

桑田「穏やかじゃねぇなおい」

葉隠「ほし、っくなんてないっ!」ふいっ

大泉「バカ野郎おめぇ、あれは欲しいだろ」

苗木「」!

朝日奈「」!?

葉隠「だろ!?」

大泉「…ただ、金で命は買えないよ。【救命病棟】ん時にそれは学んだ」


※Tips…【救命病棟24時】
江口洋介主演の人気シリーズ。
大泉が出演したのはその第3シーズン、2005年に放送されたものである。
役名は【佐倉亮太】で、本編後にアナザーストーリーが放送されるほどの人気があった。


葉隠「う、ぐっ……」

大泉「……あっちゃいけねぇんだ、そんな事ぁ」

大泉「なんかカッコつけちゃったね(笑)悪いねモノクマ、俺の好感度アップに使わせてもらっちゃって!」

朝日奈「なんだ、びっくりさせないでよ…」

霧切「それでこそ、大泉さんよ」




モノクマ「まぁキミの中ではね、そうなんだろうね」

大泉「」カチッ


大泉「……ぁあ?なんだとぉ?」

十神「もう帰ってもいいか?」

モノクマ「いやいやまだまだ」

大神「だがモノクマよ、これ以上何をしようと…」

モノクマ「いーやっ!どうせキミ達、なんかへんな理由付けて殺し合いしないでしょ!だから!」

モノクマ「賞金をかけるよ!」

舞園「賞金、ってその…番組で優勝したらもらえるような、あの」

モノクマ「そだよ?」

江ノ島「モノクマのくせにやるじゃん」

モノクマ「(こいつぅ…)いや、あ、ちょい違うかな。【懸賞金】ってとこだよ」

霧切「懸賞金?」

モノクマ「いやね、ボクって随分嫌われてるなと思ってさぁ、だからその仕返しをするんだ」

モノクマ「---ねぇ、大泉クン?」

大泉「え?俺別に嫌ってねぇよ、モノクマの事ぁ」

モノクマ「ウソおっしゃいッ!今までボクの邪魔ばっかりして来て!」

舞園「そうでしたっけ?」きょとん

モノクマ「そうなんだよ!!」ぷんすか

大泉「で、なしたって?俺に賞金かけるってかい?」

モノクマ「うん」

苗木「またそんな事を…それでも誰も殺人なんかしな」


モノクマ「100億」


苗木「…い…?」


モノクマ「大泉洋を殺したら、もう100億円あげちゃう。」


大泉「………は?」

モノクマ「これがボクからキミへの報復だぜ、大泉クン!」

大泉「いや、………え?」




大泉(俺殺したら………)





大泉(………200億?)




モノクマ「お金で人は買えない?そうかもね!でもさ」

モノクマ「人はお金で買うんだよ、なんでも、そう……なんでもね」

セレス「なぜ彼ひとりがターゲットに?」

モノクマ「ん?なに?」

大泉(頭が真っ白になった俺に飛び込んできたのは、セレスさんの声だった)

セレス「それならば始めから、誰かを殺せば200億、とおっしゃればいいだけの話です」

セレス「それをしないのか、あるいは……出来ないのか」

モノクマ「どっちも違うね」

セレス「違う?」

モノクマ「これでみんなはヤル気出たでしょ?」


それとも、その男に従っていつまでもこんな場所に閉じ込められてるつもりなの?



大神「………っ!?」



いいんだよ、ボクは。外にでなくたって。


キミ達を保護したいんだから……。


モノクマ「うぷ、うぷぷぷぷ…!」

苗木「くそっ……卑怯だぞ、モノクマ!」

モノクマ「それにボクからしたら大泉クンって邪魔じゃん?」

霧切「そんなに邪魔なら自分の手で殺せばいいんじゃないのかしら」

モノクマ「………」

大和田「んだ、こいつ?黙りやがった」

モノクマ「…黙秘権だよ。その質問に答える義理はないからね」

江ノ島「………」

舞園「…自らでは私達を殺せない、と言う事でしょうか」

十神「そんな大層な理由はないだろうな。どうせそれは興醒めするとかなんとか、難癖付けたいだけだろう」

十神「しかし焦っているのか?煽り方が雑だぞ、モノクマ」

モノクマ「何とでもいいなよ!そんなに余裕こいてるとね」

石丸「もういいッ!僕達を早く部屋に返してくれないかッ!」

モノクマ「……ほんとにいいの?」

モノクマ「そんな事してると」


モノクマ「ボクの【内通者】が大泉クンを殺しちゃうよ?」


江ノ島「………え………?」


大泉(その瞬間、誰もが凍りついた)

大泉(今ここで、誰も、想像していなかった単語だったからだ)


苗木「お前は………なにを言ってるんだ……?」

モノクマ「内通者って言いましたけど」

桑田「それってよぉ、つまり…」

モノクマ「ボクの手駒、みんなの裏切り者、村に隠れた人狼」

モノクマ「あるいは持ち物を取られても助けてくれないみすたクン…って言った方が分かるかな?」


※Tips…【みすた君】
【釣りバカシリーズ】の4回目、グランドチャンピオン大会と銘打たれた【屋久島24時間耐久魚取り】より。
夜の屋久島で釣りをする事となった大泉・チームナックス音尾さんことnoちゃんチームと、鈴井・安d…onちゃんチーム。
そのさなか、あまりに自分達は釣れず鈴井達が魚を釣る事に気付いた大泉と音尾は、釣具交換を要求。
しかし次第に、大泉と音尾→現地・栗生(くりお)の小学生、鈴井(みすた君)と安田→よその小学生、
藤村D→鈴井達の引率の先生と言う設定のコントへと発展して行く。
音尾の「そのジャージ栗生んじゃね?」の一言で遂に身ぐるみまで剥がされ、安田が涙目で鈴井を呼んだが
その鈴井は彼らの前で謝罪しジャージを栗尾小へ渡し始め、さらに安田にもジャージを脱ぐよう言ったのだった。
藤村「みすた君絶対小学生じゃねぇよなァ」


大泉(みすた君って単語で、なぜか俺の思考はクリアに戻った。多分、聞き覚えのある単語だったからだろう)

モノクマ「……うぷぷ、もちろんボクの内通者が誰かなんてキミ達には言わないし教えませーん!」

モノクマ「内通者は内通者で、自分から内通してる事をバラしたら…オシオキだよ」

大泉「…やってくれるじゃねぇかよ、モノクマ」

十神「内通者…だと?」

腐川「ああああああた、あた、た、あたしじゃないわよぉ!」

大泉「…秘孔突きまくってんな腐川さん、落ち着けよ」

霧切「腐川さんはアチョー拳の伝承者だったのね、知らなかったわ」

山田「普通ここは北斗の拳が出るところでは…」

葉隠「似たようなもんだから安心しろって」


※Tips…【アチョーの拳】
【ハナタレナックス】で行われた誕生日記念の企画【クイズ自分自身】の音尾回で発表された何か。
音尾が小学生の頃にノートに書き置いていた漫画だが、30歳の記念に実家から家族に発掘された。
【北斗の拳】に限りなく近いが、主人公(キャラは基本棒人間である)の頭に【主】の文字が書いてあるのが特徴。
一子相伝の殺人拳である【アチョー拳】を持つ【アチョーケンシロウ】が、悪者を倒す話。
のちに音尾自身がアチョーケンシロウとなり、バトル企画を行った。



朝日奈「なんで………?」

モノクマ「ん?」

朝日奈「…なんで、なんで私達なの…?」

モノクマ「キミ達だからさ」

霧切「………どう言う意味かしら」

モノクマ「それは自分で考えなよ!さ、もう帰った帰った!」

大和田「喋るだけ喋って帰れ、だあ?テメェ、こっちの話も聞き」


ぱぁんっ


大和田「………あ………?」

モノクマ「つべこべ言わず帰れよ。ボクがこのゲームの駒を減らす前にさぁ」しゅうう

葉隠「あれって、け…拳銃?おいおい……ヤクザが持ってんのしか見た事ねぇぞ……」

苗木「むしろ実物見た事あるの!?」

不二咲「大和田君ッ!怪我してない?」

大和田「お、おう…あの野郎、俺の足元狙って撃ってきやがった」

舞園「と言うより、どうやって銃を撃ったんでしょうか」

霧切「あれはどちらかと言うと空砲に見えるわね。どうせ私達にそう言う雰囲気を味合わせるために」

モノクマ「うるせー!クソして寝ろ!!」

大神「…我らを足止めしてまで、内通者がいると言う事実を伝えたかったわけか」

モノクマ「まぁね。内通者が大泉クンを殺しちゃったら、誰にも賞金が出ないってところも合わせて言わないと」

モノクマ「アンフェアな勝負はボクは嫌いでね!」

大泉「………てめぇ」

モノクマ「ほら、これからは身の振り方を考えなよ、大泉クン?」



モノクマ「キミは特上の餌なんだから」



大泉(周りからの視線が刺さって来るのを感じる)

大泉(それが好意なのか、あるいは、殺意なのか)

大泉(はは、見られんのは好きなのに、慣れてるはずなのに、なのに)

大泉(なまら怖かった)

ーーーーーーーーーーーーーーー




12日目




ーーーーーーーーーーーーーーー


『鏡の前に立ーちー』

『銃構え、ひろし 舘ー』

『届くなら伝えたいー』

『遥かな、遠い街ー』


大泉(………笑えん)


※Tips…【月の裏で】
作詞作曲・音尾琢真。【ドタバタオールスターズ】名義での発表、のちにベストアルバム収録。
音尾がメインボーカルを務め、スカの利いたノリのいいサウンドが魅力の一曲。
【水曜どうでしょう】チーフDの藤村が、わざわざ【水曜どうでしょうのサイト】で褒めたほどである。
(藤村Dは音尾作の2曲についてべた褒めしている。その文章は探せばわりと簡単に出るので、興味があれば是非)
ちなみに曲中で「チキチッチキチッ」と聞こえる謎の音は戸次のボイスパーカッション(?)。
パフォーマンスとしては【CUE DREAM JAMーBOREE】のDVDで拝む事が出来る。


大泉「………」

『動き出す線路の上で、君は』

『誰とのさよなら、告げたの?』

大泉(…いや、なんも始まってすらいねぇんだ)

大泉(さよならなんて…まだ言えてもいないんだ)



大泉(そうだ、俺は)


大泉(………まだ、さよなら言うわけにゃいかねぇんだ)

ーーーーーーーーーーーーーーー




食堂




ーーーーーーーーーーーーーーー


大泉「うどん!」


ずるるっ


大泉「うまいっ!」

朝日奈「うどん好きだねー」

大泉「っはっはっはっはっwwww」


苗木「……大泉さん、もう」

大泉「塞ぎ込んでてもしょうがねぇからな。とりあえず今、俺に出来る事をするだけだよ」

朝日奈「大泉…」

大泉「いねぇと思いたいんだけどな、そんなヤツ」

朝日奈「私も思いたい、思いたいけど……葉隠が絶対怪しいよ!」

大泉「疑わしきは罰せず、だぜ。朝日奈さん」



ーーーーーーーーーーーーーーー




自由時間




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◆娯楽室




大泉(久しぶりの自由時間ですよぉ)

大泉(俺はまだ死にたくねぇし、死ぬわけにゃいかねぇ。北海道に、あそこに帰るまでは)

大泉(つーわけで、ここは重要だ。コミニュケーションとらにゃあいかんと俺は思ったわけだ)




ぱさっ

セレス「………」

大泉「………」

セレス「まさかですわ。あなた、カジノに行った事があるなんて言うから」

大泉「………」

セレス「…私の期待を裏切るなんて」

大泉「………はは」

セレス「それも悪い方に」

大泉(拝啓、藤村さん。僕ぁ昔となんも変わってないらしい)


※Tips
かつて大泉さんは、アメリカを縦断した際カジノで大負けした。
D陣が勝って増やした資金を見て「次は勝つから貸してくれ」と言いそれも全部スった。
その結果アメリカ縦断中は非常に扱いが悪くなってしまった。当然です。
……が、その後起こる【ミスターインキー事件】で、鈴井さんとの力関係は逆転する。


大泉(今日の昼は、あんま話した事がねぇ子と話そうと思ってセレスさんに声をかけた)

大泉(意外にもすんなり、話を聞いたセレスさんは、なぜか俺を見極めるだなんて言って)

大泉(テキサス・ホールデムだよ。分かるかい?ポーカーの基本的なやつね、あれをやったんだが)


セレス「私、あなたを買いかぶっていましたわ……どうやったらこんなに負けますの?」


大泉(……言うな、それ以上言うなよぉ。僕ぁびっくりするくらい負けたんだぁ、そりゃびっくりするくらいになぁ)

大泉(ここがカイジの世界なら、俺ぁ永遠に地下だろうな)

セレス「これが裏の世界なら、あなた消されていましたわ」

大泉(……もっとひどかった!?)

セレス「はぁ…これならひとりでやっていた方がまだゲームになりますのに」


ぱららららっ


大泉「まぁまぁそう言わずに、もう1ゲームやろうよ」

セレス「あなた、賭けるものがありませんじゃないの」トランプとんとん

大泉「いや、だからさっきとおんなじでさ」

セレス「あなた、このメダル1枚1万円として、外に出たら金を払うと言いましたわよね」

セレス「……何円分負けているか、はっきり教えて差し上げましょうか?」

大泉「」

セレス「どうせあなたには支払えない額ですわよ。一生かけて払っていただきますが」

大泉「かー、厳しいねェ」

セレス「当然の事ですわ。それに監視カメラで録画もされておりますので、逃がしませんわよ?大泉さん」にっこり

大泉「…んなら、そうだね…金じゃなきゃいいだろ。僕の秘密なんかを賭けるってのぁ」

セレス「そんなくだらないものはもう聞きましたわ」

大泉「あれ、そうだっけ?」

セレス「そうですわね……次に負けたらあなた、私の奴隷にでもなってくださる?」

大泉「いやいやいやぁ!冗談キツイぜ、おい」

セレス「今までの負けようでそうなっていないだけマシではありませんの?さぁ、どうします?」

大泉「奴隷って1日だけ?」

セレス「一生とは申しませんわ。何日かはまあ、後で決めます」

大泉「……ずりぃな…んじゃあ、その代わり俺が勝ったらさ」

セレス「あなたが勝つなんてありまえせん。」キッパリ

大泉「っははは、言われちまった」

セレス「ですが……あなたが仮に、万一、勝ったなら……」

大泉「勝ったら?あれかい?セレスさんになんでも質問していい権利とかもらえない?」

セレス「そんなものでよろしいので?」

大泉「その代わり答えられないってのは無し。これでイーブンだべ?」

セレス「まぁ……いいでしょう、私が負ける事はありえませんがね」

大泉「それはもっかいやらねぇと分かんねぇだろ!ほら、トランプ貸して!」

しゃっしゃっしゃっしゃっ…

セレス「けれど、何の気の変化ですの?」

大泉「ん?なにがだい」トランプしゃっしゃっ

セレス「私とポーカーをしたい、だなんて。一体どうしてそんな事を突然?」

大泉「なによ、そんな気になる?」


とんっ


大泉(何度も何度もシャッフルした山札をテーブルに置いた)

大泉(その上から、滑るようにカードを配る。一番上のカードをどけてから、お互いの手札として2枚)

大泉(あら、偏ってんのかね?スペードのカードが2枚来てる)


セレス「…だって、タイミングが変ですもの。それを言い出すのは、今でなくともよかったはずでは」

大泉「俺も命は惜しいんで、ね。こうやって仲良くなっといて、殺さないで!ってお願いしようかなって」

セレス「………」

大泉「………」

セレス「………では………」

大泉「………」

セレス「…先ほど同様、特別ルールで参りますわ」

大泉「賭けの方法は確か、俺がスモールブラインドで」ちゃらっ

セレス「私がビッグブラインド…まぁ、こんなコインは今更無意味ですが」じゃら


※Tips
テキサス・ホールデムでは「全く賭けずに永久にゲームを続ける事」を回避するため、ブラインドと言う制度があります。
これは1ゲーム毎に時計回りに各プレイヤーに回ってくる【ディーラーマーク】の左隣2人に賭けを強制するルール。
スモールブラインドが基本ベッドの半額、ビッグブラインドは基本ベッド全額を賭けさせられます。
ちなみにブラインドを除いて誰も賭けていない状況で、自分は賭けずに様子見をする事が出来ます。
これは【チェック】と言い、これを続けていれば賭けなしでゲームが出来ると言うわけです。
(と、ここまで書いたけど間違ってる部分もあるかもしれない。その辺は脳内補完でお願いします)


大泉「…んじゃゲームを始めようか、セレスさん」

セレス「それで?」

大泉「ん?」

セレス「私にそんな事を言って何をするおつもりで?私があなたを殺す、とでも」

大泉「いやぁ、そうじゃあねぇよ?第一セレスさんは腕が細いじゃない?」

ぴらっ

大泉(そう言いながら、俺はまず3枚のコミュニティ・カード…ふたりとも共通で使えるカードを出す。)

大泉(…スペードの9・Kとクラブの5か。黒いな)

大泉(本来ならこの前にプリフロップっつー、手札2枚だけを見て判断する賭けがあるんだが、省略する)

大泉(テキサス・ホールデムはシンプルだけど難しい。場に出る5枚のカードと手札2枚から5枚選んで手役を作る)

大泉(その間に4回賭けるタイミングがあったり、コミュニティ・カードが順番に出たり……)

大泉(他にも細かいルールはあるが、ふたりの対決なんで今回の特別ルールだから色々緩くしてあるらしい)

大泉(まぁ、俺とセレスさんだ。そう緩くしてもらえないと俺の付け入る隙なんてねぇだろうし…)


大泉「………それとも」ちゃら

セレス「………」

大泉「まさか、セレスさんには僕を殺せるだけのパワーがあるのかな?」

セレス「………」

大泉「ベッド。4メダルでいいね」

セレス「………ふふ」

大泉「君の先制攻撃でやられる程、僕だって弱かねぇと思うけどね」

セレス「………」

大泉「………」

セレス「………コール。最低賭け金額と同等のメダルを賭けます」じゃら

大泉「やっぱそうなるよねぇ。じゃあ…」

大泉(ぴらり、もう1枚。コミュニティ・カードは4枚に増える。……おや?ハートのKか)

セレス「ならばなぜ、それを」

大泉(と、思考を巡らせていたが、)

セレス「分かりませんわ、あなたの考えている事が」

大泉「んあ?」

セレス「どこまで本気ですの?」

大泉「3割くらい?」

セレス「……あなた、食えない男ですわよ。今のところ」

大泉「ふふ、どうだか。さて、僕ぁベッドするけども、セレスさん?」

セレス「レイズします」

大泉「………8メダルか」


大泉(レイズは、ベッドする最低チップを倍にする賭け方だ。今回の特別ルールなら、俺もこの番から使えた)

大泉(使わなかったのは、手札がまだ心もとないからだったんだけどね)


セレス「仮に私から殺意を感じていたとして、大泉さん?この行動は悪手では?」

大泉「……ん?そうか?そうは思わねぇけどなぁ」


大泉(言いながら、さらにカードをめくる。スペードのJ?やっぱ固まったか?…だけど場には5枚のコミュニティ・カードが揃った)

大泉(最後の賭け巡だ。泣いても笑っても、最後)

大泉(……最後か……)


セレス「もし、今後あなたを殺すような事を考えるにさしあたって、あなたが来てくれたと言う事は---」

大泉「………」

セレス「手の内を見せていただいているようなものですもの。殺害しやすくなって便利ですわ」

大泉「………そうかい?僕がウソついてるかもしれないっしょ?」

セレス「今ウソをつくメリットがありませんわ」

大泉「………」

セレス「………」

大泉「レイズ」じゃら

セレス「リレイズ(レイズのさらに倍額を賭ける)」じゃららっ

大泉「………」

セレス「………」

大泉「…俺はまだ死ねねぇのよ、セレスさん」

セレス「けれど、いつだって人は簡単に死ぬのです」

大泉「な事ぁ知ってるさ、知ってるけども」

セレス「しかし、あなたのその強い意志は嫌いではありませんわ」

大泉「あぁ、どうも」

セレス「死ぬには惜しい、けれど、周りから疎まれるあなたは……」

大泉「………俺、疎まれてんの?」

セレス「言葉の綾ですわよ。第一、嫌われてるからモノクマにあんな事をされていたのでは?」

大泉「…確かに。俺なんもしてねぇんだけどなぁ」

セレス「さぁ、大泉さん?ショウダウンですわ…手札をオープンしていただけませんこと?」

大泉「…なんかねェ…いちいち引っかかるんだよねェ。まぁいいけど…僕ぁ」


ばさっ


セレス「」!

大泉「ストレートだよ。ロイヤルストレートフラッシュ狙ってたんだけどね、無理だったな」

大泉「コミュニティ・カードの9・J・Kと手札の10・Qを使うぜ」

セレス「手札はどちらもスペード…それにストレートですか。今までで一番良い手ですのね」

大泉「でもマークがバラバラだろぅ?しっかり決めたかったねぇ」

セレス「ええ、残念です」


ぱさ


大泉(………そう言って開かれたセレスさんの手配は)


セレス「フォーカード。あなたではやはり及びませんでしたか」


大泉(俺の渾身の一手を、軽々と越えて行く)

大泉(喉元に突きつけたはずの剣先は、実は全然届いていなくって)

大泉(その度に痛感する。俺はやっぱなんも出来ねぇなぁって)


セレス「惜しかったですわね」


大泉(嫌味だ、分かってる。でも、ポーカーの役としては、ストレートはフォーカードの一つ下)

大泉(惜しい、と言うのは間違いじゃない)

セレス「勝負は勝負。あなたは負け、私が勝ちました。つまり、あなたは私の奴隷になると言う事です」

大泉(……ああ、そんなん言ってたな)

セレス「ですが」

大泉「……ですが?」

セレス「気が変わりましたわ。あなたみたいな見た目の奴隷、いても困るだけですもの」

大泉「おい」

セレス「お・わ・か・りですか?あなたは私の好みではありませんの」

大泉(そう真っ正面から言われると傷付くぜ、セレスさん)

セレス「しかし…かと言って、このまま無罪放免と言うのも納得がいきませんし…」

大泉「いや、いいんじゃねぇかなぁ?俺こっから出た後、君にいくらあげなきゃいけないと思ってんの?」

セレス「負けるあなたが悪いのです。それも、取らぬ狸の皮算用で…手元にない資金なんて賭けて…」

大泉「そうでもしなきゃ君はやってくれなかったろ?ポーカー」

セレス「もともとあなたが強者だと思っていたからこそ受けたのですが?」

大泉「…ごめんなさい」

セレス「分かっていただけたなら何よりです。とりあえず………作っていただけませんこと?」

大泉「あの、それってまさかとは思うけどさぁ…」

セレス「【ロイヤルミルクティ】ですわよ?」にっこり

大泉「………マジで?」

セレス「あぁ、大泉さんの事ですから変なアレンジレシピなんて作ろうとしてるのかもしれませんが」

セレス「そんな事したら分かってんだろうなビチグソ」ギロッ

大泉「」


大泉(……このあと、俺は夜時間ギリギリまでロイヤルミルクティを作らされた。辛かった)

大泉(もうなまら辛かったわ。びっくりした…これなら四国の寺巡ってる方がまだ楽だったわ)

大泉(完璧に作ってんのに、あと一杯もう一杯と何度も作らされてさぁ。……いや、負けたの俺だから仕方ねぇんだけど)

大泉(3階と1階を何度も往復し、アラフォーの俺はひいひい言いながらも彼女の言うままにされていて……)


ーーーーーーーーーーーーーーー









ーーーーーーーーーーーーーーー


大泉「あっという間に夜じゃねぇかぁおい」

◆大泉の部屋


モノクマ「ミスター苗木なら2回行動のところを!あえて!1回だけにするッ!」

モノクマ「いやぁ、キミのその精神?なんかもうアグレッシブだよね」


※Tips
ちなみに3章のこの場面は、本来苗木クンでも1回行動です。


大泉「あのさぁ、モノクマ。いい加減俺の部屋来んのやめれって」

モノクマ「仕方ないでしょ!こうやって構ってくれんの、キミくらいしかいないの!」

大泉「次からは俺も無視すっからな」

モノクマ「やめてよぉ」

大泉「だいたいなモノクマ、おめぇ学園長なんだろ?セレスにちゃんと教養を学ばせとけって」

モノクマ「セレスさんに?」

大泉「あいつ【ロイヤルミルクティ】が本場じゃ飲まれてねぇって知らねーぞ、あれ」

モノクマ「……またまたご冗談を」

大泉「いや、絶対あれは知らんって。それもこれもおめぇの勉強不足だバカ」

モノクマ「何ィ?」

大泉「だからぁ、おめぇは学園長なんだろって」

モノクマ「キミ、学園長に対してバカってどう言う事だよぉ!」

大泉「そのまんまの意味に決まってんべや!」

モノクマ「なんだとぉ!」

大泉「もー、出てけよぉ!毎回毎回うるっせぇんだよクマぁ!」

モノクマ「モノクマ!」

大泉「うるせぇ!」

モノクマ「ほら、謝んなさいよ!ボクに向かってバカなんて言って!」

大泉「モノクマがバカだ!」きりっ

モノクマ「こらー!学園長への暴力は禁止だよ!」

大泉「手ェ出してねーだろ」

モノクマ「悪口は心の暴力だよ!!!」

大泉「うっとおしいんだよ、てめぇこのぉ!」

モノクマ「言ったな!髪の毛の中で雪虫が死んでるくせに!!」

大泉「なんだとこのぉ!!」

>ストレートはフォーカードの一つ下
うっそーん

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深夜




ーーーーーーーーーーーーーーー


ぎしっ、ぎしっ、ぎしっ……



---部屋に置いておいたらどうなるか分からないから

---ちょっと湿気が怖いけど、パソコンは脱衣所に置いておくよぉ

---パソコンで情報を探してるのがバレたら困るからねぇ



ぎしっ……

がたがたがた
……がちゃ


ぽちっ
うぃぃぃぃぃん……


アルターエゴ『……んー……こんばんはぁ…、あれ?どうしたのぉ?』

はぁはぁはぁ…

かたかたかたかた


---迂闊にこのパソコンを使うべきではないわ

---脱衣所を出入りするなんて、普通の事じゃない


アルターエゴ『え?お話してくれるのぉ?やったぁ!…ねぇ、なんの話をするの?』

かたかたかたかた

はぁはぁはぁ……


---脱出への機会が減る可能性だってあるのよ


「………」

かたかたかたかた

かたかたかたかた……


---分かって頂戴


「………それでも、それでも僕は………」



---例えあなたが、どんな感情を抱いていたとしても



ぽたぽたっ

アルターエゴ『……どうしたの?なんで泣いてるの?』

「……なんでも、ありませんよ」

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ーーーーーーーーーーーーーーー

大泉(とても鮮明な夢を見た)

大泉(事務所の一室だ。俺はソファにかけているんだかなんだか、目の前の人を呆然と見ていた)

大泉(机を挟んだ反対側に、社長と会長、そして森崎博之がいる。なんでいんのよ、あんた)

大泉(なぜだろう、森崎博之は既に泣いていて、大粒の涙を流している。本来なら笑うところだが、俺は動けなかった)


森崎『ぁぁああ……俺は心配だぁ、心配だぞぉぉぉ大泉ぃぃぃぃぃ!!』

森崎『ぬおぉぉぉぉおん!(泣)』


大泉(あれだな、うちのリーダーは夢でもうるせぇな。誰か黙らせてくれ)


鈴井『……なんか外は荒れてるらしいけどね。まぁ……大丈夫、なんとかなるっしょ』

森崎『……っ、ぐすっ、う、大泉ぃぃぃぃ……大泉がぁ……』

社長『そんな泣かないのさ……多分大丈夫だから』E:ティッシュ箱

鈴井『まぁこっちはこっちでなんとかやってるよ。……森崎君はたまにこんな風になるけど』

森崎『大泉ぃぃぃぃ!!』

鈴井『ちょっと黙ってて』

森崎『……、っ……はい……』しゅーん

社長『……モリだって心配だもね』ぽんぽん


大泉(おいおいミスター、そこ笑うところだろ?今生の別れじゃねぇんだからなんて顔してんだよ)

大泉(……鈴井さん、なんでそんな悲しそうな顔するんだよ)

大泉(声を出そうとしても出なくて、手を伸ばそうとしても動かなくて、俺はその光景を眺めている)


鈴井『そっちの人にはもう話は付けてある。俺達の、事務所の事はいい…気にしないで。北海道も危ないから、今』

鈴井『それに、この状況でこっち(北海道)に戻って来れないしょ?』

鈴井『…ごめんね、大泉君。こんな事になっちゃって。』

大泉(……え……?)

森崎『……っんん……、こっちはなぁ、俺達でなんとか持ち直すつもりだぁ…』

森崎『大丈夫、大丈夫…俺達はこんな危ない橋、何回も渡って来た……からぁ……』ぼろぼろ

大泉(……は?え、え?なんの話デスカ?)

社長『……』ティッシュ箱すっ

森崎『安田も、シゲも音尾も、上手くやってる!くにちゃんも…ほら、ラジオはまだ生きてるから…』


※Tips…【くにちゃん】
北川久仁子(きたがわ・くにこ)、北海道出身。もともとAIRーG'(エア・ジー)というラジオ局のDJである。
鈴井にその才を見出され、同局のラジオ番組【GO・I・SU(ゴイス)】のアシスタントに抜擢。
その後、テレビ番組【鈴井の巣】や戸次重幸(がまだ佐藤だった頃)のラジオアシスタントなどを経て、
2006年に当時まだ副社長だった鈴井夫人に引き抜かれた。なおその時鈴井は韓国留学中だったため、事後報告。
ちなみに一児の母。


大泉(は?え?え??)

大泉(ナニコレ?ドッキリ?)


鈴井『……こんな状況じゃ僕らに出来る事って限られてるけど、ね』

鈴井『でもとにかく、森崎君の言うとおりだから。こっちはこっちでなんとかする』

鈴井『だから大泉君』


大泉(待ってくれ、なんかその、心の準備的なものが全然出来てない!ちょっと、待った待った、そっから先は)

大泉(………そっから先は、聞いちゃいけない気がしたんだ)


鈴井『だから君は』


大泉(待って、鈴井さん)


鈴井『君だけは』


大泉(待って、くれって)






鈴井『君だけは、生きてくれ』






大泉「………鈴井さんっ!!」

大泉(目を開けた時広がっていたのは、いつもと変わらない景色だった。)

大泉(打ち付けられた鉄板、こちらを覗く監視カメラ、新品同然のベッド…)

大泉(……何かが引っかかった。でもなんなのか分からん。とりあえず面白い夢だった)

大泉(森崎君は泣き顔で笑いが取れていいねぇ、なんて冗談で頭のモヤを断ち切ろうとしたが)



ぴんぽん♩



大泉「………あ?」


がちゃ


葉隠「あ、なんだ起きてたんか大泉っt」


ばたん



ぴんぽんぴんぽんぴんぽん


がちゃ


葉隠「条件反射で閉めんな!」

大泉「ごめんごめん、なんか体が勝手に」

葉隠「それはともかくオメーが来ねーから、どうせ寝てんだろうなと思って来たんだべ」

大泉「………ああ、そう」ふわぁ

葉隠「俺、一応食堂で待ってたんだけどな……」

大泉「………そう」ぼりぼり

葉隠「とにかく行くべ、大泉っち」

大泉「行くって、行くってどこによ?」

葉隠「………混浴だよ」

大泉「………混浴か」



大泉(僕達は知っている。知らない事を)

大泉(僕達は知っている。知ろうとする事を)

大泉(けれど僕達は知らない。分かり合えない事を)



大泉(…それは13日目にして起きた、生徒同士の正面衝突だった)

今日はここまでやで。苦しい戦いやったで。
でもベートーベンも言ってた。絶望から希望を生み出す的な事を。


>>673
弾き語りしながら、全国回っていろんな話をするとかしないとか。
ヤスケンさんの話、と言うか考え方とか物の捉え方は好きです。

>>687
アオイホノオ…だったっけ?合ってるね?ですね?なんでも見た目がとてつもなく漫画原作に似てるらしいですよ。

>>740
ポーカーの役一覧で確認したから間違いないと思いますが、違ったらごめんね。
え?間違ってる事だってあるよ、ダベミだって人間なんだからさぁ。
それをはいごめんなさいッ!でゆるさねぇってのはもう、どうだい?もっと優しくなろうぜ?

生存報告。
スランプ抜けました。ありがとう。多分2~3日で投下出来る予定。
どうあがいても戸次。

>>759
おまおれ
こっち「とつぎ」でそっち「べつき」だけどな

>>762
まぁこの「とつぎ」も芸名として読みやすくしてるだけで、本来の読みは「べっき」だけどな。

ちなみに、「戸次」はシゲの母の旧姓。
シゲのお母さんは2006年の年末に亡くなられています。喪が明けた2008年1月に改名しました。
改名当初は大泉さんから「とじ」さん、「とつげき」さんなどと弄られてました。

慌ててぐぐった。大泉さんはツイッターしてない!やったー!

ちなみに先に告知すると、今週末は>>242でも触れたジャンボリーが開催されます。
なんと、最終日の模様はニコニコ動画で配信決定!チケット発売中!
その裏側をやまだひさしがこれまたニコニコで配信!
お楽しみに!

と言うわけで、きりのいいとこまで。

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13日目




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葉隠「連れてきたぞー!って、俺ってすっかり霧切っちの小間使いだべ…」

十神「お前でも小間使いくらい知っているのか。まぁ、今はいいか」

葉隠「ひでぇ!心外だべ!」


◆脱衣所


大泉(葉隠に連れられてやって来たが、既に脱衣所には俺を除いた全員が揃っていた)

大泉(ひとつ目を引いたのは)


山田「うう……」しょぼーん


大泉「……なしたの」

葉隠「あぁあれ?山田っちがやらかしたんだと」

大泉「やらかした?」

霧切「……大泉さん!」

大泉「お待たせ…なんだい子猫ちゃん、かわいい顔が台無しじゃねぇかよぉ」

霧切「…実は、そうも言っていられなくて…」

大泉「ん?」

大泉(周りをよく見ると、なんだか穏やかじゃない雰囲気が漂ってるなぁ)

石丸「………ッ」ぎりっ

不二咲「あ、あの……」

舞園「山田君、石丸君…」

山田「………」しょぼぼーん

大泉「何が起きたんだい」

霧切「彼は…【過ちを犯した】んです」


RE:アクション!
→【過ちを犯した】


大泉「過ちって、おい」

苗木「その…昨日の夜、山田君が勝手にアルターエゴを使ったらしくて」

不二咲「アルターエゴのパターン収集、情報収集って意味では、いいんだけど…」かたかたかた

アル『ははっ、バーロー』

大和田「昨日とは別人じゃねぇか…」

大泉(それある意味同一人物……いやなんでもない)

十神「山田、お前も分かっていたはずだが?これが、どう言う事を招くか」

霧切「あなたの様子を見て、昨晩もしっかり警告したはずだったのだけれどね…」

山田「ですがですが、その…なんて言いますか、あるたんを見てますとね」

山田「下品ですがその…【勃起】してしまいましてね…ふふ」

大泉「ちょっとお前メメタァさせろ」拳ぎゅっ

朝日奈「………へ?」←どっちの意味も分かってない

セレス「………」ちらっ

セレス「はぁ、本当ですか?姿も形も見えませんが」

山田「えっ、そんな見えない?もしかして拙者女の子になっちゃったのかしら、…ってバカ!僕のは小さくない!」

桑田「ノリツッコミ下手すぎんだろ」

大泉「ちょっと待って、話を整理しようか…えーと、まず、あるたんってのは…?」

苗木「アルターエゴの事ですよ、ほら…昨日も言ってた」

大泉「ん?」


(山田「しかしかわいいですな、あるたん」)

(山田「こちらの不二咲千尋殿…アルターエゴですよ」)


大泉「………あー、あれか」

苗木「あのあと山田クンに捕まっちゃって大変でした…」

大泉「なに、苗木も1回行動だった?」

苗木「………?」

山田「とにかく、僕ぁあるたんに一目惚れしたのです」

大神「面妖な…」

朝日奈「山田が変になった…」

腐川「元から変だったわよ、こいつ」

不二咲「そんな事ない、と思うよう?」

大泉(さすがだ、ちーたん天使!かわいい!)

山田「僕は変じゃないっ」

セレス「山田君、目を覚ましなさい?相手はプログラム…この世界には存在しないのですよ」

山田「でもあるたんは……!そこにいるんでずぅぅぅぅ……!」ぶわぁ

山田「どんな子で抜いてもおんなじや、おんなじや思てぇぇぇぇ!」ぶわぁ

山田「あなたには分からんでしょうねぇ!!」

大神「すまぬがあやつの言っている言葉を、我にも分かりやすく砕いてはくれんか」

桑田「無☆理。オレもわかんねーよ」

葉隠「………あー、まあ愛に性別は関係ねぇってやつ、か?」

腐川「性別以前の問題だと思うけど…」

葉隠「いやな、俺の顧客にも、ダッチワイフと結婚した社長さんがいたから分かるべ」

苗木「何その実体験!?」

石丸「よく法律がそれを許したな!」

舞園「着眼点は合ってますけど、今気になるのはそっちじゃないですよ石丸君!?」

十神「籍を入れる事は出来ないだろうから、恐らく形だけだろうが」

苗木「そうだよね…。さすがに人形と籍を入れられたら大変だよ」

舞園「なんだかこちらのふたりもズレているような…?」

葉隠「いやー、挙式呼ばれた時はマジに気まずかったべ……」

大泉「アメリカかどっかでやったってニュースで聞いたけど、日本にもいたんだねェ」

葉隠「日本って怖いねェ」

大泉「俺、そのうちシゲがガンダムの人形と結婚するって言い出さねぇか心配だわ」


※Tips…戸次重幸とガンダム
戸次と言えばガンダム、ガンダムと言えば戸次。
芸能界でも有数のガンダム(ファーストのみ?)好きで知られる。ちなみにラピュタ好きでも知られる(関連:【ひとりラピュタ】)。
自らを【手稲が生んだ青い流星】と名乗る事があるが、これは彼が最も愛する【赤い彗星】こと【シャア・アズナブル】のオマージュ。
好きが高じてかつて【ハナタレナックス】ではシャアのコスプレをした事がある。相棒はララァ音尾。
【チビナックス】の第1シーズンでは【残念戦士 シゲンダム】なるパロが作られたり、コアファイターらしきものに乗っていた。
【西遊記外伝 モンキーパーマ】で戸次演じる【沙 悟浄】に付けられた肩パット?はザクをモチーフにしていると思われる。
以前【ザ・クイズショウ】と言うドラマで、業界有数のガンダム芸人・ラーメンズ【片桐 仁】と共演した時は
雑誌対談で必ずガンダムの話題が出た上、DVDボックスの特典映像に【超マニアックロボットアニメクイズ決戦!】が入っている。
片桐いわく「戸次君は、多分シャアの事に関しては僕よりも詳しい」。
なお戸次と片桐はのちに嵐の【櫻井 翔】と【横山 裕】主演でリメイクされた【ザ・クイズショウ】、
テレ東の【宇宙犬作戦】を経て、戸次脚本のオムニバス舞台【totsugi式(とつぎ・しき)】に片桐が客演をした。


江ノ島「なにその残念な話!」

大泉「しかたねぇよ、シゲなんだから」

桑田「そんな呑気に言ってる場合かよ?!」

石丸「…山田くん、僕は風紀委員として、この学園の風紀を守る義務がある。そんなもの認めないぞッ!」

大泉「…で、今どういう状況なのかね」

苗木「ええと、山田クンを霧切さんが叱ってるってところなんですけど、違うところで石丸クンも引っかかってて」

大泉「違うとこ?」

石丸「確かにその感情は愛に似ているかもしれない。けれど山田くんッ!相手は人間ではないんだ!」

山田「わかってますよ……」

石丸「子孫を残せない、そんな非ィ人道的な事を許すわけにはいかないな!」

大泉(確かにちょっとズレてる)

大和田「…気持ちは分かるけどよ、兄弟」

石丸「異性不純交際は僕も容認出来ないが、かと言ってこんなヴァーチャルな恋愛をするなんてもってのほかっっ!」

石丸「ならば山田くん、むしろこの学園の女性に心を許さないか!?無理ならばせめて僕でもいいぞ!」はっはっは

大泉「あー、なるほど…こう言う状態ね」

大泉(いや、石丸君はほんとに硬いねぇ)

葉隠(一回あいつ女作った方がいいんでねーか)

大泉(………あいつ、そのうちホモ扱いされそうだな、かわいそうに)



霧切「…なんだか石丸君と私の意見が…ズレてるわね」

江ノ島「つーか今更だけどさ」

霧切「…? 江ノ島さん、何か?」

江ノ島「そのあるたん、ってやつ?鍵とかかけてなかったの?」

大泉「」!

大和田「なるほどな…」

葉隠「アルターエゴの入ってるとこに鍵なぁ」

十神「…ギャルと言うから大した事は言えないと思ってたが」

腐川「意外にもまともな事を…」

桑田「最近のギャルってセキュリティしっかりしてんのな…」

江ノ島「あたし何だと思われてたわけ?」

大和田「つぅか、今までが喋んなさすぎなんだよ」

霧切「…ふぅ…アルターエゴに鍵?私がそんな事、するわけないじゃない」

江ノ島「え?なんで?だって、山田みたいに勝手に使うやつが---」

十神「分からんか?霧切でも他のやつでも、ロッカーに鍵をかけてみろ。鍵を持っているヤツは疑われる事になる」

十神「こいつは裏切り者で、情報を独り占めするつもりなのだ……とな」

朝日奈「あ、そっか。鍵かけるんなら、誰かがその鍵持ってないと意味ないもんね」

大神「だが、誰が鍵を持つかが重要だ。仮に持っていた者が内通者なら、その時点で我らの計画は終了となる」

大泉「かと言って俺なんかが鍵でも持ってみろ。金も情報も、アルターエゴも手に入る…残った生徒の誰も得しねぇだろ?」

セレス「生徒側も、わざわざ鍵を所有して自ら疑われる材料を作る必要はありませんものね」

苗木「本当はボクは誰の事も疑いたくないけど、でも…」

十神「甘いことを言っているヤツから死ぬ。そう、いつ死んだって、今はおかしくないんだ」

江ノ島「……だってこんなかに内通者、いるんでしょ…?だったら」

朝日奈「それは、そうかもしれないけど…でも!誰が裏切る?とか、モノクマの手先とか…」

大和田「あんまり疑いたくはねぇな、言われた方もいい気はしねぇだろうしよ」

不二咲「みんな、この中に内通者なんていない、って思いたいんだぁ。誰も殺さない…って」

苗木「そうだよ…お金が手に入るからって、そんな事のために人を殺すような人なんていないんだ!」

舞園「この状況、それこそがモノクマの思うつぼなんです。こうして互いに疑い合う事自体が罠なんですよ」

十神「そもそもあんな言い方をしておいて、内通者が本当に存在するのかすらも怪しいものだ…説明が曖昧すぎる」

江ノ島「…そう、だけど…」

十神「まぁ、お前の考えている事も分らなくはない。だが、気をつけろよ、江ノ島」

江ノ島「な、なにがさ」

十神「いままでほとんど話していないお前が内通者を疑ってかかる…と言う事実に、引っかかる人間もいると言う事だ」

セレス「ふふ、ふふふ…」

江ノ島「………っ」

葉隠「なるほど分からんべ」

大泉「はぁ…急にああ言い出して不自然だって十神は言いてえんだろ」

大神「江ノ島を疑うか、十神よ」

不二咲「え…?そうなのぉ?みんなを……」

十神「ある程度目星を付けるだけだ。確定なんて今は誰も出来んだろう」

石丸「目星か。しかし君がそう言う事によって、やはり疑われるだろう?」

十神「そうだな、だから最終的には信頼勝負になる。これは人狼ゲームじゃない、本当の殺し合いだ」

十神「さっきも言ったが、内通者がいない可能性も…かなり少ないが、あるんだしな」

十神「誰を信頼し、誰を疑うか。それは個人の自由だろう。俺が怪しければ疑えばいい」

十神「もっとも、それが出来るならの話だがな。俺は手は抜かない---このゲームは必ずクリアしてやる」

腐川「でも白夜様の事を疑ってる不届き者なんているのかしら…っ!」ぎりぎり

十神「黙れ」


大泉(なるほど。モノクマが内通者なんて敢えて言ったのは、疑心暗鬼を生むためだと)

大泉(そこに本物の内通者なんていない。あるのはただ互いを疑い合う、心理ゲームだけだ)

大泉(誰かが行動を起こせば、そこからなし崩し的に殺人ゲームは加速するだろう。それは内通者がいて初めて成立する)

大泉(実のところ本当は裏切り者なんていない、俺だってそう思いたいよ)

大泉(……だが十神君よ、その線はやっぱり薄いんでねぇか?悔しいけど、悲しいけど)


葉隠「ん?んん??内通者がいるけどいない?おい、これってどう言う意味だべ苗木っち?」

苗木「なんでボクに振るの…」

セレス「あら、説明して差し上げればいいじゃありませんの」

腐川「あんなバカのために使う時間なんてないわよ!」

不二咲「……うう、でもゆっくり何か考えるって大事だよぉ?」

大泉「なぁ、これで葉隠が内通者だったら、随分達者な演技だよな」

葉隠「それって褒めてる?けなしてる?」

舞園「どう贔屓目に見てもけなされてますよ、葉隠君」

十神「……まぁ、葉隠はないだろうな。俺が黒幕なら、こんな間違った人選はしない」

葉隠「ちょっ、ひど」

大泉「っっっw」

十神「仮に今の性格が演技だとしたら欺かれているのだろうが、それもないだろう」

セレス「キャラクターメイキングの時点で内通を疑われはしないでしょうが、同じくらい信頼もないでしょうし」

大泉「はっはっはっはっw」

葉隠「………なんも言い返せないべ」

腐川「あ、あんたはそのままその辺で黙ってなさい…!」


霧切(葉隠君を確定で白にしたいの?十神君…それとも?)


十神「……それと、舞園と大和田……内通者の事が知られるよりも前に行動を起こした人物」

十神「そしてそのふたりにそれぞれ接触された、桑田と不二咲」

不二咲「………うぅ」

舞園「…はい…」

十神「こいつらも内通はしてないだろうな。しているのなら、モノクマが個別に忠告に周り再度行動を起こして……」

霧切「それ以上の推論はよしておいた方がいいんじゃない、かしら?」


霧切(…十神君は、全員の反応を伺っている。この人、どうやらチームを率いると言ったのは本気みたいね)


十神「………そうだな」

大神「話を………戻そうか」

桑田「えーと、なんの話だっけ?」

舞園「山田君が勝手にアルターエゴを触ったと言う話です」

大泉「だったっけ。とりあえずあれだろ?山田がやらかした事実は変わらんのだから」

山田「うう…またそうやって僕を!」

大神「しかしお主が禁を破ったのも事実だろうに」

山田「だってん……」しゅーん

セレス「これを機として、どうせならルールを定めませんこと?」

苗木「…でも、夜時間の出歩き禁止だけで充分なんじゃないのかな、セレスさん」

セレス「いえ、昼の時間に触る事も可能です。ですから---」

霧切「………ここでルールを決める必要はないわ。ルールの裏をかく事を山田君に考えられても困るし」

セレス「そう、ですか?」

山田「いやいや拙者そんな事は致しませんって!」

石丸「だが君は、みんなの言葉を無碍にしたのだぞ。厳重に注意されるのは必然ではないか!」

山田「………はぃ」

江ノ島「やっぱ山田怪しいんじゃん…」

桑田「あー…いちいち言うなって!」

江ノ島「だってほんとに怪しいじゃん!」

大泉「疑わしきは罰せず。山田が完全に裏切り者とは決まってねぇだろ?」

江ノ島「それでも…!」

朝日奈「やめようよ、そんなの!」

不二咲「そうだよぉ!い、言い争うなんて…ダメだよぉ」

大和田「ちっ…内通者のやつはしめたとでも思ってやがるんだろうな」

石丸「僕達がこうして言い争う事で、輪を乱してしまう…それだけは、今は避けるべきだ」

大泉「それはそうだろうね、石丸君。正解」

霧切「………アルターエゴの事は私がなんとかしておくわ」

苗木「うん、申し訳ないけど…お願いするよ」

セレス「どうしますの?これで霧切さんが内通者だったら」

十神「疑う材料が少なすぎる。多弁は怪しいか?いや、多弁を切るくらいなら、俺は寡黙な人間を疑うな」

大泉「あー…あんだけ喋ってりゃボロが出てもおかしくねぇって事言いてえんだな?」

十神「……ふん…」

霧切「私は内通者じゃないわ」

セレス「内通者じゃない、なら誰にだって言えます」

石丸「よさないか、セレスくん!」

霧切「………」

セレス「………」

十神「………」

大泉(重苦しい沈黙が、数秒続いた)

霧切「………誰を信頼し、誰を疑うかは個人に任せる、とさっき十神君も言ったばかりよ」

苗木「…霧切さん」

霧切「取り急ぎ不二咲君、後でアルターエゴについて話があるわ。いいかしら」

不二咲「うん、いいよぉ」

セレス「………」

山田「その、ほんますまんかった」

朝日奈「次はないからね?山田!」

山田「うう、はい…」しょぼん

十神「今回限りは見逃してやろう。大泉も言う通り、疑わしきは罰せずだ。だが」

十神「次があった時。その時は…覚悟してもらうぞ、山田」

十神「俺達は団体だ。それも、生殺を意味の分からんものに握られている状態で、殺し合いを要求されるチームだ」

江ノ島「チーム、ね。どうだか」

苗木「そうだよ、ボク達は仲間なんだ。アルターエゴも含めて、ね」

不二咲「アルターエゴも…入れてもらえるの?」

苗木「もちろんだよ」

葉隠「……んー……」

大神「とにかくはそう言うわけだ。山田よ、恩赦を受けた事、忘れるでないぞ」

大神「因果応報だ」




大泉(しかし皮肉なもんだ)

大泉(…内通者がいる。その事実は)

大泉(どうやら一番、目覚めさせたらまずいやつを目覚めさせちまったみたいで…)

大神(だってほら、彼はいつになくやる気満々だぜ?)

ーーーーーーーーーーーーーーー







自由時間







ーーーーーーーーーーーーーーー

大泉(さて、自由時間が出来てしまった)

大泉(つっても探索は終わってるし、またしてもやる事が全くねぇ。残念な話だよなぁ)

大泉(そんなわけなので、俺はあいつを探していた。フォローしとかねぇとな。あとは、単純に話したかったんだわ)







◆美術室


がららっ


大泉「やっぱここだったか、山田」

山田「………大泉洋殿」

大泉「そうしょげんなって。やっちまったもんはしかたねーべ?」

山田「………」

大泉「なーによ。なんか言いたい事あんのか?」

山田「………」

大泉「言ってごらん?僕でよきゃあ聞くぜ」

山田「………僕は」

大泉「……おう、言いなよ…」

山田「僕は…間違っているんでしょうか」

大泉「……なにが?」

山田「僕、昔からこう、ダメなんです…色々。体型も、典型的なデブって言うかその、すぐ太っちゃって」

山田「運動はずっと苦手だったから…外にもあんまり出なかったし、誘ってくれる友達もそういたわけじゃなくって…」

山田「…昔からアニメとか漫画が好きで、自分の時間を全部削ってでもずっと見てました。でもデブでオタクって…」

山田「………正直、そんなにいいイメージではない、でしょ?」

大泉「まぁまぁ、そう言うなよ山田」

山田「正直に言うと、ですよ?」

大泉「……いや、まぁそうかもしれんけども」

山田「僕、そのイメージをなんとかよくしようって、元々性格は明るい方ですし…明るいオタクとして振る舞ってるわけです」

山田「でも、みんながみんな僕みたいなのを受け入れるわけじゃない」

大泉「………おう、それで?」

山田「………」

大泉「………」

山田「………僕」

大泉「………うん」

山田「初めてだったんです、僕。自分の話を、あんな風に聞いてもらったのは」

大泉「………」

山田「僕の話をまともに受け止めてくれる人って、なかなかいなくって」

山田「…今でさえ、日本はオタク文化にかなり寛容になりましたけど、やっぱり陰日向に隠れるべき存在」

山田「いい歳こいた大人がアニメなんて見て恥ずかしくないの?って言われる現実はまだ改善されてません」

山田「だから、その…僕の話って、やっぱマニアックすぎると言うか、聞いてくれる人…いなくて」

山田「気持ち分かってくれる人も、分かろうとする人も、いなくて」

大泉「………」


大泉(言いたい事は分かるけど、分かるけど)

大泉(それは違う、とまでは言えないが、それでもやっぱり違和感はあった。だが、どう言えば伝わるだろう)

大泉(俺はなんて言えばいいか、言葉をしばらく探していた)


山田「僕の話なんて、お母さんくらいしかまともに取り合ってくれた事ありませんでした」

山田「マザコンなのかもしれません。でも、僕の一番の話し相手はいつもお母さんでしたよ…楽しそうに話を聞いてくれるんです」

山田「…クラスメイトも、先生も、先輩も、今まで知り合った人はみんな---だいたいの割合で、僕を避けてましたから」

大泉「それでも山田、お前は…超高校級だろ」

山田「実績を伴って、ようやくサブカルにあまり興味がない人にも知ってもらえました。でもそれで全部がよくなるわけじゃない」

大泉「………」

山田「だからこそ、あるたんは僕に光をくれたんです」

大泉「………」



大泉(能力があるから報われるわけじゃない。実力があるから認められるわけじゃない)

大泉(山田は同人作家、いわばセミプロだ。プロ精神を持てと言われたり、商業感覚がないと言われる辛いポジション)

大泉(学生なのに学生感覚を捨てろ、とか言われてるんでねーだろうか。それだけ、山田は優れていると言う事だけど)

大泉(この年齢でそれだけの才能があるってのは、本当に希望たり得る存在だと俺は思うぜ。本気でね)

大泉(けれど…山田が優れていたからと言って、興味がないならまだしも、アニメジャンル自体に嫌悪を抱く人からすればなんの足しにもならない)

大泉(板挟み、か)

大泉(現実を突きつけてやるのがいいのか、それともこのままおだててやればいいのか)

大泉(行っても戻ってもどちらでも山田は辛いだろう。現実には居場所がなくて、でも空想には縋りつけなくて)




大泉(…きっと山田だって、んな事ぁ分かってるんだ)



山田「だから、だからこそ、例え作り物でも…そこにいなくても、僕の目の前にはいたんです…天使が…」

大泉「………分かるよ」

山田「でしたら!」

大泉「でもさ山田」

山田「………はい」

大泉「おめぇが生きてるのは、ここなんだ」

山田「………」

大泉「おめぇはここにいるし、ここで生きてるんだよ」

大泉「なぁ、いくら辛くてもおめぇがいるのはここなんだ。この日常なんだよ。誰かがいないと生きてけねぇ場所なんだ」

大泉「ある日突然核爆発に包まれたりもしないし、二足歩行のモビルスーツも現れない」

大泉「頭を叩かれても過去が見えたりはしないし…願いの叶う変な扉も見つからないし、魔女裁判もやらない、過去に戻れる薬もない」

大泉「火の鳥もいない、死んでもゾンビにはならない、救世主はいない」

大泉「希望だけじゃない、でも絶望だけでもない」

大泉「それが俺達の生きてる場所なんだ」

山田「………」

大泉「おめぇも分かってんだろ?山田。アレに縋っても、それはおめぇが辛いだけなんだ」

山田「それでも、それでも僕は」

大泉「………山田」

山田「あなたには、分からんでしょうね」

大泉「え…?」

山田「…小学生の頃からひょうきん者で知られ、「ショーを開く」と言う夢を叶えたあなたには」


※Tips…【大泉洋ワンマンショー】
かねてより大泉の夢だった事。
彼が幼い頃、必ず学校のクラスの出し物に名前が挙がっていたと言う(多分、彼特有のホラです)。
ついぞ叶う事のなかったそのワンマンショーは、【TEAM NACS】の15周年記念として企画された
【FIVE DIMENSIONS(ファイブ・ディメンションズ)】、通称【5D】の一環として2011年に開催された。
先の【totsugi式】もこの【5D】の企画のひとつ。ソフト化はされておらず、わずかにダイジェストの映像が残るだけである。


山田「あなたは夢を叶えられる能力があって、夢を叶えられる才能があって」

山田「周りに認められるだけの、実力があるじゃないですか」

山田「あなたは周りに愛されてる」


※Tips…【大泉洋の好感度】
2012年に放送された、ロンドンブーツ1号2号田村淳司会の【クイズ☆タレント名鑑】のコーナー、【禁断の芸能人ガチランキング】。
その中の【本当に好きな芸能人】のランキングで、大泉洋はなんと7位に入っている。
世代別に見ると10代・30代で5位であり、これだけでも大泉洋の知名度・好感度がいかに高いかが分かる。
【クイズ☆タレント名鑑】は特に、その手の企画ではヤラセ一切なしの妥協しない姿勢だったため、信用してもいいのではないだろうか。
…ちなみにこのTipsを書きながら検索したら、2013年2月の【日本人が選ぶ好感度が高い芸能人】男性部門でも7位だった。すげー。
8位がビートたけし、6位が桑田佳祐と言うところから、この凄さをお察しください。

大泉「……俺だってこうなるとは思ってなかったさ」

大泉「誰が好んでテレビカメラの前でゲロ吐くんだよ」


※Tips
【サイコロ3】より。


大泉「誰がやりたくてカブでウイリーすんだよ」


※Tips
こちらは【東日本縦断ラリー】。


山田「いや、それは…」

大泉「やりたくもねぇのにコットンレーヨンのブリーフ履いて新幹線歩かされて、だ」


※Tips
これも【サイコロ3】の事件。


大泉「釣ったそばから生のわかさぎ食ってよぉ」


※Tips
【釣りバカ対決!わかさぎ釣り2】より。「音尾、食え!」


大泉「拉致監禁は当たり前だし」


※Tips
【十勝二十番勝負】や【クイズ!試験に出るどうでしょう】など。頻発していた。
なお【拉致】【監禁】が該当する・もしくは言葉として大泉らが発した企画は、再放送を見送られる事が多い。


大泉「ようやく僕の役者らしいところを流してくれるって言うから期待したのに、やる度やる度視聴率下げやがって」

大泉「素人でもホラーは作れるんだ!とか浮かれてる場合かってんだよなァ」


※Tips
音尾・森崎、そして大泉がメインキャストとして出演した、ドラマ【四国R-14】の事。
あまりに怖すぎて、放送回数を重ねる度に視聴率が下がったのは事実らしい。
脚本はカメラ担当Dの嬉野。四国ロケで実際に起きた怪奇現象をテーマにしており、大泉はドラマでも地方タレント役である。
この作品で、どうでしょうバカの中で音尾さんの俳優としての才能が知られるようになった。
再放送を見送られる事が多いが、これがのちの【水曜天幕団】へと繋がるため、割と重要。


山田「…なら、それなら」

山田「僕も…あなたみたいに振る舞えば何か変わるのですか、大泉洋殿」

山田「僕だってあなたのように才能があれば、もっと愛されれば…なのに」

山田「僕とあなたで…なにが違うんです?」

大泉(…山田…普段言わねーだけで割と悩んでたタイプだったりすんのか?)

山田「………」

大泉(普段は明るいやつほど裏が暗いって言うよねぇ。いや、俺は違うよ?って誰に言ってんだこれ)

山田「………」

大泉(………裏も表も暗いのは腐川と安田で充分間に合ってるっての)







山田「と言う話はどうですか?」

大泉「」



まっしろ



大泉「え? ………は?」

山田「いやはや!実は新しい同人誌のストーリーを考えていたところでしてね!」

山田「こんな風に、普段は明るいキャラが突然シリアスになっちゃうってのを取り入れて行こうと思うのですよ」ぼはははは

山田「性の向こう側を描くためには、やはりストーリーそのものに説得力がないと行けませんからな…!」

大泉(え?え?え?)

山田「なるほど!劣等感を抱く主人公はこんな心境になるんですな…勉強になりますよ」むふむふ

大泉「………は」

山田「あれ?まさか今まで僕がガチでへこんでると思ってました?」

大泉「………思ってたし今も思ってるし………」

山田「いやいや僕があの程度でへこたれるわけありませんやん?」

山田「むしろいっぱい言って欲しいやん?素敵やん?」

大泉「………」

山田「…ま、ちょっとは本気ですけど」

大泉「ちょっとは本気なのかい。いやまぁ、いいけどね」

山田「でも凹んでるだけではなにも変わらない、そうでしょう?」

山田「だからこそあなたは、今までと変わらずみんなに接触しているんですよね」

大泉「…朝日奈と言い山田と言い、どいつもこいつも…」がしがし

山田「朝日奈葵殿が?」

大泉「…なんでもないよ。ちょっと心を読まれただけさ」

山田「まぁいいじゃありませんか、彼女らしいですし。あ、そうだ(唐突)大泉洋殿をモチーフにした漫画描いていいかな?」

大泉「………いいとも?」

山田「一旦CMでーす」

大泉「お前ってさぁ…いや、なんでもねぇわもう」



大泉(…あれ、多分全部マジだったんだろうな)

大泉(山田がすげぇのは、相手への感触を掴むのが早い事だと俺は思う)

大泉(現に、俺は今…山田に少し気を使われたわけで)

大泉(別にそんなのいいのにな)

大泉(そのまましばらく、山田が明らかにエロい絵を描くのを眺めて楽しんだ。おい、俺モチーフにする話はどこ行った)

大泉(……まぁいいや…あとで何枚か部屋に置いておいてもらえねぇか頼んでみよう。モノクマにも賄賂しときゃ大丈夫、大丈夫)

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食堂




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大泉(………あのあと山田と別れた)

大泉(原因は見解の相違ってとこだな)

大泉(僕ぁね、やはりおっぱいの美しさをもっと追究して欲しいんだよォ。分かるかい?)

大泉(キレイなら、エロけりゃオッケーってわけじゃあないの。分かる?)

大泉(なんて事を考えながら食堂に入った。腹減ったと思いながら顔を上げると、目の前にいたのは)


苗木「………あれ?大泉さん?」

大泉「おや、苗木君かい?」


大泉(なんと、僕達の主人公じゃあないか)

大泉(あぁ、主人公っつーのはあれだよ、一種のメタファーっつーかなんつーか……)

大泉(それでも、きっとこれがゲームなら、苗木君は主人公なんだろうねぇ)


大泉「なしたの、こんなところで?」

苗木「少し休憩してたんですよ。学園内をあちこち移動したので」

大泉「ぁあ、それでね」

苗木「あはは、いろんな人と話したいなと思ったらこうなっちゃうんです」

大泉「……おめぇは内通者じゃない、俺のカンがそう言ってる」

苗木「あ、ええと、ありがとうございます…?」

大泉「なぁ、折角だからどうだい?一緒に。これからちょっと飯でも食おうと思ってたんだわ」

苗木「あぁ…いいですね、お昼ご飯。ちょうどお昼の時間ですし、ぜひご一緒させてください」

大泉「なにを食べようか、苗木君?君、何が好き?」

苗木「ハンバーグです」

大泉「…奇遇だね、僕もだよ」



※Tips…【ハンバーグ】
大泉が壊れた事でおなじみの【ヨーロッパリベンジ】より。
一行は旅のさなか、フィンランド・ロヴァニエミのサンタクロース村でサンタクロースと出会う。
その時に何が欲しいか聞かれ、大泉はいの一番に「ハンバーグ!」と回答。日本語も話せるサンタに「はぁ?」と言われる始末。
しかしその直後、ミスターこと鈴井が「ミートゥ!」と答え、最終的に藤村からお叱りを受けた。


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?????






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こつ…こつ…こつ…こつ…


大神「………」ぴた



大神「………いい加減に姿を現せ、その者」

大神「なぜ我の後を着ける?話したければ前に出てこい」


こつこつこつ…


大神「そうか、お主だったか」

大神「………」

大神「…お主には我から直接、伝えねばならんだろうな。」

大神「その……下手な芝居はやめろ」

大神「………」

大神「お主のそんな、見え透いた嘘で我を欺けると思ったか?」

大神「否、他の者にも分かっているだろうな。お主は本当は何者なのだ」


大神「それとも言えないのか?」



大神「---江ノ島」


江ノ島「………!」


大神「十神の言、あながち外れてもいないのか」

江ノ島「なによ、あんただって…!」

大神「それ以上言うなら」

江ノ島「………」

大神「…死を覚悟せよ、江ノ島よ」

江ノ島「………」

大神「………」

大神「………冗談だ」

江ノ島「嘘つけ……」

今日ここまで。一番長い事書いてたのがシゲとガンダムの説明だった。

>>784で言ってる大泉さんの語るものの終盤はナックスの舞台ネタです。敢えて分かる人だけ分かればいい的な書き方。
今更だけど、大泉さんが違う!ってファンから言われそうでビビってます。
お疲れさまです。

もはようございもす(モリ語強め)。
起きて見直したら大泉さんのセリフが足りてなかった。修正!
普段も投下時は加筆・修正しながらやってるんですけど、投下直前に加筆したとこが間違ってるとか…すまん!大泉!(戸次感)


>>777

大泉「かと言って俺なんかが鍵でも持ってみろ。金も情報も、アルターエゴも手に入る…残った生徒の誰も得しねぇだろ?」



大泉「かと言って俺なんかが鍵でも持ってみろ。誰かに殺される危険も高まるべや。やだよ?俺死にたくねーよ?」

大泉「…俺を殺すだけで金も情報も、アルターエゴも手に入る…残った生徒の誰も得しねぇだろ」

大泉(かと言って他のやつに渡しても疑心暗鬼が加速するだけだ。賞金なんてかけられてなきゃ、腹括って鍵預かるのに…)


今更だけど読み返したらセレスとのポーカー大泉洋ストレートフラッシュできてるよね
これセレスさん負けちゃってるよね

ダベミ先生、大泉さんのストレートフラッシュについて説明願います!私、気になります!

(ナレーション:藤村忠寿)
ではここで、1さんの犯した重大なミスについて説明しよう。

>>809
シンプルに言うと>>736で出てくる
大泉(スペードのJ?)
がミス。初稿では、大泉さんは勝つ予定だったのを直し忘れたものである。あそこは

大泉(言いながらカードをめくる………J、か。そして---)

とマークをぼかして、ショウダウンに入る予定だったのだ。

だが1さんは思った。
(>>798-802の方がバカな大泉さんぽくていいんじゃないか?)
(よし、それを戴こう)


と言うわけなので、>>798-802の理由って事にしといてください。大泉さんはァ、地図の読めないバカなのでェ!

……そうか、なんかおかしいと思ったら「マークがバラバラ」がそもそもおかしかったのか……一緒に訂正すればよかった……。
マジのミス。これはマジにミス。
すまん、大泉。

と言うわけで訂正。


>>736
大泉(言いながら、さらにカードをめくる。スペードのJ?やっぱ固まったか?~)
(こっちは間違い)



大泉(言いながらさらにカードをめくる。……ジャック?なんつうか、こう…どう足掻いても、これでコミュニティ・カードは5枚揃った)
(こっちにする)


>>737
大泉「でもマークがバラバラだろぅ?最後はしっかり決めたかったね」
(こっちは間違い)



大泉「でもマークが全部は揃わなかったろ?最後はしっかり決めたかったね」
(こっちにする)



この度はご迷惑をおかけして申し訳ありませんでしたッ!謹んでお詫び申し上げますッ!
代わりと言っては何ですがッ!
このonちゃんをッ!思う存分殴ってくださいッ!!

Σ(o▽n)

>>1君、どっちかだ。読者さんごめんなさいか、>>1がバカか」

「…w」

「どっちか言いなさいよ」

「ぁあ?何がよ」

「君がね、アホみたいなミスをするから大泉洋を池沼扱いさせちゃうんだろ?リスペクトどこ行ったんだよおい」

「だからあれは推敲ミスじゃないかよぉ」

「そしておめぇはまた推敲ほとんどせずに!投下しようとしてるな?また間違えてたらどうすんだ今度は!」

「…くっくっくっくっw」

「言えよ>>1君。読者さんごめんなさい!か!>>1がバカだ!か!」


「藤村がバカだ」


「なんだとこのぉ!」

ーーーーーーーーーーーーーーー




13日目昼
食堂




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大泉「ごめんね苗木君。ハンバーグは無かったよ…代わりに」


ことんっ


苗木「……からあげ、ですか?」

大泉「ザンギだよ」


※Tips
北海道では、鳥の唐揚げをザンギと呼びます。
本来、醤油とニンニクで下味を付けてから揚げたもの(鳥肉に限らず)をそう呼んでいました。
近年は「ザンギと唐揚げの定義が曖昧なため、同一のものとする見方が強まっている」
と言う見解を、北海道ザンギ連盟(道ザン連)は示しています。
(イッチは昔、ツイッターで道ザン連のアカウントから直接↑の事を言われた事がある。なまらびびった)


大泉「食べた事あるかい?北海道じゃ定番だぜ」

苗木「唐揚げはあるけど、ザンギはないですよ…いただきm大泉「うまいっ!」


※Tips
大泉さんの食レポを見ると分かりますが、味への感想がなーまーらー早いです。
(食べてから「うまいっ!」を言うまでがシームレス。彼は豚一家、量も質も大事にするタイプ)
ちなみに大泉さんの特徴として、食べる前にえらい勢いで匂いをたくさん嗅ぎます。
料理にわりと近い位置まで鼻を近づけて、目一倍嗅いでます。ちょっとかわいい。


苗木「………え!?」

大泉「あ、ごめん食っちゃった。どうぞ、召し上がれ」もぐもぐ

苗木「………もしかしてシェフ大泉が作っ」

大泉「いや、調理台に置いてあった。誰が作ったんだかしんねぇけど、達筆な文字と一緒にな」

苗木「達筆?」

大泉「随分とうめー字で、『作りすぎたから食べてください』ってな」

苗木(よかった………誰かは知らないけど、作ったのが大泉さんじゃなきゃいいや)ほっ

大泉「おい胸を撫で下ろすな、おみまいするぞ」

苗木「イタダキマス」

大泉「………」

ぱく

苗木「…! 美味しい!」もぐもぐ

大泉「醤油ベースなんだよ、ザンギは」もぐっ

苗木「唐揚げとちょっと味が違うんですね」もぐもぐ

大泉「っても最近はほぼおんなじもんみたいだけどねぇ」もぐもぐ

苗木「へぇ……知らなかったです」

大泉「揚げてりゃ大体ザンギだよ。北海道じゃジンギスカンザンギなんつーのが、たまに居酒屋にあったりすんだよ」

苗木「ジンギスカンの?!」


※Tips
わりかし定番です。定食屋で出たり、居酒屋にあったり。
略すと【ジンザン】。
と言うか、鳥肉じゃない揚げ物にザンギとつける傾向があります。
(タコザンギ、ジンギスカンザンギがいい例ですね)


大泉「あぁ、それは多少下味付けてから揚げてるのが多いから美味いよ、苗木君」

苗木「ジンギスカン…ボク、ジンギスカン食べた事ないかも…」

大泉「なんだとぅ?そりゃおめぇ人生を損してるってもんだ」

苗木「大袈裟ですね」ふふふ

大泉「ジンギスカン、食わしてやるよ。こっから出たら。美味い店知ってんだ」

苗木「ほんとですか?」

大泉「僕が嘘つくと思ってるのかい?北海道が生んだ大スターだよ?」

苗木「……でも、『大泉さんはたまに分かりにくい嘘を付くから気をつけなさいね』って」

大泉「子猫ちゃんだな、そんな事言うのは」

苗木「あはは、霧切さんは大泉さんを知り過ぎてますね…」

大泉「嬉しいけどねェ。僕の事を全部知っててくれてんじゃねぇのか、あの子もしかして」

苗木「…大泉さん。ボク、大泉さんが嘘を言ってるところって、見た事ないです」

大泉「分からんよ、苗木君。子猫ちゃんが言うんだから、僕が今まで言った言葉の中に嘘があるかもしれないじゃあないか」

苗木「北海道の大スターが?」

大泉「なんで真っ先にそこを疑うのかね、苗木少年よ」

苗木「誇張表現も嘘に入るのかと思いまして…」ひょい

大泉「失礼な!僕ぁ間違いなく北海道の大スターさ!」

苗木「自分で大スターって言っちゃったらまずいんじゃ…」

大泉「いいんだっての、道民のみなさんはもうご存知!なわけだしな」

大泉「タカトシだって恐れおののく大スターだよ?僕ぁ」

苗木(自分で言うのが似合うのがなんかすごく残念だなぁ…)


※Tips…【タカトシ】
タカアンドトシ。ボケのタカとツッコミのトシからなる、よしもとクリエイティブエージェンシー所属のお笑いコンビ。
(特にタカのハートがガラスであり、一人だと不安になるのか)ピン仕事をほとんど受けない事が特徴である。
かつてふたりは、とある番組で「なぜ地元である北海道で芽が出なかったのか?」と聞かれ
「北海道には大泉洋と言う化け物がいて、僕達では全く敵わなかった」と言う旨の発言をしている。
その後【お試しかっ!】などで共演、実はタカトシは後輩だった事が判明した。ラムしゃぶマン!

大泉「しかしあれねぇ、ザンギ美味いねぇ」もぐもぐ

苗木(ボクが賛同しないから無理やり話を戻した!)

大泉「飯はあるんだし…ここにビールでもありゃいいんだけどなァ」

苗木「……泡盛があるんじゃなかったんですか?」

大泉「泡盛にザンギは合わねぇんじゃねぇかなぁ?」もぐ

苗木「食べ合わせの問題!?」

大泉「それに、あれなら没収されたよ」しょぼん

大泉(…石丸にな。やっぱ水の代わりに飲ませたのが悪かったな。あれさえやってなきゃ今頃は…)

苗木「え?そうだったんですか…」

苗木(くそっ、きっとモノクマだ!泡盛用意したのはモノクマなのにひどいぞ…!)

大泉「はぁ…」ひょいぱく

苗木「………」もぐもぐ

大泉「………」もぐもぐ


大泉(それから、数秒沈黙した。お互い何か、話題を探して見たんだけど)

大泉(なかなか、話し出せなくて)

大泉(そして、耐えかねて彼が先に口を開く。もうザンギは飲み込んでしまっていたようで)


苗木「………大泉さん」

大泉「ん?」もぐもぐ

苗木「ボクは…」

大泉「………」もぐもぐ

苗木「ボクは…ずっとみんなを信じていたいんです」

大泉「…当然だと、思うよ」もぐもぐ

苗木「だからこの中に裏切り者がいるとか、考えたくなくって…」

大泉「まぁそう思うのは勝手だろうさ」もぐもぐ

苗木「……いる、んですかね?内通者」

大泉「いるだろうね」もぐもぐ

苗木「………」

大泉「モノクマは今回、不自然なくらい大きく動いて来たしな」もぐ

苗木「………え?」

大泉「だってそうだろ?勝算がねぇのに、わざわざ賞金額を倍増なんてしない」

大泉「…つまりだ」

苗木「金が理由で、人を殺す人間が…そんな」

大泉「だが、実際いるかもしれん……って事だ」ごくん

苗木「………そんな」

大泉「そしてそれが出来る、って事は、モノクマは俺達をよーく知ってるって事でもある」ひょい

苗木「その…いるかもしれない内通者が、モノクマへボク達の事を報告しているんでしょうか?」

大泉「いや」

苗木「……?」

大泉「それもあるけど…でも、それだけじゃねぇんじゃねぇか?」

苗木「それだけじゃ、ない…」

大泉「前回からなーんか引っかかってたんだよ……」あむ

苗木「なにが、ですか?」

大泉「ピンポイントすぎんだ。最初も、2回目も…反応する人間がごく限られてる情報を出してる」

苗木「…そう言われてみれば…」


大泉(最初は舞園、次が大和田…それぞれ、括りは大きいものの【動機提示】と言う、全員が関係する体裁を保ちながら)

大泉(かつ、そいつらの傷をえぐって来ている。ごく自然に、ごく狭い範囲で)


大泉「恐らく、今回の動機提示は」もぐ…

苗木「……お金で動きそうな人を知っていたからこそ、行われた……?」

大泉「動機提示よりもっと前から、目星つけてたって可能性が否めない。あいつのデータ網はすげぇみたいだし」

苗木「もっと前、ってボク達がここに閉じ込められるより前から…って事ですよね」

大泉「ああ。でもそうだとしたら証拠が足りねーんだよなー…っても、そうとしか思えんしなぁ…」くしゃくしゃ

大泉「勿論モノクマ自らが、生徒の観察をしてるから分かった、ってのもあると思うぜ?けどよ」

大泉「…今回は特殊だろ。私怨なんて今まで持ち込まなかったモノクマが、俺に難癖つけて来たしな」

大泉「理由をつけてわざわざ賞金を上げてなお、俺を消してもらわにゃ困るって自白してるようなもんだ」

苗木「………」ザンギひょい


大泉(…モノクマは俺達を随分詳しく知っている?学園長ってのもまんざら嘘じゃねぇのか?)

大泉(気になるねェ、モノクマの正体。一体どんなやつが糸引いてんのかねぇ)

大泉(それに、気になると言えば…あの夢…)


『どうか、生きてくれ』


大泉(なんでか分からんが、あれが単なる夢とは思えんのよなぁ…)

苗木「それじゃあ、なんでモノクマは内通者の存在をバラしちゃったんですか?」

大泉「それは簡単さ。疑心暗鬼に追い込みたいんだよ」

大泉「パニック映画の定番だろ、こいつが敵なんじゃないか?敵意があるんじゃないか?っつって」

大泉「仲間割れを起こしちまう。そう言う時こそ、団結せにゃいけねーんだけど…難しい話だしな」

苗木「疑われてるのに、相手を全面的に信じるって難しい、ですね」

大泉「……まぁね。縁もゆかりも無い、初対面の人間ならなおさらだ。一緒にいるったってたかだか2週間だべ」

苗木「たかだか、2週間」

大泉「君や子猫ちゃんはともかく、十神とか腐川さんと分かりあうにはまだまだ短ぇよ」

大泉「ガード硬いしなぁあのふたり。山田の言ってる事も分からんし、大神さんとも喋ってねーし…」

大泉「葉隠は…あれは一生かかっても無理かもしれんけど…」

苗木「………」もぐ

大泉「それにあれだよ?本当の僕もまだ見せてないし?僕が本気出しちゃったらあれだよ?僕の料理しか食べられなくなるよ?」

大泉「僕がねぇ、本気出しちゃったらもうそらぁねぇ」

苗木「そっか」

大泉「あ?」

苗木「そう……ですよね」

大泉「………」

苗木「………」もぐ

大泉「あー…うん」

苗木「………」


大泉(なんで黙んのよ、俺が悪いみてぇじゃねーかおい苗木)

大泉(なんか話題を、うーんなんか!なんか…!)


大泉「あ!あー、そうだ。不可解な事がもういっこあった!」

苗木「え?」

大泉「モノクマだよ。俺が邪魔んなってんなら、煽ってねぇで自分で手をくだせばいいだけの話じゃねぇ?」

苗木「それをせず、あえて殺し合いを煽っているって言うのは……理由がある?」

大泉「理由が何かは分からんけどな」ひょいぱく

苗木「その理由が分かったら、ボク達もモノクマに何か出来るでしょうか…?」

大泉「……んー、どうだろうねェ?」

苗木「でも、確かに分からない…一体どうして…」

大泉「んー?」もぐもぐ

苗木「監視カメラでボク達を見てるんだから、余計にボク達を殺しやすいはず。それをしないのは…」

大泉「十神の言った通りなのか、それとも…」


大泉(監視カメラか…んー……監視カメラ……ねぇ…)

大泉(モノクマは………何かを見ようとしてるのか?見ようと…俺達の殺し合いをか、なんのために?)

大泉(理由が分からない。原因が。映画の鉄板ったら、見ず知らずの男女が閉じ込められてるってとこがヒントになりそうなもんだが…)

大泉(なら、もっと年代はバラバラでいいんじゃねぇか?それとも学生に、的を絞る必要が…いや、ならなんで俺はここに?)

大泉(パニックもの…カメラ…密室…なんかもうちょっとで閃きそうだけど…んんんー…)


苗木「…あ」

大泉「ん?」

苗木「例えば、こんなの…どうですか?」

大泉「…お、なんか思いついたかい、苗木君ッ」

苗木「…例えば…」

大泉「例えば?」

苗木「…モノクマが、ルールを守っているとか?」

大泉「ルールって、あの校則を…かい?」

苗木「確か、校則には【誰にもバレないように殺人を行う事】が入っていたはず…」

苗木「でももし、生徒に不可能な殺人が起きてしまったら、それは出来る人物が限られてしまう」

大泉「…ほう?」

苗木「なんてね…ははは…」

大泉「いや、ルール守ってるったってねぇ…なんでまた…?あいつは自称学園長だよ?」

大泉「司会はルールを破っても怒られねぇってのは、バラエティじゃままあるもんさ」

苗木「いやこれバラエティの収録じゃないんですけど…」

大泉「そうだけども、モノクマの態度ってのはなーんかこう、そう言う感じしない?」

苗木「バラエティっぽい、と言えばバラエティっぽいんです」

大泉「だろ?あいつはこの状況を楽しんでいる。明らかにおかしなクマだ」

苗木「でも…ボクもなんか引っかかってるって言うか」

大泉「ん?」

苗木「むしろ…モノクマはルールを破るより…率先して守ろうとしてる気が、したんです」

苗木「その上でボク達が困るような新しいルールを作って、そこに抵触する生徒が出て来るのを待ってる…ような」

大泉「………なんで?」

苗木「ええっと……その、理由は…」

大泉「言いにくい?怒らないから言ってごらん?」

苗木「…言っても笑いませんか?」

大泉「笑わねぇよ、そんな悪趣味な事するわけないっしょや」

苗木「……な」

大泉「な?」

苗木「…何となく…」

大泉「え?」

苗木「何となく、そんな気がした…んです」

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ーーーーーーーーーーーーーーー

霧切「………ふぅ」

こつ…こつ…

霧切(時間は夜中…何かをしてもされても分からない頃合い)

霧切(恐らく、何かを企んでいる人がいるなら、今日辺りに何かを仕掛けてくるはず)

霧切(そもそも…夜時間の出歩きは禁止、なんて言っているけれど)

こつ…こつ…

霧切(…知っているわ。言い出した本人がそれを守る気はさらさらない)

霧切(それに………アルターエゴ。彼女はあれに強い興味を示している。ないとは思いたいけど)

霧切(もし、もしも、セレスさんが何かを夜に企んだら……いえ、もしかしたら山田君が先に何かする可能性もある)

霧切(それに江ノ島さん……大浴場の一件以来様子がおかしい。何があったのか分からないけど)

こつ…こつ…

霧切「誰も疑いたくはない…」

霧切(それでも信じるために疑う。それは私達の生存のための疑心なの)

霧切(何も無かったらごめんなさい、でいいのよ。取り越し苦労になるだけなんだから)

霧切(問題は、実際起きてしまったらどうしようもない、と言う事)

………こつ

霧切「………」

霧切(…大丈夫、まだ、なにも起きていない)

霧切(まだ―――)

こつっ



「おっと、すまない」




霧切「」!

石丸「………ああ、霧切くんか」

霧切「い、しまる、くん…?」

石丸「まだ寝ていなかったのかね?肌の代謝に悪い、寝た方がいいと思うが」

霧切(想定外だった。彼は絶対にルールから外れた事をしないと思っていた、のに)

霧切「余計なお世話よ。それに肌の手入れくらい、やってるわ」

石丸「それは何よりだ」

霧切「………で?どうしたのかしら、こんな夜中に?」

石丸「ああ、その事なんだが…」

霧切「風紀委員とあろうものが夜の徘徊なんて笑い事じゃないわ。早く部屋に帰って寝る事を勧め」


石丸「【大浴場】に行くところなのだ」


霧切「…て……、え…?」

霧切(何を、言っているの、石丸君)

霧切(あなたは確か、勝手に【アレ】を使った山田君に、一番怒っていたはずなのに)

霧切(石丸君…あなたの考えている事が、わからない)

霧切(…何かをしようとしている?何を?)

霧切(彼が殺人を?ならなぜこんな時間に出歩き、しかも大浴場へ?)

霧切(わからない、分からないわ)


霧切「あなたにしては…おかしな事を言うのね、石丸君」

石丸「ああ…僕も少しずつ変わって行けている、と言う事なのだろうか?」

霧切「そんなの分からないわよ」

石丸「ふぅ…立ち話も何だ。それに、見たいものもあるのでね。さっさと行かないか?」

霧切「…【大浴場】で見たいものなんて、ひとつしかないんじゃないの?」

石丸「君なら見せてくれると信じているのだが」

霧切「………」

石丸「霧切くん」


霧切(………目的は何?彼の中になにが起きたの?)

霧切(いや、これじゃ…これだけじゃ分からない…)


くるっ


霧切(疑うより騙されるのを選ぶのは、苗木君。なら)


石丸「霧切くん?もしかして」

霧切「………下世話な学園長が来たら面倒よ。さっさと行きましょう」


霧切(私は可能な限り疑う。全ての可能性を、あらゆる生徒を、この世界を)


石丸「………そうだな」



霧切(例えあなたに、どんな思惑があったとしても)

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その頃

体育館




ーーーーーーーーーーーーーーー



江ノ島「………」

きょろきょろ

江ノ島「………モノクマ」

江ノ島「なんであんな事言ったの?」

江ノ島「………」

江ノ島「………私、分かんないよ、モノクマが考えてる事」

江ノ島「………」

江ノ島「………」

江ノ島「私は、モノクマのために…」

江ノ島「………でも、モノクマは絶望のために」

江ノ島「………」

江ノ島「………」

江ノ島「………」

江ノ島「………あと2日。それで誰も動き出さなかったら、私が」

江ノ島「大泉洋を始末する。」

江ノ島「…モノクマ、それでいいんでしょ?」

江ノ島「………」



ーーーーーーーーーーーーーーー



その頃

部屋




ーーーーーーーーーーーーーーー


葉隠「ん?んん?」

葉隠「………」じーっ

葉隠「………イマイチ不安定だな」

葉隠「未来が変わってんのか?いやいや、そんな事」

葉隠「………」

葉隠「………無いとも、言い切れねーな………」

葉隠「………うーん」

葉隠「何度も何度も変わってる…なんなんだこれ…?」

ーーーーーーーーーーーーーーー




??????




ーーーーーーーーーーーーーーー


「くっくくく、うぷぷぷぴひひひひ」

「………はぁー………笑った笑った」

「ひとりごと乙って感じ?」

「さっすが残念に定評あるわー、まじ残念だわー。これが文章じゃなかったらマジで残念だったわー」

「さてと、アピールでもしとくか」

「いえーい!希望の残党見てるー?」

「よーやく話動き出しそうで、ボク満足だよ」

「しかしながら私としては、このままでは盛り上がりに欠けると判断せざるを得ません」

「だからこそよォォー……やるんじゃねぇか……」

「いや、」

「やらせる………かな」

「うぷぷっ!そろそろ仕掛けた爆弾は爆発するよね!ね?」

「ボクはそれを黙って待つだけ…さぁ!」

「ショータイムだっ!」

「ファンサービスだっ!」

「殺し合いキターーーッ!!」

「…ん?なんか違うの混ざってる?」

ーーーーーーーーーーーーーーー






14日目朝



食堂






ーーーーーーーーーーーーーーー

がちゃ

不二咲「お、おはよぉ…」

大泉「いやぁ、ちーたんかわいい。いつも通りだな」

葉隠「いつも通り…なんか?いやいいけども」

大泉「不二咲君が可愛いのはいつも通りじゃねぇか?ん?文句あるのか?」

不二咲「?」

葉隠「いやあいつ男…」

大泉「るせぇな!てめぇの髪の毛フランベするぞ!」

葉隠「」


※Tips
フランベは大泉さんの必殺技です。


不二咲「あ、朝ごはん取ってくるねぇ…?」とてとて

葉隠「…いや、あれが女なら分かるけどよ」

大泉「確かにあれが女の子ならなぁ…うちの子もあんな風にならんかなぁ…」ぽわー

葉隠「………まぁいいけども」

大泉「いつも通りさ。平和だね」

葉隠「まぁ平和だな」



しゃきんしゃきんしゃきんっ



大泉「お?あれは…」


でっでっでっでっ♩てててててててて↑
でっでっでっでっ♩てててててててて↑
(シザーマンのテーマ)


十神「どこかに行けこの殺人鬼!俺に付きまとうな!」すたすた

翔「あらあらァァァんッ!白夜様ぁ、逃げないでよぉん?そんな表情もソ・ソ・る!」しゃきんっ

十神「気色悪いっ…!」

翔「どちらに行かれるの白夜様ァァ!」

十神「どこでもいいだろう!」

翔「あらぁ!ツンデレ?ヤンデレ?何デレ?たまんねぇな!」


わいわいがやがや
しゃきんしゃきんしゃきん!

………。



大泉「いつも通りだな」

葉隠「あれがぁ!?」

大泉「うん」スープずずーっ

葉隠「いや、まぁ、この学園で言えばそうかもしれんけど…」

大泉「いつも通りだろ?」

葉隠「平和ではねーぞ!…あの俺、ツッコミってよりボケだべ?慣れんことさせねぇでくれって…」

大泉「大丈夫大丈夫、藤尾よりマシだから」

葉隠「あの人も確かに大概だけど!」


※Tips…【藤尾のツッコミ】
オクラホマ藤尾はドの付く天然。それでも昔はツッコミをやっていた。メンバーによっては今でもツッコミに回る。
実は結成から長らくツッコミだったのだが、周りのイメージとポジションを統一するため、ボケになった。
なお未だにボケのセリフを間違える、小道具を袖に忘れる、ネタの入りを間違えるなどの失態も多数。
それでも今年で芸歴15年目であり、今では北海道の事務所混合ライブなどのMCをしていたりもする。
札幌よしもとの若手とオクラホマが並ぶと、芸歴が長い分、藤尾がとても頼もしく見えると言う不思議。


大泉「イチオシでメインMCが休暇中に代理MC張りやがってあの野郎…」

葉隠「いやでも、藤尾さんのツッコミは俺、そんなに嫌いじゃねーぞ?」


「うおおおおおおお!!」


大泉「あ?…朝からなしたべ。平和じゃねぇなぁ」

葉隠「これは…誰の声だ?」

大泉「分からないねぇ、一体誰g」

「とーびーらーをー」

大泉「………ん?」


石丸「ばーーーーんっ!!」ばんっ!!


大泉「」
葉隠「」


※Tips…【扉をばーんっ!】
NACS×人形劇×西遊記で話題となった【西遊記外伝 モンキーパーマ】より。各話で必ず【三蔵法師(CV森崎)】が登場と同時にする行動である。
天竺で経文を取ってきた三蔵一行。帰るために金斗雲に乗るはずだったのだが、その道すがらなんとエンスト。
止む無く、仏様が経営していると言う、天竺から徒歩5分の【喫茶ゴー・ダイゴー】で働いている……と言うのが基本設定。
悟空達3匹の妖怪は喫茶の店員として働かされており、それを取りまとめているのが三蔵法師で、必ず3匹の雑談の後に入ってくる。
老馬の【玉龍(ぎょくりゅう、CV安田)】も一応店員。なお、三蔵の精力を増す秘術でラジオパーソナリティとして働かされている模様。


石丸「おいいいい!!きみ達いいいい!!」

葉隠「」耳キーン

石丸「もっと熱くなれよ!」

葉隠「………あー、と?」

大泉「一体何が起きたのか俺に説明してくれ」

「………ええ、もちろん」

こつっ

大泉「子猫ちゃん?」

霧切「こうなったのは私の責任でもあるから」

石丸「いいや、きみは悪くなあぁあぁあい!」

大泉(うるせぇな石丸、輪をかけてうるせぇなぁおい…)

葉隠「んで?なんでまたあんな事に?」

霧切「その、石丸君は……昨日の夜中にアレを使いたいって懇願して来て」


大泉(子猫ちゃんは続けて、ピアノを弾くようなジェスチャーをする。って事は)


大泉「あー、アレな…って」

葉隠「石丸っちが?珍しいな。明日槍でも降るんじゃねーか?…つーかなんで?」

霧切「………あの時の映像が見たいって」

大泉「ああ、安田と音尾の…」


大泉(……ハッスルマッスル?マジか、めんどくせぇ…ん?でも石丸のあれは安田でも音尾でもねぇぞ)


葉隠「しかしルール、ルールとうるせぇ石丸っちが…?」

霧切「彼はアレに興味あって、けれどルールを破るわけにも行かなくて悩んで、その果てに」

霧切「……どうやら義兄弟である大和田君からの言葉を、ふと思い出したみたいで……」


(大和田「オメェももっと俗世を知った方がいいぜ?兄弟」)

大泉(………あー、ああ、>>665辺りで言ってた気がす…え?そんな細かいセリフ覚えてたの?律儀ねぇ)


霧切「その結果があれよ」

葉隠「随分端折ったな最後」

霧切「……ええ…」



霧切(まさか言えるわけないじゃない、アルターエゴがなんとか解析したデータが何かと思って見てみたら)

霧切(モンキーパーマ1期最終回でちらっと触れられた【三蔵の扉をばーん全集】が出てきたなんて…)


※Tips
放送ではほんとにちらっとしか流れませんでした。


霧切(石丸君ものめり込んで見るし!)くつくつ

霧切(嬉しいけど!嬉しいけど今欲しいのはそれじゃないのよ!!アルターエゴ!!)ぷくくくっ



大泉「笑い堪えてるねぇ子猫ちゃん」

石丸「人生一度だけの過ちっ!…そう思って霧切くんに懇願して!そうして僕は見た!」

石丸「あれが僕の知らなかった世界なのだな…!」はっはっは

石丸「またしても僕は賢くなったぞ!」

大泉「ああー…楽しそうで何よりだよ、石丸君…(頭いてぇ)」


がちゃ


苗木「おはよ…ってみんなどうしたの?」

石丸「苗木くんっ!僕は君にも感謝しなくてはなっ!」

大泉「………ほぇ?」

苗木「え?ああ…昨日あげた【リアクション全集】、楽しかった?」

石丸「もっっっっのすごく勉強になったぞっ!」

大泉「あの、なんの勉強をしたんだい石丸君…」

石丸「リアクション芸ですっ!僕は…僕はリアクション芸人を侮っていた!」

霧切「…と言うわけで石丸君が、風紀委員の肩書を返上するらしいわ」

石丸「しないぞ霧切くん?!」

苗木「石丸クン……そんな事になったらキミは超高校級の何なの!?」

石丸「だからしないぞ!?」

苗木「………そうか!【超高校級の剣道部員】だね!石丸クンは剣道部だって言ってたし!」

「正義完了!」

石丸「……ん?今何か聞こえ……ってちょっと待て苗木くん!僕は風紀委員だと言っただろう!」


どたばたきゃーきゃーわーわーきらきら




大泉「よく分からんねぇ、超高校級は」

葉隠「………あー、そうだ大泉っち?」

大泉「ん?ああいたのかい葉隠君」

葉隠「ひでぇ!折角開運アイテムをやろうと思ってたのによぉ!」

大泉「あ?開運だぁ?俺に?」

葉隠「ほら、前も言ったろ?オメーにゃあ生命の危機がだな」

大泉「オメーの3割は信じない事にするよ。ここで鵜呑みにしてもいい事なさそうだしな」

葉隠「公表してないところも含めたら4割近くまで行くっつうの!」

大泉「公表してないとこってなんだ?……オメーそんなやべぇ仕事して……」

葉隠「あー、それはともかく!オメーの運気が上がるように、俺特製の開運アイテムを何とタダで!持って来てやったんだぞ?」もそもそ

大泉「いらねぇっつうの。なんなら昼は、俺から大神さんに会いに行く気だったし」

葉隠「おいおいおい!ならなおさら!持ってけよこれを!」ごそごそ

大泉「………その前になんで俺はあだ名で藤尾はさん付なんだよ」

葉隠「んあ?藤尾さんはいい人だからなー…調子乗って呼び捨てにしても笑顔で対応する位の…」


※Tips
実話です。あの頃ははしゃいでる学生でごめんね、藤尾さん。


大泉「その位俺だってしとるわ!!」

葉隠「まぁ、あれだ…大泉っちはそれより一歩進んだこう、親しみがあるって感じの?」

大泉「……まぁ、納得いかねーけど許す…かもしれん、今渡してくるもん次第だな」

葉隠「マジかいな…んじゃオメー絶対に喜ぶぜ?」

大泉「おう、なにくれるんだい葉隠君?」

葉隠「はい」どさ

大泉「………」

大泉「………」

大泉「………!?」


フリーズ


葉隠「………なんだよ、どうした?」

大泉「なんですか、これ」

葉隠「おふだ」

大泉「…お札?」

葉隠「そうだべ。悪運を断ち切るお札だべ」きりっ

大泉「…え?こんなに?」

葉隠「まだあるぞ?」どさどさ

大泉「ひとつひとつ札束みたいになってんじゃねぇかよ!何束あんだよバカか!!」

葉隠「っせーなぁ、これを体につけときゃー開運間違いなし!」ばさばさ

大泉「いらねぇいらねぇこんなには!おい何服に突っ込んで……っ!」

葉隠「あー、と……ついでにこれもやる!」ぽい

大泉「…これは?」

葉隠「ふふふ、それはマジにすげーぞ…何とボール状のクリスタルだ!」

大泉「嘘つけてめぇこれスーパーボールじゃねーかよ!」ぐにぐに

葉隠「嘘じゃねって!」

大泉「こんなもんで何がしてーんだおめぇは!」

葉隠「あー……とにかくそれがオメーの運気を上げっから、いいな?持っとけよ?肌身離さず、な」

大泉「絶対に捨ててやるからな」

葉隠「はっはっはっ」すたすた

大泉「おいっ、葉隠ちょっと待っ、こんなに札いらねって……」



すたすたすたかちゃばたんっ



大泉「……渡すだけ渡したらすぐいなくなりやがるし」

大泉「なんなんだあいつは…」

石丸「廊下は走ったら怪我をするだろう!走ってはいかんっ!」

霧切「よかった、ようやく石丸君が自分を取り戻してくれたわ」

大泉「ひっでぇ言われ方してんな石丸」

石丸「そんな事はありませんよ―――ところでそれはなんですか、大泉さん?」

大泉「あぁ、今葉隠がくれたんだよ。なんか運気が上がるお札とかって言ってな…」

苗木「葉隠クンってなんて言うか、何考えてるのか分かんないよね」

大泉「分かるやつなんざいねぇんじゃねぇか?……っつーかよ、これ」

苗木「どうかしましたか?」

大泉「………字、うまいな」

ーーーーーーーーーーーーーーー













ーーーーーーーーーーーーーーー

◆体育館


大神「………」

大泉「………」

大神「………」

大泉「………」


大泉(え?なにこれ?なんの罰ゲーム?なんで俺はこんな事してんだ?ええと思い出せ思い出せ…)

大泉(確か俺は、大神さんとコミュニケーションを取ろうと思って、体育館に来たんだった)

大泉(んで喋ろうと思ったら「お主は精神が乱れている」とか言われて、言い訳も聞かれず結局座らされて、何が始まるかと思ったら)

大泉(………なぜかふたり並んで、坐禅など組んでいるわけで)

大泉(つうか坐禅って叩く人がいないとなんにもならねぇんじゃねぇの?いつまでやんの?)


大泉(………)

大泉(………)

大神「………」

大泉「………」

大泉(………大神さん寝てんじゃねぇだろうか)

大神「寝ておらんぞ」

大泉「おぉおぉぉお!?」びくびくっ

大神「………驚き過ぎであろう」

大泉「きゅ、急に喋るからぁ!心臓止まるべや…」はぁはぁ


※Tips
大泉さんはビビリです。
【カントリーサインの旅2】では、自分を驚かしてくるミスター(鈴井)を「おっさん」呼ばわりしていたほど。


大神「…まあ良い」


大泉(なんかあれだ…字面的に見分けにくいからさっさと終わらせようぜ、大神さん)


大神「………大泉」

大泉「ん?」

大神「朝日奈から、お主の話はよく聞いている」

大泉「え?朝日奈が?ああ、そう?」

大神「そしてこの数日、我が見たものを合わせて考えて…だ、大泉洋」

大神「お主は……」

大泉「………うん」


大泉(朝日奈さん、一体なに喋ったんだろうなぁ。随分と俺に気を揉んでくれるけれど)

大泉(大神さんと仲良いから俺の話してるのはまぁいいとしても、なんか変な事言ってたらアウトじゃね?)


大神「お主は……朝日奈を託すに相応しい男だ」

大神「我はお主と出会えてよかった」

大泉「………は?」

大泉(朝日奈を託すって言った?今?いやいやだめだよぉ、僕ぁ妻帯者なんだよぉ大神さぁん。いやね?分かるよ?)

大泉(大事な友達がこんな場所にいつまでもいるのはそりゃあ怖いさ。僕だってきっとそう思うし今だって怖いよ)

大泉(でもやっぱりねぇチーム40に差し掛かった僕と現役JKの朝日奈さんってのは犯罪的なんじゃねぇかと思うんだよなァ)


※Tips…【チーム40】
【水曜どうでしょう】における、鈴井(ミスター)とカメラDの嬉野(うれしー)のタッグの事。当時の40代は彼らだった。
特にカブ系の企画で活躍し、うれしーは両手を使わず足だけでカブ後方にしがみつき迫力のある画を撮った。
でもいらないと言われればいらない。
なおうれしーは、奥様がオートバイで日本一周した事があると聞いて、新婚旅行を【オートバイで日本一周旅行】にした男。
ただし二輪免許を持っていないので、奥様とタンデム(二人乗り)で一周した。のちに奥様がバイク雑誌に記事を投稿して数ヶ月連載された。
現在ではチーム50となってしまっている。が、生涯現役。


大泉(だからね大神さんちょっと落ち着くべ?あー………ほら、苗木とか?ちょっと妥協して石丸とか、あと十神とかなら朝日奈さん養えるからきっと)

大泉(俺はダメだよぉ、それは不倫だと思われるよぉ?ダメですよぉ?)



大神「………だが、我は」

大泉「ふぇ?」

大神「……我は、我は朝日奈のために…否、我自身のために……!」

大泉「おお、がみさん?」

大神「許されないとは分かっている、本当は朝日奈を託したい気持ちもある…」

大神「だが!…お主がいる限り我は迷い続けるだろう…だから…」


ぶぉんっ


大神「…ここでお主を殺す」


(ぐっ、と大神がその拳を前に突き出した。風圧で、大泉のチリチリした前髪が大きくたなびく)


大泉「…っ!?」どたんっ

大神「………」

大泉「お、おがみ、さ……いきなり、なん、で」

大神「………」

大泉「! おめぇ、そんなまさか……」



(葉隠「近いうちに大泉っちはオーガに殺されるべ」)

大泉(おいおいおい…葉隠ぇ、あの野郎…!)



大泉「いやっ!そんなでも、大神さんこれシャレんなんねって…!」かたかたかた

大神「………」

大泉「ひ、人殺して外に出たって自分が辛いだけだぞ!俺も死にたくねーしな!」

大神「承知の上だ」

大泉「こここ、こんなとこで俺殺してもすぐバレるべや!やめろ?な?思い直せっ!!」

大神「それはどうとでもなる」

大泉「なにより朝日奈は!」

大神「………」

大泉「おめぇ今、俺に朝日奈託すとか、よく分かんねぇけど…言ってたべや?その朝日奈はどうなんだよ」

大泉「俺が死んだっけ悲しむんじゃねぇのか、朝日奈は!」

大神「………」

大泉「俺はまだ死ねねぇんだよ、ふるさと帰るまでは!!」

大神「…我は…」

大泉「大神さん!」

大神「………くっ!」


(大神がゆっくり拳を引いて、座り直した。目を閉じる…その体から殺意は欠片も感じられない)


大神「許せ、戯れだ…」

大泉「………」へたっ

大神「……済まん」

大泉「………へ」

大神「お主をまた驚かせてしまった」

大泉「………それは、いいけど………」はぁはぁ

大神「我は……」

大泉「…はぁ、はぁ…」

大神「…済まぬ」

大泉「あ」白目ぐるん


どさ


大神「………」

大神「………」

大神「………大泉?」

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保健室





ーーーーーーーーーーーーーーー


大泉「………っ」

大神「目覚めたか」

大泉「っおお!?」ばさばさっ

大神「そこまで驚かなくとも」

大泉「ああ大神さんかああああもうびっくりしたぁぁぁぁぁ!……って、ここって?」

大神「保健室だ。お主が気絶したので連れてきた」

大泉「あー……そうだったの。っつーかまた俺気絶したの?ごめんね、大神さん」

大神「気にするな、我が勝手にやった事だ」

大泉「……いや、でも大神さんは女の子でないの、女の子にそんな事さしてさ……」

大神「ふふっ」

大泉「」?

大神「我は何と言う過ちを犯すところだったのだろうな」くっくっくっ

大泉「なによ、突然笑い出して」

大神「我はお主に殺意を、ほんのわずかでも抱いてしまった。…何故であろうな」

大神「殺そうと思えば、先のタイミングで殺す事も出来た。しかし、しなかった」

大神「大泉、我はお主を対等な関係として認めたと言うのに、我は…」


大泉(あ、そういやずっと呼び捨てされてる。前ん時は大泉氏とか言われてたのに)


大神「………我はほんの少しだけ迷ってしまった。自らの弱い部分に負けそうになった」

大神「本当に済まない」

大泉「いや……もう過ぎた事でしょ、なんも起きなかったし…あんま気にしてもさ?」

大泉「…ぜってぇ許さんからな」ぼそ

大神「………ふふっ、そうしてくれ」

大泉「あ、あの今のは冗談で」

大神「いや、そうしていて欲しいのだ。我を許さない気持ちでいて欲しいのだ」


大神「もはや我は、この学園生活を心地いいと思っているのだから」


大泉「………?」

大神「ともかく今日は済まなかった。またゆっくりと話をしよう、ゆっくりと…近いうちに」

大泉「あ、ああ…うん」


大泉(大神さんに殺されかけた件はよく分かんねぇうちに解決していた。いや、殺されかけてたのかどうかも分からんけど)

大泉(本人が殺意を抱いたって言ってんだから、きっと本当なんだろうな。でも、なんだって大神さんが……)

大泉(とりあえずあれか、葉隠の占いは…内容的に3割くらいは当たったんじゃないだろうか)

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購買




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大泉(まだ頭はくらくらするが、ひとまずもう大丈夫そうだし、俺は保健室を出た)

大泉(大神さんに何度も謝られて申し訳なかったし…んで、ふらっと入ったのはすぐそばの購買部)

大泉(そして今は誰もいない部屋にそれはあった)


でーでーでーでーでー
(ちゃんちゃらっちゃっちゃっちゃんっ)


大泉「ものものましーん?なんだいこりゃ」


「それはね!」


大泉「」!

びよーんっ

モノクマ「モノモノマシーンです!」

大泉「それは分かったよ」

モノクマ「えー?大神さんには驚くのにボクはノーリアクション?」

大泉(めんどくせぇ)

モノクマ「そんなめんどくさそうな顔しないでよぉ」しょぼん

大泉「んでおめぇは何しに来たのよ」

モノクマ「冷たいっ!………モノモノマシーンの話をしに来たんだよ」

大泉「あのガチャガチャみたいなやつ?」

モノクマ「そ。ポールタウン地下のHTBショップとかにある、どうでしょう缶バッチみたいなやつだよ」


※Tips…【ポールタウン】
地下鉄・大通駅から、南北線のすすきの駅を結ぶ地下歩行空間。多くの店が立ち並んでいる。
飲食はもちろんのこと、衣類の販売やケータイショップ(docomo)、お土産屋さん、CDショップなんかもある。
狸小路商店街側の出入り口付近に、HTBショップは存在している。onちゃんグッズも多数存在。メガガイアの地下のそば。
なお周辺には、大通駅から札幌テレビ塔を結んでいる【オーロラタウン】と言うのも存在する。間違いやすいので気をつけたし。
私はよく間違える。


モノクマ「あれは本来メダルを学校の中で探して、それで回すんだけどね」

大泉「回したら何が出んだよ」

モノクマ「それはやって見てからのお楽しみ!」

大泉「あっそ。んで?」

モノクマ「大泉クン、まだメダル持ってないやん?そしたら回せないやん?だから今回はボクが1枚あげるやん?」

大泉「くれんの?」

モノクマ「その代わりあれだよ?面白くしてね」

大泉「はぁ?」

モノクマ「色々あるんだよこっちの事情がっ!」

ちゃりんっ

モノクマ「ほらぁ…これくれてやるからよぉ…回せ、回せよぉ大泉クゥン」かぶとむし感

大泉「あーあー分かった分かった!分かったっ!回すからっ!」


がっちゃがっちゃがっちゃ

ころんっ☆


大泉「……おぉい、なんか出てきたぞ?」

モノクマ「見てごらん?」

大泉「はいはい」

ぱか


GET!【バズーカレンズ】
カメラに装着する、600mmの望遠レンズ。その見た目がゴツすぎる事から、大泉達はバズーカと呼んでいる。
実は、当時HTBアナウンサーだった【金子のりとし】の私物である。
【onちゃんカレンダー】で初登場、その後【中米・コスタリカで幻の鳥を激写する!】で再登場した。
でかすぎてピントが合わせにくいわ、重すぎるので撮影時には鈴井(ミスター)の肩を借りるわと色々扱いが難しいアイテム。
シャッターを押すと『ズドーン』と言う、何かを撃つSEがどこかからかすかに聞こえる。


大泉「………」

モノクマ「………(なんで?)」

大泉「なんで?」

モノクマ「………(あっよかった、大泉クンも疑問に思ってくれた)」

大泉「つうかでかくね?どうやってこんなカプセルに入れt」

モノクマ「ちぇりおー!」ぱんち

大泉「ぶふっ」

モノクマ「そう言う事は気にしちゃダメでしょ!」

大泉「おいおい暴力かぁ?学園長が暴力振るうたぁどーゆー事だい?」

大泉「こりゃあ訴訟だよぉぉぉっげほげほぐふぅっ!」

モノクマ「キミ喉弱いのにいきなり叫ぶからそうなるんでしょ」


参考:http://i.imgur.com/R8FH3P8.jpg

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ランドリー




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がちゃ


葉隠「お?よーう、大泉っち」

大泉「おいこの詐欺師こっち来い」

葉隠「は?詐欺??何の話を…」

大泉「おめぇじゃねぇかよ!ゴミみてーな札よこして「身に付けてれば開運だべ(笑)」っつったのはよぉ!」

葉隠「ゴミって言うなゴミって!」

大泉「公表してない部分入れたら4割なんじゃねぇのかよおい!」

葉隠「そうだぞ!4割だぞ!3割だってすげぇのにさらに上がってんだからな!」

大泉「ちなみにその、公表してない部分ってなんなのよ」

葉隠「……自分の生死がかかった時………だな」

大泉「」カチッ

大泉「…何かっこ付けてんのよ!」

葉隠「いやかっこつけてねえし!」

大泉「もういいわ、おめぇの占いは信じねぇからな」ばさばさ

葉隠「ちょ、それ!」

大泉「これは返品だぁ、葉隠ぇ。それそれとも俺が焼却室まで持ってってやろうか?」

葉隠「あーあーあー、やめろっての」かき集め

大泉「………あー、でもあれ、あれは当たったぞ、ちょっとだけな」

葉隠「まさか、オーガが…」

大泉「まぁ、な。マジで危なかった」

葉隠「ほら、言ったろ?俺の占いは3割当たる!」

大泉「いや、まぁギリギリ外れたからよかったけど」

葉隠「って事は大泉っちは幽霊に!」

大泉「…未遂ですよ?外れたんですよ?」

葉隠「………」

大泉「………」

葉隠「………まさかぁ」

大泉「どこ疑ってんのよ」

葉隠「………新種の、足のある幽霊とか………」

大泉「それもう【R-14】でやったから」


※Tips
限りなくネタバレです、それ。

葉隠「なんだ、大泉っちはまだ生きてるんだ!やったー!」

大泉「」!

葉隠「………じゃねーよ!俺の占いの的中率下げんなよ!」

大泉「」!?


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葉隠さん
怒る。




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大泉「えええー?!」

葉隠「なーんでこう当たらせねぇかなぁ!?」

大泉「おおぉぉぉいおいおいおい!無茶言ってんじゃあねぇよぉおぉお!?」

大泉「当たってたらおい!当たってたらおめぇ、俺死んじゃうべや!?ダメだよぉ!殺人はダメだ!笑えねぇって!」

葉隠「いやいや俺の稼ぎに関わるんだからよぉ!」

大泉「閉じ込められといて何が稼ぎだよてめぇよぉ!そもそも誰が見てるっつうんだ!こんなの!」

葉隠「分かんねぇだろ?誰かが聞いてっかもしんねぇだろ?」

大泉「聞いてたらまず間違いなくおめぇの好感度も下がってっけどな!」

葉隠「んな事ねぇよ、俺の事みんな信用してくれるってマジで!」

大泉「はぁ!?」

葉隠「うわー葉隠君の占いってなまら当たるしょ、信じよう!ってなるべや!」

大泉「おめぇの言ってる事わやなんだって!」


※Tips…【わや】
方言。めちゃくちゃ、手が付けられない、などの意味がある。
イメージ的には悪い時に使う事が多いが、用途が限られていないのでいい意味でも使える。
例:今日雪、わや降ってるわ…(物凄く降ってるわ)
【方言彼女。】でも取り上げられた。その際は「わや楽しみ(めちゃくちゃ楽しみ)」と言う使い方をしている。


葉隠「分かんねぇやつだな!」

大泉「おめぇがだよ!他人の命かけといて何をほざいてんだよ!?」

葉隠「いやまぁ、確かに大泉っちが生きてて嬉しいけども、でもやっぱ外れたってのはなァ…」

大泉「お前殺すぞ」

葉隠「ここで言うとマジになっからやめとけってのぉ!」

大泉「とりあえずおめぇまず反省しろ!」

葉隠「えー?」

大泉「俺はさぁ、ねぇ?折角だから全員と話し合いたいわけよ。分かるか?葉隠ぇ」

大泉「俺はこんなとこで死ねないの!縁起でもねぇ事言うなってんだよ!」

葉隠「うぐっ!で、でも!」

大泉「おめぇがすげーのは分かってるから」

葉隠「………へ?」

大泉「おめぇの占いが当たんのも分かったから。だから葉隠、さっきのだけは謝れ、謝ってくれ」

大泉「その、さぁ……なんつうか」がしがしがし

大泉「俺はおめぇを本気では殺したくねぇし、おめぇに死なれたくもねぇんだ」

葉隠「…大泉っち」


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反省した




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葉隠「……すまんかった」

大泉「お?やけに素直に謝るね。さっきまでとは別人じゃねぇかよ」

葉隠「いやぁ…悪い癖でな、ちょっと占いとなると周りが見えなくなっちまうんだ」

大泉「見えてないってレベルじゃなかったけどね?キミ」

葉隠「はっはっは、ほんとにすまんべ大泉っち!今度は半額で占ってやっから許してくれ!」綺麗な土下座

大泉「ああ分かった、分かったから…って金取んの?!」

葉隠「ダメか?」がばっ

大泉「ダメだよ!……おめぇさぁ、ちょっとここ出たら病院行こう。な?」


キーンコーンカーンコーン♩
『えー、夜です!夜時間です!以下略!』


大泉「おっと、もう夜時間か。とっとと帰るぞ、葉隠」

葉隠「…だな」服ぱんぱん

大泉「はぁ、ったく無駄な時間過ごしたわ」

葉隠「………!」ぴくっ

大泉「おい、ほっとくんならこの札全部燃やすぞ」ばさばさ

葉隠「………」

大泉「…ん?おい、葉隠?」

葉隠「………っ、あ?」

大泉「こんなとこで寝たら死ぬぞ、ほんとに」

葉隠「あ、ああ、それはこえーな」

大泉「ったく手間かけさせるなぁおめぇはよ…はぁ」

葉隠「………なぁ、大泉っち」

大泉「何よ、さっさと帰るぞって」

葉隠「死なない、よな?」

大泉「…あ?」

葉隠「大泉っちは、死なないよな?」

大泉「おめぇまだそんな事を」

葉隠「なぁ、大泉っち!」

大泉「………まさか、おめぇ…なんか見たのか?」

葉隠「…俺は、俺は…」

大泉「………」

葉隠「……分かんねぇ。分かんねぇんだ……でも、何かが起きそうな感じがして、だから」

大泉「死なないよ」

葉隠「……うん」

大泉「………死なないよ、死ねないよ」

葉隠「………おやすみ」

大泉「………あぁ、おやすみ」




大泉(その言葉の意味を)

大泉(その意味深な態度を)


大泉(なぜ俺は気付いてやれなかったのだろうか)


大泉(結局終わってから何を言ったって、後の祭りだ)

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部屋




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バタンッ

大泉「やっべやっべ、誰にも見られてなきゃあいいけど…」

大泉「………しかし…葉隠だけは分からんねぇなマジで…あいつは何なんだ」

大泉「もう少し話せばあいつの歪んだ理由とか分かりそうなもんだけど…うーん…」

大泉「つっても本人に歪んでるって自覚がねぇからなぁ…あいつもしかしてかなり悲惨な人生だったんじゃ…」


かさっ


大泉「……ん?なんだいなんだい」

大泉「扉の下に何かが……」


かさかさかさ


大泉「…これは!?」


『抜け道らしき穴を見つけた。外が見える。ここから出られるかも・・・』
『モノクマに勘付かれるとマズイから、みんなに内緒で早朝6時に物理準備室に集合』


大泉「………っ!」

大泉「外が……?まさかそんなもんが…今まで見つからなかったのに」

大泉「……モノクマが隠してた?…可能性としてはあるな」

大泉「それを見つけたって事だろ、これは…ならどうする?」

大泉「罠の可能性だって…い、いや、疑っても仕方がねぇんだけど」

大泉「……はぁ…行くしかないか」

大泉「………」

大泉「………」

大泉「………6時かぁ………」

大泉「………」

大泉「………やめようかなぁ………」

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深夜





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がちゃっ

「くらっ!」

「…ここで合ってる…よな?」かさかさ

「おーい…誰かいねぇのか?おい、っつーか電気くらい付け」


がばっ


「ンゴッ!?」



じたばたじたばたばたばた



「ん、ぐ、ぐぅ…う…」

「……う…ぶ………」

「………ん………っ……」


「………」





どさっ




がさがさ

かちゃかちゃ…

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早朝




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がちゃ


大泉「ふぁあああ……」←いつもの赤いジャージ


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半目




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大泉「………ん」ごしごし

大泉「…つーか誰もいねぇべや…ふぁ…」

大泉「なんだ、やっぱイタズラか……」


のしのし


大泉「早起きして損したじゃねぇかよ全く……」くるっ


ぶんっ


大泉「………は………?」


ごっ

がしゃああああんっ!!



大泉「うおっ、うおおおおっ!?」


ぶんっ
ぶんぶんぶんっ


大泉「お、おい、ちょっ、待て待て、待てって!おい!」


ぎゅう………
ぶんっ


大泉「待っ」








どさっ






「あ、あわわ、あわわわわ…」

「ついつい目を…つぶっちゃったけど……」

「……当たってた……んですよ……ね?」

「息は………、……し、してない……」

「み、脈は………、………ああダメだ……ないや……」

「頭から…血が……流れて」




「ああ、ああ………」




山田「…やってもうたぁぁぁぁぁ…」



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新世紀騙され伝説再び!
大泉洋よ新千歳空港に立て!

非日常編





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ここまで。長らくお待たせしました。
また変なところいっぱいありそうな予感するけど、黙っててやってくれっ!


とりあえずこんな感じで。
個人的な鬼門は3章でした。
あと色々とありがとうございます。

今回はなんと何レスになるか分からないと!
1さん、まるでどうでしょう班のような事を言ってます
相変わらずまともに推敲してやがらない!と思わずずずいっと見てやってください。
変なところがあったら黙って胸にしまっておけッ!行くぞッ!

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14日目


夜時間になる前






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◆大浴場…の前、更衣室



苗木「アルターエゴが!?」

霧切「声が大きいわよ」

十神「なくなっているのが分かったのは、つい先ほどだ。霧切が周囲に異変はないかと、様子を伺った時に発覚した」

不二咲「どこに行っちゃったのかなぁ…」

舞園「……分かりませんけど、誰かが何かの目的のために持って行ったんですね」

十神「だろうな。それに目的もはっきりしている。恐らく、交渉に使うつもりだ」

不二咲「交渉?」

霧切「盗んだ犯人が、アルターエゴを返す代わりに何かを要求する可能性があるって事よ」

十神「モノクマにバラす代わりに、俺達に殺人を強要する……と言う可能性だってある」

霧切「そしてその犯人は、内通者である可能性が極めて高いわ…厄介ね」

苗木「うーん…犯人はアルターエゴがなくても困らない人…なのかな?だって、内通者だってアルターエゴの情報は欲しいハズだよ?」

舞園「それはわかりませんけど…ただ、重要なものだとは分かっていて、だからこそ盗んだんです」

不二咲「……どうしよう、もしもアルターエゴが、悪用されたら……!」


十神(現状、あのパソコンの中で見つかっている映像が映像なだけにどう悪用するんだ?…興味深いな)

舞園(誰かに見せるつもりなんでしょうか?面白いですけどね、あの映像)

霧切(あとどれだけNACSの映像が見つかるかしら…)わくわく

霧切(HTB音頭出てこないかな)わくわく

苗木(どうしよう霧切さんがわくわくしている…)



苗木「………ところで霧切さん、なんで呼び出されたのはボク達だけなの?」

霧切「」わくわく

苗木「………霧切さん!?」

霧切「あ!……ええ…十神君の意見も聞いた上で、この話をしても大丈夫そうな人だけを呼んだの」きりっ

舞園(霧切さん、ちょっと可愛いところもあるんですね)

十神「大和田と大神は自己申告で、不測の事態に対応出来るほど賢くないと言っていた。今回はそれを鵜呑みにしておく」

不二咲「ふたりとも、そんな事ないと思うんだけどなぁ…」

霧切「あとは、誘おうか悩んだのだけれど…朝日奈さんも桑田君も顔に出やすいし…」

十神「石丸もか。あいつはバカ丁寧に全員に聞いて回りそうだからな」

舞園「…犯人に気付かれたら大変ですもんね、こうして犯人捜しをしている事が分かってしまったら」

霧切「そうね。その点で大泉さんも外させてもらったわ。あの人ならきっと全員に聞くでしょうね」

苗木「ぼ、ボクも結構周りに聞きそうって思われてるのかと…」

十神「お前は霧切の信用枠だ。せいぜいほっとしておけ」

苗木「!」

舞園「ええっと、それで他の人はなんで?」

霧切「山田君はアルターエゴに執着しているから…江ノ島さんは、最近様子がおかしいから」

霧切「セレスさんは、十神君が信用ならないから呼びたくないんですって」

十神「あと腐川もな」

苗木「腐川さん、何もしてないのに可哀想に…」

不二咲「そ、それでこのメンバーになったんだぁ…」

舞園「私達は消去法で選ばれたんですか?」

霧切「そうじゃない。むしろ…呼ばない方にこうやって無理やり理由を付けたのよ」

十神「本当なら全員で話し合いをしたいんだ。俺はそれを最初に提案したんだが、霧切が止めた」

霧切「いっぺんに話をするより、まずこうして一部に情報を共有して、その上で捜査を進めた方が」

霧切「こちらに都合が良かったのよ。内通者や犯人に目星が付けやすいから…」

十神「明日、別の生徒を選別して俺から同じ話をしてみようと思う」

不二咲「そっか…そうだねぇ、お願いするよ」


きーんこーんかーんこーん

『夜です略!』


霧切「……もう夜時間ね」

苗木「さすがに夜時間は、部屋にいないとモノクマに怪しまれちゃうよね…」

不二咲「た、ただでさえカメラのない部屋にいるだし…」

十神「犯人が現場の様子を確認するためここに戻ってくる事も考えられる。それに俺達に無用な疑いを増やす必要もない」

舞園「そうですね。様子を見るためにも今日は戻りましょう」

十神「だな。明日から本格的な捜索を開始するぞ」

不二咲「分かったよぉ」

舞園「分かりました!じゃあ今日はこれで。おやすみなさい!」

苗木「うん…おやすみみんな」



不二咲(…あれ?なんかひとり忘れられてるような…)



葉隠「へっくしゅんちくしょう!」



苗木(>>1も途中まで忘れていた葉隠クンのクシャミが聞こえた気がする…通りで何回数えても16人にならないわけだよ)

苗木(そんな事を思いながら、アルターエゴ捜索を明日から始める事にして)

苗木(ボク達は眠りについた)




苗木(あんな事が起きるなんて、想像もせずに)

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15日目



食堂





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苗木(この15日間、ほとんど全員が必ず朝は食堂に集まっていた)

苗木(ほとんど全員…と言うのは、たまに江ノ島さんが部屋で寝てたり、朝日奈さんが泳いでたり、大泉さんが気絶してたり)

苗木(そう言う要因だ)

苗木(それでも最後には必ず全員、一度は食堂に顔を出す)

苗木(………はずだった)



舞園「…遅いです、ね」

苗木「うん…」


苗木(遅い………)

苗木(時計の針は刻々と進んでいく)

苗木(朝の校内放送から随分時間が経ったと思う)

苗木(いつもと違うのは、まず大泉さんがこの時間になっても来ない事だ)

苗木(またどこかで白目を見せてる可能性があるけど……それにしたって遅すぎる)


苗木「ほかにも何人か…ああ、江ノ島さんも来てないね…」

舞園「おかしいですよね…もう朝食はだいたいみんな食べてしまいましたし…」

石丸「全員揃っていないうちに食べるのは非常に気が引けるが…止むなしと判断した…すまん、みんな!」

大和田「腹減ってたから仕方ねぇだろ」パンもぐもぐ


がちゃ

江ノ島「ごっめーん☆マラカス激盛りすんのに手間どっちった!」

腐川「それを言うならマスカラでしょ…間抜けなギャルはこれだから嫌いなのよ…!」

江ノ島「はぁ?」

苗木「まあまあ腐川さん!…ボクは江ノ島さんが来てくれてよかったよ」

江ノ島(………苗木君///)

舞園(なんだか江ノ島さんがチョロインに見えます)

十神「あと来ていないのは…」

大和田「あ?セレスと山田、あと」

朝日奈「葉隠と……大泉も来てない!珍しいね」

大神「うむ…大泉が不在となると、雰囲気が変わる」

十神「自由奔放なセレスや葉隠はともかく、山田と大泉が来ていない?…何かあるかもしれないな」

霧切「……そうね…」

苗木「みんなが心配だ……ちょっと手分けして探して見ない?」

朝日奈「いいよ、プール見てくる!」がたっ

十神「バカかお前は。プールなんてまだ見に行かなくていい」

桑田「うーわ、十神辛辣ー。モテねぇぞ」

十神「ふん、構わん。どうせ俺には最高の結婚相手だとか言って、どこかの企業の娘が嫁ぎに来るんだ」

霧切「企業の娘が戸次重幸?」

十神「言ってない、そしてそれだと戸次が女になる」

霧切「そうね、ナックスの女形と言えばシゲさんか音尾さんが鉄板と言われているもの」

苗木「噛み合ってないよふたりとも!?」

舞園「バラエティだと森崎さんが女装をよくなさってますね!」

桑田「そして乗っからなくていいぜ、舞園ちゃん!?」

※Tips…【NACSの女装】
舞台では女優を使う事もままあるが、彼らの、特に5人で行う公演では誰かしらが女性役を演じる。
大抵は戸次か音尾のどちらかがやる事が多い。【COMPOSER】【HONOR】のメイン女性役は音尾。
(【COMPOSER】ではシゲとキスしてた。はず。【HONOR】の時は…うん、モリも面白いことになってた)
なお大泉脚本の【下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム。】には女性が3人登場する。
安田の妻役が戸次、戸次の婚約者役が音尾である。なお森崎も女装をしているがその出来栄えはお察し。
ちなみに【LOVER】では、大泉以外の4人がウエディングドレスを着るシーンなんかもある。大泉が悔しがってた。


石丸「と言うかなぜ君が知っているのだ!」

舞園「……なんだか分からないんですけど、お会いした事がある、ような気がしたんです」

腐川「で、デジャヴってやつかしら?」

桑田「ブーだのバーだの言ってねぇでさっさと行くぞ!」

大神「そうだな……何もなければいいのだが……」

十神「……割り振るぞ」

十神「桑田、大神、石丸、朝日奈。お前達は校舎の3階に行け…特に運動能力も高いし、誰よりも早く一番上の階につけるだろうからな」

大神「任せておけ」

桑田「っしゃー!んじゃ誰が一番早く着くか競争な!」

朝日奈「負けないよー!」

石丸「こら!廊下は転ぶと危険だから走ってはいけないぞ!」

桑田「なんだよイインチョ!今はそんな事言ってる場合じゃねーだろ!」

十神「黙れ…2階は腐川、舞園、大和田、不二咲。お前達が見に行け。あそこはプールや図書室があるだろう、細かく見るんだ」

舞園「…分かりました!」

不二咲「任せてねぇ!」

十神「1階は霧切、苗木、江ノ島と俺が行く。特に霧切……お前は1階の部屋それぞれを確認しておけ」

霧切「ええ、分かったわ」

十神「山田、セレス、葉隠、大泉の誰かを見つけたらすぐに周りに報告しろ。俺もなるべく早く行く」

十神「各自、任せるぞ」

苗木「うん………行こう!」


苗木(これだけの人数なんだ、絶対に見つけられるはず)

苗木(とにかく何もなかったらいいんだけど………)

ーーーーーーーーーーーーーーー




視聴覚室




ーーーーーーーーーーーーーーー


がちゃ

苗木「ここにもいない…」


苗木(………十神クン、大丈夫かなぁ。江ノ島さんが信用ならないから自分がついていくって行っちゃったけど)

苗木(それに霧切さんもひとりであちこち回ってるし…はぁ、こんな時、みんなとボクの差を感じるな)

苗木(ボクは【超高校級の幸運】…運で入ったようなものだし。取り柄と言えば人よりちょっと前向きな事かな)

苗木(ボクが学校を探索したら大泉さんか誰か、せめてひとりくらいは見つけられるかなと期待したけど―――)


「きゃあああああっ!!」


苗木「!」

苗木(不意に叫ぶ声が聞こえた。ボクが慌てて視聴覚室を出ると、十神クン達と鉢合わせた)

十神「苗木!今の声…聞いたな!」

苗木「うん!叫び声…ちょっと遠かったね」

十神「恐らく3階だ」

江ノ島「ちょっとヤバくね?早く行かなきゃっしょ…」


「皆さん!来てください!山田君が……!」


苗木「………え?!」

苗木(その直後に上がったのは、2階を見に行った舞園さんの声だった)

十神「……俺は2階に行く。苗木、お前は先に3階に行け…見終わってから2階に来い」

苗木「分かった!」


苗木(ボクは自分が出せる全力で階段を駆け上がって行った)

苗木(息を切らしながら、それでも3階まで、なるべく急いで)

ーーーーーーーーーーーーーーー




3階




ーーーーーーーーーーーーーーー


◆娯楽室


苗木「セレスさんっ!?」だっ

大神「苗木か!よくぞここまで!」

朝日奈「あ、なえ、ぎ…せれ、すちゃ…が…」わなわな


苗木(朝日奈さんが指差す方を見ると…)


セレス「うう……」


苗木(娯楽室の中に、仰向けに倒れたセレスさんがいた)


桑田「大丈夫か?軽い怪我で済んでるみたいだけどよ」

大神「擦り傷、それと捻挫の可能性もあるか…あまり無理に動かしてはならん」

朝日奈「ご、娯楽室見たら、セレスちゃんがた、たお、れ」

苗木「朝日奈さんも!しっかり!」

桑田「つーか…セレス、オメーなんでまた娯楽室に?」

セレス「じ、実は…」

石丸「そんなに言い淀むような事なのか?」

大神「無理せず、話してくれ」

セレス「私、山田君とオセロで対決していましたの…朝食のデザートを賭けて」

石丸「朝からか!?」

セレス「石丸君には怒られると思い、黙って3階に来ましたわ」

大神「確かに石丸ならばそれを叱りつけるだろうが…」

石丸「まず賭け事の時点で禁じるだろうな、僕なら」

苗木(セレスさんの立場がないよ…)

セレス「すると娯楽室に、み、見た事もないものが現れ…私達を襲い、私はそのハンマーで殴られ昏倒…」

セレス「そしてその間に…そう、山田君が危険ですわ!アレは山田君を攫ったのです!」

苗木(ん?アレってなんだろう?)

朝日奈「山田よりセレスちゃんだよ!大きな怪我してなくって何よりだよね…」

セレス「私はそれで襲われましたわ…床のそれで…」

石丸「これか…凶器は…む?」

桑田「ちいちゃいピコピコハンマーじゃねぇかよ!?こんなのでどうやってセレスを襲うって…」

大神「待て、何かおかしい」

石丸「これは…材質がプラスチックでは、ない…?」

苗木「…本当だ!ピコピコハンマーに見えるけど、これ…木で出来てる!塗装凝ってるなぁ…」

桑田「しかもご丁寧に1号って書いてあんな…なに?【ホワイトウルトラハンマー1号】?」


※Tips…【ホワイトウルトラハンマー】
【雅楽戦隊 ホワイトストーンズ】において、主人公である【南郷 進(なんごう すすむ)】の専用武器。
元は南郷がホワイトストーンズに変化(へんげ)する時に吹く、雅楽三管を司る楽器・笙(しょう)。
見た目は白いピコピコハンマーだが、非常に強力な武器である。


セレス「私も初めは油断してしまったのです。しかし、そのハンマーは固い木製。叩かれてはひとたまりもありませんでした」

苗木「でもどうして攫われずに済んだの?」

セレス「…頭を殴られ、朦朧とした意識で…私は必死に懇願し、見逃してもらったのです」

セレス「命だけは奪わないでください、舐められる場所があるならどこでも舐めますから許してくださいと」

苗木「…すごいお願いだねセレスさん」

セレス「プライドなんて命には変えられませんわ」

石丸「しかし見た事もないものとは?」

セレス「まるで何かの特撮番組に出てくるような生き物でした…あれは……そう、」

セレス「私はあれを【レンガレンガ】と名付けましたわ」

朝日奈「………なにそれ!?」

セレス「私、掠れゆく意識でなんとか写真を撮りましたの…シャッターを切った直後に意識を失いましたが…」

大神「ふむ、だがレンガレンガだと?そんなお主の言うような生物が存在するわけ…」

セレス「こちら…見ていただけますか?」

苗木(ボク達は、セレスさんが山田クンから預かっていたデジタルカメラを見せてもらった。そこには)

苗木(間違いなく【レンガレンガ】はいた)


参考→http://i.imgur.com/Qcfd9NC.jpg


※Tips…【レンガレンガ】
【雅楽戦隊 ホワイトストーンズ】の第1シーズン【雅やかな愛の戦士たち】に登場する強敵。
そのボディは、かつて北海道白石区の名産であった煉瓦(レンガ)で出来ており、非常に固い。レンガは北海道庁や東京駅などにも使用されている。
大泉演じる紫の服が好きな男【大門 通(だいもん とおる)】を真冬の川に容赦無く叩き落とし、
鈴井演じる【南郷 進】が最終兵器として用意された爆弾、【悪いことしちゃダメ弾】を使用しても相打ちだったほど強い。
なお中の人(スーツアクター)はオクラホマ藤尾が勤めている。


苗木「」

桑田「………マジでレンガみてぇじゃん………!?」

大神「だ、だがここにはレンガはないはず!恐らく…」

石丸「ああ、段ボールか何かで設計されているのだろう」

桑田「だから自分で殴らずに、わざわざ塗装したハンマーで殴ったっての?」

苗木「なんて言うか…無駄なところで芸が細かいね」

セレス「しかし、あれはまるで本当にレンガのような硬さでした…きっと段ボールではなく厚紙を重ねているのです!」

朝日奈「ほんとになにそれ……」

石丸「だが僕達はそんなもの見なかったな?」

大神「ああ、3階にはどうやらそのレンガは…」

セレス「レンガレンガですわ」

大神「その…レンガレンガはおらんようだが」

石丸「とにかくそのレンガがどうはいい!」

セレス「レンガレンガですわ」

桑田「そのなんだ、レンガレンガ?探すより山田じゃね?」

セレス「はっ、そうです…山田君が危険で…!」

苗木「そうだ!2階に攫われたはずの山田クンがいたらしいんだ!」

セレス「………本当ですか?しかしなぜ2階に?」

ーーーーーーーーーーーーーーー






図書室






ーーーーーーーーーーーーーーー



苗木(そこには既に、1階の探索をしていた十神クン達もいた)


腐川「………」←山田を極力見ないようにしている

山田「ひぃぃ…ひどい目に遭いましたよ…」でぶでぶでぶ

舞園「でも…生きていて本当によかったです…!」

不二咲「そうだねぇ…」

山田「ああちーたんマジ天使(えんじぇう)」


苗木「みんなっ!山田クンはっ!?」



霧切「苗木君!セレスさんは見つかったの?」

苗木「うん、ちょっと怪我してるけど…」

セレス「…私ならこちらに…」

大和田「見つかって何よりだったな。…つーか葉隠はなにしてんだ?」

舞園「大泉さんもここにはいませんね」

不二咲「ど、どこ行っちゃったのかなぁ?」

霧切「ともかく、セレスさんが無事で何よりだったわね」

山田「おいおーい!僕はぁぁぁ!?」

セレス「攫われたので心配していましたが、元気ですわね」

大神「霧切よ…セレスは無事とは言え軽症だった。襲われたと言うのだが」

十神「襲われた?誰にだ」

山田「そう!!僕も襲われたのです!!セレス殿とオセロやってたら急に!」

大和田「だーから、どんなやつに襲われたんだって聞いてんだろ?」


山田「レンガレンガ」


十神「は?」

山田「あれはレンガレンガです、間違いありません!レンガレンガです!」

苗木「これだよ」つカメラ

十神「」ドン引き

腐川「なにこれぇ……」

霧切「そんなっ…!れ、レンガレンガ!?【悪い事しちゃダメ弾】はないのにどうやって倒せば…!」

霧切「ホワイトストーンズと大門通の4人がかりでもまだ倒せず、川北博士に助力頼んでようやく倒したほどの強敵!」

霧切「…しかもその背後には悪の首領が…宮司が命をかけて爆散したにも関わらず即蘇生したブラックローズが!」

霧切「だめよ…白石は……日本はもう終わりだわ……!!」がくがくがく



苗木「霧切さん!!帰って来てぇぇ!!今はそんな事言ってる場合じゃないんだよぉおっ!?」


※Tips
【ホワイトストーンズ】のシーズン1・2の話です。


石丸「霧切くんが何を言っているのか分からんのだが」

江ノ島「あたしも全く分かんないから大丈夫」

苗木「霧切さんっ!」ぶんぶん

霧切「はぅっ!………ご、ごめんなさい、つい」

桑田「物語入り込む系女子こえーチョーコエー…」

山田「……あのー、もう少し心配して欲しいんですけどー?」

朝日奈「襲われたとか攫われたとか言うから心配したけど無事じゃんあんた、頭から血が出てるくらいで」

腐川「」目をそっと背ける

大神「それはかなりの重症だろう」

山田「ひっど!いや、僕も襲われたのですよ!そこに落ちてる【ホワイトウルトラハンマー】で!」

大和田「はぁ?ホワイト…なに?」

山田「ホワイトウルトラハンマーですよ、そこに書いてあるじゃないですか!」

十神「これは…木槌?!見た目では分からないようにわざわざピコピコハンマーのように塗装してあるのか」

霧切「でもレンガレンガは手が無いのよ?どうやってハンマーを…」

山田「それがこいつ、器用な事に両手のレンガで柄を挟んで振り回して来たんです。両手に吸着シートがあるんでしょうか?」

大和田「落とさねーように振って、持ってたら邪魔だってので捨てたのか」

苗木「それにしても、さっきセレスさんの部屋で見つかったハンマーは1号だったけど」

石丸「ああ、これは2号と書いてあるな。大きさも先ほどのものよりも大きいようだ」

セレス「もしかしたらハンマーは、以前からこのためだけに学内に設置されていたのかもしれませんね」

十神「……! そうか、こいつはハンマーを持ち運べない!」

石丸「凶器を学園に今まで隠しておいて、今回それを引っ張り出している…つまり、このレンガレンガは計画犯だとでも言うのかね?!」

霧切「……分からないわ」

舞園「そんな事を言い合ってる場合じゃありませんよ!山田君は頭から血が出てるんです!早く治療しないと!」

朝日奈「…はぁ、大丈夫?」

山田「ええ、なんとか…って朝日奈葵殿が全然心配してくんない!」

朝日奈「ピンピンしてんだもん!」

霧切「………」ふむ

江ノ島「つーか葉隠も大泉もどこ行ったし。もしかしてふたりでどっか行ってるとか?」

山田「ややっ?葉隠康比呂殿と大泉洋殿が見つからないのですか?」

セレス「もしかして……ふたりが共犯関係にあり、レンガレンガに成りすまして私達を襲っているとか?」

不二咲「…き、共犯?」

十神「あのふたりがか?いまいち考えにくいが…」

セレス「ですが大泉さんは北海道(ふるさと)に強いコダワリがあったようですし、もしかしたら」

苗木「脱出するために山田クンやセレスさんを襲ったの…?」

石丸「そ、んな…」

十神「いや…こんな時こそあいつが言っていた通りにすべきだ」


(大泉「疑わしきは罰せず、だぜ」)


舞園「そうですよ!それにまだ見つかってないだけです!もしかしたらどこかにいて、ひょっこり現れるかも…」

桑田「けっ!とにかくブーデー、テメーは保健室行くぞ」

朝日奈「はいはい、山田が心配だから着いてくよ(棒読み)」

山田「嘘くせぇぇぇぇ!!」

十神「残りは全員、再びレンガレンガを探しに戻るぞ」

大和田「しかしレンガ野郎め…女に手ぇ上げるなんて許せねぇ野郎だ!」

セレス「レンガ野郎ではなくレンガレンガですわ」

舞園「その強いこだわりなんなんですか…」

セレス「…それにもしかすると…私はレンガレンガの写真まで持っています。もし気付かれれば、犯人に…」

苗木「また狙われるかもしれないって事か…!」

石丸「自分の姿を拡散したセレスくんに報復を…か、それは恐ろしいな」

腐川「あ、あたしが見つけます!レンガレンガは……白夜様のためにっ!」

セレス「………腐川さん………」

セレス「………」

朝日奈「大丈夫だよセレスちゃん、無理しなくても」

セレス「………私も行きますわ」

大神「! だがお主は!」

セレス「いえ…腹から怒りがふつふつと湧いてきましたわ」

セレス「こうなったらレンガレンガに一泡吹かせてやらなければ気が済みませんの」

大和田「…ならいいけど無理はすんなよ、女の肌はよえーんだからな」

十神「桑田…それに朝日奈、山田に着いてやってくれ」

十神「山田にレンガレンガが襲いかかって来ても、桑田なら対処出来るだろう」

桑田「任せとけ!ブーデーのお守りってのがなんか気に食わねーけどな」

山田「ちょwww」

桑田「オメー置いたらすぐ戻るからな!」

十神「いや、校舎1階を散策しておけ。いつ誰が出てもいいようにな」

朝日奈「う、うん、分かった」

セレス「ところで、レンガレンガを見つけたら何と叫べばいいのです?」

朝日奈「なんでもいいよ!きゃーでもわーでもどっひゃーでもレンガレンガぁ~でも!」

※Tips
レンガレンガの鳴き声。


セレス「……分かりましたわ」

十神「行くぞ、全員散開しろ」


苗木(ボク達は再び探索に戻った)

苗木(みんなで、山田クンが見つかった2階を探し回ったのだけれど、レンガレンガは見つからない)

苗木(それに朝から見当たらない、葉隠クンと大泉さん…彼らが犯人なのか!?)

苗木(くそっ………どこなんだ!)


「レンガレンガーーーっ!!」


苗木「」!?

ーーーーーーーーーーーーーーー




3階の廊下




ーーーーーーーーーーーーーーー


セレス「いました!変な影が見えましたの!!」

大和田「奥に逃げやがったか!」

大神「なんと!」

江ノ島「レンガのくせに足速いじゃん!」

十神「ぬかった…上にいる可能性もあったな!こうなったら全員で3階を…」


「いやああああああっ!!」


十神「………今度は何だ!?」

霧切「戻りましょう!恐らく保健室よ!」

十神「ちっ……大和田!江ノ島!石丸……ついでに腐川!俺とともにこのまま奥に行くぞ!」

十神「この奥は物理室、そして物理準備室しかない…袋小路だ」

石丸「任せたまえ!この緊急事態だ…怪我しないように廊下を走るぞ!」

腐川「はいよろこびすぎてええええ!!」

苗木「他のみんなは一度降りよう!」





苗木(そして保健室)

苗木(ボク達はこの生活で初めて)

苗木(死体を見た)



山田「」
ドンッ!!



苗木(山田クンは、保健室の真ん中に大の字に倒れていた)

苗木(メガネにまで血がかかっており、相当強い力で頭を叩かれたようだ)

苗木(傍らには【ホワイトウルトラハンマー3号】が落ちている)




苗木「………っ!?」

朝日奈「どう、して……!?」

桑田「守れなかった……」

不二咲「朝日奈さん、桑田君っ!」

朝日奈「あ、う……山田が、山田がっ……!」がたがたがた

霧切「朝日奈さん、しっかりして…」

朝日奈「う、あ…ごめん…」よろっ

苗木「何があったの!?」

桑田「………ああ、説明する」

桑田「オレ達は山田を保健室に無事に置いたから、ふたりして体育館の探索に行ったんだ」

朝日奈「や、山田がひとりで大丈夫だって言うの、信じて…ね」

桑田「体育館はデカイ。隠れる場所も多い……だからレンガレンガがそっちにいるんじゃねーかって思ってさ」

朝日奈「そ、そしたら、保健室から声がして…来て見たら、こんな風に…っ!」

朝日奈「ごめん、ごめんね…私、山田のところに残るべきだった…!」ぽろぽろ

苗木「…そんな事ないよ。山田クンの安全を確保するための探索だったのが裏目に出ちゃったんだ」

苗木「でもそれは朝日奈さんのせいじゃない…生徒に殺し合いをさせようとするモノクマが悪いんだ…!」

セレス「…殺されてしまいますわ…全員っ…!いやっ、いやぁぁぁぁっっ!!」

セレス「殺されてしまいます!彼らのように殺されてしまいます!!」

霧切「落ち着いて!」

セレス「です、が……っ」ぎゅう

大神「ともかく…3階に伝えに行くぞ…」

朝日奈「……ちょっと、まっ…気持ち悪……」うぷ

セレス「私もあまり気分が優れませんわ。…朝までああして、オセロをやっていた仲間が…」

苗木「朝日奈さん…セレスさん…」

霧切「舞園さん、大神さん…悪いけど朝日奈さんとセレスさんをトイレまで連れて行ってあげて」

霧切「…さすがに4人いれば襲われないでしょうから」

大神「………そうか」

舞園「分かりました…行きましょう、朝日奈さん…歩けますか?」

朝日奈「う、うん…ごめんね…」よろっ

不二咲「僕達は戻るよ。上の様子も気になるし」

霧切「それと…」

苗木「?」

霧切「私は少し調べたい事があるから…いいかしら、外しても」

不二咲「え?外すって…」

苗木「それより霧切さん…調べるって一体何を?」

霧切「………ちょっと、ね」

苗木「まだ言えないようなものなの?」

霧切「想像に任せるわ…」ふぁさ

桑田「なんでこのタイミングでんな事言ってんだよ!山田殺した犯人を探す方が先だろ!!」

苗木「行かせてあげよう、桑田クン」

桑田「なんでだよ!」

苗木「きっと霧切さんにも考えがあるんだ」

苗木「それに…霧切さんは少なくとも殺す人でも、殺される人でもないと思うんだ…思いたいんだ」

不二咲「苗木君…」

苗木「ボクは…ボクは霧切さんを信じるよ。だから、霧切さんは霧切さんがやりたい事をやってきて欲しい」

霧切「…ありがとう苗木君。行ってくる」ぎいっ

桑田「…けっ…霧切は勝手にやらせるとしてだ…オレ達は3階の十神んとこ行くしかねぇんだろ」

不二咲「そう、だねぇ…行こう、桑田君!苗木君!」

苗木「うん…ボク達もボク達に今出来る事をやろう」


苗木(山田クンが…死んだ)

苗木(殺された…何者かに)

苗木(絶対に起きないと思っていた殺し合いが起きてしまった)




苗木(…そしてボク達はさらなる絶望へと叩き落とされるのだ)

ーーーーーーーーーーーーーーー




物理室




ーーーーーーーーーーーーーーー


大和田「くそっ…オレぁ…やっぱり弱ぇよ…!」ぎりっ

石丸「なぜだ!なぜだぁぁぁっ!」

十神「………追い詰めたはずだったのだがな」

江ノ島「………!!」


苗木(そこには腐川さんを除いた、3階を見に行った4人が残っていた)

苗木(江ノ島さんは部屋の隅で青い顔をしている………)


十神「お前達…か。霧切はどうした」

苗木「少し調べたい事があるって、どこかに…」

十神「………そうか」

桑田「つーかなんだよこの通夜みたいな空気」

大和田「通夜……か、そうかもしんねぇな」

不二咲「どう言う、事…?」


苗木(嫌な予感が、した)

苗木(血の気が全身からさっと引いて行く)


苗木「もしかして」

十神「それはお前の目で確かめろ」

苗木「………」


苗木(奥の物理準備室の扉を、震える手で開けた)


苗木(そこにその人はいた)


苗木(部屋は乱雑に荒らされており、その人は最後まで抵抗したのだろう、と言う事を示していた)

苗木(こんな事になるなんて、思ってなかった)

苗木(この人は絶対にそうならないだろうと、ボクは心のどこかで思っていた)

苗木(……既に乾いた血液が額にべっとりとついている)

苗木(見間違える事なんてあり得ない、絶対にあり得ない―――)




苗木(大泉洋、その人が倒れていた)




大泉「」

苗木「………ぁ…!?」


苗木(声が、出ない)

苗木(大泉さんの横には【ホワイトウルトラハンマー4号】が落ちている。側面にはべとりと、血が…)

苗木(そして…)


桑田「う…っ、大泉さんっ!?」

腐川「」

不二咲「うわああああ!ふ、腐川さんも!?」

石丸「いや……腐川くんは、その…血が苦手だそうで…血痕を見た瞬間に倒れたよ」

石丸「…裏の顔であるジェノサイダー翔は殺人鬼なのにな…皮肉な話だ」

江ノ島「………っ」

苗木「腐川さんは生きてる、んだね…」ほっ

桑田「おい、おい…待てよ、嘘だって言ってくれよ…おい!」

十神「大泉洋は…俺達が来た時にはもう」

大和田「すまねぇ、大泉さん…っ」

苗木「……そんな……連続で2人も!」

十神「2人も?…どう言う事だ」

不二咲「保健室で山田君が…」ぷるぷる

大和田「!?」

桑田「くそっ!オレがちゃんとしてねぇから…すまん十神!山田!」

十神「謝る事なら誰だって出来る!ちっ、保健室に戻るぞ!」


苗木(ボク達は慌てて物理室を出た。すると、なぜか彼女と鉢合わせたのだ)


朝日奈「………苗木!十神!」

苗木「朝日奈さん!?どうして!」

セレス「それが…大変な事になったのです」

ーーーーーーーーーーーーーーー



校舎1階


保健室




ーーーーーーーーーーーーーーー


苗木(彼女達から聞いた、あまりにも信じがたい言葉に……3階にいた全員で保健室まで戻った)


大神「あり得んっ!」

舞園「私達が保健室を離れたのは、せいぜい1分…長くとも2分です」

セレス「…しかし私達が戻った時には既に、山田君の死体は消えておりました」

苗木「死体が消えた!?」

十神「くそっ…どう言う事だ!?」

江ノ島「山田が消えるなんて…誰かが運んだっての?」

石丸「だがあの巨体だぞ!」

不二咲「………あれ?腐川さんは?」きょろきょろ

大和田「ああ、まだ気絶してるから大泉さんとこだ」

舞園「見つかったんですか!?大泉さん!」

苗木「………うん」

朝日奈「苗木?なんでそんな顔してんの?」

セレス「まさ、か…」

桑田「…オレだってまだ信じられねぇよ」

石丸「行こう……大泉さんは物理準備室だ」

舞園「冗談ですよ、ね?大泉さん特有の………嘘、ですよね?」


桑田「………」

不二咲「………」

十神「………」


大神「そんなまさか…!!」

十神「………事実だ。これは紛れもなく………な」

苗木「………くそっ………!」



苗木(足取りがみんな重かった)

苗木(山田クンの死体が消えたばかりか、大泉さんが死んでいると言う事を理解したくなかった)

苗木(階段を上がるのが、何分にも何十分にも感じるほどだ)

苗木(階段を上がる間、誰も口を開かなかった)

苗木(朝日奈さんが唇を、血が出るほど噛み締めていた…涙を堪えて)

苗木(誰もが沈んだ顔で、一段一段登っている)

苗木(ボクだって辛い。ボクだって…悲しい。大泉さんを、あの姿の大泉洋を、北海道の大スターをまた見るのは)

苗木(それでも、それでも犯人を捕まえるためにボク達はそれを見なければいけない)

苗木(大泉さんをあんな風にした犯人を絶対に許さない)

苗木(……そう思い、物理準備室に足を踏み入れた)



苗木(だが)







苗木「大泉さんが………いない………!?」



石丸「バカなっ…!」

江ノ島「どう言う事!?」

セレス「……弄ばれていますわね、私達」

十神「そうだな、まるでゲーム感覚だ」

朝日奈「なんで…なんで!?山田も大泉もどこ行ったの!?」

大神「山田はともかく大泉までも消えるとは…」

セレス「……山田君、そして大泉さんの死体をどこかに運び…我々に混乱と恐怖を招いている」

セレス「そんな事が出来る時間があるのは、ただひとり」

セレス「決まりですわね。犯人は……姿をどこにも現していない、葉隠君です」

大和田「確かにあいつなら出来なくはねぇが…山田を運べるのか?」

十神「その謎は後回しにしろ。今は山田と大泉がどこに行ったか考えるべきだ」


腐川「」


苗木「って言うか、腐川さんは物理準備室に置き去りだったね……ごめんね腐川さん」

腐川「」がばっ

舞園「だ、大丈夫ですか?」

腐川?「だいじょばねーわよ、スヤスヤ寝てたってのに」

不二咲「し、翔さんの方?大丈夫…だったぁ?」ふるふる

翔「あらやだちーたん!アタシの事心配してくれんのやっだぁぁ優しいー!殺したーい!」

不二咲「ウワァイ」

十神「冗談言うな!ただでさえ山田と大泉が死んだんだぞ!」

翔「………え?ひふみんと、ようたんが?」

苗木「そっか、翔さんは腐川さんと記憶を共有してないんだったね」

翔「そうなのよォ。あの根暗が覚えててもアタシは知らない、アタシの秘密はあの根暗にはバレない!そういう寸法!」

大和田「ってそんな悠長に構えてる場合かよオメェら!探すぞ!」

舞園「そうですね…なぜ死体が消えたのか…それにどこにいるのか」

桑田「うーん、わかんねぇな…でも絶対どっかにいるんだろ?」

セレス「こうなれば再び、みなさんで分かれて探しましょう!」

江ノ島「そだね!あたしも頑張って探してみる!ネイル剥がれない程度に!」

朝日奈「…ぐすっ、山田…大泉…」

大神「朝日奈、お主が気に病む事はない…悪いのは犯人なのだ。我々で仇討ちしてやろう」

朝日奈「………うん!」



十神「各自、全力で山田と大泉を探せ!その間に葉隠を見つけたなら俺に知らせろ!」




苗木(今日一回も姿を現していない葉隠クン)

苗木(確かに彼なら、今までの犯行を全て行えるだろう)

苗木(でも)

苗木(本当に……彼が犯人なのか?)


苗木(…謎は深まって行くばかりだ…)













ーーーーーーーーーーーーーーー





しばらく後


美術準備室








ーーーーーーーーーーーーーーー












………ぱたん




「………ふう」

「ここならもう大丈夫」

「………」

「………く」

「くくっ……くくくく」

「あははははははははっ!!」

「笑いが!愉悦が止まらないっ!」

「うふふふふふ!!あははははは!!」

「こんなにも!こんなにもスムーズに行くなんて!!」

「あー……ふふふ、ウケるウケる腹痛ぁい」

「それにしても意外だった!」

「まさかこんなに簡単に………」






セレス「私の作戦にみんな引っかかってくれるなんてなァァァァァッ!」



山田「お見事でした、セレス殿」

大泉「」

セレス「いえ、山田君…あなたの働きあってこそです」

セレス「ここまで上手く行ったのも全てあなたのおかげですよ」

山田「いやいやそんな…」

セレス「あなたが保健室で死体を演じ、そして姿を消す…そうする事によってアリバイ工作が簡単でした」

セレス「私は皆とともに学内を走り回っている、つまり私には完璧なアリバイが存在する事になるのですから」

セレス「本当にありがとうございます、山田君」

山田「いやいやほんとなんかえええそんなそんな滅相もないっ!…しかしここまではいいとして、セレス殿?」

セレス「………どうしました?」

山田「いえ、このあとの展開が少し気になりまして……」くるり

セレス「そんな事はどうだっていいですわ、あなたの考える事ではない…美術室に誰か来ていないか確認なさい」

山田「ああはいはい、ただいま!」ひゅん


セレス(山田は私に背を向け、美術準備室の扉の前におります)

セレス(絶好のポジション…!)


山田「まだ誰も来ておりませんな!むふふ。誰か通り過ぎてから出ましょうか、セレス殿」

セレス「そうですわね。今出て行けば逆に怪しいでしょう。人も多い事ですし」

山田「……セレス殿……、いらない心配かとは思いますが」

セレス「なんですの?これからの事ですか…」ふぅ

山田「ええ、いつくらいに葉隠康比呂殿へ手を下すので?」

セレス「それは…今考えているところなのです…もしかすると、葉隠君を自殺に見せかけて殺すのは難しいかもしれません」

セレス「そもそもあそこに隠した葉隠君を殺すなら、タイミングは今ではありませんもの」

山田「そうでしたか…では別なターゲットを狙うのですか?」

セレス「大方そうなるでしょうね」

セレス「少し迷っていますが…相手は大体決まっています」

山田「なるへそ。僕が手伝える事はありませんかね、セレス殿」

セレス「いえ、ありませんわ…」

山田「そうでしたか……」しょぼん



セレス「あなたは充分に頑張りました」


山田「うはwwwおにゃのこに褒められたの小学生以来だしwwwまじうれCwww」


セレス「ですから」


ごとっ…


セレス(壁にかかっている木槌を手に取る)

セレス(音がして、山田は振り返りやがるのです)


山田「………え?」


セレス(けれど彼が見るのは、私の愉悦の表情と)


セレス「あとは私の犯罪に協力なさい?」


セレス(その手に握った木槌だけ)

セレス(こいつはもう、用済み)


山田「………あ………!?」

セレス「仕方がないのです、腹括ってくださいますこと?」

山田「っ、も、もしかして、だけどっ…!」


セレス(葉隠を殺す?自殺にみせかけて?)

セレス(な訳ねぇだろボケがぁ!)

セレス(テメェに大泉を殺らせて、逃げ場なくして!)

セレス(単体の事件をふたつ起こし、脱出しようと持ちかけここまで協力させ!)

セレス(機を見計らって私が山田に襲いかかり!)

セレス(私だけが………)


セレス「さようなら、山田君」

山田「ひいっ………!?」目ぎゅーっ


セレス(私だけが生き延びるんだよ!!)




ぶんっ













ぱしっ




山田「………あれ?」ぱちくり

山田「木槌が僕に当たらな…」

山田「!」



セレス「………ハンマーを誰かが!!?」ぐぐぐっ…





「やーっぱりそう言う事だったかい。様子見といて正解だったぜ…いつ起きようか悩んでたんだけどね」




セレス「……あ、あなたは……あなたは山田君が始末したはずっ!」

「おいおい…人を死んだみてぇに言ってんじゃあねぇよ」

セレス「な………?!」

「や、まぁさっきまで【死んだふり】はしてたけどな」ごきごき

セレス「………なぜ、なぜ生きているのです……」

山田「あ………あなたはっ!?」

セレス「大泉洋!!」




大泉「……お待たせ、子猫ちゃん。」



山田「ひいぃぃぃ!?僕も子猫ちゃん認定ぃぃぃ!?」

大泉「るせぇなぁ…いてて、おめぇ助けてやったのになんつービビり方してんだよ」

山田「…え?あ、せ、セレス殿のハンマーを後ろから握って振りかぶれないように…?」

セレス「くっ!」

大泉「成人男性舐めんなよこのっ!」ぐいぐい

セレス「きゃっ…!」ずるり

がたんっ(←セレスの手からすっぽ抜けた木槌が床に落ちるSE)

セレス「くそっ!…なぜ…あなたが生きているのですか?!」

大泉「………ああそう、それねそれ」

山田「な、なんでっ!?僕は大泉洋殿が【死んだ事を確認しました】ぞ!」

大泉「【死んだ事を確認した】ぁ?」


コトダマ
>【死んだふりの方法】

大泉「それは違うんでねぇの?」論破!!


山田「!?」

大泉「山田くぅん。君はどっかの誰かみたいに間抜けじゃあなかったんで、息の確認だけでなくちゃーんと脈も計ったねぇ」

大泉「でもねぇ山田くぅん、本当に死んだ事を確認すんならさ」


大泉「………【手首の脈】じゃなくって【首筋の脈】計んねぇとダメだぜ」


山田「た、確かにあの時僕は、うつ伏せに倒れた大泉洋殿の左手首から脈を計りました、が…!」

セレス「ど、どういう事ですの!?」

大泉「あら、セレスさんもご存知なかったの?古典的なトリックだから知ってるかと思ったけど」

大泉「手首の脈はね、実は慣れてなくてもほんの何秒かなら止められるんだよ」

セレス「……どうやって!だってあなたは急に襲われて、そんなトリックを用意している時間はなかったはず!」

大泉「いやぁ…、これがまた幸運な事にあったんだよ」

セレス「…え?」

ぐにぐに



ーーーーーーーーーーーーーーー


葉隠「あー、と……ついでにこれもやる!」ぽい

大泉「…これは?」

葉隠「ふふふ、それはマジにすげーぞ…何とボール状のクリスタルだ!」

大泉「嘘つけてめぇこれ【スーパーボール】じゃねーかよ!」ぐにぐに

葉隠「嘘じゃねって!」


ーーーーーーーーーーーーーーー



コトダマ
>【スーパーボール】


大泉「これがね」解!


山田「す、スーパーボール!?」

大泉「これがたまったまぐうっぜん服の中に入っててねぇ(棒読み)」

セレス「……!!」

大泉「これを脇の下に挟み、強く脇を締めればいいんだ。幸いその細工をする時間はあったんでな」ぎゅう

大泉「やり方あってりゃ30秒、1分くらいなら余裕で止められるぜ?探偵ものの基本さ、有名なのはかまいたちの夜だけど」

大泉「…息は自分で止めとけばいい。その位なら出来るし、何より部屋は暗かった。ちょっと位動いててもバレやしない」

大泉「それに自己申告通り山田は、ハンマー振ってる時に目ぇ瞑ってやがったからな」

山田「う…っ」汗だらだらっ

大泉「だからマジで頭かち割ったかどうか、その瞬間を見ててくれてなかったからごまかせた」

大泉「確かに頭に1発、いいのもらったけど?そんなので死ぬほど俺もヤワじゃねーのよ」


大泉(………ま、ダメージはあるけど…倒れてたのは半分ほんとだし)ふらっ


大泉「あっちこっちバカみてぇに振り回すから…おかげさまで額ぱっくりいっちまってよ。血が止まんなくて、マジで死ぬかと思ったわ」

大泉「ただ血が流れてねぇとさすがに不審がられる。そう言う意味ではファインプレーだよ、山田くぅん」

山田「……!」

大泉「敵を欺くにはまず味方からって言うだろ?俺ぁ生の唐辛子をシゲに食わせるために演技する男だよ?騙されちゃダメだべや」


※Tips
【ハナタレナックス】で農園作った時の話。すっごいあいまいな記憶で書くと、大体こんな感じ。
大泉「うわ、すげぇ!成り立ての唐辛子って甘いんだな!シゲ食ってみ!」がじがじ
戸次「え?マジ?」がじっ
(さりげなく音尾もかじってる)
大泉「嘘だよバーーーカ!げほっごほっ」ぺっぺっ
戸次「かっれぇぇぇぇぇっ!!」
音尾「(うへぇって顔)」


セレス「バカな…そんな、そんなバカな話が…」

大泉「ナゾ解明ッ!」びしっ!

セレス「………そん、な」へなへな

山田「じ、じゃあ僕は」

大泉「まだ殺人は犯してないって事さ。死にかけたけど死んじゃあねーよ」

セレス「ありえない、だって、だって私の、計画は、完璧…に…!」ぺたん

大泉「ああ、完璧だったさ。俺が本当に死んでればだけどな」

セレス「なっ………!」

大泉「セレス、おめぇの敗因は山田を信じすぎた事だ。山田が俺を死んだと言って、おめぇはそれをありのまま信じた」

大泉「だから俺の生死を自分で確認しなかった。怠ったんだよ、おめぇ自身がな」

大泉「バカでねぇの?山田は一般人だよ?大体、普通の人間なら死体なんてまず見ないし触らない…身内に不幸がない限り」

大泉「それに仮にあったとしても、そんな死体に対する知識なんていちいちその場で引っ張り出せるやつぁ常人にはまずいない」

大泉「そして何よりおめぇは、何度もチャンスがあったのに俺の姿を確認する事が出来なかった」

セレス「………」

大泉「山田は計画を成功させるために真剣に動いてるもな、俺が台車で運ばれてる間にちょっと息してても気付かねっての」

大泉「そこまで気は回らないさ。なんせこの計画は時間とタイミング勝負だ」

大泉「…死んだはずの山田が、自力でぴんぴん動いてるところを見られた時点で終了だからな!」

山田「……ああ……!」

大泉「それにおめぇら自身、思ってもなかったはずだ」

大泉「自分達と全く同じように、死んだと見せかけておくトリックを使うやつがいるなんて!」

大泉「山田、おめぇは自分で死んだふりしてたのになんで気付かなかったんだろうな?」

大泉「それは…自分と同じ事をするはずがない、と言う思い込みから生まれた慢心だったんだよ!」ばんっ!

山田「!!!」

セレス「…ふ…」

大泉「まだ何か言いたい事でも?」






セレス「だからどうした?と言う事だよこのクソ野郎」






大泉「………は?」

セレス「だからどうしたんですの?私の計画を全て止められたわけとは違いますわよね!?」

セレス「そもそもこの計画は、私と山田君が共謀し、殺人を2件起こせば成立する!」

セレス「そしてその濡れ衣はあのバカクレにぜーーんっぶ被ってもらうんですのよォォォォ!」

大泉「…葉隠?なしておめぇの殺人計画に葉隠が出てくるんだ?」

セレス「今回は未遂になったがな、テメーのせいだボケェェェ!でも、殺人未遂の事件を企てた証拠は既に揃っている!」

セレス「あなた方がいくら証言しても無駄無駄無駄無駄ァ!」

セレス「抜かりなくその手筈も整っておりますわ!」

大泉「………なに?」

セレス「そしてみんなにそれを信用させればいい!あなたがいくら事実を突きつけても」

セレス「私の勝ちは変わらないんだよ!!」

セレス「追い詰められてんのはむしろあなたの方!それを…」

セレス「すぐに分からせてやりますわ!!」

山田「…セレス殿…」

大泉「……あ?」

ーーーーーーーーーーーーーーー



校舎2階

プール




ーーーーーーーーーーーーーーー


がちゃんっ


霧切「見つけたのよ、探索してたら」

レンガレンガ『Zzz……』

朝日奈「いた!?」

石丸「まさしくレンガじゃないか!」

舞園「と言うかよく入りましたね」

霧切「まさかこんなところにいるなんて、誰も想像してなかったでしょうね」

大和田「そりゃー3階探してもいねぇわけだ」

霧切「そして私達の予想が合っていれば…」

ばしばしばしっ

レンガレンガ『…う…っ、ここは…』

レンガレンガ『…!? う、おおお!?動けねぇ!?』

霧切「やっぱり葉隠君ね」

石丸「君がこの計画を企てたのか!」

レンガレンガ『なに?計画?なんの話だ?』

ーーーーーーーーーーーーーーー




しばらくして




ーーーーーーーーーーーーーーー


がちゃ…


大泉「死ぬかと思ったー」ひょこ


霧切「!?」
苗木「!?」
舞園「!?」
十神「!」
レンガレンガ『え?なに?』




サプライズ




朝日奈「な、え…お、大泉ぃ!?」

大泉「………よぉ、僕の子猫ちゃん達。寂しかったろ」ふらっ

石丸「ば、バカなっ!?あなたは確かに死んだのでは!?」

レンガレンガ『え?そうなの?』

大泉「その話はとりあえず後だ。しょっぴいて来たぞ、犯人をな」

苗木「犯人っ、て…」

セレス「………」すたすた

山田「………」すたすた

江ノ島「はぁ?っつーか山田も死んでないじゃん!?」

舞園「よかった、ほんとによかったです…!」

苗木「それにしても、どうしてここが…」

大泉「葉隠の居場所聞いたら喋ったからな、来て見た」

大泉「んで、みんなは何してるとこ?」

レンガレンガ『ちょっと今どうなってんだか詳しく教えてくんね?』

朝日奈「って言うか犯人って言った?今回の犯人は葉隠じゃないの?そもそもなんで大泉生きてんの?イミワカンナイ!」

霧切「……ええと、今は葉隠君が本当に犯人なのかどうか、証拠集めをしているところです」

石丸「それで先ほど数名が、葉隠くんの部屋に向かったのですが…」

レンガレンガ『やめてくれよぉ…まだ世間に発表してねぇとんでもねー事実とかあんのに…』

大泉「なんだそれ」


がちゃっ

桑田「やーはー、舞園ちゃん!見つけたぜ!」

翔「聞いて驚け見て笑え!葉隠の部屋にあった―――」

不二咲「れ、【レンガレンガの設計図】だよぉ…!」びし


大泉「どうでもいいけどなんでレンガレンガよ」

桑田「!?」
翔「あらァん?」
不二咲「!?」


舞園「戻って来たんですか!」

桑田「え、な、おお、いずみ、さ……!?」

大泉「まぁそうなるわな」

翔「アンタなら生きててくれるって信じてたわよアタシ!」

苗木(君はさっき出てきたばかりじゃないか!)

大泉「で、なにが葉隠の部屋にあったって?」

十神「【レンガレンガの設計図】だそうだ」

江ノ島「つまりなに?葉隠が自分で作って自分で着たってぇの?」

大泉(なるほど、諦め悪いねぇセレスさん…こうすれば裏の事情を知らない生徒は、葉隠がやったって信じるよねぇ)

大神「【設計図】が部屋から見つかったのだ、やはり今回は葉隠が犯人では…」

大泉「ん?どれどれ?見して」かさかさ

不二咲「お、大泉さ、血…」

大泉「………」ふむ

セレス「だから言ったじゃありませんの!私は葉隠君に脅されていたのですよ!」

レンガレンガ『は?』

セレス「私は昨日の夜時間前に葉隠君にぶち犯され」

レンガレンガ『はぁ?』

セレス「そしてあそこにあった皆の財産たるアルターエゴを奪われ」

レンガレンガ『え?なにこれ?』

セレス「葉隠君の殺人を手伝えと強要されたのです」

レンガレンガ『』

セレス「しかしこのままではいけない…このままでは全員のためにならないと悩んだ末に」

セレス「私はターゲットだった山田君に事情を説明し…手伝ってもらったのです、この狂言殺人を!」

朝日奈「は!?」

桑田「マジかよ…!」


大泉(…ひでぇでっち上げだ)

大泉(だがまだ………セレスは諦めてない。多分山田は口割らないだろうしな。それにここに口を挟んでも無駄…)


セレス「そうして私は気付いたのです……そう!」

セレス「実は葉隠君は…ただ利用するだけ利用して殺すつもりで…」

セレス「今回の事件は葉隠君と大泉さんの共謀だったのだと!!」


レンガレンガ『』
大泉「」

大泉(………そう来たかー)

苗木「えっ…!?それってどう言う事!?」

セレス「お分かりですかぁ?」


セレス「おかしいと思いませんか?そう思う節はありませんか?葉隠君は今日このタイミングまで一度も姿を現していない」

セレス「そして大泉さんは死体の振りをして物理準備室に転がっていたのです…そう、これが連続殺人だと思わせるため」

朝日奈「なんでそんな事する必要があるの?」

セレス「分かりませんか?アリバイのためですよ!死体である事を確認されれば、それだけでアリバイが作れる!」

セレス「そうして時間稼ぎをして、私に山田君を美術準備室まで連れてこさせ」

セレス「最後にはそこで、大泉さんが山田君を殺害する予定だったのです…!」

セレス「死体に見せかけた大泉さんを葉隠君が美術準備室に運び込み、山田君にそれを確認させた上で大泉さんが山田君を殺す!」

セレス「死体が殺人を犯すなんて誰も考えつきませんものね!さすがは日本一の演劇集団のひとり!」


大泉「おいおいセレスさん、無茶苦茶を…」

セレス「大泉さんが死んでいない事に、誰も気付いていなかったのは演技の賜物」

セレス「額が血に濡れているように見えるのは塗料を使ったトリック!」

セレス「それに大泉さんは手先が器用!【ホワイトウルトラハンマー】を仕上げる事など容易かったはず!」

大泉「え?ホワイト……」

石丸「ホワイトウルトラハンマー、だ!」

大泉「あ?それって南郷n」

セレス「それ見た事か!あなた、ご存知じゃありませんか!」

大泉「い、いや、ホワイトウルトラハンマーっておめぇ!」

セレス「私は脅されて手伝わされていただけ!本来皆さんが憎むべきは葉隠君と大泉さんなのですよ!」

セレス「だって…本当なら山田君は死んでいるはずだったのです!!」

セレス「その証拠に!葉隠君の部屋からは【葉隠君が書いたレンガレンガの設計図】が出てきたじゃないですか!」



大泉「………!」

セレス「つまり…私を利用し、謎の不審者・レンガレンガを演じ皆さんを混乱させ」

セレス「金目当ての人に狙われると思われている大泉さんを唆して、トリックを考え、彼が死んだと見せかけて」

セレス「その上で全員の注意を逸らし、山田君を殺す事を大泉さんと計画したのは葉隠君なんです」

セレス「自分で設計し、自らそれを着て、皆さんを脅かし、あまつさえ殺人まで企てたのが葉隠君なんです」

セレス「信じてください…私はただ、葉隠君に命令され、やむなく…」

セレス「彼を出し抜くためには山田君にも死んだふりをしてもらう必要があったのです!許してください!」


大泉(おいおいおいおい!無茶苦茶だ!無茶苦茶すぎるぞ!!)


朝日奈「そんな……!」

大和田「テメェっ………!」

石丸「君はっ…そんな事はしないと思っていたのに!」

大泉(だが、口を挟むタイミング見失ったせいで騙されてんな!ちくしょー…)

レンガレンガ『待って待って待って!話が全く見えないから!!』


大泉(…ん?待てよ?セレスのあの言葉っておかしくねぇか?)


不二咲「葉隠君…今のは本当なのぉ?」

十神「………」メガネキリッ

レンガレンガ『なんでそうなんだべ!俺がな事するわけねーだろ!』

大泉「…なぁ、……セレス」

セレス「なんですか!私の邪魔をしないでください!これは復讐なのです!」

セレス「わざわざ【レンガレンガの設計図】まで作って事件を綿密に練った葉隠君への復讐ッ!」

セレス「その【設計図】が自室から見つかった以上!今回の事件の犯人は葉隠康比呂君で決まり…」


【葉隠が書いた設計図】
>【葉隠特製のお札】


大泉「 そ れ は 違 ぇ べ ! 」論破!


セレス「―――っ!?」びくっ

大泉「証拠ならある!」ぴっ

苗木「それは!」

石丸「は、葉隠くんからもらったと言っていた…」

レンガレンガ『ああっ!それは俺特製の運気が上がるお札だべ!』

不二咲「………葉隠君、前見えるの?」

レンガレンガ『見えるべ!ぼんやりとな!』

大泉「…そう!これは【葉隠手製の札】なんだ。【葉隠手製の】な!」

セレス「…それがなにか…!?」

大泉「いやな、【札】を見てから【設計図】見たら、おかしすぎるんだ」


大泉「………【設計図】の字は【乱雑すぎる】」


セレス「え……?」

レンガレンガ『字は綺麗にかかねーと呪われんだぞ!おばあちゃんが言っていた!』

苗木「そんな天の道を司るような事言うの!?」

大泉「【設計図の筆跡】と【葉隠手製の札の筆跡】!なんなら比べてもらって構わねぇぜ!」

大泉「…筆跡を変えるなんて、そうそう出来る事じゃねぇ!」

セレス「!!!」

大泉「葉隠が書いたんじゃねぇんなら、これは別の誰かが書いて、別の誰かが組み立てた設計図だ」

大泉「組み立てた人物が別なら!葉隠にレンガレンガ着せた人物だって別!」

大泉「つまり【設計図は誰かが葉隠の部屋に置いた】って事になる!」

大泉「それとも俺の筆跡とも照らし合わせるかい?俺ぁこんなぐちゃぐちゃな文字は書かんよ!」

霧切「そうね、それが信用出来ないなら私にくださった大泉さんのサイン入り枕を見せてあげるわ」

桑田「オメーさりげなく何やってんだよ!?」

大泉「…図らずも、あの札が本当に運気を上げる事になるとは思わんかったな」

レンガレンガ『かっけぇぞ大泉っちィィィィィ!!』

大泉「だけどこれで分かったろ?レンガレンガの設計をしたのは葉隠じゃねぇっ!」


大泉「 ナ ゾ 解 明 ッ ! ! 」解!

 C O M P L E T E ! 


セレス「………ッッッ!!」ギリギリギリ!

大泉「なぁセレスさん、いい加減認めてくれ」

霧切「! ………なるほどね、読めて来たわ」

大泉「もういいだろ。証拠用意してたのもすげぇと思うけど、こっちにも反証ってもんがあるんだ」

大泉「おめぇのターンは終わりなんだよ」

十神「セレス…どうやらお前は口先で俺達を騙すつもりらしいがもう無駄だ、負けを認めろ」

セレス「………」ブツブツ

大泉「もうダメ。君は投了するべき盤だ」

セレス「まだ…し……けて………」ブツブツ

大神「………セレス?」

石丸「どうしたのかね?」


セレス「まだ………」




セレス「まだ負けてねぇっつってるだろうがクソ生意気な天然パーマがよォォォォォォ!!」




大泉「」!?



セレス「だからどうした!百歩譲ってその筆跡が葉隠君ではない事は認めますよ!」

セレス「けれど!葉隠君が大泉さんを運んだのは事実!大泉さんを…部屋から動かす必要があったから!」

苗木「待って!それはおかしいよ!」

セレス「ぁあ?外野は黙ってなさいよ!」

苗木「レンガレンガは腰を折る姿勢が取れないよ?あの台車には持ち手がない…」

十神「しゃがんで両側のくぼみを持たなければ押せないだろうな。そもそも、荷物を積むので一苦労だ」

セレス「そんなの葉隠の腕のリーチならしゃがまずに出来る可能性もあるじゃねぇかぁぁぁぁぁっ!!」

十神「そもそも、それは山田も大泉も死んでいる事が前提の話だろう?ふたりとも死んでいなかったんだ」

十神「大泉がお前達に協力していなかったと言う事なら、きっと大泉はやっていないのだろうが」

霧切「死体が消えたのではなく、死体に自ら動いてもらった…それがこの謎の正体よ」

朝日奈「じゃ、保健室で最初山田が死んだと思ったのは…」

霧切「保健室には輸血用の血液があったの。冷蔵庫に保管されていたわ…恐らくあれを使ったのね」

不二咲「そっか…血が頭から出てると見せかけたんだねぇ!?」

セレス「なわきゃねぇだろうがぁ!てめぇらは山田も大泉も死んでるって確認したじゃねぇかよォォォォ!」

大泉(……むちゃくちゃだ、むちゃくちゃ言ってる……)

セレス「だったら襲われた順番はどう説明つけるんだよァァアアアア?!」

苗木「それならこう考えたらどうかな?……数字が書かれている順番通りに、ホワイトウルトラハンマーは使われていなかったって!」

セレス「!?」

霧切「つまり最初に使われたのは、大泉さんを急襲した4号のホワイトウルトラハンマーだったのよ」

セレス「ちげえってんだよぉぉぉぉ!そんなもん証拠がねーじゃねぇかぁぁぁぁっ!!」


大泉「…君は心を全部ぶち折られなきゃ気が済まねんだな」

大泉「終わりにしよう、もう……終わらせようぜ、セレスさん」


セレス「はぁ!?まだだよまだ終んねぇですわっ!だって私はこんな計画企てて…」

大泉「なあ、ひとつはっきりさせたいんだけどよ」

セレス「なんだよ天然パーマぁぁぁ!」

大泉「…セレスがぶち犯されたってのはいつだ?」

セレス「だから!それは【昨日の夜時間になる直前】の!」

大泉「んで葉隠、おめぇにこの札を返品しにランドリーで会ったのは?」

レンガレンガ『ん?それはオメー【夜時間前後】だろ。【夜時間のアナウンス】を一緒に聞いたじゃねーか』

セレス「………!!!」

霧切「それに、セレスさん…それは矛盾するわ。私達がアレが無くなっているのを確認したのも【夜時間になる前】」

霧切「その前後、私は苗木君はじめ生徒5人と…ある場所にいた」

霧切「あなたが言うとおり、直前にアレを奪われたのだとしたら……」

霧切「決まった場所に決まった人がいなければならない!」

霧切(そう、大浴場に、その時間に……葉隠君とセレスさんが!)

セレス「………ぐ、うっ!?」

大泉「これでもまだおめぇは、自分じゃねぇって言い張るのか?」

セレス「それ、でも…まだレンガレンガを葉隠君が着ていると言う事実は変わりませんし…!」

レンガレンガ『ところでこれ誰か脱がしてくんね?』がたがた

朝日奈「自分で脱げないの?」

大和田「金具が外に着いてんだなこれ………ん?金具が外に?」

苗木「レンガレンガには手がないんだよ?外に付いた金具を自分では止められない…!」

レンガレンガ『こんなもん自分で着れるわけねぇだろ!?』

セレス「………っ!」

大泉「自分でレンガレンガを演じるんなら、なんでずっとレンガレンガを着てるんだ?」

大泉「いいタイミングで脱げば、こうやって発見される事もねぇだろうに」

霧切「そもそも自分で着れず、自分で脱げないスーツなんて自分で設計するわけがないものね」

朝日奈「でも葉隠バカだからやりそう」

レンガレンガ『ちょいちょいひでーな朝日奈っち!』

セレス「まだ、まだ…!それは私が着るのを、手伝わされ…!」

レンガレンガ『俺は深夜に、抜け道が見つかったって呼び出されて…娯楽室に行ったら誰かに襲われたんだよ!!』

大泉「呼び出されたメモは山田なりなんなりが処分しただろうな。けど」

大泉「焦りすぎたな、セレス。これはギャンブルじゃねぇんだ」

十神「信用勝負になった今、お前に勝ち目はない」

苗木「セレスさん………君が今回の犯人だ」

セレス「………は………」どさっ


苗木「君の負けなんだよ」


セレス「………負け………!」がく

山田「セレス殿…葉隠康比呂殿に乱暴されたと言うのは嘘だったのですか?」

大泉「葉隠がな事出来るタマか?」

レンガレンガ『無理です』

セレス「………」

不二咲「えっとぉ、つまり……大泉さんは死んでなくって…ぇ」

セレス「………」

大神「なぜだセレス、なぜこんな事を企てた」

セレス「………」

山田「あれは嘘だったのですか…僕をあの時襲ったのも、本気で殺人を犯そうと…」

朝日奈「山田とセレスちゃんが共謀して…」

桑田「……逆に大泉さんと葉隠嵌めようとしてたのかよ」

霧切「しかも、最後には用済みになった山田君を切り捨てるつもりでね」

苗木「なんで…この生活に適応するべき、生きるべきと言った君が、一体どうして…」

セレス「適応お?」ぎろ

朝日奈「え?」

セレス「な訳ねぇだろ………」よろよろ

セレス「私はなぁ!誰よりもここから出たかったんだよぉ!」

セレス「こんな狭くてくさくて馴れ合いばっかりの、刺激のねぇ場所で適応?出来るわきゃねーだろが!!」

セレス「私の夢の!目標の!そのために私は計画を企てた!」

朝日奈「夢の、ため?」

セレス「………」ふぅふぅ

セレス「………ええ、そうですわよ………私の夢………」ふぅふぅ


セレス「西洋の城でたくさんのイケメン吸血鬼(ヴァンパイア)を執事に迎え優雅で美しい生活をする事!!」


レンガレンガ『』
苗木「」
朝日奈「」
大泉「………お、おう」

翔「分かるー☆それめちゃめちゃイケてるー!」

十神「お前黙れ」

セレス「そしたらあのタイミングで賞金倍額だよ、そら手ェ打つだろうがァァァァ!」

朝日奈「…そんな事のために、人を殺そうとしたの…!?」

セレス「そんな事だぁ?夢のために命張って何が悪いんだよ!見解の相違ですわ!」

大泉「それを否定出来る奴ぁここにはいない。みんな夢があるんだからな」

セレス「そう!だから私は夢のために戦った…そして!その末路がこんなんなんだよ!!」

「そうだよセレスさん、君はそんなもんなんだ」


ひょこっ


セレス「なんっ…!?」

「はぁ…残念だったねぇ、みんな色々と」

苗木「!」

大神「モノクマ…!?」

モノクマ「やれやれ。折角今度こそ殺人が起きるかもと思って構えてたのに、まさか誰も死んでないとかあり得ないよ」

モノクマ「チョベリバだね」

江ノ島「あんたからしたらチョベリバかもね、あたしらからしたらチョベリグだけど」

大和田「どっちも古ぃよ」

大泉「ぁあ?てめぇ何しに来たんだこのクマ」

モノクマ「ん?いや、様子を見に来たんだよ。セレスさんの無様な負けの姿を見に…ね」

セレス「………っ!」ぎりっ

モノクマ「折角殺人が起きてたらアレを出来たんだけど、起きてないからなー……仕方ないか」

モノクマ「でもヒヤヒヤしちゃいましたね!本当に大泉クンが死んだかと思いましたよ!」

モノクマ「いやぁ、ありがとねセレスさん!山田クン!とれ高おっけーだよ!」にぱー

翔「とれ高?アンタ何言って…」

モノクマ「数字もいいし?セレスさんのおかげだよ?みんなにご褒美をあげちゃうね!」

十神「数字もいい……?お前は何を言っている…?」



モノクマ「明日、校舎の4階を解放するよ」


苗木「なっ……!?」

大泉「どう言う風の吹きまわしだ?」


モノクマ「そして絶望するといい」

モノクマ「今までよりこれからよりもっともっともっと」




大泉(果たして、事件が起きなかった事は俺達にとっていい事だったのだろうか?)

大泉(殺人を企てたセレス、それに手を貸した山田)

大泉(こいつらと、俺達はまだ生活を続けなければならない)

大泉(それは果たして、この後の生活にとって救いなのだろうか……?)

大泉(モノクマの謎のコメントに、俺達は頭をかき乱されながら)

大泉(俺はプールサイドでただ沈黙するしかなかった)


ーーーーーーーーーーーーーーー



【Chapter3】

新世紀騙され伝説再び!
大泉洋よ新千歳空港に立て!



【END】



残り【16人】



ーーーーーーーーーーーーーーー



◆夜




「ええっと、セレスさんが言ってたのは」

「………ここね」

「多分、無事なはず………」


がちゃ


「…あった」

「どう?霧切さん」


ぶぅぅんっ



『…あ、苗木君!霧切さん!』

「問題なさそうよ」

「よかった…アルターエゴは無事だった」

『暗かったよぉ…みんなは大丈夫だった?』

「ええ、無事よ」かたかた

『そっかぁ…よかったぁ』ほっ

「アルターエゴ…彼も立派なボク達の仲間なんだ…」

「人とプログラムの境界線ってどこなのかしらね…」

「………分かんない。ただ、言えるのは………アルターエゴも戦ってるって事だよ」

「………ねぇ、苗木君?………もうひとつあなたに確認してほしい事があるのだけれど」

「え?それって…」





◆そのころ、校舎2階



よろよろっ

どんっ


大泉「ふぅっ……」


大泉(全員プール付近からいなくなるのを待って、俺はプールを出た)

大泉(早く頭洗いたかったけど仕方ねぇよな、こればっかりは)


大泉「……あー……まだ頭いてぇ」がしがしがし

大泉「………っ」よろ


大泉(…血を流しすぎた、な)

大泉(つってもこんなかっこ悪いとこ、誰にも見せらんねぇし)よろよろ


大泉「今後セリフ覚えに影響出たらあいつのせいだ…くっそ山田の野郎、強めに叩きやがって……」




ざっ

大泉「………ん?誰だい君、一体どっから」


ぎらっ


大泉「なんだいそれ」

大泉「いやもう今日は終わりでしょ?もう終わり、ね?」

大泉「よくばりさんなんだからもう、で…君誰?」




「貴方は知らなくてもいい、大泉洋」



大泉「あれ、君…どこかで」



「初めまして、そして」


「さようなら、大泉洋」



大泉「………え」






どすっ

ーーーーーーーーーーーーーーー




【Chapter4】

コーリング・コーリング・ユー


(非)日常編




ーーーーーーーーーーーーーーー

今日はここまで(どどん)
長かったー。なんかトリックとか変なとこあるかもしれません。何回か書き直してました
大泉さんが使った脈止めはポピュラーなのでわりと簡単にググれます


Chapter3タイトルはもうなんか言わずもがなって感じのタイトル
でも大泉さんだって頑張るんだよ
ちなみに千歳は1さんのふるさと。いいところだよ

Chapter4は歌モノタイトルつながりです


さてこのスレでの投下はここまでです

☆予告(大嘘)☆



新たな階層


苗木「今度はなんだよ!」


興奮するモノクマボトル


舞園「なんかいいですね」


開かずの間


霧切「ね?簡単でしょ?」


謎の女


「だからアタシテレビって嫌い!」




大泉「………さよならだな」



Chapter4
乞うご期待っ!

そうそうすっかり宣伝忘れてた。
明日17日のCSでナックスがたくさん見れるぞ!
LaLaTVで戸次!ネコで安田!ファミリー劇場で音尾!

大泉「本編書かずにおまけ出来たってかい、おめぇバカでねぇの!?」

1「じゃじゃじゃじゃじゃじゃあ!とりあえずおまけを見てくださいよ!」

朝日奈「おまけだよー」



戸次「言っとくけどなお前ら!」指差し

戸次「俺のガンダムへの愛はすげぇからな!」真顔


石丸「……ええと?」

山田「お、おう」

戸次「え、なにこの温度差?」

舞園「いえ、ちょっとあまりに突然だったので…」

腐川「な、なによ……どうせブスだと思ってるんでしょ……」

戸次「思ってねぇよ!おい、いきなりすごい言いがかりだな!」

朝日奈「ほんとに誰?」


霧切「ご紹介しましょう」

霧切「残念、残念、また残念。ミスター残念、戸次重幸さんです」


戸次「やーめーれ!そう言う言い方すんのぉ!」

朝日奈「…なにこの人」

戸次「戸次重幸です」

桑田「とつぎ?」

十神「本来の読みは「べっき」だがな」

戸次「立花宗茂とかで有名だね」

※Tips…【戸次重幸】
とつぎ・しげゆき。NACSの3番手で、北海道手稲区出身の舞台俳優。手稲が生んだ最後のイケメン、又の名を【手稲が生んだ青い流星】。
通称シゲ。ちなみに本名は【佐藤重幸】であり【戸次】は芸名(スレで説明した通り、急逝した母の旧姓)である。
戸次になってからは「とっちぃ」と呼ぶファン層が増えたとか増えてないとか。
俳優として活躍する一方、自らも脚本家、あるいは劇団主宰として精力的に舞台公演を行っている。
だがその実、おっぱい魔人。また性格は「子供がそのまま成長したような無邪気な男」である。永遠の40歳児とも。って言うかあれで40歳だと…?
残念なイケメン。と言うか残念。喋らなければイケメンとも言われるが、実際喋らなくても残念。詳しくは「シゲ 残念」でググると掃くほど出てくる。
携帯の待ち受けにすると、戸次が持ち主の不幸を吸い取りご利益がある。【おにぎりあたためますか】で実証済み。
メンバー唯一の未婚。そのため、主に他人の幸せや惚気に対して敏感に反応する(新婚のラーメン屋店主にジェラシー発動したり)。
逆にメンバーや周囲からはそのネタでよく「おい戸次」「聞いたか戸次」と叱責される事もしばしば。
ガノタ(ガンダムおたく)としても有名で、特に【シャア・アズナブル】への情熱は一級品。
ちなみに1st・逆シャア・Zしか認めない、と言っていた。最近はUC(ユニコーン)見て泣いてたらしい(公式ブログより)。
特技は【天空の城ラピュタ】の、シータがパズーに救出されるシーンを演じる【ひとりラピュタ】。戸次はこの場面を「100回以上見た」との事。
ちなみに現在、初の主演映画【ホコリと幻想】が来年春に公開予定。また兼ねてより熱望していた【キス我慢選手権】の映画第二弾にも出演が決定した。



朝日奈「だから誰!?知らないよう!?」

戸次「マジか!はぁー……知らない、俺の事?」

霧切「NACSとしては恐らく4番目に東京進出した……のだと思うのだけれど」


※Tips…NACSの東京進出
大泉、安田がわりと早い時期から進出していた事は恐らく皆様もご存知だと思われる。
が、地味に音尾の進出も早かった。NHKのドラマに出たのも、ドラマ【相棒】に出たのも音尾が先。
(NHKに関してはのちの大河【龍馬伝】のファーストカットが音尾から始まったため、北海道が騒ぎになった。【相棒】に関しては、外伝シリーズに戸次が出ている)
なお森崎は

苗木「その前にここどこ?」

モノクマ「ここは特設会場です」

石丸「大泉さんは……」

モノクマ「今日はいません、収録です」

舞園「収録ってなんですか!?」

霧切「ここはパラレル空間なのでいいんです、収録とか言ってしまっていいんです」

戸次「いやぁ、潔い!www」

山田「して、その戸次重幸殿となにをするんです?」

モノクマ「いや、山田クンと戸次クンのロボットよもやま話聞きたいじゃん?」

戸次「あ、お前普通にクン付けなわけな」

モノクマ「まぁね」

山田「むむ?僕のロボット話が聞きたいんですかな?」ずい

戸次「で、君ね、山田君っつーのは」

山田「ええ。大泉洋殿にはいつも助けられてばかりで」

戸次「いんやいんや、あいつがそんな人助けする時は大体見返り求めてる時だから」

霧切(いつもながら辛辣!)

戸次「んで何?山田君と?」

モノクマ「ロボットの話を…」

戸次「……はぁ?」

モノクマ「え?」

大和田「あ?」

霧切「……あー……」

戸次「あのさぁ、お前さぁ」ずいっ

モノクマ「………はい?」


戸次「お前はまーーーったくわかってないっ!」キッパリ


モノクマ「はい?」

戸次「ロボットの話って!ざっくりすぎんだろ!!」机ばん

モノクマ「」びくっ

戸次「どの!ロボットの!話を!したらいいんだっつー事だよ!」ばんばん

山田「その通りですぞ!」同意

モノクマ「えっ、えっ」

舞園「モノクマが動揺してます……」

霧切「同情はしないわ」

戸次「俺は!ロボットは確かに大好きだ!」

戸次「だがなモノクマ、ロボットも千差万別なの!」床どん

戸次「お前のように可愛らしくてまるでぬいぐるみみたいなタイプもいるだろうさ!」

モノクマ「あのボクは学園長…」

戸次「しっっっかーーーし!」

モノクマ「……」

戸次「タチコマのように機械ながらもゴーストが芽生えたりだとか、R2D2のように、人らしい振る舞いをしたりだとか」

戸次「お前に近いがお前よりも上なんだよこの辺のは、分かるかモノクマ?お前は所詮人の操り人形!」

戸次「ちなみに俺はああいう『アンドロイドに人格が生まれる』パターンで大体泣く!」ばんっ

モノクマ「」

石丸「……すまない、なにを言っているのか全く理解が……」

霧切「大丈夫、7割以上の人間はそうなるの」

十神「これだから残念は…」

大泉「だからあいつ結婚出来ねんだって」

音尾「ま、ね。シゲちゃんはさぁ、趣味わかってもらえるお嫁さんをもらえばいいじゃない(投げやり)」

苗木(って言うか大泉さんいるし)

朝日奈(また知らないおじさんが増えてるし)

モノクマ「あの……えーと……」

黒幕(こいつの言ってる事が3割もわかんねぇぇぇぇぇ!!!)

戸次「あ?なに?戦闘ロボットの話した方がいいの?そっちがいいの?ブライト艦長の話とかは興味ない?」

大神「なに?ぶら、い……」

森崎「ブライト艦長なぁ。懐かしいな、昔コスプレやったもな」

戸次「そうそう、それであなた、カメラが回ってないところで衣装濡らしてね」

大泉「おっさんポンコツすぎんだよ!」

朝日奈(私からみたらみんなおっさんだけどね)

山田「しかし困りましたな。戦闘ものを中心にとは…いかがですか、戸次重幸殿?ロボットものにおける戦闘は…」

戸次「戦闘はさ…結局戦争じゃない。ガンダムだって一年戦争ってね、短いようで長い一年の戦いだけど……戦争なんてさぁ……悲しいじゃない。みんな傷ついてね、」

戸次「だってさ、よーく考えてみ?誰も悪くないんだよ?なのに人はどんどん死んでくんだよ。分かる?あのね、俺としては逆シャアの……って…えーとね、順を追って説明した方がみんなには分かりやすいかい?ガンダムのいっちばん最初から説明するわ。あれね、アムロが出てくるガンダムね…「こいつ…動くぞ!(モノマネ)」ってのが有名n」


☆5分経過☆


戸次「そこでスレッガー中尉はさぁ、3段構えで攻撃出来るだろ?っつって、その作戦を立ててさぁ、そのあとアムロ達を諌めてから言うわけだよ!「悲しいけどこれ、戦争なのよね(モノマネ)」って!なにが悲しいってお前分かる?自分がやられるのはもう確実なんだよね、この作戦。それを全部見越して悲しいけど、なんだよ!劇場版はそれが分かってn」


☆15分経過☆


戸次「アムロもシャアも互いの理想があって、んでそれをお互いぶつけてるわけさ。どっちも譲れないだけなんです…どっちも悪じゃない、正義の反対はまた別の正義なんですよ。分かりますか、この凄さが?いや、これほんと別にガンダムだから誇張するってわけじゃなくって、マジで、当時は勧善懲悪の物語の方が受け入れられたってのにガンダムはs」


☆30分経過☆


戸次「…その戦争が終わってみんな平和に暮らしてても、誰かがどこかで泣いてるんだよ…」




腐川(……終わる気配が……)

山田「本当に、本当に悲しい事ですよね…残される仲間や家族ってのは…」

桑田「」

戸次「…結局ね戦争で巻き込まれるのはいつだって罪のない少年少女なわけよ。なんの罪もないさ…」

石丸「」ぶくぶくぶく

大神「あさひn……朝日奈?朝日奈、どこに行った!」

苗木「さっき泳ぎに行ったよ」

戸次「…だからこそね、それを踏まえた上で今度この、逆シャアでの話だけども、シャアは自浄作用を促すためにコロニーを…」

山田「…そうですそうです、分かっていないのは変わっていないのは結局地球側って事で…」

舞園「……(そっと化粧を直し始める)」

戸次「…シャアの言った通りで、地球の重力に魂が縛られてるから…」

山田「しかしνガンダムはほんと革命的でしたな、あのボディ……なによりシールド作れるファンネル……」

戸次「あああ!ファンネルなぁ!でもファンネルの話し始めたらまずハマーンだべ?」

山田「拙者的にはフォウ・ムラサメの話も…」

戸次「フォウも悲しい子なんだよなぁ…」ぐすっ


苗木「ほんとに終わらないね」

霧切「でもオマケにはちょうどいい長さでしょう?」

葉隠「…どうでもいいけど百式って高く売れそうだよな」

山田「ぬぅん!百式をなんだと思ってるんですかそこぉぉぉ!」びしぃ

葉隠「」!?

戸次「クワトロか?次はクワトロの話が聞きたいのか?」

モノクマ「もういいです(即答)」

戸次「お前が聞きたいって呼んだんだべや!」

モノクマ「いや、まさかここまでとは思わないじゃん…」



結論…山田と戸次が一緒に語ったら、多分視聴率が落ちる。

私の数少ないガンダム知識ではこれが限界でした。すまん戸次。
ちなみに戸次さんはカイ・シデンのモノマネがすごく得意です。

そんなわけで、

葉隠「2・一度は行きたい希望ヶ峰学園」大泉洋「ダメ人間っ!」
葉隠「2・一度は行きたい希望ヶ峰学園」大泉洋「ダメ人間っ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1409583078/)


新スレっす。
タイトルはサイコロの旅をイメージしました。
よろしくね。

ここまでの弾丸どうでしょう(ボツネタ供養)



CUEべぇ「僕と契約して、芸能人になってよ!」

音尾「え?」


♩目覚めたこーころはーはしりーだしたー



戸次「決める!メガ粒子砲っ!」どきゅーん


安田「奇跡も魔法もヤスダッタもあるんだよ」


森崎「ひとりぼっちは辛いよなぁぁぁぁぁ……!」


大泉「だからアタシ、ループって嫌い!」


選ばれたおっさん達の戦いが、今始まる!



音尾「大丈夫だよ、洋ちゃん」

音尾「お前はもうひとりじゃない」



魔法おっさん たくま☆マギガ
乞うご期待!(絶対やらない)


ちなみに番外でひとし☆マギガが始まる模様。

腐川「……お、おまけよ」

十神「書き溜めはない……この場で書いている。遅くてイライラするなよ、愚民」


ーーーーーーーーーーーーーーー


某日


ーーーーーーーーーーーーーーー


大泉「……なんでこれなんだい」

霧切「苗木君から、当たりが出たらアイテムが2つ手に入ると聞いたので……」

大泉「あ?当たりが?」

霧切「ダブルは行進ありですよ」


※Tips…【ダブルは行進あり】
釣りバカシリーズのルール。
わかさぎを2匹いっぺんに釣る(ダブル)と、カメラの前まで魚を持って行進しても良い。
また3匹同時(トリプル)は歌っても良いと言うルールも存在し、こちらは音尾が達成した。


大泉「しねぇわ、どこに対して行進したらいいのさ」

朝日奈「まぁそう言わずさ、大泉?回して見たらいいじゃん」

大泉「俺ぁメダル持ってないって……あといい加減にさん付けしろ、大泉さん。ほら」

朝日奈「大泉!!!」

大泉「」カチッ

霧切「ええ、そう言うと思いましたよ大泉さん」

大泉「……ん?そりゃどう言う事だい、子猫ちゃ…」

すっ(霧切の懐から謎の麻袋登場)

しゃ


じゃらじゃらじゃらっ


大泉「!!?」

桑田「テメーあの時オレらにメダル集めさせたのこのためかよ!」


※Tips
どうやらこれ以前に生徒達全員でメダル集めをしたみたいです。かわいそうに。

霧切「300枚くらいあるんじゃないかしら?」

セレス「レイズしましたものね」うふふふ


大泉「多すぎんだろ!?」

葉隠「さすがに正論だべ」

舞園「でも見たくありませんか?大泉さんのダブル」

苗木「……確かに……」

大泉「確かに……じゃねぇよ!?ダブルったって、おめぇこれ当たりが出る可能性なんてひっくいだろ?!」

霧切「いえ、そこまででもありませんよ。苗木君との検証では約10%の割合で出ましたし」

苗木「おかげで手元が動くこけしでぱんぱんだよ」

山田「こけしでぱんぱん……?」

腐川「そそるわね」

大泉「お前ら何言ってんの?」

霧切「とにかく大泉さん!やってみましょう!」

大泉「そしてノリノリだな子猫ちゃん!?」


ーーーーーーーーーーーーーーー





がちゃがちゃ




ーーーーーーーーーーーーーーー

大泉「……これ何枚くらい入れたらいいの?」

霧切「回す前に、最高で999枚入ります」

苗木「と言うか手持ちのマックスが999枚だったね」

霧切「仕様ね」

苗木「仕様だね」

石丸「校則かね?」

山田「似てるけど違う」

江ノ島「つーかさっさと回せし!」

大泉「うるせぇなぁ!うるせぇなぁ!!」


ちゃりんちゃりんちゃりんちゃりんちゃりん


大泉「……まぁ10枚くらいでいいんでないの?」

江ノ島「ださっ」ぷぷーっ

大泉「」カチッ


ーーーーーーーーーーーーーーー



大泉さん
謀反



ーーーーーーーーーーーーーーー


じゃらじゃらじゃら


苗木「」!?

大和田「いや入れすぎだろ!!」

大泉「へへへへへ……おめぇらが集めた300枚、全部入れてやったぜ」

朝日奈「潔いんだかなんなんだか…」


大泉「これで回すぞォーっ!!」



がちゃがちゃ……

ころんっ


大泉「ん?よーし、どれどれ……」ぱか


つ【レイトン教授と不思議な町】


大泉「」

霧切「2007年に発売されたレイトン教授シリーズの第一作にしてエピソード4に値する【レイトン教授と不思議な町】じゃないですか!?なぜこれが!と言うよりもまず3DSがないのになぜソフトだけ、しかもパッケージに入らずソフトだけ!?」

苗木「……」

葉隠「謎解きが邪魔なやつだべ」

大泉「奥行きも邪魔だよ」

舞園「あれはあなただから許される発言なんです大泉さん」


※Tips…【奥行きが邪魔だなぁ】
レイトン教授シリーズが3DSに対応した5作目、【レイトン教授と奇跡の仮面】。
これの完成を記念したWEB番組にて、大泉が発してしまった本音……いや、感想。
なおその前には「ストーリーを楽しむのに謎解きが邪魔だな」とも言っているため、天丼だった模様。


ぴろろんっ


苗木「……え?」


ラッキー!


桑田「あ、当たった!?」

霧切「ダブルですよ大泉さんっ!」

大泉「そう興奮しないでよ子猫ちゃん!」


ころん……


つ【小林製薬の糸ようじ】


霧切「wwwww」←堪えきれず崩れ落ちる

大泉「っっっwww」

腐川「……?」

大和田「……あー?」

葉隠「くっ……w」←こらえる

苗木「え?なんでみんな糸ようじでそんな笑って……」


※Tips…【小林製薬の糸ようじ】
名前からも分かるとおり、小林製薬が発売している糸ようじである。そのまんま。
どうでしょう的には【ヨーロッパ20ヶ国完全制覇】にて、断崖の街【クエンカ】で披露されたモノマネで出て来た言葉。
夜景を前にいろんなモノマネを披露した大泉は「緊迫すると渡部篤志になる」と豪語し、「建物探訪」風のナレーションで夜景の解説を始めた。
しかしそれはうれしーに「似てますかねぇ」と言われてしまったため、「これは似てる」と前置きした上で放ったのが「小林製薬の糸ようじ」である。
その後夜景に向かってひたすら「小林製薬の糸ようじ」を言い続け、藤村・嬉野両氏を笑わせ続けた。
なお【クエンカ】と言う町の名前を【クワンカ】と言い間違い続けているが、そんな細かい事は今更どうでもいい。

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