メリオダス「ん? なんだこれ……」 【七つの大罪】 (75)


――朝――

メリオダス「ふぁ……昨日は忙しくて、店片付けないでそのまま寝ちまったな」

メリオダス「片付けねーと……」トコトコ

ゴチャー

メリオダス「……うわーやっぱ汚れてんなー」

メリオダス「皆は……まだ寝てんのか」キョロキョロ

メリオダス「よし、掃除するか……ん?」


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メリオダス「なんだこれ……」

メリオダス「昨日の客たちの忘れ物かもな」

メリオダス「ピンク色で綺麗だけど……飲み物なのか、コレ?」チョン

メリオダス「……ま。もう出発しちまったし、街に戻って返すのは無理だとして」

メリオダス「……うん。とりあえず飲んでみればわかるか」

メリオダス「んぐ……」ゴク

メリオダス「…………」

メリオダス「……?」

メリオダス「……っ!!」ビク

バタ


ホーク「いやぁー朝の修行は格別だったぜ」トントコトン

ホーク「……またひとつ強くなっちまったな……」シュッシュッ

ガチャ

メリオダス「」

ホーク「」

ホーク「え?」

ホーク「まさか開けた瞬間に俺のパワーで逝っちまったのか……強すぎるのも問題だな……」フゥ

メリオダス「」

ホーク「おい、大丈夫か」ゲシッ


メリオダス「」

ホーク「……」

ホーク「ほいっ」ゲシッゲシッ

メリオダス「」ゴロン

ホーク「お、おいぃぃ!? 大丈夫か!」ユッサユッサ

メリオダス「」

ホーク「う、うぉぉ! エリザベスちゃーん! 大変だー!」トントコトン

ダダダッ


ホーク「早く! エリザベスちゃん早く!」グイグイ

エリザベス「ふぁ……どうしたのホークちゃん……」トタトタ

ホーク「あれを見てくれっ!」

エリザベス「?」チラ

メリオダス「」

エリザベス「……」

エリザベス「」アワアワ

エリザベス「メ、メリオダス様ーっ!!」ダッ


エリザベス「メリオダス様! メリオダス様!」ユサユサ

メリオダス「」

エリザベス「メリオダス様……っ」ギュ

メリオダス「……ん」

エリザベス「!」

メリオダス「ぐかー……むにゃ…」

ホーク「寝てるだけかよ!!」ズコ

エリザベス「よ、よかった……」ヘタ


ホーク「このやろう! 勘違いさせやがって!」ゲシゲシ

エリザベス「ホ、ホークちゃん、ダメよっ」ガシ

ホーク「とめないでくれーっ!」ジタバタ

エリザベス「もう! 勝手に早とちりしたのはホークちゃんでしょっ」

ホーク「た、確かに……!」ガーン

メリオダス「んっ……?」ムクリ

エリザベス「あっ……」


エリザベス「メリオダス様? お体は大丈夫ですか? こんなところで眠られては……昨日はお部屋に戻ってすぐ就寝しましたよね?」

ホーク「昨日残飯を俺にもっと食べさせないから天罰がくだって倒れてここまで転がり落ちたんだな。きっと」

エリザベス「ホークちゃんは少し黙ってて!」

ホーク「えぇ……」ガーン

エリザベス「メリオダス様?」

メリオダス「……」ゴシゴシ

メリオダス「おう、おはようエリザベス。今日もずけぇ可愛いな」ニコ


エリザベス「え、ぁ……」カァァ

ホーク「オィ!朝からなにいってんだお前は!」ドン

メリオダス「それに……」スッ

ホーク「あーっエリザベスちゃん避けろ! またセクハラされるぞ! 胸と尻を隠せっ」フゴーッ

メリオダス「この髪も、今日も綺麗だな」サラサラ

エリザベス「」ボンッ

ホーク「」


ホーク「おおお、おい……なんかおかしいぞ……」ブルブル

メリオダス「ほら、顔を洗いに行こうエリザベス。ホーク、悪いけどここ片付けといてくれねーか?」スッ

エリザベス「あぅ……」ソッ


テクテク……


ホーク「お、おぅ……」ポカーン

ホーク「おかしいっ! あいつはもっと欲望に忠実な奴だ! あんな恋人みてーな……ん?」

ゴチャー

ホーク「よし、とりあえず朝の残飯食べてから考えよう」モグモグ


メリオダス「~♪」シャコシャコ

エリザベス「……」シャコ……

エリザベス (メリオダス様……どうしたんだろう。今は並んで歯を磨いてるけど…… )

エリザベス (さっき……髪を優しく触って……いつもとちょっと違った)カァァ

エリザベス (いやいや……きっとからかわれてるだけっ)ブンブン

メリオダス「ん? エリザベス」


エリザベス「あ、はい?」

メリオダス「歯磨き粉口から垂れてるぞ」ゴシ

エリザベス「あ……すみません」フキフキ

メリオダス「いいんだ。エリザベスその服気に入ってるだろ?」

エリザベス「は、はいっ……なんだかんだで……」

エリザベス (今日のメリオダス様……ちょっとおかしいけれど)

エリザベス (なんだか……嬉しいな……)カァ





ホーク「フゥ……こんなもんかな」フキフキ

ホーク「まったく。なんで掃除までオレがやらなきゃいけねーのよ」

ホーク「……ま、残飯がたくさんあったからいいとするか……けぷ」

メリオダス「――昨日の客たちからは、そんなに情報を得られなかったな」ギュ

エリザベス「え、えぇ……」ギュ

ホーク「えぇ! なんで手をつないで洗面所から帰ってきてんだよ!!」


メリオダス「駄目なのか?」

ホーク「駄目に決まってんだろ! こら、離れろっ!」グイグイ

エリザベス「ホークちゃん、私は気にしてないからっ」バシッ

ホーク「ぁひん! でもだな……そんな恋人みたいな……」

メリオダス「ん? ホークなにいってんだ」

ホーク「は?」

メリオダス「エリザベスとオレは、恋人じゃないか」ギュ

エリザベス「ぇっ……」

ホーク「」


ホーク「な、何いってんだ! おらおら!」ドンドン

メリオダス「ホーク、いい加減認めろってー」

メリオダス「な? エリザベス」

エリザベス「え、いやあの……」

メリオダス「なっ……エリザベスまで、冗談きついぞー?」

ホーク「だからなにいってんだよ! 冗談きついのはおまえだろっ」


エリザベス「……」

メリオダス「エ、エリザベス? 俺は……恋人だよな?」

エリザベス (っ! 動揺している顔……冗談を言ってるようには思えない……)

ホーク「おいおい、まだ寝ぼけてんじゃねーのか。もっかい寝とくか? 俺の蹄で」キラ

メリオダス「エリザベス……?」シュン

ホーク「無視すんな」

エリザベス「い、いえ! 私たちはそういう関係……でしたよね? メリオダス様」


ホーク「エリザベスちゃん!」

メリオダス「そうだよな! エリザベス、ビックリさせないでくれよ」ギュ

エリザベス「ぁ……す、すみません」ギュ

ホーク「え、えぇ……エリザベスちゃん?」コソコソ

エリザベス「とりあえず、様子を見ましょう? それに、メリオダス様に合わせてあげたほうがいいかなって……」コソコソ

ホーク「どうなってもしらねーぜ……」ガク

メリオダス「むっ……」




キング「早起きだね皆……ふぁ」トタトタ

バン「お前がガキに近づいただけじゃねーの♪」ドタドタ

キング「失礼な……こう見えて僕はね……」

メリオダス「おぅお前ら、おはよう」

キング「おはよう団長……ん?」

バン「朝の運動しね~? 団ちょー♪」

メリオダス「いや今日は遠慮しとくわ。エリザベスになんかあったら大変だしな」


バン「は?」


バン「ま、いーけど♪ 鍛練怠って俺より弱くなんなよー♪」

バン「あ、もう弱かったか! ハハハ!」

キング「ば、馬鹿! 団長にそんなこといったら……」

メリオダス「……」

メリオダス「いや、俺のほうがつえーぞ! バンはおかしなこと言うぜ」

メリオダス「さてと……飯作るから手伝ってくれよバン! キングはディアンヌとゴウセル起こしてきてくれないか?」

バン「お、あぁ……仕方ねーな」ボリボリ

キング「手を出さない……いつもならバンに一撃食らわせてるところなのに……」

キング「これは、何かおかしいぞ……」




キング「ディアンヌ! 起きて」スッ

ディアンヌ「ぅん…………むにゃ……」

キング「ディアンヌ、ディア……」

キング (――! 今、ディアンヌは無防備じゃないか!! 今なら、普段できないこともできたり……)ゴクリ

キング (き、緊張してきた……でも、これはチャンスじゃないか!)ボンッ

キング (よ、よし……)スッ

ゴウセル 「お前は何をしているんだ」ヌッ

キング「へっ!? あ、ゴウセル! いやこれは……」アセアセ


ゴウセル「いや、続けてもらって構わない。俺はここで少し見させてもらおう」スッ

キング「なにもしないし、見なくて大丈夫だから!!」

ゴウセル「そうか? それは残念だ」

キング「もう……ゴウセルは何がしたいかわからないよ……!」

ディアンヌ「ぅうん……二人とも朝からうるさいよー……」ゴシゴシ

キング「ディアンヌ! ごめん……」

ゴウセル「すまなかった。キングが何かするつもりだったようで、それを見ていたらつい」

ディアンヌ「そうなの、キング?」

キング「~ゴウセル! いや、何もするつもりなんてないよディアンヌ!」アセ


ディアンヌ「本当?」

キング「うん。本当本当……あははっ……」

ディアンヌ「……」ジー

キング「あっ! そう、二人に言っておきたいことがあってね!」

ディアンヌ「言っておきたいこと? なに?」

ゴウセル「?」

キング「団長の様子が、ちょっと変なんだ」

ディアンヌ「どういうこと!? 具合が悪そうとか?」ズイ

キング「ち、ちかいよ……あ、いや……具合が悪そうとかではなくて……」

ゴウセル「つまりどういう状態なんだ?」

キング「そ、それは……えと」

キング (ディアンヌに言えるわけないじゃいか! そんなこといったら豚の帽子亭は瓦礫の山と化してしまうかもしれない!)

キング (だけどこのままオイラがこのことを言わずに、ディアンヌが団長とエリザベス様の様子を見たら、ディアンヌが悲しんでしまうじゃないかー!)ジタバタ


キング「~!!」ジタバタ

ディアンヌ「キングどうしたんだろうね?」

ゴウセル「ふむ……心拍数が少し上がっている……焦っているのではないか?」

ディアンヌ「ふーん……まあ団長に直接あったほうが早いよね?」

ゴウセル「そうだな。行こう」

ディアンヌ「キング? 今の君もちょっとおかしいよ? 具合が悪いなら無理しないでね」ズンズン

ゴウセル「うむ。同感だ」スタスタ

キング「~!」ジタバタ






キング (考えても仕方ない! とりあえず言うしかない!)

キング「ディアンヌ! 今の団長はね、なぜかエリザベス様のことをいつも以上に気にかけてる!」バッ

キング「あのエリザベス様を思う表情は、まるで、まるで!」

キング「まるで、愛する人を思いやるような――!」

キング「……あれ?」

シーン

キング「ディアンヌ? ゴウセル?」キョロキョロ

キング「~! まずいっ!」ダダッ


キング「ディアンヌ!」バタン!

ディアンヌ「」

ゴウセル「……」

メリオダス「ほら、エリザベス。あーん」

エリザベス「あ、あの……あーん……もぐ……」

メリオダス「うまいか?」

エリザベス「あ、はいっ」

メリオダス「よかった。やっぱバンは料理上手いよな。俺もうまい飯を作れればよかったんだけどなー……」

エリザベス「そんなこと……」

メリオダス「いや。バンのほうが旨いし、エリザベスに不味いもんは食べさせたくないしな」


エリザベス「私は、メリオダス様の作る料理も好きですよ」

メリオダス「エリザベス……ありがとな」ナデ

エリザベス「あぅ……」カァ

メリオダス「よしよし。ほらもう一口。あーん」

エリザベス「あーん……もぐ……」

キング「なんてことだ……」

バン「キングーこの雰囲気はお前には辛いか♪」

キング「そんなこと言ってる場合じゃないよ!」パリン

キング「窓が……」

ディアンヌ「団長~……!」ゴゴゴ

キング「ゆ、床も揺れてる……! 団長!」


メリオダス「エリザベス、頬にソースついちゃったな」

エリザベス「え? どこですか?」

メリオダス「ここ」ペロ

エリザベス「ひゃあっ! メリオダス様……」

メリオダス「ははっ……そんなに驚くことないだろ」

エリザベス「もぅ……」カァァ

キング「こんな時になにやってるの!? 外、外みてよ! 床もほら! 揺れてるよ!」グラグラ


ディアンヌ「団長~!!」バッ

ホーク「母ちゃん! 避けろ! または耐えてくれ!」

キング「わわわ! も、もう駄目だ……」

ゴウセル「待てディアンヌ」

ディアンヌ「何!?」

ゴウセル「団長から、普段では感じられない香りがする」

ディアンヌ「何それ! どういうこと! 他の女の子の匂いってこと!?」

ゴウセル「そういうことではない。俺がもうちょっと近くで確かめてみたい。揺れていては調べられない」


ディアンヌ「……いいよ。その香りが詳しく解れば、団長がどんなことしたかをよりいっそう裏付けできるもんね!」

ディアンヌ「じゃあゴウセル。お願い」

ゴウセル「わかった」スタスタ

キング「た、助かった……まだわかんないけど……」

ゴウセル「団長」

メリオダス「どしたゴウセル」

ゴウセル「ちょっと嗅がせてくれ」

メリオダス「よくわかんねぇけど……エリザベス、いいか?」

エリザベス「えっ私が決めるんですか? ……大丈夫ですけど……」

メリオダス「わかった。んじゃ、ほい」スッ


ゴウセル「くんくん」

メリオダス「声にだすなよ」

ゴウセル「! これは……」

ディアンヌ「何かわかったの!?」

バン「酒場の女の匂いか♪」

エリザベス「……」

キング「バン。頼むから余計なこと言わないでくれ……」

ゴウセル「くんくん」

ディアンヌ「また……?」

キング「きっと確信をつくためだよ……きっと」


ゴウセル「おお」

ディアンヌ「なんだったの!?」

キング「……」

ゴウセル「くんくん」

ディアンヌ「いい加減にするんだーい!!」ドン

ホーク「あぁ!」グラグラ

キング「ゴウセル!! 早く教えてよっ!」ヨロ

ゴウセル「おっと、すまない」

ゴウセル「ふむ……これは」



ゴウセル「メロメロン草の匂いがするな」


キング「メロメロン草だって……!? そうか、そういうことか……」

ディアンヌ「なんだいそれ」

キング「メロメロン草はめったに採れない貴重な草で、食べたら一人の異性のことを好きになってしまう成分が含まれる魔草だよ……」

ホーク「てことは、こいつはそのメロメロン草とやらを食ったってことか?」

キング「いや豚君。メロメロン草は本当に貴重な草なんだ。そこらに生えてる雑草とは違う」

ホーク「豚君て……じゃあどうやってその成分を摂取したってんだよっ!」


キング「それは……」

ホーク「まぁ、エリザベスちゃんのことを恋人とかいってたからな。なにかへんなもんを食べたことは確かだと思うが……って誰だよこんなところに瓶落としたやつは」ゲシ

キング「ん? 豚君ちょっと貸すんだ!」バシッ

ホーク「そんなに欲しがんなよ」

キング「この瓶は……? ゴウセル。これの香りも嗅いでみてくれないかい?」

ゴウセル「くんくん……うむ。同じ香りだな」

キング「そうか……団長はこのメロメロン草の成分が含まれる飲み物を飲んで、何故かは知らないがエリザベス様のことを恋人だと思い込んでいると……」

ホーク「もしかしたら、起きて最初に見たのがエリザベスちゃんだからそうなったのかもな」

キング「なるほどね」


キング「わかったかいディアンヌ。団長はこの飲み物を飲んでこんなことになってるんだよ」

ディアンヌ「その飲み物置いたやつ、誰」
キング「え゙……そりゃ前の街の人たちのだれかかな」

ディアンヌ「そんなややこしいもの置いて……許せない!! ボク、あの街に一旦戻ってこらしめてくるよ!」ゴゴ

キング「ま、まってよ! 今から戻っても会えるかわからないじゃないか!」

ディアンヌ「でもっ!」

キング「幸い、メロメロン草の成分の解毒の仕方ならオイラはわかる」

ディアンヌ「……ほんと?」

キング (かわいい)


キング「その成分を分解するには、様々な素材が必要になるんだけど……」

キング「ゴウセル、オイラと一緒に探してくれないかい? 君の嗅覚と魔力があれば、見つけるのは早められそうなんだ」

ゴウセル「まったく仕方ないな」

メリオダス「なんか難しそうな話してるな? あいつら」ナデ

エリザベス「え、えぇ……」


キング「それから……」

キング「ディアンヌ、君にもついてきてもらいたいんだ」

ディアンヌ「ボク? ボクはここで団長がエリザベスにへんなことしないか見てるよ」

キング「え、いや……えーと、実は必要な素材のなかにオイラたちじゃ苦戦するマタンゴの素材があるんだ」

ディアンヌ「ジャスティフォルでも? 」

キング「う、うん……ディアンヌも、団長を直すのに力を貸してくれない?」

キング「ほら……団長もディアンヌが頑張って解毒剤を作ってくれたとしったら、喜ぶんじゃないかなぁ……?」


ディアンヌ「……」ホワンホワン



……

メリオダス『ディアンヌ! 俺のために頑張って解毒剤を作ってくれたんだってな?』ポンポン

ディアンヌ『うん……ボク頑張ったよ?』

メリオダス『ありがとな。よし、なんかご褒美をあげるぞ』

ディアンヌ『本当? じゃあボク、団長の子供が欲しいな……』

メリオダス『よーし! じゃあ作るか!』ガシ

ディアンヌ『わっ……団長……うん♡
』カァァ


……



ディアンヌ「よし、ボクも手伝うよ! 早く行こう!!」ズン

キング (本当はこんなこと言いたくなかったけど……ここにディアンヌを残すほうがもっとディアンヌに害がある!)

キング (く、くぅぅ……!)プルプル

ディアンヌ「キング?」

ゴウセル「震えてるな」

ディアンヌ「ねぇキング! ほら、早く行こうよ」ガシ

キング「あっ……うん。ごめんごめん……バンと豚君は、ここで団長の様子を見ててくれ!」


バン「あー考えとくわ~♪」

ホーク「任せろキング!」フゴーッ

ゴウセル「ちょっと乗るぞ。ディアンヌ」ガシ

ディアンヌ「OK! よーし、さっさと探して作っちゃうよ!」グッ

ダダダッ!!

ドシンドシン……



メリオダス「あっという間にどこかいったなあいつら」

ホーク「誰のせいでこんなことになってると思ってんだよ!」

バン「まーまー♪ いんじゃねーの♪」

ホーク「よくねーよ!!」


バン「かかか♪ 師匠ガチギレ♪」

ホーク「バン! お前俺が本気になったらミンチだぞ……?だいたいな――」

エリザベス (メロメロン草の成分が入った飲み物を飲んだせいで……メリオダス様はこんなことに……)

エリザベス (私は、起きて初めに見られたからこうなってただけで……特に理由はない……)チラ

メリオダス「どした?」ニコ

エリザベス (なら、今だけでも……ちょっとわがまましてもいいよね……)グッ


バン「……師匠~ちょっと散歩いこーぜ♪」

ホーク「行くわけねーだろ! お前キングの話し聞いてた?」

バン「まーまー、いいだろ?」ガシ

ホーク「おいなにすんだはなせ!」ジタバタ

バン「ちょっと遠くまで散歩しよーぜ!」ググッ

ホーク「おいバカ! はなせっ」

バン「まず行け!ししょー!」ブンッ!!!

ヒュー!

ホーク「――おおおおおおおっ俺は今どうなってる!? 空か! 俺は空を飛んでるのか!」ヒュー

バン「おおっ♪ 流石師匠。よく飛ぶねぇ♪」


バン「師匠ー今から追いかけるから待ってろー♪」

フザケンナー

メリオダス「おーいバン。どうしたんだ」

バン「うんにゃ? なんとなく散歩に行きたくなっただけだわ♪」

バン「つーことで……仲良くやれよ? お二人さん♪」

メリオダス「は?」

エリザベス「へ……?」

タッタッタ……

バン「帰ってきてからキングの慌てふためく顔が浮かぶぜ……ディアンヌにぶん殴られる団ちょーも見てみてーし♪」ダダダッ


エリザベス「ふ、二人きりになってしまいましたね……」

メリオダス「そうだなー……よし、エリザベス。なんかするか?」

エリザベス「あ……じゃあ……」

エリザベス (私とメリオダス様は、今は恋人……)

エリザベス「あ、あのっ!」





メリオダス「こんなことでいいのか?」ポン

エリザベス「はい……昔よくしてもらってたんです。膝枕……」

メリオダス「そうなのか。けど、普通オレがやられる側じゃね?」

エリザベス「ふふっ……そうですね。駄目でした?」

メリオダス「……いや、エリザベスがやりたいなら大丈夫」ナデ

エリザベス「……♪」ギュ


エリザベス「メリオダス様は……私のこと、どう思ってますか?」

エリザベス (今のメリオダス様に、こんなこと聞くのはずるいのかも知れない)

エリザベス (でも……今くらい)

メリオダス「どうって……勿論好きだぞ? エリザベスは?」ナデ

エリザベス「あぅ……はい。私も……好きです」ギュ

メリオダス「どした? 急に甘えん坊だな」


エリザベス「ふふっ……いいんです。今くらいは……」

メリオダス「今だけじゃなくて、いつでもいいけどな」

エリザベス「……」ギュ

メリオダス「あいつら帰ってくるのいつだろうな。これじゃ今日は店も営業できねーし……」

メリオダス「二人でゆっくりするか」

エリザベス「はいっ」


エリザベス「メリオダス様……」

メリオダス「ん?」

エリザベス「私、メリオダス様に会えてよかったです。ほんとうに……」

メリオダス「オレもさ。ほら」スッ

エリザベス「あっ肩……」ギュ

メリオダス「エリザベス。お前だけはオレが必ず守ってやるからな」

エリザベス「はい……メリオダス様、メリオダス様……」ギュウウウ





メリオダス「エリザベス、そろそろいいか?」スッ

エリザベス「あ、すみません……ちょっと長かったですねっ」アセ

メリオダス「いや大丈夫なんだが……ふぁ……なんか急に眠くなってきてさ……」

エリザベス「大丈夫ですか?」

メリオダス「おう……」コク

エリザベス「ふふっ……さっきのお返しです。私の膝でよければ」スッ

メリオダス「さんきゅ……」ポス


メリオダス「すぅ……」

エリザベス「メリオダス様……好きです。この気持ち……いつかほんとうに伝えたい……」ナデ

エリザベス「キング様たちの解毒剤を飲んだら、今日のことは忘れてしまうかもされないけど……」コク

エリザベス「いつか……いつかまた……同じように……んっ……」








ホーク「おいバン! どこまで飛ばしてくれてんだよ!」トントコトン

バン「いや~思いの外師匠飛ぶからさ♪ いいじゃんかもう着くんだし♪」

ホーク「もう夕方じゃねーか! メリオダスのやつがエリザベスちゃんになにしでかしたかわかんねーだろ!」

ホーク「あと何俺の背中にのってんだよ!」

バン「いや師匠の背中楽なんだよ。 ほら着いたから降りるわ♪」ピョン


キング「よし、もう着くね! オイラが調合したこの解毒剤を団長に飲ませれば、きっと直るはずだよ」ガサ

ディアンヌ「ねぇキング? キングやゴウセルが苦戦するっていうマタンゴなんていなかったよね?」

ゴウセル「あぁそんなものはもとより――むぐ」

キング「ゴ、ゴウセル!……い、いやぁ! たまたま他の素材が見つかってさ。代用できたことを思い出したんだ! わざわざマタンゴを倒す手間がなくなってよかったよ!」ググッ

ゴウセル「もが……」

ディアンヌ「ふぅん……それより、早く団長のところに行こうっ」ガサ

キング「うん。夕方になっちゃったけど、バンと豚君が見ていてくれたはずだし……へんなことは起きてないと――」ドン

バン「ん? よぉ♪」


キング「バ、バン! こんなところで何してるんだい!」

ホーク「キング聞いてくれよ! こいつお前らが出てったあと俺様をぶっ飛ばしたんだよ! あんな遠くの山まで!」ビシ

ホーク「挙げ句の果てにこいつまで豚の帽子亭を離れちまった……今二人で戻ってきたとこだ!」

キング「」

ディアンヌ「ということは……?」

ゴウセル「うむ。朝から夕方まで団長と王女は二人きりだったようだ」

キング「な、なんてことをしてくれたんだ! 急いで様子を見ないと!」ダダッ

ディアンヌ「変なことしてたら、承知しないんだから!!」ドスンドスン

バン「~♪」スタスタ


バタン!

ホーク「エリザベスちゃーん! 無事か!」

バン「俺の好意を受けて止めて、ちゃんとよろしくやったか♪」

キング「団長!」

ゴウセル「む……これは」





メリオダス「ん……むにゃ……」

エリザベス「すぅ……すぅ……」

ディアンヌ「寝てるね……? 膝枕しながら!」

キング「う、うん……でも服も着てるし……別にへんなところは」

バン「着ながらとは団長もマニアックだな♪」

ディアンヌ「もう黙れ」グシャ

バン「」

ゴウセル「ふむ。特に変わったところはないな」


キング「ゴウセルが言うなら、本当に何もなかったみたいだ! よかった……」ヘナ

ディアンヌ「ボクは最初から信じてたけどね。団長を♪」

バン「なんだつまんねーの……てか絶対信用してなかったろこのデカ女……」

グシャ

バン「」

キング「あっ……団長、エリザベス様、起きて」ユサ


メリオダス「うん……うん? おぅ、お前らおかえり……」

エリザベス「うぅん……むにゃ…… 」

キング「二人ともまだ眠そうだね……ほら、団長。これを飲んでシャッキリしてよ」スッ

メリオダス「おぅ……さんきゅーキング……んぐっ……」

メリオダス「っ!? まずっ! なんだこれ!」

メリオダス「っ……」バタ


メリオダス「……」

ディアンヌ「起きるよね? 団長……」

バン「そう簡単に死ぬやつじゃねーよ団ちょーは♪」

ディアンヌ「復活はやっ……ボクだって勿論そう思ってるけどさ」

キング「オイラの調合は大丈夫なはずだけど……」

ゴウセル「俺が調合の最後にその辺りに落ちてた木の実を入れたのも、多分大丈夫だろう」


キング「えぇー! なにやってるんだゴウセル!」

ディアンヌ「ゴウセル! それはオイラも許せないよ!!」

ゴウセル「嘘だ」

ディアンヌ「こ、こいつ……」ググッ

キング「よかった……頼むから空気をよんでくれ……」

メリオダス「んん……」ピク

ディアンヌ「! 団長っ」ググッ

キング「ディアンヌ。気持ちはわかるけど窓に近すぎる。割れちゃうよ……」


メリオダス「ん……あぁ~よく寝た……」

ディアンヌ「団長!」

キング「いや、まだわからない」

エリザベス「んぅ……」コックリ

メリオダス「お♪ エリザベスが寝てる。無防備なのは良くないな……」モミモミ

エリザベス「きゃぁっ!」ビク

ホーク「治ってる! いやこんなことで判断したくないけど!」

ゴウセル「うむいつもの団長だ。無事解決だな」


キング「はぁ……成功だ。団長、気分は悪くないかい?」

メリオダス「ん? よく寝たからかも知れねーけど、めっちゃ調子いいぞ!」シュッシュ

メリオダス「てかもう夕方じゃん。オレずっと寝てたのか?」

キング「ま、まぁそんな感じかな……」

エリザベス「……」

バン「団ちょー! ずっと寝てて体なまってんじゃねーか♪」


バン「――俺より弱くなったかもな♪」

メリオダス「お? やるかバン!!」ドン!

バン「いいね♪ やっぱそうこなくちゃ♪」バシ!

ディアンヌ「また始まった……」

ホーク「おい! エリザベスちゃんの前で暴れんじゃねぇ! ボコボコにすんぞ!」

メリオダス「……」

メリオダス「今日の夕食は贅沢になるかもな」ガシ

ホーク「やめろ! はなせっ!」ジタバタ


メリオダス「……ま、やっぱ明日の朝やろーぜバン。夜だとやる気でないし」

バン「別にいーけど、忘れんなよ♪」

メリオダス「おう!」

エリザベス「……よかったです。メリオダス様」

ゴウセル「……」


ゴウセル「王女。悲しんでいるのか?」

エリザベス「いえ……治ってよかったと思ってますよっ」

ゴウセル「そうか。すこし動揺しているようが見えたが……」

エリザベス「あはは……」

エリザベス (この国が平和になったら……想いを告げたい)

エリザベス「メリオダス様! おはようございますっ」

メリオダス「おうエリザベス! 今日もオレが寝床守ってやるからな!」

ホーク「でも俺が縄でグルグルに巻くからな!」

メリオダス「えー……」

エリザベス「あ、あはは……」

エリザベス (いつもの風景に戻ってしまったけれど、またいつか……)


…………

……






メリオダス「よっしゃ朝飯食おうぜー」

バン「また俺に作らせやがって……めんどさかったわー……」

メリオダス「仕方ないだろ。オレの飯は残念なことにあまり人気ねーんだから……食べるのホークぐらいだぞ」

キング「うん。確かにバンの料理は美味しいね」モグモグ

ディアンヌ「ボ、ボクは団長の料理もまあまあ好きだよっ」

ホーク「残飯としてはイイセンいってるけどな! これ」モグモグ

ゴウセル「うむ。豚に人気だな団長」


メリオダス「嬉しくねーよ……エリザベス、 食べないのか、」

エリザベス「あ、いえ……そういうわけでは」

メリオダス「まあまあ、ほい、あーん」スッ

エリザベス「えっ……」

メリオダス「ん? なんでオレこんなことやってんだろ……?」スッ

エリザベス「あむっ……もぐ……」

メリオダス「おかしいな? なんか無意識に……ま、いいか♪」


エリザベス「えへへ……」

メリオダス「エリザベス、嬉しそうだな。やっぱうまいか? バンの料理は」

エリザベス「はい……でもそれよりももっと嬉しいことがありましたから♪」

メリオダス「ん?」

エリザベス「メリオダス様? 今度、膝枕してくださいね♪」

メリオダス「え? オレがやる側? エリザベスになら、今すぐしてもらいたいんだけど?」

エリザベス「ふふっ……私がしてもらいたいんですっそれでまた……えへへ」ニコ

メリオダス「?」

エリザベス (いつか)

エリザベス(昨日はみたいなことが、薬の力じゃなくて本当にできるようになりたいです。メリオダス様♪) ニコ

終わりです
誤字脱字等、失礼いたしました…

読んでくださった方、ありがとうございました!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年10月18日 (土) 01:00:27   ID: wSxoAr6C

乙!おもしろかった

2 :  SS好きの774さん   2015年03月19日 (木) 22:04:02   ID: L5g-36kx

よかった

3 :  SS好きの774さん   2015年04月14日 (火) 19:41:02   ID: F6F7iZQ0

面白い。お疲れ様です。

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