P「廃村に響く」 (1000)

諸事情でこちらでラストを書かせていただきます
ここだと初めての方もいらっしゃると思うので、廃村ssリプレイとして書かせていただきます

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1400938077

P「あー、随分と遅くなっちゃったな……」

響「もう日が傾きかけてるぞ。ちゃんとホテルまで戻れるのか?」

P「さあなぁ。一応9時前までにはホテルに着くハズなんだけど」

響「うぅ。僻地のロケとは聞いてたけど、まさかこんな山奥だったなんて……」

P「最寄のホテルから片道3時間って、とんでもない場所だったな」

響「それにしても薄暗いぞ。プロデューサーは運転大丈夫なのか?」

P「まあ大丈夫だよ。暗くとも山道の運転は慣れてる」

響「そっか。にしても、周りは廃墟や森ばっかりだし、ちょっと不気味だぞ……」

P「昔に廃村になったんだろうなぁ。ところどころ人の住んでた形跡も見られるし」

響「こういう場所にも人は住めるんだな」

P「まぁ、どんな僻地にも人は住んで……いや、住んでいけたものなんだよ。……おや?」 ズズ...

響「? どうかしたのか?」

P「いや。アクセル踏んでるのに段々と車のスピードが落ちてきてるんだよ……」 ズズズ...

響「えっ。こ、故障か!?」

P「わからん。ブレーキを踏んでるわけじゃないんだが、一体どうなってんだ?」

響「えっ。えっ。こんな場所で立ち往生なんて嫌だぞ!」

P「わかってる。どこか開けた場所に停めて、様子を見てみない限りには……」

響「あ、日がもう落ちちゃう……」

P「おっ。あそこは学校跡か? ちょうどいい。あそこに停めて車の様子を見よう」

響「なんでよりにもよって廃校にー?!」

P「いくら人通りの少ない道でも、道路のド真ん中で停めるわけにはいかないだろ。――っと、ここでいいか」 キッ

響「学校跡……。思った以上に大きいぞ」

P「造りはしっかりしてるな。思ったより近年に建てられたものなのかもな」

響「昔はここにも沢山の人が住んでいたんだね」

P「だな。さて、ちょっと車の様子見てくるから中で待っててくれ」 ガチャッ

響「あ、待って。自分も車降りる……」 イソイソ

P「ん? 別にエンジンは切らないから乗ったままでもいいんだぞ。外寒いだろう」

響「いいからっ」

P「そうか? まぁ、わかった。少し外の空気でも吸ってリラックスしてな」

響「うん……」

P「さーてと。何が悪いんだか」 ガチャリ

P「んー? 問題なくエンジンは動いてるよなぁ。ガスも残量問題なし、と」

P「オーバーヒートしてる訳でもなしに、おっかしいなぁ。何がいけないんだ?」 ハテ?

響「日が沈んでいく。こんな場所からでも夕焼けは見えるんだな」

P「ん? そうだな。なかなか綺麗だなぁ。こんな状況じゃなきゃ写真の一枚でも撮ってるところだ」

響「でも綺麗な夕焼けなのに、今だと不吉に見えちゃうぞ……」

P「はは、心細いか?」

響「そ、そんなことないぞ! ただちょっとそう思っただけで……!」 アセアセ

P「だな。響は完璧だから怖くなんかないもんな」 ハッハッハ

響「当たり前だぞ! 怖くなんか……っぷ!」 ゴォッ

P「うわっ! すげぇ突風! やっぱ山間だと風も強いのか」 ブワワー

響「ひゃー。すごい風だったぞ。髪がぐちゃぐちゃさー」

P「だな……。ん? ありゃ?!」 バッ

響「ど、どうしたんだ? プロデューサー」

P「今のが原因か知らんが、エンジンまで止まっちまった……」

響「えぇー!? ど、どうするんだ!?」

P「……ダメだ。エンジン廻そうとしたけど、まったく反応がない。電気系統もオシャカか」

響「そ、そんなぁ! どうするのさ、プロデューサー」

P「仕方ない。ホテルで待機してるスタッフを呼ぼう。車は置いていくことになるけど仕方ない」 ピッピッピッ

響「うん……。仕方ないけどそれしかないよね」 ホッ

P「……おかしいな。繋がらない」 ツー ツー

響「んなっ!?」

P「えーっと、圏外……か。しまったなぁ。こんなことならGPS付きの持っておけばよかった」

響「け、圏外!? 嘘っ! ……ほ、本当だったぞ」 ピッ ピッ

P「一応歩いて人家のある場所まで出るのも悪くはないかもしれないが、夜道にあの距離は流石になぁ」

響「でもここら辺に頼れる家も見つからないし……」

P「しゃーないけど、ここで一晩明かすしかないな。夜が明けたら歩いてここを抜けるしかないか」

響「こっ、こここここんなところで一晩過ごすのか!? じ、自分は嫌だぞ!」 ブルブル

ここでは今までのリプレイ書いて最後に解説書いて終わり?それともそれが終わったらもう一回チャレンジできるの?

P「仕方ないだろ。こうなっちゃったんだし……」

響「で、でも……。ねぇ。何とかならないのか?」

P「うーん……。まぁ、そこまで言うなら俺一人で歩いて助けを求めに行くってのもありだけど」

響「なんだ、その手があったか……って、一人で? 一緒じゃダメなのか?」

P「そりゃダメだろ。夜にあんな悪路をお前に歩かせるわけにはいかない。怪我でもしたら大変だ」

響「で、でも一人でここに残すよりか一緒にいった方が……」

P「ここら辺は、まったく人の気配がしないし大丈夫だろ」

響「もしものこととか……」

P「その時はカギをかけて閉じこもっておけばいい。食べ物も毛布も積んであるし、安心安全だ」

響「うぅ~……。で、でも嫌だぞ! プロデューサーにもしものことがあったら大変だし」

P「しかしそうしなきゃ、ここで一晩過ごすことになるんだぞ?」

響「うぅ~……。が、我慢するぞっ!」

P「そうか? まぁ分かった。じゃあここで朝まで待とう。運がよければスタッフが気付くかもしれないし」

響「ほっ……」

P「じゃあ、俺は使える部屋がないか学校の中を見てくる。響も車に戻ってろ」 ポンポン

響「なっ! 何で学校の中に? 車があるじゃないか!」

P「ん? あぁ、お前は車の中でいいぞ。でも俺の寝る場所を確保しなきゃならんからな」

響「うが? プロデューサーも車で寝るんじゃないのか?」

P「んなわけないだろう。車とはいえアイドルと寝る場所を共にするのは、な」

響「ででででも、緊急事態なんだし……。自分は気にしないというか……」 モジモジ

P「ははは。まぁ部屋が使えそうになければ、最終手段として、な。っと、そろそろ本格的に暗くなってきたな」

響「校舎が一層不気味に見えてきたぞ……」

P「じゃ、俺は探索にいくから、響は車で待ってろ。一応鍵はかけているんだぞ」

>>14
実はまだ仕事納品終えてないんです……。もう一度は流石に無理です。エンディング書いて終わりです

ところでフィルター外すのはメール欄sageじゃなくてsagaですよ

メール欄
sage←×
saga←○

響「ま、待って! 自分も行くぞ!」

P「? どうした。電灯の予備はまだあるから使っててもいいのに。もしかして怖いのか?」 ケラケラ

響「ち、違うぞ! プロデューサー鈍くさいから、転んで怪我でもしたら大変だと思って――」

P「そりゃありがと。でも俺はお前が怪我するかの方が心配だから、やっぱ車に戻ってろ。な?」

響「で、でもぉ……」

P「なぁに。ちょっと見て回るだけだから10分ほどで戻るよ」

響「本当か? や、約束だぞ!」

P「ん。約束だ。さ、身体が冷えないうちに車に入ってろ」 コツコツ

響「本当に行っちゃった……」

響「で、でも10分くらいで戻るって言ってたし、大丈夫だよね」

響「うぅー……。怖くなんかないぞ、怖くなんか……」 ブツブツ

>>22
んん? フィルターすか……?

ここメール欄にsagaないと一部改変あるんだよ

[ピーーー]
[田島「チ○コ破裂するっ!」]

これ

-10分後-

響「10分経ったぞ。プロデューサー遅いな。迷ってるのかな」

響「でもプロデューサーと約束したし……」

響「ちょっと外に出て呼びかけてみるくらいならいいよね……」 ガチャッ

響「おーい! プロデューサー! 10分経ったけどまだ戻ってこないのかー?」

響「……」

響「け、怪我でもしちゃったのかー? 助けがいるなら行くぞー!」

響「……」

響「返事がない……。ど、どうしよう」 ブルブル

響「で、でも何か中でトラブルがあったのなら大変だし、自分が何とかしなきゃ……!」

響「えっと、懐中電灯のスペアが……。あ、あったぞ」 ゴソゴソ

響「怖くなんかない……。怖くなんかない……。よしっ!」

響「プロデューサー! 自分も今からそっちに行くぞー! 約束破ったそっちが悪いんだからなー!」

>>25-26
ウィ

- 玄関 -

響「うぅ……。やっぱ中は暗いぞ。でも思った以上に散らかってはないみたい」

響「あ、学級新聞が張り出してある。すごいぞ、廃校後もずっと朽ちずに残ってたのか」

響「なになに? 『がっこうだより 1989年 9月号』? 25年くらい前の学校なのか……」

響「よく見ると、ところどころ落書きがしてある……。こんな場所でもやっぱ誰か人は来るんだな」

響「うー。怖くない……。怖くない……」 スーッ

響「プッ、プロデューサー! いたら返事してほしいんだぞ――」

           ガシャンッ!!!!

響「うわあああぁぁぁぁぁぁっ!」 ビクーン

響「な……なんなんだ? 誰か、プロデューサー、そこにいるのか?」 ブルブル

響「いっ。いるのなら意地悪するのはやめてほしいぞー……」 ビクビク

響「おぉーい。ぷ、プロデューサー」 チラッ

響「あれ、誰もいない……。じゃあ今の音って一体何が――」

         ゴトッ

響「ひゅいっ!?」 ビクッ

響「こ、こここ今度は一体なにさー!? 一体なにが……」

響「……? これって、石碑? なんでこんなところに」

響「あ。よく見たら片側が欠けてる……。もしかして入ってきたときの風で倒れちゃったのかな」

響「な、なぁんだ。風かぁ! やっぱそうだよね。おばけなんていないよね」 ホッ

響「でも何の石碑だったんだろ。記念碑……じゃないよね」

響「そもそもここ玄関だし、石碑を置くにしては変だもんな……。えっと、何て書いてあるんだろ」 ナニナニ

響「『九人……犠牲……悼み……』? 暗いし読みにくいしでよくわかんないぞ」

響「そうだ。そんなことよりプロデューサーを探さなきゃ……」

響「窓は割れてるけど、破片はあまり散らばってないなぁ。誰か掃除でもしてるのか?」

響「えっと……。あれ、案内板がある。ここ来客用の玄関だったのかな」

響「なになに……? 右が北校舎。左が職員舎。正面まっすぐで中庭、越えたら体育館か……」

響「ど、どうしよう。早くプロデューサーを見つけて戻りたいぞ……」

以下行動安価 → 正面まっすぐ行ってみる

-中庭-

響「声が聞こえなかったのなら、きっと一番離れている体育館にいるはず……」

響「うぅ。中庭に出たけど、草生えっ放しなのか。ボーボーじゃないか」 ウプッ

響「それに北校舎の教室全部から中庭を見下ろせるから、なんだか不気味でいやだぞ……」

響「あれ。ここにも石碑が建ってる。なんなんだろ、こんなにいっぱい」

響「……やっぱ雨風に晒され続けてたのかなぁ。書いてある字が読めないや」

響「ん? あれ。よく見たら変な箱が石碑の下に挟まってる。なんだろ?」 グイッ

響「……うが。抜けないや。放置して進もうっと」 テクテク

-中庭 渡り廊下-

響「……あれ。体育館からなんか聞こえる?」

             ...-ン ターン...

響「……ボールをつく音? もしかしてプロデューサー、一人で遊んでたのか?」

響「んもぅ! 心配して損したぞ! 怖いの我慢してここまで来たのに、まさか遊んでるなんて――」 カツカツ

響「おーい! プロデューサー! 約束守らないで遊んでるってどういう――!」 ガチン

響「……? あれ。扉が開かない。鍵かかってるのか?」

             ターン...ターン...ターン...   ピタッ

響「あ、音が止んだ……。プロデューサー! 気付いたのならここを開けるさ!」 ドンドン

響「……むぅ。全然開く気配がないぞ」

響「プロデューサーも意地悪なんだからー」 プンスコ


行動安価 → 体当たりして扉を開ける

響「金属っぽい扉だけど、蝶番が緩んでいるのなら……!」 ドーン!

響「おっ。やったぞ! 少し凹んだ! この調子で体当たりを続ければ!」 ドーン

響「うりゃー! プロデューサー、堪忍するんだぞー!」 ドン ガシャン

響「うわっ……と。やった、開いたぞ! ……って、あれ?」

          ガラーン

響「なんで誰もいない……。も、もしかしてどこかに隠れたのか?」

響「プロデューサー! 返事してほしいぞ! 意地悪なら――っと、うわぁっ!」 ツルッ ドシン

響「痛たた……。なんだ、足に何か――」


       コロコロ....


響「あれ。これって、鞠? もしかしてさっきまでの音って鞠つきの音だったのか?」

響「……」

響「そ、そうだ。どこかに隠れてるプロデューサーを探さなきゃ」

響「うぅーん。広すぎて流石に体育館全体を照らせないぞ……」

響「今見える範囲にあるのは――壇上の上に行く階段と舞台袖への通路」

響「それと更衣室の扉があるぞ。後は外へと続く扉が――ってあれ?」

響「……よく見たら体育館の扉って、内側から針金で固定されてたのか?」

響「じゃあプロデューサーはどうやって中に入ったんだろう……?」

響「……」

響「いやいや! おばけなんているわけないし、きっとどこかから入ったに違いないぞ!」

響「でも……そろそろ見つけたいぞ」


行動安価 → 更衣室を見てみる

-更衣室-

響「変態なプロデューサーのことだから、きっと更衣室にいるはず!」

響「おーい、プロデューサー! いい加減にするんだぞ!」 ガラッ

響「……誰もいない」

響「変だなぁ。ここにならいると思ったのに……あれ?」

響「なんだろ。新聞の切り抜き? なんでこんなものが置いてあるんだろ」 ペラッ

『×月12日未明、西××くんが遺体で××された事件において、×村 博(37)を殺×の疑いで逮捕×た』

『容疑者××郎くんの臓器、骨×を××した後、学××人体模××よ×に組××××』

『被×者は××郎くん以外にも多数いるとみられ、警察は引きつづき×××……』

響「ところどころが読めなくなってるけど……これって……」

響「そ、そうだ。こんな記事どうでもよくて、早くプロデューサーを見つけないと」

響「……あれ? ロッカーの片隅にも変な紙切れが……。今度はノートの切れ端?」

『も×だめだ。××先生が私を探してる。足音も×くできこえる』

『どうせ×げるなら舞台そでの方ににげ×ばよかった』

『こういし×はいってきた。ロッカーあ×られたらばれるたすけ』

響「……? かくれんぼしてた子の書置きか?」

響「うーん、薄暗くてよくわからないけど、もう人の隠れられる場所は全部見たかなぁ」

響「もうこの部屋には何も手がかりはないみたいだぞ……」

行動安価 → ロッカーを開けてみる

響「念のためロッカーをもう一度開けてみるかぁ」 ガチャッ

響「……やっぱ誰もいないぞ」

響「ん? さっきは気付かなかったけど、よく見たら紙切れが落ちてた場所、ちょっと黒ずんでるぞ?」

響「なんだろ。夏休み中濡れた水着置きっぱなしにしちゃったのかな」

響「とりあえずプロデューサー探しに戻らなきゃ」

行動安価 → プール

響「あれ。こっちの扉から向こう行けばプールがあるんだ」

響「プロデューサーがもし体育館に隠れてるのかわからないけど……」

響「でも舞台袖の扉を開けるような音は聞こえなかったし――」

響「もしかして扉を体当たりしたのを見て、不審者が襲ってきたと勘違いしたのか?」

響「それでプロデューサー怖くなってこっちに逃げちゃったとか……」

響「……ありえるぞ。もう少し穏便にあければよかったぞ」

響「とりあえずプールの方へ行ってみようっと」

-プール-

響「……とは言っても、やっぱ誰もいないぞ。苔や変な植物まみれで入りたくないし……」

響「うーん。プロデューサー、プールに入らないで、そのままどこかへ逃げちゃったのか?」

響「……」 ウーン

響「あれ? プール脇に備え付けの倉庫っぽい場所があるぞ。入ってみよ」 ガラッ

                  シーン

響「……やっぱ誰もいない。プロデューサー、どこにいっちゃったんだろ……」 クルッ

                  ゴボッ!! ゴボボッ!!!!

響「う、うわぁ! なんだ急に!?」 ビクッ

響「……プールの方から聞こえたぞ。水音? よく分かんないけど、そんな音が……」

響「……」

響「お、おーい、プロデューサー……。何かあったのかー?」 チラッ

               シーン...

響「別に何もないみたい……。気のせいだったのかな」

響「もしかしたらヘドロが水道に詰まってたのが、扉を開けた衝撃で動いただけなのかもしれないし――」

響「うん、気のせい気のせい!」 ウンウン

響「気のせいとわかればこんな場所に用はないぞ。早くプロデューサーを見つけなきゃ」

響「……でもどこにいるんだろ、プロデューサー……」

響「たった30分ほど会ってないだけなのに……」

響「……」

響「や、やばい。ちょっと心細くなっちゃったぞ」


行動安価 → 保健室

響「そ、そうだ、保健室! 寝る場所確保するのなら保健室に向かうはず!」

響「ふっふっふ。やっぱり自分は天才さー! これでプロデューサーを見つけて車に戻れるぞ!」

響「……」 チラッ

響「でも結局、あそこで鞠をついてたのって誰だったのかな……」

響「いや。そんなこと気にしてる場合じゃないぞ!」

響「えっと……。保健室だから、きっと職員舎にあるよね。1階のどこかに――」 テクテク

響「おーい、プロデューサー……」 テクテク






                                  .....ゴボッ

-保健室前廊下-

響「あったぞ。擦れてるけど、保健室って書いてある」 ホッ

響「鍵は――」 ガチャン

響「開いてないぞ。案の定というかなんというか……。中にいるのかな?」

響「おーい、プロデューサー! 中にいるのかー?」 コンコン

響「さっきは驚かせてごめんだぞー! もし中にいるならあけてほしいぞー!」 コンコンコン

響「……」

響「反応なしかぁ……。本当にいないのかな――」

                             ――ピンポンパンポン♪

響「!!!!」 ビクッ

響「ほ、放送チャイム? 何で急に――」

??『――……』 ハァー ハァー    チキチキ

??『――――! ―――……』 チャクッ   クチュッ

響「な、なんなんだ一体。変な息遣いと声が聞こえたけど」

響「も、もしかして……プロデューサー?」

??『――……ァ』 ガポガポ...

                ――ピンポンパンポン♪

響「も、もしかして怪我してるのか? す、すぐに行かなきゃ!」

響「あ、でももしかしたらおばk……じゃなくてっ! 不審者だったら大変だし」

響「そもそもチャイムならすくらいなら、さっきの自分の呼びかけに返答すればいいだけだし――」

響「……い、いったいどうしたら」

行動安価 → 大声でPを呼ぶ

響「そ、そうだ。こんな時に大声で呼べば判断がつくはず……!」 スゥゥゥゥッ

響「おーい!! プロデューサー!!! 何かあったら声で返事を返してくれー!!!!」

響「……」 ハァ...ハァ...

                     シーン...

響「……へ、返事がない。どうなんだろう。大声が出せないくらいの怪我をしてたら――」

響「でも、その時はもう一度チャイムを鳴らして放送で声を聞かせればいいのに」

響「うぅっ。ど、どうしよう。どうすれば……。や、やっぱ行くべき」

                                      バタンッ

響「!? 」 ビクッ

響「……い、今の音はドアを閉める音? ちょっと遠くの方で聞こえたけど」

響「いったい何が起こってるんだ? なんで自分がこんな目にあってるんだ?」 ウゥ...

響「プロデューサー……どこにいるんだ……?」 ジワッ

響「っ!! だ、だめだ。こんなんで泣いてちゃ、プロデューサーに笑われるっ!」 グシグシ

響「周りをみて行動しなきゃ。不審者だったら逃げなきゃいけないし」

響「声は聞こえなかったし、誤作動でチャイムなったのかもしれない……」

響「扉の閉まる音も、風の勢いで閉まっただけなのかもしれない……」

響「よし。そう考えれば怖くなくなってきたぞ」 ヨシヨシ

響「目の前には施錠された保健室。右に進めば体育館とプールへの通路」

響「左は職員室と標識のない変な部屋。階段と倉庫。そこを抜ければ再び玄関ホール」

響「後ろに下がれば北校舎への道……」

響「どうしようか」


行動安価 → 一旦、車に戻る

響「……そうだ。単に入れ違いになってるだけなのかもしれないぞ」

響「もしかしたら車に戻ってるのかもしれない」

響「もしかしたら、車に自分がいないのを見て、村の方を探しに入ってるのかもしれないし……」

響「そうだ。きっとそうに違いないぞ!」

響「うぅ……もう少し自分が辛抱して待っていれば……」 ショボン

響「と、とにかく車に戻らなきゃ。もしかしたらプロデューサーも待っててくれてるのかもしれないし」 タッタッタッ

-玄関-

響「あった、車! ……でもここから見る限りだと車には誰もいないなぁ」

響「まぁいいぞ。懐中電灯も心許なかったし、とりあえず車に戻って休憩を――」

響「……ん?」 チラッ

響「あの壁新聞、最初見たときよりもボロボロになってるような――」

響「……」 ブンブン

響「い、今はそんなこと気にしてる暇はないぞ! 車に戻らなきゃ」 テクテク

響「ふぅ……ふぅ……」 スタスタ

-外 車前-

響「車には――やっぱ誰もいないぞ」 ガックリ

響「どこいっちゃったんだろう、プロデューサー……」

響「とりあえず、中に入って落ち着くかぁ」 ガチャッ

響「……って、あれ? あっ! よく見たら何か置いてあるぞ!」

響「なんだろ……って、これって自分の携帯じゃないか! どうしてこんなところに……」 バッバッ

響「確かにポケットに入れておいたハズなんだけどなぁ」

響「もしかして車を出るときにポケットから落ちちゃったのかな」

響「うがー。なんてぬか喜び……? あれ?」 カチャカチャ

響「……知らない音声が録音されてるぞ。録音時刻は――2分前? ほんのついさっきじゃないか」

響「……」

響「と、とりあえず再生して聞いてみようかな……」 カチャッ

P『あれ。確かにこっちから響の声がしたと思ったんだけどな……』 ガガガッ

響「この声! プロデューサー!? やったぞ! プロデューサー無事だったんだ!」

P『んー……。 車の中にはいないし、どこいったんだろ。とりあえず無事ならいいんだが――』

響「自分、プロデューサーに心配かけちゃってたのか……」 ウゥ...

P『とりあえず村の方をもう一度……いや、やっぱ学校の中にいるのか?』

P「もしそうなら、瓦礫とか少ないが怪我の危険もあるし、急いで見つけなきゃな」

響「……? あれ。これプロデューサー、録音しているのに気付いていないのか?」

P『怪我とかしてないだろうか。無事でいてくれよ……』 ガガガッ

                 ガガガッ     ガチャッ

響「録音が終わった……。これが2分前なのか?」

響「2分前、ちょうど職員舎を駆け抜けてる頃合だったかな」

響「うぅ~……。本当に入れ違いだったんじゃないか」

響「で、でもこれでプロデューサーが校舎内にいることは確定したし、大声を出せば気付いてくれるかも」

響「そうと決まれば……どうしよう」

響「ここで待ってる方が一番安全だし確実だろうけど……」

響「でもあの変な録音、プロデューサーが録った物はないのなら、一体誰が……?」

響「……」 ブルブル

響「しゃ、車内はもう安全じゃないのかも……」


行動安価 → 校舎に戻る

響「でもやっぱ録音のことが不気味すぎるぞ……」

響「こんな状況なら、できるだけ早めにプロデューサーと合流したほうが安全かも」 ガチャッ

響「とりあえず校舎に戻ろう。玄関までなら別に問題はないよね……」 テクテク

響「……」 ピタッ

響「ついでだからごはんと水も少し持っていこうかな」 クルッ    ガサゴソ

響「今度は携帯電話も忘れずに持ってっと……」

響「プロデューサー。早く会いたいぞ~」 スタスタ

-玄関-

響「ここまで戻ってきたぞ……」

響「ここで大声を出せば気付いてくれるかな……?」

響「いや、でも本当に変質者がいたら、声に気付いて襲ってくるかもだし……」

響「うぅ……。ここでじっと待ってるのも悪くはないかもしれないけど――」

響「とりあえず行動あるのみだぞ」

行動安価 → 謎の部屋

響「……もしかして、これはドッキリ企画で、どこか変な部屋から観察してるとか!」

響「もしそうなら、放送機材を持ち込みの手間を考えても、1階のどこかに隠し部屋があるはす!」

響「そうと決まれば探して――」

響「……」

響「……そんなわけないか。そうなら体育館のドアに体当たりした頃にストップが入るはず」

響「はぁ。どうしようかなぁ」



行動安価 → リボンを拾う

響「……こんな所にリボンが落ちてて」

響「ミスに気付いて慌てて春香が飛び出してきて――」

響「はい、ドッキリでしたー……なんていってくれたら、どんなに楽かなぁ」

響「……だめだだめだ。プロデューサーが無事だからってなんだか変な思考になっちゃってる」

響「もう一度気を引き締めて、どう動くかを決めなきゃだぞ」

行動安価 → 放送室へ

響「……そうだ。録音中にプロデューサーは自分の声を聞いたって言ってたぞ」

響「なら放送の内容はともかく、チャイムは耳にしたはず」

響「勝手に動くのはよくないかもだけど、いる可能性が高いのなら、こっちから様子を見てこなきゃ」

響「もし、プロデューサーがいなければ、自分がチャイムを鳴らしてプロデューサーを呼べばいいんだし」

響「鍵が空いてるかはわかんないけど……。よしっ!」 パンパン

響「いくぞぉ!」 テクテクテク

-階段-

響「1Fになかったのなら、多分二階なんだろうなぁ」 カツン

響「造りはしっかりしてるし、崩落の危険は考えなくていいよね……」 カツン カツン

響「? お。階段の踊場にも学級新聞が貼ってあるぞ。題名は……『学級オカルト』? 昭和臭のする名前だなぁ」 ドレドレ

『新聞で目に×た生徒も×いだろうが、×月末、タイムカ×セルに詰めら×た××の遺体が見つ×った』

『犯×を×ったのは、なんと2×年前卒業した第×期卒××6-4のクラス全員! ……との噂が××ている』

『警×にはちょうど時効×に掘り出×よう計画され×と××が、警察はこの事件の真相を×××』

『実は記憶に新しい、×年度卒業した生徒×行方×明事件。筆者は××も同じように××されたと見て、×××』

『次回はその××たタイ××プセルを探し当て、事件の真相を暴××……』

響「……」

響「この学校、いろいろヤバいんじゃないだろうか……」

響「っと、早く放送室を探さなきゃ!」 カツン カツン

-放送室前-

響「ここかな。擦れているけど、ここが放送室で間違いないぞ」

響「さて。じゃあ鍵は……。あれ、開いてる?」 クルッ

響「……これは行くしかないのかな」 ゴクッ

響「……」 ドキドキ  カチャ

響「おじゃましまーす。おーい、プロデューサー……」 キィィィィッ

響「……」

響「暗くてよく見えないぞー。誰か~……。プロデューサー……」

                     シーン...

響「……電気は点くのかな」 カチカチ

響「点かない……。チャイムが鳴らせるのなら、点くと思ったのに……」

響「人の気配も感じないけど……。一応中を見ておくぞ」 ガタン

響「うぅ……。機材で部屋がぐちゃぐちゃだぞ……」

響「それでも何とか放送をすれば、プロデューサーに気付いてもらえるはず!」 ンショ ンショ

響「えーっと、放送機材はどこなのかなー……」 ゴソゴソ

                           ジャー  ゴボゴボゴボ...

響「!!!」 ビクッ

響「い、今の音なんだ!? ちょうど上の階から聞こえたような……」 オドオド

響「トイレの水道音に似てたけど、上の階に誰かいるのか?」

               カツ-ン    カツーン

響「足音……。階段を下りてくる?」

             カツッ コツッ  カツッ コツッ

響「うわわ、足音が近づいてくる! こ、これはプロデューサーなのか? それとも――」

             カツッ コツッ カツッ コツッ カツッ コツッ

響「わわっ。だんだん早足に……! ど、どうしよう!」


行動安価 → 飛び出して正体を確かめる

響「おばけなんかいない……おばけなんかいない……!」

響「そうだ。おばけなら足音なんてしないはず! だって足がないし!」

響「それなら生きている人間! プロデューサーの可能性だってあるし……!」

           カツッ コツッ カツッ コツッ カツッ コツッ

響「うぅ。少し怖いけど……。このモップを持って飛び出せば……!」 カチャッ

響「……」 スーハー スーハー

響「……よしっ!」 グッ

        カツッ コツッ        ガチャッ

響「や、やあああああ!」 バッ

        ピタッ...

響「……? 足音が止まった? 誰かそこにいるんだろ? 返事してくれー」 オーイ

響「……返事がない。でも暗闇の向こうにぼんやり人影が見える……」

響「うぅ。懐中電灯の光がギリギリ届かない……。おーい、プロデューサー。プロデューサーなんだろー?」 ジリジリ

響「んん……? 暗くてよく見えない……けどあれは――裸?」

響「も、もしかして変質者? うぅ。へ、返事をしろぉ~……」 ビクビク

響「こっちは武器だってあるんだぞー……。こ、降伏しろー!」 ジワッ

                  ガシャンッ!!!

響「うぎゃー! や、やめろー!!」 ブンブン

響「くるなー! くるなー! あっちいけー!」 ブンブン

響「ひっ……ひっ……。あ、あれ?」 グスッ

響「倒れた? も、もしかしてモップが当たっちゃったとか……」

響「おーい……。不審者さーん。大丈夫かー……」

響「……? って、あれ。倒れてるこれって……」

響「――人体模型?」

響「ど、どういうこと? いったい何が――」

                    ピンポンパンポン♪

響「ひっ!」 ビクッ

??『―――……ァ』  ゴボゴボ...

響「な、なんで。たった今、放送室から出てきたばかりなのに……」

             ガチャッ

響「ど、ドアが……」

                    キイィィィィィィィィッ

響「う、うぅ……うわぁーっ!!」 ダダダッ

              カツッ コツッ

響「ま、また、あっあしっ……あしおとがっ……!」 ジワッ

響「や、やだぁー! やだっ! やだよぅっ! あんまー! にぃにー!」 ダダダダッ

響「ぷろでゅーさぁぁぁぁ!!!」 ビエーン

-???-

響「うぅ……。怖いよぅ……。怖いよぅ……」 グスグス

響「寂しい、怖い……。なんで自分がこんな目に……」 グスン

響「うぅ……。プロデューサー、どこにいるんだろう」

響「こっちは、とても怖い思いしてるんだぞ。自分のプロデューサーなら、ちゃんと助けにきてくれたって……」

響「……ぐすっ。プロデューサー……」

響「プロデューサー……会いたい……会いたいよぅ……」 グスン

響「うぅ……」 ...グスン

                      ギィ...

響「!!!」 ビクッ

響「ゆ、床が、軋んだだけか」 ドキドキ

響「……」 グスッ

響「……動かなきゃ。ここ、どこか分からないけど、動かなきゃ」

行動安価 → 標識の無い部屋へ

響「……そうだ。教員舎にあった標識のない部屋」 グスッ

響「あそこなら小窓から廊下の様子が見てとれるし、プロデューサーが来たかをちゃんと判断できる……」

響「あそこを目指すぞ。そして朝になるかプロデューサーが見つけてくれるまで篭城するんだ」 グイッ

響「……ぐすん。プロデューサー、自分の悲鳴にも気付いてくれなかったな」

響「プロデューサー。どうか無事で……」

響「とりあえず、ここがどこか確認しなきゃ……って、あれ?」 ガチャッ

響「ここって教員舎の1階廊下……。じゃあここが」

響「あの標識のない部屋?」

響「……パニックになってるうちに、ここへ逃げ込んでたのかー……」

響「……」

響「ど、どうしよう」


行動安価 → 入る

響「……とりあえずもう一度入るぞ。中をよく見てなかったし」 ギィッ

響「カギも一応かけて、と……」 カチャリ

響「えーっと、ここは……何なんだろ? 紙がいっぱいある」 ゴソゴソ

響「……ん? あれは印刷機? じゃあここは印刷室だったのか……」

響「『がっこうだより』、『廃校のお知らせ』、『学級オカルト』……。あぁ、壁新聞やプリントの原版がいっぱいある」

響「懐かしいなぁ。……こんな状況じゃなければ、笑ってやり過ごせるのに……」 ガサガサ

響「わぁ。この『学級オカルト』ってやつ、バックナンバーまである。歴史ある壁新聞だったんだなぁ……」

響「……」 ペラペラ

響「……あれ? これ、87年に入ってからのバックナンバーがごっそり消えてる……。なんでだろ」

響「まぁ、いいか。今はそれどころじゃないし……」

響「……」

行動安価 → 新聞を読む

響「とりあえずここに篭城するって決めたんだし、動かないでおこうっと」

響「……あんなおばけいるんじゃ、車だって無事じゃないんだろうし」

響「おばけ……。おばけ? そうだ! この新聞を読んでいけば、もしかしたらおばけに対抗できる手段が分かるかも!」

響「えーっと、とりあえず予言とかUFOとか占いとかの記事は抜かして……」

響「『学級だより』、『かっこうだより』の記事も事件性があるやつは読むとして……」

響「こんな感じか? えーっと、なになに」

『こんな事件を知ってるだろうか? ××年の×月、男×生徒(諸事情により匿名)が放送室で首を掻っ×って自殺した』

『昼休みにカッターナイフで自身の××を切り裂き、その声や様子を全校に放送したようだ』

『噂によれば、放送ではコポコポと水から空気が漏れ出すような音に混じりに、呪詛の声も聞こえていたとのこと』

『事実、その放送を聴いた生徒のうち、30人が原因不×の体調不良を訴え×……』

響「コポコポという音……。呟き声……」

響「もしかしてあの放送って……」

『×年度の夏休み明け。最後の水泳の授業としてプールに水を入れようとした際、事件は起こった』

『大口の水×から出てきたのは清らか×水ではなく、ドス黒く濁った腐×水だったのだ』

『教員が原因を調べたところ、巨大なポンプの中に3人の腐乱×体が見つかった』

『この3人は×中学の生×で、夏×み下旬から行方が分からなく×っており、警察に届出が×されていたという……』


響「あのプール……。うぅ、近づかなくて正解だったぞ」 ブルブル


『かつてこの学校に偏執的な××を抱×た女性×師が勤めて×たことをご存知だろうか』

『病で命が長くなかった彼女は、×後の生徒であった×年××の生徒たちを違う形になって見守××に×めたのだ』

『マフラー、手毬、首飾りなど……。彼×の最期は髪、骨、×肉のほとんどを「使い切り」見るも無残な姿だっ×という』

『今それら「彼女」の行方は知るよしもないが、噂によれば手毬とネック×スはまだこの学校に残っているという』

『読者諸君も、校内でそれらしき物を見つけたら、是非×年2組の××の×まで持って×てほしい……』


響「手毬……。いや、まさかな」 ハハハ

『中庭に一箇×だけ黒ずんだタイルがあることに×者諸君は気付いているだろうか』

『もともと中庭は、焼却炉で出た灰を埋め立てるためにあった、いわば排水溝のような場所である』

『しかし焼却炉で燃やしたとはいえ、金属やガラスなどは燃えずに残り、埋め立てた場所に蓄積する』

『軽い灰と鋭い金属。この偶然が×年前の悲劇を引き起こした』

『事件は大雨による洪水が発生したその年の6月にまで遡る。当時宿直をしていた×性教諭が洪水による鉄砲水で』

『あの場所まで押し流されてしまったのだ。さて、排水溝と事前に×が説明したのを覚えているだろうか。そう』

『あそこで鉄砲水は灰を押し流し、まるで×水溝に流れ込む水のよ×に渦を巻いて流れ始めたのだ』

『これで自然のミキサーの完成である。すり下ろされた彼女は、あの地面の×で……』


響「うぐっ。これも悲惨だなぁ。でもちょっとゴシップ臭いぞ。これ事実なのかなぁ」

このスレって・・・あのスレやんけ!?

続きあったのか・・・

リプレイ終わったら

最初からもう一回やりたいなーチラッチラ

『去年、給食を上×階までに運ぶために設置された貨物運搬×エレベーター』

『これが実は9年前に、すでに同じようなエ×ベーターをすでに設置していたという事×をご存知だろうか』

『なぜそのエレベーターが使わ×なくなったのか。それはエレベーターを初×て導入した9年前に遡る』

『当時の危機管理は甘く、好奇心旺盛な生徒が×レベーターに乗ろうとしてブザーを鳴らすのが日常茶飯事だった』

『そういうこともあり、エレベーターは壊れてしまったのだろう。ある日エレ×ーターの×××××んだ1年生を乗せて』

『エレベー×ーは何度も×昇と下降を繰り返し、その生徒を×っくりと圧縮して×った』

『事件に気付いたのは、なんと×日後の昼。乗せた鍋に血と肉××っついていたことにより……』


響「うげ……。こんなん見ちゃったらご飯が食べられないぞ……」

響「これは階段に載っていた『タイムカプセル』と同じ内容だな。飛ばしておこうっと」

響「後は……ん?」


『以上、86年~現在に渡ってつづられた9の悲劇。こ×らを全て含めて――……』


響「悲劇って、この凄惨な事件なことだよな。でも9? おかしいな、8つしか見つからないぞ……?」

響「これってやっぱ、消えている87年のバックナンバーに9つめの悲劇が書かれているんだろうかなぁ」

響「……うぅ。今まで自然に読んじゃったけど、そう考えるとすごく不気味だぞ」

響「……」

響「自分も、死んじゃったら――あんな風にずっとこの暗い校舎を彷徨っちゃうんだろうか」

響「……」 グスッ

響「……プロデューサー。早く見つけてほしいさー……」


行動安価 → Pに電話

>>81
( ˘・ω・˘ )

響「……圏外だけど、プロデューサーに繋がらないかな」 ピッピッ

響「声が聞きたい。大丈夫だって言ってもらいたい……」 ピッポッパッ

        ツー   ツー   ツー

響「……やっぱだめなのか」

響「……」 グスッ

行動安価 → 着信


              トーリャンセー トーリャンセー♪

響「!」 ビクッ

響「なんで。携帯がなってる……? 嘘……」

響「でも、なんだこの曲。『とおりゃんせ』? こんな曲設定してないぞ」

響「着信先は……非通知。何で? どうしよう……」

響「うぅぅ……。もうおばけに居場所がバレちゃったのかな」

響「放っておいてもどうしようもないし……」

響「……」 ゴクッ

響「……よしっ」 ピッ

響「…………もしもし?」

??『あ、響ちゃん? 今何処にいるの?』

響「えっ。その声って……は、春香か?」

春香『今、ホテルの方から連絡があって響ちゃんとプロデューサーさんに連絡が付かないって小鳥さんが――』

響「は、春香あぁぁぁぁぁ。もうダメかと思ったぞー」 グチャアー

春香『え? な、何。泣いてるの? 一体なにが?』

響「そ、それがわかんないんだぞ。廃村の近くで車が故障して、そのまま廃校に迷い込んだらオバケが出て――」 ヒック

春香『な、なんだかよくわからないけど、響ちゃんは無事なの? 』

響「ゔん……。でも゙、ブロデューザーとはなれぢゃって……。それでね」 グスッ ヒック

春香『うん……うん……』

響「ぞれで、必死に逃げて、何とか部屋に逃げ込んで……」 グスッ

春香『分かった。とりあえず場所はロケ地途中の廃村にある廃校、でいいんだね?』

響「ゔん。このままじゃ、朝まで心が持たないぞ……。ぞれに、プロデューサーも助けてあげなきゃ」

春香『すぐ小鳥さんに伝えて迎えに行かせるよ。大丈夫だよ、ね? だから安心して。落ち着いて』 ドウドウ

響「う、うん……。ありがど。春香のおかげで、だいぶ心が楽になった」 グスッ

春香『どういたしまして。で、今響ちゃんはプロデューサーさんと逸れて――えーっと、どこに隠れてるんだっけ』

響「教員舎の1階にある印刷室……。怖いぞ、だから早く――」

春香『1階の印刷室ね……』








春香?『見つけた。そこか』 ガチャン!

響「っ!?」

響「えっえっ!? 今の声、春香じゃなかったぞ!」 オロオロ

           バタンッ      ......ツ コツ コツ コツ コツ! コツ!!

響「あ、足音!? や、やばい! この音、真上の方から聞こえた!」

        カツン カツン   カツン カツン

響「か、階段を降りてくる! 急がなきゃ!」

響「うぅ……。助かったと思ったのに。逃げられると思ったのに……!」

響「やだ……! やだ……! こんな場所で寂しくいくなんて……! 絶対嫌だぞ……!」 ガチャッ

響「逃げなきゃ……! 誰かが追ってくる、逃げなきゃっ……!」 ダダッ


行動安価 → 逃げるとこまで逃げる

響「うぅ! どこでもいい、どこでもいいから逃げなきゃ!」 ダダダッ

            カッカッカッカッ     ガチャッ

響「も、もしかして今あの部屋を調べてるのか? 自分が逃げているのに気付いてない?」 タッタッタッ

響「そういえば、大声を出しても気付かなかった……。あの人体模型、耳が聞こえてないのか?」 タタタッ

響「と、とにかくできるだけ遠くに逃げなきゃ!」

                     トーリャンセ トーリャンセー♪

響「!!」

響「も、もう騙されないぞ! えいっ!」 バキッ

                    コーコ ハ ドーコ ノ ホソミチ ジャー♪

響「折ったのに、まだ鳴り続けてる……。だめだ、もう捨てていくしかないぞ……」 ポイッ ガシャッ

響「……うぅ」 ポロッ

響「えぐっ……ぐすっ……」 ヒック

響「プロデューサー……! 助けてよぅ……!」 ポロポロ

-南校舎-

響「ふぅ……ふぅ……」 ゼェゼェ

響「こ、ここまで逃げれば一先ずは何とかなるかな……」 フゥ

響「ぐすっ。もう、何も信じられない……。電話まで騙ってくるなんて」

響「……もう何時間経ったかな。プロデューサー、まだ自分のこと探してくれてるのかな」

響「……」 ズッ

響「そうだ、今の内に状況を確認しなきゃ……」

響「目の前には階段。引き返せば北校舎。それ以上は引き返せない」

響「左には2年生の教室。その先に給食室。右は校庭への道で、車はかろうじて見える程度……」

響「……どうしよう」

行動安価 → 車へ

響「そうだ……。これが校舎内での出来事なら校舎外に出ればいいんだ」

響「闇雲に探し回るだけだと、絶対にプロデューサーは見つからない」

響「なら車……。車にさえ戻れれば、プロデューサーが見つけてくれるはず……!」

響「……」 ジャリッ

響「校庭には飼育小屋以外には変な不思議はなかったはず……。そこさえ避けていけば」

響「うぅ、割れたガラスが散らばってて、なんだか危ないぞ……」 ザリッ

響「でも、行かなきゃ。生きなきゃ……!」 ダッ

-外 車前 -

響「ふぅ……ふぅ……。何にも出なくてよかったぞ」

響「えっと、車の中には、何もないのかな」 ガチャッ パラリ

響「――? なんだこの紙……」 パラリ

響「……これって、家族の絵? 普通の子供が書いたクレヨン画みたいだぞ。名前はないみたいだけど――」

響「あれ? 裏にも何か書いてある」


『まっすぐいってみぎ。まっすぐいってひだり。まっすぐいってひだり。もうみえない』


響「? な、なんだこれ。どうしてこんなメモが車のドアに挟まって……」

響「――ドアに挟まって?」 ハッ!

響「車の鍵は自分が持っているのに、どうやって……。まさか、ここにもオバケが出て……」 ガタガタ

響「ど、どうしよう。もし車のドアを開けられるのなら、ここで篭城なんてできないぞ」

響「……どうしよう」


行動安価 → 車を運転してみる

響「車を……車さえ動かせればいいのに」

響「試しにキーを……。うぅ、やっぱエンジンつかないぞ」 ガチャッ

響「それ以前にプロデューサーを置いてはいけないぞ」

響「ぐぅ。こういうことなら素直にプロデューサーに怖いって言っておけば良かった……」

響「なんだか眠くなってきたし……。プロデューサーもどこかで逃げ回ってるのかな」

響「それとも、平気な顔してぐーすか寝ちゃってるのかな」

響「……」

響「後者であってくれたら、いいのになぁ…」


行動安価 → 紙の通りに移動すると何処へ行くのかを考える

響「そうだ。この紙――」

響「オバケだろうとなんだろうと、理由無く置いていく分けないもんね。どういう意味があるんだろ」

響「まずスタート地点は校舎入り口……で、いいのかなぁ」

響「で、まっすぐ行って右。北校舎の方向……」

響「そのまままっすぐ行って左……南校舎を曲がるのか?」

響「まっすぐ行って左をもう一度。……2年の教室か、あるいはその先にあるのは給食準備室だよなぁ」

響「クレヨン画を見れば、2年の教室のどれかが正解に思えるけど、『もうみえない』ってなんだ?」

響「見えない。見えない――。いや、見えなくなった? 見えなくなって――……見失った?」

響「この筆者は何かを追って道順を覚えたけど、最後の最後で見失って道順を覚えられなかった?」

響「……ちょっと強引かもしれない。うーん、よくわからないぞ」


行動安価 → 行ってみる

響「……どうせこのまま車にいても、篭城できないんじゃ意味無いぞ」

響「行く当てもないんだし、実際にこの通りに動いてみようっと」

響「えっと、確か玄関……は通らないで直接南校舎へ行こう。アレに出くわしたら泣いちゃいそうだしな」

響「……」 ゴクッ

響「こんなとき、プロデューサーがいてくれたら何てアドバイスくれるのかな……」

響「……」

響「プロデューサー、村の方に行ってるのかな」

響「例えこれがダメだとしても、せめてもう一度だけ会いたいな……」

響「……」 ジワッ

響「……とりあえず進むぞ。この紙の示す先に行ってみよう」

-南校舎 2年教室前-

響「ふぅ……。これで2-3も成果なし、かぁ」 ゴソゴソ

響「何かあると思ったけど、やっぱここは廃校なんだな……。崩れた瓦礫くらいしかないや」

響「次は2-4かぁ。何かあればいいけどな……」

響「……そういえばこんな山奥の学校なのに、なんでこんなにクラスがあるんだろ?」

響「まぁいいか。探索探索……って、ん? このクラスには展示物があるなぁ」


『みんなのかぞくをかいてみよう!』


響「あぁ、これ昔描いたなぁ。これはモンスター? なんだろ。ゲームのキャラなのかな」

響「次は……おー。犬を飼ってる家なのか、ここは。……あれ、ここにもいる」

響「その隣の絵が特徴的だなぁ。少女マンガっぽいタッチ――って、あれ、ここにも」

響「……ここにも。ここにもだ」

響「な、なんだこれ……偶然なのか?」

響「このクラス全員の家族の肖像画に」

響「一つ目の黒人間の絵が描かれてる……」

響「……不気味だぞ。でも家族の肖像なら、この学校の問題には関係ないのかな……」 ウーン

響「そもそもここがこの紙が示す場所なのかな……。もう少し先に行けば階段と倉庫、その先に給食準備室……」

響「……給食準備室。たしか男の子がエレベーターにプレスされた場所……だったっけ」

響「そもそもなんでそんな事件が起きたんだろ」

響「血や肉片がつくってことは、きっと天井部分に挟まったんだろうけど……」

響「……ん? あれ?」

響「この話……よく考えてみたら、なんか変だぞ?」

響「あと少しで、もうここまで出掛かっているのに……。一体何が……」 ウ-ン

響「うがー、かわんない! とりあえず思考を元の問題に戻すんだぞ!」

響「えーっと、とりあえずここが紙の示す場所かどうかはわかんないけど、仮にここだとしたら、次はどうするんだろ」

響「逆にここが紙の示す場所じゃないなら、どこへ向かえばいいんだろ」

響「或いはもうちょっと考えてみようか……。暗い部屋で佇むのは怖いから嫌だけど」

響「どうしよ?」


行動安価 → エレベーターの上に穴でもあいてたのか?

響「……? そういえば、血はともかくとして、肉片はどうやって鍋に張り付いたんだろ」

響「うーん……。構造次第ではつくのかな? それとも新聞記事の誇張なのかな?」

響「んー……。気になる。でもこれじゃないんだよなぁ。さっきここまで出掛かってたのって」 ウーン

響「まぁ、考えても仕方ないかなぁ。動くか、悩むか、どっちか決めよっと」


行動安価 → エレベーターに入らないように注意してエレベーターを調べに行く

響「……ここで悩んでてもしかたないし、ちょっと先まで進むか」 ピョン   ガチャリ

響「もしかしたらここが紙の示す場所じゃないかもしれないんだし――」 テクテク

響「……エレベーター。もう25年以上前のものだろうし、動かないとは思うけど……」

響「放送室のこともあるし、慎重に調べよう」

-給食準備室-

響「暗い……。あ、これか。給食を運んでたエレベーターって」

響「うん。やっぱ完全に壊れちゃってるか。今はただの吹き抜けっぽい」 ヨイショ

響「エレベーター自体は壊れててもうないから検証できないけど――でも見た感じ、ここが最下層……」 チラッ

響「エレベーターの隣には給食を置く棚があるなぁ。その先は北校舎へと続く廊下……」

響「ここが紙の示す場所なのか? ……うーん、それっぽくない」

響「そもそもスタート地点があの玄関でよかったのか?」

響「……根本的に間違ってるような気がするぞ。うん」

響「……ん?」

響「今、教員舎の方で光が漏れて見えたような気がしたけど――」

響「……」


行動安価 → 光の方へ行ってみる

-西側渡り廊下-

響「光……! もしかして、もしかして――!」 ダダダッ

響「確か教員舎の3階! ちらっと、弱い光だったけど、確かに見えたぞ!」

響「あの光は、火とか反射の光じゃない! 人工の光!」 タッタッタ

響「ふぅ……ふぅ……。逃がさないぞ……! もう一度プロデューサーに会うんだ!」

響「早く行かなきゃ。また見失っちゃう……」 ハァ ハァ

-教員舎-

響「あの人体模型……。思えばまだこのあたりを徘徊してるのかな」

響「でもプロデューサーに会えるのなら、これくらいの恐怖くらいっ!」

響「それに、アレは足音がデカい。近づいてくればちゃんと気付けるハズ!」

響「よ、よーし。行くぞー……!」 ググッ

響「……」

響「で、でも念のため慎重にを移動しようかな」 ソロソロ

-教員舎 3F-

響「ふぅ、ふぅ……。確かここらへんで見えたんだよな……」

響「えーっと、3Fは教室が少ないなぁ。どれどれ?」

響「真正面に男性教員更衣室、少し右に女性教員更衣室。左には図工室があって、階段は屋上へと続いてるみたい」

響「ここで大声を出すのも勇気がいるし……。でもここに光があったのは間違いないし」

響「時間的にも他へ移動する余裕なんてなかったし……。きっとまだこのあたりに」

響「……でもむやみに動くのも危険なような気が」

響「ここは――」


行動安価 → 屋上へ

響「……だめだだめだ、ここは慎重にいかなきゃ。屋上へ行って様子をみてみよう」

響「なにせ電話で春香を騙ったんだ。きっと一筋縄ではいかないはず……」

響「それに、屋上ならプロデューサーも見つけやすくなるかもしれないし――」 クルッ

響「屋上へ行こう。見た感じ、ドアは硬く施錠されてるけど、窓からなら出られそう」 ソロソロ

響「……」 クルッ

響「自分はそう簡単にはくたばらないぞ」 ボソッ

響「……」 クルリ

響「よいしょっと。ここをこじ開けてっと……」 ガチャリ

響「よっと……」 ヒョイッ

仕事忙しかったのかな?また安価皆でやりたいなー(チラッチラッ

-屋上-

響「……思った以上に綺麗だな。フェンスはボロボロだけど」

響「さて、と。これが罠だったかは分からないけど、とりあえず――」

             トーリャンセー トーリャンセー♪

響「!?」 ビクッ

響「今の音って……自分の捨てた携帯? ……ちょうど下の階から聞こえる」

         コーコ ハ ドーコ ノ ホソミチ ジャー♪         ガシャッ!!    ギィィィィッ   バタンッ!!

響「い、今の音……。どっちかの更衣室の中のロッカーの中に隠れてたのか……?」 ガタガタ

響「……こ、ここには気付かないよね」 ブルブル

            テンジン サマ ノ ホソミチ ジャー♪    カツッ コツッ カツッ コツッ....

響「足音が遠ざかっていく……。た、助かったのかー」 ホーッ

響「……じゃ、なくて。やっぱあいつ罠を張ってきたんだ……」

響「ぐぅ……。これじゃあプロデューサーを見つけ出す前に心が磨り減っちゃうぞー……」 ヘナヘナ

響「でも、これからどうしよう……。ここで夜が明けるのを待つ?」

響「ちょうど階下に移動するにも、アイツと遭遇するかもしれないし――」

響「でもここ、あいつさえ気付かなければかなりのセーフポイント……だと思うんだよなぁ」

響「……どうしよう。ここなら少しは落ち着いて考えることも、作戦を練ることもできるかもだけど」

響「うーん……。困ったぞ。プロデューサーさえ見つかってれば、ここで篭城確定だったのになぁ……」

響「行きは何とかいった。でも帰りは安全にいけるか分からない」

響「……こんなとうりゃんせ、嫌だぞ」

響「とりあえず何か考えようかな。それとも行動しようかな……」


行動安価 → 待機する

>>111
( ˘・ω・˘ )

響「……とりあえずここで隠れていよう」

響「朝になるのを待てば――もしかしたらプロデューサーも見つかるかもしれないし」

響「うぅ、寒い……。おなかも空いたし、ちょっと休憩するぞ……」 ゴソゴソ

響「……」 モグモグ ゴクゴク

響「……流石にすぐに眠る気にはなれないぞ。暇だし、ちょっと考え事でもするか」

響「何について考えよう……」


行動安価 → 紙の示す場所について考える

響「紙……。そう、紙の示す場所。あれは結局なんだったんだ?」

響「それにあのクレヨン画……。あきらかに2-4の絵とは違ってた。きっと別の教室の子の絵だぞ」

響「それに、あれを書いたのは何時なんだ? 絵の裏に書くくらいだから、きっとまだ学校が健在だった25年以上前……」

響「そう考えると、石碑みたいな後から建てられた場所がスタートにはなることはない」

響「普通に考えれば玄関スタートで、給食準備室あたりがそうなんだろうけど……」

響「それにもう一つ気になることは、やっぱ『もうみえない』のフレーズ」

響「『もうみえない』……。これ、文脈からリアルタイムでその状況を書いたように感じるぞ」

響「見えなくなる……。廃校前の学校……。道順……」

響「……まだ手がかりが全然足りない気がするぞ」

響「うぅ。この話題はやめよう……」

響「さて、もう休もうか。それとも別のことを考えようか……」


考察安価 → エレベーターについて

響「さっきはエレベーターの疑問、あと少しで思い出せそうだったけど、なんだったっけ」

響「記事ではエレベーターに潜り込んだ1年が潰されて何日か後に発見された……」

響「なんか変に思ったんだよなぁ……。あの記事の内容と、あとは――」

響「そう。そうだ。南校舎に入ってから急に違和感を感じたんだ。一体なにが気にかかってたことなんだろう?」

響「うーん……」


考察安価 → 天井で潰されたとして、何で肉片が鍋に付着するのか?

響「鍋についた肉片が……。あれ、この疑問さっきも思いついたぞ」

響「……だめだぞ。やっぱ思考が変にループしちゃってる……」

響「何かこれだっていう疑問が出てきてくれたらいいのに」

響「うぅん。やっぱ今のままじゃ頭が働かないぞ」

響「次の疑問を考えたら、少しだけ休もう……」


考察安価 → 教室の数について

響「教室……。そうだ。この学校、こんな僻地にあるのに教室数が多すぎるぞ」

響「それに生徒数がそれくらいいたのだとして、じゃあ何故廃校になっちゃったんだろ」

響「……印刷室に廃校のお知らせっていうプリントを見かけた気もするけど、うぅん。どうにも思い出せないぞ」

響「加えてこの学校、変な事件が多すぎる」

響「もしかしたら単なる『学級オカルト』とかいう壁新聞のでっち上げかと思ったけど……」

響「確か、玄関の石碑に九人、犠牲って書かれてたよなぁ」

響「そう考えるならあの壁新聞も真実味を増すような――」

響「――ん? 九人? 犠牲? なんか変だぞ……」

響「えっと、九人と9の悲劇とでくっつけて考えてたけど、これは別々の事件のことなのか?」

響「……」 ウーン

響「うぅ……。頭が痛い。これ以上考えても無理そうだぞ……」

響「仕方ない。ちょっと休むぞ……」

連投規制対策のためにももう一度

暇なときでいいからもう一度やりたいです

>>121
やるとしたら新作でね。もう廃村は謎詰め込める場所もうないんです( ˘・ω・˘ )

以下 廃村の中で 2

-教員舎 屋上-

響「……」 スヤ...スヤ...

響「……んむ。眠ってたみたいだ。今何時――って」

響「あぁ。そういえば携帯、捨てちゃったんだっけ……」 ウトウト

響「……」 キョロキョロ

響「まだ月があんなに高く……。まだ夜は明けそうにないぞ……」

響「とりあえず……様子を見なきゃだな」

響「あいつはもう去ったんだろうか。慎重に進まなきゃいけないし、とりあえず周りを確認しなきゃ」

響「ここは教員舎の屋上。出口は3階へと続く階段のみ」

響「一応ここで篭城するのもありだけど……。できるならプロデューサーを見つけたいぞ」

響「行動するのもあり。考えるのもあり」

響「……どうしよう」


行動安価 → いろいろ考える

>>124

それなら全ての謎を解明してくれよ!

このスレのせいで14時間ぐらい寝てないんだから

響「……まだまわりの状況を把握できてないし、すぐに動くのは危険かも」

響「少し頭も冴えてきたし、ここでもうちょっと考えようかな」

響「正直、謎や疑問点が多くて、頭がこんがらがっちゃいそうだけど――」

響「……」 ブンブン

響「だめだだめだ! 弱気になってちゃ始まらないぞ!」

響「とりあえず何について考えるか決めなきゃ」


考察安価 → プレスされた一年生はどこからどうやってエレベーターの天井に乗ったのか

響「考えることと言えば、あのエレベーターの違和感……」

響「……そうだ。そういえばあのエレベーターがある場所は、2年の教室だった」

響「記事には犠牲になった1年は、コンテナ上だか下だかに潜って、そこで死んじゃったんだよな?」

響「でも『乗った』っていう表現があるし……。仮に上に乗った状況を考えてみるぞ」

響「もしコンテナ上に乗るなら2階以上の階からじゃないと乗れない。それもその階にコンテナが来ていないとき」

響「加えてコンテナがその階の搬入口より下にある時にじゃないと、上には乗れないぞ」

響「そう考えると、いろいろおかしい……」

響「仮に1階で停止してるコンテナへ2階から乗り込んだとしても、1年は1階以上の高さから落下してることになるよな」

響「いくらブザーが壊れていたといっても、普通気付かないか? 音や衝撃で」

>>128
( ˘・ω・˘ )

響「上昇中に無理やり搬入口をこじ開けて乗り込んだ?」

響「でも南校舎の設計を見るに、どの階の搬入口も他学年のクラスから丸見えだぞ」

響「だからそもそもコンテナの上に乗り込むこと自体が難しいはず」

響「それに自ら乗り込んだとして、1年生自身は助けを呼ばなかったのか?」

響「記事には『×昇と下降を』ってあったけど、これ上昇と下降だよな……」

響「つまり動かしている人がちゃんとコンテナ前にいたはずなんだ。助けはすぐに呼べたはずなのに……」

響「加えて何度も何度も動かして1年生が潰れるくらいになるんだから、相当回数動かしてるはず」

響「でも天井とコンテナの間、そこに挟み込んだとすれば、『最上階』に何度もエレベーターを動かさなければいけない」

響「……給食を運ぶのに、そんな回数動かすか?」

響「なのに発覚したのは『数日後の昼』……」

響「……もしかして、他殺……なのか?」

響「……」

響「……すこし気分が悪くなってきたぞ」

響「とりあえず考えをも少し続けるか、行動をするか決めなきゃ」


行動安価 → ネックレスについて

響「ネックレス……。そういえば『学級オカルト』には、手毬の他にもネックレスもこの学校にあるって書いてたよな」

響「ネックレスかぁ。うーん……」 ウーン

響「……人から作られてるって考えれば、やっぱ骨や髪でできてるのが濃厚なんだろうけど」

響「……」 ウーン

響「うがー! わかんない! きっとネックレスはまだ見てないんだ」

響「そうだよ。だって今まで学校で、ネックレスのような白くて連なってるような小物なんて……」

響「……あれ?」

響「いや。どこかで見たぞ? そういえば身に覚えのないものだったような――」

響「白くて……アクセサリー……連なる……小物……」

響「うぅん、あとちょっとで出てきそうなのに思い出せないぞー!」

響「……どうしよう」


行動安価 → リボンについて調べる

響「……何か拾ったものでも見れば思い出すかも。リボンとか――」

響「……」 ゴソゴソ

響「なにやってんだ自分。リボンなんて拾ってないぞ……」


行動安価 → 図工室へ

響「んー。思い出せないや」

響「まぁ、それも仕方ないか。手がかりが少なすぎるぞ……」

響「とりあえず、もう下からは特に物音もしなくなったし、そろそろ行動して大丈夫かな……」 ゴソッ

響「……そうだ。とりあえず図工室に行ってみよう」

響「広そうだから何とかなりそうだし、手がかりや武器が手に入るかも……」

響「そうと決まれば早速移動しなきゃ」

響「慎重に……慎重に……」 ソロソロ

-教員舎 3F 廊下-

響「……」 キョロキョロ

響「人の気配なし、と……」 フゥ...

響「とりあえず図工室、入れるかな。耳が聞こえないだろうと思っても、音はあまりたてたくないぞ……」 ガチャガチャ

響「……だめだ。扉が閉まってる。窓からは入れそうだけど、なんかガラスが割れてて怪我しちゃいそう」

響「ライトで照らしてみた限りでは、室内は机やら瓦礫でいっぱいだな」

響「どうにかして中に入れても、あまり大規模な探索はできそうにないぞー……」

響「……」 ハァ...

響「どうしよう……」

行動安価 → 職員室で鍵束を

響「やっぱ先立つものがないと、探索なんてできないぞ」

響「全てが鍵で施錠されてるわけじゃないだろうけど……。まずは鍵を探そう」

響「……あれ。そもそも職員室自体が鍵開いてるのかな?」

響「うー……。今考えても仕方ないか」

響「とりあえず慎重に移動しようっと……。これで一先ずは階段へ――って、あれ?」

響「……」 キョロキョロ

響「おかしいな……。そういえばこの階、アレがないぞ?」

響「だったらあの時のあれは……」

響「……」

響「いや、きっと気のせいだぞ。どこか見逃してるだけに違いない……」 コツコツ

正直リアクションとかは後で纏めてやって
出来るだけ話を早く進めて欲しい
今日中に終わると限らないんだし

>>142
新規に見ていただいてる人が置いてけぼりにならないようのリプレイです
もう少しだけお待ちください。今日明日は休み取れてるんで、ちゃんと完遂させます

-教員舎 1F 廊下-

響「ふぅ。ここまで辿り着ければ安心さ。なんとか逃げ道は確保できたぞ」

響「で、肝心の職員室は開いてるのかな……」 ガチャ

響「……予想通りというか何と言うか。開いてないなぁ」

響「……ん? でもここ、上の窓が綺麗に開いてるぞ」

響「ここから何とか進入できれば……よっと」 ピョイン

響「んしょんしょ……。ふぅ、これなら中に入れるぞ」

響「……でもドアが針金や板で打ちつけたり固定されてたら、あるいは一方通行になっちゃいそうだな」

響「……」 キョロキョロ

響「人影なし……。荒れてるわけでもなし……」

響「よし、いくか!」 ピョイン

-職員室内-

響「よっと……」 スタッ

響「ふぅ。特に問題なく入れたぞ。後は鍵を探すだけだけども……」 チラッ

響「うーん。暗闇にすっかり慣れちゃってる自分が怖いぞ……。夜目は効く方だったけど」

響「えーっと……とりあえず壁のどこかを調べれば、鍵掛は見つかるよね」 ガサガサ

響「……」 ンー

響「……」 エーット

響「……! あった! カギについてるタグはもう読めないけど、とりあえず全部持っていっておけば、何とかなるよね」

響「とりあえず目的達成、と……」

響「……」

響「で、これからどうすればいいんだろ」


行動安価 → 体育館へ

響「うーん……。とりあえずここを出て体育館に行くかー」

響「手毬も何かのキーアイテムかもしれないし、今は手がかりを掴めるだけ掴んでおこう」

響「……えっと、職員室の出口は、と」

響「あ、よかった。普通に鍵がかかってただけか」 ホッ

響「さてと……。とりあえずここを出るぞ」 ガチャッ  ガラガラ

響「……」 クルッ

響「この学校、教員が事件に関わった回数がとても多い……」

響「きっと、またこの部屋にも来ることになるんだろうなぁ……」 バタン

-体育館-

響「さて。もう一度ここへ来たけど……あれ?」 キョロキョロ

響「手毬がなくなってる……」

響「誰か……オバケやプロデューサーが持っていったのか? うーん……」

響「とりあえず来た限りには、何かを探索したいぞ」

響「今来たのはプール側の出口。すぐ脇には更衣室」

響「ずっと向こうには壇上へ続く階段があって、脇には舞台袖に続くであろう扉……」

響「その隣には自分がさっき壊した扉が――って、ん?」

響「よく見たら上に手すりが見える……。この体育館、2階もあるのか?」

響「うーん……。どうしよう」


行動安価 → 更衣室へ

-更衣室-

響「……もう一度ここにきちゃったぞ」

響「今なら分かる。あの時見つけたメモと、あの黒ずんだ場所」

響「……もしかして、これが『飼育小屋』の犠牲者だったのかな」

響「いや。飼育小屋とは限らない。とりあえずもう一度ロッカーを――」

                        ガァン!!!

響「!!!」 ビクッ

響「今の音……。どこから聞こえた?! 近くから聞こえたけど、方向がよく――」 アワアワ

               ガンガンガン !!!

響「こ、これって、もしかして扉か何かを叩く音? で、でもどこにそんな扉が」 キョロキョロ

響「……!!」 ビクッ

                    ガンガンガンガンガン

響「ま、窓に人影が……!」 ガタガタ

響「に、逃げなきゃ!」 ダッ


行動安価 → 二階へ

響「そ、そうだ。2階に逃げれば――」 ダダダッ

響「って、だめだ! 2階への道がまだ分からないぞ! 急いで別の場所に……」 ガチャガチャ

響「……?」 ガチャガチャ

響「あれ、どうして……? 扉が開かない……!」 ガチャガチャ

                   ガン!! ガン!! ガン!!

響「なんでっ? どうしてっ? ひ、開け! 開けよぉ!」 ガチャガチャ ガンガン

響「うぅぅぅ……っ! ひ、開いてってばぁ!」 ドンドンドン

響「開いてよぉーっ!」 ポロポロ

                     ガンガンガンガンガン!!!   ガコンッ!

響「う、うわぁーっ!!」 バッ

-街角-

『――では次のニュースです。765プロ所属、アイドル。我那覇響さんと、同所属のプロデューサーである――』

女「ねぇ、知ってる?」

男「あ? 知ってるって何が?」

女「いや。今ニュースでやってる事件」

男「あぁ。あのアイドルとそのプロデューサーがどっかの廃墟で死んでたってやつな」

『直接の死因は、重い鈍器による後頭部への一撃と思われ、警察は――』

女「あれ。廃校が事件の舞台なんだけど、いろいろとあそこヤバいらしいよ?」

男「ヤバいってなにが。七不思議でもあるのか?」

女「違う違う。その学校、私立でさ。かなりヤバい事件が何度も発生してたらしいんだって」

男「ヤバい事件があったらしいって……。そんな内容もクソもない噂なんて誰が信じるかよ」

女「本当なんだって! それも村の権力かなにかで強引に揉み消してたらしいんだけどね」

男「プッ……なんだそれ。変なドラマの見すぎだろ」

女「聞いてってば。でも87年に発生した事件はとうとう学校でも庇いきれなくなって、そのまま廃校」

女「犯人は以前逃走中なんだけど……。でも実はあの学校に住み着いて獲物を待っている……んだとか」

男「……くっだらねー。これだから女は」

女「なぁに。アンタびびってんの?」

男「そんなんじゃねーよ! だいたいなぁ――」

『では次のニュースです。高速道路の料金をめぐり――』


Bad End

~2週目~

-屋上-

響「……う……ぅぅ……」

響「うわぁーっ!」 ガバッ

響「はぁ……はぁ……。あれ、ここは――」 キョロキョロ

響「……屋上? も、もしかして夢だったのか?」 ゼェゼェ

響「ふぅー……。夢でよかったぞ……。」

響「随分とリアルな夢だったな……。嫌な汗かいちゃったぞ」

響「うぅ……」

響「でも、夢ならよかったぞ。正夢にならないように頑張らなきゃ」

響「……とりあえずどうしようか」


行動安価 → 印刷室へ行き、廃校のお知らせを読む

響「あんな夢見ちゃった以上、今は危険を冒すわけにはいかないぞ……」

響「……そろそろ印刷室付近は大丈夫なんじゃないかな」

響「読み逃した資料もあったし、情報を集めるためにももう一度あそこへ行こう……」

響「うぅ……。頭が痛いや……」 ヨロヨロ

-印刷室付近-

響「……」 キョロキョロ

響「……よし。あたりには何もいないな」 タタタッ   ガチャッ

響「うわっ……なんだこれ。ぐちゃぐちゃに荒らされてる」

響「あの人体模型、手当たり次第に暴れたのか?」

響「うぅ……。でも遭遇しなくてよかった。今はできるだけ資料を掻き集めて退散しようっと」

響「……」 ゴソゴソ

響「よし。これくらい集めれば……っと」

響「よし、ある程度の資料を集めたぞ」

響「……でも、これからどうしよう。情報整理は安全な場所でしたいけど――」

響「うーん……」


行動安価 → 職員室へ

-教員舎 1F 廊下-

響「ついでだから職員室も探してこようかな。鍵やプリントが見つかれば一石二鳥だし」 テクテク

響「えーっと、ドアは……。うん、予想通り開いてないや」 ガチャガチャ

響「他に出入り口は――あ、上の方の小窓があいてるぞ」

響「えいっ!」 ピョイン

響「んしょんしょ……。よっと。これで職員室の中を探索できるぞ」

響「中はやっぱ暗いけど、月明かりが射してることが少し救いになるかもなー……」 ピョイン

響「よっと……。さて、早速探索開始だぞー」 スタッ

-職員室-

響「……」 ゴソゴソ

響「おっ! やった。これ鍵束だぞ! ……でもタグのインクが消えてもう読めないなぁ」

響「まぁ。これだけでも十分な成果だけど――」 キョロキョロ

響「思った以上に教員の机とか資料とか、置きっぱなしになってるなぁ」

響「こんなんでいいのか? 昔の人は大雑把だなー」 ヤレヤレ

響「でも、お陰で他にもいろいろと資料を見つけられそうだぞ」

響「まぁ、鍵を手に入れたんだし、他の場所を探索するのもありかもしれないけど……」

響「うーん……迷うぞー」


行動安価 → プールへ

響「んー……。ん? あれ?」

響「そういえばプールでも事件があったんだよな。なら石碑がどこかにあるのかな?」

響「もしそうなら、少しは進展になるはず……」

響「あの時は何も考えずに行っちゃったけど、もしかしたら重要なものがあったのかも……」

響「だったらもう少し調べておくべきたったかなぁ?」

響「よしっ! そうと決まれば早速プールの方に移動してみるぞー!」 テクテク

響「っと、その前に職員室の鍵は――。あ、よかった。普通の鍵だった」 カチャ

響「……」 キョロキョロ

響「……周りに人影なし。よし、今の内に!」 タタタタッ

-プール-

響「んー……。月はあるけど、さすがに暗すぎてわからないなぁ……」 ンー?

響「うへぇ。なんか手すりまでぬるぬるして気持ち悪いぞー……」

響「でも手がかりを見つけるまでの我慢! もう一度外周を調べて――」

響「……おっ! ビンゴだぞ! ここにも石碑があった! 小さいけど」

響「えーっと、何々?」

響「『三人……魂を……』? うー。苔にまみれて読めないぞ……」

響「でも、これでほぼ確定だな。壁新聞でいう、九の悲劇の舞台現場に石碑が建てられている可能性が高い!」

響「……ん? それじゃあ玄関にあった石碑は――」

響「最後の事件の? 事件の舞台は玄関で起こったのか?」

響「……」

響「……まだまだ手がかりが足りないぞ」


行動安価 → 家畜小屋へ

響「……そうだ。家畜小屋に行ってみよう」

響「推理通りなら、家畜小屋にも石碑はあるだろうし、校庭は広いから襲われても逃げられるだろうし……」

響「よしっ。ちょっとは情報が集まってきたぞ! このまますんなり行けばいいんだけど……」

響「……」

響「念のため、車も見てこようかな……」 スタスタ..

-校庭-

響「特に何事もなく……」 スタスタ

響「とりあえずまずは車の中を見てみないと……。えーっと」 ドレドレ

響「……!!」

響「これってプロデューサーの携帯?! どうしてこんな場所に!」 ガチャッ

響「……」 ピッピッピッ

響「!! 音声メモがある! 録音時刻は――1時間前? 自分が寝てたくらいか?」

響「……」

響「プロデューサー。無事なのか……?」 ジワッ

響「とりあえず、これも資料として持って行こう。車の中にあったのなら、ここも絶対安心とは言い切れないしな」

響「後ろ髪引かれる思いだけど……。今は家畜小屋に急ごう」 タッタッタ...

-家畜小屋-

響「ここが家畜小屋……。このゲージは鶏を飼っていたのかな」

響「そしてその裏手に……。あったぞ。小屋のインテリアに偽装してるんだな」

響「むぅ……。半分地面に埋まってるのか……? 板切れで入り口を隠してある」

響「その周りには――。やっぱりあった。石碑だぞ」

響「『七……少女……忌』。読めない部分もあるけど、だいたいこんな感じかな――……」

響「さて。板切れをどけてみたら入り口が出てくるはず……。って、階段? 本当に半地下だったのか」

響「でも肝心の扉は南京錠で閉じられてる……」

響「仕方ないぞ。とりあえずこの当たりは――」

                               ガンッ!!!

響「!!!!」
                     ガンガンガン!!!!         ガン! ガシャン!!

響「なっ!? 扉が向こうから叩かれてる!? 何か中にいるのか!?」

                           ガン!! ズガン!!  バスン!!!

響「だ、だんだん叩く音が大きくなってる。どどど、どうしよう……」

行動安価 → 逃げる


              ガスン! バスン!!

響「や、やばい。扉の部分の板が破られそう!」

響「逃げよう! ここにいたら危ない気がする!」 ダダダッ

響「ふぅ……っ! ふぅ……っ!」 ダッダッダ!

響「と、とりあえず校舎に向けて逃げちゃったけど……。ど、どこに行けばいいんだろう?」 フゥフゥ

                        ガシャン!!

響「!! 扉が破られた!? い、急がなきゃ!」


行動安価 → 全力で逃げる


響「ど、どこでもいいから全力で逃げよう!」 ズダダダダ....



――……
――――…………


-???-

響「ふぅ……。こ、ここまで来れば安心だぞ……」

響「……って、ここどこだ!?」

響「無我夢中で走ってたから、わかんなくなっちゃったぞ……」

響「えーっと……。机があるからどこかの教室だな。後は――」

響「ん。ベランダから中庭が見える。ということはここ、北校舎なのか」

響「……うーん。周りには人の気配はないみたいだけど……」

響「……どうしよう?」


行動安価 → 自分が何処にいるか確かめて、安全確保

以下 廃村の中で 3

響「とりあえず正確な位置を把握しなきゃ……」 ドレドレ

響「……あれ。ここクラス書かれてないぞ?」 キョロキョロ

響「プレートが外されてる……。なんでこんなことを……」

響「……まぁ今はそれどころじゃないか。中庭の方は――」 チラッ

響「相変わらず不気味だぞー……。でも誰の気配もなし。高さからして3階かな?」

響「そう考えれば――5年生か6年生の教室なのかな」 キョロキョロ

響「展示物もなし、かぁ。これはいよいよ本当にわかんなくなってきたぞ」


行動安価 → 情報整理

響「……まぁ、人の気配も感じないし。ちょっとここで情報整理しておくかなー」

響「まず廃校の理由を知らなきゃ。えーっと、なになに?」

『この度の発覚し×した×事××より、保護者××様に×大変な×心×××かけしたことを、心から謝×申××げ×す』

『これにより、本校、××小学×は×××生徒への××響を×え、廃校にする××に決×させていただきます』

『よって本年×××を持ちまして、××学を××……』

響「……これはひどいぞ。ぐちゃぐちゃになっちゃって、全然読み取れない」

響「でも辛うじて、何かの事件が廃校の引き金になったってことは読み取れたぞ」

響「廃校の原因って……なんだろ?」

響「……」 ウーン

響「こ、心当たりが多すぎて思いつかないぞ」

『×××× vol.×× 今回発生したエ×ベーターの事故につ×まして』

『調査に××と、かくれんぼの最中、誤ってエレベータ××ャフト内に入×込み、そのまま落下』

『職×が気付××いまま機械を×かし、リールを巻く滑車に顔を×されたことが×因とな××……』

響「……ん? これはあのエレベーターの記事だよな。教員用の配布プリントか?」

響「どっちにしろ胡散臭いぞ……。あまりこれは信用できる内容じゃないぞ」

響「後は……そうだ。プロデューサーの携帯! あれを調べてみなきゃ!」

響「えーっと……。音声再生、これかな」 ピッ

             ガガッ           ガガガガガッ

P『えー……。これで声取れてるのかな? よしよし』

P『おーい、響。お前は無事かー?』


響「プロデューサーの声……! じ、自分は無事だぞー! 早く助けに来て欲しいぞー!」 ウルウル


P『えーっとだな。俺も一応学校中を探してはいるんだけど、なかなかお前に会えなくてな』

P『ときどきお前の声が聞こえるから、多分この学校のどこかにいるんだろう? そうだな、響』


響「うん……うん……」 グスグス


P『で、さっきからお前を名前を叫んでいるんだが……。返事がない。何かしらの理由で聞こえていないのか?』


響「それは……きっと自分、寝てたせいだ。もう少し我慢して起きていれば」 グスン


P『だから、この音声メモをお前に残す』

P『もしお前が無事なら、これに元気な声でも録音して、また元あった場所に置いておいてくれ』

P『或いはどこかで待ち合わせ場所を入れておいてもいい』

P『とにかく、お前が心配でたまらない。怪我はしてないか? 寒くないか? 腹減ってないか?』

P『……できるだけ、車周辺にいるようにする。早く元気な姿をみせてくれ。以上だ』


響「ゔぅ゙……。プロデューザー……。自分も会いだい。会いだいぞー……」 ボロボロ

廃村シリーズキター!舞ってたよ!このシリーズ最初から最後のまで全部見てた

P『じゃあな、響。そんな歳で迷子なんて格好悪いぞ』 ハハハ


響「ぐすっ……ぐすっ……。そんなんじゃないもん……」 クスン

響「でも……プロデューサー無事だったんだな。良かった、本当によかったぞ……」 ポロポロ


P『あ! そうだ。これ追伸で言うの忘れてた』


響「え……?」


P『お前のイタズラじゃなければ、この校舎。ちょっと変な奴が紛れ込んでるかもしれない』

P『というのも、教員舎の2F倉庫。あれ、最初は「倉庫」って書いてたのに、次見たら「放送室」のプレートに変わってた』

P『お前か誰か。勝手に部屋のプレートを摩り替えてるやつがいるんだな』

P『もしお前じゃないなら気をつけろよ。こんな深夜にこんなことするやつ、ちょっと変だ』

P『もし出会ったら一目散に逃げるんだ。捕まりそうになったら、今度こそ俺を大声で呼べ。すっ飛んでいくからな』

P『ま、願うならずっと出会わないままでいてくれるのが一番なんだけどな』

P『こんどこそ以上だ。それじゃ、通信終わり』 ピッ ガガガ....


響「放送室って……。え? あの部屋、放送室じゃないのか……?」

響「じゃああの時のチャイムは別の場所から……? どうして?」

響「あの場所は本物の放送室じゃない……?」

響「摩り替えるってくらいだから、放送室には行かせたくないのかな。……オバケが?」

響「部屋のプレートを入れ替える。なんか行動がすごく人間臭いぞ……」

響「でも――。……だめだ、ちょっと考えがまとまらない」

響「いや、それよりもプロデューサーが無事だったんだ。喜ばなきゃ」

響「……偽者? いや、そんなわけないよね。あの声は確かにプロデューサーの……」

響「いや。でも印刷室でかかってきた電話。あれは春香の声に偽装してた……」

響「……どうしよう。疑心暗鬼に陥っちゃってる」

響「とりあえず何かして気を紛らわせなきゃ」


行動安価 → 倉庫の上の部屋について考える

響「うー……。とりあえず今は保留にして、今分かってることだけを考えよう」

響「まず、倉庫の上の部屋……。水音がしたけど、あそこの上は図工室と男性教員更衣室のあたりだよな」

響「水音がするのなら、排水機能のある部屋……。トイレ、手洗い……シャワー室?」

響「無くは……ないのか。更衣室があるのなら。……でもまだこの学校に水道は通っているのか? そもそも」

響「んー。一応手持ちの鍵で、図工室に入ることもできなくはないけれど――……行く意味あるんだろうかな」

響「あの時は水道の音がして、その後に人体模型が降りてくる足音が――……あれ?」

響「……いや、でも……」

響「……」

響「ちょっと……。変な疑惑が生まれちゃったぞ……」


行動安価 → 階段周辺で車を見張る

響「……とりあえず、プロデューサーは車の周辺にいるって言ってたぞ」

響「自分が心配なら、少なくとも隠れながら陰からこそこそ様子をみることなんてしないはず」

響「……どこかで様子を見ることはできないかな?」

響「そうだ、階段。階段から様子を見よう。それならすぐに降りることもできるし……」

響「ここが北校舎の3階なら、とりあえず廊下に出て右にあるのかな」

響「様子見がてら、周りも見ていこうっと」 ガラッ

-北校舎 3F? 廊下-

響「……」 キョロキョロ

響「特に何があるわけでもないか――。相変わらずどの教室は不明だし」

響「……ここのクラスプレートも、例の摩り替えたおばけだか変質者さんだかが持っていったんだろうか……」

響「うー……。わかんないぞ。とりあえず移動しよっと」 スタスタ

響「正面窓からは南校舎、左手は名前の不明な教室。途中に南校舎への渡り廊下、奥に階段」

響「右手には教室と男女用トイレ。その先に階段。階段を上れば恐らく屋上」 テクテク

響「……こんなところかな。逃げる準備は万端にしとかないとね」 ヨシヨシ

響「さて。じゃあここでしばらく車を見張るぞー」

-数分後-

響「……」

響「……誰も、車周辺に来る気配はないぞー……」

響「うー……。じゃあ本当にあれは嘘だったのかなぁ」

響「プロデューサー。声を聞いたときは嬉しかったけど――」

響「今は何を信じたらいいのか、わからないよ」 グスッ

響「……」 グシグシ

響「……こんなことが続いて、弱ってるのかな。ちょっと心が痛いぞ……」

響「……」 ボーッ

響「……ん? あれ?」

響「車の近くに誰かいる!! シルエットだけど、何か動いてる!」

響「ど、どうしよう。ここからじゃ懐中電灯の光も届かないし……」

響「ここは……」 ゴクッ


行動安価 → こっそりと後をつける

響「と、とりあえず見失わないうちに近くにいってみよう」 ダダダッ

響「……」 フゥ...フゥ....

響「……! まだ車の傍にいる! ……けどこれ以上進んだら遮蔽物もなにもないから、あっという間にバレちゃうぞ」

響「それに後をつけるっていったってこのままずっと車から動かなければ――」

響「校舎内は安全じゃないんだし、ジリ貧にならない程度になにか行動しなきゃ!」


行動安価 → 叫んで呼んでみる

響「そうだ……。これくらいの距離があれば……たとえ偽者でも逃げられる」

響「周りに変な気配は……なしと」 キョロキョロ

響「よぅし……」 スゥゥゥゥゥッ

響「おーい! プロデューサー!!!!!」

??『……!』 バッ

??『その声、響かー!?』

響「この声は……ぷ、プロデューサーだぁ!」

P「おーい! 響! そこにいるのかー!」 オーイ!!

響「おぉい! こっちだぞー!」 ダダダ

P「無事かー! 怪我はしてないかー!」 タッタッタッ

響「だ、大丈夫だぞー!」 ダダダダダ.....

響「はぁっ……はぁっ……。プロデューサー!」 タッタッタッタッ

P「響! 無事だったか!」

響「本当にプロデューサーか? 本当に本当にプロデューサーなのか?」

P「なに言ってんだ。当たり前だろうが。こんなイケメンこの世に2人もいてたまるか」 ガバッ

響「ぷ……プロデューザー!」 ガバッ

P「おっとっと……。よしよし。無事か? 体調は? 怪我は? なんともないか?」

響「ゔん゙……っ! で、でも゙怖がっだよおぉぉっ!!!」 ポロポロ

P「あー、よしよし。もう大丈夫だ。落ち着け。すごい顔になってるぞ」 ヨシヨシ

響「だ、だっでも、もう。二度とぷろりゅーさーにあっ。……グスッ……会えないんだって思っでー」 ポロポロ

P「うんうん。怖かったんだな。もう大丈夫だ」 ナデナデ

響「もう何度も……だ、ダメなんじゃないかなって思って……!」 ポロポロ

P「そうか……。響は頑張ったんだな」 ヨシヨシ

響「なっ。なんでやくぞく通りに来てくれながったんだよぉっ! プロデューサーの嘘つぎぃぃぃっ」 ポロポロ

P「あー……。ごめん。廃墟マニアの血が騒いじゃって。ゴメンな? 10分で戻れなくて」 ナデナデ

響「……プロデューサーの、ばか……」 ヒック

P「ん。そうだな、馬鹿でごめんな」

響「……グスッ。……ねぇ、プロデューサー?」

P「ん? なんだ?」

響「……もっと強くぎゅってして……」

P「ん? こうか?」 ギュッ

響「違うぞ。ぎゅーって……」 グスン

P「あぁ。こうかな」 ギュゥー

響「それでね。頭……強く撫でてほしいさ。よくやったなって……」

P「あぁ。響、よく頑張ったな。よくやった」 ナデナデ

響「ん……」 ポロポロ

分岐安価
このPは偽者か本物か

結果 → 本物

-数分後-

P「どうだ。落ち着いたか?」

響「うん。ちょっとテンパっちゃってた。ごめんだぞ」

P「いいさ。あんな危険人物がいる中で逃げ回ってたんだから。本当によくやったよ」 ナデナデ

響「危険人物……? そうだな。あんなオバケ、もうこりごりだぞー」

P「オバケ? ……うん。よく分からんが、もう離れないようにしよう。響もそれでいいな?」

響「うん。……ところで危険人物って? プロデューサーもオバケに追われてたんじゃないの?」

P「いや。学校でお前を探してるとき、急に後ろから殴られてな。気がついたら変な真っ暗闇にいた」

響「真っ暗闇?」

P「あぁ。とりあえず手当たり次第に殴ってたら……ほら、あそこ見えるか?」

響「あそこって……。家畜小屋?」

P「そう言うのか? その下に閉じ込められてたみたいでさ。あそこから這い出てきたんだ」

響「じゃ、じゃああの時のって……プロデューサーだったのか!」

P「は? なにが?」 キョトン

P「殴られる直前、俺を殴ったらしいやつの靴が見えたんだ。それで変な奴がいるって分かってな」

響「靴……? 殴られて……? いろいろおかしいぞ」

P「まぁとにかくだ! お前が無事だったのなら話が早い! ちょっとこれ見てみな」 ガチャッ カチャカチャ

響「? 車がどうかした――」

           ブォン...                   ブォォォォン

響「! エンジンがかかってる!」

P「そう。どういうわけか直ってるみたいなんだよ。誰かが直してくれたのかわかんないけど、ここを脱出できるぞ!」

響「うそ……。嘘っ! ほ、本当にか!? 嘘じゃないよな!」

P「あぁ。……ただ不思議なことに、ちょっとガスが減ってるんだよなぁ。でもギリギリホテルまでは足りる距離だ」

響「やったぞ! もう怖い思いをしなくてもいいんだな!」

P「おう、そうだな。じゃあ、早速帰ろう!」

分岐安価
一旦帰るか。残るか

結果 → 帰らない

響「……」

P「……? どうした響」

響「少し、待って欲しいぞ。何だかモヤモヤするんだ」

P「モヤモヤって……何が?」

響「誰かが修理したってことは、誰かが車を弄ったってことでしょ?」

響「なら……。その車って、例えばブレーキは効くの?」

P「ブレーキ、か。」 グイ

          ギュルルルルルッ         グォーン

P「……効いてないな。多分、ブレーキパッドを抜かれてる」

響「やっぱり……。あまりにおかしいと思ったんだ。こんなアッサリ終わるだなんて」

P「……仕方ないな。とりあえず一晩過ごして、後は救援がくるか歩いて帰るかを選ぼう」

響「……そうだな」

-車内-

P「ふぅ……」 ガチャッ

響「どうだった?」

P「ん。綺麗に弄られてる。あのまま帰ってたら、行きつく先は天国だったろうな」

響「そっか……」

P「だがまぁ、電気系統はしっかり復活してる。これで暖房は効くし、ラジオも聞ける。少しはリラックスできるはずだ」

響「ん。それは良かったぞー……」

P「なんだ響。眠いのか? 眠いのなら寝ててもいいが――」

響「違うぞ。プロデューサーが無事で、なんだか肩の力が抜けちゃって……」

P「そうか。響は頑張ったんだな」

響「うん……」


行動安価 → 車に残したハム蔵はどうしたか、とカマをかけてみる

響「――ねぇ、プロデューサー」

P「ん? どうした」

響「車に残してたハム蔵。どこ行ったか知らない?」

P「ハム蔵? ハム蔵は向こうに置いてきただろ。なに言ってるんだ」

響「あれ、そうだったかー? ちょっとうっかりしてたぞ」 フフフ

P「んー……。やっぱ疲れてるんじゃないか? 休んだほうが――」

響「いや。大丈夫だぞー」 ギュー

P「どうした。寒いのか?」

響「ううん。ちょっと安心しただけっ!」


行動安価 → 抱きつく

響「ねぇ、プロデューサー。そっち行っていい?」

P「そっちって……どっちだ?」

響「プロデューサーの膝の上。やっぱりちょっと寒いから、温まりたいぞ」 モゾ...

P「……そっか。じゃあいいぞ。甘えたいだけ甘えろ。今は響の椅子になってやるから」

響「ありがと。えへへ、やっぱプロデューサーは暖かいさー……」 ギュー

P「響も暖かいぞ。懐炉代わりにちょうどいい」 ポンポン

響「ん……」

P「……」


行動安価 → 情報共有して中庭の石碑探索

響「……ねぇ、プロデューサー」

P「どうしたんだ? 眠れないか?」

響「もう。眠たくなんか無いって言ってるじゃないかー」

P「ハハハ。そうだったな。……それで、どうかしたか?」

響「プロデューサーもさ。いろいろ廃校とか探索したんだよね」

P「あぁ。まぁ大半はあの小屋の下と村の方に費やしたけどな」

響「どんなことがあったの? 何をみつけたの? いろいろ知りたいぞ」

P「知りたいって言われても……。まぁ、電話の音声メモで話したとおりのことくらいしか、なぁ」

響「あっ……。あの電話のメモ、やっぱりプロデューサーのだったんだ」

P「? やっぱりって……。そりゃそうだろ。誰かと声を間違えるほど切羽詰まってたのか?」

響「いや。そういう訳じゃないんだけどさー……」

P「? ちょっとよくわからんな。響の方の冒険は、よほど大変だったみたいだ」

響「そうさ! とっても怖くて不気味な思いをして……。あぁ、一言じゃとても言い表せられないぞ!」

P「ふん? じゃあどういうことがあったんだ?」

響「えっとだな――」

響「――という訳さ! オバケに追いかけられて、本当に大変だったんだぞ!」

P「ふぅん。動く人体模型に追いかけられて……ねぇ」

響「あっ! その顔は信じてないな! 本当だぞ! 電話だって春香を騙ってきて、すごく怖かったし」

P「いやぁ、だってなぁ……。人体模型が動くとはとてもとても」

響「むぅー! 本当なのに」

P「いや、だってさ。そもそも人体模型って人間みたいに走る姿を、ちょっと想像できなくてな。響は見たんだっけか?」

響「そうだぞ! 人形が凄い勢いで足音……あれ?」

P「どうした響」

響「……あれ、本当だ。よく考えてみたら」

響「自分、人体模型が走ったり襲ってきたりしたところ。見てないぞ……」

響「最初、人体模型を見た時は、変な音に驚いてモップ振り回したら、それが当たって倒れただけだし……」

響「そもそも印刷室では近づいてくる足音と、扉を開ける音しか聞いてない」

響「ロッカーの時もそうだ。あの足音をずっと人体模型だと思ってたけど……」

響「冷静に考えてみたら、あの足音が人体模型の追ってくる足音だなんて確証。どこにもないじゃないか……!」

P「……だが、電話を騙ってきたんだろ?」

響「そう。電話を掛けてきた、そう思ってたぞ」

響「ならあのロッカーに隠れてたやつが持ってた、自分の携帯……」

響「あれは一体誰がかけたものなんだ?」

響「これって……これは――」 ブツブツ

P「ふぅん。なるほどなぁ……。オバケでも生きた人間でも、響を追う事はできたってことか」

響「ぐぅ……。そうかもしれない」

P「でもそれなら問題は春香の声の騙りだな。それだけはちょっと分からない」

響「そ、それは確かにそうだぞ。あの声は確かに春香だった」

以下 廃村を越えて

P「……不思議な事件だな。それに9の悲劇ってのも何だか酷く座り心地が悪い」

響「うん。正直言って、自分もそれが気になってた。その事件がきっと今日の騒動の原点なんじゃないかな――って」

P「ふぅん……。響、やっぱお前は犯人を幽霊だと思うか?」

響「わかんない……。もしかしたらただの変質者の仕業かもしれないし、でも本当にオバケの仕業かもしれないし」

響「でも、あまりに不可解なことが多すぎて……。自分はきっと幽霊のせいだと思ったんだ……」

P「……だが仮にこれの黒幕が、本当にオバケだったとして――。何をさせたかったんだろうなー」

響「……わかんない。謎を解いてみない限りには」

P「……謎、解くか?」

響「えっ?」

P「気になって気になって仕方が無いんだろ?」

響「えっ! えっと……。う、うん」 モジ

P「正直俺も気にはなっていたんだよ。壁新聞とか見ててさ。だから俺自身はその謎を解き明かしたいと思っている」

響「プロデューサー……」

P「でも響に危険な目に合わせたくはない、とも思っている」

響「……」

P「でも――俺の傍から絶対に離れない。そう約束してくれるのなら、もう少しだけ廃校を見てもいいかな、と思った」

響「――いいの?」

P「多分黒幕さんは俺たちが車にいるのを知ってるだろうし、最悪危害を加えてくるかもしれない」

P「でも動き回ったり逃げ回れば、或いは――ってこともありえるしな。それに――」

響「それに?」

P「幽霊が黒幕だったら、多分このまま帰っても呪い殺されそうな気がしてならないからな」 ハハハ

響「そ、そうなのか?」

-中庭-

P「と、いう訳で最初につれてこられた場所がここか。ここに何かあるのか?」

響「えっとな。そこの石碑、見えるだろ?」

P「石碑? ……あぁ、慰霊塔な。なんか痛ましい事件があったらしいな」

響「その石碑の下、見えるか? 箱が挟まってるだろ? それを取ってみたいんだ」

P「箱って……いいのか? けっこう罰当たりな気もするけど」

響「わ、わかんない。でもずっと気になっていたから……」

P「ん……。まぁ分かったよ。どれ……」 ガシッ

響「頑張れぷろでゅーさー!」

P「フー…………うるぉあっ!」 グイィッ    スポン

響「おっ! 抜けたぞ! 中身は――」 パカッ

響「手紙と……カギ? なんだこれ」

P「痛て……。お、なんか見つけたのか。どれどれ?」

響「えーっと……。『大丈夫。もう誰もあなたを傷つけないから。過去の罪も全部流れて――』……なんだこれ?」

P「さぁ? 誰かに当てた手紙……? にしてもなんで慰霊塔の下に……」

響「わかんないぞ。でも石碑の下にあったってことは、少なくとも廃校になってから置かれたってことだぞ」

P「でもこんな場所に置いておくだなんてなぁ……。大事にしている風にもみえないな」

響「それにこっちの鍵……。ずいぶん小さいぞ。きっと部屋とかの鍵じゃないな」

P「どれ? ……うん、確かに。引き出しや小箱の鍵って感じだ」

響「小箱……引き出し……。うーん、職員室くらいしか覚えがないぞ」

P「だなぁ……。ま、進展はあったってことで」


行動安価 → 職員室へ

-職員室-

響「ほら、プロデューサー。行くぞー」

P「お、おう。……いつの間にこんなところを。鍵かかってたと思ってたのに」

響「こっちだってずーっと学校を探索してたんだ。これくらいのことはやってるぞー」

P「そ、そうか……。じゃあとりあえず色々な所を調べていこうか」

響「そだね。念のため、鍵をかけて、っと」

P「まずは教員の机だな。どれが誰の机だなんてわかんないから、適当になっちまうけど……」 ガチャガチャ

響「……」 ゴソゴソ

P「……」 ガサゴソ

響「何も無いなー。あ、テスト用紙なんて出てきたぞ」

P「こっちは漢字ドリルだ。いろいろと懐かしいなぁ」

響「んー……。ん? これは写真――ってうわぁ!」 ガタン

P「ど、どうしたんだ、響」

響「な、なんか一つ目のおばけが写真に写ってる」

P「一つ目の……? ……こら、響。失礼じゃないか。これは人だよ。黒衣を着た人」

響「ひ、人?」

P「事故かなんかで怪我しちゃったんだろ。ほら、裏にも書いてある」

響「う、裏……? えーっと、『87年6月、母と共に。最期の姿  樋村』……。あ、本当だ」

P「昔のカラー写真だからな。ちょっと色あせて不気味に感じたかもしれないけど……。ここにいた先生のお母さんかな」

響「か、かもしれないぞ。うぅ、悪いこと言っちゃったかも……」

P「まぁいいさ。引き続き探索を続けよう」

響「う、うん……」



行動安価 → 教頭の机を調べる

P「お。この机は立派だな。学年主任のかな? 或いは教頭か」

響「教頭や学年主任だから立派な机ってことはないと思うぞー……」

P「いやぁ。昔の田舎の学校はそうでもないんだぜ。それにほら、教頭って書いてある」 ゴソゴソ...

響「なんでそんなところに教頭と……。で、何か見つかったか?」

P「んにゃー、特に。何があるって訳でも――おや? これは……」

響「何か見つけたのか?」

P「えーっとだな……『タイムカプセルは絶対に暴きます。ですから、どうか今の内に自首してください』。なんだこれ?」

響「脅迫状? でもなんで教頭先生の机の中に?」

P「差出人は書かれていないな……。ていうか自首ってなんだ。物騒だな」

響「タイムカプセル? これってどっちのタイムカプセルなんだろ」

P「あぁ、そういえばそっちも気になるな。資料読んだけど、またエキセントリックな事件だったらしいじゃないか」

響「うん。でも、これは文面的に、まだ掘り当てられてないタイムカプセルのこと……だよな」

P「暴くってあるし、そうなんだろうな」


行動安価 → 中庭探索

P「とりあえず、調べるもんは調べたな。一旦中庭まで戻ろう」

響「そうだな。まだ色々気になる場所はあるけれど……」 スタスタ

                        バタンッ!!

P「おっ?」

響「!!!!!」

P「……扉の閉まる音だな。それもかなり強く。上の階か?」

響「だだだだ誰か上の階にいるぞ、プロデューサー! に、逃げないと」

P「ま、そうするか。中庭は後回しだ」

響「と、とりあえず体育館側に! こっちには階段ないし、逃げられるかも!」 タッタッタ

P「大きな音、ねぇ……」 タッタッタッタ....

-体育館前 渡り廊下-

響「こ、ここまでくれば一安心だぞ……」

P「ここは体育館か……。やっぱ改めてみたら大きいな――ってなんだ? 扉が壊されてる!」

響「えっ? あ、あぁ。それやったの自分だぞ」 ポリポリ

P「ん? 響が? そりゃどうして……」

響「だって、初めてここに来たとき、ボールをつくような音が聞こえたから、プロデューサーがいるのかと思って――」

P「俺が? 俺は体育館なんて入ってないぞ。鍵かかってたし」

響「じ、じゃあ、あの時の音は……。や、やっぱりこの学校にはオバケがいるんだー!」 ブルブル

P「落ち着けって……。しかしボールをつく音、か」


行動安価 → 舞台袖へ

-体育館-

P「は? 舞台袖を見たい?」

響「う、うん。なんか前に見つけた書置きに、こっちに逃げればよかったみたいな文があって、それが気になって……」

P「んー。まぁ、逃げ道の多い場所なら、例え追ってが来ても逃げられるかもしれないし……。行ってみるか」

響「よ、よろしくだぞー」

P「なんだ? 俺が先頭か。まぁいいけど……。お、開いてる」 ガチャリ

響「な、中はどんな感じだー?」

P「ちょっとぐちゃぐちゃしてるな……。ピアノやら横断幕やらが置かれてる。物置代わりになってるのかね」

響「よいしょっと……。あ、本当だ。思った以上にごちゃごちゃしてて、あまり逃げやすい場所とは思えないかも」

P「まぁ廃校以前は綺麗だったのかも――おや?」

響「? どうした、プロデューサー」

P「ここ、ホールの方を覗ける小窓あるじゃん」

響「あ、本当だ。真っ暗でホールの方はあまり見えないけど、入り口ははっきり見える」

P「そこん近くにこんなメモがあってさ。ホレ」

響「メモ? えーっと……。どれどれ?」


『ひだりにいってまっすぐ。みぎにいってひだり。まっすぐ。またまっすぐ。みえなくなった』


『ノゾキアナ、もうすこしおおきくしたい』


響「あれ、この字って……」

P「なにかマーチングをビデオ撮影でもしてたのかね? まぁ覗き穴ってことは、あまり褒められたことじゃないのかもな」

響「あのメモ……もしかして。でも、だから何だっていうんだ?」 ブツブツ

P「響。なにをブツブツいってるんだ」

響「あ、いや。こんな動きを逐一メモするようなことして、なんになるのかなー……って」

P「さぁな。覗き穴って書いてあるし、誰かがお宝でも埋める場所を覗いて横取りでもしようとしたのかもな」 ケラケラ

響「もう。こんなときくらい、ふざけないで欲しいさー」


行動安価 → メモと照らし合わせる

響「まったくもう……」 ガサッ

P「ん? 響。なんだそれ。メモ?」

響「これ、ちょっと前に車のドアに挿まれていた絵だぞ。この裏の文字が、なんだかここの落書きの文字と似ていて……」

P「ふんふん。普通の家族の絵だな。絵柄的に――低学年っぽいな」

響「それはわかんない。名前も学年も書いてないから――。あ、やっぱり間違いないぞ。この字、落書きの字と同じだ」

P「ほほぅ。それはかなり奇妙な一致だな。それで――……どするんだ?」

響「……どうしよう」


行動安価 → 2階へ

P「……じゃあ、とりあえず2階に行ってみるか」

響「2階? そんなものあるのか?」

P「あぁ。ほら、なんかガラクタで分かりにくいけど、これ階段だろ? じゃあ2階に上がれるってことさ」

響「2階……。よし、じゃあ行ってみるぞ! ……プロデューサー先頭で」

P「……まぁ、別にいいけど。よっと」

響「んしょんしょ……。なんか動きにくいぞ」

P「一面ガラクタまみれな上に、傾斜があるから。足滑らせるなよ。転んだら危険だ」

響「う、うん。大丈夫さー」 ヨイショ

P「よっと……。ここが2階か。お? ここにも覗き窓が――」

                   バンッ!!!

P「ん?」

響「!!!」

                      ガス..    ガス...

P(誰か体育館に入ってきた……?)

響「……」 ガタガタ ブルブル

シリーズの安価をなぞってリメイクなら可愛い響や>>1が見れそうだな


               ガシャ     ギュッ.. ギュッ.. ギュッ..

P(革靴の音……? 響が聞いた足音とは違うな。複数いるのか?)

響「ぷ、ぷろでゅーさーっ」 ギューッ

P「ん? 大丈夫。あいつはこっちに気付いてないよ。それに何があってもお前は守ってやるから。な?」 ナデナデ

響「う、うん」 ブルブルブルブル

                     ギュッ ギュッ ザリュッ          ガラガラガラ....

P(暗くてよく見えないな……。向こうのほうにある、更衣室に入ったのか?)

響「フーッ……。フーッ……」 ギュウゥゥゥゥゥッ

P(よく分からんが、友好的じゃないな。俺たちを探してるのかな) ポンポン

                ザリッ       ギュッ ギュッ ギュッ....

響「……」

P「……」

                         バタン

P「……言ったみたいだな」

響「ふ、ふわぁ~……」 ヘナヘナ

P「大丈夫か? 何かあった?」

響「わ、わからないぞ。でもあの扉を叩くような音を聞いたら、急に足が震えてきちゃって……」

P「……ここで、探索を打ち切ろうか? あんなのがいるようじゃ、逃げられないだろ?」

響「だ、大丈夫。足は笑ってるけど、ちゃんと動くぞ。だからもう少し、もう少しだけ調べさせて欲しいさー……」

P「……わかった。でも何かあったらすぐに言うんだぞ」

響「うん……」 ガクガク

P「とりあえず、落ち着くのをまって行動しよう」


行動安価 更衣室へ

P「更衣室に行ってみるか……」

響「えっ!? そ、それはダメだぞ!」 ガシッ

P「? 何でだ。さっきの奴が何か手がかりを残してるかもしれないじゃないか」

響「だめ……だめ……」 ガタガタ

P「……まいったな。じゃあ、響。ちょっと近くを見るだけならどうだ? 部屋に入らないで、周りを警戒しながらって感じで」

響「……」 フルフル

P「んー……。けど、やっぱあそこを調べてみない限りにはなぁ」 ポリポリ

響「でも、行ったら死んじゃう……。プロデューサー、だめだよ」

P「参ったな。響を置いていくわけにもいかないし……」


響「ぷ、プロデューサー。なんで抱っこ……」

P「何でって……これしかなからな。格好悪いかもだけど、ちょっと我慢してくれよ」

響「で、でも……。自分、あそこに行きたくないさ……。嫌な、嫌な予感がする」 ブルブル

P「大丈夫。あの変な奴ならもういないよ。それにチラっと見るだけだから」

響「……」 ブルブル

P「ほーら震えるな。怖くない怖くない。ちゃんと俺が守ってやるから」 ヨシヨシ

響「う、うん……」 ギュゥッ

P「じゃあ、ゆっくりと中を……」

                               ドンッ!!

P「うわっ!」 ドテッ

響「うぎゃっ!」 ドサッ

                  ギィィィィッ                     ガチャン

P「痛てて……。なんだ? 誰かから押されて――。って、しまった! と、閉じ込められた!?」 バンバン

響「いっ……嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

P「くそっ……! どうなってるんだ。こんなボロボロなドアなのにビクともしない」 ガンガン

響「くる……。あ、あいつが来る……!」 ブルブル

P「来る? 誰かがここに来るのか――!!! だ、誰だ!」

??『……』 ブツブツ

響「ま、窓に人影が……。ヤだ……、ヤだ……」

??『……』 ボソボソ

P「おいアンタ! 聞いてるのか! おい!」 ガンガン

??『…………』 ブツブツ      テクテク...

P「おい! あんた、一体何処に――」

                           ガシャン!!       ジャリン!

響「!」

P「金属音……。くっ、刃物か?」

響「い、いや……」 ガタガタ...

P「響……」

                 ガタン!    ギュッ ギュッ ギュッ ギュッ....

P「足音が……。一か八かだな」

響「うぅっ。嫌……。嫌だぞ……。もうこんな――」 ブルブル

P「響。いいか? よく聞くんだ。俺は一か八かの賭けに出る。だからお前は――」 グイッ

響「え、えっ? な、なんだ」 オロオロ

P「……ここ。ここに隠れているんだ」

響「でも、ここ……。それにプロデューサーは」

P「大丈夫。俺は大丈夫だから、お前はずっとここに隠れてるんだ。そして朝が来たら急いで道路を走ってホテルへ急げ」

響「そ、そんな。嫌だぞ。もう一人にはしないって」

P「じゃあ約束だ。今度こそ守るから、な? だから声を立てずに目を堅くつぶって、耳を塞いでるんだ。いいな?」

響「ま、待ってプロデューサー。一人に――」

P「足音が近くまで来た。じゃあな、響」 ギィィィ




P「ごめんな」 バタン




――……
――――…………

-総合病院-

                      ガチャッ

春香「やっほー、響ちゃん! お見舞いに来たよ」

響「おー、春香じゃないか! どうしたんだ? この前も来てたじゃないか」

春香「うん。まぁ、ね。みんな響ちゃんが心配なんだよ」

響「そっかー。悪いな、変な気を使わせちゃって。でも大丈夫だぞー! ちょっと山道で転んだだけだからさ」

春香「うん。でも……」

響「ところでプロデューサー、今日も来てないのか?」

春香「!! え、えっとね。その……」

響「最近プロデューサー忙しいのかな。全然姿見ないぞ」

春香「……えっと、そう! プロデューサーさんは海外に研修へ行っててね! 当分帰ってこれないらしくて」 アハハ...

響「えーっ! そんなの聞いてないぞー! まったく、プロデューサーは勝手なんだから」 プンスコ

春香「……そうだね。勝手な人、だよね」

春香「……? 響ちゃん。それって――」

響「うん? あぁ、これか? プロデューサーから貰ったんだ! いいだろー」 ヘヘーン

春香「携帯電話……なの? それをプロデューサーさんから?」

響「うん。なんか知らないうちに自分の携帯壊れちゃったから、プロデューサーがくれたの使ってるんだ」

春香「そうなんだ……」

響「ところでみんなの様子はどうなんだ? 元気してるか?」

春香「うん。みんな、みんな元気だよ……。だから……」 ジワッ

春香「早く……元気になってね。またみんなと一緒に、歌おうね……」 ポロポロ

響「そうだな! 早く怪我を治して、次会う時は」

響「みんな一緒だぞ!」

ここなら2ヶ月は落ちないし無理に今日中に終わらせずゆっくりでもいいのよ?

そんなに長いシリーズなの?

小鳥「――以上が警察から報告だそうです」

高木「そうか……。鋭利な刃物を使って……。それで、犯人は?」

小鳥「逮捕されてます。なんでも数十年前の事件の『犠牲者』だとか。あの廃校に潜んでいたらしいです」

高木「うむ……。ところで、我那覇くんの容態は?」

小鳥「身体の傷は癒えたようですが、心の方は……」

高木「致し方ない、という他無いか。目の前で彼を――」

小鳥「社長」

高木「うむ、すまない。しかし、なんと理不尽なものなのだろうな、この世の中は……」

- 病室 -

響「……」 カチャカチャ

響「……」 ピッ

P『とにかく、お前が心配でたまらない。怪我はしてないか? 寒くないか? 腹減ってないか?』

響「大丈夫だよ。ここは暖かいし、ごはんもあるし、みんながいるよ」

P『早く元気な姿をみせてくれ。以上だ』

響「うん。わかったぞ。元気になるから。プロデューサーも元気でね」 ピッ

響「……」

響「えへへ……」


響生存 End

>>227
P「廃村の中で」

P「廃村の中で」その2

P「廃村の中で」その3

P「廃村を越えて」

P「廃村に迷い」

P「廃村で眠る」

P「廃村に踊る」

P「廃村で見つけて」

P「廃村を駆けて」

P「廃村で捧ぐ」

P「廃村に響く」←現在

絶対[ピーーー]マンが耳聞こえないんだっけ?

フィルターを忘れてた

絶対殺すマンが耳聞こえないだとしたら電話かけてきたやつと組んでるってことになるよな

以下 廃村に迷い

~3週目~

-体育館 2階-

P「――……い。おい、響。おい、どうしたんだ急に」

響「……えっ?」 ビクッ

P「おぉ。やっと気付いたか。どうしたんだ急に怯えだして。そんなに更衣室に行くのが嫌なのか?」

響「あれ、ここ――」 キョロキョロ

P「この窓から月光が強く差し込みすぎて、ほら。床に影を作ってる。ここに長くいると目立ってしうから――響?」

響「……なんだか夢を見てた気がするぞ。なんだか知らないけど、すごく悲しい夢……」 ポロ...

P「一体どうしたんだ。……お前、泣いてるのか?」

響「えっ? ……あっ。本当だ。何で――」 ポロポロ

P「怖い夢でも見たのか?」 ヨシヨシ

響「わ、わかんない……。でもプロデューサーの姿を見たら急に……」 グスッ

P「……ちょっと、大変なことが続いて疲れてるのかもな。とりあえず移動しようか」

響「ぐすっ……。? 移動ってどこに?」

P「いや。だからあの変な奴もいなくなったし、更衣室を――」

響「更衣室――だ、ダメっ!」 ガバッ

P「うおっ! やっぱ反対なのか。なんでそんなに……。それじゃあ俺だけでもサッと行って、チラッと見てくるのは――」

響「だめ! それだけは絶対にだめだぞ!」 ガバッ

P「おっとっと――って、なんでだ? 例え行くのが俺だけでもか?」 ヨロッ

響「ダメ! 絶対に行かないし、それに行かせたくないぞ! じゃないとこの手は絶対離さないからな!」 ギュウウッ

P「うーん、まいったな……」

響「ぷ、プロデューサーがなんて言っても、絶対ダメだからな! 絶対、ぜったい……!」 ポロポロ

P「わ、わかったわかった。更衣室にはいかないよ」 ヨシヨシ

響「……ぐすっ。ほ、本当か?」

P「本当本当。ま、確かにまだあの変質者が更衣室周りにいるかもしれないからな。俺もちょっと急いでたかもしれん」

響「そ、そうかー……。な、ならいいんだぞ」 ホッ


行動安価 → 本物の放送室を探しに

P「じゃあ更衣室に行かないとして――どこへ行こう。響、お前はどこか気になる場所とかないか?」

響「自分は――放送室の場所が気になるぞ。プロデューサーの言ってたことが本当なら、あそこは倉庫だったんだし」

P「放送室? ……あぁ、そういえば部屋のプレートを挿げ替えられてるっぽいこと、メッセージで残したっけか」

響「うん。やっぱ探してみて、あの放送はなんだったのかくらいは知りたいぞ」

P「了解了解。とは言っても……どこにあるかまだ分かってないんだけどな」

響「あれ? プロデューサーは放送室、知ってるんじゃないの? ほら、プレートすり替えられる前の」

P「いや。俺は2階の倉庫がいつの間にか放送室ってなってるのに気付いただけだし――」

響「そ、そうなのか……。でも多分教員舎のどこかの部屋にあるんじゃないのか? わかんないけど」

P「んー……。俺はむしろ別の場所にあると思ったんだけどなぁ……。ま、そこらへんは響の判断に従うよ」

響「そうと決まれば教員舎に……って、そうだ! 教員舎、ついさっき扉の音が聞こえて逃げてきたばかりだったんだ!」

P「んー……。まぁ、確かに扉の音がしたな。でも、お前は教員舎が怪しいと睨んでる、と。どうする?」

響「うーん……」


行動安価 → 給食準備室近くの倉庫へ

響「と、とりあえず教員舎は後回しにするぞ。それで教員舎から一番離れてる南校舎の倉庫から調べるぞ」

P「ん。南校舎は分かるとして……倉庫を調べるのか?」

響「え? だ、だって放送室が倉庫で偽装されてたのなら、倉庫のうちどれかに本物の放送室があるじゃ――」

P「ん……。まぁそういう推理もあるか。じゃあ南校舎に行こうか」

響「そうだな! よし、じゃあ慎重にいくぞ。慎重に」 ソロソロ

P「足元気をつけろよー」

響「……」 ソロソロ   ピタッ

P「? どうした響」

響「や、やっぱプロデューサーに先行ってほしいぞ……」 ブルブル

- 南校舎 給食準備室前 階段横 倉庫前 -

P「……」 ガチャガチャ

響「ど、どうだー? 開いたかー?」

P「……だめだな。持ってる鍵全部試してみたけど、どれも鍵が合わない」 フゥ

響「そうなのかー……。少しくらい進展が欲しかったけど、開かないのなら仕方ないぞ」

P「でもまぁ、南校舎にポツンと放送室があるとも思えないんだけどな。それも階段横には」

響「うーん……。じゃあここ中身見てないけど、普通の倉庫ってことでいいのかなぁ」

P「多分なー。俺も確信を持って言えるわけじゃないけど」


行動安価 → 北校舎と南校舎の間の空間について

響「そういえばこの校舎と北校舎の間にある空間って、何があるんだ?」

P「ん? 中庭だな。普通の。アサガオの鉢っぽいのが転がってたし。というか知らなかったのか?」

響「知らなかったぞ。こんなに長く校内を彷徨うだなんて思ってなかったし――」

P「まぁ、確かにな。最初はほんの部屋探しで入ったつもりだったんだし」

響「……というか自分、まだこの学校の全体を把握できてないぞ」

P「あれ、そうなのか? 俺よりずっと校内を散策してるから、詳しいのかと思った」

響「詳しくなんかないぞ。基本教員舎と体育館と車の往復だったし」

P「そっか。じゃあとりあえず簡単な構造だけでも知っておくか?」

響「教えてもらえるのなら聞くぞー」

P「まずは教員舎だな。まぁ普通に知ってるとは思うけど」

響「自分は1階と3階、屋上になら行ったぞ。部屋もある程度は覚えてるし」

P「そっか。じゃあ知らないのは2階だな」

P「教員舎の2階は、俺が最初に来たとき……まぁ寝る部屋探しでこの学校に入った時だな」

P「その時は、理科室、音楽室、理科準備室、物置、階段、家庭科室が確認できたな」

響「その中の物置がいつの間にか放送室ってなってたんだな?」

P「多分な。次は北校舎か。ここは俺もあまり見てはないんだが、基本生徒の教室舎っぽいな」

響「自分、ここの3階で篭城はしてたけど、そこが何年の教室だったかは分からなかったぞ……」

P「そうなのか。じゃあ北校舎の屋上のこととかも知らないんだな。うーん……」

響「……? 屋上になにかあるのか?」

P「? あるじゃないか。正面時計を管理してる部屋っぽい場所が。教員舎の屋上からは見えなかったのか?」

響「時計……。あっ。そういえば確かにあったぞ、そういうの。今まで気にしてなかったけど」

P「次は今いる南校舎だな。ここの2階以上は調べたか?」

響「まだ……、だったはずだぞ。でも基本構造は北校舎と同じだよね」

P「だな。違うことと言えば、東側に給食用のエレベーターがあるくらいか。あ、それと――」

響「それと?」

P「2階。これ俺も行ってないから不確定だろうけど、2階にある北校舎との渡り廊下。あの途中に多分図書室があるぞ」

響「図書室? そんなのもこの学校にあったのか……」

P「渡り廊下間の僅かなスペースにある小さな部屋だけどな。まぁ、何があるとも思えないが」

響「うーん……。そんな構造になってたのか。他は?」

P「他? 他は――特に無いな。あとは南東の隅あたりに宿舎への道があることくらいか」

響「宿舎? 教員用の宿舎か?」

P「いや。ここの生徒のためのようだな。宿舎というより寮と言ったほうがいいかもしれん」

響「ここ、寮まで完備してる学校だったのか!? 何でそこまで……」

P「不思議だよな。寮生活までして、こんな辺鄙な場所にある学校に通うほうも、通わせるほうも」

P「と、まぁ俺が知ってることはこれくらいだな」

響「やたら詳しいぞ。何でそんなに沢山知ってるんだ」

P「何でって――普通に玄関正面に案内板あったじゃないか。見てないのか?」

響「……そういえばあったぞ。忘れてた」

P「後は村駆け回ってる時に、通り道を見つけて――って感じだな」

響「むぅ。なんだか負けた気分だぞ……」

P「仕方ないさ。響は隠れながら慎重に移動してたんだろ? こっちは走り回ってたし、ある意味当然さ」

響(結構アグレッシブに動き回ってた気もするぞ)


行動安価 → 図書館へ

響「んー……。それなら図書館に行ってみたいぞ」

P「ん? 放送室探しはいいのか?」

響「一旦休憩ってことだぞ。それに案内板にはあくまで校舎の構造しか書かれてなかったでしょ? だから――」

P「あぁ。もし部屋割りとかが見つかれば、本当の放送室も見つかるってことか。なるほどな」

響「図書室だから学内資料は少なそうだけど、もしかしたら何か見つかるかもしれないし……」 テクテク

P「かもな。まぁ資料探しはある意味貴重だし、いい選択かもな」 スタスタ

響「だぞー」

-図書室-

P「……ん。開いたぞ」 ガチャッ ガララララ

響「うわっぷ! ……すごく埃っぽいぞー」 パタパタ

P「でも埃が舞うってことは、湿気は少ないってことだな。これは少しは期待できるかもしれん」 ヨイショ

響「それにこの様子じゃ、最近誰かが入ったとかそういう訳でもなさそうだぞ」

P「まぁ、鍵がかかってたしな。とりあえず念のため扉は閉めといて、いろいろ探してみるか」

響「ん……案外本が沢山残ってるぞ。驚いたかも」

P「想定外の出来事で廃校って流れだったしな。処分する暇もなかったのかもしれん……。あ、晴れときどきぶたじゃん」

響「わぁ。はだしのゲンもある。向こうの学校じゃあ、先生が『これ読め!』ってしつこいくらい勧めてたの思い出したぞー」

P「うっはー。ゲームブックあるじゃん。懐かしいなぁ、暇さえあれば持ち借りたい」

響「あ、ズッコケ三人組だ。こんな昔からある本だったのかー」

P「……」

響「……」

P「目的、ズレてるな」 ガサガサ

響「真面目に探すぞー……」 ゴソゴソ

響「……ん? このダンボールの中身……」 ガサッ

P「どうした? 何か見つけたか」

響「壁新聞……『学級オカルト』のバックナンバー集だ。なんでこんな所に……」

P「折り目や小さな穴が開いてるな……。多分過去、壁新聞として実際に張り出されてた分だな。ここに仕舞ってたのか」

響「保存がいいから読めなかった場所まで読めるぞ。それにもしかしたら――あっ! あったぞ!」 バサッ

P「? なんだ。何か見つけたのか?」

響「87年のバックナンバーだ! ……それでも87年全部の記事はないみたい」

P「へぇ、やったじゃないか。ちょっとだけでも見てみるか」 ドレドレ


『学級オカルト 87年2月号』

『さて、長い歴史をもつ学級オカルト。今年度の内容はどうだったでしょうか』

『私は今年卒業しますが、これからも学級オカルトは、5代目をはじめとするみんなの力で続いていきます』

『なんか一部がこれからの記事を流行のエログロ路線で統一しようぜとか言ってるけど、先生の目もあるし大丈夫でしょう』

『来月で私たちの代の学級オカルトは最後になります。最後はとびっきりのネタで皆を沸かせたいと思ってます』

『次回、衝撃の裏事実を発表! 乞うご期待!』

P「衝撃の新事実、ね。他の記事を調べてみれば面白いことが分かるかもしらんな――響?」

響「……」 キョロキョロ

P「どうしたんだ、そんなに新聞を見回して」

響「ない。ないぞ。次号であるはずの3月号のバックナンバー……。他の月のは見つかったのに」

P「もしかしたら、学校側が処分した可能性もあるな。3月号にやっぱりエログロ記事書いて先生に怒られてーってさ」

響「むぅ……。でも自分が1年手がけてきた最後の新聞を、そんなことで台無しにしたりはしないと思うぞ」

P「まぁ、確かにそうかもしれんが――。もしかしたら他のダンボールの中にあるのかもな。まだ沢山あるし」

響「かもしれない。でもこんな多くを調べるなんて、できるかなー」

P「まぁ、気のすむまで調べればいいさ。俺も見てみたいものもあるし」 ガサガサ

響「? それ自分の言ってた惨劇の記事が載ってるナンバーか?」

P「うん。響の話からの伝聞だけじゃピンとこなくてな。俺はこれを調べてみるよ」

響「ん。わかったぞー」

響「あ、そうだ。それ以前に87年ので調べなきゃいけないことがあったはず……」 ガサゴソ パラッ

響「ノストラダムス、ネッシー、ムー大陸……。古臭いオカルト記事ばっかだけど、どこかに――!! あった!」 ガサッ

響「えーっと、なになに。『死者が黄泉がえる? 学級閉鎖の真実、11人の惨劇!』……なんだこれ?」


『学級オカルト 87年 7月号』

『先月、突如として発生した学級閉鎖。生徒全員体育館に避難して、知らぬ間に終わってしまったこの事件』

『新聞の話では、不審者が学校に侵入して、生徒を9人殺傷。そして逃亡したと言っているが、これには聊か疑問が残る』

『というのも、あの事件の後、消えてしまった生徒がどの学年にも見当たらないのだ』

『そこで我々、学級オカルトは事件の究明に奔走した』

『そこで事件を僅かながらに目撃した生徒に証言を重ねあわせていくうちに、恐るべき事実が発覚した』

『なんとあの時校庭に現れたのは不審者ではなく、過去行方不明になったはずの11人の生徒だったというのだ』

『中には凄惨な死体で見つかった生徒も混じっており、黄泉の国から蘇った彼らが学校を襲いにやってきたのだ』

『そのうち村全体の力をもって、11人中9人は土に還すことに成功したが、残り2名の行方は未だ分からないらしい』

『この現象を見るに、ブードゥーに伝わりし死者を使役する術によりゾンビーとして……』


響「これなのか……。最後の一つ。9つ目の悲劇は」

響「でも死んだハズの人間が現れる……? そんな馬鹿なことあるはずないぞ」

響「と、思ってたけど、今のこの現象を考えるに、まさか本当なのか?」

響「だとしたら、その時に逃げた2人が今もこの廃校を彷徨っている……?」

響「ありえるぞ……。うぅ、もしそうなら、襲われたら自分もゾンビになっちゃうのかなぁ」 ブルブル

響「うぅ。嫌だぞー、そんなの」 ガタガタ

P「へぇ。面白い記事じゃないか。ゾンビ? これまた王道をいったなぁ」

響「あ、プロデューサー。もう記事は読み終わったの?」

P「おう。やっぱ胡散臭いよな、この壁新聞。どこまでが本当でどこからが誇張なんだろうか」

響「誇張……? あ、そうか。これオカルト新聞なんだし、信憑性なんてないようなものなのか」

P「そうだな。ベースが実在の事件だったとしても、面白おかしく書くために誇張している場合も考えられるからな」

響「むぅ……。そう考えると、なんだか今までの事件がとても胡散臭くなってきたぞ」

P「そうそう。ついでだから時期をまとめといたぞ。分かるところだけだけども。なんか参考になればいいけどな」

響「お? ありがとうだぞ。……でも記事が胡散臭いなぁと思いはじめた瞬間にまとめて貰ってもなぁ」 ウーン

P「ま、お守り程度。何かに使えればいいなって程度でいいでしょ」

響「そうだけど……。えーっと、どれどれ?」 ペラッ

『監禁事件、小物事件 不明。タイムカプセル 68年。カッター自殺事件 78年。 エレベーター事件 80年』

『プール事件 86年、恐らく9月。タイムカプセルで言及されてる生徒行方不明事件 87年、恐らく3月』

『女性教諭ミキサー事件 87年6月。人体模型事件、88年9月』

響「ふぅん……。まぁ、頭の片隅には置いておくぞ。あまり関係はないと思うけど」

P「酷いなー。せっかくまとめたのに」

響「まとめるくらいなら、新しい何かを見つけてほしかったぞー!」 プンスコ

P「ま、それも一理あるけど……。しかしこの資料の山はなー」 コキコキ

響「一応成果はあったけど、まだここを調べることもできそうだな」

P「どうする? 調べるも考えるも移動するも、俺は響の意見を尊重するぜ」

響「うーん……」


行動安価 → 村について聞く

響「そうだ。プロデューサーは長いとこ村を走り回ってたんだよね」

P「ん? あぁ。随分駆け回ったよ。村の奥の方まで行ったし」

響「そこで……何か気になることとか無かったか?」

P「村で気になること? そうだなぁ……。んー、何があるか……」

響「些末なことでもいいから!」

P「んー。本当に些末なことだけど……。ここ、元々この村は鉱山で成り立ってたみたいだな」

響「鉱山?」

P「ん。錫やら銅やらが取れてたみたいだな。でも随分昔に閉山してる。多分70年中期には」

響「随分と昔だな」

P「だろ? ……で、気になったのはその後だ。この村、どうやって食っていったんだろうなって」

響「? 食っていったってのは」

P「主要産業が潰れた村なんて、普通なら閉山と共に廃村のハズだ。でも何故かそのまま10年以上存続してるんだよな」

響「蓄えでもあったんじゃない? それに自分ならできるだけ長く自分の生まれた土地で暮らしたいぞー」

P「住人にいたってはそうかもしれんが……。じゃあ学校はどうなる?」

響「学校?」

P「そ。鉱山で働く人の子供が通う学校ではあることは違いないと思う。でもこの学校、見た感じ改築してるんだな」

響「改築……。そういえばそうだぞ。壁新聞には20年以上前の卒業生って書いてあったし、随分古い学校のはず」

P「そんな大金、一体どこから出てきたんだ? そもそも何で鉱夫たちの子供のための小さな学校を存続させようと?」

響「それはー……」

P「金の使い方も出所も、少し変だなって、まぁそう思ったわけよ」

響「うーん……。でも村の事情とは別に、後からお金持ちの人が買い取って運営してたのかもしれないし……」 ウムム

P「だから些末なことって言ったろ? だがまぁ、これが俺の気になったことではあるな」

響「……」


行動安価 → Pの推理を聞く

響「……プロデューサーは、さ。どう思ってるの」

P「どう、とは?」

響「いや。今まで出た疑問点を考えて、どうしてそうなったか、自前の推理とかあるなら聞きたいなーって……」

P「……かなり馬鹿げた話になるかもだけど、いいか?」

響「うん。いいぞ」

P「そうだなぁ……。まず俺が気になったことといえば、壁新聞だな」

響「壁新聞。あぁ、でもすごく胡散臭いってさっきプロデューサーが」

P「胡散臭いのは間違いないけど、0からのでっち上げってこともないだろう。恐らく何かの事件のベースはあるはずだ」

P「けど仮にこの新聞を読み解いていくとして――納得できない事件が山ほどある」

響「例えば?」

P「例えばこのエレベーターの記事。エレベーターで圧縮? 数日後発見? とても信じられないな」

響「それは、まぁ確かに自分も思ったぞ」

P「しかし前述したように、全てが嘘という訳でもないだろう。誰も信じられない記事は誰にも読まれない」

P「多少の信憑性がある。実際に事故があったってことは事実なんだろう」

響「でもそれが実際にあったとすれば――」

P「そうだな。事故じゃなく事件。殺人か、死体遺棄かのどっちかなんじゃないかなって俺は思ってる」

響「もし……もし事件なら」

P「警察が関わってないことがおかしい。大人の目なら誰にでも変と思うこんな事件を」

響「……」

P「そしてカッター事件。これも考えてみたらおかしいよな」

響「えっ? これも?」

P「自殺した生徒はカッターで自分の喉を掻っ切ったらしいじゃないか」

響「う、うん。それで血がゴボゴボ溢れてきて、声にならない声が聞こえたって……あれ?」

P「うん。小さなカッターナイフじゃあ、せいぜい喉を突くくらいしかできない」

P「でもそれだと空気が漏れる音しかしない。よしんば血が出てゴボゴボした声が出せても、死にはしない」

響「じ、じゃあどうやったらあんな声が……」

P「簡単。舌を噛み切るか、首を一文字に切る。太い血管巻き込めば血濡れの声は出せるだろう」

P「でもカッターで、しかも自分でじゃとても無理だ。いくら子供の首でも……そうだな。出刃包丁くらいの刃物がないと」

響「それってつまり……」

P「ん。俺は他殺で見てる。後は――そうだな。ミキサーもよく考えれば変だ」

響「あ、あぁ。そういえばそうだぞ。いくら水の力でも、人をバラバラになんてできないよな」

P「まぁ、それもあるんだが……なんでそんな死に様が分かるんだ?」

響「えっ?」

P「雨の日、しかも洪水の危険がある日だったんだろ、その日は」

P「普通なら休校。加えて宿直って書いてあるし、惨劇の舞台は夜だったはずだ」

P「こんな自然のミキサーが偶然出来て、巻き込まれてお陀仏なんて、見てないとそんなこと書けやしない」

響「いや。でもそれはゴシップ記事の誇張じゃないのか? こんな無残な方法で死んだんだーって盛り上げるために……」

P「じゃあ何で事故なんだ?」

響「え?」

P「先に言ったよな。ある程度の信憑性がないと、こんな記事誰も信じないって」

P「じゃあ中庭で女性教諭が死んでたのは間違いないだろう。多分、死に様もバラバラだったんだろうし」

P「だからこんな風な記事を書けた。でも、じゃあ何で事故扱いなんだ?」

響「そ、それは――公式に事故死だって発表されちゃったから?」

P「多分な。でも身内の発表だろう。いくら昔の警察でも、こんな事件を事故扱いしないだろうし」

P「そもそも……警察に通報してないのかもしれないな。今までの事件を考えても」

P「人体模型、プール、タイムカプセルの3件は明らかな殺人だしな。これは結構いい線いってるんじゃないかと思う」

響「つまりプロデューサーは、この学校で――」

P「ん。殺人が結構頻繁に行われてたんじゃないかなって思った」

響「な、なんで……。何が目的でそんなことを……」

P「そこまでは知らない。ただ、思い当たる節はある」

響「思い当たる節……?」

P「なんていうかなー……。これらの惨劇、最初の監禁事件とカッター事件の2つを除いたら、さ」

響「うんうん」

P「……やっぱ止めとく。馬鹿らしすぎるわ。こんなこと」 ヤレヤレ

響「えぇーっ! ここまできといてそれはないぞー!」

P「別にいいじゃないか、そんなこと。ていうか過去の出来事を暴いたところで何の解決にもならないんだし」

響「そ、そんなことないぞ! もしかしたら当時殺された生徒の幽霊がこの事態を引き起こしているのかもしれないし」

P「そうは言ってもなぁ。証拠も無ければ確証もない。全部俺の妄想だもん」

響「そ、そうかもしれないけどー……」 ウググ

P「まぁ、気が向いたら話すよ。そうだな、二人無事にここから出られた時」

P「もしこのことを覚えていて聞いてくるのなら、そのときに笑い話として話してやるよ」

響「むぅ。なんだか煙に撒かれたような気分だぞー……」

P「ていうか話すまでも無く、推理可能だとは思うんだけどな。単純な共通点だし」

響「共通点……? でも監禁とカッター以外の事件って、普通に生きてる人も混じってるけれども……」

P「タイムカプセルに至っては半分一致って程度だけどな――っと。さて、少しだけ休憩したら活動を再開するか」

響「休憩……わかったぞ。ちょっと動きすぎてた感じもあるし、見た感じここは安全そうだからな」

P「ん。……無事、一緒に出られるといいな」

響「……うん」

以下 廃村で眠る

-図書館-

響「……?」 ムクッ

P「どうしたんだ、響」

響「気のせいなのかな……。いま人の声が聞こえたような気が……」

P「えっ? 本当か?!」 キョロキョロ

響「うん……。だいぶ離れてた、けど」

P「…………何も聞こえないな。どこらへんからだ?」 ハテ?

響「こっち……北の方からだけど――。でも気のせいかもしれないし、それにオバケの声だったら気味悪いし――」

P「なんだ。お前まだこの学校に潜んでいるのが幽霊だと思ってるのか」

響「だ、だって……。実際に不思議な目にも会ったし、事実ここでは恐ろしい事件もあったみたいだし……」

P「……まぁ、誰の仕業かはともかくだ。少なくとも俺を殴った奴がどこかにいるんだ。警戒してても悪くはないだろう」

響「確かにそうだけど……。でもまさか様子を見に行くとかじゃないよね?」

P「あくまで選択肢の一つ、かな。さて、それじゃあそろそろ俺たちも活動を再開しようか」


行動安価 → 靴についての疑問と2つの録音について聞く

響「その前に……ちょっといいか? プロデューサー」

P「なんだ?」

響「さっき、プロデューサーは『靴を履いてる人に殴られた』って言ってたよね」

P「あ? あぁ。チラッとだったが、あれはブーツだったような……」

響「でも自分の聞いた足音は、硬いものが地面とぶつかる様な音だった。ヒールとかタップシューズみたいな音だな」

P「聞いたよ。『カツッコツッ』って感じだったらしいな」

響「自分、最初は人体模型の仕業だと思って、プロデューサーの話を聞いたとき、ん? って思ったんだ」

P「そういえば首を傾げてたか。で、それがどうした?」

響「それで――……あれ? 自分、何を聞こうとしてたんだっけ? ごめん、今の質問忘れてほしいさ」

P「? そうか。変な奴だな」

響「あ、そうだ。それとは別にもうひとつ質問いいか?」

P「この際だ。何でも聞きなよ」

響「実はさ。自分、プロデューサーの残した録音、2つとも聞いたんだけど、その時ある疑問が残って――」

P「は? 2つ? なに言ってるんだ。俺がお前に録音メモを残したのは1回きりだぞ?」

響「や、やっぱり……」

P「やっぱりって……一体何があったんだ? 録音? ちょっと詳細に聞かせてくれないか」

響「じ、実はプロデューサーを探しにここに入って、1回変なチャイムを聞いた直後だったかな?」

P「チャイム……。俺は聞いてないな」

響「もしかしたらプロデューサーが車に戻ってるかもしれないと思って車に戻ったら、自分の携帯が車内に置いてあって」

響「そこに2分前に録音完了したっていう音声メモが残っていて……」

P「ふむ……。内容はどんなのだった?」

響「えっと……『こっちから響の声がしたと思ったのに』とか、『もう一度村の方を探してみようか』とかそんなの」

P「……あの時か。確か車の方から変な音と声がして、急いで車の方まで戻ってきたんだよな」

響「声? 音?」

P「あぁ。多分女性の声……。俺は響かと思ったんだけど誰もいないし、てっきり勘違いかと思ってたんだが――」

響「それは初耳だぞ。それで――変な音っでのは?」

P「ガチャンとかガンとか、そう。金属を叩くような音……あぁなるほどな」

響「なるほどって?」

P「いや。俺も疑問に思ってたんだよ。いつ車を弄られたのかを。多分その時だったのかもな」

響「車を……。で、でも姿は見えなかったんでしょ? あそこは校庭で、隠れる場所なんてどこにもないじゃないか!」

P「……一つだけあるぞ。遮蔽物が」

響「?」

P「車だよ。俺たちの乗ってきた車そのもの。例え近くにいても、車が作った死角にいたら気付けないかもしれない」

響「し、死角って……?」

P「俺の立っていた場所と対角方向。もしくは――……車の中、あるいは車の下だ」

響「車の中……。車の下……」 ガタガタ

響「じゃ、じゃあ自分があの時車を調べていた時に、もしかしたら近くにオバケが……」 ゾーッ

P「やっぱお前にとっては幽霊なのか。……しかし声を録音? なんでそんな真似を……」 ブツブツ

響「うぅ……。でも、あれ? じゃあ何でその時、自分は襲われなかったんだろう……?」

P「……確かにそうだな。仮に女性だったとして、俺相手だと返り討ちにあう可能性はあるから分かるが……」 チラッ

響「?」 プルプル

P「こんな震えてるちっこいの。襲おうと思えば特に問題なく襲えたはず」 ポンポン

響「ち、ちっこくなんかないぞ!」

P「……殺すのが目的じゃなかった? 少なくとも、その時は」 ブツブツ

響「で、でもブレーキが壊されていたり、ガソリンを抜かれていたんでしょ? それなら――」

P「……ここ以外で、例えば事故で死ぬことを望んでいたとか? ここに警察や人が来ないように」

P「いや。でもそれなら俺たちを殺して埋めて、車は処分して隠蔽すればいいだけ……」

P「意志が一致してない。……複数いる? それも共通の意志をもっていない奴らが」 ブツブツ

響「お、おぅい。プロデューサー」

P「あ、あぁ。すまんすまん。ちょっと考え込んでしまってた」

響「ブツブツ言ってて、端から見たらすごく不気味だったぞ……。あ、そうだ、それと2つ目の録音は」

P「2つ目……? あぁ、俺が残した音声メモのことか。あれがどうかしたか?」

響「いや。プロデューサーって殴られて監禁されてたんでしょ? それいつ録ったのかなーって……」

P「殴られる直前だな。確かあの後……あれ?」

響「どうかしたのか?」

P「いや。ちょっとその前後の記憶が曖昧で……。あれ、俺どこに行ったんだっけ、あの後」

響「お、覚えてないのか?」

P「というより思い出せん。……しくったなー。殴られた影響か?」 ウーン

響「むぅ……。でもあの録音はプロデューサーのもので間違いないってことなら、それは良かったぞ」


行動安価 → 南校舎へ

P「南校舎? まぁ目と鼻の先だからいいけど……そこがどうした?」

響「いや。南校舎ってあまりよく知らないから……。北校舎もわかんないけど、こっちもよく調べておきたくて」

P「まぁ……別にいいか。変な声がしたってのが教員舎や北校舎の方向なら、ハチ合う可能性も少ないし」 ガチャッ

響「調べるなら今のうちだぞ!」 ガラララ

P「だな。幽霊にしろ人間にしろ、出会いさえしなきゃ問題ないし」

響「やさしいおばけだったら良かったのにな」 ガララ   ピシャッ

P「……」

響「? どうしたんだ、プロデューサー」

P「……いや、別に。ただこの学校、引き戸と普通の扉が結構混在してるんだなーって思ってな」

響「それは、まぁ確かにそうだぞ……。でもそれが?」

P「いや、なんでもない。じゃあさっそく行くか」

- 南校舎 2F 廊下 -

響「お。ここはクラスのプレートが残ってる。……4-1、4-2、4-3と……資料室? って書いてあるのか? 読めないぞ」

P「あとは倉庫とかトイレとか、給食用のエレベーターが残るだけだな。……特に変な場所はないか」

響「まぁ、見た限りでは特に変ではないぞ。見て回る?」

P「少し教室の中を覗く程度でいいだろ。ドアも開いてっぽいし、窓もいくつも割れてるしな」

響「じゃ、全部回ってなにもなければ3階に行くぞー」

- 南校舎 3階 -

P「2階はとくに何も無かったな。次は3階か」

響「ここは――やっぱりクラスプレートが抜き取られてるぞ。何の教室なのかわからない……」

P「でも、部屋の構造は同じだな。普通に上級生の教室だと考えて問題はないだろ」

響「2、4と来て……。じゃあここは6年生の教室なのかな?」

P「多分なー。まぁここも見て回るか。何かあるでもなさそうだけど……」 スタスタ

響「うん」 テクテク

- 南校舎 屋上 -

P「……お。ここはすんなり開いたな」 ガチャッ

響「月が出てるぞ。はぁ、こんな時じゃなければ綺麗だなーって、思えるのに……」

P「しかし結局めぼしい成果は得られなかったな」

響「3階は荒れ放題だったから仕方ないぞー。例え重要な部屋があっても、あれじゃ調べられないし」

P「しかし……なんでクラスのプレートがないんだろうな。他の、2年と4年は普通にあったのに」

響「さぁ……。あ、でもそういえば南校舎の3階、ここも多分上級生の教室だろうけど、クラスのプレートがなかったぞ」

P「んー、何でだろうな。深い意味はないかもしれないが……。少し気にはなる」

響「……このプレートを隠したやつが、放送室のプレートを摩り替えたのかな?」

P「さあな。そこまではわからん」

響「うーん……」


行動安価 → 声のした方向へ

P「じゃあ……そろそろ声の聞こえたほうに行ってみるか」

響「えっ!? ほ、本当に行くのか? 危険だぞ!」

P「あれから時間も経ってるし、大丈夫だろ。それにもう、遅れはとらんよ」 シュッシュッ

響「うぅー……。行きたくないぞー……」

P「まぁ、いいじゃないか。それで、北のほうってことは北校舎か?」

響「ううん。遠くから聞こえたから……教員舎だと思う。階までは分からないけど……」

P「じゃあ……とりあえず行ってみるか、教員舎」

響「うぅ~……。オバケに会いませんように」 ブルブル

P「大丈夫だって。お前は俺が守ってやるから、絶対に。だからそんなに怖がるな。な?」 ヨシヨシ

響「……うん」

- 玄関ホール -

P「ここを抜ければ教員舎だ。誰かいるかも知れないから気を引き締めろよ」

響「う、うん。怖いけど、頑張るぞ」 ギュー

P「うし。それならオッケーだ。……あとはしがみ付かなければ100点なんだけどな」

響「そ、そんなこと言ったって……。あ、じゃあ手。手ぇ握って」

P「……ライト持ってるから、それだと両手が塞がっちゃうんだが」

響「じゃあ我慢するんだぞ!」 ギュウ

P「って、俺が我慢する側なんかい。っと、そろそろ見えてきたが、ん? 荒れている……?」

響「ん……。ん? あれ? あそこって――」

- 教員舎 1F 廊下 -

P「あーあー。印刷室か、これ。すげぇ数のプリントが散らばってらぁ」

響「ち、違う」

P「違う? 何がだ。もしかしてここ、響の知ってる印刷室じゃないのか?」

響「違うぞ。その隣……。隣の倉庫が開いてる」

P「倉庫……? 本当だ。開いてるっていうか……なんだこれ。無理やりこじ開けたのか?」

響「さっき、職員室へ行くときにはなんともなかったのに……。あの後に何かあったのか?」

P「或いは、さっき響が聞いた声。ここが現場なのかもな。ほれ、見ろ」

響「? これ、傷……? 刃物で叩いたような」

P「まさかりか、ナタみたいなでっかい刃物だろうな。……入るぞ。響は周りを警戒しててくれ」

響「う、うん」 キョロキョロ

-???-

P「これって……。ここは――」

響「ぷ、プロデューサー。何か見つけたのかー?」 ブルブル

P「おい響見ろ。こんな単純な場所に、目的の場所があったみたいだぞ」 スッ

響「え? 目的の場所って……。え? この機材、マイク……。これって――」

P「放送室、だな。見ろこれ。使われた形跡があるぞ」

響「使われた形跡って……。いや、でも電気がないと動かないんじゃ?」

P「それはそうだが――。とりあえず動くかどうかは確認したいな。それ次第では色々見るべきものがある」

響「じ、実際に動かしてみるのか? でももしそれがオバケが聞いてたら――」

P「ん? 何だこれ。カセットテープが入ってる」 ガチャガチャ

響「カセット?」

P「とりあえず再生してみるか」

響「さ、再生って。一応どこかに持っていって、そこで調べれば――」

                               バタン!!

響「!!!!」 ビクッ

響「う、うぎゃー! ぷろ、プロデューサー!」 ガバッ

P「ぐおっ! ちょ、響、苦しい!」 トントン

響「いま、いま扉が開く音が! かなり近くで……に、逃げよう! 早く逃げようよう!」 グイグイ

P「お、落ち着け! 違う、違うんだよ!」

響「違うってなにが!」 ガタガタ

P「今の扉の音の発生源はここ。スピーカーからだ。だから落ち着け!」 ケホッ

響「……へ?」

P「お、これがカセットのケースか。なになに? 『演劇用 効果音 その2』。つーことは効果音その1とかもあるのか」

響「……」 ポカーン

P「えーっと他には……。『雨の音』、『声援』、『足音』、『波の音』……。いろいろあるのか」

響「こ、効果音? いまの扉の音、ただの効果音だったのか?」

P「全部が全部って訳じゃないだろうけど――そうなんじゃないか? ほら、覚えてるか? さっきのこと」

響「さっき……。もしかして中庭に向かう途中のことか?」

P「あぁ。妙だと思ったんだよ。扉を開く、或いは閉じる音にしては、あまりに音が大きすぎるって」

響「……確かに。今思えば存在感をアピールしているような、そんな感じだったかも……」

P「古いとはいえ、階を違えているんだぞ? 窓が全開だったとしても、あまりにデカすぎた」

響「じゃあ、今まで自分が聞いた音も全部この効果音テープからの再生だった可能性も……」

P「十分ありえる。たしか響、印刷室にいたときも扉の音を聞いたんだっけ? 隣なら誰かの気配とかしなかったか?」

響「誰かの気配? それは……。いや、あの床が軋む音がもしかして……」

P「校内放送が生きているなら、スピーカーは廊下にも各部屋にもある。演出だって可能だったはずだ」

響「あのあと必死に逃げ出して、そのあと誰かがそこへ近づく足音が聞こえて、その後扉を開け……あ」

P「ん。何か気付いたか?」

響「自分、印刷室から逃げ出したとき、扉なんて閉めてない。じゃああの時の扉が開く音は――」

P「誰かが、となりの放送室の扉を開けた音だろうな。恐らくそこから移動するのに響が邪魔だったんだろう」

響「ん……。ん、でも待ってほしいぞ! それなら電話のトリックはどうなるんだ?」

P「電話?」

響「仮に、隣から音を操ってたとしても、自分が飛び出す切欠になったのは春香からの電話だぞ」

響「あの電話が切られた瞬間に演出が入るなんて、出来すぎてるぞ!」

P「あ、そうか……。じゃあ電話の方もその放送室のやつが何らかの手段で――」

響「そんな方法あるのか?」

P「……思いつかないな。どういうことだ?」

響「わかんない。わかんないけど……まだまだ謎は沢山残ってる気がするぞ」


行動安価 → 寮へ

P「……とりあえず移動しよう。幽霊にしろ人間にしろ、武器を持ってるのは危険すぎる」

響「でも、じゃあどこに行くんだ?」

P「寮にでも行ってみるか? もしこいつの行動範囲が廃校内だけなら、少なくともここよりかは安全かもしれん」

響「かも……って。確定じゃないのか?」

P「仲間がいるかもしれないってことだ。それにこの扉、外から無理やり壊されてる」

響「それが?」

P「つまり扉を壊した奴は正式に放送室に入る手段を持ち得なかった。なら誰が放送を行った?」

響「そ、それは……」

P「これでほぼ確定できるかもしれんな。この学校には複数の人間、或いは幽霊がいる。ま、前者だろうけどな」

響「複数の……。じゃあ複数の内の少なくとも1人はここでもう1人に襲われたのかな」

P「さぁな。2人だけとも限らんし、そもそも血痕も何も無いし、逃げおおせたか、或いは空だったのかもしれん」

響「……うぅ。複雑すぎて頭がこんがらがってきたぞ」

P「今はここから移動することに専念しよう。寮まで行けば一息つけると思うし」

-寮への道-

P「……」 タッタッタ

響「……」 スタスタ

P「……しかし放送が生きてるってのには驚いたな」

響「だぞ。でも車を弄れるくらいなんだから、もしかしたら修理をしたのかもしれない」

P「学校中の配線を直すなんて、それこそ色々用意してなきゃ無理だろ」

響「それも……そうかー。でも思えば不審な音は全部教員舎にいる時に聞いたような気がする」

P「生きていたのが教員舎の放送だけだったのかもしれないな」

響「……でも、そうだとしても電気はどうなるんだ? ここ、流石に電気は通ってないんじゃ」

P「ま、それも思い当たる節はあるんだけど、今は移動することに専念しようか」

響「むぅ。そうだな」

-寮-

響「ここが……寮か? ずいぶんでかいなー」

P「男女別……ではないみたいだな。昔の、かつ小学校とはいえなぁ」

響「で、どうするんだ? 見た感じ玄関は閉まってるぞ」

P「ちょっと回りを探索して、中に入れる場所が無いかを探そう。響はそっちを頼むぞ」 スタスタ

響「えっ? りょ、了解だぞ」 テクテク

P「んー……。窓の位置が低いな。さすが小学生の寮」 テクテク

響「……」 テクテク

P「中は……。うげ、結構荒れてるなぁ。窓割って入っても、移動しにくいだろうなぁ」

響「……」 テクテク

P「……で、響はいつまでついてくるんだ?」

響「だ、だって怖いんだもん」 モジモジ

P「……まぁ、万が一ってこともあるし、別にいいか」

- 寮 裏手 -

P「ここは……。あぁ、ブランコとか遊具がある。遊び場だったのかな」

響「あ、プロデューサー。あれ」

P「ん? おぉ。荒れてない部屋が見えるな。内装からして……寮母の部屋かな?」

響「ちょうど窓も壊れてるみたいだし、中に入ってみるぞ!」

P「おう。そうだな」

響「……」

P「……」

響「……」

P「……入らないのか?」

響「……」 モジモジ

P「……分かったよ。俺から入るから、響はちょっとライトで床の方を照らしててくれ」

響「だぞ」 コク

-室内-

P「んー……。思った以上に綺麗だな。流石に埃は溜まってるけど」

響「ここが閉じられる前に整理でもしたのかな。きっと寮母さん、慕われてたんだろうな」

P「じゃ、しばらく探し物タイムといくか。これだけ綺麗なら、楽に見つかるだろうし」

響「? ここを調べるのか? 寮は学校とはあまり関係ないと思ったけど」

P「そうでもないぞ。もしかしたら当時の学校の様子がわかるかもしれんし、何か探して損はないだろう」

響「……それもそうだな。じゃあ自分は本棚とかを調べてみるぞ。日記とかないかな」

P「じゃあ俺は机やロッカーを。資料が見つかれば、或いはなにか分かるかも」

響「寮日誌。……うーん、見た感じこれは違うかなー」 ゴソゴソ

P「思った以上に紙が多いな……。あれ、アルバムだ。一応とっておこっと」 ガサガサ

響「……お? これは個人の日記みたいだぞ。ここに置いて行っちゃって良かったのかな」

P「ん? あぁ、鍵かかってる引き出しもあるのか。これは仕方ないかな」 ガチャガチャ

響「お? ここにも絵本がある。……モチモチの木? かわいい題名だな。怖い気分を晴らすために読んでみよっと」 ペラ

-数分後-

P「そこそこ資料が集まったな。……響、なにしてんだ。涙目だぞ」

響「挿絵が……。影絵が……」 ブルブル

P「……? よくわからんがここで少し腰をすえて見つかった情報の整理をしようか。響もそれでいいか?」

響「う、うん」

P「まずアルバムを見つけたんだが――。響、ちょっとこれを見てくれ」

響「なんだ? ……おー、集合写真だぞ。たくさんあるなー」

P「多分、卒業して寮を出るときに集合写真を撮るんだな。それで――ほら。ここ」

響「えっ? そこに一体何が……って、うわっ! こ、この人ってもしかして」

P「ん。職員室で見つけた写真に写ってた、一つ目の女性だな。ここの寮母さんだったんだ」

響「確かにここにも……。ここにもいるぞ」

P「しっかし見てみると、人の良さそうな女性じゃないか。周りの子も笑顔だしさ」

響「うぅ……。初見でおばけなんて言っちゃって心が痛いぞー……」 ズキズキ

P「えっと……。裏に名前も書いてあるようだな。えーっと、樋村 千代子……さんね」

響「樋村千代子……。あ、じゃあこの日記、やっぱ寮母さんの日記だったのかー」

P「日記? へぇ、そんなものを見つけてたのか。どれどれ?」

響「……んー。割と普通っぽい日記だね。天気のこととか子供たちのこととか」

P「そうだな。まぁ、学校はアレでも、寮は平和だったってことか……ん?」

響「どうしたんだ?」

P「いや、この記述……。ホラ」


『連絡が来た。明日に2人、流されるとのこと。今ある分で足りるのか心配である』

『……だめなようだった。とても足りない。用意できるのは1人分だけ。あまりの無力さに打ちひしがれる』

『ペースが速くなっている。恐らく今年は年30人はいくだろう。何故この世界はこんなにも無慈悲なのか』

『足りない分を代用できないか息子に相談したが、私のは老いすぎて使えないらしい』

『何とかしてあの子たちを救いたい。もう、どうすることもできないのか』


響「……なんだこれ? 言ってることがちんぷんかんぷんだぞ」

P「……」

『そもそも鉱山が閉鎖したあの日に、いっそ心中でもすれば良かったのだ』

『もう私には義を掲げ非を糾す権利などどこにもない。それは村全員も同じだろう』

『あの日から私たちはどうしようもなく、運命共同体でいるしかなくなったのだ』

『博だけは巻き込むまいと思ったが、いつしかあの子も、あの人と同じ夢を見るようになった』

『親子とはかくも似るものなのか。運命と言うものがあるのなら、それを呪わずにはいられない』


響「心中とか……穏やかじゃないぞ」

P「うん……。やっぱこれは――」

響「? プロデューサー、どうしたのか?」

P「いや……。ところで響、もし廃校に戻ったら探したい場所があるんだが……」

響「なんだ? どこか探したい場所が?」

P「保健室か、或いは水道施設のあると思われる場所。まぁ無理にとは言わない。覚えていたらでいい」

響「ん。わかった。頭にいれておくぞ。自分もちょっとずつ分かってきた気がするし」

P「……そうか。響が何を想像しているのかは分からないけど……。当たっていなければ、いいな」

響「そうだな……」

以下 廃村に踊る

P「今は……もう4時を越えたか。夜が明けるまで2時間ほど。このままここで朝を待ってもいいが――」

響「でも……。ここが安全って決まったわけじゃないんだろ?」

P「だな。一箇所でじっとしてるより、できるだけ動き回ったほうがいいかもしれん」

響「……戻るのか?」

P「さぁ。相手は刃物を持ってるんだし、正直迷ってはいる」

響「うー……。でもこのまま知らん振りして帰っても、目覚めが悪いぞー」

P「だなぁ。せめて、自分の考えがどこまで合ってて、どこまで違うのかは知りたい」

響「ん。自分も、そうかも。オバケなら成仏させてあげたいし……」

P「ん? あんな怖い目に合わされたのにか?」

響「うん。プロデューサーと逸れて、一人で廃校を歩いてたとき、思ったんだ」

響「あの学校は暗くて、冷たくて、寂しい。ずっとあの場所を彷徨っているなんて、可哀相だぞ……」

P「ふぅん……。いい子だな、響は」 ナデナデ

響「ちゃ、茶化さないで欲しいぞ!」


行動安価 → 引き出しに鍵を使う

響「……そうだ。ここから出るにしろ出ないにしろ、ちょっと試したいことがあったぞ」

P「? 何かあったか?」

響「さっきプロデューサー、引き出しが開かないって言ってたでしょ? ほら、これ……」 チャリ...

P「あぁ。中庭の慰霊碑の下に挟んであった箱の中の……」

響「ちょっとこの鍵を試してみてほしいさ」

P「んー。どうなるのかな――っと、お? 鍵が嵌った……。もしかしてビンゴか?」 ガチャ ガラッ

響「おぉ。やっぱり当たってたか。よかったぞー! で、中身は――」 ドレドレ

P「紙の束と……また別の鍵か? 今度の鍵はやたらずっしりしてるなぁ」

響「鍵を鍵のかかった引き出しに入れるなんて……。そんなに重要な鍵なのかなぁ。それで、紙は何か?」

P「ん。今見てるとこだ……。えーっと、なになに?」


『この度の騒動について、私が全ての黒幕であると――』

『――しかし、やはり私には耐えられなかった。隙を見て助け出した――』

『もはや何も語ることはありません。私もあの子たちの元へ向かうことにします』


響「これは――」

P「……遺書か?」

響「い、遺書!? もしかして寮母さんって自殺しちゃったのか?」

P「さぁ、分からん。でも……ここにある分は、遺書とはちょっと違うかもしれん」

響「? どういうことだ?」

P「書き損じだよ、遺書の。同じような文を書いた紙がいくつも重なってる。遺書の下書きってとこか?」

響「遺書の下書き……?」

P「ん。それにこれが寮母さんの遺書と決まったわけじゃない。名前までは書かれてないしな」

響「でも……。なんでこんなものを机の引き出しの中に?」

P「さてなぁ。もしかしたら随分と前々から遺書を書く準備してたのかもしれないな」

響「前々から……」

P「ま、正直よく分からないって話だ。本物の遺書ではなさそうなんだし。成果があったといえば、むしろこっちだな」 チャリ...

響「鍵……。これは一体なんの鍵なんだろうなー」


行動安価 → 保健室へ

響「じゃあ、そろそろ学校に行ってみるぞ」

P「ん? 学校に戻るのか? いいのか、本当に」

響「うぅ……。そこまで言われると、ちょっと怖いけれど――」

響「でも、やっぱり過去の事件のことは気になるし、プロデューサーも調べたいこともあるみたいだし、それに――」

P「それに?」

響「……あ、危なくなっても、プロデューサーが助けてくれる、んだよね?」 チラッ

P「……はははは。そうだな。おうともさ! 刃物程度でこの俺が止められると思うなよ!」 シュッシュッ

響「えへへ。すごい自信だなー。何か格闘技とかやってたのか?」

P「おう。荒っぽいファンに備えてやってて良かったぜ。で、学校のどこに行くんだ?」

響「保健室。プロデューサー、調べてみたいんでしょ?」

P「そうだな。そこへ行ってもらえるのなら助かるよ」

響「うん。それじゃあれっつごーだぞ!」 スタスタ

P「おう! 響は絶対に俺が守るから、安心して探索しろよ!」 スタスタ

響「えへへ、頼もしいぞー。ところで格闘技は何をやってたんだ?」

P「ん? 通信空手だよ」 シュッシュッ

-保健室前 廊下-

P「ふぅ、やっとついた……。おーい響、なんでそんなに引っ付いてるんだ。俺を信頼してくれたんじゃなかったのかよー」

響「プロデューサーを信じた自分が馬鹿だったさー! まさか通信空手だなんて……」 ブルブル

P「通信空手舐めんなよー。極めれば波動拳とか撃てる様になるってパンフ書いてあったし……。お、開いたぞ」 ガチャ

響「頼もしいのか頼もしくないのか、分かんなくなってきたぞー……」 ソロソロ

P「中は……うん。思ったより普通だな。カーテンはもうボロボロみたいだけど」

響「特に何かあるわけでも……。お? これは?」

P「絵の具……か? それに粘土、糊……」

響「なんでこんなものが保健室に? もしかしてここ、本当は図工室なんじゃ……」

P「それはないだろ。ほら、そこの棚見てみろ。薬品棚だ。ここは保健室で合ってるだろうよ」

響「むぅ……。治療第一の保健室でこんなものが見つかるなんて、ちょっと不思議だぞー」

P「ま、そうかもしれないが……。廃校になった後、誰かがここに捨てていったって可能性もあるし――おっ!」

響「? 何か見つけたのか?」

P「いや……。古くなってはいるけど、薬品の領収書か? それっぽい紙を見つけた。もうほとんど読めないけどな」

響「ふぅん……?」

P「他は――特に無いな。水道はあるようだけど、思ってたのとは違う――って、ん?」 ピクッ

響「どうしたのか? 何かあったの――」

P「しっ! ……響、懐中電灯の明かりを落として、静かにしてるんだ」 スッ

響「?」

P「……音が聞こえる。光が漏れていなければいいが……」

響「お、音? そ、それって」

                    カラカラカラ.....  ギュッ... ギュッ...

響「!!!」

P(近いな……。カラカラいう音は、金属製の何かを引き摺ってるのか?)

           ブツブツ....        カラン   カラカラ...    ギュッ... ギュッ...

響「……」 ブルブル

P「……」 ...ゴクッ

             ギュッ...    ギュッ...   ザリュッ!    カラン

P(止まった……?)

響「……」 ガタガタガタガタ

響「……ッ」 ダギッ

P「!!」

響「~っ」 ギュウゥゥゥッ

P「……」 ナデナデ

             ザリュッ   ギュッ... ギュッ...  カラカラ....

P(い、行ったか……。体育館の方向か? とりあえず助かったか……) ホーッ

響「~~ッ」 ブルブル  ギュウ

P「……大丈夫だ響。もう、あいつは行ったよ」 ボソボソ

響「ほ、ほんとうか?」 ブルブル

P「あぁ。……でも、よく気付かれなかったな。運が良かったのか、それとも――」

響「それで……ど、どうするの?」

P「そうだな……」


行動安価 → 不意打ちワンチャン

P「今なら……。もしかして、やれるか?」 ザリッ

響「ぷ、プロデューサー? な、何を馬鹿なこと言ってるんだ?」 グイッ

P「あいつが来た方向は、多分この校舎の西方向……。ここに来るまで鉢合わせなかったことを考えれば上の階か」

P「そうだとしたら、ライトの明かりは少なからず扉の窓から漏れていたはずなんだ」

P「それでも見えなかったってことは……。或いは、奴は目が悪いのか、見えないのかもしれない」

P「正直、目が悪いのならこんな学校、明かりもなしに徘徊しないとは思ったが――」

P「或いは不意打ちならチャンスがあるのかもしれない……。今ならやれるかも」

響「だ、だめだぞ! もしオバケなら、不意打ちなんて通じないし、それにあの金属音、多分武器だぞ!」

P「わかってる。でもこの学校を安全に探索するにはアイツをどうにかするしかない……」

響「だからって……! だめ、だめだぞ! プロデューサー!」 ダキッ

P「大丈夫だって。言ったろ? これでも格闘技習ってるって。面向かってなら分からんが、不意打ちならなんとかなる」

響「な、なんで言うこと聞いてくれないんだ? 怖いぞ、戦っちゃだめだぞ!」 ギュウウッ

P「……」

P「……響。もし俺が1分経っても戻らなければ、或いは悲鳴が聞こえたら。急いで一人で村の方まで逃げ――」

響「……っ!!」 ポカッ!

P「痛っ! な、何をするんだ。ひび――き?」

響「た、例え今のがッ……じょ、冗談で、でも……っ! じっ……グスッ……自分、は。ゆ、許さないぞ!」 ポロポロ

P「響……」

響「絶対……っ! 一人にし、しないって約束し、したぞっ! ぜっだい、護ってくれるって約束したぞ!」 ポロポロ

響「死ぬ気だとかっ! 一か八かだ、とか! そ、そんなの……ッ……ック……うぅ……」 グスッ ヒック

P「……そうだったな。ついさっき約束したばかりだったのに、もう破ってしまうところだったよ」

響「グスッ……ッ……」 ポロポロ

P「ごめんな、響。あんなどこぞの馬の骨のケツを追っかけるより、お前の傍にいるべきだよな」 ナデナデ

響「ぷ……プロデュ-サー……」 ダキッ

P「ん?」

響「もう、絶対に……グスッ……死ぬとか、言わないで……欲しいぞ」 グスグス

P「分かった。ちょっと俺もええかっこしいだったよ」


行動安価 → 時計を調べに行く

-数分後-

P「……落ち着いたか?」

響「うん。殴っちゃってごめんさ……」

P「別にいいよ。お陰で目が覚めた」

響「なんだかあの時、すごく悲しい気分になって、プロデューサーがもう戻らなくなっちゃうんじゃないかって……」

響「いつかの怖い夢で見たような、そんな気になっちゃって。そしたら頭が真っ白になって……」 クスン

P「そうか……。ま、俺も格好つけすぎた感はあったよ。これからは慎重に行動しよう」

響「うん……。それで、次行く目星はどこかあるのか?」

P「とりあえず北校舎屋上まで行ってみよう。あそこなら今のヤツに会わずにすむし」

響「うん……。わかったぞ」

P「じゃ、慎重にいこうか……。それと、今回からできるだけライトは使わないように移動しよう」

響「わかった。もう暗闇にはすでに目が慣れてるし、月明かりもあるから大丈夫だぞ」

P「ん。それは良かった。じゃあ行こう」 スタスタ

響「ん」 テクテク

P(しかし……ここじゃなかったな。やっぱ俺の考えは外れてるのか……?)

-北校舎屋上前-

P「ふぅ……ふぅ……。ここが時計の裏の操作室か……」

響「……とくに気になることはないな。他の校舎の屋上前の踊場より少し広い程度かな」

P「正面には屋上への扉、後ろは階段。右手には立ち入り禁止の文字が書かれた部屋……。多分時計関連の部屋か」

響「それと物置っぽいスペースもここにあるぞ。あとは……特に何も無いね」

P「だな。今は時計も動いてないし、何があるでもないか」


行動安価 → 鍵を使えないか

響「そうだ。あの扉って、開けられないかな?」

P「ん? それは分からないけど……気になることでも?」

響「いや、何も無いぞ。でも、どうせここまで来たんだし、調べてみたいから……」

P「ん。それもそうだな。じゃあちょっと調べてみるか……って、鍵かかってる」 ガチャ

響「やっぱ鍵かかってたかー。はい、鍵」

P「おう、サンキュ…………」 ガチャガチャ カチャリ

響「お。開いたのか?」

P「みたいだな。どれ……」 ギィィィッ

響「……真っ暗だな。それにへんな機械だらけだぞ」

P「んー。昔の時計だからな。やっぱ歯車で動いてたのか……」 キョロキョロ

響「なにもないね」

P「みたいだな。そもそもあまり人が立ち寄らない部屋だったのかもしれない」

響「じゃあ次は……」


行動安価 → 明かりを付けて詳しく調べる

P「やっぱ暗いから、明かりをつけなきゃ探索もなにもないな」 カチッ

響「うーん。見事なまでにがらんどうだぞー」

P「廃校になるまで、休まず動いてきただろうからな。労いも込めて誰かが掃除をしたのかもしれないな」

響「この学校、すごく黒そうな歴史があると思ってたのに、以外に暖かい一面もあるのかな?」

P「そもそも黒いと決まったわけじゃないけどな。まぁ死人は出てるから白くもないんだろうけど」

響「それもそうだなー。思えば寮母さんとの写真だって、みんな笑顔だったんだし」

P「少なくとも楽しい学校生活を送れてた面はあるってことかな……ふぅ。何も無いな。そっちは?」

響「こっちもなにもないぞー」

P「無駄足だったかな……」


行動安価 → 教員舎2階へ

P「とりあえず教員舎の2階に行ってみるか。あそこまだ調べてなかったろ?」

響「そういえば、1度偽者の放送室に行った時以来かも……。屋上に行くときに通りはしたけど」

P「何かあるかもしれない。ちょっと調べてみるか」

響「わかったぞ。とりあえず2階廊下まで行ってみるぞ。でもその後は?」

P「んー……、とりあえず行ってから考えよう。あそこは部屋も多いし、まずは様子を見てみないとな」

響「了解だぞ」

-教員舎 2F 廊下-

P「とりあえずここまで来たな……。おーおー、いろいろあるな」

響「……」 キョロキョロ

P「響、どうした?」

響「いや、確かここで人体模型に会ったんだけど……やっぱなくなってるぞ」

P「まぁ……。必要あって移動させてたのなら、持って行くのが普通だろうなぁ」

響「でも……ならどこに持っていったんだろう? それにあの時は物音がして飛び出たときには人体模型があったし――」

響「とてもじゃないけど放送室まで行って、放送をかけている暇なんてなかったはずだぞー」

P「動かしたやつが複数いるならわからんでもないが……。うぅんでも協力し合ってるとも思えないしなぁ」

響「や、やっぱ人体模型が動いていて……!」

P「そりゃないだろ。その時は――あれだ。その時聞いた音は本物だったかってことだ」

響「あの時の音は本物だったかもしれない……」

P「それで、これからどうするんだ?」


行動安価 → 家庭科室へ

響「んー……。とりあえず、家庭科室を見てみるぞ」

P「家庭科室、か。何か武器でも……そう、包丁とかあればいいけど」

響「流石に刃物とかは置いていくはずないと思うぞー……」

P「それもそうか……っと、ここか。家庭科室。鍵は――あぁ、やっぱかかってるな」 ガチャガチャ

響「そだな。とりあえず職員室の鍵を使って――お。1発で当たったぞ」 ガチャ ガラガラガラ

P「中は……。ん、少しごちゃごちゃしてるな。壁にミシンっぽいのが置いてある」

響「他は小さな机がいくつかと……。わぁ、水道がついてるぞ」

P「だが、料理用の水道だろうな。ここも違う」

響「違うって……どうかしたのか?」

P「あぁ、いや。こっちの話。思ってるようなのが見つからないからさ。まぁこの学校にはないのかもしれないけど」

響「? よくわかんないぞー」

P「分からなくていいんだよ。それに見つからないのなら、そっちの方がいい」 ポンポン

響「?」


行動安価 → 理科室へ

P「じゃあ……次は理科室に行くか」

響「り、理科室か? うぅ。そこは怖いぞー……。人体模型が襲ってきたら……」 ブルブル

P「あぁ、そういえばお前はまだ幽霊の仕業だと思ってたんだっけか」 カツコツ

響「だって……。もしあれが人体模型が動いてなかったのなら、あそこに模型を放置して、3階に言ったって事になるぞ」

P「んー……。そこらへんはちょっと詳しく話を聞いてみないと分からないけど……。ま、そこはおいおい」 スタスタ

響「や、やっぱ理科室に行くのかー?」 ガタガタ

P「おう。やっぱ一番調べなきゃいけない場所……だと思うしな。ついた、ここか」

響「中の様子は――うーん、見えないぞ……」

P「扉も鍵がかかってるな。えーっと鍵鍵……」 ガチャガチャ

響「うぅ……。何も出ませんように」

- 理科室 -

P「どっこいしょっと……。おわー、暗いなー」 ガラガラ

響「でも中は思ったより荒れてないね。……ビーカーやフラスコがある。割れたのもいくつか」

P「うげっ。このフラスコ、水入ったままじゃん。すげー……中の水がすごい色になってる」

響「水道もあるけど……そういえばここまだ水がてるのかな」 キュッキュッ

                      ジャバーッ!!

響「うぎゃーっ! すごい勢いで水が出てきたぞ……って、うわぁっ! 血、血がっ!」

P「あ? 血? ……あぁ。違う違う。これ赤錆か、或いは鉄分を含んでるから赤く見えるだけだよ。普通の水だ」

響「え? そ、そうなのか。……ほっ」

P「しかしまだ水道が生きてるのか……。地下水でもくみ上げているのか?」

響「うぅん。でもそれ以外は特に……何か特別なものはないっぽいぞ」 キョロキョロ

P「ま、生徒の使う教室にあるわけないか……。お、あれは理科準備室への扉か」

響「んー。思った以上に成果が見つかってないぞー……」


行動安価 → 理科準備室へ

P「……っと、これでもだめか」 ガチャガチャ

響「扉、開かないのかー?」

P「うーん。それ以前に随分と厳重に締められてるな。廊下のドアノブなんか針金でぐるぐる巻きにされてたぞ」

響「そんな厳重に、なのかー……。でも古くなってるし、体当たりでもして壊せば――」

P「うーん。中に何かあったら危ないし避けたいところではあるけれど――おっ! 開いた」 カチャリ

響「おぉ。開いたのか……。じゃあプロデューサー、先に頼むぞ」

P「まったく、やっぱ人体模型が怖いのか」

響「い、いいじゃんか! そんなことより早く!」 グイグイ

P「わかったわかった。どれ、中はどうなってんのかなっと」 ガチャッ

- 理科準備室 -

P「さて中身は……!!!!」 ガタッ

響「? プロデューサー、いったいどうかしたの――わっ!」 ビクーン

P「な、なんだここ。臓物だらけじゃないか。ホルマリン……いや、これは骨格標本か? でもこの数……」

響「な、なんでこんなに一杯……。ま、まさかここが例の人体模型を作ったって男の!」

P「そう……かもしれんな。なんだこれ、本まで残ってるが――エンバーミング? プラスティネーション?」

響「? なにそれ。ちょっと格好いいかも」

P「どっちも死体処理に関する言葉だよ。前者は死体保存処理、後者は死体加工ってところか」

響「な、なんだそれ。それじゃあここって本当に――」

P「あぁ。ここが、例の樋口って男の根城だった場所なんだろうな。……しかしこの数、ちょっと妙だな」

響「妙でもなんでもいいぞー! こ、こんな場所にいたら頭がおかしくなっちゃいそう」 フラフラ

P「おい響、そっち危ないぞ」

響「えっ? ……うわっ!」 ガシャーン

P「言わんこっちゃない……。おい響、大丈夫か?」

( 'A`) ここでもやらかした……

>>316修正

- 理科準備室 -

P「さて中身は……!!!!」 ガタッ

響「? プロデューサー、いったいどうかしたの――わっ!」 ビクーン

P「な、なんだここ。臓物だらけじゃないか。ホルマリン……いや、これは骨格標本か? でもこの数……」

響「な、なんでこんなに一杯……。ま、まさかここが例の人体模型を作ったって男の!」

P「そう……かもしれんな。なんだこれ、本まで残ってるが――エンバーミング? プラスティネーション?」

響「? なにそれ。ちょっと格好いいかも」

P「どっちも死体処理に関する言葉だよ。前者は死体保存処理、後者は死体保存加工ってところか」

響「な、なんだそれ。それじゃあここって本当に――」

P「あぁ。ここが、例の樋村って男の根城だった場所なんだろうな。……しかしこの数、ちょっと妙だな」

響「妙でもなんでもいいぞー! こ、こんな場所にいたら頭がおかしくなっちゃいそう」 フラフラ

P「おい響、そっち危ないぞ」

響「えっ? ……うわっ!」 ガシャーン

P「言わんこっちゃない……。おい響、大丈夫か?」

響「けほっ……! だ、大丈夫だぞ。うぅ……いろいろ崩れちゃったぞ……あれ?」

P「どうかしたのか?」

響「いや。この手帳……。普通の本に混じってたんだけど、なんか個人のものっぽいぞ」 ペラペラ

P「個人の手帳? おぉ、やったじゃないか。何があるんだ? ちょっと見せてくれ」

響「わかったぞ。はい」 ペラッ

『××の××××の×を使った。だ××陰で心臓のス×ックが切×てしまった。また×こ××ら×さねば』

『忌々×い。あれじゃあ××すぎて××に使えない! もう時××少ない××うのに。……仕×ない、母×××を×用』

『骨は×ても貴重×。×か不×か、×ょ×ど中学×の死×がある。腐ら××ば少し××てもバレや×ない』

P「……日記、というより手記だな。そして内容からしても、これは樋村とかいうやつので間違いないだろうな」

響「うぅ……。で、でもこの内容って……」

P「あまり考えるな。犯人はもう捕まっているんだ」

響「う、うん……」


行動安価 → よく調べる

P「でも、これはある意味収穫だ。もう少し何かないか調べてみよう」

響「うぅ、気味が悪いけどわかったぞー……」 ゴソゴソ

P「……」 ガサガサ

響「そういえば、さ」 パラパラ

P「ん、なんだ?」 カシャカシャ

響「ここの準備室の扉って、全部閉まってたんだよね?」 カチャ ガサガサ

P「そうだな。どっちも鍵がかかってたし、窓も閉まってるしな」

響「じゃあ……自分が見つけた人体模型って、一体どこから出てきたんだろう」

P「……確かに。見間違いとかじゃあ――ないんだよな」

響「うん。確かにこの目でハッキリ見たし、実際殴り倒しちゃったし……」

P「実は人間で、不審者と間違えたとかは?」

響「それは――ない、と思う。確かに人間そっくりだったけど、顔半分筋肉とかいろいろむき出しだったし……」

P「ふぅん……まぁ、それもそうか。おっ!」

響「? 何か見つけたのか?」

P「樋村の手記と思わしき手帳、第二段だ。やったぜ」

P「さーて、さっそく中身をチェックして――」

            ジャー ゴボゴボゴボ...

P「!」

響「!!」 ビクッ

P「今の音……上の階から聞こえたよな。水音? まさか放送室?」

響「い、いや。自分もこの音を聞いたことがあるぞ。それに放送室は使っても――」

P「そうだな。俺たちにすでに見つけられた可能性があるなら、こんなチープな脅しは意味が無いか……じゃあ」

響「誰かが……上の階にいる? で、でも3階や屋上には水道っぽいのは無かったし……。図工室?」

P「しっ! ……足音がする。静かにしてろ」

              カツ コツ       タン      カツコツカツコツ...

響「……」

P「……行ったみたいだな。階段を下りて行っただけか。こっちには気付かなかったみたいだな」

響「あの様子だと……別に逃げている風でもなかった。3階のどこかに用事でもあったのか?」

P「さあな。わからない」


行動安価 → プールへ

P「……今は無視しよう。もしかしたら戻ってくる可能性もあるしな」

響「じゃあどこへ? それともここでまだ篭城を――」

P「いや、とりあえずプールに行ってみよう。というか一旦外に出よう。今気付いたが、ここじゃあ袋小路だ」

響「プール……わかったぞ。行ってみる」

P「そこに……確か倉庫もあったな。俺は見てないけど、何か見つかるかもしれん」 テクテク

響「いや、自分倉庫の中を確認したぞ。何も無かった」

P「あ、あれ。そうなのか? ……うぅん。じゃあ違うのかな……」 ブツブツ

響「行くの止めとく?」

P「……いや。さっきも言ったが、外に一度出たいし、とりあえずプールには向かおう」

響「わかった。じゃあ電気を消して、ゆっくりと……」 ソロソロ

P「ま、倉庫に何も無いんじゃ、何が見つかるというわけでもなさそうだけどな……」 スタスタ

- 外 プール -

P「変質者は……よし、いないな」 キョロキョロ タタタッ

響「ここだぞ、プール。今はもう変な植物に覆われてて、なんとも言えないんだけども」

P「プール内部に入ることは……。まぁ不可能ではないか。でも荒れ放題でちと危険だな」

響「校舎内と違って、ずっと野ざらしだったんだから仕方ないぞー」

P「ま、それもそうだが――さて、どうしようか」


行動安価 → 手帳を読む

響「……ここで手帳を読むのか?」

P「月明かりもあるし、よくないか?」

響「……せめて安全な場所でやるべきだぞ。なんか体育館の近くにいると、少し心が落ち着かないさ」

P「……それももうだな。ここに来てまでやることじゃないか」

響「ここらへん死角も多いし……。腰を据えて情報整理できる場所があればいいんだけどな」

P「じゃ、とりあえず移動するか、何かするかを決めようか。考察やメモの確認は後回しだ」


行動安価 → 職員室へ

P「ま、ここでブラブラしても仕方ない。とりあえず職員室行ってみるか」

響「まぁ、外の様子が見れただけでもよしとするぞ」

P「外か。そういえばちょっと明るくなってきた感じか。えーっと……お、そろそろ5時になるのか」

響「随分長い時間、ここにいたように感じたぞ……。でももうすぐ朝なのか」

P「あぁ。朝が来ればすぐにでも人が探しに来るだろうしな。もうすぐ終わりだ」

響「うぅーん。あと少しでこことオサラバできるのなら、それはそれで嬉しいぞー」

P「ま、あと何回か探索やら何かをすれば朝が来て帰れるだろうし、ここで変質者とバッタリなんてしないようにしよう」

響「だな。……っと、職員室だぞ。って――ん?」

P「? どうした響」

響「……部屋の様子が違う。多分、あの後誰かがここに入ったんだぞ」

P「……そうか。なおさら気をつけて探索しないとな」


行動安価 → 安全確認をして手帳をチェック

P「よし。まわりを確認したし、じゃあさっそく手帳を……」

響「……今、プロデューサー、なおさら警戒しないとなって言ってなかったか?」

P「はは、冗談だよ。確認したとは言え、流石に誰か入った形跡のある部屋で悠長に手帳は見られないな」

響「せめて部屋を隅々まで探索して、完全に安全チェックが終わってからだぞ……」

P「それもそうだな」


行動安価 → 樋村の机を探す

P「とりあえず樋村の机でも探すか」

響「ん。あの写真が入ってた机か? それなら確かここらへんだったような……」

P「あぁここだここ。まぁ、写真があっただけで樋村の机とは限らないんだが――どれどれ?」 ガチャガチャ

響「テスト用紙とかが入ってるな……。お? これって」

P「理科のテスト……。樋村は理科の教員だったのか。まぁ、理科準備室で大体の見当はついてたけど」

響「他には――あれ? これは――」

P「これ? ……これは集合写真だな。恐らく生徒の写真だ。だが……」

響「特定の生徒の顔に赤いマルがついてる……。なにかの印?」

P「わからん。他に何か見つかればいいんだが――」 ガサゴソ

響「……ん? これ、なんだろう」 ガサッ

P「どうした。何か見つかったのか?」

響「いや、机の下の……ここ。引き出しの裏らへんにひっかかってた。隠してあったというより、落ちてた感じだな」 ガサッ

P「紙か? えーっと、なになに……」


『最近×君の行動は目に余る。ど××て流した身体を掘り起×したり×るのだ』

『いや、掘り起こす×はまだ××。しかしあ×異様××で身体を×置していくのは×めてくれ』

『警察には×薬を嗅が×てあるが、あまりに生×の目に付××ぎると庇えるも×も庇えなくなる』

『最近では学級×カル×とかいう壁新聞が、周りを嗅ぎま×るくらいだ。もう少し穏便に×とを運んで×れることを祈る』


響「これは……」

P「真っ黒だなこれ。真っ黒すぎる」

響「でも……。これを書いたのって一体誰だろう? というか樋村以外にも人体模型のことを知ってた人がいるのか?」

P「『君』って書いてあるくらいだから目上の人だろうな。学内の人間なら――まぁ容易に想像はつくんだが」 チラッ

響「教頭……?」

P「あるいは校長……。ま、今となっては調べようもないんだけどな」

>>329に入れ忘れ

行動安価 → Pが響に推理を打ち明ける

P「とりあえず……樋村の机はこれくらいしか見つからなかったな」

響「うん……。でもこれって学校からの手紙なら――」

P「殺人を学校側が容認してた可能性が高いな。しかし『流す』、『掘り起こす』ときたか……」

響「『流す』って、確か寮母さんの日記にも書かれていたよね。それってやっぱ……『殺す』って、ことなのかな?」

P「かもな。掘り起こす、身体って続いてるし、まぁ息のある生き物を指す言葉ではないだろ」

響「……プロデューサーはさ。どう考えてるの?」

P「ん? どう考えている、とは?」

響「過去の事件の真相。さっき聞いたときはぐらかされたけど、あるんでしょ?」

P「んー……。まぁ、な。ただ肝心の場所が見つかってないから自信をもって言えないんだが……」

響「それって……臓器売買とか、のこと?」

P「……響もそう思ってたか」

P「そう。それ以前にこの村、鉱山が閉鎖して、ずっと存続してる理由について考えたよな」

響「そうだな。どこからかお金が出てきて、何故かそれを学校の増築やらに費やしてるって」

P「あれって要は投資……。というか、金を生み出す装置を握ってたのが学校側だったんじゃないかって思うんだ」

響「学校側がお金を……」

P「最初は荒唐無稽だとは思った。けど、そう考えるとしっくりする場面がいくつか出てくるんだ」

P「一つは寮母の日記。『足りない分を私で代用』『老いすぎて使えない』。老いすぎてってことは身体のことだよな」

P「それを『代用』、とあれば考えられるのは一つ。臓器の代用だ」

響「それは……確かにそうかも」

P「最初は樋村が一人暴走して、その暴走を止めるために母親が身代わりになろうとしたと思ってたが――」

P「この手紙を見てハッキリした。学校が容認してるんじゃなく、学校の『流した身体』をお零れとして樋村が貰ってるんだ」

P「詰まる話、この事件の引率役は学校側。樋村はそのおこぼれに預かったついでの狂人」

P「そうなると学校が『流す』、つまり殺しているのは、寮母の日記から推察するに子供……ようは生徒」

P「そして学校が生徒を殺すことによって金を生み出せる仕組み。とくればもう臓器の売買しかないだろ」

響「……」

P「そして2つ目は、9つの悲劇で挙げた被害者の共通項」

P「あれ……。全部身体の一部が欠損したり、もしくは死体自体が見つかっていないんだ」

響「欠損かぁ……。エレベーターは圧縮、ミキサー事故はミンチ、プールは腐乱してどろどろ……」

P「そ。加えてタイムカプセルは状況からして骨だけ。もう一つのタイムカプセルは死体自体が見つかってない」

響「9番目の悲劇も思えばそうだぞ。全部伝聞で『あったらしい』だけで、死者は土に返ったとかいう表現だけ……」

P「理科室のは言うまでもなく、狂った女性教員……多分寮母さんのことなんだろうな。あの人だってそうだった」

P「そしてこれら事件って初期のタイムカプセルと、年代不明の女性教諭の事件を除けば、80年代に集中してるんだな」

P「これは偶然か? 或いはそれ以前にも事件があったとしても、異常すぎる」

P「この手紙によれば、『埋めていた』との台詞があるし、もしかしたらそれ以前にも事件があったのかもしれない」

P「だが、これが事件の一部であろうとも、こうも身体が欠損した遺体しか出てこないのは不自然だ」

響「不自然……。まぁ、偶然にしてはできすぎてるかも」

P「まぁこれが2つ目の理由だ」

P「3つ目は……。親の反応だな」

響「親? 保護者のことか」

P「あぁ。いくら警察に袖の下を握らせても、保護者からの声を無視することはできない」

P「今までの資料を見た感じ、相当な人数がこの学校で消えているはずだ。それなのに保護者からの反発がない……」

P「詰まる話、親も承認してこのビジネスに乗った可能性があるってことだ」

響「親も承知で……。そ、そんなのあんまりだぞ。それに普通に卒業した子だっているじゃないか」

P「それはそうだが――もしかしたら買い手がついた子から売られるシステムだったのかもな」

響「か、買い手?」

P「当時、子供の臓器がいくらで捌けたかは知らないが、決して安くはなかったろう」

P「だが小学校は成長期の子供の宝庫だ。様々なタイプの血液から、大から小までのいろんな臓器が手に入る」

P「もし重要な顧客がいれば、その中から必要な臓器を、必要なときに必要なだけ買い付けるシステムだったのかも」

響「うっ……。そんな酷いこと……」

P「あくまで想像だ。流石にそこまでのことはなかったのかもしれないがな」

P「そして4つ目。これは別に確定要素じゃないんだが――お前、各学年のクラスを数えたか?」

響「学年のクラス? いや。だって3階のクラスプレートは全部外されてたし――」

P「うん。だから確定要素じゃないんだが――。じゃあ2年と4年のクラス数は?」

響「え? えっと、2年は4組まであって、4年は3組……あれ?」

P「そう。そして20年前、今で言うと40年以上前の学校は6-4まであった。そうだろ?」

響「う、うん」

P「当然年々入学者数が増えていった可能性はある。あるが……もし違うのなら」

P「減ってきてるんだ。人数が上の学年になる度に。もしこれで6年の教室数が2つだけとかなら完璧だったんだが」

響「で、でも今プロデューサーが言ったように、単に上の学年の人数が少ないだけなのかも」

P「そ。だから画定要素じゃない。あくまで俺の想像……。高学年のクラス数はわかんなかったしな」

響「……それで、臓器売買説、を考えたのか。プロデューサーは」

P「そうだな。まぁもちろん、確定してるわけじゃないが――」

P「少なくともこの学校では、学校主導の殺人があった可能性が高いんだ」

P「例え臓器売買でなくても、悪どいことはしてたと思うぜ」

P「まぁ、これが今俺が考えている事件の内容だ」

響「……それじゃあ、それじゃあ今この学校を彷徨ってるのって」

P「ん? あぁ、それはない。樋村は捕まったってあるし、あれだけ事件を起こして懲役25年以下はないだろ」

響「で、でも無期懲役なら10年くらいで出られるし、精神異常を理由に精神病院に行った可能性も……」

P「何のドラマの影響だよ。どんな聖人でも無期懲役食らえば最低35年以上は出られないぞ」

響「で、でも出所の平均は15~20年だとかどこかで見たような」

P「そりゃあ、死体で出てくる奴含めたらそれくらいになるわな」

響「し、死体? 獄中死ってことか?」

P「そ。精神病院も同じだな。むしろ監獄より酷いかも知れんってあったな」

P「精神が正常になっても、誰も信じてくれなくて、無理やり精神病棟の奥に叩き込まれるとか」

P「で、治療の名の元にベッドに縛り付けて、何年もその状態で暮らさせるとか。まぁどこまで本当か分からんが」

響「うげぇ……。でもちょっと最後の方はうそ臭いぞ」

P「俺もそう思う。でも、少なくとも樋村が生きているとして、ここを徘徊している可能性はほぼゼロってことさ」

P「まぁ、そもそも今の起こっていることと、過去の事件が関係してるかはなんて不明なんだけどな」

響「確かにそうだけど……。でもやっぱ自分はどこかで過去の事件とリンクしていると思ってるぞ」

P「まぁ、過去に大きな事件があった場所でこれだもんな。それも仕方ないか」

響「でも何か違和感があるんだよな。なんだろう……」

P「ま、そういうのは無事帰れたら考えればいいさ。さ、次はどうするかな」


行動安価 → 3階更衣室へ

響「それじゃあ……更衣室、行ってみるか?」

P「更衣室? 体育館のか? 確かにあの変なヤツが調べてたのは気になるけど――」

響「違うぞ! 3Fにある更衣室だぞ! 水音、気になるんじゃ無かったのか?」

P「水音? ……あぁ、確かにさっき聞こえたな」

響「今まで廊下の気配を探ってたけど誰も通った様子はないし……。多分もう誰もいないと思う」

P「戻ってこないなら好都合だな。じゃあ、今の内に調べてくるか」

響「うん。でも……慎重にだぞ」 ガラッ

P「分かってる。じゃあゆっくり行くか」 テクテクテク...









                                           ガタッ   ギィィッ...

- 3F 更衣室前 -

P「ここか……。端のほうにあるんだな」

響「うん。前、ここの屋上に行ってみたら、ここから人が出てくる気配があって……。うぅ、怖かったぞ」 ブルブル

P「図工室、女性教員用更衣室、男性教員用更衣室……。随分と部屋数が少ないな」

響「……本当だ。よく考えてみれば1階、2階と比べてかなり少ないぞ」

P「デッドスペース……。明らかに間取りに遊びがある。これはやはり……」 ガチャッ

響「ちょっ! 急に開けちゃって大丈夫なのか?」 テクテク

P「戻ってこない限り平気だろ。……ん、中は結構荒れてるな」

響「人が通れる程度の道はあるけど――ん? わっ! ひ、人!?」 ビクッ

P「どうした響。誰かいたのか?」 ダッ

響「あ、あそこ。ロッカーの中から誰かこっち見つめてる……」

P「どのロッカーだ?」 ザリッ

響「あ、あそこのロッカー。ライト照らしたら目があっちゃった……」

P「くそ……。響、俺の後ろに隠れてろ。見つかった以上戦うしか……」 ゴクッ

P「らぁっ!」 ガチャリ


        ゴロッ           ガシャン!!

P「!!!」

響「うぎゃーっ!」 ギュウッ

P「これは、し、死体か? いや。それにしては血が出てないし、もしかしてこれ……」

響「……? あれ? こ、これって……」 チラッ

P「人体模型? 何でこんな場所に……」

響「でもこ、この人体模型。首が取れてるぞ。それにおなかも切られてる……」

P「誰かに斬られた? いや、だとしても何でこんな場所に隠す必要が……」 ブツブツ

響「……あれ? この人体模型の入ってたロッカー、中が抜け道になってるぞ?」

P「なに? ……どれ、ちょっと見せてくれ」 カチッ

響「奥に部屋が見える……。何の部屋だろう。タイル?」

P「ちょっと、見てくるよ。もしかしたらここが……」 ガチャッ    カツ コツ

響「あっ! プロデューサー! ……入って行っちゃった」

-???-

P「……」

響「うーっ! うーっ! ……ぷは、抜けた。ちょっとプロデューサー! 置いていくなんて酷いぞー!」 プンスカ

P「ここか……。やっぱこの学校は――」

響「プロデューサー? 一体何を見て――!?」 ビクンッ

P「血のこびり付いたタイル床。防音壁。水道設備。そして刃物の並んだ棚。窓の無い小部屋」

響「こ、ここってもしかして……」

P「シャワー室じゃないことは確かだな。多分ここで、子供を解体したんだ……」

響「解体……。じゃ、じゃあさっきのプロデューサーの推理ってもしかして」

P「半分以上の確率でビンゴだ。しかしこんな部屋、こんなところに隠してあるなんてな……」

響「うぅ……。何だか、心なしか空気が重いぞ。気持ちが悪い……」 フラフラ

P「しかしさっきの水音の発生源がここだとして……一体ここで何をしてたんだ?」

響「う……う? あれ、これなんだろ」 ヒョイッ

P「? どうした響。何か見つけたのか?」

響「えっと……。ほら、こんなの落ちてたぞ」 パッ

P「なんだ、手紙? 見た感じ、かなり新しいな。でも、うぅん。ほとんど濡れてて読めないな……。なになに?」

『×××生へ。×××××年卒×××窓会のお知らせ。×××××』

『××××××××××××にて食××××××××××××す××××』

『×の××××××××ベント××××××プセルを掘り起こ××××××××』

『××××××参加××××××さい。 ××××卒×生×同』

響「……全然読めないぞ。ぐしょぐしょだ」

P「ここに来た変質者が落としたのか? 何かの招待状みたいだが……」

響「そんなことより、早くここから出たいぞ……」 フラフラ

P「お、おう。悪いな。すぐここを出よう。もう何も得るものはなさそうだ」

P「よいしょっと……」 ガシャッ

響「……プロデューサー。それ、何を持っているんだ?」

P「あ? 武器だよ。あそこにあった刃物を少し拝借した。錆びてはいるけど、まぁ無いよりかはマシだろう」

響「重りになるものはあまり持っていかないほうがいい気もするけどなぁ」

P「だな……。ん?」

響「どうしたのか?」

P「いま窓から……。もしかして」 ガラッ

響「お? おー! やったぞ、朝陽だ!」

P「もう朝か……。これは本当に帰れるまで秒読みになったな」

響「うぅ。こんなに朝陽がありがたい日が来るだなんて」 ウルウル

P「ま、ここで油断しないように頑張らなきゃな」

響「もう、いくつか移動すれば完全に朝陽が上りそうだぞ」


行動安価 → その場から離脱

P「とりあえず過去の事件に対する結論が出たんだ。もうここの探索に拘る必要はない」

P「それ以上にここで変質者と出会わないことに専念すべきだ。急いでここを離れて安全な場所へ行こう」

響「そうだな。自分もなにか武器を持ってたほうがいいのかな」 キョロキョロ

P「別に構わないだろ。さ、移動するぞ。俺の後を慎重についてこい」

響「わかったぞ。でも、とりあえずどこに行くんだ?」

P「校庭だ。あそこまで出ればもう大丈夫だろう。そこから道路に出て、できるだけ早くここを抜けよう」

響「了解だぞ。よーし、あとちょっとだ!」

P「……よし、誰もいないな」 キョロキョロ

響「急いでGOだぞ!」 タッタッタ...

- 教員舎 1F 廊下 -

P「よし、ここまで来ればあと一息だ!」 タッタッタッ

響「外……光だ! もうすぐ、もうすぐ帰れるんだ……!」 タッタッタッ

P「後少し、あと――」

                   ガシャンッ      ....ァァァァァ

響「!?」

P「な、なんだ今の音は。それに……声?」

           ...ァァァァアアアアアアアア!!!             グシャッ

響「ヒッ!」 ビクッ

P「な、なんだ急に……。人? 人が落ちてきたのか?!」 ガタッ

響「な、中庭の方で誰かが倒れてる……。お、お爺さん?」

P「……首が折れてるのか、頭が不自然に曲がってる。あの様子じゃあ、もう……」

響「うっ……」

P「響、あれを見るな! 足を止めるな! 今は走ることだけを考えろ!」 タッタッタ

響「う、うん。わかったぞ……」 タッタッタ

- 外 校庭 -

P「ふぅ……。ここまで来れば、もう……」.

響「ハァ……ハァ……。だ、誰も追ってきてないか?」

P「あぁ。もう大丈夫みたいだ……。しかしさっきの爺さん、一体――」

      ブォン!.         ブォオォォォォォォォォ.....

響「! エンジン音!」

P「思ったより近い。もしかして救援がもう……!?」 キョロキョロ

                        ブオオオォォォォォォォォォン.....!

響「……違う。違うぞ。この音は遠ざかっていく音……」

P「な、なんだ? つまり誰かがここから車だかバイクに乗って?」

響「やっぱ2人以上、この廃校に……いた?」

P「わからん……。もう、どうしようもない。真相はつかめないんだから」

響「あ、朝陽が完全に昇って……」

P「うん。空が、青いな……。今日はいい天気になりそうだ」

響「はぁ……。なんだか今日だけで随分と密度の濃い日を過ごした気がするぞ」

P「俺も。多分、家に帰って鏡見たら、白髪とか増えてそうだな」 ヤレヤレ

響「でも、もう危険は去ったんだよね。もう、大丈夫なんだよね」

P「そうだな。……響、よく今まで頑張ったな。えらいぞ」 ナデナデ

響「うん。……えへ、何だか目が熱いぞ」 グスッ

P「今回の件で一回りは成長できたんじゃないか? ま、もうこんな経験。二度とこりごりだけどな」

響「自分もだぞ。こんなの定期的に続けてたら、1ヶ月でお婆さんになっちゃう自身があるぞ」

          ブオォォォォォ....           オーイ オーイ!

P「おぉ! 車だ。それにあの声、ホテルで待機してたスタッフの人か。思ったより早く来たな」

響「でもこれで、ゆっくり眠れるぞ。もう、怖い思いなんてしなくて済むんだ……」

P「そうだな。はぁ……っ。肩の荷が下りた。あ、その前に警察に連絡してもらうよう言わなきゃだめか……」 ハァ...


    オーイ コッチダー!      ドウシタンデスカー! クルマ ノ コショウ デスカ-?!     ソンナトコロ   ミンナ シンパイ シテ...




――……

――――…………

- 事務所 -

P「……――と、いう訳なんですよ。本当に死ぬかと思いました」

高木「なるほど……。それは非常に災難だったね。だが、よく無事で帰ってきてくれた。本当に嬉しいよ」

P「ははは。本当、よく帰ってこれたなぁって思います。何より響が無事でよかった……」

高木「うむ。我那覇くんは今、病院で休養を取らせてある。キミはこの後警察の事情聴取もあるから、大変だろうが……」

P「ま、頑張りますよ。それにそれさえ終わったら思いっきり休んでやりますから」

高木「ははは。じゃあ、それまで休暇の過ごし方を考えながら、もう少し頑張ってくれたまえ」

P「ありがとうございます。一応、休暇は小説でも書こうかなって思います」

高木「ほ? 小説かね」

P「えぇ。実は今話したこととは別に、こんな過去の事件について調べる機会がありましてね――」

P「……――とまぁ、こういうことでしてね。話のタネにはなりそうかと」

高木「ふぅむ……。臓器の売買、ねぇ……」 ウウム

P「えぇ。私はそう結論付けましたが――社長、何か気になることでも?」

高木「ん。まぁ、いちゃもんのような意見ではあるんだがね。少し気になる点はあるね」

P「……例えば、それは?」

高木「まず1つ目が親御さんへの対応だ。何故親御さんはそんな危険な学校へ子供を送り込んだのか」

P「いえ、ですから子供を売り、その臓器で儲かるためじゃ……」

高木「それだと入学金や生活費で全て飛んでしまうよ。私立だったんだろう? それにもし売れなかったら大赤字だ」

P「いえ、でも……。もしかしたら入学段階で子供をお金で売り買いしてた可能性も――」

高木「それだと学校側が大赤字だ。卒業生がちゃんと出ている分、考えられにくい」

P「そ、そうですか? でもお金儲けって点なら……」

高木「それにキミは一つ忘れている。大事な要素だ」

P「忘れている? ……な、何をですか?」

高木「時代背景だよ。80年代、特に半ばから後期。この時代を人々はなんと呼んでいたか、キミは知っているだろう?」

P「80年代半ばから後期……あっ!」

高木「そう、バブル時代だ。日本中が好景気に沸きあがり、バイト一つで遊んで暮らせた時代」

高木「そんな時代に、黒字になるかも変わらない、下手すれば赤字覚悟の危険なビジネス」

高木「……金銭目的とは、とてもじゃないが思えないね」

P「ですが……。ですがあの学校で学校主導の殺人が行われてた可能性は高いんです。臓器売買じゃなければ――」

高木「あったとしても、臓器みたいに売れるかどうか分からないビジネスではないだろう」

P「では、例を上げるとすればどのような……?」

高木「……考えたくもないが、一定数需要の見込めるスナッフビデオ、キッズポルノあたりかね」

P「キッズポルノ……。うっ……」

高木「それに第2の理由だが、臓器ってのはデリケートなものなんだ。素人が腕を突っ込んで取れるようなものじゃない」

P「つまり、清潔な環境と腕のいい医者が必要、と……」

高木「そう。キミが見つけた部屋は、血まみれで清潔感も何も無い部屋だったんだろう?」

P「確かに……あの部屋でオペなんてできるとは思えない。それに医者も……」

高木「別に100%不可能なわけじゃない。だが考えればいろいろ無理が出てくる」

高木「もしその廃村の危機を臓器売買で持ちこたえたとして、じゃあ資金が調うまで誰がオペをしたのだ?」

高木「金さえあれば、確かに闇医者として雇えるかもしれない。だが最初は70年代の寂れた鉱山の村」

高木「ここに臓器を摘出できる環境も、それができる医師もいたとは……とても思えないんだがね」

P「……」

P「……何か、見落としていたんでしょうか」

高木「さあなぁ。私は現場を見てないし、そもそも過去の出来事だ。私たちは妄想を語ることしかできんよ」

P「何か、足りなかったのか? それとも視点が――」 ブツブツ

高木「そうさなぁ。だが――」

P「?」

高木「物事は思っている以上に単純だ。こんなもの商売にならない! と思ってるものがわりと当たる場合もある」

P「商売……?」

高木「そう。学校が行っていたことがビジネスで、保護者もグルであるのなら、当然関係はwin-winじゃなくてはならない」

高木「高い月謝を払ってまであそこに親が送り出す。詰まる話、あそこに子供を入れることが親の目的なんだろう」

高木「後は、そこで子供がどういう基準で殺されたのか。どういう基準で卒業できたのか」

高木「そこらへんを、よく考えていくのも悪くはないだろう」

P「社長……もしかしてアドバイスを?」

高木「いや、独り言だ。聞こえてたのなら『小説』の参考にしてくれればいいさ」 ハッハッハッ... ガチャン

P「ビジネス、か……」

-病院-

響「うー……。う? ここは――」

春香「あれ、響ちゃん。もう大丈夫なの?」

響「あれ、春香? ……もしかして自分寝ちゃってたのか?」

春香「うん。随分と疲れてたみたいだね。もう15時だよ」

響「うー、そんなに……。あ、そういえばプロデューサーは?」

春香「えっとね、今警察から事情聴取を受けてるみたい。例の廃校、大変だったんでしょ?」

響「……そうだぞ。もう思い出したくないくらいさー」

春香「そっか……。あっ。じゃあ、もししんどくなったらいつでも呼んでよ! いつでも駆けつけるからさ!」

響「はは、ありがとうだぞ春香。……ところでさ、春香」

春香「なぁに? 響ちゃん」

響「春香はあの夜……自分たちが廃校に迷い込んだ夜に、自分に電話をかけてきたか?」

春香「……」

響「春香?」

春香「え? あ、ごめん。ボーッとしてた。えっと電話なら別にかけてないけれど」

響「そっか……。わかったぞ。ありがと」

春香「どういたしまして……。あ、そうだ。忘れるところだった。はい、コレ」 スッ

響「? なんだ? これ。メモ?」

春香「えっとね。なんかさっき女の人がこれを響ちゃんって。ファンの人だったのかな? どこから病室聞いたんだろ」

響「えっと……。と、とりあえずありがとうだぞ」

春香「どういたしまして。それじゃあ、私行くね。後から千早ちゃんたちもお見舞い来るから」

響「分かったぞ。わざわざありがとうー」

春香「じゃあね。ゆっくり休んでね」 バイバイ

響「春香も帰り道に転ばないよう気をつけるんだぞー」 バイバイ

響「……」

響「行っちゃったぞ……。さて、このメモ……」

響「差出人の名前は書いてないけど、普通の便箋かな。応援メッセージだったら嬉しいんだけど、えーっと」 ピリピリ

響「えーっと何々?」

響「……」 ジーッ

響「……ッ!!!」

響「こ、この手紙、差出人ってまさか……」

響「いや……でも……」

響「これが事実として……どういうことなんだ?」

響「どこかで勘違いしていた……のか? 自分たちは……」 ポロッ...


          フワッ....          パサッ...


『今も昔も、ずっとあの人は優しかった。私たちを救ってくれた』

『あの時の推理を聞いて我慢できず、この手紙をあなたに残しました』

『恐らく、もう会うことはないでしょう。ですがどうかひとつ、これだけは覚えていて下さい』

『樋村先生は、なにも悪くない。天に誓って何ひとつ』

Normal End

一時休憩...

以下 廃村で見つけて

~4週目~

-教員用更衣室-

P「よいしょっと……」 ガシャッ

響「……プロデューサー。それ、何を持っているんだ?」

P「あ? 武器だよ。あそこにあった刃物を少し拝借した。錆びてはいるけど、まぁ無いよりかはマシだろう」

響「重りになるものはあまり持っていかないほうがいい気もするけどなぁ」

P「だな……。ん?」

響「どうしたのか?」

P「いま窓から……。もしかして」 ガラッ

響「うわっ。眩しいっ! も、もしかしてもう朝陽が……!」 チラッ

P「……残念ながら違ったみたいだ。月光だよ。ほら、あんなに明るい」

響「月の光、だったかぁ……。朝陽と勘違いしちゃったぞ」

P「目が慣れてしまったのも相まって、もう懐中電灯はいらないかもな。月光で校内が薄明るい」

響「でも、まだ朝じゃないのなら――」

P「ん。もう少し逃げまわるとするか」


行動安価 → 給食室

響「そういえば、この学校って給食室ってあるのか?」

P「さぁ、そこは俺にもわからん。でも南校舎にはそれらしき建物や部屋は無かったし――」

響「外部から? トラックとかで」

P「片道なんkmもある悪路を毎日荷物積んで行き来できるとは思えないな」

響「じゃあ給食はどこから?」

P「俺の想像だが、位置的に寮にあるんじゃないか。寮ができる以前は村の炊事場を使ってたのかも」

響「ふぅん……。寮の方にかー……」

P「……行くか?」

響「いや。校内にあると思ってたから……。もしないならちょっと考えてみる」

P「そうか。ま、行くにしろ、行かないにしろ。俺は響の言うことに従うよ」


行動安価 → 響の携帯探し

P「そういえば響。携帯を捨てたとか言ってたな。あれ、見つかったのか?」

響「け、携帯? ……そういえば、まだ見つけてないかも……」

P「どこら辺で携帯を捨てたんだ?」

響「えっと、多分北校舎から南校舎へ向かう渡り廊下の途中。ポイッて捨てちゃって、細かい場所はわかんないけど……」

P「……もし、次の動きが思いつかないのなら、ちと携帯探してみるか?」

響「えっ? で、でもなんで?」

P「携帯を探して、もし見つかったら響の携帯に着信があった謎も解けるかもしれないじゃないか」

響「で、でもどこを? 自分、教員舎であの着メロを聞いてるんだぞ。きっとオバケが持っていってるに違いないぞ」

P「まー、そうかもしれんが……。ま、万が一だ万が一。とりあえず北校舎と南校舎を結ぶ渡り廊下を見てみよう」 スタスタ

響「ん……。わ、わかったぞ」 テクテク

P「じゃあ、行くか。よっと」 ガシャ

響「やっぱそれ持って行くんだな……」

- 南校舎 渡り廊下 -

P「ここだな。で、どこら辺でポイっと?」

響「わかんない……。走って走って、それから投げ捨てちゃったから……」

P「うーん。校庭の方向は、まぁともかく……。中庭の方へ投げ捨てたのなら探すのは酷だな」

響「草ぼーぼーだぞ。ハム蔵かいぬ美がいれば見つけてくれるかもなのに」

P「せめて響の携帯に着信がもう一度入ればなぁ」 ピッ ピッ

響「こ、怖いこというのやめて欲しいぞ。それに一応、自分壊しちゃったから、正常に動作するかは――」

P「……ん? お、あれれ?」 ピッ ピッ ピッ

響「どうかしたのか、プロデューサー?」

P「いや。今、携帯アンテナが1本立って……あ、また圏外になった」

響「えっ!? こ、ここ電波が届くのか!?」 ガタッ

P「わからん。一瞬だけだったし、不安定だったのかも……あ、ヤバい。電池が」

響「あ、スリープしちゃった……」

P「あぁクソ! もう少しでいろいろ調べられたかもしれないのに」 カチャン


行動安価 → 職員室近くに校長室がないか探索

P「しかし、ここまでだとは思わなかった。これはちょっと無駄足だったかもな」

響「うん……。ところでプロデューサー」

P「ん? なんだ響。次に行く場所でも思いついたのか?」

響「うん。それなんだけどね。この学校、校長室ってどこにあるのかな?」

P「校長室? 校長室……。確かに見なかったな」

響「それでね。自分、職員室をもう一度調べてみたいなって思うんだ。最初薄暗くてあまりわかんなかったし……」

P「あぁ。廊下に面してないのなら、職員室に入り口がある場合。……確かにあるな」

響「うん。だから、ちょっと確認してみたいぞ」

P「わかった。じゃあ次は職員室へだな。まぁ、帳簿でも見つければ更なる根拠も見つかりそうだし、いいか」

響「臓器売買……。本当にあったのかな……」 ゴクッ

P「それはまだ分からん。でも俺はほぼコレで合ってると踏んでるな。ま、今は移動だ」

響「うん」 テクテク

- 職員室 -

P「うお、そこそこ明るい」 ガラガラ

響「心なしか、月の光が強くなってる気がするぞ……」

P「多分月が傾いて低くなった分、光も強く感じるんだろ。今は願ったり叶ったりだが」

響「でもそれって、オバケ……不審者さんにも同じことが言えるんじゃないのか?」

P「それはそうだが……。お前の話とさっきの状況を考えるに、多分平気だと思う」

響「なんでだ?」

P「目と耳が弱い、広範囲に移動してない、動き……というか歩調が緩慢。なら不審者は高齢――ん?」

響「どうかしたのか?」

P「いや、あそこ……。ほら、教頭の机の後ろにある棚。その端の方……」

響「あ、扉! やったぞ。本当に校長室……開いてる?」

P「あぁ、扉が開いてる。もし最初から開いてたら、薄暗かったとはいえ、俺たちが気付かない訳がない」

響「なら誰かがあそこに――」

P「いるのか、いたのかは分からんが……。今はコイツもあるし、慎重に行ってみるか……」 ゴクッ ガシャッ

- ??? -

P「……」 ギィ...   キョロキョロ

響「……」 ヒョコッ

P「……誰もいないな。そこそこ狭い部屋だけど、ソファやら絵画やらがあるな」

響「応接間? あ、でも奥に偉そうな机がある」

P「まぁ、ここが校長室で合ってるだろうな……ん? この部屋の床だけ木材を使ってるのか? 変な趣味だな」 ギィ ギィ

響「腐ってたら大変だから、あまりドタバタするのは控えるべきかもなー」

P「しかし殆ど手付かずで出て行ったのかな。やたらと綺麗だ」

響「廃校になるとき、それくらい急いでたのかもなー」

P「だが資料も当時のまま残ってるかもしれない。ま、調べるも調べないも響次第だけど」

響「ん……」


行動安価 → 手帳を読む

響「ここ……出口が一つだけなのかー。後は窓……」

P「ま、今は手元にコイツがあるから、ここで篭城もできなくはないぞ。この部屋に隠れられそうな場所はなさそうだし」

響「ん。じゃあ手帳を読んでみるか? これ」 パサッ

P「手帳? ……あぁ、あの理科室で響が見つけたあれか」

響「うん。結局何度も読もうとして読めなかったから、読むとすれば今の内かなって」

P「だな。じゃあ俺が入り口警戒してるから、小声でいいから声に出して読んでくれ」

響「わかったぞー。えーっと、なになに……?」


『×りすぎた。バラバ×にするのはまだ×い××て、燃××のは良×ない。こ×じゃあ××用できない』

『教×が俺をキ××イ呼ばわりし××ら×い。ふん、好×合だ。お陰で××に死×も×べもしない』

『今××仕事で×、派×に臓×をブチ撒××よ×××たが、×陰で臓器××つか潰×て×まった。なんとい××とだ』

『××とグ××スクに。もっ×凄惨に。×っとバ×バラに』


響「……うぐ」

P「……聞いてる分には酷いな……。樋村って男、何か破壊衝動でもあったのかね」

響「この先もいろいろ書いてあるけど……似たようなことばかり書いてあるぞ」

P「まったくだ……。ん?」

響「どうした、プロデューサー?」

P「いや、今の文面に何か違和感を覚えて――ちょっと手帳いいか?」

響「? 別にいいけど……気分悪くなっても知らないぞ。はい」 スッ

P「サンキュ。えーっとなになに……」 ブツブツ

響「また一人考え込んじゃったぞ……。コ○ンくんじゃないんだから、少しは考えを喋ってほしいぞー」

P「この文面……。穴埋めをすると、『お陰でろくに死体も調べもしない』……か?」

響「そこは分からないけど……だとしたら、なんなんだ?」

P「おかしいな。例え後で臓器を摘出するとして、そんな死体も調べないって本当に?」

P「それにこの日記、どれだけ凄惨に殺す……か、或いは死体をバラバラにするかだよな」

P「臓器売買を目的として、こんなの許されるのか? おもいっきり『燃やす』『潰す』みたいな事も書かれてるし――」

響「そういえばそうだぞ。……なんで?」

P「……臓器は使わない? いや、臓器は樋村が目的で、学校の目的は殺すことだけ?」 ブツブツ

響「まーた考え込んでる……」


行動安価 → 部屋を捜索

響「プロデューサー。考えるのは――」

P「ん? お、おう。そうだな。考えるよりまず先に動かなきゃ、だな」 アセアセ

響「まったくもうっ。……とりあえずここの部屋を調べるぞ。何かあればいいけど……」

P「一応この部屋、鍵はかかるみたいだし……。そうだな、ちょっと調べてみよう」

響「だぞ。……でも思ってより本や書類がいっぱいあって、何が大事な資料のか判断するのが大変かも」

P「じゃあ、そこらへんは俺が調べるよ。響は机とかその他を調べておいてくれ」

響「了解だぞー」

P「……」 ガサガサ

響「……」 ゴソゴソ

P「……っとっと。危ない危ない。本棚を倒すところだった……」 ガタッ

響「危ないぞー。怪我しないように注意しなきゃ」

P「悪い悪い。それもそうだな――ん? なんだ、壁と本棚の間に落ちて……なんだこれ。これは校長の手記か?」 カサッ

響「ここの学校の人、よほど手帳に書き記すのが好きなんだな――お?」

P「ん。響の方もなにか見つけたのか?」 ガタッ ガタン

響「いや、ここ……。見づらいかもしれないけど、穴が開いてる……」

P「んー? ……本当だ。えーっと、どれどれ――」 ガチャッ ガラガラ

響「どうしたのか? プロデューサー」

P「……この穴、壁の向こうからテープで部屋の中に光が漏れないように隠してる」

響「穴が開いたからの応急処置なのかな?」

P「なくはない……が、この金満学校でか? んー、どちらかといえばこの穴……。覗き穴のようにも見えるがなぁ」

響「校長室を? そんなことする意味、なにかあるのかなぁ」

P「わからん。とりあえず探索を続けようか」

P「……ん。またそれっぽい資料見つけたが……。今度は暗号化されてるっぽいな」

響「どんなのなのか?」

P「ん? えっと、まぁこんな感じ」 ペラッ

『85' 普59、選44』

『×年×普通入×者も随分増え×きた。これも××の成果のひと×なのだろう』

『或×はこ×先、普×入学×だけでやって×ける××しれない』

『有名×学への進学も多×なってきたし、いつか本当××の日が来るの×もしれない』

響「……日記? というより誰かの感想かな」

P「場所的に校長の手書きだと思うが……。んー。見た感じ、入学者についての資料だな」

響「学校の偏差値上がって、入学者が増えたのかな。……けど、成果? 成績向上の何かでもしたのかな」

P「さぁな。裏でやってるであろう事を考えると、あまりいい意味には聞こえなさそうだが――」

響「ところで、この『普』は普通入学者って意味なのかな。じゃあ『選』ってどういう意味なんだろ」

P「……わからんな、現地点では。で、とりあえず見つかった資料はこんな感じか」

響「そこまで多くは無かったね」


行動安価 → 覗き穴をスタート地点とし、紙の指示通りに動いたケースを考える

響「……そうだ。覗き穴、ノゾキアナだよ!」

P「ん? 覗き穴? ……あぁ、体育館のあれか。あそこに何かあるのか?」

響「違うぞ。えっと……これ! あそこに書かれていた字はこの絵の裏に書かれてる字と同じだった!」

響「だからもし、このメモがここの覗き穴から見たことを書いているのなら――」

響「この覗き穴からメモの順に移動してみた場所に、きっと何かあるぞ!」

P「ははぁ、なるほどな。じゃあ、……ちょっと試してみるか」 ガタッ

響「えーっと、ここがスタート地点だとして……最初はまっすぐ行って右」

P「テーブルとソファ前で右か」

響「次はまっすぐ行って左だな。これを二回繰り返せば……」

P「テーブルとソファをぐるっと回った格好になるな……。いや、待て」

響「? どうかしたのか?」

P「……多分そっちじゃない。テーブルを回っただけだと、多分まだあの穴からは姿が見えてる」

響「え? じ、じゃあ、えーっと」 キョロキョロ

P「そうだな。校長の机まで行って左、だろうな。ここからなら多分穴からは見えなくなる」

響「そうなるとゴールは……。ここら辺かな?」 ギシギシ

響「? なんだかここの床、凄く軋むぞ。あんまり乗っていたくないかも……」 ギシ...

P「……そこの床板、外してみるか?」

響「え? こ、壊しちゃうのか? それって危なくないか?」

P「どうせ腐りかけた建物、床板一枚程度引っぺがしただけじゃあなんともならんだろ。それに――」

P「もしメモのことが、この床あたりを指しているのなら――ここにあるはず」

響「そうなのか? でもここにあったのがどこかに移動させられた可能性も――」

P「ほとんど時間がなくて手付かずであったろう、この部屋の様子を見てか?」

P「それに『見えなくなった』これが本当に完全に見えなくなったのなら、おそらく誰かはここでしゃがんでいたはず」

P「じゃないと身体全体が机に隠れることが出来ないし、もし少しでも見えていたのなら、もっと別の表現を使っただろう」

P「『こちらに背を向けてなにかしはじめた』だとか『何かをいじり始めた。ここからじゃ見えない』とかな」

響「……それじゃあ、本当にここになにか?」

P「だから分からん。メモが本当にこの場所を指してるか否か、だ。じゃあ、コイツを使って……!」 バキッ

響「うわっ! ら、乱暴だぞ!」

P「しゃーない。取っ手があったのかもしれんが、この状況じゃ――お?」 ガシャッ

響「お?」

P「これは――」

響「金庫? なんだかすごく物々しいぞ……」

P「……が、これはダイヤル式ロックと鍵の両方が必要なやつだな。昔にしては随分先進的なものを……」

響「それだけ大事なものだったのかな……」

P「だが、お? これダイヤルの方のロックは外れてないか?」 カチャカチャ

響「ほへ? なんでまた中途半端な」

P「んー……。例えば、廃校になると分かり慌てて金庫の中身を取り出そうとしたけど鍵をなくしてしまって断念」

P「だから床を固めて見つからないようにして、後はそのまま――だとか?」

響「それだけ急いでたってことなのかな」

P「教頭も黒ければ、校長も黒いってか。なんなんだこの学校」


行動安価 → 手持ちの鍵を使う

P「鍵……。そうだ、寮で見つけたデカい鍵、これに使えないか?」

響「えっ? えっと、大きい鍵、大きい……おっ。あったぞ、これだな」 ゴソゴソ パッ

P「おう。これが何で寮母の部屋にあったのかは知らんが、寮母が学校側の活動に反対だったのなら……」 ガチャガチャ

P「……おっ! ビンゴだ。やっぱこの鍵であってたか」 ガチャリ

響「やったぞ! で、中はどんななんだ?」 ヒョコ

P「こりゃ、顔出すな。今開けるから……っと」 ギィィィッ

響「どれどれ? 中身は――あれ。また書類?」

P「それと手帳だな。さっき見つけた手帳と併せれば2つか。どっちも校長の手記かな?」

響「わかんないぞ。でも、だいぶ核心に迫ってきたような……」


行動安価 → 読んでみる

P「まぁ……。読むしかないわなぁ。せっかく安全が確保できてるのに」

響「じゃあさっそく手記を読んでいくぞ。まずはさっきプロデューサーが壁と棚の間に落ちてたのを見つけたやつだな」

P「重要そうなところだけ読んでいくか。えーっとなになに?」


『樋村××には困ったものだ。監禁事件を起×した父親と同じく、彼もどこか変態×な趣味を持ってるのだろうか』

『まあ彼は父親と違い、××予定の生徒をうっかり監禁してし×うなんてミスはないだろう。何せあの趣味×のだから』

『幸いに×々が接触する前に監禁事件を起こしたので、警察に保護さ×た後も事件になることはなかった×だが』

『お陰で彼女を××損ね、ご××は×怒する始末。本当にあの事件は思い出しただけでも背筋が凍×』

『加えて警×に手回しをするのにいくら払っ×か。まぁ今××ことを考えれば必要出×だったのか×しれんが』

『しかし彼は父親比べ×安全×いう部類にすぎず、実質あの殺×方は異常と言わざるを得ない』

『お陰で死体は常に××ゃぐちゃで凄惨だ。正直、私含めまともに目にしたく×い』

『私がこん×ことを言うのも何だが、さぞ彼ら、彼女らは苦×かったに違いない。同情するくらいに』

『もし×らせていなければ、彼らの悲鳴で一瞬でこの××は生徒たちに露見してしまった×ろう』

『樋村×生に話をつけるよう、教頭先生に伝×ておくこ×にする。これで少しはマシになればいいが……』


響「……」

P「確定だな。『殺』の文字が出てきた。『流す』は使ってないが、恐らくこれのことを指すんだろう」

響「心のどこかで思ってたことだけど、実際にあったことが確定したと考えると、なんだかキツいぞ……」

P「仕方ないさ。……しかしこの手記を見るに、九の事件の一つを起こしたのは樋村の父親か」

響「親子2代、この村の教師だった……ってことか?」

P「学校が裏で行ってることがもし閉山直後から続いているのなら、身内を入れたほうがそりゃあいいわなぁ」

響「えっ? これが閉山直後からずっと? そんなことどこかに書かれてたのか?」

P「ん、あぁ違う。俺の妄想。でも、寮母の日記を見てると、そう考えるのが自然かなーってな」

響「そうなのか……。こんなことが以前からずっと……」

P「ま、今は感傷に浸ってる暇はない。次は金庫内の手記を調べてみるか」 パラッ

『樋村×代子さんが亡くなった。どう×ら自×らしい。北×舎の××から飛×降りたのこと。遺書が見つかった』

『そして聞けば先の事件、彼女が起こしたものらしい。遺書にそう書かれていた。失敗を予想し自ら命を絶ったのか』

『×女が自殺した時刻、バラバラなた×に詳しくはわからないが、恐らく最後の1人を××めた前後らしい』

『そ×も×哀相なことに、最×の一人を処理した×は彼女の息子だったらしい。遺体は×型を留め×いない』

『皮肉な×のだ。生徒を×おうとして、その最後の××を自らの息×に×されてしまったのだから』

『だが、お陰で×件が公にならずにすんだ。このことは×日学校内の××事で秘×裏に処理され×だろう』

『しかしどうやって彼女は×らを生き延びさせた×だ? 協×者が? せめて過去、誰が××たのかを書いて××ば……』

『だがこれ以上の×拠を増や×わけに×いかないし、仕方のないことだ。これで事×は終わった。そう思えば』


P「これは……樋村母が死んだ日のことか。自殺?」

響「でも、これを見るとなんだか酷いぞ……。息子に最後の一人を――だって」

P「あぁ。樋村って男、よっぽど屈折した心を――ん? まだ他にもあるな。別の日に書かれたものか?」 ペラッ

『報告が来た。××子さんの遺体×が、自殺と思え×いほど異常だっ×とのこと』

『×況はか×り×惨で、×中切り刻まれバラバラになっていた×しい』

『……間違いなく樋村先生だ。だが遺書もあるし、恐らく×び降りた後の彼×を刻んだ×だ×うと予想する』

『だがいつだ? 最後の一人を×してからは、ずっと彼×ここで事後処×を行っていた』

『……×後の一人を仕留める前に? いや、でも彼の慟哭を見れ×それはないと思×てくる』

『仕×める前に×上の遺体を見ていれば、あ×な嬉々としてかつての×徒をバラバラになん×できる訳がない』

『……いや、も×かして先ほど見た彼のあの慟哭は全て嘘で、心ではなんとも思っ×いないのかも×れない』

『そうだとし×ら、彼は×真正銘の化け物だ。×を斬るためなら肉親の×体だろうと×わない』

『恐ろ×くて×が震える。××かして手は打てな×ものか』


響「……人殺しがいっちょ前に怖がってるぞ」

P「ここまでくると腹が立ってくるな。何様のつもりかと」

響「でも、樋村は母親の遺体を切り刻んでいた可能性があることが分かったね」

P「ん……。まぁ彼の異常性は前々から知ってたつもりだが、ここまでくると本当に恐ろしく思えてくるな」

P「後は大量の資料だな。こんな金庫に入れておくくらいだから、よっぽど重要なものなんだろうか」

響「んー……? いろいろ擦れてる文書もあるけど、なんだこれ?」 ペラペラ

P「なになに? 『古庄×太郎、古庄 愛子 は以下を厳守することをここにお誓い致します』。……誓約書?」

響「『1. 生徒に関して、校内で事件、事故が発生し、結果生徒が死亡してもいかなる訴えも……』。な、なんだこれ」

P「別の形のものもあるな……。『この学校内で発生した死亡事件において、学校側は……』。ふむふむ、これは――」

響「……親が裏切らないようにするための?」

P「血印書だな。親も裏切れないように、って感じかねぇ」

響「でも、あまり枚数無いな。それにこんな大事なもの、処分しなかったのか?」

P「まぁ半数以上は普通入学ってあったしな。それに処分しなかったんじゃなく、処分できなかったのかもな」

響「……時間的な都合で?」

P「それもあるが、だったら後からここへ来ていろいろすればいい。恐らくマークでもされてたんじゃないか?」

響「へ? マーク?」

P「警察に。手の及んでない……市、或いは県が乗り出したのかは分からんが――」

P「要は自由に身動きが取れない状態ってことだな。或いはもう死んでいるかのどっちかだ」

響「死んでいる……」 ゴクッ

P「さて、これで大分過去のことは見えてきたな」

響「細かいところまではまだだけど……。確かに見えてきたかも」

P「さて。そうなると問題はこの資料だ」

響「これ? 持って行っちゃダメなのか?」

P「いやいい。だがこの部屋、さっきまで人がいたってこと。もう忘れたか」

響「あ、そういえば……」

P「誰かはわからんが、もしここにいたヤツの目的がこれなら――ここに置いたままにしておくのもありかもしれん」

響「なんでだ!? これは事件の証拠だぞ! 持ってかえって公表しなきゃ」

P「その公表を快く思わないヤツが校内を徘徊してるかもしれないってことだよ」

響「お、オバケのことか?」

P「どのオバケか知らんが……。金属製の何かを持った奴と、フットワークの軽いもう一人の、最低2人はいると思う」

P「その双方がこれを狙ってたら――。持ってる俺たちが危ない」

P「この紙を見た後でも、資料さえ手を付けなければあるいは見逃してくれるかも――」

響「……」

響「……でも。でも、それじゃあ、この学校で殺された人たちの無念はどうなるのさ」

P「無念?」

響「こんな暗くて寂しい廃校を彷徨って……その人たちが浮かばれないぞ!」

P「いや、だからこの校内を彷徨っているのは生きた人間の可能性が――」

響「違うぞ! きっとその人たちはまだここにいる。彷徨ってる! だから救ってあげないと」

P「だからさ……。いや、例えそうだとしても、それは命を賭けてまですることか?」

響「……」

P「当然置いていったからといって見逃してくれるとは限らない。でも少しでも俺たちが無事になれるのなら――」

響「……」 ギュ-ッ

P「……」

響「うー……!」 ギューッ

P「……フー。わかったよ響。わかった。持っていっていいさ。だからあんまり紙を強く抱きすぎるな。皺になるぞ」

響「えっ? ほ、本当にか?」 パァッ

P「いいさ。ま、どうせ金庫を閉じれば、持っていったか否かなんて分からないハズだしな」

響「やった! あ、ありがとだぞ、プロデューサー!」 ダキッ

P「しかし……。見えてきそうで見えてこないな、この事件。あと少しだとは思うんだけど――」

響「うーん。学校が悪いことして、樋村がさらに悪いことをしてたってことくらいしか……」

P「……まだ。あと少し資料が足りないな。他に気になった場所、少し探してみるか」

響「そうだな。あ、念のため板は戻しておくぞ。……綺麗に割れちゃってるけど」

P「おう。でも金庫が開いてないと思えば或いは――な。さて、どこへ行こうか」

響「んーっと、そうだなー……」


行動安価 → 寮母の流す、足りないという言葉の意味と、バラバラにする理由を考える

響「とりあえず、自分。プロデューサーの考えを聞きたいぞ。多分、だいぶ思考の差があると思うから……」

P「おう、ここを出る前に考えを併せておきたいと。いいぞ。何でも質問してくれ」

響「まず寮母さんの手記で出てきた『流す』って言葉は――どう考えてる?」

P「殺すって意味だろうな。外でも意思疎通ができるように作った言葉だと思う」

響「そっか。そこらへんは同じだな。じゃあ『足りない分を代用~』って言葉は?」

P「そこな。臓器売買の考え、さっきも言ったろ? そこで――」

響「生徒が臓器売買されないように身代わりにって考えだったっけ」

P「なんだ、覚えてるじゃないか」

響「うん。だけど、さっき樋村の手記を見て、臓器売買の線が薄くなったとか言ってなかった?」

P「……そうなんだよなぁ。だからそれは今考え直し中。まだ証拠や根拠が足りない」

響「そっか……。じゃあ何で樋村は遺体をバラバラにしてたと思う?」

P「ん? そりゃあ……バラバラにしてこっそり臓器やらを掠め取るためじゃ? それか、そういう趣味があったか、だ」

響「うー……。なんか違うような気もするけど」

P「思考時間と資料が足りないんだ。もう少し動かないと……何も見えてこない」


行動安価 → 二枚目のメモについて

響「そうだ。ねぇ、この2枚目のメモはどう思う?」

P「ん? あぁ、そういえば体育館でもう一枚見つけたんだっけか」

響「うん。だったらこの部屋をもう一度――」

P「多分それこの部屋じゃない。だから別にいいだろ」

響「えっ? な、何で分かるんだ?」

P「動く前に、そのメモ通りの動きを考えてみればいい」

響「『ひだりにいってまっすぐ。みぎにいってひだり。まっすぐ。またまっすぐ』……だったよね。えーっと……」

P「ま、真ん中が少し曲がってる針金みたいな形になるだろ? もしくは雷マークを横に倒したような」

響「そうだな。左側にずっと続くって感じ……あっ」

P「な? この部屋じゃ再現不可能だ。それにこれは最初と途中一度上に曲がる以外は左方向へ一直線なんだ」

響「そんな場所、学校内にあったかな……」

P「さぁなぁ。校庭くらいしか思いつかんが……その場合はなんでこんな表現にしたのかとスタートの位置が分からん」

P「或いは、体育館の小窓でどれくらいの範囲が見えるかをテストしたのをメモに書いただけなのかもしれんし」

響「むぅ……。ただのメモの可能性もあるのかー……」


行動安価 → 体育館へ

響「むぅー……。そうなのかなぁ」

P「納得できなさそうだな……。じゃ、それを見つけた体育館、もう一度見てみるか?」

響「ん。わかったぞ。でも、あの変な靴のオバケは大丈夫なの?」

P「こっちは武器があるんだ。ゴリマッチョは難しいけど、普通の体格ならある程度は応戦できるだろ」

響「……わかった。プロデューサーのこと、一応信じてあげるぞ」

P「なんだそりゃ。まぁいっか。じゃあ、慎重に行くか」

響「うん……。あれ?」

P「どうした? 何か言い忘れたことでもあったか」

響「いや、今誰かの視線を感じたような……」

P「? とは言っても部屋は当然、窓にも人影はないし……気のせいじゃないか?」

響「……そうだな。きっと気のせいだぞ」

P「じゃ、気を取り直して、慎重に……」 ガチャ

響「抜き足差し足……」 ソロソロ   バタン


                                                 ガサッ

- 体育館 -

P「ということで体育館来たが……。うわー、なんか不気味というか神々しいというか……」

響「2階の窓から月光が射し込んでいるんだな。なんだかライトアップされたステージ上みたいで綺麗だぞ」

P「だな……。帰ったら、こんな舞台でいっぱい踊ろうな」

響「……うん」

P「っと、なんかしんみりしちまったな。で、ここまで来て……さてどうする?」


行動安価 → 二階へ行き探索

響「と、とりあえずもう一度2階に上がってみるぞ。上からなら全体をよく見られるし」

P「わかった。じゃあとりあえず舞台袖に入って、っと……」 ガチャッ

響「うわぁ。相変わらずぐちゃぐちゃだぞー……」

P「上りにくいんだよなぁ……。よいしょっと、響。お前は大丈夫か」

響「大丈夫だぞ。伊達に運動部やって……ないぞっ!」 ピョン

P「おっと。こら、あんまり飛び跳ねると危険――」

                                      ガララララッ

P「!」

響「!!」 ビクッ

                                       ギュッ... ギュッ... ギュッ...

響「あ、あの足音! さっきのアイツだぞ、きっと」 ブルブル

P「だな……。あの音、更衣室の方から出てきたのか」 ヨシヨシ

                                            ギュッ... ギュッ... ギュ...  ュ....

P(足音が遠ざかっていく……。音からして、扉は閉まっていたのか。じゃあ気付かれていないのか?)

響「……」 ブルブル

P「……」

響「……」 プルプル

P「……行ったみたいだ。響、今度は大丈夫か?」

響「こ、今度はってなにさー……。自分、特になにも――」

P「ん。今回は大丈夫そ――と、思ったが残念。ちょっと目頭に涙たまってるぞ」 ナデナデ

響「えっ!? そ、そんなことないぞ!」 グシグシ

P「しかし……。今回もまたあいつか。教員舎や体育館周り、特に更衣室周辺をウロウロしてるのかねぇ」 ポンポン

響「……なんでだろ?」

P「さぁな。あの動きじゃあ、探し物をしてるというより、誰かが来るのを待ってる風に感じるな」

響「待ち伏せ? うぅ、なんだそれ。怖いぞ」

P「さて、今は姿が見えないが、どうしようか」


行動安価 → 2階探索続行

終わりそうな終わらなさそうな微妙な感じでモヤモヤする

P「……今の内に2階を探索するか。今なら影でバレることもない」

響「そうだな。今の内に探索を進めなきゃ……」

P「……」 スタスタ

響「……」 テクテク

P「……」 スタスタ

響「……」 テクテク

P「……」 スタスタ

響「……」 テクテク

P「……何も見つからないままぐるっと半周したな」

響「だぞ……。こっちは逆側の舞台袖へと降りる扉かなぁ」

P「だろうなぁ……。ん?」

響「どうしたプロデューサー」

P「いや、月の光が弱まってきたかなと思ってさ。結構夜明けが近いぞ」

響「そうなのか? あと少し……」


行動安価 → 反対側の舞台袖へ

P「まぁ……。どうせだしこっちから降りてみるか」 ガチャッ

響「うん。……うわぁ、ここも中がぐちゃぐちゃだぞ」

P「下りにくいな……。荷物とか置きっぱなしにしすぎだろっと」 ズリ...ズリ...

響「んしょんしょ……」 ソロリ... ソロリ...

P「……無事降りられたな。特に何もすることはないけど」

響「んー。回りも普通のマットやらポスターやらで、目ぼしいものは何も無いぞー」 キョロキョロ

P「んー。やっぱここは何も無いか……」

響「むぅ。それならプロデューサーはどういう場所を探したいの?」

P「ん? そうだなぁ……。今欲しい情報は『樋村』、『学校の行ってたこと』、後は『九の悲劇』についてくらいだな」

P「『9の悲劇』については、『88年の最後の事件』と『タイムカプセル』、『87年3月の記事』、『ゾンビ事件の詳細』かね」

P「これらの情報が手に入るであろう場所を調べたいな。俺は」

響「そっかぁ……。どこで手に入るんだろ」

P「あぁ、それと響が不思議な体験をした場所でもいいぞ。そこには別の手がかりがあるかもしれんし」

響「うーん……」


行動安価 → プールへ

- プール -

P「ん……。変質者はいないな」 キョロキョロ

響「この動き、前にも一回したことがあるぞ……デジャヴ?」

P「いや、実際に同じことがあったぞ、ついさっき。さて……プールは」

響「さっきと何も変わらないぞ。見回した感じ、何がありそうってこともなさそうだけど……」

P「ん? じゃあ何で来たんだ?」

響「え? だってさっきここ何もしないで帰っちゃったから……」


行動安価 → 壁新聞を調べる

P「……何も無いな」

響「なにもないぞー。じゃあ他の場所行くかー」

P「『他の場所行くかー』じゃない! じゃあ何のために来たんだ!」 グリグリ

響「いたたたたっ! だ、だって何かあるかもしれないと思ったんだぞ」

P「まったく……。まぁ何も行くアテがないのなら仕方ないけど」

響「行くアテ……。あ、そういえば一つあるぞ! 入り口の壁新聞だ!」

P「壁新聞? ……そういえばなんか貼ってあった気がするな」

響「そうそれだぞ。最初見たときは結構新しい感じだったのに、次見たときはボロボロになってた気がして……」

P「ふむ……。それは少し気になるな。ちょっと見に行ってみるか」

響「うん」

P「それと」

響「?」

P「そっちがあるなら、最初からそっちに行けよ!」 グリグリ

響「びゃーっ! ご、ごめんだぞー!」 ジタバタ

- 玄関 -

響「こ、ここだぞー」 ヒリヒリ

P「これか……。んー『がっこうだより 1989年 2月号』……。最終号みたいだな」

響「やっぱりボロボロになってる……。それに2月号? 自分が見たのは確かもっと先の――」

P「んなわけあるかい。89年3月で閉校したんだぞ。見間違いか何かだろ」

響「いや、でも確かに自分は――……。でも実際、最終号がここにボロボロであるのなら、見間違いだったのかな……」

P「……いや、そうでもないかもしれん」

響「? どういうことだ?」

P「これ見ろ。2月号を止めてある画鋲。この隣にそれぞれ別の画鋲が刺さってる」

P「で、その画鋲を見ると、何か破れた紙が刺さってる……。もう分かるな?」

響「誰かが2月号の上から存在しないハズの9月号を貼って、それを見た誰かが破り捨てた……?」

P「多分な。でも何で9月号なのかね。そこはわからんが……。まぁ問題は捨てられたであろう9月号の内容だな」

響「でも……どこにもそれらしき紙くずはないぞ」 キョロキョロ

P「恐らく丸めて捨てたろうから、探せば見つかるとは思うが……」


行動安価 → 体育館の舞台袖からメモ通りに動くとどうなるか考える

響「でも……見間違いだった可能性もあるし、今は気になる事を片付けていくぞ」

P「気になる事? 何かあったっけ」

響「え? だからあの2枚目のメモだぞ。体育館の小窓付近にあったんだし、そこらへんからスタートして行けば……」

P「体育館を抜けるなら印刷室付近になるな。体育館内だと、壁にぶつかって終わり」

響「……そうなの?」

P「あぁ。それで前者は初期の地点で小窓から見える範囲を出てしまっている。だから却下」

P「そして後者はそもそも曲がるタイミングが分からないし、言ったとおり壁にぶつかって終わり。見えなくなることはない」

P「だから多分あそこの小窓からじゃないんだろう。考えるにしても、別の場所を考えよう」

響「ん……分かったぞ。って、あれ? 朝陽?」

P「ん? おっ! 本当だ! 体育館がなんか後光が射して見える!」

響「朝が来た……。これで家に帰れるのか?」

P「多分な。……後は迎えが来るまでどう持ちこたえるかだが……」

響「校庭でいいんじゃないか? あそこなら何があっても逃げ切れそうだし……」

P「だな。とりあえず外に出るか」

-校庭-

P「ふぅー。おぉ、空がだんだん明るみ始めてきた」

響「これで迎えがすぐ着てくれたら嬉しいけどね」

P「はは、流石にそれはない……。待て、響。急いで車の中に入るんだ」 ガサッ

響「? なんで――えっ?」

                  グオォォォォォォォォン....

響「ば、バイクに乗った人が……。それに手に持ってるのは……金属バット?」

P「くそっ。こっちはブレーキ壊れてるし、篭城しても、窓を割られるか……?」

響「や、やだぞ。せっかくここまで来たのに……」

P「……くそ、何とかならないのか」

       グオン       ブオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!

響「き、来たぁ!」 バタンッ

P「響、急いで中へ!」 グイッ


                グオォォォン      ガシャアアアン!!!

響「う、うわーっ!」 ビクッ

P「くそっ! なんとか窓は割れずに済んだが……車を動かすにしても制御できなきゃ意味無いし、このままじゃ――」

響「あと……あと少しなのに。あと少しだったのに……」 ブルブル

P「……響」

響「なんで……こんな……」 ジワッ

P「……」

響「うぅっ……。もう一度会いたいよぅ。みんなぁ……」 グスッ

P「よしっ」 ポン

響「……?」 ヒック

P「響。ちょっとこれ借りるぞ」

響「プロデューサー……?」

P「俺が出たら鍵をしっかりかけているんだぞ。そして何があっても絶対に鍵を開けちゃだめだ。いいな?」 ガチャッ

響「えっ? プロデューサー……? 待って、待ってよ。今出ちゃったら……」

P「フー……。格好つけちゃったけど、やっぱ怖ぇなあ。それにあのバット、俺を殴ったやつじゃねぇのか?」

            グオオオオオン             ブオオオオン

P「でも、あぁやってエンジン吹かして脅してるってことは、まだ交渉の余地があるってことだよな」

P「……よしっ」 ゴクリッ

P「おーい! そこのあんた! あんたが欲しいのはこれだろ? 校長室の金庫の中にあった紙切れ!」

P「目的のこれはやる。だから俺たちを見逃してくれないかー?」

?『……』   ブオン  ブオォォン

P「OK、今からそこへポーチごと置く。ここに置いて離れるから、それから取りに来て――」

                 グオン   ブオオオオオオン!!!

P「!!」


                               バキッ



.

P「ってぇ!」 バッ

?『……』 キキッ    ブオォン...

P(くっ。肩だけで済んだけど、本気で殺しに来たのか? 武器は車脇に置いてきてるし……。こうなりゃ)

?『……』  ブオン   ブオオオオオオ

P「くそっ! またかよ!」 ガバッ

              ブオオン       ドゴッ

P「ぐぅっ……! くっ。ふざけんな! 響には指一本触れさせねぇぞ……!」 ハァハァ    ガシッ

?『……!』 グオン

P「おい! お前の目的がコレじゃないのなら、これは貰ってくぜ! これが欲しかったら俺を追いかけてこいや!」 ダダダッ

?『!!』   グオン  ブオォン         グオオオオオオオォォォォ....

P「こっちだ……。こっち。少しでも遠くへ行けば、響の逃げる時間も……」


         ....ォォォォォォオオオオオオオ
                                 ドコッ


.

P(痛ぇ……。クソッ。バイクにバットとか卑怯だろ) ハァ...ハァ...

?『……』 ブオォ...

P(響、逃げられたかな……。そうじゃなくても、俺だけで満足してくれたら嬉しいな……) フゥ... フゥ...

?『……』 ブオォォォ...

P(あ、ダメだ、倒れる。這ってでも動きたいけど、足殴られたせいで動かねーや) フゥ

?『……』 ブオォォ... キッ

P(格好なんてつけるもんじゃないな……。でも誰かを護るために死ぬって悪くない最期かもしれんなー)

?『……』   カツ... コツ...

P(アドレナリン出てるんだろうなぁ……。痛みも死ぬ怖さもあんまり感じねぇや)

?『……』 コツッ...

P(でも響の前で醜態さらすよりかマシか。でも、これで終わりかぁ……) フー...

?『……』 ブオンッ

P(ごめん。響、どうか元気でな)

??「やあああああああああああああっ!」 ガサッ    ブンッ

?『!!』 サッ

P「あ……?」

響「ぷ、ぷろでゅーざーから、は、離れろおおぉぉっ!」 ポロポロ

P「おまっ……! 何してんだ、殺されるぞ! 早く逃げろ!」 グッ...

響「や、やだっ! ぷ、ぷろでゅーざーは殺させな゙いぞ! ぜったい、ぜったいっ……!」 グスッ   ヒッグ

?『……』 ジーッ

響「絶対どかな、いぞ! ここは絶、たいに……ヒック……どかないからな!!」 ポロポロ

P「響、俺はいい! いいからここの裏手から森へ逃げろ! 森ならバイクは使えないから逃げ切れるかもしれん! 早く!」

響「やっ! やっ!!」 エグ エグ...

P「くそっ……! おいお前、響に触れるんじゃねぇぞ! 指一本でも触れやがったら絶対にお前を殺してやるからな!」

?『……』 ジーッ

?『……』

?『……』 カツッ コツッ    ガシッ

?『……』 クルッ

?『……』  ォン... ブオォォォン!!

P「くっそ……」 ズリ...ズリ...

響「……ッ! ……ッ!」 ポロポロ

?『…………』 グオン ブオオオオオオォォォォォ....


                                オオオォォォォォォ.....


P「え……? に、逃げた? いや、助かったのか?」 キョトン

響「……ぅっ……ぅうっ……!」 ヘナ

P「そ、そうだ! 響。お前大丈夫か! どこか怪我は……痛ッ!」 ズキ

響「……ぅぇええええんっ」 ポロポロ

P「怪我はないみたい、か……。おい、響。お前何でこっちに! 約束したろ!」

響「だっでぷろ、でゅーざーが……ッ……ぷろでゅーざー、が、殴、なぐられで、こ、殺されちゃうっで」 ボロボロ

響「ぶろでゅーざーのばがぁああぁぁぁっ! 何であん、な。あんなごとじたんのざー!」 ボロボロ

P「何故ってお前……」

響「ぜっだい! ぜっだい独りにしないっで、言ったのにっ……ッグ……約束したのにっ」

P「それは……悪かったけど、でも――」

響「でもじゃないっ!!!」 グスッ

P「……」

響「も゙うっ……二度とあんなごと、しないで。しないでよぅっ……! じゃないど、自分、壊れ、て……」 ヒック

P「響……」

響「う、うぅぅぅ……」 エグッ

P「あー……。そうだよな。お前はとっても優しい子だもんな……。耐えられるわけ、なかったよな」 ポン...

響「ヒック……ぷ、プロデューサァァァァァァァッ!」 ガバッ ビエーン

P「よしよし。もう大丈夫だから、もう……」 ナデナデ

――――…………

――……

―…

- 数週間後 病院 -

響「プロデューサー! 元気かー? お、美希と伊織とも来てたのか」

美希「あ、響なの。ハニー今寝てるの。静かにしてね」

伊織「ま、話によれば少しは頑張ってきたっていうし? 少しは労いを込めてね」

美希「流石ハニーなの。王子様ってやっぱハニーみたいな人のことを言うんだね」 ツンツン

伊織「通信空手の頼りない王子様だけどね。ていうかアンタ、そんなツンツンしてたらこいつ起きちゃうんじゃ……」

P「ん……んん?」 ムクッ

美希「あ、起きたの。おはよーハニー」

伊織「ほら言わんこっちゃないじゃない……」 ハァ...

P「お、おうなんだお前ら。また来たのか。仕事はどうした?」

美希「今日はフリーなの。学校終わったから真っ先に飛んで来たの」

伊織「私は当番で。……この光景見てると、あまりいらないんじゃないかって思ったけどね」

響「自分はねー……えへへ。仕事あったけど、一発OKで即終わらせてきたぞ! 自分、完璧だからなー」

P「おぉ、そりゃすごい。そんなに調子がいいのか?」

伊織「そうそう。響ったら、なんだか最近妙に要領がいいのよね。何があったのかしら」

P「へぇ、そうなのか。最近聞くぞ、響が頑張ってるって。何か秘訣でもあるのか?」

響「ふふん。別に秘訣なんてないさー! 自分、いつもこれくらい完璧だぞ!」 ヘヘン

P「はっはっは。そうか、完璧か。そうだったな」

響「それで……?」 ワクワク

P「ん? それでって……あぁ。えーっと……響、よくやったな。俺もお前が誇らしいぞ」 ナデナデ

響「えへへー」 テレテレ

美希「あー、ズルーい! ねぇ、ハニー。美希も撫でてほしいなー」 ピョーン

P「ぐえっ」

伊織「……それ、毎回やってるわよね。飽きないのかしら」

P「痛てて……。まぁ別にいいんじゃないか? ま、今は役立たずのプロデューサーからのご褒美代わりってことで」 グリグリ

響「ふふん。羨ましいだろー」 エヘヘ

美希「あーん、ズルいー! ねぇハニー。美希も頑張ったからナデナデしてー」

伊織「……ここまでベッタリだと、もう何も言う気は起きないわ」 ヤレヤレ

響「~♪」

伊織「それじゃあ私たちは帰るわね。響、後のこと頼める?」

響「ん。構わないぞー」

美希「えーっ。美希、まだハニーといるのー」

伊織「律子から頼まれてんのよ。病院でプロデューサーと添い寝したどっかの馬鹿の世話をね!」 グイグイ

美希「あーんなの! ハニー、また来るからねー!」 バイバーイ

伊織「早いとこ傷直して復帰しなさいよー! 仕事溜まってるんだからね!」

P「おう。2人ともありがとなー」


                        バタン...


響「……えへっ。二人きりになれたね」

P「まぁなったからどうという訳じゃないけどな。……もう大丈夫なのか?」

響「うん。時々あの日の夢を見たりするけど、基本的に大丈夫だぞ」

P「そうか……」

響「……ねぇ、プロデューサー」

P「ん?」

響「本当に、よかったのかな。あれで」

P「……もう何かを悔やんでも仕方ないだろ? あれは終わったことだ」

響「だよね……。あれは終わったこと、なんだよね」

P「そうだ。だからもう全て忘れよう。見たことも、怖かったことも、全部」

響「それで、いいんだよね」 ポフ...

P「あぁ。きっと、あの子たちも許してくれるさ」

響「……そうだな。こうしてプロデューサーとまたこうして2人でいられるのなら――」

P「ん……」 ナデ...

響「……ねぇ、プロデューサー」

P「なんだ?」


               チュッ


響「もう、絶対に一人にしないでね。ずっと……ずーっと一緒にいてね」


未解決 End

(まだだよ?)

以下 廃村を駆けて

~5週目~

- 玄関 -



――……

――――…………

P「――だから多分あそこの小窓からじゃないんだろう。考えるにしても、別の場所を考えよう」

響「ん……分かったぞ。って、あれ? 朝陽?」

P「ん? ……違うな。窓かなんかに月の光が反射しただけなんだろ」

響「そ、そうか……。もう朝が来たのかと思ったぞ」

P「……いっそどこか安全な場所に隠れてようか? 多分夜が明けるまでそう時間はかからないぞ?」

響「ううん。まだ終わらないのなら、ここで昔あった何かを見つけていたいぞ」

P「そうか……、まぁ、わかったよ」


行動安価 → 破られた新聞を調べる

響「とりあえず新聞、これをもう少し調べてみたいぞ」

P「まぁ、ここまで来てるんだからそうするしかないわな。……しかしこれは――」 ジーッ

響「どうかしたのか?」

P「いや……。お前の話によれば、ここにあった新聞は『がっこうだより』らしいが……」

P「名前からして学校が発行した壁新聞かと思ったが、生徒が発行してたみらいだな」

響「え? そうなのか?」

P「ん。ほら、古いほうの新聞……。著者が書いてあるが、その上に顧問の名前も書いてあるだろ?」

P「その部分だけに『先生』っていう敬称がついてるんだよ。でも著者の部分には普通に名前だけだ」

響「あ、本当だ。顧問の部分だけに『××先生』って書いてある。肝心の部分は擦れて読めないけど」

P「多分、部か何かとして成立してたんだろうな。ま、それは今はどうでもいいことかもしれないが」

響「んー……」


行動安価 → 破られた9月号を探す

響「とりあえず、今は探索だぞ。破られた壁新聞を探してみるさ」

P「だな。壁に貼るくらい大きな紙だ。持ち歩くこともあるまいし、どこかにゴミみたいに捨ててあるだろうし」

響「んー……」 ゴソゴソ

P「靴箱はまだ多く残ってるし、死角は沢山あるからなぁ。えーっと、どこにあるんだろ……」 ガサガサ

響「まさか靴箱の中に入れてあるとかないよね」 カサカサ

P「……もしそうなら見つけるまでに夜が明けそうだな」 ガチャ

響「だね。……あれ、あそこに――?」

P「お? 何か見つけたか」

響「う、うん。えっとなんか靴箱の隅の方に丸めた紙みたいなのが落ちてて――どれどれ?」 ガサガサ

P「んー……なになに? 『がっこうだより 89年 9月号』……。おぉ、ビンゴじゃないか! しかし本当に9月号とは――」

響「ほらなー! やっぱ自分の言ったとおりだっただろー?」 エヘン

P「あぁ。……この新聞も古いみたいだけど、使用してる紙が違うのかな。あまりボロボロじゃないな」

響「紙質が違うのかー……。ここじゃない場所で印刷したのかな?」

P「さぁなー。とりあえず今は記事を読んでみよう」

『がっこうだより 89年 9月号』

『みなさん、お久しぶりです。この学校が廃校になってから、もう半年が過ぎようとしていますね』

『樋村先生が自首してから、あっという間の廃校だったので、あまり実感が沸かない生徒も多くいるでしょう』

『皆さんも、新天地で学校生活を満喫してくれていると嬉しいのですが』

『さて、前置きはこのくらいにして、ここにきた皆さんにお知らせしたいことがあります』

『こんな閉校して半年たった廃校にわざわざ足を運ぶ人がいるとすれば、それは恐らく同窓会の方々、工事関係者』

『或いは、橋本先生、忍足校長。そのいずれかではないでしょうか?』

『もし前者の方々なら、何も言うことはありません。どうかこの新聞を見て懐古に耽るのもよろしいでしょう』

『しかしこれを見ている人が教頭先生、校長先生なら、ひとつメッセージがあります』

『25年です。25年後、私は力をつけて戻ってきます。ちょうど、同窓会が開かれるその日に』

『今じゃとても誰も信じてくれないかもしれないけど、力を持って戻ってきます』

『この廃校という名の金庫に仕舞った全ての証拠を取りにここへ戻ってきます』

『それまではこの記事は、ただの戯言にしかすぎないでしょう。でもいつか、この言葉は真実に変わります』

『以上がメッセージとなります。それでは、廃村の中で、また会いましょう』

P「……結構はっきりと読めたな。――しかし、この字どこかで」

響「でも、この記事ってやっぱ……あれなのか? 校長や教頭へ向けての――」

P「宣戦布告、みたいなものか? まぁ記事を見るに、著者はここの元生徒か」

響「『力をつける』、『今はまだ信じてくれない』っていうのは、やっぱ権力とかなのかな?」

P「だろうな。廃校になったとはいえ、事件を揉み消すほどの力が学校側にはまだ残っていたってことじゃないかな」

響「なら罪の告発は確実に揉み消せないくらいの力をつけてから……ってことか?」

P「だろうな。恐らくここに『がっこうだより』の名で3月号の上から貼り付けていたのも――」

P「即ばれないようにするためのカモフラージュか何かだろう。それで今までバレずに済んだのかもしれないな」

P「だが、これがつい先ほど破られていた、ということは――」

響「……校長か教頭。事件の関係者が来てる? もしかして樋村?」

P「だから樋村はありえんと言ったろ。それに仮に樋村がここへ来たとしてもだ」

P「記事によれば彼は自首をしている。悔やんでるのかは別として、今更罪の告発なんて怖くもないだろう」

響「そう、なのか……」 ウーン

P「しかし樋村は自首、か……。これはちょっと以外だな。どういうことだ?」 ブツブツ


行動安価 → 中庭へ

響「プロデューサー、また考え込んでるぞ……」

P「ん? あぁ、悪い悪い。とりあえず今は動くべきだったな」

響「だぞ。ここは死角も多いし、とりあえず外に――」

P「いや。行くならちょっと中庭の方に出よう。この記事が本当なら――」 スタスタ

響「ん? 中庭へ? 別にいいけど……何かあるのか?」 テクテク

P「いや、ちょっとした確認と外の空気を吸いにな」

- 中庭 -

P「あった。これは――……」 ゴソゴソ

響「ん。プロデューサーどうかしたのか?」

P「いや、な。あの『金庫』の文字を見てちょっとな。あの慰霊碑の下の箱が証拠を守る金庫の一つかと思って」

響「そうなのか。で、どうだったんだ?」

P「んー。半々ってとこか。あの後誰かが箱を動かした形跡がある。中を取られたのを見たのかも」

響「えっ? そ、それってマズくないか?」

P「さて、なぁ。でもあの記事を見るに、壁新聞の筆者は罪の告発さえできればいいみたいだ。むしろ恐れてるのは――」

響「証拠の紛失……?」

P「と、他の誰かが『間違った形での解決してしまうこと』だな。じゃないと証拠が揃っても敵に逃げ道を作ってしまう」

響「敵……? あぁ、教頭と校長か。それじゃあこの学校にいるオバケの正体って」

P「あの新聞の筆者と、後はその証拠を抹消したい誰か、かなぁ」

響「……」

P「当然確定事項じゃないが……。さて、どうしようかねぇ」


行動安価 → タイルを調べる

響「そういえば、ここでミキサー事件が起こった……らしいんだよね」

P「推測にすぎないが、まぁここで合ってるだろ。多分慰霊碑のあたりが事件の現場かね」

響「うーん……。そうか」 カチャカチャ

P「? 何してるんだ?」

響「いや。何かないかなーって……」

P「うーん……。雨風が吹く場所だし、何かあるとは思わないな。実際、何かあったのか?」

響「ない、かなぁ……。たしかにちょっと黒ずんでる部分はあるけど、草と暗さでよく分からないぞ」

P「まぁ、そうだろうなぁ」


行動安価 → 文字の照合

響「そうだ。さっきプロデューサー、あの新聞の文字をどこかで見たことあるって言ってたよね」

P「え? あ、あぁ。でもどこだったかなーって思ってな……」

響「どうせだから手持ちの資料から探してみるか? ほら、ちょうど月も満月で明るいしさ」

P「ん、それもそうだな。えーっと、確か……」 ゴソゴソ

響「パソコン……というよりタイプライターとかワープロっぽいので作成したっぽい資料は除外だなー」

P「ん。あと残るのは置き書きとかそういう類の――おっ!」 ガサッ

響「あったのか?」

P「この文字の癖……やっぱり。確証はないが、ほぼ間違いないと思う。あの筆者はこれを書いた人物と同一かもしれん」

響「『タイムカプセルは絶対に暴きます。ですから、どうか今の内に自首してください』? これってあの脅迫状?」

P「だな。しかしそうなると……やっぱカギとなるのは『タイムカプセル』か」

響「あぁ、そういえば暴くって書いてあるし……。決定的な証拠がタイムカプセル内に?」

P「あるのかも、しれないな」


行動安価 → 中庭をよく調べる

響「うーん……。とりあえずタイムカプセルを探さないとな」

P「だが……こんな広い敷地なんて、どこを探せばいいのかサッパリ見当もつかんぞ?」

響「うーん。まぁ、確かにそうだけど……。とりあえずこの中庭を調べてみるぞ」

P「ここを? タイルを剥がしつつ掘っていくのか?」

響「いや、そこまでは……。とりあえず、もう来なくてもいいくらいに見落としがもうないようにザッと探すんだぞ」

P「あ、あぁ……。しかし広いな……」 ガサガサ

響「何か見つからないかなー……」 カチャカチャ

P「んー……」 ガサガサ

響「……」 キョロキョロ

P「……」 ガサガサ

響「……」 ゴソゴソ

P「……なにも見当たらないな」

響「うん……」


行動安価 → 飼育小屋へ


響「うん……。あれ? あそこにいるのって――」 ギクッ

P「ん? 誰かいるのか――って、またあの変質者……ずいぶん遠くにいるな。体育館に入っていったが……」 サッ

響「遠くからだったらか気付かなかったみたいだけど……。うぅ、やっぱまだ校舎を徘徊してたんだ」

P「体育館周辺を執拗に徘徊してるな……。何かあるのか?」

響「そ、そんなことより早く」 グイグイ

P「あ? あぁ。確かに遠くに見えても危険だな。逆方向へ一時避難していようか」

響「うん。と、とりあえずあいつがあっちにいるのなら今の内に校庭に行くぞ!」 コソコソ

P「校庭? そこでタイムカプセルをまた探すのか?」

響「そうしたいけど今は手がかりがないし――とりあえず飼育小屋を見てみたいぞ」

P「飼育小屋……あぁ。俺が閉じ込められていた場所か。確かに何も調べてなかったな」

響「あんな暗い場所、調べるなら危険の少ない今の内だぞ!」 タタタッ...

- 飼育小屋 -

響「ここかー……。改めてみると、本当に中が真っ暗で不気味だぞ……」

P「俺も懐中電灯取り上げられてたしな。中をよく調べる暇はなかった」

響「中をって……。あれ? この中って物凄く狭いんじゃあ」

P「いや? 確かに天井は低かったけど、スペースはそれなりにあったぞ?」

響「えっ? スペースはそれなりにあった……、記事が間違っていたのか?」 キョトン

P「記事……。あぁ、あの学級オカルトとかいうやつか。おかしいな。検証しなかったのか?」

響「わかんない……。とりあえず、自分、中を調べてくるぞ。流石に2人は入らないもんな」

P「おう、頼む。ふふふ、外の警戒は俺に任せろ!」 ドン

響「……大丈夫かなー……。ちょっと不安になってきたぞ」 ゴソゴソ

- 隠し飼育小屋 内部 -

響「うわっ……。砂埃が酷いぞ」 ケホケホッ

響「うぅーん。確かに思ったよりは狭くないぞ。ちょうど2、3畳くらいのスペースがある」

響「肝心の内装は……。お? 思ってたより整頓されてるぞ……」

響「あれ? これって、生徒用の机と椅子? すごいな、なんでこんな場所に……」 ゴソゴソ

響「? なんだこれ。ちょっと血が付いてる? 1ページだけだけど、メモというより手記っぽいなぁ」

響「他は――ん? あそこから光が漏れてる」

響「どれどれ……。お? ここから外の様子が見れるようになってるのかー」

響「まるで隠れ家、秘密基地みたいだぞー。面白いなー」 キャッキャ

P「おーい響。まだかー」

響「あ、プロデューサーの声だ。ちょっと中途半端だけど……今出るぞー!」 ゴソゴソ

響「ぶはっ。うー、空気がおいしいぞー」 ケホッ

P「おう、それでどうだった? 中は」

響「真っ暗だったけど、確かにそれなりに大きかったかも……。中は木の枠組みっぽいのがいろいろあったかな」

P「枠組み……。ふぅん、坑道を掘った応用で空間を確保、拡張してたのかな? ……まぁいいや。成果は?」

響「ん。このメモと……。後はちょっと外の様子が覗ける感じの覗き穴がひとつあったくらいかな」

P「ここにもメモがあったのか? ……この構造じゃ、中は暗かったろうに、明かりでも持ち込めたのかな?」

響「でも血が付いてるし、結構重要なメモなのかも」

P「ん……。ま、まぁとりあえず中はそれほど危険がなさそうなら、それでいいや。今は」


行動安価 → メモを確認

響「とりあえずメモの確認だぞ」

P「そうだな。忘れないうちに確認だけでもしておくか」 ガサッ

響「……ずいぶんとギッシリと書かれているんだな」

P「血が付いてるけど、思いのほか風化はしれないな。それでも穴埋めにはなるが……なになに?」


『先×ごめん。××ちゃった。雄太が×スして校長の×から出るとき、他の村の人に見××った×だって』

『な×でも流した×の顔を覚え×る××いた×たいで、村××で大騒×にな×ちゃっ×』

『急い×寮×で逃げ××としたけど、学×××の先生×見つ×って、××ッ×で殴ら×て、今×げてる。痛××』

『私×ち生きて×のバレ×ゃった。せ××く先生が私×ちの×体を作っ×く×たの×、全×無駄になっちゃっ×』

『外×怒×り声が聞×える。怖くて××から出ら×ない。さっ×覗×穴から優×ゃんが頭×潰さ×たのが×えたの』

『×、何人生き残××るのか×からな×けど、怖××。×××無×でいる×かな』

『夜×来た。けど××先生と×があたりをウロ×ロしてる。私を探し×るのかな』

『先生、×すけて』


響「これって――」

P「……」

P「……生きているのがバレた、か。先生に助けを求める手記か?」

響「メモの様子からして、学校が大々的に動いてる感じがするぞ。秘密裏なことじゃなかったのか?」

P「ここまで学校が隠蔽工作もせず、殺しに動く事件。そして生きているのがバレたという記述……。これは――」

響「もしかして――9番目の悲劇の、ゾンビ事件の?」

P「だろうな。そして――いろいろと分かってきたな。過去の真相」

響「えっ? プロデューサー、もう何かわかってきたのか?」

P「あと少し、考える時間さえもらえれば……な。大筋は見えてきた。後はディテールだけだな」 ウムム...

響「自分もいろいろと分かってはきているけど……。うぅん」

P「だがこの1枚は大きい。結構これでひっくり返った事も出てきたしな」

響「ひっくり返ったこと?」

P「いずれ話すよ」


行動安価 → 2枚目の紙の指示通り動けばどうなるか考える

響「ところでさ、プロデューサー。……体育館で見つけたメモ、覚えてる?」

P「? あぁ。一応覚えてはいるが――あぁ、もしかしてそこにあったって言う覗き穴か?」

響「うん。それを考えたら、どこに行き着くのかなって」

P「……俺も考えてはいたんだよ。でもどう考えても途中でそこからは見えなくなる」

響「メモも見えなくなるって書いてあるぞ?」

P「そうなんだが……こう、もっと手前で、だ。見えなくなるはずではあるんだが――」

響「もし、見えてたとすれば、どこに行き着くの?」

P「……まず、仮にここがスタート地点だとする。この飼育小屋だ」

P「左に行ってまっすぐ。これで教員舎の前まで行き着くな」

P「そして右へ行って、即左に曲がる。……玄関に入ることになるか」

P「そしてひたすらまっすぐ。まっすぐ突き進めば、渡り廊下を越え、中庭を過ぎ、行き着く先は――」

響「……体育館?」

P「か、その周辺。なにしろ仮定からして不確定だし、合ってる保障はないけどな」


行動安価 → 最初の紙についても同じく考える

響「ちなみにこっちの方のメモは……?」

P「? そっちはもう解決したろ。校長室のメモだって。実際金庫あったし」

響「ね、念のため!」

P「んー……。大雑把でいいなら、ここからまっすぐ行って右。そしてまっすぐ。これで学校を離れるな」

P「そして左。そのまままっすぐ行って、また左。これを学校のフェンスをぐるりと回る風だと考えれば――」

P「学校外の、あそこにある生い茂ってる場所あたりになるか。ちょうど寮への道の西になるな」

響「ふぅん……あそこが――」

P「まぁ、学校外に埋めるタイムカプセルもなくはないとは思うが――あまり考えてはいないな」

響「ん。ありがと。いろいろ参考になったぞ」


行動安価 → もう一度寮へ

響「じゃあ……。次は寮へ行ってみるぞ」

P「寮、か。まぁ寮母の部屋しか調べなかったからなぁ」

響「あそこ結構安全だったし、探索ついでにいろいろ考えられるかもしれないし」

P「……それもそうだな。見落としが無いように、ちょっくら行ってみるか」 スタスタ

響「うん。何か見つけることができればいいんだけどな……」 トコトコ

- 寮 -

P「ついたな……。さっきは気付かなかったけど、結構敷地も広いのな」

響「建物もしっかりしてるのかな。3階はありそうだけど、上の階にはいけそうにもないな」

P「学校と違って生活の場だったからな。家具とか置きっぱなしなのもあるだろうし、荒れに荒れてる」

響「家具を置いていくなんて、昔の人は結構リッチだったんだなー」

P「別にそれくらいは今でも普通にあるよ。それにリッチなのは学校であって親は――ん?」

響「? どうかしたのか?」

P「金持ち……。そういえば80年代の中ごろって……」 ブツブツ

響「おーい。また考え事なのか? いい加減にその癖やめるんだぞ!」 ペチペチ

P「ん? あ、あぁ……。すまん。じゃあとりあえず何をしようか」


行動安価 → 部屋を見る

響「とりあえず中に入ってみるんだぞ。それから探索だ!」

P「探索……って、どこをだ?」

響「えっ? ……子供部屋全部、とか?」

P「それは流石に……。それに階段とか通路が使えるかはまだ分からないんだぞ」

響「うー……。そ、その時はそのときだぞ。考えるより行動だぞっ!」 グッ

P「まぁ、わかったよ。何も無いと決まったわけじゃないし、いろいろ見ていかないとな」

響「そゆことだぞ。せめて取りこぼしがないようにしないと」

P「だな。じゃ行くか!」 スッ

響「うん!」 スッ

P「……」

響「……」

P「……」

響「……」 モジモジ

P「……俺から行くから、さっきみたいに足元照らしててくれ」 ガタッ

響「わかったぞ」 カチッ

- 寮 内部 -

P「ここが最後の部屋か――っと。……この部屋もズタボロだなぁ」 ガチャッ

響「絵本、ぬいぐるみ、コップ……。あまり関係なさそうな小物くらいしか見つからないぞ」

P「まぁ、1階は位置的に1、2年生が使用してたっぽいしなぁ。流石に手がかりになるメモが見つかりそうにないな」

響「だな……。あ、絵日記だ――けど、うわぁ。雨で濡れたのがぐちょぐちょだぞ」

P「内容も見て取れなくも無い……と、思ったがやっぱ低学年の字か。まったくわからん」

響「絵日記事態も平凡なのしかないなー。特に変なことは書かれてないし」

P「じゃあこの部屋もなにも収穫なし、か。うーん、子供部屋は見て回ったけど、特に何も無かったなぁ」

響「トイレとか倉庫とか子供部屋じゃないっぽい他の部屋もあったけど、そこはいいの?」

P「さてなぁ。今の探索でだいぶ時間を食ったし、探す探さないは響にまかせるよ」

響「うーん……」

行動安価 → 倉庫へ

響「それじゃあ……倉庫に行ってみるぞ!」

P「倉庫ならすぐそこだな。ほら、ちょっと扉が歪んでる部屋」

響「あそこかー。扉が歪んでるのなら……開くのかな?」

P「さてな。まぁ木製のドアだし、いざとなればブチ破ればいいさ」

響「考えが野蛮だぞー」

P「体育館のドアを体当たりで破ったとかいうアホが何を言ってるんだ」 グリグリ

響「うぎゃーっ! ご、ごめんだぞー!」

P「っと、ここだここ。ちゃんと開くのかねぇ」  ガチャ    ギィィィッ

響「おっ! ちゃんと開いたみたいだぞ。中は――」 ピョコッ

P「空っぽの棚と机と椅子と――あとはシーツとか雑誌とかゴミばっかだな。まぁ、安定して特に何もなかった」

響「少しくらい引越しのときに処分しててほしかったぞー……」

P「まぁ、ここを探してもいいけど、探すなら別の部屋が見たいな」

響「他の部屋って何があったっけ。プロデューサーわかる?」

P「表札も無かったから詳しくは言えんが――。恐らく風呂場、炊事場、食堂、ホールみたいな場所はあるな」


行動安価 → 食堂へ

響「んじゃあとりあえず食堂に行くぞー」

P「ん? まぁ別にいいけど……。何かあると踏んだのか?」

響「いや、他に行く場所ないから消去法で……」

P「……まぁ、そうだよな。ちょっと食堂を覗いてみるか」

響「ところで、寮内には鍵はかかってないんだな」

P「一応簡易的な鍵はあるけど、誰かがイタズラで持ち出したら一気に使用不可能になるからな。つけてないんだろ」

響「そんなものなのかー……。で、食堂どこなんだ?」

P「多分ここ。隣に炊事場っぽい部屋が見えるから、その隣ってことで食堂かと思ったが――」

響「それならまぁ、食堂なんじゃないのかな。じゃ、入ってみるぞー」 ガラガラ

P「ガラス片とか踏まないように気をつけろよー」

- 食堂 -

P「……ぐっちゃぐちゃだな」

響「だぞ。かなり荒れてるみたいだけど……あれ?」

P「どうした?」

響「壁、何かいっぱい貼ってある……って、うわぁっ!」 ガタンッ

P「一つ目の……。あぁ、寮母さんの似顔絵か」

響「この絵のタッチ、2-4で見たような絵と同じだ……。やっぱ寮母さんを描いていたんだな。でもなんでこんなに……?」

P「……亡くなったからだろう。校長の手記を読むに、自殺というかバラバラって話だったみたいだし」

響「あぁ、それで……って、じゃあ寮母さんが亡くなってからは誰が寮の管理をしてたんだ?」

P「さあ。村の人かもしれない。が、寮母室の様子を見るに村の人っぽくないんだよなぁ」

響「じゃあ、誰が……?」

P「多分村の外の人を雇ったかしたか、だろうがなぁ。まぁ今はどうでもいいな。何かないか探索してみよう」

響「う、うん。わかったぞ」 ゴソゴソ

P「……」 ガサガサ

響「……」 ゴソゴソ

P「……何があるようでもないな。第一散らかりすぎた」 フゥ...

響「だぞ。89年までここが使われてたとして、それ以降の手がかりがあるとは……」

P「せめて壁新聞がどこで書かれていたのかとか、そういう情報があればいいんだがなぁ」

響「壁新聞……そういえば3月のバックナンバーだけなかったんだっけ」

P「俺の予想では、処分さえされてなければ、どこかに原版があると思うんだが……」

響「まぁ、見つからないよね」

P「うーん。しかしいよいよ手詰まりになってきたか。どうするか……」


行動安価 → ホールへ

響「お?」 カチャ

P「どうした。何か見つけたか?」

響「ううん。でもこの扉から、なんか広いところに出られるみたいだぞ」 キィ...

P「広い場所……。あぁ、多目的ホールっぽい場所に出たな。繋がってたのか」

響「ここはあんまり荒れてないぞ。ん? これは――幕が垂れてる?」

P「なになに? 『××小学校 お×かれ会』……。あぁ、ここでおわかれ会をしたってか」

響「でも、それだけだな。他にはあまり目ぼしいものは無いかも」

P「だな。うーん……他に何か探すべき場所はあったかな……」


行動安価 → 印刷室へ

響「……寮にはもう、なにもなさそうだぞ」

P「だな。あー、結局手がかりはなしか。どうするか」

響「そうだなー。じゃあもう一度、学校へ戻って印刷室へ行ってみるぞ」

P「印刷室なぁ。そういえば俺は印刷室は何も探してなかったな。響だけか、探索したの」

響「う、うん。一応探しあげたつもりだけど、もし他に何か見落としてたら大変だし、とりあえずそっちに……」

P「了解。俺も、ある程度考えがまとまったし、いいぞ。探すものもわかってる」

響「えっ? いつの間に考え事を?」

P「ここを探索中に、な。まぁ余裕があるときにでも話すよ。じゃあ行くか」 スタスタ

響「あ、待ってほしいぞー」 トテトテ

- 印刷室前 廊下-

P「……っと、割と早くついたな。荒れた道もなんのそのってか」 フゥ...

響「やっぱぐちゃぐちゃに荒れてるぞ……。ここで何か見つかればいいんだけど」

P「記事だらけってことは情報の宝庫だからな。3月のバックナンバーは見つからないだろうが、何かあるかも知れん」

響「えっ? 見つからないって分かってるのか?」

P「? そりゃあそうだろう。印刷室つったら学校側の管轄だ。見られたらマズい記事なんてあるわけないじゃないか」

響「そ、それもそうだけど……。じゃあ原版はどこに」

P「処分されてなきゃあ……そうだな。生徒側が持っていった可能性もあるかもしれんな」

P「何せ最後の記事だ。記念に持ち帰るくらいしたかもしれん」

P「或いは記事を書いた部室……みたいな場所があればそこに保管されているのかもしれん」

P「ま、肝心のその場所がわかんないんだけどな。じゃ、探すか」

響「あ、ちょっと待ってほしいぞ」

P「? どうしてだ」

響「ここに原版がある可能性が低いのなら……。うーん、どうしよう」


行動安価 → プールへ

響「じゃあ……とりあえずプールに」

P「またプールか。好きなのか? プール」

響「いや、そういう訳じゃないけど……」

P「……まぁ、響にも何か考えがあるってことだろうしな。行ってみるか」 スタスタ

響「そうだぞ。……あ、でもあの変な人影、大丈夫かな……」

P「んー……。まぁ心配ではあるけれど、多分大丈夫だろ。視界も広いし、月も明るいし」 スタスタ

響「何かあればいいんだけどなー……」 テクテク

- プール -

P「来たな、プール」

響「うん」

P「何も無いな、プール」

響「うん」

P「……」

響「……」


行動安価 → 音楽室へ

響「そうだ、音楽室へ行こう」

P「ん?」

響「音楽室だぞ。確かまだ中には入ってなかったし、もしかしたら何か資料があるかも」

P「……プールは?」

響「? プロデューサー、プールで何か調べたいことでもあるのか?」

P「……」 ガシッ

響「え? うわっ。ちょっ……」

P「誰の指示でここに来たと思ってるんでしょうかねー」 ムニムニムニムニムニムニ

響「ふひゃっ! ふぉ、ふぉっぺはふにふにふるのやめよー!」 バタバタ

P「やめない。音楽室に行くまで、ずーっとこのままだ」 ムニムニムニムニ

響「ふひゃー」 パタパタ

- 音楽室前 廊下-

P「ここが音楽室か。鍵は――おっ。また一発目でビンゴだ」 ガチャリ

響「うぅ……。ほっぺたがふにゃふにゃして痛いぞー……」 クスン

P「自業自得だ。さて、中には何があるかなーっと」 ガラララ

響「……なにもないね」

P「だな。見事に防音壁は健在……ん?」

響「? どうかしたのか?」

P「いや、あそこに毛布で包まれた何かが置いてあるの。見えるか?」

響「えっ? ……あ、本当だ。コードみたいなのがついてるけど……。なんだろうね」

P「見てみないと分からないな。どれどれ?」 グイッ     バサッ

響「……? なんだこれ。ちっちゃいけど、何かの機械? すごく新しいぞ」

P「あー、これって……。なるほどなぁ」

響「? 何がなるほどなんだ?」

P「これ発電機だよ。ジェネレータ。多分ここで車のガソリンを使って、放送用の電気を確保したんだ」

響「あ、発電機……。確かにここは放送室のちょうど上らへんだぞ。と言うことは……」

P「ん。まぁ響がここで体験した殆どは人為的なことだとほぼ確定していいってことだな」


行動安価 → 図工室探索

響「じゃあ次は図工室行くぞー」

P「なんか適当になってないか?」

響「そういう訳じゃないけれど……。まだ言ってない場所、調べなきゃなんともならないんだし」

P「まぁ、それは確かにそうかもしれないが……。図工室に何を探しに行くんだ?」

響「え? 原版を探しにいくに決まってるさー」

P「……言っとくけど、俺の言う原版ってのは、本当の板の原版じゃないぞ?」

響「えっ?」

P「印刷の元になった紙のことだぞ?」

響「そ、そうなのか。でも図工室に無いと決まったわけでもないし、行ってみるんだぞー」

P「何か見つかればいいけど、何かあるかなぁ」

-図工室-

響「相変わらず中は滅茶苦茶みたいだぞー……」 ガチャガチャ

P「そりゃあ綺麗になるわけないだろうしな。で、鍵は?」

響「んー。ちょっと待って……。あ、開いたぞ」 ガチャッ

P「おう。それじゃあ中を詳しく見てみるかな」 ガラララ...

響「やっぱぐちゃぐちゃだね。あまり探索はできなさそう」

P「見た感じ中に一つ扉もあるな。準備室とかへ続いてるのかな?」

響「人を模った石膏がなんか月光を受けて、なんだか不気味に見えるぞ……」 ゾゾゾ...

P「だなぁ。暗闇の中だったら、誰か人と勘違いをするかもしれんな」

響「それはないと思うぞー。肌の色だって全然違うし、そもそも胸像だから身体がないじゃないか」

P「ま、それもそうだな。錯乱状態ならいざしらずだしな。さて……」

響「どうしようかな……」


行動安価 → ジェネレーターでPの携帯を充電できないか試す

響「そうだ! 音楽室にあった発電機でプロデューサーの携帯の電池を――」

P「無理」

響「……」 ショボン


行動安価 → 資料室へ

P「……行くあてが思いつかないのか?」

響「うん……」

P「じゃあ、南校舎で見かけた資料室、あそこ行ってみるか」

響「資料室? ……そ、そういえばそんな部屋があったぞ」

P「まぁ、何の資料をまとめた部屋なのか知らないが……。行ってみて損はないだろう」

響「そだな。じゃあ次は資料室に行ってみるぞ!」

P「少し遠いからな。ちょっと用心して先へ進もうか」

響「うん」

-教員舎 2F 階段-

響「うぅ。相変わらず教員舎の移動は怖いぞ……」 ソロソロ

P「大丈夫。慎重に進めば……」 キョロキョロ

                     バタンッ!!   ギュッ... ギュッ... カリカリカリカリ.....

響「!」 ビクッ

P「!!」 サッ

響「ぷ、プロデューサー! 今の音……」 ヒソヒソ

P「……上の階からだ。あの音――もしかして更衣室の隠し部屋に潜んでたのか?」

響「あ、危なかったぞ。よく気付かれないで」

P「いよいよ本当に、耳が悪いらしいな」

                ギュッ... ギュッ... ギュッ...        カラカラカラカラ....

P「……近づいてくるな。おい、響。ちょっと急いで移動するぞ」 スタスタ

響「わ、わかったぞ」 タタタ...

- 南校舎 2F 資料室前 -

響「な、何とか逃げられたぞ。いくら気付いてないからと言っても、心臓に悪いさ」

P「あぁ。とりあえず資料室まで着いたんだ。まず鍵を開けなきゃな……」 ガチャガチャ

響「……ところで、自分思ったんだけどさ」

P「ん? なんだ」 ガチャガチャ

響「あの不審者さん、なんだかずっと3Fの隠し部屋と体育館のどこかを往復してないか?」

P「……確かに今までの動きや見かけた場所を考えると、そう思えなくも無いな。だが単純な往復ではないだろう」

響「どうして?」

P「もし本当にそこを行ったり来たりなだけなら、俺らは何度も教員舎の廊下や隠し部屋で鉢合わせになってるはず」

P「だから仮にあのルートを往復してるだけだとしたら、随分なスローペースだ」

響「……じゃあプロデューサーはどう考えるの?」

P「……往復は合ってるかもしれない。だが、そこだけじゃない」

P「多分、別のどこかにも足を運んでる。そのお陰で滅多にすれ違うことはない……と考えてる。ホラ、開いたぞ」 ガチャリ

響「うーん……」 スタスタ

- 資料室 -

P「どれどれ……。えーっと、風土史? これは社会科の教材か何かか?」

響「小学校に風土史なんて習う機会なんてあったっけ? 覚えてないぞー」

P「それもそうだな。じゃあこれらは単純な資料ってとこか。むぅ……」 ジ-ッ

響「こっちにもいろいろあるけど、つるはしだとかノミだとかカンテラだとかの道具ばっかりだ。鉱山資料館?」

P「ふむふむ」

響「これは……古い写真だな。白黒だぞ」

P「んー……」

響「……プロデューサー。さっきからそれ読んでるけど、どんなことが書かれてるんだ?」

P「まぁ、察しの通り、この土地の歴史みたいなものだよ。結構な裏事情まで書かれてる」

響「内容はどんな感じなんだ?」

P「ん? 全部話してたら面倒だから要約したことだけ話すとだな……」

P「えーっと。ここはかつて鉱山があって、錫、銅、マンガンなどが取れて、そこそこ賑わっていた」

P「が、60年中期を境に状況が悪化。主要鉱石の錫がほとんど取れなくなったらしい」

P「加えて鉱山から出た鉱毒も河川を汚染しはじめてな。随分と子供や女性が被害にあったみたいだ」

P「最初は皆の力で乗り越えようとしたようだが……鉱石資源が尽きはじめてたし、次第に苦しくなっていった」

P「しかし被害はそれだけで留まらず、女性の胎内の子供にまで及び始めた」

P「結果発生したのが、知恵遅れ……というか、な。まぁ今で言う知的な障害だ」

P「それも軽度、といえば聞こえはいいが、ある程度成長しないと分からないような障害だったらしい」

P「食えなくなった鉱夫たちは村を離れる者もいたが、やはりその際ネックになるのは障害持ちの子供の存在だ」

P「それで、まぁ……結構な数の子が間引かれたらしいな」

響「……」

P「そして70年代に入って鉱山を所有する会社がいよいよ見切りをつけ始める」

P「とは言ってもまぁ、時は70年代。お世辞にも企業の対応がいい時代ではなかった」

P「鉱毒被害などを訴え続けても何の保障も降りない会社に村民は激怒。ストを行ったが効果はなし」

P「会社のために身内まで削っていったのに、とさぞや無念だったんだろうな」

P「そしてそのまま鉱山は閉鎖。会社もどこかにドロン。これでこの村は廃村になりました……とはならなかった」

P「……以上だ」

響「え? それだけなのか? 肝心の事柄、どうやって立ち直ったのかを言ってないぞ!」

P「いや。俺もそこが気になって探したんだけど……。どこにも書かれてないんだよな」

響「なんでだろう? 結構、この村の黒い裏事情まで書かれてたのに……」

P「そりゃあ――普通に考えて、歴史として残せないマズい方法をとったんだろう」

P「つまる話、間引きどころじゃない、歴史書にして記すことも憚られる悪どい手法を使った。そんな感じだろ」

響「悪どい手法……」

P「ま、それの記述がどこにもないのなら、想像で当てるしかないわな」


行動安価 → もう少し部屋を調べる

響「うーん……。それでもやっぱまだ諦めきれないぞ。もう少しこの中を探してみたい」

P「そうか? ……まぁ、こんな資料を置いてる部屋だしな。他にも無造作に重要なのが置かれてるかもしれない」

響「ということで、いろいろ探すんだぞー」 ガサガサ

P「他に何かあるのかなぁ……。んー……」 ペラッ

響「……お? 何だろこれ。地図?」 カサッ

P「地図――だって? どれどれ……」 ヒョイッ

響「んー……。変な線ばっかりで、全然意味がわかんないぞー」

P「なんだこれ。随分と子供っぽい図だが――もしかして、生徒のものか?」

響「生徒の手書きの地図? なにそれ」

P「……『坑×への秘×の入り口は××の下』? 旧坑道入り口……。学校内にそんなのあるのか?」

響「あれ、後ろにも何か書かれてるぞ?」

P「なんだって? えーっと……『×順書×た紙な××た。確か×初は左で合っ×たはず……』。なんだこりゃ?」

響「資料ばっか増えていくなー」


行動安価 → 今までのメモと合わせて考える

P「……」 フウム...

響「うーん。このメモ……。プロデューサーはどう思う?」

P「最初は左……。道順……。ん? これってもしかして――」 ガサガサ

響「ど、どうしたんだ。プロデューサー」

P「……」 ガサッ  ペラッ

響「それは……体育館で見つけたメモ?」

P「『ひだりにいってまっすぐ。みぎにいってひだり。まっすぐ。またまっすぐ。みえなくなった』……これか?」

響「えっ?」

P「この地図作成者が無くしたって言ってる道順だよ。もしかしたら、コレかもしれない」

響「えっ? で、でも待ってよ。それじゃあ『ノゾキアナ』って単語はどうなるんだ?」

P「どうもこうもないだろう。『ノゾキアナ』云々書かれたメモは、あくまでこのメモと一緒に見つけただけじゃないか」

P「2つが関係あるとは限らない。それに、覗き穴は校長室のことが濃厚になった今、分けて考えるべきじゃないのか?」

響「それは――……」

P「まぁ、あくまでこの道順を記したメモがこいつで合ってれば、の話だがな」 ペラッ


行動安価 → 図工準備室へ行ってみる

P「しかしいよいよ手詰まりになってきたな。後は僅かな資料だけ探せばって感じだが」

響「……じゃあ、図工室のとこにあった部屋、入ってみる?」

P「ん? 準備室か? ……まぁ別にいいけど。怖いのはあの不審者との鉢合わせだろうな」

響「こ、怖いこと言わないでほしいぞ」

P「まぁ、八方塞だしな。行ってない場所に行くのも悪くはないかもしれん」

響「そうだな。……第一どこに行けばタイムカプセルが見つかるかわかんないぞ」

P「……それのことなんだけどさ。別にタイムカプセルって埋めるだけじゃないよな?」

響「えっ?」

P「いや、なんでもない。さて、とりあえず図工室を目指すか……」 スタスタ

響「う、うん……」 テクテク

- 図工準備室 -

P「……」 キョロキョロ

響「物音とか、しない?」 ドキドキ

P「しない、な。人の気配もないし大丈夫だ。今の内に調べてしまおう」 ガチャガチャ カチャリ

響「……」 ギィィィッ

P「……普通、だな。彫刻やら絵画やらが保管されてる」

響「だね。あとはデッサン用の花瓶とかかな? 特に気になる様なものはないね」

P「まぁ、ここは準備室だしまぁ当然と言えば当然の内装ではあるけども、な」


行動安価 → 保健室へ

- 保健室 -

P「……」 ガラガラ

響「……」 ガラガラ ピシャッ

P「なんとか、誰にも出くわすことなく来れたな……」

響「今、ちょうど外が明るみはじめてるから、結構、外の様子が見えるぞ」

P「どうせならここで奴の顔を拝んでおこうかね」

響「そ、そうだ。相手が普通の人間だと分かれば、もう全然怖くなんか――」

                               ガシャッ!!!

響「ひゃっ」 ビクッ サッ

P「! 噂をすればだ! 体育館から聞こえたが……。しかし一体何の音なんだ?」 サッ

響「ぷ、プロデューサー。誰かこっちに来るよ」 ヒソヒソ

P「奴、だな……。全開はシルエットしか分からなかったが、今度こそどんな面なのかを拝んでやるぜ……」 ヒソヒソ

              ジャランッ....        ュッ... ギュッ... ギュッ...

P(来たな……。老人だとは思うが、一体どんな――) チラッ


          ギュッ...   ギュッ...   ギュッ...          カラカラカラン....

P「!」

響「!!!」 ヒッ

P(な、なんだあれ。何かの被り物か?)

響(牛? 牛みたいな形だけど……。なんだか素材が……)

P(生き物の肉や皮を繋ぎ合わせて作ったのか? ……不気味すぎる。牛のマスクをした男、か?)

               ギュッ... ギュッ... ギュッ... ギュッ...  ュッ...  ッ...

P「遠ざかっていく……。恐らく3階の更衣室に行ったんだろうが……」

響「な、なんだったんだ、あれ。すごく生々しい顔して……ま、まさか本当にオバケ――」

P「そんなわけあるか。服装は普通のジャケットと長ズボンだったし、被り物をした人間に決まってる」

響「で、でもあんなの被る人って……」

P「だな。どこかイカレてる。あまり近づかないほうがいいかもしれない」

P「幸いにして今あいつは体育館を離れたし、これは或いはチャンスかもしれないな」

響「う……」ガタガタ


行動安価 → 更衣室を窓から調べる

P「今の内に体育館へ行こう。できれば更衣室を調べたいが――」 チラッ

響「う……うぅ……」 ブルブル

P「……少し間をおこうか。――そうだな。更衣室の窓、そこから調べてみよう。それなら響も――」

響「……ッ……わ、わかったぞ。こ、怖いけど頑張る。ここまできたんだもん」 ガタガタ

P「よし。じゃあ、行こうか。あいつが上に行ってる今がチャンスだ」

響「ぅ……」 フー フー ブルブル

P「……響。手を、繋ごうか。ちょっと歩きにくいかもしれないけど、今ならいいだろう」 スッ

響「えっ……?」

P「手を繋ごう、って言ってるのさ。怖かったら、俺の強く手を握ればいいから。ちゃんと握り返してあげるから、な?」 スッ

響「……うん……ッ……。あ、ありがとうだぞ、プロデューサー……」 ギュ-ッ

- 体育館 外 更衣室前 -

P「ここ……で、合ってるよな。位置的に」

響「だ、だと思うぞ。窓、意外に沢山合ってまよったけど、多分ここで合ってると思う……」 ギュゥ...

P「じゃあとりあえず中を――ってその前に、響。ここが更衣室の窓であってるか確認してくれるか?」

響「自分が? ……わ、わかったぞ。頑張るぞ……頑張る……」 ギュー

P(握る力が強く……。響にとって、そんなに怖いのか場所なのか。更衣室って)

響「フー……。よしっ……。やぁっ!」 グイッ

P「お、おう。中の様子はどうだ? 何か手がかりになりそうなのが落ちてたりしないか?」

響「フー……。フー……。と、特になにもないぞ。最初自分が入ってきた通りの部屋――あれ?」

P「どうした? 何か見つけたのか?」

響「ち、違う。違うぞ。ここ、自分が入った更衣室じゃないぞ。内装はそっくりだけど、違う!」

P「? ど、どういうことだ? だって更衣室の位置って確かここで」

響「でも違うぞ! さっき、プロデューサーの話を聞いて思い出してたから、はっきり断言できるぞ!」

響「自分の入った更衣室、こんな開き戸じゃなかった! 横にスライドさせるタイプの、そう。引き戸だったぞ!」

以下 廃村に捧ぐ

P「響が一度入った部屋の扉が違う? どれ……」 ゴソッ

響「ロッカーの配置はそっくりだけど……。やっぱり記憶してるのと違うぞ」

P「確かに、ここの部屋は開き戸っぽいな。ドアノブも見えてるし……」 キョロキョロ

響「うん。思いだしてきたぞ。やっぱりここは自分の入ったあの部屋じゃない」

P「むぅ……。じゃあここから見えてる部屋は何処の部屋なんだ?」

響「わかんない……。自分が一人ここを探索してた時は暗くかったし……。気付かなかった部屋なのかな」

P「見落としてた部屋か……。しかし確かに、さっき不審者っぽい奴がこの体育館に入ってきた時」

P「聞こえてきた扉の音は、引き戸の音だった気がする。この部屋の扉じゃあの音は出ないだろうし――」

響「やっぱり自分が入った部屋は別の部屋だったってことなのかな」

P「だろうな。しかしそうなれば――」 キョロキョロ

響「? 何か探すものでもあるのか? プロデューサー」

P「ん。俺の感が正しければ――んーっと、もしかしてこれかな?」 テクテク

ヴェ。瑣末な誤字訂正

P「ん。俺の感が正しければ――んーっと、もしかしてこれかな?」 テクテク

P「ん。俺の勘が正しければ――んーっと、もしかしてこれかな?」 テクテク

響「……? 排気口がどうかしたのか?」

P「いやこれ。排気口に見えるかもだけど、これはもしかしたら――」 ガチャガチャ ガコン

響「あれ? 換気用のファンが外れたぞ? もしかして壊しちゃったのか?」

P「違うよ。ほら、よく見ればガラスが嵌めてある。明らかに排気口としては機能しない構造だ」

響「えっ? つまり偽物の排気口ってこと? ということは、つまり――」

P「あぁ、隠し窓だ。恐らく隣に並んでる網目状の排気口もどきも同じような光源用の窓だろうな」

響「なんでそんな事を……」

P「さてなぁ。何か隠したかった何かでもあるのかもしれないが――どれ、中はどうなってんのかな?」 ガタ..

響「……」 ヒョコッ

P「んー。ここもロッカーが多いな……。って、お? 入口は引き戸か? ということは――響、どうだ?」

響「うん。きっとここだぞ。そうだ、思いだしてきた。あそこのロッカーから、あの紙や新聞記事を見つけたんだ」

響「そして人が隠れられそうな場所を探しちゃったから、あまり探索せずにそのまま外に出ていっちゃって――」

P「それっきりってとこか……。ふぅむ」


行動安価 → 隠し通路がないか探す

P「しかしこれはチャンスだ。ちょうど奴は教員舎の方、恐らく3階のあの部屋へ行ってる。調べるのなら――」

響「……」 ブルブル

P「あ――。そうか、響はあまり更衣室に近づきたくないんだったな。じゃあ今はここをスルーして――」

響「いや。自分、平気だぞ。だから、この――今見えてる部屋を調べようよ」

P「……いいのか? 怖いんだろう? 朝はもうすぐなんだし、別に無理にここを調べずとも……」

響「あの不審者さんはここをなぜか重点的に見回ってた……。調べてた」

響「ならきっとここに見つけてほしくない何かがある。……勘だけど、そう思うんだぞ。だから――」 ギュッ

響「こ、怖いけど……。プロデューサーが側にいてくれるのなら、我慢できるから。だから――」 ブルブル

P「……わかった。じゃあ、一度体育館の中に入ろう。そこで入口を探してみようか」

響「うん……」 ガタガタ

P(握った手が震えてる……。強がってはいるけど、やはり怖いんだな)

P「じゃあ行くか……ん?」

響「ど、どうかしたのか? プロデューサー」

P「いや、あそこのプール脇にあった慰霊碑か。打ち崩されてる」

響「本当だ……。あいつがやったのかな? 子供を弔った慰霊碑なのに、酷いことをするぞ」

P「さっきの音はこれを崩した音だったのかな。しかしわざわざ崩すなんて……賽の河原の鬼みたいだ」

響「賽の――?」

P「いや、なんでもないよ。さ、あいつが帰ってこないうちにあの部屋がある位置の壁を調べてみよう」 スタスタ

響「う、うん……」 テクテク

- 体育館 -

P「ここら辺だな……。うん、確かに隣には更衣室って書かれたプレートと扉があるな」

響「やっぱ夜明けが近いせいかな。うっすらだけど、懐中電灯なしでも全体が見えるぞ」

P「だな。重点的に壁を探せば、何か見つかるかもしれん。響、最初ここへ来た時のこと、覚えてることはないか?」

響「確かここへ最初に来た時……。懐中電灯の光が当たってた場所に取っ手みたいなのが見えて、それで……」

P「取っ手、取っ手ねぇ……。んー、どれどれ?」 ゴソゴソ

響「……」 キョロキョロ

P「……ん? おっ! ここ、壁の模様に紛れてるけど、よく見れば隙間がある! ここか!」 ガタガタ

響「み、見つけたのか?! 入口を」

P「多分……。後はここをどうやって開けるかだが――ん? 取っ手か? これは」 ガチャ    ガララララ...

響「あ、開いた……。やっぱりここが――」

P「あぁ。さっきの奴が見回っていた本当の場所。そして響が最初に入った部屋、だな」

響「……」 ゴクッ


行動安価 → 警戒しつつ入ってみる

P「ここが隠し部屋……。一体何が――」

響「うぅ……怖くない。怖くない……」 ブルブル

P「あ、響。無理にとは――」 チラッ

響「平気っ。平気だから……!」 ガタガタ

P「……」

響「……」 ブルブル

P「……」 ギュッ

響「!」

P「一緒に、入るか。多分、ここが最後の探索場所になるだろうしな」

響「……うん」 ギュゥッ

- 更衣室? -

P「……確かにロッカーが並べてあるな。しかしやや広いし、床材もコンクリートっぽくて更衣室っぽくないな」

響「確かこのロッカーで、生徒の手記を見つけて……。あ、ここに新聞の切れ端があったんだ」

P「新聞の切れ端……そういえばその新聞の記事って――」

響「最後の悲劇の……あの樋村って名前の先生が人体模型を作ったっていう」

P「最後の事件の記事が……? じゃあ最低でも88年の9月以降の記事。廃坑の半月前の記事がここに?」

P「使用していた生徒がここに置いた? じゃあ何故部屋は隠されていたんだ? それとも――」 ブツブツ

響「ぷ、プロデューサー?」 クイクイ

P「ん、あぁスマン。ちょっと考え事をしてた」


行動安価 → 部屋の気になる場所を探索

P「……とりあえず、調べるか。響が調べられなかった場所を重点的に」

響「うん……。今は少しだけ明るいし、部屋の中を見渡せるから何か発見があるかも」

P「じゃあとりあえずロッカーあたりを重点的に探して――」 ゴソゴソ

響「うぅ……。心なしか、この部屋。外と同じかそれ以上に寒気がするぞ……」 ガサガサ

P「……確かに。こんなコンクリ作りの部屋で着替えなんて、まったく適してはないだろうに」 ガシャッ ... バタン

響「でもロッカーも置いてあるし……。あ、もしかしてロッカーは後から置いただけで、元は別の部屋だったとか――」 キィ...

P「……それはありえるかもしれん。この部屋、更衣室というよりかは体育倉庫って言った方が合ってるしな」 パタン

響「倉庫かぁ……。確かにこの部屋、ロッカーが無ければ倉庫っぽいぞ……あれ?」 ガタッ

P「? どうした。そっちで何か見つけたのか?」

響「いや、えっと……。ここの床、よく見たら蓋みたいなのが……」

P「どれ。……本当だ。色がそっくりで分からなかったが、確かにこれは……床下に何かあるのか?」

響「な、なんだろう。水道とかかな?」

P「プールは近くにあるけど、それはないだろう。どれ、ちょっと開けて調べてみるか」

響「あ、開けられるのか?」

P「分からん……。ん? よく見たらここ、何かを何度も叩きつけた跡がついてるな……。それもまだ新しい」

響「それって――」

P「あぁ。もしかしたら奴かもしれん。どれ、俺もちょうどあの隠し部屋から拝借したこいつで……」 ガシャ

響「こ、壊しちゃうのか? でも、こんな堅そうな蓋はいくらなんでも……」

P「いや、叩き壊すんじゃない。テコの原理で蓋を浮かせられないかやってみるんだ」 ガッ

響「蓋を浮かせ……? あぁ、持ち上げてみるのか」

P「あぁ。これで蓋が少しでも持ち上がれば、後は無理やり……よっと!」 グググッ

                 ズ...ズズズズ....        ガコッ

響「! 蓋が持ち上がった!」

P「おう。後はこれを足で横にずらしていけ、ば……っと!」 ズズズズ...

響「蓋が……とれたぞ」

P「ふぅ、疲れた。が、見事に開いたな。しかし今のでこいつ、壊れちまった……。もうこれは武器として使えないな」 ポイッ


行動安価 → 近くに誰もいないことを確認して入る

P「しかし中は完全に真っ暗だな。久々に懐中電灯を使うしかないな」 カチッ

響「土……? なんだか土の壁が見えるぞ」

P「ちょっと、覗いてみるか。ここにさっきの奴の探してた何かがあるのかもしれないし。……響も、それでいいか?」 チラッ

響「……うん。もうここまで来たのなら、最後までやり通すぞ」

P「そうか。じゃあ先に入って安全を……って、ん? どうした響」

響「自分も、自分もいっしょに行くぞ」 ギュッ

P「しかし、中に何があるかも分からないし――」

響「自分、プロデューサーと一緒だからここまで来れたんだ。少しの間でも離れ離れなんて、もう嫌だぞ」

響「それに……。それに――もう、この手は離したくないぞ……」 ギュウウッ

P「……そっか。そうだな。じゃあ、一緒に降りてみるか」

響「……うん」 コクッ

P「足元気をつけな。さ、ゆっくり……」



                                                   カラカラ...   ...ュッ... ギュッ...ギュッ...

- ??? -

P「……乾いてるし、埃っぽい。空気が古いな。何年も使われてなかったのか?」

響「梁が重なり合ってて、土壁が剥き出しになってるぞ。隠し通路というより、これは……」

P「あぁ。鉱山の廃坑っぽいな。よく見ると空気を送り込むダクトっぽいのやら電線が天井にある」

響「じゃあここがもしかして、資料室で見つけた――」

P「秘密の入口……か。少なくとも一部の生徒はここの場所を知ってたのか。秘密基地にでもしようとしてたのかね?」

響「わかんないぞ。でもまだ先に続いてるみたいだから、もしかしたらこの先にあるのかも」

P「ん……。まぁ空気はあるみたいだし、少しだけの探索ならできそうだが、一旦上に戻って――」

                      ガララララララ....   ギュッ

響「!!!!」

P「!!!」

           ギュッ ギュッギュッギュッ  ガリガリガリガリ

響「ヒッ! あ、足音が!」

P「クソッ! もう戻ってきやがった! 響、仕方ない。急いで奥へ逃げるぞ!」 ダダダ...

響「う、うん!」 タタタ...


      ガシャン!!        ズシャッ...        ガリガリガリガリ

P「くっ……。追ってきてるのか。相手は光源を持っていないみたいだが――。俺らのライトで位置が分かるってか」

響「でもこっちはライト使わなきゃ道が分からないぞ! どうにかしないと!」

                    ガリガリガリガリガリガリ....

P「くそ……。壁に刃をでも当ててんのか? やっぱこっちを追ってきてる。何とかしないと……」

響「あっ! わ、分かれ道! 右と左に分かれてるけど……」

P「一か八かだな。一旦ライトを消して、どっちかの道へと移動するぞ!」

響「えっ? で、でもそれじゃあ道が分からないし、再点灯したら気付かれるんじゃあ……」

P「奴は目が悪い……というか、あの変なマスクで視界が悪くなってるはず」

P「なら、例え少しの光源が漏れたとしても、もしかしたら気付かれないかもしれない!」

響「で、でももしあの牛のマスクを脱いで、視界を確保したら――」

P「もしかしたら素で目が悪いかもしれない! 分が悪いが、今はこれに賭けるしかない! 行くぞ! 手を握ってろ!」 カチッ


選択行動安価
左に進む
右に進む

結果 → 左に進む

P「こっちだ!」 グイッ

響「……!!」 タタタッ

          ガリガリ...           ブオンッ  ガシャン!! ガタン バキッ!!   ...ガリガリガリ

響「……! 暴れてる?」

P「明かりが消えて、混乱したのか。はたまた俺たちが反撃しに来たと勘違いしたのか……好都合だ。今のうちに進もう」

響「う、うん……。でもこっちも真っ暗で分からなくなったぞ。今のままじゃ……」 タタタ

P「仕方ない、一瞬だけ光をつけてみるか」 カチカチッ

響「……また左右に分かれてた?」

P「いや。まっすぐ直進する通路も見えていた。3択だ」

           ガガ..         ガリガリガリ

P「くっ! 今のでバレたみたいだ。急ぐぞ!」


選択行動安価
直進する
右に進む
左に進む

結果 → まっすぐ

P「直進だ! こい!」 タタタッ

響「う、うん!」 ハァ..ハァ...

               ガリガリガリ...  ガリガリ... ガリ...  リ...

響「! 音が、離れていく」 ハァ.. ハァ..

P「道を違えたか? それとも俺たちの速さについてこれていないのか?」 フゥフゥ

響「と、とりあえず逃げおおせたってことでいいのか?」

P「わからん。だがこの暗闇状態じゃ、必ずライトをつけなきゃいけない場面が出てくる」

P「その度ごとに奴に気付かれる可能性が出てくるんだ。油断しないようにしないと」

響「……今のうちに入口まで逃げる、のは?」

P「どうだかな……。もし待ち伏せされていたら敵わない。できれば鉱山の別の出口が見つかればいいんだが――」

響「ふぅ……ふぅ……。と、とりあえず行動方針を進めるぞ」

P「その前に一瞬だけ光をつけて……」 カチカチッ

響「……今度は直進と右だったぞ」

P「だな……。さて、いつ追いつかれるかもわからんし、どうしようか……」


行動安価 → 右に進む

P「……次は右だ。響、ちゃんとついて来れているか?」

響「う、うん。手、つないでるから大丈夫だぞ」

P「もし、俺の勘が正しければ……」 フゥフゥ

響「でも、よくプロデューサー進む道を即断できるなー。行き止まりもないみたいだし、運がいいのかな」

P「……かもしれん。でももし俺の考えが間違ってなければ、次は――」 カチカチッ

響「今度も右、まっすぐ、左の3択かぁ……。まるで迷路だぞ」

P「迷路……迷宮な。ちょっとこの状況だとその表現、ちょっと洒落にならないな」


行動安価 → 左へ進む

P「左だ。左に曲がるぞ」 タタタ...

響「随分と判断早いぞ。プロデューサー、何かこの通路について知ってるのか?」

P「まぁ、心当たりのあるものならあったな。今はそれを信じて進むだけだ」 タタタタ...

響「……音、聞こえなくなったな。もう撒けてるんじゃないか?」

P「言ったろ、油断するなって。気配がないからって、動きを緩めない方がいい」

響「そ、そうだな。今は少しでもあいつから逃れておかなきゃ」

P「あぁ。さて、次は――」 カチカチ

                           ガリッ

響「!!!!」

P「!!」

響「い、今、右の通路に牛の奴がこっち向いて立ってたのがみ、見え……!」 ガタガタ

P「くそっ! やっぱ先回りしてたのか! ふっざけんな!」

響「一瞬ライトを付けた時に見えたのは、左の通路と直進の通路。そして奴が立っていた右通路だけど……」 ブルブウ

P「こうなったら……!」


行動安価 → まっすぐに駆け抜ける


               ガリガリガリ!!


P「くっ……。急げ! 全力で走り抜けるんだ!」 グイッ     ダダダ...

響「うわっ!」 タタタ

                     ブオンッ         ガスッ

P「――んぐっ!」 ヨロッ

響「ぷ、プロデューサー! いま苦しそうな声が――」

P「……だ、大丈夫だ、足を緩めるな! ほら、こっちへ早く!」

響「う、うん!」  タタタタタタ....

P「くそ……。肩をかすった……」

響「ま、待ってプロデューサー! こっち、こっちに曲がり角があるよ! 暗くて見えないけど、右側に曲がれるみたい!」

P「右に曲がれる? まだまっすぐ通路が続いてるようだが……。くそ、曲がるべきなのか?」


行動安価 → まっすぐに

P「ダメだ! 今はひたすらまっすぐに進め!」 ダダダダ...

響「えっ? わ、わかったぞ」 タッタッタ...

              ガリガリガリ....ガリ   リ...

響「また音が遠ざかっていく……。撒けたのか?」

P「撒いたと思ったら先回りしてたんだ。もう油断なんてできないだろう?」 タッタッタ

響「そ、そうだ! さっきプロデューサー、苦しそうな声出してたけど……だ、大丈夫なのか? もしかして怪我を――」

P「大丈夫、大丈夫だよ。少し肩を掠っただけだ。何ともない……」

響「本当だな? もし無理してたら許さないぞ!」 ギュウッ

P「あぁ、分かってるよ……。ふぅ、しかし随分と走ったが――ちと今いる地点が分からんな」

響「あまり明かりを付けたくはないけど、このまま真っ暗闇にいたらジリ貧だぞ……」

P「仕方ない……。また一瞬ライトを付けたら奴が見えた、なんてことがないことを祈って付けるしかない」

響「あの時は本当に心臓が止まったぞ……」 フゥ フゥ

P「とりあえず今いる場所は……」 カチカチ

響「今度は大丈夫みたいだぞ。えーっと、なんだか開けたような場所に出てるみたいだぞ。階段とかが一瞬見えた」

P「……危険を承知で、周りが把握できるくらい明かりを付けるしかないか」 カチッ

P「……」 キョロキョロ

響「上に続く階段と、下へと続く階段……。あとは側に小さな小部屋があるぞ。随分と入口が小さいけど……」

P「それと右に小さな通路と、左に大きめの通路があった。両方とも見えにくいけどな。もういいな、ライトを消すぞ」 カチッ

響「……お、音は?」

P「……聞こえないな。バレなかったのか、はたまた移動したのか……」

響「と、とりあえず動かないと」

P「だな。突っ立ってたら、仮に撒けたとしても意味がない。とりあえず進むべきは……」


行動安価 → 小部屋

響「小部屋。そうだ、小部屋を調べてみて――」

P「いや。恐らくそこには何もない。入口が小さすぎる」

響「へ? どういう意味だ? 入口が小さいからって、体を横にすればプロデューサーだって入れるくらいの――」

P「いや違う。それじゃあ中に入れることが出来ないから――」

        リ..  ガリ...   ガリ...

P「!! あの音……! 奴か! 後ろから聞こえるし、普通に俺たちを追ってきたのか」

響「! き、来た! プロデューサー、意味分かんないこと言ってないで早く動かなきゃ!」

P「分かってる。だが今行くべき方向は――」


行動安価 → 階段上へ

響「と、とりあえず上に逃げるぞ! 普通なら見つかるかもしれないけど、真っ暗なら気付かれないかも!」

P「そう……。明かりを持ってここに来たら、上に登ったり下ったりしても見失いなんてしない……」 ブツブツ

響「だから今は真っ暗なんだから気付かれないかもしれないじゃないか! とりあえず今は逃げることを考えなきゃ」

P「あ、あぁ。とりあえずタイムアップだ。何とかして奴をやりすごすしかない」 カン カン カン

響「うぅ……。少しだけだけども音が鳴るぞ……。気付かれなきゃいいけど」 ブルブル

P「しっ! 奴が来た……」

                ガラガラガラガラガラ....             ガラ....     ガラガラガラ...

響「じ、自分たちを探してるのか?」 ヒソヒソ

P「多分な……。ここは分かれ道が多いからもしかしたらやり過ごせるかも」 ヒソヒソ

              ガラガラ...            カツン カツン

響「!!!」

P(階段を踏む音! これはマズいか……?)


           カツン... カツン...        ブツブツブツ...     カラカラ

響「……」 ガタガタガタ...

P(呟き声が聞こえるまで近くに……。くそ、一か八か体当たりをかまして――)

                カツン...           ガシャッ!!!

響「ッ!!」 ビクッ

P「!!」 グラッ

                  ガシャリ...  ガシャン...            ガリガリガリガリ....

P(遠ざかっていく……。助かったのか? しかし今の音は――)

                       ガリ...ガリ...ガリ.. ガリ... リ....

P(完全に音が遠ざかった。と、とりあえず撒けたのか?) フゥー

響「……」

P「おい、響。とりあえず撒くことには成功したみたいだぞ。……おい、響。聞いてるか?」 ヒソヒソ

響「……」 ピクッ ピクッ

P「……気絶してる」

響「……はっ」 ビクンッ

P「おっ。目が覚めたか。大丈夫か?」

響「あれ? その声はプロデューサー? 真っ暗で何も見えないぞ? あれ?」 キョロキョロ

P「ほらほら、落ち着け。今の今までお前、気絶してたんだよ。とりあえず今の状況は分かるか?」

響「き、気絶? えっと……そ、そうだ! あの不審者がか、かかか、階段を上って……」 ブルブル

P「おっ。思い出したか。そうだ。あいつが階段を上ってきたんだ。しかし、どうやらあいつ階段から落ちて……」

P「と、言うよりあいつが踏んだ段差が古くなって壊れたみたいでな。それで足を踏み外して――」

P「そのままどっか行ってしまったよ。古くなってたことと、俺たちが乗っても壊れなかったのが幸いしたな」

P「……しかしどこの通路に進んだかは不明だから、そこは注意しなきゃいけないけどな」

響「そ、そんなことが……。うぅ、もう死んじゃうかと思ったぞ」 ブルブル

P「そうだな。あの時は俺も肝を冷やしたよ。本当に幸いだった――大丈夫か? 響。震えが止まらないか?」

響「う、うぅ……。だ、大丈夫。もうすぐで震えは止まるから。止めるから……」 ガタガタ

P「仕方ないさ。あんな近くまで脅威が来たんだから――」

響「ね、ねぇプロデューサー……」 ブルブル

P「ん?」

響「手、ぎゅっとして……ほしいぞ」

P「……ん」 ギュッ

響「……」 ギュウウッ


行動安価 → あたりを探索

響「……」 フゥー

P「落ち着いたか?」

響「うん。……プロデューサー。手、ありがと」 ギュッ

P「どういたしまして。……さて、このままここに座ってるわけにもいかない。どうにか動かなきゃな」

響「と、とりあえず周りの捜索でもしなきゃ……。何があるか探索したいし」

P「……ライトを付けて探索か? 正直今の状況だと避けた方がいいと思うが……」

響「あ……そうか。ちょっと気絶したせいか頭が回らないぞ……。えーっと、この周りには――」

P「今いる階段と下り階段。側には小部屋、そして左右の壁の見えにくい所に通路。そして戻り道だ」

響「さっきと同じかぁ……。とりあえず撒けたと思って、どこに動くか決めなきゃだな」

P「だな」


行動安価 → 下り階段へ

響「うーん……。じゃあ次は下る方の階段にでも――」

P「それなんだが……ちょっといいか?」

響「? どうかしたのか?」

P「ここに来るまでずっと俺、瞬時に判断して移動してただろ?」

響「そう……だぞ。行き止まりにも当たらなかったし、プロデューサー、何かメモでも見つけてたのか?」

P「いや。それなんだが――あれは、体育館の舞台袖で拾った道順を記したメモ通りに動いてただけなんだ」

響「メモ……? あ、あのまっすぐとか左とか書いてたやつ……」

P「そう。俺はてっきり何かを隠した場所。校長室みたいなところのメモかな――とは思ってたんだが……」

P「あの資料室で見つけた生徒の走り書き。『メモをなくした』『最初は左』とか書いてたのを思い出してさ」

P「近くにあった坑道云々書かれたメモも相まって、あのメモは『道順』だったんじゃないかと思ったんだ」

響「道順……? 一体何の」

P「さぁ? 出口なのかもしれないし、お宝なのかもしれない。そこは正直判断がつかなかった」

P「だがあの時は行き止まりを避けようとしたい一心で、あの道順を伝ってここまで来たんだが――」

P「あるいは読みは正解だったのかもしれないな。まだ偶然なだけかもしれないし、確証はないんだが……」

響「なるほどー。メモの通りに動いてたのかー……。でもそれが今の状況と何か関係があるのか?」

P「まぁ聞けって。もしあのメモがここの何かへと至る道しるべだったとして、問題は最後の部分だ」

響「最後の部分? あぁ。確か『見えなくなった』だっけ」

P「そう。見えなくなった。消えた、見失ったという意味でも取れるな。俺は見失った、と読んでいるが……」

P「まぁいい。で、そのメモの『見えなくなった』位置。仮にメモがこの坑道を指しているとすれば、その最後の場所はここなんだよ」

P「もしこの場所が『見えなくなった』。見失った位置であるならば、ここで何を見失ったか?」

P「当然人や生き物だろうな。坑道内を動いてるんだから」

P「じゃあ人をここで見失うということはどういうことだろう? 階を上った?階を下った? 小屋に入った?」

P「それはないだろうな。あの暗闇の坑道で人を追跡できてたのなら、ちゃんと光源があったハズだから」

P「階段を使う、小屋に入るってのは音でも分かるだろうし、特に前者は階段を使う姿はここのどこからでも丸見えだ」

響「なるほど……。確かにそうかもしれないぞ。あぁ、それで階段を下るのは――」

P「ん。できれば後回しにして、他を優先して見て回りたい」

同じ過ちをくりかえすー

>>524に追加
行動安価 → 左通路へ

P「できれば、あそこの左の壁に隠れてる……ちょっと大きめの通路を行ってみたい」

響「ん。分かったぞ。……でもなんで左なんだ? 右の方の通路も見えづらいし、狭い通路だから見失いやすいと思うけど」

P「響、さっき俺が小屋を調べるときに何と言って止めたか覚えてるか?」

響「えーっと……入口が狭すぎる……だっけ。あれ? なんで狭いとだめなんだ?」

P「別にダメってわけじゃない。だが俺の考えが合ってれば、あそこは狭すぎて持ち込めないんだ」

響「持ち込めない? なにをだ?」

P「いいか? あのメモ、ここで人を追跡して書かれたものなら、そのゴールには何があると思う?」

響「それは――秘密の部屋とか。あるいは――お宝とか、かなぁ?」 ウ-ン

P「そうだな。まぁ前者はともかくとして、仮にお宝――荷物だな。それを抱えてここへ隠しに来たしよう」

P「その場合、荷物を抱えて体を横にしないと通れないような通路、通れると思うか?」

響「で、でもとても小さな荷物だったかもしれないじゃないか」

P「その場合はこんな場所じゃなくて、学校の――もっと別の場所に隠せばいい。ここに隠す意味がない」

響「それはそうだけど……。そもそも荷物じゃなくて、秘密の部屋の場所かもしれないじゃないか」

P「まぁそれは確かにある。でもその秘密の部屋に何がある?」

響「それは隠しておきたいものとか……。あ……」

P「そう。部屋にしろお宝にしろ、荷物を運ぶことには変わりないんだ」

響「で、でももしかしたら学校が子供を、その……殺すための場所だったり……」

P「子供ならなおさら運ぶ通路は広い方がいい。見つけた手記によれば眠らせていたっぽいしさ」

響「それで広い方の通路を……」

P「あくまで俺の想像だ。もしその先も通路が枝分かれしてたらお手上げだし、何もなければどうしようもない」

P「しかし……できるだけ早めに調べておきたくてな。まぁ、これが俺が左の通路を選んだ理由だ」

響「……わかったぞ。じゃあとりあえず、左の方の広めの通路を――えっと、どこだっけ?」

P「こっちだ。見つけにくいようにカモフラージュされてる。ま、真っ暗闇で何も見えないからカモフラの意味もないけどな」

響「うー……歩きにくいぞー……」 ズリズリ

P「……」 スタスタ

響「……」 テクテク

P「……む。行き止まりみたいだ」 コツ

響「行き止まり……。やっぱここじゃなかったのかな?」

P「むぅ……。だとしたらやっぱメモが指し示す場所はここじゃなかったのか? うーん……」 ブツブツ

響「まぁ、仕方ないぞ。幸いあの不審者にも出くわさなかったし、それだけでも――イテッ」 コツ

P「? どうかしたのか、響」

響「あ、いや。足に何か当たってさ。多分石か何かだと思うけど――なんだろこれ」 ガタガタ

P「……ちょっとだけ、明かりを付けてもいいか?」

響「えっ!? で、でもそれだとアイツに位置がばれて……」

P「ここは一本道だし、入り組んでいるから、あの開けた場所まで光は漏れないハズだ」

響「うー……。わ、わかったぞ。でもあんまり長くはダメだぞ」

P「分かってるよ。えーっと……」 カチッ

P「……」

響「こ、これって――」

P「あぁ。ビンゴだ……。やっぱここにあったのか」


『87×度、6年×組 タイム×プセ×』


響「タイム、カプセル……。こんな廃坑の奥に……」


行動安価 → タイムカプセルを調べる

P「……」 ガコッ    バキッ

響「な、何やってるんだ?」

P「タイムカプセルを開けてるんだ。こんなわざわざ湿気のない場所を選んで隠すだなんてするなら――」 ガコッ バンッ

P「開いたっ……」 ガサガサ

響「あ、あーあー……。いいのか? こんな勝手にタイムカプセルを開けちゃって……」

P「響も手伝ってくれ。さっきはああは言ったが、やはり明かりは長くつけておきたくない」

響「え? えっと、わかったぞ。何を探せばいいんだ?」

P「紙の資料。写真、大きめの用紙。そういうものを……」 ガサガサ

響「紙……。『将来の私へ』? 多分これじゃないな……。うーん、日記帳……も違うだろうし……」 ゴソゴソ

P「違う……。これでもない……。……このクラスじゃないのか? いや、でもこんな場所を選ぶんだし――」

響「……お? なんか大きめの紙が出てきたぞ。なんだこれ」

P「大きめの紙! どれだ、見せてくれ!」 ガサッ

響「これだぞ。えーっと……なになに?」 ガサガサ

『学園オカルト 87年3月号』

P「これだ……。やっと見つけた……!」

響「学園オカルトの3月号! と、いうことはこのタイムカプセルは――」

P「あぁ。学園オカルトを書いていた人物がいたクラスのタイムカプセルだろうな」

響「なんでわざわざタイムカプセルにこんなもの入れて……」

P「3月号の記事内容は書いた本人もヤバいってことは承知の上だったんだろうな。それで証拠をここに入れて――」

響「でもそんなやばい記事って一体どんな――」 ガサッ

P「とりあえず今は読む暇はないから、調べるにしてもここを出てからじゃないと」 ガサッ

響「と、とりあえず資料っぽいものは全部詰めておいて、と」 ゴソゴソ

P「よし、電気を消すぞ。これでここには用はない。急いで電気を消してきた道を――」

                        ガリ...       ガリ....

P「!!」

響「あの音……! かなり近い!」

P「……近づいてくるな。恐らく気付かれてる」 カチッ

響「ど、どうすれば……。ここは一本道だし逃げ道が」 ガクガク


行動安価 → タイムカプセルの中から使えるものを探す

響「そ、そうだ。タイムカプセルの中で何か使えそうなものを――」

P「だめだ。とてももう時間がない……。すぐそばまで来てる」

                 ガリガリガリガリガリ...

響「ひっ! う、うぅうぅ……プロデューサー……!」 ギュウゥッ

P(くそっ……何かいい案いい案は……)

響「うぅ……どうして……。目も耳も悪いハズなのに、こうも自分たちの居場所を――」 ガタガタ

P(……そうだ。今までのパターンから、耳も目も悪いことは確実なはず)

P(それがこうも真っ暗な坑道で居場所を見つけ出すだなんて――)

P(真っ暗……? そうだ。奴は学校も廃坑の中も光源なしで移動してきたんじゃないか)

P(目は悪い。悪いとは思っていたが……。それでも暗闇の中なら少しは見ることができる? )

P(いや、どっちでもいい。少なくともここで重視すべきは、奴の目は暗闇に慣れ切ってる可能性が高いってことか)

                    ガリガリガリガリ!!!

P(もう目の前にまで……。くそ、一か八か、これが最後のチャンスか!)


行動安価 → 照明を落とし、近距離で突然ライトをつけて怯ませる

P「……響。合図したら目を瞑って、背を低くして向こうへ走り抜けるんだ。できるか?」 ヒソヒソ

響「えっ!? そんな、プロデューサー……。まさか一人でっ……!」 ギュゥゥゥッ

P「そんな訳ないだろ。俺に策がある。一か八かではあるが……」

響「策?」

                ガリガリ          ガシャッ   ガキン

P「説明してる暇はない。いいな? 合図をしたらだぞ? 3……2……1……」

                       ブオンッ!!!

P「今だ! 走れ!」 カチッ!!      ピカッ

響「う、うん!」 タッタッタッタッ...

???「……ッ!!!」 ブォンッ ブォンッ

P「うおっ。 危ねっ! ……響! 無事か!」 ダダダダダ!!

響「こ、怖いぞー! あ、頭の上をなんか掠ったぞー!」 グスッ

P「泣くな! 泣く暇なんてないぞ! 急いで走れ!」 タッタッタ...

???「ォ……ォォォォオオオオオオオッ!!!!!」

P「急げ……! もうこの際ライトは付けっぱでいい。とにかく距離を稼ぐんだ!」 タッタッタ...

響「う、うん。でもあの牛頭。さっき回り道してたし――」

P「あぁ、俺たちの目指す方向が分かってるぶん、先回りもされるかもしれない。だからこそ走るんだ!」

響「ぐぅ……。なんだかさっきから走ってばかりで――」

                        オオオオオォォォォォオォオォォォオォッ!!!!

響「ッ! い、今の声は――」 ギュッ

P「奴の叫び声だ……。もう理性もクソもないな。あれは本物のバケモノだよ……」 ハァ...ハァ...

響「今は急いで……ッ!?」 ガクッ バタンッ

P「響! 転んだのか!? 大丈夫か?」 ダッ

響「う、うぅぅ……。こ、こんなところにロープが張って――」

P「ロープ……? ほ、本当だ! クソ! あの野郎いなくなった隙にこんな罠を張ってやがったのか!」

響「あぅ……。あ、足が……。うまく立てない。は、走れないよぅ……。ど、どうしよう」 ガクガク   グスッ

P「大丈夫だ。泣くんじゃない。ほら、こうやって抱えれば……。ほら大丈夫。さ、行くぞ!」 ヒョイッ

響「あ……。で、でもこんな……。プロデューサーの負担も大きくなるし、何より両手が使えなく――」

P「大丈夫、お前の体重なんて綿みたいなもんだしな。さ、しっかり掴まってろ!」 ダッ

犯人は昼盲?

P「た、確かここを右に曲がって……。即曲がったんだから、えっと……」 ハァ... ハァ...

響「プロデューサー……。ごめん、ごめんだぞ……」 グスッ

P「なに言ってるんだ。お前は……ハァ……なにひとつ悪くないじゃないか。そんな気に病むな……」 フゥ...フゥ...

響「う、うぅぅ……っ!」 ポロポロ  ギュッ

P「ここを過ぎれば……。ここをまっすぐ行けば出口に……!?」

響「グスッ……。? プロデューサー、どうしたのか……。って、えっ!?」

P「道が……土で塞がれてる……。そんな――」

響「うそ……。うそっ……!」

P「……まさか、さっき暴れていたのはこれが目当てで――」 ガクッ

                         ....オオオオオオオォォォォォォォォオオォオォォ...

響「声が、聞こえる……。まだ遠くだけど、そんな……。ここまで来て……」 ポロポロ

P「本当に、とことん……。やってくれるじゃないか……」

>>536
( ˘・ω・˘ )


P「……」

響「うぅっ……。うぅぅ……」 グスッ ヒック

P「ここまで来て……。もう外は明るみ始めてるだろうに、まさかこんな場所で終わりだなんて」

響「プロ、プロデューサー……ごめんね、ごめんね……」 グスッ ポロポロ

P「何言ってるんだよ……。お前は何も悪くないって――」

響「い、いっぱい助けてくれたのに……無駄にし、グスッ……しちゃって、ご、めんね」 エグッ

響「こ、こんな、こと……ッうぅ……こんなことに巻き込んじゃって……ごめんね……っ」 ヒック

響「ずっと側にいて、くれたのに。す、素直になれ、なれなくて。ご、ごめ……ッ……ッグ……んね゙」 ズッ

響「そ、して。約束守ってくれ、て。あり、ありがど……ヒック……ありがどうね。手、プロデューサーの手、暖かくて」 グスッ

響「手、ギュっ……っとしてくれて、と、とても嬉し、ッ……う、うれしかったぞ……」 ポロポロ


響「大好き……グスッ……ずっと、ずっと大好きだったぞ……」 エグッ ヒッグ


P「響……! お前、そんな」

響「う、うぅうう……うえぇぇぇぇぇんっ!」 ダキッ ポロポロ

P(クソ……。こんな、もう本当にダメなのか)

P(いや。まだチャンスはあるはず。考えろ……考えろ!)

P(響は足を怪我して動けない。だから抱えて動く必要はある)

P(でも肝心の出口付近はこの通り。これじゃあ通れないから出口で出られない――)

P(? 出られない? いや。それだと奴も同じだ。奴も出られなくなる)

P(奴はどこかに通路を知っているのか? いや、それとも他の出入口を知っているのか?)

P(いや、後者はないな。それなら無理やり床を壊して入らずに、その出入り口から入ればよかった)

P(じゃあやはり他の道を知っている……? ……覚えがあるぞ。あれは確か――)

P(……いや、それ以前にあの牛男をやり過ごさなきゃいけない)

P(まずはそこを考えなきゃいけない。恐らくまだ奴は奥の方にいるだろうが、少しずつ近づいてる)

P(響は自力で走れない……。なら一時的にでも無力化するか、別の場所に誘導しなきゃいけない)

P(手元にはライトくらいしか物はなし。同じ手は二度も通用しないだろうし……)

P(響が泣いている……。こいつさえ守れれば、あとはどうなってもいい)

P(でも問題は自力で動けないことだ。ここで一時的に奴を無力化できても俺が死んだら意味がない)

P(面向かって戦うべきじゃないのか? だとすれば誘導?)

P(今いる場所は最初の分かれ道の左側通路。少し戻れば十字路に戻れるがハチ合わせになるだろう)

P(問題はそこに戻って別の通路に逃げたとしても、すぐにバレる。行き止まりだったらそれこそ終わりだ)

P(くそ……。まぁ唯一の救いはあいつ目と耳が悪いってころか)

P(それだけ見れば老人相手にしてるようなもんだが……)

P(道を塞いでる土の方も手で掘れるくらいに柔らかいが、いかんせん量が多すぎる。掻いて道を作るのは無理だ)

P(何か……。何か考えを……)


行動安価 → ライトを使って誘導

P(ライトを付けたまま投げて別の場所へ誘導するか……?)

P(……少しだけなら時間は稼げるかもしれない。だがそれは敵の手にライトを渡す意味になる)

P(つまり鬼ごっこのはじまり。それからは道を間違えれば即ゲームオーバー)

P(やるか? かなり一か八かではあるが、現状それくらいしか手段がないしな……)

響「ぐすっ……。ぐすっ……」 ヒック

P(考えている時間はない。少しでも時間を稼ぐために早めに行動しなければ……) ゴクッ

P「……なぁ、響」

響「……?」 グスッ

P「最後に、悪あがきしようと思うんだ。……いいか?」

響「ぐすっ……。どう、やるの?」

P「なんてことはない。ここの土を使って、ちょうど……そう。人間が埋もれるくらいの土の山を二つ作ってくれ」

響「作って……どうするの?」

P「つけたままのライトを1つその中に埋め込む。そして俺らはこの先の別通路で、できなければ暗闇で息を殺してやりすごす」

P「後は俺の体力勝負だ。……時間がない。協力してくれるな?」

響「……グスッ……うん。わかったぞ」 ゴソゴソ




――……

――――…………


???「……」 ガラガラガラ...

???「!」 ガラ   ピタッ

???「……」 ザリュ... ザリュ... ピタッ

???「……」 クックックック...

???「……」 ガラガラ  ブオン

???「……」     ズシャッ   ズシャッ   ズチャッ  バキッ

???「……?」 カラカラ...  ザリュッ ザリュッ コロ...

???「!!」 バッ

P「ひっかかりやがったなこのクソ牛野郎!」 バキッ!

???「ォォ……ッ!!!」 ズシャッ

P「ざまあ見ろ! しばらくそこで寝転がってな!」 ダダダッ

響「や、やったのか?」 グスッ

P「あぁ。一発殴って尻もちつかせただけだけどね。だが、これで生きて出られるかもしれないぞ!」 ダダダ...

響「ほ、本当か?」 パアァ

P「あぁ。だがあいつ、手から鉈を離しやがらなかった。1発殴るくらいしかできなかったのが残念だが――」

響「とりあえずプロデューサーが怪我をしなければなんでもいいぞ!」

P「あぁ。だが問題は帰り道だ。一応出口へと向かうであろう場所の入口は目星がついてるんだが――」 タッタッタ

響「ど、どうするんだ?」

P「とりあえず今は逃げるしかないだろう!」 タッタッタッタ....


行動安価 → 壁の傷を頼りに進む

P「ふぅ。ここだ!」

響「ここって……。あっ! あの時牛男が先回りして立ってた場所……!」

P「そう。問題はいつ、どこの道を使って先回りしたかだが――」

P「あいつ気配を失ったのはいつだった? 俺たちが最初の十字路を超えた頃だったよな」

P「それでそのまま進んでいくと、4つ目あたりの分かれ道から急に現れた」

P「明らかに最初のあたりの分かれ道に確実に繋がっている。じゃなきゃあの速度で追いつける訳がない」

P「……つまる話、最初の方の分かれ道。あそことここの通路が繋がっていると踏んだのさ」

響「で、でも仮にそうだとして、どうやってそのルートを進むんだ? 自分たち、ここの通路を使うの初めてだぞ」

P「それだがな……ふふ。響、壁の方をよく見てみろ」

響「壁? 何かあるのか……って、え!? 傷が残ってる……」

P「奴がこの行動を進む時に、脅しか癖なのかは知らないが、壁や床に鉈を這わせていた。ガリガリガリってな」

P「それこそが俺たちがこの迷宮から逃げる道しるべ。アリアドネの糸なんだよ」

響「す、すごい。これを辿っていけば――」

P「あぁ! きっと出口まで出られる! さ、追いつかれる前に急ぐぞ!」 タタタ...

ヴェーイ
P「奴がこの行動を進む時に、脅しか癖なのかは知らないが、壁や床に鉈を這わせていた。ガリガリガリってな」

P「奴がこの坑道を進む時に、脅しか癖なのかは知らないが、壁や床に鉈を這わせていた。ガリガリガリってな」

P「ハァ……ハァ……。どうだ響、傷の後は次はどっちへ」

響「えーっと、えーっと……あ! こっちにあったぞ!」 バッ

P「よしきた! ここをまっすぐだな! ライトと道案内頼むぞ」 フゥ フゥ

響「う、うん! 任せてほしいさ」

                        オオオオオオオオォォォォォォォォッ!

響「ッ!」 ビクッ

P「なっ!? 結構近いぞ。もうこんな近くまでやってきてたのか! 急がないと……」 ダダダッ

響「あっ! あれ、あそこ!あの角からうっすら光が漏れてる!」

P「おっ! いよいよ出口か。ラストスパートだ!」 ダダダダダ....

              オオオオォォォォオォオオォ!!!      ガリガリガリガリ....

響「すごい勢いで迫ってる……! 頑張ってプロデューサー! あとちょっとだぞ!」

P「おう! ――って、やった! ここ最初の分かれ道の右側だ!」

響「本当か!? やったぞ! 後はあの出口から外に出るだけ!」

P「だが声も近い。間に合うか……!?」 タッタッタ...

- 更衣室? -

響「ぷはっ! やった、あそこから出られたぞ!」

P「はぁ……はぁ……。何とか出られた――って、そうじゃない! 急いでここの蓋を閉めなくちゃ!」

響「そ、そうだぞ! いくら外に出たからって、出口を塞がなきゃ」

P「響! そっちの蓋を押してくれ。俺は引っ張るから! 急いで!」 グググッ...

響「わ、わかった! うりゃー!」 グイッ!!

P「うおりゃあああああああっ!」 グイィィィッ!!   ゴゴゴ....

                 ォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオ!!!    ガリガリガリガリ!!!

P「閉まれやー!」 グイグイ

響「閉じろー!」 グググググッ

              ゴゴゴゴゴ...              バタン!!!

.
           ォォォォォォォォォォォ!!!      ガンガンガン!!    バキン ガキン!!!

響「と、閉じた。でも滅茶苦茶に叩いてるぞ……。だ、大丈夫かな」

P「ま、大丈夫だろう。奴が何度壊そうとしても壊れなかった蓋だ。それに重さも相当あるし、下からじゃ持ち上げられない」

響「そ、それなら安心……ではあるけども。……いいのか? このまま放置しちゃって」

P「今はそうするしかないだろ。終わったら警察にでも頼んで助けてもらうさ。それまでは暗闇の迷宮を彷徨えばいい」

響「土山に埋めたライトも、結局叩き壊してたしね。本当に真っ暗闇の中を一人で……。うぅ、恐ろしいぞ」

P「因果応報ってやつだ……って、おい! 窓を見ろ!」

響「窓……? あっ! 明るいぞ! いつの間にか朝を迎えていたんだ!」

P「よっしゃあ! これで迎えが来る! これでこんな場所とはおさらばだ!」

響「や、やったぁっ! ま、まさか本当にここから生きて出られるだなんて……」 グスッ

P「とりあえずこの部屋を出よう。もしかしたら校庭にスタッフが来てるかもしれない」

響「うん!」

P「響、足の具合は大丈夫か?」

響「うん。まぁ……。一応は立てるけど、歩くのはちょっとキツいぞー」

P「じゃあ……これだな。よいしょっと」 ヒョイッ

響「わぁっ。……えっと、ありがとだぞ。でもプロデューサーいいのか? 自分抱えて走って、疲れてるんじゃないのか?」

P「綿を担いでるようなもんだっていったじゃないか。気にするな。これも通信空手の賜物だよ」 ハッハッハ

響「それはあまり関係無いような気もするけど……」

P「何言ってんだ。コイツのおかげで何度俺はピンチを乗り越えられ――」 ピクッ

響「? どうしたんだ、プロデューサー」

P「……部屋の向こう。体育館のホールの方から音がする」

響「えっ!?」 ビクッ

                      -ン... ターン... ターン...

響「バスケット……。いや、毬つきの音……?」

P「みたいだな。これが本当の最後の試練ってか……。よし、行くぞ!」

                           ガララララ....

.
              ターン... ターン... ターン...     ピタッ

響「……女の人? フルフェイスを被ってて、顔が分からないぞ」

P「あの靴……。見覚えがある。俺を殴った奴だ」

響「えっ!?」

??「……」 ジーッ

響「武器は何も持っていないようだけど……。ど、どうしよう」

P「どうもこうもないさ。……そうか、あんたがそうだったのか」

響「え? あんたがって――何のことだ? えっ? えっ?」 キョロキョロ

??「……」

P「あんた……俺らの導きだした答えを、聞きに来たんだろ?」

??「……」 コクッ

P「いいよ。じゃあ、答え合わせを始めようか」

以下 廃村に響く

ふぅ、一時休憩
書き溜めてないので、ここからはゆっくりと書いていきます
気長にお待ちくださいまし

恐縮ですが、ご飯食べたいのとお風呂入りたいんで、ちと休憩ください


P「えーっと、まずどこから話して聞かせるべきなのかな」

響「ちょ、ちょっと待ってほしいぞ! え? プロデューサー、この人と知り合いなの?」

P「ついさっき『俺を殴った』って言ったばかりじゃないか。知り合いなわけないだろ」

響「でもプロデューサー、この人の素性を知ってるような口ぶりだったし――何より、なんで推理を……?」

P「恨みを買いたくたくないから」

響「えっ……?」

P「ま、あの部屋の蓋を閉めずにここで待っててくれたのなら、すぐにどうこうってことはないんだろ」

響「ちょっとプロデューサーが何を言ってるのかわかんないぞ……」 オロオロ

P「まぁいいさ。じゃあ――何から語ればいいのかな」

??「……」 ジーッ

P「そうだな……。まずあそこに閉じ込めた牛男の正体からにしようか」 クイッ

P「恐らく……ここの元教頭――なんじゃないのか? えーっと、確か橋本だったっけか?」

響「えっ!? な、なんでそんなことわかるんだ?」

P「それの根拠はいろいろあるんだが……。まずはこんな所をうろつく理由から入ろうか」

お前ら誤字があっても弄るなよ?
たくたくないとか言うなよ?

>>601
なんでそういうこというの( ˘・ω・˘ )
訂正

P「恨みを買いたくたくないから」

P「恨みを買いたくないから」


P「こんな人里離れた辺鄙な廃校。理由なく徘徊するような場所じゃあないわな」

P「じゃあ何故か? そりゃあこの場所に何か用事でもあったんだろうさ」

響「それは自分もなんとなく分かるぞ。あの……例の事件とかに絡んでのことだろ?」

P「そうだな。考えられる要素と言えば、過去の事件。これの関係者につきる」

P「もちろん逃走中の殺人鬼がたまたまここに潜んでいた、だなんて可能性もあったが――」

P「それじゃあ行動範囲が狭すぎるし、廃校に執拗する必要がない」

P「まぁ十中八九、あの牛男は過去の事件に関連した誰かだろう」

響「じゃあ、何故教頭? 考えれば校長や他の教員でもいいと思うんだけども」


P「簡単だ。奴が校長室じゃなく、壁新聞が隠されている廃坑の方に執着したからだ」

響「廃坑の……。これか」 ガサッ

P「響、覚えているか? 教頭はどういう文句で脅されていたのかを」

響「えーっと確か……『タイムカプセルは絶対に暴きます』だったぞ」

P「そう。牛男は校長室に執着しなかった。無論、誰かが校長室に入った形跡はあったが、荒らされてはいなかった」

P「奴は何度も3階から刃物を調達して、体育館の廃坑への入口をこじ開けようと躍起になっていた」

P「あの牛男にとって校長室の書類が致命傷じゃなかったのか、それとも壁新聞の方が大事だったのかは知らない」

P「でもあそこまでタイムカプセルに執着する学校関係者、とくれば……教頭くらいだろうと思ったんだ」

響「なるほど……」

??「……」 ジーッ


P「じゃあ次に何故だな。何で今頃になって過去の事件を掘り返すように廃校にまで出向いたか……」

響「そりゃあ、あれじゃないのか? 事件の真相を明かされたくなかったからとかそんな感じの」

P「誰に?」

響「えっと……。玄関に張ってあった壁新聞の作者にじゃないのか?」

P「そうだな。ではどうして今頃になって? 証拠を隠滅するためなら、それこそ廃校直前にでも行けばよかったんだ」

響「えっと、それは――」

P「それにわざわざ『証拠を取りに行きます』だなんて馬鹿正直に伝えるのもおかしい。やるならこっそりやればいいんだ」

響「それは……うん。確かにそうだぞ。証拠を取りに行くのならこっそり行けばいいし、わざわざ犯人に伝えなくとも――」

P「これはあくまで勘なんだが、教頭がここに来たきっかけは、『同窓会のお知らせ』……なんじゃないか?」

響「同窓会の? そんなのあったっけ?」

P「ほら、3階更衣室の隠し部屋で見つけた、あの読めなかった手紙だよ」

響「あぁ、あれかぁ。ほとんど読めなかったけど、確かにそう読めるかもしれないぞ」

P「大方、同窓会で『タイムカプセルを発掘します!』だとかそんなことでも書いていたんじゃないのかね」

待ってましたー\(^o^)/

>>616
メル覧にsageだからね


P「もしタイムカプセルが本当に見つけ出されたら、大勢の目の前で新聞を見られてしまう可能性が高い」

P「それを避けるために教頭は慌てて廃校であるこの学校へやってきた……と、俺は推理したんだが」

響「じゃあ何で手紙を出したその人は、わざわざ教頭をここにおびき寄せたりしたんだ?」

響「さっきも言ったけど、証拠を取り出すのなら呼ぶ必要なんてないじゃないか!」

P「んー……。これも推測ではあるんだけどな」

響「うんうん」

P「多分、散々怖がらせて殺すため。だと思う」

響「うんう……えぇっ!?」 ビクン

??「……」 ギシッ...

http://mup.vip2ch.com/up/vipper43332.jpg


響「な、何で殺すため?! そ、それじゃあ壁新聞のあの文章はどうなるのさ!」

P「文書?」

響「『証拠を取ってきます』って言葉さ! もし殺しちゃったら起訴も何もできないじゃないか!」

P「……響。あの壁新聞、本当に25年前に書かれたものと思ってるのか?」

響「えっ?」

P「あの新聞さ。明らかに25年前だとおかしな一文が書かれていたじゃないか」

響「えっ? えっ? ど、どこにそんなことが書かれて……?」

P「事件から半年。25年後に証拠を取りに来る。80年後期。犯人逮捕済み……」

響「……あっ! そういえば……」

P「明らかに証拠を取りに来るまでの期間が長すぎる。それに当時はまだコレが存在していたはずなんだ」

響「時効……」


P「あれは恐らく教頭を廃校に留まらせておくために用意した新聞なんじゃないだろうか」

響「そ、それじゃあ何で殺そうと? 普通に起訴して牢屋に入れちゃえばいいだけじゃないか!」

P「そこは分からんが……。まぁ、裁判の長期化を嫌ってのことかもしれない」

P「そもそも過去の解決事件の証拠なんて持ち寄って、有罪にできるかなんて怪しいものだし」

響「えっ? できないの?」

P「もし教頭が過去、この事件で不起訴処分で終わってたら、尚更に難しい話だし」

P「そもそも犯人が自首して終わった事件を、検察が再び扱うかなんて分かりゃしないしな」

響「そんな……」

P「当然、『殺害目的』ってのは、あくまで俺の予想ではあるけども……。一応、根拠はあるんだぞ?」

響「? どんな根拠が?」


P「そうだな……。響、お前はこの廃校に潜んでいる存在を何だと思った?」

響「えっ? そ、それは過去学校で殺された子供たちの霊とか、オバケとか……」

P「何でそう思った?」

響「だ、だって変な放送が聞こえたり、足音だったり、人体模型が動いてる風に見えたりして……」

P「そう。でもそれらは大半が人為的なものだったな」

響「う、うん。確かにそうだったぞ」

P「じゃあ誰が何のために、そんな事をしたと思う? お前を怖がらせるためにか?」

響「えっと、それは……。じ、自分が邪魔だったから、廃校から追い出すために?」

P「発電機まで事前に用意してまでか?」

響「う、うぅぅ……。意地悪はやめるんだぞー!」 ポカポカ

P「痛てて……。いや、別にからかった訳じゃない。つまる話、あれらは全部事前に準備されてたものなんだ」

響「つまり?」

P「あの放送も、足音も、或いは人体模型も、俺たちに使うために用意したものじゃなかったんだってことさ」


P「あれらは恐らく、ここにおびき寄せた教頭用の仕掛け」

P「罪悪感を刺激するように、或いは恐怖心を煽るようにいろんな場所で、いろんな仕掛けを施した」

P「全部教頭を恐怖のどん底に陥れるために」

響「そ、そうなのか……?」

??「……」 ジーッ

P「教頭の末路は見たろ。変なマスクを被って、多少の光や足音を無視するように校内を徘徊して」

P「あれ。ていうかあそこにいる牛男、多分本当に正気を失ってるんじゃないのかな」

響「とっても怖い思いをして、発狂したってことか?」

P「その言い方だとなんか軽いけど……。多分そうなんじゃないかなって、俺は思ってる」

??「……」 フム...


P「この場所から逃げ出したい。しかし証拠を残して行くわけにはいかない」

P「教頭は逃げることも叶わず、この廃校で精神をガリガリと削られていった」

P「途中までは上手く行ってたんだろう。しかし突然思わぬ邪魔が入ってしまう」

響「自分たち、か」

P「そう。勝手に廃校に潜りこんだ挙句、いろいろと仕掛けに引っ掛かったり、かき回したり……」

P「それがどのように作用したのか分からないが、教頭に隙を与えてしまったのかもな」

P「これは想像だが、お前の悲鳴やらを聞いて、僅かに正気を取り戻したんじゃないかな、教頭は」

P「少しの間正気を取り戻した教頭は、俺たちの車を別の誰かの車と勘違いし、死の仕掛けを施す」

P「そして仕掛けに気づいて放送室を襲撃し、後は只管に廃坑に入ることのみに執着し始めた」

響「そんなことが裏ではあったのか」

??「……」 フーッ...

P「いや。だからあくまで俺の想像だ。だが、もしこうなってしまったら、せっかくの計画もおじゃんだ」

P「そこで仕掛け人は急いで俺たちの排除に乗り出した」

響「排除って……」


P「放送を利用して響と俺を何とか引き合わせて、車で帰ってもらおうと画策したんじゃないか」

P「しかし、それもなかなか上手くいかない」

P「だから強硬手段として、俺を殴って監禁して、一時的に学校内から遠ざけた」

P「恐らく響も、或いはどこかに閉じ込める予定だったのかもしれないな」

響「自分らを殺して排除するわけじゃなくて?」

P「それだと反撃を食らう可能性もあるし、穏便にいきたかったのかも」

P「まぁ、車のガソリンはギリギリ街まで足りるくらい残してくれてたし、帰ってほしかったのは事実だろう」

P「だが何とか引き合わせることに成功した後も、俺たちはここを去らなかった」

響「車が弄られていたからな」

P「そう、ブレーキが壊されてた。これは仕掛け人も気づいてなかったのかもしれないな」

P「或いは修理した後に、あの牛男……教頭がデストラップを仕掛けてきたのかもしれんが。ま、どっちでもいいだろう」

P「とにかく俺たちがここから去らないのであればもう仕方がない」

P「俺たちを無視するか、或いは逆に利用するか。そんなところで手をうったんだろう」


響「でも自分たちをここから追い出すために動いた、かぁ。少し思い当たる節があるかも」

P「最初の携帯の録音も、或いはお前を安心させて車に籠城させるために残したのかもしれんしな」

響「自分はもう一度校内に入って行っちゃったけど、確かに後で車にいればよかったって後悔したなぁ」

P「まぁ、その後に教頭が車を弄りにやってきた可能性もあるし、籠城が正解って一概には言えないんだけどな」

??「……」 コツン コツン

P「あぁ、すまん。話の途中だったな。ところでここまでの推理、どうだ? 合ってるかね」

??「……」 ジーッ

P「……だんまりですか」

響「まぁ、仮にプロデューサーの推理が合ってたとして、教頭と仕掛け人が動いてたのは分かったさ」

響「それじゃあ結局、仕掛け人って誰なのさ? 一応ここまでの流れから大体想像できるんだけど……」 チラッ

P「確かにここまでくれば大体誰がそうなのかは分かるわな。うん」

P「まあ、察しの通り、そこのフルフェイスの女。こいつこそが仕掛け人なんじゃないかな、って俺は思ってるよ」

響「やっぱり」

??「……」


響「それで、この人の正体って結局何なんだ? 教頭に恨みを持つって言えば元生徒だろうけど……」

P「まあまあ。それを説明するには、まず順序立てが大事だろう」

響「順序?」

P「ここで、過去この学校で何が起きていたのか。それについての推理を披露してみたいと思ってる」

響「過去この学校で起きてたこと? 確かさっきプロデューサー、臓器売買の説が薄くなった、とか言ってたよね」

P「あぁ。それを含めての俺の結論だ。まぁ聞いてくれ」

響「うん……」

??「……」 コクッ

P(あ、頷いた。一応反応はあるんだ)


P「まず最初に、この学校では学校主導の殺人があった。これはいいな?」

響「まぁ、それは大体予測してたことだし、別に驚きはしないぞ」

P「じゃあ何故殺したのか? 理由は多分、金儲けのため」

響「ビジネスってことか? でも臓器売買は否定してたよね。じゃあどんなことで商売をしてたっていうのさ?」

P「そうだな。『不必要な子供を処分するため』。これだろうなとは思う」

響「……へ?」

P「それだと何か変か? 単純だけど別に変ではないだろう」

P「親はいらない子供を処分できる。学校は親から大金を受け取れる。Win-Winじゃないか」

響「そ、それはそうかもだけど……。いや、それだとお金の工面はどうするのさ!」

P「金?」

響「そうだぞ。この村は学校の儲けで成り立っていた可能性が高いって言ってたよね?」

響「1つの村を存続できるほどの大金を、複数人いるとはいえ学校側が受け取れるだなんて……」

響「子供を捨てる酷い親がいたとしても、その人たちが大金持ちばかりだなんて都合がよすぎるぞ!」

ねむーい


P「そうだな。村を存続させるばかりか、校舎の改築までできる大金、そうそう集められないわな」

響「だぞ!」 フンス

P「だから月謝という名目で分割して支払っていたんだよ」

響「へっ? 月謝で?」

P「そう。月々にやや高めの月謝を学校に支払って、処分用の分割費用として充てたんだろう」

響「そ、それでも大金を支払っていることには違いないぞ!」

P「学校生活は6年あるんだ。その間に金を貯めることも十分可能だろう」

P「それに、親の目的はあくまで『子供を処分したい』ってことだ。金の問題なんて二の次だったろうさ」

響「そんな……」

P「現在、小学生を6年間育て上げるのに掛かる生活費は約600~700万。私立なら1000万は軽く超えるだろうな」

P「昭和の時の内訳は分からんが、だいたい同じくらいの費用はかかっただろう」

P「それを手間も含めて学校側に丸投げできるんだから、『酷い親』側からしたら願ったり叶ったりだな」

響「むぅー……」


P「大量生産はコストダウンの定石だ。食事も教科書も服も、大量発注でコストを減らせる

P「教員や職員もほとんどが村人から出しているし、村の中には土木に明るい人も多かったろう」

P「学校運営自体にはそれほど金はかからなかったろうし、儲けもそれなりに出たハズだ」

P「こうやって学校は大金を手に入れ、顧客は子育てから解放されてとWin-Winの関係を築くことができる」

P「ま、これが『不必要な子供を処分するため』のビジネスモデルだ。ここまではいいか?」

響「うーん……。で、でもあくまでその説が可能ってだけで、別に確定した訳じゃないんでしょ?」

P「あぁ。あくまで俺の想像だ」

響「じゃあ例えば学校側が子供に、その、酷いことをして……それで儲けていた、とかもありえるんじゃないのか?」

P「酷いこと? ……あぁ、そっち系ね。まぁ当然そういう部分もある可能性も考えたんだが……」

P「学校側は警察にまで手を回してまで死体や殺人記録などを隠していた」

P「むざむざ第三者の目の触れる所に連れだしたり、或いはビデオなんかに記録したりなんかは無かったろうさ」

P「ならば学校側の行動原理はひとつ。子供を殺し、その死を隠蔽すること」

P「しかし臓器売買は設備や環境、技術的な問題や樋村の手記などから考えにくい」

P「ならばこれでビジネスが成立するのは、この説くらいしかないだろうと踏んだのさ」


響「うぅ……。まぁ一応、プロデューサーの言うことは分かったぞ。でもそれじゃあ1つ疑問が残るぞ」

P「何だ?」

響「もし入学させるのが殺害することが目的なら、なんで学校で普通に多くの卒業生が出ているんだ?」

P「そりゃあ全員が全員『顧客』の子供だったって訳じゃないからだろ。学校から一人も卒業生が出ないのは変だろ?」

P「恐らく殺害する予定の生徒はごくごく僅かで、それ以外は普通の生徒だったんじゃないだろうか」

響「じゃあ何でそれくらい普通生徒が入学してくれてるのに、学校はわざわざそんな危険なビジネスの道を選んだんだ?」

P「これも想像だが……。響、寮母の手記の『運命共同体でいるしかない』、『心中すればよかった』の文を覚えてるか?」

響「う、うん。一応だけども」

P「これ、ちょいと邪推して見れば、『生きるか死ぬかの瀬戸際に、もう戻ることが許されない道を選んだ』」

P「『こっちを選ぶくらいなら死ぬ方を選んでいればよかった』……って風にも読めるんだよな」

響「それがどうかしたのか?」

P「『子供の殺害』はあくまで『親の同意』があって初めて成立するビジネスだ」

P「間引きをしていたとはいえ、何のコネもない村で唐突にこんなビジネスの話が湧いて出るのはおかしい」

P「つまり……。このビジネスは、村の外部から提案されて出てきたものなんじゃないのかって話だ」


??「……」 ホホゥ...?

響「村の外から、『子供を学校に在籍してる風にして、秘密裏に殺してくれ』って依頼があったってこと?」

P「そ。そしてその人物が村復興のパトロンとなることを条件に、村人は殺害に同意する」

P「村の学校は改築され、村はその子を殺すためだけに学校を運営し始めた」

P「入学者がそれなりにいたのは、そのパトロンが殺す予定とはいえ子供が辺鄙な学校に在学することを嫌ったからか」

P「高所得者向けの私立がどこそこでできる! だとか宣伝したのかもねぇ」

P「或いはそのパトロンと同じ考えを持っていた奴らが結託して人を集めたか……。ここまでいくと妄想になるが」

P「まぁ、仮にこんなことができるとすれば、そのパトロンは超どころじゃない大金持ちになるか」

P「醜聞嫌いの超大金持ちが邪魔な子供を処分する。うん、3流ドラマによくありそうな話じゃないか」 ウンウン

響「そ、それなら確かに筋は通ってるように見えるけどォ……。うーん、非現実的すぎるなぁ」

P「これがあくまで俺の想像ってこと忘れてないか? まぁ、細部はともかくとしてこんな感じじゃないかなとは思う」

響「……まぁ、ここで話を止める訳にはいかないし、話を続けるんだぞ」


P「おう。じゃあ今までの俺の推理が合ってるって前提で話を進めるようか」

P「そうやってパトロンの依頼を完了した後も、学校は村の存続のために間引きビジネスを続けた」

P「しかしその中で、間引きに反対する人物が現れる」

響「寮母さん、だな?」

P「そうだな。そのうちの1人はその人で合ってる」

響「えっ? そのうちの1人って……?」

??「……」 ウンウン

P「そして彼女らは何とか生徒たちへの間引きを止めようと、学校の裏で暗躍を始める」

響「暗躍? 今までみた資料の中では特にそんな話は出てこなかったけど……」

P「ま、それはおいおい説明するとして……。響、お前にはもう説明したが、もう一度だけ九の悲劇について見ていこうか」

響「九の悲劇? あぁ、わかったぞ」


P「まずエレベーター事件。響、これについてはどう思う?」

響「どうもこうも……さっき言った通りだぞ。事故なんてありえない。他殺だーって」

P「じゃあ何で彼は殺された?」

響「それは……間引きの一環でじゃないか? その子を殺害するよう依頼を受けていたとか」

P「そうだな。じゃあ何であんな目立つ形で放置されたんだと思う?」

響「それは……。例の樋村って人がしたんじゃないの? 校長が教頭にそんな感じのメモを残してた気がする」

P「そうだろうな。そしてそれは恐らくプール事件も同様だ。そしてそうした理由は――」

響「自分の造っている人体模型を完成させるためのパーツを手に入れる……ため?」

P「ご名答。だが多分、それだけじゃない」

響「それだけじゃないって……。え? それ以外に意図があったってことなのか? あの狂人がしたことに?」

??「……」 ダンッ!!!

響「ひゅいっ!?」 ビクッ

P「お、落ち着けよ。結論を急ぎすぎだ。響も俺の話を最後まで聞け」

響「わ、わかったぞー……」 グスン


P「樋村は人体模型のパーツを集めていた。それは集めた資料からも楽に読み取れる」

響「だ、だぞ。それで人体模型を完成させようとしてたって……」

P「ところが、だ。樋村は人体模型を作っているにしては明らかに不自然な行動をしている」

響「不自然な?」

P「校長の手記にあった、樋村の生徒殺害の手口だよ」

響「えっと確か、死体の原型も留めないくらいにぐちゃぐちゃにしてしまってるってあったぞ」

P「そう。そして自らの手記にも臓器を潰してしまったと書き記している」

P「しかしそのすぐ後に『もっとバラバラに』だなんて言葉を残している。これは明らかに変だろう」

響「それは確かに……」

P「樋村の手記を全面的に信じるとなると、色々とおかしいんだ。心臓をいくつもストックしている風に書かれていたり」

P「脆く保存の難しい臓器よりも、骨の方を何故か貴重と言ったり……」

P「これは行動からしてもいろいろと矛盾している。考えるべき点だ」

??「……」 ジーッ


P「さて、ここで話は飛ぶが、響。お前はゾンビ事件について、どう思ってる?」

響「どうって……。そりゃあ死者が生き返る訳ないじゃないか! 当然新聞部の誇張だと思っているぞー」

P「最初はお化けの仕業だと信じて疑わなかったくせに」 ボソッ

響「なんだ?」 キョトン

P「いや、なんでもない。だが飼育小屋の中で見つけたメモは見ただろう?」

響「一応見たことは見たけども……。あれは生きてる誰かが書いたものであって、やっぱソンビとは思わないぞ!」

P「そう。あれは生きている生徒の書き記したメモだった」

P「そして手記によると、手記を書いた人物に襲ってきたのは村人と学校の教師達……」

P「状況を読み取れば、彼、或いは彼女以外にも何人か一緒に逃げて、実際に教員に殺された子もいるようだ」

P「白昼堂々、教員総出でリアル鬼ごっこ。隠蔽第一の学校が、何故このようなことを?」

響「それは……。えっと、手記に書いてあったけど、校長の家かどこかに勝手に潜りこんだから?」

P「それなら厳重注意でいいはずだ。第一、騒動の原因は『顔を覚え~』みたいなことが書いてあったじゃないか」

響「それはそうだけども……」


P「あれは間引き予定の子にしては数が多すぎるし、そもそも間引きを昼間っからやるとは思えない」

P「新聞を信じるなら11人。学級閉鎖までして、何故そこまで彼らを殺そうとしたのか」

P「簡単だ。それは彼らが、かつて自分らが間引いたはずの生徒たちだったからだ」

??「……」 カタッ...

響「そ、それじゃあプロデューサーは、ゾンビ事件は本当に死者が蘇って事件だったって言うの!?」

P「んな訳ないだろ。何とかして間引きから逃れた生徒たちに決まってる。校長の手記にそれらしい事が記されている」

響「だ、だよねー。 あ、そうか。これがさっきプロデューサーが言ってた、寮母さんの暗躍なのか」

P「そう思うか?」

響「えっ? 違うの? だって校長の手記には、寮母さんの遺書に『自分がやった』って書いてあったって……」

響「あれ、そういえばこのフレーズ。どこかで見た覚えが……」 ウーン

P「それはな、響。寮母室にあった――」

響「そうだ! 遺書の下書きでそんな台詞を書いた遺書が何十枚も書いてあって――あれ?」

P「そ。寮母の遺書はあらかじめ用意されていた。あの枚数は短い時間で用意できるような量じゃない」

響「じゃあ寮母さんの遺書は一体……」

??「……」 ジーッ


P「それに仮に寮母が間引かれる生徒を救ったとして、どうやってだ?」

響「え? えっと、それは……隙を見て人形とすり替えたり、だとか?」

P「それじゃあ触った瞬間、即バレるだろう。それにすり替えるタイミングがあったとは思えない」

響「じゃ、じゃあ、薬で仮死状態にして、死んだと思わせておいて、後で蘇生させる……とか?」

P「この学校の隠蔽っぷりは徹底的だ。3階隠し部屋を見るに、綺麗な死体なんて一つもなかったんだろう」

響「じゃあどうやって……」

P「着眼点は悪くないぞ。俺も生徒を救うには、生徒と何かをすり替えたんだと思っている」

響「で、でもプロデューサーの話じゃすり替えるのは不可能だって……」

P「いや。すり替える事の可能な人物が一人いるぞ」

響「えっ? だ、誰だそれは」

P「簡単な話さ」

P「それは『その生徒を間引いていた人物』、その人だよ」


響「へっ? 寮母さんが間引く側で参加すればすり替えがきくってことか?」

P「違う違う。それじゃあすり替えても死体を調べられて終わりだって言ったじゃないか」

響「うがー! 意味が分からないぞ!」

P「もっと正確に言おうか。生徒を救うには、生徒と何かとすり替え、かつ『死体を調べさせない』必要があった」

響「死体を調べさせない……? それができるのが間引いている本人ってことなのか?」

P「そうだ。響。こういった事情で遺体を調べずに済む状況ってどんな時だと思う?」

響「えっ? うーん、そりゃあ遺体がグロテスクになってるとか、明らかに死んでいる時だとか……」

P「そう。明らかに死んでいる時だ。頭をミンチにされてたり、全身を燃やされて黒こげにされてたり……」

響「うぐっ。確かにそんなのじゃ調べる気にもならないぞ」

P「そんな凄惨な遺体を前にすれば、誰にだって遺体の確認はおざなりになる」

響「確かに……。あ、もしかして寮母さんはそうやって死体を偽装したのか?」

P「……響。ここまで言ってまだ気付かないのか?」

響「えっ?」

P「遺体を凄惨な状態にする、遺体を調べさせない、気が触れていると思ってくれれば好都合……」

響「遺体を凄惨な……あっ!!! って、えっ? えっ? も、もしかして……」 オロオロ


P「飼育小屋の生徒は『先生たすけて』と残していた」

P「寮母に対する呼称が先生だったのかは知らない。が、もし違うのであれば、この『先生』は学校の教員のことだ」

P「そして仮に彼ら、彼女らを救ったのがその『先生』であるのなら、それはもう一人しかいないだろう」

P「響。さっきの問いに対する返答をするぞ」

P「生徒を救い出そうとしていた人物。それは寮母の他に、もう1人いたんだ」

P「それは周りにイカレた殺人鬼の演技をしつつ、裏では生徒を救い出すために暗躍していた人物」

P「生徒を間引きの現場から救い出していたのは、恐らく――」

P「26年前に逮捕された、人体模型事件の犯人と言われている男」


P「樋村博教諭、その人だ」


??「……」 パチ パチ パチ...


P「樋村は恐らく理科を担当していた教師だ。他にも兼任してたかもしらんが、今はどうでもいい」

P「彼の根城である理科準備室にはエンバーミング、プラスティネーションの本があった
P「恐らくはあれを元に生徒の身代わりとなる『死体』を造っていたんじゃないか」

P「飼育小屋の手記には『先生が私たちの死体を作ってくれた』みたいな記述があるし、ここは間違いないだろう」

P「その身代わりの死体を作るために骨や臓器が必要になり、それを間引いた子供たちから拝借した」

P「骨が貴重と言ってるのは、臓器や肉は潰してしまえば誤魔化しがきくが、骨はそうはいかないからだろうな」

P「或いは子供の体格に合った骨は、同じく子供からしか取れないからか」

P「目につきにくい部分は石膏や粘土で代用し、プラスティネーションなどの技術で生きてるような質感を出した」

P「流石によく調べればバレるだろうから、誰も調べないよう樋村は派手なやり方で遺体をぐちゃぐちゃにしたんだろう」

P「刃物をもって振り回せば、誰も近づきやしないだろうしな」

響「それで……。あっ! もしかしてあの人体模型って……」

P「そうだな。樋村の造っていた人体模型。あれは本当は誰かのための身代わり用の死体だったんじゃないか?」

響「だからいろんな子供の臓器や骨が使われていたのか……」

( 'A`) ヴェー。念のために書き直します

P「彼の根城である理科準備室にはエンバーミング、プラスティネーションの本があった
P「恐らくはあれを元に生徒の身代わりとなる『死体』を造っていたんじゃないか」



P「彼の根城である理科準備室にはエンバーミング、プラスティネーションの本があった」

P「恐らくはあれを元に生徒の身代わりとなる『死体』を造っていたんじゃないか」


P「正直、間引く手順はどうやったのかは知らないから、すり替えの方法は完全な想像で答えるしかない」

P「だが仮にあの3階の秘密の部屋でやるのなら、いろいろとすり替えのやり方は思いつく」

P「あの通路は男性用更衣室のロッカーに隠されていて、なおかつ非常に狭い空間だった」

P「樋村個人のロッカーの中にあらかじめ身代わりの死体を入れておいて隠しておく」

P「そして誰か同伴者がいるのなら、先に部屋に入って準備でもしててくれとでも言ったんだろ」

P「あの秘密の通路は1人通るので精一杯だ。振り返られる心配もない」

P「そして同伴者が通路に入ったら、ロッカーの遺体と生徒をすり替えて、自分も部屋へと入っていく」

P「部屋は窓もなくうす暗い。眠らせていたであろう静かな生徒と、物言わぬ死体との区別もつき難かったはず」

P「そして入って作業台に寝かすなり、後は樋村ご自慢の演技で派手にぐちゃぐちゃにする」

P「恐らく顔とかを優先的に潰していったんじゃないか?」

P「ま、本当に同伴者がいたかわからんが、あの部屋の狭さと手間を考えれば2人が限度だろう」

P「これで人目につくことなく死体と生徒をすり替えられたんじゃないかね」

響「ははぁ。そういうやり方があったのかー……」


響「と、とにかくプロデューサーの言うことは分かったぞ。それじゃあ樋村は良い奴だったんだな」

P「一応これが俺の推理が正しかったらな。まぁ、俺はかなり正解に近いと思ってはいるんだが」 チラッ

??「……」 グッ

P「どっちの『グッ』だ? 合ってるのか間違ってるのかわからん」

??「……」 ジーッ

P「ま、まぁいい。話を九の悲劇に戻そう。ゾンビ事件はこれらの方法によって難を逃れた生徒の存在がバレた事件だ」

P「きっかけは村人に間引いた子供の顔を覚えてる奴がいて、そいつに見つかったから……」

P「それで大変な事態に気付いた学校側は、全学生徒を体育館に移動させて隔離し、殺戮を始めた」

P「そしてあっという間に9人もの子供が殺されてしまった」

P「飼育小屋の手記は、その地点で難を逃れていた2人のうちの1人が書いたものだろうな」 チラッ

??「……」

2連誤字
P「一応これが俺の推理が正しかったらな。まぁ、俺はかなり正解に近いと思ってはいるんだが」 チラッ

P「俺の推理が正しかったらな。まぁ、俺はかなり正解に近いと思ってはいるんだが」 チラッ


P「さて、ここで寮母サイドに視点を移そう。校長の手記によると、寮母は遺書を書いて自殺した」

響「九の悲劇でいうところのミキサー事件のことだな」

P「失敗を予感してか、と手記には書かれていたが、それでも自殺する理由としては薄い」

P「そこで思いついたのが、自分の息子を生徒逃がしの嫌疑から逸らさせるためかって奴なんだが……」

響「確かに。全部自分がやりましたと言えば、まだこれからも生徒を救える可能性は残せるからな」

P「だが校長の手記にあった『最後の一人を処理したのは彼女の息子』、『遺体は原型を留めていない』」

P「これを読んで、それだけじゃなく、別の理由もあるかもしれないことに気付いたんだ。響、何か気付かないか?」

響「樋村が処理って……。もしかしてそれ、また身代わりの遺体で助けたのか?」

P「そうだろうな。じゃなきゃ原型を留めないほどにぐちゃぐちゃにする理由もない」

響「でもよく身代わりの遺体を用意できたなぁ。急ごしらえで造ったのかな?」


P「そう。いつも臓器が足りない、骨が足りないと嘆いていたのに」

P「それに拵えるスピードも恐ろしく早い。死体加工処理なんてのは数分で出来る内容じゃないんだぞ」

響「エンバーミングやプラスティネーションなしじゃあ、死体がリアルにならないよね……。うーん、どういうことだろ」

P「しかもいくら急ごしらえで造ったとしても、髪や臓器、骨などは誤魔化しが効かない。これらは必須のアイテムだ」

響「じゃあ……。うーん、すでに殺されていた生徒たちの骨や臓器を流用した?」

P「それも恐らくその時に限っては無理だろう。遺体は学校が管理したろうし、易々と近づくこともできなかったろうし」

響「それじゃあ、えーっと……。うーん、」

P「ところで響。校長の手記によれば、寮母の遺体。随分と酷い有様だったらしいな」

響「そうだな。えーっと、確か飛び降り自殺なのに遺体はバラバラになっていて……ってまさか!」 ハッ!

P「多分、そのまさかなんだろうな」


P「寮母はその生徒を救うために自分の命を絶ったんだ」


??「………………」

P「最初は難を逃れたもう2人のうちのもう1人を殺して、もう1人を救ったのかな、と思ったんだが」

P「校長の手記に書いてあったが、死亡推定時刻がその生徒を救った時刻とかなり近いということ」

P「そして校長の手記に『最後の1人』とあったので、もう1人もすでに殺されてしまっていると踏んだこと」

P「これらから、最後の生徒を救うのに必要な臓器や骨、肉や髪を寮母から流用したんだと判断したんだ」

P「死後すぐであれば、肉や臓器はまだ色褪せることもなく、エンバーミングなどをする必要もない」

P「これによってかなりの早さでフェイクの死体を作ることができる。原型を留めないのなら尚更だ」

響「そのために寮母さんは自殺を……!? そ、そんな。惨いぞ……」 ヨロッ...

P「だが、飛び降り自殺をしたわけでもあるまい」

響「……えっ? ど、どういうこと?」

P「せっかくの死体なのに、飛び降りて臓器が潰れたり、血が流れ出てしまったらおしまいだ」

P「だからあの日は多分、寮母は別の場所で、なるべく血の流れない方法で自殺したんじゃないだろうか」

響「なるべく血の流れない方法って……?」

P「血や臓器に変色などを起こさないような毒、水死、窒息死……。どれかは分からん」

P「もしかしたら、自分の息子の手で首を絞めてもらったんかもしれないな」


響「自分の息子の手で……。そ、そんなことがありえるのかっ? あっていいのかっ?」 ウッ

P「そういきり立つなよ。でもすぐにフェイクの死体に流用するため、近くに樋村を置いて自殺したと考えた方が自然なんだ」

P「最後は息子の手で……なんてことがあっても別におかしくはあるまい」

響「でも、でもそれじゃあ、あまりに悲しすぎるぞー……」 グスッ

P「あーあー。泣くな泣くな。これはあくまで俺の推理が当たってたらの話で、その上でさらに仮定の話だ」

P「推理通りだとしても、実際は苦しまない毒で眠るように息を引き取ったのかもしれないしさ」 アセアセ

響「……ホントか?」 クスン

P「本当本当! ていうか仮定の話で泣くなよ」

響「わかったぞ……」 グシグシ

P「まぁ、とにかくだ! そうやって寮母は臓器などを流用された後」

P「樋村の手で、そのバラバラになった残骸を中庭にバラ撒かれたんだ。予め用意してた遺書と共にな」

P「これが俺の考える寮母の自殺の真相。そしてミキサー事件の真相だ」

残りは帰ってからです。今日中に終わるかなぁ


P「さて。視点をゾンビ事件の方に戻そう」

P「ここまでの推理が合っていると仮定して、では何故バレるような状況に陥ってしまったのか」

P「飼育小屋の手記には校長の家か何かから出るときにバレたと書いてあった」

P「まさか校長に匿って貰っていたというわけでもあるまいし、恐らく勝手に忍び込んでいたんだろう」

P「それが樋村の指示かは分からないが、救い出した生徒をむざむざ危険な場所に送り出すとは思えない」

P「なので校長の家かどこかに忍び込んだのは生徒側の独断だろう」

P「で、何故そのようなことをしたかと言うと……」

響「証拠の確保……とかか?」

P「まぁ、そうだろうな。校長の鍵が寮母室にあったのを考えれば、そうだとしてもおかしくはない」

P「最初からそういう計画みたいなのを練っていたのか、或いは突発的なことかは知らない」

P「しかし不幸にも村人に見つかってしまい、結果あのゾンビ事件が発生した」

P「結末は今語った通り。これが俺の推理するゾンビ事件の真相だな」


響「そっか……。でもよく生徒を救い出すことができたな」

響「いくら精巧な作りの身代わりの死体でも、バレる時はバレそうなものなんだけど」

P「学校は警察に介入させなかったし、正確に死体を調べられる人材がいなかったのかもな」

P「或いはその知識がある可能性がある学校保険師が、寮母さんだったのかもしれない」

響「そういえば保健室にも粘土やら糊とかがあったし、そうだったのかもしれないな」

P「そういうことだ。……さて、じゃあゾンビ事件についての推理も終わったし次に移ろうか」

P「次は樋村が逮捕された、人体模型事件についていろいろ推理を披露したいと思う」

響「人体模型事件かぁ……。ここまでのプロデューサーの推理を聞けば、なんとなく察しがつくけれども」

P「ま、話を進めるために必要なことだ。同じ推理かはともかくとして聞いてくれ」

響「わかったぞ」

??「……」 コクリ


P「さて、次の人体模型事件だが……。これは樋村の自首という形で締めくくられている」

P「なぜ樋村は自首をなんかをしたのか。その原因は恐らく先のゾンビ事件が原因になるんだろうな」

響「ゾンビ事件が原因で……?」

P「もっと詳しく言えば、寮母が亡くなったこと。証拠を確保するのに失敗したこと」

P「加えて状況を考えれば、間引き時の監視や遺体のチェックが厳しくなって、すり替えが困難になったからかもしれん」

響「生徒を救うのが難しくなったから、だな。それならだいたい分かるぞ」

P「あぁ。それでも学校は間引きを止めないだろう。しかし間引きを良しとしない樋村は最後の手段に出る」

P「身代わり用の死体を持って、学校の手の回っていない地域の警察へ赴いた」

P「そして自身が全ての罪を被るかわりに、学校で起きていたこと全てを世間に知らしめたんだ」

??「……」

響「でも、それじゃあ1つだけ疑問が残るぞ?」

P「ん? 何か変なことでもあるのか?」

響「変、というか……。自首の目的が間引きを止めさせることなら、何で1年近くの期間が空いてるんだ?」

P「何でって……そりゃあいろいろ準備しなきゃいけないこともあったし、何より放っておけない存在があるだろうが」

響「放っておけない存在?」

P「ゾンビ事件で救い出した、寮母の忘れ形見でもある生徒のことだよ」

響「あっ!」


P「先の事件で寮母が亡くなってしまい、その子が頼れる人物はもう自分しかいない」

P「だが自分は学校の間引きを止めるために、警察に全てを話に行く予定ではある」

P「その子の親の元に送り返すわけにもいかないし、これについては樋村も相当悩んだはずだ」

P「だから樋村は苦肉の策として、その子が一人でも生活が送れるように色々な準備を行った」

P「家事の仕方を教えたり、戸籍の準備などで1年ほどの時間を使ったんだろう」

P「あと生活費用。要は財産を残すためにいろいろと工面をしてたのかもしれん」

P「もともと救い出した生徒を何人も匿えてたし、学校から出てる給金は悪くなかったんだろうしな」

P「そうやって全てのやるべきことを終えた後、樋村は警察へと自首をした」

P「これが俺の考えている樋村自首までのシナリオだ」

響「その子のための準備期間、かぁ……。それで一年ほど期間があったんだな」

P「或いは単にその子が中学生になるのを待っていたのかもしれない」

P「全寮制の小学校はまず見かけないが、中学ならば全国レベルで見ればそれなりにあるだろうし」

P「ま、一人でも生きていけるのを待っていたというのは同じではあるが」


P「後の話は簡単だ。いろんな生徒の死体の一部を使用した人体模型を持っていき、私がやりましたと話す」

P「そして手の回ってない警察が村に乗り込む前に、急いで事態を隠蔽しようと躍起になる学校」

P「しかし事前に金庫の鍵やらを盗まれていたせいで、ろくに隠蔽も出来ないまま学校は閉鎖したってところか」

響「なるほど。でもそれで、校長や教頭はどうなったんだ?」

P「んー。面白くない話だが、玄関に張ってあった壁新聞を見るに、証拠不十分の不起訴で終わったんじゃないかね」

響「そ、そんな……。一番悪い奴が特別なにも罰を受けることなく終わるだなんてあんまりだぞ!」

P「いやいや。一応これも樋村の考えのうちだった可能性があるんだよ」

響「……へ? どういうことだ」

P「樋村は学校への断罪よりも、子供たちのことを優先したんじゃないかって話だよ」

響「うー? 言ってる意味がわかんないぞー」 ウーン


P「まず樋村は確定的な証拠を提出せずに事件を終えた」

P「手にしているであろう、金庫の鍵を警察に引き渡せば、校長や教頭も断罪できただろうに」

P「だがそれをしなかった。何故か? 多分、間引きを依頼した親たちを脅そうとしたからじゃないだろうか」

響「脅し?」

P「例え廃校になっても、その学校へ間引きを依頼した親たちの子供への態度が変わるとは思えない」

P「もしかしたら今度こそはと、別の方法でその子を再び間引こうと画策するかもしれない」

P「だからそうさせないために、あえて証拠を残し、そういった親への牽制として使おうとしたんじゃないか?」

P「『もしその子を虐待したり殺したりでもしてたら、証拠としてとってある血印書を警察に提出するぞ』」

P「『そうなればお前は破滅する。そうされたくなければその子と共に平穏に暮らせ……』」

P「……とまぁ、こういう感じの脅し文でも親へと送ったのかもしれないな」

響「なるほど。親からすれば、子供を間引けたとしても自分が警察に捕まってしまったら身も蓋もないどうからな」

P「ちょうど時はバブルの真っただ中だ。中には身分的に醜聞を嫌う親もいただろう」

P「全てを話せば親と教師陣をブタ箱へと送れるかもしれない」

P「だが代わりに子供たちは親を失い、残酷な事実を知って、失意のままに施設へと行くことになる」

P「それならば多少関係はギクシャクしてでも、それぞれの親に責任を持って育ててもらった方がいいと判断したんだろう」

P「ま、あくまでこの部分は証拠はなく、全部俺の想像ではあるけれどもな」


響「そこまで考えて……。樋村って人は本当にいい人だったんだな」

P「ま、ちと好意的に解釈しすぎたきらいはあるけれど、でも的外れって訳じゃないと思っているぞ」

??「……」 ウンウン

P「さて、ここまで推理をすれば、残りの九の悲劇はどうとでも解釈できるわな」

P「プール事件は何故か被害者は近くの中学の生徒だった」

P「捜索届が出されていたのなら間引き目的じゃあるまいし、多分巻き込まれた形だったんだろう」

P「間引き現場を見られたか。或いは死体を見つけられたのか」

P「はたまた、まったく別の事件で死亡しただけであるのか……。まぁどうでもいい話だな」

P「カッター事件は年代から考えて、まだ校舎の改築をしてない頃の間引き時の事件だったんじゃないかね」

P「不手際で生徒を逃がしてしまい、放送で助けを求められる一歩手前までいってしまった。そんな感じか」

P「そしてギリギリのタイミングで喉を切り裂くことに成功して、何とか事なきをえた……みたいな?」

P「ま、これも資料が足りないから何とも言えないが、これが3階の秘密の部屋を作るきっかけになった事件かもしれんな」

( 'A`) 必ず間違える呪いにでも掛かってるんだろうか
>>801 訂正
響「なるほど。親からすれば、子供を間引けたとしても自分が警察に捕まってしまったら身も蓋もないどうからな」

響「なるほど。親からすれば、子供を間引けたとしても自分が警察に捕まってしまったら身も蓋もないだろうからな」


P「そして女教師の小物事件。あれは寮母を指してのなら、一応は筋は通る」

P「だが自身の身体を使って小物を作成していたっていうのは流石にガセだろう」

P「多分、素材として使用していたのは、間引かれた子供たちの肉体の一部なんじゃないかな」

響「間引かれた子供たちの死体を使って小物を作っていたってことか?!」 ゾクッ

P「あぁ。だが子供の血肉は貴重な素材だ。安易に使えたとも思えない」

P「もし使えたとして、破損した骨の一部やら潰れた肉、少量の髪の毛くらいだろう」

P「それでも、いつの日かそれが証拠になる日が来ると信じて」

P「或いは人知れず死んでいった子供たちの存在を永遠に残すため」

P「そういう風な行動に出たのかもしれないな」

響「寮母さんも、いろいろと頑張ってたんだな……」

P「当然それはあくまで噂だけで、実際には何もやってないって可能性だってあるけどな」


P「飼育小屋の事件は……特に語るまでもないな」

響「校長の手記には、樋村先生のお父さんがやったって書いてあったぞ、確か」

P「その前後の文を見てみるに、まぁ間引く予定の子をあの場所に隠して救い出そうとしたんだろうな」

P「これは寮母の手記の『あの人と同じ夢を見るようになった』に通じるな」

P「父親も、間引きに反対していた人物の1人だったんだ」

響「樋村一家は、みんないい人だったんだな」 ウルウル


P「と、まぁこれが九の悲劇についての俺の考えだ。筋は通っているだろ?」

響「まぁ、明らかに変だと感じるような場所は思いつかなかったぞ」

P「まぁ探したら間違いの5、6箇所くらいあるのかもしれないが、大筋はこんなもんで確定してもいいだろ」

P「と、言う訳なんだが……どうだろう」 チラッ

??「……」 パチパチパチパチ

P「……合ってるってことでいいんだろうか」

響「そう解釈していいんじゃないかな?」

P「とりあえず、推理が合ってると解釈させてもらって、最後にまとめに入ろうか」

響「そうだな」

P「今言ったような出来事が過去発生し、そうやって学校は閉鎖された」

P「そして学校関係者や村人も村を離れざる得なくなり、そのままこの村は廃村となった」

P「証拠が学校にまだ確かに残ってはいたが、鍵もなければ回収することはできなかったんだろう」

P「そうして月を越え、年を越え、やがて25年の時間が流れた」

>>806
(身も蓋もないじゃなくて元も子もないじゃ…)

びゃー

>>812の言う通り、>>806を更に訂正
今、私頭おかしい
響「なるほど。親からすれば、子供を間引けたとしても自分が警察に捕まってしまったら身も蓋もないだろうからな」

響「なるほど。親からすれば、子供を間引けたとしても自分が警察に捕まってしまったら元も子もないだろうからな」


P「何故今頃になって、この計画を実行したのかは分からない」

P「だが平穏に暮らしていた教頭の元へ一通の知らせが届く」

響「同窓会案内だな」

P「そうだ。そして教頭は慌てた」

P「訴訟を恐れてか、それとも周りの人間に、或いは家族に自分の素性がバレるのを恐れたのかは知らない」

P「教頭は急ぎ証拠を処分しに当時の廃村へと向かった」

響「でも、それは罠だったんだっけ」

P「この廃村までは、最寄りのホテルからでも車で2時間以上はかかる」

P「もしホテルを利用せずに来たのであれば、更なる時間がかかっただろう」

P「そしてこの場所にやってきた教頭は急いで廃校でのタイムカプセル探しに奔走する」

P「そして――その最中に乗ってきた車。或いはバイクなどを仕掛け人に隠されるか壊されるかされてしまう」

響「えっ? そうなのか? 初耳だぞ」

事件を1つ入れ忘れました
突然の>>810訂正

P「飼育小屋の事件は……特に語るまでもないな」

響「校長の手記には、樋村先生のお父さんがやったって書いてあったぞ、確か」

P「その前後の文を見てみるに、まぁ間引く予定の子をあの場所に隠して救い出そうとしたんだろうな」

P「これは寮母の手記の『あの人と同じ夢を見るようになった』に通じるな」

P「父親も、間引きに反対していた人物の1人だったんだ」

響「樋村一家は、みんないい人だったんだな」 ウルウル

P「そして最後にタイムカプセル事件は、学校の裏側を覗こうとした生徒を排除したってのが真相だろう」

P「卒業の前後に学校の手にかかってしまったから、このような形の噂になったんじゃないか?」

P「事実、さっき見つけたタイムカプセルには人の骨らしきものなんて入ってなかったしな」

P「この事件に関しては、他にも補足が必要だと思うが……今はおいておこう」

響「補足?」

P「すぐわかるよ」

??「……」


P「ついさっき思い出したんだよ。殴られた時、なにを見つけたのかを」

P「俺は校舎の更に北にある廃材置き場に、バイクとミニカーが隠すようにして置いてあったのを見つけたんだ」

P「多分バイクの方はこの人の持ち物で、教頭はミニカーを運転してやってきたんじゃないか?」 クイッ

響「それが原因でプロデューサーを?」

P「そうなんだろうな。まったく、すごく痛かったわ」

??「……!」 ペコッ

P「……まぁいいや。それで話を戻そうか」

P「ミニカーをどうやって動かしたのかは知らない。鍵が刺さったままだったのか、それとも奪いとったのか」

P「しかし俺たちの車を修理をしたり、車内にメモなどを置けたことを考えれば、ピッキングの技術でも持ってるのかね」

響「そ、そうなのか。やっぱり車は安全地帯じゃなかったんだ。今考えるとぞっとするぞ」 ブルブル

P「帰る手段を失った教頭は、廃村の中を彷徨うほかなく、次第に精神をすり減らしていき、やがて発狂する」

響「確かに。何度もこの場所で夜を越えろって言われたら、絶対に頭がヘンになっちゃうぞ」

P「そして、いよいよ最後の仕上げに取り掛かろうとした時、俺たちがやってきた」


P「後は最初に推理した部分に繋がるな」

P「心霊現象の正体は、教頭用の罠と俺たちを学校から追い出すための策略」

P「教頭の目的は証拠の隠蔽」

P「仕掛け人の目的は、教頭を狂わせて恐怖のどん底の中殺すため」

P「以上が、今回の事件の真相だ。と、俺は推理した」

響「なるほどなー……。何にだって説明をつけようと思えばつけられるんだな」

P「そうだな。ま、これで俺の推理は以上になる」

響「えっ? いやいやいや、ちょっと待ってほしいぞ」

P「ん? 何だ。まだ何かあるのか?」

響「いやさ。今までの真相は分かったけど、それじゃあ結局この人は誰だったんだ?」 チラッ

??「……」 ジッ

P「あぁ、その人の正体ね。うーん、なんか面倒くさくなってきたし、別に正体なんて何でもいいんじゃないかな」

響「いや、ここまで来たら是非とも知りたいぞ! っていうか何で最後の最後でやる気なくしちゃうのさー!」 ペチペチ

P「あー、うん。そうか。じゃあまあ……結論から先に言っちゃうとだな……」

響「うん」 ゴクリ


P「想像ではあるが、5代目と呼ばれていた新聞部員。もしくは近しい人物、だろうな」

??「……」 ゴクッ

響「新聞部員? それには根拠みたいなのはあるのか?」

P「ん。響、玄関先に貼られていた新聞と、教頭への脅迫状の文字の類似性はすでに知ってるだろ?」

響「うん。かなりの高確率で同一人物だーって……」

P「徹底的に情報隠蔽がされていた当時、教頭の弱みを知る人物が何人もいるのはおかしい」

P「タイムカプセルの中身が教頭にとって困るものであると知っていたのは、恐らくあの脅迫状の差出人くらいだろう」

P「では当時、訳あって学校側の秘密を探るような理由があったとすれば、それは一体どんな人物は誰か?」

P「十中八九、新聞部の連中以外にありえない。『学校の秘密を探る部』みたいな部があれば話は別だが――」

P「ま、そんなピンポイントな部活はなかったろうし、新聞部あたりで当たっているはず」

P「ならば玄関に張られていた新聞の製作者も、同じくその新聞部員で合ってるはず」

P「そしてその新聞を貼ったのは――もう説明はいらないな」

響「なるほどなぁ」

P「まぁ、ちと気になる点もあるけどな」

響「気になる点? 何かあったっけ」


P「いや、これは言わないでおくよ。とりあえず俺の予想するこの人の正体は新聞部員の誰か、だ」

響「そこまで来たら言ってもいいと思うのに……」

P「証拠が足りてないんだよ。そういう推理はこの場所では話したくはないな」

響「プロデューサーがそういうのなら仕方ないのかなぁ」 フーッ

??「……」 フムフム

P「さて、と。これで俺話すことは終わりだ」

P「あんたがここで待ち構えていた理由は問うまい。だが、これで一先ずは安心できただろ?」

P「そもそも俺は、今の推理が合っていようが合っていまいが、帰ってからこの事件について触れまわる気はない」

P「率直に言えば、変な噂を流してあんたのやりたいことの邪魔はしない」

P「だから、まぁなんだ。そう身構えるなよ」

??「……」 ザリッ

P「それに――」

            オーイ コッチニ クルマ ガ アッタゾー !!   765プロ ノ ヒト ガ ノッテタ クルマ タ ゙!!

??「!!」

響「人の声! スタッフが探しにきてくれたのか!」

P「もう時間が来たようだしな」


P「ま、教頭の命は諦めろ。あれはもう二度と正気には戻るまい」

P「もう充分に復讐にはなったろう。まぁ今諦めても、後から再び……っていうのなら別に止めはしないけどな」

??「……」 ザリッ カツコツ...

響「あ、逃げるみたいだぞ! 追わなくていいのか?」

P「放っておけ。せっかく無事生還できたのに、ここで下手に争って怪我なんてしたくないし」

??「……」 グッ  カツッ コツッ

P「あ、そうだ。忘れてるものがあるぞ。おい、響」

響「ふぇ?」

P「持ってきた資料全部渡してしまえバッグごとだ」

響「……それでいいの?」

P「別にいいだろう。俺はもう何もする気もないし、別に持ってても何があるってわけじゃないだろうし」

響「プロデューサーがそういうなら……。はい」 スッ

??「……」 ジーッ

P「別に罠なんかじゃないって。ほら、受け取れよ」 ポーイ

??「……!」 トスッ


P「あ、そうだ。最後だからひとついいか?」

??「……?」 クルッ

P「あのタイムカプセルに埋められてた壁新聞には、一体どんなことが書かれていたんだ?」

P「教頭が躍起になる所を見れば、間引き関連の話だろうけど……。実はまだ読んでないんだよ」

P「これは単なる好奇心からだ。できれば教えてくれないかね」

??「……」 ンー...

??「!」

??「…………」 ...ガサゴソ

響「ん。見せてくれるのかな? 変に律儀だなぁ」

P「ん? でも取り出したのはメモ帳と……ペン?」

??「……」 キュッキュッキュッ...

響「何か書いてるのか?」

P「喋ればいいのに……。意地でも口を開かないつもりなんだな」


??「……」 キュッ  ビリリッ       ポーイ

P「おっとっと……。何だ、これを読めってことか」

??「……」 コクッ

??「……」 ゴソ...

響「?」

P「今度は自分のウェストポーチを漁ってるな。このメモの他に、まだ何かあるのか?」

??「……」 ゴソ...   コトッ

P「? なんだそりゃ」

響「!!! それ、自分の携帯電話!」

??「……」 クルッ   カツコツ...

響「失くしたと思ってたのに、何だ。あの人が持っていたのか!」

P「んー、どれどれ? ……おっ。なんだこれ、まだ動くじゃないか。よかったな、響」

響「な、なんでこれまだ動くの? 壊したつもりだったのに……」

P「何でって……。折りたたみの携帯の間接部をへし折ったところで、基盤は何もダメージを受けなかったからだろ」

響「あっ、そうか……。考えてみれば当たり前のことだったぞ」


P「しかし、これでやっと終わったな……」

響「長かったぞ……。ねぇ、プロデューサー。これで、本当に終わりだよね? もう家に帰れるんだよね?」

P「あぁ。もう、怖い思いをすることもない。何もかも、全部終わったんだ」

響「はぁーっ! そっかー、やっと帰れるんだな!」

響「これでやっと、やっと家へ……帰っ……」 ジワッ

響「うっ……ぐすっ……」 ポロポロ

P「響……」

響「あ、あれ。なんでだろ。嬉しいハズなのに……。安心したら急に……、急に涙が……」 ポロポロ

P「響。もう無理する必要はないんだぞ。……今までよく頑張ったな、響。お疲れ様だ」 ナデナデ

響「……ゔん……。頑張ったぞ。一生懸命、がんばったぞ」 グスッ

P「さぁ、俺たちも行こう。そして一緒に帰るんだ、あの日常へ」 スッ

響「うん……うん……」 ギュッ


――――――………………

―――………

――……

ジャンジャジャ~ン!! 今明かされる衝撃の真実ゥ!

>>854
あいつはそんな人を騙すような奴じゃないんだ!


- 帰り道 車中にて -

響「……」 ピッピッ

P「なんだ響。携帯なんかを弄ったりして」

響「ん? 印刷室の時の着信とかを調べてたんだぞ。何か手掛かりがあるかと思って……」

響「でも、なーんにも無かった。消されちゃったのかな? それともあれは唯の勘違いだったのかな」

P「それって、印刷室の春香の声で着信があった……ってやつか?」

響「うん。どうしてもそこだけが分からなくて……。プロデューサー、この謎は溶ける?」

P「んー……。まぁ、可能性みたいなものは挙げることはできるけれども」

響「例えば?」

P「まず1つ目は完全な響の勘違い」

P「その時は相当怖い思いをして、かなりの極限状態にあったんだし、幻聴に近い何かを聞いた可能性は否定できない」

P「最後の『見つけた』の部分は実際誰かが発した声で、その声で我に返り、このような勘違いをしたって説」

響「うーん……。極限状態だったってのは否定できないけど、ちょっと都合が良すぎる気がするぞ」

P「まぁ、それもそうかもな。そして2つ目は聞き違い説。これが結構有力だ」

P「あの学校はかなり電波状態が悪いが、だが稀に繋がることもある。中庭前であったな」

響「確かにあの時、プロデューサーは一瞬だけ繋がったって言ってたな」

P「それで実際に電話が繋がり、実際に春香と会話をした」

P「そして最後のあたりで、春香のそばで電話の様子を伺っていた誰かがこう言ったんだろう」

P「『見つけた? そこから動かないように指示しておいて』とな」

響「えっ?」

P「しかし運悪く会話の途中で電波が途切れ、先のような台詞になってしまったという説」

響「確かに……『見つけた。そこか』だなんて、脅しの台詞としては中途半端すぎるぞ」

響「もっとスマートな言い回しがあったと思うのに」

P「これは春香が電話してなきゃ成り立たない説だな。帰ったら春香に聞いてみるのもいいかもしれない」

でも春香は電話してないと言ってるから……

電話って相手の顔が見えないし機械を通して声を聞くだけだから、
相手が「春香だ」と思い込んでしまえば、多少違っても春香の声に聞こえちゃうってのはあるかも


P「3つ目は声真似説。これもそこそこ有力」

響「声真似ってことは、あのフルフェイスの女性のってことか?」

P「あいつは俺たちの前で顔はともかく、声すら出そうとしなかった」

P「俺は恐らく一度、車の所で聞いてはいるんだが……。それでも俺は響の声と勘違いをした」

響「そうだったな。まったく、担当アイドルの声と間違えるだなんて酷いぞー!」 プンスカ

P「いや、それはすまんかった。だがあの時聞いた声は、思った以上に若い女性の声だったんだ」

P「だからその女性の声を響が春香と勘違いしてしまっても、特別変ではないと思うんだ」

P「さっきも言ったが、あの時は極限状態だっただろうしな」

P「そして最後に声色を変えて、響を驚かせる。これなら一応筋は通るんじゃないかと思うがなぁ」

響「うーん……。この説もちょっと無理矢理臭いけど、なくはないかも」

響「当時は間違いなく春香の声だと思ってたけど、今冷静に振り返ってみれば、本当に春香の声だったのかな……?」

P「電話の相手は最初、お前の名前を呼んで、優しく友好的に語りかけてきた」

P「それを聞いて、咄嗟に仲間からの電話だと思い、その声に一番近かった春香の声と勘違いしたんじゃないか」

P「まぁ、これが3つ目の説だな」

響の名前は知ってたんだっけ?

あの有名アイドル我那覇響の名前を知らないやつはいないだろ

と俺は設定してる

>>870
至近距離で顔は見てないと思ったけど
夜の廃村で遠くから「あれは…あの有名アイドルの我那覇響!」って分かる物なのかな


響「ふぅん……。やっぱ色々と思いつくものなんだなぁ。これで全部か?」

P「いや、正確にはもう1つだけ可能性を考えたんだが……。間違いなくこれは違うだろうし言わないでおくよ」

響「んもー。なんでそうやってプロデューサーは何でも自己完結させちゃうかなぁ! 気になるじゃないかー!」 ペチペチ

P「いやな。こればっかりはプロデューサーとして、口に出すわけにはいかない。堪忍してくれ」

響「むぅー……。仕方ないぞ」 ブスゥー

P「こらこら、拗ねるなよ。一応今挙げた中に正解があるかもしれないんだからよ……って、あれ。響、なんだそれ」

響「? 何がだ?」 キョトン

P「いや、その携帯にぶら下がってる白いやつ。そんなストラップ着けてたっけ?」

響「え? ……あ、本当だ。いつの間にこんなストラップが……」

P「不気味だなぁ。盗聴器とか仕掛けられてたら嫌だし、外そうぜ」 ガチャガチャ

響「盗聴器……。うーん、ありえるのかなぁ」

P「ん? 盗聴器のことか? いや、今のはあくまで例えで言った話だから、本気にしなくても……っと、取れた!」 ガチャリ

響「でもあの女の人は、教頭を陥れるために発電機まで持ってきてたし、盗聴器も用意しててもおかしくは……」

P「ないな。まぁ無いってだけで、だからどうという訳でもないだろう。あまり気にするなよ」

>>880
下げろよ


響「でも仮に着信とあの声が全部仕掛けられたものだとしたら、どうやって自分らの名前を知ったんだろう」

P「お前確か携帯を車内に置き忘れてたんだろ?」

P「だから車を弄る際に、お前の携帯の中身でも調べたんだろ。着信だってその時変えればいい」

響「でも、それならぴよ子の名前はどうやって知ったのかな……」

P「ぴよ子? ……お前まさか携帯の登録名までぴよ子って登録してるんじゃないだろうなぁ」

響「えっ? えっと……うん。実はその名前で登録してるぞ」

P「お前なぁ……。いや、そうだとしたら――」

響「うん……。ぴよ子の本名の『小鳥』って名前を知ることなんてできやしないぞ」

P「小鳥さんの名を予め知っていた? 顔を見せなかったのはやはりそういうことか? いやしかし……」 ブツブツ...

響「プロデューサー?」

P「……一応、実行可能な説は一つだけある。帰ったら、事務所かアイドル達に不信な電話がなかったか聞いてみよう」

P「これがなければ本気でお手上げだ。ホンマもんの心霊現象ってことでいい」

響「ちょっ。幽霊いないって言ってたじゃんか! そんな怖いこと言うのやめてほしいぞー!」 ブルブル

>>881
何もない時ならともかく>>1が投下中でsageてないんだからいいじゃん


P「俺は探偵じゃなくて、しがないプロデューサーなんだって。あんま期待されても困るっての」 ペラッ...

響「? プロデューサー、それは?」

P「あの女が最後に俺たちに残して行ったメモだ。ホテルに着くまでに呼んでおこうかなって」

響「車で字を読むと酔っちゃうぞ?」

P「俺は三半規管が優れているから平気なのだ。なになに……?」


『お見事です。先に聞きました推理はほとんどが当たっていました』

『当然細部はやや違う所もあるものの、大まかな流れは一緒です』

『しかし3箇所ほど正さなければいけない点がありました。それはとても重要なことです』

『ひとつ。学校が行っていたのは、「間引き」ではなく「選別」』

『ふたつ。教頭が発覚を恐れていたのは、「選別」のそれ自体ではなく、その中で起こったある事件のこと』

『みっつ。生き残ったのは私だけじゃない』

『以上となります。走り書きで申し訳ありません』

『P.S. タイムカプセルの記事は見せることができません。ごめんなさい』


響「ふむ、ふむ……。わぁ、すごいぞ! プロデューサー、ほとんど推理合ってたって!」 パァッ

P「むしろ、間違ってたところあったのかよ……。マジかい」 ショボン

これやっぱ障害者説当たってたんじゃね
フルフェ女も喋らないってより喋れないって気がする

>>896
そうなるとフルフェイス女がかけたと推理されている電話は…まあ別の仲間がいたとしてもおかしくないか


響「でも、この『選別』って何だろう? 学校で殺人が行われていたのは確かなのに、間引きじゃなかったのか?」

P「んー……、それだがな。この選別の文字を見て、俺もたった今思い出したことがある」

響「思い出したこと? なんだそれは?」

P「校長室で見つけた資料だ。確か……『85' 普59、選44』だったかな」

響「よく覚えてるなぁ……。でもあれ。てことは、この『選』ってのは『選別』って意味だったのか?」

P「だろうな。意味は『85年度、普通入学59人。選別44人』ってところか」

P「その後に書いてあった文章と併せて考えれば、恐らく入学生の事を指しているんだろうな」

響「でも、44人かぁ……。そんな大量の生徒が犠牲になっていたんだな……」

P「いや、それも恐らく違う。寮母の日記を思い出してみろ」

P「『今年は30人はいくだろう』。文面から察するに、その年に犠牲になる予定の生徒が例年以上に多かったのでは?」

P「しかし校長の手記に、『普通入学者が増えて、いずれ普通入学だけで運営できるだろう』ともあった」

P「注目するべきなのは、『いずれ普通入学だけで運営できるだろう』の部分だ」

P「この部分を見るに、増えたのは普通入学者の人数ではなく、割合の方だったんじゃないか?」

P「それならば寮母の手記はいつの年代に書かれたものでも、少し首を捻らざるを得ない」


響「じゃあどういうことだったんだ?」

P「つまり、全員を殺してなどいなかったってことだ。恐らく何らかの基準で殺す殺さないを決めていたんじゃないか?」

響「あっ。それで『選別』……」

P「ここからは俺の想像だが、その後に続く校長の手記を見れば、『成果のひとつ』、『有名中学へ進学』とある」

P「これを見るに、学業、スポーツ、芸術などの、各分野で優秀か違うかの篩分けを行っていたんじゃないのかね」

響「学校の成績や運動神経で殺す、殺さないを決めていたというのか!?」

スタッフ「えっ。殺す……?」 チラッ

P「あ、いや何でもないです。ハハハ……。響、声が大きいぞ」

響「う……。ご、ごめんだぞ。でも、もしそうだとして、親は才能あるなしで子供を捨てるかしてたのか? 酷いぞ!」

響「別の分野で輝かしい才能があったのかもしれないのに……」

P「こういうことは言いたくはないが……。現代にも子供に特定の才能を求める親は数多くいるぞ」

P「スポーツ選手、音楽家、ダンサー。……それこそアイドルだって」

響「子供には子供自身の夢だってあるはずなのに……」

P「ちょっとしんみりしちゃったな。ま、とにかくだ。『選別』ってのはこういうことだったんじゃないかな」


響「むぅ。それで次は……『教頭が発覚を恐れていたのは、選別中にあったある事件』? なんだこれ?」

P「こればっかりは謎のままだな。壁新聞を見れなかったし、そういった資料も見つけていない」

響「そうだろうなぁ……。でも発覚を恐れる事件って何があったんだろ」

P「まさかあのメモの意味って……」 ボソッ

響「えっ?」

P「もしそうだと時列系がおかしい……。いや、でも……」 ブツブツ

響「えっ? えっ? 一体何の話だ?」

P「……んー。資料を全部あいつにあげちゃったのは失敗だったかなぁ。確かめようがない」

響「だから何の話なのかわけ分かんないぞ―!」 プンスカ

P「つまりお手上げってことだ。資料なければ調べられないし。あーあ、残念だなぁ」 ハァー...

響「いや、だからその思いついたことをしゃべってほしかったんだけど……」

P「間違ってたら恥ずかしいので言わない」 キッパリ

響「むぅー!」 ペシペシ

P「痛い痛い」


P「最後は……『生き残ったのは私だけじゃない』、か」

響「樋村先生に助け出された生徒が、隠れたところにもたくさんいたってことなのかな」

P「いや。仮にそうだとしても、あのゾンビ事件で全滅しているハズ……」

響「じゃあゾンビ事件の2人が双方とも生き残れてたってこと?」

P「まぁそれしか生徒が生存できるところが見当たらないもんな。多分そういう意味で……ん?」

響「どうかしたのか?」

P「思えばあの事件の犠牲者は、選別入学者だったのか……?」

響「また……。その『あの』だとか『アレ』だとか『例の』だとか、抽象的すぎる考えを口にするのはやめてほしいぞ!」

P「なんだ響。気になってるのか?」

響「そりゃあ……。そんな思わせぶりな事を口にしてたら、気になるに決まってるぞ!」

P「そうか、すまんかったな」

響「……」

P「……」

響「……とは言いつつも、考えを話すつもりはないんだな」

P「おうとも」 キリッ


P「まぁ、別にいいだろう。全部過去の出来事。終わったことにいつまでも構ってちゃあ先に進めない。」

P「それにそう言ったことは、いつの日にかあの女性が法廷で全部明らかにしてくれるんだろう」

P「つまる話、俺たちがこの件で頑張るのはもうおしまいだってことだよ」 ポンポン

響「またそうやって誤魔化すー」

P「誤魔化してなんかないさ。少し休んだら、また大忙しの日々が始まる」

P「あの廃村の中では大変な思いもしたが、もう俺たちは廃村を越えて、人の住む街へと帰ってきた」

P「もうあの村のことを考えるべきではないと思うし、そうするべきだ」

響「そう、なのかな?」

P「そうさ。それとも響はあの女性が信じられないか?」

響「信じられない訳じゃないけれど……」

P「信じられるのならそれでいいさ」

響「いいのか?」

P「いいんだよ。信じられるなら、その気になれば信じることができるんだし」

響「そんなものなのかな」


P「おっ! 見ろ響。街が見えてきたぞ。俺たちは帰ってこれたんだ」

響「本当だ! 人が沢山いる! 車もたくさん通ってる! やっと帰ってこれたんだな」 ジワッ

P「ははは、お前泣き虫だなぁ。どれだけ泣くんだよ。体中の水分がそのうち無くなるぞ」

響「っ!! な、泣いてなんかないぞ! ただちょっと目にゴミが入っただけで……」 グシグシ...

P「ハハハハ……。それならそう云うことにしておこう」

響「んもうっ! 帰って早々からかうのは止めるんだぞ!」 プンスカ

スタッフ「じゃ、もうすぐホテル着きますんで」

P「あぁ。ありがとうございました。じゃあ響、そろそろ着くから」

響「ホテルに?」

P「あぁ。皆は流石に無理だったが、何人かアイドル達が迎えにやってきてくれてるらしいぞ」

響「ホント!? わぁっ! ほんの数日逢ってないだけなのに、随分と懐かしく感じるぞー!」

P「そうだな。楽しみだな」 ハハハ

響「んー……。でも、その後自分らはどうするんだ?」


P「俺と一緒に病院へ。送迎は律子がしてくれるみたいだな」

P「その後、響はとりあえず事務所へ。仕事の方はしばらくキャンセルする形で進めさせてもらおう」

響「わかったぞ。……プロデューサーは?」

P「俺か? 俺はそのまま警察へ事情を説明しに行かにゃならんからな」

P「そうそう。そういう訳だから暫くの間、響の担当は律子に任せてあるから、そこんとこもよろしくな」

響「それじゃあ……次はいつ会えるの?」

P「いつ会えるって大げさだなぁ。ま、一週間あれば事務所に復帰できるだろう」

響「一週間もかぁ……」 ウーン

P「一週間『も』ってことはないだろ。たかだか一週間程度だ。それとも何だ。俺に会えなくて寂しくなるとか」 ハハハ...

響「……」 ウーン

P「ハハハ……って、あれ?」 アレレ-?

響「ねぇ、スタッフさん。ちょっとこの近場で一旦停めてくれないか? ちょっと酔っちゃったみたいなんだ」

P「ちょっ……。響?」


- 野外 -

スタッフ「時刻通りに連れて行かないと怒られるのは僕なんで、早めにお願いしますよー」

P「分かりました。無茶言ってすいません!」 ペコペコ

響「さ、プロデューサー。行こっ」 グイグイ

P「何なんだ、急に車を降りたりして。本当に気分でも悪くなったのか?」

響「んーっとね……。あ、プロデューサー」

P「うん」

響「おんぶして」

P「へ?」 キョトン

響「足、まだ痛いからおんぶしてほしいぞ」

P「おんぶって……。まぁ、足が痛いのは分かるけど、そんな遠くまで行くわけじゃないに」

響「……だめ?」 ジッ

P「……分かったよ。ほら、乗りなさい」 スッ

響「んっ。ありがとうだぞ」


P「何処へ行きたいんだ?」

響「人のいない所がいいなぁ」

P「人のいない所ねぇ……。まだ朝っぱらだから、それほど人通りは多くないけども……」 キョロキョロ

響「んーっとね……。あ、あそこ! あそこの高台、今人がいないぞ! チャンスだ!」 ピッ

P「お前……。この状況で坂を登れってか」

響「自分、綿みたいに軽いんでしょ? 覚えてるぞー!」 ヘヘーン

P「まったくこいつは……。はいはい、お姫様のお望み通り」 スタスタ...

響「えへへ。ありがと」 エヘ-


- 展望台 -

P「ふぅ……。ふぅ……。さ、流石に坂はキツかった」

響「だ、大丈夫かプロデューサー。無理言っちゃってごめんだぞ」 オロオロ

P「なに、別にいいさ。……おー、それにしてもここから街が一望できるな。壮観だ」

響「本当だ、とても綺麗だぞ。……自分、街がこんなに綺麗で明るいものだなんて気付かなかったぞ」

P「……まぁ、あそこから帰ってきたら、そう思えても不思議じゃないな」

響「うん。今は街も人も空もお仕事でさえも、すごくキラキラしてるように感じるぞ」

響「一回り成長できたってことなのかな?」

P「素敵なことだな。その調子で成長していって、是非とも大物になってくれ」 ハッハッハ

響「えへっ。そうだな。今なら今まで以上の活力でアイドル活動を送れそうな気がするぞ」

P「それなら俺としても鼻高々だ。ま、だからと言って二度とあんな経験はごめんだがな」

響「ん。自分もだぞー。成長できるからといって、もうあんなのはこりごりさ」

P「ハハハハ……」

響「えへへ……」

P「……」

響「……」


響「あのね」

P「?」

響「あの時、廃坑でもう死んじゃうんだって思った時。自分の中でいろいろな想いが一気に溢れ出てきたんだ」

響「もっとハム蔵たちと遊んであげればよかったとか、みんなと一緒にライブをやりたかったな、とか……」

P「後悔の念……ってやつか? まぁお前もやりたいことはたくさんあるだおるし、不思議じゃないな」

響「もっと親孝行しておけばよかったとか、友達ともう少し連絡をとっておけばよかったとか……」

響「もっと好きな人といっしょにいたかったとか、自分の気持ちに対して素直になっていればよかったとか……」 ギュ...

響「……プロデューサーに大好きって、伝えておけばよかったな、とか……」 ギュ-ッ

P「響、お前……」

響「ねぇ、プロデューサー。自分、廃坑で言ったことを反故にするつもりはないから」 ジッ


響「かなさんどー、プロデューサー。大好きだぞ」



P「……」 ポリポリ

響「……」

P「あー、響」 クルッ

響「あっ! だ、だめだぞ!」 グギューッ!!

P「うぐっ! く、苦しいっ! なにするんだ、響」 ウゴゴ...

響「あ……。ご、ごめんだぞ。で、でもこっちを今は振り向かないで……」

響「きっと今、顔がすごいことになってるだろうから、顔を見ないでほしいさー……」 カアァァァァッ

P「ん、んー……。まぁ、その、なんだ。響」

P「お前の告白はとても嬉しい。正直言うよ。俺もお前のことが大好きだよ」

響「ほ、本当か?」 パァァァッ

P「だが――」

響「あ、待ってほしいぞ!」 グイッ

P「うごっ! ま、またか……」

響「あ、ごめん……。でもその先は言わないでほしいぞ。分かってる、分かってたから」 ギュ...

P「……」


P「……そろそろ戻ろうか。あまりスタッフを待たせちゃ悪いし」

響「そう、だね。戻ろう、プロデューサー」 ギュッ

P「……」 スタスタ

響「……」

P「あーっとだな……。一応、言っておくが――」

響「その前にっ! ……もう一言だけ言わせてほしいぞ」

P「お、おう。なんだ?」 スタスタ

響「ねぇ、プロデューサー……」

P「な、何だ」

響「肩の部分に黒い手形のような痕が残ってるぞ」

P「は!? 嘘だろっ! どこだっ!?」 クルッ


                          チュッ


P「あっ……」

響「えへへ」 ニヤニヤ


P「謀りやがったな、こいつ~」 ユッサユッサ

響「あうあうあうあう……。えへ、引っかかるプロデューサーが悪いんだぞー!」 キャッキャ

P「落ち込んだ風に見えたから気を利かせようと思った途端これだぜ」

響「ふーんだっ! 鈍感なプロデューサーの答えくらい、なんとなく予想はできてたぞ」

響「でも、まだまだ諦めてなんかないんだからな」

響「生きてる限りはチャンスがあるんだもん。まだまだ、これ位じゃ諦めないからなっ!」

P「……ふっ。フハハハ……。なんだ、変に逞しくなったな」 ハハハ...

響「だぞ! 自分完璧だからな。いつの日か絶対、振り向かせてやるんだ!」

P「どうだろうな? お前が言うに、俺は鈍すぎるみたいだからまったく気付かないかもしれないぞ?」

響「その時は今みたいに肩にゴミがついてるとでも言えばいいさ」

P「そう上手くいくかな?」

響「プロデューサーは単純だからな。きっと引っかかってくれるぞ」



                      スイマセーン! ソロソロ ジカン イイッスカ-?


P「おっと、スタッフの人の声だ。そういえば待たせてしまってたな」 タッタッタ,,,

響「もうそんな時間が経ってたのか。時間が経つの早いなー」

P「だな。だがあんまり待たせると、律子にどやされそうだし、早々にみんなの元へ行こう」

響「そっか。もうすぐ皆に逢えるんだな!」

P「あぁ。じゃ、帰ろうか。またいつもの日常へ」

響「うんっ!」




- True End -

数ヶ月にわたりお付き合いいただき、ありがとうございました
これで廃村シリーズは終了とさせていただきます
残った謎は各自、自由にお楽しみください。それでは

乙!!楽しませて頂きました
もし良かったらPの偽物安価だけどうする予定だったか教えて頂きたいです

>>951
幽霊ルートまっしぐら

その他、多くの乙ありがとうございます
ところでHTML化スレに繋がらないんですが、どうしたらいいんでしょ

響「う、うぅぅ……。意地悪はやめるんだぞー!」 ポカポカ

P「痛てて……。

ここがひびかわMAXだった

響「んもー。なんでそうやってプロデューサーは何でも自己完結させちゃうかなぁ! 気になるじゃないかー!」 ペチペチ 

P「いやな。こればっかりはプロデューサーとして、口に出すわけにはいかない。堪忍してくれ」 

響「むぅー……。仕方ないぞ」 ブスゥー 

P「こらこら、拗ねるなよ。


P「間違ってたら恥ずかしいので言わない」 キッパリ 

響「むぅー!」 ペシペシ 

P「痛い痛い」

暴力的響かわいい

・春香の着信に関しては、P「口に出すわけにはいかない」
・響に電話をかけた人物は小鳥さんを知っている
・白いストラップの存在
・タイムカプセルの中身は見せられない
・教頭が発覚を恐れた選別中の事件
・P「あのメモの意味」
・生き残りはフルフェイスだけではない
・P「あの事件の被害者は選別入学者だったのか…?」

ヒントはこんなもん?
皆目見当つかないけど

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年11月24日 (金) 18:59:05   ID: OaFMsf6L

自己満臭がして、読み物としては不満…読みやすい文章なだけに残念でならない

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