男「障害者の介護か…あんまやりたくないんだけどなぁ」 (22)

男「でも給料良いな…普通この手の仕事って給料低いもんだけど…」

男「電話かけてみるか…」

―――――

男「うわ、でっけえお屋敷…つーか会社じゃないんだな」

ピンポーン

しゃがれた声「はい」

男「えーと、面接に来たものです…」

しゃがれ声「お入りください」

初老の男性「ようこそ」

男「あ、どうも、本日はよろしくお願いします」

初老の男性「あちらでお待ちくださいませ」

男「…」ソワソワ

男「…(あの人達も面接に来たのかな)」

スーツの男「…」ジロッ

男「?」

スーツの男「…」

男「あの、何か」

スーツの男「君は何か資格を持ってるのかね?」

男「いえ、特には」

スーツの男「ならこの仕事は向かないね、帰ったほうがいい、面接で貶されるのがオチだ」

男「…」ムッ

初老の男性「お待たせいたしました。こちらへどうぞ」

スーツの男「はい!」

―――――――

男「…(俺の番まだかな)」

ガチャッ

初老の男性「お待たせいたしました。男さん」

男「あ、はい!!」

初老の男性「それではどうぞ」

男「失礼致します!」

女「こんにちわ」

男「こ、こんにちわ」

初老の男性「えー、今までの職務経歴は?」

男「古本屋でのアルバイト、それからビデオレンタル店でのアルバイト」

男「引っ越し手伝いのアルバイトです」

初老の男性「なるほど」

男「…?」

初老の男性「では仕事の説明をさせていただきます」

男「はい!」

初老の男性「えー、基本的にはお嬢様の側にいていただく形となります」

初老の男性「お嬢様の歩行訓練、食事、その他娯楽などの時」

初老の男性「お嬢様の手となり足となって差し上げてください」

男「は、はい!」

女「それでは男さん、明日の朝8時にうちに来てください」

―翌日、朝8時

男「失礼します」

初老の男性「ようこそ、では改めて本日からよろしくお願いします」

男「えっ、えーと、合格ってことですか?」

初老の男性「はい、もしや昨日の時点ではお気づきになられておらなかった?」

男「あ、はい…」

初老の男性「ほっほっほ、それはそれは」

女「おはようございます。男さん」

男「あ、おはようございます!」

初老の男性「では、まずは朝の運動ですな」

初老の男性「お嬢様を抱きかかえてあげてください」

男「えっ、だ、抱きかかえ…」

女「早くしてください」

男「あ、はい」

初老の男性「歩行訓練です」

女「…くっ」

初老の男性「さ、お嬢様、まずは右足を」

女「…うっ」バタッ

男「あっ」

女「痛…」

女「何やってるの!早く起こしてください!!」

男「あ、ご、ごめんなさい!!」

男「よいしょっと」

女「ちょっ…どこ触ってるんですか!!」

男「うわわわすみません!!」

初老の男性「では、あとはお願いしますね」

男「えっ!?」

男「じゃ、じゃあ、えーと、僕につかまりながらこの部屋を一周しましょう」

女「…退屈ね」

男「…」

女「私、外に行きたいです」

男「外…ですか?」

女「ね、連れてってください」

男「いいんですか?」

女「家主の私が良いと言ってるんですからもちろん」

女「あなた、車は運転できる?」

男「ええ、まあ免許なら一応」

女「そう、じゃあ外に車がいくつかあるから好きなので行きましょう」

男「え、で、でも…」

女「早く!!仕事ですよ!!」

男「は、はい!」

男「すげぇ…G○-Rに、こっちはOn○-77!?」

女「さ、どれでもいいわ、早く乗せてください」

男「わかりました…じゃあO○e-77にしましょう」

女「見る目あるわね」

―――――

ブゥゥゥゥゥーン

男「すげえ馬力…」

女「私、女っていうの!」

男「え?なんですか?」

女「名前よ!!」

男「男です!!」

女「ね、タメ口で喋って!」

男「そんな急に…」

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