奉太郎「やらなくていいことは…」える「何くだらないこと言ってんのよ!」 (74)

奉太郎「高校生活といえば薔薇色、薔薇色といえば高校生活」

奉太郎「しかし、勉強にも色恋沙汰にも興味を示さない」

奉太郎「いわゆる灰色を好む高校生も…」

える「なにわけわかんないこと言ってんのよ」

奉太郎「いや訳わかんない、っておまえな…」

える「あんたの演説聞くためにわざわざ来たんじゃないの」

奉太郎「さいで」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1400905466

奉太郎「本日はどんな御用で? お嬢様」

える「古典部に入るわよ」

奉太郎「は?」

える「聞こえなかったの? 古典部に入るの!」

奉太郎「入ればいいんじゃないか。わざわざ俺に報告することじゃないだろう」

える「だーー!あんた分かっててやってるんでしょ」

奉太郎(バレたか…)

奉太郎「俺も古典部に入れと?」

える「そいういうこと」

さて…この場をどう切り抜けようか…

このわがままお姫様、える嬢には何度も振り回されてきたが、それはすべて一度きりで終わった。

だが部活動は継続的、下手をすれば卒業するまで続く。

里志「あ、いたいた。やっぱり千反田さんも一緒か」

える「福部くん」

里志「どうしたんだい? またホータローが問題でも?」

また、とはどういうとだ里志。

える「そうなのよ。このあたしが直々に誘ってるのにゴネてるのよ。信じられない」

自信過剰な物言いにも小学校からの付き合いなので慣れてきた。故、腹は立たない。

里志はえるから詳細をひとしきり聞くと、クスクスと笑った。


里志「部活かぁ。ホータローには未知の領域だね」

奉太郎「お前は何かやってるのか?」

里志「手芸部に総務委員。個人的な趣味でサイクリング」

反撃のつもりで聞いたのだが、逆効果だった。

える「ほら、福部くんなんて掛け持ちじゃない。どうせ暇なんでしょ」

えるに余計な反論材料を与えてしまったか。

える「名前に奉がついてるんだから、少しは奉仕をしなさいよ」

奉太郎「その理屈はおかしいだろ」

里志「千反田さん、その部活、僕も入っていいかな」

える「ええ、いいわよ」

える「ほら、早く決めなさい」

こうなってしまった以上、降参するほかあるまい。俺はせめてもの抵抗として眉をひそめた後、

奉太郎「わかったよ。おまえの好きにしろ」

えるの浮かべた満面の笑顔を、俺は不覚にも可愛いと感じた。

里志「運命の女神とでも思えばいいんじゃないかな」

帰りの道中、里志がこう切り出した。あの後結局、活動はせず部室の場所を確認して帰路に就いだたのだ。

奉太郎「とんだ女神だ。な。まあルックス的には女神か」

里志「それより千反田さん、どうしたんだろうね。急に部活なんてさ」

奉太郎「あいつのやることはわからん。何か企んでるってことしかな」

里志「聞いてないのかい?」

里志が驚きの声をあげた。

奉太郎「聞いても無駄だろう。そんな重要なこと、言わないってことは言いたくないってことだからな」

いや、まてよ。こんなふうに俺が考えるということも俺が運命の女神の手の内なのだろうか。

あいつは好き勝手にふるまっているようで、自制するところは自制するし、フォローや手回しも的確だ。

その部分は俺も見習うべきだと思って居る。

俺がえるに不思議と嫌悪感を抱かないのも、そんな能力があるからなんだろう。

里志「まあ、楽しくなりそうだよ。よろしくねホータロー」

奉太郎「ああ」、

その日は高校入学以来初の夕方帰宅となった。

える「イェーイ! またあたし、一番!」

古典部はババ抜きに興じる部活なのか。否。それは遊戯研究会の領域だ。

存在するかはわからないが。

里志「神懸かりだね。これで四連勝だよホータロー」

奉太郎「わかってるさそんなこと」

省エネ主義者は物事の勝ち負けに一喜一憂しない。だがこうやられっぱなしだと

気に入らない。

奉太郎「たった三人しかいないんだ。同じ奴が勝ち続けるなんてそうそう珍しくないだろう」

そうだ。偶然さ。神が関与しているんだから防ぎようがない。

俺は里志のカードを引っこ抜きながら、ほかのトランプゲームをやることを提案した。

む、ついに引いてしまったか。里志が会心の笑みを浮かべた。

える「嫌よ。ババ抜きより楽しいものなんてないわよ」

里志「そうなのかい? 大富豪とか他のクラスで流行ってるみたいだけど」

える「ルールがややっこしくて。都落ちだの8切りだの、そんなのなくたっていいのに」

それが面白いんじゃないか、と言おうとして飲み込んだ。こいつと議論になったら勝てない。

勝てない勝負は避けるのさ。

える「ババ抜きは変なルールも少ないし単純だから」

いつの間にか勝負は決していた。里志の持ち札はゼロ。俺の負けだ。

える「はい、ホータロー罰ゲーム」

おい、事後法は憲法違反だぞ。

える「お菓子とジューステキトーに買ってきて」

奉太郎「ああ。目をつぶって選んでくる」

俺えるから金を受けとった。

その時、ノックの音がした。

奉太郎「あ」

冬実「久しぶりだな奉太郎。対面したのは高校入学して初めてだったか?」

える「おー、冬実さん」

いやおかしい。なんでここに冬実さんが来るんだ。地学準備室に用事?

ありえない。忘れ物なら地学室に行くし、教師に用があるなら職員室だ。

冬実「君とは初対面だな」

里志「1年の福部里志です」

冬実さんと里志が握手を交わしていた。

まあ自分で考えるより聞いた方が効率がいい。

奉太郎「なんで突然ここへ? 俺たちが部活してるってこと言いましたっけ?」

冬実さんはなぜかえると顔を見合わせ、ニヤリと不気味な笑みを浮かべた。これはまさか…

詳しい経緯はよく覚えていないが、えると親交があった影響で冬実さんとも交流するようになった。

つまりこの人も小学校からの腐れ縁である。こうも癖の強い人間と一緒にいれば、ちょっとやそっとのことで

動じなくなる。あれは高校入試の時、面接の順番待ちをしている時の話だ。廊下に並べられた椅子に座って待つのだが

隣の奴に、おまえはどうしてそう平気な顔をしているられるんだ、と言われてしまった。

あの二人と常に対面しているのだから、高校入試の面接ぐらいでは何とも思わないのだ。

これをえると冬実さんに言えば、あたしたちに感謝ね、とさらに調子にのるのが目に見えて分かるので

一生言わないことにしている。

冬実さんのあの顔は何かを思いついた顔だ。それは大抵ろくでもないことだ。

奉太郎「すいません、僕行くところあるんで。さっきえるにお菓子買ってこいってパシられたんですよ」

冬実「それなら心配及ばない。ほら」手に持っていた紙袋を掲げて中身を取り出した。脱出失敗。

里志「おお、カステラ!」

カステラぐらいで何を騒いでるんだ里志。

里志「神山市でも有名なお店のやつですよね?」

冬実「ほう。良く知っているな。君もお菓子が好きなのか?」

奉太郎「こいつはこの手の雑学に強いんです。データベースを自称するほどですから」

里志「結論や推理は無理ですけど」

冬実「なるほど。では問題だ福部くん。人気ライトノベル涼宮ハルヒの憂鬱の一巻が刊行されたのはいつ?」

里志「2003年。意外。と古いんですねあの本」

冬実「どうやら自称ではなさそうだな」

俺はというと、問題の意味すら分からなかった。らいとのべるってなんだ?

小説が光ってどうする。

冬実「では奉太郎に問題。私はどうして古典部の存在と部室の場所を知っているのか」

える「考えればわかることよ、奉太郎」

さっきの笑みの理由がわかった。冬実さんとえるはこれがやりたかったのだ。

省エネ主義的に、断る、と突っぱねたいところだが相手はこの二人。

里志「へぇ、面白そうだね。僕も知りたいな」

里志も味方してくれそうにない。

奉太郎「える、お前確か古典部に入る、といったよな」

入る、の部分を強調した。

える「いったわよ」

奉太郎「ということはだ、創部したのではなく元々あったということだ」

える「うんうん」

えるが満足そうに頷く。

入須「ずいぶんと慎重に運ぶな」

奉太郎「外したらこのえるが何を言い出すかわかりませんからね」

奉太郎「もう一つ、お前は古典部の活動内容を知っているか?」

これはこんな問題を吹っかけられなくても聞きたかったことだ。

える「えっ? さぁ」

奉太郎「は?」

里志がクスクスと笑う。なにがおかしいか!

奉太郎「わかった…」

活動内容も知らないのに入部を希望する、そんな状況は…

奉太郎「里志、神高の部活動規定は?」

里志「一定期間内に部員が4人以上そろわなければ廃部、僕らはもう一人だね」

なぜか得意げな里志。なるほど。期限内に誰もこなければ省エネ生活の再来か。

と、問題はどうして冬実さんが古典部の存在、活動場所を知っているのか、だ。

 |/-O-O-ヽ| ブツブツ・・・
   | . : )'e'( : . |
   ` ‐-=-‐
   />>1 \
||\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
||\\.          \      ∧_∧

||. .\\          \    ( ;´Д`) (オイ、なんか変なのがいるぞ)
.    \\          \ /    ヽ.
.      \\         / .|   | |
.        \∧_∧   (⌒\|__./ ./
         ( ´,_・・`)目合わせるなって ∧_∧

.         _/   ヽ          \  (     ) うわー、こっち見てるよ

      (______________ J

 そ 君  (__          ┌―‐―┐    ) き
 ん !  (_             |`l TT了|     }  ゃ
 な     (_           j .| .|:| .l |     /  あ
 か 待  (_            | | .|j .j |     イ  |
. っ ち  (,_             |.| .|l .|:|  ,. -‐ /_.  っ
 こ  た  (               |.|. |! |/     / !
 う  ま  (`           `ー /..:::::\≧,,,、:::7___
 で え  (―――――――――(:::::::>'´ == \::⌒l^⌒

_     (⌒ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ノ く彡/// ∪,ノ   ;|
.レ⌒Y^'⌒`\________ く:::::∧ '_,. -、 く/::::::::/

   |:::| \xく   r'>>1ヽ    \:::::l、ヽ ,ノ  \,,∠,,__
 \|:::| _,....!,,_ \  (_ ノノノノヾ)     lF〒`ヾ.\,,..イ    |::::::::,
   `7´ _,,.ィ  ヽ6 `r._.ュ´ 9     | ||  _,..-/7゙h _|:::::://
 \.{n|.ィァ it}   |∵) e (∵|   r'"三¨7´\|    |´.|:::://
   |:::トl、 rュj    `-ニ二ニ‐'、 / ゚`.|n./  .イl   ,∧ |:://
   |::,|  'ーケトr'TTlイ  /_`ヾtっ r'l゙    /⌒`lくミV /
 ,r1´|`'六´ //` ̄´ `Y´     |└┬シj  ./ 7ヽ〈  /ヾ)<
./ | ∨|::|∨ ! { r  ,、 _,シ /゙丁〈 /      } { { \
  |   ',|::|/ !  ,ゝ-< (   /   .| |/     ∧ \|
   l  .Y。 .|  |`  〃 ̄ ̄⌒  / 〈     /! ', __,,....::-‐
  .∧.  |。 {  ゙爪` ' ‐- 、..,,,...イ   '、   / .|  `|::::::::::::::::
\/  l  |。./  ,l | l,  .|  .  ||    `'ー' i |  j:::::::::::::::::
ヽ、`'::、L.∧/  / |.{  u   〈.|        イ 〈  /::::/:::::::::::
::::::::`ヽ、 ∨  / ̄| | 、   /  l:l.       | j /::::/:::::::::::::
:::::\::::.....  ̄`|   l | 9cm  .l:l//    l| ∨:::/::::::::::::::::

奉太郎「える、おまえが教えたんじゃないのか?」

冬実「それは違う。入学一か月で全部活を把握している者はいない。古典部の存在などなおさらだ」

さて、だんだんとおかしくなってきたぞ。

えるはつまり、存在も活動内容も知らない部活に入部を希望したってことになるな。

そうなると…誰かに誘われた…命令されたんだ。入部しろ、と。

奉太郎「冬実さんでしょう? あなたがえるに言ったんだ。古典部に入れ、と」

冬実「そのココロは?」

鋭い目つき。だがもう何度も目にしている俺には効かない。

奉太郎「いや、大したことじゃないですけど。えるは昔から冬実さんになついてましたからね」

奉太郎「えるは人の言うことを聞くような奴じゃないですが、冬実さんが言ったことなら別だ」

俺がそこまで言い切ると、冬実さんとえるはなにやらコソコソと相談を始めた。

  ____ ∧ ∧
~' ____(,,#゚Д゚) <糞スレ立てんな!! >>1逝け!!
  UU    U U
                                   いい加減にしてほしいよね
               >>1シネ                 ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                                        ∧_ ∧ _∧ ウザイヨネ-
                   バーカ                 (´∀`(・∀・ ) <またあいつが糞スレ立てたよ
                                       (   (    )

                         ∧_∧          || |   | |
  ∧_∧                   (; ´Д`)         (__)_)_)_)
 (   ´A) <クソスレ立てんなカス     (  >>1
 (    )   さっさと消えろ       | | | モウクンナ
                         (__)_)           (^ω^ ) <はいはいウザスウザス
                     ____∧______     (    )
       ツマンネ          お、オマエモ・・・

                                        ∧_∧
                                       (・ω・` ) トモダチイナイ>>1 カワイソス
                                        ⊂旦⊂ )
   ____ ∧ ∧  >>1ハハヤクシンデネ                (__(__ ̄)

  ~' ____(,,*゚ー゚)
   UU    U U

       >>1に糞スレ立てられて皆怒ってます
       ・・というわけで、>>1糞スレ立てんな!!

        ┌──────────.      ─────────┐
  ∧∧  │ったく、また>>1かよ.         >>1なんて・・・・・   │  ∧_∧
 (,,゚Д゚)<. もう糞スレ立て見飽きた       存在する価値も生きる>(・∀・  )
 (.   ) │ゴルァ、さっさと首吊れ         価値も無いからな! │ (      )
  |   |. └─────────       ─────────┘  l    l
  し ヽj                                        (_ |_ )
         ┌────────       ─────────┐
  ∧_∧ │10円やるから          >>1なんかにお茶   │ ∧_∧
  ( ´∀`)<. さっさと消えるモナ        やらねぇよ       >(`・ω・´)
  (  ⊃⑩.└────────       ─────────┘ (つ旦~ サッ
  │   /                                     と_)_)
  し´ヽっ                ∧_∧

       ∧∧            (・⊆・  ) ・・・・?   糞キタ──(゚∀゚ )──!
       (*゚ー゚)ギャクサツスレヨリ .   (>>1 つ
       (   ) クソスレネ      ノ   |             (・A・ )>>1イクナイ!
       ゝ  ノ            し  つ        ('A` )>>1マンドクセ
       ι J
            >>1 は 皆 に 嫌 わ れ て い ま す 。

         2 c h の レ ベ ル を 下 げ な い う ち に 、
            こ の ス レ は 終 了 し ま し ょ う 。

える「まっ、良くできた方ね」

微妙に含みのある言い方をした。

里志「どうやら、正解じゃないみたいだね」

奉太郎「もう教えてくれ。これ以外思いつかん」

そういうと冬実さんが軽く咳払いした。気合入ってるな。

冬実「まあ私に命令されたというのは正解だ。命令した張本人である私はなぜ知っているのか?」

奉太郎「もともと知ってたんでしょう」

冬実さんは無言で首を振る。

冬実「知らなかったさ」

える「まだわかんないの?」

降参だと何度いったらわかるんだ。

冬実「君のお姉さん、さ」

姉貴が?

冬実「古典部が廃部の危機らしくてな、私に入部を促してきたのだ」

奉太郎「そんなの思いつくわけないじゃないですか」

俺は吐き捨てるように言った。

冬実「まあ悪かったよ。情報はすべて提示するべきだったな」

える「だからサービスして正解にしてやったんじゃないの」

える…口の減らん奴だ。

しかし冬実さんが入部を命令されていたとはな。姉貴には逆らえないのか。

は? 入部? ってことは…

俺の表情を読み取ったのか、冬実さんが言った。

冬実「そうだ。私も古典部の部員だ。よろしくな奉太郎」

言葉が出ない。もし俺がえるの誘いを断ったとしても姉貴から命令されたはず。

結局俺が入部することは規定事項だったんだ。

里志「僕らの知らないところでそんなことが」

関心している場合か。

これで4人そろっちまったからこれから毎日部活動にいそしまなきゃならない。

さらば、省エネ。さらば灰色。

える「あっ、飲み物ないじゃない。奉太郎早く買ってきてよ」

| >>1ってうざいよね~
  \  _______
   V
  ∧_∧∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ( ・∀・)´∀` )< だよね~、誰か頃してくれないかな?

 (    )    )  \_______________  ∧ ,∧
 | | || | |                           (・д・,,)ペッ!!
 (__)_)__(_)            ∧__∧?          、'(_@
                     (´⊇`)

                     ( 1 )
                     || |
  ∧ ∧ムカムカ           (((_)_)
  (#゚Д゚) ̄ ̄ `~                   ∧ ∧
    U U ̄ ̄UU                     (   ) イッテヨシ!!
  へ                            |  ヽ
/    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ったく、サルみてーに糞スレ乱立させてんじゃねーよゴルァ!!

|__ ||

|  /   _/  //
|  /\  _/ ̄
| /  \ / ̄  ヤ ッ
|            ノノノノ -__
|∴`;        (゚∈゚* )  ─_____ ___

.;':;;':__从て   (ミ_(⌒\ ヽ _ ___
;;':(≡て ̄ ̄ ̄三\ ⌒ノ ノ)
;:;;':。:W つ  ̄\  ⌒彡)  ノ =_
|\  \   \,__,ノ ノ
|  しーJ     / / ≡=
|   ↑     / ノ      ____
|  >>1    /ノ _─ (´⌒(´
|         ミ/= (´⌒(´⌒;;


|  /   _/  //
|  /\  _/ ̄
| /  \ / ̄  ヤ ッ
|            ノノノノ -__
|∴`;        (゚∈゚* )  ─_____ ___

.;':;;':__从て   (ミ_(⌒\ ヽ _ ___
;;':(≡て ̄ ̄ ̄三\ ⌒ノ ノ)
;:;;':。:W つ  ̄\  ⌒彡)  ノ =_
|\  \   \,__,ノ ノ
|  しーJ     / / ≡=
|   ↑     / ノ      ____
|  >>1    /ノ _─ (´⌒(´
|         ミ/= (´⌒(´⌒;;
|__ ||

|  /   _/  //
|  /\  _/ ̄
| /  \ / ̄  ヤ ッ
|            ノノノノ -__
|∴`;        (゚∈゚* )  ─_____ ___

.;':;;':__从て   (ミ_(⌒\ ヽ _ ___
;;':(≡て ̄ ̄ ̄三\ ⌒ノ ノ)
;:;;':。:W つ  ̄\  ⌒彡)  ノ =_
|\  \   \,__,ノ ノ
|  しーJ     / / ≡=
|   ↑     / ノ      ____
|  >>1    /ノ _─ (´⌒(´
|         ミ/= (´⌒(´⌒;;
|__ ||

|  /   _/  //
|  /\  _/ ̄
| /  \ / ̄  ヤ ッ
|            ノノノノ -__
|∴`;        (゚∈゚* )  ─_____ ___

.;':;;':__从て   (ミ_(⌒\ ヽ _ ___
;;':(≡て ̄ ̄ ̄三\ ⌒ノ ノ)
;:;;':。:W つ  ̄\  ⌒彡)  ノ =_
|\  \   \,__,ノ ノ
|  しーJ     / / ≡=
|   ↑     / ノ      ____
|  >>1    /ノ _─ (´⌒(´
|         ミ/= (´⌒(´⌒;;
|__ ||

|  /   _/  //
|  /\  _/ ̄
| /  \ / ̄  ヤ ッ
|            ノノノノ -__
|∴`;        (゚∈゚* )  ─_____ ___

.;':;;':__从て   (ミ_(⌒\ ヽ _ ___
;;':(≡て ̄ ̄ ̄三\ ⌒ノ ノ)
;:;;':。:W つ  ̄\  ⌒彡)  ノ =_
|\  \   \,__,ノ ノ
|  しーJ     / / ≡=
|   ↑     / ノ      ____
|  >>1    /ノ _─ (´⌒(´
|         ミ/= (´⌒(´⌒;;

ホームルームを終え、俺は部室へと向かう。入部当初は俺の逃亡を防ぐためか、教室前でえるか冬実さんが

待ち伏せていたのだが、しばらくするとそれもなくなった。

まあ俺自身は逃げつもりは毛頭ない。なにせあの二人とは校外でも顔を合わせる機会が多いからな。

逃げたって大した利益にはならない。

「これはなんなんだ一体?」

ここ一週間から、校内で変な張り紙を見かける。神山高校トレジャーハンティングという見出しで

カウボーイハットをかぶったキャラクターが金貨の入った袋を背負っている絵が描かれている。

参加する者は生徒会室に集え、とも。

省エネ主義者としては不参加に限る。宝と言っても金銀財宝じゃなかろう。

入須「おお、来たか」

える「ずいぶん遅かったわね」

奉太郎「ホームルームが長引いたんでな」

テーブルの上にはトランプがちらばっている。える嬢お気に入りのババ抜きに興じていたらしい。

入須「よし、全員揃ったところで始めるぞ」

奉太郎「いきなりどうしたんですか?」

里志「今日はやることがあるんだってさ。まあ聞いてみようよ」

やること……なんとも嫌な響きだ。

冬実さんはコクリと頷くと話し始めた。腕を組んで仁王立ちのポーズは軍隊の鬼教官を思い出させる。

入須「文化祭では各部活、出し物をしなければならないだろう? 古典部は代々文集を出すと決まっている」

える「なら私たちも文集をつくるってわけね」

入須「そういうことだ」

今日はその説明、ネタ探しってわけか…部活動はこれがあるから気が進まないのだ。

里志「何かいいたそうだね、ホータロー」

奉太郎「文化祭はまだまだ先じゃないですか。なにも今やらなくても」

える「あっまいわねあんた」ビシリとえるが俺を指さす

える「テスト勉強と同じよ。まだ先だまだ先だなんて言ってるとあっというまにテスト当日」

里志「わーどうしよー、全然勉強していないやー、一夜漬けだー」

里志がそれにノって一人芝居を始める。うるさい。

える「奉太郎、どうしてもというのならやらなくてもいいぞ。なに夏休みになったら取り掛かってもいい。どうする?」

奉太郎「くっ…」

やっぱり仕事を後回しにするのはよくない。かの有名な講師も言っているではないか。

里志「ホータロー、結局いつやるの?」

える「今でしょ! ね?」

なんでお前が言うんだ。

入須「話はまだ終わっていない。その文集なんだがな、私もよく知らないからバックナンバーが必要なんだ」

奉太郎「どこにあるんですか?」

入須「わからない」

は? 俺の表情を読み取ったのか冬実さんは補足する。

入須「今日やることはそれだ。この学校のどこかにあるバックナンバーを見つけ出す」

ネタ探しの方がマシじゃないか…

える「面白そうじゃない」

里志「いいね」

俺とは対照的にこの二人はノリ気である。

まずい…これは…

奉太郎「他の日じゃだめなんですか。いきなり今日やらなくても」

入須「それはだめだ。今日やることで連絡してあるんだ」

連絡?

奉太郎「誰かほかにいるんですか?」

入須「ああ」

冬実さんの知り合いなら俺も知っているのかもしれない。いや、クラスメイトか。

冬実さんにも気が置けない友人とやらがいたのか。

奉太郎「それにしてもどうして…なんで学校のどこかにあるってわかるんです?」

冬実「君のお姉さんだよ。あの人に場所を聞いたのだが、なかなか教えてくれなくってな」

奉太郎「クソ姉貴…」

おまえのせいで余計なことをするハメになってしまったぞ。

冬実「まあそう言うな。なかなか洒落ていていいじゃないか。この年になって宝探しをするとは思わなかったがな」

クスリと冬実さんが笑う。

不意に着信音が鳴った。冬実さんらしい。

冬実さんは一言、二言相槌を打つと電話を切った。

冬実「準備ができたようだ。生徒会室へいくぞ」

えるの表情から、こいつも事情を知っているようだ。

この二人、何をたくらんでいる。

生徒会室には六人ほどの男女が集まっていた。

冬実「これで全員か?」

陸山「ああ」

えるも誰かに電話をしている。

える「かほちゃんも手伝ってくれるって」

入須「そうか」

陸山「よし、みんな聞いてくれ。これから古典部チームと生徒会チームで宝探しを行う。

ルールは至極単純。氷菓の文集を最初に見つけた者が所属するチームの勝ち。勝ったチームにはそれなりの報酬、見つけた

本人にも賞品を与えよう。この文集はこの学校のどこかに存在している。誰にでも出入りできる場所だ。さあ開始」

まくしたてるように説明すると、生徒は散らばっていた。なるほど、あの張り紙はこれか。

入須「くっくっくっ…うまくいった」

奉太郎「どういうことですか」

入須「5人だけで探すのは面倒なんでな、ゲームを企画して生徒会に開催を依頼したのだ」

奉太郎「体のいい使い走りじゃないですか」

える「いいじゃない別に。本人たちだって楽しそうだし」

こいつら…敵に回したくないな。まあこんな発想をもった奴もなかなかいないだろうが。

入須「さて私たちも探そうか。部活動の部室だ。すでに連絡はしてある」

手回しのうまいこっちゃ。







すべての部室を調べたのだが、結局、文集氷菓はなかった。

もっとも有力な場所であったはずなのに。生徒全員が出入りできる場所、といっていたから他学年が入れない、

特定クラスの教室にあるとは思えない。

冬実さんもえるも考え込んでいる。里志は相変わらずにやけた表情。

える「図書館にはないみたいよ」

電話を切ったえるがそういった。たぶん十文字だろう。

ゲーム開始から一時間がたっている。あれだけの人員がいるのだから

そろそろ見つかってもいいはずなのだが。

着信音が鳴った。冬実さんの携帯だ。

入須「これは…みんな来てくれ」

全員冬実さんの携帯を覗き込む。

【古典部諸君、どうやら苦戦しているようだね。

しかたがない。優しい優しいこの私がヒントを与えよう。】

書き出しからして腹が立つ。

【青い鳥を探せ。以上だ。これ以降ヒントは出さない】

多分メールの送り主は姉貴の代理人か。

俺と違って交友範囲が広い人間だからこの高校にも知り合いは手広くいるだろう。

える「青い鳥ねぇ…」

入須「まあ整理してみようか。古典部5人、その他生徒10人で捜索し未だにみつからないと」

える「ほとんどの場所はもう探しちゃってるとわよね」

文集だから外に置いてあるとは思えない。雨や誰かが持っていってしまうことが考えられる。

里志「青い鳥といえばキジバトが連想できるね」

奉太郎「なんだそれは?」

入須「知らないのか。メーテルリンクが作った劇だよ。幸せの青い鳥…」

える「それよっ!」

文学方面の知識には疎い俺は話についていけない。えるのリアクションにも首をかしげるだけだった。

える「あんたの知識のなさにはほんとに苦労するわ。いい?奉太郎、幸せの青い鳥の結末は幸せは探さなくてもすぐ

近くにあった、っていうことなのよ」

古典部にはデータベースが二人いたか。

入須「つまり、人員を集めなくても部室にあるということだ」

える「部室のカギをしめて生徒会室に集合したのがまずかったわね」

文集を一冊取り上げ、ぱらぱらとめくりながら言った。

入須「あれで無意識に地学準備室を除外してしまったのだな」

すっきりしない。姉貴、いいのか? 

里志「青い鳥、と表現される文集にどんなことが書かれてあるんだろう。これは好奇心を刺激されるところだね」

さっさと見ればいいだろう。

入須「じゃあゲーム終了、と伝えてくる」

悪びれる様子もない冬実さん。古典部の自作自演だったと疑われても文句はいえないのだが。

しかし面倒事が片付いたのは事実だ。俺は座って大きく伸びをした。

現在の可処分エネルギー、ゼロ。

お わ り

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom