マルコ「ジャンについて分かったこと」(60)

※四巻のネタバレあり

"家族の皆さんへ

もうすぐ、訓練兵になってから三年が経とうとしています。
長かった訓練も、そろそろ終わりなのだと思うとふと寂しく思います。

終わりに近づくということは、また同時に始まりが近づいているということでもありますね。
僕の今の成績だと、なんとか憲兵団に入れそうです。
憲兵団になると、家族も内地で生活することができるそうなのでそれも今からの楽しみです。


そして、その時にはぜひ皆さんに紹介したい僕の友人がいます。
その友人も憲兵団を目指しており、僕より優秀なので間違いなく彼も憲兵団に入れるでしょう。

その友人は、ジャン・キルシュタインと言います。
彼は入団式のときに「内地に行って安全な暮らしをするために憲兵団に入りたい」と言っていた人です。訓練兵になって始めて書いた手紙にもきっと彼のことを書いたはずです。

すぐ喧嘩はするし、口は悪いしで最初は苦手だなと思っていたのですが、驚くことに今1番仲がいい友人となっています。

前置きが長くなってしまいましたが、今日はぜひ彼のことについて知って欲しく、ペンをとった次第です。"


1.ジャンは思ったより優しい

"彼に対する第一印象は正直良いものではありませんでした。しかし、訓練兵としての生活が始まってから数週間が立ったころ、僕の中のジャンの印象が変わる出来事がありました。"


昼食中

マルコ「…」(腹が痛くて死ぬ)

ジャン「お前、どうかしたのか」

マルコ「えっ、僕?」

ジャン「ああ。明らかに顔色悪いぞ」

マルコ「実はちょっとお腹痛くてさ」ハハ

ジャン「昼からは座学だろ?教官には言っとくから寝てろよ」

マルコ「そうしたいのは山々だけど、座学は大事だしなぁ」

ジャン「お前、皆の前で漏らすのとどっちがマシだよ」

マルコ「そ、それは…うっ…」

ジャン「その状態で出ても内容頭に入らないだろ」

マルコ「それもそうだね、そうするよ。教官には自分から言っておくことにする」

ジャン「そうかよ」モグモグ


座学終了後

コニー「あ、マルコお前、どこ行ってたんだよ!」

マルコ「体調悪くて…やっぱりもう終わっちゃったかな?」

アルミン「丁度今終わったよ。体調はもう大丈夫?」

マルコ「そっか…。うん、もう大丈夫」

アルミン「それはよかった」

ジャン「おい」

マルコ「あ、ジャン。おかげさまでだいぶマシになったよ」

ジャン「それはなにより」スツ

マルコ (紙…?)

ジャン「ノート。今日の座学の」

マルコ「!わざわざ僕の為に書いてくれたの?」

ジャン「まあ、時間が余ったからな」

マルコ「ありがとう、ジャン。本当に助かったよ!」

ジャン「おう」

マルコ (なんだ、いい奴じゃないか)


2.なんて油断してると、やっぱり性格が悪い

"それから少しずつ彼といることが増えていきました。ジャンも少しずつですが僕に心を開くようになり、お互い気を許す仲となりました。ですが僕は痛感するのです。ジャンはやっぱり嫌な奴だなぁ、と。"


訓練休憩時間

ジャン「あーあ。こんな所抜け出してさっさと内地に行きてえよ」

マルコ「またそんなこと言って。ジャンはここの出身なんだろ?愛着とかないの?」

ジャン「愛着ぅ~?そんなもんないに決まってんだろ。」

コニー「お前は口を開くたびに内地が内地がってうるせーよ」

ジャン「んだと?!コニー、お前だって憲兵団目指してるんだろうが」

コニー「うっせーな!オレはお前とは目的が違うんだよ」


ジャン「はー?結局みんな根本的なところは一緒だろうが」

マルコ「そんなわけないじゃないか!」

ジャン「お?優等生マルコさんは違うわけだ?」

マルコ「その言い方はよせ!」

コニー「おいおい2人とも落ち着けよ」

ジャン「下手な言い訳はよそうぜマルコ。お前だって結局自分が1番可愛いんだろ」

マルコ「ふざけるな!お前みたいな恥知らずとは僕は違う」

ジャン「…!!言ってくれんじゃねーか」

コニー「お、おいお前ら」

ライナー「おいおいマルコ、ジャン。その辺にしとけ。教官がくるぞ?」

マルコ「…。」

ジャン「…。」


3.どうも自分に正直なだけらしい

"それから後の訓練で僕とジャンが話すことはありませんでした。しかし、翌日になると僕は意地を張らずに謝ろうという気になりました。
ジャンに対する怒りはまだありましたが、僕自身も「恥知らず」と彼に言ってしまったのでお互い様だなと思ったのです。"


翌朝、ベッドの中

マルコ (さて、どのタイミングで謝ろうかな)

ジャン「おい、マルコ。起きてんのか?」

マルコ「!ああ、起きてるよ。昨日のことだけど、」

ジャン「!」

ジャン「…あれはオレが悪かった」

ジャン「…と思う」

マルコ「えっ?」


マルコ「いや、恥知らずとか言ったし、僕も悪かったよ」

ジャン「言ってたなそういや。マルコも言う時は言うじゃねーか」

マルコ「ジャンの方こそ、どうしたらあんなに人を怒らせる言い方ができるのか教えて欲しいよ」

ジャン「オレは正直者なだけだ」

マルコ「…。」

マルコ (ああ、なんだ。別に僕に嫌味を言ったわけではないのか)

マルコ「でもオブラートに包むべきだよ」

ジャン「残念だがお断りだ」

マルコ「ああそうかい」ハァ


ライナー「どうやら仲直りしたみたいだな」

ジャン「元から喧嘩なんかしてねーよ」

コニー「よく言うぜこいつ。」

マルコ「ははは。じゃあそろそろ朝食に行く準備をしよう」

マルコ (正直すぎるのも困りものだけど…)

マルコ (思ったことをはっきり言ってくれるのは結構有難いかもなぁ)


4.でもやっぱり嫌味な奴ではある

"ジャンの正直過ぎる性格は困ったものではありますが、僕ははっきり言ってくれる方が安心するということに気づきました。事実、ジャンは僕が間違ったことを言っている時ははっきり僕の考えを否定してくれたし、僕の考えをはっきりと肯定してくれた時もあったのです。
とはいえ、ジャンは嫌味な言い方をするときが多いです。
そのせいで他の訓練兵の怒りを買うこともありました。最初はハラハラしていましたが、今はもう慣れっこだったりします。"

自主学習中

ジャン「コニーお前、馬鹿か?だからこの作戦は、」

コニー「あー!お前の教え方はいちいちイライラするんだよ!」

ジャン「ならオレに頼むんじゃねーよ!」

コニー「マルコ、教えてくれ」

マルコ「僕は構わないけど、こういうことはジャンの方が分かりやすいと思うな」

ジャン「まあオレは頭いいからな」

コニー「今日の訓練でオレに獲物横取りされたのはどこのどいつだっつーの」

ジャン「ああ?!」

マルコ「もう、2人とも喧嘩はやめろって」

モブ「なあジャン、立体起動のコツってなんだよ」

ジャン「だからな?これにはーーー」ペラペラ

モブ「なるほどな」

ジャン「まあ誰にでもできるってわけじゃねーだろうが、やるだけやってみればいいと思うぜ?」

モブ「…」イラッ

マルコ (まーたジャンはあんな言い方して…)


5.ジャンはとても臆病者である

"こんな風に書くと、ジャンは自分に正直な自信家と思うかもしれません。
しかし、実際の彼は僕と同じようにひどく臆病です。彼は本当は自分などちっぽけな存在だと思っている節があります。"


夕食後

マルコ「ジャン…またエレンとケンカして。少しは自分を抑えることを学びなよ。」

ジャン「あの死に急ぎ野郎が悪いんだよ」

マルコ「そういう言い方はよした方がいいよ」

ジャン「お前はオレの母親か」

ジャン「…。けど実際そうじゃねえか。この状況でまだ巨人に勝とうとしてる奴がいることに驚くぜ」

マルコ「…ジャンは、巨人が怖いの?」

ジャン「ああ、怖い。お前は怖くないのかよ」

マルコ「そりゃあ怖いに決まってるだろ」

ジャン「…意外だな」

マルコ「なにが?」

ジャン「いや、お前があっさり怖いと認めるのが」

マルコ「なんだよ自分から聞いておいて…」

マルコ「みんなたぶん、怖いんだと思うよ」

ジャン「でもお前は、自分だけ助かろうとする奴じゃないだろ?」


マルコ「えっ?」

ジャン「オレは全力で自分を助けるタイプだからな、マルコみたいなお人好し馬鹿とは違うんだよ」

マルコ「僕は、そうは思わないけど」

ジャン「へえ?」

マルコ 「ジャンは確かに臆病かもしれないけど、僕を見捨てて逃げたりはしないよ」

ジャン「お前は人を疑うってことを知らねぇんだよ」

マルコ 「ええ?僕は本当のことを言っただけなんだけどなぁ…。」

ジャン「…恥ずかしい奴」

書き溜めていたのが終わったのでまた書き溜めてきます


6.ジャンは賢い

"しかし、僕はジャンは本当にすごい奴だということも知っています。ジャンは現状を正しく理解する力があります。
彼は、自分がなにをするべきか正しく認識しているのです。
そして彼はひどくリアリストでもあります。"



マルコ「ジャンは、ミカサのことが好きなんだよね?」

ジャン「な、なんだよ突然!」

マルコ「ごめんごめん。なんとなく気になってさ」

ジャン「そりゃ、嫌いじゃないけどよ」

マルコ (ジャンの顔真っ赤だ)

マルコ「告白したりしないの?」

ジャン「はー?」

ジャン「なあマルコ、ミカサがエレンにべったりなのは目に見えてるのにわざわざ振られにいく馬鹿がいると思うか?」


マルコ「うーん、やっぱりミカサはエレンが好きなのかなぁ」

ジャン「誰がどう見てもそう判断するだろ」

マルコ「頑張ったら振り向いてくれるかもよ」

ジャン「お前って本当能天気だよなぁ」ハァ

マルコ「そういうジャンはネガティブすぎるよ」

ジャン「でもそれが現実だろ」

マルコ「…、ジャンはさ」

ジャン「んだよ」

マルコ「ミカサに対して盲目的じゃないよね」


ジャン「どういう意味だよ」

マルコ「ほら、恋は盲目って言うじゃないか」

マルコ「でもジャンはミカサのことを冷静に見てるなと思って」

ジャン「冷静って言われてもピンとこねーよ」

マルコ「うーーん、なんて言えば伝わるかなぁ」

ジャン「言語力磨いて出直してこいよ」

マルコ「そうするよ」ハハハ

マルコ (エレンが絡むと怖くなるって言われてるミカサの部分もまとめて好きだってところとか)

マルコ (そもそもあのミカサを女の子として好きってすごいことだと思うんだけどなぁ)


ミカサ「…今すごく失礼なことを思われた気がする」

サシャ「へ?」

7.だけどやっぱり馬鹿である

"ここまで書いておいてなんですが、やっぱりジャンは馬鹿かもしれません。いや、絶対馬鹿です。"

休日

アルミン「マルコ、ここなんだけど君はどう思う?」

マルコ「ここはーーーだからーーーするべきだと」

コニー「お前ら真面目だなぁ」

ジャン「まあお前には到底理解できない話だろうな」

コニー「ならジャンには分かるのかよ!」

ジャン「分かるけど?」

コニー「ムカつくなお前」

ジャン「あ?!コニーてめえ…」

ミカサ「アルミン」


ジャン「!」

アルミン「なんだいミカサ」

ミカサ「エレンを見なかった?」

コニー「エレンならライナー達と町に出かけたぞ。訓練に必要ななんかを買うらしい」

ミカサ「そう…」シュン

アルミン「どうしたの?」

ミカサ「エレンと町に出かけたかった…」

コニー「何か買いたいものでもあったのか?」

マルコ (コニーはいつになったら乙女心を理解するんだろう)

ジャン「ミ、ミカサ!」

マルコ (お?)

ジャン「オレも今暇してたし、その、エレン達を探しに一緒に…」


エレン「帰ってきたぞー」

ミカサ「エレン!」パァッ

ジャン「ふざけんなよクソが!」

エレン「なんだよジャン!」

ジャン「なんで帰ってきたんだよこの死に急ぎ野郎!!」

エレン「なんでそんなことで文句言われないと行けないんだよ!!!」

マルコ「ジャン、エレンが正しいよ、ほら手を離して」

ジャン「…!」チッ

マルコ (本当ジャンは馬鹿だな)

マルコ (ミカサのことを諦めてるってわけじゃないんだな)

ジャン「くそ!羨ましい…」ブツブツ

マルコ (いや、諦めきれないというのが正しいのかな?)

マルコ (どちらにせよ…)

マルコ (馬鹿だ)

8.ジャンは器用である

"そんなジャンですが、彼の立体起動の腕前は大したものです。彼はミカサという歴代最高の逸材と言われている女の子には劣るものの、素晴らしくセンスがあります。
こればっかりは彼が普段敵対心を抱いているエレンにも勝っていると言えるでしょう。"

立体起動訓練中

ジャン 「おせーぞマルコ!」ビューン

マルコ「僕がジャンのスピードについていけるわけないだろ?」ビューン

ジャン「そんなんじゃ憲兵団も遠いな!」ビューン

マルコ「ジャン!前!木にぶつかるよ!」

ジャン「分かってらぁ!」クルッ

マルコ (上手い…!!)

訓練終了後

マルコ「いや、さっきのターンは本当にすごかったよ!」

ジャン「だろ?」

マルコ「うんうん!どうやったらあんなターンができるんだい?」

ジャン「あれはな、ーーー」ペラペラ

マルコ (本当に楽しそうに話すよなぁ)

ジャン「ーーーというわけだ…っておいマルコ、なにニヤニヤしてんだよ」

マルコ「えっそんなに笑ってた?」

ジャン「ああ、思いっきりな」

マルコ「いやぁ、ジャンって立体起動の話、楽しそうにするよなぁと思って」

ジャン「は、はぁ?!」

ジャン「オレが立体起動が上手いのは認めるが、立体起動の訓練を楽しいと思ったことはねーぞ」

ジャン「第一立体起動は点数が高いから頑張ってるんであって」

マルコ「あはは、分かってるよ」

マルコ「でも本当に、ジャンは立体起動を扱うのが上手いと思う」

ジャン「まあこれが生まれながらの才能ってやつだよ」

コニー「まーたジャンが訳のわからないことを言ってるぜ」

ジャン「おやー?オレ様のあまりのスピードについて行けなかったコニー君じゃあないですか」

コニー「なんだと?!」

ジャン「事実じゃねえか!」

マルコ「ジャンもコニーも、こんな訓練の後でよくケンカする気力が残ってるね…」

サシャ「2人とも仲良しですからね」

ジャン・コニー「は?!」


9.だけど不器用でもある

"立体起動においては器用なジャンですが、性格面から言わせて貰うと彼はとても不器用です。
ジャンははっきりモノをいうので、そのことで誤解を受けがちなのです。
彼が相手の為を思って言ったことでも、上手く伝わらなかったりします。もっとも、彼の言い方に問題があるのは事実なのですが。"


再び立体起動の訓練中

クリスタ「はぁ…はぁ…」ビューン

マルコ (クリスタ、体調が悪そうだけど大丈夫かな?)

ユミル「おいクリスタ、お前休めって」ビューン

クリスタ「大丈夫だよ!これくらいで休んでたら怒られちゃうよ」

ユミル「でも」

クリスタ「大丈夫だって!」ビューン

ジャン「…!おい!クリスタ!」

クリスタ「あっ、」フラッ


ユミル「あの馬鹿…!」ヒュンッ

ベルトルト「ユミル!ユミルが行ったら危険だ!」

ユミル「…!!知ったこっちゃねえ!」

ジャン「待て!オレが行く」ヒュンッ

ユミル「!!」

マルコ「大丈夫だよユミル。ジャンに任せて」

ジャン「…ぐ!」ガシッ

ベルトルト「2人とも大丈夫?!」

ジャン「ああ、なんとかな」

ジャン「取り敢えず一旦降りるぞ」


訓練終了後

クリスタ「ジャン、ごめんなさい」

クリスタ「け、怪我とかしてないよね?!」

ジャン「お前なぁ…」

ジャン「本当に、ふざけるのも大概にしとけよ?」

クリスタ「…!ご、ごめんなさ」

ジャン「目眩がするほど体調が悪い時に立体起動の訓練をするのは賢明な判断なのか?」

クリスタ「…いいえ」

マルコ「ジャン、もう終わったことだし…」

ジャン「その終わったことでユミルまで無茶するところだったんだぞ?」

クリスタ「…!!」


ジャン「他の奴に迷惑かけてまで無茶することは勇敢でもなんでもねえよ、ただのわがままな奴がすることだ」

ジャン「これに懲りたらもうあんな真似すんな。助けに行くオレ達の身にもなれ。」

クリスタ「うん…」

ジャン「…早く医務室行けよ」

クリスタ「うん、そうだね…本当ごめんなさい」

ミーナ「なによジャンの奴、あそこまでいう必要なくない?行こう、クリスタ」

クリスタ「違うのミーナ、私が悪いの」

モブ「ジャンの奴、クリスタに偉そうに説教しやがって。何様だよ」

モブ「クリスタにあんなこと言うなんて許せねぇ」

ユミル「…」

ジャン「なんだよ、文句は受け付けねぇぞ」

ユミル「別に文句はねぇが…、お前は言い方考えた方がいいね」

マルコ「そうだよね、クリスタが心配ならそう言えばいいのに」

アルミン「つまりジャンが言いたかったことって、もっと自分大切にしろよクリスタってことだよね?」

コニー「えっ!そう言う意味だったのか?!お前分かりにくいな、ジャン!」

ジャン「~~!お前ら黙れよ!」

ユミル「いやぁ、お前もなかなか素直じゃないね」ニヤニヤ

ユミル「だがなクリスタはゆずらねぇぞ」

ジャン「はぁっ?!」



ジャン「なんなんだよあいつら!からかいやがって!!」

マルコ「ジャンの不器用な愛情表現の理解者が増えて何よりだよ」

ジャン「うっせーぞマルコ!」

マルコ (君のそういうところは本当かなわないと思うよ)

10.僕はそんなジャン・キルシュタインという友人がなんだかんだ好きだ

"と、このようにジャンは口は悪く嫌味は言うしで完璧とは言い難い友人ではありますが、僕にとって大切な存在となっています。

願わくば、彼とは憲兵団に入っても良き友のままでいたいです。

家族の皆さんも、ジャンのことを気に入ってくれると嬉しいのですが。
では、そろそろ消灯になるので、このあたりで失礼します。

マルコ・ボット"


ジャン「おいマルコ、もうすぐ消灯だぞ、なに書いてんだ?」

マルコ「なんでもない!今行くよ、ジャン」



ーーー願わくば、ジャンと一緒に憲兵団に入り



ーーー王にこの身を捧げることが



ーーーできますように


そう、思っていた


マルコ (僕は…このまま死ぬのだろうな…)

マルコ (もう痛いという感覚すらない)

マルコ (こんなあっけなく、僕は死んで行くのか…)


マルコ 「ジャン…」

マルコ「君の中で僕は…」

マルコ「少しでも…」





ーーー大きな存在に、なれただろうか。



その答えは、


ジャン「おい…お前ら。」

ジャン「所属兵科は何にするか、決めたか?」

ジャン「オレは決めたぞ」

ジャン「オレは…」


ジャン「オレは…」

ジャン「調査兵団になる」

アルミン「あいつには本当に知性がある…あいつから見れば僕らは文字通りに虫けら扱い…叩かれるだけで潰されちゃうよ?」

ジャン「マジかよ…ハハッ」

ジャン「そりゃあおっかねぇな…」

ライナー「お前…本当にジャンなのか?」

ライナー「俺の知るジャンは自分のことしか考えてない男のハズだ」

ジャン「……」

ジャン「失礼だなオイ…」

ジャン「……オレはただ」

ジャン「誰の物とも知れねぇ骨の燃えカスに…」

ジャン「がっかりされたくないだけだ」

ジャン「オレには今何をすべきかがわかるんだよ!」

ジャン「そしてこれがオレ達の選んだ仕事だ!!」

ジャン「力を貸せ!!」



ジャン・キルシュタインだけが知っている。


終わり

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