【オリジナル】Re.乙女合体ガチユリダー#2 (59)

前回のあらすじ.

【前スレ】ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1388453696
【旧設定版(未完)】ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1380257006

 西暦2039年、海城都市『島京』に上京してきた全身義体の少女……琴主・交。
 彼女は五年前のウイルス災害で喪った妹によく似た、同じ全身義体の正純まつりと友情を深めていく。

 しかしまつりはいずれ来ると予期されていた怪獣から街を守るために戦う準備をしてきた、決戦兵器リリーキャットのパイロットだった。

 突如島京に襲撃してきた怪獣、不測の事態の連続で危機に陥るリリーキャット。
 リリー戦闘機を造り交の才能に目を付けていた怪しい女性……P.A.U.R.司令官の綾乃・清泉に促され、交はリリーキャットと対をなす戦闘機リリーブレードに乗り込んだ。

 五次元世界を移動することで通常兵器を無効化する怪獣を、この世界に固定化するS.N.W.適性の能力を持つ交。
 そして少女達のイチャ百合を動力源とし、五次元に直接干渉する力を生み出すリリー戦闘機の合体した真の姿……乙女合体ガチユリダーの力によって、怪獣は見事撃退される。

 しかし戦いは、まだ始まったばかりであった……


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1400789014

【登場人物】

◆琴主・交
主人公、五年前のジオイド災害により妹を喪い、自身も身体の大部分を浸食され義体化したことで生き延びた。
可能性軸を移動する『神の力』を持つ存在を見ることでこの世界に固定する『S.N.W.適性』の持ち主。(無自覚)
明朗活発かつ活動的な人柄で、後悔する事を何より嫌う。
どちらかというと男子的な性格だが、小さくてかわいいものを見ると愛でたくなる性分。
2010年代のアイドル曲を着信にしていたりするレトロマニアでもある。
廃墟と化した東京に育った野生児ポニーテール。

◆正純・まつり
メインヒロイン、義体の開発元である正純重工の娘で
社長であり開発主任であった父はまつりに義体を遺してジオイド災害で他界している。
現在は正純重工と合併した蜘糸商会の会長に養子として預けられ
P.A.U.R.のリリー戦闘機パイロットとして日常の裏で訓練を積み重ねてきた。
しかし純朴で恋いに恋する好奇心旺盛な少女でもあり、交との出会いで百合にも目覚めちゃったっぽい。

◆綾乃・清泉
美人なのだが残暑だというのに全身黒づくめの怪しい女性。
正体不明で人を食ったような怪しい言動のせいで出会ったばかりの交に変質者扱いされる。
実はP.A.U.R.の司令官であり、ガチユリダーの主任開発者でもあり、ウラノスエンジンの発掘者でもあり、交のS.N.W.適性を見抜いていたり、蜘糸商会会長の幼なじみでもあり……etcetc……結局謎な人物。

◆関原・千尋
P.A.U.R.司令室にて綾乃を補佐する全身義体の少女。

[国際総合経済センター・蜘糸商会]

[Calling...]PRRRRR...

[Tell[会長]]ガチャ


『……そぉか、最初の一体は無事撃退できたんか』

「はい、はじめが不調を訴え倒れたのは不測の事態でしたが、綾乃が目を付けていたという三人目が…」

『なんや、マルコみたいやなぁw…そう言やあの子も綾乃が選んだ子やったな』

「…会長、いや……姉様」

『分かっとるよ、ちょお揉めて時間かかったけどもう帰りの便は予約済みや』

『ノスタルジーに浸って責任とらへんなんて事ないさかい、安心してな』

「はい、帰りの道中お気をつけて」

『はいな♪それはそうとぉ、帰ったら久しぶりの八尾ちゃんの成長ぶりを……』ウヘヘ

[Calling off[会長]]ガチャ

「……はぁ」

[[会長]=編集=>[セクハラ大魔神]]ピッピッ

第二話:それは愛しきはじめの言葉



[2034/9/11 琴主・天銅医大エリア・通学路]

[Calling...]PRRRRR...

[Tell[まつり]]Pi☆

琴主「………ええぇっ!!まつり、休むって!?」

 通学路であるにも関わらず、私は思わず通話モードの掌に向けて叫んでしまっていた。

正純『あうう……すいませぇん』

 通話先は正純まつり、昨日一緒にわけのわからない巨大ロボットに乗り、わけのわからない怪獣と戦った女の子。
 戦いのあと、まつりにはあの怪獣の事を色々今日聞く約束だったのだけれど……

正純『いたあっ!?ぁぅあぁぁぁ……』

『はいはい磁気湿布替えますよー』

 ……ものの見事にまつりは全身筋肉痛を訴え、学校を休む事態に陥っていたのだった。
(最近の義体はナノマシンによる自己成長システムがあって、それに運動量が追いつかないと生身と同様筋肉痛になる)

正純『ごめんなさいまじるさぁん……』

琴主「い、いやぁ良いよそんな急ぐ訳じゃないし……ゆっくり養生してね?」

[Calling off[まつり]]Pi☆

 通話モードを切って手を懐に戻すと、私はやりきれない気持ちでため息をついて大きく息を吸い……叫んだ。

琴主「そりゃないよおおぉぉぉ!!」

 正直に言うと、気にならない方がどうかしてるよね!?
 しかし、その魂の叫びは、端から見れば単なる奇行にしか見えなかった。

今回は此処まで
前は中々思ったように書きためが溜まらず
溜まったかと思えばVIPに入れず
入れたときにはHTML化されてて涙目になった教訓を活かし、今度はめいっぱい溜めてきました!




[昼休み・琴主・天銅医大附属女学園・教室]

 その日は今更になって昨日の疲れが押し寄せてきたかのように、全身の気力が抜けて授業が耳にはいることはなかった。

A「ねぇねぇ、昨日の怪獣ロボット騒ぎのニュース見た?」

琴主「おぶふっ」

 英子(女生徒A)の第一声で、私は食べかけていたお弁当のパスタを吹きだすところだった。

A「どうしたの?」

琴主「い、いや余りにインパクト強すぎたから…昨日のことは」

B「だよねぇいきなりアニメみたいな世界だもの。見てよこれ…」

 美居(女生徒B)が出した携帯からホロウインドゥが浮き出すと、一面に映るのはあのロボットと…

[大活躍!!謎の巨大ロボット!!]
[乙女合体ガチユリダー(極大文字)]

琴主「  」

 時間が、止まった。


琴主「  」

琴主「 な あ !? 」

 思わずひっ掴もうとするが、ARならいざ知らず携帯端末が物理的に映し出すホロウインドゥにさわれるはずもなく、指は虚しくすり抜けた。

琴主「ちょ、ちょっとよく見せて!!」

B「え?い、良いけど…どうしたの一体?」
 携帯を貸してもらい、記事によく目を通す。

[天銅医大エリアを襲った正体不明の怪獣を撃破した巨大ロボットは、専門家を名乗る匿名のA女史から
怪獣の出現を察知していたというA女史自身の所属するとある秘密組織の制作した対怪獣用決戦兵器…通称『乙女合体ガチユリダー』であるとの情報が寄せられており……
その余りにもふざけたネーミングと明らかに隠す気のない情報にかかわらずA女史に関する情報の少なさから確たる証拠もつかめないまま……
日本政府は便宜上やむなく、この巨大ロボットを『乙女合体ガチユリダー』と呼称する事を決定し、操縦していたパイロットの捜索と一連の事件の解明に乗り出す方針を固めました。]

琴主「……なっ、なっ、なにこの名前」

A「だよねー、やっぱりパイロットは女の子なのかな?」

B「戦闘機も二つだったし、やっぱりガチ百合なんでしょ?ないわーこれはない」

 記事のあんまりな内容に真っ白になっている私の横で、友人二人が話す言葉が余計に耳に痛かった。
 ……って!!耳に痛くなる要素なんて何処にもないよ!!ていうかこのA女史ってまさか……

綾乃(綾乃・清泉ともうしますねぇ、よろしくねん♪)回想

琴主「あのおばさん……っ!!」

A「どうしたん、琴主さん?」

 怒りに打ち振るえる私を心配するように英子が話しかけてくる、私はあわてて携帯を美居に返そうとした。

琴主「あ、あはは…!!変なセンスの人って居るもんだねえ!!あはは……」

 ……その時。

 ……ダ ン ッ !!!!

とりあえず今日はここまで(すぐ尽きないかビビりつつ
というか今日からガラケー解約してスマホデビューしにいきます。
Gmailにもなろうにも保存したから如何なるミラクルがあってもアボンしないはず…


捨て垢取ってそこにメール送るって保存方法もあるんやで

 から笑いでごまかそうとしていた私の手に握られた携帯の画面に、いきなり何かナイフのような何か刃物が突き刺さった!

B「……ふぁ!?私の携帯が!!」

 顔を真っ青にした美居が手から携帯の亡骸をぶん取った。
 突然の事に目を丸くしながらも、携帯に刺さったそれの取っ手に細い糸で括られた手紙の存在に気づいた私は、同時それを引き抜いた。

A「あーこれ完全にアウトだわ…誰だこんな危ないの投げてよこしたの!」

琴主「ちょっとまって、今読むから…」

 今時東京でさえも珍しい紙媒体(アナログ)の手紙に内心ドキドキしつつも、その内容に私は再び固まった。


【琴主・交
 正純お嬢様を守り抜いた貴嬢の、昨日の働きには感謝する
 しかし、それと私が貴嬢を認める事とは話が別
 本日放課後、後者裏にて待つ 愛糸はじめ】


 古い、アナクロとか死語とかの域を通り越して古い。

琴主「……これ、果たし状?」

B「いや、果たし状って何さ?」

A「あぁ、喧嘩の申し込みみたいな奴?今時古い漫才やドラマでしか見ないよそんなの……」

 良かった、英子に分からなかったら本格的に私時代に取り残されてるのかと思うところだったよ……
 すると英子が手紙をよく読んで、ひえっと小さく悲鳴を上げた。

A「っていうかコレ、送り主愛糸さんじゃないの!!」

琴主「愛糸さん?」

 英子はこめかみを掻きながら答えた。

A「愛糸・はじめさん。一昨年まで一緒のクラスで正純さんと特に仲良かったんだけど、進学と同時にエリートのS組行っちゃったんだよねぇ」

琴主「まつりと?」

 その時、私はパッと昨日あの怪しい真っ黒が言っていたことを思い出した。

綾乃(あの子の本来の相棒とも連絡が付かないし、貴女しかいないのよ…)回想

琴主「……まさか、あの時一緒にまつりと戦うはずだったっていう相棒の……?」

 そうこう考えてるうちに、英子は構わず続きをはなしていた。

A「いや、その子中々凄くてさぁ…正純さんにちょっかいかけた他校の不良グループ殲滅したり」

琴主「……んん?」

B「あと正純さんにセクハラしてきたロリコン体育教師をボコボコにして、校門に吊したのも愛糸さんって言われてるし」

琴主「ちょ、ちょっとまって?なんかエリートってのにあるまじき武勇伝じゃないのそれ!?」

 私の疑問に頷きながら、美居も呆れたように言う。

B「先生をふるぼっこにした時点でそんな道絶たれてもおかしくないんだけどね、愛糸さん正純さんと同じでこの学園のスポンサー…蜘糸商会のトップの養子でね、しかもその子本人も怖くて誰も突っ込めない有様なのよ。成績は紛れもなくトップだし……この携帯蜘糸商会に請求して慰謝料とれるかな……」

琴主「うわぁぁ……」

 なんか聞いただけで足がすくむんだけど、一体どんな凶悪な中学生だというのか……

 ……でも、これが今私に示された、昨日のことにたどり着く唯一の手掛かりだ。
 こんな事でいちいち臆してたら、きっといつか後悔するはず……そのくらいなら……!

琴主「英子、美居、私放課後行ってみるよ」

A「……マジで?いや、というか何で愛糸さんに狙われてるのかも判らないんだけど?」

 心配そうに訪ねる英子に、笑って返す。
琴主「大丈夫、ちょっと話すだけだよ。それに私はそいつらみたいに、まつりに厭なことをした訳じゃないしね
寧ろそんな連中と一緒にされるなんてまっぴら御免だよ、良いじゃないか謎の凶悪エリート……受けて立とうじゃん!」

B「その調子だ琴主さん!私の携帯の敵をとって、そして弁償さして!!」

 気合いを込める私に、応援する美居……そんな中英子だけ首を傾げた。


A「まつりって……昨日帰りでどんだけ仲良くなったのアンタ等?」

母が風邪ひいて延期になりました。
今度こそ今日はここまで。
謎の凶悪エリート、いったい何者なのか!!(棒

しまったぁぁぁなろうに保存した奴は直してたのに
誤植したままの上げてもうた;

○【琴主・交
 正純お嬢様を守り抜いた貴嬢の、昨日の働きには感謝する
 しかし、それと私が貴嬢を認める事とは話が別
 校舎裏にて待つ 愛糸はじめ】

[放課後・琴主・校舎裏]

琴主「ここ……だよねぇ?」

 いったいどんなゴリラ系女子が出てくるのか、内心警戒しつつ……裏口から校舎裏へと出る。
 ……ていうか何も書いてなかったから考えずに雰囲気で放課後に来ちゃったけど、すぐ来いって意味じゃないよね?
 もしそうだとしたらもう二時間近くは待たせてしまったかもしれない……宮本武蔵じゃないんだからそんな間違いはないことを祈るしかない。

 しかし果たして、物騒な手紙の送り主は案の定二時間近く待たされて怒りに打ち振る得ていた。
 肩をわななかせ、目尻に涙をためて、のんびり歩いて出てきた怨めしそうに私を見上げていた。
 果たして愛糸はじめは、黒く綺麗な髪を大きなシュシュでツインテールにした、小さな小さな小動物のような印象の女の子だった。

「……ぐすっ」


琴主「っ」ズキュン

 まるで心臓を射抜かれたような衝撃を感じた、可愛い、可愛すぎる。
 小動物のよう、と表現したが私はここ五年間まともに小動物を愛でたことがない。東京の動物はどれも本来愛玩用だったり畜産用だったりしたのが野生化して本来あり得ないくらい巨大化してたり元々野生の雀やネズミなどを食らいつくすくらい凶悪化してたりしてて正直言って愛でたら殺と書いてやられるくらいのしか居なかったからだ。
 だからこそ新鮮な可愛さ、いや全く耐性のないタイプの愛くるしさを前に私は悩殺されてしまった。

琴主「……あ、大丈夫?手紙くれたのって……」

 我に返って話しかけたときには、彼女は既にそこに居なかった。
 いや、胸元に掴みかかっていた。
 小動物が、牙をむいた。

琴主「…て、わあ!?」

 私は体重をかけられて一瞬でねじ伏せられた、不思議なことに軽いのに全く動けない。
 そのまま後ろ手に引かれた腕がギリギリリと悲鳴を上げた。

琴主「いた、いたたたた!!?」

 肩と肘が灼けるように痛い、溜まらず私は腕をばたつかせた。
 そして私の手は偶然にも彼女の胸の真ん中に触れ……

[メールが届きました][フレンドリストに登録しますか?][全身義体医療診断書]ヴヴヴン!!

 いきなり視界に無遠慮なARホロウィンドゥが乱立した。

琴主「おわっ!? こんな時に!?」

「にゃあっ!?」

 それは彼女の視界にも襲いかかったようで、彼女はババッと私から離れて顔の前を払い始めた。
 ……って事は!?

琴主「あれ、君も……!?」

愛糸「くっ……そんな事どうでもいい!!」

 チャキン、と響く金属音と共に彼女の手に複数握られたのは昼と同じ黒光りする小さい刃物……くないと呼ばれる手裏剣の一種だった。
 彼女は私を睨みつけると、一斉にそれを私の周りにめがけて投げつけた。

愛糸「琴主、まじる……貴様なんて認めない!!」

琴主「はっ……!?うわわぁぁっ!!」

 ガカカカカカッ!!!!
 とくないが足元や壁に刺さっていく。
 キラリとひかる細いもの、動物の捕獲に使うのと同じようなワイヤーが見えて私は慌てながらもそれが絡まらないように反射的に動きを抑えていた。
 気がつくと彼女は私の眼前に迫り、腕を大きく引いていた。

愛糸「貴様がお嬢様を!! あんな風に、ふにゃふにゃに!!」

琴主「あっ……ぶない!? ふにゃふにゃって何!?」

 顎をねらって放たれた掌打を避けてその手をつかむが、今度はハイキックを何度も浴びせてくる。

愛糸「帰ってきてからと言うもののデレデレデレデレ!! 二言目にはまじるさん!! しまいには筋肉痛で倒れる始末、それほど貴様何をした!!」

琴主「何もしてません!! …っていや一緒に戦いはしたけど……」

 その時彼女の半円のようなつり目が、よりいっそう険しくなった。
 彼女の手にどこから出したのか、再びくないが握られる。

愛糸「それを認めないといってるんだぁ!!」

琴主「あーもう!!」

 私は彼女が私の動きを封じるために張ったワイヤーをたゆませて、彼女のくないに巻き付けた。
 伊達に東京で獣狩って生活してない、ワイヤーの扱いには一日の長があるからこそそんなに動いてなかったのだ。
 それを引いて、彼女の手からくないを弾いた。

愛糸「なっ……!!」

 そして掴んだ彼女の腕を引いて背負い投げた。

琴主「そんな危ないのを振り回したら、駄目でしょうが!!」

 彼女は投げられている間に手を振り払い、体制をかえて着地する。

琴主「はっ……はっ……忍者か何かなの君? もう昨日一通り驚いたからもうその程度じゃ驚かないよ……」

愛糸「……ふぅ、冗談、ただの護身術だ……私はまつりお嬢様を守る義務がある!」

 彼女が床に刺さったくないに手を伸ばした、その時だった。

 彼女の首端子に端末のついたナックルのようなものがあてがわれて……

 ガチッ、バスン!

愛糸「ひぎぃ!?」

 衝撃音と共に彼女はピクリと痙攣してその場に倒れ伏した。

千尋「はぁ……」

 ナックルの持ち主、いつの間にか其処にいた浅黄色の髪の白衣の少女は、面倒くさそうなため息をついてこちらを見た。

琴主「あ、あの……」

 こちらが話しかける前に、白衣の少女は口を開いた。

千尋「体力あるならこの子を運んで下さい……ちょっと蜘糸商会島京支社まで来ていただきますよ」

琴主「蜘糸……?」


千尋「申し遅れました、私はP.A.U.R.技術開発部の関原・千尋です。以後お見知り置きを、S.N.W.適正保持者の琴主交…さん?」

今日はここまで。
電脳ホチキスは浪漫装備。
島京では義体犯罪を防止する名目で警官などが装備してます。

[千尋・国際総合経済センター・最外郭]

 ホチキスした未熟忍者をトランクに詰め込み、私たちを乗せて無人リムジンは発進しました。
 まぁ……ホチキスしても感覚は活きてるし、トランクからでも私たちの会話は聞こえるだろうから問題はないでしょう。

 天銅医大エリアから国際総合経済センターまでは駅を隔ててすぐの位置にあります。
 まぁ、半径40kmもある多層円形建築群の真ん中まで行くのだからそちらの方が遠いのだけれど……
 まるで城塞のようなセンターに感動したのか、琴主交は感嘆の声を上げながら辺りをせわしなく見回していたけれど……やがて落ち着いたのか、正面に座る私を見据えて深呼吸すると口を開いた。

「P.A.U.R.って……何?」

「そう……ですね、早い話が蜘糸商会が表向き極秘密裏に抱える研究機関です。可能性軸運用研究開発機関、Possibility.Axis.Use.Research institute.……P.A.U.R.です、それが何か?」

 うっ、と英語の羅列に一歩引いたものの、持ち直して聞く体制に戻る琴主交。

「そ、それがどんな組織でも、まつりみたいないい子や、はじめちゃんみたいに可愛い子を戦いに出させる組織……正直言って、味方と信じられない所もあるから」

 そう言いながら敵意でもない、疑うわけでもない。
 彼女の声が、目が、姿勢が、何か相手を信じるための材料を探すかのような印象……

「詳しく話を聞かせて欲しいんだ……関わったからには!」

 ……良いですね、理解できないことにも正面から向かうその姿勢。それがないとうちでもやっていけませんし……

「琴主さんは、魔術……って信じますか?」

「は、魔術? っていうと、とある魔術の~みたいな」

「古いですね例え」

 まさか20年前流行ったライトのベルの大御所の名前が出てくるとは思わなかった……いや、東京の今のありさまには恐れ入る。
 確かアキハバラではジオイド災害当時まで……いや深くは考えまい。

「……まぁ、例えとしては正しいです。 信じますか?」

 琴主交は、少し考えてから口を開いた。

「……有るというなら信じるよ、信じないで後悔するのは嫌だから」

 ……成程、ある意味それが一番の才能か……

「結論から言えば、あれは科学とは違う視点でこの世界のあらゆる事象を解き明かし運用する学問として存在していました」

 なので、私は簡潔に真実を述べるのが役目でしょう。

「存在……していた?」

 そう、過去のことなんですよ今となっては。

「私は根っからの科学者、そういう一族で暮らしてきたので詳しいことは解りませんが、魔術は20年前から急速に衰退していたそうです……そして五年前、科学のある部門に吸収される形で完全に消失しました」

「『可能性詩実体力学論』」


「この世界に存在するあらゆる生命が発する可能性の力、『詩実体』という仮想粒子を数学的に解析することで、本来有り得ない物理現象を起こし、他次元の世界まで観測する……まぁ、未来を予測したり詩実体を使った新物質を作り出したりするだけが今の技術じゃ精一杯ですけどね」

「じ……十分凄いです」

 あらら……頭から煙を噴いちゃっています。

「まぁそんなこんなで、魔術の延長線上にあるフワフワな技術でも重要なのは、それを使ってアレを予知できたことですね」

「五年前……! ジオイド、災害……」

「そう、しかし予知しても準備するのが精一杯でしたよ……全身義体を」

「……!」

 その時琴主交の瞳には、私の首筋にある端末が映った。

今回はここまで

http://l2.upup.be/d72bA15hQb

関原・千尋(せきはら・ちひろ)
多くの数学者、物理学者を生み出した関原家の娘。
本人もその名に恥じぬ天才児でありMITを首席で卒業し
まだ無名の分野である可能性詩実体力学論に手を出した。
大人びた言動に実は年相応の子供らしいなどという気配は少しもなく、人格としては知識欲の怪物と言える性格。
事故顕示欲も強いのだが、先を見通した上でまだ秘密組織であるP.A.U.R.の立場も、詩実体論に関してのみは師ともいえる綾乃の立場もあり、今の所無名の科学者という立場に甘んじている。
年齢不詳だが少なくとも交達より若く、しかし天銅医大付属では生徒ではなく保険室の先生でもある。

実はまつりの親戚。

名前入れ忘れた……orz

[千尋・国際総合経済センター・最外郭]

 ホチキスした未熟忍者をトランクに詰め込み、私たちを乗せて無人リムジンは発進しました。
 まぁ……ホチキスしても感覚は活きてるし、トランクからでも私たちの会話は聞こえるだろうから問題はないでしょう。

 天銅医大エリアから国際総合経済センターまでは駅を隔ててすぐの位置にあります。
 まぁ、半径40kmもある多層円形建築群の真ん中まで行くのだからそちらの方が遠いのだけれど……
 まるで城塞のようなセンターに感動したのか、琴主交は感嘆の声を上げながら辺りをせわしなく見回していたけれど……やがて落ち着いたのか、正面に座る私を見据えて深呼吸すると口を開いた。

琴主「P.A.U.R.って……何?」

千尋「そう……ですね、早い話が蜘糸商会が表向き極秘密裏に抱える研究機関です。可能性軸運用研究開発機関、Possibility.Axis.Use.Research institute.……P.A.U.R.です、それが何か?」

 うっ、と英語の羅列に一歩引いたものの、持ち直して聞く体制に戻る琴主交。

琴主「そ、それがどんな組織でも、まつりみたいないい子や、はじめちゃんみたいに可愛い子を戦いに出させる組織……正直言って、味方と信じられない所もあるから」

 そう言いながら敵意でもない、疑うわけでもない。
 彼女の声が、目が、姿勢が、何か相手を信じるための材料を探すかのような印象……

琴主「詳しく話を聞かせて欲しいんだ……関わったからには!」

 ……良いですね、理解できないことにも正面から向かうその姿勢。それがないとうちでもやっていけませんし……

千尋「琴主さんは、魔術……って信じますか?」

琴主「は、魔術? っていうと、とある魔術の~みたいな」

千尋「古いですね例え」

 まさか20年前流行ったライトのベルの大御所の名前が出てくるとは思わなかった……いや、東京の今のありさまには恐れ入る。
 確かアキハバラではジオイド災害当時まで……いや深くは考えまい。

千尋「……まぁ、例えとしては正しいです。 信じますか?」

 琴主交は、少し考えてから口を開いた。

琴主「……有るというなら信じるよ、信じないで後悔するのは嫌だから」

 ……成程、ある意味それが一番の才能か……

千尋「結論から言えば、あれは科学とは違う視点でこの世界のあらゆる事象を解き明かし運用する学問として存在していました」

 なので、私は簡潔に真実を述べるのが役目でしょう。

琴主「存在……していた?」

 そう、過去のことなんですよ今となっては。

千尋「私は根っからの科学者、そういう一族で暮らしてきたので詳しいことは解りませんが、魔術は20年前から急速に衰退していたそうです……そして五年前、科学のある部門に吸収される形で完全に消失しました

『可能性詩実体力学論』


この世界に存在するあらゆる生命が発する可能性の力、『詩実体』という仮想粒子を数学的に解析することで、本来有り得ない物理現象を起こし、他次元の世界まで観測する……まぁ、未来を予測したり詩実体を使った新物質を作り出したりするだけが今の技術じゃ精一杯ですけどね」

琴主「じ……十分凄いです」ぷしうぅ

 あらら……頭から煙を噴いちゃっています。

千尋「まぁそんなこんなで、魔術の延長線上にあるフワフワな技術でも重要なのは、それを使ってアレを予知できたことですね」

琴主「五年前……! ジオイド、災害……」

千尋「そう、しかし予知しても準備するのが精一杯でしたよ……全身義体を」

琴主「……!」

 その時琴主交の瞳には、私の首筋にある端末が映った。

今度こそ今日はここまで。
今回は比較的魔術とかオカルトが時間をかけて前に出てきます。

http://l2.upup.be/z2sazB70BX

千尋博士書き直し
某ボーカロイドっぽいのは認める(

http://m2.upup.be/8bAlgSJE4T

女生徒Bこと美居さん
普段から浪費家だとこんな時困る。
この後ちゃんと弁償して貰いました。

[琴主・蜘糸商会エントランスホール]

「どうぞ」

琴主「あ、ありがとう…わぁ」

黒スーツの女性に連れられてエレベーターを出ると、ため息が出るほど広い吹き抜けのエントランスホールに迎えられた。
慌ただしく行き交う人の多さに気圧されながら、私はその組織のスケールを視覚的に理解させられた気分になった。
『蜘糸商会』、かつて世界中にその名を轟かせたO∴H∴社を前身とした超巨大企業であり、義体開発をはじめおよそ『人助け』に関するあらゆる分野に率先して出資を進めている。
現在の義体を開発しシェアのトップを誇る正純重工もまた蜘糸商会の技術開発部から派生した子会社だという。

琴主「ここが、まつりの家かぁ……」

そう呟くと、スーツの女性がおもむろに私の前にたって丁重なお辞儀をして言った。

「ようこそ蜘糸商会へ、琴主交様……申し遅れました、私が現在本社にいる会長に代わり島京支社を預かっている会長秘書兼支社長の燕糸・八尾と申します。弟子が粗相を致してしまったようで、代わって謝罪いたします。」

……はい? ……社長!?

琴主「い、いえいえそんな? 社長さんがわざわざ頭を下げなくても、ていうか襲われたのは私のせいでもあるみたいだし?」

八尾「ふふ、そこまで改まらなくてもいいですよ?」

琴主「は、はぁ……」汗

というかびっくりした、どうみても優秀な秘書とか執事とかそんな空気を醸し出してたから完全に不意打ちだった……あれ?でも秘書だから間違ってないのかな?

八尾「千尋博士、弟子を起こして貰えますか?」

千尋「はいはい」バシュッ

千尋ちゃんがはじめちゃんの首にまた容赦なくさっきのナックルをおしつけて、凄い音がエントランスホールに響いた。

愛糸「ピぐッ……ッ!!」ビクン

琴主「あぁっもうちょっと優しく……」汗

 するとはじめちゃんは起きて直ぐにあわてて八尾さんに頭を下げ始めた。

愛糸「師匠が頭を下げる必要はありません!私の独断です、申し訳ありませんでした!!」

琴主「い、いやいや良いよ!!そんな謝罪なんて……うっ」

庇おうとすると、はじめちゃんは物凄く恨めしそうな涙目で私を睨んできた。

愛糸「……っ」ジイイィィ

琴主「」はうっ キュンv

 そんな私たちを見て、八尾さんは安心したようにクスクスと笑い始めた。

八尾「しかし安心しました。まつりさんのパートナーとなられた方が、思ったよりもできたお嬢様でよかった」

 パートナー、という響きに気恥ずかしくなって顔を伏せる。
そして思い出した、筋肉痛で倒れたまつりの事を聞いてみることにした。

琴主「それで、まつりの様子は……」

八尾「まつりさんでしたらもうすっかり良くなっていますよ。一刻も早く交さんと会いたいといった様子で」

 八尾の言葉に、私とはじめちゃんはホッと一息をもらした。

八尾「それじゃあ、案内しましょう。はじめ、罰というわけではありませんが貴女は訓練室で素振り100回です、少し心を落ち着けなさい」

愛糸「あうっ……ううっ……はい、わかりました…」

 少し狼狽え、諦めるように落ち込んだはじめちゃんを見て、彼女は本当にまつりが心配なんだと気付く。
そんなはじめちゃんの残念そうな表情に、少しだけ罪悪感を覚えた私は、はじめちゃんの手をとって八尾さんに言った。

琴主「あ、あの……はじめちゃんも一緒につれて行って貰って良いでしょうか?」

愛糸「!!」

八尾さんは優しく微笑んで振り返る。

八尾「……本当に、良い人ですね。良いですよ」

今日はここまで
スマホの扱いに慣れたら即書き留め無くなり焦る作者です。

「そう……私もリリータイプの全身義体、尤も残り少ない生身の部分が弱いし根っからの研究者ですからガチユリダーの操縦は出来ませんがね」

「ガチユリダー……」

 やはり琴主交も、渋るような顔をする。
 実に本質を表していて、効率的でいい名前だと思うのですが……

「名前に惑わされては本質なんて見ることはできませんよ、尤もあの司令官の思いつきなんて詩実体論でも予測できませんがね」

 そうこう話している内に、リムジンは止まる。
 赤いシートの敷かれた先には大きなエレベーターと、その横には長身に黒スーツの女性が一人。
 降りた私と琴主交に向かい、にこりと笑って会釈した。

「お待たせしました、ようこそ琴主交さん……蜘糸商会島京支社へ」

「そう……私もリリータイプの全身義体、尤も残り少ない生身の部分が弱いし根っからの研究者ですからガチユリダーの操縦は出来ませんがね」

「ガチユリダー……」

 やはり琴主交も、渋るような顔をする。
 実に本質を表していて、効率的でいい名前だと思うのですが……

「名前に惑わされては本質なんて見ることはできませんよ、尤もあの司令官の思いつきなんて詩実体論でも予測できませんがね」

 そうこう話している内に、リムジンは止まる。
 赤いシートの敷かれた先には大きなエレベーターと、その横には長身に黒スーツの女性が一人。
 降りた私と琴主交に向かい、にこりと笑って会釈した。

「お待たせしました、ようこそ琴主交さん……蜘糸商会島京支社へ」

おもしろい
支援です




 延々と続くエスカレーターを上りながら、八尾さんは千尋ちゃんとの話の続きを語りはじめた。

八尾「私も会長も、あの災害で多くの子供たちを救ったのは他ならぬ正純社長……つまりはまつりさんのお父上だったと考えています」

それは、最早声に出して賛同する必要もないくらいに、身をもって知っていることだ。
 私の命をジオイドから救った全身義体もまた正純重工製。
そもそも正純重工が近代義体を開発しなければ、私たちは今のような幸せな生活なんて送ることはできなかっただろう。
まつりも千尋ちゃんも……おそらく、はじめちゃんも……。

千尋「全身義体化の技術はジオイド災害の鎮静化した今でこそ人権的な問題で施術が難しくなり、今や義体市場は一部義体を除き必要なくなったといっても過言ではありません……もうこれ以上、全身義体治療を受ける人間は年間5人にも及ばないと予想されています」

千尋ちゃんが携帯端末のデータを見ながら言うことに頷きながら、八尾さんは続けた。

八尾「だからこそ、これからの戦いに駆り出される人数は大きく限られます…それも子供たちだけに」

琴主「戦いって…あの怪獣?」

 怪獣、その言葉に彼女たちの顔が険しくなった

八尾「あの怪獣に対抗できる唯一の手段…ウラノースシリーズは綾乃の発掘した未知の技術の結晶です。機械に『神』を宿らせる、昔…大戦の裏で兵器として開発が進められていた技術。しかしその当時それが完成することはありませんでした」

琴主「どうして?」

千尋「相手は機械だった、機械と心を通わせその人格…いや『神格』を覚醒させるひとがいなかったんです。そりゃあ、人と機械に発生した神では根本的にフォーマットが違いますからね。誰の言葉もわからず、何も見えない、聞こえない、人格の芽生えは知覚によるインスポートがあって初めて発生するものといいますが、それもなくいつまでもその神格は目覚めなかった。そこで…綾乃に目をつけられたのが全身義体の技術でした」

琴主「……機械と人の違い…」

八尾「そう……ジオイドの襲来を予期していた綾乃は、義体開発に携わっていた正純社長にそれを打ち明けてリリータイプという義体規格を提案しました」

 私は、義体のメインコンソールを開き義体のバージョン情報を確認した。

[Lily Type ver1.3]

八尾「結果として……医療手段として広まった全身義体のなかで特に最初期生産のリリータイプ義体を持つのは今のところこの島京で四人…あなたと、まつりさんと、千尋と、はじめ……あとは生身かより日常生活向けに改良された後期生産タイプです」

愛糸「本当は最初の戦闘も、私とお嬢様で出るはずだったんだ…S.N.W.適性が私にはなかったけれど、動かすことはできるはずだったから……しかし、ちょうど私はあの時貧血を起こして倒れてて……私は、自分で自分が不甲斐ない……?」

琴主「あぁ、それで……」

彼女はきっと、本当にまつりの事が好きなんだろう、あの頼りなくて、それでも誰より誇り高いあのこの事が。
あのまつりの事だ、すぐ近くで暮らしていたならなおのこと彼女を守ってあげたくなるに決まっている。
それを横からかっさらっていった私に、はじめちゃんが怒りを覚えてもおかしくはなかったんだ。

琴主「ごめんね、はじめちゃん」

愛糸「……」

 はじめちゃんは再びプイッとそっぽを向いた。

今回はここまで、人数増えると説明シーン台詞区切るのが楽です。

会長は普段島京支社の屋上に住んでいるらしい、元々出不精な人らしくそれが色々と都合が良いんだそうだ。
そして、意外にもこじんまりとしている会長宅の一室、場所に反してあまりに普通の女の子らしい部屋がまつりの自室だった。
そして部屋の主は私がそんな感想を抱くと同時に、ベッドから飛び上がってハグしてきた。

正純「まじるさんんん!!」

琴主「ふぁっ!?」

八尾「おやおや……」

愛糸「……」ムカムカ

千尋「……ほうほう」

そんな私達の様子を、はじめちゃんはいらだたしげに睨み、八尾さんは微笑ましそうに、千尋ちゃんは何故か興味深そうに傍観していた。

正純「まじるさんまじるさぁん♪」スリスリ

琴主「ま、まつりまつり?まつりさん!?三人も来てるから?凝視されちゃってるから?」

 まつりは真っ赤な私に抱き着いて一通りすりすり頬擦りすると、一息ついてベッドの上に正座する。

正純「えへへへ……♪正純まつり、筋肉痛から見事に完治いたしました♪…あ」ピキ

 いったそばから、まつりは膝から折れてベットに倒れこんだ。

愛糸「お、おおおお嬢様ぁ?」汗

琴主「治ってない治ってない!!無茶しないで!?」汗

 オロオロする私達をよそに、まつりはえへへと笑いながら上体を起こした。

正純「えへへ…すいません」

千尋「まったく、調子良いんですからまつりは……」

八尾「それでは、お茶を用意しますからね」

そう言って、八尾さんはスーツの上にエプロンを纏って部屋を出る。

琴主「お、お構い無く……いいのかな、かなり偉い人っぽいのに」

正純「八尾さんのお茶はとっても美味しいんですよ?それにうちは皆血は繋がってなくても家族ですから、八尾さんと踊壺さん……この会社の会長さんも姉妹同然の付き合いだったそうですし。だからまじるさんも自分の家みたいに寛いで下さい♪」

 台所へ去っていく八尾さんを見送ってから、まつりは私の手を握る。

愛糸「……」ムカムカ

千尋「……こほん、そうですね。しかしその前に……もう一つ、大事な話をしましょうか?」

琴主「もう一つ……って」

綾乃『そりゃーもう、あなた達の戦う敵についての話ねぇ♪』

[Connecting[System Adonai

今回はここまで、テンプレとはいえ説明シーン続くと不安になるのは何故だらう


綾乃『そりゃーもう、あなた達の戦う敵についての話ねぇ♪』

[Connecting[System Adonai

八尾「それでは、お茶を用意しますからね」

そう言って、八尾さんはスーツの上にエプロンを纏って部屋を出る。

琴主「お、お構い無く……いいのかな、かなり偉い人っぽいのに」

正純「八尾さんのお茶はとっても美味しいんですよ?それにうちは皆血は繋がってなくても家族ですから、八尾さんと踊壺さん……この会社の会長さんも姉妹同然の付き合いだったそうですし。だからまじるさんも自分の家みたいに寛いで下さい♪」

 台所へ去っていく八尾さんを見送ってから、まつりは私の手を握る。

愛糸「……」ムカムカ

千尋「……こほん、そうですね。しかしその前に……もう一つ、大事な話をしましょうか?」

琴主「もう一つ……って」

綾乃『そりゃーもう、あなた達の戦う敵についての話ねぇ♪』

[Connecting[System Adonai-Melekh]]
[Dive in]

どこからか、聞き覚えのある声が聞こえた瞬間……私達のいる部屋はまるで紙吹雪のように散って真っ黒な空間になった。

ぽつぽつと、夜空の星々のような光があちこちに現れ、そしていつの間にか私たちは、巨大な地球儀の回りを囲うようにして立っていた。

琴主「あ、あれ、何これ!?」

正純「仮想空間ですよ、此処なら体の事も気にせずに話せますから♪」

綾乃「そゆことねぇ♪」シュタッ

地球儀の真上に相変わらず真っ黒な女、綾乃が悠々と降り立ったのを見て私は眉を潜めた。
ある意味……聞く限りではあいつがこの状況に私を巻き込み、私たちをあのロボットに乗せて戦わせている張本人だからだ。

綾乃「あらあら、情熱的な視線ねぇ♪」

琴主「あんたに一番話を聞きたいと思ってたからね……」

正純「ま、まじるさん。綾乃さんはそんなに悪い人じゃ……」

おろおろするまつり、多分彼女の言うとおりなんだろう。
でもこんな状況になって尚あの女はあんな所で高みの見物をしている……それが私には納得がいかなかった。
まつりがあんな思いをしてまで頑張っていたのにだ。

琴主「あそこまでしなきゃ勝てない、神様だかなんだか使わなきゃならない敵って何なの?」

綾乃「……んっふっふ、良いとこ突いてくるわね?じゃあそこから答えましょうかねぇ♪」

綾乃はカツゥン? と、音を立てて足下の地球儀を踏み鳴らした。

綾乃「私達の敵は、こいつよ」

赤い矢印が八方から綾乃の足下の地球儀を指差した。

琴主「……は?」

綾乃「そう、地球の持つ意思そのもの……ガイア意識体。
それが生み出す生命への攻撃の意思、それがジオイドウィルスと、あの怪獣の正体よ」

地球儀から赤いガスのようなものが吹き出して、綾乃の手元に集まった。
そしてその粒子の一粒が拡大するように大きくなり、蟲のような機械のような生き物の形をとる……ジオイドウィルスだ。

綾乃「ガイア論と言うものが有るわね、地球その物が一個の知的生命体っていう説ね?
実際にはガイアは古くから神にも等しい存在として文字通り地球の歴史上で流れたあらゆる情報を集積、記憶する知識の番人として存在していたのよ。
その知識は三次元上の限界を越えて、過去はもちろん未來にまで及ぶとされているわ。
しかし、ある時ガイアは落ち着いた傍観者から過激な破壊者へと変貌した。理由はわからないけど、私達は恐らくは何らかの形で生命が地球の存在を脅かす可能性が濃厚になったからだと踏んでいるわね。
私達P.A.U.R.はガイア詩実体の観測実験の途中で偶然其れを知って行動に移れた訳ね?」

語る綾乃の手元で、拡大したジオイドウィルスはぐにゃぐにゃと形を変えていく。

綾乃「ジオイドはガイアの産み出した詩実体がガイアの殺意を受けて変異した多様体ウィルス、個体によって繁殖どころか観測の都度変異し、有無を言わさずあらゆる方法で寄生した生命体を崩壊させる。
ガイアはジオイドを世界にばらまき一度全生命を駆逐しようとした、しかし邪魔が入った。ガイアはウィルスでは殺せない生命が存在する事を知った、全身義体ね?」

琴主「……」

八尾さんが言ってた、まつりの父が多くを救ったってそういうことか……

綾乃「ガイアはウィルスの散布こそ辞めたけど、殺意そのものは詩実体と共に大地から吹き出して、大気を満たしているわ。そして、何らかの号令でより確実に生命を駆逐できる姿を取ったのが昨日の怪獣……便宜上ジオイドノイドと呼びましょうかねぇ♪」

さらっと勝手に名付けるけど、良いんだろうかそれ……
綾乃は手元のウィルスを消しておもむろに右手を掲げる。

綾乃「ジオイドノイドはガイアの殺意が実体化したもの、奴らはガイアの神の力を持っているから通常兵器は通じない……5次元を潜って別の可能性に逃げちゃうからねぇ?

そう、それに対抗するために私達は神の力が必要だった……そして造り出されたのが……?」

パキィンと指を鳴らすと、綾乃の後ろに昨日のロボットがスポットライトと共に現れた。


綾乃「乙女合体 ガチユリダーなのよ?」


……なるほど、事情はよくわかった……わかったけど、あえて言わせてもらおう、いや言わなきゃならない?


琴主愛糸「「だから何でガチユリダーなんだああああぁぁぁぁぁぁぁ????」」ズビシィ

今回はここまで。
!!一文字はハテナになるのね……orz

リリータイプ義体大図解(無断)
http://m2.upup.be/PFWUI044fG
報いを受ける変質者
http://l2.upup.be/rS718rlRd5

乙!

綾乃「ジオイドノイドはガイアの殺意が実体化したもの、奴らはガイアの神の力を持っているから通常兵器は通じない……5次元を潜って別の可能性に逃げちゃうからねぇ?

そう、それに対抗するために私達は神の力が必要だった……そして造り出されたのが……!!」

パキィンと指を鳴らすと、綾乃の後ろに昨日のロボットがスポットライトと共に現れた。


綾乃「乙女合体 ガチユリダーなのよ!!」


……なるほど、事情はよくわかった……わかったけど、あえて言わせてもらおう、いや言わなきゃならない!


琴主愛糸「「だから何でガチユリダーなんだああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」ズビシィ


……私とはじめちゃんの完全に息の合った突っ込みが、無音の宇宙空間に虚しくエコーした……。

綾乃「……えぇ!?」

愛糸「えぇじゃない!! 当たり前なことに文句言われたみたいな顔やめろ!! 当初のウラノースワンで良いだろ、いやどう考えても!!」

琴主「真面目な雰囲気返せ!!」

綾乃は困ったかよのように米神に指をおいてうぅんと唸った。
いやだからその反応がいちいち腹立つんだよ。

綾乃「いやしかしねぇ、実際アレはそういう性質を持っちゃったのよ? 琴主ちゃんとまつりちゃんのお陰で」

琴主「は、私とまつりが? って何さそういう性質って?」

千尋「こういう性質ですよ」ピ

千尋ちゃんがホロキーボードを操作すると、綾乃の足下の地球儀がモニターになってある映像を写し出した。

正純『琴主さん、一緒に……戦ってくれますか?』

『……不公平だよ』

『琴主さん?』

『私のことも、名前で呼んでよ』

『……はいっ、まじるさん!!』

ガチユリダーの中の異空間で……裸で抱き合う私達の映像が。

正純「……まぁ」ポッ

愛糸「 」#ビキビキビキィ

私はただ呆然と皆の反応を見たあと……顔面が爆発した。

琴主「…………きぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」ぼふっ

私はあわてて地球儀の前に立って隠そうとする、しかし結構でかい地球儀、そんなの殆ど無意味だった。

琴主「な、ななな何でこんな所録画してんだ変態!!」///

綾乃「勘違いしないでねぇ、録画したのうちじゃないからね♪」

琴主「は、はぁ!? それってどういう……」

言いかけて、嫌な予感がした。
機械の神様、私たちを通して世界を認識するとかどうとか……それってつまり意思があるってことで……

綾乃「……察したようねぇ? そう、これを録画したのはウラノスエンジン自身ねぇ?」ニヤァ

綾乃は踵を返して幾つものモニターを写し出す。
主に、私とまつりの映るものと、せわしなく上下する何らかの棒グラフだ。

綾乃「ウラノスエンジンはなにも知らない子供だった、リリータイプからでしか成長と協力を促す交流は行えないし、ウラノスエンジン自身気紛れでどうにも安定した稼働を私達のだけでは約束できないような代物だったのよね。
それが昨日見事に本来の力を発揮し、ジオイドノイドを撃退できた最大の要因、それは即ち『愛』に他ならない!!
いや、正確には『趣向』かしらねぇ……
そう、勇気で動くロボットよろしく、ガチユリダーの力の源は『百合』!!

乙女同士の百合なイチャイチャで世界を救う!!
百合と愛の守護神、それが乙女合体ガチユリダーなのよ!!

ってあらぁー!?」グイッ ズルゥッ

いつの間にか投げられたくないによって、足にワイヤーが巻き付いた綾乃は引っ張られて地球儀の上から引きずりおとされた。

http://n2.upup.be/nzIBHwFjv7

今回はここまで。
さてぼちぼち怪獣出しますか。

http://l2.upup.be/V7BvF8ZX70
おまけ.リリー戦闘機ラフ

メカ難しいのでラフで上げてみる。

上、リリーブレード
主に琴主交の機体、ガチユリダーの上半身担当でリリーキャットよりやや小さい。
しかし攻撃性能高めでシールドを張って硬質化し翼を武器にして突貫するなんて変態攻撃も出来る。
下、リリーキャット
ガチユリダーの下半身担当で、変形後の装甲を纏っているためリリーブレードよりややでかい。
装甲は変形時にパージし、人工斥力と磁気誘導によって形態ごとに異なる位地に装着される。
また装甲はリリーキャット単体でもキャストオフよろしくパージすることができるが、この状態だとエネルギー不足のため磁気誘導が働かず
パージした装甲を拾って集めるしかなくなる。

http://m2.upup.be/bFGfsi1gWB

本稿上げるとき無くしてた千尋博士登場シーンの絵をキャラクターシェアの友人が見つけたのでうp

綾乃「あだぁ!? うぐぐ年寄りは労ってよねぇ?」ドタァ

愛糸「ふ……ふざけるなぁぁああ!!」ピキピキ

綾乃を見下ろしてくないを構えるはじめちゃん、まずいこれは止めないと……そう思った瞬間だった。

ヴィイイイイン!!ヴィイイイイン!!
と、警報が鳴るとはじめちゃんはピタリと動きを止めた。

愛糸「!?」ピタッ

綾乃「あら、意外にせっかちねぇガイアってのは……それじゃあ本部で待ってるわよん♪」

愛糸「なっ……待て!!」

そう言い残すと、再び空間が紙吹雪のように吹き飛んでさっきまでのまつりの部屋に戻ってきた。
警報は、相変わらず外からなり続けている。
お茶のお盆を片手に、八尾さんが開けた窓から赤い空を眺めていた。

琴主「ジオイド……!!」

八尾「お茶を飲んでいる暇はないみたいですね……」

正純「また私とまじるさんで……!! はうっ!!」ぴき

正純が慌ててベッドを降りようとしたが、また痛みだしてぱたりとベッドに寝込んでしまった。

八尾「おおお嬢様!?」汗

琴主「あわわわまつりは無理しないで!!」滝汗

そんな私達を観かねてか、千尋ちゃんが白衣からペンライトのようなものを取り出して私とはじめちゃんに投げて寄越した。

琴主「……これは?」パシッ

千尋「タキオンパルス転送機です。これを胸の予備無線端末に向けてスイッチを押してください、直ぐにP.A.U.R.本部へ転送されます」

琴主「てん……?」

私が首をかしげていると、その間にはじめちゃんがペンライトもどきを胸に当てる。

愛糸「……私だけで十分だ」カチッ ばしゅっ

そう言い残すと、はじめちゃんは一瞬の間にその場から消え去った。

八尾「あの子は……誰に似たんだか」ヤレヤレ

呆れる八尾さんをよそに、まつりは私の手をとってペンライトもどきを私の胸に向けた。
その暖かい手は、見た目よりもしっかりと私の手を握っていた。

正純「まじるさん、よろしく頼みます。はじめちゃんも……」

琴主「……うん、任せといて!」

まつりがペンライトのスイッチを押すと、ばしゅっという音と共に浮遊感を感じた。

[愛糸・P.A.U.R.司令室]

愛糸「綾乃、ジオイドはどうしてる?」シュタッ

転送を終えて降り立った私に、待ち構えていたおばさん(綾乃)は手を翻して司令室の大モニターを見せた。
相変わらず人数に反して無駄に広い司令室だ……モニターには赤い空に、虹色の燐光を放つ不気味な赤い塊が蠢いていた。

オペレーターA「ガイア詩実体、未だ安定を保っています」

綾乃「今溜めの最中みたいだから、まだ準備の余裕はあるわね。その分厄介な怪獣にならなきゃ良いんだけど……あら?」

おばさんがふと私の後ろを観ると、いきなり重いものが背中に押し付けられた。

琴主「うわっ!? と、と、と、とぉあっ!?」どてっ

愛糸「にゃあっ!?」どたっ

ばしゅっ、と軽い音と共に転送してきた素人が、バランスを崩して私に覆い被さってきた。

琴主「うええ……酔ったぁ」くらくら

愛糸「この、何やってるんだ!」

そんな私達をニコニコと嫌な笑みで見下ろすおばさんも居る。

綾乃「あらあらぁ、早速仲良くなってるみたいねぇ♪」

愛糸「……っ早くどいて?」#

琴主「あぁっ、ごめんね?」///

いそいそと私の上からどいたそいつに、私は埃を払いながら訪ねた。

愛糸「何で来た? 私だけで十分といったはずだ」

琴主「な、十分なわけないでしょ? あんな怪獣相手に一人で戦えるわけないでしょうが」

肩に置かれた手を払い除けて、私は言う。

愛糸「十分だ!! 私はお前ともお嬢様とも鍛え方が違う!」

琴主「……っ、君ねぇ」

そこで私と素人の間に、おばさんが割って入ってきた。

綾乃「はいはいはい言い合いしてる暇もないのよん♪」

綾乃は手に赤と黒のスーツを持って私たちに差し出してきた、私と素人のパーソナルカラーに会わせた耐圧スーツだろう。

琴主「うえ、これ着るの?」汗

綾乃「何事も万全を期す方が得ってものよん? それに、話し合いは着替えの合間にもできるわねぇ♪」

……どうやらおばさんにしても、この素人をどうしても戦いに巻き込むのは確定しているようだ。

愛糸「……はぁ、仕方ない」

琴主「わ、待ってよ更衣室そっち?」

ため息をついて更衣室に向かう私に、素人は駆け足でついてきた。

[千尋・燕糸家自室]

正純「いいの? 千尋ちゃんも行かないで……」

うつ伏せになり、心配そうに赤い空を見上げながらまつりは言った。

千尋「あの二人の詩実体数値ならもうとっくに探査ナノマシン打ち込んでますから。それに、義体の病人が居たら看病するのが技術屋の仕事です」

正純「えへへ……千尋ちゃんも素直じゃないね?」

……私は新しい磁気湿布を勢いよくまつりの背に叩きつけた。

千尋「……」ビタァン!!

正純「Σいちゃあっ!?」ビクン

千尋「私はあんなに愚直じゃないですからね……」ふん

確かに私が言ったのも、まつりが言おうとしたことも、どちらも本心なのは間違いない。
ただ、だからこそ愚直な子には愚直な子ほどコミュニケーションはとりやすいはずだから……

千尋(心配な事といえばはじめが愚かなほどに真面目なことですか、まつりの事に関しては特に……)


?????????????????
今回はここまで
お着替えシーンに絵を挟もうか悩み中

[愛糸・更衣室]

琴主「一緒にいくのは認めてくれたってことでいいのかな?」ごそごそ

愛糸「認めた訳じゃない、ただあのおばさんは軽口に反して頑固だからごねても仕方ないし、昨日お嬢様を助けた事実だけは鑑みただけだ」プチプチ

服を脱ぎながら、素人は私に訪ねてきた。
私もシャツのボタンをはずしながら答える。

愛糸「お前は何故お嬢様を助けた?」しゅるっ

琴主「……まぁ、ほっとけなかったからかな。はじめちゃんだってそうなんじゃないの?」ヌギヌギ

……さっきから何だそのはじめちゃんというのは、同い年としてみてないのか腹立つ。

琴主「はじめちゃんだって、まつりとは姉妹みたいに育ったんじゃないの? 一緒に暮らしてるんだし……」スルッ

愛糸「いいや、私はあくまでお嬢様の護衛として生きることを決めているだけ。 一緒に暮らしてはいるが、八尾師匠と同じように会長やお嬢様からは一歩引いて暮らしている……Σ!?」Σツケテナイダト

琴主「どうしたの?」

愛糸「い、いや何でもない……」

琴主「何でそこまでして……」

愛糸「私が失ったものを埋めてくれたのは、お嬢様だから」

琴主「……っ!!」

愛糸「覚えは、あるようだな?」

振り返った私の言葉に、素人は口ごもった。
まぁ、仕方ないことかもしれない……少なくともリリータイプの全身義体という条件が揃う時点で、この女も何かしらをあの災害で喪っているのだから。

琴主「妹を……」

愛糸「……私は、私自身の過去を無くした」

琴主「……!?」

愛糸「私はジオイド災害の初期に、何も抵抗するすべがなかった頃に壊滅した都市で見つかったらしい。道端で、誰もが溶けてなくなって、私自身も元の顔すらわからないくらいにウィルスに侵されながらなんとか自衛隊に救助されて、この身体に入れられたらしい……」

スカートを脱ぐと、顔を赤くした素人が口を挟む。

琴主「らしいって……まさか、そんな」

愛糸「あぁ、記憶なんて残している余裕なんかなかったろうな」

琴主「……記憶喪失?」

思い出そうとすれば激痛が走る、PTSDと言った方がいいのかもしれないな?

愛糸「そんな私をなんの気まぐれか引き取ってくれたのが会長だった、そして何もかも失った私を守ってくれたのがお嬢様だった……だから私は今までも、これからも、お嬢様を守れるようになると誓ったんだ……だからこそ!!」ダンッ

私はロッカーを閉めて、自らに対する怒りをぶつけるように固く握った拳をぶつけて力を込めた。

愛糸「昨日の事はあり得ない失態だ……認めたくないんだ……っ」ギリッ

琴主「はじめちゃん……」

私はスーツに足と袖を通し、早々にファスナーをあげてガレージに向かった。

琴主「あっちょ、待って足がすぐとおらな……わぁ!!」ガラガラガッシャン

今回はここまで、sagesaga忘れスマソ

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