櫻井桃華「夜はこれから」 (40)

アイドルマスターシンデレラガールズのSSです。
今回は勢い良く行きたいと思います。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1400780635

午前 10:30 シンデレラガールズプロダクション某支部

TV『先日より発生している連続強盗事件ですが、手口などから専門家はかなり組織化されたグループによる犯行であるとの見方をしております。』

TV『資産家ばかりが狙われているということから、警察は高級住宅地などでの警戒を強めるなど、対策を取っていくとのことです。』

TV『では窃盗団の手口を詳しく検証していきましょう…。』

ブツン

モバP(以下P)「最近物騒になってきたな…。」

P「あとこういう特集やるから模倣犯とか出るんじゃないかな…。」

ブロロロロロ

P「お、来たな。お出迎えしないと…。」

 (事務所前)

P「おはよう。桃華。」

櫻井桃華「おはようですの、Pちゃま。」

執事「おはようございます、P様。」

P「いつもお疲れ様です。私が送り迎えしてもいいのに、ありがとうございます。」

執事「いやいや、毎日を屋敷の中で過ごしておりますので、お嬢様の送迎の時間は外にでる貴重な時間でございます。」

執事「まだ体が動くうちは、送迎をさせていただきたいと考えております。」

桃華「良いでしょう、Pちゃま?」

P「ああ、全然いいぞ。」

P「…こちらこそ、願ったりかなったりです、是非これからもよろしくお願いします。」

執事「そういっていただけると、生きる活力も湧くというもの。」

執事「では、本日もいつもの時間にお迎えに上がります。」

執事「それまでお嬢様をよろしくお願いいたします…。」

桃華「心配することはありませんわ、爺や、今日も立派にお仕事をこなしてきますわ。」

P「そういうことなのでご安心ください。」

執事「承知いたしました。では、私はこれで…。」

桃華「爺や、せっかく持ってきたものを忘れていませんこと?」

執事「はっ、失敬、この爺としたことが、忘れておりました…。」

ガサゴソ

執事「P様、これを…。今月分の茶葉にございます。すこし多めに入れてありますので、皆様でお楽しみください。」

P「いつもどうも。」

執事「では、今度こそ、これにて失礼致します。」

桃華「ご苦労でしたわ。」

執事「はっ。無事のお帰りを心待ちにしております。」

バタン ブロロロロロ

P「事務所入ろうか。」


カンカンカン

P「いつも結構な量もらうけど、なかなか使いきれないんだよな…。」

P「俺、紅茶とか淹れられないし。」

桃華「いい加減憶えていただかないと、この櫻井桃華のプロデューサーとして示しが尽きませんわ?」

P「そうはいっても、ただお湯沸かして淹れるだけじゃダメなんだろ?」

桃華「誰しもそこからスタートしますの。アイドル活動とおなじですわ。」

P「それを言われると返答に困る…。」

P「コーヒー党だらけのこの支部で…うう、善処いたします。」

桃華「その意気ですの。いつまでも真奈美さんに頼るのはよろしくありませんわ。」

P「はい…。」

(事務所内)

P「さて、今日の仕事だが…。」

桃華「はりきっていきますの。」

P「このあと、番組の打ち合せ、午後は茶菓子のCM撮影、ってところだな。」

桃華「出発はいつに?」

P「11:30過ぎかな、そんなに遠くないし。」

桃華「時間がありますわね?」

P「…。」

桃華「そんな嫌そうな顔をなさらないで。」

桃華「お茶を淹れてくれませんこと?」

P「…はいはい、ご随意に、お嬢様…。」

桃華「ウフフ…♪」


(数分後)

ガチャ

木場真奈美「ただいま戻ったよ。おや…?」

木場P「今戻った、どうした真奈美。」

真奈美「いや、面白い光景だと思ってね。」

木場P「なんだ…?」


桃華「Pちゃま、あともう少し腕をお上げになって。」

P「はいィ!」

桃華「その調子ですわ。ティーカップの側面を沿わせるように注ぐと跳ねませんのよ。」

P「はいィ!」

木場P「なにしてるんだ、お前ら。」

桃華「あら、真奈美さん、木場P様、ごきげんようですわ。」

真奈美「やあ、桃華、はりきっているね。」

桃華「Pちゃまにお茶の淹れ方を指南していますの。」

木場P「ほう、たしかに面白い。」

P「うるさい!結構な!姿勢の維持が辛いんだよ!」

真奈美「スムーズにできればそれに悩まされることもなくなるよ。」

木場P「精進することだな。」

P「この…!」

桃華「ほら、Pちゃま、もう一度ですわ。」

P「はいィ!」

P(こんど担当に頼んで、雪乃に教えてもらおう…。)


午前 11:20 同場所

P「おまたせいたしました…。どうぞ…。」

桃華「味は今一歩、でも作法はよくなりましたわ。」スー

真奈美「うむ、流石櫻井家、いい茶葉を使っている。香りがいい。」スー

木場P「たまには紅茶もいいな。」ズズー

P「どうだこのやろう、やればできるだろ。」

木場P「こらこら、言葉遣いがなっていないぞ、お茶汲み係。」

桃華「ふぅ…。」コトッ

桃華「Pちゃま。」

P「…なんでしょうか?」

桃華「そろそろ時間ですの、いきましょう?」

P「フー、そうだな、行こうか。」

真奈美「桃華、ちょっといいかな?」

桃華「なんですの?」

真奈美「いやなに、少し茶葉を頂けたら、と思ってね。」

桃華「構いませんわ。何にお使いになりますの?」

真奈美「少々もったいない気もするが、これでお菓子をつくろうとおもう。」

桃華「まあ、それは素敵ですわ。私にも残しておいてくださる?」

真奈美「もとよりそのつもりさ。帰ってくるころには出来上がっているはずだよ。」

真奈美「楽しみにしておいで。」

桃華「はい、お言葉に甘えさせていただきますわ。」

P「行くぞー桃華―。」

桃華「はい♪」

バタン

真奈美「さて、と。お嬢様の期待に添えるか、一つ腕試しといこうか。」

木場P「俺も手伝おう。」

真奈美「仕事はいいのか?」

木場P「アイドルの特技を確認するのも仕事の一部だよ。」

真奈美「そうか、フフッ、こき使ってやるから、覚悟しろよ?」

木場P「フッ、いいだろう。」

正午  テレビ局一室

P「本日はよろしくお願いします。」

桃華「おねがいいたしますわ。」

担当D「いえいえ、こちらこそよろしくおねがいします。」

D「今回櫻井桃華さんにご出演いただくコーナーはお嬢様タレント豪邸訪問ですね。」

P「はい。」

D「当日、粗相はしないように細心の注意を払いますので、ご自宅を拝見させていただきたいとおもいます。」

P「はい。神戸の実家になるんでしょうか?」

D「そうです…ね。別に現在コチラに住んでいらっしゃるお屋敷がありますよね?」

桃華「そうですわね。」

P「そちらでもよろしいでしょうか?」

D「構いませんよ。どちらをお使いになられるかは、後日で良いので、宜しくお願いします。」

P「大丈夫か、桃華。」

桃華「ええ、構いませんわ。ですが…。」

D「ああ、心配はご無用、完全にプライベートを覗いたり、立ち入り禁止の場所には入らないようにいたしますから。」

桃華「なら、安心ですわ。」

D「で、番組内では、櫻井さんにご自宅の案内をしていただきたいと思っておりまして…。」

桃華「はい、是非やらせていただきますわ。」

D「ご自宅の見取り図などいただけますと、助かるのですが。」

桃華「爺やに確認いたしますね。」

P「データは確認、神戸と都内のどちらかか決定し次第、送信ということでいいでしょうか?」

D「はい、大丈夫ですよ。よろしくお願いします。」

D「では、詳しい段取りですが…。」

午後 13:00 打ち合せ終了

P「ふぅ、ひとつ終わったな。」

桃華「ですわね。」

P「遅くなっちゃって悪いけど、次に行く前に昼食べていくか。」

桃華「そういたしましょう。」

P「あー…でも、桃華の口に合うもの、この辺りにあったかな…?」

桃華「…。」

桃華「Pちゃま?」

P「なんだ?」

桃華「Pちゃまはお休みの日は何を食べていらっしゃるの?」

P「久しく休みなんかもらってないからな、もらっても起きたらもう昼だし…。」

桃華「不摂生極まりない生活ですわね、Pちゃま。」

P「あー、ハンバーガーとかよく食べる。」

P「わりと手頃だし。」

桃華「では、それにいたしましょう。」

P「いいのか?桃華の口に合うかどうか…。」

桃華「前々から食べたいと思っていましたの。爺やに頼んだのですけれど…。」

P「食べさせてくれなかった、と。」

桃華「いいえ、違いますの。爺やのは思っていたものとは違いましたの。」

桃華「こう、貧相さが足りないというか…。」

P「流石お嬢様、格が違う。」

桃華「とにかく、この目で確かめて、食べてみないことには、わかりませんわ。」

桃華「Pちゃま、エスコートしてくださいまし。」

P「…エスコートして行くようなところでもないけど…。」

P「ま、いっか。行こう。」

(ファストフード店 ドライブスルー)

桃華「お店の中で食べるものではございませんの?」

P「人気アイドルがおおっぴらに店なんか入ってみろ、パニックだぞ?」

桃華「それもそうですわね。」

スピーカー『お客様、ご注文はお決まりですか?』

P「えー…。」

桃華「好きに選んでいただいて構いませんわ。」

P「じゃあ…。」


午後13:25 都内 某所

P「平日の昼間とはいえ、ここまで人気がない公園もないな。」

桃華「静かなランチタイムには最適ですわ。」

P「そうだな。さて、ま、お昼ごはんにしますか。」

桃華「はい。」

P「いただきます。」

桃華「いただきます。」

P「んむっ…。どうかな、お味は?」

桃華「毎日食べたいとは思いませんわ。」

桃華「でも、今日のように良いお天気のもと、外で食べるなら、それも変わってきますわね。」

P「へえ…。」

桃華「それでもPちゃま?」

桃華「この、体に障りそうな味の食べ物を毎日食べるのは、健康によろしくなくってよ?」

P「…はい、気をつけます。」

桃華「おわかりになればよろしいですわ。」

桃華「…。」モク モク

P(かわいい…。)

桃華「私の顔に何かついていますの?」

P「別に何も、強いて言えば、口元にケチャップがついてるくらいかな。」

桃華「まあ!それはいけませんわ。」フキフキ

P(良い画だな…。)

(二十数分後)

P「よし、そろそろ、次の現場行こうか。」

桃華「そうですわね。午後も頑張りましょう、Pちゃま。」

P「まだ、口、ついてるから拭いときな。」

桃華「ぬかりあしませんわ。」フキフキ

午後 15:20 スタジオ


ナレ「優雅な午後には、優雅な味わいを…。」

桃華「あなたもいかが?」

ナレ「お嬢様も勧めるおいしさ、ロイヤルクッキー。」


P「今日はありがとうございました。」

桃華「ありがとうございました。」

広告担当「こちらこそありがとうございました。」

担当「本物のお嬢様アイドルに出演して頂いて、商品にも箔が付くというものです。」

P「私どものプロダクションにはまだまだ、そういうアイドルがいますので、また何かありましたらよろしくおねがいします。」

担当「今のところ、お茶うけの洋菓子といった感じなので、紅茶の似合う桃華さんがイメージにぴったりですね…。」

P「次、何かCMがあるとしたら、お嬢様女子会みたいなのはどうでしょう、優雅ですよ?」

担当「それいいですね、是非上と検討させていただきます。」

P「よろしくおねがいします。」

担当「桃華さん一発でOKでしたし、お礼と言ってはなんですが、商品いくつかお持ち帰りください。」

桃華「いいんですの?」

担当「ええ、ご感想などいただけたら幸いですよ。」

桃華「感謝いたしますわ!」

P「本当にありがとうございます。」

P「では、お先に失礼させていただきます。」

担当「編集等々終わりましたら、ご確認していただきますので、おねがいします。」

P「承知いたしました、それでは、失礼致します。」

(車内)

P「結構いっぱいもらったな…。」

桃華「ティータイムのお供はあるにこしたことはございませんわ?」

P「なんか気に入ってるみたいだな、それ。」

桃華「お屋敷でいただくものに劣りはしますが、なかなか良い線をいっていましてよ。」

P「へえ、いいもん使ってんのかな。」

P「安いだけじゃものも売れなくなってるって聞くけど、そうなのかな、うん。」

桃華「豪奢なものでも、粗悪なものでも、丹念に作りこめば、良い物にはなると思いますわ。」

桃華「というわけで、事務所に戻りましたら、お茶を淹れてくださる?」

P「…はい…。」

桃華「そう嫌がる顔はなさらないで、大丈夫ですわ、Pちゃまならできますわ。」

桃華「…ふわぁ…。」

P「おや?お眠ですかな、お嬢様。」

桃華「…そのようですわね。」

P「事務所戻るまで、寝てなよ。」

P「そんな遠くないけど、道混んでるからそれなりに掛かりそうだし。」

桃華「もう少し、Pちゃまとお話…を…。」スー

P(気は張ってるし、大人びて見えるような気がするけど、まだまだ12歳だもんな。たまに母性に似たものを感じるけど…。)

P(そっとしとこう。)


午後 16:35 事務所

P「ほれ、ついたぞ桃華、おきなさい。」

桃華「…Pちゃま、つきましたのね。」

P「歩けるか?」

桃華「自分の足で参りますわ…。」

P「よしよし。」


ガチャ

ワイワイ

P「ただいま帰りましたー。」

桃華「帰りましたわ。」

P「なんか久しぶりに賑わってる事務所を見た気がする。」

現在の事務所状況
安部菜々(担当:菜々P)
木場真奈美、吉岡沙紀(担当:木場P)
木村夏樹、多田李衣菜(担当:夏樹P)
南条光、小関麗奈(担当:南条P)

真奈美「お帰り、桃華、Pくん。待っていたよ。」

桃華「いい香りがしますわ。」

真奈美「さて、運命の瞬間といこうか、午後のティータイムには遅い時間だが、召し上がっていただけるかな?」

桃華「よろこんでいただきますわ。」

桃華「Pちゃま、おねがいしますわ。」

P「…少々お待ちくださいませ。」


(事務所 キッチン)

P「なんだ、菜々P、いたのか。なにしてるんだ。」

菜々P「弁当箱洗ってる。」

P「へえ、ついに自炊はじめたのか。」

菜々P「違う、最近菜々が作ってくれるんだ、だから箱くらいは洗って返さないとって思ってな。」

P「いいねえ、ウサミン弁当。」

菜々P「へへっ、いいだろう?」

菜々P「で、お前はなにしてんだ。」

P「我が麗しのお嬢様のためにお紅茶を淹れようとお湯を沸かしております。」

P「いい加減憶えないとな。」

菜々P「別に憶えることとかないんじゃないか?」

P「それがそうでもないのさ。」

菜々P「そうかい、先戻ってるわ。」


(数分後)

P「どうぞ、桃華お嬢様。」

桃華「ありがとうございますわ。」

桃華「昼よりも良いかもしれませんわね。」

P「それはそれは、どうも。」

桃華「真奈美さん、このクッキーおいしいですわ。スコーンも。」

真奈美「フフッ、ご期待に添えて嬉しいよ。」

南条光「真奈美さん!これ食べてもいいかな?」

真奈美「いいよ、少し多く作っておいたんだ。」

小関麗奈「一つに激辛エキスを注入して、ロシアンスコーンにしてやるわ…!」

南条P「こらっ。」

麗奈「うっ…!」

南条P「人が折角作ったものにイタズラするのはやめようなー麗奈ぁ。」ゴゴゴ

麗奈「は、はーい。」

多田李衣菜「紅茶、ティータイム、ロックなのかな…?」

夏樹P「ロックかロックじゃないかって判断基準はどこにあるんだよ。」

木村夏樹「そうだぜ、だりー。今はロック抜きにしてのんびりするところ。」

李衣菜「ロック オア ノットロック…。」モクモク ズズー

夏樹P「いかん迷走し始めてる。夏樹、なんとかしろ。」

夏樹「ああなっただりーは迷子になって戻ってくるまで待ってたほうが早いと思うぜ?」

李衣菜「真奈美さんコレおいしいです!」

真奈美「そうかい?ありがとう。」

夏樹「ほらな?」

吉岡沙紀「結局みんなでお茶の時間になってるっすね。」

木場P「しっかり準備したかいがあるというものだ。」

真奈美「かなり多めだと思ったが、普通になくなりそうだな。」

木場P「まあ、日持ちはしそうだから、残っても構わないが、スッキリなくなったほうが気持ちがいい。」

安部菜々「真奈美ちゃん!今度レシピ教えてください!」

真奈美「菜々さん、いいですよ、今度は菜々さんも一緒に作りましょう。」

菜々「菜々Pさん、味見をよろしくお願いします。」

菜々P「おう、喜んで。うまかったら今度商品として提案とかしてみようか。」

桃華「ふふ…。」

P「…?」

桃華「お屋敷の庭で静かにくつろいでいるときとは違った楽しさですわ。」

P「たまには賑やかなのもいいじゃないか。」

P「そういえば桃華、お屋敷訪問、どっちにするんだ?」

桃華「そうですわね…。爺やにきいてみないとなんともいえませんわね。」

P「桃華の家なんだ、親御さんじゃなくて、なんで執事さんなんだ?」

桃華「お父様もお母様もお仕事で忙しいので、私の面倒を見てくれていましたのが、爺やですの。」

桃華「ふたりとも、爺やのことは信頼していますわ。だから私もこういった判断は爺やに聞きますの。」

P「へえ…。じゃあ、また聞いとかないとな…。」

桃華「…。」

桃華「そうですわ。」

P「…?」

P「なんだ桃華。」

桃華「Pちゃま、今日はこのあと予定はございますの?」

P「特にないが…。」

桃華「では、我が家にいらしてください。」

P「…いいのか?」

桃華「Pちゃまも一度お屋敷を見ておけば、撮影の時にお困りにならないでしょう?」

P「わかった。じゃあ、今日はおじゃましようか。」

桃華「事務所の皆様も是非おいでになってください。」

木場P「…沙紀、真奈美、大丈夫か?」

真奈美「ああ、構わないよ。」

沙紀「大丈夫っすよ。」

夏樹P「お前ら二人は参加で。」

李衣菜&夏樹「え?」

夏樹P「人生で何度あるかわからないんだ、インスピレーションのためだよ。」

南条P「行きたい人~?」

光「はい!」

麗奈「…。」

光「麗奈、来ないのか?」

麗奈「まあ、行ってやらないこともないわ…。」

南条P「じゃあ、こっちも決定で。」

菜々「菜々Pさん、ナナ、ちゃんとしたメイドさんを見てみたいです。」

菜々P「はいはい。行こうか。」

菜々「やった。ありがとうございます。」

P「えっと…。何人だ…?1,2,…。」

木場P「すまない、P、一人増える。」

P「え?」

カンカンカン

ガチャ

ヘレン「今、戻ったわ。」

ヘレン「皆お揃いでなにをしているの?」

木場P「ヘレン、トークバトルショーお疲れ様。実はな…。」

かくかくしかじか これこれうまうま

ヘレン「そう、私も行かせてもらうわ。」

P「はいよ、じゃあ総勢…12人か。結構多いな。」

P「問題ないか、桃華?」

桃華「大丈夫だと思いますわ。爺やに電話いたしますわね。」

午後 17:40 事務所前

執事「お嬢様、皆様、お迎えに上がりました。」

夏樹「…。」

李衣菜「…な、長い!」

光「すごい!」

夏樹P「長いリムジンだな…。」

執事「12名様とお聞きしましたので、皆様一度に乗れるものを、と思いまして。」

P「それはそれは、ありがとうございます。今日はよろしくお願いします。」

執事「では、まいりましょうか。」


午後 18:00 都内某所 櫻井家別宅

P「桃華がこっちに越してきて以来になるか。」

桃華「そうですわね。」

真奈美「なんというかすごい家だな、私たちはパーティというには場違いな格好で来ている気がするが…。」

桃華「…それなら、お召し替えいたしましょう!」

木場P「できるのか?」

桃華「殿方のお洋服は、流石にございませんが、ドレスなら多くありますわ。」

P一同「是非、お願いします。」

執事「承知いたしました。」

執事「そこの、少し…。お客様のお召し替えの準備を…。」

メイド「はい、かしこまりました。」

メイド「では、皆様、こちらへ…。」



(ドレスルーム)

メイド1「しなやかでお美しいですわ。ドレスに映えます。」

真奈美「そうかい、ありがとう。」

沙紀「木場さんきれいっすねー。」

メイド2「沙紀様も真奈美様に負けないプロポーションをお持ちですわ。もう少し主張なさってはいかがですか?」

沙紀「なんか照れるっすね。今夜くらいは…お願いします…。」


メイド3「御髪はどういたしいましょうか?」

夏樹「このままでお願いします。トレードマークみたいなもんなんで。」

メイド3「承知いたしました。」

李衣菜「なつきち!どう?似合う?」

夏樹「ははっ、だりー、似合ってるよ。」

メイド3「ええ、とってもお似合いですわ。」


光「スカートはなんだか動きにくい…。なあ麗奈!」

麗奈「…。」

光「麗奈すごいな!よく似合ってるよ!」

麗奈「アンタも、ちょっとちんちくりんに見えるけど、いいじゃない…。」

光「ありがとう!」

メイド4「うふふ…。」


菜々「あわわ…。こんなに背中ばっこり開いちゃって…。志乃さんみたいにぃ…。」

メイド5「とてもきれいなお肌ですわ。出さないともったいないですよ?」

メイド5「日々の努力の賜物でございますね。」

菜々「ナナはピチピチの17歳ですぅ!」


ヘレン「流石は櫻井家のメイド、いいセンスね。」

メイド6「恐悦至極に存じます。世界のヘレン様のお気に沿うものがございまして幸いです。」

ヘレン「でも…もう少し派手にならないかしら?」

メイド6「孔雀羽は難しいですが、鮮やかな羽のアクセサリーならここに…。」

メイド6「シックな雰囲気を邪魔しない程度になりますが…。」

ヘレン「わかったわ、私が認めたセンスを持つあなたが決めてくれたもの、これにするわ。」

メイド6「承知いたしました。」


(パーティールーム)

執事「お召し替えができたようですね…。」

執事「お入りくださいませ。」

P一同「おお…。」


真奈美「言葉もでないほどかい?」

木場P「フッ、よく似あってるよ。沙紀も、あたらしい一面かな、今度考えておく。」

沙紀「へへっ…ありがとう。嬉しいっす。」

ヘレン「どう?私の姿は。」

木場P「いつもながら世界レベルだよ…。いつも通りな。」

ヘレン「褒め言葉として受け取っておくわ。」


夏樹P「ははは、よく似あってるぞお前たち。」

李衣菜「アタシ決まってる?」

夏樹P「あー、きまってるきまってる。かわいらしくな。」

李衣菜「かわいいのは…ちょっと違うかなぁ…。」

夏樹P「夏樹は、ギャップがいいな。綺麗だよ。」

夏樹「ありがとう、Pさん。」


光「どうだ南条P、似合ってるか?」

南条P「丁度いい大きさのやつがあってよかったな。」

南条P「麗奈も、おしとやかに見えてかわいいじゃないの。」

光「だろ?アタシも思った!」

麗奈「うるさいわねアンタたち!明日みてなさい!」

光「なんだよ~褒めてるのに…。」


菜々「必死に露出は避けてきたはずなのに…。背中が…。」

菜々P「いいねえ、菜々、大人な雰囲気。」

菜々「恥ずかしくて…ウサミン星に帰りそうです…。」

菜々P「そいつはやめてくれ…。」

菜々P「菜々はもっと自信持っていいぞ。」

菜々「本当ですか…?」

菜々P「だから今年は水着の仕事をだな…。」

菜々「それはダメですぅ!」


P「あの、桃華は?」

執事「桃華お嬢様は別室でございます。そろそろ来られるかと。」

ガチャ

桃華「Pちゃま?」

P「おお、桃華、バラの赤がいい味出してるな。」

桃華「なら安心ですわ。」

P「今度のステージ衣装に反映させてみるか、やっぱ桃華は赤とか、ピンクとか、よく似合うよ。」

桃華「それは楽しみですわね。」

桃華「さて、皆様。今日は私のわがままで、お屋敷までお越しいただいて感謝いたしますわ。」

桃華「ゆっくりと楽しんでいってくださいませ?」



執事「…! 皆様、ふせられませ。」

P「何!?」

ドパン ドパン

桃華「爺や、何事ですの!?」

執事「どうやら何者かが、敷地内に侵入したようでございます。」

P「…昼間やってた資産家強盗か!?どうすんだ?逃げるしかないか?」

真奈美「銃器で武装した、組織化された部隊、というのが専門家の見方だったな。」

木場P「よりにもよってココとはな…。」

P「裏口までみんなを誘導して、抜けだしたあとは警察に連絡して…。」

執事「落ち着き下さい、P様。」

執事「皆様も、ここは冷静に、勝手に先走らぬようお気をつけください。」




桃華「爺や?私達は助かりますの?もうおしまいですの?」

執事「Non. ありえませんな。」

執事「先々代から櫻井家につかえておりますが、このくらい、ピンチのうちにも入りません。」

一同(どれだけ物騒な一族なんだよ…。)

桃華「わかりましたわ。安心して良いのですね?」

執事「ええ、ご命令いただければ、すみやかに排除し、警察に受け渡しましょう。」

桃華「…ふう。」

桃華「では爺や、いや、執事(butler)、仕事ですわ。」

桃華「この状況を打開なさい。」

執事「承知いたしました、お嬢様。」

執事「ときに、プロデューサー様方、私がオフェンス、あなた方はディフェンスでございますので、どうか、ご自分のアイドルをお守りくださいませ?」

執事「では、行ってまいります。」

バタン     シャコッ

P「鍵まで…行ってしまった…。大丈夫なのか?」

桃華「きっと大丈夫ですわ。」

執事「爺やは強い男ですもの。」


(玄関ホール)

Move! Move!

執事「ほう、なかなかこなれた動き。」

強盗「なんだ爺さん、手を頭の後ろに組んで床に伏せてな、命まではとりゃしな…。」

キン   キン    キン   ギギギ  ヒュカッ

執事「だが、泥棒かぶれには変わりない。お嬢様の楽しみを邪魔することは許さん。」

執事「小僧ども、せいぜい手を頭の後ろに組んで床に伏せていろ。命まで取りはしない。」

強盗「なッ!!???」





午後 20:00 櫻井家パーティールーム

P(あのあと、どうなったかは知らないが、玄関に出たら大勢の不審者がふんじばられてた。)

P(こっちでも何人かのしておいたが、これは一体。)

P「警察の対応も終わったな。」

光「皆無事でよかったな…。」

麗奈「ホント、なんだってのよ…。」

沙紀「ヒヤヒヤしたっすね…。」

夏樹P「なにはともあれ、収束してよかった。」

木場P「あの執事の爺さん、なんなんだ…。」

真奈美「深く考えないほうがいいんじゃないか…。」

ヘレン「なかなかにスリリングな体験だったわ。」

李衣菜「この状況でもペースを乱さないヘレンさん、すごい…。」

夏樹「世界レベルってやつか…。」

南条P「流石すぎる…。」

菜々「地球は物騒なところですね…。ナナどっと疲れました。」

菜々P「俺もおなじだ…。」

P「桃華、変わりないか?」

桃華「心配ありがとうですわ、Pちゃま。」

P「元気そうでなによりだよ。…やっと終わった…。」

桃華「まだ終わりではございませんわ。」

P「え?」

執事「桃華様、準備ができました。」

桃華「ありがとう、爺や。」

桃華「皆様。」

一同「…?」

桃華「少々邪魔が入りましたが、まだパーティーは途中でございますわ。」

桃華「こころおきなくゆっくりとしていってくださいませ。」

桃華「まだまだ、」

桃華「夜はこれからですわ!」


Fin

以上になります。

桃華様、新SRおめでとうございます。優雅さ、気品、かわいさがにじみ出る素晴らしいSRです。
お嬢様といえば執事、ということで執事がでしゃばりました。
モバマスの他のお嬢様方にも何かしらお強い執事がいるという妄想がはかどり、楽しいです。

登場人数も多かったですが、今回も見ていただき、ありがとうございました。

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