照「能力?」 (45)

菫「今回の準決勝から能力というものが採用されるらしい」

照「能力?」

菫「特殊なルールのようだが、正直説明を読んだだけではよくわからないな」

菫「まあやることはいつもの麻雀だ。ひとつやふたつルールが増えたところで我々が負けはしないだろう」

照「わかった、いつも通り打ってくる」


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準決勝先鋒戦

怜「リーチ」

照(リーチ… この巡目ならオリかな)タン

煌「」タン

玄「」タン

怜「さてと…」ガシャガシャ

照(山を崩して牌を探し始めた!?)

照「何やってるの…?」

怜「え?ああ、ひょっとして能力のことよくわかってないんか?」

怜「うち、リーチしたら一発でツモれるんや」

怜「見つけた。2000、4000や」

怜「あと一巡先にツモる牌確認したりするけど気にせんといてや」

照「いや…そんなのダメに決まって…」

玄「さすが園城寺さん!」

煌「一発ツモとはすばらです!」

照(あれ?私がおかしいの?)

照(とりあえず次の局に行こう)ジャラジャラ

玄「あ!宮永さん今ドラ持ってましたね?」

照「え?確かに持ってたけど…」

玄「ダメじゃないですか!!ドラを引いたら私に渡さないと!!」

照「は?」

玄「全てのドラは私に集まるんですから!次から気をつけてくださいよ!」

照(理不尽すぎる…)

怜「玄ちゃん、ドラ引いたで」

玄「あ、じゃあこの牌と交換してください」

照「ロン」

怜「あ、うちリーチかけてない時に振り込まへんから」

照「…」

煌「すばらです!」

照(新道寺は比較的まともみたい…)

照(他の人狙うと何言われるかわかんないし、新道寺をトバして勝つしかないかな…)

照「ロン、ロン、…ロン、ロン、ロン」

煌「すばらっ!?」

照(よし、この手を新道寺からアガればトバせる…)

煌「」タン

照「ロン!」

照(やった… これでこの変な麻雀を終われる…)

怜「あーあ、何やっとるんやチャンピオン」

玄「花田さんはトバない能力があるんですよ」

照「いや、でも私は和了したのに…」

怜「なんや、そんなに点棒欲しいんか?みみっちいなあ」

怜「今回は特別にうちが払ってやるから、次からちゃんと空気読んでや」

煌「すばらです!」

照「…」

淡「なにあれずっこい」

菫「能力… こういうことだったのか」

誠子「能力っていうか、ただの言ったもん勝ちですよね」

菫「今のところ自力でリードしてはいるが、いつまでもつか…」



怜「今からうち2巡先見えるようになったから山確認するで」ガチャ

怜「ツモや」

「前半終了ー!!」

休憩時間

菫「早急に我々も能力を考慮しなければな」

誠子「能力を使うにはあらかじめ申請するか、競技中に宣言すればいいみたいですね」

菫「できる限り強い能力にしたいが、麻雀の競技性を著しく損ねるようなものは虎姫の立場上やりづらい」

淡「私はずっとダブリーできて、カン裏が乗って…あっ!他の人の配牌を悪くするのもいいな~」

照「菫、1つ思い付いた能力があるんだけど…」

菫「なんだ?」

照「」ゴニョゴニョ

菫「お前、頭おかしいのか?」

恒子「さあ、後半戦開始です!小鍛治プロは今回の特殊ルールをどう見ますか?」

健夜「私も高校の頃、レジェンドツモは3翻だと言い張る選手に苦しめられたことがあります」

灼「ハルちゃん…」

恒子「このルールが勝負の行方をどう左右するのか!チャンピオン何か能力を使ってくるのか?波乱の後半戦の幕開けだー!!」

玄(ドラが集まる代わりにドラを切れなくなる能力、思ったより使いにくいよ…)

煌(場合によってはムリして稼ぐのもいいかもしれないですね)

怜「チャンピオン、なんか能力考えてきたんか?」

照「うん、見せてあげる」

玄煌怜「!?」

煌「チャンピオン、一体どんな能力を…」

照「」タン

怜(今のところおかしなところはあらへん… 和了った時の発動する能力とかか?)

照「ツモ」

照「私の能力は和了り牌をまわす能力」

照「今ツモったイーピンを、ぐるぐるー」

照「ぐるぐるー」

怜(何や… ストレスで頭おかしくなったんか?)

玄(この人怖いよーっ!!)

煌「すばらです!」

照「ツモ、ぐるぐるー」

照「ぐるぐるー」

恒子「さあ、先鋒戦もいよいよオーラス!!どんなドラマが待ち受けているのか!!」

怜(このオーラスで白糸台から削っておきたい)

怜「トリプル!3巡先や!」カチャカチャカチャ

怜(この牌がこうなってるってことは…)

怜「玄ちゃん、手牌見せてくれへん?」

玄「どうぞ」

怜(ここでくるんか… 松実玄!!)

照「リーチ」

怜(よし!絶好のチャンスや!)


怜(玄ちゃんがツモる牌も確認しといて…)

照「」タン


玄(うう… ドラを切ればテンパイだけど能力的にドラを切るわけには…)

玄(あ!自分で決めた能力だから変えちゃえばいいんだ!)

玄「今から私はドラを切っても特にリスクはなくなる!リーチ!」

煌「すばらです!」

怜「ポン!」

照「!」

怜(改変完了 いつもの私なら回避するだけやったけど今は山に何積んどるのかわかっとる)

照「…」

怜(そうや チャンピオン それが阿知賀の…)

照「」タン

怜(和了り牌やない!? どういうことや?)

怜(そして私が阿知賀の和了牌を引いた…)

怜「すり替えや!」

玄煌「!?」

照「私は…特に違反はしていない」

怜「何が積んであるかわからんのにすり替えるわけがないっちゅうことか?そんなもんウチの表情見て察せばええ」

怜「この会場にはカメラがあるんや!映像確認させるんや!」

恒子「これは波乱の展開!千里山の園城寺選手が宮永照のイカサマを指摘!映像のチェックを要求だー!!」

健夜「それでは映像を見てみましょう」

照「」カチャカチャ

恒子「これは…」

健夜「確実にすり替えていますね」

恒子「これは驚き!チャンピオン放銃回避のためにすり替えを行っていたー!!」

怜「チャンピオン!このオトシマエどうつけてくれるんや?」

照「千里山の人… 私の能力覚えてる?」

怜(何言うてるんや… あんたの能力はあのぐるぐるーってヤツやろ)

怜(和了り牌をまわす能力…まさか!)

照「そう、私は和了り牌をまわしたの」

照「阿知賀の和了り牌をあなたにね」

怜「そんな…」

恒子「試合続行ー!!チャンピオン、あらかじめ自分の行動に保険をかけていたー!!」

健夜「いろいろとグレーゾーンではあるんですけどね」

怜(確かに一本とられた…でもこっちはこの牌を切らなければええんや!)タン

照「ロン 」

恒子「先鋒戦終了ー!!」



菫「照、よくやった」

照「ありがとう」(このルール、いろいろと大丈夫かな?)

菫「能力の方も踏まえて準備できた。行ってくる」

照「そう… 頑張ってね」

次鋒戦

泉(2回戦、私は阿知賀の次鋒に削られてしもうた…)

泉(でも今のウチには能力が… 「最強になる能力」がある!)

泉(これを発動すればウチは最強になるからウチの勝ちは確定や!)

泉「ウチの能力は…」

菫「ふっ!」

泉「!?」

泉「アンタ!なに人をいきなり弓で打ってんねん!」

菫「ああ、私は人を弓で射ってもいい能力があるんだ。ちゃんと事前に事務局に申請したぞ」

泉(うう… うちも事前申請にしとけばよかった。これじゃ能力を宣言する隙がない…)

泉「っていうかこの部屋暑くないですか?」

宥「あ、私部屋の温度を自由にしていい能力があるんです」

宥「エアコンもう2度くらい上げて、床暖房もつけようと思うんですけど…」

泉「なんてやっかいな…」

安河内「ロン、3900」

中堅戦

尭深「葡萄の収穫を手伝わせる能力です」

セーラ「農業ってしんどいなー」

憧「自然の厳しさを感じるわね」

仁美「なんもかんも農林水産省のせい…」

副将戦

哩「リザベーション7!」

姫子「ビビクン!」

フナQ(自分を鎖で縛りながら後輩にセクハラしとる…)

誠子「釣竿で麻雀牌を扱う能力!」

灼「麻雀牌でボウリングをする能力!」

フナQ「なんか寂しい一人遊びみたいや…」

大将戦

怜「竜華、次はイーピンツモるで」ガチャガチャ

竜華「ありがとなー、怜ー」

穏乃「っていうかなんで園城寺さんがいるんですか?」

竜華「これは怜ちゃう!ウチの膝の神様や!」

怜(膝の神様ってなんか流れ星みたいやな)

姫子「8000、16000ばい!」

淡「ツモ!」

穏乃「あ、そこはもうあなたのテリトリーじゃないです」

恒子「試合終了ー!!」

21世紀 全国高等学校麻雀選手県大会

優希「私は東場に強いので今回は一発ツモとなります」

毎年1万人以上の高校生たちが覇を競いあっていた

照「そのタイミングで照魔鏡が発動します。皆さんは自分の性格などを私に教えてください」

成香「私は素直な子です」

それはその頂点を目指す

玄「ドラを見つけ次第私に報告してくださいね」

少女たちの軌跡ー!!

カン!

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