五月亜美真美生誕大歌舞伎 『棒しばり』 (30)

あらすじ:大名の曽根松兵衛に仕える太郎冠者と次郎冠者は無類の酒好きで、主人の留守中にいつも酒を盗み飲みしている。困った松兵衛は一計を案じる

出演


太郎冠者:双海亜美

次郎冠者:双海真美

曽根松兵衛:秋月律子


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律子「また私が留守の間に酒を盗み飲みして…あの二人、いくら叱っても全く効き目がないし…そうだわ…太郎冠者!太郎冠者は居る!」

亜美「はいはい!ここに居るよ→」

律子「私は今から出掛けてくるから、留守を頼んだわよ」

亜美「はいは~い」

律子「それでね、ちょっと相談なんだけど…次郎冠者をちょっと懲らしめてやろうと思ってるのよ」

亜美「次郎冠者、何か悪い事でもしたの?」

律子「ちょっとね…」

亜美「う~ん…でも、面白そうだから協力してあげるよ~」

律子「そう、助かるわ」

亜美「そういえば次郎冠者、最近棒術の稽古を始めたみたいなんだよね。夜の棒だかなんとかってのを…で、その棒術を見せてくれって呼び出して、隙をついて後ろから棒に縛りつけちゃえばいいんじゃないかな」

律子「なるほど、悪くないわね…」

亜美「でも、次郎冠者が棒術を始めたのは皆に秘密にしてたから、見せてくれないかも…」

律子「それなら大丈夫よ、私に考えがあるから…次郎冠者を呼んで来なさい」

亜美「合点承知!」

亜美「次郎冠者!次郎冠者!」

真美「はいは~い」

真美「どうしたの太郎冠者?」

亜美「御主人様がお呼びだよ」

真美「御主人様が…なんだろう…」

律子「来たわね太郎冠者、私はこれから出掛けるから、留守を頼んだわよ」

真美「何だそんな事か…んっふっふ~、この次郎冠者に任せといてよ!泥棒の一人や二人、この次郎冠者が成敗してやるよ!」

律子「頼もしい事ね…そういえば、あなた最近棒術を始めたそうじゃないの。ちょっとその腕前を見せてほしいんだけど」

真美「え!?な、何の事かな…ぼ、棒術なんてしてないよ…」

亜美「嘘を言っちゃぁいけないよ!」

真美「た、太郎冠者、バラしたな!」

亜美「うん」

真美「うぅ…た、確かに最近棒術は始めたけど、見せれるほどのものじゃないからさ…」

律子「それなら、私が先に舞を披露するわ。それなら良いでしょ?」

真美「うーん…そこまで言うなら…」

律子「じゃあ早速、一さし舞わせて頂くわ」

〽つつとたったは杉の木 


律子「こふだは松の木」


〽松が枝下り枝 あちへこちへ すじりもじりと


律子「はぁっ!」

律子「中に藤の花がたよたよと」


〽咲き乱れ きりりと廻って 這ったが面白いと


亜美真美「おお~!」

律子「ふぅ…さあ、あなたの番よ」

真美「じゃあ、棒を取ってくるよ」

律子「ええ…太郎冠者、抜かるんじゃないわよ…」

亜美「んっふっふ~、大丈夫だいじょ…」

真美「棒を取ってきたよ→!」

律子「そ、そう…じゃあ早速見せてもらおうかしら」

真美「ふふふ…この次郎冠者の棒術は、何を隠そうまこちん直伝なんだよ!まず、あっちから敵が襲ってきたら…」

真美「やあっ!!」

真美「と、こんな具合に受けて、払いのけてから…」

〽附け入る太刀をエイヤッと


真美「受けつ流しつ丁々発止♪」

真美「よっ!はいはいっ!」


〽打って良いのはうどんそば いんぢうちうち


真美「菖蒲打!えいやっ!」


〽山じゃ鳥打つ 野じゃ砧 闇の礫は


真美「そりゃあぶな♪」


〽月代に狸が腹鼓


真美「そして、引いたところを!」


〽付け入って 胸板もうと突倒し 立たんとするを諸はぎちょうと


真美「打って打って、ボッコボコにしてやるんだよ!」

律子「さすがは次郎冠者ね」

真美「褒めたって何も出ないよ~、これが棒術の表だね」

律子「そう…それで、あの…よ、よる…」

亜美「よ、る、の、ぼ、う」

律子「そうそう!夜の棒術ってのも見せてくれる」

真美「うえぇっ!?よ、夜の棒まで…太郎冠者…」

亜美「教えたよ、で、夜の棒って何…」

真美「さ、さっきの棒術が表なら、裏の棒術みたいなものだよ!」

亜美「へえ、そうなんだ」

真美「そうそう!」

律子(色を知る歳か…)

真美「うぉっほん!じゃ、じゃあいくよ…向うから打ってきたら…はぁっ!」

律子(うおっ!?あ、危ない…)

真美「で、後ろから来たら…こうっ!」

亜美(うわっ!?)

真美「と、まあこんな感じで…」

律子「今よ!」

亜美「あいあいさー!」

真美「ちょっ!?な、何するの!」

亜美「見事に棒に縛られちゃったねぇ、いやはや良い眺め…」

律子「隙あり!」

亜美「うわっ!?な、なんでこんな事を!」

真美「こ、こんな仕打ちを受ける謂われはないよ!」

律子「うるさい!とにもかくにも、私が帰るまでそのまま大人しくしてなさい」

亜美「ちょ、ちょっと待って!」

真美「御主人様!」

律子「二人とも、良い格好してるわよ…あはははは!」

亜美「行っちゃった…」

真美「何でこんな…それよりも太郎冠者!」

亜美「だ、騙されてこんな事させられたんだよ!許して!」

真美「そ、そうだったんだ…でも何で…あっ!もしかして、ご主人様が留守の間にお酒を盗み飲みしてたのが原因じゃないかな?」

亜美「もしそれが原因なら、余計にお酒が…」

真美「飲みたくなってくる…こうなったら、意地でもお酒を飲んでやる!」

亜美「うん!じゃあまずは、酒蔵へ!」

真美「行っちゃうよ!」

亜美「酒蔵に着いたね」

真美「まずはこの錠前を外して…」

真美「ガラ、ガラ、ガラガラガラ」

真美「まんまと開いた!」

亜美「入ろう入ろう!」

亜美真美「よっこいしょっと」

真美「どれを飲もうか?」

亜美「あのお酒なんて良いんじゃない?」

真美「それなら、まず蓋を取って…良い匂い!」

亜美「そうだねそうだね!」

真美「でも、飲むための盃がないんじゃ…」

亜美「こんな事もあろうかと、懐に入ってるよ!」

真美「用意が良いね…じゃあ酌んでくるね!」

亜美「早く早く!」

真美「よいしょっと…んっふっふ~、まんまと酌んだよ!」

亜美「飲んじゃお飲んじゃお!」

真美「飲んじゃうよぉ!……く、口が届かない……」

亜美「次郎冠者、飲めないならそのお酒飲ませてよ!」

真美「うん…飲んで…」

亜美「ありがたく頂くよ!」

亜美「くぅ~…美味い!」

真美「いいなぁ…」

亜美「次郎冠者にも飲ましてあげたいけど…」

真美「あっ!良い方法を思いついた!ちょっと酌んでくるね…太郎冠者、この盃を持っててくれる?」

亜美「う、うん…でも、後ろ手にしか持てないよ?」

真美「それで良いんだよ~…こんな感じで…」

亜美「あっ、なるほど!後ろ手でもこうすれば飲めるね!」

真美「やっと飲める……かあ~!美味い!でも、もっと大きな盃で飲みたいね…」

亜美「あの蓋を使おう!」

真美「そうだね!…お、重い…は、早く飲んで!」

亜美「う、うん!……ぷはぁ~!良い気分になってきた~…」

真美「太郎冠者、お酒の肴として一さし舞ってよ!」

亜美「こんな格好じゃ舞えないよ」

真美「不自由なところがまた良いんだYO→!やってやって!」

亜美「しょうがないな…よっ!はぁっ!」

〽御簾の俤物越に 見初め聞初めうかうかと


亜美「いのと思えど後髪~♪」


〽ほやれ恋には身も細り


亜美「うぇっぷ…」


〽二重の帯がほやれほやれ


亜美「はいはいっと!三重まわる~♪」

真美「うわー!凄い凄い!」

亜美「次は次郎冠者だよ!」

真美「心得た!」

〽十七、八は竿に干した細布 とるよりゃいとし


真美「たぐよりゃ~いとし~♪」


〽糸より細い 腰にしむれば


真美「はぁっ!たんとなを~いとし~♪」

亜美「パチパチパチ~!」

真美「うっぷ…結構酔っちゃった…」

亜美「もっと見たいなー、見たいなー!」

真美「う、うん…うぇっぷ…」

〽東からげの塩衣


真美「いよぉっ!」


〽汲めば月をも袖に持つ 汐の汀にかえる浪 夜の翁と見えつるが 汐曇りにかき紛れて


真美「後を見せずなりにけり~♪」

真美「はぁっ!いよぉっ!よいよい!」


〽後をも見せずになりにけり

亜美「さあ飲もう飲もう!」

真美「飲んじゃお飲んじゃお!」

真美「うぃ~…ひっく!…太郎冠者、一緒に舞っちゃおうよ!」

亜美「心得た!」

亜美真美「よっ!はぁっ!はいはいっと!」

〽酒のさの字は


亜美「よい酒よいさの字~♪」


〽様に焦がれてちょと思いざし


真美「さってもせい!」


〽手まず遮るこの盃を さそうかおさえか さってもせい


亜美真美「今日の肴はなんなん何の!」


〽鯛や鰹はそりゃよその事 小唄小舞でさってもせい


亜美真美「さってもせい♪」

亜美「どんどんどどん♪」

真美「どんどんどどん♪」

亜美真美「どんどんどどんっと!あはははは!」

律子「さて、あの二人はどうしてるかしら……って、あんた達何やってるよ……」

亜美真美「これはこれはご主人様!一緒に踊ろうYO→!」

律子「え、ちょ、ちょっと…意外と楽しいわね…って違―う!!!」

亜美真美「うひゃあっ!」

律子「太郎冠者!あんた酒を盗み飲みしたわね!」

亜美「にゃ、にゃんのほにょらら…」

律子「呂律が回ってないじゃない!次郎冠者、あんたも!」

真美「にょ、にょんへまへん…」

律子「嘘仰い!!」

律子「もう怒ったわよ…このハリセンで打ってや…!」

真美「ふん!」

律子「うっ!?」

真美「ハリセンで打つ?…それなら、夜の棒でお相手致す!ていやぁっ!」

律子「痛っ!」

律子「よくも…よくもやったわねぇ…」

亜美「そそくさ…」

律子「逃げるんじゃない!」

亜美「み、見逃して~!」

真美「そりゃあっ!」

律子「うわぁっ!?」

亜美「今が反撃の好機!でりゃっ!」

律子「甘い!」

亜美「うえぇ!?」

律子「あんた達…許さない、許さないわよ!!!」

亜美真美「ふ、ふん!そんな事言う前に、捕まえられるものなら捕まえてみろ!!」

律子「待ちなさい!」

亜美真美「ここまでおいで→♪あははははは!」

律子「この……逃げるな~!!!」


五月亜美真美生誕大歌舞伎 『棒しばり』 終幕

終わりです。亜美真美誕生日おめでとうございます!

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