男「ん。それじゃ」女「ん。ありがと」 (549)



このssは

女「ん。またね」男「ん。またあした」
女「ん。またね」男「ん。またあした」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1371743009/)

の続き、または次元の違うものです。

3009は完結しているので
どう解釈するかは、読んでくださる方々に一任します。




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1400590727







ブーッ

男「ん?メール」




女『ちょりーっす。今日はありがとう』



男『どういたまして。 大学行くの、今週の土曜は?』



女『良いよ。行きたいの00大なんだけどいい?』

男『良いよ。なら11時に○△駅は?』



女『分かった。改札前?』

男『うん。乗り換えるから南口改札に』



女『分かった。そこに11時に行くよ』

男『ういすー』




女『何してたの?』

男『発表のレポート作ってた』

女『邪魔してごめん』




男『そんなことない。何してた?』

女『返信ありがとう。夕飯だったよ。てか宿題するんだ?』




男『音楽のレポートだからね。夕飯なんだった?』

女『選択のやつか。どんなの? 天ぷらだったよ』




男『50年分の、当時流行った洋曲をまとめてる。 良いね天ぷら』

女『それ面白そう。いつ発表?聞けないかな。 ご飯食べた?』



男『クラス別に発表っぽい。 これから。たぶん今日はハヤシライス』

女『まとめて発表すればいいのに。 ハヤシライス良いね。分かるのは匂うから?』



男『そう。換気扇が大声で伝えてる感じ。今日はハヤシライスでビーフだぞ!って』

女『なにそれ笑 聞いてみたい笑』




男『カレーのときと同じ感じ。今日はカレーライスでチキンだぞ!って』

女『伝えてくる感じは何となく分かるかも。 肉の種類も分かるんだ?』



男『匂いで分かる。 ハヤシライスにチキン入ってたことないし』

女『鼻良いんだね。 じゃあ土曜の昼はチキンハヤシにしよう笑』



男『チキンハヤシ屋なんてあるの?』

女『たぶん、ないと思う笑 作って持ってきてあげる』




男『嬉しいけど手間じゃない?』

女『一緒にいってくれるお礼。それならどう?』

男『分かった。ありがとう』




女『あとは何がいい?』

男『卵焼き』




女『分かった。塩派?砂糖派?』




男『女のところは?』

女『場合によるけど最近は塩だよ』




男『じゃあ塩。塩の方が好き?』

女『家で意見が別れてる笑 私は塩』




男『だから作ってたのか。綺麗な色だった』

女『ありがと。甘いの食べたくないから練習したの。 塩なの私だけなんだ』




男『そうなんだ。うちは甘いのは御節くらいだ』

女『伊達巻きかな? じゃあ塩にするね』




男『お願いします。 たぶん。バームクーヘンみたいなやつ』

女『確かに似てる笑 あれって何に合うの?日本酒なら合うの?』




男『あたたかぁ~い、お茶じゃん?』

女『濃いぃぃぃ~やつ?』

男『それを、ずずぅぅ~と啜りながらさ』

女『新春寄席を観るんだね』




男『伊達巻きも好きじゃないんだ?』

女『バレたか笑 食事が甘いのは得意じゃなくて』




男『酢豚のパイナップルは?』

女『あんまり食べないけど、パイナップルがのってるピザは好き』




男『ポテトサラダのリンゴは?』

女『食べられない』




男『違いは何?』

女『ご飯で食べるおかずが甘いと嫌なんだ』




男『カレーのリンゴは許せる?』

女『カレーがリンゴ味じゃなければ』




男『そりゃあそうだ笑 甘酢がけは?』

女『醤油が勝ってれば好きだよ』

男『だんだん分かってきた気がする』




女『甘いおかずは許せる?』

男『許せるけど甘すぎると何でもダメだな』

女『海外のお菓子とか?』




男『そう。甘いものは好きだけど甘すぎると気持ち悪い』

女『分かる。ジュースもヌルいと飲めないし』




男『温度のおかげで飲めてる感ない?』

女『あるある。だからあんまり飲まないんだね。飲めても中身同じだし』




男『確かに。 食べ物の話したら腹減ったよ。 夕飯行ってくる』

女『分かった笑 行ってらっしゃい』






男『今日はハヤシライスでビーフでした』

女『おかえり。予想通りだね笑』




男『今のところ外れてないよ笑 気になったんだけど朝何時の電車?』

女『7時50分くらい。明日は電車?』

男『そう。一緒に行かない?』




女『良いよ。何時にする?』

男『7時50分で。1番後ろの車両か、ホームにいる』

女『分かった!遅れそうなら連絡する笑』




男『同じく笑 じゃあ仕上げる。また明日』

女『はーい、頑張ってね。また明日』





カキカキ トントン


男「…終わった」


男「…(…邦楽、シャッフル)」

Perfume/マカロニ


男「…」

男「…」

男「…(…)」




翌朝

ガタンゴトン

車掌「次は~○○~○○~デェス」

男「…」チラ

男「(47分…微妙だ)」




プシュー

男「(…降りる)」




テクテク

男「…(そりゃ、まだいないか)」

プシュー ガッタン、ゴットン

男「…(後ろは人がいなくていいけど…)」




ブーッ

男「ん?女か」

スッ

男「もしもし?」




女「もしもし?もしかして今ので行っちゃった?」




男「行っちゃった」




女「え、そっか…」

男「もし乗ってたら電話に出ないけど」




女「えー。MJじゃん」

男「何か新鮮」




女「だろうねー。じゃあホームにいる?」

男「ん。1番うしろ」

女「良かった。あ、見えた」

ピッ




タタタタッ


男「おはよう」

女「おはよ!間に合ったー」ハァ

男「…」ドキン




女「次は51分に来るよ」フゥ

男「ん、ああ。だいじょぶか?」




女「うん。だいじょぶ。落ち着いた」

男「そっか」




女「?どうしたの?」

男「なんでもないよ」

女「えーなにそれ」




男「いや1番後ろだと女性専用車両だな、と」

女「あ、そうだね。じゃあこっち」

男「ん」




スタスタ スッ



女「音楽のレポートできた?」

男「できたよ。案外時間かかった」




女「50年分だしね。あ、もし聞けなかったら見せて」

男「良いけど完全に網羅してるわけじゃないよ」




女「男がセレクトしたものが中心?」

男「そう」

女「それがいい」




男「分かった。なら曲も持ってくる」

女「え、いいの?」

男「うん。発表用に作ってある」




女「嬉しい。楽しみにしてる」

男「ん。女は何にした?」




女「私は選択美術だからポップアートを調べてる」

男「そうなんだ。好きなの?」




女「うん。こないだ展示会にも行ってさ」

男「それって□△の?」




女「そうそう。よく知ってるね」

男「先週俺も行ったよ」




女「ほんと?なんで?」

男「美術館はたまに行くんだ」




女「そうなんだね。どれが良かった?」

男「全部良かったけど、違う感じのもあったじゃん」

女「ミニマルアート?」




男「そう。それの入ったとこのさ」

女「あ」




男「?」

女「色がクレヨンみたいに並んでるやつ?」




男「そう。よく分かるね」

女「ううん。私もすごく残ってる」




男「あれ心地良かったな」

女「ね」




男「調べたんだけど」

女「うん」




男「似たような系統の色は、対角線状に置くと綺麗に見えるんだってさ」

女「へぇー。あ、でも確かに」




男「美術の本に書いてあったよ」

女「本も読んだりするんだ?」




男「一日中、空見てるわけじゃないさ」

女「はは。美術良いって言ってたもんね」

男「ん。選択は美術でも良かった」




女「それって、途中で変えられないのかな?」

男「どうかな。でも音楽も楽しいよ」

女「うん。男が言うと楽しそう」




ピロピロリン
マモナク…



女「音楽は普段何するの?」

男「合唱したり楽器使ったり」




女「合唱?男が合唱するの?」

男「変?」




女「ううん。けど何か意外な感じ」

男「そう?でも最近はカリンバがメインだよ」




ゴゴゴゴ…


女「カリンバってなに?」




男「アフリカの楽器でオルゴールみたいな音がするんだ」

ゴゴゴゴゴゴ…

女「どうやって演奏するの?」




男「え?聞こえない」

女「どうやって演奏するのー?」




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

男「親指でだよ」

女「え?ビーでって?」




男「はは。『親指』で、だよ」

女「あ、なんだ」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…


…ガタン ゴトン…ガタン… キーッ




プシュー



車掌「○○~○○デェス。スコシデモスイテイル…」



女「あー今日混んでる」

男「専用車両との差が」




女「確かに。ここでいい?」

男「ん。どこも変わらないっしょ」

女「そうだね」




テクテク


男「女、こっち側の方が良くない?」

女「あ、うん。…けど、いいの?」




男「無問題」

女「ふふ、もしかして1の方?」




男「満員電車が激しくなければ」

女「あはは。変わってるねやっぱ」




男「いやふつう、そんな返答できないよ?」

女「そうかな?」



プルルルルルルル




車掌「ダァシエリヤス」




プシュー

ガタン…ゴトン




ガタン…ゴトン


ズイ
女「う」ズイ

男「…。すまん」ズイ




女「ううん、だいじょうぶ」

ズイ
女「ん…」ズイ

男「…」ズイ スッ

女「えっ?」




男「この方が安定するんだ。これをこっち?」

女「ん…ありがと」 ス

男「ん」




ガタンゴトン…


女「…」

男「…」




女「お…」ギュ

男「…いける?」

女「ん…だいじょうぶ」




ガタンゴトン…

車掌「次は~●●~●●~です。この先ポイント通過のため、揺れますのでご注意ください」


ガタンゴトン…




ガタンゴトン…
…グラッ



女「…」ギュュゥウ

男「…」




女「ん…」

男「…ん」スッ ザッ




女「あ…これ…らく…いい?」

男「ん」スッポリ




ガタンゴトン…ガタン

プシュー

車掌「●●~●●デェス」



スイ   テクテク…




男「…無問題2か」

女「…うん。今日は混み過ぎだよ」




男「すまん」

女「ううん。身体痛くない?だいじょうぶ?」




男「大丈夫。女は?」

女「おかげでへいき。助かったよ。ありがと」




男「どういたまして」

女「あはは。それ好きだね」




男「ほどよく崩れてて便利」

女「うん。確かに」




男「ん」

女「なんか男っぽいよね」




男「?『どういたまして』が?」

女「うん。礼儀が程よく伝わってくる」




男「そっか。ちゃんと伝わってるなら」

女「うん。ちゃんと、伝わってるよ」

男「ん」




テクテク


男「…レポート交換しない?」

女「え?」




男「選択で発表するやつ。互いに交換」

女「あ、うん。良いよ」




男「それと、土曜の00大の次は、どこか美大に行っても面白そう」

女「あ、それさ実は考えてて」




男「迷ってるってそのこと?」

女「そう。どっちがいいのかなって」




男「なら行ってみよう」

女「うん。あ…また時間とってくれる?」




男「もちろん。1日に2つじゃ辛いし」

女「ありがと」




男「どういたまして」

女「いま絶対言うと思った」




男「普段は言わないよ」

女「そうなの?」




男「何かちょっと古いから」

女「確かに古い感じはするけど」

男「?」




女「男が言うと何か自然」

男「そう?」




女「うん。だって男は怒ってることを『おこ』って言うタイプじゃないし」

男「本当に怒ってたら『おこ』なんて誰も言わない気がする」




女「そうそう。そういうこと言うのが男っぽい」

男「そうなんだ」




女「おかしくないよ。違和感ないし。それが『らしさ』だから良いんじゃない?」

男「ふーん…ならいいか」

女「うん」




男「無問題?」

女「あはは。そうそうそれ」




男「ネタが古いところ?」

女「うん。それに違和感無いところ」




男「そっか」

女「気にしてる?」




男「いや自分を知りたいだけだよ」

女「ならそのままが1番良いよ」




男「ん、分かった。さんきゅ」

女「どういたまして」

男「いま絶対言うと思った」

女「ふふふ」




>63
まさに。

>67
ありがとう。捗ります。




30分後に帰ってきます。
この章はもう少しだけ続きます。




高校前
ガヤガヤ


テクテク


女「お弁当の中身あと何が良い?」

男「ポテトサラダは?」




女「あ、良いね」

男「リンゴ入ってないやつ」




女「うん」

男「女が好きなものは?」




>131
ただいまもどりました




女「…ちくわぶは?」

男「それっておでんの?」




女「そう」

男「おでん好きなんだ?」




女「なーんかさ、惹かれるんだよね」

男「食べ物の中で?」




女「うん。そのおでんの中で1番好きなのが、ちくわぶ」

男「食感が好きなの?」




女「もちろん食感も好きだし味も好きだけど、何かマイペースな感じするとこが1番好きで」

男「ちくわぶにマイペースさを感じる?」




女「そう。何か自分でも変なんだけどさ。味がブレない感じとモッチリ感が、何かたまんなくて」

男「変だとは思わないけど、ちくわぶが一位ってあんまり聞かないな」




女「そうだよねぇー…でもまぁ、そうなんだろうね」

男「気になる?」

女「ううん。好きが勝つ」




男「力強い」

女「そうかな?」




男「うん。じゃあ、土曜は女のオススメのちくわぶが良い」

女「ん、分かった。美味しいの詰める」




男「ありがとう」

女「どういたまして」

男「でました」




女「ふふ。便利だからね」

男「ああ。 何かかなり楽しみだ」

女「うん。 あ」




男「?」

女「今日の昼ってさ空いてる?」




男「今日は放送部でさ」

女「え、そうなの?」




男「ん。昼は放送してる」

女「部活やってるんだ」




男「まぁ、最初は強制的に」

女「?」




男「サボってたら、日数が危なくなったんだけど」

女「うん」




男「空いてる放送部に入れば何とかしてやるって言われて」

女「あ、そういうのあるんだ」




男「うん。最初はおっくうだったけど、校内放送の選曲が面白いと気付いてさ」

女「ハマったの?」




男「そう。そこからなんだ、美術も音楽もさ、詩もそうだし、好きなったのは」

女「へぇ~。何だか…分からないもんだね」




男「ああ。不思議な感じだよ。見つけるまでの道は『素晴らしい』とは言えないし」

女「あはは。じゃあ昨日はなかったんだ?」




男「そう。休み」

女「今日はどんなの流すの?」




男「今日は昔やら最近のやつ」

女「あ、レポートのやつ?」




男「いやどっちかっていうと、個人的に流したいやつ」

女「どんなやつ?」




男「昼に聴いて和みそうなやつ」

女「ゆったりできるやつ?」

男「雰囲気は聴けば分かるやつ」

女「楽しみにできるやつ?」




男「楽しみにできるやつ…うんたぶんね。って言えるやつ」

女「はは。分かった」




高校
下駄箱前

テクテク



男「じゃあ、俺はこっち」

女「あ、うん。じゃあね」




男「ん。それじゃ」

女「ん。ありがと」








恋の道半ば

おわり




この章はここで終わりです。
続きは後日、このスレに書いていきます。

レス、読んでくれて、ありがとう。



B組
教室前

ガヤガヤ



男友「男ー」ニヤニヤ

男「よ…う。なんだよ?」



男友「いやあ別にい?」ニヤニヤ

男「今日は朝から、気持ち悪いな」



男友「おい、さりげなく傷つけるな」

男「ああ。悪気しかない」



男友「おいおい。…ま、仲良くやれよ」

男「…聞いてこないのか?」



男友「聞いてほしいみたいだからな」ニヤ

男「あーはらたつー」


男友「ははは。じょーだん」

男「いや、原たつのり」

男友「でたー略すなよ」ハハ


男「MJのがいいか?」

男友「いや、もう腹一平だわ」


男「でたよ、腹家長男」ハハ

男友「巨人入団だな」

男「あはは。間違いない」


男友「なー。あ、そうそう。これ鍵」サ

男「ん、ああ。チャリのか」ス


男友「さんきゅ。あ、あとな」

男「?」



男友「女さんはモテるぞー」

男「なんだよそれ」

男友「もう幼稚園から10年以上だ。お前は顔見りゃ分かんだよ」




男「先は見ない」

男友「へへっ」




男「笑うな」

男友「いや、大丈夫だよ。お前は」

男「ん」




キーンコーン…


男友「んじゃあ行くわ。今日も借りてやってもいいぜ?」ニヤリ

男「今日は放課後部活だからいいんだよ」




男友「そりゃ残念。んじゃなー」

男「うい」




男友「あ、空気入れといたからな。調子のって転倒しろよー」ニッ

男「プラマイゼロだな」

男友「あはは。ちげぇねぇ」ハハ




E組
教室前
ガヤガヤ


女友「HEY!か~のじょ!」

女「…」

女友「はいそんな顔しない」




女「いまどきそんなこと言う?」

女友「でも嫌いじゃないでしょ」

女「そりゃ女友がやればね」




女友「男くんなら?」

女「そんなこと言わない気がする」




女友「笑わせながら引き込ませる、って感じ?」

女「見てたのね」




女友「いいじゃん、隠してるわけじゃないし?」

女「まあねー」




女友「さっきはどうだった?」

女「楽しかったよ。でもさ」




女友「でも?」

女「自分だけ楽しみすぎちゃったかも」

女友「不安?」




女「…んー」

女友「それ、ずばり証拠」

女「ん」




女友「抑える方が不自然じゃない?」

女「んー」




女友「そういう不安は考えずに、手放さないとね」

女「…そね」




キーンコーン…


女友「あ、一限目古典だっけ?」

女「うん」




女友「資料集いるんだよね?」

女「うん。ロッカー?」




女友「うん。ダッシュで行ってくる」

女「ん。いってらっしゃい」








キーンコーン…


男「(…放送室行くか)」

男「(……)」




男「(……どんなものが好みなんだろう…?)」

男「(……いや。自分がいいと思ったものじゃないと、相手に伝わらない)」

男「…」




昼休み


美術部
部室

シーン…


ガラ


女友「あ。…何してんの?」




女「ん…いや別に」

女友「別にってことはないでしょ~?」




女「しずかに、ぼーっと、してんの」

女友「…ならここのスピーカーきろうか?」




女「いいの。そのままで。」

女友「あ、そ。昼ごはんは?」




女「もう食べちゃった」

女友「はや」

女「んー」紙パック茶ピュー




女友「今日いい天気だよ?屋上は?男くんは?」

女「なんか『はてな』が3つもあるね」




女友「…ねぇ」

女「なに?」




女友「もしかしてさ」

女「ん」




女友「男くん、ここにくる?」

女「来ないよ」




女友「あ、なら一緒に食べるか」

女「どしたの?」




女友「…あ、もしかして放送部とか?いや、それはないか」

女「…」




女友「え」

女「…」

女友「そうなの?」




女「…女友って、昔から勘良すぎない?」

女友「あ、ほんとに放送部なんだ?」




女「そうみたい」

女友「へえー何か意外ね」

女「ん」




女友「それでひとり、静かなここにいるわけね」ニヤリ

女「…ん。教室はちょっとね」




女友「そうねー」ニヤニヤ

女「なにー」




女友「や、何でもないよ別にー?羨ましいなぁ~って」ニヤニヤ

女「それ、何でもなくなくない?」




女友「ぴんぽーん、正解は」

女「…」

女友「はいはいはい。そんな顔しない」




女「越後製菓でしょー」

女友「そろそろ女用の新しいフリ考えなきゃなぁ」

女「いいから」

女友「ふふふ」




ブーブー

女「?」




女友「あ、電話。行かなきゃ。じゃね~」

ガラ パタン

女「…(…?何しにきたの?)」





キーンコーンカーンコーン…




今日はここまでです。
続きは後日更新します。

保守、レスポンス、読んでくれて、いつもありがとう。




…キーンコーンカーンコーン


女「…(始まる。窓開けよ)」スッ




ガラガラガラガラ

スーッ
カーテン フワーッ


女「んー(…風が気持ちいいー)」ノビー








スピーカー
--------------------
ひかりのふるさと
青葉市子
うたびこ
--------------------



女「(…あ、始まった…)」


女「…」




フワー
女「…」

女「…(いいなー)」

女「…」茶スー




女「…」

女「(…柔らかくて綺麗…)」




女「…(…ひかり…透明…)」

女「…(…音楽室…廊下…青空…屋上…)」

女「…(…色んなものが見えてくる)」


女「…」


カーテン フワリ






--------------------
トランジスタラジオ
山崎まさよし
COVER ALL HO!
--------------------



女「…(次は何かな)」

女「…」

女「…(…夏が始まるなー…)」




女「…」

女「…(あ、いい)」




女「…」

女「(これ男と同じだ。山崎まさよしかな……たばこは、なかったけど)」




鳥チュンチュン


女「…(面白い歌詞)」

女「…」

女「…(なんか…会いたいな)」




女「…」

女「(…曲名なにかなあ)」


女「…」茶ピュー


カーテン フワー






--------------------
Blackbird
Kenny Rankin
Silver Morning
--------------------



女「…」

女「…(…優しい…木漏れ日かな…)」




女「…」

女「…(何て言ってるんだろ…?)」




女「…」

女「…(今日はこういう感じなんだ)




女「…」

女「…(…空がきれい)」

女「…」




女「…」

女「…(男も…見てるかな)」

女「…」



チュンチュン






--------------------
森花処女林
井上陽水
カシス
--------------------



女「…(あ、これ知ってる)」

女「…」




女「…」

女「…(ゆったりだな)」




女「…」

女「(…歌う声が澄んでて…正月のおとそみたいな感じ…あ、確かに。)」




女「(…オムレツに顔書きたい)」

女「…(ナイフで裂いたら半熟のやつがいいなー)」




カーテン スー







男『今日の曲目は…

女「ん」




女「…(…そらそうか)」

男「…山崎まさよしでトランジスタラジオ…」

女「(トランジスタラジオね)」






キーンコーン…



女「(終わっちゃった)」

女「…(全部良かったな)」スッ

女「(夜メールしてみよ)」




放送室


男「…」カチャ トン

男「…終わった」

男「…(夏休みまでに、久石譲のSummerだな)」




男「…」

男「(…今日は空が綺麗だ)」

男「…」




男「…」

男「(…女も…見てるかな)」

男「…」



チュンチュン






今日はここまでです。
ありがとうございました。






キーンコーン…
HR後



E組

女「…」

女「…さて」


女「…(…今日は作品進めないと…さき帰っちゃうかな…)…でもまあ、そうだよね」

スッ 

スタスタ…

モブ「?」


 



B組

男「…」

男「…行くか」


男「…(…放送部の月例会議か…面倒だ)」

スッ

スタスタ…




つづく。






キーンコーン…
最終下校時刻


下駄箱



女「あ」

男「お」




女「今帰り?」

男「女も?」

女「うん。美術部だから」

男「美術部なんだ?」




女「そう。男は?」

男「放送部の会議」




女「ん、じゃあさ」

男「帰ろうぜ」

女「うん!帰ろー」




スタスタ


女「あ、自転車か」

男「いいよ」

女「…今日さ、歩いて帰らない?」

男「へいき?」




女「だいじょうぶ」

男「…そうしよう。今日、空綺麗だし」

女「あ。男も見てた?」




男「女も?」

女「うん。なんか、嬉しい」

男「今日は特に綺麗」

女「ね」




スタスタ
カラカラ…



男「日が延びたな」

女「のびたねー」

男「雲からこぼれてないやーつだけど、へいき?」

女「あはは。うん。へいき」

男「そっか」




女「うん。天使の梯子でしょ?」

男「そう」

女「あ、今日の放送良かったよ」

男「良かった。ありがとう」




女「どういたまして」

男「ハマった?」

女「今世紀最大にねー」

男「それ力水じゃん」

女「よく分かるね」




男「よく飲んだ。炭酸入りのスポーツドリンクみたいな」

女「ビンのやつで」

男「デカビタか迷うんだ」

女「あはは。そうなんだ」




男「ん。…今日の中で、どの曲が1番好き?」

女「全部好きな感じだったよ。2曲目のさ」

男「うん」

女「トランジスタラジオってさ」

男「うん」




女「どのアルバムに入ってるの?」

男「…」ガサ

女「?」

男「これ」ス




女「あ、これ初めて見る」

男「このアルバムは全部カバーなんだ」

女「新曲っていうか、オリジナルじゃないんだ?」

男「そう。もとはRCサクセションの曲で」




女「え、デイドリームビリーバーを歌ってる人の、違うバンド?」

男「そう。知ってるね」

女「いやCMで使われてて、声が気になって調べたことあって」




男「そうなんだ。ボーカルの忌野清志郎さんはキングオブロックって異名があるらしい」

女「へえー。なんか、世の中にはキングオブ なんとか がたくさんいるね」

男「確かに」




女「マイケルもでしょ?」

男「ああ、MJね」

女「そう、それそれ」




男「これを聴いてて思うんだけどさ」

女「うん」

男「昔はトランジスタラジオだけど、歌詞を現代版に変えるとさ」

女「?」




男「屋上で聴いてるのは、スマホのラジオアプリなんじゃないかな、と思うんだ」

女「ああ。なるほど」

男「でもそれじゃ、なんだか今過ぎて、違う雰囲気になるなあってさ」




女「たしかに…内ポケットにーいつもー、スマホノラジーオ アプーリー、ごろわる!」

男「はは。な」

女「デジタル感が雰囲気変えちゃうなあ」

男「うん。そう思う」




女「でも山崎まさよしなら、早口で歌いそうだよね」

男「ありえる」

女「3曲目は何て歌ってるの?」

男「あれは、もとはビートルズの曲で」




女「あ、そうなんだ」

男「うん。それの木漏れ日で弾いてるバージョン。勝手な解釈だけど」

女「はは。でもそう思う。そんな感じしたよ」




男「今日みたいな空でさ、昼寝とかして」

女「頭空っぽにするの?」

男「そう。女の得意なやつ」




女「なーんか褒められてる感ないんですけど」

男「そんなことない。自然体だから」

女「さらに褒められてる感減ったよ?」




男「褒められたい?」

女「そりゃあ多少はね」

男「…女ってさ、雰囲気良いよな」

女「えっ」




男「ウソ」

女「えー」

男「じゃない」

女「えー…」




男「気が済んだ?」

女「少しは…でもさ」

男「?」

女「自分だけ相手を褒めるなんて、ズルくない?」




男「どうして?」

女「今度はわたし」

男「ほら、その感じ。良いじゃん」




女「だから」

男「はいはい、どうぞ。良いのよろしく」

女「…そう言われると何かなぁ」




男「乙女心は複雑だ」

女「あ、バカにしてるでしょ?」

男「女がそう思うなら。俺は違うけど」

女「なーんか、イライラするなぁ」




男「男はイライラさせるのプロいよ」

女「逆にお金払えって感じ」

男「イライラした?」




女「請求額はなかなかだよ」

男「からかいました。もう、しますん」

女「どっちだよー」




男「ほら。…だから、いじめたくなった。生まれてはじめて」

女「にしては手慣れてる感あったけど?」

男「初めてにしては、優しくいじめることが、できたと思います」




女「優しくいじめるって、なんか矛盾してない?」

男「優しい嘘みたいな」

女「そういうこともやるんだ?」

男「相手が相手ならね」




女「ああ、そうですか」

男「怒った?」

女「怒ってない」




男「ほんとは怒ってるね」

女「いいえー」




男「じゃあ嬉しかった?」

女「いいえ」




男「ほんとは怒ってるでしょ」

女「いいえ。しつこい」




男「あ、ヨーグルトですか?」

女「いいえ、ケフィアです。って、ばかか!」




男女「「…」」

男女「「っぷっ…」」

女「あはは」




男「いじめがいがあるって言われない?」

女「言われるかも」

男「すごいよな」




女「何が?」

男「よくフリが分かるなって」

女「まぁ、鍛えられるからね」




男「鍛えられてるの?」

女「あ、うん。なんか、そういうの担当みたい」

男「…やっぱさ」




女「?」

男「良いよな、雰囲気」




女「…」

男「…」

女「じょーだん?」




男「いや、『本気』と書いてマジ」

女「『嘘』って書いて、リップサービスじゃないの?」

男「…それさ」

女「?」




男「もらっていい?」

女「芸人か」

男「いいえ」




女「あー、言わなきゃ良かった」

男「ヨーグルト、スキ?」

女「え、まぁ」

男「ドシテスキ?」




女「え、お腹に優しいし」

男「あとは?」

女「…あまi―」

男「アリガトーウ」




女「…」

男「…怒った?」

女「はい」

男「あ、マジだ」




女「分かる?」

男「伝わる」

女「どんな風に?」

男「なんか、」

女「ドォーモアリガトーウ」




男女「「…」」

男女「「…っぷっ」」

男「なんだよ」ハハ




女「お返しにー」

男「やられた」

女「たまには、私も?やりかえさなきゃ」




男「1本とられたな」

女「トゥーシェね」

男「トゥーシェ?」




女「フランス語で『1本とられた』って意味」

男「フランス語なんだ?」

女「うん。海外ドラマで使ってた」




男「うん」

女「もじゃもじゃした犬みたいな警官が」

男「うん」

女「綺麗な捜査官と話してるの」

男「小気味いい感じで?」




女「そう」

男「そういうの覚えてるんだ?」

女「そりゃフラれるの担当だし?」

男「はは、そっか。あ、そういや」




女「ん?」

男「マルシェもフランス語じゃなかった?」




女「カレー?」

男「それはハウス」




女「上がってんの?」

男「皆はっきり言っとけ!」

女「あがってーる」

男「じゃなくて」




女「うん」

男「楽しかった?」

女「うん。男は?」

男「フられるって、こんな感じだよな」




女「どっちが好き?」

男「うーん。場合による」




女「親しい友達となら?」

男「半々」

女「私と、だったら?」




男「そりゃー」

女「ドウモアリガトーウ」

男「いま絶対くると思った」

女「2-1ねー」

男「まったく」







テクテク…
カラカラ…



女「あ、あそこ曲がる」

男「ん」




女「今日は歩いてくれてありがと」

男「こちらこそ、どういたまして」

女「ふふふ」




男「いま言わせたな」

女「バレたか」

男「…あ」




女「?」

男「これ、CD」

女「?どうして?」




男「初めて見る、って言ってたから」

女「え、でも」

男「他のも良い曲だから。聴いてみて。はい」スッ




女「ん。…ありがと」

男「どれが好きだったか、感想」

女「うん。分かった。ありがと、嬉しい」




男「言わないよ」

女「えー」

男「もういいだろ、今日は」

女「分かった。じゃあ」

男「?」




女「メール、するね。感想」

男「ああ。待ってる。…けど」

女「?」




男「今日は俺からする。そうさせてくれ。頼む」

女「…分かった。じゃあ、待ってる」




男「さんきゅ。それじゃ」

女「ん。あとでね」









恋の8合目  おしまい




おはようございます。
おやすみなさい。

続きは、このスレに書きます。
読んでくれてありがとう。






男 部屋

ブーッ

スッ
男「?もしもし」




男友『お、ういす。昨日は自転車サンキュな。実はお願いなんだけど、明日の帰りも借りれたりする?』

男「良いけど何かあったのか?」




男友『あした妹迎えに行くんだけどさ、俺のチャリいま撤去所にあって。遅いとあいつ悲しむから早めに行ってやりたいんだわ』

男「良いよ。分かった」




男友『助かる!これで泣かれずに済むわ!』

男「兄貴もいろいろ大変だな」




男友『うちは共働きだからな。しょうがない。あ、女さんとはどうなった?』

男「どうなったっていうか、今日も一緒に帰った」

男友『良いじゃん。やるじゃん』

男「なんだよそれ」




男友『お前はオクテっていうか、むず痒いからなー。出過ぎたか、くらいがちょうどいい』

男「俺は出過ぎてるのか?」

男友『いや詳しくは分からんが、その心持ちは忘れない方がいんじゃないか?』

男「そうか。そうかもな」




男友『でも女さんは、そういうとこも分かってるのかもな』

男「奥手なところか?」

男友『そう。引っ込んでるところも分かってて接してるのかもしれん』

男「よく分かるな?どうしてそう思うんだ?」




男友『いや、なんとなくだよ。2人のときの空気が、何となく優しかった感じしたからな』

男「そうか?」

男友『間違いない。喜んでいいことだと思うぜ』




男「…さんきゅ。でもよく分かるな。俺は雲を掴むみたいな感じだ」

男友『人のことならよく分かる、ってやつ。当人はそれが普通だろ』




男「そういうもんか」

男友『そういうもんだ』




男「お前はどうなんだ?」

男友『俺は今それどころじゃない感あるんだよ。妹の世話もあるし』

男「今それどころじゃないなら、いつ来るんだよ。気になる人くらい居そうだけど」




男友『まぁな。…お前さ、E組の女友さん知ってるか?』

男「うーん、分からん」




男友『よく女さんと一緒にいるんだ。活発な感じの人で』

男「…もしかしたら、すれちがってるかも。気になるんだ?」

男友『なんか、なんとなくなー』




男「話したりは?」

男友『それは、まだなんだけどな』

男「伝えてみようか?」

男友『女さんに?なにを?』




男「男友が女友さんのこと、気になってるみたいって」

男友『お前、そりゃ出過ぎだろ』




男「そうか?」

男友『そうだよ、2段は飛ばしてる』




男「でもお前だったら悪い気はしない。あとは好みの問題だ」

男友『人のことだと言うなー』




男「そういうもん、だろ?」

男友『はは、そうだな』




男「それとなく聞いてみる。タイミング良いときに」

男友『サンキュ。あ、妹が呼んでるから切るわ。それじゃな。いろいろありがとな』

男「うす。鍵、明日渡すわ。さんきゅ、じゃな」

男友『ういすー』

スッ




女 部屋


ブーブー

女「ん?メール」




女友『もうメールした?』

女『だれに?』




女友『男くんにー』

女『今日は待ちみたい』




女友『待ちって?』

女『今日は自分から送りたいんだってさ』

女友『どうして?』




女『分からないけど、何となく固定観念があるんじゃないかな』

女友『連絡は男からするもの的な?』

女『そんな感じかなぁ、たぶん』




女友『そんなことないのにね』

女『まね。でもそういうこと言いそうだし、それが男っぽい』




女友『へぇ~そういうとこも好き?』

女『ニヤニヤしてない?いま』




女友『してないよ~』

女『なら良いけど』




女友『どういう所に惹かれるのかは知りたいけどね』

女『一言で言うと、不器用なところかな』




女友『高倉健さん的な?』

女『もっと爽やかだけどね』




女友『あとはどんな所?』

女『あとは話が合うとことか。もっと話したりして、もっとたくさん知りたい』




女友『一緒にいて楽しいんだ?』

女『うん。楽しいよ』




女友『それが大事よね。明日も一緒に行くの?』

女『まだ分からない』




女友『誘ってこなかったら、自分から誘う?』

女『うーん、たぶんね』




女友『たぶんって?』

女『誘ってくる気がする。いや正直に言うと、誘ってきて的な意味で笑』

女友『その本音だいじ笑』




ブブブー

女「あ、メールきた」

女『大切にするよ笑 男からメール着たから返信するね』




女友『はーい、また明日ね~』

女「(…気になるんだろうなあ)」




今日はここまでです。
遅筆なSSに付き合っていただき、嬉しいです。ありがとうございます。




スッ

男『CD、どうだった?』

女『良かったよ。トランジスタラジオも良いけど、Sweet Memoriesと、いかれたBabyも好き』




男『良かった。好きそうな気がしたんだ』

女『ありがと。男のオススメをもっと聴きたい』




男『どんなのがいい?』

女『最近たまたま気付いたんだけど、明るい曲は、ほど良く明るい方が好きで、悲しい曲や切ない曲は、とことん突き詰めてるのが好きなんだ』




男『暗い曲は?』

女『あんまり聴かないかな』




男『分かった。用意する』

女『ありがと』




男『言ってほしい?』

女『だよね笑 今日はもう良いけど、明日も聞ける?』




男『好きだね。言うよ、たぶんたくさん』

女『すきだよ。』




男『明日の朝は何かある?』

女『なーんにもないよ』




男『それなら一緒に行くのはどう?』

女『行く。今度は急がずに笑 でも自転車じゃなくて良いの?それが気になってて』




男『ありがとう。明日は自転車貸すから学校の最寄り駅からになるけど、それでも良い?』

女『1つ提案していい?』




男『なに?』

女『私もさ、自転車で行ってみるから、2人で押しながら行ってみない?』




男『良いけど、良いの?』

女『うん。電車だと混んじゃうし、あんまり話せないから』




男『そっか。良いね、楽しそう』

女『じゃあ決まりね。時間は何時が良い?』

男『今日帰り別れた所に、7時45分は?たぶん8時25分までには学校に着くよ』




女『分かった。そうしよう。今日はどうして自分から連絡するって言ったの?』

男『最初に送られるより、自分から連絡するべきだと思ったんだ』

女『どうして?』




男『男は待ってないで、自分から発信するべきだから。その方が自然だと思う』

女『そうなんだ。嬉しいし、そういうことを言っても違和感なく聞こえる。それって魅力だよ』




男『ありがとう。それでも男がどんなに発信しても、男は女性に選ばれてる気がするよ』

女『それって、お互い様じゃない? 誰でも良いってわけじゃないだろうし。 それに逆のことだってあると思うよ』




男『そうかなあ。でもまぁ、そうなんだろうね』

女『腑に落ちない感じ?』




男『いや、俺は女性になったことないから分からないけど、「そういうものかな」って感じてるんだ』

女『私も男性になったことないけど、選ばれてる女もいると思うよ』




男『それって、何か寂しいな。女性は男を選ぶ側にいるべきだよ』

女『優しいんだね。私は男性も女を選ぶ側にいてほしいし、選ぶ・選ばれるは男女関係なくお互い様だと感じるかな』




男『そういうものかな。でも何より、こういう話が異性と出来るっていうのが嬉しいなって思った。生まれて初めてだから』

女『私もだよ。嬉しいです。何て言うべきかな。嬉しがってくれて、ありがとう?』




男『どういたまして』

女『言ってくれるんだ笑』




男『本気と書いて「マジ」だからさ笑』

女『リップサービスじゃなくて?笑』




男『リップサービスはもっと軽いときやるよ笑』

女『分かった笑 楽しみにできたりする?』




男『たぶん。発信するのと相手を喜ばせるのが、男の仕事だし』

女『じゃあ、それもお互い様で女の仕事にさせてもらいます』

男『ありがとう。』




女『それが嬉しいけど、キリがないから止めとくよ笑』

男『キリないな笑 分かった』




女『夕飯なんだった?』

男『今日はマーボー春雨。大好きなんだ。たまに、すごく食べたくなる』




女『そうなんだ。どういうところが好き?』

男『味かな。 ご飯が止まらなくなる、あの感じ』




女『1回ご飯の上に乗せたりする? 私はする笑』

男『絶対にやる笑 汁がもったいない』




女『そうそう!あの汁が美味しくさせてるもんね。汁もいく?笑』

男『少し。ほんとは全部いけるけど笑 とにかくもったいない感じ』




女『笑 そのもったいない感じ、すごくよく分かる。 ご飯に合うオカズは、自分の味方っていうか笑』

男『確かに笑 小さい頃は食べられるものが今より少なかったから、それの名残かな』




女『そうかもね。嫌いなものを避けられるようになったし』

男『女の場合は、自分で作れるからすごいよな』




女『そうかな?我が強いだけだよ笑』

男『そういうところが魅力なんだろうな』




女『褒め合いだね笑』

男『さっきのお返し』




女『そっか笑 ありがとう』

男『今日の夕飯の予想は?』




女『今日は炒め物かな。換気扇によると、テフロンで炒めてるぜ!って感じでした笑』

男『その返しは嬉しいな。 テフロンってなに?』




女『フライパンの種類だよ。テフロン加工って言って、汚れが落ちやすくなってるの』

男『初めて知ったよ。鍋の種類で匂いが変わる?』




女『変わるよ。家庭科で習わなかった?』

男『どんな風に? 完全に忘れてる』




女『テフロンのフライパンは火の入り方が違うし、他にも色々あるんだけど、匂いとか湯気の温度が違うから感じれば誰でも分かるよ』

男『そうなんだ。料理も奥が深そうだ』




女『うん、ときどき嫌になっちゃうくらい深いよ笑 たぶん今日は肉と野菜の炒め物。おそらく、チキン笑』

男『もし正解なら、あした何か奢る笑』




女『やった笑 あ、土曜も良いよ?笑』

男『チキンハヤシの味次第だな笑』




女『今ので気合いが入りました』

男『おす。楽しみにしてる』




女『ありがとう。 今から夕飯だから当ててきます』

男『外れないんだろうな笑 行ってらっしゃい』




今日はここまでです。
遅くなって、ごめんなさい。
保守ありがとう。



Bee Gees/How Deep Is Your Love




男「…(今まで聴いてきた曲が、今までと違って聴こえる…)」




ゴロン



男「(…女…)」

男「…」

男「(…一生懸命な時の顔、綺麗だよな)」




ブーッ


男「…」



スッ




女『当たってたよ~中華風でした』

男『おめでとう。中華風って?』

女『「中華あじ」っていう調味料が入ってたから、中華風だよ』




男『よく分かるな。好きな味?』

女『好きな味だったよ。結構分かりやすいんだ、味を決めちゃうから』




男『顆粒の出汁みたいなやつ?』

女『そこに調味料を加えた感じかな。便利なんだよね』

男『そうなんだ。調味料と、でじる、だな』




女『分かって言ってるでしょ笑』

男『鉄板ネタだから笑』

女『そういうことは憶えてるんだね笑』




男『こういうのは絶対忘れない笑 家庭科は今も全くダメだけどさ』

女『そうなの?匂いで中身が分かるのに?』




男『感じることはまだ出来るみたいなんだけど、作ったり縫ったりNG』

女『事務所に止められてるの?笑』




男『小学生の頃からだから、もう10年?』

女『10年以上じゃない?笑』

男『家庭科担当になってもらいたいくらいだよ』




女『本気と書いて、まじ?』

男『リアルガチで』

女『何か嘘くさい笑』




男『俺もそう思う笑 でも本当に』

女『私でいいの?』




男『っていうか、女が良いんだけど』

女『私は何をしたらいいですか?』

男『まずは土曜の昼食を作ってくれたまえ』




女『かしこまりました。』

男『それって家政婦?』

女『よく分かるね、ミタさんのまね笑』




男『やっぱり笑 相変わらず少し古いな笑』

女『男には言われたくないなあ~』

男『いや、せめてお互いさまじゃないか?笑』

女『確かに笑 その方がしっくりくる笑 古い話題が通じないときって、どうしてるの?』




男『こういう話題は女にしか喋らない。あとは自転車貸した男友くらいだな』

女『そうなんだ。もっと話してもいいよ~??』




男『いや、何かもったいない気がする』

女『えー笑 どうして?』




男『女と話してると自然な感じがするんだ。その感じって、なかなか無いから、メールじゃなくて会って話したくなる。何かすごく不思議な感じ。それが上手く言えないんだけど』

女『じゃあたくさん会って、たくさん喋ろう。私もそうしたいな』

男『そうしよう。土曜、大学行ったあとは時間ある?』




女『その日は1日空いてるよ』

男『じゃあ散歩でもしよう。疲れたら甘いものでも食べようぜ』

女『良いね、男の奢りだね笑』




男『はいはいはい』

女『その言い回し、マネする笑』




男『珍しいよな。ふつう、そんなこと言わないと思うけど』

女『そうかな、まわりが良さに気づいてないだけだよ。私は、何で気づかないんだろう?って思うよ』




男『そういうもんかな。嬉しいけどさ』

女『けどって?』




男『いや、まわりが何考えてるのか、よく分からないから』

女『私も、男が何を考えてるのか分からないよ笑 でも、知りたいって思う。男が何を考えてるのか教えてほしいです』




男『いくらでも教えるよ。何を知りたいの?』

女『たとえば、男が好きな曲とか、好きなアートとか、あとは人の好みとかさ』




男『好きな曲は今度聴かせるよ。好きなアートは色々あるから話す。俺も女の好みを知りたいし、 話を聞きたい。人の好みも、自分でもまだよく分からないから、逆に女が何を考えてるのかを教えてほしいって思ってる』

女『ありがとう。私もさ、自分の好みを完全に把握してるわけじゃないんだ。だから、だんだん知っていければいいのかな』




男『そう思う。自分の好みって、分からないものは本当に分からないもんな』

女『そうだね。そういうのってさ、ふとしたときに分かるときあるよね』




男『あるある。なんでもない時に自分を理解するの、けっこう楽しいよな』

女『うん。そういうときに「いま何考えてるんだろう?」って思うよ』




男『そっか。ふとしたときって、無防備で、ぼーっとしてるときだな。屋上いるときとか』

女『そうなんだ。屋上好きだもんね笑』

男『人のこと言えないだろ笑』




女『まあね~笑 まだメールしてたいけど、そろそろお風呂に入ります。時間見てびっくりした笑』

男『分かった。俺もそうする。こういう話、誰かに初めて話したよ。女って、受け皿がひろいよな。それが女の魅力だと思う。なかなかいない、女くらい優しくて強い人は』

女『どうしたの?』




男『いや、どうもしない。ずっと思ってたんだ。優しい人は強いんだよ』

女『いや、どうもしてるよ笑 お風呂入れなくなっちゃったじゃん』




男『どうして?』

女『だって急に褒めるし』

男『さっきのお返し。まだ他にもあるんだ』




女『それって、新手のいじめだよ』

男『別に冗談で言ってるわけじゃない。感じたままだよ』

女『だから、その直球がいじめなんだってば』




男『風呂に入れなくなったから?』

女『それに、眠れなくもなるかも』

男『でも嘘じゃない。これが俺の気持ちだから』




女『はい、もうおしまい』

男『傷つけたなら謝るよ。ごめん』




女『そうじゃないです。ただ、私にも男に伝えたいことがたくさんあるんだよ。でも今じゃないと思うから、言わないの。ちゃんと会って伝えたいから。だから、またあした。絶対遅れないよ』




男『分かった。俺も遅れないようにする。 それじゃ、またあした』

女『うん。分かった、おやすみなさい』




つづく。






女「あ、もういた」

男「おはよう」




女「おはよ。待った?」

男「そうだな。8時間以上は」




女「あはは。そうだね」

男「ああ。行こうか」

女「うん」




カラカラ…カラカラ


男「入った?風呂」

女「うん。入ったよ。長湯しちゃってさ」




男「のぼせた?」

女「少しだけ。お風呂長く入れる?」




男「入れるよ。熱いのが好きだな」

女「43℃くらい?」




男「そうだね。女は?」

女「私は41℃くらいがいいかな」




男「入りながら、ぼーっとする?」

女「するする。かなり好きな時間なんだ」




男「そういうときに自分に気づいたりしない?」

女「するね。メールのやつだね」




男「うん。自分を知るっていうか、確認してるって感じだよな」

女「確かにね。嫌なこととか、失敗したこととかも思い出したりする?」




男「ああ。思い出したくないことも思い出すよ」

女「そういうときはどうしてるの?」




男「どうしてるって?」

女「対処法?みたいのがあるの?」




男「うーん。さっさと忘れる、かな」

女「ん、やっぱそれだよね」




男「女もそういうときがあるんだ?」

女「あるある。苦さで声が出そうになるよ」

男「あはは。よく分かる」




女「男も声が出る?」

男「でるよ」




女「そうなんだ。ちょっと意外かな」

男「そう?」

女「うん」



男「そういうときは、アウトプットすると良いって聞いた。さっさと忘れるために」

女「アウトプット?」





男「そう。声に出したり、紙に書いたり『発散』すると良いって」

女「あーなるほどね」

男「うん」



女「男はさ、どんな感じなの?私は、んー!ってなる」

男「はは。俺も堪える感じだな」




女「グッ!って?」

男「そう。そんな感じ。足を強くにぎる時がある」




女「それって、足痛くならない?」

男「なる。やりすぎると特に」




女「でも止めないんだね」

男「クセだからさ。足の痛みで、どれだけ悔しいかが分かる」




女「あはは。分かりやすくていいね」

男「もっと力を抜ければいいんだけどさ」




女「力みの失敗って多いもんね。そのために瞑想したりしてるの?」

男「うん。ゆるーくしたいんだ。俺はただでさえ重心が重い気がするから」




女「重心が重い、か。じゃあ軽い人って、どんな人?」

男「うーん…ちびまる子ちゃんの山田くんとか」




女「あはは。確かに」

男「ちょっと違うか。でも、結構憧れるよ」




女「どうして?」

男「…きっと自分にないものだからだな」



つづく




女「じゃあ、ないものねだりだね」

男「ああ…そうなんだろうな」




女「でも…その代わりに、別のものがもうたくさんある、ってことなんじゃないかな」

男「別のもの?」





女「うん。男にしかないものがさ」

男「…俺にしかない…どんなもの?」




女「んー、男の魅力、かな」

男「魅力か。俺にもあるのか?それ」




つづく




女「たーっくさん、あるよ」

男「そうなのか?」




女「うん。本気と書いて、マジ」

男「ライバルと書いて、トモ?」




女「それ、漢字じゃなくない?」

男「っていうか、ライバルって、トモになりえるのか?」





女「うーん、どうだろうね」

男「経験がないからわからん」




女「男は、自分の道を行くって感じだもんね」

男「…なあ、その道には他に誰もいないのか?」




つづく



女「誰かが、そばにいてほしい?」

男「…ずっと1人は嫌だよ。俺は1人も好きだけど、ずっとひとりは嫌だよ」




女「やっぱり、そうだよね。でもさ、ならどうして彼女がいないの?」

男「うーん」





女「誰かに言い寄られたりしない?」

男「告白されたことはあるよ。でもさ」




女「でも?」

男「何となく分かるんだよ」




女「何を?」

男「何でも話せる相手にはならないだろうなって」





女「自分をさらけ出せないってこと?」

男「ああ。話してて、深い話のキャッチボールが上手くいかないだろうなっていうのを、雰囲気から感じちゃうんだよ」





女「それはどうして分かるの?」

男「相手は自身のことだけで精一杯なんだろうなって感じたり、女には言ったけど、受け皿が小さく感じたり、価値観が自分とは違ったりしてさ」




女「あー、なるほどね。そういうのも分かっちゃうんだ」

男「ん。自分に合いそう合わなそうっていうセンサーが、敏感なんだと思う。俺はクセが強いから」




女「そのセンサー、あるよね。今までに良かった人はいる?」

男「いるけど、友達のお母さんとかだよ」





女「あら。禁断の恋にはならなかったの?」

男「そういうんじゃない」




女「あらら、それは分からないよ~?向こうはその気があったのかも?」

男「それじゃ昼ドラだ。…っつうか、その顔、楽しんでるな」




女「えへへ。バレたか。どうして分かったの?」

男「顔がニヤついてる。攻めるのを楽しんでる、って感じだな」





女「だってそんなこと出来るとは思えないんだもん~」

男「どうして?」




女「だって、メールですら『男たるもの、かくあるべし!』って感じだからさ。そういうことを器用に出来るとは思えないよ」

男「…そうだな。図星で何も言えない」




女「堪忍した?」

男「ああ。堪忍した」




女「参った?」

男「参りました」




女「許してくれる?」

男「別に怒ってない」




女「負けてくれてありがとう」

男「どういたまして」




女「ふふふ」

男「また言わせたな」

女「バレました。ごめんなさい」




続きます。
読んでくれる方がいたら、感謝しかないです。

ちゃんと、終わらせます。






テクテク カラカラ…

女「男はさ」

男「ん?」

女「不器用なところが魅力だよ」

男「不器用が魅力?」



つづく



女「うん。不器用な誠意が伝わるところ」

男「不器用な誠意って?」

女「男の、一生懸命なところ。伝えてくれようとする、意志っていうか」

男「意志か」




女「うん。あんまり器用じゃないから、伝わるの」

男「矛盾はしてない?」

女「してないよ。むしろ効果的」

男「そっか」




女「うん。あとは、自分が見えてるところ」

男「うーん、見えてるといいんだけど」

女「だって、自分は重心が重い人間だ。なんて、同年代から聞いたことないよ」

男「みんなは、分かってはいるんだけど、自分に気付いてないだけだよ」




女「じゃあ、それに気づいてるところ」

男「なんで気づかないんだろうな」

女「考えてもないんじゃないかな。それが普通だと思う」

男「俺は普通じゃないか」




女「うん。そこがすごく魅力だよ」

男「そうか?」

女「うん。それを、ちゃんと会って伝えたかったんだ」

男「…嬉しいよ。そう言ってもらえるのは」




女「伝えたかったんだ」

男「…自分のこと、肯定してもらえてる気がする」

女「男こと否定なんてしないよ」




続きます。
読んでくれて、ありがとう。




次回は525の続きから。




女「伝わってるなら嬉しいな」

男「…自分のこと、肯定してもらえてる気がする」

女「男のこと、否定なんてしないよ」




男「…何だか…今まで生きてきたことが全部、認められたような気さえする」

女「誰かに認めてほしかったの?」

男「…そうなんだろうな。同年代とは話が合わないし、基本は1人だから」





女「昨日言ってた、男友君とも合わない?」

男「いや…あいつだけだな。話が合うのは」

女「そうなんだ」





つづく



男「女も、そう」

女「ん」

男「女となら、ずっと話していられる」




女「それは、私もだよ」

男「ん」

女「…あしたもさ」




女「一緒に登校できる?」

男「ああ。俺も、そう思ってた」

女「やった」




男「時間が足りないな」

女「ね。もう着いちゃう」

男「…ああ」






高校 門
ガヤガヤ


女「今日はサボらないの?」

男「今日はサボらなくてもいけそうだ」




女「そっか。じゃあ、またお昼一緒に食べようよ」

男「食べる。…今日の放課後、空いてる?」




女「放課後?うん、空けられるよ?」

男「伝えたいことがあるんだ」

女「…なんだろう、な」




下駄箱


女「その、伝えたいこと、って、返事が必要なこと?」

男「…ああ。でも、なくてもいいし、その返事が何であれ、受け止めて大切にする。伝えることに意味があるんだ」




女「そうなんだ?」

男「うん。ちゃんと、伝えたい」

女「ん。わかった。…じゃあ、楽しみにしててね」




男「…。…ありがとう」

女「どういたまして~」




男「出たな。今度こそ、あーん、してもらう」

女「え、ほんとにしてあげるよ?」




男「ほんとに、楽しみにしてる」

女「楽しみにしてくれて、ありがとう」




男「はいはいはい、どういたまして」

女「あはは。じゃあ、またあとでね。待ってるから」




男「ん。さんきゅ」

女「ん。それじゃあね」









恋人のはじまり
おしまい


このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年09月07日 (月) 21:04:02   ID: MO6spgfW

独特の雰囲気で好きですー
頑張って下さい
応援してます

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