関「…………」ﾍﾟﾗ

横井(いや、そもそも授業中に雑誌を読むのもまともじゃないけど……)

横井(き、気にしたら負けよ！ 授業に集中、集中)

横井「…………」

関「…………」ｼﾞｨｰ

横井(さっきからページめくらず、同じページをずっと眺めてる)

横井(一体なにをみているのかしら)ｿｰ

関「…………」ｼﾞｨｰ

横井「えっ！」ｶﾞﾀｯ

先生「ん？ どーした横井？」

横井「い、いえいえいえ！ な、なんでもありません！」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

横井(せせせ、関くん！ なんでHなページをじっと見てるの！？)ｶｧｧ

横井(女の人の、はだか、が……)

横井(そんなの駄目だよ！ まだ早いよ！ 不良だよ！)ﾄﾞｷﾄﾞｷ

関「…………」ｴﾍﾍ

横井(うわー……完璧に自分の世界入ってるよ)

関「…………」ﾑﾑｰ

横井(あれ、袋とじ？ 開けられないの？)ﾌﾟﾌﾟ

関「…………」ｸﾙｯ

横井(え、な、なに？)ﾋﾞｸｯ

関「…………」ﾁｮｷﾁｮｷ

横井(手をチョキにして、ハサミが欲しいの？ ……でも絶対に貸さないんだから)ﾌﾝｯ

関「…………」ﾋﾞﾘﾋﾞﾘ

横井(あ、手で破り始めちゃった)

関「…………」ﾋﾞﾘｯ ｱｯ

横井(盛大に破けちゃったみたいね。授業中にそんなもの見ようとするから……)ﾌﾟｯ

関「…………」ｷﾞﾛｯ

横井(な、なんか睨まれてるぅー！ 笑ったから？)ﾋﾞｸﾋﾞｸ

横井(でも、授業中にそんなもの見ようとするからバチが当たったのよ)ﾌﾌﾝ

関「…………」ｳﾙｳﾙ

横井(え、泣きそうなの？ そんなにそのページ見たかったの……？)

横井(男の子ってよくわかんないなぁ)ﾊｧ

関「…………」ｽﾞｰﾝ

先生「黒板そろそろ消すぞー」

横井(え、まだ写してないのに……！)ｱﾜﾜ

関「…………」ﾊｧ

横井「……」ｶｷｶｷ

関「…………」ｼﾞｨｰ

横井「……」ｶｷｶｷ

関「…………」ｶﾞﾀﾝ

横井「……？」

横井(なんか、関くんが近くなったような)

関「…………」ｿﾜｿﾜ

横井(……って気にしてる場合じゃない！ ノート書かないと！)

関「…………」ｿｰ

横井「……ん？」

関「…………」ﾋﾞｸｯ

横井(また懲りずになにかしようとしてるのね……)

関「…………」ｿﾜｿﾜ

横井(でも、私は授業に集中するんだから！)

関「…………」ｼﾞｨｰ

横井(……関くんがなにか見てる？)

横井(わ、私の教科書見てる！？ 関くん！ 遂に勉強する気になったのね！)

関「…………」ｼﾞｨｰ

横井(ふふふ、だから机を近づけたのね。しょうがないから見せてあげる) ｶﾞﾀﾝ

関「…………」ｼﾞｨｰ

横井(もー関くんったら。教科書位持ってこなきゃ駄目なんだから)ﾌﾌ

横井(わわっ、先生消すの早いよー！)ｶｷｶｷ

関「…………」ｿｰ

関「…………」ｽｽｰｯ

横井「……！」ﾋﾞｸｯ

横井(今太ももの辺りがなんかくすぐったかった……虫？)ｷｮﾄﾝ

関「…………」ﾌｩ

関「…………」ｿｰ

先生「えー、信長は苺パンツで……」

横井「……」ｶｷｶｷ

関「…………」ﾂﾂｰｯ

横井「ひゃ」ﾋﾞｸｯ

横井(も、もしかして……)

関「…………」ｿｰ

横井(関くんの手が……)ｶｷｶｷ

関「…………」ﾂﾂｰｯ

横井「んっ(私の、脚にっ！)」ﾁﾗｯ

関「…………」ｻｻｯ

横井(関くん……授業中に遊んでても、こんなことはしないと思ったのに……！)ﾑﾑﾑｰ

関「…………」ｿｰ

横井(また来た……)ﾁﾗ

関「…………」ﾂ

横井「……」ﾊﾞｼﾝ

関「…………！！」ﾋﾞｸｯ

横井「関くん。そんなことしてたらろくな大人にならないよ」ﾎﾞｿﾎﾞｿ

関「…………」ｼｭﾝ

横井(あ、落ち込んでる……でも、悪いのは関くんよ。そのまましばらく反省してるといいわ)

関「…………」ｺﾞｿｺﾞｿ

横井(あ、黒板写さなきゃ)

関「…………」ｼﾞｬｰﾝ

横井(……あれは、人形？ 関くんもお人形遊びとかするんだ。女の子みたい)ｸｽｯ

関「…………」ﾄﾞﾝ

横井(え……！ リ、リ○ちゃんハウス！？ なんてものを鞄に入れてるの！)

横井(しかも組み立て式……)

横井(というか、流石にばれちゃうよ……関くん、その辺にしときなよー……)ｱﾜﾜ

関「…………」ｽｯ ｻｻｯ

横井(……ベッド？ ということは、そこで寝てる2人のお人形は夫婦なのかな？)

父『……』ｷﾞｭ

母『……』ｷﾞｭ

横井(あ、抱っこして寝てるみたい。微笑ましいなぁ)ﾎﾜｰﾝ

父『……』ｶﾞﾊﾞｯ

母『……』ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

横井(え、お父さん！？ な、なにしてるの！？)

ｷﾞｼｯ ｷﾞｼｯ

父『……』ｶｸｶｸ

母『……』

横井(え、えぇーっ！？ お父さんが、よ、夜のプロレスごっこを！？)

父『……』ﾋﾞｸｯ ﾋﾞｸｯ

関「…………」ｸﾞﾍﾍ

横井(だらしない笑い方して……見損なったよ、関くん)ﾊｱ

横井(というか、あれって、アレだよ、ね？ 関くん授業中になんてことを……って)ｶｧｧｧ

女の子『……』

横井(子供が見てるじゃない！ そ、そんな……きっと涙を浮かべて『お父さんとお母さん喧嘩してるの』って心配してるよぉ！)

女の子『……』ｶﾞﾀｯ

父『……！』

横井(お父さん気付いちゃった！)

女の子『……』ﾀﾞｯ

父『……』ｵﾛｵﾛ

女の子『……』ﾌﾟｲｯ

横井(ああっ、そっぽ向かれちゃった……)

父『……』ｼｮﾎﾞｰﾝ

父『……』ﾊｯ ｺﾞｿｺﾞｿ

横井(お父さん、何か作り始めた？)

関「…………」ｺﾞｿｺﾞｿ

横井(あっ、女の子が大きくなった。セーラー服着てるけど、うちの制服と一緒？)

父『……』ﾌｳ

横井(これは、滑り台かな？ でも、そんなもので機嫌が直るわけ……)

女の子『……』ﾌﾟｲｯ

横井(ほらね。傷ついた女の子の心を癒すのは大変なのよ)

横井(でも、もう何年も経ったみたいだし。お父さん許してあげても……)

横井(ってあれ？ お父さんのかげにまた、小さな子が)

男の子『……』

横井(こ、この子はまさかっ！？ 弟！？ 滑り台は姉弟で遊ぶために……)

女の子『……！』ﾀﾞｷｯ

父『……』ｷﾞｭｰ

横井(良かった……仲直りできたんだ)ﾎｯ